特別展「イロのひみつ-なにいろに見る?」が、徳島県立近代美術館にて、2023年7月15日(土)から9月3日(日)まで開催される。美術作品の色に注目特別展「イロのひみつ-なにいろに見る?」は、人々の心を動かす色の働きをヒントに、美術鑑賞を楽しむ展覧会だ。会場では、多様な色覚の感じ方があることを重視し、充実した解説文などを設置。作品の良さや感じ方について、議論しやすい展示会場のアイデアを提案する、大人も子どもも楽しめる交流型の展覧会となっている。また、風景・心の色・遊びの3つのコーナーを設けて作品を紹介。展示する作品は、生涯を通じて色と形による造形的な探究を続けたアンリ・マティスによる版画集『ジャズ』より《空中ブランコ》や、河井清一《夏の朝》など。このほか、徳島県立近代美術館が所蔵する作品約120点を展示予定だ。展覧会概要特別展「イロのひみつ-なにいろに見る?」会期:2023年7月15日(土)~9月3日(日)会場:徳島県立近代美術館 展示室3住所:徳島県徳島市八万町向寺山 文化の森総合公園内開館時間:9:30~17:00休館日:月曜日(7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館)、7月18日(火)観覧料:一般 400円(320円)、高・大生 300円(240円)、小・中生 200円(160円)※( )内は20名以上の団体料金※65歳以上で年齢を証明できるものを提示した場合、観覧料半額※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の提示者とその介助者1名は観覧料無料※小・中・高生は土・日・祝日および夏休み期間は無料※本展の観覧料で所蔵作品展も観覧可【問い合わせ先】徳島県立近代美術館TEL:088-668-1088
2023年07月08日サイゲームス(Cygames)の展覧会「Cygames展 Artworks」が、2023年9月2日(土)から10月3日(火)までの期間、東京・上野の森美術館にて開催される。サイゲームスの展覧会が上野の森美術館にて開催「グランブルーファンタジー」や「ウマ娘 プリティーダービー」をはじめとする、数多くの人気ゲーム作品を手掛けているサイゲームス。本展では作品の中に登場するデザインやイラストといったアートワークに焦点を当て、貴重な資料の数々を展示する。グラブルやウマ娘など人気作品のアートワークに焦点展示タイトルは、サイゲームスの原点である「神撃のバハムート」のほか、「Shadowverse」「グランブルーファンタジー」「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」「ウマ娘 プリティーダービー」など様々。各種アートワークやクリエイターたちの試行錯誤を示す資料を通して、新たな視点から作品の魅力に触れることのできる展覧会となっている。先着3,000枚限定の特典グッズ付きチケット7月3日(月)より販売開始となるチケットは、一般チケットと特典グッズ付きチケットの2種類がラインナップ。先着3,000枚限定となる特典グッズ付きチケットには、各作品を象徴するキャラクターを描いたステッカーセット9枚入りとフォンタブストラップが付属する。開催概要「Cygames展 Artworks」開催期間:2023年9月2日(土)〜10月3日(火)開館時間:10:00~17:00分(入場は閉館30分前まで)会場:上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)<チケット>■一般チケット販売期間:2023年7月3日(月)12:00~料金:大人2,000円、大学生・専門学生1,500円、中学生・高校生800円※全日日時指定制。※小学生以下無料。※なくなり次第販売終了。■特典グッズ付きチケット販売期間:2023年7月3日(月)12時00分~料金:3,000円特典:ステッカーセット9枚入り、フォンタブストラップ※先着3000枚。※なくなり次第販売終了。© Cygames, Inc.© CyDesignation, Inc.© Cygames, Inc. / Citail Inc.© Nintendo / CygamesTHE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.
2023年07月06日大阪のランドマーク、梅田スカイビル27階にある「絹谷幸二 天空美術館」。名誉館長であり、文化勲章受章画家である絹谷幸二の特別展『ヴェネツィア祝歌』が7月7日(金)よりスタートする。絹谷幸二 天空美術館チケット情報古都・奈良に生まれた絹谷幸二は東京藝術大学を経て、イタリア・ヴェネツィアに留学。初めて目にするもの、出会う人々、街の空気、「マンジャーレ(食べて)、カンターレ(歌って)、アモーレ(愛して)」を謳歌するイタリア人の人生観、琴線にふれるイタリア・ルネッサンスの巨匠たち。「それまで私を束縛してきた日本的なるものが飛び散って、赤でも青でも、どんなイタリアの光彩も受け入れられると思った」と回想するように、ヴェネツィアでの記憶は生まれ育った古都・奈良とならぶ、絹谷幸二の原風景と呼べるだろう。本展は、70年代初期の貴重なアフレスコ(壁画の古典技法)から、ヴェネツィアでの鮮やかな記憶をたどって描かれた近作までを展示。絹谷藝術の原点を振り返る。さらに、連携展示として、奈良での境涯を原風景とした絹谷藝術の展開を辿る展覧会『飛鳥の祝歌 絹谷幸二展』[会期:10月7日(土)~12月3日(日)]が奈良県立万葉文化館で開催される。チケットぴあでは、「絹谷幸二 天空美術館」の入館券のほか、「Immersive Museum OSAKA」にも入場できるお得なセットチケット「天空美術館も見られる入場券」を発売中! セットチケットの入場期間は7月15日(土)~8月31日(木)。詳細は「Immersive Museum OSAKA」の公式サイトをチェック。
2023年07月06日英国のテート美術館のコレクションから「光」をテーマに作品を厳選し、18 世紀末から現代へと至るアーティストたちの約200年間に及ぶ創作の軌跡をたどる大規模な企画展が、7月12日(水)から10月2日(月)まで、東京・六本木の国立新美術館で開催される。中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドで話題を呼んだ世界巡回展の最後を飾るのが、東京・大阪で開催される日本展だ。数えきれないほど多彩な表情を見せる「光」をどう作品に描くのか。新たな芸術表現を追求するアーティストたちは、この難解なテーマにずっと向き合ってきた。同展は、英国のテート美術館の約7万7千点以上のコレクションの中から厳選した約120点の作品によって、18世紀末から現代までの光をめぐる表現や技法の移り変わりを明らかする企画展だ。今回は、英国を代表するウィリアム・ブレイクやターナー、コンスタブルから、モネなどの印象派、そして、ブリジッド・ライリーや草間彌生ら現代アーティストまで、多彩な作品が来日。また、出品作も、絵画のみならず写真、彫刻、素描、キネティック・アート、インスタレーション、映像など多岐にわたる。同展の大きな特徴は、展示の構成を「精神的で崇高な光」や「自然の光」といった光のタイプや、「色と光」「広大な光」といった切り口で章立てすることによって、時代や地域、ジャンルを超えて「光の作品」を俯瞰する会場構成が行われることだ。テーマごとの多様な光の作品群が空間の中で相互に呼応するような、これまでにない鑑賞体験ができるという。同展のもうひとつの見どころは、約120点のうち、ターナーの傑作を含むおよそ100点が日本初出品だということ。また、国際巡回展の最終会場となる日本では、エドワード・バーン=ジョーンズ、マーク・ロスコなど、人気作家による12点が特別出品される。ゲルハルト・リヒター《アプストラクト・ペインティング(726)》は日本初出品かつ日本特別出品作だ。光に包まれる体験ができる大型のインスタレーション作品にも注目したい。ジェームズ・タレルやオラファー・エリアソンの作品は、いずれも日本初公開。18世紀末から19世前半のロマン派の画家たちから新たな視覚体験をもたらす現代美術家まで、様々なアーティストたちがどのように光の特性とその輝きに魅了されてきたのか、その多彩な表現を目のあたりにする貴重な機会となるだろう。<開催情報>『テート美術館展光— ターナー、印象派から現代へ』会期:2023年7月12日(水)〜10月2日(月)会場:国立新美術館 企画展示室2E時間:10:00〜18:00、金土は20:00(入場は閉館30分前まで)休館日:火曜料金:一般2,200円、大学1,400円、高校1,000円※2023年7月15日(土)~17日(月・祝)は高校無料 (要学生証提示)※2023年10月26日(木)~2024年1月14日(日)まで大阪中之島美術館へ巡回公式サイト:
2023年07月05日2023年7月22日(土)〜8月27日(日)の期間、米子市美術館にて、井田幸昌展「Panta Rhei|パンタ・レイ − 世界が存在する限り」を開催いたします。展覧会特設サイト: 本展は、画家・現代美術家の井田幸昌にとって初となる国内美術館での個展です。一貫して「一期一会」を自身の創作テーマとし、二度と出会うことのない「今」を表現する井田の、過去最大規模の展覧会となります。記念すべきこの展覧会を、人生の始まりとしての故郷、鳥取県で行います。国内未発表作を含むこれまでの絵画作品、立体作品に加えて、絵日記のように日々を綴った“End of today”シリーズ、家族、友人、著名人をモチーフに描いた“Portrait”シリーズなどの代表作から最新の作品まで、約60点のラインナップで紹介します。この時、この場所でしか出会えない井田の芸術世界をご堪能いただければ幸いです。展覧会名の“パンタ・レイ”とは?“パンタ・レイ”とは「万物は流転する」を意味する古代ギリシャの哲学者ヘラクレイストの言葉です。井田は「一期一会」をテーマに、移りゆく時のなかで存在する様々な、もの・こと・ひとの存在と関係性を一つ一つ拾い集め、自身の感じたリアリティを表現してきました。これはヘラクレイストの言葉に通ずるものであり、さらには本展に対する井田の「これまでのキャリアの集大成であるとともに、新しい始まりでもある」という思いが、本展覧会名に込められています。これまでの井田作品を一堂に会する本展覧会“パンタ・レイ”では、井田自身の「変わり続けるもの」また「変わらないもの」を同時に感じていただけるでしょう[Profile]井田幸昌 | Yukimasa IdaPhoto by RK / (Instagram @rkrkrk)1990年、鳥取県生まれ。井田は、彫刻家である父のアトリエで幼い頃から絵を身近に親しんできました。「一期一会」をテーマとし、絵画を中心に彫刻や版画など様々な分野で創作活動を展開し、国内を拠点に海外へも活躍の場を広げ、作品は国内外のコレクター、美術館に収蔵されています。2021年には Dior とのコラボレーションを発表するなど多角的に活動。同年、日本の民間人として初めて宇宙に滞在した前澤友作氏によって、作品《End of today - L’Atelier du peintre -(画家のアトリエ)》が国際宇宙ステーション(ISS/アイエスエス)に持ち込まれ、永久収蔵されたことでも注目を集めました。その芸術文化活動は広く文化の振興に功績があったとして2022年鳥取県文化奨励賞を受賞するなど多方面で躍進を続けています。■■展示構成■■Room1「日本」の象徴を表す作品の部屋です。この部屋に足を踏み入れると、高さ3メートルを超える三つの木彫作品が観る者を迎えます。蛇をモチーフとした三つの木彫作品は、それぞれが圧倒的な存在感を放ち、観る者を神秘的な空間へと誘います。何千年の歴史を持つ美しい日本を想わせる、神秘的な空間自体をも“一つの作品”として体感していただけるでしょう。なお、この部屋の作品は米子会場のみでの公開であり、唯一無二の空間をお楽しみいただけます。Lunar Eclipse - Amaterasu - 天照大神, 2022, Wood (camphor tree) , iron and acrylic, 320.0×118.0×100.0cm (C)IDA Studio Inc.Room2井田の多様なる表現に焦点を当てた部屋です。三つのシリーズ作品で構成しており、一つ目は抽象絵画です。多彩な色と、腺的構成、そして絵具の持つ物質としての質量で、大いなる自然を表現しています。二つ目は、井田がその日出会う人や風景を描いた「End of today」シリーズです。絵日記のように日々綴られてきたこの作品群からは、その日、その時、その瞬間の出会いといった、私たちに日々起こり過ぎ去ってしまうような「奇跡」を捉えようとした、画家の生き様に出会えるでしょう。三つ目は、ブロンズの彫刻作品です。「End of today」絵画シリーズを立体化した作品を展示します。絵画と同時に、絵画のような質感をもつ井田独自のブロンズ作品をご覧ください。Monet'sGarden,2022, Oil on canvas, 194.0×162.0cm (C)IDA Studio Inc.End of today Sculpture - 5/5/2020 Self Portrait -, 2021, Bronze, 40.0×23.0×22.0cm (C)IDA Studio Inc.End of today - 2/4/2023 View of Daisen -, 2023, Oil on canvas, 33.3×24.2cm (C)IDA Studio Inc.Room3井田の代表的な作品である「ポートレート」シリーズを一堂に会する部屋です。厚く塗り固められた絵の具、そして力強く美しい筆致で表現されているのは、井田がかつて出会ってきた人々の顔。「今」を生きる井田が出会い、この「一期一会」を逃すまいと描き残した、躍動感あふれる作品群です。流動的なそのタッチにより、私たちが生きる時間そのものさえも表現されたポートレートが並ぶ、圧巻の空間です。Jorgen,2022, Oil on canvas, 194.0×162.0cm (C)IDAStudio Inc.Room4具象絵画作品に焦点を当てた部屋です。初期の絵画作品から、近代巨匠の古典を思わせる具象絵画、2022 年ピカソ生誕地ミュージアム(Picasso Birthplace Museum)で発表したパブロ・ピカソをトリビュートした作品群が並びます。そしてこの部屋では、未発表大作《Last Supper(2022,Oil on canvas, 293.0×582.0cm)》を初公開します。多くの作家がモチーフともしてきた、世界で一番有名な作品のひとつであるレオナルド・ダ・ヴィンチ作『最後の晩餐』。この名画に、井田は現代を生きる画家として挑戦しています。井田の解釈により再表現された、現代の「最後の晩餐」をご覧ください。Cinderella, 2017, Oil on canvas, 130.3×194.0cm (C)IDAStudio Inc.Last Supper, 2022, Oil on canvas, 293.0×582.0cm (C)IDAStudio Inc.■■見どころ■■見どころ[1] 国内美術館初の個展これまで国内外で数多くの展覧会が開催されてきましたが、国内の美術館では今回が初の個展となります。見どころ[2] 多様な表現卓越した画力と色彩感覚の抽象表現、具象表現の絵画群。そして、立体作品含めた約60点を一同に展覧いたします。一貫して「一期一会」というコンセプトを追求し制作を続ける井田の多彩な表現をご堪能ください。見どころ[3] 展示構成2014年から最新作品までを、テーマやシリーズにわけ、4つの展示室で紹介します。展覧会タイトルにもつけた、過去から未来への流れとなる井田の「変わり続けるもの」また「変わらないもの」を同時に感じていただけるでしょう。見どころ[4] 迫力の大画面展示室の壁一面を埋め尽くすほどの大型作品《Last Supper》は圧巻です。広い空間に展示された大画面の前に立つと、まるで絵の中に入り込んだかのような感覚を覚えます。|米子から京都へ巡回|「同じ土地に生まれて、同じ空、同じ海を見てきた地元の人たちに最初に観てほしい」との思いで、国内美術館での初個展を米子で開催。そして、画家としての道を進む決意をした京都へ巡回します。|オリジナルグッズ販売|図録や関連書籍、ポストカードなどオリジナルグッズの販売もあります。書籍「100年後への置き手紙」著:井田幸昌ポストカード全14種■■関連イベント■■|作家によるオープニングギャラリートーク|日 時:2023年7月22日(土)午前10時10分頃ー場 所:本展会場 申込不要、本展観覧券が必要|作家によるトークイベント【満員御礼】|日 時:2023年7月22日(土)午後2時場 所:米子市立図書館 2階多目的研修室講 師:井田 幸昌 氏(本展出品作家)定 員:60人料 金:無料(要申込、本展観覧券または半券が必要)*定員に達し、受付を終了しました。|学芸員によるギャラリートーク|日 時:2023年7月29日(土)、8月12日(土)、8月26日(土)午後2時ー場 所:本展会場内(申込不要、本展観覧券が必要)|おやこでアートじかん|未就学児といっしょに美術館で作品鑑賞する時間を、会期中の毎週月曜日に設定します。小さなお子様といっしょに気兼ねなく作品鑑賞をしていただき、小さな頃から美術館及び美術に親しんでいただくことを目的とします。※この「おやこでアートじかん」ご利用以外のお客様には、該当時間内ご理解ご協力をお願いいたします。日 時:会期中毎週月曜(7月24日、7月31日、8月7日、8月14日、8月21日) 午前10時ー正午場 所:本展会場内((申込不要、本展観覧券が必要)対 象:未就学児とその家族(父母、祖父母の方など)■■本展の開催を記念した【@Loppi・HMV限定】グッズ販売中!■■前売券と@Loppi限定オリジナルグッズのセットも販売中! ■■開催概要■■[鳥取展]展覧会名 :井田幸昌展「Panta Rhei|パンタ・レイ − 世界が存在する限り」会 場 :米子市美術館 (鳥取県米子市中町12番地)会 期 :2023年7月22日(土)〜8月27日(日)休館日 :水曜日開館時間 :10:00~18:00 (最終入場は17:30まで)料 金 :一般/当日1,300円(1,000円)、高大生/当日900円(800円)、中学生以下無料※税込 ※( )内は前売、15人以上の団体、障がいのある方(付添の方1人含む)の料金主 催 :米子市、米子市教育委員会、(一財)米子市文化財団 米子市美術館特別協賛 :中海テレビ放送協 賛 :株式会社サンエムカラー協 力 :IDA Studio後 援 :米子市美術館後援会、米子市文化協議会、日吉津村、日吉津村教育委員会、鳥取県西部医師会、鳥取県西部歯科医師会、鳥取県薬剤師会西部支部、BSS山陰放送、TSKさんいん中央テレビ、日本海テレビ、テレビ朝日鳥取支局、新日本海新聞社、山陰中央新報社、朝日新聞鳥取総局、産経新聞社、毎日新聞鳥取支局、読売新聞鳥取支局、共同通信社鳥取支局、エフエム山陰、DARAZ FM(順不同)お問合せ :米子市美術館 0859-34-2424 art-museum@yonagobunka.net 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年06月30日スロヴェニア国際映画祭で作品賞を含む11部門を独占した、新鋭グレゴル・ボジッチ監督の大人のための寓話が邦題『栗の森のものがたり』として日本公開決定。絵画のような映像美を堪能できる5本の特報が一挙に解禁された。イタリアとユーゴスラビアとの国境に位置する広大な森を舞台に、ケチな棺桶職人と、夢見る栗売りの孤独な2人の人生を幻想的に描き出した本作。時は1950年代。かつては安息の地と呼ばれ、息を呑むような美しさを誇った栗の森に囲まれた小さな村。第二次世界大戦終結後、長引く政情不安から人々の多くは村を離れ、または戻ってくるはずもない家族や隣人をただ待ち続ける。大工のマリオは、家を出たまま戻らないひとり息子からの連絡を待ち続け、投函することのない息子宛の手紙に思いを綴っては引き出しにしまう。栗売りのマルタは、戦争から戻ってこない夫からの手紙と数枚の写真を唯一の手掛かりに、彼が現在住んでいるであろうオーストラリアに旅立つ決意だ。そんなある日、マルタとマリオは出逢い、互いの身の上を語りながら、その境遇を思いやる。そしてマリオはマルタにある提案を持ち掛けるのだが…。監督・脚本・編集を手掛けたのは、本作が長編デビューとなるスロヴェニア出身の新鋭グレゴル・ボジッチ。本作は2019年のトロント国際映画祭でプレミア上映されるや大喝采を浴び、スロヴェニア国際映画祭では最優秀作品賞、監督賞、男優賞、撮影賞、観客賞など11部門を受賞。2020年に開催された日本・なら国際映画祭では、コンペ作品の中で「最も美しい」と評され審査員特別賞に輝いた。フェルメールやレンブラントといったオランダの印象派の画家に影響を受けたというボジッチは、35mmとスーパー16mmフィルムを駆使し絵画のような風景を切り取る。使い古しの洗面器にピッチャーや果物、箒や靴、洗濯カゴや紙くずまでが、優しい光に照らされ、ゆっくりと時が流れる森の日常を、陰影深く描き出した独特の映像美がうかがえる。賭け事が大好きで、病弱な妻にも辛らつな言葉を浴びせる大工マリオ役に、イタリアの名優マッシモ・デ・フランコヴィッチ。70以上の作品に出演し、多数の賞を獲得。現代映画界を代表するメソッド・アクターとしてその名を馳せている。お金を貯めて「栗の森」を離れようと気を揉む最後の栗拾いマルタ役には、クロアチアで活躍する人気俳優イヴァナ・ロシュチッチ。人生を重ね深みある顔に神々しささえ感じられるマリオの妻ドーラ役には、イタリアの名女優として200以上の演劇や映画に出演するジウジ・メルリが扮した。音楽は、アイスランドのヘクラ・マグヌスドッティル。幽玄なテルミンの音色で彼らの喜びや悲しみ、喪失感の無常さを詩的に表現。また、馬車に乗る若い女性2人がシルヴィー・バルタンの名曲「アイドルを探せ」を唄い、踊るシーンはあまりに愛おしく印象的なシーンとなる。ロシアの文豪アントン・チェーホフの短編小説にインスピレーションを受け、人生の機微を甘くほろ苦く描いた本作。生と死の境界線は曖昧で、森の中で遭遇するものは現実なのか妄想なのか…。全てのカットに美が宿る映像美、メランコリックな大人の寓話が深い余韻を約束する。『栗の森のものがたり』は10月7日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年06月28日すみだ北斎美術館(東京・墨田区)は2023年9月20日(水)~11月26日(日)企画展「北斎のまく笑いの種」を開催いたします。企画展「北斎のまく笑いの種」江戸時代、狂歌や滑稽本、落語など、庶民でも楽しめる文化が花開き、人々に「笑い」をもたらす〈笑いの種〉が増えました。北斎や門人たちは、笑顔や照れ笑い、怪しげな笑いにいたるまで、世間にあふれる多様な笑いの表情や仕草、また笑いが生まれる状況を捉えて見事に描き分け、巧みに表現しています。さらに、様々な笑いを表現してきた北斎は、笑いを誘う戯画シリーズの作品も描いています。本展では、北斎と門人たちが描いた笑いにまつわる作品の数々を紹介します。北斎と門人たちがまく笑いの種から、たくさんの笑顔の花を咲かせ、実りある時間を過ごしていただけましたら幸いです。企画展「北斎のまく笑いの種」バナー■開催概要展覧会名 : 北斎のまく笑いの種会期 : 2023年9月20日(水)~11月26日(日)※前後期で一部展示替えを予定前期 9月20日(水)~10月22日(日)後期 10月24日(火)~11月26日(日)休館日 : 毎週月曜日 ※10月9日(月・祝)は開館、10月10日(火)は休館会場 : すみだ北斎美術館 3階企画展示室開館時間 : 9:30~17:30(入館は17:00まで)主催 : 墨田区・すみだ北斎美術館観覧料 : 一般1,000円、高校生・大学生700円、65歳以上700円、中学生300円、障がい者300円、小学生以下無料ホームページ: ●前売券及び当日観覧券の発売日・販売方法や、団体でのご来館については、すみだ北斎美術館公式ホームページをご覧ください。●本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)、常設展プラスもご覧になれます。■主な出品作品葛飾北斎「謎かけ戯画集 眼鏡屋とかけてなぞ坊主ととく心ハみな人がかけて見たがる」すみだ北斎美術館蔵(後期)葛飾北斎『北斎漫画 草筆之部』すみだ北斎美術館蔵(通期)※1葛飾北斎「風流おどけ百句 貧ながき糸目をもつて呵られる」すみだ北斎美術館蔵(通期)※1葛飾北斎「万歳図」すみだ北斎美術館蔵(前期)葛飾北斎「百物語 こはだ小平二」すみだ北斎美術館蔵(前期)本展出品作品には、現在では使用が認められない不適切な表現が含まれておりますが、絵師の作画意図をよりよく理解するため、原資料のまま展示・掲載しております。※1 半期で同タイトルの作品に展示替えをします。※画像は全図でご掲載ください(部分図のみの使用は不可となります)。※画像は記事などで本展をご紹介いただける場合に限りご利用いただけます。本展の広報に関わらない出版物や映像への使用・転載、商業利用はできません。■関連イベント○江戸文化体験「落語を鑑賞しよう!」講師:林家あんこ日時:11月3日(金・祝)14:00~15:00(開場13:30)会場:MARUGEN100(講座室)定員:40名(事前申込制)内容:落語の楽しみ方の説明、自作落語「北斎の娘」対象:一般(小学3年生以上)申込:10月3日(火)からホームページにて受付予定。料金:無料(ただし、企画展観覧券か前売券、または年間パスポートが必要です)○スライドトーク「北斎のまく笑いの種」展の見どころ講師:千葉椎奈(当館担当学芸員)日時:10月7日(土)、11月11日(土)14:00~14:30(開場13:30)会場:MARUGEN100(講座室)定員:40名(13:30から整理券配布)料金:無料(ただし、企画展観覧券か前売券、または年間パスポートが必要です) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年06月28日特別企画「上田薫展」が、香川の高松市美術館にて、2023年7月15日(土)から9月18日(月・祝)まで開催される。“瞬間”を鮮やかに描き出す上田薫上田薫は、ある瞬間を捉えた写真をもとに、対象を精巧に描き出す独自の写実表現で知られるアーティストだ。なま玉子が割れる瞬間を描いた作品をはじめ、スプーン上のゼリーやジャム、アイスクリーム、透明な泡やしゃぼん玉を拡大したものなど、スーパーリアリズムの手法で描かれた作品は、子どもから大人まで幅広い世代を魅了し続けている。企画展「上田薫展」では、モチーフを拡大し超写実的に描いた油彩画約50点のほか、未公開の作品を含む初期から現在までの作品を展示。上田の描くことへの飽くなき興味と挑戦を感じつつ、瞬間を鮮やかに描いた上田薫の世界観を楽しむことができる。また、東京藝術大学で油彩を学び、卒業後は抽象画家としてキャリアをスタートした上田。会場では、本展開催にあたりアトリエを調査する中で見つかった、在学時に教授の梅原龍三郎のクラス課題で描いたデッサンや、卒業後抽象画家として作風を模索していた時代に描いたスケッチや習作など、未公開作品の展示を通して、スーパーリアリズムの手法を確立する以前の上田の活動も紹介する。最新作や現在の活動さらに、高齢になり油彩画を手掛けることは叶わなくなった上田が、現在も描き続けている色鉛筆や鉛筆によるスケッチやイラストも展示。加えて、上田が初期作品と久しぶりの対面を果たした際の様子などを映像で紹介予定だ。展覧会概要高松市美術館開館35周年記念特別展「上田薫展」会期:2023年7月15日(土)~9月18日(月・祝)会場:高松市美術館 2階展示室住所:香川県高松市紺屋町10-4開館時間:9:30~17:00(ただし金曜日、土曜日は19:00閉館 / 入室は閉館30分前まで)休館日:月曜日(ただし7月17日(月・祝)、9月18日(月・祝)開館、7月18日(火)休館)入場料:一般 1,200円(960円)、大学生 600円(480円)、高校生以下 無料※( )内は前売り、20名以上の団体料金※身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳所持者は入場無料※前売券は、高松市美術館1 階受付、高松市役所生協、ゆめタウン高松サービスセンター、宮脇書店本店及び南本店にて7月14日(金)まで販売(詳細な販売開始時期は各店舗に要問合せ)※8月5日(土)の「美術館の日」は、高松市美術館の誕生日を祝し、誰でも観覧料無料■同時開催特別企画「小川信治展Better Half回帰の手法」会期:2023年7月15日(土)〜9月18日(祝・月)会場:・高松市美術館 2階展示ロビー、1階図書コーナー住所:香川県高松市紺屋町10-4・ブランチギャラリー(高松丸亀町商店街内)住所:香川県丸亀町13-2 新生銀行跡施設※ブランチギャラリーでの展示は7月22日(土)から入場料:無料【問い合わせ先】高松市美術館TEL:087-823-1711
2023年06月26日展覧会「マリー・ローランサンとモード」が、名古屋市美術館にて、2023年6月24日(土)から9月3日(日)まで開催される。東京のBunkamura ザ・ミュージアムや京都の京都市京セラ美術館でも開催された巡回展だ。両大戦間パリにおける美術とファッションふたつの世界大戦に挟まれた1920年代のパリは、様々な才能がジャンルを超えて交流し、豊かな文化が生まれ「レ・ザネ・フォル(狂乱の時代)」とも呼ばれる奇跡のような空間であった。そんな時代に活躍した代表的な女性が、マリー・ローランサンとココ・シャネルである。共に1883年生まれのふたりは、芸術とファッションという別々の道に進むことに。ローランサンは、初期にはキュビスムの影響を強く受けた作品を手がけていたものの、徐々にパステル調の淡い色調を用いた優美な女性像で人気を博す。一方、シャネルはエレガントなファッションデザインを提案し、そのドレスやスーツなどには男性服の素材やスポーツウェアを取り入れた。20年代パリの芸術界を俯瞰する約90点を展示展覧会「マリー・ローランサンとモード」では、ローランサンとシャネルの活躍を軸に、1920年代のパリの芸術界を展観。とりわけ、スペインからパブロ・ピカソ、アメリカからはマン・レイなど、国境を越えて集まった多くの若者たちにより活性化されたパリ芸術界における「越境性」に着目し、当時の美術やファッションを約90点の作品と共に解説する。また、1983年から30年以上にわたり、メゾン・シャネルのアーティスティック・ディレクターを務めたカール・ラガーフェルドにも光を当てる。ローランサンの絵画から着想を得て発表したコレクションにフォーカスし、ローランサンとシャネルのふたりが100年近い時を経て見事“コラボレーション”を果たしたことを、ローランサンの《ニコル・グルーと二人の娘、ブノワットとマリオン》の展示を交えつつ紹介する。展覧会概要「マリー・ローランサンとモード」会期:2023年6月24日(土)~9月3日(日)会場:名古屋市美術館住所:愛知県名古屋市中区栄2-17-25 芸術と科学の社・白川公園内開館時間:9:30~17:00(8月11日(金)を除く金曜日は20:00まで)※いずれも入館は閉館30分前まで休館日:月曜日(7月17日、8月14日は開館)、7月18日(火)観覧料:一般 1,800円(1,600円)、高大生 1,000円(800円)※( )内は前売り・団体料金※中学生以下は入場無料※団体割引料金は20名以上に適用※障がい者、難病患者は、手帳または受給者証(ミライロID可)の提示により本人と付添者2名まで、当日料金の半額で観覧可※高大生チケットあるいは障がい者チケット購入者と中学生は、当日美術館の受付にて証明となるもの(学生証、障がい者手帳など)を提示すること※名古屋市交通局発行の「ドニチエコきっぷ」「一日乗車券」を当日利用して来館した者は当日料金から100円割引※「名古屋市美術館常設展定期観覧券」の提示で当日料金から200円割引※いずれも他の割引との併用不可※会期中、本展の観覧券で名古屋市美術館の常設展も観覧可【問い合わせ先】名古屋市美術館TEL:052-212-0001
2023年06月25日皆さんは義実家との付き合い方に悩んだことはありますか。今回は非常識な義両親のエピソードを紹介します。イラスト:美吉香胡非常識な義両親普段から幼稚園の雰囲気を味わってみたいと話していた義両親。ある日、子どもの通う幼稚園で絵画展が行われることになりました。指定された時間であれば自由に見学ができたので、主人公は義両親を誘いました。義両親も連れて行ってほしいと言ったため、車で迎えに行ったのですが…。イライラする義父出典:lamire相撲のテレビ放送の時間を気にしてイライラする義父。そんな義父の姿に違和感を持った主人公ですが、にこやかに対応しました。そして幼稚園に着き、作品を義両親と共に見ていたのですが…。義母は大声で、子どもが描いた作品を馬鹿にするような発言を繰り返すのです。作品を見にきている他の人の目を気にしながら、フォローする羽目になった主人公。そのうえ義父が時間を気にし始めたせいで、作品をゆっくり見ることもできず…。無神経な義両親の姿に、主人公は疲れてしまったのでした。義両親の振る舞いに絶句幼稚園に行ってみたいと日ごろから言っていたにもかかわらず、無神経な振る舞いをする義両親。そんな義両親の姿に絶句してしまった主人公のエピソードでした。※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。
2023年06月25日企画展「凱旋!岡本太郎」が、神奈川の川崎市岡本太郎美術館にて、2023年7月8日(土)から10月1日(日)まで開催される。岡本太郎の面白さと奥深さを紹介漫画家・岡本一平と小説家・岡本かの子のもと生まれ、絵を志したパリ留学にて、現地の抽象芸術グループで前衛芸術家や思想家と交流を深めた岡本太郎。美術に限らず、パリ大学で学んだ哲学や民族学も、その後の岡本の思想の軸を形成し、制作活動にも影響を及ぼすものであった。また敗戦後の日本で制作活動を再開した岡本は、壁画やモニュメントの制作をはじめ、デザインや建築、日本各地への取材と撮影など、幅広い分野にわたって多面的な足跡を残したことでも知られる。特に、1970年の大阪万博に向けて制作された《太陽の塔》は、日本の高度成長期の時代の象徴でもあり、今なおアイコンとして時代を越えて親しまれている。「凱旋!岡本太郎」は、2022年から2023年にかけて、大阪・東京・愛知の全国3都市で行われた大規模巡回展から帰ってきた岡本太郎コレクションを祝して開催する企画展。子どもから大人まで、幅広い世代が関心を寄せる岡本太郎の面白さや奥深さを紹介する。初公開作品含む約250点を展示展示は、常設と企画両方のスペースを用いて全館で行われる。展示されるのは、人気の代表作《森の掟》や《重工業》、家具やグッズ等のインダストリアルデザイン、制作過程を裏打ちするドローイング、岡本の民族学的視点が投影された写真など約250点の作品。未公開の写真関係資料であるヴィンテージプリントや日本の庭園に関する資料の一部など、初公開資料も目にすることができる。展覧会概要企画展「凱旋!岡本太郎」会期:2023年7月8日(土)~10月1日(日)会場:川崎市岡本太郎美術館 常設・企画展示室住所:神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-5 生田緑地内開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)休館日:月曜日(7月17日(月・祝)、9月18日(月・祝)を除く)、7月18日(火)、9月19日(火)観覧料:一般 800円(640円)、高・大学生・65歳以上 600円(480円)、中学生以下無料※( )内は20名以上の団体料金■出品作品(予定)館内収蔵品より、絵画、彫刻、インダストリアルデザイン、版画、ドローイング、写真ほか 約250点【問い合わせ先】川崎市岡本太郎美術館TEL:044-900-9898
2023年06月24日企画展「『前衛』写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄」が、新潟市美術館にて、2023年7月29日(土)から9月24日(日)まで開催される。千葉、富山でも開催された巡回展で、この後渋谷に巡回予定。1930年代の「前衛写真」から80年代にわたる日本昭和写真史を辿る企画展「『前衛』写真の精神:なんでもないものの変容─瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄」は、瀧口修造、阿部展也、大辻清司、牛腸茂雄の4人の作家の交流と創作をたどりつつ、1930年代の「前衛写真」から80年代に至るまでの日本写真史の一断片を、約300点の作品と資料を通して紹介する展覧会だ。前衛写真の台頭と衰退1930年代、「前衛写真」の名のもとに、シュルレアリスムの影響を受けた技巧的な写真が多く発表されていた。そうした流れを受けて、詩人・美術批評家の瀧口修造(たきぐち しゅうぞう)は、ウジェーヌ・アジェの写真を例に、ストレート・フォトグラフィでもシュルレアリスム的表現を写真に落とし込むことは可能であると主張。画家・阿部展也(あべ のぶや)は、瀧口の考えに呼応するかのように、街頭や旅先の風景を撮影するようになった。第1章では、写真雑誌『フォトタイムス』29冊を展示することで、瀧口と阿部らにより結成された「前衛写真協会」の活動を紹介。加えて、前衛写真協会と同時期に活動した濱谷浩、小石清、下郷羊雄ら写真家の作品も展覧する。前衛写真の復活と転調続く第2章では、瀧口と阿部の双方に強く影響されて写真家を志した大辻清司(おおつじ きよじ)による作品を通して、1970年代における前衛写真の復活と転調を示す。演出は阿部、写真撮影は大辻が行ったコラボレーション作品のほか、50年代のオブジェを撮影した写真作品などが展示される。前衛写真のその後さらに1970-80年代には、大辻のもとで写真を学び、何気ない日常風景や人々を独自の視点でさりげなく撮影した牛腸茂雄(ごちょう しげお)が活躍。第3章では、大辻に指導を受けた桑沢デザイン研究所での課題作品をはじめ、独自の視点で日常風景や人々を捉えた作品シリーズなども目にすることができる。展覧会概要企画展「『前衛』写真の精神:なんでもないものの変容─瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄」会期:2023年7月29日(土)~9月24日(日) 前後期で展示替えあり[前期 7月29日(土)~8月27日(日) / 後期 8月29日(火)~9月24日(日)]会場:新潟市美術館 企画展示室住所:新潟県新潟市中央区西大畑町5191-9開館時間:9:30~18:00(観覧券の販売は閉館30分前まで)休館日:月曜日(ただし8月14日(月)、9月18日(月・祝)は開館)、9月19日(火)観覧料:一般 1,000円(800円)、大学・高校生 800円(600円)、中学生以下無料※( )内は20名以上の団体料金、リピーター割引料金、あっちも割引料金(新潟市新津美術館企画観覧券提示で団体料金に割引。1枚につき1回限り1年間有効)【問い合わせ先】新潟市美術館TEL:025-223-1622
2023年06月23日国立西洋美術館の常設展・企画展が1日観覧料無料となるイベント「にぎやかサタデー」が、8月26日(土) に開催されることが決定した。本イベントは、「美術館では静かにしなくてはいけないから緊張する」「小さな子ども連れだとなかなか展覧会には行きづらい」といった人にも、おしゃべりしながら気兼ねなく美術館での作品鑑賞を楽しんでほしいという想いから行われる。当日は、キッズスペースや授乳室も設置し、年齢を問わず作品鑑賞を楽しめる企画が用意される。モネの「睡蓮」やロダンの「考える人」を展示している常設展では「この絵をさがしに行こう!」企画を実施。ひとり1枚配られるポストカードには、作品の一部分を切り取った写真が添付されており、ゲーム感覚でアート鑑賞を楽しむことができる。また、企画展では『スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた』が開催中で、鑑賞体験をより深めるための問いかけや、作品解説を掲載した小冊子が配布される。企画展「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」小冊子<開催情報>「にぎやかサタデー」8月26日(土) 国立西洋美術館(常設展/企画展)開館時間:9:30~20:00料金:無料(但し、ショップや「CAFE すいれん」をご利用の場合は別途料金がかかります)詳細はこちら:
2023年06月23日すみだ北斎美術館は2023年6月20日(火)から8月27日(日)まで企画展「北斎大いなる山岳」を開催しています。浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)や門人が描いた山の作品を前期・後期あわせて約100点を展示し、北斎による多彩な山の表現とその魅力に迫る展覧会です。本展会期中、「北斎の富士に登ろう!ARで飛び出すフォトスポット」が登場します。お手持ちのスマートフォンで会場に設置されたQRコード※1 を読み取り、「冨嶽三十六景諸人登山」のフォトスポットにかざすと、富士山下山道の砂走り(すなばしり)を滑り降りる人物が現れます。展覧会鑑賞とあわせ、北斎が描いた富士山登頂記念に撮影をお楽しみください。※1:「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。北斎が描いた富士山の“登頂記念撮影”が楽しめる・期間2023年6月20日(火)~8月27日(日)※休館日を除く・会場すみだ北斎美術館3階ホワイエ・料金無料(ただし、企画展観覧券か前売券、または年間パスポートが必要です)*AR体験のインターネット通信料はお客さまのご負担となります。・フォトスポットにデザインされた作品について、担当学芸員によるヒトコト解説が流れるARもあります。■企画展「北斎大いなる山岳」概要期間: 2023年6月20日(火)~8月27日(日)休館日: 毎週月曜日※7月17日(月・祝)は開館、7月18日(火)は休館会場: すみだ北斎美術館3階企画展示室アクセス: ・都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩5分・JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分・JR総武線「錦糸町駅」北口より墨田区内循環バスで5分料金: <前売券>一般800円、高校生・大学生・65歳以上560円、中学生・障がい者240円、小学生以下無料<企画展観覧券>一般1,000円、高校生・大学生・65歳以上700円、: 中学生・障がい者300円、小学生以下無料(画像はプレスリリースより)【参考】※公式サイト
2023年06月22日東京都写真美術館では、展覧会「TOPコレクション何が見える?『覗き見る』まなざしの系譜」を、2023年7月19日(水)から10月15日(日)まで開催する。「覗き見る」ことに着目した作品を紹介「TOPコレクション」展は、東京都写真美術館の収蔵作品を多様な視点から紹介する展覧会。今回は、「覗き見る」ことをテーマに、「覗き見る」ことを可能にした装置と、それによって生み出されたイメージ、さらには「覗き見る」ことからイマジネーションを広げた作家たちの多様な表現を紹介する。ファインダーを覗き込み、写真や映像を撮影するカメラは、まさに「覗き見る」装置だ。18~19世紀のヨーロッパでは、カメラの原型となったカメラ・オブスクラの構造を利用し、箱の中の景色を楽しむピープショーが流行した。また日本においても、江戸時代に「のぞきからくり」や「覗き眼鏡」が流行する。このほか、顕微鏡や望遠鏡などの科学的な装置、ステレオスコープのような立体視のための装置、動く絵を生み出す装置など、覗き見る装置のバリエーションは多岐にわたる。第1章から第4章では、それら歴史的収集品を展覧する。会場では、当時の貴重な装置を実際に体験できるレプリカを交えながら展示するほか、それらの装置で使用されていた絵や写真も多数紹介することで、各時代の社会や文化、歴史にも触れることのできる展覧会となっている。受け継がれる「覗き見る」まなざし電子機器の発展により液晶モニターやディスプレイを見ながら撮影をすることが増え、「覗き見る」行為は減ったかのように思える現代においても、「覗き見る」まなざしの系譜は受け継がれている。現代では、ひとり1台カメラ付きのスマートフォンを持ち、気軽にカメラをお互いに向けあうことでき、「覗き見る」ことで受ける恩恵と、意図せず覗き見られる対象となる危うさが共存する。第5章では、「覗き見る」行為のあり方を奈良原一高、オノデラユキ、出光真子、伊藤隆介の4名の現代作家たちの作品を通して考えることができる。展覧会概要「TOPコレクション 何が見える?『覗き見る』まなざしの系譜」会期:2023年7月19日(水)~10月15日(日)会場:東京都写真美術館 3F 展示室住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内開館時間:10:00〜18:00(木・金曜日は20:00まで)※入館は閉館30分前まで休館日:月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌平日)観覧料:一般 700円、大学・専門学校生 560円、中学生・高校生・65歳以上 350円※小学生以下、都内在住・在学の中学生、障がい者手帳の所持者および介護者(2名まで)は無料■出品点数267点(予定)※会期中に1回展示替えあり■出品予定作家ウィリアム・ベンジャミン・カーペンター、ロール・アルバン=ギヨー、エドワード・マイブリッジ、エティエンヌ=ジュール・マレー、ハロルド・ユージン・エジャートン、奈良原一高、オノデラユキ、出光真子、伊藤隆介【問い合わせ先】東京都写真美術館TEL:03-3280-0099
2023年06月22日大阪の国立国際美術館にて、特別展「ホーム・スイート・ホーム」が開催される。会期は、2023年6月24日(土)から9月10日(日)まで。“ホーム”をキーワードにした現代美術日本国内外の現代美術作家たちが参加する今回の「ホーム・スイート・ホーム」展。“ホーム”というキーワードのもと、作品を通じて、私たちにとっての「ホーム」――家、国そして家族とは何か、私たちが所属する地域、社会の変容、普遍性を浮かび上がらせることを試みる。本展に出品する作家の一人である鎌田友介は、日本のみならず、韓国や台湾、ブラジルなどに建てられた20世紀の日本家屋をリサーチ。忘れ去られようとする現代日本の歴史を再構築する『The House』シリーズが展示される。ジョージア出身のアンドロ・ウェクアが贈る《Levan Portrait》。自身の実体験を踏まえながら、独特な色調で描いた絵画だ。そのほか、フィリピンで生まれたマリア・ファーラの絵画《テラスのある部屋》や、潘逸舟が段ボールを使って構成したサウンドインスタレーション《ほうれん草たちが日本語で夢を見た日》などが展示される。【詳細】「ホーム・スイート・ホーム」会期:2023年6月24日(土)~9月10日(日)時間:10:00~17:00 ※金・土曜日は20:00まで。休館日:月曜日(7月17日は開館)、7月18日(火)場所:国立国際美術館 地下3階展示室住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55料金:〇通常一般 1,300円/大学生 800円/高校生以下・18歳未満 無料〇団体一般 1,100円/大学生 500円/高校生以下・18歳未満 無料■出品作家アンドロ・ウェクア、マリア・ファーラ、鎌田友介、石原海、竹村京、潘逸舟※入場は、閉館の30分前まで。※20名以上で団体料金を適用。※画像の無断転載禁止。【問い合わせ先】国立国際美術館TEL:06-6447-4680(代表)
2023年06月22日すみだ北斎美術館(東京・墨田区)は2023年6月20日(火)から8月27日(日)まで企画展「北斎 大いなる山岳」を開催しています。浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)や門人が描いた山の作品を前期・後期あわせて約100点を展示し、北斎による多彩な山の表現とその魅力に迫る展覧会です。本展会期中、「北斎の富士に登ろう!ARで飛び出すフォトスポット」が登場します。お手持ちのスマートフォンで会場に設置されたQRコード※1 を読み取り、「冨嶽三十六景 諸人登山」のフォトスポットにかざすと、富士山下山道の砂走り(すなばしり)を滑り降りる人物が現れます。展覧会鑑賞とあわせ、北斎が描いた富士山登頂記念に撮影をお楽しみください。※1:「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。企画展公式ページ : フォトスポット詳細ページ: 北斎の富士に登ろう!ARで飛び出すフォトスポット(イメージ)・期間 2023年6月20日(火)~8月27日(日) ※休館日を除く・会場 すみだ北斎美術館 3階ホワイエ・料金 無料(ただし、企画展観覧券か前売券、または年間パスポートが必要です)*AR体験のインターネット通信料はお客さまのご負担となります。・フォトスポットにデザインされた作品について、担当学芸員によるヒトコト解説が流れるARもあります。■企画展「北斎 大いなる山岳」概要期間 : 2023年6月20日(火)~8月27日(日)休館日 : 毎週月曜日 ※7月17日(月・祝)は開館、7月18日(火)は休館会場 : すみだ北斎美術館 3階企画展示室アクセス: ・都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩5分・JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分・JR総武線「錦糸町駅」北口より墨田区内循環バスで5分料金 : <前売券>一般800円、高校生・大学生・65歳以上560円、中学生・障がい者240円、小学生以下無料<企画展観覧券>一般1,000円、高校生・大学生・65歳以上700円、: 中学生・障がい者300円、小学生以下無料URL : ■施設概要名称 : すみだ北斎美術館所在地 : 〒130-0014 東京都墨田区亀沢2-7-2開館時間 : 9:30~17:30(入館は17:00まで)休館日 : 毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始(12月29日~1月1日)常設展観覧料: 一般400円、高校生・大学生300円、65歳以上300円、障がい者300円、中学生以下無料(※企画展は展覧会ごとに異なる)URL : お問い合わせ: 03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年06月20日展覧会「佐藤健寿展 奇界/世界」が、2023年7月15日(土)から9月18日(月・祝)まで群馬県立館林美術館で開催される。写真家・佐藤健寿の展覧会これまで世界120カ国以上を巡り、“奇妙なもの”を撮り続けてきた写真家・佐藤健寿。佐藤の造語をタイトルとして出版された写真集『奇界遺産』3部作は、異例のベストセラーとなった。写真集『奇界遺産』『世界』の作品を中心に約200点展覧会「佐藤健寿展 奇界/世界」では、そんな佐藤の代表作『奇界遺産』と、過去20年にわたる旅を振り返る『世界』の2つの写真集の作品を中心に、200点あまりを紹介。多様な文化や建築、自然が生んだ奇景など、見る者に多くの驚きと発見を与えてきた作品を豊富に取り揃える。世界遺産・富岡製糸場を撮影した撮り下ろし作品また、佐藤が紹介する世界各地の多様な文化に関連した国立民族学博物館所蔵の民族資料も展示。さらに、映像作品の《WONDER/MICROCOSM》や《SATELLITE》、会場となる群馬において関心を持ったという世界遺産・富岡製糸場を捉えた撮り下ろし作品も交えながら、写真家・佐藤健寿の魅力に迫る。【詳細】展覧会「佐藤健寿展 奇界/世界」会期:2023年7月15日(土)~9月18日(月・祝)休館日:月曜日(ただし7月17日(月・祝)、8月14日(月)、9月18日(月・祝)は除く)、7月18日(火)開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)会場:群馬県立館林美術館 展示室2~4観覧料:一般 830円(660)円、大高生 410(320)円※( )内は20名以上の団体割引料金。※中学生以下、障害者手帳等所持者とその介護者1名は無料。※群馬在住の65歳以上は平日のみ2割引。【問い合わせ先】群馬県立館林美術館TEL:0276-72-8188(代表)©KENJI SATO
2023年06月19日ル・コルビュジエ建築の世界遺産「国立西洋美術館」の知られざる舞台裏を描くドキュメンタリー映画『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』より、井浦新がナレーションを担当した予告編が公開された。上野にある「国立西洋美術館」は、東アジア最大級の西洋美術コレクションを誇り、日本を代表する美術館として知られる。本作では、2020年に創建当時の姿に近づける整備のために休館した美術館の内部にカメラが入り、1年半の長期にわたり密着。所蔵作品のお引越しの全貌を記録したほか、絵画や彫刻の保存修復作業、コレクションの調査研究や国内・海外の美術館への巡回展、特別展の企画開催など、知られざる舞台裏に迫った。今回公開された映像は、数々の美術番組に出演、ガイドブックや展覧会グッズの制作にも関わるなど、美術愛の深さで知られる井浦さんが、知られざる美術館の舞台裏の世界へと誘いこむ。所蔵作品が展示される美術館のシーンから始まり、休館し観客がいなくなった場面へと移り変わる。前庭リニューアル工事の模様をはじめ、普段は決して見られない収蔵庫の内部、展覧会の打ち合わせ風景や購入作品決定の会議など、貴重なシーンが登場。関係者のインタビューでは、美術館の目前に迫る危機的状況が明かされる。ナレーションを終え、井浦さんは「美術館で働く人々のことは、お客さんは知らなくても良いかもしれない。だけど、知ってから美術館に行って美術を見ると、もっと楽しくなる」と言い、「この映画を見て、国立西洋美術館に行ったら、見る前とは国立西洋美術館の見方や過ごし方がきっと変わる。映画を見てから美術館に行くのもいいし、行ってから映画を見ても、どっちも楽しい。無機質に感じるかもしれない美術館も、実は生き物なんです」とコメントを寄せている。なお、井浦さんが担当したのは、予告編のナレーション。本編にはナレーションは入っていない。『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』は7月15日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:わたしたちの国立西洋美術館 ~奇跡のコレクションの舞台裏~ 2023年7月15日よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開©大墻敦
2023年06月19日企画展「いきもののかたち ビュフェの“自然誌博物館”」が、静岡・クレマチスの丘のベルナール・ビュフェ美術館にて、2023年7月15日(土)から10月1日(日)まで開催される。ビュフェの目を通して生まれた“いきもののかたち”20世紀フランス具象画壇を代表する画家、ベルナール・ビュフェは、幼少期には虫が大好きな少年であった。画家を志したのも、自然科学の先生がビュフェの描いたトンボを褒めてくれたのがきっかけだという。そんな彼は、少年時代から好きだったトンボやチョウから、鳥、魚、カエルや哺乳類、骨格標本まで、様々な生きものを描いた。ビュフェが生きものを描く上で夢中になったのは、生きものたちの「かたち」。生きものを写実的に描くのではなく、それぞれのかたちの美しさ、おもしろさをビュフェならではの黒い線やデフォルメで誇張し、時には空想も交えて描き出した。企画展「いきもののかたち」では、そんな生きものたちのかたちに着目し描かれたユニークな作品の数々を紹介。さながら“自然誌博物館”と化した会場で、多彩な生きものの魅力と出会うことができる。ふじのくに地球環境史ミュージアムとのコラボもまた本展では、静岡県立の自然系博物館「ふじのくに地球環境史ミュージアム」とコラボレートし、様々な生きものたちの実物標本をビュフェの作品と共に展示。実物標本をじっくり観察し、ビュフェが生きものたちのどこに魅力を感じて描いたのか、新たな発見や驚きがありそうだ。展覧会概要企画展「いきもののかたち ビュフェの“自然誌博物館”」会期:2023年7月15日(土)~10月1日(日)会場:ベルナール・ビュフェ美術館 別館・企画展示室住所:静岡県駿東郡長泉町東野クレマチスの丘515-57開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)休館日:水・木曜日入館料:大人 1,200円(1,100円)、高校・大学生 600円(500円)、中学生以下 無料※( )内は20名以上の団体割引料金。この料金で同時開催中の「“ビュフェ・スタイル”とは何か?」を観覧可【問い合わせ先】ベルナール・ビュフェ美術館TEL:055-986-1300
2023年06月15日展覧会「住友コレクション名品選 フランスと日本近代洋画」が大分県立美術館にて、2023年7月1日(土)から8月31日(木)まで開催される。住友家のコレクションを展示江戸初期に始まり、銅山経営を基盤に発展した住友を今日に至る近代企業へと躍進させた住友家第15代当主・住友吉左衞門友純(号春翠)。稀代の数寄者として知られる春翠が始めた美術品の蒐集は、長男の寛一、第16代当主友成に受け継がれ、西洋・東洋に精通した優れたコレクションが形成された。中でも、春翠が欧米視察旅行中にパリで購入した2点のクロード・モネは、最も早い時期に日本へもたらされたモネの実作として重要な存在となっている。住友家の須磨別邸には、この2作品に加えて貴重な洋画コレクションが飾られており、日本の画家たちに鑑賞の機会を与えると共に、日本の近代洋画の発展に貢献してきた。展覧会「住友コレクション名品選 フランスと日本近代洋画」では、住友コレクションより、泉屋博古館東京が所蔵するフランス絵画および日本近代洋画より厳選した85点を紹介。モネやピエール=オーギュスト・ルノワール、パブロ・ピカソ、ジャン=ポール・ローランス、浅井忠、鹿子木孟郎、藤島武二、岸田劉生、梅原龍三郎ら、フランス絵画や日本人画家による油彩画などの名品の数々を鑑賞することができる。フランスと日本の美を比較また、会期後半では、「フランスと日本 美の対決」と題して、主題や技法をめぐり共通項を見出しながら、西洋と東洋の作品を対峙させる。異なる文脈から生まれた作品を並べて配置することで、鑑賞者へ新たな発見を促す。豊富なバリエーションの住友洋画コレクションならではの試みとなっている。展覧会概要展覧会「住友コレクション名品選 フランスと日本近代洋画」会期:2023年7月1日(土)~8月31日(木)会場:大分県立美術館 3階 展示室B住所:大分県大分市寿町2-1開館時間:10:00~19:00(金・土曜日は20:00まで)※入場はいずれも閉館30分前まで観覧料:一般 1,200円(1,000円)、高校・大学生 1,000円(800円)、中学生以下無料※( )内は前売および有料入場20名以上の団体料金※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の提示者および付添者(1名)は無料※会期中にかぎり、本展の半券提示によりコレクション展を無料で1回観覧可<主な出展作家>クロード・モネ、オーギュスト・ルノワール、ジャン=ポール・ローランス、ピエール・ボナール、モーリス・ド・ブラマンク、ジョルジョ・ルオー、パブロ・ピカソ、マルク・シャガール、浅井忠、鹿子木孟郎、藤島武二、岸田劉生、岡田三郎助、梅原龍三郎、中川一政、岡鹿之助、小磯良平、坂本繁二郎、熊谷 守一、山口薫、香月泰男、他総出品点数:85点※浅井忠6点については会期半ばで3点ずつ展示替えを行う【問い合わせ先】大分県立美術館TEL:097-533-4500
2023年06月09日5月31日(水)より、東京・上野の森美術館にて特別展『恐竜図鑑-失われた世界の想像/創造』が開催されている。恐竜展といえば化石の展示などが一般的だが、本展は「パレオアート」の世界に着目した異色の展覧会だ。「パレオアート」とは、化石などからの学術的根拠に基づき、イメージを膨らませて古代生物の姿を描く復元画のことである。19世紀初頭に恐竜の骨の化石が発見されてから、人々は想像力をさまざまに働かせて恐竜の姿を描いてきた。本展では、まだ研究が進んでいない19世紀に描かれた奇妙でユーモラスな恐竜たちから、現代のリアルな恐竜像にいたるまで、世界各国から約150もの貴重な作品が集結している。パレオアートの2大巨匠であるチャールズ・R・ナイトとズデニェク・ブリアンのオリジナル作品が一堂に会するのも見どころのひとつ。いきいきと躍動的な恐竜の姿を描いて、映画「ロスト・ワールド」(1925年)や「キング・コング」(1933年)などにも影響を与えたチャールズ・R・ナイトの作品と、ヨーロッパ美術のリアリズムの伝統を踏まえ学術的にも強い説得力を持つズデニェク・ブリアンの作品は、日本の図鑑などにも模写されており、かつて恐竜図鑑に胸をときめかせた大人たちにも新たな感動を与えてくれるはずだ。本展を企画した神戸芸術工科大学芸術工学教育センター 教授(元兵庫県立美術館学芸員)の岡本弘毅氏は、「恐竜の展示物というと大きな骨格標本や化石がメインだと思われがちだが、今回は化石の脇役として置かれている生体復元図に着目し、太古の恐竜たちがどのように生きて動いていたのかを解き明かす。恐竜が発見されたのは約200年前であり、人類に知られてからの歴史は意外と長くない。その200年間のなかで人々の恐竜のイメージがどのように変わっていったのか、生物学的な知識が増えることによって恐竜の姿がどんどんクリアになっていく変遷を楽しんでほしい」と話す。日本の現代作家によるマンガやアート作品など、恐竜を「美術の視点」でとらえた展示も面白い。会期は7月22日(土)まで。会期中は無休。開館時間は平日・午前10時~午後5時、土日祝・午前9時半~午後5時(入場は閉館の30分前まで)。取材・文:北島あや
2023年06月08日株式会社シソン(所在地:東京都渋谷区)は、代官山シソンギャラリーにて、寺井ルイ理による新作絵画展を2023年6月24日より7月2日まで開催いたします。アトリエにて1(制作途中の壁面)「美しい」「すごい」「ヤバい」「かっこいい」「面白い」―――。アーティストの作品を観て、それぞれが、それぞれの感想を抱く。正直に言うと、彼の作品を初めて観た時の感想は「???」だった。よくわからない。わからないから余計に引き込まれて観入ってしまう。これ、なんだろう?わからない。わかるはずもない。彼はきっと、人がわかるものを作って、わからせようなんて思っていない。だけど観ているといろんな発見がある。ひとつの作品の幾重にもなったレイヤーが化学反応を起こしている、とさらに引き込まれる。不思議な吸引力だ。そして創作の風景を想像する。彼のアトリエは、ごく普通のマンションの一室。元工場とか元問屋とか、生活感がない場所で描かれていそう、と想像したのに、肩透かしを喰らう。しかし一歩部屋に足を踏み入れると、生活感なんてまるでなかった。それはそうだ、何せアトリエだしね。2DKの2室共にキャンバスが並び、無造作(のように見える)に置かれた画材と作品と大きなスピーカー。外観とのギャップにくらくらして、置いてあるモノ、飾ってあるモノ、全てが気になって視点が定まらない。「銀座で働く友人が『おもちゃ箱をひっくり返したみたい!』って言ってたよ(笑)。それってさ、すごい褒め言葉じゃない?おもちゃがそこら中にひっくり返ってるんだもん、そんな楽しい状況ないよね。」アトリエにて2(ルイ氏)アトリエにて3誰もやっていない事を面白がってやってみる。「僕は千利休が好きなんだけど、彼が最初に使っていた茶碗なんて、朝鮮半島の『高麗茶碗』と呼ばれる素朴な感じの、ごく一般的な器だったんですよね。利休は美しさを価値があるもの、としてではない、雑器を茶室に持ち込んで、その無作為な美を評価したことで、価値観に変化が起きた。すごく面白いですよね。僕も陶器の作品を作ったんですよ。廃棄されてる器に取っ手を付けてマグカップにしたものです。萩焼や益子焼、いろいろあって、安ければ安いほどアートにした時、面白いんですよね。」そう言ってユニークな形の取っ手を付け、釉薬をかけて焼き直したマグカップを見せてくれた。アトリエにて4また一時期、彼のライフワークは「#ファッションブロガー」だった。昨年退任したが、GUCCIのクリエイティブディレクターにアレッサンドロ・ミケーレが着任した2015年はノームコアが主流。ブログなんてやっていないルイだが、ミケーレのデコラティブなGUCCIで全身コーディネートした写真に「#ファッションブロガー」とハッシュタグをつけてInstagramに投稿。定期的に発信し続け、シリーズ作品化した。当時の感覚だと一種の皮肉にも思えるかもしれないが、ギリギリのラインを真顔で着こなす絶妙なキッチュさが面白い。「僕は“価値観の定義の問い”や“価値観の昇華”に興味があって。矛盾や、物事の狭間を考える事が好きだなんだと思います。『トレンドって何?』ということについて考える事とか。お洒落が個性とオリジナルなら、“誰も着こなせないようなトリッキーな服”が1番お洒落っていう答えに行き着いた。僕はあえて合わない色を探している部分もあって。多くの人達は相性の良い色の組み合わせを探すから、不安になると思うんだけど、僕の場合、色が合わない時が最高なんです。だけどまだ合わない色同士に出会った事はありません」「ジュラシックパークのティラノサウルスは6800万年前の夢を見るのか? 本当にもし恐竜が復活したら、何千年万年前の夢を見るのか考えてみたんです。フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のタイトルがずーっと好きで、いつも色々な物事をこのタイトルに当てはめて考えてます。現代に復活した恐竜は、現代と何千年前のハイブリッドの夢を見るのか?もしそうなら、夢の絵柄を想像すると楽しい。『アンドロイドは〜』の原題は『Do Androids Dream of Electric Sheep?』なんだけど、好きなのは日本語タイトル。“電気羊”って、電気鰻みたいじゃない?“Electric Sheep”は電気で動く羊だけど“電気羊”は電気を発電してるかもしれない。アンドロイドの羊じゃなくていいわけです。本当は“電力羊”と訳すべきだったんですよね。“電気羊”と訳したことで、イマジネーションの幅ができた。実は元はストレートヘアの羊で、自分の電気でチリチリなのかな、とか(笑)」今回の展示のテーマは「ハイブリッドドリーム “夢は時空を超えて見れるか?”」どんなハイブリッドな夢を見せてくれるかが楽しみである。アトリエにて5■イベント概要イベント名: 寺井ルイ理「ハイブリッドドリーム“夢は時空を超えて見れるか?”」開催日時 : 2023年6月24日~7月2日 13:00~19:00(月曜休廊)開催場所 : シソンギャラリーアクセス : 代官山駅より徒歩8分、渋谷駅より10分詳細ページ: ■作家プロフィール寺井ルイ理 Louis Terai東京生まれ。11歳より単身渡英。Central St Martins LONDONからWINCHESTER SCHOOL of ART入学後、FINE ART PAINTINGを専攻し卒業。その後展覧会に絵画作品を発表するかたわら、ロンドンを拠点に多数のアパレルブランドに企画、バイヤー(BROWNS)として携わる。30歳で帰国。以降、アブストラクトペインティングを中心に作品を発表、国内外のコレクターに親しまれている。また伊勢丹新宿本店ウィンドウのジャックや、ルイ・ヴィトン、3.1 Philip Lim、CA4LA、開化堂、中川木工芸、風月堂等の国内外のブランドや企業とのコラボレーションなども展開している。絵画制作だけにとどまらず、様々なディスプレイデザインやブランドプロダクトディレクションも手掛けている。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年06月08日京都府立堂本印象美術館(所在地:京都府京都市北区 )は、企画展「大好き 印象の動物・鳥・昆虫」を、会期:2023年6月17日(土)~11月23日(木・祝)にて開催いたします。チラシ▼会期 2023年6月17日(土)~11月23日(木・祝)▼開館時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)▼休館日 月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌平日休館)予定を変更する場合がございます。ご来館前に当館ホームページなどで最新情報をご確認ください。▼入場料金 一般510(400)円、高大生400(320)円、小中生200(160)円※( )は20名以上の団体料金※65歳以上の方(要公的証明書)および障害者手帳をご提示の方(介護者1名含む)は無料▼主催 京都府、京都府立堂本印象美術館、京都新聞▼助成 一般財団法人地域創造【展覧会概要】動物、鳥、虫などの動く生きものをいかに表現するかは、多くの画家が取り組んできたテーマでした。堂本印象(1891-1975)も、京都画壇の伝統的な写生の技を引き継ぎながら、「花鳥画」「動物画」という枠だけではなく、《西遊記》の孫悟空、インドの伝統風習をロマンチックに描いた《乳の願い》の他、「風景画」「歴史画」「戦争画」、さらには工芸品の中にも、生きものたちを登場させています。本展では、印象がどのように動物たちと向き合い、モチーフに取り入れて表現したのかを紹介します。リアルを追求した写実的な表現から、ユーモアあふれる動物、そして、かわいらしい猫まで、多彩な印象芸術をこの機会に心ゆくまでお楽しみください。【展覧会のみどころ】(1) 時代ごとに変化する動物画●大正時代、印象はインドに強い憧れを抱いていました。実際、インドには行っていないのに、こんなリアルに牛を表現しています。堂本印象「乳の願い」1924年 京都府立堂本印象美術館蔵●印象が描くと、物語もさらに楽しめる。躍動感あふれる孫悟空の表現に注目。堂本印象「西遊記」(部分)1920年 京都府立堂本印象美術館蔵●見つめあっているけど、どんな会話をしているのかな。堂本印象「羽風」1929年 京都府立堂本印象美術館蔵●卯年生まれのパトロン岩崎小彌太のために制作した愛らしい兎たち。堂本印象「兎春野に遊ぶ」1938年 京都府立堂本印象美術館蔵●戦時中には軍用犬を描いています。堂本印象「霧」1942年 京都府立堂本印象美術館蔵●晩年にはこんな愛らしい猫も。堂本印象「小さな猫」1968年 京都府立堂本印象美術館蔵(2) 作品の中に登場する昆虫●青い着物の子供が見ているのは、葉に付いたセミの抜け殻。堂本印象「實」1930年 京都府立堂本印象美術館蔵●印象は、自作の器に絵付けもしています。堂本印象「蜻蛉絵手鉢」1937年 京都府立堂本印象美術館蔵(3) 写実的なスケッチからデザイン的なものまで●美味しそうな海老。堂本印象「海老」1936年 京都府立堂本印象美術館蔵●コラージュしたお洒落な千鳥。堂本印象「千鳥」1960年 京都府立堂本印象美術館蔵●松葉風の鶴の斬新な意匠。堂本漆軒「印象案双鶴吸物椀」1955年頃 個人蔵【イベント】<ギャラリートーク>日時:2023年8月5日(土)14:00~2023年9月24日(日)14:00~2023年10月21日(土)14:00~場所:2階展示室【その他の出品作品】堂本印象「猫」1922年 京都府立堂本印象美術館蔵堂本印象「蒐猟」1928年 京都府立堂本印象美術館蔵堂本印象「夏日好在」1940年 京都府立堂本印象美術館蔵【問合せ先】京都府立堂本印象美術館〒603-8355 京都府京都市北区平野上柳町26-3TEL : 075-463-0007HP : アクセス: 京都市バス「立命館大学前」下車すぐ 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年06月06日イッタラ(iittala)の企画展「イッタラ展フィンランドガラスのきらめき」が、長崎県美術館にて、2023年7月1日(土)から9月3日(日)まで開催される。Bunkamura ザ・ミュージアム、島根県立石見美術館でも開催された巡回展だ。イッタラの大規模展覧会イッタラは、フィンランド・ヘルシンキの北約120kmにあるガラス工場からスタートしたライフスタイルブランド。アルヴァ・アアルトやカイ・フランクなどデザイン史を牽引した建築家やデザイナーとともに歩み、美しさと機能性を兼ね備えたプロダクトを提案してきた。「イッタラ展フィンランドガラスのきらめき」は、東京を皮切りに、島根、長崎、京都などを巡回する、日本初となるイッタラの大規模展覧会。フィンランド・デザイン・ミュージアムで開催された展覧会を再構築し、イッタラの140年に及ぶ軌跡に迫る。約450点を展示会場では、約12,000点に及ぶ世界最大のイッタラコレクションを誇るフィンランド・デザイン・ミュージアムと、イッタラのアーカイブから約450点を展示。ガラスを中心に、陶磁器、映像などを紹介する。日本との繋がりにも着目また、「イッタラ展フィンランドガラスのきらめき」ではイッタラと日本の繋がりにも着目。ミナ ペルホネンの皆川明や隈研吾の撮り下ろしのインタビュー映像で、イッタラと日本人デザイナーたちの仕事に迫る。展覧会概要企画展「イッタラ展フィンランドガラスのきらめき」会期:2023年7月1日(土)~9月3日(日)休館日:7月10日(月)、7月24日(月)、8月28日(月)開館時間:10:00~20:00(最終入場19:30)会場:長崎県美術館 企画展示室住所:長崎県長崎市出島町2-1観覧料:一般1,300(1,100)円、大学生・70歳以上1,100(900)円※高校生以下は無料。※( )内は前売または15名以上の団体割引料金。※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、障害福祉サービス受給者証、地域相談支援受給者証、特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)医療受給者証、先天性血液凝固因子障害等医療受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証の提示者および介護者1名は5割減額。※会期中、本展観覧券でコレクション展にも入場可。前売券販売期間:2023年6月10日(土)~6月30日(金)前売券販売所:チケットぴあ(Pコード686-526)、ローソンチケット(Lコード84412)、セブンチケット(セブン-イレブン)、CNプレイガイド(ファミリーマート)、好文堂書店、紀伊國屋書店 長崎店、メトロ書店 長崎本店、くさの書店チトセピア店、長崎県美術館【問い合わせ先】長崎県美術館TEL:095-833-2110
2023年06月05日展覧会「MUCA(ムカ)展 ICONS of Urban Art(アイコンズ オブ アーバン アート)~バンクシーからカウズまで~」が、大分市美術館にて2023年7月22日(土)から10月9日(月・祝)まで開催される。その後、京都、東京へ巡回予定。ドイツ・ミュンヘンの美術館「MUCA」コレクションが集結ドイツ・ミュンヘンに拠点を置く「MUCA(Museum of Urban and Contemporary Art)」は、ヨーロッパ最大級のアーバン・アートや現代アートのコレクションを収蔵する美術館。現代の都市空間で発達した視覚芸術である、壁や建物、道路や橋などの公共の場所に描かれたアートを差すアーバン・アートや、現代アートにおける20・21世紀の有名アーティストの作品を展示している。MUCAは、この分野での作品収集の第一人者として知られており、都市の景観を作品の一部として主に収蔵している。ポップ・アートからニューリアリズムまで、都市環境の中の芸術、抽象絵画、社会・政治問題など多様なテーマを扱い、そのコレクションは1,200点以上を誇っている。「MUCA展 ICONS of Urban Art~バンクシーからカウズまで~」は、MUCA所蔵の60点を超える貴重な作品が集結するドイツ国外初となる展覧会。バンクシーやカウズ(KAWS)などのアーティストたちのアイコニックな作品の展示を通して、彼らの軌跡を辿り、人気の秘密に迫る。会場では、バンクシーらのほか、インベーダーやフランスのストリートアーティストであり写真家のJR、アメリカのストリートアートを代表するシェパード・フェアリー、サンフランシスコを拠点に活動するバリー・マッギー、黒いシルエットの人物をモチーフにした作品で知られるリチャード・ハンブルトンなど、国際的に有名なアーティストのキャリアを決定づけた作品を展示する。約40年間にわたる現代アートの革命的なムーブメントに触れることができる、今までにない規模と迫力を兼ね備えた展覧会となっている。展覧会概要「MUCA展 ICONS of Urban Art~バンクシーからカウズまで~」会期:2023年7月22日(土)~10月9日(月・祝)会場:大分市美術館住所:大分県大分市上野865時間:10:00~18:00(最終入館17:30)休館日:9月11日(月)・19日(火)・20日(水)・25日(月)入場料:一般 1,800円、高大生 1,500円、中学生以下無料【問い合わせ先】大分市美術館TEL:097-554-5800
2023年06月03日企画展「幻の愛知県博物館」が、愛知県美術館にて、2023年6月30日(金)から8月27日(日)まで開催される。明治時代に存在した“愛知県博物館”を探る現在の愛知県には、県立の総合博物館がない。しかし、明治時代にまで遡ると、「愛知県博物館」は確かに存在していた。明治11年(1878年)に県が民間からの寄付金を集めて建てた博物館は、古くから伝わる貴重な文物から、味噌や醤油、酒、木材、陶磁器、機械、動植物に至るまで、国内外のあらゆるものを収集し、人々の知識を増やし技術の発展を促すことを目指す施設であった。とはいえ博物館をどのような施設にすべきか、方向が定まっていなかった明治時代。愛知県博物館は、先進的な商品見本を展示、販売し、県下の産業を刺激する商品陳列館(明治44年開館)へと、徐々にその姿を変えていくのであった。しかし戦後、日本各地で博物館や美術館が続々と建設されるなかで、殖産興業に比重を置く総合的な産業技術博物館としての愛知県博物館の存在は忘れ去られていく。「幻の愛知県博物館」は、殖産興業に比重を置く総合的な産業技術博物館としての役割を担っていた、愛知県博物館の忘れられた活動について紹介する展覧会だ。冒頭には、博物館のオープン記念博覧会にて展示された、名古屋城天守の金鯱のレプリカを展示。当時は「無用の長物」とされ、国内各地やウィーンで博覧会に出品された。東京湯島聖堂での博覧会風景を描いた昇斎一景による《東京名所三十六戯撰 元昌平坂博覧会》は、その様子をありありと伝えている。金鯱や名古屋城自体の歴史も辿りつつ、文化財や博物館がどのように生まれてきたのかについて考察する。また、愛知県商品陳列館、愛知県商品陳列所、愛知県商工館と、名を変えながら活動を続け、貴重な文物を守り、手本となる商品を世界中から集める、美術家たちに展示場所を与えるなど多様な活動を行っていた愛知県博物館。展覧会では、それらの博物館活動を当時の資料と共に掘り下げる。展覧会概要幻の愛知県博物館会期:2023年6月30日(金)~8月27日(日)会場:愛知県美術館住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター 10階開館時間:10:00〜18:00(金曜日は20:00まで)※入館は閉館30分前まで休館日:毎週月曜日(7月17日(月・祝)は開館)、7月18日(火)観覧料:一般 1,000円(800円)、高校・大学生 800円(600円)、中学生以下無料※( )内は前売券および20名以上の団体料金※上記料金で本展会期中にかぎりコレクション展も観覧可※割引については美術館ウェブサイトを参照※学⽣は当⽇会場で学⽣証を提示【問い合わせ先】愛知県美術館TEL:052-971-5511(代表)
2023年06月02日板橋区立美術館では、2023年6月24日(土)より『2023イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』を開催する。『イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』は、毎年ボローニャで行われる児童書専門の見本市、ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア(以下BCBF)が主催するイラストレーション・コンクール。児童書のために制作した作品(5枚1組)を審査して入選作を決定する同展は、新人絵本作家の登竜門として知られ、今年2023年は、91カ国から過去最多4345件の応募作のなかから、27カ国79名(組)が入選した。それらを紹介する同展は、多彩な表現やテーマ、技法など、最新の絵本のトレンドを見ることができる、絵本ファン必見の展覧会だ。入選作の紹介に加えて特別展示も充実する。まずコンクール入選者の中から35歳以下の優秀者を選考する「ボローニャSM出版賞」の2022年受賞者、アンドレス・ロペス(メキシコ)の新作絵本「Volver a mirar」を発表。またBCBF開催60回を迎えたことを記念して、これまでにボローニャ展に入選した20名のイラストレーターたちによる「BCBFの風景画と肖像画」も展示される。BCBFのロゴマークの4色(赤、オレンジ、マゼンタ、黒)を使った、生き生きとした作品群に目を奪われることだろう。さらに2023年のボローニャ展入選作の中から選んだ5枚を、木製の触察パネルにして紹介する特別展示「「視る」を超えて-触って「視る」ボローニャ展」も興味深い。イラストレーションを触って「視る」という新たな鑑賞のあり方を体験できる、貴重な機会となっている。同展開催期間中は、子供向けのワークショップやイラストレーター向けの連続講座など、関連イベントが盛りだくさん。板橋区内のカフェや書店、ギャラリーなどでも様々な催しが行われるので、詳細は同館ホームページで確認を。<開催情報>『2023イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』会期:2023年6月24日(土)~8月13日(日)会場:板橋区立美術館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)休館日:月曜(7月17日は開館)、7月18日(火)料金:一般650円、大高450円、中小200円※土曜中小無料公式サイト:
2023年06月01日「恐竜の絵」に着目した異色の特別展『恐竜図鑑 ― 失われた世界の想像/創造』が、5月31日(水) から7月22日(土) まで上野の森美術館で開催される。恐竜などの古代生物を描いた「パレオアート」の世界を、世界各国から集められた約150点の作品で紹介する興味深い展覧会だ。「パレオアート」とは、化石などの学術的根拠に基づいて古代生物を描く復元画のこと。19世紀に「恐竜」と名付けられることになる骨の化石が発見されると、人々は化石などの痕跡から想像をふくらませ、その太古の世界の生き物の姿を主に絵画のかたちで表現してきた。同展は、19世紀の奇妙な復元図から、近年の研究に基づく現代の恐竜画に至るまで、人々が古代生物に対して抱いていたイメージの変遷の歴史をたどる展示構成になっている。19世紀から現在まで、この200年の間に描かれた多彩な恐竜画群を通して、太古に失われた世界への想像の旅を楽しみたい。【第1章19世紀恐竜誕生――黎明期の奇妙な怪物たち】展示の冒頭を飾るのは、19世紀の恐竜“発見”から間もない時期に描かれた、パレオアート黎明期の作品群。地質学者ヘンリー・デ・ラ・ビーチの原画による《ドゥリア・アンティクィオル(太古のドーセット)》は、イギリスの女性化石採集者、メアリー・アニングの功績をたたえるために制作された版画で、古生物の生態を復元した史上初の絵画のひとつ。魚竜イクチオサウルスが首長竜プレシオサウルスを捕食している様子が描かれている。ロバート・ファレン《ジュラ紀の海の生き物―ドゥリア・アンティクィオル(太古のドーセット)》1850年頃 油彩・カンヴァスケンブリッジ大学セジウィック地球科学博物館展示風景よりまた、当時の有名画家であるジョン・マーティンが描いた《イグアノドンの国》は、イグアノドンの化石を発掘し、“恐竜を発見した男”として知られるギデオン・マンテルの依頼により描かれた作品。ベンジャミン・ウォーターハウス・ホーキングによる《白亜紀の恐竜―ニュージャージー》は、まるで映画『ジュラシック・パーク』を思わせる迫力の一作だ。イグアノドンだけでなく、それを取り巻く風景もロマンティックに描き出された太古の世界は、歴史的価値とともに、その奇妙さもまた魅力になっている。研究や情報が限られた時代だからこそ生まれた、イマジネーション豊かな作品の数々を味わいたい。ベンジャミン・ウォーターハウス・ホーキンズ《ジュラ紀初期の海棲爬虫類》1877年 油彩・カンヴァス プリンストン大学地球科学部、ギヨー・ホールベンジャミン・ウォーターハウス・ホーキンズ《水晶宮のイグアノドン》1853年頃 ブロンズロンドン自然史博物館【第2章19世紀末~20世紀半ば古典的恐竜像の確立と大衆化】同展の見どころのひとつは、恐竜画の2大巨匠が夢の競演を果たすことだ。19世紀末から20世紀前半にかけてアメリカで活躍したチャールズ・R・ナイトは、野生動物画家としての生物学的知見に基づき、恐竜を生き生きとした姿で描いて、「キング・コング」(1933年)などの映画にも影響を与えたと言われている。ティラノサウルスとトリケラトプスの対決を描いた《白亜紀―モンタナ》や、恐竜を躍動感あふれる姿でとらえた《ドリプトサウルス(飛び跳ねるラエラプス)》は恐竜画における記念碑的イメージだ。チャールズ・R・ナイト《白亜紀―モンタナ》1928年油彩・カンヴァスプリンストン大学チャールズ・R・ナイト《ドリプトサウルス(飛び跳ねるラエラプス)》1897年 グアッシュ・厚紙アメリカ自然史博物館、ニューヨークImage #100205624, American Museum of Natural History Library一方、20世紀中盤からチェコで活動したズデニェク・ブリアンは、ヨーロッパ美術のリアリズムの伝統を踏まえて、強い説得力をもつリアルな恐竜画を制作。当時の化石発掘の中心地であったアメリカから遠く離れた東欧圏で、直接化石を研究できる機会が限定された環境にありながらも国際的な評価を獲得した。日本の図鑑などにも模写され、恐竜のイメージの普及に大きな影響を与えた二人による、恐竜画のオリジナル作品が一堂に会する貴重な機会となっている。ズデニェク・ブリアン《シルル紀の海の生き物》1951年 油彩・カンヴァス ドヴール・クラーロヴェー動物園ズデニェク・ブリアン《タルボサウルス・バタール》1970年 油彩・カンヴァスモラヴィア博物館、ブルノ【第3章日本の恐竜受容史】19世紀に欧米で成立した恐竜のイメージは、世紀末には日本にも移入。古生物学者、横山又次郎によって「恐竜」という訳語が作られて以来、科学雑誌や啓蒙書、子供向けの漫画や絵物語、ジュール・ヴェルヌの『地底旅行』(1864年)やコナン・ドイルの『失われた世界』(1912年)といった古典SFの翻訳など、恐竜を主題にした出版物が広く刊行された。所十三 《vol.1 「掟」》『DINO²(ディノ・ディノ)』漫画原稿2002年インク、アクリル、スクリーントーン・紙作者蔵本章では、恐竜をテーマにした数々の漫画を手掛けた所十三の代表作『DINO²(ディノ・ディノ)』の貴重な原画も展示される。恐竜はまた、一般的な美術、いわゆるファインアートの領域でもしばしば象徴的なモチーフとして登場しており、美術における恐竜のシンボリズムについて、福沢一郎や立石紘一、篠原愛など、いくつかの作例で紹介されている。立石紘一 《アラモのスフィンクス》1966年油彩・カンヴァス東京都現代美術館篠原愛 《ゆりかごから墓場まで》2010-11年油彩・カンヴァス鶴の来る町ミュージアム【第4章20世紀後半~21世紀科学的知見によるイメージの再構築】“恐竜ルネッサンス”とも呼ばれる大きな変革がもたらされた1960年代から70年代。「鈍重な生き物」から「活発に動く恒温動物」へと恐竜像が変化したことに伴い、恐竜画もさらなる進化を遂げ、新しい表現のアーティストが次々と登場した。本章では、多くの恐竜ファンの原体験となっている、カルト的な人気を誇る米イラストレーター、ウィリアム・スタウトの《沼地での殺害—クリトサウルスを襲うフォボスクス》をはじめ、現代の恐竜画の旗手たちのバラエティ豊かな作品群が集結。また、現代日本を代表するパレオアーティスト、小田隆の迫力ある作品も特集されており、CGを用いずに圧倒的な迫真性を生み出す肉筆画は必見だ。ウィリアム・スタウトの《沼地での殺害—クリトサウルスを襲うフォボスクス》1980年水彩・紙福井県立恐竜博物館小田隆《篠山層群産動植物の生態環境復元画》2014年 アクリル・カンヴァス丹波市立丹波竜化石工房取材・文・撮影:内田涼<開催情報>特別展『恐竜図鑑 ― 失われた世界の想像/創造』2023年5月31日(水)~7月22日(土)、上野の森美術館にて開催
2023年05月31日東京・サンシャインシティプリンスホテルから、“泊まれる美術館”をテーマにしたイギリス国立美術館「ロンドン ナショナル・ギャラリー」とのコラボレーション宿泊プランが登場。期間は、2023年6月17日(土)から10月31日(火)まで。イギリス国立美術館「ロンドン ナショナル・ギャラリー」とコラボ“泊まれる美術館”テーマの「ファン・ゴッホ」コンセプトルームサンシャインシティプリンスホテルがタッグを組むのは、数多くのアート作品を保有しているイギリス国立美術館「ロンドン ナショナル・ギャラリー」。コラボレーションプランでは“泊まれる美術館”をテーマに、ファン・ゴッホの名画を散りばめたコンセプトルームを用意する。コンセプトルームの壁にはファン・ゴッホの作品を展示。ベッドには、コラボレーションプランのために特別に作られたクッションや「ロンドン ナショナル・ギャラリー」のロゴをあしらったベッドスローを設置する。さらに、 宿泊者限定のオリジナルグッズとして、ファン・ゴッホの絵画をデザインしたトートバッグ、キーホルダー、ハンカチタオル、クリアファイル、カードキーの5種をプレゼントする。ゴッホの代表作《ひまわり》モチーフのパフェ期間中は、「ロンドン ナショナル・ギャラリー」所蔵のファン・ゴッホの代表作《ひまわり》をモチーフにしたパフェも販売。黄色やオレンジ色をベースカラーに採用し、ソースやゼリー、アイスクリーム、クッキーなどを重ね、仕上げに“ひまわり”をイメージしたチョコレートを飾った。名画の複製画を展示さらにホテル館内では、「ロンドン ナショナル・ギャラリー」所蔵名画の複製画全9点を展示。《ファン・ゴッホの椅子》や《アニエールの水浴》を鑑賞できる。【詳細】「ロンドン ナショナル・ギャラリー」コラボレーションプラン期間:2023年6月17日(土)~10月31日(火)場所:サンシャインシティプリンスホテル住所:東京都豊島区東池袋3-1-5■コンセプトルーム宿泊プラン※1日2室限定予約開始日:2023年5月26日(金)12:00~※予約はホテル公式ウェブサイト内専用ページにて受付開始。料金:1名 13,400円~※1室2名利用時※料金には、1名の1泊室料、オリジナルグッズ、サービス料が含まれている。※そのほかに、パフェ「ひまわり」付きの宿泊プランも用意。※料金は、宿泊日、利用人数により異なる。※詳細はホテル公式ウェブサイト内専用ページを要確認。【問い合わせ先】サンシャインシティプリンスホテル 宿泊予約TEL:03-5954-2238 (受付時間:10:00~17:00)■パフェ「ひまわり」場所:カフェ&ダイニング Chef’s Palette(ホテル1F)提供時間:12:00~19:00(ラストオーダー18:30)料金:1名 2,900円(コーヒ・紅茶付き)※サービス料込。※仕入れの状況より、メニュー・食材に変更がある場合がある。【問い合わせ先】カフェ&ダイニング Chef’s PaletteTEL:03-5954-2254(受付時間:10:00~18:00)※画像はイメージ。
2023年05月27日