企画展「マルク・シャガール版にしるした光の詩(うた)神奈川県立近代美術館コレクションから」が、東京の世田谷美術館にて、2023年7月1日(土)から8月27日(日)まで開催される。シャガールの版画作品約140点が一堂に宙を舞う恋人たちや花束、動物などを幻想的で色彩豊かに描いた絵画作品で知られる、マルク・シャガール。シャガールは絵画制作のかたわら版画も手がけており、2,000点以上の作品を残している。版元や工房との協働を通じて制作された版画作品には、絵画に通ずる部分がありつつも、版画ならではの表現も見てとることができる。企画展「マルク・シャガール版にしるした光の詩(うた)神奈川県立近代美術館コレクションから」では、神奈川県立近代美術館の所蔵作品より、1950〜60年代にかけて刊行された6つの版画集から厳選された作品約140点を展示する。たとえば『ダフニスとクロエ』や『サーカス』は、色彩豊かなリトグラフによる、シャガールを代表する作品だ。一方、シャガールは豊かな色彩表現にはとどまらない版画技法を探求しており、その例としてモノクロームのエッチングによる『ラ・フォンテーヌ寓話集』や、木版による荒々しく素朴な味わいを楽しめる『ポエム』などを挙げることができる。本展では、技法ごとの表現の違いや、題材や制作の背景などに光をあてつつ、シャガールの版画作品を紹介してゆく。展覧会概要企画展「マルク・シャガール版にしるした光の詩(うた)神奈川県立近代美術館コレクションから」会期:2023年7月1日(土)〜8月27日(日)会場:世田谷美術館住所:東京都世田谷区砧公園1-2開館時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)休館日:月曜日(7月17日(月・祝)は開館)、7月18日(火)観覧料:一般 1,200円、65歳以上 1,000円、高校・大学生 800円、小・中学生 500円、未就学児 無料【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2023年05月26日20世紀の絵画表現を牽引した抽象絵画の展開をたどる企画展が、東京・京橋のアーティゾン美術館で、6月3日(土)から8月20日(日)まで開催される。同館の所蔵品と、国内外の美術館や個人コレクションからの出品作を合わせ、約250点を展観する大型展だ。19世紀後半の印象派の誕生以来、絵画の革新が進められるなかで、20世紀初頭に展開されたフォーヴィスムやキュビスムといった前衛的な美術運動。抽象絵画は、そうした革新的な表現の到達点のひとつとして登場し、ふたつの大戦を経てさらに展開され、20世紀の絵画表現を牽引していくことになった。同展は、その抽象絵画の歴史を、発生時からおよそ1960年代までの作品によってたどるとともに、フランスを中心としたヨーロッパから、アメリカ、さらに日本にも波及した広がりにも焦点をあて、各地の動向を紹介していく。充実した内容で、同館のすべての展示室を使った大規模な展示になるという。見どころのひとつは、アーティゾン美術館の前身であるブリヂストン美術館が2015年に休館して以来、収集に力を注いできた抽象絵画の新収蔵作品95点が一挙に公開されること。抽象絵画を創始したカンディンスキー、クレー、ドローネー、クプカなどの初期作や、抽象絵画が生まれるきっかけとなったフォーヴィスムの作品など、同館のコレクションの拡充ぶりを目の当たりにできることだろう。同展ではまた、国内の他館と個人コレクションから重要作が約 70 点出品されるほか、ポンピドゥー・センターなど海外の美術館や個人コレクションから、計 30 点余りが来日をはたす。日本初公開作品がある点でも、貴重な機会となる。展覧会内にふたつの特集展示があるのも楽しみなところだ。ひとつは、第二次大戦直後のフランス抽象絵画の興隆を担ったアルトゥング、スーラージュ、ザオ・ウーキーの3巨匠の晩年に焦点をあてたセクション。もうひとつは、20世紀の抽象絵画の伝統を受け継ぎながら、新たな表現を展開している現代美術家7人の新作を中心とするセクションだ。誕生から展開、そして現在の展望まで、抽象絵画の歴史をたどるとともに、その多彩な魅力を満喫できる展覧会となるに違いない。<開催情報>『ABSTRACTION抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ』会期:2023年6月3日(土)〜8月20日(日)会場:アーティゾン美術館時間:10:00~18:00、金曜(8月11日を除く)は20:00 まで(入館は閉館の30分前まで)休館日:月曜(7月17日は開館)、7月18日 (火)料金:ウェブ予約チケット1,800円、当日チケット(窓口販売)2,000円※学生無料(要ウェブ予約)、中学生以下の方はウェブ予約不要※ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、美術館窓口で当日チケットの販売あり美術館公式サイト:
2023年05月26日戦国乱世に終止符を打ち、天下統一を成し遂げた徳川家康に焦点を当てたNHK大河ドラマ特別展「どうする家康」が東京・三井記念美術館で現在開催中だ。家康のほか、織田信長、豊臣秀吉と戦国三英傑にまつわる品々も展示され、充実の内容!「教科書で見たことのある時計や、刀があってすごいなぁと思いました」そう話すのはドラマで家康の幼少期・竹千代を演じた川口和空(14)。ドラマの第2回で川口が登場すると、ジュニア時代の松本潤(39)にそっくりと話題に。共演シーンはなかったけれど、スタジオの下見で挨拶する機会があったそう。「そのときに松本さんから『竹千代だよね?似てるね!』って言っていただきました。『本当ですか?ありがとうございます!』と返事をしました。初めてお会いしたので、緊張してどきどきしました」織田信長役の岡田准一(42)との撮影シーンが多く、「殺陣のことを聞くと、こうしたほうがいいよとアドバイスをくださったり、熱くて優しい方でした」と振り返る。展示はプロローグ、第1~6章、エピローグの構成となっており、川口は若き日の家康(松平元康)が永禄4(1561)年に記したとされる文書《松平元康覚書》や、家康自筆とされるサギの水墨画《水艸立鷺図》伝徳川家康筆に視線がくぎ付け!また、関ヶ原の布陣図までが記されている、俯瞰で描かれた壮大な屛風《大日本五道中図屏風(江戸~京都)》のスケールにも圧倒されていた。なかでも、やはり特に見入っていたのは、家康が桶狭間の戦いで着用したと伝わる、桃山時代(16世紀)に作られた甲冑の金陀美具足(重要文化財)。ドラマや「浜松まつり」で松潤・家康が着用して話題になった。「金色の甲冑は思ったよりも金でした。すごく昔のものがあんなに光っていてすごいなと思いました」人目を引く金の甲冑についた無数の傷が、約460年の時を超えて目の前に迫ってくる。家康の生きた時代を体感できる貴重な展覧会だけに、充実の時を過ごせるはず。
2023年05月22日企画展「谷内こうた展 風のゆくえ」が、2023年6月24日(土)から10月1日(日)まで、ちひろ美術館・東京にて開催される。絵本画家・谷内こうたの回顧展谷内こうたは、1971年、23歳のときに3作目の絵本『なつのあさ』で日本人として初めてボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞し鮮烈なデビューを果たした絵本画家。そぎ落とされた絵と詩のような言葉で展開される絵本は読者にインパクトを与え、日本やヨーロッパの人々を魅了した。企画展「谷内こうた 風のゆくえ」は、2019年に71歳でこの世を去った谷内の回顧展。絵本原画や、初公開作品を含めた雑誌の表紙絵など、初期から晩年の作品までを展示し、数々の写真や資料と共に彼の画業全体像を紹介する。絵本『のらいぬ』や『つきとあそぼう』を紹介回顧展では、1979年と1981年、世界最大規模の絵本原画展であるブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)で「金のりんご賞」を受賞した『のらいぬ』『つきとあそぼう』の絵本、2018年の『ぼくたちのやま』など約90点の作品を一堂に展示。数々の国で紹介された、移り行く光や空気を色の変化で表す画風や、現実と架空の世界を自由に行き来する谷内独自の表現を目の当たりにできる。ドイツで描かれた貴重な油彩画を初公開また、ドイツやフランスの四季折々の自然や街並みの風景を愛した谷内は、35歳のときに家族と共にノルマンディーに移住すると、アトリエを構えて数多くの油彩画を描いた。回顧展では、ヨーロッパに魅せられた谷内が、20代前半で初めてドイツに滞在した際集中的に描いた初期の油彩画を初公開する。【詳細】企画展「谷内こうた展 風のゆくえ」会期:2023年6月24日(土)~10月1日(日)開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)会場:ちひろ美術館・東京 展示室1・2住所:東京都練馬区下石神井4-7-2休館日:月曜日(祝休日は開館、翌平日休館)出展作品数:約90点料金:大人 1,000円 / 高校生以下無料※団体(有料入館者10名以上)、65歳以上、学生は800円。※障害者手帳提示者、付き添い者1名まで無料。※年間パスポート3,000円。※会期は予告なく変更になる場合あり。【問い合わせ先】TEL:03-3995-0612
2023年05月21日ペンギンと金魚の合同写真展&イラスト物販展「ぺんぎょ展 2023」が、東京・浅草橋のギャラリー「TODAYS GALLERY STUDIO.」にて、2023年6月30日(金)から7月17日(月・祝)に開催される。7月29日(土)から8月27日(日)に名古屋ギャラリーに巡回予定。ペンギンと金魚の納涼アートが一堂に会するイベント「ぺんぎょ展 2023」は、夏の海やプールを軽やかに泳ぐペンギンと、ゆっくり優雅に泳ぐ金魚という相反する癒しの作品が一堂に会する合同写真展&イラスト物販展。会場には、ペンギン×金魚の夏の風物詩を感じる写真やイラストが展示され、癒しと涼しさが感じられる空間となっている。総勢38組のクリエイターが出展今回は、総勢38組のクリエイターが出展。たとえば、まるで空中を飛んでいるかのような“空飛ぶペンギン”をテーマにした新作を披露する「くわぺん」や、迫力のあるペンギン写真が魅力の「るるなっく」、『虚無かわいいアデリーペンギン』の漫画が人気の「おぞね」による作品を楽しめる。加えて、ペンギン系統図やペンギン星座など、ペンギンをメインとした作品を発表する「日比谷」は、ペンギンの生態についての解説なども併せて展示。より深くペンギンたちについて知ることができる。一方の金魚作品では、宝石のようにキラキラと輝く“Jewelry Fish”をテーマにした作品を披露する「中津原勇気」、ノスタルジックな雰囲気の作品がどこか懐かしい気持ちにさせる「ハラサトコ」らが出展予定だ。ペンギン&金魚グッズも盛り沢山さらに、会場ではペンギン&金魚グッズが勢揃い。「ちゃきぴこ」による「ペンギンさんと金魚鉢フロートフィギュア」や、「安堂 真季」の「本の中を金魚が泳ぐ透明写真栞」など、「ぺんぎょ展」でしか手に入らないグッズが多彩にラインナップする。【詳細】ペンギンと金魚の合同写真展&物販展「ぺんぎょ展 2023」■東京開催期間:2023年6月30日(金)~7月17日(月・祝)営業時間:平日 11:00~18:00、土日 11:00~19:00休館日:毎週月曜日(7月17日(月・祝)は開館)会場:トゥデイズ ギャラリー スタジオ住所:東京都台東区浅草橋5-27-6入場料:600円※3歳以下は入場無料出展者:38組■名古屋開催期間:7月29日(土)~8月27日(日)営業時間:11:00~18:00休館日:毎週月・火曜日(8月21日(月)~8月25日(金)は休館)会場:トゥデイズ ギャラリー スタジオ 名古屋住所:愛知県名古屋市中区新栄1-17-12入場料:600円※3歳以下は無料出展者:38組※上記は予定のため、内容は変更になる可能性あり
2023年05月19日5月7日(日) まで群馬・太田市美術館 図書館で行われていた展覧会『なむはむだはむ展「かいき!はいせつとし」』の巡回展が、5月20日(土) から6月4日(日) まで兵庫・バイソンギャラリーで開催されることが決定した。「なむはむだはむ」は、岩井秀人、森山未來、前野健太の3名によるプロジェクト。「子供たちのアイデアを大人たち(プロのアーティスト)がなんとか作品にする」というコンセプトのもと、子どもたちとともにワークショップを実施し、そこで生まれたアイデア(物語)を見つめ、解釈し、身体表現、音楽表現を伴う舞台作品や映像作品としてアウトプットしている。バイソンを設営・運営している廃屋リノベーション集団「西村組」と同展のキュレーターを務める森山は、2022年度に神戸市経済観光局が主催となって行われたアートイベント『KOBE Re:Public Art Project』などさまざまな形で協働しており、太田市美術館 図書館での個展に際しては、西村組が保存していた廃屋から出る様々な残置物を使って作品を制作・展示していた。『なむはむだはむ展「かいき!はいせつとし」〜ミニ巡回展もしくは凱旋展! in KOBE〜』と銘打った今展示は、太田市美術館 図書館での展示を一部抜粋した“ミニ”巡回展として、さらには西村組の協力によって生まれた作品群の“凱旋展”として行われる予定だ。■キュレーター 森山未來 コメント2023年2月18日より5月7日まで太田市美術館・図書館(群馬県)にて開催された『なむはむだはむ展「かいき!はいせつとし」』の巡回展を、神戸市兵庫区梅元町に2023年5月より新たに開設されたアーティスト村「バイソン」にて開催します。バイソンを設営・運営している廃屋リノベーション集団「西村組」となむはむだはむメンバー・森山未來は2022年度に神戸市経済観光局が主催となって行われたアートイベント「KOBE Re:Public Art Project」など、さまざまな形で協働しています。さらに今回の太田市美術館・図書館での個展に際しては、森山は西村組が保存していた廃屋から出る様々な残置物を使って作品を制作・展示していました。今展示は、太田市美術館・図書館での展示を一部抜粋した“ミニ”巡回展として、さらには西村組の協力によって生まれた作品群の“凱旋展”として、大人から子供まで、鑑賞者の皆様に楽しんでいただければと願っています。<開催情報>なむはむだはむ展『かいき!はいせつとし』〜ミニ巡回展もしくは凱旋展! in KOBE〜5月20日(土) ~6月4日(日) 兵庫・バイソンギャラリー11:00~18:00(入場は17:30まで)観覧料:投げ銭方式アーティスト:岩井秀人(作家・演出家・俳優)、森山未來(俳優・ダンサー)、前野健太(シンガーソングライター)、金氏徹平(美術家・彫刻家)なむはむだはむ 公式サイト:
2023年05月16日世界でも稀な写実絵画の専門美術館として、2010年の開館以来、様々なテーマで写実絵画を紹介してきた千葉市のホキ美術館で、人物画の表情に注目した特別展が5月25日(木)から11月5日(日)まで開催される。写実絵画とは、対象を見たままに忠実に描くことを基本とする絵画だ。リアルな表現を求め、長い時間をかけて丁寧に、また様々な技法を駆使して緻密に描かれる。人物画、肖像画、風景画、静物画と、様々な主題があるが、人物画を特集する同展では、画家がモデルと対峙するなかで引き出す表情に着目している。人物画は、微笑みを浮かべているものばかりではない。何かを訴えているような表情、戸惑っているような不安げな表情、挑むかのようにこちらを見つめる表情、一言では言い表せないあいまいな表情……。ときに謎めいたその表情をどのように受けとめるかは、観る者にまかされている。描かれた一人ひとりの表情とじっくり向き合うことで、作品と静かに対話を交わす機会をもたらしてくれるのが今回の展覧会だ。今回、生島浩、石黒賢一郎、塩谷亮、廣戸絵美、藤田貴也、松永瑠利子、三重野慶、本木ひかり、羅展鵬(ローチャンペン)の9名が、初展示の新作を発表する。例えば、廣戸絵美が静謐な筆致で自身の子供をとらえた作品からは、愛らしさとともに未来への思いも感じられるだろうか。石黒賢一郎の作品は、自らが創作した近未来の物語の主人公を描いたもので、フィクションの世界とリアルな表現が融合している。羅展鵬は、宗教、戦争、文化の混乱といった社会状況の考察や抽象的な概念を肖像画にこめているという。作家によって写実絵画に対する様々なアプローチがあるのがわかるのも興味深い。緑豊かな公園「昭和の森」に面して建つホキ美術館は、壁面が計500メートルにわたる展示スペースをもつ。コレクターの故・保木将夫が収集した現代作家約60名による写実絵画約500点を収蔵しており、特別展以外にも、回廊型のギャラリーで名品約120点を常時鑑賞できる。この機会に、写実絵画の魅力を存分に味わいたい。<開催情報>『瞳の奥にあるもの -表情でみる人物画展-』会期:2023年5月25日(木)~11月5日(日))会場:ホキ美術館)時間:10:00〜17:30、6月30日(金)は16:30まで(入場は閉館30分前まで))休館日:火曜(8月15日は開館)、8月23日(水))料金:一般1,830円、大高・65歳以上1,320円、中学910円、小学生以下760円)公式サイト:h
2023年05月15日「和田誠展」が、京都の美術館「えき」KYOTOにて、2023年5月20日(土)から6月18日(日)まで開催される。和田誠の幅広い創作活動の全貌を紹介「和田誠展」は、イラストレーター、グラフィックデザイナーをはじめ、装丁家や映画監督、エッセイスト、作詞・作曲、アートディレクターなどとして、幅広い分野で活躍した和田誠の膨大な創作活動の全貌に迫る展覧会。過去には東京、熊本などでも開催された巡回展だ。会場では、代表的な創作を中心としたビジュアル年表や、和田誠を知るうえで欠かせない30のトピックを軸に、83年にわたる生涯で和田誠が制作した多彩な作品や資料を紹介。様々な側面から、和田誠の創作活動を目にすることができる。『週刊文春』表紙や絵本、谷川俊太郎とのタッグなど和田誠が子どもの頃に描いた絵や映画日記からはじまり、私家版絵本、文化的交流によって後の活動にもつながった「草月アートセンター」での制作、谷川俊太郎とタッグを組んだ時のアートワーク、40年間続いた『週刊文春』の表紙、ことばあそびの魅力あふれる絵本『ことばのこばこ』など、幅広い活動の軌跡を辿る作品の数々が集結。広告・映画ポスターやパロディ作品も音楽、劇場、映画、広告のポスターや、遊び心あふれるパロディ作品、クスっと笑えるユーモアのひとコマ漫画なども登場する。【詳細】「和田誠展」会期:2023年5月20日(土)~6月18日(日) 30日間 ※会期中無休開館時間:10:00~19:30(入館締切:閉館30分前)場所:美術館「えき」KYOTO住所:京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 ジェイアール京都伊勢丹7階隣接入館料:一般 1,000円(800円)、高・大学生 800円(600円)、小・中学生 600円(400円)※( )内は前売料金。2023年5月19日(金)まで前売券販売。販売場所:美術館「えき」KYOTOチケット窓口(休館日を除く)、京都駅ビルインフォメーション、チケットぴあ、ローソンチケット。※「障害者手帳」を提示の本人と同伴者1名は、当日料金より各200円割引。※展示スペースに伴い、巡回館と作品点数は異なる。【問い合わせ先】ジェイアール京都伊勢丹TEL:075-352-1111(大代表)
2023年05月13日東京・日本橋の三井記念美術館で、NHK大河ドラマ特別展『どうする家康』が開かれています。本展では、家康の生まれたときから亡くなるまでの人生を、美術品などで紹介。国宝や重要文化財も多数展示されています!120点の作品で『どうする家康』を体感!『どうする家康』ブース展示コーナー【女子的アートナビ】vol. 294この展覧会では、NHK大河ドラマ『どうする家康』と連動し、家康だけでなく織田信長や豊臣秀吉などに関連する美術品や歴史資料など、約120点の作品を展示。三井記念美術館からはじまり、岡崎市美術博物館と静岡市美術館に巡回する展覧会です。美術館のあるフロアには、大河ドラマのパネルや映像が楽しめる展示コーナーも設置され、撮影も可能。ドラマファンの気分を盛り上げてくれる、楽しいつくりになっています。意外に質素…家康の遺愛品重要文化財《青磁鉢附乳棒》明時代(15-16世紀)静岡・久能山東照宮博物館蔵最初の展示室1では、大御所時代の家康が、駿府城内で使っていた遺愛品が紹介されています。これらの遺愛品について、本展を担当された三井記念美術館学芸部長の清水実さんは次のように解説してくれました。清水さん家康の遺愛品は、割と質素な感じがします。もともと家康は、名品をたくさん所持していましたが、それらは「駿府御分物(すんぷおわけもの)」として、亡くなったあと、尾張と水戸、紀州の御三家に譲られ、今は徳川美術館などが所蔵しています。それらの名品に比べると、最後まで家康の手元にあったものは質素です。そのような質素なものを家康は好んで使っていたようです。また、家康は理系人間だったようで、漢方を調合する本や、マニアックな香木、薬剤や香木をすりつぶす乳棒や鉢なども最後まで手元に残していました。刀剣乱舞ONLINEのパネル展示も国宝《短刀無銘正宗》(名物 日向正宗) 鎌倉時代(14世紀)三井記念美術館蔵前期展示4/15-5/14続いての展示室2では、国宝の名刀が前期と後期にわけて紹介されています。前期は、国宝《短刀無銘正宗》が登場。鎌倉時代の刀工、正宗がつくった名刀です。あの石田三成が所持していたもので、その後、関ケ原の合戦で水野日向守勝成が手に入れ、「日向正宗」と呼ばれるようになりました。三井記念美術館では、昨年の改修工事で展示ケースの照明がLEDに変わったため、刀剣類の刃文(はもん:刀の焼き入れのときにできる模様)がとても鮮明に見えます。ちなみに、本展の1階入り口では、刀剣乱舞ONLINEのパネル展示コラボも見られます。こちらは、写真撮影可能。パネルとリアルな国宝の刀を一緒に楽しめる絶好のチャンスです。(パネルは7階に移動する可能性もあります)迫力の図屛風!『どうする家康』会場風景展示室4では、江戸から京都までの東海道・甲州街道・中山道を描いた迫力の図屛風《大日本五道中図屛風》が紹介されています。この屏風には、家康の没後30年頃の景色が描かれ、岡崎や浜松、駿府の城や関ケ原の布陣、甲斐や信濃などもあり、家康の足跡をたどることができます。同じ展示室では、家康の9男で、尾張藩初代藩主の徳川義直が描いた《徳川家康画像》も展示。教科書で見るような狸親父の顔ではなく、温和な表情でした。息子が描いた本作品の顔が、リアルな家康に近いといわれているそうです。本当に金ぴか!殿の甲冑『どうする家康』会場風景最後の展示室では、ドラマでも出てくる金ぴかの甲冑が登場!実際に、若き家康が着ていたもので、徳川家ではこの甲冑を江戸城内で代々大切に扱い、明治維新後は静岡に移し、最終的に久能山東照宮に奉納されたそうです。本展の愛用品や肖像画などを通して、リアルな家康の素顔を知ることができました。大河ドラマの世界を体感できる展覧会は6月11日まで開催。Information会期:~6月11日(日)※会期中、展示替えを行います。休館日:月曜日会場:三井記念美術館開場時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)観覧料:一般¥1,500、大学・高校生¥1,000、中学生以下無料
2023年05月10日フェイラー(FEILER)から、国立新美術館にて開催される展覧会「ルーヴル美術館展 愛を描く」とのコラボレーションハンカチ「ラシーブルダムール(LA CIBLE DAMOUR)」が登場。2023年5月3日(水)より、国立新美術館「ルーヴル美術館展」会場内特設ショップ、フェイラー銀座本店にて発売される。「ルーヴル美術館展」とのコラボハンカチフェイラーと、展覧会「ルーヴル美術館 愛を描く」がコラボレーション。ドイツ・シュニール織のコットン100%のハンカチに、展覧会で展示されているフランソワ・ブーシェ《アモルの標的》から着想を得て、キューピッドをモチーフとしたデザインを落とし込んだ。華やかに咲く色とりどりの花々や、ハートに刺さった矢などがキュートだ。ハンカチを縁取るカラーは、アイボリーとブルーの2色を用意する。【詳細】フェイラー×「ルーヴル美術館展 愛を描く」コラボハンカチ※予約不可発売日:2023年5月3日(水・祝)販売場所:国立新美術館 1E「ルーヴル美術館展 愛を描く」会場内特設ショップ、フェイラー銀座本店価格:「ラシーブルダムール」2,970円サイズ:約25×25cm※オリジナル箱入り※特設ショップは6月12日(月)まで※フェイラー銀座本店での予約、発売後の取り置き、代引き配送は不可※フェイラー銀座本店では、混雑状況により販売方法が変更になる場合あり※フェイラーでは、フェイラー銀座本店以外のショップでの販売はなし※「ルーヴル美術館展」は、5月8日(月)以降は、全てのチケットが事前予約(日時指定)不要となる※ひとり1点までの購入※購入点数制限は、一定期間経過後に解除する場合あり※販売数には限りあり
2023年05月05日特別展「THE 新版画版元・渡邊庄三郎の挑戦」が、美術館「えき」KYOTOにて、2023年6月24日(土)から7月30日(日)まで開催される。広島、神奈川、高知でも開催された巡回展だ。多彩な新版画と共に辿る渡邊庄三郎の軌跡新版画とは、明治時代以降衰退の一途をたどっていた浮世絵木版画の再興を目指し、高い芸術性を志向して制作された、新たな浮世絵木版画だ。大正時代から昭和時代にかけて、これを牽引し世に広めていったのが、版元・渡邊版画店の渡邊庄三郎(わたなべ しょうざぶろう)である。浮世絵の美しさに魅了された渡邊は、1909年(明治42年)、東京・京橋に渡邊版画店を開業。江戸時代以来の浮世絵木版画の伝統である絵師・彫師・摺師の分業体制を踏襲しつつも、伊東深水や川瀬巴水といった新進気鋭の画家を絵師として起用し、従来にはない複雑かつ華麗な彩色、「ざら摺り」といった手摺りならではの技法を駆使することで、新たな浮世絵木版画を生みだした。展覧会「THE 新版画版元・渡邊庄三郎の挑戦」は、残存数の少ない貴重な渡邊版の初摺作品を通して、新版画の生みの親・渡邊庄三郎の挑戦の軌跡をたどる展覧会。川瀬巴水の《東京十二題こま形河岸》や小原祥邨の《柘榴に鸚鵡》など、さまざまなジャンルにわたる新版画作品を展示する。また、新版画誕生のきっかけとなった外国人作家フリッツ・カペラリやチャールズ・W・バートレットの作品に加えて、橋口五葉による新版画草創期の作品も目にすることができる。展覧会概要展覧会「THE 新版画版元・渡邊庄三郎の挑戦」会期:2023年6月24日(土)~7月30日(日) 会期中無休会場:美術館「えき」KYOTO住所:京都府京都市下京区東塩小路町 京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接開館時間:10:00~19:30(入館締切:閉館30分前)入館料:一般 1,000円(800円)、高・大学生 800円(600円)、小・中学生 600円(400円)※( )内は前売料金。前売券販売期間は、5月20日(土)~6月23日(金)まで。「えき」KYOTOチケット窓口(休館日を除く)、京都駅ビルインフォメーション、チケットぴあ、ローソンチケットにて販売※障がい者手帳提示の本人よ同伴者1名は、当日料金より各200円割引※展示作品やイベント内容が変更、または中止になる場合あり【問い合わせ先】ジェイアール京都伊勢丹大代表TEL:075-352-1111
2023年05月04日国立西洋美術館の常設展示室で、小企画展『橋本コレクション展―指輪よりどりみどり』が開かれています。本展では、カルティエやブルガリなどの高級ブランドから、歯や髪の毛が入ったユニークなタイプまで、約200点の指輪が集結。今回、展覧会を担当された研究員さんに、展示の見どころなどをお聞きしてきました!圧巻の指輪が約200点!『橋本コレクション展―指輪よりどりみどり』展示風景【女子的アートナビ】vol. 291『橋本コレクション展―指輪よりどりみどり』では、国立西洋美術館が所蔵する約760点もの指輪コレクションからセレクトされた約200点の指輪を展示。ダイヤモンドやルビーなどの宝石を使ったゴージャスな指輪や、カルティエやブルガリ、ヴァン クリーフ&アーペルなどの高級ブランド、さらにユニークな素材を使ったものや、彫刻作品のような指輪も見ることができます。これらの指輪は、すべてコレクターの橋本貫志氏が集めたもの。橋本氏は、2012年に約870点もの宝飾品を同館に寄贈し、これらは「橋本コレクション」と呼ばれています。今回、本展を企画された国立西洋美術館の学芸課主任研究員、飯塚隆さんに、見どころや指輪の楽しみ方をお聞きしてきました。きれいな指輪ばかり、ではない!『橋本コレクション展―指輪よりどりみどり』展示風景――まずは、本展開催の経緯について、教えてください。飯塚さん国立西洋美術館の「橋本コレクション」は800点以上もあり、魅力的な作品があるのにもかかわらず、通常の常設展ではほとんど展示できていませんでした。2014年には、寄贈していただいた記念にお披露目の大規模展覧会を開きました。そのときは、300点ほど展示しましたが、その後なかなか指輪に特化した企画展が開けませんでした。そろそろ、きちんと紹介したいと思い、今回200点以上を版画素描展示室で展示しています。過去の展覧会で紹介できなかった作品も、半分以上含まれています。――展覧会のタイトルにある「よりどりみどり」には、どんな思いがこめられていますか?飯塚さん橋本コレクションには、一般的にジュエリーショップで買えるものと比べると、はるかに変化に富んだ、多種多様な指輪がそろっています。時代や素材、技法、様式もさまざま。紀元前2000年頃のものから、現代の作品まであります。世界随一といってもいいぐらい、いろいろな作品が集まっているコレクションなので、「よりどりみどり」。きれいなモノばかりではなく、おもしろい指輪、不思議な指輪、とても指輪には見えない指輪。さまざまな指輪があるのが橋本コレクションの魅力です。どこから見てもOK!『橋本コレクション展―指輪よりどりみどり』展示風景――展示の構成もユニークです。「ウェアラブルデバイス」や「素材なんでもかんでも」など、解説パネルを読むのも楽しく感じました。どのように構成されたのですか?飯塚さん展覧会というのは、たいがい学術的でお堅いものなので、あるテーマを定めて構成するのがふつうです。ただ、橋本コレクションの場合、時代や素材といった特定のテーマを立てると、取りこぼされる指輪も出てきて、かえって本来の魅力が伝わらなくなるおそれもあります。そこで、最初からテーマを立てるのはやめて、純粋に指輪を見たときの驚きや戸惑い、おもしろみなど、私が感じた着眼点を切り取り、トピックを立てていきました。例えば、「ゆびわ動物園」では、学術的あるいは動物学的な意味ではなく、単に動物をモチーフとした指輪を展示しています。各セクションは独立しているので、どこから見ても構わないような構成になっています。乳歯や髪の毛入り、ポイズン・リングも…!左《毛髪の納められた指輪》(18世紀後期)、右《アール・ヌーヴォーの指輪》(おそらく1900年頃)いずれも国立西洋美術館 橋本コレクション――乳歯や毛髪入りの指輪なども展示されています。なぜ、カラダの一部を入れる指輪が作られたのですか?飯塚さん基本的には、大切な人間への深い思いがあり、それに裏打ちされた作品だと思います。例えば現代なら、身近な人の写真を飾ったりしますよね。でも、時代を遡ると写真がない。肖像画はありますが、それを持てるのは一握りの人間だけです。大切な人を身近に感じたいとき、実際に人の髪の毛や歯など、カラダの一部を肌身離さず持ちたいと思い、その持ち運びに適していたのが指輪なのです。容器のついたタイプの指輪は、古くから作られているので、そこに髪の毛などを入れる作業は比較的簡単にできました。裕福な人だけが持つ高価なものではなく、一般の人でも作りやすかったのだと思います。《アメリカ陸軍空挺部隊のバッジが付いたポイズン・リング》1940年頃国立西洋美術館 橋本コレクション――毒を入れられるポイズン・リングや小型カメラつき指輪も飾られています。これらは、実際に使われていたのですか?飯塚さんポイズン・リングは実際に使われていた、という言い伝えがあります。モノを入れるタイプの指輪で、そこに毒を入れたり、薬や香水を入れたりすることもあります。今回展示されているポイズン・リングは、軍人が持っていたものなので、毒の可能性が高いと判断しています。また、ロシアのスパイが使っていたカメラ付きの指輪もあります。カメラで撮った写真もあるので、実際にカメラとして機能していたようです。「えっ!」「あれっ?」「オーッ」と楽しんで!《ダンサーの指輪》(現代) 国立西洋美術館 橋本コレクション――最後に、anan読者のみなさんにメッセージをお願いします。飯塚さん指輪は、非常に身近なものだからこそ、みなさんには一定のイメージがあると思います。でも、橋本コレクションの指輪を見ると、そのイメージをはるかに逸脱した指輪がごろごろあります。それを楽しむためにも、自分の指輪のイメージを忘れて、開かれた心で見ていただければと思います。「えっ!」「あれっ?」「オーッ」と、そんな風に感じることが、橋本コレクションの魅力を味わっていることにほかならないのです。自分の概念が揺さぶられているのを感じて、楽しんでいただきたいです。――貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。レプリカがミュージアムショップに!飯塚さんのお話、いかがでしたか?本記事ではご紹介しきれないほど、会場ではさまざまな指輪を楽しむことができます。また、ミュージアムショップでは、なんと橋本コレクションのレプリカが販売されています!デザインは4タイプ(1点は5月下旬ごろ販売予定)。橋本コレクションの感覚を自分の指で楽しめるなんて、うれしいですね。販売時期や購入方法などの詳細は、ミュージアムショップのInstagramをご覧ください。本展の開催は、6月11日まで。世界遺産に登録されている美術館で、ぜひユニークな指輪をご覧になってみてくださいね!Information会期:~6月11日(日)※休館日は月曜日(ただし、5月1日は開館)会場:国立西洋美術館新館2階版画素描展示室開館時間:9:30~17:30(毎週金・土曜日は20:00まで)※5月1日(月)、2日(火)、3日(水・祝)、4日(木・祝)は20:00まで開館※入館は閉館の30分前まで観覧料:一般 ¥500、大学生 ¥250、高校生以下および18歳未満、65歳以上は無料(入館の際に学生証または年齢の確認できるものをご提示ください)※本展は常設展の観覧券または「憧憬の地ブルターニュ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」展観覧当日に限り同展観覧券でご覧いただけます。※5月18日(木)は本展および常設展は観覧無料(国際博物館の日)
2023年05月02日姫路市立美術館では、開館40周年記念コレクション展「春の祭典ー生きる力を生み出す大地」を、2023年6月18日(日)まで開催する。バレエ音楽《春の祭典》をヒントにコレクションを紹介ロシアの作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキーによるバレエ音楽《春の祭典》は、第一次世界大戦前の1911年、セルゲイ・ディアギレフ率いるロシアのバレエ団「バレエ・リュス」のために作られた。生贄の乙女たちが「春の神をなだめる」ために、長老たちが見守る中、命が尽きるまで踊り続けるという異教徒の神話がモチーフとなっており、曲中にはリトアニアなどスラヴの民族音楽や民謡のメロディが数多く取り入れられている。展覧会「春の祭典ー生きる力を生み出す大地」では、その革新性によってジャンルを超えて20世紀美術に影響を与えたバレエ音楽《春の祭典》から派生する4つのテーマ、「郷愁」「伝統」「革新」「リズム」の4章構成で、全所蔵作家311人による作品を紹介する。郷愁:懐かしい風景などを描いた作品を展示各地で発展し、伝承されてきた民族舞踊や音楽は、えてしてその根本には民族性や土地の精神を宿している。民族音楽や民謡のメロディを取り入れた『春の祭典』は、作家のストラヴィンスキーがその民族性などに意識的に向き合ったものだといえる。「郷愁」の章ではこの点に着目し、作家にとって懐かしさを覚える風景や望郷、大切な人への慕情、さらにはここではないどこか、時空を超えた理想世界への憧れなどを「郷愁」と捉えた作品を展示。たとえば、エコール・ド・パリの画家として活躍した藤田嗣治は、日本画的技法で独自性を開拓した作品を、ベルギーの画家ポール・デルヴォーは廃墟に理想郷を見出した作品を生み出し、松井紫郎は宇宙に想いを馳せた作品を手掛けた。伝統:古来より続く技法などを取り入れた“伝統的なるもの”「バレエ・リュス」は、今日のモダンバレエの基礎を築いたとされており、パブロ・ピカソやアンリ・マティス、ストラヴィンスキーやココ・シャネルなど20世紀を代表する作曲家や芸術家を取り込み、バレエと美術・ファッション・音楽を融合していった。そうして確立したのが「総合芸術としてのバレエ」であり、重厚で洗練された規範や形式美といった従来の伝統があってこそ構築された、新たな文化的伝統となったのである。「伝統」の章では、古来より続くモチーフや技法を継承・発展する営みを伝統と捉え、郷土の作品に加えて国内外の“伝統”が反映された名品を紹介。「白馬会」を発足し日本の洋画の伝統を築き上げた黒田清輝や藤島武二、美人画で知られる上村松園らの作品を目の当たりにできる。革新的な表現&美術作品に見られるリズム感このほか、「革新」の章では、それまでの伝統を打ち破るような意外性のある作品や前衛的な試みなど、様々な革新的な表現を紹介し、「リズム」の章では、形や色、構図や素材の質感などを通して、視覚だけでなく聴覚的、身体的にも刺激を感じる作品、また複数の作品で成り立つ連作など、美術作品に見られる「リズム」に着目した作品を展示する。展覧会概要開館40周年記念コレクション展「春の祭典ー生きる力を生み出す大地」会期:2023年4月22日(土)~6月18日(日)[前期 4月22日(土)~5月14日(日) / 後期 5月16日(火)~6月18日(日)]会場:姫路市立美術館 企画展示室住所:兵庫県姫路市本町68-25開館時間:10:00〜17:00まで(入館は16:30まで)観覧料:一般 700円(500円)、大高生 400円(200円)、中小生 200円(100円)【問い合わせ先】姫路市立美術館TEL:079-222-2288
2023年05月01日東京・丸の内にある静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で、特別展『明治美術狂想曲』が開かれています。本展では、明治時代をキーワードにした絵画や工芸品を展示。「腰巻事件」でセンセーションを巻き起こした話題作も登場します!国宝や重要文化財など約50点を展示!特別展『明治美術狂想曲』展示会場【女子的アートナビ】vol. 293日本の西洋化がはじまった明治時代、人々の生活だけでなく、美術の世界でも大きな変化がありました。油彩画が広まり、欧米好みの工芸品が生み出され、また古くからある日本の仏教美術が軽視され、排除されたのもこの時期です。そんな明治時代の社会の変化を軸に、本展では、油彩画や日本画、工芸品など静嘉堂所蔵のコレクションを約50点展示。国宝や重要文化財を含む貴重な作品が紹介されています。「美術」が生まれた!河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》明治2~5年(1869~1872)※前期と後期で場面替えがありますでは、本展の見どころをピックアップしてご紹介します。第一章は「『美術』誕生の時―江戸と明治のあわい―」。1868年にスタートした明治時代、欧米に追いつこうと日本社会の近代化が急激に進んでいきました。「美術」という言葉が生まれたのも、美術館ができたのもこの時代です。そんな時期に描かれたのが、河鍋暁斎の《地獄極楽めぐり図》。江戸と明治の文化がミックスされた作品です。暁斎は、江戸後期の狩野派の技法を身につけた絵師ですが、浮世絵や明治のモチーフも作品に取り入れ、本作には当時は珍しかった汽車も描かれています。(汽車の場面は5月7日まで展示)人気の国宝も展示!左:薩摩焼《色絵金彩麒麟鈕香炉》明治9年(1876)頃、右:薩摩焼《色絵金彩獅子鈕香炉》明治9年(1876)頃続く第二章「明治工芸の魅力―欧米好みか、考古利今か―」では、美しい工芸作品がずらり勢ぞろい。明治時代、日本では外貨獲得のため、欧米人に好まれる華やかなデザインの工芸品が数多く製作されました。「超絶技巧」と呼ばれる細やかな技術を使った作品も多く、海外でジャポニズムブームが盛り上がっていきます。1867年に開催された「パリ万国博覧会」で人気があったのは、薩摩焼。明治以降も人気が続き、欧米に輸出されました。本展で見られる薩摩焼も、とっても華やかです。国宝《曜変天目(稲葉天目)》南宋時代(12~13世紀)この章では、国宝の《曜変天目(稲葉天目)》も展示されています!本作品は、古美術が再評価されるきっかけとなった「第1回観古美術会」(1880年)に出品されました。重要文化財橋本雅邦《龍虎図屛風》明治28年(1895)前期展示次の第三章「博覧会と帝室技芸員」では、橋本雅邦の迫力ある作品《龍虎図屛風》を見ることができます(5月7日まで)。本作は、1895年に京都で開かれた博覧会に出品されたものです。当時の評価はあまりよくなかったそうですが、1955年、重要文化財に指定されました。渡辺省亭原画濤川惣助《七宝四季花卉図瓶》明治時代19~20世紀また、超絶技巧の七宝作品も、見どころのひとつ。《七宝四季花卉図瓶》は、色彩が華やかで、とても美しい作品です。こちらは、フロア中央部にある吹き抜けの空間「ホワイエ」に展示されています。下半身が「布」で隠された…!黒田清輝《裸体婦人像》明治34年(1901)最後の第四章「裸体画論争と高輪邸の室内装飾」では、黒田清輝の《裸体婦人像》が登場!本作品は、近代洋画の父と呼ばれた画家、黒田清輝が渡欧中、白人女性をモデルにして描いたものです。帰国後、1901年の白馬会にこの絵を出品したとき、警察が介入。公共の場で裸体画を展示することが認められず、下半身部分が布で覆われてしまいました。このセンセーションを巻き起こした出来事は、後に「腰巻事件」と呼ばれるようになりました。当時のメディアを賑わせた話題作は、その後、西洋文化を理解していた岩﨑家が購入。高輪にある屋敷に飾られていました。ミュージアムショップで販売中の公式図録も、センセーショナルなデザインです人気の「ぬいぐるみ」は先着で購入可能に!静嘉堂@丸の内ミュージアムショップで販売中。 税込価格¥5,800 ※ お一人様1個のみアートを楽しんだら、ぜひ静嘉堂のミュージアムショップにもお立ち寄りください。以前の記事でもご紹介した、国宝《曜変天目(稲葉天目)》の「ぬいぐるみ」。あまりに人気で、しばらく入手困難でしたが、現在は先着で購入できるようになりました!1日10個限定ですので、ご興味のある方は、10時の開館時間にあわせてお出かけになると、入手しやすいかもしれません。(※最新情報は、公式サイトでご確認ください)展覧会は6月4日まで開催。Information会期:~6月4日(日)[前期]4/8(土) ~ 5/7(日)[後期]5/10(水) ~ 6/4(日)※休館日は月曜日、5月9日(火)会場:静嘉堂@丸の内 (明治生命館1階)開館時間:10:00 – 17:00 (入館は16:30まで)。金曜日は18:00 (入館は17:30)まで。観覧料:一般 ¥1,500、大高生 ¥1,000、中学生以下無料
2023年04月30日箱根ガラスの森美術館は、所蔵作品展「千の花咲くヴェネチアン・グラス~きらめく初夏の庭園~」を2023年7月9日(日)まで開催する。“花”モチーフのヴェネチアン・グラスを展示「千の花咲くヴェネチアン・グラス~きらめく初夏の庭園~」は、“花”をモチーフにした繊細なヴェネチアン・グラスを展示する初夏の所蔵作品展だ。器一面に花が咲いたような様子から、イタリア語で“千の花”を意味する「ミルフィオリ・グラス」をはじめ、ヴェネチアン・グラスで表現された美しい花の作品を、その歴史や制作工程に触れながら紹介していく。第1章・第2章にわけて作品を紹介本展では、第1章と第2章に分けて展示。第1章では、「ミルフィオリ・グラス」技法を歴史的背景や制作工程などを交えて解説する。作品によって1つ1つ異なる幻想的な花模様の世界を堪能することができる。第2章では、様々な技術で作られた花装飾のヴェネチアン・グラスにフォーカス。彫刻や絵付け、熔着による造形などで仕上げられた、コンポートやワイングラス、ペーパーウェイトなどを紹介する。【詳細】所蔵作品展「千の花咲くヴェネチアン・グラス~きらめく初夏の庭園~」開催期間:2023年4月22日(土)~7月9日(日)会場:箱根ガラスの森美術館 施設内ヴェネチアン・グラス美術館住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48開館時間:10:00〜17:30(入館は閉館30分前まで)入館料:一般 1,800円、高大生 1,300円、小中生 600円※出品作品は変更となる可能性あり。【問い合わせ先】箱根ガラスの森美術館TEL:0460-86-3111
2023年04月29日東京都美術館で4月27日(木) より、『マティス展』が開幕。8月20日(日) まで開催される。フォーヴィスムの巨匠として知られる画家マティスの大回顧展が日本国内で開催されるのは約20年ぶりのことだ。力強い筆致と色彩からなる絵画様式、フォーヴィスム(野獣派)を生み出し、それ以降の美術、そして人々の価値観や審美眼を大きく変えたアンリ・マティス(1869〜1954年)。同展は、世界最大規模のマティス・コレクションを所蔵するパリのポンピドゥー・センターの協力を得て開催。2004年に国立西洋美術館で開催されたマティス展以来、日本国内では約20年ぶりの大規模回顧展となる。展示は全8章構成。生涯にわたり色と光の魅力を探求し続けたマティスの生涯を、年代順に追っていく。7章「切り紙絵と最晩年の作品1930–1954」展示風景より左:《オレンジのあるヌード》1953年右:《軽業師》1952年いずれもポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵1章「フォーヴィスムに向かって 1895–1909」は、画家になることを決意し、パリ国立美術学校(ボザール)で、恩師ギュスターヴ・モローの教えを受けたマティスの画風の変遷をたどる。《読書する女性》はマティスの作品で初めて国家買い上げとなった物。カミーユ・コローの影響を受けた作品だ。《読書する女性》1895年ポンピドゥー・センター/国立近代美術館そして、《豪奢、静寂、逸楽》は日本初公開作品。マティスは1904年に、筆触分割技法で知られる画家、ポール・シニャックの招きでサントロペを訪問。この作品はシニャックに影響を受け、筆触分割技法を試みている。この翌年、マティスはサロン・ドートンヌで激しい色彩の絵を発表。大論争となり、批判する評論家の「野獣のようだ」という言葉からフォーヴィスムと呼ばれるようになった。《豪奢、静寂、逸楽》1904年ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵2点の作品の間にながれる時間はわずか9年。短い期間で彼の画風は大幅に変化していったのだ。そしてこの後も大きく変わっていく。2章「ラディカルな探求の時代 1914–1918」は第一次世界大戦中のマティスに着目する。息子など身近な人間が徴兵され、孤独を感じたマティスはその心情を作品にしたかのような、それまでとは異なる作品を制作しはじめる。《金魚鉢のある室内》をはじめ、窓を描く作品が多いのもこの時期のマティスの特長だ。《金魚鉢のある室内》1914年ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵《コリウールのフランス窓》は、第一次世界大戦勃発の翌月に描かれた作品。画面中央が黒く塗りつぶされて、窓が閉じているのか開いているのかがわからない。なにかを暗示しているかのような、謎めいた作品だ。《コリウールのフランス窓》1914年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵3章「並行する探求─ 彫刻と絵画1913-1930」は、マティスが手掛けた彫刻のみが展示される。《背中I–IV》は、左端から右端の作品まで20年以上の月日をかけて制作された大作。時代を経るにつれて、対象が単純化されていることがわかる。この4点の作品は、マティスの転機となる絵画作品が制作された時期に、それぞれ制作されていることが判明している。《背中Ⅰ-Ⅳ》1909〜1930年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵マティスは、活動拠点をパリから南仏のニースに移した。環境を大きく変えたマティスはそれまでよりも小さなカンヴァスを用い、そして多作になるなど、制作スタイルも大きく変わっていく。4章「人物画と室内画 1918–1929」では、ニース時代の人物画や室内画、ドローイングを取り上げる。続く5章「広がりと実験1930-1937」では、マティスの助手を務めたリディア・デレクトルスカヤを描いた作品を中心に紹介する。リディアは《夢》のモデルをつとめたあとマティスのお気に入りモデルとなり、晩年までマティスに付き添っていた。《赤いキュロットのオダリスク》1921年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵《夢》1935年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵第二次世界大戦が始まると、マティスはニースから離れた町、ヴァンスへ居を移す。ヴァンス時代のマティスは「室内画シリーズ」を多く手掛けた。《赤の大きな室内》は、シリーズの締めくくりとなる作品。そしてマティス最後の油彩画でもある。《赤の大きな室内》1948年ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵1941年、大病から生還したマティスは、ベッド上でハサミを自由にあやつり、切り紙絵を制作し始める。7章「切り紙絵と最晩年の作品1930–1954」では、20点の切り紙絵をもとにした画文集『ジャズ』や、《オセアニア、空》、《オセアニア、海》など、鮮やかな色彩と自由なフォルムの作品が並ぶ。展示風景より《オセアニア、空》、《オセアニア、海》1948年ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵「ジャズ」シリーズより1947年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵そして、展覧会の最後でクライマックスとなるのが8章「ヴァンス・ロザリオ礼拝堂 1948–1951」だ。マティスはヴァンスにある小さな礼拝堂のために、設計や装飾、家具、衣装などを手掛け、色彩と光にあふれた理想の空間を作り出した。この章では撮り下ろした4K映像とともに、マティスが残したドローイングなどを展示する。ロザリオ礼拝堂はステンドグラスの光が照らす空間が見どころ。映像はその魅力をしっかりと伝えている。左:上祭服[正面のマケット、実現せず]1950-52年右:ヴァンス礼拝堂、ファサード円形装飾《母子像》(デッサン)1951年カトー=カンブレジ・マティス美術館蔵ロザリオ礼拝堂 堂内(C)NHKロザリオ礼拝堂 堂内(C)NHK変遷を続けたマティスの芸術を豊富な作品とともにたどることができる展覧会。この機会を逃さず美術館に足を運んでみよう。取材・文:浦島茂世<開催情報>『マティス展』2023年4月27日(木)~8月20日(日)、東京都美術館にて開催
2023年04月29日特別展「ジブリパークとジブリ展」が、神戸市立博物館にて2023年6月25日(日)まで開催される。長野県立美術館などでも開催された巡回展であり、今後は山口県立美術館に巡回予定だ。ジブリパーク誕生の舞台裏を公開!特別展「ジブリパークとジブリ展」2022年11月、愛知県の「愛・地球博記念公園」内に第1期開園した公園施設「ジブリパーク」。森の木々と調和する園内では、スタジオジブリ作品の世界を体感することができる。特別展「ジブリパークとジブリ展」では、これまでに映画『ゲド戦記』や『コクリコ坂から』などのアニメーション作品を生み出し、「ジブリパーク」制作現場を指揮する宮崎吾朗監督のこれまでの仕事と作品を振り返る。そして、現在も制作が進行しているジブリパークをどのように考え、描き、つくっているのかを制作資料とともに展示・紹介する。名シーンを再現した立体展示ジブリパークの「ジブリの大倉庫」で開催中の「ジブリのなりきり名場面展」が体験できる再現展示は必見。映画『千と千尋の神隠し』の名シーンから、湯婆婆の執務室「にせの館長室」に加えて、千尋とカオナシが並んで座る電車のシーンが再現される。また、ジブリの大倉庫の「にせの館長室」を再現する展示では、仕事に没頭する湯婆婆の様子が見られる。この他、映画『となりのトトロ』でおなじみのネコバスも登場する。ジブリパーク制作の過程を紹介アニメーションの世界を自分の足で歩き、秘密を発見できるジブリパークの制作過程を貴重な資料の数々で紹介するほか、誕生の舞台裏も公開。宮崎吾朗監督がこれまで手掛けた「三鷹の森ジブリ美術館」や「サツキとメイの家」といった建築物の完成までの裏側にも迫る。宮崎吾朗監督が手掛けた作品にまつわる展示宮崎吾朗監督がこれまで手掛けてきた映画『ゲド戦記』『コクリコ坂から』『アーヤと魔女』にまつわるイメージボードや背景美術などを展示。細部に至るまで丁寧に描かれた1枚1枚からは、アニメーション映画ができるまでのリアリティが感じられるだろう。なお、「三鷹の森ジブリ美術館」で行われた企画展示「アーヤと魔女展」も展観できる。【詳細】特別展「ジブリパークとジブリ展」開催期間:2023年4月15日(土)~6月25日(日)休館日:月曜日 ただし、5月1日(月曜)は開館開館時間:9:30~17:30※金・土は19:30。入場は閉館の45分前まで。※GW期間の開館時間は、月~木・日 9:00~18:00、金・土 9:00~19:30。会場:神戸市立博物館住所:兵庫県神戸市中央区京町24観覧料:一般 1,800円/大学生 900円/高校生以下 無料(要証明)※神戸市在住で満65歳以上は一般料金の半額。(要証明)※障がいのある人は障害者手帳などの提示で無料。(要証明)※無料、割引料金で入場する場合、各種証明書を当日入口で提示。提示がない場合、一般料金との差額支払い。※団体券の販売はなし。※スムーズな運営を図るため、各種割引の適用は不可。※払い戻し不可。入場方法:入場日時予約制※本展は「入場日時予約制」。時間ごとの入場枠を設定しているため、日時指定券を購入するか、予め観覧券を用意の上、望日時での入場予約が必要。※チケット購入不要の人(小学生以上高校生以下および障害者手帳、無料観覧券、ミュージアムカードを提示の場合)も入場予約が必要。※会期、展示作品等、展覧会の詳細については、今後の諸事情により変更する場合あり。※本展および特設ショップは入替制ではない。本展へは予約された入場可能時間内に来館すること。※再入場不可。※館内の混雑状況によっては、入館・入場を制限する場合あり。【問い合わせ先】・神戸市立博物館TEL:078-391-0035(9:30~17:30 月曜休止)・チケット問い合わせTEL:0570-00-0995(10:00~18:00)
2023年04月28日企画展「吹けば風」が、愛知の豊田市美術館にて、2023年6月27日(火)から9月24日(日)まで開催される。見過ごしがちな細かな発見や驚きを表現する作家たちを紹介日常生活の中で見過ごされ、忘れられてしまうような細かな発見や驚き。思いがけず感じる清風や偶然目に留まった道端の花などがその例だ。企画展「吹けば風」では、見過ごしがちな新鮮な発見や驚きに満ちた世界で、様々な体験を作り出す4人の作家にフィーチャーする。本展では、4人の作品を通して、日常的な体験を問い直していく。4人の作家・川角岳大、澤田華、関川航平、船川翔司は、視界に入っていたはずなのに思い出せない細部、楽しい時は短く退屈な時は長く感じる時間など、誰もが経験したことのある記憶や意識、感覚との乖離を積極的に取り込んだ作品を手掛けている。絵画や映像、インスタレーションなどの“体験”を提供会場には、初公開となる最新作を含む絵画や映像、インスタレーション、パフォーマンスなど、幅広いジャンルの作品を展示。それら作品を通して、現代社会に生きる私たちの身に日々何が起こっているのか、言葉やイメージでは置き換えられない瞬間的で微細な変化を見つめ直していく。たとえば、映画や写真、日常会話の中から小さな謎を見つけて探る澤田華の作品に注目。映像インスタレーションの《漂うビデオ(水槽、リュミエール兄弟、映像の角)》と《67のポストビューおよび目下のシーン》を展示する。また、時間の長さや空間の広さが伸び縮みするような感覚や、記憶の濃淡を想起させる、川角岳大が素潜りや車の運転中の体験を思い出しながら描いた淡い色彩の絵画《Summer》や《Street light》なども展示。細やかなものに反応する感性を刺激されるような体験をすることができる。展覧会概要企画展「吹けば風」会期:2023年6月27日(火)~9月24日(日)会場:豊田市美術館 展示室1-5住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1開館時間:10:00〜17:30(入場は17:00まで)休館日:月曜日(ただし7月17日(月・祝)、8月14日(月)、9月18日(月・祝)は開館)観覧料:一般 1,300円(1,100円)、高校生・大学生 800円(600円)、中学生以下無料※( )内は前売券及び20名以上の団体料金前売券販売場所:豊田市美術館(5月21日(日)まで)、T-FACE B館2階インフォメーション(6月26日(月)まで)、メグリア11店舗(6月26日(月)まで)※メグリア取扱店舗:本店、エムパーク店、セントレ、藤岡店、三好店、若園店、志賀店、朝日店、井上店、はなぞの店、うねべ店※豊田市内在住または在学の高校生、豊田市内在住の18歳以下(満18歳から最初の3月31日まで)、豊田市在住の満70歳以上、障がい者手帳の所持者(介添者1名含む)は無料(いずれも要証明)※その他、観覧料の減免対象者および割引などについては、美術館ウェブサイトを参照■参加アーティスト川角岳大、澤田華、関川航平、船川翔司【問い合わせ先】豊田市美術館TEL:0565-34-6610
2023年04月28日春と冬が交差するような、気温の変化が激しかった2023年4月。しかし、この時期だからこそ見ることができる貴重な風景もあります。写真家のイナガキヤスト(@inagakiyasuto)さんが、同月19日にTwitterに投稿した写真が「まるで絵画のようだ」と話題になっています。『絵のような風景でした』『絵のような風景でした』というコメントとともに投稿されたのは、長野県北安曇郡(きたあづみぐん)白馬村にある『大出の吊橋』を撮影した1枚。満開の桜と、中心を流れる美しい川、背後には雄大な残雪の北アルプスがそびえ立っています。真っ青な空と残雪の白さ、桜の淡いピンク色など、自然の色彩が鮮やかに折り重なった1枚は、まるで風景画のような華やかさがありますね。思わず見入ってしまうような美しい写真に、多くの反響のコメントが寄せられました!・絵じゃないんですか!・色彩豊かで美しい。自然ってすごいですね!・今の時期だからこそ見られる風景、大切にしたいですね。イナガキさんの撮影技術と、自然の色彩が生み出した美しい1枚は、多くの人々の心に感動を与えたようです。この豊かな自然がいつまでも見られるよう、大切に守っていきたいですね。[文・構成/grape編集部]
2023年04月25日フェイクスイーツの合同写真展&物販展「スイーツアートの世界展 2023」が、2023年5月13日(土)から6月4日(日)まで福岡・トゥデイズ ギャラリー スタジオ フクオカ(TODAYS GALLERY STUDIO. FUKUOKA)にて、6月9日(金)から6月25日(日)まで東京・トゥデイズ ギャラリー スタジオにて開催される。“まるで本物”フェイクスイーツが揃う「スイーツアートの世界展」「スイーツアートの世界展」は、まるで本物のように精巧に作られた“フェイクスイーツ”の作品&物販展だ。見ているだけで甘い香りが漂ってきそうなハンドメイド作品の展示を通して、スイーツアートの世界を体感することができる。人気クリエイターによる作品が集結会場には、SNSでフェイクスイーツ作品を公開する人気クリエイターが集結。リアルでかわいいミニチュアフードで注目を集める「petite.fleur」や、食べ物をモチーフにしたアクセサリーや小物を制作する「夢はな」などが新作を披露する。なお館内は写真撮影OKなので、かわいいスイーツ作品を写真に撮って楽しめるのも嬉しいポイントだ。かわいらしい会場限定グッズもまた会場でしか手に入らない、限定グッズにも注目。プリンやカップケーキを模したメモスタンドや、春らしい和菓子を飾ったボールペン、カラフルなカヌレのキーホルダーなど、思わず手に取りたくなるようなキュートなアイテムを取り揃えている。【詳細】「スイーツアートの世界展」■福岡会期:2023年5月13日(土)~6月4日(日)時間:11:00~18:00休館日:毎週月・火曜日場所:トゥデイズ ギャラリー スタジオ フクオカ住所:福岡市中央区薬院2-2-4 1F入場料:600円、3歳以下無料出展者:33組■東京会期: 2023年6月9日(金)~6月25日(日)時間:平日 11:00~18:00、土日 11:00~19:00休館日:毎週月曜日会場:トゥデイズ ギャラリー スタジオ住所:東京都台東区浅草橋5-27-6 5F入場料:600円、3歳以下無料出展者:41組※内容は変更になる可能性あり。グッズ例:・<プリマトルテ -クレイ洋菓子店->プリンのメモスタンド 3,600円・<S*Forest>春の和菓子ボールペン 2,750円~・<きてれつ工房>カヌレ キーホルダー 1,500円
2023年04月24日チームラボの展覧会「チームラボ 学ぶ!未来の遊園地と、花と共に生きる動物たち」が北海道・札幌芸術の森美術館にて、2023年7月8日(土)から9月3日(日)まで開催される。「チームラボ 学ぶ!未来の遊園地と、花と共に生きる動物たち」が札幌で「学ぶ!未来の遊園地」は、チームラボの作品《花と共に生きる動物たちⅡ》など、子どもから大人まで楽しめるデジタルアートを展示するデジタルアートの「遊園地」だ。会場では、ボールを転がすと色も音も変化する《光のボールでオーケストラ》や、多彩なフルーツが育つすべり台《すべって育てる!フルーツ畑》、テーブルの上をこびとたちが走り回る《こびとが住まうテーブル》などを展開。自分自身の動きがアートの一部になったような感覚を味わうことができる。また、紙に描いた描いた魚たちが泳ぐ《世界とつながったお絵かき水族館》、自分で描いた様々な生き物が立体的な地形でできた山と谷に映し出される《グラフィティネイチャー - 鼓動する山と谷、レッドリスト》なども登場する。なお、《世界とつながったお絵かき水族館》や《グラフィティネイチャー - 山と谷、 レッドリスト》で描いた絵を、その場でオリジナル缶バッジにできる「お絵かきファクトリー」も実施。展覧会のお土産として持ち帰ることができるのも嬉しいポイントだ。【詳細】「チームラボ 学ぶ!未来の遊園地と、花と共に生きる動物たち」開催期間:2023年7月8日(土)~9月3日(日)場所:札幌芸術の森美術館住所:北海道札幌市南区芸術の森2-75入場料:・平日入場券(8月10日(木)~8月18日(木)は除く)大人(中学生以上) 1,500円、子ども(3歳以上) 800円・平日限定 お絵かきファクトリー(缶バッジ)付前売券※チケットぴあ限定(Pコード:994-226)大人(中学生以上) 1,800円、子ども(3歳以上) 1,100円【問い合わせ先】札幌芸術の森美術館TEL:011-591-0090(受付時間9:45~17:30)
2023年04月24日展覧会「アニメージュとジブリ展」が、2023年4月22日(土)から6月11日(日)までの期間、名古屋の松坂屋美術館で開催される。展覧会「アニメージュとジブリ展」が名古屋に初上陸1978年5⽉26⽇に創刊した、⽇本初の本格的商業アニメ雑誌・⽉刊『アニメージュ』。業界初となる作家や制作陣を取り上げた内容で話題を呼び、アニメブームの火付け役を担った雑誌だ。宮崎駿の連載作品『⾵の⾕のナウシカ』のアニメーション映画化、およびスタジオジブリ設⽴のきっかけにもなった本誌は、創刊44周年を迎えた今でもアニメとファンを繋いでいる。スタジオジブリの誕生まで本展では、1978年の『アニメージュ』創刊当時から80年代までにフィーチャー。まだ“アニメ”という言葉が一般的でなかった時代から、『機動戦士ガンダム』の大ヒットともに勃興するアニメブーム期。そして、後に2代目編集長となる現・スタジオジブリの鈴木敏夫が、高畑勲・宮崎駿の両監督を見出し、『風の谷のナウシカ』が誕生、『天空の城ラピュタ』に向けてスタジオジブリを設立していく過程を辿る。そんな「アニメージュとジブリ展」が全国6会場の巡回を経て、名古屋に初上陸。ガンダムブームを紹介する紙面イラストをはじめ、高畑・宮﨑両監督がジブリ以前に制作した作品『未来少年コナン』や『ルパン三世カリオストロの城』、1984年の『風の谷のナウシカ』誕生、スタジオジブリ創設の歴史などを展示する。展覧会オリジナルグッズも会場では『魔女の宅急便』や『となりのトトロ』のキャラクターや名シーンをクローズアップしたフリーカップや豆皿、『天空の城ラピュタ』モチーフの刺繍トートバッグや大判ハンカチーフなど、「アニメージュとジブリ展」オリジナルグッズが展開される。【詳細】アニメージュとジブリ展期間:2023年4月22日(土)~6月11日(日)会場:松坂屋名古屋店 南館7階 松坂屋美術館時間:10:00〜18:00※入場は閉館の30分前まで※最終日は17:00閉館入場料:一般・大学生 1,500円/中高生 1,000円/小学生 600円アイテム例:・フリーカップ 各1,540円・豆皿 各1,320円・大判ハンカチーフ 各1,650円・刺繍トートバッグ 天空の城ラピュタ 3,960円
2023年04月20日千葉・ホキ美術館では、展覧会「瞳の奥にあるもの -表情でみる人物画展-」を、2023年5月25日(木)から11月5日(日)まで開催する。写実絵画作品の名作を展示ホキ美術館は、2010年に開館した日本初の写実絵画専門美術館。巨匠から若手の作品まで、日常生活や現実をそのまま表現する写実絵画を約60作家500点所蔵している。展覧会「瞳の奥にあるもの -表情でみる人物画展-」では、画家がモデルと対峙する中でその表情を引き出して作り上げる、人物画の“表情”に着目した作品を取り上げる。人物画に描かれるのは穏やかなほほえみばかりではなく、何かを訴えているような表情や、戸惑いや不安、微笑んでいるのか緊張しているのか、一言では言い表せないあいまいな表情たち。その受け取り方に正解・不正解はなく、答えは鑑賞者へとゆだねられる。たとえば、廣戸絵美の《冬萌》には、2児の母である彼女が抱く、今この瞬間のかけがえのなさと愛おしさ、未来への思いが宿る。静謐な筆致で家族や親しい人たちを描き出す廣戸の、描く対象の核心に迫ろうとするような、緻密で力のこもった写実を見て取れる作品だ。台湾出身の作家・羅展鵬による《小徑分岔的花園》は、時間や空間の分岐点の中で、現実、自然、身体、幻想の次元における、複数の異質な時間と空間の形態を提示する。彼の鮮やかで精巧な肖像画は、絵を“台無しにする”要素を加えることで、見る者に強烈でユニークな視覚体験をもたらし、また抽象的な概念を目に見えるものへと変換しているのが特徴だ。美術作家である石黒賢一郎が、自身のオリジナルストーリー「Injection Devices」をもとにつくった《細胞融合増殖抑制装置001》にも注目。「Injection Device」は、AIと人類が等価になった時代を舞台に、インジェクションデバイスでワクチンを注入しながら戦う女性主人公の物語だ。ほかにも、会場には塩谷亮《想》、松永瑠利子《奏でる》、藤田貴也《A girl》といった気鋭の作品が集う。開催概要瞳の奥にあるもの -表情でみる人物画展-開催期間:2023年5月25日(木)〜11月5日(日)会場:ホキ美術館(ギャラリー1)住所:千葉県緑区あすみが丘東3ー15開館時間:10:00~17:30 ※入館は17:00まで休館日:火曜日※火曜日が祝日の場合は開館、翌平日に休館※お盆期間の8月15日(火)は開館、8月22日(火)・23日(水)は休館、入館料:一般 1,830円、大学・高校生・65歳以上 1,320円、中学生 910円、小学生 760円(ただし保護者1人につき子ども2人まで無料)<障がい者手帳の提示>一般 910円、高校生・大学生・65歳以上 660円、中学生 450円、小学生以下 380円(保護者1人につき2人まで無料)【問い合わせ先】ホキ美術館TEL:043-205-1500
2023年04月20日すみだ北斎美術館で開催中の企画展「北斎バードパーク」は、浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)や門人が鳥を描いた作品約110点を展示し、バードパークで色々な鳥たちとふれあうように、その美しさや画技の素晴らしさを身近に感じていただく展覧会です。本展にちなみ、野鳥保護思想普及のために日本鳥類保護連盟が設けた「愛鳥週間」(5月10日~5月16日)の期間中、北斎の描いた鳥たちのしおりを来場者にプレゼントいたします。展覧会をお楽しみいただくほか、野鳥を含む自然環境と私たちが共生できる社会に向け、考えるお手伝いができればと思います。しおり4種左上:「鵙 小薊」(後期展示)からイスカ右上:『唐詩選画本 七言律』二(通期展示)からマガン左下:『卍翁艸筆画譜』 山鴞(通期展示)からフクロウ右下:「鵙 翠雀 虎耳草 蛇苺」(前期展示)からモズ配布期間:2023年5月10日(水)~16日(火)※5月15日(月)は休館日のため、配布はございません。対象:企画展「北斎バードパーク」展観覧券、または年間パスポートをお持ちの方※AURORA(常設展示室)、常設展プラスのチケットは対象外となります。※しおりはなくなり次第、配布終了です。あらかじめご了承ください。※いずれか1種類。絵柄はお選びいただけません。■企画展「北斎バードパーク」会期 : 2023年3月14日(火)~5月21日(日)休館日 : 毎週月曜日主催 : 墨田区・すみだ北斎美術館観覧料 : 一般1,000円、高校生・大学生700円、65歳以上700円、中学生300円、障がい者300円、小学生以下無料URL : お問い合わせ: 03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)■施設概要名称 : すみだ北斎美術館所在地 : 〒130-0014 東京都墨田区亀沢2-7-2開館時間 : 9:30~17:30(入館は17:00まで)休館日 : 毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始(12月29日~1月1日)常設展観覧料: 一般400円、高校生・大学生300円、65歳以上300円、障がい者300円、中学生以下無料(※企画展は展覧会ごとに異なる)URL : お問い合わせ: 03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月20日展覧会「虫めづる日本の人々」が東京・六本木のサントリー美術館にて、2023年7月22日(土)から9月18日(月・祝)まで開催される。虫にまつわる作品が一堂に古来より日本美術では、草木花鳥に重きが置かれてきたものの、虫もまた重要なモチーフであった。現代において昆虫に分類されるものだけでなく、蜘蛛、蛙、蛇なども虫として親しまれ、物語や和歌、様々な美術作品に登場している。中でも、源氏絵や伊勢絵などを見ると、蛍や鳴き声が美しい鈴虫などが愛好されていたことが分かる。さらに草花や虫を描き吉祥を表す草虫図が中国からもたらされ、中世から長きにわたり日本で珍重された。江戸時代に入ると、本草学の進展や古典学習、俳諧などの文芸の発達により、草虫図の範疇には収まらない多彩な虫の絵が生み出される。江戸時代中期以降は、虫聴や蛍狩が娯楽として市井の人々に広まり、その風習は今日にまで受け継がれている。そんな虫を愛でる日本独特の文化は、大衆化が進んだ江戸時代をピークのひとつとして捉えられるだろう。展覧会「虫めづる日本の人々」では、江戸時代を中心に中世や近現代の「虫めづる日本の人々」の様相に触れつつ、虫と人との親密な関係を再考。展示を6つの章に分けて紹介する。虫めづる国にようこそ日本の物語や和歌に数多く登場してきた虫たち。時に主人公を助ける名脇役、またある時には自ら和歌を詠んでその優劣を競ったり、人間さながらの恋愛劇を演じたりと、擬人化され多彩な活躍を見せる。第1章では、『源氏物語』や『伊勢物語』など、文芸と深く結びついた日本の虫たちの姿にフォーカス。住吉如慶『きりぎりす絵巻』などを展示する。生活に用いる道具を彩る虫たち&草虫図の受容また第3章では、中国で成立した草虫図に着目。画中には多種多様な草花と虫が描かれており、それぞれ立身出世、子孫繁栄などの吉祥を表している。孔子による「詩を学ぶことで鳥、獣、草木の名前を多く知ることが出来る」という論も相まって、多くの生き物を知り、自らの知識を増やせる草虫図が愛好されるようになった。伝 趙昌《竹虫図》などを通して、中国で画題として確立した草虫図が、日本で将軍や大名など時の権力者たちに愛好された様子を紹介する。西洋の科学技術流入により進展する草虫図18世紀以降の江戸時代は西洋の技術の流入により、本草学や、書物に登場する動植物の名前を同定する名物学が飛躍的に進歩。これら学問の発展、古画学習、文芸などが互いに影響し、草虫図という枠組みを越えて、多彩な虫の絵が制作されるようになった。たとえばこの時代は、伊藤若冲、酒井抱一、喜多川歌麿、葛飾北斎といった絵師たちにより、虫をモチーフとした草虫図が数多く生み出された。第5章では、伊藤若冲による重要文化財《菜蟲譜》、喜多川歌麿『画本虫撰』など、虫の特徴を的確に捉えた精緻な図譜なども公開する。展覧会概要「虫めづる日本の人々」会期:2023年7月22日(土)~9月18日(月・祝)※作品保護のため、会期中展示替を行う会場:サントリー美術館住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階開館時間:10:00〜18:00※金・土曜日および8月10日(木)、9月17日(日)は20:00まで開館休館日:火曜日(9月12日(火)は18:00まで開館)入館料:一般 1,500円(1,300円)、大学・高校生 1,000円(800円)、中学生以下 無料※( )内は前売券料金(展覧会開幕前日まで販売)※チケットはサントリー美術館受付、サントリー美術館公式オンラインチケット、ローソン チケット、セブンチケットにて販売※サントリー美術館受付での販売は開館日のみ※あとろ割:国立新美術館、森美術館の企画展チケット提示で100円割引(割引適用は1種類まで)※会期や開館時間などは変更となる場合あり(最新情報については美術館ウェブサイトを確認のこと)【問い合わせ先】サントリー美術館TEL:03-3479-8600
2023年04月17日企画展「うえののそこから『はじまり、はじまり』荒木珠奈 展」が東京都美術館にて、2023年7月22日(土)から10月9日(月・祝)まで開催される。作家・荒木珠奈とは?ニューヨークを拠点に、版画、立体 作品 、インスタレーションなど幅広い表現活動を続けている作家・荒木珠奈。どこかへんてこなのにかわいらしい、ゾクッとする感覚が混在した世界観が魅力だ。光と影、昔話、家や舟といった物語を想起させるようなモチーフを用いて、見る者の心の底にある懐かしい感覚や感情、記憶を揺さぶりながら、非日常の世界へと誘う作品を多く手掛けてきた。20代でメキシコに留学すると、「明るさと暗さ」や「生と死」が共存する独自のメキシコ文化に感化され、作品にも反映されるように。そんな荒木の作品からは、清さと濁さを併せ持った人間そのものを肯定するような眼差しを感じることができる。詩情豊かな版画やインスタレーション約60点以上を展示「うえののそこから『はじまり、はじまり』荒木珠奈 展」は、これまでに国内外で発表した詩情豊かな版画や立体作品など、幅広いジャンルの多様な作品を網羅する荒木初となる回顧展。中でも注目したいのは、ウクライナなど様々な国のルーツを持つ子どもたちと共同制作したインスタレーション、メキシコ先住民との共同制作によるマヤ神話に基づく絵本、鑑賞者参加型のインスタレーションなど。また、初期の作品から本展のための最新作まで約60点以上に加えて、開催地の「上野の記憶」にインスパイアされ、土地の記憶が造形物と化したかのような新作の大型インスタレーションも展示。まるで絵本を1ページずつめくっていくように、日常と非日常の境界を行き来する感覚を味わえる、“ちょっと怖くて懐かしい”不思議な展覧会となっている。展覧会概要企画展「うえののそこから『はじまり、はじまり』荒木珠奈 展」会期:2023年7月22日(土)~10月9日(月・祝)会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C住所:東京都台東区上野公園8-36開室時間:9:30~17:30(金曜日は20:00まで)※入室はいずれも閉室30分前まで休室日:月曜日、9月19日(火)※ただし8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室観覧料:一般 1,100円、大学生・専門学校生 700円、65歳以上 800円※高校生以下は無料※身体障がい者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳・被爆者健康手帳所有者と付き添い者(1名まで)は無料※「マティス展」「永遠の都ローマ展」のチケット提示にて、各料金より300円引き(1名1回限り、他の割引との併用不可)※都内の小学・中学・高校生ならびにこれらに準ずる者とその引率の教員が学校教育活動として観覧する時は無料(事前申請が必要)【問い合わせ先】東京都美術館TEL:03-3823-6921
2023年04月16日2023年4月26日(水)より、日本橋髙島屋S.C.本館8階ホールでは、『京都細見美術館の名品―琳派、若冲、ときめきの日本美術―』展を開催する。京都市左京区、岡崎公園近くに位置する細見美術館は、大阪の実業家・細見良(初代古香庵)に始まる細見家三代の蒐集をもとに、1998年に開館した美術館。収集品は、日本の美術工芸のほとんどすべての分野と時代を網羅し、国内外から高い評価を受けている。同館の開館25周年を記念して開催される同展は、細見美術館が誇る日本美術のコレクションより、選りすぐりの作品約100件を紹介する展覧会だ。展示構成は、「神や仏に捧げられた造形にこそ真の尊さがある」とする初代古香庵の信念を原点に、優美で繊細な仏教美術の数々を紹介する「1、祈りのかたち」、室町時代の湯釜や根来塗りの漆器など他に類をみないコレクションを展示する「2、数寄の心」、近世の蒔絵作品や七宝コレクションなど、日本美術の特徴といわれる「かざりの美」が並ぶ「3、華やぎのとき」、二代古香庵が築いた琳派の一大コレクションを紹介する「4、琳派への憧れ」、そして、江戸時代の人気画家・伊藤若冲の、初期の著色画から晩年の水墨画までを紹介する「5、若冲のちから」の全5章。とくに細見美術館といえば、琳派と若冲のコレクションで知られるが、今回も本阿弥光悦や俵屋宗達はもちろんのこと、江戸琳派の祖・酒井抱一や近代に琳派のスピリットを継承した神坂雪佳の《金魚玉図》、また若冲の代表作《動植綵絵》を彷彿とさせる《糸瓜群虫図》や、得意の鶏を描いた《鶏図押絵貼屛風》など、細見美術館ならではのラインナップを見ることができる。なかなか京都まで行くことができないという人は、ぜひこの機会をお見逃しなく。<開催情報>開館25周年記念展『京都細見美術館の名品-琳派、若冲、ときめきの日本美術-』会期:2023年4月26日(水)~5月15日(月)※会期中無休会場:日本橋髙島屋S.C. 本館8階ホール時間:10:30~19:30、最終日は18:00まで(入場は閉場30分前まで)料金:一般1,200円、大高1,000円※12月23日(土)よりジェイアール名古屋タカシマヤ10階特設会場を巡回予定公式サイト:
2023年04月13日『ちびまる子ちゃん』『COJI-COJI』などで知られるまんが家、さくらももこの全貌を振り返る全国巡回展『さくらももこ展』。2022年年末に高松市美術館での開催を終え、4月22日(土)〜5月28日(日)、横浜のそごう美術館にやってくる。1965年静岡県で生まれたさくらももこは、まんが家、エッセイスト、作詞家、脚本家といくつもの顔を持ち、新しいキャラクターやエッセイを次々と世に送り続けた稀代のアーティストであった。残念ながら2018年に53歳の若さで病に倒れてしまったが、さくらが遺した作品は今もなお幅広い世代に読み継がれ、人気を得ている。この展覧会は、そんな彼女の全仕事を約300点のカラー原画や直筆原稿でたどる内容となる。展覧会は複数コーナーに分かれ、大ヒットまんが『ちびまる子ちゃん』を改めて紹介する「ももことちびまる子ちゃん」、ベストセラーとなったエッセイ『もものかんづめ』などから思わず笑いがこぼれる名言を集めた「ももこのエッセイ」、絵日記や息子との日常を丁寧に綴った作品を紹介する「ももこのまいにち」、常識を超える発想の源に迫る「ももこのナンセンスワールド」、宇宙の子ども「コジコジ」の世界を紹介する「ももことコジコジ」で構成される。ちびまる子ちゃんとコジコジが夢の共演を果たした絵本『まる コジ』、詩画集『まるむし帳』や生きものとの思い出を綴った『いきもの図鑑』などに現れる大きな宇宙と小さな日常。シンプルでいて表情豊かな「絵」と、毒気もあるユーモア、その奥にある愛情にあふれた「言葉」の共演を楽しみたい。<開催情報>『さくらももこ展』会期:2023年4月22日(土)〜5月28日(日)※会期中無休会場:そごう美術館時間:10:00~20:00(入館は19:30まで)料金:一般1,400円、大高1,200円公式サイト:
2023年04月12日中京テレビ放送株式会社は、松坂屋美術館、中日新聞社とともに「アニメージュとジブリ展」を4月22日(土)より松坂屋美術館で開催いたします。「アニメージュとジブリ展」ビジュアル本展覧会は雑誌「アニメージュ」(徳間書店)の1978年創刊当時からスタジオジブリが設立された80年代後半に焦点を当てます。まだアニメという言葉さえ広がっていない時代から、1979年に登場した「機動戦士ガンダム」の大ヒットによりアニメが大きく飛躍するブーム期。そして、鈴木敏夫が後のジブリにつながる高畑勲・宮崎駿両監督を見出し、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」の映画製作に傾倒するまでの道のりを紹介します。全国巡回中の展覧会がついに名古屋初上陸となります。※展示内容などは変更になる場合があります。ご了承ください。【展覧内容】【HIGHLIGHT 1 アニメージュ誕生!~テレビまんがからアニメブームへ】1970年代後半から80年代にかけてのアニメブーム勃興期を、アニメ同人誌、雑誌、ポスター、グッズ、セル画コレクションなどの展示から振り返ります。また「アニメージュ」創刊号を大々的に拡大展示します。雑誌「アニメージュ」【HIGHLIGHT 2 アニメージュは私たちにすべてを教えてくれた~ガンダムが変えた歴史】本エリアでは、「アニメージュ」がガンダムブームをどう伝え、ファンがどう受け止めたのかを誌面の拡大展示やレイアウト、美術監督中村光毅氏によるイラストを展示することによって当時を振り返ります。「機動戦士ガンダム」公開時の映画ポスター【HIGHLIGHT 3 加速するアニメブーム~拡大するアニメージュ】ガンダムによって加速したアニメブームは、若い作り手が参加した作品が増えるなど、さらなる発展を続けます。また、「未来少年コナン」「ルパン三世 カリオストロの城」「じゃりン子チエ」など、高畑、宮崎両監督がジブリ以前に制作した作品も紹介します。さらに本エリアでは、鈴木敏夫の志向性が色濃く出た「表紙」と「付録」のギャラリーをお楽しみいただけます。中吊り広告【HIGHLIGHT 4 ナウシカへの道~一冊の雑誌から映画が誕生】本エリアでは、1982年2月号の原作マンガ連載開始を経て、1984年に映画「風の谷のナウシカ」が誕生、その後スタジオジブリが作られる道のりを振り返ります。「風の谷のナウシカ」ジオラマ「風の谷のナウシカ」セル画と色指定<みどころ>1. エントランスでネコバスがお出迎え!アニメージュの表紙がエントランスを飾り、表紙から飛び出す迫力あるネコバスが来館の皆さまをお出迎えします。*こちらでの写真撮影は可能です。2. テレビアニメ「機動戦士ガンダム」のガンプラ(ガンダムのプラモデル)を展示!初期ガンプラによる「機動戦士ガンダム」の名シーンを立体で再現。3. 『風の谷のナウシカ』に登場する「風使いの腐海装束」を展示!造形作家・竹谷隆之氏が監修を手掛けた『風の谷のナウシカ』に登場する「風使いの腐海装束」「朽ちゆく巨神兵」のジオラマを展示いたします。*こちらでの写真撮影は可能です。【アニメージュとは】1978年5月26日に日本初の本格的商業アニメ雑誌・月刊「アニメージュ」(徳間書店)が創刊。アニメ雑誌のパイオニアとして、それまで作品の裏方として決して脚光を浴びることのなかった業界内部、作家や制作に関わる人をクローズアップしてきました。『風の谷のナウシカ』のアニメーション映画化でスタジオジブリ設立のきっかけとなった本誌は、2023年に創刊45周年を迎える今もアニメとファンをつなぐ橋渡し役です。【開催概要】会期 :2023年4月22日(土)~6月11日(日)会場 :松坂屋美術館(松坂屋名古屋店 南館7階)〒460-8430 名古屋市中区栄三丁目16番1号 松坂屋名古屋店 南館 7F開館時間:10時~18時※最終日は17時閉館(最終入館はいずれも閉館時間の30分前まで)会期中無休主催 :中京テレビ放送、松坂屋美術館、中日新聞社企画協力:スタジオジブリ・三鷹の森ジブリ美術館協力 :徳間書店、マクセル、特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構、ヴィレッジヴァンガードコーポレーション協賛 :NTTコノキュー企画制作:ニュートラルコーポレーション後援 :名古屋市、名古屋市教育委員会展覧会に関するお問い合わせ:松坂屋美術館TEL 052-251-1111(大代表) 10:00~18:00名古屋展公式サイト : 「アニメージュとジブリ展」公式サイト : 「アニメージュとジブリ展」公式Twitter: ▼チケット情報入館料:一般・大学生1,500円(1,400円)、中高生1,000円(900円)、小学生600円(500円)*税込※( )内は前売り料金。※前売り券は4月21日まで販売中。※未就学児は無料。未就学児のお客様は必ず保護者(18歳以上)同伴でご入館ください。※中・高校生券の方は、学生証等の提示が必要。【各種グッズを販売!】本展限定のオリジナルグッズを一部ご紹介!他にも、各種販売予定!■大判ハンカチーフ(魔女の宅急便/天空の城ラピュタ)各1,650円(税込)大判ハンカチーフ■フリーカップ 全4種(天空の城ラピュタ/となりのトトロ/魔女の宅急便/風の谷のナウシカ)各1,540円(税込)フリーカップ 全4種■BOX入りぬいぐるみ テト(風の谷のナウシカ)11,000円(税込)BOX入りぬいぐるみ テト■箱入りぬいぐるみ 王蟲(風の谷のナウシカ)14,300円(税込)箱入りぬいぐるみ 王蟲■豆皿 全4種(となりのトトロ/風の谷のナウシカ/魔女の宅急便/天空の城ラピュタ)各1,320円(税込)豆皿 全4種■アデリアグラス 全2種(天空の城ラピュタ/風の谷のナウシカ)各1,320円(税込)アデリアグラス 全2種※商品ラインナップ、商品名、価格、デザイン、仕様、購入個数制限などは発表後であっても変更になる場合があります。※数量限定のため、品切れとなる場合があります。【コラボイベント:「アニメージュとジブリ展」AR特別企画 in 松坂屋名古屋店】「アニメージュとジブリ展」開催を記念して、株式会社NTT QONOQ(コノキュー)が提供する新感覚街遊びAR(拡張現実)サービス「XR City」とコラボイベントを開催!お客さまが「XR City」アプリをダウンロードしたスマートフォンで、場所に応じた「アニメージュとジブリ展」がコラボしたARコンテンツをお楽しみいただける企画です。お手数ではございますが、詳しくは、下記のイベント公式サイトでご確認をお願いいたします。 上記の他、名古屋展公式サイトでは最新情報を随時更新しておりますのでご確認をいただけますと幸いです。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月12日2022年に開館した大阪中之島美術館は、19世紀後半から現代までの美術とデザインを専門とする美術館。開館1周年の記念展として、その両輪をなすアートとデザインを並行的に展示する企画展が、4月15日(土)から6月18日(日)まで開催される。戦後、一般的にはまだ馴染みのなかった「デザイン」という言葉が私たちの身近なものとなって半世紀以上がたった今、デザインの領域はさらに大きな広がりを見せている。また、「美術」が「アート」と呼ばれることも増えた昨今、その言葉の変化には、従来の美術の世界を超えた表現の展開も感じとれるだろう。同展は、戦後の1950年代から2010年代にかけての、デザイナーとアーティストたちの多彩な成果を追いかけながら、デザインとアートの境界や「重なりしろ」を探る試みだ。出品作家は、会田誠、イサム・ノグチ、亀倉雄策、河原温、草間彌生、倉俣史朗、剣持勇、佐藤可士和、田中一光、永井一正、 藪内佐斗司、奈良美智、名和晃平、早川良雄、日比野克彦、三宅一生、宮島達男、村上隆、元永定正、森村泰昌、 柳宗理、ヤノベケンジ、横尾忠則など、日本を代表するデザイナーとアーティストたち、総勢70名を超える。会場には、デザイン性が話題となった携帯電話や家具、また絵画や写真、立体などの多彩なジャンルのアート作品が一堂に並ぶ。デザインとアートを同じ空間で鑑賞すると、個々で見るときとはまた異なる印象を抱くかもしれない。また互いの影響関係や、重なり合うところ、あるいは一線を画すところが、いっそうダイレクトに感じられる面もあるだろう。同展は、来場者にそんな心の動きを体験させてくれる展覧会となっている。ひとつひとつの作品の前で、観る者それぞれが「これはデザイン?」「こっちはアート?」と問いかけながら答えを見出していくことは、昨今話題となっている「デザインとアートの境界」について自ら考える契機になると同時に、展覧会を能動的に楽しむ機会ももたらしてくれることだろう。<開催情報>『開館1周年記念展 デザインに恋したアート♡アートに嫉妬したデザイン』会期:2023年4月15日(土)~6月18日(日)会場:大阪中之島美術館 4階展示室時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)休館日:月曜(5月1日は開館)料金:一般1,600円、大高1000円公式サイト:
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