2015年の第65回ベルリン国際映画祭において銀熊賞(監督賞)を受賞、母国ポーランドのアカデミー賞「イーグル賞」では主要4部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞)を受賞した『BODY』(原題)が、『君はひとりじゃない』の邦題で7月22日(土)より日本公開されることが決定した。病で母親を失ったオルガとその父。オルガは心身を病み、摂食障害となってしまう。父は喪失感を拭えず、検察官として事件現場に立つも、人の死に対して何も感じなくなっていった。オルガは父を、そして自らの体を嫌悪し、日々やせていく。父と娘の間には埋められない溝ができていた。そんな娘を見かねた父がセラピストのアナのもとに通わせる。だが、アナのセラピーは、普通では考えられない方法だった――。母を亡くした娘はふさぎ込み、摂食障害に。かたや、その父親は人の死に何も感じなくなっていく。最愛の人の死によって引き裂かれた人の絆は、元に戻るのか…?本作は、ポーランドの俊英女性監督マウゴルザタ・シュモウスカが、独創的な視点とユーモアで描く喪失と“再生”の物語。ベルリン国際映画祭、ポーランドのイーグル賞など数々の映画賞に輝き、アメリカでも辛口で知られるレビューサイト「Rotten Tomatoes」で88%Freshという高評価を得た。日本でも2015年の東京国際映画祭、そして2016年のポーランド映画祭で上映が行われ、その評価の高さから本公開が待望まれていた作品。娘役を務めたユスティナ・スワラは、監督がFacebookから見い出した新星で、本作が演技初挑戦にして映画デビューとなった。新たな形で紡がれる肉体と魂の再生とは?世界中が絶賛を贈るヒューマンドラマに注目していて。『君はひとりじゃない』は7月22日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月23日カンヌ、ベネチア、ベルリン三大国際映画祭の主要賞を制覇したポーランドの巨匠、イエジー・スコリモフスキ監督の最新作『イレブン・ミニッツ』が2017年3月2日(木)ブルーレイ&DVDで発売が決定。「スコリモフスキ監督来日映像」をはじめ、豪華映像特典の内容もわかった。午後5時に始まって5時11分に終わる今作の物語は、大都会に暮らすいわくありげで見ず知らずの人々に起こる11分間のドラマを、モザイク状に構成したスコリモフスキ監督初の群像劇。特殊な時間設定のあるドラマや限定的な抽象的空間というスコリモフスキ監督が得意とする映画スタイルによって描く“運命のいたずら”が、衝撃のクライマックスに向かって動くリアルタイム・サスペンスの秀作として、劇場公開時に話題を集めた一作だ。ブルーレイ&DVDの共通特典映像として、スコリモフスキ監督来日映像をはじめ、監督来日時インタビュー、監督劇場マナーCM、オリジナル予告編、日本版予告編などを収録予定。また、初回限定封入特典としては、ポストカード(ティザーデザイン1枚)を封入する予定。スコリモフスキ監督のファン、マストアイテムと言えそうな一枚だ。『イレブン・ミニッツ』 は2017年3月2日(木)よりリリース。<『イレブン・ミニッツ』リリース情報>『イレブン・ミニッツ』DVD価格:¥3,800+税『イレブン・ミニッツ』ブルーレイ価格:¥4,700+税発売元・販売元:ポニーキャニオン(C) 2015 SKOPIA FILM, ELEMENT PICTURES, HBO, ORANGE POLSKA S.A., TVP S.A., TUMULT(text:cinemacafe.net)
2016年12月22日東京都港区の六本木ヒルズ・大屋根プラザで10月2日~4日、「ポーランド祭2015」が開催される。○ポーランド輸入品や伝統料理を堪能同イベントではポーランドから輸入された陶器、琥珀アクセサリー、ポーランド食器、ガラス雑貨、伝統工芸品、食料品などが販売されるほか、ポーランドへの航空券が当たるクイズなど、多彩な企画が用意されている。また、ポーランドの伝統料理や、ドーナツ、りんごタルト、チーズケーキなどの伝統菓子も楽しむことができる。ステージプログラムでは、ピアノでのクラシック音楽やJazz演奏のほか、DJ、フォークダンス、トークショーといったバラエティー豊かなプログラムで会場を盛り上げる。開催時間は、11時~19時までとなり、3日のみ20時までとなる。入場無料。
2015年09月24日国土交通省は9月11日、LOTポーランド航空からの外国人国際航空運送事業の経営許可申請について同日付けをもって許可したことを発表した。成田空港としては、LOTの就航は2008年以来約8年ぶりにヨーロッパ(極東ロシア除く)からの新規乗り入れ航空会社となる。LOTは中央・東ヨーロッパ地域を代表する航空会社として、ポーランドと日本を結ぶ初めての定期直行便を就航することとなる。開始予定日は2016年1月13日(日本発着は翌日)で、ワルシャワ=成田線を週3便(水・金・日曜日、日本発着はその翌曜日)運航する。6月に発表された内容では、ワルシャワ発は水・金・日曜日(LO079: WAW15:00発/NRT09:20+1 着)、成田発は木・土・月曜日(LO080: NRT 11:05発/WAW14:40着)。時間はいずれも現地時間となっている。機材はボーイング787-8を使用し、座席数は252席(ビジネスクラス18席、プレミアムエコノミー21席、エコノミークラス213席)を設定する。機内サービスは、食事に和食を提供するほか日本語対応のIFE(機内エンターティメントシステム)でも日本からの乗客も楽しめる映画等を搭載するなど、特にアジア圏からの利用客へのおもてなしを主眼に置いたサービスを提供する。
2015年09月12日LOTポーランド航空(以下、LOT)は2016年1月14日より、成田~ワルシャワ線に新規就航することを発表した。LOTは中央・東ヨーロッパ地域を代表する航空会社として、ポーランドと日本を結ぶ初めての定期直行便を就航することとなる。LOTは、1929年に運航を開始した86年の歴史を有するポーランドのナショナル・フラッグ・キャリア。LOTの成田~ワルシャワ線は、これまで成田空港からのネットワークが少なかった中央・東ヨーロッパ地域と日本を結ぶ路線であることに加え、LOTのベースであるワルシャワ空港でのスムーズな乗り継ぎにより、ポーランド国内はもとよりチェコやハンガリーといった中央・東ヨーロッパ地域への利便性が一層高まることが期待される。また、成田空港としては、LOTの就航は2008年以来約8年ぶりにヨーロッパ(極東ロシア除く)からの新規乗り入れ航空会社となる。運航は2016年1月14日より、週3便を予定している。成田発は月・木・土曜日(LO080: NRT 11:05発/WAW14:40着)、ワルシャワ発は日・水・金曜日(LO079: WAW15:00発/NRT09:20+1 着)。時間はいずれも現地時間となっている。また、今回のスケジュールは、西行/東行双方の利用客にロンドン/リガ/プラハ/ブダペスト/ジュネーブ/コペンハーゲン/フランクフルト/パリ等を含むヨーロッパ圏内の他都市と短時間での接続を可能としている。機材はボーイング787-8を使用し、座席数は252席(ビジネスクラス18席、プレミアムエコノミー21席、エコノミークラス213席)を設定する。機内サービスは、食事に和食を提供するほか日本語対応のIFE(機内エンターティメントシステム)でも日本からの乗客も楽しめる映画等を搭載するなど、特にアジア圏からの利用客へのおもてなしを主眼に置いたサービスを提供する。今回の路線就航に際し、LOTのセバスティアン・ミコスCEOは、「東京はアジア地域における最も重要なビジネス拠点のひとつであり、同時に最も魅力的な観光拠点のひとつでもあります。両国間の交流は年々高まっており、今回ワルシャワ~東京間の直行便を開設する必然性は弊社が実施した市場調査等の結果からも明白でした」とコメントしている。LOTの調査によると、2013年にポーランドから日本を訪れた旅行者の数はおよそ1万5,000人で、これは2012年の実績に対して45%ほどの伸びを示しているという。また、中央ヨーロッパならびに東ヨーロッパ地域全体から日本を訪れる旅行者の総数はおよそ13万6,000人に上るという。
2015年06月19日カイカイキキは、ポーランド生まれのアーティストNAWER(ナーヴェル)の個展「COLORS IN SHAPESLAND」を開催する。会場は東京都・中野の中野ブロードウェイ3F Hidari Zingaro。会期は2月28日~3月17日(水曜定休)。入場無料。「GEISAI∞infinity」は、現代美術的な文脈から解放された絵を描く開放感を主軸とした展覧会のシリーズとして、世界中からグラフィティ&ストリートアーティスト、もしくはアクロス・ザ・ボー ダーなクリエーターを招聘し、展覧会を連続開催するプロジェクト。GEISAIチアマンで現代美術家の村上隆とGEISAI実行委員の綛野匠美氏がキュレーションを行う。今回の「COLORS IN SHAPESLAND」は、「劣化ノスゝメ」に続く第二弾として、世界中で多くのアートフェアやミューラル(壁画)プロジェクト等を手がけ、建築家、デザイナー、ストリートアーティストとして活動するアーティスト・NAWARが、幾何学的なラインとアブストラクトな表情が共存した独自の世界観と空間演出を展開するもの。中野ブロードウェイ内のHidari Zingaro、Kaikai Zingaro、Zingaro Spaceにおいて、キャンバス作品の展示販売および公開制作(壁面へのペインティング)が行われるということだ。また、初日の2月28日にはNAWAR自身も参加するレセプションパーティーが予定されている(参加無料、招待状も不要)。なお、NAWARはポーランド生まれ。90年代中頃よりストリートアートに深く心を引かれ、ポーランドのクラクフにて建築学と都市計画を学ぶ。卒業後、2003年より精力的にペインティングを行う一方、フリーランスのインテリア・デザイナーとして活動。2006年にインテリアとグラフィックデザイン、背景画に特化したArtede7 Studioを設立。最近ではデザインコレクティブ、テンポラリースペースとのコラボにより、自身の作品と最新ビデオ、3Dマッピングの技術とを掛け合わせた視聴覚的な一連のパフォーマンスを発表している。
2015年02月26日先日、EUROサッカーを観戦するため、そして大切な友人を訪れるため、ポーランドのワルシャワに行ってきました。東欧の街・ワルシャワに行ってきたと言うと、「暗い?」と聞かれることも多かったのですが、中心地は驚くほど近代的で大変な建設ラッシュ。ヨーロッパ有数のスポーツイベント開催中ということもあり、活気にあふれてもいました。多くのユーロ圏の都市が財政難で苦しんでいますが、ポーランドの通貨はユーロではなくズロチのまま。そのおかげもあり、経済は悪くないのだと友人は教えてくれました。現代的なブティックやカフェ、レストランも建ち並び、想像以上の発展ぶりを感じさせてくれたワルシャワでの滞在はとても楽しいものでしたが、その発展の陰には悲しい歴史があることも当然ながら思い知らされました。この街が近代都市として発展しているのは、東京と同様に第二次世界大戦中にことごとく破壊されているから。ポーランド侵攻で廃墟と化した旧市街は、いまでは細かいヒビに至るまでが復元され、かつての町並みを取り戻し「ワルシャワ歴史地区」として、1980年にユネスコの世界遺産に登録されています。そして、ポーランドといえば、ナチによるユダヤ人迫害の記憶も、決して消えてはいません。ホロコーストの象徴とも言えるアウシュヴィッツ強制収容所があるのもこの国。ユネスコは、二度と同じ過ちを人類が起こさないようにと、1979年に負の世界遺産として認定しています。ただ、悲劇が収容所だけで起きたわけでないのは周知の事実。ワルシャワでも、近代的なビルの裏側に、ゲットーがそのまま残っていたりします。発展する大都市の片隅にも、忘れられない記憶は確実に残されているのです。そんな辛い歴史を描いているのが、『太陽と月に背いて』、『敬愛なるベートーヴェン』などで知られるアグニエシュカ・ホランド監督の新作『ソハの地下水道』。ホロコーストの嵐が吹き荒れる1943年、ナチス占領下のポーランドの街・ルヴフ(現ウクライナ領リヴィヴ)が舞台です。主人公は、下水処理に携わる貧しいポーランド人・ソハ。生計を立てるためにはコソ泥さえ厭わない、ずる賢い小悪党です。そんな彼が、仕事中に下水路でユダヤ人グループを発見するところから物語は動き出します。ユダヤ人たちは、強制収容所行きを免れるため、ゲットーから下水道へと続く通路を掘っていたのです。彼らをナチスに売り渡せば報奨金が得られますが、ソハはこう考えます。迷路のように入り組んだ地下水道は自分が一番よく知っている。ここに彼らを住まわせて日々見返りを受け取れば、そちらの方が得なのではないかと。そして、ソハとユダヤ人たちとの秘密の関係が始まるのです。第二世界大戦当時、ユダヤ人を救おうとした人の物語は既に映画にもなっています。オスカー・シンドラーや杉原千畝らがその代表。彼らは自らの危険も顧みず、人助けを行った歴史的英雄です。でも、名もなき市民の中にもユダヤ人を匿った人が多くいたと耳にします。それがバレたら、ナチスによる死刑が待っていると分かっていても。本作の主人公・ソハは、そんな歴史的英雄とは違います。決して尊敬されるような人物ではありませんでした。しかも、自ら率先して人助けをしたわけではありません。ナチスからもらう一度きりの報奨金よりも、日々の収入を選んだという意味で、自分の利を優先した悪い奴と言えるかもしれません。でも、物語が進んでいくうちに、彼は自分でも気づかぬうちに、心の声に従いユダヤ人を匿うことを選んだのではないかと思えてくるのです。極悪非道の限りを行い続けるナチス、そして彼らを手伝う親衛隊に、嫌悪感を覚えているらしいシーンが幾度も登場しています。その感情を表に出すことが許されなくても、彼は決してそれを手放すことはありません。もしナチスに逆らえば家族の命がなくなると分かっていても、人として決して妥協できない部分を、彼は無意識のうちに守り抜いたのかもしれません。やがて、ユダヤ人たちが地下水道に隠れているといううわさが広まり、ソハにとっても大きな危険が迫ってきます。「もう手を引く」。そう決めたソハですが、出会いから14か月が過ぎていたそのときすでに、ソハにとってユダヤ人たちは単なる“金づる”ではなくなっていました。そして、ソハはこれまでの彼からは信じられないような行動に出るのです。そのエンディングはまさに奇跡としか言いようがありません。驚くべきことに、これは実話です。語り尽くされたかに思われている戦争の悲劇に、まだまだ驚くべき物語が遺されていることにも改めて驚かされる作品でした。そして、きっとこういった強く美しい市民による“まだ語られぬ物語”が、語られることを待つこともなくひっそりと眠っているであろうことも想像に難くありません。戦争は美しい街を廃墟に変えます。そして、人の良い隣人さえも残忍な殺人者に変え、無愛想な小悪党さえも勇気ある英雄へと変えるのです。落ちるか、這い上がるか。その違いはきっと、極限状態にこそ顔を出す人間としての本質の違いなのでしょう。だから、いざというときにこそ、強くありたい。この美しい作品を観終わって、涙をぬぐいながら、そんなことを考えていました。ポーランド旅行中、多くの人たちはとても無愛想でつっけんどんでした。でも、少し言葉を交わすと、誰もが別れ際にとびきりの笑顔を見せてくれました。その温かさといったら、何とも印象深い国民でした。彼ら、そして彼らの家族の中にも、きっと多くの名もなき英雄がいることでしょう。『ソハの地下水道』は、衝撃的でショッキングな物語でもあります。でも、そこには綺麗ごとでは描ききれない、人間の本当の美しさが描き尽くされていました。心を荒ませるような、ひどいニュースばかりが相次ぐいまだからこそ、この作品はこんな風に力強く心に訴えてきました。ああ、人間って捨てたものじゃない。3.11で勇気ある行動を見せてくれた多くの人々、そして先日幕を閉じたロンドンオリンピックで活躍した、多くのヒーロー、ヒロインの強さを思い出しながら。(text:June Makiguchi)■関連作品:ソハの地下水道 2012年9月22日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2011 Schmidtz Katze Filmkollektiv GmbH, Studio Filmowe ZEBRA, Hidden Films Inc.
2012年08月15日いま欧米で注目を集めているポーランドの若手指揮者クシシュトフ・ウルバンスキが、東京交響楽団の首席客演指揮者に就任することが決定。8月9日にポーランド大使館で記者会見が行われた。「東京交響楽団」の公演情報1982年ポーランド生まれのウルバンスキは、現在、アメリカ・インディアナポリス交響楽団音楽監督とノルウェー・トロンヘイム交響楽団首席指揮者を兼任。今後も、2013年春のチェコ・フィルとのヨーロッパ・ツアー、2014年5月のベルリン・フィルへのデビューほか、ウィーン響、ハンブルク北ドイツ放送響、フランス放送フィル、ナショナル響、ロサンゼルス・フィル、フィンランド放送響など、名門オケへのデビューや客演が予定されており、楽壇を席巻する活躍が期待される。東響とのこれまでの共演は、2009年11月東京オペラシティシリーズ(ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界」ほか)、2011年6月サントリー定期・川崎定期演奏会(ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ほか)の2回のみ。スコアを全て暗譜してリハーサルを行うなど、非凡な才能を発揮。圧倒的なパワーで聴衆、楽団員を魅了し、早くも今回のポスト就任決定に至った。記者会見でウルバンスキは「(過去2回の共演を通じて)恵まれた出会いだと確信しました。今回のポスト就任は非常に名誉に思っています」と語る。また同団楽団長・大野順二も「初共演での『新世界』は非常に衝撃的。楽団員も『ぜひともまた共演したい』とすぐに心をつかまれました。彼は義理堅い男で、日本の他の楽団からオファーがあっても『東京交響楽団は日本でデビューした特別なオケだから、しばらくは他では振らない』と言ってくれており、非常にありがたい。長く良い関係を築いてきたいです」と思いを寄せる。来日の度にレベルアップした才能をみせてくれるというウルバンスキ。楽団からも「どこまで行くのか」と期待も高い。今後の東響とのタッグに注目が集まる。クシシュトフ・ウルバンスキの首席客演指揮者の任期は、2013年4月から3年間。次回公演については今後公式サイトなどで発表となる予定。
2012年08月14日