6月17日、日比谷野外音楽堂にて10人組ダンス&ボーカルグループBUDDiiSがワンマンライブ「BUDDiiS vol.05-MAGiiCAL-」を行った。グループ結成以来、初の野外となる本公演。初夏にぴったりの熱いライブの模様をレポートする。BUDDiiSが届ける、完全解放したライブ梅雨の真っ只中だというのに、晴れ渡った空。6月にしては少し暑すぎるようにも感じるが、青空と初夏の空気がBUDDiiSにはよく似合う。そしてこの空間がよりライブへの期待を高めてくれる。定刻17時。うっすらとスモークが立ち込め、照明が消える。スクリーンには森の中を10色の光が走るファンタジックな映像が流れ出す。メンバーの姿が映し出されるたびに、ペンライトが大きく揺れ、歓声が上がる。この日、腰椎椎間板ヘルニアおよび坐骨神経痛のため出演を見合わせているKEVINが映し出された際にはより大きな声援が沸き起こった。照明が会場をあおるように点滅し、体を揺らすようなサウンドが響き渡る。白を基調とした衣装を身に纏ったメンバーが登場すると、割れんばかりの拍手と歓声が響き渡る。「最高の1日にしていきましょう!」とFUMINORI。そんな最高の1日のオープニングを飾るのは、夏らしいムードを盛り上げる『Under The Sea』。FUMINORIの「暴れるぞ!」という声に会場が応える。ゆったりとした楽曲だが、1曲目の高揚感と、メンバーの気合いで波は激しめ、バディ(BUDDiiSファンの総称)たちを一気にその波で飲み込んでいく。初っ端から飛ばしていくセットリスト。続いては『To The Top』。ボーカルのKEVINの声は音源によるものだが、その歌声に9人の息の合ったダンスが重なるとグッとくるものがある。そこにMORRIEとSHOOTのハーモニーがバチッとハマり爽快感さえ感じられる。さらに2曲目にして銀テープが飛び、会場のテンションがもう一段階上がったのがわかる。 『Dream Love』ではFUMIYAがどこかあどけない表情を見せながらも、ドスの効いたラップを響かせれば、FUMINORIはキュートなウィンクを投げ、観客を魅了した。3曲を終えて「みなさんお待たせしました! そして晴れました!」とFUMINORIが言い、会場全体で晴天を喜んだあと、改めて一言ずつ自己紹介へ。トップバッターのMORRIEは「今日のためにツルツル坊主を作って……」と言って早速FUMINORIに「てるてる坊主ね」とツッコまれる。せっかくなので個性豊かな自己紹介を全員分残しておきたい。HARUKIはいつものスマイルで「天気も快晴でみんなの元気もモリモリで最高です!」と和ませ、SHOWは「ライブが楽しみすぎて髪が白くなっちゃった!」、続くFUMIYAもSHOWにならい「ライブ楽しみすぎて、雨男発揮しなくてすみました!」。SHOOTは「半パン小僧でーす。すみません、足出しちゃって。こんな暑かったら足出したくなりますよ」と言い、FUMINORIがその言葉を引き継ぎ「この顔してすね毛バリ濃いから短パン履けません!FUMINORIです!」とキュートなキメ顔で言うと、メンバーと会場からはカワイイの声。「マジでなんでも買ってあげる」と付け加え、会場を沸かせた。YUMAは「開始3曲で気合い入りすぎて結構もうヘトヘト。最後まで全力でがんばります」と癒しスマイルで気合いを見せた。「熱中症対策ということでコーラいっぱい飲んできました!」というTAKUYAにはメンバーからしっかりと「それはどうなの?」「あんまり意味ないかもな」「おいしいけどね」とツッコミが入る。ラストはSEIYA。「前の方から後ろの方まで一緒に楽しみましょう!」と会場を盛り上げた。自己紹介だけでニコニコしてしまうところだが、まだライブは始まったばかり。「最高の魔法にかかっていきますよ」というFUMINORIの言葉と共に次の曲へ。SHOOTのウィンクと大人っぽい表情で冒頭からバディの心を鷲掴みにした『ENCHANT』。FUMINORIの「たくさん踊って声出していきましょう!」と呼びかけたのは『Beautiful』。バディもメンバーと一緒にクラップで一体感を高めていく。さらに会場を熱くするのが『JEALOUS』。ここでは会場をふたつに分けてクラップの練習をしたあとに楽曲へ。曲の中盤では全員でタオルを回し、テンションもアップ。FUMIYAのダンスソロでは、手にしていたタオルもアイテムのように使いこなし、一瞬ながらも魅せていく様はさすがの一言だ。MCでは野外で気温も高いということでFUMINORIが念入りに水分補給を呼び掛けていく。もちろんメンバーも一緒に水分補給していくが、FUMIYAが水分補給をしている姿に会場からはカワイイという声が上がり、「誰だ、水飲んでかわいいって言われてるの!」とFUMINORIが張り合う場面も。ちなみに、この公演では設置されたスクリーンに常にメンバーの表情が映し出されており、意外なワンシーンを見られることも多々あったのではないだろうか。ここのMCでは改めてKEVINについても。「今回、メンバーのKEVINが出演できないことになってしまったんですけど、気持ちはステージに持ってきたので、最後まで10人のパフォーマンスを楽しんでもらえたらな、と思います」とFUMINORIが挨拶をした。ワンマンライブは半年ぶりとなる本公演。そして、ワンマンでの声出しは初めてとなる。そこで「みんなどれぐらい声が出せるか知りたいです」とFUMIYA。ここまでも声はステージに届いていたが、「もうちょいいける気がして」ということでコール&レスポンス。SHOOTも乗っかり「この10倍ぐらいいけます?」と観客をあおる。声掛けでFUMIYAが噛んだり、客席前方に虫が乱入するハプニングがありつつも、バディもしっかりと声を出したあとは『YO HO』から始まるメドレーへ。全員で手を上げ、声を出して、迫力あるダンスパフォーマンスを見せ「弱気な心Good bye」と歌いゴキゲンになっていく。そして『RISE IN LOVE』、『BEAST2』と続くメドレー。BUDDiiSの持っているさまざまなカラーの一部を映し出すような選曲でバディを酔わせていく。特に『BEAST2』では普段とは異なるワイルドな表情でドキリとさせる。そんな『BEAST2』の熱を帯びたまま、キレッキレのダンスパフォーマンスパートへ。FUMNORIのソロから始まり、TAKUYA、SHOOT、YUMAで魅せ、SHOWのソロにHARUKI、SEIYAが加わりダイナミックなパフォーマンスを見せ、FUMIYAのダンス、最後は全員で、と個性を生かしながらステージ上で躍動した。その存在感は日比谷野外音楽堂のステージを狭く感じさせるほどだ。「夏に汗かいて、こういうライブもいいんじゃないですか?」ダンスで圧倒したあとはFUMINORI、SEIYA、SHOW、FUMIYAで『Mr.FRAKE OUT』。ちょっとアングラな雰囲気も漂う楽曲で低いラップを響かせていく。いつもと少し異なる空気の中、バディも一緒になってその音に体を揺らす。FUMINORI曰く「かなり攻撃的なゾーン」を終えて、『Magic』の衣装に着替えたMORRIE、YUMA、HARUKI、SHOOTにバトンタッチしMCタイムへ。「ネクタイにすごく戸惑いました」と少し遅れてTAKUYAも加わる。暑さによる汗のせいで、早着替えにも手間取ってしまうのだという。ここまでを振り返ってHARUKIが「声出しがあって、どんどん盛り上がっていくので。盛り上がっていく準備はできていますか!」と会場に呼びかける。「野外は初ですので。みなさんにとっても思い出のライブになれば嬉しいな、と思いますし、まだ終わってないですけど、またね、こういう夏に汗かいてみんなでライブっていいんじゃないですか?」とSHOOT。湧く会場に「今日みんな絶対お風呂入るんだ?」という不思議な問いかけに、思わずTAKUYAが「どういうこと?」とツッコむ。「だいたいみんな同じぐらいの時間に入るんじゃない? ここに来た人たちが一番たくさんお風呂に入る時間帯当てましょうよ」とSHOOTの不思議な問いかけが続く。そして「俺から聞いたけど、知らん!」と苦笑い。これには、「暑さでおかしくなってきた?」とTAKUYAが言えば、「元からおかしいんだけど」と返すSHOOT。そこに「SHOOTは元からおかしいよね」とYUMA。「気付いちゃったんだよね。SHOOTと最近ずっと一緒にいるんですけど、SHOOTっておかしいんだな」ってまさかの証言が飛び出した。そこに着替えを終えたSEIYAが登場。が、襟元が乱れているのをTAKUYAとYUMAが直してあげるというほっこりする場面も。ちなみに、「SEIYAさんとネックレスお揃いなんです!付き合ってます」とMORRIEが報告し、並んでネックレスを披露。バディをここまでで一番沸かせた。続々と着替えを済ませたメンバーが戻ってくる中で、手こずっていたのはFUMIYA。最後にステージに姿を現したFUMIYAは「会場ってここで合ってます?」と言って会場を和ませた。わちゃわちゃと楽しくトークを繰り広げたところで、ライブは後半戦。しっとりと『her+art』からスタート。KEVINの優しい歌声が広がり、キレのある9人のダンスがステージを彩る。それぞれのボーカルがより際立つこの楽曲。MORRIEの高音、SHOOTの甘い声。重なった声が会場に広がっていき、愛で包み込む。さらに生カメラがそれぞれの瞬間を切り取っていく。ここからまた空気が変わり、『HOT CHEESE』へ。会場全体が一体になる「HOT CHHESE」のフリは自然と楽しさに口角が上がる。ダンスでも、もちろん歌声でも魅了。SHOWからTAKUYAへと優しい歌声を繋いでいくのも印象的だった。「一緒にジャンプしていきますよ」というFUMINORIの言葉と共に始まったのは『ALRIGHT』。サビでは、FUMINORIの言葉通り、全員が思いっきりジャンプ!をし、会場を揺らす。飛び跳ねて、ペンライトを回す。少しずつ太陽が傾き、気温も下がりつつあるというのに、会場の熱は上がっていくばかりだ。そしてここからは未リリース楽曲を立て続けに。HARUKI、TAKUYAのダンスからスタートした『P.A.R.T.Y』。伸びやかなダンスに歓声が上がる。SEIYAのラップ、低音の使い分けが効いてくる。「みなさんが僕たちの光です」というFUMINORIのメッセージとともに始まった『SUNSHINE』。SHOWの低い柔らかな声、そしてSHOOTの声で太陽が昇っていき、それぞれがその光を繋いでいくように歌声を繋いでいく。全員の歌声が聴ける楽曲だ。それでいて、ダンスはめまぐるしく変化していき、1秒たりともステージから目が離せない。「みなさんのかわいい笑顔を見せてください」とFUMINORIが言い『SM:)LE』へ。バディの笑顔を確認していくように、メンバー揃ってステージの端から端まで歩く。そんなメンバーの表情も笑顔だ。ライブ本編を締めくくるのは最新楽曲『Magic』。それぞれが思いを込めて歌声を届けた。KEVINも一緒に…最高潮の盛り上がりへすぐに会場からは大きなアンコールが。その声に応えるようにして、Tシャツ姿のメンバーが再びステージへと登場した。TシャツのデザインはSEIYAだそうで、「SEIYAさん、いつもデザインありがとうございます!」とFUMINORI。SEIYAも「みんなも着ていただいてありがとうございます」と客席にいるバディに向かって笑顔を見せた。早速アンコール1曲めへ。最高にカワイイ『The One』。FUMINORIがタイトルをコールしただけで大歓声が上がり、「最後の最後まで幸せを持って帰ってください!」ピンクを基調とした照明が楽曲のキュートさを盛り上げる。途中、MORRIEがKEVINとハートマークを作るパートがあるのだが、今日はKEVINが不在。代わりにFUMINORIが駆け寄り「いるよ~」とMORRIEとハートを作り、会場をほっこりさせた。さらに、この日の“電話”パートを担ったのは『もしもーし。KEVINでーす』。KEVINの声が響いた途端に大きな歓声が沸き起こった。『本当に行きたかった~!でもね、一番いいところ、僕とっちゃうからね。ほんとに好き』さらに二度目の銀テープが舞い、アンコールだというのにテンションをさらに上げてくれる。最後のMCではメンバーそれぞれから一言メッセージが。MORRIEは飛んだばかりの銀テープを手に取り、「すごいですね、これ銀テープ……金テープ?」と言い、「それかーい」としっかりFUMINORIからツッコミを受けたところで「今日9人で今やってますけど……気持ちは10人でやってますけど、ひとり減るとこんなに大変かと。ボーカル、きついですね。マジで倒れそうになる。KEVINがいつもいるから2人で歌ってるところはお互い補い合ってるのよ。『CLICK ME』の「勇気を出して~」の前のとかは、俺が歌ったりしてバランスとってるんだけど、いないとちょっときついですね」そんなMORRIEに会場からは「がんばれー!」という声が飛んだが、「それ以上にKEVINをもっと応援してあげたら。喜ぶ」と優しい表情を見せた。SEIYAは「あっという間の時間ですごく楽しかった。久しぶりのワンマンライブでこんなにたくさんの人が足を運んでくれて幸せです。KEVINくんの気持ちを持って10人でやったつもりで」。言葉がまとまらない、としつつも、「いつもみんなの応援でこうやって活動できてます。本当にありがとうございます」と感謝を伝えた。HARUKIは「10人の思いを乗せてここまでライブしてきましたけど、半年ぶりのライブということで、この日比谷野外音楽堂という場所でみんなの思いを溜めて溜めて溜めた熱い思いをバーン!とここで出せたと思います。次のライブにもこの思いを引き継いで、みんなで一緒に盛り上がっていきましょう」。SEIYAに「語彙力のあるTAKUYA」と言われ、TAKUYAは「そこであげてくるのやめようようよ」とはにかんだあと、「初めての野外ライブでこんなにみんなの声が響いて聞こえるって初めてのことだったのですごい嬉しかったです。やっぱりこの景色、今までのワンマンライブの中でみんなの顔が1番見れる中でパフォーマンスできるっていうのがすごく嬉しかったし、次こそ10人でこういうふうに立って、みんなの声も聞きながらパフォーマンスできたらな、と思っています」。この日、ボーカルでも存在感を示していたSHOW。「『To The Top』でKEVINくんと同じBメロ歌ってるので、KEVINくんがよくやってるアレンジにチャレンジしようとやったらめっちゃ声ひっくり返って。KEVINさん、偉大だ!と思って。『her+art』の落ちサビとかもKEVINくんを感じながらライブをしたな、という感じがありました」と振り返った。そして声出しについても、「ワンマンライブでみんなの声を聞けると本当に力をもらえるし、ここからもっと盛り上げるぞ、と、僕たちががんばりたいところでみんなが力をくれたな、という感じがすごくしました」と伝えた。FUMIYAは「やっぱりワンマンライブとしては初めての声出しで、初めての野外で、ということで結成してデビューしたころはこんな景色を見られると思ってなくて、本当に感慨深いんですけど……やっとパーフェクトな、完全解放したライブができてめちゃくちゃ楽しいし、みんなの声が聴けて、顔が見れてっていうのが、当たり前じゃないな、と知っているからこそ今日噛み締めながらライブができました」とここまでの道のりも交えながら語り、「これからもっともっとBUDDiiSは高みに行きたいし、いろんな景色を見ていきたいしバディのみんなに見せていきたいので、これからも一生よろしくお願いします」と笑顔を見せた。YUMAは「たくさん声も聞けて、顔も1番後ろまで、あなたもあなたもあなたもあなたも……見えました。カワイイな、と思いました」とにっこり。FUMINORIに「ナンパすな、急に!」とツッコまれながらも「大好きでーす」と伝え、大歓声を浴びた。そんなYUMAに「いいなあ」と言いながらもSHOOTは「結成してからちゃんと声出ししてっていうライブが初めてですから。感慨深いところもありますし、最初から応援してくださる方も、新しく応援してくださる方も、たくさん増えたと思うんですけど、なんか、お疲れ様です、って感じです。ほんと、ここまでですけどね、みんながんばって応援してくれたし、俺らもがんばってよかったな、って思うし。でもここで終わりじゃないし、まだまだ僕たちには見ないといけない景色も待ってると思うのでそこまでついてきてくれたら、僕らもちゃんと連れていくっていうのを約束するので。みなさん引き続き応援してくれたらもっと楽しいことを一緒にしたいな、と思うのでこれからもよろしくお願いします」。ラストはFUMINORI。「本当に伝えたいことはいつもひとつなんですけど、ありがとうございます。それに尽きます。ありがとう以上の言葉があるなら僕はそれをみなさんに伝えたい。こうしてステージに立つには、いろんな大人の方々の力があって、メンバーがいてくれて、何よりバディの皆さんがいてくれるから僕たちはこうして活動できているな、と日々感謝の気持ちでいっぱいです。ちょっとは甘えた言葉になりますけど、みなさんがいないと僕たちは強くなれないので。そして、みなさんがいると僕たちは強くなれます。だからこそ、これからも僕たちについてきてほしいな、と思いますので、これからも応援よろしくお願いします」。さらに、「BUDDiiSがお知らせなしにライブをやるわけがないんですよ! ということでお知らせ持ってきました!」と発表されたのは、10月14日、15日に幕張メッセイベントホールでのライブ開催だ。このビッグなお知らせに会場は最高潮の盛り上がりを見せる。「幕張ついに来たな!」とFUMINORI。客席からも「やばい!やばい!」という感激の声があちこちで漏れる。「もちろん大きいだけが全てじゃないですけど、大きい会場でできることは僕たちはすごく嬉しいことなので。本当に楽しみにしていただけたら嬉しいな、と思います」とFUMINORIが言い、メンバーも嬉しそうに、そして感慨深げに頷き合う。そんな熱狂冷めやらぬなか、本当に最後の楽曲『OZ』へ。ラストのサビ、KEVINのパートはバディも一緒に大合唱。楽しい時間を全員で締めくくった。「これからもたくさん楽しみを作っていけるように僕たちも一生懸命頑張りますし、少し疲れちゃったな、とか、元気がないときは今日のことを思い出して少しでも笑顔になってくれたら嬉しいな、というふうに思います。今日という一日が本当にこれからの人生の財産になりました。最高の思い出をありがとうございました」とFUMINORIが言い、メンバー全員で「ありがとう」を伝えた。『Magic』で「君を連れていくよ」と歌うBUDDiiS。これから、彼らがどんな場所に連れて行ってくれて、どんな景色を見せてくれるのか、期待は膨らむばかりだ。取材・文:ふくだりょうこ撮影:笹森健一、小坂茂雄
2023年06月25日この日のステージでしか見られないスペシャルな瞬間がたくさんあった。感動と驚きと胸の高まりを同時に味わった。「岸谷香プレミアム弾き語り2マンライブ~ふたりぼっちの大パーティー!!~」の6月18日、日本橋三井ホール。6月9日の名古屋公演でのスガシカオとのツーマン、6月11日の大阪公演での馬場俊英とのツーマンに続いて、東京公演のツーマンの相手はmiwaだ。ツーマンライブにも様々な形態がある。それぞれのミュージシャンが完全に独立したステージを行って、共演しないケースも少なくない。しかし岸谷が主催するツーマンは、出演者同士がっちり組んでコラボレーションする場面が、複数用意されているところに特徴がある。個々のステージだけでなく、共演による音楽の化学変化も楽しめるのだ。ステージ上に2本のマイクスタンドが立ち、後ろにはスタインウェイのグランドピアノが設置されている。岸谷とmiwaがステージに登場し、ステージセンターで握手し、それぞれの位置についた。下手側のスタンドの前には赤いMartinのアコースティックギターを持った岸谷が、上手側にはブラウンのMartinのアコースティックギターを持ったmiwaが立っている。ふたりがギターを抱えて並んでいる構図が新鮮だ。オープニングナンバーはmiwaのデビュー曲「don’t cry anymore」。miwaのギターのワンストロークに続いて、ふたりのハモリが聴こえた瞬間に、早くも鳥肌が立った。miwaのボーカルに岸谷がハーモニーをつける構成になっていたのだが、歌に込められた思いが増幅されて伝わってくるようだった。ふたりには歌・作詞・作曲・楽器演奏・弾き語りツアーという5つの共通点がある。それぞれが多面的に音楽と向き合っているからこその歌に対する理解の深さと歌心を備えた楽器演奏とが、深みのある世界を生み出しているのだろう。ふたりのギターの音色も生み出すグルーヴがとても気持ちいい。間奏では岸谷のギターソロが入るアレンジになっていた。ふたりが向き合ってのフィニッシュに、客席から盛大な拍手と歓声が起こった。「miwaちゃんとはこれまでも数回、共演したことがあります。今日は仲良くふたりで楽しく音楽をやっていきたいと思います」と岸谷が挨拶。ここからしばらくmiwaのソロステージが続く構成だ。「岸谷さんとツーマンのステージに立てるということで緊張もしていますが、初めての方にも楽しんでもらえたらと思っています。心をこめて歌います」というmiwaのMCに続いて、「Delight」が演奏された。ギターのつまびきで始まり、伸びやかな歌声がすーっと届いてきた。天気にたとえるならば、青空の中で光輝きながら降るパウダースノーのように軽やかで伸びやかでピュアな歌声だ。曲が進むほどに、力強さを増していく。彼女のシンガーとしての表現力の豊かさが実感できる。あだち充のコミックの名作『タッチ』の約30年後を描いたアニメ『MIX MEISEI STORY~二度目の夏、空の向こうへ~』のエンディングテーマになっている新曲「ハルノオト」も披露された。みずみずしい歌声とリズミカルなギターとで、主人公のせつなさやもどかしさを鮮やかに表現。歌とギターだけなのに、時の流れまでもが伝わってくるようだった。「ミラクル」では客席からのハンドクラップも交えての歌と演奏。輝くような歌声と開放感あふれるギターに、会場内が揺れている。ドラマ『リッチマン、プアウーマン』主題歌である「ヒカリへ」は、弾き語りバージョンで演奏されることで、音源とはまた違う歌の表情が見えてきた。旋律の美しさが際立ち、パーソナルな思いが浮かび上がってくると感じたのだ。後半にいくほどに歌の世界が広がり、高揚感が漂い、サビでは観客がハンドクラップで参加。伸びやかな歌声がどこまでも届きそうだ。アカペラを効果的に使った緩急自在の演奏も見事だった。ドラマ『コウノドリ』主題歌でもある「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」では、歌とギターが一体になって歌っているかのようだった。ドラマの主題歌が多く選曲されていたのは、ツーマンならではだろう。初めて観る人でも存分に楽しめる“敷居の低さ”もツーマンの醍醐味のひとつだ。いや、このツーマンにはもともと敷居なんてものは存在しないのかもしれない。オープンマインドも、このツーマンの魅力のひとつだ。再び岸谷が登場して、「横で聴いていたけど、本当に上手だね。素晴らしい歌だった」とmiwaの歌とギターを絶賛する場面もあった。続いてmiwaの曲「片想い」は岸谷のピアノ、miwaの歌というコラボレーションが実現した。岸谷の奏でるたおやかさと繊細さを備えたピアノの演奏のもとで、miwaが透明感あふれる歌声を披露。岸谷によるピアノの演奏とアレンジの素晴らしさにも、息を飲んで聴き入ってしまった。ピアノが曲にさらなる奥行きや広がりをもたらしている。歌とピアノとが共鳴しあってエモーショナルな世界を生み出していた。名作映画を観終えたような深い余韻が残った。「ふたりでひとつになったなという『片想い』でした。自分で鳥肌が立ってしまいました」と岸谷。「岸谷さんのピアノのアレンジが最高でした」とmiwa。今回の共演に、ともに手ごたえを感じていることが伝わってくるMCだった。ここから、岸谷のソロステージへ。岸谷ソロの1曲目はPRINCESS PRINCESSのヒット曲「GET CRAZY」。この曲もドラマの主題歌(1988年放映の『君が嘘をついた』)だ。ロックンロール調の曲をアコースティックギターによるアレンジで披露するところがニクい。艶やかさとタフさとワイルドさを兼ね備えたボーカルとノリのいいグルーヴィーなギターのカッティングに体が揺れる。ギターソロもファンキー。ルーパーを駆使して、「ヘイ!三井ホール、楽しんでいるかな」というフレーズの多重コーラスを入れる演出も楽しかった。弾き語りツアーなどで培った技がさらにブラッシュアップされていると感じた。フェイクでのフィニッシュに大きな歓声。コロナ禍に制作・発表された現時点での最新曲「STAY BLUE」では、爽快感と開放感の漂う歌の世界を歌とギターで見事に表現。エネルギッシュな歌声が真っ直ぐ届いてきた。この曲でも効果的にルーパーを使い、広がりのある世界が出現。屋内なのに頭上に青空が広がっているかのようだった。楽器をギターからピアノに替えて演奏されたのは、miwaのカバー曲「ホイッスル~君と過ごした日々~」。ちなみに岸谷が作曲して森口博子に提供した楽曲にも同じタイトルの「ホイッスル」という曲がある。やはり、このふたりにはいろいろな共通点があるのだろう。岸谷がmiwaの曲を歌うのも、ツーマンならではの楽しさのひとつ。この曲は全国高等学校サッカー選手権大会のテーマソングとして制作された曲だ。miwaの「ホイッスル~君と過ごした日々~」とは、またちょっと違う“青春”が見え隠れする。ノスタルジックなテイストのにじむピアノも味わい深かった。PRINCESS PRINCESSの「パパ」もピアノの弾き語りで披露された。「ホイッスル~君と過ごした日々~」はmiwaが22歳の時に書いた作品なのだが、この「パパ」も岸谷香22歳の作品である。世代の違うmiwaと共演することによって、岸谷も時代を自在に超えて、歌い演奏しているようだった。「パパ」は“今の思い”と“かつて感じた思い”が混ざりあっているような歌と演奏が素晴らしかった。みずみずしさと懐かしさとが共存しているのだ。間奏のせつないピアノにも、ハッとさせられた。この曲はラブソングであると同時に、親子間の愛情を歌った歌でもあるだろう。6月18日は「父の日」でもあったので、しんみり聴きいった父親である観客もいたのではないだろうか。ピアノの弾き語りでの「Diamonds<ダイアモンド>」は、バンドとはまた違うきらめきを放っていた。朗らかな歌声と弾むピアノによって、会場内に明るい空気が漂っている。聴く人たちをもれなく笑顔にするような温かな歌と演奏に胸が熱くなる。ハンドクラップやコール&レスポンスもあり。間奏の演奏はスリリングかつトリッキー。グリッサンドでのフィニッシュに会場内は拍手喝采。ツーマンの終盤は岸谷とmiwaとの三度目のコラボレーションが実現。岸谷の歌とピアノとmiwaの歌とギターでの披露となったのはPRINCESS PRINCESSの「世界でいちばん熱い夏」だ。イントロが鳴り響いた瞬間から、観客も熱いハンドクラップで参加。1コーラス目はmiwaのリードボーカルと岸谷のコーラス、2コーラス目は岸谷のリードボーカルとmiwaのコーラスという構成になっていた。miwaの歌声は成層圏まで一気に届きそうだ。そして、ふたりの声が混ざり合った瞬間に、マジカルな空気が生まれた。ラブもパッションもたっぷり詰まったハーモニーによって、会場内が熱気に包まれていく。miwaは曲のエンディングで岸谷の隣へと移動して、岸谷の肩越しにギターをかき鳴らしている。ふたりとも笑顔でのフィニッシュ。こんな場面からも、ふたりの息がぴったり合っていることがわかる。この日のMCのテーマのひとつはふたりの共通点である。“東京育ちであること”と“実家から仕事先に通っていたこと”とともに挙がったのは、“コンプレックスがないこと”だった。「悪エピソードと青春エピソードないのがコンプレックスです」とmiwaが答えると、「一緒」と岸谷。つまりふたりともすくすく“真っ直ぐ”に育ってきたのだろう。真っ直ぐさと真っ直ぐさとが混ざり合うことで生まれる“純粋さ”“曲がらない強さ”などをふたりの歌と演奏から強く感じた夜だった。終盤ではふたりとも大好きだというシンディ・ローパーのカバー「TRUE COLORS」と「ALL THROUGH THE NIGHT」も披露された。「TRUE COLORS」はmiwaがリードボーカルをとり、岸谷がコーラス、「ALL THROUGH THE NIGHT」は岸谷がリードボーカルをとり、miwaがコーラスをとる構成。どちらの曲もヒューマンな歌声とギターが素晴らしかった。互いが互いの奏でる音を聴き、高め合うような歌と演奏なのだ。演奏が終わった瞬間に、握手するふたりを温かな拍手が包み込んだ。岸谷にとって、弾き語りツーマンは今回の3本が初めて、miwaも弾き語りツーマンは初めてとのこと。「今日は正解がわからないもの同士がやっています」との岸谷の言葉もあった。“正解不正解”を超えた“音楽の楽しさ、美しさ、かけがえのなさ”を堪能した。この夜の最後の曲はPRINCESS PRINCESSの「M」。岸谷の歌とピアノとmiwaの歌での披露となった。やはりふたりのハーモニーは特別だ。包容力あふれる岸谷のピアノが、miwaの歌声を包み込んでいく。演奏が終わった瞬間、大きな拍手と歓声が起こった。ふたりが手をつないで、お辞儀してステージを去った後も拍手が鳴り止まず、再び登場して挨拶する場面もあった。おそらく観客全員をハッピーにするツーマンになったのではないだろうか。「私たち自身が楽しいステージでした。またmiwaちゃんとやりたいと思いました」と岸谷が語り、「またぜひやりましょう」とmiwaも即答していた。それぞれの音楽性だけでなく、人間性も共鳴しあうようなステージだ。音楽の楽しさとともに、人と人とが心を合わせることのかけがえのなさも感じた。「Diamonds<ダイアモンド>」の歌詞を借りて表現するならば、宝物のような瞬間がたくさんある夜だった。ふたりの歌声と演奏は、終演後も胸の中で輝いていた。Text:長谷川誠Photo:MAKOTO YOSHIOKA<公演情報>岸谷香プレミアム弾き語り2マンライブ ~ふたりぼっちの大パーティー!!~2023年6月18日東京・日本橋三井ホールセットリスト01. don’t cry anymore(共演)■miwa02. delight03. ハルノオト04. ミラクル05. ヒカリへ06. あなたがここにいて抱きしめることができるなら07. 片想い(共演)■岸谷香08. GET CRAZY09. STAY BLUE10. ホイッスル(miwaカバー)11. パパ12. Diamonds<ダイヤモンド>13. 世界でいちばん熱い夏(共演)14. TURE COLORS~ALL THROUGH THE NIGHT(共演)15. M(共演)<ライブ情報>岸谷香 バンドツアー2023年11月24日(金) 名古屋・BOTTOM LINE2023年11月25日(土) 大阪・BIGCAT2023年12月3日(日) 東京・日本橋三井ホール2023年12月9日(土) 福岡・トヨタホール・スカラエスパシオ関連リンク岸谷香 公式サイト: 公式サイト:
2023年06月23日5月31日に1stアルバム『69 Jewel Beetle』をリリースした森 大翔(もり・やまと)の初ワンマンライブが、自身のバースデーである6月9日に行われた。圧倒的スキルのギタープレイに自身を深く見つめる歌詞、キャッチーなメロディと、弱冠20歳にして類まれな才能を持つ森 大翔。記念すべき夜となったShibuya eggmanでのショーの模様をレポートする。開演する15分ほど前に会場であるライブハウスShibuya eggmanに到着すると、まだ入りきらないお客さんの列ができていた。さらには、多くの関係者も訪れていた。注目のギタリスト・シンガーソングライターの初ワンマンというだけあって、チケットはソールドアウト。いったいどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、すでに会場の外に渦巻く熱気を感じながら、観る方も気合が入る。照明が暗転し、SEが流れる。拍手と歓声の中、バンドメンバーに続いて森 大翔がステージに登場した。「森 大翔です。今日は短い時間ですが、精一杯演奏したいと思いますので最後まで楽しんでください」ナチュラルボディのテレキャスターを提げたまま、スタンドにセッティングしてあるアコギに向かう。クリアな響きが会場を駆け巡るとそれだけでオーディエンスの心を揺さぶる。森 大翔は超絶のテクニックと圧倒的な感性を持つギタリストとしても注目を集める存在だ。アルバム1曲目に収録されたインストナンバー「Prologue〜drift ice〜」からライブは始まった。流氷というタイトルを持つこの曲はブルージーかつ情熱的で、ともすればタイトルとは正反対のような趣すら感じられる。しかし、うねるような速いパッセージの背景に途方もなく大きくて得体の知れないものがゆったりと漂っているのを見ているような感覚になる。彼の出身地である知床の羅臼町で見つめていた景色と彼が見据えるアーティストとしての未来が交錯して音像となっている。続いて披露したのは「台風の目」。イントロの流麗なギターフレーズから心をぐっと掴まれるようなメロディライン、そして圧巻のギターソロまで、いくつもの才能が森 大翔という一人の人間の中に宿りスパークしている。ギターがうまいだけではない。歌が歌えるだけではない。曲が書けるだけではない。すべての要素を高次元でやってのけ、それらをひとつにして表現し、放つことができる。稀有な才能とはこのことだ。それを自身の初ワンマンライブという場で証明している。「感極まって僕が泣きそうになっちゃう(笑)。まだ始まったばかりなのに。今日は初ワンマンなので持ち曲をすべて演奏します。次に演奏する曲は、去年の春に北海道から上京してとても孤独を感じていたときに書いた曲で、自分でもこの曲に癒されました。Aメロを書いたあとに発熱してしまいました(笑)。それくらい自分にとって思い入れのある曲です」と言ってパフォーマンスしたのは「明日で待ってて」。6/8拍子が印象的なこの曲はぐいぐいと腕を引っ張られて不安な毎日の外側へ連れ出されるような爽快感がある。ライブでの振り切れたボーカルがオーディエンスを圧倒していった。一転、ジャジーな繋ぎからブルージーな「オテテツナイデ」へ。ーディエンスからは自然とクラップが起こり、歓声が上がる。森 大翔のもうひとつの才能を挙げるならば(まだあるんかい、というくらい才能の塊なのだ)、リズム感の良さだ。彼の書く曲はリズムもそれほど単調なものはない。そこにあの難易度の高いギターがくるのだから、実演するには相当な神経を使うのは言うまでもない。次に披露した「最初で最後の素敵な恋だから」で多用されるメロディアスで速いギターフレーズをほんの少しだけレイドバックして弾くリズム感は、ちょっと日本人離れしている。それによってフレーズ自体に勢いがついて、曲がきらびやかになる。おそらくそのあたりはナチュラルにやっているのだと思う。本当に末恐ろしい20歳だ。「自分の誕生日をこんなにたくさんの人に祝ってもらうとは思わなかったのですごいうれしいです。今までの20年を振り返ることが増えたんですけど、どうして自分はギターを弾いて、歌詞を書いて、歌を歌っているのかな、なんてことを考えていたら、やっぱり出会いがすべてなんだなっていうことに気づきました。北海道で生まれてそこでいろんな人に出会ったし、そこでしか見れない景色にも出会えたし、そこで芽生える自分自身の感情にも出会えた。そして東京に出て来て、こうして今皆さんに出会えたこともそうだし。10代の自分にとって一番大きな出会いは音楽でした。音楽は自分からいろんな感情を引き出してくれたし、音楽にたくさん救われてきた10代だったなと思います」「歌になりたい」というストレートな意思を込めた曲は、彼が初めて他者に向けて書いた曲なのだと言う。自分自身が歌になって、その歌を聴いた人を癒したい、救いたい――アーティストとしての自覚がはっきりと示されている曲だ。オーディエンスのなかには泣いている人もいた。今日ここでこの曲を聴けてよかったと素直に思った。続く「たいしたもんだよ」もはっきりと他者を意識した曲だ。音楽的にはさらに豊かになり、楽曲としての構造も聴きごたえ十分だ。そうやって考えると、この日のセットリストが森 大翔というアーティストの成長の軌跡をそのまま描いたものであるような気がしてくる。ラストは「いつか僕らは〜I Left My Heart in Rausu〜」。タイトルからもわかるとおり故郷を歌ったものだ。ここまで全10曲、彼とともに辿り着いたのは、過去でもなく未来でもない。今、ここ、という現在だ。ここからすべてが始まっていく――誰もがそう思えた貴重な1stワンマンライブだった。演奏後、少し放心したような彼を見て、やはりこの人の才能は本物だなと確信した。音楽に丸ごとその身も心も預けられる、それこそがどんな才能のなかでもなくてはならないものだと信じたい。アンコールでは、11月に東京・大阪での2大都市でのワンマンが発表された。夏に各地の大型野外フェスを巡って、加速度的に成長を遂げた森大翔の姿を見るのが今から楽しみだ。それもこれも、原点は2023年6月9日、20歳になった日のShibuya eggmanから始まった。Text:谷岡正浩Photo:瀬能啓太<公演情報>森 大翔ワンマンライブ『69 Jewel Beetle』6月9日(金) 東京 Shibuya eggmanセットリスト01. Prologue~drift ice~02. 台風の目03. すれ違ってしまった人達へ04. 明日で待ってて05. オテテツナイデ06. 最初で最後の素敵な恋だから07. 歌になりたい08. たいしたもんだよ09. 剣とパレット10. いつか僕らは~I Left My Heart in Rausu~EN1. 日日EN2. 君の目を見てると<ライブ情報>森 大翔 ワンマンライブ11月22日(水) WWW11月24日(金) 梅田 Shangri-La<リリース情報>森 大翔 1stアルバム『69 Jewel Beetle』発売中森 大翔『69 Jewel Beetle』ジャケット【収録曲】M01. Prologue〜drift ice〜M02. たいしたもんだよM03. 剣とパレットM04. 明日で待っててM05. オテテツナイデM06. すれ違ってしまった人達へM07. 歌になりたいM08. 台風の目M09. 最初で最後の素敵な恋だからM10. いつか僕らは〜I Left My Heart in Rausu〜M11. Epilogue〜evening calm〜■Bonus Track(CDのみ収録)M12. 日日M13. 君の目を見てると森 大翔「たいしたもんだよ」MV配信リンク:<イベント情報>『JOIN ALIVE2023』7月15日(土)、16日(日) 北海道 いわみざわ公園※森 大翔は16日(日) に出演『FUJI ROCK FESTIVAL ’23』7月28日(金)~30(日) 新潟県湯沢町苗場スキー場※森 大翔は29日(土) 苗場食堂に出演プロフィール■森 大翔2003年6月生まれの20歳。北海道・知床 羅臼町出身。小学6年の頃、従兄弟からの影響でギターを始める。インターネットで様々なギタリストから影響を受け培ったギターテクニックと、大自然で育まれた感性から生み出される楽曲を武器に、16歳の時にイギリス・ロンドンで行われた「Young Guitarist of the Year 2019 powered by Ernie Ball」(16歳以下のギタリストによる エレキギターの世界大会)に出場し、英国・米国など100人を対象とする審査を勝ち抜き優勝、世界一に輝く。卓越圧巻のギター演奏と無垢な歌声、そして独創的な作曲センスを持つ新世代の才能。2021年9月、デジタルシングル「日日」でデビュー。その非凡な才能は開花されたばかりでまだ底知れない。関連リンクOfficial HP: Instagram: Twitter: Channel: TikTok:
2023年06月19日Royzが、5月28日に日比谷野外音楽堂にて行われた同レーベル所属の己龍主催による「我龍天青」公演に出演した。ライブの模様と共に、同日発表されたリリースやライブの最新情報をお伝えしたい。Royz(1)主催者の己龍をはじめ、夕暮れガールスーサイド、DEZERTと並び全4バンドが集い行われた本イベント。Royzは、2番目に登場した。野外ステージとあって常にステージが露わになっている中セッティングが行われていると、客席のどこからともなく悲鳴が起こった。その理由は、セッティングのためにメンバーが姿を現した……それだけではなく、新衣装を身にまとっていたことだ!さらに、「チェックやけど、遊んでおいて」と始まった「マーブルパレット」がデモンストレーションながらも観客をヒートアップさせた。ドラムセットにメンバーが集結したのち、「俺たちとお前たちの“ANTITHESIS”だ!」と叫びあげて会場中に広がる拳と叫び声が盛り立てるようにして「ANTITHESIS」が幕開けを飾った。「もう迷わないよ」という昴の歌声をはじめとした、決意にも似た強い主張が大空へと浸透していく。その様子は実にエモーショナルで、序盤ながらクライマックスさながらにそこはかとない熱をはらんでいた。足並みをそろえるようにメンバーが視線をやる先にあるのは、常に楽し気な笑みを浮かべる智也の姿。すぐさまラウドな「Killing joke」に乗せて、メンバーも声を振り絞る中で昴も「行くぞ、ハイエナども!」とかみついていく。「力貸してくれとかダサい事言わへんけど、良いと思ったら付き合って!」と昴が観客に飾らない一言を吐露すると、その言葉に観客も一層火がついて一体感を生みだした。こうしたシーンもまた、対バンの場で光るRoyzのライブスタイルの1つだろう。ボーカルのアカペラから突入した「クロアゲハ」は、ベースのスラップが効いた高揚感あるイントロからボルテージを上げるお馴染みの風景の中、杙凪はギターソロをアレンジしてスマートに披露。そして、“丸の内”からほど近いここ日比谷野外音楽堂でプレイした「丸の内ミゼラブル」の歌謡テイストな切なさが漂う中、時折吹く冷ややかな風が心地差を感じるのも野外ステージならではだ。ブレイクを挟んで「KAMIKAZE」のイントロが流れ出す中、「2番手、Royzです。ぶちかましていきましょう!やることやりに来ました」と滾らせると、流麗な和旋律に乗せたバンドの未来に鋭いまなざしを向ける想いに胸を打たれた。“翼”をモチーフとするRoyzが、熱く“羽撃いて”“舞い踊れ”と歌うこの「KAMIKAZE」を野外の開放的な空間で耳にするとまた、ここに秘められた魅力が存分に映えるような気がした。ラストスパートは、「お手を拝借」と「阿修羅」の破壊的なサウンドの中で頭を振り乱す観客の姿が痛快で、カオスな中で一際目を惹く公大のアバンギャルドさにも拍車がかかる。「生きてるか日比谷!」と煽り立てて一層白熱させた「Jack the Ripper」は、見事に音の洪水にまみれていく中、楽器隊が向き合って高速リフを奏で上げる様子が実にアツい。「あとちょっとになっちゃった……!最後まで遊んでください、よろしくどうぞ!」と、“こんな4バンドでやるなんて滅多にない”と話した豪華メンツが揃った今イベントでの時間へ名残惜しさも見せた。そこに続いた「AFTER LIFE」に込められた、儚くもリアルなメッセージを受け取りながら躍動感を増す客席に大きく“ハート”を示した昴の顔に浮かんでいたのは、ご満悦な笑みだった。「今日は付き合ってくれてありがとうな、楽しかった!俺たち、7月に新しい新曲を出すので、今日ライブ見てこの4人の続きが気になるなっていう人は確認してみてください。夏のツアーも回るんやけど、8月の後半にZepp Shinjukuでやります。しかも、なんでこんな日に言ったのかというと、今回のツアーは出来るだけ多くの人に来て欲しいなと思って……正直言うと、動員増やしたいなと思ってます!、なんでペアチケットやります!遊びに来てください!いくぞ、日比谷!新しい仲間を増やしていきます」――昴ここで、先日恵比寿LIQUIDROOMにて行われたSPRING ONEMAN TOUR「来雷行脚」のツアーファイナル公演にて期待を煽られていた、“続報”が遂に明らかとなった!新たなリリースとツアーの発表に歓喜する中、ラストは現時点で最新のRoyzの意気込みを表した「RAIZIN」をぶつけた。ステージで全力を尽くすことを“死に場所を探している”という言葉で表しながら力強く届けていく中、天へ向けて掲げられたたくさんの手が、見事に希望を画にしているようでもあった。25th maxi single「AMON」のリリース、SUMMER ONEMAN TOUR 「地獄京」がメインイベントとなるRoyzの夏は、“多くの人に見て欲しい”という思いが表れた試みがたくさん予定されている。その裏には、前進することへ迷いのない自信を垣間見ることも出来た。昴が言った「良い夏にしましょう」という言葉通り、この先に待ち受けるRoyzの近い未来が勝負の連続であろうとも、4人が堂々と勝ち気である限り何も案ずることはない。そんなことを感じさせてくれた、大空の元での堂々たるアクトだった。【NEWS】Royz、ニューシングル「AMON」の発売と夏のワンマンライブが決定!Royzが、5月28日に日比谷野外音楽堂にて行われたイベントライブに出演。多くの人が注目する中、25th maxi single「AMON」を3type同時発売することに加え、SUMMER ONEMAN TOUR 「地獄京」を行うことを発表した。新衣装で登場したメンバーは全9曲を披露する中、ラストの「RAIZIN」演奏前にVo.昴が口頭でリリースとツアーが決定したという最新情報を発表。これらの内容は、先日行われたSPRING ONEMAN TOUR「来雷行脚」のツアーファイナル公演にて“続報を待て”と期待を煽られていた詳細だ。夏のツアーは、8月24日(木)にZepp Shinjukuにて行われるツアーファイナル公演まで全公演ペアチケット制度を導入。これは紛れもなく“多くの人にRoyzを見て欲しい”という意気込みの表れである。また、SUMMER ONEMAN TOUR「地獄京」中は入場特典が配布され、それをツアーファイナル公演で抽選用紙と交換し、当選者のみが参加可能な無料ライブも予定されているという。今年の夏はお楽しみ満載でRoyzのライブを楽しめそうだ。さらに、7月にはGt.杙凪とBa.公大のバースデーライブや、毎年恒例となっている周年公演も決定。14th Anniversary ONEMAN LIVE 「FOREVER YOUNG」は、9月28日(木)大阪BIGCATにて行われるとのことで、続々と今後の展開が発表された。リリースやライブを経て、今なお進化し続けているRoyzのリアルタイムの魅力を見逃さずことなくその目で追い続けて欲しい。Royz 25th maxi single「AMON」2023年7月12日(水)3type同時発売■Atype【初回限定盤】CD+DVD1,980円(税抜価格1,800円)/BPRVD-477 JANコード:4582281547772CD2曲+DVD「」MV・メイキング1. AMON2.[封入]全タイプ購入特典応募券「A」+応募ハガキ■Btype【初回限定盤】CD+DVD1,980円(税抜価格1,800円)/BPRVD-478 JANコード:4582281547871CD2曲+DVD「」マルチアングルMV1. AMON2.[封入]全タイプ購入特典応募券「B」■Ctype【通常盤】1,650円(税抜価格1,500円)/BPRVD-479 JANコード:4582281547970CD2曲+ボーナストラック●曲+インスト●曲1. AMON2.3.4.5. AMON(inst)6. (inst)7. (inst)8. (inst)[封入]全タイプ購入特典応募券「C」★全タイプ共通封入特典:トレカ2枚(全8種)★全タイプ購入応募特典有■Royz SUMMER ONEMAN TOUR 「地獄京」7月15日(土) 【埼玉】 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-37月16日(日) 【神奈川】新横浜 NEW SIDE BEACH!!7月22日(土) 【愛知】 名古屋E.L.L.7月23日(日) 【大阪】 梅田バナナホール7月26日(水) 【岡山】 岡山IMAGE7月29日(土) 【福岡】 福岡DRUM Be-17月30日(日) 【熊本】 熊本B.9 V28月01日(火) 【香川】 高松DIME8月05日(土) 【岐阜】 岐阜CLUB ROOTS8月06日(日) 【石川】 金沢AZ8月09日(水) 【富山】 富山SoulPower8月11日(金・祝)【宮城】 SENDAI CLUB JUNK BOX■-TOUR FINAL-8月24日(木)【東京】 Zepp Shinjuku本ツアーは全公演ペアチケット制度を行います!!ぜひお友達やご家族の方等たくさんの方とご来場ください!!【チケット販売期間】FC先行受付期間:2023年5月29日(月)12:00~6月11日(日)23:59 チケット一般発売日:2023年7月1日(土)10:00~ 【チケット料金】【全国】前売り¥5,500 (税込)/当日¥6,000 (税込)【東京】前売り¥6,500 (税込)/当日¥7,000 (税込)※各会場ドリンク代別途【開場/開演】<FINAL>17:30/18:30<埼玉・神奈川・岡山・香川・富山・宮城>17:15/18:00<愛知・大阪・福岡・熊本・岐阜・石川>16:15/17:00【ペアチケットに関して】※1枚のチケットにつき2名様までご来場可能です。※FC先行チケット、及び一般チケット、当日チケットも適用されます。※ペアチケットを利用する方は必ずチケットをお持ちの方と同時入場必須となります。※Royz 「地獄京」 参加特典 SPECIAL LIVE応募に必要な入場特典は全員に配布いたします。※入場特典を無くされた場合、いかなる理由でも再配布は致しません。※各会場ドリンク代別途かかります。■Royz 「地獄京」 参加特典 SPECIAL LIVE9月02日(土)【愛知】HOLIDAY NEXT NAGOYA9月03日(日)【大阪】OSAKA RUIDO9月10日(日)【東京】HOLIDAY SHINJUKU<参加条件>Royz SUMMER ONEMAN TOUR「地獄京」 入場時に配布された入場特典をツアーファイナル8月24日(木)Zepp Shinjuku公演で抽選用紙と交換し、当選した方のみ参加可能な無料ライブです。※Royz SUMMER ONEMAN TOUR 「地獄京」にて配布される入場特典が必要となります、無くさずお持ちください。※入場特典一枚につき、抽選用紙一枚交換いたします。※各会場ドリンク代別途かかります。※当日券販売無し。※詳細は後日解禁いたします。■Royz ONEMAN LIVE「キュートアグレッション 〜公大生誕祭2023 暴れ曲オンリー〜」2023年7月3日(月)【静岡】浜松 窓枠【開場/開演】17:15/18:00【チケット販売期間】FC先行受付期間:2023年5月29日(月)12:00~6月4日(日)23:59 チケット一般発売日:2023年6月24日(土)10:00~ 【チケット料金】前売り¥5,500 (税込)/当日¥6,000 (税込)※ドリンク代別途【問】サンデーフォークプロモーション静岡/054-284-9999■Royz ONEMAN LIVE 「†杙凪帝國集会†」2023年7月5日(水)【東京】Spotify O-WEST【開場/開演】17:30/18:30【チケット販売期間】FC先行受付期間:2023年5月29日(月)12:00~6月4日(日)23:59 チケット一般発売日:2023年6月24日(土)10:00~ 【チケット料金】前売り¥917 (税込)/一般¥2,917(税込)/当日¥3,500 (税込)※ドリンク代別途【問】NEXTROAD/03-5114-7444■Royz 14th Anniversary ONEMAN LIVE 「FOREVER YOUNG」9月28日(木)【大阪】大阪BIGCAT【チケット販売期間】FC先行受付期間:7月14日(金)12:00~7月31日(月)23:59 チケット一般発売日:8月26日(土)10:00~ 【チケット料金】前売り¥5,500 (税込)/当日¥6,000 (税込)※ドリンク代別途【開場/開演】17:00/18:00【問】夢番地(大阪)/06-6341-3525/ yumebanchi.jpレポート・文/平井綾子(Ayako Hirai)写真/Kyoka Uemizo 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年05月30日新グループとしてスタートしてから僅か9カ月。ExWHYZ(イクスワイズ)が日本武道館でワンマンライブを行った。BiSHらを擁するWACKの所属グループで初の快挙で、7,000人の観客を動員した。4月発売の2ndアルバム『xANADU』でダンスミュージック路線を進化させつつ、より音楽性の幅を広げ、ツアーも各地で盛り上げてきた成果を存分に発揮。クオリティの高いステージが展開された。開演前のBGMが唐突に止まり、同時に場内が暗転。入れ替わりでSEの「xANADU」が流れると、拍手と歓声が一斉に沸き上がる。ステージに1人ずつ入ってきたメンバーが踊るシルエット。6人が並び、腰を屈めてバキバキのダンスになだれ込み、「BLAZE」を歌い出した。ゾクゾクするオープニング。クールな歌割りをリレーして、「ブドーカーン!」の叫びと共に炎が噴き上がる。緊迫感からの爆発。ダンスはより激しく、ボーカルは熱気が加速して、midorikoのシャウトも響いた。「武道館!楽しむ準備できてますか?」とyu-kiが叫び、「Des Speeching」へ。バックの巨大な3面LEDにメンバーが1人ずつ大映しになり、会場内にレーザーが飛び交う。その中で浮遊感のあるハウストラックに乗り、言葉を速いテンポでたたみ込んでいく。ゾラミナサンソワモミッサ……と呪文のようなリフレインが耳に焼き付いた。「みんなとこの日を迎えることを想像しながら、歌詞や振付を作りました。ExWHYZからのありがとう、受け取ってください」nowがそう語って歌ったのは、ライブタイトルにもなった「FIRST STEP」。さわやかなロックチューンを跳ねたり拳を回したりしながら歌って、躍動感が溢れていく。さらに、ランウェイを歩いてセンターステージに移り、「You&Me」に「SUPeR SIMPLe」と清涼感のあるEDMを続ける。会場一体のクラップが起きて、メンバーたちも晴れやかな笑顔を浮かべていた。メインステージに戻り、未発表曲ながら大きな盛り上がりを見せた「Shall We」では“Jump! Jump!Jump!”と跳ねて、オーディエンスをライドに誘う。ExWHYZとマスター(ファン)は共鳴し合い、日本武道館でも距離を近く思わせ、ひとつになっていた。衣装のジャケットを脱ぎ映像とソロダンスを交えた特別な演出を施した「Wanna Dance」を颯爽とパフォーマンスして折り返し。2ndアルバム『xANADU』の新機軸のR&Bナンバー「Walk this way」はサビでメラメラする力強さが込められ、yu-kiのラップにも熱が入る。mayuの張りのあるボーカルからのフェイクもシビれた。同じく幅を広げた1曲で、アッパーなドラムンベースの「メトロノーム」では、高速なトラックにメンバーごとの個性のある歌声が緩急を付け、聴いているだけで心拍数が上がるナンバーに仕上げられていた。「武道館、最高ですね。だけど、みんなと私たちだったら、もっともっと行けると思うんですよ!」後半、mayuがそう呼び掛けると、1stアルバム1曲目のインストゥルメンタル「xYZ」に乗ってランウェイでダンス。スクリーンにはExWHYZのグループコンセプトである「DANCE YOUR DANCE」のメッセージが映し出される。そのままセンターステージに移り、ダブテクノの「D.Y.D」へ。mikinaとmahoが中央で歌ったり、mayuとnowが両端で歌ったりと繋げながら、アウトロのシャープなダンスにまた歓声が沸く。さらに「みんな自由に踊ってください」と、アンセムのダンスチューン「ANSWER」はクラップで煽って盛り上げた。重低音が醸し出すグルーヴが心地良い。ハードなアシッドハウスの「Obsession」はフロアダンスを見せたり、真ん中で円になって踊ったり。mikinaの“見逃さないで”もクールにキマった。全員で跳ねながら歌う中でも、特にnowはやたら元気に弾けていた。オーディエンスもノリノリで、武道館はさながら巨大なクラブと化した様相だ。ラストは「最後の最後まで一緒に歌いましょう!」と「STAY WITH Me」。mayuから笑顔で歌い始めて、ステージいっぱいに広がったメンバーたちが交錯しながら、胸が温かくなるようなボーカルを聴かせていく。メンバーと観客が共に拳を突き上げながら「ウオッオー、ウォッオー」とシンガロングが響き渡っていった。ExWHYZがハケると、すかさず起こったアンコール。5分ほど途切れることなく続き、再び現れた6人がフォーメーションにつく。mahoが“君が確かにくれた甘いもの”と歌い出すと、「オーーーッ!」と武道館をつんざく大歓声が起こった。前身グループであるEMPiRE時代の人気曲「MAD LOVE」。四つ打ちのキュートなアイドルソングを、片脚を跳ね上げる振りと共に軽やかに歌っていく。会場から「一生お前にMAD LOVE!」のコールも轟いた。エージェントからマスターになったファンには、感動のサプライズだったことだろう。ほとんどMCがなかったライブで、最後にそれぞれの想いが語られた。「みんなとこの場所で会えて、同じ時間を一緒に過ごして、今、心の底から楽しい。そう思えていることがすべてです」(maho)「ExWHYZはこれからもっともっと大きくなって、もっともっとみんなとたくさんの景色を見ていきたいなって、今日改めて思いました」(now)「EMPiREからExWHYZになったことが良かったのか、人によって違うと思うけど、今、自分が感じている気持ちを信じてます。これからもこの6人で、生まれ変わって正解だったと証明できるように頑張っていきます」(mayu)オーラスは「Everything」。ExWHYZとしてスタートしたときのメンバーたちの心情のようにも思えるミディアムバラードを、噛み締めるように歌い上げる。“全部見逃さないで全部届いているよ”と繰り返す温かい情感。ラップにはEMPiREの楽曲の歌詞がちりばめられていて、手をゆっくり左右に振りながら歌い、会場ではスマホライトが一緒に振られる。その中でステージを後にしていく6人。日本武道館は温かい拍手と多幸感に包まれていた。最後のMCの中で、midorikoは「(マスターが)家族や職場の人を誘ったとたくさん聞きました。私たちのことをあまり知らないで来てくれた方もいると思います」と話していた。たぶん、そうした人たちもたっぷり楽しめた気がする。WACKグループ初の日本武道館、EMPiRE時代からの軌跡、本格的なダンスミュージックへのシフト……。そんな物語性もメンバーやマスターの感動を押し上げたことだろう。それはそれとして、この日のステージはとにかく心地良いグルーヴに浸れて、上質な音楽とパフォーマンスの余韻が残った。予備知識なしでも、ライトな幅広い層にも響く。それこそがExWHYZの可能性。何年か後に振り返ったら、この武道館すら、ひとつの通過点と位置づけられているかもしれない。Text:斉藤貴志Photo:sotobayashi kenta<公演情報>ExWHYZ LIVE at BUDOKAN the FIRST STEP5月13日(土) 日本武道館セットリスト01. xANADU02. BLAZE03. Des Speeching04. FIRST STEP05. You&Me06. SUPeR SIMPLe07. Higher08. Shall We09. Wanna Dance10. Walk this way11. メトロノーム12. DIVE13. Universe14. xYZ15. D.Y.D16. ANSWER17. Obsession18. STAY WITH MeEN1. MAD LOVE [EMPiRE Cover]EN2. Everything<ライブ情報>『ExWHYZ TOUR 2023 ‘eLATION’ part.1:Live House Series』7月9日(日) 茨城県 mito LIGHT HOUSE7月15日(土) 兵庫県 神戸VARIT.7月16日(日) 京都府 KYOTO MUSE7月17日(月・祝) 静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠7月28日(金) 東京都 WWW X7月30日(日) 新潟県 NIIGATA LOTS8月5日(土) 宮城県 Rensa8月6日(日) 福島県 郡山HIP SHOT JAPAN8月11日(金・祝) 石川県 金沢EIGHT HALL8月12日(土) 長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX8月19日(土) 熊本県 熊本B.9 V18月20日(日) 福岡県 DRUM LOGOS8月26日(土) 香川県 高松festhalle8月27日(日) 愛媛県 WStudioRED9月2日(土) 岡山県 YEBISU YA PRO9月3日(日) 広島県 広島CLUB QUATTR09月9日(土) 神奈川県 Yokohama Bay Hall9月17日(日) 北海道 札幌PENNY LANE249月23日(土) 沖縄県 Output9月24日(日) 沖縄県 Output(※ファンクラブ限定・詳細後日発表)■プレリザーブ先行【通常チケット】立ち位置指定:4,800円(税込)受付期間:5月29日(月) 10:00〜6月4日(日) 23:59※お一人様4枚まで<リリース情報>ExWHYZ 2ndアルバム『xANADU』発売中ExWHYZ『xANADU』ジャケット【収録曲】01. xANADU02. BLAZE03. Des Speeching04. ANSWER05. FIRST STEP06. SUPeR SIMPLe07. Walk this way08. メトロノーム09. DIVE10. Darling11. Everything購入リンク:配信リンク:関連リンクオフィシャルHP::::メンバーSNS:
2023年05月18日imaseの「1st Live『POP OVER』」追加公演が5月10日(水)、恵比寿LIQUIDROOMで行われた。国内2度目の有観客ライブでimaseは、リラックスした雰囲気のなか、アーティストとしてのポテンシャルと新たな音楽的な広がりをたっぷりと体現してみせた。開演20分前に会場に入ると、フロアはすでに観客で埋め尽くされていた。中心は10代後半~20代前半。グッズのタオルを持って写真を撮っている高校生もいて、楽しそうなムードが広がっている。国内2度目の有観客ライブでLIQUIDROOMがソールドアウト。素直にすごい。ライブのオープニングは、バンドメンバー(松本ジュン/Key・Manipulator、モリシー(Awesome City Club )/ Gt、林あぐり/Ba、BOBO/Ds)によるセッション。軽快なバンドサウンドが鳴り響くなか、パーカー姿で登場したimaseはステージ中央に置かれたお立ち台に立ち、1曲目の「アナログライフ」へ。「LIQUIDROOM、よろしく!」と笑顔で語り掛けると、フロアから歓喜の声が上がった。さらにファルセット・ボイスが心地よくグルーヴする「あべこべ」、ラップを交えたボーカル、しなやかなファンクネスをたたえたバンドサウンドによって観客が体を揺らした「ピリオド」を披露。オーディエンスとの心の距離を縮めていく。3月30日に渋谷WWWで行われた初の有観客ライブに比べると、imase自身が“生のライブ”を自然に楽しんでいることが伝わってきた。前回のライブは“ネット出身のimaseが、画面からひょっこり飛び出してやってくるというようなイメージ”というコンセプトがあったのだが、この日のライブではおそらく、そんな意図や狙いはなかったのではないだろうか。観客の前で音楽を奏でることの楽しさと喜びを体験したimase自身が、“音楽を介して、いい時間を作りたい”という思いだけを持ってステージに立ってるーーそんな雰囲気をはっきりと感じ取ることができた。「「『POP OVER』へようこそ!WWWのときにきてくだった方、ご無沙汰してます。初めて僕のライブに来てくれた人は?お、たくさんいる!」「みんなと楽しい時間を作っていきたいと思うので、よろしくお願いします」というMCのあとは、季節外れのクリスマスソング「Holy Light」。さらにステージにベンチを置き、ゆったりしたムードで「でもね、たまには」を歌い上げる。緊張はまったく感じられず、オーディエンスとリラックスして会話する姿も印象に残った。ライブ中盤では、WWWでも披露された“ショート曲メドレー”。「N1ght」「ノスタルジー」から「ナツイアツ」「Repeat」まで15曲をノンストップでつなぐメドレーは、SNSに楽曲を投稿するところからはじまった彼のキャリアを追体験できると同時に、音楽的な幅広さ、バラエティの豊かさを改めて証明していた。ほとんどが30秒前後なのだが、1曲1曲が個性的でーーローファイ系ヒップホップ、オルタナR&Bからギターロックまでーー一瞬で記憶に残るキャッチ―なフレーズがある。音楽活動をはじめてわずか1年でSNSで楽曲をバズらせ、メジャーデビューを果たしたimase。メロディメイクや言葉選びのバランス感覚、ファルセットを活かしたボーカルスタイルを含めて、やはり彼には天賦のセンスがあるようだ。さらに特筆すべきは、幅広いリスナーの日常にフィットする親しみやすさ。大げさな仕掛けやギミックに頼らず、“気が付いたら、すぐそばで鳴っていた”というリスナー・フレンドリーな楽曲を作れることもimaseの魅力であり、だからこそ彼の音楽はこんなにも急速に広がり続けているのだろう。「今回のライブのためにスペシャルなことを用意してます!」と呼びこまれたのは、大阪出身のシンガーソングライターasmi。2021年にMAISONdes「ヨワネハキfeat.和ぬか,asmi」に参加したことで注目を集めたasmiとimaseは同い年の22歳。“SNSをきっかけにバズった”“コロナ禍で知名度を上げた”といった共通点があるふたりは、新世代J-POPシーンを象徴する存在と言っても過言ではない。この日披露されたのは、音楽プロデューサー蔦谷好位置のプロジェクト・KERENMI名義の「boy feat. asmi & imase」。胸に秘めた夢や憧れ、現実と理想のギャップ、思うように物事が進まない焦燥をポップに昇華した楽曲をふたりが歌い上げるシーンは、間違いなくこの日のライブのハイライトのひとつ。特に〈重ねたいメロディ曝け出した/奏でたいハードが動き出した〉という最後のフレーズには強く惹きつけられた。“ここではないどこかへ行きたい”という思いが滲む「逃避行」からライブは後半へ。シリアスな音像と切れ味のいいラップが響き合う「Pale Rain」、大人になっていく時期の葛藤を見つめながら、〈悪くないよ未来は僕らだ〉という前向きなフレーズへとつなげるアッパーチューンーン「僕らだ」など“カッコいい”imaseを体感できる楽曲が続いた。そして新曲「18」も披露。ピアノと歌ではじまり、しなやかなメロディが広がるこの曲は18歳の新成人に向けたポップチューン。〈楽しみはここから〉と未来へのメッセージを込めたこの曲は、すべてのオーディエンスの心と身体を気持ちよく引き上げたはずだ。「思い返すと、感慨深くて。2回目のライブでLIQUIDROOM、しかもパンパンに人が入って。もっともっといろんな人にimaseを知ってもらえるように、もっと大きいところでライブができるようにがんばっていきたいと思います。これからもたくさんの応援、よろしくお願いします」という言葉に導かれたのは、メジャーデビュー曲「Have a nice day」。さらに〈どうでもいいような 夜だけど〉というアカペラから代表曲「NIGHT DANCER」へ。オーディエンスは笑顔で体を揺らし、サビのフレーズを大合唱。会場はナチュラルな高揚感で包まれた。ここでスクリーンに映されたのは、「韓国旅物語」。今年4月にプロモーションやショーケースで韓国を訪れたimase。「NIGHT DANCER」は、韓国の音楽プラットフォームMelOnでTOP20にランクインするなど、韓国で大ヒット。この先、アジアを中心にした海外での活動も期待できそうだ。「韓国、楽しかったー。タッカンマリ美味しかった。みなさんもぜひ食べてください(笑)」というトークの後は、5月26日リリースの新曲「Nagisa」を初披露。80’sテイストを感じさせるサウンド、爽やかなメロディラインを含め、夏を彩るimase流のシティポップチューンだ。最後はオーディエンスと一緒に撮影。「また会いましょう!」という言葉でライブはエンディングを迎えた。加速度的に広がる音楽性、ライブパフォーマーとしての向上をダイレクトに示したimaseは、10月に自身初の東名阪ツアー『imase 1st Live Tour 2023』を開催。本格的なブレイクはもう目の前。2023年夏以降、imaseのさらなる飛躍をぜひ目撃してほしいと思う。Text:森朋之Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)<公演情報>imase 1st Live『POP OVER』5月10日 東京・LIQUIDROOMセットリスト01. アナログライフ02. あべこべ03. ピリオド04. Holy Light05. I say bye06. でもね、たまには07. ショート曲メドレー07-1. N1ght07-2. ノスタルジー07-3. あわれ07-4. Smile07-5. 鱚07-6. そんな話07-7. 待ち人07-8. I think that I love you07-9. 語呂合わせ07-10. スーパーヒーロー07-11. 楽になれたら07-12. Cherry Blossom07-13. ありか07-14. ナツイアツ07-15. Repeat08. boy(GUEST:asmi)09. 逃避行10. Pale Rain11. 僕らだ12. 1813. Have a nice day14. NIGHT DANCEREN1. Nagisa<ツアー情報>『imase 1st Live Tour 2023』10月26日(木) 大阪・BIGCATOPEN18:00 / START19:0010月27日(金) 愛知・名古屋CLUB QUATTROOPEN18:00 / START19:0010月31日(火) 東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)OPEN18:00 / START19:00チケット料金:全自由5,000円(税込)※整理番号付き / ※ドリンク代別途必要■先行受付:5月28日(日) 23:59まで<リリース情報>imase デジタルシングル「Nagisa」5月26日(金) 配信リリースimase「Nagisa」ジャケット配信リンク:関連リンクTwitter::::
2023年05月17日Omoinotakeが4月28日、東京・Zepp DiverCity(TOKYO)でワンマンライブ『Omoinotake SPECIAL LIVE 2023 “SUEHIROGARI”』を開催した。4人編成のホーンセクションを取り入れ、今回だけの特別アレンジによる楽曲も披露。ゴージャズかつメロウな音楽空間を生み出した。島根県松江市出身の藤井怜央(Vo/Key)、福島智朗(Ba)、冨田洋之進(Ds)の3人が東京・渋谷の地でOmoinotakeを結成したのは、2012年4月。つまり“SUEHIROGARI”(末広がり)とタイトルされたスペシャルライブの東京公演は、ちょうど結成11周年と重なっていた。記念すべきライブで彼らは、これまでのキャリアを代表する楽曲を次々と披露。この日だけの特別なアレンジを施した楽曲、リリースされたばかりの新曲も含め、Omoinotakeの過去・現在・未来を体現してみせた。最初にステージに登場したのは、サポートメンバーの柳橋玲奈(Sax)をはじめとする4人編成のホーンセクション。サックス、トランペット(×2)、トロンボーンによる華やかな音色、そして、鮮烈なブルーのライトに照らされるなか、Omoinotakeの3人とパーカッション・ぬましょうがオンステージ。オープニングナンバーは、メジャーデビュー曲「EVERBLUE」(アニメ「ブルーピリオド」オープニングテーマ)だ。心地よい高揚感に溢れたサウンド、解放感に満ちたメロディが広がり、観客はハンドクラップで応える。さらに「こんばんはOmoinotakeです!“SUEHIROGARI”にようこそ!」(藤井)という挨拶から「So Far So Good」へ。ゆったりとしたビート、ソウルフルな歌声、ノスタルジーと未来への思いが交差する歌詞が響き合い、オーディエンスの心と身体を揺らしてみせた。藤井怜央(Vo/Key)スペシャルライブ“SUEHIROGARI”は大阪、東京の2公演。「大阪は1カ月前なので、今日、久しぶりにラッパの音を聴いて、マジ最高だなって」(藤井)と笑顔で挨拶。さらに藤井は、「Omoinotakeは、2012年の4月の“どこか”で結成したんですよ。自主制作のCDのリリース、初めてのワンマンもそうだけど、4月28日に縁がありすぎて。9年くらい経って、“4月28日って、渋谷って読めない?”って気づいて、この日を結成日にしました」と説明。「記念日にこんな最高なライブができて。たっぷり音を浴びてください!」という言葉に対し、客席からは大きな拍手が巻き起こった。福島智朗(Ba)爽やかで切ないメロディ、藤井の美しいファルセットが広がった「産声」。かけがえのない存在である“君”への思いを綴った歌、楽曲の主人公の心象風景を彩るようなホーンセクションが共鳴した「心音」。ライブが進むにつれて、このバンドの多彩な音楽性が重なり、美しい音のグラデーションへとつながった。「路上時代から見てくださってる方の姿もあって。ずっと応援してくださってありがとうございます」(福島)「感無量ですよ。うれしいです、こんな素敵なところでライブができるのは」(冨田)というトークの後は、「ここからしばし、ストイックな4人バージョンで楽しんでいただけたらと思います」(藤井)とOmoinotake+パーカッションの編成による演奏へ。巧みなリズムチェンジとコード進行とともに“歌”“音楽”に対する強い思いを描き出す「One Day」。藤井の弾き語りからはじまり、ダンサブルなサウンドへと移行した「彼方」。そして「今日はみんなで大きな声で歌える日だぞ!」(藤井)という言葉にリードされた「By My Side」では、曲の途中でシンセベースを取り入れるなど、エレクトロ・テイストの音像を表現。ルーツミュージックに根ざしつつ、現在進行形のポップスへと昇華させる彼らのセンスがはっきりと伝わってきた。冨田洋之進(Ds)サックスの柳橋玲奈が加わった5人編成のコーナーでは、切なさ、憂いを色濃く反映した楽曲が続いた。特に心に残ったのは、ピアノと歌、〈行き交う人々水溜まりに映る/ぼやけた信号赤色のままで〉というフレーズからはじまった「モラトリアム」。どこにも行けない閉塞感と“君”に対する複雑な感情をダイレクトに映し出す藤井のボーカルはまさに絶品。Omoinotakeの音楽の軸にあるのは彼の歌だと、改めて実感させられた場面だった。ここで再びホーンセクションが登場。「最初の4曲(「EVERBLUE」「So Far So Good」「産声」「心音」)はCD(原曲)にもホーンが入ってて、それを生でお届けして。ここからは小西遼さん(CRCK/LCKS・象眠舎)にアレンジしていただいた、特別バージョンです。ここから本番くらいの気持ちでやりたいと思います!」という説明を挟み、「Blanco」からライブは後半へ。ゴージャズでシックな管楽器のアンサンブルからはじまり、しなやかで奥深いバンドグルーヴへと結びつく。悲しみを滲ませるボーカルにも心を打たれた。「惑星」では、なめらかなメロディとホーンの音色、洗練されたバンドサウンドが互いを高め合い、〈きっと二度と戻らない/僕らの引力〉というフレーズを際立たせる。「終盤、バシッといきましょうね!」という藤井の言葉を合図に、ライブはクライマックスへと向かう。オーセンティックなソウル、R&Bのエッセンスをたっぷり注ぎ込んだ「Stand Alone」(アウトロのトロンボーンのソロ演奏も最高!)、藤井がハンドマイクで歌い、ポップで開放的な空気を生み出した「トロイメライ」。そして本編ラストは、彼らのライブアンセムとしても知られる「Never Let You Go」。ハンドクラップ、コール&レスポンスも取り入れられ、会場全体が気持ちいい一体感で包まれた。アンコールでは3月に配信リリースされた新曲「オーダーメイド」をメンバー3人だけで演奏。NHK松江放送局開局90周年記念テーマ・ソングに起用されたこの曲は、島根の10代、20代の若者たちの"10年後の自分に宛てた手紙"をもとに制作。〈運命はオーダーメイド描いた僕になる旅〉というフレーズは“結成から11年目のライブ”とも強くリンクしていた。ひとつひとつの言葉に思いを込めた、エモーショナルな歌声は、すべての観客の心に刻まれたはずだ。「最高のメンバー、最高のミュージシャン、最高のお客さん、画面の向こうのみなさんと11年目を迎えられてうれしいです。これからもOmoinotake、突っ走っていくので、よろしくおねがいします!」(藤井)。未来への決意を感じさせる言葉に続き、ホーン隊、パーカッションを加えた編成で「トニカ」へ。大らかなシンガロングが鳴り響くなか、ライブはエンディングを迎えた。この日、Omoinotakeはメジャー1stアルバムのリリースを発表(リリース時期は“夏近辺”だそう)。さらにこのアルバムを携え、9月から10月にかけて初の全国Zeppツアー"Omoinotake ONE MAN TOUR 2023(仮)"の開催も決定。ツアーファイナルは彼らの地元・島根の松江テルサホールで行われる。メジャー1stアルバム、そして、バンド史上最大規模のツアーによってOmoinotakeはまちがいなく、さらなる飛躍を果たすことになるだろう。Text:森朋之Photo:Daikichi Motouchi<公演情報>『Omoinotake SPECIAL LIVE 2023 “SUEHIROGARI”』4月28日(金) 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)セットリスト01. EVERBLUE02. So Far So Good03. 産声04. 心音05. One Day06. 彼方07. By My Side08. 空蝉09. 雨と喪失10. モラトリアム11. Blanco12. 惑星13. Stand Alone14. トロイメライ15. Never Let You GoEN1. オーダーメイドEN2. トニカ<リリース情報>Omoinotake メジャー1stアルバム『タイトル未定』※詳細は後日発表<ツアー情報>Omoinotake ONE MAN TOUR 2023(仮)9月22日(金) 愛知・Zepp Nagoya開場18:00 / 開演19:009月23日(土) 大阪・Zepp Osaka Bayside開場16:00 / 開演17:009月30日(土) 福岡・Zepp Fukuoka開場16:00 / 開演17:0010月6日(金) 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)開場18:00 / 開演19:0010月14日(土) 北海道・Zepp Sapporo開場16:00 / 開演17:0010月28日(土) 島根・松江テルサホール開場16:00 / 開演17:00【チケット情報】(税込/ドリンク代別)全席指定(一般):5,500円全席指定(学割):4,500円 ※オフィシャル先行のみ取扱い入場時ドリンク代が必要(松江公演のみドリンク代なし)■オフィシャル1次先行:5月16日(火) 23:59まで関連リンクOfficial web site:::::
2023年05月09日乃木坂46『32ndSG アンダーライブ』の最終公演が4月27日(木)、東京ガーデンシアターにて開催された。当ライブは4月5日から東京、大阪、愛知の3都市4会場で全8公演を実施。クライマックスとなる東京ガーデンシアター公演は4月26日、27日の2日間にわたり、両日とも約8,000人、計1万6000人を動員。さらに、27日の最終公演のみインターネットでの生配信も行われた。32ndシングル『人は夢を二度見る』のアンダー楽曲「さざ波は戻らない」参加メンバーによる本公演は、1期生と2期生が卒業して以降初めて3〜5期生のみで行われる新体制のアンダーライブ。ダブルセンターの伊藤理々杏&林瑠奈を中心に、これがアンダーライブ初参加となる5期生を迎えた総勢15名(休演中の中村麗乃、岡本姫奈を除く)で乃木坂46の新たな歴史を刻んでいった。ステージ前に青空を描いた幕が垂らされる中、会場が暗転するとライブは突如「新しい世界」からスタートする。アンダー初参加となった思い出の楽曲を3期生の5人(伊藤理々杏、阪口珠美、佐藤楓、向井葉月、吉田綾乃クリスティー)が情熱的にパフォーマンスし、曲中には伊藤が「私たちが新しいアンダーライブを作ります。だから、ついてきてください!」といった力強いメッセージもフィーチャーされた。続いては、北川悠理、黒見明香、清宮レイ、林瑠奈、矢久保美緒が4期生初参加となったアンダー楽曲「マシンガンレイン」を、さらに5期生の池田瑛紗、小川彩、奥田いろは、冨里奈央、中西アルノがアンダー楽曲の原点でもある「左胸の勇気」を披露。最後に全メンバーが勢揃いし、伊藤&林の「アンダーライブ、スタート!」をきっかけに「Overture」へと突入。ここから観客のボルテージは急加速していった。アンダーライブでは本シーズンが声出し解禁公演。オーディエンスが思い思いのメンバー名をコールする中、幕が開いたところで「さざなみは戻らない」からライブは本格的に開始する。3、4期生が存在感の強いパフォーマンスを見せる中、5期生が必死で食らいついていこうとすることで、統一感の強いステージを構築。また、「ここにいる理由」「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」といった王道のアンダー楽曲では、それぞれ林、伊藤が単独センターを務め、先輩たちの作り上げたオリジナルを踏襲しつつも今の乃木坂46らしさをにじませたダンスで、観る者を魅了し続けた。今回はダブルセンター制ということもあり、伊藤をはじめとする青組(伊藤、黒見、佐藤、冨里、中西、矢久保、吉田)、林が中心の赤組(林、池田、小川、北川、阪口、清宮、向井、吉田)の2チームに分かれパフォーマンスを繰り広げるブロックを用意。まずは、伊藤のソロ歌唱を大々的にフィーチャーした「音が出ないギター」やセンターの吉田がクールな佇まいを見せる「命は美しい」で観客を圧倒すると、続いて林の艶やかなソロボーカルを軸にした「ショパンの嘘つき」や阪口が大人びた表情で楽曲の世界を彩る「ごめんねFingers crossed」と、それぞれの個性の違いを見事に提示。曲間にはダイナミックなダンスパートも用意され、切れ目なくライブは進行していく。そして、「ありがちな恋愛」で2組が勢揃いすると、「狼に口笛を」「13日の金曜日」の定番曲連発でさらなる一体感を高めていった。ライブ中盤に入ると、まずは黒見を筆頭に池田、冨里、矢久保の組み合わせによる「Out of the blue」からユニットブロックに突入。「アトノマツリ」では北川&林が歌にラップにと大活躍し、「もしも心が透明なら」ではグループ最年少の小川を中心に、阪口や佐藤、清宮、向井といった先輩たちが艶やかな空気を作り上げ、伊藤や奥田、中西、吉田と歌唱力に定評のあるメンバーが揃った「パッションフルーツの食べ方」では一人ひとりの個性が際立つボーカルとともに、独特の空気で会場を包み込んだ。いよいよライブも後半戦へ。「自惚れビーチ」では清宮のコール&レスポンスで場内の熱気が再び高まると、阪口センターのキュートな「口ほどにもないKISS」、北川&矢久保がエモーショナルな表情で魅了する「嫉妬の権利」、佐藤が力強いダンスで場の空気を一変させる「届かなくたって…」、吉田が頼もしくチームを牽引する「錆びたコンパス」、向井が圧巻のパフォーマンスで会場の空気を掌握する「日常」と、曲を重ねるごとにライブはクライマックスへ到達する。最後の曲に入る前に、座長のひとりとして今回のアンダーライブを引っ張ってきた林が、今の思いを伝えていく。彼女は「皆さんにとってアンダーライブってなんですか?」と客席に投げかけると、「きっと私たちの中にもこの答えの正解はなくて、皆さんの中でもいろんな捉え方があっていいんじゃないかと私は思っています」と続けてから「アンダーライブはうれしいとか楽しいだけじゃなくて、不安とか焦りとか悔しさ、プレッシャー、そういう気持ちを全部パフォーマンスに乗せられる場所だと思っていて。もしそれが私たちからの一方通行なものだとしても、気づいたら皆さんは私たちの気持ちをいつの間にか受け止めちゃっている、そんな強い力がアンダーライブにはあると信じています。だから、皆さんにはひとときもこぼさずに、私たちの気持ちを受け取ってほしいです」と自身の考えを吐露。そして、感謝の気持ちとともに「誰よりそばにいたい」を15人のソロ歌唱で歌い継いでいく。その素直な歌声からはメンバー一人ひとりの強い思いがダイレクトに伝わり、感動的な空気の中ライブ本編を締め括った。アンコールではTシャツ姿に着替えたメンバーが「そんなバカな・・・」「ガールズルール」とライブの盛り上げに欠かせないナンバーを連発。観客の声援やコールも一段と大きく鳴り響き、これ応えるようにメンバーも笑顔を振りまきながら、その盛り上がりを最高潮にまで達させる。そして、最後のMCではもうひとりの座長である伊藤が「今回ツアーをさせてもらって、しかも最後にこんなに大きな会場で、こんなにたくさんの方に来ていただけてうれしくて。5期生ちゃんたちが初めて参加ということで、前より距離が縮まって仲良くなれて私は楽しかったんですけど、メンバーのみんなは楽しかったですか?ファンのみんなは楽しかったですか?」と問いかけると、盛大なレスポンスが湧き起こる。その声を前に「それが聞けて何よりです。目標が自分の中で達成されました!」と満面の笑みを浮かべると、最後はメンバーと観客が一丸となって「乃木坂の詩」を歌い上げ、乃木坂46新章を飾るアンダーライブを大成功のうちに終了させた。各期を代表して小川、矢久保、向井が挨拶をして、続いて林が伊藤とダブルセンターを務められた喜びを伝えると、伊藤も「本当に皆さんのことが大好きで大好きでたまらないです!」と感謝の気持ちを口にしてから、ステージをあとにする。これでライブは終わったかと思われたが、会場中にさらなるアンコールを求める声援が鳴り響き、これに応える形で「ロマンスのスタート」をダブルアンコールでプレゼント。再び会場が熱狂の渦に巻き込まれると、伊藤が再び「皆さんとこうして過ごせるのがうれしくてうれしくて、しょうがないです!絶対にまた会えるから、そのときまでずっとずっと待っていてください!」と笑顔で告げ、最後は伊藤&林が「ありがとうございました!」と肉声で届けてステージをあとにした。文:西廣智一<公演情報>乃木坂46『32ndSG アンダーライブ』4月27日(木) 東京ガーデンシアターセットリスト01. 新しい世界02. マシンガンレイン03. 左胸の勇気Overture04. さざなみは戻らない05. ここにいる理由06. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた07. 音が出ないギター08. 命は美しい09. ショパンの嘘つき10. ごめんねFingers crossed11. ありがちな恋愛12. 狼に口笛を13. 13日の金曜日14. Out of the blue15. アトノマツリ16. もしも心が透明なら17. パッションフルーツの食べ方18. 自惚れビーチ19. 口ほどにもないKISS20. 嫉妬の権利21. 届かなくたって…22. 錆びたコンパス23. 日常24. 誰よりそばにいたいアンコール25. そんなバカな・・・26. ガールズルール27. 乃木坂の詩ダブルアンコール28. ロマンスのスタート<リリース情報>乃木坂46 32ndシングル『人は夢を二度見る』発売中●初回仕様限定(CD+Blu-ray)盤 Type-A:1,900円(税込)乃木坂46『人は夢を二度見る』初回仕様限定(CD+Blu-ray)盤 Type-AジャケットM1. 「人は夢を二度見る」(32ndシングル選抜メンバー)M2. 「僕たちのサヨナラ」(秋元真夏センター・全メンバー)M3. 「心にもないこと」(5期生メンバー)M4. 「人は夢を二度見る」~off vocal ver.~M5. 「僕たちのサヨナラ」~off vocal ver.~M6. 「心にもないこと」~off vocal ver.~●初回仕様限定(CD+Blu-ray)盤 Type-B:1,900円(税込)乃木坂46『人は夢を二度見る』初回仕様限定(CD+Blu-ray)盤 Type-BジャケットM1. 「人は夢を二度見る」M2. 「僕たちのサヨナラ」M3. 「黄昏はいつも」(遠藤さくら・井上和)M4. 「人は夢を二度見る」~off vocal ver.~M5. 「僕たちのサヨナラ」~off vocal ver.~M6. 「黄昏はいつも」~off vocal ver.~●初回仕様限定(CD+Blu-ray)盤 Type-C:1,900円(税込)乃木坂46『人は夢を二度見る』初回仕様限定(CD+Blu-ray)盤 Type-CジャケットM1. 「人は夢を二度見る」M2. 「僕たちのサヨナラ」M3. 「Never say never」(久保史緒里・向井葉月・金川紗耶・黒見明香・柴田柚菜)M4. 「人は夢を二度見る」~off vocal ver.~M5. 「僕たちのサヨナラ」~off vocal ver.~M6. 「Never say never」~off vocal ver.~●初回仕様限定(CD+Blu-ray)盤 Type-D:1,900円(税込)乃木坂46『人は夢を二度見る』初回仕様限定(CD+Blu-ray)盤 Type-DジャケットM1. 「人は夢を二度見る」M2. 「僕たちのサヨナラ」M3. 「さざ波は戻らない」(32ndシングルアンダーメンバー)M4. 「人は夢を二度見る」~off vocal ver.~M5. 「僕たちのサヨナラ」~off vocal ver.~M6. 「さざ波は戻らない」~off vocal ver.~●通常盤:1,100円(税込)乃木坂46『人は夢を二度見る』通常盤ジャケットM1. 「人は夢を二度見る」M2. 「僕たちのサヨナラ」M3. 「涙の滑り台」(岩本蓮加・筒井あやめ・小川彩)M4. 「人は夢を二度見る」~off vocal ver.~M5. 「僕たちのサヨナラ」~off vocal ver.~M6. 「涙の滑り台」~off vocal ver.~※通常盤はCDのみとなり、特典映像の収録、封入特典なし
2023年04月28日imaseが初の有観客ライブ『POP OVER』を3月30日、東京・渋谷WWWで開催した。メジャーデビュー曲「Have a nice day」、グローバルヒットの予兆を見せている「NIGHT DANCER」から最新曲「ピリオド」まで。際立ったポップセンスを備えた楽曲と魅力的なステージングをダイレクトに示した記念碑的なライブをレポート!音楽活動スタートから約1年でメジャーデビュー。“imase with PUNPEE&TobyFox”名義の「Pale Rain」(「ポカリスエット」CM主題歌)、海外のリスナーにも支持されている「NIGHT DANCER」などのヒット曲を放ち、昨年11月に1st EP『POP CUBE』をリリースするなど、瞬く間に新世代音楽シーンを象徴する存在となったimase。昨年12月に行われた初のオンラインライブ『POP ROOM』に続く初めての有観客ライブ『POP OVER』でimaseは、パフォーマーとしての優れた才能を見せつけた。ライブのオープニングは、バンドメンバーによるセッション。生楽器による心地よいグルーヴが広がるなか、ステージに掛けられた幕にimaseのシルエットが映ると、観客で埋め尽くされたフロアから拍手と歓声が巻き起こる。「楽しんでいきましょう!」という声とともに幕が降り、さらなる歓声が巻き起こって放たれた1曲目は「アナログライフ」。メロディ、トラック、歌詞のバランスが気持ちいい。さらにR&Bテイストの音像、アッパー系のビート、起伏に飛んだボーカルラインが響き合う「あべこべ」、ギターのカッティングとベースのスラップを軸にした強靭なサウンドが印象的だった「ピリオド」へ。冒頭からimaseの多彩な音楽性を体感できるシーンが続き、会場のテンションも一気に上がっていった。imaseにとってこの日は、生まれて初めての有観客ライブ。「『POP OVER』へようこそ!imaseです。本人です!(笑)」というMCも初々しい。ライブが始まった直後はやや緊張も感じられたが、「今日が“初めてのライブ”という人はいます?」(かなりの数の手が上がっていた)と観客と会話を重ねるなかで徐々にリラックスしてきた様子。本来の人懐っこいキャラクターが伝わり、ナチュラルな一体感を生み出していた。ここからは様々なテイストの楽曲が披露された。まずは「メリークリスマス!」という季節外れの挨拶からはじまった「Holy Light」。ロマンティックで切ないメロディラインによって観客を魅了する。ときどきバンドメンバーと目を合わせながら、笑顔で気持ちよさそうに歌う姿も心に残った。ステージにベンチが置かれた状態でパフォーマンスされたのは、「でもね、たまには」。チル系のトラックと“ラップ以外はすべてファルセット”を組み合わせたユニークな楽曲だ。他の楽曲でもファルセットが多用されているのが、その理由は彼自身が“地声で張った声は映えない”と思ったからだという。今やimaseの大きな魅力となっているファルセットは、生ライブでしっかりと機能していた。そして「ろくでなし」はキーボードの弾き語りで披露。〈僕と生きよう/くだらない日々を〉という歌詞が印象的な楽曲に生々しいエモーションを込め、観客のひとりひとりに手渡すように歌うimase。この日のために相当な練習を重ねてきたことは想像に難くないが、その姿勢からは“オーディエンスに喜んでもらいたい”という強い意志が伝わってきた。途中、少し詰まる場面では、観客から「がんばれ!」と声援が。演奏後、「“がんばれ”がうれしかったです」と照れたように笑う姿も印象的だった。初めてのステージでここまで自分を正直に見せられるアーティストは本当に稀。それはもちろん、彼の大きな武器であり、魅力だと思う。ライブ中盤で演奏された“ショート曲メドレー”も、この日のライブの大きなポイントだった。これまでにSNSなどで発表してきた楽曲(15曲)をつなげたメドレーは、imaseの活動の軌跡を追体験できると同時に、楽曲のテイストの幅広さを改めて証明していたと思う。初ライブの開催が告知されたときに彼は、「タイトルの『POP OVER』は、ネット出身の僕が、画面からひょっこり飛び出してやってくるというようなイメージで考えました」とコメントしていたが、その言葉をもっともわかりやすく体現していたのが“ショート曲メドレー”だったと言っていいだろう。「Cherry Blossom」では桜の映像を使用し、サマーチューン「ナツイアツ」ではサングラスをかけて歌うなど、楽曲に合わせた演出も楽しい!大切な“君”への思いと“この街を抜け出し、新しい場所に行きたい”という願いが交差する「逃避行」からライブは後半へ。大人になること、社会に出ること、夢を追いかけることをリアルに映し出したアッパーチューン「僕らだ」、緻密なリズムアレンジ、シンセベースの低音を活かしたサウンドも強烈だった「Pale Rain」を放ち、フロアの高揚感はさらにアップ。凄腕のバンドメンバー(BOBO/Ds、林あぐり/Ba、モリシー/Gt(Awesome City Club)、松本ジュン/Key)による演奏も最高だ。スタッフやバンドメンバーに対する感謝を述べた後、imaseは観客に語り掛けた。これまではSNSのコメントなどでリスナーの存在を意識していたが、初めて観客を目の当たりにしたことで、「本当に聴いてくれてる人がいたんだ」と実感したこと。もっと大きな場所でライブをやり、いろんな人に聴いてもらいたいと思っていることーー。この先の活動への決意を込めた言葉の後は、メジャーデビュー曲「Have a nice day」。コロナ渦における生々しい思いをチルなポップソングへと昇華させたこの曲は、まさにimaseのキャリアの起点だ。本編ラストは、極上のダンストラック「NIGHT DANCER」。〈どうでもいいような夜だけど〉とアカペラで歌い始めた瞬間、大きな歓声が沸き起こる。しなやかなバンドグルーヴと官能的なボーカル、そして、全身で“楽しい!”を表している観客がひとつになり、ライブの興奮は頂点に達した。オーディエンスの“imaseコール”が響くなか、スクリーンに映し出されたのは“上京引っ越しムービー”(実家の部屋にあった機材を車に詰め、東京に移住するまでを撮影した映像)。再びステージに登場したimaseは「上京しました!」と報告をした。10月に行われる初の東名阪ツアー「imase 1st Live Tour 2023」を告知。さらに新曲「Nagisa」を初披露し、記念すべきライブは幕を閉じた。初めての有観客ライブで、自らの“これまで”と“これから”を示したimase。ここから彼は、さらなるブレイクに向かって突き進むことになるはずだ。・Text:森朋之Photo:Viola Kam(V’z Twinkle)<公演情報>imase 1st Live『POP OVER』3月30日(木) 東京・渋谷WWWセットリスト01. アナログライフ02. あべこべ03. ピリオド04. Holy Light05. I say bye06. でもね、たまには07. ろくでなし(弾き語り)08. ショート曲メドレー1. N1ght2. ノスタルジー3. あわれ4. Smile5. 鱚6. そんな話7. 待ち人8. I think that I love you9. 語呂合わせ10. スーパーヒーロー11. 楽になれたら12. Cherry Blossom13. ありか14. ナツイアツ15. Repeat09. 逃避行10. 僕らだ11. Pale Rain12. Have a nice day13. NIGHT DANCEREN. Nagisa(新曲)<ツアー情報>『imase 1st Live Tour 2023』10月26日(木) 大阪・BIGCATOPEN18:00 / START19:0010月27日(金) 愛知・名古屋CLUB QUATTROOPEN18:00 / START19:0010月31日(火) 東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)OPEN18:00 / START19:00チケット料金:全自由5,000円(税込)※整理番号付き / ※ドリンク代別途必要■オフィシャル2次先行:5月7日(日) 23:59まで <配信情報>imase「NIGHT DANCER (TeddyLoid Remix)」配信中imase「NIGHT DANCER (TeddyLoid Remix)」配信ジャケット配信リンク:公式サイト:
2023年04月22日今回で第2回となるw.o.d.による企画ライブ『w.o.d. presents TOUCH THE PINKMOON』が、w.o.d.の地元・神戸と東京で開催された。ニック・ドレイクのラストアルバム『Pink Moon』(1972年)からタイトルが取られた本イベントは、4月の満月の日、4月6日からツアーをスタートさせ、w.o.d.らしい最高のロック・パーティーを作り上げていた。神戸の2公演ではw.o.d.がフックアップしたい後輩バンドのSisters in the velvetと、これまで切磋琢磨してきた同世代のNewdumsが、そして今回レポートする4月13日の東京・恵比寿LIQUIDROOM公演には、メンバーが敬愛する先輩バンド8ottoとDJ TAISHI IWAMIが登場。w.o.d.の勢いも加速し、熱いライブが展開された。DJ TAISHI IWAMI観客で埋め尽くされたフロアは、開場からDJ TAISHI IWAMIがロックやファンクで観客のテンションを上げている。爆音を浴び、音に乗りながら会場の温度が上がっていく中で登場したのは、Maenosono Masaki(Ds / Vo)、RYO(G / Cho)、Yoshimura Seiei(G / Cho)、TORA(B)による8otto。東京でのライブは4年ぶりになるという。8otto溜めに溜めたエネルギーを一気に爆発させるように、1曲目「赤と黒」のアンセミックなリフレインを背に、Maenosonoはドラムを離れ「みんな、そっちいっていいか。ほんまにええんか?」と歓声に沸くフロアへと降臨。観客とともにアフロを揺らし、ステージ上のメンバーもリフを刻み、シンガロングしながらその様子を楽しそうに見ている。コロナ禍のこの数年では叶わなかった光景であり、再び“ライブ”だからこその熱狂やハプニングを味わい、頭からメーターを振り切った熱量の高い空間が広がっていく。久々の東京でのライブということもあり新旧の曲を用意してきたと、中盤では漆黒のニューウェーブ「China」から「Counter Creation」、そして昨年リリースした「FUZIN ⚡︎ RIZIN」でのクールなビートやリフを、ヒリヒリと空気を震わせながらプレイ。「You Just Not Only One」の爆裂なアンサンブルでスタートした後半は、ぐっとスピードを上げて「Generation888」の最強ガレージロックで観客のコブシを突き上げさせる。8ottoラストはTORAが「TOUCH THE PINKMOONを掴む勢いで今日イチのジャンプしちゃう?──ちょっとダサかったね(笑)」と煽り、観客をその場でしゃがませてからの一斉ジャンプでダイナミックにフロアを一体化。結成から約20年、国内外を渡り歩いてライブ猛者とせめぎあってきた豪快で肉厚なグルーヴの威力と抜群のキャッチーさを見せつけていった。幕間は再びTAISHI IWAMIのDJがフロアを温め続け、いよいよw.o.d.。SEとともに破裂するように歓声が沸く。ステージから照らされる3つの強いライトの前に立つようにサイトウタクヤ(Vo / G)、Ken Mackay(B)、中島元良(Ds)が登場し、3人が向き合うようにしてアイコンタクトを取ると「1994」の激しいリフを一気に噴射。w.o.d.ギター、ベース、ドラムが一斉にトップスピードに乗って、会場内を颯爽と駆け抜けていく体感が心地いい。サイトウが軽く挨拶をすると、そのまま「Kill your idols, Kiss me baby」へなだれ込んで、「楽園」から「Fullface」へと連投していく。歪みに歪んだベースの低音が観客の足元からビリビリと震わして、タイトでキレのいいビートやリフの気持ちよさが自然と観客の手を高く上げさせる。ロックンロールのプリミティヴなエネルギーがムンムンに立ち込めた会場は、暑さをましていく。サイトウタクヤ(Vo / G)「TOUCH THE PINKMOONへようこそ。ちょっと、8ottoがかっこよすぎました。かっこよすぎて泣きそうになった」とサイトウは、改めてリスペクトする8ottoへ拍手を送る。「そしてなによりDJをしてくれたTAISHIさん、8ottoから俺らのつなぎ、完璧すぎる」とその興奮を伝え、「今度はただただ騒ぐだけのDJイベントとかやってみたい」といちロックキッズの思いを素直に吐き出して、「いっぱい遊んで帰りましょう」と中盤へと突入していく。ピンクとブルーがせめぎ合うライティングの中、緊迫感のある「VIVID」のアンサンブルを響かせ、「Dodamba」、そして「THE CHAIR」とボルテージを上げる。ジャンル間を自在に行き来するバンドは多くいるが、w.o.d.は愚直なまでにストイックにロックンロールを、快楽的なリフを追求する。1コード、2コードでいかに人の心や体、衝動を突き動かすか、その術を心得ている。そしてそんな正統派のロックバンドは、どれだけ移り変わりの早い時代にあっても普遍の力を持っていることを、興奮で満ちた満員のフロアが伝えている。中島元良(Ds)チューニングしながらサイトウは「8otto、めっちゃよかったなあ」と独り言のようにつぶやき、メロウな「サニー」で後半に折り返した後半。今夏にワンマンツアー『バック・トゥー・ザ・フューチャーⅤ』を東京・大阪で開催することをアナウンスすると、続く曲は最新曲。「8ottoもそうだけど“Generation”という言葉はパワーがありますね」(サイトウ)といい、これまで多くのバンドが“My Generation”という曲を作ってきたが、自分たちもまたそんな曲を書いたと「My Generation」をパワフルに、華やかに打ち鳴らしていく。アッパーなキックがゆさゆさと観客の体を揺らすダンサブルなロックアンセム。圧倒的なキラーチューンとして、これからもライブで大きくなっていく曲だろう。Ken Mackay(B)そしてベースの低音に手拍子が大きくなっていく中「イカロス」で疾走し、大陸的でビッグなギターリフとグルーヴィなビートの「モーニング・グローリー」のパワーで観客に汗をかかせ、間髪入れずに「Mayday」で大きなジャンプやステップ、シンガロングを生み出す。後半にきてもなおバンドアンサンブルは勢いを増して、加速度的に歓声や興奮の叫びを生み出していくライブ。「また来年のPINKMOONで会いましょう」(サイトウ)という挨拶から、「踊る阿呆に見る阿呆」で天井知らずの熱気を上げていく。汗を光らせた笑顔で踊る観客の姿が美しい。ライブの熱を四方八方から浴びる一夜となった。Text:吉羽さおりPhoto:小杉歩<公演情報>『w.o.d. presents TOUCH THE PINKMOON』東京公演4月13日(木) 恵比寿LIQUIDROOMセットリスト■8otto01. 赤と黒02. Romance03. China04. Counter Creation05. FUZIN⚡︎RAIZIN06. You Just Not Only One07. Generation 88808. SRKEEN09. Say■w.o.d.01. 199402. Kill your idols, Kiss me baby03. 楽園04. Fullface05. VIVID06. Dodamba07. THE CHAIR08. サニー09. オレンジ10. My Generation11. イカロス12. モーニング ・ グローリー13. Mayday14. 踊る阿呆に見る阿呆■DJ IWAMI TAISHI[開場中]01. James Blake「Coming Back(feat. SZA)」02. Big Thief「Flower of Blood」03. Massive Attack「Weather Strom」04. DJ Krush「Kemuri」05. Wu-Lu「South」06. Primal Scream「Kowalski」07. Beck「Loser」08. Red Hot Chili Peppers「Can’t Stop」09. Special Interest「(Herman’s) House」10. !!!「$50」11. Daft Punk「Get Lucky」12. Blur「Girls & Boys」13. The Strokes「Brooklyn Bridge To Chorus」14. Kendrick Lamar「i」15. Weeknd「Sacrifice(Remix)(feat. Swedish House Mafia)」[転換中]01.BOOM BOOM SATELITES「PILL」02.SCALPING「Chamber」03.The Vines「Get Free」04.Nirvana「Litium」05.Fontaines D.C.「A Hero’s Death」06.Primal Scream「Movin’o Up」07.Radiohead「My Iron Lung」08.The White Stripes「Icky Thump」END BGMNick Drake「Pink Moon」<ライブ情報>ワンマンライブ『バック・トゥー・ザ・フューチャーV』8月10日(木) 東京・恵比寿ガーデンホールOPEN 18:00 / START 19:008月17日(木) 大阪・梅田CLUB QUATTROOPEN 18:00 / START 19:00【チケット料金】前売:4,600円(税込)※ドリンク代別途必要オフィシャルサイト先行受付:4月24日(月) 23:59まで受付はこちら:公式サイト:
2023年04月21日4ピースギターロックバンド・ヤングスキニーが、フリーライブ『いつか僕は誰もが羨むバンドになってやるフリーライブ』を3月15日(水) に代々木公園野外音楽堂で開催した。快晴にも恵まれ平日の昼間開演ながらも、当日の来場者数は7,000人超え、そしてYouTube Liveでの生配信の同時視聴者数を合わせると総動員数10,000人以上という記録を達成。来場者にはメンバーの手書きナンバリング入りの“いつかの引換券付きチケット型カード”が無料配布されたが、用意されていた5,000枚が開演前に配布終了となった。ヤングスキニーとして初開催となるフリーライブは、昨年10月にリリースされSNSを中心に話題を呼んだバンドの代表曲「本当はね、」や、バンドとして初のリリース楽曲「世界が僕を嫌いになっても」、メジャーデビューシングル「らしく」、そして3月15日(水) 発売の1stフルアルバム『歌にしてしまえば、どんなことでも許されると思っていた』のタイトルの一節となっている「ごめんね、歌にして」など全12曲を披露。声出しOKが事前告知されており、観客から熱い声援やシンガロングする場面などもあり会場が一体となって盛り上がった。MCではかやゆー(Gt.&Vo.)が「今日は来ていただきありがとうございます。結成した2年半前には、こんな景色は全く想像していませんでした。ありがたいことに、沢山の人たちに聞いていただいて、沢山の人たちに恵まれて。良いメンバーに恵まれて、めでたくメジャーデビューすることができました。ありがとう」とコメント。また「あなたにしかできないことがあるはずです。誰に何て言われようと、自分がやりたいことを続けて、あなたらしく、これからも一緒に生きていければいいなと思います。これからもヤングスキニーをよろしくお願いします」と、感謝を伝える場面もあった。本編終了後、再びメンバーがステージに登場すると、オフィシャルファンクラブの開設と5月20日(土) にファンクラブ限定のフロアライブを開催することも発表され、観客からは拍手が起こった。そしてラストに「憂鬱とバイト」が披露され、曲間のMCではかやゆーが「みんなの憂鬱は僕たちが消すから!」と伝え、観客にエールを送った。最後はメンバーの口から観客に感謝の気持ちを伝え、フリーライブは幕を閉じた。本イベントの模様は3月28日(火) までの期間限定でアーカイブが公開されている。撮影:村井香<公演情報>ヤングスキニー『いつか僕は誰もが羨むバンドになってやるフリーライブ』3月15日(水) 代々木公園野外音楽堂セットリスト01. ヒモと愛02. ゴミ人間、俺03. 本当はね、04. 世界が僕を嫌いになっても05. 美談06. コインランドリー07. 好きじゃないよ08. 東京09. らしく10. ロードスタームービー11. ごめんね、歌にして-アンコール-憂鬱とバイトヤングスキニー『いつか僕は誰もが羨むバンドになってやるフリーライブ』※3月28日(火) 23:59までアーカイブ公開中<リリース情報>ヤングスキニー 1stフルアルバム『歌にしてしまえば、どんなことでも許されると思っていた』発売中ヤングスキニー『歌にしてしまえば、どんなことでも許されると思っていた』ジャケット●初回限定盤(CD+DVD):4,400円(税込)●通常盤(CD):2,970円(税込)【CD収録内容】※全形態共通1. ヒモと愛2. ゴミ人間、俺3. 本当はね、4. 美談5. コインランドリー6. 好きじゃないよ7. 夜のままで8. 東京9. らしく10. ごめんね、歌にして【DVD収録内容】※初回限定盤のみ■『保証はないけどあなたを幸せにできる気がするワンマンツアー Live at SHIBUYA CLUB QUATTRO』1. 東京2. ゴミ人間、俺3. ヒモと愛4. バンドマンの元彼氏5. ごめんね、歌にして6. 本当はね、7. コインランドリー8. また冬が終わって9. 憂鬱とバイト10. ロードスタームービー【店舗別購入者特典】・TOWER RECORDS特典 (TOWER RECORDS 全国各店 / TOWER RECORDS ONLINE):「シングルカットしてしまえばどんなことでも許されると思っていたカード」(ヒモと愛 ver.)・HMV特典 (HMV全国各店 / HMV&BOOKS online):「シングルカットしてしまえばどんなことでも許されると思っていたカード」(美談 ver.)・TSUTAYA特典(TSUTAYA全国各店/TSUTAYAオンラインショッピング):「シングルカットしてしまえばどんなことでも許されると思っていたカード」(ごめんね、歌にしてver.)・楽天ブックス特典:「シングルカットしてしまえばどんなことでも許されると思っていたカード」(夜のままでver.)・ビクターオンラインストア特典:「シングルカットしてしまえばどんなことでも許されると思っていたカード」(ゴミ人間、俺ver.)※(別途ご案内・現在は終了の)早期予約キャンペーンにてご予約の方も対象となります。※楽天ブックスでは、特典付き商品のカートがアップされます。特典をご要望のお客様は特典付き商品をお買い求め下さい。※上記各特典ともに数に限りがございます。※特典対象店舗は順次追加となることがございます。※一部、特典の取扱いが無い店舗もございます。※特典の内容・デザインは予告なく変更する場合がございます。※確実に入手をご希望の方は、事前に各店舗様へご確認いただくことをお奨めいたします。購入リンク:<ツアー情報>ヤングスキニー『歌にしてしまえば、どんなことでも許されると思っていたワンマンツアー』4月1日(土) 新潟・GOLDEN PIGS RED STAGE開場17:30 / 開演18:00(問)FOB新潟4月5日(水) 宮城・仙台darwin開場18:30 / 開演19:00(問)G.I.P4月8日(土) 北海道・BESSIE HALL開場17:30 / 開演18:00(問)SMASH EAST4月12日(水) 大阪・梅田CLUB QUATTRO開場18:00 / 開演19:00(問)Greens4月14日(金) 愛知・名古屋CLUB QUATTRO開場18:00 / 開演19:00(問)サンデーフォークプロモーション4月16日(日) 山梨・KAZOO HALL開場17:30 / 開演18:00(問)サンライズプロモーション東京4月18日(火) 香川・高松DIME開場18:30 / 開演19:00(問)DUKE4月20日(木) 広島・SECOND CRUTCH開場18:30 / 開演19:00(問)YUMEBANCHI(広島)4月22日(土) 福岡・BEAT STATION開場17:30 / 開演18:00(問)キョードー西日本4月27日(木) 東京・LIQUIDROOM開場18:00 / 開演19:00(問)サンライズプロモーション東京※チケットソールドアウト関連リンクOfficial HP::::(ヤングスキニー):(かやゆー):
2023年03月16日布袋寅泰が、ファンクラブ・スペシャルライブ『beat crazy Presents Special Gig B.C. ONLY +1 2022』の振替公演を2月26日(日) に東京・Zepp DiverCityで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。布袋寅泰のファンクラブ・スペシャルライブ『beat crazy Presents Special Gig B.C. ONLY +1 2022』(振替公演)を目撃した。ファンダムと向き合い、通常のライブやツアーではやらないレアな選曲が魅力のステージだ。いわゆるリリースやアルバムに紐づかない作品が聴けるという、どんな曲が飛び出すかわからない緊張と期待の高揚感。布袋は、今年で結成20周年となるファンクラブ『beat crazy』のスペシャルライブ『B.C. ONLY』について、「ある意味、僕にとって実験の場でもあるし。つべこべ考えず音を楽しめる場所でもあって、パーティーでもあり真剣勝負でもあり」と、MCで語っていたのが印象的だ。しかも、東京会場はZepp DiverCityというライブハウス。距離の近い、爆裂な臨場感に満ちたパフォーマンス。さらに、念願の歓声解禁である。3年間、まさに夢に見ていた光景だ。オープニングは「I’M FREE」。壮大な世界観を持つハイヤーセルフをテーマとしたロックチューン。布袋はピンクのジャケットを羽織り、ギターはZEMAITISのMETAL FRONTを使用。今回のバンドメンバーは、黒田晃年(Guitar)、井上富雄(Bass)、古田たかし(Drums)による4ピース。シーケンスの同期も使わず、骨太なバンドサウンドを「DRIVIN’ TO YOUR HEART TONIGHT」、「DOBERMAN」と続くロックナンバーをこれでもかとプレイ。キーボード、マニピュレーターのいるツアー時のアレンジとは異なる、ギターによるエフェクトを活用した生々しくもレアなプリミティヴなサウンドが耳に新鮮だ。緩急つけて、インストでのダンサブルなパーティーロック「FINGER SKIPPIN’ JIVE」や、レコーディングでは全ギターパートをブライアン・セッツァーに委ねていた「King & Queen」。さらに、シングル『さらば青春の光』のカップリングに収録された「七年目の幽霊」をプレイ。マニアックな選曲だ。さらに布袋は、ジェフ・ベックへ哀悼の意を表した。想いを込めてジェフ・ベック・モデルを用いて、自身のナンバー「ハウリング」を演奏した事は忘れられない。空間をせつなきミストでいっぱいにする、泣きの音色が響き渡った。中盤、SEが鳴り響き、スペシャルゲストにのんが登場するサプライズも。のんは、実は音楽活動もさかんに行っており、テレキャスターを愛好するギタリストでもある。思いがけないゲストに、沸き立つオーディエンスたち。こんなスペシャルなセッションが起こるのも『B.C. ONLY』の楽しいところだ。のんとは、音楽シーンを牽引した先輩であり、天国へ先に旅立だった高橋幸宏、鮎川誠への追悼としてグラムロック・テイストな「タイムマシンにおねがい」(サディスティック・ミカ・バンド)、ウォール・オブ・サウンド風な「ユー・メイ・ドリーム」(シーナ&ザ・ロケッツ)をプレイ。のんによる天をも貫く、ロッキンかつアッパーな歌声によってカバー。様々な思いがよぎり、思わず涙したオーディエンスも多かったことだろう。のんによるソリッドな8ビート・チューン「やまないガール」では、布袋は一歩後ろでギターに徹していた事も印象的だ。布袋による、ボーカリストを斜め後ろから見る視線からは、40年に渡る様々な物語が呼び起こされる。のんオリジナルによる本作は、ニューウェーブ調なビートの効いたロックソングであり布袋サウンドとの相性も抜群だった。のん曰く「布袋さんとこの曲を一緒に演奏できて、めちゃくちゃ楽しい!」とオーディエンス同様に盛り上がっていた。勢いはそのままに、曲順は前後するが布袋寅泰のロマンティックな側面である「Shape Of Pain」、「London Bridge」、「DANCING WITH THE MOONLIGHT」での煌びやかなプレイに酔いしれたフロア。さらに、とどめとして「BEAT EMOTION」、「C’MON EVERYBODY」では、聴き馴染みの深い人気チューンが、4ピースによる圧巻の演奏力によってフレッシュに繰り広げられ、会場は破裂寸前の大盛り上がりへ。オーディエンス全員のジャンプで、Zepp DiverCityがリアルに大きく揺れていた。なかでも「BEAT EMOTION」の間奏のスリリングな掛け合いは鳥肌ものだった。メンバーのスキルフルな極上のプレイに、度肝を抜かれたものだ。ラストは「サンキュー、beat crazy!今日はひさしぶりにみんなとロックンロール出来て嬉しかったです。(beat crazy結成)20周年と言わず、30周年、40周年と言わず50周年。60周年、70周年。とにかくいけるところまで一緒に行こうぜ!今日はありがとう!!!」と語り、最新アルバム『Still Dreamin’』から「Let’s Go」をプレイ。布袋寅泰音楽活動40周年を経て、さらなるネクストへと突き進んでいく決意表明をサウンドを通じて宣言した。本公演は、ライブ配信も行われ3月7日(火) までアーカイブ配信にて目撃可能だ。3月5日(日) までにファンクラブ入会すれば、3月7日(火) 19時のチケット販売終了に間に合う。もし、ファンクラブ・スペシャルライブ『B.C. ONLY』が気になった方は、これをきっかけに『beat crazy』への加入をオススメしたい。常に最新をアップデートし続ける驚きの布袋ワールド、その激レアなアナザーサイドがあなたを待っている。テキスト:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)撮影:山本倫子<公演情報>布袋寅泰『beat crazy Presents Special Gig B.C. ONLY +1 2022』(振替公演)2月26日(日) 東京・Zepp DiverCityセットリストI’M FREEDRIVIN’ TO YOUR HEART TONIGHTDOBERMANFINGER SKIPPIN’ JIVEKing & Queen七年目の幽霊ハウリングタイムマシンにおねがい [with のん]やまないガール [with のん]やるだけやっちまえ! [with のん]ユー・メイ・ドリーム [with のん]Shape of painBEAT EMOTIONC’MON EVERYBODYLondon BridgeDANCING WITH THE MOONLIGHTLet’s Go※本公演の模様を3月7日(火) 23:59までアーカイブ配信中。詳細はこちら:関連リンクOFFICIAL HP: Twitter: Facebook: Instagram: Twitter:
2023年03月01日XR技術で曲の世界観を演出した空間で、バーチャルとリアルとが融合したライブ「NeoMe Live Special」にBLUE ENCOUNTが登場、2月8日20時に配信がスタートした。この日は、最新ミニ・アルバム『Journey through the new door』のリリース日。これまで全国津々浦々のライブハウスをツアーし、またアリーナを観客で埋め、野外フェスで観客を沸かせてきたライブバンド、BLUE ENCOUNTだが、XRライブは初体験。最新作のタイトルの言葉を借りるなら、新たなドアを開いたライブである。曲数としては、全7曲によるセットリストとなったが、各曲NeoMeだけの演出が施され、ライブ初披露の新曲もプレイするなどスペシャルなライブとなった。ユーザー(観客)がアバターとなってバーチャル空間に入って、アーティストのライブやパフォーマンスを楽しむことができる、スマートフォンアプリ「NeoMe」。今回BLUE ENCOUNTが出演したアプリ内「DOME STAGE」は、頭上の半球型のドームにまでステージと一体化した演出が施され、XRならではの没入感が味わえるステージだ。通常の配信ライブとちがうのは、アバターとなった観客がジャンプやダンス、手拍子をしたり、また出演するバンド独自の“スタンプ”をアバター前方に物理的に飛ばしてリアクションをしたりと、観客としても空間を彩り、より没入感のあるライブに参加できること。まだまだ不思議な感覚ではあるが、ライブが進むにつれて楽しみ方がわかってきたのか、あるいは(アバターではあるが)恥じらいも薄れてきたのか、どんどんジャンプしたり踊ったり、スタンプを連打したりと、観客が躍動的になっていくのが面白い。もちろんこれも、バンドの演奏が白熱しているゆえだ。昨年から行なってきた全国ホールツアー「BLUE ENCOUNT TOUR 2022-2023~knockin’ on the new door~」を通して磨き上げ、力強くライブを幕開ける曲としてその存在感を示してきた「Z.E.R.O.」でスタートしたライブ。タフで高揚感のある高村佳秀(Ds)、辻村勇太(Ba)、江口雄也(Gt)によるアンサンブルと、エモーショナルな田邊駿一(Vo/Gt)のボーカルは、そのツアーの充実度を物語る。大きなスケール感がある一方で、聴き手ひとりひとりの心もぐっとつかんでいく握力もある。4人が重ねてきた時間、キャリアを積んできたバンドの今を感じさせる曲だ。この曲を皮切りに、前半は最新ミニ・アルバム『Journey through the new door』からの曲が並んだ。続いたのは、ライブ初披露となる「vendetta」。ライブ収録後のインタビューでは、通常のライブでの初披露とはちがった緊張感があったと語っていたが、BLUE ENCOUNTの新機軸となるグルーヴ感のあるサウンドと、曲の世界観を深紅と漆黒とで表現したエッジィな演出とがあいまって、曲の圧が凄まじい。細やかなフレーズやタッピングで曲のディテールを幾重にも広げる江口のギターも、NeoMeならではの巨大モニターで堪能できたりと、様々な角度から新曲の細部を見ることができるライブだ。MCでは、普段のツアーでも各地のライブに来てくれるという辻村の母が、今日もアバターでいるかもしれない!?という話で盛り上がりつつ、またXRライブだからこそできる演出を実演。田邊がパチンと指をスナップすると、ドーム内が一面日の出の空に、さらにスナップすると夕焼け空にと変化する。「新しい場所でライブをすることに戸惑いはありますけど、それを楽しむのもまたライブ」と田邊は語り、次の曲に合うのはこんな感じだと、更に指をスナップすると会場は静かな夜の風景に。遠くで花火が打ち上がる叙情的な映像演出が醸し出すムードの中で、「終火」が美しく映える。そしてライブ後半戦は、鉄板と言えるキラーチューンが並んだ。ワン、ツー、スリー、フォー!の掛け声とともにスタートしたのは、「バッドパラドックス」。毒ぽい曲の濃度をさらに引っ張り上げるようなドラッギーでサイケデリックな演出が、バンドのテンションを上昇させる。続く「VS」は、これまでのライブならば“Lai lai la lai lai”のシンガロングが巻き起こる曲だが、今回はNeoMe特別仕様。「みんな、“あの”スタンプ押しちゃって!」(田邊)というコールとともに、会場内(画面上)が“LAI”のアルファベット3文字を模したスタンプで埋め尽くされ、観客たちも一段と楽しそうだ。バーチャル空間ではあるが、インタラクティブなやりとりでライブが完成している。ステージ上に電飾を吊るして幻想的な雰囲気の中披露された「灯せ」での汗だくでのパフォーマンスは、その熱気も伝わってくる勢いだ。背景のLED映像では、スローシャッターにしたカメラでメンバーのアクトを撮影し、それをリアルタイムで投影するという、映像演出的に新しい取り組みも取り入れられた。結成18年、いろんな場所でライブをしてきたとMCをした田邊。それでもまだまだ行ったことがない場所がある、進んでいけばまだ新鮮な場所に出会えるんだと、この「NeoMe Special Live」に出演の感触を語った。この春、メンバーの辻村がさらに音楽を学び、探求すべく渡米し、2拠点での活動となるBLUE ENCOUNT。ミニ・アルバム『Journey through the new door』は新たな扉を開いたその一歩を刻んだ作品となったが、今回のライブを通して、「これを観ている皆さんも、臆することなく挑戦をして、新たな場所を見つけてみませんか」(田邊)と語りかける。そしてラストに送ったのは、バンドのアイデンティティを封じ込めた力強いアンセム「青」。バンドの歴史やこの日のライブの瞬間、瞬間が走馬灯のように繰り広げられる演出と、最後に“BLUE ENCOUNT”のロゴを背負って、《あなたらしく 青に挑め》と大きく鳴り響いた声は、熱く、リアルに胸を打った。2月11日には、辻村渡米前の最後のライブとなる日本武道館で「BLUE ENCOUNT TOUR 2022-2023 ~knockin’on the new door~FINAL」が開催された。この「NeoMe Special Live」は、2月14日(火)の各20時よりアーカイブ配信があるので、武道館公演とはまた一味違ったライブ体験を楽しでほしい。<ライブ情報>NeoMe Live Special 〜BLUE ENCOUNT〜アーカイブ配信:2月14日(火) 20:00〜開催場所:バーチャルライブアプリ「NeoMe」内・ドームステージ【チケット料金】価格:3,000円(600ジェム)■コラボアバターグッズセットチケットチケット+サッカーシャツ:3,320円(664ジェム)チケット+フェスT青・黒:各3,320円(各664ジェム)チケット+背中にブルベア+頭のせブルベア:3,800円(760ジェム)※コラボグッズはアプリ内のグッズSHOPでも購入が可能です。【対応環境】■iOS推奨および対応OS:iOS13.0以降推奨端末:iPhone X 以降対応端末:iPnone8 以降■Android推奨および対応OS: Android9.0以降推奨および対応RAM:4.0GB以上搭載のスマートフォン及びタブレット端末「NeoMe」ダウンロードURL・App Store:・Google Play:関連リンク公式HP::::
2023年02月14日ライブシーンで注目となる、次世代を担うニューカマーたちによる完全招待制ライブ「Invitation to TRIAL GATE」の第4弾が、1月21日に渋谷・TOKIO TOKYOで開催された。今回の出演は、LMYK(エルエムワイケー)、Hana Hope(ハナ ホープ)、由薫(ゆうか)、Foi(フォイ)という女性シンガーソングライター4組。それぞれ海外にもルーツや所縁を持ちグローバルな活動が期待できるアーティストが揃う一夜ということで、会場はたくさんの観客が詰めかけた。最初に登場したのは、ドイツ人の父と日本人の母を持つシンガーソングライターLMYK。その音楽、歌声を聴いたジャム&ルイス(ジャネット・ジャクソンやビヨンセ、宇多田ヒカルを手がける)がプロデュースを申し出た注目のアーティストだ。LMYK2021年にリリースしたシングル「0(zero)」は日本語ver、英語verがあり国内外でリスナーを獲得。ライブではこの「0(zero)」からスタート。鍵盤&マニピュレーターとのミニマルなセットで、クールな打ち込みのビートに歌を響かせていく。そのボーカルはエアリーで物語性を帯びていて、大きな音が鳴っているのにも関わらず、会場に静謐な時を運んでくる不思議な味わいがある。この日が今年初めてのライブで、緊張はしていると語りながらも楽しみに来たと笑顔をのぞかせながら、まだリリースはされていない「It’s so fun」や「Tendency」「Sorakara」等美しいメロディと言葉とを紡ぐ。観客はじっくりと言葉ひとつをかみしめるように聴き入っている。また後半には、現在アニメ「ヴィンランド・サガ」SEASON 2のエンディングテーマに起用され2月に配信リリース予定の新曲「Without Love」を披露した。遥かな時間を想起させるフォーキーなメロディ、歌心にフロアから大きな拍手が湧く。一転してトリップホップ的な「Little bit lonely」、そしてあたたかに語りかけるデビューシングル「Unity」をそっと手渡すように歌い上げた。続いて登場したのは、昨年16歳でデビューし、1stシングル「Sentiment/Your Song」がさまざまな音楽プレイリストで紹介され、またFM局を中心にパワープレイされた、Hana Hope。ソロデビュー以前から、高橋幸宏や細野晴臣らとの共演を果たし、TOWA TEI、ROTH BART BARON等の曲ではゲストボーカルとして招かれ、TVCMでの歌唱、また細田守監督の映画『竜とそばかすの姫』には声優で起用されるなど、どこかでそのピュアでオーガニックな“声”に触れているかもしれない。Hana Hopeこの日のステージでは、ウクレレをポロポロと奏でながら16歳の等身大の心情やこれからへの思いを綴った「16〜Sixteen」からスタートして、ROTH BART BARONによる「Dawn Dancer」、1stシングルの「Your Song」へと続いていった。Hana Hopeもまた鍵盤&マニピュレーターによるセットで、歌声に熱心に耳をすます観客を前に緊張の色をにじませながらも、1曲、1曲を丁寧に編み上げていく。ウクレレという素朴な生の音でも、ファンタジックなサウンドやポップワールドの住人になったようなキラキラとしたサウンドの中でも、そのボーカルはしなやかで凛とした印象を残す。この歌声だからこそ、続く「きみはもうひとりじゃない」のような曲がとても似合う。加藤登紀子が詞を江崎文武(WONK、millenium parade)が作曲を手がけたシンプルにして深遠な心の哲学を、微笑みのような柔らかさで伝えられる歌声は大きな強みだ。「それでも明日は」の冒頭でのアカペラパートの引力もあり、そのステージにはフロアから大きな拍手が贈られた。イベントも後半に突入して、転換中「軽くリハーサルをします」とギターをかき鳴らして「Fish」を歌ったり、「みなさん立ちっぱなしで大変だと思うので、またすぐに出てきます!」と場を和ませてくれたのは、由薫。幼少期をアメリカやスイスで過ごし、テイラー・スウィフトを入り口にギターを手に取り10代からオリジナル曲を作りはじめて、昨年、映画主題歌に抜擢された「lullaby」でメジャーデビューを果たしたシンガーソングライターだ。このライブでは、ギタリストとマニピュレーターとの3人のステージで、より歌に焦点を当てたパフォーマンスで魅せた。ルーツにある洋楽的なメロディラインとJ-POPのキャッチーさが混じり合った、ノリやグルーヴがあるメロディと憂いを帯びているがあたたかな温度感があるボーカルが、シンプルなサウンドに映える。由薫メロウに紡ぎあげる「my friend」では観客にもゆったりと手を振らせ、「No Stars」では静かに心の火を灯し続けるエネルギーをフロアに注いでいく。デビュー曲である「lullaby」や冬のラブソング「ヒヤシンス」に続いて披露したのは、現在、テレビ朝日系ドラマ「星降る夜に」の主題歌として作品を彩る「星月夜」。ONE OK ROCKのToruがプロデュースを手掛けるこの曲についてはもちろん、ドラマについても熱っぽく語る姿に観客も思わず笑顔になっている。主題歌をはじめ今年は3月にはアメリカでのショーケース「2023 SXSW Music Festival」出演が決まるなど、活動の密度が増していくとのこと。ぐっとボルテージを上げたラストの「gold」は、そんな希望に満ちた2023年へのエールとして響き、会場は大きな手拍子で包まれた。この日、ラストは唯一のバンドセットで登場した、日中にルーツを持ったシンガーソングライターFoi。池田優太(Key/BREIMEN)、土器大洋(G/MO MOMA)、萩原知也(B/Absolute Area)、阿部優樹(Ds/Mellow Youth)というメンバーで、Foi曰く気合いを入れようと全員お揃いでネイルをしたという。その甲斐あってか、いやもともとFoiの陽性のキャラクターもあってか、そのステージはパワフルでエモーショナルで、晴れやかだ。Foiイントロダクションとなる「HER」から「Bad Friend」、そして「Countman」へと、前半は透明度の高いボーカルが切なさを加速させる曲でぐっと観客をつかんだと思うと、中盤はバンド・アンサンブルのボリューム感と躍動感のある歌を存分に味わうブロックへ。グルーヴィな演奏に自ずと観客がリズムをとる「婆娑羅」では、Foiはさらに手拍子を求めて「楽しんで」と声を上げる。サポートを務める土器がアレンジャーで参加し、昨年11月にリリースした疾走感のあるシングル「さよなら」では、キレのあるロックなサウンドの上を自由にはね回るようなボーカルを聴かせる。クールで抑えたトーンからハイトーンまで、軽々と行き来するボーカルが曲のスピードをあげる。クライマックス感もあって盛り上がる会場に、「まだ帰せません」と最後にプレイしたのは、「愛」。再びビター&スウィートな雰囲気で会場を包み込んで、繊細な歌声を響かせる。一筋縄でいかないキャラクターとその音楽とで最後まで観客を翻弄しながら、全4組による充実した「TRIAL GATE Vol.4」を締めくくった。Text:吉羽さおりPhoto:板場俊<公演情報>「TRIAL GATE Vol.4」1月21日(土) 東京・TOKIO TOKYOセットリスト■LMYK1. 0(zero)2. It’s so fun3. Tendency4. Sorakara5. Without Love6. Little bit lonely7. Unity■Hana Hope1. 16〜Sixteen2. Dawn Dancer3. Your Song4. きみはもうひとりじゃない5. Sentiment6. それでも明日は■由薫1. my friend2. No Stars3. lullaby4. ヒヤシンス5. 星月夜6. gold■Foi1. HER2. Bad Friend3. Countman4. 婆娑羅5. さよなら6. 愛関連リンクLMYKオフィシャルサイト: Hope 各種リンク:由薫オフィシャルサイト:オフィシャルサイト:
2023年02月01日SUPER★DRAGONが、ファンクラブ限定ライブ『For BLUE』の振替公演を、1月19日・20日に神奈川CLUB CITTAʼにて開催した。昨年夏に大阪・名古屋・神奈川で行う予定だった今回のツアーだが、コロナ禍の影響を受けて神奈川公演のみが延期に。ファンクラブ限定だけあり、通常のストイックなステージングからは想像もつかない“ユルい”姿も垣間見せながら、待たせたぶんだけ濃密な時間を“BLUE”と呼ばれるファンと分かち合いたいという、まさしく『For BLUE』なステージで、2日間3公演にわたり遅れて来た“夏”を楽しんだ。昨年5月からの毎月連続リリースで夏らしい楽曲も新たに多数発表し、新境地を拓いてきたSUPER★DRAGON。開演ベルならぬ機内アナウンスが流れると、飛行機の座席になぞらえたキャスター付きチェアを9人は巧みに操り、座ったままで移動するダイナミックなダンスパフォーマンスで、南の国を目指すフライトは飛び立った。そして7月リリースの「Summer Party」に6月の「Cruisinʼ」と、涼やかな夏風を感じさせるナンバーでライブはスタート。色鮮やかなアロハシャツをまとって、ピタリと動きの揃った軽快なダンス&甘い歌声とシャイな心情の滲んだラップで魅惑のビーチへとオーディエンスを誘う彼らに、客席からはグループカラーである⻘のライトスティックが掲げられる。「年末年始、逃避行で常夏の島にみんなで来た」という古川毅の言葉通り、ステージにはパラソルやビーチチェア、浮き輪にピーチボールが。伊藤壮吾いわく「BLUEのみんなと僕たちの貸し切りビーチ」を舞台に、夏をネタにしたトークからは、メンバーが二手に分かれてFC企画ならではのゲームバトルに突入する。最終日の昼公演では流し素麺派と冷やし中華派が“スイカ早割り競争”で戦い、流し素麺チームのジャン海渡と古川が抜群のチームワークによりスイカを瞬殺。続いて、出されたお題をBLUEがジェスチャーでメンバーに教える“ジェスチャーゲーム”では、両チーム30秒で9ポイントと大健闘するものの、総合点で負けた冷やし中華チームの田中洸希がBLUEにブチ切れて、メンバーに宥められる一幕もあった。夜公演では、マリンスポーツならサーファー派とフライボード派に分かれ、松村和哉をMCに“ビーチバレーしりとり”と“以心伝心ゲーム ”で対決。しりとりでは謎のワードが頻出して審議の嵐となり、以心伝心ゲームでは“スパドラで一番可愛いのは?”という設問にサーファーチームは全員が志村玲於の名を挙げて、最年⻑を照れさせた。“夏に聞きたいスパドラの曲は?”という問いに「Summer Breeze」で一致したフライボードチームも追い上げ、白熱の末にドローとなるが、最終的にはしりとりで勝ったサーファーチームが勝者に。そして敗者チームには、続く「ゲットレジャーニー」の曲中で、メッチャ苦いお茶を飲む(昼)、ゴムパッチン(夜)という罰ゲームが執行された。レゲエ調の脱力したムードのなか、昼公演で濃度を増した激苦茶を飲んだ面々は歌やダンスを放棄し、ステージ上を転げまわって、メインボーカルの池田彪馬もただ茫然と立ち尽くすばかり。夜公演では「(今回のゲームに)勝ったことない!」と憤る田中が、同い年の伊藤から容赦ないゴム攻撃を食らって「痛ッ! タレントの顔傷つけんな!」と大爆発。普段はクールなイメージの強い彼のこんなキレ芸も、通常のSUPER★DRAGONライブでは絶対に見られないものだ。ここで振替公演まで5カ月ものあいだ待たせたお詫びと、来てくれたことへの感謝として、8月に配信リリースされた「So Woo」を特別にパフォーマンス。引き出しの多いラップ&ボーカルで表現力豊かに魅了し、情熱的なダンスと田中の攻撃的なヒューマンビートボックスで、場内の時間を灼熱の夏へと巻き戻す。“求愛”を意味するタイトルの通り、それはまさしくBLUEに対する最高の愛情表現だったろう。さらに、夏祭りの会場を舞台にしたコントで9人は様々な役所を演じ、田中と池田のキュン台詞や、ジャンと柴崎楽の浴衣カップル、犬の着ぐるみで登場した伊藤らに客席は大盛り上がり。そこから“誰が一番キュンとする一言を言えるか?”という、彼らのFCイベントではお馴染みの大喜利タイムが繰り広げられる。“二人きりのビーチでカッコいい告白”というお題の昼公演では、柴崎が「この海を君と一緒に、一生見られたらいいな」と微笑んで優勝。夜公演では“彼女と二人きりのときに甘える一言”で今ひとつピンと来ない台詞を吐く志村と田中に対し、飯島颯が「肩貸して、しばらくこのままいさせて」と満点の答えを出して、客席から拍手喝采を受けた。浴衣に警官、屋台のお兄さんにテキ屋、おじいさんと犬というカオスなビジュアルで、そのままバラエティ豊かな日替わり曲が披露されたのもFC限定だからこそ。初日の和ミクスチャーな「SAMURAI」に続いて、2日目の昼公演はポップな「雨ノチ晴レ」でメンバー同士はしゃぎ、夜公演では鉄板曲の「PAYAPAYA」でセンターに立つや、突然、手でウサ耳を作った年男の志村にメンバーもならってBLUEを沸騰させた。「最後までブチ上がっていこうぜ!」伊藤、田中、池田、松村、柴崎によるMCでは、年末年始の過ごし方をトークしたり、田中が20歳の誕生日を迎える2月27日に発売する1st写真集について「挑戦をテーマに韓国でロケした。需要と供給しか詰まってない!」と主張したり。その間に全身シックな白の衣装に着替えた志村、古川、ジャン、飯島の4人が再登場すると、グループ内ユニットが楽曲を交換してパフォーマンスするという、これまたレアな光景が現れる。まずは年⻑組のファイヤードラゴンが、年少組サンダードラゴンのラブソング「真冬の熱帯夜」を紳士なオーラでアピール。飯島が松村のラップパートを担当したりと、ここでしか見られない見所も満載で、同じく白衣装に着替えたサンダードラゴンは、ファイヤードラゴンの「Piranha」を初パフォーマンスしてみせた。“ピラニア”というタイトルを体現するように、食らいつくような5人の表情は今までに見たことのないもので、法的には全員が成人を迎えた彼らの成⻑を思わせる。そして再びステージに全員が揃い、ジャンがかき鳴らすアコースティックギターに乗せて贈られたのは「Distance」。ダンサー陣もタンバリンやカホンなどの鳴り物でリズムを取り、BLUEのクラップと共に温かな空気を醸し出して、「キャンプファイヤーを囲むようなイメージ」(古川)を再現する。場内に大きな拍手を呼んだひと時は、実は360度カメラで撮影されており、後日ファンクラブで映像が公開されるというので、ぜひチェックしてほしい。真昼のビーチ、夕暮れのお祭り、そして夜のパーティーへと場面は進み、銅鑼の音が始まりを告げる「WARNING」からは、松村いわく「『For BLUE』というタイトルに恥じぬような」メドレーが展開。夏の恋を彷彿させる「Ringing, Love」に続くと、「最後までブチ上がっていこうぜ!」というジャンの号令で「Mada` Mada`」に「Shut up, Shout out」と切っ先鋭いラップが挑発し、明滅するライトとタフなダンスが目を焼くヘヴィロックを畳みかける。さらに、共にタオルを回す一体感の中に確かな絆を感じさせる全英詞曲「Dragonfly」で生まれるのは、夏の暑さのみならず、身の内から湧き上がるような熱。どれだけコミカルなシーンで笑わせても、結局は心を揺り動かして熱い感慨を残すのは、SUPER★DRAGONライブの大きな特徴である。胸震えるような余韻のなか、ライブを締めくくったのは連続リリースの第1弾で、SUPER★DRAGONの新たな扉を開いたポップチューン「Brand New Music」。頭上に回るミラーボールの光に負けないほど眩い未来を感じさせる響きに、客席のライトスティックも勢いよく揺れ動く。ライブタイトルに掲げられた『For BLUE』というワードは、今回に限らず常に持っている気持ちだと古川が語っていたように、この⻘い光は彼らの絆と互いに向けられた愛情の象徴でもあるのだろう。3月1日(水) には5thアルバム『mirror』をリリース。作詞や楽曲プロデュース、アートワークやスタイリングにメンバー自身が携わっており、ジャンの発案によるタイトルには“まずは鏡に向かって自分と見つめ合え”という想いが込められているのだという。3月25日(土) には念願だったパシフィコ横浜でのワンマンライブ『Persona』も決定。さらに、5月から全国5都市6公演を回るホールツアー『∞〜 INFINITY 〜』の詳細も終演後に発表された。果てなき無限の未来に向かって、2023年も9人は進み続ける。文=清水素子<公演情報>『For BLUE』振替公演2023年1月19日(木)・20日(金) 神奈川・CLUB CITTAʼ【セットリスト】M01. Summer PartyM02. Cruisin’■コーナー119日公演:ビーチバレーしりとり / 以心伝心!!「大切な想い出」ゲーム!!20日公演:スイカ早割り競争 / 教えて BLUE!ジェスチャーゲーム!(1部)/ビーチバレーしりとり / 以心伝心!!「大切な想い出」ゲーム!!(2部)M03. ゲットレジャーニーM04. SoWoo■コーナー2お祭りシーン導入コントシチュエーション大喜利M05. 19日公演:SAMURAI/20日公演:雨ノチ晴レ(1部)/PAYAPAYA(2部)M06. 真冬の熱帯夜M07. PiranhaM08. Distance~Acoustic ver~M09. WARNINGM10. Ringing, LoveM11. Mada`Mada`M12. Shut up,Shout outM13. DragonflyM14. Brand New Music<ツアー情報>『∞〜 INFINITY 〜』■2023年5月19日(金) 千葉・市川市文化会館開場 17:30 / 開演 18:305月20日(土) 千葉・市川市文化会館開場 16:30 / 開演 17:306月4日(日) 宮城・東京エレクトロンホール宮城開場 16:15 / 開演 17:006月25日(日) 愛知・名古屋市公会堂開場 17:45 / 開演 18:307月9日(日) 大阪・NHK大阪ホール開場 17:45 / 開演 18:307月16日(日) 東京・TOKYO DOME CITY HALL開場 17:30 / 開演 18:30<リリース情報>SUPER★DRAGON ニューアルバム『mirror』2023年3月1日(水) リリースSUPER★DRAGON『mirror』FC限定盤ジャケット●FC限定盤(CD+Blu-ray+60pブックレット):7,700円(税込)※BOX仕様●通常盤(CD):3,300円(税込)【CD収録内容】※全形態共通M1. Are U Ready?(新曲)M2. Revolution(新曲)M3. So WooM4. Don’t Turn It Down(新曲)M5. Pretty Girl(新曲)M6. Honey BabyM7. Not EnoughM8. 相合傘(新曲)M9. Indelible MagicM10.Hey, girlM11.Tap tap tap!(新曲)M12.Pop Star(新曲)【Blu-ray収録内容】※FC限定盤のみ■『Special Live2022 Move On!!!!!!!!!』2022年9月25日豊洲PIT 2部公演1.OVERTURE2.So Woo3.Cruisin’4.Pioneer(Keep It Real)5.MC6.Jacket7.My Playlist8.Ringing, Love9.Caravanサンダードラゴン from SUPER★DRAGON10.On My Way ファイヤードラゴン from SUPER★DRAGON11.夢で逢えたら12.Beat Box〜Set It Off〜13.Monster! INTER(Dance Part)14.Monster!(Remix Ver.)15.PANDORA16.SAMURAI17.Bad Day18.MC19.Indelible Magic20.Purple Moon21.Distance22.Dance inst.23.BAD BOY24.BADASS25.Shut up, Shout out26.Dragonfly27.SWEET DEVIL28.君は1000%(Vantage Remix)29.MC30.Brand New Music31.MC32.-Tweedia-CD購入特典会情報詳細:店舗販売特典詳細:<ライブ情報>SUPER★DRAGON SPECIAL LIVE『Persona』2023年3月25日(土) パシフィコ横浜 国立大ホール開場17:00 / 開演18:00関連リンク公式サイト:::::
2023年01月21日12月25日のクリスマスに、Wiennersのワンマンライブ「Wienners Xmas 2022」の東京公演が吉祥寺WARPにて行われた。クリスマス・イヴに行われた大阪・心斎橋PANGEAと合わせて2日間連日でのライブを開催する今回のイベント。この日は、クリスマスという特別感だけでなく、Wienners誕生の地であるWARPでのライブという意味での特別感もあり、ソールドアウトで迎えられた満員の会場は期待とワクワク感で満たされていた。「メリークリスマス、吉祥寺!弁天通りへようこそ!」との玉屋2060%(Vo/Gt)の一声をきっかけに「Love2060%」で幕開けると、続けてビートの強さと愛情豊かな歌詞が心をくすぐる「子供の心」をプレイ!「永遠の愛を 吉祥寺のみんなへ!」というアサミサエ(Vo/Key/Sampler)の粋な歌詞変えに対し、オーディエンスも大歓声とシンガロングで応える。この日はソールドアウト公演ということに加え、事前に募集していたファンからのリクエストに応える形で組んだセットリストを演奏するということで、渦巻く熱気も一入だったし、規制のない満員のフロアを観たメンバーも喜びを露わにしていた。そしてそこから「お前の為の一夜だぜ!」と更にオーディエンスを鼓舞すると、「DIAMOND DUST」でライブハウスを白銀の雪がきらめく景色に誘うと、∴560∵(Ba/Cho)とKOZO(Ds)による力強くも疾走感溢れるビートが気持ち良い「DEAR MY OCEAN」、ムワっとした灼熱の熱帯雨林を想起させるのサマーチューン「恋のバングラビート」を怒涛の勢いで届ける。楽曲毎にそれぞれの季節をしっかりと感じさせつつも、どの曲も極彩色で描かれており、メロディの煌びやかさが眩しい。この後に、最新アルバム『TREASURE』のCDに収録されている「Magic Bullet Music」(アサミサエver.)と「MY LAND」が届けられたのだが、ツービートの激しさはありつつも、アサミサエのキュートな歌声とカラフルな照明が相まって、極上のポップチューンへ昇華していく。このエネルギッシュとポップの絶妙かつ抜群のバランス感覚はまさにWiennersマジックと呼ぶに相応しいし、彼らの音楽を前にすると、無自覚のままハッピーになれる。「MY LAND」に入る直前に、玉屋が「自分開放するしかなくない!?」と呼びかけていたのだが、まさにそうさせる力を持っているのがWiennersというバンドだ。この時代、楽しむことに躊躇してしまいそうになることもまだあると思う。だからこそ、瞬発的に心のリミッターを外してくれて、頭で考える前に「楽しい!気持ちいい!サイコー!」と思える領域にトリップさせてくれる。そういう音楽をずっと鳴らし続けてくれているWiennersの存在には、感謝しかない。真面目さも大事、考えることも大事。でもライブハウスでは、心を裸にして音に乗っかって、想いのままサーフして、人の目の気にせずにブチ上がればいい!それがライブってもんだろう?――彼らはそう言ってくれているように思う。ライブ中盤では、「イヴ(前夜)」ならではのワクワク感や、好きな人と付き合う前のドキドキ感を落とし込んだ「マイノリティ」、懐かしさと慈愛溢れる「愛鳥讃歌」、さらに「日本中 I WANT YOU」を特別バンドバージョンで届けていく。今回のリクエスト企画について「普段はやらない曲にスポットライトを当ててくれてありがとう!」と、リクエストしてくれたファンに改めて感謝を告げると、そこから人気No.1だったという「カンフーモンキー」、さらに「VIDEO GIRL」と続けてスパークしていく。「銀河系一、冬が似合わない曲」との紹介でプレイされた「SOLAR KIDS」や「HORO NOVA AZIO」では、シンガロング、クラップ、ジャンプなど盛りだくさんの爆発的お祭り騒ぎを巻き起こす!人間の爆発力を肌で感じられる、そんな光景を目の当たりにした玉屋は、コロナ禍を経て、様々な制約を超えた先に迎えたこの日、一年間の感謝と共に、「帰ってきたとか、戻ってきたという訳ではなく、進んでここに来れたという実感が、とてつもなく湧いています」と伝えた。その上で、「来年の俺たちは半端ないことになるっていう予感しかしてないから!もたもたしていると置いていかれちゃうからね?ついてこれるよね?その代わり、すんげぇもんを見せてやるから、これからも宜しくお願いします!」と固く約束した後に、「さあこっちへおいでよ/もっと叶えてあげるから」という歌詞を宿した「Hello,Goodbye」で更なる期待感を煽りつつ、「ゆりかご」と「雪国」を経て、ラストは「最後は無礼講!今日一番狂った踊りを見せてください、日本人たちよ!かかってこいや!」との気合の一声から「SHINOBI TOP SECRET」、「よろこびのうた」で堂々かつ豪快に祭りの幕を引いた。熱望されたアンコールでは、SPARK!!SOUND!!SHOW!!のイチロー(Ds/Cho/169)がゲストとして登場し、Wienners&イチローが用意したプレゼント争奪じゃんけん大会が開催され、クリスマスらしいサプライズイベントにオーディエンスも大興奮。そんなテンション爆上がりのフロアに向かって「蒼天ディライト」、さらに「この曲を、俺とお前で吉祥寺WARPにブッ刺そうぜ!」と「GOD SAVE THE MUSIC」をブチ込み、本編からアンコールに至るまで、聖夜をド派手に彩った。Text:峯岸利恵Photo:かい<公演情報>Wienners「Wienners Xmas 2022」12月25日 吉祥寺WARPセットリスト01. Love2060%02. 子供の心03. DIAMOND DUST04. DEAR MY OCEAN05. 恋のバングラビート06. Magic Bullet Music(アサミサエver.)07._MY LAND08. マイノリティ09. 愛鳥讃歌10. 日本中 I WANT YOU(バンドver.)11. カンフーモンキー12. VIDEO GIRL13. SOLAR KIDS14. HORO NOVA AZIO15. Hello,Goodbye16. ゆりかご17. 雪国(Xmas ver.)18. SHINOBI TOP SECRET19. よろこびのうたEn1. 蒼天ディライトEn2. GOD SAVE THE MUSICEn3. よろこびのうた<ライブ情報>『BATTLE AND UNITY TOUR 2023』2月20日(月) KYOTO MUSE2月22日(水) 福岡LIVEHOUSE CB2月24日(金) 広島SECOND CRUTCH3月3日(金) 仙台MACANA3月5日(日) 名古屋CLUB QUATTRO3月7日(火) 渋谷CLUB QUATTRO3月9日(木) 梅田CLUB QUATTROチケット情報はこちら:関連リンク公式サイト::::
2023年01月05日曲が持っている求心力とRQNY自身のアーティストとしての存在感だけで、目が離せなくなる。RQNY(ロニー)が、12月4日に初のワンマンライブ『LIVE AFTER THE PAIN(TS)』を行った。場所は渋谷TOKIO TOKYO。フリーライブということで、小さなライブハウスのフロアに集まったのは応募から選ばれた観客のみ。おそらく初めてRQNYの姿を目の当たりにする人がほとんどだろう。今年8 月31日に1st EP『pain(ts)』をリリース、謎めいたベールに包まれたまま楽曲の力だけで噂が広まりつつある彼。ライブハウスで対バンを繰り広げ叩き上げてきたようなタイプではない。そもそも現時点でステージに立ったことも数回しかない。かと言って動画サイトやSNSで注目を集めてきた“ネット発”のタイプ でもないし、ヒップホップのアーティストのようにフィーチャリングや客演で名を広めてきたわけでもない。あらゆるシーンに属さず、孤高のスタンスのまま音楽活動を行ってきた。ということもあって、集まったお客さんにとっては初めてのことだらけだっただろう。現時点で世に発表された曲も数曲しかないし、そもそもどんなスタイルでライブをやるのかということ自体、あまり知られていない。初のワンマンは、とても鮮烈なライブだった。ステージはDATSのMONJOEを従えた、1本のマイクとひとりのDJという編成。演出や仕掛けもなく、MCもほとんどなく、ひたすらビートに乗せて歌っていく。オープニングから未発表曲を披露し、オーディエンスへも「RQNYです、よろしくお願いします」と挨拶したり「ありがとう」と告げたりする以外はほぼ言葉を挟むことなく立て続けに歌っていく。かなりミニマルなパフォーマンスだ。それでも惹き込まれるようなものがあった。曲が持っている求心力とRQNY自身のアーティストとしての存在感だけで、目が離せなくなるような感じがあった。まずシンプルに歌がいい。ピッチもフロウもビシッと決まっていて、加えて声に独特の色気のようなものが宿っている。そして、楽曲自体にはダークで内に向かうようなテイストを持つものも多いけれど、ライブのパフォーマンスには目の前のオーディエンスを巻き込んでいくようなテンションが宿っている。「夢に戻り目を覚ます」では観客に呼びかけハンドクラップで熱狂を生み出していく。インタビューではマイケル・ジャクソンが音楽との出会いと憧れになりXXXテンタシオンに触発されて表現を始めたということを語っていたRQNY。たしかにそのふたつのアーティストの要素を感じるようなパフォーマンスでもあった。そして「怒り」が自らの音楽の原動力になっているということも語っていたが、実際にライブで観ると、音源だけを聴くよりも格段にそのことが伝わってきた。名状しがたい抑圧のようなものがあって、そこからの解放として音楽が鳴らされている感があった。身体を揺らす熱量が伝わってくる感じがあった。そういう意味でも、未発表ながらすごく鮮烈なインパクトがあったのが「合図」という曲。「三日月の夜」から「alone」という孤独や不安や焦燥を綴った曲に続けて披露したこの曲は、前のめりで疾走感あるビートに乗せてシャウトする一曲だ。荒々しくフィジカルなパワーがあった。後半は雨音のSEに続けて披露した「雨の魔法」から「戻れたなら」「流星」など『pain(ts)』収録のナンバーがセットリストの中心。当初は固唾を呑んで見守る感じだったオーディエンスの感じにも、どんどん熱気に満ちたムードが生まれていく。クライマックスになったのは終盤の「Lone Wolf」から「live for」、そして「shame」への流れだった。「どうせ俺は1人だけど悪くない」と歌う「Lone Wolf」も、「バカにされぬように今死ぬ気でここを踏みしめてるんだ」と叫ぶ「live for」も、RQNYというアーティストの信条を生々しく伝えるもの。オーディエンスを煽りハンドクラップを巻き起こした「shame」も迫真のパフォーマンスだった。次回のワンマンは4月8日(土) に決まった。彼の音楽が持っている巨大な求心力とポテンシャルからすると、いずれ“現象”が追いついてくる予感がある。この先沢山の人が彼の音楽に触れるのが楽しみになるような一夜だった。Text=柴那典Photo=石川浩章<公演情報>RQNY 1st ONEMAN LIVE『LIVE AFTER THE PAIN(TS)』2022年12月4日(日) 渋谷 TOKIO TOKYO【セットリスト】01. 13の正夢02. カジノ03. 夢に戻り目を覚ます04. 新曲(タイトル未定)05. 本性06. トラウマ07. 三日月08. alone09. 合図10. 破壊者11. 幸せのバネ=強欲の果て- Inst-12. 雨の魔法13. エゴ part114. 新曲(タイトル未定)15. 戻れたなら16. 流星17. Lone Wolf18. live for19. shame20⃣. No Love<ライブ情報>RQNY 2nd ONEMAN LIVE2023年4月8日(土) 東京・SPACE ODD開場17:00 / 開演18:00『RQNY 2nd ONEMAN LIVE』告知画像【チケット情報】料金2,000円(ドリンク代別途必要)■「ぴあ」アプリ最速先行受付受付期間:12月8日(金) 18:00~12月19日(月) 23:59応募方法1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!お問い合わせ:SMEライブクリエイティブメール: SME.Inquiry@sonymusic.co.jp(mailto:SME.Inquiry@sonymusic.co.jp)
2022年12月09日11月5日、あいみょんが弾き語りでのワンマンライブ『AIMYON 弾き語りLIVE2022 -サーチライト- in 阪神甲子園球場』を開催した。兵庫県西宮市出身のあいみょんにとって、甲子園は「実家の屋上から光る球場が見えた」というまさに地元であり、甲子園で弾き語りのワンマンが行われるのは史上初という快挙。駅を出ると、この日のグッズとして作られた「AIMYONS」のオリジナルユニフォームを着たファンが大勢いて、広場にはそのユニフォームを着た巨大なあいみょんのバルーン人形が設置されたりと、さながら5周年イヤーと地元凱旋をお祝いする「あいみょん祭り」のような雰囲気が広がっていた。開演時刻の17時を過ぎると球場内にサイレンが響き渡り、まず映像で登場したのはあいみょんと同じく西宮出身のスターで、親交の深い笑福亭鶴瓶。「みなさん、わずか9年前に梅田で路上ライブをやってたあいみょんが、この憧れの甲子園でライブをするというのはすごいと思いません?7年前に上京して、あっという間にスターになって、これ漫画やで。そのあいみょんが地元に帰ってきたんですよ!みんな褒めたろう!ビッグになって帰って来たっていうのを!」と呼びかけて、「『AIMYON 弾き語りLIVE2022 -サーチライト- in 阪神甲子園球場』はじまり!」と開会宣言をすると、割れんばかりの拍手の中であいみょんが登場した。モッズコートを着たあいみょんが客席の間を通ってセンターステージに到着し、もう一度盛大な拍手が起こると、一曲目に披露されたのはメジャーからのファーストアルバム『青春のエキサイトメント』のオープニングに収録されていた「憧れてきたんだ」。敬愛する表現者への憧れを歌った一曲だが、この日ばかりは憧れの地である甲子園に捧げられた一曲だったと言っていいだろう。さらには「ハルノヒ」「ジェニファー」と曲を続けると、オーディエンスはペンライトを振ったり、手拍子をしたりと思い思いにこの特別な一日を楽しんでいる。「甲子園球場にお集りのみなさん、あいみょんです。よろしくお願いします!」と挨拶をすると、オーディエンスで埋まった球場を見渡して「ホンマにすごい!」を連発し、「西宮まで来てくれてありがとう!」と感謝を伝え、ファンキーな「愛を伝えたいだとか」、メランコリックな「3636」、ポップな「ら、のはなし」と続けていく。アコギ一本の弾き語りでも曲調に合わせて表現力豊かに歌い上げるあいみょんの姿は、バンドセットと弾き語りのライブを交互に行ってきた、この5年のシンガーとしての確かな成長を感じさせるものだ。「みんなどこから来たんですか?」という問いかけに、北海道から沖縄まで全国各地からこのお祭りに集まっていることがわかった一方、「宮っ子はどれくらいいるんですか?」「小連体・中連体やったことある?」と地元トークも展開するあいみょんのライブは、スタジアムという広さにもかかわらず、やはりアットホームな雰囲気が漂う。「次の曲の頭、みんなのお手てを借りていいですか?」と言って、会場中の手拍子から始まった「満月の夜なら」の演奏時には、ちょうどあいみょんの頭上にほぼ満月に近い月が浮かぶというミラクルも。さらに、シリアスな表情で「さよならの今日に」を歌うと、円形のステージから無数のサーチライトが天に向かって伸びる幻想的な光景の中、「裸の心」を情感たっぷりに歌い上げて、第1部のハイライトを作り出した。みんなはすごいな。私を幸せにする天才やな。ここであいみょんはお色直しのために一旦退場。30分の休憩時間中も、クイズ大会が行われたり、「西宮でやり残したこと」として、福女にチャレンジしたり、ドラマに挑戦したり、3球連続ストライクに挑む映像が流されて、やはり特別な一日であることが伝わってくる。するとライブでは珍しく髪をお団子に結んであいみょんが再登場。今年行われたアリーナツアーでも使用された、お客さんをズームしてスクリーンに映す特注の双眼鏡を使い、12球団のユニフォームを着た人を捜したりと、やはりこういったファンとのコミュニケーションもあいみょんのライブの魅力だ。「18歳のときに声をかけてもらって、弾き語りで路上ライブを始めて、きっとこの曲を一番歌ったんじゃないかな?最初はホンマに0人、全く集まらんかったけど、徐々に徐々に人が増えていって、ついに甲子園でこの曲が歌えるなんて。当時のことを思い出しながら歌えたらと思います」と話して、第2部は「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」からスタート。インディーズデビュー曲でもあるこの曲をパワフルに歌い上げ、オレンジの照明の中で「マリーゴールド」を歌うと、ハーモニカを用いたトーキングブルース調の「tower of the sun」へ。この曲はあいみょんにとってのもうひとつの憧れの地である、太陽の塔の下で歌うことを夢見る曲であり、西宮時代の葛藤や苦悩が綴られた一曲。思わず涙ぐみながら、声を振り絞って歌う姿に、場内からは長く温かな拍手が贈られた。「地元の甲子園球場の景色を見ながらこの曲を歌うのは、自分の中でグッと来るものがあるし、救われた気持ちになりました」と語り、「やりたいことをやらせてくれた父ちゃんと母ちゃんに感謝したいです」と言って、家族が観に来ていることを話す場面も。第2部の中盤は最新作『瞳へ落ちるよレコード』から「姿」、「実家で作った最後の曲」だというメジャーデビュー曲「生きていたんだよな」、「弾き語りでやるのはたぶん初めて」という「マトリョーシカ」と、この日ならではのセットリストが続き、「この曲で今の事務所に声をかけてもらった」という「分かってくれよ」では途中でキーを見失ってやり直しをしたものの、そんな瞬間も記憶に残る思い出となった。あいみょんの弾き語りではその日のライブやツアーのタイトルを冠した新曲を書き下ろすことが定番となっていて、この日も新曲「サーチライト」を披露。たくさんのサーチライトが場内を照らし、さらに間奏ではオーディエンスが一斉にスマホのライトを光らせて、会場中がキラキラと輝く美しい光景と〈サーチライト どこまでもどこまでも照らしていて この瞬間の特別を 演出して お願い〉という歌詞がリンクして、まさに特別な瞬間を作り上げた。「みんなはすごいな。私を幸せにする天才やな。最高の夜、グッドな夜ですね」と言って始まった「GOOD NIGHT BABY」では再び大きな手拍子が起こって、場内がさらなる一体感に包まれる。「もうひとつ願いが叶うなら、みんなの歌声がここで聴けたらなと思ったけど、きっとまたみんなの歌声が聴ける日が来ると思うので、またいつか甲子園に帰ってきたいです」と話して、最後に披露されたのは「この曲があるから私はシンガーソングライターになれるのかなと思えた曲」という「君はロックを聴かない」。バックスタンドのライトも点灯して、明るくなった場内にあいみょんの歌声とオーディエンスの手拍子が響き渡る、素晴らしい大団円に。「大きな拍手ときれいな光、全部忘れません。まだまだ未熟なことばっかりで、悔しいことも悲しいこともいっぱいあるけど、こうやってみんながいる景色を見られることが一番幸せで、音楽やっててよかったなって、西宮というこの街でシンガーソングライターになることを夢見てよかったなって思います。今日は本当にありがとうございました!」と感謝を伝えると、この日一番の拍手が巻き起こった。センターステージを降りたあいみょんは、オリジナルのユニフォームを羽織り、カートに乗って場内を一周。最後までお祭りムードのまま、メモリアルな一夜が幕を閉じた。あいみょんは来年2023年4月7日(金) の神奈川・よこすか芸術劇場を皮切りに、ファイナルの7月23日(日) 東京・東京国際フォーラム ホールAまで3カ月以上にわたって開催されるホールツアーを発表。2022年に実施した全国ツアー『AIMYON TOUR 2022 “ま・あ・る”』以来、約8カ月ぶりのツアー開催となり、ツアータイトル、チケット発売日程などの詳細は後日発表となるので楽しみにお待ちいただきたい。あいみょんは2023年1月11日(水) に今年発売した4thアルバム『瞳へ落ちるよレコード』のアナログ盤の発売も決定。今後も精力的に活動していくあいみょんにぜひ注目していただきたい。Text:金子厚武Photo:横山マサト<公演情報>『AIMYON 弾き語りLIVE2022 -サーチライト- in 阪神甲子園球場』11月5日(土) 兵庫・阪神甲子園球場セットリスト1. 憧れてきたんだ2. ハルノヒ3. ジェニファー4. 愛を伝えたいだとか5. 36366. ら、のはなし7. 満月の夜なら8. さよならの今日に9. 裸の心(休憩)10. 貴方解剖純愛歌~死ね~11. マリーゴールド12. tower of the sun13. 姿14. 生きていたんだよな15. マトリョーシカ16. 分かってくれよ17. サーチライト18. GOOD NIGHT BABY19. 君はロックを聴かない<ツアー情報>あいみょん『AIMYON TOUR 2023(タイトル未定)』※詳細は後日発表2023年4月7日(金)神奈川・よこすか芸術劇場2023年4月12日(水) 長崎・長崎ブリックホール2023年4月14日(金) 鹿児島・川商ホール第一2023年4月18日(火) 沖縄・沖縄コンベンション劇場2023年4月19日(水) 沖縄・沖縄コンベンション劇場2023年4月26日(水) 香川・レクザムホール2023年4月27日(木) 愛媛・愛媛県県民文化会館2023年5月1日(月) 群馬・高崎芸術劇場 大劇場2023年5月9日(火) 福井・フェニックスプラザ2023年5月11日(木) 富山・オーバードホール2023年5月16日(火) 三重・三重県文化会館2023年5月18日(木) 愛知・センチュリーホール2023年5月19日(金) 愛知・センチュリーホール2023年5月23日(火) 宮城・仙台サンプラザホール2023年5月25日(木) 秋田・あきた芸術劇場ミルハス2023年5月29日(月) 大阪・フェスティバルホール2023年5月30日(火) 大阪・フェスティバルホール2023年6月13日(火) 兵庫・神戸国際会館こくさいホール2023年6月14日(水) 京都・ロームシアター京都メインホール2023年6月19日(月) 北海道・函館市民会館2023年6月21日(水) 北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru2023年6月22日(木) 北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru2023年6月30日(金) 栃木・宇都宮市文化会館2023年7月4日(火) 広島・広島文化学園HBGホール2023年7月5日(水) 広島・広島文化学園HBGホール2023年7月7日(金) 岡山・倉敷市民会館2023年7月12日(水) 福岡・福岡サンパレス2023年7月13日(木) 福岡・福岡サンパレス2023年7月19日(水) 東京・東京ガーデンシアター2023年7月20日(木) 東京・東京ガーデンシアター2023年7月23日(日) 東京・東京国際フォーラム ホールA<リリース情報>あいみょん 4thアルバム『瞳へ落ちるよレコード』12inchレコード2023年1月11日(水) リリース2枚組:4,400円(税込)※完全生産限定【収録内容】■SIDE A1. 双葉2. スーパーガール3. 姿■SIDE B1. 初恋が泣いている2. 君のこゝろ3. 36364. 強くなっちゃったんだ、ブルー■SIDE C1. 桜が降る夜は2. ペルソナの記憶3. 神秘の領域へ■SIDE D1. ハート2. インタビュー3. 愛を知るまでは予約リンク:あいみょん 4thアルバム『瞳へ落ちるよレコード』Now On Sale●初回限定Blu-ray盤(CD+Blu-ray):7,700円(税込)●初回限定DVD盤(CD+2DVD):6,600円(税込)あいみょん『瞳へ落ちるよレコード』初回限定盤ジャケット【初回限定Blu-ray / DVD盤共通】・7インチサイズ特殊パッケージ仕様・『AIMYON 弾き語りTOUR 2021 “傷と悪魔と恋をした♡ in 武道館”』をノーカットで完全収録。ツアーのバックステージの模様を記録したOFF SHOT MOVIEと本人によるオーディオコメンタリー付・豪華56Pツアーフォトブックレット付●通常盤(CDのみ):3,080円(税込)あいみょん『瞳へ落ちるよレコード』通常盤ジャケット【CD収録内容】※全形態共通01. 双葉(NHK『あいみょん18祭』テーマソング)02. スーパーガール03. 姿04. 初恋が泣いている(カンテレ・フジテレビ系月10ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』主題歌)05. 君のこゝろ06. 363607. 強くなっちゃったんだ、ブルー08. 桜が降る夜は(ABEMA『恋とオオカミには騙されない』主題歌)09. ペルソナの記憶10. 神秘の領域へ11. ハート(TBS系火曜ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』主題歌)12. インタビュー13. 愛を知るまでは(日本テレビ系土曜ドラマ『コントが始まる』主題歌)【DVD / Blu-ray収録内容】※初回限定盤のみ■『AIMYON 弾き語り TOUR 2021 “傷と悪魔と恋をした♡ in 武道館”』2021.11.30 日本武道館01. 傷と悪魔と恋をした!02. 青春と青春と青春03. ポプリの葉04. マリーゴールド05. スーパーガール06. 朝陽07. 裸の心08. 恋をしたから09. ハート10. 夜行バス11. 19歳になりたくない12. TOWER OF THE SUN13. 生きていたんだよな14. 愛を知るまでは15. 今夜このまま16. サラバ17. 君はロックを聴かないoff shot movie “オフ恋ムービー”購入リンク:特設サイト:関連リンクあいみょんオフィシャルサイトワーナーミュージック・ジャパンHP
2022年11月07日ぴあとtvkの創業&開局50周年を記念して開催されたスペシャルライブのDAY2として企画された『STAY ROCK!2022』。横浜みなとみらいにある「ぴあアリーナMM」を舞台に4組のロックバンドと1組のお笑い芸人が本気と感謝をむき出しに繰り広げた胸熱な6時間をレポートする。開場BGMの「カモン・フィール・ザ・ノイズ」(クワイエット・ライオット)が途中でやみ客電が落ちると切ないイントロが響き渡る。照明に彩られたステージには、銀杏BOYZの姿が。1曲目は「二回戦」。轟音の降り注ぐライブアレンジのなか、激情をほとばしらせ歌う峯田和伸は生々しく美しかった。普段は完全に夜型という自らの生態に鞭打つように、身体の芯に凝り固まった錆みたいなものをふるい落としていくアウトロでのシャウトは会場全体に光りを灯していくようだった。銀杏BOYZ全速力で駆け抜けた前半ブロックの後のMCが、エモすぎた。この日ここで行われることのど真ん中をぶち抜くような峯田の言葉をそのまま記しておく。「まだぼくが人生ではじめてバンドを組んだ大学生の頃の話ですけど。それまでの真っ暗闇で雨ザーザーの人生がギターを持って曲を作ることによって、その曇り空が嘘のようにパーッと晴れ渡って。それで、はっきり覚えてますけど、1996年の4月に僕のこの音楽が始まったんですね。そん時に周りの友達に『みてろよお前ら。今でこそこんな感じだけど、いつかヒロトとマーシーとハイスタと対バンすっからな』って言ったら、周りの友達が『そんなことできるわけねーべ』っつってゲラゲラ笑ってるんですよ。そん時にひとりだけ、ホソガイタカシって友達がコンビニへ俺とふたりで買い出しに行く途中に、『ごめんな峯田、あん時俺笑ったけど、峯田だったら絶対できると信じてるわ』ってなんかしんねーけど言ったんですよ。来たよ。この日だよ。この日。イノマー、見てっか!Kenさんとヒロトとマーシーだよ。見てっか、イノマー!」今は亡き友に捧げた「漂流教室」は、それはもう、こんな流れで、こんな日に聴かされたら泣くしかないだろ?「BABY BABY」「ぽあだむ」とライブは続く。〈I WANT YOU だぜI NEED YOU だぜ〉――よだれまみれの言葉が一人ひとりの生を肯定していく。ラストは「少年少女」。この曲は、空気階段のドキュメンタリーバラエティ番組『クズの恩返し』の主題歌になっている。真意はわからないが、この後にネタをやる空気階段へのバトンとして理解する方が、この日は正しい気がした。あっという間に楽器がステージから捌けると、白い背景ボードが一枚、下手側(ステージに向かって左側)に立てられている。空気階段のコントが始まった。EXILEのオーディションにやって来たテレパシー使いの変なヤツ(鈴木もぐら)と審査員(水川かたまり)が繰り広げるサイキックなネタだ。微妙に音楽もの、というあたりに彼らの心意気を感じた。空気階段スタッフによるサウンドチェックの後、メンバー3人がステージに出て来て音を合わせるという、まるで手の内を公開するようなリアルな現場を目撃していると、そのまま大きなフラッグを担いだ橋本学(Vo)が加わりハルカミライのライブがスタートした。「君にしか」「カントリーロード」をミックスしたようにつなげてパフォーマンス。曲間には、橋本が素直な実感を語る場面も。「強がる必要もないんで言わせてもらいますけど……ヤーバイ日に呼ばれました。ハルカミライっていいます。ロックなんてテキトーなもんだから。ヨロシク!」D.C.パンクのアルバムを聴いているような速いペースでライブは進んでいく。気づけば6曲目「春のテーマ」の〈僕ら世界の真ん中〉のシンガロングが響く。まだ状況的にフロアのオーディエンスは大声で歌うことができない。だからそのぶん俺らが歌うぜ、という清々しいまでのバンド全員によるシンガロング。コーラスではなく、思い思いに全員が声を合わせて歌う、その姿にグッとくる。ハルカミライ「若いのが出てきたなって後ろの方で腕組んで眉間にしわ寄せて観てる人いるのかなって思ってたけど、そうでもないんで好きにやって帰ります」と言ってシンガロングで入ったのは「Tough to be Hugh」。一転光速のメロに流れ込んでそのまま3曲一気にやり切り、「PEAK’D YELLOW」へ。この曲の永遠に失われない、持たざる者のイノセンスは、そのまま憧れたロックバンドに注がれる眼差しにつながっているのではないかと思う。だからここでやる意味があった、これを届けたい人がいた、そして、この曲を聴けてよかった。アカペラで始まった「世界を終わらせて」。橋本が歌唱のなかに、「今日だけは胸張って、友達や先輩や育ったライブハウスに帰れると思います」というMCを入れつつバンドの演奏を呼び込む。ひとりまたひとりと仲間が集まり一塊になる、バンドそのものが出来上がっていくような演奏が印象に残った。「うれしいっす。新参者が出て来たなとかナメた感じで見られていないのがすごいわかる。ちゃんと平等な目で見てくれてるのがスゲーわかる。俺はこんな場所が、音楽が、ライブハウスがあってくれて、俺の人生にマジで欠かせないもんってなってます。君らと同じです」ラストは「ヨーロービル、朝」。ハルカミライ、堂々と渡り合って駆け抜けた全14曲だった。職員室と思しき空間に教師(もぐら)と生徒・木田(かたまり)がいる。羽多野さんという女子生徒が給食費を盗んで停学になったことに関して、木田は羽多野さんの無実を証明できると言う。その、まんまストーカーな恋心が暴走する「十七歳」と題されたネタは、笑わせられながらも、どこか胸が締めつけられるロックなコントだった。「どうも『STAY ROCK!』。ぴあアリーナ。デカイな。いい感じだなー」と言って登場したのは、Ken Yokoyama。すかさず「髪の毛ビョーンってなってっけど大丈夫?」とJun Gray(B)から指摘があり、ふたりで直そうとするも直らず、「なんか感じちゃってんだろうね」(横山)という、ものすごく自然体なやり取りが余裕すら感じさせる。が、“なんか感じちゃってる”体は嘘をつかない。「東京から来ましたKen Yokoyamaというバンドです。1曲目は、スゲー久しぶりの曲をやろうかな」と言って始まった「We Are Fuckin’ One」。〈If we stop acting so selfish(みんなが自分の事のように動き始めれば)Start acting like we’re all in this(それだけでオレ達はひとつになれるんだ)〉この日のために投下した最高のメッセージが詰まったオープニング・ナンバーだ。Ken Yokoyama「Woh Oh」「Can’t Take My Eyes Off Of You」と一緒に歌いたくてウズウズする曲が続く。MCでは、今回共演するバンドについて語った。「ハルカミライ、僕らの主催しているフェスにはよく出てもらうんだけど、こういうイベントで一緒にやるのははじめてですごく楽しみにしていました。銀杏BOYZ、会場入りしてからこのステージに出るまで僕はずーっと峯田くんに喫煙所に監禁されてました。彼は出番が終わった後だからいいけど(笑)。久しぶりに会ったけど、久しぶりな気がしなくて、また一緒にやれてうれしいです。で、俺らの後にはみんなお待ちかねザ・クロマニヨンズが出てくるから」「I Love」に続いて、ギターの音を慈しむようにゆっくりストロークして始まったのは、「I Won’t Turn Off My Radio」。シンプルなコードだけで構成された曲は、ストレートにロックへの憧れと渇望を呼び起こす。べつにロックを聴かなくなったわけでもないけど、自分が本当に好きになったもの、その時のわけのわからない気持ち、そんなものを取り戻したような気になる。またそこには、横山健のボーカリストとしての声質も関わっているのではないかと思った。独特の濁りと透明感が入り混じったその声が〈Radio Radio……〉と連呼すると、本当に目に見えない向こう側から声をかられているように感じ、どうしようもないくらい胸を掻きむしられるのだ。「こうやって少しずつでも進めていかないとね。近い将来、椅子のないグチャグチャなライブやろうぜ、また。でもね、これはこれですごくいいなって思ってるんだ。もうちょっと声出してみんなとコミュニケーションさえ取れればだけど」〈今ではひとりきりで歌わなくちゃいけないなんてね〉という「A Beautiful Song」の歌詞とメロディが突き刺さる。最後はザ・クロマニヨンズにつなぐつもりでやります、と言って「Punk Rock Dream」を披露した。もう、言うことなしの選曲。今あなたの目の前で自分のやっていることを証明しているんだ、というメッセージは、この日のすべての出演者の気持ちを代弁しているものであり、オーディエンス一人ひとりにも当てはまるものだった。空気階段、3ネタ目にしてラストとなるのはもはやファンの間では伝説と言ってもいい「クローゼット」。他人の彼女に手を出す浮気男(かたまり)が逃げ込んだクローゼットに生息している謎の男(もぐら)が奇妙な呪いで浮気男を成敗するというストレンジな設定のコント。謎の男の喋り方が微妙に瀬川瑛子風で、その感じで歌う「3年目の浮気」は、ある意味すごいコラボを見せられたような気がした。「YouTubeの広告みたいな出方をさせていただきました」(かたまり)「信じて混ぜろ〜」(もぐら)最後のもぐらのコメントは、日清カレーメシのCMで扮している黄色い人のセリフだ。なぜかそれだけを呪文のように繰り返し唱えて、全ネタを終えた。この日、最後のバトンを受け取ったのは、ザ・クロマニヨンズ。「クロマニヨン・ストンプ」から「タリホー」「生きる」「雷雨決行」とノンストップに4曲をパフォーマンス。何をロックと言うかは人によって感じ方、表現の仕方は異なると思うが、ザ・クロマニヨンズの音楽を聴いたら、ライブを観たら、誰でも「これはロックだ」と思うに違いない。長きにわたって、そのど真ん中でロックを鳴らし続けていることに最敬礼だ。「楽しんでいるかー!ロックンロール!」何かを話そうとして、ヒロトが拍手の鳴りやまない会場を見渡す。そして笑うと首を振って一言こう言った。「なんも言うことはねー。ロックンロール!」ザ・クロマニヨンズ正解という言葉が正しいかはわからないが、ザ・クロマニヨンズは常に正解を僕らにくれる存在としてあり続ける。5曲目「ドライブ GO!」では、ほぼ〈突っ走れ〉としか歌っていない。でも、果たしてそれ以上に歌の中で何か言うべきことはあるだろうか?もっとも伝わる簡単な言葉をかっこいいメロディと演奏に乗せて大きな音で放ってくれる――ロックの正体があるとすればそういうことなのではないか。そしてそれを堂々とやり続けているのがザ・クロマニヨンズだ。誰かが誰かに憧れて、真似をして、だんだん自分のやりたいことがわかってきて、気づいたら最初に憧れた誰かと同じステージに立っていた。そんなことが起こるのがロックの世界だ。“STAY ROCK”し続けているからこそ叶うロックンロール・ドリームだ。その夢を叶えた者たちの共演はひたすら眩しかった。「どうも、今、生まれました。はじめましてザ・クロマニヨンズです。どんどん大きくなっていくから、育ててやってください(笑)。銀杏BOYZありがとう、ロックンロール。ハルカミライありがとう、ロックンロール。Ken Yokoyamaありがとう、ロックンロール。空気階段ありがとう、ロックンロール!」(甲本ヒロト)最後は「ナンバーワン野郎!」。どのバンドも最初の形のまま継続することは難しいのかもしれない。ヒロトだってマーシーだって、Kenさんも峯田も、そしてきっとハルカミライも、いくつもバンドをやってはダメになりの繰り返しで今がある。けれど、絶対に失くしてはいけないもの、変わってはいけないものがあるのだと信じたい。“STAY ROCK”――答えはまだわからなくとも、ここから歩き続けた先に見つかるかもしれない。ナンバーワン野郎な4組のロックバンドに1組の芸人の歩みとオーディエンス一人ひとりの毎日が交錯した最高の1日だった。Text:谷岡正浩Photo:岸田哲平(銀杏BOYZ / ハルカミライ / Ken Yokoyama) / 柴田恵理(ザ・クロマニヨンズ)<公演情報>ぴあ・tvk50th Anniversary『STAY ROCK!2022』10月30日(日) ぴあアリーナMMセットリスト■銀杏BOYZ1. 二回戦2. NO FUTURE NO CRY3. 駆け抜けて性春4. 大人全滅5. 漂流教室6. BABY BABY7. ぼあだむ8. 少年少女■ハルカミライ1. 君にしか2. カントリーロード3. ファイト!!4. 俺達が呼んでいる5. フルアイビール6. 春のテーマ7. Tough to be Hugh8. predawn9. ウルトラマリン10. PEAK’D YELLOW11. 世界を終わらせて12. 僕らは街を光らせた13. アストロビスタ14. ヨーロービル、朝■Ken Yokoyama1. We Are Fuckin’ One2. Woh Oh3. Can’t Take My Eyes Off Of You4. I Love5. I Won’t Turn Off My Radio6. 4Wheels 9Lives7.A Beautiful Song8.Running On The Winding Road9. Punk Rock Dream※ザ・クロマニヨンズは割愛DAY1 10月29日『tvk・ぴあ 50th anniversary LIVE 2022 ~感謝のカタチ~』レポートはこちら:『STAY ROCK!2022』出演アーティストオフィシャルサイト銀杏BOYZ:ハルカミライ: Yokoyama:ザ・クロマニヨンズ:
2022年11月04日2022年10月15日横浜・みなとみらいのぴあアリーナMMにて、電気グルーヴのワンマンライブ『and the ARENA〜みんなとみらいのYOUとぴあ〜』が開催された。ピエール瀧の逮捕→復帰以降、電気グルーヴが客前でライブを行ったのは、2021年8月22日の『FUJI ROCK FESTIVAL 2021』、2022年5月14日の『SWEET LOVE SHOWER SPRING 2022』、7月19日リキッドルームのDGCC(電気グルーヴカスタマークラブ)会員限定ライブ、8月19日『SONICMANIA』の4本。今回は、それに続く5本目である。(リキッドルームを除く)通常のワンマンライブとしては、瀧の逮捕により東京2デイズが中止になった『電気グルーヴ30周年“ウルトラのツアー”』の大阪公演(2019年3月10日、Zepp Osaka Bayside)以来、3年半ぶり。アリーナでの電気のライブ、としてカウントすると(※『WIRE』出演時は除く)、1994年12月26日横浜アリーナの『たんぽぽツアー』(5thアルバム『DRAGON』のツアー)以来なので、28年ぶりになる。Photo:Masanori Naruseコロナ禍で再始動を阻まれる中、2020年12月5日にはDGCC会員限定で『FROM THE FLOOR〜前略、床の上より〜』(リキッドルームで収録)、2021年6月26日には『ON THE STAGE〜恐怖!!町のブタイ』(Zepp Hanedaで収録)、と、電気グルーヴは、無観客配信ライブを二度開催している。それに続く三部作のラストが、今回のぴあアリーナMM、という位置付けになっている。「床=客席」「ステージ」の次は「アリーナ」だ、という意味合いで、『and the ARENA』というタイトルが冠せられた。石野卓球(Photo:Miyu Terasawa)なお、タイトルの『みんなとみらいの』は、「みなとみらい」をもじったもの。『YOUとぴあ』は、2011年まで発行されていた情報誌、ぴあの人気コーナー『はみだしYOUとぴあ』(ページの隅に短文の読者投稿が載っている)が元ネタ。それから、当日販売されたグッズTシャツのイラストや、ライブ直前にアップされた公式ツイッターの写真などで、石野卓球とピエール瀧が取っているポーズは、1980年頃の漫才ブーム当時に人気だったお笑いコンビ、ゆーとぴあの挨拶ギャグ「よろしく〜ねっ!」のそれである。「YOUとぴあ」と「ゆーとぴあ」を掛けたわけですね。というような解説をするほど野暮なことはないが、会場でも、行き帰りの電車でも、「あ、こんな子たちもこんなに来てるんだ?」とうれしくなるほど多くの若いファンを見かけたので、(雑誌の)ぴあも(お笑いの)ゆーとぴあも知りようがないであろう彼ら彼女らのために、書きました。定刻の18:30を15分ほど過ぎた頃、電気グルーヴ復帰一発目の曲「Set you Free」で、ライブがスタート。2020年8月23日のオンライン版フジロックの大トリとして、楽曲とMVが初公開された曲である。この曲ではみなとみらいの街、続く「Shangri-La feat.Inga Humpe」では横浜中華街、5曲目「Missing Beatz」では横浜マリンタワーとシュウマイ、11曲目「Fallin’ Down」では観覧車、など、ここ横浜をモチーフにしたCGが、卓球&瀧の姿と共に、ステージ後方の巨大LEDに描かれていく。Photo:Masanori Naruse6曲目「モノノケダンス」では、ロウソクと踊るオバケと墓、12曲目「B.B.E.」では「カニー!」のシャウトに合わせてカニが現れるなど、曲の内容に合わせた映像演出も、多数あり。というか、すべての曲がそうだ。映像制作/VJは、もちろんDEVICE GIRLSこと和田一基。「Set you Free」を瀧とユニゾンで歌った石野卓球は、3曲目「いちご娘はひとりっ子」ではカウベルを叩き、5曲目「Missing Beatz」では機材の前を離れ、ハンドマイクでステージ前方へ。4曲目「プエルトリコのひとりっ子」の後半のブレイクでは、瀧が「ひとりっ子のみなさんも!」「今度はお客さん全員で!」「さっきよりも高く!」「ラスト、もう一度!」と、オーディエンスを何度もジャンプさせ、そのままのテンポで「Missing Beatz」に入る。ピエール瀧(Photo:Miyu Terasawa)その「Missing Beatz」から「モノノケダンス」へのつなぎの部分で、『VITAMIN』収録の「Happy Birthday」でサンプリングしている、スチャダラパー「Trio The Caps」のラップが、ブリッジとして使われる。12曲目「B.B.E.」は、『VOXXX』収録の「インベーダーのテーマ」の頭のジングルから始まる。というふうに、曲のイントロにかぶせたり、曲と曲の間を担ったりする形で、過去の曲のパーツが、セットリストのあちこちに散りばめられていく。フェス/イベント出演時は、曲間もMCなしのノンストップで全曲やり通すのが常だし、今年7月のリキッドルームの時もMCは短かめだったが、今回のぴあアリーナは、本編中に二回、アンコールで一回、わりとしっかり、MCの時間が設けられた。Photo:Miyu Terasawa一回目は6曲目「モノノケダンス」終わりのタイミング。「今日は皆様、ようこそいらっしゃってくださいました。ありがとうございます」と瀧が感謝を伝え、「どうも、執行猶予が明けて初めてのアリーナ・ライブです」と卓球が続く。瀧、「皆様のおかげで執行猶予が明けることができました。今、執行猶予中のみなさん、もうすぐですよ?」とかぶせてから、メンバーを紹介。現在、アニメ『チェンソーマン』の劇伴を手掛けているagraph牛尾憲輔に、瀧は「よっ、チェンソーマン! おまえがチェンソーマンなんだろ」と叫び、卓球は「ハンバーグ!」と叫びながらビブラスラップ(井戸田潤のハンバーグ師匠が持っているあれ)を連打する。この夏に公開になった映画『野球部に花束を』の主題歌である新曲「HOMEBASE」は、その一回目のMC明けの7曲目で披露された。ビジョンには横浜スタジアムのCGが現れ、「電」マーク入りの硬球が飛び交い、MVと同じように瀧がヘッドスライディングで地を進む。Photo:Miyu Terasawaここから13曲目の「Shameful」まで、「The Big Shirts」「Upside Down」など、復帰後の電気グルーヴのフェス/イベントでのステージのピークを担ってきた曲が続いた。「Shameful」の途中で、卓球、「イェイ、かっこいいだろう! 電気グルーヴだ!」と叫ぶ。「前科者とは思えない盛り上がりで」(卓球)「すいませんね、はしゃいじゃって」(瀧)から始まって、この会場のスケジュールを見たらみんな2日間ずつやっている、1日なのはうちらだけ、物販を買ってくれ、というアピールに辿り着く二度目のMCを経ての後半ブロックは、インストゥルメンタル『WIRE WIRED,WIRELESS』からスタートする。「“冠”協賛」を募り、「LEDビジョン付きシルクハット」を制作して瀧がかぶり、支援者の名前を表示する──というクラウドファンディングのリターンは、この曲で実行された。ビジョンの中では、横浜の街で卓球と瀧が戦っており、後半で卓球が瀧にスペシウム光線を浴びせる。2010年代の「MAN HUMAN」「Baby’ s on Fire」と、卓球と瀧のふたりになって最初の2曲だった「Nothing’s Gonna Change」と「Flashback Disco(is Back!)」を経て、「We like the music we like the disco sound」のボイス・サンプルが鳴り響く。そして、瀧がひざまずいて額にマイクを立て、卓球が叩くベルの音を拾う。Photo:Miyu Terasawa「N.O.」だ。ライブの大詰めに来て、この曲。「Shangri-La」がさらっと2曲目でプレイされた(しかも卓球は生で歌わなかった)のとは、何か、対照的に感じた。次は、2000年代の活動休止期間を終え、8年ぶりの新曲としてリリースされた(2007年12月5日)──つまり、ある意味、今の電気が始まった曲である「少年ヤング」。曲のアウトロで瀧が「バンザーイ!」のジェスチャー。4階席までびっしりのオーディエンスがそれに倣う。本編ラストは、今のところの最新オリジナル・アルバム『TROPICAL LOVE』の収録曲であり、『SONICMAIA』でもラストに持って来たインストゥルメンタル「UFOholic」。すさまじい開放感がぴあアリーナを包む。DEVICE GIRLSが描く卓球と瀧は、ぴあアリーナの前まで歩いて来て、会場を見上げている画だった。アンコールでは、なんと、年内にツアーを行うことを発表。卓球「東京と大阪と福岡でやるんですけど。今日、大阪から来た人、がっかりでしょ?」。Photo:Masanori Naruseそこから、物販で傘を作ったのに残念ながら雨が降らなかった、みなさんの普段の行いがよすぎたせいだ、とか、上から見た時の瀧の頭がすごいハゲてた、とか、さっき瀧が舞台袖でオバケを見たとか、転がり放題話が転がる。その末に、卓球「みんなキョトンとしてるけど、それが正しい反応だよ、ほんとに」瀧「こんなでけぇハコで何をきかされてんだ、っていう」卓球「ここで話すことじゃないのもわかってるけど、これを話してる時にいた、きみたちが悪いっていうか。悪いってのは言いすぎだけど、自覚してほしい」という、電気ファンが大好きな展開に。オーディエンス、笑顔と拍手でそれに応える。瀧「何を黙ってきいてるんだ、って話ですよね」卓球「それは大声出すと怒られるからでしょ」瀧「あ、そうだ。でも、曲の25%までなら出していい、みたいなことになったんでしょ?」卓球「あ、そう? 今からやる曲が、その25%ぐらいだと思うんですよ」と、始まったのは「富士山」。TB-03を携えてフロントに出て来た卓球と、瀧の「富士山」コールとサンプラーの犬の声で、2時間・22曲のショウが締められた。Photo:Masanori Naruseアンコールで告知された、11月18日(金) Zepp Fukuoka、11月20日(日) Zepp Osaka Bayside、12月2日(金)・3日(土) Zepp Hanedaの4本のツアーのタイトルは、『みんなと未来とYシャツと大五郎』。『みんなとみらいのYOUとぴあ』と、1990年に大ヒットした平松愛理の『部屋とYシャツと私』と、1990年代〜2000年代中盤まで放送されていた、大五郎という焼酎のCMソング「俺とおまえと大五郎」の合体形ですね。というような解説をするほど野暮なことはないが(以下同)。Photo:Miyu TerasawaPhoto:Masanori NaruseText:兵庫慎司<公演情報>電気グルーヴ『and the ARENA ~みんなとみらいのYOUとぴあ~』2022年10月15日(土) ぴあアリーナMMセットリスト1. Set you Free2. Shangri-La feat. Inga Humpe3. いちご娘はひとりっ子4. プエルトリコのひとりっ子5. Missing Beatz6. モノノケダンス7. HOMEBASE8. ガリガリ君9. The Big Shirts10. Upside Down11. Fallin’ Down12. B.B.E.13. Shameful14. WIRE WIRED, WIRELESS15. MAN HUMAN16. Baby’s on Fire17. Nothing’s Gonna Change18. Flashback Disco(is Back!)19. N.O.20. 少年ヤング21. UFOholicEn. 富士山(Techno Disco Fujisan)<リリース情報>電気グルーヴ ニューシングル「HOMEBASE」Now On Sale配信リンク:<ライブ情報>電気グルーヴ Zeppツアー “みんなと未来とYシャツと大五郎”11月18日(金) 福岡・Zepp Fukuoka開場18:00 / 開演19:0011月20日(日) 大阪・Zepp Osaka Bayside開場17:00 / 開演18:0012月2日(金) 東京・Zepp Haneda開場18:00 / 開演19:0012月3日(土) 東京・Zepp Haneda開場18:00 / 開演19:00電気グルーヴ 公式サイト:ぴあアプリでは電気グルーヴ『and the ARENA ~みんなとみらいのYOUとぴあ~』のアプリ限定カットをご覧いただけます。ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=26fd672c-5dd5-477b-b989-76ce8d72f9ff&contentTypeId=2) すると、この記事内に掲載されています。
2022年10月18日10月5日(水) に大阪・オリックス劇場にて、乃木坂46『30thSG アンダーライブ』の最終公演を開催。当ライブは9月27日〜29日に東京・立川ステージガーデン、10月3日〜5日に大阪にて計6公演を実施した。乃木坂46の30枚目シングル『好きというのはロックだぜ!』に収録されたアンダー楽曲「Under’s Love」でセンターを務め、同作での活動をもってグループを卒業する1期生・和田まあやが進行役を務める今回のアンダーライブ。彼女が参加する乃木坂46のライブはこれが最後ということもあり、彼女にとって集大成となると同時に、3〜4期生を中心とした新体制の魅力が凝縮されたステージが展開された。紗幕が降ろされたステージに椅子だけが置かれ、暗転や映像演出を繰り返すと椅子に和田が座っているという演出とともに、最新曲「Under’s Love」からライブはスタート。ドラマチックなオープニングに続いて、「不等号」や「自由の彼方」「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」といったアンダーライブらしい熱量に満ち溢れたパフォーマンスが提示されていく。(C)乃木坂46LLCMCでそれぞれが意気込みを述べたあとのブロックでは、プロジェクションマッピングを取り入れた演出も用意。「Against」では和田が中心となって球体を自在に操るほか、ダンス色の強いリミックスが施された「〜Do my best〜じゃ意味はない」では佐藤璃果が手を掲げて光の束を掴み取るなど、見応えのある場面が随所に用意された。(C)乃木坂46LLC続くユニットブロックでは、まず向井葉月・矢久保美緒・佐藤が「ワタボコリ」を歌唱。向井がアコースティックギター、矢久保がハーモニカ、佐藤がタンバリンをそれぞれ演奏し、観客を沸かせた。また、「音が出ないギター」ではセンターの黒見明香が和田&松尾美佑とともにクールな歌を響かせ、「無表情」では北川悠理&林瑠奈がオリジナルラップをフィーチャー。向井・阪口珠美・吉田綾乃クリスティーの「口約束」ではダンサーとして佐藤・松尾・矢久保が華を添え、メンバー個々の魅力が思う存分に発揮された。(C)乃木坂46LLC(C)乃木坂46LLC今回のアンダーライブのために用意された新コーナー「乃木坂46 PLAYBACK FACTORY」では、数ある乃木坂46の楽曲から毎回2人のメンバーがお気に入りの楽曲をセレクトし、同曲を選んだメンバーがセンターを担当。最終公演となったこの日は、伊藤理々杏セレクトの「低体温のキス」、和田セレクトの「欲望のリインカーネーション」がそれぞれ披露され、会場を大いに盛り上げた。ライブも折り返しに突入すると、林を中心に歌唱力に定評あるメンバーが集った「私のために 誰かのために」で会場を優しい空気で包み込む。続いて、「生まれたままで」「口ほどにもないKISS」と新旧のアンダー曲で再びギアが入り、「錆びたコンパス」以降は客席のボルテージがさらに加速。終盤の「制服のマネキン」「日常」では会場の熱量が沸点まで到達する。(C)乃木坂46LLCそして、今回の進行役を務める和田が「たくさんつらいこともありましたけど、振り返ってみたらすごく素敵な青春だった。13歳から24歳までの11年間をたくさん乃木坂に捧げてきました。それは全然間違っていなかったし、みんなを信じて、自分を信じてやってきてよかったなと、こんな景色が見れていることに自分でもびっくりです」とこれまでを回想。続けて「ファンの皆さんにはなかなか恩返しできなかったですけど、今こうして恩返しできているんじゃないかなと。最後にまさか私がセンターに立つとは思ってなかったと思うし、こんなに素敵なステージを用意してもらえて、みんなが集まってくれてとても感謝しています」とメッセージを送り、自身がセンターを務める「Under’s Love」をフルコーラスで再披露し、ライブ本編を締めくくった。私たち11人はまあちゃんを送り出すことができる選ばれたメンバーアンコールではライブTシャツに着替えたメンバーに囲まれ、自身のメンバーカラーであるオレンジ+黄色をあしらったドレスを着用した和田が登場。彼女が初選抜入りを果たした記念すべき1曲でもある、8thシングル「気づいたら片想い」からアンコールをスタート。客席も黄色とオレンジで染まり、フィナーレに向かって一体感がより高まっていく。そして、「狼に口笛を」「左胸の勇気」と初期の楽曲が連発される中、「左胸の勇気」の途中で和田へのサプライズとしてメンバーから黄色いチューリップをプレゼントするサプライズも。後輩たちがひとりずつ花とともに涙ながらに感謝の言葉を伝えていく。(C)乃木坂46LLCそして、向井がメンバーを代表して「私たち11人はまあちゃんを送り出すことができる選ばれたメンバーだと思うと、すごく誇りに思います。長い間、たくさんつらいことも悲しいこともあったかもしれないけど、そういうことを全然表に出さない強さとか優しさが乃木坂を作ったんだなと思うと、これから私たちがそれをつないでいかないといけないと思います」と和田に思いを伝えると、和田もファンに向けて「こうして応援してくれる人がいる人生が、こんな幸せなことだとは……。皆さんと出会えたことがすごく幸せです。私を見つけてくれてありがとうございます」と涙ながらに感謝の思いを届け、「乃木坂の詩」でアンコールを終えた。そして鳴りやまない観客の拍手に応え、11人で再び舞台に上がった。一人一人の観客に応えながら「他人のそら似」の歌唱を終え、最後にマイク無しで感謝の言葉を述べながら、和田にとって集大成といえる乃木坂46での最後のライブに幕を下ろした。(C)乃木坂46LLC常に後輩たちを見守りながら、笑顔でグループ愛を伝えてきた和田まあや。残された3期生、4期生のメンバーたちはきっと彼女から学んだことを胸に、さらに進化し続けることだろう。そして、3期生、4期生だからこそ作ることができるアンダーライブをこの先見せてくれるはずだ。Text:西廣智一<公演情報>乃木坂46『30thSG アンダーライブ』10月5日(水) 大阪・オリックス劇場開場18:00 / 開演19:00セットリストM1. Under’s LoveM2. 不等号M3. 自由の彼方M4. あの日 僕は咄嗟に嘘をついたM5. ポピパッパパーM6. AgainstM7. ~Do my best~じゃ意味はないM8. ワタボコリM9. 音が出ないギターM10. 無表情(RAP Ver.)M11. 口約束M12. 低体温のキスM13. 欲望のリインカーネーションM14. 私のために 誰かのためにM15. 生まれたままでM16. 口ほどにもないKISSM17. 錆びたコンパスM18. Wilderness worldM19. ありがちな恋愛M20. 世界で一番 孤独なLoverM21. 制服のマネキンM22. 日常M23. Under’s LoveEN1. 気づいたら片想いEN2. 狼に口笛をEN3. 左胸の勇気EN4. 乃木坂の詩<リリース情報>乃木坂46 30thシングル『好きというのはロックだぜ!』Now On Sale●初回仕様限定Type-A(CD+Blu-ray盤):1,900円(税込)乃木坂46『好きというのはロックだぜ!』初回仕様限定Type-Aジャケット【CD収録内容】M1. 「好きというのはロックだぜ!」(選抜メンバー)M2. 「Under’s Love」(アンダーメンバー)M3. 「僕が手を叩く方へ」(3期生メンバー)M4. 「好きというのはロックだぜ!」~off vocal ver.~M5. 「Under’s Love」~off vocal ver.~M6. 「僕が手を叩く方へ」~off vocal ver.~●初回仕様限定Type-B(CD+Blu-ray盤):1,900円(税込)乃木坂46『好きというのはロックだぜ!』初回仕様限定Type-Bジャケット【CD収録内容】M1. 「好きというのはロックだぜ!」M2. 「Under’s Love」M3. 「ジャンピングジョーカーフラッシュ」(4期生メンバー)M4. 「好きというのはロックだぜ!」~off vocal ver.~M5. 「Under’s Love」~off vocal ver.~M6. 「ジャンピングジョーカーフラッシュ」~off vocal ver.~●初回仕様限定Type-C(CD+Blu-ray盤):1,900円(税込)乃木坂46『好きというのはロックだぜ!』初回仕様限定Type-Cジャケット【CD収録内容】M1. 「好きというのはロックだぜ!」M2. 「Under’s Love」M3. 「バンドエイド剥がすような別れ方」(5期生メンバー)M4. 「好きというのはロックだぜ!」~off vocal ver.~M5. 「Under’s Love」~off vocal ver.~M6. 「バンドエイド剥がすような別れ方」~off vocal ver.~●初回仕様限定Type-D(CD+Blu-ray盤):1,900円(税込)乃木坂46『好きというのはロックだぜ!』初回仕様限定Type-Dジャケット【CD収録内容】M1. 「好きというのはロックだぜ!」M2. 「Under’s Love」M3. 「パッションフルーツの食べ方」M4. 「好きというのはロックだぜ!」~off vocal ver.~M5. 「Under’s Love」~off vocal ver.~M6. 「パッションフルーツの食べ方」~off vocal ver.~※初回仕様限定(CD+Blu-ray盤)共通特典①特典映像(Blu-ray)収録②全国イベント参加券orスペシャルプレゼント応募券1枚③乃木坂46メンバー生写真1枚●通常盤(CD):1,100円(税込)乃木坂46『好きというのはロックだぜ!』通常盤ジャケット【CD収録内容】M1. 「好きというのはロックだぜ!」M2. 「Under’s Love」M3. 「夢を見る筋肉」M4. 「好きというのはロックだぜ!」~off vocal ver.~M5. 「Under’s Love」~off vocal ver.~M6. 「夢を見る筋肉」~off vocal ver.~乃木坂46「好きというのはロックだぜ!」MV乃木坂46「Under’s Love」MV乃木坂46「バンドエイド剝がすような別れ方」MV乃木坂46「ジャンピングジョーカーフラッシュ」MV乃木坂46「僕が手を叩く方へ」MV特設サイト:配信リンク:<イベント情報>乃木坂46 樋口日奈 卒業セレモニー10月31日(月) 東京・東京国際フォーラム ホールA開場17:00 / 開演18:30料金:全席指定:7,800円(税込)関連リンク乃木坂46 公式サイト乃木坂46 Twitter乃木坂46 Instagramチャンネル「乃木坂配信中」
2022年10月06日緑黄色社会が、初の日本武道館ワンマンライブ『緑黄色社会×日本武道館 “20122022”』を9月16日・17日に開催。そのオフィシャルレポートが到着した。「みんな、ここが武道館だよ。連れてきてくれてありがとう!今日は、私たちの音と、みんなの気持ちで、この武道館をいっぱいにしたい。何にも心配しなくていいよ。私たちに全部預けて、心の底からこの空間を楽しんでね!」「Alice」「merry-go-round」「Bitter」と序盤から熱いクラップの輪を描き出したところで、長屋晴子(Vocal & Guitar)はそんなふうに満場のオーディエンスに呼びかけていた。そして、続く「始まりの歌」では場内のライトが目映く点灯して、歓喜に沸き返る日本武道館を鮮やかに照らし出していった――。長屋晴子(Vocal & Guitar)2012年のバンド結成から10周年を迎えた今年・2022年、緑黄色社会が9月16日・17日の2日間にわたって日本武道館で開催した単独公演『緑黄色社会×日本武道館 “20122022”』。自身初の武道館ワンマンとなる今回のライブは両日ソールドアウト。各日8,000人・トータル16,000人の観客とともに作り上げた今回のステージは、武道館という大舞台からさらに「その先」を志すバンドの冒険心を克明に伝えるものだった。今回の武道館公演では、「陽はまた昇るから」や「Shout Baby」、「sabotage」などシングルナンバーはもちろんのこと、「始まりの歌」「Re」といったインディーズ時代からの重要曲、さらには高校時代の4人が名古屋・大須のスタジオで初めて音を合わせて生まれた楽曲「マイルストーンの種」まで、10年間の歩みが2日間のセットリストの形へと結実していた。小林壱誓(Guitar)溌剌としたバンドアンサンブルが弾ける「始まりの歌」や「あのころ見た光」、晴れやかな包容力に満ちた「愛のかたち」、ミステリアスなドラマ性が滲む「LITMUS」(9月16日)、ピアノバラードからシューゲイザー的な荘厳な音像へと展開する「Re」、2020年代を代表するポップナンバーとなった「キャラクター」や「Mela!」……。4人全員が作曲を手掛け、類稀なる演奏力・表現力でジャンルの垣根を無効化してきた緑黄色社会。だが、今回の武道館公演から浮かび上がってきたのは、「自分たちだから作れる音楽」「どこにもない未知の音楽」「誰にでも届く音楽」という命題をひとつひとつ形にしてきた、4人の創造性と才気のスケールだった。peppe(Keyboard)《流行りは廃る/花は枯れる/全て終わってゆくのにな/どうして逆らいたいんだろう/果てる景色を愛したい》という真摯な歌詞を通して、不確かな時代に「確かなもの」を音楽で追求する意志を綴った「時のいたずら」。《流れた滴に/生まれた理由の味がした/ダメになってここからだ/位置につけ"Re"スタート》と不屈の挑戦精神をパンキッシュに突き上げた「S.T.U.D」。コロナ禍によって2ndアルバム『SINGALONG』CD盤発売延期とツアー中止を余儀なくされた2020年、CDに先駆けて配信リリースされた『SINGALONG』から国民的ナンバーとして日本全国で愛されることとなった「Mela!」。緊急事態宣言下で制作され、困難に屈することなく前進し続けた緑黄色社会の象徴として『SINGALONG』に加えられた「夏を生きる」(9月17日)……。激動の時代の真っ只中にあった緑黄色社会の10年史を、4人が自分たちの力でひとつひとつ栄光の歴史へと塗り替えてきた――という事実を、今回のライブは改めて明確に指し示していた。穴見真吾(Bass)2022年、今回の武道館2日間公演を目前に控えた8月下旬には、長屋の新型コロナウイルス感染がアナウンスされるという状況もあったものの、どこまでも伸びやかな歌を響かせた長屋をはじめメンバー全員が、多くのアーティストが名演を刻んできた武道館のステージで至上のアクトを繰り広げてみせた。今なお不安材料が山積する時代の中で、ひたむきに前進することで道を切り開いてきた4人の姿は、武道館という最高の場所で希望として映った。客席にはまだ歓声もシンガロングも鳴り渡ることはなかったが、ライブ全編で巻き起こっていた会場一面のクラップは、オーディエンスの「魂の合唱」そのものだった。ここをゴールだと1mmも思わない、むしろスタートだと思おう「高校生の時にこのメンバーに出会って、緑黄色社会のひとりとして音楽をスタートしました。それが、死ぬまで私の誇りで、唯一の人生の転機だと思っています」と、peppe(Keyboard)はバンドへの想いをまっすぐに語っていた。「ビートルズとか、神々のようなミュージシャンと同じステージに立てて、しびれるほど嬉しいですけど、『ここをゴールだと1mmも思わない、むしろスタートだと思おう』と心に決めていた」という言葉に、穴見真吾(Bass)は音楽家としての闘志をたぎらせていた。「3年前だったら武道館を埋められなかった」「何の意味もないバンド名に、みんなが大きな意味をくれた」という感慨越しに、小林壱誓(Guitar)はファンとともに成長してきた10年史を振り返っていた。そして、「今日ここに立ってみてわかりました。武道館って『決意の場所』なんだって」と初武道館の実感を語っていた長屋は、「私たちはバンドを組んだ頃から『国民的な存在になりたい』ってずっと言ってきました。こうやって武道館の日の丸の下でライブができたことで、その夢にまた近づけた気がします」と“夢の途中”のリアルな視線を伝えていた。《憧れていた自分になれたかな》――ライブ後半に披露された「あのころ見た光」では、メンバー4人のこれまでの数々のライブ映像が、武道館に立つ“今”の姿とともにLEDスクリーンに映し出されていた。“あのころ”の情熱や衝動を抱きしめたまま、自らの夢へと一歩一歩踏み出している緑黄色社会の在り方が、そんな場面にも凝縮されていた。《今見えてるあの光が/誰かが放ったものなら/ねぇ僕らが飛び込むその時/誰かの光になれるかな/照らし出すよ君を》というフレーズが、夢を糧に夢を追う4人の現在地が重なって、抑え難く胸が震えた。「私たちが初めて東京でライブをした日――まだみんな高校生だったんだけど、ある大会の決勝戦で、日比谷の野音のステージで歌いました。私、そこで言ったの。『私たちを、《ここでライブをしたバンド》で終わらせないでください』って。大口叩いてさ、笑っちゃうじゃん?でも、今でもね、すごいカッコいいこと言ったなって思う。そして今、あの時のまったく同じことを思ってる。『私たちを《武道館に出たバンド》、それだけで終わらせないでください』って。頼もしい、大好きなメンバーと、いつもあたたかい、愛おしいみんなと、もっともっと先に行きたい」焦燥の中から決然と意志を掲げた高校時代の思い出を、長屋は「今」と地続きのものとして語っていた。結成10周年記念日・7月4日に配信リリースされた最新楽曲「ブレス」の《諦めたい夢なんかなくて/手に触れて確かめたい》というラインが、この上なく切実なメッセージとして胸に響いた。1日目のライブ中にはバンド主催の自主企画ライブ『緑黄色夜祭vol.11』の開催が発表され、2日目の開演直前には新曲「ミチヲユケ」が日本テレビの10月期ドラマ『ファーストペンギン!』の主題歌に決定したことがアナウンスされ……といった具合に、武道館2日間の間にも新たな情報が次々に飛び出していた。そのたびに、「もっともっと先の景色が見たい」という長屋の言葉が、よりいっそう説得力をもって迫ってきた。「10年もあるとさ、いろんな決断をすることがあるよね。10年前――もうちょっと前だけど、メンバーに出会って、連絡したり、声をかけたり……『自分がしてきた決断は間違いじゃないよ』って、もちろん今までも何度も思ってきたけど、ここに2日間立って、改めて自信を持って、『間違いじゃなかったよ』って思えました」……武道館の歴史に新たな足跡を残した2日間を振り返って、長屋はそんなふうに語っていた。満場の観客とともに「緑黄色社会の10年史」を総括し祝福すると同時に、バンドの「これから」へ向けての新たなスタートラインでもある、金字塔的な名演だった。Text by 高橋智樹Photo by 安藤未優<公演情報>緑黄色社会×日本武道館 “20122022”9月16日(金)・17日(土) 東京・日本武道館セットリスト■9月16日(金)01. Alice02. merry-go-round03. Bitter04. 始まりの歌05. 真夜中ドライブ06. 陽はまた昇るから07. 愛のかたち08. inori09. LITMUS10. LADYBUG11. Shout Baby12. マイルストーンの種13. 時のいたずら14. Re15. SINGALONG16. sabotage17. S.T.U.D18. あのころ見た光19. キャラクター20. Mela!21. ブレス-BONUS STAGE-01. またね02. これからのこと、それからのこと■9月17日(土)01. Alice02. merry-go-round03. Bitter04. 始まりの歌05. アウトサイダー06. 陽はまた昇るから07. 愛のかたち08. inori09. 想い人10. 夏を生きる11. Shout Baby12. マイルストーンの種13. 時のいたずら14. Re15. Actor16. キャラクター17. S.T.U.D18. あのころ見た光19. sabotage20. Mela!21. ブレス-BONUS STAGE-01. またね02. これからのこと、それからのこと<ライブ情報>緑黄色夜祭 Vol.1111月12日(土) 愛知・Zepp Nagoya11月13日(日) 神奈川・KT Zepp Yokohama11月20日(日) 北海道・Zepp Sapporo11月26日(土) 福岡・Zepp Fukuoka11月27日(日) 大阪・Zepp Osaka Bayside12月4日(日) 東京・Zepp Haneda開場 / 開演:17:00 / 18:00(全会場共通)チケット料金:6,600円(税込)※ドリンク代別途必要※未就学児入場不可<番組情報>日本テレビ系10月期新水曜ドラマ『ファーストペンギン!』日本テレビ系にて毎週水曜22:00~ ※初回10月5日(水) 22:00~日本テレビ系10月期新水曜ドラマ『ファーストペンギン!』ビジュアル(C)日本テレビ出演:奈緒 / 堤真一 ほか番組公式HP:関連リンク緑黄色社会 オフィシャルホームページ緑黄色社会 公式Twitterアカウント緑黄色社会 公式Instagramアカウント緑黄色社会 公式LINEアカウント緑黄色社会 公式TikTokアカウント緑黄色社会 オフィシャルYouTubeチャンネル
2022年09月19日声優アーティストの水樹奈々が、2022年8月21日、愛知・日本ガイシホールにて約3年ぶりのライブツアー『NANA MIZUKI LIVE HOME 2022』ファイナル公演を開催した。7月にリリースしたニューアルバム『DELIGHTED REVIVER』を引っ提げて、全国5都市10公演を展開してきたツアーの締めくくりとなるライブの模様をレポートする。タイトル「HOME」には、“自分達のホームグラウンドであるツアーが帰ってきた!”という思い、そして今ツアーで初の茨城県公演を実施し、ライブ開催地47都道府県制覇となったことから”日本を一周してホームベースを踏む”、という2つの意味が込められている。ステージにはアメリカ西部の街並みを思わせるセットが組まれており、荒野を旅して帰ってきた愛しきホームタウンをイメージしている。オープニングムービーでは旅を終えた水樹が“ROUTE 77”を通り、ホームタウンへと歩みを進める。映像が開けると、ステージ中央から伸びる花道“ROUTE 77”に白を基調としたカウガール風の衣装を纏った水樹が登場。会場に集まったファンへ手を振りながら、自らの愛しきホームであるステージへと歩いて行く。ライブのステージへと帰ってきた水樹が「帰ってきたぜ愛知ー!今日は最高の夜にしようぜ!!」と叫ぶと軽快なメロディーとポジティブな歌詞が印象的な「New Sensation」でライブがスタート。自身のイメージカラーであるブルーのペンライトが大きく揺れる中、続く「SUPER GENERATION」ではステージの端から端まで走りながら歌い、そして7月にリリースしたばかりのアルバム『DELIGHTED REVIVER』のリード曲「Go Live!」と、エネルギッシュな曲で開幕から一気に駆け抜けた。「みんなただいま!今日は“LIVE HOME”のツアーファイナルだよ!!」「落ち着かない中幕を開けたこのツアーですが、チーム一丸となって、ひとつひとつ幕が開く奇跡と喜びを感じながら歩みを進め、無事にここまで辿りつくことができ、そして皆さんに会うことができて本当に幸せです!」と、3年ぶりのツアー開催とファイナルを迎えられた喜びを叫んだ水樹。今回4年ぶりに訪れた日本ガイシホールだが、彼女がこれまで開催してきた“LIVE ○○”と冠するライブでは最多公演数のライブ会場とのこと。「まさにHOMEです!HOMEでのファイナル!」と告げると、「LIVE HOME 2022 ROAD10、行ってきまーす!」の掛け声で改めてライブ本編がスタートし、「ROMANCERS’ NEO」「スパイラル」とロックサウンドを熱く歌い上げる。お馴染みのバックバンド・Cherry Boysのコーナーのあと、水樹は蛍光色のストライプが華やかなレトロワンピース姿で再び現れる。スカートをふんわりと揺らしながら、「HOLY TALE」と「NAKED FEELS」を優しい歌声で会場に響かせた。ここで、ツアー恒例のお楽しみ企画「水樹奈々 初めての○○」のコーナーへ。今回の企画は2年前に開催を予定していたツアーで考えていた企画を「LIVE HOME」用にブラッシュアップしたとのこと。各公演で異なる楽曲を披露しており、これまでの公演では初めてのアニメ主題歌や、初めて人前で歌った曲、初めてのデモテープ曲などが歌われてきた。この日のテーマは「初めてのキャラクターソング」ということで、自身の声優デビュー作でもあるゲーム『NOëL ~La neige~』の門倉千紗都役として歌った「Girl’s Age」を披露。この企画について水樹は、 「ライブに時々登場する楽曲から、この先いつ登場するかわからないというマニアックな曲まで、10回にわたりお届けしてきました。HOMEというテーマに合わせて、初心に戻って皆さんに初々しい気持ちをお届けできたらいいなと思っていたので、今回聴いていただけて嬉しかったです。」と観客へ感謝と喜びを伝えた。「それでは時代を一気に元に戻して、最新アルバムから個性的な一曲を聴いていただきたいと思います!」と告げると、軽やかでトリッキーなサウンドと畳み掛ける歌詞が特徴の「ダブルシャッフル」を激しく体を揺らしながら歌い、「MARIA&JOKER」では艶やかな歌声でスリリングな世界観を表現してみせた。バックダンサー・team YO-DAのコーナーを挟み、ここで水樹のライブではお馴染みの“乗り物”がステージに登場。レトロなアメ車を模した“Nanallac(ナナラック)”に乗ってステージに現れた水樹はアメリカンポップ&スポーティーなギンガムチェックの衣装で、ダンスポップ曲「Reboot!」と、刺激的な歌詞とダンスが人気の「GUILTY」、そしてこれまでの水樹曲にはないラテン調のリズムに乗せた妖艶な振り付けが印象的な「DNA -Dance ’n’ Amuse-」をteam YO-DAとの息の合ったパフォーマンスで繰り広げた。「今日は熱い熱い楽曲をずーっとお届けしていきますけど、次の曲だけは唯一、清涼感を感じていただける曲になっています」という言葉の後に続くのは「Stand by you」。このライブ唯一のバラード曲をしっとりと聴かせると一旦ステージを後にする。続く幕間のムービーはツアータイトルにちなんだアメリカンホームコメディ風の映像に、会場ごとに異なるゲスト声優を迎えてアフレコをしていくという声優・水樹奈々ならではの企画。愛知公演のゲストには堀内賢雄が登場。さまざまなアニメキャラのネタや演技そっちのけで会話を始める2人の掛け合いに、会場には笑い声の代わりに拍手が何度も鳴り響いた。こんなに高まった気持ちのままじゃ帰れません!映像が開けてライブ後半戦がスタートすると、それまでの雰囲気を⼀転させる激アツなロックナンバーを連発。「FIRE SCREAM」「UNLIMITED BEAT」を熱唱し、トップスピードで後半戦を駆け抜けていく。「ここからも激アツ曲ばかりで、攻めに攻め続けていきたいと思います!」と、ここからさらに激しいライブになることを予告し、『DELIGHTED REVIVER』1曲目に収録された、アルバムのコンセプトでもある“エンターテインメントを復活させる”という想いを象徴する楽曲「MY ENTERTAINMENT」を力強く歌い上げる。「アパッショナート」ではステージ上に炎のナイアガラが降り注ぎ、続く「ETERNAL BLAZE」で“待ってました”と言わんばかりにペンライトが激しく揺れ、会場のボルテージは最高潮へと達する。「これからも楽しいこと、たくさんの夢をみんなで追いかけていきましょう!」と告げ、ライブ本編の最後を飾ったのは水樹が作詞を手がけた「全力DREAMER」。ノスタルジックなメロディーに乗せた前向きな応援ソングを会場全体に届け、ステージを後にした。鳴り止まない手拍子のアンコールに、ツリーハウスの秘密基地をイメージしたトロッコに乗った水樹がアリーナに登場。笑顔で観客に手を振りながらアリーナを外周し「レイジーシンドローム」「STAND UP!」を歌唱。定番の“シャッス”コールでは、声が出せない中でも水樹の掛け声に観客は大きく拳を突き出して応え、両者の掛け合いを楽しんだ。そして、今回のツアータイトルにもなった水樹作詞作曲の「HOME」を、今年1月に開催したライブ『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020 → 2022』の映像をバックに披露。同ライブで感じた気持ちを歌にしたという楽曲を、会場中を埋め尽くすブルーのペンライトで作られた“地球-そら-より熱く青い海“の光景を前に、幸せを噛み締めるような表情で歌った。そしてここで、水樹から嬉しい発表が。『NANA MIZUKI LIVE HOME 2022』の本日行われたツアーファイナル公演と、今年1月に開催した『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020 → 2022』2日目の模様を収録した映像商品『NANA MIZUKI LIVE HOME × RUNNER』の発売が決定。さらに、水樹の誕生日である来年1月21日と22日の2日間、さいたまスーパーアリーナでライブを開催することも明らかとなり、ファンとともに喜びをあふれさせた。アンコールラストには、「No Limit」を披露。ステージを端から端まで移動しながら観客との掛け合いを楽しみ、まっすぐ伸びやかな歌声を会場全体に届けていた。まだまだ興奮冷めやらぬ観客の拍手に、「戻ってきちゃった!」と再度ステージ上に姿を現した水樹。「こんなに高まった気持ちのままじゃ帰れません!もう⼀曲歌ってもいいですか?」と観客に問いかけると、一際大きな拍手が鳴り響いた。「みんなのモヤモヤした気持ちを吹き飛ばすような、自然と笑顔になれるような曲を歌いたいと思います!」と話し、ジャケット写真を名古屋で撮影したという、2014年発売の12th Album『SUPERNAL LIBERTY』から「Fun Fun★People」を披露。最後にパワフルで陽気な歌声をファンへと送るとこの日一番の盛り上がりの中でライブは幕を下ろした。前回の『NANA MIZUKI LIVE EXPRESS 2019』ファイナル、千葉・ZOZOマリンスタジアム公演から、実に1035日ぶりの開催で、“エンターテインメントを復活させる”という思いを込めたアルバム『DELIGHTED REVIVER』を引っ提げて行われた今回のツアー。その思いを体現するかのように、前に進もうと思わせてくれるポジティブな楽曲や、応援ソング、そして激アツ曲に溢れたセットリストでファンを楽しませてくれた。ツアーに参加したファンにとっても、この熱いライブこそが自分達の居場所だと思い出させてくれたツアーになったのではないだろうか。また8月6日に行われた、今ツアーのさいたまスーパーアリーナ公演のセットリストを元にしたプレイリストが各音楽サイトにて配信されているので、ぜひライブの余韻に浸りながら楽曲をチェックしてみてほしい。<公演情報>『NANA MIZUKI LIVE HOME 2022』2022年8月21日(日) 日本ガイシホール【セットリスト】01. New Sensation02. SUPER GENERATION03. Go Live!04. ROMANCERS’ NEO05. スパイラル06. HOLY TALE07. NAKED FEELS08. Girl’s Age09. ダブルシャッフル10. MARIA&JOKER11. Reboot!12. GUILTY13. DNA -Dance ’n’ Amuse-14. Stand by you15. FIRE SCREAM16. UNLIMITED BEAT17. MY ENTERTAINMENT18. アパッショナート19. ETERNAL BLAZE20. 全力DREAMER■ENCORE21. レイジーシンドローム22. STAND UP!23. HOME24. No Limit■W ENCORE25. Fun Fun★People『NANA MIZUKI LIVE HOME 2022』2022.08.06 さいたまスーパーアリーナ セットリスト 配信サイト:<ライブ情報>2023年1月21日(土) 開場 16:00 / 開演 18:002023年1月22日(日) 開場 15:00 / 開演 17:00会場:さいたまスーパーアリーナ<リリース情報>『NANA MIZUKI LIVE HOME × RUNNER』【収録内容】『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020 → 2022』さいたまスーパーアリーナ 2022.1.4公演『NANA MIZUKI LIVE HOME 2022』日本ガイシホール 2022.8.21公演 ほか収録予定※その他詳細は後日発表『DELIGHTED REVIVER』発売中●初回限定盤【CD+Blu-ray】4,400円(税込)【初回限定盤特典】・特製BOX・スペシャルフォトブック・シトラスライムデジパック仕様【封入特典】・『DELIGHTED REVIVER』抽選キャンペーン応募シリアルナンバー●通常盤【CD Only】3,080円(税込)【封入特典】(初回製造分のみ)・『DELIGHTED REVIVER』抽選キャンペーン応募シリアルナンバー【CD収録】01. MY ENTERTAINMENT作詞:ヨシダタクミ(saji)作曲:ヨシダタクミ(saji)編曲:藤永龍太郎(Elements Garden)02. Red Breeze ※新世代リッチアニメRPG『COUNTER: SIDE』(カウンターサイド)主題歌作詞:藤林聖子作曲:上松範康(Elements Garden)編曲:藤永龍太郎(Elements Garden)03. スパイラル ※スマートフォンゲーム『鋼の錬金術師 MOBILE』主題歌作詞:ヨシダタクミ(saji)作曲:山下洋介編曲:山下洋介04. Reboot!作詞:藤林聖子作曲:岡澤知輝編曲:小山寿05. HOLY TALE ※TOKYO FM『水樹奈々のMの世界』エンディングテーマ作詞:岩里祐穂作曲:h-wonder編曲:h-wonder弦編曲:山下洋介06. ダブルシャッフル ※TV アニメ『トモダチゲーム』オープニングテーマ作詞:しほり作曲:サカノウエヨースケ編曲:渡辺徹×日比野裕史07. Get up! Shout! ※TVアニメ『SHAMAN KING』第2弾オープニングテーマ作詞:水樹奈々作曲:山本玲史編曲:加藤裕介08. ストラトスフィア作詞:松井五郎作曲:BOUNCEBACK編曲:ats-09. Link or Chains ※TVアニメ『Levius レビウス』オープニングテーマ作詞:しほり作曲:南田健吾編曲:南田健吾10. DNA -Dance ’n’ Amuse作詞:しほり作曲:平間光編曲:藤間仁(Elements Garden)11. FIRE SCREAM ※スマートフォンゲーム『戦姫絶唱シンフォギア XD UNLIMITED』新主題歌作詞:水樹奈々作曲:上松範康(Elements Garden)編曲:菊田大介(Elements Garden)12. Stand by you作詞:岩里祐穂作曲:Toshikazu.K編曲:藤間仁(Elements Garden)13. 全力DREAMER ※NHK松山『ひめDON!』テーマソング作詞:水樹奈々作曲:南田健吾編曲:南田健吾14. HOME作詞:水樹奈々作曲:水樹奈々編曲:藤間仁(Elements Garden)15. Go Live!作詞:ヨシダタクミ(saji)作曲:加藤裕介編曲:加藤裕介【初回限定盤Blu-ray収録】■NANA REVIVER FESTA 2022 特別編・リプレイマシン-custom-・残光のガイア・Don’t be long・STORIES・NEXT ARCADIA・Crystal Letter・恋想花火■「DELIGHTED REVIVER」 MAKING MOVIE配信リンク:アルバム特設サイト:関連リンクOFFICIAL HP公式Twitter
2022年08月22日LDH発の3人組ガールズユニット・iScreamが、初のワンマンライブ『i2022』を8月17日に神奈川・横浜MMブロンテで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。昨年6月のデビュー以降、バラエティに富んだ楽曲を発表し、今年4月には1stフルアルバム『i』もリリースするなど、精力的な活動でファンを獲得してきた3人。昼夜2公演が行われたこの日の昼公演では、リリースされたばかりのシングル『Catwalk』からの楽曲も披露され、初々しくも気合の入ったパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。3人のヒストリーをぎゅっと凝縮したオープニング映像が終わると、暗転したステージにスッと現れたRUI、YUNA、HINATA。1曲目「So Bright」はいきなりアカペラで歌い始めるという演出で、3人の迫力あるボーカルが会場中に響き渡った。フレッシュでしっかり芯もあって、前向きな気持ちにさせてくれるような歌声だ。オーディエンスを見つめる表情はとびきりの笑顔。ファンと同じ空間にいられる喜びを噛み締めているようで、見ているこちらも自然と笑顔になった。「『i2022』へようこそ。今日は最高の思い出を作りましょう!」RUIが元気に挨拶し、2曲目「Sugar Bomb」へ。キュートだけどセクシーさもあり、パワフルなだけでなくポップな魅力も顔を出す。1曲の中でいろんな表情を見せてくれる楽曲だ。続く「Pendulum」「Secret Love」では少し大人っぽいニュアンスも加わり、iScreamの振り幅の広さと表現力の豊かさがしっかり伝わってくる流れになっていた。RUI最初のMCでRUIは「昨年『iScream Debut Online LIVE Show Case』を行ったこの場所で、夢だった有観客ワンマンライブが開催できて本当に嬉しい」と感謝を伝え、HINATAは「みんなでひとつになって今日のライブを作っていきたい!」と笑顔を見せた。またYUNAはこの日がシングル『Catwalk』の発売日ということで、「『Catwalk』はリリースイベントなどを通してたくさんの方がiScreamと出会ってくれた、思い入れのある曲」であることも伝えていた。HINATAその「Catwalk」はトレンドのポーズを取り入れたパフォーマンスも楽しく、3人のしなやかなダンスが印象的な楽曲。YUNAのホイッスルボイスで始まる「つつみ込むように…」、エッジの効いたダンスパフォーマンスをガッツリ披露した「Scream Out」とテンポ良く繋いでいき、オーディエンスの前のめりな気持ちをさらに高めていくような選曲で楽しませてくれた。YUNA中盤の「Diamond」と「Maybe… YES」では真っ白の椅子が登場し、3人はリラックスしたムードで歌を届ける。簡単な手元の振り付けを一緒に楽しんだりして、メンバーとオーディエンスの距離がグッと縮まったような雰囲気だ。早いものでラスト2曲。メンバーの動きと映像をリンクさせる演出が取り入れられていた「愛だけは・・・」では、このライブで初披露だというピアノバージョンで歌唱。本編最後となった「茉莉花 -Jasmine-」は3人の歌の表現力に圧倒される仕上がりで、音源とはまたひと味違う深みのようなものを感じることができた。アンコールではまず、『Catwalk』のカップリング「恋するプラネット」を初披露。軽やかに体が揺れるようなサウンドが心地よく、ファルセットやフェイクなど、3人の多彩な声の表情を堪能することもできた。最後のMCでは今日のライブを振り返り、アルバム『i』をたくさん聴いてくれたファンへの感謝や、ファンがいるからこそ今の自分達があるという思いを口々に伝えた3人。RUIは“愛を叫ぶ”というグループ名の由来に触れ、「自分達のパフォーマンスを日本中・世界中に届けたいという夢がある。でも愛を叫ぶって簡単なことではないし、10代の自分達に愛を伝えることができるのか、みんなを自分達の歌で幸せにできるのかと思ったりもします。だけど私たち3人なら、いつも皆さんからもらっている愛を歌として返して届けることができると信じてこれからも歌い続けます」と語っていたが、その覚悟も気迫もこのライブにはしっかり刻み込まれていたと思う。咲き誇るひまわりの映像に負けないくらいパワフルな歌声を響かせていた「himawari」、そして最後はファンへのメッセージも込められた「Meant to be together」へ。言葉を大切に、そしてオーディエンスとしっかり心を繋ぐようにパフォーマンスを届けたiScream初の有観客ワンマンライブは、温かい拍手とたくさんの笑顔に包まれながら幕を閉じた。<リリース情報>iScream ニューシングル『Catwalk』Now On SaleiScream『Catwalk』ジャケット●初回生産限定盤(CD+豪華撮り下ろしミニフォトブック):1,500円(税込)●通常盤(CDのみ):1,000円(税込)【CD収録曲】1. Catwalk2. 恋するプラネット配信リンク:<配信情報>『iScream LIVE「i2022」』PPV配信見逃し配信:8月28日(日) 23:59まで『iScream LIVE「i2022」』PPV配信 告知画像【チケット情報】価格:2,500円(税込)※無料会員を含むCLの会員であればご購入いただけます。販売期間:8月28日(日) 23:59まで※PPV購入後のキャンセル・変更はできません。詳細はこちら:「CL」トップページ:関連リンクiScream オフィシャルサイト: Twitter: Instagram: YouTube: TikTok: Facebook:
2022年08月18日今年7月に音楽活動20周年を迎えた柴咲コウが、8月4日(木) に東京・ビルボードライブ東京にて、ファンに向けて感謝を伝えるバースデーライブ『KO SHIBASAKI Birthday Party 2022「HINOMIKO UTAGE ~陽の巫女の宴~」』を開催した。1日2公演で、1st Setはメンバーシップ「KO CLASS」会員限定となっており、2nd Stageはチケットの一般販売に加え、U-NEXTでの独占生配信も行われた。俳優、歌手、アーティストとしての活動に留まらず、近年は地球環境に配慮した衣類や化粧品のプロデュースなども行っている柴咲コウ。有観客でのワンマンライブは、2019年5月にファッションと環境をテーマに行った、歌と芝居で織り成す全国コンサートツアー『EARTH THE KO』以来(FC限定では、2019年8月にBIRTHDAY PARTY『GOURMET THE KO』をENEKO軽井沢にて開催)、実に3年ぶりで、アーティストデビュー20周年のアニバーサリーイヤーの幕開けを飾るライブということもあり、大きな注目を集めていた。オープニングを彩ったのは、ひぐらしの鳴き声と優美かつダイナミックな箏(こと)の演奏。続けて、星が瞬く夜空のような長羽織を身に纏った柴咲コウがステージに上がると、本格的にライブがスタートした。黒幕に月が浮かぶ中で、2005年12月にリリースされた2ndアルバム『ひとりあそび』の収録曲で、闇夜に満月を待ちわびる「漆黒、十五夜」を身体全体を使って表情豊かに歌い上げた彼女は、「ようこそお越しくださいました。素敵な場所で歌を唄えることをとても嬉しく思っています。みなさん、思い思いにゆっくりとお過ごしください」と穏やかな表情で挨拶した。その後も、自身が主演を務めた大河ドラマ『おんな城主 直虎』で、一人の役を1年間演じた経験を満たされた月夜である十六夜に重ねた「いざよい」、2003年に公開された映画『黄泉がえり』の主題歌で、RUI名義でリリースして大ヒットした「月のしずく」と“月”をモチーフにしたバラードを情感豊かに歌唱。MCでは、「しっとりとした月の曲が多いですし、陰と陽でいうと、陰の歌詞が多かったりするんですが」と前置きした後で、「私自身が明日、8月5日が誕生日で夏生まれ。太陽のパワーや力強さの中で生まれたというところで、皆さんが太陽のエネルギーを感じて、そこはかとなく元気になれるようなコンサートにしたいという思いで、このタイトルをつけました」と、「陽の巫女の宴」というライブタイトルについて解説。さらに、「私にとって歌詞や言葉を紡ぐこと、歌うことは“祈り”に近いものがあります。和の世界観が好きということもあり、恐れ多いのですが、祈りや願いを込めて歌うという思いで“巫女の宴”と名付けました」と明かし、「それぞれの心に届いて、豊かな気持ちになってもらえたらいいな。もしも傷があるんだったら、癒やされてほしいなという思いで歌っております」と語ると、満員の客席からは、彼女の祈りの歌が心にまっすぐに届いてることを伝えるかのような温かい拍手が湧き上がった。さらに、近年の多岐にわたる活動について振り返り、「体は1つですが、やりたいことはたくさんあって。一生は一回きり。この魂とこの身体でここにいるのは1回きりなので、後悔のないように生きたいと思って、いろいろと挑戦しています。もがきながら、楽しみながら、日々を過ごしています。できれば、そうやって蒔いた種が、点ではなく線となって、輪っかになって、みんなの心とも繋がっていけばいいなと思っています。その中に音楽活動もあって、できる限りコンサートを開いて、皆さんの目の前で歌を、思いを届けていきたいなと思っています」と音楽活動への強い意欲を示した。ここで、彼女は何も言わずに、8月5日の誕生花であるひまわりを花瓶に刺した。1stセットでは3本、2ndセットでは11本。前者の花言葉は「愛の告白」で、後者は「最愛」。1stセットでは、MuseK名義でリリースした英語詞の世界デビューシングル「Blessing」の日本語バージョンで愛を歌い上げ、観客一人一人の顔を見つめながら<ずっと育てていこうみんなで>というメッセージを届け、2002年7月にリリースされた記念すべきデビューシングル「Trust my feelings」はアグレッシヴにパフォーマンス。2ndセットでは、ドラマ『ガリレオ』の劇場版『容疑者Xの献身』の主題歌として福山雅治が作詞作曲、プロデュースを手掛けたKOH+名義の「最愛」で、ピアノとウッドベースの弦弾きによる美しく物悲しい調べにのせて、<おなじ月の下で/おなじ涙を流した>あなたへの無償の愛を切々と歌い上げて、観客の涙を誘い、竹内結子主演のドラマ『ストロベリーナイト』の主題歌「EUPHORIA」は激しく強い歌唱を見せた後、「一聴すると攻撃的ではあるんですけど、実は赦しの歌です。相手を許さなかった自分を確かめて、受け入れて、手放すこと。自分自身を解放して赦しあげることが大切なんじゃないかなって思います」と語った。20周年の目標は今をとことん楽しむことライブの後半に入ってからは、真っ白なレースのトップスと巫女のような緋袴風スカートに着替え、3rdシングル『眠レナイ夜ハ眠ラナイ夢ヲ』のカップリングで、来ぬ人を待ちながら月を眺め、やがて夜明けを迎える「浮雲」に続き、ドラマ『世界の中心で愛をさけぶ』の主題歌として多くの人に親しまれている「かたちあるもの」では、心の奥底から湧き上がってきたような美しくも力強い歌声を響かせた。そして、歳を重ねるごとに自分自身や楽曲が育ち、成熟し、さまざまな捉え方ができるようになったとしみじみと語りかけた彼女は、追憶をテーマにしたピアノバラード「My Perfect Blue」を歌唱。大きな愛で会場全体を包み込むように本編を締めくくった。大きな拍手を受けた柴咲がステージに戻ってくると、2ndステージでは黒幕がオープン。東京の夜景が広がる前で、過去を振り返りながらも、今、ここから力強く歩いて行くという意思を込めたロックナンバー「wish」を歌唱。1stセットでは、「私の性格はついつい、今よりもちょっと未来に行きがちだったりするんですが、今、生きていること、今、みんなと会えてること、今、楽しめてることを、全力で心で感じながら生きていきたい。それが、20周年の目標かな。今をとことん楽しむ1年を走っていきたい」と決意を表明。2ndセットでは、「ほんとに世界中でいろんなことが起こっていて。鬱々としがちなんですけど、だからこそ、人間にはエンターテインメントが必要だと尚更に思います。勇気づけられたり、元気付けられたり、力をもらう。そういうエネルギーの交換ができるライブは大事だし、たやしてはいけないなとつくづく思います。これからも長く音楽活動を続けていきたいなと思いますのでよろしくお願いします」と更なる音楽活動への意欲を表明した。そして、2011年3月の東日本大震災を受けて作った「また、うまれるころには」を通して、改めて歌を届けていくんだという意思を伝えた彼女は、「20周年のスタートということで、今日1日限りでなくて、1年中、何か面白いことをやっていきたいな思います」と約束し、笑顔でステージを後にした。なお、8月12日(金) にはビルボード大阪で2公演が行われ、U-NEXTで独占生配信された2nd Stageでファイナルを迎えた。大阪2nd Stageの模様はU-NEXTで8月14日(日) まで視聴する事が出来る。また、柴咲コウは、9月16日に公開される『ガリレオ』シリーズの最新作『沈黙のパレード』に出演。福山雅治とのユニットKOH+による主題歌「ヒトツボシ」を収録したEP『ヒトツボシ〜ガリレオCollection2007-2022〜』が9月14日にリリースされる。文=永堀アツオ写真=網中健太<配信情報>『KO SHIBASAKI Birthday Party 2022 HINOMIKO UTAGE ~陽の巫女の宴~@ビルボードライブ大阪』2nd Stage見逃し配信:〜8月14日(日) 23:59まで視聴はこちら:<リリース情報>EP『ヒトツボシ ~ガリレオ Collection 2007-2022~』2022年9月14日(水) リリース●映像付き限定盤【CD+DVD+ブックレット+三方背ケース】価格:4,400円(税込)【CD収録】※曲順未定・ヒトツボシ(映画『沈黙のパレード』主題歌)・KISSして(フジテレビ系連続ドラマ 第1シーズン『ガリレオ』主題歌)・最愛(映画『容疑者xの献身』主題歌)・恋の魔力(フジテレビ系連続ドラマ 第2シーズン『ガリレオ』主題歌)・99 -New Era Remix-(『ガリレオ』シリーズ劇中曲)・ヒトツボシ Acoustic Arrange ver.【DVD特典映像】■Music Video ※曲順未定・ヒトツボシ・KISSして・最愛・恋の魔力※新たに撮り下ろした「ヒトツボシ」のほか、「KISSして」「最愛」「恋の魔力」のデジタルリマスター映像を収録。■Live Movie・KISSして(『KANPAI JAPAN LIVE 2017』ver.)・最愛(『KANPAI JAPAN LIVE 2017』ver.)※KOH⁺としては初のライブ作品となる、『KANPAI JAPAN LIVE 2017@東京ドーム』での貴重なライブパフォーマンス映像を収録。■Making Movie・Recording Making & Interview・Art Work Making・Music Video Making※「ヒトツボシ」レコーディング時のメイキング&インタビュー映像のほか、アートワーク&ミュージックビデオのメイキング映像を収録。●フォトブック付き限定盤【CD+ブックレット+三方背ケース+フォトブック+フォトカード】価格:3,700円(税込)『ヒトツボシ ~ガリレオ Collection 2007-2022~』フォトブック付き限定盤ジャケット【CD収録】※曲順未定・ヒトツボシ(映画『沈黙のパレード』主題歌)・KISSして(フジテレビ系連続ドラマ 第1シーズン『ガリレオ』主題歌)・最愛(映画『容疑者xの献身』主題歌)・恋の魔力(フジテレビ系連続ドラマ 第2シーズン『ガリレオ』主題歌)・99 -New Era Remix-(『ガリレオ』シリーズ劇中曲)・ヒトツボシ Acoustic Arrange ver.【特典アイテム】・フォトブック(24P)・フォトカード(歌詞朗読作品「Dramatical Lyric Reading 〜ヒトツボシ〜」付き)※「ヒトツボシ」アートワークの世界が、数々の写真と共に表現された「フォトブック(全24P)」「フォトカード」を付属。※フォトカード裏面に掲載されているQRコードをスマートフォンで読み込むと、福山と柴咲による歌詞朗読作品「Dramatical Lyric Reading 〜ヒトツボシ〜」が鑑賞可能。●通常盤【CD Only】価格:2,500円(税込)『ヒトツボシ ~ガリレオ Collection 2007-2022~』通常盤ジャケット【CD収録】※曲順未定・ヒトツボシ(映画『沈黙のパレード』主題歌)・KISSして(フジテレビ系連続ドラマ 第1シーズン『ガリレオ』主題歌)・最愛(映画『容疑者xの献身』主題歌)・恋の魔力(フジテレビ系連続ドラマ 第2シーズン『ガリレオ』主題歌)・99 -New Era Remix-(『ガリレオ』シリーズ劇中曲)・ヒトツボシ Acoustic Arrange ver.●FUKUYAMA MASAHARU オフィシャルファンクラブ限定「BROS.」盤【CD+DVD+三方背ケース+フォトブック+フォトカード】 ※数量生産限定価格:4,400円(税込)予約受付期間:8月5日(金)18:00~8月15日(月) 23:59先行予約特典:オリジナルポストカード(5枚)※上記受付期間にご予約いただいたオフィシャルファンクラブ会員の方全員に、【早期予約特典】として「オリジナルポストカード(5枚)」が付属されます。■注意事項・本作品は福山雅治オフィシャルファンクラブ「BROS.」「BROS.+(WORLD FAN CLUB)」「福山雅治モバイル(Fモバ)」会員の方のみご購入いただけます。・ファンクラブ限定「BROS.」盤はアーティストオンラインショップ「アスマート」のみでの取り扱いとなります。・数量限定生産につき、ご予約の受付期間を設けさせていただいております。・受付締切間際はアクセスが集中する場合もございますので、お時間に余裕を持ってご予約ください。・クレジット決済のみとなります。【CD収録】※曲順未定・ヒトツボシ(映画『沈黙のパレード』主題歌)・KISSして(フジテレビ系連続ドラマ 第1シーズン『ガリレオ』主題歌)・最愛(映画『容疑者xの献身』主題歌)・恋の魔力(フジテレビ系連続ドラマ 第2シーズン『ガリレオ』主題歌)・99 -New Era Remix-(『ガリレオ』シリーズ劇中曲)・ヒトツボシ Acoustic Arrange ver.・vs. ~知覚と快楽の螺旋~(guitar×piano ver.)-Bonus Track-【DVD特典映像】■Live Movie ※曲順未定・ヒトツボシ(『お前と密会 2022』ver.)・KISSして(『WE’RE BROS. TOUR 2022 “光” -HIKARI-』ver.)・vs.2022 〜知覚と快楽の螺旋〜(『WE’RE BROS. TOUR 2021-2022 “Promise for the Future”』ver.)・最愛(『WE’RE BROS. TOUR 2021-2022 “Promise for the Future”』ver.)・恋の魔力(『WE’RE BROS. TOUR 2014 HUMAN』ver.)・覚醒モーメント(『福山☆冬の大感謝祭 其の十一』ver.)※『お前と密会 2022』で披露された「ヒトツボシ」、『WE’RE BROS. TOUR 2022 “光” -HIKARI-』で披露された「KISSして」、『WE’RE BROS. TOUR 2021-2022 “Promise for the Future”』での「vs.2022 〜知覚と快楽の螺旋〜」「最愛」の最新ライブ映像のほか、2011年以降に披露された「恋の魔力」「覚醒モーメント」のライブ映像を収録。【特典アイテム】・フォトブック(24P)・フォトカード(歌詞朗読作品「Dramatical Lyric Reading 〜最愛〜」付き)※「ヒトツボシ」アートワークの世界が、数々の写真と共に表現された「フォトブック(全24P)」「フォトカード」を付属。※フォトカード裏面に掲載されているQRコードをスマートフォンで読み込むと、福山と柴咲による歌詞朗読作品「Dramatical Lyric Reading 〜最愛〜」が鑑賞可能。【予約購入者特典】■A!SMART(アスマート)オリジナル特典:A5クリアファイル■Amazon.co.jpオリジナル特典:メガジャケ(24×24cm)■楽天ブックスオリジナル特典:コルクコースター■TSUTAYA RECORDS 全国各店/TSUTAYA オンラインショッピングオリジナル特典:A2ポスター■タワーレコード 全国各店 / タワーレコードオンラインオリジナル特典:ジャケットステッカー■UNIVERSAL MUSIC STOREおよび上記以外の店舗・オンラインショップ共通特典:ポストカード『ヒトツボシ ~ガリレオ Collection 2007-2022~』特設サイト:映画『沈黙のパレード』特設サイト:関連リンク柴咲コウ オフィシャルサイト / オフィシャルファンクラブ “KO CLASS”柴咲コウ YouTube「レトロワグラースch.」
2022年08月13日Bialystocks(ビアリストックス)によるライブイベント『音楽交流紀2』が7月9日(土) 渋谷WWWで開催された。第一回のゲストにはグソクムズを迎えたが、今回の対バンは優河 with 魔法バンドとのツーマン形式となった。優河 with 魔法バンド優河まずは岡田拓郎(Gt)、千葉広樹(Ba)、谷口雄(Key)、神谷洵平(Ds)の4人を擁する魔法バンドをバックに、優河(ゆうが)が登場。「WATER」で幕を開けると、浮遊感に富むメロディと雄大なサウンドでじっくり聴かせる。「さざ波よ」に入ると、肌に染み込むような繊細な歌声を響かせる優河。そこにピタリと呼吸を合わせる魔法バンドの演奏が折り重なり、深淵な世界を作り上げていった。岡田拓郎(魔法バンド / Gt)千葉広樹(魔法バンド / Ba)「初めましての方が多いと思いますが……対バンは2年ぶり。どうすればいいかわからなくて、人見知りしちゃって」と優河は語る。しかし、曲が始まるや、清澄な歌声で観客を魅了する。特に「夜になる」では吸い込まれそうな美しい声色に聴き惚れてしまうほどだった。谷口雄(魔法バンド / Key)神谷洵平(魔法バンド / Ds)後半は新曲を挟んだ後、「Bialystocks、リハからめちゃくちゃかっこ良かった!1回目も観に来たけど、パワーアップしていた」と、いちファンのような熱いコメントを差し込み、「魔法バンドを作るきっかけになった曲」と前置きし、最後は「魔法」を解き放ち、エモーショナルな歌唱力で観客を釘付けにしていた。Bialystocksそして、映像作家である甫木元空(Vo)、様々なアーティストのサポートや劇伴、ジャズ・シーンでも活躍する菊池剛(Key)の2人からなるBialystocksがステージに立つ。サポートにギター、ベース、ドラム、さらに男女コーラス隊2人を加えた大所帯により、「ごはん」で本編をスタート。甫木元はフォーキーな歌声で静かに歌い上げ、リズムを活かした「All Too Soon」では流麗かつジャジーな菊池の鍵盤に耳を奪われていく。確かな歌声と演奏がお互いに補完し合い、強固な世界観を構築している様に序盤からゾクゾクした。甫木元空(Vo)甫木元がファルセット・ボイスを駆使した「花束」においては、切なさの中に明るい希望が見える曲調に慰撫されてしまう。「こんばんは、Bialystocksです。バンド界隈に友達がいないから、『音楽交流紀』と付けました」と甫木元はイベント名の由来を説明し、続けて「MCでカッコイイことを言おうとしている自分が恥ずかしくなった。シンプルに楽しんでもらえたら」と言い、会場の空気を和ませていた。歌声と鍵盤が掛け合うように進む「フーテン」は、突飛な電子音を差し込む自由度の高いアレンジが面白い。それから「コーラ・バナナ・ミュージック」に入ると、甫木元はオレンジ、菊池はグリーンとメンバーそれぞれに色の異なるスポットライトが灯され、MVでも観ているような視覚効果で観客を唸らせる。また、ヘヴィなギターもいいアクセントになっており、動静のダイナミズム溢れる展開にも興奮した。菊池剛(Key)「光のあと」でバンド然としたサウンドを叩きつけ、かと思えば「またたき」では余白のあるプレイで聴かせるなど、緩急溢れる曲順で観客を引き込んでいく。ハートフルな歌声を放つ「Over Now」では中盤過ぎにハードロック調のギターが咽び泣く。そんな熱いプレイを随所に織り込むところも、Bialystocksらしい。流麗な鍵盤に導かれるように始まった「I Don’t Have a Pen」は、早口風ボーカルに加え、男女コーラスがソウルフルな声色で盛り上げ、映像喚起力に優れたサウンドは素晴らしい限りであった。「Winter」をやり終え、「ありがたいですね、聴いていただいて」と菊池がMCで感謝の言葉を述べると、「残り数曲ですけど、素敵な夜を」と甫木元が続き、「差し色」をプレイ。Bialystocksジャジーな鍵盤の上に、爽やかな歌声が乗り、心がフッと軽くなる高揚感に包まれると、ラストは「Nevermore」で締め括った。光り溢れるメロディが心地良く、「雨はいつか歌に変わる」の歌詞には音楽の可能性をとことん信じた、彼らなりのメッセージが込められているようだった。演奏後、盛大な迫力が起きると、それはアンコールを求めるクラップへと切り替わる。すると、スクリーンには甫木元監督による映画『はだかのゆめ』が11月から公開、また、10月にはBialystocksの初ワンマンライブ開催とファンには嬉しい告知が続いた。それから今日の対バンである優河を呼び込むと、彼女は唐突にある質問を投げかける。「何歳になったんですか?」(優河)、「今年30歳になりました」(甫木元)、「同じ歳だ!同じ歳バイブス感じる!」(優河)と一気にハイテンションになる彼女。そんなクダけた会話を経て、Bialystocks+優河 with 魔法バンドの総勢12名で「カントリー・ロード」のカバーを披露。甫木元は日本語、優河は英語とそれぞれ違う言語で歌い上げ、牧歌的だけどオシャレ感漂うアプローチに会場も大盛り上がり。最後はアットホームな空気に包まれて終了した。研ぎ澄まされた美しい歌声、ジャンルに縛られない多彩なサウンドという意味で両者の共通項は多く、この組み合わせに観客も大満足の様子だった。贅沢なひとときは、あっという間に過ぎ去るもの。まさに時間を忘れて、楽曲の世界観に没入してしまった。Text:荒金良介Photo:廣田達也<公演情報>Bialystocks Live 2022 "音楽交流紀 2"2022年7月9日(土) 渋谷WWWセットリスト■優河 with 魔法バンド01. WATER02. さざ波よ03. fifteen04. 夜になる05. June06. 夜明けを呼ぶように07. people08. 魔法■Bialystocks01. ごはん02. All Too Soon03. 花束04. フーテン05. コーラ・バナナ・ミュージック06. 光のあと07. またたき08. Over Now09. I Don’t Have a Pen10. Winter11. 差し色12. NevermoreEN. カントリー・ロード(カバー・優河 with 魔法バンドとコラボ)<ライブ情報>Bialystocks 第一回単独公演 於:大手町三井ホール2022年10月2日(日) 大手町三井ホール開場17:15 / 開演18:00チケット料金:5,500円(税込・自由)※入場時ドリンク代別途必要関連リンク■優河オフィシャルサイト::::■Bialystocksオフィシャルサイト::::
2022年08月05日水曜日のカンパネラが2022年8月3日(水)、新体制初のワンマンライブ『水曜日のカンパネラ ワンマンライブ2022 ~Neo poem~』を東京・恵比寿 LIQUIDROOMにて開催した。2021年9月に初代ボーカリストのコムアイが脱退、2代目ボーカリストとして詩羽の就任が発表。現在は詩羽に加え、サウンドプロデューサーのケンモチヒデフミ、何でも屋のDir.Fと3人で活動しているが、ライブでは詩羽のみがステージ上でパフォーマンスする。6月22日の神奈川・F.A.D YOKOHAMAを皮切りに、全国8カ所を巡る対バンツアーを経て、満を持して東京でのワンマンライブを迎えることとなった。新体制になって以降、リリースパーティは2回主催しているが、正式なワンマンライブは今回が初。チケットは即日SOLD OUT。プレミアチケットを手に入れることのできた来場者で会場は満員となった。定刻を過ぎたところで暗転。「アリス」のイントロが流れると、客席の四隅にうさぎの耳付きの仮面を被った4人が登場。1人ずつスポットライトが当たり、仮面を被った人物が歌い出すが、誰が本物なのかわからず観客たちが戸惑っている中、ステージ上手から赤い衣装に身を包んだ詩羽が登場。そのまま詩羽は、新生・水曜日のカンパネラ初楽曲の1曲「アリス」を軽快に歌い、初ワンマンライブの幕を開けた。間髪おかず、初期水カン時代中期の楽曲「アラジン」を披露。間奏のタイミングで、詩羽はモップでステージを掃き、ギター代わりに弾き真似をするなど、自由自在にパフォーマンス。ワンマンタイトルの「Neo poem」のレーザーがステージの壁に投射されると、「ラー」へ。特徴的なリズムが流れ、新生カンパネラ、もう1つの始まりの楽曲「バッキンガム」へ。重く響くキックの音に、抜けのいい詩羽のラップと歌声が乗り、ステージ左右をくるくる動き回りながらパフォーマンスした。「あらためまして、こんにちは! 水曜日のカンパネラの詩羽です!」と自己紹介すると、大きな拍手の中、詩羽はミネラルウォーターをこの上なく美味しそうに飲んだ。「この景色を見てうるっときちゃった。一応リリースパーティは1人でライブをしていたけど、今までは言ってなかったから、今回が正式に初ワンマンライブ(笑)!」と語り、「最後まで楽しんでいきたいと思っているので、次の曲、みんなで一緒に手をあげてほしいです」と、銭湯を歌詞のモチーフにした「ディアブロ」へ。《いい湯だねいい湯だね》という歌詞に合わせ、観客は手で湯気を作ったりしてコール&レスポンス。一体感を生み出した。重い四つ打ちのキックとベース、スロウなテンポにソウルフルなメロディが乗る新曲「ティンカーベル」をしっとりと歌い上げると、会場が真っ暗に。コムアイ時代の楽曲「メデューサ」のイントロが流れると、光る電飾のマントを纏った詩羽が客席の中を歌いながら練り歩いていく。客席中央のPA卓前までたどり着くと、突然現れた脚立に座り、「モヤイ」を歌唱。原始的なリズムとストリングスとコーラス、そして観客たちの拳があがり、詩羽を中心にこの上ない多幸感を生み出した。楽曲が終わり、再び真っ暗になると、お祭りの音が鳴り、うさぎの耳の仮面を被った4人の従者が提灯を持って会場を練り歩いていく。4人はステージに張られた暗幕の中に姿を消す。しばらくして暗幕が開くと、竹藪に覆われたセットが現れた。十二単衣のような衣装に身を纏い、鎮座している詩羽が、「かぐや姫」をしっとりと歌った。セットから降りて、羽織っていた衣装を脱ぎ、別の衣装に身を包んだ詩羽が登場。再び、水を美味しそうに飲みながら、この日のチケットが売れるか心配だったことを明かした。同時に、リキッドでワンマンできていることに対して「もうすぐ活動1年くらいの20歳が、リキッドルームで、みんなと楽しく踊るのが可能な世の中なんです。私はやりたいことをやって、自分を曲げず、運やご縁があってここにいるんですけど、意思を貫いていたらどこかのタイミングで縁があるのかなって。好きなものは好きなときに見に行って、タイミングやご縁、運命的なものを逃さないで、みんなと一緒に駆け抜けていきたいな」と話した。「いい話をしたところで、次の曲にいきたいなと思うんですけど」と笑いをとると、観客たちにスマホのライトを灯すように伝え、会場に天の川が生みだした。ギャルでパリピな織姫と彦星を描いた「織姫」を披露し、観客たちの手拍子とともに水カン流EDM楽曲「卑弥呼」へ。さらに、本日2曲目の新曲を披露。曲の途中で、5人のカメラマンたちが詩羽を囲むようにステージに現れると詩羽は退場。激しいエレクトロサウンドの中、5人は横並びになって、前後に動きながら客席を撮影した。突然、白衣を着た人物たちが現れ、蓄音機やデスクトップPCを準備すると、「エジソン」のMVと同じセットがステージ上に出現。TikTokやSNSでも広がっていることもあり、スマホを取り出し撮影を始める観客も少なくなかったが、こらえきれなくなったのか、楽曲後半ではスマホをしまい、みな身体を揺らし、リキッドルームはダンスホールへと化した。ラブの多い世の中でいようぜ!再びおいしそうに水を飲みながら「楽しい! 楽しい!」と語った詩羽は、MCをした。「私が活動をはじめた1年前からコロナ禍で、ずっと、みんなの顔が半分しか見えない状態でライブをしているので、伝わるけど伝わらないところもたくさんあるんです。だから、手拍子だったり、手を向けてくれるだけで熱量が伝わるのがうれしくて。なかなか難しい時期ではあると思うけど、これが終わったらもっといけるんじゃないかと思っていて。初ワンマン。一度しかない響きだし、今日このステージに立ってライブをやるのは本当に1回なので。2022年8月3日、水曜日のカンパネラのワンマンあったなくらいで覚えておいてもらって、ラブでいてくれる期間はみんなのラブを私に分け続けてほしいです。私も与え続けたいと思っています。みんなに、ラブの多い世の中でいようぜ!って伝えていけたらと思います」自分の気持ちを言葉にすると、「もうすぐ終わりだから、最後まで楽しんでいきたいなと思っているんですけど、楽しむ準備できていますか? 最後まで手をあげたり、ジャンプしたり、ルールを守って筋肉痛になるくらい全力で楽しんでもらえたらと思うので、最後までよろしくおねがいします!」と、水曜日のカンパネラの代表曲「桃太郎」へ。腰に響く低音と、卓球の三角打法をモチーフにした「きびだーん」の振り付け、ナンセンスな歌詞が一体となり、時代を超えて「桃太郎」の持つ魅力が伝わってくる。いつもはウォーターボールに入って歌うことが多いが、この日は、ストレートに「桃太郎」を表現してみせた。突然詩羽が連結人形をつけると、スロウなデジタルファンク曲「一寸法師」へ。人形たちも詩羽の動きに合わせて、ジャンプをしたり、体を揺らしてダンスをした。楽曲が終わると、人形を脱ぎ、「招き猫」へ。ステージ上には風船型の巨大招き猫が登場。初代水カンから受け継がれる伝統的演出のひとつで、新生カンパネラでも初期から使われている招き猫を愛ながら、しっとりと歌い上げた。2番のサビでは金色のテープがステージ左右から客席に向かって舞い、招き猫による縁起の良さをこれでもかと見せつけた。「ありがとうございました! ビッグラブ! バイバイ」同楽曲を歌い終えると、詩羽は颯爽とステージを後にした。リキッドルームでの初ワンマン。しかも「エジソン」が大きなバズを起こして注目を集めている中でのワンマン。高いハードルの中開催された初ワンマンだったが、その期待をはるかに上回るライブパフォーマンスだったことは間違いない。新生・水曜日のカンパネラのエンターテインメントはまだまだ進化していきそうだ。取材・文:西澤裕郎撮影:横山マサト<公演情報>水曜日のカンパネラ ワンマンライブ2022 ~Neo poem~8月3日(水) 東京・恵比寿 LIQUIDROOMセットリスト1. アリス2. アラジン3. ラー4. バッキンガム5. ディアブロ6. ティンカーベル(新曲)7. メデューサ8. モヤイ9. かぐや姫10. 織姫11. 卑弥呼12. (新曲)13. エジソン14. 桃太郎15. 一寸法師16. 招き猫<配信情報>水曜日のカンパネラ Digital EP『ネオン』Now On Sale水曜日のカンパネラ『ネオン』ジャケット【収録内容】M1. 織姫M2. 卑弥呼M3. エジソンM4. 一寸法師M5. バッキンガムM6. アリスM7. モヤイM8. 招き猫全作詞作曲:ケンモチヒデフミ配信リンク:関連リンク水曜日のカンパネラ WEB SITE:水曜日のカンパネラ Twitter:水曜日のカンパネラ YouTube:水曜日のカンパネラ TikTok詩羽 Instagram:詩羽 Twitter:詩羽 TikTok
2022年08月04日完全招待制によるライブイベント『Invitation to TRIAL GATE Vol.1』が開催。本イベントはこれから頭角を現すであろう次世代アーティストを厳選し、才能溢れる若手が一堂に集結した魅惑のラインナップとなっている。記念すべき第1回目は昨春にオープンしたばかりという、渋谷ど真ん中に位置するライブハウス・TOKIO TOKYOで行われた。最大キャパ300人でステージとフロアの段差は少なく、近い距離でアーティストの熱気を感じられる素敵な空間であった。Skye(Vo / G)Paul(G)まずトップで出てきたのはWENDY(ウェンディ)だ。結成2年目にして『SUMMER SONIC 2022 TOKYO』に出演が決まり、8月には代官山SPACE ODDで2度目のワンマンライブを行う、メンバー4人がまだ全員10代という期待のニューホープで、グラマラスなルックスは80年代のLAメタル / バッドボーイズ・ロックンロール的なオーラを放っている。イギリスのThe Struts、イタリアのMåneskinと華やかなロックサウンドで魅了するバンドが続々と現れる中、彼らもその系譜に位置する音楽性と言えるだろう。Johnny(B)Sena(Ds)「7月26日にリリースが決まった。恥ずかしがらずに飛んで!」とSkye(Vo / G)が煽り、「Devil’s Kiss」をプレイ。ハードロック風味漂う軽快なロックンロールナンバーで、骨太なインストパートでは観客をジャンプさせていた。口ずさみやすい歌メロ、わかりやすいリフ、キャッチーなメロディなど、70、80年代のロックをルーツにした抜けのいいサウンドでフロアを終始沸かせた。今までいそうでいなかった王道タイプで、生命力溢れる直情的なエナジーに圧倒されてしまった。RQNY次は『SUMMER SONIC 2022 OSAKA』に出演が決まっている、ほぼ無名の新人RQNY(ロニー)が登場。XXX-tentacionやMichael Jacksonをフェイバリットに挙げているという、彼のソングライティング、トラックメイクは、既に早耳の間で話題だ。その歌声は透明感に溢れ、ボーカルとしての歌唱力も半端ではない。ステージ上にはMONJOE(DATS)がDJとして参加し、HIPHOPやTRAPを感じさせるビート、アコギやピアノを配した多彩なトラック、その上を縦横無尽に乗りこなすメロディはポエトリーやラップのようでもある。特に印象深かったのは「流星」であった。「君がいないから」と心の空白を綴った歌詞には寂寥感が漂い、その空白を埋めるエモーショナルな歌声に胸を突かれてしまった。ほかの楽曲においても底流に切ない心情を抱えたものが多く、そうした陰りが彼の音楽に推進力を与えているようだった。足りないのは名声だけ、と言いたくなる逸材である。ざきのすけ。三番手はYouTubeのオーディションプログラム「THE FIRST TAKE STAGE」のファイナリスト4名にも選ばれた実績を持つラッパー兼シンガーのざきのすけ。だ。R&B、ソウル、ヒップホップ、ジャズ、ロックなど豊潤な音楽的なバックグラウンドを持ち、序盤からアッパーな曲調でフロアを揺らす。今日は制作も一緒に行っているSANABAGUN.の大樋祐大(Key)と初共演を果たし、ざきのすけ。本人も興奮気味の様子。中盤には久保田利伸の「LA・LA・LA LOVE SONG」のカバーも飛び出し、艶のある伸びやかな歌声を存分に披露。「すごい楽しいです。この楽しい感覚がお客さんにも伝われば……」とMCを挟み、ラスト曲「CASSIS」では観客も体を激しく揺らしていた。たとえ曲を知らない方でも虜にしてしまう、普遍的なポピュラリティを持つアーティストと言っていい。ego apartmentZen(Vo / G)そして、今日のトリを飾ったのはego apartment(エゴアパートメント)である。ステージ下手からZen(Vo / G)、リーダーのDyna(B)、Peggy Doll(Vo / G)と横一列に並び、ドラムレスの3人組というユニークな編成を取っている。その特異性は音楽にも表れており、英語と日本語を混ぜた歌詞に加え、ZenとPeggy Dollの対照的な声色を放つツインボーカルの存在感に惹きつけられた。前者は低音かつスモーキー、後者は高音かつソウルフルな歌声で迫り、その2つの歌声が1曲の中で掛け合いを繰り広げ、マーブル状に溶け合っていく。また、生演奏と打ち込みを使用した自由度の高いアレンジも面白かった。Dyna(B)Peggy Doll(Vo / G)ジャズ、ソウル、ロックなどの多様なジャンルを横断するミクスチャーセンスは、the band apartを彷彿させるところもあったけれど、新世代ならではの奔放なアプローチは独創性に溢れている。本編を終えると、アンコールを求める盛大な拍手に応え、リリースしていない楽曲「Call me」を最後にプレイ。リズムが特徴的でどこかブルージーな味わいを秘めた曲調だが、シンガロングを誘発する高揚感溢れる歌メロで観客を魅了。これからいい意味で、どんどん変化しそうな注目のトリオと言えるだろう。次回、『Invitation to TRIAL GATE Vol.2』は8月10日に代官山UNITで開催が決まっている。是非とも新しい才能と感性に触れてもらいたい。Text:荒金良介Photo:吉田圭子<公演情報>『Invitation to TRIAL GATE Vol.1』2022年7月10日(日) 渋谷TOKIO TOKYO【WENDYセットリスト】01. SCREAM02. Devil’s Kiss03. Rock n Roll is Back04. Home05. When You Played Me06. Runaway【RQNYセットリスト】01. 未発表02. 夢に戻り目を覚ます03. ナイフ04. 流星05. 未発表06. 未発表07. 三日月の夜08. Alone09. 未発表【ざきのすけ。セットリスト】01. Launch02. Bipolar03. LA・LA・LA LOVE SONG(カバー)04. Finger Magic05. Feel Like06. MINT07. CASSIS【ego apartmentセットリスト】01. Sensation02. NEXT 2 U03. mayonnaise04. NooN05. Weigh me down06. huu07. LOOSEEN. Call me<ライブ情報>『Invitation to TRIAL GATE Vol.2』2022年8月10日(水) 代官山UNIT18:00 開場 / 18:30 開演予定出演アーティスト:krage / ざきのすけ。and moreオープニングアクト:Carlo Redl★招待受付中!ご招待数:50組100名様お申込み・詳細はこちら:■WENDY『Doul主催 “THE TIME HAS COME”』2022年7月26日(火) 表参道WALL&WALL開演 19:00『SUMMER SONIC 2022』2022年8月20日(土) ZOZOマリンスタジアム、幕張メッセ ※「J-CULTURE STAGE」に出演開場 9:00 / 開演 11:00『WENDY ワンマンライブ「Rock N Roll Is Back」』2022年8月27日(土) 代官山SPACE ODD開場 17:30 / 開演 18:00■ego apartment『梅田Shangri-La 17th Anniversary「失われない音楽祭 DAY4」』2022年8月4日(木) 梅田Shangri-La開場 18:30 / 開演 19:00出演:jizue / ego apartment『TAMIW presents “fête”』2022年9月28日(水) Shibuya nest開場 18:30 / 開演 19:00出演:TAMIW / ego apartment / NIKO NIKO TAN TAN『Soulflex joint MILESTONE』2022年10月16日(日) なんばHatch開場 16:00 / 開演 17:00出演:Soulflex / 梅田サイファー / どんぐりず / Shin Sakiura / ego apartment / (DJ) SATOCI ENOMOTION<リリース情報>■WENDY『Devil’s Kiss』2022年7月26日(水) リリース『Rock N Roll Is Back』発売中■RQNY『alone』『雨の魔法』発売中■ざきのすけ。『Identification』発売中■ego apartment『EGO APARTMENT』発売中関連リンク■WENDY公式サイト■RQNY公式サイト■ざきのすけ。Twitter■ego apartmentTwitter
2022年07月25日チケットぴあが若手バンドを応援するイベント『Grasshopper vol.3』が、6月27日(月) 下北沢DaisyBarで行われた。同ライブはチケットぴあが若手バンドを応援するために立ち上げたライブハウス企画である。第3回目となる今回は、Jacob Jr.とHalujioによるツーマンとなった。1組目は、2014年長野県諏訪で結成されたJacob Jr.。4人がドラムの元に集まって円陣を組み、それぞれの拳を突き合わせる。これから始まるライブへの気持ちを整えるように頷き、ギターの音が徐々に大きくなる。「俺たちがJacob Jr.!!」というTHEカミジマ(Gt/Vo)の叫び声からそのまま「エンドレスサマー」が始まった。夏の暑さを吹き飛ばすような疾走感に溢れ、観客の拳がグッと突き上げられる。豪快なギターソロとパワフルなドラムがフロアの熱気を底上げした。そのまま次の曲へと続くドラムが続けられるが、突然たくやさんex.ウエマツ(Ba)が「はいミスりましたー!」と声を上げた。どうやらカミジマがミスしたようだったが、お互いに笑いながら「もっかいやろっか!」と明るく対応する様子から仲の良さが窺えた。気を取り直して歌い出したのは「ツービート・ワンビート」。拍手を求めるカミジマに観客が応え、ドラムのツービートの勢いでライブは盛り上がっていく。曲が終わるとドラムソロが始まり、カミジマが「初っ端からえっぐいミスしてごめんなさい!その分取り返すように素晴らしいライブして帰るのでよろしくお願いします!」と言った。そして、たくやの「1, 2, 1 2 3!!」の掛け声で「BIGMOUTH」が始まる。サビでの叫ぶようなシンガロングから、メンバーの熱量がひしひしと伝わってくる。観客も迷わず拳をあげ、曲から真っ直ぐに届けられる熱いメッセージを受け取った。次の曲に入る前にカミジマは「僕たち今年で28歳。若手と呼べるかわからないですけど、いいところまで飛べるように頑張りたいと思っています」とイベントに対する思いを伝え、歌い始めた。この「1994」に、MCで述べた思いがぎゅっと詰め込まれているようだった。その温かい曲調に合わせて観客はゆっくりと体を揺らす。そのままアップテンポな「アイデンアンドティティ」、そして「Gun’s shy」に繋がった。フロントの3人は高く飛び跳ねて全身でライブを楽しみ、ドラムの音も一層パワフルに鳴らされた。ライブ中盤戦、まだまだ勢いは止まらない。次に始まったのは新曲「人類最後の日」。観客は、初めて聴く曲にも関わらず、そのライブの熱さに自然と拳を突き上げた。曲の最後でカミジマはギターを持ち上げ大きく叫んだ。曲が終わると、2本のギターが掛け合う静かなアルペジオが始まり、フロアに綺麗に響く。カミジマが「俺はお前が一人じゃねえって歌いにきたんだ!」と声を荒げた瞬間、「PACKRAT」が勢いよく始まった。胸に手を当てて「きっと大丈夫」と真っ直ぐ伝えてくるライブに心が掴まれる。続く「The Winter Bus」は、切ない曲調で、観客はじっとステージを見つめていた。轟音のギターがフロアに響き、体に染み込むようだった。曲が終わると、「今日はありがとね、またライブハウスで会いましょう。ラスト!!」という掛け声に合わせて「かさぶたポロリ」が始まった。Jacob Jr.らしい真っ直ぐで勢いある曲調に、カサブタというモチーフで感情の変化を表現した歌詞をのせた曲だ。この日でライブが連続4本目だという彼らだったが、最後の力を振り絞り、声を枯らしながらも全身全霊で演奏し切った。2組目は、2018年結成、東京・府中発4ピースロックバンドHalujio。ライブの始まりを告げるSEが流れ、観客の体が少し揺れる。次々とHalujioのメンバーが入場し、高畠大知(Gt/Vo)の「最後、よろしくお願いします。」という一言から、1曲目「セピア」が始まった。細川龍之介(Ds)の力強いドラムに乗った、爽やかなギターサウンドとコーラスワークが映える。彼らの魅力である王道ギターロックが響き渡った。サビでは自然と観客の拳が上がり、それに応えるように高畠が「やろうかDaisyBar!!」と声を荒げた。そうして1曲目からフロアをバンドの色に染め上げる。そのまま2曲目「浅呼吸」に入り、イントロから大窪弥真斗(Gt)が首を振ってギターをかき鳴らし、フロアのボルテージは上がっていく。一文字ずつはっきりと歌詞を伝えるように歌い、観客に思いを届けようとしている姿が印象的だった。続く「目を凝らして」では、4人が向かい合い、力の限り鳴らした爆音が、勢いよく胸に突き刺さる。サビ前、観客を煽るように、松本宗光(Ba)がベースを、大窪がギターを持ち上げる様子がライブの熱量を物語っていた。体を上下に揺らし、全身で歌う高畠の「君の涙忘れないから」という思いがより一層心に響いた。曲間で、高畠は「こういうワクワクするイベントがここDaisy Barでできて幸せです。」と企画への感謝を伝えた。美しいアルペジオから「スバル」が始まり、重く体にのしかかるベースの重低音、バスドラムの音が観客を包み込む。泣きそうな声で感情的に歌う高畠の歌に心が揺さぶられた。そのままステージは赤暗い照明で包まれ、大窪の真っ白なギターも赤く染まった。その瞬間からギターの技巧が光る一曲「無粋」が始まった。この曲はHalujioの楽曲の中では特徴的な曲調を持ち、そのコントラストがライブに変化を持たせ、観客をグッと引き込んだ。その後、クリーンに響く煌びやかなギターの音が曲を彩る「full」が演奏された。軽やかに鳴る細川のドラムの音が、高畠の歌声を引き立たせた。曲が終わると、少し黙った後に「あのさ、」と高畠が恥ずかしそうに観客に語りかけた。この日のライブハウスDaisy Barは、クリープハイプが何度もライブをしている場所である。ファンクラブにも入るほどのクリープハイプファンだったという高畠は、「クリープハイプもここでやっていたんだな」と、憧れのバンドと同じ場所に立っていることに感動すると同時に、自分達のライブを全うすることを観客に誓った。「忘れられてしまわぬように」と優しく歌い出す高畠の弾き語りから「Ballad」が始まった。雄叫びを上げているように伸びるギターの音が非常に表現力豊かだった。高畠が「ありがとうございました、Halujioでした!」というと、勢いよく「os」が始まった。前曲とは一風変わり、アップテンポな細やかなドラムワークが疾走感を生み出す。バンドメンバーが笑顔を見せ、楽しそうにライブを走り抜ける姿に、観客の拳も自然と上がった。曲が終わり、楽屋にはけたメンバーたちにアンコールの拍手が送られる。再び出てきた彼らは「マジでやっていいんですか!」と嬉しそうに話し、そのまま高畠の弾き語りから曲が始まった。アンコールでも、彼らは持ち味である爽やかで疾走感のある楽曲「言葉」を披露した。声を絞り出して必死に歌い、膝をついてギターをかき鳴らすその姿に、ライブへの思いが表れているようだった。Text by らいれいなPhoto by Nanami Shinkaiイベント公式サイト:
2022年07月14日7月2日、ネットシーン発のシンガーソングライターmajikoがワンマンライブ「愛わかる-medewakaru-」を恵比寿ガーデンホールにて開催した。コロナ禍の2020年12月に行った豊洲PIT公演以来、約1年半ぶりとなる今回は、そのタイトルのように愛を確かめ合うようなライブとなった。大きな拍手に迎えられ、暗がりの中をバンドメンバーが登場。続いて、majikoがステージセンターにつくと、ひと際大きな拍手が会場を包んだ。オープニングSEが止まると同時に、情感たっぷりに歌う彼女の声が響き渡る。バックライトで表情が見えない中、圧倒的な迫力で「狂おしいほど僕には美しい」でライブが始まった。「今日は楽しんで行きましょう!」と弾けるようなmajikoの声。ド派手な照明が煌めく中で披露された「エスカルゴ」で観客の気持ちを高めると、続く「白い蝉」では「みんな立ってもええねんで!」とmajikoの呼びかけに会場は総立ちに。昨年8月に配信リリースされたこの曲はこれが初披露だ。「1年半ぶりのライブということですごいドキドキしています。今日のライブは、みなさんがどんな1年半を過ごしてきたのか、そしてmajikoが1年半いったい何をしていたのかということをみんなで分かっていければと思っております」と彼女が述べるように、昨年から発表してきた楽曲をお披露目する場でもある。さっそく、2022年の第1弾シングル「劫火のエトワール」を披露。アニメーションのMUSIC VIDEOでも話題のこの曲は、スピーディかつドラマティックに展開するナンバー。彼女の美しいハイトーンボイスがメロディに乗って駆け上がっていく。少しずつライブシーンも緩和されてきたが、声を出せないことに変わりはなく、彼女の歌に拍手や手拍子で応える観客。「ふいに出ちゃう嗚咽だったり、ふいに出ちゃうフフフっていう笑いとか。少し緩くなってきたみたいなので、揺れちゃったりとかもいいんじゃないかな(笑)」と優しくmajikoに促された観客は、思い思いに体を動かし始める。徐々に会場全体がリラックスしていったようだった。ジャズボーカリストさながらに息つく暇もなく歌う「勝手にしやがれ」や、「わかんない わかんない わかんないよ」と感情を爆発させる「一応私も泣いた」と披露。majikoの曲は、一曲の中で様々な感情をいろんな歌声で表現するところも魅力。そんな彼女の声に耳を集中させたい欲求が高まってくる中盤には、majikoの歌をじっくり聴けるパートが。「立ってもらったのになんですけど(笑)、座って聴いていただければと思います」と着席を促し、ミディアムロックナンバー「ひび割れた世界」や「エミリーと15の約束」を歌い上げていく。「世界一幸せなひとりぼっち」は透明感のあるクリスタルボイスで美声を響かせた。「カメラの準備はできましたか?」と観客へ語り掛けるmajiko。6月29日にリリースしたばかりの最新曲「交差点」のパフォーマンスは、この日撮影OKに。観客はスマホを片手に初めて生で観るアバンギャルドなポップナンバーを楽しんでいた。そして、「後半戦も楽しんで行きましょう!」という彼女の合図で始まった「ミミズ」で会場全体が揺れ始めると、続く「FANTASY」では真っ暗なステージでメンバーが付けるメガネがピカピカと光るのみで、まるでクラブのフロア。4つ打ちのビートに合わせて観客が踊る。majikoも踊る。majikoたっての希望で、「ワンダーランド」は観客がスマホのライトをオンにして参加することに。サビの「何千何万億のヒカリ」にあわせて光が左右に揺れる中で歌い終えた彼女は、「ありがとうございます。無茶苦茶キレイでした。夢が叶った!」と大興奮!「パラノイア」ではバンドメンバー紹介があり、流れるようなソロは見応え十分で、会場の熱気はさらにヒートアップ。そして、そのままピアノのイントロで「グリム」へとなだれ込むと、観客は大音量の手拍子で盛り上がった。「“戻れるならいつに戻りたい?”っていう話をしてて、いろいろ考えたんだけど。私はね、今が一番楽しいから戻る必要はないって答えたの。たとえ疫病が世界を脅かそうが、自己嫌悪に嫌になる日々が続いたとしても、終わらない過去よりいつか終わる未来のほうがいい。そんな未来をみんなと一緒に楽しく迎えたい。またみんなに会えることを願ってこの曲を一番最後にしました」本編最後に用意したのは、世界が終わるかもしれないことを歌った「23:59」。どんな未来が待っていようとも、再会することを約束したmajiko。アンコールではそんな彼女からさっそくサプライズ。「いま決めました。スタッフには言ってないんですけど、12月にワンマンライブやります。今日はメチャクチャ楽しかったから絶対やる!怒られるかもしれないけど(笑)」と急きょ独断でワンマンライブを決定し、観客を喜ばせた。さらに、今秋にニューアルバムをリリースすることも発表した。ライブを締めくくったのは、「声」。彼女が観客へ届ける最後の歌声に、手を振って応える観客。バンドメンバーを送り出しステージに残った彼女も、名残惜しそうに何度も手を振っていた。「みんなの目を見て愛が分かったと思います。愛が伝わったと思います。私も伝わってきました。ホントにありがとう」。声を出せなくても、十分に通じ合えるライブができたことが嬉しそうだった。Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)<公演情報>『majiko ONEMAN LIVE「愛わかる-medewakaru-」』2022年7月2日(日) 恵比寿ガーデンホールセットリスト01. 狂おしいほど僕には美しい02. エスカルゴ03. 白い蝉04. 劫火のエトワール05. 勝手にしやがれ06. 一応私も泣いた07. ひび割れた世界08. エミリーと15の約束09. 世界一幸せなひとりぼっち10. 交差点11. ミミズ12. FANTASY13. ワンダーランド14. パラノイア15. グリム16. 23:59EN1. 心做しEN2. 声<リリース情報>majiko 配信シングル「交差点」Now On Salemajiko「交差点」ジャケット配信リンク:「交差点」MV関連リンクオフィシャルサイト::( )Twitter::
2022年07月05日