「ライブレポート」について知りたいことや今話題の「ライブレポート」についての記事をチェック! (1/5)
ACIDMANの進撃の1年はここから始まる。1月11日、東京・Zepp HanedaでACIDMAN『「sonet」リリース記念ライブ&壇上交流会』が開催された。1月8日に発売されたばかりの新曲、ドラマ版『ゴールデンカムイ』最終話エンディングテーマ「sonet」を初披露する2025年の初ライブと、ファンへの感謝イベントを合体させ、CD購入者全員がライブ終了後に機材を残した壇上でメンバー3人と握手ができる。いわゆるレコード会社主導の販促イベントではなく、大木伸夫(vo/g)自身が企画したという初の試みだ。チケットは瞬時にソールドアウト。満員のオーディエンスに向け、まずは「sonet」のミュージックビデオが大画面に映し出される。映画&ドラマ版第1話・9話の監督である、久保茂昭氏が監督を務めたこのミュージックビデオは、森と水辺の雄大な自然をバックに、華麗なコンテンポラリーダンスとバンドの演奏が溶け合う素晴らしい映像美。そしてインストSE「最後の国」、オーディエンスのクラップ、直前のMVと同じ衣装を纏ったメンバー登場からライブ本編へ。いつもと違う流れが新鮮だ。Photo:森好弘浦山一悟(ds)が高らかに4カウントを叫び、スポットを浴びた佐藤雅俊のベースがうなりをあげる。「造花が笑う」でスタートしたライブは、続く「風、冴ゆる」で早くも最初のピークに達した。ファン投票上位に入る人気曲だが、近年はあまりセトリには入っていなかったアッパーチューン。大木と佐藤雅俊(b)がステージの際まで飛び出して熱狂を煽り、オールスタンディングのフロアが揺れる。「あけましておめでとうございます!」と、大木の声も弾んでる。2025年初ライブ、バンドもファンも気合満点だ。Photo:Victor Nomoto - Metacraft「コロナ禍を経て、お客さんとの距離は元に戻ったけど、またいつどうなるかわからない。僕らにとって一番大事なのは、ライブに来てくれるあなたたちです。その人たちに何か特別なことはできないか?と思ったのがこの企画です。最後まで楽しんでいってください」(大木)大木伸夫/Photo:Victor Nomoto - Metacraftここから3曲は、軽やかに身体が揺れるナンバーを。大木の弾くソリッドなギターリフ、サビの裏打ちリズムが心地よい「River」、輝くミラーボールに照らされて、ファンキーなベースラインと鮮やかな転調がかっこいい「Visitor」、ジャズ、ダンス、ロックが一体化した、しなやかなリズムが身体を揺さぶる「白と黒」。攻撃的ロックチューンと壮大なバラードの間にある、こうしたファンキーでグルーヴィーな楽曲にある“うま味”が、近年のライブではどんどん増している。ACIDMANは進化している。佐藤 雅俊/Photo:森好弘「全ては終わってゆく。だけど明日があると思える。ちょっとした楽しみが待っている。小さな幸せだとしても、それを人生の中で見つけていってほしいと思います。忘れちゃいけないのは、全ては終わってしまうという覚悟と悲しみを受け入れること。そうすると世界はもっと美しくなると思っています」(大木)浦山 一悟/Photo:森好弘大木が常に語っている人生哲学が、最も良く反映された楽曲のひとつ「季節の灯」は、アコースティックギターが導く壮麗なロックバラード。ライブで久々に聴いた「UNFOLD」は、さらに深いところまで音と思索を深め、息が詰まるほどの緊迫感をはらんだエモーショナルなスローナンバー。そしてこれも久々に大箱会場でセトリ入りした「水の夜に」は、前半の静けさから後半の激しい高まりへと、曲の流れに身をまかせ、ACIDMANの色に染められるドラマチックな1曲。「スローバラード」にくくられる曲であっても、ACIDMANには常に力強いリズムがある。生きる鼓動がある。Photo:Victor Nomoto - Metacraft「僕が伝えたいことはいつも一緒。せっかく生まれた命を楽しく生きてほしい。それが全てです。物質的な豊かさじゃなくて、精神的な豊かさを感じてほしい。音楽というただのエンタテイメントのその先に、心に残る何かを持って帰ってもらいたいんです」(大木)エンタテインメントとしての音楽の感動が、揺るぎない思想へ昇華される、「世界が終わる夜」はそんな特別な曲だ。壮大なロックバラードの轟音の中で、“また此処で笑い合おう”と大木が力の限り叫ぶ。一悟のシンバルの連打が感情をぐらぐら揺さぶる。そして間髪入れずに始まった「輝けるもの」。猛烈なスピード、強烈なストロボライト、佐藤が拳を振り上げてステージ前に飛び出す。映画版『ゴールデンカムイ』主題歌として大ヒットし、ACIDMANを新たなステージに押し上げた大事な1曲。フロアは沸騰、狂喜乱舞の盛り上がりが壮観だ。Photo:森好弘「「sonet」には小さな歌という意味があります。今はまだ小さな歌が、みなさんにとって大きな歌になっていってほしい。今、悲しい涙を流している人も、その涙には必ず意味がある。どこかできっと花を咲かせると思います」(大木)一悟の力強いドラムに続いて大木がコードを奏で始める、その瞬間に背後の幕が開き、弦楽八重奏団が姿を現した。大きなどよめきと歓声に包まれる観客席。「sonet」はドラマ版『ゴールデンカムイ』最終話エンディングテーマとして、小さな事象がやがて大きな現象を生み出す“バタフライエフェクト”をモチーフに書かれた1曲だ。レコーディングにも参加した四家卯大ストリングスの心強い助けを得て、ACIDMANならではのリズミックバラードの最新名曲を、心を込めて歌い上げる大木。かつてないほどに力強く人生を肯定する歌詞を締めくくる、“そこでまた笑い合おうぜ”という一節。大木の伝えたいことはずっと一緒だ。Photo:森好弘「本当にどうもありがとう!」ライブ本編はおよそ90分。新曲、レア曲をふんだんに盛り込み、バンドが絶好調を維持していることがよくわかる充実のライブだった。Photo:Victor Nomoto - Metacraftこの後3人は「壇上交流会」に臨んだ。1月8日に発売された「sonet」のCDを購入し、当日持参して参加券と引き換えたファンを対象に行われたが、なんと約2000人が参加。ライブに集まった半数以上が参加して、およそ1時間半にわたってファンと握手。多くのファンの想いを受け感極まった大木が涙を見せるシーンもあり、ACIDMAN初の試みは、バンドにとってもファンにとっても忘れられない体験になった。ACIDMANは、3月から『ACIDMAN LIVE TOUR “This is ACIDMAN 2025”』をスタートし、さらに2025年の最終目的地、7年ぶり7度目となる10月26日(日)日本武道館公演へと突き進む。ここで生まれた小さな歌がやがて大きな歌になる。日本武道館は必ず伝説的な一夜になる。必見だ。<公演情報>ACIDMAN 「sonet」発売記念ライブ&壇上交流会1月11日(土) 東京・Zepp Haneda<ライブ情報>ACIDMAN LIVE in FUKUSHIMA 20252025年3月11日(火) 福島・いわき市文化センター大ホール開場17:30/開演 18:00【チケット情報】8,800円(税込)※6歳以上有料。お席が必要な場合は6歳未満も有料となります。※ライブ収益は全額「東日本大震災ふくしまこども寄附金」に寄付されます。「ACIDMAN MOBILE」先行受付(抽選):2024年12月15日(日)23:59までオフィシャル先行(抽選):2025年1月12日(日)23:59まで<リリース情報>配信シングル「sonet」配信リンク: シングルCD「sonet」発売中CD商品概要◾️初回限定盤(CD+Blu-ray):6,600円(税込)紙ジャケット仕様初回プレス分のみ:応募抽選シリアルナンバー封入【CD収録内容】1.sonet※WOWOW「連続ドラマW ゴールデンカムイ 北海道刺青囚人争奪編」最終話エンディングテーマ2.sonet (Instrumental)3.「輝けるもの」Live Track from 「ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト” at LINE CUBE SHIBUYA (2024.8.11)」【Blu-ray収録内容】ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト” at LINE CUBE SHIBUYA (2024.8.11)◾️通常盤(CD)紙ジャケット仕様:1,500円(税込)※初回プレス分のみ:応募抽選シリアルナンバー封入【CD収録内容】1.sonet※WOWOW「連続ドラマW ゴールデンカムイ 北海道刺青囚人争奪編」最終話エンディングテーマ2.sonet (Instrumental)3.『銀河の街』Live Track from 「ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト” at LINE CUBE SHIBUYA (2024.8.11)」4.『ワンダーランド』Live Track from 「ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト” at LINE CUBE SHIBUYA (2024.8.11)」予約はこちら: <ライブ情報>ACIDMAN LIVE TOUR "This is ACIDMAN 2025"3月20日(木・祝) 愛知・Zepp Nagoya4月13日(日) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM4月26日(土) 大阪・Zepp Osaka Bayside5月 4日(日・祝) 福岡・Zepp Fukuoka5月25日(日) 宮城・SENDAI GIGS6月13日(金) 神奈川・KT Zepp Yokohama6月21日(土) 新潟・NIIGATA LOTS7月12日(土) 北海道・Zepp Sapporo7月18日(金) 埼玉・ウェスタ川越10月26日(日) 東京・日本武道館【チケット情報】◾️3月20日愛知公演〜7月18日埼玉公演分S席(最前ブロック/最前列):8,000円(税込)A席(立見/指定):6,000円(税込)学割 A席:4,000円(税込)()◾️10月26日 日本武道館公演分SS指定席:15,000円(税込)S指定席:10,000円(税込)A指定席:8,500円(税込)学割 A指定席:5,000円(税込)先行抽選プレリザーブ:1月28日(水)23:59まで()ACIDMAN オフィシャルサイト
2025年01月28日NIQ/GfK Japan は、グローバルで行った消費者調査からTikTokを通じた購入行動に関するレポートを発表した。【概要】・世界23か国で実施した調査、NIQ Consumer Outlook 2024によれば、世界の消費者の85%が実店舗とオンラインの双方で購入をしており、人々の購買行動は日々多様化している。・TikTok Shopを体験したユーザーの82%がTikTokの利用により、新しいブランドに出会ったと回答した。【日々変化する人々の購買行動】世界23か国で実施されたNIQ Consumer Outlook 2024の調査によれば、 世界の消費財売上金額の93%はオムニチャネル(複数の販売チャネルを通じた購買行動)によるものであり、83%の消費者が実店舗とオンラインの双方で買い物をしている。また、アメリカで実施された2024年NIQ消費者展望調査では、回答者の55%が食料品や日用品について「SNSやライブストリーミング・プラットフォームから直接購入する」と答えている。人々は日々、より自分に合った購買方法へ行動を変化させている。【特に活発な購買行動がみられるSNSプラットフォーム、TikTok】世界で見るとTikTokは現代の消費者の購買ジャーニーにうまく、かつ自然に入り込んでいるといえる。TikTok Shopだけでなく、他のオンラインplatformや、実店舗での購買にも影響を与えている。#TikTokZMadeMeBuyIt”(TikTokを見て買っちゃった)のハッシュタグが付いた投稿は、全世界で昨年800万見られた。TikTok上で新しい商品を見たとき、即座に購入する割合は、 TikTok以外のSNSや動画プラットフォームに比べて、48%高い。71%のユーザーは、TikTokで商品の広告を見た後、TikTok以外の場所でその商品やブランドについて検索など情報収集をすると回答。5人に2人は、TikTokで見つけた商品を販売している実店舗に足を運んでいる。アメリカで実施された最新のTikTokに関する調査では、62%がTikTok Shopをよく知っており、58%がTikTok Shopで買い物をする、またはしてもよいと回答した。消費者たちが、TikTokのようなチャネルを受け入れる準備ができていることは明らかである。コカ・コーラのようなグローバルブランドではすでにこのチャネルの活用を進めており、TikTok Shop限定アイテムは、数時間で売り切れた。TikTok Shopを知っている世界の消費者のうち、82%が新しいブランドを知るのに役に立ったと回答し、79%がそれらの新しいブランドの新しい商品を知るきっかけになったと回答。TikTok Shopは、消費者にブランドを紹介する重要な役割を果たしているといえる。Source:1: NIQ 2024 Consumer Outlook Data2: TikTok Marketing Science Global Shopping Ad Products Study 2022, conducted by Material3. NielsenIQ 2024 Consumer Outlook Survey, Total US4: TikTok Marketing Science Global Retail Path-to-Purchase Study 2021, conducted by Material5: TikTok Marketing Science Global eCommerce Study 2022 conducted by Material6: TikTok Marketing Science Global TikTok Shop Research 2023(USResults) conducted by Material 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年12月03日Text:阿部慎一郎Photo:Tsukasa Miyoshi(Showcase)4時間、ぶっ続けでライブを見た経験が、過去何度あるだろうか。映画や演劇で、休憩を挟みながらは思いつくものの、ライブで、しかもパンクバンドでは思いつかない。ネットを検索してみても、やっている人自体も多くない。当たり前ではあるが。BRAHMANが、横浜BUNTAIで開催する結成30周年記念ライブは、これまで発表したアルバム収録曲全72曲を、4時間にわたって披露するという企画である。どんなセットリストなんだ?曲は時系列順?休憩は?いつものテンションでライブして4時間保つのか?など、いろいろ考えさせられ、参加者に心持ちの準備までさせてしまう時点で、すでに彼らの試みは成功なのかもしれない。そう、この日のライブは見る側にかつてない覚悟が求められ、そして当然、やる側にはそれ以上のとんでもない覚悟が求められる、そんなステージなのだ。なのに横浜BUNTAIに5,000人、チケットも即完売、当日券は抽選(結果的に全当選!)だったというのだから、驚くほかない。形容しがたい期待感と緊張感に満ちた会場は、定刻から少し遅れて暗転、いつものオープニングSEが終わり、ステージに4人が登場した。ここから4時間、ほとんどの人にとって初めての、そして、ステージに立つメンバーにとっても、もちろん初のフルマラソンがはじまった。オープニングナンバーは「真善美」。<幕が開くとは終わりが来ることだ一度きりの意味をお前が問う番だ>今日はこの歌詞が、また違った意味を持って響く。そして曲の最後にMCが入る。「30年は、30年っていう塊じゃねぇ。72曲は、72曲っていう塊じゃねぇ。1曲1曲の大事な物語だ。4時間後、俺たちがここに立っているかはわからねぇ。あんたらもそうだ。でも、そんなこと知ったこっちゃねぇよ!六梵全書、30年分のBRAHMANはじめます!」。続いて響くギターリフは「雷同」。現状の最新アルバムである6thアルバム『梵唄』からの2曲が続く。アルバムを現在から過去へ振り返っていくのか?いつものことながら、アリーナクラスの広いステージの中央に、ギュッとタイトに編成されたライブハウスそのままのパフォーマンス、それでいてスケール感をまったく失わない彼らの存在感は本当に素晴らしい。「今夜」「ナミノウタゲ」「満月の夕」等、比較的ミドルテンポナンバーが多く収録されているアルバムだけに、バランスの取れた立ち上がり。ということは後半になればなるほど……いや、それはまたそのとき考えよう。アルバムラストナンバーの「満月の夕」で初めてメンバーがモニターに大写しになり、『梵唄』のパートは終了した。暗転ののち、再びオープニングSE。そして始まるのは「初期衝動」。なるほど、アルバムごとにパートを区切っていくわけか。ここからは5thアルバム『超克』のパートである。現在、ライブで演奏される楽曲が多く含まれた作品ではあるが、アルバム収録順に聞くことで、こちらもまたイメージの変化に驚く。そしてオーディエンスのテンションは、ライブ開始からずっとマックス状態だ。なによりステージの4人も、4時間ライブという計算や打算は一切なし。頭からずっと全力疾走である。まだ前半だが大丈夫なのか?続いて4thアルバム『ANTINOMY』。しかし、アルバム再現ライブを一回のパフォーマンスで3枚分も聴けてしまうなんて、なんて贅沢な空間なんだ。『超克』に対し、『ANTINOMY』はライブではあまり披露されなくなった楽曲も多く、この場の貴重さ、希少さが増していく。この日の客層はいつも以上に年齢層の幅広く、自分の席のまわりには本作に思い入れの強い世代が多かった。明らかなテンションの違いが伝わってくる。そして、ときおりモニターに映し出されるメンバーの姿には、少しずつ悲壮さが増していく。だが、まだ折り返し地点、ここからはBRAHMANもファンも未体験の領域だ。4度目の暗転〜オープニングSE。さらにアルバムを遡り……という安易な予想はすぐに裏切られた。ここからは『THE MIDDLE WAY』以前の楽曲でセットリストを組む、要するに“あの頃”のBRAHMANが再現されたステージとなった。もう先を予想するとか、終わり方を想像することも馬鹿馬鹿しい、演奏される曲、一曲一曲をただ楽しむだけだ。恐ろしいことに、ファンのテンションも開始当初とまったく変わらない。彼らも30周年を祝福する声を止めるわけにはいかないのだ。ライブは3時間を越えようとしている。人間の集中力は90分が限界、なんて言った人はいったい誰だ。メンバーは常軌を逸した集中力で、ブレることなくビートを刻み続ける。ファンも次々披露される曲に集中し、引き込まれ、パフォーマンスに呼応する。モニターに映るメンバーの姿は悲壮さを通り越し、もう笑顔もない。後半をこんなセットリストにしたら、それはそうだろう。しかし、肉体的にも精神的にも追い込まれているかもしらない彼らには、ある種の尊さが宿っていた。見せ方や虚勢など、不必要なものを持つ余裕はなく、無駄なものが削ぎ落とされた美しさ。ただただ、楽曲をパフォーマンスすることに徹するシンプルでストイックな姿は、辿ってきた30年の足跡、そのままのようにも映った。「ラスト!TONGFARR!生きてっか?」ついにメンバーもファンも走りきった。いつも以上に神々しいギターフレーズに彩られ、4時間72曲は劇的な終幕を告げる。しかし大団円と思いきや、RONZIが突然、激しいドラミングを開始する。TOSHI-LOWは「マジかよ!?」というジェスチャー。でも明らかにまんざらでもない表情。なんてBRAHMANらしい展開だ。初期にリリースしたミニアルバム収録の「FLYING SAUCER」、そして「BEYOND THE MOUNTAIN」「ARTMAN」と、なんと3曲を追加。最後は楽器を放り投げ、ステージを去った。やっぱり綺麗には終わらない、いや、4時間75曲を繰り広げても、まだまだ終わりは来ていないのだ。その後は、余韻冷めやらぬなか新曲「順風満帆」のPV、そしてニュー・アルバムとツアーが発表され、会場は大きな歓声に包まれた。MCも、休憩も、ほぼなし。終わってみれば、まさに4時間ぶっ続けのライブ。30年間の活動で、アルバム曲72曲が多いのか少ないのか。それはわからない。しかし、すべてが必要不可欠なピースで、そのすべてがあって彼らもファンも、今ここにいる。それをメンバー、スタッフ、ファンで作り上げ、体感し、共有する。かつてない高揚感と余韻と心地いい疲労感を残した、鮮烈な4時間だった。<公演情報>『BRAHMAN 六梵全書 Six full albums of all songs』2024年11月4日(月・祝) 横浜BUNTAIセットリスト01. 真善美02. 雷同03. EVERMORE FOREVER MORE04. AFTER-SENSATION05. 其限06. 今夜07. 守破離08. 怒涛の彼方09. 不倶戴天10. ナミノウタゲ11. 天馬空を行く12. 満月の夕13. 初期衝動14. 賽の河原15. 今際の際16. 俤17. 露命18. 空谷の跫音19. 遠国20. 警醒21. 最終章22. JESUS WAS A CROSS MAKER23. 鼎の問24. 霹靂25. 虚空ヲ掴ム26. THE ONLY WAY27. SPECULATION28. EPIGRAM29. STAND ALOOF30. SILENT DAY31. ONENESS32. HANDAN’S PILLOW33. YOU DON’T LIVE HERE ANYMORE34. CAUSATION35. FIBS IN THE HAND36. 逆光37. KAMUY-PIRMA38. THE VOID39. BASIS40. SHADOW PLAY41. DOUBLE-BLIND DOCUMENTS42. SHOW43. GOIN’ DOWN44. SEE OFF45. CHERRIES WERE MADE FOR EATING46. BOX47. DEEP48. NO LIGHT THEORY49. 時の鐘50. FROM MY WINDOW51. FAR FROM...52. BED SPACE REQUIEM53. SLIDING WINDOW54. THAT’S ALL55. THERE’S NO SHORTER WAY IN THIS LIFE56. CIRCLE BACK57. NEW SENTIMENT58. LOSE ALL59. Z60. A WHITE DEEP MORNING61. TREES LINING A STREET62. HIGH COMPASSION63. LAST WAR64. MIS 1665. (a piece of) BLUE MOON66. BYWAY67. PLASTIC SMILE68. PLACEBO69. ANSWER FOR…70. ARRIVAL TIME71. FOR ONE’S LIFE72. TONGFARR73. FLYING SAUCER74. BEYOND THE MOUNTAIN75. ARTMAN76. 順風満帆 Music Video<リリース情報>「順風満帆」配信中「順風満帆」MUSIC VIDEO7thアルバム『viraha』2025年2月26日(水) 発売予約リンク:公式サイト:
2024年11月12日I Don’t Like Mondays.(通称:アイドラ)が、デビュー10周年記念フリーライブ『I Don’t Like Mondays. FREE LIVE 10th ANNIVERSARY』を9月7日に東京・ダイバーシティ東京プラザ フェスティバル広場で開催。そのオフィシャルレポートが到着した。彼らのキャリアにとって初となるフリーライブ。ダイバーシティ東京に聳えるガンダム像の前には、彼らの10周年を共に祝うべく約1,000人のファンが集結した。ダンサブルながら荘厳なSEがショーのムードを作り上げていく中、先に登場したCHOJI(g)、KENJI(b)、SHUKI(ds)が爆発的なセッションで客席を一気に盛り上げる。満を持してボーカルYUがステージへ登り、「Umbrella」がスタート。疾走感がありながらどこか耳馴染みのいいサウンドがオーディエンスを一気に彼らの世界へと引き込み、続く2曲目にはデビュー10周年第1弾となったUKサウンドベースの「New York, New York」をセレクト。ボーカルYUもギターを持ち、アンサンブルが重なっていく。一呼吸置いてYUがMCを挟んだあと、昨年のアルバム『RUNWAY』のリードソングである「Summer Ghost」、もはやライブの2曲目として定番になり、CHOJIのアグレッシブなカッティングが耳に残る「WOLF VIBES」、STYをプロデュースに迎えた「MR.CLEVER」と多彩なヒットナンバーを畳み掛ける。続けて「ONE THING feat. SALU」「Sunflower」と、ライブでは滅多に披露されないレアな楽曲もチョイスされ、改めて彼らの表現力の幅が伝わってくる。陽が傾きだしたころ、「新曲をお届けしましょう」とのYUの一言から最新曲「Sunset Girl」のイントロが流れ、観客から悲鳴にも似た歓声が上がる。残暑が戻ってきてしまったお台場、抜けるような青い空と夏の終わりの郷愁が胸に迫った。切なさを胸に残す間もなく、YUから「みんなとひとつになりたいと思います!」と、シンガロングしながらセカンド・アルバム『FASHION』から「Don’t look back」へ。全員の声がひとつになると、1年8カ月というロングスパンでTVアニメ『ONE PIECE』主題歌を務めた彼らの代表曲「PAINT」でショーはいよいよ終盤戦へと向かう。全員のボルテージが最高潮に向かっていく中、ファースト・アルバムから「FIRE」、サマーアンセム「LEMONADE」と続く。そしてもはや説明不要といえる「TONIGHT」では最後列までジャンプの渦に巻き込み、「Freaky boy」では恒例のCHOJI、KENJI、SHUKIのソロセッションを経て、さらに一体感を増していった。ストレートで熱い感謝を伝え、記念すべき1日を締めくくったのは昨年のアルバム『RUNWAY』から「Beautiful Chaos」。アウトロでは4人が紡いできた10年という年月が凝縮された時の中で走馬灯のように駆け巡っていった。I Don’t Like Mondays.は、10周年イヤーの集大成となるEP『FOCUS』を10月9日(水) に発売。そして全国7都市10公演と海外公演を含むアジアツアーも10月よりスタートする。<リリース情報>EP『FOCUS』2024年10月9日(水) リリース【収録内容】・New York, New York・Lonely Dancers・Sunset Girl+新録曲4曲収録予定(曲順未定)【数量限定Tシャツ付ミュージックカード】White Lサイズ: XLサイズ: Lサイズ: XLサイズ:詳細はこちら:<ツアー情報>I Don’t Like Mondays. "FOCUS" ASIA TOUR■ファンクラブ会員限定公開ゲネプロ2024年10月8日(火) 東京・Spotify O-WEST開場17:00 / 開演18:00■札幌公演2024年10月19日(土) 北海道・cube garden1部 開場14:30 / 開演15:002部 開場18:00 / 開演18:30■名古屋公演2024年10月27日(日) 愛知・ダイアモンドホール開場17:15 / 開演18:00■岡山公演2024年11月2日(土) 岡山・YEBISU YA PRO開場17:15 / 開演18:00■広島公演2024年11月3日(日・祝) 広島・SIXONE Live STAR開場17:15 / 開演18:00■福岡公演2024年11月9日(土) 福岡・DRUM LOGOS開場17:30 / 開演18:00■大阪公演2024年11月16日(土) 大阪・なんばHatch開場17:15 / 開演18:00■仙台公演2024年11月23日(土・祝) 宮城・darwin1部 開場14:30 / 開演15:002部 開場18:00 / 開演18:30■東京公演2024年12月1日(日) 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)開場17:00 / 開演18:00※全自由席※海外公演日程は順次発表チケット情報:()詳細はこちら:公式サイト:
2024年09月09日ICExが8月30日(金)、北とぴあ さくらホールで「ICEx summer concert 2024“TASTING”」の最終公演を行った。初のワンマンライブを行った昨年の8月5日から約1年。さまざまステージを経験し、積み重ねてきた8人のパワー、そしてCOOLer(ICExのファンネーム)との絆を確かめ合う公演となった。新しいICExを“TASTING”してみては?オープニング。スクリーンには、カラフルなテトリスのようなブロックが落ちていく。ワクワクが高まる演出だ。ステージ上には中村旺太郎から順にダンスソロで登場し、客席を沸かせる。8人が揃い、期待感が高まる満席の会場――「Maniacs」でスタートだ。目を合わせて歌ったり、ぎゅっと後ろから抱きしめたり、とメンバー同士の様子に客席も心奪われていく。キュートなスマイルで1曲目を終えたあと、そのまま「CANDY」へ。ステージ上段、下段に分かれて、ダイナミックに魅せつつも、表情豊かに世界観を表現していく。さらに9月25日リリースのメジャー1stアルバム「Retro Toy Pop」のリード曲「Hollywood」を披露。「ポップ」をパフォーマンスで現すとしたら、これもひとつの答えだろうと感じさせてくれるような、華やかなステージが展開されていく。最後はピースサインでキメると、COOLerからは「かわいい!」の声が飛んだ。3曲を終え、「みなさん盛り上がってますか?」と中村が言い、コール&レスポンス。改めてメンバーそれぞれが声を弾ませ、自己紹介。そのあと「この“TASTING”なんですけど、ありがたいことにチケットsold outいたしました!」と筒井俊旭が言い、感謝を伝えた。この日は台風が近づいており、全国的に荒れ模様。「天気の関係で来られない方もいらっしゃるかと思うんですけど、ぜひみなさんその人たちの分も楽しみましょう!」と、この公演は配信も行われているということもあり、カメラに向かって笑顔を見せた。続いてはクールな世界観「ビリミ」だ。フォーメーションでよりダイナミックにパフォーマンスを見せつつ、時折、大人びた表情も覗かせていく。曲終盤では懐中電灯を手に客席へと飛び出す。灯りで周りを照らしながら、周辺を探るように。「隠れ追われ逃げ切る」そんな歌詞があるが、何かから逃げているかのように。長い間奏のあいだ、メンバーがそれぞれ会場を巡り、会場全体で曲の緊張感を分かち合った。続く「ナイトフライト」。シルエットでダンスを見せる演出、歌詞にも沿うような艶やかさもあるダンスでCOOLerをドキドキさせたところで「COUNT DOWN」へ。「出会って3秒でおぼれそう」という歌詞があるが、まさにこの曲で会場を溺れさせようとしているのではないかというようなパフォーマンスで、また異なる雰囲気を作りだす。さらにスピード感のある「8COUNT」で会場を熱で巻き込んでいく。MCでは、「8COUNT」について「ライブのために作られた楽曲でして、みなさんどうでしたか?」と中村が問いかけると会場からは「かっこいい!」の声が。「この曲を通して、みなさんとICExの繋がりをもっと強くしていけたらな、という楽曲になっています。歌詞にも注目して聴いてほしいのでよろしくお願いします!」と解説した。続いて口を開いたのは志賀李玖。改めて、ツアータイトル“TASTING”について解説。「僕たちICEx、かっこいい、かわいいはもちろんね、知ってる!と思います」とした上で「でもこのライブでは、みなさんが知らない僕たちをみせていけたらいいな、と思っているし、僕たちのことを “味見”していただいて、それからどんどん僕たちにハマってもらえたらいいな、と思っています!」。8月には、EBiDAN THE LIVEと「プチエビ ~プチっとEBiDAN THE LIVE~」があり、それがきっかけでICExを見てライブに訪れたという人も。これにはメンバーも顔をほころばせる。八神遼介は中村からプチエビについて聞かれ、「……思うものはありますよね」と急に振られて戸惑いつつも、「本当に楽しかった、この夏」と振り返った。さらに“TASTING”だからこそ、阿久根温世が「今回、今までと違ったメイクをしている」と紹介。志賀、千田波空斗、筒井はカラコンを入れていたり、エクステをしていたり。金髪の中村はカラフルな紐(?)を編み込んでみたり。阿久根や竹野世梛も髪にかわいらしいパーツをつけており、後ろを向いてそのかわいさを披露。ついでに振り向きざまにキュートな表情を見せて、歓声を浴びた。さらに「衣装もユニフォームっぽくてかわいい」と志賀。背中部分にはそれぞれの名前が入っており、山本龍人が背中の文字が見えやすいようにパーカーをかぶり、背中を見せた。こちらもキュートな表情つきで、会場を沸かせる。新しいICExを見せるためのさまざまな工夫が細部に施されていることが分かる。「この夏はかけがえのないものになった」そんなこだわりも紹介したところで、後半戦へ。八神はこの夏について「楽しいことがあったり、かけがえのないものになったと思ってて」。「もちろん、来年の夏もみんなで過ごしたいし、秋も春も冬もみんなと過ごしたいな、と気持ちを持っていて。その想いをこの曲で伝えたいな、と思っています」とコールしたのは「Destiny」。「運命」の出会いとこれからの希望を感じさせるようなポジティブな歌詞が、心を明るくさせてくれる。そんな心を温かくさせてくれる楽曲に続いて、阿久根と志賀が向かい合い、優しく歌声を重ね合うところから始まる「Sunset Blue」。メンバーそれぞれが置かれたベンチや階段などに腰かけ、ラフな雰囲気で歌詞を紡いでいく。そんな柔らかな空気から一転。暗転したあと、激しく瞬くライトがステージを煽る。衣装をチェンジした8人が登場し、ダンスパフォーマンスで見せていく。激しいダンストラックから「Cyber Groovin’」になだれ込み、会場の熱を上げるが、次の曲……の前にさらにあおっていく。「みなさんいまから盛り上がる準備はできてますか?」とサンプリングパッドを操る竹野。「みんなにクラップをしてもらいます!」と促し会場全体でクラップ。志賀が「じゃあ今日は僕が盛り上げていきます!」と言い、「ICExって言ったらみんなでICExってお願いします!」とコール&レスポンス。続いてメンバーの名前、COOLerをコール。「I love you!」で締めくくり、「Play The Music」で体を動かしていく。カラフルなライティングで盛り上げ、「ラストスパート来ましたよ!」と中村があおり「シブヤ 午後6時」へ。メンバーに合わせて、COOLerもペンライトを動かし、一体感が高まっていく。ICExの笑顔も弾ける。そこに電話のコール音が響き、阿久根と志賀が客席に飛び出す。「遅れちゃった?」「どこ待ち合わせだっけ」というふたりに千田が「渋谷にあるICExの看板の前だって言ったじゃん!」というが、どうやら目黒に来てしまったようで……。どこにいる?と聞かれて「はち、はち……ワンちゃんの前です!」と志賀。それを受けてか竹野と山本が縦に重なり、ハチ公の真似をしている場面も。ステージ上でやっと会えたところで「みんなそろったぞ。ラストスパート、全員で最高の盛り上がり見せてくれ!」と志賀が絶叫。そのテンションのまま、「Sunny Road」へ。自撮りカメラを中村が持って、客席をバックに歌い、楽し気な様子が伝染していく。また、客席にサインボールを投げ入れて、COOLerとの交流に笑顔を見せた。本編のラストを飾ったのは「CARNIVAL」。「次が最後の曲です。タオルを持って、持っていない人はペンライトを持って」と中村が声をかけ、サビで、タオルやペンライトを回し、熱を最高潮まで高めた。最後は、メンバーが一言ずつあいさつをして締めくくった。「8人で一緒にいれば結局うまくいく」すぐに「ICEx!ICEx!」という大きなコールがかかる。クラップと共に揺れるペンライト、冷めやらぬ熱気に応えてICExがツアーグッズのTシャツで登場し、「It’s party time!」を披露。楽しそうにじゃれ合うメンバー同士の様子に、思わずほっこりとする。歌い終えて、改めてアンコールのお礼を伝えるICEx。「もしかしたら、今年最後のアンコールかもしれない」と感慨深げに話したあとは、グッズ紹介に移るがここでもメンバーは楽しそうだ。「ICEx BOX」に入れてきたグッズを中村が紹介。まずはうちわを見せて、「みんな俺のことあおいで」というと客席が一斉にうちわをステージに向けてあおぐなど、ファンとの穏やかな時間に。和やかなグッズ紹介をしたところで、「ここでお知らせがございます!」と志賀。緊急告知と銘打って発表されたのは「ICEx Second Concert Tour 2025 “ROUTE-8”」の開催だ。東京と大阪で行われ、大阪は2月21日と2月22日。筒井は「2月21日は筒井の日です!2月22日はにゃーにゃーにゃーの日ですね!」と猫のポーズをして和ませ、「ROUTE-8とタイトルにもあるとおり、僕たち8人の道があるんですけど、それがひとつの道になっていくような、ロードストーリーをお届けできるそんなライブにしていきたい」とツアーに向けての思いを語った。最後はそれぞれからメッセージが。まずは中村。「このライブのことを考えると去年のことを思い出してきて」と言い、昨年の8月5日の結成初ライブに想いを馳せる。「夏にたくさんの想い出ができるっていうのが本当に嬉しいことだな、と思っていて。去年も今年もEBiDAN THE LIVEがありまして、いろんな方にICExを知ってもらう機会が多くあることを嬉しく思います」。次のツアーについても触れ、「みなさんといっしょにどこまでも行きたいと思っています」と思いを伝えた。「ICExになってからというもの、いろんな思い出ができて、絶対に失いたくないな、っていういい思い出ばっかり」と振り返った千田。「最終公演になると、みんなが裏でがんばろうって声がけしているんですよ。そういうのを聞いていると、がんばってきてよかったなって思うし。8月もたくさんあったけどいい思い出になったな、と思います。スタッフさん、COOLer、メンバー、家族、本当にいろんな人に支えられてこうやってステージに立っているんだな、と思うと感謝でしかないです」と伝えた。山本龍人は「この夏、大きなライブが3つあって怒涛の夏だったんですけど、プチエビやEBiDAN THE LIVEで僕たちのことを知ってくれる人だったり、好きになるタイミングは違えど、こんなにもICExを愛してくれるみなさんがこんなにたくさんいるっていうのが嬉しくて」と会場を見つめて噛み締めるようにして言った。「今年の夏はありがたいことに忙しくさせてもらって。辛いなと思うこともあったんですけど、毎回のリリイベで、COOLerのみなさんに会えたり、今日“TASTING”のライブでみんなの声がきける、顔が見れると思ったら、本当にどんなに辛くてもがんばれるな、と思いました」と語った。「この夏は本当に怒涛の夏」と言い、「たくさんの出会いがあったり、いろんなところでパフォーマンスさせていただく機会があって、本当に恵まれているな、と」と振り返った筒井。「これだけいろんな景色を見せてもらえるのがすごく幸せな時間だったので、この夏が、今日このライブで終わるのが寂しいというか、またずっとこうやっていたいな、という気持ちでいっぱい」とツアーが終わることを惜しんだ。しかし、すでに次のツアーも発表されている。「いろんなところで僕たちの表現ができる場があるのはすごく光栄だな、と改めて感じました。今日来てくれているCOOLerのみなさん、配信を見てくださっているCOOLerのみなさん、誰かひとりでも欠けていたら、僕たち今日ここに立てていません。感謝を噛み締めながらパフォーマンスさせていただきました。この言葉、よく言うんですけど、これからもどんどん成長していって、大きな存在になりたいな、と思っているんですけど、どれだけ大きくなってもCOOLerのみなさんに寄り添える存在でありたいな、と思っています」とこれからについて力強く語った。「この夏いろんなことがあって。楽しいこともあれば、しんどいときとか辛いときとかあったんですけど、8人で一緒にいればうまくいく。僕たちは8人でいれば大丈夫なんだ、と思うことが増えてきた」と八神。「僕たちがどんなに忙しくなったとしても、8人でなんとかやっているので、そこは心配しないでほしいな、と」。そしてCOOLerに向けては「みんなはいろんな道がある中で、気軽に僕たちのことを好きでいてくれたらいいな、と思っていて。一緒に僕たち8人とワイワイしたいな、と思うとき、しんどいときにライブに会いにきてくれたらいいので。僕たち、これからも一緒にずっと過ごしていきたいから……」と言いながら、少し言葉に迷い「くっそー、まじで……かっこいいこと言いたかったんだけど……」とつぶやいて、COOLerを微笑ませた。「また気が向いたときに、みんなでライブで楽しめばいいな、と思うので、またどこかのライブで、みんなと笑顔で会えれば」とはにかんでしめくくった。「いいこと言っていたのに、このあと俺が変なこと言っちゃったらどうしようって考えてた」と竹野。「“TASTING”が始まってから、この景色をみて、俺ら……成長したんだな、っていうのを実感して。初コンサートも綺麗な景色だったんだけど、それよりもたくさんお客さんがいてくださって、本当にこんな景色って当たり前じゃないし、僕たちもがんばってきたから、こんな景色を見られたんだな、ってこのライブを通して実感することができました」と噛み締めるように語った。そして、次のツアーの東京会場であるLINE CUBE SHIBUYAについて、「初めてスターオーディションで行った場所で、思い出が詰まった場所にICExとしてまた足を運べるのは素敵なことだな、と思って。LINE CUBE SHIBUYAだけじゃなくて、国立競技場にも行けるようにもっともっとがんばりますのでこれからも応援よろしくお願いします」。「言いたいことがありすぎて」と阿久根。「8月、みなさんに会える機会がたくさんあって、会えてない期間がすごく寂しくて」と振り返り、「イベントをするのにも準備があって、たくさんしんどいこともメンバー間でもあったんですけど、こうやってみなさんが笑顔でペンライトを振ってくれて、声を出してくれるのがすごく嬉しい。僕たちのライブに足を運んでくださって、僕たちのことを好きで応援してくださるのがすごく幸せなことだな、と思っています。みんなは僕たちのことを頭の片隅で、辛くなったら会いに来ようとかそういう気持ちできてくださってもいいんですけど、僕たちは本当にみなさんが中心なので。みなさんがいなければ僕たちはいないんで。いつもありがとうございます。来年もツアーありますけど、8人のいろんな形でみなさんに最高のパフォーマンスを届けていけたらな、と思います」ラストは志賀。「このライブを通して、いろいろ感慨深いなあって思っちゃって」と言い、「ICExでよかったな、とこのライブを通して思ったし、ICExじゃなければ見えない景色もたくさんあったし。嬉しいことに来年のライブの開催も決まり、どんどん大きい会場でできることも嬉しいことです。COOLerのみなさんがいてくれるからこそ、僕たちがいるので本当にいつもありがとう、という気持ちです。まだまだみてない景色はたくさんあるので、COOLerのみなさんと。国立競技場、立つんで、僕たち。これからもずっと僕たちのそばにいてください。これからも愛し合っていきましょう」公演ラストの曲となったのは「Member Sign」。ICExが、COOLerが、笑顔でツアーを終えた。「怒涛の夏」と言っていた2024年の夏。暑い夏を経て、次のステージへと進んでいく。取材・文/ふくだりょうこ
2024年09月02日夏恒例のTUBEの野外スタジアムライブ、通算35回目の横浜スタジアム公演『TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2024 SUN CUE 4 OAR』が、神奈川県・横浜スタジアムで8月24日に開催された。TUBEの地元・神奈川の横浜スタジアムで行われるスタジアムライブ、節目の35回目の開催ということもあって、3万4千人動員、チケット即完売の満員御礼のプレミアライブとなった。横浜はこの日も厳しい暑さが続き、日が落ちても気温は30度と熱気増すまさにTUBEらしい気候。TUBEメンバーの登場を待ちわびる声援と手拍子が鳴りやまぬ中、せり上がりから4人が登場。大歓声の中「恋してムーチョ」「Beach Time」など観客と一緒に盛り上がれる曲からスタートし、冒頭からスタジアムは一体感に包まれた。ヒットソング連発のセットリストで進行する中、「(コラボが)TUBEにしては珍しい」と前田が言ってゲストを招いての共演も披露。ボーカル&ダンスグループDA PUMPとはコラボした最新曲「真夏のじゅもん」を、演歌歌手の北山たけしとは前田、春畑が北山へ提供した楽曲「夏の終わりが来る前に」を、それぞれ披露した。TUBEのスタジアムライブでは定番となっている大噴水が降りしきる中で歌うバラード、打ち上げ花火と炎の演出と、前田の圧倒的なボーカルで魅せるパフォーマンスに会場はヒートアップ。アンコールでは前田がデビュー39年目にちなんで背番号39のDeNAのユニフォーム姿で登場。「シーズン・イン・ザ・サン」「あー夏休み」など代表曲を立て続けに披露し、2時間半、全22曲を披露した記念すべき35回目の横浜スタジアムでのライブは幕を閉じた。<公演情報>『TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2024 SUN CUE 4 OAR』2024年8月24日 神奈川・横浜スタジアムセットリストプレイリスト:<リリース情報>TUBE×DA PUMP「真夏のじゅもん」発売中配信リンク:公式サイト:
2024年08月26日w-inds.が、ライブツアー『w-inds. LIVE TOUR 2024 "Nostalgia"』の神奈川公演を8月18日に神奈川・神奈川県民ホール 大ホールで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。このツアーはその題名『Nostalgia』が示す通り、w-inds.23年の歴史の中でも初期楽曲のみでセットリストを固めた公演だ。ダンスボーカルグループの礎を築いたw-inds.の強みの根幹を味わうことができるとあり、各会場大盛況となっている。神奈川公演でもその勢いは増しており、会場となった神奈川県民ホールには多くの観客が押し寄せ、会場は熱気に包まれていた。ツアーグッズのペンライトを持つファンの中には、近年増えつつある男性ファンの姿や、小さい子供を連れた親子ファンも見受けられ、w-inds.の幅広い魅力と、その歴史を感じることができる。まだこの大型ツアー序盤ということもあり、すべてをレポートすることはできないがw-inds.公式から、事前に一部アナウンスされている数曲部分をレポートしたい。会場のテンションは開演前からすでに上がりつつあり、ペンライトの光がキラキラと会場を照らしていた。開演前のBGMの音量があがった瞬間、歓声が上がりライブが始まる高揚感を与えてくる。2001年にw-inds.のセカンド・シングルとしてリリースされた楽曲「Feel The Fate」では、楽しそうに踊るメンバーと、この楽曲のもつポップな魅力が観客を一気にw-inds.のステージへと引き込んでくる。歌声は当然ながらダンサーたちと一緒に見せてくるキレのあるダンスにも見惚れてしまった。「Endless Moment」ではw-inds.が、まだまだ盛り上がりにかけるぞとばかりにステージから客席を音楽で煽ってくる。「Endless Moment」は2001年に発売された「w-inds.~1st message」に収録されていた楽曲だ。橘慶太と千葉涼平が背中合わせで歌うシーンは、今のw-inds.が持つ魅力と、元来の楽曲が持つパワーを美しく融和させているように感じた。客席のボルテージを一気に最高潮まで上げていくw-inds.のライブのパワーの計り知れないエネルギーを感じた。2002年に5枚目のマキシ・シングルとしてリリースされた楽曲「Another Days」では、ポップなステージングから打って変わって、切ない失恋を表現した歌詞をしっとりと歌い上げていく。観客の中には感動の涙を流す姿も見受けられた。w-inds.だけでなく、ファンたちもリリースされてからのおよそ20年間、この楽曲たちと歩んできたのだなと感じさせらえる1曲だった。もちろん「Forever Memories」にも触れておきたい。もはや説明もいらないと思えるこの楽曲は、w-inds.のデビュー曲。記念すべき2001年3月14日にリリースされた最初のシングルである。イントロが流れた瞬間、客席からは歓声があがるが、すぐにふたりの歌声を聞こうとファンたちは真剣な眼差しでステージを見つめる。そんなファンたちを優しく受けとめるような橘慶太、千葉涼平の優しい声が会場全体を包んでいく。曲の大サビ前には橘慶太が客席にマイクを向けて、会場では大合唱が巻き起こった。そんな客席をメンバーのふたりは心から嬉しそうに眺めていたのが印象的だった。そしてアンコールMCの中でメンバーから再々追加公演の情報が発表されると観客席からは大きな歓声が上がった。まず橘慶太が「お知らせがあります!」と切り出し、千葉涼平が「再々追加公演が決定しました!」と話すと観客は喜びの声を上げた。続いて同じく千葉涼平が「再々追加公演は10月9日に東京、NHKホールで開催します!」と会場は割れんばかりの拍手と歓声でいっぱいになった。橘慶太は「こうして、また多くの人にこの『Nostalgia』の公演を届けられるのがすごく嬉しい。他にも追加があるかも!」と語り、千葉涼平は「NHKホールに凱旋することになりました!ぜひ会場へ来てください!」と喜びを語った。23年というのは、ただの数字ではなくw-inds.とファンが一緒に重ねてきた年月であるということを改めて実感させられる公演だった。そしてそこにはw-inds.のデビュー時期を支えた楽曲たちのパワーがあること、そして何よりもその楽曲を大切にしてきた彼らだからこそ、今この「Nostalgia」が人気なのだと思う。『w-inds. LIVE TOUR 2024 "Nostalgia"』はこの先も仙台公演や福岡公演、海外公演、そして関東近県での公演もまだ残っているし、NHKホールでの再々追加公演も発表された。ぜひご自分の近くの会場へ足を運び、w-inds.の魅力に酔いしれてほしい。<ツアー情報>『w-inds. LIVE TOUR 2024 "Nostalgia"』※終了分は割愛8月24日(土) 大阪・NHK大阪ホール8月25日(日) 大阪・NHK大阪ホール9月1日(日) 愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館フォレストホール9月16日(月) 福岡・福岡国際会議場メインホール ※追加公演9月17日(火) 福岡・福岡国際会議場メインホール ※再追加公演9月28日(土) 香港・AsiaWorld-Expo HALL 10 ※追加公演10月9日(水) 東京・NHKホール ※再々追加公演10月20日(日) 宮城・東京エレクトロンホール宮城 ※再追加公演10月22日(火) 埼玉・大宮ソニックシティ大ホール ※追加公演10月26日(土) 台湾・TAIPEI INTERNATIONAL CONVENTION CENTER ※追加公演11月6日(水) 東京・J:COMホール八王子 ※追加公演11月10日(日) 大阪・フェスティバルホール ※再追加公演【チケット情報】全席指定:8,800円(税込)()特設サイト:公式サイト:
2024年08月19日渋谷すばるが7月21日(日) に大阪・味園ユニバースにて赤犬との対バンライブを開催した。渋谷すばると赤犬は2015年公開の主演映画『味園ユニバース』で共演。映画の舞台となった味園ユニバースでの赤犬との対バンライブは、渋谷にとってもファンにとっても待望の公演となった。フロアがパンパンに膨れ上がった味園ユニバースに先行で登場したのは赤犬。「デラノーチェ北浜」では楽屋にいた渋谷がステージに誘導され「チークダンス」を披露するシーンもあり、圧巻のパフォーマンスで観客を大いに盛り上げた。続けて渋谷すばるの出番。SEの生演奏が始まり、観客の手拍子が鳴り響く中渋谷が登場。「渋谷すばるです、こんばんは。赤犬さんと対バンだ!味園ユニバース!」とエンジン全開でライブがスタート。「爆音」、「ないしょダンス」で序盤から客席のボルテージを高揚させていく。「この場所で、今の自分で、この曲を歌えることがすごく感慨深いです」と語りRCサクセションの「スローバラード」をカバー。迷いのない渋谷の歌声に、観客は一気に引き込まれていった。会場は温かなムードに包まれMCでは映画『味園ユニバース』の話題へ。「赤犬さんとは映画撮影以来久しぶりにお会いしたんですが、元気ですね、あのおじさんたち(笑)」と笑みを浮かべながら、映画撮影時の赤犬とのエピソードを語った。その後「ベルトコンベアー」で一気に舵を切り、ダイナミックな楽曲を続けて演奏し会場を再び盛り上げる。ラストは「Sing」を観客とともに歌い上げ、本編を締めくくった。アンコールを求める拍子が沸き起こる中登場した渋谷は、映画『味園ユニバース』のワンシーンを再現し「古い日記」をアカペラで歌唱。渋谷は「記念すべき“味園ユニバース”という場所で、赤犬の皆さんとライブをやらせていただけてありがとうございます。赤犬の皆さん全員出てきてください」と赤犬をステージへ呼び込む。「せっかくなので赤犬の皆さんと1曲やらせていただいてもいいですか?心の底から踊っていきましょう!」と観客を煽り、赤犬と「ココロオドレバ」のコラボレーションを披露。コラボレーションならではの遊び心溢れるパフォーマンスが繰り広げられた。赤犬をステージから見送った後、渋谷は「渋谷すばるからお知らせをさせてください。渋谷すばる、第二章全て終了いたしました!新しい何かがまもなく動き出します。このあとすぐ夜20時、渋谷すばるオフィシャルサイトをご覧ください。以上、ありがとうございました!」という言葉を残してステージを後にした。7月21日20時から、渋谷すばるオフィシャルサイトでは謎のカウントダウンがスタート。カウントが0になる8月20日(火) 20時に何かの発表があることを予感させる。今後8月20日まで毎週日曜日20時に徐々に詳細が明らかになっていくという。撮影:西村彩子<公演情報>『渋谷すばる/赤犬』2024年7月21日 大阪・味園ユニバースセットリスト■赤犬1. イントロ2. タカアキのズンドコ節3. 初夜4. お蝶夫人5. デラノーチェ北浜6. チンボラマンボ7. アンドロメダ大将軍8. 酔わせてよ神戸9. アウトロ■渋谷すばる1. SE生演奏2. 爆音3. ないしょダンス4. スローバラード5. ベルトコンベアー6. 池7. ぼくのうた8. ワレワレハニンゲンダ9. SingEN-10. ココロオドレバ関連リンク渋谷すばる 公式サイト:赤犬 公式サイト:
2024年07月23日Text:小川智宏Photo:マスダカイメンバー脱退を受けて昨年12月にライブ活動を休止してから5カ月あまり。KANA-BOONが帰ってきた。5月14日にメンバーの地元である大阪・梅田CLUB QUATTRO、そして5月17日に東京・渋谷WWW Xで開催された復活ワンマンのタイトルは『SUPER PHOENIX』と名付けられた。さまざまな出来事を経験し、そのたびに蘇ってきたKANA-BOONはまさにフェニックス=不死鳥のよう。艱難辛苦を乗り越え、そのたびにますますタフになる彼らの最新型を、東京公演の会場で目撃した。谷口鮪(Vo/Gt)SEとともに登場した谷口鮪(Vo/Gt)とマーシーこと遠藤昌巳(Ba)が「ふっかーつ!」と叫んで歓声を受ける。そしてサポートメンバーであるヨコイタカユキ(Gt)と関優梨子(Ds)を紹介すると、「よっしゃ、始めるか!」とギターをかき鳴らし始めた。1曲目は「シルエット」。どんなときでもバンド自身を鼓舞し、前に進めてきた曲だ。前のめりで分厚いサウンドがけたたましく鳴り響くなか、〈なにもないよ、笑えるさ〉と歌った谷口がすかさず叫ぶ。「泣くなよ!」。正直筆者は「シルエット」のイントロが鳴った時点で泣きそうになっていたのだが、そんなセンチメントをバンドのパワーと音を鳴らす喜びで吹き飛ばすように、ライブはどんどんテンションを上げていった。遠藤昌巳(Ba)オーディエンスみんなでカウントしてスタートした「1.2. step to you」、初っ端からいきなりマーシーとヨコイの見せ場が繰り広げられた「彷徨う日々とファンファーレ」。タイトなビートを叩き出しながら時折はさむコーラスが楽曲に新鮮な色を加えていく関のプレイも含め、正式メンバー+サポートという体制ではあるものの、紛れもなく「バンド」としてのパワーとコンビネーションが、この新しいKANA-BOONをゴリゴリと前進させているのがわかる。MCでは谷口がスタジオに入るたびに4人で飲みに行った(結果、ちょっと太った)ことを明かしていたが、そうした積み重ねがステージから放たれる音にちゃんと出ている。谷口は「楽しいですね、やっぱり!」と満面の笑みだが、それは単にお客さんの前で音を鳴らせるということに加え、こうして「バンド」で戻ってこられたことに対する手応えもあるからなのかもしれない。その後もライブはアグレッシブかつハイテンションに進んでいった。激しい照明のなかソリッドな音を響かせた「タイムアウト」、そして谷口がハンドマイクで踊りながら歌う「FLYERS」。マーシーが「もっといけますよね!」とオーディエンスを煽って突入した「フルドライブ」では谷口のギターが鳴らなくなるというトラブルも発生したのだが、「でも関係ない!」と急遽ハンドマイクで歌ってみせる。タフだ。もちろんオーディエンスの歌声も、そうやってトラブルを乗り越えていくバンドを全力でサポートし、場内の一体感はさらに高まっていった。そんな怒涛の展開を経て、谷口がぽろんとギターを鳴らすと、途端に「おおー!」と歓声が起きる。「お腹すいたね〜」というとぼけたMCから入っていくのは、もちろん「チャーハンの歌」としておなじみ「ないものねだり」だ。待ってましたとばかりにオーディエンスが手拍子で応える。「久しぶりに一緒に歌うか!」という声からコール&レスポンスも見事に決まり、「最高です、ありがとうございます!」と谷口は破顔してみせた。確かに谷口の言葉どおり、「最高」である。何がって、「おかえり」「ただいま」の空気を超えたパフォーマンスを、この日のKANA-BOONは見せつけてくれているからだ。演奏に込められたエネルギー、4人の音がガチっと組み合わさったときの爆発力は、この休止期間を経て間違いなくバージョンアップしている。サイヤ人みたいにさらに強くなって、KANA-BOONは帰ってきた。そのことがとにかくうれしいし、頼もしいのだ。「ライブのない日々はマジで退屈でした」と谷口は言う。マーシーとふたりで旅行したり、山登りしたり、楽しいことはたくさんあったが、それでもどこか物足りなかった、と。「ライブがないと人生楽しくないってはっきりわかった」。その物足りなさをぶっ壊し、人生に絶対に必要なものを取り戻すために彼らはステージに帰ってきた。その強い意思が音を背骨のように貫いている。KANA-BOONにとって、谷口にとっての音楽の存在意義を歌った「MUSiC」、そしてバンドの最初期から演奏され続けてきた「結晶星」と、ファンにとってもバンド自身にとっても大切な楽曲が立て続けに披露される。「結晶星」の〈それでいいんだよ〉という歌詞を歌った谷口が笑みを浮かべながら頷いてみせる。そんな仕草に、すべてを受け止めながらバンドを続けていく彼の思いの大きさが見えたような気がした。そして「よし!」と気合を入れ直すと、鳴らされたのは「さくらのうた」。切ない情景が、谷口が経験してきた数々の別れとオーバーラップして胸を締め付ける。「スタンドバイミー」もそうだ。〈僕はやれる君はやれる/飛び出せ世界〉。こうしてあらゆる曲がそのときのバンドのメッセージになるのは、谷口がそれだけそのときどきの自分に正直に曲を作ってきたからだろう。苦しいときにも、悲しいときにも、うれしいときや楽しいときにも、きっと彼は彼自身の曲たちに支えられ、救われてきたに違いないと思う。この日もKANA-BOONの曲たちは、オーディエンスを祝福し、バンドを励まし、谷口自身の背中をぐいぐいと押していた。ライブの終盤、谷口は今回のメンバー脱退に至った心境を告白し始めた。4人で始めたKANA-BOONがずっと続いていくことを願っていたこと。でもその夢は残念ながら叶わなかったこと。いつの間にかオリジナルメンバーは谷口ただひとりになってしまったが、それでも「KANA-BOON」の名前を背負う意味は、KANA-BOONがすでに「自分だけのものではない」からだ。メンバー、ファン、スタッフ、たくさんの人の思いを背負って進んでいく覚悟。「俺の人生はボコボコの道だけど、舗装された道を歩いても面白くない。あんな人生でも大丈夫なんだって思ってもらえれば」という言葉に続いて、谷口は「俺が率いるKANA-BOONを見ていてください」と言った。筆者の記憶が正しければ、彼はこれまで「俺が率いる」という言い方をしてはこなかったはずだ。そういう言い方は、きっと彼とKANA-BOONのバンド観にはなかった。でもこれからは違う。自分が背負っているものをちゃんと示すために、谷口はあえてそうした言い方をしたのかもしれないと思った。〈何度も何度も何度も何度も/立ち上がり歩き出す〉と歌う「フカ」と、大変な時期にバンドを支え続けてきた「まっさら」で本編を終えると、アンコールではヨコイのギターソロも鮮やかに決まった「スターマーカー」、そして会場の全員でタオルを回した「ソングオブザデッド」を披露。そして「これからも長い旅、どうぞお付き合いください!」という谷口の言葉とともに演奏された最後の曲は「ネリネ」だった。軽やかなリズムと美しいメロディが、ここからまた始まっていく旅を彩る。かくしてKANA-BOONという「スーパーフェニックス」は復活を遂げた。これからも人生いろいろあるだろうけど、それでもKANA-BOONは歩き続けていくだろう。新曲もめちゃくちゃ作っているとのことなので、まずはその新曲を聴ける日が来るのを楽しみにしている。<公演情報>KANA-BOON ONE-MAN LIVE "SUPER PHOENIX"2024年5月17日(金) 渋谷WWW Xセットリスト01. シルエット02. 1.2. step to you03. 彷徨う日々とファンファーレ04. タイムアウト05. FLYERS06. フルドライブ07. ないものねだり08. MUSiC09. 結晶星10. さくらのうた11. スタンドバイミー12. フカ13. まっさらEN1. スターマーカーEN2. ソングオブザデッドEN3. ネリネ<ライブ情報>ROCK IN JAPAN FESTIVAL 20242024年8月3日(土)・4日(日)・10日(土)・11日(日・祝)・12日(月・休) 千葉市蘇我スポーツ公園※KANA-BOONは4日(日) に出演風とロック芋煮会 20242024年9月7日(土)・8日(日) 郡山市 開成山公園※出演日は後日発表★秋からワンマンツアー開催決定!2024年10月5日(土) 長野 CLUB JUNK BOX2024年10月21日(月) 仙台 Rensa2024年10月23日(水) 札幌 cube garden2024年11月3日(日) 高松 DIME2024年11月4日(月・振) 広島 LIVE VANQUISH2024年11月14日(木) 名古屋 THE BOTTOM LINE2024年11月21日(木) 福岡 BEAT STATION2024年11月25日(月) 大阪 GORILLA HALL2024年11月28日(木) 川崎 CLUB CITTA’※ツアータイトルやチケット先行スケジュールなどの詳細は後日発表オフィシャルサイト:
2024年05月24日およそ6年間、この共演を待ちわびた人たちで客席はいっぱいに埋まった。渋谷duo MUSIC EXCHANGEの20周年を記念した特別編成のライブシリーズ、今夜の組み合わせはROLLYと谷山浩子だ。2012、13年にROLLY率いるTHE卍(The MANJI)と共に、『ROLLY&谷山浩子のからくり人形楽団』『暴虐のからくり人形楽団』の2枚の傑作アルバムを生み、双方のファンに熱烈に支持された、あの素晴しい音楽をもう一度。サポートメンバーを入れないふたりだけのステージは、1曲目「ROLLY&谷山浩子のからくり人形劇団」で賑やかにスタート。谷山浩子はグランドピアノを弾いて明るく歌い、ROLLYはギターシンセサイザーを駆使し、様々な効果音を繰り出しながら妖しく歌う。混ざらなそうな声がなぜか混ざる、不思議な輪唱が魅力の1曲。「今日はドラムもシンセもベースも誰もいない。でもなんとかなるかな」(谷山)「大丈夫です。すべてみなさまの頭の中で再生されますから」(ROLLY)足りない音は想像で、これが本当のファン参加型ライブかも。「KARA-KURI-DOLL~Wendy Dewのありふれた失恋」は、谷山浩子が声優・豊崎愛生に提供した曲で、「ROLLYが絶対気に入るはず」と思いながら作ったというエピソードはファンにはおなじみ。謎のエフェクトや奇妙なセリフを曲中に放り込み、ファンタジックな物語をポップアートに変えるROLLY。曲間のMCも自由奔放、それぞれの作曲スタイルの話、昔の洋楽の話、古いドラマや映画の話と、ころころ転がってどこまで行くやらわからない。それが楽しい。ここからしばらく、ふたりの美学の共通点、ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』にちなんだ世界をたっぷりと。「意味なしアリス」では、ハードロックなROLLYのギターがうなりを上げる。組曲として繋がった「公爵夫人の子守唄」「ウミガメスープ」「ハートのジャックが有罪であることの証拠の歌」は、ROLLYの演劇的歌唱、幻惑的ギターをたっぷりフィーチャーしてシュールな魅力を醸し出す。ここは渋谷の繁華街、でも心は小劇場のアングラ芝居。『不思議の国のアリス』にまつわるトークがひとしきり盛り上がると、あっという間に第一部は残り2曲。ここで主役を張るのはROLLYで、歌うは谷山浩子の初期の代表曲「あたしの恋人」「あやつり人形」だ。過去の共演ライブでもファンの評判が高く、「この2曲はさしあげます」(谷山)というお墨付きをもらっての熱演は、もはや完全にROLLY流に魔改造された見事な出来栄え。老練なシャンソン歌手のように歌い、円熟の役者のように語るROLLYの、自由奔放なリズムの伸び縮みにも、しっかりと呼吸を合わせてピアノを弾く谷山浩子の存在感も素晴らしい。ROLLYと谷山浩子、それはたぶんふたりでひとつのフォース。「duoさんの20周年おめでとうと、最初に言うのを忘れてここまで来てしまいました」(谷山)「20周年おめでとうございます!」(ROLLY)15分の休憩をはさみ、遅ればせながらの祝福メッセージから始まった第二部。第一部は「からくり人形楽団」として演奏経験のある曲が並んだが、ここからの第二部は、初めて演奏する曲も登場する。「甘い誘惑」はTHE卍のファーストアルバム収録曲で、トラッドフォークを思わせる繊細な美しいメロディを、ギターでしっとりと弾き語るROLLYと、音数少なく寄り添うピアノ、ふたりのハーモニーがぴたりとハマった。ように聴こえたが。「リハと違う(笑)。大サビ、下に行くって言ってたじゃないですか。ユニゾンになっちゃった」(谷山)それもいいけどね、と微笑み「私はソロコンサートで好き勝手にやっているとよく言われるけど、どれだけ自分が真面目かわかった(笑)」と、追い打ちをかける浩子さん。「すみませんでした」と、はにかむROLLYさん。まるで自由奔放な弟と、大らかに見守る姉。互いに強固な世界観を持ちつつ、ふわりと溶け合う優しい世界。ROLLYの最新曲「福よせ雛であいましょう」は、名古屋で生まれた「福よせ雛プロジェクト」を応援するために作られたオリジナルソング。雛人形をテーマにした明るくノスタルジックな曲調で、ピアノとギターのシャキシャキした絡みが爽快な曲だが、アフタートークでは「うれしいひなまつり」「赤とんぼ」「赤い靴」など古い童謡・唱歌が持つ不気味さや、アンデルセン童話「パンを踏んだ娘」や小川未明「赤い蝋燭と人魚」など、幼少期のトラウマ級の暗い童話のエピソードが盛り上がって止まらない。ふたりがピンと来るポイント、やはり似ている。ROLLYが所属するすかんちの楽曲「石見銀山ねずみとり」も、幼少期に見たお祭りの記憶を閉じ込めた美しくせつないスローナンバー。谷山浩子も「いい歌ですね」とひとこと。このあとも昔のマンガの話題などに花が咲くのだが、MCだけでもレポートがいっぱいになりそうなので、先を急ごう。名盤『浩子の宅録』収録の「春のさけび」は、「ラモーンズ風のリフ」(ROLLY)を付けた軽快なロックナンバーへ生まれ変わり、ROLLYが歌う谷山浩子楽曲「鏡」は、じっとりと重厚なシアトリカルバラードになった。ひとり芝居のようなROLLYのセリフもばっちりハマる。昭和歌謡から懐かしの映画へ、1曲終わるごとにトークの話題は増え続ける。時間がいくらあっても足りない。「カズオくんと不思議なオルゴール」は、アルバム『ROLLY&谷山浩子のからくり人形楽団』では谷山浩子が歌っていたので、ROLLYのリードボーカルが聴けるのはライブだけ。ROLLYの本名・カズオを主人公にしたダークファンタジーな曲想、もの悲しいワルツのリズム、雷鳴のようなエフェクト、儚げなハーモニー。哀愁あふれる名曲だ。「楽しい時間は一瞬のうちに過ぎ去るものでございます。終わりが近づいてきましたよ。嫌ですね」(ROLLY)本当に嫌そうな駄々っ子ROLLY。その思いを叩きつけるように、「さよならDINO」で恐竜の咆哮のように響くギター、エモーションみなぎる歌を叩きつけるROLLY。さらに名残を惜しんでしゃべり続けるROLLYに、「ROLLYさんって、公園でみんなで遊んでても最後まで残ってる子じゃなかった?」(谷山)と鋭い指摘が飛ぶ(ROLLYの答えは「よくご存じで」)。ずっと遊んでいたいのはこちらも同じだが、もう大人だから我慢しよう。ラスト曲は、ROLLYが子供の頃に姉と一緒に聴いていたという思い出の曲「ねこの森には帰れない」だ。ROLLYの愛するクイーン風のリフを散りばめた、奔放なアレンジが強い高揚感を運ぶ。ふたりの歌とピアノとギター、それだけが生み出す世界は、どこまでも広く豊かなもの。「僕もいろんな方と一緒にやっていますが、谷山さんのお客さんが僕のほうに来てくださって、僕のお客さんが谷山さんのほうにも行って。そんなふうに融合したのは初めてです」(ROLLY)アンコール、双方のファンの温かさと柔軟さを讃えあう、ふたりの言葉が尊い。共感と平和に包まれた空気の中で、ミラーボールがぐるぐる回る。荒木一郎のカバー「今夜は踊ろう」は、全員の手拍子が一体感を生む、絵に描いたような大団円になった。笑顔で手を振る谷山浩子、エスコートして送り出すROLLY。それはこのふたりにしか描けない音空間、歌の力を、心ゆくまで味わえた至福の3時間。デビュー34周年、そして還暦イヤーを経過中のROLLYは、このあともライブや舞台で大忙し。谷山浩子も何本かのライブを経て、毎年9月恒例「猫森集会」の開催がこの日発表された。走り続けていれば、また会う日もきっと来るだろう。次は6年も間をあけず、素敵なデュオがまた見たい。Text:宮本英夫Photo:後藤渉<公演情報>「duo 20th Anniversary Live ROLLY & 谷山浩子」2024年4月25日(木)会場:Shibuya duo MUSIC EXCHANGE出演:ROLLY / 谷山浩子セットリスト01. ROLLY&谷山浩子のからくり人形楽団02. KARA-KURI-DOLL~Wendy Dewのありふれた失恋~03. 意味なしアリス04. 公爵夫人の子守唄05. ウミガメスープ06. ハートのジャックが有罪であることの証拠の歌07. あたしの恋人08. あやつり人形09. 甘い誘惑10. 福よせ雛であいましょう11. 石見銀山ねずみとり12. 春のさけび13. 鏡14. カズオくんと不思議なオルゴール15. さよならDINO16. ねこの森には帰れないEN1. 今夜は踊ろう関連リンク谷山浩子 公式サイト: 公式サイト:
2024年05月01日Omoinotakeが、ストリートライブ『#NoBuskNoLife 2024 Valentine Special』を2月14日(水) に東京・渋谷MODIで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。2月14日、バレンタインデーの渋谷。紙袋を持った人たちが行き交う。そんな街中に、突如、生演奏が鳴り響いた。渋谷のストリートから駆け上がってきたOmoinotakeが、久しぶりに渋谷の路上に立つことがSNSで発表されたのは前日13日のこと。開催日時は14日の18時半、場所は「渋谷某所」。「とりあえずその時間に渋谷にいたらOmoinotakeのライブが見られるかも」と、ファンの期待を掻き立てる。当日、渋谷MODIのスクリーンにOmoinotakeの映像が映し出された。そして18時半、スクリーンの真下にある渋谷MODIの広場からOmoinotakeの音楽が渋谷を染めた。Omoinotakeは、現在放送中のTBS系 火曜ドラマ『Eye Love You』の主題歌を担当しているピアノ・トリオバンド。主題歌の「幾億光年」は、Spotify急上昇チャート1位、Apple Music、LINE MUSIC、Spotifyにおける国内ストリーミングチャートTOP10入り、iTunesダウンロードランキングJ-POPジャンルにて1位を獲得するなど、各ストリーミングチャートにランクインしている。そんな注目を浴びるタイミングで、このサプライズ企画が実施された。「渋谷のみなさん、こんばんは!Omoinotakeです!」という挨拶から、最初に演奏したのは「幸せ」。誰かに想われること、誰かを想うこと――そんな「愛」や、タイトル通り「幸せ」について歌った、人の心の尊さを音楽に変え続けてきたOmoinotakeを象徴する1曲。ライブは渋谷MODIのスクリーンでも放映され、交差点で信号を待つ人たちは揃えて顔を上げている。次に奏でられたのは、愛や恋の甘さと苦さを歌う「Bitter Sweet」。《チョコレート》など、バレンタインにぴったりなワードが街中に放り投げられる。そして、「ハッピーバレンタイン!」と藤井怜央(Vo,Key)が挨拶を挟んで、離れてしまった人を想う「惑星」。今日この街には、甘い香りに包まれている人もいれば、苦い想いを胸の内に隠し過ごしている人もいるだろう。そのどちらも取り残すなく、一人ひとりの今日の物語とOmoinotakeの音楽を交差させていく。そして、「初めてお客さんの前でこの曲を演奏させていただきたいと思います」という言葉から、「幾億光年」をライブ初披露。レオのハイトーンヴォイスと深い愛を綴った言葉が渋谷の街を射抜いていく。「ありがとう!」という言葉で「幾億光年」を締めくくると、この日一番大きい拍手が湧き起こった。最後は、未来への愛を祈る「心音」で終了。愛や人間の多面性を掬い上げるOmoinotakeなりのラブソングを全5曲鳴らし、バレンタインの渋谷を彩った。Omoinotakeにとって渋谷は、2017年頃からストリートライブを重ねてきた場。ライブ中に「またやりたいな、ストリートライブ」と藤井が漏らしていたが、ミュージシャンにとって過酷な場であるはずのストリートがOmoinotakeにとっては愛着のある場にもなっている。なぜなら、ストリートは彼らにとってはたくさんの「愛」をもらった場でもあるから。さらにいえば、ストリートで「人を振り向かすことのできる音楽とは何か」を模索し続けたからこそ、多くの人の心を掴む楽曲を生み出す術を知り、今がある。本企画はYouTubeでもライブ配信されていたが、Omoinotakeはコロナ禍に「無観客オンラインストリートライブツアー」をテーマに『#NoBuskNoLife』と題し、銭湯、海辺、ビルの屋上など様々な場所からライブ配信を実施。画面越しに、直接会えない人たちと音楽でつながってきた。そんなOmoinotakeが、渋谷や配信ライブを通じてリスナーからもらった「愛」を贈り返すようなバレンタインプレゼント――それが、2月14日に行われたサプライズ企画『#NoBuskNoLife 2024 Valentine Special』だった。Text:矢島由佳子Photo:Daikichi Motouchi<リリース情報>Omoinotake ニューシングル『幾億光年』2月28日(水) リリースOmoinotake『幾億光年』ジャケット●初回生産限定盤(CD+Blu-ray):2,530円(税込)※三方背スリーブケース仕様●通常盤(CD):1,100円(税込)【CD収録内容】※初回生産限定盤 / 通常盤1. 幾億光年(TBS系 火曜ドラマ『Eye Love You』主題歌)2. アクトレス3. 幾億光年(Instrumental)4. アクトレス(Instrumental)【Blu-ray収録内容】※初回生産限定盤のみ■Omoinotake ONE MAN TOUR 2023 “Ammolite” 2023.10.6 @Zepp DiverCity (TOKYO)1. Blessing2. Ammonite3. 夏の魔法のせいじゃない4. 渦幕5. トートロジー6. 幸せ7. オーダーメイド配信リンク:予約リンク:<ライブ情報>Omoinotake『春の大三角ツアー 2024』3月2日(土) 愛知・名古屋CLUB QUATTRO開場17:00 / 開演18:003月3日(日) 大阪・梅田CLUB QUATTRO開場16:00 / 開演17:003月14日(木) 東京・渋谷CLUB QUATTRO開場18:00 / 開演19:00Omoinotake『SPECIAL LIVE 2024 "エアレンデル"』4月28日(日) 大阪・大阪城音楽堂開場16:00 / 開演17:00チケット情報()オフィシャルサイト:
2024年02月19日BUCK-TICKが、ワンマンライブ『バクチク現象-2023-』を2023年12月29日(金) に東京・日本武道館で開催。そのオフィシャルレポートが到着した。さあ、始めよう──2023年12月29日東京・日本武道館公演『バクチク現象-2023-』の開催が、この言葉とともに告知された時、下を向いたままだった顔をようやく上げることができた。10月24日のボーカル・櫻井敦司急逝の知らせから3週間後のことだ。バンド史上最大の悲しみに襲われたBUCK-TICKの今後の動きについて、誰もが静観している頃だった。正直なところ、その発表はあまりにも光が強すぎて、思わず目を背けたくなったりもした。一体どんなステージになるのか、ステージの詳細については発表がなかったので、不安を感じた人も少なくなかっただろう。しかし、そのタイトルにメンバーが並々ならぬ決意を込めたことは想像に容易い。『バクチク現象』は、1987年のメジャーデビュー前後に行ったライブや、半年間の活動休止を経て復活した1989年12月29日東京ドーム公演のタイトルにも使われた、彼らのターニングポイントを象徴する言葉だ。今井寿(Gt)は、34年前の東京ドーム公演と同じ真っ赤な髪色で『バクチク現象-2023-』のステージに現れた。その姿を見た瞬間、涙が湧き出る一方で、不安な気持ちはどこかへ吹き飛んでいった。会場が暗転すると、SEの「THEME OF B-T」にあわせて、力強いクラップが響いた。樋口豊(Ba)、ヤガミ・トール(Ds)、星野英彦(Gt)、今井寿と順にステージに登場し、真っ赤に染まったスクリーンに「バクチク現象」の文字が出た後、壇上のセンター、いつも櫻井が登場する場所に彼のシルエットが映し出された。「さあ、始めようぜ!BUCK-TICKだ!」、今井の叫びから始まったのは「疾風のブレードランナー」。ステージのセンターにはマイクスタンドではなく、いくつかのライトが埋まっていて、光を放っている。あえてマイクを置いていないせいか、櫻井の歌声はまるで天から降り注いでいるように感じられた。絶望の中の一筋の光のような、きらめきのロックチューンは、“今夜 お前に届けよう 宝物だ 約束だ”と歌う。それはまさにこのステージのこと。手のひらに“希望”を握らせてくれたような気がした。泣き顔でもいいから顔を上げてと言わんばかりに、「独壇場Beauty-R.I.P.-」、「Go-Go B-T TRAIN」「GUSTAVE」とアップチューンを連発。今井も星野も今まで以上にアグレッシブなパフォーマンスでステージを扇動していた。「Go-Go B-T TRAIN」で「乗り遅れんな!」、「GUSTAVE」で「ニャオス。今日は楽しんでいってください」と、今井が言葉をかけるたびに、会場のボルテージは上昇していく。今井寿(Gt)櫻井と今井のツインヴォーカルによる「FUTURE SONG -未来が通る-」では、樋口が櫻井の動きを真似てみたり、櫻井の歌に重ねるように星野もヴォーカルをとった。何より驚いたのは、ヤガミのドラムが力強く跳ねる「Boogie Woogie」の頃には、いつの間にか涙も引っ込んで、純粋にステージを楽しんでいる自分がいたことだ。開演した頃は深い悲しみを湛えていたはずのフロアを、ここまで引き上げたバンド力にただただ感服するばかりだった。そんな空気を一変させて、櫻井の不在を悲しいほど鮮やかに映したのは、昨年8月に逝去したISSAY(DER ZIBET)と櫻井がツインヴォーカルをとる「愛しのロック・スター」から始まった中盤戦。「愛しのロック・スター」では、スクリーンに在りし日の二人のライブ映像が映ると、耐えきれずすすり泣く声も大きくなった。続いて今井のオリエンタルなインタールードから始まった「さくら」では、スクリーンと武道館の天井にも浮かんだ桜の花が舞い散る様子が、なんとも美しくて悲しみを倍増させた。さらに、まるで葬送曲かのように「Lullaby-Ⅲ」「ROMANCE」と、櫻井の耽美な世界観を強く打ち出したナンバーを続けて聴かせた。星野英彦(Gt)今回のステージは、全編にわたり櫻井の映像を映したわけではなく、櫻井を感じるのは歌声のみという楽曲も何曲もあったが、特に終盤は彼の歌う姿がありありと目に浮かぶような楽曲がラインナップされていた。ラテン調のダンスナンバー「Django!!! -眩惑のジャンゴ-」、両手を広げて空を自由に駆け抜ける「太陽とイカロス」、「Memento mori」では客席をライトで照らす櫻井の映像の動きとリンクするように、実際に客席がライトで照らされた。ステージの床をスモークが覆った「夢魔 -The Nightmare」では、まるで彼が目の前に君臨しているかのように、ステージに向けて観客が両手を掲げ、「DIABOLO」では4人がサーカス一座のような佇まいで座長の彼を盛り立てる。不在だからこそ、より櫻井敦司というヴォーカリストの輪郭をくっきりと焼き付けられた瞬間だった。メンバー一人ひとりが初めて明かす今の思いヤガミのドラムソロから始まったアンコールでは、一曲目の「STEPPERS -PARADE-」を披露した後、これまで表立ってコメントを出していなかったメンバーが一人ずつ今の思いを語った。ヤガミ・トール(Ds)樋口は涙で言葉を詰まらせながら、「BUCK-TICKはライブバンドなので、ライブをして成長してきました。そしてみなさんと作ってきたと思っています。あっちゃんは天国に行ってしまいましたが、BUCK-TICKはずっと5人です。これからどんな未来になるかわかりませんが、これからも皆さんとBUCK-TICKを作っていきたいと思います」と語り、ヤガミは「不良だった弟がこんなに立派なコメントを言うとは思っていませんでした」と少し空気を和ませて、「前代未聞というか、そういう状況になりました。続けていいのか、やめた方がいいのか、いろいろと考えましたが、こういうふうにファンの皆さんがいるので、これからもBUCK-TICKを継続させていただきたいと思います」と続けた。「今日新しい一歩を踏み出すことができました。不安の中、ここ武道館に足を運んでくださって本当にありがとう。不安だったよね。みんな不安でした。でもパレードはこれからも続きます。もう一度言います、パレードは続きます。この5人で」と星野が語った後、今井が続いた。「やあ。人生は容赦ねーな。面白いぐらいドラマチックで。でも笑えねーよ。何死んでんだよ。なあ。大丈夫だよ、続けるからさ。一緒に行こうぜ」と語りかけると、大きな拍手があがった。「あっちゃんは死んだけど、別にそれは悪いことじゃありません。当たり前のことです。だから悲しんでも泣いても号泣してもいいけど、苦しまないでください。死んだことより、いなくなったことより、生きていたということ、存在していたことを大事にしてください」、そして「来年BUCK-TICKは新曲を作って、アルバムを作ります。最新が最高のBUCK-TICKなんで、期待しててください。でも覚悟しててください。次は3人になります。それでもパレードは続きます。次は2人、次は1人、たぶん最後の1人は俺かな。それでも続けるんで、みんなを連れていきたいと思います」と、力強い言葉を投げかけた。樋口豊(Ba)そして「ユリイカ」で“LOVE”と“PEACE”を高らかに掲げると、「みなさん自分を愛しましょう」という櫻井のMCから「LOVE ME」へ。ここで初めて4人の生演奏と、櫻井の歌と映像がずれてしまうというハプニングが起こった。メンバーはなんとか立て直そうと必死の表情。それは今までに見たことがないような人間くさい表情だった。偶然だと思うが、映像の中の櫻井もちょっと苦笑いしているように見えた。ハラハラしながらも、なんとか力になろうと一生懸命コーラスをする観客の姿もいじらしかった。歌い終わる頃には演奏もピタリと合い、「また会いましょう。また会いましょう。必ず」と手を振ってステージを降りる櫻井を見送った。ラスト2曲は「COSMOS」「名も無きわたし」と、会場を大きく包み込む櫻井からのメッセージのような2曲がセレクトされた。そしてWアンコールは、「行こう!未来へと!」という櫻井のメッセージから始まった「New World」。会場中に広がった無数のミラーボールの光と、力強い光を放つ5人の演奏が、まだ見ぬ未来を明るく照らしていた。終演後、スクリーンに過去のMV映像が流れた後、2024年12月29日(日) 日本武道館公演の開催が告知された。この先、こうした一つ一つの約束が希望となり、未来へと繋がっていくのだろう。前人未到の地へと歩を進めたBUCK-TICK。これからも5人で歩んでいくと決めた彼らのパレードを、まだまだ一緒に楽しみたいと願う。いつだって驚きと感動で心を震わせてくれるのがBUCK-TICKだから。涙は拭えるけれどいつまでたっても寂しさは拭えないからまたBUCK-TICKに会いに行こう悲しみも幸せも分けあえるあの場所にまたBUCK-TICKに会いに行こうText:大窪由香Photo:田中聖太郎<公演情報>BUCK-TICK『バクチク現象-2023-』2023年12月29日(金) 東京・日本武道館セットリストSE. THEME OF B-T1. 疾風のブレードランナー2. 独壇場Beauty-R.I.P.-3. Go-Go B-T TRAIN4. GUSTAVE5. FUTURE SONG - 未来が通る-6. Boogie Woogie7. 愛しのロック・スター8. さくら9. Lullaby-III10. ROMANCE11. Django!!! - 眩惑のジャンゴ-12. 太陽とイカロス13. Memento mori14. 夢魔 -The Nightmare15. DIABOLO<EN1>1. STEPPERS -PARADE-2. ユリイカ3. LOVE ME4. COSMOS5. 名も無きわたし<EN2>1. New World<ライヴ情報>BUCK-TICK 日本武道館公演12月29日(日) 東京・日本武道館OPEN17:00 / START18:00特設サイト:関連リンクオフィシャルサイト: Sounda LABEL SITE::::楽曲配信リンク:
2024年01月05日6人組ダンス&ボーカルグループLienelが12月28日にZepp Hanedaにて自身初となるワンマンライブLienel 1st One man live「Lien etelnel」を開催した。神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで4月29日行われたライブ「EBiDAN THE PARADE」にて結成発表、デビュー曲「LOVE Communication」を披露したLienel。駆け抜けたデビュー年の総決算とも言えるライブの模様をレポートする。Lienelの今の魅力を伝えきる!初のワンマンライブがスタート定刻。BGMが一段と大きくなり、開演の予感から客席からは歓声が上がる。暗転し、オープニング映像ののち、スモークのなか、6人のシルエットが現れる。その姿に一際歓声が大きくなる。「みなさん、僕たちがLienelです!盛り上がっていきましょう!」という武田創世の言葉で始まったのは「Love Communication」。生カメラでメンバーが抜かれるたびに客席からは歓声が上がり、そしてそのたびに会場の熱も上がっていくのが感じられる。曲中はカメラに抜かれた高岡ミロが隣にいた森田璃空の金髪を指差すとそこにLien(Lienelファンの総称)の声が呼応する。一曲目からファンの心をわしづかみにしたところで、続いて「Neo ROMANTIC」へ。息の合った激しいダンスで魅了。サビ部分はLienも一緒になって体を動かし、一体感を高めていく。1人ずつ「未体験」というフレーズを口にする場面では客席からもコールが入る。次の曲のイントロが始まり、「みなさん僕たちの名前、呼んでください!」と森田が呼びかけると、メンバーがスクリーンに映るたびに会場が名前を大合唱。そして始まったのは「純情シンドローム」。初ワンマンだという雰囲気を感じさせないほど、楽しそうな表情を弾けさせる。高岡が客席を煽り、Lienのコールを引き出していく。そのコールは大きくなるばかりだ。最後はジャケットをはだけさせてバシッとキメた。高岡が「僕たちのファーストワンマンライブ『Lien etelnel』始まりましたー!楽しんでるかーい?」というと、Lienが大歓声でお返事。すっかり会場は温かい空気となっている。まずは自己紹介。まずは芳賀柊斗が「みなさん楽しんで行きましょう!」と挨拶、近藤駿太は「ちょっと髪色変わりました」と笑顔。高岡は「今日は観てくれている方全員を幸せにして帰します!」と宣言。そしてガラッと雰囲気が変わった森田は「髪色変えました。似合ってる?似合ってる?」とニコニコ。続く武田も「髪色変えました!」とのっかるが、実は少しキラキラをつけているだけなので、メンバーから「変わってない、変わってない」とツッコミを受けつつ、「今日はきてくれて本当に嬉しいです」とにっこり。最後の高桑真之は「このあとも健康第一で盛り上がっていきましょう」とあいさつを締めた。U-NEXTでも生配信ということで可愛くカメラに向けてアピールしたあとは、「最高の思い出を作りましょう」とミロが呼びかけ、「Beautiful Music」をさわやかに。最後は肩を組んで笑顔を弾けさせると、「可愛いー!」という声が客席から飛んだ。続いて、淡いライティングの中で切なさを感じる「Over Days」。感情たっぷりに歌い上げるそれぞれの表情に大人っぽさを覗かせる。物語性を感じさせてくれるダンスがよりムードを盛り上げていく。「Don’t look back」ではスタンドマイクを使った演出にまた会場のボルテージが上がっていく。スタンドマイクを持ったまま、めまぐるしくフォーメーションも変わり、見応えは抜群だ。序盤だけでもしっかりとさまざまなLienelの側面を見せたところで、最新配信曲の「親指☆Evolution!」を。鮮やかなライティング、くるくると回るミラーボールの光がきらめき、ポップな楽曲で全員が体を弾ませる。体を動かし、声を出していく構成に、今後さらに盛り上げ曲になっていくだろうことを予感させてくれる。そして楽曲自体もどこか懐かしさを感じさせるような振り付けや合いの手に老若男女魅了されてしまいそうだ。Lienへの決め台詞に挑戦!カッコいいも可愛いもすべてが詰まったステージMCでは初披露となった「親指⭐︎Evolution!」の話題に。高岡が「この会場にめちゃめちゃベテランで喋ったら笑いしか取れないっていうほどのリポーターが来ている」と話を振ると芳賀がリポーターに扮して、感想やイケメンポイントをメンバーにインタビューをし始めた。まずはマイクを向けられた高桑は「初披露めちゃめちゃ緊張したんですけど、ミロが言ったようにここイケメンですよ、っていうポイントは『ネズミがちゅー』っていうところです!」。続いては武田。「このかわいい青年に聞きましょう。どこから来たのかな、好きな食べ物ある?」と芳賀がマイクを向けると、「なめたけと、里芋と、納豆と、五穀米と……」と回答し、「渋い渋い!」とツッコミを受けた。笑いをとったところで、「親指⭐︎Evolution!」については「みんな笑顔でやろうってリハーサルでも言っていて、幸福感もあって自然と笑顔になりました」とにっこり。そして森田・近藤には「Don’t look back」について。「マイクスタンドを使ってパフォーマンスするのは初めてだったんですけど僕は(マイクスタンドを)運びながら歌うことが多くて、扱いがむずかしかった」と森田。そして「メンバーみんなと一生懸命練習したし、新鮮さもあってめっちゃ楽しかったです」。近藤はマイクスタンドの角度にみんなでこだわったと言い、「途中、マイクスタンドの下の部分が璃空とひっかかって。ちらっと見たら金髪だったから『はがしゅー〜』と思ったら(芳賀の髪色も明るい)璃空じゃん、と思ってびっくりした」と森田の金髪にまだ慣れていないというエピソードを語った。その後は高岡発案で「せっかくのワンマンライブだからやりたいことがあった。スクリーンを使って決め台詞やりたい」とカメラに向かって告白するという場面が。やることになったのは武田と高桑。武田は可愛く「全部大好きだよ」、高桑はクールに「大好きだよ」と2人とも指ハートで決めたが、言ったあとに恥ずかしがっていた姿が印象的だった。メンバーからも「かわいい!」の声が飛ぶ。さらに、森田発案のペンライトウェーブで一体感を高めたところで「まだまだ盛り上がっていきましょう」と、続いて「kimito」へ。ここまでとは打って変わってシックなムードで、かつキュートさも織り交ぜつつ、届けた。さらに、より大人っぽさを感じさせる「Naby Blue」を披露し、ブリッジ映像へ。ブリッジではファーストライブの「ファースト」にちなんで「初めてのパズルチャレンジ」の模様を。個性も見せつつ、チームワークを発揮し、65分で完成させた。ちなみにVTRの最後には集中力が切れた回数が最後に発表されており、会場の笑いを呼んだ。先輩たちの人気曲をカバー、それぞれが伝える熱いメッセージ後半戦はそれぞれのダンスソロからスタート。先ほどまでの王子様のような装いから一転、ラフな衣装で登場し、気合いの入ったパフォーマンスを見せる。そして次の曲のイントロが流れ出すと一際大きな歓声があがった。ここからは先輩グループの楽曲をカバー。まずはONE N’ONLYの「Category」。普段のLienelとは異なるワイルドさを見せた。歓声が続く。BUDiiSの「Magic」。BUDDiiSでもお馴染みの囁きパートではひときわ大きな声が上がった。そしてカバーメドレーを締めくくるのは超特急の「No.1」。しっかりと客席から掛け声がかかるのがさすが。さらに曲中でもキレのあるダンスを見せていく。Lienelの世界観にもハマる選曲で会場の熱をあげた。そして間髪入れずに「Party Now!」、「Summer Boy!Summer Girl!」を披露。「Summer Boy!Summer Girl!」ではタオルを回し、クラップをし、ライブ後半にふさわしくゴキゲンな楽曲で盛り上げた。行き着く間もない怒涛のセットリストで駆け抜けてきたワンマンライブ。早くもラスト1曲だと高岡が告げると会場からは思わず「えーっ!」の大合唱となった。後半戦を振り返ったあと、メンバーそれぞれからメッセージが。まずは高桑から。「僕はEBiDANを長くやっていて、ミロと一緒に研究生でもやってきて、ライブをたくさんたくさん重ねてきましたけど、今日のライブが人生で一番最高のライブになりました」。続く森田は「記念すべき最初のワンマンライブがこんなに大きなZepp Hanedaの会場でパフォーマンスできることが、本当に嬉しかったです。このワンマンライブに向けていろいろ不安だったり、悩んだこともあったけど、今日は6人でステージに立てたことが嬉しいですし、何よりLienの皆さんと会えたこと、笑顔をたくさんみれることができて幸せです。ありがとう」と感謝の思いを伝えた。そして、両親への感謝の気持ちを伝えているところでは涙に言葉を詰まらせる場面も。「地元の大阪から出て東京で過ごしてみるとお母さんとお父さんの大変さを知ることができました。こうしてステージに立てたのも両親が支えてくれたからだと思っているし、両親には感謝しないといけない、と思いました。息子が璃空でよかったと、思ってもらえるような人になりたいです」と涙で声を滲ませながらいうと、会場からは思わず拍手が。Lienにも何度も感謝の気持ちを口にし「これからもLienのみんなにもっと笑顔や幸せを届けたいと思っているし、もっと大きなステージに立って、Lienのみなさんに恩返しできるようにがんばります」。高岡は「今日ここでLienと会えたのはこれまで小さい頃から支えてくれた人や、これまで一緒にステージにたった先輩や同期だったり、お客さんであったり、マジボ(MAGiC BOYZ)のメンバーだったり、ひとりひとりの何気ない選択が今日僕をここまで導いてくれたんだな、ってこのステージに立って確信しました。今この話をしているのはデビューできたから美談になっているけど、本当に当時目指しているときは、ただただデビューを目指して突っ走る一心でした。こうして僕にチャンスをくれた事務所の人だったり、メンバーのみんなだったりファンのみんなだったり、1人1人の小さな力が僕の背中を僕の背中を押してくれたんだな、と思います。このステージに立てて、僕は今とても幸せです!」とここまでを振り返って思いを伝えた。近藤は「北海道から上京してきて、2 年間から3年間はレッスンも週に1回しか受けられるか受けられないかで、初めてステージに立ったのが15歳、デビューするまでに2、3回しかステージに立ったことがなかったんですけど、研究生の間に応援してくれたファンの方とか、東京についてきてくれた両親に、今日恩返しができたんじゃないかなと思います。デビューしてからファンになってくれた人にもこの8ヶ月の頑張った成果が見せられてよかったです。北海道から出てきてよかったな、と思えたステージでした」。そしてグループ最年長となる芳賀。「デビューして8ヶ月経ちましたが、デビューする前も練習期間やいろいろあって、先生に怒られたりとか、課題も見つかって僕自身不安なこともありました。最年長ということもあり、結構なプレッシャーもあったんだけど、こうしてリリイベだったりワンマンライブに来てくださるからこそ、とても嬉しいですし、ここまで人が集まってくれるんだな、というのに驚きですし、とても感謝しています。もっと僕たち前に進んでいきますのでついてきてくださると嬉しいです」と、途中、涙も堪えつつ、伝えた。ラストは武田。ワンマンライブの開催がサプライズで発表されてからしばらく実感が湧かないままだった、と振り返り、「だんだんワンマンに向けて想いが強くなったり、リリイベでLienのみんなと距離を縮められて、僕たちの支えになりました。Lienみんなに感謝しているし、支えてくれるスタッフのみなさんだったり、5人のメンバーに支えてもらってばかり。今、こんな大きな舞台でたくさんLienと幸せな時間を共有できて人生で幸せです」と関わる全ての人への感謝を伝えた。「LienelとLienのみんなでこれからも絆を深めていきたいです」と森田からコールされた最後の楽曲は「Fly High」。紙吹雪が舞う中、Lienelの思いとこれからを感じさせるような楽曲だ。最後まで歌い終えて高岡は「やっぱり僕たちLienelは6人だけじゃない。みんなもいて僕たちLienelなんだな、って実感しました。これからも突き進んでいきます。これからも応援よろしくお願いします」と強い思いを伝えた。初のツアーの発表これからもLienelから目が離せないすぐに始まった大きな「アンコール」の声に答えて再び登場したLienel。近藤の「まだまだ僕たちと盛り上がりましょう!」と言葉と共にアンコール一曲目に披露したのは「Love Me Madly」。赤いライティングの中、情熱的な恋の歌を歌い上げた。そして初のワンマンライブを締めくくるのはLionelの始まりの曲とも言える「Love Communication」。芳賀が「まだ行けるよね?もっと楽しんでいきましょう」と煽る。曲中はメンバー同士がくっついたり、カメラに向かって満面の笑みを向けたり、それぞれがステージの端から端へと移動し客席にむかって全力で手を振り、銀テープを舞い、最後までLienを楽しませた。初めてのワンマンライブ、大成功を収めたLienel。まだここは始まりであり、これから長い長い道が続くはずだ。しかし、その道はきっと楽しく輝くものであることを感じさせてくれた。さらにライブの後には、初のツアー開催を発表され、Lienを喜ばせた。来年のLienelからも目が離せない。取材・文:ふくだりょうこ撮影:笹森健一『Lienel 1st Live Tour 2024 〜My Youth〜』開催決定!【大阪】松下IMPホール2024年5月12日(日) 開場16:00/開演17:00【東京】日本橋三井ホール2024年5月19日(日)≪1部≫開場13:00/開演14:00≪2部≫開場17:00/開演18:00詳細はこちら:
2023年12月29日今年結成50周年を迎えたTHE ALFEEが、ワンマンライブ『THE ALFEE 2023 Winter Genesis of New World Final 風の時代・冬』を12月23日(土)・24日(日) に日本武道館で開催した。ライブは、名曲「星空のディスタンス」や、シングル57作連続オリコンTOP10入りを果たした最新曲「鋼の騎士Q」を含め2日間で合計35曲を披露。初日は日本武道館公演100回目というバンドとしては日本人初の快挙を成し遂げた記念すべき日となり、高見沢俊彦は「日本武道館は83年から毎年やってきて、あれから40年、長く積み重ねてやっている集大成としてこの武道館、今日で100回目です。こうやって100回できたのも皆さんのおかげです。僕らの曲を見つけてくれて、そして僕らのコンサートを選んでくれて、本当に感謝しかありません」と集まったファンに感謝を伝えた。高見沢俊彦桜井賢坂崎幸之助また、2日目のアンコールでは谷村新司との共作曲「天使の伝言~TASUKI~」(作詞:谷村新司作曲:高見沢俊彦)をTHE ALFEEとしてライブ初披露。さらに「LONG WAY TO FREEDOM」では高見沢が宙を舞うサプライズ演出もあり、会場のファンが歓喜に包まれた。日本武道館での公演数は12月24日現在で101本と、バンドとしては首位の記録を引き続き更新。またコンサート総本数も2,888本(12月24日時点)と、こちらもグループ最多公演記録を更新した。撮影:上飯坂一<リリース情報>THE ALFEE『SINGLE CONNECTION & AGR - Metal & Acoustic -』発売中●初回限定盤(2CD+DVD):税込4,950円●通常盤(2CD):税込3,850円【CD収録内容】※全形態共通■Disc1:SINGLE CONNECTION01. この素晴らしき愛のために (2023Mix)02. 今日のつづきが未来になる03. 人間だから悲しいんだ04. The 2nd Life -第二の選択-05. Final Wars !06. あなたに贈る愛の歌07. 太陽と鋼の翼08. 光と影のRegret09. 友よ人生を語る前に10. 振動α11. Joker -眠らない街-12. 英雄の詩13. GLORIOUS■Disc2:Alfee Get Requests - Metal & Acoustic -(新録)01. 悲劇受胎 (50th Anniversary Ver.)02. NOBODY KNOWS ME (Acoustic Ver.)03. 鋼鉄の巨人(50th Anniversary Ver.)04. ひとりぼっちのPretender (Acoustic Ver.)05. 人間だから悲しいんだ (Acoustic Ver.)06. Count Down 1999 (50th Anniversary Ver.)【DVD収録内容】※初回限定盤のみ■THE ALFEE 2023 Spring Genesis of New World 風の時代・Brave Love - Galaxy Express 999 -・Bad Girl・Glorious関連リンクオフィシャルサイト:ユニバーサル ミュージック THE ALFEE オフィシャルサイト:
2023年12月25日“シブヤは炎上するか?”と煽ったのは、1999年10月に渋谷クラブクアトロでのライブを録音したナンバーガールのライブ盤に刻まれたキャッチコピーだった。カネヨリマサルの『太陽に近づくツアー』ファイナルの地となったのはZepp Shinjuku。歌舞伎町の地下に盟友と言えるTETORAを迎えた。“Shinjukuは夢を見るか?”――キャッチコピーをつけるなら、これしかないと思った。3ピースのガールズバンド、大阪出身という相似性以上に、カネヨリマサルとTETORAはお互いのことを深くリスペクトし合いながら高め合ってきた。1曲目「ずるい人」のあとに、上野羽有音(Vo&Gt)が言った。「カネヨリマサルありがとう。カネヨリマサルが選んでくれた、カネヨリマサルが混ぜてくれた、カネヨリマサルが作った日は、もうこの瞬間から始まっているのでよろしくお願いします」フロアから大きな拍手が起こる。それを遮るように続けた。「ごめん、もうちょっといい?いつも思うこと。これだけは言いたかった。こんな気持ちになるのは私にとってカネヨリマサルだけ。カネヨリマサルの曲を聴いたら、私の中の鼓動が恋してるときと同じ速さになります。カネヨリマサルの曲が大好きです」そう言って演奏したのは未音源化の新曲「11月」。ペイヴメントあたりのローファイな空気感をたっぷり含みつつ、歌詞に激情を織り交ぜた曲が彼女たちのセンスの良さと自らの音楽への信念の強さを感じさせた。「大阪の先輩カネヨリマサルと新宿のこんな大きなライブハウスで2マンをやれるなんて夢にも思ってませんでした」中盤から後半にかけては速い曲で一気にフロアの温度を上昇させる。曲間に、「カネヨリマサル!どんなツアーを回ってきたか教えてほしい!」と何度も叫ぶ姿が印象的だった。本当のところはわからない。けれど、これはカネヨリマサルへの愛であり、TETORAの誇りであるのだなと感じた。自分たち以上にカネヨリマサルとの2マンにふさわしいバンドはいないだろう?そういうふうに聞こえたのだ。そして実際、そのとおりに違いないと思わせるだけの気迫に満ちた演奏でTETORAは駆け抜けた。フロアの期待感の高まりが目に見えるようだった。いつものSE(くるり「THANK YOU MY GIRL」)が鳴り、ちとせみな(Vo&Gt)、いしはらめい(Ba)、もりもとさな(Ds)の3人がステージに登場すると、ドラムセットを中心に3人が集まってそれぞれのポジションにつく。今年の2月4日に代官山UNITでのライブを見たときも、あるいはどこのライブハウスでも同じ光景が繰り返されているに違いない。しかし、何もかもが違って見えた。それがバンドの成長なのかもしれない。そして、最高のライブを繰り広げたTETORAへの想いなのかもしれない。「はしる、夜」からこの日のライブが始まった。「カネヨリマサルが今、Zeppのステージに立っています!」(ちとせ)「TETORAのライブを見たらいつも名前のつけられへん感情になるんですけど、今日もなりました」(いしはら)ドラムのつなぎから3曲目「GIRL AND」へ。オーディエンスが身体をぶつけ合って拳を突き上げサビに突入するカタルシスはスタンディングのライブでしか感じられないものだ。「関係のない人」からドラムとベースのインプロに続いて「ひらりとパーキー」という流れがシームレスに曲の世界へと導く。「Zepp Shinjukuのステージに初めて立った。こんなにめっちゃたくさんの人が見にきてくれてうれしいです。セトリどうしようって話もいっぱいして、ツアーならではの曲をいっぱいやりたいと思います」(もりもと)その言葉どおり、6曲目に披露した「NO NAME」は久しぶりにライブで演奏する曲だった。さらに「南十字星」と続く。TETORAと大阪のライブハウスでしのぎを削っていた“あの頃”に思いを馳せるような選曲がこの日の特別感を物語っているような気がした。10月18日にリリースした配信シングル「君にさよなら」を演奏する前にちとせが言った言葉のリアリティに驚かされた。「何曲失恋ソング歌うねん、カッコわるって思う。でも、そう思われても何回でも歌う。一生一緒におれると思ってた、疑いなく。一生私のことを好きでいてくれると自惚れてたかった。そういう人の歌です」TETORAが「11月」を演奏する前に言った上野の言葉とシンクロした。「この曲は、ライブでやるのは今日が最後になると思います。この人となら不幸になってもいいって思っちゃったからこの曲を作りました。まだ音源にもなっていない新曲です」カネヨリマサルがTETORAと初めて対バンをしたのは、4年前。大阪・心斎橋にあるBRONZEというライブハウスだった。ちとせが言う。「全然人を呼べなくて、ガラガラのライブハウスで悔しいライブばっかりやってた。でも、時間が経って環境が変わって、観てくれる人がいっぱい増えて、今日、こんな夢みたいなステージに立っています」。だからこそ思い出すのだ。“あの頃”を。「あの頃よく聴いていた曲をちょっとだけ歌います」と言って、ちとせが歌い出したのはTETORAの「ずるい人」だった。ギターの弾き語りに、まるで示し合わせたかのようにベースとドラムが同時に入る。「私のずるい人を歌にしました」と言って披露したのは「もしも」。おそらく“あの頃”もよく演奏していた初期の楽曲だ。この日の新宿のステージから見えた景色が、また“あの頃”になる日、彼女たちはどんな景色を見ているのだろう――そんな未来に思いを馳せた。「(上野)羽有音ちゃんが昔LINEをくれた。いつかTETORAとカネヨリマサルでZeppツアーやりたいですって。あのときの私たちの未来は今日だ!」そう言って、「ラクダ」を歌い出した。このツアーは『太陽に近づくツアー』というタイトルが付けられている。当初は出演してくれる対バン相手へのリスペクトと憧れを込めたものだった。しかしツアーを回るうちに、こんなふうに思うようになったのだと言う。「私たちはみんなの太陽みたいなバンドになります!」来年2月7日(水)には4thミニアルバム『波打つ心を持ちながら』がリリースされることがこの日のステージで発表された。1月28日(日)にメジャーデビュー1周年記念ライブを恵比寿LIQUIDROOMで行ったあと、2月25日(日)名古屋DIAMOND HALLから始まる初のワンマンツアー『彗星みたいになりたいツアー』が始まる。カネヨリマサルが描く夢の軌跡はまだまだ続いていく。Text:谷岡正浩<リリース情報>カネヨリマサル 4thミニアルバム『波打つ心を持ちながら』2024年2月7日(水) リリース●初回限定盤A(CD+Blu-ray):税込4,840円●初回限定盤B(CD+DVD):税込4,400円●通常盤(CD):税込2,310円●VICTOR ONLINE STORE限定セット初回限定盤A(CD+Blu-ray)+フェイスタオル【波打つ心タオル】+アクリルスタンド【カネヨリスタンド】:税込7,540円初回限定盤B(CD+DVD)+フェイスタオル【波打つ心タオル】+アクリルスタンド【カネヨリスタンド】:税込7,100円【CD収録内容】1. バンドマン2. GIRL AND3. わたし達のジャーニー4. ラブソングがいらない君へ5. 君にさよなら6. 番外編7. 見えないくらいの高速で【DVD / Blu-ray収録内容】「1st Full Album リリースツアー 2023 “いまを生きるツアー”」(2023.6.25 at 心斎橋BIGCAT / 全15曲・約80分 収録予定)予約リンク:<ライブ情報>カネヨリマサル『太陽に近づくツアー』大阪・福岡振替公演2024年1月18日(木) 梅田CLUB QUATTROOPEN 17:30 / START 18:30w/ KALMA2024年2月7日(水) 福岡Drum Be-1OPEN 18:00 / START 18:30w/ キュウソネコカミチケット情報:()カネヨリマサル メジャーデビュー1周年記念ライブ『今日を凛々』2024年1月28日(日) 東京・LIQUIDROOM開場17:00 / 開演18:00チケット料金:前売4,000円(税込)※スタンディング(整理番号付き)。ドリンク代別途必要カネヨリマサル ONEMAN TOUR 2024『彗星みたいになりたいツアー』2024年2月25日(日) 名古屋 DIAMOND HALL開場17:00 / 開演18:002024年3月21日(木) 札幌 PENNY LANE24開場17:30 / 開演18:302024年3月23日(土) 仙台 darwin開場17:00 / 開演18:002024年3月29日(金) 福岡 BEAT STATION開場18:00 / 開演18:302024年3月31日(日) 広島 LIVE VANQUISH開場17:00 / 開演18:002024年4月11日(木) 東京 EX THEATER ROPPONGI開場17:30 / 開演18:302024年4月21日(日) 大阪 なんばHatch開場17:00 / 開演18:00チケット料金:スタンディング(整理番号付き):前売4,000円(税込) / 東京公演のみ4,500円(税込)※ドリンク代別途必要チケット情報:()関連リンクオフィシャルサイト:::
2023年12月21日Hakubiが、ワンマンライブ『賽は投げられた』を11月18日(土) に大阪・なんばHatchで開催。キャリア最大規模となった東阪ワンマンライブを完走した。ライブ終演後には、2024年に全国13都市をまわるワンマンライブツアーを発表。2024年3月15日(金) に開催される千葉・千葉LOOK公演を皮切りに、4月19日(金) に地元である京都・KYOTO MUSEにてツアーファイナルを迎える。チケットはオフィシャル先行を12月3日(日) まで受付中。また、11月4日(土) に行われた東京・Zepp Haneda公演のオフィシャルレポートが到着した。11月4日(土) のZepp HanedaにてHakubiが『賽は投げられた』と題したワンマンライブを敢行。その模様をお届けする。ステージ上には自らが駆る楽器類と背後に吊られたお馴染みのロゴのバックドロップのみ。初のステージとなる会場なだけにややもすると簡素とも言えるシンプルなセットであったが“バンドの自力のみで魅せる”と言う強い意志の表れと筆者は受け取った。ポストロック / アンビエント調のSEに合わせメンバーが登場。すっかりバンドのアイコンともなった片桐(Vo/Gt)の金髪と真紅のギターが今宵も目を惹く。一曲目はライブのタイトルともなった「賽は投げられた」。寂寥感漂うメロディが印象的な楽曲だが、曲終盤の“賽は投げられた”の歌唱と共にアンサンブルが爆発すると言う二部構成的な趣も持つ楽曲であり、片桐はワウがかったノイジーなギターを掻き鳴らしながらオーディエンスに向かって「みんなのために みんなのためだけに歌います」と力強く宣言。それに呼応する様にヤスカワアル(Ba)、マツイユウキ(Ds)も大きく体を揺らしながらプレイする。片桐(Vo/Gt)短めのMCから「ハジマリ」へのタイトルコールが華麗に決まった瞬間、マツイの性急なエイトビートでバンドは勢いよく走り出す。「ちょっと珍しい曲やってもいいですか」との事で「color」へと繋げ、序盤を駆け抜けたバンドはここで目下の最新アルバムからタイトルチューンである「Eye」を披露。広いサウンドスケープを持つ四つ打ちに応える様に客席から軽快なクラップが巻き起こる。オーディエンスまでもがアンサンブルに参加したかの様な祝祭的な雰囲気の中でバンドはキメの多い楽曲を余裕たっぷりに乗りこなしていく。特に言葉数が多いサビを息継ぎなしで歌い切る片桐のボーカルに、ライブバンド、現場主義を貫くHakubiの矜持を感じずにはいられなかった。MCでは片桐が会場入り前にすっぴんでファンの女の子に遭遇してしまった事やマツイが会場の広さを「京都MUSE何個分?」などと自らのホームグラウンドに絡めつつ感謝するなど、ライブ中とは打って変わった緩やかなムードで進行させたと思いきや片桐が再び「これが今の私たちのベスト。気合い入れてやって参りました。最後まで宜しくお願いします」と力強く宣言。確かにリリースを伴うライブではない今回。シンプルなセットと相俟って、ロックバンド、或いはライブバンドHakubiの現段階でのベストを実演にて刻み付けるという意味合いで組まれた公演であろう事を明かしてくれた。ヤスカワアル(Ba)「懐かしい曲を」の一言で演奏された「もう一つの世界」も客席からの高らかなクラップで迎えられ、ヤスカワがベースを唸らせる「最終電車」。マツイの変則的なドラミングと後半のシューゲイザー的な展開で場内の空気を一変させる「薄藍」などリズム隊の妙技を見せつつライブは進行。続く「午前4時、SNS」、「サーチライト」に綴られる、胸を抉る様な言葉の数々。獰猛さを増すリズム隊に乗せて絶唱する片桐に圧倒されてしまう。生々しい息遣いで歌われる「サイレント東京」では打ち込みのリズムをマツイがパッドへとスイッチし生演奏。ヤスカワの浮遊感あるフレージングが心地よい眩暈を提供してくれる。再びのMCでは「ワンマンの時はドラムとベースも喋るんです」と演奏とはまた別のグルーヴ感を見せるコミカルなトークを展開。即興で行われた「会場から1番遠いやつは誰だ選手権」ではなんと北は北海道、南は宮崎県からの来場者の姿が。“今までのベスト”と先のMCで片桐が明言していた通り、客側としても、やはりどうあっても見逃す訳にはいかないライブであるのだろう。マツイユウキ(Ds)「今でもこの曲が沁みます」と自身の処女作であるep『夢の続き』から「intro」~「夢の続き」と繋げ、タイトル未定の新曲をここで初披露。バンドの過去と現在。そしてその表現の根底にある揺るがないものの片鱗を垣間見せてくれた。ここからのブロックではバラード曲が続く。特にもう2度と会う事の出来ない、かけがえのない存在へと歌われる「拝啓」は今宵屈指のハイライトの一つに数えられるのではないだろうか。詞曲に込められた深い悲しみと感謝を全身で表現する片桐に思わず息を呑んでしまう。来場者一人一人もきっと自身の大切な存在を思い浮かべながら聴き入っていた事だろう。そしてアップダウンの激しい音程を感情豊かに歌い上げる「Twilight」の後半、エイトビートで切り込んでくるドラムと共にアンサンブルはまたも爆発。更なる強靭な表現力を纏ったバンドの現在地を客席へと刻み付ける。さあ、ライブもいよいよ終盤。鏡に写る理想通りとは決していかない自身の姿へと宛てた「mirror」の曲中では“ファンの1人から手紙を貰った事、そこにはHakubiが生きる理由としたためられていた事、Hakubiにとっても眼前のあなたたち一人一人が生きる理由である事”が高らかに宣言される。互いが互いの生きる理由である事が明確となったバンドとオーディエンスが作り上げる空間。ライブの形として一つの理想であろう。そんな空間を目の当たりにした片桐は「こんなに笑う片桐見た事あります?」と楽しすぎて少々テンションがおかしくなってしまっている事を自嘲気味に語っていた(笑)。「最後、みんなで歌って欲しいです。いけるよね?」として披露されたのは「君が言うようにこの世界は」。随所に挟まれるコーラスを割れんばかりの声で共に歌うバンドとオーディエンス。ステージと客席との境目がなくなったかの様な一体感をもってして、本編は終了。アンコールでは再びトークでのグルーヴ感も強力なヤスカワとマツイによるグッズの紹介などを挟みつつの「辿る」。そして雄大なリズム、荘厳な調べのピアノにシーケンス、神々しい光を纏った様なメロディがこの上なくラストに相応しい「悲しいほどに毎日は」にて堂々のエンディング。先にも記したが強靭さを更に増したバンドの表現力は楽曲全てをより立体的、有機的に輝かせており、片桐の言う“今の私たちのベスト”を存分に見せ付けてくれた。そしてMCのみならず曲中に至るまで何度も宣言されていたのはオーディエンス一人一人である“あなた”へ向けられた強い肯定の意思。“いつだって頼って欲しい”とまで“あなた”に寄り添う覚悟を決めたバンドの意思表示に、ロックバンド、或いはライブバンドHakubiの揺らがぬ信念を窺い知る事のできる一夜となった。Text:庄村聡泰Photo:翼、<ライブ情報>Hakubi one-man tour 2024『Hakubi one-man tour 2024』告知画像2024年3月15日(金) 千葉LOOK開場18:30 / 開演19:002024年3月17日(日) 札幌KLUB COUNTER ACTION開場18:00 / 開演18:302024年3月20日(水・祝) 柳ヶ瀬ants開場18:00 / 開演18:302024年3月22日(金) 金沢vanvanV4開場18:30 / 開演19:002024年3月27日(水) 福岡LIVE HOUSE OPʼs開場18:30 / 開演19:002024年3月28日(木) 長崎STUDIO DO!開場18:30 / 開演19:002024年3月30日(土) 高松DIME開場18:00 / 開演18:302024年4月4日(木) 仙台MACANA開場18:30 / 開演19:002024年4月5日(金) 水戸LIGHT HOUSE開場18:30 / 開演19:002024年4月13日(土) 松本LIVEHOUSE ALECX開場18:00 / 開演18:302024年4月16日(火) 渋谷CLUB QUATTRO開場18:30 / 開演19:002024年4月18日(木) 名古屋CLUB QUATTRO開場18:30 / 開演19:002024年4月19日(金) 京都KYOTO MUSE開場18:30 / 開演19:00【チケット情報】4,000円(税込 / ドリンク代別)■オフィシャルメンバーシップ先行(チケット+特典グッズ付)受付期間:12月3日(日) 23:59まで■オフィシャル先行(チケットのみ)受付期間:12月3日(日) 23:59まで()関連リンクHakubi Official Site:::::
2023年11月20日もさを。が全国5都市をまわったツアー『Sugar&Spice』が終了した。もさを。は今年1月に初のワンマンライブを、そして5月に東名阪ツアーを開催。今回早くも実現した夏のツアーでは公演数を増やし、より多くのファンの元へ行って直接歌を届けた。この記事では、8月30日に開催されたZepp Shinjuku(TOKYO)公演の模様をレポート。前週に開催予定だった大阪・愛知公演はもさを。の体調不良に伴い9月、10月に振替となったため、復帰一発目のステージだったが、この東京公演では元気な姿を見せてくれた。開演時刻になると、観客の手拍子に迎えられながらステージにやってきたもさを。。「東京、みんな盛り上がってくよ!」というもさを。の言葉を合図にバンドメンバーの杉村謙心(Gt)、森光奏太(Ba)、坂本暁良(Ds)、岡田基(Key)、山本哲也(Manipulator)がイントロを奏で始めると、「ブラウニー」でポップに幕開けだ。途中ジャジーなアプローチがあったりと豊かに表情を変えるバンドサウンドを乗りこなすもさを。の歌声は温かく伸びやかであると同時に頼もしく、歌でバンドやお客さんを引っ張ろうという度量が感じられる。「みんな踊っちゃっていいからね!」と投げかけつつ、ステージ上を練り歩き、観客一人ひとりをしっかり見ながら歌う姿も印象的。この場所に来てくれた人のことは誰一人孤独にさせたくない。みんなで心を通わせながら、一緒に、一つのライブを作りたい。そんな想いが伝わってくる歌とステージングだ。まるですぐそばで歌ってくれているようだと聴く人に感じさせるハートウォーミングな楽曲と歌声がもさを。の魅力だが、このライブ空間でもまた親密かつ穏やかな空気が流れている。ステージ上でミラーボールが回り、光に包まれながら歌った「きらきら」で特別な景色を生み出すと、カントリー系の曲調が楽しい「ラクガキ」では観客とラララと声を合わせた。ここでMCに入ることを察した観客が「もさを。くーん!」「会いたかったよー!」といった声援を飛ばす。その一つひとつに対して「僕も会いたかったよ」「待ってた?ありがとう」「なんてなんて?」「もう1回お願い」と返していくもさを。。ファンとコミュニケーションをとりながらの最初のMCでは「家族のような距離感でいたい」「(ライブは)あなた一人ひとりがいないと成り立たない」「嬉しいことも悲しいことも共有したい」といった想いを改めて伝えた。そして「今年一熱い思い出にしたいんだけど、みんな、楽しむ準備はできてますか?」「甘さと少しの刺激で、シュワシュワッとハジけて、最高の1日にしましょう!」とツアータイトルにちなんだ言葉で、次の曲「サイダー」へと繋げた。この曲でもさを。はハイチェアに腰掛け、アコースティックギターを爪弾きながら歌唱。リラックスしたムードの中、観客は手拍子して楽曲を彩った。続く「恋色」はワウギターの効いた音源とはまた違うアレンジで、バンドの熱量が前面に出た好演。特にアウトロでは各楽器が自由に遊びまくっていて、もさを。も時にバンドメンバーとアイコンタクトをとりながら楽しそうに歌っていた。照明演出によって作られた星空の下で歌ったのは「ギフト」。「この曲は僕の実体験を基にした曲です。みんなの悲しかった思い出はこの会場に置いていっていいからね」と紹介されたのは、〈私だけ好きが溢れていたの〉と歌うバラード「好きが溢れていたの」。いわゆる失恋ソングだが、衝動的に感情をぶつけるのではなく、自分の心の内にある気持ちを手に取りながら、一つひとつ丁寧に歌うのがもさを。流。包容力のある歌唱に、自分だけの悲しみをそっと託した人もいたことだろう。「大きな会場でみんなと一緒に、大空いっぱいに広がる花火を見たい」と今後叶えたい夢について語ったこの日2度目のMCのあとには、「桜恋」、「会いたい」、「キンモクセイ」を披露。「キンモクセイ」では「ジャンプ!」「もっと!」とフロアに投げかけながら、観客と一緒になって自らも飛び跳ねるもさを。。ラストフレーズを歌う際にもさを。がメロディをアレンジすると、観客は「フゥー!」と歓声を上げて反応し、もさを。のファインプレーを称えた。「いやー、疲れちゃったよ(笑)。みんな、まだまだ体力ありそうだね。ジャンプする曲、まだあるから準備しといてね」と期待を煽る発言もありつつ、楽しい時間はあっという間。本編ラストのMCでは、もさを。が「日々の活動の中で、音楽について考えたり悩んだりすることもあります」と切り出し、「“音楽を届けるってどんな意味だろう?”と考えた時に、みんなのことが真っ先に浮かびます。支えてくれるみんながいるから、一人じゃないと思える。だから音楽でそばにいさせてください。これからもみんなと一緒の時間を過ごさせてください」と観客に想いを伝えた。そして「その大きな声でこの会場を響かせてください。僕のあとについて歌ってね!」とラララのシンガロングを起こすと、「1分1秒」へ。〈1人じゃないよ そばにいるから/1分1秒 あなたが大事〉という歌詞がファンへのメッセージとして届けられた。同じくファンへのメッセージソングのように聴こえた「ハレルヤ」を経て、バンドメンバーによるエンターテイナー精神溢れるソロ回しとともに突入した「カラメル」では大盛り上がり。「この夏の思い出は絶対に忘れません。最後に、僕からのプレゼントを用意しました」と本編最後の曲として、もさを。が観客に贈ったのは「冬のプレゼント」。既に発表されている通り、この日のアンコールでは、12月に『Xmas Live 2023』を東名阪で開催することを発表した。次の季節での再会を約束し、本編は幕を閉じたのだった。アンコールでは、もさを。が初めて作ったオリジナルソング「ワスレモノ」を、「大切な人が突然いなくなり自分を見失った時に、忘れないようにと書いた曲です。友達、家族、恋人をもっと大事にしようと思ってくれたら嬉しいです」と紹介してから披露。そして「この会場に響きわたるくらい、今日一の声で歌ってください!」と「ぎゅっと。」を会場全体で歌い、幸福感に満ちた空気の中、エンディングを迎えた。エンドBGMに踊りながらステージを去っていったもさを。は、きっと充実感を覚えていたことだろう。文:蜂須賀ちなみ写真:タカギユウスケ<公演情報>もさを。SUMMER LIVE TOUR『Sugar&Spice』8月30日(水) Zepp Shinjuku(TOKYO)セットリスト01.ブラウニー02.きらきら03.ラクガキ04.サイダー05.恋色06.ギフト07.好きが溢れていたの08.桜恋09.会いたい10.キンモクセイ11.1分1秒12.ハレルヤ13.カラメル14.冬のプレゼント■アンコール01.ワスレモノ02.ぎゅっと。<ライブ情報>もさを。Xmas Live 202312月19日(火)大阪・BIGCAT12月20日(水)愛知・DIAMOND HALL12月25日(月)東京・恵比寿ザ・ガーデンホールチケット情報:()関連リンクX:
2023年11月18日韓国で生まれ育った女性ボーカリスト・ダズビーが、自身初となる日本でのミニライブを11月12日(日) に東京・TIAT SKY HALLで開催した。今回のミニライブは、9月23日(水) にリリースされた1stアルバム『orbit』CD購入者限定の応募特典として行われた完全招待制のイベント。昼夜2公演が行われ、ダズビーの歌声を生で体感できるだけでなく、終演後にダズビー本人のお見送りもあることが事前に発表されたこともあり、多数の応募者が殺到し、その中から抽選で当選した多くのファンが会場に詰めかけた。ライブはダズビーにとっての初が詰まった内容で、日本で初めて素顔を見せ、そして初めて観客の前で生の歌声を披露。様々な初をダズビー自身も観客自身も体感することになった。白い衣装を身に纏い、緊張しながらも笑顔を絶やさない彼女の姿は、大袈裟ではなく、天使がステージに舞い降りてきたようであった。その印象を更に決定付けるような歌声が会場中に響き渡る。彼女の歌声は、聴くものの心に問いかけてくるようにスッと入ってくる。そして心が浄化されていく感覚になっていく。それが今回の生での歌唱を聴くことでより際立って感じられた。今回ダズビーはその天使の歌声、天使のような出で立ちと笑顔で様々な感情を歌いあげる。時には切ない感情や、嫉妬心に満ちた感情も含めて、その歌声だからこそ、マイナスな感情でさえ心の奥にすっと届いてくる。昼夜ともに披露したのは、1stアルバムからリードトラック「オセロ」。軽快なリズムに、ピアノ・ギター・シンセが合わさった特徴的なトラックに、彼女の歌声がシンクロしていく。そしてYouTubeで1,000万再生を記録した彼女の代表曲のひとつ「愛じゃない」。片思いの最中に起きるダークな感情が、ダズビーの歌声によってより切なさを増し、哀愁も感じるラップパートで更に心が揺さぶられる。恋愛のネガティブさを感じるこの2曲を通しても、彼女の歌声が耳だけでなく、直接心に染み込んでくるような感覚になっていく。集まった観客は、これまでネット動画やストリーミング、そして今回のCDでしか聴くことができなかった彼女の生の歌声を堪能しつつ、本当にダズビーに直接会うことができた喜びを噛み締めていた。昼夜公演の中盤で披露された「hikari」では唯一座って歌唱した。この楽曲の収録中に涙が出たと本人は語っていた通り、昂る感情を抑えながら歌う彼女の姿に、会場中が静まりかえり、涙する観客の姿も多数見られた。また昼夜各公演で唯一異なった選曲として、昼公演では「シュガーコート」を、夜公演では「アディオス」を披露している。どちらも1度聴いたら耳から離れない中毒性のあるメロディーと、ダズビーの透明感ある歌声で人気の楽曲だ。また本イベントでは、途中に司会を務めた百花繚乱とのトークも。ダズビー自身、物凄く緊張しているが凄くワクワクしていること、そして観客の皆さんが目の前にたくさん見えることが嬉しいということを、素直に伝えていた。こうして話している間も笑顔を絶やさない。百花繚乱からダズビーに対して、ミステリアスな印象もあるのではないかという問いには、本イベントだけに特別にダズビー本人が撮影したホームスタジオの様子を初めて紹介する映像も流れた。この時も自身の映像を恥ずかしがっている彼女の笑顔に、会場全体がほっこりした空気に包まれた。また韓国のライブで披露した「Bambi」のダンスを再現する際、ダズビーの恥ずかしさと照れが合わさった笑顔に会場中が癒されていた。ミニライブ終盤、彼女は「歌い続けることができて、アルバムを出せたのも皆さんのおかげです。私のことを応援し続けてくれて、ありがとうございます」と思いの詰まった言葉を伝え、両公演とも1番の拍手が送られた。むしろ、歌ってくれたこと、歌い続けてくれたことに観客全員がダズビーに感謝しているような光景だった。そして来年には「日本でワンマンライブも行いたい」との夢も語った。また昼夜公演の最後には、こちらも初のダズビー本人による来場者へのお見送りも開催された。ダズビーは来場者の1人1人に笑顔で「ありがとうございます」と伝え、観客は恥ずかしがりながらも手を振ったり、熱い思いを伝えたり、なかには日本で活動を続けてくれること、歌い続けてくれることに感謝を述べる観客も大勢見受けられた。なお本イベントで販売されたグッズは、オフィシャルファンクラブの会員限定で販売を開始している。■グッズ販売の詳細はこちら:<リリース情報>ダズビー 1stアルバム『orbit』発売中●初回限定盤(CD+MVイラスト画集(初回限定盤Ver. / A4サイズ / 60ページ)):3,850円(税込)※特典応募シリアルアクセスコード封入ダズビー『orbit』初回限定盤ジャケット【CD収録内容】1. オセロ2. 愛じゃない3. アディオス4. Angel’s Fake5. 砂嵐6. シュガーコート7. 口笛で愛は歌えない8. 声の在り処9. hikari10. イビツナコトバ (Unplugged Ver.)11. 【CD ONLY】 忘れじの言の葉 (Live Ver.)●通常盤(CD+16Pブックレット):2,750円(税込)※特典応募シリアルアクセスコード封入ダズビー『orbit』通常盤ジャケット【CD収録内容】1. オセロ2. 愛じゃない3. アディオス4. Angel’s Fake5. 砂嵐6. シュガーコート7. 口笛で愛は歌えない8. 声の在り処9. hikari10. イビツナコトバ (Unplugged Ver.)11. 【CD ONLY】 回る空うさぎ (Acoustic Ver.)●FC限定盤(2CD++MVイラスト画集(FC限定盤Ver. / A4サイズ / 60ページ)):4,620円(税込)※封入特典:ポストカード2種※特典応募シリアルアクセスコード封入ダズビー『orbit』FC限定盤ジャケット【CD収録内容】■Disc11. オセロ2. 愛じゃない3. アディオス4. Angel’s Fake5. 砂嵐6. シュガーコート7. 口笛で愛は歌えない8. 声の在り処9. hikari10. イビツナコトバ (Unplugged Ver.)■Disc21. 【CD ONLY】 愛じゃない (Live Ver.)2. 【CD ONLY】 イビツナコトバ (Live Ver.)3. 【CD ONLY】 シュガーコート (Live Ver.)購入リンク:関連リンク公式HP:公式ファンクラブ:::
2023年11月15日ACIDMANが、ワンマンライブ『This is ACIDMAN 2023』を10月30日(月) に東京・Zepp Hanedaで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。『This is ACIDMAN』とは何か?それは25年以上にわたるバンドの歴史を振り返り、「これがACIDMANだ」と自他ともに認める代表曲で構成される特別なライブだ。「セットリスト事前公開」「ファン投票1位楽曲披露」という仕掛けも、通常のライブとは異なる期待感をさらに煽る。そして2021年の初開催から3年目の今年、10月30日の東京・Zepp Haneda公演は、ACIDMANのメジャーデビュー21年となる記念日。フロアは満員、熱気は十分、祝祭の準備は万端だ。「This is ACIDMANへようこそ。最高の夜にしましょう!」─大木伸夫(Vo,G)わかっていても体が動く、心が躍る。1曲目から「to live」「造花が笑う」「FREE STAR」と、いきなりのキラーチューン3連発。佐藤雅俊(B)、浦山一悟(Ds)のリズム隊は鉄壁の安定感、そして大木伸夫の存在感は圧巻。最後までもつのか?と思うほど激しく叫び、弾き、多彩なエフェクターを操り、スリーピースの枠を超えた豊かな音像を紡ぎだす。しばらくACIDMANのライブは見ていない、という人に教えてあげたい。ライブバンド・ACIDMANのステータスは、未だかつてない高みへ到達している。Photo:西槇太一「自由に楽しんで、最後は一つになって、音楽っていいなと思う、そんな夜をみんなと紡げたら最高だなと思います。楽しんでいってください」続いてのセクションは、「Rebirth」から「スロウレイン」へ、さらに「赤橙」から「リピート」へ。軽やかに踊れる曲から、メロディアスで劇的な曲調を連ねて、オーディエンスを大きく包み込む。「リピート」のアウトロ、3つの楽器が激しくぶつかり溶け合う展開は、まさに音の化学反応と呼ぶにふさわしい。クライマックスは、アコースティックギターの爪弾きが、息を呑む劇的なロックバラードへと展開する「季節の灯」と、一人でゆっくりと歩きだすようなリズムが、力強い行進へと進化する「アルケミスト」だ。まばゆく白い光がステージから溢れ出す。シンプルで強い演出が、壮大な楽曲によく映える。Photo:西槇太一一つの音階、一つのコードから生まれた曲が、どうしてここまで豊かになれるのか。「彩-SAI-(前編)」も「Λ-CDM」も、「一つの響きから曲が生まれる」という大木の曲作りのプロセスを、目の前で辿り直すような興奮を味わえるインストゥルメンタル曲だ。「彩-SAI-(前編)」はゴッホを思わせる激しい色彩のアニメーションが、「Λ-CDM」では「素粒子を可視化したイメージ」という、動く抽象画のような不思議な映像がビジョンに現れる。何回見ても新鮮なのだから、初めて観る人にとっては視覚も聴覚も相当に刺激的なはずだ。ちなみに「彩-SAI-(前編)」は昨年行われたACIDMAN presents『SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022』のテーマソングであり、ACIDMANのステージを中心に構成された映像作品『SAI 2022 Live & Documentary FILM』のリリースも11月26日に決定した。併せてチェックしてほしい。Photo:西槇太一「広い宇宙の中で、あなたはあなたしかいない。それは奇跡だと思います。苦しい時には、自分は自分しかいないと思ってください。ただ生きてるだけでいい。毎日感謝しながら、この命を大事に生きていってほしいと思います」Photo:西槇太一僕らがいる銀河には3000億個の恒星があって、宇宙には銀河が二兆個あるんです。――またいつもの大木の宇宙話が始まったと、笑いも起きていた客席が、思わず引き込まれて静かになる。それもまたいつもの出来事だが、変わらぬメッセージを伝え続けることがACIDMANの大きな魅力。大木伸夫の創作の源泉である宇宙観と生命観を固体化した結晶のように、時代を超えて揺るぎない輝きを放つ、「ALMA」はそんな曲だ。ビジョンに映る広大な星空が限りなく美しい。続く「ファン投票リクエスト枠」で選ばれたのは、およそ8年振りに演奏するという「EVERLIGHT」。もちろん大好きな曲だが、「今ぐらい盛り上がると思ってた」と、当時はライブであまり手ごたえを感じられなかったと、歌い終えた大木が笑う。演奏される機会が減ってしまった楽曲がファンの手で蘇る、これもまた『This is ACIDMAN』ならではの名場面。Photo:Victor Nomoto - Metacraft後半戦に入る前、大木のMCは感動的だった。楽曲に合わせる映像に歌詞を乗せる、タイポグラフィという技法の専門家だったスタッフへの追悼の言葉。誰にでも必ず死は訪れる。だったら思い切り生きてみよう。――大木の気持ちを乗せた「世界が終わる夜」は、これまで聴いたどの「世界が終わる夜」よりエモーショナルで、ビジョンに現れては消えるタイポグラフィの一つ一つが心に沁みた。大木の声が感極まって震えているように感じた。珍しいことではないが、ここまで感情が入った姿は久々に見た気がする。たとえ同じセットリストでも伝わるものがまったく違う、This is LIVE、This is ACIDMAN。「たった一瞬の命。あなたのために、自分自身のために、もっともっと輝いてください」最後のセクションは、完全にスイッチが入った大木を先頭に、「夜のために」「ある証明」「飛光」の爆速ロックチューン3連発で完全燃焼。普通のライブならここでフィナーレだが、まだ重要な曲が残っている。「廻る、巡る、その核へ」だ。それは壮大な命の輪廻の物語を、短編映画に匹敵するハイクオリティのアニメーション映像と音だけで描き切る、約11分の黙示録的大曲。ACIDMANのライブを見たことがない、という人に教えてあげたい。この曲を体験するだけでもACIDMANのライブに来る意味がある。Photo:西槇太一「楽しい時間はあっという間。それでも人生は続きます。もっともっと上を目指していくので、これからもACIDMANをよろしくお願いします」アンコールは2曲。「式日」と「Your Song」の2曲を全力でやりきって、2時間半を超えるライブは笑顔と拍手の中で幕を下ろした。来年も『This is ACIDMAN』をやる計画があることと、今年は福岡と東京の2公演のみだったが、数を増やすことも考えていると、大木は約束してくれた。昔からライブに通い続けているファンも、しばらくご無沙汰していた人も、今ACIDMANに興味を持った新しいリスナーも、みんなに教えてあげたい。ACIDMANは進化し続けている。彼らのベストライブは常に、まだ見ぬ次のライブだ。Photo:西槇太一関連リンクオフィシャルサイト:モバイルサイト:::::
2023年11月08日質量ともに大満足の、怒涛のリリースラッシュとライブ三昧で駆け抜けたDannie Mayの2023年。10月26日、渋谷WWWでのワンマンライブ『SURPRISE』は、充実の1年を象徴する特別な一夜になった。過去の定番曲と代表曲、現在進行形の新曲たち、そして新たな未来予想図までも詰め込んだ、ベスト・オブ・ベストなライブの模様を振り返ろう。およそ3カ月ぶりの東京ワンマン、チケットは瞬時にソールドアウト。盛り上がる気満々のオーディエンスの意気込みをもみほぐすように、オープニングはスローでメロウな「アサヤケ」でスタート。ハンドマイクで歌うマサを中心に、田中タリラとYunoの三声ハーモニーをうっとりと優しく響かせたあと、一転して「笑わせらぁ」はガツンとハードでアップテンポ。マサはエレクトリックギターをかき鳴らし、七色の照明はきらきらぴかぴか。さらにスピードを上げて「黄ノ歌」へ、サポートドラマー成瀬太智を加えたバンドサウンドは、実にアグレッシヴ。それに全力の手振りで応える、オーディエンスも気合十分だ。「Dannie May『SURPRISE』へようこそ!めちゃくちゃ人がおる。すごいね。先行でソールドアウトということで、本当にありがとうございます」(マサ)今日から初めてイヤーモニターを着用するというマサを「プロっぽいね」とひやかすYuno。和やかなムードの中、8月に出た新曲「Boom Boom Boom」から初期の代表曲「灰々」へ、明るいサマーチューンからノスタルジックなマイナー調のダンスチューンへ、Dannie Mayの得意技を連ねてぐんぐん飛ばす。マイクを掴んだYunoが「行けるかみんな!」と叫び、ステージ前方へ飛び出して「もういいって」「待ツ宵」と、2曲続けてリードを取る。タリラの弾く低音のベースラインが最高にかっこいい。メンバー全員がハイレベルで歌って演奏して曲を作れる、Dannie Mayの強みはライブでこそよくわかる。ミラーボールがぐるぐる回り、オーディエンスも一緒に歌う。会場内の一体感も上々だ。「みなさん、田中タリラ作曲といえば、どんなイメージがあるでしょうか?」(タリラ)ライブ中盤、「たぶん、80年」と「if you イフユー」で主役になるのはタリラだ。前者はゴスペルを思わせる美しいメロディのミドルバラードに、独特の揺らぎを持つスウィートボイスがよく似合う。3人のハーモニーにも愛が溢れてる。対照的に、後者は暗く深く沈み込むメロディとスローな曲調が、ダークファンタジーの世界へと聴き手を誘う。呪文のようなコーラスも、アウトロのカオティックな即興演奏も、非日常のイマジネーションに溢れてる。さらに、得意のマイナーポップチューン「適切でいたい」で踊らせ、一気にギアを上げて「玄ノ歌」へ。サーキットをぶっ飛ばすF1マシンのように、緩急自在のシフトコントロールでオーディエンスをぐいぐいリードする。「盛り上がってますか?僕たち、盛り上げに来ました。みんな、日々生きるのが大変だから、今日ぐらいは叫んで、歌って、酒飲んで帰ろうぜ。なぁ?」(Yuno)今日のYunoのMCは、いつも以上にフレンドリーで自然体だ。心理的にもオーディエンスとの距離をさらに縮めながら、悲しくも美しいフォークソング調の「異郷の地に咲かせる花は」をしっとり聴かせたあと、2週間前に配信リリースされたばかりの最新曲、TVアニメ『ビックリメン』オープニングテーマ主題歌「コレクション」で、夢を追うことの素晴らしさを高らかに歌い上げる。コンセプトもアイデアも超えて、たぶんDannie May史上最もストレートな熱いメッセージが、力強いバンドサウンドに乗ってまっすぐに心の中に飛び込んで来る。ここからのライブ後半は、怒涛のキラーチューンの連打で一気に加速。ディスコビートのダンスロックでクラップとジャンプにまみれた「KAMIKAZE」、本日最速BPMの「OFFSIDE」、マサとオーディエンスがタオルを振り回して騒ぎまくる「ええじゃないか」、そして熱狂のお祭りダンスロック「ぐーぐーぐー」。スロットル全開で最終コーナーを立ち上がると、残すはあと1曲。「今日のライブができたことは、僕にとってすごく特別な日になりました。今日ここに来てくれたみなさんのおかげです。本当にありがとうございます」(マサ)最後の曲を歌う前、マサのMCは、少し前に心の調子を崩して苦しんだ日々のことを語る、とても個人的で率直なものだった。小さなストレスが積もり積もって心を乱す、「そういう人って多いと思うんです」と、同じような思いをした人を思いやる言葉がマサらしい。不器用でもいい、自分の居場所を作ろうと歌うエモーショナルなバラード「朱ノ歌」の、限りない優しさが今こそ身に沁みる。エンディングの直前、マイクを外して「ありがとうございました!」とマサが叫ぶ。Dannie Mayの歌は成長する。メンバーの経験とともに、ファンの共感とともに。そしてアンコール。タリラがリードを取る、彼らしいひねったユーモアをトッピングしたハッピーソング「メロディが浮かばなくても」から、クラップと手振りで明るく盛り上がる「めいびー」へ。MCではYunoが、「朱ノ歌」はマサの気持ちを思って本編最後に置いたという裏話を教えてくれた。3人が3人を助け合っている。メンバー、ファン、スタッフが同じ気持ちで前を向いている。「前はコロナで歌えなかったけど、最後はみんなでこの曲を歌って、“楽しかったね”って心から思いたいと思います。今日は本当にありがとうございました」(マサ)Dannie Mayのライブのラストには欠かせない、「御蘇 -Gosu-」の伸びやかなメロディに合わせてミラーボールが回り、全員のコーラスが会場を包み込む。マサがひとりひとりの顔を覚えておくかのように、客席を隅々まで見渡してる。Dannie Mayのライブにはいつも、ここにしかない親密さと一体感がある。過去も、今日も、そして未来も。12月6日、ニューEP『青写真』リリース。リリースライブは、2024年1月26日に大阪・心斎橋Music Club JANUS、2月1日に東京・渋谷WWW。最後の最後、嬉しいお知らせにあたたかい拍手と歓声が沸き上がった。怒涛のリリース攻勢とライブは、2024年も継続される。夢を語るたび強くなれ。「コレクション」の歌詞のままに、Dannie Mayは進む。青写真の向こうにどんな現実の風景が待っているのか、メンバーとファンとともに見に行きたいと強く思う。文:宮本英夫写真:小澤彩聖Dannie May ONEMAN LIVE「SURPRISE」10月26日(木) 東京・渋谷WWWセットリスト1. アサヤケ2. 笑わせらぁ3. 黄ノ歌4. Boom Boom Boom5. 灰々6. もういいって7. 待ツ宵8. たぶん、80年9. if you イフユー10. 適切でいたい11. 玄ノ歌12. 異郷の地に咲かせる花は13. コレクション14. KAMIKAZE15. OFFSIDE16. ええじゃないか17. ぐーぐーぐー18. 朱ノ歌EC1. メロディが浮かばなくてもEC2. めいびーEC3. 御蘇 -Gosu-<ライブ情報>Dannie May ONEMAN LIVE「青写真」2024年1月26日(金) 大阪・心斎橋Music Club JANUSOPEN18:15 / START19:002024年2月1日(木) 東京・渋谷WWWOPEN18:15 / START19:00Official HPチケット最速先行:11月6日(月)23:59まで受付中<リリース情報>New Digital EP「青写真」2023年12月6日(水) 配信リリース関連リンク公式サイト:公式Twitter:公式Instagram:公式TikTok:
2023年11月02日17時にNHKホールで始まったライブが終わったのは、21時だった。あいだに20分の休憩を挟んだとは言え、長いライブだった。けれど、その長さを集まったオーディエンスの誰もが求めていた。この長さがなければ表現できないライブなのだと誰もが知っていた。なぜならこれは、森山直太朗の表現者としての20年、いや、人生丸ごと40数年の道のりを辿っていく音楽絵巻なのだから。前日の10月22日に、同じNHKホールで、昨年6月より【前篇・中篇・後篇】の3つのターム、形態に分けて行われてきた、自身史上最大の「一〇〇本ツアー」の千秋楽を迎えたばかりだった。翌日のこの日は、追加公演という位置づけで、【前篇・中篇・後篇】をすべて味わえるフルコース的なライブだった。前篇を弾き語りで離島や全国のホールを舞台にたったひとりで、中篇をバンジョーやフィドルなどのブルーグラス・スタイルでブルーノートなどのジャズクラブで、そして後篇をフルバンドで駆け抜けた「素晴らしい世界」ツアー。その足跡を振り返りながら辿っていく今回のライブ、直太朗はギターケースを携えてひとりステージに現れた。ギターケースを置き、そのままステージ前方中央に立つと、アカペラで「しまった生まれてきちまった」を歌った。産声のような無垢な歌がホールの空気を震わせ、循環させる。不思議な気持ちになった。例えて言うなら、結末の知っている物語を最初とは違う環境で、違う角度から見ているような感覚、とでも言おうか。もちろんこれはライブだから、その瞬間瞬間が初めての連続で、既視感などはない。ただ、物語の大枠は知っている。つまり、【前篇・中篇・後篇】という大きな流れがある。その筋に沿って、どのようなライブが展開されるのか、というのは、まったくの初見とはまた一段階違う楽しみであり、より深いところでの表現への理解や慈しみが生み出されていく。さらに、この稀有な感覚ですら、どこかで味わったことがあるということに思い至る。それは、今年1月17日にリリースした、初の弾き語りベストアルバム『原画Ⅰ』『原画II』で感じた、“あの感覚”だ。デモ音源とアレンジされた作品との中間に位置する弾き語りでの表現が収められた2枚のアルバムで感じたのは、森山直太朗という表現者が筆を取って記す一画目、ギターを抱えて爪弾く最初の一音だ。逆から言えば、すでに作品として聴いたことのある曲の成り立ちを紐解いて、その第一歩を示すような野心的な作品でもあった。繰り返しになるが、それがデモではなく、またすでに聴いたことのある作品とは違う立ち位置にあるのが何より貴重だ。我々はすでに慣れ親しんだ楽曲の最初の素描を知ることで、逆再生的に作品との距離を想像し、彼の歩みに自らの歩を重ねることができる。前半の弾き語り4曲に続いて「あなたがそうまで言うのなら」の2番からはスライドギターが入り、さらに「声」「生きとし生ける物へ」と曲が進んでいくうちに、フィドル、チェロ、ピアノ、マンドリン、そして「糧」ではバンジョーも加わりブルーグラス・スタイルへと可変していく。前篇から中篇へ――まるで長い旅路がつながるようだ。直太朗が「素晴らしい世界」ツアーの3つのタームを「季節」と言い表していたのが印象的だった。ひとつひとつは異なるが重なり合った部分は確実にあって、何よりそれらがつながることで全体が浮かび上がる。今回の追加公演で味わえるもっとも特徴的な醍醐味だ。休憩を挟んで後篇のフルバンドでのライブは「花(二〇二一)」から始まった。上下に可動するスクリーンパネルなど、ステージが様変わりするなかで、地続きの感覚とここから新たに始まっていく新鮮な感覚が同居している。それはそのままアルバム『素晴らしい世界』で直太朗が描いた手触りであり、なかでもアルバムに収録されている「papa」やタイトル曲「素晴らしい世界」にそれは顕著に表れていた。「papa」を演奏する前には、実父に対する今の素直な想いを語り、曲の中でも表現された割り切れない感情が、次に披露した「夏の終わり」の二胡の音色に溶けていく。「papa」「夏の終わり」という連続だからこそ味わえる気持ちの機微はライブでしか表せないものだ。「素晴らしい世界」はアルバム音源では基本的にはピアノを主軸とした曲で、サンプラーやシンセ、コーラスなどで奥行きをつくっている。いわば、『原画』に限りなく近い状態で収録されているものだ。このライブでは、まずは直太朗のピアノの弾き語りで始まり、ストリングスやギターといった楽器、グランカッサなどのリズムが入り、さらにプロジェクターで樹々や海、都市の日常の風景などが映し出されていく総合芸術として表現されていた。Photo:井上嘉和先ほど、弾き語りベストアルバム『原画』について触れたくだりで、構築された曲を逆再生的にその原初に立ち戻って体感できる、と言ったが、「素晴らしい世界」ではその逆を(ちょっとややこしいが)、まさにこの場で曲が蕾から一気に開花していく様子を現在進行形で愛でることができた。ちょっとこのライブはすごいな……。あらゆる点が線になって図になる。無駄もあるかもしれないが、それでもそれは無駄ではなく何かにはなるし、わだかまっていたことの角が取れることだってあるだろう。新しいものや斬新なものだけがすごいわけじゃない。どこかで見たり聞いたりしたことも今なら素直にいいなと思える。決して楽しいことばかりではないけれど、何もかもをひとまとめにして「素晴らしい世界」が我々の前にはある。ひとりの観衆として感じたことは、隣の人も、さらにその隣の人も、ここにいる全員が同じことを思っているのではないだろうか。それが一瞬だとしても、その瞬間ほど尊いものはない。よく言われる“ライブの一体感”の中身に初めて触れたような気がした。そう思わせるのは森山直太朗の声に宿る力に拠るところが大きい。本編最後に披露した「どこもかしこも駐車場」を聴きながらそのことを実感した。森山直太朗の声には時間が含まれる。過去、現在、未来。それは、彼の人生という範囲を超えて、ずっと昔の地中に埋まっている記憶だったり、誰もが知り得ない遥か先の光景だったりする。そのあまりにも永すぎる時間を彼は声にして我々に示す。こんなちっぽけなんだよと。今は一瞬なんだよと。だからこうして集まっていることが奇跡なんだよと。例えば孤独を感じたら、「どこもかしこも駐車場」――そんな光景を思い浮かべてみたらいい。確かに寂しそうで味気ない光景ではあるが、現代の我々にとって誰もがすぐに思い浮かべることのできる共通の記憶として機能する。そしてこう思えばよい。みんな同じような空白を抱えている。自分だけじゃないんだと。「生きてることが辛いなら」の後に、本編最後の曲として、この「どこもかしこも駐車場」を選んだ直太朗の切実な想いが滲みた。アンコール2曲目は「さくら」。「僕がたくさんの人たちとのつながりを持てたのもこの曲のおかげだったのかなと思っています。すべては弾き語りから始まりました。駅前とか部屋の片隅で歌ったりして、それこそマイクや照明なんかなくて。だから最後はアカペラでこの曲をやりたいと思います」オフマイクの生声だけで1番を歌唱し、2番はピアノの伴奏とともに歌った。『原画』の際に独占インタビューという形で話を聞いたときに彼が言ったこんな言葉が思い出された。「もちろん人それぞれなんでしょうけど、多かれ少なかれ、人生というのはゼロからゼロへ戻っていく孤を描いているのではないかなと感じますね」一〇〇本ツアーの足跡を辿りながら人生の歩みを振り返った壮大なライブは幕を閉じた。【前篇・中篇・後篇】が季節なのだとしたら、4つ目の季節はこの日発表された両国国技館で来年3月16日(土) に行われる「素晴らしい世界」〈番外篇〉だ。自身初となるセンターステージで何を見せ、聴かせてくれるのか楽しみだ。季節は移ろい、巡る。森山直太朗の歩みは続いていく。Text:谷岡正浩Photo:鳥居洋介<公演情報>森山直太朗 20h アニバーサリーツアー『素晴らしい世界』【前篇・中篇・後篇】2023年10月23日(月) NHKホールセットリスト1. しまった生まれてきちまった2. レスター3. 愛し君へ4. ラクダのラッパ5. アルデバラン6. あなたがそうまで言うのなら7. 声8. 生きとし生ける物へ9. 糧10. 君のスゴさを君は知らない11. (インスト)12. バイバイ13. 僕らは死んでゆくのだけれどー休憩ー14. 花(二〇二一)15. カク云ウボクモ16. 花鳥風月17. papa18. 夏の終わり19. 素晴らしい世界20. 愛してるって言ってみな21. すぐそこにNEW DAYS22. よく虫が死んでいる23. boku24. 金色の空25. 君は五番目の季節26. 生きてることが辛いなら27. どこもかしこも駐車場EN1. フォークは僕に優しく語りかけてくる友達EN2. さくらEN3. 人のことなんて<ライブ情報>森山直太朗 20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』<番外篇> in 両国国技館2024年3月16日(土) 東京・両国国技館開場17:00/開演18:00【チケット代金】アリーナ席12,000円、升席12,000円、2F指定席12,000円、2F指定席8,800円※アリーナ席、升席は限定お土産付き、2F指定席は限定お土産選択式ツアー特設サイト:関連リンクオフィシャルサイト::スタッフX::
2023年10月31日2000年代生まれのベッドルームアーティスト・とたが、初のワンマンライブ『とた oneman live 2023 bloomin’』を10月24日(火) に東京・WWWで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。2000年代生まれ、ベッドルームポップを奏でるシンガーソングクリエイター、とた。ピアノ、ギター、ベースなどの様々な楽器とDAWを駆使したセルフプロデュースによる楽曲制作に加え、ハッとさせられる物語性ある歌詞によって令和時代のポップミュージックを拡張する新しい才能だ。2023年10月24日、初のワンマンライブ『とた oneman live 2023 bloomin’』を、渋谷WWWにて開催した。創作の秘密基地だった自宅ベッドルームを飛び出してのワンマンライブだ。開演前からオーディエンスも、とたを見守るあたたかな雰囲気でいっぱいである。19時20分。バンドメンバー4人とともにステージにとたがあらわれた。枕元にあるようなベッドサイドランプを“パチっと”付けてキーボードへ。ライブのはじまりの合図だ。これは、SNSでの音楽発信を通じて拡散された彼女の音楽性を示すキーワード、ベッドルームポップをあらわしているのかもしれない。オープニングを飾ったのは「薔薇の花 (bloomin’)」。TikTokLiveで開催された『1st Online Live - Bedroom Session- 」でも1曲目に披露されたナンバーだ。まさにベッドルームから生まれた楽曲を、たくさんのオーディエンスの前でプレイするという感動。しかも本作はライブごとに楽曲とサブタイトルを更新していくスペシャルなナンバーだ。実は、開演前、入り口では今日のための歌詞が書かれた、本人によるスマホで手書きされた淡い紫色の花のイラストカードが配布されていた。続いて、「小説みたいな恋をしよう」という、粋な歌い出しが胸を弾ませてくれる「君ニ詠ム。」。跳ねるビート、きらびやかなサウンドと溶け合うように、透き通っているのに凛とした歌声が響き渡る。一言、「今日は楽しんでいきましょう!」と挨拶しながらクラップでフロアを煽り、軽快なギターポップ「ブルーハワイ」では、バンド編成のライブに見事に馴染むアグレッシブなとたを垣間見た。もちろん、まだライブ経験も少なく慣れていないはずだ。だが、ステージを楽しんでいる様子が伺えたのが微笑ましかった。第一声のMCは「今日は来てくれてありがとうございます。遠くから来てくれた人も。近くから来てくれた人も、初めてのワンマンライブに足を運んでくれた私にとって大切な人です。ありがとうございます。ライブのタイトルのbloomin’というのは、花が咲くという意味のブルーミングからとりました。今日は花に水をやるように音楽が流れて、明日からの生活になにか少しでも繋がるものがあったらいいなと思っています。楽しんでいってください!」と、落ち着きながらトーク。ギターをテレキャスに変えて、アッパーかつパンキッシュな「こうかいのさき」を披露。ギターロックナンバーが続いて「せーかいせかい」では、とたによる軽快なカッティングが印象的であり、裏声を使ったボーカリゼーションがせつなさを刺激する。歌詞にある、「花が咲きそうです」のフレーズは、ライブに通じる言葉であり突き刺さった。空気は一変して、アコースティックな「一弦」では、アコギ片手に、淡いサウンド感が紅葉色の照明とシンクロ。ギターの弦を擬人化しながら、自らの心情と重ね合わせる歌に心を震わされる。続いて、緑のギターへと持ち替え、ピアノのイントロダクションから配信されたばかりの新曲「コワレモノ」へ。泣きのせつなポップの披露だ。ライブで映えるギターポップチューン「あしたてんき」は、寝室=陽の当たらないベッドルームに閉じこもる繊細な心情を歌ったナンバーだ。誰もが知る“明日天気になーれ”というフレーズから展開されていく孤独と葛藤。しかしながら、ネガティブとポジティブの狭間をたゆたうポップセンスの妙。遊び心ある歌詞のギミックがとたの真骨頂を表現していく。ここで、ネット上ではショートバージョンが上がっていたが、未発表曲「押して」を初披露。ハンドマイク片手に「リリースしていない曲をやります。好きに踊ってください!」と語り、軽快なビートが心地よいディスコチューンでフロアを盛り上げる。ミラーボールが眩く、飛び跳ねながら歌うキュートな佇まいが愛らしい。メンバーがはけてロングなMCタイムへ。「今の曲はだらしない恋愛を歌った曲です。作ったのは、活動をはじめた最初の頃で。もしかしたら知っている人もいるんじゃないかなと思うんですけど、ライブで楽しめる曲になったらいいなと思っています。次に歌う曲は、いなくなってしまった人を思いながら、でも、少しだけ前を向こうとしている曲です」。新曲「右手のネイル」をキーボード弾き語りで歌い出す。没入感高い物語性のある切なくも狂おしいナンバーだ。ふたたびバンドメンバーがステージに登場。メンバー紹介へ。初ライブとなった『SUMMER SONIC 2023』から一緒の気心知れたメンバーだ。続く、「カメラロール」では、「楽しかった思い出を見返して、寂しくなっちゃう気持ちを歌った曲です。電車に乗りながら作ったので揺られている感覚を思い出しながら歌います」と、ハンドマイクで座りながら歌う。途中立ちあがり、エモーショナルに歌いあげていく。ライブ終盤。ふと、波の音が聞こえてきた。映像が投影され、本編ラストに奏でられたのは、TikTokやSNSを通じてオーガニックに広まった、とた代表曲である「紡ぐ」。当初はショートバージョンしかなかった本作。SNSでのリスナーの反応を鑑みて、追加の展開が増やされていったというフルバージョン。ギター片手に、今にも泣き出しそうな心情を吐露するせつなき歌。バンドならではのカタルシスを感じるエモーショナルな演奏に胸がいっぱいだ。「とたでした。また会いましょう。ありがとうございました!」深々と礼をして、ベッドサイドランプの電気を“パチっと”消してステージを去っていく。エンディングには、とたが撮影したであろうリリック付き映像とともに「寝言」がSEとして流れた。今晩のライブはとたの夢だったのかな?なんて思わせてくれるまさに、一期一会の夢見心地なベッドルームポップだった。Text:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)Photo:垂水佳菜<公演情報>『とた oneman live 2023 bloomin’』10月24日(火) 東京・WWWセットリスト1. 薔薇の花 (bloomin’)2. 君ニ詠ム。3. ブルーハワイ4. こうかいのさき5. せーかいせかい6. 一弦7. コワレモノ8. あしたてんき9. 押して10. 右手のネイル11. カメラロール12. 紡ぐSE. 寝言<リリース情報>とた「コワレモノ」配信中とた「コワレモノ」ジャケット配信リンク:関連リンクYouTube::::
2023年10月27日~「風男塾LIVE2023~SINGLES~」ライブレポート~風男塾男装ユニット・風男塾が、2023年9月24日(日) 渋谷WWW Xにてワンマンライブ「風男塾LIVE2023~SINGLES~」を開催。1部2部にわたりシングル33曲をライブで披露して、16周年目の活動をスタートさせた。このレポートでは、17時30分から行われた第2部の模様をお届けする。2008年に風男塾(旧・腐男塾)がデビューした記念日である9月24日に行われたこのライブは、デビューシングルから現在までにリリースされたシングルA面33曲をすべて披露しようというもの。第1部では、デビューシングル「男坂」から「友達と呼べる君へ」までの16曲が披露された。また、1部2部に分けてニコニコ動画生配信も行われた。オープニングSEが流れる中、メンバーの名がアナウンスされるとそれに応える風王(ファン・風男塾ファンの総称)のコールから、柚希関汰、英城凛空、葉崎アラン、胡桃沢鼓太郎、赤星良宗、天堂太陽、凰紫丈源の7人がTシャツ姿でステージに上がり「こんばん波!俺たち、風男塾です!」と挨拶した。昼に第1部のライブを終えたばかりの7人だが、「楽屋でもみんな超元気でずっと喋ってた(笑)」と、ノンストップライブでもまったく疲れを知らない様子。自己紹介を終えると円陣を組んで、凛空による「SINGLES第2部、まだまだ盛り上がって行くぞ!」の掛け声から「おー!!」と気合いを入れて、いよいよ第2部のライブがスタートした。美しいピアノの旋律から、激しいリズムへと誘う「NOIR〜ノワール」から「証-soul mate」へと続き、各メンバーの歌割りごとにフロアからコールがかかって盛り立てる。ひときわ激しい振りで太陽と鼓太郎のラップが炸裂する「新たなる幕開けのための幕開けによる狂詩曲~キミがいればオレたちも笑顔∞~」、力強くも切ない「ツバメ」等、次々にノンストップで歌い踊るメンバーたち。パンキッシュな「Dash&Daaash!!」では、飛び跳ねるオーディエンスでフロアが揺れるほどの盛り上がりに。四つ打ちのリズムが強調された「sunny」、賑やかなサウンドとキメフレーズが楽しい「ミュージック」、〈手あげてジャンプジャンプジャンプ!!〉と笑顔で煽りながらのパフォーマンスで、会場が多幸感溢れる空間となった「笑う門に明日は来る」と、さすがシングルA面の曲たちだけに、キャッチーなメロディと歌で1曲ごとに風王の心を掴んだ。ガラリとムードが変わったのが、バラード曲「会いたい、会いたい」。バラードでも一時たりとも動きが止まらず表現する姿に、フロアからは大きな拍手が沸き起こった。アランが「よっしゃいくぞー!」と煽って始まった、弾むようにエネルギッシュな「LIKE A RAINBOW」、疾走感溢れるロックなメッセージソング「生きることは尊いに決まってんだろ」、ド迫力のビートに乗せた「BLESS」と興奮を煽る楽曲が続く。「ここから俺たち7人がスタートしました!SINGLES 2部ラストスパート、盛り上がっていきましょう!」と凛空が煽ってから披露されたのは、「Hello Hello」。30枚目のシングルにして、現在の7人になってから初めて発表されたシングル曲だ。そんな思い入れある楽曲ということもあるのだろう、全身で躍動感たっぷりに表現して楽しませた。さらに、スタイリッシュなダンスチューン「Baby U」では、軽快なリズムに乗った7人の細かいマイクリレー、コーラスがグルーヴを生んでいた。そしてついに32枚目のシングル「君日和」へ。俳句・川柳をテーマにした五・七・五で作られた歌詞と和風の旋律は、セットリストの中でもかなり異色で目立つ1曲となっていた。歌い終わると大歓声がステージに送られた。1部2部合わせて33曲をノンストップで歌い終えた7人は、口々に「やったー!」と歓喜の声を上げた。関汰が「みなさん、楽しかったですか!?」と呼び掛けると、「イエーイ!!」とハイテンションで応える風王たちも大満足の様子だ。ここでメンバーが1人1人、感想を述べた。「みなさんが目の前にいて声を掛けてくださる中でやる33曲は、全然苦じゃなかったです!みなさんと一緒ならどんなことも乗り越えて行けると確信しました!」(鼓太郎)「こんな貴重な日にこうしてシングル33曲できたことを光栄に思います。これからも風男塾の歴史を繋げて行きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!」(太陽)「みなさんのご声援のおかげで1曲1曲全力で出来ました!来年もまたこういうイベントができたら良いなと思います!」(アラン)「どうですか!?一年前より俺たち成長してますか?(大喝采)うれしい!コールしてくれたり声出しして盛り上げてくれて、みんなで作ったライブだと思います!」(良宗)「一年前は覚えるのにめちゃくちゃ時間がかかった曲が、リハーサルで前回より上手くなっているのが嬉しかったですし、この一年で成長出来ていたのかなってちょっと自信がつきました。16周年目をスタートするというのは本当にすごいことで責任もプレッシャーもありますけど、みなさんがこうしてついてきてくださるので、明日からも笑顔で全力で元気に頑張れるなって思いました!これからも風男塾の応援をよろしくお願いします!」(関汰)「33曲みなさんと一緒にやってみて、この熱さがこんなにも続くのって風男塾の良さだと思いますし、みなさんが温かく応援してくれたおかげだなと思いました。1年でこれだけ成長できているので、これから2年3年とレベルアップしてみなさんと一緒にいろんな景色を見て行きたいなと改めて思いました!」(丈源)「(※足を怪我をしているためステージ上手で歌唱)今日は自分なりに今できる全力をさせていただいたんですけど、やっぱり俺もみんなと一緒にめちゃくちゃ汗をかきたかったなあって思ったので、またやってください(笑)。33曲やってみて風男塾の歴史も感じられましたし、今日は「sunny」(の歌詞)がすげえ刺さって。本当に風男塾の曲って良い曲だなって思ったので、これからも歌い続けたいと思いました。本日は本当にありがとうございました!」(凛空)日本女子ソフトボールリーグ「Japan Diamond Softball League」ここで、2023年10月11日(水)に発売するアルバム『ONE FU ALL, ALL FU ONE』の発売記念TikTokキャンペーンが行われることが告知された。さらに、スポーツリーグとの取り組みとして、日本女子ソフトボールリーグ「Japan Diamond Softball League」(通称JD.LEAGUE)の日本一決定戦が行われる11月12日(日) 等々力球場(神奈川県川崎市)、11月19日(日) 朝霞中央公園野球場(埼玉県朝霞市)の試合を盛り上げるために風男塾が応援に行くことが決定。詳細はオフィシャル・ウェブサイト、SNSで発表されるとのこと。一度ステージを降りた7人は、すぐさまアンコールの声に応えて再登場。「君日和」のカップリング曲「ガンバーレ!」をステージ、フロア全員で合唱して会場が一体となる大盛り上がりに。「これからも応援よろしくお願いします!本日は本当にありがとうございました!以上、風男塾でした!ふっばーい!!」と、33曲全力疾走のノンストップライブを締めくくって、元気いっぱいに16年目の活動へ向けてスタートを切った。取材・文:岡本貴之風男塾「風男塾LIVE2023~SINGLES~」2023年9月24日(日)渋谷WWW X〈第2部 セットリスト〉1. NOIR~ノワール~2. 証-soul mate-3. 新たなる幕開けのための幕開けによる狂詩曲~キミがいればオレたちも笑顔∞~4. 君色々移り5. ツバメ6. Dash&Daaash!!7. sunny8. ミュージック9. 笑う門に明日は来る10. 会いたい、会いたい11. LIKE A RAINBOW12. 生きることは尊いに決まってんだろ13. BLESS14. Hello Hello15. Baby U16. 君日和アンコールEN1. ガンバーレ!リリース情報・2023年10月11日(水)アルバム発売「ONE FU ALL, ALL FU ONE」<収録情報>1.君とならば、僕らならば2.君日和3.ガムシャラダッシュ!4.ガンバーレ! (active member ver.)5. My Radio Star6.マンボウ7. Baby U8.失恋ジェラテリア9.The SKY10. Jellyfish11.勝つんだ!(punk ver.)12.ボイスドラマ ※初回盤 A と B に収録初回限定盤A初回限定盤ATECI-1809/価格¥4,000(税抜 ¥3,636)/アルバムCD+DVDジャケット撮影時のメイキング映像付き初回限定盤B初回限定盤BTECI-1810/定価¥4,000(税抜 ¥3,636)/アルバムCD+特典24ページフォトブック封入通常盤通常盤TECI-1811/定価¥3,300(税抜 ¥3,000)/アルバムCD・2024年1月発売予定Blu-ray発売「風男塾LIVE 15th ANNIVERSARY FINAL~歌鳥風月~」【タイアップ情報】●アルバム収録曲『ガムシャラダッシュ!』KTV「フットマップ」エンディングテーマに決定毎週土曜日18:30-19:00 解禁:10/1(日)以降、初回OA:10/7(土)【イベント情報】<風ベントサーキット>10月10日(火) 19:00~@東京・ヴィレッジヴァンガード 渋谷本店 B2F イベントスペース10月11日(水) 19:00~@東京・池袋Spaceemo10月12日(木) 19:00~@東京・タワーレコード新宿店 9F イベントスペース10月13日(金) 18:30~@東京・錦糸町マルイ10月14日(土) [1回目] 開演13:00 [2回目]開演16:00 @汐留シオサイト 地下通路特設スペース※詳細内容等は追って告知致します。※WEB施策や生電話、トークポート等随時追加更新致します。※都合によりスケジュールの変更の可能性もございます。予めご了承下さい。※施設、店舗への直接の御連絡はご遠慮下さい。【風男塾TikTokキャンペーン】[期間]9月24日~10月31日 まで[参加方法]動画を作成し「ガンバーレ!」音源を紐付け、「#風男塾」をタグ付けし 、TikTok内に投稿。どんな動画内容でもOKです。[企画詳細] ライブ情報<風男塾ハロウィンパーティー2023 ~風男子学園の文化祭~>■2023年10月15日(日)東京/ 神田明神ホール【1部】開場 12:00/ 開演 12:30【2部】開場 16:30/ 開演 17:00<15th Anniversary 風男塾 LIVE『十二乃風』>■2023年11月25日(土)沖縄/ 沖縄Cyber-Box (凰紫丈源プロデュース公演)【1部】開場 11:30/ 開演 12:00【2部】開場 15:30/ 開演 16:00<風男塾『黒白歌合戦2023』>■2023年12月30日(土)東京/ 神田明神ホール※詳細は後日発表Twitter投稿 : 【Official Live Video】ガンバーレ!風男塾(Fudanjuku)/「君日和」Music Video風男塾 / IMPERIAL RECORDS : 男装ユニット 風男塾(ふだんじゅく)オフィシャルサイト : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年10月10日9月27日(水) 、Mega Shinnosukeのワンマンライブ『「一生このまま✷」in the MEGA CLUB』が大阪・梅田Shangri-laで行われた。本来ならば8月3日に行われるはずだった本公演だが、Mega Shinnosukeの体調不良により延期になっていたため、振替公演としての開催となった。完全復活を遂げたMegaとバンドメンバー、会場に集まったオーディエンスが三位一体となり、ロックであたたかな空間が広がった、エモーショナルなライブの模様をレポートする。赤い壁に赤い緞帳、天井にキラキラ輝くシャンデリア。梅田Shangri-laは、醸し出す独自の雰囲気から、多くのミュージシャンに愛されているハコだ。そしてMega Shinnosukeにとっては、4年前に自身初のワンマンライブを行なった思い出の場所でもある。会場に入るとMega本人がセレクトしたBGMが流れ、開演を待つオーディエンスが銀杏BOYZやゆらゆら帝国、マイ・ケミカル・ロマンスといったロックサウンドに身体を揺らしていた。18歳以下は当日チケット代が1000円キャッシュバックされるということもあって、若い客層が多く来場していた。この日のバンドメンバーは、竹内サティフォ(Gt.)、Kohei Shimizu(Gt.)、Nagai Takayasu(Ba.)、GOTO(Ds.)、DJマスク(DJ)を迎えた6人編成。定刻を少し過ぎると、SEなしでまずは覆面マスクを被ったDJマスクが登場。そして次々にバンドメンバーが現れ、Megaもビートボックスをしながらステージへ。ギターを手にしたMegaが「調子どう?」と呼びかけると、フロアからは割れんばかりの大歓声が上がり、「調子良さそう」と嬉しそうに口元を緩ませる。「会いたかったぜ。レディース&ジェントルマン、俺がMega Shinnosuke、よろしく」と言って「Are you ready?大阪! ぶち上がっていけるか?」と煽り『明日もこの世は回るから』からライブスタート。すると、一気に客席からものすごい熱気が放たれた。待ってました感を超えて、食らいつくような勢いで手が上がる。Megaもバンドメンバーも驚いたように笑顔を見せ、客席に呼応するように演奏が熱を帯びる。「ロックンロール!」と叫び「Thinking Boyz!!!」でまたひとつ火をつけ、ダイナミックなGOTOのビートが炸裂した『Sports』で一層加速! 序盤からものすごい盛り上がりだ。会場中に満ち溢れるエネルギーはステージと客席の距離をどんどん近づける。Megaは「いけんのか?」と煽るがその表情は柔らかい。筆者はありがたいことに昨年から度々大阪のイベントでMegaのライブを見てきたが、対バンであるためかどちらかというと煽って挑むようなステージも多かった印象だ。そんな彼がワンマンではこんなに安心した笑顔を見せるのかと、思わず顔がほころんだ。友達と接するように目線を近くしてファンと一緒に歌い、「最高だな」と呟く。この空間がとても大切な場所なんだということが早々に伝わってきた。続く『運命的』では、「まだまだ自分の殻に閉じこもって楽しめてない人も、次の曲で皆で飛んでくれませんか。皆で一緒にジャンプしようぜ。グルーヴ感じたら周りの奴と肩組んだりしてさ、会場ひとつにしたいからさ」と述べる。その言葉に全力で応えたフロアは己の気持ちをぶつけるように大きくジャンプして床を揺らす。演奏が終わると汗だくのオーディエンスは「暑い、死ぬ」と楽しそうにガヤガヤ。MCではMegaが「死ぬって聞こえたわ(笑)。どっちかって生きてる感じやろ」と気持ち良さそうに笑う。「これ友達から借りパクしたギターです。リッケンバッカー似合うでしょ」と黒いリッケンバッカーを見せ、「結構有名なギターだから、俺って人と被るの嫌じゃん。でも、もういい加減持ってもいいかなみたいな。今日初だよね」と、初めてライブでお披露目することを告白。そして「ワンマンだからMCとか決めて来ようかなと思ったけど意味ねーからやめたのと、できるだけカッコつけにいってないライブの方がいいかなと思って、何も持ってきてませんけど、ばっちしウィーアー(客)とのチューニングは合ってきているんで、今日はどこまででもいけちゃうかなって感じですけど、調子どうですか」との言葉に、テンション高く咆哮するフロア。「チューニングが合う」という表現はまさにピッタリだ。それほどにこの日のライブは一体感が大きなハイライトだった。そして初ワンマンでの思い出を振り返る。「4年前にMega Shinnosukeとして人生初ワンマンを行ったのが、ここShangri-la。その時は曲も全然なくて、1曲目に『はじめてのチュウ』のカバーを歌ったんです。また梅田Shangri-laでやれてめっちゃ嬉しいです」と感謝を述べ、「自分の精神を解放して、いけるとこまでいこうぜ。皆めっちゃ良い顔してるから」と客席と気持ちを重ねてゆく。ここからはしばし初期の楽曲を奏でるゾーン。17歳の時に作った『憂鬱なラブソング』に次いで、「さっき『はじめてのチュウ』を歌ったと言いましたけど、その時のテンションで。この会場の名前がShangri-laというので、電気グルーヴじゃない方のシャングリラを」とチャットモンチーの『シャングリラ』をスペシャルカバー。イントロが聴こえるとフロアは大歓喜。少し高めのボーカルが新鮮だ。そして「コロナ禍前に作ったけど、コロナが来ちゃって歌えなかったから、今日こそ教会の中で合唱するような気持ちで合唱できたらいいな」と添えた『Wonder』では、ポケットからハーモニカを取り出してノスタルジックなアクセントを効かせる。後半はクラップに合わせ全員でシンガロング。柔らかいオレンジの照明も相まって、素晴らしいサウンドスケープを描き出した。見守るバンドメンバーも優しい眼差し。チームの状態の良さが伝わってきた。さらに「最新の俺の解釈でアコースティックも入れながらやりたいと思います」と『狭い宇宙、広いこの星』を披露。レベルアップした最新のMegaのアレンジと美しいバンドアンサンブルで、ドリーミーな雰囲気を作り上げる。デビュー当時を懐古するようなセットリストで、会場をメロウな空気で包み込んだ。そんな余韻を一度リセットするように軽めのセッションを挟み、『甲州街道をとばして alternative ver.』を演奏。先ほどとはまた違った浮遊感とエフェクティブな歌声が気持ち良い。控えめな照明とスモークによる演出もドラマティックだった。続いてはギターのShimizuがキーボードを兼任してメドレーへ。まずは『10000回のL.O.V.E.
2023年10月06日2022年1月に新木場STUDIO COASTが閉館をしたことを受けて、今年から新宿に舞台を移して完全復活した「UKFC on the Road 2023」後編レポート※ライブレポート前編は こちら()Zepp Shinjuku 17:20 the dadadadysthe dadadadys Photo:河本悠貴SEの「怪獣のバラード」が響く中、ステージに現れた小池貞利が、「海が見たい、人を愛したい、そんなUKFCにお越しのみなさま、ルールを守って楽しく楽しく遊びましょう。ただ、お行儀よくちゃつまんねえ!」と叫び、「光るまち」で、the dadadadysのライブがスタート。そのエンディングでは、小池、ギターを弾きながら、早くもフロアに背面ダイブする。「最低と最高、両方更新します!」と叫んでから突入した「ROSSOMAN」は、歌と演奏がどんどん速く激しくなっていく。続く「(許)」では、さらに歌も演奏もどしゃめしゃになり、フロアではクラウドサーフが続出する。続いて、tetoの頃からライブの軸になってきた「忘れた」が、小池のアコースティック・ギターで始まる。この曲ばかりはオーディエンス、じっと耳を傾けたり、口ずさんだりしているように見えた。「忘れたくないと一度でも思えた今日に歌います!」という言葉からの「拝啓」で、フロアはまたクラウドサーフの渦に。小池、オーディエンスたちの頭の上に立ち、そのひとりにマイクを持たせて歌う。その次の曲までの間が、ちょっとだけ空くと、「小池ー!」と、怒号が飛びまくった。そう、男の声も女の声も、「声援」とかではなく、「怒号」と形容したくなる、荒くれた呼び方である。「まじめでふまじめ、そんなのも楽しいけど、たまにはまじめな方もやります」という言葉から歌に入ったのは「らぶりありてぃ」。天井の止まったままのミラーボールが光り、メンバーみんなのユニゾンで歌われるサビが響き、オーディエンスはヒップホップのように腕を振ってそれに応える。ラストは「まあ、9月なんでね」という言葉からの「9月になること」。小池が何度もフロアに突入するから、だけではなく、オーディエンスがクラウドサーフしまくるから、だけでもなく、何か、果てしなく危険で、果てしなく美しいものを観た気がした。そして今、そういうものを観れるチャンスは、極めて限られている気もした。新宿BLAZE 18:00 Age FactoryAge Factory Photo:小杉歩ノイズのようなギターが響き、ベースとドラムが重なり、しばし爆音が続いたと思ったらフッと音が止まり、清水英介が「Age Factory」と言うと、西口直人のベースが「Party night in summer dream」のイントロを奏で始める。──という始まり方が、もうどえらくかっこよくて、その瞬間に心をつかまれてしまった(フロアからも悲鳴のような歓声が上がっていた)、そんなAge FactoryがBLAZEの四番手。「夏を終わらせに来ました。『UKFC』、楽しみましょう」という言葉からの2曲目は「See you in my dream」。ラウドで激しいのにお祭り騒ぎのムードは皆無で、音源より若干テンポを下げてまっすぐ突き進む、Age Factoryの音に呑まれたように、オーディエンスみんな、ステージを凝視している。盛り上がっていない、というのとは違う。フロアはみっちり埋まっているし、前方には踊っている人もいるが、それ以上に、身じろぎもせずに目と耳をステージに集中させている人が多い感じ、というか。「俺ら楽しいです。UK、すごい好きなレーベルで、呼んでもらえてうれしいです。こうやって参加できるバンドになれたのもうれしいし。来てくれてありがとうございます。最後まで聴いて帰ってください」という、簡潔に感謝を伝えるMCをはさんで、「夏の曲です。もうこの夏も終わっちゃうけど、まだ歌わしてよな」と、最新曲「向日葵」へ。そうは言うが、「あの夏の終りに 咲いた花のこと」という歌詞が二度出てくる曲なので、むしろジャストなのでは、という気もする。「OVER」「Feel like shit today」と、『Pure Blue』(2021年リリースの、現時点での最新アルバム)からの2曲を経ての「TONBO」では、「歌」や「叫び」を超えた、まるで「吠え」のような清水英介の歌が、耳にグサグサ突き刺さる。Age Factoryがラストに持ってきたのは、この日演奏した中で、もっともBPMが遅く、もっとも重く、そしてもっともせつない「nothing anymore」。「TONBO」もそうだが、清水英介の書く歌詞の無常観、たまらないものがある。ギターのアルペジオで演奏を終え、清水英介が「ありがとうございました」と言った時、歓声や嬌声は一切飛ばなかった。ただ、大きな拍手がBLAZEを満たした。新宿MARZ 18:00 LAYRUS LOOPLAYRUS LOOP Photo:エド ソウタpeanut buttersが急遽キャンセルとなり、2020年に設立された新レーベルhighlightからはこの日唯一の出演となった関西を中心に活動する3ピース、LAYRUS LOOP。JETの「Are You Gonna Be My Girl」にのって、勢いよく飛び出してきたドラムのモトザワソラを皮切りに、ギター/コーラスのムラカミマホ、ベース/ボーカルのオオトシユリヤの順にステージに登場すると、ライブは「スーパーヒーロー」からスタート。軽快なアンサンブルとポップなメロディは、彼女たちがSHISHAMO以降のポピュラリティとインディ感を併せ持ったバンドであることを伝えている。パンキッシュなショートチューンの「なりたいスター」ではより骨太なロックバンドとしての側面を見せ、SGとマーシャルの組み合わせで男前にギターをかき鳴らすムラカミマホの姿が印象的。「新宿MARZ、まだまだ楽しむ準備できてますか?」と呼びかけての「ハイヒール」は非常にフレッシュで、このステージを心から楽しんでいることが伝わってくるのがいい。「今日のUKFC、18時に新宿MARZを選んでくれてほんまにありがとうございます」とMCで感謝を伝えると、「なりたいスター」同様に最新EP『ジェットコースター』の収録曲である「きみの抜け殻」では、バンドのムードメーカー的な存在であるモトザワもムラカミとともにコーラスに参加してハモりを聴かせる。日本で話題になる前に台湾のバイラルチャートにランクインして盛り上がったというエピソードがいかにも新世代らしい「ダンスフロア」を披露。〈ミラーボールが照らし出した 私だけのダンスフロア〉という歌詞通りにミラーボールが輝く中で披露された、このシティポップ的なムードを持つディスコナンバーは、デビュー時からの真部脩一とのコラボレーションの現時点の最良の成果である。大切な人のことを思い浮かべながら聴いてください」と披露された三連バラード「そばに」では、オオトシがエモーショナルな歌声でオーディエンスをグッと引き込む。2019年に結成されたLAYRUS LOOPはコロナ禍の影響もあり、まだライブの本数自体はそんなに多くはないはず。しかし、オオトシの歌にはすでに十分な説得力があり、それがサブスクでのヒットにもつながったであろうことが、彼女の声を実際に生で聴いて確認できた。ラストは歌詞の着眼点のユニークさが光る「二百円玉」を届けて、UKFCでの初ライブが終了。まずは同世代、さらにはより幅広い世代からの支持も集めるだけの資質を持っているバンドだと思う。Zepp Shinjuku 18:40 Helsinki Lambda ClubHelsinki Lambda Club Photo:河本悠貴リハーサルに橋本薫を連れ込んで「シンセミア」をカバーしたthe dadadadysへのお返しと言わんばかりに、リハーサルに小池貞利を連れ込んで「高層ビルと人工衛星」を披露して、早くも大盛り上がりのZepp Shinjuku。2021年に新木場STUDIO COASTでの単独公演を成功させ、2022年にはフジロックへの出演を果たし、今年結成10周年を迎えたHelsinki Lambda Club。「UKFC on the Road 2023」は、メインステージにトリ前での出演だ。改めてメンバーがステージに姿を現し、橋本が「さっきもめっちゃ汗かいたけど、ここから本番よろしくお願いします」と声をかけて、「スピード」から勢いよくライブがスタート。熊谷太起の癖のあるギターフレーズが何とも「らしい」ナンバーから、パンキッシュな「ミツビシ・マキアート」を畳み掛けると、the dadadadysとの相乗効果もあってかフロアはかなりの盛り上がりに。そこから一転、イントロのカッティングの時点でクラップの起こったヴルフペック譲りのミニマルファンク「PIZZASHAKE」は、最新アルバム『ヘルシンキラムダクラブへようこそ』でも提示したバンドの音楽的な多様性を改めて感じさせるとともに、稲葉航大が「みなさん自由に踊ってますか?俺の踊りを見てくれ!」と奇妙なダンスを披露して大歓声が起こる場面も。このユーモアも実にヘルシンキらしい。MCでは橋本がthe dadadadysにリハに引っ張り出されたことに触れ、「UKFCが祭りだったことを思い出させてくれて感謝してます。何かいいこと言わなきゃとか思ってたけど、そんなことないですね。ただただ楽しんでください」と言いつつ、「UK.PROJECTも世の中も、この10年で変わったもの・変わらないものそれぞれあると思いますけど、大事にしたいものを大事にしていきたい、選んでいきたいなと思う10年目です」と誠実に想いを伝えて、「午時葵」を演奏。Zeppクラスの会場がよく似合うアンセミックなこの曲を聴きながら、UK.PROJECTのオーディションでグランプリを獲得し、初めて出演した2014年のUKFCを思い出して、感慨深い気持ちになったりもした。意味のある結成10年目のUKFCを締め括ったのは、まだパンデミックの最中にあった2021年に発表された「収穫のシーズン」。橋本が以前「人間の業や欲を肯定も否定もしない温度感の曲」であり「作り終えた後も自分の理解が追いついていない曲」とも綴っているこの曲ではダブワイズな音響空間を作り出し、間奏のヘヴィなユニゾンからサイケデリックなセッションに突入すると、ラストはノイズに包まれてライブが終了。トリ前に相応しい、実に堂々たるステージだった。新宿BLAZE 19:20 ART-SCHOOLART-SCHOOL Photo:小杉歩ART-SCHOOLがUKFCに帰ってきた。彼らの出演は2016年以来、実に7年ぶり。その間には木下理樹の療養があり、もちろんパンデミックもあった。誰もが苦境に陥っていた。そんな中でも弾き語りやオンラインライブで続けられてきたUKFCが、今年新木場から新宿に場所を移しながらも完全復活を遂げるにあたって、この日の出演者の中ではPOLYSICSと並んでUK.PROJECTの歴史を誰よりも知るART-SCHOOLの存在は必要不可欠。昨年8月からライブ活動を再開させ、今年は東名阪のツアーも成功させた新生ART-SCHOOLは、充実のステージを見せてくれた。お馴染みの「Girl/Boy Song」 が流れ出し、メンバー5人がステージに登場すると、6月にリリースされたニューアルバム『luminous』でもオープニングを飾っていた「Moonrise Kingdom」からライブがスタート。戸高のファズギターがうなりをあげつつ、まずは5人の呼吸とテンションを合わせるかのようにじっくり曲を届けると、中尾憲太郎があの特徴的な動きでベースを刻み出し、「BOY MEETS GIRL」から一気に演奏が熱を帯びていく。木下は冷静と情熱の間でメロディを紡ぎ、ときおり絞り出すように歌い上げるその声は確かな生命力を感じさせるものだ。ひさびさの戸高によるボーカルナンバー「Teardrops」は新鮮さも感じつつ、ART-SCHOOLの曲として何ら違和感がない仕上がりで、藤田勇のタイトかつアグレッシブなプレイが抜群に気持ちのいい一曲でもある。そしてもう一人、新生ART-SCHOOLを象徴するのがギタリストのやぎひろみだ。彼女の所属するNITRODAYがデビュー時にNUMBER GIRLと比較されたことを思えば、中尾憲太郎の隣でジャズマスターを弾いてることだけでも何だか不思議な縁を感じるが、立ち姿のかっこよさに加え、「プール」におけるアーム使いやコーラスなど、音楽的な貢献度も非常に高い。近年は90年代風のオルタナティブなサウンドを鳴らす若手も増えつつあり、やぎの存在を通じて下の世代からART-SCHOOLが再発見される未来も期待される。MCでは木下が「UKFCにひさしぶりに出れてうれしい限りです。各会場も盛り上がってるようで、楽しんで帰ってください。あと何かあるっけ…」とポツポツとしゃべる隣で、戸高が「これが普通です」と加え、木下が「僕はホントに楽しみにしてきたので、みなさんも楽しんで、最後まで…」と話すと、戸高が間髪入れずに「ありがとうございました」と締める、この阿吽の呼吸にはニヤニヤしてしまう。ここからライブは後半戦に突入し、ART-SCHOOL復活を宣言した「Just Kids」から、さらには「スカーレット」を畳み掛ける。木下と戸高が向かい合ってギターを弾く姿はやはりたまらないし、力強いシャウトを聴かせ、フライングVを高く掲げる木下は実に頼もしい。名曲「FADE TO BLACK」は2019年にASIAN KUNG-FU GENERATION・ELLEGARDEN・ストレイテナーという下北時代からの盟友たちによる「NANA-IRO ELECTRIC TOUR」の全公演でカバーされたことも語り草となっているが、言うまでもなく木下の歌で、ART-SCHOOLの演奏で聴くことが最良だ。そしてこの日ラストに披露されたのは最新アルバムからの「Bug」。〈いつかこんな声が いつかこんな唄が 闇を裂いてく様に そんな事を夢見ていたんだ〉。シューゲイズサウンドに包まれて、闇の隙間から光を見つめる。まさにART-SCHOOLの真骨頂のような一曲で、メモリアルなステージが締め括られた。鳴り止まない拍手に応えてのアンコールでは「あと10秒で」を演奏。なお、10月15日にZepp DiverCityで開催される「KINOSHITA NIGHT 2023 〜木下理樹生誕祭・SHIGONOSEKAI〜」にはPOLYSICSとともに、こちらもUK.PROJECTの歴史には欠かすことのできない、syrup16gの出演が決定している。新宿MARZ 19:20 ペルシカリア(2回目)ペルシカリア Photo:エド ソウタMARZのトリは、本日二度目の出演のペルシカリア。一度目の時は、peanut buttersの代打で出てくれと1時間前に急に言われた、とんでもない事務所に入ってしまった、というボーカル&ギター矢口結生のMCから始まったが、今回は「はじめましてペルシカリアです、どうぞよろしくお願いします」とだけ挨拶し、「新・外苑西通り」でスタートする。心なしか、一回目の時よりも丁寧で精緻な印象。ギター2本が複雑な絡みに耳が奪われる……と思っていたら、そのままなだれこんだ「離愁」で、熱々でどしゃめしゃでラウドな音に戻る。「本日二回目です。一回目観てくれた人も二回目来てくれた人もありがとうございます」から始まったMCをはさんでの「歓声の先」では、音のラウド化&ハードコア化が、さらに加速。一回目も二回目も合わせて、この日唯一のバラード的な曲である「いびき」をじっくり聴かせ、MARZが一瞬センチメンタルな空気になる。が、その曲終わりのMCタイムでは、「マネージャーが、好きなことやっていいよ、って言ったんで」「OKもらったんで」「どんなにお客さんが言ったとてね、もうUKの社内の人がいいって言ったら、それはいいってことなのであって」などと言い合うメンバーたち。そして、超速ビート&矢口結生叫びまくりの「死ぬほどどうでもいい」を経て、出た、本日四回目の「どうしたって」。そして、本日初めての「ビビって」。あ、ちなみに、一回目も二回目もやったのは、この曲と、「死ぬほどどうでもいい」と「離愁」と「どうしたって」の4曲でした。つまりそれ以外=一回目の6曲と二回目の6曲は、どちらかだけの演奏。インストを経ての「タイムオーバー」は……というか、どの曲も、オリジナル音源よりも速く激しくなっているが、1コーラスと2コーラスの間で矢口結生、オーディエンスに「悪くないっしょ?」と問いかける。ラストは、UKプロジェクト以前にリリースした音源から、彼らの最初の名刺になった曲「さよならロングヘアー」。この曲のグッズTシャツを着た男子が、最前列で熱狂している(そういえば彼は一回目もまったく同じ位置にいた)。それ以外のオーディエンスも熱狂している。アウトロで矢口結生、「大トリが待ってるぜ!」と叫んでから曲を締めた。Zepp Shinjuku 20:00 [Alexandros][Alexandros] Photo:河本悠貴さあ大トリ、[Alexandros]。サウンドチェックで「ワタリドリ」をやって、オーディエンスを喜ばせてから本番。SEが響く中、川上洋平が「Make some noise! 静かにしないでください、もっと騒いで!」とアジテートし、1曲目に入るがテクニカルなトラブルによりストップ。で、即座に復旧は無理、と判断した川上洋平、「ちょっと曲、変更しますわ。今年うちら夏フェス出まくって、機材ぶっ壊れてるんですよ。いろいろ今日はトラブルあるかもしれませんけど、それさえも楽しませますんで!」。そして「Dracula La」でスタートしたライブは、まさにその言葉とおりの、トラブルや咄嗟の変更さえ武器にする圧倒的なものだった。オーディエンス、川上洋平の意のままに、熱狂させられっぱなし。この「Dracula La」でも、続く「Waitress,Waitress!」でも、「Kick&Spin」でも、シンガロングやジャンプやハンドクラップやクラウドサーフが、止まらない。Photo:河本悠貴考えてみれば、今年も各地のフェスで、自分たちのファンとは限らない2万人や3万人を相手に、毎週末これをやり続けてきた人たちである。だから、Zepp Shinjukuくらいのキャパで、ホーム中のホームである『UKFC』であれば、余裕なんだろう。とは思うが。にしてもすごい、フロアの温度の高さ。4曲目では「新曲やっていいですか、俺達の仲間を紹介していいですか?」と、WurtSを呼び込んで、フィーチャリングで彼が参加した「VANILLA SKY (feat. WurtS)」を披露。これも今年、各地の夏フェスで行われてきたコラボである。Photo:河本悠貴歌い終えた川上洋平、WurtSに「ほんとにこの夏はありがとう。各地のフェスに出演してくれたんだよね」とお礼を言う。「すべてはここにつながったんじゃないか、と思うくらい、最高の盛り上がりでした」。それから「Girl A」「we are still kids & stray cats」で、さらにフロアを熱狂の坩堝に叩き込む。メンバーがはけ、川上洋平ひとりで歌った「Adventure」では、彼のアコースティック・ギターに合わせて、オーディエンスがリードボーカルを取る瞬間も。何度目の当たりにしてもグッとくる、この光景は。曲の後半で戻ってきて、演奏に加わったメンバー3人と川上洋平で、ラストは「city」。無論この曲でも大きなシンガロングが。Photo:河本悠貴アンコールでは、曲に入る前に、川上洋平、ちょっと長めにMC。「今日は、実はトップバッターのthe telephonesからずっと観てるんですけど。最高でした」と、出番まで各アクトを観ていたことを明かす。「13年も一緒につるんでいると、家族みたいな気持ちが芽生えてくる。それをこれから後輩たちにも感じるんだろうなと思う、本当に最高のバンドたちが集まったいい事務所だと思うので、これからもよろしくお願いします」──と挨拶し、「最高の事務所ですよ。そんな事務所に入って最初の曲をやりたいと思います」と「For Freedom」を4人でプレイ。Aメロでのオーディエンスのハンドクラップ、歌と演奏を追い越しそうな勢いである。「この4人で『UKFC』に出るの、初めてですよね? だから我々、新人の気持ちで今日はやってました」「メジャーには行きましたけど、マネージメントはインディーズなんで。下北沢に心はあります」という言葉からのラスト・チューンは「閃光」だった。この日最後の大シンガロングで、2023年の、初めて新宿歌舞伎町の3つのライブハウスで行った『UKFC on the Road』は、終了した。移動しやすいし、観やすいし、繁華街だから便利。いいじゃん! と個人的には思ったが、残念ながらBLAZEは2024年7月いっぱいでクローズになることが発表されているので、次回もこの形で行うことは不可能。来年の『UKFC on the Road』がどうなるのか、楽しみに待ちたい。Text:金子厚武(LAYRUS LOOP、Helsinki Lambda Club、ART-SCHOOL)、兵庫慎司(the dadadadys、Age Factory、ペルシカリア(2回目)、[Alexandros])<公演情報>UKFC on the Road 20239月10日(日) 「Zepp Shinjuku」「Shinjuku BLAZE」「Shinjuku MARZ」3会場開催『UKFC on the Road 2023』タイムテーブル出演者:[Alexandros] / Age Factory / Are Square / ART-SCHOOL / Helsinki Lambda ClubLAYRUS LOOP / odol / peanut butters / POLYSICS / the dadadadys / the shes gone / the telephones / WurtS / ペルシカリア※peanut butters出演キャンセル
2023年09月14日北海道・苫小牧を拠点とするオルタナティブロック・バンド、NOT WONK(ノット・ウォンク)が7月21日東京・新代田FEVERで2年ぶりとなるワンマンライブ「NOT WONK ONEMAN LIVE“ASSHOLE”」を開催した。チケットがソールドアウトした会場は、爆音のアンサンブルと興奮を抑えきれない観客との熱気に満ち、その熱に気圧されるように予定していた曲数を超えた全25曲を披露。今回のライブではU-23チケットもあり、バンドと共にこの10年を歩んできたファンに加えて若いリスナーも混じり合った。様々な制限があったコロナ禍でのライブを経て、かき鳴らされる爆音と、この一体となった空間で心のリミッターをも解除していくようなワンマンとなった。久しぶりのワンマンライブということで、1stアルバム『Laughing Nerds And A Wallflower』(2015年)から4thアルバム『dimen』(2021年)の4作のアルバムから満遍なくピックアップした曲が並び、各曲をアップデートすると共に壮大なうねりのあるストーリーとして響かせるロマンティックな流れを持った今回のライブ。はじまりに、「お待たせ。NOT WONK、よろしく」と加藤修平(Vo/Gt)が軽い挨拶をすると、彼方から呼びかけるようなギターやベースのエコーが美しい「Love Me Not Only in Weekends」をスタートさせた。たっぷりとギターの咆哮を聞かせ空気を揺らしていく音響と、ジリジリと熱を上げていくアンサンブルの緊張感に観客は息をのみ頭から集中モードだ。サウンドのグラデーションに呼応して照明もペールトーンから暖色へと色を帯びていくと、フロアからは歓声が湧き「Not All」そして「Unsad」とビートの輪郭を濃くしていった。ドラム、ベース、ギター&ボーカルという3ピースのシンプルな構成のNOT WONKだが、バンドアンサンブルが放つ厚みや奥行きはその数以上に多彩だ。変速的なビートが音の渦を織りなす「Shatterd」の恍惚感、アクセルを踏み込んでスピードを上げる「Count」など前半から重厚なサウンドで、フロアを揺さぶった。中盤はよりNOT WONKの持つ歌心に焦点を当てた曲たちが並ぶ。管楽器的なビブラートを含んだ加藤の特徴的なハイトーンと、そこに重なる藤井航平(Ba)、高橋尭睦(Ds)とで織りなすアンサンブルが幻想的な「slow burning」や、UKロックの繊細なメロディが冴える「Don’t Get Me Wrong」。またパンク、ハードコアから古今東西のロックを甘美なフィルターに通した「spirit in the sun」での調べや、アルバム『dimen』の中でもギターアルペジオが60‘sライクでブライトなポップス「in our time」等々、じっくりと奏でていくサウンドに観客はゆらりと体を揺らし、またコブシや歓声をあげる。また、ガラリと空気を変えるようにアンサンブルの馬力をあげたのは、「The Ordinary」からのパンキッシュでアグレッシブなブロックだ。ドラムのカウントとともにかき鳴らしたノイジーなギターに叫びのような歓声が上がり、床から突き上げるようなスピード感のあるビートと低音のベースが観客を前のめりにさせる。会場を震わせる迸る轟音が爽快だ。「Everything Flows」から「get off the car」と、ぐいぐいと加速していくアンサンブルと、歓声が混じり合ってボルテージをあげていく3人の白熱したプレイに、会場はさらなる歓喜が巻き起こっていった。今回は若い新たなファンも来てくれているのはもちろんだが、2年ぶりのワンマンで(コロナ禍の時間を考えるとそれ以上に久々に会場に足を運んだ人も多かっただろう)、バンドもファンもそれなりに歳を重ねてここで久しぶりに合間見えた感覚もあっただろう。演奏後、あまりのエネルギッシュさにバンドも観客も肩で息をするような感じではあったが、そんな瞬間すらも楽しい。思わず饒舌になった加藤は、バンドをはじめた頃はこうして長く続けるとは思っていなかったと語る。青春期から大人へと何かしらの折り合いをつけて進んでいくように、好きなことだけを追求していくのは難しい。でも音楽やバンド以上に最高だというものはないし、それだけの力や何かを変えるエネルギーが音楽やアートといったものにはあると、活動の中で実感もした。そんな話をした。熱っぽく語るその姿に、観客は声をあげ笑顔を見せるが、「これは、本気だからね」と言う。バンドはずっと続くから、どんなタイミングでもいいからまた会えれば。そう、力強く告げた。そして終盤は、ロックな旅を続けていくかのように再び軽やかに地を駆っていく。地平線の向こうへと思いを馳せるがごときおおらかなメロディが響く「Landfall」、そしてじっくりと確かに時を刻んでいく「dimensions」からラストは「the place where nothing’s ever born」で、聴き手に問いかけるように、あるいは自らの深淵に向かって問い続けるように音を紡ぎあげていった。儚さの中にも、きらめきがある。そんなギターのリフレインに、大きな拍手と歓声が巻き起こった。予定ではここで終了だったが、湧き上がってくる思いが止まらなかったのだろう。さらに「Laughing Nerds And A Wallflower」、「I Wont’t Cry」、青さが迸る「Give Me Blow」でフロアをかき回していったNOT WONK。2年ぶりのワンマンライブで最高潮を更新して締めくくった。Text:吉羽さおりPhoto:桑島智輝<公演情報>NOT WONK ONEMAN LIVE “ASSHOLE”7月21日(金) 新代田 LIVE HOUSE FEVERセットリスト01. Love Me Not Only in Weekends02. Not All03. Unsad04. Shattered05. Subtle Flicker06. Of Reality07. Count08. Elation09. slow burning10. Don’t Get Me Wrong11. spirit in the sun12. in our time13. Come Right Back14. This Ordinary15. Everything Flows16. get off the car17. The Bare Surface, I’ve Long for You18. your name19. Down the Valley20. Landfall21. dimensions22. the place where nothing’s ever bornEN1. Laughing Nerds And A WallflowerEN2. I Won’t CryEN3. Give Me Blow<イベント情報>『RESURRECTION』10月5日(木) 東京・WWWOPEN18:15 / START19:00出演:KOTORI / NOT WONK【チケット情報】(前売)一般:3,520円(税込)U-19:2,919円(税込)※ドリンク代別途必要■先着先行受付:9月10日(日) 23:59まで()公式X:
2023年09月02日「部屋とYシャツと私」などのヒットで知られる平松愛理が、2年半ぶりとなるライブを行った。2021年には自身のコロナ感染で開催が延期されて、ようやく実現したステージ。キャリアを重ねてきた分の奥行きとともに、変わらない清々しさを見せて、長年ともに歩んできたファンたちに温かい想いを届けた。ピアノのSEから、白い衣装にハンドマイクでステージに現れた平松愛理。2年半ぶりのライブの1曲目は“今日やっと逢える”と再会を描いた「素敵なルネッサンス」。観客の手拍子に体を軽く揺らしながら、リズミカルに歌っていく。33年前にリリースされた学生時代の名残が漂う曲に、大人のゆとりが加わって心地良い。続く「転ばぬ先の闇」も、跳ねるようなサンバのリズムによく通る歌声が乗って、会場一体のクラップが起こった。こちらは94年リリースのアルバム曲で、“留守電の点滅ランプ”といったフレーズもあって懐かしいが、平松は歌に包容力を潜めながら、さわやかな佇まいは健在だ。MCでは「今日来てくれた皆さんを恋人だと思って、選曲させていただきました」と語り、「いろいろなことがありました」という2年半での途切れない応援への感謝を告げた。「月を見ながら、自分のことを考える時間があって。挫けちゃう日も心にウソさえつかなければ、人生いつでもやり直せると思えます。私はダメだな。だから、いいんだ。相反する二つの気持ちを肯定していいと、この1年くらいで思い始めています」そんな話のあとに披露したのが、コロナ禍の2021年に発表した「BLUE MOON」に、未発表の「北風と太陽~エピローグ」の2曲。「BLUE MOON」は3拍子のワルツで、夜更けの月に馳せた未来への想いをしっとりと歌い上げる。ミディアムバラードの「北風と太陽」は童話をモチーフにした導入から、“矛盾だらけでいいんだと 胸張って生きてたい”などと素朴な言葉が紡がれていて、近年の楽曲には年齢を重ねたからこそ届くものがあり、人生での共感を呼ぶようだった。アコーディオンをフィーチャーした「追伸」は、イスに座ってリラックスモード。フィンガースナップを入れながら、ゆったりと歌う。昔自分を振った相手に向けた、平松独特の毒気と温かみが織り交ざる歌詞。聴く側も肩の力を抜いて楽しめた。キーボードの前に座ると、久しぶりの生放送の歌番組『THE MUSIC DAY』に出演した際の裏話に。出番前の移動中にサンダルの底が取れていて、緊張で気づかぬまま裸足で歩いていたとのエピソードで笑いを誘い、後半戦へ。緩やかな弾き語りが始まり、「待ってもいいよ」では夜の都会の雑踏に心象風景を映し出し、「戻れない道」は昔の恋の回想を挟んだ映画の1シーンのよう。ベテランシンガーに今さらではあるが、平松の口跡のはっきりした歌い方はすごく聴き取りやすく、たぶん初めて耳にする曲だったとしても、歌の情景がビビッドに浮かび上がるだろう。もともとの歌詞の巧みさや、やさしい歌声にビブラートを挟んだりする豊かな表現力もあってのことだが。そして、代名詞である「部屋とYシャツと私」も率直な歌いっぷりで聴き入らせる。大ヒットしたのはもう31年前。世間的には“毒入りスープ”の印象が強いにせよ、改めて聴くと結婚前の想いをエスプリを効かせて描く構成が本当に見事だ。さらに、詞でいえば相手が“ロマンスグレーになって”という年代に実際に入り、今の平松の歌にはより深みが宿って、胸に染み入る。歌い終わると、ひときわ大きな拍手が会場を包んだ。暗転の間に立ち上がって、後ろ向きで背伸び。「ここから頑張らせていただきます」とマイクを持って歌ったのは、シャレたフュージョンテイストの「Miss Very well」。マイクをスタンドに差すと、両手で振りを付けてアップチューンの「Single is Best!?」で加速していく。クールなボーカルでノリノリに、自ら頭上でクラップをして盛り上げた。手拍子が続いたまま、キャリアウーマンの恋を歌う「もう笑うしかない」に繋げる。サビ前では「行きまーす!」と人差し指を立てて手を振りながら“世界一”のフレーズを繰り返す。合唱と振りで会場がひとつになると、平松は「素晴らしい!」と声を上げた。さらに、フラメンコ調の手拍子からのラテンナンバー「マイ セレナーデ」で、もうひとしきり温度が上がる。“オーレッセ(Oh,Let’s say)”のリフレインが耳に付いて。92~93年の楽曲が中心となった後半、高まりながらも安らげる大人の音楽空間が出来上がっていた。ラストは「きっと届け」。2019年発表の曲だが“明日は変わってみせる”などと青春ソングのようでもあり、平松のボーカルも力強く若々しい。聴いているだけでも、勇気が湧いてくるようだった。すかさず起こったアンコールを受けて、再びステージに登場。「この2年、ご心配を掛けてしまって。こんなに皆さんの温かさが身に染みたのは初めてかもしれません。直接お礼が言えて、とても嬉しいです」キーボードの前でそう話した平松が、「歌心、めいっぱいにお届けします」と流麗なイントロを弾き出す。最後に披露したのは「Crescent Moonshine」だった。多く作ってきた月にまつわる曲のひとつで、美しい旋律のバラード。“あなたのいない夜”に見上げる月に寄せて、情感が込められていく。歌いながら想いが高ぶったようで、鍵盤を叩く響きも強くなっていった。“ひとつの気持ちずっと 感じていようね”と歌い上げ、拍手の中で立ち上がって「ありがとうございました」と言う平松は感極まって、涙で目を潤ませていた。バンドメンバーの紹介も涙声。観客をバックに記念撮影をして、深々とお辞儀をすると「今度お会いできる日まで、お元気でいてください」と、両手を振ってステージを後にした。長い年月をともに歩んできたファンとの、かけがえのない1日の余韻を残して……。Text:斉藤貴志Photo:石原敦志<公演情報>平松愛理 SLOW ROOM~Door to Next Road8月7日(月) Spotify O-Crestセットリスト01. 素敵なルネッサンス02. 転ばぬ先の闇03. BLUE MOON04. 北風と太陽〜エピローグ05. 追伸06. 待ってもいいよ07. 戻れない道08. 部屋とYシャツと私09. Miss Very well10. Single is Best!?11. もう笑うしかない12. マイ セレナーデ13. きっと届け14. Crescent Moonshine公式サイト:
2023年08月31日ぴあとAIR FLAG Incが共同で立ち上げたライブイベント『PIA & AIR FLAG Inc Presents "MUSIC FLAGS"』の第3弾が8月10日(木)、渋谷WWW Xで開催された。出演アーティストはサバシスター、yutori、Laura day romance。いずれも現在ものすごい勢いでシーンを更新するホープたちだ。それぞれの個性を発揮しながら全力でパフォーマンスを届けたライブの模様をレポートする。まずトップバッターとして登場したのはサバシスター。SEが鳴り響いた瞬間の力強い手拍子とメンバーが登場した瞬間の歓声に今の彼女たちへの期待のほどが伺える。いきなり初披露の新曲「キラキラユー」で軽快なロックンロールを響かせると、一転してどっしりとしたリフで聴かせる「生活」へ。サポートメンバーのサトウコウヘイ(B)以外全員色違いのラグランTシャツに身を包んだポップな佇まい、なち(Vo/G)のリアルな実感が込められた歌詞、そしてそれをじっくり気持ちを込めて歌い上げる姿。音楽性の振れ幅も含めてさまざまな魅力をもったバンドだが、その魅力がわずか2曲ではっきり伝わってくる。「1分押してしまいました」となちが言うのでなんと律儀なんだと思ったら、その理由が「ベルトがなくてズボンがずり落ちてくるのでスタッフにスマホの充電ケーブルを取ってきてもらってそれでズボンを止めていた」というもの。なんというか、今すぐにでも曲にできそうなエピソードである。そう、それこそ続けて披露された「スケボー泥棒」のように。この曲がそうであるように、人生のどんな場面にも真理が潜んでいるものである。なちがお立ち台に上ってギターをかき鳴らし始まった「ナイスなガール」ではごうけ(Ds)のパワフルなビートやアウトロでのるみなす(G)のギターソロもあいまってフロアから拳が突き上げられる。「今日は『MUSIC FLAGS』ということで、音楽の旗をパタパタ〜としたいと思います」と宣言したり、ごうけが小さい頃から大事にしてきて、今はサバシスターのステージには必ず置かれているぬいぐるみのしげちゃんを紹介したりしつつ、そのぬいぐるみのことを歌った「しげちゃん」を届ける。終盤ではメルカリで横取りされた緑のジャージのことを歌った「ジャージ」で一気にフロアを盛り上げると、「もっと声出せるんじゃないですか?」とさらに煽りつつなちの人生観が色濃く滲む名曲「タイムセール逃してくれ」へ。るみなすの華麗なソロも決まると、最後は「サバシスター’s THEME」。なち、るみなす、サトウの3人で動きを合わせたりしながら最後まで盛り上げきった。続いて、じんわりと響く心地のいいアンサンブルでライブを始めた2組目Laura day romance。1曲目「happyend」から、タンバリンを叩きつつ歌うトリプルギターの奏でる色彩豊かなサウンドの上で井上花月(Vo)の歌声が伸びやかに広がる。続いて礒本雄太(Ds)の叩くフレーズから「well well | ええと、うん」。メランコリーをたたえたサウンドの世界の中で、井上の歌うメロディが時折キラリと光を放つ。繊細に押し引きを繰り返すアレンジも、聴けば聴くほど引き込まれるようだ。一転、軽やかな8ビートが鳴り響き、オーディエンスの手拍子を誘う。「lookback&kicks」だ。井上とサポートメンバーによるツインボーカルが躍動し、それを磯本のドラムとサポートベースドラ内山のグルーヴが支える。瑞々しく伸び上がっていくようなメロディはこのバンドの真骨頂だ。彼らにとってこのWWW Xはワンマンライブをやった思い出深い場所。それにちなみ、ここで行われたワンマンのタイトルともなった「sweet vertigo」を披露。見ればフロアにいるお客さんはそのリズムに気持ちよさそうに身を預けていて、いつの間にかこの会場全体がLaura day romanceの醸し出すムードに染まっている。井上のパンドの未来に期待を抱かせる言葉を挟み、ライブは「wake up call | 待つ夜、巡る朝」に入っていく。印象的なギターのサウンド、そして井上のファルセットがWWW Xの空気を澄み渡らせていくようだ。続けてベースとドラムを中心に音を重ねながら「waltz | ワルツ」へ。切なさのなかで鈴木迅(G)のかき鳴らすコードがやたら心をざわつかせる。「みなさん最後まで楽しんでいってください」という井上の言葉から「夜のジェットコースター」を届けると、天井のミラーボールが回り美しくフロアを照らし出す。そしてラストは「sad number」。手拍子が巻き起こるなかストレートなロックチューンがぐんぐん高みへと上っていった。そして3組目、この日のトリを務めたのがyutoriだ。「よろしくお願いします」と一言、「センチメンタル」で爆発的なスタートダッシュを決める。内田郁也(G)のテクニカルなフレーズ、ゴリゴリと曲を押し進めるような豊田太一(B)、浦山蓮(Ds)のリズム隊、そして佐藤古都子(Vo)の歌がそんな音の迫力を突き破って届いてくる。言葉をオーディエンスに突き刺すような「音信不通」を経てフロア中で手が上がる「モラトリアム」へ。それにしても、どんな曲でもぐっと自分の側に引き寄せ「yutoriの歌」にしてしまう古都子の歌の力がものすごい。ブレスにもビブラートにも意思が宿っているようだ。豊田がお客さんを煽ってアッパーな4つ打ちビートが炸裂する「煩イ」を披露すると「スイミー」へ。サビでぐっと力感を増すバンドサウンドが、一気に楽曲の世界を押し広げていく。そして古都子が爪弾くギターからじっくりと「キミニアワナイ」へ。4つの楽器がリズムを合わせ叫ぶようなサビはもちろん、そこに至るドラマティックな展開も聴きどころ。古都子の歌はそのドラマを繊細さと豪快さを行ったり来たりしながら鮮やかに描き出してみせる。“ポップ”という言葉では簡単に片付けられない吸引力みたいなものがこのバンドにはあるが、ここまでのパフォーマンスでもそれは遺憾なく発揮されている。速いBPMでギターをかき鳴らす焦燥そのもののような「ワンルーム」を全力で鳴り渡らせると、9月6日リリースの『夜間逃避行』からの新曲「会いたくなって、飛んだバイト」を披露。アッパーなリズムとは裏腹に古都子の歌声には身を切るような痛みが伴っている。そして、その古都子の声から曲が始まった瞬間に手を挙げる観客が続出した「君と癖」。アウトロでは内田と豊田が前に出て力強く盛り上げてみせた。「ひとりひとり好きなものも違うかもしれないし、嫌いなものも違うかもしれないけどさ、あなたは音楽が好きで、ライブハウスが好きでそこにいるんでしょ?」。古都子のそんな言葉から突入した「煙より」で本編を終わらせると、アンコールでは「ショートカット」で再びぶち上げ。最後までオーディエンスの心を掴み切って、yutoriの4人はステージを降りていった。Text:小川智宏Photo:飼沼竜二<公演情報>PIA & AIR FLAG Inc Presents "MUSIC FLAGS"8月10日(木) WWW Xセットリスト■サバシスター01. キラキラユー02. 生活03. スケボー泥棒!04. ナイスなガール05. しげちゃん06. ジャージ07. タイムセール逃してくれ08. サバシスター’s THEME■Laura day romance01. happyend02. well well | ええと、うん03. lookback&kick04. sweet vertigo05. wake up call | 待つ夜、巡る朝06. waltz | ワルツ07. 夜のジェットコースター08. sad number■yutori01. センチメンタル02. 音信不通03. モラトリアム04. 煩イ05. スイミー06. キミニアワナイ07. ワンルーム08. 会いたくなって、飛んだバイト09. 君と癖10. 煙よりEn1. ショートカット関連リンクサバシスター公式サイト: day romance公式サイト:公式サイト:
2023年08月24日Hakubiが主催するライブイベント『京都藝劇 2023』が、8月11日に京都・KBSホールで開催された。今年は初の2ステージ制で実施された同イベントは、出演キャンセルとなったHump Back、あるゆえを除いた、Hakubi、KALMA、G-FREAK FACTORY、TETORA、ROTTENGRAFFTYの5組が「右近ステージ」に、Hyuga、Brown Basket、RAINCOVERの3組が「左近ステージ」に登場。当日に向けて片桐(Vo / G)が、「『京都藝劇 2023』は、Hakubiの3人の大切なタイミングに刺激を与えてくれたバンドが集まってくれました。夢の続きであり、夢の途中であるこの日、目撃してください」と意気込んだ、年に一度の盛大な宴が過去最大のスケールで実現した。『京都藝劇』は毎年ラインアップがガラリと変わるのも見どころの一つだが、TETORAは唯一の3年連続の出演。それだけで、彼女たちとHakubiとの盟友関係が分かる。昨年はトリ前でHakubiに強烈な刺激とプレッシャーを与えたが、今年は「『京都藝劇』はTETORAから始めます!」と(上野羽有音・Vo / G、以下同)と、「Loser for the future」で熱量たっぷりにイベントの幕開けを告げる。冒頭から「もう立派な大人」「言葉のレントゲン」「バカ」「嘘ばっかり」「素直」と容赦なく畳み掛け、これぞライブバンドの疾走感と焦燥感をガソリンに、弾丸のごとき一体感でどこまでも突っ走る。TETORA翌日に北海道での大事なフェス出演を控えながらも駆けつけ、「ガラガラのライブハウスで、一緒に対バンしてた同い年のHakubi。全バンドが見られるタイムテーブルで、フェスと言うより対バンやと思ってます。最後のHakubiまで全バンド体感してみてください!」と、誰よりもHakubiの思いを理解し代弁するMCにもグッとくる。クライマックスも「わざわざ」「イーストヒルズ」と一心不乱に爆音をかき鳴らし、「Hakubiが本気やから、それを知ってるから。仲良しごっこじゃなくて、ショーでもなくて、戦友やからただ本気でやる!」と、全身全霊で右近ステージをブチ上げたTETORAだった。「フロム京都、ローカルプライド、俺たちがRAINCOVERだ!ここをKBSホールじゃなくライブハウスに変えようぜ!」(辻出凌吾・Vo / G、以下同)初出演の気負いや緊張などまるでない堂々のたたずまいで、1曲目の「コントレイル」からぶちかましたのは左近ステージのトッパー、RAINCOVERだ。「曲なんか、俺らのことなんか知らんでええねん。ちょっとでも心が揺さぶられたら体を動かそうぜ!」とほえれば、最後尾まで手が挙がるパンパンの左近ステージ。「他人のイベントじゃなかったら自販機の上にも人を乗せてたと思います(笑)」と笑うのも納得だ。1stミニアルバム『Vanilla』の収録曲「ナイトライダー」「ボーイズソング」やライブの定番曲「秘密基地」、「Hakubiのマツイ(ユウキ・Ds)にやってくれと言われたんで」と「木屋町」「青い歌」ではモッシュも起きるなど、もらったチャンスに見事に応えた完全燃焼の25分間だった。RAINCOVER畑山悠月(Vo / G)の第一声から右近ステージをブチ抜く「Millennium Hero」で圧倒したのは、北海道出身のスリーピースロックバンド、KALMAだ。その後も、高速ドライブするベースラインに昇天必至の「隣」、「Hakubiの片桐さんが僕らを『京都藝劇』に誘ってくれたのは2022年12月31日。あの大みそかから今日までずっと妄想してました!」(畑山、以下同)となだれ込んだ瞬殺パンクの「モーソー」と、個性しかない楽曲群で翻弄していく。KALMA「Hakubiと出会った3年前より、今の俺たちはカッコ良くなってるかな、ちゃんと進化できてるかなと考える。これと言ったヒット曲を生み出してもないし、ツアーをやっても即完するバンドでもない。でも、愛してくれるお客さん、バンド、ライブハウスがあるから、俺たちは何とかやれてる。そう思えるだけで一つの進化なんじゃないかって、今思っちゃった。それを今日この35分間で、ロックバンドなんだから、生のライブで証明する!」有言実行の「ねぇミスター」「1分間の君が好き」と、生き急ぐようにエナジーを爆発させる北のアンファンテリブルは一転、「2017年、高校2年生のときに書いた歌」と始まったメロウでノスタルジックな「年上の、お前」で、ソングライターとしての確かな手腕も提示。重いドラムとサビのリフレインが心地良いミドルチューン「アローン」も素晴らしい限りだ。危なっかしいピュアネスを背負った「逃げるなよ、少年!」も3人のシンガロングが爽快感抜群で、「夏の奇跡」で終わると思いきや「あと50秒あったから最後にもう一回!」とおかわり「モーソー」をぶっ込むなど、最後の一秒まで魅了したKALMAだった。そして、ここからの右近ステージはレジェンド級のライブアクトが続く。青い光に包まれたKBSホールにG-FREAK FACTORYが現れるや、自ずと沸き立つ満場のクラップ。言葉を交わさずとも会場一体となって作り上げられていく「Too oLD To KNoW」から、茂木洋晃(Vo)が雄たけびを上げれば、見渡す限りの拳が目の前を埋め尽くす。理屈抜きに魂でつながる大合唱の中、「Fire」でも厳かなギターの音色とリリックが心臓を突き上げる。かと思えば「REAL SIGN」の躍動するビートとリフにたぎる高揚感と、体の奥底に侵食し命を沸騰させる唯一無二のパフォーマンスには、ただただひれ伏すのみ。G-FREAK FACTORYMCでは「ROTTENGRAFFTYとオーバーエイジ枠でこの場所をようやく勝ち取ってます(笑)」(茂木、以下同)とユーモアを交えて言ってのけ、「らしくあれと」を切々と届けていく。続いて、「人間は忘れます。忘れるから生きていける。でも、忘れられないくらい強烈な思い出を作ることができないかなと、今日も俺はステージに立ってます。音楽という平和な武器を使って、皆さんと一緒に1ミリでもいいから何かを分かち合って……トラウマになるぐらい最高な思い出、KBSホールで作って帰ってください!」と、8月15日=終戦の日を前に決して当たり前ではない平和を思い、「ダディ・ダーリン」を歌い上げる。楽曲でもMCでもとにかく心にブッ刺さるメッセージの連続で、「20代ではかなく散るのがバンドだと思ってた。ところが俺はもうすぐ50歳。まだやれてる。まだ行こうとしてる。どんなにみっともなくても、必ずまた会いに来ます。ありがとうHakubi!」と、「GOOD OLD SHINY DAYS」でも絶えず絶景を生み出し続けたG-FREAK FACTORY。Hakubiに「10-FEET、ROTTENGRAFFTYをとっとと超えろ!」と熱いエールを送った、いまだ前進する群馬の雄の誇り高き伝説は、まだまだ終わりそうにない。一方、左近ステージでは、滋賀発のソロアーティストHyugaが、「この景色を日本中のフェスで当たり前にしていくので」と宣言し、「舞台は晴れ」「慕詩手帳」と切なる思いを刻み付けたフロウを放射。いかんともしがたい感情に打ちひしがれながらも、このままでは終われないと未来に手を伸ばすように、そのうそ偽りのないエモーションが問答無用に訴えかけてくる。親友のために書いたというウエディングソング「愛来る」にすら、彼の生きざまがにじみ出る。Hyuga「どんな思いでここまでたどり着いてくれたか計り知れないけど、出会ったことには必ず意味があると思うんです。どんなに時間がかかったとしても、それに気付くためにこれからも歌っていこうと思います」と誓った「26」や「蒼く燃える」しかり、彼にとってのMCはもはや詞であり願いである。シームレスなトラックに紡いだHyugaの人生劇場、ラストはその名も「セカンドステージ」。一人の表現者の紛れもない再生の地点がそこにはあった。全くの助走なしでこの日のピークに瞬時に到達したさすがのROTTENGRAFFTYは、「秋桜」「D.A.N.C.E.」の2連発からエグいぐらいの盛り上がり!右近ステージを熱狂の渦に巻き込み、トップスピードで天井知らずの熱気を引き上げていく。分かっちゃいたが、Hakubiはとんでもないラウドモンスターを自らの出番の前に据えてしまった……そんな敗北感に襲われそうな「ハレルヤ」の破壊力たるや壮絶極まりない。「ハッキリ言ってHakubiのイベント、もっともっとテンションが高いと思ってました。京都のロットンが来てんねんぞ。お前らのホンマの顔を見せてくれ!」(NOBUYA・Vo)とオーディエンスのアドレナリンを一滴残らず絞り出し、「THIS WORLD」に突入。KBSホールがぶっ壊れそうな音圧でモノの違いを見せつける、ROTTENGRAFFTY最狂にして最強!ROTTENGRAFFTY「Hakubiは『ポルノ超特急』もとい『響都超特急』、ツアーにも出てくれて、やっと恩を返せました。『京都藝劇』、死ぬまでやり続けてください。でもな、京都は難攻不落。テッペン獲るにはまだまだまだまだ……!」(N∀OKI)見る者に安息など与えない間髪入れずの爆裂「零戦SOUNDSYSTEM」のめくるめく重低音にぶちのめされ、和テイストの轟音頭「響く都」に踊らされ……。脳天直撃のハイボルテージアンセム「金色グラフティー」ではダイバーが大量発生!「京都のバンドには、俺らは絶対に負けません。いつまで経ってもライブハウス最強バンドはROTTENGRAFFTYやと言わせるぐらい、これからもやっていくんで」(NOBUYA・Vo)と言い切った京都の途方もなく高くて厚い壁が、鋼の背中を見せてくれたすさまじいライブだった。TETORAと共に『京都藝劇』に再度出演を果たした稀有な存在であるBrown Basketが、左近ステージのトリを任された理由。初っぱなの「BY MY SIDE」から灼熱と化したフロアが、その期待と気合いを十分に表していた。Hakubiと地元京都で切磋琢磨してきた彼らが、「俺らと一緒に心も体もぶっ飛べるヤツがどれだけおんねん?踊ろうぜ!」(岸本和憲・Vo / G、以下同)と「ROLLING」を放り込む!Brown Basket2年ぶりとなる『京都藝劇』で、その時間分の経験を音にしたポップソング「こころのこり」は、オーバーグラウンドへのポテンシャルをひしひしと感じさせる一曲。「Hakubiのマツイが好きだと言ってくれた、こんな日の歌」という「TVCM」を起爆剤に、「今の俺らの方が2年前より間違いなくカッコいいんで。左近ステージじゃ物足りねぇよな?向こうのステージに行くぞ!その夢が一つあるだけで、俺らとあなたがまた会う理由がある」と、トドメは「もうひと頑張り」~「切に願う」!汗だくでHakubiにバトンを渡したBrown Basketの渾身の全6曲だった。約6時間にわたり音楽という絆がつないだ『京都藝劇 2023』を締めくくるべく、真打ちのHakubiがゆっくりと右近ステージへと現れる。ひずんだギターを奏で、「『京都藝劇』、本当に最高です。生半可な気持ちじゃ呼べないメンツで今日は開催しました。京都Hakubi、よろしくお願いします!」と片桐が叫べば、それと響き合う咆哮が方々から発される。静かで力強い「光芒」から、時間をかけて『京都藝劇』という空間を、信念を積み上げてきたHakubiの迫真の演奏に魅せられる。閃光を背にした「ハジマリ」ではエッジィなギターが空を切り裂き、スリリングな同期の旋律と人力のリズムが見事に溶け合う「Eye」では、Hakubi流のダンスナンバーにKBSホールが揺れる!Hakubi「今日はメンバー全員で右近ステージと左近ステージをずっと回ってたので、声を出し過ぎて息が切れてしまって……(笑)。心のこもった、血の通った一日にしたいなと思ってたんですけど、本当に素晴らしい一日になりました。音楽をやってて良かったなと思います。いろんなことがつながって今日になって、今日もまたいつかにつながるかもしれない。全員の光になれますように、いつか私たちの輝きがあなたを照らしますように」(片桐、以下同)熱演続きの『京都藝劇 2023』のつかの間の清涼剤となるような「栞」には、観客も思わずじっと耳を傾ける。8月9日に配信リリースされたばかりの「拝啓」は、片桐が今は亡き祖母へとつづった新曲。ドラマチックなサウンドスケープに乗せた独白が胸を打つ。ここで、「絶対にまたHump Backを『京都藝劇』に呼びます。だからそのときにまた皆さんと会いたいです」と披露されたのは、ライブ活動の一時休止のため出演辞退となったHump Backの「星丘公園」のカバー。「Hakubiは最初、Hump Backのコピバンでした」というルーツからも、並々ならぬ覚悟で呼んだであろうバンドに捧げた一曲は、出演がかなわなかったからこそ聴けたワンシーンかもしれない。後半戦は「過去最大の一日、最高のメンツ、夢のような日だ。でも、もっと先へ!」と絶叫し、「夢の続き」を皮切りにライブでは鉄板の「mirror」へ。曲間では「いつか先輩たちを越えてみせると思って作った『京都藝劇』。ずっとずっとライブハウスでやってきた仲間がいるから。京都のバンドとしてここで歌ってる。また今年も『京都藝劇』、最高の日になったよ!」と矢継ぎ早に心情を吐露する片桐。「私たちは絶対に忘れないし、あなたたちも忘れない日になっていてほしいなと心から思います。どれだけ音楽にすがったっていいと思います。またこの先で音楽を通して会えますように。来年も『京都藝劇』を、必ず開催するので。コロナ禍にいつか歌えるように作った曲、去年は一緒に歌えなかった曲を……あなたがそこにいるって教えてくれ!」そんな希望が声となりKBSホールに降り注いだ「悲しいほどに毎日は」は、ようやくたどり着いた『京都藝劇』の真の姿を見るようで……得も言われぬ感動がエンドロールを彩っていく。アンコールでは、「私たちはまだ大ヒット曲を出せてないけど、いつか『京都藝劇』が大きくなったとき、一緒に歌ってほしい曲があるので」と、KBSホールの巨大なステンドグラスをバックに、TVドラマ『青春シンデレラ』主題歌「君が言うようにこの世界は」を贈る。続く「辿る」では片桐がモッシュピットにダイブ!「Hakubiはこういうことを全然したことがないから(笑)」と、見よう見まねでクラウドサーフするレアな一幕も。こうして『京都藝劇 2023』は、またも最高を更新し終了した。なお、今後のHakubiは、各地のフェスやLONGMAN、moon drop、Dizzy Sunfistらのツアーに参加後、11月4日(土) に東京・Zepp Haneda(TOKYO)、18日(土) に大阪・なんばHatchでワンマンライブ『賽は投げられた』を開催する。取材・文=奥“ボウイ”昌史撮影:翼、『京都藝劇2023』でHakubiが披露した「拝啓」のパフォーマンス映像が、HakubiのオフィシャルYouTubeチャンネルで1コーラス公開。また、11月開催の東阪ワンマンライブのチケット最終オフィシャル先行が8月17日(木) まで受付中。「拝啓」『京都藝劇2023』パフォーマンス映像<リリース情報>配信シングル「拝啓」配信中配信リンク:「拝啓」MV<ライブ情報>『賽は投げられた』11月4日(土) 東京・Zepp Haneda17:00 開場 / 18:00 開演11月18日(土) 大阪・なんばHatch17:00 開場 / 18:00 開演【チケット料金】価格:4,800円(税込)■最終オフィシャル先行受付期間:8月17日(木) 23:59までオフィシャルメンバーシップはこちら:<イベント情報>『MONSTER baSH 2023』8月19日(土) 香川・国営讃岐まんのう公園『Sky Jamboree 2023』8月20日(日) 長崎・長崎市稲佐山公園野外ステージ『WILD BUNCH FEST. 2023』9月18日(月) 山口・山口きらら博記念公園関連リンクHakubi Official Site::::チャンネル:
2023年08月15日約2年振りとなるニューアルバム『W』をリリースしたばかりのGacharic Spinが、アルバムの発売を記念して渋谷ストリームホールにてスペシャルライブを開催した。ライブでは、アルバム『W』に収められている全10曲を収録順にプレイ。加えて、この日の為にファンから募ったリクエスト曲をプラスしたセットリストで、7月に終えた全国ツアーの内容とは異なる特別なライブとなった。アルバムのオープニングを飾るナンバー「レプリカ」のMusic Videoで着用した衣装に身を包んだメンバーが登場すると、ガチャマン(男性ファンの呼称)&ガチャピン子(女性ファンの呼称)で埋め尽くされた満員の会場は大歓声に包まれる。ライブのスタートは、高速スラップにツインギターメロをたたみかける生演奏でのインストを初披露し、アルバムの曲順通り「レプリカ」で幕開け。シリアスなテーマを、緊張感と爆発的な演奏力で表現し早くも会場を起爆する。続く「The Come Up Chapter 」で、ツインギターの疾走感とギターソロで観客をけん引したところで、アンジェリーナ1/3(以降 アンジー)がご挨拶。「ついにアルバム全曲演奏する日がきましたよ。ムズいんだわ、アルバムが……」。リーダーでBassのF チョッパー KOGA(以降 KOGA)も続き、「ガチャリックスピンってジャンル分けしづらいバンドだと思うんですよ。いろんなジャンルのものをやるし、ガチャリックスピンというのが1コのジャンルだと思っていて、そういう意味では、このアルバムを聴いていても、いくつものバンドがいるようなアルバムになったんじゃないかなと思って、それをさらに超えたライブに今日したいと思います」KOGAの意気込みから、3曲目「カチカチ山」を披露。アルバムのリードナンバーでもあるこの曲は、語りかける様なアンジーのスポークンボーカルが忠実に再現され、観客を昔ばなしと現代の社会風刺の不思議な感覚に連れて行く。続く「rabbithole」ではアンジーとはな(G&Vo)のツインボーカルで聴かせ、アンジー熱唱のロックバラード「ロンリーマート」、はなとオレオレオナ(Key)のツインボーカル、更にアンジーのラップが絶妙に絡み合う「KIRAKIRAI」、そしてアンジーの心情が爆発する亡き父を歌った「Voice」を初披露。ギタリスト・大村孝佳提供、プレイヤー泣かせの激ムズなハードチューン「Live Every Moment~ヒトヨバナ~」が続き、客席をヒートアップさせる。また、こちらも初演奏となる「ナンマイダ」では、はなとTOMO-ZO(G)の光線銃を使ったパフォーマンスなど楽しい演出が盛りだくさん。そして、観客を暴れさせるために作った曲といわれ、強烈なグルーブを放つアルバムのクロージングナンバー「リバースサイコロジー」まで圧巻のパフォーマンスで一気にたたみかけ、アルバム『W』の世界観を集まったファンたちと共有した。そして後半の+αでは、SNSで募ったファンからのリクエストを元に選曲したGacharic Spinの人気曲、スタンダードナンバーを披露。リクエストで「みんなシリアスな曲が、聴きたいんだー」からの意表をついた「Ben-Jan-Dan」をドロップ。この曲は、アンジーが加入してから過去に1度しかライブでプレイされていないレア曲で、今回はアンジーがゴムパッチンの餌食になった。そして、各メンバーのソロパートが追加されるニューアレンジで久しぶりに披露された「More Power」に続き、リクエストが最も多く、2019年の中野サンプラザ公演以来となる「TAMASHII」を全力プレイ。TOMO-ZOの独壇場となる「ファイナルなファンタジー」を挟み、「Dear_____」を立て続けに披露した。テクニック全開のハードチューン「MindSet」、メジャーデビュー曲「赤裸ライアー」で再び場内を盛り上げ、最後は「ダンガンビート」で空間全員がタオルをぶん回し、本編が終了。アンジーは「新しい曲を作るというのは、ある種、子供を産むみたいな(笑)。6人の想いだったり気持ちだったりをこの1曲に込めて、このアルバムに込めて、『この曲たちが、たくさんの人たちに届いて、みんなと成長させていくんだな』という、子供の成長を見るような気持ちで……。このアルバムを出したとき、『みんなに受け入れてもらえるかな?』という不安もある中、本当に今日は1曲目から大爆発してくれたみんなを見れて幸せです!ありがとうございます!」と語った。アンコールの1曲目、シンガロングナンバー「365日」を観客と一緒に歌い上げた後、本編の演奏で初披露にも関わらず、マイクトラブルに見舞われた「ナンマイダ」を納得いかないアンジーの提案により急遽再演奏。ガチャピンのライブならではのハプニングとサプライズで観客を楽しませた。ラストは、全員参加のライブの大定番曲「WINNER」でボルテージをMAXに上げ切り、スペシャルなライブは幕を閉じた。新旧の曲を融合させた全20曲をプレイし、ファンをあらためて魅了したGacharic Spin。今年の10月8日(日) には、デビュー14周年を祝う配信ライブの開催も発表され、この日を境にいよいよ15周年のアニバーサリーイヤーに突入する。様々な事柄を乗り越え、紆余曲折を経て、バンドの最終形態を宣言している彼女たちの今後の活躍に注目だ。<公演情報>『Special LIVE 2023 NEW ALBUM「W」Release Party!!~ALL PLAY+α!!!! Special Time~』7月23日(日) 東京・渋谷ストリームホール【セットリスト】00. SE_NEW01. レプリカ02. The Come Up Chapter03. カチカチ山04. rabbithole05. ロンリーマート06. KIRAKIRAI07. Voice08. Live Every Moment~ヒトヨバナ~09. ナンマイダ10. リバースサイコロジー11. Ben-Jan-Dan12. More Power13. TAMASHII14. ファイナルなファンタジー15. Dear_____16. MindSet17. 赤裸ライアー18. ダンガンビート■Encore19. 365日20. ナンマイダ21. WINNERプレイリスト:<リリース情報>New Album『W』発売中●初回限定盤【CD+Blu-ray】5,500円(税込)●通常盤【CD only】3,300円(税込)『W』初回限定盤ジャケット『W』通常盤ジャケット【CD収録】※初回限定盤・通常盤共通01. レプリカ02. The Come Up Chapter03. カチカチ山04. rabbithole05. ロンリーマート06. KIRAKIRAI07. Voice08. Live Every Moment ~ヒトヨバナ~09. ナンマイダ10. リバースサイコロジー【Blu-ray収録】※ 初回限定盤のみ■Gacharic Spin LIVE 2023『New Revolution~最終章の始まり~』2023.2.23 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)00. last start01. BROKEN LOVER02. MindSet03. A LALA04. 今を生きてる05. Dear_____06. Forever 9teen07. Where you belong08. 夢言実行09. マジックアンブレラガール10. シャキシャキして!!11. 赤裸ライアー12. I wish I13. The Come Up Chapter14. Live Every Moment~ヒトヨバナ~15. リバースサイコロジー16. デジタルフィクション17. ミライ論争18. 超えてゆけ19. 365日20. WINNER21. ロンリーマート22. ダンガンビート配信リンク:<イベント・ライブ情報>『LIVE 2023「Limit Breaker~結成15周年に向けて~」』11月18日(土) 東京・日比谷野外大音楽堂チケットはこちら:『47都道府県TOUR「ROCKET SPIRITS」Restart!!』10月14日(土) 兵庫・MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎 ※念願の24/4710月15日(日) 京都・KYOTO MUSE ※念願の25/4710月28日(土) 福島・郡山 HIPSHOT JAPAN ※念願の26/4710月29日(日) 茨城・mito LIGHT HOUSE ※念願の27/47『TOMO-ZO BIRTHDAY LIVE~トモトモ山の仲間たち~』9月17日(日) 東京・SHIBUYA Spotify O-WEST<番組情報>『アンジェリーナ1/3のA世代!ラジオ』毎週火曜日 21:30~22:00 文化放送『アンジェリーナ1/3 夢は口に出せば叶う!!早番』毎週日曜日 7:30~8:00 TBSラジオ SITE:「ガチャっとTV」:
2023年07月28日