スターダスト☆レビューが、デビュー40周年記念ライブ『スタ☆レビ40周年 東西あわせて108曲 煩悩ライブ』の大阪公演を6月11日に大阪・大阪城ホールで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。6月4日に行った埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演に続いて、大阪公演でも計59曲を披露。この日つめかけた8500人のファンとともに、とてつもない試みを達成してみせた。13時すぎ。ほぼ定刻通りに照明が落ちると、スタ☆レビファンであり35周年記念ライブにゲスト出演もした、松たか子がナレーションを務めるオープニング映像へ。続いてステージに、根本要(Vocal&Guitars)、柿沼清史(Bass&Chorus)、寺田正美(Drums&Chorus)、林“VOH”紀勝(Percussion&Chorus)というスタ☆レビの面々、サポートメンバーの添田啓二(Keyboards&Chorus)、岡崎昌幸(Acoustic Guitar,Keyboards&Chorus)が登場する。「みんな楽しんでってくれよー!」そんな根本の呼びかけからの1曲目は、東西公演共通の「僕らの本能」。そこから「もうチョットだけ何か足りない」「今夜こ・れ・か・ら」「もっとそばに来て」と軽やかなナンバーを続け、81年5月25日に、アルバム『STARDUST REBUE』と同時にリリースされたデビュー曲「シュガーはお年頃」(※東西共通曲)へ。根本要そこからこの日最初のMCに入り、根本は「大阪で僕たちのライブは育てられました。いつかやりたい思っていた周年ライブを、ここでやれてうれしいです」と感慨深げ。「今日のライブは6時間を予定してるけど、終わるはずがない。ある意味、修行です。自分のペースでゆっくり楽しんでください」と、笑わせながらファンを気遣った。今回のライブは、東西共にテーマを添った曲目を集めたパートを連ねることでセットリストを構成。まずは作品ごとの顔とも言える曲を選りすぐった“アルバム1曲目”コーナーで、ホーンセクションも交えて、「Thank You」「All I Do」「BEATに愛を込めて」とにぎやかに並べていく。MCを挟み、続いては“アルバム2曲目”コーナーと銘打ち、「夏のシルエット」「Lovers In The Sky」「Heaven」。ストレートな1曲目とは異なり、バラエティ豊かな曲が連ねられる。心情を叩きつけるように歌う、やや彼ららしからぬ曲「Heaven」を終えると、引き込まれていた観客を前に「…どうするんだよ、この重たい雰囲気(笑)。ちょっと今、後悔しています」と根本。ふっと、空気を緩ませてみせるあたりもさすがだ。柿沼清史そして40周年ライブらしい企画“MVやLIVE映像とともに40年を振り返る”コーナーへ。背後に当時の映像を映し出されるのと合わせ、目と耳で、彼らの歩んだ道をたどる。89年の万博お祭り広場ライブ映像を収めた「Be My Lady」から、「君のすべてが悲しい」(90年)、「Joanna」(02年)、「今日もいい日でありますように」(12年)、「はっきりしようぜ」(20年)。「Be My Lady」で、当時のスタ☆レビの姿(色の異なるスーツを着、根本はもちろんサングラス着用。シティ・ポップを奏でるオシャレなバンドというイメージもあった)や、ファンの姿(ちょっと大人びた女性が多かった)などといったことに、懐しい思いを重ねたファンも多かったはず。しかし加えて印象的だったのは、最後に流れた「はっきりしようぜ」だ。これはコロナ禍のまっ只中で制作された楽曲。これまでの流れた月日と共に、あらためて私たちが生きている、今という時代を思うことともなった。次は“おばかソング”コーナー。「さ、休憩タイムです」と笑った根本は「アマチュアのころから、ウケたくて作ってきた。ここ大阪でもやらせてもらってきたけど」と紹介。なお、「せっかくそんな曲を聴いてもらうんだし」ということで、ここの間は携帯電話での写真撮影自由。「恋はバレーボール」「今年の夏こそは」「ニッポンの汗」と、おばかというより“能天気に楽しい”楽曲が続いた。そこから一転、彼らのもうひとつの真骨頂とも言えるバラードのスタ☆レビ。“人生の悲哀を歌った悲しい曲”のコーナーと題して、「Crying」「涙」「1%の物語」をしっとり、じっくりと聴かせる。バイオリンの調べ、メンバーのコーラスワークが、聴く側の感情を増幅する。演奏後に会場に満ちた、これまでとは違う、しずやかに降り積もるような拍手もまた印象的だった。彼らの幅広い音楽を一通りなぞったと思えるこのタイミングで、根本は「そろそろ飽きてきてませんか?いや、俺たちは平気だよ。そもそもやれる曲を全部やろうと企画したライブだし」と客席に笑いかける。しかし返ってくる拍手は「私たちも平気」と答えているよう。そこからは前半最後のコーナー“歌い回し”。メンバー間で歌い繋ぐ曲を連ねていく。「Rock’n Roll Blues」「銀座(あらため大阪)ネオン・パラダイス」「恋は医者でも治せない」、そしてサンバのリズムに乗せて全員がステージ前に展開して踊る「オラが鎮守の村祭り」(※東西共通曲)。ここまでで約3時間。26曲を演奏し終えて、30分間の休憩となった。メンバーとファンの思いが交わった“アコースティックバージョン”のコーナー16時10分過ぎにライブが再開。コーラスが響き渡り花道から根本を筆頭にメンバーが現れる。アカペラでの「トワイライト・アヴェニュー」だ(※東西共通曲)。ここからは、センターステージでの“アコースティックバージョン”のコーナー。アコースティックバンドセットは、そもそも要望があれば全国津々浦々に音楽を届けたいスタ☆レビが、もろもろの都合で通常のセットを持っていけない場合への対応として編み出したもの。「クレイジー・ラブ」「月の輝く夜に」、再度アカペラでの「ジャスミン」を挟んで、荒井由実のカバー「翳りゆく部屋」。こちらは伴奏がピアノのみ。アカペラに続いて、彼らのコーラスワークが輝いていた。そして「2011年の震災を忘れたくないとの思いから」と、13年のチャリティライブでも披露した「Farewell Night」。さらには、これももちろん東西共通曲の「木蘭の涙~acoustic~」。バイオリンの響きが重なることで、センターステージを核として、メンバーとファンの思いが交わり、増幅していくような感覚が会場を覆った。後半のコーナー分けもスタ☆レビらしい。“期待に応えられずすみません”のコーナーでは、タイアップ・CM曲でありながら、ランキングが振るわなかった曲を披露。「もう一度ハーバーライト」(86年「コンフェクショナリーコトブキ」のCMソングで、オリコンの最高位は62位)、「心の中のFollow Wind」(87年のアニメ映画『バツ&テリー』の主題歌で最高位は66位)、「Nothern Lights-輝く君に-」(89年のオーツタイヤのCMソングで最高位は38位)と続けたが、どの曲もライブで映えるスタ☆レビ印の良質な楽曲たちだ。続いては、根本以外のスタ☆レビメンバーがリードボーカルを務める“俺にも歌わせろ”。柿沼が自身のありようを切々と訴える「B型を愛してください」、林がファルセットを存分に聴かせる「星になるまで」、寺田正美が音頭をとるコミカルな「アカペラな夜」。スタ☆レビというバンドの懐深さ、奥行き、仲の良さを十全に示した。寺田正美そんなバンド自体にもっとフォーカスする流れで、次はそれぞれメンバーがチョイスした楽曲を演奏する“美味しいところを見繕って”コーナー。寺田が根本と歌詞を書いた「言葉じゃいえないLonliness」、林もこれまた根本と二人で歌詞書いた「この胸で泣けばいい」、柿沼は「ギターソロがいい」という理由で「君のために・・・」、根本は、「『木蘭の涙』の歌詞も手掛けた山田ひろしさんの歌詞がカッコいい」と理由で「少年」をチョイス。また、長年のサポートメンバーである岡崎による「海月~UMIZUKI~」、添田が挙げた「ワイン恋物語」を披露したところで、最後にもう1曲。根本が敬愛するエリック・クラプトンの波乱の人生を思って書いたという「Gently weeps」を、「みなさんへのメッセージとして」と添えて歌いあげた。実は彼らは、6月4日の公演の前、5月21日に2021年1月からスタートした40周年ライブツアー『「年中模索」〜しばらくは、コール&ノーレスポンスで〜』を終えたばかりでもある。全部で102公演、スタ☆レビ史上最長期間にして、最多公演数だった。根本は共に走り抜けてきたスタッフへ、あらためて感謝を示す。そこから、次のコーナーは20代から70代までと幅広い“スタッフリクエスト”。「Find My Way」「ふたり」「もう一度抱きしめて」「愛してるの続き」とシングル曲を披露した。林“VOH”紀勝東西合わせた総曲数が100曲を超え、いよいよ終わりが見えてきた。「最後は盛り上がっていきましょう」と、まずは「夢伝説」(※東西共通曲)。そこからまさに怒涛のように、「君は大丈夫!」から「HELP ME」「太陽の女神」「と・つ・ぜ・ん Fall In Love」「還暦少年」と、これまでの歴史で生み出してきたライブで盛り上がり必至のキラーチューンを惜しみなく連発する。ファンは声は出せなくても身体では示せるぞ、と言わんばかりに拳を振り上げ、飛び跳ね、手を叩く。みんなの心に届けられたことがぼくたちの最大のヒット残すところあと2曲。「みんなも、心の中だけで歌ってくれ」と呼びかけ、「愛の歌」(※東西共通曲)を歌い出すや感動的な光景が。観客が携帯のライトを掲げ、振り出したのだ。根本は「すげえな!」と声を上げ歌い進めながらも、目の前の景色に感極まったように顔を覆う仕草を見せる。鳴りやまない拍手もこの空間のかけがえのなさを物語っていた。根本が語る。「僕らは、スタ☆レビ好きのみんなとできるだけ一緒にいたかった。いつもは3時間で、あっという間。みんなが楽しんでくれてる顔を見て、僕らも楽しくなって歌ってると終わっちゃうんだよ。40周年だし、もうちょっと一緒にいようよ、じゃあ60曲歌ってみようかって」。そして絞り出すように「やってみて、本当に幸せなバンドだなと。こんな言葉で申し訳ないけど……ありがとう」。最後の58曲目は「悲しい詞だけど、笑顔で聴いててくれたらうれしいです」と、「今夜だけきっと」。背後には、過去の同曲のライブをつなぎ合わせた映像が映し出され、会場はさまざまな思いと、それでいて幸福な感情で満ち溢れた。最後の最後。「ノーカウントということでさ。もう1曲、聴いてく?」と根本。これまた彼が敬愛するグラハム・ナッシュの言葉を引きながら、会場に語り掛ける。「普通に暮らす楽しさをひとりひとりが見つけられたら、いざこざなんて起こらない、国同士で争うこともないだろうなって。おおげさかもしれないけど、僕らには何の力もないけど、それを伝えることしかできないだろうと思います。だからこそ、みんなの心に届けられたことがぼくたちの最大のヒットです」。そこから万感の思いを込めて、「めぐり逢えてよかった」(※東西共通曲)。携帯のライトがきらめく会場を見渡しながら、根本は時折、目をぬぐっていた。「幸せなバンドに育ててもらいました。どうお礼を言っていいかわかりません。でも僕らはまだまだ大器晩成バンドとして、上を目指したいと思います。こうなりゃ最後まで添い遂げてください」。そうして最後の最後の最後に一本締め。すると根本は、いいや言っちゃおうといった感じで「早いうちに次のツアーをやろうと思ってるんです!」。彼らと同じく、今日も結局“もう終わっちゃった”と感じていたファンからの喝采を浴びた。『スタ☆レビ40周年 東西あわせて108曲 煩悩ライブ』は、これにて大団円。公演時間は予定をやはりオーバーし、時刻は19時50分を指していた。Photo:加藤正憲セットリスト:大阪城ホールの配信チケットはこちら:
2022年06月15日私立恵比寿中学の小林歌穂が、6月13日に神奈川・KT Zepp Yokohamaで生誕ソロライブ『ぽーランド7!!!!!!!』を開催。そのオフィシャルレポートが到着した。自身のニックネーム「ぽーちゃん」にちなんだ夢の国「ぽーランド」をテーマにした小林のソロライブも今年で7回目。今回も6月12日に22歳のバースデーを迎えた小林による、“ぽーちゃんワールド”あふれる世界が展開された。オープニングでは交響曲のようなポップでワクワクする音楽とともに、イラストメッセージがスクリーンに映し出され、訪れたファミリーへの感謝を伝えるとともに、ファミリーを一瞬にして「ぽーランド!」の世界へ導いた。自身のメンバーカラーでもある黄色のワンピースで登場した小林は、2017年リリースのアルバム『エビクラシー』に収録された「感情電車」でライブをスタートさせた。続いて、お母さんの十八番でもあるという松任谷由実の「中央フリーウェイ」を優しく歌い上げ、会場を和ませた。その後、自己紹介でトークが始まり「小林歌穂!22歳でーす!」と元気よく小林らしいあいさつの後には、「ぽーランド」おきまりの国歌斉唱のコーナーへ。初挑戦したというパラパラ漫画風のイラストを繋ぎ合わせたオリジナル映像とともに披露され、「ぽーランド」ならではの世界観に会場は楽しい時間となった。「今日はみんなゆっくり過ごしていってね」という優しいメッセージのあとに、ポルノグラフィティの「ジョバイロ」をカッコよくきめ、続いて2015年リリースのエビ中のユニットアルバム、さいたまスーパーアリーナ盤に収録された「ぐらりぐら想い」を披露。そして兼ねてから趣味と公言しているウクレレの弾き語り初披露へと入る。ウクレレを始めてちょうど1年が経つという小林は「とっても緊張していますが、ポッとあったかい気持ちになってもらえたら嬉しいです」と緊張混じりに話し、Vaundyの「踊り子」が始まると彼女からのメッセージがスクリーンに映し出された。「大人になるってむずかしい。大人1年生でした。笑」と21歳の自分の振り返りのような直筆メッセージが映し出され、小林らしいファミリーへのメッセージは会場を和ませた。「踊り子」を甘く歌い上げると、続く「君をのせて」「龍」「日記」を歌い上げ、和やかなムードをつくりながらも、洗練された弾き語りはファミリーを釘付けにしたようだ。その後、尊敬する吉澤嘉代子の「ゆりかご」、エビ中の最新アルバム収録曲「宇宙は砂時計」を披露。歌い始めると同時に会場は暗くなり、サビになるとミラーボールが登場した。ファミリーがもつペンライトの光とミラーボールが放つ光は、まるでたくさんの星が瞬いてる宇宙のような空間を演出させた。小林はその宇宙空間で、柔らかな声で力強く歌いあげた。多彩な演出はまだ続き、ステージを覆いつくさんばかりのシャボン玉とともにMrs. GREEN APPLEの「Hug」を披露すると、最後に最新アルバム収録曲「ハッピーエンドとそれから」を披露し、7回目のソロライブを締めくくった。<公演情報>小林歌穂『ぽーランド7!!!!!!!』6月13日(月) 神奈川・KT Zepp YokohamaセットリストM01. 感情電車 / 私立恵比寿中学M02. 中央フリーウェイ / 松任谷由実-MC1--自己紹介 / 国歌斉唱-M03. ジョバイロ / ポルノグラフィティM04. ぐらりぐら想い / 小林歌穂-箸休めVTR-M05. 踊り子 / Vaundy ※ウクレレ弾き語りM06. 君をのせて / 井上あずみ ※ウクレレ弾き語りM07. 龍 / 岡崎体育 ※ウクレレ弾き語りM08. 日記 / 私立恵比寿中学 ※ウクレレ弾き語り-MC2-M09. ゆりかご / 吉澤嘉代子M10. 宇宙は砂時計 / 私立恵比寿中学M11. Hug / Mrs. GREEN APPLEM12. ハッピーエンドとそれから / 私立恵比寿中学-MC3-<配信情報>私立恵比寿中学「青春ゾンビィィズ」Now On Sale作詞・作曲:TAKUYA 編曲:EFFY配信リンク:<リリース情報>私立恵比寿中学 7th FULL ALBUM『私立恵比寿中学』Now On Sale●完全生産限定盤A(CD+BD):11,000円(税込)LPサイズジャケット盤 / 金箔押しシリアルナンバー入り・BD:大学芸会2021~Reboot~ライブ映像(約150分)・大学芸会ライブメンバーソロポスター9種・トレーディングカード10種類のうち1種ランダム封入●完全生産限定盤B(CD+BD):9,000円(税込)LPサイズジャケット盤 / 銀箔押しシリアルナンバー入り・BD:シン・EVERYTHING POINT 2/2(ちゅうおん2021~大学芸会2021)(約90分)・メンバーデザインポスター9種・トレーディングカード10種類のうち1種ランダム封入●初回仕様通常盤(CD):3,300円(税込)・アナザージャケット封入・トレーディングカード10種類のうち1種ランダム封入【CD収録内容】※全形態共通01. Anytime, Anywhere作詞・作曲:大橋ちっぽけ 編曲:岩崎隆一02. イエローライト作詞・作曲・編曲:田村歩美03. きゅるん作詞:高橋久美子 作曲:COMiNUM, Myko ISLAND, Ryo Ito 編曲:TomoLow04. ハッピーエンドとそれから作詞・作曲:石原慎也(Saucy Dog) 編曲:板井直樹05. トキメキ的週末論作詞:児玉雨子 作曲・編曲:山﨑佳祐06. シュガーグレーズ作詞・作曲・編曲:TORIENA07. さよなら秘密基地作詞・作曲・編曲:けんたあろは08. ナガレボシ作詞:Giz’Mo(from Jam9) 作曲:ArmySlick, Giz’Mo(from Jam9) 編曲:ArmySlick09. 宇宙は砂時計作詞・作曲:キタニタツヤ 編曲:笹川真生、キタニタツヤ10. イヤフォン・ライオット作詞:児玉雨子 作曲:杉山勝彦 編曲:野村陽一郎【完全生産限定盤A・Bのみボーナストラック】11. 「なないろ - from THE FIRST TAKE」12. 「ジャンプ– from THE FIRST TAKE」(私立恵比寿中学 with 石崎ひゅーい)アルバム特設サイト:<ライブ情報>私立恵比寿中学 10th Anniversary Tour 2022 ~drawer~※終了分は割愛6月17日(金) 東京・TOKYO DOME CITY HALL ※4月17日(日) の振替公演6月18日(土) 千葉・市川市文化会館 大ホール6月26日(日) 福岡・福岡市民会館 大ホール7月3日(日) 神奈川・カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)7月9日(土) 東京・LINE CUBE SHIBUYA安本彩花生誕ソロライブ『歌って踊って歌謡show!!!安安』6月14日(火) 神奈川・KT Zepp Yokohama6月27日(月) 大阪・なんばHatch私立恵比寿中学 Major Debut 10th Anniversary 2MAN Zepp TOUR『放課後ロッケンロール』7月21日(木) 愛知・Zepp Nagoyaゲスト:超特急7月22日(金) 愛知・Zepp Nagoyaゲスト:気志團7月25日(月) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)ゲスト:岡崎体育7月26日(火) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)ゲスト:アンジュルム8月22日(月) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)ゲスト:ビッケブランカ8月23日(火) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)ゲスト:純烈9月1日(木) 大阪・Zepp Osaka Baysideゲスト:後日発表9月2日(金) 大阪・Zepp Osaka Baysideゲスト:後日発表10月17日(月) 東京・Zepp DiverCityゲスト:後日発表10月18日(火) 東京・Zepp DiverCityゲスト:後日発表エビ中 夏のファミリー遠足 略してファミえん in 山中湖 20228月6日(土)・7日(日) 山梨・山中湖交流プラザきらら シアターひびき私立恵比寿中学 オフィシャルサイト:
2022年06月14日ユーザーがアバターとなって、バーチャル空間でのライブやユーザー同士のリアルタイムでの交流や、アバターのコーディネートなどを楽しむことができるスマートフォンアプリ「NeoMe(ネオミー)」。そのバーチャルライブの第1弾「NeoMe Live Vol.1」が、5月28日(土) 20時に開催され、ヤバイTシャツ屋さんが出演。第1弾にふさわしい賑やかなパフォーマンスで、バーチャルライブプラットフォーム「NeoMe」の可能性と、新たなライブの楽しみを伝えた。3面の大きなスクリーンがある、いわゆるフェス会場のステージのような“フィールドステージ”と、プラネタリウムのように会場全体に演出を施すことができる“ドームステージ”という2種類のバーチャルステージがある「NeoMe」。観客はアバターとなってそこでライブが楽しめるほか、空間内ではアバターの着せ替えアイテムや限定のデジタルグッズを扱うショップ、アーティストの企画ルームなども展開。今回のヤバイTシャツ屋さんとのコラボとして、バンドのおなじみのキャラクター“タンクトップくん”のグッズやTシャツが揃い、観客は早速、普段のライブ同様にグッズを身につけてライブ会場に集った。なかには、グッズフル装備のツワモノもいるなどアバターもじつに個性豊かだ。そんななかいよいよスタートしたライブ。まず“ドームステージ”に登場した、こやまたくや(Gt/Vo)、しばたありぼぼ(Ba/Vo)、もりもりもと(Dr/Cho)は「あつまれ!パーティーピーポー」からステージのスペックを存分に使って、背景から天井まで全面、ポップでクセになる映像で没入感たっぷりのライブを展開した。MCでは「ヤバイTシャツ屋さんは、こういう“第一回”とかに呼ばれることが多いんですよ」とこやまが言う。新しいライブ空間を体験させてくれるバンドとして、まさに彼らはうってつけだろう。3人の巧みな演奏力で魅せるのはもちろんのこと、とことんキャッチーな楽曲があり、そして何より本人たちがエンターテイナーとして常に新しいことへのチャレンジ精神や遊び心があって、そうくるか!というアイディアでリスナーを驚かせてきたバンドだからだ。今回の演出はバンド自身が手がけるものではないが、演出チーム渾身のヴィジュアルや、「もりもとはフリー素材か!」(こやま)という悪ノリをもポップに飲み込んで、エネルギッシュなエンターテインメントにしていく。「今日は、特別なことをいっぱいしていこう」(こやま)と、「ハッピーウェディング前ソング」では、観客が今回のヤバTのライブのために作られた“入籍”スタンプを押してライブを盛り上げたり、2ステージを行き来してそれぞれの演出の違いも堪能させてくれる。終盤には、今日の裏方はこんな感じと言って、撮影の裏側やスタッフたちの様子も紹介。デジタルで最新鋭だけど、作ってくれているのはアナログなマンパワーであることも披露。さりげなくスタッフ全員がタンクトップを着用して臨んでいる、現場の一体感も伝わってくる。アプリで観るバーチャルなライブってどんな感じなんだろう、実際のライブに行ったことがないけれど楽しめるのかなという方も、気軽にヤバTのフレンドリーで熱いステージを体験できる。「NO MONEY DANCE」や「かわE」など全7曲、これまであまり配信ライブなどはやってこなかったというヤバTだったが、「NeoMe」だからこその演出の妙味をたっぷり味わえるライブを披露してくれた。今回の「NeoMe Live Vol.1」は無料での配信となっており、6月3日(金) までアーカイブ配信がされるので、「NeoMe」アプリをダウンロードして楽しんでほしい。取材・文:吉羽さおり<ライブ情報>「NeoMe Live Vol.1」アーカイブ配信:6月1日(水) / 6月3日(金) 各日20時~参加料(視聴料):無料※アプリ内でのデジタルアイテム等の購入は一部有料販売あり。※アーカイブ配信は日時指定の定期配信となります。(オンデマンド形式ではありません)セットリスト1. あつまれ!パーティーピーポー2. NO MONEY DANCE3. ハッピーウェディング前ソング4. Bluetooth Love5. Give me the Tank-top6. ヤバみ7. かわE■バーチャルライブアプリ「NeoMe」アプリダウンロードURL・App Store:・Google Play:「NeoMe」公式サイト:「NeoMe」公式Twitter:
2022年05月30日小泉今日子が2月から3月にかけて開催した31年ぶりの全国ホールツアー『小泉今日子TOUR 2022 KKPP』のライブレポートとセットリストが、デビュー40周年特設サイトで公開された。小泉自身が名付けたツアータイトルの『KKPP』は“Kyoko Koizumi Pop Party”を意味し、これまで応援してくれた方々から最近興味を持ってくれた方々まで、みなさんと一緒に楽しいパーティーができたらという願いが込められている。本日公開されたライブレポートでは、田中聖太郎氏による写真と松永良平氏による文章でツアーの模様を楽しむことができる。また40周年特設サイトでは、撮りおろし写真やインタビューなどが掲載されたツアーパンフレット、各会場で売り切れが続出したNyan2パスケース、そしてクリアポーチセットなど、小泉プロデュースによるバラエティに富んだオフィシャルグッズを数量限定で販売中だ。『小泉今日子TOUR 2022 KKPP』ツアーグッズ■小泉今日子 40周年特設サイト:■『小泉今日子TOUR 2022 KKPP』セットリスト:<番組情報>WOWOW『デビュー40周年!小泉今日子特集』『ゴツプロ!「向こうの果て」小泉今日子 皆川暢二 関口アナン出演』5月22日(日) 11:45~WOWOWライブ / WOWOWオンデマンド『快盗ルビイ』5月23日(月) 22:40~WOWOWシネマ / WOWOWオンデマンド『ボクの女に手を出すな』5月24日(火) 22:45~WOWOWシネマ / WOWOWオンデマンド『グーグーだって猫である』5月25日(水) 23:00~WOWOWシネマ / WOWOWオンデマンド『毎日かあさん』5月26日(木) 22:45~WOWOWシネマ / WOWOWオンデマンド『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』5月27日(金) 22:45~WOWOWシネマ / WOWOWオンデマンド『贖罪 インターナショナル版』5月28日(土) 1:15~WOWOWシネマ / WOWOWオンデマンド『小泉今日子 TOUR 2022 KKPP(Kyoko Koizumi Pop Party)』5月28日(土) 19:00~WOWOWプライム / WOWOWオンデマンド詳細はこちら:関連リンク小泉今日子 オフィシャルサイト:小泉今日子 Twitter:小泉今日子 Instagram:小泉今日子 YouTube:小泉今日子 配信リンク:
2022年05月19日「前回のキネマも雨降ってて、いろいろあったんだけど、今日も降ってる。繋がっているんだなと。繋げるつもりはなかったけど、繋がっているんだな」と、ライブ終盤に小池貞利(Vo/Gt)は静かに語っていた。2021年7月の東京キネマ倶楽部公演にて、突如メンバー2人の脱退報告があり、小池と佐藤健一郎(Ba)は新たに山岡錬(Gt)、yucco(Ds)を正式メンバーに迎え入れ、2022年1月にtetoからthe dadadadys(ザ・ダダダディーズ)に改名した。今日は改名後、全国9カ所に及ぶ初のワンマン・ツアー『the dadadadys TOUR 2022』を決行。ツアー初日はキネマからスタートを切る形となった。小池貞利(Vo/Gt)Linda Scottの「I’ve Told Every Little Star」を登場SEに、サポート・ギタリストの熊谷太起(Group2 / Helsinki Lambda Club)を含むメンバー5人がステージに並ぶ。真っ赤なスーツを着たyuccoがパワフルなドラミングを叩くと、小池はステージで踊り出し、ARCTIC MONKEYSばりの爆発力溢れるカオティックな演奏を突きつける。冒頭から制御不能のロック・モード全開だ。yucco(Ds)山岡錬(Gt)佐藤の地を這うノイジーなベース、山岡の激しいギター・カッティングが刻まれる中、「ROSSOMAN」へ。小池はタンバリン片手に捲し立てるように歌に魂を込める。《要らない過去は捨てちゃいますギリギリ・キリギリスギリギリ握り生きる》の歌詞通り、安住を良しとしない、どこか吹っ切れたようなスリリングな演奏にただただ圧倒された。曲が進むにつれ、拳を突き上げてノる観客は増えていった。また、楽曲によって佐藤やyuccoはコーラスにも参加し、キャッチーな風を吹き込んでいく。ザラザラしたエッジと誰もが口ずさめるメロディとの同居は、コロナが明けた際にはもっと大きな盛り上がりを見せるに違いない。佐藤健一郎(Ba)「初めてのワンマン・ライブ、ちょっと緊張してます。自分でもビックリした。昔の曲もやりますよ。一生青二才、上等!」と小池が言うと、「青二才」をプレイ。性急な曲調とは一線を画した、ミドルテンポのナンバーだ。情景が脳裏に浮かぶ歌詞と共に、小池の蒼い歌メロは甘美なポップ性を解き放っていた。熊谷太起(Gt)そして、「メアリー、無理しないで」とteto時代の楽曲も披露。中盤のテーマパーク風アレンジから一転、暴走パンクに切り替わるジェットコースター級の展開にフロアも俄然盛り上がる。この曲に限らず、まだthe dadadadysの新曲だけでワンマン・ライブは成立しない。ゆえに、tetoの楽曲もこの日は多くやってくれたのだ。バンドをずっと追いかけてきたファンには嬉しいセットリストだろう。改名し、新体制のバンドではあるけれど、これまでの歩みも踏襲している。その意味では、この時期ならではのレアな内容であった。その証拠にリリース前の新曲も遠慮なくここでプレイ。ドラムをイントロに、クリーントーンのギターが中空を彩り、雄大なスケールを帯びた曲調で観る者を包み込んでいく。扇情的なギター・ソロもインパクト絶大で、ドラマ性をたたえたロマンティックな曲調に胸を打たれてしまった。「鶯谷のすべての風俗嬢に捧げます!」と小池が叫ぶと、「恋」に突入。切なくもキャッチーなメロディを会場の隅々に届け、フロアから無数の拳が上がっていた。ラストは火花散る荒々しい演奏を叩きつけ、この日は盛大に幕を閉じたのであった。改名したとはいえ、the dadadadysには紛うことなき初期衝動が宿り、ピュアな感情をステージでも大爆発させていた。酸いも甘いも知った上で、“第二の青春”を謳歌した清々しいステージングに魅了されてしまった。また、キネマ下手にある小さいステージでのた打ち回る小池の姿を眺めながら、相変わらずの“ロック少年”ぶりに微笑ましさを覚えたほど。その意志は確実にthe dadadadysにも継承されている。ひとつの終着駅となったキネマという会場を、新たな出発地に変えた彼ら。雨降って地固まるとは、まさに今日のライブのことを言うのだろう。終了後、「繋げるつもりはなかったけど、繋がっているんだな」という小池の言葉を、しみじみと反芻した。Text:荒金良介Photo:小杉歩<ライブ情報>『the dadadadys TOUR 2022』※終了分は割愛5月20日(金) 福岡DRUM Be-1開場18:30 / 開演19:005月22日(日) 広島セカンドクラッチ開場17:30 / 開演18:006月2日(木) 仙台CLUB JUNK BOX開場18:30 / 開演19:006月4日(土) 札幌cube garden開場17:30 / 開演18:006月18日(土) 梅田TRAD開場17:00 / 開演18:006月19日(日) 名古屋BOTTOM LINE開場17:00 / 開演18:006月26日(日) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE開場17:30 / 開演18:007月1日(金) 恵比寿LIQUIDROOM開場18:00 / 開演19:00チケット料金:3,800円(入場時ドリンク代別途必要)『VINTAGE LEAGUE 2022 SPRING』7月7日(木) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3開場18:00 / 開演18:30※3月31日(木) の振替公演出演:the dadadadys / TENDOUJIチケット料金:4,000円(入場時ドリンク代別途必要)7月11日(月) 横浜F.A.D開場18:00 / 開演18:30※4月4日(月) の振替公演出演:the dadadadys / ズーカラデルチケット料金:4,000円(入場時ドリンク代別途必要)『Livemasters Inc. presents LMX』7月18日(月・祝) Zepp DiverCity開場17:00 / 開演18:00出演:the dadadadys / SIX LOUNGE / Age Factoryチケット料金:3,850円(入場時ドリンク代別途必要)関連リンクオフィシャルサイト::::
2022年05月18日森崎ウィン初のワンマンライブツアーとなる『MORISAKI WIN -Dancing Charter Flight』。5月3日には大阪での公演を終えたばかり。晴天の“Flight”日和となった5月5日。昭和女子大学人見記念講堂で行われた昼公演の模様をレポートする。いつも以上にダンサブルに!唯一無二のエンターテイナーショー開演前の会場では、あちこちから「シャカシャカ」という特徴的な音が。今回、販売されているグッズのひとつ、エッグシェーカーだ。ライブ中に歓声を出せない状況下ということで活用されるものだが、なんとなくその音が少しずつ増えていくことで、開演を待ちわびるCREW(ファンの総称)の期待の大きさが現れているようにも感じる。定刻となり、会場が暗転すると「ポーンッ」という機内音が響き渡る。ウィン本人による“機内アナウンス”が響き、フライトアテンダント姿のダンサーたちがキャリーケースを手にステージへと姿を現す。いざ、音楽の旅へ。ウィンはどこに――と思って視線を動かすと、ステージ上段、強いスポットライトの中、シルエットが。ウィンの歌声のみの「Live in the Moment」が響き渡る。そのままご機嫌なナンバー「Fly with me」へ。「東京のみなさんこんにちは!一緒に!」と『Dancing Charter Flight』というツアータイトルにふさわしく、1曲目からファンと一緒に楽し気に体を動かす。続く「Be Free」では思いっきり飛び跳ね、「めっちゃ楽しいんだけど!」とにっこり。ウィンのその言葉に、自然と観ているほうもワクワクする気持ちが膨らんでいくから不思議だ。「What U Wanna Do」と3曲を歌い終えたところで、「みなさんこんにちは! 森崎ウィンです!」と改めて会場にご挨拶。「楽しんでますか!」「まだまだ楽しむ準備は……」というところで噛んでしまい、「始まったね。こういうのがあると始まったな、っていう感じ、ありません?ウィンが来た!って」と照れ笑い。それに会場もエッグシェーカーを振って応えるとウィンも反応。「シャカシャカ鳴らしてください! シャカシャカ持ってない方、バットを鳴らしてください、持っていない方は拍手をしてください!」と元気いっぱいに言う。「声は出せませんが、思いをシャカシャカとバット、手拍子で伝えてください。手拍子足りないな、と思ったら体中叩いてください。体に残った手の跡、湿布あげるから」とにっこり。そして、「この場所に来たら、最後の最後まで森崎ウィンに酔いしれて帰ってください」と言葉に続き、始まったのは「Blind Mind」。のびやかで心地よい歌声が響き渡り、ステージは赤いライティングでムーディーに染められていく。「UNBROKEN WORLD」と続き、先ほどまでとは打って変わって「酔いしれて」という言葉にぴったりなナンバーで会場の心を掴んでいく。また、「d.s.t.m」ではダンサーとの大人っぽい絡みを見せ、またこれまでとは違う魅力を見せていく。次第にトーンアップしていくステージで「Wonder Land」では会場も一緒になって手拍子で盛り上げていく。これまでのライブでも幾度となくダンスパフォーマンスを見せてきているが、今回は改めてウィンのその技術の高さを感じさせられる。立ち居振る舞いの美しさもさることながら、瞬間、留めた指先の美しさにさえも目を奪われてしまう。「動画も写真も撮っていいよ!」しかし、ダンサー、バンドのパフォーマンスを挟み、衣装をチェンジして登場したウィンは、スポットライトがさす位置とは異なる場所に立ち、思わず「嘘やん!」と言い、おちゃめな表情を見せ、会場から笑いが漏れる場面も。「怒涛でやってきましたが、みなさん楽しんでいますか?」と問いかけると大きな拍手が起こり、ウィンも嬉しそうに微笑む。「やっとツアーということで都内から出ることができました! 大阪でもやらせてもらったんですけど、温かく迎えてくれて本当に楽しかったです」と振り返った。エッグシェーカーや、拍手で客席とのコール&レスポンスでコミュニケーションをとったあと、「このあとはみなさんゆっくりと座っていただいて、もっと森崎ウィンの音を楽しんでいってください」と「JUST GO」で後半戦をスタートさせた。スタンドマイクに手を添わせ歌う姿も、ただ佇んでいる姿だけでも絵になる。「anymore」ではステージ上の階段に腰をおろす。座っただけでも何か物語が始まりそうな、そんな雰囲気をまとっている。「Midnight」でさらに物語を積み重ねていく。じっくりと歌を届けながらも、「Love in the Stars-星が巡り逢う夜に-」ではステージに腰掛け、ファンと一番近い場所まで近づく。途中、ステージから降り、一瞬ではあったが客席で同じ目線で歌う場面も。が、そのあとに「ひとつだけ言っていいですか。ステージ高かった」とぽそりと言い、会場を和ませることも忘れない。そして、話題は次の曲「My Place,Your Place」へ。先月、発売されたばかりの新曲だが「先日、大阪でも初披露させていただいたんですけど……結構評判が良くて」と言うと、大きな拍手が。「『これ記録に残したい』という声があったんですよね。……だから、今日は動画とか、写真とか撮っていいよ」とクールに言うと、思わず会場からは驚きの声が。思わずこぼれた歓声にウィンも「久しぶりに聞いた! 超嬉しいんだけど!」と笑顔を弾けさせた。しかし、それだけファンにとってはハッピーな試みだということ。早速、いそいそとスマホを取り出す会場の空気が楽し気だ。客席の準備が整うと、改めて新曲について触れるウィン。「歌詞を追ってみるとすごくストレート。思っていてもなかなか、言葉にするのはためらったり、長い付き合いの人だからこそ言えなかったりすることがあると思うんです。けど、音楽の力がすごいなって思うのは、その楽曲の力に背中を押されて素直に言える。今日は、曲にのせてこの想いを届けさせてください」と言い、優しく歌い上げた。ロマンチックなラブソング、客席が撮影するスマートフォンの灯りもまたひとつの演出になっているように見え、一体感がある。曲を終えると、「いい写真を撮ってもらうから」と客席に向かってポーズをとることも忘れない。そんなキュートな様子に思わず笑みが漏れる。「僕と一緒にパレードしてくれますか?」「1.2.3」のメロディに合わせてCrumple BandとCrumpleパフォーマーズを紹介。ウィンが「1.2.3」をワンコーラス歌い上げると自然と客席も立ち上がる。ウィンの「このあとも楽しめますか!」という声にそれぞれのリアクションで大きく応える。ダンサーたちと「Me,Myself and I」を元気いっぱいに踊り、歌い、「楽しいな!」と顔をほころばせる。フリを少しばかり間違えてもハプニングもショーの一部のようにしてしまうのはウィンだからこそ、かみしれない。そして本編ラストは「僕と一緒にパレードしてくれますか!」と呼びかけ「パレード-PARADE」を。サビでは客席も思いっきり体を動かし、会場全体をダンスホールへと変えていく。そんな熱気を帯びた状態でライブが終わるはずがない。暗転するとすぐに会場からは手拍子とエッグシェイクで大きなアンコールが湧きおこる。ライブグッズのTシャツを身に着け再登場したウィンは「本当にありがとうございます!」とアンコールにお礼を言いつつ、Tシャツを指さし「かわいくない?」とアピール。グッズ紹介さえもトークで楽しませつつ、会場の笑いを誘う。ライブのいいところはセリフがないからステージを自由に歩き回れること!と言い、フリーダムに動くのもらしさが出ていて微笑ましい。もちろん、アンコール曲でも更にボルテージをあげていく。「歌ってもいいですか!」と言ったあと、「あ……いま、みんな俺と目が合ったよな?これでお前らとの縁ができたな」という最高のセリフで立て続けに歌い上げたのは『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のオープニング曲「俺こそオンリーワン」、エンディング曲「Don’t Boo! ドンブラザーズ」。体に響くサウンドでテンションは上がり、力強い手拍子に一体感は高まっていくばかりだ。『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のテーマソングのオファーについてウィンは「最初は歴史が長いシリーズの新しいオープニングとエンディングということで正直ちょっとプレッシャーは僕の中であったんですけど」としつつ、「ぜひウィンに歌ってほしいというお話をいただいて、これもひとつ縁ができたな、というのもありまして。それに、新しい戦隊ものシリーズのイメージを壊さないように、かつ森崎ウィンの音楽性を理解しようとしてくれまして……とにかく強い愛を感じたんです」と語った。「そんな曲をライブで歌えてめちゃくちゃ楽しくないですか?こうやって歌える場所があって、みなさんと共有できてこの楽曲がどんどんいろんな進化、変化していくのも僕自身楽しみで。『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』、1年間よろしくお願いします」と熱い思いを伝えた。故郷への想いを込めて…Wアンコール「おばあちゃんの言葉」そして、最後を締めくくったのは「Live in the Moment」。「Live in the Moment」のアカペラで始まったライブ、最後までのびやかな歌声で魅了し続け、ステージをあとにした。……が、鳴りやまない手拍子にウィンはダッシュでステージへと帰還。「Wアンコールありがとうございます」と言い、ギターを手に取る。Wアンコールに選んだ曲は2017年に制作した「おばあちゃんの言葉」。「ミャンマーのドラマで、僕にあてがきしてくれたんですけど、おばあちゃん子として育ってそのおばあちゃんへの想いを託して、日本で最初のライブで歌うっていうシーンのために、リアルにおばあちゃんの言葉を思い出して書いた曲」と振り返った。ミャンマーにも全然帰れていない、というウィン。「やっぱり直接帰ってミャンマーの空気、自分のルーツ、自分のふるさとっていうのは帰りたくなるものなのだと今回のこういうことが起きて初めて実感しています。久々に歌ったら、感じ方変わるんだろうな、ということも思ったのでぜひ、Wアンコールの曲として歌わせてください」と、ギターの弾き語りで披露した。優しい歌詞、言葉がひとつひとつ心に染みていく。この5月、普段会わない家族と会う機会が多い時期だからこそ、聴きながらふと、ふるさとに想いを馳せた人も多かったのではないだろうか。この日はこどもの日ということで、客席に子どもの姿も。そんな会場を見渡しウィンは優しい笑みを浮かべる。「僕も子どものとき、親の言うこととか、おばあちゃんのいうこととかっていうのはうるさいなー、って思うことは多かったんですけど、大人になって自立していろんな仲間、CREWのみなさんと出会って、こうやって人生を歩んでいくときに昔言われてきた親の言葉、おばあちゃんの言葉が身にしみるんです」と改めて自分のルーツについて回顧。「みなさんにも自分のルーツを忘れないでほしいな、というのが一番のメッセージです。僕自身もルーツを忘れず、この瞬間もCREWと出会えて、この空間でこんなに楽しい時間を作れたことは僕の人生の中で宝となりました。この宝を抱きしめてこれからも精進していくのでどうか末永く森崎ウィンをよろしくお願いします。そしてCREWのみんなと最高の景色を見られたな、と思います」と噛みしめるように伝え、公演を終えた。エンターテイメントショーとしても、森崎ウィンという人柄としても、魅力がギュッと詰まった今回の公演。同じ曲を歌っても、また違う魅力を必ず見せてくれる森崎ウィンのエンターテイナー性は計り知れないものがある。次のフライトではどのような姿を見せてくれるだろうか。取材・文=ふくだりょうこ撮影=渡辺誠司
2022年05月06日5月2日(月)~3日(火)、すとぷり初の有観客バーチャルライブ『すとぷり バーチャルライブ「Strawberry Party!! in 日本武道館」』が開催された。すとぷりのライブには様々な形式が存在するが、昨年新たに加わったのが3Dモデルを使ってパフォーマンスするバーチャルライブ。本来予定されていた様々なライブの中止が続いていく中で、「それでもみんなに楽しいを届けたい」という思いからはじまった配信ライブシリーズ『すとろべりーめもりー in バーチャル!』も好評を博した。『Strawberry Party!! in 日本武道館』は、すとぷり初の試みとなるリアル会場での有観客バーチャルライブ。5月2~3日の2日間、バーチャルな姿の5人が画面を飛び出して日本武道館で1日2公演、計4公演を行なった。各公演には「Rock Party」「Night Party」「Prince Party」「Endless Party」という異なるテーマが設定され、4公演それぞれに違う演出や選曲で、メンバーがDJとともに生でパフォーマンスを行なった。初日の昼公演「Rock Party」と最終日の夜公演「Endless Party」を中心に新たな挑戦となった2日間をレポートしたい。初日の昼公演「Rock Party」ではバーチャルなお城を模したステージ上部にある「Strawberry Party!!」という文字が2つに割れて、今回の公演のために用意した白王子衣装を着たメンバーがゴンドラで降りてくる演出でライブがスタート。「Streamer」を経て「START」ではお城自体がメンバーカラーに光り、3次元のダンサーとも共演して早速会場を盛り上げた。以降は楽曲がノンストップでミックスされるDJパーティー形式のライブへ。公演テーマの「Rock Party」に合わせて、「僕らだけのシャングリラ」「Move On!」「苺色夏花火」「ギンギラ銀河」が繋がり、「ロックでポップなパーティー」が会場に広がっていく。その後も、少しMCを挟んでふたたびノンストップで「大宇宙ランデブー」「ホワイトプロミス」「ストロベリー・レボリューション」「ストロベリー・プラネット」を披露。「ストロベリー・レボリューション」では歌詞の「出発進行・ファイヤー!」に合わせて火柱が吹き上がった。中盤には各メンバーのソロパートもスタート。ここでもDJが楽曲を繋ぎ、さとみによる「恋をはじめよう」、ころんの「敗北ヒーロー」、るぅとの「君と僕のストーリー」、ジェルによる「虚」、莉犬の「ルマ」が途切れることなく自然に繋がっていった。その後再び全員で登場した「青春チョコレート」では、5人の衣装が黒王子衣装に一瞬で切り替わり、観客が驚く中トロッコでメインステージから観客席の中央へと移動。リスナーに囲まれて、会場の中心でライブを行なった。通常、有観客でのバーチャルライブで客席側にメンバーが移動することはほぼほぼない。この中盤のパフォーマンスは、「バーチャルな姿でももっとみんなの近くに向かいたい」という気持ちが伝わってくるような瞬間だった。最後は全公演共通となるライブの定番曲を、バーチャルならではの演出も交えながら披露。トロッコで向かった客席中央から観客の頭上に設けられた五角形のスクリーンにパッと瞬間移動して披露した「スキスキ星人」や「はりーはりーらぶ」を経て、メインステージに戻ってパフォーマンスした「Prince」では、5人で円陣を組んだ後ふたたび衣装が白王子衣装に変わり、「ずっと一緒だよ」と語りかけて会場がヒートアップ。最後は「プロポーズ」や「大好きになればいいんじゃない?」「おかえりらぶっ!」を経て、アンコールで「マブシガリヤ」と「StrawberryPrinceForever」を歌い、最後に紙吹雪が舞ってライブを終えた。古今東西の様々な「楽しい」が集まったバーチャルライブ一方、ディスコをイメージした「Night Party」や、王子様風ライブをイメージした「Prince Party」を経て開催された2日間の最終公演「Endless Party」は、クラブサウンドを全開にした「終わらないパーティー」がテーマ。会場の照明 / 演出もレーザーを多用したEDMフェスのような雰囲気で、2日間の熱気をさらに盛り上げていくような雰囲気が印象深い。この日は序盤に「終わらない夜をキミと」という歌詞が印象的な「Night of Fantastic」と「START」でライブをはじめると、DJパーティー形式のコーナーでは、「僕らだけのシャングリラ」「Don’t Give Up!!」「Party Light」「Day by Day」をミックス。MCを挟んでふたたび「GO GO CRAZY」「シンドロームラブ」「Very」「パンピじゃないのよッ!!」を披露し、「パンピじゃないのよッ!!」では虹色のレーザーがぐるぐる回るド派手な演出で盛り上げた。ちなみに、『Strawberry Party!! in 日本武道館』ではすとぷりのライブとしては初めて、会場に観客が集まるライブを配信でも楽しめるような環境が整っていた。どちらの公演も見た限り、ライブ会場ではバーチャルな5人がこちらにやってきてくれるような楽しさがある一方で、配信ライブではメンバーのパフォーマンスの細かい部分が楽しめたり、配信ならではの映像が重ねられたりしていてバーチャル空間に遊びに行くような楽しさがある。それぞれの方法で、5人の魅力でもある気さくな距離の近さが表現されているような印象だ。最終日のソロパートではジェルの「ポーカーダンス」、るぅとの「僕は雨に濡れた」、ころんの「レイジークレイジー」、さとみの「アサルトラブ」、莉犬の「ルマ」を次々に披露し、以降は公演を通して披露してきた代表曲を次々にパフォーマンス。アンコールではメンバーがそれぞれ「この景色を一緒につくってくれてありがとう」「新しいすとぷりを届けることができて本当に嬉しいです」とリスナーへの感謝の気持ちを伝え、「ナミダメ」と「StrawberryPrinceForever」を歌って2日間4公演のバーチャルライブを締めくくった。4つのテーマに分かれたバーチャルライブで改めて感じられたのは、すとぷりの楽曲が様々なジャンルを横断していること。活動を通してオリジナル曲が増えていった今のすとぷりだからこそ、楽曲の中にはロックもあれば、ディスコもあり、正統派アイドルソングもクラブ・ミュージックもある。また、バーチャルライブならではの演出もふんだんに盛り込まれ、ハッとするような驚きも感じさせてくれる。『Strawberry Party!! in 日本武道館』は、バーチャルな姿で楽曲をテーマごとに披露することで、古今東西の様々な「楽しい」が集まる場所としてのすとぷりの魅力を伝えてくれるようなライブだった。すとぷりは5月4日(水)~5日(木) の2日間、自身最大規模のツアー『すとろべりーめもりー Vol.Next!!!!』の最終公演として、グループ史上初となる東京ドームのステージに立っている。このライブは2020年に開催を発表するも、当時の情勢を鑑みて中止となった公演のリベンジの舞台。5人はきっと、ここでも最高のライブを届けてくれることだろう。文:杉山仁撮影:林晋介、東美樹<公演情報>すとぷり バーチャルライブ『Strawberry Party!! in 日本武道館』5月2日(月)・3日(火) 東京・日本武道館セットリスト■5月2日(月) 昼公演 PARTY #01「Rock Party」1. Streamer2. START3. 僕らだけのシャングリラ4. Move On!5. 苺色夏花火6. ギンギラ銀河7. 大宇宙ランデブー8. ホワイトプロミス9. ストロベリー・レボリューション10. ストロベリー・プラネット11. 恋をはじめよう / さとみ12. 敗北ヒーロー / ころん13. 君と僕のストーリー / るぅと14. 虚 / ジェル15. ルマ / 莉犬16. 青春チョコレート17. スキスキ星人18. はりーはりーらぶ19. Prince20. プロポーズ21. 大好きになればいいんじゃない?22. おかえりらぶっ!en1. マブシガリヤen2. StrawberryPrinceForever■5月3日(火) 夜公演 PARTY #04「Endless Party」1. Night of Fantastic2. START3. 僕らだけのシャングリラ4. Don’t Give Up!!5. Party Light6. Day by Day7. GO GO CRAZY8. シンドロームラブ9. Very10. パンピじゃないのよッ!!11. ポーカーダンス / ジェル12. 僕は雨に濡れた / るぅと13. レイジークレイジー / ころん14. アサルトラブ / さとみ15. ルマ / 莉犬16. 青春チョコレート17. スキスキ星人18. はりーはりーらぶ19. Prince20. プロポーズ21. 大好きになればいいんじゃない?22. おかえりらぶっ!en1. ナミダメen2. StrawberryPrinceForeverアーカイブ配信の詳細はこちら:関連リンクすとぷり 公式サイト公式Twitter公式ECサイト『いちごのおうじ商店』公式TikTok公式Instagram株式会社STPR 公式サイト すとぷりちゃんねる
2022年05月04日4月5日、TK from 凛として時雨がワンマンライブ『feedback from』をTOKYO DOME CITY HALLで開催した。昨年ソロデビュー10周年を記念したベストアルバム『egomaniac feedback』をリリースした以降も、TVアニメ『東京喰種』のテーマ曲として海外人気も高い「unravel」のSpotifyでの再生回数が2億回を突破し、さらに3月にはB’zの稲葉浩志をゲストボーカルに迎えたシングル『As long as I love / Scratch(with 稲葉浩志)』を発表と、話題に事欠かない中で行われたこの日のライブは一連のタームを締め括るものであり、「Scratch」の歌詞のように、観るものに深い傷跡を残すようなライブとなった。開演時刻を過ぎるとSEが流れ出し、天井から吊るされた大小の短冊形の紗幕に映像が投影され、サポートメンバーの吉田一郎不可触世界(ベース)、須原杏(ヴァイオリン / シンセサイザー)、和久井沙良(ピアノ)、BOBO(ドラム)とともにTKがステージに姿を現すと、一曲目に披露されたのはいきなりの「As long as I love」。歌とギターのユニゾンによるイントロから始まり、同期で流される稲葉の歌声と生のTKの歌声がヘヴィなバンド演奏のなかで折り重なっていく様は実にスリリングだ。先日TVの音楽番組でB’zの「BAD COMMUNICATION」をカバーし、そのハイトーンボイスとテクニカルなギタープレイで“一人B’z”と話題を呼んだが、そのスキルはあらためて驚異的である。吉田一郎不可触世界和久井沙良ライブ用にリアレンジされ、しっとりした歌とヴァイオリンで始まる序盤が印象的な「will-ill」、アコースティックギターに持ち替えての「flower」は紗幕が下がったまま、映像演出とともに楽曲を魅せていったが、「flower」の間奏でエレキギターに持ち替えたところで紗幕が上がり、メンバーの姿がはっきり現れると、ここから「Abnormal trick」、「Crazy Tampern」といったBPMの速い曲を連発。こういった曲ではTKの演奏はもちろん、吉田とBOBOの手数多いアグレッシブなプレイも非常に際立つ。もう一度紗幕を下げて演奏された「phase to phrase」は、ギターとピアノが幾何学的なループフレーズで掛け合い、スピーディーに切り替わる映像も加わって、トランシーな高揚感が感じられた。BOBO音数を絞ったリズムのアレンジが異彩を放つ「Addictive Dancer」、リリックをフィーチャーした映像が用いられた「Showcase Reflection」、さらにはネットシーン発のシンガー・りぶに楽曲提供した「unforever」のセルフカバーというレアな演奏が続くと、ピアノとヴァイオリンによるクラシカルなイントロが特別なムードを醸し出す「鶴の仕返し」へ。ジワジワと曲が盛り上がり、後半でのTKの絶唱は何とも心に刺さるものがある。そして、ライブ後半では疾走感のある4つ打ちの「Fantastic Magic」、プログレッシブな大曲「film A moment」といったライブでの定番曲を続け、クライマックスを作り出していく。須原杏TK「最後にもう一曲」と言って、本編ラストに披露されたのは「tokio」。ギターを置き、椅子に腰を掛けて、美しいアンビエンスとピアノとともに、振り絞るように歌うTKの姿に目と耳と心を奪われる。ベストアルバムではmilet、阿部芙蓉美、UNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介、そして、最新シングルでは稲葉浩志と、これまで数多くのボーカリストとコラボレーションを行い、そこで得た強烈なフィードバックがこの曲でのTKの歌には反映されているかのよう。<変わり果てた時代だなんて 変われもしない僕には まだ言えもしないな>という、今の時代に響く歌詞も含めて、深い感動を呼ぶ名演だった。アンコールでは「自分が作った罠に陥りながら、自分と戦っているところをみなさんに観ていただいている次第ですが、こうやって自分の中に堕ちていく人もいるんだなと思いながら、みなさんも明日から頑張ってください」と、「Scratch」の歌詞を用いながらTKらしい言い回しでメッセージを伝え、稲葉と最初に作った一曲である「Scratch」を披露。壮大なスケールのバラードに大きな拍手が贈られると、ここから「unravel」を畳み掛け、やはりこの曲はサポートメンバーも含めてスイッチが入るのか、全員が体を揺らしながら楽曲のグルーヴを作り上げていく。最後はアッパーな「P.S. RED I」で締め括り、アウトロでTKが投げ捨てたギターのフィードバックノイズが鳴り響く中、濃厚な一夜が幕を閉じた。文:金子厚武写真:岡田貴之<公演情報>TK from 凛として時雨『feedback from』2022年4月5日(火) TOKYO DOME CITY HALL開場 18:00 / 開演 19:00【Support Members】Bass:吉田一郎不可触世界Violin&Synthesizer:須原杏Piano:和久井沙良Drums:BOBO【セットリスト】01. As long as I love02. will-ill03. flower04. Abnormal trick05. Crazy Tampern06. phase to phrase07. Addictive Dancer08. Showcase Reflection09. unforever10. 鶴の仕返し11. Fantastic Magic12. film A moment13. tokio■ENCOREEN1. ScratchEN2. unravelEN3. P.S. RED I<リリース情報>TK from 凛として時雨 両A面シングル『As long as I love / Scratch(with 稲葉浩志)』発売中完全生産限定盤(CD):1,430円(税込)TK from 凛として時雨『As long as I love / Scratch(with 稲葉浩志)』ジャケット【収録内容】01.As long as I love(with 稲葉浩志)作詞:稲葉浩志、TK / 作曲:TK02.Scratch(with 稲葉浩志)作詞作曲:TK03.As long as I love(with 稲葉浩志)Instrumental04.Scratch(with 稲葉浩志)InstrumentalTK from 凛として時雨「As long as I love(with 稲葉浩志)」MV※3月16日(水) 21:00 プレミア公開<配信情報>TK from 凛として時雨「Scratch (with 稲葉浩志)」Now On SaleTK from 凛として時雨「Scratch (with 稲葉浩志)」ジャケット配信リンク:関連リンク凛として時雨 Official Site:凛として時雨 Official Twitter: 凛として時雨 Official Facebook:凛として時雨 TK Official Instagram:
2022年04月08日4月5日、7人組ダンス&ボーカルグループ「原因は自分にある。」のワンマンライブ「げんじぶ空間:case.3」がZepp Hanedaにて行われた。3月28日にZepp Nambaで、30日にはZepp Nagoyaで公演を行い、今回がツアーファイナル公演となる。昨年末にはワンマンライブ「げんじぶ空間:case.2」が行われたが、そこから4カ月。彼らの更なる成長と可能性を魅せつけたライブとなった。今のげんじぶが詰め込まれたファイナル公演ステージには2段構えのセット、設置された7つのスクリーン。定刻になると、暗転。心地よいOvertuneと共にスポットライトが会場を照らしていく。ステージ上段に姿を現したのは杢代和人。彼の「いってきます」という言葉と共に始まったのは3月12日にリリースの新曲『青、その他』。モノクロの衣装が光の中に映える。佇むだけでも絵になり、その中でそれぞれのボーカルをじっくりと聴かせていく。間髪入れず、3月21日にリリースされたばかりの『結末は次のトラフィックライト』では息の合ったダイナミックなダンスで魅せる。3曲目は透明感のある長野凌大のボーカルから始まる『シェイクスピアに学ぶ恋愛定理』。「ツアーファイナル、ステキな思い出を作っていきましょう!」という長野に呼びかけに、会場の色とりどりのペンライトが揺れる。冒頭2曲ではクールな表情だったが、ここではメンバーの笑顔をカメラがとらえ、7つのスクリーンに映し出される。長野を中心にステージ中央でギュッと集まるような振りもキュートだ。かと思えば『以呂波 feat.fox capture plan』で重厚な世界観を演出。4曲全てで違う表情を見せ、観測者(原因は自分にある。ファンの呼称)の心をかき乱していく。MCでは武藤潤が「ワンマンライブ「げんじぶ空間:case.3」始まりました!」と客席に向かってご挨拶。自己紹介のあと、長野が杢代に向かって「本日はこのMCで和人さんがやりたいことがある」と話を振る。杢代がやりたいことと、というのは、『青、その他』の冒頭で杢代が言っている「いってきます」。全公演、杢代が担当しているが、「みなさん、ほかのメンバーの『いってきます』も聞きたいですよね?」と提案。ここで杢代が「いってきます選抜」を選出し、大倉空人、小泉光咲、武藤潤を指名。一旦、後ろにはけたあとに再び登場、カメラに向かって笑顔で「いってきます」というルールだ。大倉は杢代から「お手本の『いってきます』見せて!」に応えて、さわやかな笑顔と共に決め(はけ際に『I love you』のおまけつき)、小泉は「いってきますっちゃ!」と宮城の方言で地元愛も込めつつ、披露した。そして、武藤は「潤くんは奇想天外の男だから(きっと違うことをやってくれるはず)」と杢代からの無茶ぶりに応え、「武藤潤はどこにいるでしょうか!」とおどけつつ、大倉・小泉とは異なる2階から登場。そこから一転、クールに「いってきます」を決めて観測者を沸かせた。今回、生カメが入ってるからこそ、できることでもある。メンバーのアバターが3次元に入れ替わるキュートな演出そして、そのあとはノンストップでげんじぶ空間へと誘われていく。黒いジャケットを羽織って登場すると、先ほどまでとはガラリと印象が変わる。『柘榴』を赤いスポットライトの中で魅せ、『豪雨』、『J*O*K*E*R』とクールな楽曲を続けていく。MCでは明るく会場を笑わせていた武藤だが、髪型も相まって大人の魅力で艶やかさを添えた。『夢に唄えば』ではポップにさわやかなパフォーマンスを見せ、続く『嗜好に関する世論調査』では、モーションキャプチャーを取り入れたアバターが登場。3次元のメンバーに代わりキュートなダンスをスクリーン上で見せた。エレクトロアレンジの『ジュトゥブ』ではアバターと衣装チェンジした生身のメンバーが入れ代わり立ち代わり登場。虚構と現実の境界線があいまいになりそうな演出で楽しませる。MCが少ないげんじぶのステージだが、一瞬たりとも観客の視線をステージから逃がさない。集中力が途切れることなく、げんじぶワールドに引きずり込まれていくのを感じる。そして、ラフな衣装にチェンジしたげんじぶが披露したのは4月6日リリースの新曲『キミヲナクシテ』、『夜夏』。ステージを大きく使いつつ、陰影を活かした大人っぽいステージを演出する。「まだまだ盛り上がっていきましょう!」と大倉が客席に呼びかけ、『ギミギミラブ』で全員でクラップ&ジャンプ。ライブも後半戦に入っても重力を感じさせない軽やかなジャンプでボルテージをあげていく。吉澤要人の低音が楽曲に厚みを持たせる『0to1の幻想』では全員で手を振り、会場の一体感を高めた。再び衣装をチェンジすると、それぞれのソロダンスへ。ダンスひとつをとってもそれぞれの個性が出ている。しなやかさ、キレ、やわらかさ、パワー、ポップさ……にも関わらず、7人が揃うと大きなパワーを発する。ラスト、7人揃ってのダンスで使われていたのはBATTLE STREETのころの楽曲『stargazer』がモチーフとなっており、ファンを喜ばせた。明日地球が終わるなら、ライブをやりたいパワーそのままに、ライブ会場に壮大な世界観を作り出す『藍色閃光』、ポップな物語仕立ての『ネバーエンドロール』と歌う曲によってどんどん会場のカラーが変わっていく。大人の恋を歌う『半分相合傘』は聴くたびに、げんじぶの違う魅力が覗く。今は少し背伸びした曲のように感じられるが、彼らが大人になったときにどれだけのファンの心を締め付けることになるだろうか。サビ前の吉澤の『これでどっちも悪いね』のセリフには堪えきれず小さな声が会場のあちこちから漏れた。また、小泉のセリフパートも生で披露され、その場ならではの空気感と表情を作り出した。続いて『幽かな夜の夢』ではワンコーラスを歌い終えたところで演奏が止まり、静寂が会場を包み込む。小泉の「ありがとう」というセリフから、武藤が「互い違いの色に気づかない振りしていられないな」とアカペラで歌い上げた。そして、「ラストはこの曲です」と吉澤が口にしたタイトルは『青、その他』。ライブの1曲目として披露した『青、その他』をまた違う魅せ方をする。杢代の「いってきます」から始まったライブは、最後の曲でまたワンステップ、成長した姿を見せていることを示唆しているのかもしれない。暗転し、そのままステージの奥へと消えていくメンバー。余韻が広がる会場に、アンコールの手拍子が響く。アンコールは『原因は自分にある。』でスタート。サビでは客席も一緒になって体を動かし、残り少ない時間をめいいっぱい楽しむ。MCでは、初めての5都市をめぐる秋ツアーやメタバース特典会のお知らせを改めて伝えつつ、最終公演の感想を長野から桜木雅哉に振られる。桜木は「お越しくださったみなさん、ありがとうございます」と3公演を振り返ろうとしたところで、涙で声を詰まらせた。ツアー中、体調不良でステージに立てない場面もあった桜木。その姿に会場からは悲鳴に似たざわめきが広がる。最年少の桜木の涙に、大倉はタオルを渡し、メンバーからも声をかけ、拍手が沸き起こる。「今回のツアーで自分に足りないものを知ることができてよかったし、メンバー6人、観測者、スタッフの大切さも改めて知ることができた」と涙をにじませながら語り、「秋ツアーもがんばって突っ走っていこうと思います」と決意を口にした。そんな桜木の背中を隣にいた長野が優しく触れるシーンも印象的だった。そして、最後の挨拶を担ったのは杢代。「今回のリハーサル期間では、青春だったり人生をかけて活動しているな、と実感して。明日、もし地球が終わるとしたら、たぶん、ライブをすると思う。それぐらい、ライブが好きで、観測者のことが好きで、それぐらい活動に命をかけてやっています」と自身の活動への想い、ライブにかける熱量を語った。「秋ツアーの先も見据えて活動をしているので1秒でも長く原因は自分にある。のことを考えて感じて、そしてライブに足を運んでもらえると嬉しいです。着実に夢に向けて突き進んでいると実感しています。どうか、どうか、手を離さずに僕たちのことを見守って、ときには応援したり、たまには心の支えになる存在でありたいと思っています。みなさんの人生の原因にこれからもなれるようにがんばっていきますので、秋ツアー、そしてその先へとこれからも共に歩んでいきましょう」と力強く語り、『黄昏よりも早く疾走れ』で駆け抜けた春のツアーを締めくくった。杢代の言葉にもあったように、着実に進み続け、新たな魅力を発信しつづける「原因は自分にある。」。秋ツアー、そしてその先で彼らがみせてくれるであろう景色を楽しみに待ちたい。原因は自分にある。ワンマンライブ「げんじぶ空間:case.3」Zepp Haneda公演のプレイリストを公開中!▼LINE MUSIC▼Spotify撮影 / 米山三郎、取材・文 / ふくだりょうこ
2022年04月07日東京発のオルタナティブ・ロックバンド、ルサンチマンが3月28日(月)、東京・LIVE HOUSE FEVERでワンマンライブを開催した。2ndシングル『ギターを弾け 拙いコードで』のリリースライブとして行われたこの日のライブで彼らは、ギターロックの最新型と称すべき音楽性、そして、鬱屈とした思いを解き放つような歌を大音量で響かせた。ルサンチマンは、2018年に結成。メンバーチェンジを経て、現在は北(Vo,G)、クーラーNAKANO(G)、清水(B)、もぎ(Ds)で活動している。2019年に『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019』に出演、翌年2020年10月にデモ音源「風穴あける」を発表。2021年3月にリリースした1stミニアルバム『memento』で10代のロックファンを中心に注目度を高めた。クーラーNAKANO(G)19時10分を過ぎた頃、会場が暗転。まずはクーラーNAKANOがステージに上がり、鋭利なギターをかき鳴らす。さらに北、清水、もぎが登場し、凄みと気合いが入りまくった音を重ねると、フロアを埋めた観客(チケットはソールドアウト)が身体を揺らす。1曲目は「心配事」。直接的なビート、ラウドにして鋭いアンサンブルとともに、北が《辛くてたまらないなら 朝まで泣いてていいよ》というフレーズを叫ぶ。そのまま音を止めることなく、「大団円」「アンチドベル」とアッパーチューンを続けざまに放ち、オーディンスが拳を上げて応える。マスク着用、声出し禁止といったルールを守りながらも、会場に熱気は一気に上がっていく。北(Vo,G)インストナンバー「not wrong」もインパクト十分。緻密なアレンジメントをハードコアパンクのような勢いで演奏する姿を目の当たりにして、心のなかで「おお、かっこいい」と呟いてしまった。「ルサンチマンです。……人、いっぱいいるな。いつも通り、がんばります」(北)という挨拶はあったものの、MCはほとんどなく、“言いたいこと、やりたいことはすべて曲に注ぎ込んだ”と言わんばかりに、とにかく曲をやりまくる。清水(B)爆音のなかに一瞬の静寂が訪れるような構成の楽曲が多いのだが、しっかりと歌詞が聴こえ、一つ一つの言葉が心に突き刺さってくる。たとえば、ニューシングルの収録曲「不信心」の《いつか僕を苦しめたあいつはさ、今じゃ出世街道を走ってて 「良いさ僕には僕の曲がある」って大切なあの子どこ行ったの?》という歌い出し。このフレーズだけで、主人公の“僕”が置かれている状況、どうしようもない感情が真っ直ぐに伝わり、胸を締め付けられるのだ。個人的にもっとも心に残ったのは、やはりニューシングルの「収束する未明」。おそらくコロナ禍を背景にしたこの曲は、“大切な物が減っていく”社会の現状や、離れていこうとする“君”の思いを綴っている。きわめてパーソナルな内容だが、この歌にはまちがいなく、聴く者の共感を呼び起こし、感情を揺さぶる力がある。そのことをもっとも感じられるのは言うまでもなく、ライブという場所だ。ここで強調しておきたいのは、ルサンチマンのライブは決して暗くもなければ、切なくもない。楽曲の中心にあるのは、葛藤や不満、憤りだが、それを生々しいバンドサウンドと歌によって解き放ち、圧倒的なカタルシスに結びつけているのだ。それこそがルサンチマンの真骨頂であり、急激に注目度を高めている理由なのだと思う。実際、ステージにいる4人はずっと楽しそうで、無邪気に音を鳴らしまくっていた。この自然な姿もまた、このバンドの魅力なのだろう。もぎ(Ds)「卒業」を演奏した後(彼らは去年の春に高校を卒業したばかり)、「高校のときの思い出ってある?」(北)と話を振られたNAKANOが、「体育祭のリレー選手に選ばれて、他のクラスの陽キャのヤツらをゴボウ抜きにして優勝したんだけど、その後、好きな女の子にみんなの前で告白した」と語り、なぜか微妙な空気に。直後に「いやいやいやいや!」と北が叫び、ニューシングル収録曲の「いやいやいやいや!」からライブは突然、クライマックスに突入。90年代のオルタナティブ直系のライブアンセム「荻窪」、“バイトがイヤだ”という思いを炸裂させた「ラル」で本編は終了。鳴り止まない手拍子に導かれて再びステージに登場した4人。北が「去年の同じ時期に自主企画をここでやったんだけど、あのときより倍くらいの人が来てくれて。本当にいい景色です」と語ると、観客からこの日、いちばん大きな拍手が起きた。上手くはいかない日々のなかで、それでも笑おうとする“君”への思いを込めた「たとえ下手でも」、《君の生きる理由はなんですかね》《僕の苦労は所詮ゴミなんですかね》というフレーズを刻んだ「ニヒリズム」などを演奏、ライブはエンディングを迎えた。ギターロック、オルタナ、ポストロック、マスロック、フォークなどを自在に取り込み、エモーショナルなバンドサウンドに導く音楽性、そして、日々の生活の中で生まれる喜怒哀楽を増幅させながら、最後は解放的な気分に結びつけるパフォーマンス。ルサンチマンの良さが凝縮された、濃密なライブだった。まだまだ粗削りだし、伸びしろは無限にある。だからこそ、「この時期にライブを観られてよかった」と心から思った。Text:森朋之Photo:Ryohey<公演情報>ルサンチマン ワンマンライブ3月28日(月) 東京・LIVE HOUSE FEVERセットリスト01. 心配事02. 大団円03. アンチドベル04. 残り香05. not wrong06. 老いても07. lazy08. 不信心09. 忘れそう10. tsuki ochi11. 収束する未明12. 卒業13. いやいやいやいや14. 荻窪15. ラルEN1. たとえ下手でもEN2. nihilEN3. ニヒリズム<ライブ情報>ルサンチマン『ギターを弾け』ツアー5月12日(木) 宇都宮 HEAVEN’S ROCK VJ-4開場18:00 / 開演18:305月13日(金) 水戸 LIGHT HOUSE開場18:00 / 開演18:305月14日(土) 千葉LOOK開場17:30 / 開演18:006月9日(木) 渋谷WWWX開場18:00 / 開演18:456月24日(金) 大阪LIVE HOUSE Panges開場18:30 / 開演19:006月25日(土) 静岡UMBER開場17:30 / 開演18:006月30日(木) 札幌PENNY LANE24開場18:00 / 開演18:30【チケット情報】自由:3,000円(東京・北海道公演は3,500円)購入リンク:関連リンクTwitter:::
2022年04月05日2021年12月に楽曲リクエストを募った企画的なライブを行ったWienners。そこでも、2022年はいろいろ仕込んでいるという嬉しいお知らせがあった。その第一弾として、Wiennersのツーマンイベント『BATTLE AND UNITY TOUR 2022』が3年ぶりに帰って来た。彼らが対バンがいるツアーを行うのは2年半ぶりで、そのファイナル公演が恵比寿LIQUIDROOMで行われた。今日の対バン相手は、オメでたい頭でなにより。「乾杯トゥモロー」で幕を開けると、フレンドリーなメロディで観客を取り込み、オープニング曲にピッタリの祝祭サウンドで場を盛り上げる。「あれこれそれどれ」、「哀紫電一閃」とポップ&ヘヴィな音像を畳み掛けた後、Wiennersとは初の対バンであることにも触れ、「BATTLE AND UNITY、俺らとあんたらの闘いでもあるんだ!」と煽る赤飯(Vo)。「推しごとメモリアル」に入ると、フロアはヘドバンに励む人たちで溢れ、荒ぶるシャウトからスイートな女声を炸裂させる赤飯の歌声に翻弄されっぱなしだ。場内には赤、緑、黄色とペンラントを掲げる観客もちらほらいて、バンドの枠組みを超えたキュートな魅力を猛アピール。途中でWiennersのアサミサエ(Vo/Key/Sampler)が飛び入りし、エアギターを披露する場面もあった。さらに、とんねるずの大ヒット曲「ガラガラヘビがやってくる」のカバーもここで炸裂。「ダルマさんは転ばないっ」に移ると、演奏途中でWiennersの「FAR EAST DISCO」のカバーを挟む離れ業も魅せ、ツーマンらしいスペシャルな演出に会場も大フィーバー。ラスト曲「オメでたい頭でなにより」まで、エンターテイメント性に長けたパフォーマンスで耳目を釘付けにした。それを受けて、アサミサエ(Vo/Key/Sampler)、∴560∵(B/Cho)、KOZO(Ds)、シャドー・ボクシングでパンチを繰り出す玉屋2060%(Vo/G)のメンバー4人が颯爽と登場。Wiennersは「恋のバングラビート」でショウをスタートした。玉屋とアサミサエの男女掛け合いボーカルに加え、先日リリースされたリミックスアルバム『Wiemixes』に登場するMC Maharajaを∴560∵が早口で捲し立てて完全再現するなど、キャラ立ち抜群の曲調で先制パンチ。瞬時に、ここではないどこかへと観客を誘う魔法の絨毯サウンドに気分は高揚するばかり。それからファンな空気満載の「ULTRA JOY」を経て、コロナ禍でなければ大合唱必至であろう、アッパーな「YA!YA!YA!」で会場の温度をさらに押し上げていった。ポップなシンセを導入した「THE BATTLE」を経て、「ELECTRIC FOR YOU」、「ANIMALS」とやり終え、次の「ASTRO BOY」(Black Hole ver.)では玉屋とアサミサエがクールなラップを披露。こうした自由度の高さもWiennersの魅力の一つであり、ショウの変化球として上手く機能していた。「思ったより熱い闘い、対バン最高!」と玉屋が興奮気味に言うと、オメでたい頭でなによりがカバーした「FAR EAST DISCO」に対して、「私よりかわいかった」とアサミサエ。また、「ELECTRIC FOR YOU」に関しては、前回リクエストを募ったときに0票だったために、あえてセットリストに入れたことを∴560∵がネタバラシしていた。「GOD SAVE THE MUSIC」、「NOW OR NEVER」とオモチャ箱をひっくり返しようなパンキッシュなナンバーを連発し、「迷宮の館に迷う準備はできてますか?」と呼びかけると、「FACTION」へ。観客を一人残らず踊らせると、ラストスパートは「起死回生」、「蒼天ディライト」と解き放ち、底なしのパーティー空間を作り上げて本編を締め括った。アンコールで再びメンバーが現れると、「無事にファイナル終わった」(玉屋)、「3カ所、めちゃくちゃ楽しかった!」(∴560∵)、「バンド力を感じたツアーでした」(アサミサエ)、「ありがとうございました!」(KOZO)と、メンバー4人も今回のツーマンイベントに大きな手応えを感じている様子だった。そして、極彩色のパンクを叩きつける「TRADITIONAL」を演奏後、オメでたい頭でなによりがサプライズでカバーしてくれたことを受けて、急遽決めた赤飯へのドッキリを敢行。赤飯を招いて本日2回目の「FAR EAST DISCO」を披露した。その流れで「UNITY」でも親密コラボを果たし、ツアー名通りの団結力で会場を沸かしていた。やはり対バンの面白さはお互いに切磋琢磨し合うことで、予想を遥かに超えた相乗効果が生まれる点だろう。両者のスパークぶりで、最高到達点を記録した記念すべきツーマンイベントとなった。なお、Wiennersは、和テイスト満載の“日本”をテーマに掲げたコンセプト・ツアー『春雷行脚』を5月に決行。2021年10、11月に開催した、現実と妄想の狭間=FACTION(FACT+FICTION)をコンセプトにしたツアーも大好評を博したゆえ、こちらも楽しみでならない。今年も攻めの姿勢を貫き、観るたびにライブ力をグングンと高めているWiennersから目が離せない。Text:荒金良介Photo:かい<公演情報>Wienners『BATTLE AND UNITY TOUR 2022』3月17日(木) 恵比寿LIQUIDROOMWienners セットリスト01. 恋のバングラビートfeat. MC Maharaja02. ULTRA JOY03. YA! YA! YA!04. THE BATTLE05. ELECTRIC FOR YOU06. ANIMALS07. ASTRO BOY(Black Hole ver.)08. GOD SAVE THE MUSIC09. NOW OR NEVER10. FACTION11. 起死回生の一発12. 蒼天ディライトEN1. TRADITIONALEN2. FAR EAST DISCO with 赤飯(オメでたい頭でなにより)EN3. UNITYEN4. Cult pop suicide<ライブ情報>BATTLE AND UNITY TOUR 2022 ※振替公演5月6日(金)仙台Rensa開場18:30 / 開演19:00出演:Wienners / ネクライトーキー【チケット料金】前売:4,000円 / 当日:4,500円購入リンク: 春雷行脚5月16日(月) 京都磔磔開場18:30 / 開演19:005月17日(火) 名古屋Tokuzo開場18:00 / 開演19:005月20日(金) 新宿BLAZE開場18:00 / 開演19:00【チケット料金】前売:4,000円 / 当日:4,500円購入リンク:<リリース情報>Wienners リミックスアルバム『Wiemixes』Now On SaleWienners『Wiemixes』ジャケット【収録内容】01. 恋のバングラビート(Spice Curry ver. ~feat. MC Maharaja~)02. FACTION(Noisy Digital Orchestra ver.)03. MUSASHINO CITY(Chignon Classic ver.)04. 座頭市(Bankara ver.)05. おおるないとじゃっぷせっしょん(Japanese vs Latinize ver.)06. ANIMALS(Future Nature ver.)07. ASTRO BOY(Black Hole ver.)08. YA! YA! YA!(Wack Trap ver.)09. シャングリラ(Ethnic Festival ver.)10. Love2060%(Buddha’s Arpeggio ver.)11. FAR EAST DISCO(Divinest African ver.)12. 姫(Breakbeats & Thai Pop ver.)13. GOD SAVE THE MUSIC(Motown Beat ver.)『Wiemixes』全曲視聴トレーラー詳細はこちら: 配信シングル「FACTION」Now On SaleWienners「FACTION」MV配信リンク:関連リンク公式サイト::::
2022年03月25日菅田将暉が、3月20日に自身2回目となるオンラインライブ『菅田将暉 LIVE STREAMING VOL.2』を開催。そのオフィシャルレポートが到着した。2017年から本格的に音楽活動を開始し、音楽アーティストとしても注目される菅田。2019年リリースの「まちがいさがし」は各配信ストアにて1位を獲得し、ストリーミング2億再生を突破。その年には『第70回NHK紅白歌合戦』への初出場を果たし、『第61回 日本レコード大賞』特別賞を受賞するなど、音楽アーティストとしても大きな注目を集めている。雪の積もる冬景色の中、階段を上がっていく先の綺麗な陽の光が差す一室でバンドメンバー「KNEEKIDS」とともに始めた1曲目は「クローバー」。2019年のツアー以来となる演奏にも関わらず、息の合ったアンサンブルが温かい空気で満たしていく。そして、「サンキュー神様」はバンドメンバーのシミズコウヘイがボーカルとしても参加し、歌の掛け合いを行う中で、更にグルーヴが増していく。その後のMCでは、「1年ぶりですかね、オンラインライブ見て下さって、ありがとうございます。改めまして菅田将暉です。」と始まり、楽曲制作のための合宿の中で実施されたオンラインライブなこともあり、良い意味で力の入り過ぎていないアットホームな空気に終始包まれていた。続いて、ベースとボーカルから始まるまたいつもとは少し違うアコースティック調でのアレンジで「まちがいさがし」を披露。ミュージックビデオを撮り下ろしたばかりの「ギターウサギ」は、張り上げたエモーショナルな歌い方でまた原曲とは違った一面を見せるアレンジで披露した。バンド編成では初の披露となるストリーミング再生が2億を突破した「虹」、メンバー紹介をはさみつつ、映画『糸』のエンディングソングとしても起用された「糸」を丁寧に歌い上げた。そしてアコースティックギターを手にして「ベイビィ」をベースとドラムのシンプルな編成で披露した。幕間のオフショット映像をはさんで、今度は場所を変えて照明も光るよりライブハウスに近い空間で披露したのは「TONE BENDER LOVE」。間髪を入れず「Keep On Running」「ソフトビニールフィギア」とアップテンポナンバーを次々と披露していく。「皆さん見えてますか、あと少しなんで一緒に楽しんで下さい。」と配信ライブを見ているお客さんに声がけをしつつ披露したのは、歪んだギターが印象的な「7.1oz」。そしてギターを手に「あと2曲、楽しんでやっていきます。」と印象的なギターイントロとともに歌い出したのは「さよならエレジー」。そして「今というものにぶつけてひゅーい君と作りました。今日はありがとうございました。」と、最後には最新曲でライブ初披露となる「ラストシーン」を残った力を出し切るように強く歌い上げ、オンラインライブは幕を閉じた。なお今回のオンラインライブは3月27日23時59分までアーカイブ配信中。Photo:上飯坂一セットリスト1. クローバー2. サンキュー神様3. まちがいさがし4. ギターウサギ5. 虹6. 糸7. ベイビィ8. TONE BENDER LOVE9. Keep On Running10. ソフトビニールフィギア11. 7.1oz12. さよならエレジー13. ラストシーン<配信情報>『菅田将暉 LIVE STREAMING VOL.2』開催場所:山中湖音楽村 サウンドビレッジ3月27日(日) 23:59までアーカイブ配信中『菅田将暉 LIVE STREAMING VOL.2』キービジュアル【チケット料金】TopCoat Land会員限定チケット:4,000円(税込)一般チケット:3,000円(税込)※TopCoat Land会員限定チケットは、ライブ配信後のアフタートーク付きとなります。※TopCoat Land会員でもライブのみのチケット(3,000円)をご購入いただけます。【チケット販売期間】3月27日(日) 19:59まで【グッズ情報】・ビッグシルエットスウェット:6,800円(税込)『菅田将暉 LIVE STREAMING VOL.2』ビッグシルエットスウェット・ブランケット:5,800円(税込)『菅田将暉 LIVE STREAMING VOL.2』ブランケットTopCoat Online Shopはこちら: Land 会員登録はこちら:<リリース情報>菅田将暉 2020-2021 SONGS『COLLAGE』Now On Sale●完全生産限定盤仕様:CD+オリジナルTシャツ+紙ジャケット+オリジナル封筒+ステッカー8枚セット価格:6,270円(税込)菅田将暉 2020-2021 SONGS『COLLAGE』完全生産限定盤ジャケット菅田将暉 2020-2021 SONGS『COLLAGE』完全生産限定盤 紙ジャケットステッカー貼付例(菅田将暉本人作成)菅田将暉 2020-2021 SONGS『COLLAGE』完全生産限定盤 セット一式●初回生産限定盤仕様:CD+Blu-ray+紙ジャケット+ステッカー8枚セット価格:4,180円(税込)菅田将暉 2020-2021 SONGS『COLLAGE』初回生産限定盤ジャケット菅田将暉 2020-2021 SONGS『COLLAGE』初回生産限定盤 紙ジャケットステッカー貼付例&配信ジャケット(菅田将暉本人作成)菅田将暉 2020-2021 SONGS『COLLAGE』初回生産限定盤 ステッカーセット●通常盤仕様:CDのみ価格:2,860円(税込)菅田将暉 2020-2021 SONGS『COLLAGE』通常盤ジャケット【CD収録内容】1. 虹(映画『STAND BY ME ドラえもん 2』主題歌)2. サンキュー神様(菅田将暉×中村倫也)3. Keep On Running(菅田将暉×OKAMOTO’S / トヨタ自動車 カローラツーリング CMソング)4. 星を仰ぐ(日本テレビ×Hulu共同製作ドラマ『君と世界が終わる日に』主題歌)5. ラストシーン(TBS系日曜劇場『日本沈没ー希望のひとー』主題歌)6. 糸(菅田将暉×石崎ひゅーい / 映画『糸』応援ソング&映画エンディングソング起用 / トヨタホームCMソング)7. サントラ(Creepy Nuts×菅田将暉 / 日本テレビ系『スッキリ』2020年7月テーマソング)8. うたかた歌(RADWIMPS feat. 菅田将暉 / 映画『キネマの神様』主題歌)【Blu-ray収録内容】※初回生産限定盤のみ■菅田将暉 Music Video Collection01. 見たこともない景色02. ばかになっちゃったのかな03. 呼吸04. さよならエレジー05. ロングホープ・フィリア06. まちがいさがし07. キスだけで feat. あいみょん08. Keep On Running(菅田将暉×OKAMOTO’S)09. サンキュー神様(菅田将暉×中村倫也)10. 虹11. 星を仰ぐ12. ラストシーン13. ギターウサギ ※新録菅田将暉 2020-21 SONGS『COLLAGE』全曲ダイジェスト菅田将暉「ギターウサギ」MV【店舗別特典】菅田将暉 2020-21 SONGS『COLLAGE』店舗別購入者特典■Sony Music Shop:オリジナルアクリルキーホルダー■HMV全店(HMV&BOOKS online含む / 一部店舗を除く):オリジナルB3ポスター(Type.A)■TSUTAYA RECORDS(一部店舗除く)/ TSUTAYAオンラインショッピング:オリジナルB3ポスター(Type.B)■新星堂WonderGOO:オリジナルA4クリアファイル(Type.A)■Amazon.co.jp:メガジャケ※初回生産限定盤に付くメガジャケの絵柄は、商品のジャケット絵柄とは異なります。■楽天ブックス:オリジナルA4クリアファイル(Type.B)■楽天ブックス(ファミリーマート受け取り限定):オリジナルクリアポーチ※楽天ブックス特典のオリジナルA4クリアファイル(Type.B)は対象外となります。■セブンネットショッピング:オリジナル三つ折り卓上カレンダー■菅田将暉応援店:オリジナルスマホサイズステッカー※応援店対象店舗:※数に限りがありますので、なくなり次第終了となります。※上記店舗以外での配布はございません。※各オンラインショップにつきまして、カートが公開されるまでに時間がかかる場合がございます。※Amazon.co.jp、楽天ブックス、その他一部オンラインショップでは「特典対象商品ページ」と「特典非対象商品ページ」がございます。予約の際は、希望される商品ページであることをご確認ください。購入リンク:特設サイト:関連リンク菅田将暉 OFFICIAL HP菅田将暉 音楽OFFICIAL HP
2022年03月21日山手線アイドルプロジェクト「STATION IDOL LATCH!」が、1stライブ『STATION IDOL LATCH! 1st LIVE “All aboard!!”』を3月6日に東京・グランドプリンスホテル新高輪・飛天で開催。その昼公演のオフィシャルレポートが到着した。「STATION IDOL LATCH!」は、JR山手線の全30駅の個性豊かな駅員たちが、彼らの駅や街を盛り上げるべく、業務を終えるとアイドルとして活躍するまったく新しいアイドルプロジェクト。公式YouTubeチャンネルで“運行中”のボイスドラマに加え、個性豊かなボイスキャストたちの歌声が聴けるCDリリースなどで多くのパッセンジャー(ファン)の支持を集めている注目のコンテンツだ。彼らの記念すべき1stライブとなった今回は、TAKUYA(百瀬 志生役・新大久保駅)と田丸 篤志(神堂 唯姫役・新宿駅)が急遽参加することができず、残念ながら全員集合とはいかなかったものの、パッセンジャーたちを楽しませるため、キャストが全力のパフォーマンスを繰り広げた。ステージは古田 一晟(一条 肇役・品川駅)、梶原 岳人(小鳥遊 悠吏役・有楽町駅)による影ナレーションからスタート。「さあ一緒に、終着駅のない旅へ!」というセリフとともに、オープニング映像が展開し、アイドルたちが持つ世界観が存分にあふれた映像で客席を盛り上げた。映像が終わると出演者が全員ステージに登場し、テーマソング「LATCH! ~それが未来の扉~」を披露。ステージいっぱいに広がり、“出発”を高らかに宣言。小野 賢章(東海林 鈴音役・東京駅)は「本日は残念ながら全員集合というわけにはいきませんでしたが、気持ちは30人で臨みたいと思います!」と意気込んだ。ひとりひとりが意気込みとともに自己紹介を終えると、ここからはユニットごとによるパフォーマンスがスタート。トップバッターを務めるのは双子のユニット・峯田 大夢(不動 雅役・目黒駅)、太田 将熙(綜馬 礼役・目白駅)。ステッキを手にスタイリッシュなダンスとともに「Get into the Wonderland」を披露すると、続いては新人ユニット、青山 凌大(武庸 裕哉役・高田馬場駅)、住谷 哲栄(空蝉 塁役・大塚駅)、伊藤 昌弘(諏訪 海晴役・西日暮里駅)による「Ai for You」。ステージを駆け回りながらエネルギッシュに歌唱した。5人によるトークパートでは、太田が「ステッキを使いこなせるようになるのが大変だった」と明かし、また「大きな会場に圧倒されてしまいました」という青山の言葉をきっかけに、右から左まで手を振りながらステージを歩くという一幕も。パッセンジャーもそれに応えてペンライトやフラッグを振っていた。そして、この日欠席したTAKUYA(百瀬 志生役・新大久保駅)からパッセンジャーへのメッセージを、事務所の後輩でもある太田が代読。「会場に行くことができず、非常に悔しく残念です。よりパッセンジャーのみなさんに楽しんでいただけるよう、志生くんと頑張っていきます!」とのメッセージを読み上げた。続いて昨年10月に開催された「1st Passenger Meeting」での「Salt & Sugar」の歌唱映像がスクリーンで展開され、客席は紫色のペンライトで埋め尽くされた。ここからは菊池 幸利(咖山 喱人役・神田駅)、鈴木 裕斗(雷電 遊生役・秋葉原駅)のユニットのターン。ボカロテイストの曲調の「BUNGAKU×COMPLEX」を歌い上げると、林 優大(蜂谷 恒星役・渋谷駅)、岩崎 友泰(竹下 宮斗役・原宿駅)、福崎 那由他(樅野 葵役・代々木駅)はタオルを振り回しながら「Everybody! Say!!」を笑顔で熱唱した。5人によるトークパートでは、鈴木と菊池が「『Everybody! Say!!』を聴いて若いころのことを思い出しました(笑)」と語り、林は「自分たちにマッチしていて歌いやすかったです!」と充実した表情で話していた。和の心をコンセプトにしたユニット・森嶋 秀太(和泉 オーキッド 亜恋役・高輪ゲートウェイ駅)、高塚 智人(英 皐月役・駒込駅)、井上 雄貴(高岩 大智役・巣鴨駅)が満開の桜を思わせる、妖艶さも感じる振り付けとともに「花びら舞う夜に」を披露すると、代わって高橋 英則(饗庭 紡麦役・恵比寿駅)、三浦 祥朗(伍代 晃役・五反田駅)、小山 剛志(羽振 寿里役・田町駅)、菅沼 久義(大崎 新市役・大崎駅)によるアダルティな魅力が光るユニットが、ミラーボールが輝くなか「Sparkling Night」を歌唱。場内は夜の東京を思わせるような大人の空間に早変わりした。7人によるトークパートでは、平均年齢が低めな3人と高めな4人による(笑)和気あいあいとした会話が展開。森嶋たちのユニットは「みなさんの歌い方にバブリーさを感じました」とほめたたえ、一方高橋たちのユニットは「歌うときの、儚げな表情の作り方を教えて」と無茶ぶり(?)していた。続いて、エレガンスなふたりのユニット・古田 一晟(一条 肇役・品川駅)、梶原 岳人(小鳥遊 悠吏役・有楽町駅)による「Regret」。古田が弾くピアノの調べ、スタンドマイクを手にした梶原の歌声がシンクロした。そして笠間 淳(飴屋 楊役・上野駅)、寺島 惇太(根岸 優歌役・鶯谷駅)のユニットは白いペンライトが輝くなか、ステージの両端から「世界一憂鬱な王子」を切なく歌い上げた。4人によるトークパートでは、品川駅を担当する古田の「ご当地」でのイベントということで特別な想いを持ってステージに臨んだ旨が語られた。今後は「ピアノでバラードを弾いてみたいです!」と意気込んだ。また、『LATCH!』の楽曲は飴屋が全曲プロデュースしている、ということも判明し、笠間は得意げな表情を見せていた。「第2章」の開幕&コミカライズも決定ここからは後半戦。まずは下町ユニット・山口 智広(戸成 綾役・日暮里駅)、阿座上 洋平(高良 摩利央役・御徒町駅)が「盛り上がっていきましょう!」とパワフルなラップも特徴的な「Two as One」を投下すると、井上 和彦(烏鷹 鉄路役・新橋駅)、狩野 翔(湊 航琉役・浜松町駅)、矢野 奨吾(北 颯役・田端駅)のユニットが間髪入れず、コミカルさと軽快さが同居するステップとともに「SUNRISE!!」を披露した。5人によるトークパートでは、アツい曲を歌うの両ユニットメンバーが、どちらか元気かを競うように「イエーイ!」と声をあげ、さらに井上の提案で客席と「ウェーブ」を楽しむ一幕も。先陣を切った山口に続き、全員でステージを走り回った。トリを飾ったのはレジェンドユニット・小野 賢章(東海林 鈴音役・東京駅)、島﨑 信長(青葉梟 光加人役・池袋駅)。激しい明滅とともに「Way Up High」を歌唱。ハイテンポでスタイリッシュなナンバーを、この日出演がかなわなかった田丸 篤志(神堂 唯姫役・新宿駅)の分までステージを盛り上げた。歌い終えると小野から「記念すべき、思い出に残る一日になりました。3人そろわず残念でしたが、次回は全員でステージに立ちたいので、引き続き応援よろしくお願いします!」、島﨑は「最初はふたりだけで不安でしたが、みなさんのおかげで楽しめました。だからこそ、次回はよりよいレジェンドぶりを見せたいと思います!」とパッセンジャーに約束していた。アンコールでは、制服衣装に着替えたメンバーがステージ上に再集結。「LATCH! ~それが未来の扉~」をフラッグやタオルを振りながら、思い思いに楽しんだ。最後は出演者からひとりずつメッセージが贈られ「また必ずお会いしましょう。本日は本当にありがとうございました!」のあいさつとともに、大盛り上がりのなかでステージは終了した。本公演の模様はCSチャンネル「フジテレビTWO」で4月30日20時より放送予定。そして、「第2章」の開幕が決定。詳細はこれから明らかにされていくことになるが、いまよりさらにパワーアップしたアイドルたちの姿が見られるはずだ。さらに、ステーションアイドルたちが活躍するコミックが小学館『ベツコミ』にて7月号から連載開始されることが発表された。(C)LATCH! Project/JRE<公演情報>『STATION IDOL LATCH! 1st LIVE “All aboard!!”』3月6日(日) 東京・グランドプリンスホテル新高輪・飛天セットリスト(昼公演)M1「LATCH! ~それが未来の扉~」(全員)M2「Get into the Wonderland」(峯田 大夢、太田 将熙)M3「Ai for You」(青山 凌大、伊藤 昌弘、住谷 哲栄)M4「Salt & Sugar」(TAKUYA)(※映像)M5「BUNGAKU×COMPLEX」(鈴木 裕斗、菊池 幸利)M6「Everybody! Say!!」(林 優大、岩崎 友泰、福崎 那由他)M7「花びら舞う夜に」(森嶋 秀太、高塚 智人、井上 雄貴)M8「Sparkling Night」高橋 英則、三浦 祥朗、小山 剛志、菅沼 久義)M9「Regret」(古田 一晟、梶原 岳人)M10「世界一憂鬱な王子」(笠間 淳、寺島 惇太)M11「Two as One」(山口 智広、阿座上 洋平)M12「SUNRISE!!」(井上 和彦、狩野 翔、矢野 奨吾)M13「Way Up High」(小野 賢章、田丸 篤志、島﨑 信長)ENCORE「LATCH! ~それが未来の扉~」(全員)<重大発表!>1. 第2章決定!2022年 第2章 開幕決定!30人の新たな“物語”そして“音楽”の展開がスタート。これからも、LATCH! はアイドル活動を通じて駅や街を盛り上げていきます!展開の詳細はオフィシャルサイト・Twitterにて。2. コミカライズ決定!小学館「ベツコミ」にて7月号から連載開始!詳細は近日発表!!作画:宮瀬まり / 構成:パッセンジャーm98<番組情報>『STATION IDOL LATCH! 1st LIVE "All aboard!!"』特別版4月30日(土) 20:00~フジテレビTWOにて放送番組HP:「STATION IDOL LATCH!」公式サイト:
2022年03月07日Bialystocksが1st EP『Tide Pool』のリリースライブを2月25日に新代田FEVERで開催した。共演予定だったRyu Matsuyamaは残念ながら新型コロナウィルス感染を受け、出演辞退となったが、Bialystocksに対する期待値の高さを証明するように当日完売という盛況ぶりだ。映像作家でもある甫木元空(Vo)と、他のアーティストのサポートやジャズのライブで活躍する菊池剛(Key)からなるBialystocks。結成のきっかけは甫木元が手掛けた映画『はるねこ』(2016年)の劇中音楽をライブ演奏するイベントで、2019年から活動開始。映画やミュージカルといった二人の共通項と、甫木元のどこか郷愁やペーソスを感じさせる歌詞の世界観、菊池のバックボーンであるジャズやソウルが融合した、オリジナリティと風通しの良さが同居した音楽性で早耳の音楽ファンを惹きつけている。ライブはMVのダイジェスト映像を背景に波の音が流れる中、サポートメンバー5人とともにステージに登場。1曲目は『Tide Pool』収録の「光のあと」でスタート。音数を選びぬいた演奏の上をあたかもそこあることが当たり前のような伸びやかな甫木元のボーカルに驚く。かと思えばR&Bテイストの「コーラ・バナナ・ミュージック」ではトリッキーなメロディラインを歌い、さらに驚かされる。生バンドで表現するネオソウル〜現代ジャズの抜き差し感も音源とはまた異なる楽しさを増幅させていく。さらに郷愁感漂う語りに近い歌い出しとジャジーなピアノのイントロから始まる「花束」。Aメロでのファルセットへの飛翔こちらの身体も浮き上がるようだ。熱唱とは違う自在な歌唱と、それを埋没させない隙間の多いアンサンブルにすでにオーディエンスは心を持っていかれた様子。甫木元空(Vo)「あ、この二人がBialystocksです」と、登場時の印象をいい意味で覆す甫木元。後のMCでも「Ryu Matsuyamaさんを見るつもりだったけど返金するのもめんどくさいなと思って来られた方もいらっしゃいますよね」と笑いを誘う。フロアが和んだところでメンバー二人だけでの「フーテン」。ブルージーではないけれど、風来坊を描写した歌とラウンジ感のある菊池のピアノが、この人物像に命を吹き込む。ここで甫木元が「映画撮ってるとかいうとアーティスティックな人と思われがちなんですが、こんな感じなんです」と、ダメ押し気味に自己紹介。続く「All Too Soon」は歌の譜割りがミュージカル調かつ器楽的でユニーク。サポートの山下あすか(Perc/Cho)のコーラスも効いていて、ノワールなジャズにきらめきを一匙振りかけたような洒脱さ。都会的の夜におとぎの国が出現したようなBialystocks独特の音楽観が十二分に堪能できた。さらに超スローなキック&スネアから始まる「またたき」は全ての音が歌に付かず離れずのいい温度感。シンプルな音像だからこそ、サビでエモーションを開放する甫木元のロングトーンも落差があってカタルシスを生む。また、菊池と秋谷弘大(Key/Cho)が添えるコーラスの完成度も高い。秒針のようなシンバルの刻みから入る「Winter」はスタンダードジャズをアップデートしたようなメロディが心地よい。一聴、ジャンル違いなようなブルージーな鶴田伸雅(Gt)のソロが起点になり、スケールの大きなロックナンバーのエンディングに向かい、バンドスタイルならではのダイナミズムを満喫させてくれた。続いてピアノループに乗る早口のトーキング風ボーカルに耳目を奪われる「I Don’t Have a Pen」。NTT docomoのWEB CM「正解よりも、楽しいを答えに。」に起用された、アイデア満載のナンバーだ。生演奏ではサビでファンクのグルーヴに突入する勢いが何倍にもなる印象だ。そのトリッキーさと熱演に大きな拍手が起きる。菊池剛(Key)ひとりでフォークギターを弾いていたという甫木元は初めてスタジオに入った際に始まったセッションにどう参加していいかわからなかったという。バンドビギナーだというわけだ。そこに一人、また一人、音を重ね、菊池の「これが噂のセッション!」という言葉に甫木元があんなに流暢な歌から意外なほどたどたどしくフェイクを入れる。さらにサポートメンバーの紹介がスタートし、それぞれのソロパートで会場を沸かせた。日常をこの上なく美しいメロディに乗せる新作EPからの「Over Now」。ちょっとした皮肉や面白みを押韻も含め、軽快に描くセンスは背景の違う二人ならではだろう。耳が喜び、心が躍る。本編ラストは彼らの中ではフォーキーな魅力にあふれる日常の歌、「ごはん」と「夜よ」を1曲につないだ展開。コロナ禍のみならず、世界が不穏な空気に包まれるときだからこそ、《明日こそは意味を持たずに のんきな歌 そっと響くように》というフレーズがしみた。ポストジャンル的な多様さを持ちつつ、人懐こさもある彼らの音楽に拍手喝采が送られ、しばしの後、アンコールで再登場。まず二人だけで「あいもかわらず」を披露し、再度サポートメンバーを呼び込んで、主にインディーポップ好きのあいだで話題になり、予測不可能な展開で人気曲になった「Nevermore」を披露。ギターポップのきらめきもエモーションの爆発もすべて詰め込んだこの曲の自由度の高さはさらにオーディエンスを熱くして、そこにいるあらゆる人は高揚感の中、おのおのの帰路についた。なお、対バンライブBialystocksLive 2022 “音楽交流記1”が5月7日に渋谷WWWで開催されることもライブ中に発表された。Text by 石角友香 / Photo by SHUHEI.W<公演情報>Bialystocks 1st EP『Tide Pool』Release Live2月25日(金) 東京・新代田FEVERセットリストM01. 光のあとM02. コーラ・バナナ・ミュージックM03. 花束M04. フーテンM05. EmptymanM06. All Too SoonM07. またたきM08. WinterM09. I Don’t Have a PenM10. Over NowM11. ごはん & 夜よEN01. あいもかわらずEN02. Nevermore<ライブ情報>Bialystocks Live 2022 "音楽交流紀 1"5月7日(土) 東京・SHIBUYA WWWOPEN 18:15 / START 19:00※ゲストアーティストは後日発表【チケット情報】全自由4,000円(税込)※ドリンク代別途必要■オフィシャル先行受付期間:2月25日(金) 22:00~3月6日(日) 23:59<リリース情報>Bialystocks 1st EP『Tide Pool』Now On Sale価格:1,650円(税込)Bialystocks『Tide Pool』ジャケット【収録曲】01. Over Now02. All Too Soon03. フーテン04. 光のあと05. あいもかわらずBialystocks「Over Now」MV配信・購入リンク:<イベント情報>Bialystocks 1st EP『Tide Pool』リリース アコースティックLIVE&ジャケットサイン会3月2日(水) 東京・タワーレコード渋谷店5FイベントスペースOPEN 18:30 / START 19:00※サイン会はご購入いただきましたCD『Tide Pool』が対象となります。当日必ずお持ちになってご参加ください。※実施内容は予告なく情勢に応じて変更になる可能性ございます。詳細はこちら:<配信情報>Bialystocks 無料配信ライブ※3月6日(日) 23:59までアーカイブ公開中Bialystocks 各種リンク:
2022年03月02日Anonymouzが1月28日(金) に東京・日本橋三井ホールにて、ワンマンライブ『Anonymouz Live 2022~Forward〜』を開催した。2019年3月からYouTubeにJ-POPの英詞カバー動画の投稿を始めたAnonymouz(アノニムーズ)は現在、二十歳の女性シンガーソングライター。自身で<名前のない女の子>というアーティスト名を名づけ、「ビジュアルにとらわれずに純粋に歌声を聞いてほしい」という思いから顔を出してない彼女は、独自の翻訳技術と透徹した歌声で瞬く間に注目を集め、メジャーデビュー前ながらも2020年11月にはSONY「Xperia 5 II」の全世界CMソングに大抜擢された。これまでに配信リリースした3枚のオリジナルEPは全てiTunesオルタナティブチャートで1位、最新のカバーEPはiTunes総合チャート2位を獲得。昨年5月21日には恵比寿LIQUID ROOMでキャリア初となるライブを開催し、本公演は有観客としては自身二度目のワンマンにして、初のホールライブとなっていた。優しく穏やかなピアノの調べにのって、真っ白の衣装に花冠のようなレースとウィッグで顔を隠したスタイルでステージに登場した彼女は、初のオリジナル曲で、未だ音源化されてない全編英語歌詞のバラード「Winds of Time」でライブをスタートさせた。続く、「足りないよ」は初の全編日本語歌詞による欲張りなラブソング。父が日本語、母が英語を話す家庭で育ち、邦楽も洋楽も聴いてきた彼女のルーツを示すかのように英語曲と日本語曲を並べ、手元がかろうじて見えるくらいの小さな灯りの中で、ピアノとチェロを基調にひとりの少女の心の内側を吐露するかのような切実さを湛えて歌い紡いでいった。「みなさんこんばんは。アノニムーズです。今日は最後まで楽しんでいきましょう」という短い挨拶を経て、チェロがアコギに持ち替えた「In Our Hearts」から少しずつテンポを上げていき、エレキギター、キーボード、ベース、ドラムによるバンドのアンサンブルに合わせて後ろ向きで伸びやかなフェイクを繰り出した「Snake Love」ではファンキーに弾むボーカルに場内から自然とクラップが沸き起こった。スモークが焚かれ、ピンクのライトで覆われたステージでミステリアスに歌ったアーバンR&B「Wonders of Art」、黄色のライトの中で、失ってしまった自分の心のかけらを探す「Homesick」と、洋楽的なメロディで情景描写に優れた歌詞を歌う多彩なサウンドを聴かせた。ここで、ステージの最前に置かれた椅子に座った彼女が、観客に向けて「たまにタメ口でしゃべっていいですか?」と問いかけると、了承の意味を表す大きな拍手が上がった。「普段、顔を隠しているし、投稿頻度も高くないので、もっともっと皆さんと近づきたいなと思ったので聞きました」と明かした後、ファンの呼び名のアンケートも実施。「バンドでもよくいう<ムーザー>、AからZから始まる世界中の皆さんが虜になる<AZ>、名前をつけるという意味での<ネーマー>」の中から、観客の拍手で<AZ(アズ)>に決定した。中盤には彼女の知名度をあげるきっかけとなったイングリッシュカバーのメドレーも設けられた。ピアノとボーカルによる「水平線」(back number)、アコギのリフと観客のクラップが重なった「カタオモイ」(Aimer)、ピアノとボーカルにチェロが加わった「ドライフラワー」(優里)、サビで繰り返される英語歌詞が印象的な「もうええわ」(藤井風)、ピアノのパワフルなタッチとコンガがジャズサンバのビートを奏でる「夜に駆ける」(YOASOBI)。ミニマムからアンサンブルまで、さまざまなスタイルで演奏されたが、誰もが知るヒット曲だからこそ、彼女の翻訳の独自性と、日本語を歌う時のピュアで伸びやかな歌声とは違う、滑らかで張りと膨らみのある歌声の特性が際立つ時間だったように思う。続く、「Your Plan」では雰囲気は一変。インダストリアルな重低音が鳴り響く中で彼女は咆哮のような歌声を叩きつけ、少しずつ穏やかな様相へと変わっていく、動から静へと着地。<1 MINITUE ORIGINAL>としてYouTubeチャンネルでワンコーラスだけ公開していた動画から新曲のファンクポップ「Hide & Seek」を初披露し、観客の体を揺らすと、最新のカバーEPに収録されたオリジナル曲のダンサブルなR&Bナンバー「Lips」では、アラームのような赤い光が瞬く中でラップも繰り広げ、攻撃的なパフォーマンスを見せた。この「Lips」から「Thrill」へのつなぎのボーカリゼーションは、この日のハイライトといってもいいほどの高揚感と興奮を与えてくれた。「ずっとずっと歌が好きだったので、この活動を通して、小さい頃からの夢がどんどん叶っていっています。ほんとに皆さんの応援が届いて、刺さって、何度も何度も救われてきました。本当にありがとう。私も皆さんに、皆さんからもらう以上の力を歌と音楽を通して届けていきたいなと思っています」ライブの最後にはギター、ベース、ドラムに変わって、4人編成のストリングス隊とアルトサックス奏者が登場し、YouTubeの音楽コンテンツ「With ensemble」に出演したことを発表した。そして、東京都美術館で開催が予定されている『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』の展覧会テーマソング「Unbreak」について、「この曲を書く過程でも、まだ整理のつかない気持ちをたくさん並べて、ヒントを得て、そこから少しずつ理想に近づけるように書いていきました。それは少し絵と似ているなと思います。生きていく上でも、苦しいこともいっぱいあるけど、その苦しいことからヒントを得て、少しずつでも理想に近づいていけば、きっと大丈夫なんじゃないかと思っています。時間は過ぎていって、苦しいことも必ず過ぎていくはずです」というメッセージを伝えた。自分の全てが崩れてしまうほど大切な人のことを歌った恋の歌を優しく美しい弦楽四重奏で歌唱した後、SONY「Xperia 5 II」の全世界CMソング「Eyes」でライブは温かいムードと明るい光に包まれた中で大団円を迎えた。アンコールでは、「これからも皆さんの日常を少しでも鮮やかにしていけるようにたくさん曲を書いて、たくさん届けられるようにがんばりますので、これからも応援してください。今日はありがとうござました」と感謝の気持ちを延べ、再び<1 MINITUE ORIGINAL>から新曲のエレクトロニカ「赤」を初披露。かつて想いを寄せた人への僅かな未練を日本語で切実に歌い上げ、「また必ず会いましょう」と再会の約束をし、観客に手を振りながらステージを後にした。孤独や絶望、漠然とした不安や弱さ、過去の傷や焦燥が漂う中でも、彼女の歌声に内包される優しさや癒し、どんな困難があっても前に進むんだという希望が伝わってくるライブであった。Text:永堀アツオ / Photo:Viola Kam(V’z Twinkle)<タイアップ情報>『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』※1月22日(土) 開幕は延期、展覧会テーマ曲はAnonymouz「Unbreak」公式サイト:プロフィールAnonymouz2019年3月より、YouTubeでJ-POPの英語カバーをスタート。歌詞の翻訳は全て本人によるもので、その抜群な翻訳センスと歌唱力が瞬く間に評価され、2021年12月現在、登録者数は14.5万人に到達している。世界に向けた活動や、透き通るような声質が評価され、2020年11月より、メジャーデビュー前にSONYのXperia 5 Ⅱの全世界CMタイアップに楽曲「Eyes」が大抜擢される。これまで配信リリースした3枚のEPはどちらもiTunesオルタナティブチャート1位を獲得。最新EP『Greedy』はiTunes総合アルバムチャート2位を獲得し、同EPに収録されている『In Our Hearts』は香港ネスカフェCMソングに大抜擢された。2022年1月22日(土) から東京都美術館で開催が予定されていた『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』(開幕日延期)の展覧会テーマソングに新曲「Unbreak」が起用された。関連リンク公式サイト::::
2022年02月01日櫻坂46の“櫻エイト”(各フォーメーションで1、2列目に立つメンバー8人)を除くメンバーによる単独ライブ『BACKS LIVE!!』が1月8日・9日に東京ガーデンシアターにて行われた。昨年6月16~18日に舞浜アンフィシアターにて初開催された『BACKS LIVE!!』だが、約半年ぶりに実施された今回は3rdシングル『流れ弾』のBACKSメンバー16名が参加。メンバーそれぞれが立候補した楽曲で必ず1人1回はセンターに立つという、2022年の幕開けに相応しく華々しいステージが展開された。「私たちが、櫻坂46を、強くする。」をテーマに行われた今回の公演は、前回をはるかに上回るキャパシティを誇る会場というだけでなく、オンラインによる生配信も実施。初日を大成功のうちに終えたBACKSメンバーは、続く9日の公演でもオープニングナンバー「ソニア」から息の合ったパフォーマンスを披露していく。センターの小池美波を中心に繰り広げられていくパフォーマンスは非常に一体感の強く、昨年の『BACKS LIVE!!』をはじめ初の全国ツアーなどで得た経験がしっかり結果として表れていることが伝わるものだった。そして、最初のMCでは関有美子が「櫻坂の(2022年の)スタートがこのライブだから、ここですごくいいライブを作れたら櫻坂もいいスタートが切れるんじゃないかな」、齋藤冬優花が「来てくださったBuddies(=櫻坂46ファン)の皆さんや配信で観てくださっている皆さんに今日のライブを見れてよかったと思ってもらえるようなライブにできるように精一杯頑張ります」と挨拶し、会場を温かな空気で包み込んでいった。MCをひと通り終えると、メンバー1人ひとりの個性を活かしたソロダンスをフィーチャーしたダンストラックに突入。余裕すら伝わるそのダンスからは、前回の『BACKS LIVE!!』からさらに成長した姿も伝わる。続く「BAN」では初日の松田里奈に替わり、9日公演では遠藤光莉がセンターを担当。序盤からフルスロットルと言わんばかりの激しいパフォーマンスで、観る者を圧倒させる。その一方で、齋藤がセンターに立つ「半信半疑」では腕の滑らかな動きと表情の作り込みで楽曲の持つ世界観を見事に表現。「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」では『BACKS LIVE!!』初参加となる藤吉夏鈴が堂に入った圧倒的な表現力を見せ、ライブは早くも最初のクライマックスへと到達した。熱量の高いパフォーマンスが続いた序盤ブロックを経て、微笑ましいMCで一呼吸置くと、井上梨名のセンターによる「最終の地下鉄に乗って」、原田葵がセンターを務める「君と僕と洗濯物」と穏やかなノリの楽曲が続く。昨年の『BACKS LIVE!!』とは異なるセンターということもあり、楽曲からは新たな表情が見え隠れし、新鮮な気持ちで接することができたのではないだろうか。それは続く「Microscope」も同様で、大園玲のセンターは原曲とも前回の『BACKS LIVE!!』とも違った個性を秘めたパフォーマンスに進化していた。MCでの和やかな空気を引き継ぐように、ライブは「偶然の答え」から再開。センター守屋麗奈の憂いに満ちた表情は、楽曲に新たな魅力を加えていく。かと思えば、増本綺良を中心に展開する多幸感いっぱいの「思ったよりも寂しくない」では、彼女の天真爛漫さとスキルアップしたダンスの魅力が十分に伝わる仕上がりに。これは彼女に限ったことではなく、昨年後半に数多くの有観客公演を経験したことが技術や意識の向上に直結していることがステージ上のメンバーたちからしっかり伝わってきた。SEを挟んで白衣装から赤&白衣装へと着替えたメンバーは、ダンストラックでクールなダンスを展開。続く「美しきNervous」では上村莉菜がキュートな笑顔を振り撒く一方で、「無言の宇宙」では関が凛とした表情で憂いに満ちた楽曲の世界を伝えていく。そして、メンバー1人ひとりの『BACKS LIVE!!』への思いが語られるVTRを経て、尾関梨香がセンターを担当する「Buddies」へ。前回は休養中で今回が『BACKS LIVE!!』初参加の尾関の、このライブにかける思いと重なるような歌詞が強く響き、Buddiesとの絆を再確認する貴重な1曲となった。さらに、「Nobody’s fault」では武元唯衣がセンターに立ち、自信に満ち溢れた表情で櫻坂46の原点となる1曲を見事に表現。8日公演では幸阪茉里乃がセンターを務めた「Dead end」も、9日公演では藤吉が新たにセンターを担当し、独特のクールさが際立つ仕上がりを見せる。そして、メンバーが履いていたブーツを脱ぎ捨ててから、本編ラストナンバーの「流れ弾」へなだれ込む。前日のライブでは大沼晶保が圧巻のパフォーマンスでBuddiesを魅了したが、この日は小池美波がセンターとして全身全霊のダンスで観る者すべてを惹きつけ、会場の熱気が最高潮に達したところでライブ本編は幕を下ろした。アンコールではライブTシャツに着替えたメンバーが再登場し、2日間の感想を口にしていく。藤吉が「今回でより音楽っていいなとすごく思いましたし、皆さんと音楽を一緒に共有しながら遠くまで歩いていけたらうれしいなと思います」と前向きな気持ちを語る一方で、小池は涙混じりに「今回のライブは『BACKS LIVE!!』という名前なんですけど、私は櫻坂のライブとして観てほしいなと思っていて。櫻エイトとかBACKSという名前はあるけど、みんなすごく輝いているしすごく魅力があるから、それがみんなに伝わってほしいなという気持ちで今回臨んでいたし、皆さんにもBACKSというもの自体のイメージが変わったらいいなというのを思っていたので、それが伝わっていたらいいなと思います」と思いを告げる。続けて副キャプテンの松田が「それぞれいろんな思いを持ってこの『BACKS LIVE!!』に挑んでいて、いろいろ葛藤もあったと思うんですけど、このライブで生まれる感情というのは自分たちの中でも特別なものがあって。この経験をこれからの櫻坂全体の活動にも生かしていきたいなと思いますし、こういう大変な時期にこんなにも大きな会場でたくさんの方に足を運んでいただけたことに対して、私たちも『BACKS LIVE!!』で得たものを力に変えて、皆さんに何かお返しできたらいいなと思うので、これからもよろしくお願いいたします」と力強く宣言。最後はステージ上のメンバーと客席のBuddiesがひとつになり、「櫻坂の詩」で会場を桜色に染めて2日間にわたる「BACKS LIVE!!」を終えた。メンバー1人ひとりの強い個性がダイレクトに伝わる『BACKS LIVE!!』にて、最高の形で2022年のスタートを切った櫻坂46。デビュー2年目の彼女たちがここからどんな進化を遂げるのか、ぜひ見守っていてほしい。文:西廣智一写真:上山陽介<公演情報>櫻坂46『3rd Single BACKS LIVE!!』2022年1月9日(日) 東京ガーデンシアター【セットリスト】Overture01. ソニア02. BAN03. 半信半疑04. なぜ恋をして来なかったんだろう?05. 最終の地下鉄に乗って06. 君と僕と洗濯物07. Microscope08. 偶然の答え09. 思ったよりも寂しくない10. 美しきNervous11. 無言の宇宙12. Buddies13. Nobody’s fault14. Dead end15. 流れ弾En. 櫻坂の詩<リリース情報>櫻坂46 3rdシングル『流れ弾』Now On Sale●初回仕様限定盤 TYPE-A【CD+BD】1,900円(税込)櫻坂46『流れ弾』初回仕様限定盤 TYPE-Aジャケット【CD収録内容】1. 流れ弾2. Dead end3. ソニア4. 流れ弾 -OFF VOCAL ver.-5. Dead end -OFF VOCAL ver.-6. ソニア -OFF VOCAL ver.-【Blu-ray収録内容】・「流れ弾」MUSIC VIDEO・SAKURA MEGURI齋藤冬優花×菅井友香×守屋茜渡辺梨加×渡邉理佐×増本綺良・Sakurazaka46 BACKS LIVE!! ~Center Performance Collections~オープニングVTRNobody’s faultPlastic regret半信半疑BAN -Day1-●初回仕様限定盤 TYPE-B【CD+BD】1,900円(税込)櫻坂46『流れ弾』初回仕様限定盤 TYPE-Bジャケット【CD収録内容】1. 流れ弾2. Dead end3. ジャマイカビール4. 流れ弾 -OFF VOCAL ver.-5. Dead end -OFF VOCAL ver.-6. ジャマイカビール -OFF VOCAL ver.-【Blu-ray収録内容】・「流れ弾」MUSIC VIDEO・SAKURA MEGURI井上梨名×幸阪茉里乃×関有美子×守屋麗奈遠藤光莉×藤吉夏鈴×山﨑天・Sakurazaka46 BACKS LIVE!! ~Center Performance Collections~Nobody’s fault -Day1-Microscope偶然の答え君と僕と洗濯物インタビューVTR●初回仕様限定盤 TYPE-C【CD+BD】1,900円(税込)櫻坂46『流れ弾』初回仕様限定盤 TYPE-Cジャケット【CD収録内容】1. 流れ弾2. Dead end3. On my way4. 流れ弾 -OFF VOCAL ver.-5. Dead end -OFF VOCAL ver.-6. On my way -OFF VOCAL ver.-【Blu-ray収録内容】・「流れ弾」MUSIC VIDEO・「Dead end」MUSIC VIDEO・SAKURA MEGURI小池美波×小林由依×大園玲大沼晶保×武元唯衣×田村保乃・Sakurazaka46 BACKS LIVE!! ~Center Performance Collections~ブルームーンキス最終の地下鉄に乗って思ったよりも寂しくないBAN -Day2-●初回仕様限定盤 TYPE-D【CD+BD】1,900円(税込)櫻坂46『流れ弾』初回仕様限定盤 TYPE-Dジャケット【CD収録内容】1. 流れ弾2. Dead end3. 無言の宇宙4. 流れ弾 -OFF VOCAL ver.-5. Dead end -OFF VOCAL ver.-6. 無言の宇宙 -OFF VOCAL ver.-【Blu-ray収録内容】・「流れ弾」MUSIC VIDEO・「無言の宇宙」MUSIC VIDEO・SAKURA MEGURI上村莉菜×尾関梨香×原田葵土生瑞穂×松田里奈×森田ひかる・Sakurazaka46 BACKS LIVE!! ~Center Performance Collections~Nobody’s fault -Day2-それが愛なのねなぜ恋をして来なかったんだろう?BuddiesBAN【封入特典】・応募特典シリアルナンバー封入・メンバー生写真(各TYPE別25種より1枚ランダム封入)●通常盤【CD only】1,100円(税込)櫻坂46『流れ弾』通常盤ジャケット【CD収録内容】1. 流れ弾2. Dead end3. 美しきNervous4. 流れ弾 -OFF VOCAL ver.-5. Dead end -OFF VOCAL ver.-6. 美しきNervous -OFF VOCAL ver.-櫻坂46「流れ弾」MV櫻坂46「Dead end」MV櫻坂46「無言の宇宙」MV関連リンク櫻坂46 OFFICIAL WEBSITE:櫻坂46 OFFICIAL Twitter:
2022年01月10日2022年1月4日に横浜アリーナでスタートしたSixTONESの全国ツアー「Feel da CITY」、初日のライブをレポートします。ファンに向けたSixTONESの力強く前向きなメッセージに胸熱。2022年1月4日、新たな年の初めに相応しい、力強い願いと美しい希望を感じさせるようなライブツアーの幕が開けた――。SixTONES2枚目となるアルバム『CITY』のリリースを翌日に控え、そのアルバムを引っ提げた全国ツアー「Feel da CITY」が初日を迎えた。フルキャパシティの横浜アリーナには、開演前から色とりどりのペンライトの光がまたたき、6人の登場を待ちわびていた。そして客電が落ち、オーバーチュア(序曲)が流れ出す。どこか荘厳な雰囲気を感じるメロディに、これから始まるライブへの期待感をいやがおうにも高め、観客を「CITY」の世界へと誘ってゆく。6人が登場したのは、メインステージの真ん中に設けられた大きな‟S”文字の上から。流線型を描く“Sカレーター”と名付けられたそれはコースターのレールのようになっており、トロッコに乗った彼らが歌いながら“S”の字を描き出す。冒頭からジェシーさんの歌声の力強い響きにぐっと心を掴まれ、そこに京本大我さんの曇りのない歌声が重なると美しいハーモニーが生まれ、安定感のある6人のユニゾンがさらに高揚感を煽り、唯一無二のSixTONESの音色が全身を満たしてゆく。デビュー以来、着実に音楽性を高め、アイドルというカテゴリーにとどまらないパフォーマンスを見せているが、そんなグループに相応しく、華やかでありながらじっくりと聴かせる演出だ。そんななかで第一声を発したのはジェシーさん。「We are SixTONES!」と流暢な英語で会場のボルテージを上げ、シャウトと共に6人が踊り出す。激しくパワフルな彼らに、横浜アリーナのメインステージは狭く感じるほど。腰を振るセクシーな動きで観客を挑発したかと思うと、ムードたっぷりのステップで魅了し、花道に駆け出しクラップを煽る。ダンスナンバーでたたみかけ、熱量が最高潮に達したところで、「ジェシーのSixTONESです!…逆だね!」と、先ほどまでのクールなパフォーマンスとはうって変わって、おちゃらけてみせるジェシーさん。「クリスマス、チキン食べたかな?プレゼント、もらえたかな?」と、お正月から独自のワールドを展開する京本さん。「いらっしゃいませ。ウチの店は1月4日から開店してますんでどうぞご贔屓に」と、軽快に挨拶を見せる松村北斗さんに、「Everybody! 謹賀新年!」と、元気に叫ぶ森本慎太郎さん。年末の配信で2022年のリーダーに決まった髙地優吾さんは、それを受けて「リーダーになりました」と報告。そして田中樹さんが「今日は全員が主人公だから気を抜くなよ!」と、らしい挨拶で会場を沸かせる。ユニット曲でもそれぞれのコンビのカラーの違いが如実に現れる。ジェシーさん&森本さんの末っ子ふたりは、普段の賑やかでファニーな素顔を封印して、とにかくパワフルに。髙地さんと松村さんは、映像を使いドラマティックに。田中さんと京本さんは、あえてシンプルに音楽を届けるスタイルで魅せてくれた。MCタイムではSixTONESの自由ぶりが爆発。ジェシーさんの「これもう大問題だよね〜」のモノマネから、唐突に「喉仏選手権」が始まり、なぜか松村さんの肘がツルツルであることに帰着するという展開に。話題があちこちに飛躍していくなか、「楽しけりゃなんでもいいんだよ」という松村さんの言葉が妙な説得力を持って聞こえてきた。6人6様の個性――デビュー前からインタビューなどで彼らが何度となく語ってきたSixTONESの強みだ。ただそれも、ひとりひとりが自身を主張し合うだけではバラバラの集合体にしかなり得ない。しかし、今、それぞれがそれぞれの個性を認め合い、リスペクトの上に成り立つ〝個の力〟が、従来のカテゴリーでは括りきれない新たな世界を開拓し続けている。ジェシーさんは、生まれ持ったリズム感と響きのある歌声で、SixTONESのダンスや楽曲にグルーブ感をもたらす存在。森本さんは、パワフルさと持ち前の屈託のない明るさで、ワイルドな香りを。京本さんの美しく抜けのいいハイトーンボイスは、楽曲に安定感をもたらし、その存在感はグループに高貴さを。髙地さんの、その柔和な人柄が表われた佇まいや、「ペンライトの(演出)協力ありがとう」などファンに向けた細やかな気遣いは、グループに親しみを。松村さんは、ドラマや映画などで培われた高い表現力で、ときにセクシーさを、ときに甘い色を加えてみせる。田中樹さんのエッジの効いたラップは一層テクニカルに、そしてMCなどで発する言葉はファンとの信頼と絆を強くしてくれる。今回のライブでは、照明はもちろん、彼らのパフォーマンスを含め、1曲ごとに楽曲の世界観をより深くエモーショナルに効果的に伝えるための演出が施されていたのが印象的だった。映像を使い魅せる楽曲もあれば、ステージ上にしつらえた街角をイメージしたセットの中で歌う楽曲、火花やスモークを駆使したものも。そこに、CDリリースのたびにアーティスト性を高めているチームSixTONESの楽曲に対する強いこだわりが垣間見える。ニューアルバム『CITY』は、通して聴くことで1日の時間の経過を感じさせるストーリー性のある作品となっている。「Feel da CITY」と名付けたツアーは、そのアルバムのコンセプトそのままに、既存曲も交え、やはりストーリー性を感じさせる構成になっていた。まだ夜が明けきらない状況にあるエンターテインメントの世界。SixTONESもデビュー直後から、予定されていたライブやイベントなどの中止が相次ぐなど、コロナ禍により翻弄されてきた。いまだ終わりの見えない不安が続くが、それでも彼らは歌う。「雨のち晴れ身を任せて」「君といつまでも心配なんてない」「この悔しさを力に変えてゆく」「走り出そう連れて行こう約束の場所へと」――奏でるハーモニーが、その歌詞が、SixTONESからのファンに向けた希望のメッセージのように響いてきて、胸が熱くなる瞬間が何度もあった。2022年、横浜アリーナから踏み出した6人が連れて行ってくれる〝場所〟で、果たしてどんな景色が見られるのか。きっとそこには、美しい朝焼けが待っているはずだ。Infomation神奈川、愛知、静岡、熊本、宮城、北海道、新潟、大阪、広島の全国9都市を巡る。全37公演。取材、文・望月リサ
2022年01月08日12月30日(木) SILENT SIRENのラストライブツアー『SILENT SIREN年末スペシャルLIVE TOUR 2021「FAMILIA」』の最終公演、つまり活動休止前のラストライブが東京体育館にて開催された。開演前、場内には彼女たちがこれまでにつくってきた名曲の数々が流れ、「Star drops」の終わりとともに暗転。バンドのメインアイコン・サイサイくんが登場するムービーのあとに始まったオープニングナンバーは新曲「FAMILIA」だった。これはSILENT SIRENが最後に発表した、今ツアーのテーマにもなっている楽曲だ。すぅ(Vo./Gt.)ひなんちゅ(Ds.)が今年9月に脱退したことをポジティブに変換してあえてドラムを全編打ち込んでつくったという意地の1曲だが、今日はもちろん生ドラム。《いつでも帰れる場所がある》という歌詞からは、今回の活動休止が決して後ろ向きではないという想いを感じるし、サイサイファミリー(サイサイファンの呼称)のために歌ったこの曲を1曲目に据えたことの意味は想像するに容易い。曲のスタートとともに輝き始めたのは、観客が腕に身につけたリストバンド。それがより一層バンドとの連帯を感じさせるのだった。そして、「私たちがSILENT SIRENです!」という力強い宣言のあとにプレイしたのは、これまでに数多くのライブやフェスで観客を踊らせてきた名曲「フジヤマディスコ」。あいにゃん(Ba.)の唸るベースライン、鬼キャッチーなサビ、客席で揺れる扇子……いつだって強烈な刺激を与えてくれた曲だ。そこにサイサイ楽曲のなかでトップレベルの人気を誇る「八月の夜」で追い打ちをかける。あいにゃん(Ba.)MCでは、「改めましてこんばんは、SILENT SIRENです!とうとうやってきたね、ツアーファイナル。活休前最後のライブにようこそ!」とすぅ(Vo./Gt.)が叫ぶ。それはいつもにも増して力強く、大きな声だった。おそらく、そうしないと涙が溢れてしまいそうだったのではないだろうか。そんな彼女の姿にグッときてしまう。のっけから代表曲を惜しみなく畳み掛けられて、こちらの音楽脳は存分に刺激されているのだが、「ライブで聴くのはこれが最後か」と思うと、とてつもない切なさがある。しばしの別れだとしても、悲しいものは悲しい。すぅが花に彩られた花道の先端にあるセンターステージ、つまり客席のど真ん中で歌ったのは彼女たちのデビュー曲「Sweet Pop!」だった。「ビーサン」ではそこにあいにゃんとゆかるん(Key.)も合流し、感極まっているすぅを左右からもり立てる。これまでのサイサイもこうやって支え合ってきたのかと思うと、この日すでに何度目かわからない涙腺刺激ポイントが訪れる。ゆかるん(Key.)今回のライブが特別なのは、サポートメンバーとして2人のミュージシャンが参加したこと。1人は渡邊悠(Ds.)、もう1人はクボナオキ(Gt.)だ。クボナオキは元々サイサイのメンバーであり、裏方に回ってからはサイサイのサウンドプロデューサーとして11年にわたり、サイサイの全公演、全曲を支え続けてきた。そんな2人の助けもあり、演奏は安定感があり、音も分厚い。ラストライブということを抜きにしても非常に質の高いパフォーマンスだ。なお、ツアー初日の福島、そして大阪公演ではメンバーにとってお兄ちゃんのような存在であるTHE BACK HORN松田晋二がサポートドラムとして参加していた。ライブ序盤は「これぞサイサイ!」というアゲ曲で攻めたが、中盤は一転。懐かしい冬のバラード「I×U」、絶対にこの曲を出したいとメンバーが主張してリリースに至ったという「stella☆」、新しい旅立ちを歌った新曲「恋爛漫」、日本武道館公演の際に会場限定でリリースされ、今は手に入らない幻の名曲「シンドバッド」といったスローからミッドテンポの楽曲で展開をつくった。こういうライブともなると、どうしても過去の思い出が頭をよぎってしまう。ゆかるんはメジャーデビューのタイミングでサイサイに加入。常に期待通りのパフォーマンスを見せてくれる、徹底した完璧主義で、自分に任されたことは抜かりなく遂行するのがゆかるんという人なのである。彼女は煽り隊長としても頼もしい姿を見せ、丁寧かつ、熱量の高いアジテーションはサイサイのライブにおける見どころのひとつだった。SILENT SIRENというバンドが持つポジティブで明るいキャラクターを象徴していたのは実は彼女なんだと思う。サイサイの職人的な要素を担っていたのはあいにゃんだ。彼女は11年にわたる活動のなかでベースプレイヤーとして著しい成長を見せた。歌うようなフレーズがいつの頃からか彼女の武器となり、ファン以外からもその実力を評価されるようになった。ベースを愛し、サイサイを愛したからこそあいにゃんの才能はさらに開花したのだろう。演奏に対するストイックな姿とは反対に、普段はほんわかとした癒やしキャラ。そのギャップに惹かれるファンが大勢いるのも当然。そんな彼女の成長がSILENT SIRENの楽曲のクオリティをぐんぐん引き上げていったのだと思う。この日もあらゆる場面で光るプレイを見せつけた。そんなシーンがあればあるほど活動休止を惜しむ気持ちが強くなる。そして、長年にわたってSILENT SIRENの顔としてフロントに立ち続けたのがすぅだ。その声を聴けばすぐにサイサイとわかる印象的なボーカルはバンドとしての個性を際立たせた。さらに、彼女が綴る歌詞は、日々の生活のなかで感じる喜びや苦悩、人間としての成長がストレートに反映され、ファンからも強い共感を得ていた。バンドという集合体に対する思い入れも人一倍強い。かなり個性的なメンバーが揃ったSILENT SIRENというバンドがここまで続いたのも彼女の存在があったからだろう。ライブ中盤のMCで彼女はこれまでずっと我慢していた涙を流した。「自分たちがこんなにいろんな人たちに愛されるバンドになるとは思ってなかったからすごくうれしいです」「このバンドは田舎から出てきた何も持っていない私にすべてをくれた場所でした」など頭に浮かんだ言葉を散文的に吐き出していった。そんな姿が本当にリアルで、やっぱり信用できる人だなと思った。パートチェンジで魅せた3人だけのステージ「未来に向かって進んでいく、もっともっとみんなにハッピーな楽しいことを届けられるようにするために出した答えです。今、ここでみんなと向き合っている私たちの音が、姿が答えです」と言って鳴らしたのは「Answer」だった。バンドが解散すること、活動休止することは悲しいことだ。しかし、サイサイはそれだけで終わらせないはずだ。それはこの曲をセットリストに入れたことからも感じる。《あの頃のわたしたちはなんて振り返るよりあの頃のわたしたちを超えれてる未来想像する》という歌詞は、たとえ確かではなくとも明るい未来を見据えているから歌えるものなんじゃないだろうか。《光満ちる未来へ続く道もう止まらないって誓った声がここに響くさ》と歌う「KAKUMEI」もそうだ。この日のセットリストは、ファンに最大限に楽しんでもらうためのものでもあり、彼女たちの意志表示でもあるのではないか。ビジュアルのよさでも注目を集めることが多かったサイサイだが、実はずっと泥臭く戦ってきたバンドでもある。そういった側面が広く知られることなくこの日を迎えたことが少々残念ではある。とにかく人を楽しませることが好きなのもSILENT SIRENというバンドの特徴だ。「KAKUMEI」でシリアスに曲を終えたあと、ステージが暗転。再び照明がつくと、そこにいたのはサポートメンバーを除いた3人。しかも、ベースすぅ、ギターあいにゃん、ドラムゆかるんという編成だ。メンバーが3人になってから3人だけで演奏を披露することがなかったからこの機会に見せたかった、とプレイしたのはインディーズ時代の楽曲「ランジェリー」だった。竿隊のすぅとあいにゃんのパートチェンジは見た目的に違和感がないが、ゆかるんがドラムを叩く姿はかなり新鮮。しかもなかなか上手いときたもんだ。最後の最後でこんなに楽しいものが観られるとは思わなかった。いつの間にか3人のノリもだいぶリラックスしたものになっていた。その勢いで本編ラストとなるブロックを突っ走った。「DanceMusiQ」から始まるサイサイ屈指のアゲ曲の連打だ。「今夜は飲むぞ~っ!」というあいにゃんの叫びとともに始まった「ALC. Monster」、シングル曲ではないものの高い人気を誇るロックチューン「女子校戦争」、あいにゃんがメインボーカルをとる「てのひら」と続く。今回のバンド編成はこういったパワー系の楽曲で最も力を発揮していた。観てる側としても、いつの間にか寂しさよりも目の前の楽しさに没頭できていた。それはきっと5人のテンションがこちらに伝染したからだろう。サイサイ一の高速チューン「HERO」でいったんステージを去った5人は、アンコールを求める手拍子に迎えられて再び姿を現した。MCでは公開されたばかりの「FAMILIA」のMVについて話をした。このMVは自分たちの今を見てほしくてつくったという。活動休止を目前にしてもなお「今を観てもらいたい」という姿勢が心を打つ。「寂しすぎるぜー!終わりたくないぜー!」と叫んだすぅは、「バンドって本当にいいなって思いました。最高のバンドに会えたなって思いました」「気持ちの整理をつけるにはあまりにも時間がなかったなって思ったりもしてます」と本音を交えながら、涙を拭いながら、これまでのバンドの歴史を振り返った。そして、「SILENT SIRENを結成して初めてつくった曲をやります」と歌い始めたのは「チラナイハナ」だった。ここで会場全体がより一層エモーショナルな空気に包まれたが、ラストに「ぐるぐるワンダーランド」「チェリボム」という流れで締めたのは、実にサイサイらしいと言える。ファンに楽しんでもらいたい、ファンの楽しむ姿が自分たちのパワーになると考えていた彼女たちは、ハッピーに締めることを選択したのである。実は、この日のリハーサルの最後にも、すぅはスタッフ全員に向けて「楽しくてしょうがないライブにしましょう!」と呼びかけていた。いくらラストライブとはいえ、湿っぽいのはサイサイらしくないのである。このライブをもってSILENT SIRENは活動休止期間へと入る。昨今、「活動休止」という言葉は「解散」とほぼ同じようなものとして捉えられることが多くなっている。しかし、SILENT SIRENは違う。たとえどんな形になろうとも、きっと彼女たちはここに帰ってくる。そんな希望を抱かせるライブだった。「チェリボム」を終え、メンバー一人ひとりが最後の挨拶をし、ステージを降りる直前、すぅは「音楽って、バンドっていいぞ!」と叫んだ。そこに一言付け加えたい。サイサイって本当にいいぞ。Text:阿刀“DA”大志Photo:上飯坂一 / 増田慶<公演情報>SILENT SIREN年末スペシャルLIVE TOUR 2021『FAMILIA』2021年12月30日(木) 東京・東京体育館SET LIST1. FAMILIA2. フジヤマディスコ3. 八月の夜4. milk boy5. Sweet Pop!6. ビーサン7. BANG!BANG!BANG!8. I×U9. stella☆10. 恋爛漫11. シンドバッド12. Answer13. KAKUMEI14. ランジェリー15. DanceMusiQ16. ALC.Monster17. 女子校戦争18. てのひら19. HEROEN1. チラナイハナEN2. ぐるぐるワンダーランドEN3. チェリボムSILENT SIREN Official Site:
2022年01月04日KinKi Kidsの、実に6年ぶりとなる元日の東京ドーム公演「KinKi Kids Concert 2022」が開催されました。そのライブレポートをお送りします。6年ぶり待望の「元日」東京ドームでのコンサート開催!2022年1月1日、そこには関わる全ての人々の「愛」に満ち溢れた世界が広がっていた。コロナ禍の影響により有観客でのコンサート制限があった昨今。そんな状況を乗り越え、2022年元日、多くの人が待ち望んでいたジャニーズの単独アーティストによる有観客のドームコンサートが開催された。コロナ禍以前は、ジャニーズアーティストたちにとって聖地であり、ホームグラウンドのようでもあった東京ドーム。ファンの誰もが待ち望んだそんな“聖地”での単独コンサート。CDデビュー25周年イヤーに突入したKinKi Kidsが、そのジャニーズアーティストとして再開の幕開けを飾った。デビュー翌年の1998年より東京ドームでコンサートをおこなってきたKinKi Kidsにとっては、東京ドーム公演24回目の開催、通算公演回数はなんと59回(※※)!今回で、自身の持つ“単独アーティストによる東京ドーム最多公演数”の記録を更新。まさに、彼らにとって、ホーム!といえる地で、6年(※)ぶりとなる“元日”の東京ドーム公演となった。ドーム全体が、赤と青のペンライトに埋め尽くされる美しい風景。開演を前にどこからともなく大きな拍手が沸き起こりドーム全体を包み込む。声は出せない静ひつな空間でありながら、緊張感ある熱気は誰もがこの時を待ち望んでいた気持ちの表れか。東京ドーム全体が一体になったのを待つかのようにコンサートが始まった。ステージに、ピンスポットを浴びる一台のグランドピアノ。そしてふたりが浮かび上がるように登場。1曲目は『新しい時代』。メッセージ性の強い歌詩は、今までの“時間”を一気に埋めてくれるように心に響く。ピアノの旋律とふたりの歌声のみという、究極まで削ぎ落とした贅沢な音の世界がドームを包み込む。ふたりが歌い終わると、再び大きな拍手が沸き起こった。「新しい時代がはじまりました!」と堂本光一さんの第一声とともに「あらためまして KinKi Kidsです!」とふたりで挨拶。「こうして急遽決まったコンサートですが、こんなに集まってくださってありがとうございます!」と光一さんが感謝を告げ、「ありがとうございます!」と堂本剛さんも声を揃える。久しぶりの東京ドームでのコンサートになる中、「皆さまのマナーの素晴らしさが、大規模なコンサートの再開になったんだと思います」(剛さん)と再びの感謝を伝えた。という間もなく、「ま、座れば?」と促す剛さんに、「君の家か(笑)」とツッコむ光一さん。キンキならではの軽やかなトークの応戦。ドームをホームのように慣れ親しんだふたりならではの茶目っ気を出しつつ、着席スタイルでの挨拶MCへ。今回の公演は着席・歓声なしというスタイルのもと、実現が可能になったことを伝えつつ、まだまだ油断ならない状況のなか、安全に公演が行える形を模索しながら、それが実施できるのはファンの皆さんのお陰だと感謝の声を語るふたり。急遽開催決定となった公演ということを伝えつつ、「皆さまおわかりですね、ピアノ一本です」(光一さん)とコンサートスタイルを伝えると、場内に大きな拍手が沸き起こる。「ピアノ一本は、ドームではなかったんじゃないかな」(光一さん)「ものすごく、贅沢」(剛さん)とうなずき語り合う。ほぼリハーサルをしていないという中、ピアノ演奏を担当される園田涼さん頼りと話しつつ、園田さんに“アレンジは自由に”“やり直したい時も止めて”などフランクに話しながら、『to Heart』『スワンソング』を、ゆったりとしたピアノバージョンで歌い上げる。ピアノの伴奏のみという削ぎ落とされた音で、見せる唯一無二の世界。ふたりのハーモニーがより鮮明に届く。再びMCにはいると、先日開催されたばかりの『ジャニーズフェスティバル』や『ジャニーズカウントダウンコンサート』の話題に。「いや、本当に今、グループ多い!」(光一さん)「ひと組の人数が多いからね…って、お年玉すげーっ出費やった(笑)」(剛さん)。とボヤきながらも後輩たちへの愛しさが滲み出るトークが炸裂。『ジャニーズフェスティバル』の演出を担当された松本潤さんの話にもなり、「(松本さんが)本当に気を遣ってくれて、何回もやりとりをして創り上げていった感じなんですけど。『一所懸命頑張ったね』と言ったら『そう言っていただけたら嬉しいですっ』って終わってから電話くれました」(光一さん)。「本当に大変そうだった。でも本当によくまとめたよね、すごい!」(剛さん)と、先輩として、出演者として振り返った。ライブ会場でまだまだ制限がある、今。「だからこそライブでよりファンの方の愛情を感じて、より一つになれる」(剛さん)とステージから感じるライブでのマナーにしみじみと愛を伝え、「その愛を選択する姿、いろんな人に知ってもらいたい」(剛さん)とさらなる感謝を述べた。年末年始の『ジャニーズフェスティバル』『カウントダウンコンサート』からのバトンのようにつながれたステージングの話になり、大勢のスタッフがこのコンサートへつないでくれたことへの感謝も。そこから年末の話は止まらず、「今、思い返しても去年最後に見た増田(NEWSの増田貴久さん)の姿(年男でトラの着ぐるみを着ての登場)が」(剛さん)「寅年!っていう」(光一さん)「めちゃくちゃ面白かった!あえてアレに触れないという手に…(笑)。フェス、カウントダウンと普段絡めない後輩と絡めてすごくいい機会いただいたね」(剛さん)「すごく勉強になりました。(それぞれ)こういうグループなんだ、と」(光一さん)止まらなくなる中、「長く喋ると…ダメだね」と、どこまでも楽しいツッコミ会話が止まらない一幕も。続いてのナンバー『雪白の月』を青いレーザーライトが無数に場内を照らす中で披露。歌い終わると、「この状況になることを想定して作られたわけではないけれど」(光一さん)、「別れの曲…ラブソングなのだけど、好きな人ほど近づけないというのが」(剛さん)と、現在の状況に通じる部分があると語りあう場面も。そして、年末に後輩たちと多く接するなか、ふたりの初合作曲である『愛のかたまり』が広く愛されていると実感したという話題から、自分たちの中で『愛のかたまり』の流れを汲んで作ったという『銀色 暗号』を続けて披露。…そんな中、園田さんが『お正月』の旋律を奏で始め、アドリブに大笑いする一幕が。そこで、一度場内の空気を変えるため、剛さんから『銀色 暗号』の歌詩を読み解く講座に突入。この詩は“プロポーズしてからの数時間”が題材で、“夜通し降る雪のつくる朝方の銀世界、この情景を記念にしよう”というようなイメージで作った、というとっておきの秘話も語られた。あらためて再び『銀色 暗号』、歌い終わるや、「いい歌詩やな!」(剛さん)、「いい曲やな(笑)。…自分たちで褒めとる(笑)」(光一さん)と自画自賛に笑い合い、これぞキンキ!というような、ふたりらしいやりとりが続く。“作られる曲は時代の影響を受ける”という話から、「この曲もライブで何回も歌っているけど、印象が毎回変わる」(剛さん) “皆さまの前で披露すると気持ちよくなってしまう曲”という『もう君以外愛せない』へ。温かいオレンジのライトに照らされながら力強く伸びやかなユニゾンが場内を包み込んだ。この後この日発表されたばかりとなる、CDデビュー25周年記念『#キンキ25円でCM出演』企画実施についての話題も。その名の通り、KinKi Kidsが25円でCMに出演するというもので、この企画のために、ふたりが合作で楽曲を制作中というニュースに「久しぶりに合作を。しかもいままでにあまりない形で。歌詩も曲もふたりでできたら」と光一さん。剛さんは、「今までCMなんて作れないと思っていた方も、これを機会に!」と25周年の感謝の想いを込め“いろんな方にお礼も恩返しもしたい”と思いを語る。25周年企画は様々に考案中というふたりの言葉に、場内から“待ってます!”という思いがあふれる大きな拍手が沸き起こった。そして、KinKi Kids元日コンサート恒例!光一さんのバースデーを祝うコーナーに突入。長年KinKi Kidsのバンドマスターを務めている吉田建さんと楽曲プロデュースやバンド参加をしている堂島孝平さんが、サプライズでお祝いに駆けつけた。誕生日の赤い花束を受け取る光一さんに、25周年記念として青い花束を受け取る剛さん。光一さんのバースデーのお祝いしながら、ケーキを囲んで記念撮影を楽しむ一幕も。そんなチームKinKi Kidsの楽しさをドーム全体で楽しんだ後、「遅ればせながら…」と、ここで、改めて「あけましておめでとうございます!」と新年のご挨拶。そこからKinKi Kidsとしておなじみの『Happy Happy Greeting』を、客席の拍手&サビの手振りを受け取りながら歌いあげた。和気あいあいとしたコーナーからガラリと雰囲気も変わり、スクリーンには荘厳なステンドグラスの映像が流れステージ全体がチャペルのような雰囲気になる中、『愛のかたまり』を披露。ピアノの旋律とふたりの情感たっぷりの歌声が、クライマックスとしてドーム中に響き渡った。続いて『Family 〜ひとつになること』を歌い上げると、『薄荷キャンディー』の旋律に乗せてデビュー当時からのKinKi Kidsの映像や写真が次々と巨大スクリーンに。25年の軌跡から、現在のふたりの姿になると、呼応するように演奏は『Anniversary』へ。ドラマティックにスモークが立ち上るステージでの歌声。曲中で巨大スクリーンが開き、その奥から生のオーケストラが登場!重厚なオーケストラの演奏にふたりの歌声が響く。声にならない驚きとともに、観客の大きな大きな拍手が響き渡る中、引き続き『Topaz Love』をオーケストラ演奏とともに披露!壮大なオーケストラの伴奏とふたりの歌声が融合し場内を包み込む。贅沢すぎるハーモニーがドームいっぱいに広がっていく。最後の挨拶では「皆さん、本当に貴重な元日という日に。しかも急遽なお知らせのなか、参加していただいたこと、重ね重ねですが、本当に感謝申し上げたいと思います。私事ですが、毎年誕生日も祝っていただいて嬉しいかぎりです。何より、今年KinKi Kidsとして25周年ということ、その感謝を多方面の方々に伝えていければと思っております。ふたりの活動も増えていくと思いますし、そうした時間を皆さんと共有していければと思っております。25周年、そしてその先も我々についてきてほしいなと思っております!」(光一さん)と、「優しくて柔らかくて、愛に満ちた1年になればいいなと、ただただ思っております。いつもそばにいてくれたのは応援してくれている皆さん。月日が移り行くなか、こんな大変な時代のなかでも、キンキといっしょに時間を過ごすことを選んでくれる人がこんなにもいるんだなと嬉しく思います。この会場にいらっしゃらない方も含めて、ありがとうという想いをこめて、1曲1曲歌わせていただきました。今年もその想いをこめて歌っていければと思っております。まだまだ時代はどうなるかわかりませんが。2022年は僕らにとっても皆にとっても愛の1年になれば。今日は本当にどうもありがとうございました!」(剛さん)と、挨拶。そして、改めて声を揃えて「2022年もよろしく」「本日は本当にありがとうございました」と挨拶し、最後はこの曲でと、デビューナンバー『硝子の少年』がスタート。これぞドーム!!というべき華やかさで、ブルーのレーザーライトがまばゆく交錯するゴージャスなステージで、オーケストラの演奏に乗せて歌い上げた。「皆さん、どうもありがとうございました!あらためて2022年、どうかよろしくお願いいたします!本日はありがとうございました!」(光一さん)、「どうもありがとうございました!たくさんの愛を、ありがとうございました!」(剛さん)と、再びの感謝を述べステージをあとにしたふたり。残されたスクリーンには「どんなときもそばにいれくれてありがとうこれからも僕らの新しい時代を一緒に描いていきましょう。愛してるBe withyou堂本剛堂本光一」というメッセージが浮かびあがった。約2時間ピアノ1つで歌い続け、最後の3曲だけ生オーケストラで歌いあげるという、とんでもない贅沢。ふたりの極上のハーモニーが東京ドームを満たした『KinKi Kids Concert 2022』。コロナ禍でのジャニーズアーティストとしての単独ドームコンサートの再開であり、新たな表現の可能性も示唆する最上級のかっこよさ。25年という年月を歩み続けた凄みと揺るぎない実力を存分に生かし、KinKi KidsのCDデビュー25周年の記念となる年は、大勢のファンの前で奇跡のように力強くスタートした。「お帰りなさい」「ありがとう」そんな愛が東京ドーム中に広がっていくかのように、終演後もしばらく拍手が鳴り止まなかった。【セットリスト】M1.新しい時代M2.to HeartM3. スワンソングM4. 雪白の月M5. 銀色 暗号M6. もう君以外愛せないM7. Happy Happy GreetingM8. 愛のかたまりM9. Family 〜ひとつになることM10.AnniversaryM11.Topaz LoveM12. 硝子の少年※KinKi Kidsが元旦に東京ドームでコンサートを行うのは「2015-2016 Concert KinKi Kids」(2016年1月1日)以来、6年ぶり。それ以降、年跨ぎ・元旦(2020年まで)は京セラドーム大阪にてコンサートを開催。(2020-2021年コンサートはコロナ禍の影響により2020年12月24日、2021年1月1日に無観客配信ライブを実施)※※コンサート開催回数、公演数ともに、2007年7月22日開催のCDデビュー10周年イベント「KinKi Kids 10thAnniversary in TOKYO DOME」(1回)を除くなお、CDデビュー10周年イベントを含む東京ドームでの公演回数は「60公演」。文・anan編集部
2022年01月03日aikoがライブハウスツアー『Love Like Rock vol.9』のファイナル公演を12月22日に東京・Zepp Tokyoで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。本ツアーは2019年10月から2020年3月にかけて行われる予定だったが、2020年3月7日・8日のツアーファイナル2公演が新型コロナウイルス感染拡大の影響により延期に。その振替公演として約1年9カ月越しに開催された本公演は、2022年1月1日に閉館することが決まっているZepp Tokyoでのラストライブとなり、aikoとファンにとっては記念すべきライブとなった。この日は、一足早くファイナルを迎えた全国ホールツアー『Love Like Pop vol.22』の最終公演でaikoがファンを驚かせる結婚発表を行った日から初めてファンの前に姿を現すライブであった。ツアーファイナルを迎えられる喜びと衝撃の発表から初めてファンの前に姿を現すaikoが、一体どのようなパフォーマンスや話を聞かせてくれるのか期待が膨らんでいく。aikoのライブではお馴染みの赤い舞台幕が落ち、最初に披露されたのは「アンドロメダ」。ロックなセットリストが特徴のツアーシリーズである『Love Like Rock vol.9』のスタートダッシュを心踊るビートで決めていく。そのあとに披露された「58cm」は、aikoがZeppの舞台と観客までの距離が58cmくらいと思っていてそれをタイトルにしたZeppとゆかりのある楽曲だ。Zeppの舞台と観客までの実際の距離は90cmあるとのことだが、ライブが始まってからすでにaikoとファンの心の距離は、タイトルの通り58cmに感じられるくらいに近く、心が通っていた。「帰りたくないならこのまま朝になろうよ」というフレーズには、Zepp Tokyoでできるライブが特別であり、このままみんなと一緒にずっとライブをしていたいと言ってくれているようで、この日は特に心に刺さった。「58cm」を歌い終えると、メッセージボードを掲げたファンを見つけ、先日発表した結婚報告に関して「本当にありがとうございます。結婚しました。」と改めてファンに感謝の言葉を述べた。「今日は、ツアーの最終日で、約1年9カ月ぶりで、しかも最後のZepp Tokyoでのライブです。本当に悲しいです。」とZepp Tokyoでのラストライブへの名残惜しさを口にした。続けて、歪んだギターのリフが耳に残る「より道」や「明日の歌」「プラマイ」を歌い、会場の熱気を上げていく。MCを挟んで披露された「ハニーメモリー」や幻想的な映像と照明で彩られた「You & Me both」によって雰囲気を作ると、最新曲の「列車」「食べた愛」などを熱唱していった。ライブの本編の後半に差し掛かって披露された「何時何分」では、サビの《さようならさようならまた今度さようなら》《愛してる愛してるだからね好きだよ》という歌詞が、Zepp Tokyoへ向けた最後の“愛の言葉”のように感じた。またaikoのライブではお馴染みの男子!女子!のコールアンドレスポンスが、コロナ禍のツアーで恒例となったジェスチャーで行われると、バンドメンバーを絡めた“コールアンドレスポンスコント”のようなものが繰り広げられていき、会場は笑いに包まれた。ライブは後半戦、次の曲「beat」に突入した。するとまた会場は、一気にロックの雰囲気に立ち戻って熱気に包まれる。この日の「beat」は、曲中でバンドメンバーの紹介ソロが盛り込まれた特別バージョン。その後「未来を拾いに」「エナジー」を披露しエネルギッシュに本編の幕を閉じた。明日も明後日もZepp Tokyoでライブが続いていく感じがします。aikoのライブはこれからが本番。アンコールに突入すると「相合傘」がロックなバージョンで披露される。「相合傘(汗かきMix)」の今回のバージョンは、まだまだ汗をかけるか?とaikoから曲を通じて言われているように感じた。「相合傘」を歌い終えると「アンコールありがとうございます!今日はZeppで最後のライブなのですごく気合を入れてきたのですが、なんとなく心なしか緊張してお互いよそよそしい感じがします(笑)。なので、もっともっと受け止めていただけると嬉しいです。アンコールも楽しんでください!宜しくお願いしまーす!」と続けて、テンポよく「ハナガサイタ」「メロンソーダ」を歌った。アンコールを歌い終えてノリノリでバンドメンバーの紹介と挨拶を終えると、「今何時だと思っているんだ!まだ9時20分だぜ!私にしてみればまだ昼の3時くらいだぜ!だってこれで最後ですもん!もうちょっとやらせてくださーい!」と最後の最後までこの日を楽しむつもりでいたことを口にした。ファンももちろんそれに答える形で大きな拍手で応戦。ダブルアンコールがスタートした。「赤い靴」を歌い終えると、サビの8ビートでファンと一体になる「運命」でボルテージを上げていき、「キスする前に」を立て続けに披露した。ファンの前にもう一度バンドメンバーとラインナップするとaikoは、名残惜しそうに「まだ歌いたいです!」と続けて「最終日とは思えないし、明日も明後日もZepp Tokyoでライブが続いていく感じがします。ここでは61回ライブをすることができました。いろいろな思い出があって、本当になくなるのかな?と今も思ってます。でもみんながいてくれたから今日もいつものようなライブになりました。本当にありがとうございます!」とZepp Tokyoの思い出とともにファンに向けて感謝の言葉を述べた。「それでは一曲目からいきましょうか?(笑)」とこの日の初めに披露された「アンドロメダ」のセッションを挟み、トリプルアンコールに突入した。Zepp Tokyoで一番披露された回数が多い「be master of life」から始まると、ファンは飛び上がって会場を揺らした。続けてこちらも過去にZepp Tokyoで24回披露されている定番曲の「二人」を熱唱。「二人」の最後に佐野康夫(Ds)が投げたスティックを取りそびれた須長和弘(Ba)を見たaikoが、スティックをキャッチするまでライブは終わらないと、最後にもう1曲「ボーイフレンド」を追加し、Zepp Tokyoでの有終の美を飾った。「今年ももう少しで終わりですが、1年9カ月待っていただき、この日に来てくれて本当にありがとうございます。ライブが終わるのは本当に実感が湧かないのですが、2019年から始まって2021年にライブを終えることができてよかったです。みなさんありがとうございました!また必ず会えますように!またね!」と挨拶して2021年最後のライブを締めくくった。なお各サブスクリプションサービスでは、本公演のセットリストとaikoのZepp Tokyo公演で過去に披露された楽曲のトップ30とレア曲をまとめたプレイリストが公開されている。Photo by 岡田貴之<公演情報>aiko『Love Like Rock vol.9』12月22日(水) 東京・Zepp TokyoSET LIST1. アンドロメダ2. 格好いいな3. ストロー4. 58cm5. より道6. 明日の歌7. プラマイ8. ハニーメモリー9. You & Me both10. 列車11. 間違い探し12. 恋ひ明かす13. 食べた愛14. 何時何分15. beat16. 未来を拾いに17. エナジーアンコール18. 相合傘(汗かきMix)19. ハナガサイタ20. メロンソーダタブルアンコール21. 赤い靴22. 運命23. キスする前にトリプルアンコール24. be master of life25. 二人26. ボーイフレンド■セットリストプレイリスト:■aiko Live@Zepp Tokyo全61公演【TOP30】プレイリスト:■aiko Live@Zepp Tokyo全61公演【レア曲】プレイリスト:<リリース情報>aiko 41st Single『食べた愛/あたしたち』Now On Sale価格:1,320円(税込)●初回仕様限定盤(カラートレイ&8Pブックレット)aiko『食べた愛/あたしたち』初回仕様限定盤ジャケット●通常仕様盤aiko『食べた愛/あたしたち』通常仕様盤ジャケット【CD収録内容】M1. 食べた愛 ※カルビー ポテトチップスCMソングM2. あたしたち ※NHKよるドラマ『古見さんは、コミュ症です。』主題歌M3. 列車M4. 食べた愛(Instrumental)M5. あたしたち(Instrumental)aiko「食べた愛」MVaiko「あたしたち」MVaiko『食べた愛/あたしたち』つまみ喰いmovieポテトチップス「畑から、愛をこめて。」篇じゃがいもチップス「素材のおいしさ」篇配信リンク:購入リンク:関連リンクaiko official website: official YouTube配信サイト official on Twitter(@aiko_dochibi) official Facebook
2021年12月29日女優、映画監督、モデル、カメラマン、シンガーなど、多才なクリエーターの顔を持つ池田エライザが、歌手・ELAIZA名義として初のワンマンライブ『ELAIZA 1st ShowCase LIVE “Paradise Lost”』を12月25日に東京・EX THEATER ROPPONGIで開催した。突き刺すような寒波がおとずれたクリスマスに行われた本公演は、11月にリリースされた1stアルバム『失楽園』で示した現代社会の疲弊と楽園の喪失、そして再生の世界観を全身で享受できるような内容で、満席の観客とともに生まれるシナジーによって多幸感に包まれていた。ELAIZAはスキルフルなミュージシャンとともにみずみずしい生命力でどの曲も鮮やかに披露。音響、照明などの演出チームの世界観のシンクロが素晴らしく、ELAIZAも完全に信頼して身を委ねている様子が、この1回のライブに向け積み上げてきた完成度を物語っている。それによりELAIZAは歌の表現に完全に集中。これまで歌番組ではカバー曲を幾度も披露してきたが、歌唱力だけではない、内から湧き出るエネルギーの神々しい歌声に惹きつけられた。ハイライトのひとつは自らが作詞した「Antique」。未来の地球環境への嘆きをワルツに乗せ、極彩色の照明とベース轟く重低音は混迷を極める世界となる中、柔らかなアコーディオンとささやくようなELAIZAの歌声が、微かな生命の未来への願いを示していた。10代から常に表現者として歩んできたELAIZAが、様々な葛藤を乗り越え音楽という自分自身を表す世界に飛び込み迎えた1stライブ。あふれる感情からか涙がこぼれる姿が印象的だった。本編最後に披露されたのは大地の鼓動と生命力を感じる壮大なバラード「惑星」。大型スクリーンに映し出された宇宙にたたずむ地球と、そこに生きる人々のささやかな日々とのダイナミクスが描かれ、昂る想いをこらえ歌うELAIZAの姿に多くの観客も涙を流す姿が見られた。アンコール最後の1曲はELAIZAがアルバムの中でも特に大切にしている曲の1つである「Paradise Lost」。手持ち型のシンセサイザーを携え幻想的な弾き語りから始まり、会場を柔らかく包み込む歌声とのアンサンブルが、幸福な一夜の儚い終焉を心地よく告げていた。終盤には、2022年3月から4月にかけて東京・神奈川・大阪のビルボードライブを巡るビルボードツアー全6公演の開催を発表。ツアーはアルバム『失楽園』を新たに解釈した世界観・コンセプトになるとのことで、ジャズ編成でパフォーマンスが行われる。<公演情報>ELAIZA 1st ShowCase LIVE “Paradise Lost”12月25日(土) 東京・EX THEATER ROPPONGIセットリストM1. AYAYAYM2. FallM3. etudeM4. AntiqueM5. 夢街M6. insomniaM7. 愛だの恋だのM8. Jingle Bells rock coverM9. Close to youM10. 惑星EN1. Pretty WomanEN2. Paradise Lost<ツアー情報>2022 Billboard Tour3月26日(土) 神奈川・Billboard Live YOKOHAMA4月3日(日) 大阪・Billboard Live OSAKA4月10日(日) 東京・Billboard Live TOKYO関連リンクELAIZA オフィシャルサイト Youtube:池田エライザ Instagram
2021年12月26日ゆずが12月22日にオンラインライブ『ゆず 冬至の日ライブ2021』を開催。ライブの模様は動画配信プラットフォーム「Rakuten TV」で無料生配信され、総視聴数は12万超えを記録した。『冬至の日ライブ』は、ゆずがデビュー当時から毎年冬至に合わせて開催してきたフリーライブ。北川悠仁自身が“冬至の日ライブ”と筆でしたためた幕を背に、北川と岩沢厚治の2人が弾き語り形式で歌唱することが大枠のコンセプトとなっており、過去には西武ドームや横浜スタジアムなど様々な場所から無料ライブを開催。近年ではYouTubeをはじめとする配信形式で行われてきたが、デビュー20周年を迎えた2017年、ゆずが路上ライブを行っていた横浜・伊勢佐木町からの生配信ライブを最後に、その歴史に終止符が打たれた。この度、2022年に迎えるデビュー25周年イヤー突入を記念し、4年ぶりに『冬至の日ライブ』が一夜限りの復活。配信がスタートすると、上空から地上を見渡すようにドローンカメラが下降していき、やがて会場中央に佇むゆずの元へ。「みなさんこんばんは!ゆずだよ~!」という北川の挨拶とともに、ダイナミックなギターストロークが印象的な「嗚呼、青春の日々」からライブがスタートした。この日は兵庫県にある球技スタジアム・ノエビアスタジアム神戸からライブを開催。広大な芝生の真ん中に立ちながら、「日だまりにて」「「バイバイ」」「イコール」の3曲を続けて披露。冬至の日ライブは、かねてから普段のライブでやらないレアな楽曲を披露する場としてファンから定評があったが、今回も「「バイバイ」」は約22年ぶりのライブパフォーマンス。意表をついたセットリストにファンから驚きと喜びのコメントが多数寄せられた。北川悠仁2019年に弾き語り楽曲としてリリースされ、その後アルバム『YUZUTOWN』にて新たな息吹が吹き込まれた「SEIMEI」を披露後、2022年にデビュー25周年を記念したニューアルバムを2作品リリースすることをサプライズ発表。2022年3月に16枚目のオリジナルアルバム『PEOPLE』、6月に17枚目のオリジナルアルバム『SEES』と、勢いを止めることなく進んでいくアニバーサリーイヤーへの期待感がさらに高まった。また、2022年3月より開催される4年ぶり全国アリーナツアーのタイトルが『YUZU ARENA TOUR 2022 PEOPLE -ALWAYS with you-』になったことも併せてアナウンスされた。岩沢厚治サプライズ告知の勢いそのままに披露されたライブ定番曲「夏色」では、Jリーグ・ヴィッセル神戸のマスコットキャラクター「モーヴィ」が登場。声は出せないながらも、恒例の「もう一回!」のコール&レスポンスを共に行い、北川とともに華麗な(?)ボールさばきを披露する一幕も。「夏色」歌唱後には、昨年から延期していたツアーを今年2月に中止したこと、新曲のリリースや夏の2年ぶり有観客ツアー、25周年イヤー突入記念の日本武道館公演など、怒涛の2021年を北川は振り返り「大変な一年でしたが、やれることは全部やったんじゃないかなと思っています」と回顧。「今年頑張ったみんなに、この曲を」と言葉を紡ぎながら、代表曲「栄光の架橋」を披露。続けて、コロナ禍にファンから寄せられたメッセージをもとに制作された「そのときには」を高らかに歌い上げ、4年ぶりの冬至の日ライブは終了。約1時間のパフォーマンスで全8曲が披露された。なお当初見逃し配信の予定はなかったが、ライブの反響の大きさから急遽アーカイブ配信の実施が決定。2022年1月6日23時59分までRakuten TVとゆずの公式YouTubeチャンネルの2つのプラットフォームで公開されている。撮影:中島たくみ『ゆず 冬至の日ライブ2021』アーカイブ配信※2022年1月6日(木) 23:59までの期間限定公開<リリース情報>ゆず ニューアルバム『PEOPLE』2022年3月リリース予定ゆず ニューアルバム『SEES』2022年6月リリース予定<ツアー情報>YUZU ARENA TOUR 2022 PEOPLE -ALWAYS with you3月26日 さいたまスーパーアリーナ3月27日 さいたまスーパーアリーナ4月13日 大阪城ホール4月14日 大阪城ホール4月19日 愛知・日本ガイシホール4月20日 愛知・日本ガイシホール5月7日 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ5月8日 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ5月14日 広島グリーンアリーナ5月15日 広島グリーンアリーナ5月21日 北海きたえーる5月22日 北海きたえーる5月28日 大阪城ホール5月29日 大阪城ホール6月4日 サンドーム福井6月5日 サンドーム福井6月8日 神奈川・ぴあアリーナMM6月9日 神奈川・ぴあアリーナMM6月11日 神奈川・ぴあアリーナMM6月12日 神奈川・ぴあアリーナMM7月2日 静岡 エコパアリーナ7月3日 静岡 エコパアリーナ8月2日 横浜アリーナ8月3日 横浜アリーナツアー特設サイト:ゆず オフィシャルサイト:
2021年12月24日川崎鷹也が、12月18日(土) 東京・ヒューリックホール東京にてワンマンライブ 『カレンダー、めくる日々に丸をつけた』を開催。そのレポートをお届けする。有楽町にあるヒューリックホール東京に集まった約1000人のオーディエンスは幅広い年齢層ながら、比較的若い人たちの姿が目についた。TikTokをはじめとしたSNSで火がつき、圧倒的なストリーミング再生回数を誇る旬のアーティストであることが開演前から伝わってくる。オーディエンスが待つのは、川崎鷹也だ。約半年ぶりとなった有観客でのライブ。暗転し、立ち位置につき、大きなブレスの後に歌い出す姿は、いつもの彼だった。しかし、今回明確に違うのは、バンドを率いているということだ。1曲目は「カレンダー」。12月15日にリリースされたメジャー1stアルバムのタイトルトラックにしてリードトラックだ。鮮やかなバンドサウンドに彼の“あの声”が混じり、会場を満たしていく。印象的だったのは、オーディエンスひとりひとりの目を見るように歌う姿だった。それは、“あなた”に語りかけるように歌われる彼の歌世界そのものが具現化していくようだった。「カレンダー」から一転、「ヘイコウセカイ」「Young Song」とアップテンポなナンバーが続く。そこで気づかされたのは、ライブの1曲目にバラード寄りのラブソングである「カレンダー」を持ってきたことへの驚きだ。確かにアルバムの1曲目に収録されたリード曲ではある。しかし、ライブの1曲目と考えると、普通であれば躊躇してしまうかもしれない。だからそこが、川崎鷹也のアイデンティティなのだろう。つまり、曲調やアレンジよりもその曲で何を伝えたいかが何よりも重視されるということだ。そこには、弾き語りでどんな場所でもやって来たというプライドも関係しているのは間違いない。「普段は孤独にステージに立って音楽をやっていて、もちろんそれが楽しくて、でもいまだに正解が何かわからなくて、みんなが何を求めているんだろうって……。だから本当に今やりたいこと、伝えたいことを歌にして、メロディにのせてやらせていただいています」弾き語りスタイルで披露したのは「Answer」。歌詞に〈答え合わせの旅路を〉という言葉が出てくる。アルバムのインタビューをした際にも、彼は何度か「答え合わせ」と口にする場面があった。歌を歌うことが自分にとって何を意味するのか――そのことを今この瞬間も探しながら歌っているのだろう。その姿に、川崎鷹也というひとりのシンガーソングライターの真実を見たような気がした。同時に、彼がいかにライブという場所を大切にしているかが伝わってきた。「ライブは本当に楽しいですね。ステージで何を表現するか、伝えられるかっていうのがミュージシャンとして最も必要なことなのかなと思います。でもちょっと前まではお客さん全然いなかったんです。今でもお客さんいるかなって不安で怖くて……。だから今日この場所は、最高の景色です」川崎鷹也の存在を知らしめた名曲「魔法の絨毯」をバンドとともに披露した。本編ラスト3曲は「君の為のキミノウタ」「幸せあれ」「ほろ酔いラブソング」と、目の前のオーディエンスに目一杯の感謝を伝えるように歌い切った。「あなたたち一人ひとりが川崎鷹也を応援していて良かったと胸を張って言えるように、誇りを持って歌い続けたいと思います」アンコール最後の曲前に発した彼の言葉をその場にいる誰もが信じたはずだ。なぜなら彼は、いつもそうやって歌い続けて今ここにいるのだから。最後の曲は、「またね、ヒーロー』。ここからどんなストーリーが始まるのか、続きが待ち遠しくなるライブだった。Text:谷岡正浩Photo:上溝恭香<公演情報>川崎鷹也ワンマンライブ『カレンダー、めくる日々に丸をつけた』2021年12月18日(土) 東京・ヒューリックホール東京【セットリスト】01. カレンダー02. ヘイコウセカイ03. Young Song04. 今夜のクリスマス05. ぼくのきもち06. Answer07. 僕と僕08. ひとりの戦士09. 魔法の絨毯10. 君の為のキミノウタ11. 幸せあれ12. ほろ酔いラブソング13. サクラウサギ14. ありがとう、ありがとう15. またね、ヒーロー【プロフィール】1995年、栃木県生まれのシンガーソングライター。2018年、アルバム『I believe in you』をリリース。一度聴いたら忘れられないハスキーな歌声と美しいビブラート、癖になるメロディーラインが魅力。2020年8月、TikTokで“魔法の絨毯”が人気となり同曲を使った動画が27,000本以上アップされ、トータルの再生回数は約3億回再生中。総ストリーミング回数も現在1億回を超え、日本レコード協会から「プラチナ認定」を授与。また、Spotify「バイラルTop50」で1位を獲得や、LINE MUSIC「アルバムトップ100」で1位にランクイン等々各配信チャートを席巻中。12月15日にメジャーオリジナルアルバム『カレンダー』をワーナー・ミュージックからリリースした。<リリース情報>川崎鷹也メジャーオリジナルアルバム『カレンダー』発売中●初回限定盤(CD+DVD):3,200円(税込)川崎鷹也『カレンダー』初回限定盤ジャケット●通常盤(CD):2,600円(税込)『カレンダー』通常盤ジャケット【CD収録内容】M1. カレンダーM2. 僕と僕M3. Young SongM4. ヘイコウセカイM5. あなたへM6. ありがとう、ありがとうM7. 明日未来M8. ぼくのきもちM9. 道しるべ川崎鷹也「カレンダー」MV川崎鷹也「カレンダー」(blackboard version)川崎鷹也「Young Song」MV川崎鷹也「ぼくのきもち」MV【初回限定盤特典映像】・「カレンダー」Music Video・「Young Song」Music Video・JKT / MV Shooting Making Movie・Special Acoustic Studio LiveカレンダーYoung Song魔法の絨毯あなたへほろ酔いラブソング購入リンク:関連リンク川崎鷹也 オフィシャルHP川崎鷹也 オフィシャルYouTube川崎鷹也 オフィシャルTwitter川崎鷹也 スタッフTwitter川崎鷹也 オフィシャルInstagram川崎鷹也 オフィシャルTikTok
2021年12月20日12月19日(日)、9人組ミクスチャーユニットSUPER★DRAGON(通称スパドラ)がワンマンライブツアー「SIXDAY」を立川ステージガーデンにて行った。今回のツアーにあたって、メンバーによるボイスドラマを先行配信。その内容はライブとリンクしており、ボイスドラマ内の分岐が各公演につながっている「マルチストーリーライブ」だ。つまり、会場によってストーリーが異なる。ある日、メンバーのもとに届いたのは未来からの1通のメール。未来の世界ではクローンと人間が共存していたが、クローンは人間に虐げられている立場。クローンは反乱軍を結成、人間との戦争を始めていた。争いの原因となっているのは、クローン技術を悪用しているAMOYH(AMOYH)だと考えられていた。クローンデータを盗み出し、クローン研究を行う会社を乗っ取ったAMOYHの行動を変えるために、2021年に起こる6つの事件を阻止してほしいというのがメールの主からの依頼だ。どの事件が未来に干渉できるのか、未来を変えられるのかわからない。が、スパドラのメンバーたちはそれぞれの事件を防ぐために動き出す。「SIXDAY」というツアータイトル通り、9月の中野サンプラザからスタート、6公演目となる立川ステージガーデンが最終公演となる。6日目に一体どんなストーリーが明かされるのか。公演時間が近づくと少しずつ大きくなっていく会場のBGM。それに誘われるようにしてBLUE(SUPER★DRAGONのファンの呼称)が座席から立ち上がり始める。青のペンライト、肩にはメンバーの名前が入ったタオルをかけ、ライブへの期待感と同時に、どこか緊張感もはらむ。オープニングでは、今回のストーリーを振り返るボイスが流れる。――今日、防がなければならないのは、AMOYHが秘密裏に入手した宝石の違法売買。大きな金額が動くこの事件を止めれば未来は大きく変わるはず。取引の場所は立川ステージガーデン。気合いを入れる面々だったが、表情がさえないメンバーも。「AMOYHの顔を見た」その顔は、彪馬にそっくりだった--?そんな驚きとともに、ステージ上段には9人のシルエットが。1曲目を飾ったのは『WARNING』。今回のストーリーを踏まえると、『WARNING』ほどオープニングにふさわしい曲はないのではないだろうか。そして曲間には、ボイスドラマが差し込まれ、ストーリーが展開していく。――AMOYHが彪馬にそっくりだったということが気になって仕方がないメンバー。それはドッペルゲンガー?彪馬のクローン?つまり彪馬のクローンがAMOYH?謎は深まるばかりだが、まずは今日のAMOYHの取引を阻止しなければならない。自分が片をつける!AMOYHとの戦いの行方は…続いて披露されたのは『LRL-Left Right Left-』。何か足りない繰り返す毎日、自分見失わぬように。歌詞がストーリーにぴったりだ。のびやかなボーカルに玲於をセンターとした激しいダンスが映える。勢いそのままに和哉の低音からスタートする『La Vida Loca』。思わず美しい、とため息が漏れそうになるダンスにパワーがシンクロし、ステージからの圧がすさまじい。そこにBLUEの手拍子が重なり、会場の熱が高まっていく。――本当にこの場所で取引が行われるのか不安に思うメンバー。実際にAMOYHが現れたらどうする?自分そっくりなクローンに対して冷静に対応できるのか?しかし、AMOYHも今回が最後の取引となる。本気でくるはず。阻止をするのも容易ではないはずだと、それぞれ気合いを入れ直す。ここまでが今回の物語の振り返りと導入ということだろうか。ソロダンスに合わせてスクリーンにはメンバーのパーソナルデータが表示され、映画のオープニングを思わせる。――取引を成功させたいAMOYH。スパドラの前に現れたのはAMOYHの指図によって動いていると思われる人間たち。すぐにどうこうされることはないだろうが、メンバーは危険を感じ……。ステージ上段に現れたメンバーの手にはライトが。『City Noise』のフリに合わせて光のラインが鋭く動く。その演出に会場からは歓声が漏れ聞こえる。裾が長いジャケットに、そのライトの光がサーベルのようにも見え、現代の騎士のよう佇まいだ。AMOYHの手の者たちから逃れられるのか……――思いのほかあっさりと捕まってしまった面々。あのメールさえ届かなければ、今頃楽しく過ごしていたはずなのに、とそれぞれため息をつく。そんな日常を思い返しているかのような『Distance』。先ほどまでの緊張感がほどけたように、それぞれが柔らかな表情を見せる。腰かけている洸希を後ろからハグする玲於の姿に観ている側も和む。ジャンの「最後まで楽しんでいきましょう!」という言葉と共に始まったのはポップな『雨ノチ晴レ』。ステージ上段に並んで腰かけ、笑顔で歌う姿は、メールが来なかったときのifの世界なのか。――どうして自分たちは捕まってしまうのか。自分たちのクローンだからやることが分かるのか。しかし、まだ取引は終わっていないはず。早く逃げ出せなければ……白い光、スモークの中、ステージに現れたメンバー。それぞれの個性を生かしたような衣装に身を包んでおり、隠し切れないオーラがにじみ出る。結成6周年である9月27日に配信リリースされた『X』という攻めるトラックに緊迫感が戻ってくる。『Burning in the nights』ではステージ構成を存分に生かしたパフォーマンスを魅せる。上下2段構えのステージングはいつどこに誰が現れるか分からない。限られたステージでありながら、空間を巧みに使いこなし、奥行きがある魅せ方は感嘆の声が漏れる。――どうにか逃げ出すことに成功したSUPER★DRAGON。しかし、逃げられたことに疑問を感じる。まるでわざと逃げられるようにしていたかのような……。そんな中、彪馬は「自分のクローンがやったことは自分が片をつける」と決意を口にする。クローンの間違いを正すのがオリジナルの役目。AMOYHを見つけるため、スパドラは二手に分かれて捜索を続ける。捜索の様子をダンスパフォーマンスで表現。続けてファイヤードラゴンの『On My Way』、サンダードラゴン『Caravan』で世界観を深めていく。ジャン、洸希、和哉の3MCで歌う『Set It Off』は怒りをテーマとした曲だが、この流れで聴くとまた違った意味が伴ってくるように感じる。向けられた怒りはAMOYHか、世界か。――ついにAMOYHを追い詰めたSUPER★DRAGON。フードを外したAMOYHの顔は彪馬そっくり。AMOYHは入れ替えるとHYOMAになる。理想の世界を手に入れたいだけだった。クローン技術で人間の生活が豊かになる、死んだ人間もクローン技術で蘇ることができると、純粋に信じて、発展を願っていた。しかし、クローンで人間を蘇らせるのは禁忌。だから、技術を強奪しようとした。「あんた何年生きているの?」という問いに「数えきれないぐらいの時間、クローンを作れる世界を待っていた」コールドスリープで技術の発達を待っていたAMOYHだが、それも終わり……。物語の完結高まる一体感の中、絆が深まる物語はエンディングへ向かって走り出す。再び衣装チェンジしたSUPER★DRAGONが『Untouchable MAX』で会場のテンションをブチ上げる。ここまで、ほぼノンストップと言っていいほど走り続けてきたセットリストにも関わらず、ダンスのキレは増すばかりだ。そしてここで「立川盛り上がってますか!まだまだ最高潮に至っていません!」と毅が煽る。声が出せない代わりにBLUEは手に持つタオルを高く掲げる。シンプルなC&Rだが、通じ合うにはそれで十分だったのかもしれない。仲間との絆を感じさせる『Dragonfly』で会場の一体感を高めていく。「まだまだぶちあがっていくぞ!」と『Mada’Mada』、さらに『SUPER★DRAGON』で会場のボルテージをマックスまで上げ切って本編を締めくくった。緩急激しいストーリーに浸ったあとの『SUPER★DRAGON』はなんともグッと来るものがある。ステージを立ち去るシルエット。スクリーンにはエンドロールが流れる。一本の映画を見終えたような充足感と同時に、最後に記された「and BLUE」の文字、そして「SIXDAY」を締めくくった「ありがとう俺たちの希望」という一文。物語のエンドマークであると同時にスパドラからBLUEへのメッセージのように感じられ、会場からは自然とアンコールの手拍子が響き渡る。そんなアンコールに応え、SUPER★DRAGONのメンバーが再びステージへ。改めてBLUEに挨拶をした。「髪を黒染めにしたんですけども、色落ちしちゃいましてですね。色も落としちゃったんですけど、BLUEのみんなも落としちゃおうかなと思います」という颯から自己紹介をスタート。緊迫したストーリーから解放され、ようやく素のSUPER★DRAGONが観られたように思え、思わず顔がほころぶ。壮吾は恒例のアナウンスを披露すると、楽が「今日は車内アナウンスじゃないんだね」と言い、「そう、駅のホームのアナウンス。よく気がついたね」と壮吾も笑顔を見せた。その楽は配信のカメラにも笑顔を向けて「みんな大好きだよ~」と愛を届け、洸希は得意のボイパを披露、和哉は叫びすぎて声が低くなりすぎたと謝罪。それぞれが千秋楽を迎えて興奮の心中を声、表情で現した。駆け抜けてきたツアー。セットリストを毎回半分変えたいというメンバーの要望に応えてくれたスタッフに感謝の気持ちを毅が伝えると、ジャンは「今回のツアーは長い時間をかけてBLUEのみんなと会えるのは嬉しかった」と語る。また、颯はツアーの感想として「対面でこうしてライブができるのはすごく嬉しいです。ライブひとつひとつを作り上げていくという実感をこのツアーを通してより深く味わえた。振り付けや構成にも少し携わらせていただいて、そういった面でも、二十歳を迎えたという面でも成長を感じられた」と感慨深げに噛みしめた。颯がツアー中に二十歳を迎えたということで、ファイヤードラゴンで飲み会をしたときのエピソードをジャンが披露。3杯で寝てしまった玲於と颯(すかさず颯が「4杯」と訂正)。時間が経ち、スタッフとジャンで2人を起こすと、玲於が颯に話しかけにいったという。今日は楽しかったね、という話をするのかと思いきや、玲於は「今日何杯ぐらい飲んだの?」颯「4杯ぐらい?」玲於「そうか、俺は3杯だ」とカッコをつけたかったのに、実は颯のほうが呑んでいた……というエピソードに他のメンバーから穏やかに「ダサい」「ダサいね~」といじられるなどという微笑ましい場面も。新曲の初披露過去への後悔なんて意味がない長い期間に渡るツアーだったからこそさまざまなことがあった。「毎回が初日で毎回が千秋楽だった」と毅。そして、今の時勢ならではの心配ごとも。「緊急事態宣言中からツアーが始まり、キャパが上限の半分という制限があったけれど、陽性者も出ず、今日という日を迎えられた。スタッフ、BLUEみんなひとりひとりの『この場所を守りたい』という想いが繋がって今日があるんじゃないかな、と思う」と感謝の言葉を述べ、彪馬も「みなさんのと対面する機会がない中で、自分ひとりで物事に対して考える時間がものすごく増えた」とその言葉を継ぐ。「過去に対する後悔や悔しさを考えることが多くて。そのときに思ったのがどうして過去を振り返るか、ということ。過去にあった幸せを今後越えられるのか、という不安感が多分あると思う。でも、過去を振り返って、後悔するのは何の意味もないな、って気づいたし、そうした過去にあった幸せな思い出っていうのはこれから先、僕たちがどんどん越えていける、と胸を張って言うことができます」と力強く語った。そして「僕たちと一緒に幸せな思い出をたくさん作っていきましょう。そして僕たちの未来に向けて、BLUEのみなさん、すべてのひとに向けてこの曲を歌いたいと思います」と、披露されたのが新曲『-T weedia-』。思いがけないサプライズに思わず客席がざわめく。SUPER★DRAGON初のバラードで、和哉、ジャンのラップも織り込みつつ、柔らかなメロディーが聴く人の心を包み込んでいく。T weediaとはルトリウワタという花のこと。花言葉は「幸福な愛」「信じあう心」。「花を君へ」という歌詞と共に手の差し伸べるような振りが印象的だったが、そこには彼らのBLUEに対する想いが込められているのかもしれない。そしてそれに応える会場を埋め尽くす青のペンライトは互いの絆が感じられるワンシーンのように思えた。さらに、毅は「1サプライズでは終わりません」と言い、『-T weedia-』も収録した4枚目のアルバム『Force to Force』が3月23日にリリースされること、1月12日に配信シングル『Purple Moon』がTBS「よるのブランチ」1~2月エンディングテーマ曲に決定したことを発表し、BLUEを喜ばせた。この日のライブ、そしてツアーが終わってしまうことを惜しみつつ、「これからに向けて前を向いて羽ばたいていければな、と思う。少しでも僕らの活動がみんなの先を照らす光になっていければ」と毅。最後の曲「SOUL FLAG」でしっとりとエンディングを迎える……かと思えば、突然、和哉が胴上げされるという展開に笑みが漏れる。これもまたSUPER★DRAGONらしさなのかもしれない。新たなステージ、新しいエンターテインメントの形を見せた「SIXDAY」。そして、今まであえてやってこなかったバラードを新曲として打ち出すというところに、ワクワクしか感じない。道を照らすSUPER★DRAGONの光は、2022年はより輝きを増していくはずだ。取材・文 / ふくだりょうこ
2021年12月20日WANIMAが、12月17日(金) 東京ガーデンシアターにて『Boil Down 2021』を開催。そのオフィシャルライブレポートが到着した。昨年12月に初開催されたWANIMAのワンマンライブ『Boil Down』が今年も帰ってきた。会場は前回と同じく東京ガーデンシアター。開演時間を迎え、オープニングSE「Boil Down」が流れ出し、カラフルな照明がステージを照らし出すと、嵐のような手拍子がフロアから巻き起こる。そして登場したKENTA、KO-SHIN、FUJIの3人。登場するや否や大興奮の観客をさらに煽り立てていく。「忘年会やぞ!いこうか!」。そんなKENTAの言葉を合図に、ライブは1曲目「GET DOWN」からスタートだ。そこから「今日はとんでもない1日になるぞ!」とKENTAが宣言し「夏の面影」へ。「久しぶりやんけ!WANIMAのライブ久しぶりやんけ!」と客席に語りかけながら、ファストな2ビートで突っ走るサマーチューンが12月の東京に真夏の熱を運んでくる。KENTAの歌はもちろん、その横でマイクに向かって叫ぶKO-SHINのコーラスも元気いっぱい。「ジャンプ!ジャンプ!」という彼の声に、観客も全力のジャンプで応える。演奏を終えるとKENTAとKO-SHINがハグ。まだたった2曲だが、KENTAは息を切らしている。確かにド頭からとんでもないテンションだ。「ちょっと落ち着こう、いったん座ろう」と観客を座らせると、KENTAが改めて挨拶。「めっちゃ会いたかった!」と言いながら、取り出したオペラグラスで客席を見渡している。「みんなが声出せないぶん、WANIMAのKENTA、みんなの代わりに歌うので。楽しんでください!」。ヤバい、ヤバいと繰り返すKENTA、確かに彼のテンションもいつもと違う。「テンション上がったらステージに上がってきてもいいので」という言葉も、本気なんじゃないかと思わせる。まだ2曲だが、すでに会場のボルテージはマックス。このまま最後までいけるのか、ちょっと心配になるほどである。さて、ライブは「Cheddar Flavor」で再開。KO-SHINのギターが気持ちよくコードを刻み、KENTAのベースが轟音でそれを迎え撃つ。さらに「Chilly Chili Sauce」「月の傍で」「LIFE」と3部作からの楽曲を披露すると、KO-SHINの優しいギターに乗せてKENTAが再び歌い始める。「ありがとうを込めて歌った」。そう、「THANX」だ。だがこの日の「THANX」は今まで聴いたことのない「THANX」だった。もちろん歌詞に込められた思いは変わらないが、それをWANIMAの3人はより力強くぶっ放す。いつもよりアッパーに、そして軽快に聞こえるこの曲のあり方が、「Boil Down」というイベントの意味を象徴しているように思えた。FUJIが鳴らす鈴の音も加わり、この季節らしい色合いを帯びた「SNOW」では客席でスマホのライトが揺れるなか、KENTAの壮絶な歌が会場に広がっていく。天を指さして歌い終えると、KENTAは拍手をしながらこの曲を美しく彩ってくれたオーディエンスに「ありがとう」と言葉をかけた。と、ステージから放たれた青白いレーザー光線が、まるで青空のように会場を覆っていく。力強いギターリフとともに鳴らされたのは「ANCHOR」だ。またしても観客の熱い手拍子がバンドを後押しする。ギターをかき鳴らすKO-SHINの顔には笑み。軽くステップを踏む姿からは、心からこのライブを楽しんでいる様子が伝わってくる。「おい、Boil Down!この音は、KO-SHINが弾きよるギターは、FUJIくんが叩きよるドラムは、俺らにとって必要なものだから。目の前におるお前たち、俺らにとって必要なものだから。おらんとダメやから!となりにおってくれよ!となりにおってくれよ!今もこうやって変わらずに歌っとるぞ、いつでも帰ってこいよ!あのとき、あのとき、今やったら……」。思いの丈を叫び、「SHADES」を歌い始めるKENTA。彼が「必要なもの」と言ったKO-SHINのギターが、FUJIのドラムが、がっちりとスクラムを組んでその歌声を支えている。シンプルなロックナンバーだが、そのぶんWANIMAというバンドの骨格をまざまざと見せつけられるような気分になる。「いつでも帰ってこいよ!いつでも会いに来いよ!」。毎年続けるイベントとしてこの『Boil Down』を始めた意味が、KENTAが繰り返すそんな言葉にも宿っている気がする。毎年12月、ここに来ればWANIMAに会える約束の場所。そんな場だからこそ、ステージの3人は全力でオーディエンスを楽しませにかかるのだ。4つ打ちのリズムに乗せて「今日はBoil Down」と繰り返しながらクルクルとダンスをするKENTA。マイクを向けたKO-SHINが「今日……」と独特の調子で歌うと、たまらず笑い転げてしまう。「毎日は守ってあげられないけど、今日1日やったら守ってやるからな!全員で楽しもう!」という言葉から「昨日は今日の踏み台に好きに飛べ、ここ有明で!」と叫んで「つづくもの」へ。FUJIが「みなぎる〜!」と叫べば、KENTAは「チカラー!!」と声を上げる。そんな彼の姿をライブで観るのもずいぶん久しぶりという感じがする。そこからコール&レスポンスへ。もちろん歓声は上げられないので声のレスポンスはないが、それでも心と心でがっちり受け答えが成立していることが、確かに感じられる。さらにそこに重ねられるのが、鉄板パーティチューン「オドルヨル」だ。観客総出でのジャンプで、客席が大きく波打つように揺れる。歌い終え、楽しくて暴れすぎたのか「ちょっと1回、息整えんと」と言うKENTA。だが、そう言ったそばからいきなりステージの端から端までダッシュを決めてみせる。相変わらずのハイテンションである。「めちゃくちゃ楽しいです!ありがとう!」という言葉には素直な気持ちが溢れている。「よかった、またみんなに会えた」ツアーで感じたこと「WANIMAとみんなで忘年会みたいなライブができたらいいなっていうので、毎年1回だけの楽しみを作りたくて」とこのイベントを始めた理由を語り、「まだ2回目なんやけどさ、もうすでに来年が楽しみ」と笑顔を見せる。いつも観客ひとりひとりにめちゃくちゃ近い距離で喋るKENTAだが、忘年会だけあって今日はますます近い。そんな口調で、24公演を回った『Cheddar Flavor Tour 2021』で感じたことを話し始める。「みんなで作り上げてみんなで成功させるっていうツアーを終えて今日なので、なんかほっとしてるのと、『よかった、またみんなに会えた』っていうので、今3人、めちゃくちゃ音楽できてます」という言葉に客席から送られる温かな拍手。「いつでも楽しい場所作っとくけん、何かあったら頼ってほしいなって、変わらずに思っとる。見た目はちょっと変わったかもしれんけど、気持ちはあのときのままやってます。なんなら今が一番かっこいいと思ってる。みんなもそうよ。今が一番かっこいい。他の人はいろいろ言うかもしれんけど、自分が思ってること信じて」。WANIMAの真ん中にあるメッセージを丁寧に言葉にすると、KENTAは静かに歌い始める。KO-SHINの弾くアルペジオに合わせて「帰る場所がわからなくなっても 忘れないでいてほしい こんな歌があること」という特別なフレーズから入っていった「HOME」。曲が進めば進むほど、歌や演奏に込められた感情が高まっていく。全力を出し切るように打ち鳴らされるドラム、KENTAの歌に重ねられるコーラスの力強さ、それが合わさったときの問答無用の頼もしさ。「もう一回、全員で!」。そんなKENTAの呼びかけに、満場の手拍子が響き渡る。そしていよいよ本編最後の曲へ。「みんな聞こえとるか?ひとりひとりに言うんやぞ!知らんとこで悩むなよ!知らんとこで迷って、知らんとこでコケて、知らんとこで苦しい思いすんなよ!いつでも弱音吐いていいんやからな!WANIMAがおるんやからな!負けるなよ、みんな負けるなよ!」。めちゃくちゃストレートなKENTAの言葉からまばゆい光のなかで鳴らされたのはWANIMAがみんなに伝えたいことをまっすぐに歌った「ネガウコト」だ。歌もベースもドラムもギターも、とても丁寧に音楽を届けてくる。大変なことや苦しいこともたくさんあったこの1年が、そんな音楽によって照らし出され、肯定されるような、そんな響きだった。鳴り止まない拍手に応えたアンコールでは、12月15日に配信リリースされたばかりのABEMAオリジナル恋愛番組『シャッフルアイランド』主題歌「曖昧」をライブ初披露。緑のライトに照らされるなか、タイトなグルーヴが繰り出されていく。KENTAの弾くベースラインがシリアスなムードを醸し出し、韻を踏みながら進んでいく歌詞が軽やかにヒリヒリとした思いを伝えてくる。沸騰寸前ギリギリの状態でずっと続いていくような展開が新鮮だ。時折身振りを交えながら歌うKENTA。歌い終えて「新曲の『曖昧』でした、ありがとう!」と笑顔を見せると、「来年はどんな年になるやろうな。いろんなことあるかもしれんけど、WANIMAついてるから」と客席に語りかけ、「ともに心で歌ってください」と「ともに」を歌い始める。人差し指を天高く掲げると、それが合図のように客席では一面のジャンプが広がっていく。それを見ながらドラムを叩くFUJIも笑顔だ。KO-SHINは上階スタンドに目を向けながらひたすらギターをかき鳴らす。そしてラスト、「よいお年を!」という言葉とともに1stミニアルバム『Can Not Behaved!!』からのショートチューン「Hey Lady」をぶちかます。最後は客席とタイミングを合わせてのジャンプで締め。やり切った表情の3人は笑顔でステージから去っていった。この『Boil Down』は来年も続いていくだろう。去年の『Boil Down』はコロナ禍のなかで久々に開催された有観客ワンマンということで特別な意味を持っていたが、今回2回目の開催を経て、このイベントはもっと大きな意味でWANIMAとファンを繋ぐものになった。もうすぐやってくる新しい年も生き抜いて、またこの場所で会おう――そんな約束を交わすような、熱くて楽しくて特別なライブだった。文:小川智宏<リリース情報>WANIMA「曖昧」配信中WANIMA「曖昧」ジャケット配信リンク: オフィシャルHP:
2021年12月18日hideの誕生日を祝うライブイベント『hide Birthday Party 2021』が12月11日に開催され、そのオフィシャルライブレポートが到着した。X JAPANのギタリストとして、ソロアーティストとして日本の音楽シーンに多大なる影響を与え続ける「hide(ヒデ)」。師走に入った12月11日(土) 、12月13日の誕生日に先駆けて恒例となっている『hide Birthday Party 2021』 が今年も開催された。新型コロナウイルス感染は落ち着きを見せているものの、昨年に続き、今年も無観客・配信ライヴである。今年の出演はhideにゆかりのあるアーティストばかりで、お馴染みの顔ぶれ。だが、どの出演者も常に進化し続けるパフォーマンスを見せてくるので、毎年、このパーティーのライヴはとても楽しく興味深い。名曲揃いのhideの楽曲を自分たちなりにアレンジして聞かせてくれたり、オリジナルの楽曲演奏ではバンドの成長を見せてくれる。既に年末の風物詩的なイベントライヴになっているので、「このライブを観なければ年を越せない」と思っているファンも少なくないことだろう。オープニングはDJ浅井博章のMCで、今日のラインナップを紹介。バンドのプロフィールやhideとのエピソードなどを説明してくれるので、何の予備知識がなくてもすぐにイベントの雰囲気になじむことができる。DJ浅井の「パーティーの準備はできていますか?」という高らかな声で、ライヴがスタートした。トップバッターは、CUTT率いるSPEED OF LIGHTS。宇宙服を着た斬新なビジュアルで、宇宙バンドとして独特の世界観を見せてきた彼らが、今回テーマに選んだのはhideの楽曲からインスピレーションを得た「宇宙犬ラッシーの冒険物語」。自身のオリジナル曲とhideの楽曲を交互に演奏し、映像も交えながら、ラッシーのストーリーを展開していく。SPEED OF LIGHTS暴れるラッシーを表現するのは「D.O.D.」(Drink or Die)、地球に帰る時に演奏するのは「ever free」。hideの楽曲を自分なりの解釈で新しい物語に紡ぎ出すCUTTの自由な発想と、SPEED OF LIGHTSの軽快なロックがとても心地よい空間を創りだしている。「映像とストーリー性があるステージが気に入っているので、来年はもっとやっていきたい」とCUTTが抱負を語った後に、彼らは新曲「Birth Everywhere」を披露。スペイシーでポジティブなこの曲を引っさげて、彼らは来年また新たな一歩を踏み出すのだろう。SPEED OF LIGHTS二番手は今年15周年を迎え、6月にはアニバーサリーライヴを行った4人組heidi.。DJ浅井の「とことん楽しんでいきましょう」という紹介に、メンバーも気合十分に手をたたきながら登場する。1曲目は、2019年にリリースされたハードな曲調の「一瞥」。五弦ベースがたたき出す重いリズムと、どこか懐かしさを感じる叙情的なメロディが、不思議な個性を放っている。デビュー時から演奏力には定評があった彼らだが、15年間国内外でライヴバンドとして活動を続けてきただけあって、円熟味さえ感じる圧倒的なプレイである。heidi.ノリのいい「泡沫」では、カメラの向こうで応援してくれているファンに届けとばかりに、義彦(Vo)が「とべとべとべとべ」とhide定番のあおりをシャウト。「今日は配信という形で観てもらっていますが、勝手ながら来年はみなさんと会えるように、heidi.、頑張っていきます」というMCのあと、彼らがラストに演奏したのは、hideの「ピンク スパイダー」。力強い歌声と一体感のある熱い演奏から、彼らの底力が伝わってくるステージだった。heidi.続いて登場したZEPPET STOREは、hideの「FLAME」のカヴァーからスタート。全員が椅子に座って、ゆったりと演奏をしている。hideのアルバムにも参加していたドラムスのYA/NAが、昨年、病気のためドラマーを引退。この日は、エレドラムパッド、ストンプボックス等を駆使して、リズムトラッカーとしてイベント参加となった。そのため、演奏曲はネオアコースティックバージョンのセットリストになっていた。ZEPPET STOREhideが惚れ込んだ声の持ち主である木村世治(Vo)が、ステージ真ん中でアコースティックギターを抱え、柔らかい表情で表現力豊かに歌っている。テンポのゆるい静かな曲が多く、すべてを包みこむようなあたたかな空間が醸し出されている。静かな中にも情熱が感じられるのは、歌詞がしっかりと胸に伝わってくるからだろう。木村も「来年はまた有観客でできることを、楽しみにしています」とMCでいい、ラストの「GOOD BYE」をしっとりと歌い上げた。ZEPPET STORE盟友PATAらの出演、そしてメモリアルプロジェクト再開の発表そして、DJ浅井がひときわ大きな声で紹介したのが、自身も12月12日に誕生日を迎えるI.N.A.(hide with Spread Beaver)、そしてPATA(X JAPAN)。ゲストミュージシャンはJOE(hide with Spread Beaver)という豪華メンバーである。PATA(X JAPAN)JOE(hide with Spread Beaver)I.N.A.がレコードを逆回転させてノイズを発すると、PATAがアコースティックギターを奏で、JOEがパーカッションをたたき始める。曲は「HURRY GO ROUND 」。hide Vocal Take 2のスペシャルバージョンである。I.N.A.(hide with Spread Beaver)スクリーンには、hide、PATA、JOE、I.N.A.が並んでいる懐かしい写真が、映し出されている。I.N.A.がリズムをとりながらDJマシンを操り、PATAがゆったりとギターを弾き、JOEが真剣な表情でパーカッションをたたき、hideの歌声が響く。1曲だけの特別なパフォーマンスだった。最後は、hideイベントには欠かせない実力派defspiral。今年の春に行われた10周年記念ツアーを最後にドラムスのMASAKIが脱退したため、この日はJOEがゲストドラマーとして彼らをサポートした。TAKA(Vo)は、「defspiralは3人でやってますが、今日はこの方の力をお借りしてます。正直、ドキドキワクワクです」と、嬉しそうにMC。華やかな演奏を得意とするdefspiralに、派手なドラミングのJOEのプレイはとてもマッチしていて、勢いのあるステージが爽快である。defspiralさらに、「子 ギャル」「DICE」とタイプの違うhideの曲を続けて演奏し、自分達の芯はしっかり持ちながら多種多様な楽曲をこなしていく力量も見せつけた。ラストは壮大なミディアムバラード「GALAXY」を演奏し、シンプルながらも骨太なロックサウンドで、ステージを締め括った。defspiraldefspiralの演奏が終わった後、TAKAがイベントの全出演者をステージに呼び込む。全員セッションの曲は、「TELL ME」。奇しくも、この日に来年夏公開が発表になった映画のタイトル曲だ。イントロで銀テープが放たれ、ミラーボールが回り、出演ミュージシャンは誰もが笑顔である。「hideさん、ありがとう!」こうして、『hide Birthday Party 2021』は、ハッピーな空気が満ちあふれる中、来年の再会を誓って幕を閉じた。ライヴが終わった後、配信では「ROCKET DIVE」「ピンク スパイダー」「ever free」3曲のスペシャルバージョンのMVが流れた。3曲共、世の中に出ているMVとは違う、アザーカットで構成されているという凝り方。こんなところからも、お客様を喜ばせるために常に120%の努力を惜しまなかったhideのスピリッツを感じることができる。最後に、配信視聴者へ、「2022年、延期されていたhideメモリアルプロジェクトが再び狼煙(のろし)をあげます」というメッセージが流れた。その大きな柱である映画『TELL ME ~hideと見た景色~』が、2022年夏に公開されることが発表された(配給:KADOKAWA)。当時、hideのパーソナルマネージャーを務め、現在はhideオフィシャルマネジメント事務所の代表を務める実弟・松本裕士による物語を映画化。松本裕士著「兄弟 追憶のhide」(講談社文庫刊)をもとに、主人公である弟・ヒロシがhideの共同プロデューサー I.N.A.とともに、hideが遺した音楽を世に送り出すまでの軌跡が描かれる。監督は、『ドラゴン桜』(05)『時効警察』シリーズ(06-07/19)『都市伝説の女』(12-13) ほか数多くの人気ドラマの演出を手がけ、『着信アリ2』(05)『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』(08)『今日も嫌がらせ弁当』(19)『僕と彼女とラリーと』(21) など映画でも活躍中の塚本連平。12月13日hideの誕生日に先立ち、NYと東京を拠点に活動し、Instagramフォロワー27.8万人を誇る人気イラストレーター、目黒ケイ氏が手がけたhideのイラストを使用した、hideビジュアルも初解禁された。詳細は公式サイトで随時公開されるので要チェックだ。『TELL ME ~hideと見た景色~』メインビジュアル (c)2022「TELLME」製作委員会『hide Birthday Party 2021』の模様は12月12日(日) 18:00〜12月19日(日) 23:59までアーカイブ配信されるので、リアルタイムでご覧いただけなかった方も、hideにまだ触れたことがない方もぜひ体感していただきたい。そして、色褪せることなく「現在進行形」で輝き続けるhideの最新情報にも引き続き注目していきたい。文:大島暁美<配信情報>『hide Birthday Party 2021』2021年12月12日(日) 18:00〜12月19日(日) 23:59まで視聴チケット発売中【出演】※アルファベット順hide / defspiral+JOE(hide with Spread Beaver)/ heidi. / I.N.A.(hide with Spread Beaver)/ PATA(X JAPAN)/ SPEED OF LIGHTS / ZEPPET STORE特設サイトオフィシャルウェブサイト<作品情報>映画『TELL ME ~hideと見た景色~』2022年夏 公開決定監督:塚本連平原作:松本裕士「兄弟 追憶のhide」(講談社文庫刊)原案協力:I.N.A.「君のいない世界〜hideと過ごした2486日間の軌跡」(ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス刊)映画『TELL ME』ティザー映像公式サイト公式Twitter公式 Instagram
2021年12月12日12月8日、Awesome City Clubがワンマンライブ『Awesome Talks One Man Show - to end the year -』を東京ガーデンシアターで開催した。彼らのワンマンでは過去最大キャパで行われ、WOWOWライブで生中継もされたこの日のライブは、飛躍の一年を締め括るとともに、年末に向けてさらなる弾みをつけるような、貴重な一夜となった。サポートとともにメンバーがステージに姿を現し、一曲目に披露されたのは7作連続シングル配信の第一弾として先月リリースされた新曲「you」。暗いステージが後ろからの強い照明に照らされ、メンバーのシルエットがぼんやりと浮かぶ中、ゆったりした4つ打ちを基調とする重厚なアンサンブルで進み、落ちサビでメンバー3人にスポットライトが当たるドラマチックな演出が、特別な一夜の始まりを印象付ける。「Awesome Talks One Man Showへようこそ!やっと会えたね!」とPORINが呼びかけて始まった「夏の午後はコバルト」では、パーカッションをフィーチャーした軽快な曲調に場内からクラップが起こり、ミドルチューンの「color」を経て、スケールの大きな「またたき」をatagiが情感たっぷりに歌い上げ、モリシーがエモーショナルなギターソロを奏でると、オーディエンスからは大きな拍手が贈られた。「今日はタイトル通り、今年を締めくくるライブということで、僕たちもすごく楽しみにやってきました。最後まで目いっぱい、我々と一緒に音楽を楽しんでもらえたら嬉しく思います」とatagiが話すと、続く「Sing out loud, Bring it on down」では5人のゴスペルクワイヤが登場し、華やかな歌声で楽曲を盛り上げる。さらに「Fractal」「アンビバレンス」と、前半は比較的最近の曲が続いたが、ここで披露されたのがファーストアルバムからの「Lesson」。スモークがたかれる中、PORINが耳に残るシンセのリフを弾き、長く彼らを応援するファンを喜ばせた。「Cold & Dry」のテクニカルなメロディーをatagiが歌い切ると、ピアノによるインタールードを挟んで、「Moonlight」からは衣装チェンジをし、atagiは青のスーツ、PORINは赤のドレスと、フロント2人の対比が実に鮮やか。PORINがメインで歌う「台湾ロマンス」、シタールの音色が印象的な「燃える星」と続け、「タイムスペース」では〈手と手を鳴らしてよ 聞かせてよ〉という歌詞の通り、場内が手拍子に包まれた。ここで「日本レコード大賞」のノミネートと「紅白歌合戦」への初出場をあらためてオーディエンスに伝え、盛大な拍手が贈られる中、PORINは「私たちは渋谷のちっちゃなリハーサルスタジオから始まったバンドで、ずっとライブハウスでライブをしてきました。ライブが心の底から大好きで、自分たちが一番輝ける場所だと思っているので、今日はみんなと最高の景色を見に行きたいと思います」と想いを語る。atagiが「せっかくのライブだからみんなと一体になりたくて、クラップを使う曲を用意してきました。みなさん、一緒にクラップしてくれますか?」と呼びかけて始まった「SUNNY GIRL」からはゴスペルクワイヤに加え、サックス、トランペット、トロンボーンのホーンセクションも加わり、総勢15名による華やかなパーティーモードに突入していく。その盛り上がりをさらに加速させたのが、「湾岸で会いましょう」でゲストとして迎えられたラッパーのPES。「心で叫べ!セイ、ホー!」とオーディエンスを煽ると、サビでは一斉に手が振られ、atagiとPORINと一緒にステップを踏んだりと、一曲で場内の温度をさらに上げてみせた。さらに、ホーンセクションのソロをフィーチャーした「but xxx」を続けると、華やかなディスコストリングスが印象的なオーサムのライブアンセム「Don’t Think, Feel」へ。モリシーが中毒性のあるループフレーズを弾き、サビでは声は出せなくとも手を挙げてコール&レスポンスが行われ、この日一番の一体感が生まれていた。「最高です!」とPORINが笑顔を見せ、3人で濃密な一年を振り返ると、再びPORINが「このバンドは今までいろんなストーリーがあって、苦難もあったけど、こうやって最高の景色をいま見れているのは、自分たちの感性を信じて、ここまで歩みを止めずに進んできたからだと思っています。そんな想いを書いた曲を聴いてください」と語り、「Okey dokey」を披露。〈迷う間も無く変わり続けた いばら道がよく似合う 僕らは不器用に進んで 真実は今ここにある〉といった歌詞がスクリーンに映し出され、メッセージとして伝えられると、最後に披露されたのはこのステージに3人を導いた「勿忘」。花開く映像とともにリリカルなメロディーと熱い演奏を届け、本編を終えた。アンコールでは4枚目のフルアルバムのリリース、2年ぶりの全国ツアー開催が発表され、PORINが「2021年はお花が咲いたような、実りの多い一年だったんですけど、2022年もまた新しい、美しい、きれいなお花を咲かせようと思いますので、ぜひついてきてください」と呼びかけ、オーサムの冬ソングの定番「青春の胸騒ぎ」を披露。最後はatagiが「これからの僕たちに期待してほしいという想いで、今の僕たちの想いが詰まった最新の楽曲でお別れしたいと思います」と伝え、リリースされたばかりの新曲「雪どけ」を雪が降る映像とともに届けて、感動的にライブが締め括られた。文:金子厚武写真:後藤啓太<公演情報>『Awesome Talks One Man Show - to end the year -』2021年12月8日(水) 東京ガーデンシアター【セットリスト】01. you02. 夏の午後はコバルト03. color04. またたき05. Sing out loud, Bring it on down06. Fractal07. アンビバレンス08. Lesson09. Cold & Dry10. Moonlight11. 台湾ロマンス12. 燃える星13. タイムスペース14. SUNNY GIRL15. 湾岸で会いましょう feat. PES16. but xxx17. Don’t Think, Feel18. Okey dokey19. 勿忘En1. 青春の胸騒ぎEn2. 雪どけプレイリスト:<リリース情報>Awesome City Club ニューアルバム『タイトル未定』2022年3月9日(水) リリース●CD+Blu-ray+グッズ付き:9,900円(税込)品番:CTZ1-96065/Bグッズ:ファブリックポスター(サイズ)400×600mm(原産国)中国(素材)綿ポリエステル※初回生産限定(Awesome City Club OFFICIAL GOODS STORE / mu-mo SHOP / MERCHBAR 限定商品)※本商品は、数量限定生産となります。お求めご希望の方は12月20日(月)23:59までにご注文下さい。(12月21日以降は予定枚数に次第販売終了となります。)●CD+Blu-ray:8,250円(税込)品番:CTCR-96063/B●CD:3,190円(税込)品番:CTCR-96064【CD収録内容】全10曲収録予定【Blu-ray収録内容】CTZ1-96065/B、CTCR-96063/B収録■新木場USEN STUDIO COAST1. トビウオ2. バイタルサイン3. アンビバレンス4. アウトサイダー5. 今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる6. 最後の口づけの続きの口づけを7. ブルージー8. Okey dokey9. but ×××10. ceremony11. 湾岸で会いましょう feat. PES12. Don’t Think, Feel13 勿忘■中野サンプラザ1. 夏の午後はコバルト2. GOLD3. アウトサイダー4. 僕らはこの街と生きていく5. ceremony6. タイムスペース7. 夜汽車は走る8. 青春の胸騒ぎ9. tamayura10. 記憶の海11. 最後の口づけの続きの口づけを12. color13. Okey dokey14. Don’t Think, Feel15. 今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる16. STREAM17. またたき18. 勿忘EN. Lullaby for TOKYO CITY【CDショップ先着オリジナル特典】・タワーレコード:A4クリアファイル・HMV:ロゴステッカー・Amazon.co.jp:メガジャケ・楽天ブックス:ポストカード・セブンネットショッピング:ポケットカレンダー(2022年4月~)・mu-mo SHOP:ステッカーセット・その他、CDショップ特典:ジャケットサイズステッカー※各特典は数に限りがありますので、無くなり次第終了となります。※一部取り扱いのない店舗、ECサイトもございます。アルバム予約リンク:<ツアー情報>『Awesome Talks - One Man Show 2022 -』『Awesome Talks - One Man Show 2022 -』キービジュアル4月2日(土) 愛知・Zepp NagoyaOPEN 17:00 / START 18:004月3日(日) 大阪・Zepp NambaOPEN 17:00 / START 18:004月10日(日) 東京・Zepp Diver CityOPEN 17:00 / START 18:004月15日(金) 北海道・Zepp SapporoOPEN 18:00 / START 19:004月17日(日) 宮城・仙台PITOPEN 17:00 / START 18:005月1日(日) 福岡・Zepp FukuokaOPEN 17:00 / START 18:00チケット料金:指定席6,600円(税込)※ドリンク代別途必要※12歳以下は保護者同伴の上チケット購入の上入場可、3歳未満入場不可。お子様の安全確保は保護者の責任においてお願いいたします。詳細はこちら:関連リンクAwesome City Club オフィシャルHP: City Club Twitter: City Club Instagram: City Club YouTube Official Channel: City Club TikTok:
2021年12月10日“下北沢爆裂エナジーポップ”バンド・シャンプーズが11月22日(月)下北沢SHELTERでワンマンライブ『爆裂洗髪独演会』を開催した。今年4月にサポートだったベーシスト・ざしきわらしが正式メンバーになって初となる待望のワンマンライブ。モミー(Vo/Gt)扮する爆裂さんの開会宣言を経て、1曲目「ナイトライダー」から「シーサイド」へとアクセル全開でスタートしたステージは、終始前のめりなパワーに溢れ、大勢の観客とともにワンマン開催を迎えられたことへの歓喜が迸っていた。Photo:清水舞「誰もおいていかないから!」というモミーの叫びに、観客は高くコブシを突き上げ、アグレッシヴなマリオ(Dr/Cho)のドラムと、ざしきわらしのビートにジャンプし、高く足を蹴り上げながら華麗にギタープレイする樹里(Gt)に拍手を送る。先月、足を痛めてしまったことをSNSで発表し、しばらくハイキックは封印していた樹里だったが、余裕の笑みで序盤から軽やかにステージを跳ね回るその姿からはもう心配なさそうだ。Vo/Gt:モミー(Photo:清水舞)日に日に焦燥感ばかりが募るモラトリアム期の心の叫びと、厄介なくらいに美しく輝き続ける夢や希望のかけらを抱いて不器用にひた走るシャンプーズの青春パンク。フロアは男性の姿が圧倒的で、爆音を楽しみながらもバンドとガッチリと向き合う熱さを感じる。普段は心の奥に潜めている青い感情や繊細な情緒と共鳴するその歌に、コロナ禍でなかったら大きな声を重ねるところだと思うが、その分をコブシに変えて大きく振るう。「ノイズ ノイズ ノイズ」「チェリーブロッサム」と、アンサンブルが加速を続ける前半から会場は熱気に包まれ、長い拍手が響いた。Gt:樹里(Photo:石原敦志)モミーは、このワンマンライブに決意を持って臨んだという。どこか臆病で、怖がりながらバンド活動をする自分に対してメンバーは前向きで、なんでもっと攻めないのかと思っていると思うと、語る。その自身の臆病さを払拭するようにこのワンマンライブを開催したとMCする。腹を括った覚悟を伝えるように今一度、「誰もおいていかないから」と言ってプレイした「光る街」のエモーショナルな演奏、がなるようなヴォーカルはどこまでも強い。また久しぶりの曲を、と「寒い日には」や「ロンリーサマー」へと続き、モミー曰く“知っている人は知っている、知らない人には全部が新曲”の中盤ゾーンへと突入し、「杏仁豆腐」や「さよならサマーデイズ」、また「それだけでいいのさ」とプレイして熱いシャンプーズ・ファンのテンションをさらに上昇させる。幅広い曲でセットリストを組めるのもまた、ワンマンライブならではだ。B:ざしきわらし(Photo:清水舞)久しぶりの曲たちを演奏する緊張のゾーンを経て、じっくりと描くように演奏されたのは「東京」や、夏に配信されたシングル「メイ」。ミドルテンポで、ジリジリとした暑さや湿度がその音に滲み、切なさと哀愁をバーストさせる「メイ」は、ライブでこそその温度をリアルに感じる。密度の濃いドラム&ベースのグルーヴに樹里のギタープレイが冴え、ステージでの“映え”も最高潮だ。後半へと向かうMCでモミーは、昔話をと言ってシャンプーズのはじまりを語った。一度はバンドを辞め故郷に戻って就職もしたが、4カ月で再び東京へ出てきたこと。2017年、この人と一緒にやりたいというギタリスト樹里と出会ったこと。樹里と初めて会う日に遅刻したのは、実は忘れていたからだったというメンバー衝撃の暴露話までこぼれてしまったのは、ワンマンライブができた喜びからだろう。そしてドラム・マリオが加わり、ベーシストは何度かメンバーが変わったが今年ざしきわらしが加入して、こうしてワンマンライブ開催へ至った思いを話した。このMCに続いたのは、シャンプーズのはじまりの曲「蝉の唄」。パンキッシュな曲からぐんぐんとBPMをあげて、「窓の外」「ウルトラマリンブルー」を演奏して、シャンプーズとして走ってきた約5年間をその曲とともに駆け抜けていった。Dr/Cho:マリオ(Photo:石原敦志)ライブ終盤には、2022年にアルバムをリリースすることや、アルバムを引っさげた全国ツアーを行い、そのファイナルを4月30日(土) 新代田FEVERで開催することが発表された。「よし、言ったからには頑張ろう。言ってしまえば、もうやるしかないからね。これからその手法で行きます」と言って観客をわかせて、“シャンプーズはカッコイイバンドじゃなく、やばいバンドになろうと思ってる”と高らかに宣言。まさにこのワンマンライブにふさわしい「はらはくくったぜ」と、サブスクに解禁されたばかりでこの曲にいつも背中を押されてきたという「28」をアンセミックに響かせた。Photo:石原敦志Photo:清水舞「この4人と、皆さんも含めてシャンプーズ!」と叫ぶモミーの声が、明るく、たくましく会場を照らし、樹里はギターをブンブン振り回す勢いで笑顔でフロアに迫る。見るものの心を強い握力で掴む大車輪のバンドアンサンブル、キャッチーなメロディと鮮やかな情景を広げる歌心、泥臭く気恥ずかしいくらいの青春の琴線に触れる歌とそのボーカルを炸裂させたこのライブは、この先、シャンプーズがよりたくさんの人を巻き込んでいくうねりを感じた。「ウォッシュユアヘッド」3連打の賑やかで祝祭感溢れるアンコールまで、高揚するバンドの鼓動が大きく響きわたったワンマンライブとなった。Text:吉羽さおり<公演情報>シャンプーズ ワンマンライブ『爆裂洗髪独演会』2021年11月22日(月) 下北沢SHELTERセットリスト01. ナイトライダー02. シーサイド03. ノイズノイズノイズ04. チェリーブロッサム05. 光る街06. 寒い日には07. ロンリーサマー08. 杏仁豆腐09. さよならサマーデイズ10. それだけでいいのさ11. 東京12. メイ13. 蝉の唄14. 窓の外15. ウルトラマリンブルー16. はらはくくったぜ17. 28EN. ウォッシュユアヘッド ×3<ライブ情報>『下北沢にて’21』12月4日(土) 下北沢複数会場サーキット開場 11:00 / 開演 11:30チケット代:4,500円『武蔵野音楽祭蓮の音カーニバル2021 WINTER』12月11日(土) CLUB SEATA開場 12:00 / 開演 12:30チケット代:前売4,200円 / 当日4,700円 ※ドリンク代別途要『ユタ州 presents 年末!八王子わっしょい〜第一夜〜』12月26日(日) 八王子Match Vox&RIPSサーキット出演:ユタ州 / MINAMI / NiNE / アラウンドザ天竺 / プピリットパロ / Su凸ko D凹koi / シャンプーズ / ロケットボーイズ / トランヂスター / 肉球ポコポコ団 ほかチケット代:前売2,500円 / 当日3,000円 ※ドリンク代別途要『CHIKAMATSU COWNTDOWN 21/22』12月28日(火)~31日(金) 下北沢近松※シャンプーズは12月29日(水) に出演チケット代:前売・当日1,500円 ※当日受付にて2ドリンク代(1,200円)必要シャンプーズ主催 下北沢サーキットイベント『爆裂洗髪祭2022』2022年1月16日(日) 下北沢MOSAiC / 下北沢Daisy Bar / 下北沢近松出演:シャンプーズ / 明くる夜の羊 / either OrganicCall / CASANOVA FISH / 少年のように / せだい / 虎の子ラミー / FILTER / フィルフリーク / マイアミパーティ / まなつ / 四丁目のアンナ / リスキーシフトチケット代:一般早割2,900円、学生早割2,400円 / 一般通常3,400円、学生2,900円2022年フルアルバム発売に伴いレコ発ツアー開催決定!4月30日(土) ツアーファイナルを新代田FEVER にて開催※詳細は後日発表詳細はオフィシャルサイトにて<リリース情報>シャンプーズ ファーストフルアルバム『WASH YOUR HEAD』2022年2月16日(水) リリース価格:2,200円(税込)関連リンクシャンプーズ 公式サイト:シャンプーズ YouTube:シャンプーズ Twitter:シャンプーズ Instagram:
2021年11月26日Juice=Juiceが、11月24日(水)に神奈川・横浜アリーナでワンマンライブ『Juice=Juice Concert 2021 ~FAMILIA~ 金澤朋子ファイナル』を開催した。Juice=Juiceは、2013年2月に結成されたハロー!プロジェクトに所属するグループ。初期メンバーとして活動し、2019年6月からリーダーを務める金澤朋子がこの日をもって卒業することとなった。金澤、植村あかり、稲場愛香、井上玲音、段原瑠々、工藤由愛、松永里愛、そして今年7月に加入した新メンバーの有澤一華、入江里咲、江端妃咲は、メンバー10人で艶やかさと感情が詰まったステージを繰り広げた。なお、本公演は新型コロナウイルス感染予防対策に配慮し、観客はハンドクラップやペンライトを振ってメンバーを応援した。約1年ぶりのワンマンライブであり、10人体制最初で最後のワンマンライブは、グループ初の横浜アリーナが舞台。満員のファンが灯すペンライトの色は、金澤のメンバーカラーの赤一色。ライブは、「イジワルしないで 抱きしめてよ」からスタートした。白と黒を基調とした衣装のメンバー10人は、メインステージ後ろの階段ステージを使ってパフォーマンス。続けて彼女たちは、12月22日に発売するニューシングルから新曲「Future Smile」を初披露する。ジャジーなサウンドでしなやかに歌い踊る姿はとてもゴージャスだ。さらにはファンキーな「ロマンスの途中」でノリノリのダンスを見せ、観客のテンションを高めていった。金澤朋子MCでメンバーが自己紹介すると、金澤は「ほんとにドッキドキなんですが、そのぶん、私たちも気合い充分です!」と自身のラストステージへの意気込みを口にした。新メンバー3人がステージを捌け、ここから7人でパフォーマンスを行っていく。シュガー・ベイブ、EPOのカバー曲「DOWN TOWN」では、曲中に井上がボイスパーカッションを披露。白いジャケットを脱ぎ黒いセクシーな衣装となった彼女たちは、ロックとR&Bがミックスされた「Va-Va-Voom」をパワフルにパフォーマンスする。哀愁感のある「好きって言ってよ」、ラテンフレイバーの「素直に甘えて」を歌唱し、「ポツリと」では階段ステージを使って広がりのあるボーカルとキレのいいダンスをしっかりと見せた。10人がステージに並ぶと、ニューシングルから竹内まりやのカバー「プラスティック・ラブ」を初披露する。シティポップ・クラシックとして世界中から注目される楽曲を、Juice=Juiceは1番をソロで歌い継ぎ、2番は複数で歌うというスタイルで歌唱する。さらには、ダンスで優雅さを出したりと、新たな「プラスティック・ラブ」の解釈で会場のファンを楽しませた。ライブ中盤戦は、ユニットコーナーが展開。「DANCE NUMBER」では、ダンスが得意な稲場、段原、松永が中心になりビシビシのダンスを見せ、金澤、植村、井上、工藤も個々の特性を活かしたパフォーマンスで魅了する。そして、新メンバーの有澤、入江、江端は、「如雨露」をかわいくポップに歌唱した。入江里咲×有澤一華×江端妃咲ミントグリーンとシルバーの衣装となったメンバーは、ここから金澤とのコラボステージを見せていく。金澤、段原、松永、江端で「プラトニック・プラネット」、金澤、稲場、工藤、有澤で「TOKYOグライダー」を歌唱。金澤、井上、入江で「Wonderful World」を歌い、金澤、植村という初期メンバーのふたりで「シンクロ。」を歌唱した。金澤朋子×植村あかり金澤が歌でメンバーと気持ちを通わせたあとは、7人での集大成を見せるかのように人気曲「「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?」を披露する。エモさたっぷりの歌、かっこよさ溢れるダンス、Juice=Juiceの底力をしっかり観客に届け、会場の熱量はヒートアップする。そこに投下されたのは、Juice=Juiceのデビュー曲「私が言う前に抱きしめなきゃね」。サックスの音色とともに渾身のパフォーマンスを見せた彼女たちは、トランペットの響きからラテン感たっぷりの「Fiesta! Fiesta!」をたたみ込む。情熱的な歌とダンスに会場の温度もさらにアップした。10人がステージに揃うと、いよいよラストスパートに突入。彼女たちは、疾走感溢れる「CHOICE & CHANCE」をダイナミックにパフォーマンス。ソウルフルでグルーヴィーな「Magic of Love」では、ステージからアリーナを囲むように繋がる花道に広がり、全観客をハッピーな空気に包んでいく。曲中、金澤の「はぐれちゃった」の歌割りのあと、本来であればファンが「ここだよともこ!」の合いの手を入れるのがライブの定番となっていた。だが、声が出せない観客の思いを汲み、メンバーが渾身の「ここだよともこ!」をコールした。曲の終わりは、メンバーがユニゾンでコーラスする中、段原が見事な伸びやかなボーカルフェイクを見せて会場に一体感を作り上げた。金澤朋子が語った9年間の感謝とこれからの思いMCを挟み一息ついたあと、ニューシングルに収録される金澤の卒業に向けて作られた「Familia」が披露される。いつまでも変わらない場所、かけがえのない時間といった歌詞をメンバーは涙しながら歌う。そして、キャッチーなナンバー「Goal~明日はあっちだよ~」がドロップ。花道に広がったメンバーは諦めない思いを力いっぱい歌い、会場中の気持ちをひとつにしてライブ本編は終了した。アンコールで、真っ赤な薔薇の花束を彷彿させるドレスを着た金澤がステージに登場すると、その美しさに観客から拍手が起こった。彼女はソロで「あなたを想う帰り道」を歌唱していく。ビブラートを効かせたボーカル、最後の伸びやかなハイトーンといい、金澤のボーカル力の高さを改めて痛感させられた。そして、バラード「続いていくSTORY」が届けられる。1番は金澤が歌い、2番を階段ステージに並んだメンバーが歌っていく。全員がメインステージに並び温かいメロディを届けていった。観客は赤いペンライトを揺らし、金澤への気持ちを伝えた。MCコーナーでは、金澤が卒業の思いを語っていく。「今回、私は病気のことがあって卒業を決意しました。悔しい気持ちや寂しい気持ちが無いと言い切るのは、正直ウソになります。それでも、最終的には自分で決めたことなので、この選択を正解にしていけるよう、しっかりと自分の体も大切にしながら精進してまいります。私は必ず、みなさんの前に帰ってきます」と、彼女の力強い言葉に観客から拍手が沸き起こる。続けて「これまでみなさんが私を必要としてくれたおかげで、私に居場所が生まれました。わがままかもしれませんが、言わせてください。私にもみなさんが必要です。どうか、信じて待っていてくださると幸いです。これからも金澤朋子、Juice=Juiceのことをどうぞよろしくお願いします。改めまして、約9年間、ほんとにほんとにとっても幸せでした。みなさん、素敵な時間をありがとございました。また必ず、笑顔でお会いしましょう。2021年11月24日、Juice=Juiceリーダー、金澤朋子」と、感謝とこれからの思いを口にし会場は大きな拍手に包まれた。そして、金澤から三代目Juice=Juiceリーダーとして紹介された植村が語っていく。「ともこの寂しい思いとかも、丸ごとメンバーみんなで背負っていきます。今日、ともこを笑顔で送り出せてほんとにうれしいです」「でも、安心しないでください、だってリーダーが私です(笑)。でも、いつの間にかこんなにいっぱい後輩たちができました。これからのJuice=Juiceも絶対にかっこいいよね?(ハイ!!と元気よく返事するメンバー)。ということで、頼もしい後輩たちがいるので安心してください。ほんとにおめでとうございます!」と初期メンバーの末っ子だった植村らしい、ユーモアを交えた言葉で金澤へ思いを伝えた。いよいよほんとのエンディング。金澤が「明日からうえむーがリーダーとして引っ張ってくれるJuice=Juiceに期待を込めて、最後はこちらの曲を!」と語り、メンバー10人で「未来へ、さあ走り出せ!」を披露する。客電のついた明るい会場にメンバーが花道いっぱいに広がり、前に進んでいく思いとJuice=Juiceの名前が刻まれた歌詞を力いっぱい歌っていった。爽やかな空気に包まれた会場に向かって、メンバーはマイク無しで「本日はほんとにありがとうございました!!」と声を上げ挨拶。鳴り止まない3拍子(と!も!こ!)のクラップに応えて、10人がステージに戻り改めてお辞儀する。そして、最後の最後に金澤が「9年間、ほんとにほんとにありがとうございました!私はとっても幸せ者でした。またお会いしましょう!」と笑顔で挨拶しライブはフィニッシュとなった。MCでも語っていたように、金澤の卒業は病気の影響によるもの。もともとはグループを去ることは本意ではなかった。しかし運命を受け入れるように、人生の選択として卒業を決断。そしていつか再びステージに帰ってくることをファンと約束したわけだ。Juice=Juiceは、かっこよく強い女性をイメージした楽曲が多いが、まさにグループのテーマを実践するかのように、金澤は今までと違う形で前向きに進んでいく。そして、植村がリーダーとなったJuice=Juiceは、これからもレベルの高い歌とダンスで前進し、また新しい姿でファンと楽しませくれるはず。まさに有終の美を飾るステージを経た10人の、次なる展開に期待したい。Text:土屋恵介■Juice=Juice公式サイト:
2021年11月26日アンジュルムが、11月15日(月)に東京・日本武道館でワンマンライブ『アンジュルム コンサート2021 桃源郷 ~笠原桃奈 卒業スペシャル~』を開催した。タイトルにもあるようにこの公演は、2016年7月からアンジュルムのメンバーとして約5年間活動してきた笠原桃奈の卒業ライブ。グループとしても約1年ぶりの単独コンサートだ。様々な思いとともに、竹内朱莉、川村文乃、佐々木莉佳子、上國料萌衣、笠原桃奈、伊勢鈴蘭、橋迫鈴、川名凜、為永幸音、松本わかなは、10人編成のアンジュルムの集大成を見せる強力なステージを繰り広げた。なお、本公演は新型コロナウイルス感染予防対策に配慮し、観客はハンドクラップやペンライトを振ってメンバーを応援。6,000人のファンが詰めかけた会場が暗転すると、一気に客席が笠原のメンバーカラーのホットピンクの光に染まる。波打つ眩いレーザーの光の中に登場したアンジュルムは、「赤いイヤホン」からライブをスタート。アリーナに広がる巨大な十字型のステージのど真ん中で、華やかな衣装を着た10人のメンバーはクールな世界観を見せていく。「次々続々」では花道を大きく使い、バチバチのダンスでダイナミックな空間を作った。笠原が歌い出しの「愛されルート A or B?」では、ジャジーでゴージャスな歌とダンスを見せる。武道館に雷鳴が轟き「乙女の逆襲」が披露されると、ホラーミュージカルのようなファンタジックな空間が展開。間奏のバレエダンスは、伊勢が優雅に決めた。MCでメンバーがファンに挨拶すると、リーダーの竹内は「1年ぶりの単独ライブで、舞い上がっちゃってます(笑)」と笑顔で語り、笠原は「まだ卒業の実感が全く無く、とにかく最強のアンジュルムで、最強のコンサートをお届けしたいです!」とライブへの気合いを口にした。ライブに戻ると「ミラー・ミラー」を披露。ペアになり4方に散らばったメンバーはグルーヴィーなサウンドで歌い踊る。アップリフティングな「七転び八起き」では、佐々木、橋迫、為永がマイクを置いてダンスに特化しキレッキレのパフォーマンスを見せる。「限りあるMoment」では、全方向のファンに向かって拳を突き上げ観客のボルテージを上げていく。「愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間」では、殺伐とした世の中でも前を向いて生きていく思いをダンスビートに乗せて届けた。高速チューン「出すぎた杭は打たれない」は、メンバーも渾身のパワーで楽曲を表現。10人の圧巻のパフォーマンスに観客は大きな拍手を送った。ここからはユニットコーナーに突入。竹内、佐々木、上國料、笠原、川村は、トラップのビートでかっこよくセクシーなダンスパフォーマンスを見せる。笠原のリクエストで実現したのは、伊勢、橋迫、川名、為永、松本の年下組によるスマイレージ時代のメドレー。スマイレージのインディーズデビュー曲「ぁまのじゃく」、そして「新・日本のすすめ!」を5人はフレッシュに歌唱。ホットピンクの衣装を着たメンバー全員がステージに戻ると、ラテンアレンジの「魔女っ子メグちゃん」を歌唱。ギターサウンドが印象的なアップチューン「マナーモード」では、突き抜けるようなサビで観客をアゲる。「Uraha=Lover」は、恋愛のすれ違う思いを繊細なメロディで届けるハウスチューン。メンバーは十字型のステージの2列を使い、“Lover”の“L”の文字を大きく作るパフォーマンスを見せた。ステージ中央に笠原がひとりで立ち、メンバーが4方に散らばり、最年少14歳の松本の歌い出しからバラード曲「交差点」が披露された。別々の道を進んでいく思いをストレートに伝える歌詞だけに、竹内は号泣し歌えなくなり、佐々木も涙を堪え必死に歌ったりとメンバーは感情の抑えが効かない状態。そうしたメンバーの姿を、笠原は涙を流しながらも笑顔で見つめていく。全員が集まり円になって大好きな思いを歌唱し終えると、会場から感動の拍手が送られた。いよいよライブもラストスパート。エレクトロダンスチューン「泣けないぜ…共感詐欺」から「タデ食う虫もLike it!」「はっきりしようぜ」とアッパーなナンバーが続々と披露される。会場のテンションがさらに高まる中、竹内の「行くよー!」の声から「ドンデンガエシ」がドロップ。パワフルに攻め立まくったあとは、ファンキーな「46億年LOVE」を披露し、大きなLOVEを全観客に届けてライブ本編は終了。観客のクラップに応えて、黒いラメの衣装を着た笠原がアンコールのステージに登場。そして、「地球は今日も愛を育む」を歌唱する。芯の強い伸びやかなボーカルは、会場中を魅了するパワーに満ちていた。ここで笠原からファンに向けての手紙が読まれる。「5年間、ありがとうございました。私はアンジュルムに入って、何事も楽しい悲しいだけじゃ語れないこと、強さも弱さも持っているから感動を知れること、大切なことをたくさん教えてもらいました。アンジュルムは自分の人生に欠かせない自分の全てだからこそ、今、私は自立をすることを選びました。正直今は寂しくて、ほんとはとても不安で、夜ひとりになると、自分ひとりにどれだけの価値があるのかな?って思う瞬間もあります。だけど、仲間と呼べる仲間と出会えて、いつ何時でも思うのは、きっとこうした出会いは全ての人に平等には訪れないんだろうなってことです。この温かさを、優しさを知っている私は、私を特別だと思います。離れ離れになっても、どこにいても、この先どう生きようと、アンジュルムのことが大好き、アンジュルムを好きな人たちのことが大好きです。改めてこれまでアンジュルムの笠原桃奈に携わってくださった全てのみなさんに、心からありがとうございました。私は、明日からも私らしく、変わらないものと変わりゆくものを抱えて進んでいきます。ここでもらった愛情を、胸に強く生きていきます。11月15日、笠原桃奈」大好きなアンジュルムを離れて自分の夢を叶えるために前に進んでいく彼女の思いをしっかりと受け止めた観客は、心からの拍手を彼女に送った。メンバーがステージに揃うと、ライブの感想を語っていく。松本は「この武道館では覚えることがたくさんあって、何度も挫けそうになったんですが、先輩たちが支えてくれてなんとかここまで来ることができました。笠原さんと一緒に楽屋で過ごしてるとき(涙声)、すごく楽しくて幸せでした。笠原さんが前に進もうとしてる姿がすごくかっこいいです。ずっと応援してます。大好きです。私のことも見守っててください!」、上國料は「今日という日が来てしまったんですけど、桃奈卒業おめでとう(涙声)。私は、桃奈の言葉で救われたことがたくさんあったし、ほんとに双子みたいな感じだったのでいなくなるのは寂しいです。でも、桃奈から、ちゃんと意思があってアンジュルムが大好きだからこそ卒業するって聞いて、その年齢でそういうことを考えられるのがほんとにかっこいいなと思いました。桃奈は強い意志があるなら、叶えられる気がするので応援してます。あと桃奈は人の幸せをすごく願ってくれてるんですけど、私たちが桃奈の幸せを願ってるので幸せになって欲しいです」と熱い思いを口にした。佐々木は「久しぶりの単独公演、日本武道館に立つことができてすごくうれしいんですけど、かっさーめっちゃきれい!私はかっさーの言った「アンジュルムに入れてよかった」って言葉をすごく覚えてるんです。(泣くのを必死で堪え)それが2016年くらいのことなんですが、昨日のことのように思い出せるんです。だから、かっさーがもういなくなっちゃうんだなって、ほんとに考えられない不思議な感覚になります。思い出をダーっとしゃべると朝になっちゃうから、一言言うなら、ほんとにかっさーは愛そのものだなってほんとに私は思ってるんです。かっさーがたくさん愛をくれた分、これからは自分をたくさん愛して欲しいし、かっさーが人としてどんどん大きくなっていくのを私たちは楽しみにしてます。別々の道に進みますけど、お互いに切磋琢磨してこれからもがんばっていけたらなと思います。かっさー愛してる!」と万感の思いを語った。竹内は「まずは1年ぶりに単独ライブができたこと、この10人でひとつの形を残すことができてうれしいです。そして桃奈、今のステージかっこよかったー。私が知ってる桃奈は、子供で無邪気で暴れん坊って印象がずっとあったんだけど、堂々と歌ってパフォーマンスをしてる姿を見て、いつの間にか、こんなに芯の強いかっこいい美しい女性になったんだなと思って、ほんとに今のパフォーマンスを見てたら、これからの桃奈がすごく楽しみになりました。私たちも今オーディションもやってますし、新しい道に進んで行きます。これからも、離れていてもお互いに刺激し合えるそんな仲でいれたらいいなと思うので、お互いがんばりましょう。そしてみなさん、私たちの応援を今後ともよろしくお願いします。改めて、この10人の姿を見てくださった全ての方に感謝したいです」と笠原への思い、これからのアンジュルムへの今の気持ちを語った。そして、この10人での最後の盛り上がりを作るようにロックチューン「友よ」が披露される。彼女たちは、全開の笑顔で勢いたっぷりに仲間の大切さを歌う。ラストチューンは必殺の「大器晩成」。アンジュルムの代表曲を、メンバーはステージ全体を使って全力のパワーでパフォーマンスする。落ちサビで、笠原が強力に伸びやかに歌い上げる姿には感動するほどの力が宿っていた。メンバー全員と全観客が一体となって、最高のフィニッシュを作り上げた。ステージに並んだメンバーは手を繋ぎ、ファンに向かって深々と挨拶。笠原は、花道から1度は去ったものの観客の熱い拍手に応えて飛び出し「心から愛しています。みなさまどうかお元気で!ありがとうございました!」と声を上げ、武道館が大きな拍手に包まれてライブは終了となった。ライブでは、アンジュルムの研ぎ澄まされた歌とダンス、ど迫力のステージングを堪能できた。夢に向かって笠原は卒業するが、アンジュルムも変化と進化を遂げながらここからまた前進していく。楽しさと激しさ、かっこよさと美しさ、笑顔と涙に溢れた武道館ライブだった。Text: 土屋恵介『アンジュルム コンサート2021「桃源郷~笠原桃奈 卒業スペシャル~」』2021年11月15日(月)日本武道館1.赤いイヤホン2.次々続々3.愛されルート A or B?4.乙女の逆襲5.ミラー・ミラー6.七転び八起き7.限りあるMoment8.愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間9.出すぎた杭は打たれない10.ダンスコーナー/竹内・佐々木・上國料・笠原・川村11.メドレーぁまのじゃく/伊勢・橋迫・川名・為長・松本新・日本のすすめ!/伊勢・橋迫・川名・為長・松本12.魔女っ子メグちゃん13.マナーモード14.Uraha=Lover15.交差点16.泣けないぜ・・・共感詐欺17.タデ食う虫もLike it!18.はっきりしようぜ19.ドンデンガエシ20.46億年LOVEEN1.地球は今日も愛を育む/笠原桃奈ソロEN2.友よEN3.大器晩成●公式サイト:
2021年11月17日