ワン・トゥー・テン・ホールディングス(1-10HOLDINGS)は9月10日、ロボット用の対話型システム開発やアプリケーション開発、およびロボットを活用した広告制作を専門とする専門会社「ワン・トゥー・テン・ロボティクス(1-10Robotics)」を設立したと発表した。1-10HOLDINGSでは子会社の「ワン・トゥー・テン・デザイン(1-10design)」が2013年1月より、パーソナルロボット「Pepper」の開発に関与してきた経緯もあり、今後、より高度な会話エンジンを中心に開発力の強化を進めて、人工知能(AI)分野などの先進研究を行っていくといった事業の展開を図っていくことを目的に、新会社の設立に至ったという。なお新会社の代表取締役社長には1-10designのCTOである長井健一氏が就任したほか、新会社の設立に併せて電通とも業務提携をしたとのことで、今後も、さらなるソフトバンクロボティクスとの協力体制の強化を図っていくとしている。
2015年09月10日ユカイ工学は9月8日、同社のコミュニケーションロボット「BOCCO」の無料Androidアプリをリリースしたと発表した。「BOCCO」は、家に設置することで、外出先から伝言もしくはテキストの送信を可能とするロボット。例えば、家庭で子供が親より先に帰宅した場合、ドアにつけた積み木センサーが反応し「玄関センサーが反応しました」などのメッセージを親のスマートフォンに通知することができる。また、スマートフォンから音声メッセージをBOCCOへ送り再生できるほか、メール読み上げ機能を有するため、文字が読めない子供やスマートフォンの操作に慣れない高齢者ともコミュニケーションを図ることが可能だ。価格は3万1320円で、DMM.make ROBOTSおよびau Wallet Marketで購入することができる。また、ユカイ工学は同日よりリノべると提携し、住宅での音声による通知が"状況に応じた音声"での通知となるBOCCOのAPIを利用したアプリケーションの開発を開始したことも明かした。これにより給湯器などからあらかじめ決まった音声の再生だけだったものが、ニュースや天気予報、家族の帰宅時間などを相手に合わせた内容で伝えることができるようになるという。
2015年09月09日森永製菓は9月1日、会話の間を埋めるロボット「バニラモナカ専用営業ロボ」を開発したと発表した。同ロボットは、同社のチョコモナカジャンボの派生商品である「バニラモナカジャンボ」の販促PRの一環として企画されたもので、感音センサーにより会話の間を検知すると、「そうなっちゃいますよねぇ」「そう感じることは多々あります」などのコメントをランダムで発信するという。開発の背景について同社は「全国の弊社冷菓担当営業にヒアリングを実施致したところ、流通様との商談において十分なパフォーマンスが発揮出来ていないことが判明。アンケートの結果、商談時の「間の取り方」に自信が無いという意見が多く、さらに、その中の約7割が、商談の最中に思わず仲間の助け舟を期待してしまうと考えていることが分かりました。」と説明。この事実を「真摯に捉え」そのソリューションとして、営業活動の最中に出来てしまう会話の「間」を埋めるロボットの開発を企画したのだという。「バニラモナカ専用営業ロボ」は今後、実際に同社の営業活動の中で使用されるほか、プレゼントキャンペーンの賞品になるという。
2015年09月02日野村周平、古川雄輝、間宮祥太朗ら最旬の若手俳優たちが競演し、鬼才漫画家・古屋兎丸の同名原作コミックを映画化した『ライチ☆光クラブ』。このほど、10月より韓国で開催されるアジア最大級の映画祭、第20回釜山国際映画祭に正式招待され、ワールドプレミア上映されることが決定。併せて、彼ら“美少年”たちのキャラクター配役が発表となった。古屋兎丸のロングセラーコミックを原作に、黒い煙と油に塗れた蛍光町と廃工場の秘密基地“光クラブ2”を舞台にした、醜い大人になることを拒んだ美少年たちの愛憎と裏切りの物語を、圧倒的に美しくダークな世界観で描く本作。今年で20周年を迎える釜山国際映画祭といえば、世界各国から集まった映画作品が多数上映されるほか、マーケットも開催されるアジア最大級の国際映画祭。2014年には、日本を代表する俳優の渡辺謙が、日本人として初めて映画祭の司会者を務めたことで話題に。例年、日本映画も数多く取り上げられており、本作は、過去に『凶悪』『渇き。』などが招待された「ミッドナイト・パッション部門」での上映が決定、本映画祭がワールドプレミアとなる。今回、この釜山国際映画祭からの正式招待を受け、キャスト陣の配役も発表。美しい少年たちの愛憎の物語として、少年同士の愛も描かれる作品であり個性的なキャラクターが多いことから、映画化決定と出演者発表の時点から、どの俳優がどのキャラクターを演じるかが話題となっていた。現在、ドラマ「恋仲」で福士蒼汰の恋敵を好演中の野村さんは、光クラブの創設者であり、リーダーである【タミヤ】。映画本編には原作をベースに、物語の前日譚を描いた「ぼくらの☆ひかりクラブ」(上下巻)にあるタミヤ目線のエピソードも盛り込まれており、タミヤの心理的な葛藤が描かれるという。また、光クラブを絶対的なカリスマ性で独裁的に支配し、「帝王」を名乗る【ゼラ】には、「イタズラなKiss」シリーズや『脳内ポイズンベリー』の古川さん。最強の機械(ロボット)を創りだし、醜い大人たちのいない世界を作ることを企てている。14歳の誕生日を目前にひかえ成長を恐れる一面も持つ。原作コミックファンの1番人気のキャラクター【ジャイボ】には、24時間テレビスペシャルドラマ「母さん、俺は大丈夫」にも出演した間宮さん。ゼラへ服従するあまり、残酷で狂気じみた行動をとる謎めいた美少年で、最後に光クラブに加わる。さらに、ゼラに絶対的な忠誠を誓い、光クラブのアインツ(1番)を自負する【ニコ】には、「海賊戦隊ゴーカイジャー」出身で舞台や声優としても活躍する池田純矢。オネエキャラで、ジャイボと並ぶ美少年の光クラブのムードメーカー【雷蔵】には、数多くの舞台で主演を飾る「仮面ライダー鎧武/ガイム」の松田凌。ゼラとともに最強の機械(ロボット)開発に尽力する秀才【デンタク】には、「仮面ライダーウィザード」で注目され『先輩と彼女』などの待機作も控える戸塚純貴。タミヤとカネダの幼なじみで光クラブの創設メンバー、眼帯姿の【ダフ】には、「デスノート」『映画 みんな!エスパーだよ!』など話題作が続く柾木玲弥。同じくタミヤの幼なじみで光クラブの創設メンバー、いつも爪を噛んでいる【カネダ】には、マーティン・スコセッシ監督の『Silence』(原題)にも抜擢された藤原季節。そして、いつも笑顔の光クラブ唯一の癒しキャラ【ヤコブ】を、『合葬』『雨にゆれる女』などの岡山天音が務める。メガホンをとるのは、センセーショナルなテーマの中に独自の視点で愛を盛り込んだ『先生を流産させる会』や、夏帆&野村さんを主演に迎えた『パズル』などで注目を集める気鋭の若手映画監督、内藤瑛亮。世界からも大きな注目を集めるに違いない。『ライチ☆光クラブ』は今冬、新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月25日ご存知かも知れないが、いまやロボットはフィクションの世界をとっくに飛び出している。日本政府も、東京五輪が開催される2020年に向けて、ロボット化社会を世界に向けてアピールしていくと強く打ち出すなど、重要に位置づけている。そしてそんな“ロボット立国”に向けた流れは、教育の世界にも大きく影響し始めているようだ。その象徴の1つと言えるのが、子ども向けのロボット・プログラミング教室「栄光ロボットアカデミー」だ。ここでは一体どのような授業が行われているのかを探るべく、教室の片隅にお邪魔させてもらった。○自分だけのロボットをつくっちゃおう!東京スカイツリーの“麓”にある「栄光ロボットアカデミー 東京スカイツリータウン校」の教室。今回、子どもたちがつくるのは「ホッケーロボット」だという。教室には夏休みに入ったばかりの小学校低学年の生徒が7人、それに先生が2人つくというまさに“少数精鋭”教育のようだ。毎回、授業のはじめにはその日につくるロボットの予想図を描くという。「ホッケー」ができるロボットとは、果たしてどのようなロボットなのか──子どもたちは思い思いのアイデアを絵や言葉で紙に描いていった。ある男の子の紙には、ターミネーターをイメージした強そうなロボットの絵が描かれている。“モーションセンサーをつけたい”と、かなり本格的な発言をする子どももいた。先生は、一人一人の絵を見ながら、子どもたちからの説明に耳を傾けているが、決して“ダメ出し”はしない。むしろどんな奇想天外なアイデアが出てくるのか楽しみにしているようにすら見える。イメージを膨らませたところで、先生がホッケーロボットに必要となる3つの要素を確認する。まず、「テーブル」、「たま」、そしてたまを打ち返す「ホッケーマレット」という道具だ。ロボットつくりには、「WeDoファミリーロボ」という教材が使われる。これは、レゴブロックで組み立てたロボットを、PC上のアイコンの組み合わせによる簡単なプログラムで動かすことができるというユニークな学習教材。普段遊び慣れたレゴブロックなので、初めてであっても、自分が思い描いたロボットを自在に組み立てることができるのだという。○何をやっても自由!ただし、ゴールは明確にだいたいのアイデアが固まったら、いよいよここからは実際に組み立てに入る。まずはホッケーのテーブルの作成だが、これは先生が示した完成図を見ながらみんな楽々とクリア。お互いのテーブルとテーブルをつなげて対戦するのだという。続いてはホッケーマレットの作成だが、どうやらホッケーロボットづくりはここが最大のポイントのようだ。台(ホッケーテーブル)にはモーターが取り付けられており、このモーターは、USBケーブル経由で接続したPCからプログラミングによる制御が可能となっている。先生が、「ここからは自由。モーターには何をつけてもいいので、どんどん自分で考えよう」と生徒たちの背中を押した。何をやっても良し、となると逆に戸惑うもの。子どもたちは、シャフトやギアなどのパーツを組み合わせて試行錯誤している。ある生徒が「ロボットの足でサッカーみたいにたまを蹴りたいんだけど、うまくいかなくて……」と困っていると、“ここをこうするといいんじゃない”と先生がアドバイスする。ここで一旦、他の友だちのロボットの見学タイムとなる。みんながどんなロボットをつくっているのか、お互いのアイデアを興味津々で確認する子どもたちの声で教室は賑やか。なかでもみんなの目を引いていたのが、大きな板のマレットをまわして打ち返すというアイデア。一見強そうなのだが、どうやらマレットがテーブルにひっかかってしまいうまくまわらないようだ。先生は、何ができるロボットをつくればいいのか、3つのチェック項目を示した。ボールをとめることができるかボールをうつことができるかゴールをきめることができるかそして、子どもたちがつくったロボット同士をつなげて対戦を行ってみる。その間にも先生は、このロボットの弱点はどこでしょう? などと問いかけ続けている。マレットの下側が大きく空いてしまっていたり、マレットの幅が狭すぎたり、さまざまな“改善点”が見つかっていった。また構造だけでなく、モーターの挙動も大事な要素だ。アプリケーション上でアイコンを組み合わせるだけでモーターの動作パターンをプログラミングできるようになっているのだが、モーションセンサーにこだわっていたさっきの子どもは、たまにセンサーが反応したら1秒間モーターを動かすという、なかなか高度なプログラミングをしていた。○楽しみながら考え、工夫することが大事友達のロボットを見て、また実際に対戦してみて、どうすれば相手のホッケーロボットよりも強いロボットをつくることができるのかを考えた子どもたちは、自分のロボットの改良にとりかかった。どんな工夫が必要なのか確認しながらブロックを組み替えていく。先ほどのマレットが大きすぎて回転しなかった子どもは、マレットの位置をテーブルから離すことで見事、回転できるようにしていた。こうしてどのロボットも確実にたまを打ち返せるようになったところで、この日の授業はおしまい。ロボットを家に持ち帰り、さらに強くするためのアイデアを練ってくることが次回に向けた宿題だ。宿題とは言っても、こんな楽しい宿題はないはず。先生が強いロボットづくりのヒントを与えると、みんなで仲良く挨拶と片付けだ。そして最後は、外野から様子をうかがっていたお父さんお母さんに、この日の授業の趣旨を先生が説明。「自由につくりながら工夫することが大事」という言葉に誰もが深くうなづいていたのが印象的だった──。教室終了後、2人の先生に話をきいてみた。三枝泰憲先生に、子どもたちに教える際に心がけている点を聞くと、「どうしてうまくいかないのか考え、工夫して、最後には自分でできたんだという喜びを知ってほしいので、答えはなるべく示さずに、子どもたちのアイデアを引き出せるよう心がけています」と答えてくれた。栄光ロボットアカデミーの責任者でもある富田一央先生は、子どもの発想の豊かさに毎回驚かされるという。「私も含めて大人の場合、何か工夫するにしてもどうしても既存の手法にとらわれがちです。だけど子どもたちは、思いもかけないユニークなアイデアを次々とぶつけてくるので、実は私達の方もすごく勉強になるんですよ」自由で力強いアイデアとそれを実現するための論理的思考力、このどちらも楽しみながらのびのびと伸ばせることが栄光ロボットアカデミーの魅力のようだ。この日の授業中に誕生した子どもたちのアイデアのどれかが、未来のロボットに活かされるかもしれない──そんな想像をしてみると、こっちまでなんだか楽しくなってきた。
2015年08月25日KDDIは6日、グローバル・ブレイン運営のコーポレート・ベンチャー・ファンド「KDDI Open Innovation Fund」を通じて、ファミリー向け知能ロボット"Jibo(ジーボ)"を開発する米国拠点の企業「Jibo」に出資したと発表した。出資額は明らかにされていない。Jiboは「顔認識」「写真撮影」「物語の読み聞かせ」「メッセージやスケジュールの読み上げ」「テレビ電話」の5機能がデフォルトで搭載予定のファミリー向け知能ロボット。開発者はSDKを通じてJiboの機能拡張が行える。Jiboはマサチューセッツ工科大学メディアラボで、パーソナルロボット研究グループを率いるシンシア・ブリジール准教授が創業者として開発。サービス用ロボット市場の拡大が見込まれ、ロボットと同名の企業Jiboはロボティクス市場における有望なスタートアップ企業であると判断され、今回の資本提携に至った。KDDIは今回の出資を通じて、Jiboが日本進出の際に、ビジネス開発、マーケティング、ローカライズなどの支援を行っていく予定。また、Jiboを中心としたサービスを提供していく。
2015年08月06日いま、どんどんロボットが人間の仕事を代行する時代になっています。決して他人事ではなく、みなさんのオフィスでも近々、ロボットと一緒に働くことになるかも?今回は、『Daily Mail Online』から、ついに来るかもしれない、未来のロボットスタッフについてお伝えします■管理職たちはロボットの使用に好意的!『Expert Market』は、さまざまな産業の上級管理職200人に、ロボットや機械使用についての意識をたずねる調査を行いました。スポークマンによれば、調査結果では70%が機械と一緒に働くことについて好意的に感じていたようです。そして、半数がロボットを人間の代用とすることに罪悪感がないと答えていることから、多くの管理職たちは従業員を機械に代えることについて、特に抵抗がないようです。■電話応対の50%はロボットができる?『Expert Market』の調査によれば、最近の人工知能の発達を受け、技術が持ちうる脅威について、有力な科学者たちが警告を発するようになったそうです。ほとんどの人が機械で担えると考えている仕事は、管理(59.0%)や電話応対(50.0%)、メール返信とタイピング(50.5%)でした。レポート執筆(38.5%)を代われると考える人も多く、少数ですが重要なミーティング(12.0%)や自分の仕事のほとんどを代われる(15.0%)と回答する人もいました。チーフ・エグゼクティブのような高い地位の高い役職については、ロボットは適さないと考えられてきましたが52%の人はロボットがオフィスマネージャーとして働くことができると考えており、44%はITが可能、28%は財政が適していると考えています。■ロボットは人間と違って病気をしないロボットをスタッフにすることの利点として、63.5%の人が病気になって仕事を休まないことを挙げています。仕事の質が一定であるという点も大きく評価され、次に退職しない(34.5%)、研修せずに仕事ができる(33.5%)という点が挙げられています。少数派の意見としては、自分の判断に口答えしない(22.0%)、昇給やボーナスの心配をしなくていい(19.5%)、自分の仕事を取ろうとしない(11.0%)、ていねいに対応しなくてもよい(8.0%)という点が挙げられています。管理職の人たちにとっては、ロボットは都合のよい部下かもしれませんね。■ただしロボットに人が殺される事件もしかし自動車工場では、暴走したロボットに技術者が殺されるという痛ましい事件が起きてしまいました。その技術者は、ロボットのアームに拾い上げられ、潰されてしまったのです。これは、ヨーロッパで初めての産業ロボットが引き起こした人間の死であり、SF映画で描かれた機械の脅威が示唆されます。映画「A.I.」では、多くの仕事がロボットによって担われており、人間は余暇を楽しむ時間を多く持つことができるようになりましたが、のちにロボットたちは機能不全を起こしていきます。今年から始まったアメリカの人気テレビシリーズ「Humans」では、家事をする召使いのようなアンドロイドが使われていますが、徐々に制御ができなくなっていきます。調査によれば、ほとんどの管理職たちが、ロボットは人間らしい見た目ではなく、機械のようなかたちをしてほしいと答えているのは、無意識にロボットの脅威を感じているからかもしれません。ロボットができる仕事は増えてきましたが、その反面ロボットの脅威も増しているようです。スタッフとしてロボットを使いたいと思う管理職たちも、人間そっくりのロボットを使うことには及び腰。人間の仕事をロボットが代わりにやることが増えても、まだまだ人間が必要とされるシチュエーションは多そうです。(文/和洲太郎)【参考】※Will a robot take your job? Majority of senior managers say they would use a robot to do white collar office work-Daily Mail Online
2015年08月05日●Watsonに寄せる期待ソフトバンクが開催したイベント『SoftBank World』においては、同社が今年2月に提携を発表したIBM Watson(以下、Watson)に関する複数の講演が行われた。そのうちの一つ、『Watsonが世界を変える Change the World』では、ソフトバンク 首席エヴァンジェリスト 中山五輪男氏が登壇。米国で行われたイベント『World of Watson』の視察報告としてデモや展示事例を紹介し、ロボットとの組み合わせによる今後の可能性を語った。○Watsonアプリケーションの事例人工知能はこれまで1960年代・1980年代にもブームがあったが、ハードウェア的な制約で十分に活用できる性能にはならなかった。しかし第3次ブームを迎えた現在、人工知能は今度こそビジネスの世界で大きく使われるようになると、中山氏は述べた。中山氏が視察した『World of Watson』は今年5月にニューヨークで行われ、世界中から約1,000人が参加し、米IBM シニアバイスプレジデントのマイク・ローディン氏をはじめとする数々の講演やデモ、展示が行われた。その中から今回は中山氏が注目した2つのデモと7つのアプリケーションが紹介された。最初に紹介されたのは、eyeQという企業が提供するアプリケーションによる「Personality Insight」のデモ。自転車店を例に、来店客をカメラで認識、年代・性別・表情を読み取る、来店客がサイネージに自分のTwitterアカウントを入力、ツイートの内容から趣味趣向・ライフスタイルなどを分析、適した商品を提案する、という内容だ。こうした手法によるパーソナリティー分析は、端末との組み合わせにより非常に広い範囲に応用できる可能性がある。もう一つは、IBMが今年2月に追加した開発者向けサービスのひとつ「Speech to Text」を活用した映像編集のデモ。TEDカンファレンスの膨大な映像を事前にWatsonに読み込ませ、Speech to Textにより音声をテキストに変換。これを専用のアプリとひもづけることで、任意のテーマについて語られている部分をキーワード検索で選び出すことができる。さらにその重要な部分を自動的につなげ、1本のハイライト映像にまとめることも可能だという。会議・学会などの記録や映像編集業務など、こちらも応用範囲は広そうだ。●人工知能とロボットが変える未来像続いて、ベンダーの展示から注目した製品と、中山氏が考えるその応用の可能性が紹介された。CRUSHBANK「『CRUSHBANK』は、膨大なマニュアルから曖昧な言葉による質問で的確な回答を示してくれるシステム。すでにMicrosoftやCiscoのマニュアルを格納したものがクラウドサービスとして販売されている。エンジニアに限らず、航空や鉄道などマニュアル参照の多い分野でも導入効果があるのではないか」|GO MOMENT「『GO MOMENT』は、ホテルを対象にした宿泊客向けの問い合わせ対応システム。スマートフォンのメッセージングアプリのようなインタフェースで、『近くにあるお勧めのレストランは?』など、あいまいな質問にも的確な回答をしてくれる。大規模なリアル店舗等で、Pepperやサイネージを端末にした売り場案内に使えるのでは」GoFetchCode「『GoFetchCode』はビルや住宅建築における様々な建築基準を調査するシステム。地域特化の建築基準をデータベースに入れ、複雑な条件に適合するかどうかが瞬時に分かる。特に地震の多いカリフォルニア州の建築関係企業からのニーズが高いそという。日本なら市役所や税務署などで、行政サービスや確定申告に対する問い合わせ対応にも使えるのでは」Servian「『Servian』は、退職予定者と就職希望者のパーソナリティーをグラフ化し、比較できるシステム。メールのやり取りやSNSへの書き込みを元に、文章構成、内容、言葉遣いなどから個人の特性を分析。前向きな人か、どれくらい自分の感情を抑えられるか、などがわかる。人材派遣会社や企業の人事課ではすぐにでも活用したいサービスでしょう」NOVABASE「『NOVABASE』は顧客の行動パターンや過去にやり取りしたメールなどから嗜好を判断し、的確な商品やサービスを提案するシステム。展示内容は金融系企業に特化されたものでした。日本なら企業を顧客とする中小企業診断士などが、企業業績や地域特性などを基にした施策のコンサルティングを行うことにも活用できるのでは」hc1.com「『hc1.com』は、患者の通院率アップをはかる医療機関向けのシステム。保険の種類や投薬状況などから患者の通院パターンを分析し、通院率の高い患者との比較により通院継続につながるアプローチを行うことができます。日本の病院で使われることはなさそうですが、例えば学校で過去の行動パターンから不登校になりそうな生徒を事前に把握することができれば、対策に役立てられるのでは」Perficient「ビジネス最適化システムなどを提供する『Perficient』では、Watsonによる事故発生予測に取り組んでいる。過去の事故案件や関係者のメール、気象情報などから、今後どんな事故がいつ起きるのか、その確率や被害を予測する。予測だけでなく、現在の仕事場の安全管理が十分かどうか判断することも可能だ」○ロボットと人工知能続いて中山氏は、人工知能とロボットとの関わりについて述べた。かつてソニーが発売したAIBOは残念ながら知的ロボットではなかったが、現在は世界で様々な知的ロボットが開発されている。例として挙げられたのが、「JIBO」「Musio」「CogniToys」だ。CogniToysは通信でWatsonと接続することで、会話をしながら相手の年齢・知的レベルを解析し、それに合わせた会話を行うことができるオモチャとして企画され、Kickstarterで大きな注目を集めた。あぷりまた、フランスのアルデバランロボティクス社が開発したNAOを使い、自分に自信の持てない子供がロボットに字を教えることで自信を持てるようになることを、スイス連邦工科大学の研究者らが発見した。中山氏は「先生役になることで学ぶことができるという、逆転の発想が参考になった」と言う。紹介された様々な事例から、人工知能とロボットが組み合わされることによる大きな変革が目前に迫っていることがリアルに感じられる講演となった。
2015年08月03日NTTデータ、NTT、ヴイストンの3社は7月28日、人を取り巻くさまざまなセンサーやデバイスあるいは複数のロボットと、ユーザーとの言語および非言語によるやりとりを通じて、人の状態や状況を理解し、働きかけ、新たな行動や気付きを促すことで人の可能性を広げることを可能とするクラウド型マルチデバイスインタラクションサービスの受容性・有効性の検証に関する共同実験を開始する。同実験では、ユーザーとセンサーやロボットとの対話によって得られたデータを分析して状況を判断し、ロボットが状況に適した声がけを行うことで、人の行動や気付きを促進させる一連の流れを検証し、さまざまなサービスへの適用を検討する予定。各社の役割と技術として、NTTデータは、クラウドロボティクス基盤と、コミュニケーションロボットを活用した「高齢者支援サービス」の実証実験でこれまでに得られた知見やノウハウを提供し、クラウド型マルチデバイスインタラクションサービスの受容性・有効性の評価と、新たなトライアルユーザーの獲得および新領域におけるビジネス化の検討を行う。NTTは、NTTサービスエボリューション研究所が開発した完全クラウド対応型デバイス連携制御技術「R-env:連舞」と、NTTメディアインテリジェンス研究所が開発した音声認識・対話制御・音声合成技術および収集対象の音声だけを確実に捉える集音技術を提供し、NTTデータのクラウドロボティクス基盤と接続することによって、ロボットやセンサーなど各種デバイスと連携したクラウド型マルチデバイスインタラクションサービスにおける「人の可能性を広げる」インタラクション技術の実用化および有効性の確認と技術課題の抽出を行う。ヴイストンは、コミュニケーションロボット「Sota」およびその動作ノウハウを提供し、高性能な音声対話機能を搭載したロボットの技術検証や、さまざまな利用形態での有効性の評価と適用領域拡大の検討を行う。具体的な取り組みとして、「高齢者向けサービス」ではサービス付き高齢者住宅や介護施設において、介護者とともにロボットが被介護者とコミュニケーションを行うことで、会話の促進や、血圧計等の健康モニタリングデバイスと連携した情報収集を行う。また、「子ども向けサービス」では、学校や博物館等の公共施設におけるロボットとの日々の会話や、子どもが日常的に持ち歩く腕時計型デバイス等の情報を通じて、保護者の目が届きにくい日常の変化を理解し働きかけることで、学習用途から迷子の防止に至るまで子どもの気持ちをくんだサポートの実現を目指す。
2015年07月28日現在テレビ朝日系で放送中の特撮TVドラマ『手裏剣戦隊ニンニンジャー』に登場する「ライオンハオー」の玩具、『シュリケン合体 DXライオンハオー』が7月18日にバンダイより発売された。価格は10,778円(税込)。ライオンハオーは、伊賀崎 好天が雑賀鉄之助とともに制作したライオン型のオトモ忍「ライオンハオージョウ」が、シュリケン忍法ライオン変化で変形したロボット。「アカニンジャー超絶」が胴体部にあるライオンの口の中に移動して操縦し、獅子王の本来の姿でもある。第20話「ザ・超絶!ライオンハオー」に初登場し、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』に登場する3番目の巨大ロボとなる。『シュリケン合体 DXライオンハオー』は、「ライオンハオージョウ」「ライオンハオー」の2つのモードに変形できるほか、付属の「アカニンジャー超絶」も搭乗可能。「オトモ忍シュリケン覇王」も同梱され「ライオンハオー!」の音声を収録するほか、別売の『忍者一番刀』とも連動している。また、現在バンダイの公式ショッピングサイト「プレミアムバンダイ」では、大人の戦隊ファン"に向けた玩具シリーズ「戦隊職人 ~SUPER SENTAI ARTISAN~」第5弾となる『戦隊職人 超合金 オトモ忍ロデオマル』も予約受付中。(C)2015 テレビ朝日・東映AG・東映
2015年07月19日RT.ワークスは7月14日、高齢者を中心とした屋外での移動を支援する移動型ロボット「ロボットアシストウォーカー RT.1」を同日より正式販売すると発表。併せて、日本品質保証機構(JQA)より、国際規格ISO13482に基づく安全性評価の結果、認証に値するとして、7月8日付で認証書が発行されたことを受け、授与式が執り行われた。今回、ISO13482の認証の対象となったのは、規定される3タイプのロボット(physical assistant robot、mobile servant、person carrier robot)のうち、mobilie servant robot(移動型ロボット)で、認証式にはRT.ワークスの代表取締役社長である河野誠氏が登場。JQA認証精度開発普及室 専務理事の矢野忠行氏より、認証書を授与された。RT.1は、屋外型の移動支援ロボットとしては初めてのISO13482の認証を取得したロボットとなる。ブラシレスモータを2機搭載しており、上り坂でのパワーアシスト、下り坂での自動減速ならびに坂道での自動ブレーキ機能などを実現する。また、前方のカゴは最大10kgまでの荷物を載せられるほか、休憩椅子として用いる場合は最大100kgまでの体重に対応する。さらに、通信モジュールが搭載されているため、GPSとインターネットを活用した家族などが位置を確認できる「みまもり機能」や、どの程度歩いたかを調べる「ヘルスケア機能」、転倒時などの異常事態を検知して関係者に緊急通知を送信する「緊急通知機能」なども利用することが可能だ(別途、通信契約などが必要)。RT.ワークスの河野社長氏は、「我々は、シニア層が自発的に外に出かけることをサポートすることを目的としている。"健康に年を重ねて第2の人生をより豊かにする"という意味と"シニアが再び積極的に社会とつながっていけるようアンコールを贈る"という意味を持たせたコンセプト『アンコールスマートプロジェクト』を今年度の新プロジェクトとして立ち上げ、ロボットとIoT技術の融合により、RT.1をIT版転ばぬ先の杖として確立することを目指す」とした。また、生活不活化病の第一人者であり、RT.1の認証などにも関わった産業技術総合研究所 ロボットイノベーション研究センターの大川弥生氏も登壇。ロボット介護機器の開発について「開発の基本方針としては、その目的と効果を機械としての性能ではなく、人に対する影響として見る必要があり、よく人や物が行う介護を実践するための物的介護手段として位置づける必要がある」とし、人を中心にして考えていく必要性を強調。また、生活不活発病に対して「生活が不活発になる大きな原因の1つは、することが何もない、という点。ここは、歳だから、動いても、といった遠慮の部分があるほか、社会通念として、高齢者は弱者であり、あまり出歩かない方が良いのでは、といったものがある。こうした社会通念から、高齢者の置かれた現状を把握して、それを覆していくことが、生活不活発病の抑止につながり、充実した人生を送ることにつながる」とし、RT.1の存在は、そうした人生の充実させる一助となるとした。なお、RT.1の価格はオープンとしているが、直販価格は機体単体で22万8000円(税別)を予定しているほか、機体に3年間の通信サービスを付与する場合で、24万8000円(同)としている。このほか、3年間の傷害保険や対物保険、修理保証などをオプションで選択することも可能で、オプションをフルに選択した場合、追加費用は3万9000円(同)としている。同社での直販のほか、大手百貨店や介護保険機器販売を手掛ける企業、地域でのネットワークを有するJAなどでの販売も積極的に進めていくとしており、3年間でRT.1ならびに同ロボットのコアである「RT.1エンジン」を用いたシリーズ全体として2万台の販売を目指すとしている。
2015年07月14日オリックスとドーワテクノスは7月7月、安川電機の製品を中心とした産業用ロボットなどのFAシステムの販売ならびに導入支援について業務提携したと発表した。今回の提携は、産業用ロボットの導入を検討している製造メーカーに、診断から販売・施工・保守までのトータルサービスを提供することを目的としたもの。オリックスでは、自社の営業ネットワークを生かし、製造工場の自動化や省力化ニーズのあるカスタマに、ドーワテクノスとともに無料で診断を実施し、最適な製造ラインの構築と導入支援策を提案していくとする。また、ロボット設備の販売だけにとどまらず、製造ラインの設計・施工、保守・メンテナンスから、リースといった金融機能の提供、行政への各種補助金などの申請業務まで含めた形での支援を行っていくとしている。なお両社はまず、産業用ロボット大手の安川電機の本社があり北九州市を中心に九州地区でのサービス提供を開始し、将来的には全国展開を図っていきたいとしている。
2015年07月10日日本空港ビルデングとCYBERDYNE(サイバーダイン)は7月2日、羽田空港旅客ターミナルビルへの次世代型ロボット導入等における業務提携に関する基本合意書を締結したことを発表した。日本空港ビルデングは首都圏空港を中心とした航空需要は増加を続ける中で、少子高齢化や労働人口の減少といった課題に対し、旅客ターミナルビルにおける最先端テクノロジーの導入を検討してきた。その中で、サイバニクス技術(※)を用いたロボットスーツ「HAL(ハル)」を開発しているサイバーダインとの締結にいたったという。サイバーダインは2004年に筑波大学発ベンチャーとして設立以来、近年はこれらの技術を用いた作業支援ロボット等についても実用化・製品化をしている。同基本合意書は、日本の玄関口である羽田空港から日本の技術を発信していくこと、また、空港利用者に対する安全・安心・便利を前提とした良質なサービスを提供すること、および、空港従業員がより健康的に働きやすい環境を創出することを目的として締結された。両社は同基本合意書の締結を皮切りに、羽田空港全体として各関係者と連携しながら「世界に先駆けた空港におけるロボット技術活用の未来像」を創出し、より魅力ある羽田空港の発展に貢献していくという。同基本合意書の内容は、サイバーダインが開発製造したロボットスーツHAL作業支援用(腰タイプ)・クリーンロボット・搬送ロボット等を、日本空港ビルデングが管理・運営する羽田空港旅客ターミナルビルへ導入すること、また、日本空港ビルデングによる空港での販売促進および保守サービスで展開することとしている。さらに、日本空港ビルデングの持つ空港事業における知見や実績と、サイバーダインの持つサイバニクス技術を活かした次世代型ロボット化空港モデルの創出を目指すとしている。※サイバニクスとは、サイバネティクス・メカトロニクス・情報技術を中核として、IT技術、ロボット工学脳・神経科学、生理学、行動科学、心理学、法学、倫理学、感性学を融合複合した新しい学術領域で、筑波大学大学院の山海嘉之教授が創設したもの。それを応用した各種技術がサイバニックス技術と呼ばれている
2015年07月03日3年後にはロボットが接客を行うことが当たり前の世界になっている――。このように語るのは、リクルートライフスタイル ネットビジネス本部 クライアントソリューションユニット リアルマーケティング開発1グループでAirウェイトプロデューサーを務める渡瀬 丈弘氏だ。先週、感情を持つロボット「Pepper」の一般販売が開始され、わずか1分で当初販売予定数の1000台を売り切った。Pepperは、家庭で利用できるロボット、コミュニケーションを取れる家族のような存在として開発されているが、その一方で企業の導入も進んでいる。ネスレ日本がすでに1000台の導入を決めており、みずほ銀行でも採用が決定している。さらには、特定業界別にアプリケーションやサポート体制を構築している「Pepper for Biz」を秋より提供するほか、7月1日からはアルバイト派遣も始まる。前述の渡瀬氏が所属するリクルートライフスタイルでも、早くからPepperに着目。2月に一般販売に先駆けて行われた開発者向け販売時に数台を購入し、さまざまな検証を続けてきた。渡瀬氏は「Airウェイト」という待ち時間解消サービスのプロダクト開発を務めている人物で、Pepperが登場する前からさまざまな業種・業態向けにサービス展開を行ってきた。「プロダクトをリリースする前から『俺のフレンチ』さんなどと共同で実証実験を行い、15店舗、延べ1万人のお客様に『Airウェイト』を利用していただきました。もともとホットペッパーのチームで、飲食店などの業務改善としてAirウェイトの提供を始めましたが、その後は病院やホテルなど、ほかの業態でも採用が進んでいます」(渡瀬氏)Airウェイトは待ち時間解消サービスとして、飲食店の行列解消を目的に開発された。中には「並ぶのも楽しみの一つ」と思う人もいるかもしれないが、客が待ち時間を有効に使えるように、整理券の発券やQRコード読み込みによるメール通知など、その場にいなくても入店の順番待ちが可能になっている。もちろん、客の満足度向上だけがこのプロダクトの狙いではない。"行列待ち"は、人気店の証である一方で、さまざまな弊害を生む。夏場には熱中症対策で水を配る必要があったり、行列で公共の歩道を専有することで、近隣店舗からの苦情などにつながったりするケースもある。こうした問題の対策としてもAirウェイトは有効な解決策と言える。また、店頭対応だけでなく、Web予約のバックエンドソリューションとしても提供しており、ビックカメラの予約受付なども同プロダクトを活用しているそうだ。「ほかに導入が進んでいるところは病院です。個人経営のお医者様に導入していただいているのですが、例えば病院では待合室で待っている間に、ほかの患者さんから病気がうつるリスクがあります。そうした課題への対処策として、Airウェイトを利用していただいているようです」(渡瀬氏)○リアル脱出ゲームの受付を行うPepperリクルートライフスタイルでは、PepperとAirウェイトをどのように活用しているのか、まずは、実証実験の様子を動画でご覧いただきたい。上の画像のように、これまでWeb UIでやりとりしてきた内容を、すべてPepperとの会話で完結させている。最後の整理券の発券こそ、レシートプリンタの接続インタフェースであるBluetoothをPepperが搭載していないため、iPad経由の接続となっているが、概ねの操作はPepperで行えている。Pepperを活用した理由について、渡瀬氏は「会話で終われるところがポイント」と話す。Pepperは目新しいデバイスとして、"客寄せパンダ"的な立ち位置に注目が集まるが、渡瀬氏はそちらよりも会話に注目しているという。「確かに目が行きがちな、アイキャッチ的な要素もありますが、それは動機付けであり、それ以上の広がりが見えるのがPepperなんです。iPadだけだと、アプリUIで機械的な操作に終始してしまいますが、Pepperは会話、コミュニケーションという場から世界が広がるんです。そのコミュニケーションを見ることで、他の人も立ち止まり、さらに活気付いていくという動線で考えています」(渡瀬氏)また、渡瀬氏によると「ビッグデータ」にも活路を見出している。これは、Pepperの開発元であるソフトバンクロボティクスの吉田氏も語っていたことだが、これまで定量的に測ることが難しかった待ち時間のデータを店舗ごとに蓄積できるため、待ち時間が長期化してしまっている店舗と早い店舗の差を見出しやすくなる。これはPepperに限らずAirウェイトというプロダクト自体のメリットになるが、Pepper自体でも今回の実証実験を通して、新たに改善につなげていくポイントがある。「Pepperにはソフトバンクさんが用意した辞書やAI技術がありますが、私達はAirウェイトアプリの中に、独自の辞書と応対するプログラムを組み込んでいます。今回は初めての実証実験なので、私たちが頭で考えた単語しか使えていません。そのために単語の量が圧倒的に足りない。だから、今回のコミュニケーションを生かして、次につなげていきたいと思っています」(渡瀬氏)「こうした実績を積み重ねることでほかのプレイヤーに先んじてロボットによる接客対応の知見を蓄積したい」と渡瀬氏。その先には、冒頭のコメント「3年後にはロボットが接客を行うことが当たり前の世界になっている」という時代を見据えているわけだ。もちろん、ロボットの普及にはプログラミングのしやすさなどが課題となっているが、アプリ制作を担当したニアの代表取締役 丸山 弘氏に話を伺ったところ、「Pythonを昔から使っている人間にとってはやりやすい。GUIによる実装もできるため、そう複雑にはならない」としていた。Pepperに対応したAirウェイトをどのように広げるかについて、言及を避けたものの、こうした実証実験は「(今回のリアル脱出ゲームなどの)アミューズメント施設などの同業他社さんからの引き合いは多い」としていた。実証実験を超えての実導入には、Pepper自体の導入コストなども問題となる。現時点で「Pepperアプリのストアに公開するか、Pepperを当社から貸し出すかなど、詳細は何も決まっていない」(広報部)という。今回の取材で1時間ほどPepperを見ていたが、渡瀬氏が話すようなコミュニケーションによる接客喚起はまだまだ道半ばという印象を受けた。もちろん、Pepperという目新しさが、中国人観光客などに好評で、「Hello!」「ニーハオ!」と、多く声をかけてもらってた。ただ、本来の目的は「いかにして店舗に注目を集め、なおかつ接客業務をスムーズにこなせるか」だ。Pepperの開発者向けモデルということもあり、CPUが一般販売モデルよりも劣るほか、システムバージョンも古いもの。そのため、致し方ない部分もある。今後、今回のナレッジを生かして語彙、辞書の拡充を図り、法人のPepper導入企業が増えてきた段階でAirウェイトアプリを提供し、更さらなるスパイラルアップが果たせるように軌道に乗せることができれば、「3年後のロボット普及」時に、先んじて接客アプリの第一人者として君臨できる可能性はあるだろう。
2015年06月29日フラワーロボティクスは6月23日、2014年9月にコンセプトを発表して以来、開発を続けていた家庭用ロボット「Patin」のプロトタイプを発表した。Patinは、AIを搭載した家庭用ロボットプラットフォームとして開発されたもので、利用者の嗜好や、生活習慣から取得したデータを蓄積していく事で成長させていくことをコンセプトとしている。同ロボットは「本体」「ピット」「クラウド」と、上部に取り付ける「サービスユニット」という構成になっている。本体には自律移動や、人・障害物の発見に利用する各種センサとスピーカー、全方位回転を実現するオムニホイールが搭載されている。本体とWi-Fiで接続して、クラウドと通信させる機能を有しており、クラウドは各Patinが集約した行動情報などを蓄積するとともに、Patinの機能更新のための情報発信などを行う。「サービスユニット」は同ロボット最大の特徴で、これを取り替えることによって既存の製品を「ロボット化」することができる。例えば、Patinの上にランプを取り付ける事で、自律移動をするロボットランプとなる。Patinに「明かりをやさしくして」などと話しかける事で光を調整し、それを日々繰り返す事でユーザー好みの光の具合をPatinが覚えていくというわけだ。サービスユニットの開発はサードパーティが行う。ソフト・ハード・量産化などの面で検証が必要な段階であるため、SDKの提供はフラワーロボティクスとの協業契約後に行うが、将来的にはプラットフォームをオープン化することも視野に入れている。また、ソフトウェアプラットフォームとしてPatin SDKが搭載されており、開発者がPatinのサービスユニットのソフト部分を開発することができる。Patin SDKはJavaでの簡易的なAPI、Eclipseプラグインを用いた開発ツールおよび、オープンソースシミュレーターが含まれていて、ROS(Robot Operating System)の知識がさほどない開発者も開発に参加できる。今後は、量産設計専門会社と提携して量産化に向けた取り組みを進めていき、2016年下半期の販売を開始する計画となっている。
2015年06月23日アドビシステムズは17日、同社の「Adobe Creative Cloud」の最新版である「Adobe Creative Cloud 2015年リリース」を解説する発表記念イベント「Adobe Live 2015」を都内にて開催した。本稿では、ゲストを招いての「ブレイクアウトセッション3」の様子をお届けする。今年度の最新版がリリースされた、同社のクラウドサービス「Adobe Creative Cloud」。発売を記念して東京都内で開催されたイベント「Adobe Live 2015」には、多数のクリエイターがゲストスピーカーとして登場した。そのうちのひとりがデザインの現場に留まらず、イベントやインスタレーション、ゲームの企画、制作、プロデュースなど、幅広い領域のクリエイティブ活動で知られる、株式会社カイブツを率いる木谷友亮氏だ。○"ポップン王子"が気鋭のクリエイターになるまで木谷氏は2006年に同社を設立。その後は、カンヌ広告祭銀賞をはじめ、ロンドン広告賞、NYADC銀賞など数々の広告賞を受賞するなど、現在は海外からも多数の注目を集めている。そんな新進気鋭のクリエイターの木谷氏がこれまでの経歴やプロジェクトなどをトークセッションで振り返った。大学で機械工学を専攻した木谷氏が、デザイナーの道を志したのは、卒業を控えた進路決断の時期。そのまま機械工学系の技術屋としての道を歩むか、迷った際に目に留まったのが、当時購入したものの、あまり使っていなかったという「PowerMac 8500」。「これを使いこなすと、オシャレに生きられるっぽい」という世の中の動きを察知した木谷氏は、その後デザイン専門学校に進学し、PhotoshopやIllustratorを2年間勉強した後、就職した会社ではコンビニのPOPを制作する部署に配属されたという。木谷氏のそこでのあだ名は"ポップン王子"。職人的にひたすらPOPを作り続ける毎日を送る中、「あまりいい悪いの価値観が持てていなかった」と当時の自信を振り返る。そこで、2年目からは「デザイナーとして表現者としてどういう人間なのか?」ということを強く意識するようになったという。そして自身を俯瞰して見た時に、「デザインの天才では全然ない」という結論に至ったとのこと。「デザインだけを見た時に、決して自分は天才的なデザインができるタイプではない。デザインでずっと生きていても、デザイナーとして大成できないかもしれない」と感じた木谷氏は、自身が人より優れたところを探すようにして生活していたと語る。そして次にたどり着いた結論が「私はガマン強い」。ダイエットが大得意という木谷氏は、時間をかけて何かをつくることはあまり苦痛ではないという。そこで「人より時間をかけてみよう」と制作したのが、香港やNYで撮った約2,000枚の写真をひたすら積み重ねた作品。制作には1年ほどの時間を費やしたという大作だが、この作品がデザインアワードを受賞したことで「賞で評価されることで、デザイナーとして自分がどのあたりの位置にいるのかというのがわかって勇気が出た」と振り返る。そんな木谷氏にとって次の転機となったのが、漫画家・井上雄彦氏の個人プロジェクト。大ヒットマンガ「スラムダンク」の販売数が一億冊に達したことに対して、井上氏が読者に感謝を表明するための個人プロジェクトに、木谷氏はデザイナーとしてチームに参加した。このプロジェクトは、当初新聞への感謝広告というかたちでスタートしたが、Webサイトに広がり、最終的には神奈川県・三浦市にある廃校となった高校の校舎を使ったリアルイベントへと発展した。教室の黒板23枚を使って、井上雄彦氏が「スラムダンク」最終回の10日後を描くというものだが、事前の告知がほとんどなかったにもかかわらず口コミで広がり、大勢の人が集まる大成功のイベントとなったという。当時、27,8歳だったという木谷氏がその時感じたキーワードとして挙げたのは"私はなんでもやれる"。「広告のデザイナーがやっていいことは決まっていないということが、このイベントを通して視野が広がった」と語る木谷氏は"企画のあるデザインを考える"ことに目覚め、「Macの前で作業するよりもマンガ喫茶で企画を考える時間が長くなった」と話す。そして生み出されたのが、「eposcard 100design cards project」の"印籠型のクレジットカード"や、NIKE「超短距離1m走選手権」といった、ユニークな制作物やイベントだ。○神は細部に宿らない一方で「わたしはPhotoshopが大好きだ」とも語る木谷氏が手掛けた最近の作品が、アパレルブランド「Dries Van Noten」がルーブル美術館で半年間にわたり開催した展覧会だ。フラワーアーティスト東信氏の花のコラージュ写真で、10メートル四方の会場一部屋全体が花束で覆われるというプロジェクトで、1カ月間徹夜で緻密な計算をしながら完成させたとのことだ。しかし「実際に会場に行ってみたところ、自分たちが最高傑作と思ってやった作品がめちゃくちゃズレていた」という。「あとからよく考えると、フランスから送られてきた会場の図面はセンチメートル単位。通常、我々が考える世界はミリ単位。それでも会場はとても盛り上がっていて、世界的な風潮で言うと"神は細部に宿っていない"、"神は全体に宿る"なんだと感じた」と冗談を交えて語った。その他、木谷氏の最近の著名なプロジェクトとしては、造形作家・倉田光吾郎氏が作り上げたるロボット「KURATAS」がある。高さ4メートル、重さ5tの人が乗ることができる世界初の人型巨大ロボットで、2012年に完成し、ワンダーフェスティバルでお披露目がなされた。"私は応援がうまい"と語る木谷氏はこのプロジェクトにも5年ほど関わっており、Amazonで出品しているほか、アラブの石油王と現在商談中であることも明かされた。○木谷氏が選ぶCreative Cloud最大の進化は?自らの異端な経歴や活動を人気クリエイターらしい独特なプレゼンテーションで紹介した木谷氏だが、今回リリースされた「Adobe Creative Cloud」の最新版については、「Illustratorの自動保存機能」を、「ついに」と前置きした上で衝撃的なニュースとして紹介。続けて、「特にIllustrator 8は、保存ボタンを押した瞬間に落ちることもあった」と、過去の苦労に言及。「アドビさんには、今回のリリースの一行目で、全世界のデザイナーにまず謝れと言いたい。そして、なぜ10年間(自動保存機能を)つけなかったのかを問いたい。なんとかつけてくださってありがとうございます」と語り、会場の共感と笑いを呼んでいた。
2015年06月22日●ユーザー自身が組み立てるロボット「PLEN. D」というロボットをご存知だろうか? 「Plen. D」は大阪市に拠点を置くプレンプロジェクトが開発したロボットで、DMM.com(DMM)のロボットキャリア事業を通じて今年の春から販売が開始されている。同ロボットは運動性能に優れていることが特徴で、iPhoneアプリから簡単操作で歩行だけでなく、サッカーやローラースケートをさせることができる。しかし、「PLEN. D」にはもう1つ大きな特徴がある。それは「自分で組み立てる」こと。DMMでは「PLEN. D」のほかに、富士ソフトの「Palmi」、ユカイ光学「BOCCO」、ロボットゆうえんちの「プリメイド AI」、「Robi 組み立て代行バージョン」を取り扱っているが、ユーザー自身が組み立てるのは「PLEN. D」だけ。「これはぜひ組み立ててみたい!」と思い、DMMに打診してみたところ、ありがたいことに1体お借りすることができたので、本稿では「PLEN. D」を組み立てる模様をご紹介する。ちなみに、「組み立ててみたい!」と思ったものの、筆者にロボットを組み立てた経験はない。もっと言えば、子供の頃からプラモデルもロクに作ったことが無く、大人になってからも家具やテレビの組み立てを嫁に任せる始末だ。DMMは「大体2時間くらいでできますよ。」と言っていたが果たして…○「PLEN. D」が到着!DMMに打診してからおよそ2週間後に届いたのがこちら。この箱に写っているのが今回組み立てる「PLEN. D」だ。キットにはロボットの部品のほか、「PLEN. D」に持たせたりすることができる組み立てサイコロ、おもちゃのボール、ドライバー、説明書などが入ったUSBが付随してくる。各部品には番号が振られていて、説明書を見ながら各工程に必要な部品をピックアップしながら組み立てていくことになる。●組み立てスタート!○部品の向きに注意!まずは右足から組み立てていく。「PLEN. D」には人間と同じように足首、膝、股関節があって、それを下から順番に組み上げていくことになる。ここで注意しなくてはならないのが、部品の向き。部品の中には左右共通のものもあるので、その向きを間違えると「PLEN. D」の関節があらぬ方に曲がってしまい、組み直さなければならなくなる。ちなみに筆者は初っ端の足裏プレートの向きを間違えたことに気づかず、一度右足ユニットを組み上げて、写真と見比べて「膝の向き」が逆になっていることを発見し、直すのに10分くらいかかってしまった。○組み立てにも徐々に慣れていく手戻りもあって、右足ユニットは組み上げるのには若干苦労したが、だんだん慣れてきたのか左足ユニットは迷いなく組み立てることができた。足の次は腕。腕は足に比べパーツが少ないため非常に簡単だった。足・腕と揃えたら胴体の組み立てに入る。胴体も部品は2つと少なく、すぐに完了。その後、手を取り付ける。足も取り付けて早く立たせてあげたいところだが、その前に「PLEN. D」の心臓部となるマイコンボードを取り付ける。マイコンボードの取り付けは、配線を圧迫しないようにスペーサーを挟んでビス止めをしていく。説明書には「スペーサーを入れるときはピンセットを使うと便利です」と書いてあるのだが、キットにはドライバーしか附属していないので、事前にピンセットを用意しておくことをおすすめする。筆者が不器用であることに加え、ピンセットを持っていなかったため、この作業にはなかなか苦労した。●完成まであと少し!○ケーブルの向きも要注意マイコンボードの取り付けが終わったら、足を取り付ける。ここでようやく「Plen. D」を立たせることができる。あれだけバラバラだったパーツから自分で組み立ててきたのかと思うと、なかなか感慨深かった。「Plen. D」の四肢が無事胴体につながったところで、マイコンボードの配線に移る。説明書で指示される通りにマイコンボードのピンにコネクタを差し込んでいくわけだが、ここでも向きに注意が必要だ。各ケーブルの信号線を内側にして接続しないと、モーターを制御することができなくなってしまう。筆者はここでも間違いを犯し、後で電源を入れたら「Plen. D」の右足首が痙攣したような動きになってしまい、配線をやり直すことになった。配線が完了したら、あとは仕上げだ。肘、腕などのプラスチックカバーを取り付けていく。ここまで来るとさすがにドライバーとビスの扱いにも慣れたので問題なく作業を進める。最後にバッテリーパックを付けて、腹のカバーを装着させれば完成だ。○所々の「粗さ」も「自分が作った感」に組み立ててみて思ったのは、やはり「組み立てることは楽しい」ということだ。説明書が丁寧に作られているため迷うことも少なく、慣れてきたらどんどん熱中して時間を忘れてしまったほどだ。完成後に改めて眺めると、初心者が作っただけあって、ケーブルのたわみが不均一であるなど「粗さ」があるのだが、そういった点も「自分が作った感」を強める要素だ。筆者がとても不器用で、撮影しながらの作業であったこともあり、完成までにかかった時間は約3時間。DMMが言っていた2時間を大幅にオーバーしてしまったが、ロボット初心者でも楽しみながら組み立てることができた。もちろん、組み立てて終わりというわけではなく、作ったからには「Plen. D」で遊ばなければ意味が無い。冒頭で述べたように、「Plen. D」はさまざまな動きをさせることが可能なので「何をさせてみようか」とワクワクしている。今後、「Plen. D」の操作方法や遊び方について順次紹介していく予定だ。
2015年06月19日日本最大級のおもちゃの展示イベント「東京おもちゃショー2015」が、6月18日~21日の4日間の会期で、東京ビッグサイトにて開幕した。54回目を迎える今年の「東京おもちゃショー」には、149の企業が参加し、約35,000点の玩具を展示。入場者数は4日間合計で16万人以上を見込んでいる。6月18日~19日の2日間はメーカーや問屋に向けた商談見本市、20日~21日の後半2日間が一般公開日に当てられており、バンダイやタカラトミーといった国内玩具大手に加えて、レゴやホットトイズといった海外メーカーの日本法人なども参加している。昨年は、大ヒットを記録した『妖怪ウォッチ』や『アナと雪の女王』などの玩具に加え、「最新デバイス型のおもちゃ」や「ロボット&ペットロボット」といった新技術・新提案・新コンセプトのおもちゃが大きな注目を集めたが、今年は「夢の実現」「ウェアラブル」「インタラクティブ&コミュニケーション」「飛行」などがキーワード。さらに年末に最新作の公開が控えている『スター・ウォーズ』の関連商品を強く押す企業が多く見られた。初日の商談見本市から賑わいをみせ、各メーカーの夏から秋に向けた新作玩具に注目が集まっていた。
2015年06月18日ソフトバンクグループは6月18日、パーソナルロボット「Pepper」を20日より発売すると発表した。また、秋より法人向けの「Pepper for Biz」の提供も開始する。Pepperは2014年6月に発表された感情認識パーソナルロボット。今年2月に行われた決算説明会では、夏より一般販売を行うと発表していた。20日より発売するが、6月に販売できるPepperの台数は1000台。本体価格は19万8000円だが、「基本プラン」の契約が必要。また、補償やサポートがつく「保険パック」も用意される。基本プランは36カ月契約で、月々1万4800円(総額53万2800円)。保険パックも同じく36カ月契約で、月々9800円(総額35万2800円)。Pepperを購入し、36カ月間、基本プラン、保険パックを契約した場合の総額は108万3600円となる。また、秋より法人向けに「Pepper for Biz」の提供を開始する。これは、ソフトバンクが様々な業種のニーズに合わせてアプリケーションを作りこんだ総合ソリューションとなる。発表会で例示されていた業種は、接客と受付、教育、トラベル、介護、医療、小売、IT、製造業。特にエンタープライズ向けには、7月に開催される「SoftBank World」で専用アプリとサポートの事例を紹介するという。接客や受付、商品紹介といった接客全般のアプリ紹介だけでなく、データ分析やアプリ配信管理といった、より実務的な内容についても紹介するとしている。ほかにも、7月1日より「アルバイト派遣」サービスの提供を開始する。ソフトバンクが用意する10台のPepperを時間単位で企業に貸し出すというもの。派遣料は「時給1500円」としており、ティッシュ配りや受付スタッフ、販売スタッフといった役割を想定している。同日行われた記者会見でソフトバンクグループ CEOの孫 正義氏はPepperが「感情認識」だけでなく、「自らの感情を持ったロボット」に"進化した"と発表。「人間と同じで、家族とのふれあいや友達とのふれあい、ニュースとの触れ合いで感情が揺れるようになった。これは人間と同じで、画期的な発明」と語り、30件以上の特許を出願していることを明らかにした。
2015年06月18日人気アニメ『マジンガーZ』との続編として1975年に放送された『グレートマジンガー』を精密に再現した、大型フィギュア『DX 超合金魂 グレートマジンガー』が、2015年12月26日にバンダイより発売されることが決定した。価格は49,800円(税別)。グレートマジンガーが、マジンガーZの強化発展型として建造されたロボット。バンダイの歴史においても数多くのヒット商品が生まれ、マジンガーZと並んで「超合金」ブランド確立のきっかけとなった。「超合金魂」シリーズは、昨年で40周年を迎え、1974年発売の大ヒット商品『超合金 マジンガーZ』からスタートしたダイキャスト製ロボット玩具シリーズのひとつで、光り輝く金属ボディにさまざまなギミックを導入。ロボットごとに異なるアプローチに挑戦し、これまでにさまざまなスーパーロボットや戦艦が立体化されている。『DX 超合金魂 グレートマジンガー』は 2012年12月に発売された『DX 超合金魂 マジンガーZ』同様、"かつて少年だった大人たちへ贈る究極のマジンガー"がコンセプト。美しいフォルムはもちろん、精密な内部構造、「格納整備基地」の付属、豊富なサウンド、発光ギミックなど、バンダイが培ってきたフィギュア・ロボット製作のノウハウを集結し、これまでにない高いレベルで再現している。実際のフィギュアでは、グレートマジンガーの内部メカニズムを精密なディテールで再現。正面の装甲パーツは着脱式となっており、全身のメカニックディテールを見ることもできる。さらに胸、腹部、腰の装甲は左右分割タイプも用意されており、これを使用することでカットモデルとして楽しむことも可能。もちろん、グレートマジンガーの飛行を可能とする「スクランブルダッシュ」も付属しており、全高約325cmのボディにスクランブルダッシュを装着すると、全幅約350mmという圧倒的スケールを誇る。そのほか、本体や装甲をディスプレイできる「格納整備基地」が付属。台座には可動式LEDライトが付いており、下からのライトアップも。さらに、アニメの主題歌など3曲(インストゥルメンタル)収録しているほか、「ブレーンコンドル! スイッチオン!」「アトミックパーンチ!」など、主人公の剣鉄也(CV:野田圭一)の名台詞と効果音も内蔵。LEDが内蔵され、目や胸部高熱版が発光することで「サンダーブレーク」や「ブレストバーン」も再現できる。サウンド・発光ギミックは、付属の赤外線リモコンで操作も可能。そして、『DX 超合金魂 マジンガーZ』との握手を再現できる手首パーツも付属している。なお、初回生産分には『グレートマジンガー』の原作者である永井豪氏が、『DX 超合金魂 グレートマジンガー』のために描きおろした、グレートマジンガーとマジンガーZとの共闘が入ったイメージボード集「偉大魔神画」も同梱。今回の商品化にあたり永井氏は、「『マジンガーZ』誕生40周年記念として商品化された『DX 超合金魂 マジンガーZ』は、大成功となった!! ファンの方々の"熱い支持"に応えるべく『DX 超合金魂 グレート マジンガー』が発売されることとなった! 前回以上の商品にして、ファンの方々に、更に喜んで頂こうと、スタッフの"熱い思い"がここに集結した!! 私の絵から生まれた ロボットキャラクターが、これほどリアルな玩具となってくれたことに感激している!!」と、喜びのコメントを寄せている。(C)ダイナミック企画・東映アニメーション
2015年06月18日●苦労の連続だった「人間とロボットの対決」産業用ロボットの製造を行う企業「安川電機」の100周年記念プロジェクト「YASKAWA BUSHIDO PROJECT」のムービーが国内外で話題となっている。動画のストーリーは、5つの世界記録を保持する居合い切りの達人で、"平成の侍"の異名を持つ居合術家・町井勲氏の剣技を3D解析し、そこから作ったプログラムにより動作する同社の産業用ロボット「MOTOMAN」と対決するというものだ。この動画の制作を手がけたのは、愛らしいチワワと「どうする?アイフル!」のフレーズで一斉を風靡したあのCMを仕掛けた、電通の阿部光史氏。今回は、阿部氏と映像制作を指揮したエンジンフィルムの蜷川裕一氏に、企画が生まれた経緯や制作時の詳細なお話を伺った。阿部光史クリエイティブ・ディレクター電通第4CRプランニング局 デジタル・クリエーティブ・センター デジタルクリエーティブ4部。兵庫県神戸市生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒。 電通関西支社、ビーコンコミュニケーションズを経て電通第4CRP局勤務。「どうする?アイフル!」のくぅーちゃんシリーズでアイフルを業界4位からトップに。2004年度CM好感度ランキング1位・ACC賞・TCC賞・広告電通賞・NYフェスティバル・ワンショーなど。 東京コピーライターズクラブ会員。社内ギークラボ主催。趣味はアート収集と水泳と電子工作。 Youtubeにアップした自作MIDIオンド・マルトノ映像がなぜかチリで大人気。蜷川裕一プロデューサー株式会社エンジンフィルム。1978年神奈川県生まれ。2001年エンジンフイルム入社プロダクションマネージャーを経て現在に至る。――まず最初に、このプロジェクトのどの段階から参加されたのか教えてください。阿部氏:一番最初の段階から参加しています。2年くらい前になるのですが、安川電機に向けて「産業用ロボットを使ったPR映像を作りませんか」という提案をしたのが始まりです。その中で、同社が2年後に100周年を迎えるとうかがいまして、では、それに向けて作ってみませんかということになったんです。MOTOMANのスピードの速さや正確性、また人間のようなしなやかな動きといった、ロボットが持っている特長をいかにプレゼンテーションをするかということを軸に、企画を3案作りました。その中のひとつが「居合い切り」で、同社の方に選んでいただいたことでこのテーマに決まりました。――ちなみに他の2案は?阿部氏: ひとつは楽器を弾くというもので、もうひとつは野球をするというものでした。――数ある安川電機のロボットの中で、このプロジェクトに使うロボットを選んだ時の選定理由は何だったのでしょうか?阿部氏: 100周年の節目の年を飾るムービーということで、僕も安川電機のみなさんも、最初の企画提案の段階から、主力製品のひとつであるMOTOMANを中心に据えていました。MOTOMANにも色々なサイズがあるのですが、居合いに一番最適なサイズということで、MOTOMANの中でもMH24が選ばれています。――ロボットの調整には苦労されたということですが、リリースに記載されていないことで印象的なエピソードなどありましたら教えていただきたく思います。蜷川氏:テスト段階ではなかなか「切る」こと自体が成功しなかったので、そこを繰り返し繰り返し試行錯誤して進めました。一回失敗するごとに、プログラミングへ変更を加えていただいたことが印象に残っています。また、刀はわずかにゆがむだけで切れ味が変わったりする微妙なものだったので、そこが大変でした。ロボットはやはり人間を超える力をもっているので、対象物が切れなくても、そのままアームを押し進めようとしてしまうんです。人間であれば、腕の力の方が弱いので先に手から刀が離れると思うんですけれども、ロボットの場合はボルトで強く刀を固定していますし、そのまま力を加えてしまうので、固定した部分が曲がってしまうということがありました。曲がると刀鍛冶の方にお願いして修理するのですが、長いと1週間くらいかかって……。直しては取り付け、また曲がって……という繰り返しでした。阿部氏: :1カ月近く「切れない」という連絡が続く状況で、かなり精神的につらい撮影ではありました。MOTOMANが物を切れないことには、撮影が進められないので……。――できあがった映像を見る限り、人間(町井氏)とロボット(MOTOMAN)が拮抗しているようにも見えるのですが、そこにたどりつくまでが苦労の連続だったのですね。蜷川氏:映像だけ見ると、MOTOMANがスパスパと物を切っているので、ロボットだから簡単にこなしているのだろうと思っている方もいらっしゃるかもしれないですね。●ロボットの居合い切りに隠れた"師匠の教え"――MOTOMANの調整にはとても苦労されたとのことですが、映像では非常に鮮やかな剣技を披露しています。成功のきっかけは何だったのでしょうか?阿部氏: :現場に町井さんが入ったことですね。最終的な微調整に町井さんが入っていただいてから、MOTOMANの剣技が成功する確率が上がっていきました。――MOTOMANの動きは町井さんの動きを解析したデータによるものですが、ご本人の目視と調整がさらに重要だったということですか?阿部氏: :そうです。現場でも、(MOTOMANの刀の)入射の角度は、町井さんが気にして何度も調整してくださいました。――映像のストーリーとしては「人間とロボットの力比べ」と言った風に見えますが、実際には町井さんもMOTOMANの成功のために尽力されていたんですね。阿部氏: 本当に切れなくて困っていたので、町井さんには助けていただきました。また、チームの中でも、完全に対等な対決というよりは、師弟対決といった意識が強かったように思います。あまり強くそうした演出は入れていませんが、角度の調整など町井さんがロボットに「教えている」場面も入っていますし、MOTOMANの剣技に、町井さんが「おまえ、なかなか頑張っているな」というような視線を送る場面もあります。――「師弟対決」という表現はとても素敵ですね。映像の中で、「四方切り」に始まり、「袈裟斬り」「切り上げ」と町井氏の剣技をロボットがなぞっていく様子は圧巻ですが、クライマックス直前の「水平斬り」のみ、ロボットの方が斬るオレンジの数が多くされているなど、高度な技にチャレンジし人間(町井さん)を圧倒しているように見えました。このような構成にした理由は?阿部氏: ざっくばらんに言うと、「弟子がなかなかやる感じになってきた」というストーリーです。人間から学び、技が高まったことが分かるような見せ方にしています。そうは言っても、さやえんどうを水平に切る時も、町井さんが教えたことで切れるようになったという映像構成になっています。――ここからは、映像の見せ方についてお伺いします。色合いの彩度はかなり抑えめで、テロップやロゴなども含め、白・黒・ポイントに赤といった、かなり選ばれた色しか使われていないように見えます。こうした画面作りのねらいや工夫などを教えてください。阿部氏: 居合いというテーマを考えたとき、ロボットと町井さんの関係をクールな映像で見せるためです。文字はデザイナーの方で和にプラスしてロボットをイメージしたカラーリングだったりですとか、文字の出し方を何度かトライして、進めていきました。アートディレクターも入っていたので、映像のイメージは監督に僕ら代理店サイドから提示したのですが、強い光がロボットに当たって時折ギラリと光るような印象のものを提案しました。また、刀は暗いところで光るほうが非常にシャープに見えるんです。全体的にシャープに見せつつ、ロボットの存在感を演出しました。――字幕の情報量が多く、日本語と英語が併記されているのが印象的です。海外メディアや著名人にも注目されているこのムービーですが、やはり海外で見られることを強く想定して映像づくりをされていったのでしょうか?阿部氏: デザインサイドのことで言いますと、日本語のアニメーションを重点的に作っています。英語に関しては、世界の人がYouTubeに見るという前提で、字幕としてあとから入れました。そのため、英語字幕がないものが完成品と言えるんですけれども、誰が見ても分かるようにつけました。かつ、小さい画面でも見やすいようにボールドのフォントで入れています。また、デザイン面以外のところで、安川電機はBtoBでは大きな市場規模を占めていて、世界を相手にしている企業ですが、事業領域として一般の方(BtoC)にはあまり接点がありません。そんな同社のPR映像が世界に広がって、「日本のこの映像がすごい」と話題になることを狙うとして、日本をイメージさせる要素が必要だと考えました。日本というと、産業用のロボットからガンダムなども含め「ロボット」の印象が強いですし、また「侍」は海外の方にとって日本を強く想起させるキーワードです。そこでふたつを組み合わせて、「安川電機のロボットも日本の文化もすごい」ということが伝わるように企画を考えました。――YASKAWA BUSHIDO PROJECTのロゴや千本切りの際のピクトグラムアイコンのようなビジュアル面のデザインも新規に起こしたのでしょうか?阿部氏: はい、そうです。監督のディレクションのもと、日本語のアニメーションを担当したデザイナーの方が手がけました。――メイキングの画像の中で、カメラマンの方が安全のために甲冑を着用されていましたが、「武士道」プロジェクトにおいて西洋甲冑を着用した理由は?阿部氏: 基本的には人があまり近くに行くと危ないので、大半がそうしない形で撮影されています。しかし、寄って人の手で撮らないといけない場面もあったので、甲冑を着たカメラマンが対応する場面はあったというのが前提です。確かに居合い切りから連想されるのは日本の鎧なんですが、脇の下など、多くの部位に隙間があるんですよね。比較した場合、甲冑の方が体が守られるというのが一点。それに加えて、本番の映像に映るわけではないにしろ、全体の流れの中で面白く見えるのではないのではないかという監督のアイデアで採用されました。――各方面のクリエイターが総動員されて作られたこの映像ですが、ここで得られたMOTOMANのプログラミングや動きは今後別の場面で活用されるご予定はありますか?阿部氏: 実は今回、MOTOMANの使い方としてはかなりイレギュラーなことをしています。町井さんの動きを再現するため、所定の電圧よりも出力を上げているんです。そのまま使っていると負担が大きくなるくらい、通常の使用を超えたことをやらせていて、安全圏内での作業とは異なるので、そのまま実際の業務内で使えるということではないでしょう。ですので、居合いの動きがそのまま業務的に生かされるということはないかと思いますが、この動画は国内外で広く見ていただけていて、「安川電機のロボットは非常に正確に動く」というイメージが世界に広がったことには手応えを感じています。そういったブランディングの面で、BtoBの場面でも話題に上ればと思っています。ムービーについてはこれからどこまで伸びるかという段階ですが、安川電機のみなさまにも喜んでいただけています。――ここは特に見てほしい、というような要素が他にあればぜひ教えてください。阿部氏: 映像に関してはこれまでお話した通りなのですが、サウンドデザインにも注目していただけると嬉しいです。かなり豊かな作りをしているので。YouTubeで公開しているためパソコンなどで再生することが多いと思うのですが、ぜひヘッドホンで聴いていただきたいな、と。そうすると、いわゆるPCのスピーカーからは聞こえない音楽や環境音がわかって、映像の印象がより強く見えるのではないかと思います。――最後に、人の心に残る映像・CMを作り続けている阿部さんから、広告のクリエイティブを目指す人にメッセージをいただけますでしょうか。阿部氏: 大切なのは「新しいもの」を作ることです。今までに見たことがないものは、かなり高い確率で人の目を集めます。やはり見たことのない映像は強い力を持つので、皆さんそれを生み出すべく、広告業界を目指しているのではないかと思います。同時にそれは「誰ひとりとして作り方が分からない映像」であるということも意味しています。ですから、頭の中にあるイメージを実現化する時、非常に苦労するんです。絶対にひどい目に遭います(笑) 何しろ前例がないので。今回も、ものすごく難しい関門をくぐり抜ける必要があって、心底途方に暮れたこともありました。もう無理なんじゃないかと思うこともありました。スタッフのみなさんの力を借りて、こうして形にできたことが本当に嬉しいです。これから広告のクリエイティブを目指す人たちも、制作にあたってとんでもない苦労や問題を抱えることになった時は、「自分はこれまでにないものを作ろうとしているんだ」ということを信じて、前に突き進んでください。逆に、そうした事柄が起こらない時は、作っているものが「誰かの作った何か」であるということです。ぜひ若い人たちにはチャレンジしていただきたいです。
2015年06月12日安川電機は6月5日、創立100周年事業の一環として、同社の産業用ロボット「MOTOMAN-MH24」が居合術に挑戦する「YASKAWA BUSHIDO PROJECT」の動画を公開した。同プロジェクトでは、「6mmBB弾居合斬り」などの世界記録を保持する居合術家・町井勲氏の剣技を「MOTOMAN-MH24」で再現することに挑戦。動画では、居合術の基本形である「四方切り」に始まり、「袈裟斬り」「切り上げ」「水平斬り」を再現しながら、最後に世界初と成る「人間とロボットによる千本切り」を披露している。安川電機は町井氏の剣技をモーションキャプチャし3D解析、そのデータをもとにプログラミングしたが上手くいかず、刀の入射角度や速度の調整を何度も繰り返して成功にこぎつけた。なお、ロボットが使用している刀は江戸時代に作られた逸品で、最新のロボットと歴史ある刀の共演も動画の見どころとなっている。
2015年06月05日3Dプリンタメーカーの台湾XYZprintingは、ホビー・教育向けの2足歩行ロボットや、車輪型のサービスロボットを紹介していた。いずれも現在開発中のプロトタイプで、2015年10月くらいの発売開始を予定しているという。同社がロボットを発売するのはこれが初めて。価格の安さもあり、話題となりそうだ。2足歩行ロボットは2種類開発。上位モデルは身長396mm、重量2.0kgで、18自由度(腕6、足12)を持つ本格的なロボットになる。Arduino互換のコントローラ、センサー(加速度センサー、ジャイロセンサー、赤外線距離センサー)、リチウムイオンバッテリ、LED、ブザーなどを搭載。通信はBluetoothを利用する。通常、このクラスのロボットになると、価格は10数万~20万円程度になるが、同社は600ドル以下での販売を予定しているという。なお、デモ機ではROBOTIS製のサーボモーター「Dynamixel AX-12A」を使用していたが、コストダウンのために、製品版では自社製のサーボモーターを搭載する計画とのこと。一方、下位モデルの方は、身長は439mm、重量は1.85kgであるが、自由度は10に抑えられている。価格は300ドル以下の予定で、完成済みバージョンと組み立てキットの2種類が用意される。両モデルとも、ロボットの動きはユーザーが自由に設定することが可能。同社のモーション作成ソフトウェアが使えるほか、Arduino IDEによるプログラミングにも対応するので、教育用にも良いだろう。なおハードウェアの仕様は公開され、ユーザーがオリジナルの外装を3Dプリンタで作り、換装することもできる。また、10インチ液晶画面を搭載する自走式のサービスロボットも開発中だった。スーパーマーケット、オフィス、家庭などでの利用を想定しているとのことで、場所の案内、家電の制御、留守番などの機能がある。価格は用途次第になるが、家庭向けは1,000ドルくらいで考えているということだ。
2015年06月05日NTTドコモは6月4日、タカラトミーとクラウド型"おはなしロボット"「OHaNAS(オハナス)」を共同で開発したと発表した。「OHaNAS」は、「しゃべってコンシェル」の技術を応用した、パートナー向けのプラットフォーム「自然対話プラットフォーム」を初めて採用した商品。自然対話プラットフォームは、4つの技術から構成される「しゃべってコンシェル」に加え、「文章正規化」「外部コンテンツ連携」「キャラクター風発話変換」「ユーザー情報自動検出」の4つの技術から構成されるクラウド型システム。「OHaNAS」は同プラットフォームの「意図解釈」「シナリオ対話」「知識Q&A」「文章正規化機能」「外部コンテンツ連携機能」を使用している。これまでパートナーが、「しゃべってコンシェル」で活用している意図解釈機能などを用いて対話機能を利用する製品を作る場合は、会話で対になる文章をサーバに個別に登録する必要があった。これに対し、同プラットフォームでは、1つの文章を設定するだけで、同じ意味の多くの文章に応答すること、ニュース等のリアルタイムに更新される関連情報も織り交ぜた会話することが可能。「OHaNAS」は10月1日に発売される予定で、希望小売価格は1万9800円(税別)。「OHaNAS」に話しかけると、疑問に答えてくれたり、ニュースや天気などリアルタイムに変化する最新情報を教えてくれたり、晩御飯の献立を一緒に考えてくれたりと、あたかも人と会話するように自然にユーザーをサポートしてくれるという。スマートフォンやタブレットを経由し、意図解釈機能などを備えた各種クラウド上のサーバに接続することで、「OHaNAS」との自然な会話が可能になり、これまでにない自然な会話によるコミュニケーションを実現した。「OHaNAS」と会話をするには、スマートフォンやタブレットに専用アプリをダウンロードが必要。電源を入れ、端末とペアリングした後、頭をなで、目のLEDランプが青色になれば、話しかけることが可能になる。
2015年06月05日日本ユニシスは6月4日、三井不動産がオフィスビルのコンセプトとして掲げている「その先の、オフィスへ」の一環として、フォトシンスのスマートロックロボット「Akerun」を活用し、IoTによる受付の無人化やスムーズな課金が可能なワーキングスペース実現のための実証実験を実施すると発表した。フォトシンスが開発したスマートロックロボット「Akerun」は、サムターン付きドア錠をスマートフォンアプリで操作することができるデバイス。既存のドア錠に後付けするだけで利用可能なため、ビルの空きスペースをスピーディーにオフィススペースにすることができる。今回、行われる実証実験では、フォトシンスのスマートロックロボット「Akerun」と、日本ユニシスのプラットフォームサービス構築におけるノウハウを組み合わせることにより、三井不動産のテナント企業のワーカーに、新しい働き方、ワーキングスペースをスピーディーに提供することが可能になるとして、その効果と課題を共同で検証する。実証実験は「Clipニホンバシ」などで、2015年7月下旬から10月下旬にかけて行われる予定。
2015年06月05日NTTドコモとタカラトミーは4日、次世代コミュニケーショントイ「OHaNAS(オハナス)」を発表した。希望小売価格は税別19,800円で、10月1日に発売する。クラウド型おはなしロボットOHaNASは、ドコモの「しゃべってコンシェル」などを活用したロボット。OHaNASに話し掛けるとユーザーの疑問に答えたり、雑談するなどの自然な会話を交わせる。例えば、「キャベツを使ったレシピを教えて?」とOHaNASへ話し掛けると「情報サイトでお調べしました。ロールキャベツなどいかがでしょう?」と返してくれ、スマートフォンにレシピを送信してくれる。他にも、OHaNASが「週末はどこに行くんですか?」と訪ね、ユーザーが「秋田だよ」と答えると、「秋田美人って、やっぱり肌が白いから美人にみえるのかな」とリアルタイムに返答してくれる。OHaNASと会話するためには、まずOHaNASとスマートフォン・タブレットをBluetoothで接続。そのスマートフォン・タブレットから意図解釈機能を持ったクラウドサーバーにアクセスすることで会話が行える。なお、ドコモ以外のデバイス・回線でも利用可能だ。OHaNASのバックエンド技術として、ドコモの「しゃべってコンシェル」の関連技術が応用されている。さらに、同音異義語などの日本語の多様な表現でも、前後の文脈などから文章を読み取り、最適な会話ができる「文章正規化機能」、ニュース・天気といった情報を取得し、話しかけた時点のリアルタイムな情報を反映した会話ができる「外部コンテンツ連携機能」、自動的に特定のキャラクターらしい発話に変換する「キャラクター風発話変換機能」、会話から自動的にユーザーの趣味や嗜好などを抽出して、その情報を活用した対話ができる「ユーザー情報自動抽出機能」の4つの新たな機能が搭載されている。本体サイズはW160×H160×D160mm。電源は単2形アルカリ乾電池×3本、またはタカラトミー専用アダプタ(タイプ5U)が使用可能。対応OSはiOS 8.3以降、Android 4.2以降。
2015年06月04日ASUSTeK Computerは29日、オリジナルロボットフィギュア「R.O.G.ロボット」が付属するNVIDIA GeForce GTX 980搭載OC対応グラフィックスカード「GOLD20TH-GTX980-P-4GD5」を発表した。6月15日から20枚限定、予約者限定で販売する。価格はオープン、予想価格は100,000円前後。「R.O.G.」シリーズに属するオリジナルロボットフィギュア「R.O.G.ロボット」が付属するグラフィックスカード。ASUSTeK Computerがグラフィックスカードを最初に発売してから20周年を迎えたことを記念し、限定20枚のみ発売される。6月14日まで予約を受け付け、予約者が多数の場合は抽選となる。詳細は予約受付ページを参照のこと。製品は、GPUにNVIDIA GeForce GTX 980を搭載し、ボディ全体を金と黒のツートンカラーで構成。ヒートパイプをGPUに密着させたGPUクーラー「DirectCU II」を搭載し、熱の移動効率を高めている。さらに、放熱フィンにはデュアルファンで風を送り、冷却性能を向上。リファレンスクーラーと比較して、高負荷時の冷却効率が最高で15%向上し、静音性も最高で3倍静かだとしている。「ゼロノイズファン」機能によって、GPUの温度が上昇したときのみファンを動作させる。温度が低いときはファンが回転せず、ノイズも発生しない。液体窒素冷却などを使用する際に、メモリの霜を融かす「Memory Defroster」も搭載する。コンデンサには-75度~125度までの温度耐性をもつ日本製「Black Metallic Capacitor」(ニチコンGTシリーズ)を採用し、高寿命化を図った。高品質のカスタム部品「Super Alloy Power」によって部品レベルで性能を向上させ、発熱を抑えてコイル鳴きなどを防いでいる。主な仕様は、CUDAコア数が2,048基、コアクロックが1,317MHz、メモリクロックが7,010MHz、メモリは256bit接続のGDDR5 4GB。PCとの接続バスインタフェースはPCI Express 3.0 x16。映像出力端子はHDMI(2.0)×1、DVI-I×1、DisplayPort×3。補助電源は8ピン×2+4ピン×1。本体サイズは約W297×D152×H41mm。
2015年05月29日●自動車とインターネットが出会うと何が生まれるのか?ディー・エヌ・エー(DeNA)は5月28日、同社の子会社であるDeNAロケーションズが、iPhone/iPadならびにAndroid端末向けに無料のカーナビゲーションアプリ「ナビロー」を開発し、同日より提供を開始したことに併せて、同社が取り組むオートモーティブ(自動車関連)事業の説明会を開催した。○DeNAはなぜ自動車分野に参入するのか?DeNAの執行役員で、5月29日に設立されるDeNAとZMPの合弁会社「株式会社ロボットタクシー」の代表取締役社長も務める中島宏氏は、「DeNAが自動車分野に参入すると発表して以降、様々な人から、実際に何を行うのか、といった問い合わせがあった。我々の事業の中における自動車の位置づけは、中軸のゲームから違う産業への展開を進めていく方針の一環であり、他社との協業により参入を図っていくというもの。今回の自動車分野についてはZMPと提携することで、最初の一歩を踏み出した」と語る。また、自動車産業そのものについては、「社会インフラでもあり、周辺産業を含めると50兆円の市場とも言われており、我々にとっても魅力的な市場。かつ、自動車産業にITが次々と進出し、市場が変革しつつあり、"遅れてきたIT革命にさらされている"」とし、DeNAにとっても好機であると判断したためだとする。さらに、「我々は携帯電話がそうであったように、自動車産業に関してもハードウェアからソフトウェアに付加価値が移行するのではないかと見ている。今、自動車産業はようやく携帯電話がインターネットにつながって、携帯サービスが始まるころに近いと判断している」とし、これから大きな変化が起こるという前提を有していることを強調した。そして、「自動車産業が日本の社会の基軸だが、インターネットによって変革が求められており、今後、上手く変化できなければ負のインパクトになってしまうため、日本のインターネット企業がここにコミットしていく必要がある。これらを総合して考えると、自動車産業とその周辺産業の成功が人々の生活そのものの成功につながっていく。新しいモータリゼーションのチャンスが今、起こってきていて、それが世の中の発展につながっていく、それに喜びを感じてビジネスを行っていける。それ以上に魅力的な仕事はないと思って事業を進める決意をしている」と、事業を推進していく立場の人物としての抱負を語った。●単なる送迎だけではない!? ロボットタクシーが目指すビジネスとは○ロボットタクシーは何をするのか?ロボットタクシーのビジネスモデルについて、ZMPの代表取締役社長で、ロボットタクシーの取締役会長を務める谷口恒氏は、「従来のタクシーサービスをまずはITに置き換えることを目的としており、車両を従来のタクシー車両からロボットタクシーにして、全体をサービスしていく。自動運転というと、色々報道されているが、主な話題はドライバのための運転支援システム。我々は運転できない人などに向けた乗客のための自動運転を提供する。遠距離通学やハンディキャップを持つ人たちに自由な足を提供するサービスにしていきたい」と説明する。具体的なロボットタクシーでのZMPとDeNAの関係は、ZMPがこれまでのRoboCarなどで培ってきた自動運転機能やサーバ側の地図ソリューションなどを開発する一方で、DeNA側がタクシー事業として必要な各種技術を開発していくといった役割分担となる。この事業モデルについては、「これまで、レンタカー、自家用車、タクシー、貨物車といった種別を別々に考えてきたものが、ロボットタクシーの活用で垣根をなくすことができるようになる。自動運転技術は当然できるものとして考えており、競争で勝ち抜くためにはその先にあるユーザー体験をどうやって提供していくかを考える必要があり、そこにDeNAの強みが生きてくる。Googleなどが先行して自動運転車の開発を進めているが、車内外におけるユーザー体験の部分では、我々が負けているとは思わない。そうした意味でも国際競争力をもつシステムを開発していく」(中島氏)と意気込みを語る。ただし、具体的なビジネスモデルについては、「単なる送迎だけではなく、車内が自由時間になるので、観光案内やエンターテイメントといった分野への展開も考えられる。しかし、国や地域によって事業が異なってくるので、協業なども含めて、柔軟に行っていく」とする。なお、事業化のスケジュールについては、「すでに先行してZMPが行っている公道での実証実験に加える形でのさらなる実験の積み重ね」が第1フェーズ。「法整備が整った段階での、特別区などでの限定的なサービス開始」が第2フェーズ。「一部地域での正式サービスの開始」が第3フェーズ。そして「提供エリアを拡大していく」といったことが第4フェーズとして位置づけられており、それぞれが五月雨式に進められていくことになるというが、それぞれが実行されるタイミングとしては、「ロボットタクシーだけが頑張っても実現できる話ではなく、行政も含めてなるべく早く進めていく」としており、「目標は2020年に開催される東京五輪の際に、東京で無人タクシーが多数走っており、東京ってすごいところだ、と世界中から言ってもらえるようにするのが1つのマイルストーンだ」としていた。
2015年05月29日●DeNAが自動車業界に参入する理由は?ディー・エヌ・エーとZMPは、ロボットタクシー事業の実現に向けた合弁会社「ロボットタクシー」を29日に設立する。それに先立ち両社は28日、都内で共同記者説明会を開催した。○今こそネット企業が参入すべきロボットタクシーでは、DeNAのインターネットサービスにおけるノウハウと、ZMPの自動運転に関する技術を連携させることで、いわゆる“無人タクシー”の実現を目指す。当面は自動運転技術の研究・開発、さらに将来の利用者の開拓や利用促進を行っていく。なぜ、いまこのタイミングでDeNAは自動車業界に参入するのだろうか。説明会に登壇したディー・エヌ・エー執行役員の中島宏氏は、その理由と狙いについて「言うまでもなく、自動車産業は日本で最も規模の大きな産業。周辺事業を含めるとトータルで50兆円以上の規模となる。それに加えて、いま自動車産業は変革の時期を迎えている。巨大な自動車産業が、遅れてきたIT革命にさらされている、という人もいる。DeNAにとってもビジネスチャンスがあると判断した」と説明した。また同氏は「個人的な想い」と前置きした上で、「日本の基幹産業である自動車産業が世界で勝つためにも、日本のインターネット会社が自動車産業に参入していくべきである」と力説した。グローバル市場に目を転じると、Google、Apple、アリババといった巨大な企業がインターネットと自動車の融合を模索している。したがって今後、日本の自動車メーカーが世界で生き残っていくには、インターネットによる変革にいち早く順応する必要がある、というのが中島氏の主張だ。●ZMPではすでに公道での実験を開始○公道で実証実験を開始続いて、ZMP 代表取締役社長の谷口恒氏が登壇して挨拶した。同社ではロボットタクシーの実現に向けて、すでに公道における実証実験を開始している。これは愛知県と愛知県警の協力のもと、2014年末から名古屋市内で行っているものだ。緊急の場合に備えて運転席にドライバーを乗車させた上で、ハンドルやアクセル、ブレーキなどの操作をすべてコンピュータに任せ、2km程度の距離を時速60kmほどで走らせているという。谷口氏は、ロボットタクシーの意義について「運転できない人のため。例えば、高齢者には移動の自由を提供したい。子供たちには安全と安心を、ハンディキャップをもった人にも便利な足を提供したい」と説明した。ロボットタクシーの構想を発表してからというもの、全国から「1日でも早く実現してほしい」という声が多くよせられているという。●事故の際など、課題も山積○今後の課題現在の道路交通法では、まだ無人の乗用車を公道に走らせることができない。国際的にも、ジュネーブ条約で禁止されている。ロボットタクシーを実現させるためには、これらの法が改正されることが絶対条件となる。しかし、法が改正されるまで待っていたらグローバル企業に出し抜かれる、というのが中島氏と谷口氏の共通認識だ。このためリスクをとって、先行して開発を進めている。ロボットタクシーが事故を起こした場合の対応など、これから詰めていかなければいけない課題も多い。また、利用者の懸念をどう克服していくかも、大きな問題。谷口氏は「乗車する一般の利用者が“怖い”と思ったり、受け入れがたい状況になってしまうと、どんなに優れた技術でも社会に浸透しない。ロボットタクシーは安全で楽しく、便利なものだと、ご理解いただけるように、努力をしていかなくてはならない」と説明した。法の問題を抜きにすれば、技術的には数年もかからないうちに無人タクシーを実現できる見込みだという。中島氏は「2020年には、充分に間に合うと思っている。東京オリンピックの頃に、東京に無人のタクシーを走らせたい。外国の方に東京はすごい、と言われるような状況にしたい」と夢を語った。
2015年05月28日三井住友銀行は25日、Silicon Valley Robotics (President:Dr. Richard Mahoney、以下、SVR)と、日米のロボット産業の振興に関する相互協力を目的とした覚書を締結したと発表した。米国のシリコンバレーでは、従来よりソフトウェアやインターネットのサービスを提供する新興企業が多く輩出されてきたが、最近では、ロボットを含むハードウェアの開発・販売に取り組むベンチャー企業も増えているという。また、日本には、ロボットを構成するセンサーや駆動装置等の分野において、世界トップレベルの技術を持つ企業が多数存在しているとしている。日本では少子高齢化、生産年齢人口の減少が急速に進んでおり、幅広い分野において、ロボット技術の活用による社会課題の解決が期待されているという。このような中、同覚書締結により、同行及びSVRはロボット関連分野のビジネス展開に関心のある日系企業・米国企業の相互紹介や、ロボット関連の各種イベントの開催での協力などを行うとしている。SVRは、米国・シリコンバレーのロボット関連企業を多数会員に持つ非営利団体。ロボット分野において、起業家育成や企業間連携を促進させるための活動を実施している。三井住友銀行は、顧客の新しいビジネス展開をサポートするため、国内外の機関と連携して、様々なサービスを提供していくとしている。
2015年05月26日