第一線で活躍する声優たちがリーディング形式で披露するリーディングシェイクスピア「ロミオとジュリエット」。12月17日に開幕した本作は、回替わりでキャストが異なる、日毎の組み合わせでの化学反応も魅力だ。12月18日公演がメディア向けに公開。構成・演出を手がける深作健太が作り出す新しい「ロミジュリ」を観劇した。【チケット情報はこちら】18日公演は、汐谷文康、帆世雄一、岸尾だいすけ、大海将一郎、夏川椎菜、下田麻美が出演。ロミオ役は汐谷、ジュリエット役は夏川と、活躍の場を広げる若手声優のふたりが演じたことで、出会いのときめきや、愛し合った5日間を瑞々しく表現。純粋だからこそ際立つ悲劇を演じきった。ロミオの盟友・ベンヴォーリオ役には帆世。ふたりを出会わせたどこか気の良いベンヴォーリオ、そしてふたりを引き裂くキャピュレット家・ジュリエットの父も兼任し、年代の違うふたりの男を演じ分けた。キャピュレット側に立つ血気盛んな青年・ティボルト、ジュリエットを思うも不幸な最後を遂げるパリス伯爵を演じたのは舞台出演も多い大海。動と静、相反する役をより演劇的に表現した。ロミオとジュリエットの恋を手助けしてくれる神父、そしてヴェローナを治める大公は、数多くの作品で存在感ある演技を魅せるベテラン声優の岸尾が兼任。ラスト近く、神父と大公をひとり演じわけながらストーリーを展開するシーンは、目の前で声優が演じる朗読劇ならではの魅力をたっぷり味わうことができる。そして同公演回で誰よりも目を引いたのは、マーキューシオ、乳母、そしてストーリーテラーも兼任した下田。乳母とマーキューシオが同じ声優?と思うかもしれないが、下ネタを交えながらジュリエットを慈しむ乳母、そしてやんちゃで向こう見ずなトラブルメーカー・マーキューシオを演じる姿は同一人物か?と思わせるほど。開幕の口上、ナレーション的な役割もこなし、確かな存在感を見せ付けてくれた。公演は12月22日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて。チケットぴあでは各公演前日23:59まで購入できる当日引換券を発売中。公演回ごとの出演者は下記。12月21日(土)13時公演:白井悠介、田丸篤志、岸尾だいすけ、市川太一、西明日香、西村ちなみ12月21日(土)19時公演:中澤まさとも、帆世雄一、笠間淳、市川太一、工藤晴香、福島潤12月22日(日)12時30分公演:駒田航、神尾晋一郎、松田健一郎、安田陸矢、吉岡茉祐、福島潤12月22日(日)18時公演:中島ヨシキ、古畑恵介、松田健一郎、安田陸矢、田中美海、井上麻里奈
2019年12月20日リーディングシェイクスピア「ロミオとジュリエット」が12月17日(火)より22日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演される。「ロミオとジュリエット」は言わずとしれた劇作家ウィリアム・シェイクスピアの名作戯曲。その作品を第一線で活躍中の人気声優が回替わりで出演し、リーディング形式で上演する。本作の構成、演出を担当する深作健太、また一部の出演者から本公演に対する意気込みを聞いた。リーディングシェイクスピア「ロミオとジュリエット」のチケット情報<構成・演出 深作健太>活躍する素敵な声優さん達と、朗読劇を御一緒するようになって三年目。一月の『ハムレット』に続き、十二月はいよいよ『ロミジュリ』です。この公演で、初めてシェイクスピアに触れる、そんなお客様も多いかと思います。いま世界中で〈格差〉が意識され、国境の〈壁〉が甦ろうとしている時代。遠い海の向こうの物語としてではなく、僕たち自身の物語として、心の〈壁〉を壊し、〈橋〉を架ける、そんな公演になればと思います。<田中美海>切なくも激しいロミジュリの朗読を演じることができてとても嬉しいです。非常に劇的なお話しなので台詞の言い回しなど、情熱に溢れる舞台に出来たらいいなと思います。動きもかなり多くなるということで、頑張ります…!<中島ヨシキ>誰もが知る名作が、朗読という表現でどう生まれ変わるのか、とても楽しみです。ロミオを演じられることもなかなかない機会だと思うので、噛み締めながら大切に演じさせていただきます。<夏川椎菜>憧れのジュリエット……!演じられることがとても幸せです。普段は声のみでお届けする朗読劇ですが、今回は動きもたくさんついていて、感情の動きや、行動の動機が想像しやすくなっていると思います!多くの人に知られているロミオとジュリエットだからこそ、深作さんの解釈や演出を再現できるように努めていけたらなと思いますし、その中に自分なりのジュリエットの解釈も盛り込んで演じていければと思います。<野上翔>恐らく「名前を聞いたことがない」という方がいらっしゃらないであろう世界的な名作に、今回朗読劇という形で参加させていただけて大変光栄です。皆様の心に残る朗読劇になるよう誠心誠意努めてまいります。<八代拓>僕は以前からシェイクスピアの朗読劇をしてみたいと思っていましたので、今回の公演に出演できて本当に嬉しいです。言わずと知れた名作、たくさんの方が演じられてきたロミオという役、自分の中でしっかりと向き合いながら朗読劇を作っていけたらなと思っています。是非たくさんの方に聴きにきていただけたら嬉しいです!
2019年12月16日2004年にドラマ『WATER BOYS2』でデビュー、当時の最年少レッドとして『魔法戦隊マジレンジャー』(2005年)の主演に大抜擢され、その後も朝ドラをはじめ多数の作品に出演する橋本淳さん。主戦場である舞台では、宮田慶子、宮本亜門、白井晃、永井愛、ケラリーノ・サンドロヴィッチなど錚々たる演出家のもとでステージに立ってきました。2019年11月9日には栗山民也演出の舞台『カリギュラ』が開幕、さらにオールメール&全編関西弁の演出が注目を集める舞台『泣くロミオと怒るジュリエット』の上演を2020年2月に控えています。そんな、演劇界で引っ張りだこの橋本さんに、テイストの異なる両作品に対する思いや見どころを語っていただきました。——まずは『カリギュラ』のお話から。演じる役どころについて教えてください。橋本淳(以下、橋本)僕が演じるケレアは、冷静かつ聡明な人物です。菅田将暉くん演じるカリギュラと対峙する役どころで、クーデターの首謀者となります。最初はケレアという人物がどういう考え方を持っているのか、分からない部分もありました。でも、台本の中に「私はただの市民なので」というセリフがあったり、彼自身、たしかにそこまで特出した才能があったりするわけでもないので、とても人間っぽい人だなと思いました。それに、考えすぎてしまうところは、ちょっと自分と近いかもしれないです。思いついたらすぐ行動するというよりは、思い悩むことの方が多いので。作品の中でも、カリギュラが逃亡したときに、周りにいるほとんどの人達が深く考えていない中、ケレアだけは何か腑に落ちないなとずっと考えている。そういう部分は僕と似ているかもしれません。——まもなく本格的に稽古も始まると伺いました。橋本そうなんです。先日、本読みをしたのですが、そこで皆さんの声を聞けたのはとても大きかったですね。この感覚を持ち帰って、それぞれが稽古までにどう作りあげてくるのか、楽しみでもあり、怖くもあります。実は7月ぐらいから台本はいただいていたんですよ。そこから準備をしてきたので、ようやく、という感じもしますね。——本読みのときには他のキャストさんたちと、どのようなやりとりをされたんですか?橋本菅田くんやエリコンを演じる谷田歩さんと、休憩時間に「どうします?」「ここ難しいですね」というような話をしましたね。やっぱりみんな同じように苦戦している印象でした。登場人物はみんな、どこか掴みどころのない役なので。でもそこは全員で協力しながら答えを見つけていきたいと思っています。僕らなりの座組の答えがきっとあるはずなので。——菅田さんとは、本作が初共演となりますね。橋本そうなんです。でも、お互いが出演している舞台を観たこともありましたし、共通の友人もいるので初めて会ったような感じがしなかったんですよね。だから初対面のときに、「会ったことないよね?」と、確かめてしまいました(笑)。——橋本さんから見た菅田さんはどんな方ですか?橋本どんな役も憑依しているように見えるので、感覚でやっているように見られがちだけど、実は理論派なのかなって。頭の回転が早い人なんだろうというのは、ずっと思っていたんですけど、実際に会ってみてもその印象は変わらなかったですね。きっといろいろ深く見ている人なんだろうなと思いました。本読みのときも、スイッチが入ってからの爆発力がすごかったんですよ。本当に素晴らしかった。このあとの稽古期間で、それが何段階も上がっていくと思うので、僕も負けないようにうまく絡んでいきたいと思っています。——公式サイトの掲載コメントには、『カリギュラ』の原作を初めて読んだときと最近で捉え方が異なっていたとありました。橋本20代前半の頃に、蜷川幸雄さんが演出をされた『カリギュラ』を観ました。その後に原作も買って読んでいたのですが、とにかくよく分からなくて(笑)。でも今回、この作品に出演すると決まったときに、もう一度、腰を据えて読んでみたいと思ったんです。そして作品を理解するには、作者であるアルベール・カミュ自身のことも勉強しないといけないなって。だから、哲学の成り立ちや、アリストテレス、ニーチェという哲学を紡いできた人たちのこと、そしてその中で、カミュがどの哲学に重きを置いて生きてきたのか、というところから追っていきました。——原点から追っていくことで、作品への理解を深めていったんですね。橋本一見、とても難しそうな作品に感じますが、大枠としては昔から人間が抱えていることがテーマになっているんですよ。「人はなぜ生を受けて、生きて、死ぬのか」という。哲学とか、不条理とかという難しい言葉で形容するとつかめない感じがしますけど、例え話をしながら紐解いてあげれば、きっと若い人たちでもしっかりと理解できる内容なんだと思います。——では、改めて『カリギュラ』を読んでみて、感じたことはなんですか?橋本僕も毎日生きていますけど、必死には生きていないなと思ってしまったんですよね。例えばですが、もし今、余命宣告を受けたら、きっともっと必死になるよなって。黒澤明監督の映画『生きる』みたいだなと思ったんです。その作品は、主人公が胃癌を宣告されてから、初めて生きた心地がしたというようなストーリーなのですが。本作でも、きっとカリギュラが、漠然と生きている貴族たちに、自分が暴君になることによって「生きるとはなんなのか」というのを無理やり考えさせているのだなと、そう感じました。——本作を経ることで、橋本さん自身が成長、変化するような期待はありますか?橋本やっぱりこの仕事は、人とどう関わっていくかが重要になると思います。たぶん稽古中は、毎日変わってくると思うんですよ。僕や相手の気持ちがちょっと変わるだけで、作品全体にも影響してくると思いますし。そういう相手の機微に、毎日どれだけ気づけるのかっていうのを大事にしていきたいです。感度高くアンテナを張って、人の心の揺れ動きを敏感に感じとっていきたいと思っています。——そして来年2月に開幕する『泣くロミオと怒るジュリエット』では、桐山照史さん演じるロミオの親友・ベンヴォーリオを演じますね。橋本『カリギュラ』同様、ベンヴォーリオも冷静な性格の役ですね。元木聖也さん演じるマキューシオは鉄砲玉みたいな人なのですが、それを抑えるような、長男みたいなポジションです。こちらも台本の初稿をすでにいただいているのですが、『ロミオとジュリエット』という有名な作品をベースに、作・演出の鄭義信さんがちょっとスパイスを加えていて、ベンヴォーリオは少しミステリアスでクセのある役どころになっているなという印象を受けました。12月から稽古が始まりますが、きっと鄭さんも早く稽古をしたいんじゃないかな(笑)。稽古期間が1か月くらいあって、時間をかけてきっちりやれそうなので楽しみです。——ロミオとジュリエットを演じる桐山さんと柄本時生さんとは初共演ですか?橋本そうなります。桐山さんとは少し接点があるので稽古で会うのが楽しみですし、時生くんとは、お互いの舞台を観て、楽屋で挨拶を交わした程度で。でも、仲良くなれるんじゃないかなと思っています。——全編関西弁ということについては、いかがですか?橋本ドラマでは方言を話す役を演じたことがあるのですが、舞台では初めてなんです。だから『カリギュラ』の公演中に、菅田くんに習いたいなって(笑)。でも、話を聞くかぎりでは、現代の関西弁ともまた違うみたいで。もうちょっと濃いというか昔っぽい感じらしいんですよ。だから不安しかないですね(笑)。——桐山さん、八嶋智人さんなど、関西出身のキャストの方も多いですね。橋本僕、関西の方のノリが好きなんですよ。たくさん話してくれる人の方がもともと好きなので。だからすぐ仲良くなれそうだし、稽古が楽しみです。——改めて、本作はどんな作品になりそうですか?橋本桐山さん、時生くんの2人でロミオとジュリエットをやるっていうのが、まずすごくキャッチーですよね。また、他のシェイクスピア作品のセリフが小ネタで出てくるので、『ロミジュリ』以外の作品が好きな人も楽しめると思います。『ロミオとジュリエット』って、大体の人は話の筋が分かるじゃないですか。その中に鄭さんならではのメッセージ性が入ってくるので、笑いあり、涙もありの人情劇になるんじゃないかなって思います。もしかしたら、前情報なしで『ロミオとジュリエット』だと思って観に来たほうが、より面白く感じるかもしれないです。関西弁ということで、漫才っぽいくだりもありますし。そういう表現が本当に鄭さんは素晴らしいので、この作品に出られることは光栄ですし幸せです。稽古も必死に頑張るので、ぜひ期待して劇場に来ていただけたらうれしいです。撮影:八木英里奈、取材・文:榎本麻紀恵<公演情報>『カリギュラ』作:アルベール・カミュ翻訳:岩切正一郎演出:栗山民也出演者:菅田将暉 高杉真宙 谷田 歩 橋本 淳 秋山菜津子原 康義 石田圭祐 世古陽丸 櫻井章喜 俵 和也 野坂 弘 坂川慶成石井 淳 石井英明 稲葉俊一 川澄透子 小谷真一 小比類巻諒介 西原やすあき 高草量平 原 一登 平野 亙 峰崎亮介 吉澤恒多【東京公演】 2019年11月9日(土)〜11月24日(日)新国立劇場 中劇場【福岡公演】 2019年11月29日(金)〜12月1日(日)久留米シティプラザ ザ・グランドホール【兵庫公演】 2019年12月5日(木)〜12月8日(日)神戸国際会館こくさいホール【宮城公演】 2019年12月13日(金)〜12月15日(日)仙台銀行ホールイズミティ21 大ホール『泣くロミオと怒るジュリエット』作・演出:鄭 義信出演者:桐山照史、柄本時生、橋本 淳、元木聖也、高橋 努、岡田義徳、朴 勝哲、みのすけ、福田転球、八嶋智人、段田安則岩男海史白石惇也鈴木幸二砂原一輝西村 聡平岡 亮ふじおあつや水谷 悟宗綱 弟ワタナベケイスケ【東京公演】2020年2月8日(土)〜3月4日(水)会場:Bunkamuraシアターコクーン【大阪公演】2020年3月8日(日)〜15日(日)会場:森ノ宮ピロティホール
2019年11月14日名女優ジュリエット・ビノシュが、是枝裕和監督の最新作『真実』に出演している。本作は是枝監督がフランスに渡ってビノシュやカトリーヌ・ドヌーヴ、イーサン・ホークらをキャストに迎えた作品だが、本企画はそもそもビノシュが是枝監督と一緒に映画を撮りたいと願ったところから企画がスタートした。なぜ彼女は是枝監督と共に映画をつくりたいと思ったのだろうか?彼女は是枝作品のどこに魅力を感じているのだろうか?2011年頃、来日したビノシュは是枝監督に会い、一緒に映画を撮りたいと声をかけた。ビノシュは「それも何度も何度も繰り返してお願いしたんですよ!そこは大事なことです!」と豪快に笑う。「今から振り返って思うのは、あの時は単にディナーの席を囲むとかいうのではなく、是枝さんと一緒に京都に行ったんですよ。そうすると1日ご一緒することになりますから、歩きながらじっくりと話をすることができました。その過程で私は何度も是枝さんに一緒に映画を撮りたいと言いましたし、“言葉の問題で悩んでいるのであれば、私が日本に滞在して撮影したっていいのよ”とも言いました。すると是枝さんはすぐに『撮るのであれば、絶対にフランスに行って撮影したい!』って……その段階で彼にはフランスで映画を撮ることに対する信念がしっかりとあるのだとわかりました」ビノシュはフランスの名だたる監督の作品に出演しているが、台湾のホウ・シャオシェン、イランのアッバス・キアロスタミ、英国のアンソニー・ミンゲラなど海外の映画作家とも繰り返しタッグを組んでいる。「是枝さんは人間として非常にオープンな方で、まるで磁石のように周囲の人を引き寄せる力があります。私はそういう作家の下で共に感情を分かち合いながら映画をつくりたいと思ったのです。映画は頭ではなく心でつくるものだと思っていますから」そして時は流れ、彼女の願いは、フランスで知らないものはいない大女優とその娘を主軸にしたドラマ『真実』として結実した。母と娘の間にはそれぞれの思い出や、言えなかったこと、過去の記憶、ついてきた嘘、隠し事、本音があり、ふたりは時に激しくぶつかり合う。本作はタイトルに“真実”とつけられているが、劇中ではさまざまなドラマや感情が混ざり合うことで観客が“真実とは一体、何なのか”想いを馳せるような展開になっている。「演技とは、私たちが生きている現実の外にある世界ーそこでは時間の観念すらも異なるでしょうーのリアリティに到達することだと私は考えています。俳優が考えたことや感情を基にしながら、そこで見つけたものも取り込んで、役の感情へと自分が到達するわけです。それはとてもスピリチュアルな場所ですし……言ってしまえば、私たちが現在こうしてお話をしている場所とは違う世界なわけです。つまり、この場所に真実があるように、別の世界にも真実があります。私たちは創作を通じて、そんな場所にある真実に迫っていくわけです」だからこそ彼女はいつも「自分の心は何かに囚われていないか?」と自問していると笑顔で語る。「私だけでなく誰もが自分の内面にある感情と向き合っているかどうか確かめる必要があると私は思います。自分に考える自由、感じる自由はあるのか?誰かの虜囚になっていないか?って」ビノシュがこう語るのには理由がある。是枝作品はこれまでも、そして本作でも繰り返し人間の内面に積み重なってきた歴史や記憶、時間を描いてきたからだ。時にそれらは登場人物の行動を左右し、抑圧し、彼らは自分の中に積み重なった記憶や時間と対峙するのだ。「そうですね。私もそのことはずっと感じていました。これは私の予想ですが、是枝さんは子供時代に誰かから受け継いだ“ヘリテイジ(遺産、継承されたもの)”があるのかもしれません。彼は映画づくりを通して、自分の中に蓄積されたものを理解しようとしたり、その影響から回復しようとしているのかもしれません。彼は過去のヘリテイジを持ったまま、いかに生きていくのか?を考えながら映画をつくっているのかもしれません。それゆえ、是枝さんの映画には一種の“メランコリー(ゆううつ)”があります。それは回復されたり癒されたりするようなものではありませんから、物語の中で再びメランコリーを経験して、メランコリーを生きなおすことで、何らかの境地に到達しようとしているのではないでしょうか」本作でもビノシュ演じる脚本家の娘は母や育ててくれた女性の記憶と向き合い、自分と母の、自分自身との関係を変えていく。映画『真実』はフランスの家族や母娘の複雑な関係を描きながら、さらに深いドラマを見せてくれる。ビノシュの言葉を頭の片隅に置いて作品を観ると、思いもよらない発見ができるかもしれない。『真実』公開中
2019年10月18日新国立劇場バレエ団がケネス・マクミラン振付『ロメオとジュリエット』を上演する。シェイクスピアの悲劇のバレエ化で、1965年の初演以来、世界中で愛されている名作だ。新国立劇場では2001年以来レパートリーに加わり、今回で5演め。押しも押されもせぬ人気演目となっている。主演3キャストのうち木村優里・井澤駿組の、舞台上での衣裳付きリハーサルに潜入した。【チケット情報はこちら】ジュリエットの木村は初役、ロメオの井澤も前回(2016年)は怪我で降板したため、共に観客には初お目見えのフレッシュなコンビとなるふたり。スラリとした容姿が実に舞台映えする。見学した3幕は、ロメオとジュリエットが初めて一夜を過ごしたあとから始まる。ロメオはその前の2幕でジュリエットの従兄ティボルトを殺害してヴェローナの町を追放となり、ジュリエットと離れなければならない。指揮者が振るタクトに合わせ、オーケストラではなくピアノがプロコフィエフの音楽を奏でるという、リハーサルならではの光景の中で展開するのは、愛と嘆きがない交ぜになった切ないパ・ド・ドゥだ。去ろうとするロメオのマントを脱がせ、別れを惜しむ木村ジュリエット。そのジュリエットを切なげに抱きしめ、抱き上げる井澤ロメオ。マクミランの振付は、演劇のように自然かつドラマティックで、ジュリエットの踊りにも両手で手を覆って嘆くなどの仕草が組み込まれるのだが、そうした動きと共に木村の悲しげな息遣いが聞こえてきて、真に迫る。別れの時が来てロメオが去ると、入れ替わりにジュリエットの両親、乳母、そして、婚約者パリスが入ってくる。意に沿わない結婚に抵抗し、懇願するジュリエットだが、両親も乳母も取りつく島がない。そのことを悟ったジュリエットがベッドの上で身じろぎせず何秒間も座り続ける場面があるのだが、彼女が覚悟を決め、結果的に悲劇へと向かう前のこの姿には、心打たれずにはいられない。教会へ出向き、ロレンス神父から仮死状態になる薬を渡されたジュリエットが自室に戻ると、再び両親やパリスが現れる。ここでパリスと踊るジュリエットは、うつろな、まるで魂の入っていない人形のよう。さらに必見なのは、薬を相手に彼女が繰り広げる、怯えや恐怖、決意の表現。木村の瑞々しい表現力が光る。こうしてドラマは、ジュリエットが死んだと思い込んだロメオの自殺、そのロメオを見たジュリエットの慟哭、そして自害まで一気に駆け抜けていく。愛し合いながらすれ違い、それでも互いを想いながら果てる恋人たちの姿を、悲しく美しく描き上げたマクミランの傑作の開幕は間もなくだ。取材・文:高橋彩子
2019年10月17日公開中の『真実』にも出演しているフランスを代表する女優ジュリエット・ビノシュ主演映画『Who You Think I am』が、『私の知らないわたしの素顔』の邦題で日本公開決定。メインビジュアルも到着した。パリの高層マンションに暮らす50代の美しき大学教授クレール。ある日彼女は、年下の恋人にポイ捨てされたことをきっかけに、SNSの世界に足を踏み入れる。Facebookで24歳のクララに成りすまし、新しい恋を手に入れたクレールだったが、それは二転三転するジェットコースターの助走だった…。第69回ベルリン国際映画祭にてスペシャルガラ出品された本作は、50代の知性あふれる女性がSNSの罠にはまっていく顛末を描く、観る者の深層心理が試されるサイコロジカル・サスペンス。主演を務めたジュリエットは、『Vision』『真実』『冬時間のパリ』と近年日本公開作が続くフランスの女優。クレールの秘密を突き止める精神分析医役をニコール・ガルシアが演じ、フランスきっての実力派女優の演技合戦も本作の見どころ。さらに、いまフランス映画界で最も旬な俳優フランソワ・シビルとスーパーモデルのマリー=アンジュ・カスタも本作に参加している。本作は、SNSの罠にハマった女の物語ではなく、“誰にでも起こりうる物語”。先の見えない展開に、次第にあぶり出される深層心理。クレールがなぜ成りすましたのか、観客はその真実に驚愕する。『私の知らないわたしの素顔』は2020年1月17日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2019年10月16日悲恋の物語の代表格と言えば、やはり“ロミオとジュリエット”ですね。悲しくも美しい物語に、感銘を受けた女子も少なくないはず。あなたは好きな相手のために、どれくらい犠牲を背負うことができますか?そこで今回は、ロミオとジュリエットの話から恋愛心理テストを行います。Q.あなたがもしジュリエットだったら、敵国の貴族を好きになったとき、どうする?A:彼のために国を出るB:彼が奪いに来るのを待つC:両親を説得するD:国の友好関係に奔走するあなたはどれを選びましたか?さっそく結果を見てみましょう。【この心理テストで分かること】「あなたの尽くし度(恋で自分を犠牲にする度合)」深層心理において“ロミオとジュリエット”といった敵国の異性を好きになる話は、あなた自身が相手に対してどれだけ譲れるかという感情と密接です。そのため、恋を成就させるためにどんなアクションを起こすかによって、あなたが恋人にどれくらい尽くせるかが分かるのです。■ A:「彼のために国を出る」を選んだ人…あなたの尽くし度は70%あなたは恋人の笑顔を見るのが好きな、サービス精神旺盛なタイプ。喜んでもらおうと、あれこれ一生懸命頑張るでしょう。ただ、相手が満足してくれなかったり、感謝の気持ちが薄いと、豹変してしまうところが。ヒステリックになったりすねてしまう場合も。お世話好きな性格も、相手によっては押しつけがましいと感じる場合もあるので、相手が何を望んでいるのかを見極めてから動くようにしましょう。■ B:「彼が奪いに来るのを待つ」を選んだ人…あなたの尽くし度は15%あなたは、楽ちんな恋愛関係が大好きなタイプ。そのため、相手から尽くされることに喜びを感じると言えます。別に自分から「これやって」「あれが欲しい」と言うことはありませんが、何となく相手に尽くしたいと思わせる雰囲気を持っています。ある意味、小悪魔的な要素を持つあなたなので、尽くすよりも尽くされることの方が多いかもしれません。相手がそれで良いなら、最高かもしれませんね。■ C:「両親を説得する」を選んだ人…あなたの尽くし度は35%あなたは、相手に必要以上に干渉しないことを優しさだと考えているところが。そのため、相手のプライバシーに踏み込まないことを良しとしているでしょう。でもその反面、自分にもあまり干渉して欲しくない部分も持っているようです。そのため、ある意味尽くすことも尽くされることもない、バランスの良い関係性を保っていると言えます。でも、人によってはそれを冷たいと感じることも。■ D:「国の友好関係に奔走する」を選んだ人…あなたの尽くし度は90%あなたは相手に尽くすことで喜びを感じる性格の持ち主。自分が誰かの役に立っているという実感や、大切な相手から認めてもらいたいという気持ちが強いと言えます。相手に喜んでもらえれば、何でも一生懸命尽くそうとするため、ともするとやり過ぎてしまうことも少なくありません。もう少し自分の気持ちを抑えて尽くさないと、良いように利用されてしまうこともあるため、気をつけましょう。■ おわりに尽くすことは、やりすぎると相手の負担になってしまうこともありますが、相手のことを思いやって行動することは悪いことではありません。大切なのは、お互いが対等な関係でいられるようにうまくバランスをとって付き合うことです。あなたの相手を思う気持ちが、正しく届くように、相手の立場も考えたうえで素敵な恋をしましょう。そうすれば、きっと彼もあなたの想いに応えてくれるはずです。(脇田尚揮/占い・心理テストクリエーター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2019年10月05日今年上演されたミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で、鮮烈な舞台デビューを飾った葵わかな。そんな彼女の2本目の舞台が早くも決定、来春開幕する『アナスタシア』で主人公のアーニャをWキャストで演じる。【チケット情報はこちら】連続テレビ小説『わろてんか』でヒロインを務めるなど、若手実力派として知られる葵。だが初めての舞台について、「自分の想像以上にまったくの別ジャンルでした」と、試行錯誤した日々を振り返る。「映像ではカメラがアップを撮ってくれますが、舞台では自分からアップにしないといけない。しかもミュージカルは歌もある分、とても難しくて…。でも映像と違って、感動を誘うような音楽の効果を、ミュージカルでは自分で奏でることが出来るんですよね。もちろんうまく操れるかどうか、という問題はありますけど(笑)。そういう違いを感じた挑戦でしたし、また絶対にやりたいと思ったんです」そんな彼女の次なる挑戦が、この『アナスタシア』。同名アニメ映画から着想を得て制作されたもので、帝政ロシア時代、ニコライ2世の末娘アナスタシアだけが生き延びたとされる「アナスタシア伝説」がもとになっている。「貧しいと思っていた少女が実は皇女で…、というシンデレラストーリーとしても楽しめると思いますし、また衣裳や舞台装置が本当に素晴らしいんですよね。目で楽しむ部分が多い舞台というか。最新のLEDスクリーンが舞台装置で使われている一方、衣裳は昔ながらの、とても重厚なものだったりして。エンターテインメントとしてとても完成された作品だと思います」葵が演じるのは、自らの失った過去を取り戻すため、新たなる一歩を踏み出していく少女アーニャ。「オーディションの時に、演出家の方が“とにかくアーニャは強い子だ”ってことをおっしゃっていたんです。私は普段役に対して“なんで?”ってことを重ねていくタイプなのですが、彼女についてもまずなんで強いのかを考えて、これを大事にしているからだってことがわかったら、その大事なものがアーニャの軸になるだろうなと。そこはぶれないように演じていけたらと思います」世界各国で評判を呼び、今回が日本初演となる本作。そこに葵はある目標を据える。「オリジナルはもちろんリスペクトしつつ、自分たち日本の役者がやる意味を出していけたらいいなと。そして日本の方が観ても親しみが持てるような、感情移入してもらえるようなヒロイン像を目指していきたいと思います」公演は3月1日(日)より東京・東急シアターオーブにて開幕。取材・文:野上瑠美子
2019年10月04日是枝裕和監督最新作『真実』のジャパンプレミアイベントが10月3日(木)TOHOシネマズ六本木にて行われ、是枝監督やカトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュといった出演者、さらに本作で吹き替え声優を務めた宮本信子や宮崎あおいらが登場した。今回揃って来日したフランス映画界の至宝であり、本作で母娘を演じたカトリーヌとジュリエットは、監督と共にイベントに登場すると、「皆様、こんにちは。本日はこの場に訪れられたこと、皆様に映画を紹介できることを大変嬉しく思います」(カトリーヌ)、「“コンニチハ”本当にここへ来ることができて、嬉しく思っています。特にカトリーヌとは強い結びつきを持って、演じることができました。彼女のような母を持つことができて幸せでした」(ジュリエット)と挨拶。本作で初の国際共同製作にチャレンジした是枝監督も「ありがとうございます。こんな形で二人と映画を撮るなんて、撮り始めてからも現実味がなく、夢のようなことでした。こうして完成して三人で壇上に並んでいるのが、本当に信じられないです」と思いを明かす。オールフランスロケ、キャストやスタッフもフランス人という環境の中で行われた今回の映画撮影。当時をふり返り、カトリーヌは「最初はお互い言語の違いもあり、通訳を介してのコミュニケーションしかできず、もどかしい想いもありました。しかし徐々に一緒に時間を過ごしていくにつれ、監督の表情や視線を見るだけで、“今のシーンをこう感じているんだろうな”と、色々なことがよく理解できるようになりました」と最初は戸惑いもあったそう。一方、監督は「撮影できるのは1日8時間のみと、日本で撮影している時の半分の時間で、日本の倍くらいの日数をかけて映画を作っていったのですが、リズム感が日本と異なるので、“本当はもっと撮影できるのに!”と思っていましたが、撮影以外の時間も含めて、ゆっくりと同じ時間、場所を共有できたのは本当に良かったです」と日本と異なる部分を明かし、「各国の映画祭などに出ると、凄い二人と映画を撮ったんだな、と思いますが、現場にいる時はひとりの女優さんと監督という関係は変わらないので、お互い信頼関係を築きながら、楽しく良い映画を作るという事だけを考えました」と2人と映画を製作した思いを語った。また、今回のイベントでは、2人の来日を祝して日本語吹き替えを担当した宮本さん(ファビエンヌ役)、宮崎さん(リュミ―ル役)、佐々木みゆ(シャルロット役)が、会場へ駆けつけ、それぞれ花束を贈呈。「このお話を頂いてから、朝から晩まで映画を拝見しておりましたので、ドヌーヴさんに対して、どこか懐かしい方にお会いした感覚がありました。今日はありがとうございます」(宮本さん)、「この場に一緒に立たせて頂けていることが本当に恐縮で、幸せな一日です」(宮崎さん)と対面を喜んだ。実写吹き替え初挑戦となった宮本さんは「声だけを入れる、だからこそファビエンヌがどのような人物なのか理解し、表現するかというのをよく考えて演じさせていただきました」と収録時の思いを述べ、宮崎さんは「このお話を頂いてから、時間の許す限り作品を観て、ずっとビノシュさんを感じていたので、昨日初めてお会いしたときに、本当に涙が出てきそうになって、棒のように固まってしまった姿を監督に笑われました」と喜びを吐露。みゆちゃんも「頑張ってやってみたらすごく楽しくて、嬉しかったです!」と満足気。是枝監督は「みゆちゃんはずっと声のお仕事をやりたいと思っていたみたいなので、僕からオファーが来た時“よし!”って思ったみたいです(笑)」と明かす。続けて「宮本さんは凛とした声が良いなと思っていて、宮本さんは“自分の中にいる侍がこれは断ってはいけない!と言っているから、引き受けた”と仰っていたんですが、その侍がいてくれて良かったと思っています。宮崎さんはビノシュさんと比べると年齢的には少し若いんですけど、これまで声のお仕事を一緒にさせていただいていて、少年からおばあちゃんまで演じ分けられる女優さんだと思っているので、迷わずオファーしました。とても良いバランスで素敵なアンサンブルができたと思いますので、吹き替え版も是非楽しんでください」と吹き替えにも自信を見せている。そして、本作の印象的なシーンについて「ドヌーヴさん(ファビエンヌ)が撮影所を抜け出してクレープを食べにいこうとしているところを、ビノシュさん(リュミール)が迎えに行って止めるシーンがあるんですけど、なんだか親子の関係性が逆転しているようで、面白かったです」と宮崎さん。カトリーヌも「私もあのシーンはお気に入りなんです」と言い、ジュリエットは「私とカトリーヌの共通点が一つあって、それは“とても食いしん坊”ということ。だからこそ、あのシーンも成功したと思います」と会場の笑いを誘っていた。最後に、是枝監督がこれから本作楽しむ観客へ「母と娘が逆転しているというシーンがあると仰っていましたが、映画の中では母と娘が、娘と母に見えたり、昔の誰かと誰かの親子関係が見えたり、色々な見え方をするように重層的に作ったつもりでいるので、劇中劇も含め、注目して観て頂けると、より楽しんでいただけると思います」と伝え、イベントは幕を閉じた。『真実』は10月11日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年10月04日アイドルグループ・ジャニーズWESTの桐山照史が、シアターコクーン・オンレパートリー2020『泣くロミオと怒るジュリエット』に主演することが28日、明らかになった。同作は、2008年に上演した『焼肉ドラゴン』で演劇賞を総なめにし、2018年には自身が監督を務め同作を映画化した、鄭義信のBunkamuraシアターコクーン初進出作。シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』を下敷きにしながら、物語の舞台を自身のルーツである関西の戦後の港町に設定し、せりふは全編関西弁、キャストは全員男性で、初めての恋に突っ走る若い2人と、それを取り巻く不器用に生きる人々の純愛群像劇を繰り広げる。桐山はかつては愚連隊“モンタギュー”に所属しながらも更生し、屋台で働く真面目な青年ロミオを演じ、柄本時生が田舎から都会に出てきた、心根が真っ直ぐで優しいジュリエットを演じる。さらにロミオの父親代わりで町で診療所を営むローレンスに段田安則、ジュリエットの兄ティボルトに高橋努、その内縁の妻ソフィアに八嶋智人、モンタギューの筆頭メンバー・マキューシオに元木聖也、ロミオの親友ベンヴォーリオに橋本淳、キャピレットの若頭ロベルトに岡田義徳、愚連隊に圧力をかける警部補に福田転球、巡査にみのすけ、傷痍軍人でアコーディオン奏者に朴勝哲と、個性と実力を兼ね備えた布陣が実現した。東京公演はBunkamuraシアターコクーンにて2020年2月8日~3月4日。大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて3月8日~15日。○鄭義信 コメント純愛物語の王道として知られる『ロミオとジュリエット』。でも僕はその背後に、いくつか隠されたものがあると思っていました。差別や不寛容、定かな理由もなく憎悪を募らせ、互いに憎しみ合う人々。最近の、この国に蔓延する空気にも似た“イヤな感じ”を、戦後の混乱期を駆け抜けた、愚連隊の若者たちに置き換えて描いてみることにしました。オールメールにしたのはシェイクスピアへの敬意と、憧れの劇場シアターコクーンで長く芸術監督を務め、演劇の楽しさと先鋭的な表現を両立させた作品を創り続けた故 蜷川幸雄さんへのリスペクトから。さらに自分の得意な関西弁地域に場を設定し、関西出身の方もそうでない方も入り混じる、濃ゆい俳優さんたちにお集まりいただきました。桐山照史さんと柄本時生さん。高すぎるハードルの二人がどんな恋に落ちるか、どうぞご期待ください!○桐山照史 コメントシェイクスピア、オールメール、舞台での関西弁、シアターコクーンに鄭義信さんの作品。『泣くロミオと怒るジュリエット』は、僕にとって初めて尽くしの舞台です。何せ映画ではあのレオナルド・ディカプリオも演じた役。愛に殉じて命を捨てるなんて、エグカッコエエ! ただし、今回はジュリエット役が柄本時生さんなので、恋の顛末がどうなるものか僕自身もまだ想像できず、ワクワクだけが募っています。鄭さんの様々なアイデアで翻案され、しかも自分がネイティブで使っている言葉で語られる「ロミジュリ」は、血肉の通ったドラマになるはず。グッとくるところはもちろん、笑える場面もしっかりありそうなので、鄭さんの世界にたっぷり浸り、作品の一部として舞台上で生きられたらと思っています。ちなみに、時生さんとご一緒することで父・明さん、兄・佑さんに続く柄本家男性陣との共演がコンプリートになることも、嬉しいポイントです。○柄本時生 コメント「『ロミオとジュリエット』のジュリエット役を」というお話をいただいた時は、コントのように三度訊き返してしまいました。単に女性役というだけでなく、世界的な名作のヒロインを自分が演じる。でも日頃から、「役者の仕事はできないことをすること」と思っている僕にとって、お断りする理由はありませんし、むしろこのキツさがやりがいでもある。有難いオファーをいただき、頑張らなければと素直に思っています。シェイクスピアは江本純子さん演出の「じゃじゃ馬馴らし」、東京乾電池で父が演出して上演を重ねる「夏の夜の夢」に出演したことがあります。どちらもかなりひねった上演で、その点では今回の鄭義信版に、むしろ近いシェイクスピア体験をしているのかも……。鄭さんが描くジュリエットは、見た目より内面の美しさが問われる女性なのではないでしょうか。関西弁は桐山さんに教わりながらせりふに忠実に、繰り返し語る言葉の中に演じるヒントがあると信じて作品に臨みたいと思います。
2019年09月28日是枝裕和監督の最新作『真実』の主演を務めたカトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュの来日が決定、10月初旬に行われるジャパンプレミアにも参加するという。是枝監督初の国際共同製作となった本作。先日は、日本人監督として初の快挙となるヴェネチア国際映画祭コンペティション部門オープニング作品としてワールドプレミアを飾ったばかり。是枝監督が本作でオファーしたのは、監督が海外で最も尊敬する女優であるという2人。『シェルブールの雨傘』(’63)や『ロシュフォールの恋人たち』(’66)で知られるフランス映画界が誇る至宝カトリーヌ・ドヌーヴは、名匠フランソワ・トリュフォー監督の『終電車』(’80)でセザール賞を受賞、2度目のセザール賞に輝いた『インドシナ』(’92)ではアカデミー賞にもノミネートされ、フランス映画のアイコンとして君臨。近年では、ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した『8人の女たち』(’02)やセザール賞ノミネートの『しあわせの雨傘』(’10)などフランソワ・オゾン監督作品でも高く評価され、2008年にはカンヌ国際映画祭で特別賞を贈られた。本作では、まるで自身さながらの国民的大女優役に。もともと是枝作品のファンであり、今回監督が書き上げたオリジナル脚本に惚れ込み、出演オファーを快諾したという。また、アメリカで脚本家として活躍する娘役を演じるのは、ジュリエット・ビノシュ。2005年に是枝監督と出会って以来交流を重ね、「いつか一緒に映画を作りましょう」という約束が今回実現。巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督の『ゴダールのマリア』(’84)で注目され、レオス・カラックス監督の『汚れた血』(’86)で日本でも高い人気を獲得し、同じく『ポンヌフの恋人』(’91)、アカデミー賞を受賞した『イングリッシュ・ペイシェント』(’96)など、世界でその高い演技力が称賛されている。『トスカーナの贋作』(’10)でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞、『GODZILLA ゴジラ』(’14)、『ゴースト・イン・ザ・シェル』(’17)などハリウッドでの活躍も知られる。構想8年、是枝監督の渾身作ともいえる本作。2人は10月初旬に行われるジャパンプレミアにも参加する予定となっている。『真実』は10月11日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年09月12日2019年の夏ドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)では“泥棒×警察”という身分違いの恋が取り上げられていますが、リアルでも “許されない恋”のシチュエーションは意外と多いよう。今回は、実際に“許されない恋”をした女性の体験談をヒアリングしました。その恋は運命なのでしょうか?それとも…。■“許されない恋”はなぜ燃えるのか“許されない恋”と言うと、恋の熱が一気にヒートアップしていく印象です。なぜ恋の炎が燃え上がりやすいのでしょう。◎背徳感が恋心に火をつける普通は恋愛関係にならないような2人の間に恋心が芽生えると、“いけないことをしている”という背徳感が生まれます。その“背徳感”とスリルの相乗効果こそが、ヒートアップの最大の要因。背徳感は、恋愛において一種の麻薬とも言えそうです。◎周囲の反対がエネルギーになる許されない関係を続けていたら、ほとんどの人は反対するでしょう。シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』でも描かれているように、周囲が引き裂こうとすればするほど2人の恋心はどんどん燃え盛っていくもの。ドラマチックな状況と「どれだけ反対されても、私たちの愛は変わらない!」という一途な想いが2人にとって、何よりのエネルギーになるのかもしれません。■先生と生徒の恋許されない恋のシチュエーションとして結構、多いのが“先生×生徒”。そのまま恋を実らせて結婚に至るケースも少なくないのだとか。◎“秘密の関係”が距離を近づける先生と生徒の恋は、他の生徒や先生、親たちからの目もあるため公にはできません。そんな環境が2人の恋を加速させるよう。「主人は高校時代の体育の先生です。高3の夏休み、部活前に教官室に行ったら、運よく2人きりになったので、思い切って連絡先を渡して。メールのやりとりを続け、お付き合いがスタート。私が社会人になる年に結婚しました」(25歳/主婦)恋愛関係にありながらも、普段は先生・生徒という関係を続けるのは、大変だけれど独特のスリルを味わえること。そんなドキドキ感が、許されない恋をしている2人の活力となりそうですね。◎意外と成婚率が高い理由は?学校の先生は日々忙しくて、なかなか出会いがない場合も多いようです。しかも、他の大人と比べて10代の子の心をつかむのに長けているからか、生徒と付き合うと長続きしやすいそう。許されない関係でありながら結婚する確率が高いのは、ある意味“うまくいけばこっちのもの”というシチュエーションなのかも?■ライバル企業の営業マンとの恋会社勤めをしている人なら、ライバル企業の社員との恋もありえますよね。これもある種の背徳感を覚えそう。◎関係がバレたらアウトな恋「私の彼氏は同じ業界のライバル企業で働いています。顔を合わせる機会が多いので、以前、先輩もその会社の人と付き合っていました。でも先輩はそれがバレて、地方の部署へ飛ばされることに…。その事実を知っているので、私は絶対に彼の存在を明かさないようにしています」(27歳/営業)ライバル企業に勤める人と恋に落ちた場合は、異動や転勤の対象になってしまう場合もあるようです。それくらいリスクのある関係だということは頭に入れておいたほうがいいのかも。◎結婚=転職というケースが多い結婚する際は、どちらかが転職を余儀なくされるケースも。寿退社を狙っているなら関係ないものの、仕事を続けたい場合は、それまで通りにはいかないかもしれません。ライバル企業の社員と恋をすると、いばらの道を歩むことになる可能性も否定できないようです。■許されない恋でもいいじゃない!世の中には許されない恋のシチュエーションがゴロゴロと存在しています。もちろん「許されない=道徳的に反する相手」はよくないけれど、そうでなければ突き進んでみてもいいのでは?「好きすぎて止められない」という気持ちは、とても尊いもの。時には、自分の心に正直になり、ただ真っ直ぐに恋に向き合う時間があってもいいのかもしれません。
2019年08月26日「ゲゲゲの鬼太郎」でおなじみの漫画家・水木しげるとのコラボレーションドレス「ラ レーヴ イリュゾワール2019」が、ジュリエットエジュスティーヌ(Juliette et Justine)から登場。2019年9月2日(月)まで受注受付を行う。水木しげるとジュリエットエジュスティーヌによる2019年のコラボレーションは7月に次ぐ2度目。第2弾となる今回の「ラ レーヴ イリュゾワール2019」は、2015年に発売した人気アイテムを再販するもので、ドレスには水木しげるによるLPレコードのジャケット「妖怪幻想」に採用されているイラストレーションをあしらった。軽く透けるチュール素材のスカート部分に、「妖怪幻想」の妖怪画をプリント。胸元のドレープとストラップにあしらったブラックのレースも、妖美な世界観を引き立てている。なお、池袋サンシャインシティ文化会館ビルで8月10日(土)から開催される「ゲゲゲの妖怪100物語」でもコラボレーションドレスが展示される。【詳細】ジュリエットエジュスティーヌ×水木しげる コラボレーションアイテム第2弾受注受付期間:2019年8月8日(木)12:00~9月2日(月)12:00※納期は2020年2月上~中旬。取扱店舗:ジュリエットエジュスティーヌECサイト価格:ラ レーヴ イリュゾワール2019 55,000+税色展開:カラー、モノクロ【問い合わせ先】TEL:06-6415-0156
2019年08月12日今年「ロミオ&ジュリエット」でミュージカルデビューした葵わかなと、大ヒット中『アラジン』で話題の木下晴香がWキャストで主演する、ブロードウェイミュージカル「アナスタシア」。この度、新たに12人の豪華キャストと公演日程が発表された。本作は、第70回アカデミー賞で歌曲賞、音楽賞にノミネートされたアニメ映画「アナスタシア」に着想を得て制作されたミュージカル。1918年、帝政ロシア時代の最後の皇帝ロマノフ2世をはじめ一族が殺害されたというニュースがあふれる中、皇女アナスタシアだけは難を逃れて生き続けているという歴史上の謎「アナスタシア伝説」に基づいた物語で、ブロードウェイ公演は2017年3月にプレビュー公演を経て、4月24日に開幕。以降、2019年3月まで2年間にも及ぶロングラン上演となっている。そのほか、2018年10月からのスペイン公演、北米ツアー、11月からのドイツ公演に続いて、本年9月にはオランダ公演の開幕も予定され、世界各国での上演も続々と決定。アメリカメディアの劇評でも絶賛されるなど、ブロードウェイで高く評価された本作を、本国クリエイティブ・スタッフと日本キャストで上演。主演のアーニャ役を葵わかなと木下晴香の2人が主演(Wキャスト)。さらに、アーニャに出会い、ともに旅をする若い詐欺師・ディミトリ役は3人の若手実力派が起用。「レ・ミゼラブル」など大作ミュージカル作品から、「アラジン」「ライオンキング」などの劇団四季ディズニーミュージカル作品にも出演する海宝直人、戦隊ドラマなどを経て近年では声優としても活動し、「レ・ミゼラブル」「ダンス オブ ヴァンパイア」などミュージカル作品に引っ張りだこの相葉裕樹、近年「テニスの王子様」「黒執事」などミュージカル作品で目覚ましく活躍し、今回グランドミュージカル初出演となる内海啓貴。ボルシェビキの将官・グレブ役は、映像作品はもちろん、ミュージカル「RENT」(日本初演)、「ロックオペラ モーツァルト」、舞台「劇団☆新感線『髑髏城の七人』 Season花」などに出演し、様々なジャンルで存在感抜群の演技を魅せる山本耕史、デュオ「CHEMISTRY」やソロとしても精力的な歌手活動を続ける一方、ミュージカル「RENT」などにも出演し圧倒的な歌唱力を持ち合わせる堂珍嘉邦、「モーツァルト!」「キンキーブーツ」「エリザベート」などの話題のミュージカルに出演し、注目を集める遠山裕介が務める。ディミトリの相棒、かつては宮廷にも出入りしていたヴラド役にはミュージカル出演は多数、ブロードウェイが認める振付家&ダンサーでもある大澄賢也、「レ・ミゼラブル」「エリザベート」など数々の名作ミュージカルの舞台に立ち活躍を続ける石川禅。マリア皇太后に仕え続ける伯爵夫人リリー役には宝塚歌劇団退団後もミュージカル・ストレートプレイなど、舞台を中心に活躍を続ける朝海ひかる、今年デビュー30周年を迎え、歌手、舞台、ドラマ、バラエティなど多方面で活躍するマルシア、劇団四季退団後も舞台のみならず、映画、ドラマなど様々なジャンルで名バイプレイヤーとして存在感を発揮する堀内敬子、そして、孫娘アナスタシアを探し続けるマリア皇太后役には宝塚歌劇団トップスターとして活躍し、退団後は現代演劇を中心に出演、数々の賞を受賞し、この度22年ぶりのミュージカル出演となる麻実れいと、豪華出演者が集結。記憶をなくした主人公アーニャが、自分の過去を取り戻し、愛する家族と自分の心の帰る場所を見つける旅路を描いた愛と冒険に満ちた作品となっている。ブロードウェイミュージカル「アナスタシア」は2020年3月1日(日)より東京・東急シアターオーブ、4月6日(月)より大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。(text:cinemacafe.net)
2019年07月31日「ゲゲゲの鬼太郎」でおなじみの漫画家・水木しげるとコラボレーションアイテムが、ジュリエットエジュスティーヌ(Juliette et Justine)から登場。2019年7月31日(水)まで受注受付を行う。本コラボレーションでは、おどろおどろしくもコケティッシュな魅力を持つ「ゲゲゲの鬼太郎」の妖怪たちが全面プリントされたドレスを展開。ハリのあるシャンタン生地使用した丸みのあるコクーン風スカートに、妖怪が透けて見える柔らかなシフォン素材のドレープをあしらい、妖美な世界観を表現した。ドレスは、妖怪たちの魅力を引き出すショートタイプと、エレガントなロングタイプの2つのスカート丈を用意し、それぞれフルカラーとモノクロの2色をラインナップする。また、ミステリアスな花々をプリントしたオーバーニーソックスも登場。黒ベースの緑やピンクの植物に、“目玉おやじ”がアクセントとして顔を出している。なお、横浜そごう美術館で開催中の「水木しげる魂の漫画展」では、7月7日(日)までコラボドレス展示している。【詳細】ジュリエットエジュスティーヌ×水木しげる受注受付期間:2019年7月1日(月)12:00~7月31日(水)12:00※12月上旬にお届け。取扱店舗:国内卸売店及びジュリエットエジュスティーヌECサイト※主な取扱先:ATELIER PIERROT 東京・大阪・新宿、Maison de Rosenkureuzer、COSMOS、J.a.m価格:・ティミディテ2019(カラー/モノクロ) 46,000円+税・ティミディテ ロングver.(カラー/モノクロ) 46,000円+税・キュリオジテ2019 3,500円+税【問い合わせ先】TEL:06-6415-0156
2019年07月05日今年も古川雄大、大野拓朗のW主演で上演された、小池修一郎演出のミュージカル『ロミオとジュリエット』。若さゆえの衝動、苛立ち、興奮が軸となる本作で、見事ダンスという手法でそれらを表現したのが京都出身の振付師KAORIalive。若手俳優の登竜門的作品は、今や若手ダンサーらの憧れのステージにもなっている。とりわけ情感豊かな群舞の振付に定評があり、小池とのタッグでは他にミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』などの大ヒット作でも知られる。そんな彼女が主宰する表現系ジャズダンスチームMemorable Momentが、昨年好評を博した最新ダンス公演『ロミオが描いたジュリエット』を関西で初めて上演する。Memorable Moment「ロミオが描いたジュリエット」チケット情報物語は、クラウンが「ロミオとジュリエット」に魔法の筆でいたずら書きをする所から始まる。ページを破り他の童話と混ぜ合わせると、自らも本の中に吸い込まれてしまう。対立し合う王国、幸せの青い鳥が見えない子供たち。離ればなれになったロミオとジュリエットは、いつしか自分たちの手で“真実の物語”を描き始めて……。純愛劇の一方でKAORIaliveは現代性も重視。童話に出てくる「青い鳥」をツイッターに見立てるなど(!)、SNS依存が蔓延する現代の風潮にも警鐘を鳴らす。同時に情報過多の時代に「人生は自分の手で切り拓く」という大きなテーマを盛り込んだ。曰く、「原作では主人公らが互いへの愛ゆえに死を選びますが、今作ではまた違った決断をふたりが下す。死の描き方にもこだわりました」。見学に訪れた稽古場では、ロミオ役の大柴拓磨ら主要メンバーが和気あいあいと振付の最終確認を行っていた。見学したのは登場人物の紹介場面。本番では誰もが知る童話のキャラクターが映像から飛び出たような趣向で楽しませる。「しかも弱虫のピノキオがマッチョに変身したり。クラウンのいたずらでそれぞれの性格が少しずつ変化する」のも見もの。コミカルな芝居仕立ての場面から華麗なジャンプ、ターン、決めポーズまで。流れるような場面転換で一瞬たりとも飽きさせない。本番ではさらに映像や音楽、衣裳の効果も加わり、これが台詞のない公演であることを忘れるほど、物語に見入ってしまうはずだ。じつは作品が完成した一昨年前、開演直前に暴風警報が発令され上演が中止となった過去がある。内容に磨きをかけて挑んだ翌年の初演では、「感動で涙が止まらなかった」など、大きな反響を呼んだ。KAORIaliveたちもいつになく手応えを感じ、今回の関西初演に踏み切った。「ダンスへの興味のあるなしに関わらず多くの人が楽しめる作品を目指しました。劇場に入った瞬間から始まる物語の世界をお楽しみください」。公演は6月22日(土)、23日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演。ゲストダンサーに大柴拓磨、SAWADA(WRECKING CREW ORCHESTRA)、KIMIKO(chore0ringz)、TUKI(TUKIとKUMA)を迎える。取材・文:石橋法子
2019年06月19日鈴木勝秀が脚本・演出を手掛け、佐藤流司と仲万美がロミオとジュリエットを演じるRock Opera『R&J』が6月14日(金)に開幕する。それに先駆け前日に囲み取材と公開ゲネプロが行われ、取材には佐藤、仲、ロレンス神父役の陣内孝則、そして鈴木が出席した。【チケット情報はこちら】本作は、ウィリアム・シェイクスピアの恋愛悲劇『ロミオとジュリエット』をモチーフに、鈴木による大胆なアレンジと、大嶋吾郎による音楽で生み出されたロックオペラ。囲み取材で佐藤は本作について「『ロミオとジュリエット』で今までに観たことがないくらい破壊的な舞台になっています。『ロミジュリ』だけど『ロミジュリ』じゃない」と表現。音楽については「心臓に悪い楽曲と言いますか(笑)、Rock Operaというタイトルにふさわしい楽曲が揃っていて、普段ミュージカルや舞台を観る方は聴いたこともないような曲もあるんじゃないかと思います。僕自身も舞台ではしたことのない歌い方をしているので、ぜひ聴いていただきたいです」と熱く語った。マドンナのツアーなどにも参加するなど世界的に活躍するダンサーで、しかし舞台で芝居するのはこれが初となる仲は「感じたことないことばかりです。舞台上で踊ることはたくさんありましたが、喋るとか歌うというのは初めて。本番前は不安になるかなと思ったけど、快感と興奮しかないです!」と笑顔。そんな仲について佐藤は「初舞台とは思えないクオリティ。高めてくれる存在です」と話し、劇中で披露されるダンスについては「別次元」と明かした。鈴木はそんなふたりの印象を「佐藤流司のような強いハートを持っている若者と出会えて僕は本当に嬉しかった。それだけで感動してしまう。万美ちゃんはその強いハートに激しく共鳴することができる人。そのふたりがロミオとジュリエットとして最後に立っている姿を見ると、劇場全体が震えるような気がします。そういったものはなかなか観られないと思います」と絶賛。さらに陣内はロレンス神父役について「原作では作品の良心のような役だと思うのですが、今回はエキセントリックです。この役で自分の新たな一面が、スズカツ(鈴木)さんの演出によって引き出されたような気がします」と明かした。近未来を舞台に、「一目惚れって信じる?」という言葉で動き出す物語。鳴り響く音の中、がなり、叫びながら、直感だけを頼りに突き進むロミオとジュリエットが行き着くのはどこなのか。ぜひ劇場で確認してほしい。公演は6月23日(日)まで東京・日本青年館ホールにて上演後、7月4日(木)から7日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。取材・文:中川實穗
2019年06月14日●Rock Opera『R&J』で、佐藤流司と同じチームに未だかつて誰も観たことかがない“ロミオ&ジュリエット”として、生み出されようとしているRock Opera『R&J』。ロミオ役に佐藤流司、ジュリエット役に仲万美、そしてロレンス役に陣内孝則をむかえ、生歌唱で盛り上げながら、近未来を舞台にした一目惚れの物語が展開されるという。今回は、ロミオの友人であるベンヴォーリオとマキューシオを演じる、諸星翔希(もろほし しょうき)と田淵累生(たぶち るい)にインタビュー。これまでと違った『ロミジュリ』に対しての印象や、意気込みについて、話を聞いた。○■心で歌いたい――Rock Opera 『R&J』 では、諸星さんがベンヴォーリオ、田淵さんがマキューシオ役となりますが、稽古を進めてどんな印象を持ちましたか?諸星:今回ベンヴォーリオ役をやらせていただくんですけど、ロミオと同じ“グルッパ”という不良グループ内でテンポの速いかけあいが多かったりもして、楽しくて仕方がないです。劇中、俺も歌うのですが、そこは心で歌いたいと思っています。「届けよ! 届いてくれ!」という気持ちで!田淵:魂で!(笑) 僕は今年出演した舞台『仮面ライダー斬月』-鎧武外伝-が自分の初舞台だったんですが、2作目でセリフ量も3~4倍になったので、台本をいただいたときはすごく緊張しました。過去のロミジュリ作品を見て、マキューシオはすごく陽気なキャラなのかな? と想像していたのですが、今回の台本を読むと、「結構まじめ? でもバカ!?」と感じたんです。そのギャップ含め、ロミオの親友としてのあり方について、考えながら稽古をしています。――シェイクスピアの原作からは、変化がある感じなんでしょうか?田淵:けっこう違います。びっくりしました!諸星:ベンヴォーリオは、原作だとロミオの気持ちに寄り添うような役なんです。でも今回はキャラクターが変わってきて、台本をいただいたときに「こうなるのか!」と思いました。自分がどう演じたらいいのか、すごく考えなきゃいけないな、と思っています。田淵:演じ方という点で、今回のマキューシオは熱血バカ……という点が難しいですね。『仮面ライダー斬月』で演じたオセというキャラクターは、真面目な性格が自分自身に近くて演じやすかったんです……って、自分でいうのもなんなんですけど(笑)。諸星:いやいや、真面目だよ。絶対そう思う!田淵:でも、「熱血バカってなんなんだろう?」と考えると、馬鹿正直というか、ストレートに突き進む、ということなのかな? と。そこから探っているので、公演初日までに答えを見つけたいです。○■同じグループでコミュニケーションを取っていきたい――劇中、同じグループのお二人ですが、互いにどんな印象でしたか?田淵:『仮面ライダー斬月』で萩谷(慧悟)くんと共演したときに、「次に諸星さんと共演するんですけど、どんな方なんですか?」と話をきいたら、「めちゃめちゃおもしろいやつだよ」って。諸星:めっちゃくちゃ、ハードルあげられてる!! ので、そのハードルは、くぐっていきたいです(笑)。僕も、累生と共演するとわかって検索してみたら、すごい好青年で。いざお会いすると、やっぱり好青年だった! 年齢もひとつしか違わないし、仲良くしたいと思いました。それに良い関係になれるんじゃないかと、直感的に思いましたね。同じグループだし、稽古場からコミュニケーションをとっていかなきゃ! って。田淵:ほんとに!――そこに佐藤さんを交えるんですよね。お二人から見た佐藤さんはどんな方でしたか?田淵:スターです! ミュージカル『刀剣乱舞』も観ていたので。すごい人と一緒に共演するんだなと思って、緊張しました。もちろん紅白も観ました!諸星:僕も稽古場で初めて会った時は、勇気を振り絞り、”同い年”という武器を使って(笑)、「あの、同い年ですよね」と話しかけました。そしたら「そうですよね」と、流司くんも調べてくれていたみたいでした。また、幕張メッセで開催された「ミュージカル『刀剣乱舞』 加州清光 単騎出陣 アジアツアー」もみんなで観に行っていたので、「とても良いものを観せていただいて、ありがとうございます」とお礼を言いました。――すごい、礼儀正しいですね!諸星:初対面ですから! でも、これからたくさんコミュニケーションを取っていきたいです。田淵:笑いをとるシーンも多いので、稽古場からそういう雰囲気にできたらいいなと思います。●令和になった瞬間、やっていたことに…「運命!?」――これまでに、『ロミオとジュリエット』という作品には触れていたんですか?田淵:戯曲の翻訳も読みましたし、映画(『ロミオ+ジュリエット』)や、佐藤健さんの舞台(『ロミオ&ジュリエット』)の映像を観させていただいて、勉強しています。こういったこれまでの作品の印象から、ロレンス神父は良い人だと思ってたんですけど、今回はその印象を覆すところもあってびっくりしています。諸星:僕も流司くんや万美さんのコメントを読んで、リサーチしたんですよ。けっこう石橋を叩いて渡るタイプなので(笑)。田淵:僕も読んだ!諸星:実際、稽古前にリサーチしていたとおり、今までの『ロミオとジュリエット』をぶち壊すし、ロックオペラということで、一人一人のキャラクターも破天荒なんです。でも、稽古を進めるうちにどこか救われる舞台だなというのも感じています。観る人やタイミングによってもニュアンスが変わったりすると思うので、やる側も楽しみですし、観客の方々も絶対楽しいと思います。――演出の鈴木勝秀さんからは、どんなことを言われているんですか?田淵:「バカになれ!」諸星:稽古初日の本読みの時に、途中で「そうじゃない」と止められて、みんなに向かって「バカになれ!」という言葉が出たんだよね。「もっとバカだったんだ、俺ら!」って、ハッとしました。田淵:「出てくる人物が全員バカだ!」と。本当にそうなんですよ。――他の共演者のみなさんともいろいろお話しされているんですか?諸星:衣裳合わせでコング(桑田)さんにお会いして、「ディカプリオのロミジュリ、観た方がいいよ」と言っていただいて、観ました。改めて稽古場で「観た?」と聞かれて、「観ました! 最高でした!」と言ったら、「最高だろ!!」って(笑)。田淵:みなさんムードメーカーという感じで、笑うシーンは笑っちゃう。だからこそ観客の方もバカになれると思うんですよ。ぜひバカになって観てほしいです。諸星:たしかにね! バカになれる空間でありたい。曲も、いろんな感情を表しているので、そういった点も感じて欲しいです。○■令和という時代にあやかりたい――ロックオペラ、ということですが、そういうノリはお二人の中にはもともとあるものでしょうか?諸星:ゴリゴリのロックは、あまり聴いてこなかったんです。今はセックス・ピストルズを死ぬほど聴いてます。自分の中にある、反骨精神や、ロックな部分を見つけて、舞台にぶつけていければ、ベンヴォーリオになれるのかな? と。――気持ちを高めているんですね。舞台に向けて体力づくりもされているんですか?諸星:体を絞ろうかなと思って、走ってます。体づくりをするのが、かっこいいなと思って。夏を乗り切るには体力が必要なので、みなさんも水分補給して、熱中症に気をつけてほしいです。田淵:僕もこれまであまりロックを聴いてこなかったので、みなさんにもオススメを教えてもらって聴いていこうと思っています。――元号が変わり、「令和はこういう姿になっていきたい」という目標はありますか?諸星:僕は、挑戦し続けていたいなと思います。自分が生まれてから、元号が変わる体験は初めてだったんですが、令和となると、世の中もいろいろチャレンジしていくと思うんです。だから、僕もいろんなことに挑戦して、怖がらずに突き進みたいし、令和にあやかりたいです。あと、オリンピックもあるじゃないですか! 気持ちがのっているので、令和はチャレンジです!田淵:僕にとっては、今すべてが新しいことなので、何をやるにしても全力で取り組みたいです。後悔はしたくなくて。――田淵さんは就職活動をして企業から内定をもらっていたにもかかわらず、それを辞退して、芸能活動を始められたんですよね。田淵:そうなんです。もともと、大学のミスターコンテストに出て、そのあとに就活して内定をいただいたんですが、心の片隅で芸能活動に対する未練が残ってて……。ここで後悔すると、死ぬまで後悔すると思ったので、オーディションに参加して、今、ここにいます。諸星:……めっちゃロックじゃないですか!! 魂で生きてますね。――作品にぴったりですね。ちなみにお二人は、令和になった瞬間は何をされていたんですか?諸星:何してたかな〜?田淵:僕は、ボイトレしてました! 歌いながら「令和になったよ~! がんばって!」と。諸星:”ビューティフルハーモニー”まさに令和! あ、俺もカラオケにいて、歌ってた!「令和~!」「令和よっしゃ~!!」って。田淵:本当に!? もう運命じゃないかな?諸星:引き寄せられてるのかな!?――それでは、最後に作品を楽しみにしている方へのメッセージをお願いできれば。田淵:原作を知ってる方も、知らない・よく覚えていない方にも楽しめる作品になっているので、ロックが好きな方にもぜひ観にきて欲しいです。諸星:今までの『ロミジュリ』をぶち壊しにいてると思うので、いろんな驚きがあると思います。それを新鮮に受け止めていただいて、心から楽しんでいただけたら、僕たちは嬉しいです。素晴らしい共演者の方が勢ぞろいしているので、こっちも負けないように……胸を借りるつもりですけど、いろいろ学んで、舞台で発揮できたらと思うので、ぜひ熱い気持ちで観にきてください!!■諸星翔希1994年10月13日生まれ、神奈川県出身。バラエティ番組『イケダンMAX』(TOKYO MX 毎週木曜25:05〜)に出演中。8月には舞台「7ORDER」が上演される。■田淵累生1995年9月12日生まれ、石川県出身。2018年に日本テレビで放送されたオーディション番組『キミモテロッジ~家づくりで声優オーディション!?~』で合格し、「ハイスクールチルドレン」を結成。現在、情報番組『バゲット』(日本テレビ 毎週月〜木)に出演中。2019年に「舞台『仮面ライダー斬月』 -鎧武外伝-」で初舞台に挑戦した。
2019年06月01日ウィリアム・シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を原作に、“スズカツ”こと鈴木勝秀が脚本・演出を手掛けるRock Opera『R&J』が6月から7月に上演される。【チケット情報はこちら】ロミオを演じるのは、2.5次元舞台で注目を集め最近では音楽劇『道』など活躍の場を広げる佐藤流司、ジュリエットを演じるのは、マドンナや椎名林檎のバックダンサーを務めたダンサーであり、現在はアーティスト・女優としても活躍する仲万美。果たしてどんな作品になるのか、鈴木に話を聞いた。「最初にプロデューサーから“『ロミオ&ジュリエット』を下敷きにロックで”という話を聞いたときに“それ、ものすごく好きな感じ!”と思って。ファーストインプレッションでやろうと思いました」と鈴木。「これが“ミュージカルで”というお話だったら、僕じゃないんじゃないでしょうかと言ったかもしれない。『ロミオ&ジュリエット』はもっと乱暴なんですよ、僕のイメージの中で。きれいきれいな中におさめたくない。だから音楽も乱暴なほうがいい。音程とかなんとかじゃない。リズムの中にちゃんとグルーヴしていればいい。そういうものにしたいんです」物語は「設定から書き換えます。舞台は近未来だし、想像される『ロミオ&ジュリエット』とは全然違うと思う」と大胆なアレンジが加わりそう。「だけど、恋愛に突っ走っていくふたりがいて、それにいろんなアドバイスをして話を余計に複雑にしてしまうおやじとか出てくるところは同じです(笑)」鈴木が「直感的にいきている人たち」だというロミオとジュリエットを演じる佐藤と仲。鈴木はそんなふたりも「かなり直感的ですよ。佐藤くんは音楽(バンドプロジェクト「The Brow Beat」のRyujiとして活動中)をやってるし、バンビ(仲)ちゃんはダンスをやってるし。それって直感の力がないとなかなかできないものですよ。音楽もダンスも“こうだから”“ああだから”でやるものじゃないので」と印象を語る。歌もダンスも取り入れた作品になるという本作。シェイクスピアと言えば“長台詞=言葉”という印象もあるが「でも『ロミオ&ジュリエット』の話って、大雑把には大体誰でも知っている。だから、説明をしなくても、シーンがもし飛んでも、その間は観ている人がつなげるんですね。僕は説明されたりとか、答えを教えよう教えようとする人が大嫌いなので。自分で考えたものしか答えにはならないじゃない?って思うから」と、作品全体としても直感的なものになりそうだ。「僕自身が楽しみにしています。いや、“楽しみ”以上。本当に“一発かましてやる!かませるチャンス来たか!”みたいな感じです」と語る鈴木のRock Opera『R&J』は6月・7月に東京・大阪にて上演。ぴあでは5月6日(月)午後11時59分まで抽選先行(プレリザーブ)受付中。取材・文:中川實穗
2019年04月25日恋愛では様々な心理テクニックを活用することで、2人の絆を深めることができます。今回はそんな心理テクニックの一つ・ロミオとジュリエット効果を紹介します。ロミオとジュリエット効果とは?ロミオとジュリエット効果とは心理効果の一つで、何らかの障害が起きた方がその障害を乗り越えようとして気持ちが高まりやすいという内容のものになります。この心理効果の名前の由来はシェイクスピアの作品の一つであるロミオとジュリエットで、敵同士の家柄に生まれた男女の恋人同士がモチーフです。そのため主に恋愛関係にある男女の心理効果として挙げられており、親同士が恋愛を反対していたり何らかの理由でうまく恋愛ができない男女が障害を乗り越えようとして恋愛感情を高めていく様子を表す時に用いられています。ロミオとジュリエット効果の特徴このようにロミオとジュリエット効果を利用すると、一般的な恋愛よりも恋愛感情が高まったり2人の絆が強くなりやすい傾向があります。その理由として言われているのが、カリギュラ効果と呼ばれる別の心理効果です。カリギュラ効果は簡単に言ってしまえば「やってはいけないことをやりたくなる心理」で、人間は禁止されていることをやりたくなる傾向があると言われています。そのためロミオとジュリエット効果が発揮された男女は、付き合ってはいけないと周囲に言われれば言われるほど相手と付き合っていきたい・結婚したいと燃え上がりやすいと考えられているのです。ロミオとジュリエット効果が表れやすい恋愛について基本的にロミオとジュリエット効果は周囲から祝福された恋愛で起きるというよりも、周囲から反対されるような恋愛で起こりやすくなっています。例えば遠距離恋愛などの物理的な距離が障害となっているケースは、お互いになかなか会えないからこそこまめに連絡を取るようにしたりしっかりと相手にわかりやすい愛情表現をする傾向があります。また親同士が何らかの理由で反対している恋愛の場合は、駆け落ちという形で2人の絆を確かめ合うこともあるようです。そして最もロミオとジュリエット効果が表れやすいのが不倫や浮気だと言われていて、道徳的にも障害があるからこそ恋愛感情が高まりやすいと言われています。
2019年03月11日ミュージカル界のヒットメーカー小池修一郎が手掛ける作品群の中でも、若手の登竜門的印象の強いミュージカル『ロミオ&ジュリエット』が新キャストを交え、2年ぶりに全国3都市で上演される。前回同様、古川雄大とのダブルキャストで主演を務めるのが大野拓朗だ。大野は2011年の日本オリジナル版初演に衝撃を受け、そのまま3回も観劇。以来8年間、公演CDを自発的に聴き込み、ボイストレーニングを続けてきた。「それまで全曲好きという作品に出会ったことがなかったので初演を観たときは衝撃でした。例えば人気の高い『世界の王』はロックテイスト、結婚式で歌う『エメ』はゴスペル調、他にもシャンソン風の曲もあります。8年間聴き続けていても飽きない、老若男女に染み入る曲ばかり。世界一好きな作品です」。ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」チケット情報念願の初出演を飾った前回は、ロミオが登場する場面で拍手が起こり、連日立ち見席が出るなど盛況を博した。ただ、5年ぶり2度目のミュージカル出演でもあったため「表現としてはまだまだ」との思いも残った。その後は歌稽古を継続し、NHK連続テレビ小説『わろてんか』、大河ドラマ『西郷どん』など数々の映像作品でも自力を養ってきた。「鈴木亮平さんをはじめ諸先輩方の芝居に間近で触れ、いろいろとお話させていただく中で人間としても成長できた実感がある。最近、色っぽいと言われることもあり、今まで自分の辞書になかった言葉が加筆されたかなと。前回より余裕を持って取り組めるので、ダイナミックかつ繊細なロミオをお見せできるはず」と自信を覗かせる。ジュリエット役には木下晴香、生田絵梨花とのトリプルキャストで『わろてんか』のヒロイン葵わかなが初舞台を飾る。「ドラマでの葵さんはお母ちゃん的存在だったので、今回恋人役というのは複雑です(笑)。でも、彼女もミュージカルが大好きですし、精神的にも強く器用な方なので、歌稽古も回を追うごとにめきめき上達されています。また先日木下さんと歌合わせをしたときには、互いにこの2年での変化を実感したので、生田さん共々、どんな仕上がりになるのか楽しみです」。現場に入ると「すごく幸せな感覚になる」のも本作ならでは。「なぜかカンパニーへの愛が溢れ出し、自分は天使なんじゃないかと思うほど(笑)。きっとロミオがそういう人だったんだと思う」。今回は溢れる愛を客席にまで届けるつもりだ。「じつは前回、怖くて客席が見られなかったんですが、今回は観客と視線を合わせてひとりひとりを虜にしていこうかなと計画中。でもこの作戦、先に言わない方が良かったかな(笑)」。公演は2月23日(土)から3月10日(日)まで東京国際フォーラム ホールC、3月22日(金)から24日(日)まで愛知・刈谷市総合文化センター、3月30日(土)から4月14日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。4月12日(金)追加公演のチケットが3月16日(土)一般発売。取材・文:石橋法子
2019年02月08日小池修一郎の演出により、2011年に初演、2013年に再演、さらに2017年には新演出版を発表。公演毎にその人気を高めているミュージカル『ロミオ&ジュリエット』が、新キャストを加え再演されることに。そこで前回から引き続きの参加となる平間壮一と、2度目のオーディションでついにマーキューシオ役を射止めた黒羽麻璃央という、Wキャストのふたりに話を聞いた。【チケット情報はこちら】ロミオの親友であり、物語の大きなカギを握るマーキューシオ。前回を振り返りつつ平間は、「自分としては挑戦だったんですよね。ロミジュリのマーキューシオを、あんなちょっと狂った感じの、かなり個性的な人物につくり上げたことは。ただあれを好きだって言ってくれる人も多かったので、またあの役をやれるのはとても嬉しいです」と目を輝かせる。そんな平間のマーキューシオを、前回劇場で観ていたのが黒羽。「僕にとっては平間さんがつくったあれこそがマーキューシオで、すでに潜在意識の中に刷り込まれちゃっているんですよね。ただ自分がつくるマーキューシオの色というものも大切にしたいですし、今回新たに盗めるものもいっぱいあると思うので、稽古場でじーっと平間さんのことを観察したいなと思います」と笑う。すると平間も、「僕も黒羽くんを見て勉強させてもらいたいですし、仲良くやっていけたら」と新キャストの黒羽に期待を寄せる。シェイクスピアの不朽の名作にして、今を生きる多くの若者の心を捉えた本作。その大きな理由が小池による斬新な演出だろう。「小池さんの演出がすごくぶっ飛んでるなって思ったんです。ストリートダンスの要素が強かったり、新しいものをつくるんだって強い意志が感じられて」と平間。黒羽も「“ポップでロック”ですよね。音楽もすごくカッコいいですし!」。と、その明るい口調が一転、「ただ僕、ダンスがあまり得意ではなくて…」と少々不安顔に。「平間さんのマーキューシオはめちゃめちゃ動くのに、僕は全然動かない、みたいになるかも」と苦笑いを浮かべるも、平間が「それはそれで全然違うものになって面白いかもよ!」と先輩らしい言葉で背中を押す。チケットは常に完売。今回も争奪戦が予想されるが、もし購入を迷っている人がいたら……という問いに、平間は「迷わないで!」とひと言。さらに黒羽も「諦めないで!」と押しのひと言。彼らふたりが切磋琢磨し、いかなるマーキューシオ像を生み出していくのか。その答えは来年の開幕を待とう。公演は2月23日(土)から3月10日(日)まで、東京・東京国際フォーラムホールCにて上演。その後、愛知、大阪を周る。取材・文:野上瑠美子
2018年12月28日こんにちは、美佳です。「彼ともっと近づきたいんだけど、思うように近づけない」「どうすればもっと距離を縮められるのかわからない」という女子のために今回は、恋を促進してくれる「3つの要素」について述べたいと思います!もちろん男子全員に効くわけではないですが、試さないよりかは試した方が成就率は上がるかもしれません。ではスタートです。■1、「秘密の共有」でふたりの距離が近くなる普通のカップルよりも、不倫や社内恋愛など人にはなかなか言えない秘密の状態で付き合っているカップルの方が盛り上がっていたりしません?これは“ロミオとジュリエット効果”で、二人だけの秘密の共有が恋を盛り上げているんです。なので、意中の彼と距離を縮めたいのであれば、何か小さい秘密を共有しましょう。例えば、困っていることや、引かれない程度のコンプレックスを彼だけに打ち明けるとか。もちろん、全員が全員ではないですが、何かふたりの間に秘密があると「わたしたちだけが知っているドキドキ感」がありますから、相手のことも意識してしまいます。で、徐々に意識が好意に変わったりすることも・・・・・・。秘密を作った方が、単純に彼との接点も増えますしね。距離を縮めるきっかけとして、ちょっとした自分の秘密や悩みを打ち明けてみてはどうでしょう?■2、映画デートなら「サスペンス」を選んで・・・イチャイチャ!彼との距離を縮めたいのなら、映画を一緒に見るときはサスペンス系を選ぶのがおすすめです。というのも、海外の研究者の実験で、サスペンス系(ハラハラドキドキに加え、暴力シーンもヌードシーンも含まれる内容)の映画を観たカップルは次第にイチャイチャ行動が増加したそう!ハラハラドキドキさせられたり、不安な感情がわいたりすると「相手と一緒にいたい」という気持ちを促進させるため、イチャイチャ行動が生まれるそうです。なのでもし、彼もあなたもサスペンス系が苦手じゃないのなら、試してみるといいかもしれません。■3、たまには「お酒の力を借りる」のもアリお酒が飲めるのなら、デートで一緒にお酒を飲むのもアリかと思います。心理学で「ビア・ゴーグル効果」という、“女子はより美しく、男子はよりハンサムに見えるようになる”現象があります。そう、アルコールのおかげで異性がより魅力的に見えてしまうんです。一説では、ワイン一杯でも効果があるそう!特に男子はビア・ゴーグル効果で女子の評価が上がるそうなので、お酒が飲めるふたりなら、デートで試してみる価値はありそうです。確かに、ちょっと緊張しがちで人見知りな場合でも、お酒を飲んだほうやや開放的になったり、話しやすくなったりもしますよね。映画を観終わった後に、食事をしながらお酒とか・・・・・・もう交際できる気しかしないですって。■終わりに彼ともっと近づきたい!付き合いたい!というのなら・秘密の共有・サスペンス映画でイチャイチャ・たまにはお酒の力を借りる・・・の3つを試す価値はあるかもしれません。もしかしたら、本当に交際につながるかもしれませんよ?(美佳/ライター)(ハウコレ編集部)
2018年12月15日連続テレビ小説「わろてんか」でヒロインの藤岡てんを演じるなど、若手注目株として期待されている葵わかな。そんな彼女が、小池修一郎演出の『ロミオ&ジュリエット』で初舞台、初ミュージカルに挑むことになった。【チケット情報はこちら】今回オーディションの末に出演が決まった葵だが、このジュリエット役は初めて自ら「やってみたい」と熱望した役だという。「私が思うに、このお話ってすごく幸福で、でも悲劇的でもあり。その塩梅が私にとってはまずツボで。そして愛し合うふたりがすごく羨ましく見えますし、私たちには触れられない儚さというか、神聖さがある。ジュリエットはお嬢さまという点で憧れる部分もありますが、なによりひとつのものに命をかけた女性だってことがすごくカッコいいなと思って。今この年代でしか出来ない役でもありますし、ぜひ挑戦してみたいと思ったんです」キャピュレット家のひとり娘にして、敵対するモンタギュー家のひとり息子・ロミオと運命の恋に落ちるジュリエット。誰もが知る悲劇のヒロインだが、この少女について葵はこう分析する。「すごく不安定ですよね。強さと無知が混在しているというか。だからはたから見ると“そっちいっちゃうんだ!?”って思うようなことでも、それが若さゆえの危うさであり、魅力にもなっていて。だからこそあれだけドラマチックな運命を辿ることになったと思いますし、今回演じる上ではジュリエットの中にある芯の強さみたいなものも表現していけたらなと思います」ジュリエットにとってロミオは、最初で最後の愛する人。なぜジュリエットがそれほどまでにロミオに惹かれたのか、葵の意見を聞いてみると……。「それはあまり考えない方がいいような気がします。ふたりが出会って好きになったのは、お互いの意思というよりも、なにかそうさせられた、出会わされたからじゃないのかなと。そういうものだったんだって考えた方が、私はすごくしっくりくるんです」若干20歳ながらすでに芸歴は10年近い。撮影現場でも「緊張というよりかは、自分の役割に集中出来るようになってきた」という。だが初めての舞台の現場は今までとはまったく勝手が違うようで。「同じシーンを何度も繰り返すことも初めてですし、なにより相手役が変わるのが一番の衝撃で!普段から考えるスイッチが入っちゃうとわりと頭で考えちゃうタイプなので、こうだって決めつけず、がむしゃらに走りたいなと思います」『ロミオ&ジュリエット』は2月23日(土)から3月10日(日)まで、東京・東京国際フォーラムホールCで上演。その後、愛知、大阪を周る。取材・文:野上瑠美子
2018年11月21日宮藤官九郎が演出を手がける『ロミオとジュリエット』が11月20日(火)に東京・本多劇場で開幕する。『ロミオとジュリエット』は、対立するふたつの旧家でそれぞれ生まれた男女が恋に落ち、悲劇的な結末を迎える物語。とあらすじを説明するまでもないほど有名なシェイクスピアの戯曲に宮藤官九郎が挑むのは初めてのこと。ロミオを演じるのは今年50歳を迎えた三宅弘城。このキャスティングだけで、ひと筋縄ではいかない『ロミジュリ』になりそうな予感が伝わってくる。また、宮藤の映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』でヒロインを務めた森川葵が初舞台となる今作でジュリエットを演じる。ロミオの親友マキューシオには勝地涼、ロミオにケンカをふっかけることとなるジュリエットの従兄弟には皆川猿時と、宮藤作品でおなじみの面々が名を連ねる。宮藤は「なるべくまんまやる!」とコメントしているが、上記のキャストに加え、小柳友、阿部力、今野浩喜、よーかいくん、篠原悠伸、安藤玉恵、池津祥子、大堀こういち、田口トモロヲという名を見ていると、「まんまやる」にしても、いや「まんまやる」ことによってより前代未聞の『ロミジュリ』になるのではないかという期待が募るばかりだ。もう新しい切り口など存在しないのではないかと思われるほど上演が重ねられてきた戯曲を、宮藤が生まれ変わらせるかもしれない瞬間がすぐそこまで来ている。三宅のいう「ロミジュリ史上、最珍傑作」を目撃しない手はないだろう。12月16日(日)まで東京公演を行い、その後は新潟、大阪、愛知でも上演される。文:釣木文恵
2018年11月20日宮藤官九郎がシェイクスピア作品初演出を手掛ける舞台「ロミオとジュリエット」に、女優・森川葵の出演が決定。本作が初舞台となる森川さんは、ジュリエット役に挑戦する。あのあまりに有名なW・シェイクスピア作「ロミオとジュリエット」を、来年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で脚本を手掛けることでも話題の宮藤さん脚色・演出で、11月より東京公演が上演される予定の本舞台。今回、ロミオ役には連続テレビ小説「あさが来た」の出演が話題となった三宅弘城、ジュリエット役には、『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』「賭ケグルイ」などに出演する若手新進女優・森川葵が決定。いままで誰も見たことのない、斬新で、しかし普遍的な喜悲劇を目指していくという。宮藤さんは「『三宅さん主演でロミオとジュリエットをやりませんか?』というイカれた企画が舞い込んだ」と今回の舞台企画時をふり返り、「しかもジュリエット役の森川さんは初舞台。これは演劇人として初心に帰れということか…。というわけで、現段階で決めていることは『なるべくまんまやる!』」と話している。また、ロミオ役を演じる三宅さんは当初「きっとウソだと思っていました」と言い、「この名作が宮藤官九郎氏の演出でどう料理されるのか…まあロミジュリ史上、最珍傑作になることは間違いないと思われます。でもボクはまだちょっとウソだと思っています」とコメント。一方、今回初舞台で大役を務めることになった森川さんは、「とても不安で考えるだけで胃が痛くなる思いなのですが」と心境を明かしつつ、「映画等でお世話になった宮藤さんの元でこの初めてを経験させて頂けることは本当に嬉しく有難い機会を頂けたと感謝しています」と喜び、「皆様に近い距離で素敵な時間をお届けできるよう精一杯、やれることをやりきりたいと思います」と意気込みを語っている。2人のほかにも、マキューシオ役には宮藤作品の常連の勝地涼、ティボルト役に「大人計画」の皆川猿時。そして、小柳友、阿部力、今野浩喜、よーかいくん、篠原悠伸、安藤玉恵、池津祥子、大堀こういち、田口トモロヲと個性派キャストたちが揃った。あらすじ昔々、ベローナの街にキャピュレット家とモンタギュー家という2つの旧家があり、この両家は代々お互いを仇だと思っていがみあっていた。 キャピュレット家にはジュリエットという一人娘がおり、モンタギュー家にはロミオという一人息子がいたが、この2人は舞踏会で出会い、恋に落ちてしまった。お互いが仇の家の出身だとわかっても2人の想いは変わらず、両家の仲直りを願うロレンス神父に秘密の結婚式を挙げてもらい、夫婦となった。しかし、ジュリエットの従兄弟ティボルトにケンカをふっかけられたロミオは、自分の代わりにケンカを買った親友マキューシオを殺され、理性を失ってティボルトを殺してしまい、ベローナから追放される…。M&Oplaysプロデュース「ロミオとジュリエット」は11月~12月、本多劇場にて上演。東京公演後、新潟、大阪、愛知にて上演予定。(cinemacafe.net)
2018年06月08日アイドルグループ・NEWSの増田貴久が、舞台『Only You ~ぼくらのROMEO&JULIET~』に主演することが14日、明らかになった。増田の舞台出演は4年ぶりとなる。同作は、とある大学のミュージカル研究会を舞台にしたオリジナル作。大学の公認を取り消されそうなサークルが起死回生をかけて、世間の人気を集めるジャニーズ楽曲だけで全編を綴るシェイクスピア劇『ロミオとジュリエット』に挑む。時代を越えて愛される様々なジャニーズ楽曲をちりばめ、演技力・歌唱力の高さで定評のある増田が大学生・門田役に。存分に歌い踊り、さらに劇中劇で悲劇の青年“ロミオ”をも演じる異色の青春グラフィティとなる。構成・脚本・演出はNHKエンタープライズ エグゼクティブプロデューサーの佐渡岳利が務める。佐渡プロデューサーは「普段音楽番組で、お世話になっているご縁から、今回、演出を担当させていただくことになりました」と経緯を明かした。さらに「“増田さん主演”&“舞台がグローブ座”ということで、『増田さんの歌声を生かす』こと、そして『グローブ座といえばシェイクスピア』というかなり短絡的な発想から、歴代のジャニーズヒット曲でロミオとジュリエットをやったら、面白いかも!? ……と妄想し、スタッフのみなさんに話したら、『見たことない』となって、そんな物語が誕生しました」と意図を語るプロデューサー。「調子に乗って歌を増やしたら、最終的に結構な曲数になり、さらにNEWSの曲でもないので相当大変かもですが、どんな『歌うロミオ』を見せてくれるか、今からワクワクしています」と期待を寄せた。増田のほか、二宮芽生、中谷優心、長澤秀平が出演。さらに 浅川文也、石井裕貴、斎藤准一郎、竹内秀明、玉熊明日香、ダンドイ舞莉花、服部悠、廣瀬真平、三上竜平、山口真由、吉田繭が舞台を支える。東京公演は東京グローブ座にて7月12日~8月4日、大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて8月7日~8月9日。○増田貴久コメントロミオとジュリエット とジャニーズ曲のコラボ!?台本を読ませて頂いて、これは誰も見た事のないロミオとジュリエットになる! と今からワクワクしています。シェイクスピアと深く関わりのあるグローブ座でまさか自分が演じさせて頂く事になるとは!!このコラボレーションをジャニーズ、NEWS増田貴久。全力で歌い踊り演じさせていただきます!!ぜひ、劇場でご覧いただけたら嬉しいです!
2018年05月14日榮倉奈々と安田顕のW主演で「Yahoo!知恵袋」投稿から始まった伝説のコミックエッセイを実写映画化する『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』から、映画のワンシーンを切り取った、6秒間のぶっとび予告6種が公開された。今回公開された6種類の映像では、「ロミジュリ編」「何で!?編」「笑って泣いて編」など、あらゆる手段を使って “死んだふり”をし続ける妻・ちえの姿と、それに振り回される夫・じゅんのぶっとびな日常を垣間見ることができる。■ロミジュリ編ちえの“死んだふり”はエスカレートし、やがてロミオとジュリエットまで登場。ジュリエットとなって悲恋の“死んだふり”をしているちえに、全力でつきあうじゅん。目覚めたジュリエットの「あなたはどうしてロミオなのー?」というセリフに、十字架を握りしめ「お父さんがそう付けたからー」と返すじゅんの姿に、切実さを感じずにはいられない。■何で!?編ジュリエットに続いて、口から血(ケチャップ)を流した“死んだふり”、名誉の戦死(もちろん“死んだふり”)から、矢に頭を貫かれ、はたまた落ち武者になったりと、5パターンの”死んだふり“が登場。でも、何で!?妻には何か秘密がある?■キャスト編ぶっとび妻を演じる榮倉さんと、振り回される夫を演じる安田さんにフィーチャー。“死んだふり”が夫婦を救う?■笑って泣いて編単にぶっ飛んでるだけではない!?笑って泣いて最高にいとおしい映画、それが『妻ふり』。■ワニ編ワニの完成度の高さと、喰われている妻・ちえを見たじゅんの表情に注目。まだまだ“死んだふり”は続く!■まさかの実話編口から血(ケチャップ)を流して死んでいる(!?)妻が、突然「わぁ!」と生き返り、夫は腰をぬかす…。これがまさかの実話。“死んだふり”という入口からは予測できない、味わい深いラストへとたどり着く本作。泣いて笑って、観た後には最高に愛おしい気持ちになれるハートフル・コメディは、大切な人を誘って劇場で確かめてみて。『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』は6月8日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。 2018年6月8日より全国にて公開© 2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会
2018年05月11日公演初日を迎えた劇団れなっち『ロミオ&ジュリエット』ゲネプロ&囲み会見が9日、東京・渋谷のAiiA 2.5 Theater Tokyoで行われ、AKB48の加藤玲奈、藤田奈那、岡田奈々、HKT48の神志那結衣、福岡聖菜、演出の堤幸彦が報道陣の取材に応じた。左から岡田奈々、神志那結衣同舞台は、200人以上のAKB48グループメンバーからオーディションで選ばれた32人が白組と黒組に別れ、ダブルキャストで『ロミオ&ジュリエット』に挑戦するというもの。映画監督でもある堤幸彦が責任演出を手掛け、劇中のダンスはAKB48の総監督でもある横山由依が振り付けを担当、座長は加藤玲奈が務める。この日は白組のゲネプロが披露され、2時間にもわたるゲネプロ後に報道陣向けの会見が行われた。白組のジュリエットを演じる神志那結衣は「最初はジュリエットとロミオが逆だと思いましたが、稽古を重ねていく内に自分がロミオで良かったなと思いました」と稽古で自信を深めたようで、相手役の岡田は「まさかこうしてジュリエットを演じるとは思わなくてビックリしました。実際にやってみて身長的にジュリエットで良かったという部分と、可愛い女の子というよりは口の悪い女の子を演じるので、乙女な部分とヤンキーな部分のギャップを頑張れたらと思います」とアピール。この日は舞台に立たなかった黒組のロミオ役を担当する藤田は、白組の熱演に「素晴らしかったですね。イチ観客として楽しめたし、稽古で何度も見ているはずなのに心から感動しました」と絶賛するも、「改めて気合が入りましたし、黒組も負けてられないと思いました。精一杯頑張ります!」と刺激を受けた様子だった。同舞台はメンバーが白組と黒組が別れ、それぞれの舞台で同じ演目を披露する。黒組に負けないポイントとして岡田が「ラブラブっぷりかな。そこは負けないですよ。キスシーンとかもあるので」とロミオ役の神志那とは息がピッタリのようで、「稽古中にはよく一緒に2人でご飯に行きました。ロミオはめちゃくちゃ格好良くて、リハの段階から好きになりましたね。ずっと大好きです」と告白。そんな白組のラブラブぶりと対称的だったのが黒組で、福岡が「恋愛のイメージができないので、いちゃいちゃするのも分かりませんでした」と降参状態も、相手役の藤田は「でも成長しました。黒組はみんな一致団結して頑張っています。チームワークはいいと思いますよ!」と白組に対抗心を燃やしていた。劇団れなっち『ロミオ&ジュリエット』は、5月9~13日まで東京・渋谷のAiiA 2.5 Theater Tokyoで公演。
2018年05月10日東啓介主演のオリジナルRock Musical『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』が、4月3日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオで開幕した。【チケット情報はこちら】本作は、脚本・作詞・演出の石丸さち子(「Color of Life」作・演出、ミュージカル「マタ・ハリ」訳詞・翻訳・演出など)と、音楽の和田俊輔(ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」、ナイロン100℃「社長吸血鬼」など)の初タッグで生まれたオリジナルミュージカル。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を下敷きに、血縁や国境、性別、人種、宗教など見えない“線=ライン”に隔てられた若者の、それを越えようとする姿、笑い飛ばして自由を勝ち取ろうとする姿、そして幼い魂のふれあいと成長を、「ロミオとジュリエット」同様、主人公とヒロインが愛を知って愛に死ぬまでの“5日間”を通して描く。ロミオをモチーフにした主人公・ハワル役の東啓介、ジュリエットをモチーフにしたヒロイン・リェータ役の豊原江理佳のほか、柳下大、中山義紘、大山真志、マルシアが出演する。開幕に際し石丸が「一生に匹敵する5日間を2時間で描きます。駆け抜ける愛、転落する愛を、俳優たちは、16m×10mの舞台をまさに走り続けて、小高い丘からまさに転がり続けて、全身で物語ります。愛という感情が、人と世界にもたらす力を体感してください」とコメントを寄せた本作。ハワル(東)とリェータ(豊原)の恋の疾走、ハワルの親友ポドフ(柳下)のどうにもならない気持ち、同じく親友ナウチ(中山)の軸である信仰、リェータの兄シーラ(大山)が盲信する幸福、そして若い彼らを“ライン”上で見つめ導くドゥーシャ(マルシア)の大きな愛…彼らの抱えるさまざまな想いが、KAAT芸術劇場の中スタジオという汗も涙も見える距離、呼吸の音まで聞こえる空間で、爆発するようにぶつかり、ぐいぐいと物語を動かしていく。和田による音楽も、いわゆるミュージカルのイメージとは一線を画すメロディラインで、そこで生まれたばかりの感情が歌となり、空間全体に広がっていくようだった。たったひとつの恋が人を動かし、周囲を動かしていくエネルギーは「ロミオとジュリエット」そのもの。しかしその先で彼らが考えること、迷うこと、選ぶものは、現代という時代設定が大きく反映されている。自分の人生を全身全霊で生き始めた彼らが、鐘の音が5回鳴る日に選んだものはなんなのか、ぜひ劇場で確かめてほしい。『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』は4月23日(月)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオにて上演中。取材・文:中川實穂
2018年04月06日