【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】私の家には代々続く家業があり、両親が亡くなったあとは私が継いだのですが、最近は人手が足りず、継続するのにも苦労しています。一方で、恥ずかしい話ですが、家族には無職の弟がいて。仕事をやらせる意味でも家業を手伝わせようとしたのですが、「興味がない」と断られてしまいました。このままでは家業の先々についても不安ですし、無職の弟の将来のことも心配です。なんとか彼をやる気にさせる方法はないのでしょうか。(40代・男性・自営業)【回答】家業の先々に、弟さんの将来。ご心労が絶えないご様子に胸がつまります。無職の弟さんになんとかやる気を出させる方法はないものかとのことですが、根も葉もない言い方をお許しいただければ「ない」です。そもそもやる気というのは他人から言われて生じるものではなく、自分のなかから湧き出てくるものだからです。高野山での修行で護摩行をやっていたときの話です。護摩木を組み上げて火を焚くのですが、簡単なようでこれがなかなか難しい。途中、もっと燃えよと油をかけたり、風を送ったりするのですが、炎と呼吸が合わないと助けたつもりが逆に勢いを削いでくすぶらせてしまいます。やみくもに油をかけてやればいいというわけではないのですね。どちらの方向に燃え広がりたいのか、ちょろちょろ燃えていたいのか、大きく燃えて火柱を上げたいのか、火の意向と合わないとうまくいかないのです。これまでにも幾人か「仕事しない」「何事にも興味がない」という方のご相談をお受けしてまいりましたが、不思議なことに、みなさんご相談にお見えになるのはご本人ではなくご家族なのです。困ったり心配したりしているのは周りで、ご本人のまったくどこ吹く風なご様子を拝見すると、いつも、護摩の火のことを思い出します。息が合っていないなあ、って。さあ、いかがでしょう。これまでに、弟さんが何かをなさろうとしているときに「ほれっ」と油をかけたり、ゆっくり歩こうとされているときに後ろから「ぷうっ」と風を送ったりなさったことはありませんでしたか?火はタイミングの合わないことを何回かやられるとふてくされて消えてしまうのですが、はてさて、人はどうでしょうか。簡単なことではないと思いますが、いま一度あなたさまからは何もしないことになさってみてはいかがでしょう。無職でいらっしゃるのにお腹をすかせているようにはお見受けしないのですが、もちろん、上げ膳据え膳をなさる必要もありません。火の意に任せるのも胆力のいることです。でも、火が燃えようと思わなければ、周りがなにをやったって燃え上がりはしないのです。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年07月10日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】父親の死をどう乗り越えればいいのかわかりません。病気もせずに、毎日元気に自分で運転して、母と一緒にゲートボールを楽しんでいた90歳の父。昨年6月、急に体調を崩して二度も救急車で運ばれました。されど、原因ははっきりせず……。母親と一緒に看病をしながら、どうしたらいいかと悩み、原因を追究するために総合病院で半日かけて検査をしてもらいました。それでも診断は水分不足と過呼吸のみ。検査後に点滴だけしてもらい、自宅に帰ることになりました。でも家に入った途端に苦しみながら倒れて。必死に心臓マッサージをしましたが、そのまま亡くなってしまいました。半日もかけて検査を受けさせたこと、今でも後悔していて、苦しい思いをさせてしまった父親に謝りたいですし、最近は父親が倒れてから亡くなるまでの状況を思い出すことが多くて悲しいです。どうしたらよいのかまったくわからず、相談させていただきました。(55歳・女性・会社員)【回答】親を亡くすのは、本当に寂しいものです。それまでお元気でいらしたのに急であれば、なおのことお気持ちの整理がつかないでしょう。半日もかけて検査を受けさせてしまったと後悔されているのですね。検査が長く苦しかったから、お父さまが逝ってしまわれたように感じていらっしゃるのでしょうか。あの検査さえ受けさせていなければお父さまはまだご存命だったかもしれない、苦しい思いをさせたうえに逝かせてしまったと。私たちには、どんなことにも“理由”を探してしまう癖があります。走ったから転んだ、落としたから壊れた、出かけたから交通事故に遭った…という具合に。なかには、その因果関係を断つことができる場合もありそうですが、こと「死」についてはどうだろうと考えることがあります。というのは、たとえば「餅を食べたから詰まらせて死んでしまった」けれど、「餅さえ食べなければ生き続けていられる」のかということです。たぶん違うでしょう。いずれ、どんな理由にせよ必ず死んでゆくのが人間です。ということは、「死」の究極の理由は、「生きているから」。この因果関係は、私たち人間ごときにはどうにも断つことができません。お父さまは、今ごろどうされていらっしゃると思われますか?痛んだり壊れたりするこの肉体は、じつは足枷です。脱ぎ捨てて自由になったお父さまには、もう苦しみも悲しみもありません。あなたの周りにいることもできるし、行きたいと思うだけで天の川にだって行くことができます。この世しか知らない私たちは「苦しい思いをさせた」「謝りたい」と負の感情で亡き人を拘束しようとしますが、どっこい、もうそんな次元にはいらっしゃらないのです。お父さまのために何かしてさしあげたかったと思われる? いまからでもできますよ。それが回向(えこう)です。私たちがこちらの世の中で徳を積むと、その徳があちらにいらっしゃるお父さまの活力になります。徳というのは、ボランティアをするとか、ゴミを拾うとか、そういった良いことをして積むこともできますが、なによりも貯まるのは「笑顔」と「感謝」です。お父さまを思い出されるときには、どうぞ「笑顔」と「感謝」で徳を積んでください。それがお父さまにとってなによりの活力になりますから。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年07月03日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】親が過干渉で困っています。私はもう40歳目前ですが、いまだに実家暮らしを強いられ、出かけるときには誰に会うのか、どこに行くのかを詳細に親に伝えなくてはなりません。夜にたまに出かけるだけで「また飲みに出かけるのか」などと小言ばかりを言われます。耐えかねて年末年始はゆっくりひとり旅でもしようと計画していましたが、「正月に家にいないのはどういうことだ」と怒られ、結局叶いませんでした。交際相手のことにもすべて口を出してくるので、なかなか上手くいかず、このままではずっと結婚できないのではないかと焦っています。(39歳・女性・公務員)【回答】さて、親御さんが過干渉で困っていらっしゃるとのことですが、あらまあ、40歳も近いというのに、どうしてご実家をお出にならないのかしら。なにかどうしてもご実家にいなくてはならない深いご事情がおありでしたらごめんなさい。公務員でいらっしゃるなら収入もしっかりしていらっしゃるでしょうし、普通にひとり暮らしができるだろうに…と思ってしまったのです。詳細をお聞きしていないので適当なことを申しますけれどね、世の中に「強いられて」どうにもならないことというのは、そうそうあるものじゃありません。○○のせいであれができない、これもできないというのは、たいていの場合、じつは自分の心の奥底に「そうしたくない」という気持ちがあるものなのです。私なんぞは育ちが雑ですから、「正月に家にいないとはどういうことだ」なんていくら小言を言われても、「はあ、さようでございますか」ってな感じで出かけちゃいますからね。こんなことを言われると、「そんなことありません!なにもかも親のせいで…!」というお気持ちがムクムクされるでしょう。そのお気持ちもわかります。でも、40歳近いということでいらっしゃいますから、そろそろ自分に「軸」を持ちましょう。いまのあなたさまは「軸」を親御さんに渡してしまっているのです。親御さんに「軸」を渡して被害者でいることのほうがラクなのかもしれないですよ。厳しいことを言いますが、そのラクさを結局はあなたさまが選んでいるのです。「四十にして惑わず」ともいいますから、自信を持って自分の思うとおりにしてみましょう。簡単です。このままご実家にいるにしろ、出るにしろ、すべて「自分で選択したこと」という覚悟を持つこと。それだけです。誰かのせいじゃなくてね。自分のお尻は自分で拭く。自分に「軸」を持つことで、毎日は見違えるように楽しくなりますよ。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年06月05日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】実家の父は76歳なのですが、数年前に脳卒中を患い、歩行に不自由があります。最近は認知症かなと思うことも増えてきて、毎日椅子に座り、テレビを見ているだけの生活を送っています。昔は登山と読書が趣味だったのですが、もうひとりでは外に出られないので登山などはできず、目が悪くなったせいか、本も読まなくなってしまいました。2年ほど前までは母が車で外に連れ出したりしていましたが、お風呂に入るのも嫌がるのと、わがままな性格のために、母ももう一緒に外出するのが嫌になったようです。たまに帰省したときに、テレビと食べることだけにしか楽しみがない父の様子を見ると切なくなります。父になにか、ほかに楽しみがあればいいなと思うのですが……。(33歳・女性・会社員)【回答】あなたさまがどんなにお父さまのことを愛しておられ、大切に思っていらっしゃるかが伝わってきて、まず胸が熱くなりました。大好きだからこそ、今のお父さまを見ていられないのですよね。昔は登山と読書が趣味だったお父さまの楽しみが、今はテレビと食べることだけ。切ないですよね。お気持ちは痛いほどわかります。でも、その気持ちの根元にすこしでも「いきいきと趣味に没頭する父親を見て私が安心したい」というお気持ちがあるとしたら、そういうのを世間一般では「大きなお世話」というらしいのです。元気な私たちからすると一日中テレビばかりじゃ、さぞかしつまんないだろうと思ってしまいがちですが、それは自分の「ものさし」で物事を見てしまっているからです。脳卒中の後遺症を抱えるお父さまの「ものさし」で見なければ、本当のところはわかりません。とはいえ、お父様がどんな世界を見て、どんなふうに感じていらっしゃるのか、私たちにはわかるわけがありません。だから、インタビューしないとね。「お父さん、毎日どう?」「なにか困っていることはない?」「なにかやってみたいことはない?」「いま、どんな気分でいるの?」その答えのなかに、私たちにできるなにかがあるでしょう。往々にして、私たちは自分の「ものさし」で相手のあれこれを判断してしまいがち。最も賢い愛の伝え方は、自分の「ものさし」を捨てて、相手の「ものさし」を使ってゆっくり語り合うことなのです。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年05月29日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】先日、ステージ2の乳がんと宣告を受けました。医師からは治療すれば大丈夫だと言われましたが、切除しなくてはいけないことがショックで……。まさか自分がこんなことになるなんてと、ずっと落ち込んでいます。また、治療をしながら仕事を続けられるのかどうかもまだ分からず、独り身なのでもし続けられないなら自分の今後の生活がどうなってしまうのか、とても不安です。(43歳・女性・会社員)【回答】あなたさまのショックを思うと、言葉もありません。夜は眠れていますか。ごはんは食べられていますか。心配なこと、不安なことで頭がいっぱいでしょう。ひとつひとつじっくりお聞きしたいのですが、それはいつかお目にかかることができたときにということにして、ここでは、ひとつの方法をご紹介させてください。私は仕事柄、これまでに大勢のがん患者さんとお話をさせていただいてきました。もちろん、乳がんの方もいらっしゃいました。どなたももれなく、ご自分がそうとわかったときにはショックだったとおっしゃいます。ボディイメージの変化、仕事、家族、恋人、これからの人生設計、手術、検査、抗がん剤、お金…雑多な心配や不安がもう、どばどばっと。この混沌が、ショックに輪をかけて患者さんを苦しくするのです。心配や不安をすぐに解決する神業はありませんが、せめて混沌を整理してみませんか。方法は簡単です。紙とペンを用意してください。用意した紙の真ん中に1本線を引いて、左側の上の方に「GOOD」、右側の上の方に「BAD」と書きます。「GOOD」側には、がんになって良かったと思えたこと、得たもの、うれしかったことなどを書き出します。「BAD」の側には、がんになって悪かったこと、失ったもの、悲しかったことを書き出します。こうやってあなたの心と頭の中を“見える化”することで、混沌の波をすこしずつ鎮めようとしてみてください。「GOOD」の側に書くことなんてあるわけないじゃない!そうだよね。おっしゃるとおりです。みなさんそうでした。でも、三カ月後、半年後にこの作業をしてみてもらえませんか。なにか変化があるかもしれません。私なんぞが簡単に言うことではありませんが、『禍転じて福と成す』という言葉があります。目の前に起きている事象はひとつですが、それをどう捉えるか。捉え方は無限です。いつかあなたさまに起こったことが転じて福と捉えられる日がきますように。毎日心からお祈りいたします。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年05月22日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】家族が新型コロナウイルスにかかると、お見舞いもできないし、死に目にも会えないと聞きます。火葬にも立ち会えません。こういう状況で、どのように感染してしまった家族に寄りそえばいいのでしょうか?また、どのように自らの心を整理すればよいのでしょうか?逆もまたしかりで、自分が患者になると、家族にも会えなくなります。もしかしたら、そのまま死んでしまうかもしれません。そういう状況で、どのように心の平安を保てばいいのでしょうか?(番外編・編集部から)【回答】おっしゃるとおりですね。私が勤務している緩和ケア病棟でもご家族の面会が制限されています。最後の時間を一緒に過ごせないというのは、本当になんと申し上げてよいか……。さて、あなたさまが今リアルにそういうご状況に面しておられるのか、もしそうなったらを想定してご心配なさっているのかによってお伝えすることが異なりますので、二通りにわけてお伝えいたします。いま、まさにそういうご状況でいらっしゃるとしたら、本当にお辛いことと思います。おかけする言葉が見つかりません。会うことすらできないのにどのように寄りそえばいいのか、胸が痛みます。私は、ご家族との面会ができなくなってしまったご本人さまとお話をさせていただいているので、そのご様子をご参考までに。みなさま病室でテレビをご覧になったり、スタッフから情報を聞いたりして世の中の状況をよく把握していらっしゃいます。そして、みなさんご自分のことより、ご家族のことを心配していらっしゃいます。見舞いに来る道中で感染したら大変だと。また、ご家族と直に会えないのならと携帯電話のビデオ通話でお話をされたり、手紙のやりとりをなさったりする方もいらっしゃいました。厳しい制限の下ではありますが、みなさま懸命に過ごしていらっしゃいます。そのお姿を拝見するにつけ、お見舞いに行くこと、死に目に会うこと、火葬場でたたずむこと、これらのことだけが「寄りそう」方法ではないと教えられる日々です。寄りそうとは、どういうことなのか。私たちは、あらためて真摯に考えるべきときを迎えたのかもしれません。また、ご自分が感染してしまった場合。ご家族にも会えない、そして、死んでしまうかもしれない。そうなれば当然、心は乱れます。平安を保ってなどいられないでしょう。現代医学は、精一杯奮闘してくれていますが、最期のジャッジがどうなるかは、もはや祈るしかないのが現実です。人間は無力ですね。本来、無力なのです。すべての人がその人の望みどおりに在ることができるように、心から祈るばかりです。さて、もしそうなったらどうしようという“たられば”でご心配されていらっしゃるのなら、即考えるのをやめましょう。いますぐに、です。そんなことを考える時間があったら、しっかり食べて、しっかり寝て、しっかり動いて、免疫力をあげていきましょう。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年05月08日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】1年前に主人を病気で亡くしました。本人の意思により無治療を貫き、自宅で看取りました。それはそれは壮絶な最期で、あまりにも悲しくて、1年経った今も遺影の写真や生前の写真を見ることができません。絶対に既読にならないメールを亡き主人に送り続け、泣き続け、何とか正気を保つような毎日。主人の最期を思い出しては、「ああすればよかった。こうすればよかった」と沢山の後悔に苛まれています。このような後悔と現実に、どう向き合っていったらよいのか教えてください(57歳・女性・美容師)【回答】すでに、とても上手に向き合っていらっしゃると思います。ご主人にメールを出し続けていらっしゃること。泣き続けていらっしゃること。こうしてご相談してくださっていること。すべて、うまく向き合っていらっしゃる証の行動だと思います。ご主人と過ごした年月を、そしてさらに濃密だった最期の時を消化(昇華)するには時間がかかります。たとえば、風邪をひいて3日寝込めば、体の完全回復にはひと月かかると言われているのですよ。体がそうなら、心だって同じこと。回復には時間がかかるのです。焦る必要はありません。大切なのは、「きちんと悲しみきる」ことと、「良い後悔をする」こと。「きちんと悲しみきる」というのは、「毎日泣いてばかりじゃだめだ」とか、「もっとしっかりしなくちゃ」などと悲しい気持ちを抑え込まずに、きちんと悲しみの穴の底まで沈みきるということです。底に足がつけば、底をけって浮上する力が生まれます。中途半端に上がろうともがくから、よけい苦しいのです。大人はどうもこのあたりが不得意のようです。真っ当にきちんと悲しみきりましょう。そして、「良い後悔をする」。私たちは、どうがんばったって後悔せずにはいられない生きものです。だからこそ、こうして発展してきたとも言えるでしょう。良い後悔というのは、時間軸を今にもどす思考回路がある後悔です。「ああすればよかった」「こうすればよかった」だけで終わってしまっては、時間軸が過去にいきっぱなし。「だからこうしよう」と、時間軸を今に戻して考えましょう。ご主人がまさに命がけであなたに伝えてくれたのはなんですか。悲しみだけではないはずです。たっぷり涙を流したら、心の耳を澄まして聴いてみてください。大切なご主人からの、大いなるメッセージを。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年04月17日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】子どもが同級生だった縁で、時々お茶を飲んだり、出かけたりする友人が2人います。そのうちの1人が買い物中によく、小銭を貸してくれと言ってくるのですが、貸しても返してくれません。一緒に買い物に行ってくれと頼まれて車に乗せてあげても、お礼の一言がないこともしばしばで……。最近は距離を置いていました。ところが、その友人が「筋ジストロフィー症」(身体の筋肉が壊れやすく、再生しにくい病気)になったらしいと、共通の知り合いから聞きました。昔からの友人であり、何か力になってあげたいと思う反面、本人から病気のことを告げられておらず、かつてのように足代わりにされても困ります(63歳・主婦・女性)【回答】「かつてのように足代わりにされても困る」とお思いになっていらっしゃるのなら、関わらずにいたほうがよいと思います。むしろ、なんで迷われるのかしら。ものすごくシンプルなことだと思いますよ。もし、あなたがご自分の思いとしてその方を助けてさしあげたいのであれば、感謝されなくても、足代わりにされても、そんなことは関係なく手をお貸しになるでしょう。でも、たとえば「手助けもしない人だと思われたくない」といった体裁を気にされてということであれば、当然、感謝されなければ割が合わないし、足代わりにされるのはご勘弁でしょうね。人は3秒もあれば損得を考えはじめるそうです。だから、熱いやかんにうっかり触って「あちっ!」と手を引っ込めるように、間髪入れずに動かないとできないことはたくさんあるのです。損得を考えるのがいけないと言っているわけではありません。損得を考えるくらいなら、手を出さないほうがいいと言っているのです。それが、お互いのためです。あなたの躊躇はご友人に伝わってしまいますし、迷いを抱えながらの行動はあなたの心に今よりもっと大きな荷物を増やします。それに、実際に手を出して動くことだけが、ご友人にしてさしあげられることではありません。体がすこしでも楽なように、心がすこしでも穏やかであるようにと、ご友人のために祈ることだってできるのです。「祈り」の遠隔的効果(病人の回復に対して効果的であること)は、もう米国の研究で明らかになっていますからね。しかも、他の人の幸せのために祈ると、あなたの体の中はオキシトシンというホルモンで満たされます。オキシトシンは“回復ホルモン”ですから、あなたの免疫力もあがるという一石二鳥です。ね。無理はやめましょう。あなたが穏やかで幸せでなければ、ご友人も含めてあなたの周りの人が幸せであるはずないのですから。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年04月10日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】今年80歳になる母の主治医から「お母さんには軽度の認知症の兆候があります」と聞かされて心配でたまりません。まだ介護いらずで、足腰が達者なのもよいのですが、散歩が大好きな母は一人で隣町まで買い物に出かけたりします。これがいつか、迷子になったり、事故にあったり、お金を取られたりといったトラブルを招くようになるのではと思うと、だんだん不安になってきて……。頭ごなしに「一人であまり遠くに出かけないで」とは言えないし、健康にとっても良いことだと思うのですが、“徘徊と捜索”で苦労した友人の話を聞くと、何かしら対策を考えなきゃと思っています。(55歳・女性・主婦)【回答】最初に共有しておきたいのは「“軽度認知症の兆候”って、80歳以上の8割以上がそうなのでは?」ということです。人間としてごくあたりまえのありようは、医学の世界だとこのような言葉になってしまう。まずは、あまり悲観的にならないようにいたしましょう。とはいえ、ご心配なのはごもっともです。でも、「頭ごなしに言えない」「何か対策を考えなければ」とおっしゃっていらっしゃるのには、ほっとしました。そのとおりだからです。お母さまにとって、買い物や散歩はお楽しみのひとつでしょう。もちろん足腰の鍛錬のためにも、続けていただきたい習慣です。でも、それを「安全に」続けていただくためには、やはり「対策」が必要です。軽度の認知症の場合、やっかいなのは周りから見て、その状況が把握できないということ。つまり「普通」に見えてしまうということです。かといって「軽度認知症」とハタを立てて歩いていただくわけにもいきません。そこで、最近は各自治体が工夫をしています。私の地元では「お守りキーホルダー」をお配りしていて、身につけていただくことで、いざというときにサポートできるようにした仕組みがあります。お母さまがお住まいの地域にも何かあると思いますので、まずはそういった仕組みの利用をおすすめします。同時に、お母さまが暮らす地域の地域包括ケアセンターにご相談しておくとよいと思います。介護福祉のサービスはこちらから動かないと始まらないものですから、早速に動きましょう。「こんなこと相談してもいいのかしら?」と躊躇されることもあるかもしれませんが、相談を受ける側は、むしろ早めに相談していただくことを望んでいるので、即行動でOKです。ご友人の苦労話をお聞きになったりすると、お気持ちが沈むこともあるでしょう。でもね、人間は順繰りなのですよ。小さい頃はなんやかんやと親の手を煩わせながら、育ててもらいましたものね。今度は、子が親に手をかける番なのです。そして、それはず〜っと続く時間ではありません。たとえ望んだとしても、いずれ終わりがくるのです。大変なご状況だと重々わかっていますが、あえて言いますね。どうぞ“今”を楽しんでください。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年04月03日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】会社の人事異動により新しい取引先を担当することになりました。その取引先の責任者であるAさんは非常にくせのある性格で、私の会社だけでなく他の会社の担当者も人間関係で苦労していると聞いていました。実際、仕事を始めてみると、言いがかりのような難癖を毎回言われて精神的に参っています。さらに私の会社の前の担当者だったBさんはAさんと非常にうまく人間関係を築いていたため、毎回「Bさんの頃は良かった」「Bさんに比べてあなたは…」とAさんから責め立てられてしまいます。このままでは精神的に限界なのですが、一体どうすればいいでしょうか。(44歳・会社員・男性)【回答】本当は、「離れる」のが一番なのですけれどね。お仕事ですから、そうはいかないのですよね。お辛いお気持ち、お察しいたします。人間関係はいつの時代も、どこの場所でも、私たちの最大の問題です。まず、決定事項として申し上げられるのは「Aさんは変わらない」ってことでしょうか。だから、Bさんのように「Aさんとうまくやれる」ようになる、というのも期待薄です。Aさんという方は、他の会社の担当者さんからもぼやかれているくらいの強者ですもの。うまくやろうと力を使うより、どれだけこちらのダメージを少なく抑えて仕事をするか、ということに頭を使ったほうがよさそうです。私だったら、私だったらですよ、(1)Aさんと会う時間、話す時間を必要最低限に抑える(2)会社に直談判して担当を変えてもらう(3)職場を変える、の順番でやってみます。もしかして「そんなこと、簡単にできないよ!」って思われましたか。なら、できないのはどうしてでしょうか。まだ余力がある? それとも、逃げ出す気力もなくなってしまっている? 後者だったら危険信号が点滅しています。この際、何よりも大切なのは「自分」と心得てください。Aさんとの関係で心と体を壊しても、誰も責任なんて取ってくれません。自分のことは自分で守らないといけませんよ。今のご時世、ときどきね、いらっしゃるのです。頑張って付き合ってはいけない人が。原因は、あなたが「関係づくりが不得手」とか、「仕事ができない」とか、そういうことではないのですよ。そこの見極めがついたら、やっぱり可能な限り「離れて」ください。どうかうまくいきますように。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK総合『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS系『グッとラック!』(火曜)にコメンテーターとして出演する。4月1日よりニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務めることが決定。
2020年03月27日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】最近、大切な母を亡くしました。この2年間は寝たきりで…意思疎通もできない状態でした。そうなる前は多少の認知症があったものの、まだ会話はできていました。ある日、肺炎にかかり命の危険もあったので、何とか生き延びてもらいたいと胃ろうおよび器官切開を選択したんです。その結果が2年間の寝たきり状態で。生きる屍のようでした。母が亡くなった今、2年前の私の選択が果たして正しかったのか、繰り返し自問自答しています。このような状態になるなら、そのまま逝かせてあければよかったなと…。でも、あの時点でそういう選択ができたかどうか。私の判断は間違っていたのでしょうか?(57歳・主婦・女性)【回答】間違っていません。過ぎたことはすべてベストチョイスだったのです。私は看護師なのでいろいろ拝見してきましたけれど、つくづく「人の寿命は決まっている」と思うのです。現代医学の粋を尽くして治療をしても効なく逝ってしまった人もいれば、すべての治療をやめて「このまま逝きます」と言って何年も生きた人もいました。たぶん、私たちは生まれたときに、「〇年〇月〇日まで」と決められているのでしょうね。だからお母様は、胃ろうだとか気管切開だとかに関係なく、その日までこの世にいらっしゃるお約束だったのだと思います。それは、私たちたかだか人間ごときに、伸ばしたり縮めたりできるものではないのですよ。なにをどうしようと、その日と決まっていたことなのです。だから、あなたのせいではないし、間違っていたということもありません。ところでお母様、今ごろどうしていらっしゃるでしょうね。つかいきったからだをお脱ぎになって、さぞかし身軽になっていらっしゃることでしょう。「あ、今、近くにいるな」ってお感じになることなんてないですか。私の夫は9年前に逝きましたが、しばしば「ハエ」になって会いに来てくれるんですよ。「ハエ」ってところがあれですけれど、ま、そのへんはご愛敬で。あなたの周りにもいらしていませんか、お母様が。2年前の選択が正しかったかどうかなんて自問自答を繰り返すより、お顔を上げて周りを見ていただきたいわ。きっとお母様からのメッセージが届いているはずなんですけどねえ。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK総合『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS系『グッとラック!』(火曜)にコメンテーターとして出演する。4月1日よりニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務めることが決定。
2020年03月20日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】新型コロナウイルスによる商品不足に母親が敏感になりすぎて困っています。マスクやトイレットペーパーが品薄状態になっているのを見て心配になったようで、何軒もお店をはしごしていました。使うぶんだけ買ってくればいいのですが、「またいつ無くなるかわからないから」と必要以上の量を買いだめ、お米や缶詰の備蓄までどんどん増やしていく始末……。毎日落ち着かない様子で、母親の相手をするのにも疲れてきました。(36歳・会社員・女性)【回答】やらせてあげておいたらいいじゃないですか。お母さまの思うように。報道をご覧になってご存じのとおり、今回の新型コロナウイルスは高齢者のほうがリスクが高いのですよ。お若いあなたよりお母さまのほうが切実な問題なのです。昭和生まれの方というのは備蓄しておくことで多大なる安心を得ます。私の両親も同じです。加えて、この日々の報道。煽られないでいるほうがむずかしいです。トイレットペーパーも、マスクも、お米も、すぐ腐ってしまうものではありませんから、事態が無事収束したあとにでも、ゆっくり消費していけるでしょう。それに、まだ先は見えていませんからね。これからますます事態が悪化し、最悪のシナリオにならないともかぎりません。そうなれば、お母様が心血を注いで集めてくださった物資が大いに役立ちます。そうです。すべてはそうなのです。アリとキリギリスです。夏の間、せっせと働いて食料を運び込んでいたアリさんを、キリギリスはせせら笑って見ていました。食料のない冬なんて来るはずがないってね。でも、冬は来ました。食料をためていなかったキリギリスは瀕死の状態に。優しいアリさんに食料を分けてもらえなければ、助からなかったのです。キリギリスはお礼にバイオリンを演奏しましたが、あなた、バイオリンは弾けますか?とはいえ、多くのアリさんが買いだめをして、いろんなものの需要と供給のバランスがくずれてしまうのは、たしかにいただけませんね。お母さまには、ほどよいアリさん行動をお願いしましょうか。そのためにはまず、お母様の話を聞くことです。どんな苦労をして重いお米を運んできたのか。トイレットペーパーひと袋買うのにどれくらい並んだのか。まずはその労力と功績を十分にたたえます。そして最後に、遠慮がちに「でも、やり過ぎはよくないよ。お母さんの身体も心配だし。無理して感染しちゃったら元も子もないしね」と言うのです。だいたい10分聞いて30秒話す程度。そのくらいを意識してお伝えしてみてください。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK総合『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS系『グッとラック!』(火曜)にコメンテーターとして出演する。4月1日よりニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務めることが決定。「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
2020年03月13日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】私は東京の下町で長く居酒屋をやっているんですが、最近は若い人を雇っても、ちょっと厳しいことを言うとすぐやめてしまうんです。SNSで紹介されて店の人気が出てきたこともあって、ホントは系列店を増やしたいと思っているんですが、任せられる人材がまったくいない。若手を育てたいのに、「パワハラ」のようなことを言われたら、もう何も教えられません。おまけに、ウチで1年しか働いてないのに“愛弟子だった”みたいなことを言って独立する調子のいいやつもいる。どうしたらいいんでしょう。(42歳・男性・飲食業)【回答】思い返せば私たちの世代も「新人類」なんて言われたものです。遠く遡れば明治時代には、むしろ今は堅いイメージのある「小説」が軽蔑の対象になったこともあったそうです。つまり、いつの時代でも自分より若い世代には「違和感」を覚えるのですね。ましてや、社会が刻々と変わっていく現代においては、10年離れたらもう新人類どころか「別の惑星の人」ですよ。私もしばしば若い連中と交わりますが、正直あなた様と同じように戸惑っている部分もあります。なんといっても、まったく価値判断基準が違うのです。昔だったら10年も20年も修行をして、やっとこ“のれん分け”が許されたのでしょうけれど、1年で“愛弟子”ですものね。もう、時間の流れ方さえも違うのですよ。本当に。でも彼ら、すごいところもあります。まるで息をするようにSNSを使いこなすし、人と争うことを好まず優しいです。コミュニケーションは下手だけど、よく観察はしています。スピリチュアリティも高く、物質文化に流されない独自の価値観も持っています。ところで、あなた様のお店には外国の方もいらっしゃるでしょう。例えば英語しか話せない方がいらっしゃったとき、どうされていますか? たぶん、あなた様のほうが英語を話して意思疎通を図ろうとしていらっしゃるのでは? まさか、お客様に対して「ここは日本だ。日本語の話せねえやつは帰んな!」なんて言ってないですよね。つまり、そういうことかなあ。今どきの若い人をお客さん同様、「大事な人」だと認識すれば、私たちは彼らの使う言葉、彼らの持っている感覚に合わせてコミュニケーションを取ろうとするのです。でも、そう思えず自分の言葉と価値観を変えることなく接すると、結果、つながらないコミュニケーションにイラついて「最近の若い奴は!」と言うのですよ。「バブバブ」言っている赤ちゃんに、「はっきり言えよ。言わないとわかんないよ!」って言うのと同じです。ね、歩み寄るのはいつだって「大人」のほうなのです。彼らより長いことこの地球にいる私たちは、間違いなく彼らより「大人」。彼らの言葉と感覚に沿って、付き合っていってやろうではないですか。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』火曜のコメンテーターを務める。
2020年03月06日運動日和の暖かい気候となった4月下旬。一青窈(42)が大きいお腹を抱えながら、マタニティヨガ教室に入っていった。04年の代表曲『ハナミズキ』が“平成にもっとも歌われたカラオケソング”と発表された彼女。私生活では15年4月に2歳年下でギタリストの山口周平氏(40)と結婚。同年11月に長男(3)、17年7月には長女(1)を授かっている。「実は、彼女は3人目を妊娠中なんです。出産予定は5月ごろと聞いています。初産ではないものの42歳の高齢出産ですから、かなり気を遣って過ごしているようです」(近所の住人)ヨガ教室の生徒はこう明かす。「ここは都内の有名産婦人科病院が経営する、妊婦専用のフィットネススタジオなんです。一青さんは週1~2回の頻度でヨガのレッスンを受けています。“10歳若いお産を目指す”というのがこの教室のキャッチフレーズ。院長が発案したプログラムなので、安心・安全です」約1時間のレッスンを終え、隣接されたクリニックに入った一青。診察を終えて出てきたところを、顔なじみの記者が声をかけた。――3人目のご懐妊、おめでとうございます!そして『ハナミズキ』が平成でもっとも歌われたカラオケソングに選ばれましたね。「素直に嬉しいです!ありがとうございます!」笑顔でそう語ると、またクリニックのほうへ戻って行った。彼女は40歳の誕生日を迎えた16年9月、当時8カ月だった長男の子育てついて本誌にこう語っている。「初めての子育て、とっても楽しい!あと、もっとたくさん子どもがほしいです!もう3人でも4人でも……」あれから約2年半。ハナミズキの開花とともに“子だくさんの夢”が叶う日はもうすぐだ。
2019年05月07日ベビーカレンダーをご覧のみなさま、こんにちは!2018年秋生まれの「ばべちゃん」を育てております、「ぽちまる」と申します。ばべちゃんにギャン泣きされている育児の様子を描く短期連載マンガ「ぽちまる、日々ギャン泣きされてます。」の第3話です。 今回は、ばべちゃんが生後0カ月ごろの「しゃっくり」についてのお話です。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーばべちゃんはよくしゃっくりをします。 ばべちゃんは、おなかの中にいるころからよくしゃっくりをしていました。生まれてからもしゃっくりをすることが多いので、「大丈夫かな?」と心配していたんですが……。 よく考えると夫も頻繁にしゃっくりをしてたわ。ダブルでしゃっくりをしだすと、親子だなぁとなんだか和みます。単純に、ばべちゃんはまだ体が未発達だから、大人と比べてしゃっくりが出やすいだけかもしれませんけどね。 ちなみに、ばべちゃんはしゃっくりを自分で止めることができず、イライラしてギャン泣きしてしまうことが多いです。しゃっくりが始まったら、とりあえずおっぱいをあげて落ち着いてもらっています。 著者:イラストレーター ぽちまるAmebaブログで活動するブロガー。2018年秋生まれの男児を子育て中。3人家族のゆるい日常を描いた絵日記ブログ を更新中。
2019年04月12日ものすごく美人というわけでもないのに、男性から妙にモテる女性っていたりしますよね。そういった女性は、男性が思わずグッとくるようなツボをさりげなく押すことに長けているのでしょう。そこで今回は、なぜか「妙にモテる女子」のヒミツを紹介します。■ 全てが「ほどほどである」美しくてスタイルも良くて、そのうえ性格もやさしくて仕事もバリバリこなしていて……。そんな完璧な女性は、誰もが羨む女性ではあるでしょうが、男性としては気軽に近づける相手ではありません。高嶺の花すぎる女性には、男性は自信と勇気が持てなくなるので、アプローチもしないままに諦めてしまうケースも多いです。完璧な美女ではなくてもいいんです。どこか可愛らしさや愛嬌があったり、全てが程ほどでちゃんと隙がある女性であったりすれば、「もしかしたら彼女になってくれるかも」なんて希望も男性は持てるものですよ。■ 「オスの部分」を刺激している男性の「オス」としての部分を刺激できないと、いくら仲良くなっても“男”にはなってくれません。それではあなたのことを“女”としては見てくれないので、友達以上の関係にはなれないままでしょう。すごく可愛いわけでもなく、特に自分の好みのタイプでもなくても、程よい色気のある女性であったら、男性は本能的に惹かれてしまったりもするもの。また、常に女性らしい格好やメイクを心がけていたり、適度に男性を頼ったり。立てるべき時に男性を立てられると、確実に女性として意識してくれるようになりますよ。■ 「不快感」がほぼないなぜか妙に男性にモテる女性の大きな特徴と言えるのが、「不快感」があまりないということ。不快感を一度与えてしまうと、それを払拭するのはとても大変な労力が必要となるので、そもそも嫌がられる要素が少ないというのは、モテるための絶対条件のひとつでもあるのです。ただ、「嫌われないようにしよう」と考えすぎると、個性がなくて面白みのない人間に思われてしまう可能性も高いでしょう。上から目線で接したり頭ごなしに否定をしたり、常に自分中心でしか動かないといった言動は、最も男性に不快感を与えるものなので、そこは特に気をつけてくださいね。■ 「掘っていく」と魅力がある「美人は三日で飽きる」なんて言葉もあるように、第一印象で大きな魅力がある女性には、男性はもちろん惹かれますが、飽きるのも早かったりもします。最初の印象があまりにも強すぎるので、そこからの刺激が日に日に薄れていってしまうのかも。逆に、初めはそこまでインパクトはなくても、掘れば掘るほど面白みや魅力的な部分が見えてくる女性には、どんどん心も奪われていくはず。いきなりガンガンと自分のアピールばかりをしまくるよりも、もっと自分の素の部分も見せていくようにした方が意外と男性は好感を持ちますし、「もっと知りたい」という気持ちも芽生えやすいもの。■ おわりに何の落ち度もないような完璧な女性よりも、どこかちょっと付け入る隙がある女性の方が、男性は好感を持ちやすいです。頑張りすぎずに適度に肩の力を抜くというのも、ときには大切なのかもしれませんね。(山田周平/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2019年01月08日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の冨手麻妙さんです。型にはまらない、いろんな色を持った女優になりたい。15歳でアイドルとして芸能界入り。その後役者を目指し、20歳で転機が訪れる。「園子温監督作品が大好きで、イベントで出待ちして『使ってください』と監督に直談判したんです」。昨年公開の映画『アンチポルノ』では主役を務め、体当たりの演技を披露した。「次は恋愛ものをやってみたい。失恋するたびに『この経験は演技に使えるぞ』って引き出しに溜めているんですけど、まだ使えてなくて(笑)。今はクレイジーな役が多く“黒”のイメージが強いので、白い面も見せていきたいんです」最近、料理にハマっています。これはビーフストロガノフとスペアリブ、サラダ。得意料理は角煮です!ボクササイズでカラダづくり。運動は苦手だけど、1年以上続けています。ボディラインの変化を実感。なんでも聞いてくれるとーっても大事な妹。仕事のことも恋バナもなんでも話します。家にいると常に女子会状態(笑)。とみて・あみ1994年生まれ。2009年にAKB48の研修生として芸能界入り。映画『新宿スワン』『娼年』などに出演。ドラマ『東京ヴァンパイアホテル』がAmazonプライムにて配信中。※『anan』2018年8月8日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2018年08月06日15周年を記念し、2枚組のベストアルバムをリリースした一青窈さん。アルバムについて、また今後の方向性について、お話を伺いました。これから歌いたいのは、みんなを明るく元気にするポップス。名曲『もらい泣き』でデビューして15年、一青窈さんがアニバーサリーイヤーを迎えた。「気づけば15年。あっという間でした。でも、自分の気持ち的には、まだ新人みたいな感じもあります。たぶん『もらい泣き』や『ハナミズキ』をずっと歌い続けているからかもしれないけど、そんなに時が経ったのかー、と感慨深いですね」15周年を記念してリリースしたのが、2枚組のオールタイムベストアルバム『歌祭文(うたざいもん) ~ALL TIME BEAT~』。過去の名曲ばかりでなく、新曲、新録音の作品も加わったスペシャルなアルバムだ。「聴いてもらうなら、ぜひ新しいものを入れたいと思いました。1枚目は“一青歌祭文”と題し、『ハナミズキ』などシングル曲をメインに収録し、もう一枚の“新盤歌祭文”には、最新シングルの『七変化』や、『他人の関係 feat. SOIL&“PIMP”SESSIONS』など、近年の作品や新曲を入れました。出産前にできるだけ頑張って書いて歌って、という感じでしたね」そう、7月に2人目のお子さんが生まれ、2児の母になった一青さん。とくに“新盤歌祭文”のほうは、「臨月に向かって作りあげた」記念すべき作品になった。「とはいっても、ミラクルは特に起きず(笑)。やっぱり子供がいると、歌詞を書くモードになかなかなれないし、インプットも減っていますからね。かなり大変でした。『七変化』はドラマの舞台となる旧黒門町を歩き回り、柳川鍋を食べて、江戸東京博物館を見学して書きました。『会いたかったのは僕の方』は、作曲をお願いしたBEGINの上地さんが、一青窈版の『こんにちは赤ちゃん』を作りたいと言ってくれたので割とサクッと歌詞が書けました」いきものがかりの水野良樹さんが書き下ろした「七変化」(NHK BS時代劇『伝七捕物帳2』主題歌)は、しっとりとした切ない歌が多かった一青さんのイメージとは正反対の、カラリと明るいアッパーソング。「今の気分がアッパーでハッピーなので、この曲が私の心情にもピッタリ。子供たちを見てても、踊りながら歌うってナチュラルな反応だし、踊ることの良さ、楽しさを再確認しました。本能のままにイエー!って歌って踊ってほしい曲です」ハッピーオーラに包まれた一青さん。以前の妖艶な美しさを残しつつ、キラキラと輝くような魅力も一層増し、さらにパワーアップした存在に。「一生ひとりで生きていくと思っていたんですけどね(笑)。強がり、若さゆえで。でも母になった途端、人の助けがありがたく感じるようになりました。今は歌うためなら、猫の手を借りてでも歌います、そんな気持ち。15周年を機に、これから歌うべきものも分かってきました。以前はしっとりした歌詞や悲しみを前面に押し出した曲が一青窈らしさでしたけど、今の気分としては、みんなを元気にさせるポップスを歌いたい。陰の部分は自分の内に秘め、明るいことを歌に書いていくのが、今の気分にも合っている。それは私にとって大きな変化になりました」『歌祭文 ~ALL TIME BEST~』【初回限定盤2CD+DVD】¥4,9802枚組に新曲含む30曲を収録、特典DVDには「一青窈 with プラハ国立歌劇場管弦楽団@東京芸術劇場」のライブを収録。【通常盤2CD】¥3,200(EMI Records)ひとと・よう2002年『もらい泣き』でデビュー。音楽活動以外に映画や舞台で女優としても活躍してきた。10月14日より全国ツアー「一青窈 Tour2017~御目見得饗宴~」がスタート。※『anan』2017年10月18日号より。写真・土佐麻理子ヘア&メイク・岩永あやか文・北條尚子(by anan編集部)
2017年10月12日東京・港区の東京タワーでは3月18日から20日まで、1階の正面玄関前広場屋外特設会場にて「東京タワー台湾祭2017」が開催される。台湾グルメを堪能できる飲食ブースでは台湾式ハンバーガーで有名の代表的な食物である割包や、豚の肩肉と脂身を混ぜ合わせた台湾ソーセージの香腸、本場のタピオカが楽しめる珍珠ピンイン、台湾の観光名所であるジュウフェンの名物デザートであるユーユェン、イカのすり身を丸団子にした花枝丸湯、海老のだしをとって肉そぼろをかける坦仔麺、ラードを含まない部位の肉で作ったそぼろ肉の煮込みをご飯にかける肉燥飯、などの他、シエンスージー、台湾麺線、焼小籠包、阿珠雪在燒、水餃子、ジーパイ、マーヨージー、ルーローファン、地瓜球、担仔乾麺、手工粽といった台湾の屋台料理を中心に様々な料理を楽しむことができる。その他、はまぐりさゆりをMCに迎え、一青妙、こけぴよ、ノッポン兄弟など多数の出演者がイベントステージで同イベントを盛り上げるなど、台湾の魅力を存分に体験できる3日間となっている。【イベント情報】「東京タワー台湾祭2017」会期:3月18日~20日会場:東京タワー1階 正面玄関前広場 屋外特設会場住所:東京都港区芝公園4-2-8時間:11:00~21:00(3月20日のみ20:00まで)入場無料
2017年03月08日2月27日に行われた音楽プロデューサー・武部聡志氏(60)の60歳記念ライブで、第2子妊娠が明らかになった一青窈(40)。司会の谷村新司(68)からオメデタを発表された彼女のおなかは、すでにふっくらとしていたという。 一青といえば、15年4月にギタリスト・山口周平(38)との電撃婚を発表。11月には長男(1)を出産している。 実は彼女の40歳誕生日だった昨年9月20日、本誌は夫と地下鉄に乗る姿を目撃。その後の直撃に対し、母になった喜びについてこう語っていた。 「初めての子育て、とっても楽しい! 今まで味わったことのない愛情を感じます。それも日に日に強く。『ああ、これが愛なんだ!』って」 また「将来どんなふうに育ってほしいですか?」という記者の問いかけに答えるなかで、さらなる子作りへの意欲も明かしていたのだ。 「腕に職をつけて、家族を養えるようになってくれれば十分。男の子なので、元気でたくましく人生の荒波を生きてほしいですね。あと、もっとたくさん子供がほしいです!もう3人でも4人でも……」 そう答え、幸せそうな表情で自宅へと戻って行った一青。大きくなったおなかとともに、さらに幸せも膨らんでいることだろう。
2017年02月28日東京タワーで「東京タワー台湾祭 2017」が開催される。期間は2017年3月18(土)から3月20日(月・祝)まで。台湾と言えば「夜市」。この台湾夜市が「東京タワー」にやってくる。台湾グルメ飲食ブースでは、割包、肉燥飯、台湾線麺、焼小籠包、台湾まぜそば、台湾拉麺、水餃子など、台湾ではお馴染みのフードを満喫。日本ではなかなか味わえない「台湾グルメ」が勢揃いする。また、台湾のアーティスト・作家によるイベントも実施。はまぐりさゆりをMCに迎え、台湾をテーマにしたエッセイを数多く出している一青妙(妹は歌手の一青窈)、台湾歌手の吳婉真、台湾育ちのハーフでシンガーソングライターの洸美 Hiromi、楽器・二胡の演奏を披露する簡邑安+黃奎翰など、他にもたくさんの出演者が登場する。さらに、台湾観光で有名な九份の雰囲気を東京タワーで体験できるような演出もあるらしく、台湾ファンにはたまらないイベントになるだろう。台湾に訪れたことがある人も、まだない人も、台湾の魅力を「台湾祭」でぜひ感じてみて。【概要】東京タワー台湾祭 2017開催日:2017年3月18日(土)~20日(月・祝)会場:東京タワー 1F正面玄関前広場 屋外特設会場時間:11:00~21:00(最終日のみ20:00終了)その他:入場無料
2017年02月27日この泥棒猫! 昨年のTBS系ドラマ『せいせいするほど、愛してる』の"捨て台詞"で視聴者を縮み上がらせた女優・木南晴夏(31)。テレビ東京系『勇者ヨシヒコ』シリーズをはじめ、数々の怪演ぶりで注目を集める木南が、歌手・一青窈の姉・一青妙のエッセイを原作とした映画『ママ、ごはんまだ?』(2月11日公開)の主演に挑んだ。演じるのは、原作者本人の一青妙。世間にイメージが浸透していない人物とどのように向き合い、表現したのか?台湾人の父と日本人の母、そしてかわいい妹。家族4人で暮らした家を取り壊す時、木箱の中にあった亡き母の台湾料理レシピ帳を手にした妙の心には、家族とのさまざまな思い出がよみがえる。今回、「怪演」「姉」「木南家の食と絆」のテーマで3回にわたってインタビュー(第1回「この泥棒猫! 怪演で話題の木南晴夏、本当はどんな女性? 家族愛を演じる思い」、第2回「木南晴夏、姉・清香との『勇者ヨシヒコ』涙の共演秘話 - 「絶対にないと思っていた」」。最終回は、木南家の食卓をのぞく。調理師免許を持つ母の料理で育った木南は、どのような理想の女性像に向かって歩んでいるのか。――「家族と食の結びつき」も今回の作品のテーマでした。木南さんも「食」がお好きだと聞きました。木南家の「食」となると?うちの母も中華ちまきはよく作ってくれました。竹の皮じゃなくてアルミホイルで包む形なんですけど。たくさん人が集る時は50個ぐらい大量に包んでいました。私も母のレシピをコピーしてもらっていたので、映画と共通する部分があってうれしかったですね。母は調理師免許を持っていて、料理はかなりうまいです。私は16歳で東京に出てきちゃったので、教わるというより……手伝いは餃子を包むことぐらい? そういえばこの間、兄と姉と3人で餃子パーティーをしました(笑)。――仲良いですね(笑)。そうなんです(笑)。餃子を包みながら、ついつい思い出話に。子どもの頃、兄が作ったルールで「10個目に包む餃子は好きな形にできる」という謎ルールがあって。それを思い出して「あのルール、何だったんだろうね」と(笑)。ケラケラ笑いながら3人で包んでいました。――木南家の食卓は明るいですね(笑)。劇中では気まずい家庭内の雰囲気が「お粥を黙々と食べる」シーンで表現されていましたが、木南さんにとっての「あの日、あの時の食」みたいな思い出はありますか?なんだろう……。落ち込んだ時に食べたこれとかそういう記憶は全然ないんですけど……休みの日に父親が作るベタベタのソース焼きそば(笑)。父は焼きそばかチャーハンかステーキしか作れない人で。母がいない土日は父が作ってくれるんですけど、3つの中からしか選べないんです(笑)。あっ、チャーハンだったかな? パラパラにならないベタベタのチャーハンなんですけど、それがすごくおいしくて。たまに食べたくなります。――作ってあげることは?一緒に暮らしている頃は、ほとんどキッチンに立ったことがありません。こっちに来た時、母には作るんですけど、父は恥ずかしがって会いに来ないんですよね(笑)。たまに出張で東京に来てるらしいんですけど、母が「連絡して会えばいいのに」と勧めてもいろいろ理由をつけて会おうとしないみたいで(笑)。恥ずかしいのかもしれないですね。父はまだそういう感じです。――最近は大変なご活躍ですが、そういう感想を言われることもない?「観たよ」という報告LINEは来るんですけど、何の感想も書かれていません(笑)。それから、「3回観ました」とか(笑)。たぶん、感想はないんだと思います。私の出たドラマとかも父は何回も観ているらしいんですけどね(笑)。――さすがに「泥棒猫!」と吠える娘を見た時は、お父さんも込み上げるものがあったのではないかと。どう思っているんでしょうね(笑)。『(勇者)ヨシヒコ』を観た後は、「ちょっと分からへんわ」と言ってました(笑)。ちょっと笑いの部分で理解できなかったんだと思います。ミュージカルの回は楽しかったみたいですけどね(笑)。――姉妹共演が実現した第7話は木南家の永久保存版ですね。ええ。初めてちょっとした感想を言ってくれました。「楽しかった」か、「よかった」か。すごくざっくりとした感想でした(笑)。――最近では、雑誌『おとなの週末』のパン連載も話題になっています。母がパン工場から宅配する仕事をしていて、私は幼稚園に通う前ぐらいだったと思うんですけど、助手席に乗せてもらってついていってました。パン工場で焼きたてのパンをもらったりして、パンで育ったんですよね。米も食べていたんですけど、朝は必ずパン。物心ついてからも姉がパン屋さんでバイトしていたので。私が中学生で姉が高校生のころは、ゴミ袋3袋分ぐらいのパンを持って帰って来てました。それを近所の人に配って、残ったのを次の日の朝ごはんにしたり。中学、高校もずっとパンを食べている生活でした。――同じ物を食べすぎると嫌いになるという話も聞きますけど、そうはならなかったわけですね。そうですね。全然ならなかったです。木南家の日常、それがパンでした。連載を始めてから今まで以上にアンテナを張るようになって、さらに食べるようになったような気がします。――そろそろお時間です。映画の中で「ママのようなおばさんになる」というセリフが印象的でした。木南さんご自身は? お母さんみたいなおばさんになりたいという気持ちがあるのか、ないのか。いやー(笑)。部分的にはあるかなぁ。悲しんじゃうかもしれないですね(笑)。結構頑固なので、そういうところは娘から見ても、もうちょっと柔軟になればいいのになぁと思ったりもするんです。あとは気が強い。小さい頃からケンカばかり見てきたので、そんなにケンカはしたくないなぁと思うようになったのかもしれません。反面教師じゃないですけど、「こういうところは気をつけよう」みたいなところはあります。学びたいのは、料理がうまいところ。それから、子どもの意志を尊重するところです。私も姉も習いごとをたくさんやらせてもらって、舞台もたくさん観せてくれて。やりたいと思うことを全面的にバックアップしてくれるので、そういうところは今の仕事にも生きていますし、母のお陰だなと思うところは大きいです。――お姉さんは「ママのようなおばさんになる」と思っていますかね? ケンカするほど仲が良いとも言いますし、互いに似ている部分もありそうな気がします。どうだろうなぁ(笑)。今は似てないですね。昔は気が強くて頑固だったんですけど、年齢を重ねて丸くなったというか。私たちが子どもの時に母は大人で、私たちが大人になると母が逆に子どもっぽくなる。そういう感じになってきましたね(笑)。――お母さんからの学ぶべきところを取り入れ、これからどのような女性になっていきたいですか。30歳になって、より大人の女性を意識するようになりました。それまでは何となく若手というイメージがあって。30歳でも十分若手で下っ端なんですが、自分自身は変わってないですけど周りの目が変わってくるような気がして。「大人の一人の女性」として見られる意識を持って、言葉遣いや立ち振る舞いを20代より気をつけるようになりました。品がある女性が目標。でも、コメディとか好きだから、品がないところも大事にしたい。難しいですね(笑)。「品がないことをやることに抵抗がない、品のある女性」に。『ヨシヒコ』をやるときは品がないことを堂々とやるけど、普段は品がある。そういうことをできる「面白味」は残しておきたいです。――今まさにそのような印象なので、そのままの木南さんでいてください(笑)。そうですか(笑)。「そういうことはちょっと……」と断ってしまうような女性にはなりたくない。いくつになってもあんなお馬鹿なことをやっていたいです。■プロフィール木南晴夏(きなみ・はるか)1985年8月9日生まれ。大阪府出身。2001年「第一回ホリプロ NEWSTAR AUDITION」でグランプリを受賞し、芸能界入り。堤幸彦監督作品『20世紀少年』(08年)で小泉響子役を演じ、注目を浴びる。2013年に公開された、『百年の時計』で映画初主演。その後も、『闇金ウシジマくん Part2』(14年)、『エイプリルフールズ』(15年)、『秘密 THE TOP SECRET』(16年)などの映画に出演。これまでNHK連続テレビ小説『風のハルカ』(05年)、『てっぱん』(10年)、『マッサン』(15年)、テレビ東京系『勇者ヨシヒコ』シリーズのほか、近年では『火の粉』(フジテレビ系・16年)、『せいせいするほど、愛してる』(TBS系・16年)、『視覚探偵 日暮旅人』(日本テレビ系・17年)、などドラマに出演している。(C)一青妙/講談社(C)2016「ママ、ごはんまだ?」製作委員会
2017年02月16日この泥棒猫! 昨年のTBS系ドラマ『せいせいするほど、愛してる』の”捨て台詞”で視聴者を縮み上がらせた女優・木南晴夏(31)。テレビ東京系『勇者ヨシヒコ』シリーズをはじめ、数々の怪演ぶりで注目を集める木南が、歌手・一青窈の姉・一青妙のエッセイを原作とした映画『ママ、ごはんまだ?』(2月11日公開)の主演に挑んだ。演じるのは、原作者本人の一青妙。世間にイメージが浸透していない人物とどのように向き合い、表現したのか?台湾人の父と日本人の母、そしてかわいい妹。家族4人で暮らした家を取り壊す時、木箱の中にあった亡き母の台湾料理レシピ帳を手にした妙の心には、家族とのさまざまな思い出がよみがえる。今回、「怪演」「姉」「木南家の食と絆」のテーマで3回にわたってインタビュー。第2回は、『勇者ヨシヒコと導かれし七人』(テレビ東京系・16年)の第7話で初共演が実現した、実の姉で女優・木南清香との秘話を聞く(第1回は「この泥棒猫! 怪演で話題の木南晴夏、本当はどんな女性? 家族愛を演じる思い」)。――4つ歳上のお姉さんでしたよね。『勇者ヨシヒコと導かれし七人』の第7話で、初めて共演したことが話題になっていました。木南さんがアンドレ役で、お姉さんがアンサンブル。お二人は子供の頃、「ベルばら」ごっこに夢中だったそうですね。宝塚歌劇団を観て育ちました。初めて観たのが『ベルサイユのばら』。たしか、私が幼稚園生ぐらいで、姉が小学校3年生ぐらいだったと思います。布団を腰に巻いてお姫様になりきったり、トイレットペーパーの芯に引越し用のテープみたいなものを巻いてフィナーレで使う鈴を作ってみたり(笑)。それをシャンシャンシャンシャン使って。2人で仲良く踊ってたなぁ。姉は舞台にのめり込み、その流れで劇団四季に入って、今は『ミス・サイゴン』など東宝系ミュージカルで活躍しています。私は大人になるにつれて、テレビの方に。活躍する場が違うので、共演することは絶対にないだろうと思っていたんですけど……。福田(雄一)さんはミュージカルの演出もされるので、アンサンブルで登場した方々や姉とも面識があったそうです。『ヨシヒコ』の第7話の台本をいただいた時にミュージカルの回だと分かって、福田さんに「このアンサンブルに、お姉ちゃんを入れられませんか?」とお願いしてみたんです。福田さんは「ぜひぜひ!」「むしろ、ありがたいです!」とおっしゃってくださいました。二度とない……ラストチャンスのつもりでのお願いでした。前回のヨシヒコにて、幼少からの夢であった姉妹共演を果たしました。しかも二人の大好きなベルばらごっこ。ごっこにも関わらず夢が叶ったと号泣する姉に、いや叶ってないから!ヨシヒコだから!と、福田さん。ごもっともです。 pic.twitter.com/HFJU4xpv32— 木南晴夏 (@kinamiharuka) 2016年11月23日――お姉さんにはどのように伝わったんですか。私から直接伝えました。舞台のスケジュールと重なってしまったら出られなくなるので、一応先に聞いておかないと、と。姉はすぐに「出たい!」と即答でした。それを受けて、福田さんは正式に事務所を通してオファーをしてくださいました。――お姉さんは現場で涙されたそうですが、どのような状況だったんですか?私がアンドレの扮装をして現場に到着すると、そこにはオスカル役の壮(一帆)さんもいました。それを見た姉が「『ベルばら』だ!」と言いながらいきなり泣き出して(笑)。「本当に夢だったんですよ!」「宝塚の舞台に立つのが夢だったので、叶って良かった!」と。福田さんもたまらず、「いや、叶ってないから! 『ヨシヒコ』のコントだから!」とツッコミを入れてました(笑)。でも、コントとはいってもクオリティが高くて。実際のタカラジェンヌの方が相手役をやってくださって、すばらしいキャスティングでした。みなさん、夜中までダンスレッスンを重ねていたみたいで、姉も感謝していました。姉が私の仕事場を見たのも初めてでした。16歳の時に受かった事務所オーディションで、付き添いで来てくれたのが姉でした。その時も、私より先に号泣して(笑)。それから15年。「こんな立派にお芝居して……」「すばらしいスタッフさんに囲まれて……」みたいなことを言って。成長した妹の姿を見ることができたのもうれしかったみたいです。――今回の作品では木南さんが姉役。ご自身のそういう姉妹関係も参考になりましたか。そうですね。妹って両親の愛に疑問を抱かないというか。愛されることが当たり前じゃないですけど、そういうことにあまり不安を感じたことがないんです。でも、姉はなぜか「兄妹で一番愛されていない」みたいに言う。そういう不安や疑問を抱くみたいで、そのあたりは参考にしました。最終回となる第3回は木南家の食、そして家族との絆がテーマ(2017年2月16日掲載予定)。彼女が抱く理想の女優像、将来像が見えてくる。■プロフィール木南晴夏(きなみ・はるか)1985年8月9日生まれ。大阪府出身。2001年「第一回ホリプロ NEWSTAR AUDITION」でグランプリを受賞し、芸能界入り。堤幸彦監督作品『20世紀少年』(08年)で小泉響子役を演じ、注目を浴びる。 2013年に公開された、『百年の時計』で映画初主演。その後も、『闇金ウシジマくん Part2』(14年)、『エイプリルフールズ』(15年)、『秘密 THE TOP SECRET』(16年)などの映画に出演。これまでNHK連続テレビ小説『風のハルカ』(05年)、『てっぱん』(10年)、『マッサン』(15年)、テレビ東京系『勇者ヨシヒコ』シリーズのほか、近年では『火の粉』(フジテレビ系・16年)、『せいせいするほど、愛してる』(TBS系・16年)、『視覚探偵 日暮旅人』(日本テレビ系・17年)、などドラマに出演している。
2017年02月15日この泥棒猫! 昨年のTBS系ドラマ『せいせいするほど、愛してる』の"捨て台詞"で視聴者を縮み上がらせた女優・木南晴夏(31)。テレビ東京系『勇者ヨシヒコ』シリーズをはじめ、数々の怪演ぶりで注目を集める木南が、歌手・一青窈の姉・一青妙のエッセイを原作とした映画『ママ、ごはんまだ?』(2月11日公開)の主演に挑んだ。演じるのは、原作者本人の一青妙。世間にイメージが浸透していない人物とどのように向き合い、表現したのか?台湾人の父と日本人の母、そしてかわいい妹。家族4人で暮らした家を取り壊す時、木箱の中にあった亡き母の台湾料理レシピ帳を手にした妙の心には、家族とのさまざまな思い出がよみがえる。今回、「怪演」「姉」「木南家の食と絆」のテーマで3回にわたってインタビュー。初回は「この泥棒猫!」の真髄に迫った。――とても心が温まる作品でした。そして、お腹が空きます(笑)。ありがとうございます。みなさん、そうおっしゃいます(笑)。今回の作品で、台湾の家庭の味に触れることができました。辻調理師専門学校さんが監修をされているので味も本格的。お母さん役の河合(美智子)さんは料理レッスンを受けられていたみたいですが、ご実家が中華料理屋さんだったらしく、こちらも本格的。もともと大きな包丁を使うのもお手の物で、レッスンが必要ないくらいの腕前でした。――娘役を演じる上でもプラスになりそうですね。そうですね。河合さんご自身も明るい方で、母役・かず枝さんそのもの。明るく周りを気遣ってくださって、すごく楽しい撮影現場でした。―― 一青妙さんとも会われたそうですね。どのようなお話をされたんですか?台湾の撮影の時にお会いしたんですが、その時はごあいさつぐらいで、ゆっくりお話しする時間がないようなバタバタな現場でした。台南は暖かい地域で、一年通して半袖に上着一枚ぐらいで過ごせる気候らしいんですが、五十年に一度の寒波と重なってしまって。みんな暖かいと思い込んで来ているので、誰も防寒着持ってきてなくて、スタッフさんも薄着で震えながら作業していました。そんな感じで、とにかくバッタバタ。私は台湾パートが少なかったので比較的、楽ではあったんですが、河合さんは大変だったみたいです。――妙さんから作品の感想は?まだ聞くことができていません……正直ちょっと、怖いですね(笑)。というのも、ご本人を演じさせていただいたんですが、妙さんはあまり表に出ていらっしゃる方ではないので、パブリックイメージが固まっていない方。映画を観ても、「妙さんっぽくない」とかそういう違和感はありませんよね? でも、妙さんご自身にはあるかもしれない。そこの感想を聞くのは、ちょっと怖いです。「自分を演じている人を見る」というのは、どういう気持ちなんだろうと。全く別物として考えてくださった方がうれしいです。そうすれば、絶対に「私っぽくない!」となりませんよね?――確かにそうですね(笑)。妙さん要素のヒントは原作ですか?そうですね。原作は読ませていただきました。ただ、「妙さんのイメージ」や「妙さんに似せて」というよりかは、原作から感じ取った「イメージ」の方を大切にしました。――昨年は『せいせいするほど、愛してる』の「この泥棒猫!」など、激しい演技が「怪演」と話題になることがありました。役によって、演じる根本の部分に違いはあるんですか?演技の激しさにおいてはあまり関係ないと思いますが……例えば漫画原作ではイメージとして強く残るものを多くの方が抱いていらっしゃるので、どちらかというと自分が感じ取るものよりも、原作に寄せていくことの方をメインに考えています。それとは逆に、原作があってもイメージが定着していない場合は、自分で感じ取ったことを優先しています。――ということは、激しい奇抜なキャラと静かで控えめなキャラ、演じる上ではどちらも同じだと?そうですね。演じている上で違いは全然ありません。『せいせい~』の場合は、私以外の部分も面白く作り込まれていました。私自身はいつもの役とそんなに変わらないつもりなんですけど、カット割りや音楽などの演出面ですごく助けられています。セリフ自体に特徴はありましたが、「自分から絶対に生まれてこない言葉」でもありました。 どれだけ怒りが爆発しようが、「泥棒猫!」とは叫ばない(笑)。それを、「さも自分の中から生まれました」みたいに、いかに印象付けられるかが勝負。そこはすごく悩みました。――その演技は、「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」の助演女優賞という形で評価されることに。ありがたいですね。あの役もそうですが、ドラマ全体を異色ドラマとしてみなさんが面白がってくださったように、それが一番の正しい見方だったのかもしれませんね。そうやって観てくださって話題になったことが、結果的にあのような賞につながったのだと思います。――今回の作品でも印象的なシーンがいくつもありました。門限を破って帰って来た時、母の置き手紙ですべて見透かされていたことが分かる。食卓ではそのことに触れることなく、黙々とおかゆを食べ続けていました。監督から「3杯食べてからセリフを言ってください」と言われていたシーンです。結構多くないかな?と心配だったんですけど、本当にめちゃくちゃおいしくて(笑)。映画の出てきたご飯の中でいちばんおいしかったです。いくらでも食べられるくらい! カットかかっても、河合さんとずっと食べていました(笑)。――おいしそうでした(笑)。謝りもせず会話の糸口を探っている感じが、家族の食卓としてすごくリアルな描写だと感じました。あの意地っ張りな感じですよね(笑)。手紙を読んだ後、自分も「やってしまった」と思ってたからわざわざ外まで探しに行くわけです。戻って帰ってきたら、探していたお母さんが家にいる。そうやって、先手先手をいく母親は本当にすごいなと思います。なんでこんなに分かってしまうんでしょうね。――誰でも一度は経験がある。ですよね。私と母はあまりケンカしませんが、姉と母はすごかった(笑)。大人になって今は全然しなくなりましたけど、十代の頃は、母が家を出て行くぐらい激しいケンカもありました。妹の立場から見ていて不思議だったのが、互いに謝らなくて何も解決していないのに、翌朝になったら普通に会話しているんですよ(笑)。それがすごく不思議でした。でも、家族ってそういうものなのかもしれませんね。「この間のこと、ごめんね」とか細かく言わなくても、互いに理解しているからこそ、そのまま時が流れていく。そういうのって、決して珍しいことじゃなくて「家族あるある」なんだろうなと、今では思います。あらたまって話なんかしなくても、分かり合えるのが家族。――お兄さんもいらっしゃるんですよね? 「母VS姉」の時、お兄さんはどんな立ち位置なんですか。傍観者(笑)。いちばん遠いところにいます。姉と私のケンカには仲裁に入ってくれるんですけど、姉と母のケンカは誰も近寄れないぐらい激しいので。みんな傍観者。父はさらに遠くから見守っています(笑)。姉は、母と同じように私や兄に対しても、とにかく激しい人でした。第2回は舞台女優の姉・木南清香との関係性に迫る(2017年2月15日掲載予定)。2016年10月クールに放送されたテレビ東京系『勇者ヨシヒコと導かれし七人』での初共演で、姉はなぜ涙したのか?■プロフィール木南晴夏(きなみ・はるか)1985年8月9日生まれ。大阪府出身。2001年「第一回ホリプロ NEWSTAR AUDITION」でグランプリを受賞し、芸能界入り。堤幸彦監督作品『20世紀少年』(08年)で小泉響子役を演じ、注目を浴びる。 2013年に公開された、『百年の時計』で映画初主演。その後も、『闇金ウシジマくん Part2』(14年)、『エイプリルフールズ』(15年)、『秘密 THE TOP SECRET』(16年)などの映画に出演。これまでNHK連続テレビ小説『風のハルカ』(05年)、『てっぱん』(10年)、『マッサン』(15年)、テレビ東京系『勇者ヨシヒコ』シリーズのほか、近年では『火の粉』(フジテレビ系・16年)、『せいせいするほど、愛してる』(TBS系・16年)、『視覚探偵 日暮旅人』(日本テレビ系・17年)、などドラマに出演している。
2017年02月14日女優の木南晴夏が30日、東京・目黒の大圓寺で主演映画『ママ、ごはんまだ?』(2月11日公開 白羽弥仁監督作品)のヒット祈願を行った。歌手の一青窈と姉の一青妙によるエッセイを原作にした映画『ママ、ごはんまだ?』は、一青家の愛と絆を描いたヒューマンドラマ。主演の木南晴夏が主人公の一青妙を演じているほか、妹の窈役には藤本泉、母・かづ枝には河合美智子が扮する。そんな本作のヒット祈願を行った木南は「1人でも多くの方がこの映画を見てくださるようにとシンプルにお願いしました」と打ち明けて「以前もここでヒット祈願をさせてもらいました。以前もこちらで『家族八景』(MBS・TBS系)というドラマの時にヒット祈願をしました。その時も着物を着させていただきましたが、5年前よりはちょっと大人になったかなって思います」とにっこり。劇中で演じた一青妙は現役の舞台女優でもあるが、「女優さんというよりも、原作者としてのプレッシャーを感じました。一青妙さんと一青窈さんの家族の実話なので、そこら辺をどうどう捉えるかはプレッシャーでしたね」と本音をのぞかせた。母役の河合美智子は先月会見を開き、昨年8月13日に脳出血を発症したと明かしたが、「撮影は1年ぐらい前でしたので、今回回復されたというのをニュースで知りました。撮影中は本当にお元気で、お母さんの大きな笑顔で現場にいらしてましたよ」と驚いた表情だったが、「白羽監督にどんな様子と聞いたら『すごく元気で2人で飲みすぎた』というお話を聞いて、すごく安心しました。2月4日に金沢で行わる舞台あいさつでお会いできると思います」とほっと胸をなでおろしていた
2017年01月30日7月17日(日)・18日(月・祝)、清き自然にあふれた新潟県・妙高高原の赤倉観光ホテルにて「妙高ワインフェスティバル2016」が開催される。テラスや芝生の上で、ピクニックのように厳選された国産ワインと赤倉観光ホテルの料理をチケット制で楽しめる、昨年好評を博したイベントだ。ワインは、新潟、長野、山梨の3県からセレクトした高原リゾートにふさわしい国産ワイン20種以上と、ワインにあうフードメニューとして、オードブル各種、メインメニューに加えて、パスタ、ピザ、カスクートなどのお食事メニューやデザートを楽しめる。さらに、参加ワイナリーによるワインのつくり手によるミニセミナーが、チケット制で楽しめるほか、特設ステージ上ではライブステージも展開され、イベントを盛り上げる。入場は無料。雨天の場合も室内会場で開催されるので、この機会に高原リゾートへの小旅行を計画してみてはいかが?(text:cinemacafe.net)
2016年06月28日歌手の一青窈が、姉・一青妙原作の映画『ママ、ごはんまだ?』(2017年初春公開)の主題歌として書き下ろしの新曲「空音 (そらね)」を提供することが23日、発表された。妙による同名のエッセイや『私の箱子』(講談社)が原作の本作では、一青姉妹の絆が映像や音楽で描かれる。主人公・妙を演じるのは、女優・木南晴夏。妹・窈役を藤本泉が務め、白羽弥仁監督がメガホンを取る。ロケは日本だけでなく、姉妹の故郷・台湾でも敢行しており、さまざまな台湾家庭料理を作るシーンも見どころとなっている。窈は、実際に映画を見て、主題歌を書き下ろし。母の愛や家族について歌っている。窈は、「姉の気持ちになって書きました」と制作の裏側を明言。妙に「母子家庭の時代、『ちゃんと聞き分けのいい子にならなくちゃ』とずいぶん頑張って『おねえちゃん」でいてくれた」と感謝し、「母亡き後は、同時に母の役目を担ったり、一人の女でありもっと甘えたかったのでは」と想像を巡らせる。そのような背景から、「『きっと母の目一杯の愛情を一人占めしたかった時期もあるのだ』と思ったらこんな詩になりました」とポツリ。また、「大人もこどももみんないいこいいこをしてほしいのではないでしょうか」と推察し、「この曲が新緑を吹き抜ける初夏の風のようにたくさんの人の頭をなでてあげられたらいいなぁ」と素朴な願いを口にした。なお、同曲は21日から始まった全国ツアー「一青窈 TOUR 2016 人と歌~折々」の初日、ファンの前で初披露されている。(C)一青妙/講談社 (C)2016「ママ、ごはんまだ?」製作委員会
2016年05月23日一青窈の姉、一青妙によるエッセイを原作に、木南晴夏らを迎え映画化する『ママ、ごはんまだ?』。この度、本作の主題歌を、原作者の妹である窈さんが担当することが明らかになった。台湾人の父と日本人の母、可愛い妹と共に、家族4人で暮らした懐かしい東京の家を取り壊すときに見つかった、赤い木箱。古い手紙と一緒に入っていたのは、20年前に亡くなった母の台湾料理のレシピ帳。一青妙(木南晴夏)の脳裏に、いつも料理をしていた母の姿が浮かぶ…。どんなに辛いときでも、かづ枝(河合美智子)は日々料理をし、娘たちはその料理を愛した。かづ枝の料理は家族の絆を強め、そして周囲の人々をも幸せな気持ちにした。20年が過ぎたいま、姉妹は、一青家ゆかりの地、中能登町にあるかづ枝の墓前で母の小さな秘密を知る。妙は、ある思いに駆り立てられ、台湾へと向かう。果たして、母がレシピに込めた想いとは――?姉・妙さんによるエッセイ「私の箱子」「ママ、ごはんまだ?」(講談社刊)を基に、母の愛、家族の絆を描いた本作。キャストには、主人公・妙役として、『20世紀少年』シリーズ、『秘密 THE TOP SECRET』など多くの映画やドラマで活躍する実力派、木南さん。その妹・窈役には、『アオハライド』や現在放送中のドラマ「OUR HOUSE」「不機嫌な果実」に出演中の期待の若手女優、藤本泉が好演。そのほか、母・かづ枝役の河合美智子や、呉朋奉、甲本雅裕、春風亭昇太らが脇を固める。そして監督・脚本には、『能登の花ヨメ』『神戸在住』の白羽弥仁が務め、東京、金沢、中能登町、台湾でのロケを敢行。また、数々の台湾家庭料理を作るシーンも魅力の一つとなっている。今回、妹・窈さんが実際に映画を観て、映画のために書き下ろしたという主題歌のタイトルは「空音」。母の愛、家族の絆を歌い上げている。なお本楽曲は、5月21日(土)からスタートしている全国ツアー「一青窈 TOUR 2016 人と歌~折々」の初日に、ファンの前で初披露された。楽曲を制作するにあたって窈さんは、「姉の気持ちになって書きました。母子家庭の時代、ちゃんと聞き分けのいいこにならなくちゃ、とずいぶん頑張って“おねえちゃん”でいてくれたと思います。母亡き後は、同時に母の役目を担ったり、1人の女でありもっと甘えたかったのではと想像しました」と当時をふり返る。また、「きっと母のめいっぱいの愛情を一人占めしたかった時期もあるのだと思ったらこんな詩になりました。大人もこどももみんないいこいいこをして欲しいのではないでしょうか。この曲が新緑を吹き抜ける初夏の風のようにたくさんの人の頭をなでてあげられたらいいなぁと思います」と想いを寄せた。姉妹の絆が映画で、そして音楽で描かれる本作。観ればきっと家族の絆を再発見できる、そんな映画になりそうだ。『ママ、ごはんまだ?』は2017年初春、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年05月23日「AKB48」の峯岸みなみが映画初主演を務める『女子高』。この度、本作のキービジュアルが解禁され、新たなキャストに、冨手麻妙が出演することが明らかとなった。深夜の廃校に同窓会で集まった高橋香月ら6人の同級生たち。卒業してから7年振りの再会に喜び、学生時代の思い出話しに花を咲かせる中、突然教室の電気が消え、一発の銃声が鳴り響く。再び電気がつくとそこには、1人の同級生が胸から血を流し倒れていた。パニックに陥る中、全員の携帯に「犯人は誰だ?」というメールが送られ、そのメールの差出人の名に同級生たちは愕然となる。香月達は、この事件が学生時代の“ある出来事”と結びついている事に気付き、7年前の記憶を頼りに事件を解決しようとする。皆が最も輝いていた女子高時代をふり返ると、ある一人の転校生の出現により、彼女たちの関係に亀裂が生じ始めていたのだった…。本作は、青春時代を共に謳歌した仲良し6人組が、同窓会で起こったある事件をきっかけに、女子高時代をふり返り、事件解決への糸口を見つけようとする“新感覚”の青春本格ミステリーサスペンス。主人公の高橋香月役には、本作が初の映画主演になる「AKB48」の峯岸さん。「AKB48」の中心メンバーとして活動する傍ら、TVやラジオと幅広く活躍しているが、今回は普段お茶の間に見せる笑顔を封印し、本格ミステリーに挑んでいる。また、物語の鍵を握る橘美冬役には、昨年公開された『劇場霊』での熱演が記憶に新しい高田里穂。そしてそのほかに、泉はる、中山絵梨奈、北山詩織、寒川綾奈、潮美華など今後の活躍が期待される若手女優が出演している。さらに今回、追加キャストとして『みんな!エスパーだよ!』『人狼ゲーム クレイジーフォックス』など、作品ごとに強烈なインパクトを残す冨手さんが新たにキャスティングされた。そして監督には、俳優、脚本家、劇作家、演出家とマルチな才能を活かし活動を続け、本作が2作目の監督作となる山本浩貴がメガホンをとっている。今回解禁されたキービジュアルは、香月役の峯岸さんと、物語の鍵を握る転校生・美冬役の高田さんが写し出され、2人の間に書かれた「復讐って罪ですか?」という文字が印象的な一枚。また本ビジュアルには、欠けているパズルのピースを配し、多感な時期を共に過ごした彼女たちの関係に、あるきっかけで変化が起こった事を連想させる仕上がりとなっている。犯人は一体誰なのか、同窓会で解き明かされる彼女たちの罪と罰とは…。その結末に映画ファンの予測を掻き立てそう。『女子高』は春、シネマート新宿ほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年01月21日1月9日より全国公開される映画『はなちゃんのみそ汁』の全国公開直前イベントが6日、都内で行われ、広末涼子、一青窈が出席した。同名エッセイ(安武信吾・千恵・はな著)を実写化した本作は、ある家族の日常を描くヒューマンドラマ。がんを宣告された千恵(広末)は、信吾(滝藤)と結婚して娘のはな(赤松)を出産する。自分がいなくなっても家族が元気に暮らせるように、千恵ははなに料理や家事の大切さを教え始め――というストーリーだ。1月9日の全国公開を目前にしたこの日は直前イベントが行われ、試写会後の舞台あいさつに広末と一青窈が登場。広末扮する千恵の姉・松永志保役と映画の主題歌「満点星」を担当した一青窈は昨年11月に待望の第1子を出産したばかりで「妊婦で撮影を迎え、公開と同時に出産ということで非常にめでたい幕開けとなりました」と出産と公開を喜び、共演した広末について「広末さんは笑顔の種類がたくさんあって、人の笑う顔ってこんなにもたくさんの表情があるということを学びました。本当に可愛いなと思ってずっと見てました」と笑顔。一方の広末は「初共演なのであまり突っ込んじゃいけないかなと思いましたが、一青窈さんはフラットの衣装ですごく細くて、お腹がぽっこりしていたから胃下垂だと思っていたんですけど、そんな訳なかったですね(笑)」とロケ中に一青窈が妊婦中だとは知らないことを明かして会場の笑いを誘った。イベントの最後には一青窈が「満点星」を熱唱。それを間近で見た広末は思わず涙を流して「やっぱりいい曲ですね。映画を見て下さった方たちとこの曲を共有できたことが嬉しいです」とこみ上げてくるものを我慢している様子だった。映画『はなちゃんのみそ汁』は、テアトル新宿&福岡県内先行公開中、1月9日より全国拡大公開。
2016年01月07日