全国レベルのチームでレギュラーから落とされ自信を失った息子。親が送迎できないから出場させないなど、理不尽な扱いを受けている。明らかに好き嫌いがあり、うちの子は好かれてない。子ども自身もコーチにアドバイスを求めるような関係性を築けておらず、今後もこれ以上の進展は無理。自己肯定感を失ったままこのチームで続けることが本人にとっていいことなのか......。とのご相談をいただきました。スポーツと教育のジャーナリストであり先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの子育てと取材で得た知見をもとに、4つのアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<プロになるなら楽しくサッカーするな!と言うモラハラ夫を改心させたい問題<サッカーママからのご相談>我が子は高学年です。(11歳)チームは全国レベルのチームで、中学年の途中迄はレギュラーで出ていましたが、新しい選手が入るやいなや競争もさせてもらえずレギュラーから落とされ、何のアドバイスもなく自信だけを失ってしまいました。それでも本人は頑張り続けましたが、親が試合会場への送迎ができないため、チーム送迎を頼ると、送迎を理由に試合に出さないなど理不尽な内容で試合に出してもらえません。練習試合ならまだしもそれが主要大会で行われます。本人もその事を親にも言えず、不憫な思いをしています。子どもはそれでもこのチームでサッカーをやりたいと言っていますが、試合に出れないことから、親から見るとどこか情熱や集中力に欠けてしまい、ますますコーチから見向きもされない状況に陥っています。最近は試合経験がつめないため、短い時間で出ても波にも乗れずただ怒られているだけになっています。我が子は、自分でコーチにアドバイスを求めるような信頼関係も築けてません。おそらく今以上の関係を築くことはできないと感じています。コーチも明らかに子どもの好き嫌いがあり、我が子に話しかけることはほとんどありません。このようなことから、親としてもコーチへの信頼がなく、できれば環境を変えた方がいいのではと思っています。子どもの主体性を奪いたくありませんが、このまま自己肯定感を失ったままやり続けることが本人にとっていいことなのか、親としては悩むところです。チーム環境を変えて楽しんでもらった方が本人のためになるのではと考えていますが、その前に親としてどう子どもに関わるべきか助言をいただけるとありがたいです。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。レギュラーから落とされ、息子さんが自信を失ったように見えるとのこと。お母さんの辛さがメールから伝わってきます。さまざまアドバイスしたいことはありますが、まずは相談文の最後に書かれたお母さんの質問に答えますね。「このまま自己肯定感を失ったままやり続けることが本人にとっていいことなのか、チーム環境を変えて楽しんでもらった方が本人のためになるのではないか」と書かれています。その通りだと思います。そして、そのあとに「親としてどう子どもに関わるべきか」とあります。ここを悩んでおられるのですね。■息子さん自身がどうしたいか、考えを整理する手助けをしよう以下、4つほどアドバイスさせていただきます。全国レベルのチームに在籍しておられるとのこと。すべてではありませんが、全国少年サッカー大会に出るようなチームに勝利を優先するところは少なくありません。全国大会を目指す高学年になると、同じように全国大会に出たいと願う選手が他のチームから移籍してくることは少なからずあるようです。そうなると、それまで出場していた子どもは出られなくなります。その点から見ると、息子さんのクラブはどうやら全員に平等に出場機会を与えていないようです。であれば、中学年まで息子さんはレギュラーで出ていたけれど、補欠で試合に出られない子どもも大勢いたのではありませんか。そのときは、そのベンチにいる子どもたちのことは、コーチから適切なアドバイスを受けていたのでしょうか。他の活動機会を与えられていたのでしょうか。親御さんのなかには、補欠になっても這い上がれ、頑張れ、負けるなとひたすら励ます方もいます。そういう方々から聞かれるのは「うちの子が試合に出られないのは全国大会レベルのチームなのだから仕方ない。ここにいるだけでも満足」といった声です。正しいかどうかは別として、小学生の時期からスポーツに競争原理を持ち込まれています。その点で、お母さんはいかがでしょうか?息子さんが試合に出られず自己肯定感を失ってしまうことを恐れ、チーム環境を変えて楽しんでもらったほうがいい。そう心の底から思われているのなら、もしかしたらクラブ選びを間違えていたかもしれません。まずは、息子さんに、どんなチームでサッカーをしたいか、サッカーをやる理由や目標は何なのかを考えてもらいましょう。お母さんは話し相手になって、考えを整理してあげてください。できるだけ、お母さんの考えを言わずに息子さんに話をさせるよう、たくさん問いかけること。それが1つめです。サカイク公式LINEアカウントで保護者のみなさんへお役立ち情報をお届け!■相手が「○○してくれない」という志向ではなく自分は何ができるかを考えてみよう2つめ。お母さん自身の思考パターンを少し見直しませんか。コーチに対し「息子に何もしてくれない」というニュアンスの言葉が多いことが気になります。例えば「レギュラーから落とされ、何のアドバイスもなく」「送迎を理由に試合に出さないなど理不尽な内容で試合に出してもらえません」「見向きもされない」「子どもの好き嫌いがあり、我が子に話しかけることはほとんどありません」などなど、〇〇してくれないという発言が目立ちます。わが子が不憫。かわいそう。悔しい。そんなふうに子どもの感情と同化してしまってはいけません。「大変だね」「残念だったね」と、息子さんの悔しさに共感してあげてもいいです。でも、親が一緒に落ち込んで、コーチに不満を抱えた状態のまま活動を続けるのは子どもにとって精神的にヘルシーな環境とは言えないでしょう。そして、誰かが何かをしてくれないと嘆くのではなく、自分が親としてどう接したら、子どもが成長するのかを考えましょう。何が大切なのか。どうしたら子どものためになるのか。それについて時間をかけて考えてください。パートナーがいるなら一緒に考える。信頼できるママ友がいれば、話してみましょう。■親子ともにラクになるために、子どものサッカーから少し離れてみよう3つめ。お母さんは一時的にでもいいので、息子さんのサッカーを「お休み」しましょう。なぜならば、今現在お母さんは息子さんに対し「情熱や集中力に欠けている」といった否定的な気持ちを持っているように映ります。息子さんが自分でコーチにアドバイスを求めるような信頼関係も築けないという部分に対し、「自分から求めてほしいのに」といういらだちに似た葛藤が見て取れます。しかしながら、小学生時代は楽しくサッカーができればそれでOKです。見ていればどうしても干渉したくなるので、一度息子さんのサッカーから離れましょう。試合に出たかどうか、勝ったか負けたかも尋ねない。ただただ「楽しかった?」とだけ聞いてあげてください。そうすれば、少し離れた場所から、客観的に息子さんの姿やご自分との親子関係を見つめ直せます。と同時に、息子さんも楽になるはずです。■子どもは自分とは「別の個体」だと知ること。本人が求めてきたらサポートすればいい(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)4つめ。息子さん自身、このチームでサッカーをやりたいと話しているようです。であれば、好きなようにさせてあげましょう。その一方で、「イヤな気持ちになるようだったら、他のチームを一緒に見学に行ったりしようね」と他の選択肢もあることを伝えておきましょう。親御さんには、子どもは「別の個体」だと知ってもらいたい。試合に出たいとか、サッカーでこんなことを目指したいなどと野心を持つのは子ども自身です。目標達成に手伝ってほしいと言われたら、可能な限りサポートしてあげればよいのです。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年10月12日基礎的な技術がなかなか伸びない。チームの中でボールを保持できるのは数名、他の子はパスが上手くできなかったりとレベル差がある。楽しく積極的に取り組みながら基礎技術が身につく練習メニューはある?とご相談をいただきました。ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、「ひとりでできる練習」に時間をかけすぎな日本の現状と、考えてサッカーをするためにおすすめの練習メニューについてアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<話を聞かない、落ち着きがないU-10年代の指導、チームをまとめる方法はある?<お父さんコーチからの質問>池上さんこんにちは。地元の小学校でサッカーのコーチをしています。コーチ歴は3年で担当はU-10 年代です。メンバーは3、4年合わせて11人です。選手のレベルは3~4人ボールを保持できる選手がいますが、その他はパスがうまくできなかったりで、基礎的な技術が中々伸びない子が多いです。基本的な技術をもっとつけていかないと思っていますが、子どもたちが楽しく積極的に取り組めるようなパス、ドリブルのメニューあれば教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。まず、ここでご相談者様がおっしゃった「基本的な技術をもっとつけていかなくては」という主旨の話についてお伝えします。■日本は「ひとりで行う練習」に時間をかけすぎている日本では、基本技術というと対面パスやコーンドリブルなど、ひとりで行う反復練習、つまりクローズドスキルのトレーニングが多いです。それもやっていいのですが、全体に対し比重が高い。少し時間をかけ過ぎるようです。実は、同じことを3回繰り返すと、その後同じことをやっても人間の脳はもう働かなくなるそうです。例えば、子どもの頃にやった漢字の書き取りやドリルを思い出してください。手本を見ながら、上から三つめまではきれいに書きます。ところが4つめ以下は乱れます。このことを小学校の先生に話したら「今の子どもたちもその通りです。4つめから雑になります」と納得していました。なぜそうなるかは、脳科学でもわかっていることだそうです。サッカーの反復練習も同じです。必要以上にやることはありません。子どもに「キックは、足のここに当てるよ」と指さしてみせて、それを感じさせたらほかのことに移って構いません。サカイク公式LINEアカウントでイベントや最新情報などをお届け!■楽しめてスキルアップできる練習形式は「ゲーム」そういったことから、子どもが楽しめて、なおかつスキルアップできるのは、やはりゲーム形式の練習だと思います。例えば、パスにフォーカスした試合をするとします。その際に「全員にパスがつながらないとシュートにはいけない」というルールにします。そうすると、子どもたちはパスをつなぎ始めます。ドリブルに焦点を当てる場合は「ハーフウエイラインを超えるときはドリブル」というきまりにします。ほかにも、ボールコントロールに注目したいときは、2タッチにしてください。このように、練習のなかでルールを少しずつ変えてあげること。子どもたちのできること、できないことを見定めながら、ひとつのメニューを簡単にしたり、難しくするなどして調整してあげましょう。そしてそれは、ミニゲームだけでなく、3対3、4対4などの練習でも活用します。■トレセンでも「仲間を感じながらプレーする」ができず個人技に走りがちな現状先日、千葉県のある自治体で、12歳以下のトレセンのトレーニングを指導しました。仲間を感じられるようにするため、試合の中でさまざまルールを変えていきました。が、それを意識してプレーすることが、なかなかできません。例えば、最初はフリーで試合をします。次に2タッチでやります。すると、ワンタッチした際に相手ディフェンスがくると、かわすために切り返す。その切り返しは、パスするために、ではありません。思わずドリブルします。ほとんどの選手がそんな様子でした。2タッチだからこそ、最初にボールをさわった瞬間、つまりファーストタッチでいいところに置かなくてはいけません。それができないのは、それまで、まずはドリブルして相手を抜くといったプレーしか選択できなかったからでしょう。トレーニングの終了後、子どもたちは「考えることがいっぱいあって大変だった」と口を揃えていました。■止まったボールを蹴るメニューではなく、頭も体も動かしながらサッカーをすること頭も体も動かしながらサッカーをする習慣をつけてください。それには、子どもたちが楽しく、積極的にプレーができるよう、勝ち負けのある練習を行うことです。例えば、2人一組で行うシュートゲーム。足の股の間にボールを通すゲームです。最初は止まったボールを蹴ります。そこで子どもたちに「試合中はそんな状況はないよね。だったら、どうしたらいい?」と問いかけます。そこで「ドリブルで行ってからシュートする」という声が出ます。「パス交換をしてから(股の間をめがけて)シュートする」というものもありました。その次に、ボールが動き始めると,一回ずつ状況は違ってくることに気づいてもらいます。そうやって考えるたびに試合に近づくわけです。勝ち負けがあって、止まったボールを蹴るメニューではないもの。そうなると、次はディフェンスをつけるという発想になります。さらにゲームに近くなります。こうやって、1対1ではなく、味方も相手もつけてプレーするかたちを目指すと、2対1、2対2、3対2、3対3といったものになります。一見遊びのように見え股の間を通すというゲームから、サッカーの成り立ちを学ぶことができます。■全員にボールを回してシュートするにはどうすればいいか考えるメニューを(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)ご相談者様が指導している3~4年生には、勝ち負けがあるミニゲームや4対4を楽しみながら、パスやドリブルのスキルを習得できるようにしてあげましょう。全員に回らないとシュートできないから、子どもたちはどうやって回すかを考えながらプレーします。それがサッカーというスポーツには大切なことです。シュートゲームなど記事中で挙げたメニューは、以下の私の著書にも出ています。池上正の子どもが伸びるサッカーの練習(池田書店)「蹴る・運ぶ・繋がる」を体系的に学ぶ ジュニアサッカートレーニング(カンゼン)池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年09月30日結婚というものは、よくも悪くも人生の大きな転機となります。恋人としての彼のことは好きだけれど、結婚してからも上手くやっていけるのか、不安になる人は多いでしょう。そこで今回は、彼氏との結婚が上手くいくかをチェックできるポイントを3つご紹介します。■ 一緒にいて安心感があるか付き合いが長くなってくると、マンネリ化するカップルは少なくありません。実際「マンネリだけど、ほかの人を探すのも面倒だから結婚した」という場合もあるのだとか。でも、マンネリが必ずしも悪いものとは限りません。2人の関係に刺激が少なくなってきたけれど、そのなかに「一緒にいて安心する」との気持ちがあるのなら、それは相手を信頼できている証拠。「なにもなくて一緒にいてもつまらない。イライラするだけ」と思うのか、「代り映えしないけど、一緒にいると安心する」と思うのか、一度気持ちの整理をしてみましょう。■ 「この人と」結婚したいと思うか結婚を考えるとき、「周りが結婚ラッシュだから」「適齢期だから」といった外からの影響を受け、焦りから決めることもあるかもしれません。しかし、そのような結婚の仕方では、生活に満足できなかったり「こんなはずじゃなかった」「やっぱり恋がしたい」と後悔したりする可能性もあります。もちろん人生設計は大切ですが、周りの動向に気を取られすぎても、いい方向には進まないもの。自分の気持ちと向き合って、お互いに納得できるタイミングを見つけるのもアリですよ。そしてなにより、「この人だから結婚したい」と思える相手だからこそ、幸せな未来につながるはずです。■ 意見を尊重してくれるか結婚すると、当然恋人関係の頃とは違う環境で生きることになります。2人で過ごす時間も長くなり、家事はもちろん、出産や育児といった新しい出来事が現れ、いままで通りの生活を続けるのが難しくなる可能性は高いです。そんなとき、彼があなたの意見を尊重してくれるのか、自分の価値観を押し付けるのか、ここはきちんと見極めておくべきポイントでしょう。日頃の言動から少し先の未来を想像して、素敵な結婚生活が送れる男性か判断してくださいね。■ 結婚について考えるのに焦りは禁物結婚というのは、よくも悪くも、その後の人生に大きな影響を与えます。だからこそ、いまの恋人と結婚していいのか、もしかしたらうまくいかないんじゃないかと、不安になる気持ちも理解できます。相手の条件だけに目を奪われず、2人で幸せな日々を過ごせるのか、じっくり考えてみましょう。(和/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2022年09月27日イスラエルで行われたサッカーの試合中に起きた出来事が話題になっています。2022年9月、サッカーチーム『ハポエル・リション・レジオン』でミッドフィールダーとして活躍するイーライ・タマム選手は、試合に出場していました。彼はこの試合で見事なシュートを決めます。ボールがゴールネットを揺らした直後、イーライ選手はユニフォームを脱ぎました。すると、喜んで駆け寄るチームメイトを押しのけて、テレビ中継をしているカメラのほうに走っていきます。彼がカメラに向かって見せたかったものは…こちらをご覧ください。הצליח לרגש אותנו: אילי תמם כובש שער ומקדיש אותו לכלב שלו pic.twitter.com/lL8uCiR8Pj — מנהלת הליגות לכדורגל (@IPFL_FOOTBALL) September 6, 2022 イーライさんが着ているTシャツにプリントされているのは、愛犬のスカイの写真。実はこの試合の数日前に、スカイは天国へ旅立ったのです。イーライさんは8年前に、子犬だったスカイを家族に迎えました。しかし、スカイが1歳の時に、獣医からてんかんを患っていることを知らされます。それからはスカイは病気と闘い続ける日々だったそうです。あらゆる治療や薬を試したものの、この2年間はスカイにとって非常に困難な日々が続いていたといいます。その結果、イーライさんは最愛の犬を失う悲しみとともに、スカイを苦しみから解放してあげることを選んだのです。試合でゴールを決めた後、彼はスカイの写真にキスをして、涙を浮かべながら空を見上げました。悲しみをこらえながら出場した試合で決めたゴールを、空の上のスカイに捧げたかったのでしょう。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 View this post on Instagram A post shared by elay tamam ● אילי טמם (@elay_tamam) この感動的なシーンは、見ていた多くの人たちの心を揺さぶったようです。・彼はスカイへの愛情を、この感情的な追悼で示したんだね。・こういうの大好き。ペットは無条件の愛とサポートをくれる。美しい示し方でペットの愛を称えてくれてありがとう。・素晴らしいね。スカイは天国から見ていただろう。ウェブメディア『The Dodo』によると、試合中にユニフォームを脱いだことでイーライさんは罰を受けたそうです。彼はルール違反をしてでも、多くの人たちに、自分のスカイへの愛情を知ってほしかったのではないでしょうか。大勢の前で自分への愛を示してくれたイーライさんを、スカイも見守っていたかもしれませんね。[文・構成/grape編集部]
2022年09月23日誰でも入団できる街クラブだから、レベル差が激しい。単純に学年で分けて練習すると上手い子、そうじゃない子、どちらかに合わせるか、中途半端になって「サッカーってつまんない」となりかねない。どっちの子も楽しく感じてほしいから、指導者で話し合って2学年ごとのレベル別でグループ分けをすることにしたけど、トレーニングで注意することはある?というご相談をいただきました。今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、事前説明から実際のトレーニングまでどんな所に気を配ったらよいかアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<たくさん練習することを「頑張っている」と喜ぶ親や指導者がいるけど、正しいの?練習しすぎの影響を教えて<編集部からの質問>池上さんこんにちは。街クラブで指導している者なのですが、今回はレベル別グループ分けについて教えてください。現状ウチのチームではセレクションもなく、手続きさえ踏めば誰でも入団できます。なので、同じ学年でもレベル差がある状態です。これまでは各学年ごとにコーチがついていましたが、レベル差があることによって上手い子は物足りない、上手くない子はついて行けなくてしんどい・つまらない=サッカーが嫌になるという、どちらにとっても良くないと感じることが増えました。なので、チームで話し合い、低学年、中学年、高学年と2学年ずつでレベルごとのグループ分けをしようという事になりました。上手い子たちに刺激を与え、現状上手くないグループにいる子たちを切磋琢磨してみんながサッカーを嫌いにならないように伸ばしていきたいのですが、トレーニングで気を付けることはありますか?また、どの学年でも良いので、おすすめの練習メニューを1つ教えていただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。<池上さんの回答>ご相談ありがとうございます。2学年ずつでレベルごとのグループ分けをすることについては、まったく問題ありません。■選手と保護者には、事前にグループ分けの意図を丁寧に説明しようただし、日本人の価値観や文化を考えると、上手いか下手かという表層でしかとらえてもらえないことでしょう。したがって、技術レベルで分けることは、子どもたちひとり一人がサッカーを学ぶために重要であることをまずは保護者に伝えてください。ボールの扱いが上手いとか、何かができるから上手い子という印をつけているのではない。それを理解してもらったうえで進めてください。当然ながら、この事前説明は選手たちにも丁寧にやったほうがいいでしょう。子どもたちの疑問にも誠意をもって答えてください。サカイクの最新イベントやお得な情報をLINEで配信中!■欧州では、習熟度が遅い子は下の学年のカリキュラムで練習させている欧州の指導書でも、指導カリキュラムは年齢に合わせています。カリキュラムに合わない、つまり少し追いついていない子をどうするかと考えたとき、欧州のコーチたちは下の学年のカリキュラムで練習させています。そうすれば簡単に理解できるし、マスターできます。例えば中学年でサッカーをやり始めたばかりの子どもを低学年と練習させたとします。彼らは、技術はおぼつかないけれど、体は大きくなっているし理解度も高いため、低学年の子より上達スピードは速いはずです。そのように、カリキュラムを一段下げて取り組むのが重要です。■習熟度や身体の成長スピード、モチベーションなどを見逃すと、成長に必要なピースがそろわない同時期にサッカーを始めたとしても、個人差はあります。理解度や習熟度が早い子、ゆっくりな子、肉体的な成熟度のスピードも違います。早く上手になったからといって、ずっとそのスピードで上達するわけではありません。そしてサッカーに対するモチベーションも違います。これは目に見えない部分なので、よく見てあげてください。そうしなければ、本来身に付けるものが置き去りにされ、そのあとの成長に必要なピースが揃わなくなります。例えば、ポジショニング。どこに動けばいいのか。どこを見ればいいのか。仲間をどう使うのか。そのようなサッカーを認知する力を、多くの指導者がうまく伝えられていません。ドリブルや、止める、蹴るといった個人のスキルが中心になりがちです。上述した「味方をどう使うか」のイメージは、中学年になったときは当たり前にできる子に育っていてほしいと私は考えます。■選手の評価項目に「考える」「インテリジェンス」を追加してそれなのに、中学年、高学年とドリブルが上手い子が評価されがちです。ドリブルのテクニックなど、下の学年であっても上の学年で通用するものだけに評価する項目が絞られがちです。評価項目に「考える」という視点が欠けているようです。自分でよく考えられる子。よくパスを出せる。そのあたりを視る指導者は決して多くありません。選手を選別するという点からみると、トレセンも同じです。トレセンの選手を選抜する際、コーチの皆さんが見る点は「大きい・速い・強い」になります。皆さんはどう考えるでしょうか?日本では、小学生年代のスカウティングの観点は、そこにサイズが入ってきます。ところが、海外のセレクションでは第一に「インテリジェンス」をみます。賢そうかどうか。次にテクニック、スピード。最後にフィジカルです。実は私のチームに、2年から入ってきて、すごくよく考えられる子がいます。キックもドリブルもままならないのですが、相手が来るとうまくかわしてパスを出したり、まわりを見られます。恐らく他のチームにいけば、目立たない選手で上手くないほうの部類に入れられてしまうでしょう。このような「自分で考えられるかどうか」という視点を持って、レベル分けしてほしいと思います。■低学年までは多少子どもたちの思い通りになるよう調整するのも、サッカーが楽しくなる方法(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)練習については、選手のレベルに応じて難易度をうまく調整してあげましょう。例えば、ドリブルが上手くない子に、ゴールに向かっていけと言ってもなかなかできません。2対1をしていて点が入らず楽しくなさそうであれば、ゴールを二つにしてあげましょう。ゴールを2つ設けるだけでもゴールの確率は上がります。点を取りやすくすることを考えると、幼児だからといってミニゴールにすることはありません。大人のゴールにするといっぱい入ってうれしくなります。幼児から低学年にかけては特に、楽しくするためにどうしたらいいかを考えましょう。多少子どもたちの思い通りになるようにすることです。3対3であれば外にフリーマンを設けるなど、人数を調整するのもひとつの方法です。練習を、子ども自身が「難しい」と感じているかどうか。そのあたりを指導者は感じ取れなくてはけません。今日はこれをやれ、と命じるのではなく、その日の選手たちとどうアジャストさせていくのか。簡単にするのか、難しくするのか。さじ加減をどうするかが、コーチの腕だと思います。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年08月26日指導者が「リフティングが100回できた者からレギュラー」と言ったから一生懸命練習してチームで一番できるようになった。試合でも、一人でドリブルして相手を交わしてゴールを決めた。チームミーティングでも「別次元」と褒めたらしいのに、出場機会がどんどん減ってる。リフティングでレギュラーの話はどうなった?わが子が出場できない理由を聞いてもいいの?というご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの子育てと取材で得た知見をもとに、アドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<指導者が息子を劣等生扱いするのがツラいのでチームを辞めさせたい問題<サッカーママからのご相談>小学校5年生男子の母親です。地区のスポーツ少年団のチームに所属しています。3年時に指導者が変わり、4年生から試合に出る時間が少なくなり、現在公式戦はもちろんのこと、練習試合での出場時間もほとんどなくなりました。指導者は、常々「実力勝負」「勝ちにこだわる」ということを口にして、練習試合であっても下級生を連れてきてスタメンで使っています。少しでも試合に出れるよう、指導者に次の2点を尋ねて良いものか、逆恨みされないか、悩んでおります。1点目は、指導者の過去の発言について。指導者がリフティングに凝った時、「リフティングが100回できた者からレギュラーだ」と言ったことがあります。息子は一生懸命練習し、チームで唯一常時100回左右でできるようになりました。最高は250回です。チームには息子ほどできる子はいません。「レギュラーの話はどうなったのか」と聞くのは嫌味に聞こえるでしょうか。2点目は、選手起用の考え方についてです。我が子のみを見ていて目が曇っているのかもしれませんが、どうも指導者に好かれていないように思えてなりません。先日の試合で、息子は5年生で唯一公式戦に出してもらえませんでした。その後のフレンドリーマッチでも、公式戦で足を痛めた子が続けて出て、息子はその子と代わる形で後半から出場しました。息子は、得意のドリブルで相手をかわして前まで持っていきゴールを決めました。素直に上手でした。その後の全体ミーティングで、指導者は「凄かった。別次元の動きだった」と皆の前で褒めました。息子は「じゃあ、最初から出せ」と思ったそうです。「別次元の動き」と褒める割には、お情け程度(フレンドリーマッチの半分)にしか試合に出さない理由を尋ねて良いものでしょうか。不毛なことでしょうか。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。試合に出られないわが子を見守るのは、親としても辛いものがありますね。私も親として同じ思いをしたので、お気持ち察します。■自分の当番日に出場できなかったから辞めさせた親もあるサッカークラブで、小学5年生からサッカーを始めたA君が入団して半年も満たずに辞めてしまいました。A君自身は続けたかったのですが、お母さんの一存で辞めさせたのです。ご自分が当番だった日にA君が公式戦に出られなかった。それが理由でした。ひとつ下の4年生の上手な子が数人出場していました。「みんな試合に出られると聞いていたのに、息子は出られなかった。言っていることとやっていることが違う。信用できません」お母さんは、周囲にそう漏らしていました。コーチらは試合後、プレー時間がなかったことをA君に謝り、次の練習試合でたくさん出られるようにするからと話していました。本人も納得して帰って行ったのですが、お母さんは納得していませんでした。コーチの方は「子どもとともに、母親にも話をするべきだった」と後悔していました。「まだサッカーを始めたばかりだから、出られなくても仕方がないと思ってくれると期待してしまった。5年生は高学年だしプライドもある。お母さんにもあったでしょう。そこを僕らが汲めなかった」これは10年ほど前。試合に全員出場させようといった機運はほぼなかった時代のお話です。サカイクで連載をされている池上正さんを始めとして「全員に出場機会を」の機運は少しずつ広がりつつありますが、10年経っても状況は劇的には変わりません。8,9割のチームが勝利するためにレギュラーメンバーをずっとプレーさせている。それが、さまざまな指導者や親たちに取材してきた私の実感です。サカイクの最新イベントやお得な情報をLINEで配信中!■わが子への「かわいそう」という感情は、くせ者。共感は良いが同化はダメとはいえ、A君のお母さんの行動は正しかったと思われますか?A君のお母さんは、息子さんが試合に出られずベンチでポツンと座っている姿を見るのが辛かったのだと思います。辛いだろう、悲しいだろうと思うと、かわいそうになりますね。しかし、親のわが子への「かわいそう」という感情は、実はくせ者です。得てして良い子育てに繋がりません。この連載で何度か申し上げているように、子どものつらさに共感するのは必要なことですが、子どもの気持ちと同化してはいけません。同化するとは、子どものつらさを、親がわがことのように受け止めてしまうこと。お母さんが「そんな子どもを見守っている私って、かわいそう」となりがちです。■コーチに質問したいのは、親御さんが自分の気持ちを鎮めたいからでは?かわいそうなままでは不安です。不安な親は、自分の不安を払拭したくて子どもに干渉したくなります。第三者がみれば過度な干渉でも、親御さん自身は「子どもに良かれと思って」世話を焼いてしまいます。「リフティングができたら試合に出すと言ったじゃないか!」「異次元の動きと褒めたのに、なぜレギュラーじゃないのか?」そのようにコーチに質問したくなるのは、息子さんに良かれと思ってでしょうか?もしかしたら、ご自分の気持ちを鎮めたいのではありませんか?実はストレスがたまった「自分に良かれと思って」考えたことかもしれません。子を想う親の気持ちは非常に複雑です。子どもに笑顔でいてほしい。努力が無駄にならずに済むようにしてあげたい。すべて親心です。■親が先回りしてしまうと、子どもは自分で思考することや課題解決の経験が積めないところが「良かれと思って」やったことはほとんどの場合、子どものためになりません。なぜならば、親が先回りすることで、子どもは何も考えず、何もやらなくて済みます。要するに、自分の課題解決をする経験を積めません。親心は時として暴走することがあります。そこに気をつけなくてはなりません。暴走しないためには、まず子育てをしている意味を考えましょう。お母さんが息子さんを育てるなかで、最も大事なのは何ですか?私は、まず子どもを死なせないことだと思います。私の子ども二人は兄妹ともサッカーをしていましたが、兄は割と鈍感なので心配しませんでしたが、生真面目で繊細な妹のほうはサッカーで気に病んでいそうなとき、命を絶ったりしないか彼女の表情を盗み見ていました。気になって寝室に見に行ったこともあります。■もう5年生、監督やコーチには自分で質問させよう次に大事なのは子どもの人としての成長を支えること。息子さんはもう5年生、高学年です。成長してほしいのならば、上述したように何事も自分で解決をする経験をさせてあげてください。「リフティングが100回できた者からレギュラーだ」と言ったコーチに対し、「僕は努力したのに。レギュラーの話はどうなったのか」と尋ねるのは、息子さんがやるべきです。少なくとも、お母さんではない。「聞いてみたら?」と話し、息子さんが「え~、聞けないよ」と拒むなら、まだその時期ではないということ。ほっとけばいいのです。選手起用についても、「別次元の動きだった」と皆の前で褒めたのなら、「じゃあ、最初から出してください」と自分で言えばいい。親としては「悔しいなら言ってみたらいいじゃん」くらいの態度で十分ではないでしょうか。なぜ試合に出られないのか。そこを自分で考えて策を講じる経験をさせてあげてください。それをせずに、親のほうが「なぜ出られないんだ?」と詰問するのは、子どもが成長する機会を奪うことになりかねません。■子どもに自信を持たせたいなら、親がいつまでも不安を抱えていないこと(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)そして最後に。お母さんがいつまでも不安に思っていては、息子さんは自分に自信を持てません。大好きなお母さんを「いつまでも不安がらせるダメな僕」であり続けるからです。子育ては、子どもへの「不安」を「信頼」に転換する旅なのです。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年08月17日子どもが試合に出られないのに、チームに協力したくない。新しいメンバーが入ってきて、前からいる子では息子だけ出れなくなった。周りのママたちは慰めてくれるけど、出られる子の親に私の気持ちなんてわからない。サッカー辞めさせると言っても子どもは嫌だと言うし、何もかもが嫌になった。というお悩みをいただきました。みなさんもこんな苦しい思いをしたとき、どうしますか?今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの知見をもとに、悩めるお母さんに寄り添いアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<強豪クラブで試合に出られなくなった息子にどう接すればいいのか問題<サッカーママからのご相談>はじめまして。以前配信された記事を見て、自分と全く同じ問題だと感じました。タイトル:試合に出られないのに自主練提案しても手応えなし...。競争心の無い息子にイラつく自己嫌悪ママの問題似たような相談になってしまうかもしれませんが、アドバイスいただけませんでしょうか。配信された記事では「試合を見なければいい」とありましたが、やっぱり気になってしまいます。子どもはサッカーが楽しいと言っていますが、試合に出られないのに何も協力したくなくて......。うちの子は10歳です。今までは人数ギリギリだったため、出られないと悩む事はなかったのですが、最近一気に3人も入ってきて、前から居たメンバーでうちだけ出られなくなりました。出してもらえないイライラもそうですが、がっかりで居たたまれない気持ちになりました。チームのママたちは慰めてくれて、「ランチいこう」と誘ってくれたり気を遣ってくれたのですが、それすら「どうせ出られる子のママに、私の気持ちなんてわからない」と、何もかもが嫌になってしまって、サッカー以外でも子どもや夫にあたる日々です。正直どうしたら良いのかわかりません。サッカーやめさせると言っても、嫌だと言って子どもは1人で練習に行くようになりました。上達しないのに、時間の無駄だと思ってしまいます。こんな自分が本当に嫌です。どうしたらよいのでしょうか。<島沢さんからの回答>ご相談ありがとうございます。匿名だからできることかもしれませんが、とても正直な気持ちがお母さんのメールから伝わってきます。きっと実直で素直な方なのだろうと勝手に予想しました。加えて、お母さんのメールにとても感心してしまいました。なぜなら、お母さんは「自分と全く同じ問題だと感じた」と、5年近くも前に配信された過去記事を読んだうえでご相談されているからです。前の記事を読んでからメールしてくださるともっと深い話ができるのになあと少々残念な気持ちになることのほうが多いので、今回はとても助かります。■自覚している分、問題の半分は解決している愛するわが子を試合に出してもらえないイライラ。がっかりしてしまう気持ち。家族に当たってしまう自分。試合に出られないからでしょうか。「サッカーをやめさせる」とまでお子さんに迫っています。しかしながら、「上達しないのに、時間の無駄だと思ってしまう」ご自分を強く嫌悪しています。そうです。お母さんはもう気づいています。「今の自分のままではダメだ」と。お母さん、大丈夫です。この問題の半分はすでに解決しています。何も不安に思うことはありません。一緒に、イライラやモヤモヤを鎮めましょう。サカイクの最新イベントやお得な情報をLINEで配信中!■期待の両隣には「悦び」と「嫌悪感」が存在するまず最初に、私の経験も伝えつつ、お母さんの気持ちを整理したいと思います。私が仲間と毎月開催している「スポハグカフェ」で、6月19日にスポーツをテーマにした講座を開きました。サッカースペイン1部リーグのビジャレアルのスタッフを務める佐伯夕利子さんがゲストのひとりでした。彼女が心理学の専門家らと指導改革をされた話をまとめた『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(小学館新書)を作った縁で、お付き合いが続いています。佐伯さんによると、「期待する」という感情の両隣りには、「悦び」と「嫌悪感」が存在するそうです。■期待通りにならないとき、期待は嫌悪感に代わる私たち親という人間は、自分の子どもが自分たちの期待通りに物事を成し遂げてくれたり、期待した通り、もしくはそれ以上の成果をあげてくれたら喜びます。漢字はさまざまありますが悦びの感情に包まれます。私もサッカー親でしたから、息子や娘が試合に出たり、活躍すれば嬉しかったです。ところが、期待した通りにならなかったり、大きく期待を裏切る結果を見せられた途端、期待した感情は「嫌悪感」に変化すると言います。子どもに対し「ダメな結果しか出せないヤツだ」と嫌悪する、というのです。これを聞いたとき、私は深く納得しました。ああ、あの時に感じた「がっかりした」とか「情けない」といった負の感情は、そういうことだったのかと。怒りとか憎しみとは違う、強いイライラ感。そして、子どもに対しイライラする自分を認識したときに必ず押し寄せる自己嫌悪。恥ずかしい気持ち。私自身「あのとき子どもを嫌悪していたのだ」と改めて気づかされました。当時はこうやって言葉にして自己分析できませんでしたが、私は悦びと嫌悪感を行ったり来たりしていたわけです。いいときは一緒に悦ぶ一方で、そうでないときは子どもにひどい態度を見せていたかもしれません。■悪い結果を呪い、イライラする自分を呪っていたしかし、私にそれはおかしいことだと気づかせてくれたのは夫でした。夫は息子をなじったり目の前で嫌な態度を見せたりしませんでしたが、私の前では息子をダメなやつだと否定しました。すると、それを聞いた私は怒り出します。「試合に出られなくて一番つらいのはあの子じゃないのか」「本人は一生懸命やっているのかもしれないのに、そんな言い方はひどい」と夫を責めました。すると、夫は「はあ?」と怒って反撃に出ます。「よく言うよ。ママなんかさっきまであいつを怒ってたじゃないか。やる気が感じられないとか、一生懸命やってないとか」そうなのです。自分も夫と同じことをしていたことに気づかない。嫌悪感という感情の渦の中でぐるぐる回っているので、冷静でいられなかったのでしょう。しかし、同様に感情的になって息子への嫌悪感を丸出しにする夫の姿を見て、気付くわけです。それは恐らく夫も同じことだったと思います。その後、さまざまな学びを得て、少しずつ自省できるようになりました。子どもたちが度々運んでくる悪い結果を呪う一方で、「そんなことでイライラしたり落ち込む自分は親失格だ」と自分を呪う。まさに異なる呪いパンチの撃ち合いです。■良い結果でなかったとき、一番つらいのは本人(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)そんな葛藤を繰り返していたある日。九州から上京した祖父母と食事に行こうとしたら、息子がゲームを途中で辞めたくないから行かないと言い出し夫と揉めました。せっかく遠方から来た祖父母に対する気持ちを夫は問いましたが、なかなか折れない息子を叩いてしまいました。その夜、夫がとても真剣な顔で「俺たちは結局子どもに試されているんだよ」と言ったのです。もともと多くを語る人ではないのでその一言だけでしたが、私は「子どもと一緒に成長しなきゃいけないんだ」ととらえました。以来、呪いパンチ合戦は減ってきました。良い結果でなかったときは「一番辛いのは本人」と受け止め、前向きでなくても「大人だって、やさぐれたりふてくされたりする。いつか自分で気づくまで待とう」と思えるようになりました。「期待のお隣りさんは、悦びと嫌悪感」この道理を知って、自分の子育てを振り返ってください。振り返りができた時点で、息子さんにやさしくなれる自分を発見するはずです。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年07月20日誰でも、ついつい気になってしまうことが、何かしらあるものですよね。今回紹介する心理テストでは、そんな「つい気にしてしまうこと」を診断できます。ぜひ、普段は気がつかない、自分の心理を確認してみてください!Q.あなたは、プロレスを見に行きました。試合前に気になるのは次のどれですか?直感で決めてください。A.横断幕やのぼりB.リングサイドの有名人C.選手のコスチュームD.選手のコンディションA.横断幕やのぼりAの横断幕やのぼりを選んだ人は、口コミをみると、ついつい気にしてしまうかも!いろいろな判断をするときに、周囲の考えを参考にする傾向がある様子。口コミサイトのようなコアな情報を発見できる場所で、リサーチをする機会が多いのではないでしょうか。人と違う着眼点や豊富な情報を持っているため、周囲からの評価も高いでしょう。B.リングサイドの有名人Bのリングサイドの有名人を選んだ人は、損得について、ついつい気にしてしまうタイプだそう。物事への興味や関心が高く、お得な情報をいち早く確保するのではないでしょうか。そのため、数ある情報の中でも、無意識に損得を見分ける力に長けているのだとか。世の中を上手く渡る術を、持っている人だそうですよ。C.選手のコスチュームCの選手のコスチュームを選んだ人は、ついつい世間体について、気にしてしまう傾向があるみたい。あなたは、プライドが高めで、美に対する価値観にも強いこだわりがあるはずです。ついつい人の目を気にしてしまい、世間体に配慮しながら行動しているかもしれません。しかし、周囲からの信頼度は高く、信頼できる常識人だと認識されているとのこと!D.選手のコンディションDの選手のコンディションを選んだ人は、友達の状況が、ついつい気になってしまう様子。あなたは、人の面倒をみたり、気を使ったりする性格なのでしょう。知らないうちに、友達の状況を意識してしまうのだとか。外見だけでなく内面の変化についても悟り、フォローができるため、人から頼れる存在だと思われているみたいです。自分が無意識に気にしていることがわかると、ちょっと生活に変化が起きそうですよね。ついつい気にしてしまうシチュエーションが起きたら、心理テストの結果を参考にしてみてください。もしかしたら、もっと、物事がいい方向に向かうかもしれませんよ!"
2022年06月13日2022年4月9日に行われた、ボクシングの試合をご存じでしょうか。世界的なスーパースターであるゲンナジー・ゴロフキン選手に、ロンドン五輪金メダリストの村田諒太選手が挑む、王座統一戦が行われました。興行規模は20億円以上といわれる、日本ボクシング界最大のビッグマッチで、ボクシングファンにとって目が離せない大注目の試合です。日々の出来事をInstagramに投稿している、ミハイロ(mihajlo0011)さんもこの試合に注目しており、歴史に残る試合を子供たちと観戦して「感動を一緒に味わいたい」と考えていました。試合当日、子供たちと一緒に観戦するのですが、子供たちは全く興味を持ちません。それどころか、ミハイロさんと一緒に遊びたがってしまいます。ミハイロさんは一緒に観ることを諦め、子供たちにこう伝えます。「もうお願いだから試合を見させてくれ…大事な試合なんや」すると、ぐうの音も出ない反論をされるのでした。息子さんの言葉に対して、コメント欄には、さまざまな声が集まっています。・かわいい顔で真理をついてきた!・非常にありがたいお言葉をいただきましたね。・子供から、道徳的指導をされちゃったお父さん!心に響く発言をした息子さんに、多くの人が感心したようですね。大きくなった息子さんが、ボクシングの面白さを理解できたら、一緒に楽しめるかもしれません。いつか、家族みんなでボクシング観戦ができたらいいですね![文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2022年05月27日Jクラブのスクールと学校のチームに所属しているけど、チームで試合に出られない。伸びる時期だから試合に出られないのはもったいないとJクラブのコーチがチームを紹介してくれた。体験は楽しかったようだし移籍も良いと思うけど、移籍すると県のトレセンに選ばれない可能性が。中学以降は通っているJクラブのジュニアユースに行きたいし、どんな選択をすればいいのか悩む......。とのご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの知見をもとにお子さんにとって一番いい環境をどうやって決めるかアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<楽しいチームがいい?厳しいチームがいい?6歳児二択問題<サッカーママからのご相談>こんにちは。10歳の息子は現在、学校のサッカーチームと、Jクラブのスクールに入って活動しています。学校のサッカーチームは人数が少なく、試合に出場できません。Jクラブのコーチに、今伸びる時期だから試合に出られないのはもったいないと言われ、他の学校サッカーで試合に出られるチームを紹介されました。体験に行ってみてとても楽しかったようです。移籍もいいかな?と思ったのですが、今加入している学校サッカーの方で小4でのトレセンに選んでもらっています。U-10の県トレセンももしかしたら可能性があります。しかしながら移籍するとそのトレセンがなくなります。来年には所属しているJクラブのジュニアユースセレクションを受ける予定です。受かれば絶対にそちらに加入したいのですが、落ちた場合どっちを選んだらいいのか悩んでます。このような場合、試合を諦め今のままのほうがよいでしょうか?<島沢さんからの回答>ご相談ありがとうございます。子どもが、進路なり、サッカーを続ける環境を選択する岐路に立たされたとき、親は一体どうふるまえばいいのか。まずは、ここを考えましょう。■悩むのは子どもであって親ではない私は、まずは子どもの意思を尊重すべきだと考えます。息子さんの年齢は10歳で、来年ジュニアユースのセレクションを受けると書かれていることから、現在は5年生でしょう。高学年ですから自分がどんな環境でサッカーをしたいのか。もしくは、どんな環境が自分のためになるのかも、親御さんと一緒に考えることができるはずです。ご相談文を読む限りは、お子さんがどういった環境を希望しているのかがわかりません。お母さんは、セレクションを落ちた場合、試合のできるクラブに移籍するか、トレセンを重視して試合ができない学校のサッカーチームの二択で悩んでいると書かれています。が、悩むのは息子さんであって、お母さんではありません。そこを忘れないでください。■小学生にふさわしいサッカー環境とはでは、お母さんは、小学生の息子さんがサッカーをするにあたって、どのような環境がふさわしいと思われますか?私の意見を言わせていただくと、以下のような条件が考えられます。1)指導者に暴力や暴言がなく、楽しくサッカーができるところ。2)指導者に威圧的な態度がなく、主体的に取り組むよう子どもに求めているところ。3)勝利至上主義ではなく、サッカーを好きになることが最優先されているところ。4)全員が試合を経験できるよう配慮されているところ。これらが保証されていて、なおかつ試合を経験できれば移籍を考えてもよいかと思います。ぜひこの4つのことを考えながら、息子さんと「じゃあ、どんなチームだと楽しくサッカーができるかな?」と一度話し合ってほしいと思います。■どんなスポーツでも試合が一番楽しいものそのうえで親として助言するとしたら、どんなことがあるでしょうか。お母さんがひとつ悩まれているのが、トレセンに選ばれることと、試合に出ることのどちらが息子さんにとって重要なのかということです。私の個人的な意見になりますが、サッカーに限らずどんなスポーツでも試合が一番楽しいものです。そして、試合をしたほうが上達するはずです。これはJクラブのコーチがおっしゃる通りだと思います。もし、息子さん本人がほかのクラブに移籍してもよいというならば、今すぐそうしてあげたほうがよいでしょう。■子ども自身が最優先したいのは何なのか、を聞いてみようじゃあ、県トレセンに入れなくなっていいのか。それについては、都道府県ごとにトレセンの内容や活動の頻度は異なるため、その価値について明確なことは言えません。それこそ、Jクラブのそのコーチの方に尋ねてはいかがでしょうか。加えて、息子さんに、トレセンの活動を最優先して考えたいかどうかを聞いてみましょう。それと、Jのジュニアユースを落ちた場合、「どっちを選んだら?」と悩まれているようですが、これは中学で学校部活のサッカー部に入るのかを悩まれているということでしょうか。Jのクラブ以外にジュニアユースクラブはないのでしょうか。■小学生年代でトレセンに選ばれることがその後のキャリアに大きく影響することはないただ、私はトレセンに入れる環境か、そうでないかは、あまり優先すべきファクターではないように思います。小学生時代にトレセンに選ばれることが、その子のサッカーキャリアに大きな影響を及ぼすようには思えません。トレセンに選ばれることを単なる勲章とはとらえず、そのトレセンのなかで何が学べるのか、どんな成長があるのかに注目してほしいと思います。そもそも、トレセンに選ぶ基準は、指導者によってまちまちです。多くの指導者は、体が強く大きい子、スピードがあり、足元のテクニックのある子を選ぶようです。多くの指導者が「トレセンの選考でピックアップされるのは、今すぐ試合で勝つために戦える選手が多い」と言います。なぜならば、トレセンでも、市区町村対抗といった試合があるからです。例えばドリブルが上手くて、スピードがあって、同学年の子どもを抜いて行ける子がいると、トレセンの地区大会で有利になると考えられています。私が尊敬するあるコーチは、Jリーグクラブで育成に携わった時期にさまざまなセレクションに立ち会ったそうです。そのコーチが「この子、いいね」と指摘しても、ほかのコーチとはことごとく意見が合わなかったと聞きます。■今の時点でトレセンにはそれほどこだわらなくていい(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)息子さんがどんな選手なのかは知るよしもありませんが、上述したことを考えると、そんなにトレセンにこだわらなくてもよいかと思います。例えば統計的にみても、小学生でトレセンに選ばれ、そのまま日本代表で活躍する選手はほとんどいません。周囲の評価に一喜一憂せず、息子さん自身の意思を尊重し、人間的な成長を手助けするのが親御さんの役目だと私は思います。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年05月25日■前回のあらすじ毎日のように、モモのもとに通い続けたアオ。モモが不倫への本音をぶつけ、アオが自分の気持ちを伝える。そんな日々が1週間続いた頃、再びモラ子からモモにメッセージが届いて…。こういうメッセージは相手にしたら負け。そうなんですけど、職場の人だったから今後の関係を考えて当たり障りなく相手しちゃったんですよね。イラッとはしたけど、クズを選んでしまった自分が悪いし、モラ子さんを傷つけるのは違うと思って。だけど相手は、お構いなしなんですよ…。モラ子はストーカー気質なので執着がすごい。故に「自分の手に入らないのなら傷つけて壊してやる!」という思考パターンでした。次回に続く「サレカノ」(全51話)は21時更新!
2022年04月21日子どもがサッカーを始めると、練習や試合の送迎で車の出番が多くなります。子どもだけでなく、チームメイトを乗せたりすることもありますが、体が出来上がってない年齢の子どもたちは車酔いをする子も少なくありません。わが子は大丈夫だったけど、乗せたお友達が吐いてしまった......。掃除も大変だけど、試合前に体調が悪くなってしまいかわいそう。という経験をした親御さんもいますよね。そこで、中古車情報メディア『カーセンサー』の西村泰宏編集長に、子どもが車酔いしにくい車の種類と酔いにくい乗り方を教えてもらいましたので、お子さんの車酔いで悩んでいる方は参考にしてみてください。(取材・文:小林博子)試合当日はチームの荷物を運んだり、チームメイトを同乗させることもありますが、子どもの車酔いに悩む保護者も多いもの(写真は少年サッカーのイメージ)<<関連記事:サッカー道具や試合の荷物運び。子どものサッカーに関わる間の車選び、ファミリーカー以外におすすめの1台はこれ■親の悩みでも多く聞かれる子どもの車酔いジュニア世代の「子どもの車酔い」に悩まされている親御さんも多いと聞きます。自分の子どもがそうでなくても、チームの子どもを複数人乗せることが多くなるので、お友達が酔ってしまった。ということも。自家用車だけでなく、合宿や遠征に向かうバス利用の際も、子どもの車酔いについての悩みが寄せられることが多いもの。車内の掃除も親の悩みの一つですが、何より試合に向かう朝に具合が悪くなってしまった子がかわいそうになりますよね。いいコンディションで試合に向かわせたいものです。西村さんにお伺いすると、車酔いする主な原因は「揺れ」だと言います。いくつかある車の揺れの種類のうち、車酔いに大きく関わってくるのが「ロール」と呼ばれるものなのだそうです。ロールは重心の高さが大きく関係しており、車高が高い車では大きくなりやすいのです。つまり「ミニバンやSUVは比較的酔いやすい」と言えるそう。また、タイヤのサスペンションが緩めで揺れをふんわりと感じる車も酔いやすいと言われているのだそうです。酔いにくい順にボディタイプで並べると下記のようになります。セダン↓ワゴン↓ミニバンミニバン以外の選択肢としておすすめ、3列シートのSUVの人気車種アウトランダーPHEV(写真提供:カーセンサー)複数子どもを乗せる前提だと購入の対象にならないかもしれませんが、酔いにくいという側面から判断すると、車高の低く低重心なスポーツカーはセダンよりさらに上位に来るそうです。■乗る席、運転の仕方で酔いやすさが変わる車種だけでなく、乗車中の行動でも酔いやすさは変わります。車酔いする体質の子どもを乗せる際は、以下のことに注意してみてください。と西村さんからアドバイスをいただきました。・視界が開けた席に座る予測不可能な揺れは脳を混乱させ、車酔いを引き起こす原因の一つです。後部座席より助手席のほうが酔いにくい理由は、視界が開けていて揺れを脳が予測しやすいからと言われています。・急発進・急ブレーキを極力行わない車に乗っている際、私たちの体には慣性の法則が働きます。その際に急ブレーキを踏まれると「前後にGがかかること」になり、頭が揺られて車酔いを引き起こしやすくなります。同じ理由で「急発進」も。酔いやすい子どもを乗せる際は、いつも以上に速度の変化に気をつけて優しい運転を心がけましょう。・香りの強い芳香剤を使わないお友達が車に酔う理由には匂いの違いもある、と西村さんは言います。同乗したお友達が車に酔う理由の一つに「匂い」もあるのだそう。乗せている方は普段と同じ匂いなのでなにも感じなくても、乗せてもらった子どもは自分の家の車と違う匂いを感じることで酔いやすくなったりします。どんなに「いい香り」と思っても強い匂いの車内用フレグランスを使うのは避けた方が良いそうです。香りは人によって快・不快が違うので、「これなら大丈夫」というものはないと思っておいた方がよいでしょう。逆に、無香料タイプの消臭剤などはおすすめです。上記の「酔いにくくなる乗り方」に加え、シートカバーで座席を覆い、酔って嘔吐などをしてしまった場合への対策もしっかり講じておくことが大切です。大事な車にみんなが気持ちよく乗れるよう、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2022年04月20日2022年4月10日、千葉県千葉市にある野球場『ZOZOマリンスタジアム』で行われた、『千葉ロッテマリーンズ』 vs 『オリックス・バファローズ』の試合。この日の試合で、『千葉ロッテマリーンズ』に所属する佐々木朗希選手が歴史的快挙を遂げました。佐々木選手は、『オリックス・バファローズ』の打者を一度も出塁させず、プロ野球史上16人目となる完全試合を達成したのです。この日の試合でも、高い技術によって、見事な投球を披露した佐々木選手。サンケイスポーツによると、13者連続奪三振を達成するだけでなく、最速は164キロをマークするなど、投手として素晴らしい活躍を見せたといいます。完全試合は、1994年に『読売ジャイアンツ』で活躍していた元プロ野球選手の槙原寛己さんが達成して以来、28年ぶり。佐々木選手は今回の快挙によって、完全試合を遂げた記念すべき16人目となりました。歴史的瞬間に立ち会った観客からは、「すごいものを見た」「これが『令和の怪物』か…!」といった声が上がっています。20歳という若さで、早くも数々の伝説を残している佐々木選手。今後も『令和の怪物』の名にふさわしい活躍を見せてくれそうです![文・構成/grape編集部]
2022年04月10日スポーツの試合では、応援しているチームへの声援に思わず力が入るものです。またその声援が、選手にとっては嬉しいはず。ところが、アメリカで行われたバスケットボールの試合で、観客が一斉に静かになる場面がありました。会場が静まり返った、次の瞬間?話題となっているのは、ミシガン州にあるジーランド・イースト高校で行われたバスケットボールの試合です。2年生のジュールス・ホーグランドさんが、シュートのチャンスを手に入れます。ゴールを前にボールを構えるジュールスさん。すると、ほかの選手も観客もみんなが一斉に静かになりました。実はジュールスさんは目が見えないのです。そんな彼女にゴールの位置を教えるため、女性がゴールを棒で叩いて音を鳴らします。会場の緊張感はマックス。そんな中で、ジュールスさんが投げたボールは…。And you thought March Madness was exciting. Zeeland Public Schools Unified Basketball took over the court this morning, and the crowd went WILD! #ZpsLearningForLife pic.twitter.com/jrnFeBy7bP — Zeeland Public Schools (@zeelandschools) March 22, 2022 見事にゴールネットを揺らしました!!先ほどまでの静けさがウソのように、会場には割れんばかりの拍手と声援が鳴り響きます。また、ジュールスさんのチームメイトだけでなく、相手チームの選手もみんな大喜びしているのが印象的です。この動画は、その場にいなかった人たちにも多くの感動を与えたようです。・素晴らしい経験と素晴らしいスポーツマンシップ。おめでとう!・静けさからの…大声援。美しい動画だ。涙が出た。・励ましとインスピレーション、そしてたくさんの愛。この世界が必要としていることだね。海外メディア『WZZM13』によると、3歳の時に視力を失ったジュールスさんはバスケットボールが大好きで、高校ではチームの一員として、一生懸命に練習に励んでいるそう。しかし、これまで一度も練習でシュートを成功させたことはなかったのだとか!この日の試合でも、ジュールスさん本人もまさかシュートが成功すると思っていなかったといいます。「それが困難であっても、あなたが好きなことなら決してあきらめないで」と人々へメッセージを送ったジュールさん。たゆまぬ努力によって、目が見えなくてもシュートを成功させた彼女の言葉は、とても説得力がありますね![文・構成/grape編集部]
2022年04月04日「月謝を払っているんだから、ちゃんと上手くしてほしい」という保護者への対応、どうしたらいい?とのご相談。すぐ習得できる子もいれば、時間がかかる子もいて、一概にこれを教えればいつまでに上手くなるというものでもないのに、かけているお金と成果(上達)が比例しないといって、すぐに上達することを求めてくる保護者達。じつは、指導者の悩みの中でも多く聞かれる内容です。みなさんならどうしますか?今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、悩めるコーチにアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<「またあの練習?」サッカーには欠かせない反復練習に飽き飽きの子どもたちを楽しませる練習メニューを教えて<お父さんコーチからのご質問>サッカースクールコーチです。はじめまして。私が指導しているのは、チームを持たず試合などは行わないサッカースクールです。当然レベルもバラバラで、「運動体験をさせたくて」と親が連れてきた子や、近隣のチームに所属しつつサッカーの技術を高めたい子、チーム練習がない日の放課後を過ごす場所として通っている子もいます。教えているU-10年代(小3)は全員で12名です。悩みは保護者からの要求です。「月謝を払っているんだから、ちゃんと上手くしてほしい」という声を度々いただくのですが、親御さんの気持ちも分かりますが、子どもによっては練習メニューをすぐ習得できる子もいれば、時間がかかる子もいて、一概にこれを教えればいつまでに上手くなるというものでもないですよね。本人のやる気が大事なので見守ってほしいと思うのですが、かけているお金と成果(上達)をコストパフォーマンスのように捉えている方も少なくありません。池上さんならどのように保護者に理解してもらいま<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。親御さんから「もっと上手くしてほしい」と言われる。指導者の間でよく聞かれる話です。サカイクの読者の皆さんはもうご存知かと思いますが、少し以前からサッカーコーチの皆さんは子どもの自主性、主体性を伸ばす指導を目指しています。■親世代が受けた指導と180度違うので「教えてくれない」と解釈してしまうところが、親御さん世代が受けた教育やスポーツ指導とは180度違う性質のものなので、彼らからすると、「コーチは子どもに何も言ってくれない」「ほったらかしで教えてくれない」と解釈してしまうようです。ここは、指導者自らが親御さんたちに向けて「こんな理由で、こんな方針をたて、このような指導をしている」ときちんと説明しましょう。■トレーニングがアジャストしていない可能性ももうひとつのチェック項目は、トレーニングの質です。トレーニングそのものがアジャストしていなくて子どもたちが上達しない、という側面があることも忘れてはいけません。コーチとして、自らの指導を省みることはなかなか難しいことですが、サッカー経験のない親たちが「上手くなっていない」と言うのであれば、余程のことかもしれません。例えば、私のトレーニングは毎回メニューが変わります。そのうえ、同じメニューを長々とやりません。これができたから次に移る、という考え方ではないのです。同じことを長くやってしまうと、子どもは飽きます。短い時間で目先を変えてどんどんやるほうが、子どもたちは楽しくやれます。■ミニゲームでは練習のテーマを思い出させる声掛けをご存知のように、練習は「マッチ‐トレーニング‐マッチ(М・T・М)」といって、最初にミニゲームをして、そこで足らないものを練習し、最後にまたミニゲームをしてその日練習したことにトライしてもらいます。ミニゲームの質が、最初と最後で変わっていることが目に見えてわかる。それが理想です。例えば、最初のゲームでワンツーをもっと使おうという目標を定めます。それに付随した練習を行った後、最後にミニゲームでワンツーをどんどんやってもらいます。そうすると、ミニゲームでの勝敗などに懸命になってしまい、どんなテーマでその日練習したのかを子どもたちは忘れがちです。そういうときこそコーチの出番です。「今日は何を練習したかな?」「今のところ、サイドでワンツーができたよね」そんなふうに声掛けをします。できているチームや選手をほめたり、できないときに「どうしたらできるかな?」と尋ね、自分で考えてもらいます。このあたりは決して親受けを狙うわけではありません。必要な指導を、必要な場面で行う。これが重要です。このようにいつも質問を投げかけながらトレーニングをする方法は、フィードバックと言われています。この手法は今世界で注目されています。その時その時の状況を認知させることで、自己解決策を見つけさせていく方法です。そういったことがスムーズに行えるようにするには、まずは自分の指導に問題ないのかを考えてみることが肝要です。■能力や動機付けがバラバラの子が一緒にやる重要性を保護者に説明しよう「運動体験をさせたくて」と親が連れてきた子。近隣のチームに所属しつつサッカーの技術を高めたい子。チーム練習がない日の放課後を過ごす場所にしている子。サッカースクールなので、いろいろなレベルがあるのは当然のことです。書いていらっしゃる通りです。だからこそ、練習も当然いろんなことをやらなくてはいけません。そのことを理解したうえで、以下の三つのことに目を向けてみましょう。ひとつめ。能力や動機付けがバラバラの子が一緒にやる重要性を、親御さんたちに説明しましょう。能力がバラバラだけど仕方なく一緒にやってます、という感覚ではなく、バラバラのほうが子どもたちはひとり一人が上手になるということをまずは相談者自身が理解してください。そのうえで、そのことを保護者に伝えます。その際はきちんと理論武装し、どうすれば保護者を納得させられるかをよく考えて臨みましょう。それでも親たちが「お金を払ってるんだからもっと上手くして」と言ってくるのであれば、子どもたちをレベル分けして練習させるのか、もう一度練習の方針を説明するのか考えてみましょう。池上正さんの指導を動画で見る>>■いつも全体で動かす必要はない。習熟度に合わせた練習もできる(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)ふたつめ。ご相談者様が受け持っている12名という人数は、とてもいい規模感です。全体で練習を動かしながらも、子どもたちの「個別性」を追求できる人数と言えます。例えば、みんなでキック練習をしていれば、うまく蹴られない子には手厚く指導してあげられます。12名のなかには必ずできている子、もしくは早くマスターしてしまう子がいますから、その子のプレーを可視化し真似することでほかの子も上達します。メニューによっては「君はこういうことやってみよう」「君たちはあっちでこれをやってみよう」と習熟度別にやることもできます。ひとりのコーチでも、12名全員に声をかけることができます。いつも全体で動かす必要はありません。そんな練習のやり方もあるのです。■ただ漠然と練習しているわけではないことを説明しようみっつめ。練習後の話をぜひ親御さんにも聞いてもらいましょう。どんなテーマでどう取り組んでいたのか。ただ漫然と練習をしているわけでないことを理解してもらいましょう。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年03月25日1つのボールをもとに、選手たちの激しい攻防戦が繰り広げられるバスケットボール。選手たちはバスケットゴールへのシュートを目指し、1分1秒も惜しみません。そんなバスケットボールの試合中に起きた、ボールの救出劇を紹介します。ボールがネット裏に挟まってしまい…救出劇があったのは、アメリカで行われた試合中でのこと。選手がバスケットゴールをめがけて投げたボールは、ネットに入らず、ボードの背後に挟まってしまいました。イスの上に立ち、スタッフが掃除道具でボールを突こうとしても、届きません。すると、やって来たのが…。"THE CHEERLEADER SAVES THE DAY!" When hope was lost, a hero emerged. pic.twitter.com/8fjEydjr2j — CBS Sports (@CBSSports) March 18, 2022 チーム内のチアリーダーが、選手たちに支えられてボールを取ることができたのです!日頃からチアリーダーは、持ち上げられることに慣れているのでしょう。一度もバランスを崩すことなく、バスケットボールを取り出せていますね。チアリーダーの手により、バスケットボールを取り出すことができ、会場は拍手喝采が沸き起こりました。窮地から抜け出すこととなった、チアリーダーの行動に、「これはMVPに決まり!」「素晴らしい」「ヒーローインタビューに出てほしい」と、称賛の声が上がりました。バスケットボールの試合中に起きたピンチを救ったチアリーダーに、「ありがとう!」といいたくなりますね![文・構成/grape編集部]
2022年03月18日タレントのLiLiCo、夫で純烈の小田井涼平らが11日、都内で行われたDDTプロレス「LiLiCo引退試合対戦カード発表記者会見」に出席した。3月20日に東京・両国国技館で開催される「Judgement2022~DDT旗揚げ25周年記念大会~」において、LiLiCoのプロレス引退試合が決定した。LiLiCoのタッグパートナーとして、CyberFight副社長兼選手の彰人に加え、LiLiCoの夫で純烈の小田井涼平が参戦。小田井はプロレスデビュー戦となる。また、ほかの純烈のメンバー、酒井一圭、白川裕二郎、後上翔太も、セコンドとして参戦する。LiLiCoは「2020年の8月に大ケガをしまして、膝の皿が真っ二つに割れて、これは完治しません。ずっとこれと付き合わないといけない。すごく苦しいリハビリも今やっている」とケガに言及。そのときに一度立ち止まって自分が一番輝いている瞬間を考えると、「プロレスをやっているときが輝いていたし、幸せだったし、気持ちも強かったし、整っていた」とすぐ答えが出たそうで、「本当はプロレスを続けたかったんですけど、完治しないということなので、とはいえ、どうしてももう1回だけ戦いたいとお願いしました」と引退試合への思いを語った。続けて、「最後に戦うのであればぜひ、私をずっと守ってくれて、ずっと支えてくれている主人の小田井に一緒にいてほしい。強いとか言われるんですけど、守られているなというのは会ったその日から感じているので」と小田井を指名した理由を説明。「ダンスはしているけどそんなに運動は。なかなか難しいと思いますが、そばにいてもらうことが大事なことだと思ってお願いしました」と語り、「彰人はタイプだからお願いしました」と加えた。小田井は「現時点で僕は全く整っていません。プロレス未経験ですし、戦いの場としてリングに上がったことはありませんので、ここから整えていきたいなと思っている」と述べ、「僕は正直、やめてほしいなと言うのが本音。膝のケガと付き合っていきながら生活していくので、その状態で試合をすることが彼女にとっていいのかどうなのか、夫として考えるところではあった」と本音も吐露した。それでも、「ケガをして病院に運ばれて、麻酔で意識がもうろうとしているときに、先生との筆談で『プロレスはできますか?』と書いた。無意識の中でもプロレスのことを気にしているんだなと思いました」とLiLiCoのプロレスへの思いを理解し、「彼女の左膝の代わりとなって戦いたいなと思っています」と話すと、LiLiCoは「ありがとう」と感謝。小田井は「守ります!」と力強く宣言する場面もあった。なお、LiLiCo&小田井涼平&彰人 with 純烈(酒井一圭、白川裕二郎、後上翔太)の対戦相手は、男色“ダンディ”ディーノ&飯野“セクシー”雄貴&今成“ファンタスティック”夢人に決定した。
2022年02月11日タレントのLiLiCo、ムード歌謡コーラスグループ・純烈が11日、都内で行われたDDTプロレス「LiLiCo引退試合対戦カード発表記者会見」に出席した。3月20日に東京・両国国技館で開催される「Judgement2022~DDT旗揚げ25周年記念大会~」において、LiLiCoのプロレス引退試合が決定した。LiLiCoのパートナーとして、CyberFight副社長兼選手の彰人に加え、LiLiCoの夫で純烈の小田井涼平が参戦。小田井はプロレスデビュー戦となる。また、ほかの純烈のメンバー、酒井一圭、白川裕二郎、後上翔太も、セコンドとして参戦する。なお、LiLiCo&小田井涼平&彰人 with 純烈(酒井一圭、白川裕二郎、後上翔太)の対戦相手は、男色“ダンディ”ディーノ&飯野“セクシー”雄貴&今成“ファンタスティック”夢人に決定した。
2022年02月11日ライバーサポート事務所boomは、4月15日の京セラドームで開催されるオリックス・バファローズのLINE LIVE協賛試合でのファーストピッチ(※)や球場ビジョンに出演できるイベントを開催します。入賞したライバーは、試合開始前に行われるファーストピッチの投球権利や、選手や監督への花束贈呈、球場ビジョンに放映されるLINE LIVEのCMなどに出演ができます。※ファーストピッチは、試合開始前に行う始球式のセレモニーとなりますプロ野球公式戦始球式オーディション!~オリックス・バファローズ~イベントサイトURL: 【イベント概要】日本中から注目を集めるビッグチャンス到来2021年、25年ぶりにリーグ優勝したオリックス・バファローズオリックス・バファローズ公式戦にてLINE LIVEの協賛試合が2022年4月15日(金)に京セラドーム大阪にて行われる事となりました!決勝で応援アイテムランキング1位の方は、協賛試合の始球式で投球ができます!さらに!始球式者はオリックス・バファローズ公式HP&SNSで名前が事前告知されたり、選手への記念品贈呈や憧れの選手たちと記念撮影の可能性も!球場ビジョンでのCM放映やコンコースモニターでの広告掲載等、豪華特典満載。2位~3位の方にも特典をご用意しております!▼「オリックス・バファローズ」公式HP ▼公式Twitter ▼公式Instagram ■イベント名プロ野球公式戦始球式オーディション!~オリックス・バファローズ~■受賞者特典応援アイテムランキング 1位・協賛試合の始球式で投球ができます!・投球時は名前がアナウンスされます・オリックス・バファローズ公式HP&SNSで名前を事前告知!・試合前にチーム代表選手への記念品贈呈(花束)・チーム勝利時に限り、ヒーローに選ばれた選手と試合終了後に記念撮影!(負けた場合はマスコットとの撮影になります)・※コロナの影響で実施できない場合がございます。・球場ビジョン(大型ビジョン+サイドビジョン)にてCM放映!・試合前30秒、試合中30秒の枠でCM動画を放映(計4回)・コンコースモニターにて広告掲載!・試合前・試合中に3・5Fのコンコースにあるモニターで広告(静止画)を掲載・特別観覧室(ビスタルーム)に4名まで呼べちゃう!応援アイテムランキング 2位・試合前にチーム代表選手への記念品贈呈(花束)・球場ビジョン(大型ビジョン+サイドビジョン)にてCM放映!・試合前30秒、試合中30秒の枠でCM動画を放映(計4回)・コンコースモニターにて広告掲載!・試合前・試合中に3・5Fのコンコースにあるモニターで広告(静止画)を掲載・特別観覧室(ビスタルーム)に3名まで呼べちゃう!応援アイテムランキング 3位・球場ビジョン(大型ビジョン+サイドビジョン)にてCM放映!・試合前30秒、試合中30秒の枠でCM動画を放映(計4回)・コンコースモニターにて広告掲載!・試合前・試合中に3・5Fのコンコースにあるモニターで広告(静止画)を掲載・特別観覧室(ビスタルーム)に3名まで呼べちゃう!■イベント開催期間開催日程予選:1/22~1/24決勝:1/25~1/31・その他詳細は、イベントサイトにてご覧ください。 ■boomとはboomとは株式会社For A-careerが運営するライバーサポート事務所です。毎月20以上のモデルオーディションを開催しライバーの夢の実現をサポート。オーディションを通じて熱量高く応援してくれるファンに出会える機会を提供しています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年01月25日練習では鳥かごや相手に合わせてパスができるのに、試合になるとドリブルしかしない独りよがりなプレーになってしまう子がいる。しつもん形式で問いかけてみても、拗ねてしまい何も話さなくなる。勝気な性格な子にどう声かけをすればいい?とお悩みのお父さんコーチ。今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、子どもたちとの向きあい方、お勧めの声掛けなどをアドバイスします。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<個々は上手いのに組織的なプレーができず勝てない。試合に勝つためには圧をかけて教え込むことも必要?<お父さんコーチからのご質問>こんにちは。私はU-9でお父さんコーチをさせてもらっています。相談したいのは、チームのキャプテンでボールも一番強く蹴れる、足も速く少し性格もきつめな子の事です。練習の時には鳥かごやパス練習でも相手に合わせてパスができるのですが いざ試合や試合形式になるとドリブルしか出来なくなり、転がってきたボールもただ前にどかんと蹴ってしまう様になります。本人に「今、周りの味方が見えたかな?適当に蹴っていないかな?」と質問する形で聞いても、すねてしまうのか、頭が真っ白になるのか、何も話さなくなりプレーを続けさせても足が止まってしまいます。普段が勝ち気な性格な為、どう声かけをしてあげたり、どう接してあげたら良いか悩んでいます。色々な性格の子への対応のアドバイス頂ければ幸いです。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。ご相談にあるような「拗ねてしまう子ども」は、大雑把に分けると上手な子どもの中に多いかもしれません。ある程度のことはすぐにマスターしてしまうため、その「ある程度」を超えた自分ができないことに直面すると、そこからが逃げてしまうようです。「やめた」「やりたくない」「面白くない」と言って、へそを曲げてしまいます。■できないことに直面してへそを曲げたときの対応法そうなった場合、指導者が粘り強く話しかける必要があります。例えば、できないことにイライラして何も話さなくなり、足が止まることがあります。そこで「どうしてやめちゃうの?勝ったり負けたりするのがスポーツだよ。次に勝てばいいんじゃない?」と言って、サッカーとの向き合い方を示してはどうでしょうか。例えば、スポーツだからこそ、どんな人とも試合ができる。負けたからと言って何か罰があるわけじゃない。だからチャレンジ精神が育つわけで、いくら失敗してもいい。どうしたらうまくできるのか?どうしたら成功するか?といったアプローチをしてください。そんなことを学ぶのがスポーツです。■どんな話になら食いつくのかを探っていく教えている対象が9歳なので、ギャングエイジの年齢です。グループで集まっていろいろなことをやりたくなって、エネルギッシュに動きたい時期でもありますが、自分の思い通りにならないとぷいっとやめてしまう。そんな子どもが増えているようにも感じます。そんな実情があるからこそ、大人がじっくりと向き合ってあげなくてはいけません。チームはどうしたらいいのか。サッカーはどんなスポーツなのか。さまざまな話をする中で、どんな話に食いつくかを見ながら話してあげると、何か糸口が見つかるかもしれません。どうしたらいいかわからなくてコーチまで黙ってしまわないように、その子のことがわからないからこそ、その子の考えていることを聞き出す必要があります。■嫌そうにしたら、少し方法を変えて個人的に話すなどのアプローチも私が指導している中学生の中にも、そういう子たちがいます。思春期なのもあいまってか、こちらが何か言うと嫌な顔をします。どうして今のプレーしたの?と聞くだけで、嫌そうな顔です。きっと、子どもたちは私に怒られていると思っているのでしょう。どうして蹴っちゃったの?と聞くと「だってどこにもパスを出せなかったから」と他罰的になってしまいます。私が粘ると「もう無理!」と言います。こういうときにそのまま指導を続けてしまうと、子どもは興奮したままなので事態はよくなりません。したがって、ちょっとだけ違うトレーニングに変えます。一度水分補給をするなどして、その時間で個人的に話したりします。さっきのプレーはどうだった?と問いかけてみます。それでもまだ少しばかり嫌な顔ですが、直後にあった一時の興奮は冷めています。そうやって、少しずつ同じようなことを繰り返します。いいプレーをしたときは「お、いいね。いつもそんなふうにまわりを見られるといいよね」と認めます。そこが大事です。スモールステップで認めていくと、子どもたちも達成感を持てます。やったぞと思えて自尊感情が高まれば、自分が聞きたくないアドバイスや、答えたくない問いかけも素直に聞けるようになります。■普段とは違う2割のプレーをほめてあげるこの話の対象は中学生で、相談の方が教える年代とは異なりますが、対応は同じでいいのです。鳥かごでうまくパス回しができない。試合形式になるとドリブルしかできない。そんな彼がズバッと一本のパスを通したときに「いいぞ」と言ってあげるのです。試合の8割ドリブルしたとしていても、それとは違う2割のプレーをほめてあげることが大事です。まだそれだけしかできないの?などと言ってはいけません。小さな上達を認めながら、コーチは毎回見てくれている、といった感覚や安心感をもってもらいます。たとえパスが通らなくても「誰にパスしたの?」と聞いてあげます。子どもは「あいつにパスした」と答えれば、「じゃあ、次はパスするときその子の名前を呼んで読んであげたら?」といったアドバイスができます。池上正さんの指導を動画で見る>>■コーチングの師匠を見つけるのも一つの方法(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)コーチとして学びを深めたいと思ったら、ご自分のお手本にしたいと思えるようなコーチングの師匠を見つけてはどうでしょうか。まずはその人の模倣をし、少しずつ自分のスタイルを作り上げればいいのです。私は40歳になったくらいのとき、ある場所で指導していたら、ジェフやサンガで一緒に仕事をした祖母井秀隆さんをご存知な人が私に話しかけてくださいました。「立ち振る舞いや言葉使いが、祖母井さんとそっくりですね」それを聞いたとき、私は非常にうれしかったです。私自身、ドイツで指導を学ばれた祖母井さんを師と仰ぎ、彼から多くを学んできました。そんなふうに、コーチングの礎になるような人につくことも考えてはいかがでしょうか。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年01月21日一人ひとりの実力は相手チームと負けてないのに、パスやポジショニングなど組織的なプレーが上手くできず、試合に勝てない子どもたち。楽しく、真剣にやることが大事だと思って指導してきたけど、考えさせて導くコーチングだけでなく、勝たせるためにちょっと圧をかけて教え込むことも必要?と悩むお父さんコーチ。今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、指導において大事なこと、組織的なプレーができるようになるアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<ドリブルで相手の逆を作る動きが苦手な子どもたち。相手の動きを予想できるようにするお勧めの練習は?<お父さんコーチからのご質問>息子がいるU-9でサポートしてるパパさんコーチ5か月の者です。自分も小中と地域の社会人リーグでサッカーをしていました。自分なりに色々見て調べてサッカーのスキルをあげてきたつもりです。指導者としては初めてだらけのことなので、池上さんを参考にさせて子ども達に色々声を掛けてあげています。しかし試合になり強いチームと戦うと、個々の実力は負けてはないと思うのですがパスやポジショニングや組織的な部分で負けてしまい子ども達のモチベーションが下がってしまいます。僕は「サッカーは楽しくやるスポーツだよ!まずは練習から楽しく真剣にやろう」と言っています。試合に勝つ事は、やる気やモチベーションに繋がると思いますが、多少の圧力をかけてまでもコーチングだけではなく、ティーチングを行うべきなのでしょうか?<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。主たる悩みがはっきりとわからないのですが、最後に「多少の圧力をかけてまでもコーチングだけではなく、ティーチングを行うべきか」と書かれているので、教え込むというか、子どもに何かを「やらせる」イメージをお持ちなのかもそれません。■時としてティーチングは必要サッカーの指導において、時としてティーチングは必要です。小学生の間に知っておいたほうがいいことが9歳でもあります。特にこの年代からは、サッカーはこんなスポーツなんだという理解を深めなくてはなりません。上手な子どもがひとりでドリブルで抜いて行ってゴールするのではなく、みんなで協力し合ってゴールまでつないでいく。守るときも、誰かが抜かれたら責めるのではなく、仲間の失敗をカバーする。それがサッカーだということを伝えることもコーチの役目です。具体的には「味方をサポートするとしたら、どこの場所がいいかな?」とか「どこに動いたらボールがもらえるかな?」といった声掛けです。そういったことは、この連載のほかの回でもずっと伝えています。味方のサポートをしないと、サッカーにならないよということを教えてください。負けていると思われる「組織的な部分」こそ、まさしくサッカーの根本です。まずは、サッカーってこういうものだよと理解させるところからスタートしてください。■全員が賢いプレーをする川崎フロンターレジュニアの試合を参考にしてでは、仲間と協力してゴールするとはどういうことなのか。例えば、今年度の全日本少年サッカー大会は、JFATV(日本サッカー協会のYouTubeチャンネル)でほとんどの試合を観ることができます。そのなかで私がお勧めしたいのは川崎フロンターレのジュニアチームの試合です。彼らは体格が大きいわけではないし、スーパーな選手もいません。ただ、全員が賢いプレーをします。確か中盤の選手たちは5年生だったと思います。ご相談者様が指導なさっている子たちと2歳違いくらいです。2年後にあのような動きを目指すとしたら、今からポジショニングやサポートを認知するトレーニングをしてほしいと思います。やっていけば必ず変化が起きるでしょう。川崎フロンターレの試合も!JFA 第45回全日本U-12サッカー選手権大会のフルマッチなど動画はこちら>>※JFAのサイトに飛びます■選手権でも「良い判断」ができなくてフィジカル勝負になるチームが多い今よりずっとコロナが落ち着いていたころ、私が主宰している交流サイトのオフ会を行いました。その際に全国高校選手権を観ておられますか?とコーチの方々に尋ねたら「観ていない」「面白くなかった」という声が多かったです。選手たちがいい判断ができないので、体がぶつかるフィジカル勝負が多かったようです。素早い判断でプレーすれば、相手とコンタクトしなくてもかわせるはずです。コーチの方からも「そこが残念だった」という声が聞かれました。高校生でこうなってしまうのは、小学生からの育成で仲間とプレーする重要性、サポートの意味を教えられていないことも一因でしょう。■オシムさんが語った、組織的なプレーをするために大事なこと前述したように、全少で組織的なプレーをするチームはフロンターレくらいでした。それ以外は、ボールが来たら蹴ってしまったり、スーパーな子どもに頼ってしまうチームが目につきました。オフ会では「日本では、リスペクトとコレクティブが別々に理解されているけれど、これはつながっているんですよ」と話しました。皆さんもご存知のように、リスペクトは「尊重する」、コレクティブは「組織的」という意味です。私がジェフ時代にたくさん勉強させていただいたオシムさんは、こう話していました。「味方が動いているから使ってあげる。動いた味方を尊重するからパスを出す。そうすると、サッカーは組織的なものになる。リスペクトとコレクティブはつながっている。同じものなんだ。選手も、コーチも、そういう感覚を持たないといけない」■大人が何も言わなくても、子どもたちは当然勝ちたいものいかがでしょうか。日本のサッカー指導者たちが、そういう理解をしてくれると、サッカーの見方や育成は変わってくると思います。そして、このようなことが海外でいう「スポーツ教育」なのです。ところが、日本のスポーツ教育は「頑張る・耐える・やり抜く」といった精神論がいまだ主役です。コーチが伝えていくべきことは何か。それをもっと勉強していただく必要があります。最後に私のチームのことを伝えます。先日、今年初めて試合をしました。ほかのチームは人数も多く、そこから選ばれた子が出てきます。練習も試合もたくさんやっています。一方、私のチームは練習を週2回。試合は月に1回か2回です。それでも、4年生、5年生が、ハーフラインからシザースパスを5本通してゴール前まで持ち込みます。私は組織的なサッカーを教えています。もちろん勝敗などまったくこだわっていません。教えている子たちがどんなレベルで、いまどこまで到達しているか。次にどの様な課題を出すべきか。そういったことを観ながら練習を進めます。課題を見つけるために試合をします。結果にもこだわるべきだという指導者は多いですが、大人が黙っていても子どもは当然勝ちたいに決まっています。じゃあ、そのために練習で何をしたらいいかな?と、一緒に考えてあげるのがコーチの役目です。池上正さんの指導を動画で見る>>■たくさん失点をしても子どもたちが「楽しい」と言う理由(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)私のチームの選手は試合が終わると、一人ひとり保護者の前で感想をしゃべります。その日は1分け3敗。いっぱい失点しましたが、子どもたちは「楽しかった」「こんなことができた」「パスがうまくいった」などと非常にうれしそうでした。私は同時に保護者にこんな話をします。「どうでしたか?お父さんやお母さんが見ていると、(たくさん失点したので)そうは感じませんよね?もっと頑張ったらと思いますね?でも、子どもたちは楽しいんですよ」親御さんたちは、もっと頑張ってほしいのにという顔をされています。でも、回を重ねると、出来なかったことよりも、子どもが出来たことに注目し始めます。圧力をかけるとか、やらせなくてはと考えず、「大事なことを子どもに伝える」という姿勢を持ってください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年01月14日お付き合いが安定してくると、同棲を考えるというカップルも少なくないでしょう。ただ同棲を前に「上手くやっていけるだろうか……」と漠然とした不安を抱えることもありますよね。そこで今回は、長続きのための「仲良しルール」を4つご紹介します。同棲する前に、彼と話し合ってみてくださいね!■ 期限を設ける同棲を始めると、緊張感のない関係になりがち。しかも法的な責任を持たずとも好きな人と過ごせるという環境に甘え、ズルズルと時間がだけが経ってしまうことも……。そこで同棲する前に、期限を設けてみることをオススメします。たとえば「1年一緒に住んでみようか」と決めて、1年後に同棲を解消するか同棲を続けるか、もしくは結婚するか話し合うということまで決めておきましょう。そういった時間のリミットがあることで、より毎日を大事に過ごすことができるでしょう。■ お金の管理ルールを決めておく同棲するにあたり、現実的な問題も避けては通れません。お金に関することは、代表的な問題の一つ。やはり同棲となると、家賃や光熱費の支払い、生活費の使い方などでケンカになりがち。そこで気持ちがすれ違う前に、事前にルールを決めておくのが大事です。たとえば2人の共通口座を作り、所得によって毎月定額で入れるなんてのは一つの手。余ったお金は来月に繰り越してもいいですし、2人のデート代にしてもいいでしょう。■ 「1人の時間」を尊重する同棲すると自分のプライベートな時間がなくなり、ストレスが溜まって日々を楽しめないことがあります。そんな展開を避けるためには、「1人の時間」の過ごし方について、事前にすり合わせておくのが大事。たとえば趣味には干渉しないとか、お互いの部屋を持てる物件を選ぶとか。1人の時間が充実すれば、おのずと2人の時間も大切にできるかもしれません。■ 身なりに気を遣う2人の生活に慣れてくると、どうしても身なりへの気遣いが減ってきます。たとえば薄着で部屋のなかをうろついたり、屋外デートでも化粧っけがなくなったり。毎日バッチリメイクをする必要もありませんが、多少身ぎれいにしておいたほうが◎。とくに記念日など特別な日は、一層力を入れてみてください。そうすれば、彼に何度でも惚れ直してもらえるでしょう。■ 一日一日を大切にできるように同棲を考えるほどの2人ですから、すでにある程度の関係性が築けているでしょう。ただ「私たちの関係は、なにがあっても揺らがない」と信じるのは、ちょっぴり危険。小さなすれ違いが、2人の関係にヒビを入れることだってあります。ですから今回ご紹介したポイントについて、事前にじっくり彼と話し合えるといいですね。(草薙つむぐ/ライター)(恋愛メディア・愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2021年12月31日困ったり疲れている人に「ごはん」を届ける「秘密結社」の活躍を漫画にして配信中。 心とお腹が満たされる美味しいごはん…作って食べてみてくださいね! 第4話 がんばれ少年!▶︎実は包むより簡単なオープンオムライス 「とろとろオムライス」レシピはこちら>> みんな大好き「オムライス」は包まなくても美味しい!ままならぬ世の中いろいろうまくいかないこともあるけど「美味しいごはん」を食べれば元気がちょっと戻ってくる。…そんな想いと共に猫が「美味しいごはん」をお届けします! 次回更新は2022年1月予定…お楽しみに♪▶︎ 「ごはん食べる?」一覧はこちら>> 脚本/イラスト・ akaushi
2021年12月27日親の前でも暴言、暴力をふるう監督。役員をしているから自分の子を出してという親の子や、監督に贈り物を送る親たちの子を試合に出すえこひいきも酷い。もちろんそれを良く思っていない親もいるけど、通える範囲に移籍できるチームがなくて、みんな黙っている。わが子は小6だから最後まで所属するつもりだけど、何か親としてできることはない?というご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、スポーツ現場における暴力暴言指導の取材経験も豊富な島沢優子さんが、お母さんの相談にお答えします。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<他の親にわが子を注意されてイラっとする。監督に相談すべきか問題<サッカーママからのご相談>こんにちは。息子はもう最終学年でスポ少活動も残り少ないので、このままチームに居続けると思いますが、どうにかこの監督の事を相談したくてご連絡しました。3年生からスポ少に入っていて、スポ少以外にサッカースクール2つに入って練習していますが、他で教わっているのが気に入らないのと親がサッカー経験者なのが気に入らないのか、監督に試合に出してもらえず、親の前でも酷い暴言、軽い体罰などが見られます。特に監督に直接個人的に贈り物などをしている家庭や、親がスポ少役員をしているから試合に出してくれと相談している保護者がいて、その子たちが優遇されています。えこひいきがひどいです。歴代の卒団者の子ども達、保護者に聞いたところ、昔からこうみたいです。当然良しとしない方もいますが、移籍先がないので我慢していたようです。辞めさせたくても、他に移籍できるスポ少はなく、今からクラブチームにも行けず、子どもたちが可哀想です。他の学年の子たちはこの環境が続くわけで、環境改善のために何かできることはあるでしょうか。息子もそうですが、暴言や叩かれるなどの体罰で委縮しているようでサッカーを本心から楽しめていないようです。そんな子どもたちへのフォローの言葉などもあれば知りたいです。<島沢さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。ジュニア期は、子どもにサッカーの楽しさを伝え、主体性を重んじて自分で考え行動できるよう育ててほしい。そんな願いをもって、少年サッカーの育成環境が進化するよう働きかけてきました。暴力や暴言、パワーハラスメント的な指導は少しずつ薄らいできましたが、まだまだ残存するのが現状です。今回のご相談は、そのことを思い知らされる内容で、思わずため息が出てしまいます。これまで保護者の皆さんからの相談をたくさん受けてきましたが、およそ7割は不適切な指導をするコーチへの対応でした。そのなかでも、今回ここに書かれている指導者のふるまいが事実だとしたら、看過できるものではありません。お母さんにとって厳しい言い方になるかもしれませんが、ご理解いただけるとうれしいです。■少年サッカーの現場で起きている暴力の例まず、体罰があるのは大きな問題です。ご相談文に「親の前でも酷い暴言、軽い体罰」とあります。「軽い体罰」とはどんなものでしょうか?スポーツや教育界が2013年に暴力根絶宣言を行って以来、少年サッカーの現場で私が見聞きした暴力は以下のようなものです。1)頭を平手でバシっとたたく。2)頭をげんこつでゴツンと殴る。3)頬をバシッとビンタする。4)お尻をボコッと蹴る。5)拳で胸をガツンと強く衝く。6)ボールを至近距離から頭や体にドスンとぶつける。7)ペットボトルをさかさまにして、キャップのへりの部分で頭をゴツンと小突く――。これらは皆、親御さんによっては「軽い体罰」と表現されていました。例えば、7番目に挙げたペットボトルでの殴打。暴力指導を知った私はすぐに保護者を取材しました。が、その親御さんは「大した暴力ではない。いいコーチなんです」と庇っていました。その保護者と話した時、「頭を平手でたたくこともあると、他クラブのコーチから聞きましたよ」と話したら、その方は最初「(手を)パーでペシッとやるくらいですよ。大したことありませんよ」とおっしゃいました。■叩くコーチを容認していた保護者が数か月後に......さまざま話すなかで、私が「感情的になったり、ひどく怒ったときはどうですか?」と聞いたら「まあ、そりゃ少し力が入りますよね。(頭を平手で)バシッとやる(たたく)こともあります」と言ったのです。「バシッとやるんですよね。暴力ですよ。ペシッとたたいていれば、感情が高ぶるとバシッになるし、さらに進めば拳で殴って、よけた子どもを失明させたりしますよ」(私はこの件を経験して以来「バシっとたたく」というように、「バシッと」「ゴツンと」といった擬音をなるべく入れるようにしています)保護者の方は一瞬黙って「は?そんなん、仮定の話でしょ?」と焦ったようにおっしゃいました。ところが、その方は数か月後、ご自分から私に電話をかけてきました。コーチの暴力によって、お子さんは鼓膜が破裂したそうです。鼓膜破裂は自然治癒しましたが、その子はその間中耳炎になり長くサッカーも運動もできなくなった。結局チームを辞めたということでした。■「大したことではない」親が暴力やパワハラを容認する理由親御さんたちは「少年サッカー(少年スポーツ)例外主義」になっていないでしょうか。暴力もパワハラも「サッカー(スポーツ)の現場では仕方がない」と考えているようです。それは親御さん自身が、部活やスポーツの指導で暴力やパワハラを受けていることも影響しています。特に、そのようなひどい環境を生き抜いた方は、暴力等を潜在的に「大したことではない」と受け入れがちです。自分も耐えられたから大丈夫、と軽く考えてしまう。これは「生存者バイアス」と呼ばれるものです。仮に、1から7のような暴力(体罰)が、もし通う小学校の担任によるものだったら、どう対応されるでしょうか。担任に贈り物をしている家庭や、親が学校の役員をしているからと、担任が通知表に良い点を付けたり、劇の主役にされるなど優遇されたら、どんな気持ちになるでしょうか。保護者の方によく言われるのが「学校の先生ではなく、何も勉強していないボランティアでコーチをしている方にそこまで求められません」というものです。一見すると「まあ、そのくらい勘弁してあげようよ」と寛容に見えますが、ボランティアで指導しているコーチの方々に失礼な気がします。■暴力暴言、えこひいきはやってはいけない。今すぐ親にできる対策は(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)お母さんは「子どもたちへのフォローの言葉などもあれば知りたい」と書かれています。でも、そんな言葉はありません。「コーチは暴力をふるうけど、あなたのことを思ってやっているのよ」などと絶対に言ってはいけません。暴言も、暴力も、えこひいきも、やってはいけないこと。本当にフォローしたい(支えたい)のならば、チームはすぐにやめさせましょう。中学生までもう少しです。サッカースクールがあるのなら、そこでの活動のみに絞り、楽しく真剣に続け中学校でまたチームに入ればよいのではないでしょうか。そして、コーチの暴言や暴力、理不尽な運営の仕方については、日本サッカー協会の相談窓口にきちんと報告しましょう。暴力等根絶相談窓口★窓口の取扱対象となる範囲は下記のとおりです。1)対象となる行為者本協会に登録する個人(指導者、チーム代表者、審判、選手、本協会又は加盟団体の役職員)2)対象となる行為登録されたチームにおけるサッカーの活動現場で生じた対象者による暴力行為(直接的暴力、暴言、脅迫及び威圧等)3)窓口を利用できる人原則として、対象行為によって被害を受けた者又はその家族、関係者、代理人若しくはこれに準ずる者島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年11月10日■前回のあらすじ1年前、サッカークラブの説明会で知ったのは、会に所属する以上親のサポート業務は必須という事実だった。 >>1話目を見る はじめは義務感だけの引率でしたが、試合で子どもたちが見せる真剣な姿に、自然と応援してあげたい気持ちが膨らんでいきました。チームのママたちと引率やお当番で行動を共にするうちに、仲間意識も芽ばえ、親しみも増していきました。子どもを通じてでなければ、話すこともできなかったママ友たちと、少しずつプライベートについても話すようになっていったのでした。子どもたちのサポートと自分の仕事になんとか折り合いがつけられるようになったと安心し始めた矢先。その状況が崩されてしまう、ある出来事が起こったのです…!次回に続く(全11話)毎日15時更新!※この漫画は実話を元に編集しています脚本・ なせもえみ イラスト・ ユキミ
2021年10月29日上の学年の試合に出してもらうが、ミスしたときなど試合中に泣いている息子。監督には「そのままでいい」と言われているが、上級生の親に「雰囲気が悪くなるから泣くのをやめろ」と注意された。監督は良いと言っているのに、他人の親に注意されてイラっとする。このことを監督に相談してもいい?というご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんに心を軽くするアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<サッカーが嫌で辞めたい息子のやる気を引き出したいが、どこまでやれば過干渉かわからない問題<サッカーママからのご相談>10歳の息子が上の学年の練習や試合に呼ばれているのですが、ミスをして干されることがあり、試合中や練習中に泣いていたため、監督に泣くことの是非を問いかけたところ「何を考えているか分からない子どもより良いから、そのままで」と言われています。しかし、同じクラブの別の子の親がうちの息子に対し「上級生の雰囲気が悪くなるため、試合や練習で泣くことはやめろ」と注意します。他の親が人の子どもに対してのこのような発言をすることに対し、イラっときます。このような場合、監督に相談しても良いのでしょうか。<島沢さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。お母さんのお気持ち、察します。その保護者と、お母さんたち親子の関係性というか、親しさの度合いによっては「雰囲気悪くなるね。どうしたらいいのかなあ?」と相談に乗ってもらえそうです。が、それほど付き合いのない方から注意されると、ちょっとイラっとしますね。■本人を飛び越え監督に話をすると、問題が拗れる可能性があるしかしながら、イラっとしたからと言って、監督に話を持ち込むのはトラブルの素になりそうです。結論から申し上げると、監督に相談しないほうがいいでしょう。息子さんに注意した上級生の親御さんの発言を問題にするというわけですよね。こういった場合、お付き合いのルールとして、まずは注意してきたその親御さんに、お母さんからお話しするのが筋だと思います。本人を飛び越えて監督さんに相談した結果、そのことを監督さんからその方に万が一「○○さんから苦情が来た」などと伝わるとしましょう。その上級生の保護者は「なぜ、直接言わないのか?」と憤りを覚えるかと思います。仮に、お母さんが何かあって他の子どもを注意したら、その子のお母さんが自分には言わずに監督さんに「○○さんが......」と相談していたことを知ったら、どんな気持ちになるでしょうか。■イラっとするが、基本的には放っておくに限るしたがって、まずはその方にやんわり話すことをお勧めします。例えば、こんなふうに言ってみることが考えられます。「息子は悔しがりなので、すぐに泣いてしまいますが、大目に見てもらえませんか?監督からも、このままでいいと言われました」そこで、相手の方が反論してきたら「一度、一緒に監督に話しませんか?」と提案してもいいかと思います。ただし、基本的に放っておくに限ると私は思います。放っておくのは、この上級生の保護者もそうですし、干されると泣いてしまうお子さんのこともです。「泰然自若」という言葉をご存知かと思います。何事にも動じない。何かトラブルが起こっても慌てない姿勢を指します。人は皆そうありたいと思いつつ、ついついジタバタしてしまいがちだから、このような四文字熟語が生まれたのでしょう。泰然としていられないけれど、せめて「そうあろう」と心がけることは大切です。イラっとするし、「悪いのはあっちの親」と思われるかもしれませんが、そこを受け流す寛容さをぜひ身につけてください。■ミスをしたら干す指導法に疑問そのほかに、気になることが二つありました。息子さんがミスをしたからと言って干す指導法については、お母さんは何も感じられないのでしょうか?上級生の親御さんの発言云々よりも、私はそのことが気になりました。ミスすると交替させられると思うと、息子さんは思い切ったプレーができません。手を使う競技以上に、足でプレーするサッカーは「ミスのスポーツ」と言われます。トラップミス、パスミス、判断ミス。さまざまな失敗をしてこそ、「じゃあ、次はどうするか」と自分で解決法を探って、次の練習や試合に活かす。そうやって上達するのがスポーツです。このままでは息子さんは委縮して、自分で考えてサッカーをすることができなくなるのではないでしょうか?もし、監督さんと話しやすい関係性を築いているのであれば、ぜひそのことを話してみてはいかがでしょうか。■他者に意見を求める前に親としてすべきこと(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)二つめは、監督さんに相談することが多いようですが、まずはお母さんご自身の考えをまとめてみることも重要ではないでしょうか。今回、私に相談してくださったのは嬉しいのですし、他者に意見を求めることは重要です。しかし、もっと重要なのは、ご自分が母親としてどう考えるかです。短い相談文のなかからお母さんの意見や気持ちを探るのは限界があるので「いや、私は自分の意見を持ってますよ」とおっしゃるかもしれません。そうであれば、まずは最初に自分が思ったように動いてみてください。「島沢さんがこう言ったから」「監督からはこう言われた」と他者の意見を過度に尊重してしまうと、うまくいかなかったときに辛い気持ちになりますよね。子育ては難しい場面もあります。私自身、家族や、ママ友や専門家の意見、本を読んだりして乗り越えてきた気がします。少し視点を変えて、ゆったりと息子さんを見守ってみませんか。泰然自若。なかなかそうなれませんが、そうありたいと思う気持ちが大切かと思います。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年10月20日サッカー以前の問題を抱えるコーチのもとに居させて大丈夫?というお悩みをいただきました。車移動の際、子どもたちにシートベルトをさせない。上手い子が下手な子のボールを蹴る「からかい」があっても注意しない。コーチの振る舞いに納得いかない。サッカーを通じて感謝の気持ちや心の成長につながるチームに行ってほしいけど、本人が移籍したくないなら見守るしかない?という親のモヤモヤ。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、ご自身の体験を踏まえ悩めるお母さんに改善のための動き方をアドバイスします。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<「帰れ」「次の試合に来るな」精神的に子どもを追い詰めるコーチのもとにいていいのか問題<サッカーママからのご相談>移籍を考えているわけではないのですが、クラブについてモヤモヤしています。7歳の息子はチームの中でもすごく下手でチーム内でもいじられ気味です。それでも本人続ける気があるのでそのことは問題はないのですが、チームのコーチにモヤモヤしています。まず、送迎の車で子どもたちがシートベルトをしてないときがあること。未就学のキッズに至ってはチャイルドシートもつけてないし、サッカー以前の問題じゃないですか?って感じです。また、上手な子が下手な子のボールを遠くに蹴ってからかう、みたいなことを子どもたちがやるのですが、特に注意する訳でもなく......。見かねた親からクレームがいったのか、連絡メールで「友達のボールを遠くに蹴る行為は止めましょう」ときました。そんな当たり前のことを親への連絡メールで伝えないと分からないチームなのか? と思ってしまいます。息子のチームは、わざわざ遠くから来てくれた試合相手に「ありがとうございました!」の挨拶もモジモジして言えません。そのことも、日頃から挨拶してれば言えるでしょ?と思ってモヤモヤしてしまいます。正直親が恥ずかしいです。私と夫はサッカーに興味もないし、行くも辞めるも息子に一任しています。なので、どうせならルールを守る、感謝を持って挨拶するなど、心の成長につながるチームに行ってほしいと思っているのですが、息子はこのチームがいいみたいです。それはいいのですが、指導者の在り方やチームに対してのモヤモヤが晴れません。親としてどう考えていったらいいのでしょうか?<島沢さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。ご相談文を読むと、息子さんの意見を尊重し移籍はさせないけれど、クラブは問題だなとモヤモヤする。やり場のない憤りが伝わってきます。いつも最初に申し上げますが、実際にコーチの方々のお話を聞いてはいないので、お母さんからのメールを読んだ印象でお話しさせていただきます。■シートベルトの着用についてコーチに頼んでみよう結論から申し上げると、お母さんが書かれたコーチの方々のふるまいは、そんなに気にしなくてよいと思います。例えば、シートベルトの着用。ボランティアの方が運営している少年団なのか、それ相応の額の月謝を払っている民間クラブなのかはわかりませんが、いずれにせよ気づいたのなら「安全のためにつけさせてください」と頼んでみてはどうでしょうか。コーチの味方をするわけではありませんが、7歳児の世話をするのは大変です。また急いでいる場合もあります。もちろん事故が起きてからでは遅いです。シートベルトを着けていなかったことを知っていて放置していたら事故が起きた、わが子が被害を受けたとなると、やはり後悔されるかと思います。チャイルドシートや後部座席のシートベルト着用は義務化されているので、子どもたちの安全のためにもお願いしてみるといいでしょう。いくら言っても聞いてもらえない、となれば、子どもの安全を担保できないわけなので、その点をお子さんに話してクラブを替えることを検討してもいいのではないでしょうか。■「からかい」ではなく「いじめ行為」だとコーチに理解させようふたつめ。上手な子が下手な子のボールを遠くに蹴ってからかうことですが、「友達のボールを遠くに蹴る行為は止めましょう」と連絡メールをするのは筋が違うと感じます。ボールを蹴る行為の前に、上手な子どもが下手な子どもへのからかいでやっている、つまり、いじめ行為だということが問題です。コーチの方の理解が十分でないことは自明の理です。このことも、ぜひ気づいているお母さんがそのことをコーチに説明してあげたほうがいいと思います。ただし、相談文を読むと、コーチが暴力やパワーハラスメントなど不適切な指導をしているわけではなさそうです。ただ、シートベルトも、いじめ行為に対する注意もクラブ側に修正してほしい点です。であれば、ぜひ意見してください。わが子が所属するコミュニティを、一緒に育てていくのも親というか大人の役目だと私は思います。例えば小学校で、担任の先生にさまざま未熟な点があれば「こうしてほしい」と伝えますね。問題の大小にもよりますが、互いに意見交換せずに一足飛びに教育委員会へクレームをしてしまうと、非常に話がこじれてしまいます。一方で、目についたことを伝えないのであれば、息子さんのサッカーと距離を置いてはどうでしょうか。サッカーをするのは息子さんなので、彼が楽しければ何も問題はありません。目に着けばモヤモヤする。でも、言いたくはない。そうなるとお母さんのこころの健康に良くありません。■あいさつは大人が子どもに無理にさせるものではない三つめはあいさつについて。あいさつは、大人が子どもに無理にやらせるものではないと私は考えています。お母さんが「恥ずかしいチーム」と感じてしまうということは、きっと息子さんはあいさつをしているのでしょう。あいさつや整理整頓などは、家庭のしつけの範囲になります。それぞれ子どもの発達スピードは異なるので、早くからハキハキしてあいさつできる子どもがいれば、そうではない子どももいる。まだ7歳なのでモジモジしてしまう子もいることを、もしかしたらコーチは理解しているのかもしれません。ぜひ長い目で見てあげてください。と言いつつ、私も息子が少年サッカーの世界にいたある時期、長い目で見ていなかったと反省しています。上の学年の試合に呼ばれて丸一日参加したら、3試合ともずっとベンチに置かれました。息子は「おまえは下手だから出さない」と言われたそうで、泣きながら帰ってきました。下手かもしれないけれど、試合に出す気がないなら、同級生との練習をしていたほうが息子は楽しかったはずなのにと怒りがこみ上げてきました。息子も行きたくないと言うので「次からはもう上の学年の試合には行かせません」と伝えました。今思えば、出過ぎたことをしたと思っています。その時代、十数年前は、現在広がりつつあるような「全員出場させましょう」という習慣がありませんでした。そのコーチは、それまでしてきた指導をやっただけでしょう。それが決していいとは思いませんが、そのときの私に欠けていたのは、コーチへの感謝とリスペクトです。■親が指導者への感謝とリスペクトを持つことが、子どもの成長につながる(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)ボランティアで指導している少年団で、無償で時間を割いて指導している。決していい指導と思わないのなら、そこを伝えるべきでした。「いつもありがとうございます」と感謝を伝えたうえで、もっと楽しくなるように考えていきませんか?と提案すればよかったのです。そんな経験から、お母さんの息子さんがいるのが民間クラブで有償のコーチであっても、感謝やリスペクトする気持ちを持ってもらえればと思います。親御さんがそのような姿勢をもつことが、お子さんの成長につながるはずです。今いるクラブが意見したり話し合っても、なかなかそうならないようであれば、息子さんとよく相談し、そういったチームを探して移籍することも選択肢のひとつでしょう。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年09月29日9月23日(現地時間)、『ハリー・ポッター』のドラコ・マルフォイ役で知られるトム・フェルトンが、ゴルフの試合中に突然体調を崩して倒れた。ゴルフカートで搬送されるトムの姿が撮られそれ以上の情報は伝わってこなかったため容体が心配されていたが、25日、自らインスタグラムに動画を投稿して無事を報告した。ギターを弾きながら登場したトム。「体調は正式に、快方に向かっています。もし、心配している人がいたらと思って」と、順調に回復中であることを明らかにした。また、ファンのサポートにも感謝。「みなさんからのお見舞いメッセージをいただき、とにかく『ありがとう』と伝えたかったんです」。途中からは笑顔で弾き語りを始めるほど、元気そうな様子を見せた。なぜ倒れたのか、その理由については言及しなかったが、「ちょっと怖いできごとでしたね、本当に」と振り返っていた。ファンは「本当に本当に心配していたよ」「大丈夫だと知ってうれしい!」「元気な姿を見てホッとした」「お大事に。どうか無理をしないでね」と一安心。トムはアメリカ・ウィスコンシン州で、「第43回ライダー・カップ」のオープニングベントのセレブリティ・マッチに、欧州チームの一員として出場していた。Photo by Andrew Redington/Getty Images(Hiromi Kaku)
2021年09月27日大学のアメリカンフットボールの試合中に起きたハプニングが、話題になっています。2021年9月11日、アメリカのフロリダ州でマイアミ大学の『マイアミ・ハリケーンズ』と、アパラチアン州立大学の『アパラチアン・ステート・マウンテニアーズ』の試合が行われました。その試合の最中に、スタジアム内に1匹の猫が紛れ込み、2階のデッキから落下しそうになったのです。手すりの外側に移動して危うく落ちそうになった猫は、デッキ下のケーブルのようなものに捕まります。しかし、間もなくバランスを崩して宙ぶらりん状態に!周りの人たちが固唾をのんで見守る中、とうとう猫は力尽きて、手を離してしまいます。それからどうなったのか…驚きの結末がこちらです。CAT SURVIVES FALL AT HARD ROCK STADIUM!!!! #SaveTheCat pic.twitter.com/oPNGgfUltZ — Yianni Laros (@Yiannithemvp) September 11, 2021 下の席にいた人たちがアメリカ国旗を広げて、落ちて来た猫を見事にキャッチしたのです!1人の男性が無事だった猫を掲げると、観客席からは割れんばかりの歓声が上がりました。Well this may be the craziest thing I’ve seen at a college football game #HardRockCat pic.twitter.com/qfQgma23Xm — Hollywood (@DannyWQAM) September 11, 2021 海外メディア『Local10』によると、猫はその場にいたエミリア・ワイスさんという大学生に引き渡されました。エミリアさんは動物病院で働いた経験があるのだそう。彼女が猫の状態を確認したところ、腰の位置がずれていたため、すぐに調整したということです。しかしその直後、猫は暴れ出して、そのまま逃げて行きました。猫は走って逃げられる状態だったので、少なくとも大きなケガはしていなかったようです。海外メディア『npr』によると、2階のデッキから下の席までは約9mの高さがあるのだそう。もし猫が固い表面に落ちていたら、大ケガをしていた可能性もあります。アメリカ国旗を持っていたのは試合のシーズンチケットを所有する夫婦で、観戦の際にはいつも国旗を持参しているのだとか。2階席から猫が落ちそうになっているのに気付き、すぐに国旗を持って助けに向かったそうです。チームの応援のための国旗が、まさか猫の命を救うことになるなんて、想像もしていなかったでしょうね。[文・構成/grape編集部]
2021年09月22日コーチの暴言がひどく、サッカーが嫌いになるのではと心配。試合中も少しのミスで「元のチームに戻れ」「次の試合に来るな」など精神的に追い詰める発言。夏には炎天下の中何度も罰走させたり、体力的にも精神的にも子どもを追い込み、サッカーの指導とはかけ離れている。親として現状を見守るしかないの?というご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんに改善のための動き方をアドバイスします。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<低学年なのにメンバー固定。意見したいが「面倒な親認定」されたくない問題<サッカーママからのご相談>5年生の息子がサッカースクールの選抜チームに選ばれました。最初は強いチームで戦えることをとても喜んでいたのですが、新しいコーチの暴言が酷く、年中から続けてきた大好きなサッカーが嫌いになるんじゃないか心配です。高学年になればある程度の厳しさも必要だと思いますし、コーチのゲキで子ども達がピリッとすることも確かにあります。今まで何人かのコーチに教えていただきましたが、皆さん信頼できる方々でお互いの立場を理解し、子どもの健やかな成長を信じてお任せしてきました。新しいコーチは、炎天下の中、何度も罰走させたりするだけでなく、発言も問題があります。試合中もベンチの子たちに「アイツ、本当下手くそだな」等と試合に出ている子の悪口を聞かせたり、少しのミスで「元のチームに戻れ」「帰れ」「次の試合に来るな」「親に言うぞ」などと発言。精神的に子ども達を追い詰めるだけで、サッカーの指導とはかけ離れている気がします。子どもたちに対してフォローも褒め言葉も皆無です。ついていけない子や、親がコーチの指導が気に食わないならやめればいい話なのかも知れませんが、コーチに逆らえない立場の子達への攻撃を大人として黙って見ていていいのか考えてしまいます。またスクールの掲げる指導方針・理念と合っていない気がします。あんなに楽しそうにしていたサッカー、仲間、チームが崩れていっている感じがしているし、そもそも小学生を体力的にも精神的にもそんなに追い込む必要があるのか疑問に思います。続ける続けないは子どもが決めることですが、親として現状を見守る以外できることはないのでしょうか?<島沢さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。メールに「コーチに逆らえない立場の子達への攻撃を大人として黙って見ていていいのか考えてしまいます」と書かれています。悶々としている様子が伝わってきます。このコーチの方の指導を実際見ていないので明確にはお答えできませんが、お母さんがお書きになったことがすべて事実であることを前提にお話ししますね。■現状を学校に置き換えて想像してみると......まずはじめに、今の現状を「学校で担任の先生が行っていること」として置き換えてみましょう。あくまでも、例えばコーチが先生だったら、という想像をしてみてください。●体育の時間に、炎天下の中、何度も罰走させたりする。●体育(図画工作でもOK)の時間に、「アイツ、本当下手くそだな」等と他の子どもの悪口を言う。●授業中に問題を間違えたら「他の学校に行け」「帰れ」「明日は学校に来るな」「親に言うぞ」と脅す。●精神的に子どもたちを追い詰めるだけで、教育とはかけ離れている。●子どもたちに対してフォローも褒め言葉も皆無。●学校が掲げる教育方針・理念と合っていない。もし、上記のような先生が担任だった場合、これらはすべて「教育という名を借りたパワーハラスメント」です。この状況、お母さんは黙って見ていますか?きっと、すぐに本人に抗議するか、学校に訴えませんか?ほかのお母さんやお父さんも、すぐに「担任を替えろ」「教育員会に訴える」と騒動になるはずです。■指導という名を借りたパワーハラスメントところが、ことスポーツの指導現場になると、親御さんたちは指導者に対して非常に寛容です。炎天下の罰走は「こころを強くするため」などと根性論に置き換えられたり、「自分の時代はもっと厳しかった」と過去の悪い指導が肯定されたりします。下手くそ発言は「下手な子はもっと努力すべき」と下手なことが悪いことになり、「帰れ」などの暴言は「少し口が悪いコーチ」とか「厳しくするあまりそういういい方になる」などとかばったりします。すべての受け止めが、非常に大甘です。よくよく考えれば、このコーチがなさっていることは「指導という名を借りたパワーハラスメント」なのです。■学校には厳しいのにサッカー指導のパワハラに鈍感になるのはなぜか担任の先生には厳しく対応するのに、サッカーのコーチのパワハラに鈍感になってしまうのはなぜでしょうか。それはきっと割合の問題だと私は考えます。学校の教育現場ではパワハラをしない先生が今では大多数です。時代にそぐわない、おかしなことをして子どもを傷つけたら、先生たちはすぐに処分されます。それ比べ、少年サッカーの指導者は処分されません。そして、現在でも罰走をさせたり、大声で子どもを叱ったり、暴言を吐いたりするコーチのほうが、子どもを認め自ら考えさせサッカーを楽しませてくれるコーチよりも割合が多いのが現状です。そのため、コーチ自身も、保護者も、選手も、その指導が圧倒的に間違っていることに気づきづらく、気づいたとしても指摘しづらい、抗いづらい。それが実情なのです。数年前の取材になりますが、試合に負けた後に「こいつのせいだと思う人は?」と言って子どもたちに挙手させたコーチがいました。「この中で一番下手な子をみんなで指指してみよう?だ~れだ?」と言って指をささせた人もいました。ともに、当時は指導していましたが、そのうち保護者の中で「それはおかしい」と言う人が現れて辞めさせられました。両者ともに、コーチ資格や審判資格を取得し、毎年講習を受けていました。でも、子どもを前にして最も重要な「人権」について、あまりに鈍感だったと言わざるを得ません。■状況改善のための動き方今回、お母さんが「精神的に子どもたちを追い詰めるだけで、指導とかけ離れている」「フォローや褒め言葉が皆無」といったことに気付かれていることはせめてもの救いです。そこに確信があるのなら、以下の順番で動いてみてください。1)スクール側へ報告スクールの掲げる指導方針・理念と合っていないと思われるのならば、そのスクールの代表者や管理責任者に現状を報告し、コーチを替えてもらいましょう。2)「コーチに言い聞かせます」このようなケースで最も多いクラブ側のレスポンスは、代表者が「コーチに言い聞かせますから」というものです。その場合、コーチにどんな教育プログラムを施すのかを確認したほうがいいでしょう。「スクール」と名がついているのですから、民間なのかNPOなのかはわかりませんがいずれにしても有償(指導料や月謝がある)でしょう。であれば、指導のサービスシステムとして不完全です。そこはきちんと話したほうがいいと思います。3)移籍を考えるコーチの交替がない、もしくはスクールの代表者の対応がかんばしくなかった場合は、息子さんに「お母さんはいい指導だと思えないのでチームを替えたほうがいいと思う」と気持ちを伝えましょう。お母さんのおっしゃる通り、続けるかどうかはお子さんが決めることですが、親として意見はすべきです。月謝を支払い、保護者としての責任があることから丁寧に話してみましょう。■社会に出ると理不尽なことばかり、というが対応を間違えると「事なかれ主義」な人間になる(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)こういったケースの場合、よく親御さんたちがおっしゃるのが「社会に出ると、理不尽なことばかりだから慣れておいたほうがいい」という理屈です。しかしそれは、理不尽に抵抗しない経験を積ませてしまうと理不尽なことを受け入れたり、意見ができない「事なかれ主義」の人間形成につながらないとも限りません。「ここがもし学校だったら?」ぜひこの置き換え習慣を忘れないでください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年09月15日