マンション購入を検討した時に悩むのが、新築にするか中古にするかという問題。物件価格のみを見たら中古物件のほうがお得な気がしますが、本当はどちらがお得なのでしょうか。実際に購入した人にヒアリングし、料金面だけでないそれぞれのメリットやデメリットを調査しました!デザイン面でも構造面でも新しさを求めるのなら新築!「とにかく、新しさや清潔さが一番のメリット! 室内だけでなく共用部もきれいな状態なので、住んでいて快適です。耐震構造も安心。デメリットは、希望している部屋を購入できない可能性があること。新築マンションの販売は第一期・第二期…となっているのですが、希望している部屋がすでに売れてしまっている場合や、申し込みが多いと抽選で落ちてしまうこともあるみたいです。わが家も抽選だったので、落ちたご家庭もあると思いますよ。」(2014年築購入者)「同じようなタイミングで他の方も入居してくるので、親近感も湧くし子ども同士もすぐに仲良くなれた。その反面、中古物件と違って、住むまではどんな人がお隣さんになるのかが分からないので、マナーやモラルが悪い人がお隣になる可能性もあることがデメリットだと思います。」(2010年築購入者)「物件自体の料金は高いのですが、ローンが組みやすかったし減税も適用されました。売り主から直接購入したので、不動産会社に支払う仲介手数料がなかったのも嬉しかったですね。でも、第一期で購入したため入居までに時間がかかったので、すぐに住みたい人には向いていないかも。引っ越し準備をゆっくりできるという意味ではいいですけどね。」(2016年築購入者)予算を抑えたいなら中古!と思ったら落とし穴が…「駅から徒歩5分圏内で、予算内の物件を探していると、どうしても中古物件しかなくて…。物件自体の費用は抑えられたし立地にも満足しているのですが、築20年以上だとどうしても老朽化やデザインの古臭さは拭えないですね。」(1995年築購入者)「リフォームしていない物件を購入したので、結局自分たちで壁紙交換やキッチンのリフォームなどをしました。その上、水回りも老朽化していて、お風呂やトイレも全てリフォームすることに…。予想外の出費がかかってしまいました。」(2000年築購入者)「内覧時にエントランスやゴミ置き場など共用部を見られたことで、すでにお住いの方たちのマナーがしっかりしていると確認してから購入できてよかったです。住人の雰囲気がよく、管理人さんの対応もよかったので、そこを確認できるのは中古物件ならではかと。」(1998年築購入者)実際に購入してみないと分からないメリット・デメリットがあるようですね。まずは気になる物件には内覧に足を運び、納得がいくまでじっくりと見てから決断してください。PHOTO/Fotolia
2018年10月01日家を持つなら中古マンションをリノベーションしよう、と決めていた愛知県長久手市にお住まいのOさんファミリー。4歳の長男、1歳の長女がいる4人家族です。リノベーションはインターネットで知ったというエイトデザインに物件探しから依頼をしました。「見た瞬間に決めてしまった」という緑に囲まれた築37年の団地は、眺めの良さや、敷地内に公園があるところなど、環境面を気に入って購入しました。リノベーションのテーマは「家族がなんとなく集まって思い思いに過ごす」家だったそうです。■ ひとつ屋根に包まれるリビングダイニング既存の天井をはずしてできた大空間に、あえて傾斜天井をつけることで、ひとつ屋根に包まれているような温もりある雰囲気を作り上げました。その三角屋根が印象的なリビングには、エイトデザインが運営する「HACHI KAGU」に特注して作った大きなテーブルを配置しています。リビングの床材には素足にやさしい杉フローリングを使っていて、節が目立たないよう落ち着きのある色に塗装してあります。リビングとつながる板張りのキッチンは存在感たっぷり。リビングの隣に設けられたフリールームには大きな本棚を造作。こちらのフリールームは将来、子ども室にする予定なので、2部屋に分けられるように扉も2つ設置してあります。今はリビングとひと続きの空間となっていて、夫の書斎や作業スペースとして使っているそうです。■ 家族をいつも見守れるキッチンL字型に配された業務用キッチン。夫婦ふたりで立っても余裕の広さがあります。配管のために床が一段高くなっており、リビングダイニングとキッズスペースがよく見渡せます。キッズスペースはキッチンの南側にあった和室を一新。子どもが遊ぶ姿を、料理しながらしっかり見守ることができます。■ コンパクトだった部分を拡張して暮らしやすく狭かった玄関は土間を延ばして、壁面に収納を確保しました。土間の先には家族それぞれの収納スペースが設けられたウォークインクローゼットも新設しています。コンパクトだった洗面室は洗濯コーナーに変更し、浴室手前に新たに洗面室を設けました。また、浴室もワンサイズ大きくするなどして、暮らしやすさもアップさせてあります。「家族みんなが集まる場所をつくりたい」という要望は、築37年の団地のリノベーションによって見事に叶えられました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.18」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです設計・施工エイトデザイン撮影中村風詩人
2018年09月26日自分らしさを追求した空間に住みたい。そんな方にはDIYによる、セルフリノベーションがオススメです。「DIYでどこまでセルフリノベーションにチャレンジできるの?」「材料はどこで手に入る?」など、分からないことも多いDIYリノベーション。実際にDIYでフルリノベした実例記事を4本まとめてご紹介します。今から挑戦してみたい方はぜひ、参考にしてみてくださいね!■ 家具職人&ジュエリーデザイナーの夫婦がセルフリノベに挑戦!Sさん夫婦は、夫が家具職人で妻がジュエリーデザイナー。夫の中学の同級生である建築家、澤田淳さんの力を借りて、自分たちでDIYしながら家の全面リノベーションを行いました。フローリング、ドア、収納、外壁塗装、モルタルでキッチンまで手作りしたそうです。家具職人ということもあってDIYには自信があったそうですが、家具と家とでは大きさも違い、戸惑うことも。初めて扱うモルタルには大苦戦し、最初はポロポロと崩れてしまう失敗もありました。実際、セルフリノベは大変なことも多いはず。Sさんの場合は、知人や友人などたくさんの仲間に頼ったことが功を奏したようです。こだわり苦労して作ったキッチンは、カウンター下に家具職人の本領を発揮して作った木の収納棚、そして壁面にはデザイナーの妻が選んだ黒の個性的タイルがピタッとはまり、ほれぼれするほどのカッコよさ!苦労した分、家に対する愛情もひとしおのことでしょう。モノづくりを職にする夫婦がこだわりのフルリノベに挑戦!■ 毎日コツコツとDIY!お手本にしたい男前インテリア夫妻ともにクリエイターの赤石さんは、毎日少しずつ手を加えてマンションをDIYでリノベーションしました。妻の父にも手伝ってもらいながら、家族総出でLDKと寝室の床のフローリングをコツコツ張り替えていったそうです。結婚して間もない頃だったこともあり、最初あった夫と父の距離感はDIYでだんだんと埋まっていったのだとか。DIYによるセルフリノベは、家族の良いコミュニケーションになり、信頼関係を深めるきっかけにもなるのではないでしょうか。そしてセルフリノベのメリットはなんといっても、デザインやインテリアに思い切りこだわれるということです。ガス管と板を組み合わせて作った棚、カフェのようなキッチンの吊り棚、ウッドデッキなどなど、持前のセンスを存分に発揮して作ったインテリアは統一感もあって見事にまとまっています。男前インテリアの参考にしたいセルフリノベの好例です!男性なら必見!男前の参考にしたいフルリノベ■ 築80年の長屋をセルフリノベ!見違えるほどオシャレな空間に!建築家と工務店の現場監督という吉永さん夫妻は、大阪市平野区にある築80年の長屋をセルフリノベーションしました。昔の建物ということと築年数が古いということもあって、壁が薄くお隣の物音は筒抜け。床は塩ビシート、天井のすき間にはガムテープ、天井裏をねずみが走り回るなど、やや難ありな物件でした。セルフリノベを行うにあたって天井を見てみると、天井裏の界壁がないことが分かり、本棚を作ってふさぐことに。界壁に沿って天井いっぱいまで高くそびえる本棚は、収納はもちろんのこと、防音壁の役割も果たしてくれます。吉永さんがリノベーションを手がけた長屋は、「ヨシナガヤ001」と名づけられました。長屋のメリット・デメリットを実際に体験しながら、新しい住環境を作り出そうという試みはまだ始まったばかり。吉永さん夫妻の長屋再生物語はまだまだ続きそうです。リノベーションを手がけた長屋「ヨシナガヤ001」■ ネットとホームセンターで揃う材料でできるお手軽DIYリノベ専門家にお願いするよりも、DIYでリノベーションを行った方が圧倒的にコストダウンできます。ただし自分でDIYを行うとなると、材料や道具をどこで手に入れるかが問題になります。ですが、家のリノベーションだからと言って難しく考える必要は一切ありません。ホームセンターならDIYに関する大抵のものがそろいます。専門的な道具や、店頭でみかけない材料も、ネットで探せば高確率で発見することができますよ。昭和42年築の“ザ・昭和”な雰囲気の家を、DIYで作りかえたのがこちら。BeforeAfter本当に同じ家?と思わず二度見してしまうほど、がらりと雰囲気が変わっています。しかも業者に頼らずDIYでコツコツ作業して完成させたというから驚きです。「ここまで自分でできるの?」と感動すら覚えるDIYリノベの実例をぜひチェックしてみてください!感動のフルリノベ!ホームセンターの材料でDIY
2018年09月16日ふたりで飲食店を経営しているSさん夫妻は、自分たちの好きな空間に住みたい、とリノベーション前提で中古マンションを探していました。お店に徒歩で通えるエリアに希望通りの広さのマンションを見つけ、1,000万台前半で購入。施工例が好みだったというアンメゾンワールドにリノベーションを依頼し、工事費460万円(税別・設計料込み。施主支給分は含まず)で温もりを感じるラフな空間を作り上げました。■ 業務用キッチンが主役のダイニングキッチン家の主役はなんといっても業務用キッチン!施主支給したタニコーの業務用キッチンは「野菜をジャブジャブ洗いたい」という希望のもとダブルシンクを採用。「キッチン」というよりは「厨房」という言葉がしっくりくる空間です。そしてキッチンを通り抜けた先はLDK、左手の扉の向こうには寝室があります。床にはナラ無垢材を採用し、オイルでコクのある色みに。ダイニングテーブルは置いておらず、食事は奥行きを広めに確保したカウンターで取ることがほとんどだそう。その分LDKを広々と使うことができています。ベランダ側の床はタイル貼りにして、サンルーム的なスペースにしました。インテリアの好みがぴったりだという夫妻が空間づくりの参考にしたのは、夫妻ともに大好きだというご近所のカフェ「studio D」。ざっくりとしたラフな雰囲気でありながら、ぬくもり感もある空間に、グリーンや雑貨をセンスよく飾りつけています。夫が座っているスツールはクラッシュゲートのもの。■ 室内窓で風と光の通り道をシーリングファン、ラダーラック、バスロールサインなど、好きなものをちりばめたリラックスできるリビング。隣接する寝室との間仕切り壁にすべり出し窓を取り付けることで、通風と採光を確保しています。その寝室の扉の横には、お互いの気配を感じられるようにと室内窓が。アイアンフレームの室内窓は夫妻がぜひ取り付けたかったアイテムとのこと。珪藻土で仕上げたラフな質感の壁ともよくマッチしています。寝室は既存の収納を撤去してスペースを広げたため、ベッドとデスクを置いてもゆとりの広さ。窓が多いので明るい空間です。■ 水回りは既存利用でコストを抑えてLDK入り口のドアは杉足場板を使ったオリジナル。大きなガラス入りなのでLDKからの光を廊下、玄関まで届けてくれます。両サイドの建具は新たに交換してあり、右手に水回り、左手には個室があります。オレンジの壁とシックなグリーンのドアのコントラストが印象的な洗面室。このカラーリングは、「ちょうど打ち合わせの頃、サッカーワールドカップが盛り上がっている時期で、オランダカラーにしたくて」という夫の希望だったそう。既存の洗面コーナーを撤去し、シンプルな洗面ボウルとオープン棚、木製フレームのミラー等をうまく組み合わせて使いやすくしました。トイレも既存を利用。壁のタイルも既存ですが、タイルの上部はブラウンに塗装しました。そして既存のドアも塗装し、サインを取り付けてイメージを一新。浴室もクリーニングして既存のまま使用しています。ピンクの可愛らしいタイルが、ちょっとレトロな雰囲気を演出しています。トイレと浴室を既存利用したこともあって、床はナラの無垢材、壁は珪藻土、トイレ以外の建具はオリジナルに交換、という贅沢なリノベーションも予算500万円以内に収めることができました。「リノベーションはプロセスも含めて楽しかったです。好みの空間に住めるってこんなに快適なんだ、と実感しています」と夫妻は話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.18」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです設計・施工アンメゾンワールド撮影山田耕司
2018年09月07日中古マンションをリノベーションするにあたり、間取りを考えていた時、子どもはまだお腹の中にいました。なのに、私たちは「子ども部屋」を作りませんでした。子ども部屋って必要なのかな?本当に必要になった時に考えても遅くないと考え「作らない」選択をしました。■ 「リビング学習」が主流の今、子ども部屋は必要ない!?どうして、リノベーションする時に子ども部屋を作らなかったのか?大きな理由として、子どもが何人になるかわからなかったからというのがあります。第一子を妊娠中にマンションリノベーションをしたのですが、子ども部屋のことを考えると、何人分用意をしたらいいのかな?今後、何人の子どもを産むことになるか決めていないし、できないかもしれない。友人は、どうしても子どもが2人欲しかったので、私と同じ第一子妊娠中に建てた新築狭小住宅に、子ども部屋を頑張ってふたつ作っていました。もう一つの理由として、最近の子育て事情では「リビング学習」が主流だと知ったからです。「東大に進学した子は、リビング学習していた」といった情報が、子育て雑誌などでもたびたび紹介されて、今や多くの家庭でこの学習方法が取り入れられています。ちなみに夫は東大出身ですが、子ども部屋はあったそうです。あれれ?まあ子どもの学習習慣もつきやすいし、やる気もアップすると聞きますからね。だったら我が家でも、ぜひこの学習方法を取り入れようと考えるようになったんです。■ ゆるーい子ども部屋を作ってみた我が家のリビングダイニングは、気軽に模様替えができるようにしています。家族の生活スタイルの変化に合わせて、家も変化させていきたいと思ったからです。なのでダイニングテーブルはココ、テレビはココ、ソファはココ、というように家具の位置を固定していません。子ども部屋にもこういった考え方を取り入れようかと思っています。今はまだ未就学児なので、子ども部屋はありませんが、ゆるーい子どもスペースを作っみました。本棚、デイベッド、キッズデスク、ままごとキッチンで囲ってます。しかし、Z会のワークをここでするくらいで、ほとんどここでは遊びません。親としては、ここで遊んでくれたら片付けが楽になるのになーと思って作ってみたのですが、結局は広いリビング側で遊んでいます。■ 将来の子ども部屋のアイデア3つ子ども部屋が必要になってくるのは、中学生くらいからでしょうか?その時のために、今からいろいろ子ども部屋をどうしようか妄想しています。今のところ、アイデアは3つあります。1.カーテンで仕切るSunrising / PIXTA(ピクスタ)これは簡単ですね。リビングダイニングか寝室の一部をカーテンで仕切るという方法です。巣立った後の撤去も簡単です。部屋の差し色にもなりそうなカーテンを仕切りに使えばきっと素敵になるよなー、なんて考えています。ただ、中高生になった時にこれでプライベートが保てるのか?子どもは不満かもしれませんね。2.アウトドア用のテントを張るマッケンゴー / PIXTA(ピクスタ)テントを部屋の隅に張って、そこを子ども部屋にするのも面白そうです。今は広くておしゃれなテントも多いですし、プライベート空間も確保されますし。リビングにテントがあるって、見た目も面白いですよね。これも撤去が簡単です。音は筒抜けですが……。3.小さい小屋を建てるこれは、以前夫が作ったことがあります。10年ほど前に夫婦で生活雑貨店と建築事務所を同じ場所で始めようということになりました。その時に夫が考えたのが、事務所スペースとして部屋の中に小屋を作ることでした。壁の部分は棚仕様にして、屋根もスカスカですが、秘密基地みたいでこもり感は十分でした。なかなか可愛らしく、お客さんの評判も良かったのを覚えています。子ども部屋にも採用できそうです。■ 子ども部屋を使うのは、たったの6年?いかがでしたか?子ども部屋が必要な期間って何年くらいでしょう?と考えた時に、もしかしたら中・高合わせてたったの6年(!)かもしれません。大学生になったら家を出てひとり暮らしを始めるとすると、また夫婦ふたりの生活が始まります。そういうことも考えて、「撤去できる子ども部屋」を目指したいと思います。お金や時間がかかる大げさなリノベーションをするつもりは、今のところありません。
2018年08月27日団地は、敷地内に公園や緑が多く、スーパーもあったりと、今や子育て世代に人気のリノベーション向き物件として注目されています。物件価格も手頃なので、思いきり自分らしいリノベーションを実現できるのが魅力です。団地の間取りは、間仕切り戸や壁で部屋を区切っているつくりが一般的。この間取りをどのように空間を変え、自分らしい住まいをつくるかが団地リノベの腕の見せ所なのです。今回は、大きな反響を呼んだ「団地リノベ」の実例を4本まとめてご紹介。■ 専門家のテクニックで実現!団地リノベで戸建感覚の理想の空間へ京都府長岡京市、昭和43年築の団地を1,300万円で購入、工事費800万円(税・設計料込み)をかけてリノベーション団地のほとんどは昭和に建てられた物件で、そのまま住むにはいろいろと不便。しかし、リノベーションのアイデア次第で、魅力的な空間に生まれ変わります。Iさん夫妻のリノベーションのこだわりは、庭付きの1階にしたこと。団地ながら窓から緑を楽しんだりガーデニングをしたりと、戸建て感覚でのびのびと暮らせる空間になりました。リノベーションは、団地リノベに関する本も出している吉永健一さんに依頼。また、キッチンは、敬愛するカリスマ主婦・石黒智子さんの厨房を再現し、大満足の仕上がりに。Iさん夫婦の団地リノベが成功したのは、情報収集や十分な下調べを経て、理想の住まいの形を具体化して考えたからこそ。仕切りの多い団地を一体感ある空間に生まれ変わらせた、専門家のテクニックに注目です!専門家を味方につけて、団地とは思えない広々空間へリノベーション■ 犬も大満足!見えない隠し収納のテクニックで開放感のある空間づくり東京都多摩市、築33年(昭和59年築)の団地を購入。830万円(税・設計費込み、施主支給品は含まず)をかけてリノベーションTさん夫婦が物件を選んだ決め手は、高台で眺望が良いことと、ペットの飼育が可であることだったそうです。リノベーションで施したのは、「浮造り(うづくり)」という床でした。あまり聞き慣れない床細工の名称ですが、これは表面に凹凸をつけたフローリングのこと。愛犬が走りやすく、足腰への負担が軽くなるようにとの思いが込められています。もう1つ、Tさん宅のポイントとして注目したいのは、収納がたっぷりあるという点です。例えば、このパントリー。収納が多いと物がごちゃついて見えますが、”隠し収納”のテクニックで視覚的にスッキリして見えます。Tさんのお宅は壁で建物を支えるつくりの団地のため、残さざるを得ない構造壁が多かったそう。それでも、緻密な計算で作られた機能的な収納は、これからリノベーションを考える人の参考になるはずです!構造壁を残しつつ、上手に隠す収納で開放感のある空間を実現!■ 築46年の団地へ住み替え、壁をなくして棚で間仕切りした広々効果がスゴイ!築46年物件価格2,400万円の団地を購入、工事費1,000万円(税・設計料込み)をリノベーション神奈川県横浜市のNさん一家は、2008年に購入した新築マンションから築46年の団地へ、驚きの住み替えを行いました。「どうしてお金をかけてわざわざ古い物件へ?」と疑問が湧きますが、その理由は“住み心地の良さ”でした。団地ならではのオープンで明るい雰囲気に惹かれ、空き物件が出ると迷わず購入したのだそう。壁を取り除き、さっそく部屋全体を大きなワンルームにリノベーション。リビングと寝室を適度に区切るために用意したのは、収納棚でした。以前住んでいた新築マンションは80平米でしたが、団地は60平米と狭くなったため、収納をしっかり確保しながら空間を最大限広く利用するために採用したアイデアです。収納棚を利用した上手な間仕切りの実例を、ぜひチェックしてみてくださいね!新築マンションから団地へ、狭くても間仕切りを上手に使って広々空間を実現!■ まるでカフェみたい!住み慣れた実家の団地をリノベで大改修千葉県八千代市、実家でもある築41年の団地をリノベーション。工事費約1,100万円(設計料別)で大改修実家の団地を受け継ぎ、住み慣れた家をリノベーションでがらりと一新した方もいます。場所は千葉県八千代市。まるでオシャレなカフェのようですが、築41年のれっきとした団地の一室です。広さ78平米の部屋を、工事費約1,100万円(設計料別)で大改修しました。構造上取り壊せない壁もありましたが、その存在を上手く生かした空間設計は見事です。漆喰、オーク材、ステンレスなど、素材の持ち味を要所要所で見せながら、遊び心いっぱいにまとめています。「バーベキューも楽しめるベランダのウッドデッキ」「おこもりできるワークスペース」「ビビッドなカラー使い」など、真似したい空間づくりのテクニックが満載!インテリアの参考にもなる団地リノベーションの好例です。団地とは思えない!真似したい様々な空間づくり
2018年08月18日低予算で思い通りのリノベーションを実現するために、「リノベ済み物件」を選択する人もいます。今回は、リノベ済み物件を再リノベして自分らしい住まいを実現した3つのリノベーション実例をまとめて紹介!■ 再リノベだから、かけたいところに思いきりお金をかけられる!Mさん一家の物件探しは、まずは立地を優先しました。そして、物件価格を抑えるために目をつけたのが、リノベ済みマンションでした。この物件は、築43年、専有面積65平米のマンション、価格4,850万円。再リノベにかかった費用600万円(設計料込み)。リノベ済みの物件なら、水まわりなど経年劣化している箇所がすでに改修済みなので、自分たちで手を加える部分が少なくて済みます。おかげで、再リノベの費用のほとんどを内装に使うことができました。既存のものを上手に生かしながら手を加え、自分たちらしいデザインを追求した好例です。リノベ済み物件だからできた、理想の家■ 再リノベ、条件を詰め込んでも費用は280万!驚きの低予算の秘訣とは?リノベーションでは「あれもしたい、これもしたい」、費用はどんどん膨らむばかり。理想と現実の折り合いをつけるのはとても難しいもの。次にご紹介するのは、2015年のリノベーション・オブ・ザ・イヤーで「カジュアルリノベーション賞」を受賞したMさんのお宅(30代・女性)です。購入したのは川崎市内の50平米のリノベ済み物件。なんと、再リノベ費用はたったの280万円でした!驚くほど低予算で再リノベーションができたのは、やっぱりリノベ済み物件を選んだから。しかも、賃貸の頃よりも毎月2万円も家賃が減ったとのこと。やりたいことを詰め込み、理想の家を手に入れたMさん。その成功の秘訣に迫ります!費用はたったの280万!驚きの低予算の秘訣とは?!■ 夫婦ともに設計のプロ!真似したい再リノベのテクニックFさん夫婦はリノベ済みの70平米のマンションを2,980万円で購入。「大きなワンルームの家」をテーマに、洗面室とバスルーム、トイレ以外の壁を取り払うという大規模な再リノベを行いました。キッチン、トイレ、洗面、ユニットバスは購入前のリノベですでに新品だったため、再リノベの工事費は510万円(税・設計料込)と、とってもリーズナブルに抑えることができました。実は、夫婦ともに設計の仕事をしているFさん夫婦。空間を広く見せるテクニックや、ガス管を利用してつくった個性的な本棚、室内空間と一体化したサンルームの作り方など、参考にしたい部屋づくりのアイデアが盛りたくさんです!設計のプロも上手に活用!真似したい再リノベのテク
2018年08月11日「新築はそこに暮らす人の姿が見えてこない」と感じ、中古+リノベーションを決意したIさん夫妻は文京区内で3,100万円、築34年の中古マンションを購入。リノベーションは、物件探しから相談できる点にも魅力を感じたというアオイデザインに依頼。約1,000万円(設計料別)をかけてリノベーションし、安心とこだわりの住まいを手に入れました。■ 作業台兼食器収納でゆるく仕切ったダイニングキッチンIさん宅は独立したリビングを持たず、ダイニングと兼用。そのため、ダイニングチェアはゆったりとくつろげる座面の低いものを選んでいます。ソファとテーブルは相合家具、ダイニングチェアは柏木工のものです。「できればなくしたい!」と思っていた大きな梁はタイル貼りに。さらに塗り壁、サイザル麻の床を取り入れるなどして、素材の質感を生かした、調和の取れた空間にリノベーションしました。キッチンは間口の広さを確保するため壁づけに。扉の面材を廊下の建具と同じグレーに塗装することで、空間に一体感が生まれました。また、床には複合フローリングを採用し、メンテナンスのしやすさを優先したリノベーションになっています。Iさん宅はコンパクトなスペースを「兼用」によってゆったり使う工夫が各所に散りばめられています。たとえば、作業台兼食器収納を置くことで、広々とした空間のまま、ダイニングとキッチンをゆるやかに仕切ることができました。また、奥のテレビ台はパソコンデスクを兼ねるため、椅子に合う高さに調整してあります。LDKの一角には、将来自由に仕切れるように壁を設けなかった子どもスペースがあります。壁がないことで、バルコニーからの光が届く明るい空間も実現できました。「目立つ梁は、あえて隠さず生かすことに。マンションの外壁のタイルからヒントを得て、外の雰囲気を中に取り込みました。また、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)ならではの堅牢さをそのまま見せています」と、アオイデザインの担当者。■ 寝室への廊下をワークスペースとして活用寝室にはLDKから廊下を通ってアクセスする間取りになっています。その廊下を活用し、夫の希望だったワークスペースを設けました。窓際にデスクと棚をL字型に造作し、棚の下を書類などの収納に使っています。「明るくて眺望が抜群。天気のいい日は富士山も見えるんです」と夫妻。こちらの廊下兼ワークスペースとキッチンとの境には引き戸を設置しています。小さなスペースながら、仕事に集中できる環境を整えました。その廊下を進んだところにある独立した空間が寝室です。物入れを撤去し、広さを確保することで、以前から使っていたベッドを収めることができました。また、東側の壁にはパイプと棚を取り付けてクローゼットに。■ エントランスや水まわりもタイル貼りで統一エントランスは、既存の下駄箱を撤去してベビーカーが置ける広さを確保しました。行き止まりのない間取りは、子どもスペースと廊下の2か所からDKにアクセスできて移動や物の搬入がスムーズなのだそう。こちらはエントランスからキッチンにつながる廊下。水回りを左右に分け、廊下の左側には洗濯室とトイレがあります。洗濯室とトイレはキッチンと奥行きを揃えることで、廊下からキッチンにかけてのラインをすっきりと見せることができました。廊下まわりの建具は造作し、グレーで統一したことで、さらにまとまりのある空間に。また、廊下のデッドスペースは収納として活用。浴室横はリネン、玄関脇は上着やルーターを収納しています。キッズスペースの壁の向こう側、家のほぼ中央に位置する水回りスペースに浴室と洗面室を収めています。コンパクトな洗面脱衣室は、引き出し付きの洗面台を選び収納量を確保。排水スペースが必要なため、浴室の床は少し上げることになりました。浴室には梁があるので、自由度の高いハーフユニットバスを採用。壁には梁と同じタイルをあしらい、浴室内も居住空間と同じ雰囲気で統一しています。さらに、子ども室と廊下側の壁の上部にガラスを埋め込む工夫も。洗面脱衣室も壁の上部を空けて、開放感と明るさを取り込んでおり、他の空間と緩くつながる水まわりになりました。ライトグレーの壁が明るい雰囲気のトイレは新調し、向きを変更しています。リノベで自分たちらしい住まいを手に入れたIさん夫妻。「できればなくしたい! というくらい目立っていた梁にタイルを貼り、家のシンボルに。それが浴室の湯舟からも眺められ、戸建てのような開放感がある。ぐるぐると回遊できる間取りも、とても便利なんです!」と嬉しそうに話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.17」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです設計アオイデザイン撮影飯貝拓司
2018年08月08日戸建てリノベーション初心者も安心!!RENOVATION Q&Aリノベーションといえばマンションが一般的ですが、最近では「戸建て+リノベ」を選ぶ人も増加中。しかし、費用がかさむのではないか、中古物件の耐久性をどう見極めればいいのかなど、マンションと比べると不安な点も多いのではないでしょうか?そこで、初心者が安心してコダテリノベに取り組めるように、プロの意見を交えながら、8つのチェックポイントをQ&A形式で分かりやすく解説します!総論リノベなら身の丈に合った個性的な家が手に入る!戸建てならではの縦の空間を遊び尽くそう!リノベ界のパイオニアとして知られるアートアンドクラフトを率いる中谷ノボルさんに、中古住宅+リノベを選択する人が増えてきた背景や、戸建てを中心にしたリノベの魅力について語っていただきました。19年前、中古マンションの一室を全面リノベして売り出す事業を始めた中谷さん。当時は物珍しがられたリノベがここまで普及した現状について、こう語ります。SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)「僕はよく、住宅もようやく『民主化』してきたんだと言っています。高度成長期に大量に建設された団地にはじまり、以前はマンションや建売住宅のような完成品を買うしかなかった。そんな中、もっと自由に手頃な値段で、自分の好みやライフスタイルに合った家を手に入れたいという人が増え、中古住宅をリノベするという選択肢が一本の太い柱として成長してきたんだと思います」古着やアンティーク、懐しい音楽にも魅力を感じ、新しいものと古いもが混在した空間に違和感を持たない若い世代にとって、日本はいってみれば宝の山。築20年もたてば家の価値はほぼなくなり、土地だけの値段でタダで古家がついてきます。こんなに中古住宅がお買い得な国は、海外にはないと中谷さんは言います。マンションと比べて、戸建てリノベならではの魅力とは何なのでしょうか。TATSU / PIXTA(ピクスタ)「高さを生かして立体的につくれるところですね。吹き抜けをつくったり、屋根の勾配をそのまま表したり、あえて高いところに天窓や高窓をあけて光を落としたりすると、おもしろい空間になります」万一、間取り変更ができないなど、見込みはずれの古家を買ってしまったらどうすればいいのかと問うと、こんな答えが返ってきました。「そこをなんとかするのが設計者の仕事ですし、悪条件を逆手に取ったほうが、かえっておもしろい家ができる可能性もあります。特に戸建てのリノベを選ぶ人には、そういう予想外の事態も一緒に楽しめるぐらいの余裕が必要かもしれません」こちらは、アートアンドクラフトが手掛けた大阪・梅田からほど近い沿線の駅前商店街沿いにある住宅。【Before】街と密接する1階の土間から2階へ上がると、天井高5m の明るく開放的な大空間が出現。【After】天井高5mの大空間が出現!【After】基礎や骨組みから全面リノベすることで、縦につながった木造戸建てのおもしろさを存分に生かしつつ、古い家の名残もほどよく感じられる住まいへと一変した(伊藤ハムスター= 扉・人物イラスト、安田はつね= 建物イラスト、アートアンドクラフト/中谷ノボル・枇杷健一・岡本典子= 取材協力)(住まいの設計2017年1・2月号より)pfofile中谷ノボル氏アートアンドクラフト代表大阪市生まれ。大学の建築学科を卒業後、不動産営業、建築設計、現場監督などを経験し、1994年アートアンドクラフトを設立。地域の古いビルを再生した宿泊施設や、不動産のセレクトショップ『大阪R 不動産』の運営も手掛ける。『みんなのリノベーション―中古住宅の見方、買い方、暮らし方』中古物件を買ってリノベしようと考えている人向けに、物件探し、資金計画、設計のポイントを分かりやすく解説した指南書のロングセラー。随所に中谷さんのポジティブな考え方が盛り込まれ、勇気づけられる(学芸出版社刊 価格/ 1800円+税)
2018年08月07日戸建てリノベーション初心者も安心!!RENOVATION Q&Aリノベーションといえばマンションが一般的ですが、最近では「戸建て+リノベ」を選ぶ人も増加中。しかし、費用がかさむのではないか、中古物件の耐久性をどう見極めればいいのかなど、マンションと比べると不安な点も多いのではないでしょうか?そこで、初心者が安心してコダテリノベに取り組めるように、プロの意見を交えながら、8つのチェックポイントをQ&A形式で分かりやすく解説します!第2章資金計画リノベーション(以下リノベ)費用にはローンが下りなかったひと昔前に比べると、今は一体型ローンや減税、補助金などの制度も整ってきました。ただし、いろいろな条件があるので、正しい知識を身につけて、賢く活用しましょう。Q6 予算はどれぐらいかかる?A.自己資金は物件価格の1割では不十分ハコの中身だけで共用部のサッシなどは変えられないマンションと比べると、戸建ては構造、屋根や外壁、外構など、全体にお金がかかるため、工事費がかさむのは当然です。freeangle / PIXTA(ピクスタ)また、個々の住宅の状態によっても費用は大きく変わるため、なかなか坪単価では表しにくいとA&Cのコーディネーター、岡本典子さんは語ります。それでもしいて目安を挙げるなら、延床面積80平米の住宅の場合で、構造は触らず、仕上げ材と設備の交換だけで最低1,200万円、床・壁・天井をはがして下地からやり直したり、階段の掛け替え、吹き抜けの新設など、大がかりな間取り変更が伴うと最低1,500万円はかかるそう。さらに、外壁塗装や屋根の葺き替えが加わると200万~300万円は上乗せになります。Q8で後述するように、今は物件購入とリノベ費用をセットで借りられるローンも増えているので、全額借りることも不可能ではありませんが、特に中古住宅購入の際には、物件代の3%余りも取られる仲介手数料をはじめ、所有権を移転するために払う税金や司法書士への報酬などの諸費用が意外にかかります。これにローンにまつわる諸費用を加え、引っ越し代や家具・家電の購入費も想定すると、物件価格の1割は必要になる勘定です。しかも、戸建てのリノベの場合は、これだけでも不十分だと岡本さん「購入前は表からの目視しかできないため、内装をはがして初めて、シロアリ被害や、浴室回りの柱が腐っているといった傷みが見つかることはよくあります。そういう不測の事態に備えて、自己資金は物件価格の1割+50万~100万円意しておきたいですね」Q7 リノベでもローンは組める?A.物件購入+リノベ費用が一体のローンも。ただし周到な準備を!新築とほぼ同じ条件で、物件購入とリノベの費用をまとめて借りられる、一体型の住宅ローンが登場して10余年。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)今では取り扱う銀行も増えてきました。しかし、案外知られていないのが、その仕組み。リノベ費用も同時に借りるためには当然、だいたいの金額が分かっていなければなりません。ローンの仮審査時には工事の見積書やリノベ後の平面図の提出が求められます。物件購入の申し込みから売買契約までには約1週間しかないため、申し込み後にリフォーム会社や建築家に依頼したのでは到底間に合わないのです。A&Cの岡本さんによれば、ローン仮審査時に提出した図面どおりに完成させなければならないという決まりはないので、工事請負契約まではプラン変更は可能出そうとです。しかし、一度借り入れ額を設定してしまうと、あとで増やすことはできないため、やはりどんなリノベがしたいか、それにはどれぐらい費用がかかるかは業者とよく相談しておく必要があるといいます。つまり、物件より先に設計者選びを進めたほうが、見学にも同行してもらえて、一石二鳥というわけです。Q8 減税や補助金など、お得な制度はある?A.住宅ローン減税や補助金については、諸条件があるのでよく調べようよく耳にする「住宅ローン減税」とは、10年間にわたって毎年、年末ローン残高の1%が所得税から控除される制度のこと。中古物件購入やリノベ工事費も対象になりますが、それぞれ条件があるので、要注意なのです。物件については、延床面積50平米以上、ローン返済期間10年以上、年間所得3,000万円以下に加え、中古の木造住宅の場合は築20年以内であるか、一定の耐震基準に適合しなければなりません。また、工事費は100万円以上であることが条件。A&Cでは築20年超の戸建てリノベを行う人が大半なので、もっぱらリノベ工事費のみの控除を受ける人が多いそうです。耐震、バリアフリー、省エネに特化した改修については、税の優遇があるだけでなく、国や自治体が多様な補助金を用意しています。費用をかけてでもそうした面に力を入れたリノベをしたい人は、事前に情報を集めておくといいでしょう。(つづく)(伊藤ハムスター= 扉・人物イラスト、安田はつね= 建物イラスト、アートアンドクラフト/中谷ノボル・枇杷健一・岡本典子= 取材協力)(住まいの設計2017年1・2月号より)pfofile中谷ノボル氏アートアンドクラフト代表大阪市生まれ。大学の建築学科を卒業後、不動産営業、建築設計、現場監督などを経験し、1994年アートアンドクラフトを設立。地域の古いビルを再生した宿泊施設や、不動産のセレクトショップ『大阪R 不動産』の運営も手掛ける。『みんなのリノベーション―中古住宅の見方、買い方、暮らし方』中古物件を買ってリノベしようと考えている人向けに、物件探し、資金計画、設計のポイントを分かりやすく解説した指南書のロングセラー。随所に中谷さんのポジティブな考え方が盛り込まれ、勇気づけられる(学芸出版社刊 価格/1,800円+税)
2018年08月05日戸建てリノベーション初心者も安心!!RENOVATION Q&Aリノベーションといえばマンションが一般的ですが、最近では「戸建て+リノベ」を選ぶ人も増加中。しかし、費用がかさむのではないか、中古物件の耐久性をどう見極めればいいのかなど、マンションと比べると不安な点も多いのではないでしょうか?そこで、初心者が安心してコダテリノベに取り組めるように、プロの意見を交えながら、8つのチェックポイントをQ&A形式で分かりやすく解説します!■ 第1章物件選び新築と違って現物を見て買えるのも中古住宅のメリットのひとつ。リノベーション最大の醍醐味である物件選び。ABC / PIXTA(ピクスタ)見学に行く際のチェックポイントや、ハズレ物件を見抜くコツを伝授します。Q3 リノベしにくい物件ってありますか?A.間仕切り壁が抜けない構造も間取りを大きく変えられるかどうかは、建物の構造や工法によって変わってきます。RC造や鉄骨造は構造体だけにしてしまえば、内部の間取り変更はしやすいです。木造は増改築しやすい構造だといわていますが、ひと口に木造といっても、いろいろな工法があります。一般に「在来工法」と呼ばれる、柱や梁や筋交いで建物を支える「木造軸組工法」なら、間取り変更の自由度は高いですが、要注意なのは壁が構造体となる「2×4(ツーバイフォー)工法」。壁を取り払えないため、大きな間取り変更はしにくくなります。また、構造にかかわらず、工場で大量生産された部材を現場で組み立てた「プレハブ工法」も、変更しづらいことが多くあります。ただ、リノベしにくい構造だからといって、あきらめるのは早い!「たとえ制約があっても、設計者の知恵次第でおもしろい家はつくれる」と中谷さん。プロに相談すれば、道は開けるかもしれないのです。同じように見える木造の家でも、工法が違うと間取り変更の自由度が変 わってくる。柱や梁で建物を支える左のような工法だと変更しやすいが、 壁で建物を支える右のような工法だと、間取りは変更しにくい■ Q4見学の際、見るべきポイントは?A.外見よりハコのよしあしを見抜く。できればプロに同行してもらおう家を見に行くと、壁紙はボロボロ、キッチンのコンロは油まみれ、中には夜逃げしたままで布団が残っている部屋すらあるそうです。TATSU / PIXTA(ピクスタ)一方では、壁紙を貼り替えたり設備機器を交換したりして、ひととおりきれいにリフォームして売り出している物件もありますが、そのぶんは価格に反映されてしまい、もったいないのです。どうせリノベするのだから、外見が汚くてもひるまず、「ハコという素材として見る」姿勢が肝心です、と中谷さんは語ります。むしろ見るべきは、あとで変えられない部分。例えば、階高はどのぐらいか、天井板を抜いたらどのぐらい高くなるか、壁を取り払ったらどんな空間になるかを想像してみましょう。また、日当たりや風通し、窓からの眺め、周辺の環境もチェックしましょう。ijin / PIXTA(ピクスタ)仲介業者が一緒だと気が回らないこともあるので、後日もう一度、自分だけで周辺を歩いてみるといいでしょう。近隣の人から話が聞け、思わぬ情報が手に入るかもしれません。建物の傷み具合の見方については次のQ5で触れますが、なるべく契約までに一度、建築のプロに同行して見てもらうことが望ましいでしょう。■ Q5 耐震性やシロアリ被害をどう見抜く?A.素人でもできる4つの「目視」。木造ならリノベと同時に改良は可能古住宅には、耐震性、シロアリ、雨漏りなど、目に見えない弱点への不安がつきもの。kpw / PIXTA(ピクスタ)耐震性については、法律が改正された1981年と2000年を境に、求められる耐震性能が高くなったため、築年数がひとつの目安にはなります。ですが、A&Cの設計監理チーフ、枇杷健一さんはこう語ります。「マンションと違って、戸建ての場合、前所有者が定期的にメンテナンスしていない例が非常に多く、雨漏りといった二次的な要因で柱や土台が腐るなど、建物の劣化が進みかねません。古い建物でも、腕利きの棟梁が手掛けた丈夫な建物を建主が大事に修繕してきた家もあれば、新しくても傷み放題の家もあり、一概に新しいほど安心とはいえないのです」枇杷さんによれば、物件見学には建築のプロに同行してもらうのがベストだそうですが、自分でもできる「目視」のポイントが4つあるそうです。外壁に大々的なヒビ割れがないか。1階が駐車場になっているなど、柱や壁の量が極端に少ない構造でないか。外壁を指でこすってみて指先に白い粉がつかないか(「チョーキング」は外壁塗装劣化のサイン)。室内の天井に雨漏りや漏水が原因のシミができていないか。外壁や屋根は補修も可能だが、工事費が一気に増えるので要注意だといいます。ただ、一般的な木造の建物であれば、まともな設計者や施工業者なら構造上、どこに補強が必要かは分かるし、シロアリの被害があれば部材を取り替えて防蟻処理をするなど、リノベ時に適切な提案をしてくれるので、公的な耐震等級を達成するために、必ずしも多大な費用と時間をかけて耐震診断+耐震改修を行う必要はないのでは、とは枇杷さんの弁。1階の壁が少なくビ割れだらけは✕。1階が駐車スペースで、2階以上を柱で支えた「ピロティ形式」は、壁の量が少なすぎると地震に弱いので避けたい。また、外壁に何か所もクラック(ヒビ割れ)やコーキング(充填剤)でふさいだ痕がある家も要注意民間団体、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合が、2016年6月までの約10年間に耐震診断を行った木造2階建て以下の家のうち、震度6強の地震で倒壊する可能性のある家は全体の9割以上に及ぶ(つづく)(伊藤ハムスター= 扉・人物イラスト、安田はつね= 建物イラスト、アートアンドクラフト/中谷ノボル・枇杷健一・岡本典子= 取材協力)(住まいの設計2017年1・2月号より)pfofile中谷ノボル氏アートアンドクラフト代表大阪市生まれ。大学の建築学科を卒業後、不動産営業、建築設計、現場監督などを経験し、1994年アートアンドクラフトを設立。地域の古いビルを再生した宿泊施設や、不動産のセレクトショップ『大阪R 不動産』の運営も手掛ける。『みんなのリノベーション―中古住宅の見方、買い方、暮らし方』中古物件を買ってリノベしようと考えている人向けに、物件探し、資金計画、設計のポイントを分かりやすく解説した指南書のロングセラー。随所に中谷さんのポジティブな考え方が盛り込まれ、勇気づけられる(学芸出版社刊 価格/ 1800円+税)
2018年07月29日戸建てリノベーション初心者も安心!!RENOVATION Q&Aリノベーションといえばマンションが一般的ですが、最近では「戸建て+リノベ」を選ぶ人も増加中。しかし、費用がかさむのではないか、中古物件の耐久性をどう見極めればいいのかなど、マンションと比べると不安な点も多いのではないでしょうか?そこで、初心者が安心してコダテリノベに取り組めるように、プロの意見を交えながら、4回にわたって、8つのチェックポイントをQ&A形式で分かりやすく解説します!今回は序章として「リノベーションとはなに?」という疑問を解説いたします。序章リノベーションとは?近頃よく聞くリノベーションという言葉。naka / PIXTA(ピクスタ)単に大がかりなリフォームを指すと思っている人も多いのでは?リフォームや新築との違いなど、今さら聞けない基礎知識を分かりやすくご紹介します。Q1 リノベーションとリフォームは、どう違うの?A.不便さの解消ではなく、自分らしいスタイルのある住まいづくりが目的リフォームに比べ、リノベーション(以下リノベ)のほうが最近よく耳にする言葉ですが、両者に厳密な線引きはありません。そもそも英語のrenovationは建物の改修を指すが、reformは住宅用語ではなく、日本独自の用法といえます。リノベ専門の設計事務所の草分けとして知られる、大阪でアートアンドクラフト(以下A&C)を主宰する中谷ノボルさんは、両者の違いについて、こう語っています。「リフォームの目的は、設備が壊れたから直そうといった不便さの解消にありますが、リノベには、多少不便でも最小限の機能でもいい、自分らしい生活スタイルを優先したいというニュアンスがあります。床・壁・天井を全部はがし、配管や設備も総取っ替えしないと、リノベといえないわけではありません。例えば、ある女性が「都心で、広いお風呂とキッチンのある、眺めのよい部屋に猫と住みたい」と要望したとします。そんな一人ひとりの明快な希望に応え、新築時に戻そうとするのではなく、まったく異なる住まいへと変貌させる――それがリノベなのです」店舗や事務所を併設した住まいを望む人には、階によって用途の使い分けができる戸建てリノベはオススメです。下記の写真は1階に妻が営むベーカリーを構え、上階に家族が暮らしています。そして、いつでも子どもの姿が見られて安心な作りになっています。店舗や事務所を併設した住まいを望む人には、階によって用途の使い分けができる戸建てリノベーションはオススメ。写真は1階に妻が営むベーカリーを構え、上階に家族が暮らす。いつでも子どもの姿が見られて安心Q2新築と比べて安さ以外のメリットは?A.住みたい街に、広くて味のある家が持てるチャンス!安さを理由に、新築でなくリノベを考える人もまだまだ多いだろうが、実はリノベには、ほかにも様々な魅力があります。中谷さんいわく、「古い物件のほうがあとから建てる新築より立地がよい場所を押さえているし、容積率も今より緩い時期に建っているので、空間に余裕があります」特に、都心で職住近接型の暮らしがしたい人には、オススメです。また、どっしりした柱や床など、新築にはない趣のあるインテリアが実現できる点もポイントでしょう。昭和レトロやアンティーク好きの人には、ピカピカの新築よりむしろ魅力的なものになるでしょう。つまり、中古住宅+リノベという選択によって、住みたい街に、より広く、味わいのある家が持てるチャンスが広がるというわけなのです。ちなみに、これは新築・中古問わず言えることだが、複数のフロアがある一戸建てならではのよさとは、吹き抜けなど、高さを生かした空間をつくりやすく、階によって用途を分けやすい点。今すぐでなくても、将来、店舗や事務所を併設する夢がある人は、マンションではなく戸建てをリノベするという選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。(伊藤ハムスター= 扉・人物イラスト、安田はつね= 建物イラスト、アートアンドクラフト/中谷ノボル・枇杷健一・岡本典子= 取材協力)(住まいの設計2017年1・2月号より)
2018年07月26日2016年5月、宅地建物取引業法改正案が国会にて成立しました。これにより、2018年4月から中古住宅取引の際に「ホームインスペクション」(住宅診断)の説明が義務化されることになりました。中古住宅の購入前には絶対にオススメしたいホームインスペクションについて、ご紹介いたします。■ ホームインスペクションって、そもそもなに?ホームインスペクションとは、住宅に精通した「既存住宅状況調査技術者」の資格を持つ建築士が、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所などを見きわめ、わかりやすくレポートにまとめてアドバイスを行なう業務のことを言います。TATSU / PIXTA(ピクスタ)屋根裏・天井裏や壁の中などの確認できない箇所や部位などもありますが、目視により劣化状況・欠陥確認そしてその推測を行なう事もできます。kpw / PIXTA(ピクスタ)わかりやすく説明すると、今までは当然知る必要があるのに、専門的な知識が少ない購入者では知りえなかった住宅の情報を購入前に知ることができる、ということなんです。中古マンションや中古の一戸建てを購入することを躊躇していた方も、建物のコンディションを知ることでより安心して中古住宅を購入することができます。リスクを払拭できない箇所はどうしても存在しますが、確認できる範囲で建物のコンディションを把握したり、推測することができるので、売買の判断材料にしたり、リスクを減らして取引を行うことができます。アメリカでは1990年代から始まり、今では全米で8割の人が中古住宅を購入前にこのインスペクションを行なっています。georgemphoto / PIXTA(ピクスタ)これにより、中古住宅の不透明性が払拭され、コストメリットが高い中古住宅という選択をする人が増え、中古住宅の流通量は倍増しました。日本も近い将来同じことが起こると推測されます。ここまでで、ホームインスペクションの大切さは理解してもらえたと思います。■ 延床面積125平米程度で5~6万円前後が一般的な価格!ではいったいホームインスペクションいくらくらいかかるのでしょうか。また、どこに依頼すれば良いのでしょうか。mits / PIXTA(ピクスタ)価格は、木造2階建延床面積125平米程度で5~6万円前後が一般的です。機材を使用して耐震診断を含む詳細診断をする場合、10万円以上かかる場合もあります。注意しなければならないのは、業者によっては上記価格より明らかに安い場合があります。TATSU / PIXTA(ピクスタ)中には調査箇所が少ない業者もいたり、親身に調査してくれない場合もあります。高い買い物ですが、それで安心の目安がわかるのなら上記価格は安価と考えましょう。次は、誰がどうやって行うかです。やはりインスペクションは経験値の高い建築士に依頼することが大切だと考えます。そして躯体(建物の骨組)は、建物を形成する上でとっても大切な部位であり、そこの専門家によるインスペクションが大切だと考えます。また、本当に住まい手の事を考えて相談できる建築設計事務所をオススメします。【参考】※国交省安心R住宅【取材協力】※フォルテック一級建築士事務所
2018年06月14日ディーゼル(DIESEL)のホームコレクションライン「ディーゼルリビング(DIESEL LIVING)」が、リノベーション企画をスタートさせる。「リノべる。」と提携し、ディーゼル リビングの家具を活かした空間づくりをプロデュースする。ディーゼル リビングと、1,500組以上のマンションのリノベーション実績を持つリノべる。のコラボレーションによって、家づくりから家具のコーディネートまでをトータルで提案することはもちろん、ディーゼル リビングの世界観を反映した、個性あふれる空間を演出できるようになる。「毎日触れるものだからお気に入りのインテリアに囲まれて暮らしたい」、「間取りにとらわれない自由な家具選びを実現したい」という人にとって、最適なプランとなる。また住居に限らず、オフィスやレストランなど施設のリノベーションにも対応が可能。個々のライフスタイルにあわせた、あなただけの空間を提案してくれる。東京・渋谷にある、ディーゼル渋谷のホームコレクションエリアでは、実際にディーゼル リビングの世界観を感じられる空間を設けている。ビンテージ感漂うインダストリアルな雰囲気と、ロックスピリットを感じる住空間を体感してみては。また店内では、ディーゼル リビングとリノベる。の専門スタッフによる、プロジェクトの概要を説明するセミナーを定期的に開催。セミナーに関する問い合わせは、ディーゼル 渋谷、または公式サイト(www.diesel.co.jp/art/renoveru)まで。店舗情報ディーゼル 渋谷(DIESEL SHIBUYA)住所:東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti B1F営業時間:11:30~21:00定休日:不定休
2018年06月08日家を買うなら新築?それとも中古?現在の東京近郊の中古マンションの相場はどうなっているのでしょうか。不動産・住宅サイト「SUUMO(スーモ)」が、「新宿駅から30分圏内!中古マンション価格相場が安い駅ランキング<DINKS編>」を発表!調査で分かった、中古マンションのお買い得エリアをご紹介します!■ 通勤ストレスが少ない距離に住みたいなら中古マンション!“新築”に特にこだわりがなければ、中古マンションはとてもお買い得な物件です。リフォームやリノベーション次第で、既存の良さをあえて取り入れて自分らしくアレンジしたり、壁を取り払って広々としたLDKを実現させたり、大きくイメージを変えることができます。また、中古だと新築より物件価格を抑えられるので、その分、条件のよいエリアを選ぶことができます。「SUUMO(スーモ)」は、「新宿駅まで30分圏内」「駅徒歩15分圏内」「専有面積40平米以上~70平米未満」の条件で、中古マンションの物件相場を調査。ponta2012 / PIXTA(ピクスタ)1位は神奈川県川崎市の小田急小田原線・読売ランド前駅(価格相場1,980万円)、2位も同じく川崎市で京王相模原線・京王稲田堤駅(価格相場2,170万円)、3位は埼玉県さいたま市のJR埼京線・与野本町駅(価格相場2,180万円)という結果となりました。1位の読売ランド前駅は、中古マンションの価格相場が安いというだけでなく、近くに「よみうりランド」があり、子育て世帯にはうれしい環境です。日本女子大学のキャンパスも近いので、女の子がいる家庭では、将来の大学進学も視野に入れて物件選びができそうです。2位の京王稲田堤駅は、400mくらい離れた場所にJR南武線の稲田堤駅もあり、とっても便利。3位の与野本町駅は、近くにバイパスもあり車で移動しやすい点が魅力です。バラで有名な与野公園もあり、ピクニックも楽しめます。■ ランンキング6位の町は新宿駅まで最短23分!sunny / PIXTA(ピクスタ)ランキングの中で、もっとも早く新宿駅まで行けるのが、6位のJR埼京線・戸田駅で、所要時間は23分です。価格相場は2,280万円。1位の読売ランド前駅の1,980万円と比較すると、相場は300万円ほど高くなります。ただ、JR埼京線・戸田駅は行き先が複数あって、池袋駅や、新宿駅経由で渋谷駅、大井町駅にも乗り換えなし1本で行くことが可能です。300万円は大きな差ですが、長く住むことを考えると、交通アクセスという点では十分なメリットがありそうです。PIXTOKYO / PIXTA(ピクスタ)いずれの町にもそれぞれの特色や魅力があります。夫婦のみ、子どもあり、二世帯……と家族構成もさまざま。飲食店が多い、学校が近い、ショッピングが充実している、自然が豊か、治安が良い、などご家庭ごとの優先順位やライフスタイルと照らし合わせながら、じっくりと、ベストな物件を探してみてくださいね!【参考】※ 1位は神奈川のあの街!新宿駅まで30分圏内の駅を調査!中古マンション価格相場が安い駅ランキング<DINKS編>
2018年06月06日すまいにこだわりがある人にとって、我が家を自分好みの家にすることは理想の一つ。そして、理想を叶える手段として、リノベーションは有効な手段と言えます。ただ、リノベーションというと、どうしても金額が見えにくく、高額な買い物でもあるので不安に思う方が多いのではないのでしょうか。今回は、リノベーション見積もりサービス『ラクリノ』を運営し、過去2000件のリフォーム、リノベーションの相談実績を持つ株式会社オノヤの鈴木文貴さんにリノベーションの費用に関するポイントを説明してもらいました。株式会社オノヤ 鈴木文貴氏リノベーション相場は分かりにくい?!リノベーションの相場って皆さん分かりますか?新築住宅や自動車などの相場はすぐ分かるのに、リノベーションの相場がどのくらいなのかパッと分からないという方がとても多いです。あなたがリノベーション相場を把握しているか測るために、ひとつクイズをだしてみます。質問:マンションリノベーションの事例が2つあります。面積はほぼ同じです。費用は580万円、840万円です。840万円の事例は①、②のどちらでしょうか? ①②分かりましたでしょうか。おそらくかなり悩んだのではないでしょうか。答えは②が840万円のリノベーションです。「なんで?」とモヤモヤされた方。理由をご説明していきますので、安心してください。マンションリノベーション費用の大まかな金額は、2つの数字で分かってしまいます。①リノベーションする面積(㎡)②面積当たりの金額(㎡単価)①は簡単です。あなたがリノベーションしたい住まいの面積そのままです。リノベーション費用を難しくしているのが②の面積当たりの金額です。その難しい面積当たりの金額を分解すると図のようになります。これだけでは、分かりにくいと思いますので、先ほどの事例に当てはめてみましょう。見た目が素敵になったリノベーションでも、その内容の違いによって金額が大きく異なります。そのため、リノベーションの相場は分かりにくくなっているのです。図上のABCD要素を理解することが出来れば、リノベーションの相場が理解できるようになります。ここから先は、マンションと戸建てそれぞれについて、ABCD要素を一つずつ紐解いていきます。マンションリノベーションの費用とその内訳とはここまでの内容をまとめてみます。リノベーション費用の相場が分かる方程式とは「リノベーションの費用って、大体どのくらいかかるのですか?」セミナーでの質問や個別相談で、よく聞かれます。不動産も、車も、大体の金額はすぐ分かるのに、リノベーションの相場がどのくらいなのかパッと分からないのはなぜでしょうか。それは、費用を決定する要素が分からないからだと考えられます。実は、リノベーション費用の相場は、方程式で表すことができます。面積(㎡)×㎡単価 面積:リノベーションを行う部分の床面積の合計(平方メートル)。㎡単価:1平方メートル当たりのリノベーション単価。 この方程式を使えば、相場がすぐにわかります。もちろん、この方程式は1円単位まで正確に出すものではなく、概算を掴むことを目的としていますのでご注意下さい。ちなみに、新築の場合は、以下のようになります。面積(坪)×坪単価坪単価○○円!と書いてあるチラシをよく見ますよね。新築もリノベーションも、住まいを作ることは共通なので、方程式も共通です。注意する点として、坪か㎡かで単価が異なります。㎡単価10万円は、坪単価にすると33万円になります。新築とリノベーションの大きな違いは、工事内容に決まりがなく、パターンは無限に近い点です。これは、方程式内の㎡単価を決める要素がものすごくあることを意味します。ここからは、マンションと戸建に分けて、㎡単価の内訳をお伝えして行きます。 マンションリノベーションの費用とその内訳とは先述の通り、リノベーション相場の方程式は以下の通りです。面積(㎡)×㎡単価面積は物件によって、または工事したい範囲で決まるので、簡単に決まります。費用を計算するには、単位面積単価の要素がポイントとなります。では、その要素のうち、大きなものを明らかにしていきましょう。◯㎡単価を決める4大要素面積の大小工事の内容仕上げ材料間取り変更それでは、ひとつひとつ見ていきましょう。1. 面積の大小リノベーションする面積が大きいほど下がり、小さいほど上がります。理由としては、大小関わらずほぼ同一費用がかかる工事があるからです。キッチン、風呂、洗面、トイレ、各種申請などがあります。また、施工面積が大きいほど施工単価も下がります。ペットボトルの水500mlの価格と、2Lの価格を比べると、500mlあたりの価格は2Lの方が安いのですが、それと同じ原理です。2. 工事の内容床、壁、天井を壊して作り直すのか、今あるものを利用するのかで単価が大きく変わります。仕上がり後は見えなくなる部分が多いので、相見積を取って比較した時に差額が出る大きな要因となっています。3. 仕上げ材料特に、仕上げ材の質が良いほど単価は上がります。例えば、フローリング。グレードによって十数万円変わったりもします。4つの中でも、はっきりと分かりやすい部分ですが、会社ごとに割引率が異なることもあります。4. 間取り変更今と同じ間取りにする場合は、床壁天井をそのまま利用できることも多いので単価は下がります。間取りを変える場合、マンションの場合はお風呂、トイレ、キッチンを移動する場合は単価は上がります。リノベーションで間取りを大きく変えるのであれば、間取プランによる差異は小さくなります。上記を踏まえて、実際の事例から相場を掴んでみましょう。 マンションリノベーションの費用と事例マンションリノベーション例①:中古マンション58㎡面積(㎡)×㎡単価58㎡×10万円=580万円Before▼After見た目は大きく変わっていますが、間取りはほとんど変わっていません。 マンションリノベーション例②:中古マンション70㎡(間取り変更なし)面積(㎡)×㎡単価70㎡×8.5万円=595万円Before▼After壁のコンクリートやタイルは、本物ではなく、クロスを使い、仕上げ材料で㎡単価を下げるように工夫しています。 マンションリノベーション例③:中古マンション50㎡(間取り変更あり)面積(㎡)×㎡単価56㎡×15万円=840万円Before▼After間取りを変更していることに加え、収納のオーダー作成や、仕上げ材料グレードアップをしたことで㎡単価が上がっています。 マンションリノベーション例④:中古マンション70㎡(間取り変更あり)面積(㎡)×㎡単価70㎡×14.5万円=1015万円。Before▼Afterこちらも間取りを変更していることに加え、引き戸のオーダー作成や、仕上げ材料を追加したことで㎡単価が上がっています。このように、同じリノベーションでも㎡単価が異なります。間取り変更をする場合は、工事内容も床壁天井を解体することになるので、㎡単価が大きく上昇します。その分、天井をコンクリートのままにしたり、壁をコンクリート塗装にすることで、仕上げ材料費用を削減して、㎡単価を下げることもあります。 ラクリノではリノベに関する不明点などにお答えしています。\以下から無料相談が可能です。/チャットで無料相談する > 戸建リノベーションの費用とその内訳とは基本はマンションの場合と一緒で、リノベーション相場の方程式は以下の通りとなります。面積(㎡)×㎡単価㎡単価の要素もマンションと同じですが、戸建てならではの部分を中心に見てきます。1.面積の大小リノベーションする面積が大きいほど下がり、小さいほど上がります。戸建ての場合、全面だと面積が大きくなるため、1階のみをリノベーションをして面積を小さくするケースも多いです。2.工事の内容床、壁、天井を壊して作り直すのか、今あるものを利用するのかで単価が大きく変わります。戸建の場合は、屋根外壁工事、エクステリア工事、増築工事も行うケースもありますが、内部のリノベーション費用と分けて考えたほうが分かりやすくなります。3.仕上げ材料マンションの場合と同様です。部屋によって仕上げ材料を変えることで、㎡単価を抑える方法もよく使われます。4.間取りを変更戸建ての場合、間取り変更に伴い、耐震補強工事などが必要になることがあります。間取り変更をする場合は、㎡単価は大きく上昇します。それでは、以下の条件で相場を計算してみましょう。 戸建てリノベーション費用と事例戸建てリノベーション例①:中古戸建87㎡(間取り変更なし)面積(㎡)×㎡単価87㎡×6万円=522万円Before▼After一番こだわりたいLDKは若干間取り変更を行い、その他の部分は壊さないことで、工事の内容を抑えています。それによって、㎡単価が下がっています。 戸建てリノベーション例②:中古戸建120㎡(間取り変更なし)面積(㎡)×㎡単価120㎡×5万円=600万円Before▼Afterキッチンの位置を変更していますが、その他の間取りは変えていません。こちらも床壁天井を壊さずにリノベーションをすることで、㎡単価を抑えています。 戸建てリノベーション例③:中古戸建90㎡(間取り変更あり)面積(㎡)×㎡単価91㎡×14万円 = 1274万円Before▼After間取り変更を大きく行っています。断熱工事や、収納を増やしており、工事内容を充実させています。 戸建てリノベーション例④:中古戸建107㎡(間取り変更あり)面積(㎡)×㎡単価107㎡×13万円=1391万円Before▼Afterこちらも間取り変更を行っています。断熱工事や、仕上げ材料のグレードアップを行っており、㎡単価が上昇しています。このように、間取り変更をする場合、㎡単価が大きく上昇します。仕上材のグレードを落とすよりも、間取りを変えない部分を増やした方が費用を抑えることが出来ます。 ラクリノではリノベに関する不明点などにお答えしています。\以下から無料相談が可能です。/チャットで無料相談する > リノベーション費用を少しでも抑えるにはリノベーション費用を少しでも抑える方法は、大きく分けて2つあります。補助金や減税を利用する。リノベーション内容の強弱をつける。1つめは、補助金や減税を利用することです。補助金は、数万円のものから、数百万円のものまで、大小様々な補助金があります。現在の建物の状況や、リノベーションの内容によってももらえる、もらえないがありますので、リノベーション会社へ聞いてみると良いでしょう。全国の補助金が調べられるWEBサイトも存在します。※注意現時点では平成29年度版です。平成30年度版は7月頃から始まるそうです。どのような補助金があったのか、把握するのにお使いください。2つめは、リノベーション内容の強弱をつけること。部屋によってリノベーションの内容を変えるということです。例えば、「LDKは一番過ごす時間が長いので予算をかけるけれど、寝室や子供部屋は見た目がきれいになっていればよい」と決断をすれば、部屋ごとに単位面積単価を変えることが出来ます。これは、新築では出来ない、リノベーションの大きなメリットのひとつです。リノベーションをする目的が果たせるのであれば、部分ごとに見直すことで費用を抑えることが可能になります。 住宅ローンを組むとお得になる制度住宅ローンを10年以上の期間で借り入れをしてリノベーションをする場合、住宅ローン控除を受けることが出来ます。「年末の借り入れ残高×1%(上限40万円)」が10年間、所得税から控除されます。年末の借り入れ残高が3,500万円だった場合の所得税還付額は以下のようになります。3,500万円×1%=35万円結構大きな金額です。支払を続ければ、借入残高は下がっていきますので、年々控除額は下がりますが、この場合200万円近く手元に戻ります。利用するには、税務署へ赴いて確定申告が必要となります。2018年1~12月に引き渡しを受けた場合、2019年2~3月に確定申告をするようになります。基本は所得税から控除ですが、控除しきれない場合は住民税からも一部還付されます。中古住宅を購入してリノベーションをする場合は、以下の条件を満たすと、購入費用も住宅ローン減税の対象となります。家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下であること。地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるもの (耐震基準)に適合する建物であること。該当するかどうかは、購入先の不動産会社へ相談してみると良いでしょう。住宅ローン減税について、より詳しく知るには、こちらをご覧ください。 中古住宅購入とリノベーションの住宅ローンシミュレーション最後に、中古住宅購入をしてリノベーションした場合の費用と、月々の支払額をシミュレーションしてみましょう。シミュレーションには、以下の方程式を使用します。総支払額(万円)=中古住宅購入金額×諸経費倍率+リノベーション費用諸経費倍率とは、中古住宅購入時に必要となる費用の事です。購入金額のおよそ6%~13%程度になりますが、今回は購入金額の10%として計算をします。この場合諸経費倍率は1.1となります。(中古購入金額+諸経費10%=中古購入金額×1.1)総支払額が分かったら、返済金額早見表を使っておおよその月々支払額を算出します。早速、やってみましょう。住宅ローンは頭金なしで35年、固定金利2.0%とします。シミュレーション条件①中古マンション(2000万円)購入して間取り変更リノベーションをする。リノベーション面積:70㎡リノベーション費用:980万円管理費修繕費:2.5万円総支払額(万円)=中古住宅購入金額×諸経費倍率+リノベーション費用総支払額(万円)=2000万円×1.1+980万円=3180万円月々支払額(万円)=3180万円×33.1=10.5万円マンションの場合、管理費と修繕費も月々支払うことになりますので、10.5+2.5=13万円シミュレーション条件②中古戸建て(2500万円)購入して間取り変更リノベーションをする。リノベーション面積:90㎡リノベーション費用:1350万円総支払額(万円)=中古住宅購入金額×諸経費倍率+リノベーション費用総支払額(万円)=2500万円×1.1+1350万円=4100万円月々支払額(万円)=4100万円×33.1=13.5万円すでに所有している住宅をリノベーションする場合は、リノベーション費用を総支払額として計算します。シミュレーション条件③所有マンションを間取り変更リノベーションする。マンションの面積:70㎡。リノベーション費用は前述した980万円とします。また、管理費修繕費は合計2.5万円とします。総支払額(万円)=中古住宅購入金額×諸経費倍率+リノベーション費用総支払額(万円)=0万円×1.1+980万円=980万円月々支払額(万円)=980万円×33.1=3.2万円マンションの場合、管理費と修繕費も月々支払うことになりますので、3.2+2.5=5.7万円シミュレーション条件④所有戸建てを間取り変更リノベーションする。戸建ての面積:90㎡。リノベーション費用は前述した1350万円とします。総支払額(万円)=中古住宅購入金額×諸経費倍率+リノベーション費用総支払額(万円)=0万円×1.1+1350万円=1350万円月々支払額(万円)=1350万円×33.1=4.4万円 ここまで、リノベーションに関わる費用について様々な角度から見てきました。相場を知り、支払額を大まかにでも把握することで、実際に中古住宅の購入やリノベーションを進めるかどうかの判断しやすくなります。リノベーションの相場を詳しく知りたい方は、リノベーション事例に掲載されている金額を面積(㎡)で割ってみてください。これで㎡単価が分かりますので、比較してみましょう。自分の望むリノベーションの相場が見えてきます。もし、㎡単価が大きく異なるリノベーション事例があった場合は、4つの要素のどれかが異なっているはずです。ぜひ、リノベーションの事例写真だけではなく、㎡単価にも注目してみてください。 ラクリノではリノベに関する不明点などにお答えしています。\以下から無料相談が可能です。/チャットで無料相談する >
2018年06月04日中古住宅を買って、自分好みにリフォーム・リノベーションする人が増えています。うまくいけば新築よりも手頃な価格で間取りや内装を自分好みに変えられる点が魅力のリフォーム・リノベーションですが、工事を依頼する業者を間違えると、取り返しのつかないことになることも……。今回は、リフォーム・リノベーションで後悔しないために、「こんな業者に頼んじゃダメ!」なNGポイントについてお話ししたいと思います。SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)■ NGポイント1.建築士などの資格者がいない木造2階建てやマンションのリノベーションの場合、増築をしなければ、多くの場合確認申請が要りません。確認申請がないということは、第三者の検査やチェックがないということです。freeangle / PIXTA(ピクスタ)行おうとしているリフォーム・リノベーションが構造・設備的にも適切なものか、判断しようがありません。建築士がリフォーム・リノベーションプランを設計し、きちんと監理を行う会社を選ぶことをオススメします。■ NGポイント2.サービスの有料、無料についての説明が曖昧最初の打ち合わせで、どの相談から有料になるのかを説明してくれない営業マンがいます。何度かプランを提示されたあと、お断りをするとします。タカス / PIXTA(ピクスタ)そのときに、今までかかった経費を請求される場合があります。もちろん経費を請求してくること自体は悪いことではないのですが、「本プラン以降は有料になります」など事前の説明は必要です。どこまでが無料で、どこからが有料になるかの説明を、事前にきちんと説明してくれる会社を選びましょう。■ NGポイント3.実績と経験が少なく施工レベルが低い業者を決める前に、どれぐらいの施工レベルなのかは、ぜひ知りたいところです。施工業者のホームページには、たいてい過去の施工事例などが掲載されていますが、写真だけではわからない部分もあります。freeangle / PIXTA(ピクスタ)現在施工中の現場があれば、見学できないか確認してみましょう。モデルルームなどがあれば、そこで確認するのも良いでしょう。具体的な施工現場について、見学や説明などきちんと対応してくれる会社を選びましょう。■ NGポイント4.事業者団体に加盟していない、建設業許可などを得ていないリフォーム・リノベーション工事の請負金額が、500万円(一式の場合1,500万円)未満であれば、建設業の許可が不要です。建設業の許可とは、国土交通大臣または都道県知事によって出される営業許可のこと。建設工事に関して専門性を有しているか?金銭的信用があるか?などを審査されます。ucchie79 / PIXTA(ピクスタ)リフォーム・リノベーション業者の中には、要件を満たしていないため、建設業の許可をとっていない業者も存在します。また、建築工事保険、賠償責任保険、リフォームかし保険など、万が一のトラブルに備えて保険に加入している会社を選びましょう。トラブルがあった場合、工事に対して賠償金が支払われます。■ NGポイント5.工事の補償やアフターサービスが充実していないリフォーム・リノベーションが終わった後で、不具合が起きたり、欠陥が発覚したりすることがあります。その際の補償・範囲・期間などは、リフォーム・リノベーション業者によって異なります。また、欠陥がなくてもアフターサービスが1か月・3か月・半年・1年と、充実していることが大切です。工事の補償やアフターサービスについて、事前に文書などにより十分確認し、補償内容や範囲・期間が充実している会社を選びましょう。さわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?新築よりも、手軽で安価に見えるリフォーム・リノベーションですが、残念ながらトラブルが多いのも事実です。きちんとした物件と工事業者を選んで、失敗のないリフォーム・リノベーションを実現してくださいね。(しかまのりこ)
2018年05月01日中古住宅を買って、自分好みにリノベーションする人が、とても増えています。2016年の首都圏では、新築マンションの供給戸数より中古マンションの成約戸数が多くなりました。人気のリノベーションですが、無知なまま中古住宅を購入すると、あとで痛い目に合うことも……。今回は、リノベーション向き「優良中古物件の見分け方」についてのお話しです。ABC / PIXTA(ピクスタ)■ まずは知っておきたい!リノベーションの基礎知識リノベーション向きの中古住宅をえらぶ前に、リノベーションの基礎知識をおさえておきましょう。freeangle / PIXTA(ピクスタ)リノベーションの費用の相場中古住宅を買って、リフォーム・リノベーションする場合、その費用の相場はどのくらいでしょうか?構造や工事の内容にもよりますが、戸建てで500万円から1,500万円、マンションで300万円から1,000万円程度といわれています。この金額に、中古住宅の購入資金が加算されるわけです。ですから、適正な中古住宅を慎重に選ばないと、新築住宅より高くなってしまうことがあります。物件によっては、工事の内容に制約がある大手ハウスメーカーの住宅は、工法によってはリノベーションが難しい場合も。もし、大手ハウスメーカーの住宅を購入してリノベーションをしたいときは、一般的な工務店で対応するのが難しい場合も。そのハウスメーカーにリノベーションを依頼するのが無難ですが、費用は割高になるかもしれません。リノベーションにも補助金・減税制度がある新築には、すまい給付金や長期優良住宅減税など、さまざまな減税や補助金制度がありますが、リノベーションにも、多くの補助金や減税制度があります。補助金や減税制度には、それぞれ適用条件がありますので、お住まいの自治体などで必ずチェックしましょう。KY / PIXTA(ピクスタ)■ リノベーション向き「中古戸建て」のポイントでは、どのような中古の戸建てがリノベーションに向いているのか、そのポイントをご紹介します。HIME&HINA / PIXTA(ピクスタ)敷地は、幅4m以上の道路に2m以上接していること「再建築不可」という格安の中古住宅、よく見かけませんか?住宅の敷地が、接道条件を満たしていないため、その敷地には新しく家を新築することができないというものです。接道条件とは、住宅の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接しなければいけないという都市計画地域に制定された建築基準法の制約です。リノベーションは新築ではないため、道路に敷地が接していなくても工事を行うことは可能です。しかし道路に接していないということは、工事もしづらく、工事費もかさみます。給排水の配管なども、他人の敷地を通っている場合も多く、工事に隣家の許可が必要などのトラブルも発生します。また、地震時や火災時の消火活動も消防車や救急車が入れなく、避難・救助にも支障がでます。極楽蜻蛉 / PIXTA(ピクスタ)軟弱地盤はぜったいNG!建物の乗る敷地の地盤は、最も大切です。新築であれば、地盤を強く改良する工事ができますが、リノベーションの場合は地盤を改良することができません。建物をいくら耐震補強しても、地盤が軟弱であれば、地震の力で建物は壊れます。Renoir / PIXTA(ピクスタ)周辺環境や防犯性の良さ線路や幹線道路などに住宅が面している場合、交通騒音や排気ガスなどの影響が大きくなります。健康被害が出るようなものかどうか、隣家や周囲の人に聞くなどして判断しましょう。また、周辺に荒らされた空き地や空き家などがあると、犯罪の危険性が高くなります。周辺環境や防犯性の良さが確保されている地域がオススメです。■ リノベーション向き「中古マンション」のポイント次は、どのような中古のマンションがリノベーションに向いているのか、そのポイントをご紹介します。ABC / PIXTA(ピクスタ)定期的に大規模修繕・補修がされているマンションは、規模も大きいことから、建物の修繕や補修などの管理が大切になります。一般的に新築から12年程度の周期で、防水工事・外壁塗装・鉄部塗装などの大規模修繕が行われます。これらの工事がきちんと行われているかは、大規模修繕記録などで確認します。仲介業者に入手してもらいましょう。チンク / PIXTA(ピクスタ)修繕積立金や管理費の滞納がないことマンションに住むためには、共用部分やエレベーター設備などの管理費や、大規模修繕のための積立金を納める必要があります。しかし、マンションの所有者の中には、この管理費や修繕積立金を滞納している人がいます。その滞納があまりに多くなると、管理に支障がでるだけでなく修繕積立金不足から、建物の十分な修繕ができなくなります。修繕積立金や管理費の滞納状況は、マンションの管理組合が管理しています。仲介業者に、閲覧または入手をお願いしましょう。YNS / PIXTA(ピクスタ)ごみ置き場、自転車置き場、メールボックスなどがきちんと清掃、整頓されているごみ置き場・自転車置き場・メールボックスなどは、マンションの管理状態がわかるだけでなく、マンション住人のマナーの良しあしもわかる場所です。きちんと仕分けしてごみが出されている・メールが郵便受けからあふれていないなど、清掃・整頓状況を確認しましょう。いかがでしたか?リノベーション向き中古物件を選ぶためには、このようにたくさんの注意ポイントがあります。あせらず、細心の注意を払って、良い物件を選んでくださいね。(しかまのりこ)
2018年04月29日「マンションは管理を買え」とよく言われますよね。中古マンションの場合、実際にどこを見れば管理が行き届いているかどうか、わかるのでしょうか?管理状態を素人が正確に判断するのは容易なことではありません。今回は、内見する際に、最低限これだけは確認しておきたいポイントを3つご紹介します。HAKU-No1 / PIXTA(ピクスタ)■ 1.エントランスやごみ置き場だけじゃない。必ず見てほしいのはココ!kunio / PIXTA(ピクスタ)みなさんは中古マンションを内見しに行くとき、どんなところを見ていますか?もちろん、自分が購入する予定の部屋、つまり専有部をじっくり見たいですよね。それはもちろん大切ですが、「共用部」をよく見ないで中古マンション購入を決めるのは、結構怖いことなんです。というのも、マンションは管理が命!管理が行き届いたマンションかどうかを見分けるには、共用部をチェックするのが一番だからです。共用部でチェックしたいのは、まず外観これなら内見に行った日に見て回ることができます。以下に、見るべき場所とその見方をまとめます。HHImages / PIXTA(ピクスタ)建物の外観……パッと見てきれいか、目立つひび割れなどはないか、ベランダに植木鉢などが乱雑に置いてある部屋はないかエントランス……清掃が行き届いているか、自転車などが乱雑に置かれていないかごみ置き場……周囲やごみを入れる箱などが汚れていないか、分別ルールはしっかりしているか自転車置き場……区画がしっかり分けられているか、ゴチャゴチャしていないか駐車場……平置きか機械式か、清掃が行き届いているか(機械式駐車場だとメンテナンスにお金がかかるので、当然管理費が高くなります)以上をチェックすることで、管理組合の体制がしっかりしているかはある程度はわかります。これらが及第点以上ならば、管理組合のルールづくりがしっかりしていて、居住者のマナーも良いと思われます。YNS / PIXTA(ピクスタ)ぜひしっかり見ていただきたいのは「植栽」築年数が古くても植栽がとてもきれいなマンションがありますが、それは管理組合がしっかりしているマンションだと思って良いと思います。中には居住者でグリーンクラブをつくって玄関前の花壇を管理している、という管理組合もありました。資産価値を上げながら、マンション暮らしを楽しんでいる様子がうかがえますね。■ 2.豪華な共用施設よりもまずチェックしたいのは「掲示板」!廣冨豪 / PIXTA(ピクスタ)共用部といえば、つい気になってしまうのが豪華な共用施設や24時間ごみ出しOKなどの「便利なサービス」のこと。それらのチェックももちろん必要ですが、大事なのはそれがどのように使われているか、そのサービスが本当にきちんと機能しているか、です。ただあればOKというわけではない、ということです。サービスが機能しているか否かが、そのマンションの良し悪しを決めるといってもいいでしょう。ABC / PIXTA(ピクスタ)マンション内に入ったら、地味ですが、ぜひ見ておきたい場所があります。エントランスホール……清潔に保たれているか、(出前の皿など)余計なものは置かれていないかエレベーター……内部のシートはよく掃除されているか、シートがはがれたままになっていないか廊下、階段……清潔で廊下に物が雑然と置かれていないか、ひび割れやシートの剥がれなどがないか(共用廊下に物を置くことは消防法で禁止されています)共用施設……よく利用されている様子か、きれいに使われているかNon+i / PIXTA(ピクスタ)もうひとつ、ぜひ見ておいてほしいものは「掲示板」掲示板にはマンションのコミュニティの様子がよく表れるものです。コミュニティ活動を盛んに行っているマンションの掲示板は、サークルやお祭りなどの情報がたっぷりと掲示してあります。マンション管理の土台はコミュニティにあり。にぎやかな掲示板は、「管理の良いマンション」の指標のひとつです。■ 3.管理人、すれ違う居住者…チェックポイントは「笑顔で挨拶」piyopiyo / PIXTA(ピクスタ)最後に「人」にも注目してみましょう。マンションの「人」とは、つまり管理人さんや居住者です。私が過去に内見や取材で訪れたことのある、管理組合の体制がしっかりしていて管理が行き届いているマンションでは、感じのいい人とばかり出会いました。管理人さんは声をかけてくれましたし、居住者とすれ違うと必ず素敵な笑顔で挨拶をしてくれるのです。敷地内で迷っていたら道を教えてくれて、頼んでいないのに自慢の共用施設を案内してくれた人もいました。【IWJ】Image Works Japan / PIXTA(ピクスタ)居住者同士も笑顔で挨拶を交わしていました。反対に、ものすごく愛想の悪い管理人さんや、挨拶をしているのに無視をする居住者がいるマンションがたまにあります。正直、それはあまりいい気持ちのするものではありません。「ここには住みたくない」と思わせ、自ら資産価値を落としているといってもいいでしょう。いかがでしたか?中古マンションの管理状態を見抜くポイントは、「そのマンションが一生懸命管理している様子」がうかがえるかどうか、です。居住者間のコミュニティを大事にし、マンションの資産価値を上げるための努力が見えたら、それは「買い」のマンションといえるかもしれません。(written by 殿木真美子)
2018年04月26日中古マンションを購入してリノベーションするまで3年かかりました。やっとその家での生活にも慣れてきた今日この頃。今のような衣替えのシーズンに思うのが、クローゼットをオープンにしてよかった!ということです。以前住んでいた家では、北側の6畳洋間ひと部屋を丸々クローゼット兼ロードバイク置き場として使っていました。今考えると、子どももいなかったし贅沢な使い方をしていたもんです。さて、新しい家はそういうわけにはいきません。どこに衣類を収納しようか……。もちろんウォークインクローゼットを作ろう!と思ってはいましたが。※【自営業の妻、3年かかって家を買う】今までのシリーズを見てみる■ 廊下も兼ねることで、部屋の広さを有効利用できる私がクローゼットに求めることは「人目につかない」「風通しが良い」「お風呂に近い」「お金をかけない」でした。お風呂の隣に位置する寝室にクローゼットを設置するというところまでは考えたのですが、それからがなかなか進まず……。というのも、私は勝手にクローズされたクローゼットしか考えていなかったのです。でも、衣類収納のためだけに箱(部屋)を作ることに抵抗を感じるようにもなってきました。そんな時に夫が提案してくれたのが、なかなか良い案でした。LDKから寝室に繋がるドアを開けたところです。進むと右手がクローゼット部分です。夫が提案してくれたのは、ウォークインではなくウォークスルークローゼットだったんです。向こう側に通り抜けできるんですよね。収納場所としてはもちろん廊下としての機能も兼ね備えているし、なんと言っても風通しが抜群なのです。子どもの服以外は衣替えというものをしなくなった私たちにとって、風通しの良さはクローゼットには必須でした。季節によっては、ここで着物の虫干しもしています。■ 既存のクローゼットを使って、予算削減に成功!以前の住まいで使っていたハンガーラックが気に入っていたし、大きくて処分するのが面倒だったし、もう予算がパンパンだったので、そのままリユースすることにしました。写真のように、奥半分がそのハンガーラックです。ウォークスルーなので、扉は必要ありませんからその分の費用はかかりません。それだけで何万円もの節約になりました。しかしLDKからの扉を開けると、どうしても雑多なクローゼットが見えてしまいます。その目隠しのために、ラックに付属していたカーテンの半分をここにかけることにしました。こちらは中からの様子です。後ろの通り口にもカーテンをかけると、簡易的な個室になります。カーテン2枚だけでウォークスルーからウォークインクローゼットに早変わりです。朝の着替えもここで済ませます。夫の衣類収納に選んだのは、キッチンのパントリーにも採用したイケアの収納システム「ALGOTアルゴート」。シンプルで臨機応変に高さ調整もできるし、お値段も全部で15,000円くらいで済みました。安い!必要最低限のパーツだけをとりあえず揃えましたが、今でもそれで間に合っています。■ 将来の子ども部屋のためにも、ウォークスルーがベストな選択布団が敷いてある畳部分とクローゼットを仕切っているのが、この白い壁です。上は天井との間にすき間を空けて光と風をクローゼットに通しています。壁の左右からも出入りができて、ぐるりと部屋を回遊できるように作っています。壁の左右から出入りできるようにしたのには、もうひとつ理由がありました。今のところ我が家には子ども部屋がありません。でも将来は必要となるかもしれない。そうなったら寝室の半分を子ども部屋に当てるつもりです。真ん中に壁を立てるとして、左右にふたつの出入り口が必要になってきますよね。それにも対応できます!衣類を収納するだけじゃなく、将来も見越したフレキシブルに機能するクローゼット。それが我が家のウォークスルークローゼットなのです。参考にしていただけたら嬉しいです。※【自営業の妻、3年かかって家を買う】今までのシリーズを見てみる
2018年04月23日中古住宅を購入する場合、売りに出ている中古住宅の中でも少しでも“いい物件”を買いたいと願うのは当然のことです。その“いい物件”の意味や基準は、人によって違うと思いますが、構造的な安心感は多くの人が求めるところでしょう。住宅のプロでない限り、なかなか見極めが難しい部分ですが「築年数」からある程度の安心度を読み取ることは可能です。今回は筆者が1993年頃から取材してきた、中古の木造戸建て住宅を対象にお話ししたいと思います。HAKU / PIXTA(ピクスタ)■ ポイントになる年数は1981年と2000年たった2つだけ!freeangle / PIXTA(ピクスタ)中古住宅は建築の詳細がわかりにくいケースが多のですが、築年数から、どのような建築基準法のもとで建てられたのかをある程度知ることができます。建築基準法は何度も改正が行われていますが、木造の戸建て住宅ならば、まず「1981年(昭和56年)」がポイントになります。耐震性に関わる基準について、大きな見直しが行われた年だからです。ただし、1981年に建てられたものでも、改正前に建築確認申請を出している可能性もありますので注意してください。そして、さらに耐震性を向上させる内容へと改正されたのが、「2000年(平成12年)」になります。最初のポイントである1981年以降に建てられた住宅でも、2000年の改正以前に建築されている場合は、耐震性を高める補強などを検討したいものです。■ 「バブル期」の建物に要注意!cba / PIXTA(ピクスタ)特に1980年代後半~1995年頃の建物には、少し注意したいと筆者は思っています。この時期の前半に当てはまるのが、バブル期です。バブル期に建てられた住宅は、使う材料にもこだわって丁寧に建てられたものが多くあります。その一方で、「今こそ、マイホームを!」と住宅の着工件数が増えるなか、より多くの儲けを出そうとする業者も現れます。儲けを増やすために安価な材料を使い、さらに工期を短くして件数を稼ぐという方法が取られたケースもあるようです。工期が短くなれば当然手抜きが増え、いわゆる“欠陥住宅”が量産された可能性もあるのです。当時の業界内には、長く安心して住める住宅をつくるよりも「住宅をどんどん消費してもらったほうがいい」という空気があったように感じます。HAKU-No1 / PIXTA(ピクスタ)筆者は、バブル崩壊後の1993年に建築された一戸建てに住んでいたことがあります。取材でご一緒した建築士さんに自宅の建築年を言う機会があると「それは、お気の毒に」という声が聞こえんばかりのリアクションをよくされたものです。「あの時期の住宅は、マズかったね~」と、はっきり言われたこともあります。バブル崩壊直後に住宅の着工数が減り、経営が苦しくなった建築業者はやはり、安価な材料+工期短縮の傾向があったのではないかと筆者は推測します。■ 住宅の耐震性や構造への意識が高まった「阪神・淡路大震災」一本木 / PIXTAそして、1995年、阪神・淡路大震災が起きます。大きな住宅被害を目の当たりにして人々の間で耐震性や構造への関心が高まり、テレビのワイドショーでも「筋交い」「耐力壁」といった言葉を耳にするようになります。それまでは「業者にお任せ」「わからない」と思っていた住宅について、多くの人が疑問を持ち始め「うちは大丈夫なのかな?」という意識が生まれました。さわだゆたか / PIXTAその意識が住宅の不具合をあぶり出し、欠陥住宅について取り上げるテレビ番組なども増え、またインターネットの普及もあり、住宅に関する意識はより高くなってきています。その結果、「素人にはわかるまい」と思っていた建築業者は、襟を正すことになりました。一概には言えませんが、バブル期からこの時期までに建てられた中古住宅については、より注意が必要だと筆者は思っています。住宅のプロに診断をお願いするのも有効ですが、物件を探す際は、まず築年数で時代背景を読むことをオススメします。(written by いけだちよみ)
2018年04月16日結婚を機に中古マンションを購入し、広々したサーフスタイルにリノベーションしたYさん夫妻。豊かな緑に囲まれ、ゆったりとした敷地に建つマンションを選んだ決め手は、そこがどこよりも住み慣れた場所だからでした。■ 妻が生まれ育った環境抜群のマンションの一室を購入サーフィンを通じで出会ったふたりが結婚したのは2015年のこと。分譲も賃貸も生涯支払う額はほぼ一緒だと知り、だったら早めに新居購入に動いたほうがいいのではないか、と考えたそうです。京都府宇治市にお住いのY夫妻のお住いは、最寄り駅から徒歩数分で緑が多い抜群の立地です。マンションは昭和57年築、専有面積は78.79平米で物件価格は1,200万円、工事費は1,400万円(税・設計料込み)でした。「最初は住宅展示場などを見学に行ったりしましたが、そうなると今度はよい土地が見つからなくて……」と妻。そんな中、幸運にもふたりにぴったりの中古マンションの一室が見つかりました。それは妻が生まれ育ち、いまも実母が暮らすマンションでした。住み慣れたマンション周辺の住環境がよいことは、地元育ちの妻が誰よりも知っていました。購入時に夫の単身赴任が決まっていたこともあり、同じマンションで妻と母がお互いのひとり暮らしをサポートできることも購入への後押しとなったそうです。■ テーマは「サーフィン」。ルーバー扉を多用した大胆リノベーションリノベーションの依頼先は、「京都」「リノベ」「おしゃれ」といったキーワードで検索して出会ったリボーンキューブ。妻の主導で進められたリノベーションは、最初はテーマが定まらなくて、とにかく好みのインテリア画像を何枚も送ってやりとりをしたのだそうです。提案されたテーマは、夫婦共通の趣味であるサーフィンでした。そこで妻の大好きなセレクトショップ「ロンハーマン」のようなテイストをふんだんに取り入れたインテリアにすることになりました。圧巻なのが、エントランスからリビングダイニングまで連なる白いルーバー扉。左右にある寝室やトイレ、クロゼット、バスルームの扉に至るまですべて同じ仕様のルーバーにしました。インテリアは好きな要素をごちゃ混ぜにするより、ひとつのテーマで振り切ったほうがいいというリボーンキューブのデザイナーのアドバイスに納得し、思い切ってルーバーを多用したことでより奥行きのある空間に仕上がりました。リビングの壁の一部もエントランスから続くルーバーに。一見するとウォークインクローゼットのように見えますが、インテリアとしてルーバーを張って統一感を出しました。■ リラックス感のあるリゾートのような雰囲気に!間取については、元は細かく仕切られた5DKの空間を、メリハリのある1LDKに。清々しいくらいモノがなく、スッキリとしたリビングダイニングのフローリングは色ムラのある幅広のオーク。肌触りもやわらかく、裸足で歩いても心地よいのだそうです。窓際にはテラコッタタイルを敷いてインナーバルコニーとしても使えるように。屋外と室内の仕切りを曖昧にしたことで、リゾートのような開放感を感じられる空間に。キッチンとバックカウンターはIKEAのものを採用しました。また、床は玄関から続くテラコッタで統一。コンロは火力にこだわってガスを採用。体格の良いの夫とふたりで作業しやすいように、通路の幅はゆとりを持たせています。キッチンと同様に洗面スペースもゆったりとした設計にしました。カウンター下はお掃除ロボットが行き来しやすいよう、なるべくモノを置かず、日用品のストックなどは左奥の収納スペースにすべて収めています。写真右手はルーバーの引き戸を開けると現れるトイレ。廊下との境をフラットにして、こちらもお掃除しやすいように工夫をしています。床は白いタイルで清潔感をアップしました。■ 日常と趣味とが違和感なく共存する理想の住まいサーフィンが大好きなふたりのために、エントランスは土間にしてウエアやボードなどを収納できる広いスペースを確保しました。扉なしのシューズラックやサーフボードラックは、オリジナルです。玄関から入ってすぐのルーバー引き戸を開けると寝室があります。マンションの共用廊下を通る人の気配を緩和できるように、窓側にもルーバー扉を取り付けました。窓用エアコンの目隠しにもなっています。窓側のルーバーだけは隙間をあけることで、換気と採光もできるようにしています。ハンガーも棚上もまだまだ余裕があるウォークインクローゼット。収納力抜群の玄関土間とこのWICがあることで、LDKをいつもすっきりと保つことができています。将来的には、子ども室などほかの使い方も考えているとか。以前は狭い社宅でストレスを感じることも多かったそうですが、いまではストレスフリーな新婚生活を送れているそうです。もっと詳しく知りたい人は『リライフプラスvol.26』をぜひ参考にしてみてください。設計・施工リボーンキューブ撮影飯貝拓司
2018年04月16日中古住宅を買って、自分好みにリノベーションする人が、とても増えています。好きな建材や住宅設備を使って、自分好みの空間をつくれる人気のリノベーションですが、無知なままリノベーションをおこなうと、あとで痛い目に合うことも。中古住宅を買ってリノベーションする前に確認しておきたい6つの重要ポイントについてのお話ししたいと思います。naka / PIXTA(ピクスタ)■ 1.「リフォームかし保険」はついている?リノベーションには、雨漏りや変形などのリスクはつきものです。住宅トラブルの相談・住宅紛争処理 への支援などを行っている公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターによると、財団によせられた2016年のリフォーム相談件数は6757件。そのトラブルの内容は雨漏りや変形、漏水やひび割れなど多岐にわたります。《戸建て住宅のリフォームトラブル》《マンションのリフォームトラブル》「リフォームかし保険」は、リフォームやリノベーションなどの工事によって雨漏りや変形などのトラブルが起きた場合に、修繕費用を補償してもらえる保険です。建築士による検査もついているのもメリット。トラブルに備えて、工事をおこなう前に、リフォームかし保険をつけることをおすすめします。■ 2.断熱・耐震など、建物の性能をアップさせる内容は含まれている?リノベーションをするときは、多くの場合、壁や窓なども取り壊し、柱や梁などの骨組みだけの状態にしてから、新しい住まいをつくっていきます。その際、間取りや収納などにこだわる人は多いのですが、断熱や耐震など、建物の性能にこだわる人はあまりいません。しかし地震なから生命を守るためには、建物の耐震性は最も重要です。milestone.tyo_01 / PIXTA(ピクスタ)また建物を断熱化すると温度変化が少なくなるため、血圧が安定します。断熱により、血圧が2.8mmHg下がるというデータが、スマートウェルネス住宅等推進調査委員会から発表されています。季節にかかわらず、室温を18~21℃に安定させるためにも、屋根や壁・窓や床の断熱工事を検討することをおすすめします。■ 3.24時間換気はついている?24時間換気とは、家の空気をまるごと交換するよう設計されている換気システムのことです。この24時間換気、結露はもちろん、カビやダニなどの繁殖や、家具や衣類から放出される化学物質も取り除いてくれます。Chaay_Tee / PIXTA(ピクスタ)とくに小さいお子様がいるご家庭や、アレルギー体質の方、ペットを飼っている家にはなくてはならない設備です。平成15年7月から24時間換気の設置が義務付けられましたので、それ以前に建築された住宅には設置されていません。■ 4.間取りは希望通りに変えられる?リノベーションの際、とても多い希望が「2つの部屋をつなげて、1つの広い部屋にしたい」というものです。しかし、部屋をつなげる際に、障害となる柱や壁・天井からの梁が、構造的に除去できない場合があります。SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)その場合は、壁や柱・梁を残しながらの部屋になりますので、理想としていた空間にはなりません。また、リノベーションは多くの場合、行政がチェックを行う確認申請が要りません。そのため、建築士でない業者もリノベーションをおこなうことができるため、構造的に大切な柱や壁を除去したり、削ってしまうことがあります。理想の間取りに変更できる物件か、建築士が設計を行う業者かなど、事前確認は大切です。■ 5.管理規約や、戸建ての建築協定などの内容は把握している?購入したい物件が、マンションの場合はマンション管理組合の規約による制限があります。規約の内容は、管理組合により様々ですが、多いものに、各戸で増設できる「電気容量(アンペア)」と「給湯器の大きさ」に関するものがあります。ふくいのりすけ / PIXTA(ピクスタ)例えば、キッチンをIHクッキングヒーターにしたり、電気圧力鍋・ティファールなどの電気ケトルなども使いたい場合は、電気の最大アンペア数を変更します。しかし、規約で、最大アンペアが50アンペアと定められている場合は、60アンペアのブレーカーは契約できません。また、戸建ての場合は、住む市町村に建築協定・地区条令などが設けられている場合があります。建築協定とは街並みや環境を守るために、地域住民が自ら決めた規約のことです。壁の色・塀の種類・高さや、用途など様々な規約による制限があり、守らなくてはいけません。Yp111 / PIXTA(ピクスタ)例えば、自宅でカフェやネイルサロンなどの店舗を開こうとした場合、建築協定により、出店が制約されている場合があります。その場合は、当然ながら店舗を開くことはできません。■ 6.リノベーション費用は妥当?リノベーション費用の相場は、構造や工事の内容にもよりますが、戸建てで500万円から1,500万円、マンションで300万円から1,000万円程度といわれています。見積書を確認するときは、希望する住宅設備や建材が含まれているか?不要な工事は含まれていないか?などを確認してください。YNS / PIXTA(ピクスタ)とくにユニットバスやエコキュート(高効率給湯器)などの住宅設備は、値段を大きく作用します。また、同じ図面・同じ仕様で、ほかのリノベーション業者に見積もりを取ることも、費用の妥当性を確認する点でお勧めです。見積書の理解が難しく、リノベーション費用の妥当性を確認できないときは、専門家に診断してもらうこともできます。公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、専門家による「リフォーム見積チェックサービス」を無料で行っています。いかがでしたか?リノベーション済物件を購入される場合は、これらの事前確認ポイントがクリアされているか、チェックしてくださいね。(しかまのりこ)【参考】※リフォームかし保険※ 住宅相談統計年報2017※改正建築基準法に基づくシックハウス対策※建築協定※リフォーム見積チェックサービス
2018年04月10日三兄弟+夫婦の5人家族であるわが家、2017年末に引っ越しをしました。実は、事前準備も下調べもしないまま、思いつきで中古の戸建物件を購入。当時の住まいから直線距離わずか300mの超近距離移動となりました。ただただ、不動産屋さんに言われるままに突き進んだ家購入だったため「もっとこうしておけばよかった」と後悔したことも多々。そんなわが家のトホホ体験と、中古物件購入だからこそ落ち着いて見極めてほしい、チェックすべき3つのポイントをまとめました!■チェックポイントその1:売主居住中でもしっかりチェック!「家の中」購入したのは、築14年の中古物件。住みたいエリアと部屋数、家の広さ、車の停めやすさなどから、「この家だ!」という物件に出会い契約。内見も2度させてもらい、確認しておきたいところはすべて見ました。ところが…売主さんが居住中だったため遠慮の気持ちなどもあり、あくまで「見たつもり」だったのです。引っ越ししてから、焦げたコンセントを見つけたり、床暖房がつかなかったりと、あれこれ問題が見えてきました。中古物件は、基本的に現状のままの引き渡しとなります。だからこそ、新築物件とは違い、念入りな事前確認が重要。引き渡し後に「気づかなかった」「チェックしていなかった」となっても、後の祭りなのです。しかし、初めての中古物件購入にもかかわらず、あわただしく契約・引き渡しまで走り抜けてしまったため、「もっとしっかり見て交渉しておけばよかった…」と後悔することに。引っ越し後、不具合が見つかるたびに、何度も不動産屋さんを通して売主さんに「ここの補償はどうなっていますか?」と聞かなければならず、多くの方の手をわずらわせてしまいました。■チェックポイントその2:名義変更ができない?!「太陽光発電の落とし穴」購入した物件の屋根には、太陽光発電の設備がついていました。「太陽光発電のある家がいい!」と選んだわけではなく「たまたま希望物件に、太陽光発電がついていた」だけだったわが家は、何も調べずに引き渡しを完了。ところが…。実は太陽光発電には、名義人氏名や設置場所の住所を登録しなければならないというルールがあります。そのため、持ち主が変わると名義変更手続きが必要。このことに、引っ越してしばらくたってから、別の手続き中に気がついたのです。太陽光発電機を取り付けた設置業者さんに一任すれば事は早いそうですが、運の悪いことに、数年前に倒産。引き継いだ会社があるようだがわからないと、売主さんに言われてしまいました。そのため直接、名義等を管理している一般社団法人太陽発電協会へ掛け合わなければならないのですが、電話はつながらない、ファックスを送っても数週間連絡がない状態で途方に暮れることに…。今もあの手この手で手続きすべく動いていますが、引っ越しをしてから数カ月がたつ今も、名義変更はできていないままです。発電量を増やそうと新居にエネファーム(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)を取り付けましたが、太陽光発電と併せて使用するには、国への届け出が必要。つまり、名義変更できない→許可が下りない→発電が開始できない…という状態で、今は、エネファームが“宝の持ち腐れ”となっています。引っ越しをしてから困ったことにならないよう、太陽光発電つきの中古物件購入の際は、名義変更の手続きについて事前に確認をしておくことをおすすめします。 ■チェックポイントその3:そのほかにもポロポロと…契約当日の「失態の数々」中古・新築にかかわらず、家を購入するとなると内見、書類集め、契約準備と忙しくなります。書類がひとつないだけで契約ができなくなってしまうため、「ひとつひとつを確実に進めていかないと…」と、かなり慎重に準備をしていたつもりでした。しかし、まだまだ失敗は続きます。一番の大失敗は、物件購入の契約日。売主さんと買主側であるわが家とが一堂に会して書面を取り交わすその日は、台風がきていて悪天候。子どもたちも一緒だったので家を出るのに時間がかかり、車は渋滞…。結局、大遅刻をしてしまい、近所だからと油断していた自分を反省です。それでも、売主さんはとても優しい方で「子ども3人連れての移動は大変でしょうから」と言ってくださいました。それなのに、あわてて出たため、契約金を半分、家に忘れた私。急いで取りに戻ってことなきを得ましたが、さらに待たせることになり、本当に穴があったら入りたいほどの失態でした。■これから購入予定の方へ「中古物件購入で気を付けるべき3カ条」忙しかったりあわてたりすると、失敗をしがちです。家の購入というのは、予想以上に忙しくなるもの。そのことを覚悟しておき、みなさんは、私のような抜け漏れのないようにしてくださいね。その反省を含め、あらためて中古物件購入時に気を付けたいのは次の3つ。1.とにかく忙しくなるから抜け漏れのないように丁寧に進めていく。2.家の中は遠慮せずに隅々までチェックして気になるところはすべて質問しておく。3.太陽光発電設置の物件は、名義変更手続きについてもクリアにしておく。実は、わが家の担当不動産屋さんは、友人の友人。最初から知っていたわけではなく、いくつも家を見て回っているうちに偶然、共通の友人がいることがわかり、縁を感じた家購入物語だったのです。それでも、これだけのトホホ体験をしているのですから、家の購入にはトラブルや失敗がつきものなのだと思います。後悔をしたくない大きな買い物である家購入。下調べや事前のチェックを怠らないようにして、「あ〜よかった!」と思える買い物にしてくださいね。
2018年03月03日中古物件を購入したり、持ち家をリノベーションしたい......。家族も家づくりに参加できるDIYを取り入れれば、コストも下がりそうだし、なにより愛着のわく家になりそうですよね。そもそも、リノベーションでDIYを取り入れることって、どの範囲で可能なのでしょうか?そこで今回は、数多くのリノベーション事例に携わってきた〔ブルースタジオ〕の石井健さんに、リノベーションの基本的なプロセスから、リノベーションにDIYを取り入れるためのポイントや注意点を伺いました!まずはリノベーションの基本的な流れを押さえよう!〔ブルースタジオ 〕石井健さん——中古物件や持ち家のリノベーションを検討している方にとって、まず気になるのがリノベーションのプロセスです。物件探しから始める場合、基本的にはどのように進めていくものなのでしょうか?石井健さん(以下石井さん):物件探しから始める方は、リノベーションを手がける会社に相談するところから始めます。マンションの場合、1年間で供給された新築の戸数より中古マンションの成約件数の方が多くなってるんです(※)。つまり中古マンションの人気が高まっているんですね。また、リノベーションの会社も増えていますよ。その中でも最近は、コンサルタント的に物件探しや資金計画から考えるところから始めて、デザインをして、工事を経て、納品というところまでを一貫して手がける「ワンストップサービス」を提供するところが多いです。一方で、持ち家のリノベーションを考えている方は、自分が気に入っているデザイナーや、工務店に直接頼む場合もあると思います。——リノベーションは素人が参加できない印象がありますが、DIYを取り入れやすい業者もあるのですか?石井さん:ありますよ。最近では、工事ができるだけではなく、デザインや備品の提供、物とそれにまつわる道具も一緒に提案してくれるような、DIYも取り入れやすい新しいスタイルの工務店も増えてきています。※:出典「首都圏マンション市場動向2016年(年間のまとめ)」(株式会社不動産経済研究所)予算が足りない!コストダウンのためにDIYを取り入れるなら?リノベーション時に、書棚を設置できるスペースのみを作った例。棚は受け渡し後に家主がDIYで作ったのだそう。(提供:ブルースタジオ )——リノベーションにDIYを取り入れる場合、コストを下げることは可能でしょうか? 石井さん:基本的に、DIYを取り入れることはアリなのですが、まずはじめに言っておきたいのが、必ずしも「DIY=安くなる」という訳ではないということです。「道具」「技術」「時間」この3つが足りないと、金額的にも労力的にもコストがかかりすぎてしまい、高くついてしまう場合があります。逆に、DIYをするメリットは「経験」にあります。家がどうやってできているのか、その作る過程に参加しながら、ものづくりを楽しむ。これを経験していれば、長く住む家にメンテナンスが必要になったとき、プロではなく自分たちでやる、ということもスムーズにできるのではないでしょうか。ちなみに海外では修繕費が高いので、家のメンテナンスはDIYが当たり前、トイレの修理もお手のもの、なんていう家庭も多いですよ。また、DIYを取り入れて「安くする」ためには、プロがやる施工の範囲と、自分たちがDIYでやる範囲をあらかじめ線引きしておくことが重要になってきます。例えば部屋の壁ひとつとってもそうです。断熱材を入れて……という作業は難しくても、ペンキや漆喰を塗ることなら自分たちでできるという場合は、ペンキを塗る一歩手前のところで引き渡してもらうようにしてもらうといいでしょう。リノベーション後に家主がDIYで取り付けた収納棚。(提供:ブルースタジオ )石井さん:さらに、コストがかかりやすいのが収納家具です。特に造作家具は時間も費用もかかります。DIYを取り入れてコストを下げるなら、壁に取り付けられる形だけ作ってもらって、そこに合わせて自分たちで作っていく方法がいいでしょう。時間の確保が難しい方も、収納家具であれば、少しずつ作り足して行きやすいのではないかと思います。道具の使い方や、技術がわからない場合は、最近ホームセンターやDIYショップでワークショップも開かれているので、そういったものに参加するといいですよ。〔DIYFactory〕なんかはいい例ですね。もし知り合いや近所にDIYが得意な人がいたら、その人達と一緒にDIYをして技術を身につけていくのもいいと思います。プロに任せた方がいいところは?法律にも注意!——DIYの腕に自信があったり、仲間がいるという方の中には、ほぼ最初からリノベーションをしてみたい!という方もいると思います。その場合、ここだけはプロに任せたほうがいいという注意点はありますか? 石井さん:法律の面でも絶対に素人がやっていけないことが電気工事です。日本の場合は資格が必要なので、無資格の人が配線を繋いだり、分電盤をいじったりということはできません。防火や採光、換気に関わることも同じくプロに任せましょう。一方で、高い技術を要するという意味でプロに任せたほうがいいのが、木材のフローリング。多少の隙間が気にならなければDIYで問題ありませんが、きれいに貼るのは意外と難しいんです。あとは、「見えないところ」もプロに任せたほうが安心ですね。骨組みや配管などは、壁で隠してしまうので、そこの施工が甘いと、水漏れなどのトラブルが起きることも。壁で隠しているので、それを取り外して修理するとなると、かなりの手間になってしまいます。〔ブルースタジオ 〕が設計したDIY可能な賃貸住宅《鵠ノ杜舎》(提供:ブルースタジオ )——DIYを取り入れる場合、業者選びの注意点はありますか?石井さん:材料の持ち込み(施主支給)の対応が大丈夫かどうかなど、DIYをどの範囲でやるか決めて、あらかじめ可能かどうか、そのプランを相談してから業者を決定したほうがいいと思います。持ち込みOKのところもあれば、NGのところもありますから。——結婚式のプラン決めと似ていますね。石井さん: そうですね。特に大手のリノベ会社は難しい場合が多いです。〔ブルースタジオ〕で頼む場合は?〔ブルースタジオ 〕が手がけた賃貸物件《Hut》は、自由度高くDIYできる。(提供:ブルースタジオ )——それでは、数多くのリノベーションを手がけてきた〔ブルースタジオ〕に任せた場合、どのようなことができるのでしょうか?石井さん:もちろんリノベーションにDIYを取り入れたい方は大歓迎です。〔ブルースタジオ〕では、先ほどいったように、「何のためにDIYをするのか」というDIYをする目的と、コスト面、施工現場との関係が円滑になるように、コントロールをしていきます。(提供:ブルースタジオ )石井さん:もし賃貸住宅も考えているなら、そういったDIYをしやすい賃貸物件を選んでみるのもおすすめですよ。壁を塗装したり、壁紙を貼ったり、棚の設置や、ビスを打つなど、かなり自由度が高いDIY可能の物件や、オーナーに事前相談すればDIYが可能になる物件も取り扱っています。自分らしいリノベ+DIYに挑戦してみよう♪石井健1969年福岡県生まれ。1992年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。ブルースタジオ執行役員/建築家・不動産コンサルタント。日本のリノベーション・シーンの黎明期より数多くリノベーションデザインを手掛け、その傍らメディアへの露出、執筆活動も行うなど、活動内容は多岐に渡る。リノベーション+DIYは、必ずしもコストを抑えられる訳ではないようですが、リノベーション時にDIYをしやすい状態にしておけば、自分の手で家を作り上げていく楽しみができるかもしれませんね♪自分が持っている道具や、技術のレベルに合わせて、どの範囲でDIYを取り入れるかを決めることで、自分らしい家づくりをスムーズに行うことができそうです。賃貸でもDIYを楽しめる物件も増えてきており、気になるところ。ぜひ挑戦してみましょう!〔ブルースタジオ 〕ウェブサイトはこちら●ライター宇治田エリ
2018年03月01日中古マンションの魅力は、新築物件に比べて選択肢が多いことや購入前に物件を確認できることなどが挙げられます。中古マンションと言っても、新築同様の築浅物件から築30年以上の年季の入ったマンションまで、築年数や規模は様々。どのような点に注意して購入すればいいのでしょうか?中古マンションを購入する際のポイントをまとめました。築年数の限界は?買い時はいつごろ?マンションの価格は築年数が経つにつれて下落しますが、20年を過ぎると底値となり、その後は安定する傾向にあります。つまり、築20年を過ぎた中古マンションを購入すれば、その後売却した場合でも大幅に値崩れする心配は少なくなります。また近年、都心部では新築住宅を建てられる土地が少なくなっていますが、20年前の中古マンションに目を向けると、立地や広さも申し分のない物件が見つかりやすくなります。駅に近く、生活利便性の高い立地にある都市部のマンションは、土地の評価が高く資産価値が下がりにくいのもメリットです。では、築年数の限界はどれくらいでしょうか?多くのマンション建築に使われるコンクリートの寿命は100年以上です。ただ、日本のマンションは古いものでも築60年程度なので、実際に100年耐えられるのかは確かではありません。一方、確定申告や住宅ローンの審査基準では、減価償却資産の耐用年数は47年間です。ただこの考え方が、築年数の古いマンションの資産価値を低下させる要因のひとつとなっていることから、今後この基準は改定される可能性があります。実際、「限界」については築年数より管理状況で判断するのが望ましいでしょう。一般的な「建て替え時期」が来る築30年以上の中古マンションを購入する場合、きちんと修繕されているか、管理不全に陥っていて外壁が剥がれたままになっていたり、貯水タンクが壊れた状態で放置されていたりしないか、細部まで自分の目で確認することが大切です。中古マンション購入の失敗談は?中古マンションに関する失敗談としてよく聞かれるのが「売却するときに、購入価格を下回ってしまった」というもの。立地が良い物件も築20年を経過するまでは、相場は下落傾向にあることを留意しておきましょう。投資目的で条件のいい新築マンションを購入し、築年数が浅いときに新築に近い状態で高く売り抜く売主もいます。そのような物件を見つけたとき、「中古なのに、こんなにピカピカの素敵なマンションがあるの?」なんて舞い上がってはいけません。冷静な判断力が必要です。他にも、購入後に管理組合から修繕積立金の値上げを通告されたり、設備の不全が発覚して実費負担が生じるなど、事前の確認不足が招いた失敗事例があります。中古マンションを購入する際は「重要事項説明書」を隅から隅まで熟読し、懸案事項はすべて解決しておきましょう。もちろん、近隣に騒音の原因になりそうな商業施設などはないか、上下左右にはどんな隣人が暮らしているかなど、周囲の環境チェックも怠ってはいけません。ココに決めた!「売買契約」に関する注意点一般的に、売買契約は「売主」「買主」「仲介した不動産会社」の3者で行なわれます。契約は買主が売主に売買代金の一部として手付金を支払うことで正式に締結されるため、手付の種類や金額についてきちんと理解しておくことが必要です。また、不動産会社への仲介手数料は決済時に一括払いする場合と、契約時に半金、決済時に残金を支払う場合があります。仲介手数料に関しても、契約の際に一度確認しておきましょう。さらに「重要事項説明書」や「付帯設備表」「物件状況報告書」の読み合わせにも、細心の注意で耳を傾けることが肝心です。特に日常生活に欠かせない「給排水管回り」について、これまでにどんな故障があったかなど、実際に住んでいた人にしか分からないことまでしっかりと確認しておきましょう。同じ理由で、過去にマンション内で起きた火災・事故などの事件、管理組合での討議事項など、自分では把握できない事柄についても、後で「そんな報告、聞いていない!」と悔やむことがないよう、少しでも疑問に思った点は解決しておきましょう。すべて納得するまでは安易に契約してはいけません。固定資産税についてマンションを購入すると、毎年「建物」と「土地」に固定資産税がかかります。税額はおおむね、「固定資産税評価額」×1.4%(全国共通の「標準税率」)で計算されます。中古マンションの場合、土地はその年によって上下しますが、建物は経年劣化のため、年々下がっていくのが一般的です。年数による減額の割合は、自治体ごとに「経年減価補正率表」などによって定められています。一般的に、「中古マンションの固定資産税は安い」と言われていますが、ローンの支払い終了後も物件を所有し続ける限り固定資産税は納める必要があるので、購入前にきちんと計算し、その価値があるかないか検討しましょう。中古マンションを購入するなら、資産価値として安定している築20年以上の物件がオススメです。土地としての評価が高い立地条件のいいマンションなら、購入時より高値で売却できる可能性もあります。ただし、築年数が経っていれば経っているほど確認事項も増えやすいので、細かい点まで慎重に吟味し固定資産税額まで考慮して購入を検討しましょう。
2017年12月15日家の買い替えをする人が増えたとはいえ、まだまだ家の購入は「一生の買い物」。どのように選んだらいいのか、そしてなぜそこを選んだのか。今回は東京23区内中古マンションを購入したTさんに伺いました。どうして「家を購入」することになったのか現在、東京都23区内にお住まいのTさんは、夫、小学生の男の子との3人家族です。家を探し始めた当初、Tさんは専業主婦で、子どもが生まれたばかり。東京都心に住んでいましたが賃貸で手狭だったため、「安定して子どもが育てられる家を購入しよう」と決意し、家を探し始めました。家探しは「中古に絞る」ことに決定まず、「中古から探し始めた」Tさん。その理由は「住んでいる人、近隣の環境がすでに出来上がっているから」と言います。「ずっと住み続ける家であれば、隣近所と長く付き合わなければなりません。新築だとその環境がわかりかねるのが我が家には大きなデメリットでした」かつて賃貸マンションで隣人に苦しんだ経験があるからこそ、このメリットは大きかったそう。また「もともとヴィンテージ好きなのと、安く家が買えるのもありがたいし」と中古にはまったく抵抗がなかったと言います。まずは憧れ「郊外中古一戸建て」を内覧中古の家を探し始めて、まず向かったのは、東京都から出た郊外憧れの一軒家。築年数は10年もたっておらず、もちろん駐車場付き。また、1階はリビングダイニングに和室、そして2階は6畳以上の部屋が3つもあり、今後子どもが増えても問題はなさそうでした。しかも庭は駐車場以上に広く理想的、憧れのシンボルツリーを植えることができる環境も整っており、Tさんはこの家をかなり気に入ったそうです。夫の「通勤時間」も、駅to駅で50分、最寄り駅から家まで徒歩で15分となんとかカバーできる距離でした。次に「23区内中古マンション」を内覧Tさん一家が次に見て回ったのが「23区内中古マンション」。今まで賃貸とはいえマンションに住んでいたので「慣れた」環境です。数件内覧した後、「リノベーション済」という中古マンションと出会いました。築7年の築浅で、床暖房やペアガラスなどが入っており、風呂もオートバスシステムで1坪の広さ。賃貸にはない「築浅分譲マンション」の良さに惹かれました。「中古を買った後にリノベーションする」つもりでいたTさんたちでしたが、すでに家探しでくたくただったこともあり、このまますぐ住める築浅物件に惹かれました。また、通勤時間は駅to駅まで片道20分という好立地。朝は最寄り駅始発の電車まであり、通勤電車で苦労しなくていいということに、Tさんの夫は喜びます。「郊外一戸建て」ではなく「23区内マンション」を選んだ理由とは候補はこれらの「郊外一戸建て」と「23区内マンション」に絞られました。どちらも築浅の中古です。「郊外一戸建て」はとにかく、家が広くてのびのびと暮らせます。庭が広いのでガーデニングも十分楽しめ、また徒歩15分の駅には大型ショッピングモールも併設されており、買い物に困ることもなさそう。しかし、Tさん一家が選んだのは「23区内マンション」でした。23区内はやっぱり環境が整っていた「郊外一戸建てがあった駅周辺はいいのですが、徒歩5分すぎると、道路ががたがたでベビーカーで歩くのが困難でした。雑草も映え放題の公園もあって」次に23区内を見たTさんは、その違いにとにかく驚いたと言います。「23区はやっぱり東京なんだと。人が多い分税収も多い。だから道路も公園も整っている。それに、その時すでに23区は中学生まで医療費無料と魅力的な制度が整っていました」その市区に大企業はあるか、人口は多いかで税収が変わる、それを目の当たりにしたTさん。「家だけでなく、周辺環境を見る」ということが、Tさんにとっては決め手の一つになったようです。最大の決定打は「夫の鶴の一声」そして、やはり大きな決定打が「夫の通勤時間だった」とTさんは言います。「往復2時間と往復1時間は、毎日となるとその疲れ具合が全然違うと夫の鶴の一声で決まりました。まだ子どもが小さく、実家が遠かったのでワンオペ育児を避けたいという思いもありました」現在「購入から10年目」、その感想とは23区内中古マンションを買って、今年で10年目というTさんに住み続けた今の感想を伺いました。「中古マンション購入の注意点からお話すると、入居して数年後に修繕積立金が倍額にUPしました。これは新築でも起こりえますね。そしてガス給湯器が早々に故障して入れ替えに数十万かかりました。正直それくらいです」思った以上にデメリットがなかったと言うTさん。「正直、今もあの広い庭には未練があります。しかし、交通の便がいいからか、購入したマンションの値段が全く下がっていませんし、心配だった住民トラブルなども管理会社が発生を未然に防いでくれている印象です。そこは管理会社が入っているマンションで本当に良かったと」また、当時専業主婦だったTさんは仕事に復帰。「都心に近いことで、私の仕事も見つかりやすかったですし、通勤時間が短い分、疲れないからか夫も平日夜や土日は家事をして子どもと遊ぶ余裕があり、助かってます。私たちのライフスタイルには23区内中古マンションのほうが合っていたなと思います」最終的には「憧れ」より「ライフスタイル」を優先した購入で、時間的にも金銭的にも余裕のある生活ができたことが、都心中古マンションを購入した最大のメリットのようでした。※画像はイメージです合わせて読みたい!みんなの「マンション購入の決め手」とは⇒マンション購入の決め手は横長リビングの間取り!妥協したのは日当たりでした⇒妻の実家から徒歩8分の近居に家購入はメリットしかない
2017年12月11日新築住宅は価格と供給の横ばいが続いてるが、中古市場も大きな波はなく横ばいが続いた2017年。近年は首都圏の中古マンションの価格も3000万円台で推移しており、新築とくらべるとまだ割安感がある。さらに住宅ローンの超低金利も続いてる。その中で迎える2018年の中古市場について、3人の識者に展望を聞いた。2017年の中古住宅市場の振り返り2017年の中古マンションの成約件数は、2017年4月から減少傾向が目立ってきた。これは中古マンション価格が高騰した時点から横ばいになっており、新築マンションとの価格差が縮小したため、2017年4月頃から売れ行きが鈍化してきたものとみられる。また、成約価格の上昇も見られた2017年だった。2018年はどうなる?みんなの不安に専門家が答えるPROFILEみずほ証券上級研究員 石澤 卓志さん慶応義塾大学卒業後、1981年日本長期信用銀行に入行。第一勧銀総合研究所上席主任研究員を経て、みずほ証券チーフ不動産アナリストを経て、2014年より現職。東京カンテイ上席主任研究員井出 武さん全国のマンションや土地価格をデータベース化した不動産専門の情報サービス会社。不動産市況レポートなども提供。不動産鑑定や土壌汚染調査なども手掛けている。マンション評価ナビ代表大久保 恭子さん住生活評論中心に、東京23区の中古マンションの評価サイト「マンション評価ナビ」を運営。住まいに関する雑誌・WEBサイトのプロデュースやマーケティングなども手がける。2018年も価格は横ばい!値下げする可能性は低い石澤さん:2016年は新築価格高騰により、中古マンション供給量が初めて新築を上回りましたが、中古も価格が上がったため、2017年初頭には元に戻りました。東京都心部では新築価格がまた上がってきたため、中古との価格差が開いてきました。2018年は、「中古は東京都心、新築は都心周辺・郊外」という棲み分けが発生してくると思われます。井出さん:2017年のマーケットは、価格が天井を突いた都心3区(千代田区、中央区、港区)・6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、文京区)を中心に、少しずつ価格調整を進めてきた年になりました。「上昇一辺倒」だった流れが変わったとみていいでしょう。まだ価格調整が進んでいない23区の周辺部も、これ以上価格は上がらないと思われます。中央線直通の中野や、都心まで遠いことから敬遠される傾向にある世田谷などで、掘り出し物の物件が出て来るのではないでしょうか。大久保さん:2017年の中古マンション市場価格は、対前年同時期比で1桁パーセントの価格上昇となりました。ここ2年間、急激な上昇はなく、高値で安定しています。成約件数で見れば、東京都内・都下と埼玉県で増加していますが、それ以外では減少しており、需要が落ちているように見られます。中古在庫は3年前より5割増えており、価格調整が進む可能性があります。ポイント一時は新築を上回る供給量を見せた中古マンション市場だが、中古の価格上昇が進んだため、勢いは鈍化した。都心部・郊外ともに、中古マンション価格は既に最高点に達したと見られる。価格調整が進むだろう。ただし、需要は依然として堅調なため、急激に価格が下落する要因が発生するとは考えにくい。住宅ローンの超低金利は続く中で審査が厳しくなる懸念も石澤さん:短期的には北朝鮮問題などで金利が下がったものの、危機感が薄れるとやや上昇するなど、短期的な動向はありますが、歴史的な低金利続いているので、気にする必要はありません。一部メガバンクが地方の住宅ローンを手じまいするようですが、貸し手が地方金融機関に変わるだけで、借りる側の利便性は変わらないでしょう。住宅ローン環境は良好な状態が続くはずです。井出さん:三菱UFJ信託銀行が新規住宅ローンから撤退、みずほ銀行も地方の住宅ローンから撤退する方針を発表するなど、大手銀行による住宅ローンの撤退・縮小が続いています。低金利ゆえに、住宅ローンはリスクが高いと銀行が認識し始めたのではないでしょうか。そうなると、地方ばかりでなく、価格が下がっている郊外での住宅ローン融資も、審査が厳しくなることもあり得ます。大久保さん:日本銀行の黒田総裁も、インフレ目標2%を達成するまで「強力な金融緩和」を継続すると発表しています、国内に金利を上げる要因はないため、よほど大きな外的な要因が発生しない限り、来年も低金利が継続するでしょう。住宅ローンの利用には、有利な条件が続くと思われます。ポイントマイナス金利こそ終わったものの、2017年も歴史的な低金利が続いた。日銀は「強力な金融緩和」を継続する方針を表明しており、短期的な上昇下落が発生する可能性はあるが、金利が低い状況は依然として続くと見られる。ただし、大手各行が住宅ローン事業を縮小あるいは撤退に向けて動き始めていることから、地域によっては必ずしも購入環境を楽観視できない。今後の動向に注視する必要がある。利便性がいいエリアの供給数に期待石澤さん:利便性のいいところは需要の方が強いですが、郊外はだぶつき気味です。郊外はこれまで価格が上がり過ぎたので、最大2割弱の価格調整が発生するのではないでしょうか。井出さん:2017年は、価格が高止まりしていたため、マンション・戸建ての「売り」は盛んでした。2000~2005年に購入した物件なら、キャピタルゲインが2割や3割出ても不思議ではなく、利益確定売りが目立ちました。ただし、価格を下げないと買い手が決まらない状況でもあり、陰りが見え始めたところもあります。2018年は首都圏・関西ともに、売り手が買い手を上回るマーケットになると思われます。大久保さん:高くて手が出ない新築、住みたい地域には中古しかない場合もあり、基礎的な中古需要は拡大基調にあります。東京圏は、大幅な価格下落がない限りは、都心、郊外を問わず、流通数は増えるでしょう。関西は東京よりも少し弱含みです。価格高による需要減少が価格下落を招き、ひいては売り控え、流通数の減少という流れに転じる可能性があります。ポイント選択肢が豊富な中古マンションは、需要の多い状況が続くだろう。一方で、首都圏・関西ともに、価格が既に上がり過ぎてしまったため、売り手が現状の価格で突っ張っても成約に至らないケースが増え、所謂「買い手市場」となる。とくに、関西の方がその傾向が強くなると見られる。資産価値・利便性が後悔しない物件選びのポイント石澤さん:立地点は最も妥協すべきではありませんが、無理をしない価格帯のものを買えばいいと思います。将来的な資産性を考慮するならば東京都の北東部(北区、足立区、荒川区など)をオススメしますが、住む目的ならば満足度が一番なので、利便性がいいところで住みたいところで購入するのがいいでしょう。自分の好きなところを妥協しないのが第一です。井出さん:エリア選定が第一です。好立地だと、どうしても価格が高くなりますが、資産性から考えれば、エリアをはずさないほうがいいでしょう。「駅前徒歩一分で築浅」のような物件があれば、躊躇するべきではありません。しばらく賃貸に住んで、「価格が2020年以降下がれば……」と考えている方もいますが、待っている期間に支払う賃料分だけ物件が安くなれば採算が取れるが、そうでなければ失敗になります。大久保さん:多様な人が集まるスポットで選ぶのがいいと思います。例えば「住みたいまちランキング」で不動の首位を誇る吉祥寺のような、住む人ばかりでなく、働く人、学生、遊ぶ人、老若男女みんなが支持しているようなスポットがいいでしょう。大規模な再開発に乗っかって購入するのも一つの手です。ポイント予算に見合う範囲で、立地を重視して購入するのが、資産価値・利便性ともに担保できるため、最も無難な選択だろう。将来的に買い替えを視野に入れているのならば、東京都内では北東部が伸びしろが期待できる。現状の価格は全体的に高くはあるが、「待ち」の間の家賃出費も算盤に入れて検討すべき。2018年の不動産市況天気図識者3人に2018年の不動産市況を天気図で表してもらった。ポイント価格の停滞と住宅ローンの低金利が続く中、2017年は値上げも値下げもできない膠着の年となった。今後もこの状況は続くとみられる。低金利が続く住宅ローンと供給数は増え続けるので、取得と物件探しは引き続き好材料となりそうだ。
2017年12月05日倉庫を改装。下町に馴染む居心地の良いカフェ東京・浅草の喧騒から離れた場所にある「FEBRUARY CAFE(フェブラリーカフェ)」。倉庫を改装しエイジング加工を施した造りが、歴史ある浅草の町並みと見事に調和しています。「ゆったりとした時のながれと、これから訪れる春を待ちわびる様においしい珈琲を飲んで欲しい」という店主の想いから「FEBRUARY CAFE」と名付けられました。特注マシーンで楽しむスペシャリティコーヒー「FEBRUARY CAFE」では、コーヒー協会のテストで100点中80点以上獲得したコーヒーしか認められない、スペシャリティコーヒーが味わえます。店で使用しているエスプレッソマシーンは、コーヒー好きなら必ず知っている「マルゾッコ」を店名に合わせたカラーで特注したというこだわりよう。繊細な豆だからこそ扱いが難しく、美味しく淹れるには熟練した技と経験が必要です。ぜひ至極の1杯を味わってください。毎朝食べたい!モーニング「朝パンセット」8:10~11:00までオーダーできるモーニング「朝パンセット」。美味しいコーヒーと共に提供されるトーストは、浅草で大人気の「パンのペリカン」の食パンを使用しています。程よくこんがりオーブンで焼き上げた後に、バターをのせたシンプルなトーストです。サクっとひと口かじれば、ふわっふわな食感とバターの香りを楽しめます。ふわふわ、しっとり。贅沢なフレンチトーストもう1つの看板商品「フレンチトーストセット」。バナナやアイスクリームを添えたボリューミーで贅沢なフレンチトーストです。14:00以降からオーダー可能で、ゆっくり楽しむなら遅めのランチやおやつタイムに食べたい一品です。浅草散歩に疲れた人をほっこり癒す空間16席とこじんまりした店内だからこそ、ゆっくり落ち着いて過ごせるのが魅力的。浅草の観光地から少し離れた場所にあり、近所の人に愛されているお店です。東京メトロ銀座線「田原町駅」徒歩1分のところにある「FEBRUARY CAFE」。美味しいコーヒーと、美味しいトーストがあなたを待っています。スポット情報スポット名:FEBRUARY CAFE住所:東京都台東区雷門1-7-8電話番号:03-6802-7171
2017年11月22日東京23区に特化したリノベーション賃貸ブランド「REISM(リズム)」を展開するREISMが、REISMのリノベーション空間を再現したカフェ“REISMSTAND(リズムスタンド)”にて11月8日(水)より、限定メニューとして「厳選宮崎和牛のロースト」と具沢山の「体あったか本格キムチ鍋」を販売開始しました。また、グランドメニューを一部リニューアル。寒くなる季節にぴったりな身体が温まる一品がラインナップしています。活力をリチャージして賢く生きる東京生活を自分らしく、賢く生きるための活力をリチャージできるオープンコミュニティカフェ「REISMSTAND」。「YourMom’sCookingTokyo」をコンセプトに、“身体を温める”食材を使った家庭料理をリチャージ食として提供しています。落ち込んだ時、元気が欲しいときにお母さんの料理を食べて、気持ちがほっこりした、カラダに栄養が染みわたっていくあの体験・記憶を、REISMのスタイリッシュなリノベーション空間で味わえます。そんなREISMSTANDから限定メニューが登場します。数量限定!厳選宮崎和牛のローストREISMSTANDのオーナーが自ら宮崎へ出向き厳選した、宮崎和牛。柔らかくきめ細かな赤身のランプ肉がミディアムレアで提供されます。お肉本来の旨味が味わえるよう、西洋わさびや粒マスタード、自家製りんごと玉ねぎのソースが準備されています。好みに合わせて楽めます。季節限定!体あったか本格キムチ鍋辛さと甘みのバランスが絶妙な韓国唐辛子を使った本場のキムチ鍋。身体をあたためる野菜はもちろん、豚肉や鯖なども入った具沢山でボリューム満点です。疲労回復や免疫力を高める効果の高い、リチャージ食にぴったりなキムチを味噌ベースのスープが引き立てます。〆にはごはんとうどん、トッピングも付いてきます。REISMSTANDならではの、こだわり鍋を楽しんでみてはいかがでしょうか。REISMSTAND概要所在地:東京都渋谷区鶯谷町6-6グリーンハイツ鶯谷町2階TEL:03-6861-6670営業時間:11:00~23:00定休日:不定休REISMSTAND
2017年11月17日