“食べることは生きること”を真正面から描いた、寺門ジモン初映画監督作品『フード・ラック!食運』にEXILE NAOTO、土屋太鳳らが出演することが決定。併せて、特報映像が解禁となった。下町に店を構える人気焼肉店「根岸苑」をひとり切り盛りする母・安江。ひとり息子・良人の毎日の楽しみは、母の手料理を食べることだった。ある事件がきっかけで店は閉店し、成長した良人は家を飛び出し、うだつがあがらないライターとして自堕落な生活を送っていた。ある日、グルメ情報サイトの立ち上げを任されることになった良人のもとに、疎遠になっていた母が倒れたとの報せが入り…。本作は、芸能界屈指の食通であり、ありとあらゆる名店を巡り、食の素材から味までを熟知する寺門ジモンが熟成期間を経て作り上げた完全オリジナル作品。特に焼肉に強いこだわりを持ち、「家畜商」の免許を取得するほどの肉愛を持つ監督の想いにキャスト陣はもちろんのこと、実在する焼肉名店が参加。奇跡のコラボレーションが実現した。主演を務めるのは、「EXILE」「三代目 J Soul Brothers」のパフォーマーとしても活躍する一方、俳優としてもさらなる活躍をみせるEXILE NAOTO。本作では奇跡の“食運”を持つ男・良人役を演じる。本作のキーパーソンとなる新人編集者・静香役には、NHK連続テレビ小説「まれ」や「チア☆ダン」、『8年越しの花嫁』など数々の話題作に出演する人気女優・土屋太鳳が抜擢された。良人の母であり、幻の焼肉店「根岸苑」店主役にりょうが出演するほか、石黒賢、松尾諭、寺脇康文、白竜、東ちづる、矢柴俊博、筧美和子、大泉洋、大和田伸也、竜雷太といった日本映画界を代表する、実力派キャストが大集結した。今回解禁された特報映像には、“ジュー”という肉の焼ける音とともに、「もし、焼肉が最高の演技をしたらどうなるのか?」というナレーションで始まり、NAOTOさん演じる良人と土屋さん演じる静香が肉を頬張る姿が映し出される。名店の料理が次々に登場する本作において、プライベートでもグルメ好きを公言するほどの食愛をもつ2人が“食べる”最高の演技を見せる。様々な肉の共演に、思わず食欲をそそられる映像に仕上がっている。■キャスト・監督コメントEXILE NAOTO(良人役)今回こうして「フード・ラック!食運」に土屋太鳳さんと主演を務めさせて頂くことを光栄に思います。私自身普段から食べることが大好きで食は私の生活の中でもとても重要な役割を担っています。そんな食をテーマにし、更にはその食の師匠寺門ジモン監督の作品に携われることを幸せに思います。映画を観ながらお腹を空かせ食べることの幸せやそこに関わる職人の想い、そして家族の絆を思い出しほっこりと優しい気持ちになってもらえたら嬉しいです。土屋太鳳(静香役)食は縁と運を運ぶ使者だと思います。なぜなら私が映画「フード・ラック!食運」に出会えたのは、まさに食を通して寺門組に出会えたから。大好きな人と大好きなものを大好きな場所で食べる…そのささやかで力強い幸せが、難しい状況と戦う今だからこそ伝わりますよう。そして観てくださる方々に、温かな食運が巡りますよう。寺門ジモン(監督)映画監督させて頂く事になりました!!僕は子供の頃から映画が好きで、その関係で俳優養成所から始まりお笑い芸人の世界に入りましたが、いつか映画を撮りたいと夢見ていました。数々の人間関係や繋がりから、いつしかメガホンをとる事に。はじめは肉のドキュメンタリー映画を考えましたが、松竹映画さんならばストーリーのある作品を作りたい!それならば本を書いてください、という事になりました。作品になるまで数々の壁や絶対無理という状態が続きましたが、ついに映画が完成!僕の夢は、映画を作ること。ラッキーなことにその夢が現実になりました。願い続けて諦めなければ、夢は叶う、ラッキーをつかめる。そして、奇跡は起こる!この映画をご覧いただけるすべての方に、運と感謝を分けたい!!そして、食べて元気になりましょう!そういう意味では、「運」の付く映画になる事を願っております!『フード・ラック!食運』は11月20日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年07月29日女優の池田エライザが初監督した映画『夏、至るころ』が、7月25日(土)から開催される第23回上海国際映画祭「インターナショナル・パノラマ部門」に正式招待され、中国プレミアを飾ることになった。本作は、男子高校生の翔と泰我が、夏祭りを前に初めて自分の人生と向き合い、それぞれの一歩を選びとる物語。2人の前に現れる“ギターを持った渡り鳥”こと、都の存在や、翔を見守る祖父母と父母、弟がそろう家族の団らんは、コロナ禍で世界中が“触れ合い”を切望するいま、桃源郷を見るかのような奇跡のシーンに。撮影時23歳の池田エライザ監督は、奇をてらうことなく、青春、家族、故郷を、みずみずしい感性で描き切った。上海国際映画祭は、中国で唯一の国際映画製作者連盟公認の映画祭であり、かつアジア最大級の規模を誇る。1月23日から全国で映画館が閉鎖されていた中国では7月20日に再開、およそ6か月ぶりに大スクリーンで映画が上映され、また上海国際映画祭が映画館再開後初の国際イベントとなる。なお、国際ゲストはまだ渡航できない状況であるため、池田監督は映画祭の観客に向けてビデオメッセージを送る予定という。池田エライザ監督コメント夢を抱けない人、夢を抱く人、本当の夢に向き合えない人、すでに夢破れた人。さまざまな情報が行き交うこの世の中で、夢を抱くということはとても難しい。その想いを胸に、スタッフ一同、誠心誠意向き合い続けた作品が日本を飛び出してさまざまな方々に観ていただけるということが心から嬉しいです。蝉の声に、太鼓の音に、彼、彼女らの声に、どうか全身を委ねて、穏やかな気持ちで観ていただければ幸いです。上海国際映画祭プログラム・アドバイザー 徐昊辰氏コメント『夏、至るころ』はデビュー作とは思えないほど、少年たちの感情が繊細に描かれている。そして彼らの自由に生きる姿は、このコロナ禍のなか、改めていろいろと考えさせられる。美しい日本の原風景の中で、太鼓を打つときの笑顔、プールの青い光、青春の汗、涼しい風......見事な夏映画が誕生!中国でもぜひ公開してほしい!『夏、至るころ』は2020年、日本公開予定。「第23回上海国際映画祭」は7月25日(土)~8月2日(日)の期間で開催。(text:cinemacafe.net)■関連作品:夏、至るころ 2020年公開予定
2020年07月22日映画『ブルータル・ジャスティス』が、2020年8月28日(金)より公開される。“暴力の伝道師”S・クレイグ・ザラー監督待望の日本初公開作映画『ブルータル・ジャスティス』は、金塊を巡り、2人の暴力刑事と血も涙もない犯罪組織の血で血を洗う激しい追撃戦を描いたアクション作品。監督は、『トマホーク ガンマン vs食人族』『デンジャラス・プリズン ―牢獄の処刑人―』など、容赦なき暴力描写と独特の世界観でカルト的な人気を誇るS・クレイグ・ザラー。同監督作品はその過激さからか、これまで日本未公開となっていたが、今回待望の日本初公開を果たす。『ハクソー・リッジ』のメル・ギブソン主演主演には、『マッドマックス』『ブレイブハート』など、数々の映画で主演を務めてきたメル・ギブソンだ。アカデミー賞作品賞ほか6部門にノミネートを果たした『ハクソー・リッジ』で監督を務めるなど多彩な才能を魅せる名優が、ベテラン刑事ブレットを演じる。また、相棒の刑事トニーには、『ハクソー・リッジ』にも出演したヴィンス・ヴォーンを迎え、息の合った激しいアクションを繰り広げる。その他にも、『ナイブズ・アウト』に出演したドン・ジョンソンのほか、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のトーマス・クレッチマン、トリー・キトルズ、マイケル・ジェイ・ホワイト、ジェニファー・カーペンターといった豪華キャスト陣が脇を固める。ストーリーベテラン刑事ブレットとその相棒トニーは強引な逮捕が原因で6週間の無給の停職処分となる。家族のために大金を必要としていたブレットは、一攫千金を狙い、ある犯行を計画する。それは不穏な動きを始めた犯罪者の情報を得て、その取引後に金を強奪するというものだった。ブレットはトニーを誘い、ボーゲルマンという男を監視する。ある朝、動き始めたボーゲルマンとその仲間を尾行するブレットとトニー。ところがその追走劇は、彼らを待ち受ける地獄の始まりだった…。詳細ブルータル・ジャスティス公開日:2020年8月28日(金)監督:S・クレイグ・ザラー出演:メル・ギブソン、ヴィンス・ヴォーン、トリー・キトルズ、マイケル・ジェイ・ホワイト、ジェニファー・カーペンター、ウド・キア、トーマス・クレッチマン、ドン・ジョンソン配給:クロックワークス
2020年07月19日ジョナ・ヒルの初監督作品「mid90s ミッドナインティーズ」が、9月4日より、全国でロードショーされる。ジョナ・ヒルは、「40歳の童貞男」をはじめとするジャド・アパトー作品でキャリアを積んだ、アメリカを代表する大人気コメディ俳優。2度のオスカーノミネートを果たし、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」「マネーボール」「21ジャンプストリート」などの出演作でもよく知られている。今回彼が手がけた「mid90s ミッドナインティーズ」の舞台は、90年代のロサンゼルス。シングルマザーの家庭に育った13歳の少年スティーヴィー(サニー・スリッチ)が、スケートボードを通してかけがえのない仲間達と出会い、子供から大人への扉を開いていく、というジョナ・ヒル自身の半自伝的な10代の想い出をもとに作り上げられた青春ストーリーとなっている。子供と大人の中間で悩む年の頃を描く、誰もが共感必至の青春ストーリー。懐かしくて新しい、90年代への愛情と夢をたっぷりに描いた、この10代の少年たちの成長物語は、あらゆる世代の共感を呼び、ナショナル・ボード・オブ・レビューのトップ10インディペンデント映画にも選出。全米4館からスタートしたにも関わらず、1,200スクリーン超まで拡大するスマッシュヒットを記録。本作で、不安と希望を胸に未来に立ち向かっていく主人公のスティーヴィーを演じるのは、「ルイスと不思議の時計」「聖なる鹿殺し」のサニー・スリッチ。母親・ダブニー役には、「ファンタスティック・ビースト」シリーズのキャサリン・ウォーターストン。兄・イアンに「ある少年の告白」「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のルーカス・ヘッジズ。その他にも人気・実力を兼ね備えた俳優陣が多数出演。また、今回の制作にあたり、タッグを組んだのは、映画スタジオ「A24」。「ミッドサマー」の大ヒットも記憶に新しく、「レディ・バード」「ムーンライト」といった、アカデミー賞候補作を続々と世に送り出すなど、今、世界中の映画ファンから注目の的となっている気鋭のスタジオだ。ライフスタイルがデジタル化される最後の時代――90年代のあの頃を背景に、懐かしくて新しい青春映画のマスターピースがいよいよ日本で公開される。mid90s ミッドナインティーズ (Motion Picture Playlist)【映画情報】mid 90s ミッドナインティーズ国内公開日:9月4日新宿ピカデリー、渋谷ホワイトシネクイント他、全国ロードショー監督・脚本:ジョナ・ヒル『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『マネーボール』(出演)製作総指揮:スコット・ロバートソン『レヴェナント:蘇りし者』、アレックスG・スコット『レディ・バード』製作:イーライ・ブッシュ『レディ・バード』 音楽:トレント・レズナー、アッティカス・ロスキャスト:サニー・スリッチ『ルイスと不思議の時計』『聖なる鹿殺し』、キャサリン・ウォーターストン『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』、ルーカス・ヘッジズ『ある少年の告白』『ベン・イズ・バック』、ナケル・スミス2018年 / アメリカ / 英語 / 85分 / スタンダード / カラー / 5.1ch / PG12 日本語字幕:岩辺いずみ/提供:トランスフォーマー、Filmarks配給:トランスフォーマー © 2018 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.URL:
2020年07月15日『新聞記者』藤井道人監督の最新作『ヤクザと家族 The Family』の公開が決定。今回初共演となる綾野剛と舘ひろしを迎え、“ヤクザ”をテーマにした壮大な物語を作り出す。本作は、『あゝ、荒野』『新聞記者』『宮本から君へ』などの話題作を世に送り出しているスターサンズ・河村光庸プロデューサーが企画し、『新聞記者』で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した藤井監督のオリジナル脚本作品。1999年、2005年、2019年――3つの時代で見つめる、ひとりの男とその家族・ファミリーの壮大なヒューマンストーリーだ。男は自暴自棄になっていた少年期に、地元のヤクザの親分から手を差し伸べてもらったことで、心の救いを得て父子の契りを結ぶ。しかしときはうつり、彼にも愛する自分の家族ができる。一方、暴対法の施行はヤクザの有り様と男の環境を一変。男の選んだ生き方は様々な矛盾やハレーションをおこし始め、組の存続を巡る因縁の敵との戦いの中、ヤクザであることを貫くことは、かけがえのないものを失うという状況を突きつけられていく…。綾野さんが演じるのは、広域指定暴力団の3次団体・柴咲組の組員、山本賢治。今回がヤクザ役初挑戦となる。父親を覚せい剤で失い、その日暮しの生活を送っているときに柴咲組組長の危機を救ったことから、ヤクザの世界へ。移り変わる社会の中で「組織=ファミリー」と「愛する家族」の間で揺れ動く、時代を象徴する“最後のヤクザ”ともいえる男の半生を演じる。そして舘さんが演じるのは、少年・山本に手を差し伸べ、“家族”という居場所を与える柴咲組組長・柴咲博。43年ぶりのヤクザ役だ。キャスティング理由について藤井監督は「河村プロデューサーと話して、主人公の山本という役は綾野剛以外考えられない、という共通の認識でした」と言い、「20年の役を生きる山本という役は、その時代を象徴するかのように様々な繊細な感情を表現しなければならなかったからです。綾野さんのストイックな役への姿勢は、本作の脚本の世界を何倍にも広げてくれました」とコメント。一方、舘さんのキャスティングについては、監督のリクエストだったそうで「かっこよくて、でも愛嬌もある、優しい『父親像』を舘さんに託しました。舘さんには撮影時本当にたくさんのことを教えていただき、僕の監督人生の大きな財産の一つとなりました」とふり返っている。出演キャストコメント■綾野剛渾身の作品が生まれました。現場では今までに感じた事の無い鼓動の連続で、毎日が走馬灯のようでした。果てしなく目を背けたくなるような残酷さと、その体温を永遠と抱きしめ続けたくなるような心地よさ。これが"家族"なのかと。母、親父、兄弟、愛した女。過去から現在、人権と時代。そしてこれからの未来を生き抜く子供たち。私達、藤井組は、その全てをひとつの映画に込めました。幾度もの難関にも映画は私達を見放さず、見つめ続け、救ってくれた。映画は私達にとって最後の"家族"です。スタッフ、キャスト、家族のみんなで乗り越え導き出した愛の結晶。それが「ヤクザと家族 The Family」です。どうか、どうか。家族を大切に。■舘ひろし「ヤクザ」という題材で家族の愛を描いた作品(脚本)に、大変興味を持ちました。藤井監督は感情表現を繊細に演出し、俳優スタッフが一つとなり、丁寧に作品を作り上げていきます。その姿勢に感銘を受けました。綾野剛さんは、訴えかける目力が素晴らしい。いつも作品のこと、役柄を深く考えており、役の中をリアルに生きている、そんな俳優さんだと思います。とても刺激をもらいました。「ヤクザと家族 The Family」どうぞ、ご期待ください。『ヤクザと家族 The Family』は2021年公開予定。(cinemacafe.net)
2020年05月27日チュ・ジフンと共演する『暗数殺人』の公開も控える名優キム・ユンソクが長編初監督に挑み、青龍映画賞新人監督賞にノミネートされた『未成年』。この度、切なくも優しい本作を映し出した予告映像、アートワーク&場面写真が一挙に解禁となった。父が同級生の母親と不倫関係にあることを知った少女とその同級生を主人公に、少女たちの成長を大胆かつ繊細に描き、韓国映画界最高峰の栄誉である青龍映画賞で新人監督賞と新人女優賞の2部門にノミネート。キム・ユンソク自身の新人監督賞の受賞は逃したものの、500倍の倍率のオーディションから選ばれたキム・ヘジュンが、『スウィング・キッズ』のパク・ヘスや『はちどり』のパク・ジフらと競い合った末に見事、新人女優賞を獲得した。解禁となった予告映像では、自分たちと親たちの“歪な関係”に直面する少女たちの瑞々しい姿と、社会現象を巻き起こしたドラマ「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」の鬼気迫る演技で第55回百想芸術大賞の最優秀演技賞を受賞した名女優ヨム・ジョンア、『ザ・キング』で青龍映画賞、大鐘賞映画祭、百想芸術大賞の助演女優賞を受賞したキム・ソジン、そして自ら出演するキム・ユンソクら、ベテラン勢のシリアスかつコミカルな名演を垣間見ることができる。また、ポスターアートワークはそれぞれの家族の取り澄ましたような表情を切り取り、表情豊かな場面写真とともに波乱の物語を予感させる仕上がりとなっている。ストーリー父が不倫していることを知った女子高生のジュリ(キム・ヘジュン)。その相手は、問題児として知られる同級生ユナ(パク・セジン)の母ミヒだという。ジュリはユナに母親の不倫を止めるよう忠告するが、激しい口論の末、ユナは母がジュリの父の子を妊娠していることを告げ、ジュリの母にまでその事実を暴露してしまう。思いもかけない告白に戸惑い、また現実から目を背けようとする両親の姿に傷つくジュリ。一方のユナも、娘を顧みず不倫の恋にのめり込んでゆく母の姿を見て深い孤独を感じていた。そんな最中、2つの家族を決定的に揺るがす、ある事件が起こる…。『未成年』は5月29日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:未成年 2020年5月29日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にて公開© 2019 SHOWBOX AND REDPETER FILM ALL RIGHTS RESERVED.
2020年03月20日マット・リーヴス監督が、『The Batman』(原題)でロバート・パティンソンが演じるバットマンのファーストルックを公開した。リーヴス監督がツイッターに「カメラテスト」と題した55秒の動画をアップ。マイケル・ジアッチーノが手掛けた不穏な空気を醸し出す音楽が流れる中、バットスーツに身を包んだロバートがスローモーションでカメラに近付いてくる。映像の色は暗く、ライトで赤みがかかっている。次第に胸元のコウモリのメタリックなエンブレムがズームアップされ、最後にマスクを身につけているロバートの横顔が映し出される。『The Batman』の撮影は先月からスタート。ロバートは、バットスーツを着用するにあたり、「他人にお尻をギュッとつぶされて、脚の部分に押し込まれるのはすごく恥ずかしい」という思いをしながら撮影に挑んでいること明かしている。キャットウーマンを演じるゾーイ・クラヴィッツは、先日「Variety」誌にロバートとの撮影についてこのように語った。「彼とは仕事をしたことがなかったけど、この数週間一緒にいる。カメラテスト、トレーニング、リハーサルをやった。彼はおもしろい人で、素晴らしい、思慮深い俳優。撮影は長期間に及ぶだろうし、プレッシャーもある。お互いに支え合っていく」。『The Batman』は2021年6月25日全米公開予定。(Hiromi Kaku)
2020年02月14日日本初のチベット人監督による劇場公開作として注目された『草原の河』のソンタルジャ監督最新作『巡礼の約束』。この度、チベットにいるソンタルジャ監督よりメイキング写真とインタビューが到着した。本作は「中国で最も美しい村」にも選ばれたチベット高原の秘境、ギャロン地方出身の人気歌手ヨンジョンジャが企画し自ら主演、チベット映画第一世代を代表するソンタルジャが映画に結実させた物語。ある理由から突然、聖地ラサへの巡礼の旅に出た妻ウォマと、その妻を心配して追ってくる夫ロルジェ、妻の前夫との息子で心を閉ざしている少年ノルウ、それぞれの想いを描く。今回届いたのは、秘境として人気が高いギャロン地域での撮影風景をはじめ、映画に出演した本物の僧侶たちに囲まれて監督が撮影シーンをチェックしている写真、「ラサまで3キロ」地点を前にして主演のヨンジョンジャと監督が五体投地に使う手板を合わせている写真、チベットの美しい絶景を背景に、監督が演技を絶賛したノルウ役の少年と仔ロバが仲良く休憩する写真や、仔ロバを囲んだ集合写真など貴重なメイキング写真5点。「チベットの人は晩年になると一生に一度行ってみたいという気持ちが強くなる。それほどラサへ行くということは重要なこと」と、聖地ラサについて語るソンタルジャ監督。「また、チベットの人にとって約束を守る、ということも非常に大事なことです。チベットの人々はこれまでも、口で伝える、という方法で約束を守っていきました。この映画の中でも、ノルウがロルジェに『ラサへ巡礼に連れて行くって言ったじゃないか』と言う場面がありますが、それは、口にしたからには守ってもらわないと困る、と言う意味があるのです。この映画では、そのような文化を背景に、愛や誠意といったチベットに限らず世界中で一番大事なことを描いています」という。さらに、「死者の魂と巡礼をするのは、チベットではよくあることです」と監督。「ツァツァ(粘土で作った小さな仏像)や、死者の歯、遺髪などを持って一緒に巡礼をし、それをラサのお寺に納める風習があります。多くは亡くなった親のために子供が巡礼することが多いですね。この映画では、ウォマは前夫の、ロルジェはウォマの思いを背負って巡礼の旅をするわけです」。物語前半では妻が巡礼をし、後半はそれを引き継ぐように夫と、その夫とは血の繋がらない息子、そして幼いロバが巡礼に加わっていく。「最初は妻が主人公、次に夫が主人公になる。主人公が変わるというのは、普通に考えて、映画の作劇としてはリスクがあります。でも、今回はそのように撮りたいと思いました。夫婦という一つの存在として捉えれば、それは可能ではないかと。後半のために前半があります。夫がどんな人間かを後半で見せ、そこでチベット文化の奥深さも見せることができます。チベット文化というと抽象的に聞こえるかもしれませんが、チベットで個人を描く時、その行動、その決断は必ずチベット文化に影響されていると思うのです」と監督は語る。映画初出演とは思えない存在感を発揮するノルウ役の少年スィチョクジャについては、「実は明るくてわんぱくな子で、決して映画の中のような無口な子ではないんですよ。私が気に入ったのは、あの子の『目』です。実はキャスティングの際、1,000人ほどの小学生の写真をスタッフが撮ってきてくれたんですが、すべてを見ても気に入った子はいませんでした。そしてある日、自分で足を運んだ小学校の教室に彼がいたんです。一目で、この子がノルウだと思いました」と、大抜擢だったことを明かす。「私はよくヨンジョンジャさんにこんな冗談を言っていました。子供の方があなたよりうまい、ロバの方が子供よりうまいってね(笑)」。『巡礼の約束』は岩波ホールほか全国にて順次公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:巡礼の約束 2020年2月8日より岩波ホールほか全国にて順次公開
2020年02月12日松竹映画100周年のメモリアルイヤーを記念した、山田洋次監督作品『キネマの神様』の製作が決定した。原作は、原田マハによる同名小説。ダブル主演を務めるのは、初共演となる志村けんと菅田将暉。世代を超え、二人一役で主人公を演じる。公開は12月となる。1999年の『鉄道員』以来、21年振りの映画出演で、さらに初主演となる志村は、「山田洋次監督の作品もたくさん観ていましたので、緊張感と不安を感じつつも撮影に入るのをとても楽しみにしています」と、山田組の撮影への期待を寄せた。一方、山田組初参加となる菅田は、「脚本を読みながら、体が熱くなりました。この世界に入って良かった」とコメントし、作品への高揚感を滲ませた。また、本作には宮本信子と永野芽郁の出演も決定している。無類のギャンブル好きなゴウ(志村)は、妻・淑子(宮本)や家族に見放されたダメ親父。 そんな彼にも、たったひとつだけ愛してやまないものがあった。それは“映画”。行きつけの名画座の館主・ テラシンとゴウは、かつて映画の撮影所で働く仲間だった。若き日のゴウ(菅田)たちは、時代を代表する名監督やスター俳優に囲まれながら夢を追い求め、青春を駆け抜けていた。しかしゴウとテラシンがともに食堂の娘(永野)へ恋心を抱き、運命の歯車は狂い始める……。出演者による映画化へのコメント全文は下記の通り。●志村けん僕が映画に出演させていただくのは人生で2度目で、 前回から約20年ぶりになります。松竹映画100周年という節目の作品に選んでもらい光栄な事だと思っております。 ありがとうございます。山田洋次監督の作品もたくさん見ていましたので、 緊張感と不安を感じつつも撮影に入るのをとても楽しみにしています。●菅田将暉今回このような素敵な座組に呼んで頂けたこと心から感謝しています。山田洋次監督のもと、キネマの神様が微笑んでくれるよう丁寧に紡いでいきたいと思います。脚本を読みながら、体が熱くなりました。この世界に入って良かった。そんな風に思いました。 撮影所と映画と映画館とそこにいる人たち。この優しい情熱がどうか届きますように。宜しくお願いします。●永野芽郁松竹映画100周年記念作品である本作に山田組の一員として出演できる事、 とても光栄に思います。 山田洋次監督が生みだす温かい世界に自分が存在できる喜びと、 緊張感で今から撮影が待ち遠しいです。 菅田さんは3回目の共演ですが、今までとは違う関係性の役どころなので どんな空気が生まれるのか、とても楽しみです。大先輩方とご一緒して沢山のことを吸収できるように精一杯頑張りたいと思います。●宮本信子約50年ぶりの山田組となります。山田洋次監督が手がける“キネマの神様”という、この上なく素晴らしいタイトルを持った作品に参加出来ることを嬉しく思っています。志村けんさんとご一緒するのは初めてなので、とても楽しみにしております。 映画を愛するお客様に届けられるよう撮影に臨んでまいります。『キネマの神様』12月全国ロードショー
2020年01月25日第71回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『万引き家族』(18)の是枝裕和監督にとって初の国際共同製作映画となる『真実』が10月11日に公開を迎えた。本作で来日した世界的スター、ジュリエット・ビノシュと是枝監督を直撃し、日仏合作映画ならではの制作秘話や、大女優カトリーヌ・ドヌーヴとの撮影エピソードを語ってもらった。ドヌーヴが演じる主人公は、奔放でわがままな大女優ファビエンヌ。彼女の自伝の出版祝いに、アメリカ在住の娘リュミール(ジュリエット・ビノシュ)一家が、フランスに住む母を訪ねてくる。そこで、母と娘の間に隠された“真実”が明かされていく。本年度のヴェネチア国際映画祭で、日本人監督初のコンペティション部門オープニング作品として上映された本作。日本語吹替版声優は、ファビエンヌ役を宮本信子が、リュミール役を宮崎あおい、リュミールの娘、シャルロット役を『万引き家族』の佐々木みゆが務めた。――是枝監督は本作で、女優というものをとことん掘り下げつつ、母と娘の葛藤など、女性の心のひだをとても繊細に描いています。男性の是枝監督が、どうすればこんなにリアルな女性像を紡ぎ上げることができるのでしょうか?ビノシュ:それは是枝監督が、男装した女性だから(笑)。きっと是枝監督のなかに“おばちゃん”がいるんです。是枝監督:そうです。僕の中に、大事に育てているおばちゃんがいます(笑)。でも、おじさんもいますよ。――そう聞いてすごく納得してしまいそうですが、本当のところ、どういうテクニックを使われたのでしょうか?是枝監督:たとえば僕が弁護士の話を書く際には、弁護士事務所に通って取材をしますが、今回もそのプロセスで言うと、女優の話なので、ドヌーヴさんやビノシュさんのご自宅におじゃまして、長い時間をかけて話を聞かせてもらいました。ドキュメンタリーじゃないから、そのままを引用したわけじゃないけど、彼女たちから、自分の母親や娘さんとの関係などをいろいろ聞いて、それを脚本に取り入れました。――是枝監督の作品は、ナチュラルな口語体の台詞が印象的ですが、今回はフランス語の脚本に仕上げるために“翻訳”というフィルターをかける必要があったかと。やってみていかがでしたか?是枝監督:実は日本語ってすごくいい加減な言語で、主語がなかったり、時制がぐちゃぐちゃだったりしますが、映画だとむしろそのほうがリアルな台詞になります。でも、フランス語に訳す時、全部をきちんとした時制に戻さないといけなくて。通訳さんに戻してもらった脚本をみんなで読んでもらい、そこから修正を加え、なるべくリアルに仕上げていくという作業をしました。そこはちゃんとやれたんじゃないかなと思っています。――ビノシュさんは、是枝監督の脚本を読んで、どんな印象を受けましたか?ビノシュ:まず、是枝監督が、フランスの世界に溶け込もうとしているのを脚本から感じました。ただ、確かに言語のニュアンスの違いはあったと思います。――それはどういう違いでしょうか?ビノシュ:具体例を挙げると、日本人は謝ることが多いのですが、フランス人はめったなことで謝りません。通訳さんは、日本語の脚本の一語一句全てを丁寧に訳してくださいますので、たとえば「すいませんが」から始まる台詞をそのままフランス語に訳すと、謝罪から始まる形になります。私たちフランス人からすると「なぜ、いきなり謝るのか?」となってしまうわけです。また、カトリーヌは非常にタバコ好きですが、あれはフランス人のスタンダードではないです(笑)。私はあれほど吸いません。現場では、是枝監督もかなり苦労されていましたね。――ドヌーヴさんは、劇中だけではなく、もともとヘビースモーカーだったということですね。ちなみに是枝監督は喫煙者ですか?是枝監督:僕はタバコを吸わないので、あの状態が2カ月続いたら死ぬなと思いました(苦笑)。でも、途中から苦にならなくなったことに、自分でも驚きました。ビノシュ:カトリーヌは、撮影現場にもタバコを吸いながら来ますが、たぶん緊張をほぐすのに、必要なんだと思います。でも、エレベーターのなかでも、禁煙の場所でも吸っちゃいますね(笑)。――吸ってはいけないところでも吸われるのですね! 撮影に支障はなかったのですか?是枝監督:車の窓が閉まっている中でも吸われていて「大丈夫よ、本番になったら消すから」と言われまして、「用意!」と言う直前でようやく消すんです。そのあと、車内の煙をみんなでパタパタ追い払わなきゃいけなくて。そこから撮影を始めるまでに、かなり“間”が必要でした(苦笑)。――なるほど。それは大変でしたね。ビノシュ:ただ、カトリーヌがヘビースモーカーなので、私はタバコを利用して彼女と仲良くなろうとしました。フランス語で「あなた」という二人称は、親しみを込めた“tu”と、少し距離を置いた感じで、相手を敬う“vous”と2種類ありますが、カトリーヌは誰に対しても“vous”を使います。私は彼女との距離を縮めたかったので、「タバコを1本貸してください」と声をかけたんです。――そこから会話を広げようとしたわけですね?ビノシュ:そしたらカトリーヌから「貸してと言っても、返さないでしょ」と言われまして。私は「1本貸してくれたら箱で返しますから」と言ったら、リハーサル中にポンと1本投げてくれました。1週間後に約束どおり、タバコを1箱返しに行ったら「これは私の銘柄じゃないわ」と言われましたが、このやりとりで少しだけ距離が縮まりました(笑)。ヴェネチア国際映画祭での上映が終わったあとも、彼女に近づいていったら「タバコ、欲しいんでしょ?」と言って、私にくれたんです。――まさにドヌーヴさんは、ゴーイングマイウェイなファビエンヌそのものですね。是枝監督:確かにドヌーヴさんに取材した内容はかなり投影されています。また、ビノシュさんが母親と娘の話をしていたとき「もしかするとファビエンヌは、映画のなかで母親役を演じるために、リュミールを産んだのかもしれないわね」と言われて。僕は「そうかもしれませんね」と言いながら、女優さんて怖いなと思いつつ、「リュミール自身が、母に対してそう思っちゃったかもしれないですね」という話にもなりました。それをヒントに、母と娘のわだかまりを描いていきましたが、女優が役とどう向き合い、役作りをしていくのかというビノシュさんの話は非常に面白かったです。ビノシュ:私は普段から「女優とは何か」を考えていますから。でも、是枝監督と演技論をいろいろ闘わせたんですが、私の言ったことはあまりシナリオに入ってない気がしますよ。カトリーヌの言ったことをより多く入れられていますよね?是枝監督:アハハハ。そんなことはないですよ。目に見えない氷山の下のほうに、ちゃんと入っていますから。――是枝監督にとっては、初の国際共同製作映画となりましが、ビノシュさんは、現場でどんな印象を受けましたか?ビノシュ:是枝監督の演出方法はとてもやさしいハーモニーを大事にするやり方という印象を受けました。是枝監督は、全く言葉が通じないフランスに適用しながら仕事をしなければいけなかったけど、実は私も、河瀬直美監督の『Vision ビジョン』(18)の現場で同じような経験をしています。日本での撮影は、そういう協調性のある集団作業ですが、フランスの現場は各セクションがもう少し個人主義で、ある意味、エゴも出てくる現場だと思います。――是枝監督は、そういう現場を楽しめましたか?ビノシュ:フランス人の前では言えないですよね(笑)。是枝監督:日本の場合、スタッフ全員が集まってやる総合打ち合わせを設けるんですが、フランスではそういう習慣がなかったです。カメラマン、美術、衣装などのスタッフは、みんなが1対1での打ち合わせをしたがります。そこは彼らの、プライドだったりもするので、内心では「1回にまとめたい」と思いながらも徹底してやっていきました。ただ、現場に関しては、制作のプロセスも含め、ほぼ自分の思い通りにやれたという自信はあります。■ジュリエット・ビノシュ1964年3月9日、フランス、パリ生まれ。『ゴダールのマリア』(84)で注目され、『ランデヴー』(85)でセザール賞にノミネート。『存在の耐えられない軽さ』(88)でアメリカに進出。『ポンヌフの恋人』(91)でヨーロッパ映画賞女優賞を受賞し、『トリコロール/青の愛』(93)でセザール賞、ヴェネチア国際映画祭女優賞を受賞。『イングリッシュ・ペイシェント』(96)でアカデミー賞に輝く。カンヌ国際映画祭では、『トスカーナの贋作』(10)で女優賞を受賞、『アクトレス~女たちの舞台~』(14)でセザール賞にノミネート。河瀬直美監督作『Vision ビジョン』(18)にも出演。■是枝裕和(これえだ・ひろかず)1962年6月6日、東京都生まれの映画監督。1995年、監督デビュー作『幻の光』でヴェネチア国際映画祭で金のオゼッラ賞を受賞。2004年の『誰も知らない』では、主演の柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞。2013年『そして父になる』で第66回カンヌ国際映画祭審査員賞をはじめ、国内外で多数の賞を受賞。2014年独立し、西川美和監督らと制作者集団「分福」を設立。『海街diary』(15)はカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、日本アカデミー賞最優秀作品賞他4冠に輝く。『三度目の殺人』(17)は第74回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品、日本アカデミー賞最優秀作品賞他6冠に輝く。『万引き家族』(18)は、第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、第91回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、第44回セザール賞外国映画賞を獲得し、第42回日本アカデミー賞では最優秀賞を最多8部門で受賞。※宮崎あおいの「崎」は「たつさき」。photo L. Champoussin (C)3B-分福-Mi Movies-FR3
2019年10月12日是枝裕和監督初の国際共同製作映画『真実』(10月11日公開)のジャパンプレミアが3日、都内で行われ、是枝監督、来日したカトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュらが登壇した。昨年のカンヌ国際映画祭で日本映画21年ぶりの快挙となる最高賞“パルムドール”を受賞し、 『万引き家族』が興行収入46億を超える大ヒットとなった是枝監督。長編14作目となる最新作にして初の国際共同製作映画『真実』は、母と娘の間に隠されたある「真実」を巡る物語で、全編フランスにて撮影された。是枝監督は、母娘を演じたドヌーヴとビノシュと並び、「こんな形で2人と映画を撮るなんて、映画を撮り始めてからも現実感のない夢のようなことだったんですけど、完成して3人で壇上に並んでいるのが信じられないです」と感無量の表情。「パリで本当に楽しい時間を過ごすことができて、それが映画に映っていると思います」と語った。ドヌーヴは「私を配役して映画を考えてくださってうれしかったです」と喜び、是枝監督の演出について「徐々に一緒に時間を過ごしていくにつれて、監督の表情や視線を見ただけで監督がどう考えているかわかるようになりました」と振り返り、監督を見てにっこり。ビノシュは「是枝監督と映画を作ることが夢だった」と言い、「『誰も知らない』を通じて是枝監督を初めて発見したんですけど、人生のディテールが細かく描かれていて感動しました」と是枝作品との出会いを説明。一緒に仕事をした感想を聞かれると「物静かな中に友情や優しさ、鋭い観察眼が感じられました。映画監督は耳と目の感受性が必要だと思うんですけど、その真髄たる方だと思います」と絶賛した。ビノシュの言葉を聞いて、是枝監督は「映画が人をつないでくれるんだなと、改めて感じて感動しています」としみじみ。また、映画祭や舞台挨拶などに登壇すると「すごい2人と撮ったんだな」と思うが、「現場だと1人の女優さんと監督。それは日本と変わらない。どういう風に信頼関係を築いて、いい映画を作るかということだけ考えました」と語った。イベントには、是枝監督作品初となる日本語吹替版で声優を務めた 宮本信子(カトリーヌ・ドヌーブ)、宮﨑あおい(ジュリエット・ビノシュ)、佐々木みゆ(クレモンティーヌ・グルニエ)も登壇した。
2019年10月03日女優・創作あーちすと、のんが初監督・製作したオリジナル映画の舞台裏を追ったドキュメンタリー作品「のんたれ(I AM NON)」が、YouTube Originalsにて公開されることになった。本作は、「創作あーちすと」として活動の場を広げるのんさんがオリジナル映画を撮る過程を追ったドキュメンタリー。女優、アーティストとしての「のん」をプロデュースし新たな一歩を踏み出そうとするのんさん自身の姿を、1年半かけて追った。岩手県遠野市に滞在しながら脚本を書き、自ら監督となって準備・撮影・編集まで行うのんさん。慣れない作業の連続、スタッフや出演者とのコミュニケーション、時間との戦いなど様々な困難に直面しつつ、時には偉大な映画の先輩たちにアドバイスを受けながら、彼女は自分らしさとは何か、表現とは何かを模索し続ける。作品は全10エピソードのドキュメンタリーと、のんさんが監督を手がけた映画『おちをつけなんせ』の合計11エピソードで構成。最終話として公開される『おちをつけなんせ』は、監督・主演・脚本・演出・衣装・編集・音楽など、全ての工程をのんさん自身が手がけている。さらに、女優・映画監督の桃井かおり、是枝裕和監督、片渕須直監督など、本作にも登場する大先輩のクリエイターからインスピレーションを受けながら、岩手県遠野市を舞台にのんさんが初めての挑戦に奮闘していく。全エピソードはYouTubeで視聴可能。YouTube Premiumメンバー(有料会員)は、全エピソードを広告なしで一度に視聴でき、メンバー以外は各エピソード無料公開後に、広告付きで視聴できる。YouTube Originals「のんたれ(I AM NON)」(ドキュメンタリー全10エピソード+映画)は10月2日(水)より公開。(text:cinemacafe.net)
2019年09月18日9月14日、15日の全国映画動員ランキングは、日本の政界を舞台にした三谷幸喜監督の新作『記憶にございません!』(全国352館)が初登場で首位を飾った。公開2週目の『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』(全国292館)は先週1位から2位に。公開9週目の『天気の子』(全国365館)は先週2位から3位になった。太宰治の名作が誕生した舞台裏を虚実を交えて描いた蜷川実花監督の『人間失格 太宰治と3人の女たち』(全国320館)は初登場4位。公開6週目の『ライオン・キング』(全国373館)は先週3位から5位になった。公開4週目の『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』(全国314館)は先週4位から6位に。そのほか新作では犬と恩人である飼い主の絆を描いた感動作の続編『僕のワンダフル・ジャーニー』(全国254館)が初登場7位に入った。また、公開2週目の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』(全国83館)は先週6位から8位になった。次週は『アイネクライネナハトムジーク』『アド・アストラ』『アナベル 死霊博物館』『3人の信長』『HELLO WORLD』『見えない目撃者』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『記憶にございません!』2位『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』3位『天気の子』4位『人間失格 太宰治と3人の女たち』5位『ライオン・キング』6位『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』7位『僕のワンダフル・ジャーニー』8位『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』9位『劇場版 ONE PIECE STAMPEDE』10位『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
2019年09月17日9月に初来日する、ヨーロッパで今最も注目を集めるバレエカンパニー、「バレエ・アム・ライン」。芸術監督を務めるマーティン・シュレップァー氏に、『バレエ・アム・ライン』、また公演する『白鳥の湖』の魅力について聞いた。【チケット情報はこちら】2009年より同バレエ団の芸術監督を務めるシュレップァー氏。すでに名のあるバレエ団ではあったが、氏の改革以来、大きく飛躍してきた。氏が芸術監督となってから変わったことは「アーティスティックな状況の変化」と語る。「新しく5つのスタジオがある”バレエハウス”を作ったこと、そしてカンパニーの名前が変わりました。美徳の部分を変えたと言えるのではないでしょうか。純粋なダンスに目を向けたというのは、決してストーリー性があるバレエをしないとか、嫌いとかではなく、アーティスティックな観点からの変革を続けてきたことで、我々のカンパニーに対する外からの評判や印象が変わったのではないでしょうか」また『白鳥の湖』は日本でも良く知られる古典だが、今作は2018年の同バレエ団の新作。氏が制作する中で一番のインスピレーションとなったのは、小澤征爾のチャイコフスキーだという。「私個人として大型の古典的な作品を取り扱うことを長くテーマにしていたのですが、その準備に3、4年は必要だと思っていました。『白鳥の湖』と『眠れる森の美女』で迷っていたとき、小澤征爾のチャイコフスキー原典版の録音を聞き、倒れてしまうぐらいの衝撃を受け、それが最後の決め手になりました」と話す。また優雅な踊りをイメージするバレエとは違い、同バレエ団の『白鳥の湖』はスピーディな動きも特徴だ。「私のレッスンというのはとても独特ですが、常識外れではない。音楽的なダイナミックさに合わせてすばやく激しく動くことを求めています。私のカンパニーのダンサーは、体格も違うし年齢も国籍も多種多様。日本人では加藤優子さんという素晴らしいダンサーがいて、彼女は47歳ですが偉大なアーティストです。私の作品は身体への要求は高いと思いますが、振付はいつもハーモニー(調和)なものではなく、私自身ヨーロッパ人なのでレジスタント(抵抗性)も好きですし、舞台上でのフリクション(衝突)を大事に思います。舞台上ではハーモニーたっぷりな作品よりドラマがあるほうが面白いものになりますね」公演は9月20日(金)・21日(土)、東京・Bunkamura オーチャードホールにて、9月28日(土)兵庫・兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールにて。
2019年09月04日俳優・高良健吾が、池田エライザ初監督映画『夏、至るころ』に出演することが分かった。「ぼくらのレシピ図鑑」シリーズ第2弾作品として公開される本作は、福岡県田川市が舞台。そこで育った主人公の翔(倉悠貴)は、高校生活最後の夏を迎え、幼なじみの泰我(石内呂依)と将来についての考え方が少しずつすれ違い始める。そして、2人の前に突如現れた不思議な少女・都(さいとうなり)との出会いで翔の頭の中は混乱し――というあらすじ。そんな翔に、前に進むためのヒントを投げかけてくれる倫理の先生役として、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」『シン・ゴジラ』などに出演し、主演作『アンダー・ユア・ベッド』も話題となった高良さんが出演。以前、高良さんと共演したときをふり返り「お芝居や映画への深いリスペクトと愛情を感じて、是非、この作品にも出演していただけないだろうかと思っておりました」と語った池田監督。「高良さんの誠実さや心のあたたかさは、主人公の翔を導く小林先生にぴったり」とはまり役ではないかと言い、「そしてこの作品を快く受けてくださったことに感謝しています」とコメントしている。『夏、至るころ』は2020年夏公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:夏、至るころ 2020年夏、公開予定
2019年08月23日女優・池田エライザが初監督を務める映画のタイトルが『夏、至るころ』に決定し、主要キャストが15日、発表された。2020年夏公開に向けて、8月中旬以降に福岡県田川市にてクランクインする。本作は、地域の食や高校生とコラボする青春映画制作プロジェクト「ぼくらのレシピ図鑑」の第2弾。福岡県田川市を舞台に、幼馴染の少年2人と不思議な少女のひと夏の出会いを、田川の風景、力強い和太鼓が情緒的に奏でる音楽にのせて描く。主演は、月9ドラマ『トレース 科捜研の男』で俳優デビューし、本作が映画初主演となる倉悠貴。応募総数2012人のオーディションで選ばれた新人・石内呂依、AbemaTV『恋愛ドラマな恋がしたい3』や「ほっともっと」のCMなどで注目を集めるさいとうなりがメインキャストを務める。そのほか、主人公の父親役を安部賢一、母親役を杉野希妃、祖父役をリリー・フランキー、祖母役を原日出子、ペットショップ店員役を大塚まさじが演じる。本作のタイトルについて、原案も手掛けた池田監督は「高校三年生。この夏が始まれば、この夏が終わってしまう。言語化できない気持ちを抱えた少年たちが、雲の高い空の下で今日も頭を抱えて生きている。そんな2人の高校生の心が、夏の魔法に魅せられ、世界が彩り豊かになっていく瞬間を切り取ろう。忘れられない思い出が生まれる瞬間に寄り添おう。そういう思いで、『夏、至るころ』というタイトルをつけました」と説明。「そんな少年達を優しく包み込む素敵な大人たちに、これまた素敵な役者様が集まってくださりました」と感謝し、「皆様の心に触れるのが楽しみです」と期待を寄せる。また、3人の起用理由については、「倉くんの陰と陽の狭間で漂うような立ち姿に、主人公の翔と同じ匂いを感じます。無限大な可能性を持つ彼に丁寧に向き合いたいと思います。ろいくんのお芝居を初めて見た時、素直に悔しいなあと思いました。技術的なことだけではなく、彼の今までの人生が創り上げた魅力がたっぷりと溢れ出していたからです。撮りこぼしてしまわぬようにスクリーンに出来る限り彼の素晴らしさをおさめたいと思います。なりさんは、見ている私たちを良い意味で不安にさせてくれます。次はどんな顔を見せてくれるのだろうか。なにを言い出すのだろうか。そんな彼女に心から惹かれました」と熱弁し、「この3人が起こす化学反応を一番近くで見ることが出来ることが幸せです」と監督としての喜びを伝えている。■倉悠貴コメントこのお話を頂いて、主演という大役に驚きつつもとても嬉しかったのを覚えています。翔という男の子は、自分が何になりたいのか、どうなりたいのか分からず、心に葛藤がある高校生です。翔の心の揺らぎや感情と丁寧に向き合いながら、演じたいと思っています。撮影はこれからですが、監督はじめ、田川市の方々、スタッフやキャストの皆様と協力して、素晴らしい作品になるよう、全身全霊で頑張ります。■石内呂依コメント今回この映画に出演するにあたって、お芝居をすることも、映画に出演させていただくのもはじめての経験で、オーディションに合格したときは本当に夢のようでした。たくさんの応募者がいるなかで、平川泰我という役をいただけて池田監督にはとても感謝しています。そして、実際にお芝居をやってみてまだまだ未熟な部分はたくさんありますが、この映画に関わっている方々の力を借りつつ、自分なりに楽しくいい作品を創り上げていきたいと思っています。■さいとうなりコメント都役を勤めさせていただきます、さいとうなりです。わたしが演じます都は、自分と重なる部分が多く、都さんと出会えたことに不思議な縁を感じています。そして今回、福岡県田川市という素晴らしいロケーションが舞台になる作品ということで、田川市の豊かな自然に身を任せて等身大でお芝居を楽しめたらなと思います。どんな景色が私たちを待っていてくれるのか本当に楽しみです!
2019年08月15日『それでも夜は明ける』主演のキウェテル・イジョフォーが初監督を務めた、『風をつかまえた少年』が現在公開中。荒れ果てた土地の真ん中で生活する、ひとりの少年の姿を見つめた作品だ。この物語は、2001年に大きな干ばつが襲ったアフリカの最貧国マラウイを舞台に、飢餓による貧困のため学校に通うことを断念した14歳の少年ウィリアム・カムクワンバが、図書館で出会った一冊の本を元に、独学で廃品を利用した風力発電を作り上げ、家族と自身の未来を切り開いた奇跡の実話だ。ウィリアムのこの体験を基にした本『風をつかまえた少年』(文藝春秋刊)は、瞬く間に話題となり世界23カ国で翻訳。アル・ゴア元副大統領や、日本でも池上彰氏が絶賛し、2011年社団法人全国図書館協議会の夏休みの本にも選出されている。アフリカ・マラウイに生まれたウィリアムは、廃品を利用して風力発電ができる風車を自宅の裏庭に製作し、マラウイの電気の世帯普及率が2パーセント台のなか、自宅に明かりを灯すことに成功。その過程を描いた本作は、家族のために奮闘する、ひとりの少年のひたむきな姿が観る者の胸を強く打つ。第86回アカデミー賞作品賞を受賞した『それでも夜は明ける』主演のイジョフォーは、2010年の出版当時に原作を読み、驚くべき意思の強さにより、行く手を阻むあらゆる困難を乗り越えていく主人公の物語に心を打たれたらしい。彼は構想に9年をかけ、脚本も手がけ、初の長編映画として完成させた。主人公のウィリアムを演じるのは、本作で初めて演技に挑んだマックスウェル・シンバ。みずみずしい演技で、少年の真っ直ぐな想いを体現する。さらに監督のイジョフォーは、ウィリアムの父トライウェル役を演じ、生死を左右する極限状態の中、息子に希望を託した父の姿を好演している。ヨーロッパでのお披露目となった2018年のベルリン映画祭では上映後のスタンディングオベーションが鳴り止まず、批評家や観客から熱狂的に迎えられた。“電気で家族を助けたい”、そんな少年の真っ直ぐな思いが未来を切り開いていく、学ぶことの本当の意味を教えるこの夏1番の感動の物語を、ぜひとも劇場で堪能していただきたい。『風をつかまえた少年』全国公開中
2019年08月06日『万引き家族』の是枝裕和監督初の国際共同製作作品『真実』が、第76回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門オープニング作品に決定。また、オープニング作品であると同時に、コンペティション部門へ正式出品されることも分かった。第76回ヴェネチア国際映画祭は、8月28日(水)~9月7日(土)までイタリアのヴェネチアにて開催。ベルリン、カンヌと並び“世界三大映画祭”と呼ばれ、世界最古の歴史を持つ。そんな同映画祭の中でも、本年度の顔として最も注目を集めるのがこのコンペティション部門のオープニング作品。昨年の第75回ではデイミアン・チャゼル監督の『ファースト・マン』、第73回は『ラ・ラ・ランド』(デイミアン・チャゼル監督)など、多くの話題作がオープニング作品となっていたが、ここに日本人監督が手掛ける作品が選ばれるのは、史上初の快挙だ。また昨年『万引き家族』で参加したカンヌ国際映画祭では最高賞を受賞した是枝監督だが、ヴェネチア国際映画祭には、監督デビュー作で金オゼッラ賞を受賞した『幻の光』(’95)、コンペティション部門に出品した『三度目の殺人』(’17)以来、3度目の参加となる。今回の決定を受け、是枝監督は「私の新作『真実』が、ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門オープニング作品に選ばれたという嬉しいお知らせを頂きました。大変光栄です」と喜び、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークら豪華キャストが出演する本作について「キャストは本当に華やかなのですが、物語の七割は家の中で展開していく、小さな小さな、家族のお話です。その小さな宇宙の中に出来る限りの後悔や嘘や見栄や寂しさや、和解や喜びを詰め込んでみました。どうぞ、お楽しみください」とコメントしている。ストーリー国民的大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が自伝本【真実】を出版。アメリカで脚本家として活躍する娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ)、テレビ俳優の娘婿ハンク(イーサン・ホーク)、ふたりの娘のシャルロット、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、そして長年の秘書…お祝いと称して、集まった家族の気がかりはただ1つ。「一体彼女はなにを綴ったのか?」そしてこの自伝は、次第に母と娘の間に隠された、愛憎渦巻く「真実」をも露わにしていき――。『真実』は10月11日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年07月19日EXILE、三代目J SOUL BROTHERSのパフォーマーNAOTOが、SABU監督の最新作『ダンシング・マリー』(2020年公開)で映画初主演を務めることが17日、明らかになった。同作はSABU監督のオリジナル脚本による最新作。とある朽ち果てたダンスホールに住み憑く”幽霊”のマリーから、生前に熱烈な恋に落ちていたジョニーを探してほしいと頼まれた青年・藤本研二(NAOTO)が2人の恋を成就させようと奮闘する、時空を超えた壮大なラブ・ファンタジーとなる。NAOTOが演じるのは、都市開発課の職員としてダンスホールの解体を担当する藤本。無気力で平坦な日々を過ごす藤本が、超能力を持った少女との出会いをキッカケにマリーの願いを叶えようと人探しならぬ幽霊探しに奔走する。撮影は昨年の2月に東京、北九州、そして台湾で敢行。ホラーシーンだけでなく、ラブストーリーやヒューマンドラマ、アクションもふんだんに散りばめられ、ジャンルを超えた意欲作となっている。また、同作がスペインで現地時間10月3日より開催される、世界3大ファンタスティック映画祭の一つ「シッチェス・カタロニア国際映画祭2019」の正式招待作品に選出されたことも明らかに。劇団EXILEのメンバー全員を起用した前作の『jam』が、モスクワ国際映画祭で日本人初の「ロシア批評家協会賞」を受賞するなど、最新作にも注目が集まっていたSABU監督が、映画祭からの熱烈なオファーに応えるかたちで『jam』とともに正式上映が実現。今年で52回目の開催を迎える世界的権威の映画祭でワールドプレミアが行われることになった。
2019年07月18日数多くの革新的な作品を発表し、日本のアニメーションに多大なる影響を与えたアニメーション監督・高畑勲。その高畑初の回顧展『高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの』が、7月2日(火)から10月6日(日)まで、東京国立近代美術館で開催される。アクションやファンタジーではなく、日常生活に寄り添った、豊かな人間ドラマとしてのアニメーションを確立した高畑。本展では、半世紀を超える高畑の創作の秘密を、その演出術に着目し4つの章から紐解いていく。【チケット情報はこちら】まず第1章は「出発点:アニメーション映画への情熱」。ここで注目すべきは、初の演出(監督)作品となった『太陽の王子 ホルスの大冒険』だろう。高畑は絵を描かないアニメーション監督であり、作画監督や脚本家など、各スタッフと対話を重ねることで、これまでにない作品世界を構築。それは登場人物の香盤表や作画担当表といった、高畑による緻密な資料群からも伺うことが出来る。また本章には、遺作となった『かぐや姫の物語』に通じる貴重な資料「ぼくらのかぐや姫」も展示。第2章は「日常生活のよろこび:アニメーションの新たな表現領域を開拓」。ここでは子供を主人公に、子供が楽しめる作品づくりを目指した高畑の、テレビの名作シリーズを中心に紹介する。『アルプスの少女ハイジ』では、かの有名なオープニング映像のラフ原画を展示。現地をロケハンし描かれたという、美しい背景美術にも目を奪われる。また宮崎駿が手がけた『パンダコパンダ』のレイアウトは、本展開催直前に発見された非常に貴重なものだ。第3章「日本文化への眼差し:過去と現在との対話」では、『火垂るの墓』や『平成狸合戦ぽんぽこ』などが登場。大阪を舞台にした『じゃりン子チエ』以降、日本の風土や庶民の生活を、リアリティーをもって描くことに情熱を注いでいった高畑。膨大なイメージボードや背景などから、その強い想いを感じることが出来る。最後の第4章「スケッチの躍動:新たなアニメーションへの挑戦」では、水彩画風という新たなアニメーション表現を摸索した、高畑の飽くなき探求心に驚かされる。特に完成まで8年を要した『かぐや姫の物語』では、線画による1枚1枚の原画が、残像効果までも計算して描かれているというから、さらに驚きだ。また高畑はかつて、ジャック・プレヴェールの詩を翻訳、それに奈良美智が絵をつけた詩画集『鳥への挨拶』を発表。本展にはその詩画集が出力された色校正用の紙の上から、奈良が新たにドローイングを加えたオリジナル作品、≪鳥への挨拶≫24点も出品されている。取材・文:野上瑠美子
2019年07月05日オダギリジョーの長編初監督作品であり、日本を代表する名優・柄本明が主人公のトイチ役を務める『ある船頭の話』の公開日が決定。併せて、第1弾ポスターと特報が解禁となった。今回解禁となった第1弾ポスターは、映画のキーカラーでもある「赤」をベースに、広大な河でひとり舟を漕ぎ進む船頭トイチの姿を切り取ったインパクトあるビジュアルとなっている。また、併せて解禁された特報では、ティグラン・ハマシアンによる弦とピアノの旋律に乗せて撮影監督のクリストファー・ドイルが捉えた日本の原風景が映し出され、まさに息を呑む美しさで映画の世界観が垣間見える。ひぐらしの鳴き声をバックに、こちらを見据えるトイチ(柄本明)の表情は何を物語っているのか?どこか懐かしさと切なさを感じさせる映像となっている。台詞の一切無いこの特報は、「一艘の舟。全てはそこから始まる。」というキャッチコピーとともに締め括られ、そこにはオダギリジョー監督の「舟に乗り込む客にはそれぞれに理由があり、船頭が彼らにどのように関わっていくのかを丁寧に描きたかった」という思いが込められているという。本作が長編初監督作品となるオダギリジョーさんは、移りゆく時代の中でなおも船頭を続ける男の物語をどのように描くのか?引き続き続報に注目したい。『ある船頭の話』は9月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ある船頭の話 2019年9月、新宿武蔵野館ほか全国にて公開予定© 2019「ある船頭の話」製作委員会
2019年05月15日『それでも夜は明ける』で主演を務めたキウェテル・イジョフォーの初監督作『The Boy Who Harnessed the Wind』(原題)が、『風をつかまえた少年』の邦題で8月2日(金)に日本公開されることが決定した。本作は、2001年に大干ばつが襲ったアフリカの最貧国マラウイを舞台に、飢餓による貧困のため、通学を断念した14歳の少年ウィリアム・カムクワンバが、図書館で出会った1冊の本をもとに、独学で廃品を利用した風力発電を作り上げ、家族と自身の未来を切り開いた奇跡の実話を映画化したもの。2018年ベルリン国際映画祭で上映された際はスタンディングオベーションが鳴り止まず、ロッテントマトでは満足度92%(4/15現在オーディエンス評価)を獲得し話題となっている。原作となるウィリアムのこの体験をもとにした本「風をつかまえた少年」(文藝春秋)は、瞬く間に話題となり世界23か国で翻訳。2011年社団法人全国図書館協議会の夏休みの本にも選出。そして出版当時に原作を読み、心を打たれたイジョフォー監督が、構想9年をかけ、脚本も手掛け、初の長編映画を完成させた。なお、イジョフォー監督は主人公ウィリアムの父トライウェルとして出演も。生死を左右する極限状態の中、息子に希望を託した父を熱演している。『風をつかまえた少年』は8月2日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2019年04月24日『君の名は。』の新海誠監督が原作・脚本も手掛ける最新作『天気の子』から、3枚のシーンカットが初解禁された。本作では、企画・プロデュースの川村元気と再タッグを組むほか、田中将賀がキャラクターデザイン、田村篤が作画監督と、日本最高峰のスタッフが集結し、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を“選択”する物語を作り上げる。すでに、製作発表会見で公開された美しい色彩で描かれたポスタービジュアルが話題となっている中、今回新たにシーンカットが到着。空を見上げる主人公の家出少年・帆高と、“祈る”ことで空を晴れにできる不思議な力を持つヒロイン・陽菜の後姿が描かれたビジュアルでは、薄暗い雨雲の切れ間にわずかに青空を覗かせ、眩い日差しが差し込む美しい一枚となっている。さらに、激しい雨の中で空を見上げる帆高や、青空に浮かぶような陽菜の姿が描かれたカットも到着した。『天気の子』は7月19日より全国東宝系にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:天気の子 2019年7月19日より全国東宝系にて公開(C)2019「天気の子」製作委員会
2019年03月30日蜷川実花監督のNetflixオリジナルドラマ「Followers」に、中谷美紀が初の金髪姿で主演に挑むことが分かった。さらに、池田エライザの出演も明らかになり、本作へ意気込みを語るコメントと蜷川監督撮り下ろしショットも到着した。本作は、写真家で映画監督の蜷川監督完全オリジナルの新作ドラマ。描くのは、様々なライフスタイルの女性たち。SNS社会において直接的、あるいは間接的に影響し合っている人々を、現在のTOKYOのリアルを交えながら映し出す。中谷美紀が人気写真家役「新たなドラマが生まれる予感」『嫌われ松子の一生』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞し、ドラマや舞台でも活躍する実力派女優の中谷さん。文化や芸術への深い造詣、高い語学力と、まさに世界へ発信する“新しいTOKYOライフ”の主人公そのもの。本作で演じるのは、押しも押されぬ人気写真家・奈良リミ。「新たなドラマが生まれる予感がしています」と台本を読んだ印象を語る中谷さんは、「撮らずにはいられないという衝動を抱えたアーティストとして、屹立した存在であるリミを演じるにあたっては、蜷川監督の芸術性と大衆性を見事に融合させた作品の数々からインスピレーションをいただきたいと思います」と意気込み。また、蜷川監督については「若かりし頃に、写真家としての蜷川実花さんと何度もご一緒させていただきましたが、作品から想像する毒々しさとは裏腹に、柔らかくお話しのしやすい方です。情熱を胸に秘めつつ、あくまでも人当たりは良く、それでいて欲しい画を貪欲に撮るような方なのではないでしょう」と印象を語り、共演の池田さんについても「なつめの魂の叫びが垣間見える瞬間を池田エライザさんがどのように演じるのか、その刹那を見逃さずに心のフィルムに焼き付けたいと思います」とコメントしている。池田エライザ、女優の卵を体当たりで演じるモデルで女優、そして先日は映画監督デビューも発表され、更なる躍進が期待される池田さん。『リング』シリーズ最新作『貞子』で新ヒロインに抜擢され、公開が待たれる池田さんだが、今回演じるのは、女優を夢見て上京し、挫折を味わいながらも成長していく百田なつめ役。本作については「今を生きる全ての人に送る物語だと思いました。この本の、強く生きたい。でもやっぱり心は痛い。人間だもん。という人間臭さがたまらなく好きです」と台本を読んだ感想を明かし、演じる役柄について「なつめと共鳴する瞬間は心地がいいです。ただ、なつめは私ではないので、混ざってしまわぬよう、これは私?これはなつめ?…と自問自答の日々です。似た世界で生きる女の子を演じることがこんなに難しいことなのだと知って、よりやりがいが倍増しました」とコメント。主演の中谷さんについては「初めてお会いした時に『リミが現れた』と錯覚し、圧倒的な存在になすすべを無くし身が硬直したのを覚えています!」と衣装合わせでの衝撃の出会いを明かした。そして「リミとの出会いをキッカケになつめの日常が猛スピードで変化していく中で、リミの思惑など知らず、ただなつめはなつめとして足掻いていく様を演じていきたいです」と本作への意気込みを語っている。蜷川実花監督コメント今の東京の空気感をしっかりと捕まえられるドラマにしたいなと思っています。役の扮装をしたお二人を撮影し、これは観たことのないすごいドラマができるのではとわくわくしました。長い間あたためてきた企画なので、実現できて本当にうれしいです。Netflixオリジナルドラマシリーズ「Followers」は2020年初頭、Netflixにて全世界190か国へ独占配信。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflixオリジナル】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflixオリジナル】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2019年03月19日キャリー・マリガンとジェイク・ギレンホールが夫婦役で共演し、慎ましくも幸せな家族が崩壊していく姿を息子の心情を通して描いた、個性派俳優ポール・ダノの初監督作品『ワイルドライフ』(『WILDLIFE』原題)の日本公開が決定した。『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『プリズナーズ』『スイス・アーミー・マン』などに出演するポール・ダノ。「いつの日か映画を作る時は、きっと、家族についての映画を作るだろうと思っていた」という彼が満を持して監督デビューした本作は、ピューリッァー賞作家リチャード・フォードが1990年に発表した「WILDLIFE」の映画化。物語の舞台は1960年代、カナダとの国境にほど近いモンタナ州の田舎町。14歳のジョーは、ゴルフ場で働く父ジェリーと家庭を守る母ジャネットのひとり息子。新天地での生活がようやく軌道に乗ったのもつかの間、ジェリーが職場から解雇され、山火事を食い止める出稼ぎ仕事に旅立っていく。残されたジャネットとジョーは働くことを余儀なくされ、やがてジョーは、優しかった母が不安と孤独にさいなまれ、生きるためにもがく姿を目の当たりにすることになる――というストーリー。長回し撮影を多用し、幸せだった家族が壊れ、バラバラになっていく姿をジョーの目線から静かに深く映し出していく本作は、ダノ監督は『ルビー・スパークス』で共演したパートナー、ゾーイ・カザンと共同で脚本・製作も担当。サンダンス映画祭やカンヌ映画祭で絶賛を浴びた。そんな普遍的な家族の物語で、互いに愛し合いながら、なす術もなく壊れてゆく夫婦を演じるのは、『17歳の肖像』『ドライヴ』『未来を花束にして』のキャリー・マリガンと、『ノクターナル・アニマルズ』『ナイトクローラー』に出演、『プリズナーズ』ではダノ監督と共演しているジェイク・ギレンホールが演じる。そして、2人の息子で主人公のジョー役には、8歳で故郷オーストラリアのCMでキャリアをスタートさせ、M・ナイト・シャマラン監督作『ヴィジット』でも主人公を熱演したエド・オクセンボールドが抜擢。劇中ではジョーの哀しみと動揺を、もの言わぬ演技で表現している。本作は普遍的な家族の物語であり、ダノ監督自身の心情が投影されたジョーの成長物語でもある。監督の繊細さと優しさが詰まった本作の公開をぜひ楽しみにしていてほしい。『ワイルドライフ』は7月5日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2019年03月15日オダギリジョー長編初監督映画『ある船頭の話』が、2019年9月13日(金)に全国公開される。オダギリジョー長編初監督作品映画『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』や『あずみ』、近年では、『エルネスト』『南瓜とマヨネーズ』といった作品で主演を務め、日本を代表する俳優の一人として精力的に活動してきたオダギリジョー。作品に出演するほか、短編映画の監督やテレビドラマの脚本・演出を手掛けるなど、作品の裏側の人間としても活動している。映画『ある船頭の話』は、そんなオダギリが手掛ける初の長編作品だ。文明の発展や競争社会の中で変わってしまった「幸せ」の定義。“本当に人間らしい生き方とは何か?”について、橋の建設が進む山村を舞台に、自身が長年温めてきたオリジナル脚本で描く。なお、『ある船頭の話』は長編デビュー作でありながら既にヴェネチア国際映画祭の出品が決定している。主演は柄本明、村上虹郎と共演船頭・トイチ(柄本明)主人公の船頭・トイチ。橋の建設が進む村で船頭を続けるトイチは、ほかの村人たちが橋の完成を心待ちにする中、渡し舟を漕ぐ日々を送る。ある日、身寄りのない謎めいた少女が現れる…。トイチを演じるのは、名優・柄本明。『万引き家族』『シン・ゴジラ』に出演した。映画主演は、2008年公開の『石内尋常 高等小学校 花は散れども』以来、じつに11年ぶりとなる。少女(川島鈴遥)トイチの前に現れた謎めいた少女。身寄りがなく、トイチと一緒に暮らし始める。この少女役は川島鈴遥が務める。村人の源三(村上虹郎)トイチの元を度々訪れる村人の源三。トイチをしたう。『犬ヶ島』『チワワちゃん』にも出演した村上虹郎が演じる。浅野忠信や蒼井優らも出演その他9名のキャストが、トイチの舟に乗り、向こう岸へ渡ろうとする客人として出演。村と町を隔てる山あいの河を往来する客には、それぞれ舟に乗り込む理由があり、彼らに寡黙なトイチがどう関わっていくのかに注目だ。伊原剛志は川上で建設中の橋の関係者、浅野忠信は馴染みの客、村上淳は上流で起こった事件の噂話を聞きつける商人、蒼井優は華やかな芸妓を演じる。笹野高史は酪農を営む賑やかな客、草笛光子は生まれ故郷に戻る女性、細野晴臣はマタギの親方、永瀬正敏はそのマタギの息子・仁平、そして橋爪功は町医者に扮する。また、お笑いコンビ・野性爆弾のくっきーが軽快に楽器を鳴らしながら祭りに向かう楽団員として登場。オダギリが監督した中編映画『さくらな人たち』では主演を務めた次長課長の河本準一も、橋の建設に携わる建設作業員として出演する。撮影監督にクリストファー・ドイル撮影監督を務めるのは、名匠ウォン・カーウァイの映画『恋する惑星』『花様年華』などを手掛けたクリストファー・ドイル。オダギリとは、2018年公開の映画『宵闇真珠』で監督、主演として共作した。『ある船頭の話』では美しい日本の風景を描いたようで、クリストファー・ドイルが映し出す映像美に期待が高まる。ワダエミデザインの衣装展示も映画の公開に先駆け、8月30日(金)から新宿武蔵野館では、作品内で使用されたトイチ(柄本明)と、少女(川島鈴遥)の衣装展示を期間限定で実施。会場には、今回衣装を担当した衣装デザイナー・ワダエミによる衣装デザイン案も展示される。ストーリー一艘の舟。全ては、そこから始まる―。近代産業化とともに橋の建設が進む山あいの村。川岸の小屋に住み船頭を続けるトイチは、村人たちが橋の完成を心待ちにする中、それでも黙々と渡し舟を漕ぐ日々を送っていた。そんな折、トイチの前に現れた一人の少女。何も語らず身寄りもない少女と一緒に暮らし始めたことで、トイチの人生は大きく狂い始める―。【詳細】映画『ある船頭の話』公開日:2019年9月13日(金)脚本・監督:オダギリジョー撮影監督:クリストファー・ドイル衣装デザイン:ワダエミ音楽:ティグラン・ハマシアン出演:柄本明、川島鈴遥、村上虹郎、伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優、笹野高史、草笛光子、細野晴臣、永瀬正敏、橋爪功■関連情報ワダエミによる衣装展示場所:新宿武蔵野館(東京都新宿区新宿3丁目27−10 武蔵野ビル)期間:8月30日(金)~10月上旬予定
2019年02月04日俳優・オダギリジョーの長編初監督作が、1月11日にクランクアップを迎え、『ある船頭の話』のタイトルで9月に公開されることが発表された。とある川で、村と町を繋ぐため船頭を続けるトイチ。村人の源三が遊びに来るとき以外は、 黙々と渡し舟を漕ぐ日々を過ごしていた。川上では橋が建設中で、人々は皆完成を心待ちにしている。そんな折、トイチの前に現れる一人の少女。彼女はトイチの人生を大きく変えて行くことになる…。今作で長編初監督デビューを飾るオダギリさんは、本作について「人が生きる上で、便利な物が増えていくのは必然だと思います。しかし同時に、文明の発展の陰で消え行く物も多いのではないでしょうか。便利になっていく一方で失ってしまう大切な何か。資本主義が競争社会を生み出し、いつの間にか変わってしまった『幸せ』の定義。一人の船頭を通して見つめる『本当に人間らしい生き方とは?』美しい日本の原風景を季節と共に切り取り描きたいと思っています」と思いを語っている。本作の主演を務めるのは、日本を代表する名優・柄本明。『石内尋常高等小学校花は散れども』(’08)以来、11年ぶりの主演となる今作では、黙々と渡し舟を漕ぐ日々を送る船頭のトイチ役を演じる。また、人懐っこい笑顔でトイチのもとに遊びに来る村人・源三役は、『武曲 MUKOKU』で第41回日本アカデミー賞優秀助演男優賞など多数の賞を受賞、その後も『ハナレイ・ベイ』『チワワちゃん』などに出演、また5月には舞台「ハムレット」の出演も控える村上虹郎が演じている。なお、本作には豪華で国際的なスタッフが集結。『ブエノスアイレス』『恋する惑星』、オダギリさん主演『宵闇真珠』でもメガホンをとったクリストファー・ドイルが撮影監督を務めたほか、衣装デザインには『乱』(黒澤明監督)で米アカデミー賞を受賞したワダエミ、アルメニア出身のジャズ・ピアニスト、ティグラン・ハマシアンが映画音楽に初挑戦した。<キャストクランクアップコメント>■柄本明オダギリジョー監督に船頭の役を頂きました。一生懸命演りました。見て頂ければ幸いです。■村上虹郎灼熱の日差しに焼かれながらも、雄大な川の上で柄本さんが漕いてくださる舟にたくさん乗りました。これでもかと言わんばかりの魅力的な集団の一員として、両極の季節を跨ぎ、夏はあの生き物とあんな事をして、冬はただただ寒くて死にそうで。柄本さんとは、この頃作品でお逢いし過ぎて毎度なんだよお前って煙たがられ、この作品でもずっと話しかけている役なのでそろそろ嫌われそうですが、時々話す英語がいきなりすぎたり、急にぽろっと哲学が出てきたり。とても贅沢です。容赦無く移りゆく景色と時間を優美に描くオダギリさんの脚本が、どう彩られているのか。おたのしみに。『ある船頭の話』は9月、新宿武蔵野館ほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2019年01月30日映画初主演の“歌姫”レディー・ガガと『アメリカン・スナイパー』で主演・製作を務めた俳優ブラッドリー・クーパーが初監督を務める『アリー/ スター誕生』。この度、主人公アリーを演じたガガが、映画の成功の裏にはブラッドリーを中心とした強い信頼関係と絆、そしてブラッドリー監督とのビジョンの共有が欠かせなかったことを明かした。全米では公開10日で1億ドルを超え、2億ドルも目前、興行面でも成功を納め、早くもアカデミー有力候補と目されている本作。ブラッドリー監督のもと主演を務めたガガは、「私たちの間には強い信頼の絆があった」と明かす。「私がブラッドリーと一緒に初めてステージに上がるシーンで彼は、『俺のことを信頼してくれればいいから』と言うのだけど、本当に撮影裏もそんな感じだったのよ。私は『もう少し首を傾げるべきかしら?』とか『カメラはこっちから撮るのよね?』とか、考える必要がなかった。ブラッドリーはちゃんとビジョンを持っているから、私は彼がこの美しいストーリーを語るのをお手伝いするだけなの」と語り、撮影現場では監督ブラッドリーとそのビジョンを共有していたことを語る。さらに、ブラッドリーが演じた世界的ロックスター、ジャクソンの兄でありマネージャーのボビーを演じたサム・エリオットもこう語る。「彼がこの作品で監督デビューを果たすということを、僕は非常に興味深く感じた。彼はかなり早い段階で僕にオファーしてくれたんだ。彼と話して5分としないうちに、僕はこいつは信頼できる奴だと思ったよ。彼の頭の中に、ビジョンがはっきりあることが分かったからだ」という。「信頼は非常に大事だ。リアルなものを作ろうとすれば信頼がなければならない。この仕事を長いことやってきたから、僕にはそれが分かっている」。■「皆が僕のビジョンを信じてくれた」ブラッドリーは本作が初監督作品。彼にとっても、世界的な歌姫の初の主演映画でもあり、これまで幾度も製作され、アカデミー賞にノミネートされている物語を新たに撮影するというプレッシャーは計り知れないものだったろう。しかし『アリー』は世界中の名だたる映画祭で絶賛を受け、各メディアが彼の手腕に称賛を贈っている。これに対し、ブラッドリーは「この映画に関わったキャスト、スタッフ全員が一緒に頑張ってくれるなんて、こんなに嬉しい経験はありませんでした。皆が僕のビジョンを信じてくれたことですごく気持ちが高揚しましたし、そのおかげで毎日の腰が引けそうになるくらい責任の重い仕事を続けることができたのです」と謙虚に受けとめている。「この作品は完成まで3年かかりましたが、とても素晴らしい経験になりました。もし幸運にもまた監督をやらせてもらえるなら、もちろんやりますよ!」と、キャスト、スタッフとともに同じゴールを見据え、一丸となって挑んだ作品への手応えを語った。『アリー/ スター誕生』は12月21日(金)より全国にて公開(IMAX 同時上映)。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アリー/ スター誕生 2018年12月21日より全国にて公開© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2018年12月02日ラッパーのANARCHY(アナーキー)が初監督を務める映画『WALKING MAN』が、2019年10月11日(金)に公開。主演を務めるのは、野村周平。ラッパーANARCHYが初監督、主演に野村周平日本を代表するラッパーANARCHY(アナーキー)が初めて映画監督を務める本作。普段からANRCHYと親交の深い野村周平が主演、『スカイハイ』や『SIDOOH/士道』などで知られる漫画家の高橋ツトムが企画プロデュース、ドラマ「民衆の敵」の梶原阿貴が脚本と、ボーダーレスなチームで完全オリジナル作品に挑む。ラップを題材にした半自伝的な青春物語野村周平が演じる主人公アトムは、極貧の母子家庭で育ち、幼い頃から吃音症でコミュ障、さらに事故で重症の母親を抱え、思春期の妹を放っておけないという気弱で心優しき青年。不用品回収業のアルバイトで生計を立てる彼がラップと出会い、バカにされながらも、最底辺の生活から抜け出すべく奮闘し成長を遂げていく青春物語だ。監督のANARCHY自身の実体験も盛り込まれており、半自伝的な作品にもなっている。ANARCHY「『ありがとう』『愛してる』口から出して伝えたくなるような作品に」監督のANARCHYは本作の製作にあたって、次のようにコメントを残している。「僕はラッパーです。25歳の頃から描いていた夢の一つが、35歳になったら映画を撮る事でした。僕はミュージシャンですが、映画は目で見て耳で聴く、究極のアートだと思っています。いきなり素人が映画監督?そう思う人は沢山いると思います。ただ自分の感覚だけを信じて今までやってきました。慣習にとらわれず、今までになかった「リアルな現実、ヒップホップ、ラップ」を題材にした、現代の若者達の心を突き動かす物が作りたいと思い、まず漫画家の高橋ツトム先生に相談したのが始まりです。僕が表現したい事をギッシリつめるのに2年間かかりました。そして最高の本ができ、最高のキャスト・スタッフが集まってくれたと思ってます。主演は野村周平君にオファーしました。この映画ではリアルなストリート感を表現したく、演じるだけではできない、元々彼の中にあるものを引き出せば良いものが撮れると確信しています。主人公のアトムは若くして父親を亡くし、母と妹の三人で暮らし、けして裕福ではない普通の家族の普通の男の子です。上手に話すこともできない内気な1人の少年が劇中で一台のウォークマンと出会い、何かが変わっていく、人生の葛藤を描いた青春ストーリーです。この映画を通して若者達が一歩踏み出す勇気が持てる映画にしたいです。多くの人達が心にしまっている言葉「ありがとう」「愛してる」口から出して伝えたくなるような作品になると思っています」作品情報映画『WALKING MAN』公開日:2019年10月11日(金)主演:野村周平監督:ANARCHY(アナーキー)©2019 映画「WALKING MAN」製作委員会
2018年11月19日10月1日(月)今夜の日本テレビ系「人生を変える1分間の深イイ話2時間SP」では、話題の映画『カメラを止めるな!』で監督、脚本を手掛けた上田慎一郎監督のテレビ初密着をオンエア。上田監督の自宅や家族なども紹介されるという。本番組は様々な人物に密着、その中から“深くてイイ話”を紹介するバラエティ。今回は“話題の売れっ子男は本当に幸せなのか?”というテーマのもと、製作費わずか300万円、出演も無名の役者ばかりながら、6月23日(土)に都内わずか2館で公開されて以降、口コミで人気に火がつき累計上映決定館数は323館、観客動員数も160万人を突破するヒット作へと成長。ホラーとファンタジー映画を中心とする全米最大規模の映画祭「ファンタスティック・フェスト2018」でも最優秀監督賞を受賞するなど海外でも高く評価されている『カメラを止めるな!』を手掛けた上田監督に密着。同作のヒットで一躍“時の人”となった上田監督だが、現在は「一日に10社とかを30分刻みで組んでもらっています」「今日は4つの劇場で舞台挨拶です」と取材や舞台挨拶などで超多忙な毎日。映画公開後はほぼ休みがない生活を送っているという。「人口が一万人にも満たないような田舎町で、一番近くの映画館まで行くのに電車で一時間くらいかかった」という町に育った上田監督。町に一軒だけあったビデオショップに通って中学の頃から1年間に100本以上の映画を観たそう。「映画を観て、映画の感想をノートに書き綴るっていうのは小学校、中学校の頃からやっていました」という当時の映画ノートも公開される。その後、父から買ってもらった家庭用ビデオカメラを使い、完全独学で映画作りを始めた上田監督が高校3年生の時に脚本、監督、編集を全て1人でこなし作り上げた戦争タイムスリップ映画『タイムトラベル』の一部も今回テレビ初公開。また上田監督の妻でこちらも映画監督のふくだみゆきさんも出演。ふくだ監督も今年1月に『こんぷれっくす×コンプレックス』で「毎日映画コンクール・アニメーション映画賞」を受賞しているのだが、「私の方が先に売れるなと思った」「でも、気づいたら(夫が)すごい売れてて」という夫のブレイクを予想していなかったというエピソードなどを明かす。「1分間の深イイ」エピソードでは、同作を空前のブームへと繋げた“ある奇跡”を発表する。映画を観た人もまだ観ていない人も驚くその奇跡とは!?“奇跡”のヒット作を生み出した上田監督にテレビ初密着した「人生を変える1分間の深イイ話2時間SP」は10月1日(月)21:00~日本テレビ系でオンエア。(笠緒)■関連作品:カメラを止めるな! 2018年6月23日より全国にて公開©ENBUゼミナール
2018年10月01日