「相棒」シリーズでもお馴染みの俳優の水谷豊が、満を持して映画監督に初挑戦。40年間温め続けてきた、ショービジネスの世界の“光と影”を描くタップダンス映画『TAP THE LAST SHOW』で、監督と主演を務めることになった。自分のタップダンスなら、感動を越えた世界に観客を連れていくことができると思っていた渡新二郎(水谷豊)。あるとき、危険と隣合わせの高所でのタップに挑戦、自分自身も観客も最高潮を迎えた瞬間に、舞台の床に叩きつけられてしまう…。それから十数年。足を引きずり、酒におぼれた渡は、天才という名をほしいままにした栄光のダンサーとはかけ離れた生活を送っていた。そんな渡のもとへ、旧知の劇場支配人・毛利から「最後のショーを演出してほしい」と相談を持ちかけられる。最高の舞台で劇場を締めくくりたいという毛利の申し出を、渋々引き受ける渡。そんな彼の前には、それぞれ事情をかかえた若手ダンサーたちが集まってくる。いつしか自分が垣間見た世界を、若きダンサーたちに託そうと決意する渡。彼の中の止まった時間が、再び動き出す――。本作の企画の立ち上がりは、なんと40年前。23歳の水谷さんが思い描いていた、あるストーリーが元になっている。他人とコミュニケーションをとることが苦手だが、天才的なタップダンスの才能を持つ若者の話をいつか挑戦したいと思っていたものの、その当時、この企画が実現するタイミングはなく、本人も「ご縁がなかったのだろう」と思っていたという。だが、2015年。水谷さんがプロデューサーを務める遠藤氏に、長年思い描いていたストーリーを打ち明けたところから、この企画が動き始める。内容を聞き「面白い!」と思った遠藤氏は水谷の話を元にプロットを作成。その後、脚本家の両沢和幸の手により、物語が作り上げられていった。「最初は少しボリュームのある脚本を書いてもらい、そこから水谷さんはじめスタッフの意見を元に、少しずつ内容を削っていく作業を重ねました。決定稿が出来るまで6回程改定を重ね、第7稿目でようやく脚本が完成しました」と遠藤氏は語る。当初、天才タップダンサーを主役に据えた物語を想定していたが、水谷さんはすでに63歳。そこで、主役は元・天才タップダンサーで、とある理由から大きな怪我を患い、いまは一線を退いている設定とされ、彼と未来あるタップダンサーの若者たちの“師弟の物語”となった。では、誰がメガホンをとるかという段階になったとき、「水谷さんの思い描いている世界観を画にできる人は、ご本人しかいないのでは」と、遠藤氏は覚悟を決めて水谷さんに監督を打診したという。「過去、(『傷だらけの天使』の)工藤栄一監督から『豊は監督をやった方がいい』と薦められたことがありましたけど、まさか自分が監督をやるなんて思っていませんでした。2週間くらい悩みましたかね…」と、水谷さんは振り返る。本作では、“ショービジネス”の世界をしっかり描き上げることにこだわっている。「本当は“ダンスだけで食べていける”ことが理想だと、皆さん思っているはずです。でも、現実はそうはいかない…。そういう世界がそこにあることを、しっかり見せたい」と水谷さん。そのため、出演する若きダンサーたちは、総勢300名以上の中からオーディションで選ぶことになった。映画の中では、ダンスだけではなく演技もしなくてはならないため、その選考は難航。タップダンスを踊れる役者ではなく、とにかく本格的なタップダンスをみせることにこだわる水谷さんが自らオーディションにも参加、5人の若手メインキャストが選ばれた。演技経験がゼロに近い彼らに、監督・水谷豊がどんな指導をしていくのか、彼らの成長もまた、作品の鍵を担っているといえる。また、現在の日本のタップダンス界を牽引する、ダンサーであり振付師のHIDEBOHがダンス監修として参加することにも注目だ。本作はすでにクランクインしており、ロケハンにスタッフとのミーティング、衣裳合わせ、そして主役と多忙を極めている水谷さんだが、「大変だと感じることはない」と言う。「俳優と監督は、いわゆる“角度”が違うので、2つを同時に進めても大変だとは感じないのです。ただ、周囲からは顔つきというか、何かが違うとは言われていますね。なんというか、面構えのようなものが違うと。楽しそうに見えるのかもしれません。それに、皆さんが僕のことを「監督」「監督!」って呼ぶんですけど…思ったより違和感はないですね。俳優は常に役名で呼ばれることになれてますから、役名で呼ばれている感覚と似ているんです」と、“監督”としてもすっかり慣れてきた様子。忙しい日々の中で、ただ一つ気になることは、「自分の役に関して考える時間がないんです(笑)」とのこと。「人の役柄についてはしっかり答えられるのですけど…自分の役だけはまだノープランです(笑)。これは初めての経験ですね。多分、撮影当日までには役のイメージが降ってくると思います」と、“初挑戦”ゆえの悩みを明かしている。『TAP THE LAST SHOW』は4月30日(土)クランクアップ、2017年に公開予定。(text:cinemacafe.net)
2016年04月25日『呪怨』『輪廻』など数々のホラー映画を世に送り出す清水崇監督の最新作『雨女』が今夏公開されることが決定。この度、若手女優・清野菜名がホラー初挑戦することも明らかになり、併せて特報映像、そして恐怖におののく清野さんの顔が写されたカット写真も到着した。雨の日の夜、理佳(清野菜名)は必ずと言っていいほど、同じ夢を見た。大雨の中、踏切で電車が行くのを待つ幼い少女。 その前に突如現れ、踏切の中に入る黒い服を着たビショ濡れの女。女は男の子を大事に抱き寄せながら、少女の目の前で電車に轢かれてしまう。そんな夢を毎回見続け、さらには彼氏である隆(柳俊太郎)との煮え切らない関係に憂鬱な気持ちを抱えていた理佳は、 母の命日に地元に帰省することにするのだが…。監督には、数々のホラー映画を世に送り出し、『THE JUON/呪怨』では日本人監督としては初の全米興行収入1位(実写映画)を記録するなど、世界中に恐怖とその名を轟かせる清水監督。彼が2年ぶりに仕掛ける本作は、監督自身初の試みとなる体験型上映システム「4DXシステム」を最大限駆使した体感型エンターテインメント。いままでの恐怖を遥かに超える、 五感を直接的に刺激し、心の底まで恐怖を染み渡らせる臨場感たっぷりの“新しい恐怖体験”が誕生した。製作にあたって徹底的にこのシステムを研究したという清水監督は、「暗闇の四角いスクリーンに構成された限定的な映像と音響は、時に無いはずの匂いや風、暑さや寒さ、痛みやぬくもりすら感じさせる名作を生み出してきました。ところが4DXはその壁を越えます。座席が揺れ、風が吹き、匂いがして、水が飛びます。とは言え、もちろん映画で最も重要なのは“気持ちを揺さぶられること”です。今回、皆さんに映画の新しい形を体感してもらうべく、『雨女』という4DX専用の映画を用意しました。ぜひ劇場へ“雨女”に会いに来てください」とメッセージを寄せている。主人公・理佳役には、<a href="">『東京無国籍少女』</a>で映画初主演を果たし、先日新たに公開日が決定した<a href="">『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』</a>にも出演する若手女優・清野さん。本作で初のホラー映画に挑戦する彼女は「撮影しながらどんな作品に仕上がっていくのか? ということを私自身楽しみにしていたので、公開が決まって大変嬉しいです!」と喜びを語った。また、タイトスケジュールでハードな撮影も多かったと話す彼女は、「中でも水深5mプールでの撮影はいままで体験したことのないシチュエーションだったので、水中で演技をすることの難しさや、体力的にも限界を超えた撮影でした」とふり返った。また理佳の彼氏・隆役には「いつかティファニーで朝食を」<a href="">『ストレイヤーズ・クロニクル』</a>などで活躍する若き俊英、柳俊太郎が好演し、ベテラン俳優・田口トモロヲやそのほか高橋ユウ、みやべほのらが脇を固めた。今回併せて解禁されたのは、「ねえねえ、“雨女”って知ってる?」という声から始まる特報映像。顔は映されていないが前身黒に包まれた人物が、電車にひかれ血しぶきが飛ぶシーンは思わず目を逸らしてしまいたくなるようなそんな映像となっている。今回は「4DX」ということで、恐怖の映像に匂いなど五感を刺激する新しい恐怖体験ができる本作。世界でも称賛を受ける日本のホラー映画の重鎮が描く本作の最新作とあって期待が高まるばかりだ。『雨女』は2016年初夏、ユナイテッド・シネマほか全国にて「4DX」限定公開。(cinemacafe.net)
2016年04月08日女優・黒木瞳が桂望実の同名小説に惚れ込み、初の映画監督に挑んだ<a href="">『嫌な女』</a>。この度、本作でW主演を務めている吉田羊と木村佳乃が映る待望の予告編が到着した。石田徹子(吉田羊)はストレートで司法試験に合格し、弁護士になった才媛。29歳で結婚し、日とも羨む幸せな人生…のはずが、仕事も結婚生活も上手くいかず心に空白と孤独を抱えた日々を過ごしていた。そんなある日、徹子のもとに婚約破棄で慰謝料を請求された女性が訪ねてくる。女性の名は、小谷夏子(木村佳乃)。徹子の同い年の従妹だった。夏子は初対面の相手でもするりとその懐に入って男をその気にさせる天才。彼女との未来を夢見た男たちは、いつの間にか自らお金を出してしまうのだ。徹子は夏子が子どものころから大嫌いだった。しばらくぶりで再会した二人だったが、この日以来、徹子は生来の詐欺師の夏子に振り回されることになり――。原作は、「県庁の星」が映画化され、ベストセラーとなった桂氏の同名小説。原作を読んだ黒木さんが、「この小説は映画で観たい!」と自ら出版社へ手紙を送り映画化権を獲得してから4年、念願のクランクインを果たし、編集作業を経てついに完成した本作。主人公は、吉田さん演じる人と打ち解けられず友達もいない真面目一徹の弁護士・徹子と、木村さん演じる派手好きで社交的な天才詐欺師・夏子。この境遇も立場も違う対照的な二人のケミストリーを鮮やかに描き出し、女性の強さと友情をコミカルかつ情感豊かに謳いあげる。そしてこの二人を支えるのは、徹子が勤務する萩原法律事務所のルーキー弁護士・磯崎賢役に、体当たり演技が話題となった中村蒼、徹子の上司で法律事務所の所長・萩原道哉役に、マルチな才能を発揮するラサール石井、さらに、永島暎子、古川雄大、佐々木希、織本順吉という豪華キャストが集結している。また、主題歌として竹内まりやの名曲「いのちの歌」が起用され、さらに話題を集めている。初解禁となった予告編は、「あなたもひょっとして嫌な女!?」というナレーションから始まり、木村さん演じる夏子が、タバコ片手にパチンコする姿や、吉田さん演じる徹子が「いいかげんにしてよ!」と激怒する姿など、これまでとは全く違う印象の二人が見られる映像となっている。そして予告編中盤では、竹内さんの「いのちの歌」も流れ、物語に一層の輝きと深い余韻をもたらしている。さらに中村さんや織本さん、佐々木さんのウエディングドレス姿も本予告編で確認することがきでる。黒木監督の強い想いが結実した本作。女性ならではの視点と奥行きを持つ本作の魅力を、まずはここから覗いてみて。『嫌な女』は6月25日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年03月18日女優の佐々木希、俳優の中村蒼らが、黒木瞳の初監督作『嫌な女』(6月25日公開)に出演することが8日、明らかになり、W主演を務める吉田羊と木村佳乃のポスタービジュアルも合わせて公開された。本作は、作家・桂望実氏の同名小説を原作に、人と打ち解けられない生真面目な弁護士・石田徹子役を吉田、派手好きで社交的な天才詐欺師・小谷夏子役を木村が演じ、対照的な2人を通して女性の友情や強さをコミカルに描く。2人のほか、新たなキャストとして発表されたのは、ラサール石井、永島暎子、古川雄大、寺田農、織本順吉、袴田吉彦、田中麗奈ら。中村は、徹子が勤務する萩原法律事務所の新米弁護士・磯崎賢を演じる。真面目で堅物の徹子に対して、天真らんまんな後輩という役どころだ。また、石井が同法律事務所の所長・萩原道哉役を、永島が事務担当で徹子の理解者・大宅みゆき役を、それぞれ務める。夏子側は、詐欺事件に関与する太田俊輔役を古川雄大が担う。そして、佐々木が演じるのは太田の婚約者・神谷真里菜役。ウェディング姿も披露しており、作品に華やかな彩りを加えている。公開されたポスタービジュアルには、ひまわり畑のような場所をバックに、いかにも堅物といったような難しい表情をした徹子と、訳ありそうな笑顔を見せる夏子が。その間には、「女の本音、教えます」の言葉も躍っており、正反対な2人を通してどのような女性の裏側が描かれるのか、期待感をあおる。
2016年03月08日女優・黒木瞳が初監督に挑戦する桂望実原作の『嫌な女』。映画初主演の吉田羊と木村佳乃がW主演を務めることで注目を集める本作の主題歌が、この度、竹内まりやの「いのちの歌」に決定した。石田徹子はストレートで司法試験を合格し、弁護士となった才媛。28歳で結婚をし、人も羨む幸せな人生・の筈が、仕事も結婚生活も上手くいかず、心に空白と孤独を抱えた日々を過ごしていた。そんなある日、婚約破棄で慰謝料を請求されたという女性が徹子の元に訪れる。女性の名は小谷夏子。徹子の同い年の従妹だった。夏子は初対面の相手でも、たちまちするりとその懐に入ってしまい、男をその気にさせる天才。彼女との未来を夢見た男は、いつの間にか自らお金を出してしまうのだ。徹子は子どものころから自分と正反対の夏子が大嫌いだった。しばらくぶりで再会した二人だったが、この日以来、徹子は生来の詐欺師の夏子に振り回され、トラブルが起こるたびに解決に引っ張りだされることになり…。「県庁の星」が映画化され、ベストセラーとなった桂氏の同名小説を原作とした本作は、主人公の人と打ち解けられず友達もいないまじめ一徹の弁護士・石田徹子と、派手好きで社交的な天才詐欺師・小谷夏子といった、境遇も立場も違う対照的な二人の女性の人生のケミストリーを鮮やかに描き出し、女性の強さと友情をコミカルかつ情感豊かに謳いあげる、いまを生きる全ての女性たちに贈る人生リセットエンターテインメント。主演には、「コウノドリ」『HERO』などいまノリに乗っている吉田さんが、弁護士・徹子役として本作が映画初主演を 、天才詐欺師・夏子役に『星ガ丘ワンダーランド』の公開を控える木村さんがW主演で好演している。また監督には、本作が初監督となる黒木さん、脚本は連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の脚本も手掛ける西田征史が務めている。今回決定した主題歌「いのちの歌」は、2012年に発売されたシングルで、竹内さん自身がMiyabi名義で作詞したもの。NHK連続テレビ小説「だんだん」で主演の茉奈・佳奈姉妹が歌った曲が原曲となっており、その後もNHKBSプレミアムドラマ「開拓者たち」の主題歌にも起用され、竹内さんの歌声と相まって、力強い歌詞と美しいメロディに勇気づけられる珠玉のナンバーだ。これまでに発表してきたたくさんの楽曲が、いまでも世代を超えて多くの人々の支持を得ている竹内さん。今回の決定について「大女優、黒木瞳さんが自分以外の女優さんを主役に据えて映画を作る…それだけでも大いに興味をそそられる素敵なお話ですが、その初監督作品の主題歌に、私の『いのちの歌』を起用していただけた光栄に心から感謝を申し上げます」と喜びを語り、「不安や不満に溢れる日々の中に隠された本当の喜びと、誰もが抱えている『生きていくこと』への想いをテーマに書いたこの歌で、映画をご覧になる皆さんの心にさり気なく寄り添うことができれば、こんなに嬉しいことはありません」と楽曲に込めた思いも語っている。また黒木さんも「映画化が決まったとき、竹内まりやさんの歌を使いたいと思いました。女性の逞しさを表現するうえでも、まりやさんの歌は必須だと考えていました」と語り、「まりやさんが歌う『いのちの歌』は、私が映画に求め“生きていくことの素晴らしさ”を実に見事に語っていました。人と人の巡り合いは、ホント奇跡です。そう思えることで、人と人のあたたかさや絆を大事にできます。この地に命を授けてもらったことに感謝できます。一歩も前に進めなくて立ち止まってしまったとき、優しく背中を押してくれる勇気が生まれます。『いのちの歌』は、そんな人生の応援歌でもあります。この歌こそが作品が目指した先にある“すべて”だったからです」とコメントを寄せている。『嫌な女』は2016年全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年02月26日女優・黒木瞳の初監督作『嫌な女』(6月25日公開)の主題歌が、シンガーソングライター・竹内まりやの新曲「いのちの歌」に決定したことが26日、発表された。本作は、作家・桂望実氏の同名小説を原作に、吉田羊と木村佳乃がW主演する作品。人と打ち解けられない生真面目な弁護士・石田徹子役を吉田、派手好きで社交的な天才詐欺師・小谷夏子役を木村が演じ、対照的な2人を通して女性の友情や強さをコミカルに描く。「『嫌な女』の映画化が決まったとき、竹内まりやさんの歌を使いたいと思いました」という黒木監督。「女性のたくましさ」を表現する上で必須だったと言い、「私が映画に求める"生きていくことのすばらしさ"を実に見事に語っていました」と絶賛。主題歌となった「いのちの歌」を「人生の応援歌」と表現した。一方の竹内は、「不安や不満にあふれる日々の中に隠された本当の喜びと、誰もが抱えている『生きていくこと』への想いをテーマに書いたこの歌で、映画をご覧になる皆さんの心にさり気なく寄り添うことができれば、こんなにうれしいことはありません」とコメント。今回の起用に感謝しながら、「初めての経験できっとたくさんのご苦労もあったと思いますが、黒木監督、初作品の完成本当におめでとうございます!」と祝福のメッセージを送っている。
2016年02月26日『CURE』『トウキョウソナタ』など日本国内のみならず世界中から熱狂的な支持を集める黒沢清監督が、前編フランス語で撮りあげた初の海外作品『La Femme de la Plaque Argentique』(原題)の邦題が『ダゲレオタイプの女』に決定した。職を探していたジャンは、ひょんなことから、ダゲレオタイプの写真を撮り続けている写真家・ステファンの弟子として働き始めることになる。ステファンの家では、娘のマリーが何十分も器具に固定されていて、写真の被写体としての役目を果たしている。ステファンの妻・ドゥニーズも、彼のダゲレオタイプ写真の被写体となっていたが、昔、屋敷内で首を吊って自殺してしまっていた。ドゥニーズの亡霊におびえるステファン。マリーに惹かれ始めたジャンは、マリーがドゥニーズの二の舞にならないように、彼女を屋敷の外に連れ出そうとするが――。本作は、全編フランス語で撮影され、「ダゲレオタイプ」と呼ばれる世界最初の写真撮影法を用いて肖像写真を撮影するカメラマンの家に隠された秘密と愛を描く、ホラー・ラブストーリー。主人公のジャンを演じるのは、『預言者』(ジャック・オディアール監督)『ある過去の行方』(アスガー・ファルハディ監督)『消えた声が、その名を呼ぶ』(ファティ・アキン監督)など名匠の作品への出演が続くタハール・ラヒム。ジャンが想いをよせるマリー役には『女っ気なし』などで若手女優として注目を集めるコンスタンス・ルソー、マリーの父であり、ダゲレオタイプのカメラマンであるステファンをダルデンヌ兄弟作品常連のオリヴィエ・グルメが好演している。また名優マチュー・アマルリックがステファンの友人・ヴァンサン役で出演しているのも注目だ。昨年『岸辺の旅』でカンヌ国際映画祭ある視点部門監督賞を受賞し、高い評価を得た黒沢監督。このたび挑んだ初の海外作品について、「初めてフランスで映画を撮りました。日本と何か大きく違うことがあるんじゃないかと最初は心配しましたが、杞憂でした。映画はやはり世界共通言語のようです」と撮影を振り返り、また「日本の怪談にならったホラーとラブ・ストーリーを組み合わせた物語を、フランス人スタッフもキャストもたちどころに理解し、全ての作業がスムーズに進みました」と語っている。日本の監督とフランスのスタッフ&キャストが作り上げる愛と死の物語。日本のみならず、世界中から熱い注目を集めることとなりそうだ。『ダゲレオタイプの女』は2016年秋、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年01月25日『池中玄太80キロ』など数々のTVドラマの名作を送り出してきた演出家・石橋冠の79歳にしての映画初監督作『人生の約束』が1月9日に公開。石橋監督をはじめ、竹野内豊、江口洋介、優香、高橋ひかる、西田敏行が舞台あいさつに登壇した。『人生の約束』舞台あいさつ/その他の写真長年、石橋監督が抱いていた「映画を1本だけ撮りたい」という思いを形にした本作。会社の拡大にしか興味のなかった主人公が、かつての親友の死をきっかけに故郷に帰り、人生を見つめ直すさまを、郷土の祭を題材に描き出す。TVドラマの世界で知らぬ者のいない石橋だが、舞台あいさつでは「新人の石橋です」と客席に頭を下げ「初日って怖いですね。(観客が)3人しかいない夢を見ました」と苦笑を浮かべる。本作は「僕にとっても“人生の約束”のようなものであったかも。いま、非常に幸せです」と満足そうにうなずいた。この日は、キャスト陣からサプライズで、石橋監督に“約束”という花言葉を持つ白いバラの花束が贈られた。竹野内は「監督の第1回映画作品に出られて、ただただ光栄です。作り手はハートが大事だと学ばせていただきました。その気持ちを受け継いで、精進したいと思います」と感謝の思いを口にした。『池中玄太』以来、「敏ちゃん」「冠さん」と呼び合う仲だという西田は、監督が語る本作の「つながる」というテーマに触れ、自身の“人生の参考書”としているというネイティブアメリカンの詩集『今日は死ぬのにもってこいの日』の中の一編を朗読。30年に及ぶ付き合いの中でも、そんなことをしたのは「初めて」とのことで照れ笑いを浮かべていた。江口は、花束を渡し、監督の現場について「心で芝居をしないといけないし、そうでないと太刀打ちできない。冠さんのエネルギーに引っ張られました」と語り「もう1本お願いします!」とこの1本で終わらず、次回作の製作を熱望した。高橋は本作で映画デビューを飾ったが、監督の個別指導への感謝を口にした。石橋監督は「タバコを吸ったらまた怒ってください(笑)」と相好を崩していた。『人生の約束』公開中
2016年01月09日『パパが遺した物語』での好演が記憶に新しい、アカデミー賞俳優ラッセル・クロウが初監督を務めた主演最新作『ディバイナー 戦禍に光を求めて』。このほど、その予告編映像とポスタービジュアルが解禁となった。オーストラリアの水脈を探し当てる職人(ディバイナー)、ジョシュア・コナー(クロウ)は、第一次世界大戦から4年後、トルコ・ガリポリの戦いで行方不明になった3人の息子たちの最期を知るため、旅に出る。故郷から遥か遠い異国の地での捜索は困難を極めるが、コナーの決意は決して揺らがない。そして、イスタンブールで宿を営む美しい女性アイシェ(オルガ・キュリレンコ)や、息子たちと戦ったトルコの英雄・ハーサン少佐(イルマズ・アルドアン)らの助けを借りながら、コナーは他者を許すこと、そして自分を許すことを知り、ついには一縷の希望を掴むが…。『グラディエーター』では勇敢な剣闘士、『レ・ミゼラブル』では正義を追い求める警部、そして製作総指揮も務めた『パパが遺した物語』では娘への愛にあふれる小説家を演じて人々の涙を誘ったオーストラリア出身の名優ラッセル・クロウが、監督に初挑戦した本作。第一次世界大戦下、13万人以上の戦死者を出したトルコ・ガリポリの戦いで生死も分からなくなった3人の息子たちを探し出すため、はるばるオーストラリアからやって来た父親の底知れぬ喪失感と圧倒的な愛を、実話をベースに描き出す。トルコ・イスタンブールをはじめとする壮大なロケーションを舞台に、ラッセルでしか演じることのできない哀愁漂う父親像を見事に体現するとともに、甚大な戦死者を出したガリポリの戦いをオーストラリアとトルコの双方の視点から忠実に再現。2014年度オーストラリア・アカデミー賞で「最優秀作品賞」を含む3部門(助演男優賞・衣装賞)を獲得している。解禁された予告映像では、「全てを奪われても希望は奪われない」というコピーのごとく、一縷の希望を求めて決死の覚悟で息子たちを探し出そうとするクロウの姿が、オーストラリアとトルコを舞台に圧倒的な映像で表現されている。さらに、『007/慰めの報酬』のオルガ・キュリレンコが見事なトルコ語を披露する妖艶な女性を演じているほか、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のジェイ・コートニーなど、実力派俳優が顔をそろえている。おそらくラッセル・クロウでしか、描くことも演じることもできなかった“父親像”を、まずはこちらの映像から確かめてみて。『ディバイナー 戦禍に光を求めて』は2016年2月27日(土)より有楽町スバル座ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2015年12月15日TVドラマ『家政婦のミタ』『〇〇妻』『偽装の夫婦』などの話題作を手掛けてきた脚本家・遊川和彦が初監督を務める映画『恋妻家宮本』が公開されることが発表された。現代の夫婦や家族の在り方を独自の視点で提起するハートフルなドラマで、阿部寛、天海祐希が初の夫婦役で出演する。その他の情報本作は重松清の小説『ファミレス』を基に、遊川が脚色を手掛け、熟年離婚が増えつつある現代において、子どもが独立した後の夫婦がどう向き合っていくのかをコミカルに描いたドラマ。物語は、息子が結婚して独立し、25年ぶりに夫婦ふたりきりで生活することになった中学校教師の宮本陽平が、妻が隠し持つ離婚届を偶然発見してしまうところから始まる。妻に問いただす勇気もなく、熟年離婚の危機に面した宮本が、悩み葛藤しながらも周囲の人々との関わりを通して家族の在り方を再認識し、妻との新たな一歩を踏み出していく様を描く。主人公・宮本を阿部、その妻・美代子を天海が演じる。遊川監督と初タッグとなる阿部は「遊川さんと天海さんが今まで何本も面白い作品を作ってきたのを一視聴者として楽しませていただいてきました。その一角に加えていただき大変嬉しく思っています。天海さんに色々助けていただきながら、遊川監督のもと素晴らしい作品を目指したいと思います」とコメント。遊川脚本の『偽装の夫婦』にも出演中の天海は「連続ドラマでは何本もご一緒させて頂いている遊川さんが、初めて映画でメガホンをとられる!どんな役でも良いから、ぜひ参加させて頂きたいと思っていました。これがまた、大好きな重松清さんの作品で、更に、素敵な阿部寛さんとご一緒させて頂けるなんて!トリプルで幸せでございます!」と喜びを語っている。遊川監督は、「気のきいた言葉を言わなくてもいい、たとえ失敗してもいい、ただただ愛を伝えようという気持ちを持ち続けること。“愛を伝えることの大切さ”を伝えたい」とコメント。家族や夫婦の姿を鋭い視点で切り取ってきた遊川だけに、初監督となる本作に期待が高まる。『恋妻家宮本』全国東宝系にて2017年ロードショー
2015年11月30日SMAPの木村拓哉(42)が三池崇史監督(55)と初タッグを組み、人気マンガ原作の時代劇映画『無限の住人』(2017年公開)で主演を務めることが5日、発表された。木村が時代劇で主演を務めるのは、興行収入41億円を記録した『武士の一分』(06年)以来、約10年ぶりとなる。原作は、沙村広明氏の漫画家デビュー作となった同名漫画。1993年から2012年まで漫画雑誌『月刊アフタヌーン』(講談社)で連載され、全30巻の単行本が累計発行部数500万部を記録するなど人気を博した。1997年に第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。英語版が2000年にアイズナー賞最優秀国際作品部門を受賞し、現在までに世界22の国と地域で刊行されている。木村が演じるのは、百人斬りの異名を持つ不老不死の侍・万次。剣客集団・逸刀流(いっとうりゅう)に両親を殺された少女・浅野凜(あさのりん)が仇討ちを遂げるため、万次に用心棒を依頼することから映画のストーリーが展開。依頼を受けた万次は凜と共に逸刀流との戦いに身を投じる。原作について木村は「僕自身、好きな世界観」とした上で、「万次を『死ねない』と考えるか、『不死身』ととるかは一線上にあるものだと思います」と説明。「原作にある『死なない』ことと『死ねない』ということの向き合いについては、今回の脚本にも描かれているので、そこをどう体現するのか、監督が求めるものがどこなのか、頭でっかちにならずに現場を体感しながら演じたいと思います」と意欲を燃やす。また、三池監督との初タッグについては、「今回参加するにあたって三池崇史さんという存在が大きかったですし、映画監督が映画を撮りたいという前提で自分を欲してくれたということが一番大きかったです」と振り返り、「映画監督に求められるというのは役者にとって最もありがたいことなので、『三池崇史監督が僕のことを要してくださった』という事実に、自分の中でなんかざわめいた、という気持ちがありました」と役者としての興奮を伝える。さらに、「監督もプロデューサーも目線の先に海外を意識しているなと感じましたし、僕自身もヨーロッパはじめ海外の方々にも観ていただけたらと思っていますが、まずはしっかり演じることだと思っています」とすでに海外も視野に。「あとは、三池監督がアクションにしてもドラマにしても、三池監督のエンターテイメントにしてくれるので、もちろん自分の"個"はありますけど、現場では監督の求める"素材のひとつ"だと思うので、共演者、スタッフと集中して現場に臨みたいと思います」と意気込みを語った。一方、三池監督は「昭和と平成を串刺しにするスーパースター・木村拓哉を用心棒(主人公の万次)につけた我ら映画界の逸刀流・三池組は世界最強である。これはそういう映画です」と"鬼に金棒"状態。原作者の沙村氏も「大好きな監督さんと日本最高峰の主演、才能ある様々なキャストとスタッフの力を借り、『無限の住人』に再び命が吹き込まれるのを心から楽しみにしています」と期待を寄せる。「三池監督が面白がってくれたところから、すべてが始まりました」ときっかけを語るのは小岩井宏悦プロデューサー。三池監督から木村の名が挙がり、「確かに『死なない侍』という存在が数十年もトップの俳優として色あせない彼の存在感と重なり、アクションを具現化する身体能力、色気、この作品が持つ哲学を支えることができる人間力など、確かに彼しかいない、と目からうろこでした」と納得の起用だった。かつて、木村が主演を務めたフジテレビ系月9ドラマ『ラブジェネレーション』でタッグを組んだ間柄だったが、「徹底的に傷つく壮絶なキャラクターを引き受けてもらえるか」で半信半疑。木村は快諾したが、「このリリースが世の中に出るまで、信じないようにしています(笑)」と話していた。
2015年10月05日女優の黒木瞳が監督に初挑戦し、桂望実のベストセラー小説を実写映画化する『嫌な女』。この度、女優の吉田羊、木村佳乃がW主演を務めることが決定。吉田さんにおいては本作が映画初主演作となることが分かった。石田徹子はストレートで司法試験を合格し、弁護士となった才媛。28歳で結婚をし、人も羨む幸せな人生…の筈が、仕事も結婚生活も上手くいかず、心に空白と孤独を抱えた日々を過ごしていた。そんなある日、婚約破棄で慰謝料を請求されたという女性が徹子の元に訪れる。女性の名は小谷夏子。徹子の同い年の従妹だった。夏子は初対面の相手でも、たちまちするりとその懐に入ってしまい、男をその気にさせる天才。彼女との未来を夢見た男は、いつの間にか自らお金を出してしまうのだ。徹子は子どものころから自分と正反対の夏子が大嫌いだった。しばらくぶりで再会した二人だったが、この日以来、徹子は生来の詐欺師の夏子に振り回され、トラブルが起こるたびに解決に引っ張りだされることになり…。原作は、境遇も立場も違う対照的な2人の女性の人生を鮮やかに描き出し、豊かな感動を呼ぶ傑作としてベストセラーとなった桂望実の「嫌な女」(光文社文庫刊)。日本を代表する女優の黒木さんが初めて映画監督を務め、女性の強さと友情をコミカルに、高らかに謳いあげた感動の人間ドラマを作り出した。主演には、実力派女優2人がキャスティング。人と打ち解けられず友達もいないまじめ一徹の弁護士・石田徹子役には、『ビリギャル』『HERO』と大ヒット作に立て続けて出演し、『心が叫びたがってるんだ。』ではアニメ声優初挑戦するなど活躍の幅を広げている吉田さん。派手好きで社交的な天才詐欺師・小谷夏子役は、『ホットロード』で主人公の母親を熱演、『星ガ丘ワンダーランド』でも母親役での出演を控える木村佳乃が演じる。主演の2人と黒木監督からコメントが届いた。■吉田羊共演すらまだない大先輩黒木瞳さんの初監督作品、しかも主演でというお話を頂いたときは自分の耳を疑いました。かつてない大役の重責に武者震いする一方で、瞳監督のこの作品に掛ける並々ならぬ情熱に身体を底から突き上げられ、女優が女優を撮る面白さを是非見たいとも思いました。脚本と登場人物が唸るほど魅力的で、これは何としても最高の作品にしたいという思いです。共演者・スタッフの皆様の胸を借りながら、丸裸で、瞳監督の情熱にぶつかっていきたいと思います。■木村佳乃黒木瞳さんが映画の監督をされると聞いて、大変驚きました。内容を知らない内から、是非やらせていただきたいと心踊っていました。台本を頂いた後瞳さんにお会いして、監督のこの作品への強い想いを感じました。これから 大先輩の前で丸裸になるのかと思うと身が引き締まる思いと共に、未だかつてない緊張を感じております。とてもとても熱い夏になりそうです。■監督・黒木瞳吉田羊さんと木村佳乃さんは、自分の殻にとどまらず、何かをみつけたい、何かを試したい、何かを成し遂げたいというエネルギーに満ち溢れた女優だと思っています。お二人からは、「なんか、面白そう」という感想とともにふたつ返事でご出演を快諾していただきました。この、なんか面白そう、という大胆なお気持ちが、私はすごいなと思いました。いま、撮影が始まり、お二人まったく違うキャラを演じていただいています。徹子を演じる羊ちゃんからは、忍耐力と理性とふところの深さを感じます。これは、徹子を演じる上でも不可欠ではありますが、役柄なのかご本人なのか、私でさえ見間違うほど、虚実皮膜の間を自由に行き来する才能に惚れ惚れしてしまいます。夏子を演じる佳乃ちゃんからは、順応性と探究心、そして自由自在の瞬発力を感じます。画面の中から飛び出してくるんじゃないかという演技力には、ドキッとしてしまいます。ハンパない感受性に、私は、ついニタニタしてしまいます。お二人は、同じ画面の中に存在していても、まったく違う色の光を発します。そのふたつの光が交わったときは圧倒されます。私の言葉に耳を傾け芝居に入る徹子と夏子、スクリーンの中で、この夏の太陽より輝いている吉田羊さんと木村佳乃さんの「嫌な女」を、ご期待ください。『嫌な女』は2016年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月18日ファション・デザイナーとして知られるアニエスべーが、アニエス・トゥルブレという本名で初監督を務める『わたしの名前は…』。このほど、アニエスベー自身がセレクトしたチラシビジュアルが公開となった。舞台はフランス・ボルドー地方。主人公の12歳の少女は父親から虐待を受けていた。ある日、学校の遠足で出かけた海辺で偶然停まっていたトラックに乗り込んだ彼女は、スコットランド人のトラック運転手と共に逃避行に出る。フランス語と英語、言葉が通じない2人は、次第に心を通わせていくが…。世界的ファッション・デザイナーであるアニエスべーが、アニエス・トゥルブレという本名で初監監を務め、10年以上前に新聞で読んだとある事件の記事を元に、少女とトラック運転手の交流を瑞々しいタッチで描く本作。このほど公開となった4種類のチラシは、日本オリジナルのものも含めアニエスベー自身がセレクトしている。映画の中のキーワードともいえる赤いトラックの前で佇む主人公の少女セリーヌが印象的なビジュアルを始め、登場人物の2人が食事しているシーンや海辺でのカットなどが魅了的なビジュアル、フランスのアーティスト、ジュリアン・ランゲンドルフによる日本オリジナルのイラストと、自身が世界的デザイナーなだけあり、どれも美しいチラシに仕上がっている。「ほんとうのことは、誰にも秘密」という意味深キャッチコピーが添えられ、ストーリーへの想像力が喚起される本作。公開を心待ちにしたい。『わたしの名前は…』10月31日(土)より渋谷アップリンク、角川有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:わたしの名前は... 2015年10月31日より渋谷アップリンク、角川有楽町ほか全国にて公開(C) Love streams agnès b. Productions
2015年07月30日桂望実のベストセラー小説『嫌な女』の実写映画化が決定。女優の黒木瞳が初挑戦で監督を務めることが明らかとなった。初対面の相手でも、たちまちするりとその懐に入ってしまう、男をその気にさせる天才・小谷夏子。彼女との未来を夢見た男は、いつの間にか自らお金を出してしまう。そんな生来の詐欺師を遠縁に持つ弁護士・石田徹子は、夏子がトラブルを起こすたび、解決に引っ張りだされる…。対照的な二人の女性の人生を鮮やかに描き出し、豊かな感動を呼ぶ傑作としてベストセラーとなった桂望実の「嫌な女」。このほど、本作の実写映画化が決定し、日本を代表する女優の黒木瞳が映画監督に初挑戦する。『県庁の星』以来の映画化となる桂望実の原作の実写化には、監督の黒木瞳のほか、『小野寺の弟・小野寺の姉』や、来年度前期のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の西田征史が脚本を務めることが決定している。今回の監督初挑戦にあてて黒木さんは、「ずっと映画作品に出演させていただいている私が、監督をしようと決めたのは、『嫌な女』という小説に出会ったからだ。主人公、徹子と夏子を通して見えてくる人生の風景、人と人との絆、そして、誰にでも訪れる老い。それでも、“人生捨てたもんじゃない”と思わせてくれる爽やかな読後感を、私は、映画『嫌な女』で感じたいと思ったのだ。演者とは全く違う景色が、私をどう衝き動かすのか楽しみにしているのと同時に、これから訪れる私の未知なる日々が、スタッフ出演者にとっては最高の日々になるようにと、今はそれだけを願っている」と、意気込みを語っている。大人の女性が贈る、大人の女性のための物語の本作を、監督初挑戦となる黒木さんがどんな演出で魅せるのか。キャストも含め、続報への期待が高まる。『嫌な女』は2016年全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月23日俳優のモーガン・フリーマンとクライヴ・オーウェンが主演を務める紀里谷和明監督のハリウッド初進出作『ラスト・ナイツ』(原題:LAST KNIGHTS)が、11月に日本公開されることが決定し、ティザーポスターと特報映像が16日、公開された。『CASSHERN』『GOEMON』で知られる紀里谷監督が5年の歳月をかけて完成させた本作は、2人のカナダ人によって『忠臣蔵』を題材に描かれた脚本をもとにした騎士たちのドラマ。忠誠を誓った主君の不当な死に報いるために、気高い騎士たちは立ち上がる。紀里谷監督は、活動の場を移したハリウッドでこの脚本に出会い、徹底的な時代考証の調査が施され、オリジナルの魂を忠実に受け継いでいたその脚本に感動。「内なる声がシンプルに呼びかける。『これは正しいのか、それとも間違っているのか?』と。その答えは、民族や宗教、国籍や出自に関わらず、誰もが知っているものだ」と感じ、世界に向けて映画化することを決意した。紀里谷監督と同様に、主演俳優の2人も脚本に魅了され、『クローサー』でアカデミー賞にノミネートされたクライヴ・オーウェンは「とてもエレガントで優れた脚本だった」と称賛。『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー賞を受賞したモーガン・フリーマンは「非常に高潔な人物たちを描く、他に類を見ないストーリー。誰もが必ずや共感を得るはずだ」と語る。本作では、総勢17カ国におよぶキャストとスタッフが集結。『硫黄島からの手紙』をはじめ、数々の海外作品にも出演している伊原剛志が、ただ一人日本人俳優として世界の名優たちと肩を並べる。(C)2015 Luka Productions.
2015年07月16日シネフィルとしても有名なデザイナー、アニエスベーの初監督作品『わたしの名前は…』が今年10月に渋谷アップリンクほか全国にて公開されることが決定した。ハーモニー・コリン作品のプロデュースを行い、デヴィッド・リンチ監督作『マルホランド・ドライブ』やクエンティン・タランティーノ監督作『パルプ・フィクション』など数々の映画で衣装デザインを手掛けるなど映画に情熱を注ぎ続けたアニエスベーが、本名アニエス・トゥルブレとして初監督を務めた『わたしの名前は…』。本作は、父親の虐待から逃げ出した12歳の少女とスコットランド人運転手の奇妙な旅を描いたロードムービー。アニエスベーが10年以上前に新聞で読んだ、とある事件の記事に着想を得て、自ら脚本を執筆した。アニエスベーは本作について「旅で経験する出会いや日常から切り離された純粋な自由を描きたかったのです」と語っている。12歳の少女を演じるルー=レリア・デュメールリアックと運転手を演じるダグラス・ゴードンの脇を固めるのは、シルビー・テステュー、ジャック・ボナフェといったフランス映画界の名優たち。撮影はアニエスベーの友人たちの協力を得て行われた。音楽には、フランスのエレクトロポップ・デュオ「エール(Air)」のジャン=ブノワ・ダンケルが参加し、アメリカのオルタナティブ・ロックバンド「ソニック・ユース(Sonic Youth)」も未発表音源を提供している。ほかにもジョナス・メカス監督が撮影したシーンにイタリアの政治哲学者アントニオ・ネグリが出演するなど豪華アーティストや文化人たちが集結していのも見所だ。『わたしの名前は…』は10月、渋谷アップリンクほか全国順次ロードショー。
2015年07月09日ハリウッド屈指のセクシーな俳優ライアン・ゴズリングが満を持して監督デビューした話題作『ロスト・リバー』。熱狂的な映画ファンでもあるライアンが『ドライヴ』のスタッフと共に作り上げた本作は、2014年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でも正式出品され、多くの注目を集めたダーク・ファンタジー。住人たちがほとんどいなくなったあるゴーストタウンで、ボーンズはクズ鉄を集めながら、その日暮らしを強いられていた。2児のシングルマザーでもあるボーンズの母ビリーは、家を手放して街を去るかどうかの苦しい選択を迫られ、街の有力者に勧められるまま怪しげなショーを行う店で働くことを承諾してしまう。一方、近所に住む少女のラットと徐々に心を通わせるようになるボーンズ。ある日、ラットからこの街が衰退した原因は、貯水池を造るために水中に沈められた街と一緒に「あるもの」沈めたことで呪いがかけられているのだという噂話を聞かされる。湖底に消えた街“ロスト・リバー”に隠された秘密とは……。映画ファンのみならず、世界中の女性たちを虜にし続ける俳優のライアン・ゴズリングが、本作で長年の夢でもあった監督に挑戦。初監督作品ながらその完成度の高さと脳裏に焼き付くような印象的で素晴らしい映像の数々で観客を圧倒し、世界中で大きな話題となっています。また、イアン・デ・カーステッカーやシアーシャ・ローナンといった注目の若手俳優をはじめ、クリスティナ・ヘンドリックスやライアンの実生活でのパートナーであるエヴァ・メンデスも出演し、その美しい魅力は映画にさらに彩りを添えているのです。俳優としてだけでなく、監督としても脚本家としても、その才能を惜しみなく発揮しているライアン・ゴズリング。今後は監督としての動向からもますます目が離せなくなりそうです。まずは、その序章でもある本作をぜひお見逃しなく!イベントデータ:『ロスト・リバー』公開表記:5 月30 日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開配給:トランスフォーマー© 2013 BOLD FILMS PRODUCTIONS, LLC.
2015年05月23日スコットランド、グラスゴー出身のロックバンド「ベル&セバスチャン」のフロントマンであるスチュアート・マードックの初監督作品『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』の、予告編とポスタービジュアルがこのほど公開となった。スコットランドのグラスゴーのとある街。拒食症のため入院中の少女・イヴは、病院で一人ピアノに向かい曲を書いていた。ある日、彼女は病院を抜け出しライブハウスに向かう。そこでイヴはアコースティック・ギターを抱えたジェームズに出会い、さらに音楽仲間のキャシーを紹介された。2人の少女と1人の少年は一緒に音楽を作り始める。いきおいよく走り出す音楽と友情、そして、恋!1996年のデビュー以来、インディ・ギター・ポップの流れを汲んだサウンドと珠玉のメロディが生み出すハーモニーで多くのファンの心を掴み続けている、「ベル&セバスチャン」。今年の1月にはニューアルバム「Girls In Peacetime Want To Dance」をリリースし、本年度のフジロックフェスティバルへの出演も決定。今年日本でも多くの注目を集めるであろう「ベルセバ」のフロントマンであるスチュアート・マードックが、自身のソロ・アルバムを自ら脚本・監督したのが『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』だ。英スコットランド・グラスゴーを舞台に、思春期の少女と少年の恋と痛みを描いた、ポップでファッショナブルなミュージカル映画である本作。今回解禁となった予告編では、70 年代風の衣装や音楽、ミュージカルシーンが披露され、とにかくキュートな映像が満載!※訂正:特別鑑賞券は5月17日(日)より発売開始「もし美しい自分の声を聞きたいなら、バンドを組もう」とヒロインを口説く主人公のシーンからはじまる冒頭から、ポップミュージックとカラフルなファッションに彩られた、最高にキュートな映像の連続には思わず胸が高鳴ってしまう。キャストには、ヒロインである、孤独な病院生活から恋と音楽を通して世界に飛び出してゆく少女、イヴを演じる『エンジェル・ウォーズ』のエミリー・ブラウニング。イヴに出会い、音楽仲間となって密かにイヴに恋する少年を繊細に演じたのは、俳優であり、人気バンド「イヤーズ&イヤーズ」のフロントマンでもあるオリー・アレクサンデル。プロデューサーには『ブライズメイズ史上最悪のウェディングプラン』『ローラーガールズ・ダイアリー』や『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』も手掛けたバリー・メンデルがクレジットされている。『(500)日のサマー』や、『グランド・ブダペストホテル』のウェス・アンダーソン監督の世界観にも通じる、カラフルで、ビター&スイートなミュージカル作品としての期待が高まる本作。今年発売のベルセバの新譜と合わせて、是非このキュートな世界をのぞいてみて。『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』は、8月1日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール 2015年8月1日より新宿シネマカリテほか全国にて公開(C) FINDLAY PRODUCTIONS LIMITED 2012
2015年04月24日俳優のリリー・フランキーが、三池崇史監督の映画『極道大戦争』(6月20日公開)でアクションに初挑戦し、その場面写真と撮影秘話が19日、明らかになった。市原隼人が主演を務めた本作は、ヤクザヴァンパイアにかみつかれた人間が次々にヤクザ化してしまうという、三池監督による完全オリジナルストーリー。最強伝説をもつヤクザヴァンパイアの組長・神浦をリリーが演じ、彼に憧れて極道の世界に入った影山(市原)が、神浦の遺志を継ぎ、ヤクザヴァンパイアとなって、刺客たちとの闘いを繰り広げていく。『そして父になる』(2013年)では、ありのままの演技が評価され、第37回日本アカデミー賞で最優秀助演男優賞に輝いたリリー。初めてのアクションの撮影に、興奮で夜眠ることができなかったそうだが、「これまでは、自然体な感じの役で呼んでいただくことが多かったので、汗を流すとか、身体を動かすということを、ほとんど経験したことがなくて。そういう意味でも、今回はすごく爽快感がありましたし、撮影が終わったあとも高揚している感じでした」と充実ぶりを語った。公開された場面写真では、対立する羅漢組に単身で攻め入り、手下たちとの壮絶な大立ち回りを演じるリリーの姿が捉えられている。さらに公開されたのは、今回リリーたちと対立する羅漢組の組長・羅漢役を演じる、俳優のピエール瀧が映る1枚。リリーとは『凶悪』(2013年)以来の共演で、劇中で緊迫した対決シーンを演じている。撮影を振り返ってリリーが「今回、瀧を斬るシーンがあったんですが、瀧だったら刀が当たってもいいかなと。なので、やりやすかったです」と語ると、ピエール瀧は「リリーさんのことを一切信用していませんでした。ずっと、これ当たるんじゃないかと思ってました」と、公私ともに親交が深い2人ならではのコンビネーションが発揮されたことを明かした。(C)2015「極道大戦争」製作委員会
2015年03月19日タレントの関根勤が初監督を務める映画『騒音』。このほど、本作の主題歌に大ブレイク中の人気芸人「どぶろっく」が担当することが明らかになった。「どぶろっく」が、映画の主題歌を手がけるのは本作が初となる。東京都S区。再開発に沸き立つ平和な街に、突如出現した謎の生物。人間の抵抗力を奪う有毒ガスを吐きながら、二足歩行で人々を襲う不気味な怪物の正体は「地底人」だった。逃げ惑う事しかできない区民たち。戦う術もなく、誰もが諦めかけたそのとき、有毒ガスへの耐性を持つ者が現れた。彼らはなぜかみんな、家庭や職場で虐げられている「ダサくてしょぼいオヤジ」たちだった。愛する家族、愛するS区を守るため立ち上がった五人の男たち!彼らは果たしてS区の救世主となれるのか?地底人と最低人たちの戦いがいま、始まる――。関根勤100周年(生誕60年+芸能生活40周年)を記念した本作には、温水洋一 、村松利史、飯尾和樹、岩井ジョニ男、酒井敏也、YOU、関根麻里、廣田あいか(私立恵比寿中学)、天野ひろゆき、ウド鈴木など個性的俳優陣が集結するなか、渡辺哲、タモリ、明石家さんま、車だん吉、小堺一機、戸田恵子、千葉真一、そして語りに山寺宏一となんとも超豪華なキャストが顔を揃える。2004年に結成した「どぶろっく」。「もしかしてだけど~」の歌ネタでブレイクしたが、今回は映画をイメージしオヤジたちへ向けた切ないバラード調の曲を制作。「どぶろっく」の2人は「映画『騒音』の主題歌『テカる星屑達』のイメージは、映画に散りばめられている笑いだけではなく、オヤジたちが格好つかないんだけど一生懸命で、報われなかったりもするんだけど、頑張っている。もの哀しくて切ない。そんな感じを出してみたいと思ってつくりました」と曲に込めた想いを語った。日本を代表するオヤジ俳優たちの哀愁漂う、せつない背中を「どぶろっく」のバラードで後押しする。『騒音』は5月23日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年02月27日女優の市原悦子が、河瀨直美監督の映画『あん』(6月公開)で、主演の女優・樹木希林と初共演することが25日、明らかになった。原作は、作家、歌手、パーソナリティーとして幅広く活躍するドリアン助川氏の著書『あん』。初の劇場映画『萌の朱雀』(1997年)でカンヌ国際映画祭新人監督賞を史上最年少で受賞し、『殯の森』(2007年)で同映画祭にグランプリを受賞した河瀨直美監督がメガホンを取り、主演は、2008年に紫綬褒章を受賞し、2013年には『わが母の記』(2012年)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた、女優・樹木希林が務める。市原が演じるのは、元ハンセン病患者・徳江(樹木)が暮らす療養所内の喫茶店で働く"佳子"。徳江と佳子は親友であり、長い年月をともに療養所で過ごした間柄という設定だ。市原の映画出演は『バルトの楽園』(2006年)以来9年ぶりで、河瀨監督作は初出演となる。市原は、本作出演に至った経緯について、「河瀨監督が奈良から出て来られて、私の家の近くのホテルでお会いしました。その時、樹木さんから佳子役は市原でどうかとすすめられたとおっしゃっていました」と説明。樹木との共演を、「楽しかったです。お互いに50年以上役者の仕事をしてきたのにこれまで1度も御一緒しませんでした。希林さんは年を経たこと、またお体の具合も万全ではないことが、より魅力的にしているのかなと感じました。撮影を待つ間も楽しかったです」と振り返った。また、河瀨監督については「自然との共生について、監督は地に根を張っていらっしゃると感じました」という印象で、「優しく、竹のようにしなやかな女性の力が心強かったです」と人柄を絶賛。自身の役どころを、「とことん疎外されて生きてきた女性なのに、あの優しさはどこから来るのか考えました」と捉え、「あこがれる女性像です」と明かした。本作は、小さなどら焼き屋「どら春」を舞台に、一人の老女とその周りの人間模様を通じて「人生とは」と問いかける物語。永瀬正敏演じる「どら春」の雇われ店長・千太郎のもとに、求人募集を見た老女・徳江が現れる。彼女の作る粒あんがきっかけで店は繁盛するが、かつてハンセン病を患っていたことが近所で噂に。潔く店を去った徳江の足跡を、千太郎は徳江を慕っていた女子中学生・ワカナと共に追う。
2015年02月25日『ドロップ』『漫才ギャング』『サンブンノイチ』など映画監督としても活躍する芸人・品川ヒロシの監督最新作『Zアイランド』。このほど本作で映画初出演を果たす、歌手でドラマーのシシド・カフカの“ゾンビ化”した姿が公開された。謎の病気が蔓延した島“Zアイランド”を舞台に、ヤクザ同士の抗争に加え、ゾンビとの熾烈な戦いを描く本作。主人公・宗形組組長の宗形を演じるのはベテラン俳優・哀川翔。さらに鶴見辰吾、鈴木砂羽、宮川大輔、窪塚洋介、般若など個性的な面々が名を連ねている。そんな本作でカフカさんは、ナースの直美役として登場。普段のクール&ビューティーな美貌を封印し“ゾンビメイク”での演技に挑戦したが、ゾンビ化の感想については「ゾンビに変身したのは初めてでしたので、何か強い仮面を与えられたようでゾンビ化した後の“直美”は、より大胆に演じられた様に思います」と語る。さらに、「なかなか自身の演技を素直には観る事が出来ないのですが、ある登場人物の指を食べているシーンは楽しんで観る事が出来ました」とも告白。カフカさんは本作で劇伴のドラムも担当しているとのこと。ドラマーと女優、2つのシシド・カフカの魅力に注目だ。『Zアイランド』は5月16日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年02月05日ディズニーアニメ最新作『ベイマックス』(12月20日公開)の来日記者会見が22日、都内で行われ、ドン・ホール監督、クリス・ウィリアムズ監督、ロイ・コンリプロデューサー、同スタジオのエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるアンドリュー・ミルスタイン氏が出席した。『ベイマックス』は、天才科学者・ヒロが、事故で亡くなった兄タダシの遺したケア・ロボット"ベイマックス"とともに、サンフランシスコと東京を融合させた架空都市・サンフランソウキョウを舞台に感動の冒険を繰り広げる物語。クリス監督と共に、3年前に視察で東京を訪れたというドン監督は「13日間ほど東京を散策し、魔法のような経験した」と語り、「商店の様子や自動販売機、マンホールのふたまで、美しいと思うデザインを観察した」と振り返った。そして、「お寺で鈴を見た時に、鈴が顔のように見え、笑顔が見えた」というドン監督。「ベイマックスは単純なものに、見ているだけで温かい気持ちになれるようなものにしたかったので、完璧だと思った」と、鈴をモチーフにしたベイマックスの誕生秘話を語った。クリス監督も「彼は目が2つだけで口がないけど表現が豊か。まばたきの速度や頭の動かし方などで表現しているが、その表現を観客に見て感じてもらうキャラクターになっている」と説明した。監督たちは、ディズニー・アニメーションが初めて日本でワールドプレミアを迎えることへの喜びもコメント。ロイ・コンリプロデューサーは「以前から東京国際映画祭に出品したいという気持ちがあった。作品自体が日本の文化へのラブレターであり、大きくいうと環太平洋地域の方々へのラブレター。東京からこの作品をお披露目できることを光栄に思う」と語り、ドン監督も「この上なく喜びを感じている」と感激を表した。また、ミルスタイン氏は、大ヒットを記録した『アナと雪の女王』に関して、「愛してくれてありがとう」と感謝し、「喜ばしくも驚きを持って日本の方の愛情を受け止めた」とコメント。そして、「インスピレーションの源は、働いている900人のスタッフ。すばらしいストーリーをつくろうと心と魂を込めて毎日仕事している」と続け、「何よりも大切なのはストーリー」と、ディズニーアニメが世界で受け入れられている秘訣を語った。会見後に行われた公開記念イベントでは、日本語吹き替え版で声優を務める菅野美穂と小泉孝太郎が、ベイマックスがデザインされた法被を監督たちにプレゼント。「ありがとう!」「かっこよくてすばらしい」「日本公開まで毎日着続けます」と全員大喜びしていた。(C)2014 Disney. All Rights Reserved.
2014年10月23日日本を代表する鬼才漫画家・楳図かずおが27日に東京・新宿ピカデリーで行われた初監督作『マザー』の初日舞台あいさつに登壇した。映画は亡き母親をモチーフにした自伝的ホラーで「僕にとっては『14歳』から地続きになった、19年ぶりの新作。よくできた映画になった」と手応え十分だった。『マザー』初日舞台挨拶その他の写真本作は、鬼才漫画家・楳図と、彼の自叙伝を担当する女性編集者が、死んだはずの楳図の母の怨念が引き起こす怪奇現象に襲われるというホラー。楳図自身が脚本も手掛け、独特な作風に強い影響を与えたとされる実母との思い出を掘り下げた。舞台あいさつには楳図“監督”をはじめ、主人公である楳図を演じる歌舞伎役者の片岡愛之助、編集者を演じる元宝塚歌劇団雪組の舞羽美海、楳図の母親役を務めた真行寺君枝が出席した。初のホラー作品に挑んだ愛之助は「現場ではずっと笑いっぱなしで、まったくホラー感がなかった。『まことちゃん』世代なので、出演できて本当に嬉しい」と感激しきり。「歌舞伎と楳図先生の世界は、美の集大成という点で共通している。『グワシ!』は歌舞伎の見得と同じですし」と持論を展開し、「実は監督が、この映画でやり残したことがあると聞いている。ぜひ『マザー2』でそれが実現できたら」と続編に意欲を示した。宝塚退団後、初のヒロイン役に挑んだ舞羽は「映像作品は初心者。でも、監督がこと細かに描いてくださった絵コンテが演技の参考になった」。15年ぶりの映画出演を果たした真行寺は「若い頃に読んだ『へび少女』がトラウマになっている。今回は楳図先生へのリベンジのつもりで演技に臨んだ」と話していた。『マザー』公開中取材・文・写真:内田 涼
2014年09月27日世界を舞台に活躍する現代美術家・村上隆の初監督作品『めめめのくらげ』のポスターと予告編がこのほど公開された。予告編本作は、村上が10年以上温め続けてきた原案がベース。主人公の小学生・正志は、引っ越してきた家に置かれた見慣れない段ボールの中から何とも愛くるしい生き物を発見。“くらげ坊”と名付け、リュックに入れて転校先の学校にも一緒に行くほど仲良くなるが、いざ学校へ行くとなんと他の生徒たちも不思議な生物=“ふれんど”を連れており、しかも大人にはその姿は見えないらしい。果たして“ふれんど”とは何なのか? 映画は、不思議な生命体と小学生の少年の交流をファンタジックに描く。このほど公開された予告編では2010年のフランス・ヴェルサイユ宮殿での作品展など、村上監督のこれまでの成果が映し出される。そして、本作のメインキャラクターである“くらげ坊”と思われる不思議な生物が勢いよく飛び出し、住宅街を飛び回る映像が続いており、かわいらしい風貌とは裏腹にかなりのスピードで飛び回る生物の正体が気になるところだ。また、ポスターにもこの“くらげ坊”はひょっこりと顔を覗かせており、くりっとした目が何とも愛らしい。ちなみに予告編でも流れている本作の主題歌は人気クリエイターkzの楽曲『Last Night,Good Night』を、ヴァーチャルアイドルの初音ミクがカヴァーしたもの。村上監督は本作について「子供のころ夢中でみていたゴジラ、ウルトラマンなどの特撮の世界。そして大人になっても『スターウォーズ』やスピルバーグ、宮崎駿など熱は冷めなかった。この作品はそれらの要素といまの日本の混沌をまぜこぜにした、新しいSFファンタジーです」と語っており、村上自身の子供のころの夢をふんだんにつめ込んだ作品になっているようだ。『めめめのくらげ』2013年4月26日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国順次ロードショー(C)Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co. Ltd. All Rights Reserved
2012年12月18日先日、文化勲章を受章したばかりの山田洋次監督が、最新作『東京家族』の公開を前に、早くも次回作に取り組むことが発表され、長い監督人生で初のラブストーリーを手がけることが明らかとなった。「これは、ぼくの物語でもある」と語る山田監督の次なる作品は、第143回直木賞を受賞した中島京子の小説「小さいおうち」の映画化作品。山田監督が、登場人物の一人・恭一に自身を重ねたこの物語は、大学ノートに綴られた“小さいおうち”での小さな恋愛事件を通して、昭和そして平成の東京と地方都市の暮らしを丁寧に描写した作品だ。ある一人のおばあさんがひっそりと亡くなった。彼女の名は、布宮タキ。数日後、タキの部屋の後片づけをしていた親類の青年・健史は、数冊の大学ノートを見つける。ノートには、彼女が若い頃に女中として仕えた、東京の山の手の郊外に建つ、赤い三角屋根の“小さいおうち”での出来事が綴られていた。昭和10年代のモダンな東京の風物、美しい奥様・時子と5歳になる恭一坊ちゃんとの穏やかな家庭生活、そこに秘められた奥様の切ない恋。そして物語は60年以上の時を越えて、意外な形で現代へと継がれる…。『母べえ』で昭和の家族を、『おとうと』や『東京家族』で平成の家族を描いてきた山田監督が、本作では、自らが生きてきた昭和と平成の2つの時代の日本を描くこととなる。本作の製作にあたって山田監督は「昭和から現代までを舞台に、その時代に生きた人々の気持ちのあり方や、人間関係一つ一つの関わり方を描き出したいと思います」とコメント。気になるキャスト陣は、まだ発表されていないものの、初のラブストーリーをどのように仕上げるのか、注目が集まりそうだ。撮影は、2013年3月1日(金)よりクランクインし、同年5月31日(金)でのクランクアップを予定。さらに、公開日は2013年の12月から翌年の1月を予定しているという。■関連作品:小さいおうち 2013年12月または2014年1月、全国にて公開。
2012年11月20日初監督作『ワンダーラスト』から4年、英国王室のスキャンダラスでロマンチックな物語を描いたマドンナ監督の第2作『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』。アーティストのイメージが強い彼女だが今回、撮影現場での職人ぶりが確認できる貴重な写真が、どこよりも早くシネマカフェに到着した。1982年のデビューから実に30年もの間、“マテリアル・ガール”、“ポップスの女王”の愛称で世界中のファンを魅了し続けているマドンナ。現在、54歳。しかしそのパワーは衰えるどころか、さらにパワフルに世界中を飛び回り、今日もまた人々を熱狂させている。そんな彼女が映画監督に目覚めたのが、2008年公開の『ワンダーラスト』。ひとりの少女が世界の歌姫になるまでを描き、主人公に彼女自身の体験を反映させた同作は初監督作ながら、その出来栄えに音楽業界だけでなく多くの映画関係者が称賛を送った。それから4年。監督第2作目となる『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』で彼女が描くのは、英国王に地位や権力、その一切を捨てさせたひとりの謎めいた女性の半生。彼女は本作でも脚本を執筆し、カメラアングルを考え、衣装や宝飾品、俳優のキャスティングに至るまで徹底的なこだわりを見せている。その職人ぶりは、エドワード役のジェームズ・ダーシーが「夜中の2時にメールをもらったと思ったら朝6時にもう一通くるんだ。寝てないのか分からないけど、どうやったらあんなにできるのか…本当に凄いよ」と舌を巻くほど。アーティストと監督、一見同じ表現者に見えるがその手法は全く異なる。しかし、そんな状況も「とにかくこの世界を学び、理解し、吸収して、呼吸する。それがマドンナのやり方だったわ」と彼女の勉強家な一面をアビー・コーニッシュ(ウォリー役)は明かしてくれた。それを可能にしたのは、製作資金でも彼女のネームバリューでもなく情熱なのだとアンドレア・ライズブロー(ウォリス役)は言う。「マドンナに初めて会った瞬間から、彼女には伝えたい物語があるのだと分かったわ。何か伝えたい事があるというのは誰かと仕事する上で最も重要な理由だわ。そして、それは“伝染”するのよ(笑)」。そんな職人・マドンナ監督だが、やはり“ポップスの女王”としての血も本作には流れていると語っている。「意識してやったことじゃないけど、この映画には動きがいっぱいあるの。脚本を書いてるときには意識してなかったことだけど、いま見直すと、ダンスシーンが多く含まれてると自分自身で驚いているの。だから、実際の人が踊ってるのはもちろんだけれど、カメラ自体の動きが多くて、ある意味で叙情詩的とも言えるわ」。現場に彼女の声が響く、「カット!最高よ」。アーティストと監督、その堺を自由に行き来するマドンナ。新たに描き出した女性にも、きっと彼女の放つ情熱が伝染しているはずだ。『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』は11月3日(土・祝)より新宿バルト9、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。■関連作品:ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋 2012年11月3日より新宿バルト9、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2011 W.E. Commissioning Company Limited. All Rights Reserved.
2012年10月18日公開中の北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』が大ヒットを記録している。監督のキャリアで初の興行ランキング首位スタートを飾った本作はどのようにして生まれたのだろうか? 北野監督が作品についてじっくりと語った特別動画がこのほど公開された。北野武監督インタビュー動画本作は、血と暴力の世界に生きる男たちの生き様と抗争を描いたエンターテインメント作『アウトレイジ』の続編にして新たな物語。前作で死んだはずの大友(ビートたけし)が東西組織の勢力争いに巻き込まれ、さらにそこへ警察が介入。登場人物全員が“悪人”の抗争劇を描き出す。インタビュー動画では、本作を「あまり続編だと思っていない」という北野監督が最新作でどのように前作『アウトレイジ』の登場人物を動かし、前作にないテイストをドラマを描こうとしたのかが、監督の口から語られる。また、『…ビヨンド』から出演した西田敏行、塩見三省、桐谷健太、新井浩文らのエピソードも披露されている。ちなみに本作は、公開2週目も動員好調で先週末の動員ランキングでは3位を記録。平日の動員も好調で、レディースデイには女性客が多く劇場に足を運んでいるという。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年10月16日熊澤尚人監督×主演・岡田准一『おと・な・り』、中村義洋監督×主演・錦戸亮『ちょんまげぷりん』など、日本映画界で注目される監督と人気俳優のタッグでハイクオリティの映画を送り出してきたJ Storm MOVIE。その第9弾作品として、監督・三木聡×主演・亀梨和也が初タッグを結成!映画『俺俺』を製作することが決定した。TVドラマ「時効警察」や映画『転々』、『インスタント沼』などで独自の笑いの世界を確立し、国内のみならず海外でも熱狂的なファンをもつ三木監督が3年ぶりの最新作としてメガホンを握る本作。『俺俺』という奇妙なタイトルがまず興味をそそるが、郊外の家電量販店で働いているどこにでもいそうな主人公の均が、成り行きで“オレオレ詐欺”をしたことから“俺”が増殖し、とんでもない事態に陥っていくという奇想天外なストーリーになっている。原作は、第5回(2011年)大江健三郎賞を受賞した星野智幸の同名小説で、星野氏にとってはこれが初の映画化作品。三木監督が自ら脚本を手がける。この“俺”だらけの世界に当惑しつつも、やがて“俺”同士の心地よさに陶酔していく主人公の“俺”こと永野 均を演じるのが、『ごくせん THE MOVIE』など数々の映画やTVドラマに出演し、最近では「妖怪人間ベム」の好演も記憶に新しい亀梨和也!映画単独初主演となる本作で、ミリタリーマニアの“俺”、巨乳の“俺”、全身タトゥーの“俺”などなど…20人以上の“俺”に変身するという、役者としての新境地を開拓する。“俺”が増殖し、やがて“俺”同士の削除が始まる…という前代未聞の設定で「この不可解な役を演じられるのは亀梨氏しかいないと思えた」と言う三木監督。「俺は俺なのか?俺は俺として、別の俺は別のキャラクターなのか?そもそも俺とは何か?正直どうなるか、全くわからない。だからやりたいと思う。亀梨氏と私、そして共演者スタッフたちは映画の撮影終了時までに何か答えを見つけることができるのか?それとも映画の観客だけがその答えを見つけられるのか?」と自らに疑問をぶつける。三木監督と初タッグを果たす亀梨さんからは、「自分にとってすごく新しい挑戦だと思いました。『自分が増殖していく』という絶対ありえない設定ですが、決して非現実的社会ではなく、ものすごく現実に近いところで起こる、奇妙さがおもしろいと思いました。“俺”一人一人のキャラクターに個性があって、同じ部分や違う部分に注目してもらいたいです」とワクワク感の伝わるコメントが寄せられている。5月上旬にクランクインし、2013年の公開を予定している本作だが、まもなく開催されるカンヌ国際映画祭を皮切りに、海外セールスを開始することも決定!三木監督と亀梨和也の初タッグが海外でどのように広がっていくのか、期待が高まる。『俺俺』は2013年、公開予定。
2012年05月03日長編映画監督デビューを飾ったアンジェリーナ・ジョリーが、女優を辞めて監督業に専念する考えもあることを明らかにした。21日にロサンゼルスで開催されたアメリカ製作者組合(PGA)賞授賞式で、初監督作『In the Land of Blood and Honey』(原題)がスタンリー・クレイマー賞に輝いたアンジェリーナが「E!Online」の取材に答えたもので、「いまでも演じることは好きよ。これはと思える役があればね。でも、ほかの女優にスポットライトを当ててあげることができるのも素敵なことよ。ものすごく才能がある女優にね」と語っている。スタンリー・クレイマー賞は、映画を通して社会問題への関心を促すことに貢献した作品に贈られる賞。アンジェリーナが脚本も執筆し、ラブストーリーを軸に90年代に起きたボスニア紛争を題材にした『In the Land of Blood and Honey』はまさに受賞にふさわしい作品だ。なお、最高賞にあたるダリル・F・ザナック賞はオスカー最有力作の呼び声も高い『アーティスト』が受賞した。監督、脚本家としての才能も評価されたアンジーだが、もちろん、女優としての活躍を見せる作品への出演も控えている。『眠れる森の美女』を、オーロラ姫に呪いをかける魔女・マレフィセントの側から描いた主演作『Maleficent』(原題)だ。引き受けたのは「子供たちが喜ぶから」だそう。どんな姿で登場するのかという問いに「ツノとか生えたりしてるのよ」と笑顔で話していた。(text:Yuki Tominaga)© ロイター/AFLO■関連作品:アーティスト 2012年4月7日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開© La Petite Reine - Studio 37 - La Classe Americaine - JD Prod - France 3 Cinema - Jouror Productions - uFilmIn the Land of Blood and Honey (原題)■関連記事:アンジー、ブラピとの間に待望の第4子誕生?妊娠3か月との報道も英国アカデミー賞『アーティスト』最多候補。D・ラドクリフはG・オールドマンを応援ジョージ・クルーニー、G・グローブ賞主演男優賞獲得!『アーティスト』は最多3冠A・ジョリー、ファンとのチャットでG・グローブ賞候補作撮影時の心境を語るアンジェリーナ・ジョリー、監督デビュー作を引っさげ、ファンとオンライン・チャット
2012年01月24日