舞台版『千と千尋の神隠し』が帝国劇場で上演中だ。原作は、言わずと知れた宮崎駿監督によるアニメーション映画の最高傑作で、『レ・ミゼラブル』の世界初演の潤色・演出を担うなどしてきたジョン・ケアードが翻案と演出を手掛け、今回が世界初演となる。開幕直後の3月3日(木)、千尋役の橋本環奈、上白石萌音、湯婆婆/銭婆役の夏木マリ、朴路美(いずれもWキャスト)らが開幕にあたっての思いを語った。会見時、一足先に初日を迎えた橋本は「無事に幕をあげることができたので、最後まで必死に千尋として生きていって、走り抜けたい。これからどんどん全体を通して成長できたらいいなと思っております」と話し、一方、まだ初日を迎えていなかった上白石は「このご時世に予定されていた日に初日が迎えられること、本当に嬉しくありがたく思っています。こんな時期に劇場に足を運んでくださる方々の気持ちに応えられるよう、日々楽しく丁寧にやっていきたいです」などと話していた。夏木は「幕は開きましたけど、ジョン・ケアードは決して諦めないので、日々ブラッシュして、毎日毎日いいものになっていくと思います。お客様も皆様いろいろご配慮くださっているようで、本当に感謝しかない。初日を迎えられることが信じられないような気持ちですが、頑張っていきます」と意気込み、朴も「改めて感じているのは、コロナ禍でのものづくりの大変さ。みんなで努力をしてきて、今この場に立っています。スタッフ、キャスト一同、熱いハートをもって、ものづくりに本当に真摯な人たちに囲まれた幸せな現場。心を一つにして、湯屋一同心を揃えて、みなさんをお迎えできるように日々頑張っていきたいです」。スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが本舞台を観劇したといい、「お世辞なしに本当に面白かったです!とにかくジョンの演出とキャストのみなさんが素晴らしくて、原作へのリスペクトが感じられて嬉しかったです。印象的なシーンを言い出したらきりがありませんが、キャストが大勢出てくるシーンはどのシーンも気持ちが高揚しました。映画の公開から20年が経っていることを考えると、キャストの方々の中には、当時まだ生まれたばかりだった方もいて、幼い頃に映画『千と千尋の神隠し』をご覧になっている方もいる。その経験が舞台の迫力につながっているような気がして、感慨深いです」などとコメントを寄せた。それに対して、橋本は「これだけお褒めの言葉をいただけるのは、本当に嬉しい」と語り、上白石は「映画を何度見たか分かりませんし、フィルムコミックや絵にずっと励まされ、お手本にしながら、稽古を進めてきました。作品の素晴らしさに支えられて、助けられることもあれば、やっぱりその素晴らしさを壁に感じることもあって。鈴木さんにそういっていただけて、ホッとしています」と涙ぐんだ。東京公演は3月29日まで。取材・文・撮影:五月女菜穂
2022年03月07日宮崎駿監督による世界的大ヒットアニメ映画を原作とする、今年最大の話題作と言っても過言ではない舞台、『千と千尋の神隠し』が帝国劇場で上演されている。あのアニメならではの世界を、一体どうやって3次元に……? 舞台化が発表された際、誰もがそう思ったに違いない本作。3月2日の本初日を前に、プレビュー公演とゲネプロでいよいよヴェールを脱いだそれは、原作へのリスペクトと演劇ならではの表現に彩られた超大作だった――!まず、「原作へのリスペクト」の部分。演出のジョン・ケアード(『レ・ミゼラブル』『ナイツ・テイル』)は、いたずらに換骨奪胎するようなことはせず、物語もキャラクターも基本的にはそのまま見せていく。パペットや衣裳の力によって、6本の腕を持つ釜爺も体が影のようなカオナシも、3つの頭部が飛び回る頭(かしら)から、小さな青蛙やさらに小さなススワタリに至るまで、愛すべきあの姿のまま立体となって目の前に現れるのだ。映像やイリュージョンに頼ることなく、パペットや衣裳の力でそれを実現している時点で既に、「演劇ならではの表現」となっていることは明らか。だが、それだけではない。パペットの操り手が隠れることなく、歌舞伎の黒衣のように観客から見える趣向になっていたり。カオナシの心情や「油屋」で働く湯女たちの作業が、時にダンスで表現されたり。そして美術も、能舞台を思わせるセットが360°回転することであらゆる場面を象徴的に表しており、実に演劇的だ。おまけにオーケストラの生演奏までついて、ライブ感を味わいながらイマジネーションを働かせて楽しめる、まさに演劇の醍醐味に満ちた舞台と言えるだろう。特筆すべきは、セット、パペット、衣裳、振付、そして俳優の演技の境目が見えないこと。コロナ禍の中、これほど見事に溶け合うところまで持っていくには、一体どれだけ濃密な稽古が必要だったことだろう。Wキャストのうち、取材できたのは橋本環奈の千尋、醍醐虎汰朗のハク、菅原小春のカオナシ、咲妃みゆのリン/千尋の母、田口トモロヲの釜爺、夏木マリの湯婆婆/銭婆の回。全員が、もはやその役にしか見えないハマリ役ぶりだった。とはいえ、ケアードは俳優それぞれの持ち味や解釈を尊重する演出家であり、そしてWキャストには個性はもちろん、時に性別まで異なる俳優が配役されている(上記の順に、上白石萌音、三浦宏規、辻本知彦、妃海風、橋本さとし、朴ろ美)。別のキャストで観たら、きっとまた違った「千と千尋」の魅力が見えてくることだろう。その多彩さや可能性も含めてやはり、東宝の創立90周年を記念するにふさわしい超大作だ。取材・文:町田麻子舞台『千と千尋の神隠し』2022年3月29日(火)まで、帝国劇場にて。その後大阪(4月)、福岡(5月)、北海道(6月)、愛知(6・7月)にて上演※宮崎駿の「崎」は立つ崎(たつさき)、辻本知彦の「辻」はしんにょうの点が1つ、朴ろ美の「ろ」は王へんに路が正式表記。
2022年03月04日舞台『千と千尋の神隠し』の初日記念会見が3日に東京・帝国劇場で行われ、千尋役の橋本環奈、上白石萌音、湯婆婆/銭婆役の夏木マリ、朴ロ美(※ロは王偏に路)が登場。青蛙役のおばたのお兄さんがMCを務めた。同作は宮崎駿監督の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化作。少女・千尋(橋本環奈、上白石萌音 ※Wキャスト)が引っ越し先に向かう途中で八百万の神々の世界へ迷い込み、様々な出会いを経て、人間の世界に戻るため生きる力を呼び醒ましながら奮闘する。英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクタージョン・ケアードが翻案・演出を手掛け、2022年2月・3月の東京・帝国劇場を皮切りに、4月大阪、5月福岡、6月札幌、6月・7月名古屋と、4大都市でも上演される。2月28日、3月1日のプレビュー公演を終え、2日に初日を迎えた橋本・夏木と、会見後に初日を迎える上白石と朴。原作を手がけた鈴木敏夫プロデューサーからは「お世辞なしに本当におもしろかったです。とにかくジョンの演出とキャストの皆さんが素晴らしくて、原作へのリスペクトが感じられて嬉しかったです。印象的なシーンを言い出したらきりがありませんが、キャストが大勢が出てくるシーンはどのシーンも観ていて気持ちが高揚しましたし、千尋とカオナシが電車に乗って行くシーンは実は観るまで少し心配だったのですが、非常にうまくできていると感動しました。映画の公開から20年が経っていることを考えるとキャストの方々の中には当時まだ生まれたばかりだった方もいて、幼い頃に映画『千と千尋の神隠し』をご覧になっている方もいる。その経験が舞台の迫力に繋がっているような気がして感慨深いです。皆さんがんばってください!」というメッセージが届く。橋本は「安心します。認められたというのがすごく嬉しくて、『千と千尋の神隠し』が好きなみんながそろっているからこそ、鈴木さんにどう思われるか、ジョンもめちゃくちゃ心配してたと思うんです。これだけお褒めの言葉をいただけるとなると本当に嬉しいですね」と喜ぶ。上白石は「お稽古に入る前から何度映画を観たかわかりませんし、フィルムコミックや絵に励まされお手本にしながら稽古を進めてきて、作品の素晴らしさに助けられることもあれば壁に感じることもあって、本当にどきどきしていたので、鈴木さんにそう言っていただけて」と感極まる。「私がやった回をご覧になったわけじゃないんですけど、ほっとしています」と笑顔を見せた。鈴木プロデューサーとも交流の深い夏木は「自分の作品がどういう風に舞台化されるのか、正直不安だったんでしょうね。だけどジョンが私たち俳優の肉体を使ってあれだけ再現してくれたし、2度と同じ場面がないという素晴らしいセットなので、きっと楽しんでいただいて、メッセージをくださったんだと思います。『パーフェクト』と言ってくれたってジョンが言ってたよね。出演者にもその言葉が力になります」と述べる。28日のプレビュー初日について、朴は「ゲロ吐くかと思った」と苦笑しながら、「ゲネプロができなくて、そのままプレビュー初日で通しだったもので、本当に緊張したんだけど、夢中になってやってしまったという感じがあります」と振り返った。稽古での大変なことを聞かれると、おばたは「全部です」ときっぱり。橋本は「千尋は本当にステージにずっといるのと、ドジな一面があって転んだりするけど、怪我をしない転び方を研究するのが難しかった。実は身体能力めちゃくちゃ高いんです」と説明する。上白石は「運動量がはんぱなくて、『もう無理です』というところまで走らなきゃいけない。体を追い込む役」としみじみとし「はじめて通した日には、1.5kg落ちてました。いくら食べても太らない無双状態で楽しもうと思います」と語る。7月まで続く公演での健康対策を聞かれると、橋本は「特にやってないですけど、いたって健康です」と答え、上白石は「この人、ストレッチもしないんです。丸腰なの」と明かす。「アキレス腱は伸ばします」と言う橋本には、上白石が「ストレッチだけはして!」と懇願するなど、仲の良い様子。さらに夏木が「とにかく大変ですよ。終わったらケアにいく。東宝さんがマッサージさんを用意してくれてますから、朝やっていただく。そんな感じでやらないと続かないですね」と続ける。しかし夏木と同じ役の朴は「環奈ちゃんと一緒で……」と体のケアや喉のケアもしていないということで、「ギリギリが好きなんです。まったくしないです。ごめんね、ちゃんとやります」と謝る朴に、夏木が「自分のペースがあるからね」と声をかけていた。舞台写真提供:東宝演劇部
2022年03月04日東宝創立90周年を記念し、宮崎駿監督の国民的アニメを世界で初めて舞台化する「千と千尋の神隠し」(演出:ジョン・ケアード)の初日記念会見が3月3日、帝国劇場で行われた。会見には千尋役の橋本環奈と上白石萌音、湯婆婆/銭婆をWキャストで演じる夏木マリと朴ロ美、青蛙役のおばたのお兄さんが出席。一足先に初日公演を終えた橋本さんは「わたしにとって初めての舞台。やり遂げることができて良かった」と安どの表情を浮かべ、「これからどんどん成長し、もっといい舞台にしていければいいなと思っております」と決意を新たにしていた。一方、会見後に初日を迎える上白石さんは「気もそぞろです…」と緊張した面持ち。「大変な状況で、予定通りに初日を迎えられることを、うれしくありがたく思っております。劇場に足を運んでくださる方々の気持ちに応えられるように、日々楽しく、丁寧にやっていきたいと思っています」とこちらも気合い十分だった。苦労と問われると、橋本さんは「あり過ぎます!」と即答し、「千尋はステージにいない時間がめちゃくちゃ短いんです。ずっと(ステージ上に)いるんじゃないですか。裏では早替えで全然休めない(笑)」と目まぐるしい舞台裏を告白。また「千尋は結構ドジなところがあって、舞台で何度もこけたりするんですけど、実際にはケガしちゃいけないので、ケガしない転び方を研究しています。千尋、実は身体能力がめちゃくちゃ高いんです。(初日を終えて)足が痛いです」と千尋役ならではの過酷さを明かした。一方、上白石さんはマスク着用での稽古を「高地トレーニングみたいだった」と振り返り、「大変でしたが、(マスクなしで)舞台に立つと稽古場よりラクで、今ではマスクに感謝です」。また、初めての通し稽古を終えた後「1.5(キロ)落ちていました。始まる前から緊張で食べられなくて。いまはいくら食べても太らない“無双状態”なので、楽しもうと思っています」と驚きのエピソードを披露していた。会見では、すでに観劇を終えたスタジオジブリの鈴木敏夫氏からの絶賛コメントも紹介され、「本当に安心しますね。鈴木さんにどう思われるか、ジョンも心配していたと思うし、これだけお褒めの言葉をいただき、本当に認められたというのが、うれしいです」(橋本さん)、「映画に励まされながら、お手本にし、稽古を進めてきました。すばらしさに支えられることもあれば、壁に感じることもありましたが、鈴木さんにそう言っていただいて、ホッとしています」(上白石さん)と喜びを安どを胸に、7月まで続く公演の成功を祈っていた。舞台「千と千尋の神隠し」では、醍醐虎汰朗と三浦宏規がハク、菅原小春と辻本知彦がカオナシ、咲妃みゆと妃海風がリン/千尋の母を演じるほか、釜爺役の田口トモロヲと橋本さとし、兄役/千尋の父の2役を大澄賢也、父役の吉村直ら個性あふれる実力派が顔を揃えている。【スタジオジブリ 鈴木敏夫氏のコメント】お世辞なしに本当に面白かったです。とにかくジョンの演出と、キャストの皆さんがすばらしくて、原作へのリスペクトが感じられてうれしかったです。印象的なシーンを言い出したら、キリがありませんが、キャストが大勢出てくるシーンはどれも見ていて気持ちが高揚しましたし、千尋とカオナシが電車に乗っていくシーンは、実は見るまで少し心配だったのですが、非常にうまくできていると感動いたしました。映画の公開から20年が経っていることを考えると、キャストの方々の中には、当時まだ生まれたばかりの方もいて、幼い頃に映画『千と千尋の神隠し』をご覧になっている人もいる。その経験が舞台の迫力につながっているような気がして、感慨深いです。皆さん、頑張ってください。舞台「千と千尋の神隠し」は2022年3月2日(水)~29日(火)帝国劇場にて上演(プレビュー公演 2月28日・3月1日)。※大阪・福岡・札幌・名古屋公演あり。(text:cinemacafe.net)
2022年03月04日「鈴木敏夫とジブリ展」が、2022年7月1日(金)から9月7日(水)まで、東京・天王洲の寺田倉庫にて開催される。先駆けて、2022年4月23日(土)からは京都でも開催。スタジオジブリのプロデューサー、鈴木敏夫の軌跡を辿る「鈴木敏夫とジブリ展」は、高畑勲や宮崎駿の両監督とともに、 数々の名作を世に送り出してきたスタジオジブリ・プロデューサー、鈴木敏夫に焦点を当てる展覧会。2019年に東京・神田明神で開催され、好評を博したことから、長崎、京都を経て東京に3年ぶりに巡回。今回は、以前よりも展示品を大幅に増やし、バージョンアップした内容で開催される。実は映画『となりのトトロ』の制作発案者であったり、名作の題字を書いていたりと、様々な面で活躍してきた鈴木敏夫。スタジオジブリ設立の秘話や、『風の谷のナウシカ』から最新作『アーヤと魔女』まで、どのように作品に関わり、ヒットさせていったかを辿る。大ヒットを生むきっかけとなったポスターやコピーの制作過程など、貴重な資料も一堂に集結する貴重な機会となる。また、「かぐや姫の物語」の題字など、味わいある文字を書くことでも知られている鈴木敏夫による数々の書など、多彩な表現活動も紹介していく。鈴木敏夫に影響を与えた8,800冊の巨大本棚注目は、鈴木敏夫が子供時代から影響を受けた、様々な本や漫画8,800冊から成る圧巻の巨大本棚。名著の数々が、鈴木敏夫の思考術へどのように影響していったのかを探っていく。展示空間は“れんが屋”と呼ばれる鈴木敏夫の隠れ家をもとに構成されており、まるで“れんが屋”の中に迷い込んでしまったかのような雰囲気を楽しめる。『千と千尋の神隠し』油屋が東京限定で登場また、東京限定の展示も見逃せない。宮﨑駿による映画『千と千尋の神隠し』に迷い込んだかのような巨大空間「油屋別館(あぶらやべっかん)」では、全体に赤い提灯を吊るし、万の神様と一緒にゆったりと座って足の疲れを癒すことができる足湯「せんとうちひろ」を展開する。さらに、サイネージの前に立つとカオナシになった自分の姿が画面上に現れる「カオナシなりきりAR」や、7月20日(水)以降にスタートする「せんとうちひろAR」、京都展で人気を博した「湯婆婆と銭婆の“開運・恋愛”おみくじコーナー」も登場する。「トトロ」パッケージのクラブハリエ限定バームクーヘンも期間中、同会場にて、トトロを描いた限定パッケージのクラブハリエ(CLUB HARIE)のバームクーヘンが登場。徹底した素材選びと昔ながらの製法によって、“ふんわり”かつ“しっとり”とした深みのある味わいを楽しめる。お土産や、来場の記念としてもおすすめだ。尚、展覧会アンバサダーには、滝沢カレンが就任。音声ガイドは、講談師の六代目 神田伯山が担当する。【詳細】鈴木敏夫とジブリ展開催期間:2022年7月1日(金)~9月7日(水)会場:東京・天王洲 寺田倉庫 B&C HALL/E HALL住所:東京都品川区東品川2-1-3価格:・一般・大学生 1,800円、中・高校生 1,500円、小学生 1,100円・特典付きチケット 一般 2,600円、中・高校生 2,300円、小学生 1,900円※チケットはローチケ、日テレゼロチケで販売。※チケットは日時指定予約制、各回開始時間1時間後まで入場可、最終回のみ閉館の30分前が最終入場。※通常チケットに加え、特典付きチケットも発売。※フォトスポットなど撮影OKエリアは、土日・平日に関わらず撮影可能。※音声ガイド利用料:600円 特典冊子付問い合わせ先TEL:DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00~15:00)■巡回展・京都展会期:2022年4月23日(土)~6月19日(日)会場:京都文化博物館(京都府京都市中京区三条高倉)■クラブハリエ バームクーヘン「鈴木敏夫とジブリ展 限定パッケージ」価格:1,728円※1日180箱限定
2022年03月03日スタジオジブリの大ヒット映画『千と千尋の神隠し』が舞台化される。10歳の少女・千尋(橋本環奈・上白石萌音)が迷い込んだのは八百万の神々たちの世界。神様たちが疲れを癒す「湯屋」を舞台に、奇妙な世界で奮闘する千尋の姿を描いた冒険譚だ。今作で重要な役割を担うハクを、醍醐虎汰朗さんと三浦宏規さんがWキャストで演じる。神様たちが疲れを癒す「湯屋」が帝国劇場に姿を現す!?三浦宏規さん(以下、三浦):最初、『千と千尋~』を舞台化するって知ったときも衝撃でしたけど、オーディションでハク役に決まったと言われたときも、嬉しいけどどこか現実味がなくて。あまりに大きなプロジェクトすぎて…。醍醐虎汰朗さん(以下、醍醐):わかります。世界的に愛される作品ですからね。その一員になれるのは幸せだし、誇りでもあるので、プレッシャーに呑まれないよう、緊張を味方に変えていきたいです。三浦:ハクって、誰もが知ってるキャラクターですし、みなさんの中にいいイメージがあるでしょうから…。醍醐:カッコいいですしね。(演出の)ジョン(・ケアード)さんの考えはまだわからないですが、僕はハクのカッコ良さや儚さ、美しさみたいな部分にこだわりたいと思ってて。三浦:“儚さ男子”っていうのがいいですよね。色気も感じるし。今回はWキャストで一緒にアイデアを出し合える相手がいるのはありがたいです。ただ、これまではWキャストだとしても、自分が年下の現場が多かったから僕の方が年上っていうのがすごく新鮮な感じで…。醍醐:僕は、Wキャストって今回が初めてなんです。この前、声優の梶(裕貴)さんとお話しさせていただいたら、「Wキャストは戦う相手じゃなくて、助け合える相手だから楽しくできるよ」っておっしゃっていて。それで三浦さんにお会いしたら、すごく受け入れ態勢でいてくださったので安心したし、楽しみにもなりました。三浦:オーディションどうでした?僕の場合はアニメのセリフを読んだり、劇中の曲を使って1分半の振り付けを考えるという課題を出されて踊ったりもしたけど。醍醐:僕の場合は、事前に振り付けをいただいて期日までに動画を撮って見てもらったり、リモートでジョンさん相手にお芝居をしたりしました。でも、カメラ目線のままでずっとお芝居してくださいと言われて…。三浦:それは結構難しいな(笑)。醍醐:だから感情の内圧を必死にキープしながらやりました。三浦:出演者関係なく楽しみにしてるのは湯屋のセット。セットのミニチュアを見せてもらったんですが、これ本当に帝劇でやるの?って。醍醐:僕も見ました。細部までものすごく緻密ですごかったです。あれを生で観られるだけでも十分アトラクションって感じですよね。三浦:今回Wキャストだから、僕も客席で観られるんですよね。ジョンさんが、この作品をあえて舞台化する意味として「舞台だからこその新しいチャレンジを」っておっしゃっているんですけど、音楽とか照明とかあの世界観が目の前にリアルに立ち上がったらすごいことになるよね。醍醐:香りや衝撃、音のビリビリくる振動とか生で受けることで、よりのめり込める気がしています。東宝創立90周年記念作品舞台『千と千尋の神隠し』演出は、世界的大ヒットミュージカル『レ・ミゼラブル』初演の潤色・演出も手がけたジョン・ケアード。原作映画で湯婆婆・銭婆の声を務めた夏木マリが、同役で出演するのも話題。3月2日(水)~29日(火)2月28日(月)、3月1日(火)プレビュー公演あり。日比谷・帝国劇場原作/宮﨑駿演出/ジョン・ケアード出演/橋本環奈・上白石萌音、醍醐虎汰朗・三浦宏規、菅原小春・辻本知彦、咲妃みゆ・妃海風、田口トモロヲ・橋本さとし、夏木マリ・朴璐美(すべてWキャスト)ほかS 席1万4500円A席9500円B席5000円東宝テレザーブ TEL:03・3201・7777大阪、福岡、札幌、名古屋公演あり。右・だいご・こたろう2000年9 月1日生まれ、東京都出身。’17年より舞台『弱虫ペダル』に主演し注目される。’19年の映画『天気の子』で主人公の声を担当し話題に。近作に配信ドラマ『未来世紀SHIBUYA』など。パンツ¥40,700(AOI WANAKA TEL:03・6786・6855)その他はスタイリスト私物左・みうら・ひろき1999年3月24日生まれ、三重県出身。5歳より始めたバレエで注目を集め、俳優に転向後はミュージカル『刀剣乱舞』や『レ・ミゼラブル』などに出演。近作に主演ミュージカル『グリース』。※『anan』2022年3月2日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・MASAYA(醍醐さん)小田優士(三浦さん)ヘア&メイク・七絵(醍醐さん)AKi(三浦さん)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2022年02月28日高畑勲、宮崎駿両監督と共に、数々の名作を世に送り出してきたスタジオジブリ・プロデューサー、鈴木敏夫を通してスタジオジブリの秘密を知ることができる「鈴木敏夫とジブリ展」が東京で開催されることが決定した。2019年に東京・神田明神で開催され、好評を博した本展。長崎、京都を経て今回は東京・寺田倉庫で開催決定。展示品を大幅に増やし、内容をバージョンアップして3年ぶりに東京に帰ってくる。 スタジオジブリでの映画プロデューサーとしての足跡など、ジブリファン必見の展示はもちろんのこと、書をはじめとする多彩な活動も紹介。そして、2つの新たな展示として、鈴木敏夫を作った8,800冊の巨大本棚を公開。鈴木プロデューサーが子ども時代から影響を受けた様々な映画、本、漫画、音楽など。今回はその中から本と漫画にスポットを当て、名著の数々が鈴木氏の思考術へどうつながっていったのかを探る。圧巻の巨大本棚は、れんが屋と呼ばれる鈴木プロデューサーの隠れ家をもとに構成する。また、東京会場限定で『千と千尋の神隠し』の世界観を再現した大型空間が登場。同作に登場する湯屋「油屋」をモチーフにした大型空間となる。展覧会アンバサダーは、鈴木プロデューサーがファンだと公言する滝沢カレンが就任。「本当に幸せです。油屋で働けることになったくらい嬉しいです。貴重な役割を本当に、本当に、感謝いたします」とコメント。音声ガイドは、鈴木プロデューサーが交流を持ち、講談の上手さを絶賛する神田伯山が務め「ジブリの鈴木さんの背景には、エンターテイメントの大宇宙があります。 愛読されている本も展示されるようで楽しみです」とコメントを寄せている。「鈴木敏夫とジブリ展」は7月1日(金)~9月7日(水)、東京・天王洲 寺田倉庫B&C HALL/E HALLにて開催。(text:cinemacafe.net)
2022年02月28日映画『天気の子』で一躍注目を集め、2022年公演の舞台「千と千尋の神隠し」でハクを演じることでも話題の醍醐虎汰朗、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」や映像作品でも活躍する黒羽麻璃央が青春コメディ『野球部に花束を』に出演。監督は『ステップ』や『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』の飯塚健が務める。本作は、傑作野球マンガで話題を呼ぶクロマツテツロウの同名コミックの初の映画化。中学時代の野球部生活に別れを告げ、高校デビューを目指し茶髪に染めて入学した黒田鉄平。夢見たバラ色の高校生活は、うっかり野球部の見学に行ってしまい、入部することに…。主人公の黒田鉄平を演じるのは、『天気の子』の主人公・森嶋帆高役に2,000人の中からオーディションで選ばれ、映画・ドラマ・舞台、ミュージックビデオと多方面に活躍の場を広げているネクストブレイク筆頭の醍醐虎汰朗。醍醐虎汰朗チームメイトの桧垣主圭役には、ミュージカル「刀剣乱舞」「テニスの王子様」など2.5次元作品で注目を集め、近年はTVドラマ「SUITS/スーツ2」など活躍の場を広げ続けている黒羽麻璃央が演じる。合わせて解禁されたキャラビジュアルには、坊主姿でコミカルな表情をしている醍醐さんと黒羽さんの姿が収められている。黒羽麻璃央さらに、強面の野球部・原田監督には、映画やドラマでの怪演ぶり、バラエティ番組で見せるマニアックな一面が際立つ高嶋政宏が演じている。監督・脚本は『荒川アンダー ザ ブリッジ』で林遣都、『虹色デイズ』では佐野玲於、中川大志、横浜流星ら若手俳優を抜擢し、ブレイクのきっかけを作ってきた飯塚健。原作をコメディ・エンターテイメント作品に仕上げた。キャスト&監督&原作者からコメント到着醍醐虎汰朗(黒田鉄平役)コメント初めて実写映画の主演を務めることになり、楽しみな「ワクワク」と緊張で「ソワソワ」の感情を行ったり来たりしながら撮影初日を迎えました。高校野球部を題材にした作品ですが、野球は未経験だったのでまずは高校球児に近づきたくて、クランクインまで野球を1から教わりひたすら練習に励みました。また野球動画を観てイメージを膨らませていました。坊主にしたのは中学生以来だったので、何回鏡を見ても自分ではないみたいで、新鮮な気持ちで過ごしました。飯塚健監督は、撮影中にお芝居のことだけではなく、映画について沢山ご指導くださり、役者として活動するうえで大切なことをたくさん学びました。恩師のような存在でとても貴重で嬉しい出会いでした。先行きの見えない誰もが不安な時期に"面白い"ということにパラメーターを全振りして、笑顔溢れる作品に携わらさせて頂き、自分もたくさん元気をもらい幸せでした。楽しみにしていて下さい!!黒羽麻璃央(桧垣主圭役)コメント自分自身が愛してやまない野球。自分自身が怪我で出来なかった高校野球のお話ですから、これはもうお話を頂いた時からめちゃくちゃテンションあがりました。撮影期間も実際の部活のような感覚で過ごすことができましたし。飯塚監督も本当に部活の監督に見えるような瞬間があったり、体育会系の日々を過ごせたのがめちゃくちゃ楽しかったです。実際に泥だらけになりながらみんなで白球を追いかけたり、その時間はとても思い出になりました。作品の中では高校野球のあるあるネタが沢山組み込まれたり、決して天才達が集まった野球部では無く、高校球児のリアルをおもしろおかしく、時には熱く!この映画で感じることが出来ると思います。是非、映画館で楽しんでいただければと思います。よろしくお願い致します!高嶋政宏(原田監督役)コメントまず何より飯塚組参加です。荒川アンダー以来で、俳優ってね、同じ監督からまた呼ばれるのってむちゃくちゃ嬉しいもんなんですよ。それに監督の作品の“わ!それは思いつかなかった!”って言う演出に心酔してたので。撮影始まる前から自分なりに“この役は野球部の監督だから、とにもかくにもノックが出来ないといけない!待てよ…オレ!ノックなんてしたことなかったじゃん!”でパニックになりながらも、一番お世話になった現場の野球の先生をはじめ、自分の仲間そして偶然、体育会野球部だった僕のマネージャー、これも偶然、高校野球部のマネージャーだった、もうひとりの僕の女子マネージャーの協力を得て撮影初日に漕ぎ着けました!でも撮影って下手したら普通の野球部の練習より長くやるじゃないですか。もうヒジはおかしくなるわ、バットのグリップの変なとこ握っちゃって手のひら内出血するわで満身創痍。でも飯塚監督ですから計算されたカット割りと編集で、えっ?高嶋って野球やってるんだ!になってる事と思います。僕らの想いがいっぱい詰まった、この『野球部に花束を』を是非、ご覧ください!!!監督・飯塚健コメント大人になると、友だちが減る。や、友だちが減るのが、大人になるってことかも知れない。野球ではなく、「野球部」を撮りました。楽しいよりも苦しいを共にする、何でもかんでも連帯責任がモットーの、地獄の野球部です。余談ですが、原作者のクロマツ先生は大人になってからできた、貴重な友だちの一人でして。撮るものによってはその関係にヒビが入るだろうと思いましたが、骨折したら骨は強くなるというので、お借りしたその庭で日暮れまで遊ばせて頂きました。入部、大歓迎します。楽しいは、苦しいの先にしかありません。共に狂いましょう。野球部へようこそ。原作・クロマツテツロウ コメントこの作品を描いていた頃は、とにかく野球部時代の悲劇を全部ぶち撒けて、笑いに変えてやろう、その一心で原稿と向き合っていました。完結して5年後ー。映画化が決まり、飯塚健監督の手により、丸坊主集団に再び命が吹き込まれました。壮絶な撮影現場を見学させていただいて、思いました。自分はなんて理不尽で無慈悲な原作を描いてしまったんだと…。役者さん、本当にごめんなさいと…。同時に、『野球部に花束を』を飯塚健監督に撮ってもらえて、この作品は本当に幸せだなと撮影現場で思ったのを覚えています。この映画は、言うならば、私の苦しく辛かった野球人生の大団円です。笑って泣いて楽しんでいただけたら幸いです。令和よ、これが平成の怪物たちだ。『野球部に花束を』は秋、全国にて公開。※高嶋政宏の「高」は正しくは、はしごだか(text:cinemacafe.net)
2022年02月25日『となりのトトロ』や『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』など、子供から大人まで幅広く愛される長編アニメーションを数多く手掛けてきた、スタジオジブリの宮崎駿監督。2022年1月11日、そんな宮崎さんの作品を長年支えてきた、愛用の電動消しゴムが寿命を迎えてしまったとのことです。同製品は、既に廃盤となっているため、なるべく理想に近いものがないかと、スタジオジブリがTwitterにて呼びかけました。宮﨑さんが長年愛用していた理想の電動消しゴムがいってしまわれました……。もう廃盤とのこと。・電池式ではない。・ケーブル本体直差しではなく、台座で充電できる。なんとかならないものか……。どなたか、理想に近い電動消しゴムをご存知でしたら教えてください。 pic.twitter.com/8KmUiZvkor — スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 11, 2022 投稿に「フリマアプリで見つけた」や「修理業者を紹介できる」など、数多くのコメントが寄せられる中、ある企業もこれに反応。これだ。(昔のカタログ引っ張り出してきました) pic.twitter.com/U6XAzNdUiv — サクラクレパス【公式】 (@1921_SAKURA) January 11, 2022 スタジオジブリの呼びかけに反応したのは、文具メーカー、サクラクレパスのTwitterアカウントです。昔のカタログから、宮崎さんが愛用していた電動消しゴムを、特定することに成功します。そして…。あった…ありました!!ジブリさん!!!! #ジブリさんに届け pic.twitter.com/ZG0bwaMQ1S — サクラクレパス【公式】 (@1921_SAKURA) January 13, 2022 スタジオジブリの呼びかけから2日後、工場に赴いたサクラクレパスの担当者が同製品を発見!喜びのツイートをスタジオジブリに向けて発信しました。これにはスタジオジブリのスタッフ一同が驚き、宮崎さん自身も「ありがとうございます!」と大歓喜の様子。同製品は既に廃盤となっていることもあり、サクラクレパスからスタジオジブリへプレゼントされるとのこと。同年1月19日現在は、担当者同士でメールにてやり取りを進めているようです。1つの製品を巡るやり取りには、さまざまなコメントが集まりました。・いい物語を見させてもらったような、素敵な気持ちになれました。・ジブリさん、この話を映画化してクレパス!・やさしさに包まれてる…。Twitterってすごいなぁ。Twitterがつないだ、物語のような展開に、多くの人が心温まったようです。投稿全文はこちら宮﨑さんが長年愛用していた理想の電動消しゴムがいってしまわれました……。もう廃盤とのこと。・電池式ではない。・ケーブル本体直差しではなく、台座で充電できる。なんとかならないものか……。どなたか、理想に近い電動消しゴムをご存知でしたら教えてください。 pic.twitter.com/8KmUiZvkor — スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 11, 2022 これだ。(昔のカタログ引っ張り出してきました) pic.twitter.com/U6XAzNdUiv — サクラクレパス【公式】 (@1921_SAKURA) January 11, 2022 pic.twitter.com/9tzjIR39gq — スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 11, 2022 あった…ありました!!ジブリさん!!!! #ジブリさんに届け pic.twitter.com/ZG0bwaMQ1S — サクラクレパス【公式】 (@1921_SAKURA) January 13, 2022 な……なんと!スタッフ一同ビックリ&感激しております。倉庫までお運びくださったのですね………ありがとうございパス。宮﨑さんに報告したところ、「ありがとうございます!」とのことでしたので、ぜひ購入させてください。 pic.twitter.com/hNllU2hDNq — スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 13, 2022 長年、弊社商品をご愛用いただき、誠にありがとうございます!これからの作品作りに少しでもお役に立てるのならば光栄です。廃番商品でもありますし、これはサクラクレパスからのプレゼントとさせてください— サクラクレパス【公式】 (@1921_SAKURA) January 13, 2022 ご担当社様 とんでもありません…廃盤商品を購入させて頂けるだけでもありがたいことです。電動消しゴムはなくてはならない道具で、いつも現場では、電動消しゴムの音が響いています。御社infoメールに、スタジオジブリ担当者よりメールさせて頂きます。何卒宜しくお願い申し上げます— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 13, 2022 そうだったんですね。そんななくてはならない道具だったなんてとても嬉しいです。現場で電動消しゴムの音が鳴り響いている光景が目に浮かびます。(ほっこり)ご担当者さまからのご連絡お待ちしております — サクラクレパス【公式】 (@1921_SAKURA) January 13, 2022 ありがとうございパス— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 13, 2022 ジブリを見て育った私。幼いころ、魔女の宅急便のキキに憧れて母に無理を言って紺のワンピースを探してきてもらい、全身キキコーデで写真を撮ってもらった良き思い出があります。そして先週、千と千尋の神隠しを見て、舞台も観に行かなきゃと思っていた矢先。ツイッターやっていて本当によかったです— サクラクレパス【公式】 (@1921_SAKURA) January 14, 2022 pic.twitter.com/urCrF7G5Yy — スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 14, 2022 [文・構成/grape編集部]
2022年01月19日ロエベ(LOEWE)がスタジオジブリとのコラボレーション第2弾を発表。今回は、映画『千と千尋の神隠し』をテーマにしたカプセルコレクションを2022年1月7日(金)より発売する。ロエベ×スタジオジブリ『千と千尋の神隠し』カプセルコレクション『となりのトトロ』の世界観を表現した第1弾に続いて実現した、ロエベとスタジオジブリとのコラボレーション。第2弾では、宮崎駿が監督を手掛ける2001年のアニメーション映画『千と千尋の神隠し』をピックアップした。第75回アカデミー賞の長編アニメーション賞をはじめ数々の賞を受賞した、その名作の世界観を余すことなく表現すべく、今回のカプセルコレクションでは、作品に登場する数多くのキャラクターたちをフィーチャーしている。主人公の千尋はもちろん、なぞの少年ハク、湯屋を支配する魔女湯婆婆、カオナシ、坊ネズミとハエドリ、アオガエル、オオトリさま、ススワタリといったおなじみの面々が、ロエベのクラフツマンシップによって精緻にあしらわれた。ジャカード、プリント、アップリケ、パッチ、レザー、マルケトリー、刺繍など様々な素材と手法が駆使されている。バッグまず目を向けたいのは、「アマソナ バッグ」や「パズル バッグ」、「ハンモック バッグ」、「フラメンコ バッグ」といったロエベのアイコンバッグの数々。鮮やかなブルーの「アマソナ バッグ」にはハクと千尋を、ブラックの「ハンモック バッグ」には、カオナシを大胆に配した。「パズル バッグ」に描かれたススワタリの中には、ご飯の“金平糖”を手にしたススワタリもおり、映画のワンシーンを彷彿とさせる。スモールレザーグッズスモールレザーグッズも豊富なラインナップで登場。使い勝手のいい「スモール バーティカル ウォレット」や「トライフォールド ウォレット」は、ロエベのアナグラムロゴを施した上質なレザーをベースに、『千と千尋の神隠し』の魔法のような世界を表現している。その他、小物類にはストールやマフラー、ハットなどが登場。熟練の職人が手触りと立体的なフォルムにこだわったススワタリのポンポンは、見逃せないアイテムのひとつだ。ウェアウェア類も、レザージャケットからニット、カーディガン、プルオーバー、Tシャツ、キュロットまで幅広いラインナップだ。手の込んだディテールはロエベならではで、それはまさに“着られる映画”。特に目を引くのが、日本の古典的な技法である「ぼろ織り」にインスパイアされたウェア。繕った布と藍染めの切れ端をパッチワークする「ぼろ織り」と同様の手法で、かすりとアナグラムのジャカードを用いたインターシャのシャツなどが登場している。振り向く千尋が描かれた、映画のポスターを彷彿とさせるデザインはニットやパーカーも展開。また、ウェアは映画のワンシーンを切り取ったものも多数で、ハクが自分の名前を思い出したシーンをはじめ、「えんがちょ」をする坊ネズミとハエドリたち、銭婆のもとに向かう千尋たちを追いかけるカオナシなど、印象深いキャラクターたちのワンシーンが映し出されている。さらに、カジュアルに着られるTシャツは、アナグラムを運ぶススワタリや、2枚で物語が完成する銭婆とカオナシ、千尋についていく坊ネズミとハエドリなど豊富なデザインが用意されている。東京・原宿で限定ストアを開催発売を記念し、東京・原宿のアンノン原宿(UNKNOWN HARAJUKU)では、1月7日(金)から1月16日(日)まで限定ストアを実施。『千と千尋の神隠し』の世界観たっぷりの会場には、油屋を思わせる提灯が飾られ、赤い橋にはオオトリさまが――。作中で千尋とカオナシが乗る海原電鉄をモチーフにしたフォトスポットも設置される。なお、本限定ストアは完全予約制での入場となる。【詳細】ロエベ×スタジオジブリ『千と千尋の神隠し』カプセルコレクション発売日:2022年1月7日(金)価格例:AMAZONA 28 GIRL DRAGONBAG 531,300円PUZZLE BORO BAG 442,200円CHIHIRO SHIRT 218,900円HAMMOCK KAONASHI SMALLBAG 368,500円PUZZLE SUSUWATARI MINI BAG 311,300円TRIFOLD WALLET BÔ 83,600円HAKU JACQUARD FLEECEJACKET 297,000円BORO PATCHWORK OVERSHIRT 422,400円BÔ HOODIE 138,600円■限定ストア詳細期間:1月7日(金)~1月16日(日)場所:アンノン原宿住所:東京都渋谷区神宮前6-5-10・限定アイテムZENIBA T-SHIRT 77,000円ANAGRAM TOTE YUBABASMALL BAG 376,200円※完全予約制:
2022年01月09日2001年に公開され、20年経った2022年1月現在でも愛され続けているアニメ映画『千と千尋の神隠し』。同月7日には、映画番組『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で放送され、それに合わせてスタジオジブリがTwitter上で裏話などを公開し、話題となりました。『千と千尋の神隠し』カオナシの正体は…?ジブリが明かした内容に「深いな…」同日、アイシングクッキーなどでアート作品を自作しているホイップシュガー(@YuicihiroG)さんは、Twitterにシュガーアートの画像を投稿。『千と千尋の神隠し』に登場する『坊ネズミ』や『ハエドリ』『ススワタリ』を、砂糖で作製したそうです。千と千尋の神隠しの坊ネズミとハエドリ、そして大量のススワタリをお砂糖で作りました。角砂糖と比べるとこんなに小さいです pic.twitter.com/Nh6zxLogDG — ホイップシュガー2周年イベント開催中(YouTuber) (@YuicihiroG) January 7, 2022 再現度の高さもさることながら、驚くべきはその小ささ!角砂糖よりも小さなサイズで、見事に作られています。2枚目は、作中で主人公の千尋が『えんがちょ』をする様子を、坊ネズミたちが真似するシーンを再現。千尋の足跡まで再現された完成度の高さに、多くの人が驚いたようです。・信じられないくらいかわいい!・これがお砂糖…!?世の中にはすごい人がいるものだ。・昨日『金曜ロードショー』で見たばかりの、かわいいシーンがパッと頭に浮かびました。・かわいすぎてじっと見てた。また『千と千尋の神隠し』を見返したくなる。あまりにもかわいすぎて、使うことなくずっと飾っていたくなりますね!ホイップシュガーさんは、製作過程をYouTubeで公開しています。緻密な作業で作られていく過程を、ぜひご覧ください![文・構成/grape編集部]
2022年01月08日2022年1月7日、映画番組『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で、2001年7月に公開されたアニメ映画『千と千尋の神隠し』が放送されました。公開から20年経った現在でも、物語は色あせることなく「何度見ても泣いてしまう」「好きなシーンが多すぎる」と、多くの人を魅了し続けている作品です。『千と千尋の神隠し』裏話や豆知識にファン歓喜!地上波での放送に合わせ、『金曜ロードショー』では『千と千尋の神隠し』についての質問を募集。集まったさまざまな質問に対し、スタジオジブリがTwitter上で回答しました。中でも、反響の多かった質問と回答をご紹介します。釜爺が銭婆を恐れているのはなぜ?出典:スタジオジブリ物語の中盤で登場する、クモのようにたくさんの腕を駆使して働いている釜爺(かまじい)と、湯婆婆(ゆばーば)の双子の姉である銭婆(ぜにーば)についての質問です。Q:釜爺は銭婆のことを恐ろしいと言っていますが、劇中では優しいおばあさんです。釜爺はなぜ銭婆のことを恐ろしいと言ったのでしょうか?— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 7, 2022 作中では恐ろしい一面が見られなかった銭婆。この質問に対し、スタジオジブリはこのように回答しています。A:優しく見える人が、怒ると一番怖いのです。— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 7, 2022 「優しく見える人が怒ると一番怖い」という回答に、多くの人が「確かに」と納得したようです!カオナシは神様?出典:スタジオジブリ作品の中でも人気の高いキャラクターであるカオナシについても、質問が寄せられました。Q:カオナシは神様ですか?湯屋に入れてもらえなかった理由はありますか?— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 7, 2022 作中、千尋が働く油屋で大暴れしたカオナシの正体について、気になっていた人は多いようです。神様とも妖怪とも思えるカオナシは、一体何者なのか…。スタジオジブリはこのように回答しています。A:カオナシは神様ではありませんが、「みんなの中にカオナシはいる」と、当時宮﨑さんは発言しています。— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 7, 2022 この回答について、さまざまな声が寄せられました。・カオナシ、そうだったのか。ずっと何かの神様だと思っていた。なるほど、面白いな。・自分の存在を認めてくれる人をずっと探している。私の中にはカオナシがいるなと思います。・分かる。会計で「レジ袋をください」っていいたいのに「あ…あ…」ってなる。ちなみに、カオナシの声を担当したのは、俳優の中村彰男さんでした。スタジオジブリは「カオナシのアフレコ現場は、爆笑の連続だった」とも明かしています。カオナシのアフレコは爆笑の連続。「もっと悲しい『あっ』を下さい」「あっ…」「もっと悲しい『あっ』を」「あっ……」— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 7, 2022 作品制作中の裏話も出典:スタジオジブリスタジオジブリは、質問に回答するだけでなく、制作秘話も明かしました。湯婆婆と銭婆の声優を務めた、女優の夏木マリさんの演技力に、制作陣は度肝を抜かれたようです。夏木マリさんが、「千!」と叫んだ時に試写室の照明器具が共振して音が出たため、リテークになった事もありました。さすがの声量……! pic.twitter.com/f3BvxpsHUD — スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 7, 2022 声量で照明器具が揺れたという秘話に、「夏木マリさんは本当に別格」「すごすぎるでしょ」「伝説として語り継がなければ…」という驚きの声が寄せられています。また、同日スタジオジブリは、夏木マリさんからファンへのコメントも公開。 pic.twitter.com/VLCHqWyiC1 — スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) July 7, 2021 湯婆婆なのか、銭婆なのか…。いずれにしても、作品のファンなら誰しも、一気に気合が入るコメントですね!一番反響が大きかった回答は?出典:スタジオジブリ同日、スタジオジブリは寄せられた質問に対し、最終的に30個以上の回答を公開。中でも、一番反響を集めた質問と回答がこちらです。Q:千尋とハクはその後出会えたのでしょうか?— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 7, 2022 物語の重要人物である、ハク。千尋とハクは物語の最後、きっとまた会えると信じながら別れたのでした。作中で、2人のその後は描かれておらず、再会できたのかどうかは視聴者の想像に任されています。この質問に対する、スタジオジブリの回答がこちらです。A:ハクは千尋が元住んでいた家の近くを流れる川の主でした。千尋がその川を訪れることがあれば……。 pic.twitter.com/DDNvQIGsQy — スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 7, 2022 スタジオジブリが明らかにした、『千と千尋の神隠し』の裏話。制作秘話や豆知識を知ると、もう一度、作品を見直したくなりますね![文・構成/grape編集部]
2022年01月08日「ロエベ(LOEWE)」とスタジオジブリのコラボレーション第2弾が、1月7日(金)本日より発売スタートした。今回のコラボ第2弾では、映画『千と千尋の神隠し』をテーマにしたカプセルコレクションを発売。ロエベの卓越したクラフトマンシップと独創性により、数々の名キャラクターと作品の美しい自然風景が、ウェアやレザーアイテムに蘇る。作品に登場する数多くのキャラクターたちをフィーチャーした今回。千尋やハクをはじめ、湯婆婆、カオナシ、アオガエル、オオトリさま、坊ネズミやハエドリ、ススワタリに至るまで、ウェアやブランケット、スカーフ、さらにアマソナやパズル、ハンモック、フラメンコなどのレザーやキャンバスのバッグ、またはトートバッグやレザー小物などに登場。キャラクターは、ジャカード、プリント、アップリケ、パッチ、レザーマルケトリー、刺繍などで表現され、風景画は総柄のプリントに仕上げた。またススワタリは、ポンポンや房状のバッグに。さらに、「ぼろ織り」にインスパイアされたウェアやバッグも登場。また、Tシャツ、フード付きスウェットシャツ、カーディガン、オーバーサイズのジャンパー、キュロット、そしてデニムトラウザーやパフなどは、表面のテクスチャーを最大限に引き出すため、ゆったりとしたシルエットに。そんな「着られる映画化」にした今回のコレクションは、数量限定でオンラインと全国のロエベストアにて発売されている。さらにコレクションの発売を記念し、東京・原宿の古民家をリノベーションした空間で、『千と千尋の神隠し』の世界を再現した、完全予約制のポップアップストアを本日より10日間限定でオープン。作品の世界を堪能しながら、買い物を楽しむことができる。「LOEWEポップアップ in 原宿」は1月16日(日)まで限定オープン。(cinemacafe.net)
2022年01月07日俳優の桜田通、歌手・女優の松田ゆう姫、女優・モデルのモトーラ世理奈が6日、東京・UNKNOWN HARAJUKU(アンノン原宿)で行われた「LOEWEポップアップ in 原宿」メディア向け内覧会に出席した。ファッションブランド「LOEWE(ロエベ)」とスタジオジブリの2度目のコラボレーションとなる『千と千尋の神隠し』限定カプセルコレクションが、1月7日よりオンライン・店舗にて発売。千尋やハク、湯婆婆をはじめとするキャラクターと美しい作品世界がウエアやレザーアイテムに蘇る。発売を記念し、UNKNOWN HARAJUKUを『千と千尋の神隠し』の世界にリメイクしたポップアップストアが1月7日~16日の10日間限定で開催される(完全予約制)。桜田は、カオナシがデザインされたシャツとバッグ、松田は、オオトリ様デザインのフーディーを着用。モトーラは、千尋がデザインされたロングスリーブTシャツに、アオガエルがキュートなバッグをあわせて登場した。内覧会には、OWNCEAN(UNA+MATCHA)、Taiki&Noah、谷晃生、夏木マリ、眞栄田郷敦、マギー、ryuchell(りゅうちぇる)も出席した。
2022年01月06日モデルのマギーが6日、東京・UNKNOWN HARAJUKU(アンノン原宿)で行われた「LOEWEポップアップ in 原宿」メディア向け内覧会に出席した。ファッションブランド「LOEWE(ロエベ)」とスタジオジブリの2度目のコラボレーションとなる『千と千尋の神隠し』限定カプセルコレクションが、1月7日よりオンライン・店舗にて発売。千尋やハク、湯婆婆をはじめとするキャラクターと美しい作品世界がウエアやレザーアイテムに蘇る。発売を記念し、UNKNOWN HARAJUKUを『千と千尋の神隠し』の世界にリメイクしたポップアップストアが1月7日~16日の10日間限定で開催される(完全予約制)。マギーは、湯バードと坊ネズミがデザインされたセーターに、ススワタリのバッグをあわせたコーディネートを披露。シルバーのショートパンツからスラリとした美脚を披露し、抜群のスタイルが際立っていた。内覧会には、OWNCEAN(UNA+MATCHA)、桜田通、Taiki&Noah、谷晃生、夏木マリ、眞栄田郷敦、松田ゆう姫、モトーラ世理奈、ryuchell(りゅうちぇる)も出席した。
2022年01月06日サッカー日本代表GKの谷晃生選手(湘南ベルマーレ)が6日、東京・UNKNOWN HARAJUKU(アンノン原宿)で行われた「LOEWEポップアップ in 原宿」メディア向け内覧会に出席した。ファッションブランド「LOEWE(ロエベ)」とスタジオジブリの2度目のコラボレーションとなる『千と千尋の神隠し』限定カプセルコレクションが、1月7日よりオンライン・店舗にて発売。千尋やハク、湯婆婆をはじめとするキャラクターと美しい作品世界がウエアやレザーアイテムに蘇る。発売を記念し、UNKNOWN HARAJUKUを『千と千尋の神隠し』の世界にリメイクしたポップアップストアが1月7日~16日の10日間限定で開催される(完全予約制)。谷選手は、ススワタリが可愛らしい黒のシャツを身にまとい、笑顔でフォトセッションに対応。内覧会後、自身のインスタグラムを更新し、「ロエベ×千と千尋の神隠しすごい世界観でした!!」と感想をつづり、「ぜひ行ってみてください」と呼びかけた。この投稿に、フォロワーから「可愛すぎる」「ジブリが似合う男さすがです」「めっちゃかっこいいです!!」「めっちゃ似合ってる!」などと絶賛のコメントが寄せられている。内覧会には、OWNCEAN(UNA+MATCHA)、桜田通、Taiki&Noah、夏木マリ、眞栄田郷敦、マギー、松田ゆう姫、モトーラ世理奈、ryuchell(りゅうちぇる)も出席した。
2022年01月06日俳優の眞栄田郷敦が6日、東京・UNKNOWN HARAJUKU(アンノン原宿)で行われた「LOEWEポップアップ in 原宿」メディア向け内覧会に出席した。ファッションブランド「LOEWE(ロエベ)」とスタジオジブリの2度目のコラボレーションとなる『千と千尋の神隠し』限定カプセルコレクションが、1月7日よりオンライン・店舗にて発売。千尋やハク、湯婆婆をはじめとするキャラクターと美しい作品世界がウエアやレザーアイテムに蘇る。発売を記念し、UNKNOWN HARAJUKUを『千と千尋の神隠し』の世界にリメイクしたポップアップストアが1月7日~16日の10日間限定で開催される(完全予約制)。眞栄田は、千尋が描かれたシャツに、カオナシがデザインされた黒のジャケットを羽織ったコーディネートを披露。フォトセッションで、ジャケットのバックのカオナシが見えるように背中を向けて撮影に応じた。内覧会には、OWNCEAN(UNA+MATCHA)、桜田通、Taiki&Noah、谷晃生、夏木マリ、マギー、松田ゆう姫、ryuchell(りゅうちぇる)も出席した。
2022年01月06日連続テレビ小説『おかえりモネ』で、林業がさかんな登米の資産家であり、主人公・モネを支え導いていくサヤカさんを演じていた夏木マリさん。さっぱりとしたまっすぐな性格で、オシャレでカッコよく、優しく時に厳しく、それでも根底に愛情を感じさせるキャラクターは、まるで夏木さん自身のようにも。――来年、映画『千と千尋の神隠し』が舞台化されますが、なんとアニメ版オリジナルキャストである夏木さんが湯婆婆と銭婆を演じられると知って驚きました。出演を決められたのはどんな想いからだったのでしょうか。私、今とても声の仕事が好きなんですけれど、湯婆婆はその出発点で大切な役なので、舞台化するなら自分がやりたいという気持ちがありました。でもじつは今回、私もオーディションのようなものがあったんですよ。演出のジョン・ケアードとは、20数年前に出演したミュージカル『レ・ミゼラブル』以来ですから、今の私を見ておきたかったというのもあるんでしょうね。考えてみたら、私自身、大きな舞台に出演するのは10数年ぶりなんです。久しぶりの舞台が『千と千尋~』というのは、すごく素敵だなと思うし、やっぱりご縁があるんだなと思います。――映画制作時に、宮﨑駿監督から作品や役柄への想いを直接伺っていると思いますが、印象に残っていらっしゃることはありますか。出演が決まって、最初にジブリに伺ったときに、宮﨑さんが私の前で湯婆婆と銭婆を線画で描いて見せてくださって、そこで初めて双子の役だと知ったんですけれど。それが最初の出会いでした。そのときに描いてくださった線画は、今も大切に保管しています。――アフレコの現場では、監督から、湯婆婆を悪人ではなく一生懸命油屋を守るために働いているおばちゃんとしてやってくださいと言われたそうですね。当時は私もまだ若くて、最初は湯婆婆と銭婆を単純に悪と善でとらえていたんです。でも、人間って誰しもいい面と悪い面を持っていて、湯婆婆はただそれが顕著に出ているだけなんですよね。坊と接するときは本当に母性を見せるわけですし。そういう人間の本質が描かれた役だということは、後になってわかりましたけど。――湯婆婆と銭婆、見た目もですけれど声も変えずに演じていますが、あれも宮﨑さんの案ですか?じつは最初は銭婆は、ちょっとスレンダーな人だったんですって。でも私に描いてくださったときは見た目は同じでした。声を変えましょうか、と聞いたんですが、監督が同じでいいと。そのときは、二役やったのかわからないような感じで終わったんですが、完成した映画を拝見したら素晴らしかったし、そういうことだったのかなと今は理解しています。――舞台は久しぶりとのことですがここまで出演されなかったのは。たぶん…面白いと思える台本がなかったんでしょうね。私自身がチャームを感じられなかったというか。あとやっぱり、蜷川(幸雄)さんが亡くなられて、一緒にやりたい演出家がいなくなったことも大きいと思います。今回は、役柄自体がチャーミングですからね、やらせていただくしかないという感じです。――夏木さんが惹かれる作品とは、どういうものなんでしょうか。今これをやるべきかどうか、ということだと思います。たとえばそれがシェイクスピアだったとしても、今の時代にやるべきだと感じたら選ぶだろうし、どんなに有名な作品でも今じゃないなと思ったらやらない。それは世の中的な意味でもあるし、私自身がという意味でもあります。――『おかえりモネ』の出演の決め手はどこだったのでしょうか。プロデューサーが、これは循環の話だとおっしゃったんですね。雨が山に降って、その水が海に流れて、空に上ってまた山に還る。主人公のモネもまた、土地を巡回することで自分の生き方を発見していく。パンデミックで、みんなが自分を喪失しているときに放送する朝ドラとして意味があると思いました。東日本大震災から10年のタイミングでもありますし。ヒットするかどうかより、いい作品に出ることのほうが俳優として価値があると思いますので、やらせていただけてありがたかったです。――サヤカさんは、故郷を離れて登米で働くモネの親代わりという存在ですが、山間の地で自分らしくカッコよく生きていて、夏木さん自身と重ねて見てしまいました。私にはあんなに人を惹きつける魅力はないですよ。「いってらっしゃい」って送り出して「おかえり」って迎えられるキャパもないですし。――そんな…。逆に自分に似ていない役のほうが、演者としてはやりやすいんですよ。似ている役は無理(笑)。私はあんなに働き者じゃないし、あんなに母性もない。自分にないところがいっぱいあるから、気持ちよく役に飛べたんです。私の魂胆として、「まるで夏木さん本人みたいですね」と言っていただくのは狙い通りです。ただ、何も芝居してないとか言われると…それは俳優の目指すところでもありますが、ああだこうだといろいろ考えてやった結果なんですよと言いたくなっちゃいますけど(笑)。――似ているというのは、背筋を伸ばして自分の決めた道を歩んでいる姿勢というんでしょうか…夏木さん自身を見ていて、こんなふうにカッコよく歳を重ねていきたいと憧れる人は多いと思います。私はサヤカさんほど人間ができてないですし、ほんと情けない毎日を送っているんです。普段、年齢は記号だって言いながら、すぐ疲れちゃうし、諦めちゃうし(笑)。自分のことを死守するのに精一杯で、彼女のように人のことを後押ししたりできないです。体力的な面でもね。だからananの読者世代には今のうちにいろいろやっておいたほうがいいよ、とはお伝えしたいです。私は20代のときに怠けてたから…もうダメダメちゃんなんで。なつき・まり1973年に歌手としてデビューし、’80年代から演劇にも活動の場を広げ、ドラマや映画にも出演。’93年より自身が企画・演出・出演するパフォーマンス公演「印象派」をスタート。国内外で公演をおこなっており、2008年にはパフォーマンス集団・MNTを立ち上げ、活動継続中。今年出演した連続テレビ小説『おかえりモネ』も話題に。夏木さん出演の舞台『千と千尋の神隠し』は2022年3月より東京・帝国劇場を皮切りに、7月まで大阪、福岡、札幌、名古屋で上演。夏木さんはWキャストで湯婆婆/銭婆を演じる。演出は、ミュージカル『レ・ミゼラブル』日本初演の演出を手がけたジョン・ケアード。主人公の千尋は、橋本環奈と上白石萌音がWキャストで演じる。※『anan』2021年12月15日号より。写真・小笠原真紀ヘア・TAKU for CUTTERS(VOW‐VOW)メイク・SADA ITO(donna)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年12月11日橋本環奈と上白石萌音がWキャストで千尋を演じる舞台『千と千尋の神隠し』。千尋を陰で支えるハクには、映画『天気の子』の主人公・森嶋帆高の声で注目を集めた醍醐虎汰朗と、幼少期からバレエを経験してミュージカルで活躍している三浦宏規が選ばれた。このフレッシュな顔が、ジョン・ケアードによる名作の舞台化に、どんな色を与えるだろうか。オーディションは「少し手応えはあった」(醍醐)「落ちたなと思っていて・・・」(三浦)――おふたりはオーディションで出演が決まったそうですが、どんなオーディションだったのでしょうか。そして、合格を聞かれたときはいかがでしたか。醍醐僕はリモートでのオーディションで、パソコンの画面にジョンがいて、ハクの台詞の課題を演じました。「カメラから目を離さないでください」と言われていたので、それが難しかったです。ダンス課題の動画も送りましたね。僕はダンスが未経験だったので、時間をいただいて、振付師の方に付けていただいたものを猛練習して映像を撮りました。パソコンを介してではありましたけど、少し手応えはあったので、合格を聞いたときは、「やったぁ!」と嬉しく思いましたね。三浦僕はジョン・ケアードさんと対面のオーディションでした。その前に、僕がバレエをやっていたからか、ハクが龍になるところの1分半の振りを作ってくださいというオーダーがあって、音楽の素材をいただいて。「えっ、自分で作るんですか!?」と思いつつも出来ませんとは絶対言いたくなかったので、何とか作ってジョンの前で踊りました。ダンスは喜んでくださったんですけど、台詞を一度読んで、あとは、『リトルショップ・オブ・ホラーズ』をやったこととか雑談をしただけで、「OK.Thank you」ってあっさり終わったので落ちたなと思っていて(笑)。だから、合格したときはびっくりしました。自分が見せられるものは見せようと思って挑んだので、受かって本当に良かったです。――『千と千尋の神隠し』との最初の出会いと、改めて観た感想を教えてください。醍醐たぶん小学生くらいのときに初めて観たと思います。その頃僕は戦隊モノとか海外のアクション映画を観るのが好きだったんですけど、それとはまったく違う穏やかな雰囲気があったので、マイナスイオンを浴びたみたいにほっこりして、やさしい気分になりました。改めて観たときはハクを演じるかもしれないということがわかっていたので、ハクが走るときの腕の角度はこれくらいかとか、こんな感じで歩くのかとか、3次元で見せるなら間を取ってこのへんかなとか、研究材料として観てしまって。今はフラットに観るのはなかなか難しいかもしれないと思っています。三浦僕は何歳か覚えてないんですけど、小さい頃にテレビで放送されたのを観たのが最初だと思います。そのときは、不思議、不気味、怖いみたいな印象がけっこう強くて。最近見返したときも、「このシーン、怖いと思いながら観ていたな」と、その当時抱いていた感情を思い出したりしました。でも、怖いなと思いながらも最後まで観ていたということは、やっぱり引き込まれるものがあったんだろうなと思いますし。子どもの頃は自分が千尋だと思って、千尋と一緒に物語を進んでいっているような感覚で観ているから、何かあっても千尋みたいにあきらめずにやっていけば良いことがあるんだよっていうようなメッセージを受け取っていたのかもしれないなと思って。それと同時に、大人になって観たら、素晴らしさに改めて気付けるところもあったので、その名作の初の舞台化に出られる自分が誇らしいですし、名作に恥じないように頑張らないとなと思っています。2次元のマネではなく、生の身体から生まれるものを大切に――演じるハクの魅力はどこにありますか。また、現段階では、どんなふうに演じたいと思っていらっしゃるでしょうか。三浦ハクはまず人じゃなくて神様だっていうところが、演じるにあたっては一番難しいところだなと思うのですが、千尋を通して見たとき、やっぱりハクってすごく頼もしいし、すごく大きな存在だし、ハクを嫌いな人っていないと思うんですよね。だからこそ、千尋に対して「気安く触るな」とか「しゃべるな」って冷たく接した瞬間は、僕も「そんなこと言わないで」って思ってしまうし(笑)、そんな気持ちにさせるくらい魅力にあふれていると思うんです。ただ一方で、ハク自身の気持ちになってみると、もちろん見た目も美しく、龍になったときもカッコいいんですけど、その中に儚さも混在している気がして。千尋を小さい頃から知っていて元の世界に帰れるように助けるわけですけど、実は自分も帰れないんですよね。本当は自分も帰りたいと思いながら千尋を助けているんだと思うと切なくて。その儚さがハクの魅力につながっているのかなというふうに僕は思っています。醍醐三浦くんが今、僕の思っていることを全部しゃべってくれました(笑)。いや本当にほとんど同じなんですよね。やっぱりこの物語って千尋のフィルターを通して観るようにできているので、まず、千尋を助けてくれる存在であるというところが必然的にカッコいいですし。所作も、王道のカッコ良さがありますし。――原作がアニメということで言えば、おふたりとも2.5次元舞台への出演経験がおありなので、その経験が今回に活かされたりすると思われますか。三浦僕はそもそも、2.5次元でもほかの作品でも、形から入って外側を固めていく意識はあまりなくて、その役の中から作っていくことを大事にしようと思ってやっていて。作品のジャンルによって作り方を変えるということもあまりしないので。今回もこれまで通り、台本を読んで自分が受け取ったものをジョン・ケアードさんの前で提出していって。その作品と、その演出家さんに合った作り方をしていけたらなと思っています。もちろん原作の映画を勉強して参考にはしますけど、実際のナマのこの身体から生まれるものを大切にしたいですし。それが、2次元のものを3次元で表現することの面白さにつながるのではないかなと思っています。醍醐ひと言で2.5次元と言っても、たぶんアプローチの仕方は人によって違うと思うんですけど。僕も役作りにおいては三浦くんと似ているところがあって、よく「生きる」っていう言葉を使いますけど、2次元の真似をするのではなく、そこに体現させなければ意味がないとは思っています。ただ、それぞれのジャンルに合った、それぞれのお客様が求めるお芝居の仕方はあるとは思っています。でも、今回の『千と千尋の神隠し』に関しては、規模が大きすぎて、どこに焦点を絞ったらいいかまだよくわからなくて(笑)。なので稽古が始まったらとにかく、ジョンと話し合って一緒に作っていって。そこを信じて突き進んでいきたいと思います。龍になるところは身体表現が必要だと思うけれど・・・――醍醐さんは帝国劇場に初めて立たれますが、今どんなお気持ちですか。また三浦さんは『レ・ミゼラブル』で帝劇を経験されました。“魔物が住む”と言われたりもする劇場ですが、立ってみていかがでしたか。醍醐帝国劇場という名前は、この仕事をしている人だったらたぶん誰でも知っているので、そこに、しかも一発目で、『千と千尋の神隠し』という作品で立てるのは、役者として本当に幸せなことだと思います。でも、皆さんから脅されるので(笑)。「足がすくむぞ」って。三浦それ、俺がさっき言ったやつ(笑)。醍醐(笑)。だから、その怖さみたいなのは若干あります。それこそ本当に魔物が住んでいるのかもしれないですし、やってみないとわからないです。しっかり噛み締めながら立ちたいですし、伝統ある劇場に立つということが、いい具合にプレッシャーをかけてくれて心身ともに引き締まりそうなので、楽しみです。三浦僕はもう本当に足がすくみました。魔物にはまだ会ってないですけど(笑)、舞台の仕事をやればやるほどその偉大さを感じているので、どんどんすくんでいくんだろうなとも思っています。あと、お伝えしておきたいことがあるんです。帝劇といえば皆様ミュージカルのイメージが強くて、この『千と千尋の神隠し』もミュージカルだと思ってらっしゃる人が多いんですけど、僕らもまだはっきりわかってはいないものの、どうやらミュージカルではないみたいです。だから、また帝国劇場に立てるんだ、帝国劇場でミュージカルではないものをやれるんだという嬉しさがあります。舞台『千と千尋の神隠し』ビジュアル――ミュージカルではないけれども、オーディションで踊ったということは、ダンスはあるんですよね。おふたりの身体表現は、ファンの皆さんも期待されているかと思います。三浦いやーどうなるんでしょうね。ジョンが何を思い描いているのか、まだわかりません(笑)。醍醐踊るんですかね(笑)。三浦もちろん、ハクを表現するにあたって何かダンスみたいなものを取り入れたほうが伝わりやすいんだったら、精一杯やります。自分が得意だからやるとか、自分のスタイルでやるというのではなく、作品に上手くハマるように、ハクという役につなげられるようにやるのであれば、必要とされるのであれば、自分の得意なものを使いたいなと思います。醍醐ハクが龍になるところを表現するのであれば、やっぱり身体表現を取り入れるのが最善の方法なんだろうなと思いますよね。でも、何しろ僕、ダンス経験者じゃないので、ダンスシーンはなるべく少なくしてほしいなと祈るしかないです(笑)。オーディションのときも、2週間ぐらい、頼んでみっちり教えてもらってできたので、数をこなせばできるようになるとは思うんですけどね。居残り稽古をいっぱいしなきゃいけなくなりますね(笑)、頑張ります!――最後に、千尋を演じる、橋本環奈さんと上白石萌音さんの印象を教えてください。醍醐僕はおふたりとも面識があるんですが、ふたりとも存在感があって、中心にドンといてくれそうで頼りがいがあります。でも、僕もちょっとでも助けることができたらいいなと思っています。三浦僕はおふたりとも初めましてです。もちろんテレビなどでよく拝見させてもらっていますけど、ポスターのビジュアル写真を見たら、普段のイメージとまったく違っていて、「あー千尋だー!」という感じだったので。一緒にお稽古するのが楽しみです。取材・文:大内弓子撮影:川野結李歌ヘアメイク:[醍醐] 七絵 [三浦] AKiスタイリスト:[醍醐] MASAYA [三浦] 小田優士衣装協力:[醍醐]パンツ ¥40,700 (AOI WANAKA)その他スタイリスト私物公演情報舞台『千と千尋の神隠し』2022年3月2日(水)~2022年3月29日(火)※プレビュー公演2月28日(月)~3月1日(火)会場:東京・帝国劇場大阪(4月)、福岡(5月)、北海道(6月)、愛知(6・7月)でも上演予定
2021年12月11日宮﨑駿監督の不朽の名作『千と千尋の神隠し』が、『レ・ミゼラブル』など演劇史に残る名作を生み出してきたジョン・ケアードの翻案・演出によって、初めて舞台化される。主人公の千尋を演じるのは、今回が初舞台となる橋本環奈と、幅広く活躍し、放送中の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』も話題の上白石萌音。世界中で愛される作品を演じる心境はいかなるものなのか。興奮の中にも真摯に向き合おうとするふたりの役者魂が見えてくる。成長していく千尋と心を通わせて──原作の映画『千と千尋の神隠し』を最初に観たときの思い出と、舞台化にあたって改めてご覧になった感想を聞かせてください。橋本最初に観たのは小学校1年生くらいです。それが人生で初めて観た映画だったと思うんですけど、小学校1年生では感じたことのない、いろんな感情になったことを覚えています。怖いけど何度も観たくなる。惹きつけられる。そんな魅力のある映画でした。そして今改めて観ても、その圧倒される気持ちは変わらなくて。どの年代でも惹かれる魅力があるんだなと改めて感じました。上白石私が最初に観たのは、忘れもしない7歳のときでした。恐ろしいけど引き込まれるものを感じたんでしょうね、おいおいと泣きながら最後まで観ていたそうです(笑)。本当に一度観たら忘れられない夢みたいな世界で、スケールが大きいんですけど、でも、油屋で働いている人たちはあくまで淡々としていて、日常をあっさり生きているみたいなギャップがあって。そこが面白いところなのかなと、何度も観ているうちに思ってきました。舞台『千と千尋の神隠し』ビジュアル──その世界にいる千尋の魅力や、今回演じるにあたってポイントにしたいと思うのは、どんなところでしょうか。橋本千尋があの世界の中でどんどん進んで成長していく姿っていうのは、観ていて応援したくなるんですよね。カッコいいし、かわいいし、いろんな要素があるなと思います。ただ、その中でもまずは、すべてを新鮮に感じていくことが大事だと思うんです。私自身も初舞台で何もかもが初めてというところで、千尋の気持ちとつながるのかなと思うので、千尋と心を通わせて、成長できたらいいなと思っています。そして、観に来てくださっている方にも、千尋と一緒に油屋の世界に飛び込む気持ちになってもらえるように、応援してもらえるように、千尋として生きたいです。上白石油屋の人たちがあの壮大な世界の中であっさり生きているように、千尋も怖がったり不思議がったり勇気を出したりしながらも、どこかさっぱりしているところがあるんですよね。そこが子どもならではの潔さなのかなと思ったりしているんですけど。それから、勘が鋭くて運がいい。一歩踏み外したら奈落の底に落ちるような階段も無事に降りきるし、奇跡みたいな選択ができる。それも何も考えずに一生懸命できることをやっているがゆえの、子どもならでは強さかなと思うので、すべてのキーポイントは、千尋が10歳であるというところにある気がしていて。だから私も、あの世界の一つひとつに驚いたり、一つひとつを信じたりしながら、とにかくまっすぐ演じることができればいいなと思います。「10歳の時はケンカっ早い時期でした(笑)」(上白石)──おふたりは、どんな10歳でしたか。橋本9歳になったときにお仕事を始めたので、もうお仕事をしていましたね。上白石あの有名な写真は何歳なの?踊っていて髪がヒュンってなっている写真。橋本あれは14歳で、私は是枝裕和監督の『奇跡』で初めて映画に出たんですけど、そのオーディションを受けたのが10歳のときでした。上白石観に行きました!橋本ほんとですか!?あの映画は九州に新幹線が開通するときだったので、出演できたのがうれしかったのを覚えていますね(橋本は福岡県出身)。私はとにかくやんちゃな子で怖いもの知らずで、今も中身はあまり変わってないですけど(笑)、千尋は踏み出す勇気のある子なので、そこは似ているかなと思います。上白石私は10歳のときはメキシコに住んでいて、楽しい生き方を学んでいた時期でしたね。日本人学校に通っていたんですけど、同じ敷地内に現地校もあったので、一歩外に出たら現地の子どもたちがいて。当時はスペイン語も少しだけは話せていましたが、それ以上にわからなくても伝えたいみたいなガッツがすごくあって。人生の中で一番アクティブで気が強くてケンカっ早い時期でした(笑)。橋本ケンカするイメージがない(笑)。上白石すぐケンカしてたんです。正義感が強くて、例えばやんちゃな子がおとなしい女の子をからかったりしていたら、立ち上がって「人の気持ちがわからないの?」なんて言っちゃう、学級委員タイプでした。その後日本の中学校で思春期を迎えてすごく陰になったんですけど(笑)。あの頃は、勇気があって、私も何も怖くなくて無敵だと思っていたので、そういう意味では千尋と近いかもしれません。「不安もあるけどここで怖気づいてはいけないと(笑)」(橋本)──橋本さんは今回が初舞台です。舞台にはどういう思いを持っておられましたか。また、このタイミングで舞台に立つことになったのはなぜだったのか、教えてください。橋本これまでも、舞台というものが気持ちの中になかったわけではありませんでした。周りの役者さんで舞台に立っている人は、口を揃えて「舞台は楽しいよ。やったほうがいいよ」おっしゃいますから。しかもそう言っている顔がみんなイキイキしていて、それを見るたびにそんなに楽しいんだと思っていたんです。でも、観ている側としてはやっぱり、中途半端な気持ちで立てる場所ではないという思いが大きくて、そんなに簡単に「やりたい!」と言ってできるものではないんだろうと自戒するような気持でいたんですけど、そんなときにこの『千と千尋の神隠し』のお話をいただいて。これだけみんなから愛されている作品で千尋をやらせていただけるなんて光栄なことだし、こんな機会はないんだから、不安もありましたけど、ここで怖気づいてはけないと(笑)、挑戦しようと思ったんです。上白石舞台は楽しいよ(笑)。──上白石さんは、ジョン・ケアード演出のミュージカル『ナイツ・テイル─騎士物語─』をはじめ、舞台には数多く立っておられます。その「舞台は楽しい」という思いを、詳しく聞かせてください。上白石私は舞台が一番好きなんですけど、考える時間も悩む時間もいっぱいあるのがいいなと思っています。1行の台詞に何日も何日も悩めるなんて、こんなに贅沢なことはないなと。そうやって日々脚本に向き合うことで自分の足りない部分がわかったり、もっとこうしたいという欲が出てきたりもしますし。もちろん映像の瞬発力の楽しさもあるんですけど、舞台に出るたびにしっかり地に足が着く感覚があるんです。あと、毎日物語が始まって終わって、全部を生ききれるというのが好きです。しかも、同じ脚本で同じことをやっているのに一度も同じ舞台にならない。本当に生きている、お芝居をしているという感覚を毎日しびれるくらい味わえるのが、たまらなくて。たまにふっと我に返ったときに、なんでこんなに緊張することをしているんだろうと思うこともあるんですけど(笑)。でもやっぱり舞台は、小さいときから好きで、今も好きで、これからも一番好きだろうなと思っています。すべてのことを驚きと新鮮さを持って受け止められるように──初舞台の橋本さんには、楽しみなことや自分に期待したいことを、これまでも舞台に立ってこられた上白石さんには、この『千と千尋の神隠し』で自分の課題にしたいことを、教えていただければ。橋本まったく想像がつかないですけど(笑)、自分の新しい面を見つけられるのかなという気はしています。ひとつの役をこんなに長くやることも初めてですから、萌音ちゃんの言う悩める時間で、役を深く捉えていけたらなとも思いますし。ジョン・ケアードさんの演出も本当に楽しみです。『ナイツ・テイル』も拝見したんですけど、びっくり箱のようでした。盛り上がって感動するところもあれば、やさしい気持ちになって癒やされるところもあって、2時間とか3時間の間でいろんな感情が味わえて、本当に夢が詰まっているなと思いました。そんな場所で自分が千尋を演じられるなんて、楽しみしかないなと思っています。上白石私は、ジョンがよく言う「本当に初めてこの場で起きているように見せたい」という言葉が好きなんですけど、それってお芝居のすべてのような気がしていて。とくに千尋は、本当に初めての経験を重ねてちょっとずつ成長していくので、どれだけその場の空気や、起こっていることに素直に反応できるかがとても大切になってくると思うんです。大人の初めてと子どもの初めては違う気がしますし。本当にすべてのことに驚きと新鮮さを持って受け止められるように、やわらかくいられたらいいなと思っています。──映画を繰り返し観るなど、準備をしていることはありますか。橋本もちろん映画は繰り返し観ています。でも、自分がやるとわかりつつ、結局楽しんで観てしまっていて(笑)。だけど、そうやって映画を観て自分が感じていることを忘れないで、大事にしていくのがいいんだろうなとは思っています。上白石準備だと思って観始めても最後は普通に泣いちゃうんです(笑)。ただ、このとき千尋はどんな表情をしているんだろうとか、千尋の顔を観るようになってはいます。言ってしまえば答えは映画にあるので、そこは大事にしたいなと思って。あと、繰り返し観てわかったのが、千尋はめちゃくちゃ身体能力が高いということ。動くし走るし、転んだら必ず足がエビ反りみたいになって起き上がるし。身体もやわらかいんです。橋本確かに(笑)!上白石だから、どんな動きを求められてもできるように、ストレッチと筋トレはやっておこうと思っています。橋本うわー、過酷だなぁ(笑)。上白石そう。きっと過酷だよ(笑)。取材・文:大内弓子撮影:川野結李歌ヘアメイク:[橋本] 森本淳子(GON.) [上白石] 冨永朋子(allure)スタイリスト:[橋本]鈴江英夫(株式会社H)[上白石]嶋岡隆、北村梓(Office Shimarl)舞台『千と千尋の神隠し』2022年3月2日(水)~2022年3月29日(火)※プレビュー公演2月28日(月)~3月1日(火)会場:東京・帝国劇場大阪(4月)、福岡(5月)、北海道(6月)、愛知(6・7月)でも上演予定
2021年12月10日日本テレビ系「金曜ロードショー」新年最初は、2週連続スタジオジブリ作品を放送することが分かった。秋には、公園施設「ジブリパーク」のオープンも予定され、2022年も目が離せないスタジオジブリ。今回金曜ロードショーでは、“ジブリ初め”として1月7日に『千と千尋の神隠し』、翌週の14日には『紅の豚』を放送。2月からは、橋本環奈&上白石萌音のWキャストで千尋を演じる舞台も上演が予定され話題の『千と千尋の神隠し』。第75回アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞受賞、2002年ベルリン国際映画祭金熊賞受賞など、世界中で愛される宮崎駿監督の永遠の名作が、来年の金曜ロードショー最初に登場。そして翌週は、宮崎監督が自らを投影したキャラクターを主人公に、空を飛ぶことへのこだわりと思いを込めた『紅の豚』。来年は公開から30周年を迎える本作。先の見えない時代に自分の信じた道をゆく、豚になってしまったパイロットと、タイプの違う2人のヒロインが登場する、ロマン溢れる珠玉の名作だ。なお、今夜の金曜ロードショーは、劇場版の前日譚を描く「劇場版公開記念!『あなたの番です』完全新撮スペシャル!!」を放送。続いて、12月17日には地上波初放送となる『ボス・ベイビー』、12月24日には『ホーム・アローン』を放送する。金曜ロードショー『千と千尋の神隠し』は2022年1月7日(金)21時~日本テレビ系にて放送。金曜ロードショー『紅の豚』は2022年1月14日(金)21時~日本テレビ系にて放送。(cinemacafe.net)
2021年12月10日上橋菜穂子のベストセラー巨編をアニメ映画化、『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『君の名は。』の異才アニメーター・安藤雅司が監督デビューを果たす『鹿の王 ユナと約束の旅』。これまで新型コロナウィルスの感染状況を受けて、2度の公開延期を経てきた本作の新たな公開日が2022年2月4日(金)に決定。新予告編映像と新ビジュアルも解禁された。人類と謎の病の壮大な戦いを描いた本作。物語の主人公・謎の病の抗体を持つ孤独な戦士ヴァンに、意外にも声優初挑戦となる堤真一。もう一人の主人公・謎の病の治療法を探す天才医師ホッサルに竹内涼真。さらに抗体を持つ者を追う暗殺者サエを杏など、声優キャストには日本映画界を代表する豪華俳優陣が顔を揃えた。すでに世界最大規模のアニメーションの祭典「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」において長編部門のコンペティションに選出されるなど、日本映画界を長年支えてきたアニメーター・安藤雅司の初監督作品に海外からも注目が集まっている。解禁された新予告編では話題のシンガーソングライター「milet」が歌う主題歌「One Reason」にのせて、過酷な運命に抗って突き進んでいく登場人物たちが描かれている。謎の病を利用し、大国の裏でうごめく陰謀とは?抗体を持ってしまった血の繋がらない“父と娘”の運命とは?人と病の壮大な戦いを映し出すとともに、仲間のために命を懸けて戦う者たちのファンタジー大作を予感させる内容となっている。また、安藤監督が自ら、新たに描き下ろしたビジュアルにはこれまでも描いてきたヴァン、ホッサル、サエ、ユナに加えて、ホッサルの従者マコウカン、反乱を企てる戦士オーファン、そして本作の重要な存在である飛鹿(ピュイカ)が力強く描かれている。『鹿の王ユナと約束の旅』は2022年2月4日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:鹿の王ユナと約束の旅 2022年2月4日より全国にて公開©2021「鹿の王」製作委員会
2021年12月06日「初めて緊張というものを感じています。人生の大きな節目になると思います」11月9日、舞台『千と千尋の神隠し』製作発表会に登場した橋本環奈(22)。舞台初出演にして上白石萌音(23)とW主演を務める。いまやドラマや映画に引っ張りだこの橋本だが、今年7月、映画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ファイナル』会見で“引越し魔”の一面があると語っている。製作関係者は言う。「高校生時代に福岡から上京後はマネージャーさんと3年間、同居していました。念願の一人暮らしを始めてからは『時間があるとつい物件を見て、すぐ引っ越したくなっちゃう!』とすでに4~5回転居したと明かしています。実は、ついに“理想の家”に巡りあったようで昨年10月、都内の超高級マンションの一室を購入したんです。3億円相当の物件です」橋本は自宅へのこだわりが強いようで、8月に出演した映画『かぐや様~』プロモーション番組で、「マイルールみたいなものがすごく多くて。たとえばテレビのリモコンとかエアコンのリモコンとかを外に出さず、全部棚にしまいこんじゃうんです。ティッシュとかも。玄関に一足も靴置かない」と告白。彼女の自宅を訪れた共演女優・浅川梨奈(22)が「生活感がなさすぎてモデルルームみたい!」と打ち明ける一幕もあった。お気に入りの物件を今回ばかりは賃貸ではなく購入していた橋本。そこには着実な“将来設計”が!「幅広い世代に人気の橋本さんですが、テレビや映画の出演料は同世代の人気女優と大差ありません。ただ、段違いなのがCM出演料。昨年のCM起用社数は22社で、全タレント中、堂々の1位です。彼女のCM出演料は年間契約で1本2千500万~3千万円といわれています。単純計算でCMだけで年間5億円以上の収入になります」と、広告代理店関係者。もちろん全額が、彼女の懐ろに入るわけではないが……。「CM、ドラマ、映画の出演料などを含めると、昨年の年収は2億円に達するのではないでしょうか。彼女の安定した仕事ぶりなら大手金融機関の評価も高く相当なローンも組めるでしょうし、マンション購入は“無理のない買い物”だと思います」(前出・製作関係者)橋本といえば「お酒を飲まない日はない」と豪語するほど酒好きでも有名。“豪邸”購入の背景には、そんな気質も関係しているようだ。「橋本さんは飲み歩きが好きで、芸能界の友達が多い。一人暮らし開始時には飲み仲間のムロツヨシさんや小栗旬さんらから家電をプレゼントされたとか。12歳年上の長澤まさみさんからは人生相談されるほど信頼されているんです。コロナ禍以降は宅飲み派になった橋本さんも“それなら宅飲みの質を上げよう”と高級マンション購入に踏み切ったのではないでしょうか」(テレビ局関係者)快進撃が続く橋本だが、“引越し魔”はこれで卒業!?
2021年11月15日2022年2~3月に舞台化が決定している、スタジオジブリのアニメーション映画『千と千尋の神隠し』。2001年に映画が公開され、日本はもちろん世界中で今なお愛されている不朽の名作です。2021年11月9日には製作発表会が都内で行われ、千尋役の橋本環奈さんと上白石萌音さんら、主要キャストが出席。また、メインポスターも公開されました。本日、舞台『千と千尋の神隠し』の製作発表を実施いたしました✨会見の模様は、明日の「ZIP!」「スッキリ」「めざましテレビ」「グッド!モーニング」「THE TIME」ほか各メディアをご覧くださいませ2022年2月・3月、帝国劇場にて上演いたします!ご期待ください pic.twitter.com/gfwT3ocJBJ — 舞台『千と千尋の神隠し』 (@sentochihiro_st) November 9, 2021 舞台化にあたり、翻案と演出を手掛けるのは、ミュージカルの金字塔『レ・ミゼラブル』、『ナイツ・テイル』や『ダディ・ロング・レッグズ』など、数々の名作を生み出してきたジョン・ケアードさん。カオナシ役には、世界的ダンサーの菅原小春さんと、同じくダンサーの辻本知彦さん、また、湯婆婆役には俳優の夏木マリさんと声優としても活躍する朴璐美(ぱく・ろみ)さんなど、個性豊かなキャストが集結します。まだ稽古開始前ということもあり、期待が高まるばかりの舞台『千と千尋の神隠し』。東京・帝国劇場を皮切りに、4月に大阪・梅田芸術劇場、5月に福岡・博多座、6月に北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru、6~7月に愛知・御園座と順次、公演していきます。なお、東京公演のチケットの一般発売は、2021年12月18日からです。[文・構成/grape編集部]
2021年11月11日舞台『千と千尋の神隠し』の製作発表が9日に都内で行われ、ジョン・ケアード(翻案・演出)、スタジオジブリ 鈴木敏夫プロデューサー、千尋役 橋本環奈/上白石萌音、ハク役 醍醐虎汰朗/三浦宏規、カオナシ役 菅原小春/辻本知彦(※辻のシンニョウは点1つ)、リン/千尋の母役 咲妃みゆ/妃海風、釜爺役 田口トモロヲ/橋本さとし、湯婆婆/銭婆役 夏木マリ/朴ロ美(※ロは王偏に路)、兄役/千尋の父役 大澄賢也、今井麻緒子(共同翻案・演出補佐)、池田篤郎(東宝常務執行役員演劇担当)が登場した。同作は宮崎駿監督の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化作。少女・千尋(橋本環奈、上白石萌音※Wキャスト)が引っ越し先に向かう途中で八百万の神々の世界へ迷い込み、様々な出会いを経て、人間の世界に戻るため生きる力を呼び醒ましながら奮闘する。英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛ける。2022年2月・3月の東京・帝国劇場を皮切りに、4月大阪、5月福岡、6月札幌、6月・7月名古屋と、4大都市での上演も決定している。鈴木プロデューサーは「この作品は僕の小さなガールフレンドをモデルに作った映画だったんですよ。あれから20年、ちょっと感慨深いですよね」としみじみ。同作を舞台化するにあたって、宮崎監督とは「いやになるほど話した」と言い、「彼が最初に言ったのは『いいよ』って、簡単な一言だったんです。なぜかというと、『もう俺の手は離れたから。あんなに多くの人に支持されたから、もう俺のものではないです。みなさんのものだ』そんな感じでした」と明かす。さらに同作をケアードが演出することについて、鈴木プロデューサーは「『耳をすませば』という映画を作る時、実はヒントにしたのが、イギリスの方が撮ったドキュメンタリーで、日本の中学生を追いかけていたものだったんです。『イギリスの人が作るとこんなに面白くなるんだ』と。それを宮崎と2人で話したのを覚えてます。だから今回もジョンは間違いなく素晴らしい舞台を作ってくれると思います。宮崎も彼と話して、非常に意気投合してましたから」と信頼を寄せた。宮崎作品の大ファンだというケアードは、原作映画について「演劇的な作品だ、これは絶対舞台になると常々思って来た」と明かす。「鈴木さんと宮崎さんにお会いして。絶対にいいとは言ってくれないだろうなと思いながらお話をさせていただいたら、『いいよ、やって。どうやってやるの?』と言われて、『やらなきゃいけないんだ』といきなりパニックになっちゃった。でもとっても感謝をしております」という状況も振り返った。ケアードは宮崎作品を全て見て「『未来少年コナン』も素晴らしい。見てない人は見てください」とその場でアピールも。作品と宮崎監督について「知的な、高貴なものがテーマに含まれている。何回も繰り返し描く環境のことはものすごく重要だし、女性と男性の平等、子供の大切さ、人間と動物の間の平等も何回も繰り返していらっしゃる」と分析。「でも宮崎さんが1番天才だと思うことは、子供の心の中に入れること。80代でもまだ子供のように考えることができるという才能は、チャールズ・ディケンズ、アンデルセン、ルイス・キャロルといった素晴らしい人たちと並ぶくらいで、歴史に名を残す方だと思う」と大絶賛し、「久石譲さんも欠かせない存在。音楽的才能を豊かに持ち合わせて、彼も快く『音楽を使っていい』と言ってくださった」と感謝する。「ミーティングの時、敏夫さんが『いいことやって』、駿さんは『楽しんで』と。努力はしながらも『いいこと』の自信はないけど、『楽しい』ことは絶対に保証できると思います」と自信を見せた。また、東宝 演劇担当 池田常務は、世界初演を迎える同作について「世界各地にこの作品のファンの方がいらっしゃるので、そのファンの方にお届けしたいと、日本語以外に中国語、韓国語、英語、フランス語、韓国語のサイトを立ち上げたんですが、実に多くの海外のプロデューサーからこの作品についてご照会をいただきました」と語る。「もちろん作品をご覧いただいてということで、海外からたくさんのプロデューサーをゲストとしてお迎えすることができると思いますので、映画が世界を席巻したように、いずれかはどこかの国で上演されることを祈っております」と展望も。ケアードは「実現すれば素晴らしいと思います」と希望を見せつつ、「まずは日本でちゃんと上演するということ。この作品は宮崎さんの作品の中でも特に日本色が強い。台湾だったり他の国の要素も入ってると言われますけど、宮崎さんはNHKでやった神道と日本に伝わる神様のドキュメンタリーをご覧になったそうなんです。日本各地、八百万の神と呼ばれている伝統のドキュメンタリーをご覧になったというので、もしも海外に行ったら嬉しいことですけど、やっぱり日本的なものに対する敬意を払いたいと思っています。海外で成功するとしたら、『日本をリスペクトしているから海外の人が喜ぶ』という形にしたい。日本バージョンじゃないものを作るのではなく、日本を理解して『日本ってこういうものなんだ』と楽しめる作品として海外に持って行けたらいいなと思います」と真摯に語った。
2021年11月10日舞台「千と千尋の神隠し」製作発表が11月9日(火)、都内にて行われ、主人公・千尋のWキャストを務める橋本環奈と上白石萌音が出席した。この日、初解禁となるポスタービジュアルを前にたたずんだふたり。橋本さんが「“ああ、本当にやるんだな”って実感しました」と言うと、上白石さんも「後戻りできないところまできたんだな、いよいよ始まるんだな、という高揚の中にいます!」と武者震い、両者は微笑み合っていた。2001年の封切り以降、爆発的な大ヒットとなった宮崎駿監督によるアニメーション映画『千と千尋の神隠し』の世界初の舞台化となった本作。少女・千尋が引っ越し先に向かう途中、トンネルから八百万の神々の世界へ迷い込むところから始まる物語だ。人間の世界に戻るために様々な出会いを経て、生きる力を呼び醒ましながら奮闘する千尋の姿が見どころとなっている。本作が初舞台となる橋本さんは、「『千と千尋の神隠し』は世界中の皆さんに愛されている作品だと思うので、千尋を演じさせていただくのはすごく光栄です。初舞台になりますが、右も左も上も下も何もわからない状態なので、でもこれだけ周りの皆さんがいらっしゃるので、皆さんの背中を見て何でも吸収して真っすぐぶつかっていければ」と、力強く意気込んだ。ダブルキャストとなった上白石さんも、「大好きな映画で、演じることになっためぐり合わせをすごくうれしく、ありがたく感じています」と挨拶しながら、「出演が決まってからたくさんの知人から連絡をもらって“見たい、出たい”と(笑)。こんなにたくさん反応をいただいたことはなかった。プレッシャーをぬぐうことはできないので、心地よく感じながら、リスペクトと覚悟と責任を持ってしっかり演じます」と作品のスケールの大きさを正面から受け止めていた。映画版で湯婆婆/銭婆役を演じた夏木マリは、同役を続投。「声をやったのは20年前、20年後に実演を舞台でかなうとは思ってもみなかったので、とても楽しみです。舞台なので別ものとしてフレッシュに取り組みたいです。橋本さんと同じ気持ちでやりたい」と隣に座る橋本さんにチャーミングに語りかけ、橋本さんも笑顔で応じていた。ほか、製作発表にはジョン・ケアード(翻案・演出)、スタジオジブリ・鈴木敏夫プロデューサー、醍醐虎汰朗、三浦宏規、菅原小春、辻本知彦、咲妃みゆ、妃海風、田口トモロヲ、橋本さとし、朴ロ美、大澄賢也、今井麻緒子(共同翻案・演出補佐)、池田篤郎(東宝常務執行役員演劇担当)が登壇した。舞台「千と千尋の神隠し」は2022年2月より帝国劇場ほかにて上演。(cinamacafe.net)
2021年11月10日来年3月上演の舞台「千と千尋の神隠し」より、千尋役の橋本環奈と上白石萌音、それぞれが写るポスタービジュアルが到着した。千尋をはじめ、魅力的な登場人物たちが、湯屋と化した帝国劇場の舞台に立ち、観客を不思議の町へと誘う舞台「千と千尋の神隠し」。橋本さんと上白石さんのほかにも、醍醐虎汰朗と三浦宏規がハク、菅原小春と辻本知彦がカオナシ、咲妃みゆと妃海風がリン、夏木マリと朴ロ美が湯婆婆/銭婆をいずれもWキャストで演じる。今回到着したのは、橋本さんと上白石さん演じる千尋が写し出されたポスタービジュアル。橋本さんは、花々に囲まれ、湯屋の衣装と思われるものを身につけ、一方の上白石さんは、水の中に線路が敷かれた場所で佇み、映画後半のシーンを彷彿とさせる仕上がりとなっている。舞台「千と千尋の神隠し」は2022年3月2日(水)~29日(火)帝国劇場にて上演(プレビュー公演 2月28日・3月1日)。※ほか地方公演あり(cinemacafe.net)
2021年11月10日世界的ヒットを記録した宮﨑駿監督による同名アニメ映画(2001)を、『レ・ミゼラブル』『ナイツ・テイル』などで知られるジョン・ケアード翻案・演出により舞台化する『千と千尋の神隠し』。その製作発表が11月9日、都内ホテルにて行われ、ケアード、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー、千尋役の橋本環奈と上白石萌音ら主要キャスト13名が顔を揃えた。この日お披露目されたポスタービジュアルは、キャスト陣にとっても初めて目にするものだったようで、「本当にやるんだなという実感が生まれてきます」(橋本)、「いよいよ始まるなという高揚の中にいます」(上白石)と興奮の面持ち。鈴木は、舞台化の許諾を求められた際の宮﨑の最初の反応が「いいよ」のひとことだったというエピソードを明かした上で、「皆さん頑張ってください!」と朗らかにエールを贈った。製作発表で初公開された舞台『千と千尋の神隠し』ポスタービジュアルケアードは本作について、「とても演劇的な物語で、舞台作品になり得る」と常々思ってきたそう。舞台化にあたり、『未来少年コナン』にまでさかのぼって全宮﨑作品を観直したと言い、「子どもの心の中に入っていけるところが天才的。歴史に名を残すストーリーテラー」と宮﨑を称えた。具体的な演出構想として明かされたのは、久石譲による原作映画の音楽を『ナイツ・テイル』でも組んだブラッド・ハークが編曲すること、同じく『ナイツ・テイル』のジョン・ボウサーが舞台美術を手がけること、『ウォー・ホース~戦火の馬~』で知られるトビー・オリエによるパペットを使用すること、振付は日本の井手茂太が担当すること。「あんまり言うとネタバレになるから(笑)」と、それ以上は語らなかったが、ケアードならではの演劇的表現が満載の舞台になることは間違いなさそうだ。キャスト陣の主なコメントは以下の通り。まだ稽古開始前とあって、彼らも私たち観客同様、あのアニメならではのシーンの数々が舞台でどう表現されるのか、期待に胸を膨らませている最中であることが窺えた。千尋役(Wキャスト):橋本環奈千尋役(Wキャスト):上白石萌音◆千尋:橋本環奈「今まで緊張をしたことがなかったのですが、ここに立って初めて緊張を感じています。どうなるのか想像できませんが、何事も新鮮に、楽しく向かっていけたら」、上白石萌音「映画は7歳の時、おいおい泣きながら最後まで観た、心に刻まれている作品。プレッシャーを心地よく味方に感じながら、リスペクトと覚悟と責任を持って演じたい」。ハク役(Wキャスト):醍醐虎汰朗ハク役(Wキャスト):三浦宏規◆ハク:醍醐虎汰朗「何を喋るか家で考えてきたんですが、この場に立ったら全部忘れちゃいました! 皆さんの胸を借りながら、精一杯僕にできることをやって、役の味方になれれば」、三浦宏規「どういう舞台になっていくのか、僕自身ワクワクしています。竜をどうやって表現するんだろうとか(笑)、すごくすごく楽しみです」。◆カオナシ:菅原小春「カオナシという神秘的な生き物を、人間の最大限の身体表現を使って、毎日ナマモノとして届けたい」、辻本知彦「踊りは僕、とてもうまいんです(笑)。けれども、ダンスのうまさではなく、そこに哀愁を表現できたら」。◆リン/千尋の母:咲妃みゆ「幼少期からスタジオジブリ作品の大々々ファン。夢のように幸せで、興奮を抑えるのに必死です!」、妃海風「同じく興奮している状態です。この先たくさんの興奮が待ち受けているのかと思うとすごくワクワクします。頑張ります!」。◆釜爺:田口トモロヲ「歴史ある帝劇に出演する緊張、世界中にファンを持つ作品に出演する緊張、ジョン・ケアードさんの演出を受ける緊張。三つ巴の緊張を味方にして完走したい」、橋本さとし「本番までには何本か手を生やせるように頑張りたい。憑依型の役者なので、必ず生えてくると思います(笑)!」◆兄役/千尋の父:大澄賢也「ジョンはいつも穏やかで、誰に対しても平等に接して僕たちを導いてくれる。また一緒にものを作れることが光栄で楽しみです」。◆湯婆婆/銭婆:夏木マリ「声優を務めた映画から20年後に“実演”が叶うとは思ってもみませんでした。舞台はまた別物として、新人のつもりでフレッシュに取り組みたい」、朴璐美「オーディションの時、このジョンの目の奥にだったら飛び込んで行けると。共演者の皆さんの熱さに負けず、きっちり帝劇を油屋に変えていきたいと思います」。翻案・演出を手がけるジョン・ケアード。左は共同翻案の今井麻緒子“世界初演”と銘打たれていることもあり、質疑応答では海外で上演される可能性についての質問も。東宝の池田篤郎常務執行役員は、「既にブロードウェイやヨーロッパ・アジア各国のプロデューサーから興味を持っていただいている。いずれどこかの国で上演されることを祈っております」と意気込み、ケアードも「ほかの宮﨑作品と違い、この作品は非常に日本的。そこに敬意を払って作ったものが、結果として海外でも受け入れられたら素敵なこと」と前向きな姿勢を見せた。そして会見の最後には、司会進行を務めていた演劇・映画通で知られる笠井信輔アナからケアードに、「カオナシはどうやって表現するんですか!?」との直球質問が。するとケアードは、「僕が教えると思う?」とニヤリ――世界初演となるケアード版『千と千尋の神隠し』の全貌はやはり、2月に開幕する舞台で確かめるしかない!取材・文:町田麻子撮影:川野結李歌舞台『千と千尋の神隠し』2022年3月2日(水)~2022年3月29日(火)東京・帝国劇場プレビュー公演2月28日(月)~3月1日(火)4月 大阪・梅田芸術劇場メインホール5月 福岡・博多座6月 北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru6・7月 名古屋・御園座※辻本知彦の「辻」のしんにょうは点1つが正式表記
2021年11月10日元・中国武術の選手として数々の大会で優勝した経歴を持ち、現在はさまざまなアクション作品に出演している俳優・山本千尋さん。8月26日から「LINE NEWS」動画コンテンツ「VISON」にて配信された、縦型アクションムービー『EXTREME ACTION』で主演を務めている。本作で「俳優からアスリートの気持ちに戻った」と話す山本さん。『EXTREME ACTION』への意気込みや芝居・アクションにおけるスタンス、自身でアクションをこなすからこそ必要な準備などを伺った。ストイックな印象に包まれた山本さんの素顔をお届けする。『EXTREME ACTION』は初めての試みだらけーー『EXTREME ACTION』はドラマ仕立てのアクションコンテンツ、かつ縦型動画と新感覚の映像コンテンツです。山本さんご自身、「ワクワクした」とコメントされていましたね。ありがたいことにアクション作品に携わる機会が多いのですが、全編アクション・ドラマ仕立て・縦型コンテンツは初の試みでした。何事も「初めて」だとちょっと得した気分になると言いますか(笑)、すごくワクワクしたのを覚えています。ーー初めての試みに緊張することは……?撮影が始まる前は楽しみの方が勝っていましたが、撮影本番は緊張感のある中で挑みました。これまで経験したことのない縦型の画角に動きを収める難しかったです。加えて、アクションは何度もテイクを重ねられません。「絶対に決める」という空気の中での撮影は今思い返してもゾクッとします。ーー山本さん演じるユウナは「兄を殺された」というなかなかヘビーな役柄ですが、同時にアクションがメインなためセリフはほとんどありません。その中で、どのように役を表現しているのでしょうか?アクション作品の良さって、良くも悪くも10~20秒であらすじが説明できるくらいストーリーが物凄く単純なことだと思っています。それでもなぜアクション作品が面白いのかというと、それはアクションでお芝居を見せられるからではないかと。まさに『EXTREME ACTION』も同様で、台本はほとんどがト書きでした(笑)。けれど、セリフはなくともアクションで見せられる部分はたくさんあります。アクションで表現するため、楽しく準備をしていました。ーーちなみに、どんな準備を?今の自分のポテンシャルを最大限引き出すための努力、でしょうか。アクション作品をつくる時、基本的には「アクション部」というアクションのプロフェッショナルな方たちにアクションの組み立てや振り付けをお任せしています。そのアクション部のみなさんに準備段階から自分のポテンシャルをアピールする。そうすることで意見を言い合いながらつくり込むことができ、良いアクションがつくれると思っています。なので、撮影が始まる直前まで、毎日アクション稽古を重ねていました。特に『EXTREME ACTION』ではいろんなスタイルのアクションがあります。苦戦もしましたが、悩みながら稽古する時間は楽しくて仕方なかったですね。「役づくりはほとんどしない」柔軟性を軸にした演技論ーー『EXTREME ACTION』の撮影で大変だったこと・苦労したことはありますか?『EXTREME ACTION』に限らずどの撮影現場も大変ですが、大変だからこそ燃えてしまう部分があります(笑)。だから、現場でネガティブな感情を抱く瞬間はないですね。それはきっと自分一人ではなく、共演者のみなさん・スタッフのみなさんと一緒に作品をつくり上げているからだと思います。ーー「みなさんと一緒につくり上げる」ということは、あまり役もつくり込まずに撮影に臨んでいるのでしょうか?先ほどお話したようにある程度の準備はしますが、基本的に役づくりはしません。それぞれの現場で感じ取れる空気感、吸収できることは繊細に変わります。にもかかわらず、自分がつくり込んだプランを押し付けてしまうと、「そうじゃないんだよな……」となってしまうこともあると思っていて。現場によって感じ取れるものを都度吸収しながら役をつくり込むようにしています。『EXTREME ACTION』でもその意識は試みましたが、みなさんにちゃんと受け入れてもらえたかなぁ……と思っているところです(笑)。ーー「役をつくり込まない」という考え方は、俳優業を続けていく中で確立されていったのですか?そうですね、徐々に確立していきました。もともと中国武術の選手だったので、最初は練習すればするほど良いものができると思っていました。自分が「こうだ」と思った練習を貫き通していたため、お芝居でも同じように「こうだ」と徹底的に役づくりをしていました。けれど、撮影現場で共演者の方や監督さんや演出家さんが同じように思っていなかったり、「イメージと違うな」と思っていたりした時、自分がつくり上げた役の型から抜けられなくなってしまうんですね。それは周りにすごく迷惑がかかります。その経験から、あまり役づくりに熱中せず、最低限の準備をして撮影に臨もうと思うようになりました。ーー柔軟性を意識するようになったんですね。まさに。以前は本当に柔軟性がなかったので(笑)、ここ数年で柔軟性の大切さに気づきました。自分の準備してきた表現をしっかりアピールしながら、柔軟に現場で吸収したものをプラスアルファで表現できるか。今の私が大切にしていることです。ーー『EXTREME ACTION』の撮影現場はいかがでしたか?ちょっとアスリートに戻ったかもしれません(笑)。今回、パルクールアスリートのZENさんと共演したのですが、打ち合わせの際に「パルクールも中国武術も今こそ名前が浸透しているけれど、野球やサッカーなどのメジャースポーツほど名が知られているわけではないよね」という話しをしたんですね。その時、とあるスタッフさんが「パルクールは採点競技なんですよね?」と質問を投げかけたのですが、ZENさんは「今でこそ採点競技やパフォーマンスの印象が強いですが、それは後付けです。サバイバルの環境下で窮地に追いやられた際、どう対応するかを表現しています」とおっしゃって。そこで、私が忘れかけていた中国武術の本質を改めて思い出させてくれました。中国武術も戦いの中で生まれ、それがパフォーマンスとなり採点競技になっています。『EXTREME ACTION』も「戦い」のストーリーであるからこそ、私のアスリート魂を呼び起こしてくれたZENさんは貴重な存在でした。体力づくりは毎日最低2時間!?最近はボクシングも・・・ーーアクションをする上で身体づくりはかなり重要かと思いますが、山本さんがアクションを演じるために特に意識していることはありますか?アクションといっても作品によって「ガン・アクション」「カンフー・アクション」「ソード・アクション」などアクションの形式が違うため、身体づくりや準備の仕方も都度異なりますが……最低限必要な「体力」「集中力」「忍耐力」は身につけようと思っています。撮影中に「ごめんなさい、体力的に厳しいです」と言うことは一番カッコ悪いと思っているので、どんなアクションでも耐え得るための最低限の準備は今後も続けていくつもりです。ーー1日のうちどれくらいの時間、体力づくりに励んでいるのでしょうか?時間は決めていませんが、2時間くらいは筋トレやストレッチなどをしているかもしれません。また最近、ボクシングを趣味で始めたので、時間がある時には筋トレ・ストレッチに加え、ボクシングでリフレッシュしています。なので、恥ずかしいくらいムキムキなんですよ(笑)。ーーすごくストイック……。いやいや!私にとって運動をすることがリラックスに繋がっているんですよ。運動すると頭がリフレッシュされますしね。ありがたいことにお仕事(アクション)がリフレッシュに繋がっているという(笑)。とはいえ、のんびりしたい時は好きな映画を見ますよ!美味しいご飯を食べて、ある程度の運動をして、「いい汗かいて気持ち良かった!」と思えることが何よりも幸せなんですよね。自分ではストイックではないと思っています(笑)。「いつまでも課題があるからアクションは面白い」ーー多くの俳優さんはスタントマンの方とともにアクションを演じますが、山本さんはスタントマンを使わずにご自身でアクションをされることが多いと思います。そこについてメリットを感じることはありますか?メリットだとは全く思っていないです。何でもかんでも自分でやることが正解ではないと感じています。アクション部と役者の使い分けというのは、単純にいい画を撮るためバランスなんですよね。アクション部の方のパーフェクトな動きだとあまり役柄が見えてこない場合もあるので、役者がアクションをやった方が自然なカットもあります。一方で技術を優先した方が良い、役者では対応できない動きをプロフェッショナルなアクション部の方たちにお任せする。ただそれだけのことだと思います。私自身よく「スタントマンを使わずにほとんどのアクションを自分でしているのはすごい」と言っていただけるのですが、特にすごいことだとは思っていなくて。いい画を撮るために最低限自分のできることをしている感覚なんですよ。私もできないことはプロフェッショナルな方々にお任せしているので、変わらないような気がしています。ーードラマ『着飾る恋には理由があって』のように、アクションをしない作品にも出演されています。役を演じることとアクションをすることを同時にやる時とアクションをせず役を演じるのみの時の心持ちや意識も、それほど変わらないのでしょうか?基本はどちらも同じです。アクションがあったとしてもなかったとしても線引きはせず、いただいた役に感謝して一つひとつ丁寧に乗り越えていくのに必死です。ただ私の性格上、演じる役柄を自分の型にはめて練習してしまいがちなので、準備の段階からできる限りコミュニケーションを取ろうと意識しています。スポーツ選手時代は文章を読む習慣がなかったため、今やっと台本を読んで役への理解を深めたり気持ちを読み解いたりすることが楽しくなってきました。同時に読めば読むほど理解が正しいのかが分からなくなってくるんですよ。分からないことを撮影本番まで持ち込んで、周りのスタッフ・キャストのみなさんが手を差し伸べてくれるのを待つのではなく、準備の段階で自分の理解が合っているのかも含め、聞きに行くことが大切だなと思っています。ーーさまざまなアクション作品に出演されている山本さん。最後に、アクションの楽しさ・面白さを教えてください。難しいことが面白いですね。私、「自分はアクションができる人間だ!」と思ったことは一度もなくて、いつもアクションって難しいなと思いながら臨んでいます。同時にアクションはどんなに練習してもし足りないからこそ面白くてたまらないという気持ちがあって。スポーツと異なり、アクションには優勝や一位がありません。天井がないことこそアクションは面白いんです。いつまでも課題があるからこそ、『EXTREME ACTION』のような作品に臨む時は毎回悩むけれど、その悩みすら自分にとって楽しくて仕方がないと思っています(笑)。ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント山本千尋さんのサイン入りポラを2名様に!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!(クレジット)撮影/友野雄、取材・文/阿部裕華
2021年10月15日橋本環奈・上白石萌音がWキャストで主演を務める舞台『千と千尋の神隠し』の第3弾キャストが13日、明らかになった。同作は宮崎駿監督の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化作。少女・千尋(橋本環奈、上白石萌音※Wキャスト)が引っ越し先に向かう途中で八百万の神々の世界へ迷い込み、様々な出会いを経て、人間の世界に戻るため生きる力を呼び醒ましながら奮闘する。英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛ける。今回第3弾キャストとして、兄役・千尋の父を大澄賢也、父役を吉村直、青蛙をおばたのお兄さんが演じることが明らかに。ほか23名(阿部真理亜、新井海人、五十嵐結也、桜雪陽子、大重わたる、折井理子、可知寛子、香月彩里、城俊彦、末冨真由、田川景一、竹廣隼人、知念紗耶、手代木花野、中上綾女、花島令、松之木天辺、水野栄治、武者真由、保野優奈、八尋雪綺、YAMATO、山野光)のキャストと、国内外から集結したクリエイティブスタッフも発表された。2022年は、東宝創立90周年の年でもあり、2月・3月の帝国劇場(2022年3月2日〜29日 ※プレビュー公演 2月28日・3月1日)を皮切りに、4月大阪、5月福岡、6月札幌、6月・7月名古屋と、4大地方都市の上演劇場も決定している。○大澄賢也 コメント世界初演・宮﨑駿監督の不朽の名作・John Caird演出の舞台「千と千尋の神隠し」に出演させて頂きます。ナイツテイルに引き続きJohnの演出で、本当に素晴らしいキャスト、スタッフの方々と共にこの作品に携り作る喜び、興奮は、言葉では言い表わせません。演劇の神に感謝です。どうぞ宜しくお願い致します。○吉村直 コメント「世界的な成功へ」ジョンとまた舞台を創れる! これ以上の喜びがあろうか!彼の創る舞台はとにかくステージに立つ役者達に命をくれる! それはスタッフに対しても同じだ!作り手のみんなが、観に来て下さった皆さんに、時間と空間を思う存分楽しんで頂くことに喜びを覚えるのだ!こんな時だからこそ、生きる素晴らしさを舞台と客席とで感じあいたい! 楽しもう!○おばたのお兄さん コメントジブリ作品に魅了され、ジブリ作品を観て大人になりました。その中でも『千と千尋の神隠し』は僕が一番大好きな作品です。その作品に携われるなんて本当に夢のようです。全身全霊、青蛙になりきります!(C)2001StudioGhibli・NDDTM
2021年10月13日