碁盤に白と黒の碁石を置き、囲った陣地の広さを争う競技、「囲碁」。「囲碁は思考力や集中力、判断力を養うのにいい…」なんて耳にすることはあっても、「ルールが複雑で難しそう…」というイメージから、気軽に始めるには敷居の高さを感じる方も多いかもしれませんね。しかし、そんな囲碁の難解なイメージを一新し、その魅力と面白さを子どもたちにわかりやすく伝えてくれるのが、現役の囲碁棋士によって手がけられた絵本 『いごってなあに?』 (ぶんしん社)。本書は、女流棋士、 小林泉美六段 が内容を、そしてウーマンエキサイトでもおなじみのコミックライター 荻並トシコさん が作画を担当し、さらに小林六段の夫であり現「名人」の 張栩(ちょう う)九段 の全面協力のもと制作された1冊です!ママ友同士である小林六段と荻並トシコさんの何気ない会話から生まれたという本書の内容ともに、母親の立場から語られる、親子で楽しむ囲碁の魅力についてを紹介します。■ママ友同士のつながりが生んだ! 「いごってなあに?」誕生秘話コミックライターである荻並さんが、そもそもなぜ囲碁棋士である小林六段と本書を手がけるに至ったのか?その答えの根本には、荻並さんより先に囲碁にハマっていた息子さんの存在があったといいます。息子さんと一緒に、囲碁を覚えようとしていた荻並さんですが、初歩のルールを覚えるのに、やはりそれなりに苦戦をしたそう。しかし、一度ルールを理解してしまえば「なーんだ、そんなことか」「あ、なるほど、面白いかも!!」と最終的には、囲碁の持つ奥深さに魅力を感じたと言います。そんなエピソードをご近所のママ友である小林六段に話してみたところ、「絵本とか、わらべ歌とか…自然に囲碁が分かるツールが何かあったらいいね」という話になり、このやりとりが本書誕生のきっかけに!お互いに育児と仕事の隙間時間を見つけて3年近くやりとりをしていくうちに、ちょっとずつ絵本として形になり、ようやく完成したのが本書「いごってなあに?」なのです。■3歳から楽しめる! 囲碁の面白さに触れられる絵本の世界イラストや漫画を用いて囲碁の魅力やルールをわかりやすく伝えてくれる本書の魅力のひとつといえば、荻並さんが描くゆるくてかわいい猫のイラスト。囲碁のルールがまだ理解できない小さなお子さんであっても、猫たちの愛らしい姿に心奪われ、ページを開くのがワクワクするような1冊に仕上がっています。さらに猫をモチーフに碁石を描くという表現方法は、囲碁が持つ堅いイメージを一新し、囲碁の世界をより親しみやすいものに感じさせてくれます!この碁石を猫で表現するというアイデアは、そもそも小林六段から生まれたもので、絵本の主人公であるシマシマの猫ちゃんも、実際に小林六段が飼っていた猫をモデルに描かれたものなのだそう。温もりを感じるイラストに添えられた文章も軽快でリズムよく、まるで歌うように楽しく読み聞かせができるのもポイントです!■ルールをわかりやすく解説! 子どもの“面白そう”を引き出す本書には、囲碁の基本を子どもたちによりわかりやすく伝えられるよう、囲碁の道具のイラストやルールを解説した4コマ漫画が収録されています。さまざまな碁盤の種類や黒白それぞれの碁石の数、碁盤のつくりなど、道具の基礎知識を身につけることができたり…囲碁の基本ルールを解説する四コマ漫画では、囲碁の基本的な考え方から碁石の置き方などのルールを猫ならではの目線を織り交ぜながら、楽しくわかりやすく解説してくれます。子どもの時から本書で囲碁に触れることで、「難しそう」という囲碁のイメージにとらわれず、「これなら僕も私もやってみたい!」と囲碁に対するポジティブな気持ちを引き出せるのも魅力の一つと言えるでしょう。■親として完璧でなくていい! 囲碁を通して学んだ親子関係先に囲碁にハマっていた息子さんの影響で、自身も囲碁に興味を持った荻並さん。今回、親子で楽しむ囲碁の魅力を聞いてみたところ、そこには親子関係を見直す考え方のヒントがあったと言います。そのきっかけとなったのが、囲碁をともに楽しむことで「親と子という縦のつながりだけではなく、同じ競技を楽しむ横のつながりができたこと」でした。子育て中、つい子どもに対して上から目線の接し方になってしまいがちななかで、囲碁を通して「これはどうすればいいのだろう?」と子どもと同じ目線、同じ立場に立って一緒に考える機会が持てるようになったことが大きかったと言います。そして囲碁という新しい体験を通して、萩並さんも「自分もまだまだ伸びしろがあるなぁ」と感じられ、「これから学んでいけばいいんだ、親として完成品の完璧な人間ではなくてもいい」と、子育てに対しても気持ちの余裕が持てるようになったのだそう。親子で囲碁を学ぶことは、ある意味子ども自身の成長だけでなく、親自身も不完全な自分を認めながらも、人としての成長を楽しめる貴重な機会になるのかもしれませんね!■作画担当 荻並トシコさんのスペシャルメッセージ!最後に「いごってなあに?」の作画を担当された荻並トシコさんから本書に込めた想いをお伺いしました!最初はよくわからないけど、1度覚えれば面白くて、一生使える囲碁!私がふだん連載している育児漫画とは少し違うジャンルですが、囲碁を知らない子どもたちにも興味を持ってもらい、囲碁のルールを知ってもらえるよう、育児の経験を生かしながらエネルギーを注ぎました!囲碁は、考える力を養う教材とも言われていますので、大人から子どもまで幅広い世代に親しんでもらいたいと考えています。ぜひご一読いただき、囲碁の世界の入り口に立つきっかけにしていただけたらうれしいです!<絵本『いごってなあに?』出版記念イベント>本書の出版を記念し、作者の小林泉美六段を講師に迎え、囲碁未経験の小学生と保護者の方向けの体験イベント「夏休み!プロに学ぶ楽しい囲碁 〜考える力を身につけよう!〜」が開催がされます! 詳細は コチラ 日時:8月4日(日)10:00〜12:00会場: 三鷹ネットワーク大学 対象及び定員:囲碁未経験の小学生とその保護者30組(先着制)受講料:2,500円(絵本『いごってなあに?』1冊付き)※お申込み1 組「お子さま1 名+保護者1 名」での価格です 『いごってなあに?』 作:小林泉美 画:荻並トシコ 協力:張 栩(ぶんしん出版)1,400円(税抜) 思考力、集中力、記憶力、忍耐力、大局観などを養うのに最適な囲碁の魅力を子どもたちに伝える一冊! ネコをモチーフにした碁石が、つながったり、かこんだり、とられたり…囲碁のルールをかわいらしいイラストでわかりやすく解説。親子で楽しめる囲碁入門者にぴったりの絵本です。
2019年07月30日夫の趣味で、わが家には以前から囲碁セットがあります。幼稚園のころ、少しだけ碁石で遊んでいた時期がある息子。ただ、私がルールを教えられるほど詳しくないので、しばらくしまい込んでいました。でも、日曜の囲碁番組を見ているうちに最近、また囲碁に興味を持ち始めたんです。せっかくなので、ときどき囲碁クラブに行っています(習いごとのように定期的に通っているのではなく、行きたいときにたまに行く程度です)。■子どもは、勝負ごとに本気でしかけてくる遊んでいるのは通常より目の数が少ない13路盤です。ルールがあやふやなので手探りで打つ私に対し、「打たなきゃ強くならないよ!」とガンガン攻めてくる息子…。最近めっきり勝てません。息子の上達が頼もしくもあり相手にならない自分が情けなくもあるのですが、楽しいです。
2019年06月25日最年少棋士の藤井プロや、小学生の天才囲碁少女により将棋・囲碁ブームとなっています。大人だけではなく子どもが通える教室も人気が高まっていたり授業に取り入れられたりと、将棋や囲碁の学ぶ力が注目されていることが伺えます。将棋も囲碁も両方とも長い歴史のあるものですが、簡単なルールは知っていてもどんな点でメリットがあるかということまでは意外と知らないかもしれません。今まで興味のなかった方もどんな面でプラス効果があるのかを知ることで興味がわくかもしれません。大人も子ども楽しめる将棋・囲碁について調べました。将棋も囲碁も長い歴史のある伝統文化将棋の起源は古代インドと考えられており、日本に伝わったのは中国を経由して6世紀頃と言われています。が、諸説ありはっきりとしたことは分かっていません。しかし最古の駒として平安時代のものが発掘されており、日本でも長い歴史があることは確かなようです。盤上は9×9マスで8種類の駒を操り、王将を取られたら負けとなります。日本の将棋人口は1,200万人以上と言われています。一方囲碁は、約4千年前に中国が発祥と言われています。日本には奈良時代に伝わったと言われていますが、平安時代になると貴族の遊びとして親しまれました。一般的な基盤は、縦横に19本ずつ線が引かれた「19路盤」と呼ばれるものです。黒と白の二色の石を、盤上の縦線と横線が交差した場所に交互に置いていきます。場所を取ったり相手の石を取ったりして、最終的に相手より多くの陣地を作った方が勝ちとなります。将棋・囲碁に共通するメリットとは将棋や囲碁を学ぶことで得られる力・メリットとはどんなものでしょうか。(1) 先読み力例えば将棋において「何手先を読めるか?」ということが言われます。プロ棋士などは、文字通り数百・千も先の手を読みながら対局しています。しかしそれだけではなく、先を読む力の神髄は「有力なアイデアを読む力」「それに対する相手の差し手を推測する力」なのです。先を読むことで、アイデア力・推測力が向上します。(2) 負けて成長できる勝負事なので、負ける対局に当たることも出てきます。その時なぜ負けてしまったのか、次はどうすれば負けないのかを振り返り勉強することで成長できます。負けを知ることは、負けた側の気持ちも理解できるようになるので、相手を思いやる優しい心を育てます。(3) 集中力静かに真剣に対局に取り組むことは集中力を養うのに効果的です。さらに対局中の戦略を練ることや、教室での講義を聞く時間などの繰り返しは集中力を向上させます。(4) コミュニケーション力将棋や囲碁は世界中で競技されていることから、国際的なコミュニケーションの手助けとなります。言葉が通じなくてもコミュニケーションが取れる点は、スポーツとも似ています。年代も幅広い為、普段話す機会のない年配の人などと話すことが人間的成長につながります。また、対局中に相手の意図を読む必要があるため、人の気持ちを考えられるようになることが期待されます。(5) 礼儀将棋や囲碁の教室の多くが、挨拶や敬語を大切にしており礼儀作法を重視しています。礼に始まり礼で終わる習慣により、礼儀が身につくことが期待できます。将棋か囲碁か似ているように感じる将棋と囲碁ですが、伸ばせる力は若干異なります。(1) 将棋は負けず嫌いな子に向いている?まず将棋は王を取り合うゲームです。様々な戦法があるため、どの戦法で戦うかという駆け引きを楽しみながら論理的思考を司る脳の部位や働きを活性化させます。王を取られたら終わりなので、負けず嫌いな子に向いています。駒には種類がありそれぞれが特徴的な動きをするので、動き方で試合を大きく変えることができるのが魅力です。1手が大きく状況を変えることもあるため、いきなり逆転できるという可能性があります。途中であきらめなければ逆転勝利をつかむことが出来る可能性のあるゲームであり、諦めない心を育むことが出来ます。(2) 囲碁は美的感覚が鋭い人に向いている?一方、囲碁は盤面全体を使った陣取りゲームです。広い盤面で自由に打ち合うので新たな発想を見出す創造力が刺激されます。対局中は常に盤面全体を見渡すことで空間認知能力が養われ、最終的な盤面がどうなるかを想像することで判断力が身につきます。何もない盤面に石を置いていく囲碁は、美的感覚が鋭い人に向いておりそういった力を伸ばす面もあります。「将棋にはまったけど囲碁ははまらなかった」またはその逆、という人も多くいます。より子どもの能力を伸ばせる方を選ぶと良いでしょう。しかし前述したように、両方に共通するメリットもたくさんあります。教室などに通う前に、まずは自宅で遊びとして両方覚えることがオススメです。その上で子どもが興味を持ったら、教室に通うなどを検討してもいいでしょう。筆者の小1の息子は、友人が将棋を指すことから少し興味を持ち、将棋が出来るゲームボードを欲しがりました。学童でも定期的に近所の高齢者を迎えた将棋塾が開催され、まだ参加したことはありませんが将棋と触れ合う機会があります。私自身将棋のルールは分かりますが囲碁は関わったことがありません。しかし購入したゲームボードは囲碁など数多くのゲームが遊べるタイプのものなので、これを機会に親子で囲碁にも触れてみたいと感じています。ブームになっているから、ということではありませんが、こういう時期だからこそ触れ合う機会も増えるかもしれません。今までやったことのないという方も、是非親子で楽しんで取り組んでみてはいかがでしょうか?
2019年03月08日わくわくが止まらない、娯楽と感動の殿堂。モデルの前田エマさんに、「将棋の聖地」について語っていただきました。将棋を指せない私でも、棋士の想いに触れたくて。「将棋会館で撮影ができて、本当に幸せ。家宝にします!」モデルの前田エマさんは、2年前から将棋の世界に夢中だ。「漫画『3月のライオン』を読んで興味を持っていたのですが、弟が『本物の将棋の世界はもっとすごいよ』って。それから、将棋番組を見たり専門誌を読んだりして、棋士にハマっていきました」都内にある「将棋会館」は、前田さんにとって神聖な場所。「1階のグッズ売り場によく行くのですが、4階の対局室では、憧れの先生方が今まさに将棋を指しているんだなぁと思うとワクワクが止まらなくて。盤を挟み相手と共に壮大な旅をし、ひとつの冒険記を後世に残していくような感覚に心が震えます」この日は“西の王子”と呼ばれる期待の若手、斎藤慎太郎王座の写真入りクリアファイルを購入。そわそわしはじめたかと思うと、「わあ!森下卓九段を見かけました」と大興奮!山形県天童市の「天童市将棋資料館」へもたびたび訪れる。お目当ては、過去の対局について書かれた新聞記事を読むこと。「対局の感想や昇段の喜びを語る棋士の言葉って美しくて魅力的。個性豊かな対局時のファッションも楽しみです!」将棋と聞けば東へ西へ。「関西将棋会館」には、棋士たちが出前をとることで有名なレストランがある。藤井聡太七段の影響で注目の集まる“将棋めし”。前田さんも豚の天ぷら「珍豚美人(ちんとんしゃん)」を食べたそう。会館の近くには、病と闘いながら人生を将棋にかけた伝説の棋士・故村山聖(さとし)九段が暮らしたアパートや通った定食屋も。ちなみに前田さんは「観る将」。将棋を観て楽しむファンのことだ。「将棋を指せなくても師弟愛や幼い頃からのライバル関係、憧れのスターとの対決、若手の成長など、日々更新されていく棋士の物語に触れられることが楽しくて仕方ないんです!」さすが将棋の街。街歩きも楽しい!【天童市将棋資料館】将棋駒の生産日本一の山形県天童市。資料館では将棋の歴史や、駒工人の作品などを展示。●山形県天童市本町1-1-1TEL:023・653・16909:00~18:00(最終入館17:30)第3月曜休(祝日の場合は開館、翌日休)西日本で活躍する棋士を知るなら。【関西将棋会館】大阪にある将棋会館。販売や対局室、棋士も利用するレストランがある。●大阪府大阪市福島区福島6-3-11TEL:06・6451・7272(事務所)※レストランは11:30~14:00 、17:00~22:00、木曜休まえだ・えま1992 年、神奈川県生まれ。モデル、エッセイスト、アーティストとして幅広く活動。インスタグラムや雑誌などで、将棋愛を発信中。Semi Sircle collar¥12,000(NesessaireTEL:03・5458・1791)※『anan』2019年1月16日号より。写真・土佐麻理子取材、文・ 神武春菜野村紀沙枝保手濱奈美(by anan編集部)
2019年01月10日筆者の息子は、4歳だった今年の2月から将棋教室に通い始めて、11月で早10か月。個人で運営している教室と日本将棋連盟が運営している教室に週1回ずつ通っています。近年の将棋ブームで「習わせてみたい」「何歳くらいから始めるのがいいの?」「まだうちの子には早いのでは?」と、疑問に思う人もいるかと思います。そこで、幼稚園児の将棋教室体験談を紹介したいと思います。費用はほかの習い事に比べて安い!将棋教室に通い始めたわけ将棋教室に習い始めたのは、4歳の終わりごろ。将棋のレベルは、駒の動かし方が分かる程度でした。何も習い事をしていなかったので、将棋はどうだろうと思い検索したところ、すぐ近くに個人でやっている将棋教室があることが判明。早速見学へ。その教室は、小学1年生から6年生まで計25名ほど。詰将棋のプリント問題を解いてから先生が大盤で講義、対戦という流れでした。その日の帰り道「楽しかったー」と何回も言うので、「通いたい?」と聞くと「通いたい!」と。習うことになりました。月謝は教室によって違うと思いますが、息子が通っている個人の教室は1回300円。4月から始めた日本将棋連盟が主催している教室は、年会費5千円で会員になれば自由に通えます。将棋はほかの習い事に比べて費用が安いのも魅力ですね。初めての勝ち星と勝つ意味について考える最初はなかなか勝つことができませんでしたが、習い始めて1か月経ったころ。先生も認めるほど急に上達した瞬間が訪れました。初めての勝ち星は、あまりほめられた勝ち方ではありませんでしたが、そこからは勝ったり負けたりの繰り返し。ある日、家で詰将棋の予習をしていると「(将棋は)なんで勝たないといけないの?」とぽつり。あまりに哲学的な質問で返答に困りました。あまり勝ち負けにこだわる性格ではないのは分かっていましたが…。勝つとうれしい! 負けたら悔しい…と思う日は来るのだろうかと思うできごとでした。詰将棋は好きだけど、漢字の書き順がめちゃくちゃ!息子は玉に王手をかけ続けて詰む問題、“詰将棋”が好きです。机に向かって詰将棋を解く姿だけは小学生にも勝るとも劣らない。ただ、教室で詰将棋の問題を解くときは、数字と漢数字、駒の漢字を書かなければいけません。まだ書けない漢字を見よう見まねで書くので、書き順がめちゃくちゃ!漢字に興味を持つことはいいことだけど、間違った書き順を覚えるのはいけないと思い、正しい書き順を教えました。「龍」や「飛」と難しい漢字もあるので、とにかく漢字を書くのに時間がかかる。制限時間内に書き終わらないという悩みも。もちろん、ひらがなで書いてもいいのですが、なぜか漢字を書きたがる息子…。まだ文字を習っていない未就学児には、棋譜を書くのはちょっと難しいかもしれませんね。最初は家で予習して全問解いていた詰将棋も、だんだん予習もしなくなり、回答用紙も白紙で帰ってくる日も…。問題が難しくて分からないのかと思いきや、聞いてみると答えは分かっている様子。子どもだけでは、モチベーションが保てないので、一緒に将棋の詰将棋の問題に向き合ったり、将棋盤を出してきて「将棋しようよ」と誘ったり、大人がサポートしてあげることも必要です。上達の鍵は「家での努力」。でも親子で対戦すると…先生いわく、「家でどれだけ努力するか」が上達の鍵だそう。ただ筆者の場合、息子と対戦しているとついつい口出ししてしまい、子どもが萎縮してしまう…。このままでは将棋を嫌いになってしまうのでは? と危機感を感じ、教えることに向いていない筆者は、親子対戦は封印しました。対戦相手がいない場合、将棋アプリでコンピューター対戦もできます。ただ息子の場合は、コンピューターの打つ速度が速すぎて、それにつられて早く打ってしまい、一手一手考えて打つことができなくなってしまいます。コンピューター対戦は相手がいなくてもできるのは便利ですが、考えずに打ってしまうのは一長一短だと感じています。将棋は何歳から始められる?習い始めるタイミングは?将棋を始めるのは、5歳くらいからがおすすめとされています。なぜなら、このころから子どもは「勝ち」「負け」を意識するようになるから。藤井聡太七段も5歳から始めたと言われています。教室に通い始めるのも、「勝つと嬉しい」「負けると悔しい」と思えるようになってからの方がいいかもしれません。同世代、同レベルの子がいる教室に通うのは、ライバルがいて刺激になりそうですね。将棋は戦法を覚え、考えられる子が強くなれます。戦法を覚え理解できるようになる年齢は人それぞれですが、周囲を見ていると小学校低学年の子は伸びしろが大きいと感じました。将棋教室はマンツーマンで教えてもらえるわけではないので、「向上心がある子」「よく考える子」「家庭でも努力をしている子」が上達しています。将棋に限ったことではありませんが、始めるのが早い=強くなるわけではないんですね。勝ち負けだけが重要じゃない!考える力・論理的思考が身に付く何通りもある手筋の中から玉を詰む手筋を導き出す将棋は、プログラミングと同じ考え方です。対戦中はずっと考えるので、考える力が身に付きます。ただし、考えていればです。考えずに直感で打っていると考える力は身に付きません。先生は「相手がどうしてそこに打ったのか考える」「自分がなぜそこに打ったのかその理由が答えられるように」と日ごろから教えています。勝ち負けだけが重要ではなく、なぜ自分がそうしたのか(そう思ったのか)説明できることは、勉強や実生活にきっと役に立つことでしょう。幼稚園児に将棋を習わせるときは、口うるさく教えて嫌いにならないよう気をつけながら、考える楽しさを教えるといいかもしれません。私はこの10か月を通して、勝っても負けても「考える力」が身に付く将棋は、幼稚園児でも習わせる価値アリだと感じています。<文・写真:フリーランス記者三浦麻耶>
2018年11月17日松田龍平が主演を務める映画『泣き虫しょったんの奇跡』が、2018年9月7日(金)に全国の映画館で公開される。将棋界に本当に起きたサクセスストーリーを実写化日本将棋連盟のプロ棋士養成機関・奨励会。奨励会には満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になれなかった場合は退会という鉄の掟が存在する。負けが重なり他人と距離を置く者、焦りを抑えきれず対局中に声を荒げる者など、人生のすべてを将棋に捧げる様々な者達が、日々将棋の世界を生き抜くために勝負を繰り広げている。映画の主人公となるのは、そんな厳しい世界で半生を送る"しょったん"こと瀬川晶司棋士。掟に従い奨励会を退会せざるを得なかった彼が、アマチュア将棋界で再起奮闘、そしてプロ編入という史上初の偉業を成し遂げるというドラマチックなサクセスストーリーが今回初めて映画化。第42回モントリオール国際映画祭フォーカス・オン・ワールド・シネマ部門に正式出品されることも決定している。主演に松田龍平大きな挫折の苦悩と絶望から再起を図る瀬川晶司を演じるのは、『羊の木』、『探偵はBARにいる3』など話題作への出演が絶えない俳優・松田龍平。奇しくも映画が公開される2018年には瀬川がプロ棋士編入の偉業を成し遂げた時の年齢と同じ35歳。瀬川の心の機微と変遷を丁寧に表現した演技に注目が集まる。野田洋次郎がライバル役、染谷将太や妻夫木聡など豪華キャストが集結瀬川晶司の親友かつライバル・鈴木悠野役には、『君の名は。』では劇中の全音楽を担当し、『犬ヶ島』に声優として参加するなどますます活躍の幅を広げている他、主演の松田龍平とは公私ともに交流があるRADWIMPSの野田洋次郎が抜擢。その他のキャストにも、『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』では主演を務めた染谷将太、『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』への出演も記憶に新しい妻夫木聡、『青い春』で松田龍平と共に主演を務めた新井浩文など豪華俳優陣が集結する。さらに、『君の名は。』でヒロインの声を演じ、『羊と鋼の森』にも出演する上白石萌音や『夜空はいつでも最高密度の青色だ』で主演を務めた石橋静河をはじめ、板尾創路、藤原竜也なども登場し、物語を盛り上げる。監督は自身も奨励会在籍経験のある豊田利晃指揮を執る監督は、実際に9歳から17歳まで奨励会に在籍していた経験のある豊田利晃。映画『火花』の脚本なども務めた豊田だが、本作は監督生活20年目の節目にあたる年に挑んだ作品。「将棋を描くなら、『人生の縮図=将棋そのもの』な世界にたどり着きたい」という思いを込め、入念な将棋指導を施して挑んだ対局シーンをはじめ、自身も身を置いていた世界を描くからこその徹底した演出で、迫力のある盤上の戦いをスクリーンに収めた。ストーリー26歳。それはプロ棋士へのタイムリミット。 小学生のころから将棋一筋で生きてきた"しょったん"こと瀬川晶司の夢は、年齢制限の壁にぶつかりあっけなく断たれた。奨励会退会後、将棋とはしばらく縁を切り平凡な生活を送っていたしょったんに突然訪れた父親の死…。親友・悠野ら周囲の人々の支えによって父の死を乗り越え、再び駒を手に取ることに。プロを目指すという重圧から解放され、その面白さ、楽しさを改めて痛感する。「やっぱり、プロになりたい――」。35歳、しょったんの人生をかけた二度目の挑戦が始まる。作品情報映画『泣き虫しょったんの奇跡』公開時期:2018年9月7日(金)出演者:松田龍平、野田洋次郎、永山絢斗、染谷将太、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文、早乙女太一、妻夫木聡、松たか子、美保純、イッセー尾形、小林薫、國村隼監督・脚本:豊田利晃音楽:照井利幸原作:瀬川晶司『泣き虫しょったんの奇跡』(講談社文庫刊)
2018年06月02日ジャムホームメイド(JAM HOME MADE)から、将棋をテーマにした新作コレクション「SHOGIN’JAM」が登場。2018年5月26日(土)より、ジャムホームメイド東京店、阪急メンズ大阪店などで販売される。過去にもけん玉やコマなど日本独自のおもちゃをモチーフにしたアイテムを展開してきたジャムホームメイド。今回は、ブランド創立20周年を迎え、本店を移転リニューアルオープンした地"千駄ヶ谷"に将棋会館が所在していることにちなみ、将棋をテーマにしたリング、ネックレス、ブレスレットを取り揃えた。「SHOGIN’JAM リング」は将棋で使われる6サイズ20個の駒を、シルバーで忠実に再現したもの。それぞれの駒のサイズを模ったリングの右端には、"王"や"角"といった文字が記されている。リングは天地を入れ替えて2WAYで楽しむことができるほか、全種類をコンプリートすれば将棋をさして遊ぶこともできる。"銀コマ"と"金コマ"を表現した「SHOGIN’JAM ネックレス」は、いずれもリバーシブル仕様となっており、裏面には天然のダイヤモンドを飾った。「SHOGIN’JAM ゲージ ブレスレット」にぶら下がる駒型チャームには、長さを数字で刻印。自分に合う長さを見つけて、独自のスタイリングで楽しむことができる。【詳細】「SHOGIN’JAM」発売日:2018年5月26日(土)販売店舗:ジャムホームメイド東京店(TEL:03-3478-7113)、阪急メンズ大阪店(TEL:06-6364-4855)、公式オンラインショップ、ゾゾタウン、全国のディーラーショップ・SHOGIN’JAM リング S 15,000円+税/M 20,000円+税/L 25,000円+税・SHOGIN’JAM ネックレス S 13,000円+税/M 16,000円+税・SHOGIN’JAM ゲージ ネックレス 10,000円+税・SHOGIN’JAM ゲージ ブレスレット 7,000円+税
2018年05月26日将棋を題材にしたマンガ『3月のライオン』や藤井聡太六段の活躍、羽生善治竜王の永世七冠達成と国民栄誉賞受賞などにより、 近年将棋が注目されています。将棋は、高い思考力を要するマインドスポーツ(頭脳スポーツ)。 「自分はできないけど、我が子には指せるようになってほしい」と、興味を持っている人も多いのではないでしょうか? 将棋を覚える場として将棋教室がありますが、一体どんなことをする場所なのでしょうか? 最近将棋がマイブームの息子(4歳)と将棋教室に体験へ行ってきました。「将棋のまち」天童市で将棋教室体験将棋の駒生産量の約9割をシェアする山形県天童市は、「将棋のまち」として有名で、街のいたるところで将棋の駒のモチーフを見付けることができます。今回おじゃましたのは、天童駅一階にある将棋交流室で行われている天童少年少女将棋教室。初級者クラスに参加しましたが、対局が主なので、基本の駒の動きや最低限のルールは家で身に付けてくると楽しめると思います。指導員との対局や、月に数回プロ棋士が指導することもあり、この日も県内外から集まった子どもたちでにぎわっていました。春に行われる桜まつりでは、人間が駒に扮した人間将棋など多彩な将棋イベントも開催しています礼儀作法を重んじる「礼儀の心」を大事にしている天童少年少女将棋教室では「あいさつ」「姿勢」などの礼儀作法の取得を第一に考えているそう。教室を出入りする子どもたちの「こんにちは!」と「ありがとうございました!」のあいさつは、それはそれは素晴らしいものでした。息子も「あいさつをするときは相手の目を見て」「将棋を指すときの姿勢はピシッと胸を張って」と指導してもらい、人から礼儀作法を指導してもらう機会は少ないので、こういったことも貴重な体験です。「駒の並べ方はきれいに」「将棋盤にはものを置かない」と、ものを大切に扱う一面も見受けられました。また、勝ってもおごらない、負けてもひがまない、常に研究心を持ち沈着であること。対局中は冷静に平常心を保つことなど、心も成長できるのが将棋の魅力ですね。家族のサポートが必要不可欠教室の中でひと際目立って姿勢が良い男の子を発見。そのお母さんに話を聞いてみました。もうすぐ小学生で、将棋をはじめたのは5歳の頃。はじめは駒の動かし方から教え、初心者向けの将棋の本を読みながら初歩的なことを教えたそう。教室に通うようになったきっかけは「落ち着きがなく、座っていられなかったので」と、よくありがちな悩みから。「教室に通うようになってからは集中して座っていられるようになり、今では朝4時に起きて詰将棋を解いたり、ノートに棋譜を書いたり、自分から進んで勉強しているんですよ」と、2歳の次男を連れて週4回将棋教室へ通っている親子の熱意に感動しました。日本将棋連盟天童支部会長の大泉義美さんに話を聞くと、「将棋を続けるには、家族の協力が必要不可欠」とのこと。はじめは親も一緒に勉強しながら子どもに教えたり、教室への送迎や自宅で将棋の勉強ができる環境を作ってあげるなど、子どものやる気をサポートすることが重要になってきそうですね。我が家ではじめて購入した「ウッディプッティはじめてのしょうぎセット」動き方が駒に書いてあるのです、子どもでもすぐ覚えられました。普段は詰将棋のプリントや、初心者向けの本などで勉強しています強くなる秘訣は自ら学ぶ姿勢「将棋は、強くなりたい、学びたいという意欲がある子が伸びるんですよ。子どもたちは、マンツーマンで教えなくても対局の中から将棋を学んでいきます。将棋を通して「礼儀の心」「融和の心」「思考力」「粘り強さ」を身に付けてほしい」と、大泉さんは話してくれました。将棋は、教えてもらうだけの受け身ではなく、自ら学ぶ姿勢が身に付くとも言えそうです。<文:フリーランス記者三浦麻耶/取材協力:公益社団法人日本将棋連盟天童支部/天童少年少女将棋教室>
2018年03月24日将棋界初の永世7冠を達成した羽生善治さんと、囲碁界で全7冠を2度制覇した井山裕太さんが国民栄誉賞を受賞したことは記憶に新しいと思います。そこで、将棋と囲碁について今どきパパママに調査してみました。Q.囲碁・将棋のルール知ってる? 1.将棋は知っている 30.2%2.囲碁は知っている 2.2%3.両方知っている 5.6%4.両方とも知らない 62.0%もっとも多いのは両方とも知らないという人で62.0%。今どきのパパママ世代は、囲碁と将棋のルールは知らない人が過半数以上という結果になりました。両方ともどこかおじいちゃんの趣味というイメージを持っている人もいるかもしれませんね。■興味はあるけどどちらもルールは知らない将棋に関しては中学生棋士・藤井聡太6段などのニュースも多く、これだけ話題になると興味を持つようになった人は多いようです。囲碁も将棋も頭が鍛えられるということから関心を持つ人も。でも、実際はそのルールを知らない人が多いようです。「将棋も囲碁もわかりません! オセロしか分からないです」(宮城県 30代女性)「私はルールは分からず…。息子たちはおじいちゃんに将棋を教わりました。おじいちゃんと将棋で遊ぶ姿は、いつ見てもほっこりします」(滋賀県 30代女性)「両方とも知りません。子どものころに将棋の駒で山崩しをしたくらい。これは将棋じゃないですね。礼を大事にするところ、読みが必要な頭脳ゲーム…なんだか奥深いものを感じます」(神奈川県 50代女性)「恥ずかしながら、将棋も囲碁もわかりません。最近のブームを見ていて、とても知的で素敵なものだと改めて感じているので、まずは進む目の向きが示してある将棋でチャレンジしてみたいと思っています」(神奈川県 40代女性)「私は両方とも知りませんが、子どもたちは学童などで先生に教えてもらって、兄弟で将棋をしていました。頭を使うし、とてもいいことですよね」(北海道 30代女性)■両方できる親は子どもにもできるようになってほしい昔はお父さんや近所のおじさんが当たり前のように教えてくれた囲碁や将棋。今では、接する機会が減ってしまったようです。少数派の、自分がどちらもできるという人は、子どもにもできるようになってほしいと感じていることがわかりました。「将棋は小さいころ近所のおじさんに教えてもらって、よくやっていました。囲碁は父が大好きで、よくテレビを見ているのでなんとなく知りました。子どもにはよく考える力をつけてもらいたいので、両方できるようになってほしい」(神奈川県 40代女性)「両方できます。学校でクラブに入ってやっていましたよ。今、子どもが学校でハマっています。私に勝ちたくて、たくさん覚えようと頑張っている姿は素晴らしいです」(栃木県 40代男性)「将棋も囲碁も幼いころに父から教わりました。そのときは何も感じなかったですが、大人になってから、教えてもらってよかったなと感謝の気持ちを持つようになりました」(千葉県 40代女性)■おじいちゃんと孫のコミュニケーションツールに最近では、囲碁も将棋もアプリやオンラインで対戦ができるのが魅力。スマホやタブレットがあれば、すぐにでも始めることができますし、離れて暮らすおじいちゃんともネットで対戦ができます。今の時代は、親もそうですが、おじいちゃんと孫の良いコミュニケーションツールにもなっているようです。「学校でたまたまあった囲碁教室をきっかけに囲碁に夢中な次男。主人も私も分からないので、私の父とよくやっています。おじいちゃんは大喜びで新しい碁盤と碁石を買ってくれました。先を読む力は養われるようです」(神奈川県 40代女性)「子どもは囲碁と将棋のアプリで、離れて住むおじいちゃんとたまに対戦しています。私は子どもに囲碁では勝てますが、将棋では勝てません。昔は道具をそろえないとできませんでしたが、今は身近になりましたね!」(東京都 40代女性)「中2の息子は、小4のころから祖父と将棋をしていたので、ルールはわかっていました。囲碁は学校のクラブでわかるようになりました」(山口県 40代女性)Q.囲碁・将棋のルール知ってる? アンケート回答数:5425件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年03月07日2月18日(日)放送の「情熱大陸」は、共に国民栄誉賞を受賞した将棋棋士の羽生善治と囲碁棋士の井山裕太に密着。国民栄誉賞受賞式の舞台裏や、羽生さんと最年少プロ棋士・藤井聡太との公式戦初対局の模様もお届けする。2018年の年明け早々、将棋界から羽生善治、囲碁界から井山裕太が国民栄誉賞を同時受賞するというビッグニュースが舞い込んだ。将棋・囲碁界共に棋士が国民栄誉賞を受賞することは初めてのことである。1985年に中学3年生でプロデビュー。史上3人目(当時)の中学生棋士となると、19歳で初のメジャータイトル(竜王)を獲得すると、26歳で将棋界で史上初の7タイトル独占(七冠)を達成。2017年には史上初の永世七冠を達成し、47歳の今も一線で活躍中の羽生さん。一方、中学1年生でプロデビューすると16歳で史上初の飛び級昇進で20歳にして名人を獲得。2016年には囲碁界初のメジャータイトル七つを制覇する七冠を達成。2017年には二度目の七冠を達成し囲碁・将棋界初の二度の七冠達成を果たした現在28歳の井山さん。共に自らの頭脳を頼りに厳しい世界で前人未踏のタイトルの数々を獲得して来た“絶対王者”を、本番組ではこれまで大一番となる戦いの前後に密着取材。羽生さんは2002年7月7日、2008年12月28日に、井山さんは2013年1月13日にそれぞれ放送してきたが、今回国民栄誉賞同時受賞を受け、改めていまの二人にカメラを向ける。13日に予定されている国民栄誉賞受賞式の舞台裏に加え、二人がお互いへの素朴な疑問や意外な本音を語り合う独占対談や、羽生さんと話題の最年少プロ棋士・藤井さんとの公式戦初対局の模様まで、2人の天才の“いまの姿”を詰めこんだオンエアとなる。「情熱大陸」は2月18日(日)23時~TBS系で放送。(笠緒)
2018年02月17日12月13日、政府が将棋の羽生善治氏(47)と囲碁の井山裕太氏(28)に国民栄誉賞を授与する方向で検討に入ったと報じられた。 羽生氏といえば、12月5日に永世竜王の資格を獲得。7つある将棋の永世称号資格をすべて獲得し、「永世七冠」を達成。前人未到の偉業だった。 「羽生氏の国民栄誉賞授与については、永世七冠を達成した時点ですでに期待が高まっていました。そうした声を受けて、政府も動いたようです。関係者の意見も聞いたうえで最終的に判断するとしていますが、授与はほぼ確実でしょう」(全国紙記者) Twitterでは、そんな羽生氏の国民栄誉賞報道に歓喜の声があがっている。 ≪えええええええええ羽生さん井山さん国民栄誉賞だと!?≫≪すごいすごい!神やから当たり前やけどな!≫≪羽生さんは神。井山は天才≫≪羽生善治=将棋星人という風潮≫ また≪国民栄誉賞まだもらってなかったのか≫など、羽生氏の偉業を考えれば妥当との声も多いようす。さらには≪もう人間国宝と呼んだ方がいいレベル≫など、人間国宝認定に期待の声も高まっている。 ≪ある意味羽生さんはもう、人間国宝級だと思う≫≪羽生竜王は人間国宝も認定してもいいと思う≫ 将棋界の歴史を次々と塗り替えてきた羽生氏。このまま一気に人間国宝にも選ばれるかも!?
2017年12月13日6歳で囲碁を始め、7歳の時に小・中学校囲碁団体戦全国大会で優勝を果たした藤沢里菜さん。史上最年少11歳6か月でプロとなり、現在18歳の革命児にお話を伺いました。碁盤に向かえば自然と落ち着いて冷静になれます。「兄が碁を打つ姿を見て、面白そう、と6歳の時に囲碁を始めました。趣味でなくなったのはプロを目指し始めた9歳の時です」囲碁を少しでも嗜む人なら、おわかりのとおり。祖父は、記録にも記憶にも残る昭和を代表する大棋士・藤沢秀行名誉棋聖で、父は藤澤一就八段。棋士家系に生まれついた藤沢里菜三段である。「7歳で関西棋院の洪清泉(ほんせいせん)三段の道場に入り、小学校の頃から平日は学校帰りに、休みの日は10時から21時まで、食事する以外は、ずっと囲碁の勉強をしていました。長時間でも集中力が切れるようなことはなかったし、元々負けず嫌いというのもあって、勝敗がはっきりつく囲碁に余計にのめり込んだんだと思います。幼い頃から碁会所で60〜70代の方を相手に打っていましたから、11歳でプロになっても年上の方ばかりでしたが、環境の変化に困ることはなかったです」数々の最年少記録を作り続ける藤沢さんに、率直にその強さの理由を尋ねると「幼少期の道場が自分に合っていた」と自己分析する。「韓国出身の洪さんの練習法は、ある局面での最善の手順を熟考する“詰め碁”が主でした。それが、私には楽しくて楽しくて。言われてみれば子供時代から特殊な環境で、大きくなるにつれて少しずつ、おじいちゃんは凄い人だったんだなぁって思い知りましたが、私にとっては、生まれた時から身近に碁盤があり、常に家族が囲碁を打っているのが当たり前だったので、碁盤に向かったら自然と冷静になれるんです。平常心が一番実力を発揮できる。対局の際には変に緊張しないように、プライベートでは大好きなアニメ『名探偵コナン』を見たりしながら、リラックスするよう心がけています。その反動か、普段は忘れ物ばかりで、財布は何個失くしたかわからない(笑)。それでも、これまで大会で韓国や中国に何十回も行きましたが、言葉が通じなくても碁盤を通して会話ができることに毎回感動しています。囲碁の魅力の虜なんです」ふじさわ・りな1998年9月18日生まれ。日本棋院東京本院所属の囲碁棋士三段。小学生時代から全国大会で何度も優勝し、その名を知らしめてきた。11歳6か月の男女合わせた史上最年少でプロ入りすると、2か月後には最年少プロ棋士公式戦勝利を記録。15歳9か月での女流棋戦優勝をはじめ、いくつもの最年少記録を持つ。※『anan』2017年9月6日号より。写真・内山めぐみ取材、文・若山あや(by anan編集部)
2017年09月02日いま注目の若手俳優・稲葉友が、8月スタートの内田理央主演ドラマ「将棋めし」にレギュラー出演することが決定。稲葉さんは、将棋界とグルメを舞台にした本ドラマで、プロ七段の男性棋士・黒瀬時彦役を演じる。本作は、「月刊コミックフラッパー」にて連載中の松本渚原作のコミックを実写化した“食×女性棋士”の真剣勝負の物語。小学校から父に師事する史上初の女性プロ棋士・峠なゆた(内田理央)が、対局中に何を食べるか真剣に悩みながら選んだ食事から勝機を掴み、男性棋士たちを倒し“名人”を目指していく――。作品内では、千駄ヶ谷の将棋会館付近の名店や、日本全国の対局会場となる名旅館や名ホテルの、実在する絶品グルメの数々が登場。かつ丼、天丼、ちらしにカレー…と、全て実在する絶品グルメばかりが登場している。今回新たに本作に加わることが決定したのは、「レンタル救世主」では“女装男子”、「キャバすか学園」では“根暗男”、「HiGH&LOW Season2」では“凶暴性を兼ね備えたオネエ役”、そして「ひぐらしのなく頃に解」では本格ホラーに挑戦するなど様々な役どころを演じ分ける稲葉さん。本作で彼は、内田さん演じるなゆたのライバルとして、プロ七段の男性棋士・黒瀬時彦を演じる。服装にこだわりがあり、ハイブランドを好む為、ナルシスト気質で自信があるように見える彼だが、意外と努力家で、奨励会時代の同期であるなゆたに対して、強いライバル心を抱いているという役どころだ。稲葉さんは、「撮影や将棋の指導を受けながら、将棋というものの奥深さを体感している日々です」と話し、「いま注目を集めている将棋の世界を棋士の方々を支える美味しいご飯とともに、愛らしい登場人物たちを通してお届け出来たらと思います」と意気込んでいる。そのほか、上遠野太洸、猫田直、朝倉えりか、清瀬ひかり、伊藤正之、金田明夫らが出演。主題歌は「クレイジーケンバンド」の「流星ドライブ」、「地球が一回転する間に」に決定した。「将棋めし」は8月2日(水)26時40分~フジテレビ系にて放送(全8話)。7月31日(月)12時~FODにて先行配信(※毎週月曜12時更新)。(cinemacafe.net)
2017年07月28日モデルで女優の内田理央が、連続テレビドラマ“初主演”を飾ることが決定。8月2日(水)よりフジテレビ系にて放送される“将棋界とグルメ”を舞台としたドラマ「将棋めし」で、内田さんは“女性プロ棋士”に挑戦する。驚異の連勝記録を打ち立て注目を集めた、将棋の藤井聡太四段の勝負飯がテレビやネットで大きな話題となったことが記憶に新しい“将棋×グルメ”。そんな中、今回ドラマ化となるのは、「月刊コミックフラッパー」にて連載中の松本渚のコミックで、“食×女性棋士”の真剣勝負の物語だ。ドラマで主演を務めるのは、雑誌「MORE」の専属などモデルとして活躍する中、「仮面ライダードライブ」「恋がヘタでも生きてます」『トモダチゲーム』に出演し女優としても活動の幅を広げる内田さん。今作で彼女が演じるのは、小学校から父に師事する史上初の女性プロ棋士・峠なゆた。10時間以上にも及ぶ対局の途中で許された食事とおやつに何を食べるか真剣に悩み、食事から勝機を掴み、男性棋士たちを倒し“名人”を目指していくという役どころだ。小学生のときには地元のおじいちゃんたちとよく将棋で遊んでいたと言う内田さん。今回ドラマ出演にあたり「ルールは知っていましたが、詳しくは知らなかったので作法など改めて勉強しています」と話し、“美味しいご飯にパワーをもらう”というのはすごく共感できると言う内田さんは、「私も撮影のときに、お昼ごはんでお肉とかが出てくるととてもテンションが上がるので、私と似ている部分があるなと思いました。ご飯の力は絶大です」と自身との共通点を明かす。また「深夜の放送ですが、FODと地上波でご覧になれますので是非ご覧ください。将棋が詳しくなくても楽しめる作品で、絶対にお腹が空くと思います」とコメントを寄せた。「将棋めし」は8月2日(水)26時40分~フジテレビ系にて放送(全8話)。7月31日(月)~FODにて配信。(cinemacafe.net)
2017年07月24日俳優の神木隆之介が23日、山形県天童市第62回天童桜まつりで行われた人間将棋に、映画『3月のライオン』(公開中)大友啓史監督とともに登場し、トークショーを行った。同作は、羽海野による同名コミックを実写化。中学生という若さで棋士としてデビューし、東京の下町で一人暮らしをしている桐山零(神木隆之介)を主人公とし、将棋や下町の人々との交流を通じて、心のどこかで空虚を抱えている零がさまざまな思いに直面していく様を描く。人間将棋とは、甲冑を身にまとった人間が将棋駒となりプロ棋士が対局を行うという春の風物詩。天童市は、将棋駒の生産量日本一を誇っているという。初めて天童に来たという神木は「桜も満開で……皆さん桜と似合いますね。将棋とゆかりの深い天童に来られてよかった」と笑顔で市民に話しかけた。神木は「天童では実際に将棋駒を作っているところを見たい。職人さんからお話も伺ってみたい」と、将棋駒にも興味津々の様子だった。トークショー後の人間将棋では、武将スタイルの神木と大友監督が"神木武将""大友武将"として登場した。神木は、将棋を指す先手を決める"振り駒"の大役を担い、「武将気分でここにやって来たけれど、初めての貴重な経験で緊張しています」と照れ笑い。大友監督も「神木殿と同じ気分でござる、ガラにもなく」と同意し、周囲の笑いを誘っていた。
2017年04月24日Photo by 伊藤 あきら京都大学卒業後、4大法律事務所でM&Aや巨額な税務訴訟案件を始めとする有名企業や大企業の案件に携わっていた坂尾弁護士。中学時代はプロの囲碁棋士を目指していたということもあり、勝負にはかなりこだわりがあるとのこと。そこで今回は弁護士としての“勝負強さ”についてお話を伺いました。坂尾 陽(さかお あきら) (アイシア法律事務所代表弁護士。京都大学法学部・京都大学法科大学院卒業後、四大法律事務所の1つ「森・濱田松本法律事務所」において、M&A、相続・事業承継、税務訴訟案件を主に担当。東京・銀座において独立してアイシア法律事務所を設立) ■勝ち負けがはっきりする弁護士という仕事__弁護士として仕事をする中で、“勝負強さ”は求められていると感じますか?弁護士の仕事は「勝ち」「負け」がはっきりと決まる世界です。当然、“勝負強さ”は求められていると思いますね。私自身も「勝ち」「負け」にこだわって仕事をしています。弁護士は成果として勝敗は必ず付いてきますから、“勝負強さ”というのは必要ですね。__坂尾弁護士は過去にプロの囲碁棋士を目指されていたということですが、“勝負強さ”ということを考えると、その時の経験は今でも活きていると思いますか。そう思いますね。私は、中学時代は「ヒカルの碁」という漫画を読んでプロ棋士を目指して囲碁をしていました。中学1年生で囲碁を始めて中学3年生の時には五段を取得したものの、プロ棋士になるための壁の高さに挫折して、プロの棋士になる夢は諦めましたが、勝負の世界に身を置いていたことは今の私にとって大きな経験となっていると考えています。中学生ながら「勝ち」と「負け」で天と地の差ほど違うという経験を味わうことができましたからね。もちろん、弁護士の仕事は「勝ち」「負け」だけの世界ではありません。それでも相手が必ず存在している仕事である以上、勝負にはこだわって仕事をしています。__弁護士の仕事と囲碁は通じるところがありますか?やっている内容は全く違いますが、通じるところはあると思います。囲碁も弁護士の仕事も人間同士が戦いますので、駆け引きなど、似ているところはあります。例えば、囲碁では勝ちすぎないことも重要です。最善の一手を常に打ち続けることが囲碁では求められるのですが、勝ちを欲張りすぎるとバランスを崩してしまい、余裕で勝てたはずの勝負であっても、負けてしまうことがあります。これは弁護士の仕事でも同様で、例えば交渉の際、自分が相手よりも圧倒的に有利な立場にいた時に相手を追い詰め過ぎてしまうと、かえって話がまとまらなくなるといったケースなどがあります。囲碁も弁護士の仕事も勝ちを欲張り過ぎることなく、譲れるところはしっかりと見せて、状況を見ながら冷静に最善の一手を常に考えることが重要ですね。 ■自分の土俵で戦うことが“勝負強さ”の秘訣__“勝負強さ”を発揮するうえで、何か重視しているポイントはありますか戦う場所を考える。これはとても大事にしています。例えば裁判。裁判は1つの事案に対して問題や論点があり、それを解決していく場であるというのは皆さんもご存知かと思います。しかし、実は解決すべき問題や論点はどれなのかを、こちらで選ぶことができることが多いのです。しっかりと準備をして、あらかじめ裁判官に今回の事案のどこがポイントとなり、どこが論点になるのかを伝えることで、戦う場を自分で設定し、話を有利に進めることができます。「自分の土俵で戦う」これが勝負強さを発揮する上で、私はとても重要なポイントだと思いますね。__自分の土俵で戦うために工夫していることはありますか。工夫ではありませんが、準備をしっかりとするようにしています。勝ちすぎると良くないということに通じる点でもありますが、単純に自分に有利な場を設定するだけでは、当然相手は警戒するので、そこに相手は乗ってきません。一見すると相手にも有利に見えるような場を設定し、その中に隠し玉や自分が勝てる条件をしっかりと揃え、相手を自分の土俵に上げる必要があるのです。そして、これらは全て準備がなければできないことです。もちろん時間はかかりますし、手間もかかります。しかし、どれだけ準備ができたのかで勝負が決まることも多いので、手を抜くことはありません。綿密に準備をして勝負に臨むこと、これが自分の“勝負強さ”につながっていると私は考えています。 *取材協力弁護士:坂尾 陽(アイシア法律事務所代表弁護士。京都大学法学部・京都大学法科大学院卒業後、四大法律事務所の1つ「森・濱田松本法律事務所」において、M&A、相続・事業承継、税務訴訟案件を主に担当。独立しアイシア法律事務所を設立。現在はテレビ東京WBSワールドビジネスサテライトやFMうらやす「ときめきウィンド」の準レギュラーなど、メディアへの出演も積極的に行っている)*取材・文:伊藤 あきら(AFP、クラシックカメラアンドアンティークカンパニー株式会社代表取締役。同志社大学卒業後、日本生命相互会社、HIPHOPダンサー、税理士法人を経て、現職。会社経営の傍ら、フリーライターとしても活動している。オフィシャルサイト「いとうノート」)【画像】*伊藤 あきら囲碁のプロを目指した弁護士に学ぶ「勝負強さ」の秘訣とははシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。囲碁のプロを目指した弁護士に学ぶ「勝負強さ」の秘訣とははシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2017年01月27日松山ケンイチが体重を増量し、病と闘いながら将棋に全人生を懸けた“怪童”を熱演した『聖の青春』。第29回東京国際映画祭のクロージングを飾った本作をひと足先に鑑賞した羽生善治をはじめ、棋士や、俳優、アイドルら各界の著名人から数多くの絶賛コメントが寄せられている。幼少期から腎臓の難病・ネフローゼを患いながら、将棋に人生を賭けていた村山聖。そんな中、同世代の棋士・羽生善治が前人未到のタイトル七冠を達成、聖は強烈に羽生を意識し、ライバルでありながら憧れの想いも抱く。そして聖は、将棋の最高峰であるタイトル「名人」になるため、いっそう将棋に没頭し、並居る上位の先輩棋士たちを下して、快進撃を続ける。やがて、聖の身体にがんが見つかる。聖は将棋を指し続けることを決意するが――。主人公・村山聖を松山さんが熱演するほか、聖の最大のライバル・羽生善治に東出昌大。聖の弟弟子・江川貢に染谷将太、聖を支えた師匠・森信雄役にリリー・フランキー、母・村山トミコ役に竹下景子、さらに安田顕、柄本時生、鶴見辰吾、北見敏之、筒井道隆ら豪華キャスト陣が集結。伝説の将棋指しの人生を、師匠、ライバルほか周囲から愛された記憶と共に、愛情豊かに紡ぎ出す。特に、聖を演じた松山さんと、羽生を演じた東出さんが、実際に棋譜を前に2時間半に及ぶ長回し撮影に挑んだ対局シーンは緊迫感&臨場感に満ちている。「村山聖さんの存在感の大きさを改めて深く実感した作品」と語るのは、羽生さんご本人。本作で描かれる“村山聖”について「彼の生きざまや周囲の人々の濃厚な関係は時間の長さではなく密度だとも教えてくれます」と、あたたかいコメントを残している。将棋好きでも知られる俳優・森本レオは「村山くんと羽生さんの会話を、もっともっと、見たかった」と2人のライバルを超えた関係性の描写を絶賛。また、「乃木坂46」の伊藤かりんは「命をかけた、その一手一手に、感銘を受けました」と語っており、将棋になじみの薄い層にも本作の思いが届いた様子だ。いずれのコメントにも、村山さんの生き様に“何かを得た”という言葉があふれている。本作のメッセージは誰の心にも、温かい、いや、アツい何かを残してくれることだろう。<コメント一覧>■棋士 羽生善治 三冠村山聖さんの存在感の大きさを改めて深く実感した作品でした。彼の生きざまや周囲の人々の濃厚な関係は時間の長さではなく密度だとも教えてくれます。彼と出会って対局が出来たことは棋士として大きな誇りですし、大切な思い出です。■棋士 渡辺明 竜王まさに命をかけて将棋を指すという村山聖九段の壮絶な人生に心を打たれます。松山ケンイチさん、東出昌大さんの棋士になりきった演技も素晴らしく、ぜひ多くの方に見ていただきたい作品です。■棋士 佐藤天彦 名人特に印象に残ったのは最後の対局のシーンでした。ものすごい迫力で村山さんと羽生さんの戦いを表現していると同時に、これは松山さんと東出さんの真剣勝負、闘いでもあるのではないかと思わされました。東出さんの所作には羽生さんを感じさせるものがありましたし、僕は村山さんにお目に掛かったことはありませんが、松山さんの「村山さん」は、それが本物の村山さんなのではないかという説得力がありました。■女優岩崎ひろみ強い力を持つ原作に、負けない役者、監督、スタッフに驚愕! 生命を懸けて指した将棋人生を、生命を懸けて撮影したんだと思いました。将棋を知らない人にも観てもらいたい。真剣勝負の心がヒリヒリする感じを…。本当にいた怪童村山聖を!■俳優森本レオプロって言うのは、「不滅の定跡!」、と言うお約束事から、どれだけ遠くへ行けるかを探し続ける人たちなんだ。村山さんは、どこまで、行けたんだろう。怖かったろうね。すごく。村山くんと羽生さんの会話を、もっともっと、見たかった。■「乃木坂46」伊藤かりん少し不器用だけど真っ直ぐで誰からも愛された村山聖さん。でも将棋にかける想いは誰よりも強く、命をかけた、その一手一手に、感銘を受けました。映画が終わる頃には、そんな村山聖さんの魅力に引き込まれていました。■ドキュメンタリー監督松江哲明棋士たちにしか体感できない時間を眺めながら、青春とは「負けたくない」ライバルと過ごした時間のことをいうのかもしれないと思った。■映画パーソナリティコトブキツカサ病に侵されながらも将棋と人生を等価にして生きた村山聖。ライバルである羽生善治との命を削る屍山血河の末に見た景色とは…?人と語りたくなる映画がまた1本増えました。■映画コメンテーター有村昆「羽生さんの見ている海はみんなと違う」このひと言にヤラれる…。天才しか見ることができないその先の景色。この映画は、その絶景を体現してくれる。■プロゴルファー東尾理子将棋を知らない私でも、涙が止まりませんでした。人生の「悔しさ」って、何だろう。死にたいほど悔しい、って思ったこと、ある?神様のすることは、予想がつかない。けどそれに向きあうことが、人生の勝負なのかな。『聖の青春』は11月19日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2016年11月03日●人工知能の開発に必要なリソースとは各種クラウドサービスから自動運転車、囲碁や将棋といったアナログゲームに至るまで、人工知能にまつわる話題は毎日のようにニュース媒体を賑わせている。こうした人工知能の恩恵は、いわゆるIoT、組み込み機器や家電などにまでもたらされようとしている。その背景にあるのがNVIDIAの「Jetson TX1」の存在だ。○莫大なリソースを要求する人工知能開発人工知能の開発にはいくつかの方法があるが、現在、先端手法に位置づけられるのが「ディープラーニング」だ。ディープラーニングでは、数テラバイトに達する莫大なデータ(ビッグデータ)を、「ニューラルネットワーク」と呼ばれる演算ネットワークを多層構造化したモデルを通じて解析し、正解を類推するという手法で学習していく。十分な学習を積んだ人工知能は、人間と同等、あるいはそれ以上の確率で正解を導き出すことができ、人間には見つけられなかった新しい「正解」を生み出すことすらある。将棋や囲碁でプロ棋士をコンピュータが破ったといったニュースは、ディープラーニングによる成果である。非常に有望なディプラーニングだが、問題もある。ディープラーニングでは最初にビッグデータを読み込ませてデータを解析する「学習」と、実世界でのデータと突き合わせてみる「推論」の2つのフェーズがあり、「学習」にかかるリソースが非常に大きいのだ。具体的には、現在、デスクトップPC用で最高性能を誇るインテルのCore i7シリーズのCPUでも、学習には数カ月を要する例が一般的で、スーパーコンピュータやワークステーションでも、学習にかかる時間を大幅に縮小するには至っていない。膨大な演算量を必要とするディープラーニングだが、こうした状況を改善する手段が「GPUコンピューティング」だ。本来3Dグラフィックの描画に使われるGPUだが、内部では描画のために複雑な演算を繰り返している。この構図がディープラーニングで行われる多階層の行列演算と極めて似通っており、すぐさま応用が可能だったのだ。●ロボット、家電を賢くするGPU○劇的な改善をもたらしたGPUコンピューティング実際、ディープラーニングをGPUで行った場合、CPUを使うのに比べて数倍の高速化が可能となり、数カ月かかっていた学習フェーズの演算が数週間程度へと、劇的に短縮されるようになった。学習が速くなればディープラーニングそのもののアルゴリズムの改良も素早く行えるようになり、さらに効率的なアルゴリズムの開発が、ディープラーニングそのものの進化をさらに押し上げることにつながっている。また、GPUは拡張ボードという形で1台のコンピュータに数台増設することが可能だ。このため、当初は拡張ボード1台で検証を始め、開発の進度に合わせて演算能力を拡張するのも容易に行える。コスト的な側面からもGPUコンピューティングは革命的な効果をもたらしたわけだ。こうしたGPUコンピューティングの先端を行くのが、GPUメーカーである米NVIDIA社だ。同社はパソコン用のハイエンドゲーミングGPUでも有名だが、GPUコンピューティングの可能性を提唱し、開発環境「CUDA」を提供するなど、GPUコンピューティングでも重要な役割を果たしている。現実にディープラーニングのトップ企業はほとんどがNVIDIAのGPUコンピューティングボードを導入しており、人工知能の進化にNVIDIAは欠かせない存在となっているのだ。○IoTにもディープラーニングの恩恵をGPUコンピューティングは高性能だが、高速なGPUは相応に消費電力も高く、IoTなど、小さなサイズの機器にもたらすのは非常に難しいとされていた。しかし、NVIDIAは最新の「Maxwell」世代のアーキテクチャで、GPUの大幅な省電力化に成功した。これにより、サーバー/ワークステーション向けの「Tesla」やデスクトップPC用の「Titan」といった大電流が利用できる環境向け製品だけでなく、自動運転車など自動車プラットフォーム用の「NVIDIA DRIVE PX」や、ロボット・IoTなど組み込み機器向けの開発・研究に向けた「Jetson TX1」が登場した。Jetson TX1は、サイズはクレジットカード大とコンパクトだが、GPU全体の演算能力は1TFLOPS(1秒間に1兆回の浮動小数点演算が行える)に達する。さすがに現在のスーパーコンピュータ並みというほどではないが、このサイズとしては非常に高い数値だ。この性能なら、フルHD解像度で撮影された動画をリアルタイムに処理し、物体の認識を行うといった高度な処理が可能になる。さらに、これだけの高い性能を、10W前後という低消費電力で提供できる。これはバッテリーで動作する機器にも十分提供可能な数値だ。●Jetsonは何を変えるか○自律するIoTがもたらす世界Jetsonの登場でIoTに人工知能がもたらせることはわかったが、本当にそこまで必要なのだろうか、という声もあるだろう。確かに、インテリジェントな処理で自動で動作する機器はすでに多数存在している。それらが人工知能に置き換わることでさらにメリットがないのであれば、確かに無駄にも見える。しかし、人工知能が実現する最大のメリットは、真の意味で「自律して動作する」ことにある。たとえば自動運転の掃除機ロボを例に考えてみよう。これまでは赤外線や音波など、各種センサー類で周囲の環境を把握し、障害物を避けつつ、ゴミを掃除してきた。これが人工知能搭載になると、センサー類に加えて、カメラで取り込んだ映像をリアルタイムに解析し、落ちているものがゴミなのか、100円玉や指輪なのかを識別できる。ゴミならばそのまま吸い込み、100円玉や宝石はゴミとは別の容器に受ける、といった「賢い」掃除機が可能になるわけだ。あるいはドローンの例を考えてみよう。現在、ドローンはGPS情報などを使ってルートを決め、オートパイロットで飛ぶことができるが、鳥が障害になったり、ほかのドローンが近づいてきても避けることができない。しかし、人工知能を搭載したドローンならば、自動的に障害物を判断して避け、元のルートに戻って飛行を続けることができるわけだ。もしこれが、いちいちモバイル回線などでサーバーのデータと突き合わせて認識していたりしては衝突は免れないが、Jetsonのような高度な処理能力を搭載していれば、機器単体で危険を回避できる(未知の障害物であれば、あとでサーバ上で学習を更新すればいい)。センサー類だけに頼った自動運転は、急激なアクシデントに対応できないが、人工知能であれば学習を通じて性能をどんどん高めていくことができる。Jetsonが持つもうひとつの強みは、JetsonがほかのNVIDIA製品と同じGPUアーキテクチャで製造されていることだ。NVIDIAではGPUコンピューティング向けに「CUDA」という開発環境を用意しており、ディープラーニングや画像認識といった機能向けの情報も多数揃っている。このため、Jetsonを使えば効率良く、素早く開発が進められる。学習を繰り返すサーバーから、推論を行う機器に至るまで、CUDAプラットフォームで統一できるため、開発も管理も容易になるわけだ。今後、人工知能はどんどん身近なものになり、あらゆる場面で人間の生活をサポートするものになるだろう。そのとき、賢い家電や自律制御のロボットは、JetsonがもたらすGPUコンピューティングパワーが実現することになるだろう。
2016年03月25日ドワンゴは1日、公益財団法人日本棋院協力のもと、世界トップレベルの囲碁ソフトウェア開発プロジェクト「DeepZenGoプロジェクト」(ディープゼンゴプロジェクト)を発表した。半年から1年後をめどに、新たな囲碁ソフトの完成を目指す。プロジェクトメンバーには、新生囲碁ソフトのベースとなる「Zen」開発者・尾島陽児氏、加藤英樹氏を中心に、将棋ソフトウェア「PONANZA」開発者である山本一成氏、人工知能の研究者で東京大学准教授の松尾豊氏らを迎える。ドワンゴは、ハードウェアや開発スペースなどの開発環境を提供するほか、同社の人工知能研究所も開発を支援。今後、プロジェクトの賛同者・賛同企業は、随時拡充していく。同社は、「DeepZenGoプロジェクト」を通じて、人工知能技術の向上や、囲碁への関心の高まりによる囲碁界の発展を期待する。日本棋院の和田紀夫理事長は、同プロジェクトが、Googleの囲碁AI「AlphaGo」に対抗するだけでなく、囲碁業界の発展にも貢献する点を評価。「この機会に囲碁の存在が高まり、囲碁の継承発展により人工知能と人間の知能の両方が成長し、コラボレーションできることを期待しています」とコメントしている。「AlphaGo」は、Googleが1月27日に成果を発表した囲碁プログラム。従来採用されてきた高速検索手法ではなく、ニューラルネットワークを活用した機械学習の手法を採用することで、プロ棋士に勝利する成果を上げた。
2016年03月01日米Googleは1月27日(米国時間)、同社が開発した「AlphaGo」という囲碁プログラムが、置き石などハンデのないフルサイズの囲碁で初めて人間のプロ棋士に勝利したことを明らかにした。Google DeepMindチームのDemis Hassabisが公式ブログでAlphaGoの概要を説明しているほか、27日発行の科学雑誌NetureにAlphaGoに関する論文が掲載された。AI(人工知能)は三目並べやチェッカーに始まり、近年ではチェスや将棋でプロ棋士を打ち負かしてきたが、広い盤面で指し手の組み合わせが多岐にわたる囲碁ではプロレベルの壁を打ち破れずにいた。DeepMindチームは、可能な指し手にサーチツリーを割り当てる従来のAI方式だけでは通用しないと考え、サーチツリーを押し進めたモンテカルロツリーサーチ(MCTS)とディープニューラルネットワークを組み合わせた。それがAlphaGoである。数百万のニューロンのような接続から成る12の異なるネットワーク層が指し手を分析する。例えば、ニューラルネットワークの1つ「ポリシーネットワーク」が次の手を選択、別のニューラルネットワーク「バリューネットワーク」が、その手を評価してゲームの勝者を予測する。AlphaGoのトレーニングは、囲碁のエキスパートによるおよそ3,000万の指し手の学習から始まった。57%の確率で人の指し手を予測できるようになるまでニューラルネットワークを鍛えると、指し手を再現するだけではなく、AlphaGoが自ら新たな戦略を組み立てられるように、ニューラルネットワーク間の対局、強化学習と呼ばれる試行錯誤を用いた接続の調整を重ねた。トレーニングプログラムを完了したAlphaGoは、既存の囲碁プログラムとトーナメント形式で対戦。500戦中499勝と圧勝し、そして昨年10月にロンドンにおいて非公開でファン・フイ氏と対局した。フイ氏は過去3回ヨーロッパチャンピオンになった実力者だが、AlphaGoは5戦して5勝と完勝した。初めてプロ棋士に勝利したAlphaGoは、次に囲碁界の最高峰に挑む。3月にソウルでイ・セドル九段と対局する予定だ。
2016年01月28日サードウェーブデジノスとドスパラは28日、東京・秋葉原の「GALLERIA Lounge」にて、将棋電王戦イベント「初代電王ponanzaに勝てたらノートパソコン or スティック型PCプレゼント!」を開催すると発表した。開催日時は2015年8月29日12時から18時まで。対局者は定員30名で、イベント当日の11時30分からくじ引きによる抽選を行う。電王戦FINALでプロ棋士との対局に勝利した将棋ソフト「ponanza」と勝負できるイベント。難易度を3段階から選択可能で、対局に勝つと難易度に応じたPCがもらえる。選択できる難易度と賞品は次の通り。これまでの挑戦者を全て退けてきたという「通常版ponanza」:勝利すると15.6型ゲーミングPC「GALLERIA QF960HE」がもらえる。角落ちでの対局になる「駒落ちponanza」:勝利すると15.6型ノートPC「Critea DX4」がもらえる。スティックPCにインストールされた「StickPC ponaza」:勝利するとスティックPC「Diginnos Stick DG-STK2F」がもらえる。当日はゲスト解説としてプロ棋士の大平武洋 五段と「ponanza」の解説者である山本一成氏を迎え、ニコニコ生放送で対局の様子を中継する。
2015年08月28日理化学研究所(理研)は4月21日、将棋の棋士の脳を調べることで、ヒトの直感的な戦略決定が大脳の帯状皮質と呼ばれる領域を中心とするネットワークで行われていることを明らかにしたと発表した。同成果は理研脳科学総合研究センター認知機能表現研究チームの田中啓治チームリーダーらの研究グループによるもので、富士通および富士通研究所、日本将棋連盟が研究に協力した。4月20日付(現地時間)の米科学誌「Nature Neuroscience」オンライン版に掲載された。人は複雑な状況の中で応答を迫られたとき、まず大まかな戦略を決めて、次にその戦略のもとで具体的な応答を決める。これにより、最初から具体的な応答を決めるよりも短時間で良い応答を決めることができるとされる。しかし、具体的な応答を分析せずに直感的に大まかな戦略を決定する脳のメカニズムについてはこれまでよくわかっていなかった。同研究グループは、攻めの手と守りの手の区別がはっきりしている将棋で、対局中に守るべきか攻めるべきかを決定する局面で戦略を決定する際の、脳メカニズムを機能的磁気共鳴画像(fMRI)装置を用いて調査した。実験はアマチュア三段、四段の高段者17名を被験者とし、課題はプロ棋士である北浜健介七段(現:八段)が作成した。被験者にはまず、これから提示される課題が戦略決定課題か具体手決定課題かを教え、盤面を4秒提示して回答を考えさせ、その後戦略決定課題の時は攻めか守りの2つの選択肢、具体手決定課題の場合は4つの選択肢を提示して2秒以内に回答させた。その結果、直感的な戦略決定は、具体的な手を決定する脳の領域とは別の脳ネットワークで行われることを発見した。また、与えられた盤面での攻めと守りの主観的価値は帯状皮質の後部と前部に分かれて表現され、これらの価値表現が前頭前野背外側部に伝えられて戦略決定がなされることもわかった。今回の実験は将棋を対象に行われたが、その他の日常的な個人や集団による直感的な戦略決定にも類似の脳ネットワークが使われている可能性があるという。
2015年04月21日対局開始から1時間も経たずにコンピュータソフトが投了し、異例の終局となった「将棋電王戦FINAL」の第5局・阿久津主税八段 対 AWAKEの結果を受けて、11日15時より阿久津八段 対 永瀬拓矢六段のエキシビジョンマッチが開催されている。急遽决定したエキシビジョンマッチでは、第5局の結果を受けて、初手からはじめるのではなくAWAKEが「もし△2八角と指していなければどうなったか」の検証とともに互角の勝負が想定されていたことから、その直前の▲9六歩の局面から開始。先手は、第5局に引き続き阿久津八段、後手は「将棋電王戦FINAL」第2局でSeleneに勝利した永瀬六段。なお、永瀬六段は開発者席に座り、代指しをデンソーウェーブの新たなロボットアーム「電王手さん」が務める。持ち時間は両者1時間。対局の模様は、動画サービス「ニコニコ生放送」で生中継されている。第5局は「第2回将棋電王トーナメント」第1位の将棋ソフト・AWAKEが21手でまさかの投了。両陣営勝ち越しをかけた第5局は阿久津八段が勝利し、「将棋電王戦FINAL」はプロ棋士が3勝2敗で勝ち越す結果となった。先手の阿久津八段は、序盤で角交換四間飛車と呼ばれる形に進めたが、そこからあえて自陣に隙をつくって角を打たせる特殊な作戦を選択。その直後にコンピュータ将棋ソフトAWAKEが21手で投了し、対局開始から1時間も経たずに終局となった。AWAKEは「将棋電王戦FINAL」出場に先立って、アマチュアと対戦する企画に出場していたが、その際本局と同じ展開から敗れており、第5局でも同じ形を阿久津八段が採用するかどうか注目が集まっていた。AWAKEの開発者・巨瀬亮一氏は、「△2八角と打ってしまったら▲1六香と上がられたところで投了しようと決めていた」と話しており、アマチュア対戦企画の敗戦と同じ形になったため、開発者の意思として投了を選択したという。なお、第5局および「将棋電王戦FINAL」の記者会見は、本日18:00より行われる
2015年04月11日5人のプロ将棋棋士がコンピュータ将棋ソフトと団体戦で戦う「将棋電王戦FINAL」の第5局・阿久津主税八段 対 AWAKEの対局が11日、東京・将棋会館にて行われた。第5局は10時49分、「第2回将棋電王トーナメント」第1位の将棋ソフト・AWAKEが、21手で投了し、両陣営勝ち越しをかけた第5局は阿久津八段が勝利。「将棋電王戦FINAL」はプロ棋士が3勝2敗で勝ち越す結果となった。将棋は、先手の阿久津八段は、序盤で角交換四間飛車と呼ばれる形に進めたが、そこからあえて自陣に隙をつくって角を打たせる特殊な作戦を選択。その直後にコンピュータ将棋ソフトAWAKEが21手で投了するというハプニングが発生し、対局開始から1時間も経たずに終局となった。消費時間は阿久津八段が13分、AWAKEが30分。AWAKEは「将棋電王戦FINAL」出場に先立って、アマチュアと対戦する企画に出場していたが、その際本局と同じ展開から敗れており、第5局でも同じ形を阿久津八段が採用するかどうか注目が集まっていた。AWAKEの開発者・巨瀬亮一氏は、アマチュア対戦企画の敗戦と同じ形に進んだら投了すると決めており、開発者の意思として投了を選択したという。終局後の会見で阿久津八段は「(AWAKEの弱点は)ソフトを貸し出してもらって3日目か4日目ぐらいに気づきました。(特殊な作戦について)普段やらない形なので葛藤もありましたが、一番勝ちやすい形を選ぼうと思いました。(団体戦勝利については)素直にうれしいという感じではないですが、とりあえずはよかったなと」と振り返り、巨瀬氏は「△2八角と打ってしまったら▲1六香と上がられたところで投了しようと決めていた。アマチュアが指した形なのでプロが指してくるかどうかはわからないと思っていた。こうした穴があるのは、しかたがないところもある。最初から勝ちにはそれほどこだわっていなかった」と語っている。なお、第5局および「将棋電王戦FINAL」の記者会見は、本日18:00より行われるという。
2015年04月11日サードウェーブデジノスとドスパラは10日、将棋ソフト「ponanza」と対局できるイベント「初代 電王ponanzaに勝てたらノートパソコン1台プレゼント!」の開催を発表した。開催日時は2015年4月12日12時から18時だが、参加したい場合は11時30分までに会場で申し込みをする必要がある。場所は東京・秋葉原のGALLERIA Lounge地下1階イベントスペース。今回のイベントは、2014年3月14日から行われている「将棋電王戦FINAL」を記念して企画されたもので、将棋・電王戦でプロ棋士に勝利したソフト「ponanza」と勝負できる。ただし、イベントでは電王戦本番のPCよりもスペックをダウンさせたノートPC版「ponanza」との対局となる。また、ゲスト解説として日本将棋連盟西尾明 六段と「ponanza」の開発者である山本一成氏を迎え、対局の様子はニコニコ生放送で配信する。参加資格は、参加資格はプロ棋士、女流棋士、奨励会員でないこと。参加者が多数の場合は、くじ引きを行い30名が「ponanza」と勝負できる。対局に勝利した参加者には、15.6型ノートPC「Critea DX4-クリテア DX4」をプレゼントする。このほか、対局に関する詳細なルールはドスパラのWebサイトを参照してほしい。
2015年04月10日ドスパラは4月10日、将棋男子がどのような印象をもたれているのかについて調査結果を発表した。調査は4月3日~4日、20代~30代女性1,101人を対象にインターネットリサーチで行われた。「あなたが将棋を指す男性に対してもっている印象は好印象ですか? 悪印象ですか?」と聞くと、38.4%が「好印象」、55.8%が「どちらでもない」と回答。「悪印象」と答えた人はわずか5.8%だった。将棋男子に対して持っているイメージは「頭脳明晰」(46.10%)、「冷静沈着」(40.80%)、「戦略的」(35.90%)、「和風」(32.20%)、「クール」(24.50%)となった。その他には「記憶力がある」「決断力がある」「芯が強い」「頑固」といった回答があった。「アンケート結果より、20代~30代女性は、将棋男子に対して悪印象をもつことは少ないようです。頭脳明晰や冷静沈着といったイメージを獲得したい男性は、ぜひ将棋を趣味としてみてはいかがでしょうか」と調査ではまとめている。またサードウェーブデジノスは4月12日、「将棋電王戦FINAL(ドワンゴ、公益社団法人 日本将棋連盟主催)」を記念して、初代電王「ponanza」と一般の参加者が対戦できるイベントを「GALLERIA Lounge(ガレリア ラウンジ)」(東京都・秋葉原)で開催する。詳細はイベントページで確認できる。※写真と本文は関係ありません
2015年04月10日5人のプロ将棋棋士がコンピュータ将棋ソフトと団体戦で戦う「将棋電王戦FINAL」の第4局・村山慈明七段 対 ponanzaの対局が4日、奈良県・薬師寺にて行われた。第4局は、4日20時48分、「第2回将棋電王トーナメント」第2位の将棋ソフト・ponanzaが村山七段を破り、コンピュータ側が2連勝。全5局のうちプロ棋士側が2勝、コンピュータ側が2勝と並び、両陣営勝ち越しをかけて第5局が行われることになる。将棋は、村山七段が相横歩取りと呼ばれる作戦で決戦を挑んだが、ponanzaはこれを拒否して穏やかな流れに持ち込んだ。ponanzaは序盤の駒組みで一歩リードすると、徐々に優位を拡大。劣勢の村山七段は勝負に出たが、ponanzaが冷静に対応して押し切った。手数は97手で、消費時間は村山七段が4時間56分(残り4分)、ponanzaが3時間57分(残り1時間3分)。なおponanzaは、団体戦の「第2回将棋電王戦」「第3回将棋電王戦」「将棋電王戦FINAL」と3大会連続で出場している唯一の将棋ソフトで、3戦全勝となる。終局後の会見で村山七段は「相横歩取りは、練習では激しい将棋になることが多かった。本譜は練習でほとんど指されず、研究していない形になってしまった。いい将棋が指せなくて残念です」と肩を落とし、ponanzaの開発者・山本一成氏は「力が出やすい展開になって、序盤の分かれは悪くないのではと思っていた。両者勝ち越しをかけて第5局を戦うのは初めて。つなげることができたと思う」と語っていた。4月11日まで開催される「将棋電王戦FINAL」は、「第2回将棋電王トーナメント」上位5つのソフトと現役のプロ棋士5人による団体戦で、これまで開催された前3回はすべて総合成績でコンピュータが勝利。今回は「FINAL」と銘打ったとおり、人間対コンピュータの最後の団体戦となり、プロ棋士側は若手中心の対コンピューター適性が高いと思われる棋士で構成されている。持ち時間は人間側、コンピュータ側ともに5時間。プロ棋士側には前回大会同様、対局するソフトが事前提供された。また、対局におけるソフト側の指し手は、デンソーの子会社であるデンソーウェーブの新たなロボットアーム「電王手さん」が導入されている。最終局となる第5局の阿久津主税八段 対 AWAKEの対局は、4月11日東京・将棋会館で行われる。
2015年04月04日5人のプロ将棋棋士がコンピュータ将棋ソフトと団体戦で戦う「将棋電王戦FINAL」の第3局・稲葉陽七段 対 やねうら王の対局が28日、北海道・函館の五稜郭にて行われた。第3局は、28日20時2分、「第2回将棋電王トーナメント」第3位の将棋ソフトやねうら王が稲葉七段を破り、全5局のうちコンピューター側が1勝目、プロ棋士側としては2勝1敗となった。将棋は、やねうら王の横歩取り△3三桂戦法から、中盤で稲葉七段が開戦。しかし結果的にはその判断が裏目に出たようで、やねうら王が優勢になる。終盤は稲葉七段が入玉含みでがんばるも及ばず、やねうら王が稲葉七段の玉を寄せきった。手数は116手で、消費時間は稲葉七段が4時間6分(残り54分)、やねうら王が3時39分(残り1時間21分)。終局後の会見で稲葉七段は「横歩取り△3三桂戦法は想定の一つでしたが、その後イヤな展開に。こちらから動いたのが早かったかもしれません。ギアチェンジをもう少し我慢する必要がありました。以下は苦しい局面が続き、最後は読みにない良い手を指されて負けを覚悟しました。棋士の2連勝という良い流れで不甲斐ない将棋を指し、自分の弱さを感じました」と振り返り、やねうら王の開発者・磯崎元洋氏は「敵陣突破に成功してからはやねうら王の評価値は終始プラスでした。ただ、入玉されるとどうなるのかなと。プロ棋士の事前研究への対策を打てていなかったので、勝てるとは思っておらず、実感はまだありません」と話していた。4月11日まで開催される「将棋電王戦FINAL」は、「第2回将棋電王トーナメント」上位5つのソフトと現役のプロ棋士5人による団体戦で、これまで開催された前3回はすべて総合成績でコンピュータが勝利。今回は「FINAL」と銘打ったとおり、人間対コンピュータの最後の団体戦となり、プロ棋士側は若手中心の対コンピューター適性が高いと思われる棋士で構成されている。持ち時間は人間側、コンピュータ側ともに5時間。プロ棋士側には前回大会同様、対局するソフトが事前提供された。また、対局におけるソフト側の指し手は、デンソーの子会社であるデンソーウェーブの新たなロボットアーム「電王手さん」が導入されている。第4局・村山慈明七段 対 ponanzaの対局は、4月4日奈良県・薬師寺にて行われる。
2015年03月28日プロ棋士とコンピュータ将棋ソフトによる5対5の団体戦「将棋電王戦FINAL」の第3局・稲葉陽七段 対 やねうら王が、3月28日に北海道函館市の五稜郭で開催される。ドワンゴと日本将棋連盟が主催する「将棋電王戦FINAL」は、現役プロ棋士と「将棋電王トーナメント」で勝ち抜いたコンピュータ将棋ソフトが戦う団体戦。2012年より毎年開催されているが、これまで棋士が負け越しており、今回が最後のリベンジのチャンスとなる。既報のとおり、第1局、第2局では棋士側が2連勝しており、「将棋電王戦」史上初となるプロ棋士側の勝ち越しにリーチがかかった今回の第3局は、稲葉陽七段と、「第3回将棋電王戦」にも出場した将棋ソフト・やねうら王の対局。コンピュータ将棋の代指しを努めるのは、デンソーが一が新たに開発したという将棋専用ロボットアーム「電王手さん」で、歴史の転換期を迎えた五稜郭という大舞台で、最高峰の頭脳と最先端テクノロジーが真剣将棋を繰り広げることになる。当日は10:00より対局開始。持ち時間は5時間(チェスクロック方式)で、使い切ると1分将棋となる。2014年11月に行われた元チェス世界王者のガルリ・カスパロフ氏による振り駒の結果、棋士側が第1・3・5局で先手番▲に決定している。なお、全対局の模様は、ニコニコ生放送にて完全生中継される。
2015年03月27日5人のプロ将棋棋士がコンピュータ将棋ソフトと団体戦で戦う「将棋電王戦FINAL」の第2局・永瀬拓矢六段 対 Seleneの対局が21日、高知県・高知城で行われた。第2局は、21日19時7分、「第2回将棋電王トーナメント」第4位の将棋ソフト・Seleneが、王手放置のため反則負け。これにより第1局の斎藤五段に続いてプロ棋士側が2勝目をあげた。将棋は、盤は互角で進み、中盤ではSeleneがわずかにリードしたと見られた瞬間もあったが、その後、永瀬六段の鋭い踏み込みで一気に後手が勝勢。最後はSeleneのプログラムの問題により反則負けとなったが、仮に反則がなくても永瀬六段の勝ちは間違いなかったと見られている。手数は89手で、消費時間は永瀬六段が3時間27分(残り1時間33分)、Seleneが3時間38分(残り1時間22分)。Seleneは飛車不成、角不成、歩不成を認識できないプログラム上の不備があったという。そのため88手目の△2七角不成の王手を認識できず、89手目▲2二銀という自玉の王手を解除しない手を着手。これは将棋では王手放置という反則でその時点で負けとなる。終局後の会見で永瀬六段は「Seleneにプログラムの不備があることは練習の段階でわかっていました。ただ、修正されている可能性もあると思ったので、確信はなかったです。最後は自分の読みの中では勝ちだと思いましたので、仮に角不成に対応されても問題と判断して角不成という手を指しました」と語り、Seleneの開発者・西海枝昌彦氏は「プログラムに不備があったことは認識していませんでした。和服を着て気合いを入れて臨んだのですが、このような結果となり残念です」と肩を落としていた。4月11日まで開催される「将棋電王戦FINAL」は、「第2回将棋電王トーナメント」上位5つのソフトと現役のプロ棋士5人による団体戦で、これまで開催された前3回はすべて総合成績でコンピュータが勝利。今回は「FINAL」と銘打ったとおり、人間対コンピュータの最後の団体戦となり、プロ棋士側は若手中心の対コンピューター適性が高いと思われる棋士で構成されている。持ち時間は人間側、コンピュータ側ともに5時間。プロ棋士側には前回大会同様、対局するソフトが事前提供された。また、対局におけるソフト側の指し手は、デンソーの子会社であるデンソーウェーブの新たなロボットアーム「電王手さん」が導入されている。第3局・稲葉陽七段 対 やねうら王は、3月28日に北海道・函館の五稜郭で行われる。
2015年03月21日