「『国宝級イケメン』といっても、ランキングで1位をとっていないので、どう対応していいかわからないんですよね。でも、このドラマの『顔だけ』というのは、周りが勝手に言っているだけで、遠藤自身が意識していることではないので、そこは気にしないようにしています」目力のあるキリッとした目に、鼻筋の通った高い鼻。“国宝級イケメン”との呼び声も高い神尾楓珠(22)の最新主演ドラマのタイトルはなんと『顔だけ先生』(東海テレビ・フジテレビ系にて10月9日23時40分スタート)。マイペースすぎて“顔だけ”と揶揄される遠藤先生を演じる。過去にテレビ番組で、“国宝級イケメン”と言われるのは苦手だと語っていた神尾。そんな彼に今回、“顔”について話を聞きました!--自分が思う「イケメン」は誰?「木村拓哉さん。イケメンの代名詞みたいな人で、生き方もイケメンだと思います」--自分の顔で好きなところは?「横顔ですかね。Eライン(理想的な横顔のライン)がちゃんとある、って言われるので、正面より横顔のほうがいいのかな(笑)」--顔は父親似?母親似?「父親似ですね。母は薄い顔で、父は濃いので。鼻とかは母親似かな」--教師としての職務より自分の趣味を満喫する遠藤先生。自身との共通点は?「自分の価値観を守って生きているところ。この仕事をしていると、SNSなどでいろいろな意見を受け取ってしまうけれど、それに揺さぶられちゃいけないと思っています。僕は芸能人だから○○をしてはいけない、○○でいなくてはならない、と堅苦しいことを考えるより、一度きりしかない人生を楽しむことのほうが大事だと思っています」そうキッパリ語る神尾楓珠は、“顔だけ”じゃない、骨太な男なのでした。
2021年10月10日奈良県桜井市にある聖林寺が所蔵する国宝≪十一面観音菩薩立像≫を東京で初めて公開する、特別展『国宝 聖林寺十一面観音 ―三輪山信仰のみほとけ』が、 6月22日(火)から9月12日(日)まで東京国立博物館にて開催される。江戸時代まで、法隆寺の国宝≪地蔵菩薩立像≫などとともに同市にある大神神社に所蔵されていた、天平彫刻の名品で日本を代表する仏像のひとつである、国宝≪十一面観音菩薩立像≫。仏教伝来以前の日本では、神は山、滝、岩や樹木等に宿ると信じられ、本殿などの建築や、神の像はつくらず、自然のままの神霊が寄りつくものとして拝んでいた。その形が現在まで続いているのが三輪山を御神体とする大神神社。その大神神社に大神寺(鎌倉時代以降は大御輪寺)が建てられ、仏像が安置されていた。今回の展示では、その優雅な表情、均整のとれた体軀、姿勢、しぐさの美しさを360度さまざまな角度から観ることができる。さらに、国宝≪十一面観音菩薩立像≫のほか、法隆寺にまつられる国宝 ≪地蔵菩薩立像≫、正暦寺≪日光菩薩立像≫、≪月光菩薩立像≫などの仏像、仏教伝来以前の日本の自然信仰を示す三輪山禁足地の出土品などを展示。会場では、大神神社の三ツ鳥居も再現し、三輪山信仰にも迫る。フェノロサや白洲正子といった数多くの作家や芸術家を心酔させたと言われている、国宝≪十一面観音菩薩立像≫の比類ない美しさを目に焼きつけたい。【開催概要】特別展『国宝 聖林寺十一面観音 ―三輪山信仰のみほとけ』会場:東京国立博物館本館特別5室会期:2021年6月22日(火)~9月12日(日)時間:9:30~17:00休館日:月曜(8月9日は開館)展覧会公式サイト: ※2022年2月5日(土)~3月27日(日)奈良国立博物館にて巡回予定
2021年06月16日カエルやウサギなどのキャラクターが超かわいい国宝「鳥獣戯画」。その全巻全場面を一挙に見ることができる注目の展覧会が4月13日、上野の東京国立博物館ではじまりました。会場では絵巻の流れを体感できる“動く歩道”も導入。展示の様子から楽しいグッズまでたっぷりご紹介!(※緊急事態宣言の発令により4月25日から当面の間、東京国立博物館は臨時休館中です)はじめての一挙公開!【女子的アートナビ】vol. 204特別展『国宝鳥獣戯画のすべて』では、日本でもっとも有名な絵巻、国宝「鳥獣戯画」の全4巻全場面を展覧会史上はじめて一挙に公開。これまで行われていた絵巻の巻き替えによる展示替えがなくなり、会期中、通期ですべての場面を見ることができます。「鳥獣戯画」とは今から800年ほど前の平安時代終わりから鎌倉時代のはじめごろにかけて描かれた白描(はくびょう)の絵巻。一般的な絵巻は「絵」と物語の筋や説明を記した「詞書(ことばがき)」で構成されていますが、鳥獣戯画では詞書がないのが特徴のひとつ。擬人化された動物や人間のさまざまな行動が躍動的に表されています。誰がどんな目的で描いたのかなど詳細については謎の部分が多いのですが、この絵巻は京都の高山寺に伝わる宝物で、1952年に国宝指定されています。また、会場では鳥獣戯画の一部が切り離され、掛け軸などに仕立て直された断簡や、原本で失われた場面を記録した模本、さらには高山寺の秘宝も展示。まさに鳥獣戯画のすべてをまとめて楽しめる展覧会です。動く歩道で絵巻体験!本展の目玉は、なんといっても絵巻を一気に見られる点です。2015年に「鳥獣戯画」が公開されたときは前期と後期にわけられて、巻の一部は複製品の展示になっていたのですが、今回は原画ですべてのストーリーを追うことができます。しかも、ウサギやカエルが登場する一番人気の甲巻部分には動く歩道が設置されています!昔の人たちが絵巻をゆっくり開きながら作品を楽しんだのと同じ感覚で、右から左へと流れるように作品を鑑賞できます。動く歩道に乗り、絵巻を一気に見られるのはうれしいのですが、じっくりストーリーを追うことは難しいかもしれません。そこで、本記事では甲巻の名場面をピックアップしてご紹介します!鼻つまみダイブ!まずはサルとウサギたちが水遊びしている名場面をチェック。ここでは、ウサギが背中からダイブする瞬間を描いた部分(画像右上)を見てください。岩の先端に後ろ向きで立ち、右手で鼻をつまみながら今にも水の中に飛び込みそうな雰囲気。実にリアルでかわいいです。カエルとウサギがサルを追いかけている部分も名場面のひとつ。「こら、待て!」と声まで聞こえてきそうなほど生き生きとした描写です。相撲で反則勝ち?!カエルとウサギが相撲をとっている場面もかなり有名です。ウサギを投げ飛ばしたカエルの口元から線が何本か引かれていて、まるでセリフのよう。ちなみに、ウサギを投げ飛ばす前、取っ組み合いの最中にカエルはウサギの耳に思いきりかみついています(上図右端参照)。この反則(?)のあと、弱ったウサギを投げ飛ばしてカエルは勝利。ちょっとズルいですね。鳥獣戯画は詞書がないので、いろいろ想像力を働かせながら見ることができます。絵を見ながらセリフを考えてみても楽しそうですね。本記事では甲巻に注目しましたが、各巻それぞれ見どころがあり、また会場に行くとパネル解説で詳細を知ることもできます。甲巻以外は動く歩道ではないので、解説なども見ながらご自分のペースでご覧になってみてください。また、展覧会の最後では、高山寺を再興した鎌倉時代の僧、明恵(みょうえ)上人の等身大木像や、かわいい子犬の像なども展示。高山寺の名宝を通して、明恵上人の魅力も伝わってきます。グッズも盛りだくさん!ミュージアムショップでは、ウサギやカエルをデザインしたさまざまなグッズが勢ぞろい!バッグやマスキングテープ、お菓子など、どれも味わいがあってかわいいです。グッズ狙いの方はお早めにお出かけください。(※会場ショップで売り切れの場合があります)なお、この展覧会は事前予約制になっています。最新情報は公式サイトでご確認ください。Information※緊急事態宣言の発令により4月25日から当面の間、東京国立博物館は臨時休館中です会期: ~5月30日(日)会場: 東京国立博物館平成館開館時間: 9:00~19:00※総合文化展は9:30~17:00※「鳥獣戯画甲巻」の待機列には18:30分以降はお並びいただけません。休館日:月曜日※ただし、5月3日(月・祝)は開館観覧料: 一般¥2,000、大学生¥1,200、高校生¥900、中学生以下無料
2021年04月30日国宝7件、重要文化財88件を含む、日本と東洋の古美術約7400件を所蔵する根津美術館で特別展『根津美術館の国宝・重要文化財』が11月14日(土)よりスタートした。12月20日(日)まで開催されている。根津美術館は、国宝7件、重要文化財88件を含む、日本と東洋の古美術約7400件を所蔵している。同展はそのタイトルのとおり、指定された95件(展示替えあり)をすべて鑑賞できる豪華絢爛な展覧会だ(展示替えあり)。そのコレクションの大半を収集したのは初代 根津嘉一郎(1860~1940)。東武鉄道の社長などを務めた実業家であり、稀代の美術コレクターであった。2020年は根津の生誕160周年に当たる年であり、なおかつ同館の財団創立80周年、そして現在の文化財保護法が制定されてから70年目にあたる年。展覧会はこの節目となる年を記念したものだ。根津美術館のコレクションの核となるのは、初代嘉一郎が特に晩年にこよなく親しんだ茶の湯の道具、そして、大寺院建立を目指して収集した仏教美術の数々だ。これは、本人の好みももちろんあったが、当時日本で進んでいた古美術品の海外流出をくい止めたいという使命感に駆られたものでもあったという。ちなみに95件の国宝・重要文化財の大半は、初代嘉一郎が購入したのちに新たに指定されたものだ。国宝だから、重要文化財だからという理由ではなく、自分がいいと思ったものだから収集していた嘉一郎の優れた鑑識眼が推察できる。展示風景より左から重要文化財《金剛界八重一尊曼荼羅》 鎌倉時代 13世紀、重要文化財《愛染明王像》 鎌倉時代 14世紀、重要文化財《愛染明王像》 鎌倉時代 14世紀、重要文化財《大威徳明王像》 鎌倉時代 13世紀、重要文化財《大威徳明王像》 鎌倉時代 13世紀、重要文化財《大日如来像》 平安時代 12世紀すべて重要文化財!国宝《那智瀧図》 鎌倉時代 13〜14世紀日本の神々は仏が化身したものとして現れている、本地垂迹説(ほんちすいじゃくせつ)に基づいて描かれた垂迹画の作品。熊野三山の御神体でもある那智瀧が壮大に描かれている。本地垂迹説は平安時代から鎌倉時代に盛んになり、この時代に様々な垂迹画が描かれているが、瀧そのものを描いた垂迹がは、現在発見されているものではこの作品のみとなる。重要文化財鈴木其一《夏秋渓流図屏風》 江戸時代 19世紀※11月29日まで展示酒井抱一に師事した江戸琳派の絵師、鈴木其一によるもの。右隻(右側の屏風)が夏、左隻(左側の屏風)が秋を表す。木々や川の濃厚な色彩のなかに、白百合や色づいた葉が優しく佇んでいる。初代 嘉一郎が晩年に入手した作品で、今年になり新たに重要文化財に指定された。茶道具の一部展示品は実際の茶の湯でどのように使われたかをイメージしながら鑑賞することができる。茶道具同士の組み合わせの妙なども楽しめる。そして、人気の青銅器《双羊尊》ももちろん展示されている。あいらしい表情の双羊尊は根津美術館のアイドルとしても知られており、ミュージアムショップでは双羊尊のオリジナルグッズも販売されている。重要文化財《双羊尊》 中国・おそらく湖南省紀元前13〜14世紀重要文化財《双羊尊》 中国・おそらく湖南省紀元前13〜14世紀自然にあふれた庭園は紅葉がすでに始まっている。美術館から外を見ると、すでに葉が色づき始めている。隈研吾設計の建物や、自然豊かな庭園もまた根津美術館の至宝。展示室を出たあとも、たっぷりと根津美術館を散策して楽しみたい。取材・文:浦島茂世【開催情報】『根津美術館の国宝・重要文化財』11月14日(土)~12月20日(日)、根津美術館にて開催※会期中展示替えあり※日時指定予約制。詳細は公式HPを参照
2020年11月19日11月14日(土)、国宝 松江城5周年を記念した「東京スカパラダイスオーケストラin 松江城」が開催された。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、来場は山陰地方居住者のみに限定されたが、この模様は、11月17日(火)23:59までアーカイブ配信中だ。開演時間の13:30、松江城を背に石垣の前に作られた野外の馬溜特設ステージが風情を漂わせる中、エンジ色のスーツに身を纏った9人が登場。「東京スカパラダイスオーケストラin 松江城――!!」雄叫びとともに、『ペドラーズ』『5 days of TEQUILA』とスカアンセムが鳴り響くと観客は立ち上がりハンドクラップ。「集まってくれてありがとう。制約が多いけど伝わっているよ!お客さんのオーラを感じてる」と、歓声禁止の制限があるのを気遣っての谷中(B.Sax)らしいMC。6曲立て続けの「トーキョウスカメドレー 松江城Ver」では会場中が躍動し、音楽を共有できる多幸感に溢れる。「夢みたいだね!お客さんと楽しめるなんて」「身体で楽しさを表現してくれ!」とメンバーは口々にし、この日を待ちわびていた事を分かち合う。中盤、ブラックスーツのスカパラ仕様で登場したのは、バスサックスを持ったさかなクン。ギョギョギョー!とお馴染みの挨拶から『Paradise Has No Border』、クラリネットに持ち替え『およげ!たいやきくん~潜れ!さかなクン Ver.~』など3曲を共演。ハッピーな空間を創り上げた。ライブの佳境に差し掛かり、2組目のゲスト宮本浩次(エレファントカシマシ)がメンバーと同じエンジ色のスーツで登場。「(宮本は)城が似合う男だ!」と谷中は言っていたが、確かに城や石垣を背にしたステージが似合う。コラボ曲『明日以外すべて燃やせ feat.宮本浩次』で、野性的かつ繊細な歌声を轟かせ、髪をクシャクシャにして「イカしてるねー!」と客席に叫ぶ。エレカシのカバー『俺たちの明日』では、上着を脱ぎ、第一ボタンを外し、圧倒的な存在感と投げキッスを残してステージを後にした。アンコールでは、この空間がTwitterトレンド入りしたことを歓び、2人のゲストに称賛を送った後、最新曲『仮面ライダーセイバー』からキラーチューン『DOWN BEAT STOMP』へ。最後に、山陰出身である加藤(Gt.)が「1つの夢が叶いました!数少ない有観客ライブが松江で良かった。山陰と共にスカパラを頑張っていきます」と言葉を残し、祝祭は幕を閉じた。見逃し配信は、11月17日(火)23:59まで。セットリスト公開中(外部リンク)取材/文:やまさきがく
2020年11月16日東京国立博物館にある法隆寺宝物館で、9月29日(火)から10月25日(日)までの約1ヶ月間、『5Gで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」 ARでたどる聖徳太子の生涯』が開催される。同展は、第5世代移動通信システム「5G」やAR(拡張現実)などの先端技術を活用して、文化財の新たな鑑賞体験を提案する、東京国立博物館、文化財活用センター、KDDIの共同研究プロジェクトの第1弾となるものだ。1069年に絵師・秦致貞によって描かれた国宝『聖徳太子絵伝』は、聖徳太子の生涯を描く絵伝のうちもっとも古いもので、かつては奈良・法隆寺絵殿の内壁にはめこまれていた。現在は東京国立博物館が所蔵しているが、長い年月を経て画面がいたんでいることから、展示ケース越しでは細かい描写を鑑賞することが難しいうえ、作品保存の観点から、年に1ヶ月ほどの限られた期間しか展示されていない。そんな貴重な文化財を、誰もが本来の魅力を体験できるようにと制作されたのが、1面あたり18億画素の高精細画像とARを用いたアニメーションのコンテンツ。それらが、5Gの高速低遅延な通信を活用することにより、ストレスなく鑑賞することが可能になった。会場内は、かつて『聖徳太子絵伝』がはめこまれていた法隆寺絵殿の、コの字形となった内壁と同じ配置で、全10面からなる原寸大の複製画パネルが設置されている。そこで鑑賞者が使用するのは、「魔法のグラス」と「魔法のルーペ」。5Gで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」 ARでたどる聖徳太子の生涯()国宝「聖徳太子絵伝」(太子1歳、部分)平安時代・延久元年(1069)全10面のうち第1面東京国立博物館蔵太子誕生(1歳、研究員が監修し作画したイラスト)5Gで文化財国宝「聖徳太子絵伝」アニメーションより国宝「聖徳太子絵伝」(太子37歳、部分)平安時代・延久元年(1069)全10面のうち第10面東京国立博物館蔵太子の魂、青龍車で中国・衡山へ(37歳、研究員が監修し作画したイラスト)5Gで文化財国宝「聖徳太子絵伝」アニメーションより
2020年09月17日グラビアイドルの和地(わち)つかさが、最新イメージDVD『ふくらみ国宝級』(発売中 4,180円税込 発売元:竹書房)をリリースした。2013年デビューした和地つかさは、148cmの低身長に90cmのHカップバストというアンバランスさが魅力のグラビアアイドル。最近はバラエティー番組をはじめ映画や舞台にも出演するなど、グラビア以外での活動も目立っている。そんな彼女の最新作は、タイトルからもイメージできるようにHカップバストにフィーチャーした1枚となっている。設定はちょっとエッチなナース役。看護師コスプレの衣装のほかバストを強調した水着姿も見どころの1つとなっている。最新作ではオープンブラにチューブトップ風水着の重ね着、眼帯水着や紫の下着風水着など、あらゆる形の水着を着用している。
2020年05月05日日本博/紡ぐプロジェクト 特別展「京(みやこ)の国宝─守り伝える日本のたから─」は、京都市京セラ美術館にて開催予定だったが中止が決定。京都ゆかりの国宝にみる日本の心1,000年にわたり都であり続け、豊かな文化を育んできた京都。「京の国宝─守り伝える日本のたから─」は、絵画や彫刻、工芸など京都ゆかりの国宝や皇室の名宝等約40件を通して、日本人が古来より培ってきた自然への畏怖や美意識へと迫る展覧会だ。平安〜鎌倉時代の仏像の数々京都では、平安京を中心に500年以上にわたって仏教文化が花開き、数多の仏像が造られてきた。本展では、国宝である「木造梵天坐像」を筆頭に、重厚な迫力を示す平安前期、貴族の繊細な感性を映す平安後期、そして高い写実性を特徴とする鎌倉時代の仏像の数々を展示する。仏教絵画ややまと絵日本絵画の歴史のなかで、平安時代の京都に生まれた優美な絵画様式は、その重要な背景をなすと言える。会場では、平安時代に1つの頂点を迎えた仏教絵画や、平安時代に発達し、鎌倉時代に成熟していく“やまと絵”の優品を紹介。法然上人の生涯をたどる「紙本著色法然上人絵伝」や、藤原氏の氏神である春日神の霊験を描いた「春日権現験記絵」などを目にすることができる。「玳玻天目茶碗」などの工芸品また、人びとの生活や信仰のなかで使われ、受け継がれてきた工芸品の数々も。相国寺の所蔵する国宝「玳玻天目茶碗」や「太刀銘久国」といった工芸品からは、多種多様な技術の粋、そして現在に伝わる公家・武家文化の精華を垣間見られるだろう。歴史と文化の証言さらに、京都の歴史を証言する歴史資料や書物も展示する。京都を中心とした伊能忠敬による資料や、鎌倉時代の公家文化を今に伝える藤原定家の日記『明月記』、平安遷都とともに創建された官寺・東寺の歴史を記録した『東宝記』などから、京の文化の多様性をひもとく。展覧会概要【開催中止】日本博/紡ぐプロジェクト特別展「京の国宝─守り伝える日本のたから─」※当初は2020年4月28日(火)~6月21日(日)の開催を予定していたが開催中止が決定。会場:京都市京セラ美術館 本館北回廊2階住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124開館時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)<チケットの払い戻しに関して>払い戻し期間:2020年6月1日(月)~7月31日(金)※詳細は公式サイトを確認。展覧会公式サイト:【問い合わせ先】ハローダイヤル:050-5542-8600(8:00~22:00)
2020年02月28日三井記念美術館では『国宝雪松図と明治天皇への献茶』展を2020年1月30日(木)まで開催。年末年始恒例の円山応挙《国宝雪松図屏風》の展示に合わせ、三井家が明治天皇へ行った献茶の際の茶道具を中心に、天皇や皇室にかかわる品々が展示される。江戸時代以来、約350年におよぶ三井家の歴史の中で収集され、伝えられてきた日本・東洋の美術品を収蔵する三井記念美術館。毎年、年末年始は同館の誇る円山応挙筆《国宝雪松図屏風》を公開するとともに、新春にふさわしい企画展示が行われる。今回は令和元年にちなみ、館蔵品の中から天皇や皇室にかかわる作品を紹介。その中心となるのが、1887(明治20)年、京都博覧会において三井家が明治天皇への献茶を行った際に使用した茶道具だ。この時、抹茶席では三井家の当主・高朗とその息子の高棟が亭主となり、表千家の碌々斎の点前で献茶が行われたという。六畳の囲い屏風には円山応挙の雪松図屏風、床には藤原定家の小倉色紙、茶碗には和全作の金襴手天目など、献茶で使用された北三井家伝来の名品が展示される。また、献茶の茶道具だけでなく、皇室の菊の御紋章にちなみ菊をデザインした茶道具や工芸品、皇室の保護を受けた美術・工芸家である帝室技芸員の作品、奈良から江戸時代までの天皇にかかわる古筆切、さらに北三井家の当主が描いた絵画なども紹介。《国宝雪松図屏風》は全期間展示されるほか、国宝の志野茶碗《銘卯花墻》も茶室「如庵」を再現した展示ケースにて例年通り展示される。令和改元の新春にふさわしい三井記念美術館の誇る名品の数々を、一年の締めくくりに、また、新しい年の始めに、堪能してみてはいかがだろうか。【開催情報】『国宝雪松図と明治天皇への献茶』12月14日(土)〜2020年1月30日(木)まで三井記念美術館にて開催【関連リンク】 三井記念美術館( /target=)桐木地菊置上茶箱 1箱江戸時代北三井家旧蔵国宝 志野茶碗 銘卯花墻 桃山時代 室町三井家旧蔵日の丸釜 与次郎作 1口 桃山時代 北三井家旧蔵御所丸茶碗 1口 朝鮮時代 北三井家旧蔵稲菊蒔絵鶴卵盃 柴田是真作 1対 明治時代 北三井家旧蔵九郎義経 安田靫彦筆 1幅 昭和17年(1942) 室町三井家旧蔵三井好 都のにしき「朝の雪」 水野年方画 13枚の内1枚 明治時代 個人旧蔵重要文化財 古筆手鑑「たかまつ帖」より「大聖武」 伝聖武天皇筆 1葉 奈良時代 北三井家旧蔵草花図剪綵 三井高朗作 2曲1隻 明治時代 北三井家旧蔵
2019年12月22日8月15日の誕生日で、29歳となる岡田将生。愛され続けてきた彼もいまやアラサー。しかし、そのキュート過ぎる魅力は年齢を重ねてなおパワーアップしている。立派なアラサー男性に「キュート過ぎる」は失礼かもしれないが、絶対に嫌いになれない愛されキャラは国宝級。そんな岡田さんの魅力に改めて迫りたい。俳優としての活躍と並行し、本来のキャラも浸透2006年のデビュー以来、美しい顔立ちと確かな演技力で数々の作品に出演してきた岡田さん。『ホノカアボーイ』で映画初主演を果たした2009年には、『重力ピエロ』『僕の初恋をキミに捧ぐ』などの熱演もあり、その年の映画賞新人賞を総なめに。以降、映画にドラマに舞台に、人間ドラマにサスペンスにコメディにアクションに時代劇に、イケメン役にエリート役にクズ役に気弱くん役にと、様々な作品で様々な役柄を演じてきた。誰がどう見ても美しい顔立ちでありながら、イケメン俳優に留まらない活躍を見せているところからも岡田さんの俳優力が分かる。そんな岡田さんだが、各作品で俳優としての成長を見せるたびに、素顔の愛されキャラが浸透しているのも面白いところ。その鍵は出演作の宣伝活動にあり、舞台挨拶やバラエティ番組で本来のキャラを垣間見せている。例えば、2012年の『映画 ひみつのアッコちゃん』では、愛されキャラ仲間の綾瀬はるかと共演。舞台挨拶では共演者の吹石一恵から、「綾瀬さんと岡田くんが撮影現場で『私の方がしっかりしてる!』『僕の方がしっかりしてます!』と言い合っていた」と“天然合戦”を暴露されていた。ちなみに、吹石さんはそんな2人を生温かく(?)見守っていたそう。また、今年1月の主演作『伊藤くん A to E』でも舞台挨拶に登壇。クズで毒舌な“伊藤くん”役にちなみ、「今年は毒を吐く!」なる目標を掲げていたが、そう宣言しながら当日は喉を傷め、毒を吐けない健康状態。「大切な日に喉が痛いなんて!」と、愛されキャラらしい痛恨のミスを犯していた。デビュー当時から、愛されキャラが止まらない!誰もが愛あるツッコミを入れずにいられないキャラはデビュー当時からのもので、それを知るのが2007年の出演ドラマ「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」で共演した生田斗真や小栗旬。まだ俳優の仕事を始めて間もないころの岡田さんは「フラフラと現場にいたキレイな顔の男の子」(生田さん発言より)で、当時も年上共演者たちにかわいがられていたそうだ。そんな2人が2016年に再共演を果たした『秘密 THE TOP SECRET』の舞台挨拶でもやはり、生田さんが岡田さんを「プライベートはどうなの?」「今日は俳優さんっぽい感じだけど、どうしたの?クールキャラ?」と愛情たっぷりにいじり倒している。また、小栗さんとは続編が今月公開される『銀魂』シリーズで再共演。同シリーズの宣伝活動を通し、小栗さんも岡田さんをいじり倒している。遡ること1年前の第1作公開時には、同時期公開の岡田さん出演作『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』に触れ、「『銀魂』と『ジョジョ』のどっちに思い入れがあるの?」と難問攻撃。なぜか岡田さんはまさかの“ジョジョ立ち”ポーズを披露する事態に追い込まれていた(やらなくてもいいのに、そこも愛されキャラ)。さらに、続編『銀魂2 掟は破るためにこそある』の完成披露試写会でも小栗さんは岡田さん演じる桂小太郎の面白シーンをアピールし、愛情を示している。愛されキャラを超えた、“岡田将生”の魅力とは?なぜ、いじらずにいられないのか。なぜ、愛さずにいられないのか。理由は、岡田さんがそこにいるから。醸し出す雰囲気がそうさせるとしか言いようがない。それが10年以上経ったいまも損なわれていないのだから、これは本物だ。しかも、岡田さんの愛されキャラぶりには瞬発力がある。出演作の舞台挨拶、テレビ出演など、決して長くはない時間の中で確実にエピソードを残す岡田さん。かわいらしさの漏れ様が、もはや天才的だ。もちろん、かわいらしい人、いじりたくなる人は男女問わず世の中にいくらでもいる。岡田さんが岡田将生として魅力的なのは、真摯な俳優活動あってこそだ。かつて「セーフティなところにばかり行っても仕方がない」と語っていた岡田さんは、その思いを胸に走り続けている。一度目にしたら忘れられないほど印象的な容貌ではあるが、それぞれの役になりきる姿は岡田将生であって、岡田将生ではない。あんなにもクズな“伊藤くん”だった人が次の瞬間、「声が出ない!」とジタバタしていたらどうだろう?変幻自在な俳優の岡田さんと、変わらない魅力を持ち続ける岡田さん。彼は究極のギャップ男子なのだ。(text:Hikaru Watanabe)■関連作品:銀魂2掟は破るためにこそある 2018年8月17日より全国にて公開©空知英秋/集英社 ©2018 映画「銀魂2」製作委員会
2018年08月15日(写真提供:鳥取教育委員会事務局) 「“国宝”は、ひれ伏して見るのではなく『運慶の作品はイケメンだわ』とか『雪舟の構図って変じゃないかな』など肩の力を抜いて見たほうが、本質が見えてきます」 そう語るのは「国宝応援プロジェクト」の応援団をしている明治学院大学の山下裕二教授。今年は国宝の制度がスタートして120年――。芸術の秋には、さまざまな場所で「国宝」がお披露目されている。とはいえ、国宝については、知らないことが多いという人も……。そこで、国宝についてのトリビアを集めてみた。■国宝って、どう決まるの? 文化庁の調査官が、重要文化財のなかから候補を選び、それを4人の委員で構成される文科省の文化財分科会で決定される。 「国宝に指定されるのは、歴史的価値や最高ランクの美術的優れた文化財です。ただ、人気がある伊藤若冲の『動植綵絵』は国宝に選定されてしかるべき作品ですが、宮内庁所蔵、つまり皇室の持ち物ということで、国宝指定の対象外になります」(山下教授・以下同) 国宝の数は現在1,101件。今年は7件の美術工芸品が新たに国宝の仲間入りをした。 ■最大、最小の国宝は? 最大は、世界最大の木造建築物でもある「東大寺大仏殿(金堂)」。幅57メートル、奥行き50.5メートル、高さ46.8メートル。ちなみに奈良の大仏さん(盧舎那仏像)は4階建てのビルと同じ大きさ!最も小さいのは教科書でもおなじみの「金印(漢委奴国王印)」。たった1辺2.3センチ、重さ108グラムしかない。 ■国宝のない県は? 徳島県と宮崎県が、いまだ国宝ゼロ県。国宝をたくさん持っているのは、東京国立博物館がある東京都(277件)。 ■国宝の茶碗は海外産ばかり。 国宝の茶碗は8点あるが、国産は2点だけ。ほか6点は中国や朝鮮半島から伝えられたもの。黒褐色の素地に金を散らしたような「油滴天目茶碗」も南宋時代の中国から伝来したもの。ちなみに茶碗に限らず、国宝に焼き物が少ないのは、“使われてナンボ”で残っていないから。 ■見るのに命懸けの国宝があった 鳥取県にある三佛寺の奥の院「投入堂」は“日本一危険な国宝”とも言われる。標高520メートルの断崖絶壁に張り付く建物は、滑落を防ぐため1人での入山は禁止。ワラジを履いて、1時間以上険しい山を登って、ようやくその姿を目にすることができる。 ■国宝は売買できる? 売買はできるが、文化庁長官の許可が必要。また国宝は国有にしたほうが管理しやすいため、国が優先的に買う権利を持っている。 ■日本で最も愛される国宝は? ’13年に東京国立博物館が行ったWEBアンケートの「あなたが観たい国宝は?」で見事1位になったのが桃山時代に活躍した絵師・長谷川等伯の「松林図?風」。 「余白が多くを占めているのが美しさのポイント。西洋美術に大きな影響を与えました。間近で見ると、荒々しい墨のタッチと繊細な筆遣いに、ため息が出てしまいます」 ■銀閣は国宝で、金閣が違うのはなぜ? 国宝だった金閣(鹿苑寺)は’50年7月に全焼。国宝指定も取り消された。金閣は、再建されよみがえったが、国宝の名を冠することは、いまだかなわない。銀閣は、日本最古の書院造りで、’51年に国宝に指定されている。 トリビアを知って、国宝ともっと仲よくなろう!
2017年11月01日フランス版”人間国宝”と言われるフランス国家最優秀職人章(M.O.F)受賞のシェフ、エリック・トロションのフレンチレストランが日本初出店。ワインビストロ「エリックス バイ エリック トロション(eric’S by Eric Trochon)」と「ミタン(MITAN)」が、2017年10月25日(水)に東京・新丸の内ビルディングにオープンする。エリック・トロションは、2011年にフランス版”人間国宝”と言われるフランス国家最優秀職人章(M.O.F)を受賞した、パリ生まれのシェフ。ポール・ボキューズ、ジョエル・ロブション、ピエール・ガニエール、アラン・サンドラスなど名立たる料理人たちともコラボレーションを行い、現在はパリで人気の「semilla」「Freddy’s」のオーナーシェフも務めている。そんなエリックがプロデュースする「エリックス バイ エリック トロション」は、パリの人気品をアレンジしたオリジナルメニューを提案するワインビストロ。鮮やかな食材を使って”今のパリ”を現した独自の料理を展開する。また同日よりオープンする「ミタン」は、カジュアルなワインバル。ドリンクメニューはもちろん、フランス菓子・カヌレを現代風に仕上げた「カヌレカヌレ」を看板メニューとして提案する。【ショップ詳細】・エリックス バイ エリック トロション住所:東京都千代田区丸の内1丁目5-1新丸の内ビルディング5F・ミタン住所:東京都千代田区丸の内1丁目5-1新丸の内ビルディングB1Fオープン日:2017年10月25日(水)※両店舗と共に、価格やメニューの詳細は後日発表予定。
2017年10月14日「フランス人間国宝展」が、上野・東京国立博物館にて2017年11月26日(日)まで開催される。日本の通称「人間国宝」にならい、1994年から続くフランスの称号「メートル・ダール」。伝統工芸の最高技能者に与えられるこの称号には、伝統と新しさが自然な形で共存するフランスの美学が感じられる。本展では、そんな「メートル・ダール」の称号を持つ作家13人と、次世代の注目作家2人を紹介。彼らの美しい”手仕事”は、伝統的な美を大切にする日本人の心にもすっと染み込んでくるのではないだろうか。ジャン・ジレルは、中国宋王朝時代の陶器「曜変天目」を制作のテーマとして掲げる陶芸家。玉虫色に輝く彼の陶器には、アジア特有の神秘的なオーラと、フランスらしいミニマムさが融合している。フランス大統領府から指名を受ける金銀細工師、ロラン・ダラスプも参加する。常に新しさを探求するロラン。金という固く無機質な素材に反した、美しい曲線や鮮やかな色味に思わずうっとりとさせられる。傘職人、ミシェル・ウルトーの作品も紹介。幼い頃から傘に対し特別な情熱を持っていた彼の作品は、単なる日常的な実用性を越え、アートとしての美しさを放つ。その他にも、名だたる著名人に眼鏡を提供するフランス唯一の鼈甲細工作家のクリスティアン・ボネや、エルメス(HERMÈS)の工房でも特注品を担当した革細工作家のセルジュ・アモルソなども登場する。【詳細】フランス人間国宝展会期:開催中〜11月26日(日)会場:東京国立博物館 表慶館住所:東京都台東区上野公園13-9休館日:毎週月曜日 ※ただし10月9日(月・祝)は開館。開館時間:9:30〜17:00 (入館は閉館の30分前まで。)※金曜・土曜・11月2日(木)は午後9時まで。※9月24日(日)は18時まで。※9月22日(金)、23日(土・祝)は22時まで。料金:一般 1,400円(1,100円)、大学生 1,000円 (700円)、高校生 600円 (300円)※中学生以下無料※( )内は20名以上の団体料金。※障がい者とその介護者1名は無料。【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL:03-5777-8600
2017年09月25日上野にある東京国立博物館 表慶館で9月12日より「フランス人間国宝展」(主催:東京国立博物館、NHKプロモーション、朝日新聞社、HEART & crafts)が開幕した。1994年に日本の通称“人間国宝=重要無形文化財保持者”にならって、フランス文化省が設定した「メートル・ダール(Maître d’art)」の称号を与えられているのは、2016年現在124名。今回その認定者の中から13名の作家と次期認定者と目されている2名、計15名の工芸作家の作品、約230件が出品、展示されている。開幕前日に行われた内覧会には、今回のために来日した出展作家も参加し、作品を解説。今回のキュレーションを担当したエレーヌ・ケルマシュテール(Helene KELMACHTER)氏は「今回選ばれた作家たちは、その技術は勿論のことながら、イノベーションが重要な要素となっている。伝統を受け継ぐだけでなく自らの使命において研究を重ねている革新性を実感してほしい」と話す。同氏は在日フランス大使館・文化担当官の経歴を持ち、2014年には東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTで、イッセイミヤケのデザイン展も手掛けており、今回のイベントにもオートクチュールメゾンやラグジュアリーブランドなど、モードと接点の深い作家をキュレーションしている。また同展の見どころの一つである空間デザインは部屋ごとに照明、作品のストーリーを演出。「長い時間をかけて歴史が育んだ技術とそれぞれの冒険。そして光の変化によって作品がどう見えるかを見てほしい。表慶館という場所とのコラボレーションとともに、日仏の文化交流という枠を超えて参加することができた」と空間デザインを担当したリナ・ゴットメ(Lina GHOTMEH)氏。会場は101点の茶碗を宇宙の星のごとく展示した1階のジャン・ジレル(Jean GIREL)の展示に始まり、次の部屋にはイブ・サンローランがメガネを愛用したことでも知られる鼈甲細工作家のクリスティアン・ボネ(Christian BONNET)の、著名人が愛用したメガネの復刻版が展示されている。そしてエルメスの特注品を担当し、エキゾチックレザーや隕石の欠片などその素材の組み合わせが革新的な革細工職人のセルジュ・アモルソ(Serge AMORUSO)のバッグが並ぶ。(ロラン・ダラスプの作品も同じ部屋に展示)さらにディオールやジバンシーなどのメゾンなどに提供する傘作家ミシェル・ウルトー(Michel HEURTAULT)の傘、プリーツの技術をテキスタイルに折り布作家として注目を集めているピエトロ・セミネリ(Pietro SEMINELLI)のビッグサイズの作品、J・P・ゴルチェ、ニナ・リッチ、シャネルなどを顧客に持つ羽細工アーティストのネリー・ソニエ(Nelly SAUNIER)のファンタジー溢れる作品なども間近で見られる。ソニエは今回のイベントのメセナ支援を行ったベタンクールシュエラー財団が支援する京都のヴィラ九条山に2015年に滞在し、制作活動を行った経験もあり、今回の来日では「日本で羽根を扱う職人を探してみたい」と笑う。またエンボス加工を展示した部屋では日本の特殊加工紙「パチカ」を使用した視覚障害者のための絵本や建築解説本などを制作し、エンボス加工のイノベーションを実践するロラン・ノグ(Laurent NOGUES)、中世からの技術を受け継ぐ紋章彫刻の第一人者のジェラール・デカン(Gerard DESQUAND)を紹介している。デカンは今回初の試みとなるガラスの表面に動物の刻印を施した作品を制作。「世界的に絶滅危惧種の動物が減少していく事実を知り、今から6000年前メソポタミア文明の頃に作られていた金属の小さな印章彫刻に取り組んでいたが、それをもっと大きな作品で見てもらえるようにガラスの素材に取り組んだ。各2頭描かれている動物は、2頭居れば3頭になり次につながるという、我々職人と弟子の関係を表現した」と解説してくれた。【展覧会情報】「フランス人間国宝展」会期:9月12日~11月26日会場:東京国立博物館 表慶館住所:東京都台東区上野公園13-9時間:9:30~17:00(金・土・11月2日は21:00まで、9月22日・23日は22:00まで)※入場は閉館の30分前まで休館日:10月9日を除く月曜料金:一般1,400円(1,100円)、大学生1,000円(700円)、高校生600円(300円)※( )内は20名以上の団体料金主催:東京国立博物館、NHKプロモーション、朝日新聞社、HEART & craftsText: Tatsuya Noda
2017年09月15日支援級って、実際どうなの?出典 : 「支援級って、実際どうなの?」「どんな雰囲気で、何をやってるところなの?」…と、特別支援学級という「未知の世界」が気になっているお母さんも多いかと思います。うちの長男は、発達障害に気づかずに通常学級で入学し、4年生まで過ごしました。そして、5年生になった時、自分の意思で支援級に転籍。さらに今年の4月からは、また通常級に戻る予定でいます。今まで繰り返しお伝えして来た通り、本当に支援級を巡る状況は千差万別です。これは「あくまで一例」ではありますが、長男と私が経験した「うちの」支援級ルポを、楽々かあさんこと、大場美鈴がお伝えします。うちの支援級の1日の流れ出典 : まず、朝の風景から。うちの支援級の登下校は、お母さんが付き添って歩いたり、車で送り迎えをしていたりする場合が多いです。我が家では、行けるときは登校班で歩いてゆき、不安定な時期や、行事などで心身の負担が大きな時期は、車で送って行きます。うちの学校の支援級は2クラス。身体・知的障害のあるお子さんのクラス(以下、A組)と、長男が在籍していた、主に発達障害の傾向のあるお子さんが中心となる、情緒クラス(以下、B組)に分かれています。通常級の出席番号とは違い、支援級のそれぞれの子には「専用カラー」が決められています。下駄箱やロッカーには、名前と共に、その子カラーのテープが貼られて目印になっているのです。そこに靴を入れて、クラスに向かいます。うちの支援級は、一階の保健室近くに配置されていて、普通級とはやや離れています。逆に、職員室、1年生のクラスとは同じフロアです。登校すると、子ども達はその日の予定を確認します。スケジュールボードに、それぞれの子の時間割がマグネットで並べられています。時間割はそれぞれの子で違うものになっています。教科によって支援級で過ごしたり、交流級に行ったり、運動場や音楽室に行ったりと、けっこう移動が多いです。交流級というのは、通常級のクラスでの授業・活動に参加することです。「協力学級」「親学級」などとも呼ばれています。B組在籍の子どもは、全部で6人程ですが、B組の教室に常時いるのは2〜3人。なかには1日中交流級で過ごす子もいます。A組、B組の子達が揃うのは給食の時間。机を全部くっつけて、2クラス合同で先生方も一緒に食べています。その様子は、カオスと言っても過言ではないくらい賑やかです。両クラスの最上級生である、A組の6年生の男の子は人気者。下の学年のお子さん達が慕って、おんぶをせがんだり、給食を配ってあげていたりと、微笑ましい様子も見られます。下校時刻は、それぞれの学年に準じたものになっています。上級生になるほど、6時間目の授業も増え、クラブ活動などもあります。低学年の子達が下校する6時間目には長男と先生のマンツーマンになることも多く、学習が捗るようです。チームで子ども達を見守る、先生達出典 : 支援級の担任は、A組はしっかりした女性の先生、B組はベテランの男性の先生です。そして、それぞれのクラスに副担任の先生がつきます。介助員さんも、両クラス合わせて常時2~3名が学校にいる感じで、主に身体介助の必要なお子さんのお世話や、交流級に行っている子の付き添いなどをして下さっています。子ども1人当たりの大人の数が多く、チームで手厚く見守って頂けます。とはいえ、クラスに不安定になっているお子さんがいる時には、複数の先生がその子にかかりきりになる状況などもありました。そして、支援級の担任の先生は、前回の記事でもお伝えしましたが、必ずしも、支援に詳しいとは限りません。長男のクラスの担任の先生は定年間近の大ベテランの先生でしたが、4月の時点では支援について、ほとんど何もご存知ではありませんでした。ですが、「お母さん達のほうがお詳しいでしょうから…」と、親の話を一人ひとり、謙虚に丁寧に聴いて下さり、私は本当に頭の下がる思いでした。その姿を見て、私は「あ、大丈夫だな」と思いました。先生は多少のことには動じないタイプで、個性の強い子ども達に忍耐強くつき合って下さり、長男も信頼している様子で、私は安心して見ていることができました。知識・経験以前に、先生自身が安定していること、子どもと基本的な信頼関係が築けることが、私はまず必要なように思います。そして、その子に合わせたり、親の話に耳を傾けてくれる姿勢があれば、例え支援に対する知識・経験が十分ではなくとも、次第に「プロ」になって下さるように思えます。気になる学習内容は…?出典 : うちの支援級の学習内容は、その子の進度に合わせたプリント学習です。プリントは本当にオーソドックスな問題を、教科書の順に添ってひたすら取り組むような形です。私は支援の本にあるような手作り教具やICT機器などをジャンジャン使って、体感的な授業がそれぞれの子に行われる様子を夢見ていたので、正直、やや肩すかしでした。それでも、通常級の一斉授業のスピードについていけず、ノートも取らずにぼーっと過ごしていた時に比べれば、私にはずっと有意義な時間のように感じられました。算数は、長男がつまづいている九九や、筆算の手順など、何学年も前のところから戻ってスタートし、少人数の環境の中、自分のペースでじっくり取り組んでいました。国語は、学習内容はほぼ理解できるものの、漢字がどうしても出て来ないので、学習補助用のiPadを持ち込んで辞書アプリで調べながら進めました。ただ慣れて来ると、プリント中心の学習はつまらなくなったのか、苦手科目以外のプリントに落書きが増えてきました。その時は先生に相談して、もう少し学習内容を調整して頂けるようお願いをしました。課題のレベルは「大体できるけど、定着してないこと」から「やや難しいけれど、なんとかできそうなこと」くらいが、その子にちょうど良い学習レベルだと思います。長男は「やさし過ぎる」「難し過ぎる」ものは、どちらも集中できないようです。長男の場合は、パソコンなど興味の強い科目から交流級で参加し始め、体育や図工などの実技教科、2学期には理科・社会も…というように、長男の様子をみながらこまめに連携し、徐々に交流級を増やして頂きました。そして算数もマイペースにコツコツとプリントに取り組み続けた結果、学年相応まで進めることができ、3学期には、全科目交流級での授業になりました。通常級でできてしまった大きな段差を、支援級で長男自身のステップで徐々に上がっていったことにより、学習への自信がついたのです。異年齢・多種多様!支援級の子ども同士の様子は…?Upload By 楽々かあさん休み時間、B組(発達障害の傾向のあるお子さんが中心となるクラス)の男の子達は、手作りカードゲームなどをして楽しく遊んでいました。時折、通常級の次男も、支援級に顔を出して、一緒に遊んでいたようです。次男曰く「エアコン、効いてるんだよね~」とのこと。体温調節が身体の機能的に苦手なお子さんもいるため、うちの両支援級はエアコンが完備されています。転籍前、精神面の凸凹差の大きな長男は、通常級の同年齢のお子さん達と、やや話が合わないようでもありました。でも、異年齢で多種多様なお子さんの集まる支援級では、年下のお子さんと気が合ったり、年配の先生方とたくさん雑談できるので気が楽だったようです。とはいえ、B組の子同士の関係は、仲のいいときはすごく良いけど、ちょっとしたきっかけで大げんかするという、ジェットコースター式。気持ちを言葉で伝えたり、妥協することが苦手な子が多いため、実際の所、衝突事故も多かったです。でも、その中で長男は、「ゆずってあげる」「合わせてあげる」ことの大切さに少しずつ気づけたようにも思います。また、B組では長男は一番年長。クラスのお子さん達をまとめたり、お手本になる役割も与えられました。それよって学校での「居場所」ができたようです。支援級で過ごしたことは、長男の心の成長にも大きなプラスになったように思います。支援級に移ったことを、通常級の子たちはどう受け止める…?出典 : 交流級に行くことで、支援級と普通級を行き来していた長男は、通常級の先生の目から見てもさほど違和感なく溶け込んでいたようです。また、支援級にいても、運動会などの行事では今までクラスメイトだった通常級の子達と一緒でした。運動会の組み体操も林間学校での野外活動も、支援級の先生方に見守られながら、不安に思うことをひとつひとつクリアしながら参加しました。少しだけハードルを下げたり、大人が見守ってあげたりすることで、皆と一緒にできることはたくさんあると思います。長男が支援級に移った時は、それまでと態度が変わった子もいました。長男に対して以前より距離を置く子もいれば、かえって優しくなった子もいるし、何も変わらない子もいました。でもさまざまな機会を通して、一緒に過ごすことで、普通級の子達も支援級の子たちに慣れていきます。多感な年頃の子達の間には、お互いに取り扱いが難しい面も少なくありません。さらに、空気を読めなかったり、集団の中で目立つ行動を取ってしまう長男にとって、コミュニケーションのハードルが高いであろうと思う部分は今でもあります。それでも長男は、6年生に進級したら、居心地良さそうにしていた支援級を卒業して、皆と同じクラスに戻ると言います。私は、支援級に転籍したときのように、長男に通常級の良い点、そうでない点の両方を伝えましたが、今回も長男の決意は変わりませんでした。そこには、好奇心の強い彼にとって今の成長に必要な刺激があるのかもしれません。また、合理的に物事を判断する長男にとって、考えられるデメリットを上回る何かを、今は感じているのかもしれません。子どもの成長と学び方は、一律一様ではないのだから…。ここまで3回に渡り、私達親子の実際の体験から、支援級と通常級の間にある選択肢、支援級を検討する際の判断のポイント、そして、うちの支援級の実際の様子をお伝えして来ました。支援級は本当に千差万別で、私には「うちの」支援級が標準的かどうかも分かりません。でも、具体的な情報が開かれてゆくことで、もっと支援級が身近で気軽に感じられる場所になってほしい、と私は願っています。また、支援級と通常級、それぞれにメリット・デメリットがあり、私にはどちらがいいとも言えません。でも、通常級にいる子達にとっても、長男が5年生を過ごした支援級を「別世界」と感じてるわけではないと感じています。そして、一つだけ確かなことは、日々成長する子どもたちによって、その個性の発達のスピードやその子に合った学び方は、一律一様ではない、ということです。これは長男の今までの育ち方と、興味関心のあり方を見守って来た私が、実感として思うことです。柔軟に、臨機応変に、その子に合った学び方が、どんなお子さんにも安定して提供される日が、なるべく早く来ることを、同時代を生きる子を持つ一母親として、私は願ってやみません。Upload By 楽々かあさん大場美鈴(著), 汐見稔幸(監修), 『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』ポプラ社, 2017年
2017年04月10日うちの学校の支援級、わが子に合ってる…?出典 : 「支援級か、通常級か…迷ってるけど、どうやって判断すればいいの?」「うちの子が通う学校の支援級、どんな環境だろう?どういうところを気にしたらいいの?」現在、希望者急増で過渡期にある、特別支援学級(以下、支援級)をめぐる状況は様々です。情報を探すと、「うちの子も是非お願いしたい!」と思える素晴らしい支援級もあれば、残念ながら、現場の事情が追いつかずに、十分な理解や子どもに合った対応が得られない支援級もあるようです。支援級をご検討の際には、実際に、お子さんが通う「その」支援級がどうなのか、自分の目で確かめてみることが必要です。長男が自ら通常級から支援級への転籍を希望した際、私はまず、特別支援コーディネーターの先生の案内で、実際にクラスを見学させて頂き、事前に疑問な点、不安な点の詳しいご説明をお願いし、長男本人も見学・体験させて頂きました。それでも、後から「もっと早く確認しておけば良かった」と思ったことも少なからずありました。そこで、支援級を選択する前に「確認してよかったこと」「確認しておけばよかったこと」の、判断のポイントを、あくまで「うちの経験上」ではありますが、楽々かあさんこと、大場美鈴がお伝えします。支援級見学の際にぜひ確認しておきたい!4つのポイント出典 : 長男が通っている支援級は、身体・知的に障害のあるお子さんのクラスと、長男のように、大きな知的・言葉の遅れの心配はないものの、発達障害の傾向のある子が中心となる、情緒級に分かれています。学校によっては、どの障害の状態のお子さんも一緒のクラスになる場合もあります。その場合でも、個別に学習内容を調節して頂ける場合はいいのですが、そうでない場合、お子さんに学習面での理解力がある程度あっても、学習内容や課題が簡単過ぎるケースがあります。そうなると本人の理解度とのミスマッチが起こり、その支援級がその子の力を伸ばせる環境とは言いがたくなる可能性があります。逆に情緒級がある場合も、その子の学習の進度に合わせた課題でない場合もあります。本人の能力や理解度に合わせた学習ができるかどうかは、よく確認しておきたいポイントの一つです。万が一合わない場合でも、先生と学習内容を調整して頂けるか、相談の余地があるかどうか、見極めておいたほうがいいでしょう。また、基本的に支援級の成績表は、「国語は漢字ドリルをがんばり、丁寧に漢字を書けるようになりました」というような、言葉による表現がされることが多いようです。特に将来的に、中学受験の可能性がある場合には、念のため希望した際には通常級と同じ評価で対応可能かどうか、確認しておいたほうがいいでしょう。(中学受験の際、全ての学校で成績表の提出が必須という訳ではないようですが、一部の入試日程や推薦、A.O.入試の場合などには、成績表のコピーの提出が必要になる場合があります。)出典 : 次に気をつけたいのは、今のところ、すべての支援級の担任の先生が、特別支援教育の知識・経験が豊富であるとは限らない、ということです。支援級の担任には、特別な資格などは必須ではなく、今まで通常級で担任してきた先生が、急に支援級を受け持つ場合も多いようです。長男の今年の担任も、長年通常級を受け持ったベテランの先生ですが、支援級の担任は人生初でした。ただし私は、支援に詳しくない先生=子どもにとって良くない先生、とは限らないと思っています。確かに、凸凹のある子に伝わりやすい方法を多く知っている先生なら心強いと思います。しかし、詳しい先生1人に負担がかかり過ぎてしまったり、クラスの他のお子さんの状況などによって、少人数であっても十分に子ども一人ひとりを見ることができない…など、先生お一人の力では解決できない現場の事情がある場合もあります。そのため支援に対する知識・経験の有無で、一概には判断できないと思います。もし、先生が支援に詳しくないからと、あからさまに保護者が落胆してしまうと、それが子どもや先生にも伝わって、その後の信頼関係に影響が出てしまうかもしれません。私は、知識・経験の有無よりも、・先生が子どもを肯定的に見ようとしてくれるか・子どもに合わせた指導をしてくれるか・親の話に耳を傾ける余力があるかのほうが大事だと思っています。しかし、見学の時点で気持ちよく応対してくれた先生に会えたとしても、翌年に我が子を担任してくれるとは限らないというのは注意したい点です。通常級に比べれば、支援級の先生は比較的長く同じクラスを担当することが多いようですが、異動がないわけではありません。また、大変残念なことながら、今まで毎年のように支援級の補助教員や介助員の先生が、年の途中で1人、2人とお辞めになってしまうことも、私は学校のお便りで度々知らされてきました。厳しい現場の現実があるように感じます。出典 : 人事異動がある先生方と違い、子どもたちは比較的同じメンバーでともに支援級で過ごすことが多いです。もちろん、入学や卒業、転籍などによる入れ替わりはありますが、クラス替えもなく、ほぼ同じメンバーで何年間も過ごすことになります。支援級は、学年を越えて、多種多様な子ども達の集まりとなるため、それが合う子、合わない子がいると思います。支援級の低学年のお子さんは、かなり自由気ままな印象がしたりで、見慣れてないと「これで大丈夫かしら…」と少々不安に感じられるかもしれません。そういう時は、何年もその環境で過ごしてきた、高学年のお子さんの様子が参考になると思います。その子なりに落ち着いていたり、交流級に意欲的に参加している様子が見られれば、その支援級の環境がプラスに働いていると受け取ってもいいのではないかと私は思っています。また、掲示物が破れっぱなしになっていないか、といった備品の様子、ロッカーに分かりやすいマークなどの工夫があるか、といった教室環境も、その支援級が安定しているかの参考になると思います。(ちなみに私は、教室の備品の乱れが放置されている場合、先生に余裕がなく、かなりお疲れ気味…というシグナルだと受け取っています。)出典 : 私が見学した時、1クラス6~7名と聞いていた支援級の情緒クラスには、いつも低学年の2~3人のお子さんしかいませんでした。他のお子さんは「交流級」に行っているのだそうです。長男の学校の場合、大抵は学年が上がるほど交流級で過ごす時間が増えていき、最終的に通常級に移籍する子も多いそうです。ご家庭で「いずれは、できれば通常級へ」と希望している場合には、交流級の活用状況は要チェックです(また、そもそも支援級から通常級への転籍が可能かどうか、よく確認しておく必要がある学校もあるようです)。交流級の活用状況は学校によって様々です。長男の小学校はかなり積極的なほうだと思います。後に担任の先生からその理由を伺うと、「年々、支援級への希望者が増えているので、◯太郎くんのように、交流級の授業に意欲がでてきたお子さんは、どんどん”卒業”して、通常級に戻って頂けると助かります」…とのこと。なかなか厳しい内情もうかがえます。とはいえ交流級を充分に活用できている学校は、通常級の子達も支援級の子に日頃から馴染んでおり、支援級”卒業”後も、比較的クラスに溶け込みやすいのではないかと思います。交流級の活用については、見学時、私はあまり気にしていませんでした。でも今思うと、重要なポイントだったと思います。どんな状況の支援級も、本人が体験してみるのがイチバン!出典 : 見学をする際には、参観日のようなよそ行きの状態ではなく、支援級のありのままの状態を子ども本人が、できるだけ何回も見られるほうがベターです。長男が普通級から支援級へ転籍する前に、私は長男本人が何度も支援級を見学・体験できるよう、お願いしました。でも見学を予定していたある日、突然見学がキャンセルになったことがありました。先生によると、「今日は、落ち着けてないお子さんがいたので、見学は中止させて頂きました。また日を改めて、予定を調整させて下さい」とのこと。それを聞いて、私はこう言いました。「是非、そういう時も本人に見せてください。ご迷惑になるようでしたら、廊下からでも構いませんので。支援級は、皆が落ち着いている時もあれば、そうでない時もあることを、本人が十分知って、納得したうえで転籍したいです。」支援級は、長男と同じように、あるいはそれ以上に、特別な配慮・支援を必要とするお子さんの集まりです。当然のことながら、少人数とはいえ、いつもクラス全体が落ち着いているとは限りません。そんな支援級で過ごすイメージを本人が持てると、入級後の環境の変化にもついていき易いと思います。長男の場合は実際に何度も授業を見学させて頂き、給食の時間を支援級の子達と一緒に過ごしたり、といった機会を作って頂きました。すると、「今日はすんごい泣いてる子もいたよ」「一年の子が途中で教室出てっちゃった」なんて言うときもありました。私は「支援級はそういう時もあるよ。それでもいい?」と聞きましたが、長男は「それでもいい。支援級に行く」と決心は変わりませんでした。「うちの」支援級には良いところも、そうでないところもあることを、十分納得の上で転籍をした私達。結果的にこの一年は、長男の成長のプラスになりました。実際に自分の目で確かめて、後悔のない選択を出典 : 長男の先生からの話にもありましたが、近年、支援級を希望する子どもが急増している傾向があります。なかなか現場がそれに追いつけないという裏事情もあり、全てが保護者の希望どおり、理想どおりという訳にはいかない場合も、多いかと思います。それでも、事前にメリット・デメリットを良く比較検討し、納得のゆくまで説明をして頂き、実際に自分の目で確かめて、体験して、自分たちの意思で決められれば、後悔するリスクを減らすことができます。学校生活でお子さんが自信をつけてゆける、プラスの選択ができるよう、祈っています。Upload By 楽々かあさん大場美鈴(著), 汐見稔幸(監修), 『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』ポプラ社, 2017年
2017年03月13日うちの子は支援級?それとも通常級?悩む前に知ってほしい、もう一つの選択肢出典 : 「うちの子、本当に通常級で皆と一緒にやっていけるの…?」「心配だから支援級にしたけど、本当にこれで良かったの…?」この時期、発達障害・グレーゾーンのお子さんの入学を控えたお母さんは、気持ちが揺れ動いているかもしれません。また、入学後のお子さんを見て、「通常級で頑張っているけど、正直ついていけないみたい。私もトラブルばかりで、なんだか疲れちゃった…」「支援級でのんびりやってるけど、正直持て余しているみたい。うちの子、ずっとこのままでいいの…?」…なんて悩まれているお母さんもいるでしょう。我が家の長男は、通常級・支援級の両方を経験しています。通常級と支援級、両方を経験した私たち親子だから分かること。そして、「通常級か、支援級か」の二者択一ではなく、通常級で受けられる支援や、支援級でも出来る通常級との交流など、さらなる選択の可能性だってあることを、楽々かあさんこと、大場美鈴がお伝えします。通常級から支援級へ、そしてまた通常級へ。それぞれのクラスで受けることが出来た配慮出典 : うちの長男は、小学校入学時の健診までは、目立った知的・言葉の遅れはなく、発達障害に気づかずに入学し、4年生まで通常学級(以下、通常級)で過ごしました。そして、5年生で特別支援学級(以下、支援級)に自分の意思で転籍し、来年度は、また通常級に戻る予定でいます。(※転籍を希望する場合、いつ頃までに伝えれば翌年度のクラス編成に間に合うかは、地域・学校ごとによって異なりますので、それぞれご確認下さい)支援級にも、通常級にも、それぞれにメリット・デメリットがあり、その時々の担任の先生との相性や、クラスの他のお子さん達との関係などでも大きく、その環境が合うか、合わないかは変わってきます。正直、そのクラスがお子さんにとっていい環境になるかは、「実際に、フタを開けてみないと分からない」のです。だから、一概に「通常級で伸びる」「支援級で落ち着く」とは、言い切れない現実もあると思います。また逆に、「通常級で落ち着く」「支援級で伸びる」可能性だって十分あるのです。そして、「支援級か、通常級か」の間で揺れ動く、うちの子と似たようなお子さんには、「その中間のスタンス」である「通常級で受けられるサポート」と「支援級で可能な通常級との交流」もそれぞれあることも、是非知っておいて欲しいと思います。加配や取り出し個別指導、我が家が通常級で受けることが出来たサポート出典 : さて。入学時までに、親に発達障害に気づかれず、いきなり通常級に放り込まれた長男(ごめんね)。当然、大混乱・大パニックです!ランドセルの中身はからっぽ。登下校ではケンカばかり。漢字書き取りは投げ出す…毎日トラブル続きで、私も育児にすっかり自信をなくし、途方に暮れていました。そしてある日。長男はクラスのレクリエーションに参加できずに、泣いて教室を飛び出しました。…そんな時、一緒にいてくれたのが、「加配」の先生でした。「加配」とは、担任に加えて、他の教員などが通常級に入り込む形で、支援の必要な子を中心にサポートしてくれる制度のことです。呼び方も役割もそれぞれビミョーに違いますが、「加配」「補助教員」「支援員」「介助員」「民間のボランティア」などといった呼び名の人が、クラスに配置されて子供を支援してくれます(学習指導ができるのは、教員免許保持者のみ)。自治体の予算で人員が確保されるので、状況によっては、希望を伝えても、配置や増員がすぐには難しい場合もあるかもしれません。うちの学校の場合、加配教員の先生が、1・2年生の各学年に1名が配置され、各クラスを巡回しています。うちの子達がお世話になった例は…・教室を泣いて飛び出したり、パニックになってしまった時に、一緒に廊下にいてくれた・授業中、ぽわ〜んと上の空になっていた時に気づかせたり、漢字学習の時、下書きを入れてくれた・休み時間、友だちともめ事になった時に、仲介役をしてくれた…などなど。普段から何かと長男に声をかけてくれ、コミュニケーションを図ってくれました。他にも、読字障害のある子や、言葉での表現が難しい子、日本語が母国語でない子などに、教科書の代読や筆談をする、などのサポート例もあるようです。加配の先生は、支援・介助の必要な特定の児童1人につく場合もあれば、うちの学校のように、障害の有無に限らず「教室で気になる子」を中心に、全体的にフォローすることもあります。うちの加配教員の先生方は、商売大繁盛。いつも走り回っていて、忙しそう。正直、学年に1人の配置では、低学年のクラスでは手が足りず、充分とは言えない状況のように感じましたが、子ども達にとっては「教室を飛び出したら、加配の◯◯先生が捕まえてくれる」という、不思議な安心感があったようです。出典 : ところが、3年生になると、学年への加配教員の配置はなくなってしまい、特別支援コーディネーターの先生にご相談したところ、頂いた提案が「取り出し個別指導」(以下、取り出し)でした。実は、うちの自治体の他校に設置の「通級」は、希望者が多くて順番待ちの待機状態。私は「何年も待ってる間に、うちの子は大きくなっちゃう!」と、最初から通級の希望は出しませんでした。「取り出し」は、その学校の独自の裁量による任意のサポートです。必ずしも全ての学校で実施されている訳ではないのですが、近年、徐々に実施する学校も増えて来ているようです(実施の有無は、各学校にお問い合わせ下さい)。これは本当に助かりました。うちの場合、希望者が多く、週に1時間程度でしたが、空き教室を利用して、その時間に手の空いている先生(音楽などの教科担任、少人数指導、管理職の先生等)が1対1で、長男を個別に見てくれるというもの。算数を中心とした学習のフォローや、習字や作文など、授業の時間内に取り組めなかった、終われなかった課題を、一緒に丁寧に仕上げてくれました。それでも終わらなかったことは、家でフォローしていたので、私は内心「週1時間では全然足りない」と思っていました。でも、長男はこの「取り出し」の時間をとても楽しみにしていて、少しでも「これならできる」という体験を学校内で得られることが大事なのだと気づきました。それに、この1対1の時間で、長男はいろんな先生と打ち解け、何かと声をかけてくれたりと、学校に長男の理解者・味方が増えました。そして、「おれは、人数が少なければ集中できる!」という自信が持てたので、人数の少ない支援級への転籍を、自ら希望したのです。交流級制度を使うことでこれまでのクラスメイトとも一緒に学ぶことが出来る!出典 : 「交流級」は、「協力学級」「親学級」などとも呼ばれ、支援級に在籍しながら、特定の普通級のクラス(長男の場合、5年◯組)で、一部(または全部)の授業・活動に参加することです。長男は5年生で支援級に移ってからも、それまで一緒に普通級で学んで来たクラスメイトと突然「別世界」に切り離された訳では決してありません。というのも、長男の場合、書字や集中など特定分野に苦手さがあるだけで、今までも、「全て」の教科で「全く」ついていけない、という訳ではありませんでした。そこで「交流級」を活用して、一部の授業や活動は、今まで通り「皆と一緒に」、それ以外の授業は支援級で「その子に合ったペースで」という、選択をしました。長男の場合、転籍してすぐの数週間は、一日中支援級にいましたが、様子をみながら、徐々に交流級で参加する科目を増やし、3学期の現在は、全科目交流級で授業を受けています。他の支援級のお子さん達も、一日中支援級にいたり、交流級を増やしたり減らしたり、ずっと交流級で過ごしたり…と様々です。また、交流級では、支援級の介助員の先生が、慣れるまでそばで見守ってくれたりもしています。それから、それぞれの学年の係活動、運動会や遠足などの行事も、基本的に交流級のクラスメイトと一緒に活動しています。長男は、支援級で苦手分野をマイペースに学びながら、徐々に交流級で過ごす時間を増やしていった結果、再び学習への自信がつき「おれ、もっといろいろ勉強したくなった」と、6年生はまた普通級に戻ることを自ら希望しました。通常級と支援級を行き来させながら私が考えたこと…出典 : オリジナルな発達で、その時々で、伸びたりつまづいたりを繰り返してきた長男。うちでは、そんな彼にとって、なるべく「自信になるほう」の選択をし続け、今があります(勿論うちでも、全てが希望どおりに運ばなかったことだって沢山あります)。子どものことを真剣に考える程、親は期待したくもなるし、不安にもなりますよね。私だってそうです。ただ、私が実感しているのは、子どもの可能性に「絶対」などないということです。私自身、つい思い詰めてしまう性格なので、普段から「絶対〜すべき」や「必ず〜しなくてはならない」といった極端な考えが浮かんだ時は「できれば〜して欲しい」「なるべく〜だといいなあ」と頭の中で変換するように意識しています。子供への声かけ変換を、自分自身に対しても応用した形ですね。そして、「ずっと」「全部」ではなく、「今は〜かもしれない」「ここは〜の可能性もある」と、問題を部分的に絞って考えたりもしています。●「絶対、通常級でがんばるべき」→「できれば、通常級でがんばって欲しいなあ」●「ずっと、支援級で守ってあげなくては」→「今は、支援級で守ってあげたほうがいいかもしれない」…こんな風に変換して考えると、少しだけ気が楽になりますし、子どもの可能性だって広がります。選択肢は2択じゃない!あらゆる可能性には、あらゆる選択を。さて、うちの「もう一つの選択肢」って、何だったと思いますか?そう!ちょっとちゃっかりしていますが、通常級でもサポートの力を借りたり、支援級の在籍でも通常級との交流を行うなどといった、「通常級と支援級の、イイトコ取り」。マイペースな子には、マイペースな支援を。オリジナルな子には、オリジナルな支援を。あらゆる可能性には、あらゆる選択を。「支援級か、普通級か」の2択ではなくこんな選択肢だってあることを、頭の片隅で覚えておいて頂けたら嬉しいです。Upload By 楽々かあさん大場美鈴(著), 汐見稔幸(監修), 『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』ポプラ社, 2017年
2017年02月26日ことばの教室ってどんなところ?出典 : 小学校や中学校には、子どものさまざまな障害や困難に合わせた支援を行う、通級指導教室や特別支援学級が設置されています。「ことばの教室」とは、そのなかでも言語に障害のある子ども向けに設置された、通級指導教室と特別支援学級の通称です。また、ことばの教室は、「言語障害通級指導教室」、「言語障害特別支援学級」と呼称されたり、地域によっては「ことばときこえの教室」と呼ばれ、言語障害の支援と聴覚障害の支援が両方受けられる場所もあります。それは、言語を獲得し、言葉を発するのに聴覚(きこえ)が重要な役割をはたすためです。どちらか片方に障害があると、もう片方にも問題が生じる場合も多く、言葉を発することと聴覚に対する困りごとを同時に支援していく必要があります。通級指導教室や特別支援学級として設置されていることばの教室では、言語障害のある子どもへの支援を行っています。例えば言葉のおくれ、吃音(きつおん)などの話し言葉におけるリズムや声を出すための器官に障害がある構音障害に対して支援が行われます。また、障害の改善以外にも言葉に関する教科(例えば、国語、英語、音楽、算数、数学)の指導も行っています。通級指導教室とは、おおむね通常の学級の授業についていけるが、通常の学級の中で一部、特別な支援を必要とする子どもを対象に設置されている少人数教室です。通級指導教室に通う子どもは通常の学級に籍を置き、学習したり、給食を食べたりと通常学級でほとんどの時間を過ごします。そして、週に数時間、障害に合わせた個別の支援を受けるために通級指導教室へ通います。Upload By 発達障害のキホン一方、特別支援学級とは心身に障害があったり、発達に遅れがあったり、より手厚い指導・支援をより多くの時間必要とする子どもを対象に設置されている少人数学級です。特別支援学級へ通学する場合は、籍は特別支援学級に置きます。そして、体育や生活、道徳、課外活動をはじめ、一部の授業を通常学級の子どもと一緒に受けることが通例です。Upload By 発達障害のキホンどんな子どもがことばの教室に通うの?出典 : 言語障害のある子どもがことばの教室へ通います。言語障害と一口にいってもさまざまな種類があります。ここでは医学的言語障害ではなく、ことばの教室が対象としている言語障害について説明していきます。言語障害とは、話すため・言葉の発声のために必要な一連の動きに障害があることを言います。例えば、人は話す時にまず、頭の中で話す内容を考え、文章にします。次に音を出すための筋肉に脳から信号が出され肺による空気量の調節や声帯筋が運動し音がでます。次に音を声として発する鼻や口、舌の動きが調節され声となります。声は耳の聴覚によって感じられ、そして脳で言葉を言葉として理解します。言葉を話し、人とコミュニケーションをとるためには上記のような発声に関わる機能だけでなく、思考や社会性の発達、心理的問題や自己観の形成も深く関わってきます。そのため、言語障害は話すことに必要な器官の障害というだけでなく、話すことまた聞くことに問題がある障害を指します。ことばの教室は、言語障害のある子どもを対象にしていますが、通級指導教室と特別支援学級で、その対象が少し違います。ではどのように違うのでしょう。参考書籍:ピーター・B.デニシュ (著), エリオット・N.ピンソン (著)『話しことばの科学―その物理学と生物学』東京大学出版会/刊通級指導教室のことばの教室も、特別支援学級のことばの教室も以下のような子どもが対象となります。1. 唇の断裂(口蓋裂)や、音を発声させる器官(構音器官)のまひなどによる機能的障害のある子ども例) 声が鼻にかかったり、鼻に抜けてしまう。”さかな”の発音が”たかな”になってしまうようにサ行やカ行がうまく発音できないなど。2.b吃音などの話し言葉におけるリズム障害のある子ども例) ”きんぎょ”を”き、ききんぎょ”と言葉を繰り返してしまったり、”き...んぎょ”など言葉が詰まってしまうなど。3. 話す、聞くなど言語機能の基礎的事項に発達の遅れがあり、言葉の順序や表現に偏りのある子ども4. その他に上記のような障害に当てはまる子ども5. 言語障害の原因が上記でなく、他に原因がある子ども■「通級指導教室」のことばの教室に通う場合通級指導教室へ通う子どもは、多くの時間を通常の学級で過ごします。つまり、通常級に籍をおきながら、支援が必要な課題(ある特定の困りごとや、その困りごとから来る学習上の問題)だけを改善するために通級指導教室へ通い、そのほかの授業や活動は通常の学級で行います。そのため、通常の学級での集団行動や教員からの指示の聞き取りがある程度できる子どもに向いているでしょう。■「特別支援教室」のことばの教室に通う場合特別支援学級へ通う子どもは、逆に大半の時間を少人数の特別支援学級で過ごします。通級指導教室に通う子どもは一部の困りごとに対して支援を受けますが、特別支援学級に通う子どもは、困りごとへの支援に加え、国語や算数、社会などさまざまな教科の授業をうけます。特別支援学級に通うのは、通級指導教室に通う子どもに比べて、個別の支援の必要性が比較的大きい子どもです。また、通常の学級が1クラス35~40人に対し、特別支援学級は8人と少人数の編成です。ですので、落ち着いた環境で心理的な安定を保ちながら指導を受けたい子どもに向いているでしょう。ことばの教室で受けられる支援は?出典 : ことばの教室ではさまざまな支援や教育を受けることができます。通級指導教室と特別支援学級で共通した支援もあれば、異なる支援もあります。それらの点について詳しく説明していきます。通級指導教室や特別支援学級では、個別指導計画と個別の教育支援計画を作成してもらうことができます。個別指導計画とは、子ども一人ひとりの困りごとや障害に合わせ、各教科の学習や、集団行動・生活の指導目標や指導内容・方法を示した計画です。この指導計画に基づき、さまざまな教員・関係者が共有し連絡を取り合いながら指導・支援が行われます。具体的には、担任の教員を中心に保護者や、特別支援教育コーディネーター、専門家といったさまざまな人が、子どもの障害の状態や課題、優先事項などを話し合い作成します。一方、個別の教育支援計画は、個別指導計画より長期的な視点に立ち、学校のみならず、家庭や余暇活動も含めて、具体的な支援の計画を示した計画書です。医療、教育、または福祉、就職などさまざまな機関に引き継がれ、一貫した支援が受けられるようになります。通級指導教室では、子ども一人ひとりの言語に関する困りごとを改善するための支援が受けられます。一方、特別支援教室では、言語に関する困りごとの改善とともに、言語障害を考慮しながら各教科の授業を手厚く行います。具体的にどんな支援かご説明していきます。■通級指導教室では?通級指導教室では、学習の遅れや補充をするのではなく、子ども一人ひとりの困りごとに合わせた教育や指導が行われています。言語障害があるために学習が進まない場合には、学習指導も行われます。例えば次のような指導が行われます。・発音に誤りのある子ども正しい発音を身につける練習、音を聞き分ける練習、唇や舌の動きをよくする練習、コミュニケーションの力を育てる指導などが行われます。・吃音のある子ども吃音について正しく理解する学習、吃音の友達と出会ったり、気持ちを話し合ったりする学習(グループ指導)、発達・認知面の力を育てる指導、コミュニケーションの力を育てる指導などが行われます。・言語発達遅滞のある子ども子どもの実態に合った教材を使って言語理解・表出する力を育てる指導、発達の評価、コミュニケーションの力を育てる指導などが行われます。国立特別支援教育総合研究所■特別支援学級では?特別支援学級では、通常学級で過ごす交流学級という時間もありますが、特別支援学級に通う子どもは多くの時間を特別支援学級で学びます。子ども一人ひとりの困りごとに合わせた指導・支援はもちろんのこと、各教科の学習についても指導や支援が行われます。たとえば、国語や算数ではどのような支援が受けられるのでしょうか。・国語読むことに対する支援として、言葉の意味や概念の理解を深めるために絵や写真を使いながら話したり、動作を実際にやってみて説明したりします。また、辞書を活用し、意味を調べ自分でまとめた辞書を作ったりすることもあります。聞くことに対する支援では、話す内容についてそのポイントや重要な部分をあらかじめ説明し、子どもが聞き取るべき部分がわかるようにします。書くことや話すことに対しての支援は、教員との会話のなかで実際に子どもが体験したことを口頭で文章化したり、作った文章をさらに書き起こしてみたりするなどの練習が行われます。・算数文章題などを解くとき、文章の内容や意図を理解することが難しい場合があります。そのような場合は、単語の意味を確かめたり、図や絵を通して理解を促していきます。また、類似の問題に繰り返し取り組んだり、逆に類似の問題を作ってみることで理解をより深めていきます。ことばの教室のクラス編成はどうなっているの?出典 : ■通級指導教室通級指導教室ではほとんどの場合一対一で指導が行われます。ですが集団の中での困りごとやコミュニケーションでの困りごとがある場合は集団で行われることがあります。■特別支援学級特別支援学級ではクラス定員は8人までと決まっています。ですので少人数学級で授業を受けられます。ことばの教室にはいろいろな人が関わっています出典 : ことばの教室では、通級指導教室や特別支援学級の教員だけでなく、保護者、医療スタッフなどさまざまな人が子どもの教育、指導、支援に関わっています。通級指導教室でも特別支援学級でも、必要に応じて、口腔外科医、言語聴覚士、歯科衛生士などの専門家から正しい発音の基礎となる口腔の状態について助言を受けることができます。一方で、保護者や教員は、通級指導教室と特別支援学級では子どもとの関わり方が少し違います。保護者通級指導教室の場合、多くは保護者が付き添いをし、時には一緒に授業に参加することもあります。一方、特別支援学級の場合は、保護者が希望しない限り一緒に授業を受けたりすることはありません。しかし、通級指導学級も特別支援学級もお住まいの学区以外の学校へ行く場合は保護者の送り迎えが必要となります。教員通級指導教室の場合、担任の教員と指導の教員が異なるため、連絡ノート交換、指導報告等を通して、子どもへの共通理解を図ってゆきます。一方、特別支援学級では担任の教員が指導を行う場合が多いので一貫した支援が受けられます。ことばの教室にはどうやって入るの?出典 : 未就学児で来年度からことばの教室を検討している場合未就学児で来年度からことばの教室を検討している場合、就学相談に行く必要があります。就学相談とは、通級指導教室や特別支援学級を含めた特別支援教育を受けるためにお住まいの教育委員会と話し合いの場をもうけ、子どもにとって最適の学びの場を考える機会です。一般的に就学相談は早い地域で幼稚園・保育園の年長の春から、遅くとも秋ごろには始まります。就学相談については、お住まいの教育委員会の窓口まで問い合わせてみましょう。就学していて言語障害が気になり、ことばの教室を検討している場合まずは担任の教員に相談してみましょう。そこから教育相談をすすめられたり、特別支援教育コーディネーターを紹介してもらったりします。そして、一般的にはことばの教室の指導員の方などと面談をし通学の必要性が検討されます。まとめ出典 : ことばの教室では言語障害のある子どものサポートをしています。言語障害といってもさまざまな困りごとや課題を抱える子どもがいます。通級指導教室と特別支援学級の特徴をとらえながら、子ども一人ひとりにあった学びの場を考えてみましょう。
2016年12月15日国宝の滋賀・彦根城では「錦秋の玄宮園ライトアップ」が2016年11月12日(土)から27日(日)まで開催される。大名庭園「玄宮園」は、江戸文化の贅を尽くした池泉回遊式の庭園だ。「蓬莱山」「武蔵野」「魚躍沼」など園内各所に名前がつけられ、それぞれの木々が赤や黄に変化し、水面に映る姿は息を呑む美しさ。園内をゆっくりと歩きながら夜の紅葉を堪能したい。なお、11/12(土)、22(火)、27(日)には、滋賀県彦根市のキャラクター「ひこにゃん」が登場する。他にもおすすめの、各紅葉スポットを紹介。三井寺琵琶湖南西の長等山中腹に、広大な敷地を有する三井寺。四季折々、異なった表情をみせる境内参道沿いに約300灯の灯具を設置し、もみじをライトアップする。三井寺をバックに照らされた、色鮮やかな紅葉は、毎年多くの人を魅了している。さらに今回は、国宝・指定文化財など堂社の公開・夜間拝観も実施。石山寺毎年多くの来場者数を誇る、石山寺のライトアップ。今年は 「あたら夜もみじ」と題し、境内2000本以上の紅葉と本堂、多宝塔などの建造物をアーティスティックにライトアップする。さらに園内の蓮如堂では、CGアニメーションによる、デジタル縁起絵巻も加わった、歴史×現代アートが織り成す空間となっている。兵主大社 ライトアップ国の名勝に指定される庭園をライトアップ。紅葉の赤、苔の緑が鮮やかなコントラストを演出する。ミニコンサートなどのイベントも開催されるので、音楽と共に紅葉を楽しむことができる。比叡山ドライブウェイ比叡山ドライブウェイと夢見が丘で行われる、ライトアップ。 紅葉のライトアップと共に、琵琶湖の夜景が眼下に広がる。夏と違う、澄みきった空気のなかで秋の夜景を満喫してみてはいかがだろう。【詳細】■国宝彦根城「錦秋の玄宮園ライトアップ」期間:2016年11月12日(土)〜27日(日)時間:18:00〜21:00 (入場は20:30まで)場所:国宝 彦根城 玄宮園住所:滋賀県彦根市金亀町 3 (入場は20:30まで)参加料:大人 700円、小中学生 350円ひこにゃん登場日時:11/12(土)、22(火)、27(日) 18:00頃■2016 三井寺 秋のライトアップ期間:11月18日(金)〜27日(日)時間:17:00〜21:00場所:三井寺住所:滋賀県大津市園城寺町246入山料:大人 600円、中高学生 300円、小学生 200円■大本山石山寺 あたら夜もみじ期間:11月12日(土)〜12月27日(日)時間:17:30〜21:00 ※最終入山 20:30場所:大本山石山寺住所:滋賀県大津市石山寺 1-1-1料金:夜間入山料 中学生以上 600円、小学生 300円■兵主大社 ライトアップ期間:11月17日(木)〜30日(水)時間:17:00〜20:30場所:兵主大社住所:滋賀県野洲市五条 566料金:大人 500円、高校生・大学生 300円、中学生以下無料■比叡山ドライブウェイ期間:10月29日(土)〜11月23日(祝・水)時間:日没〜21:00場所:比叡山ドライブウェイ中腹 夢見が丘住所:滋賀県大津市山上町 776-3
2016年11月10日成長を実感する幸せも束の間、子どもの将来と向き合う時期となり…出典 : 子どもの就学先を決めるとき、みなさんはすぐに「ここだ!」と思える学校選び(学級選び)ができましたか?いいえ、と答える方が多いのではないでしょうか?溢れる情報の中、いっそのこと誰かに決めて欲しい!とすら、私は思っていました。私の息子は、幼稚園入園直前に発達障害の診断が下りました。年少から年中にかけては、とにかく幼稚園生活をスムーズに送らせることに、全神経を集中させていました。段々と成長していく姿は何よりも嬉しく、疲れやすい息子を必死にサポートしながら、日々を過ごしました。そういう意味で、年少から年中にかけては、「今現在の息子」の姿だけを見ることのできる、1番幸せな時期だったのかもしれません。誰かが4歳~5歳は、「発達障害のゴールデンエイジ」と呼んでいましたが、それほどまでに、子どもの成長が実感できる時期でもあったのです。そして年長になって、いつもの発達外来に行ったときに、担当医にこう言われました。「来年度は就学ですから、ゴールデンウィークあけに市の就学相談に行ってください。息子くんの就学についてどうするか、そろそろご両親で話し合いをしてくださいね。」私はこの言葉でハッとしました。これまでは「今現在の息子」の姿を見ていれば楽しかった毎日。しかし、年長になった途端「未来を考えて行動する」よう求められるのです。決断の重さを自覚するほど、決められないジレンマ出典 : 就学相談では、本人同伴で市役所の相談員と話をします。子どもは臨床心理士の先生と一緒に遊びながら、行動観察をされます。しかし、「この子はこういう特性がありそうだから、特別支援がいいですよね」「普通級で大丈夫だと思いますよ」などといった助言は一切されることはありません。決断は全面的に親に委ねられます。発達検査での数値もある程度は参考にされますが、数値だけではわからないような、本人の困り感というのがあります。私たち親にとって発達検査の数値は、就学の決定の参考に、あまりなりませんでした。発達外来の担当医も、療育の先生も、幼稚園の先生さえも、この件についてはあまりはっきりとしたアドバイスを下さいませんでした。「あくまでも決めるのは親御さんですから、私たちからはこうしたらいいとかは言えないんですよ…」というお答えがほとんど。おまけに、小学校の特別支援級を批判する声が、耳に入ってきました。私は、考えれば考えるほど頭がこんがらがってきました。息子にとっての人生の大きな決断を、自分だけに委ねられている状況。客観的な資料は無いに等しく、私の感覚と経験値だけで選ばなければならない辛さ。今まであんなにいろいろな人が助けてくれたのに、どうしてこの決断だけは自分ひとりに委ねられてしまうのか…。「いっそ、誰かが決めてくれたらいいのに…」私は、ついに就学について考えることが嫌になり、逃避状態になっていました。やっと行動する気になり、見学へ。そこで見た特別支援学級は…出典 : 特別支援級への通級になるかどうかは、うちの自治体では8月から審査が開始されます。ですから秋までには、親の希望を市のほうに提出して欲しいと言われます。ところが私は考えることを放棄し、9月になっても答えを出しませんでした。しまいには「このまま放置して、普通級でいいか」と思い始めていました。しかし私は、発達ナビに以前掲載された記事(下記、関連記事参照)をふっと思い出したのです。私は重い腰をあげ、入学予定の小学校に電話をかけ、特別支援級の見学を申し込みました。(残念ながら息子同伴は不可でした)これで納得がいかなければ、答えが出るだろうと思ったのです。授業見学当日は、教頭先生がわざわざ同伴してくださり、1クラスずつ支援の内容を説明しながら、案内してくださいました。授業後は、教頭先生と特別支援コーディネータの先生が面談の時間を取ってくださいました。見通しをたてた授業、刺激を一切排除したシンプルで静かな教室、教室の奥には囲いに囲われたクールダウンスペース、そして何よりも、子どもたちの楽しそうな様子に目が留まりました。教頭先生が教室にフラッと立ち寄るたび、子どもたち「先生今日ね、テスト頑張ったんだよ」「先生、明日のテストはここで受けてもいい?」と声をかけてくる様子が印象的でした。教頭先生は支援級にいる全ての生徒の名前を覚えていて、みんなが「教頭先生!教頭先生!」と慕っています。私はそのときに、自分の中に湧き上がってきた感想を忘れることができません。「自分も小学生の頃、この教室に通いたかった…!」決めるのは怖い。でも、親が「失敗を恐れない」ことで子どもの可能性につながることも出典 : 自分の中に湧き上がってきた感想が私の答えの全てでした。「まずは特別支援級の通級から始めてみよう」、私は授業見学から帰宅してすぐに、2回目の就学相談の予約を取りました。みなさんがもし、お子さんの就学先で特別支援級か普通級か?決定を委ねられて悩んだときには、まずは入学予定の小学校の特別支援級へ、見学に行ってみることをお勧めします。そしてもう1つ、私からお伝えしたいこと。特別支援級か普通級か選ぶことを、「子どもの人生を決めてしまう」という風に、プレッシャーに感じないで欲しいのです。子どもが普通級が良かったと言うのであれば、(息子の小学校に関しては)学期途中で普通級に転籍することは可能です。普通級が合わないと思うのであれば、次の学年から特別支援級を検討することもできます。子育てをしていると、節目節目で大きな決断を迫られることが沢山あります。けれども、それを選んだら、子どもの人生はもう後戻りできないわけではありません。大切なのは、上手くいかなかったとしても、次の一手を冷静に考える力を残しておくことです。だからどうか、自分が全ての手綱を握っているかのように悩まないでください。そのときの状況に応じて考え、決断を変えていく自由も、私たちにはあるのですから。
2016年10月20日人間国宝・染織家の志村ふくみとその長女で染織家の志村洋子の芸術精神を継承する、新ブランド「アトリエシムラ(atelier shimura)」が、2016年11月3日(木・祝)よりスタートする。志村の芸術精神を広く次世代に伝えたいという想いから「アトリエシムラ(atelier shimura)」を誕生させた。商品は着物を中心とし、ストール、茶道具、額装、名刺入れ、書籍など幅広く展開。どれも世界にひとつだけの一点もので、作り手の想いが込められている。京都・嵯峨の工房で作られた着物は、蚕の繭から得た絹を植物で染め、人の手によって織り上げたもの。植物の命が感じられる色味は、自然の深さを体感させてくれる。合わせる帯締め・帯揚げも同様に植物染料で仕上げた。ストールは、無農薬・有機農法にこだわり、最高級のオーガニックコットンと絹を用いている。和装だけでなく、デイリーウェアとも相性がよく、男性・女性問わず纏えるのがポイントだ。展開は、ブランドローンチの2016年11月3日(木・祝)よりオンラインショップをスタート。翌2017年には、京都・岡崎にショップをオープンする予定だ。【詳細】アトリエシムラ(atelier shimura)ブランドオープン日:2016年11月3日(木・祝)取り扱い店舗:オンラインショップ(2016年11月3日オープン)※2017年、京都・岡崎にショップオープン予定。<全商品展示販売会 @ifs未来研究所 WORK WORK SHOP>※着物をはじめとする全商品を紹介。開催日時:2016年11月3日(木・祝) 14:00〜18:002016年11月4日(金)〜6日(日) 11:00〜18:00<新ブランド販売イベント @TOBICHI②>ストールなどの販売、ワークショップ、トークショー。開催日時:2016年11月3日(木・祝)〜6日(日) 11:00〜18:30<企画販売@代官山蔦屋書店>志村ふみと志村洋子の作品集やエッセイ、アトリエシムラ(atelier shimura)の小裂の画帖や小裂の額装を販売。開催日時:11月7日(月)~18日(金)7:00~26:00【問い合わせ先】アトリエシムラ(atelier shimura)TEL:075-762-2500
2016年10月17日丸紅新電力の新電気料金プラン発表会が都内・ベルサール六本木で開催され、スタジオジブリが制作した同社の新CMが公開された。CMは、国宝「鳥獣人物戯画」をモチーフにしたもので、絵に描かれたウサギやカエルが感情豊かに生き生きと動く様が描かれている。楽曲は、辻井伸行氏による描き下ろしとなっている。「鳥獣人物戯画」をモチーフにしたことについてスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、「『鳥獣戯画』を動かしてみたいという考えはずっとあったんですよ。これは宮﨑駿や高畑勲も好き。この『鳥獣戯画』に描かれている絵は素晴らしくて、業界の人であればこういうものを動かしてみたいという意欲をみんな持つんです」とコメント。CM続編ではウサギとカエルの今後が描かれるという。今回のコラボレーションの経緯について丸紅新電力の福田知史国内電力プロジェクト部長は、「水を利用した発電で電気をまかないたいという相談を福島県の下郷町から受け、現在森の真ん中に小水力発電をいくつか作っています。この件について、"森の中で水と緑をうまく調和させて電気を作る"ということを今後の柱にしたいと思っており、そのイメージを具体的にどう表現するかを考えていた時に、ジブリさんに依頼してはどうかという提案が広報部からあって、実際にお会いさせていただいたことがきっかけです」と語った。一方の鈴木氏は、「第一に縁を感じたんです。スタジオジブリは以前、徳間書店の傘下にあって、そこに勤めていた時に丸紅さんと組んで映画を作ったことがあるんです。それは数十年前の話なのですが、僕も絡んでいたこともあり、丸紅さんと聞いて『懐かしいな』と思ったんです。そういうのって大きいんですよ」と、意外な理由を明かしていた。発表された「プランG」は、すでに申し込み受け付けを開始している価格重視のスタンダードプラン「プランS」に対し、電気料金の一部を森と緑の保全活動に充当することができる環境重視のプランとなっている。「プランG」は「プランS」よりも基本料金として毎月100円(税別)高く、また従量課金として3段階目(月に300kWh以上電気を使用した場合に適用される料金)のみ1円/kWh多く徴収する。丸紅新電力は、三鷹の森ジブリ美術館に電力を供給するとともに、その活動を支援。さらに集めた資金によって公益財団法人トトロのふるさと基金が埼玉県と東京都にまたがる『となりのトトロ』(1988年)でモデルになった狭山丘陵の自然と里山の景観を保全するために行っているナショナル・トラスト活動を支援していくという。「プランG」加入者にはスタジオジブリ監修の「オリジナル一輪挿し」がプレゼントされる
2016年03月15日人間国宝である染織作家・志村ふくみの大規模な回顧展「志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰―」が2月2日より、京都国立近代美術館で開催される。志村の作品は草木からの自然染料で染められた糸によって織り上げられており、国際的な評価も高い。2014年には「民衆の知恵の結晶である紬の創作を通して、自然との共生という人間にとって根源的な価値観を思索し続ける芸術家」として第30回京都賞(思想・芸術部門)を受賞し、15年には文化勲章を受章した。文化勲章受章記念として開催される同展では、代表作を中心に、初期の作品から最新作までを一堂に展示。60年におよぶ創作の歩みを紹介するとともに、志村の魅力と芸術の核心に迫るものとなっている。会期中の2月13日には志村と熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)との対談「紬の着物を着て茶室に入ること」、3月6日には志村による講演会「母衣(ぼろ)への回帰」、2月20日と3月12日にはキッズプログラム鑑賞ツアー「これはどんな色?」が開催される。【イベント情報】文化勲章受章記念「志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰―」会場:京都国立近代美術館 3階企画展示室住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町会期:2月2日~3月21日時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)休館日:毎週月曜日(ただし、3月21日は開館)料金:一般900円、大学生500円、高校生・18歳未満は無料
2016年01月07日コロワイドのグループ会社、レインズインターナショナルは3日より、「しゃぶしゃぶ温野菜」にて、期間限定「香る秋しゃぶ食べ放題コース~国宝マンガリッツァ豚をポルチーニだしで~」を提供開始する。○ハンガリーの"食べられる国宝"「マンガリッツァ豚」のしゃぶしゃぶ「マンガリッツァ豚」は、ハンガリー政府が2004年に「国宝」として認定した、"食べられる国宝"と呼ばれる豚。濃厚な赤身と霜降りの肉質で、脂の口どけが良くなめらかでジューシーなおいしさ。豊富なビタミン、ミネラルや不飽和脂肪酸のオレイン酸を多く含むヘルシーな「マンガリッツァ豚」は、"究極の豚"とも呼ばれている。鍋は単品注文も可能(S鍋 300円、丸鍋 600円・各税別)となる。特製だし「香るポルチーニだし」は、ポルチーニの香り豊かな洋風だしに、天然発泡性赤ワイン「ランブルスコ」を目の前で加えて仕上げる。「ランブルスコ」は、イタリアのエミリア・ロマーニャ州でつくられる、天然弱発泡性の赤ワイン。イタリア北部のワイナリー「ドネリ社」のランブルスコを使用している。コース限定の、季節のきのこ盛り合わせも用意。6種類のきのこ(香る完熟舞茸、大ぶりしめじ、純白雪色しめじ、エリンギ、白えのき、甘シャキ味えのき)、はりはり水菜、紐皮人参、甘たまねぎ、甘~いキャベツ、インカのめざめとなる。きのこは、自然に近い環境でじっくりと育てられ、香り高くおいしい状態で収穫したものを提供している。食べ放題メニューは、肉10種、国産野菜22種、前菜、おつまみ、鍋肴など、70種類以上が食べ放題。11品から選べるデザート1品付き。「香るポルチーニだし」のほかに、定番の9種類から、もう1つ好きなだしを選べる。導入期間は、9月3日~11月4日。食べ放題120分制(ラストオーダー90分)で、価格は1人前3,780円(税別)。小学生未満 無料、小学1~3年生2,780円(税別)、小学4~6年生・65歳以上3,280円(税別)。なお、内容は予告なく変更する場合がある。
2015年09月02日ジャストシステムは25日、歴史や国宝をテーマにしたテンプレートなどを収録した住所録・ハガキ作成ソフト「楽々はがき2016」を発表した。直販サイト「Just MyShop」で9月4日から販売する。価格は「通常版(パッケージ製品)」が税別4,300円、「ダウンロード版」が税別3,000円。楽々はがきシリーズ登録ユーザー向けの「バージョンアップ版(パッケージ製品)」は税別3,200円だが、2015年11月4日までは税別2,600円で販売する。「楽々はがき」は、住所録管理や、搭載テンプレートでハガキが作れるハガキ作成ソフト。画面上部に配置された「コマンドバー」アイコンをクリックしていくと、ハガキ作成から住所録作成、印刷までを一連の操作で行える。今回の「楽々はがき2016」では新たに、慶弔で変わる名前や家族に関する情報、住所、お付き合いメモなどを一括管理する機能を搭載。「住所録」では、家族の人数を示す「宛先アイコン」によって、登録した相手先の家族構成を分かりやすくした。収録テンプレートは約1,650点。2016年の干支である猿が登場する「桃太郎」「さるかに合戦」をモチーフにしたテンプレートに加え、新たに源氏物語や伊能忠敬などをデザインした「歴史テンプレート」、高松塚古墳壁画や漢委奴国王印といった「国宝テンプレート」を収録。そのほか、イラストや写真の背景をマウスでクリックすると、画像の切り抜きが行える「透明色設定ツール」を新搭載している。収録コンテンツ数は、イラスト・背景が約6,100点、文例が約1,000点、フォントが95書体。対応OSはWindows Vista(SP2以上) / 7 / 8 / 8.1 / 10。
2015年08月25日日産自動車は19日、島根県松江市が管理する松江城天守の国宝指定を記念して、電気自動車(EV)「e-NV200」を松江市に寄贈したと発表した。松江市役所にて同日行われた寄贈式では、同社副社長の片桐隆夫氏と島根日産自動車及び日産サティオ島根社長の櫻井誠己氏より、松江市の松浦正敬市長に記念キーが手渡された。今回寄贈するe-NV200は、走行時のCO2排出量がゼロという特性が、水と緑の豊かな自然と歴史的な文化遺産や伝統に恵まれた国際文化観光都市である松江市に適したモデル。松江市には、今後同車を松江城天守国宝指定のPRイベントや同市の環境保全活動イベントなど、環境にやさしい街づくりの取り組みに役立ててもらう。なお、松江市は次世代自動車充電インフラ整備促進事業として、EVの導入を促進するため、急速充電器の設置も進めている。e-NV200は、多目的商用バン「NV200バネット」をベースに、e-パワートレインを組み合わせることで、「NV200」の室内の広さや多用途性と、EVならではの滑らかな加速と静粛性を兼ね備えたモデル。また、最大1,500Wの電力を供給するパワープラグによって屋外での電源供給が可能となり、走る蓄電池として、さまざまなビジネスシーンに役立てることができる。5人乗り/7人乗りのワゴンタイプの設定により、乗用ユースとしても使用可能となっている。
2015年08月19日第27回東京国際映画祭の特別招待作品としてインド映画『チェイス!』が10月29日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズでお披露目され、同作に主演するアーミル・カーンと、ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督が会見を行った。日本でも大ヒットした『きっと、うまくいく』に主演し、米TIME誌で“世界で最も影響力がある100人”にも選出されている、インドの“国宝級”スターのカーンは、「やっと念願がかなった。来日し、早速ファンに声をかけてもらい、感激している」と初来日に喜びをかみしめた。その他の写真『チェイス!』は、米シカゴで撮影されたアクション超大作。サーカス団の天才マジシャンとして人気を博す一方、幼い時に父を破滅に追い込んだ銀行へ復讐するため、金庫破りを繰り返す主人公サーヒルが、インド本国から派遣された検挙率ナンバーワンの刑事ジャイと対決する。インド映画史上最大規模の製作費を投じ、アメリカをはじめ、世界各国でインド映画の歴代興収記録を更新している。「スペクタクル大作であると同時に、エモーショナルなドラマ性がインドに限らず、世界中の人々に響いたんだと思う。日本の皆さんにも楽しんでもらえるはず」と自信を示すカーン。『きっと、うまくいく』で当時44歳にして大学生を好演し、「自分でも無理だと思ったが(笑)、出演作選びは、まず観客としてストーリーに惹かれるかが重要。そして、役者として新しいチャレンジができるか考える」とポリシーを語った。一方、アーチャールヤ監督は「アーミルが素晴らしいのは、スター気取りせずに、チームワークを重んじてくれる点。周囲に苦労を見せず、どんな役でも演じきる才能には、改めて驚かされた」とカーンに最敬礼だ。また、日本映画への造詣も深く「好きな監督は黒澤明さん、三池崇史さん。それに北野武さんには監督、役者の両面で魅力を感じる。一番好きな日本映画は『用心棒』。いつかインドでリメイクしたい」と熱弁していた。本作は日活と東宝東和が共同設立した“アジア映画最強レーベル”『GOLDEN ASIA』の第2弾作品。インド映画として過去最大規模で全国公開される。『チェイス!』12月5日(金)TOHOシネマズみゆき座ほか全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2014年10月29日「シンガポールの国宝」と称されるアートディレクター兼デサイナー、テセウス・チャン(Theseus Chan)の作品展「ヴェルク:ウィーワークトゥギャザー(WERK: WE WORK TOGETHER)」が、東京・代官山の蔦屋書店2号館1階のギャラリースペースにて11月6日より開催される。ブランドやショップ、クリエーターとチャンとのコラボレーションにより毎号作り出される彼のライフワークマガジン『ヴェルク(WERK)』を軸に、その全仕事と未来への取り組みを紹介。本展のために特別製作されたシルクスクリーン作品とグッズも展示販売する。2号館1階のアートフロアでは、マルティーヌ・ブダン(Martine Bedin)をフィーチャーした#21、ドーバー ストリート マーケット ロンドン10周年特集の#22のヴェルク最新号フェアも実施。#21に登場したデザイナー集団、メンフィスのメンバーであるブダンが手掛けたドローイング作品も展示販売予定。11日19時よりチャンの来日トークショーとサイン会も開催する。チャンは2006年に「プレジデンツ・デザイン・アワード」でデザイナー・イブ・ザ・イヤー賞受賞。08年に『Area_2』で世界のデザイナートップ100にも選出された。ヴェルク個展は、2013年春夏期に東京、香港、北京の「コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)」各店で展示された。【イベント情報】テセウス・チャン展「WERK: WE WORK TOGETHER」会場:代官山 蔦屋書店2号館1階住所:東京都渋谷区猿楽町17-5会期:11月6日から26日時間:9:00から翌2:00
2014年10月27日カネカは9月29日、京都国立博物館で10月7日~11月24日の期間中に開催される特別展覧会「国宝 鳥獣戯画と高山寺」に同社の有機EL照明パネルが展示照明として採用されたと発表した。「鳥獣人物戯画」は動物を擬人化して生き生きと描いた、日本の古美術の中でも最も知名度が高い作品のひとつで、同展覧会は全4巻の保存修理が完成した記念として開かれる。同社の有機EL照明パネルが採用された理由は、薄く、軽量で発光に伴う発熱も抑えられるため、展示物や展示空間と調和した照明設置が可能であることや、面で発行し全体的に柔らかく照らすため展示物全体に均等に光が広がることに加えて、紫外線や赤外線の発生がなく保存科学の観点から「国宝」を照らす照明に適している点だという。同社は「東洋美術をはじめ、あらゆる絵画・美術品の展示照明分野に有機EL照明パネルを積極展開し、新しい用途を開拓するとともに、国内および欧米の市場への事業展開を加速さえていく」とコメントしている。
2014年09月29日国宝、瑠璃光寺五重塔のある香山公園の散策道を1,000本ものキャンドルで飾る「山口ゆらめき回廊」が開催される。日時は9月15日(土)、16日(日)、17日(月・祝)の3日間。19:00~21:30まで。瑠璃光寺五重塔は室町時代に大内氏によって建立されたもので、現存する日本の五重塔の中では10番目に古い。京都の醍醐寺・奈良の法隆寺と並び、日本三名塔の一つに数えられている。もともとこの地には香積寺という別の寺があったが、関ヶ原合戦の後、萩に入った毛利輝元が香積寺を萩に移築。跡地に仁保から移築されたのが瑠璃光寺だ。イベントはキャンドルの点灯のほかコンサートが行われる。15日(土)はやすらぎのヴィオラの音、オビウオリアキの演奏、16日(日)は神に捧げる癒しのダンス、MANAのステージ、17日(月)は山口出身のジャズシンガー、樹里からんのコンサートだ。いずれも19:30~20:00、20:30~21:00の2回公演となる。秋の風を感じながら揺らめくキャンドルの幻想的な雰囲気の中で音楽を楽しめる。同時開催イベントとして、一の坂川の河原に約500本もの竹灯籠を点灯する「アートふるリバーナイト」が16日(日)18:00~21:00に行われる。大内氏館跡池泉庭園では、リュートと琴のコンサートと庭園ガイド、「池泉庭園のしらべ~重陽の節会(ちょうようのせちえ)典雅な音色と夕暮れの町歩きへ」を16日(日)17:00~18:30に開催。さらに露山堂周辺では、茶道裏千家淡交会山口支部山口青年会主催で「ゆらめき灯り茶会」が15日(土)17:30~20:00に行われる。15日(土)、16日(日)は湯田温泉の宿泊客限定で会場と湯田温泉を往復する「山口ゆらめき回廊バス」が特別運行される。料金は大人500円、小中高200円、幼児無料。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月10日