映画『SP 革命篇』の完成披露試写会が2月24日(木)、都内で開催され、主演の岡田准一をはじめ、堤真一、香川照之、真木よう子、松尾諭、神尾佑ら主要キャストが勢揃い。「SP」ファンで埋まった会場は大きな盛り上がりを見せた。深夜枠にもかかわらず高視聴率を記録した連続ドラマ、そして昨年公開された『SP 野望篇』に続く劇場版であり、完結篇となる本作。直木賞作家・金城一紀のオリジナル脚本で、特殊な能力を持った主人公の井上薫(岡田さん)を中心に、要人警護を任務とする警視庁警備部警護課第四係の面々の活躍が描かれる。特に本作では、上司の尾形(堤さん)の抱える、国家を巻きこんだ“秘密”が明らかになる。岡田さんらが姿を現すと、会場は熱狂!壇上には国会議事堂が描かれた幕が張られていたが、岡田さんらが壇上に上がるとテロを思わせるような大爆発音とともに幕が落ち、後ろから「SP」のロゴが登場するという演出で会場の熱気は最高潮に。マイクを握った岡田さんは「昨日は眠れませんでした」と初めてお客さんの前で、この『革命篇』を披露する喜びを表した。堤さんは、劇中のクールな尾形とは全く違うノリで開口一番「ヤッホー!」。満員の客席を見渡し嬉しそうに笑みを浮かべていた。与党幹事長の伊達を演じる香川さんは、緊張のせいか喜びのせいか噛みまくり。「おいしいワイン」と言うところを「わいしい…」と言うなどして「年だね、我々は」と、苦笑いを浮かべて隣りの堤さんをチラリ。すると堤さんも香川さんと肩を組み、優しい笑顔で「労り合おうね、ほめ合おうね」。2人のコミカルなやり取りに会場は笑いに包まれた。笹本役の真木さんが、突然、司会者から映画の見どころは?と質問され慌てて口ごもると、隣りの岡田さんや松尾さんが「いま、舌打ちした?ムカつくことでもありました?」とはやし立て、真木さんが「してません!」と必死で否定する一幕も。改めて真木さんは「4係のプライベート、私服姿が見られます」と見どころを明かしてくれた。さらに、松尾さんがリクエストに応じておなじみの(?)「かっこいいポーズ」を壇上で披露してくれたり、岡田さんのアクションについての感想を求められた香川さんが「ボクシングやらねぇか?」と『あしたのジョー』の丹下段平口調を見せたりと、登壇陣が次々とサービス。また、ハリウッドとの間で本作のリメイク化権の交渉が進められていることも明かされ、会場からは期待を込めた大きな拍手がわき上がった。『SP 革命篇』は3月12日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:SP 革命篇 2011年3月12日より全国東宝系にて公開© 2011「SP」プロジェクトチーム■関連記事:岡田准一『SP』深夜ロケで荒れた?「誰か蹴りてぇ!」で犠牲になったのは…岡田准一、暴漢を退治!真木よう子は男に囲まれ火がついた?「殴る、蹴るが快感に」
2011年02月24日第65回毎日映画コンクールの授賞式が華やかなグリーンカーペットイベントに続いて開催され、各受賞者が壇上で喜びを語った。授賞式後には報道陣向けの会見の時間もとられ、極悪非道な殿様役で男優助演賞を受賞した稲垣吾郎(『十三人の刺客』)が“悪役への目覚め”を熱く語る一幕も!スポニチグランプリ新人賞を受賞した徳永えり(『春との旅』)は、壇上で過酷な撮影をふり返りつつ、小林政広監督に感謝の弁。さらに、共演者の仲代達矢とのエピソードとして「撮影が本当につらくて、この映画で女優をやめようかとも思うくらい追い詰められましたが、仲代さんが『君は女優らしくないし、華があるかないかで言ったらない!だからこそ女優を続けなさい』とおっしゃってくださった」と明かし、さらなる飛躍を誓った。同じく新人賞受賞の遠藤要(『イエローキッド』)は、両親の離婚や母の死を経て、荒れた生活を送っていたが、ある老人ホームで芝居を公演し、それがきっかけで俳優の道を志したと語り、自身が関わってきた多くの人々への感謝の言葉を述べた。女優助演賞の夏川結衣(『孤高のメス』)は「(成島出)監督がすごい思いを込めた作品であり、俳優、スタッフが同じ方向を向いてやることができた」と充実した表情で喜びのコメント。続いて、客席からの「おめでとう!」という大歓声を浴びつつ登壇した稲垣さんは「初めての極悪非道な役で、脚本読んでびっくりして『(周囲に)どう思われるかな?』と思ったんですが、三池監督からは『こんな楽しい役はないから、好きに気持ちよく演じて』と言われた」と明かし、最後に「毎日新聞、良い新聞!」と付け加え、会場の笑いを誘った。さらに式後の会見では、出演後の周囲の反応について「(SMAPの)メンバーには『地だね』と。香取くんには『素の吾郎ちゃんだね』とか、ひどいことを言われました」と苦笑い。とはいえ、役柄は気に入っているようで「いつもメンバーにいじめられて『お前はMだ』と言われてるんですが、Sの部分が出てきましたね」とノリノリ。今後もこうした悪役を演じたいと意欲的に語っていた。『キャタピラー』で女優主演賞を受賞した寺島しのぶは、本作の若松孝二監督を引き合いに「監督のような激動の人生を送れるかは分かりませんが、情熱は持ち続けたい」と力を込めた。そして『孤高のメス』で男優主演賞に輝いた堤真一は「こうした場にいると、日本映画の諸先輩方の思いがあって、自分はその上に立たせてもらっているんだということを改めて感じます。今後、もっと深く、愛情を持って、そして自分を磨いて映画に関わっていきたい」と真摯な表情で語り、会場の喝采を浴びた。そして、稲垣さん同様に「毎日新聞、良い新聞」と付け加え、再び会場は笑いに包まれた。映画界の発展に貢献した女優に贈られる田中絹代賞を受け取った江波杏子は、デビュー当時の17歳のときに、田中さんが監督を務めた『流転の王妃』の撮影現場に行ったという思い出を語り、大女優の名を冠した賞の受賞を喜んだ。そして、今年の本映画賞で、最高賞に当たる栄えある日本映画大賞に輝いたのは、妻夫木聡、深津絵里主演の『悪人』。壇上に上がった李相日監督は「役者を追い込み、彼らの力が大きな力になりました。全員で掴み取った作品なので、キャスト・スタッフを代表してこの賞をいただきます」と感慨深げにトロフィーを受け取り笑顔を見せた。毎日映画コンクール受賞一覧日本映画大賞:『悪人』日本映画優秀賞:『春との旅』監督賞:三池崇史(『十三人の刺客』)外国語映画ベストワン賞:『息もできない』男優主演賞:堤真一(『孤高のメス』)女優主演賞:寺島しのぶ(『キャタピラー』)男優助演賞:稲垣吾郎(『十三人の刺客』)女優助演賞:夏川結衣(『孤高のメス』)スポニチグランプリ新人賞:遠藤要(『イエローキッド』)/徳永えり(『春との旅』)田中絹代賞:江波杏子脚本賞:佐藤有記(『ヘヴンズ ストーリー』)撮影賞:近藤龍人(『海炭市叙景』)音楽賞:ジム・オルーク(『海炭市叙景』)美術賞:近藤成之(『武士の家計簿』)録音賞:中村淳(『十三人の刺客』)アニメーション映画賞:『カラフル』TSUTAYA映画ファン賞:『THE LAST MESSAGE 海猿』(日本映画部門)/『エクリプス/トワイライト・サーガ』(外国映画部門)特別賞:高峰秀子■関連作品:エクリプス/トワイライト・サーガ 2010年11月6日より丸の内ルーブルほか全国にて公開TM & © 2010 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.カラフル 2010年8月21日より全国東宝系にて公開© 2010森絵都/「カラフル」製作委員会 武士の家計簿 2010年12月4日より全国にて公開© 2010「武士の家計簿」製作委員会海炭市叙景 2010年11月27日より函館先行公開、12月上旬、渋谷ユーロスペースにて公開© 2010佐藤泰志/『海炭市叙景』製作委員会THE LAST MESSAGE海猿 2010年9月18日より全国東宝系にて公開© 2010 フジテレビジョン ROBOT ポニーキャニオン 東宝 小学館イエローキッド 2010年1月30日よりユーロスペースほか全国にて順次公開CATERPILLARキャタピラー 2010年8月14日より公開© 若松プロダクション孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会ヘヴンズ ストーリー 2010年10月2日よりユーロスペース、10月9日より銀座シネパトスほか全国順次公開© 2010 ヘヴンズ プロジェクト十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会息もできない 2011年1月22日よりシネマライズにて期間限定公開春との旅 2010年5月22日より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほか全国にて公開© 2010『春との旅』フィルムパートナーズ/ラテルナ/モンキータウンプロダクション悪人 2010年9月11日より全国東宝系にて公開© 2010「悪人」製作委員会■関連記事:毎日映画コンクールタキシードの稲垣吾郎に大歓声!三池監督は銀色ジャケットで登場【シネマモード】2011年、注目なのは誰?2010年映画ファンが選ぶベストムービー洋画大作を抑えあの邦画がNo.1に輝く!日本アカデミー賞優秀作品を一挙上映!好きな作品を観られる鑑賞券を5組10名様プレゼント【シネマモード】2010年をふり返ってみれば…
2011年02月08日65回目を迎える「毎日映画コンクール」授賞式が、2月8日(火)、神奈川県川崎市のミューザ川崎シンフォニーホールにて開催。昼過ぎ、授賞式の開幕に先立って、グリーンカーペットイベントが行われ、堤真一(男優主演賞)、寺島しのぶ(女優主演賞)、稲垣吾郎(男優助演賞)ら受賞者がファンの歓声に迎えられながらカーペットを闊歩した。『孤高のメス』で男優主演賞を受賞した堤さんはノーネクタイで黒いシャツとジャケット姿で登場。握手を求めるファンに気さくに応じていた。『十三人の刺客』での狂気を帯びた演技が絶賛され、男優助演賞を受賞した稲垣さんがタキシード姿で登場すると、カーペット脇の観客から一層、大きな歓声が沸きあがった。堤さんと同じく『孤高のメス』で女優助演賞受賞となった夏川結衣は黒いドレスで笑顔で登場。スポニチグランプリ新人賞を受賞した遠藤要(『イエローキッド』)と徳永えり(『春との旅』)は少し緊張した表情。観客の歓声に「ありがとうございます」と応えていた。『十三人の刺客』で監督賞に輝いた三池崇史監督は、何とシルバーのジャケット姿で登場し、これには会場から「おぉー」っとどよめきが。いったいどこで購入したのか?これが似合うのがさすが三池監督といったところ。ほかに、田中絹代賞を受賞した江波杏子、『カラフル』でアニメーション映画賞を受賞した原恵一監督、TSUTAYA映画ファン賞に輝いた『THE LAST MESSAGE 海猿』の羽住英一郎監督、日本映画優秀賞の『春との旅』の小林政広監督らも来場した。『CATERPILLARキャタピラー』で昨年のベルリン国際映画祭の最優秀女優賞受賞の快挙に続き、本映画祭でも女優主演賞を受賞となった寺島さんはグリーンカーペット前の会見に出席。『赤目四十八瀧心中未遂』以来の女優主演賞に「7年前は会場に来ることができなかったので、今回、この舞台に立てて嬉しいです。本当に小さなところから始まった映画でした。このような伝統ある賞をいただけて自信になります」と喜びを語った。この日は最愛の夫で、フランス人アートディレクターのローラン・グナシア氏は「来たがっていたんですが、インフルエンザで寝ています」とのことだったが、「早く帰ってしゃぶしゃぶを私が作る約束なので、そのときにシャンパンでも開けようかと思います」と笑顔で語った。報道陣から「子作りは?」とストレートに問われると、「いつでもウェルカムです」と答えつつ「子作りに専念しようかと思ってた矢先に『キャタピラー』の脚本が来たんですよ(笑)。だから、こういうことはどうなるか分からないものですね。自然の成り行きに任せます」と語った。この後、同会場のホール内で授賞式が始まり、各受賞者に賞が授与される。■関連作品:カラフル 2010年8月21日より全国東宝系にて公開© 2010森絵都/「カラフル」製作委員会 春との旅 2010年5月22日より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほか全国にて公開© 2010『春との旅』フィルムパートナーズ/ラテルナ/モンキータウンプロダクションイエローキッド 2010年1月30日よりユーロスペースほか全国にて順次公開孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会CATERPILLARキャタピラー 2010年8月14日より公開© 若松プロダクション■関連記事:毎日映画コンクール授賞式稲垣吾郎、極悪人役にSMAPメンバー「地が出てるね」日本アカデミー賞優秀作品を一挙上映!好きな作品を観られる鑑賞券を5組10名様プレゼント【シネマモード】2010年をふり返ってみれば…沢村一樹インタビュー初監督作に育んできた夢と初恋への思いを込めて「闇金ウシジマくん」山田孝之インタビュー「嫌われるのは結構好きですね(笑)」
2011年02月08日映画『SP 野望篇』(波多野貴文監督)の初日舞台挨拶が10月30日(土)、TOHOシネマズ スカラ座で行われ、主演のV6・岡田准一、共演の堤真一、真木よう子らシリーズレギュラーメンバー5人が出席した。2007年11月〜2008年1月に深夜枠で放送された人気ドラマの劇場版2部作の第1弾で、研ぎすまされた神経と高い能力を持つ井上薫(岡田さん)ら要人警護を担当する警視庁警備部警護課第四係が、大物国会議員(香川照之)の警護につきテロリストに立ち向かう。脚本を手掛ける作家の金城一紀と企画段階から同シリーズを育み、本格アクションにも取り組んできた岡田さんは「前日は眠れなかった。ドキドキしちゃって。僕にとっては7〜8年越しくらいの企画。本当にみんなで闘ってきた作品なので違う感じがあって」と感慨深げ。「日本でここまでアクションはない、という作品を作ったので、これまでは『野望篇』を観ていただくのが野望でしたが、次の野望は『革命篇』(第2弾)を観ていただくことです」と凛々しい表情。井上の才能を見い出す上司・尾形役の堤さんは、アクションをやりたかったか?と司会者から聞かれ「アクションは危ない!」と即答。岡田さんから「『革命篇』では堤さんのアクションもありますよ」とバラされると「バァーンと飛んでポテッと落ちます」と告白。岡田さんは「随分軽い感じに聞こえますね」と苦笑いし、会場は爆笑だった。ほかに松尾諭、神尾佑が出席。空手有段者の神尾さんは「深夜ロケが続いていたある日、岡田さんが『誰か蹴りてぇ、ローキック蹴りてぇ』と言っていたので、僕が蹴られたんですけど、スピード、タイミング、ドンピシャで来るので本当に痛かった」と妙な褒め言葉。岡田さんは「荒れていたんですかねぇ」と照れ笑いでふり返っていた。『SP 野望篇』は全国東宝系にて公開中。『革命篇』は2011年春、全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:SP 革命篇 2011年春、全国東宝系にて公開©2011「SP」プロジェクトチーム SP 野望篇 2010年10月30日より全国東宝系にて公開© 2010「SP」プロジェクトチーム■関連記事:映画のヒロインに変身!「TIFF」ヘアデザインショーモデル体験に1名様ご招待ドラマの謎の続きがここに!岡田准一主演『SP 野望篇』試写会に10組20名様ご招待岡田准一、暴漢を退治!真木よう子は男に囲まれ火がついた?「殴る、蹴るが快感に」
2010年10月30日TBS系新深夜ドラマ枠第1弾「クローン ベイビー」の制作発表会見が10月6日(水)、東京・渋谷区のKDDIデザイニングスタジオで行われ、連ドラ初主演の市川知宏らブレイクが期待されるイケメン俳優陣ら12人が出席した。同じ遺伝子を持つクローンたちが互いに引き寄せ合いながらも、排除し合おうとする駆け引きと壮絶なバトル“イスとりゲーム”を描くヒューマンサスペンスで、金曜深夜0:20から30分間、新たに編成されたドラマ枠で放送。主要キャスト6人は、USTREAMで完全生中継されたオーディションを勝ち抜いて選出された若手注目株揃い。第21回「ジュノンスーパーボーイ」グランプリ出身の市川さんは「不安とプレッシャーがありますが、挑戦しながら頑張っています」と緊張気味に挨拶。だが作品にちなんで、司会者から誰かのクローンになれるなら?と聞かれると「真剣にウサイン・ボルト。人類で一番の速さをちょっと体験したい。トラックではなく環七とか甲州街道の歩道を走って。あの速さで人のリアクションとか見えるのかな?」とユニークな回答で会場の笑いを誘った。フジテレビ系ドラマ「GOLD」に続くドラマ出演の松坂桃李は「大好きな堤真一さんになりたい。役によって演技が幅広いので、芝居にどう挑んでいるのか知りたい」と俳優業への強い意気込みをのぞかせた。一方、同ドラマでは、史上初めて、J:COMオンデマンドで本放送前に先行有料配信されている(10月5日(火)スタート 毎週火曜配信/各話210円)。この日の会見は一般のファンにも公開され、市川さんは「先行配信で見た人が広めて、という感じで活用していただきたい」と女性ファンに宣伝をお願いしていた。ほかに、第22回「ジュノンスーパーボーイ」グランプリ出身でドラマ初挑戦の稲葉友、「キャンパスター★H50 with メンズノンノ」でメンズノンノ賞を受賞し、今年デビューした菊田大輔らが出席。ドラマ「クローン ベイビー」は10月8日(金)放送開始(金曜深夜0:20〜/初回は0:35〜)。(text:Yoko Saito)■関連作品:恋するナポリタン〜世界で一番おいしい愛され方〜 2010年9月11日よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開© 2010「恋も仕事も腹八分目」フィルムパートナーズ■関連記事:眞木大輔×塚本高史インタビュープライベートで料理は?恋は…?塚本高史のぶっちゃけぶりに相武紗季、MAKIDAI爆笑市川知宏インタビュー恋は?料理は?19歳の素顔に迫る「年上の女性に憧れます」眞木大輔、名古屋での『恋ナポ』試写に登場!告白シーンに「緊張した」注目ガールズユニット「Love」がアンサーソングを携え“恋ナポ応援隊長”に就任
2010年10月06日おととしのジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞した市川知宏。受賞当時は高校生。受賞を境に一気に仕事が増えたのは想像に難くないが、多忙をものともせずに学業と俳優業を両立させ、現在は早稲田大学に通いながら仕事を続けている。今年、劇場公開される出演映画は2本。初めて映画の撮影現場となった『恋するナポリタン〜世界で一番おいしい愛され方〜』では、少しクールな青年・槇原聡史役を演じ、眞木大輔、相武紗季ら錚々たる先輩たちとの共演を果たしている。映画の公開を前に、19歳を迎えた市川さんの素顔に迫った――。幼なじみの瑠璃(相武紗季)の元へと向かう途中で、イタリア料理のコックの武(塚本高史)はピアニストの佑樹(眞木大輔)が起こした事故に巻き込まれて命を落とす。佑樹は一命を取りとめるが、なぜか佑樹には武の記憶と料理の腕が宿る。市川さんが演じた聡史は佑樹の甥。事故前は微妙に距離があった2人だが、佑樹が武の記憶を宿して以降は、聡史は何かと佑樹と行動を共にすることになる。まず、今回の聡史という役の印象は?「年齢は僕とほとんど同じだと思いますが、大人びていて、冷静ですよね。その部分を意識しすぎたのか、演じていて少し暗めのキャラクターになってしまいそうなところがあって、その微妙なテンションの調整は難しかったですね」。と話している市川さんも十分、大人びているように思えるが…。ちょうどよいので、19歳となった自身の性格を分析してもらおう。「僕ですか?いや、僕は…普通の子なんで(笑)。どちらかといえば、落ち着いている方かもしれませんね。そういう意味では聡史と少し似ているかもしれません。あと、一人が好きなところも。それと僕、すごい“質問魔”なんですよ。自分で興味を持つと、友達とかに次々と質問して、たまに迷惑がられてます(苦笑)」。幼なじみという近すぎる存在ゆえに、なかなか気持ちを伝え合えない瑠璃と武。事故、そして婚約者の水沢(市川亀治郎)を挟んでの2人の気持ちの交錯が物語のポイントともなっている。「この2人の関係って本当に切ない。もし、事故がなかったらどうなってたんだろう?というのはずっと考えさせられてるところですね」と市川さん。市川さん自身、気持ちをストレートに伝えるタイプ?「いや、どうでしょう…(笑)。あんまりガツガツとは行けず、様子をうかがっちゃいますね。ギリギリまで粘った末に『ここぞ!』と確信を持ったら行けるかも…」。残念ながら(?)、本作では聡史に関して恋愛の描写は出てこないが、この際なので市川さんの恋愛観を語ってもらおう。今回、主要な登場人物の中では、聡史は最年少だが、市川さん自身、付き合うならズバリ年上?年下?「そうですね、年上の女性には憧れますね!大学に通っていても、1年生から見て3年生、4年生の先輩の女性ってすごく大人で魅力的に感じます。一緒にいて、いろんなことを学べるだろうな、とも思いますし」。劇中の武と瑠璃は同い年。武が何だかんだと瑠璃の世話を焼く姿が印象的だ。また、水沢と瑠璃の関係は15以上も年の離れたカップル。こうした関係はどう映る?「何かそう言われると、年下の子もいいなぁって思えてきました(笑)。自分がリードしてあげたいって気持ちもあります!変に子供っぽかったりするとダメだけど…。年齢というより、ある程度の落ち着きを持っている人がいいですね。まあでも、自分からはコクれないんですけど…(苦笑)」。劇中、聡史も佑樹(=武)に影響されて包丁を握るが、市川さん自身は“料理男子”?「いや、残念ながら…(笑)。映画の中でも決して料理ができるという設定ではなかったので。家でも、親と一緒に住んでいるのでついつい頼っちゃいます。でもいま、料理できるとモテるんですよね?…いつか一人暮らしを始めたら考えます!」俳優としてデビューしておよそ1年。仕事、プライベート両面で様々な変化があったと思うが、自身でふり返ってみてどんな1年だったのだろうか?「まず、高校を卒業したことが僕の中ではすごく大きかったです。中高一貫の学校で、みんなと6年一緒、芸能界に入る前からの付き合いで、仕事を始めてからも何かと一緒にいた仲間だったので、みんなと離れ離れになるのはやはり辛かったです。一方で大学に対する期待もすごく大きいですね。これから新しい環境で、どんなことができるんだろう?ってすごく楽しみです。仕事では、思い出すと恥ずかしいんですが、ドラマでお盆を運ぶシーンがあったんですが、緊張して震えて、お盆が運べなかったんですよ。そこから比べると、1年で少しは成長できたかな、と思います。気持ちの面ではいまでも、目の前のことをとにかくガムシャラにやってます」。今後の目標に話が及ぶと「僕、堤真一さんが大好きなんです」と語り、こんな言葉を。「僕が『面白いな』と思った作品のほとんどに堤さんは出演されているんです。いまでは『堤さんが出てるから、面白いに違いない』って思って見たくなる。僕もそんな俳優になれたら嬉しいです。こないだも舞台に出てらしたんですが、チケットが取れなくて…」。客席ではなく、同じ舞台の上で活躍する姿をぜひ、見せてほしい。特集:年下のカレ■関連作品:恋するナポリタン〜世界で一番おいしい愛され方〜 2010年9月11日よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開© 2010「恋も仕事も腹八分目」フィルムパートナーズ■関連記事:眞木大輔、名古屋での『恋ナポ』試写に登場!告白シーンに「緊張した」注目ガールズユニット「Love」がアンサーソングを携え“恋ナポ応援隊長”に就任相武紗季、『恋するナポリタン』携えL.A.上陸アメリカ人の恋愛観に逆質問!『恋するナポリタン』海外進出で相武紗季、眞木大輔、塚本高史のコメント動画が到着眞木大輔が相武紗季、塚本高史とのトリプル主演作でピアニストとシェフに同時挑戦
2010年09月07日2007年から2008年にかけて放送され、その後、スペシャル版も製作されるなど大人気を博したTVドラマの続編として前後編2部構成で映画化される『SP THE MOTION PICTURE』のスペシャル・イベントが8月9日(月)に東京・台場のフジテレビにて開催され、主演の岡田准一、共演の真木よう子、松尾諭、神尾佑が出席。映画ばりのアクションを生で披露し喝采を浴びた。前日の8月8日(日)はフジテレビが独自に制定した“フジテレビの日”ということで、同社の豊田皓社長が黒塗りのVIP車で登場。岡田さんらは、豊田社長の“SP”としてスーツ姿の“本番モード”で姿を現した。そこへ、客席から暴漢2名が現れるが、ひとりを神尾さんらが押さえ込んで確保。もう一人は武器を所持していたが、岡田さんが見事な投げ技で取り押さえ、会場は拍手に包まれた。要人警護のプロフェッショナルたちの活躍を描いた本作。挨拶に立った岡田さんは「異例の8か月もの撮影でしたが、みんな、素晴らしいチームワークで『チャレンジしよう!』という気持ちでやりました。変化球ではなく真っ直ぐなボールを投げよう、ドラマでできなかったことをやろうという気持ちで挑みました」と充実した表情を見せた。ドラマ版は、岡田さん演じる井上の上司である、堤真一さん扮する尾形の謎めいた行動と2人の対峙で幕を閉じ波紋を呼んだが、岡田さんは「『野望篇』と『革命篇』でみなさんの謎に答えて完結します」とニヤリ。人気キャラクター、女SPの笹本を演じる真木さんは「女一人で“男アクション祭り”の中で、私のアクション魂にも火がつきまして…(笑)。男性を殴る、蹴るというのがだんだん快感になってきました」と告白。劇中、かなり痛めつけられるシーンもあるようだが「日常生活の中で味わうことのない痛みでして、どうリアクションとっていいものかと困りました」と苦笑交じりに明かして会場の笑を誘った。続いてマイクを握った山本役の松尾さんは「真木ちゃんにいっぱい殴ってもらった幸せ者の松尾です(笑)」と挨拶。イベント冒頭のアクションについて「真面目にやれと言われてたのでそのつもりでしたが、なぜか笑いが起こっていて…」と複雑そう。さらに、岡田さんから「(松尾さんに)『かっこいいポーズやって!』と言うと、やってくれますよ」とムチャぶりが。観客が声を揃えて「かっこいいポーズやって!」とお願いすると、壇上で華麗に蹴りの型を披露し…足を滑らせて尻餅!客席からは温かい拍手がわき起こった。いまだ、作品の詳しい内容が明らかになっていないこともあって、ファンの期待は高まるが、劇場版では香川照之さんが与党幹事長の役で出演。これについて岡田さんは「鍵を握る人物です」とだけ明かした。また、クールなSP・石田を演じる神尾さんも「尾形vs井上の関係性の中で、自分は尾形に代わって井上をフォローするという責任が…」と物語や役柄の一端を明かし、ファンの期待を煽った。さらに、アクションシーンの撮影について岡田さんは「現場ではみんな、アザは当たり前。怪我と呼ぶのは骨折から」と説明し、その激しさをうかがわせた。『SP THE MOTION PICTURE 野望篇』は10月30日(土)より、『革命篇』は2011年春、全国東宝系にて公開。■関連作品:SP 革命篇 2011年春、全国東宝系にて公開©2011「SP」プロジェクトチーム SP 野望篇 2010年10月30日より全国東宝系にて公開© 2010「SP」プロジェクトチーム
2010年08月09日人気作家・万城目学の直木賞候補にもなったベストセラーを映画化した『プリンセス トヨトミ』の大阪の撮影現場の様子が8月1日(日)に公開され、主演の堤真一をはじめ、共演の綾瀬はるか、岡田将生のコメントも到着!あわせてこの3人以外の共演陣も新たに発表された。国家予算の使用用途についての会計検査院による査察をきっかけに、大坂夏の陣で断絶したはずの豊臣家の末裔が秘密裏に生き延びていたことが発覚し、この秘密をめぐって大阪中を巻き込んだ大騒動が勃発する、という本作。「鴨川ホルモー」、「鹿男あをによし」がそれぞれ映画化、TVドラマ化されるなど高い人気を誇る万城目さんの同名小説の映画化作品で、大阪府の全面協力を得て、このほど撮影が開始された。撮影が行われたのは堤さん、綾瀬さん、岡田さん演じる会計検査院の3人が、大阪府庁に到着し、調査を始める場面。100名ものエキストラが扮する大勢の職員に対して自己紹介と提出すべき書類の説明を行い、職員たちが慌てながら資料を集める、というシーンが展開する。撮影が実施されるのは大阪府庁内の大会議室で、ここで撮影が行われるのは、松田優作の遺作となった『ブラック・レイン』(’89)以来、2度目のこと。橋下徹大阪府知事からは「僕も原作を読みましたが、大阪府庁をはじめ、大阪城、そして空堀商店街など大阪の都市(まち)の魅力がいっぱい詰まった壮大なドラマです。今日、大阪府庁での撮影がスタートしますが、みなさんの熱演で、万城目学さんの原作の持つ大阪に対する愛情あふれるストーリーを、そして大阪の都市(まち)の魅力を日本全国に、そして世界中に伝えていただけることを心から期待しています。必要があれば、府庁の幹部を出演させますよ」と製作陣、キャスト陣に向けての歓迎と期待の気持ちを込めたメッセージが届けられた。検査院のチームのリーダー役を演じ、自身も関西出身の堤さんは「不思議な話で、大阪の人が大阪のことが大好きだという思いが強く出ているが、大阪以外の人でも、観たら大阪を好きになれる作品にしたいです。綾瀬さんは超天然、岡田さんは、(自分は)彼の父親と同じくらいの年齢で、こんな息子がいたら自慢できるけど、自分は結婚すらしていないし…(笑)、今日のように大阪府庁のような建物で撮影させていただくと、セットと違って建物が空気感を出してくれて、力をもらえます。ぜひ残してほしい建物です。知事がエキストラ参加を希望されているそうですが、エキストラは時間もかかるし、こちらも緊張するので、遠くから見守っていただけたら!作品は親子の間の秘密を描いた内容ですが、自分の秘密は言えません。ただ、綾瀬さんは、大阪城をお寺だと思っていたらしく、指摘をしたら『あ、神社だ!』と言っていました(笑)」と共演者に関わるエピソードを交えながらユーモアたっぷりに意気込みを語ってくれた。綾瀬さんは「空堀商店街に行ってみて、人が多くて、服装も派手で大阪だ!と感じました。堤さんはノリのいい大阪のお兄ちゃん。岡田さんは、いい人(笑)!(自身の)役どころは、性格は抜けていますが、ちょっとした行動でミラクルなことを巻き起こす調査員。歴史的な面から見ても妄想できるところがたくさんあって夢がある映画です」とアピール。そして、岡田さんは「大阪はにぎやかで温かい印象です。周りの人が普通に話しかけてきてくれました。堤さんはお父さんみたいで、楽しませてくれ、やりやすくて感謝しています。綾瀬さんは天然で不思議な人。自分の役柄的にはお話しできないことも多いんですが、先輩たちの足を引っ張らないようにがんばります!作品はおとぎ話のような話。大阪の人はもちろん、大阪の人以外にも楽しんでいただける作品になると思います。知事のおかげで大阪で撮影ができているし、大阪府庁も撮影で来られるとは思っていなかったので嬉しいです」と笑顔で語った。“お父さん”、“天然”、“いい人”という3人が映画の中でどのような“化学変化”を見せてくれるのか?加えて、新たな共演陣として沢木ルカ、森永悠希、和久井映見、中井貴一の出演も発表された。『プリンセス トヨトミ』は2011年夏、全国東宝系にて公開。■関連作品:プリンセス トヨトミ 2011年夏、全国東宝系にて公開
2010年08月02日“100年に一度の大不況”や貧富の二極化などが声高に叫ばれる世相を反映してなのか、TVドラマや映画でも企業、ビジネスを扱った作品が続々と登場。当然のことながら会社ごとに社長がいるわけだが、そこで描かれる社長さんのカラーも十人十色!ずばり、あなたの理想の社長は?シネマカフェでは読者のみなさんの心の内…すなわち“読者ゴコロ”を調査する投票企画「シネマカフェゴコロランキング5」を月ごとに実施。第3回のテーマ「あなたが自分の会社の社長になってほしい俳優は?」の投票結果をこのたび大発表!接戦を制したのは…?栄えある1位に輝いたのは…やはり放送中のTVドラマの影響力は絶大!佳境を迎えている月9ドラマ「月の恋人〜Moon Lovers〜」(フジテレビ)でインテリア会社の社長を演じているSMAPの木村拓哉。同じくTVドラマ「CHANGE」(フジテレビ)で演じた総理大臣役から“リーダー”としてのイメージも多くの人が持っているよう。どんな業界で活躍してほしいか?という質問では「ファッション系」(10代・女性)、「アパレル関係で活躍してほしい」(20代・女性)といった、おしゃれなイメージそのままの業種や、「芸能関係で、自分でもモデルやプロデューサーをしてほしい」(40代・女性)という声も。そして、僅差で2位につけたのが実力派俳優、堤真一。先頃公開された『孤高のメス』では、信念を貫く天才外科医を演じたが、これまでにドラマ「恋におちたら〜僕の成功の秘密〜」や「恋ノチカラ」(共にフジテレビ)で会社経営者は経験済み。そのイメージからか「IT企業の社長」(30代・女性)として推す声が多数を占めた。続いて3位にランクインしたのは、この貫禄は社長にぴったり!渡辺謙。2位の堤さん同様、IT企業の社長をイメージする声と共に、「商社で世界を相手に戦ってほしい」(40代・女性)などという声も多い。単身、ハリウッドに乗り込み成功をつかんだ渡辺さん足跡を「世界で戦う」というイメージと重ねる人が多かったよう。ちなみに、渡辺さんは7月公開のハリウッド大作『インセプション』ではまさに、絶大な影響力を持つ巨大企業のTOPを演じているのでこちらもご注目。ほかに上位にランクインしたのは、現在、NHK大河ドラマ「龍馬伝」で幕末の“革命家”坂本龍馬を熱演中の福山雅治。龍馬といえば「社長にしたい歴史上の人物」アンケートでも上位の常連だけに納得。さらに「安心感を感じさせる」(20代・男性)、「落ち着きがあって信頼できる」(20代・女性)といった声を集めた大沢たかおが、また「仕事には厳しいが、キッチリ責任を取ってくれそう」(30代・男性)など男性からの支持を集めて佐藤浩市がそれぞれ上位にランクイン。意外な(?)ところでは「面白い商品を開発しそう」(30代・女性)と所ジョージも多くの支持を集めた。と、ここまでご紹介したように、日本人俳優が上位を占めたが、ハリウッドスターで上位に食い込んできたのは2人。1人目は、1位の木村さん同様、映画で演じた首相の役柄のおかげで“ラブコメの帝王”というイメージと並んで“リーダー”としての印象も強いのか?ヒュー・グラントが7位に。そしてもう一人は「金融」「証券」「IT」などなど、頭のキレるクールな社長さんのイメージと共にジョージ・クルーニーがランクインした。さて、あなたは誰の下で働きたい?あなたが自分の会社の社長になってほしい俳優は?1位:木村拓哉2位:堤真一3位:渡辺謙4位:福山雅治5位:佐藤浩市6位:大沢たかお7位:ヒュー・グラント8位:所ジョージ9位:ジョージ・クルーニー「シネマカフェゴコロランキング5」■関連作品:孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会インセプション 2010年7月23日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved最後の忠臣蔵 2010年12月18日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010「最後の忠臣蔵」製作委員会■関連記事:レオ&渡辺謙共演『インセプション』各キャラのポスターと共に役柄が明らかに!役所&浩市『忠臣蔵』ヴェネチアのコンペ目指す『孤高のメス』吉沢悠インタビュー立ち止まり、進む…自らを重ねて演じた青年医師ディカプリオ×渡辺謙『インセプション』異例の“日本版”特別予告編が到着!「トラを救え!」レオナルド・ディカプリオが野生のトラ保護キャンペーンに参加
2010年06月28日「医療モノということで、“カッコよく”見えてしまうイメージを抱いていたんですが、ここで描かれているのは、ひとりひとりが背負っている人生なんです」――。吉沢悠は、出演作『孤高のメス』をこう表現する。この言葉にこの映画の魅力、そして演技者としての彼の揺るぎないスタンスが表われている。ベストセラー医療小説を実写化した本作。吉沢さんは「自らの素の感情を役柄に重ね合わせながら演じた」と言葉に力を込めた。この“人間ドラマ”に彼はどのような思いで向き合ったのか――?映画の公開を前に話を聞いた。物語の始まりは1989年、とある地方の市民病院に当麻鉄彦(堤真一)という名の外科医が赴任するところから始まる。大学病院に依存し、満足な手術ひとつ行えない腐敗した環境を当麻はその腕で、変えていく。当麻が変えたのは何より、そこで働く人々の意識。吉沢さん演じる青木はまさに、彼との出会いによって自らの生き方を省み、そして変わっていく若き医師である。「大学病院の古い体質があって、その下で働く青木はいろんな思いを抱えつつ、“権威”という壁にぶつかる。当麻との出会いで大きく変わっていくこの人物をしっかりと演じ切れないことにはこの作品のテイストが観る人に伝わらない。そのプレッシャーはありました。と、同時に青木が感じる葛藤は、ひとりの俳優として僕にとっては感じたことのある思いでした。それを生かして演じ切ることができれば楽しいだろうな、という相反する複雑な気持ちでした」。90年代末から2000年代の前半に掛けて、次々と話題のドラマ、映画に出演し、主演も数多くこなしてきた吉沢さんが芸能活動を休止したのは2005年。奇しくも本作で演じた青木と同様にアメリカに渡り、帰国後、俳優としての活動を再開した。役柄に自らを重ねた、という部分についてさらに深く尋ねた。「自分なりの信念を持って俳優という仕事をやっていましたが、やればやるほどに『いまのままでいいのか?』というクエスチョンがついて回るようになった。それはまさに、約束された道を見失った青木そのもの。前半部分の彼に、その当時、自分が抱いていた感情を乗せました。それからアメリカに渡って何より感じたのは、俳優として現場に立てるということは、決して当たり前のことではないのだということ。そう感じたときに無性に俳優をやりたい、演じたいって思えてきたんです。帰国して初めての仕事が映画だったんですが、あのときは本当に嬉しかった。それはまさに、青木が当麻先生を手伝いたくて帰国するときと同じ気持ちでした」。復帰後、彼が出演した映画は『夕凪の街 桜の国』、『逃亡くそたわけ−21才の夏』、『てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』に本作と物語性と共に、社会への強いメッセージを感じさせるところがあるが…。「決して、それを意識して作品を選んでいるわけではないです。ただ、例えばニューヨークにいる頃、『自分は日本のことを何も知らない』と強く感じて、帰ったら広島に行きたいと思うようになった。そうしたら(広島を舞台に被爆を扱った)映画『夕凪の街 桜の国』のお話をいただいた。不思議なめぐり合わせは感じますね(笑)。常に、観る人に何か良い影響を少しでも与えられたら、という思いはあります。そうした思いがこういう良い循環を生んでいるのかも」。そうした流れに身を投じる中で、映画というメディアへの熱い思いが自身の内側からも沸々とわいて来ていると明かす。「映画人の熱…独特の温度の高さへの憧れは以前以上に強く感じます。周りが見えなくなるような強い思いで、わが子を育てるようにみんなが映画に夢中になっているあの環境は、本当に気持ち良いんです。30歳を過ぎて、ここにいられることが幸せだな、と感じるようになりましたね」。最後に「今後演じてみたい役は?」という質問に「もちろん、当麻先生のような役もやってみたいですね」と語り、「それから…」と、生瀬勝久が演じた、自らの保身しか考えない大学病院の医師・野本の名を挙げ、少し興奮気味にこう続ける。「生瀬さんが仰ってたんです。『俺は、野本という役を“悪”として演じたわけじゃない。一人の人間として演じた結果がこうだったんだ』って。それを聞いて、ああいう役をいつか演じられるようになりたいな、と思いました。僕自身今回、野本という存在に生かしてもらってるんです。そんな深みを演じられるようになりたいです」。(photo:Ryusuke Suzuki)■関連作品:孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会■関連記事:堤真一天才外科医役に都はるみのこぶしを聴いて特訓目の前の命を救うため、禁断のオペに挑む『孤高のメス』試写会に15組30名様をご招待小栗旬初監督作引っさげ北海道に!ゆうばり国際映画祭ラインナップに注目来年の東映は『ゼブラーマン2』セクシー衣裳から『桜田門外ノ変』まで注目作ズラリ!堤真一、大組織の悪しき体制と闘う熱血医師に「ヒーローではない、医師を演じたい」
2010年06月23日堤真一が4月26日(月)、東京・千代田区のよみうりホールで行われた、主演映画『孤高のメス』(成島出監督)の完成披露会見に、共演の夏川結衣らと出席した。現役医師の大鐘稔彦氏の同名小説を原作に、1989年当時、日本の法律で認められていなかった禁断のオペ、脳死肝移植に挑んだ天才外科医・当麻の姿を描く医療ドラマ。オペシーンに関わるキャスト陣は撮影前、役作りのため生体肝移植、肝臓がんの摘出などの手術を見学。孤高の天才外科医と似ている部分を聞かれ、堤さんは「全く見当たりません。僕がやっていいのか?と思った」と取材陣を笑わせつつ、「主治医の先生は孤独を感じられながらも、現場に行くとチームワークで手術をする。その点は俳優に似ている」と職業柄には共鳴した様子。劇中のオペシーンでは「アンコ椿は恋の花」など演歌歌手、都はるみの楽曲が流れる。堤さんは「(当麻の)モデルの先生が、(オペ中に)石川さゆりさんを聴いていらっしゃるのですが、そのままだとパクリになるので、都はるみさんになった」と説明し「家で、糸結びなど練習するときもはるみさんの歌を聴きながらやりました。こぶしがパワフルで力をもらった」とこだわりの“特訓”法を告白。看護師役の夏川さんから「石川さゆりさんがいいって言っていたじゃないですか?」と突っ込まれて、「言ってた」と苦笑いだった。夏川さんは「手術を見学させてもらったときに、先生たちが聴きながら鼻歌まじりになさっているのを見てビックリしました。でもリラックスしてやることが手術にいいのだそうです」と話した。ほかに吉沢悠、中越典子、平田満らが出席した。『孤高のメス』は6月5日(土)より全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会■関連記事:目の前の命を救うため、禁断のオペに挑む『孤高のメス』試写会に15組30名様をご招待小栗旬初監督作引っさげ北海道に!ゆうばり国際映画祭ラインナップに注目来年の東映は『ゼブラーマン2』セクシー衣裳から『桜田門外ノ変』まで注目作ズラリ!堤真一、大組織の悪しき体制と闘う熱血医師に「ヒーローではない、医師を演じたい」
2010年04月26日舞台のライヴ感をそのままスクリーンに映し出し、舞台とも映画とも違う新たなエンターテイメントとしてじわじわと認知度を上げている<ゲキ×シネ>。圧倒的な人気を誇る劇団☆新感線と人気脚本家・宮藤官九郎のコラボレーションによって生み出され、昨年上演されて大きな話題を呼んだ『蜉蝣峠(かげろうとうげ』が登場!主役を張るのは新感線の押しも押されもせぬ看板役者・古田新太、そしてヒロインとして多彩な活躍を見せる高岡早紀が新感線の舞台に初めて参加している。<ゲキ×シネ>の魅力、演劇の未来、作品の見どころなどなど、2人がたっぷりと語ってくれた。<ゲキ×シネ>ならではの魅力として古田さんが挙げるのは、16台のカメラによるアップやカット割を取り入れた映像世界。「映像だからこその臨場感はあると思います。特に、視点が変わるというのは大きなところ。普通、みんなセリフを言ってる人の顔を見てるものだけど、それを聞いている俳優の顔を映し出せるのは舞台では出来ない芸当。(ガンズ・アンド・ローゼズの)ライヴに行って、普通はアクセルローズ(ボーカル)の顔を見るけど、そこでスラッシュ(※元メンバー/ギタリスト)が時々アップになるって面白いですよ」。高岡さんも自身で<ゲキ×シネ>によって作品を後から見て、かなり楽しんで見たとのこと。「自分で出演していると見れない部分、見たかった部分を見ることが出来て満足してます(笑)。舞台独特の部分を、大きなスクリーンで見られるというのも楽しいですね」。近年、TVを中心とする映像作品で活躍する俳優が数多く舞台に進出しており、新感線の公演を始め、チケットが即完売という状況も多々見られる。古田さんは舞台を主戦場としつつ、TVや映画など映像世界でも幅広く活躍しているが、現在の演劇界を取り巻く状況をどう見ている?「ぶっちゃけ、映像でデビューした10代、20代の“若造”たちが舞台に興味持ってくれるのはありがたいし、ソフトは増えたと思います。例えば瑛太や小出(恵介)といった俳優が舞台に来ることで幅は広がった。でも、そうした動きでいま、舞台が安泰かというと決してそうじゃない。新感線や野田(秀樹)さん、三谷(幸喜)さんや宮藤の芝居、劇団四季なんかは人が入るけど…とはいえ演劇界全体で考えたら苦しいですよ。そういうこともあって、ぜひ<ゲキ×シネ>には頑張ってほしいし、自分も映像の方から芝居の世界に、もっともっと良い人材を引っ張り込みたいですね」。古田さんの言葉にうなずく高岡さん。では高岡さんにとって、舞台への出演はどういうものなのだろうか?そう尋ねると、なぜか古田さんが「早紀ちゃんはあまり仕事したくないんだよね(笑)?」と横槍。高岡さんは「そんなこと言ってません!」と笑いつつ、こう語る。「映像は瞬発力だけど、舞台は継続力や持続力が必要。体力やテンションを保つ力も要るんです。映像の世界にいると、そうした部分がなかなか鍛えられない…と言うよりそういう部分に考えもおよばなかったりする。そういう意味で、舞台での毎日は発見の連続です。また新感線で?もちろんやりたいです!」今回の『蜉蝣峠』では2人に加えて堤真一も参加。さらに勝地涼、木村了といった若い俳優たちも出演しており、日々の公演の中で『こんな日課が』と古田さんが明かしてくれた“楽しみ”とは…?「舞台の袖で、俺と早紀ちゃんとつっつん(=堤さん)の3人で、いつも舞台上の勝地くんの心配をしていた。必ずチェックするシーンがあって、勝地が外すと3人で『ちっ…』って(笑)。下がってきた勝地が真っ先に俺たちのところ来て『どうでした?』って聞くんです。もちろん、お客さんにはしっかりと伝わってるんだけど、『もう少し上に行きたくないか?勝地』って煽って。木村にもいつも課題を出してましたね。『ここでワンブレス入れれば笑いが取れるから!』とか教えて、実際にやったら『(笑いが)取れました!』ってエサをほしがる犬みたいに走って寄ってくる。舞台だからこそ、そうやって毎日違うことが試せる。若造はそうあるべきなんですよ」。高岡さんはそんな彼らの関係性を「うらやましい」と思いつつ見ていたと言う「やっぱり、そういう関係性は“男の子”ならでは。女性だとなかなかそういう関係は築けないから、『いいなぁ』って思いながら見てました(笑)」。“看板役者”として劇団☆新感線を背負う古田さんは自らを「新感線の番頭」と語る。「座長のいのうえ(ひでのり/演出)さんが面白いと思うことをやるに当たって、ゲストのみなさんに居心地よくいてもらうのがおいらの仕事。自分が番頭として必要とされるならできる限りやっていきたいですね。最近、よく年の話をするんですよ。そこで思うのは、嫌な仕事をしている暇はない。そろそろ、自分が楽しいと思える仕事しかしちゃいかんな、ということ」。これに高岡さんは激しく同意。「私もそういうこと言ってたの!仕事したくないのではなく(笑)」。最後に、古田さんにこれから映画館に足を運ぶ観客にひと言お願いすると、こんな言葉が…。「堤や勝地、木村のファンは(生で舞台見るには)お小遣いが足りないだろうから(笑)、ぜひ<ゲキ×シネ>で観てほしい!ハンサムな彼らが、なぜ舞台に出るのか?が分かると思いますよ」。そう言う古田さんのアップ、そして隣りで笑う高岡さんの妖艶さこそ、スクリーンで観る価値アリ!■関連作品:蜉蝣峠 2010年2月13日より新宿バルト9ほか全国にて公開
2010年02月27日人気お笑いコンビ、さまぁ〜ずが映画で初主演!若薄ハゲに悩むサラリーマンがコンプレックスを克服する姿を描いたハートウォーミングコメディ『かずら』が1月30日(土)より公開される。これに先駆けて、同12日(火)、さまぁ〜ずの二人(三村マサカズ、大竹一樹)に共演の芦名星、塚本連平監督、そして主題歌を担当した人気上昇中の沖縄出身のバンド「かりゆし58」を迎えての舞台挨拶が行われた。実話に基づき、“かつら”というナイーブな題材を正面から描いた本作。主人公のサラリーマン・森山を演じた三村さんは、「(自分は)髪あるじゃん!薄毛の人もっといるじゃん!」とハゲていないのに主演に抜擢された感想をもらすや「例えば、買ったジャケットがレディス合わせだったときみたいに、自分しか気にならないけど他人も気づいちゃわないかな、みたいな。そんなことをあと2、3個考えましたね」とコメント。すると、大竹さんも「(カツラが)バレたのかな、と。よく洋服を買うときにレディス合わせだったりするので…」と早速、相方に乗っかり、息の合ったノリツッコミで会場の笑いを誘った。初主演ながら「緊張せずに済んだよね?」と素のままで撮影に臨めたという三村さん。22年連れ添ったそんな相方について大竹さんは、「余計なことしない感が非常に良かった。成長が見られましたね」と上から目線で絶賛、すかさず三村さんは「親か!」と一喝。さらに、かつらを着けての撮影の話に及ぶと、「ストレスがとんでもない。だからそういう意味で、かつらの人の気持ちが分かった。自然に見えるように頭の動きを考えたり…」とふり返る大竹さん。すると三村さんは「それ、俺が言いたかったんだよな!」と滑り込み、カツラでの撮影の苦労を語った。ちなみに、もし自身がハゲたらカツラをかぶるか?との問いには「いい感じのブルース・ウィリス風にきてるので大丈夫でしょ。かぶんないですよ」と断言してみせた。一方、森山の恋の相手を演じた芦名さんは、恋人がカツラだったら知りたいか知りたくないか聞かれ、「密になったら気づきますよね…。それでも好きだったら気にしないと思いますけど」と冷静にコメント。すると、三村さんが「(映画でも)気づかないっていうカツラがバックアップしてるのに気づいちゃってるからね」とフォローし笑いを誘った。最後に、「我々、役者として90%くらいの力を出してお送りしましたので、ぜひ観ていただきたい」と少々脱力ぎみの大竹さんに対し、三村さんは「薄毛じゃなければ実はかっこいい役なんです。だから気持ちは堤真一のつもりでやりました。かつらを投げて『明日からよろしくな』と言うシーンは『おくりびと』のモッくんをモデルにしましたが、結果オレだった」とアピール。そして、「レイトショーから世界に羽ばたいてほしい」と力いっぱいに作品を送り出した。『かずら』は1月30日(土)よりシネクイントほか全国にてレイトショー公開。■関連作品:かずら 2010年1月30日よりシネクイントにてレイトショー公開© 2010「かずら」製作委員会
2010年01月12日空き巣に入った家で、カップルを衝動的に殺した死刑囚。彼の元に面会に訪れる一人の女性。彼女は被害者の男性の婚約者であり、被害者男性は別の女性との逢瀬の最中に殺害されたのだった。死刑囚と婚約者を殺された女性。その2人の間に愛が芽生えたら――。『真幸くあらば』はまさに“究極”と呼ぶにふさわしい、純愛を描いた作品。タイトルはかつて謀反の罪で捕らえられた有間皇子が刑死間近に詠んだという歌から取られている。自分の婚約者の命を奪うと同時に、その不実をも明かした死刑囚に心惹かれていくヒロインを演じたのは尾野真千子。深遠なる感情表現と共に、体を張ってこの純愛を体現した。一見、ありえないと思えるこの2人の関係を、演じた尾野さん自身はどのように捉え、表現したのか?まずは尾野さん自身について質問。1997年のデビュー作『萌の朱雀』(河瀬直美監督)以来、本作を含め人間の“命”、“生きる”ということをテーマにした作品への出演が数多くみられるが、作品を選ぶ上での本人の意思なのだろうか?「いや、実は私自身というわけではないんです。あえて言うなら事務所や周りのみなさんがそうした作品をすごく大切にしていて、私のところに持ってきてくれる。それはすごく幸せなことですし、人の生や死というとても大切なことに向き合える作品に出られるのは嬉しいです。私自身で言えば、やはり原点が『萌の朱雀』にあるのは確かです。どこかで道を外れたら、『原点に戻ろう』という自分がいますね」。では、本作『真幸くあらば』について。最初に脚本を読んで、出演すると決めるまでの経緯を尋ねた。「脚本を読んで、すぐに『やります』とは言えなかったです。やろうか?どうしようか?できるか?できないか?かなり悩みました。死刑囚という存在にどう向き合うのか。しかも、そこで恋に落ちる…。どう向き合えばいいのか全く分からなかった。セリフなんて言ってしまえばいいけど、そのセリフを言うためにどんな顔をしたらいいのか?そこですごくあやふやな感情でいたんですが、御徒町監督に会って、私たち俳優の気持ちをすごく大切にしてくれる方で、この人になら付いていけるかも、という気持ちで出演を決めました」。その御徒町監督の現場作りや演出は、これまで経験したことのないものだったと明かす。「本読みの段階で、脚本は横に置いておいて、私と監督と(死刑囚役の)久保田(将至)くんの3人で気持ちを作るレッスンをしました。例えば、場所は喫茶店で、私と久保田くんは昨夜初めて会ったばかり、という状況を与えられて自由に演技してみたり。いま、持っている気持ちをどうやって演技として引き出し、表現するかということを練習したんです。本番でも、監督は自分がOKやダメ出しをするのではなく、私たちに聞いてくるんです。『どうだった?互いの気持ちは繋がっていた?』って。こっちが『できてました』と言うと、『じゃあOKだね』とそこでOKが出る。ある意味、すごく怖かったです」。そんな中で尾野さんが薫という女性を自分のものにした瞬間は?そう尋ねると、クスリと笑って、柔らかい口調でこんな答えが返ってきた。「私は普段から、あまり考えてないんですよ(笑)。現場に入らないとよく分からなくて…。例えば、リハーサルで何もないところで演技しても何の感情もわいてこない。現場で相手と向き合って、ようやく相手の感情が見えてきて『こんなこと考えてるのかな』という気持ちになって涙や笑いがこみ上げてくる。今回も、“掴んだ”のは現場。久保田くんは今回が映画初主演で、どういう演技してくるのか分からなかった。『こうしてくるかな?』とか思ったら、全然違うことしてくる。そういうのがドキドキする瞬間ですね。順撮りだったんですが、久保田くんが徐々に変わってくるのが目に見えて分かるんです。こっちが鳥肌立つくらい。そこに気持ちを入れるのはすごくやりやすかったです」。そして、ラスト近く。差し入れの聖書への書き込みで互いの思いを伝え合った2人が、遠く離れていながらも結び付き、交わるという場面。尾野さんは月の光の下にその美しい肉体を露わにする。最終日に撮影されたというこのシーンについても語ってくれた。「私自身、このシーンがあることはもちろん知っていたんですが、“覚悟”を決めたという瞬間はなかったです。むしろ、ずっと不安で考えないようにして、目の前のシーンに集中していましたね。当日は、普通なら、体を隠す“前張り”というのをするんですが、私はできなかったんです――。ここで隠してしまえば、“彼”にも隠しているような気がして、そうしたら一緒になれないように思えて『隠しません』と言って、生まれたままの姿で撮影に臨みました。なりきれていたからこそできたんだと思います」。「普段の私は“女優”じゃないですよ(笑)」、「素の自分を知られるのは恥ずかしいですね」と屈託のない笑顔で話す尾野さん。スクリーンの中で見せる表情とのギャップに少し驚きつつ、まぎれもなく彼女が“女優”であることをまざまざと感じさせられた。今年、20代最後の年を迎える彼女のさらなる活躍に期待したい。■関連作品:真幸くあらば 2010年1月9日より新宿バルト9ほか全国にて順次公開©2009「真幸くあらば」製作委員会殯の森 2007年6月より全国にて公開©KUMIE / Celluloid Dreams Productions/ Visual Arts College Osakaクライマーズ・ハイ 2008年7月5日より丸の内TOEI1ほか全国にて公開© 「クライマーズ・ハイ」フィルム・パートナーズ■関連記事:堺雅人が語る太宰、そして『人間失格』――。「近代文学と“再会”できました」阿部寛「役をもらえたのが奇跡」、仲里依紗は涙!「毎日映画コンクール」表彰式日本アカデミー賞『おくりびと』が独占追うは『母べえ』&『クライマーズ・ハイ』堤真一&堺雅人、快挙!『クライマーズ・ハイ』コンビが報知映画賞ダブル受賞福山雅治「堤さんは普通の関西のおっさん」柴咲コウはセクハラトークに献身の日々!
2010年01月08日年の瀬が迫り、映画界でも来年に向けた動きが活発化!そんな中、11月19日(木)に東映の2010年ラインナップ発表会が行われ、行定勲監督ら公開待機作の監督陣が集結した。冒頭の挨拶で、東映の岡田裕介社長は、この不況下で業績を著しく伸ばし注目を浴びる「ニトリ」の社長の言葉に触れつつ「東映が目指しているのは安くて面白い、安くてためになる、安くて感動する映画」と“安さ”三連発の方向性を強調。続いて2010年の各作品の監督やプロデューサー陣が作品についてプレゼンテーションを行った。年明け1月16日(土)に公開の『今度は愛妻家』の行定監督は「70歳になるうちの父親と話してて、去年、大人が観られる映画は『おくりびと』だけだったって言われまして…」と語り、本作を「シネコンで大人が観られる映画」と胸を張った。「僕が助監督のときから一緒にやっている豊川悦司さんと念願の薬師丸ひろ子さんとご一緒できた。それと、石橋蓮司さんが初めてのオカマ役ということで、かなり力入れています!」とアピールした。ほかには、主演・哀川翔×監督・三池崇史×脚本・宮藤官九郎のヒット作の続編『ゼブラーマン2ゼブラシティの逆襲』も5月の公開に向けこれから話題を呼びそう!プレゼンテーションに立ったプロデューサーは「ゼブラクイーンに扮する仲里依紗のコスチュームがすごいことになっています」と語り、三池監督の『ヤッターマン』におけるドロンジョ(深田恭子)を上回るセクシーな衣裳であることを強調。「現場で仲里依紗と話していても、目線が胸元に行ってしまう」と明かした。このほか米倉涼子主演の人気ドラマの劇場版『交渉人〜THE NEGOTIATOR THE MOVIE〜』、堤真一主演の医療ドラマ『孤高のメス』、阪本順治監督による、仲村トオル×小西真奈美主演のラブストーリー『行きずりの街』、永山絢斗、賀来賢人というフレッシュな顔ぶれで贈る、実話に基づいた青春映画『ソフトボーイ』、若手人気俳優・溝端淳平主演作で高知のよさこいをテーマにした『君が踊る、夏』など旬な俳優を起用した良作が揃っている。そして、この日の発表会のトリを務めたのは佐藤純彌監督。水戸浪士による、幕府の大老・井伊直弼暗殺事件――俗に言う“桜田門外の変”を大沢たかおを主演に迎えて描いた、その名も『桜田門外ノ変』について「最後の映画という覚悟を持ってやります」と意気込みを語った。この日、プレゼンが行われた東映の2010年ラインナップは以下の通り。『仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイドMOVIE大戦2010 』『今度は愛妻家』『交渉人〜THE NEGOTIATOR THE MOVIE〜』『花のあと』『誰かが私にキスをした〜MEMOIRS OF A TEENAGE AMNESIAC〜』『ゼブラーマン2ゼブラシティの逆襲』『孤高のメス』『君が踊る、夏』『ソフトボーイ』『行きずりの街』『必死剣鳥刺し』『桜田門外ノ変』■関連作品:桜田門外ノ変 2010年公開予定必死剣鳥刺し 2010年夏、全国にて公開仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイドMOVIE大戦2010 2009年12月12日より全国東映系にて公開©劇場版「W&ディケイド」製作委員会、石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映今度は愛妻家 2010年1月16日より全国にて公開©)2010 映画「今度は愛妻家」製作委員会交渉人〜THE NEGOTIATOR THE MOVIE〜 2010年2月、全国にて公開花のあと 2010年3月13日より全国にて公開誰かが私にキスをした〜MEMOIRS OF A TEENAGE AMNESIAC〜 2009年3月、全国にて公開© 2009「誰かが私にキスをした」製作委員会ゼブラーマン2ゼブラシティの逆襲 2010年GW、全国にて公開孤高のメス 2010年初夏、全国にて公開君が踊る、夏 2010年秋、公開予定ソフトボーイ 2010年初夏、全国にて公開行きずりの街 2010年秋、全国にて公開© 「行きずりの街」製作委員会■関連記事:藤沢周平の原作映画化続々!トヨエツが悲運の剣士役で“隠し剣”シリーズの傑作映画化薬師丸ひろ子、20年ぶりライヴ決定8,940円(ヤクシマル)でカ・イ・カ・ン!溝端淳平“よさこいマスター”への道を語る主演映画『君が踊る、夏』製作会見哀川翔「死に物狂いでやります」クドカン&三池監督と再タッグ『ゼブラーマン2』仲村トオルと小西真奈美が12年ぶりに再会する元夫婦に!『行きずりの街』映画化
2009年11月20日太宰治×堺雅人×小畑健×マッドハウス=!?文豪たちの名作を人気漫画家のデザインでアニメーション化、当代一の人気俳優・堺雅人をナビゲーターに迎えて深夜枠で日本テレビにて放送中の「青い文学」。10月より本番組の第1弾として、太宰治の名作と人気漫画「DEATH NOTE」、「バクマン。」などで知られる小畑健のコラボレーションで放送され、大きな話題を呼んだ「人間失格」が『人間失格 ディレクターズカット版』として12月12日(土)より劇場公開されることが決まった。元々、太宰生誕100周年を迎え若い層を中心にした文学熱の高まりの中で、集英社が恒例の“ナツイチ文庫”で、小畑健、許斐剛(「テニスの王子様」)、久保帯人(「BLEACH」)ら人気漫画家の書き下ろしによるスペシャルカバーを展開。これが大ヒットを記録したことを受け、このスペシャルカバーで描かれたキャラクターを基に、日本屈指のクリエイター集団「マッドハウス」が文豪たちの小説をアニメーション化したのが「青い文学」シリーズである。先に挙げた「人間失格」に「桜の森の満開の下」(原作・坂口安吾×キャラクター原案・久保帯人)、「こころ」(夏目漱石×小畑健)、「走れメロス」(太宰治×許斐剛)、「蜘蛛の糸」、「地獄変」(共に芥川龍之介×久保帯人)など錚々たる作品が放送される予定。また、アニメーションの質の高さに加えて、人気俳優の堺雅人が番組のナビゲーターを務めると同時に、主人公の声優の声を演じていることも話題に。このTVシリーズでの大きな反響を受けて、このたび「人間失格」がディレクターズカット版という形で映画化される。『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』、『パンドラの匣』など次々と太宰作品が映画化される中、アニメーションという形で太宰文学の新境地を開く!新旧の才能がせめぎあい、作り上げられた『人間失格 ディレクターズカット版』。シネ・リーブル池袋にて12月12日(土)より、12月19日(土)よりテアトル梅田にて公開。■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送パンドラの匣 2009年10月10日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© 「パンドラの匣」製作委員会■関連記事:広末の丸メガネ姿に堤真一萌え?浅野忠信は浮気願望をポロリ『ヴィヨンの妻』初日【どちらを観る?】太宰のイメージを裏切る二作『ヴィヨンの妻』&『パンドラの匣』『パンドラの匣』仲里依紗インタビュー「時々、自分が分からなくなります(笑)」フルCGのミッキー・カーチスが見どころ?『パンドラの匣』宮城先行公開変わりやすい?女心と秋の空vol.1『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』
2009年11月02日映画『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』の初日舞台あいさつが10月10日(土)、東京・TOHOシネマズ シャンテで行われ、主演の松たか子、浅野忠信が夫婦愛について語った。今年生誕100年を迎えた文豪・太宰治の同名短編小説をベースに太宰の他作品の要素も盛り込んだオリジナルストーリーで、借金を重ね、愛人と心中未遂を起こすなど破滅志向のある小説家・大谷(浅野さん)と、彼を逞しく支え続ける妻・佐知(松さん)の夫婦愛を描く。第33回モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞している本作。夫の浮気に耐える佐知の生き方について、司会のフジテレビ軽部真一アナウンサーから感想を求められた松さんは「特にお薦めはしません。人それぞれの人生があり幸せがあると思いますし、みなさんが嫌な思いをしなくてもいい。無理に押し付ける気はさらさらないです」と苦笑い。観客の笑いを誘いつつ「当たり前のことですが、自分なりの幸せを考えるきっかけになれば」と上手にまとめた。隣で肩を揺らして笑っていた浅野さんは、大谷の生き方について「さらさらお薦めできないです」と観客を盛り上げながら、「男としてこういうことをしてみたくなることはある、と共感できましたが、こんなに大っぴらにできるのかな?と思うことが多々ありました。こっちかこっちと、どちらか選ばないといけない状況に立たされたとき、大谷は大体危ない方を選ぶんです。それをあるときはやってみるべきなのかな?と思いました」と浮気願望(?)を口にした。一方、大谷の愛人・秋子を演じた広末涼子は劇中で見せる自身の丸メガネ姿に「丸メガネが色っぽいと言われたんですけど全然理解できなくて…。堤(真一)さんがそう言ったんですが…」と首を傾げ、堤さんに問いかけ。観客、共演陣らが爆笑する中で堤さんは「深い意味はなかったんですよ、役の雰囲気がよく出ていて素敵だなーって」と釈明し、「日常から女性に丸メガネをかけさせているということではない?」という軽部アナのツッコミに「そういう趣味ではないです」と汗を拭う一幕も。ほかに、佐知に好意を寄せる青年・岡田役の妻夫木聡は「本当にピュアな青年で、そこをどう出したらいいかと考えて、子犬のようなイメージで演じました。キャンキャン鳴く感じですね」。佐知が働く飲み屋の女将・巳代役の室井滋は「根岸(吉太郎)監督から『東北の出身という設定なのでなまってもらいたい』と言われ、なまったら『なまり過ぎです』と言われました」。巳代の夫・吉蔵役の伊武雅刀は「根岸監督と二十何年ぶりに2本目の仕事をしましたが、この監督は粘る!」と、それぞれに撮影をふり返った。最近、太宰の墓参りをしたという根岸監督は「墓の中から、おれをダシに賞が獲れてよかったなという声が聞こえたので、すみませんと謝ってきました」と朗らかに語っていた。『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』は全国東宝系にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送■関連記事:【どちらを観る?】太宰のイメージを裏切る二作『ヴィヨンの妻』&『パンドラの匣』変わりやすい?女心と秋の空vol.1『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』松たか子、夫婦像について意味深な感想「常識で線を引かずに自由でいいかも」『ヴィヨンの妻』モントリオール監督賞受賞で浅野忠信、松たか子からも喜びの声が到着根岸吉太郎監督『ヴィヨンの妻』がモントリオール映画祭で監督賞受賞!
2009年10月10日あなたの周りの男性上司はステキな人ですか?それともその反対?どちらにせよ、仕事をする上で関わらないわけには行かないその存在。20代のビジネスウーマンにとって理想の男性上司とは、タレントでいうと誰に当てはまるのでしょうか。カッコいいだけでもNG、面白いだけでもNG……。そんな厳しい条件とクリアして、支持を集めた人とは……?Q、上司になって欲しいタレントは誰ですか?1位所ジョージ10.2%2位島田紳助4.6%3位佐藤浩一4.5%4位江口洋介3.7%5位阿部寛3.2%5位福山雅治3.2%■所ジョージこそ理想の上司!その理由は……・「のらりくらりとしているが的確な仕事をしそうなところ。上司として尊敬できそう」(26歳/不動産/秘書・アシスタント)・「常に遊び心をもっているところ。緊張しっぱなしでは良いアイディアは浮かばない!」(23歳/自動車関連/秘書・アシスタント)・「斬新なアイデアでどんどん新規開拓して、みんなをひっぱってってくれそう」(24歳/ソフトウェア/SE)・「失敗しても次に繋がるような怒り方をしてくれそうなところ」(22歳/IT/SE)■島田紳助こそ理想の上司!その理由は……・「口は悪いが、頭の回転が早く、毒を吐いても嫌みではない。また、実際は人望に厚いと思う」(27歳/医療/サービス)・「プランに計画性があり、時代の流れを敏感にキャッチしている」(27歳/官公庁/研究開発)・「人の扱いが上手いから、部下の能力を十二分に引き出しそう」(25歳/食品/バイヤー)■佐藤浩市こそ理想の上司!その理由は……・「とても頼りになりそう。面白い一面もあるし、黙っていても実力があるのが分かる」(25歳/医療/専門職)・「トヨタのCMで上司役として出演しているし、あまりフランクな上司ではないかもしれないけどすごく頼りになりそう」(25歳/自動車関連/秘書・アシスタント)■江口洋介こそ理想の上司!その理由は……・「ドラマでリーダーシップをとって活躍していたのを見て、魅力的に思ったから」(25歳/運輸/総務)・「自分に厳しく、周りの人にはとても優しく接してくれるような気がするから」(26歳/不動産/営業)■阿部寛こそ理想の上司!その理由は……・「あの声で褒められたい」(23歳/生保/営業)・「普段は無口でも、何かあったときにかばってくれそうだから」(23歳/金融/営業)■福山雅治こそ理想の上司!その理由は……・「すべてをパーフェクトにこなすところ」(24歳/精密機器/営業)・「ドラマ『ガリレオ』で演じていたようなクールさが、上司には必要」(25歳/教育関連/企画開発)■その他、こんな上司も理想的!・タモリ「物知りで、何かにつまずいても、いいアドバイスをくれそう」(26歳/商社/総務)・堤真一「しっかり考えてアドバイスや仕事の指示を出しそう。そしてかっこいい」(23歳/金融/営業)・竹野内豊「カッコよくて仕事もできる上司で、憧れの的になりそう」(25歳/小売/販売)・唐沢寿明「しっかりしているのに、たまにおもしろいことを言って、その場の緊張感を和ませてくれそうだから」(22歳/商社/販売)・舘ひろし「若い子の文化に触れようとするとき、恥じらう感じが面白い」(23歳/精密機器/総務)完全版(画像などあり)を見る
2009年09月16日昨年『おくりびと』がグランプリを制し、アカデミー賞に向けた前哨戦としても注目を浴びるようになった、国際映画祭の最高峰のひとつ、モントリオール世界映画祭。8月27日(現地時間)より開催されていた、今年で第33回目を迎える本映画祭にて、ワールド・コンペティション部門に出品されていた、根岸吉太郎監督作『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』が最優秀監督賞を獲得した。日本文学史の代表的作家・太宰治の遺した数々の作品の中でも、異彩を放つ恋愛小説を原作に、松たか子と浅野忠信を主演に迎えて夫婦の愛を綴った本作。ほかにも広末涼子、妻夫木聡、堤真一といった豪華俳優陣が根岸監督の下、華麗な競演を遂げている。授賞式の壇上に立った根岸監督は、フランス語で「メルシー・ボク(=ありがとうございます)、メルシー・ボク、メルシー・ボク、メルシー・ボク、メルシー・ボク。何度お礼を言っていいかわかりません。モントリオールと言う映画が大好きな人々の映画祭でこの映画の第一歩を歩むことができました。本当にありがとうございます」と興奮を隠しきれない様子で感謝のコメント。さらに、「個人で撮った賞ですが、日本映画全体の名誉だと思っています。自分の名前が呼ばれたときは、自分の名前ってフランス語っぽいなぁ(笑)と感じていました。地味な演出の作品なので、賞を獲れるなんて思っていませんでした。この映画の東洋的なニュアンスをきちんと読みとってもらえて大変嬉しく思います」と並々ならぬ喜びを表した。今後の賞レース、さらに日本への凱旋も楽しみな『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』は10月10日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送■関連記事:『ヴィヨンの妻』モントリオール監督賞受賞で浅野忠信、松たか子からも喜びの声が到着ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松たか子×浅野忠信『ヴィヨンの妻』がモントリオール出品で、太宰イヤーを飾る!
2009年09月08日39年の短い生涯の中で、数々の傑作を生み出し、昭和の文学界の担い手の一人としていまなお愛される、太宰治。生誕100周年を迎え、まさに“太宰イヤー”と言うにふさわしく『斜陽』、『パンドラの匣』、『人間失格』と続々と著書が映画化される中、浅野忠信、松たか子ほか豪華キャストで贈る傑作ラブストーリー『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』が、このたびモントリオール世界映画祭のコンペティション部門に正式出品することが決定した。どちらかと言えば、自虐的で暗いというイメージで捉えられがちな太宰だが、実は細やかな心理描写とユーモアあふれる表現で男女の様々な「愛」の形を小説に残している。そのうちの一つである本作は、文才を持ちながらも放蕩を繰り返す夫と、そんな夫を受け止め、しなやかに逞しく生きる妻の愛を綴った物語。妻・佐知役には松たか子、夫・大谷役に浅野忠信、さらに大谷の愛人に広末涼子、佐知に想いを寄せる青年に妻夫木聡、再会した佐知に惹かれてしまう弁護士に堤真一と豪華俳優陣が、国内外で高い評価を得る根岸吉太郎監督(『雪に願うこと』)のもとに集結した。本作を鑑賞した同映画祭の創設者兼ディレクターのセルジュ・ロジーク氏は、松さんの演技を「彼女はスクリーン上で“別の生き物”に豹変した」と手放しで称賛、共演キャストたちとのハーモニーを称えた。さらに、「一見、日本特有の男女関係を描いたように見えるが、実際は普遍的なもの、どの国の人が見ても理解できる内容。監督が美しい作品に仕上げた」とコメント。映画祭コンペ部門への招待を即決した。この快挙について、松さんは「『ヴィヨンの妻』が海を渡ることにとても大きな喜びを感じております。この光栄な出来事を、関わった全ての人と共に誇りにしたいと思います。この作品が観て下さった方に愛されることを祈っています」、浅野さんも「海外の方にも受け入れられたことがとても嬉しいです!」と喜びの声を寄せている。モントリオール世界映画祭といえば、昨年は『おくりびと』がグランプリを受賞した、日本の作品とも縁深い、名誉ある映画祭。今年は本作のほかに西川美和監督作『ディア・ドクター』も同部門に出品されるが、果たして日本映画に2年連続で栄冠がもたらされるという快挙なるか、注目が集まる。なお、本作の公式上映は、現地時間の9月6日を予定、浅野さんと根岸監督が揃って現地入りする予定だ。『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』は10月10日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送ディア・ドクター 2009年6月27日よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開© 2009『Dear Doctor』製作委員会パンドラの匣 2009年10月10日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© 「パンドラの匣」製作委員会人間失格 2010年初春、角川シネマ新宿ほか全国にて公開斜陽 2009年5月9日より全国にて順次公開© KAERUCAFE DIGITAL CINEMA CIRCUS.■関連記事:「本物の方が怖いかも(笑)」『ディア・ドクター』西川美和が描く、愛すべきニセモノ瑛太、鶴瓶と過ごしたひと夏の思い出にニンマリ「本当にずーっと一緒にいました」鶴瓶&瑛太が深酒で倒れた?余貴美子も病院送りの恐るべき『ディア・ドクター』誰しもが抱える“嘘”から見る人間の“揺れ”西川美和最新作『ディア・ドクター』初主演・笑福亭鶴瓶×瑛太!『ディア・ドクター』試写会に10組20名様ご招待
2009年08月11日シリーズ90万部の売上げを誇る大ベストセラー小説「孤高のメス」。現役医師・大鐘稔彦が自らの実体験を基に、1989年当時タブーとされていた臓器移植を題材にして、医療現場で巻き起こる人間ドラマを描いた本作が同名映画化され、来夏に公開される。7月29日(水)、本作の撮影が行われる東映撮影所にて報告会見が行われ、成島出監督に主演の堤真一、夏川結衣、吉沢悠、中越典子、平田満、生瀬勝久が出席した。大組織の悪しき体制に立ち向かう医師・当麻に扮する堤さんは、「優れたスタッフ、キャストと充実した日々を送っています」と挨拶。「最初は当麻という医者を“ヒーロー”として意識していたが、作中で触れ合う親子や人の想いなどを受けて、ヒーローとしてではない、相手の話をじっくり聞く医者を演じていこうと思ってます」と決意を語った。看護師・浪子役の夏川さんは、「監督や共演者の方々からの指示に、喜びと緊張を持って毎日臨んでいます。今回、物語が浪子の日記のように展開していくので、ナレーションが多いのが特徴です。浪子の目線、母親の目線など様々な表現の中で、監督からの指導に安堵しています」と充実した様子を見せた。中越さんが演じるのは、肝硬変になった父親にドナーとして自ら名乗りをあげる女性、翔子。「両親から命を授かった娘として、父を命懸けで助けたいと思う気持ちを頑張って演じたいと思います」と意気込みを見せた。医者役はこれが初めてという吉沢さんは、「現場ではとても緊張していますが、自分と向き合って演じることで、日常の中で『これでいいのか』と思い悩んでいる人たちに、(吉沢さん扮する)青木という役を見てもらい、勇気づけられたらと思っています」と元気よくアピール。一方、島田役の平田さんは「私の役は内科医なので、外科医としての手術シーンがなくてホッとしています(笑)」と語り、現場を和ませた。「私は“悪役”を演じております!」と勢いよく宣言したのは、傲慢な外科医・野本に扮する生瀬さん。「ただ、何が“悪”で何が“善”なのでしょうか?私の役は、責任を回避しているだけで、違法ではない。そういう点を考えてもらいたい。また、この作品の台詞が戯曲のように美しく、素敵です。そこにも注目してください」と作品をアピールした。本作は、地域医療や脳死、生体肝移植の問題を通して、現代の医療体制に警鐘を鳴らす。最後に、成島監督より「現代医療においても答えの出ないことだが、それが逆に面白いと思う。この作品は脳死を肯定するわけでも否定するわけでもない。物語の中で描かれる『本当の医療』を見てほしいと思います」と力強いメッセージが贈られた。『孤高のメス』は2010年初夏、全国にて公開。■関連作品:孤高のメス 2010年初夏、全国にて公開
2009年07月31日