NHKドラマ10「大奥」Season2の主題歌を、深みのあるハスキーボイスが話題のシンガー・Aimer(エメ)が担当することが決定した。3代将軍・徳川家光の時代から幕末・大政奉還にいたるまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いてセンセーションを巻き起こした、よしながふみによる「大奥」をドラマ化した本作。8代将軍・徳川吉宗の遺志を継ぎ若き医師たちが、赤面疱瘡撲滅に向けて立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が、“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語を初めて映像化していく。Aimerさんは、「鬼滅の刃」遊郭編オープニングテーマ「残響散歌」が、Billboard JAPAN 2022年年間総合ソング・チャートで総合首位を獲得し、ストリーミング4億回再生達成目前、MVもYouTube再生数1.8億回再生を超え、2022年の「日本レコード大賞」特別賞を受賞、「紅白歌合戦」初出場を果たした。注目の「大奥」Season2を彩る主題歌のタイトルは「白色蜉蝣」(シロイロカゲロウ)。Aimerさんは「“かつての日本とは違う国になっていく”最中の激動の時代を、悲しみ、苦しみ、喜びと共に精一杯生き抜いた数々の将軍と従者たち。そのひとつひとつの運命の物語に心打たれ、大切なものを守りたい、と切に願う気持ちは人が人である限り、きっといつの世も変わらずこうしてそれぞれの心に生まれ出でるものなんだろうと、改めて思い耽りました。『白色蜉蝣』が、『大奥』と共に在れたらとても嬉しいです」とコメントしている。なおAimerさんは、「残響散歌」を含む新録曲を加えた全12曲を収録した、約2年ぶりのオリジナルフルアルバム「Open α Door」(※「α」はアルファ)をリリース中だ。「大奥」Season2は10月3日より毎週火曜日22時~NHK総合にて放送。(シネマカフェ編集部)
2023年08月29日この秋、続編の放送が決定しているよしながふみ原作のドラマ「大奥」が、7月23日より再放送中だ。本作は、謎の疫病によって男子が激減、女性が社会の主役となった男女逆転江戸パラレルワールドが舞台。男女逆転がはじまった3代将軍・家光の時代、5代将軍・綱吉の時代、8代将軍・吉宗の物語までが描かれている。今回、続編放送開始を前に、毎週日曜日に再放送を実施。次回は、堀田真由×福士蒼汰共演の、赤面疱瘡が広まり、本来の3代将軍・家光も死亡した後の物語「家光・万里小路有功編」が放送される。また、冨永愛×中島裕翔(Hey! Say! JUMP)が共演する、7月23日に放送された「吉宗・水野祐之進編」は、今週水曜日にも放送予定だ。そして、この秋放送予定のSeason2では、吉宗の遺志を継ぎ、若き医師たちが赤面疱瘡撲滅に向けて立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語を映像化する。また「Netflix」では、初のアニメーション化が配信中だ。「大奥」Season1再放送は毎週日曜日22時~BSP・BS4Kにて放送中。※(再)毎週水曜日23時~BSP・BS4K「大奥」Season2は秋、NHKにて放送予定。(シネマカフェ編集部)
2023年07月24日株式会社 松栄堂(本社:京都市中京区)は、Netflixシリーズ「大奥」の2023年6月29日(木)配信開始にあわせ、「大奥」に登場する着物の柄で仕立てた匂い袋を発売しました。「大奥」コラボレーション匂い袋男女の立場が逆転した江戸時代の大奥を舞台にした、よしながふみ作の大人気漫画「大奥」。国民的人気の漫画がNetflixで初のアニメ化となり配信されました。作品の中では着物に香りをうつすシーンなど、当時の生活に香りが取り入れられていた様子も描かれています。現代でも、たんすやクローゼットなどに入れることで、気軽に衣服に香りをうつすことができ、多くの方に親しまれている匂い袋。松栄堂では「大奥」に登場する着物の柄をモチーフに、2種類の匂い袋「誰が袖 空蝉香 美濃和紙仕立て」「誰が袖 かける」を仕立てました。香りとともにアニメ「大奥」の世界をお楽しみください。空蝉香/かける柄バリエーション 流水・植物・龍【商品の特徴】■誰が袖 空蝉香 美濃和紙「大奥」仕立て美しく繊細な和紙にアニメ「大奥」に登場する着物柄をモチーフにし、甘くふくよかな香りを包みました。カバンや引き出し、名刺入れに忍ばせて、ふとした時に香る移り香をお楽しみください。販売価格:550円柄 :3種(流水/植物/龍)色 :6種誰が袖 空蝉香 美濃和紙「大奥」仕立て■誰が袖 かける「大奥」仕立て(黒/ベージュ)好きな場所にかけて、やさしく漂う香りをお楽しみください。販売価格:1,045円枠の色 :黒/ベージュ柄 :3種(流水/植物/龍)色 :6種誰が袖 かける「大奥」仕立て■販売場所・松栄堂ウェブショップ ・松栄堂直営店京都本店/産寧坂店/京都駅 薫々/大阪本町店/銀座店/人形町店/横浜店/札幌店<作品詳細>若い男子のみが罹る奇病“赤面疱瘡”がまん延し、男子の数が激減した江戸時代。「徳川の世」を守るため、将軍職は女が引き継ぐこととなり、大奥には俗に“美男三千人”などと称される男の城が築かれていく―。己の力ではままならない運命に翻弄される女将軍たち。歴史の波にのまれてゆく人々の愛と想い。もがきながらも懸命に生き抜く、彼女たちの確かな生き様がここに。原作 :よしながふみ「大奥」(白泉社・MELODY)監督 :阿部記之企画・製作:NetflixNetflixシリーズ「大奥」6月29日(木)世界独占配信 Netflixシリーズ「大奥」_着物柄 龍Netflixシリーズ「大奥」_着物柄 流水Netflixシリーズ「大奥」_着物柄 植物【会社概要】商号 : 株式会社 松栄堂設立 : 1942年5月(創業宝永年間)所在地: 京都府京都市中京区烏丸通二条上ル東側代表 : 代表取締役社長 畑 正高URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年07月21日現在「Netflix」にて配信中のアニメーション「大奥」より、主人公・万里小路有功役の宮野真守と、徳川家三代将軍・家光役の松井恵理子が、アフレコ現場の裏側を明かす特別映像が公開された。本作は、幾度も実写化されてきたよしながふみの国民的作品「大奥」の初のアニメーション化。“男女の立場が逆転”した江戸を舞台に、様々な者の愛憎渦巻く中、運命に翻弄される男女の切なく美しい愛が描かれる。公開された映像では、宮野さんと松井さんが着物姿で登場。印象的なエピソードについて宮野さんは、「監督は自分の間合いに合わせてくれました。『宮野さんの言いたい言葉とか、言いたい間合いで大丈夫です。あとは何とかしますので!』みたいな感じで(笑)」と告白。「だからこそ、感情的になるシーンは画に合わせることなく、家光に思いをまっすぐぶつけるという意識でできました」と抗えない運命に苦悩する有功の感情的なセリフを、自分なりに表現できたことを明かしている。また、松井さんは「家光が有功に怒ったあとに、それ以上の力で有功が叱責するシーンがあるんです。そのシーンの収録後に、宮野さんに『ちょっと怒りすぎちゃったかな?』と心配されたのは凄い印象的でした」と、自分のセリフの迫力に思わず驚いてしまうほど、宮野さんが鬼気迫る芝居を見せていたことを打ち明ける。作中で使われる“京言葉”については、「ただの京言葉ではなく、時代劇の京言葉なので丁寧な言い回しなんです。最初難しいかなと思っていたんですが、逆に世界観が強いがゆえに、自然と入ってきました」(宮野さん)、「政治的な言い回しは難しかったので、見ている方にも理路整然と伝わるようにしなければいけない」「いま家光は将軍然としているのか、まだ口出ししているだけなのか。言葉の重みが家光の置かれている状況によって変わってくるんです」(松井さん)とそれぞれコメントしている。Netflixシリーズ「大奥」は独占配信中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2023年07月12日この秋放送予定のよしながふみ原作ドラマ「大奥」Season2に、福士蒼汰、岸井ゆきの、志田彩良が出演することが分かった。男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いてセンセーションを巻き起こした漫画「大奥」。3代将軍家光から8代将軍吉宗までの物語がドラマ化され、1月期に放送。そして秋、吉宗の遺志を継ぎ若き医師たちが、赤面疱瘡撲滅に向けて立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が、“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語を放送する。今回発表された3名は、【幕末編】の登場人物。福士蒼汰が演じるのは、家定の正室・天璋院/胤篤。聡明さや物腰の柔らかさを持つ天璋院は、徳川の世を途切らせまいと奮闘する家定の心情を理解し、いつしか両想いとなり結ばれる。そして家定亡き後は、家茂の後見人として支える。天璋院/胤篤冬ドラマでは、万里小路有功役で出演していた福士さん。今回の出演に「再び参加できることを大変嬉しく思っております」と喜び、「今回の役どころは、非常に繊細で難しいものだと思っています。薩摩の人間でありながら、家定・徳川のために無垢に考え行動する。聡明さと人情を併せ持つ彼を、深く演じていきたいです。家定との心の機微を丁寧に演じ、瀧山と二人三脚で支えていけるよう努めてまいります。"お万の方の再来"とも言われた彼の人生をいかに歩めるか、今からとても楽しみです」とコメントしている。また、公武合体政策のため男装して家茂に嫁いでくる帝の妹宮・和宮を演じる岸井ゆきのは、「母親に愛されたい、独り占めするために江戸にやってきた和宮の気丈夫な言動は強さの反面、時に可愛くてさみしげです。健気でいたいけな家茂に出会い、心を締め付けていたものが解かれ、本来の純朴な心を家茂にあずけていく姿をとても愛らしく思いました」とキャラクターの印象を語る。和宮甘いものが好きな14代将軍・家茂役の志田彩良は「役柄を聞き、何かの間違いなのでは?と思うほど驚きました」と出演決定時をふり返り、「着させて頂くお着物と役を全うする責任、この2つの重さをしっかりと身に纏い、時代の空気を感じながら誠心誠意努めて参りたいと思っております」と意気込んでいる。徳川家茂「大奥」Season2は2023年秋、NHKにて放送予定。(シネマカフェ編集部)
2023年06月19日「大奥」Season2幕末編の主な出演者として、古川雄大、愛希れいか、瀧内公美の3人が発表された。男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いたよしながふみの「大奥」。これを原作に、3代将軍家光から8代将軍吉宗までの物語をドラマ化した。秋には、吉宗の遺志を継ぎ若き医師たちが赤面疱瘡撲滅に向けて立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語を映像化する。古川さんが演じるのは、最後の大奥総取締・瀧山。年季明けは学問に励み、自分のやりたい事が自由に出来るようになる日を夢見ていたところ、阿部正弘に見いだされ、将軍・家定に仕えるため大奥入り。持ち前の器量と権勢を発揮し、大奥の男たちを束ねていく。瀧山「人を見抜く厳しい目を持ちますが、自分が認めた人物にはとことん愛情を注ぎ、天然で少し可愛らしい面もあります」と自らの役柄を説明した古川さんは、「時代劇でありながら現代にも通ずる問題が描かれているのも大きな見どころのひとつです」とコメント。「魅力あふれる瀧山を丁寧に演じ、皆様の心に響く作品になりますよう精進して参ります。ご期待下さい」とメッセージを寄せている。「宝塚歌劇団」出身の愛希さんが演じるのは、徳川家定。実父の虐待に苦しんだが、美しく聡明で現実を受け止める芯の強さを持っている。瀧山や阿部正弘と信頼を育み、己の人生を追求していく。愛希さんは「己の定めを受け入れ、人生を諦めかけているところに、自分を守ってくれる家臣達、そして愛する人との出会いで笑顔を取り戻していく家定を、心を込めて精一杯演じたいと思います」と意気込んでいる。徳川家定瀧内さんが演じるのは、家康に影武者として仕えた阿部正勝の子孫・阿部正弘。男性が再び要職に就くようになった世の中で、腰の重い兄・正寧に代わり家督を継ぐ。また、家定からの信頼も厚く、寺社奉行から老中へと出世を果たしていく。台本を読み「心が温かくなるお話にポロポロ涙が…」と物語の印象を明かした瀧内さんは、「愛すべき阿部ちゃん、お喋り大好き阿部ちゃん、阿部の忠義を見せねばなりませぬ!一所懸命に演じます」とコメントしている。阿部正弘「大奥」Season2は秋、NHKにて放送予定。(cinemacafe.net)
2023年06月12日これまで幾度も映像化されてきたよしながふみの人気コミックを初アニメ化した「大奥」より、予告編とキービジュアル、新場面写真が解禁。配信日は6月29日(木)に決定した。先日、宮野真守や松井恵理子、梶裕貴、関智一、井上喜久子、福山潤、小林沙苗ら豪華声優陣の参加が発表され話題を集めている本作。この度、解禁されたのは、華麗な<大奥>の世界観と、美しい物語を彩る万里小路有功役・宮野さんや、徳川家光役・松井さんらの美声が響き渡る予告編。物語の舞台は、赤面疱瘡という疫病の流行で、男子の人口が女子の約1/4にまで急速に減少した結果、社会運営の根幹や権力が女性に完全に移った江戸。その始まりは徳川三代将軍・家光(CV:松井恵理子)の時代へ遡る。江戸城は三代家光以降、将軍職は女子へと引き継がれ、俗に“美男三千人”と称される男女逆転の<大奥>の世界が築かれていた。京から江戸城を訪れた公家出身の美貌の僧・万里小路有功(CV:宮野真守)は、春日局(CV:井上喜久子)の恐ろしい脅迫により、小僧の玉栄(CV:梶裕貴)とともに、無理やり俗人へ戻され、大奥に入れられることに。解禁された映像では、色とりどりの<大奥>の世界が映される一方、“男女逆転”の世に渦巻く様々な感情がこだまし、波乱の展開を予感させている。家光に仕え、後継ぎを宿すための一候補として大奥へ入れられた有功。だが、家光は彼に「わしはしょせん、徳川の血を繋ぐための借腹よ」と、悲しき胸の内を漏らす。そんな家光に「この方はきっと、今まで幾度も幾度も打ちのめされてきたのや…」と寄り添う有功も、課せられた役目以上の“特別”な想いを抱いていくことに。しかし、有功と家光のゆく先には、驚くべき困難が待ち受けていた…。また、映像の中でも美しく響き渡る宮野さんや松井さんの美声からも分かるように、彼らを中心とする豪華声優陣の彩りは、「大奥」の物語を知る者さえ思わず魅了される世界を生み出している。併せて、凛とした有功と家光を背中合わせに描いたキービジュアルと、新たな場面写真も解禁。運命に翻弄される登場人物たちの姿が映し出される。様々な感情が渦巻く“男女逆転”の世界で巻き起こる、運命に翻弄される男女の切なき愛の行方は…?初のアニメ化で描かれる波乱の物語に期待が高まる。Netflixシリーズ「大奥」は6月29日(木)より世界独占配信。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2023年05月23日よしながふみ原作ドラマ「大奥」Season2医療編に、仲間由紀恵、中村蒼、蓮佛美沙子が出演することが分かった。男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いてセンセーションを巻き起こした原作漫画。本作は、吉宗の遺志を継ぎ、若き医師たちが赤面疱瘡撲滅に向けて立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が、“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語を、初めて映像化。今回新たに出演が決定したのは3名。仲間さんは演じるのは、吉宗の三女・宗尹の子で一橋家当主・一橋治済。一見柔らかい雰囲気だが、冷淡で非道な権力の亡者。我が子・家斉を将軍にしようと、密かに画策する。「大奥ですので恐ろしくもありますが、どこかワクワクしている自分がおります」と心境を明かした仲間さんは、「自由奔放な…治済を演じられるよう、気合いを入れて頑張ります」と意気込んでいる。一橋治済そんな家斉を演じるのは、映画『大奥』にも出演した中村さん。幼いころに赤面疱瘡の人痘を接種し、家光以来の男の将軍として就任。しかし、政治に口を出すことは許されず、実権は母・治済に握られている。中村さんは「何か世の為になりたいという気持ちに突き動かされ純粋にまっすぐ赤面疱瘡に立ち向かい、これまで通り女性が実権を握る大奥で踠く家斉を演じられたらなと思います」とコメント。徳川家斉また、蓮佛さんが演じるのは、家斉に嫁ぐ聡明で心優しい御台(茂姫)。気立ての良さで側室たちとも仲良く渡り歩くが、やがて治済の謀略に巻き込まれていく。「あっという間に惹きつけられました」と語る蓮佛さんは、「『こんなにやりがいのある役を任せていただけて幸せだなぁ』という喜びと、『でも…実際にこれを演じるのか…』という壮絶さに対する重圧が、波のように心を支配しています。シーズン1から高い志を持って作品に挑んでこられた心強いスタッフの皆様と一緒に、愛と覚悟を貫いた茂姫の生き様を、しっかりとカメラの前で表現できればと思います」と話している。御台「大奥」Season2は秋、NHKにて放送予定。(cinemacafe.net)
2023年05月18日女将軍が率いるパラレルワールドを描いたドラマ「大奥」Season2が、この秋放送開始予定。この度、医療編に松下奈緒、安達祐実、岡本圭人が出演することが分かった。3代将軍・家光の時代から、幕末・大政奉還にいたるまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いてセンセーションを巻き起こしたよしながふみの「大奥」を原作に、3代将軍家光から8代将軍吉宗までの物語をドラマ化し、1月期にて放送。そしてこの秋、吉宗の遺志を継ぎ、若き医師たちが赤面疱瘡撲滅に向けて立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が、江戸城無血開城のために奔走した幕末・大政奉還の物語を初めて映像化する。松下さんが演じるのは、田沼意次。家重の小姓から出世を果たし、家治の時代に老中に。大奥に蘭方医を集め、赤面疱瘡の撲滅へ動き出す人物で、絶大な支持を得るが、同時に様々な陰謀に左右され反発が生まれていく。原作とドラマ化も見ていたという松下さんは「今回シーズン2に参加させていただけてとても嬉しいです」と喜び、「皆様が思う田沼意次像を大事に、私なりに演じたいと思います。多くの皆様にご覧頂けますと嬉しいです」とコメントしている。松下奈緒また、現在放送中の「Dr.チョコレート」に出演する安達さんが演じるのは、母・宗武から「将軍になる」という夢を託され、次期将軍の座を狙う松平定信。治済の画策により田沼意次と敵対し、激しい対抗心を燃やしている。出演にあたり、安達さんは「久しぶりに時代劇に出演できることが嬉しく、更にそれが『大奥』であることがとても嬉しいです」と話している。安達祐実さらに、大奥では呉服の間で御針子となる伊兵衛役で、元「Hey! Say! JUMP」の岡本さんが出演。人懐っこい伊兵衛は、黒木や青沼とも打ち解け、共に赤面疱瘡の研究に取り組んでいく。時代劇初出演だという岡本さんは「身が引き締まる思いでいっぱいです。この機会を与えてくださったことに感謝いたします」と参加への気持ちを述べている。岡本圭人「大奥」Season2は秋、NHKにて放送予定。(cinemacafe.net)
2023年05月11日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。ドラマの初回、長い髪をなびかせて馬を駆る吉宗(冨永愛)の颯爽とした姿に目をみはった時から三か月。美しく、時に痛いほど悲しく、視聴者として毎回贅沢な視聴体験だった。小説や漫画原作ものの映像化として、エピソードの取捨選択は避けられないが、これだけ原作のエッセンスを愛情深く汲んだ上で作られるドラマは決して多くないと思う。そして映像化にあたって追加したオリジナルの部分も、全編を通して将軍と彼女たちをめぐる人々への愛に満ちていた。最終回での一番のドラマオリジナル要素は、やはり杉下(風間俊介)が病に倒れ、吉宗が献身的に看病をする場面だと思う。自らの薬代すら倹約するほど無欲な杉下のために、吉宗が取り計らったのは『物』よりも旧知の人物を呼んで語り合う和やかなひとときだった。やってきたかつての政敵・藤波(片岡愛之助)は、すっかり好々爺になっており、今は歌舞伎役者・片岡仁左衛門の贔屓をしていると楽しげに語る(愛之助に仁左衛門の贔屓を語らせるという作り手の遊び心が楽しい)。※写真はイメージやはり藤波は、吉宗が政治改革の為に実用至上主義を掲げ、二の次にしてきた情緒や芸術という要素の体現者なのだろう(その藤波の今の生業は骨董商である)。そして『種なし』と自らを卑下していた杉下が、誠実さと愛情深さで、吉宗の子らの父親代わりとなり、家族のような愛に包まれて生涯を終えたことは、子をなせなかった有功(福士蒼汰)の悲痛や、生殖だけが男女ではないと訴えかけた右衛門佐(山本耕史)の言葉の延長線上にある。長い時間をかけながら、呪いと苦しみは緩んでいくのだと感じさせるドラマオリジナルのシーンだった。だがやはり、この最終回の白眉は、吉宗と忠臣・加納久通(貫地谷しほり)の別れの場面だった。この場面はほぼ原作通りの展開で、眉ひとつ動かさずに自らの罪を認める久通の貫地谷しほりと、その忠義に痛切の涙をこぼす吉宗の冨永愛の演技は、圧巻の一言だった。ドラマでは村瀬(石橋蓮司)の没日録は一度失われ、密かに吉宗の手に戻る。その時、既に久通が犯した罪について推測しながらも、長い時間沈黙し、最後にそれを確かめた吉宗の心情を思う。久道が一人で背負ってきた重い罪を、政(まつりごと)を次世代に継げるようになった今、ようやく自分も半分引き取ってやれるという心持ちだったのではないか。その主君の愛に対し「私が信さまの政を見ていたかったからでございます」と、どこまでもそれは自分の欲であり責任であったと久通は涙とともに返す。主従が互いに想いあう深い愛情が、胸が締め付けられるように切なかった。※写真はイメージその吉宗の死をもって、ドラマ10『大奥』のシーズン1としての物語は一度幕を閉じる。母である吉宗を失おうとするその時、家重(三浦透子)が泣きながら縋った「私をおいていかないでくださいませ」はドラマのみで描かれたセリフである。全てにおいて優れた偉大な親を持ち、劣等感にさいなまれながら、それでも深い思慕をねじれるように抱いて生きている娘の悲痛な叫びだった。伝染病と戦う国の舵取りは、家重と彼女を補佐する田沼意次(當真あみ)に引き継がれた。そして、死の間際に現代と一瞬繋いだ「この国は滅びぬ」という吉宗の最後の言葉は、苦悩しながら模索し続ける為政者たちと、たくましく生きる民衆の力があれば、国は潰(つい)えないという確信なのだろう。※写真はイメージそして同時に現代の私たちもまた、人口が減り続けていくこの国で諦めずに滅びぬ道を模索していくのだという、作り手がドラマに託した願いでもあると思う。大奥が血を繋ぐための牢獄だった家光の時代から、享楽と尊厳を捉えなおす綱吉の時代を経て、よりよき選択を求められる分だけ新たな苦悩が生じる吉宗の時代へ。人の生きる道が、過酷な苦しみや悲しみ、憎しみに洗われても、最後の最後に残るのは善であり、正なるものだと信じたい。杉下の死にも、吉宗の死にも、そんな願いがこめられた最終話だったと思う。今回のラストにはシーズン2の医療編を示唆するシーンがいくつかあり、重要な登場人物の配役も発表になった。いずれも、シーズン2もドラマのオリジナル要素も含めて素晴らしい作品になると今から確信させるものだった。※写真はイメージうねりながら流れる川のように、時に波と砕け、溢れながらも淀みなく水は流れ続ける。この物語の遥かに流れゆく先を、今年度内に再び見届けられる幸せをかみしめながら、その時を待ちたい。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年03月20日2023年1月に放送が開始し、斬新な設定が話題になったテレビドラマ『大奥』(NHK)。同作は、将軍が多くの女性をはべらせる従来の『大奥』とは異なった『江戸パラレルワールド』であり、その設定から『男女逆転大奥』と呼ばれています。モデルとして国内外で活躍する冨永愛さんは、同作に俳優として出演し、徳川幕府8代将軍の徳川吉宗を演じることに。番組の初回放送後、179cmの長身とクールな顔立ちをいかした『女将軍』の姿は、画面を通して多くの人の心を射抜きました。冨永愛、男女逆転『大奥』の思い出を振り返る冨永さんと、俳優の堀田真由さん、仲里依紗さんが3編それぞれの主人公である将軍を演じ、好評を博した『大奥』。そんな『大奥』も、同年3月14日に最終回を迎え、ファンからは「もう終わりだなんて」「『Season2』まで何を楽しみにすればいいのか」といった悲しむ声が相次いでいます。最終回を惜しむ声が上がる中、自身のInstagramに複数枚の写真を公開したのは、冨永さん。撮影時の写真とともに、作品や徳川吉宗という役について、思いを明かしました。大奥season1が完結しました派手に落ち込んだ事もありましたが、一生に一度と言えるほどの素晴らしい役に出会えた事、私を選んでくださった事に心から感謝していますそしてスタッフの皆さんの情熱で、また、キャストの皆さんの素晴らしい演技で吉宗を持ち上げていただきました観てくださった皆様、応援ありがとうございました!総集編として、私の好きな写真を載せます心からの感謝を込めて…♥そして今秋放送のseason2もお楽しみに!ai_tominaga_officialーより引用※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 冨永愛(@ai_tominaga_official)がシェアした投稿 ストーリーズ機能では、番組の製作スタッフとの集合写真を公開し、「スタッフのみなさん、本当にありがとう。また会う日まで!」とコメントした冨永さん。落ち着いた印象からか、何ごともそつなくこなすイメージのある冨永さんですが、撮影が開始したばかりの頃は、普段のモデル業での歩き方とは大きく異なるため、歩くだけで苦戦をしたといいます。数々の苦労を視聴者に感じさせない仕事ぶりを発揮したものの、きっと冨永さんがいうように、何度も落ち込みながら撮影に挑んでいたのでしょう。苦労を乗り越えてきたからこそ、同作で演じた徳川吉宗という役に『一生に一度といえるほどの素晴らしい役』と思ったのかもしれませんね。冨永さんの熱い思いが伝わってくるメッセージに対し、『大奥』を楽しんでいたファンからは多くのコメントが寄せられています。・愛さんの女将軍が本当にかっこよかった!素晴らしい演技でした!・本編だけじゃなく、愛さんのメッセージも作品への愛を感じて、泣ける…。・どれも素晴らしい写真だなあ。本当にお疲れさまでした!同作の続編である『Season2』は、2023年秋に放送予定。『医療編』と『幕末編』の2つで構成されるとのことです。きっとまた、視聴者の心を震わせる展開で楽しませてくれることでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年03月15日今秋放送のNHKドラマ10「大奥」のシーズン2から3名のキャストが発表され、第10回(最終話)にサプライズ登場した鈴木杏、玉置玲央、村雨辰剛の役名が明らかとなった。謎の疫病によって男子が激減、女性が社会の主役となった男女逆転江戸パラレルワールドを舞台にした本作。シーズン1では男女逆転がはじまった3代将軍・家光の時代、5代将軍・綱吉の時代を描き、8代将軍・吉宗の物語までが描かれ、シーズン2では赤面疱瘡の解明・撲滅に向けた動きが描かれる。新進気鋭の本草学者。赤面疱瘡の解明に動く平賀源内には、近年、舞台作品でも活躍を見せる鈴木杏。お三の間奉公から右筆助となり、青沼の補佐をする黒木役に、来年の大河ドラマ「光る君へ」にも出演が決まった玉置玲央。そして、オランダ人と丸山遊女の間に生まれ、長崎で育った青沼役には連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」出演で注目を集めた村雨辰剛。大奥入りし、蘭方医学の講義をするかたわら、赤面疱瘡撲滅を目指す。<鈴木杏コメント>「大奥」という壮大な作品に参加できること、また「平賀源内」を生きることができる光栄に、震えています。源内はかっこよくて、チャーミングで、知的で、ひょうきんで、天才であり奇才...と、多面的でとても魅力的な人物です。あまりに素敵な人なので、私に務まるのかと不安もありますが、その命を、魂を、大切に、演じたいです。<玉置玲央コメント>黒木を演じさせていただきます玉置玲央です。このような形で「大奥」に参加させていただけることを光栄に思います。作品世界を取り巻く赤面疱瘡という病気との闘い、そして青沼を始めとする沢山の人々との出会いを通して、大奥の状況の変化とはまた違った、黒木といういち人間が変化していく様を楽しんでいただけたら幸いです。Season2、どうかどうかお楽しみに。<村雨辰剛コメント>日本の伝統文化や歴史を大好きな僕が、「大奥」という皆さんに愛されている作品で、青沼という役を演じられる事、とても光栄です。今回頂いた役、「大奥」の中でとても重要な部分だと思っております。僕の夢でもありました、漫画原作、時代劇この2つの夢を叶えて頂いた嬉しさと、青沼という大役を頂いた責任感でいっぱいです。皆様の心に残る演技を精一杯頑張ります。ドラマ10「大奥」Season2は秋、NHK総合にて放送予定。(text:cinemacafe.net)
2023年03月15日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。その時、貫地谷しほり演じる加納久通が怒って、世継ぎについて進言する家臣をりつけたのは印象深かった。原作も今回のドラマ化でも、加納久通は切れ者だが普段は物腰柔らかく、能ある鷹は爪を隠すを地で行くような人物だ。そして久通が激怒するこの場面は、原作にはないドラマのオリジナルである。トップと補佐の間柄として、彼女なりの厳然とした一線が垣間見える場面だった。NHKドラマ10『大奥』の9話は、前回に引き続き八代将軍・吉宗(冨永愛)の治世をめぐるオリジナル色の強い内容だった。小石川養生所を舞台にした赤面疱瘡(あかづらほうそう)との戦いとその苦い結末、そして世継ぎをめぐる吉宗自身の決意に至る過程が、より詳細に描かれていた。小石川養生所の漢方医・小川笙船(おがわ・しょうせん)を演じた片桐はいりは、今更言うまでもないが見事な演技だった。※写真はイメージその無骨な誠実さは、男女逆転の社会という設定そのものすら忘れさせるような、最初からこういう人物だったのではないかという力強さに満ちている。そして一度はこれというものを見つけながら結局特効薬ではなかった落胆から立ち上がり、新たな学問に挑む進吉の清々しさも、中島裕翔の持ち味である素直な演技とシンクロした躍動感があった。行政・現場一体となって尽力しても伝染病を克服することが出来ず、苦い負け戦となったことを認めたその時、吉宗は苦悩しながら呟く。「滅びぬ道はどこにあるのか」と。この一連に、昨今のコロナ禍と同時に、現代のこの国の少子化を重ね合わせて見た視聴者も多かったのではないかと思う。今作の脚本家の森下佳子は、2022年放送のテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)でも、減衰していく日本の水産業をめぐる問題を地方の過疎に絡めて描いていた。かなさんが書く『ファーストペンギン!』のコラムはこちらそれは、今この場をしのぐことを最優先に考えている層と、多少の失敗や損失を織り込んででも未来に向けて改革の種をまくべきと考える層の、対立と対話を描くドラマだったが、その流れは今作にも引き継がれている。男子の人口が増えないという緩やかな滅びの道を打開する為に、進吉と吉宗は鎖国という国防上の要素を織り込んだ上で、それでも蘭学を学ぶべきだと判断を下す。そして暗愚と噂される長女と見るからに賢くて美しい次女、揺れる評価の中で吉宗が次の将軍にと決めたのは、身体が不自由な為に周囲から軽んじられている長女の家重だった。生まれつき身体が不自由で言葉が明瞭に話せず、排泄にも時折難が生じるほどだが、将棋に長けており思考能力は高いという難役に挑むのは三浦透子。※写真はイメージ演技力は折り紙付きとはいえ、果たしてこの役はどうなるかと思っていたが、どこまでも杞憂だった。美男を侍らせ酒に溺れている登場の最初の瞬間から目を離せない存在感を放ち、知性はあるのにそれを言葉に出来ず、他者からは侮られてひたすらに鬱屈する女の苦しみを表現してみせた。不自由な身体を抱え鬱々と生きながら、それでも自分の人生は他者の為に使いたいと心の中で願う娘に、希代の名君と褒め称えられる母は、将軍になる覚悟はあるかと問う。「己の無力と向き合わされ、投げ出すことも許されず、時として世の恨みまで買う。将軍とは、真のところ左様な役回りじゃ」思えば、吉宗にとって久通の言葉は少なからず重みがあると知った上で、加納久通は最後まで娘の中で誰が将軍に相応しいという名指しはしなかった。吉宗に直接問われ、答えず「頑固だのう」と苦笑いされながらも、名指しは拒んでいた。それは、将軍として国を背負う凍るような孤独を、その果てしない重さを、一度でも自分で背負った者だけが、重みを託すに足る誰かを知るだろうという久通なりの『一線』だったのではないかと思う。滅びぬ道への舵取りは、弱いものの苦しみを知り、思い通りにならない政(まつりごと)の苦しみに耐えうる女に託された。幼い吉宗が呟いた「五万石ほどの大名にでもなれれば、そなたの忠義に報いることが出来るのに」と、鬱屈した家重が泣いた「役に立たないのなら死にたい」という嘆きは、母と娘の表裏の一枚だったのである。※写真はイメージ先月下旬、このドラマ10『大奥』の2期の制作が発表された。||◤ ◥|| #大奥 速報||◣ ◢|| #ドラマ10大奥 SEASON2医療編/幕末編が…2023年秋に放送決定!そして吉宗編(今クール)は第10回までの放送となります。引き続き『ドラマ10大奥』をよろしくお願いいたします pic.twitter.com/zssCwURjG5 — ドラマ10「大奥」 (@nhk_oooku) February 21, 2023 美しく、時に哀しく、胸に迫るこの物語に、秋以降再び会えることを大変喜ばしく思う。それでも次回、1期の最終回は冨永愛が演じる吉宗の幕引きになるのかと思うと今から寂しいが、最後までその凜とした姿を目に焼き付けたいと思う。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年03月10日2023年1月10日から放送が開始された、よしながふみさんの漫画『大奥』を原作としたテレビドラマ『大奥』(NHK)。若い男性のみに感染し、死に至る病『赤面疱瘡(あかづらほうそう)』がまん延した、男女が逆転した世界で生きる人々の苦悩を描いています。『3代 徳川家光 × 万里小路有功 編』では、将軍職が女性に引き継がれた最初の徳川家光役を、俳優の堀田真由さんが務めました。数々のオフショットをマネージャーがTikTokで公開しており、視聴者の注目を集めています。徳川家光役・堀田真由の笑顔無理やり将軍職に据えられた家光は、心に闇を抱えており、シリアスな場面が数多くありました。そんな家光の恰好のまま、オフショットでは堀田さんがほほ笑ましい姿を見せています!若紫との対面劇中には、俳優の福士蒼汰さんが演じる万里小路有功に、家光が猫の若紫を贈るシーンがありました。猫と仲よくなるため、撮影前に一緒に遊ぶ堀田さんの姿がこちら。@hottamgmg NHKドラマ10「大奥」の第2回がいよいよ明日17日22:00〜放送されます!ぜひご覧ください✨#堀田真由 #大奥 #若紫 ♬ オリジナル楽曲 - 堀田真由マネージャー猫を前に、堀田さんは笑顔が抑えきれない様子。猫じゃらしで遊んで、すぐに仲よくなれたようですね。福士蒼汰と遊ぶ堀田真由撮影の合間、猫用のおもちゃで遊ぶ、堀田さんと福士さんの姿も見られました。@hottamgmg NHKドラマ10「#大奥」本日22:00〜第3回が放送されます!ぜひぜひご覧ください✨ スタンバイ中に若紫のおもちゃで遊び出した#有功 と#家光 をただ見守る動画です☺️#福士蒼汰 さん#堀田真由 ♬ オリジナル楽曲 - 堀田真由マネージャー自分たちでツボにはまってしまったようで、笑い声をあげる堀田さんと福士さん。和やかな動画2本に、ファンも笑顔になったようです。・猫とたわむれる姿が、シンプルにかわいすぎる。・ダメだって。かわいさが渋滞しているって。・福士さんと遊んでいる時の、堀田さんの笑い方が好き。・なんて平和な空間。ありがとうマネージャーさん!本番以外で、出演者同士が交流している姿もSNSで公開されることが多くなった昨今。ドラマの放送中、楽しみが増えて嬉しいですね。[文・構成/grape編集部]
2023年03月04日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。執着のなさというものは、はた目には爽快でもあるけれど、もしも自分に近しい人がそうならば、結構寂しいものかもしれない。世継ぎさえ出来れば相手は誰でもいいと言う女将軍に、それではまるっきり男たちは種馬扱いではないか、情がなさすぎると憤りの言葉を述べる大奥総取締・藤波(片岡愛之助)の言葉を聞いてそう思った。正統な世継ぎが得られなければ国が壊れるという切迫のあった家光の時代、大奥は『牢獄』だった。牢獄で少しでも人らしい生き様を求めた結果が、大奥総取締という地位を通じた緩やかな管理と花鳥風月を愛でる華美だった。だが徳川の世が安定した結果、次第に大奥は牢獄ではなくなり、一方で華美は肥大し、ついには政権維持の為に華美を切り捨てようとする時がくる。まるで一つの目的をめぐって形を変える流水のようで興味深い。同時に藤波が語る『情』とは、人はパンのみで生きるにあらずという意味で、文化・芸能を暗喩するものであろうし、実利だけを追及して切り捨てがちなその部分を安易に軽んじないでほしいという作り手の切なる主張にも思える。(藤波が暇乞いを申し出るこの場面は、原作にはないドラマのオリジナルである)それを伝統芸能の歌舞伎役者たる片岡愛之助が、セリフとして語る堂々たる説得力にはしびれた。※写真はイメージ今週8話から物語は冒頭の吉宗の時代に戻り、原作にオリジナル色を濃く加えたものになっている。加えられているのは、先の吉宗と藤波のやりとりであり、そして大岡忠相(MEGUMI)をブレーンに加えて吉宗が公共政策に奔走する様子であり、御半下から中臈(ちゅうろう)に出世する杉下(風間俊介)の有能さであり、そして原作では大奥から下がらせた後の描写は殆どなかった水野(中島裕翔)が、薬種問屋の若旦那・進吉として再登場する。当初は単純に質素倹約ぶりを吉宗に見込まれて出世する杉下だが、次第にその細やかな気配りで吉宗の右腕のような存在になっていく。面倒くさがってお腹の子の父親を決めない吉宗を当初は『稽古』と誤魔化して呼び出し、なおも渋れば、決めないことが逆に陰謀や政争を呼ぶと理論的に説明する。最終的に開けっぴろげに「ならばいっそ正々堂々胸三寸いたしましょう」と吉宗好みの煽りで父親問題を決着に導く。自分は人の機微が分からぬと悩む吉宗には、媚びることなく、人は欠けているからこそ愛おしいもので、持てるもので補い合えばいいと淡々と語りかける。孤独に落ちて心を閉ざすか、足りないものは誰かで補えばいいと思い直せるか、それはどんな組織においてもリーダーとしての分水嶺だと思う。※写真はイメージ長いキャリアの中、複雑な役の経験も時代劇の経験も豊富な風間俊介演じる杉下の言葉は、ストレートに私たちの心に落ちてくるものだった。優れたリーダーの資質を持った1人と、様々な才能を持った人間が結びついて力を発揮することで、組織は、ひいては社会は変革していく。思えば、家光が初めて女の将軍としてお目見えをした時には、自らを滅びを覚悟した国の人柱であると悲壮な決意で明言していた。数十年の時代を経て、今、女将軍は国を蝕む業病や貧困に立ち向かうべく忠臣達の力を借りて尽力している。時の流れは、数えきれぬ人々の悲哀や無常を巻き込みながら、それでも長い時を経て、世の中は少しずつ良い方向に向かっていく。それは時に容赦の無い厳しい死生観を織り込みながら、その上で人の善を信じて描く森下佳子の脚本の真骨頂であると思う。※写真はイメージ今回の8話は、これまでの重い色調の物語から一転して、明るく開放的でもあった。町中にお忍びでやってくる貴人、慎ましく清廉に生きている市井の賢者と、そこで起こる事件。明かされる貴人の身分と、スピーディで爽快な事件の解決。まさに古き良き時代劇へのリスペクトに溢れ、その楽しさを満喫できる回だった。※写真はイメージそして、町人として再び吉宗の為に奔走する進吉を演じる中島裕翔の清々しさがやはり嬉しい。月代姿の横顔も、町人らしいべらんめえ口調も、ちょっととんちきな女装姿も、どこかしら品があるのが良いと思う。賢明で開放的で心身ともにタフだが人の機微にはちょっと疎い、魅力的な女将軍がほんの僅かに執着を見せた男は、とても純粋で、彼女以上に人の言葉の機微には疎いのだった。望めば何でも手に入るのに、そこで執着せずに淡い笑顔ひとつで、すっと引いてしまう吉宗の姿がほろ苦く愛おしかった。嬉しいことに第2期までの制作が発表されたドラマ10『大奥』だが、今期は全10話、あと2話である。オリジナルのエピソードとして、先が見えない伏線もまだある。最後の盛り上がりを楽しみに見守りたい。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら[文・構成/grape編集部]
2023年03月03日2023年2月26日、冨永愛さんがドラマ『大奥』(NHK)で共演した馬のバンカーを追悼しました。放送開始直後から話題を呼んでいる『大奥』で、徳川幕府8代将軍の徳川吉宗を演じている冨永さん。劇中で、海岸を馬にまたがり疾走するシーンで、バンカーと共演していました。Rest in peace バンカーくん…❤︎ pic.twitter.com/noPRBrQRPT — 冨永愛 Ai Tominaga (@Ai_Tominaga) February 26, 2023 バンカーはこれまでにも、大河ドラマをはじめ、数々の作品に出演してきた名役者ならぬ『名役馬』。山梨県北杜市にある乗馬クラブ『ラングラーランチ』が、同月23日にバンカーが亡くなったことをブログで発表し、冨永さんはTwitterで「貴方がいなかったら吉宗は、大奥はできていなかったよ」と、追悼メッセージを投稿しました。バンカーくんが亡くなった!そんな…あんなに元気に走ってくれていたのに…ありがとう、バンカーくん貴方がいなかったら吉宗は、大奥はできていなかったよ…ご冥福をお祈りします。— 冨永愛 Ai Tominaga (@Ai_Tominaga) February 26, 2023 『大奥』の第1話での冨永さんとバンカーの共演シーンは、放送直後から「かっこいい」と話題に。冨永さん演じる吉宗を視聴者に強く印象付けた、重要なシーンでもあります。冨永さんのいう通り、バンカーの存在なくして、あのシーンは成立しなかったことでしょう。多くの作品を支えたバンカーの訃報は、芸能界にも大きな悲しみを与えました。[文・構成/grape編集部]
2023年02月27日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。溺れかけては浮きを繰り返す苦しい一生だとしても、女将軍は幸せだったのだと願いたい。若さの怖いもの知らずで、努力すれば何もかも手に入れられると思っていた人生が、懸命に生きて中年期に入って振り返れば、家庭も仕事も人望も、願っていたものの多くは手のひらからこぼれ落ちていた。自身の身体の衰えに直面しながら、目の前には更に衰えて暮らしのおぼつかない親がいる。これは誰の人生か。綱吉(仲里依紗)と名乗った女だけではない、誰の身にもおぼえのある、私たちの人生ではないのか。ドラマ『大奥』を盛り上げる役者陣圧巻の綱吉編の完結だった。まずは性的なシーンの描き方も含め、あらゆる点で映像表現が難しかったであろうこの章を、原作のエッセンスを汲み上げ、華麗な映像として完成させた俳優陣と制作に惜しみなく拍手を贈りたい。幼少期の回想から続いて綱吉が「月のものなど、もうとうに来ておらぬわ」と力なく呟く場面は原作屈指の名場面だが、今回ドラマ化ではそれを綱吉が父・桂昌院(竜雷太)に直接告げ、桂昌院はそれを理解出来ず更に子作りを綱吉に望むという、恐怖すら感じる場面にしていた。それは人生の大半を大奥で閉じ込められて生きてきた桂昌院の無知なのか、それとも直系の世継ぎが得られないという絶望を受け入れ難い無理解なのかは分からない。そして綱吉は父の言葉にそれ以上反論はしない。側用人の柳沢吉保(倉科カナ)もまた、綱吉の悲しみを汲むように黙っている。老父の哀れな誤解をそのままにしたのは、絶とうとしても絶ちきれない娘としての愛着でもあり、諦めと深い絶望でもあるのだと思う。愛なのか執着なのか、自身でも割り切れない感情を抱えて、もがきながら人は生きていく。※写真はイメージそんな女の人生の終盤に、二つの転機が訪れる。一つは互いにとって意図せぬもので、家督を継ぐ見込みのない紀州徳川家の三女、信(のぶ)。身を飾り女として魅力的に見せる必要を感じないと言う大胆な少女は本人も意図せぬまま、初老の女のがんじがらめの人生に多様性という風穴をあける。自分は美男に興味がないから、美女に興味のない男もいるだろうという少女の発想に驚きながら、その愉快さに綱吉は笑いころげる。それはこの風穴が自分を救うなにかであったという直感と、同時に「もっと早くこう考えられていれば」という痛恨に見えた。そして赤穂浪士の討ち入りを契機に民衆からの支持を失い、跡継ぎ問題も解決しないまま自らの生きる意義を見失う綱吉に、右衛門佐(山本耕史)は生きていくということの意味を、体と魂すべてをかけて説く。「生きるということは、女と男ということは、ただ女の腹に種をつけ子孫を残し、命を繋いでいくことだけではありますまい!」それは自らを「種なし」と自嘲し、家光と男女として添うことを断念した有功の悲しみを、時代を経て昇華するものであり、同時にその悲哀を抱え込んだ桂昌院が縛り付けた娘、綱吉を解放するものだった。前回の、一度は抱きしめながらも離れた心の揺れも、今回の激情が溢れ出す情熱的な抱擁も、仲里依紗と山本耕史、円熟期を迎えつつある俳優の体温と深みのある演技はさすがの見応えだった。※写真はイメージ右衛門佐の愛を得て、父の呪縛から解放された綱吉は父の意思に反して次の将軍を決め、ようやく真に自分の人生を選び取るが、その自由と引き換えるように待っていたのは右衛門佐との死別だった。それでも、綱吉は幸福だったと思いたい。老いて病に苦しみ、朦朧とするその時に、愛した男が迎えにくる夢が見られるならば、その人生は幸福だったと思いたい。そして「佐が迎えに来たと思った(原作にはないドラマのオリジナルの表現)」と苦しい息で語る綱吉に、最後に最も純粋で残酷な愛情を捧げたのは柳沢吉保だった。泣きながら綱吉を死なせようとする倉科カナの長い独白は、まさに圧巻の一言である。その瞬間に彼女の心によぎったのは、ただ一夜の愛で綱吉の心を奪っていった男への嫉妬だったのか、報われぬ哀しみであったか、それとも今死なせればこの人は幸せに逝くだろうという慈愛であったか。いずれにせよ、やはり人の心はそう簡単に切り分けられなどしないだろう。原作では、窒息しこときれる瞬間に綱吉の脳裏に浮かぶのは右衛門佐である。きっと右衛門佐は、綱吉のもとに迎えに来たと思う。※写真はイメージ人として望まれたことを何一つ成せなかったと嘆いた綱吉は、しかし自分でも気づかぬ間に次世代への種をまいた。本来なら自身の領地を持つはずのなかった風変わりで賢い少女に領地を与え、マネジメントの機会を持たせ、為政者として最初のレールに乗せたのである。綱吉編が終わり、次回から再び物語は吉宗(冨永愛)の時代に戻る。予告からはオリジナルの要素が多くなっているように予想され、またあの魅力的な吉宗の姿を見られると思うと心が躍る。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年02月27日ドラマ10「大奥」の第7話が2月21日オンエア。倉科カナ演じる吉保に「全部持ってかれた…」「業が深い」「あまりにも衝撃的」などの反応が殺到、一方、ラストに挿入されたワンシーンには「誰が誰を殺したの?」といった声も上がり、謎が謎を呼んでいる。よしながふみによる男女逆転パラレル江戸時代を舞台にした同名原作を、豪華キャストと美麗な衣装やセットで映像化した本作。物語は3代将軍・徳川家光の時代に“若い男子にのみ”感染し“数日で死に至る”「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」が蔓延、男子の人口が女子の1/4まで激減。それまで男子が担っていた労働を女子が担い、希少な種馬として育てられるように。江戸城でも本来の家光が病に倒れたことで、春日局が秘密裏に家光の娘を将軍の身代わりにし幕府を維持することに。ここから将軍職を女子が引き継ぎ、大奥も希少な男子を囲うようになり、美男3千人などと称される男の世界が築かれていく…というストーリーが展開する。娘を亡くし傷心のなか、父親の桂昌院の強い願望を背負って子作りに励むことになる5代将軍・徳川綱吉を仲里依紗が演じ、京の貧しい公家から大奥入り、万里小路有功以来の大奥総取締になる右衛門佐に山本耕史。幼いころから綱吉とともに生きてきて、桂昌院と通じることになる柳沢吉保に倉科カナ。有功付きの小僧で彼とともに大奥へ入り、綱吉の父となった桂昌院に竜雷太。過去の大奥の歴史に興味を持ち学んでいく8代将軍・徳川吉宗には冨永愛といった顔ぶれが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。綱吉に子が生まれないのは自分がかつて猫を殺めたからだ…と強く後悔の念を抱く桂昌院。そんな桂昌院から世継ぎを生むことを求められ、父の願いを懸命に応えようとする綱吉は、娘の松姫を失った悲しみを隠し、これまでにないほどの奔放なふるまいをするように。一方、生類憐みの令は国民の不満を増大させ、赤穂事件も発生。綱吉の評判が下落する。自分が善政をしけず何も残せないと嘆く綱吉を右衛門佐は抱きしめる。その後綱吉は養子を受け入れる。怒り悲しむ桂昌院の呪縛から逃れ、笑顔で右衛門佐のもとに向かうと、彼は亡くなっていた。そして綱吉も吉保に濡れた布を被せられ息絶える。吉保は綱吉を密かに想い続けていた…というのが今回の物語。「目で全てを語る綱吉の仲里依紗さん、吉保の最後の囁き倉科カナさん、本当に堪能しました」「仲里依紗さんの綱吉と倉科カナさんの柳沢吉保が圧巻すぎて胸が苦しい。二人とも壮絶な熱演でした」など仲さんと倉科さんの演技に絶賛の声が殺到。特に吉保が綱吉を殺めるラストには「ラスト吉保のクソデカ感情に全部持ってかれた…」「最初で最後の欲を果たす、か。業が深い」「あまりにも衝撃的なラストに絶句」といった反応が殺到。一方、その後ワンシーンだけ描写された、男性が濡れた布で誰かを殺める様には「大奥のラスト誰が誰を殺したの?」「殺される脚見てたら男の人っぽかったんだけど」「大奥の最後で濡れ布巾されてたの誰です???」などの声も上がっている。【第8話あらすじ】時は8代・徳川吉宗の時代へ。吉宗は久通(貫地谷しほり)から村瀬(石橋蓮司)の死を知らされる。同時に吉宗が読んでいた「没日録」の続きが紛失。吉宗は村瀬の死と「没日録」の紛失に何か関係があるかもしれないと怪しむ。その一方、吉宗はいよいよ赤面疱瘡の解決へ動き出していく…。ドラマ10「大奥」は毎週火曜22時~NHK総合ほかで放送中。(笠緒)
2023年02月22日現在放送中のドラマ「大奥」(全10話)が、この秋、Season2を放送することが決定した。3代将軍・家光の時代から幕末・大政奉還にいたるまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いてセンセーションを巻き起こしたよしながふみの同名漫画をドラマ化した本作。現在は、家光から吉宗までの物語をドラマ化し、毎週火曜日に放送中。まもなく放送がスタートする吉宗編は、第10回まで放送となっており、このほど、第11回からとなるSeason2の放送が決定。吉宗の遺志を継ぎ、若き医師たちが赤面疱瘡撲滅に向けて立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が、“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語を映像化していく。なお脚本は、引き続き森下佳子が執筆。2023年春から、Season2 の“主要キャスト”を発表するという。<「大奥」Season2あらすじ>■10代家治老中となった田沼意次は吉宗の遺志を継ぎ、大奥に蘭方医を集めて赤面疱瘡の治療法開発を進める。中心となる蘭方医の青沼、平賀源内の助けも得て人痘に成功するが…。■11代家斉男将軍として就任した家斉だが、政治に口を出すことは許されず、実権は母・治済が握っていた。治済は家斉に子作りを強制し、その一方で、生まれた子らを退屈しのぎに暗殺していく。そんな中、家斉は治済に隠れて黒木らに接触し、極秘裏に赤面疱瘡研究を再開させる。■13代家定1853年に黒船が来航すると江戸は大騒動となり、12代・家慶は急死。家定が13代将軍となる。家定は老中・阿部正弘と総取締の瀧山とともに開国を進めていく。そんな中、家定はのちの天璋院・島津胤篤を夫に迎えることとなった。■14代家茂14歳で女将軍の座についた家茂が京から迎えた正室、和宮。公武合体のために嫁いできた孝明天皇の弟…のはずが、来たのは和宮の姉だった。■大政奉還、そして新政府軍を率いる西郷隆盛は「外国は男たちが統治しているのに、徳川は女たちが統治。こんな恥ずべき歴史は即刻消すべき」と。焦土戦もいとわぬ新政府に対し、歴史の書き換えと引き換えに女たちは江戸城総攻撃を回避し――。ドラマ10「大奥」Season2は秋、放送予定。ドラマ10「大奥」は毎週火曜日22時~NHK総合にて放送中。(cinemacafe.net)
2023年02月22日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。漠然とした悲しみや痛みが、一つの言葉にまとまった途端に輪郭を持って刃に変わる。NHKドラマ10『大奥』6話。周囲には奔放で性愛を愉しんでいるかに見えていた女将軍が、自嘲しながら吐き出した「そうか。これは辱めであったか」という言葉。周囲から「上様、上様」と持ち上げられながらも、苦しみもがいて生きていた彼女の痛切さを表すのに、小さくてもこれ以上に鋭い刃があるだろうか。これは原作にない、ドラマ化にあたって付け加えられた一言である。コミックの映像化だから、時には原作通りには書けないことも、そして時間の制約や流れで入れられないエピソードもある。けれど、この鋭い一言は、ドラマの作り手が原作の一番大切な部分を深く汲み上げて、誠実に作りあげているということを如実に示すセリフだと思った。※写真はイメージ男子のみがかかる伝染病のために女性が政治と労働を担い、体制変革を経て、既に戦乱の世が数十年前に遠くなった元禄の時代。女将軍の綱吉(仲里依紗)は享楽的な日々を繰り返し、大奥には野心を秘めた公家の右衛門佐(山本耕史)がやってくる。自らの自由の為に権力を求める右衛門佐は、巧妙に綱吉と駆け引きを繰り返し、大奥総取締役の地位を手に入れるのだった。6話では、これまでただ退廃的に見えた綱吉の秘めた苦しみが次第に明らかになる。阿佐ヶ谷姉妹演じる町人達の「お世継ぎがないんだったら親戚の子でももらってくればいいじゃないか」という言葉が、是が非でも直系の血筋で戦乱の芽を摘まねばならないという切迫感の薄れた社会を端的に表していた。そんな社会で、縋るように過去の価値観のままの父・桂昌院(竜雷太)の盲愛と、自身の聡明さの間で綱吉は板挟みになっている。さらに、その危ういバランスは、跡継ぎ娘・松姫の病死で完全に崩れてしまう。自分の手で側室を差配し、大奥を意のままにしようと目論む右衛門佐を「そなたの命など、わたしの心一つじゃ。騙されてやっておるうちが華と思えよ、佐」と厳しく牽制し、主君としてのカリスマ性を見せつけながらも、老いた父の罪悪感に端を発した愚かな政策を、娘として拒みきれない姿が痛々しい。右衛門佐をりつけてから一転、艶然と微笑む仲里依紗と、圧倒されて黙り込む山本耕史のこのシーンは非常に見応えがある。この部分も、生類憐れみの令を求めて桂昌院が駆け込んで来た時に綱吉が学んでいた書物がうち捨てられる部分も、ドラマで追加されたエピソードで効果的な演出だと思う。※写真はイメージ衣食住は満ちている、地位の高い女として大事に扱われている。それなのに、知性よりも前に女としての魅力を求められ、それをくだらないと思いつつも、それでもその価値観から逃げきれない。これは現代でも私たちが見ている何かだという、ぞわっとした感覚があった。次の世継ぎを求めて若い男たちを誘い、毎夜華やかに装う綱吉の姿が美しいほど、冷え冷えとした空しさが画面に満ちていく。そうして自身の内面をぼろぼろに傷つけ、耐え続けた果てが「そうか。これは辱めであったか」という彼女の慟哭(どうこく)であり、「将軍とはな、岡場所で身体を売る男達より卑しい、この国で一番卑しい女のことじゃ」という叫びなのである。それは、どんなに高い地位の人間でも、自分でそれを選んだように見えても、生身の人間が自身の性とそれにまつわる事柄を他人から暴かれ、その結果を勝手に評価されることは、暴力であり、不可逆の被害なのだという強烈な告発である。転じて、それらの目線が持つ加害性の指摘でもあり、私たちはその激しさに息をのむ。※写真はイメージ綱吉が初めて見せる苦しみに、互いの心を通じ合わせたかに見える右衛門佐と綱吉だが、綱吉の苦しみを知ってしまったがゆえに、右衛門佐はもはや彼女との性愛には踏み込めなくなってしまう。この切ない成熟した大人ふたりの愛はどのような結末になるのか。そして原作の通りなら、この先も綱吉にはいくつかの無情な運命がふりかかる。仲里依紗と山本耕史の2人が、どんな深みのある愛を表現してくれるのか、楽しみに待ちたい。なお、6話放送直前に、今作の広報から「NHKドラマとしては初めてインティマシー・コーディネーターを採用して作られている」という旨がアナウンスされている。インティマシー・コーディネーターとは、演技やメンタルケア、性についての専門知識を持ち、俳優の心身をケアしながら性的シーンの撮影に関わる調整役のスタッフである。 #大奥の舞台裏 #大奥 ではNHKで初めて #インティマシー・コーディネーター を導入しました。ヌードやキス、セックスなどインティマシー(親密な)シーンにおいて、制作側の意図を十分に理解した上でそれを的確に俳優に伝え、演じる俳優を身体的・精神的に守りサポートする役割の方です。— ドラマ10「大奥」 (@nhk_oooku) February 13, 2023 今回の大奥のエピソードほど、インティマシー・コーディネーターの存在を得て撮影されたことが、物語の説得力を増す内容はないと思う。演じる側の不安や不快を少しでも減らしていくことが、同時に見る側の私たちの「この撮影、俳優は大丈夫だったのか」という懸念を減らし、より深く物語に没入させてくれる。NHKのこの取り組みに、大きな拍手を送りたい。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年02月17日現在放送中のよしながふみ原作ドラマ「大奥」に、三浦透子、MEGUMI、片桐はいり、岡本玲、當真あみが出演することが分かった。今回発表された5名が出演するのは、2月28日(火)の第8回よりスタートする「8代・徳川吉宗編」。冨永愛が、姉2人が急死したことで藩主に就任し、財政再建に努める徳川吉宗を演じる。『ドライブ・マイ・カー』でヒロインを好演した三浦透子が、吉宗の長女で9代将軍の家重。放送中の「インフォーマ」に出演するMEGUMIが、吉宗の側近・大岡忠相。連続テレビ小説「とと姉ちゃん」「ちむどんどん」に出演した片桐はいりが、赤面疱瘡解決へ尽力する医者・小川笙船。主演映画『茶飲友達』が公開中の岡本玲が家重の小姓頭・大岡忠光。「妻、小学生になる。」『かがみの孤城』の當真あみが、家重を献身的に支える小姓・龍(後の田沼意次)を演じる。ドラマ10「大奥」は毎週火曜日22時~NHK総合にて放送中。(cinemacafe.net)
2023年02月15日男女逆転の江戸パラレルワールドが展開する、よしながふみ原作の人気コミックを実写化したNHKドラマ10「大奥」が好評だ。「なぜ再び、いま?」そんな不安を一瞬で拭い去ってくれたのは、第1回で冨永愛演じる8代将軍・徳川吉宗が登場したときだ。原作から抜け出てきたかのような、強く明確な意志を感じさせる切れ長の瞳、黒衣の姿の風格とカリスマ性。冨永さんほど、駿馬で浜辺を駆ける女将軍・吉宗が似合う人はいない。いつか必要になるかもと「独自で殺陣や乗馬の練習もしていた」という冨永さん。TVドラマ化もされた名君がもし女性だったら…という世界を大正解の形で見せてくれたことに「これは来た!」と確信を得たドラマファンは多いはず。もちろん、各時代の出演者たちもキャリア至上の熱演を見せている。信頼と安心のドラマ10枠よしながふみによる原作は「MELODY」(白泉社)にて2004年から2021年まで連載され、コミックは全19巻に及ぶ。英訳され、フェミニズム漫画でありジェンダーを考える作品として海外からの評価も高い。これまで、2010年10月に映画『大奥』が公開され、2012年にTBS系にてドラマ&映画のWプロジェクトで映像化、ドラマ「大奥~誕生~」として“有功・家光編”が描かれた後、映画『大奥~永遠~』で“右衛門佐・綱吉編”が描かれた。今回は連続テレビ小説「ごちそうさん」や大河ドラマ「おんな城主直虎」などの森下佳子が脚本を手がけ、家光編から物語のラストとなる大政奉還までが初めて映像化。今秋から放送が決定したSeason2にて、8代・吉宗の遺志を継ぎ、若き医師たちが赤面疱瘡撲滅に向けて立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語を描いていく。そして放送枠のドラマ10といえば、2022年4月期から6年ぶりに金曜夜10時から火曜夜10時に戻ってきたが、「セカンドバージン」(2010)をはじめ、近年は「女子的生活」「透明なゆりかご」(2018)、「トクサツガガガ」「これは経費で落ちません!」(2019)など現代社会を生きる様々な女性たちのドラマや、「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」(2021・2022)、「正直不動産」「拾われた男」(2022)など話題作を多数輩出しており、ドラマファンから厚い信頼を寄せられる枠となっている。原作とシンクロ!? 冨永愛×中島裕翔の吉宗公×水野にときめく第1回【8代 徳川吉宗×水野祐之進 編】で描かれたのは、謎の疫病「赤面疱瘡」が蔓延した後の江戸中期。若い男子だけが赤面疱瘡に罹ることから男性の人口は女性の1/4にまで減り、家族や労働の形態をガラリと変えてしまった。男を食べさせるのは女の役目という世界。“お世継ぎ”を生み育てるための大奥も美男3,000人とうわさされる“男女逆転”の場となっている。貧しい旗本の長男・水野祐之進役の中島裕翔(Hey! Say! JUMP)は水のようにスキッとキリッと凜々しく、純粋で気風のいい役柄を好演した。善意で女性たちに“種付け”をして回っている水野は、戦のない太平の世、武家の男子が目指す頂点は「大奥に入って将軍様との子をなすしかない」とうそぶき、幼なじみの町人の娘・お信(白石聖)との未来を諦めて母や姉の幸せのために大奥入りする。この2人の、当時としては許されない身分違いの恋には冒頭から泣かされる。ちなみに2010年の映画版では、二宮和也が水野役を演じていた。一方、紀州徳川家から将軍となり、ド派手な裃(かみしも)をまとった“御鈴廊下”の御中臈たちから千両箱が飛んでいくように見えていたのが、冨永さん演じる吉宗。この国の行く末を一番に考える吉宗は、インフレが止まらず羽振りが良いのは大手の商人ばかりという、まるで現在と同じような状況にある民の暮らしを案じて大胆な倹約政策をとったことで知られる。そんな吉宗は、水野のお人好しで一本気な性格と黒地の流水紋の裃を選んだセンスを気に入り、夜伽(よとぎ)のお相手に選ぶ。御目見以下のときには別世界の出来事のように杉下(風間俊介)の話を聞いていた水野だが、圧倒的威厳を放つ上様を前にしても正直であり続けた姿が印象的だ。冨永愛将軍の初めての相手となった者は“ご内証の方”として打ち首にされるのが“大奥の定法”だったが、吉宗は水野との心からの対話によってその秘めた思いを汲み、町人・進吉という新たな道を用意する。人の道に外れたことはしない、その度量の大きさ、私欲にまみれていた大奥総取締・藤波(片岡愛之助)を「黙りゃ!このタヌキジジイ」と一蹴する姿はまた実に格好よいもの。かと思えば、ときどきこぼれる無邪気な笑顔や御用取次・加納久通(貫地谷しほり)との丁々発止のやりとりのギャップも魅力で、久通の藤波すら恐れない肝の座り方も気持ちがいい。そして、大奥のあり方に疑問を持った吉宗が3代・家光の時代から大奥の成り立ちや様々な出来事を記してきた村瀬正資(石橋蓮司)による「没日録」を読む、という形で時代は遡っていく。堀田真由×福士蒼汰、キャリアを更新する名演!第2回からは、福士蒼汰と堀田真由による【3代 徳川家光・万里小路有功 編】だ。公家出身の僧・有功は春日局(斉藤由貴)より還俗を強いられ、大奥入りすることに。赤面疱瘡で没した家光の身代わりとなった家光の娘・千恵の御中臈とするためだ。眉目麗しい僧侶の姿から一転、まげを結った“お万の方”こと有功の姿で改めて福士さんに見惚れた方も多いだろう。やがて大奥での日々を“修羅道を生き抜く”かのようだと言い表す、聡明かつ高潔にして、柔和で一途な役柄は福士さんにとてもよく似合っている。また、これまでヒロインのライバル役や友人役などで注目され、現在「ゼクシィ」のCMガールも務めている堀田さんは、TBS日曜劇場「危険なビーナス」などで見せたような生意気さや小悪魔的な魅力、生い立ちや過去のトラウマによる暴力性とそれに相反する可憐さなど、まるでプリズムのような家光(千恵)という難役を見事に演じ切った。儚い悲恋を体現した両者の演技は、第1回で魅せられたファンを「大奥」の世界にいっそう引き込ませることに成功した。間違いなく2人にとっての代表作となるはずだ。第5回より家光こと千恵は子を生むためだけに連れてこられ、母も、名前も、女としての身なりも取り上げられた。御中臈たちは、“上様”でありながら「小娘」「じゃじゃ馬」呼ばわりして見下す者ばかり。千恵が第3回で言った「畜生ども」とはもちろん愛猫・若紫に対するものではなく、若い彼女を凌辱した男たちに対するものだ。そんなトラウマを抱えた彼女を、羽衣のような繊細な優しさで包み込んだのが有功だった。有功の前では、千恵として天真爛漫さを見せることができた。公家出身であった有功もまた大奥では見下されていた存在であり、後には男性不妊に関しても公然にされ、代わりの者が次々と想い人である家光こと千恵を抱く、という苦汁をなめる。第5回よりまた、部屋子になった小僧・玉栄(奥智哉)も陰湿な暴力に遭い、有功を守るために自身も暴力に染まってしまうが、有功が信頼して御中臈の役目を託すことができたのは玉栄であればこそ。心から愛し合っていても、体を重ねることは許されない。いわば拷問に近い苦行に有功が平静を保てなくなるシーンでの福士さんの殺気は素晴らしく、取り乱した有功を抱擁する奥さん演じる玉栄の姿までも、傷つき凍えた雛同士が身を寄せ合うかのようだった。第5回よりさらに、自らが経験した嫉妬や羨望、孤独といった負の感情から逃げることなく向き合い、男たちの品性に欠けた言動を目の当たりにしてきた有功が、大奥内での学問や役割分担を徹底していったことも興味深い。なお、今回の「大奥」には仮面ライダーや、戦隊、ウルトラマンなど特撮作品で名を上げた俳優陣が多いことにも注目。「仮面ライダー」出身の福士さんに、奥さん、“お楽の方”を演じる濱尾ノリタカ、“お夏の方”役の押田岳、御中臈・和田役の佐藤祐基ら。角南役の田中幸太朗は戦隊出身で、第1回で水野に大奥を案内した松島役の橋本淳も同様。藤波の寵愛を受ける柏木役は「ウルトラマンタイガ」主演の井上祐貴だった。現代人が共感できるメッセージも赤面疱瘡という人間が太刀打ちできない疫病の流行は、コロナ禍そのもの。状況が一変し、従来の環境・価値観の変化が否応なしに求められるのなら、新しい感性や意見を受け入れ柔軟に対応していかなければ、安心して“お子”を生み育てられる世の中にはならない。徳川の世を存続させるという使命(むしろ枷)のために自分を犠牲にする生き方を強いられた家光(千恵)と有功、春日局、正勝(眞島秀和)たち。多くの犠牲の上に成り立つ太平の世とは、真の平穏なのか?そもそも、家光公の血を引く女子に世継ぎを生ませる策は春日局が考えついたものだが、斉藤さんが演じた鬼気迫る春日局の姿には、それまでどれほどの修羅を生き抜いてきたのか思いを馳せずにはいられない。千恵を案ずれば案ずるほど、「お子をなせば幸せになれる、女とはそういうもの」と刷り込まれてきた価値観の過ちを自覚していたことだろう。第2話より何もかもを奪われ“腹だけを貸せ”とされた千恵の姿には、カナダの作家マーガレット・アトウッドによる「侍女の物語」を映像化した海外ドラマ「ハンドメイズ・テイル」を想起した方もいるかもしれない。そして21世紀のいま、リアルにそう考える者たちがいるのがこの国だ。仲里依紗×山本耕史、曲者同士がバッチバチ!第5回の中盤からは【5代 徳川綱吉・右衛門佐 編】へと時代は移る。同性からも支持される仲里依紗が、華やかな元禄の世にあって“色狂い”と町人たち(阿佐ヶ谷姉妹に!)からうわさされる家光の娘・綱吉を演じる。自らの幸福と快楽を追求する綱吉。その将軍に見初められながら、男女関係よりも権力を望む右衛門佐を演じるのが、曲者を演じさせたら右に出るものはいない山本耕史。第6話より桂昌院(竜雷太)もかつての堅物・玉永から一変(!?)、女性の前では形なしになる様子が描かれ、世の移り変わりを感じずにはいられない。綱吉を思う柳沢吉保(倉科カナ)も加わった人間ドラマの深みも見どころとなるだろう。今後、いっそう濃密になる性描写に対しては、日本初の“インティマシー・コーディネーター”であり「エルピス―希望、あるいは災い―」「サワコ ~それは、果てなき復讐」やNetflix「金魚妻」などに参加してきた浅田智穂さんの存在も重要だ。いま描かれるからこその「大奥」、その奥義には期待しかない。【第9話あらすじ】吉宗は江戸で発生した赤面疱瘡に効くかもしれないとある物を試すも敗北に終わる。責任を感じた水野からの訴えで吉宗は大きな決断を下すことに。それと同時に吉宗を悩ませるのが長女の家重(三浦透子)。家重は体を思うように動かせない苛立ちから周囲を困らせることが多く、新たに家重の小姓となった龍(當真あみ)は将棋であることに気づく…。ドラマ10「大奥」は毎週火曜22時~NHK総合ほかにて放送中。(上原礼子)
2023年02月14日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。名を奪われた女(家光)と、望む未来を捨ててその女に寄り添った男(有功)。互いに小さな焚火のような尊厳を守りあい、愛し合った男女に死別のときが訪れた。ともに太平の世を守るために苦悶の人生を耐えて生きたけれども、世代がぐるりと回った時、そうして守りたかったものの記憶は自身の子孫でも、社会でも薄れていく。史実から考えると、およそ30年強。価値観が変わっていくのにその時間は長いか短いか。でも思えば、私たちも親や祖父母の語る苦労でさえ、どこかふわふわと実感を伴わないものだ。江戸、太平の華やかな時代に、漂うように退廃をまとわせて現れた将軍・綱吉(仲里依紗)の姿にそんなことを思う。ドラマ『大奥』のオリジナルのシーンも男子だけが罹る伝染病で、人口の男女比が不均衡になった架空の江戸時代。三代将軍家光を伝染病で失った春日局(斉藤由貴)は、その唯一の落胤(らくいん)である少女(堀田真由)を拉致してきて家光の身代わりとし、正統な血筋の世継ぎを産ませようと画策する。頑なに子供を産むことを拒む少女に春日局が引き合わせたのは、公家出身の僧侶・万里小路有功(福士蒼汰)だった。望まぬ還俗を強いられ、未来を奪われてもなお慈悲深さを失わない有功との日々で家光は愛情と安らぎを得るが、二人の間に子は出来ず、やむなく家光は他の男との間で子を産む。だが、出産の為に他のどの男と関係を持とうが心は有功にある家光と、愛する女が他の男に抱かれる苦しみから逃れられない有功との間には、細くても埋まることのない悲しい溝が出来てしまっていた。※写真はイメージ死の間際、家光が有功に頼んで身体を寄せ合う場面、そして本当の名前を呼んでほしいと家光がせがむセリフは原作にない、ドラマのオリジナルである。名は人が生きていく尊厳の最後の砦であり、悲しい運命の女将軍はそれを有功の存在で守り通したのだと分かる、素晴らしいシーンだった。「千恵様」と万感の想いを込めた福士蒼汰の表情と声にこみ上げるものがあり、更にそれに「…うん」と小さく頷く堀田真由が、出会った頃のように性別を越えた無垢な笑顔で頷くのを見ていて、思わず声と涙をこらえきれなくなった。※写真はイメージ悲しい人生だが確かな幸せもあったのだと伝わってくる。春日局が有功に還俗を強い『仏をさらった』、その時に望んだ『上様こそこの世で最も救われねばならないひと』という願いを、有功は果たしたのである。ドラマの有功はより人間らしさが溢れていたし、春日局の深みのある烈女ぶりも見事だった。そして、玉栄を演じた奥智哉の愛嬌とバイタリティもまた印象深い。この玉栄の可愛らしさが私たちの記憶に残れば残るほどに、綱吉編は業の深い、やるせないものになるだろう。かくして、家光の死から物語は一気に五代将軍綱吉の時代にとぶ。戦乱の世は遠のき、大奥は絢爛豪華になり、そして江戸の町では庶民が芸能や食事を楽しんでおり、これぞ我々がイメージする『大奥』の世界という高揚感に満ちている。御鈴廊下、しずしずと女将軍に付き従う極彩色の衣装に身を包んだ御台所や御中﨟たち。その中で、権力、美貌、跡継ぎの娘、腹心の部下、世に人が望む全てを持っているかのように見える女将軍・綱吉は倦怠にうんざりしている。大奥での房事に飽き飽きしている綱吉は、かつての愛人で、今は重臣・牧野の夫になっている男を目の前で奪いとり、更に息子まで大奥に召し出して奪ってしまう。奔放な女将軍の欲望で牧野の一家は崩壊し、綱吉の元から去ってしまうが、綱吉には罪悪感の欠片もない。興味深いのは、原作ではここで「成貞は優しうてお母上のようで私は大好きであったに」と綱吉は心底悲しそうに呟くのである。不可解な価値観にも見えるが、もしも貞淑であることが美徳であると教え込まれるのと同じくらいに、性に奔放で貪欲であることが彼女にとってある種の勤めであり、美徳であると教えられて生きれば、そういうことになるのかもしれないとも思うのだった。エピソードを通して、エロスはふんだんにあるがロマンスは見えにくい、怜悧(れいり)だが同じくらい強引な女将軍綱吉は、演じるにあたってもリスクの高い難役だろうと思う。その高い山に挑むのに、怪女優・仲里依紗ほど適任の俳優はいないだろう。早くも京都からやってきた御中﨟(おちゅうろう)の右衛門佐を値踏みするねっとりした視線にはゾクゾクさせられる。その視線を受けるのは『信用ならない男』を演じたら当代随一の山本耕史で、NHK大河や時代劇の常連でもあり、所作の自然な美しさはさすがである。綱吉編は、大奥らしさ全開の政争や情念の駆け引きも楽しく、同時に史実や、赤穂浪士といった歴史上有名なエピソードと物語の縫い合わせ具合が絶妙で、それもまた楽しみな見所といえるだろう。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年02月10日第5回よりスタートする「大奥」<5代・徳川綱吉×右衛門佐編>に、「阿佐ヶ谷姉妹」の2人が出演する。よしながふみの傑作コミック「大奥」を原作にした本作。2月7日の第5回からは、仲里依紗と山本耕史が共演する<5代・徳川綱吉×右衛門佐編>がスタート。「阿佐ヶ谷姉妹」の2人が演じるのは、原作にはないドラマオリジナルキャラクターである、町人のお江(渡辺江里子)とお美(木村美穂)。時代劇初出演となる「阿佐ヶ谷姉妹」は、「緊張しましたが、皆様にとても良くしていただきました。当時江戸の町民で眼鏡をかけられる人はなかなかいなかったそうですが、特別待遇で二人ともかけさせてもらえた事も貴重な経験で。今は掛けやすい眼鏡に進化していて本当にありがたいと思いました」とふり返る。「妹・美穂は『撮影現場でお犬様に会えるかしら』とそればかり。実際その頃の江戸の人々は大変だったはずですが、その当時に思いを馳せるより、お犬様に思いを馳せてソワソワしていました。栃木出身の姉・江里子は、日光でのロケで地元のエキストラの方とのお話に花を咲かせたり…結局のんきな二人でしたが、原作から拝読していた『大奥』に関われてとても光栄です」とそれぞれ感想を明かし、「これからの展開もものすごく楽しみです」と今後の放送に期待を寄せている。ドラマ10「大奥」は毎週火曜日22時~NHK総合にて放送中。(cinemacafe.net)
2023年02月08日『男女が逆転した江戸パラレルワールド』という斬新な設定が注目される、2023年1月10日に放送が開始したドラマ『大奥』(NHK)。同作は、よしながふみさんによる漫画が原作であり、従来の『大奥』シリーズとは異なり、徳川家の将軍が女性となっています。ドラマは3編に分かれており、俳優の堀田真由さんと仲里依紗さん、そしてモデルの冨永愛さんが将軍を演じました。倉科カナの和風美人な『大奥』ショットに反響同年2月7日、俳優の倉科カナさんがInstagramのアカウントに写真を投稿しました。ドラマ『大奥』の『徳川綱吉×右衛門佐編』にて、綱吉から寵愛を受ける、側用人の柳沢吉保を演じた倉科さん。この日の番組放送を前に、倉科さんは撮影時の秘蔵ショットを2枚公開しました。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 倉科カナ(@kanakurashina_official)がシェアした投稿 倉科さんの演じる柳沢は、俳優の山本耕史さんが演じる右衛門佐と対立関係にある登場人物。この写真は、右衛門佐と対峙しているシーンだそうで、倉科さんは凛々しい表情を見せています。2枚目の写真は、メイク直し中に撮影されたものでしょう。演技中でないにもかかわらず、その姿は絵になっていますね。『和風美人』という言葉がぴったりな倉科さんの姿に、多数のコメントや『いいね』が寄せられました。・知的な雰囲気が出ていて、かっこいいい…!本編を見るのが楽しみ!・和服がこんなにも似合うだなんて!いつもとは異なった一面ですね。・う、美しすぎる…。何を着ても似合うのが、すごい。メインの将軍とその相手だけでなく、2人を取り巻く人間関係も魅力である『大奥』。倉科さん演じる柳沢からも、目が離せません![文・構成/grape編集部]
2023年02月07日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。NHKドラマ10『大奥』(火曜22時)の原作、よしながふみの同名漫画は2021年の日本SF大賞を受賞している。時代劇がSFというカテゴリであることに一瞬不思議な気持ちになるが、SFの『科学的な空想に基づいたフィクションである』という説明に基づくなら、男子のみが罹る架空の伝染病が起点となるこの作品は、まぎれもなくSFだ。大きな虚構で読者や視聴者をしっかり包み込むためには、細部のリアリティこそが必須だ。今回4話目、つまり一人の名を奪われた女が、男の偽物ではなく女として将軍の名を継ごうと立ち上がる場面は、この大奥という物語の世界観が成立するための物語の最重要場面である。どんな描き方になるか、楽しみであり少し不安でもあったが、杞憂だった。※写真はイメージもしもおとぎ話なら、不幸な姫と優しい王子が出会い、愛し合うことで物語はめでたしめでたしで終わる。この物語でも、将軍の落し胤(おとしだね)として子供を産むことを強いられた女・家光(堀田真由)と、聖職者として望んでいた未来をくじかれた失意の青年・万里小路有功(福士蒼汰)は出会い、恋に落ちる。しかし物語はその先も残酷に続いていく。深く愛し合いながらも二人は子に恵まれず、徳川政権を維持するため、この国を戦乱の世に戻してはならないという過酷な判断のもとに、家光は有功以外の男を相手にせねばならなくなる。※写真はイメージいずれ共に死のうと誓うほどに互いを想い合う激しい愛情から、他の側室との間に子をなして母になる家光と、ただそれを見守って生きるしかない有功の対比が鮮やかで残酷だ。別離を告げる場面での「死ね、お前など死ね」と激する堀田真由の表情も素晴らしいし、「では…殺して下され」と応える福士蒼汰の、たっぷりと間合いをとった表情のグラデーションは見応え抜群である。しかし母となり政務もこなすようになる家光が、内面に強い芯が出来て愛情も覚悟も揺るぎないものになるのに比べて、有功は悲痛なまでに不安定だ。原作でも有功は柔和な人物だが、今回のドラマ版の有功は、優しい上に体温のある人間くささがあって、それがとても良いと思う。嫉妬に苦しみながらも廊下側には切りつけられない苦悩は原作でも描かれるが、有功をけなげに抱きしめる玉栄(奥智哉哉)とその胸ですすり泣く有功は、ドラマのオリジナルである。※写真はイメージその上で、有功が聖職者になろうとしていた青年であること、その素養が大奥での暮らしでも損なわれずに内面に残っていることがドラマでは繰り返し描かれている。ただひとり、愛する女への純粋な愛情と嫉妬の間で不安定に揺れ続ける有功の人生は、他人のケアをすることで、利他という杖を得てようやく安定する。そして病に倒れた春日局(斉藤由貴)の最後の懺悔を聞き、彼女の秘めた悔いも詫びも引き取って看取るのである。懺悔の中で春日局が呟く「あの日わしは、仏をさらってきたのじゃ」は原作にないセリフだが、このドラマの春日局の複雑で魅力ある人物像を端的に表現したものだと思う。誰よりも苛烈で誰よりも甘い。その春日局のありようを脚本は『母』だと表現する。より多数の幸福のために集団を維持し、時に個をすり潰すことすら良しとする苛烈さは女将軍の家光に。弱き者に手を差し伸べ、人が生きる苦しみに寄り添う慈愛は有功に。その二面性は、人が集団で生きていく社会の機能そのもののようだ。※写真はイメージ原作では江戸城の大奥の物語だけでなく、伝染病により変質していく市井の人々の生活が差し挟まれるように描かれ、それが男女の権力構造が逆転していく描写に独特のリアリティを与えている。ドラマでは描かないその部分をどう補うか。作り手は、残虐な時代を生き抜いた春日局の愛情と執念、そして母となった女将軍の、いずれ滅ぶとしても足掻いて子の世代に少しでもベターな社会を残したいと願う覚悟を描きこむことで、男女が逆転する大奥という『大いなる虚構』に説得力を持たせた。大奥という場所が今後どのように変転していくのか、そして家光と有功の愛はどのような決着になるのか。それは次回を待つことになる。そして次の将軍・綱吉の話が始まる。綱吉編は『大奥』というパブリックイメージに最も近い華やかなエピソードだと思う。くせ者揃いの配役といい、今から楽しみである。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年02月03日ドラマ「大奥」第5回から始まる、5代・徳川綱吉×右衛門佐編に出演する新たなキャストが3名発表された。3代将軍・家光の時代から幕末・大政奉還にいたるまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描く、よしながふみの同名コミックをドラマ化した本作。2月7日(火)から始まる5代・徳川綱吉×右衛門佐編では、仲里依紗が徳川綱吉、山本耕史が右衛門佐を演じる。今回新たに、放送中の「しょうもない僕らの恋愛論」にも出演する本多力が、公家出身で綱吉の御台所・鷹司信平。「渡る世間は鬼ばかり」シリーズの徳重聡が、綱吉の側室で世継ぎである松姫の父・伝兵衛役orお伝の方。「仮面ライダーゼロワン」の中川大輔が、鷹司信平付きの中臈であったが、右衛門佐の部屋子となる秋本を演じることが決定した。ドラマ10「大奥」は毎週火曜日22時~NHK総合にて放送中。(cinemacafe.net)
2023年01月31日NHKドラマ10「大奥」について、出演者の冨永愛、風間俊介、脚本の森下佳子、書評家・翻訳家の大森望がその魅力を語り尽くす「私の大奥語り」が、2月5日(日)に放送されることになった。福士蒼汰、堀田真由、斉藤由貴らが出演する<家光×有功編>がクライマックスを迎える、よしながふみ原作の大人気漫画をドラマ化したドラマ10「大奥」。今回の番組では、原作ファン4人が作品の魅力を語り尽くす。まず、それぞれが挙げるのは“男女逆転”の世界でありながら、リアリティがあること。ドラマで徳川吉宗を演じている冨永さんは「最初は違和感があったんですけど、すぐそれがしっくりくる。その時代の実際のできごとがきちんと盛り込まれていて、本当にこうだったんじゃないかなって思えてくる」と語る。冨永愛そして、杉下を演じている風間さんは「フィクションでありファンタジーなんですけれど、自分たちが学んできた歴史よりもこちらのほうがいいんじゃないかって思わせる、そんな力があるんですよ」と話す。風間俊介ドラマ10の脚本を担当した森下さんは作品の魅力について、「よしながさんの描くキャラクターはすごく緻密で血肉が通っている。いろんな人の多様な愛の形が描かれているのが魅力の一つ」と語る。森下佳子書評家・翻訳家の大森さんは「歴史を知っているかにも関わらず、普遍性があり、どこの国にも共通する問題を描いているので日本人しか楽しめないということは全くない。世界で受け入れられる作品」と話し、海外でも賞を受賞した原作の普遍的な魅力があるという。大森望キャストたちも熱く語る、好きな登場人物、印象に残る人物にも注目だ。「私の大奥語り」は2月5日(日)17時30分~NHK総合にて放送。ドラマ10「大奥」は毎週火曜22時~NHK総合ほかで放送中。(text:cinemacafe.net)
2023年01月31日2月7日(火)より放送開始となるドラマ「大奥」5代・徳川綱吉×右衛門佐編に、倉科カナが出演することが分かった。現在放送中の「大奥」は、よしながふみの同名コミックを原作に、3代将軍・家光の時代から幕末・大政奉還にいたるまでをドラマ化。放送を控える5代・徳川綱吉×右衛門佐編は、仲里依紗が徳川綱吉、山本耕史が右衛門佐を演じる。倉科さんが演じるのは、綱吉への忠誠心を誰よりも強く持つ美しき側用人・柳沢吉保。倉科さんは「吉保の静かに蠢く感情、深い愛、愛ゆえの憎悪、演じていてとても苦しく、最後の最後までもやはり虚しくて」と演じた感想を語りつつ、「でも、その抱えているもの全てを表面に出さず、ただただ寄り添い見つめている吉保の気高い姿。表立って華やかな役柄ではないですが、ぜひ吉保の愛の行き着く先へも注目していただけたら嬉しいです」とコメントしている。ドラマ10「大奥」は毎週火曜日22時~NHK総合にて放送中。(cinemacafe.net)
2023年01月30日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。よしながふみ原作の『大奥』1巻は、丸々一冊、導入としての吉宗編である。今回のドラマの初回同様に、爽快な展開かつ吉宗(冨永愛)の魅力的なキャラクターで一気に読者を引っ張り込む。だが2巻が刊行されて読んだ時、これは男女が逆転しているから視点が面白いとか、思考実験として刺激的だとか、そういう単純なものじゃないとぞわっとしたのを思い出す。これは閉塞された環境で引き起こされる人間のあらゆる業の物語で、現代に通じる普遍的な痛みと、その解放を模索する物語だと。今回のNHKドラマ10での『大奥』映像化もまた、その原作の持つ深みを裏切らない誠実さで製作されていることを3話で確信した。堀田真由の演技が光る前回の2話では万里小路有功を演じる福士蒼汰の魅力が特に光ったが、3話では堀田真由演じる家光の演技に目を奪われた。【『大奥』感想2話】福士蒼汰が演じる憂いの絶妙堀田真由といえばヒロインの友人であったり姉妹であったり、様々な役を出すぎず引きすぎず、きっちり演じる職人肌の女優というイメージがあった。だが今回、人生を奪われて、ただ血筋を残すための生を強いられている少女の哀しみを複雑な緩急をつけて演じきっている。男女の性別どちらもあるというよりも、どちらの色もない透明感で、1人の人間として尊厳を奪われたものの痛みと怒りに満ちていた。家光と有功のかわいがっていた猫の死を契機に、2人のひとときの穏やかな日々は一気に緊張感をはらむことになる。死んだ存在に対して経を唱え弔うことが、哀しみの淵から日常への回帰を促すと語る有功に、「これまで穏やかな日常など一度たりともなかった者には回帰する先などない」と少女は激する。自分に降りかかる理不尽な運命を他者への暴力に転化するより他に逃げ道を見いだせない少女に苛立ちながらも、有功もまた自分の中に理不尽な運命への怒りが消えずにあり、それが『八つ当たり』という形で共鳴を起こしたと自覚する。決別しようとする間際、少女の過酷な経験を知らされた有功は、彼女の壮絶な過去の痛みや怒りを包み込んで、この閉ざされた大奥という空間で共に生きることを選ぶのだった。※写真はイメージ今回、ごく狭い範囲に閉鎖されて、未来の選択を奪われた人々が、それぞれどんな形で逃避し、生きる道を選び取るのかが興味深い。家光の側室候補の男たちのように、序列にこだわり自分より弱い者を見下そうとする者。玉栄のように、大切な存在を守ろうと奔走して自らを奮い立たせる者。そして有功のように、慈愛と赦しで自分が今ここにある意味を求める者。少女の無理矢理切られた髪と奪われた本当の名前は、傷つけられた身体と魂の尊厳の象徴であった。彼女が奪われてしまった長い髪を自らが身につけ、似合わぬ姿を恥じずに晒すことで有功は彼女の心身の傷に共感しようとする。千恵という本当の名で呼びかけることで、彼女に尊厳の灯火をともす。互いの傷ついた魂を寄せ合い結ばれた2人を、その幸福な時間を今はただ見守っていたいと思う。今回の最後で春日局(斉藤由貴)が有功に宣告し、次回予告でも仄めかされた通りに、人の業をこれでもかと描きこむこの名作は、そんな「めでたしめでたし」を簡単には許してはくれないのだが。ちなみに終盤にちらりと出てくる吉宗と村瀬のやりとりで、村瀬が記録に書きこんだ「それは二羽の傷つき凍えた雛が、互いに身を寄せあうがごとき恋」の一文は、2人が固く抱擁しあう、原作全体を通しても名場面中の名場面の美しいト書きである。※写真はイメージ映像化にあたり、セリフとして差し込むことは難しくても、何とかどこかで視聴者に伝えたいと制作が願ってくれたものだと思う。今回のドラマ化にあたって、御右筆の村瀬(岡山天音)は、原作よりユーモラスで魅力的な人物として描かれている。「これでは記録というより読み物ではないか」とロマンチックな文章に半ば呆れる吉宗相手に、へへっと照れ笑いする老いた村瀬(石橋蓮司)の様子が岡山天音の若い村瀬に重なり、思わず笑ってしまった。世代も、本来なら容姿も違うはずの俳優ふたりが、ぴたりと一本の線に重なる妙味である。そんな村瀬老人を見ながら、閉鎖されて未来の見えない集団の中で自らを保ち生き抜く手段として「傍観して目前の物語を楽しみつくす」というのも、中々に有効な手段かもしれないな、と思うのだった。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年01月27日