人口の9割が「定型発達症候群」!?NHKが発達障害プロジェクトをスタート「およそ20年前に、アメリカの研究所が残した報告から、全人口の9割以上がある深刻な症状にあることが判明しました。」Upload By 発達ナビニュースとあるニュース番組で、キャスターが紹介した「衝撃のレポート」以下のチェック項目に一つでも当てはまったら、人間関係に深刻な問題を引き起こしかねない、「定型発達症候群」の可能性があるというのです。・暇な時はなるべく誰かと一緒に過ごしたい・集団の和を乱す人を許せない・社会の慣習にはまず従うべきだ・はっきりと本音を言うことが苦手・必要なら平気でウソをつけるUpload By 発達ナビニュース…実はこれは、NHKが制作した架空のニュース動画なんです。NHKが2017年5月から1年をかけて展開する、「発達障害プロジェクト」のページ上で公開されています。Upload By 発達ナビニュース「発達障害プロジェクト」「定型発達症候群」という言葉にびっくりした人もいるかもしれませんが、これは、医学上の病名でも、公式に定められた障害の名前でもありません。1998年、発達障害のひとつASD(自閉スペクトラム症)と診断された海外の一般女性が、ASDに関するさまざまな報道への皮肉の意味で「創作」した言葉が発端であると言われています(諸説あり)。「定型発達」とは、発達障害と対比して、心身の発達が「定型(平均的)」という意味で、「発達障害ではない人」をさす言葉として用いられます。つまり「定型発達症候群」とは、発達障害の人から、いわゆる「普通の人」を見た視点です。でも、「普通」ってそもそもなんでしょうか?全人口の大半の人が定型的(平均的)に感じているから「フツウ」?それじゃあ、違った感じ方をしている人は「フツウ」ではないの?そんな問題提起の意味も込めて、冒頭の架空のニュース動画はつくられました。NHKの発達障害プロジェクトでは、これまで当たり前に考えられてきた「普通」の概念にとらわれず、発達障害のある人々の感じ方・考え方を様々な角度から紹介していくことで、発達障害のあるなしに関わらず、一人ひとりの多様な感じ方や生き方への理解の促進をめざしていきます。NHKスペシャル、あさイチ、ハートネットTVをはじめ、番組横断で、継続的に発達障害を取り上げていくことが今回のプロジェクトの特徴です。知ってるようで知らない発達障害のこと、みんなの投稿で“トリセツ”をつくろうUpload By 発達ナビニュース生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)によって、社会生活に困難が発生する発達障害。「なんとなくは知っているけど、結局どういうことかわからない」「漠然としたイメージはあるけど、何に困っているのかわからない」という方も少なくないのではないでしょうか。プロジェクトページでは、「この際、はっきり知っておきませんか?」という呼びかけと共に、発達障害の定義や特徴、困りごとなどが、イラスト付きでわかりやすく紹介されています。コンテンツ監修は、LITALICO発達ナビの監修も務める、鳥取大学大学院の井上雅彦教授です。また、「みんなで作る発達障害の“トリセツ”」と題したコーナーでは、日常生活の様々な場面での困りごとや対応策を、発達障害の当事者やその家族、学校や職場などの周囲の人々の投稿を通して集め、公開していく企画もスタート。「生活・暮らし」「対人関係」「学校・職場」と、大きく3つのカテゴリーの中で、様々なテーマに対するみなさんの投稿を募集しています。サイトオープン時の2017年5月16日現在では、事前に集めた投稿の中から「聴覚過敏」に関するエピソードを18件公開しています。以下のリンクの投稿フォームから、それぞれのテーマに対する体験談を随時投稿することができます。Upload By 発達ナビニュースみんなで作る発達障害の"トリセツ"投稿フォーム5/21(日)21:00から「NHKスペシャル」で生放送特集!Upload By 発達ナビニューススペシャル, 「発達障害 ~解明される未知の世界~ (仮)」ウェブ上のプロジェクトページと連動して、NHKの様々な番組で、継続的・多角的に発達障害について取り上げていくのが、今回のプロジェクトの特徴。テレビ特集の第1弾は、NHKスペシャル「発達障害 ~解明される未知の世界~ (仮)」。初回放送は、2017年5月21日(日) 午後9時00分~9時59分です。これまで、主に社会性やコミュニケーションに問題がある障害として知られてきた発達障害ですが、最新の脳科学研究や当事者への聞き取りにより、生まれつき、独特の「世界の見え方・聞こえ方」をしているケースが多いことがわかってきました。多くの人にとっては何でもない日常空間が、耐えられないほどまぶしく見えたり、小さな物音が大音量に聞こえてパニックになったり…NHKスペシャルでは、こうした発達障害当事者の方々の独特の感覚・認知や、それによって生じる生きづらさを映像を通して再現し、「目に見えにくい」障害の実態を伝えることに挑戦します。番組中では、大阪大学と東京大学が共同研究・開発した「自閉症知覚シミュレータ」も登場。発達ナビでは、当事者やご家族の方をお招きしての体験会兼取材・撮影に協力しました。今回のNHKスペシャルの最大の特徴は、生放送・リアルタイムで視聴者からのコメントを紹介しながら展開していくこと。たとえ同じ診断名でも、一人一人の特性や感じ方は、本当に様々です。十把一絡げに「発達障害」をまとめてしまうのではなく、一人一人の多様な暮らしぶりや思いを紹介していくことこそが、発達障害への理解・関心を広げていく上で大切だという趣旨からの企画だそうです。ご自分の経験について伝えたい思いやご経験、発達障害に対する疑問や悩みがある方は、ぜひ以下のメールフォームからご投稿ください。スペシャル, 発達障害特集メール投稿フォームUpload By 発達ナビニュース 「発達障害プロジェクト」また、NHKスペシャルの生放送終了直後から、「発達障害プロジェクト」ページ上でライブストリーミングが始まり、番組のアフタートークが催されるようです。ここでは、生放送中に紹介し切れなかった視聴者からの投稿を追加で紹介していくとのこと。あなたの投稿も紹介されるかも…!?発達ナビTwitterでNHKスペシャル&アフタートークを実況中継!発達ナビ編集部では、5/21(日)21:00からのNHKスペシャル及びアフタートークを実況中継予定!Twitterをご利用の方は、ハッシュタグ #NHKスペシャル #発達障害 でぜひ感想をご投稿ください。番組前の予習に、発達ナビの関連記事はこちら!プレスルーム: 5月21日(日)放送 NHKスペシャル「発達障害~解明される未知の世界~」の制作にLITALICOが協力しました。
2017年05月17日子供おばさんは、自分が幸せになると怖くなります。幸せになることに慣れていないからです。だから、幸せなことがあると自ら墓穴を掘るようなことをしてしまい、悪い結果になると「やっぱりそう簡単に幸せになんてなれるものではないのよね」なんて、心のどこかで安心します。まさに、“不幸体質”です。大人女子は、幸せを素直に受け取り、喜びます。子供おばさんのように、「幸せが起こったから、次は悪いことが起こる」なんて不安がりません。その代わり、“あること”をします。それをするからこそ、幸せが持続することもあるのです。大人女子が幸せになったらすること大人女子は、自分にいいことが起こった分、人にも幸せを与えます。自分が幸せな分、精神的にも余裕があるので、人を幸せにするための行動ができるのです。その結果、周りの人からも感謝され、彼女の幸せはずっと持続します。結局、自分が幸せな時は、神様から「人を幸せにできる環境を与えられている」とも言えるのです。逆を言えば、幸せを独り占めしたり、SNSなどで幸せ自慢ばかりしていたら、周りの人から嫉妬をされ、あっという間に幸せを奪われることになるでしょう。幸せになることは悪いことではありません。でも、一人だけ幸せでいて、優越感に浸るのはいいことではありません。人が幸せになるのは、単なる偶然ではなく、間接的なことであれ、周りの人からの支えがあってのことだからです。よく「幸せ過ぎて怖い」なんて言う人がいますが、怖がる必要はありません。自分が幸せになった分、人のことも幸せにすることができたら、「人を幸せにするための力を得たのだ」と思えるので、もう怖がらなくても済むのではないのでしょうか?人を幸せにできる行動って?中には、「私は人のことなんて幸せにできない」と思う人もいるでしょう。人を幸せにするのに、そんな難しいことをする必要はありません。例えば、・笑顔で人と接する。・相手の話をよく聞いてあげる。・相手を応援してあげる。・相手の素敵なところを褒めてあげる(※お世辞ではなく)など、これらのことをするだけでも相手は随分、救われるはずです。逆にお節介を焼きすぎると、「ありがた迷惑」になりかねないので、相手の気持ちに沿って、必要以上のことはしないことも重要です。曇っていた相手の表情が晴れてくると、自分もさらに幸せな気持ちになってくるでしょう。結局、人は、自分1人だけで味わう幸せなんて限られているもの。自分も人も幸せになることで、幸せは倍増するのです。だから、いいことがあったときは、自分1人で幸せを独り占めしたり、「幸せ過ぎて怖い」なんて不安がったりしないで、どんどん周りの人を幸せにしてあげましょうね。それが、幸せが続く秘訣ですよ!・子供おばさん…幸せなことが起こると怖くなり、墓穴を掘るような行動をして、不幸になる。・大人女子…幸せなことが起こると、周りの人に幸せのおすそ分けをし、さらに幸せになる。
2017年05月16日子供おばさんは、自分の“幸せの形”を決めつけます。もちろん、叶えたい夢を持つこと、そして、その夢が現実するのを願うことは大切です。でも、「こうでなくては、幸せになれない」と思い込むのは違います。自分の“幸せの形”を決めつけてしまうと、それが叶わなかったときには、不幸な人になってしまいます。でも実際は、夢がかなえられなくても、新たな幸せを手に入れることはできるのです。もしかしたら、その新たな幸せの方が、自分には合っていることもあるのです。「私はこうなることで、幸せになるのだ」と思い込み過ぎてしまうと、恋愛でも支障をきたすことがあります。もちろん交際中は、「自分にふさわしい相手は、彼しかいない!」と思うことは、ある意味、大切なことです。でも、別れてしまってもそう思い込んでしまうと、相手に執着したり、本当に縁のある相手が目の前に表れても気付かなかったりしてしまうでしょう。それでは、本当の幸せを手に入れられないかもしれません。それは、婚活女性にも言えることです。婚活中の子供おばさんは、「結婚しないと幸せになれない」と思い込んでいます。もちろん「結婚をしたい」と思うことは大事なことですが、結婚しないと幸せになれないわけではありません。結婚しなければ、しなかったで、自分に合った幸せがそこにはあるかもしれないですしね。その場合は、家庭に縛られないし、いつでも恋愛ができる自由もあります。もしかしたら、自分は結婚するよりも、独身でいた方が、幸せでいられることだってあるのです。大人女子は、幸せにも柔軟性がある大人女子は、叶えたい夢は持っていますが、それと同時に、新たな幸せを手に入れられる柔軟性も持っています。それは、「自分が思い込んでいる幸せが、必ずしもベストではないかもしれないこと」、「もっと未知なる幸せが存在するかもしれないこと」を知っているからです。自分が見ている世界なんて、狭いものです。だから、自分の限られた経験と知識だけで、自分の幸せを決めつけてしまうのはもったいないことです。以前、ある人気のお笑い芸人さんをインタビューしていたときに、こんなことをおっしゃっていました。「『自分がやりたい』云々よりも、人が自分を見て、『これをやってみたらどうだ?』と言ってくれたことを大切にしています。だから、いただいた仕事を一生懸命やります」と。その方は芸人の枠を超えて、MCとしても、俳優としてもご活躍されています。柔軟性を持っているからこそ、自分では想像もつかなかったような成功を手に入れられることだってあるのです。幸せの可能性は無限大です。決めつけないで、柔軟性を持って、幸せになりたいものですね。・子供おばさん…「こうでなければ、幸せになれない」と思い込み、自分の“幸せの形”を限定してしまう。・大人女子…叶えたい夢を抱きつつも、それとは違う幸せも手に入れられる柔軟性がある。
2017年05月02日私って発達障害?気づいたのは42歳の時でした。出典 : 子どもの発達障害の場合、まず親や周りが気づいて、子ども自身は何の検査をされているのかわからないまま、診断を受けることが多いと思います。診断を聞くのも受け入れるのもまず親で、そこからタイミングを図って告知するというのがよく見られる流れではないでしょうか。それに比べて大人の場合は、仕事や日常生活で「なんだか変だな。どうしてうまくいかないのだろう?ひょっとして『私って発達障害?』」と疑ったうえで、自分の意志で検査を受けることが多いと思います。私は娘がアスペルガー症候群と診断されてから2年後、42歳の時にコンビニでのバイト中にパニックを起こしたのがきっかけで、発達診断を受けることになりました。しかし、その結果を受け止め、自身のことを理解するまでの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。9年の付き合いの主治医の診断は・・・出典 : 当時の主治医は、それまで9年にわたって私を診察してきてくれた精神科の先生でした。でも、その主治医は発達検査の結果を見て「うーん、ヨーコさんが発達障害とは思えないんだけどなぁ」と言うだけでした。このままじゃらちが明かないと思った私は、同じ病院内にいる娘の主治医に事情を話して、検査結果を見てもらいました。ざっと目を通した先生は「ああ、アスペルガー症候群ですね」と言いました。その後、私の特性も説明してくれてとても納得したのですが、それを主治医に伝えても「そうかなぁ?」とまだ納得できない様子。私の主治医の先生は発達障害には詳しくない様子で、長い付き合いの間でも先生の口から「発達障害」という言葉を聞いたことがありませんでした。だから、今まで長い間見てきて私の様子から「発達障害とは思えない」と言ったのではないかと思っています。私はあきらめずに先生やカウンセラーに「こんな困りごとがあってずっと苦しかった」、「娘が診断を受けたときの説明がそのまま私に当てはまる」と訴え続けました。そして「精神障害者手帳を取りたい」と先生にお願いしたのです。その時出してもらった診断書を見ると「広汎性発達障害」という診断名が記載されていました。こうして私は診断書を得るところまでこぎ着けることができました。しかし私は、ちゃんとした診断の上で広汎性発達障害と言われたのか疑問を抱くことになりました。それは診断が出たとはいえ、発達障害に詳しくない先生からの診断であることと、半ば無理やり勝ち取った診断のように感じられたからです。私が「ちゃんとした診断」を求めたわけ出典 : ひとまず診断を受けた私は、仕事を辞め、障害者福祉を受けながら暮らしていく道を選ぶことにしました。そんなときに、相談支援員から気になる話を聞きました。ある病院に発達障害に詳しい医師がいて、その病院で発達検査を受けたら、ものすごく詳細な所見をもらえて、説明の時も自分の特性や向いている職業まで教えてくれるらしいというのです。私はその"完璧"とも言える診断にひどく心惹かれました。「広汎性発達障害」の診断は出ていたものの、改めて発達障害に詳しい医師にきちんと診てほしいと思っていたからです。それは、「あなたはこういう人ですよ」という自分に関する説明書が欲しかったからでもあります。それまでの人生は謎だらけでした。どうしてみんなのように友達と打ち解けて遊ぶことができるのか、どうして他の人は分からないことは適当にしておいたまま勉強していい成績をとれるのか。社会に出てからは、なぜ他の人は会社の方針に溶け込んで洗脳されたようにふるまえるのか、なぜ自分はみんなと同じように仕事ができないのか、なぜミスばかり繰り返してしまうのか…。私はなぜ、他の人と同じようにできないのかと何度何度も悩んだのです。ずっと苦しかった。ずっとさみしかった。その診断があれば、今までの謎が解けてこれからの人生が開けるかもしれないと思ったのです。そして、期待に満ちあふれてその病院に転院することしたのです。「こんなことまで聞かれるの!?」驚きながらも、その専門性に感動!出典 : その病院は今までとは違うところばかりでした。事前に渡される問診票では、ハイハイした月齢や喋りだした月齢など乳幼児期の様子も事細かく聞いてきます。「人の臭いや物の臭い、ものの見え方や感触や音に極端な興味を持つことが、これまでにありましたか?」など、0歳から5歳くらいまでの成育歴の質問が多いので、親に見せて聞きながら回答を書きこみました。病院に問診票を持っていくと、それを見ながら「何か好きな素材や逆にこれは受け付けないというものはありましたか?」「学校では得意・苦手な教科は何でしたか?」「忘れ物は多かったですか?」「臭いや光、味に敏感ですか?」「仲の良い友達はいますか」など次々と追加の質問を受けました。その答えを聞いた先生は納得したように頷き「今ついている診断で間違いないでしょう。それに加えて注意欠陥障害もあるでしょうね」と言われました。この診察に私は感銘を受けました。というのは、質問は自閉症の子どもに特有の症状について的確に尋ねられており、追加の質問でも問診の答えを確かめるように進めてゆくことが分かり、先生の専門性の高さに感心したからです。ただ正式な発達検査を受けることはできませんでした。これは発達検査に使われるWAIS-Ⅲは、一度受けたら次は2年間は空けなければいけない決まりがあるためです。療育手帳取得挑戦の際にすでにWAIS-Ⅲを受けたことがあった私は、この2年間のインターバルが経過していなかったのです。それでもなお、憧れの診断にこだわる私に、ソーシャルワーカーはこう言いました。「とことん気になる、知りたがるというのは、生きづらさにつながるアスペルガーの特性からきてると思う。憧れの診断書が手に入らなかったら次に何が欲しいの?」その問いは、私が医療に何を求めているのかを問うものでした。自分の説明書はやっぱり欲しいけれど、2年待たなければならないのはどうしようもない。その現実をこの問いで突きつけられたのです。このとき初めて前を向いて、いま困っていることを何とかしてもらうことが大事だと思うことができました。その上で私の答えは「今の心のしんどさをやわらげてほしい。発達障害であるという視点から二次障害の精神症状やうつの治療もしっかりしてほしい」でした。こうして、先生の専門性を信じてその病院に通い続けることを決めました。自分の特徴を知ることで、今までの謎が解けてゆくように出典 : 今は二次障害である精神症状やうつの治療を受けつつ、自分の困りごとの原因は何なのか、先生の解説で謎が解けていっている感じです。そして生きづらさの解消のため、それまで飲んでいた薬は大幅に見直され、ADHDの治療薬のストラテラを服用することに。新しい主治医を始め、ソーシャルワーカーなど理解ある人に関わってもらっているおかげで、自分の特性が生活や仕事のどんなところに影響を与えているのが理解することができるようになってきたのです。自身の弱点や、疲れ切ってキレてしまう前の予兆なども分かるようになり、意識して自分をコントロールすることできるようになったと感じています。診断を生かしていくために出典 : 発達障害の診断を受けたら、具体的な自分の特性をじっくりと説明してもらうことをお勧めします。そうすることで、今までの生きづらさの理由が氷解し、自分の特徴をしっかりと理解することができるはずです。その上で、医療や福祉の支援を受けて理解者・支援者を増やし、困っているときは助けてもらうことができれば、自分の直面した困難にくじけてしまうことも防げるはずです。繰り返しになりますが大切なのは、診断を受けっぱなしで終りではなく、自分の特徴を知り、より自分をコントロールできるようになることです。診断を受け、なにが自分の生きづらさを作っているのか。自分で工夫できるところはあるのか。どんなサポートを受けたらいいのか。それを知ることが、生きづらさの解消につながるのではないでしょうか。
2017年04月28日よく聞く、「小学校は別世界」という言葉出典 : 発達障害のある子どもを育てている親にとって、小学校入学というステージはとても不安なものだと思います。それまで楽しく遊んでいれば良かった幼稚園・保育園の頃と違い、学習という活動がメインとなるのが大きな理由でしょう。また、幼稚園や保育園では手厚い支援をしてもらい、とにかく褒めて育ててもらえていた状態だったお子さんにとって、集団のルールを守ることに重きが置かれている小学校では、息苦しさを感じることが多いのです。幼稚園・保育園ではのびのび楽しくやっていたのに、小学校に入ってから急に自信を失うようになって…というようなお話を、私は幾度となく発達障害児の保護者から聞いてきました。ですから、発達障害のある息子の小学校入学は私にとって緊張感が漂うものでもあったのです。今のところ、息子は小学校の先生たちに手厚く支援していただいているおかげで、毎日楽しく通っています。けれどもやはり、小学校生活のさまざまなことで混乱をしている様子。それは、幼稚園時代にはなかったことでした。トイレに行ってはいけない!?息子の混乱例えば、小学校から帰ってきた息子が、こんな相談をしてきたことがあります。「今日ね、授業中におしっこもらしそうになって。先生にトイレ行きたいです!って言ったんだ。そしたらね…」Upload By モビゾウ「『小学校ではトイレは休み時間に済ませましょう』って先生に言われたの。それなのにね…」Upload By モビゾウ「先生は休み時間に済ませましょうって言ったのに、『はい、じゃあ行ってらっしゃい』って言われたんだよ。意味が分からないでしょう?」なるほど、先生は「本当は休み時間に済ませるのがルールだけど、今日は特別に行ってもいいよ」ということを言いたかったのでしょう。けれども息子は、この「今日は特別に」という部分が先生の言葉から読み取れないのです。先生の言葉をそのまま理解するため、「行ってはいけない」「はい、行ってらっしゃい」という言葉を同時に言われたことに混乱してしまったのでした。Upload By モビゾウさらに息子は、「小学校ではトイレは休憩時間に済ませるってことは、授業中にお腹痛くなったり気持ち悪くなったりしてもトイレに行っちゃいけないのかあ。どうしようどうしよう。お腹痛くなったらどうしよう」と悩み始めたのです。息子の発達障害の特性の一つなのですが、言外の意味を読み取るのが苦手なだけではなく、思考が0か100の両極端に偏りやすいのです。息子は「トイレは休み時間に済ませましょう」という先生の一言を、「具合が悪くても、何があっても、授業中のトイレは我慢しなければならない」という風に、極端な形で解釈してしまうのでした。無数にある集団生活のルール。それを把握することの困難さ出典 : このように、小学校には集団生活を円滑に送るための無数のルールが散らばっています。さらに、そのルールには例外や変更が沢山あるのですが、発達障害児にはそれを把握することがなかなか難しいのですのびのび遊ぶこと、褒められることがメインだった幼稚園時代に比べて、小学校に入ると「こういうルールがあるからダメ」ということが増えていきます。発達障害児は、なんとなく周りとうまくやれる程度にルールを把握するということが苦手です。小学校が別世界というのはこういうことだったんだな、と毎日混乱する息子を見ながら、私もなんとなく理解できたのでした。
2017年04月20日子供おばさんは、不毛な恋愛をしていても、ブラック企業で働いていても、耐えながら続けてしまいます。なぜなら、「自分が変わること」を恐れているからです。逆に大人女子は、「このままでは自分は幸せになれない」と思うと、変わろうとします。不毛な恋愛をしていたら、別れを選んだり、働いている会社がブラック企業だったら、転職も試みたりします。結果、不幸な状況から抜け出し、自分が心地よい環境を得ることができるのです。「諸行無常」というように、物事は常に変化しています。月日と共に環境はどんどん変わっていきますし、自分自身も何も変わっていないようで、少なくとも若さは失っていきます。だから、何もしないでいると、状況がそのままどころか、悪化してしまうことが多いのです。不毛な恋愛を続けていると、だんだん若いとは言えない年齢になり、新しい恋をつかむチャンスが得られにくくなってくることもあります。また、低賃金でハードスケジュールのブラック企業に勤め続けることで、疲労とストレスが蓄積し、心身ともに病気になってしまうことだってあるでしょう。そんなとき、子供おばさんは自分が幸せではない理由を、人や環境のせいにしがちです。「私を弄んだ彼が悪い」「過重労働をさせた会社のせいだ」と。そこには、“そこから抜け出そうとしなかった自分”への懺悔はありません。反省をすることもないから、その後も「変わろう!」と思う可能性は低く、ただただ被害者の気分になって、自分の置かれた不運な環境を嘆いたまま年を重ねていくのです。すでに目の前にチャンスはある!幸せになるためには、もちろん運やご縁もあるかもしれませんが、それだけではなく行動力が必要です。例えば、「引き寄せの法則」を信じて、幸せになれる妄想をしても、縁結びのご利益のある神社に行って、神頼みをしても、いざ、目の前にチャンスが表れたときに、きちんと掴める自分でいなければ何もなりません。また、そのチャンスというのは、なにもしないでも手に入る“棚ぼた式の幸福”ばかりを指しているわけではありません。チャンスには大きいものもあれば、小さなものもあります。どんなに小さなチャンスであっても、きちんと生かせる自分でいることが重要です。言うなれば、親が決めた許嫁がいるわけではない環境にいて、また職業選択の自由がある日本に住んでいる時点で、チャンスは与えられているのです。今、あなたは、自分の目の前にあるあるチャンスを、きちんと理解していますか?ということなのです。今、無人島にいるわけではなく、探せば独身の異性はいるということは、すでにチャンスはあるので、色々な人に出会うための行動を積極的に行った方がいいですし、また仕事も、求人情報が溢れている現代では、努力次第で得ることができます。つまり、それに気づいていない人は、すでに目の前にあるチャンスが見えていないのです。行動力のない自分、変われない自分が悪いのを、自分以外のもののせいにしたところで、1年後、3年後、5年後はもっと状況が悪化するばかり。結局、何も行動を起こさないでいる自分の尻ぬぐいは、自分でするしかないのです。1年前から同じことでずっと悩んでいるという人は、いい加減、変わることのできない自分の“勇気のなさ”に気づきましょう。今からでも遅くありません……というよりも、今動かないと、もっと変われなくなりますよ?変わることを恐れず、どんどん幸せをつかめる人になりましょうね。・子供おばさん…変われないまま、人や環境のせいにして、どんどん状況が悪化する。・大人女子…常に状況がより良くなるための行動を起こし、幸せをつかみとる。
2017年04月18日「発達障害啓発週間」(4月2日~8日)にあわせ、発達ナビでアンケートを実施厚生労働省が定める「発達障害啓発週間」(4月2日~8日)にあわせ、LITALICO発達ナビでは発達障害に関する意識調査を実施しました。ご協力してくださった皆様どうもありがとうございました。この記事では、調査結果の一部を抜粋しお伝えします。<調査対象について>「LITALICO発達ナビ」会員へのメールから、アンケートフォームにて回答いただいた発達障害当事者:101名、発達障害の子どもをもつ保護者:788名の回答を集計しました。(調査期間:2017年3月7日~3月15日)※調査結果の構成割合は四捨五入をしているため、合計が100 にならない場合があります。発達障害児の子育てで困り感を感じている保護者は約8割お子様の発達障害の特性と思われることによって、保護者であるあなたご自身は、どの程度日常生活で困っていますか?という質問に対して、「とても困っている/やや困っている」と答えた保護者は80.7%、「全く困っていない/あまり困っていない」と答えた保護者は19.3%と、日常生活に困りを感じている保護者は8割を超えました。Upload By 発達ナビニュースどういったことに困りを感じているかに関しては、「障害の特性ゆえの言動が周囲から理解されず、しつけをしていないといつも白い目を向けられ精神的に追い詰められる場面が多い(ASD・6~12歳の親)」「他人について行く、母子分離が難しい、訓練会やセンターでも体操や手遊びを嫌がる(ASD・3~5歳の親)」「本人の生きづらさを変える手助けをしてやりたいが、その方法がわからない。気持ちが不安定になり荒れているのを見ても、寄り添って落ち着くのを待つしかできなくて苦しい。(ASD・13歳以上の親)」「将来が心配。毎日息子が朝ブツブツ文句を言って大変。何でも決めつける。こだわりが強すぎて疲れる。(ADHD・6~12歳の親)」「指示が入りにくいため、同じ事を何度も伝えなくてはいけないが、上手く伝わらない。思い立つと行動してしまうため迷子になることが多い。(ASD・6~12歳の親)」などといった意見があげられました。発達障害の診断を受けると楽になる?苦しくなる?お子様が発達障害と診断・告知された後の心境に、どのような変化がありましたか?という質問に対しては、「とても楽な気持ちになった」が12.1%、「やや楽な気持ちになった」が32.9%、「特に変化はなかった」が11.5%、「やや苦しい気持ちになった」が21.1%、「とても苦しい気持ちになった」が22.5%と、楽な気持ちになった親御さんは計44.9%、苦しい気持ちになった親御さんが43.5%とほぼ同数になりました。Upload By 発達ナビニュース楽な気持ちになった理由としては、「子どもの行動の理由がわかったから(ASD・13歳以上の親)」「今後の子育てをどのように進めていけばよいかがわかったから(ASD・3~5歳の親)」「自身の育て方に問題があったのではないことがわかったから(ASD・6~12歳の親)」などが挙げられました。苦しい気持ちになった理由としては、「もっと早く診断されていればよかったと思ったから(ADHD・13歳以上)」「子どもの将来が心配になったから(ASD・3~5歳)」などが挙げられました。周囲の無理解を感じる理由は…お子様の発達障害の特性について、周囲の人たちから理解されていると思いますか?という質問に対しては、「理解されている」が50.7%、「理解されていない」が49.3%と、ほぼ同数となりました。Upload By 発達ナビニュースどういうときに理解されていないと感じるかに対しては、「見た目がふつうに見られるから(ADHD・6~12歳の親)」「厳しく躾ければやれるようになると思われている(ASD・6~12歳の親)」「本人の困り感が見た目には分かりにくく、助けてもらえない。(ASD・6~12歳の親)」「勉強もでき、多動もないため一見なんともなく見えるため、親が気にしすぎだと考えられがち。(ADHD・6~12歳の親)」「見た目は普通なので、親が甘やかしているからワガママなだけなんじゃないかと思われる。(ASD・3~5歳の親)」などといった意見が挙げられました。発達障害のある子どもの保護者は、世間の発達障害に対するイメージをどう思ってる?発達障害に対する世間のイメージと実態にギャップを感じることはありますか?という質問に対しては、「ギャップを感じる」は80.8%、「ギャップを感じない」は19.2%と、約8割の保護者がギャップを感じているという結果になりました。Upload By 発達ナビニュースどのようなことにギャップを感じるかに関しては、「発達障害と診断されたらお先真っ暗と思っている方が多いけど、そんなことない!わかることでできるフォローがある!(ASD・3~5歳)」「考えるプロセスや、行動というアウトプットが異なるのでなく、そもそも感じ方というインプットの段階が異なっており、しつけや訓練でどうなるものでもないこと(ASD・6~12歳の親)」「1つの診断名でもいろんなタイプの人がいることを知らない人が多いなぁと思うし、自分も息子のことだけをみて発達障害を理解してはいけないなぁと自戒の念も含め思う。(ASD・6~12歳の親)」「発達障害そのものを知らない人が多いと思う。もっと重くてコミュニケーションがとれないような障害と思われているように思う。(ASD・6~12歳の親)」「発達障害は天才だと思われているせいで、親の育て方で変わると思われているところ(ASD・13歳以上)」などといった意見が挙げられました。さらなる調査結果はプレスリリースにてその他の回答に関してはLITALICOのプレスリリースに記載しています。発達障害の当事者・発達障害児の保護者へ意識調査を実施 過半数の当事者・保護者が「発達障害」に対する社会の理解は「進んでいない」と回答LITALICO発達ナビでは今後も発達の気になるお子さんや親御さん、当事者のさまざまなご意見やご経験を参考にしながら、よりよいサービスづくりと世の中に対する情報発信を続けていきます。今後ともLITALICO発達ナビをよろしくお願いします。
2017年04月07日「できること」を増やしたい!発達障害のある子どもを持つ親心出典 : 自分の子どもが発達障害だと診断を受けたならば…。「発達障害児でもできること」「発達障害児の発達を促すこと」を血眼になって探すのが、親心なのかもしれません。私もその1人でした。発達障害児を育てていると、どうしても出来ない部分ばかりが目についてしまいます。「協調運動ができない」「手先が不器用」「跳び箱やマット運動ができない」「字をマスの中におさまるように書けない」「きちんとした姿勢を維持できない」…他の子どもと並べては、「うちの子だけこんなこともできない…」と落ち込む日々が続いていました。「出来ることを褒めてあげて」と育児本には当たり前のように書いてあります。けれども、保育参観やちょっとした行事で「できない息子」を目の当たりにするたびに、「一体どこを褒めればいいんだろう…」という気持ちにすらなります。そんなとき、インターネットには心ひかれる文言が出典 : そんなどん底の気分になりながらも、「なんとか息子のできることを増やしたい」と思いネットを検索してみます。すると、キラキラときらめく言葉たちが並んでいるのです。「発達障害児向け○○!」「○○は発達障害児の発達を促してくれます!」「○○をすれば、発達障害は治る!!」こんな煌めくような魅力的な言葉たちが、私の親心をがっちり掴んでしまいました。「発達障害向け」の文言をみると居ても立っても居られなくなり、私はすぐに申し込みのメールを書き始めていました。それがどんな内容の習い事や塾であっても、息子に意思を確認することはありませんでした。これが原因で、私がしてしまった失敗を2つ、ご紹介します。出典 : ネットでの検索に取りつかれていたころ…私が一番に心惹かれてしまったのは、「発達障害を治す能力開発塾」でした。この「発達障害を治す」という触れ込みに惹かれてしまうのは私だけではなかったようで、中には新幹線や飛行機に乗って相談に訪れる人も後を絶たないそうです。ところが相談に伺ってみると、その塾の目標は「子どもを支援級に入れないこと」でした。私は当時、まだ小学校就学後のことまで考えてはいませんでした。その目標が果たして本当に適切かどうか、まだ分かっていなかったのです。その塾が何を目指しているのか、発達障害児がどう育っていくことを望んでいるのかという点について意見が合致しない場合は、私は入塾はやめたほうがいいと思いました。結果的に、入塾はお断りしました。「発達障害児向け」「発達障害が治る」という文言だけに飛びついてしまい、実態をきちんと把握していなかった失敗例です。出典 : 他にも、「これは発達障害児の発達に良い」「前頭前野の発達を促す」という言葉に、私は飛びついてしまいました。そんな私を突き動かしたのが、「乗馬は発達障害の発達に良い」「カヌーは発達障害児の発達に良い」という情報でした。私は息子を連れて、発達障害児を対象とした乗馬教室とカヌー教室に出かけました。その教室では他に参加する子どもたちもみんな同じように特性がある子どもたちだったため、息子だけが浮いてしまうこともないだろう…という期待もありました。ところが…。感覚が過敏な息子は、馬の臭いと大きさと肌触りにパニックです。泣いて泣いて暴れて暴れて、止まらなくなってしまいました。そんな息子を横目に、他のお子さんたちは悠々と馬に乗っています。カヌーはカヌーで、救命胴衣の感触にパニックになり大泣き。さらに、前日雨が降って川岸がぬかるんでいたのが嫌だったようで、足に泥がつくたびに大泣き。ここまで来て、こんなに息子を泣かせて、自分はいったい何がやりたかったんだろう…。私は帰りの車でため息しか出ませんでした。この教室以後、息子は馬が怖くなってしまい、今でも馬に近づけません。大切なのは、「発達障害児向け」ではなく「息子向け」だった出典 : 数え切れないほどの失敗を繰り返して、私が学んだのは、大切なのは「発達障害児向け」ではなく「息子向け」のものを選ぶことだということでした。いくら「発達障害児向け」と銘打ってあっても、息子に合った環境整備がされているとは限りません。いくらそのアクティビティ自体が発達障害児の発達に良いとしても、息子は盛大なパニックを起こし、それが失敗体験になってしまいました。逆に、発達障害児対象のアクティビティでなかったとしても、息子に合った環境整備がきちんとできていれば、息子は楽しくこなすことができます。成功体験につながることもあるでしょう。「発達障害児向け」「発達障害児の発達に良い」というのは、あくまでも理論的な話です。脳回路の話などが出てくると、どうしても飛びついてしまうのが親心。でも、理論と実践は違うのです。適切な環境整備と子どもに「やりたい」という気持ちが少しでもあれば、それが一番「その子の発達に良い」ことなのだということを忘れてはいけないのだと思います。
2017年03月30日発達障害があると「生きづらい」?出典 : 歳の発達障害の息子を育てていると、ごく当たり前のように「この子が生きづらくないように」と考えている自分がいます。「生きづらさ」という言葉は、発達障害児を育てていると頻繁に見聞きするものではないでしょうか。大人になっても「生きづらさ」を感じている人は沢山います。発達障害でなくても「生きづらさ」を感じている人は沢山います。でもやはり、発達障害の息子を見ていると、私はいつも「この子は生きづらいだろう」と感じてしまうのです。そして、「どうやったらこの子の生きづらさが取り除けるだろう」とそればかり考えています。では一体、発達障害児の「生きづらさ」って何なのでしょうか。発達障害特有の困難さは、支援で克服できることも増えてきた出典 : 息子には発達障害児特有の様々な困難があります。言葉の使い方が変わっているのでお友達に不思議がられたり、お友達の輪に入るのが好きではなかったり、聴覚や触覚が過敏だったり、運動が苦手だったり、手が不器用だったり…。これらの困難のために、息子は集団の中で様々な苦労をしているようですが、それは息子が自己肯定感を落とす直接的な原因になっていないようなのです。今は、支援方法がかなり確立されています。運動が苦手だったり、手先が不器用だったりしても、先生方や私たち親の工夫次第で結構頑張れてしまうようです。例えば息子は運動会で足が遅いことをずっと気に病んでいましたが、今は発達障害児専門のスポーツ支援の本などが結構出ています。先生方はそれに基づいて、息子に走り方の指導をしてくださいました。おかげで、運動が苦手なことで息子がひどく落ち込むようなことはありません。また、気にして見ていると、発達障害児向けの学習支援グッズなども沢山発売されています。私はそのようなグッズを探して購入したり、自分で作ってみたりしました。ですから、息子が手先の不器用さでひどく生きづらさを感じているようなことはありませんでした。また、私も幼稚園の先生も決して息子に友達の輪に入ることを強制しませんでした。周りが「この子はこういう子だ」と淡々としていれば、本人はそれほど気に病まないのです。運動や手先の不器用さなどについては支援で克服できることは結構多く、それが即息子の「生きづらさ」に繋がるわけではないように思いました。では何が「生きづらさ」につながっているのだろう。私が息子を見ていて気付いたこと出典 : けれども、どんなに支援をして息子の困難を取り除いても、私はやっぱり「この子は生きづらいだろうなあ」と感じてしまう瞬間があるのです。それは何かといえば、息子の「認知のズレ」です。例えば、息子とのやり取りで以下のようなことが毎日のように起こります。・誰かが息子の言ったことが可愛くて笑った。→「僕のことをバカにして笑っただろう」と激怒orパニック。・何かについて「ダメだよ」と注意された。→ 「この人は僕を嫌っている」と激怒。・何かの問題が難しくて解くことができなかった。→「僕はどうしようもないバカなんだ」と落ち込んで立ち直れない。・先生に「これはいけないよ」と注意される→「僕はいつも先生に叱られているダメな奴だ」と思う。・誰かが息子をからかう。→「みんなが自分を嫌っている」と落ち込む。このように、息子には認知のズレがあり、物事を過度に一般化したり、そうかと思えば突然自責の念にかられたりするところがあります。また、物事を白黒極端に捉える傾向もあり、「え?どうしてそんな風に考えちゃうの??」ということが頻繁にあります。その思考を助長するのが、相手に否定語で何か言われたり、ちょっと笑われたりということなのです。「認知のズレ」は支援することが難しい。私が息子に接するときに心がけていること出典 : 息子の生きづらさの根本的な原因について考えたとき、この「認知のズレ」が大きいのではないかと思うのです。そして、こういった認知のズレは、支援することがとても難しいです。手の不器用さや学習上の困難などは、支援グッズを使いながらなんとか解決の糸口を見つけ出すことができました。けれども、「認知のズレ」だけは、長い時間かけて手探りで修正していくしかないのです。支援グッズを使うでもなく、支援方法が確立しているでもない。私たち親ができることは、ただただ失敗したり落ち込んだりしている子どもに辛抱強く語りかけていくことだけです。だからこそ、認知のズレは親にとっても子ども本人にとっても「生きづらさ」へとつながっていくのかもしれません。けれども、だからこそ、発達障害の子には、なるべく大きな失敗をしないように環境調整をすることに意味があるのだと思います。私は息子の生きづらさを知ったうえで、人間関係や学習などで大きな失敗をさせない、挫折をさせない、本人が乗り越えられるハードルをうまく設定しながら成功体験を増やすことに集中しています。なかには、それは過保護だという人もいます。けれども、認知にズレがあるからこそ、ひとたび大きな挫折でボッキリと折れてしまうと、それを立て直すのに大変な労力がいるのです。また息子の場合、大きな失敗をすることで、他者への不要な憎しみや恨みが長いこと心に残ります。大きな失敗や挫折の体験は、発達障害の子どもの生きる糧にはなりづらいと私は思います。私は失敗を乗り越えさせることに力を振り絞ることよりも、成功体験を積ませることに力を使っていきたいです。発達障害の子どもにとって、小さな成功体験の積み重ねが心の体力になっていきます。心の体力があれば、多少の認知のズレがあっても、自分で態勢を立て直すことができるはずです。認知のズレそのものを修正するために躍起になるよりも、小さな成功体験を増やしていくことに重点を置いていくほうが、親も前向きに取り組むことができるのではないでしょうか。生きづらさは、心の体力で克服できるものだと私は信じています。
2017年02月23日子供おばさんは、自分を“被害者”にしてしまう思考癖を持っています。「うまくいかないのは環境のせいだ」「自分が不愉快な思いをしているのは、アイツのせいだ」「あんな出来事がなければ、今頃、私だって幸せになれたのに」「私って可哀想」なんて思いながら、自分の環境や人間関係の悪さに嘆いています。でも、それでは先に進めません。うまくいかない環境なら、うまくいくように環境を変えていけばいいし、不愉快な思いをしているなら、改善策を考えて、実行した方がいいでしょう。ツイていない出来事から学び、知恵をつけ、実力をつけることができたら、次は同じようなトラブルが起こっても避けることができます。逆に、自分を被害者にして、人のせい、環境のせいにばかりしている人は、過去と同じようなトラブルが起こると、また巻き込まれてしまう可能性が高いです。「被害者=受け身」のままでいるので、学習していないからです。子供おばさんは、被害者のままでいないで、自分の置かれた環境、行動に、「自分で責任をとれるようになる」ことが大切です。それができるようになると、どんなにツイていない状況でも、自らそこから抜け出すことを考えられるようになるのです。一方、大人女子は、たとえ不運な出来事が起こったとしても、「なにが原因でそうなったのか」「自分にできることはなかったのか」「改善するために、これから出来ることはあるか」などを考えて、状況を改善していきます。そうすることで、むしろ前よりもいい環境になることもあります。どんなことでも何か問題があるから、トラブルが起こることが多いものなので、「今、その問題に気付く」ということも、長い目で見たら大切なことなのです。トラブルが起こってしまうのは、どこか仕方がないことがあったとしても、それをトラブルのままにしておくのか、いい方向に変えるきっかけにするのかは、自分次第と言えるでしょう。被害者ぶる人は孤独になる被害者ぶってしまう子供おばさんの周りからは、人がどんどん離れていくことが多いもの。なぜなら、彼女と一緒にいると、「自分が“加害者”にされてしまう」からです。そこに気付かず、子供おばさんは一人ぼっちになっても、まだ被害者のままでいます。さらに、「誰も私のことを分かってくれない」なんていじけながら、心を閉じてしまいます。でも本当は、自分さえ変われば、そんな孤独感を味わうことは減ってくるのです。自分は自分を被害者だと思っているかもしれませんが、もしかしたら相手にとっては、自分の方が加害者だということもあるのです。少なくとも、「自分は正しい。相手は間違っている。自分は悪くない。悪いのは相手だ」と自己を正当化してしまうことで、相手に不愉快な思いをさせているでしょうしね。では、そんな孤独な子供おばさんは、どうしたらいいのでしょうか?それは、「相手の立場にも立って、物事を見るようにすること」です。それができていないから、自分の立場でばかり相手を見て、判断をしてしまうのです。つまり、まずは「自分にも落ち度がある」ことに、気付いた方がいいでしょう。環境のせい、人のせいにしている限りは、自分は何も変わらないで済むものです。でも、何度も言うように、そのままではいい方向に進むことは、まずありません。人は思いのほか、自分が変わることや環境の変化に恐怖心を抱くものです。でも、今、悪い状況なら、変わった方がいいはずです。逃げずに、きちんと変化を望み、向上していくことを目指していった方が幸せになれます。つまり、子供おばさんは、「今、不幸なのは、自分が『不幸でいること』を選択しているから」だということに気付きましょう。幸せな方向に進む方法は、探せばあります。諦めてはもったいないのです。究極なことを言えば、どんな状況であっても、うまく対応できる人になれば、トラブルは起こりにくいし、不運な出来事もいい方向に変えていくことができます。大人女子はそれが分かっているから、自分が変わり、成長していくことができるのです。幸せになるためにも、被害者のままでいないで、自分が成長することを目指せる人になりたいものですね。・子供おばさん…ツイていないことが起こると環境や人のせいにし、ただただ被害者ぶって嘆き続ける。・大人女子…自分の置かれた環境、行動に、自分で責任をとるので、ツイていないことがあったら、積極的に改善していく。。
2017年02月21日・ 【第1回】発達障害の子育てに「療育」よりも大切なこと ・ 【第2回】発達障害の子どもが、充実した人生を送るために必要なこと ・ 【第3回】発達障害の子育てを「辛い、苦しい」と感じたら のつづきです。「発達障害」をもっと理解するために必要なことを、『療育なんかいらない!』の著者であり、独自の理論で放課後デイサービスを展開する「アイム」の佐藤典雅さんにインタビュー。今回は、「発達障害の子育てを楽しむコツ」についてお話を伺った。佐藤典雅(さとう・のりまさ)さん川崎市で発達障害の子どもをサポートする放課後デイサービス「アインシュタイン放課後」「エジソン放課後」を運営している、(株)アイムの代表。自身の自閉症の息子さんの療育のために、息子さんが4歳の時に渡米して、ロサンゼルスで9年間過ごす。前職は、ヤフー・ジャパンのマーケティング、東京ガールズコレクションとキットソンのプロデューサーという異色の経歴の持ち主。福祉という範囲を超えた目線で、自身の息子さんの成長を見守りながら、発達障害児が社会で幸せに生きるための道を広げる挑戦をしている。著書: 『療育なんかいらない!』 (佐藤典雅・著/小学館 ¥1,296 税込)※放課後デイサービス(= 放課後デイ):6~18歳までの障害のある子どもが放課後や学校休業日に利用できる、就学時向けの福祉サービスのこと。■子どもの障害は親のせいではありません―― この連載もいよいよ最終回。いろいろ伺ってきましたが、ずばり、佐藤さんが思う発達障害の子育てを楽しむコツって何でしょうか?佐藤典雅さん(以下、佐藤さん): まず、親自身がハッピーであること、充実した楽しい人生を送ることです。人が他人を幸せにするのは無理。幸せって自分が作り出す状態だから。状態である以上、自分で作り出すしかないんですよ。―― 子どもの障害に対して、親は自分の人生すべてを捧げるべきという風潮がありますよね。そういう中、親は自分のことを優先しにくいのかもしれませんね。佐藤さん: でも、親が療育に必死になって、「子どもには充実した人生を送ってほしい」ってボロボロな状態になっていたら、それを見た子どもがうれしいわけがないよね? こんなの、子どもにとっては重荷でしかない。―― 自分を犠牲にしてまでがんばってしまうのは、もしかしたらお母さんは「自分に責任があったのでは?」と感じてしまうからかもしれません。「妊娠中に無理したのが良くなかったのかな?」とか「早くから預けて働いたのがいけなかったのかな?」とか、いろいろ考えて自分を責めてしまうのかもしれません(※)。※もちろん発達障害の原因にそんな根拠はありません。佐藤さん: 子どもの障害は親のせいではありませんよ。僕は、それぞれの人にはそれぞれの生まれ持った宿命と人生があるのだと思っています。そして、その子どもが自分の人生の使命をまっとうできるようにサポートするのが親の役割。後は、親自身が自分の人生を楽しむのが、親の仕事だと思っています。―― 障害者の親って他の保護者より制限があるように思えるのですが、人生を楽しむことってできるのでしょうか?佐藤さん: 大切なのは、子どもに障害があろうがなかろうが、いかに、自分が今の状態を楽しめるか? なんですよ。お母さんが自分の人生を謳歌していれば、子どももその姿を見ていて楽しくなるでしょう。もちろん、普通の子育てより大変なことは多いですよ。でも、地獄で幸せになれない人は、天国にいっても絶対幸せになれませんから!―― どういう意味でしょうか?佐藤さん: 地獄で「暑い、暑い」って言ってる人は、天国に行けったら、絶対「暇だ~、なんかつまんない~」とか言い出すから。―― おもしろい考えですね(笑)。また、お母さんが生き生きとするためには、お父さんの存在も欠かせませんよね?佐藤さん: もちろんです。でも、残念ながら、うちの放課後デイに親子が面談にやってくる時、夫婦そろって来られるのは一割以下。平日の昼間、お父さんは仕事だから仕方がないにしても、お母さんの話からお父さんの存在が見えない家庭が多いのです。―― 療育センターなんかでも、付き添いはお母さんばっかりですものね。佐藤さん: 父親がちゃんと関わってくれないと、母親のストレスは2倍になります。日々の小さいことまでフォローする必要はないのかもしれないけど、重要なことには決断を下し、時々、お母さんの頭の中を整理してあげてほしいと思います。それに、話を聞いていると、お父さんの意見は結構合理的で的を得ているんですよ。なので、お母さんたちも、もう少し素直にお父さんの意見を聞いてあげてほしいと思います。■先輩お母さんとつながろう。人脈をどんどん広げよう―― 旦那が一緒になって考えてくれる、それだけでお母さんは十分心強いと思います。あと、私が心強かったのは、同じ悩みを持つお母さん仲間とのつながりです。佐藤さん: ただ、療育センターでは同じ年頃の子どもを持つ親同士でしか接点がないよね? 特に、就学前は一番不安な時期だし、子どもの先の姿が想像できない。だから、同世代だけで集まると不安を交換しあって、不安だけが増幅してしまうという難点もあります。―― 確かに。いつも同じメンバーで、ぐるぐると同じ話になってしまいがちなところもありましたね。佐藤さん: 一番有効なのは、発達障害をもつ未就学児のお母さんは、同じ発達障害を持つ中学生の親から話を聞くこと。すでにいろいろ経験してきたお母さんたちは、いろいろな情報を持っているので役立つアドバイスをくれます。わが子の将来のイメージもつかみやすいので、お母さんもあんまりパニックにならないですむ。違う世代とつながりを持つことをおすすめします。―― でも、なかなか違う世代とつながる機会がないのですが……。佐藤さん: うちの放課後デイに遊びにいらっしゃい! いろんな先輩お母さんがいるから。みんな仲が良くて、よくバーベキューやクリスマスパーティーしたり、頻繁に交流会をしていますよ!ただ、おもしろいんだけど、うちのお母さんたちが集まっても、みんな誰も子どもの話をしないんですよ。子どもそっちのけで、爆笑トークで盛り上がってるの(笑)。でも、これこそが健全な姿だと思うわけ。―― みなさん、佐藤さん同様、笑い飛ばす力を持っているんですね!佐藤さん: 発達障害の子育てをする親は、特に、開かれた視点で物事をみつめなおす必要があります。療育に通うのに夢中になっていると、気づいたら、接するのは療育センターの先生か学校の先生かママ友だけになってしまいますよ。意識的に努力して、開かれたマインドをもっておかないと。―― 人脈もどんどん広げるべきなんですね。佐藤さん: 例えば、子どもが興味のある業種に人脈を作って、その企業にインターンできるようにするとか、どうでしょう? うちの長女は将来ゲームクリエイターになりたいと言っているので、僕はプロが使うAdobeのフォトショップを覚えさせたり、夏休みは友達の会社でインターンさせたりしています。もちろん、中学生だからたいしたことはできないんだけど、興味ある業界で普段接することのない大人と過ごすことができるのは刺激的でしょう。それができたのは、僕に人脈があったから。―― なるほど! 子どもの興味があることにつながる人脈力か……。佐藤さん: 世の中にはいろんな人います。いろんな人と会って話して、どんどん外の世界に出て行ってほしい。自分の親とか同じ学校とか、同じマンションとか、同じ世帯年収とか、そういう狭い世界だけでみて、こうあるべきだと決めつけないでほしい。臨機応変に考えられるように、いろいろな情報収集をしてほしいと思います。 ■運命を受け入れることも、大切―― ところで、ここの子どもたちはとても自由に寛いでいますね(取材中の様子を見ながら)。図鑑に没頭している子もいれば、ボール遊びをしている子もいるし、寝ている子もいれば、カラオケで熱唱している子もいる(笑)。佐藤さん: 僕は、自分の放課後デイを「川崎のNASA」と呼んでいます。なぜなら、発達障害の子は宇宙人みたいなものだから。僕の役割は地球側の外交官みたいなもので、彼らの地球滞在が充実したものとなるように努めること。そして、いつか彼らが宇宙船に乗って地上に降りてきた時に、「あの時はありがとう」と言ってくれればいいな、と妄想しています(笑)。―― その妄想、素敵です(笑)。佐藤さん: 発達障害はガンダムのニュータイプみたいなもんで、既成概念の外にいる子どもたちなのだから、親の方も子どもに常識を求めるのはナンセンス。期待すればするほどドツボにはまるだけ。そしてもっというと、親自身も「こうあるべき」「こう育つべき」っていう規制概念の呪縛から出る必要があります。―― そう考えると、発達障害の子どもたちは、親に、子育てで忘れがちな、とても大切なことを教えてくれているのかもしれませんね……。佐藤さん: ちょっと話それるけど、みんなよく「結婚して幸せになりたい」とか言うじゃない? でも、結婚したって離婚する人もいるし、結婚は幸せを保証するものじゃない。「結婚すれば老後がさみしくない」っていう人もいるけど、うちのお祖母ちゃんはお祖父ちゃんが早く死んじゃったから、30年間ひとりだったわけ。結婚はさみしくない老後も保証しない。つまり、人生は何が起こるかわからない。だから、一生懸命人生の方程式を作ったって無駄なんですよ。―― では、どこを目指したらいいのでしょうか?佐藤さん: 死ぬときに本人が充実した人生だったと納得して死ねるか、そこしかないと思うんです。だから、子どもに障害があっても、お母さんは自分の人生を思いっきり生きるべきなんですよ! ―― 「やりたいことがあったなら、とりあえずやっておけ!」と?佐藤さん:そう。そして、運命というのか宿命というのかわからないけど、ある程度、受け入れることも重要だと思っています。自分にそういうカードがまわってきたということは、巡り合わせだと。―― 佐藤さんがまったくの異業種から福祉の世界に入ったのも、運命なのですね。佐藤さん: 福祉が大嫌いだった僕が、今福祉の世界で仕事をしているのも、きっと何か理由があるから(笑)。だとしたら、グダグダ文句言ってないでしっかりやりきろう、と。今目の前のことをやりきらないと、次のステージは見えてきません。それに、僕は一生福祉の世界で生きていくつもりはないので、せめて「他の福祉施設よりも結果を出してから辞めてやる!」と思っています(笑)。長時間にわたり、自身の熱い思いをしゃべり倒してくれた、佐藤さん。時に、厳しい指摘もあったが、ユーモアたっぷりの話しぶりで、発達障害の子育ての凝り固まった偏見や閉塞感を気持ちよくブチ壊し、勇気を与えてくれた。そして、著者は何より、佐藤さんのポジティブな姿勢と、常に息子さんの幸せな人生を考え、全力で取り組んでいる行動力に深い感銘を受けた。「この子なりの楽しい生き方ってなんだろう?」「この子が充実した人生を送るために、親として何ができるだろうか?」発達障害の子育てで、本当に親が悩むべきところは、そこにあるはずだ(もちろん、普通の子育てだって変わらない)。そして、大切なことは「子育てを楽しむ」ということを、常に忘れないでいたい。取材・文・撮影/まちとこ出版社 【大変だけど、不幸じゃない。発達障害の豊かな世界】 全4回・ 【第1回】発達障害の子育てに「療育」よりも大切なこと ・ 【第2回】発達障害の子どもが、充実した人生を送るために必要なこと ・ 【第3回】発達障害の子育てを「辛い、苦しい」と感じたら ・ 【第4回】発達障害の子育てを楽しむコツ
2017年02月18日発達障害の専門的医療機関が不足している!?出典 : 年1月20日、総務省は、文部科学省と厚生労働省に対し、発達障害者支援に関する行政評価と監視の結果に基づく勧告を行いました。この調査は、保育所・学校現場を含む、都道府県・市町村における発達障害者支援の実態を初めて調査したものとなります。これまでの記事では、①早期発見について、②発達障害発見後の支援と引継ぎについて、それぞれ総務省による調査の結果と勧告内容についてお伝えしてきました。今回の記事では、発達障害の専門的医療機関の確保に関する調査・勧告内容についてご紹介します。調査対象の18.5%で発達障害の専門的医療機関が確保出来ておらず出典 : 各都道府県において、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければいけないことは、発達障害者支援法に定められています。「都道府県は、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければならない。 」発達障害者支援法第19条(専門的な医療機関の確保等)では実態はどうでしょうか。今回総務省が19都道府県及び8指定都市の計27団体に関して調査したところ、専門的医療機関を確保していたものは22団体(81.5%)で、残る5団体(18.5%)は確保できていなかったことが明らかになりました。また、専門的医療機関を確保済みの22団体の管内に所在する専門的医療機関から、27機関を抽出し、発達障害に係る初診待機者数及び初診待機日数も調査しました。その結果、約4割の医療機関で初診待機者数が50人以上となっており、その中には最大316人が待機している例も存在しました。加えてその初診待機日数は、半数以上の医療機関で3か月以上となっており、その中には最長で約10か月の例もみられるなど、専門的医療機関の更なる確保が必要な状況がみられたとのことです。なぜ発達障害を診ることができる医者は少ないのか?出典 : 総務省の調査した医療機関の中からは、以下のような意見があがったとのことです。①小児科医が発達障害を診断する場合、風邪等の診察と違って、幼児期の状況や成育歴などを聴き取る必要があり、手間と時間を要するため、診療報酬上のメリットを与えてほしい。②発達障害児に対する精神科医による診察は、その特性上、1 人に対し1 時間から 2 時間費やすことが多く、30 分を大幅に超えるため、現行の「通院・在宅精神療法」の時間区分(30 分未満の場合は 3,300円、30分以上の場合は 4,000 円の 2区分のみ)のうち30分以上を細分化し、その時間区分に見合った診療報酬にしてほしい。③発達障害児に対する小児科医の診察による診療報酬では、「小児特定疾患カウンセリング料」(月の1回目は5,000円、月の2回目は 4,000円)が算定可能であるが、発達障害という特性上、長期にわたり通院が必要であるにもかかわらず、2年を限度にしか算定できないことから、2年という期限を設けないようにしてほしい。太字は引用者注発達障害の専門医となるのは難しい上に、診療の旨味も少ないため、医師にとっても魅力を感じにくい領域なのかもしれません。市町村によっては不安解消のため独自の取り組みを行っています出典 : この度総務省が調査した都道府県及び指定都市の中には、初診待機者の不安解消を図るための取り組みを実施しているところもあったとのことです。ひとつは市町村が医療機関と連携して小児科の診察優先枠を毎月1日設定し、保護者の了解のもと県職員も医療機関の診察に同席、医師、保護者及び県の三者で情報の共有を図っている事例です。そしてもうひとつは、医療機関の受診前や療育前に、市町村の主催で臨床心理士等による親子小集団活動、保護者同士のグループワーク等を「にこにこ教室」として実施している事例です。医療機関の受診などを待っている保護者の不安感の解消が図られていることがメリットとして挙げられています。総務省は専門的医療機関の確保を勧告こういった現状に対し、総務省は厚生労働省に対し、発達障害が疑われる児童生徒が専門的医療機関を早期に受診できるよう、専門的医療機関の確保のための一層の取組を行うことを勧告しました。また専門的医療機関の受診までの間、保護者の不安解消を図る取り組みを都道府県等に示し推進するようにも勧告しています。以上、いかがだったでしょうか。発達障害者支援者法は施行されてからまだ10年と少し。発達ナビではこれからも国の取り組みと状況についてお伝えしていく予定です。
2017年02月02日総務省による、発達障害者の支援に関する実態調査。その結果は?出典 : 年1月20日、総務省は、文部科学省と厚生労働省に対し、発達障害者支援に関する行政評価と監視の結果に基づく勧告を行いました。この調査は、保育所・学校現場を含む、都道府県・市町村における発達障害者支援の実態を初めて調査したものとなります。前回の記事では、早期発見に関する実態の調査報告と総務省の勧告内容についてお伝えしました。今回の記事では、発達障害がある子どもへの支援状況と情報の引継ぎに関する調査・勧告内容についてご紹介します。発達障害児に対する支援「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」とは出典 : 発達障害を含む障害のある児童生徒の指導について、学校等では、児童生徒それぞれに「個別の教育支援計画」(以下「支援計画」)と「個別の指導計画」(以下「指導計画」)を「必要に応じ」作成し、指導と支援を行っていくこととされています。(4) 関係機関との連携を図った「個別の教育支援計画」の策定と活用特別支援学校においては、長期的な視点に立ち、乳幼児期から学校卒業後まで一貫した教育的支援を行うため、医療、福祉、労働等の様々な側面からの取組を含めた「個別の教育支援計画」を活用した効果的な支援を進めること。また、小・中学校等においても、必要に応じて、「個別の教育支援計画」を策定するなど、関係機関と連携を図った効果的な支援を進めること。(5) 「個別の指導計画」の作成特別支援学校においては、幼児児童生徒の障害の重度・重複化、多様化等に対応した教育を一層進めるため、「個別の指導計画」を活用した一層の指導の充実を進めること。また、小・中学校等においても、必要に応じて、「個別の指導計画」を作成するなど、一人一人に応じた教育を進めること。特別支援教育の推進について(通知)なお、2016年の改正発達障害者支援法においても、発達障害児が年齢及び能力に応じ、かつその特性を踏まえた十分な教育を受けられるようにするために必要な措置として、これらの支援計画及び指導計画の作成を推進することが具体的に明示されています。法律第六十四号(平二八・六・三) ◎発達障害者支援法の一部を改正する法律支援計画や指導計画、実際にどれくらい作成されているの?その効果は?出典 : しかし支援計画に関していうと、必ずしも発達障害のある児童全員に作成されていないのが現状のようです。この度の総務省の調査で調査対象となった111の保育園および幼小中高校において、発達障害児(発達障害が疑われる児童生徒を含む)は計2,431人でした。そのうち支援計画作成が「必要」と判断された児童生徒は829人であり、さらにそのうち支援計画を作成済みの児童生徒は690人でした。支援計画作成が「必要」と判断されたものの、未作成の生徒が139人いることが明らかになりました。未作成の理由としては、教員の業務が多忙で作成する時間の確保が困難であるため、保護者の同意が得られないため、などとされています。また、支援計画作成が「必要」と判断する範囲に関して、111の調査対象のうち19の保育園および幼小中高校では、医師の診断がある児童生徒のみなど、計画の作成対象をかなり限定した範囲にとどめている例がみられました。そしてこうした計画作成対象が限定されていたことの結果として、支援計画や指導計画が作成されていなかった生徒の中には、不登校等の二次障害が生じている例がみられたとのことです。問題行動の度合いが高くない生徒には支援計画及び指導計画を作成することとしていないため、発達障害の診断を受けているにもかかわらず、両計画とも作成されず、結果として、学習障害等で授業についていけずに、平成22年度から26年度までの間に、不登校4人、休学1人、退学1人が発生した。一方、調査した保育所及び学校において、支援計画又は指導計画を作成したことにより、特別支援学校など関係機関による助言や保護者との連携等が図られ状態が改善するなど効果的な支援が行われている例が30事例みられました。総務省は文部科学省と厚生労働省に対し、保育所及び学校において、一律の基準によって支援計画及び指導計画の作成対象を限定するのではなく、個々の児童生徒の特性や状態を踏まえ、支援が必要な児童生徒に対して着実に作成されるよう、作成対象とすべき児童生徒についての考え方を示すことを勧告しました。継続的な支援のために欠かせない、進学先等への情報の引き継ぎ。しかし現状は…出典 : 支援計画や指導計画の作成だけでなく、支援の前提となる子どもに関する情報の引き継ぎ共有も重要です。こうした情報共有の実態についても調査がなされました。具体的には、・乳幼児健診の結果として発達障害の疑いがあるとする情報を保育所へ渡す取り組み・保育所や幼稚園で作成された支援計画等に適宜資料の追加等を行った上で、障害のある児童生徒等に関する情報を一元化し、支援計画や相談支援ファイル等として小・中学校等に引き継ぐ取り組みなど、関係機関同士の情報の引き継ぎ・共有が十分ではないという勧告がなされています。しかし、情報共有が十分に進まない背景には、個人情報保護の観点からの障壁もあるようです。そのことが明らかになったのは、調査対象となった31市町村が実施した乳幼児健診結果の引き継ぎ状況の調査からです。平成26年度に実施した乳幼児健診の結果の、進学先(保育所、幼稚園等)への引き継ぎ状況をみると、30市町村で「引継ぎを行うこと」という方針を立てているものの、個人情報保護の観点から、保護者の同意が得られた場合であって、保育所等から情報提供の依頼があった児童のみ引き継ぐとしている自治体が14市町村にのぼりました。つまり、半数近くの市町村では、保育所等からの働きかけがなければ引継ぎが行われない状況であるということです。調査した市町村の中には、乳幼児健診の結果の進学先への引継ぎ時における保護者の同意取得については、次のような取組を行っている例がみられたとのことです。乳幼児健診の問診票の中に、健診結果等について、保育所等の関係機関と連絡を取り合う場合がある旨をあらかじめ記載し、これに同意するか同意しないかを選択させることとしている。児童が幼稚園に入園する前に、心配事のある保護者に「保護者との連携シート」の記載を依頼しており、同シートにより、幼稚園が保健師等の関係機関等から情報を入手する旨の同意を得ている。また、乳幼児健診の結果が引き継がれなかったことにより、対応が困難になった例もみられたとのことです。市外からの転入により入所した児童について、転出元の市町村での乳幼児健診結果(発達障害の疑いあり)を把握できなかったため、支援計画の作成、個別の配慮、小学校への引継ぎ等を行わなかったところ、小学校で集団行動になじめない状況となり、急遽支援が必要となった歳児健診及び3歳児健診で紹介された親子教室において、軽度な知的障害を伴う発達障害の疑いを指摘されたが、それらの結果が、入園先の幼稚園に伝わらず、児童の知的障害の把握が遅れた。その結果、児童は、特別支援学級へ入級したが、知的学級ではなく、自閉・情緒学級へ入級することとなり、児童に対する教育的配慮や課題設定を行うのに数箇月要した同様に、進学の際や転校の際における引き継ぎの不備も指摘されており、総務省は厚生労働省に対して、市町村に乳幼児健診の結果等の進学先への引継ぎの重要性を周知し、積極的な引継ぎを促進することを勧告しました。他にも総務省は、厚生労働省と文部科学省に対して、保育所・幼稚園から大学・就労先までの各段階において、発達障害児に対する必要な支援内容等が文書により適切に引き継がれるような呼びかけを行なっています。都道府県、市町村、都道府県教育委員会及び市町村教育委員会に対しては、・具体例を挙げて支援内容の引き継ぎを周知すること・支援計画及び指導計画については、引継ぎまでの適切な保存・管理を求めるとともに、具体的な引継方法を提示し、確実に引き継がれるよう徹底を図ることを勧告しました。「切れ目のない支援」を実現するための課題は出典 : 情報の引き継ぎは、切れ目のない支援を推進する上で不可欠だと言われています。そして文部科学省でも障害のある子どもに対して小学校から高校まで一貫した支援ができるよう、進学先の学校へも引き継げる「個別カルテ(仮称)」の作成を学校に義務付ける方針を固め、推進しています。また逆に保育所から専門機関に相談するようすすめられる場合もあるようです。現在、4歳の男の子を持っていますが、引越しして、2ヶ月前ほどから、転園した先の、保育園の先生から、落ち着きがなく、みんなと一緒のことができない、話す単語が少ない、との指摘を受けて、療育センターに問い合わせをするように、言われました。保育園で発達障害を疑われました。3歳1ヶ月の男児です。保育センターの心理相談の結果、問題はなさそうでした。しかしモヤモヤと心配が晴れず、何か息子のためにできることはないかなと焦っています。親や支援者が発達障害をどう理解するか、そして個人情報保護や当事者、家族の不安に配慮する仕組みの構築が、実際に切れ目のない支援を実現するためには必要なのではないでしょうか。
2017年01月30日もっと自由に、もっと気軽に、語り合える場所にしていきたい。Upload By 発達ナビ編集部本日1月26日、LITALICO発達ナビはオープン1周年を迎えました!オープンから今日まで、たくさんのユーザーさんからの応援の声やアドバイスをいただきながら運営して参りました。1年間、本当にありがとうございました!記念すべき1周年の日に、発達ナビから新しい機能をリリースしました!【新機能はこちら】発達ナビトップページからオレンジ色のボックスをチェックしよう!「発達障害にかかわりのある発達ナビユーザーさん同士だからこそ、共に語り合えることがある」という趣旨のもと、気軽に投稿し、交流できる新たな機能です。発達ナビの新コーナー「みんなのアンケート」って?Upload By 発達ナビ編集部気になる新機能の名前は「みんなのアンケート言いたい!聞きたい!」というアンケートコーナーです!現在、発達ナビのトップページである「タイムライン」には、FacebookやTwitterのようにフリーテーマで気軽にだれでも投稿ができるようになっています。今回の新機能は、「発達ナビユーザーさん同士だからこそ、他のみんなにも意見を聞いてみたい、考えや工夫を教えてほしい!」という具体的なテーマを設けて、みなさんから投稿を募集するというものです。これまでのようなフリーテーマでの投稿だけでなく、発達ナビユーザーさん同士で、同じテーマに紐付けて子育ての考えや出来事を共有していくことができます。笑いあり、涙あり、学びあり…!と様々なテーマを考えておりますので、ぜひみなさんも参加してみてくださいね。例)・これってADHDだから?何年たっても変わらない「わたしあるある」を募集!・子どものかんしゃくはいつ起こる?!発生エピソードを5・7・5で大募集「かんしゃくカルタ」・療育手帳の取得、家族でどんな話しをした?みんなの体験談を教えてください「みんなのアンケート言いたい!聞きたい!」はどこにあるの?「みんなのアンケート」の募集テーマは、タイムライン上に以下の図のようなオレンジ色のボックスで掲載されています。テーマは一定期間で次々と変更していく予定です。Upload By 発達ナビ編集部「みんなのアンケート」にはどうやって投稿するの?オレンジ色のボックスをクリックしていただくと、アンケート投稿の一覧ページにうつります。一覧ページにある投稿フォームを使って、投稿内容を書き込んでいただく仕様になっています。Upload By 発達ナビ編集部投稿していただいた内容は、タイムライン上、アンケート投稿一覧、ご自身のマイページの3つに表示されます。タイムライン上は、新着の投稿から表示されるようになっていますので、マイページの投稿履歴からの確認がおすすめです。タイムライン上かご自身のマイページから、アンケート投稿のグレーボックスをクリックしていただくと一覧でみることができます。Upload By 発達ナビ編集部マイページの投稿履歴にはこのように表示されます。Upload By 発達ナビ編集部タイムライン上かご自身のマイページから、アンケート投稿一覧へ移動します。そこにある投稿フォームより再度入力をお願いします。Upload By 発達ナビ編集部みなさんの投稿、お待ちしております!さっそくアンケート投稿をしてみるご利用上の注意事項のご案内 利用規約・ガイドラインについて投稿いただく際の注意事項は以下の通りです。【1】タイムラインの投稿は、誰にどこまで公開されるの?・ログインをしていないユーザーさんも一部閲覧可能です・コメントや♡を出来るのは、会員ユーザーさんのみとなります【2】 テキスト・画像を投稿するときの注意事項は?タイムラインにご投稿いただく際は、他者の著作権を侵害することの無いよう、以下の点にご留意ください。◇テキストについて書籍や記事等で他者が執筆した文章を投稿する場合、"引用符"で区切った上で出典を明記するなど、引用の要件に注意して、無断盗用・剽窃の無いようご注意ください。気軽な日常の投稿はじめ、ご自分で書き下ろしていただいた文章はお気軽にご投稿いただいて大丈夫です。◇画像について他者の著作物である画像の無断転載はご遠慮ください。・ご自分で撮影された写真など、ご自分に著作権がある画像・フリー素材サイトの写真など、自由利用が許可された画像などはご投稿いただいて大丈夫です。文化庁: 「著作権なるほど質問箱」【3】利用上の規約やガイドラインはあるの?LITALICO発達ナビ全体で、ユーザーの皆さまに守っていただくルールとして、「利用規約」がございます。一人ひとりの権利を守り、サービスを安全に維持・運営していくための、運営会社である株式会社LITALICOと、お客様であるユーザーの権利義務関係を定めた大切な「お約束」です。こちらも併せてご確認の上、タイムライン投稿をご利用ください。りたりこ)発達ナビ利用規約また、医療情報を含む投稿に関しては、以下のガイドラインもご参照ください。ユーザーさまによる医療情報に関する投稿の取り扱いについてこちらは2017年1月26日時点の仕様となっており、以降デザインや機能などの変更をする場合もございます。ご理解のほどお願いいたします。
2017年01月26日明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。新しい年になり、独身の子供おばさんは「今年こそ結婚するぞ!」といった決意をします。でも、それは単に“思っているだけ”の場合が多いのです。子供おばさんは結婚をするために、具体的なビジョンを持っているわけではなく、「自然に素敵な人に出会いたい」、もしくは「運命の人に出会えたら、結婚できる」と思っています。もちろん結婚には、人知を超えた力が必要であり、縁とタイミングも重要です。でも、単に他力本願でいたり、神頼みをしたりするだけではなく、実際に素敵な人に出会う努力が必要ですし、そんな魅力ある人が現れた時には、その人に“愛される女性”になる必要があります。つまり、単に思っているだけでは、叶いようがないのです。婚活中の大人女子は、「積極的に色々な人に出会うこと」「素敵な人を見抜く目を持つこと」「人に愛される魅力を持つこと」といった具体的な内容の目標を持ちます。また、慌ててもいい結婚ができるわけではないので、「今年こそ!」という切羽詰まった願望は抱きません。ただ、“結婚しやすい環境を作れる自分”でいることを心がけるのです。大人女子の婚活とは?では、大人女子は具体的に、どんなことをするのでしょうか?例えば、「積極的に色々な人に出会うこと」というのは、家と職場の往復だけで見つけようとすることではありません。積極的に独身者が集まるようなパーティーや飲み会など、出会いの場に出向いたり、ネット婚活なども積極的に利用したりします。「素敵な人を見抜く目を持つこと」は、実は簡単なことではありません。普通にしていては身に付かないからです。例えば、尊敬する作家、著名人の著書をたくさん読み、自分の心を磨いていくことが大切です。自分の経験だけで人生哲学を持つのではなく、色々な見識ある人たちの考えなども吸収し、幅広い視野で物事を見られるような人になることが重要なのです。特に、物質至上主義になりがちな社会で日々を過ごしていると、人は“目に見えない大切なこと”に対しておろそかになりがちです。その目に見えないものは、もしかしたら、一番自分が求めている“幸せ”であることもあるでしょう。目に見えるものばかりでしか判断できなくなると、パートナー選びのときには、相手のスペックばかりを見がちです。もちろん結婚は生活でもあるので、ある程度、共にやっていけるかどうかという観点で条件を見ることは大切です。でも、それだけでは幸せにはなれません。人は物質的に豊かであれば幸せでいられるほど、単純ではないからです。大人女子は様々な本を読みながら、「幸せとは何か?」「人の本当の魅力は何か?」といった、物事の本質を見ることを心がけています。だから、本当の意味で人の魅力に関しても理解しているので、一緒にいたら幸せになれる人を見つけられやすいのです。「人に愛される魅力を持つこと」というのは、単に見た目ばかりを磨くことではありません。「綺麗だから」という理由だけで寄ってくる人なんて、たかが知れています。自分自身も本当の美しさ、優しさを持つことで、“人の魅力が分かる、魅力ある人”と縁が結びつきやすくなるのです。ある程度の年齢になると、その人の佇まい、話し方、言葉の選び方でも、随分、人柄は出てきますし、見る人が見れば、分かるものです。そこまでのことをきちんと見られる人でいた方がいいし、そういう人ことが分かるような人に愛される女性を目指しましょうね。大人女子の婚活について紹介しましたが、ここまで読んだら、おそらく、ただ単に焦って、「今年こそは結婚するぞ!」なんて言っている子供おばさんの婚活に、子供っぽさを感じるのではないでしょうか?結婚をするというのは、「今、自分に足りないものを埋める」程度の単純な話ではありません。パートナーとは、運命共同体になりますしね。結婚しても幸せになれるかどうかは分かりません。でも、せめて、相手にばかり魅力を求めるのではなく、自分自身も人格と心を磨いた上で、「この人となら、幸せになれるだろう」と期待できるような相手との結婚を、焦らず目指したいものです。今年は素敵な出会いに恵まれるといいですね!・子供おばさん……結婚に焦り、ただやみくもに「今年こそ結婚するぞ!」という目標を持つ。・大人女子……「積極的に色々な人に出会うこと」「素敵な人を見抜く目を持つこと」「人に愛される魅力を持つこと」という具体的な目標を持って、焦らず結婚を目指す。
2017年01月10日発達指数とは出典 : 発達指数とは、日常生活や対人関係などにおける子どもの発達の規準を数値として表したしたものであり、DQ(Developmental Quotient)とも言います。子どもの成長には個人差があり、一人ひとり異なる特性を持っています。しかし個人差がある一方で、発達の道筋や順序には共通して見られる特徴があります。子どもは成長するにつれて、視野を広げ、認識力を高め、まわりの人との関わりを深めていきますが、その経験が次の成長のステップにつながります。子どもが成長していくには、それぞれの発達段階に合った生活を送ることが大切です。そのため、発達を客観的に知るものさしの一つとして発達指数が使われています。発達指数は発達検査と呼ばれる検査によって知ることができます。発達検査で分かる「発達年齢(発達の状態がどのくらいの年齢に相当するか)」を「生活年齢(実年齢)」で割り、100を掛けて算出します。発達年齢と実際の年齢が同じ場合、発達指数の値は100と計算できます。そのため平均は100前後とされていますが、発達指数の値だけで子どもの発達状態を判断をすることはありません。あくまでものさしの一つであり、発達検査から分かる能力のバランスや日常生活の様子などを総合して子どもの発達状態を把握します。参考:子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題|文部科学省参考:発達検査とは?|てんかん情報センター発達指数を知ることができる年齢は?出典 : 発達指数を計ることができる検査としては、主に「新版K式発達検査」と「遠城寺式乳幼児発達検査」の2つが挙げられます。新版K式発達検査であれば生後100日後から成人まで、遠城寺式乳幼児発達検査であれば0歳0ヶ月から4歳8ヶ月まで、発達指数を計ることができます。適用年齢は幅広いですが、主に就学前の子どもが発達検査を受けることが多いです。小学生以上であれば、発達状態を計るよりも、知能検査によって知能を計るほうが一般的だからです。ただし知的障害がある場合など、知能検査だけでは発達の状態や障害の度合いを把握することが難しいケースでは、成人でも発達検査を受けることがあります。参考:発達障害児支援とアセスメントに関するガイドライン|厚生労働省発達指数を調べる目的出典 : 発達指数を調べる主な目的は、1. 子ども一人ひとりの発達状況を理解すること2. 発達段階に合った適切な学習指導や支援を受ける際のヒントを知ることの2つです。注意点として、乳幼児においては、検査を受ける際の子どもの状態や環境に左右されるため、発達指数の値は変動しやすいといったことが挙げられます。そのため1歳6ヶ月健診などにおいて、発達指数の値が低く出てしまったために、軽度の知的障害の可能性を指摘される場合もあるようです。しかし知的障害があるかどうかの判断は、発達検査や知能検査の結果を長期的に把握しながら行う必要があります。発達指数はあくまで発達状態を知るものさしの一つです。発達指数だけでなく、発達検査から分かる発達の特徴、検査を受けている時の様子、日常生活の様子を総合して発達状態を判断することが大切です。発達指数の値だけにこだわるのではなく、定期的な検査結果から分かるお子さんの発達のペースや発達の特徴に注目するようにしましょう。発達指数と知能指数の違い出典 : 発達指数が子どもの発達の基準を数値化したものであるのに対し、知能指数とは人の知的能力(認知機能)の基準を数値化したものです。ここではそれぞれがどのように使われているのか、適用年齢に差はあるのか、検査内容の違いについてご紹介します。・目的発達指数は一人ひとりの子どもの発達状態を知る、知能指数は知的能力の発達に遅れがあるかどうかを知るために使われるものです。適切な学習指導や支援を受ける際のヒントを知るという目的はどちら検査にも共通していると言えます。知能指数と発達指数のどちらを用いるかは、年齢や障害の程度、疾患の種類などによって変わってくるため、専門家の判断によります。また知能検査と発達検査の両方を受ける場合もあります。・適用年齢発達指数は0歳から成人まで計ることができます。就学前の子どもが発達検査を受けることが多いですが、成人でも発達や障害の程度を知るために発達検査を受けることがあります。一方、知能指数は2歳から成人まで計ることができます。子どもに発達障害がある場合、乳幼児期からその兆候が表出することも少なくありません。しかし発達初期の乳幼児の発達状態を、通常の知能検査によってとらえることは困難だとされています。乳幼児は心理的、身体・運動的、社会的側面の発達が十分でないため、知能のみを検査によって測定することは難しいからです。・検査内容発達指数は発達検査によって知ることができ、知能指数は知能検査によって知ることができます。発達検査はガラガラや積木、ミニカーといった乳幼児にとってなじみのある材料を用いた検査です。それに対して知能検査は主に小学生以上を対象としているため、言語や書字などを用いて回答する問題が多くあります。知能指数も発達指数もその数値だけで、障害や疾患の確定診断をすることはありません。発達検査や知能検査を受けたとしても、診断を受けるかどうかは、本人や保護者の希望によります。乳幼児健診などにおいて、発達の遅れの可能性を指摘された場合も一度の検査だけでなく、定期的な発達検査の結果によって疾患や障害を見分けたり、診断していく場合が多いようです。さらに2歳からは知能検査を受けることができるため、だんだんと知能検査を中心に受けることになります。障害や疾患によっては、年齢が上がらないと見分けられない場合もあるため、長期的にお子さんの成長を把握していくことが大切です。発達検査を受けることで広がるメリット出典 : 発達指数と発達検査から分かることを組み合わせてどのようなメリットがあるかご紹介します。・相談機関で子どもの成長に対するアドバイスをもらえる児童相談所などの相談機関では、「検査報告書」をもとに今後のお子さんの成長に対してアドバイスをもらえます。「検査報告書」は発達検査を受けたあとにもらえるもので、検査結果や今後日常生活において注意すべきことが記載されています。発達指数の値は「数値結果」欄にあります。相談機関によるアドバイスによって、例えばお子さんの苦手な部分に対し、「なぜ苦手なのか」を知ることができます。また苦手なことだけでなく、お子さんの検査に取り組む姿勢やプロセスなども教えてもらえるため、「総合的にどう成長しているか」を把握することができます。・小学校就学のヒントを得ることができる発達検査から分かることを小学校就学の際に活かすことができます。家庭では特に気になることがない子どもでも、幼稚園などで集団生活に参加することで困りごとが現れる場合もあります。そのような場合、小学校就学を前にして不安になる保護者の方も少なくないようです。お子さんの発達に気になる点があれば発達検査を受け、早めにお子さんの得意・不得意を把握しておくことで、小学校就学後にもどのような支援をしていけば良いか、検討しやすくなるでしょう。さらに発達検査の結果や発達指数の値によっては、療育手帳をもらえる場合があります。療育手帳があることで、特別支援学級といった就学の選択肢を広げることができます。療育手帳については、記事の後半で詳しくご説明します。発達指数を知りたい時は?出典 : 小さいお子さんの場合は、乳幼児健診の際に相談してみましょう。乳幼児健診では、お子さんの身長・体重測定や診察のほかに、日頃の疑問点や悩みごとについて質問できます。特に保健センターで受ける場合は、医師、保健師、心理士などの専門のスタッフに相談することができます。また乳幼児健診では、発達の遅れの可能性を見極める精密検査が必要かどうかを判断するスクリーニングが行われます。スクリーニングにおいて気になる兆候が見られた場合は、保健機関での相談、発達検査の受検、医療機関での2次スクリーニングなどをすすめられることがあります。そのほかで発達検査の受診を検討する際は、まずはお住まいの地域にある身近な相談窓口に行くと良いでしょう。子どもか大人かによって、行くべき相談機関が違うので、以下を参考にしてみてください。【子どもの場合】・保健センター・子育て支援センター・児童相談所・発達障害者支援センターなど【大人の場合】・発達障害者支援センター・障害者就業・生活支援センター・相談支援事業所など自宅の近くに相談機関がない場合には、電話での相談をすることができる場合もあります。発達検査は、公的病院や民間病院で受けることができます。精神科や臨床心理士による検査が受けられる病院を受診すると良いでしょう。「児童発達支援センター」などで受けることもできます。発達検査の受け方、費用は、検査内容や病院によって異なります。検査は基本的に誰でも受けることができますが、特に発達に関して気になる点がないと医師が判断した場合は自費となります。検査を受ける際は、まず病院に問い合わせてみましょう。さらに発達検査の結果を受けて、専門機関で確定診断を受けたい場合は発達検査を受けた機関に問い合わせるか、もしくは改めて相談機関(保健センター、子育て支援センターなど)に問い合わせてみてください。発達指数を知ることができる発達検査の内容出典 : 発達検査にはさまざまな種類がありますが、この章では主に発達指数を知ることができる2つの検査について紹介します。これらの検査は、任意で受検することも可能ですが、基本的には相談機関や病院ですすめられて受検することが多いです。適応年齢:生後100日後~成人検査項目:328項目(「姿勢・運動領域」、「認知・適応領域」「言語・社会領域」の3領域で構成)それぞれの年齢において、一般的と考えられる行動や反応と、対象となる方の行動や反応が合致するかどうかを評価する検査です。検査は、「姿勢・運動」(P-M)、「認知・適応」(C-A)、「言語・社会」(L-S)の3領域について評価されます。なお、3歳以上では「認知・適応」面、「言語・社会」面の検査に重点が置かれます。検査結果としては、この3領域の「発達指数」と「発達年齢」が分かります。適応年齢:0歳0ヶ月~4歳8ヶ月検査項目:151項目(移動運動、手の運動、基本習慣、対人関係、発語、言語領域)「運動」「社会性」「理解・言語」の3領域6の質問項目から構成されています。上記の発達検査は発達指数や発達の全体像を知る検査です。これらの検査結果をふまえたうえで、特定機能の発達を計る検査と組み合わせることもあります。なぜなら発達指数の値が正常だった場合でも、異なる検査によって発達における課題を見つけることができるからです。例えばIPTA言語学習能力診断検査であれば、学習障害や言語発達の遅れを見つけることができます。発達検査を受けてもお子さんの発達に心配な点がある場合は、他の検査を検討してみても良いでしょう。発達指数の値によって療育手帳をもらえることも出典 : 発達指数の値だけで受けられる支援はありませんが、発達指数の値は療育手帳の取得判定の際に参考とされます。療育手帳は、児童相談所または知的障害者更生相談所において知的障害であると判定された場合や、知能指数が75以下(自治体によっては70以下)の場合にもらうことができるとされています。乳幼児の場合は、知能指数の代わりに発達指数を指標とすることができます。療育手帳を貰う流れとしては、まず発達検査を受けて発達指数を知り、指定された医師による診断書を用意する必要があります。注意点として、知的障害の程度は年齢とともに改善が見られることがあるため、療育手帳の更新ごとに障害の等級が変わるということが挙げられます。特に乳幼児においては、発達指数の値は変化しやすいので、更新期限までに必ず再判定を受け、適切な支援を受けられるようにしましょう。障害の判定は発達指数に加えて、日常生活における能力を総合して行われます。療育手帳の基準は地域によって異なりますが、参考までにここでは東京都が交付している「愛の手帳」の例をご紹介します。◇判定基準知能測定値、運動、社会性、意思疎通、身体的健康、基本的生活の6項目を0歳~6歳の子どもの判定基準としています。知能測定値として、知能指数や発達指数を用います。◇区分知能指数や発達指数の値と日常生活における能力を総合し、最重度~軽度の4区分に判定されます。参考:愛の手帳|東京都福祉保健局療育手帳を貰うことで以下のようなメリットがあります。・保育園入園時など保育・教育面での援助・公共交通機関などの割引・レジャー・スポーツ施設などの割引・給付・税の減免や控除に役立つ・就労に向けての支援さらに療育手帳を持っていることで特別支援教育を受けたい際に役立ったり、特別児童扶養手当を貰えたりする場合もあります。自治体によって異なるため、地域の相談機関に相談してみることをおすすめします。まとめ出典 : 発達指数はあくまで発達の度合いを計るものさしの一つです。発達指数の値が低いからといって障害があると決めつけることはできませんし、年齢によって改善されることもあります。そのため発達指数の値だけを見て思い込みをせず、発達検査から分かるお子さんの得意・不得意にも注目し、サポートにつなげることが大切です。客観的、総合的に成長を捉えることで、お子さんに合った学習指導や支援を見つけることができるでしょう。お子さんの発達が気になる場合は、児童相談所などの相談機関に相談し、長期的にお子さんの成長を把握していくようにしましょう。岩﨑 清隆・岸本光夫/著『発達障害の作業療法実践編』2015年三輪書店小山正/著『乳幼児臨床発達学の基礎』2006年培風館/刊
2017年01月09日子供おばさんは、「人に自分はどう思われているか?」ばかりを気にしています。だから、人前では“いい人”を演じてしまい、本当の自分とのギャップに苦しみます。自分に自信がなく、人からの評価でしか自分の価値を見いだせないから、周りからどう見られるかばかりを気にしてしまうのです。現実的に、どんな人格者であっても、万人に好かれるというのは無理な話です。でも、子供おばさんは自分を嫌う人が出てくると必要以上に傷ついてしまいます。それでは、生きづらくなってしまいますよ?たとえ万人に好かれるのは無理だとしても、唯一、好かれなくてはいけない人物はいます。それは“自分自身”です。人からの評価に右往左往しなくなるためにも、どんなときも自分を愛し、味方でいることが大切です。もし自分のことをきちんと受け止められている人なら、例え自分を「嫌いだ」と言う人が現れても、自分自身が人に対して礼儀を欠いた行動をしていないのであれば、心のどこかで「(相性もあるし)、致し方ない」と思えるものなのです。大人女子は自分らしくいる大人女子は、自分自身を受け止めているので、人の目ばかりに気にすることなく、自分らしくいます。もちろん場の空気は読みますが、「基本、相手に思いやりを持って接していれば嫌われることはない」と信じているので、「人に嫌われたどうしよう?」なんてビクビクすることなく、伸び伸びとしているのです。そういう人の方が、人からわざわざ好かれようとしなくても、好かれやすいものです。魅力的に見えますしね。結局、子供おばさんのように、「人目ばかりを気にして行動していたら、好かれるのか?」というと、嫌われることは少なくても、好かれないことも意外とあるもの。それは、“気を遣いすぎて、いい人を演じている人”は、大概、人から分かってしまうので、魅力的に映らないことも多いからです。場合によっては、「この人の本心はどこだ?」と疑われてしまったりすることだってあるでしょう。大人女子と子供おばさんの行動で、一番違うことは何か?というと、「相手をよく見ている」ということです。大人女子は相手をよく観察しているから、相手が喜ぶような行動をとることができます。逆に子供おばさんは、相手を通して、“自分”ばかりを見ているので、行動が独りよがりになってしまうことも多いのです。残念ながら、それは、“相手を喜ばせるため”ではなく、“自分が評価され、好かれるための行為”に過ぎません。つまり、「相手への愛」が少なく、「自己愛」が多い分、相手に伝わらないことも少なくないのです。思いやりのある行為というのは、「相手をきちんと見て、相手がどうしたら幸せになれるか?を考えて、行動する」ことです。そうしたら、「相手は、自分のことをどう思うか?」なんて、いちいち気にしなくても、基本、好かれます。なぜなら、相手にとっては、“自分をよく理解してくれ、幸せにしてくれる存在”だからです。「人からどう見られるか?」ばかり考えていても、人からは好かれにくいもの。そんなことよりも、自分自身をきちんと受け止め、さらに、相手をきちんと見て、愛情を注げる人でありたいものですね。・子供おばさん…「人にどう見られるか?」ばかりを気にして行動するため、結果的に人に好かれにくい・大人女子…自分らしく行動し、人に思いやりのある行動をするので、結果的に人から好かれる
2016年12月27日発達障害で働いている人はどのくらいいる?出典 : 発達障害とは、先天的な脳機能障害によって、発達に何らかの遅れや偏りなどの症状が、通常低年齢において発現する障害です。日本における発達障害の定義は平成16年に制定された発達障害者支援法によって定められており、世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)の基準に準拠しています。発達障害者支援法における発達障害の定義は以下になります。この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。そもそも発達障害のある大人が日本にどのくらいいるか、はっきりした統計的なデータはありません。文部科学省の2012年の調査によると、通常学級に在籍する児童・生徒の中で発達障害の特徴を示す子どもは全体の約6.5%、つまり約15人に1人の割合でという結果になりました。これは、診断を受けている人の数ではありませんが、障害の傾向のある人まで含めると、社会の中にもかなりの数の発達障害のある人がいることを示唆しています。発達障害がある人の中には成人して特性を生かした職業に就いたり、能力にあう職業を選び、雇用されている人もたくさんいます。2011年の障害者職業総合センターの調査によると、- 障害者を積極的に雇用している特例子会社105社のを対象にしたアンケートで、特例子会社で働く療育手帳(知的障害のある方が取得する手帳)所有者が1798人、精神障害者保健福祉手帳を所有している人が198人いて、両者の中で発達障害があると把握されている人は203人という報告があります。ですが、発達障害のある人の中には療育手帳や精神障害者保健福祉手帳を取得していない人や、障害を開示しないで働いている発達障害の人が多いと考えられます。そのため、実際にはより多くの発達障害のある方が、様々な仕事に携わり、様々な職場で働いていると言えるでしょう。出典:「 発達障害者の企業における就労・定着支援の現状と課題に関する調査研究」(2011年)|障害者職業総合センターHP大人の発達障害、いつ診断された?きっかけは?Upload By 発達障害のキホン発達障害は発達期(~18歳)に発症するとされていますが、障害に気づくタイミングはそれぞれです。子どものころから診断結果が出ている人や、大人になってから何かをきっかけに診察を受け、気づいたという人もいます。母は私が小さい時から「おかしい」と思っていました。小学1年生の時、担任に「学習障害」を相談しましたが「違う」と言われ、中学でも担任に相談しましたが違うと言われました。私自身も、小学生の時点で自分の「変さ」には気づいていました。辛かったです。でも、「発達障害」という言葉自体なく診断されませんでした。近年、発達障害が広く知られるようになってきましたが、かつてはあまり理解を得られず、見過ごされていた人も多いようです。大人になって発達障害に気づくきっかけになるのは、例えば仕事上のミスや、社会人として生活する上で人間関係がうまく築けないなどの悩みなどです。これらのストレスからうつ病などの二次障害を発症し、精神科などを受診して発達障害に気づく人も少なくありません。ですが、大人になってからでも専門家の支援を受けることで自分の特性に気づけたり、対処法を学ぶことは十分にできます。もちろん、日常で問題や障害を感じずに社会に適応している発達障害の人もいますし、現在発達障害の根本的な治療法もないため、必ずしも診断を受けなければいけないわけではありません。私は13年前にうつ病と診断され、6年後に双極性障害と再診断されました。現在は双極性障害2型とパーソナリティー障害が病名になっています。解離性障害で入院していた時期もあり、過去10人以上の医師に診てもらいましたが誰1人私の「発達障害の可能性」を指摘しませんでした。今までのどの診断名も自分にしっくり合わず間にあわせ的な違和感を感じていた私が自ら調べた結果、「根底にあるのは発達障害で双極性障害その他はその二次障害である」という結論にたどり着き、医師にそれを相談したところ診断に「発達障害疑いあり」が加わりました。このように大人になってから新たに発達障害だと医師から診断されることもあります。大人になってからでも、なんらかの困りごとに直面したり、疑いを持った場合はまず専門機関に相談しましょう。発達障害者支援センター・一覧検診で子供の発達障害の疑いを指摘されたことをきっかけに、自分もWISC検査と診察を受け、自閉症スペクトラムグレーゾーンと診断されました。お子さんの発達障害をきっかけに、自分の障害に気付いた方もいるようです。大人の発達障害、特性に合った仕事・難しい仕事は?出典 : 注意欠陥/多動性障害(ADHD) の人の特徴は、集中力が長時間保てなかったり、落ち着きがない、物忘れをしがちといった行動が目立つため、周囲からやる気がないというような誤解を受けがちです。仕事上では、不注意から同じミスを何度もしてしまうこともあります。また「臨機応変に対応を」と言われ、本人は工夫したつもりが、やりすぎてしまい相手の意図とそぐわないことをしてしまうこともあるかもしれません。しかし、一方ではアイデア力、行動力や独特の感性を発揮し、営業職や企画・開発などで評価され活躍している人もいます。ADHDの人全員に当てはまるわけではありませんが、一般的にミスが絶対に許されないような作業などは不向きともいえます。一方で、ADHDのある人は以下のような強みがある人も多いのです。・興味のあることに対して情熱を持ち、高い集中力を発揮する・アイデアが豊富で、固定概念にとらわれず自由に考えられる・行動力がある・素晴らしいひらめきをすることができる・独特の感性をもち、考えることができるなどどちらかというと、芸術家・音楽家やデザイナー、CGアニメーター、ゲームソフトやコンピューターソフトの製作者、研究・開発者などクリエイティブな仕事が向いています。また行動力を活かしセールスマン・営業職や起業家・企業家として活躍する人もいます。自分の特性に合った職業に就くことができれば、注意欠陥/多動性障害(ADHD) の人も強みを活かして活躍しやすくなります。時間や仕事のリズムにも自由度が高く、うっかりミスも取り返しがつくような、新しいアイデアや変化を問う仕事が向いています。自閉症やアスペルガー症候群などを含む、広汎性発達障害(PDD)・自閉症スペクトラム(ASD)の人は、相手の気持ちや場の空気を読んだり、コミニュケーションをとるのが苦手ということが多いです。また、イレギュラーなことやはじめての経験にスムーズに対応するのが難しいこともあります。これらはあくまで傾向にしかすぎず、全ての広汎性発達障害の人がこの特徴に当てはまるわけではありません。併存する知的障害の重さや一人一人の特性にもよりますが、対人関係が苦手な人は接客業はストレスが多いでしょう。現場で臨機応変な対応が求められる職業は向いていないかもしれません。広汎性発達障害の人の中には、こだわりを持ち、パターン化されたものを好む人が傾向としては多いそうです。そのため、同じ作業を繰り返すルーティンワークで強みを発揮する場合があります。一度仕事のやり方を覚えると効率よくこなす人も多く、職場で高評価を受ける人も多いのです。また、自分にしかわからないような強いこだわりを持っているので、研究や創作などでは群を抜いた能力を発揮することも多いのです。具体的にはデザイン関係の仕事やプログラマー、コンピュータ関連の仕事で力が発揮できると思われます。集中力があり、普通の人では集中力をきらしてしまうような細かい仕事もコツコツと続けることができ、物事を深く追求したりルールに基づいて整理・分析したりするエンジニアや研究者といった仕事、校正者や職人などの特殊技能を必要とする仕事などに向いています。学習障害は、能力の凸凹や特性の偏りが多く、苦手なことにかなり個人差がある障害です。そのため、向いている仕事、向いていない仕事も人によって様々であると言えます。本人の特性を理解し、得意な分野を活かせる仕事につけることが理想ですね。向いていない仕事は一概には言えませんが、苦手な業務が多い仕事内容だと、困難な場面も増え、ストレスを感じることも多くなるかもしれません。一方、別の手段で代替できたり、職場の理解や協力があれば乗り越えられる可能性も大いにあります。たとえば、算数障害(ディスカリキュリア)のある人の場合、日々、多くの計算が業務に必要な仕事は苦手かもしれません。ですが、計算機で解決できる場合もあります。同じ小売業でも、暗算が苦手な場合、お釣りを計算しなければいけないお店の会計業務は向いていないと言えますが、バーコードを読み取るだけのレジであれば、問題ないこともあるでしょう。また、書字障害のある人は、文字を書く業務が苦手かもしれませんが、パソコンでタイプしてプリントすればよいこともあります。読字障害のある人も、音声読み上げソフトを使用したり、録音することで困難が解消できることもあります。苦手な分野を避けることは働き続ける上で大切ですが、テクノロジーや手段を替え工夫することでうまくいくこともあるので、「この仕事は無理」と決めつけてしまう前に検討するのがよいでしょう。実際に、様々な障害特性を乗り越えて作家、映画監督、発明家、俳優など様々な職業で活躍している人もいます。障害特性と向き合いつつも、自分が希望する仕事に目を向ける、という進路も選択肢の一つかもしれません。人のストーリー|発達ナビ大人の発達障害、仕事の探し方は?Upload By 発達障害のキホン発達障害に関する就労支援は、現在、よりよい対応体制を整えている状態です。特別支援学校などでは、卒業後に就職できる企業の紹介もあります。通常学級でも高校、大学ともに進路指導の先生に相談することも可能です。まず、最寄りのハローワークでの相談をおすすめします。障害者雇用の窓口もあるので、そこでご自身の発達障害の特性について伝え、仕事を探していること、仕事をする上で不安に感じていることなどの相談をすることができます。障害者を対象とする障害者合同就職面接会などの情報を得ることもできます。障害者向けの支援を希望しない場合でも、ハローワークできめ細やかな相談・支援を実施してくれます。適職があれば求人に応募してもよいでしょう。「若年者コミュニケーション能力要支援者就職プログラム」として、発達障害などでコミュニケーションに困難を抱えている場合の支援も行っており、不安がある場合には、発達障害者支援センターや医師との連携をとってもらうことができます。適職を自分では探すことが難しい場合には、適職を探す方法や調べてもらえるところも紹介してもらえます。就職に不安をかかえている場合には、就労移行支援という方法で就職をすることもできます。これは障害者総合支援法に基づいた支援で、就労移行支援事業所が各都道府県や政令都市の認可を受けて民間が運営しています。この就労移行支援は手帳を取得していなくても医師の診断書や意見書など、支援の必要性を示す情報があれば利用することができます。まずは最寄のハローワークや就労移行支援事業所に連絡をとってみましょう。ハローワークでは、発達障害のある人が就職された場合、その事業主に対して助成を行う「発達障害者雇用開発助成金」という制度を設けています。他にも「障害者トライアル雇用奨励金」という短期間の施行雇用を行い、仕事に慣れることで実際の雇用につなげる制度もあります。詳しい情報は以下のリンクを確認してください。実際に働いてみると仕事が想像していた仕事内容と大きく異なった、と離職を希望される場合も少なくありません。仕事を探す際には、似たような職種で職務経験を積んでいく方法や、希望の会社でまず一定期間働くことが可能なのか、聞いてみる方法もいいでしょう。より自分の得意・不得意を理解し、どの仕事ならこなせるか、やりがいを持てるかどうかを把握するヒントになるかもしれません。発達障害者支援センターでも「就労支援」を行っています。本人や家族からのあらゆる相談ができ、必要に応じた施設や医療機関の紹介もしてくれます。就労に関しては特性や障害の状況に適正な就労先を紹介してくれたり、雇用後にも個人の必要に応じて支援を行ってくれます。発達障害者支援法第3章第14条に基づき、都道府県・指定都市に設置されています。就職後も相談に乗ってほしい場合はジョブコーチによる支援を受けることもできます。これは、就職後、職場にジョブコーチが出向き、職場でうまく仕事をしていくための支援をしてくれる制度です。若年コミュニケーション能力要支援者就職プログラム発達障害者支援センター・一覧参考:障害者就業・生活支援センター療育手帳や精神障害者福祉手帳を取得している場合はいわゆる「障害者雇用制度」の対象となります。・手帳所持者を事業者が雇用した際の、障害者雇用率へのカウントの対象となり、障害者雇用枠での就職ができる・障害者職場適応訓練を受けられるなど、就職への支援が受けられます。実際に障害者雇用制度を利用して就労する人の数は年々増加しています。ですが、希望している職種や企業が障害者雇用枠で募集しているとは限らないこと、賃金などの面で希望と合わないこともあるでしょう。一般の求人に応募したい場合などには、手帳を持っているからといって必ずしもこの制度を利用しなくてもよいですし、手帳取得者であることを報告する義務はありません。制度を利用するかどうか、よく考え、支援機関などと連携し、相談しながら進めていくとよいでしょう。障害者雇用対策|厚生労働省障害者雇用対策|厚生労働省大人の発達障害、会社や同僚へ開示・報告はした方がいいの?自身に発達障害があることを職場に伝えた方が良いかどうか、迷う方が多いのではないでしょうか?会社へ障害があるということを報告するかどうかは、一人ひとりの状況によるので一概には決められません。診断のみでは雇用上「障害」としては認められない現状があることも考慮したほうがよいでしょう。そのため診断とともに障害者手帳を取得しているかどうかでその意味合いが変わってくる場合もあります。一般就労をしている場合、会社に報告するか否かは、障害に理解のある会社であるかどうか、報告することで仕事をしやすくなるかなどを考慮して決めた方が良いと言われています。会社に報告する人が多くなってきていることは事実ですが、周りや会社には報告しないことを選択している人も少なくありません。一方、報告することによって周りからの理解が得られ、離職率が低下するということも考えられます。報告した際のメリットとしては、サポートを受けやすくなったり、フォローしてもらえるようになるということがまず挙げられます。また業務の相談もしやすくなると思いますし、以前より職場環境を快適に感じることにつながるかもしれません。2016年4月に障害者差別解消法が施行され、不当な差別的取扱いを行ってはいけないこと、企業や行政はできる範囲で合理的配慮を行う努力義務があることが定められました。このため、職場でも合理的配慮をお願いしやすくなりました。しかし中には偏見を持ったり、あまり障害に対して理解をしてくれない人がいないとは限りません。発達障害について詳しい知識のある人は少ないので、仕事上での困難や起こりうる問題と、要望などを伝えるようにしましょう。また、障害があるという報告をする場合は人を選んで報告し、仕事のどういうところで具体的にフォローが必要かを伝えるのが良いと思います。デリケートな問題ですので、迷ったら自分だけで決めずに、発達障害者支援センターなどの専門機関に相談することをおすすめします。一方で、発達障害を開示・報告した場合でも、職場や周囲に偏見が無理解があれば、職場で差別・虐待を受けてしまう可能性もゼロではありません。こうした深刻なケースでは、本人から周りに助けを求めるのが難しい場合もあるので、周囲の人が虐待に気づいた場合、各市町村の障害者虐待防止センターなどの専門機関に虐待の存在を知らせましょう。本人からの申告も可能性です。またこの虐待は就業場に限らず家庭内の虐待も含みます。障害者虐待防止センターに虐待を相談すると、支援・指導を受けることができ、問題の糸口を探す手伝いをしてくれます。強制的に仕事や家族から隔離されたりすることはありませんので、安心して相談することができます。発達障害の仕事での困りごと・よくあるミスと対処法出典 : 発達障害のある人の中には、社会的な「暗黙のルール」というものに気づきにくいという特性も持っている方も多く、周りの人が忙しくしている時や、助けを必要としている状況に気づかず、手伝うことができない場合があります。また決められたこと以外のイレギュラーなことが苦手な特性のある場合、指示をされないと動かない・自分の仕事が終わったら他のことは何もしようとしない、などと周りから見られてしまうことがあります。【対処方法】具体的な指示があると動きやすいという特性を伝え、「具体的に今時点で何を手伝ってほしいのか」指示してもらうようにします。その仕事を終えたら、次の仕事をまた具体的に指示してもらうようにします。複数の仕事を同時に並行して行うことや、脳と体の複数部を同時に動かすことが苦手なこともあります。一つの業務の間には、わずかな時間でも休憩を挟み、終わった仕事に対して評価をしてから、次の仕事をするといった工夫をするとよいでしょう。時間の管理が苦手で、遅刻しがだったり、仕事の手順が就労時間で計画できない場合があります。スケジュールの調節、優先順位だけでなく、仕事に対して熱心に取り組んではいても、こだわりが強すぎて自分の納得いくまで作業を終わらせることができずに、納期が守れないといったこともあります。【対処方法】仕事の完成度が高いことも重要だが、納期を守ることも大切だということを理解しましょう。「納期」とはなにか、具体的にして再確認し、作業のスケジュールを「見える化」すると良いでしょう。またスケジュールは自分だけでなく、複数の人に管理してもらうなどがあります。具体的には以下のような工夫をするとよいでしょう。・作業内容を細分化して書き出し、それを見えるように張り、作業終了目標時間の5分前にアラームをセットする。・終わった作業にはチェックをし、終わった作業への充実感を感じられるようにする。・仕事の計画や優先順位を決めることが苦手な場合、スケジュールをほかの人に管理してもらい、ひとつの仕事を終えたら、次の仕事を具体的に指示してもらうようにする。周りが気になってしまって、やるべき仕事に対しても集中力が続かない場合があります。また、興味がない仕事の場合、会議中などの大事な席でも居眠りしてしまうことも。頼まれていたことを忘れてしまったり、集中力が続かないことが原因で、仕事がスムーズに終わらなかったり、やる気のないような印象を与えてしまい、接客などで様々なトラブルを起こしてしまうことも少なくありません。【対処方法】怠けているという訳でもなく、集中力が続かないという特性を持っている場合は、周りの人に自分の特性を説明し、理解してもらえるようにつとめます。何か別の考えごとをしているな、と感じたら、声をかけてもらえるようお願いしてみましょう。他のことを考えはじめたことに気付いてもらい、今やるべきことがあるのに他のことを考えてミスしてしまうのを防ぐためです。指示を忘れないようにメモの習慣をつけましょう。集中力低下時の居眠り防止には、睡眠不足にならないように心がけることも大切です。またデスクワークなどで気が散ってしまうときは、集中できるよう環境調整をすることも効果的です。デスク周りを片づけて集中できるようにしたり、聴覚過敏がある場合は相談してイヤーマフなどの使用許可をお願いするのもよいでしょう。「想像力の障害」や「コミュニケーション能力の障害」により、敬語の使い方が困難な場合もあります。本人が正しいと思って使っていた言葉使いが、仕事の上では失礼にあたったということに気づけないことがあります。また距離感をうまくつかめないという特性もあり、近くにいるのに声のボリュームが大きすぎて相手を驚かせてしまうこともあります。【対処方法】自分中心の話ばかりでなく、相手が話しているときは意識的に相づちをうつようにするとよいでしょう。場所やその場の雰囲気、相手に合った会話の内容や態度、表情などを意識するということを、ひとつずつクリアしていくようにします。相手のお世辞を正直に受け止め過ぎてしまうことがあるので、注意しましょう。まとめ出典 : 参考:『発達障害者と働く』(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)発達障害のある人が就業する場合、多少の困難はもちろんつきものです。職場の方から偏見を受けたり誤解されてしまうこともあります。発達障害は、一見して外からは見えにくいため、他人には障害があることが理解されにくい場合があります。自分でも自覚が少なく、仕事ができないと他人と比べて落ち込むこともあるかもしれません。しかし、自分の障害特性を理解することで適切な支援も受けられますし、必要な配慮を周囲の人に伝えやすくなります。発達障害だということを職場に告白し理解してもらうのは勇気のいることですが、仕事の円滑さやストレス軽減のための手段のひとつであるとも言えます。仕事がスムーズにいかないのは、本人の能力不足や怠け心があるというのではありません。今勤務している職場環境を改善したり、適職を見つけることのできる相談機関が全国にありますし。それによってサポートを受けながら、働きやすい仕事の環境で継続的に働いていくことも可能なのです。深呼吸し、ひとつずつ課題をクリアしていくように、業務の手順や対人関係の工夫を身につけていきましょう。自信をもって働ける職場環境をつくったり、より適切な職場を見つけたりすることで、仕事や生活全体の充実が得られるようになるでしょう。頑張り過ぎず、自分のペースでいられる時間を持つことで、バランスをとっていきましょう。参考:法令データ提供システム「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」2012年
2016年12月15日子供おばさんは、「恋人がいないクリスマスは不幸」だと思っています。だから、クリスマスまでには恋人を作ろうと、合コンや婚活パーティーに参加し、“インスタントな恋人”でもいいから相手を探そうとします。でも、待ってください!そんな相手とクリスマスを過ごして、本当に幸せなのでしょうか?まず想像してみましょう。大して好きでもない恋人とクリスマスデートの約束をしたとします。でも、12月は忘年会もあるし、仕事も大忙し。身体が疲れている中、そこまでトキめかない相手とデートをすることに、段々億劫になってくることもあるでしょう。さらに、クリスマスデートであれば、プレゼントも用意した方がいいです。まだ相手と付き合って間もないので、何をあげたらいいのかも分かりません。年末はただでさえ忘年会などで出費が多いのに、さらにお金が必要となります。なによりも、相手が自分のことを好きになってくれた場合、自分が相手に愛情がない分、罪悪感を持ち、一緒にいるのが辛くなってきます。逆に、相手の方が単に寂しさを埋めるために付き合っているだけで、恋をしていないことだってあります。そんなときは大きな寂しさを味わうでしょう。人は1人だから寂しくなるわけではありません。むしろ人と心を通わせられないことの方が孤独を感じるものです。本当に、こんな楽しくないクリスマスを本当に過ごしたいですか?大人女子は、恋人がいない時はいないで、クリスマスを自分なりに楽しみます。気の置けない友達とホームパーティーをする人もいれば、忙しい日々をリセットするために、1人でゆっくりのんびり過ごす人もいます。「クリスマスは恋人と過ごさないと幸せではない」なんて、偏った価値観を持っていないので、自分が快適な過ごし方をできるのです。そんなに1人でクリスマスを過ごしたくない?クリスマスを1人で過ごしたことのない人は、それをすることに不安を持っていることもあるでしょう。だったら、この機会に一度、1人で過ごしてみてはどうでしょうか?本当にそこまで怖いものなのか……。例えば、自分が好きなお酒や料理、ケーキを用意して、お気に入りの映画のDVDや音楽を鑑賞したりして、のんびり過ごしたら、充実した時間を過ごせる人は意外といるでしょう。クリスマスを1人で過ごすことの恐怖感は、おそらく「周りからどう見られるのか?」を気にすることも多いものですが、外出しないで1人でゆっくり過ごす分には、人目も気になりません。それでも怖い場合は、自分で勝手に、「クリスマスに1人で過ごす自分は、価値のない人間なんだ」なんて劣等感を抱いてしまっている可能性もあります。ハッキリ言いましょう。そんなことを思っている人の方が、カッコ悪いです!世間一般の価値観に振り回されていないで、“自分のものさし”をきちんと持つのです。本当にクリスマスを1人で楽しく過ごしている人は、惨めなのでしょうか?それを惨めだと思ってしまう人は、自分を自分で楽しませたり、幸せにできたりできない、まだまだ精神的に“お子ちゃま”と言っても過言ではありません。結局、人の価値というのは、「恋人がいるか、いないか」、ましてや「クリスマスを1人で過ごすか否か」なんてこととは全く関係ありません。でも、そんな判断をしてしまうのは、「価値観が子供っぽい」のと、普段から「自分で自分を認められていない」のが原因です。だからこそ、人から羨ましがられるような環境に身を置き、みんなに「スゴイ」と言われることで、「自分は価値のある人間なのだ」と安心したいのです。そんな人は、ただただ自分をきちんと受け止めることを学びましょう。恋人がいようといまいと、あなたはあなたです。日頃から頑張って生きている自分をきちんと認め、褒めてあげましょう。恋人ができるか否かは、縁やタイミングもあります。単なる魅力だけの話ではありません。そもそも自分で自分を認められない人が、人にそんな自分を薦められますか?素敵な恋をするためにも、自分が“人に薦められる自分”になることが大事です。そのときに大事なのは、きちんと“自分を肯定し、受け止め、心の弱さに負けないで成長していける自分”になることです。「ダメな自分でも受け止めて!」というのは甘えなのです。自分で「自分はダメじゃないんだ」「完璧な人なんていない。欠点があっても、成長して変わっていけばいいんだ」と前向きに自己を受け止められるようになることが大事なのです。それを学ぶために、大きな力で今、“恋人のいないクリスマス”という出来事を与えられているのかもしません。むしろ、クリスマスに1人で過ごすのが辛くて、慌てて恋人を作ってしまう人は、重要なことを学び、成長するきっかけを無駄にしています。そんなことでは、毎年、同じようなミステイクを繰り返してしまいますよ?恋人がいない人は、今年は“自分のことを自分で幸せにし、いっぱい受け止めてあげるクリスマス”にしませんか?それが一番の“自分へのプレゼント”になりますよ!・子供おばさん……「恋人がいないクリスマスなんて辛い!」と、インスタントな恋人を作ろうとする・大人女子……恋人がいなくても、自分らしく楽しいクリスマスを過ごす
2016年12月13日LITALICO初の書籍が発売!Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)発達ナビの運営会社である株式会社LITALICOの代表、長谷川敦弥の新著が発売されました。SB新書から、『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。』というタイトルでの発売です。LITALICOがこれまで学習支援や就労支援のサービスの中で出会ってきた方々のエピソードを中心に、それぞれ違った個性を持った方たちが、どのように自分にあった学び方、働き方を見つけていったのかをご紹介するとともに、多様な個性が活かされる「障害のない社会」とはどのような社会なのか、私たちのビジョンや想いを記した書籍です。発達ナビ編集長である私も、この書籍の構成・編集に携わりました。これまで、発達が気になる子どもたちの学習支援教室や就労支援センターの現場スタッフとして、また自分自身の特性に悩んだ日々も思い出しながら、同じようにご自身やお子さんの将来について悩める方々に届けられるようにと編集させていただきました。『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。』新著の構成と見所は?以下では、書籍の構成とともに、各章の見所をご紹介します。『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。 』第1章:ADHDはぼくの強み第2章:子どもが一番の先生だ!第3章:子どもの心に火をつける第4章:「多様性」を力に変えていく働き方第5章:障害のない社会をつくる-------------第1章は、LITALICO代表である長谷川敦弥自身の人生のエピソードです。ADHDの特性を強く持つゆえに、周囲との関わりに悩んだ幼少期の学校生活。人生の転機となる焼肉屋の店長夫妻との出会い。上京後、自身のADHD的特性を活かして働き、LITALICOを運営するに至るまでの歩みをお伝えします。第2章は、発達支援の教室「LITALICOジュニア」で出会った子どもたちのエピソードです。「困った子だ」「問題児だ」と言われているその子自身が、実は一番困っている。お子さんの特性を理解し、その子が過ごしやすい環境づくりをしたり、その子ならではの学習方法を探して成功体験を積み重ねることの重要性などについてお話します。第3章は、IT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」で出会った子どもたちのエピソードです。学校で決められた「枠」からはみ出る子どもたちが、自分の「好き」や「得意」を伸ばしていくことで、苦手を克服したり、新たな進路を切り開いていったエピソードをご紹介します。第4章は、働くことに障害のある方を支援する「LITALICOワークス」の利用者さんのエピソードです。困難と直面しながらも自分らしい働き方を諦めずに探し続け、一人一人違う自分だけの「天職」を掴み取るまでの過程をご紹介します。ご自分の特性や働き方に悩まれている大人の発達障害当事者の方だけでなく、お子さんの将来について悩まれている保護者の方の姿を思いながら、執筆・編集いたしました。第5章は、こうした取り組みを続ける中でLITALICOが大切にしている思い、発達ナビなどのメディア発信や、研究・政策提言活動を通して、「障害のない社会」をどのように実現していきたいかを記しました。発達ナビ読者のみなさまにも、ぜひお読みいただきたい内容となっております。書店やネットショップで手に取っていただけると幸いです。『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。』立ち読みページ『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。』
2016年12月12日子供おばさんは、友達に「彼氏ができた」と聞けば落ち込み、「結婚した」と聞けば不愉快な思いになり、「子供が生まれた」と聞けば絶望的な気持ちになります。友達が自分よりも幸せになると、“負けた”気になってしまうのです。でも、そもそも人が幸せなのと、自分が不幸なのは別物です。人が幸せなら、自分は自分で幸せになればいいだけのことです。友達に彼氏ができようと、それと自分の恋愛がうまくいかないのは関係ありません。その友達が自分の好きな人を略奪したわけではないですしね。ただ、通常子供おばさんは、友達の恋愛がうまくいっていないことで、自分に彼氏がいないことに対しても、「彼女も恋愛は不調だし!」と安心していることが多いもの。だからこそ、友達が恋愛で幸せになったら、困るのです。でも、そんな程度の思いしか抱けない相手というのは、本当に友達なのでしょうか?大人女子は友達に幸せが訪れると、自分のことのように喜びます。友達が幸せになることは、自分にとっても嬉しいことだからです。逆に友達が落ち込んでいると、同じように自分も悲しい気持ちになります。そんな彼女だからこそ、友達から愛され、彼女の幸せを応援し、喜んでくれる人が多いのです。結局、大人女子と子供おばさんの一番の違いは、「人に対する愛の大きさ」とも言えます。愛を抱くと、自分にとってもエネルギーになり、いいものを引き寄せます。だからこそ、大人女子はより幸せをつかみやすいのです。人の幸せと自分の幸せは別物ただ、なんだかんだ言っても、人は自分が幸せでない限り、人の幸せを素直に喜べるほど、心の器が大きい人はそうそういないのかもしれません。特に、自分がコンプレックスを抱いていること、欲しくても手に入れられないものを、相手が手に入れているときには、正直、「羨ましい」という気持ちは抱くこともあるでしょう。ただ、何度も言うように、人の幸せと自分の幸せは別物です。自分は自分で幸せになるしかありません。また、その時には、人と比べていないで、“自分らしい幸せ”をきちんとつかみ取ることが重要です。幸せの形は人それぞれだからです。実は、何かを得れば、何かを失います。いいことばかりではありません。例えば、結婚したときには、今まで快適だった、自分1人の時間は確実に減ります。また、仕事で出世した時には、その分、しがらみがふえ、自由を失うことだってあるでしょう。でも、自分が望んで掴んだ幸せであるからこそ、失うものに対しても、納得ができるのです。子供おばさんは、友達が手に入れたものなど、表面的な部分ばかりを見ないで、その分、相手が失っているもの、さらに、それを守るために努力していることなどの背景もきちんと見るようにしましょう。そうしたら、羨ましく思うどころか、応援したくなることだってあるでしょう。結局、人の幸せを不幸に感じるタイプの人は、人と自分とを比べてばかりいて、自分の今ある幸せや、与えられている環境に対しての感謝の気持ちがないからこそ、幸せではないのです。つまり、自分の今の立ち位置をきちんと見ないで、人のことばかり見てしまっているのです。誰もが皆、自分の人生を歩むしかありません。人の人生と比べたところで意味がないのです。つまり、それは、人それぞれに“自分にとっての幸せ”というのがあるということ。“自分にとっての幸せ”を他の人が手に入れても幸せになれないことは多々ありますし、逆も然りです。人生はいつだって「自分との戦い」です。幸せになるのも不幸になるのも自分次第です。他の人は関係ありません。みんなそれぞれ、自分らしく幸せになりたいものですね。・子供おばさん……友達と自分を比べ、相手が幸せになると不幸を感じる。・大人女子……友達の幸せを喜び、自分は“自分にとっての幸せ”をつかむ。
2016年11月29日発達障害とは出典 : 発達障害とは、先天的な脳機能の障害で、想定される時期に年齢相応の発達が見られない、または年齢相応のスキルが獲得できないことで起きる障害を指します。その症状は、通常低年齢の発達期において発現します。2005年4月に制定された発達障害者支援法では発達障害は以下のように定義されました。この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。発達障害はいくつかのカテゴリーに分類され、診断基準によって多少異なりますが、大きく分けて「広汎性発達障害(PDD)」「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」「学習障害(LD)」の3つに分類されます。広汎性発達障害には自閉症やアスペルガー症候群などのコミュニケーションの障害が含まれますが、アメリカ精神医学会の診断基準である『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)という障害名に統合されています。また『DSM-5』ではADHDは注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害、学習障害は限局性学習症/限局性学習障害という診断名となります。これらの発達障害の中には知的障害が併存する場合もあります。Upload By 発達障害のキホン発達障害の原因は?出典 : 発達障害の症状は、先天的な脳機能障害が原因となって生じます。ですが、その詳細なメカニズムや、なぜその脳機能障害が引き起こされるのかははっきりとは解明されてはいません。研究が進み、発達障害の一部について証明された事実であったり、関連が指摘された要因については少しずつわかってきました。ですが発達障害の症状は様々であり、原因も多様であると考えられ、全ての人に当てはまる原因はないのではないかとも言われています。一方で、かつて言われていた「親のしつけ方・育て方が悪い」「親の愛情不足」といった心因論は現在では医学的に否定されています。以下に、現在考えられている発達障害の原因とそのメカニズムをご紹介します。発達障害の原因はまだはっきりとは解明されていないものの、発達障害を引き起こす脳機能障害には遺伝的要因が関連している可能性が指摘されています。例えば、広汎性発達障害に関しては、1970年代から盛んに双生児研究が行われ、一卵性双生児間では発現率が5~7割ほどという研究結果が多くあります。この数値は二卵性双生児の場合より高いと言われています。一卵性双生児は遺伝子情報が同じです。その一卵性双生児で一人が広汎性発達障害だと二人とも広汎性発達障害になる可能性が高いという結果が出たことは、何らかの遺伝子要因が広汎性発達障害と関連があることを示唆しています。また現在では、遺伝子研究が進み、染色体の一部分の重複により生じる発達障害があることや、それに関連する遺伝子がいくつか発見されています。ですが、一卵性双生児間での一致率が100パーセントではないことなどから、発達障害が単純な遺伝的要因だけで発現するわけではなく、現在では関連する遺伝子が複数あることもわかってきました。また、「親の育て方」という説や、MMRワクチンの接種が原因とする説など、研究の結果否定された環境要因もありますが、子どもの心身は、胎児期から発達期にとる睡眠や栄養、周りの人との関わりといった様々な要因によって支えられ、発達していきます。そのため、環境要因が全く関わりがないと考えることはできません。これらのことから、現在、発達障害にはなんらかの遺伝的要因が関わっているが、その他のさまざまな環境要因と複雑かつ相互に影響し合って発現するという考えが主流になっています。つまりある特定の遺伝子があれば必ず発症するというわけではなく、また遺伝的な要因と言っても親から子へ単純に遺伝するという意味ではないのです。さらに発達障害は、1つの原因による1つの道筋ではなく一人ひとり違った道筋を経て発症すると考えられ、全ての人にあてはまる要因を解明するのは難しいのではないかとも言われています。発達障害はどうやって発症するの?出典 : 発達障害が発症し、それが明らかになるまでには以下のようなステップがあります。1. 発達障害のもととなる脳機能障害が生じる発達障害はなんらかの遺伝的要因をもつ、つまり発達障害になりやすい体質が先天的にある人が、胎児期や出生後に脳や心身が発達する中で様々な要因の影響を受け、脳機能障害を生じることで起こると言えます。2. 脳機能障害により認知や感覚の偏りを引き起こされるそうした脳機能の障害や偏りによって、認知の方法や感じ方に違いが生まれ、それが様々な行動特性を引き起こすのではないかと言われています。例えば、情動を認知したりコントロールをする前頭葉や扁桃体などの機能に障害があり、そのために気持ちのコントロールやコミュニケーションをとるのが難しいのではないかという説もあります。また、発達障害のある人は記憶の仕方に特性があるといわれています。そのために非常に記憶力が高かったり、ワーキングメモリと呼ばれる情報の処理や記憶の仕組みにトラブルがあったりする人がいます。刺激を認識する機能になんらかのアンバランスが生じる人もいます。たとえば刺激を感じやすい感覚過敏や、逆に刺激を感じにくい感覚鈍磨がある場合もあります。3. 発達の遅れなどの症状が現れ、問題や困りごとが明らかになる発達障害の症状の発現時期は人によって異なります。最近では早期にそのリスクを発見するため、特に自閉症スペクトラムや広汎性発達障害などではアイ・トラッキング・システムなどを使い、初期症状を見つけるための研究も進められていますが、一般的には症状が顕著に発現するのは幼児期頃からと言われています。乳児期には周りの子どもとコミュニケーションをとったりすることもあまりなく、また個人差も大きい時期なので、はっきりとはわからないことも多いのですが、集団参加や社会的な機能が要求される時期になると、行動面や対人関係・社会性の側面でなんらかの症状が目立ち始めると言われています。きっかけとしては以下のような場合に、発達障害がある可能性に気づき、なんらかの支援を受けることが多いようです。・1歳半や3歳健診などの乳幼児健康診査や小児科などで発達の遅れを指摘される・園や学校に進んで集団生活がはじまり、コミュニケーションなどで困りごとが起きる・子育ての悩みを相談するまた、学習障害の症状の発現時期については、目立った症状が見られるようになるのは読み書きを覚え始める就学前の年齢になり、学習を開始してからだと言えます。また、幼少期の特性の偏りは単にその子どもの苦手や不得意に分類される可能性があり、区別が難しいため診断が遅れる傾向があります。障害が軽度の場合や特に困りごとが起きなかった場合など、見過ごされてそのまま成長することもあります。中には子どもの頃に気づかず、大人になってから広汎性発達障害と診断された方もいます。不安障害やうつ病などの気分障害・睡眠障害などのいわゆる二次障害と呼ばれる症状や状態となり、その検査を通して発達障害に気づく人もいます。発達障害の理解とl対応広汎性発達障害/自閉症スペクトラム・ADHD・学習障害、それぞれの原因は?出典 : 自閉症スペクトラム(ASD)や広汎性発達障害に含まれるグループについては、現段階では正確な原因は解明されていませんが、脳機能の障害により症状が引き起こされるといわれています。その脳機能障害は、先天的な遺伝要因と、様々な環境要因が複雑かつ相互に影響し合って発現するというのが現在主流となっている説です。最も中心的な関連遺伝子と考えられているのが、シナプスの形成とシナプスの機能にかかわるタンパク質をつくるために必要な情報にかかわる遺伝子です。たとえば、シナプスの形成に関与する遺伝子であるNLGN3やNLGN4、これらと機能的にかかわりの深いSHANK3などが自閉症スペクトラムとの関連が指摘されています。つまり、シナプスにおける神経伝達の軽微な異常によって、自閉症スペクトラムに見られる精神発達に障害が引き起こされると考えられています。(飯田順三/編・著『アスペルガー症候群の子どもたち』合同出版,2014年/刊p.95~96より引用)上記を含め、自閉症スペクトラムの関連遺伝子が数多く報告されています。ですが、さまざまな遺伝子が複雑に関連しているため、現時点では、原因となる遺伝子を完全に特定することはできてはいません。かつて広汎性発達障害に含まれていたレット障害(レット症候群)についてはX染色体上に存在する遺伝子の突然変異が原因だということが発見されました。1999年にMECP2という遺伝子が主な原因遺伝子であることが発見され、その後2004年にCDKL5、2008年にFOXG1という原因遺伝子も発見されています。そのため自閉症スペクトラム障害の概念から除外されました。また、広汎性発達障害や自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害の症状を引き起こすと考えられる脳機能の偏りとしては以下のような説があります。1. 脳領域間の機能的連結低下脳内のネットワークの連結機能がうまくいかず、定型発達の人の場合と比べて機能が低下していることから自閉症スペクトラム障害になるのではないかという説があります。2. 社会的な活動をするための脳の部位の機能異常人の脳には部位ごとに役割があります。その中に社会的な活動をするために使う部位もあり、以下のような部位に異常が起きたり働きが弱かったりするため、うまく人の表情や感情が理解できないのではないかと言われています。・扁桃体(へんとうたい)…人の表情を認識し感情を読み取る部位です・紡錘状回(ぼうすいじょうかい)…紡錘状回は人の顔を認識する部位です・上側頭溝…人の目や口などの部位の動きを認識する部位です・前頭葉…前頭葉にはミラーニューロンと呼ばれる神経が存在しており、人に対する「共感」の感情に関わっています3. 小脳の異常小脳は、平衡感覚や強調運動などに関わっていると言われています。そのため小脳に異常が起きると、バランス感覚をあまり持てなくなると言われています。ほかにも、小脳に異常が起きると感情や認知にも影響があるのではないかと報告されていますし、自閉症スペクトラム障害の中には実際に小脳への異常が見られた人もいます。4. 脳内物質の異常自閉症スペクトラム障害では、脳内物質に異常があるという報告があります。普通の人と比べて、血中オキシトシンが低い、セロトニンが高い、血中グルタミン酸が高いという違いが見られたという研究があります。ADHDの症状が起こる確かな原因はまだ解明されていませんが、ADHDには複数の関連遺伝子が素因としてあり、それらが様々な道筋をたどって、このような特有の脳機能の偏りを引き起こし、ADHDの症状につながるのではないかと言われています。現在有力だとされている素因は脳の前頭野部分の機能異常です。近年の研究から、ADHDの人は行動等をコントロールしている神経系に機能異常があるのではないかと考えられています。前頭葉は脳の前部分にあり、物事を整理整頓したり論理的に考えたりする働きをします。この部位は注意を持続させたり行動などをコントロールさせたりします。ADHDの人は、この部分の働きに何らかのかたよりや異常があり、前頭葉がうまく働いていないのではないかと考えられています。前頭葉が働くためには、神経伝達物質のドーパミンがニューロンによって運ばれなくてはいけません。しかしADHDの人の場合ニューロンによってドーパミンがうまく運べず前頭葉の働きが弱くなってしまい、それが原因で「多動」「衝動」「不注意」の3つの特徴が現れると考えられています。ADHDの人は五感からの刺激を敏感に感じ取ってしまう傾向がありますが、それも前頭葉の働きが弱いからだと言われています。思考よりも五感からの刺激を敏感に感じ取ってしまい感覚を過剰に感じてしまうので、論理的に考えたり集中するのが苦手となると考えられています。出典 : 学習障害の症状を引き起こす具体的な脳機能障害としては、中枢神経のトラブルが仮説の中でも最も有力と言われています。脳は無意識に感覚器官から入ってきた情報を処理し、整理して記憶します。そして必要に応じてその情報を取り出します。文字を読んだり書いたり、計算をしたりといった学習にはこれらの働きが必要です。中枢神経は脳や脊髄、体の様々な部分の働きを指令する部分であり、これらの情報処理を担っています。そのため、この機能のトラブルが学習障害の困難を引き起こすのではないかと考えられています。この説の検証が難しい理由は、医学的に検査を行っても分からないほどの小さな異常が原因とされているからです。発達障害を検査する方法はあるの?出典 : 現在の医学では妊娠中の羊水検査、血液検査、エコー写真などの出生前診断で判明することはありません。また、出生後も遺伝子検査や血液検査といった生理学的な検査では診断できません。これは、発達障害の原因が完全には解明されておらず、またその原因も複雑で単一ではないと考えられるためです。今後も生理学的な検査方法を確立するのはかなり難しいとも言われています。発達障害の人の多くが幼児の頃から12歳ぐらいの間に何らかの困りごとや症状をきっかけに専門機関を相談・受診し、医師によって発達障害だと診断されます。診断は問診と心理検査・知能検査などの様々な検査を総合的に判断して行われます。その他MRIを使い脳の器質的な疾病がないかを確認する場合もあります。検査や診察は一度ではなく、何度か行われたうえで慎重に診断が下されることが多いのです。発達障害は治療できるの?出典 : 発達障害を完全に治療する薬や手術などの医学的な方法は現在ありません。しかし、障害の特徴を緩和させたり、本人の困りごとを改善する方法はいくつかあります。例えば環境調整を含めた心理・社会的アプローチや症状を和らげるための薬の使用などです。早期からの療育は症状改善に大きな効果があるとされています。各都道府県に設置された「保健福祉センター」などで相談すると、適切な医療機関や児童発達支援なども紹介してもらえます。療育的支援では、苦手な部分をサポートしたり得意なことを伸ばすような訓練を受けることができます。適切なコミュニケーションの取り方や自己コントロールを学び、苦手な部分に対する対処法を身に付け自信をつけることで、困りごとを減らし二次障害の予防に繋がります。二次障害とは、適切な治療やサポートを受けられない場合に、うつや不安障害、不登校やひきこもりなど障害の主症状とは異なる症状や状態を引き起こしてしまうことを指します。ペアレントトレーニングと言って、発達障害の子どもを持つ親のためのトレーニングを実施している機関もあります。親が適切に接することで、子どもが日々感じている困難を軽減し、症状の改善に繋げます。また、特別支援教育や通常の教育のなかでも環境調整や合理的配慮を行いながら、一人ひとりに合わせた支援が行われます。発達障害の人の中には、こだわりや集中力を活かして高い専門性を身につけたり、優れた才能を持っている人もいます。才能・いいところを伸ばせるような教育が求められます。多動性や衝動性が強い子どもの場合、服薬を取り入れることもあります。脳内の神経伝達物質の不足を改善する働きがあり、症状がやわらぎます。症状が緩和することで、衝動的な行動で周りの友達と関係が築けず、孤立してしまう悩みなどが要因ともなる二次障害も予防できます。薬の服用で困難さが軽減されることで、本来の能力を発揮できるようになり、自分に自信が持てるようになるケースもあります。薬を服用している間は落ち着いて話を聞くことができるので、その間にスキルトレーニングを行い、本人の能力を高められるように親は努めましょう。しかしながら薬には合う合わないもあり、副作用が働いてしまう場合もあります。薬の利用は主治医とよく相談し、納得した上で用法・用量を守って進めるようにしましょう。また薬を利用したとしても、行動面や学習面での親や教育者からのサポートは引き続き必要です。まとめ出典 : 発達障害の原因を探ることは、治療法の開発・研究のためにはとても大切であり、世界中の研究者が日々、研究を進めています。その成果が少しずつ明らかになってはいるものの、いまだにわからないことが多いのが現状です。また、発達障害が発症する道筋は一つではなく、複雑な要因が絡み合っていると考えられるため、すべての人に当てはまるたった一つの原因は今後もわからないのではないかという考え方が主流となっています。ただ、ひとつ確かなことは、発達障害は、親や本人のせいで起きるものではないということです。目の前の子どもにとって大切なことは、どうしたら本人の困りごとがなくなるか、特性を生かしていけるかという対応方法を考えてみることです。一人ひとりの子どもの発達障害の特性は様々なバリエーションがあります。保護者や支援者が一人で悩み考えるのではなく、地域の相談機関や専門家と繋がりながら解決していきましょう。地域情報|発達ナビ日本小児神経学会 「発達障害診療医師名簿」参考文献:鷲見聡/著『発達障害の謎を解く』日本評論社/刊参考文献:日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル 』医学書院/刊参考書籍:宮本 信也 , 竹田 一則 /編著『障害理解のための医学・生理学』明石書店/刊参考書籍:服部 陵子/著『Q&A家族のための自閉症ガイドブック―専門医による診断・特性理解・支援の相談室』明石書店,2011年/刊飯田順三/編・著『アスペルガー症候群の子どもたち』合同出版,2014年/刊せせらぎメンタルクリニック 「アスペルガー症候群の原因。アスペルガー症候群はなぜ生じるのか」松浦こどもメンタルクリニック 「ADHD」参考書籍:中山和彦・小野和哉/著『図解よくわかる大人の発達障害』ナツメ社,2011年/刊
2016年11月25日発達検査とは?出典 : 発達検査とは、子どもの心身の発達の度合いを調べる検査のことです。検査結果から子どもの発達の特徴が分かったり、普段の接し方のヒントを得ることができたりと、子どもの育ちに関する参考情報を得ることができます。発達の遅れや凸凹からくる困難に応じて子どもをサポートする療育支援なども、発達検査の結果をもとに計画を立てられることが多いです。一般的には、幼稚園や保育園などの教育機関で発達の遅れがあることを指摘されたり、乳幼児健診や医療機関にかかった際に、検査をすすめられることが多いです。もちろん、家庭での様子から、子育て支援センターなどの相談機関に問い合わせて検査を受ける方もいらっしゃいます。発達検査は発達障害の確定診断を行う検査ではありません。発達障害の確定診断に際しては、生育歴や行動観察などの臨床診断と、発達検査・知能検査などの専門診断の結果を経て、総合的に診断されます。よって、発達検査の結果のみで発達障害だと診断されることはありません。確定診断の判断要素として発達検査の結果を参考にしています。発達検査にはさまざまな種類が存在していることから、検査ごとに検査結果の表現方法や評価の仕方が異なります。さらに医師や医療機関ごとに取り扱っている検査も異なるため、受けたい検査がある場合は、お近くの受診機関が対応しているかどうかを事前に問い合わせるとよいでしょう。ここでは発達検査に最も使用されている「新版K式発達検査」と「乳幼児精神発達診断法」について、主に紹介していきます。発達検査って具体的にどんな検査をするの?出典 : 発達検査にはさまざまな種類があります。・新版K式発達検査・乳幼児精神発達診断法・日本版Bayley-III乳幼児発達検査・ASQ-3・KID乳幼児発達スケール・ブラゼルトン新生児行動評価法・日本版デンバー式発達スクリーニング検査など、多種多様な検査があります。この中でも現在、日本で使用されることが多い検査は「新版K式発達検査」と「乳幼児精神発達診断法」です。年齢において一般的と考えられる行動や反応と、対象児者の行動や反応が合致するかどうかを評価する検査です。検査は、「姿勢・運動」(P-M)、「認知・適応」(C-A)、「言語・社会」(L-S)の3領域について評価されます。なお、3歳以上では「認知・適応」面、「言語・社会」面の検査に重点が置かれます。検査結果としては、この3領域の「発達指数」と「発達年齢」が分かります。また乳幼児向けの検査用具には、振ると音が鳴るガラガラや積木、ミニカーといった乳幼児にとってなじみのある材料が使われています。このような検査用具を使うことによって、子どもの自然な行動が観察しやすい検査となっています。検査者は検査結果だけでなく、言語反応、感情、動作、情緒などの反応も記録し、総合的に判断します。■適用年齢:生後100日後から成人■時間:約15~60分程度■形式:1対1(検査者と被検査者)の個別式検査■料金:公的病院でおおよそ840円(保険診療・3割負担の場合)乳幼児精神発達診断法は、上記と同様に年齢と発達の度合いの比較を行い、実際の年齢とどのくらい差があるかを評価する検査です。新版K式発達検査と異なる点は、面接者が保護者に対して子どもの様子を個別に面接し、各項目について尋ねることで行われる点です。乳幼児精神発達診断法では検査した項目と月年齢を軸にした図である「発達プロフィール」を作成します。子どもに直接検査を実施する方法に比べて、子どもの状態や障害に左右されることがなく、普段の生活の状況に基づいて判断されることになります。なお「津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法」と「遠城寺式乳幼児精神発達検査」のふたつがありますので、追って説明していきます。■津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法「運動」「探索」「社会」「生活習慣」「言語」の5領域の438の質問項目から構成されています。適用年齢別に「1~12か月まで」「1~3歳まで」「3~7歳まで」の3種類の質問紙を用いて検査・面接を行います。なお5領域ごとに「発達年齢」が算出されます。・適用年齢:生後1ヶ月から7歳まで・時間:約20分程度・形式:母親など子どもの養育者に個別面接■遠城寺式乳幼児精神発達診断法「運動」「社会性」「理解・言語」の3領域6の質問項目から構成されています。0歳0ヶ月から検査を受けることができます。・適用年齢:0歳0ヶ月~4歳8ヶ月まで・時間:約15分程度・形式:母親など子どもの養育者に個別面接国立特別支援教育総合研究所発達検査の結果から分かること出典 : 発達検査の検査結果から子どもの発達の度合いが示された「発達プロフィール」と「発達年齢」「発達指数」などの数値結果を知ることができます。発達検査の中でも乳幼児精神発達診断法では検査項目と月年齢を軸にした「発達プロフィール」が作成されます。発達プロフィールは下記の例のように折れ線グラフのように記され、このプロフィールの発達の全般的な遅れや、発達障害の特徴を把握することが可能です。発達障害がある子どもの場合は、一定のプロフィールパターンがあることから診断の参考に使用されています。発達検査の中でも、乳幼児精神発達診断法では検査項目と月年齢を軸にした「発達プロフィール」が作成されます。発達プロフィールは折れ線グラフのように記され、発達の全般的な遅れや、発達障害の特徴を把握することが可能です。発達障害がある子どもの場合は、一定のプロフィールパターンが見られる傾向があることから、診断の参考に使用されています。また津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法では「発達年齢」が分かります。新版K式発達検査では「発達指数」と「発達年齢」の2つの数値結果が分かります。「発達指数(Developmental Quotient:DQ)」は認知面・社会性・運動面などのいくつかの観点から発達の度合いを示していて、「発達年齢(Developmental Age:DA)」は、検査を受けた方の精神年齢を示すものです。のちにADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断された3歳2カ月の女の子の検査結果の例です。次女の検査結果は次の通りでした。(1)「姿勢・運動領域」発達指数:96(発達年齢:3歳1ヶ月)(2)「認知・適応領域」発達指数:101(発達年齢:3歳3ヶ月)(3)「言語・社会領域」発達指数:75(発達年齢:2歳5ヶ月)(4)「全領域」発達指数:88(発達年齢:2歳10ヶ月)結果は、検査時点での発達状況を換算した『発達年齢』と、生活年齢と『発達年齢』との比率である『発達指数』で表されます。『発達指数』は、その年齢の平均を100で表されますが、実際にはある程度幅があるそうです。各項目ごとに発達指数と発達年齢が分かります。しかし、これらの数値が分かっても具体的に家庭や学校などで、どのような配慮や療育、学習を行えばいいのか分かりませんよね。そのような具体的な接し方などを示してくれるのが「検査報告書」です。発達検査には検査後にやるべきことを示してくれる「検査報告書」というものを受け取ることができます。「検査報告書」を依頼すると1. 検査結果の数値2. 検査結果からいえること3. 日常生活上配慮していただきたいことなどが記載された報告書を作成してもらえます。子どもに対して、日常的にどのような配慮をしたり、療育支援を行っていくのが良いかの参考となるでしょう。無料で「検査報告書」を発行してくれる機関もありますが、有料で発行している機関もあります。検査形態や「検査報告書」の費用は機関によって異なりますので、詳しくは受診する病院への問い合わせが必要です。「数値結果」欄は「発達年齢」や「発達指数」の数値が記載されています。「検査結果から言えること」欄では、発達の遅れの度合いや理由が下記のように詳しく記載されています。検査者が言った数字を同じ順番で繰り返す課題では、1つの数字を繰り返すことが限界である様子が見られています。このように、相手からことばのみで働きかけられる状況では、検査者のことばに注目を向けること自体が難しい、または「何が求められているのか」がわからないと考えられます。「日常生活上配慮していただきたいこと」欄も、下記のように記載されています。大人が見ている物に(次女)さんの注目を向けて貰うのではなく、(次女)さん自身が”今・現在””その時に”目にしているものや耳にしているもの、手に取っているものなどに対して、「◯◯があったね」「◯◯と聞こえるね」というように要点をまとめた簡潔なことばをつけていく。このように、大人に関心を合わせてもらうのではなく、(次女)さん自身が関心を向けている物に大人が寄り添い、ことばをかけていくことで(次女)さんにとって、把握しやすく、覚えやすい状況となるよう意識していく。発達検査と一緒に知能検査を受けるように言われたけど、なぜ?出典 : 場合によっては、発達検査と知能検査の両方を受けることを勧められる場合もあります。発達の遅れと知能の遅れの両方が疑われている場合など、子どもの発達を多角的に捉えるために使用されます。また医師による発達障害の確定診断を行う際の参考情報として、またその人に合った支援や学習指導の方向性のヒントを得ることを目的として、発達検査と知能検査などの結果は使用されます。現在日本でよく使用されているのは新版K式発達検査、ウェクスラー知能検査、田中ビネー知能検査、K-ABC知能検査などです。では、発達検査と知能検査の具体的な違いはなんでしょうか。知能検査は、知能を精神年齢、IQ(知能指数)、知能偏差値によって測定するための検査です。これに対して発達検査は、被検査者の精神年齢を示す発達年齢(DA)と、認知面・社会性・運動面などのいくつかの観点から発達の度合いである発達指数(DQ)を調べます。要するに知能検査は子どもの知能がどのくらいあるのかを計測し、発達検査は年齢と発達年齢の差がどのくらいあるのかを計測する検査なのです。子どもに発達障害がある場合は、乳幼児期からその兆候となるような特徴が表出することが多いです。しかし、発達初期の乳幼児の発達状態を、通常の知能検査によってとらえることは困難だと考えられています。なぜならば乳幼児は心理的、身体・運動的、社会的側面の発達が十分でないため、知能のみを検査によって測定することは難しいからです。発達検査の適用年齢は早いもので0歳0カ月から設定されており、乳幼児期から検査を行うことができます。これに対して知能検査の適用年齢はおよそ2歳から設定されています。両者とも、発達障害の確定診断や、その子の療養支援に役立てるために利用されますが、受検可能な年齢に違いがあることに注意しましょう。なお、どんな場合にどんな検査が適切であるかどうかの判断基準は、専門家の判断によります。発達検査と知能検査のどちらを受けるべきか、まずは専門機関に相談して判断しましょう。発達検査を受ける前にまずは専門機関で相談を!出典 : お子さんやご自身の発達検査の受診を検討する際は、まずはお住まいの地域にある身近な相談窓口に行くといいでしょう。事前に予約が必要な機関もありますので、相談機関に問い合わせてみてください。また、子どもか大人かによって、行くべき相談機関が違うので、以下を参考にしてみてください。【子どもの場合】・保健センター・子育て支援センター・児童相談所・発達障害者支援センターなど【大人の場合】・発達障害者支援センター・障害者就業・生活支援センター・相談支援事業所など自宅の近くに相談機関がない場合には、電話で相談できる場合もあります。発達検査や知能検査は、公的病院や民間病院で受けることができます。精神科や臨床心理士による検査が受けられる病院を受診するといいでしょう。「児童発達支援センター」などで受けることもできます。発達検査の受け方、費用は、検査内容や病院によって異なります。また診断書もしくは報告書を書いてもらう場合には、別途料金がかかります。こちらの料金は病院ごとに異なりますので、直接病院に問い合わせてみてください。一方、個人のクリニックや診療所で検査を受ける場合には、すべて自費での診療となります。検査は基本的に誰でも受けることができますが、特に発達に関して気になる点がないと医師が判断した場合は自費となります。こちらの料金設定も各病院ごとに設定されていますので、受診する病院に問い合わせてみてください。発達検査の結果を受けて、専門機関で確定診断を受けたい場合は発達検査を受けた機関に問い合わせるか、もしくは改めて相談機関(保健センター、子育て支援センターなど)に問い合わせてみてください。発達障害の診断はなくても療育は受られるの?出典 : 発達障害の確定診断がなくても、子どもに対して何らかの療育支援の必要性が認められた場合には、児童福祉法に基づく児童発達支援を受けることができます。児童発達支援は障害児通所支援の一つで、小学校就学前の6歳までの障害のある子どもが主に通い、支援を受けるための施設です。日常生活の自立支援や機能訓練を行ったり、保育園や幼稚園のように遊びや学びの場を提供したりといった、障害のある児童への支援を目的にしています。療育手帳や身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳を持っていなくても、障害児通所給付費支給申請を専門家の意見書などと一緒に提出し、児童発達支援利用の必要が認められれば、受給者証が市町村から発行されます。この受給者証を取得することで通所の申し込みができ、1割負担でサービスを受けることができます。発達検査によって子どもの発達の遅れや凸凹が比較的大きいと分かったけれども、発達障害の確定診断は出なかった、という場合もあります。また、発達検査は受けさせてみたけれど、確定診断を受けに病院で受診させる気持ちにはなれないといった方もおられるでしょう。実際に確定診断を受けるかどうかは、ご家庭ごとの自由な選択です。しかし、診断を受けなくても、子どもの日常生活上の困難さを緩和させるために、早期から療育支援を受けるということ、選択肢として検討してみることをお勧めします。まとめ出典 : 発達検査は、それ自体が発達障害の診断を行うものではなく、確定診断を行う上での判断要素にすることや、発達が気になる方の特性を理解して療育支援などに役立てることが目的の検査です。発達検査を受けたのちに、専門機関で確定診断を受けるか否かは、自由に選択することができます。また、確定診断を受けなくても、発達の遅れや凸凹による困難を解消するために、療育支援を受けることは可能です。また、発達検査後に発行してもらうことができる「検査報告書」も、子育てや療育のヒントとして活用することができます。発達が気になる点があれば、まずはお近くの専門機関に相談して、発達検査や知能検査を受けてみることをお勧めします。
2016年11月24日子供おばさんは占いにすがります。仕事でも恋愛でも旅行でも何かある度に占い師に相談し、「その職業は失敗する」と言われれば、チャレンジする前から諦め、「彼とは相性が悪い」と言われれば、付き合うのをやめ、「この方角がいい」と言われれば、別に行きたくない場所でも旅に行ってしまいます。それでは、占い師の操り人形です。自分の人生、自分の意思で歩みませんか?大人女子は、占いは参考程度にします。なぜなら、占いだけでは測れないこともたくさんあるからです。人との出会いで、相性のいい人だけにしか会わなかったら、人は成長しないことも多いでしょう。相性が合わないからこそ、お互いに自分を省みたり、相手とうまくいく方法を学んだりすることも多いものですしね。さらに、やはり人と人とが出会うのには、必ず何かしらの縁があり、意味があります。なにか学ばせるために、大きな力で会わされていることだってあるのです。たとえ結果的に恋人と別れてしまったとしても、付き合った間の楽しい時間、切ない経験、別れた後の深い悲しみなどは、人生において大事な経験です。初めから「別れる結果になるなら、付き合わない」なんてことになったら、何の経験もできないし、人生、面白くも何ともありません。例えばですが、私の両親は離婚をしています。もし両親が結婚する前に占い師に「いつか離婚をしますよ」とアドバイスをされ、結婚しなかったら、「私は生まれてこなかった」ということになります。私の命というのは、そんな占い師の言葉1つで左右されてしまう、そんなちっぽけなものなのでしょうか?さらに言えば、両親は、私が生まれてきたことを喜んでくれています。これは2人が結婚しなければあり得なかったことです。「離婚したから、結婚は失敗だった」なんて、そんな単純なことではないんですよね。失敗から学ぶことの方が多い失敗を避ける人は、たくさんいます。もちろん誰もが失敗なんてしたくはありません。でも、なんだかんだ言っても、人は失敗から学ぶことが多いです。失敗は、自分が直すべきこと、成長した方がいいことを教えてくれるきっかけになります。失敗しないで、学ばないまま来てしまった方が、むしろ危険です。なぜなら、対応力を持たないまま、危ない道を歩いているようなものだからです。「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言われるのは、やはり若い頃の方が失敗しても、やり直せる回復力が強いから、というのもあるかもしれません。それで言えば、「誰もが“今の自分”が、これからの人生の中で一番若い時」です。時間を戻すはできないですしね。つまり、今、学ぶべきことは、早めに学んでしまった方がいいのです。5年後、10年後ではなく、今、成長した方が、これから先、もっと楽に生きられるからです。もちろんわざわざしなくてもいい苦労をする必要はありません。ただ、目の前にある出来事のどっちを選ぶか?というときは、自分で冷静に判断し、「チャレンジしたい!」と心惹かれることを選びましょう。たとえ占い師が「NO!」と言ったとしても、です。失敗から成長出来たら、それは単なる失敗ではなく、自分をより魅力的にさせてくれた大事な出来事です。自分の勘を信じ、自分でやったことは責任をとる覚悟を持って、自分の意思で人生を歩みましょうね。誰のものでもない、自分の人生だから!・子供おばさん…占いを過信し、占い師の言いなりになり、自分の意思で人生を歩まない・大人女子…占いは参考程度に留め、自分の意思で自分の心が惹かれる方向に進んでいく
2016年11月15日初めまして、この記事に目を留めて下さりありがとうございます。これを読まれている皆様は発達障害との縁が多少なりともある方だと思います。お子様への接し方が分からない。学校などの集団生活になじめない。他人と考え方・感じ方が異なるため誤解されやすい。抱えていらっしゃる悩みごとは様々だと思います。そこで発達障害当事者である私が、自分の障害とどのようにして付き合い、受け入れ、いまの仕事をしているかについて書かせていただきました。今回は、私の幼少期の学校生活についてです。「障害」を周りの大人たちが認識したのは小学生のとき出典 : 小学生のころ、私は自分自身に障害があることを認識しておりませんでした。私の異常を最初に気づいたのは周囲の大人達で、小学1年生のときでした。この時期になっても未だに私だけ読み書きができなかったためです。私は文字の形を認識することができず、平仮名が書けませんでした。ようやく書けるようになっても、文章を書くことはとても難しかったです。作文の宿題が出ると、机に向かって書こうとするのですが、2~3時間頑張ってやっと2~3行書けたぐらいでした。読解については、文字を1文字ずつしか読めず、意味も理解できませんでした。例えば「がっこう へ あるいて いく」なら「が、つ、こ、う、へ、あ、る、い、て、い、く」か「が、つこう、へある、いていく」としか読めず、単語の認識ができなかったようです。さらに算数も、数字の意味や計算の仕組みを理解する事ができませんでした。1+1すらできなかったそうです。自分の努力と適切な支援のおかげで、勉強ができるようになった出典 : 私の様子を担任の先生から指摘され、手を尽くして原因を調べた母は、「発達障害」の存在を知りました。当時はまだあまり知られていない障害でしたが、運よく発達障害を研究している機関を見つける事ができました。そこで私に下された診断は学習障害(LD)。でもこのとき私はまだ、自分に障害があるということをきちんと認識できていませんでした。研究機関に通って母と医師が何やら話しているものの、私は内容が自分に関することだとは思いもせず、退屈だったので同じ部屋内で遊んでいました。しかしこの診断があったことで、母は「根気よく繰り返し、できなくてもイライラせずに、できた事があれば必ず褒める」という教育方針のもとで私を勉強させてくれました。最初なかなか進歩は見られませんでしたが、学校の授業で漢字が出てきてから変化が見られました。例えば「つき」という平仮名だけだとその意味がわからなかったのですが、漢字の「月」は三日月の絵が崩れて漢字になったという成り立ちを見ながら教えてもらうことで、漢字の形と意味を理解できました。漢字を覚えたことがきっかけで、「文字を組み合わせて単語をつくる」ということもだんだんと理解できるようになり、これをきっかけに文章も徐々に読めるようになりました。作文はやはりかなり苦手で、宿題はいつも母が隣で手助けをする必要がありました。しかし、私が強く「書きたい」と思ったことについては、周囲が驚くほど筆が進んだそうです。算数については、数を数字以外のもので視覚化する事で分かるようになりました。例えば先ほどの1+1は、りんごを用意して実際に数える事で理解できました。ただし、文章問題は問題を読み解く必要があるため、できるようになるまでかなり時間がかかりました。このように私は、苦手なことを他の子どもたちとは違う方法で勉強することで、学習の遅れを補うことができました。いじめもあった。でも得意なことをがんばることで、周りに認めてもらえた出典 : 同級生達を始めとした人間関係ですが、小・中・高のどこでも入学してから数ヶ月の間よくいじめられていました。幸い私の周りには助けてくれる大人たちがたくさんおり、大事には至りませんでした。ただ、担任の先生は私の扱いに困っていたようで、よく怒られていたのを覚えています。でも私自身は何が問題で怒られているのかさっぱりわかりませんでした。何が原因だったのか、はっきりとした事は不明ですが、私は授業中に逃げ出して行方不明事件になる一歩手前まで大騒ぎになった事がありました。このように、後先考えず衝動的に行動するところが、恐らく周りから見て異質に見えたのではと思います。このように書くと「発達障害のある子どもは学校になじめないんだ」と思われるかもしれませんが、そんな事はありません。そして、私自身の得意分野が周りに認められたことも、同級生たちとの関係が良くなった一因でした。小学校3~4年生のころ、クラスメイトの誕生日カードを作る宿題がありました。私はこの宿題に夢中になり、夜中の12時頃まで絵を描き続けて、本来は作る必要のない表紙の絵まで描いたそうです。そのとき母は「学校の成績ではあまり重要ではないことに時間を割いて…」と思ったそうですが、夢中になって完成させたカードはクラスメイトの間で好評になり、同級生たちと仲良くなるきっかけになりました(ちなみに誕生カードを贈ったクラスメイトとは、特に親しい間柄ではありませんでした)。何かを作りだすと夢中になり、図工や美術の科目で良い評価を受けることは、その後もたくさんありました。こういった経緯で、周りから見た私は「変わり者だが、すごいやつ」という認識になっていき、次第に同級生たちから認められるようになっていきました。周囲には「障害は完治した」と思われた。でも自分の心の中には違和感があった出典 : 多くの支援と私自身の努力により、学校の成績や友達関係などの問題は解決していきました。これにより、先生も母も「学習障害は完治した」と思ったそうです。特に母は、障害に対する忌避感も重なって、私に「障害がある」とハッキリと伝えることはしませんでした。これでめでたしめでたし…のように見えて、実はそうではありませんでした。確かに目に見えて明らかな問題は解決しましたが、私は他人と打ち解けることが苦手で、周りとは何とも言えない壁を感じ続けていました。例えるなら私と他人の間には常にガラスの壁があり、わかり合えず、私の声は向こう側に届いていないようでした。この壁に、長い間私は1人で悩まされていました。「障害は完治した」という周囲の認識は、成人してからの私の生活にも大きな影響を与えることになります。障害を受け入れた今、保護者や学校に思うこと出典 : 障害があっても、今後も社会で生きていく以上、学校など何かしらの社会的な集団に所属しておく必要はあると思います。でも自我が確立していない幼少期に、所属している集団で自分の存在を認めてくれる人がいないと、本人が自分を認められず、社会で生きていくことは困難になってしまうかもしれません。ありのまま生きる姿を、「障害」としてではなく「個性」として接してくれる人がいれば、その子にしかない才能を発揮して力強く生きてくれるでしょう。私はいじめも経験しましたが、個性の一部として周囲の人に受け入れられていたため、自分を異常だなどと追い込んだり、できないことや失敗したことを障害のせいにすることはありませんでした。そこで、発達障害のお子さんを持つ親御さんへ、発達障害の当事者としてお願いがあります。どうか皆さんには、お子さんの最大の理解者になって欲しいと思います。良くいわれている事だとは思いますが、発達障害=悪いことではありません。だから、悔やむことも、恥じ入ることも、責められることも何一つありません。悪い方向に傾くのか良い方向に傾くのか、それはこれからの行動次第です。いじめや学習障害を乗り越えた私ですが、自分自身に障害があるとは認識しておらず、障害と向き合うことをしていませんでした。このことが将来に影響を及ぼすこととなります。次回は私が大人になってから仕事をするにあたり、ぶつかった困難についてお話します。
2016年11月02日子供おばさんは、残念な男性にばかり惹かれてしまいます。それは浮気癖、DV男、不倫既婚者に限らず、自分を振り回す人、誠実ではない人、自分をひどく傷つける人を好きになってしまうこともあります。ある意味、包容力や情があるからこそ、そんなダメ男にひっかかってしまう女性も少なからずいます。でも、だったらその魅力は、もっと自分を大事にしてくれる人に使った方がいいもの。そうではないと、自分が可哀想です。そんな人と付き合うくらいであれば、「1人でいた方がマシ」なことだってありますよ?もちろん“魅力的なダメ男”も存在します。でも、大人女子は、そんな男性と付き合い、自分がだんだん不幸になってきたと気付いたときには、冷静にこんなことを考えます。「本当にこの人は、愛するに値する人なのか?」と。だからこそ、大人女子は、残念な男性と一時的に付き合うことになったとしても、自らの意思できちんと関係を清算することができるのです。いくら恋人がいても、「幸せでなければ意味がない」と思うからです。イイ男は、思いやりがある!当たり前ですが、付き合って幸せになれる相手というのは、「思いやりのある人」です。それは、表面的な優しさではなく、本当の優しさがあるかどうかが問われます。例えば、本当に深い愛情と思いやりのある人だったら、自分と付き合うことで相手が幸せでなくなるのであれば、別れます。相手を自分の犠牲にはしません。相手を思いやるというのは、「相手の幸せを願う」ことだからです。それで言えば、相手を振り回して楽しんでいるタイプも、信じている恋人を裏切るような行為をする人も、相手の将来を考えずに、独身女性を相手に不倫する既婚者男性も、「自分さえよければいい」という、自分勝手な人です。ただ、それをきちんと見抜けるかどうかは、結局は、自分も同じくらい思いやりと愛情を持てる人間かどうかにかかっています。例えば、自分勝手な人は、パートナーが自己中なタイプでも、「ズルい!彼ばかり得して。私は損している」と思うことはあっても、「そういう身勝手なことをする人は、おかしい」とまでは思わないでしょう。まだ自分勝手な者同士で、「自分が優位な立場でいられる状態」を奪い合うようなレベルだからです。異性の目を養うために大切なことは、結局は、自分の心を磨くしかありません。もし自分が、本当の優しさを持てるようになれば、相手の優しさが上っ面なのか、本物なのかの判断はできます。また、相手の立場に立って物を見ることができるようになったときには、自分勝手な行動ばかりしている人を、「KYで、視野が狭い人」だと判断することだってできるようになるでしょう。そうすると、残念な人には自然と近づかなくなります。女性は何歳になっても、恋のチャンスがある人はあります。でも、若ければ若いほど、周りに独身者が多い分、いい出会いに恵まれる可能性が高いのも事実です。だからこそ、女性としてのいい時期を、残念な男性に費やすのはもったいないですよ?ダメな人と関係ができてしまうと、自分の運を落とします。だったら、恋愛をせずに一人の方が幸せでいられることもあるでしょう。それで言えば、失恋だって悪いものとは言えません。長い目でみたら、「そんな相手と付き合わない方がよかった」ってこともありますしね。恋している時は、“あばたもえくぼ状態”になっていても、あとで冷静な目で相手を見たら、「あれ?」と思うこともあるでしょう。残念な恋愛に費やす時間を、自分の心と才能を磨き、輝き続けた方が、有意義な人生を歩めることだってあるものです。だからこそ、どうせ恋愛をするなら、お互いに幸せになれるような相手を選びましょう!それに尽きます。良い恋をしましょうね。・子供おばさん…残念なダメ男だと見抜けず付き合い、どんどん不幸になっていく。・大人女子…一緒にいて幸せになれる相手かどうかを見抜き、いい恋愛をする。
2016年11月01日子供おばさんは、物事を悪い方にばかり解釈します。例えば、相手から「何歳?」と聞かれたとき、自分の年齢を答えるのと同時に「今、私のことを、もうそんな歳なんだって思ったわ」と思い込んだり、また仕事の話になった時には、「私のことを正社員じゃないんだって、バカにしているんだわ」と解釈したりします。でも、実際は、相手に他意はなく、純粋な好奇心から質問し、返ってきた答えに関しても、素直に「そうなんだ」と受け取っている場合も少なくありません。子供おばさんがそんな悪い解釈をしてしまうのには、理由があります。自分に自信がないのです。さらに、自分で自分を責めているのです。だからこそ、相手の言葉に対して、悪い意味の方にとったり、単なる言葉のキャッチボールであっても、なにか自分が軽蔑されたり、責められたりしているような気持ちになってしまうのです。これはメールのやりとりの場合も同様です。メールの場合、相手の感情が分かりにくいため、読み手の感情によって、解釈が異なることがよくあることです。例えば、浮気をしてバレることを恐れている人が、恋人から、「昨日は遅かったね。何かあった?」という質問があったら、「うわっ、浮気を勘付かれている!」と解釈してしまうのと似ています。でも、恋人は、別に浮気を疑っているわけではなく、恋人のことを心配して、愛情を持って聞いているかもしれないのです。それくらいコミュニケーションというのは、自分の内面によって、解釈が変わってきます。だからこそ、自分の世界に入り込みやすく、さらに被害妄想をしてしまう人ほど、会話が悪い方向に進みやすくなってしまうのです。さらに、子供おばさんは悪い解釈をしてしまう分、自爆もしがちです。単に忙しくて連絡ができないだけでも、自分は相手に好かれていないんだと解釈し、「もう会うのはやめましょう!」なんて、言い出します。本当は相手に会いたくて仕方がないのに、苦しさに負けてしまうのです。それは、まるで“自分の中にいる悪魔”に振り回され、踊らされているようなものです。大人女子はシンプルに受け取る!大人女子は、適度な自信を持っているので、相手の言葉をわざわざ悪い方には受け取りません。基本は深読みをしないで、シンプルに今、分かる事実だけを見て解釈をします。それに、真実というのは、なんだかんだ言って、そのうち出てくるものです。恋愛でも、相手のその後の行動を見ていれば、自然と答えは見えてきますしね。例えば、自分に好意があるのか、ないのかに関しても、状況がなにも動いていない時にあれこれ考えても意味はなく、「相手が頻繁に連絡をしてくる」のか、それとも「1カ月たっても連絡して来ないのか」といった、その後の相手の行動で分かってくることも多いものです。ただ、そんなむやみに気を揉んでしまう子供おばさんを、他人が直すことはできません。結局は、本人の内面の問題だからです。自分で自分を責めている人に対して、本人以外はどうすることもできません。どんなにいい言葉を投げかけようと、彼女自身の心で、悪い意味に変換されてしまうからです。結局、自分の思いが自分の世界を作っていて、「人の数だけ世界はある」と言っても、過言ではありません。だから、気持ちの良い世界で生きたければ、自分の心を磨くしかないのです。例えば、自分を愛し、人のことも愛せるような人になれば、そんなに悪い解釈ばかりはしません。その分、自分のことも、相手のことも信じられるからです。世の中の真実を、わざわざ自分で歪めてしまっては、生きにくくなるものです。自分の心をクリーンにし、シンプルに物事を受け取れる人でありたいものですね。・子供おばさん…自信がないので、物事や相手の言葉に対して、悪い解釈をする。・大人女子…深読みしても真実は分からないので、シンプルに物事を受け取り、解釈する。
2016年10月18日「私が子どもの頃はそんなことなかった」あまりに違う息子のことが理解できず…出典 : 教室を立ち歩く(私はやらなかった)揶揄されてカッとなって手を出してしまう(私にはなかった)テストのときに集中力が途切れて解かずに終えてしまう(私は途切れる前に解き終えて問題になることはなかった)自分には経験のなかった彼の特性ゆえの言動に戸惑い、対処に困り、自分はそんなことしなかったのに…と過去を振り返る。比べてはいけないと頭ではわかっているのに、過去の自分と現在の彼を、心の中でつい比べてしまう。発達障害のある次男を育てていると、そんなことがよくあります。もちろん、言葉に出してしまえば彼を傷つけるのはわかってる。でも、私自身が精神的に辛いときなど、余裕がなくなるとつい、心の底の方で周りや自分と彼を比べて、「あれもできない、これもできない」という目で次男を見てしまいそうになる。そんな自分が母親でいいのかと、怖くなることもありました。栗原類さんの母、泉さんの経験に自分を重ねる出典 : 今回読んだ栗原類さんの新著『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』では、私が抱えていたまさにその、母が息子と自分を比べてしまう困難についての経験が書かれていました。栗原類さんの手記のあとに添えられていた、母の泉さんの手記。アメリカで類さんが診断を受けるときに、ご自身の発達障害についても示唆され、その特性の違いにより自分と比べてしまう困難が起こっているだろうことについても指摘を受け、接し方について教育委員会から助言を得たエピソードがありました。教育委員会での会議で「(略)あなたは自分が子どもの頃、何の苦労もなくできたことが、どうして息子さんにはできないんだろうと理解できないかもしれない。不思議でしょうがないでしょうね。だけどそう思ったときは、子どもの頃に自分ができなかったことをたくさん思い浮かべてください。そして、自分ができなかったことで息子さんができていることを、ひとつでも多く見つけてあげてください。そうすれば『なんでこんなこともできないの?』という気持ちがしずまり、子どもを褒めてあげられるようになります」と言われました。---発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由 栗原 類 (著)KADOKAWA本文より引用「過去の自分なら出来たことと、子どもが出来ないことを比べない」ここまでは私も頭には入っていましたが、「子どもには出来ていて、過去の自分は出来なかったことと比べる」という視点に、目からウロコが落ちる思いがしました。「比べてはいけない」んじゃない、「彼の良い所と比べればいい」んだ!息子に出来ること、私に出来ないこと出典 : 振り返ってみると、私自身にも「出来ないこと」はたくさんありました。たとえば私は方向音痴で、初めて行く場所にはスマホのナビが欠かせません。2度目以降の場所でも入る道を1本間違えれば自分がどこにいるのかわからなくなったり、どっちの方角に向かえばよいか分からなくなることもあり、小さい頃からよく道に迷う子でした。対して次男は、1度行った場所は経路の風景から現地の様子までしっかり記憶する力があり、まず道には迷いません。以前来た時と逆方向から入った商店街で私が迷っているときに、「この先にこれとあれがあって、何個めの角で曲がれば着くよ」と案内してくれたこともありました。小さい頃の私は極度の人見知りで、小学生になっても近所のよく会う人にも挨拶ができず母の後ろに隠れていた記憶があります。今ではそんな片鱗は見せないのでこの話をすると周囲から意外だと言われますが、小学校低学年の頃までは顔を知っていても周りの大人と話すのを避けていました。そんな私の子供なのに、次男は小さい頃から人見知りをせず登下校のときにも元気に挨拶をします。畑仕事をするおばあちゃんたちに挨拶をして世間話をし、ほりたてのジャガイモを袋一杯抱えて帰って来たりすることも。屈託なく話す様子が可愛いと近所のおばあちゃんたちの人気者です。今までは、私が出来て彼が苦手なことばかり目についていました。けれど、改めてゆっくり考えてみたら、私が苦手だけど彼が得意なことだって、たくさんあるのです。出典 : このことに気づいたとき、障害のある子たちの保護者が集まる座談会で、司会者さんから言われたある一言を思い出しました。「お子さんの良いところを話してください」保護者の集まりは、ついつい子どもの問題行動やその対処法ばかりが中心になりがちです。だけどその日は、司会者の方の投げかけにつられて、一人、また一人と参加者が子どものいいところを話し始めたのです。「うちの子はとても優しくて、自分が疲れていると気にかけてくれるんです」「お友達がお休みしたときに心配して、お手紙を書いていたことがあったわ」「そういえば、いつも家の手伝いをよくしてくれます」お子さんの良いところを話す皆さんに続いて私も、次男のことを話しました。思いついたのは前述したような、自分が苦手だったけど次男がラクラクとこなすことばかりで。順番に我が子の良いところを話していき、最後に司会者さんがおっしゃいました。「その顔を、お子さんに見せてあげて」ハッとしました。自分の顔の筋肉が緩んでいるのを感じたからです。見回すと周りのお母さんたちの顔も本当に柔らかい、自然な笑顔でした。凸凹な親子が一緒に生きるためにも、親自身が自分を見つめること出典 : 栗原さんの手記の中で母の泉さんが繰り返し書かれていたのが、いかに親である自分自身が良い状態を保つかということ。発達障害児の育児は健常児の何倍も負担が大きい。泉さんご自身も、ご実家や担当医をはじめとした周囲の方の協力を得ながら自分自身のメンテナンスをこころがけ、類さんに対して良い状態で接することができるような自己管理をされている様子が紹介されていました。"子育てはロングラン。短距離走のように瞬間的に力を発揮しても、あとが続きません。"(本文より)力を入れ過ぎず抜き過ぎず、自分たちのペースで。私と次男それぞれのペースで。子どもが自分にちょうどいいタイミングで親から巣立って行くその日までを、一緒に走り抜くためにはどうしたらいいのか。栗原さん親子のこれまでが綴られたこの手記には、そのためのヒントが詰まっていたように思います。もちろん、私は私で、泉さんとは別の人間です。泉さんが類さんにしてきたことと同じことを次男に与えることは、多分できない。けれど、次男と他の3人の子たちそれぞれにとって、彼らの人生に並走するパートナーとしての親のあり方を改めて考えるきっかけを与えてもらえた、そんな1冊との出会いでした。発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由 栗原 類 (著)KADOKAWA出典 :
2016年10月13日発達障害児童の親が何よりも知りたいのは、子どもの将来のこと出典 : 発達障害の息子は6歳。その成長は一進一退を繰り返す日々です。今回は、栗原類さんの書籍『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』を読んで、発達障害児を育てる親として、感じたこと、気付いたことを綴ってみたいと思います。幼い頃に発達障害(ADD)と診断を受けた栗原類さん。類さんが今こうしてご自分の障害を告白し、その生きざまを本にして綴ったことには、大きな意味があると私は思います。まず、私たち発達障害児の親は、毎日毎日が子どもへの支援や配慮に手いっぱいの状態です。肝心の「この先に何があるのか」「この子がどう育っていくのか」ということに対する将来像が全く見えていません。これは、発達障害児を育てている親同士で話すと、よく出てくる話です。発達障害児を育てていると、誰もが思うのです。「ロールモデルが欲しい」と。しかし、一般的に取り上げられる「発達障害の大人」のロールモデルといえば、人より秀でた才能があったり、その才能ゆえに幼い頃から特別だったような、いわゆる「天才型」の人が多いのです。実は、これは親にとって、何の励ましにもなりません。そんな特別な子どもはごく一部で、大抵の親は、「誰にでもできることがなかなかできるようにならない」という発達障害児の育児に、毎日くじけそうになりながらも、自分を励ましている状態ではないでしょうか。等身大のロールモデル、それが栗原類さんだった出典 : そこで彗星のように現れたのが、栗原類さんという存在でした。彼は、感覚過敏や強いこだわりといった、発達障害児独特の特性があったのはもちろんのこと、記憶力の弱さや人の感情の読み取りが苦手といった困難さを持ち、学校の勉強にもとても苦手意識がありました。中学生時代にはいじめに遭って不登校になり、高校受験も失敗、決して順風満帆とは言えない人生を送ってきています。この言い方は語弊があるかもしれませんが、私たち親から見ると、栗原類さんは「とても身近な発達障害児」であり、等身大の発達障害当事者であると言えます。この本の表題には「僕が輝ける場所をみつけられた理由」という言葉が入っています。「輝く」という言葉に、芸能人として、モデルとして、華々しい生活をしている類さんのイメージが湧くかもしれません。しかし、この本を読んでいるうちに、類さんは決して「輝ける場所」という言葉を、才能を生かして大活躍する華々しい場所、という意味で使っているわけではないことが分かります。類さんにとっての「輝ける場所」とは、できないことや苦手なことが沢山あっても、それを補い受け入れながら、好きなことを好きと言える安心できる居場所、そんな場所である気がします。そしてそれこそが、多くの発達障害児にとっての「輝ける場所」なのかもしれません。類さんを支えてきた存在、栗原泉さん。その子育てスタンスとは?出典 : 発達障害児は、よくある曖昧なルールや、空気を読み取るのがとても苦手です。普通の子どもであれば、いちいち口に出して注意せずとも習得してくれる社会的ルールのようなものを、発達障害児には、繰り返し伝えなければなりません。しかも、伝えたとしてもすぐに忘れます。次第に、毎日毎日ガミガミと注意を繰り返す自分が、嫌になってきます。本の中に登場する、栗原類さんのお母さん、栗原泉さん。彼女の強力な支援のもと、類さんは目の前に立ちはだかる数々の困難に、1つひとつ対処していきます。面白いことに、栗原泉さんも、決して特別なお母さんではありません。類さんの教育環境を考え、海外に移住するようなフットワークの軽さはありますが、言われたことをどんどん忘れていってしまう類さんに、何度も何度も同じことを畳みかける一面も描かれています。泉さんは「過保護と言われてもいい。子どもの幸せを優先する」というスタンスで育児をしています。発達障害児の親は、これを読んだらきっと、肩の力が抜けることでしょう。なぜなら私たち親は、いつも自分が過保護になり過ぎていないか?自問自答している状態だからです。手助けをしなければ、当たり前のことがなかなかできるようにならない、しかし、「自分の手助けが、いつかこの子の自立を阻むことになるかもしれない」、と手助けするたび罪悪感を感じる毎日。泉さんの「子どもが今幸せであることを大切にする」という割り切った姿勢は、子育てに葛藤を抱いていた私にとって、涙が出るほど有り難いものでした。子どもの得意なこと、好きなことを無理して探していない?出典 : また、泉さんは、発達障害児の世界観を形作るのは「好きなこと」である、と述べ、いろいろなことを体験させることの大切さを説いているものの、泉さんが類さんに体験させてきたことは決して、「特別な何か」ではないことが分かります。博物館や美術館に連れて行くでもいい、インターネットやゲームをさせるでもいい、テレビで一緒にコメディを見るでもいい、泉さんが類さんに体験させたのは、日常的にできる小さな楽しみでした。この本を読んで、発達障害児にとっての「好きなこと」を探すのは、もっと気楽な気持ちで取り組めばいいのだと分かってきます。発達障害児の親をしていると、なぜか「この子の好きなものは何?」「才能のありそうなものは何?」という質問を、周りから嫌というほどされるのです。この質問は、数学や芸術などの天才的な能力があることを、暗に子どもに期待しているものだと思います。これは、一部の天才的な才能のある発達障害者ばかりが取り沙汰されてきたことに原因があるように思います。他のことが全部苦手でも、1つとんでもなく長けている部分があるはずで、そこを伸ばせば良いじゃないかと。この質問をされるたびに、子どもの天才的な才能を見つけることのできない自分のダメさ加減と、特に飛び抜けたものがないように思える息子への情けなさが募るのです。等身大の泉さんの姿で気付かされる、私たち親が背負ってきた無言のプレッシャー出典 : しかし、ほとんどの発達障害児は、平凡な子どもたちです。いや、平凡なことすらも、普通の人よりも何倍もの努力をしないとできるようにならない子どもたちです。ですから、「特別な才能」をわざわざ探すこと自体が、子ども自身の本来の姿を見ていないように感じるのです。そうではなく、泉さんは、類さんが楽しい経験をすること、ちょっとでも好きだと言ったことをとても大切にしています。そして、そんな毎日の小さな「好き」が、やがて大きくなってからの類さんにとって宝物となります。しかし、泉さん自身は、類さんに好きなことを作らせるために躍起になっているわけでもなく、それを極めさせようとするわけでもなく、類さんの楽しいという気持ちを自然に尊重しています。この本で泉さんという等身大の母親の姿を目にして、私たち発達障害児の親は、子どもに対する目も、自分に対する目も、少し優しくなるのを感じるのです。環境は違っても、泉さん親子が取り組んできたことは、「特別なこと」じゃなかった出典 : この本を読むと、類さんが育ったアメリカという国の教育の包容力や、日本の教育とのシステムの違いがとても印象に残ります。ややもすれば、「アメリカで育ったから類さんは恵まれていたんじゃないか?」というようなことを考える人も少なからず出てくるのではないかと思います。けれども私は、類さんが「輝く場所をみつけられた理由」は、アメリカという環境で育ったことが全てだったとは思いません。類さんと泉さんの凄さは、困難にぶつかるたびにそれを分析し、それにいかに対処するかを冷静に考え続けてきたことだと思います。また、高橋先生という専門家に相談し、自己判断のみに頼らなかったことも重要なことだったと思います。そして、対処法についても、誰もが雰囲気やコミュニケーションの中で察してしまうような些細なことでも、泉さんはしっかりルール化していました。泉さんと類さんが、発達障害である自分と向き合うために日々やってきたことは、決して「何かすごいこと」ではないのです。それは本当に、小さな取組みの積み重ねでした。なぜ私たちは、子どもの成長を待てないのだろうか?出典 : 発達障害の特性を劇的に軽減する魔法なんて、残念ながらありません。けれども私たちは、結果が出るか出ないか分からないような小さな取組みを日々積み重ねることに辛くなってしまって、どうしても劇的に変わる何かを求めてしまいます。そこをグッとこらえ、20年、30年の長いスパンで子育てを見つめながら、今ここでできる小さな行動を積み重ねていく、それが今の「輝ける場所」にいる類さんを作ったのだと思います。泉さんは、「コツコツやることの大切さ」を類さんに教えたい、と言っていましたが、お2人の20年の生きざまこそが、まさに「コツコツやることの大切さ」を表していると思います。そしてそれは、先の見えない毎日をもがきながら歩き続ける、発達障害児とその親を、どれだけ励ますものであるか、想像に難くありません。栗原さんの体験談に、発達障害児を育てる親としてもらったもの出典 : 類さんがアメリカにいた当時、まだ日本では「発達障害」という言葉がそれほど認知されておらず、教育現場でただの問題児として扱われて育った人たちが沢山いました。類さんが1番辛かったという中学校時代は、まだ日本では発達障害に関する認識が薄かった頃かもしれません。そういう意味では、先をいっていたアメリカという国で幼少期をおくり、適切な支援を受けることができた類さんはとても貴重な体験をされたのではないかと思います。しかし最近になって、日本の教育現場でも発達障害についての認知が広まり始め、いろいろな体制が急速に変化してきていることを私は肌で感じています。私の息子が入学する予定の学校では、発達障害児の聴覚過敏に配慮し、運動会のピストルを音が小さいものに変えました。刺激に弱い子どもは、特別支援級のついたての中でテストを受けることもできます。別の学校では、特別支援級の授業にiPadを導入するようになりました。類さんが10年以上前にアメリカで受けていた特別支援教育が、ようやく日本にも少しずつ入ってきています。今この時代は、10年、20年前に辛い思いをして育った発達障害の子どもたちが築いてきたのだと思います。私はこの急速に変化していく過渡期の社会を、発達障害児の親として、しっかり見守っていこうと楽しみにしています。類さんの本は、そんな社会を生きる私たちに、生きるヒントをくれる貴重なものであったと思います。発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由 栗原 類 (著)KADOKAWA出典 :
2016年10月13日大人女子が日々の生活の中で、気を付けていることの1つが、「時間を守る」ことです。それによって、失ってしまうものの大きさを理解しているからです。逆に子供おばさんはよく遅刻します。自分が遅刻することで、「相手の時間を奪っている」という認識がないからです。もちろん遅刻の理由が、電車が遅れた、道に迷ってしまったといったアクシデントや、急に仕事で抜けられなくなったなどのやむを得ない場合は、仕方がないこともあります。ただ、そうではないのに遅刻をしてくる場合は、まずは、相手から「だらしがない人」だという印象を与えてしまうでしょう。さらに人によっては、「舐められているな」と思われてしまうことだってあります。「この人は、自分を待たせても平気だと思っているんだ」と思われても仕方がない行為だからです。そうすると、単に時間だけの問題ではなくなってくるのです。遅刻をする本人は、そこまで深い意味はなく、単に時間にルーズで悪気がない場合が多いもの。でもそれは、「そこまで相手のことを考えられていない」とも言えます。要は自己中なんですよね。遅刻するときの最悪のパターンがあります。それは、待ち合わせ時間になった直前に「ごめん、遅れる!」と連絡をすることです。本当に申し訳ないと思っているのであれば、遅刻すると分かった時点で連絡するのが、せめてもの誠意です。待ち合わせ場所に着いてしまったら、待っている間にできることは限られてしまうもの。相手が遅れると、少しでも早くに分かれば、自分が家を出る時間を遅らせることだってできたかもしれません。でも、子供おばさんは、待っている人に対する配慮がありません。思いやりが欠けているのです。だから、単に遅刻したからというだけの話ではなく、結果的に相手に嫌われてしまうこともあるのです。相手の時間を大切に!遅刻する人は、単に相手の時間を奪うだけではなく、結果的にその場を盛り下げてしまうこともあります。待ち合わせをしていた相手が、やむを得ない事情があるわけではないのに遅刻をしてくると、テンションが下がる人は少なくありません「会ったらこんなことを話そう!」なんて、会うのを楽しみにワクワクしていたのに、待っているうちにそれが、イライラに変わってしまうのです。遅刻する人が、待っている相手を不機嫌にしている分、その場は盛り上がらなくなります。そうすると、本来は楽しめるはずのイベントも、つまらないものに変わってしまうこともあるでしょう。その結果、今後、何かを楽しもうというときには、誘う相手の候補から外されることも出てきます。だから、時間にルーズな人は、損をするのです。自分の時間は大切にするのに、人の時間に対しては大切にできない人は意外といます。でも、「時は金なり」ということわざがあるように、時間はお金と同じくらいに貴重なものだから、無駄にしてはいけないものです。特に、現代人は忙しい人が多く、「時間が足りない」と思っている人も多いもの。遅刻をすることによって、楽しい時間や相手からの信頼を失うこともあれば、チャンスを逃してしまうことだってあるのです。少なくとも、相手の時間を無駄にすると嫌われてしまうことが多いので、気を付けたいものですね。・子供おばさん……遅刻をして、相手の時間を奪うことで、結果的に信頼やチャンスを失う。・大人女子……「時間を守る」ことを大切にしているので、信用されやすく、チャンスも逃さない。
2016年10月04日