世界最大級の自主映画コンペティション“PFFアワード”をメインプログラムにした映画祭「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」が東京、神戸、京都に続き、6月30日(土)から名古屋の愛知芸術文化センターで、7月6日(金)から福岡の福岡市総合図書館で開催される。その他の写真「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」は、“新しい才能の発見と育成”をテーマに、1977年より続く映画祭。メインプログラムのコンペティション部門には毎年、平均500本以上もの自主映画が寄せられ、これまでに黒沢清、中島哲也、園子温、矢口史靖ら多彩な監督を発掘してきた。名古屋、福岡会場では、昨年行われた“PFFアワード2011”の入選作品17本を上映。グランプリを受賞し、東京国際映画祭、釜山国際映画祭でも上映された北川仁監督の『ダムライフ』を筆頭に、602作品の中から審査員が厳選した作品が上映される。また名古屋会場では、上記のプログラムに加えて、昨年12月に急逝した森田芳光監督の追悼特別企画“20代の森田芳光がみていたもの~疾走する8ミリ自主映画時代~”を開催。寺山修司、野田秀樹ら演劇人をとらえた幻のドキュメンタリー作品『劇的ドキュメント レポート’78~’79』をはじめ、『ライブイン茅ヶ崎』『水蒸気急行』の3作品を上映する。これらの自主映画は上映される機会が極めて少なく、東京で上映された際には立ち見が出るほどの盛況をみせたプログラムだけに、名古屋会場でも映画ファンが多く足を運ぶことが予想される。第33回 PFF ぴあフィルムフェスティバル in 名古屋会期:6月30日(土)~7月4日(水)※月曜休館会場:愛知芸術文化センター12階アートスペースA第33回 PFF ぴあフィルムフェスティバル in 福岡会期:7月6日(金)~7月8日(日)会場:福岡市総合図書館映像ホール・シネラ「第34回PFFぴあフィルムフェスティバル」2012年、東京国立近代美術館フィルムセンターほか全国で順次開催
2012年05月17日突然の訃報に、映画界を中心に各界から悲しみのコメントが寄せられている森田芳光監督。同監督が、デビュー直前に撮影した幻のドキュメンタリー作品『劇的ドキュメント レポート’78~’79』の本編映像が、YouTube公式チャンネル「ぴあチャンネル」にて公開された。追悼:森田芳光『劇的ドキュメント レポート’78~’79』全編公開この作品は、当時雑誌『ぴあ』誌上で行われていた読者投票企画「ぴあテン」「もあテン」の演劇部門で人気を集めていた気鋭演劇人たちを追いかけたもので、「東京キッドブラザース」の東由多加、「四季」の浅利慶太、「空間演技」の岡部耕大、「天井桟敷」の寺山修司、「状況劇場」の唐十郎、「夢の遊眠社」の野田秀樹・・・等々、錚々たる面々の若き日をフィルムにおさめた貴重な1本。当時の熱気溢れる演劇シーンが、生々しくフィルムに刻まれており、日本の演劇シーンを語る上でも非常に貴重な映像といえる。なお、来年3月24日(土)からは遺作となってしまった『僕達急行 A列車で行こう』の公開も控えているほか、これからも森田監督の作品は繰り返し名画座などで上映されることが予想され、文芸大作からコメディ、エンターテインメントまで幅広いジャンルを手がけてきた森田監督の仕事は、氏の死後も映画ファンに愛され続けていくのではないだろうか。
2011年12月23日誰もが熱く生々しく、不恰好だが痺れるような痛みと共に生きていた1960~70年代。その時代をそれぞれに駆け抜けた蜷川幸雄(演出)と寺山修司(原作)の現代での邂逅が、10月29日に埼玉・彩の国さいたま芸術劇場で開幕した舞台『あゝ、荒野』だ。とてつもない熱量を演者にも要求する本作に挑んでいるのは、それぞれ2度目の蜷川作品となる松本潤と小出恵介。若手ながらくっきりと太い輪郭をもつ彼らの存在感で、テラヤマワールドが見事に現代によみがえった。初日の開幕前に囲み会見が行われた。あゝ、荒野』チケット情報ビルの合間にネオンがきらめく架空の街「新宿」。自信家ながら自らの現状に苛立っていた<新宿新次>(松本)は、<片目のコーチ>(勝村政信)に誘われて入ったボクシングジムで、同じくボクサーを目指す吃音の<バリカン>(小出)と出会う。両極端な性質ながら奇妙な友情を育んでいくふたり。だが欲望に対する強いエネルギーと自信に満ちた新次に対し、モノローグでしか心情を語れないバリカンは、新次と対戦することでしか自分は自由になれないと感じ始める。対戦のためにジムを移籍するバリカンと、黙って彼を見つめる新次。そしてついに壮絶な対決となる日がやってきた……。フォトコールでは、第1幕と第2幕からそれぞれ10分ずつ上演。第1幕の新次とバリカンが出会うシーンでは、オールバックに派手な白スーツ姿の松本に目が引きつけられた。周囲を睥睨するような鋭い眼差しを持ちながら、片目のコーチと話すときには鮮やかな笑顔がこぼれる。一方の小出も、地味なジャージに自信なさげな態度が、ひとたびスパーリングに入ると目つきがガラリと変わるのがさすが。そんなふたりが第2幕では、公園のジャングルジムで互いに胸の内をさらけ出し語り合う。まっすぐに上を目指す新次と、彼に憧れのような目を向けるバリカン。孤独な魂がふと寄り添う様子に、胸苦しいような切なさを感じたワンシーンとなった。その後行われた囲み会見では、「本物のリングを使って殴り合うし、セリフも膨大。精神的にも肉体的にも大変だけど、ふたり人ともよくやったと思う」と蜷川から率直な感想が。会見中も時折鋭い目つきになり、新次が抜けないように見える松本は「原作をとにかく読んで、あとは人に聞いたりしてイメージを膨らませました。あの時代の『新宿』を今の僕らが生きることで新鮮に伝えられたら」と意気込みを語った。「蜷川さんにはゲネプロまでけちょんけちょんに言われて……。松本さんとは(新宿の)ゴールデン街まで飲みに行きました。カキピーしかなかった」と毒づきながらも楽しそうな小出に、蜷川と松本が笑顔で突っ込むひと幕も。作品同様、固い信頼関係で結ばれた3人の様子に、血の通った舞台の理由を垣間見た気がした。取材・文佐藤さくら公演は11月6日(日)まで、同劇場にて上演。その後、11月13日(日)から12月2日(金)まで東京・青山劇場で公演が行われる。前売りチケットは完売。各公演の前日に、当日券販売整理番号の電話受付を行う。
2011年10月31日寺山修司の作品を蜷川幸雄が演出する舞台『あゝ、荒野』の制作発表会見が9月7日都内で行われた。会見には主演の松本潤と、小出恵介、勝村政信、黒木華、そして演出の蜷川が登壇した。『あゝ、荒野』は、1966年に出版された寺山の長編小説だが、今回はこの小説を初めて戯曲化しての舞台上演となる。物語は架空の昭和の街「新宿」を舞台に、そこで出会ったふたりの青年<新宿新次>(松本)と<バリカン>(小出)が、正反対のタイプながらもそれぞれ心に闇を抱え、ボクシングを通して友情を結んでいくもの。寺山ならではの美学や思想がふんだんに盛り込まれた刺激的な作品。蜷川は「寺山さんとは同じ歳なんですけれど、亡くなった後に、こうやって寺山さんの作品を立て続けにやる演出家になるとは思っていなかった」と話し、出演する4人の俳優と面白いステージを作りたいと意欲を見せた。5年ぶりの舞台となる松本は「寺山さんの日本語は綺麗で凶暴な文字が沢山書かれていて、この世界をどう表現するか、これから稽古でいろんな事を考えながら過ごしていきたい」と早くもテラヤマワールドに嵌っている様子。松本と同じ歳の小出も「寺山さんの言葉を自分が人に伝える事が出来るのかと緊張しています。舞台は記録に残らないので、見た人の記憶に痛烈に焼き付けられるようにしたい」と意気込みを見せた。また、ボクサー役のふたりはボクシング・ジムで体を作っていると明かし、小出が体の引き締まり具合を風呂上りにオイルを塗って確かめていると話すと、松本がすかさず「(オイルを落とす為に)また風呂入るの?」とパンチのきいたツッコミで返すなど息もピッタリ。ふたりのボクサーに自分の夢を重ねる<片目のコーチ>役の勝村は「舞台でボクシングを戦うなんていうことをどう成立させたらいいのか全くわかりません。過大な評価や期待をせずに、上手くいったらあいつら凄かったぐらいで。ダメだった時は蜷川さんが倒れますんで。もしかしたら遺作になるかもしれません」と蜷川に詫びのポーズを入れつつ、年齢をネタにする場面も。反対に若い黒木からは「私は平成生まれなので、昭和を教えて下さい」と世代の違う勝村へのお願いがあったりと、終始賑やかで笑いに包まれた会見だった。公演は10月29日(土)から11月6日(日)まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて上演。その後、11月13日(日)から12月2日(金)まで東京・青山劇場にて上演される。チケットは9月11日(日)より電話での抽選販売を受付。チケットぴあでは9月23日(金・祝)より電話での先着販売を実施。
2011年09月08日新人俳優・矢野聖人が、阿部寛主演の映画『天国からのエール』に出演する。『身毒丸(しんとくまる)』キャンペーン詳細・チケット情報『天国からのエール』は沖縄でうまれた実話も基にして、手作りスタジオを作った阿部寛演じる余命わずかの男と、彼を信じ夢に向かう若者たちを描いている。矢野は阿部演じる主人公に背中を押されて成長する高校生バンド“ハドランジア”のメンバーのひとり。『天国からのエール』は10月1日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー。また矢野は、8月26日(金)より東京・天王洲 銀河劇場にて開幕する舞台『身毒丸(しんとくまる)』にて主演を務める。この作品は寺山修司、岸田理生共同脚本、蜷川幸雄が演出を手掛ける人気舞台で、1995年には武田真治が、1997年からは藤原竜也がそれぞれ主人公・身毒丸を演じた。そして今回身毒丸を演じる矢野は、オーディションで8,523人から選ばれた新人で、これからの活躍が期待されている。チケットぴあでは、8月14日(日)23:30までに『身毒丸(しんとくまる)』東京公演のチケットを購入すると、『天国へのエール』映画鑑賞券がもらえる。さらに抽選で30名に矢野聖人直筆サイン付写真(映画版)をプレゼント。ほかにも選べるお食事セットチケット、学生席(当日引換)などもある。『身毒丸(しんとくまる)』は、9月6日(火)までの東京公演後、9月10日(土)から9月12日(月)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、9月17日(土)・18日(日)は愛知・愛知県芸術劇場大ホールにて上演。チケットは発売中。
2011年08月10日来年2月公開の映画『あしたのジョー』の主題歌が、宇多田ヒカルの新曲「Show Me Love(Not A Dream)」に決定!曽利文彦監督のコメント、新アルバム発売に際して宇多田さんが本楽曲について語ったインタビューの内容も到着した。伝説的ボクシング漫画の実写化作品として製作決定当初から話題を呼んでおり、山下智久(NEWS)が矢吹丈を、伊勢谷友介が力石徹を演じることも大きな注目を集めている本作。新しく構築された新世紀の『あしたのジョー』にふさわしく、日本を代表するトップアーティストが主題歌を担当することに。1970年に放送が開始されたアニメ版では、オープニングテーマの作詞を寺山修司が手がけ、名曲としていまなお多くの人の心に残っているが、アニメ版とはまた違った新たな風を作品に送り込んでくれそうだ。曽利監督は今回の決定について「男たちの燃え上がる激闘にエールを送る、最高のアーティスト登場に心が震えます。この映画が目指すリアルにまたひとつ大きなリアルが加わりました。映画『あしたのジョー』は、この素晴らしい主題歌をいただくにふさわしいパワフルな映画に仕上がっていることをみなさんにお約束いたします」と興奮気味に喜びを語ってくれた。今回の決定の経緯について、伊與田英徳プロデューサーは「この大きなプロジェクトをスタートするに当たり、主演の山下智久さん、そして伊勢谷友介さん。2人の頑張りがもちろん第一ではあるが、最後のひと押し、この作品の世界観を新しく構築するのに欠かせないもの、それこそ、アニメ版の『あしたのジョー』のテーマソングのように、21世紀版、山下版の『あしたのジョー』のテーマソングを決めることだと常々思ってきました。今回、山下さん、伊勢谷さんが挑戦し、ジョーや力石が世界に向かって夢を追いかけたように、この映画が広く観客のみなさんに伝わるために、主題歌には強い個性と世界に通ずる圧倒的な独自の世界観を紡いできた宇多田ヒカルさんしかいないとお願いしました」と説明。こちらの楽曲は11月24日(水)にリリースされる宇多田さんのニューアルバム「Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2」に収録されているが、楽曲の持つストレートかつ強い世界観に映画関係者が共感したという。宇多田さんはアルバムのオフィシャルインタビューで、次のように語っている。「『Show Me Love(Not A Dream)』は、まぁ、直訳すると、『夢じゃなくて、愛を見せてよ』って感じね。で、夢を見せてくれるものっていっぱいあると思うの。人間関係でもお互いになんか幻想抱き合って終わることってこともあるし、エンターテインメントとか、ショービジネスの世界でも結局夢を見せてくれるものに人ってすごい惹かれるじゃん?スターとか、宝くじとか、セレブとかそういうもの?でも、実際にそれらは、ホントに実を結ばないことで、無責任なことであって、ホントの愛を見せてくれる人っていうのは、むしろ『おい、夢から覚めろ、ペチペチペチ、おいっ!』っていう感じのことから始まるじゃない?で、『ホントの愛を見せるとか、そっちのほうが欲しいな、夢はもういい』って気持ちで“Not A Dream”をタイトルにも入れたのね」。“夢”ではなく“愛”を!と呼びかけるこちらの楽曲が男たちの激しい戦いをどのように彩るのか?年内での活動休止を発表している宇多田さんだが、年明け後も彼女の歌声を耳にする機会が増えそうだ。「Show Me Love(Not A Dream)」はレコチョクにて着うた、着うたフル、RBTの先行配信が本日よりスタート。アルバム「Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2」は11月24日(水)発売開始。映画『あしたのジョー』は2011年2月11日(金・祝)より全国東宝系にて公開。■関連作品:あしたのジョー 2011年2月11日より全国東宝系にて公開© 2011 映画「あしたのジョー」製作委員会
2010年11月17日今年は"墓ブーム"が来るのだろうか。先日、インターネットサービスプロバイダのニフティ株式会社が運営するイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」にて、『お墓日和 vol.1~墓マイラーたちと美墓デザインの世界~』というイベントが開催された。その後、TVや新聞でも取り上げられ、"墓"および"墓マイラー"が注目されはじめている。"墓マイラー"とは、世界各地の著名人のお墓を巡る人たちのことを指す。今回、このお墓イベントには、こだわりのデザイン墓石を集めた本・『美墓』(幻冬舎)のスタッフが集めたえりすぐりの墓マイラーたちが出演した。それぞれが熱い墓トークを繰り広げたイベントの後、一部の出演者の方々に、なぜ今お墓なのか・お墓の何に引かれるのか等、思いの丈を語っていただいた。■お話を伺った墓マイラー・チェコから来た墓マイラーのホリー・ペトルさん(駐日チェコ共和国大使館一等書記官・チェコセンター東京所長)・あきやま みみこさん(『著名人のお墓を歩く』著者)・カジポン・マルコ・残月さん(WEB『文芸ジャンキー・パラダイス』管理人)――まず、皆さんはどのようなきっかけで墓マイラーになったのでしょうか?ホリー・ペトルさん(以下、ホリー)「昔からの習慣ですね。ヨーロッパでは、親族以外の有名人のお墓にお参りするのは普通のことなんです。ヨーロッパの女性の中には、有名人の墓参りをして、墓石にキスをする人もいますよ」あきやまみみこさん(以下、あきやま)「私は、人に誘われて雑司ヶ谷霊園に行ったのが最初です。もともとカメラが趣味で、雑司ヶ谷霊園に行ってからは、散歩しながらお墓の写真を撮るようになって……200~300くらいは行きましたね」カジポン・マルコ・残月さん(以下、カジポン)「僕はですね……長くなりますよ?(笑)19歳のときに、10代で一番お世話になった人にお礼を言いに行こうと思って。当時の僕にとって、最大の恩人はドストエフスキーでした。将来にも片思いにもすべてに行き詰まって泥沼状態だったのですが、『罪と罰』を読んで救われたんです。なんとか一言でもスパシーバ(ありがとう)と言いたい。そしてお墓に行ったら……心にアート・サンダーが落ちたんですよ!全身が感電したんです!分かります!?今まで教科書や本でしか見たことのないドストエフスキーが、実際に生きていたからこそ、今ここに墓があるんだ!って。それなら、シェイクスピア、バッハ、ゴッホ、手塚先生、恩人全員にお礼を伝えなきゃ、と。もうそこからが僕のお墓人生の始まりで……稼いだお金、全部墓参りに消えましたよ!(笑)」――……ハイテンションなカジポンさんですが、今までに1,316名もの著名人のお墓を参られたそうですね?カジポン「もう、行かないと、人生が前に進まないんですよ!例えば、こんなにチャップリンの映画に感動したのに、お墓に行かないでいいの!?って。『こんなにすてきな作品をありがとうございます』って感謝を伝えに行くんです」――で、19歳から今までずっと、芸術作品への感動を伝えに、墓参りを続けているわけですね。カジポン「ええ、もう19~42歳まで、かれこれ23年間です。23年前にドストエフスキーのお墓の前で頭がショートしてから治ってないんですよ。もう出家したようなもんです(笑)」――ショートですか(笑)皆さん、今までに頭がショートするくらいこれは良かった!というお墓はありますか?ホリー「高尾霊園にある寺山修司さんのお墓ですね。行ったのが天気の悪い日で、みぞれだったんです。その天気の悪さが、寺山さんの雰囲気とバッチリ合っていてとてもすてきでした。竹久夢二さんのも好きですね。小さくてかわいらしいお墓で」あきやま「私は、衝撃だったのは岡本太郎さんですかね。岡本さんの代表的な作品の形をしているお墓で。見つけた瞬間思わず、ワーッって駆け寄っちゃいました(笑)」カジポン「僕は断然、ダニー・ケイです。なんと墓石の形が長椅子!座ってくれと!そして背もたれに、彼が好きだったものがいっぱい彫ってあるんです。サイッコーですよ!」――(ダニー・ケイのお墓を見ながら)ほー、確かにこれはあまり見たことはない墓です。――ところで、お墓、そして墓参りのよさってなんでしょうか?ホリー「すでに亡くなった方のことを知ることができる。故人の研究をするときに、お墓はその人のことを知る資料として優れているんですよ。著名人であれば、墓石の裏にその人の歴史が書かれていることもありますからね」あきやま「私も、時を越えてその人と会える点が魅力だと思います。同じ時代に生きた人ではなくても、その人と会うことができる……いえ、実際に会えるわけではないですが、墓石の前に立つと、気持ちが対面しますから」カジポン「僕は先ほども言ったようにお礼を言いに行くわけですが、芸術家などの墓参りをすると、墓石が言うわけですよ、『おれの作品に感動したんだろ?じゃあ、生きてる人間ともコミュニケーションとれるじゃないか』と。そこが魅力です」――最後に、墓ブーム来ると思いますか?ホリー「ぜひ来てほしいですね。ブームになったら『なんでお墓なんか見に行くの?』って周りにけげんな顔をされなくなりますし(笑)」あきやま「墓参りをする人(=墓マイラー)が増えるかどうかは分かりませんが、お墓に興味を持つ人は増えると思います。自分のお墓をどういうものにしよう、と真剣に考える人が多くなるかと」カジポン「うーん、墓ブームが来る来ると10年前から言われてるんですが、今度こそ来てほしいですね!」墓マイラーの皆さんの、お墓への真剣な思いに頭が下がりっぱなしだった今回の取材。今まで、墓地の前を通るときは、何かに取りつかれそうな気がしてそそくさと通りすぎていた自分の低俗さときたら。「お墓は怖いものじゃないんです」(ホリーさん)というように、もっと身近な存在として考えてもいいのかもしれない。手始めに、近所の墓地に親しみを持つことからはじめてみようと思う。(朝井麻由美/プレスラボ)【関連リンク】占い、ユーレイ、それとも宇宙人? あなたがひそかに信じてるものは?お墓にユーレイいないといいなぁ……。霊感ゼロだけど仏道に入りたいのですが、どうしたらいいですか?出家への道は厳しいです心霊研究家に聞く、心霊スポットで絶対にやってはいけない三つのこと霊が眠る場所へ行く際には慎重に行動してください
2010年04月10日