小学校受験をしたもちこ。無事合格し、家から電車を乗り継いで、片道1時間半ほどかかる小学校へ通うことになりました。入学してから半年間は、お母さんに付き添ってもらっていましたが、いつしかひとりで通学するように。朝6時に起き、満員電車に揺られて通学していたもちこ。人がまばらな帰りの電車で、ウトウトしながら過ごす時間が至福の時となっていました。ある日の帰りの電車で、同じ車両には数人しか乗客がいないにもかかわらず、もちこのすぐ隣に見知らぬ男性が座ってきました。「他のところ空いてるのになぁ」と違和感を覚えますが、すぐ逃げたほうがいい状況だとは思わず、そのまま座っていたもちこ。 すると、あろことかその男性は、触っているかいないか微妙な触り方で、もちこの体に触れてきたのです。 「怖い! 泣く……! でも泣いたらもっと怖いことになるかもしれない……」と、涙をこらえながら次の駅で下車。降りたことのない駅でしたが、なんとか改札まで行くと……。 母に本当のことを話せず…※訂正:(誤)伺って→(正)うかがって 駅を出ると目の前は人の多い商店街。人に紛れ、駅のほうをうかがいながら商店街を一周しました。男性の姿が見えないことを確認し、安心したもちこは、お母さんに迎えに来てもらおうと公衆電話から電話をかけます。 「えーっと……○×駅のところにいるんだけど……」 「え!? ○×駅!? なんでそんなとこに!?」 驚くお母さんに、「な……んか……、その……えっと……降りちゃったっていうか」とごまかしながら話すもちこ。 本当のことを話せずにいましたが、母に迎えに来てもらい、無事に家へ帰ることができました。 その後、結婚して子どもができたもちこですが、未だにそのことをお母さんに話せていないそう。 痴漢に遭ってからずいぶん時が経ちましたが、小学生の間は思い出すたびにモヤモヤしていました。 「私の勘違いだったのかも?」「服の端っこが当たっていただけかもしれないし……」 いろいろな考えを巡らせていた、小学生時代のもちこ。 「あんなん100%痴漢だわ!!」 しかし、あれは子どもを狙った悪質な痴漢行為であったと、大人になったもちこは確信。 「卑怯な手で傷つけて……」「怖い思いをしても言えないような子がほとんどだよ! 他にも小さい子が被害に遭っていた可能性が高くない!?」 大人になったもちこは、当時の出来事を思い出し、憤るのでした。 電車で起きた怖い体験を母に話せなかったもちこ。思いもよらない突然の出来事で、痴漢被害に遭ったという確信が持てなかったのでしょう。大人に言いづらい気持ちはよくわかります。 最寄り駅より少し手前の駅で下車し、母に電話をかけたもちこ。子どもがいつもと違う行動をとったときは、何かの合図なのかもしれませんね。皆さんは幼少期、怖かったことや動揺したことで、親に話せなかった出来事はありますか?著者:マンガ家・イラストレーター mochiko.
2023年09月18日「欲しいものがあるから、ホームセンターに行きたい」もし、小学校低学年の子供がそんなことをいいだしたら、何が目当てだと思いますか。大工用品やアウトドアグッズ、園芸用品など、幅広いジャンルの品物がそろっている、ホームセンター。昨今は食料品を取り扱う店舗も増えており、スーパーマーケットに近いといってもいいでしょう。そのため、幼い子供が「ホームセンターに行きたい」といい出しても、いたって普通の日用品を欲しがっていると思う人がほとんどかもしれません。小学生の息子がホームセンターに行きたがった理由ある日、とらびす・つーらー(@knz213d)さんは、息子さんに「ホームセンターに行きたい」といわれました。どうやら、息子さんには欲しいものがある様子。とらびすさんは息子さんを連れ、ホームセンターに向かうことにします。親にお願いをするほど、息子さんがどうしても欲しかったもの。それは、何かというと…。なんと、息子さんが欲しがっていたのは…ハンドホールの蓋!主にマンホールよりも小さいものをハンドホールといい、手を差し入れて作業します。この蓋は、ハンドホールの入口を塞ぐためのものです。小学生が欲しがるとは考えにくい、渋いチョイス。きっと、とらびすさんを含む多くの大人が、疑問を覚えたことでしょう。どうやらこれは、ゲーム『ピクミン4』の影響の模様。作中でダンジョンへの入り口がハンドホールになっているため、息子さんはこの蓋が欲しくなったようです。とらびすさんと息子さんのエピソードは拡散され、多くの人から反響が上がりました。・なるほど『ピクミン4』か~!大人だけど、自分もファンだから欲しい!・うちの子も『ピクミン4』をプレイしてから、これを見て「ダンジョンがある!」っていい出すようになりました。・思わずニヤッとした。これは、ファンとして100点をあげたい。千円で購入したハンドホールの蓋を床に置き、満足げな表情を浮かべているという、息子さん。きっと彼の目には、ハンドホールの蓋の周囲に、ゲームのような世界が映っているのでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年09月18日ねこじまさんの長男・まっちくんが小学1年生のときのお話です。入学式のときから「早く帰りたい」と連呼していたまっちくん。4月に入学してからすぐ、「学校に行きたくないよぉ」と登校しぶりが始まりました。まっちくんが教えてくれた理由の中には、慣れていけば解決しそうな問題だけでなく、音に関する問題もありました。普段の様子からも、まっちくんは音に少し敏感なところがあると、ねこじまさんは感じていたそうです。そしてまっちくんは、小さなころから「特定の物を持って、それをずっと眺めながら同じ直線を何度も行ったり来たり走る行動」(常同行動※)が見られました。一見すると不思議な動きですが、その行動はまっちくんにとって、気持ちを癒やす大切な時間だったようです。(※)常同行動:一見すると目的もなく、一定の行動(動作)を繰り返しおこなうこと 前向きな気持ちで見守っていたねこじまさんですが、年長の終わりごろに登園しぶりが始まり、保育園では常同行動の頻度が増して、孤立したがっているとのことで、漠然とした不安を感じます。 そこで新生児のころから通っている大学病院で心理発達科を紹介してもらい、発達検査の予約。しかし、予約待ちのため、検査を受ける前に小学校へ入学したのでした。 入学直前、ねこじまさんが常同行動についてまっちくんに話をしてみると……。 息子から返ってきた予想外の答え 「変な人って思われたら嫌だから、やらないよ」と、まっちくんなりに自分の行動を客観的に捉えていました。 ねこじまさんは「子どもって親が思う以上にいろいろなことを考えているんですよね。心配で言ったことが本当にいらない先回りだったなぁと思い、反省することよくあります」と振り返ります。 まっちくんにとって、気持ちを落ち着かせるための習慣でもある常同行動を抑えるのは、きっと大変だろうということは想像に難くありません。 周囲が自分を見てどう思うかを気にしてしまう、まっちくんだからこそ、相手にどんな言葉をかければいいのか想像できるため、お友だちにやさしく接することができているそうです。繊細でやさしい心を持っているため、いろいろな状況に傷ついたり悩んだりしてしまうのかもしれませんね。 自分の子どもとはいえ、自分自身とは違うひとりの人間。わかってあげられないことも多いもの……。子どもが外の世界で悩みを抱えている場合は特に、冷静に子どもの話を聞いて受け止めてあげたいものですね。 著者:マンガ家・イラストレーター ねこじまいもみ
2023年09月17日小学校受験をしたもちこ。無事合格し、家から電車を乗り継いで、片道1時間半ほどかかる小学校へ通うことになりました。入学してから半年間は、お母さんに付き添ってもらっていましたが、いつしかひとりで通学するように。行きの満員電車に比べ、帰りは座りながらゆったり乗車できていました。ある日の下校中、帰りの電車で気が緩み、ウトウトしていたもちこに……!?朝6時に起き、片道1時間半の電車通学をしていたもちこ。空いている帰りの電車でウトウトするのが至福の時間でした。 ある日の帰りの電車で、同じ車両には数人しか乗客がいないにもかかわらず、もちこのすぐ隣に見知らぬ男性が座ってきました。 「他のところ空いてるのになぁ」と違和感を覚えるもちこですが、すぐ逃げたほうがいい状況だとは思わず、そのまま座っていると……。 身動きがとれなかった少女 人もまばらな電車内。眠気でウトウトしていたもちこ。そんな状況で、もちこの隣に座ってきた男性……。 あろうことかその男性は、触っているのかいないのか、すごく微妙な触り方でもちこに触れてきたのです。 「え、何……。わけがわからない」 世の中には卑劣な行為をする悪い大人がいるのだと、小学校低学年ながらテレビやマンガで知っていたもちこ。しかし、自分の身に降りかかってくるとは思わず、次の停車駅を待つ以外、何もできずにいました。 「怖い! 泣く……! でも泣いたらもっと怖いことになるかもしれない……」 次の停車駅に着き、走って逃げては相手を刺激してしまう可能性があると考えたもちこは、不自然にならないよう平静を装いつつ下車。 降りたことのない駅でしたが、慣れているかのような振る舞いを意識しながら、改札まで行き、駅を脱出したのでした。 無抵抗な子どもの体に触れた男性。恐怖の中冷静に考え、次の駅で降り、改札まで向かったもちこはよく頑張りましたね。誰が相手でも痴漢は許されない行為ですが、子どもを狙うのは本当に卑劣。ひとりで行動するようになった子どもを守るため、親や周りの大人ができることは何なのか、考えさせられる出来事ですね。著者:マンガ家・イラストレーター mochiko.
2023年09月17日ねこじまさんの長男・まっちくんが小学1年生のときのお話です。入学式のときから「早く帰りたい」と連呼していたまっちくん。4月に入学してからすぐ、「学校に行きたくないよぉ」と登校しぶりが始まりました。まっちくんが教えてくれた理由の中には、慣れていけば解決しそうな問題だけでなく、音に関する問題もありました。普段の様子からも、まっちくんは音に少し敏感なところがあると、ねこじまさんは感じていたそうです。そしてもう1つの大きな問題は、お気に入りのおもちゃを持っていけないこと。 まっちくんは、小さなころから「特定の物を持って、それをずっと眺めながら同じ直線を何度も行ったり来たり走る行動」(常同行動※)が見られました。一見すると不思議な動きですが、その行動はまっちくんにとって、気持ちを癒やす大切な時間だったようです。(※)常同行動:一見すると目的もなく、一定の行動(動作)を繰り返すこと 前向きな気持ちで、まっちくんのありのままを受け入れ続けていたねこじまさんでしたが、年長の終わりごろ、まっちくんは登園しぶりをするように。 保育園では常同行動の頻度が増していること、孤立したがるようになっていることを先生から聞き、このまま見守っていて大丈夫かどうか、漠然とした不安を感じ始め……。 入学前に発達検査の予約を まっちくんが新生児のころから通っている大学病院で心理発達科を紹介してもらい、小学校入学前に発達検査を受けたいと思ったねこじまさん。「私が知りたかったのは、診断名がつくかつかないかよりも、私にできる導きがあるのか、どう向き合えば彼のためになるのかということでした」と振り返ります。 子どもの発達は1人ひとり違って当然だとはわかっていても、心配になることがありますよね。周囲から「時間が解決してくれる」と言われたとしても、悩んでいるその時点では先が見えないので不安になってしまうことも。 そんなときにはひとりで抱えこまず、ねこじまさんのように思い切って専門家に相談してみることも重要ですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子 著者:マンガ家・イラストレーター ねこじまいもみ
2023年09月16日小学校受験をしたもちこ。無事合格し、家から電車を乗り継いで、片道1時間半ほどかかる小学校へ通うことになりました。入学してから半年間は、お母さんに付き添ってもらっていましたが、いつしかひとりで通学するように。行きの満員電車に比べ、帰りは座りながらゆったり乗車できていました。ある日の下校中、帰りの電車で気が緩み、ウトウトしていたもちこに……!?朝6時に起き、片道約1時間半の電車通学をしていたもちこ。空いている帰りの電車でウトウトするのが至福の時間でした。そんなもちこに近寄る男性が……。 疲れ果てた女子小学生に… 小学校受験をしたもちこ。家から電車を乗り継いで、片道1時間半ほどかかる学校に通うことになりました。入学して半年ほどはお母さんに付き添ってもらっていましたが、いつしかひとりで通学するように。 朝は大人に混じって満員電車に揺られ、帰りはスカスカの電車で帰る毎日。小学校低学年ながら、ハードなスケジュールで過ごしていたもちこは、帰りの電車でウトウトする時間が至福の時となっていました。 ある日の帰り道。時間帯は昼下がりで、もちこが乗車していた車両には、数人しか乗っていないような状況でした。そんな中、見知らぬ男性がすぐ隣に座ってきたのです。 「他のところ空いてるのになぁ」 違和感を覚えていたものの、もちこは、「すぐに逃げたほうがいい」などとは考えもしないのでした。 大人でも大変な片道1時間半の距離を、電車通学していたもちこ。疲れて帰りの電車でウトウトしてしまうのもしょうがないですよね。 見知らぬ男性が隣に座ってきた今回の出来事ですが、おかしいなと感じても、幼い子どもであれば「移動しよう」などの考えに至らなくても当然のように思います。わが子がひとりで電車に乗るような機会が訪れた際は、「電車内で何かおかしいと感じたら、移動したり、下車したりして、その場から離れてね」など、身を守るように伝えておくことが大切かもしれませんね。著者:マンガ家・イラストレーター mochiko.
2023年09月16日ねこじまさんの長男・まっちくんが小学1年生のときのお話です。入学式のときから「早く帰りたい」と連呼していたまっちくん。4月に入学してからすぐ、「学校に行きたくないよぉ」と登校しぶりが始まりました。まっちくんが教えてくれた理由の中には、慣れていけば解決しそうな問題だけでなく、音に関する問題もありました。普段の様子からも、まっちくんは音に少し敏感なところがあると、ねこじまさんは感じていたそうです。そしてもう1つの大きな問題は、お気に入りのおもちゃを持っていけないこと。 まっちくんは、小さなころから「特定の物を持って、それをずっと眺めながら同じ直線を何度も行ったり来たり走る行動」(常同行動※)が見られました。一見すると不思議な動きですが、その行動はまっちくんにとって、気持ちを癒やす大切な時間だったようです。(※)常同行動:一見すると目的もなく、一定の行動(動作)を繰り返すこと ねこじまさんは、保育園時代から「この先、集団生活で困ることがあるかもしれない」と感じていたと振り返り……。 常同行動の頻度が増していき… ※訂正:(誤)誰も→(正)誰からも ※訂正:(誤)見守るで→(正)見守るだけで 子育てをする中で長女とは違う行動を見ることがあっても、「育てにくさ」は感じなかったねこじまさん。あまりネガティブには考えないようにしていました。 2、3歳のころから、保育園でも習い事でもずっと走っていたまっちくん。常同行動についても、「まだ小さいからなんとも言えないね」「成長とともに変わってくるかも」など、周囲からは同じことを言われていたそうです。 そして年長の終わりごろ、まっちくんは登園しぶりをするように。保育園では常同行動の頻度が増していること、孤立したがるようになっていることを先生から聞きました。 前向きな気持ちで、まっちくんのありのままを受け入れ続けていたねこじまさんですが、このまま見守っていて大丈夫かどうか、漠然とした不安を感じ始めたのでした。 「ありのままの子どもの姿を受け入れたい」という気持ちも、「将来、このままで困らないかどうか心配」という気持ちも、子どものことを大切に思っているからこそ抱く正直な気持ち。 正解がわからない子育てにおいて、判断が難しい局面は多々ありますよね。誰に相談しても明確な答えが返ってこない場合、どうすべきなのか余計にわからなくなってしまうことも……。皆さんならこのような場合、どうしますか? 監修/助産師 松田玲子 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター ねこじまいもみ
2023年09月15日ねこじまさんの長男・まっちくんが小学1年生のときのお話です。入学式のときから「早く帰りたい」と連呼していたまっちくん。4月に入学してからすぐ、「学校に行きたくないよぉ」と登校しぶりが始まりました。まっちくんが教えてくれた理由の中には、慣れていけば解決しそうな問題だけでなく、音に関する問題もありました。普段の様子からも、まっちくんは音に少し敏感なところがあると、ねこじまさんは感じていたそうです。 全体で20人に満たない幼稚園から、何倍もの人数の子どもたちがいる小学校へ入学したまっちくん。集団行動が苦手なまっちくんにとって学校は、緊張や不安だけでなく、つらいと感じる場面が多い環境なのかもしれません。 そして、もう1つ大きな問題がありました……。 少し気になる…息子の特徴的な動き まっちくんには、小さなころから「特定の物を持って、それをずっと眺めながら同じ直線を何度も行ったり来たり走る行動」(常同行動※)をする癖があります。大きくなるにつれてその時間は少しずつ減ってきてはいるものの、1日に何度もする日課のようなものでした。(※)常同行動:一見すると目的もなく、一定の行動(動作)を繰り返しおこなうこと 周囲から見ると不思議な行動に見えるかもしれませんが、その行動は確実にまっちくんの気持ちを癒やす、大切な時間だったのです。 そしてまっちくん自身は「学校にこれ(こだわりのブロックなど)を持っていけない」ということを理解していました。 手に持つ物は、曲がるストロー・食べかけのお菓子の袋を止めるクリップ・砂遊び用の小さな熊手・ブロックを組み立てたものなど、定期的に変わってはいたものの、小さいころから本当に楽しそうに走っていたとねこじまさんは言います。 没頭しすぎないように声をかけると反応し、切り替えもできていたので、これまで気にしつつも、あたたかく見守っていたそうです。 自分の好きなことを比較的自由にできる環境から、小学校に入学して行動が制限されてしまったまっちくん。環境の大きな変化に戸惑ってしまい、「小学校に行きたくない」と感じたのかもしれませんね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子 著者:マンガ家・イラストレーター ねこじまいもみ
2023年09月14日ねこじまさんの長男・まっちくんが小学1年生のときのお話です。入学式のときから「早く帰りたい」と連呼していたまっちくん。4月に入学してからすぐ、「学校に行きたくないよぉ」と登校しぶりが始まりました。まっちくんの気持ちが落ち着いているときに、改めて学校に行きたくない理由を一緒に整理してみると……。 1年生なら、よくあること…? まっちくんが教えてくれた理由の中には、慣れていけば解決しそうな問題だけでなく、音に関する問題もありました。普段の様子からも、まっちくんは音に少し敏感なところがあると、ねこじまさんは感じていたそうです。 全体で20人に満たない幼稚園から、何倍もの人数の子どもたちがいる小学校へ入学したまっちくん。集団行動が苦手なまっちくんにとって学校は、緊張や不安だけでなく、つらいと感じる場面が多い環境なのかもしれません。 SNSのコメント欄には、「急に広い世界に飛び出して順応することは、大人でも時間がかかることあります。子どもは、なおさらかもしれませんね」 「私も個人的な付き合いは好きだけど、集団になるとどうしたらいいかわからなくなる」 「私もまっちくんと似たタイプで、周りのざわざわで人の話が聞き取れなくてしんどかったです」 など、まっちくんと同じように、騒がしい環境や大人数が苦手という人の声が集まりました。 自分のつらい気持ちを、きちんと言葉にしてお母さんに伝えられるまっちくんと、気持ちを整理して話し合う機会を設けたねこじまさんの親子関係が素敵ですね。初めての環境に戸惑う子どもたちには、「お母さんはすべてを受け止めてくれる」という安心感が必要なのかもしれません。 著者:マンガ家・イラストレーター ねこじまいもみ
2023年09月13日赤井さんは夫と娘の3人家族。民間学童保育に通う娘が小学3年生のときのお話です。ある日、学童から帰宅した娘が、泣きだし、大切なメモ帳がぐちゃぐちゃになってしまったと言いました。後日、学童友だちのミノリちゃんから、ホウサクくんとナエコさんというきょうだいがメモ帳を壊すところを目撃したという話を聞いた赤井さん。しかし学童の代表取締役、畑山さんと赤井さんが面談をした結果、ミノリちゃんの証言は証拠として扱えないと言われてしまいます。赤井さんはもう一度娘を交えた面談をお願いしましたが、そこでは一方的に畑山さんが話をするのみ。さらには、解決が難しいこの問題についていつまでも考え続けるのか、それとも畑山さんが娘に新しいメモ帳を買ってあげてそれでおしまいにするのかを娘に選択するよう迫ったのです。その日の夜、就寝前に畑山さんから投げかけられた選択について娘の気持ちを確認した赤井さん。すると娘は、畑山さんの言う通りにする、つまり、メモ帳を壊した人に名乗り出てもらうという根本的な解決はもういい、と言うのです。しかし、学童に長く勤める米田先生という指導員はまだこのトラブルを終わらせようとはしておらずーー!?ついに目撃!?トラブル解決の鍵となる出来事 ある日のこと、米田先生から自分が今使用しているロッカーの中の荷物を移動させるよう子どもたちへ指示がありました。 すると、ひとりだけキョロキョロと辺りを見渡す女の子が……。 そして、紙くずのようなものをゴミ箱にそっと捨てようとしたのです。米田先生はその様子を見逃しませんでした。 「ちょっと先生、一緒に話したいな。ナエコちゃん」 そう言ってナエコちゃんの腕を掴んだのです。 その数日後、娘は米田先生に呼び出されました。どうやらあのときナエコちゃんがゴミ箱に捨てようとしていたのは娘のロッカーから勝手に持っていったメモ帳だったよう。 ナエコちゃんは泣きながら娘に謝りました。娘は自分はすごくいやな気持ちになったとナエコちゃんに話します。娘は深刻な顔をしていましたが、正直に謝ってくれたナエコちゃんの気持ちを受け入れたのでした。 その後、米田さんから赤井さんへ連絡が。犯人から直接娘が謝ってもらえたと知り安心した赤井さん。これでトラブル解決になると思ったのですが、米田さんの声は少しにごっていました。 ◇◇◇ 娘さんのメモ帳が欲しくなって黙ってとってしまったナエコちゃん。メモ帳を持っていてもうれしくは感じず、後悔もしていた様子。傷ついた娘さんを見て、いけないことをしてしまったと痛感していたのかもしれません。やってしまったことはいけないことですが、娘さんに謝ることができて、そして娘さんにもいいよと言ってもらえてとてもホッとしたのではないでしょうか。娘さんもナエコちゃんのやってしまった行動をただ許すだけでなく、メモ帳をとられてとてもいやな気持ちになったと正直な思いを伝えることができて、よかったですね。著者:マンガ家・イラストレーター 赤井ふみ
2023年09月13日ねこじまさんの長男・まっちくんが小学1年生のときのお話です。入学式のときから「早く帰りたい」と連呼していたまっちくん。4月に入学してからすぐ、「学校に行きたくないよぉ」と登校しぶりが始まりました。泣きながら「行きたくないよぉ~。お願い~」と言うまっちくんに、学校に行きたくない理由を聞いてみたところ……。 どうするのが最善なの…!? まっちくんは、「あんなつまらないところ行きたくない」「友だちなんかできる気がしない」「みんな一斉にしゃべるから、音がうるさい」と、学校に対する不満や行きたくない理由を教えてくれました。 ねこじまさんが試行錯誤してまっちくんを外に連れ出せる日もあれば、逃げたり隠れたり布団にくるまったりして、全力で登校を拒否され、家から出られない日も。 ねこじまさんは、「私の中では無理して行かなくていいかなという気持ちが大半あるのですが、『最初だし、今行かなかったらますます行きづらくなるのではないか。ますます孤立してしまうのではないか』と考えてしまうこともあり、どうするのが最善なのかわからず悩んでいました」と振り返ります。 小学1年生にもなると体が大きくなってきて、力いっぱい本気で抵抗されると、結構大変……。小さいころと比べて自分の考えをしっかり持って周囲に話せるようになってきていることもあり、親の思い通りにならないことも増えてきますよね。特に、まだ1歳未満の下の子がいるねこじまさんの場合は、大変だったことでしょう。もし、お子さんが登校をしぶるようになった場合、皆さんならどのように対応しますか? 著者:マンガ家・イラストレーター ねこじまいもみ
2023年09月12日赤井さんは夫と娘の3人家族。民間学童保育に通う娘が小学3年生のときのお話です。ある日、学童から帰宅した娘が、泣きだし、大切なメモ帳がぐちゃぐちゃになってしまったと言いました。後日、学童友だちのミノリちゃんから、ホウサクくんとナエコさんというきょうだいがメモ帳を壊すところを目撃したという話を聞いた赤井さん。深刻な事態であると考え、学童で面談の場を設けてもらうことに。しかし、代表取締役の畑山さんからこれ以上トラブルを長引かせることはできないと伝えられただけでなく、ミノリちゃんの証言は証拠として扱えないと言われてしまいます。我慢ができなくなった赤井さんは、畑山さんにもう一度娘の気持ちを聞いてほしいと伝えます。話し合いの場に娘を呼んだかと思いきや、一方的に畑山さんが話をするのみ。さらには、娘にある提案を突きつけてきたのです。それは、解決が難しい問題についていつまでも考え続けるのか、それとも畑山さんが娘に新しいメモ帳を買ってあげてそれでおしまいにするのかというもの。その日の夜、赤井さんが娘に気持ちを尋ねると……。娘の決断は… ※誤)実山さん → 正)実田さん 面談を終え帰宅しようとしていると、赤井さんは学童に長く勤めている指導員の米田さんと久しぶりに顔を合わせました。 米田さんは赤井さんを見るなり、メモ帳事件のことを気にかけてくれたようで……。 「今日いらしてるの、もしかして……その娘ちゃんのメモ帳の件?」と声をかけてくれました。 米田さんは、娘のことを待機部屋まで呼びにいってくれたのですが、その際に、学童生徒のひぴくんから部屋の掃除をしていたときにあるゴミを見つけたと報告を受けました。 娘のメモ帳トラブルに大きく関わっていそうな予感がした米田さん。 見つけたくれたゴミについては先生に任せてほしいと娘とひぴくんに伝えます。 その日の夜、就寝前に畑山さんが示したた2つの提案について娘の気持ちを確認した赤井さん。選択肢は大きく2つ。解決が難しい問題についていつまでも考え続けるのか、それとも畑山さんが娘に新しいメモ帳を買ってあげておしまいにするのかというもの。 すると娘はもう畑山さんの言う通りでいいと言いました。つまり、メモ帳を壊した人に名乗り出てもらうという根本的な解決はもういい、と言うのです。 翌日赤井さんは実田さんに娘の決断について伝えました。実田さんからは「娘さんが決めたことならそれがベストだろう」と言われ、モヤモヤしつつも実田さんの言葉に納得してしまった赤井さんなのでした。 ◇◇◇ 娘さんが下した決断は、新しいメモ帳を買ってもらってこの問題を終わらせるというものでした。この決断が娘さんの本心だったのか気になったのではないでしょうか。時間を少し置いてからもう一度気持ちを確認してみてもよかったかもしれませんね。けれども一方で、自分を納得させようとした赤井さんの気持ちもわかる気がします。これ以上娘さんを困らせたくない、傷つけたくないがために、モヤモヤしつつも娘さんの決断を受け入れたのかもしれません。娘さんも赤井さんもスッキリできるといいですね。著者:マンガ家・イラストレーター 赤井ふみ
2023年09月12日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校のほか、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしている花雲(かうん)先生は「僕が発達検査して、紹介状を書きます」と提案してくれました。発達検査を数回に分けておこないながら、タクくんは少しずつ前進。後日、発達検査の結果を聞くため、もっつんさんは小学校を訪れました。 検査の結果、的確な指示は理解できるものの、論理的思考が苦手という凸凹があることが明らかに。そして、タクくんにとってより過ごしやすい環境を整えるためにも、学習補助の支援員をつけたり、特別支援クラスを検討したりすることを提案されたのです。 スクールカウンセラーの花雲先生から丁寧な説明を受け、担任の先生や支援クラスの先生と面談をしたり、支援クラスの見学をしたりするうちに、理解が深まってきたもっつんさん。「ここならタクも授業に集中できそう」と思えたようです。 夫もスクールカウンセリングに参加してタクくんのことを理解してくれ、支援を受けるために病院で発達障害の診断を受けることを決意しました。花雲先生の紹介状を持って、タクくんと一緒に大きい病院へ行くと……。 高圧的な医師に否定され続け…※「WISC検査」:ウェクスラー式知能検査の1つ。子どもの知能を測定するための検査。 これまで多くの人に関わってもらい、いっぱい泣いて悩んで、ようやく診断を受けるために勇気を出して病院を訪れたのに、そこで待ち受けていたのはとんでもない医師でした。 ちょうどこのころ、いろいろと悩み事が重なり精神的に参っていたもっつんさんにとって、この経験はトラウマになってしまいました。初対面の男性医師に何度も肩を叩かれ、怒鳴られ、否定され……、目の前が真っ白になったそうです。 医師は長年の経験をもとに、タクくんともっつんさんの状況について見解を述べたのかもしれません。しかし、高圧的な態度で自分の考えを押し付けるような発言をされては、悩める母親は救われないのではないでしょうか。もっつんさんは心に深い傷を負ってしまいました。 その後、もっつんさんは帰宅してから病院で起きたことのメモを取り、すぐに花雲先生と市役所の社会福祉の窓口に相談に行ったそうです。何かトラブルに巻き込まれてしまったときには、しかるべき場所に相談に行けるよう、記録を残しておくことも大切ですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年09月11日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校のほか、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしている花雲(かうん)先生は「僕が発達検査して、紹介状を書きます」と提案してくれました。発達検査を数回に分けておこないながら、タクくんは少しずつ前進。一方でもっつんさん夫婦は不妊治療をステップアップしました。 慌ただしい日々の中、タクくんが学校で他の生徒にケガをさせてしまうことが立て続けに発生。もっつんさんの負担を減らすために、夫もタクくんを叱ってくれるようにはなったものの、り方が厳しすぎてもっつんさんの心は疲弊する一方でした。 そんな中、以前に受けた発達検査の結果を聞くため、小学校を訪れたもっつんさん。スクールカウンセラーの花雲先生は、タクくんの発達検査の結果について、数値をもとに理路整然と説明してくれました。 検査の結果、的確な指示は理解できるものの、論理的思考が苦手という凸凹があることが明らかに。そして、タクくんにとってより過ごしやすい環境を整えるためにも、学習補助の支援員をつけたり、支援クラスを検討したりすることを提案されて……。 難ゲーのほうが楽しいでしょ! ※訂正:(誤)検診→(正)健診 花雲先生は、特別支援クラスの概要やメリット・デメリットを丁寧に説明してくれました。担任の先生や支援クラスの先生と面談をしたり、支援クラスの見学をしたりするうちに理解が深まってきたもっつんさん。「ここならタクも授業に集中できそう」と思えたようです。 夫もスクールカウンセリングに参加してタクくんのことを理解してくれました。自分を責めてしまいがちになるもっさんに、「苦労するのが嫌なら、そもそも一緒になろうと思わない」「もっつんがタクを守り、俺がもっつんとタクを守る」「やんちゃなのは大変だけど、嫌じゃない」と明るく話してくれたのです。 もっつんさんは「夫はポジティブなので、私を無理やり明るいほうへと引っ張っていってくれてます。悩みがちな育児ですが、夫のおかげでなんとかなりました」と振り返ります。 こんなふうにあたたかく、そして安心する言葉をかけてもらえると、これから何があっても夫婦で話し合いながら乗り越えていこうと思えますよね。タクくんへの叱り方が厳しくなってしまいがちだったのも、夫ならではの覚悟の表れだったのかもしれません。一緒に暮らして毎日顔を合わせていても、密にコミュニケーションをとることは大切ですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年09月10日赤井さんは夫と娘の3人家族。民間学童保育に通う娘が小学3年生のときのお話です。ある日、学童から帰宅した娘が、泣きだし、大切なメモ帳がぐちゃぐちゃになってしまったと言いました。後日、学童友だちのミノリちゃんから、ホウサクくんとナエコさんというきょうだいがメモ帳を壊すところを目撃したという話を聞いた赤井さん。深刻な事態であると考え、学童で面談の場を設けてもらうことに。しかし、代表取締役の畑山さんからこれ以上トラブルを長引かせることはできないと伝えられただけでなく、ミノリちゃんの証言は証拠として扱えないと言われてしまいます。我慢ができなくなった赤井さんは、娘の気持ちはおいてけぼりになっている、娘だけが我慢するだけの解決は望まないと必死に伝えます。すると強い思いが伝わったのか、娘も面談の場に呼んで話を聞いてもらえることに。しかし畑山さんはさらに衝撃的な発言を連発します……。娘に衝撃的な提案を迫ってきて… さっそく娘を面談室へ呼んで話を始めた畑山さん。 娘の気持ちをきちんと聞いてくれると思いきや、一方的に畑山さんが話をするのみ。 また、学童はトラブル解決のために出来る限りのことをしたなどと言い始め、赤井さんは驚きが隠せません。 さらには、畑山さんが娘にある選択を突きつけはじめたのです。 それは、解決が難しい問題についていつまでも考え続けるのか、それとも畑山さんが娘に新しいメモ帳を買ってあげてそれでおしまいにするのかというものでした。 一方的な話と、高圧的とも言えるような畠山さんの雰囲気に萎縮してしまった娘。ただ固まるだけで何も言うことができません。 結局娘は一言も言葉を発しないまま、話し合いは終わってしまったのでした。 ◇◇◇ 畑山さんの「メモ帳を買ってあげるからトラブルを終わりにさせよう」という提案は、娘さんの気持ちに寄り添ったものとは言い難く、トラブルの根本的な解決にはなっていないとも言えますよね。畑山さんは、いつまでもトラブルを長引かせるのではなく、大人がヒントを与えて前に進ませることも大切だと言っていましたが、赤井さんは納得しきれていない様子。事の真相を明らかにしてトラブルを起こした犯人に直接謝ってもらうのか、それとも終わりにさせるのか……。わが子がこのような選択を迫られてしまったら、みなさんはどうしますか?著者:マンガ家・イラストレーター 赤井ふみ
2023年09月10日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校のほか、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしている花雲(かうん)先生は「僕が発達検査して、紹介状を書きます」と提案してくれました。発達検査を数回に分けておこないながら、タクくんは少しずつ前進。一方でもっつんさん夫婦は不妊治療をステップアップしました。 慌ただしい日々の中、タクくんが学校で他の生徒にケガをさせてしまうことが立て続けに発生。もっつんさんの負担を減らすために、夫もタクくんを叱ってくれるようにはなったものの、り方が厳しすぎてもっつんさんの心は疲弊する一方です。 タクくんの他害行為・義実家同居・不妊治療などのストレスが重なり、もっつんさんの心は限界に……。ついに入眠困難に陥ってしまいました。 そんな中、以前に受けた発達検査の結果を聞く日がやってきて……。 学校生活に苦痛を感じていたのかも…※「WISC検査」:ウェクスラー式知能検査の1つ。子どもの知能を測定するための検査。 スクールカウンセラーの花雲先生は、タクくんの発達検査の結果について、数値をもとに理路整然と説明してくれました。検査の結果、的確な指示は理解できるものの、論理的思考が苦手という凸凹があることが明らかに。 タクくんは小学校で大人数で授業を受けるようになり、たくさんのストレスを感じていたのかもしれないと推察できました。そして、タクくんにとってより過ごしやすい環境を整えるためにも、学習補助の支援員をつけたり、支援クラスを検討したりすることを提案されたのです。 花雲先生の話を受けて、「困った子だと思って厳しく接するより、良い行動に誘導するほうが良いと思えた」と言うもっつんさん。特性に対する理解への第一歩になったそう。 もっつんさんのように専門家に相談してみることで、いろいろな選択肢を教えてもらえることも。物事の背景には、目に見えない多くの要因が影響していることもあります。何か悩み事があったときは、思い切って専門家に相談することも重要ですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年09月09日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校のほか、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしている花雲(かうん)先生は「僕が発達検査して、紹介状を書きます」と提案してくれました。発達検査を数回に分けておこないながら、タクくんは少しずつ前進。一方でもっつんさん夫婦は不妊治療をステップアップしました。 そんな慌ただしい日々を繰り返していたある日、学校で事件が発生。タクくんが振り回していた水筒が他の生徒の顔面にぶつかってしまい、相手の子の唇は切れ、歯が欠けてしまったとのこと。そして、やり返されたタクくんも頭をぶつけてしまったそうです。 担任の先生から連絡を受けたもっつんさんが、慌てて職場を飛び出し、小学校に駆けつけると、タクくんはお母さんのお迎えがうれしいからかニコニコして待っていました。 もっつんさんは、タクくんに反省の色が見られず笑っていることに怒りが抑えられず、思わず手が出てしまいました。そして、周囲の視線から逃げるように帰宅し……。 夫に叱ってもらったけれど、後悔… もっつんさんの負担を減らすため、夫もタクくんを叱ってくれるようにはなったものの、叱り方が厳しすぎてもっつんさんの心は疲弊する一方。 タクくんの他害行為・義実家同居・不妊治療などのストレスが重なり、ついに義家族の前でも爆発。そして、このころからもっつんさんの寝つきが悪くなっていきました。 この時期を振り返って、もっつんさんは「ストレスはためすぎちゃダメ。いろいろな人に弱音吐いて、使えるものは何でも使って、つらい時期を乗り越えたほうがいい」と感じたそうです。 子育てや家庭の問題に向き合う中で、自分でも知らず知らずのうちにストレスをため込んでいたり、無意識のうちに強がってしまうこともあるでしょう。自分を守れるのは自分。頑張りすぎないよう、時間を見つけて少しずつでもストレスを発散し、時には自分を甘やかすことが大切なのかもしれませんね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年09月08日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。もうすぐお姉ちゃんとすみかさんの誕生日。お母さんに欲しいものを聞かれ、お姉ちゃんは縮毛矯正したいと答えます。お母さんはそんなもの必要ない!と大反対し、お姉ちゃんは不機嫌に……。翌朝、お姉ちゃんの髪型はベリーショートになっていました。お姉ちゃんの気持ちをお母さんに分かってほしいと思うすみかさんですが、なかなか簡単にはいきません。小学5年生になったすみかさん。演劇発表会の練習中、すみかさんは登場のタイミングがつかめず、先頭だった順番を変えられてしまいます。そのことを何気なくお母さんに話すと、「あんたって情けない子ね!ちゃんとやりなさいよ!」と返されました。その言葉にショックを受けたすみかさんは、癇癪を起こします。本当はお母さんから「先頭じゃなくても大丈夫」という言葉が欲しかったのですが……。お母さんとの意見の食い違いは続きーー。 母の何気ないひと言に落ち込む日々 親友のノナちゃんは体育がない日はかわいい靴を履いて通学してきます。それを見て、いいなぁと憧れたすみかさん。お母さんにスニーカー以外の靴を買ってもらおうとしますが、走れないからダメ!と購入してもらえませんでした。また別の日には、すみかさんの意見を聞くことなく洋服を購入。好みじゃなかったので、今度から自分で選びたいと伝えました。 お母さんに雑誌に載っているファッションを見せますが、「理解できなーい。服が欲しいなら押し入れにたくさんあるから」と言われてしまいます。押し入れにある洋服というのは、お母さんが太って着られなくなったトップス、おばあちゃんが昔履いていたスカートなど、すみかさんが着たいと思うような洋服はありません。言っても分かってもらえないと思い、諦めたすみかさんでした。 5年生になっても前の学校で親友だったモモちゃんとの文通は続いていました。手紙には「彼氏ができた」と書かれており、すみかさんはテンションが上がります。しかし、それを聞いたお母さんは、すみかさんとモモちゃんのタイプが違うと判断。「友達やめたら?」と助言します。なんて事を言い出すんだと思ったすみかさん。友だちは自分で決める!と自室でイライラするのでした。親が着てほしい洋服と子どもが着たい洋服が違うというのは、しばしばありますよね。流行りに敏感になる思春期になると、ぶつかることも増えてくるのかなと思います。「友達やめたら?」という言葉は心に深く残りますね。親子間だと遠慮なく、言いたいことを言いがちですが、親しき仲だからこそ言い方には気をつけたいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月08日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校のほか、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしている花雲(かうん)先生は「僕が発達検査して、紹介状を書きます」と提案してくれました。発達検査を数回に分けておこないながら、タクくんは少しずつ前進。一方でもっつんさん夫婦は不妊治療をステップアップしました。そんな慌ただしい日々を繰り返していたある日、学校で事件が発生。タクくんが振り回していた水筒が他の生徒の顔面にぶつかってしまい、相手の子の唇は切れ、歯が欠けてしまったとのこと。そして、やり返されたタクくんも頭をぶつけてしまったそうです。担任の先生から連絡を受けたもっつんさんが、慌てて職場を飛び出し、小学校に駆けつけると、タクくんはお母さんのお迎えがうれしいからかニコニコして待っていました。 もっつんさんは、タクくんに反省の色が見られず笑っていることに、怒りの気持ちが湧いてきて……。 言葉は通じるのに、気持ちが通じない… もっつんさんがタクくんの育児で一番悩んだのは、意図せず加害者側になってしまうことだったそうです。 「本当はもっと優しく、穏やかなお母さんでいたかった。もっとかわいがりたいのに……」と振り返るもっつんさん。 大泣きするタクくんの前でうずくまってしまうもっつんさんの心境を考えるだけで、胸が締め付けられてしまいそうです。 SNSのコメント欄にも、 「なんでわからないの!? なんで私の言葉が響かないの?って、毎日、毎日思います」 「私も『絶対に繰り返さないでほしい』と思うときほど空回りして、叱る時間は長くなるのに、子どもに伝わるようにうまく説明できないです」 など、子どもへのり方に悩んでいる方の声がありました。子育ては一筋縄ではいかないものだと頭ではわかっていても、気持ちがついていかないこともありますよね。子どものことを思うあまり、不安や怒りなどのさまざまな感情に押しつぶされてしまいそうになったときには、ひとりで抱え込まずに、学校の先生やスクールカウンセラー、専門機関などに相談することも一手です。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年09月07日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。小学4年生になり、水泳を始めたすみかさん。夏休みには初めて、大会に出場しました。仲間のことを全力で応援する水泳部のみんなを見て、私も応援したい!という気持ちに。このとき初めて、自分の家以外の場所で大声を出せました。そして5年生になると、他の子と同じ練習メニューをこなせるようになります。もうすぐお姉ちゃんとすみかさんの誕生日。お母さんに欲しいものを聞かれ、お姉ちゃんは縮毛矯正したいと答えます。お母さんはそんなもの必要ない!と大反対し、お姉ちゃんは不機嫌に……。翌朝、お姉ちゃんの髪型はベリーショートになっていました。すみかさんはお母さんに対し、お姉ちゃんの気持ちにもう少し寄り添ってほしいと思いますが、なかなか分かってもらえません。そして、すみかさんの行動にも口を出しーー。 自分のことを理解していない!?母の言葉 小学5年生になったすみかさんには、ノナちゃんという友だちができました。自分から行動を起こしたり、目立つことをしたりするのが苦手なすみかさん。「これやろ〜、あっちに行こ〜」とリードしてくれるノナちゃんは、一緒にいて安心できる存在でもあります。 ある日の演劇発表会の練習中。すみかさんはステージ袖から出る時の先頭に決められてしまいます。何度練習してもタイミングがつかめず、並び順を変更することに。そのことを何気なくお母さんに話すと、「あんたって情けない子ね!ちゃんとやりなさいよ!」と返されました。その言葉にショックを受けたすみかさんは、癇癪を起こします。本当はお母さんから「先頭じゃなくても大丈夫」という言葉が欲しかった……。でも想像と違う言葉が返ってくるから、学校で上手くできなかったことは秘密にしようと心に決めたすみかさんでした。 すみかさんは、発表会の並び順のことでお母さんに怒られた事をノナちゃんに話しました。すると、「スミカはスミカだよ!他の子と比べて落ち込まないの!」と元気づけてくれました。すみかさんは、ノナちゃんの優しさに感動したのでした。 慰めてほしい、分かってほしいと思って話したことに対し、真っ向から批判されると辛いですよね。お母さんの声かけも、すみかさんにもっと頑張ってほしいという思いから出ている言葉だとは思うのですが……。ノナちゃんがすみかさんの「個」を認めてくれる子でよかったです。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月07日マミヤさんの長女・2014年生まれの自閉症スペクトラムのしぇーちゃんが小学2年生のときのお話です。夏休みが明け、2学期が始まった途端、学校へ行くと体の調子が悪くなる日が続いたしぇーちゃん。ある日、しぇーちゃんが涙を流しながら「私、学校に行くのがつらいの」と正直な気持ちを伝えてくれたことをきっかけに、マミヤさん親子は不登校の道を選択することに。ホームスクーリングに取り組みながら過ごすこと1週間、しぇーちゃんは「休んで元気になった気がする」と自分から再登校することを決意! 無理のない範囲で、時短で再登校してみることにしました。4時間目まで登校すると決め、別室教室などを使いながら、自分のペースで時短登校を続けるしぇーちゃん。苦手だった運動会の練習にも無理のない範囲で参加し、無事に運動会を終えることができたのです。 そして、もう一つしぇーちゃんが苦手としていた給食については、担任のA先生がお弁当の持参を提案してくれました。給食当番にも復帰し、徐々に長い時間、学校にいられるように。 これからも少しずつ頑張っていこうと思っていた矢先……!? 「昇進!?」まさかの展開に… 小学校では担任の先生だけでなく教頭先生にも気にかけてもらい、少しずつ学校へ通う時間が長くなってきたしぇーちゃん。休みの日には支援級のお友だちと公園へ遊びに行けるようにもなりました。「不登校を決めた日には、またこうやってお友だちと遊べる日がくるなんて想像できなかったなぁ……」と感動したマミヤさんでしたが、その日の夜に夫から、昇進に伴い転勤が決まったことを知らされます。 転校の話を聞いて、大粒の涙を流しながら困惑するしぇーちゃん。結果的に引越し先にも支援級があり、新しい環境にも慣れていったそうですが、初めて聞いたときのショックは大きかったのかもしれませんね。 人生には予期しない変化がつきもの。これまでも対話を繰り返し、お互いの気持ちを大切にして支え合いながら乗り越えてきたマミヤさん一家なら、きっと大丈夫! この引っ越しがしぇーちゃんにとって、新しい人や環境との出会いのきっかけとなるといいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター マミヤ
2023年09月06日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。小学4年生になり、学校の部活と習い事の両方で水泳を頑張っているすみかさん。夏の大会へ出場することになりますが、頭から水面に飛び込むなんて怖い……と不安になります。「怖いよね〜」とすみかさんの気持ちに寄り添ってくれる友だちの言葉を聞いて、みんなも初めは怖かったんだ……みんなに追いつきたいから頑張ろう!と前向きな気持ちになりました。迎えた水泳大会の当日。みんなが応援してくれる中、いよいよスタートのときを迎えます。結果、失格にならずに泳ぎ切ることができました。そして、仲間のことを全力で応援する水泳部のみんなを見て、私も応援したい!という気持ちに。このとき初めて、自分の家以外の場所で大声を出せました。そしてこの日を境に声を出すことへの抵抗がなくなり、合唱も怖くなくなります。どんどん成長するすみかさん。最近の家での様子はというと……。 子どもの気持ちを分かってくれない母 ある日、お母さんがお姉ちゃんとすみかさんに、誕生日プレゼントは何がいいか聞いてきました。お姉ちゃんは現金が欲しい、そして縮毛矯正をしたいと話します。しかし、お母さんは縮毛矯正はダメ!そのままで良い!必要ない!と大反対。 お姉ちゃんの髪はくせ毛のボンバーヘア。雑誌のモデルさんのような、さらさらヘアに憧れるのも分かる気がしました。お母さんに反対され、お姉ちゃんに同情したすみかさん。しかし、お母さんの理解は得られませんでした。 翌日。朝ごはんを食べているお姉ちゃんを見ると、髪型がベリーショートになっていました。縮毛矯正をかけられなかったことが関係しているのか、お姉ちゃんは少し反抗的に。お使いで買ってきた卵を割ってしまいますが、お母さんに謝ることなく自室へ。何あの態度……と納得のいかないお母さんに対し、わざとじゃないんだから怒らなくてもいいじゃんとすみかさんは返します。 結果、すみかさんはお母さんと言い合いになりますが、うまく言い返せずに自分の部屋へ。お母さんと口げんかしても腹が立つだけなので、無視して部屋に行く方がマシ!お姉ちゃんの対処法は正解なんだと思ったすみかさんでした。 中学生ぐらいになると髪型だけでなく髪質で悩んだり、ヘアケアに興味が出てきたりしますよね。お母さんはまだ早いと思ったのかもしれませんが、髪の悩みは人によって違うので難しいですね……。すみかさんはお母さんに対し、お姉ちゃんの気持ちにもう少し寄り添ってほしいと思ったようですが、親子だからこそ上手くいかないことってありますよね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月06日マミヤさんの長女・2014年生まれの自閉症スペクトラムのしぇーちゃんが小学2年生のときのお話です。夏休みが明け、2学期が始まった途端、学校へ行くと体の調子が悪くなる日が続いたしぇーちゃん。ある日、しぇーちゃんが涙を流しながら「私、学校に行くのがつらいの」と正直な気持ちを伝えてくれたことをきっかけに、マミヤさん親子は不登校の道を選択することに。ホームスクーリングに取り組みながら過ごすこと1週間、しぇーちゃんは「休んで元気になった気がする」と自分から再登校することを決意! 無理のない範囲で、時短で再登校してみることにしました。4時間目まで登校すると決め、別室教室などを使いながら、自分のペースで時短登校を続けるしぇーちゃん。再登校ということもあり、なるべく無理をさせないようにしていたところ、授業中にプリントの問題を解く時間になると、「疲れたから」という理由で取り組まずに、家に持ち帰ることが続きました。 家ではプリントをスムーズに解けていること、さらに休み時間は元気に過ごせているということから、しぇーちゃんは「疲れたと言えば、やらなくていい」と思っているのでは?と感じたマミヤさん。 しぇーちゃんと「“疲れライン”の基準を大まかに決めておけたらいいね」と話し合い、「運動会の練習をしていないなら、普通授業は基本的に頑張る」「運動会の練習のあとなら、よく考えて本当にできない場合は先生に伝える」と決めました。 そして、不登校の期間中に予約していた、児童精神科の受診の日がやってきました。 「何で支援級なわけ?」友だちからの質問に… 服薬に対して、マミヤさんとしては「もう少し様子を見てもいいのでは……」と思っていましたが、先生からは「環境を整えることも大事だが、将来、自分に合った環境下に必ずいられるとも限らないので、不安を少し和らげる薬を飲んでみてもいいのでは」と言われました。 家族で話し合った結果、今の環境でもうまくいかないときに、また改めて服薬について検討することに。 その後、運動会も無事に終了し、給食の代わりにお弁当を持参して登校するようになったしぇーちゃん。給食当番にも復帰し、徐々に長い時間、学校にいられるようになってきました。 周囲の子と少し違う環境で学校に通っているしぇーちゃんは、お友だちからも「お弁当なのに給食のデザートは食べるの?」「なんで支援級なの?」「どうして4時間目で帰るの?」など、子どもならではの直球な質問を受けることもあるそう。しかし、しぇーちゃんは質問をそのまま受け取り、言葉の裏を考えることなく、淡々とお友だちに事実を伝えます。 こういうときに、返答に困らず自分の状況を的確に伝えられるのは、素晴らしいですよね。いつも親子で話し合っているからこそ、しぇーちゃんはしっかりと自分の状況を理解し、感情や意見を適切な言葉で表現できるのかもしれませんね。 小児科医・松井 潔 先生によると、自閉症スペクトラムのお子さんは繊細なため、学校の生活で疲れが出やすく、そのようなときはストレスの負荷を下げることが大切とのこと。ストレスのかけ方は、「体調が良いときほど頑張らない」「体調が悪いときは少しだけ頑張る」のが良いそうです。 運動会などの特別な行事はストレス度が高いので、フルに普段の学校生活ができてから参加するほうが良いでしょう。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター マミヤ
2023年09月05日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。3年生の頃は毎日のように本を読んでいたすみかさん。国語の問題を解くスピードが速くなり、テストの点数も良くなりました。作文のコンクールで入賞し、先生に褒められたことで、自分は書くのが得意なのかも!?と気づきます。少し自信がつき、授業中も挙手できるようになりました。4年生になり、水泳を頑張っているすみかさん。夏の大会への出場が決まりましたが、プールへ飛び込めるか、水面に頭から飛び込むなんて怖い……と不安になります。「怖いよね〜」とすみかさんの気持ちに寄り添ってくれる友だちの言葉を聞いて、みんなも初めは怖かったんだ……みんなに追いつきたいから頑張ろ!と前向きな気持ちに。そして、大会当日を迎えます。 不安を抱えつつ迎えた大会当日 大会当日。今日まで飛び込みの練習ができず、そして競技中の注意事項を聞いて、失格になるのでは…‥と不安になるすみかさん。みんなが応援してくれる中、いよいよスタートのときを迎えます。結果、失格にならずに泳ぎ切ることができました。 そして、仲間のことを全力で応援する水泳部のみんなを見て、私も応援したい!という気持ちに。このとき初めて、自分の家以外の場所で大声を出せました。この日を境に声を出すことへの抵抗がなくなり、合唱も怖くなくなります。 その後、プールの飛び込みにも挑戦したら、コツをつかんで上手く飛び込めるように。5年生になると、他の子と同じ練習メニューをこなせるようになります。夏は学校の水泳部とスイミングスクールの両方で泳いでいましたが、冬の間はスイミングスクールのみ。水泳部が恋しくなるすみかさんでした。 水泳部に入って素敵な仲間と出会い、表情や性格が明るくなってきたすみかさん。応援している仲間の姿に感化され、自分も応援したい!と思うようになりますが、声援の力って大きいですよね。大きな声を出せずに休んでいた音楽の授業も参加できるようになり、すみかさんの成長を実感しますね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月05日マミヤさんの長女・2014年生まれの自閉症スペクトラムのしぇーちゃんが小学2年生のときのお話です。夏休みが明け、2学期が始まった途端、学校へ行くと体の調子が悪くなる日が続いたしぇーちゃん。ある日、しぇーちゃんが涙を流しながら「私、学校に行くのがつらいの」と正直な気持ちを伝えてくれたことをきっかけに、マミヤさん親子は不登校の道を選択することに。ホームスクーリングに取り組みながら過ごすこと1週間、しぇーちゃんは「休んで元気になった気がする」と自分から再登校することを決意! 無理のない範囲で、時短で再登校してみることにしました。4時間目まで登校すると決め、別室教室などを使いながら、しぇーちゃんのペースで時短登校を続けていました。 そんなある日……。 ただ面倒になってやっていないのでは!? 授業中、プリントの問題を解く時間になると、「疲れたから」という理由で取り組まずに家に持ち帰ることが続きました。しぇーちゃんに理由を聞いてみても、運動会の練習で疲れたという理由でもなさそう……。 学校も保護者も「再登校中は無理をさせない」ということを心がけていましたが、その結果、しぇーちゃんは「疲れた」と言えばしなくていいと思ってしまったのかもしれません。家ではプリントをスラスラ解けていること、そして休み時間は元気に過ごせているということから、マミヤさんはしぇーちゃんと話し合うことにしました。 親子で「“疲れライン”の基準を大まかに決めておけたらいいね」と話しあい、「運動会の練習をしていないなら、普通授業は基本的に頑張る」「運動会の練習のあとなら、よく考えて本当にできない場合は先生に伝える」と決めました。結果、この話し合いのあと、プリントをしないということはなくなったそうです。 子どもの気持ちを尊重したいものの、子どもの意見を鵜吞みにしてしまうと甘やかすことになってしまう可能性も。どこまで子どもの背中を押せばいいのか、明確な答えがないからこそ親は悩んでしまうものですよね。 SNSのコメント欄にも、「難しい対応だと思いますが、丁寧に向き合っている姿に尊敬しかありません」 「これは難しい……判断能力が未熟な子どもの自主性にどこまで任せていいものか」 「本当に難しいです。背中を押すのも、受け止めるのも、甘えなのかを見極めるのって本当に難しい」 など、こういった場合の対応に難しさを感じるという意見が多数。 正解がないからこそ、マミヤさん親子のようにその都度、納得がいくまで親子でじっくり話し合うことが大切なのかもしれません。 著者:マンガ家・イラストレーター マミヤ
2023年09月04日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。プールが好きなすみかさんは、4年生になってスイミングスクールに通い始めます。学校では水泳部に入りましたが、周りは泳ぎが上手な子ばかり。泳げる子にいじめられるかも……と思いましたが、試合のときの水着をお揃いにしようと言ってくれたり、休み時間も一緒に遊んだりと仲良しに。転校後、いーちゃん以外に友だちができました。3年生の頃は毎日のように本を読んでいたすみかさん。国語の問題を解くスピードが速くなり、テストの点数も良くなりました。そして作文のコンクールで入賞した際、先生に褒められて自分は書くことが得意なのかも!?と気づきます。少し自信がついたことで、授業中も挙手できるようになったすみかさん。部活では水泳を頑張っていますが、ひとつ不安なことがあり……。 水泳大会への出場が決定 スイミングスクールでは進級し、水泳部では大会に出ることが決まり、他の子から「すごい!」と言われたすみかさん。夏の大会に出場することが決まりましたが、すみかさんには懸念していることがーー。それはプールへの飛び込み。 頭から水面に飛び込むのが怖い、と不安になるすみかさん。「怖いよね〜」とすみかさんの気持ちに寄り添ってくれる友だちの言葉を聞いて、みんなも最初は怖かったんだ……みんなに追いつきたいから頑張ろ!と前向きななりました。 以前はクヨクヨすることが多かったすみかさん。水泳を始めてから仲良しの友だちができ、落ち込んでいてもうまく切り替えられるように。コーチや友だちに励まされ、大会では上手に飛び込めるといいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月04日マミヤさんの長女・2014年生まれの自閉症スペクトラムのしぇーちゃんが小学2年生のときのお話です。夏休みが明け、2学期が始まった途端、学校へ行くと体の調子が悪くなる日が続いたしぇーちゃん。ある日、しぇーちゃんが涙を流しながら「私、学校に行くのがつらいの」と正直な気持ちを伝えてくれたことをきっかけに、マミヤさん親子は不登校の道を選択することに。ホームスクーリングに取り組みながら過ごすこと1週間、しぇーちゃんは「休んで元気になった気がする」と自分から再登校することを決意! 無理のない範囲で、時短で再登校してみることにしました。4時間目まで登校すると決め、別室教室などを使いながら、しぇーちゃんのペースで時短登校を続けていました。 そんなある日、交流級の担任であるB先生に「運動会の練習のとき、怒られちゃったの……!」と、ショックを受けた様子で話すしぇーちゃん。 もともと、夏休み明けにおこなわれた運動会の練習で、B先生がクラス全体に伝えた内容に恐怖心を抱いたことをきっかけに、しぇーちゃんの登校しぶりが始まったという経緯がありました。 しぇーちゃんに何があったのか聞いてみると……。 また不登校になるかもしれない 運動会の練習中、足を崩してしまっていたしぇーちゃんとその付近の子どもたちに注意をしたB先生。偶然先生と目があってしまったことで、しぇーちゃんは自分が強く怒られてしまったと感じたのでしょう。 「子どもの言うことに対して、すべて味方をしてあげたい」「でも、何もかも肯定して慰めるわけにもいかない」親として、このさじ加減は非常に難しいところ。 「私の反応次第で娘が余計につらく捉えてしまう場合もあるので、今回のように娘に原因がある場合は、あまり肩を持たないようにしています」とマミヤさん。B先生と話せたことで、先生もしぇーちゃんの様子を気にしてくれていることがわかりました。 再登校を始めて、マミヤさん親子は先生方の気遣いを改めて感じたそうです。小学校では多くの子どもたちが集団で学習をしています。一人ひとり、得意不得意があるのは当たり前。学校に通うのがつらくなってしまうようなことがあれば、まずは先生方に相談し、協力しながら、子どもが過ごしやすい環境を整えてあげたいものですね。 著者:マンガ家・イラストレーター マミヤ
2023年09月03日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。4年生になったすみかさんは、一緒に帰っているいーちゃんと同じクラスに。いーちゃんはすみかさんが唯一話せる相手です。楽しい学校生活になるかと思いきや、ヨッシーという子が入ってきて3人組に。3人で遊んでいるとき、2対1とすみかさんがひとりになることが多く、居心地の悪さを感じていました。プールが好きなすみかさんは、4年生になってスイミングスクールに通い始めます。そして学校では水泳部に入りました。いざプールに行くと、みんな泳ぎが上手でびっくり。泳げる子にいじめられるかも……と思いましたが、試合のときの水着をお揃いにしようと言ってくれたり、休み時間も一緒に遊んだりと仲良くなりました。読書そして水泳も好きになったすみかさん。あることがきっかけで、特技に気づき……。 得意なことって何だろう… 3年生の頃は毎日のように本を読んでいたすみかさん。国語のテストの点数が良くなり、問題を解くスピードも早くなりました。とくに好きだったのが夏休みの宿題の読書感想文。どの本で書こうかな〜、一冊しか書いちゃダメなのかな〜、と毎回ワクワクして取り組んでいました。 そして、授業で書いた作文がコンクールで入賞することも。「楽しそうな気持ちが作文から伝わってきた」と先生に言われ、学校で初めて褒められたかも!?とうれしくなります。授業中、感想文が書けなくて困っている子を見て、自分は書くのが得意なのかもしれないと気づきました。特技を見つけたことで、少しだけ積極的に。授業中も手を挙げられるようになっていきます。 他の人より得意なことって、意外と自分では気付きにくいですよね。テストや作文のコンクールがきっかけで、国語が得意なことに気づいたすみかさん。授業にも積極的に参加できるようになったことで、学校生活を楽しめるようになるといいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月03日マミヤさんの長女・2014年生まれの自閉症スペクトラムのしぇーちゃんが小学2年生のときのお話です。夏休みが明け、2学期が始まった途端、学校へ行くと体の調子が悪くなる日が続いたしぇーちゃん。ある日、しぇーちゃんが涙を流しながら「私、学校に行くのがつらいの」と正直な気持ちを伝えてくれたことをきっかけに、マミヤさん親子は不登校の道を選択することに。ホームスクーリングに取り組みながら過ごすこと1週間、しぇーちゃんは「休んで元気になった気がする」と自分から再登校することを決意! 無理のない範囲で、時短で再登校してみることにしました。まずは4時間目まで登校すると決めたしぇーちゃん。再登校初日、学校から早退などの連絡はなく、マミヤさんは予定通り12時に学校へお迎えに行きました。 しぇーちゃんは運動会の練習にも参加できたようでひと安心したのですが、どうやら給食前の時間にクラスが荒れている様子。 いつもより荒々しい態度だったクラスメイトのE君のことを、「運動会の練習を頑張ったから、今は疲れちゃっているのかも……」と思いやるしぇーちゃん。 「うるさくて我慢できない私はひどいのかな」と考えてしまうしぇーちゃんを、マミヤさんは「いいんだよ」と伝えながら抱きしめました。 しぇーちゃんの時短登校について、同じ支援級に通う子どもたちがどう思っているのか、気にしなくてはいけないと感じたマミヤさんは……。 先生に怒られちゃった…! しぇーちゃんに話を聞いてみると、支援級のお友だちのことを本人なりに理解して受け入れている様子。そして、時短と別室教室などを使いながら、しぇーちゃんのペースで時短登校を続けていました。 そんな中、交流級の担任であるB先生に「怒られちゃったの……!」と、ショックを受けた様子で話すしぇーちゃん。 もともと、夏休み明けにおこなわれた運動会の練習で、B先生がクラス全体に伝えた内容に恐怖心を抱いたことをきっかけに、しぇーちゃんの登校しぶりが始まりました。しぇーちゃんは、そのときの恐怖心をまだ拭いきれていないのでした。 社会に出るといろいろな人がいるように、小学校にもいろいろな先生がいますよね。穏やかな先生や、ビシッと注意する先生、おもしろい先生や、真面目な先生など。あらゆる場面に遭遇してきた経験豊富な大人からすれば、「そんなに気にすることないよ~」と思ってしまうこともありますが、まだまだ経験が少ない子どもにとっては、先生との関わり方にも不安を抱きやすいのかもしれません。 皆さんはこのような場合、子どもにどのような言葉をかけますか? 著者:マンガ家・イラストレーター マミヤ
2023年09月02日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。学校ではおとなしいすみかさんですが、転校後も癇癪は治っていませんでした。むしろ学校で自分を抑えている分、家で感情を爆発。お母さんには「学校では大人しいフリをしているんでしょ!ほんとは喋れるくせに」と心ない言葉を言われます。暴言を吐くと怒られるので、見つからないよう自分の学習机をペンなどで傷つけてストレスを発散させる日々を送っていました。4年生になったすみかさんは、一緒に帰っているいーちゃんと同じクラスに。いーちゃんはすみかさんが唯一話せる相手です。楽しい学校生活になるかと思いきや、ヨッシーという子が入ってきて3人組に。3人で遊んでいるとき、2対1とすみかさんがひとりになることも多く、居心地の悪さを感じていました。あるとき、交換日記をやめたいと話したことで、ヨッシーから一緒に帰るのをやめたいと言われ、ひとりぼっちに……。ですが、部活に入ったことで環境が変わり始めます。 いじめられる…と思った水泳部 プールが好きなすみかさんは、4年生になってスイミングスクールに通い始めます。泳いでいるときは他の子と話す必要もないので、水泳はすみかさんに合っていたよう。そして、学校では水泳部に入りました。水泳部のプール解禁日、泳げる子が多くて驚いたすみかさん。コーチが教えてくれると分かり、安心しました。 泳げる子にいじめられるかな……と心配していましたが、そんなことはなく、みんなが話しかけてくれます。試合のときは水着をお揃いにしようと言ってくれたり、休み時間も遊びに誘ってくれたり、いろいろと気にしていたのは自分だけだったと気づきます。 水泳部のみんなと体育館に向かう途中、以前の担任の先生とすれ違いました。「先生のおかげで本が好きになり、そして今はひとりぼっちじゃないよ!」と心の中で思います。クラスの子と遊んでいる姿を先生に見せられて、うれしかったすみかさんでした。 水泳部に入って友だちができ、学校生活が充実してきたすみかさん。休み時間にひとりでいることを気にかけていた先生は、友だちと一緒にいるすみかさんを見て、うれしかったのではと思います。ひとりでいることも決して恥じることではありませんが、転校先の小学校で自分を変えたいと思っていたすみかさんにとって、入部はいいきっかけになったのではないでしょうか。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年09月02日