数年前から、おへそを意識したエクササイズ「美へそダイエット」が女性誌を中心に話題を呼んでいますが、男性にも同様に効果が見られると話すのは、ボディメイク・ダイエット専門家でボディメイク・ジムShapes(シェイプス)代表の尾関紀輝(おぜき・としあき)トレーナー。そこで、同氏が男女ともにお勧めする「へそ力ダイエット」の方法をレクチャーしていただきました。■へそ力は、体形を「形状記憶」する要(かなめ)尾関トレーナーは、「美へそダイエット」についてこう解説します。「美へそダイエットの基本は、へその周辺に圧をかけるということです。その力を『へそ力』や『腹圧』と呼んでいます。シェイプアップのために古くから取り入れられてきた技術です。へそ周りに意識を集中して圧をかけると、即効的にウエストをへこませることができるでしょう。その力を応用しておなかやせを実現しようというものです」すぐに下腹が平らになったり、ウエストが細くなったりする効果があるようですが、これを持続させる方法はあるのでしょうか。「へそ力を高めるエクササイズがあります。継続的にエクササイズでへそ力を高めておくと、ぽっこりした下腹をすっきり見せ、さらに姿勢を正しくする効果があります。へそ力は、体形を『形状記憶』する要ともいえます。有酸素運動ではないため、脂肪を落としたり体重を減らしたりするエクササイズではありませんが、へそ力アップを習慣化することはウエストだけでなく、姿勢を正しくし、すっきりした体形の維持にも役立つので性別や年齢に関係なく皆さんにお勧めします」(尾関トレーナー)■へそ力強化でその後のエクササイズの質が変わる「へそ力を鍛えるもう一つのメリットとして、その後のエクササイズの質を高めるという効果もあります。へそ力がアップすると自然と代謝がアップするので、その日の活動量が上がるなど、エクササイズの効果がてきめんに現れます。へそ周辺に圧をかける効果は一時的に思えますが、エクササイズの下地づくりにもなります。シェイプアップがしやすくなるのです」(尾関トレーナー)へそ力を鍛えるとウエストラインがすっきりするだけでなく、同時に全身のシェイプアップにも役立つということです。■実践!へそ周囲、下腹、背中から鍛えるではここで、尾関トレーナーに、「へそ力を鍛える3つのエクササイズ」を教えていただきます。・エクササイズ1おなかの筋肉を意識して行う「アブタッチ」床に手をついて四つんばいになります。腰を反りすぎない、また丸めないように意識をします。この姿勢から左手をへそ周りにあて、おなかの筋肉が少し硬くなっているのを感じたところで10秒ほどキープ。右手も同様に行い、左右で1セット×5回ほど行います。・エクササイズ2下腹部にダイレクトに効く「ブリッジ」四つんばいの状態から床に両肘(ひじ)をつき、脚を伸ばします。腰を反りすぎないように持ち上げて膝(ひざ)を伸ばし、かかとを上げます。肘(ひじ)は肩の真下に位置するように置きお尻を引き締めます。この態勢を10秒ほどキープ。その後、脱力して床にうつぶせになって数十秒~1分ほど休憩をし、さらに5回ほど繰り返します。・エクササイズ3背面からへそ力を鍛える「リバースブリッジ」床に腰を下ろして脚を前に伸ばします。お尻を床から離して上体を45度後ろに倒し、両手をついて体を支えます。このとき、お尻を硬く引き締めて持ち上げることを意識しましょう。ただし、腰が反るほど無理をする必要はありません。顔は正面を向き、足の指先あたりを見るようにします。顎(あご)が上がらないように注意。この状態で10秒間ほどキープし、これを5回繰り返します。尾関トレーナーは最後に、次のアドバイスを付け加えます。「すぐに効果が表れると、シェイプアップを持続するモチベーションにもなります。また、デスクワーク中や通勤電車、家事の最中にでも、へそ周囲に力を入れて『へそ力をアップする』ということを意識するとさらに効果はアップするでしょう。これはいつでもどこでもできるので、ぜひ試してみてください」確かにエクササイズの後に立ち上がると、腹部が引き締まった気が。今度、通勤電車の中でもへそ周囲に力を入れて鍛えてみようと思います。監修:尾関紀輝氏。株式会社Shapes(東京都渋谷区)代表取締役。AFAA認定パーソナルトレーナー。"ダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーナー"の日本における第一人者。ボディメイク指導歴は20年以上、1万人超の指導実績を持つ。『きほんのダイエット』(池田書店)、『体脂肪を落とすトレーニングプログラム』(西東社)、『一日5分で変わる体脂肪筋力トレーニング』(西東社)など著書多数。株式会社Shapes東京都渋谷区道玄坂1-20-1-B1F TEL:03-3463-6666 岩田なつき、庄司真紀/ユンブル)
2012年02月05日エクササイズをがんばった日、ダイエットを決意したその日に限って飲み会に誘われ……、翌朝の体重は、当然のように増えていて……という経験はありませんか。飲み会対策のエクササイズはないものでしょうか。ボディメイク・ダイエット専門家でボディメイク・ジムShapes(シェイプス)代表の尾関紀輝(おぜき・としあき)トレーナーにお話を伺いました。■エクササイズした日の飲酒はNG尾関トレーナーはアルコールとエクササイズの関係についてこう話します。「まず最もNGなのは、エクササイズをした日にお酒を飲んでしまうパターンです。エクササイズした意味がなくなるだけでなく、空腹で飢餓状態の体が糖分を吸収し、体重は増えてしまいます。さらに、アルコールは体にとっては毒素として認識されます。そのため、アルコールが体内に入ると体は一生懸命にそれを排除しようとし、代謝機能を著しく低下させます。そして、脂肪を燃やさなくなり、筋肉合成が進まずに筋肉量が激減します。飲んだ時は、なるべく早くアルコールを体外へ出すようにしましょう」飲酒はお酒のカロリーに加え、筋肉合成の働きにもよくない影響を与えるようです。■飲酒後は、水分・カフェイン・糖分のとり方に注意「酔いがさめても、アルコールは1~2日は体内に残るので、特にダイエットやボディメイクを実践中の人は毎夜の晩酌は絶対に避けたほうがよいのです。毎日晩酌をするなら、週一日どかっと飲みすぎてしまうことのほうがずっとよいと言えるでしょう。もちろんまったく飲まないのが一番いいのですが」と尾関トレーナー。それに、アルコールを摂取したあとは食事の面でも注意が必要だとか。「飲んだ翌日は水分が不足している状態ですから、水分を補うことが大原則です。ただし、水分といっても、コーヒーなどのカフェインを含むものは余計に体から水分を奪うので、コーヒーを飲む場合はコーヒーの量と同じくらいの水分をとるようにしましょう。アルコールの解毒には糖分が必要ですが、ダイエットをしているときは糖分をとりすぎないほうがよいのです。お酒を飲んだあとは賢く糖分を摂取していくように心がける必要があります。パンやごはんなどの炭水化物を食べるときは、血糖値(血液中の糖分の濃度)を急激に上げないために、水溶性繊維質の海藻やキノコと食べ合わせるようにしましょう。脂肪がつきにくくなります」(尾関トレーナー)ではここで、飲んだ次の日のエクササイズとして尾関トレーナーが勧める、「リンパや血流の流れをよくして、アルコールを排出しやすくする『振動系エクササイズ』」をご紹介しましょう。■振動を与えて体の流れをよくする・エクササイズ1腕と太ももに刺激を与える「アームインパクト」いすに軽く座って背中を伸ばし、両腕をまっすぐ前に伸ばします。そこから一気に両腕を脱力し、重力に任せながら両手を太ももの上に下ろします。太ももに手のひらがついたときの衝撃で両腕に軽く振動が走るのを感じるでしょう。これを1回とし、合計3~5回ほど行います。・エクササイズ2上半身を振動させる「アームリリース」いすに軽く座って背筋を伸ばします。胸の前で利き手でもう一方の手首を軽くつかみ、両肘(ひじ)を床と平行なところまで持ち上げます。そこから両腕を一気に真横に伸ばします。両腕を広げたときの勢いで上半身全体に軽く振動が伝わるのを感じます。これを1回とし、合計3~5回ほど行います。・エクササイズ3脚を振動させる「ヒールインパクト」いすに軽く座って両腕は体の横に沿わせます。片足のかかとを床から10cmほど持ち上げ、次にかかとから床に向かって一気に足の力を抜きます。かかとが床につく衝撃で足に軽い振動を与えるようにします。もう一方の足も同様に行い、これを両足で3~5回繰り返して行います。最後に尾関トレーナーは、「飲んだ次の日の体調が悪くなければ、全身の流れをよくするように軽く5回くらいジャンプをするのも効果的です」とアドバイスを加えます。お酒を飲んだ翌日に試してみると、手や太ももの振動が全身に伝わって体のだるさが軽減したように感じます。ぜひお試しください。監修:尾関紀輝氏。株式会社Shapes(東京都渋谷区)代表取締役。AFAA認定パーソナルトレーナー。"ダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーナー"の日本における第一人者。ボディメイク指導歴は20年以上、1万人超の指導実績を持つ。『きほんのダイエット』(池田書店)、『体脂肪を落とすトレーニングプログラム』(西東社)、『一日5分で変わる体脂肪筋力トレーニング』(西東社)など著書多数。株式会社Shapes東京都渋谷区道玄坂1-20-1-B1F TEL:03-3463-6666 岩田なつき、庄司真紀/ユンブル)
2012年02月04日ぴったりしたジーンズが似合う、キュッと引き締まったヒップ。男女ともにあこがれる存在です。そんなヒップになるには、いったいどうすればよいのでしょうか。ボディメイク・ダイエット専門家でボディメイク・ジムShapes(シェイプス)代表の尾関紀輝(おぜき・としあき)トレーナーに、誰でも自分でできるヒップメイク・エクササイズの方法を伺いました。■ジーンズが似合うヒップは丸みがある尾関トレーナーは、ジーンズが似合うヒップについてこう説明します。「全体的な形として、丸みのある立体的なお尻を目指すとジーンズを穿いたときにきれいに見えます。全体の形が崩れて見えるのは、少し脚を開いて立ったときにできるお尻の『エクボ』より上部に脂肪がついている場合です。ですから、その部分を引き締めると『美尻』に近づくことができます。それに、ヒップと脚の境目のラインも重要。この部分にはみ出した肉をそぐと、すっきりとヒップアップして見えるのです」ポイントは、エクボの上部と脚との境目、そして全体の丸みだとのこと。でもどうしてお尻は下がったり脂肪がついてしまったりするのでしょうか。「日常的によく動かす肘(ひじ)や膝(ひざ)に脂肪がつく人はあまりいません。お尻はよく動かしているようで、実はあまり動いていない部位なんです。人間の体は、動かさない部位に脂肪がつきやすいため、お尻にはどうしても脂肪がつきやすいんです。お尻には大臀筋(だいでんきん)、中臀筋(ちゅうでんきん)、小臀筋(しょうでんきん)という筋肉がありますが、歩いたり走ったりするときに使われているのは大臀筋で、中臀筋と小臀筋はほとんど使われていません。ですから、この部分を鍛えることでヒップラインは引き締まって若々しくなります。ただ、野球選手を見ても分かるように、鍛えすぎると筋肉が過剰についてお尻が大きくなるので、ジーンズが似合うヒップとは言い難くなります。特に男性はがむしゃらにエクササイズをするのではなく、ピンポイントで効くエクササイズをしていきましょう」(尾関トレーナー)■お尻の丸み、エクボ、脚との境目を鍛えるエクササイズではここで尾関トレーナーに、「ジーンズが似合うヒップになる3つのエクササイズ」を教えていただきます。・エクササイズ1ヒップラインに丸みをつける「バイスクール」床にあおむけになります。両腕を広げて床につけ、上体を固定したままゆっくりと自転車をこぐ動作を行います。かかとを遠くに大きくけり出すイメージで動かすと効果的。腹式呼吸をしながら、左右で各10回行います。・エクササイズ2中臀筋(ちゅうでんきん)・小臀筋(しょうでんきん)を鍛える「ヒップアダプト」右腕を頭の下にして、右向きに寝ます。両足の太ももの付け根を90度、膝(ひざ)を90度、足首を90度に曲げてキープし、お尻を支点として左脚をゆっくりと、上がるところまで上げます。上体が後ろに傾くほど脚を上げ過ぎないように注意。また、上体が動かないように左腕で体を固定しましょう。脚を下ろすときは、遠くに下すように意識をすると筋肉の刺激に効果的です。さらに、脚をどたっと下げずに、左右の膝が重なる前にもう一度太ももから脚を引き上げるようにします。膝で円を描くようにゆっくりと太ももの上げ下げを繰り返しましょう。左右各10回ほど行います。・エクササイズ3お尻と太ももの境目に効く「ヒップレイズ」肘(ひじ)と膝(ひざ)を床について目線は床に向けます。膝(ひざ)を90度にキープしたまま、お尻を支点にゆっくりと脚を上げて行きます。かかとで軌道を描くイメージでかかとを天井に向かって押し出し、お尻の下部(脚との境目のあたり)が硬くなるのを感じたら、5秒ほど静止。その後、ゆっくりと脚を床に戻します。左右各10回ほど行います。「以上の3つのエクササイズを1セットとし、1回につき1~3セットを毎日3週間行うと、効果が見られるでしょう。1セットごとに、お尻をこぶしで軽くたたいてほぐしておきましょう。ヒップの筋肉は意外と使われていないので、こうしたエクササイズするとヒップラインが見違えます」と尾関トレーナーはアドバイスを加えます。3セットを実践しただけで、ヒップが一回り小さくなったような気になりました。それだけ、筋肉に作用しているということでしょう。ついに、ジーンズが似合うヒップで後ろ姿に自信が持てる日がやって来るかも!?監修:尾関紀輝氏。株式会社Shapes(東京都渋谷区)代表取締役。AFAA認定パーソナルトレーナー。"ダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーナー"の日本における第一人者。ボディメイク指導歴は20年以上、1万人超の指導実績を持つ。『きほんのダイエット』(池田書店)、『体脂肪を落とすトレーニングプログラム』(西東社)、『一日5分で変わる体脂肪筋力トレーニング』(西東社)など著書多数。株式会社Shapes東京都渋谷区道玄坂1-20-1-B1F TEL:03-3463-6666岩田なつき、庄司真紀/ユンブル)
2012年02月03日ランニング中に足が疲れて腰が下がる、足を引きずるような姿勢になる、足腰の痛みに負けて立ち止まってしまうということはありませんか?ボディメイク・ダイエット専門家でボディメイクジムShapes(シェイプス)代表の尾関紀輝(おぜき・としあき)トレーナーに、走りながら足や腰の痛み、疲れを癒やす方法についてお尋ねしました。■上半身の正しい姿勢こそが重要――ランニング中、足腰の疲れを軽減する方法はあるでしょうか。尾関トレーナーランニングでは下半身に注意が向かいがちですが、実は、上半身の姿勢が肝心です。猫背にならず、また胸を張り過ぎない、背骨が緩やかなS字カーブを描く状態が理想です。この姿勢を意識して走るようにしましょう。すると、体が地面から受ける反作用の力(床反力)を利用することができます。ランニングによって足から伝わる力の衝撃を、頭上からスムーズに放出することができて、疲れにくくなります。もう一つ、腕を前後に同じ幅で振るようにしましょう。上半身の動きと下半身の動きは、X(エックス)のかたちでつながっています。つまり、左肩を動かすと右足が反応し、右肩を動かすと左足が前へ出やすくなるというように、腕を振るとその反対の足が自然に前へ前へと出るようになります。■ランニング中に手の指を握る。腕を伸ばすではここで尾関トレーナーに、具体的な方法をレクチャーしていただきましょう。尾関トレーナー立ち止まらずにできる2つのエクササイズをご紹介します。(1)手の指握りエクササイズ両手をパーの形に広げてから、小指、薬指、中指の順に軽く握ります。ランニング中は、無意識に手や指に力が入っていますが、それをほぐします。薬指には、左右のけんこう骨の間の奥に位置する小さな筋肉=菱形筋(りょうけいきん)をリラックスさせる神経があります。薬指を刺激すると固まったその筋肉がほぐされ、本来の「姿勢を保とうとする動き」を呼び戻します。ポイントは、親指と人さし指は握らないことです。親指と人差し指に力が入ると、背中の上部から首の部分にかけて広がる筋肉である僧帽筋(そうぼうきん)の上部=首に力が入り、首をすくめるような姿勢になります。このエクササイズに関わらず、ランニング中も親指と人さし指の力を抜いて走ることを意識してください。姿勢の矯正につながります。(2)腕伸ばしエクササイズ走りながら、片方の腕を伸ばして手のひらを前方に向け、2秒キープ。薬指と小指を伸ばすよう、意識しましょう。伸ばした腕をおろし、もう片方の腕を伸ばして同様に2秒キープ。これを、2~3回繰り返しましょう。ランニング中に疲れてくると、肩まわりの筋肉が縮んで腕が前後に振りにくくなります。同時に股(こ)関節のまわりも硬くなって窮屈な姿勢になりがちです。腕を伸ばすと、肩、わきの下、胸の前の筋肉が伸びてリラックスした状態で走ることができます。リラックスした姿勢は、足から伝わる力の衝撃を、スムーズに頭上から放出することができるのです。これらのエクササイズは、ランニング中に足腰が疲れたときだけでなく、「全身に力が入っているな」、「腕の振りが悪くなってきたな」と感じたときに早めに行ってください。――早速、取り入れてみます。ありがとうございました。実際に行うと、「手の指握りエクササイズ」では、「あ、こぶしは力んでいたんだな」と気付き、肩まわりから全身が軽やかになったように感じました。また、「腕伸ばしエクササイズ」はけんこう骨から指先までが伸びてとても気持ちがよく、気分転換にもつながりました。自分の背骨の状態を常に意識することは難しいですが、疲労感があるときにはぜひ試してみてください。監修:尾関紀輝氏。株式会社Shapes(東京都渋谷区)代表取締役。AFAA認定パーソナルトレーナー。"ダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーナー"の日本における第一人者。ボディメイク指導歴は20年以上、1万人超の指導実績を持つ。『きほんのダイエット』(池田書店)、『体脂肪を落とすトレーニングプログラム』(西東社)、『一日5分で変わる体脂肪筋力トレーニング』(西東社)など著書多数。株式会社Shapes東京都渋谷区道玄坂1-20-1-B1F TEL:03-3463-6666 岩田なつき/ユンブル)【関連リンク】【コラム】細くしなやかな足を手に入れる美脚メイク・ランニング【コラム】専門医に改善策を聞くダイエット失敗集!~運動編【コラム】ご飯食べている時にこれはない!という行動
2012年01月11日「走りながら美しい足になりたい」とか、「ジョギングを一生懸命しているのに足やせできない」とか、少しでも美脚に近づくための方法を思案しています。そこで、ボディメイク・ダイエット専門家でボディメイクジムShapes(シェイプス)代表の尾関紀輝(おぜき・としあき)トレーナーに「美脚になる走り方」についてお尋ねしました。■ポイントは、腕を振って全身を連動させること尾関トレーナーは、走っているときの動きについて次のように説明します。「美脚を目指すには、正しく体を動かすことが重要です。足をやせよう、鍛えようと思うと、どうしても足のことだけを考えてしまいがちですが、体を動かすときには、どんな些細(ささい)な動きであっても、全身が連動して動いています。本来、上半身と下半身がバランスよく連動して前へ進んでいるのが、理想の走り方、歩き方です。上半身の動きと下半身の動きは、X(エックス)のかたちでつながっています。つまり、左肩を動かすと右足の付け根、右肩を動かすと左足の付け根というように、対角線の動きでつながっているのです。体の緊張やゆがみ、間違った連動を体が覚えていると、全身の動きがうまく機能しません。例えば、上半身の筋肉が硬い状態でランニングをすると、上半身は動かずに足だけの動きになってしまい、全身がうまく使えていない走り方になります。これでは走れば走るほど足の筋肉だけに頼ることになり、結果として足だけが鍛えられたり疲労を起こしたりします」では、どうすれば全身が連動した走り方になるのでしょうか。「『腕の振り』がポイントです。ひじを90度に曲げ、そのまままっすぐ前後に同じ幅で振りましょう。腕を振ることでけんこう骨から背骨、背骨から骨盤が連動し、自然と振った腕と反対の足が前へ前へと出るようになります。つまり、上半身と下半身が美しく連動する、理想的な走り方になるのです」(尾関トレーナー)ではここで、尾関トレーナーに、全身が連動して走るための3つのエクササイズを紹介していただきます。<エクササイズ1>肩の前側を伸ばすストレッチ肩の前側を伸ばすことで肩を動かしやすくし、全身の連動を促します。いすなど使って肩を片側ずつ載せ、目線遠くにして胸を張ります。肩の前側が少し伸びたかなと感じるところで10秒を目安にキープします。反対側も同じように行います。ランニング前の準備運動と一緒に行います。<エクササイズ2>腕の振りをチェック&正しくする鏡を見ながら500ミリリットルのペットボトルを両手に持ち、ひじを90度に曲げて前後に振ります。このとき、「腕はまっすぐ前に出ているか」、「前後に同じ幅で振れているか」。この2つをチェックしてください。ランニング前の準備運動と一緒に行います。「繰り返しますが、腕の振りは美脚をつくるうえで重要です。ペットボトルを使った腕振りエクササイズは、ペットボトルの重さを利用することで正しい腕の振り方を体に覚えさせるので、実際に走るときに、自然と正しいフォームで腕を振るトレーニングにもなります」(尾関トレーナー)<エクササイズ3>後ろ向きウォーキングでクールダウンクールダウンとして、走ったあとに10~20メートルでも構わないので、後ろ向きで歩きます。理想は走った距離だけ後ろ向きで走ることですが、それができない場合は、少し歩くだけでもOK。尾関トレーナーは、こう解説します。「走っているときは、基本的に太ももの前側の筋肉を使っています。片側の筋肉だけを使うと、その部分が発達した、見た目にバランスの悪い足になってしまいます。太ももの裏側の筋肉をよりたくさん使うように動くと筋肉をバランスよく動かすことになり、足やせや美脚効果が高まります」これまでのただ走るだけから、「肩の前側を伸ばすストレッチ→腕振り→ランニング→後ろ向きウォーキング」という一連の動作を加えると、美しい足になれるかもしれません。監修:尾関紀輝氏。株式会社Shapes代表取締役。AFAA認定パーソナルトレーナー。"ダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーナー"の日本における第一人者。ボディメイク指導歴は20年以上、1万人超の指導実績を持つ。『きほんのダイエット』(池田書店)、『体脂肪を落とすトレーニングプログラム』(西東社)、『一日5分で変わる体脂肪筋力トレーニング』(西東社)など著書多数。尾関紀輝氏プロデュースの女性専用ボディメイクジムShapes渋谷本店:東京都渋谷区道玄坂1-20-1大沢ビル地下1階TEL:03-3463-6666岩田なつき/ユンブル)【関連リンク】【コラム】男性は足、女性は手?うっかり見つめてしまう異性の部位は?【コラム】怒り、疲れ、不安を癒やすツボとは?【コラム】ヒールの履きすぎで外反母趾(ぼし)に!予防法は?
2011年12月02日「厚い胸板になりたい!」という男子の願望、「バストアップしたい!」という女子のキモチをかなえるために、ボディメイク・ダイエット専門家でボディメイクジム・シェイプス代表の尾関紀輝(おぜき・としあき)トレーナーにお話をうかがいました。■腕立て伏せではバスト&胸筋力アップはできない「まず、日ごろから肩を動かしているかどうかが問題です。普段から肩を動かさなければ肩周りの筋肉が硬くなります。一般的に、腕立て伏せはバストアップや胸筋アップに効果的と言われていますが、肩周りの筋肉が硬いままで続けると、胸ではなく首まわりの筋肉=僧帽筋(そうぼうきん)が鍛えられ、首周りが太くなります」と尾関トレーナー。胸を鍛えているつもりが首周りを鍛えていたとは……、ショックです。「特に女性は、脂肪が減って胸の筋肉が増えた……、では困ります。脂肪を減らさずに少しの筋肉でバストを持ち上げるためにも、まずは腕立て伏せより、肩関節の可動域を広げてけんこう骨周辺の筋肉を鍛えるようにしましょう」(尾関トレーナー)胸を鍛えることと、肩関節やけんこう骨周りの筋肉を鍛えることの関係性について、尾関トレーナーはこう続けます。「胸周りの筋肉は、乳房のあたりは大胸筋、鎖骨から肩にかけては小胸筋と言います。この小胸筋がけんこう骨につながっていて、けんこう骨がサスペンダーのように胸周りの筋肉を支える役割をしています。つまり、けんこう骨の周り、特にけんこう骨の間の奥の小さな筋肉、菱形筋(りょうけいきん)が弱まると、けんこう骨周辺の筋肉が硬くなり、胸の筋肉を支えることができなくなってしまいます」さらに、「いくら胸筋をつけても、姿勢が悪ければ隆々とした胸板には見えません。これはバストアップも同様でしょう。『いかに自然と胸を張った状態でいられるか』がポイントです。胸を張ろうと意識をしていても、筋力が弱くバランスが悪ければ、気を抜いた瞬間に美しくない姿勢に戻ってしまいます。自然と胸を張るような姿勢、よい姿勢をキープすることが重要です」(尾関トレーナー)■肩関節の可動域を広くするエクササイズまずは基本となる、「肩関節の可動域を広くする」方法をレクチャーしていただきましょう。次の<トレーニング1・2・3>を各10回ずつ、1→2→3の順に行うことを1セットとし、3セットを目安に行います。<トレーニング1ショルダーツイスト>両方の手のひらを広げ、右腕は上に向かってひじを90度に曲げ、左腕は下に向かって90度に曲げます。これを交互に上下に動かします。<トレーニング2アームバウ>肩と腕が一直線になるように両腕を横にし、両方の手のひらを広げた状態で、ひじを90度に曲げます。肩が動かないようにして、この曲げた両腕を同時に上下に動かします。<トレーニング3オープンクローズ>両腕を両脇につけ、ひじを90度に曲げて両方の手のひらを上向きに、腕を前に出します。二の腕を体の脇にぴったりとくっつけ、ひじを曲げたままの状態で、ひじから先を同時に左右に動かします。■左右のけんこう骨を背中の中央に寄せるエクササイズつづいて、「けんこう骨周辺の筋力をアップする方法」です。<トレーニング4菱形筋(りょうけいきん)プルダウン>両腕をまっすぐ斜め上に伸ばします。次に、両腕を背中に向かって曲げます。この状態で10秒間キープ。これを1セットとし、3セット行います。「トレーニングはすべて、立ってでもイスに座ってでもOKで、背中のけんこう骨の間の奥にある小さな筋肉(菱形筋・りょうけいきん)を収縮させている、と意識しながら行ってください。この4つのトレーニングで胸筋力がつく、またバストアップの体形へと変えていきます」と尾関トレーナー。4つのトレーニングをゆっくりと行っても、5分足らずでできました。あこがれのボディを手に入れるために、実践あるのみです!監修:尾関紀輝氏。株式会社Shapes代表取締役。AFAA認定パーソナルトレーナー。"ダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーナー"の日本における第一人者。ボディメイク指導歴は20年以上、1万人超の指導実績を持つ。『きほんのダイエット』(池田書店)、『体脂肪を落とすトレーニングプログラム』(西東社)、『一日5分で変わる体脂肪筋力トレーニング』(西東社)など著書多数。株式会社Shapes東京都渋谷区道玄坂1-20-1-B1F TEL:03-3463-6666岩田なつき/ユンブル)【関連リンク】【コラム】専門医が教える。まちがったエクササイズはもうやめよう【コラム】夏までこれなら続けられる4つのなりたい体形別トレーニング法【コラム】骨盤元気に!体の芯を調えるムエタイ・ダイエット
2011年11月27日せっかくダイエットしてウエストは細くなっても、太ももがパンパンのままでアンバランスになど、下半身太りがなかなか解消されないという人も多いのではないでしょうか。「脚やせがしたい、できれば簡単に脚やせできる方法ってないの?」そんな願いをかなえてくれる方法があると聞き、ボディメイク・ダイエット専門家尾関紀輝(おぜき・としあき)トレーナーのもとへうかがいました。■脚が太い原因は脂肪だけではない!「脚が太いと悩んでいる人が多いですが、脂肪を落とせばやせると思っていませんか?」と尾関トレーナー。えっ、違うのですか?「よく誤解されていることですが、脚が太い原因は脂肪だけではありません。例えば、学生時代に部活などで激しい運動をして、脚に筋肉が付いている人は、やせようと思って脚のエクササイズやジョギングしても、かえって脚に筋肉が付いてしまい、ますます脚が太くなってしまうことがあります。それだけではありません。運動経験のない人にも言えることですが、偏って付いている筋肉も問題なのです。例えば、ももの前側の筋肉が、ももの裏側の筋肉よりも付いている人は、日常生活でちょっと歩くだけでも、優先的にももの前側の筋肉が使われてしまいます。つまり、ももの前側を知らず知らずのうちに筋トレしているようなものなのです。これでは脚やせしたくても、ますます太くなってしまいます。これを防ぐためには、ももの前側の筋肉が使われないようにすることが大切です。つまり、ももの裏側の筋肉をよりたくさん使うようにするのです。そうすれば、筋肉の付き過ぎで太くなっていたももの前側の筋肉の発達が止まり、脚やせにつながります。反対に、ももの前側よりも裏側の筋肉のほうが付いている人は、ももの前側の筋肉を使うようにすればよいのです」(尾関トレーナー)■つま先歩きとかかと歩きで筋肉の偏りを解消ももの前側と、ももの裏側、自分がどちらの筋肉を多く使っているか知るにはどうしたらいいのでしょうか。「つま先歩きと、かかと歩き、2つの歩き方を、まず10歩してみることです」と尾関トレーナー。「つま先歩きが苦手な人は運動経験の少ない人に多く、ももの前側の筋肉が発達していない人です。この場合、ももの裏側ばかり発達してしまいます。かかと歩きが苦手な人は、ソフトボールやラグビー、スピードスケートの選手のように、脚の瞬発力で前に進むスポーツをやっていた人に多く、ももの前側の筋肉が裏側よりも発達している人です。自分が苦手な歩き方が分かったら、苦手なほうの歩き方のみ10歩を目安として3セット行います」(尾関トレーナー)このエクササイズの注意点として、「つま先歩きもかかと歩きもガニまたにならないように。足の先はまっすぐ前を向けて、歩幅は歩きやすい歩幅でかまいません。運動靴やはだしで行ってください。通勤途中であれば、カバンを持ったままでもOKです」と尾関トレーナーはアドバイスします。これなら自宅でもオフィスでも、通勤中でも行うことができます。「まずは1週間実践してください」と尾関トレーナー。簡単そうに思いますが、いざ実践すると、苦手な方の歩き方はバランスが取りにくく、今まで使っていなかった部分の筋肉が緊張しているのが実感できます。これで、ももがきつくて入らないジーパンやタイトスカートも、再び履ける日が来るかもしれません!?監修:尾関紀輝氏。株式会社Shapes(東京都渋谷区、代表取締役。AFAA認定パーソナルトレーナー。"ダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーナー"の日本における第一人者。ボディメイク指導歴は20年以上、1万人超の指導実績を持つ。『きほんのダイエット』(池田書店)、『体脂肪を落とすトレーニングプログラム』(西東社)、『一日5分で変わる体脂肪筋力トレーニング』(西東社)など著書多数。(下関崇子/ユンブル)【関連リンク】【コラム】上司の歯に青のりが!あなたはどうする!?【コラム】歯科医の教え節水もできる「歯磨き」とは?【コラム】舌のこけを磨くのはNO!歯科医に聞く正しい口臭対策とは?
2011年09月21日ダイエットをして理想の体重になったはずなのに、ふとショーウィンドウに映った自分のカッコ悪い立ち姿に愕然(がくぜん)としたりした経験はありませんか?そこで、ボディメイク・ダイエット専門家の尾関紀輝(おぜき・としあき)トレーナーに、同氏が提唱する「シセトレ(姿勢トレーニング)・ダイエット」について、その実践方法を教えていただきました。■骨盤を垂直にすることがコツ「きれいなボディラインをつくるには、『美しい骨格』こそが大事です。モデルの姿勢が美しいのは、横からみて体が一直線だからです」と尾関先生。続けて、「プロポーションは、骨格の関節角度が関係しています。例えば理科室の人体模型を思い浮かべてください。人間は、頭蓋骨(ずがいこつ)、背骨や骨盤、大たい骨など、頭から足の先までさまざまな骨があり、それらの骨をつなげているのが関節です。その一つひとつの関節が垂直になっていればすらりとした体形になり、関節の角度が曲がっているとデコボコした体形になるのです」(尾関先生)では、どうしたら関節を垂直にすることができるのでしょうか。「骨盤の角度を直す方法があげられます。日本人の女性に多いのは、骨盤が後ろに傾いているケースです。横から見た場合、骨盤が後ろに傾くと背骨は前にバランスをとろうとして猫背になります。また、下腹部は前にポコンと出てしまいます。逆に、骨盤が前に傾きすぎても、ゴリラのように胸とおしりが出っぱってしまい、美しい体形とは言えません。体の大黒柱である骨盤が傾いていれば、いくら意識して背筋を伸ばそうとしても、物理的にまっすぐにするのは難しいと言えます」(尾関先生)■自分の骨盤の方向きをチェックではここで、骨盤を垂直にする方法をレクチャーしていただきましょう。尾関先生は、「自分の骨盤が前傾タイプか後傾タイプか知ることから始めましょう」と言います。それには、次の2つの簡単なトレーニングを試してみて、自分がどちらのトレーニングが行いやすいかで分かるとのこと。【トレーニング1】1)いすに浅く腰かけ、足を肩幅に広げます。2)両手をひざの外側に置きます。3)両手で外から両ひざを内側に押します。それと同時に両ひざを外に向かって開きます。4)この姿勢で10秒間キープします。【トレーニング2】1)いすに浅く腰かけ、足を肩幅に広げます。2)両手をひざの内側に入れます。3)両手のひらで、ひざを外側に押します。同時に両ひざは内側に閉じようと力を入れます。4)この姿勢で10秒間キープします。「トレーニング1と2をやってみて、どちらが行いにくいと感じたでしょうか」と尾関トレーナー。「1の足を開くより、2の閉じるほうが簡単(閉じやすい)と感じた人は、骨盤が前傾になっています。また、1の足を開くほうが簡単(開きやすい)と感じた人は骨盤が後に傾いています」(尾関トレーナー)「自分の骨盤の傾きがどちらかわかったら、苦手なほうのトレーニングを10秒間を1セットとし、3セットを目安に自分の好きな時間に行ってください。それだけでOKです」と尾関トレーナー。えっ、それだけでいいのですか?「はい、大丈夫です。このトレーニングの目的は、骨盤の傾きを直すことに加えて、筋肉を強化することです。つまり、『意識』して美しい姿勢を保つのではなく、一番美しい姿勢やシルエットを固定する、筋肉のコルセットを『物理的』に作ることです。姿勢が悪い原因は、筋肉が偏って付いてしまったためでもあります。骨格をまっすぐにし、それを正しく支える筋肉がつけば、意識しなくても美しいプロポーションを保つことができるのです。また、このトレーニングをした直後、骨盤の傾きが矯正された状態でウォーキングを行うと、今まで使われていなかった筋肉が使われやすくなります」(尾関トレーナー)短期間でボディラインや体形のシルエットに劇的な変化をもたらすという「シセトレ」、自宅やオフィスでも簡単に出来るので、ぜひ試してみてはいかがですか。監修:尾関紀輝氏。株式会社Shapes(東京都渋谷区、代表取締役。AFAA認定パーソナルトレーナー。"ダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーナー"の日本における第一人者。ボディメイク指導歴は20年以上、1万人超の指導実績を持つ。『きほんのダイエット』(池田書店)、『体脂肪を落とすトレーニングプログラム』(西東社)、『一日5分で変わる体脂肪筋力トレーニング』(西東社)など著書多数。(下関崇子/ユンブル)【関連リンク】【コラム】専門医に改善策を聞くダイエット失敗集!~運動編【コラム】ぽっこりおなかを解消する!?「ボディメイク・スクワット」【コラム】ついつい怠けてしまう自分を変える方法は?
2011年09月20日体重はそう重くない、体脂肪も標準の範囲。でも、おなかだけはぽっこり……。「おなかだけ、できれば簡単にへこませる方法ってないの?」そんな願いをかなえてくれそうな、「ボディメイク・スクワット」なるものがあると聞きつけ、さっそく取材に出向きました。■スクワットで「やせ体質」をつくるお話を聞いたのは、ダイエット・ボディメイクの専門家である尾関紀輝(おぜき・としあき)トレーナー。――「ボディメイク・スクワット」とは何でしょうか?尾関トレーナー「ボディメイク・スクワットとは、皆さんご存じのスクワットに少しアレンジを加えたものです。スクワットは、太ももやお尻など体の大きな部位の筋肉を効率よく鍛えられる種目です。ほかの運動よりも、筋肉量を増やして脂肪の燃焼効率を高めることができます。筋肉量が増えると、『基礎代謝』も上がります。基礎代謝とは、何もしなくても消費されるエネルギーのことですが、基礎代謝が上がるということは、多くのエネルギーを消費する体質になるということです。そういう身体をつくるための運動として、スクワットをおすすめしています」――なるほど。大きな筋肉を鍛えて効率的にダイエットできるということですね。尾関トレーナー「そうです。ダイエットといえば、まず思い浮かぶのが『食べる量を減らすこと』だと思いますが、実際には食事制限だけでは、根本的な体質改善はできません。ダイエットの王道であり近道なのは、先ほど言ったように、基礎代謝を上げること。じっと動かずにいてもより多くの体脂肪を燃やすことができる『やせ体質』になることです」■「ぽっこりおなか」解消のメカニズムスクワットをすれば筋肉量が増えて、結果的にやせてくる……というのは、納得です。では、一般的に難しいといわれている「ぽっこりおなか」をスクワットで解消させることができるというのは、なぜでしょうか。尾関トレーナーは「最初からおなかだけに注目してやせようとすると難しい」と言います。「おなかをへこませたいからといって、100回、200回の腹筋を毎日続けてもあまり効果はありません。腹筋は表面的な筋肉で、太ももやお尻などの大きな筋肉と比べると面積が小さいため、おなかだけを鍛えても筋肉量はそれほど増えません。おなかやせを目的とする場合でも、まず全身の筋肉量を増やして『やせ体質』をつくっておく必要があります。その点、『やせ体質』をつくるのに効率が良いスクワットなら、わざわざ腹筋をしなくてもおなか周りの脂肪が落ちていきます」(尾関トレーナー)■8カウントでゆっくり腰を落とす前置きは、この辺りにして、「ボディメイク・スクワット」の方法や特徴について、レクチャーしていただきます。「行う時間帯はいつでもかまいません。場所をとらず、器具もいりませんから、思い立ったときに、自宅やオフィスで実践してみてください」(尾関トレーナー)【ボディメイク・スクワットの方法】1)両足を肩幅ぐらいに開いて立ちます。2)背中をまっすぐに伸ばして、顔、おへそ、つま先、ひざは、まっすぐ前を向いた状態にします。3)両腕は頭の後ろに組む、または胸の前で交差させるなど、自分が動きやすい姿勢をとります。4)鼻から息を吸いながら、1から8までカウントしつつゆっくりと腰を落とし、8で太ももと床が平行になるようにします。ひざが内側を向かないように注意し、かかとは浮かないように床にしっかりとつけてください。横から見たときに、お尻が後ろに突き出たような姿勢になります。5)息を吐きながら、元の姿勢に戻ります。元の姿勢に戻すときは、1拍で戻すぐらいの速さで、スッと腰を伸ばします。尾関トレーナーは、「ボディメイク・スクワット」の特徴についてこう話します。「ポイントは、腰を落とすときに『1、2……7、8』とカウントしながらゆっくりと動くことです。これは筋肉の少ない人が筋肉量を増やすために行う運動で、ゆっくりと腰を落とすことで普段は鍛えていない筋肉に働きかけていきます。これに対し、一般的な筋トレのスクワットでは、腰を落とすときの速さは重要ではありません。スポーツをしている人たちなどもともと筋肉がある人が、すでにある筋肉を強化するための運動ですから、速度よりも回数や重量(バーベル、ダンベルなど)を増やして負荷をかけていくことになります。ここがボディメイク・スクワットとスポーツの筋トレで行うスクワットとの違いです。実践すると、ボディメイク・スクワットのほうがはるかに疲労感が少ないことを実感できるでしょう。また、ボディメイク・スクワットでは、両腕の位置も、自分の動きやすさを優先します。人それぞれの骨格にあった姿勢で行うことにより、より効果的に筋肉量を増やすことを目指しています」実施する回数については、「1日に行う回数も自分でアレンジしてください。目安としては『自分の限界を少し超えるまで』です。たとえば、1日10回を目標にして、6回目ぐらいで『もうキツイな』と感じたら、あと1回だけ頑張って合計7回で終わりにします。限界を少しだけ超えると、筋肉が反応してくれるようになります。慣れてきたら、一度に行う回数を少しだけ増やしてみる。または、500mlのペットボトルなどを持って重量をかけて行うと、より効果的に筋肉が変化していきます」と尾関トレーナー。大きい筋肉を鍛えて基礎代謝を上げるのは、効率的ですよね。自宅やオフィスで少しの時間があるときに自分のできる回数だけ行えば、やせられそうです。魅力的なボディラインを目指して、今日からこっそり始めてみませんか。監修:尾関紀輝氏。株式会社Shapes(東京都渋谷区、代表取締役。AFAA認定パーソナルトレーナー。"ダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーナー"の日本における第一人者。ボディメイク指導歴は20年以上、1万人超の指導実績を持つ。『きほんのダイエット』(池田書店)、『体脂肪を落とすトレーニングプログラム』(西東社)、『一日5分で変わる体脂肪筋力トレーニング』(西東社)など著書多数。(近藤雪江/ユンブル)【関連リンク】【コラム】専門医の教え。重要なのは「順番」食べ順変えるだけダイエット!【コラム】3分でウエストが細くなる!「瞬間ダイエット」を試してみた【コラム】メタボに効くのか!?「脳ダイエット」って?
2011年07月07日