思春期に引きこもっていた自らの経験を題材にした『ヒッキー・カンクーントルネード』で演劇界にデビュー。いまや岩井秀人さん率いるハイバイの劇団公演は、当日券に長蛇の列ができるほどの人気だ。今回、処女作のその後を描いた『ヒッキー・ソトニデテミターノ』を6年ぶりに再演。独特の風貌と存在感でドラマに映画にと活躍中の古舘寛治さんが、初演に引き続き出演する。岩井:古舘さんと初めてお会いしたのは約10年前ですが、当時から醸し出す雰囲気は面白いし、技術もある方という印象でした。人間が陥る感情や意識を、既視感のある芝居ではなく、自分や周りの人の実体験から素早く持ってこられるのがすごくて。古舘:僕が常に求めているのは、面白くてリアルな作品なんですよ。リアルってどういうことかといえば、セリフにオリジナリティがあるってこと。下手な作家は、皆に合わせようとステレオタイプなセリフを書いて、どこにもない世界にしちゃいがちなんです。でも本来、一人として同じ人間はいないわけで、その会話はオリジナルであってしかるべきですよね。その点、岩井くんの書くものは、オリジナリティがあってリアルで面白いんです。岩井:僕の場合、自分の個人的な問題をこれでもかと突き詰めたものが演劇になっていますから、オリジナリティっていう意味では確かにそうですね。古舘さんの稽古を見てると、僕が書いた役のことを最初っから僕以上に知っていたんじゃないかと思うことがあるんですよ。俳優ってそういうものなんだろうとは思うけれど、なかなかいませんよね。古舘:そう思ってくれてるとしたら、それは台本にそう書かれているからです。僕は俳優の仕事って、役の瞬間瞬間を自分のものにしていくことだと思っています。それってつまり、僕がこの状況に置かれたならこういうリアクションになりますっていうものを、積み上げていくこと。それを観た人が何か感じたり考えたりするとしたら、それは台本がそうなっているからなんですよ。この作品の初演の時、僕、本番中に袖で「幸せだなぁ」って言ったのを今でも覚えているんです。自分が本心から面白いと思える作品で、いい仕事ができていると思えるのって、そんなに頻繁にあることじゃないから。ただ今回は、再演といいながら演出が全然違うものになっているんで、期待と同時に、いまは大丈夫かなとビクビクしていたりもして。岩井:じつはこの数年、ものすごく丁寧に“飽きさせない芝居”を作っていたんです。でもそれって、お客さんの考える隙間をなくしちゃっているんじゃないかと思うようになって。いまは、一方通行の芝居じゃなく、観客の個々の実感や体験を使って考えたり、自分なりの選択をしたりするような、観ている人に意味のあるものにしたいという気持ちが強いんです。演出を変えることで、台本とお客さんの間にあるものも変わってくると思うんです。一緒に考えながら観ていただければ。ふるたち・かんじ1968年生まれ。アメリカで演技を学んだ後、青年団に入団。近年はテレビや映画でも活躍。一昨年には初の舞台演出も。来年の大河ドラマ『いだてん』への出演も決定。いわい・ひでと1974年生まれ。’03 年にハイバイを結成。作・演出を手掛ける傍ら、俳優としてドラマや映画でも活躍。’12 年に向田邦子賞、’13 年に岸田國士戯曲賞を相次いで受賞。元引きこもりの登美男(岩井)は、自分と同じ境遇の人たちを社会的に支援する仕事を手伝っている。その現場で、まるでタイプの違うふたりの引きこもり(古舘、田村)と出会う。2月9日(金)~22日(木)池袋・東京芸術劇場 シアターイースト作・演出/岩井秀人出演/岩井秀人、平原テツ、田村健太郎、チャン・リーメイ、古舘寛治ほか2月12日までは前半割3500円、以降4000円(当日券は+500円、共に税込み)新潟、三重、兵庫、パリ公演あり。※『anan』2018年2月14日号より。写真・中島慶子取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年02月13日お笑いユニット・ブルゾンちえみ with Bが8日、都内で行われた『ワタナベお笑いNo.1決定戦2018』(19日19:00~21:00、AbemaTVで生中継)の決勝組み合わせ抽選会に出席。新ネタで挑むことを明かし、自信を聞かれると「35億のネタよりおもしろくないかもしれません」と話した。ワタナベエンターテインメントの芸人総勢128組230人の中で一番面白い芸人を決める同大会。準決勝を勝ち抜いた上位8組に、決勝シードのロッチ、アンガールズ、ハライチ、あばれる君、サンシャイン池崎、平野ノラ、ブルゾンちえみ with B、そして九州若手3組(そよかぜましお、土居上野、ガンネン)による5人組お笑いユニット・九州DOGsを加えた16組が、今月19日の決勝に出場する。ブルゾンは「いつものやつじゃないです。新ネタでいきます」と明かし、新ネタについて「『私と付き合いたいんだ』から始まります」と説明。自信を聞かれると、「35億のネタよりおもしろくないかもしれません。あれがちょっとおもしろかったんであれよりは…」とやや弱気だったが、「でも家でやったらめっちゃおもしろかったです」と加えた。また、"35億ネタ"では、with Bことブリリアンのダイキとコージが脱いで背中に書かれた文字を披露するが、ブルゾンは「今回は脱がない、です」と宣言。だが、すぐに「あー! 脱ぐかどうかは…お楽しみに」と訂正し、「今からでも脱げるので、脱ぐかどうかは考えたい」と引き続き検討するようだ。決勝は、16組を4組ずつ4グループに分けてそれぞれ対決し、各グループの1位が最終決戦で競い「ワタナベお笑いNo.1」を決定。優勝者には賞金300万円が授与される。抽選会では、決勝シード組と勝ち抜き組に分かれてくじを引き、それぞれ番号の早い順から好きなブロックを選択。決定した組み合わせは以下の通り。Aブロック:サンシャイン池崎、あばれる君、超新塾、まんぷくフーフーBブロック:ブルゾンちえみ with B、ロッチ、Aマッソ、土佐兄弟Cブロック:平野ノラ、ハライチ、笑撃戦隊、四千頭身Dブロック:アンガールズ、フォーリンラブ、ハナコ、九州DOGs会見には、ブルゾンちえみ with Bのほか、アンガールズ、コカドケンタロウ(ロッチ)、岩井勇気(ハライチ)、サンシャイン池崎、平野ノラ、超新塾、フォーリンラブ、笑撃戦隊、まんぷくフーフー、ハナコ、Aマッソ、土佐兄弟、四千頭身が出席。そして、スペシャルサポーターのにゃんこスター、池田57CRAZY(完熟フレッシュ)も登場した。
2018年02月08日タレントの鈴木奈々、お笑いコンビ・ハライチの岩井勇気が6日、東京・池袋のアドアーズサンシャイン店で行われた「VR PARK TOKYO IKEBUKURO」メディア発表会に出席した。左から鈴木奈々、岩井勇気首都圏を中心に総合エンターテインメント事業を展開するアドアーズは、日本初のVRアトラクション常設運営店舗として渋谷にオープンした「VR PARK TOKYO」の2号店となる「VR PARK TOKYO IKEBUKURO」を12月7日にオープン。同アミューズメント施設では、アドアーズのオリジナルVRコンテンツ「おそ松さんVR」や、日本初上陸となる最新VR「BLACK BADGE」など、11機種のVRが楽しめる。オープンの前日となったこの日は、報道陣向けの発表会が行われ、番組のロケで数々のVRを体験したことがある鈴木奈々と、ゲームや『おそ松さん』が大好きだというハライチの岩井勇気が登壇。発表会の前にVRを体験した鈴木は「すごく楽しかったです! リアルでVRと分かっていても本当にその場にいる感覚で、違う世界にいる感じでした。ハラハラドキドキで手汗が止まらないし、緊張感は半端ないです」とすっかりVRの魅力に取り憑かれたようで「仕事でVRは見たけど、ここのVRは半端ないです! 今まで以上にすごかったですね」と大絶賛。一方の岩井は、大好きな『おそ松さん』のVRに初挑戦して「6つ子と同じ空間にいれるからたまらないですよ。キャラクターと一緒にお風呂に入るシチュエーションで、全員が話しかけてくれるんです。アニメでは俯瞰してキャラクターを見ていましたが、住人となって話せる感じで夢が叶ったVRでした」とハマった様子だった。また、クリスマスの予定を問われた鈴木は「24日がお休みだったら、友だちが土浦のショッピングモールで歌うので、(旦那と)ショッピングモールデートをします。25日はここです! 旦那と絶対に来たいですよ。すごく興奮しそう」とノリノリだった。
2017年12月06日1997年に放送された日本テレビ系連続ドラマ『ぼくらの勇気~未満都市』のスペシャル版である『ぼくらの勇気~未満都市2017』がKinKi Kidsのデビュー20周年記念日である21日に放送された。20年ぶりの復活に放送終了後には、Yahoo!検索ランキング2位に“小原”、3位に“未満都市”がランクインし、話題となっている。 この日、夜9時より日本テレビ系にて放送されたドラマ『ぼくらの勇気~未満都市2017』は、20年ぶりとなる復活に、放送発表時から注目を集めていた。中でも当時ジャニーズJr.として出演していた小原裕貴(37)は、’00年に学業に専念するため芸能界を引退しており、出演はないだろうとファンの中で囁かれている中、まさかのサプライズ出演報道に放送前から待ち焦がれるファンが続出していた。 小原はヤマト(堂本光一)の親友キイチ役として出演しており、前回から20年後をドラマの舞台となった今回は、バスの運転手を熱演。「俺、今小遣い一万円なんだぞ」とヤマトと携帯電話で話すシーンから登場し、17年ぶりのブランクを感じさせない演技を見せた。 ネットでは「未満都市ほんと良かった…」「小原くん出てきただけで泣けた」「小原くんの変わらなぬビジュアルの良さに驚きました!」「小原くん変わらずかっこよかったです」「小原裕貴をまた見れる日が来るなんて…」「久々なのに演技うまいなぁ」など感動の声が溢れている。
2017年07月22日当時18歳の「KinKi Kids」が主演を務めたドラマ「ぼくらの勇気 未満都市」が、20年の時を経て「ぼくらの勇気 未満都市 2017」と題して放送される。「KinKi Kids」の堂本光一、堂本剛をはじめ、「嵐」相葉雅紀と松本潤も前作から引き続き登場することでも話題だがこの度、矢田亜希子と小原裕貴も帰ってくることが決定!新キャストには向井理、道枝駿佑(関西ジャニーズ Jr.)が出演する。ある街に大地震が起きたというニュースが流れる。友人を探しにきた高校生のヤマト(堂本光一)、同じく高校生のタケル(堂本剛)は、物々しい警備を潜り抜けフェンスで囲まれた街に潜入した。そこに広がっていたのは大人が死に絶え子どもたちだけになった無秩序な混乱だった…。ヤマトとタケルは様々な問題や事件を乗り越えながら仲間とともに暴力に支配された子どもだけの街に秩序を取り戻していった。そして戦いの最後にヤマトは言った「俺たちはあんたたちみたいな大人にはならない」「そして20年後の今日、俺たちでまたこの場所に集まろう」と。あの日から20年…。彼らは約束の日に久しぶりの再会を試みる。来る者来ない者…実はそれぞれにみんな内に沸々としたものを抱えていた。僕たちがなりたかったのはこんな自分だったか?ひょっとしたら自分はいつの間にかなるまいと誓った大人になっているんじゃないか?そんなとき、強大な敵が彼らの前に再び現れる――。「ぼくらの勇気 未満都市2017」の新キャストとして、堂本光一演じるヤマトや、堂本剛演じるタケルたちと対立する組織のキーマンに、向井理が決定。「20年の時を経たこのドラマ。まず、参加させていただくことに感謝です」と出演を喜び、「当時は描かれなかった新たなキャラクターですが、彼もまた同じ時代を生きた人間です。それがどう物語と絡むのか。彼の信念にもご期待下さい」と見どころを語る。また、教師となったヤマトの生徒役には、沢尻エリカ主演のドラマ「母になる」での好演が記憶に新しい関西ジャニーズ Jr.の道枝駿佑。「KinKi Kidsさんの20周年記念に携われるということですごく嬉しかったです!」「KinKi Kidsさんやほかの諸先輩方の迷惑にならないように一生懸命頑張ります!」と意気込みを寄せた。そして、高校時代のヤマトの恋人スズコ役として矢田さんがカムバック。当時18歳だったという矢田さんは「とても印象に残っている作品です。20年経ったいま、再びこの作品に参加させていただけることがとても嬉しく、大変感謝しております」と歓喜。「当時の映像を見返しながらいま現在では大人になったスズコという女性がどう生きてきたか、といろいろと想像をふくらませながら精一杯演じていこうと思っております」と話し、「とにかく、現場に行くのが楽しみでもあり、同じ役柄を20年という月日が経ってから演じるということに、もうドキドキでした!」と思いを明かした。さらに、ヤマトが幕原に行くきっかけとなった親友キイチを演じた小原さんも帰ってくる。「プロデューサーさんから話を聞いたときは驚きましたが、KinKi Kidsさんの記念すべき20周年に少しでも貢献できればと、出演を決意しました。演技は久しぶりでとても緊張していますが、みなさん温かい目で見守っていただければ幸いです」とコメント。そのほか早見あかり、千葉雄大、久世星佳、飯田基祐、山口馬木也、山内圭哉らが出演。主題歌は「KinKi Kids」の「愛されるより 愛したい」だ。豪華な新キャストと懐かしい仲間たちが集結し、「KinKi Kids」のデビュー20周年記念特別企画となる今夏の大作「ぼくらの勇気 未満都市2017」を彩る。金曜ロード SHOW!特別ドラマ企画「ぼくらの勇気 未満都市 2017」は7月21日(金)21時~日本テレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2017年06月26日1997年に放送されたKinKi Kids主演の連続ドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』の続編として、日本テレビ系『ぼくらの勇気~未満都市2017』が20年ぶりにスペシャルドラマとして復活。当時ジャニーズJr.として出演していた嵐の相葉雅紀(34)と松本潤(33)が同じ役で出演することが公式ホームページに発表された。また、主題歌や挿入歌も同時に発表されYahoo!やSNSの検索ランキング上位に「ぼくらの勇気」「滝川タケル」「KinKi Kids」など関連ワードがランクインして話題となっている。 『ぼくらの勇気 未満都市2017』はKinKi Kidsデビュー20周年記念特別企画として7月21日に放送が決定。連続ドラマ版『ぼくらの勇気 未満都市』から20年後の世界が舞台となる今回、堂本光一(38)演じるヤマトと、堂本剛(38)が演じるタケルとともに最後まで一緒に戦い抜いた仲間である、アキラ(相葉)と、モリ(松本)も、20年前の最終回で交わした「20年後、この場所で会おう」という約束を果たすこととなる。 また、主題歌は20年前と同じKinKi Kidsの『愛されるより 愛したい』と発表され、さらに、挿入歌は『風のない街』「歌 滝川タケル」となっており、当時ドラマでは挿入歌として堂本剛が歌っていた曲であり、注目を集めている。 これには多くのファンが、「滝川タケル?挿入歌!?どういうこと?」「タケルの苗字って滝川だったの?」「タケルが大人になって歌手になったのかな!?」「滝川タケルにびっくりした!主題歌変わらずでよかったー!」などの反応を見せている。
2017年06月20日日本テレビで7月21日(金)に放送される「ぼくらの勇気 未満都市 2017」 につながる、1997年放送の「ぼくらの勇気 未満都市」が、7月1日(土)よりオンライン動画配信サービス「Hulu」にて順次配信されることが決定した。「ぼくらの勇気 未満都市」は、1997年の土曜21時枠で放送された連続ドラマ。当時18歳の「KinKi Kids」が主演を務め、主題歌「愛されるより 愛したい」はトータルセールス160万枚以上を記録した。物語は、ある街に大地震が起きたというニュースが流れる。友人を探しにきた高校生のヤマト(堂本光一)とタケル(堂本剛)は、物々しい警備を潜り抜けフェンスで囲まれた街に潜入した。そこに広がっていたのは、大人が死に絶え、子どもたちだけになった無秩序な混乱だった…。ヤマトとタケルは様々な問題や事件を乗り越えながら、仲間と共に暴力に支配された子どもだけの街に、秩序を取り戻していく…というストーリー。今年、デビュー20周年を迎える「KinKi Kids」。これを記念し、今夏「ぼくらの勇気 未満都市 2017」と題しスペシャルドラマとして放送決定。堂本光一、堂本剛をはじめ、演出・堤幸彦、プロデューサーは櫨山裕子が担当と制作スタッフも20年前と同じ布陣が集結。さらに、ヤマトとタケルと共に最後まで一緒に戦い抜いた仲間、アキラ(相葉雅紀)とモリ(松本潤)、「20年後、またこの場所で会おう」と誓い、その約束が果たされる「ぼくらの勇気 未満都市 2017」にもアキラとモリが出演することが決定した。なお、「Hulu」では「MTV」伝統のアコースティックライブ「MTV Unplugged」に登場した「KinKi Kids」 のライブ映像を、7月17日(月・祝)19時より配信開始。また配信に先立ち、日本テレビで7月16日(日)25時25分から放送される「KinKi Kids 20周年記念~MTVアンプラグドへの挑戦(仮)」内で、本ライブの模様が紹介される。「ぼくらの勇気 未満都市」は7月1日(土)~第1話から第3話、8日(土)~第4話から第6話、15日(土)~第7話から第10話Huluにて配信。「ぼくらの勇気 未満都市 2017」 は7月21日(金)21時~日本テレビにて放送。(cinemacafe.net)
2017年06月20日自分の苦手なこと、できないこと、嫌いなものほど目につきがち。「頑張って克服しよう」と努力する人も多いでしょう。でもその努力を「努力を止める勇気」に変えてみることで、楽になるかもしれません。苦手分野はあなたの役割ではない苦手なことを克服しようとすると、どうなるか。良い例として、筆者の入社時の話をします。新卒で金融の営業職に就職。しかし「人見知り、会話下手、本音と建前の区別がつかない、お世辞が言えない、ポーカーフェイスができない」という性格。それでも毎日電話外交をしましたが、まずほとんど話さえできません。話せても良いと思えないものを勧めることができず、誰が聞いても棒読み状態。「棒読み」がスタートで、そこから「普通に読む→説明する→勧める→自然と勧める」までの道のりは長いもの。それぞれにも段階があり、勧めるにしても「わざとらしさを抜く→断られても再アプローチする→心から良いと思って勧める」と上達していかねばならないのです。慣れるまでにかなりの月日がかかりましたし、結局自分で良いと思えないものは「説明レベル止まり」。どうしても思ってもないことはうまく言えず、苦しい日々が続きました。自分の得意なことを伸ばすべき一方で同僚は、同じ電話本数をかけても話せる回数が多く、会話時間も長め。顧客のことをよく知り、自然と商品を勧め、断られてもあの手この手で納得してもらいます。相手の懐に入るのも早く、顧客に可愛がられているとも感じました。この経験から学んだ教訓は、以下の通り。①苦手なものは普通レベルに達するのさえ年月がかかる②努力しても普通以上にはなれない③自発的に向上(勉強や練習など)しようという気が不足するため一流にはなれない④「自然に」ができない⑤「なんとなく『こうやれば上手くいく』ということがわかる」という感覚がない⑥他に得意な人は沢山いる苦手なことは自分の役割ではなく、自分も得意なことをすべきであると気付いたのです。得意なことをしていても、人生は短い上記の教訓を学んだ後、「好きで得意なことだけをする」と決めた私は、今の仕事をしています。そこでまた気付いたのが、「好きで得意なことだけをしていても、人生は短い」ということでした。好きなことを1つ極めるにしても、初めに圧倒的な練習量と勉強をこなし、慣れ、常に情報収集を欠かさず自己研鑽し、様々な立場や視点から見る…などしていると、やはり時間があっても足りないと感じます。特に年齢を重ねるほど家族に使う時間が増えたり、自分の体力との兼ね合いも出てきます。自分が思っている以上に、人生は短いのです。苦手の克服を止める勇気を持ち、自分の得意分野に人生をかけることを考えてみてはいかがでしょうか。ライター:宮野 茉莉子
2016年10月24日10月25日(火)より開催される「第29回東京国際映画祭」のJapan Now部門で行われる「監督特集 岩井俊二」の記者会見が、10月4日に行われた。この日は、岩井俊二監督を始め、椎名保(東京国際映画祭 ディレクター・ジェネラル)、安藤紘平(「Japan Now」部門プログラミング・アドバイザー)が登壇した。昨年新たに設立された「Japan Now」部門。いま一番海外に発信したい監督にスポットを当てる本部門では、今年国内外で幅広く活躍し、アジアで絶大な人気を誇る日本を代表する岩井監督を特集する。本部門のプログラミング・アドバイザーの安藤氏は「『リップヴァンウィンクルの花嫁』を見たときに日本人に生まれて誇らしいと思ったからです。岩井監督は岩井美術と呼ばれる独特な美意識をもって現代の若者の姿を描く稀有な監督ですが、今回の作品を見てその力をさらに上げたな、と思いました」と今回の特集開催決定の経緯を説明した。本部門では、今年公開された『リップヴァンウィンクルの花嫁』を始め、『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』、『Love Letter』、『スワロウテイル』、『ヴァンパイア』といった5作品を上映。これにあたって岩井監督は「こういう機会だと、リラックスして映画ファン・映画批評家の方たちと向き合い、一緒に映画を楽しめるので嬉しいです。劇場公開の時には言い知れぬプレッシャーがあり、楽しめないので。バケーションに近い感覚があります」とコメント。今後、中国との合作は?という問には、「すでにプロデュースという形で携わり、いまもいくつか関わっております。中国だけでなく、日本もふくめ映画市場が広がり、盛り上がる方が、アート映画の居場所は作りやすい。そういう意味で可能性があると思います」と回答。また、アニメーションの制作を続けていくのか?という質問には、「現在、実はミュージッククリップを作成中で、実写とは全く勝手が違うのですが、(アニメーション制作を)もの凄くやりたい!と思っています」と明かし、「『花とアリス殺人事件』はヨーロッパでも公開されていて、ヨーロッパの人は、自分をアニメーション監督だと思っている人もいて(笑)。このままヨーロッパの人たちにも知っていただきたいですね」と語った。なお、映画祭の上映後のQ&Aに参加するゲストに、『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』の宮藤官九郎監督、現在大ヒット公開中の『君の名は。』を手掛けた新海誠監督、『ダゲレオタイプの女』の黒沢清監督らが登場することも発表された。「第29回東京国際映画祭」は10月25日(火)~11月3日(木・祝)の期間で六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)ほか都内の各劇場および施設・ホールにて開催。(cinemacafe.net)
2016年10月05日ライブ配信サービス「LINE LIVE」にて、9月12日(月)今夜、「岩井俊二監督、行定勲監督をゲストに重大発表!?」のタイトルで特別番組が生配信されることが決定した。10月25日(火)より10日間にわたって開催される「第29回東京国際映画祭」のLINE LIVE初回配信となる本番組。『世界の中心で愛をさけぶ』『ピンクとグレー』などを手掛ける行定勲監督と、『花とアリス』や今年3月公開された『リップヴァンウィンクルの花嫁』の岩井俊二監督をゲストに迎える今回は、「第29回東京国際映画祭」に関する重大発表を行うという。気になる重大発表の中には、過去に季葉、岡本あずさ、山崎紘菜などフレッシュな顔ぶれが抜擢され映画祭を盛り上げた「東京国際映画祭ナビゲーター」が発表されるほか、行定監督も参加するアジアの気鋭監督3名が、ひとつのテーマのもとにオムニバス映画を隔年で共同製作するプロジェクト「アジア三面鏡」の新たな情報や、東京国際映画祭の大きな2本映画特集のひとつ「JAPAN NOW」部門にて、岩井監督の作品を改めてふり返る企画「岩井俊二監督特集」の新たな情報が発表されるようだ。「東京国際映画祭SP企画 岩井監督&行定監督登場で重大発表!?」は9月12日(月)20時~LINELIVEにて配信。(cinemacafe.net)
2016年09月12日岩井俊二監督の最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』のBlu-ray&DVDの発売を記念して7日(水)、都内でトークイベントが行われ、岩井監督とかねてより親交があるという「闇金ウシジマくん」などの人気漫画家・真鍋昌平が登壇。「闇金ウシジマくん」の大ファンという岩井監督が、「ワンカットごとに丁寧に映像化してみたい」とラブコールを送った。脚本家・北川悦吏子を介して知り合い、意気投合したという岩井監督と真鍋さんは、黒木華演じる主人公・皆川七海が体現しているメッセージについて言及。主体性がない主人公像について真鍋さんが、「(七海は)合わせることしかできなくて、翻弄されて、流されていく。それは誰にでも起こり得ることで、彼女が特別な子だからではないんですよね」と普遍性があるキャラクターであると分析すると、岩井監督も「七海に限らず、そういう弱さは誰でも持っていると思う。誰に起こっても、不思議なことではないんです」と補足して、現代社会が抱えているだろう問題を描いた本作について、一般客の前で語り合った。また、トークショーでは、岩井監督が大ヒットコミックである「闇金ウシジマくん」の大ファンであることを、真鍋さん本人の目の前で告白!読み始めた当初は刺激的な内容に驚いて挫折しかけたこともあったそうだが、やがて読み続けていくうちに「まるで奇跡のような作品」という最高の評価になったそうで、突然の賞賛の言葉に真鍋さんも大感動!さらに、「ウシジマくんのエピソードの中には撮ってみたいものもある。ワンカットごとに丁寧に映像化してみたいですね」と岩井監督が映像化への“ラブコール”を送ると、真鍋さんは「サングラスの下は泣いていますよ(笑)」と信じられないといったような面持ちで答え、会場の興奮と笑いを誘った。BD&DVD『リップヴァンウィンクルの花嫁』は発売中。(text:cinemacafe.net)
2016年09月09日昨年公開された『それいけ!アンパンマン ミージャと魔法のランプ』は、東京テアトル配給となった1999年以降、観客動員・興行収入ともにシリーズ歴代1位の大ヒットとなり、45万人を超える親子たちが劇場に足を運んだといいます。そして、この夏公開される待望の新作が『それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ』です。“誰かが何かをしてくれるのは当たり前!”甘え放題のルンダ姫がどう変わるのか?今回の『それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ』は、やなせたかし先生が残した楽曲「勇気のルンダ」がモチーフになっています。この曲は全国のアンパンマンこどもミュージアムのミュージカルショーでも使用されている、ファンにはおなじみの名曲。サビのフレーズ、♪ナンダナンダルンダ ガンバルンダルンダ♪ が、そのまま本作に登場し、新しいキャラクターの“ナンダ”と“ルンダ”の名前となりました。“誰もが、自分の為に何かをしてくれることが当たり前”と思っているおもちゃの星のお姫様・ルンダ。彼女はどんな時も傍に居てくれたナンダと、初めて離ればなれになります。そして、新しく出会う仲間たちと行動を共にし、アンパンマンの強さと優しさに触れることで、自分の心に変化が起きていることに気づきます。この映画には、“自分の為ではなく、誰かの為にがんばるような勇気を持とう!”という、やなせたかし先生のメッセージが込められています。お子さまだけでなく、ママもパパも素直な気持ちになって、家族揃って楽しめそうですね。<物語の概要>おもちゃの星のお姫様・ルンダは、“みんなが自分の為に何かをしてくれることが当たり前”と思っている、ワガママなお姫様。そんなルンダは、体が大きくて優しいおもちゃのロボット・ナンダといつも一緒。全部ナンダに任せてばかりなのに、“ありがとう”も言わずに甘え放題です。ある日、いろんな物をおもちゃに変えることが出来る大切な“おもちゃスティック”を、アンパンマンワールドに落としてしまったナンダとルンダ。2人は慌ててスティックを探しに行きますが雷に打たれ、ナンダはアンパンマン達の所、ルンダはばいきんまん達の所に飛ばされてしまい、離ればなれになってしまいます。…さあ、大切なおもちゃスティックを探し出す大冒険が始まります。 映画館デビューには「アンパンマン」を今回のアンパンマンは、従来作品よりもパワーアップされており「歌あり、踊りあり、冒険あり」の豪華60分一本仕立て。従来の作品同様、アンパンマンと一緒に手遊びやリズムに合わせて歌える参加型のパートに加えて、「アンパンマンたいそう」や「アンパンマンマーチ」などのお馴染みのメロディも登場。本作品を盛り上げています。“映画を見て、怖がって泣いてしまったり、声を出してしまったらどうしよう”。小さなお子さんをお持ちのご家族にとって、劇場に行くのは勇気が必要…という声を数多く聞きます。でも大丈夫、少しぐらい泣いたり騒いだってお互いさまなのですから。お子さんが日ごろから慣れ親しんでいる「アンパンマン」と一緒だったら、さらに安心ですよね。ご家族揃って“本当の勇気”を体感する冒険に出かけてみてはいかがでしょう。 『それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ』2016年7月2日(土)から、元気100倍ロードショー! 製作:日本テレビ放送網株式会社/株式会社バップ/株式会社トムス・エンタテインメント/株式会社フレーベル館株式会社やなせスタジオ/日本テレビ音楽株式会社/東京テアトル株式会社配給:東京テアトル株式会社 宣伝:東宝アド株式会社©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV©やなせたかし/アンパンマン製作委員会2016
2016年06月22日30代になると複雑に絡み合う、仕事と恋愛を紐解く特集。人生を変えるため、海外に移住してみたいけど勇気がない。そう感じる人、必見!この記事を読めば勇気が持てるかも……!毎日同じ道を歩き、会社に着けば同じ仕事をする。見ている景色も食べるものも何も変わらない。 もっと違う景色を見てみたいし、もっと自由に暮らしてみたい!環境も何もかも変えるため、海外に行ってみようかな……なんて感じることありませんか?今回、まさにそんな気持ちを行動に移し、日本脱出経験をした女性に突撃インタビューしてきました!10万円だけ持って現在、日本で自社メディアの記事広告の販売という仕事をバリバリこなしているSさん。実は今から15年前23歳のときにお父さんの反対を押し切ってマレーシアに飛びたったのです……。手持ちのお金はたったの10万。仕事を探す訳でもなく、「行きたい!」という気持ちだけで日本を飛び出したのだとか。「親には反対されたので、実際に行くと決めたとき面と向かって言えませんでした。なので、書き置きして出て行きました。父子家庭だったから昔から良い子でいなきゃいけなくて、親の前では本心を全く出せなかったんです。ずっと型にはまって生きてきました。」そんなSさんがなぜお父さんの反対を押し切ってまでマレーシアに行きたかったのか。それには深い理由がありました。なぜ単身マレーシアへ?Sさんが初めてマレーシアに行ったのは、卒業旅行のとき。その時、マレーシアに一目惚れしたのだとか。「マレーシアの人にすごく惹かれました。悪い人が多いだろうという固定概念があったんですが、実際は全然違っていました。日本人でもマレーシアの人はけっこう受け入れてくれて、良い人たちばかりだったのです!ビーチに財布を忘れたことがあったんですけど、誰も盗まずビーチボーイが持っていてくれたり、人がとにかく暖かくてアットホームでしたね。」そんなSさん、マレーシアに飛びだった時は長くても3ヶ月間で帰ってくる予定だったのですが、マレーシアに魅了され2年間過ごしたのだとか!ギリギリだけど、充実した毎日そもそも日本人が少ないマレーシアで、仕事を探すのは大変ですよね。でもお金がなければ生きていけない……。そんな状況の中、Sさんはどのような生活を送っていたのでしょうか?「現地の人は、日本語はもちろん英語もしゃべれなかったんですよ。だから私がビーチとかで日本人に声をかけて、オススメの観光スポットやお店を紹介するお手伝いをしていました。」お店を紹介する代わりに宿や食事を提供してもらっていただけなので、毎日ギリギリな生活を送っていたそう。ですがギリギリな生活も楽しく、毎日が充実していたのだとか!そんな生活を続けて2年、Sさんがなぜ日本に帰ってきたのか気になりますよね。このままだと腐ってしまう!帰国の決意とは?楽しい生活を続けて2年、Sさんはあることに気がついたそうです。「日本にいる周りの友達は、仕事や結婚で忙しいのに自分は違う。このままだと腐ってしまうと感じました。」そう感じ帰国したのですが、日本の生活に上手く馴染めなかったのだとか。「日本に帰国して、最初は日本の生活を取り戻すのが大変でした。東京の満員電車や、何かしないと置いていかれるという気持ちがすごく嫌でしたね。しばらくしてからちゃんとした仕事に就き、徐々に日本の生活に慣れていきました。」仕事を何度か変え、さまざまな経験を経て、現在の仕事に就いたのだとか!海外から日本に出戻りしたから分かった大事なこと海外での自由な生活と日本での忙しい生活……両方経験したからこそ気づいたことがあると言います。仕事があるまず一番大きいのは、日本には仕事があるということ。「マレーシアでは学校にすら行けない子も多いので、仕事を見つけるのも大変です。加えて、そもそもマレーシアにはあまり仕事はないので、余計に日本が本当に恵まれているように感じました。」自らマレーシアの文化を肌で実感し、簡単にお金を稼ぐことができない経験をしたからこそ感じるものなのかもしれませんね。便利24時間あいてるコンビニもあり、お金があれば何でも食べることができる日本。「マレーシアに行った2年間は、なんでも美味しいと感じたんですよ。ですが、やはり同じ食材を使った料理を毎日食べていると飽きてくるものですよね……。帰国直前は”もういいなかな〜”と思い始めていました。イタリアンからフレンチと、世界の美味しい料理がと何でも食べれる東京は、本当に便利な国なんだと改めて思いました!」仕事もあり、食もあり、日本は本当に恵まれている国だと改めて実感したSさん。帰国して思ったことは、「日本人で良かった!」ということなんだとか。「日本は本当に恵まれていると気がつきました。それで、もともと日本人な訳ですから、私も恵まれていると思います。」日本がどれくらい住みやすい国なのかに気づいただけではなく、マレーシアに行ったからこそ「今の自分がいる」とのこと。マレーシアは日常的に交渉する文化で、2年の間で交渉する能力が身についたのだとか! 「もともと交渉が好きだったのかもしれないですが、これはマレーシアに行かなかったら気づいていなかったと思います。どうやってお金を儲けるかを考えたり、例えばいまあるお金を使ってどうやって100万の売り上げを出そうか考えるのが好きなんです!」もっと、世界を見るべし!「世界に出て行くと、本当に視野が広がります。いろんな人を受け入れると、寛容になってくると思います。日本人ってやっぱまだどっか肌の色や文化の違い、宗教で一歩引いているところがあるので、海外にいくだけでも絶対に何かが変わります。」ちなみに、Sさんの場合マレーシアから帰国した後、やっとお父さんに対して本心をぶつけられるようになったみたいです。 今の環境がどれくらい恵まれているのか気付いたり、今まで知らなかった自分が見えてきたり、きっと海外に飛び出てみると一人の人生が大きく変わるのかもしれませんね。年やお金を言い訳にしないで!「もう年だから……」や「経済的にきついから……」このようなことを理由に、海外に行く事を躊躇しないでほしいと語るSさん。「行きたい」と気持ちがあれば、いくつになっても行けるしお金も実際どうにかなるとのこと。 Sさんによると、働く事を目的にする必要はないみたいです!例えば国際結婚が目的なら、毎日バーに通って多くの人と出会うことを目的にするのも良いかもしれませんね。海外に少しでも行きたいと感じても行動に移せない理由。きっと私たちを躊躇させるのは、年でもなくお金でもなく、一歩踏み出す「勇気」なんですね……。それでも人生は一度っきり。「行ってみたい」と思ったら、思いきって飛び出し、世界を見てくださいね!
2016年06月22日『スワロウテイル』『花とアリス』を手掛け、女優たちの新たな魅力をスクリーンへと昇華させてきた監督・岩井俊二。最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』では日常の中で「ありえなさそうだけど、現実にはそんなこともある」事件や不条理に出会いながら成長していく女の子を描いている。今回、主人公の友人役として出演する女優・玄理と共に、本作から見る職業の真義、人間のあり方について、さらに岩井監督の心の中にあるという“憧れ”について語ってもらった。■人生の節目の音楽は世界観を変える玄理:私、台本・小説・映画の順で観たので、小説家の岩井俊二はこのシーンはこういう感情で捉えてたんだな、と映画を観たとき初めて分かり、(小説と)ラストが違うからこそ面白かったです。ラストを描いたのはどっちが先だったんですか?岩井監督:映画が先だね。小説は小説の締めくくりを考えてたから。映画は映画の流れで(小説の)構図をもってくると大体失敗するから(笑)。あれは小説ならではというかね。そこにだけ意識がいっちゃって、いっぱいあった情報が集約されちゃうから、かえってやらない方が映画の場合は良かったりするんだよね。玄理:最近公開される邦画では、盛り上がる場所でクラシック音楽を使うのが流行りから定番になってるなという感じがしてて、でも岩井さんのクラシック音楽の使い方っていうのは風格があるなと思いました。映画に寄り添っているというか、気づいたら心の深いところに入ってきてて、別になんてことないシーンでも、ちょんっと突かれたら泣きそうになる感じが3時間続いてたんですよね。岩井監督:音楽はね、普段自分で作ったりしてるんだけど、今回は結婚式のウェディングソングのCDの中から選んだんだよね。割とみんなが知っている曲が次々出てくるけど、それって基本、華々しいセレモニーのときにかかる曲じゃない?でもそれが人生のいろんな節目でかかると違って聞こえるというか。そういうところを狙っていきたかったんだよね。玄理:すごく素敵でした。岩井監督:ここまで良い効果になると思わなかった。『リリイ・シュシュのすべて』のときにドビュッシーでやったんだけど、映画にはめてみると偉大な効果を生んで、いまとなってはホテルとかで流れると立ち止まっちゃうもんね(笑)。玄理:有名すぎて聴き慣れた曲なんだけどシーンごとに曲が流れると心が持っていかれました。■外の世界を知ると同時に“自分”が見えてくる玄理:作品に出演するにあたり、いろいろ勉強したんですよ。そのなかでAV監督に話を聞く機会もあったりして。日本にいるとエロ漫画の広告とか電車の中吊りでも卑猥な単語が飛び交ってるし、AVってこんな感じでしょってイメージで分かった気になってたけど、改めてちゃんと見たらすごかった。岩井監督:大学のときに友達がAV女優になって、本人が言うには、アートなんだって。これが自己表現なんだと言ってて。自分はすごく真面目にやっているんだと切々と語るんだよね。ちょっと用があって自宅に電話したときがあって、本人だと思って話してたら、お母さんだったのよ。そしたら堰を切ったように突然「うちの娘はあんなことする娘じゃないんです」と2時間くらい話を聞かされて、もう親御さんはパニックになっているわけなんだよね。そのときから対極にあるような本人と親のそのギャップっていうのは一体何なんだろうって、自分の中に大きな宿題として残ってた。あるときそういう人たちと取材できるタイミングがあって話を聞いたんだけど、やっぱり同じ親子の修羅場があって、でも本人たちはお金のためにやっているということじゃなくて、ひたむきにやっていたり、輝いてるんだよね。俺らより生き生きしていたりして、光り輝いているものは何なんだろうって非常に興味があったんだ。もちろん簡単なことじゃないし、いろんな苦労もたくさんあるだろうけど、なんか自分たちに持ち得ていないものを持っている感じ、これは何なんだろうって。海外に行ったり違う国の人を見ると感じたりするでしょ?発展途上国と言われているところに行って、そこの子どもたちに会うと、学校に行っていないがゆえに、テレビゲームをやっていないがゆえに、天然の人間というか、輝き方が違う、元気度が違う、体内エネルギーが全然違う。そういうの見ると、自分たちって養殖されている魚みたいな生き方をさせられているんじゃないかって、自分たちの反省も含めてそこを覗いてみたいと思ったんだよね。■多様性が必要とされている時代…常に自分と違うものに憧れる玄理:何年か前に岩井さんがお食事しているときに、囲炉裏の縁の内側が通常、普通の社会だとして、外側が普通じゃない異常な世界だとしたらこの囲炉裏の縁にいる人たちを描きたいっていうことを言っていたのを私すごく覚えていて、だから今回台本を読んだとき、その人たちのことなんだなって思ったんです。岩井監督:ずっとそこをやり続けている気がするんだよね。『花とアリス』ですらそこを描いているんだと思う。普通の人の実感の中にあるものを描きたくて、だから大体みんな孤独なの。友達とつるんで和気あいあいとして最後までつるみっぱなしの作品とかほとんどやったことがない(笑)。玄理:もちろん職業に貴賎がないという言葉の通り。そうだと思うけど、そのAV監督の話を聞いたとき、一番思ったのがその職業がどうっていうことより守るものがあったり、これからできたりするのであるならば、その一線を超えるとその代償って大きいなっていうのは聞いてて思った。岩井監督:どんな世界でも人は生きているし、人を殺した人ですら同じ空気を吸って生きているわけで、それが世の中だろうから。同じ時間・空間、同じ幸せ・不幸をシェアして生きているというか。我々って自分たちのいる場所が当たり前で、それと違うものはすぐ“違和感”という言葉を簡単に使ったりして、そのセンサーがみんな正しいものって思いがち。日本の場合、民族の多様性っていうのもあまりないからなおさらだよね。同調圧力が強いって言われるけど、マイノリティーって言われる人たちの気持ちや立場をなかなか理解しないでしょ、一部の政治家とかは人としてどうかと思うくらいそういうところ欠落していたりするじゃない?自分が目を向けたいのは、そういうところ。応援したいとかではなくて、なんか憧れがあるんだよね。この真ん中の世界に生きていて、いろんなところが麻痺している劣等感があって…。玄理:確かに、(縁の)外側の人たちにしか見えないものって絶対ありますよね。岩井監督:差別は良くないけど区別くらいまでは良いと思う。人を区別するときに蔑んだり、憐れんだりするのは酷いけど、憧れるのはいいと思う。自分じゃないいろんな人たちから学習し続けたいと思ってるんだよね。(text:cinemacafe.net)
2016年03月23日岩井俊二監督の『リップヴァンウィンクルの花嫁』の完成披露試写会が3月16日(水)に開催され、岩井監督と主演の黒木華が上映前のトークに登場。誕生日を迎えたばかりの黒木さんに岩井監督から、人気漫画「東京喰種」の漫画家・石田スイによる黒木さんの似顔絵が贈られた。岩井監督にとっては『花とアリス』以来となる、国内での実写長編映画となる本作。平凡な女性の派遣教員・七海はネットで知り合った男性と結婚するが、彼の浮気が発覚し、しかも罪を着せられ彼女が家を追い出される。苦境に陥った七海は次々と斡旋される奇妙なバイトをすることになるが…。黒木さんは昨年の『小さいおうち』、そして今年の『母と暮せば』で史上2人目となる2年連続の日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞したばかり。白いドレス姿の黒木さんが、岩井監督と共に劇場のバルコニーの階段を下りて登場すると、会場は拍手と歓声に包まれた。本作は一昨年の秋に撮影されたが、七海役は「映画に愛される未来の女優を探す」というコンセプトの下、オーディションで選ばれた。岩井監督は黒木さんについて「会って率直に『この子は撮りたい子だな』と思えた。そのモチベーションだけでここまで来ました。いろんな映画のシーンが頭を巡りました」とぞっこんのよう。「出会ったときは、すでに野田秀樹さんや蜷川幸雄さんに見いだされていましたが、それから山田洋次監督に見いだされ、ベルリン国際映画祭に見いだされ(※女優賞受賞)、とにかく見いだされ続けてる。山田監督とも華ちゃんの話になって『持っているとしか言いようがないですよね』という話になりました」と絶賛していた。一方の黒木さんは、高校時代に岩井監督の『リリィ・シュシュのすべて』を見たそうで「多感な時期で、いろんなことを感じました。いまでも苦しいことがあると、思い出して観たりします」と明かし「自分がその監督の映画に出るなんて思いもよらず、幸せな時間でした」と満面の笑みを浮かべる。映画では現代の日本社会の闇やひずみが鋭く切り取られているが、岩井監督は「震災後にいろんなことがあった中で、いままでと違うムードや景色があり、モヤモヤしたものがあった。信じていたものが崩れる中で、転がるように、転びながら走る主人公が、誰と出会ったら幸せになれるのか?本当の幸せって何なのか?」を描いていると説明する。2日前の14日は黒木さんの26歳の誕生日だったが、岩井監督からは、監督自身がはまって大好きだという漫画「東京喰種」の石田スイさんの手による黒木さんの肖像画がプレゼントされた。黒木さん自身、「東京喰種」を愛読しているそうで「読んでます!面白いです!」と語り、石田さんの絵とメッセージに「嬉しいです」とニッコリ。これからの1年について「いままでと変わらず、地道に頑張っていきたいです」と抱負を口にした。『リップヴァンウィンクルの花嫁』は3月26日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月16日岩井俊二監督が、史上2人目の日本アカデミー賞「最優秀助演女優賞」2年連続受賞を果たした女優・黒木華を主演に迎えて贈る『リップヴァンウィンクルの花嫁』。このほど、日本公開に先駆け、香港、台湾でも公開されるなど注目を集める本作に、ハリウッドで『ラスト・ナイツ』を監督した紀里谷和明と、『トイレのピエタ』で日本アカデミー賞「新人俳優賞」を受賞した「RADWIMPS」の野田洋次郎がカメオ出演していることが判明。その貴重な場面写真が、シネマカフェにて解禁となった。派遣教員の皆川七海(黒木華)はSNSで知り合った鉄也と結婚するが、結婚式の代理出席を“なんでも屋”の安室(綾野剛)に依頼する。新婚早々、鉄也の浮気が発覚すると、義母・カヤ子から逆に浮気の罪をかぶせられ、家を追い出されることに。苦境に立たされた七海に、安室は奇妙なバイトを次々と斡旋する。最初は、あの結婚氏の代理出席。次は、月100万円も稼げる住み込みのメイドだった。七海は、破天荒で自由なメイド仲間の里中真白(Cocco)に好感を持つ。真白は体調が優れず、日に日に痩せていくが、仕事への情熱と浪費癖は衰えない。ある日、真白はウェディングドレスを買いたいと言い出し…。本作は、中山美穂、蒼井優、北乃きいといった女優たちの新たな魅力を、次々とスクリーンへと昇華させてきた岩井監督が、『小さいおうち』『母と暮せば』で日本アカデミー賞「最優秀助演女優賞」を2年連続で受賞した黒木さんを主演に、『64-ロクヨン-』『日本で一番悪い奴ら』など、いま最も多忙な俳優といわれる綾野剛を共演に迎えた意欲作。そんな本作に、『CASSHERN』『GOEMON』、最近ではモーガン・フリーマンやクライヴ・オーウェンといったハリウッドスターを迎えた『ラスト・ナイツ』を手がけた紀里谷監督と、ロックバンド「RADWIMPS」のカリスマティックなフロントマンであり、昨年『トイレのピエタ』で映画デビューを果たした野田さんがカメオ出演を果たしている。岩井監督は2005年よりアメリカに拠点を移しており、紀里谷監督とはロサンゼルスに在住していたころからの友人。日本に帰って来てからも親交が深く、今回の出演が実現した。劇中では、黒木さん演じる七海が代理出席のバイトで参加した結婚式で、新郎役として登場!新婦役は映画・ドラマなどに幅広く活躍する女優の中村ゆりが務めている。撮影現場の紀里谷監督は、“友人”岩井監督がどんなふうに撮影しているのかを興味深げに見守るとともに、慣れない俳優として参加したことで、俳優部の大変さを実感していたという。また、野田さんには岩井監督が直接オファー。かねてより岩井作品のファンでもあった野田さんが出演を快諾し、実現した。劇中では、七海とCoccoさん演じる真白が出逢った直後に2人で訪れるお店のピアニスト役として登場。七海と真白が歌を歌うシーンの伴奏として、あの名作ドラマ「高校教師」の主題歌だった森田童子「ぼくたちの失敗」と、ユーミンこと荒井由実が亡き愛犬を思って作った「何もなかったように」を野田さんが自らピアノで奏で、シーンに花を添えている。『リップヴァンウィンクルの花嫁』は3月26日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月10日『リップヴァンウィンクルの花嫁』の公開を控える岩井俊二監督と『ピンクとグレー』が公開中の行定勲監督によるトークセッションが2月11日(祝・木)、銀座のApple Storeにて開催。20年以上にわたる付き合いがあり“師弟”関係にある2人が互いの作品について語り合った。岩井監督の『Love Letter』『スワロウテイル』などにデビュー前の行定監督は助監督として参加しており、岩井監督曰く行定“助”監督は「一番、監督デビューしてほしくない、片腕だった」とのこと。特に「キャスティングン才能は抜群で、連れてくる子はいい子ばかりで助かってました」と明かす。行定監督はある作品の打ち上げでの出来事を述懐。「ささやくように岩井さんから『行定はいつか、映画監督になるだろうけど、それまではウチでやってよ』と言っていただき、それはずっと支えになってました」と嬉しそうに明かした。その後、岩井組を巣立った行定監督の活躍について岩井“師匠”は「元々、作家性のキツイ男で、うまくやれるか心配はあった。エドワード・ヤンやホウ・シャオシェンが日本でデビューするようなもの。それでも自分のテイストとエンターテインメントをうまく合わせてやってると思います」と目を細める。特に「不在の主人公の探索」を行定作品の永遠のテーマと分析し「『ピンクとグレー』はひとつの到達点。感無量でした」と最大限の称賛を送った。一方、行定監督も岩井組を出てから客観的に作品を見て、岩井監督のすごさを改めて実感したという。「衝撃を受けたのは、『リリィ・シュシュのすべて』。これが世に言う“岩井美学”というものか!と画面からはみ出るような圧を感じました」と語る。社会問題を取り上げつつも、色あせないのが岩井作品のすごさであると熱弁!「娘がこないだ『スワロウテイル』を見てて、実は僕も(キャストで)出てるんですが、最後の字幕に“行定勲”とあって、娘に『すごい』って言われました。これまで散々、監督として映画に名前出てるのに(苦笑)」と笑っていた。岩井監督最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』は、一時期、ロスで生活をしていた岩井監督の「3.11」以前と以降の心境の変化が大きく反映されている作品となっているよう。なぜ今この作品を?という問いに、東日本大震災以前の日本をロスから眺めていて「あくまで自分の脳内が感じたことなんですが、いじめが蔓延している教室のような空気を感じました。先生もいじめを知らず、反対するとその人もいじめられ、それが是となりハミ出そうとすると『KY』と言われるような空気。重要なのは、みんな、それを知ってるのにそれ以上前に進まないような状況になってると感じました」と説明する。そんなときに東日本大震災が発生!「当然そこで日本がグラッときて動いた。そこで、やっと何かが描ける状況が生まれた。そこで何を描けるのか?と見出したのがこの物語です」と語る。ひと足先に本作を見た行定監督は「嘘」の存在が本作を貫く大きな軸となっていると語る。この点について、岩井監督は、3.11以降の日本において「みんなが『正しい』と思っていることが、本当に正しいのか?と疑うようなことが日々ありました。STAP細胞の事件や最近では覚醒剤の事件があり、昔はTVでみて『バカだね』とか『嘘だよね』と言ってたことが、SNSで表に向かって言えるようになった。それが可視化され、大きな塊になって一個人に課せられたとき、とてつもない衝撃やPTSD(心的外傷)をこうむるようになる」と“正義”に警鐘を鳴らす。「“加害者”たちひとりひとりは間違ったこと言ってないし、ひとりの人間としてつぶやいただけかもしれないけど、その正義が塊となったとき、それは正義なの?ということになる。それを正義が一瞬で人の生活を踏みにじることもある。『正義がまかり通った結果だ』と考えている人がいっぱいいるとしたら、それは空恐ろしい。映画は、何が正義か悪かを描くのではなく、違うアングルから見て『それでも人間は素敵だよね、共感できるところがあるよね』ということを描くもの」と熱弁をふるい、立ち見を含め、会場に足を運んだ聴衆たちは熱心に耳を傾けていた。『ピンクとグレー』は公開中。『リップヴァンウィンクルの花嫁』は3月26日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ピンクとグレー 2016年1月9日より全国にて公開(C) 2016「ピンクとグレー」製作委員会
2016年02月12日クリスマスやお正月も終わり、あっという間にバレンタインがやってきます。「気になる彼に告白したいけど、勇気が出なくてやめようと思っている」という女性もいるのではないでしょうか。でもバレンタインに告白するメリットってちゃんとあるんです。そこで今回は「バレンタインに女子から告白すべき理由」について10代~20代男女のアンケート結果をもとにまとめてみました。■1.唯一のチャンスだから「この日を逃したら、もう二度と自分から告白することなんてない気がする。」(18歳女性/高校生)なんと言っても年に一度、女子から告白できる最大のチャンスです。特に違和感なく女子から想いを伝えられるのって、バレンタインデーしかないのではないでしょうか。この日を使わないなんてもったいない!ぜひ流れにのって、好きな人に告白しちゃいましょう。■2.ホワイトデーにつながる「バレンタインに告白の返事が聞けなくても、まだチャンスがあると思える。」(21歳女性/大学生)何でもない日に告白をして「返事はちょっと待って欲しい」と言われてしまった経験のある女性はいませんか?「いつまで待ったら良いか分からない・・・。かといって催促するのもおかしいし・・・」と悩んでしまいますよね。その点3月にはホワイトデーがあるので、その時に返事を聞くことが出来そう。結果がどうであれ、好きな人からお返しがもらえるというのも嬉しいですよね。■3.仲間がいる「以前バレンタインに学校でもかなりモテる先輩に告白して振られました・・・。でもその後、振られた女子同士で慰め会を開くことに。友達も増えたし、結果的にはまぁ良かったかな。」(18歳女性/高校生)「一人では告白する勇気が出ない」「振られたら立ち直れない」という人も、仲間がいると思えば多少気が楽になるのではないでしょうか。勇気を出して告白しているのはあなただけじゃありません!日本全国にたくさんの“恋する仲間”がいますよ。■4.男子も心の準備が出来ている「バレンタインデーは女子が告白してきてくれる日でしょ?男子も『好きな子から告白されないかな・・・』ってそれなりに心の準備をしていますよ。」(22歳男性/大学生)「全く面識がない子から告白されても、この日ならまだ理解できる。『頑張ってくれたんだなぁ』って思いますね。」(19歳男性/専門学生)ある日突然告白するよりも、バレンタインデーに想いを告げたほうが男性もビックリせずに受け止めることができます。そのため男性も落ち着いて結論を出すことができるんだとか。また仮に想いにこたえられなかったとしても、一生懸命チョコレートを作ったり、選んだりしてくれたことは純粋に嬉しく感じるそう。結果うんぬんではなくとも、バレンタインに告白することは悪くないと言えそうですね。■おわりにいかがでしたか?バレンタインだからこそのメリットが多かったのではないでしょうか。せっかく女子から告白するチャンス。ぜひこの日を有効に活用していきましょう!(和/ライター)(ハウコレ編集部)(伊東亜梨沙/モデル)
2016年02月04日昨年の1、2月に放送され大きな反響を呼んだ「岩井俊二のMOVIEラボ」のシーズン2の放送が決定。進行役の千原ジュニアをはじめ、堤幸彦、是枝裕和、長澤まさみといったゲストが登場する。最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』の公開を控える映画監督の岩井俊二が主宰を務める本番組。シーズン2の今回は、1回の放送ごとにそれぞれ「走る」「闘う」「恋をする」「嘘をつく」のテーマを設け、古今東西の映画から名シーンをセレクト。ゲストとともに、そのシーンがどうように撮影され、監督たちがどんなことを表現しようとしたのかを探求する。第1回及び第2回のゲストには、昨年『天空の蜂』を手がけた映画監督の堤監督とアクション・コーディネーターの諸鍛冶裕太が登場。第3回及び第4回のゲストには、第39回日本アカデミー賞で作品賞ほか最多12部門受賞『海街diary』の是枝監督と、同作で優秀助演女優賞を受賞した長澤さんが登場する。撮影の裏話はもちろん、岩井監督とどのような対話が繰り広げられるのかに期待がかかる。また、会場にはプロの映像クリエイターを目指す若者が聴講生として参加。「1分スマホ映画ロードーショー」として、彼らにスマホを使った1分間のミニ映画を制作してもらい、その優秀作品を講師陣が講評していく。新しい才能に対して、監督たちがどんなコメントするのかが楽しみだ。「岩井俊二のMOVIEラボ」のシーズン2は、2月4日(木)よりEテレにて毎週木曜日23時から全4回放送。(text:cinemacafe.net)
2016年01月22日山田洋次監督の『母と暮せば』でも好演を見せる黒木華が主演を務める、岩井俊二監督の最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』。このほど、岩井監督のアジア各国での人気ぶりを受け、本作が国内に先駆けて韓国、香港、台湾で先行公開されることが決定。また、岩井監督自らが手がけた最新予告編という“クリスマスプレゼント”も解禁となった。舞台は東京。派遣教員の皆川七海(黒木さん)はSNSで知り合った鉄也と結婚するが、結婚式の代理出席をなんでも屋の安室(綾野剛)に依頼する。新婚早々、鉄也の浮気が発覚すると、義母・カヤ子から逆に浮気の罪をかぶせられ、家を追い出されてしまった七海。苦境に立たされた七海に、安室は奇妙なバイトを次々と斡旋。最初は、あの結婚式の代理出席のバイトだった――。このほど、実写邦画作品では初めてとなるアジアでの先行公開が決定した本作。特に、3月中旬からいち早く公開となる韓国では、1999年に初監督作『Love Letter』が公開されるや、動員140万人の大ヒットを記録。ヒロイン・中山美穂の劇中のセリフ「お元気ですか?」は若者たちの間で大流行した。その人気はやがてアジア各国へと広がり、中国、台湾、香港などでも岩井監督作品は絶大な影響力を持ち、カリスマとして支持されることに。また、先日12月11~13日には、日韓国交正常化50周年を記念した岩井監督の特集上映がソウルで開催され、監督も参加。多数の韓国メディアの取材を受け、上映会では監督が登場するだけで黄色い声援に包まれるなど、アイドル並みの熱狂をもって韓国の映画ファンに迎えられていたという。そんな岩井監督から、日本のファンへのクリスマスプレゼントとして解禁されたのが今回の予告編。これまで大まかなストーリーのみで、詳細は謎に包まれたままとなっていたが、岩井監督が自ら編集した映像には、主演の黒木さんほか、綾野さん、Coccoら主要キャストたちによる物語のキーとなるセリフが散りばめられ、作品の世界観が少しずつ明らかにされている。なお、監督は公開直前となる2~3月にアジアキャンペーンとして韓国、香港、台湾を訪れる予定で、各国では再び岩井俊二フィーバーが巻き起こること必至。本作をいち早く目撃するアジアのファンの反応にも注目していて。『リップヴァンウィンクルの花嫁』は2016年3月26日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年12月24日『スワロウテイル』『花とアリス』を手掛け、女優たちの新たな魅力をスクリーンへと昇華させてきた岩井俊二監督の最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』の公開が決定。この度、本作の主演を女優・黒木華が務め、共演には現在ドラマ「コウノドリ」で活躍中の綾野剛、歌手のCoccoらが出演していることが明らかになった。舞台は東京。派遣教員の皆川七海はSNSで知り合った鉄也と結婚するが、結婚式の代理出席をなんでも屋の安室に依頼する。新婚早々、鉄也の浮気が発覚すると、義母・カヤ子から逆に浮気の罪をかぶせられ、家を追い出される。苦境に立たされた七海に安室は奇妙なバイトを次々斡旋する。最初はあの代理出席のバイト。次は月100万円も稼げる住み込みのメイドだった。破天荒で自由なメイド仲間の里中真白(Cocco)に七海は好感を持つ。真白は体調が優れず、日に日に痩せていくが、仕事への情熱と浪費癖は衰えない。ある日、真白はウェディングドレスを買いたいと言い出す――。『小さいおうち』でベルリン国際映画祭・銀熊賞(女優賞)を受賞、ドラマ「天皇の料理番」の好演も記憶に新しい女優、黒木さんが今回演じるのは、結婚相手からも突き放され、新たなバイトに没頭する皆川七海。そんな七海に奇妙な仕事を勧めるなんでも屋の安室には『そこのみにて光輝く』『新宿スワン』『ピース オブ ケイク』に出演する綾野剛。そのほかキャストには、七海のバイト仲間となる里中真白役のCoccoを始め、原日出子、地曵豪、毬谷友子、和田聰宏、佐生有語、夏目ナナ、金田明夫、りりィら個性派俳優陣が顔を揃える。本作を手掛ける岩井監督は「ともかく書き上げてはみたものの、これは一体何の話なんだろう、それが自分でもよく分からなかった。ただ描きたかったことはあった。それがこの物語のどこかに描けた気はする。ならばひとまず、それでよしとしようと思った。かくしてずっと悶々と向き合って来たこの原稿を締めくくることにした。311直後から取り組みはじめて、気がつけば四年半が過ぎていた」とコメント。そんな岩井監督作の出演を熱望していたという黒木さんは、「岩井俊二監督の長編映画に出られる日が来るとは、3年前、『マイリトル映画祭』のオーディションで出逢ったときには想像できませんでした。脚本、撮影、音楽、時間、全てのものを、愛おしく思います。観てくださる皆さんに、その幸せを少しでもおすそ分け出来たら嬉しいなと思います」と喜びを語った。黒木さんは岩井監督の作品でどのような輝きを魅せるのか。『シャニダールの花』で共演していた綾野さんとの息の合った演技にも注目したい。『リップヴァンウィンクルの花嫁』は2016年3月26日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年11月19日花とアリスが帰ってきた。『花とアリス』の公開から11年を経て、ふたりが出会うまでの前日譚を描く『花とアリス殺人事件』。本作で岩井俊二監督は、初のアニメーション長編作品に挑んでいる。しかしながら、なぜいま花とアリスなのだろうか?そしてこのタイトルの意味は?さまざまな疑問符が浮かぶ中、稀代の映像作家である岩井監督がどんなアニメショーンを仕上げてくれるのかと、大きな期待が寄せられたはずだ。インタビューでは、前作をふり返りながらストーリーの発端となったエピソードをはじめ、新境地であるアニメ制作の裏側、さらに音楽家としての一面など多岐に渡り、稀代の才能である岩井監督の等身大の姿を垣間見ることができた。海外のキャストを迎え、全編英語で展開された『ヴァンパイア』以来、オリジナル作品としては3年ぶりとなる本作。岩井監督のフィルモグラフィーを見渡してみると、続編といったかたちで制作されたのは、『打ち上げ花火 横からみるか?下からみるか?』に続く作品として制作された『少年たちは花火を横から見たかった』があるが、こちらはドキュメンタリーという体裁をとっており、フィクション=物語としての続編作品は本作がはじめてとなる。今回の前日譚が生まれた経緯について訪ねると、「既に存在していた」と岩井監督は語る。「今回の企画自体は、前作『花とアリス』を作ったあとに、ある種続編的な位置づけで、脚本としてはその時点で存在していたんです。その時に、アニメ企画で立ち上げたんですけど、予算とかいろんな都合があって、実現のところまでいかなくて、途中で立ち消えになっちゃったんですよね。今回はたまたま、こんな企画あるんだけどって話したら興味をもっていただいて、じゃあやろうかという流れで実現しました」。実写として撮影された画をもとに、上から線でなぞるロトスコープというアニメーション手法で制作された本作。岩井監督は、昨年WEBで公開された『TOWN WORKERS』ですでにロトスコープを導入している。タウンワークとのコラボレーションとして制作されたショートストーリーの同作は、岩井監督初のアニメ作品として大きな注目を集めたが、長編アニメーションとしては今回が初となる。これまでに、その圧倒的なクオリティの美しい実写映像作品を数多く世に送り出している岩井監督だが、ロトスコープでは監督最大の武器とも言える実写映像があくまで素材として使用され、そこからロトスコープに変換されていく作業が始まる。「ふたつ分」の作業だったと語る制作過程について聞いてみた。「実写の場合は撮って編集で仕上げてしまえば終わりなんですが、今回はそこからアニメの制作が始まるので、ふたつ分の現場をやったような感じではありましたね。 まずはオーディションで役者さんを選んで、実際に撮影を行いました。ロトスコープの場合は、映像はあくまで素材になるので、ひとりで何役もやっていたりしますよ。20日間くらいかけて撮りましたね。それをベースに3D CGを作ったり、ロトスコープとして手描きでなぞって。さらに3D CGであがったものを手描きで修正したりとかいろんなことをやって、こういう仕上がりになった感じです」。今回の制作を振り返る中で、表現としての実写とアニメの違いについて、その“ダイナミズム”の差異について岩井監督は「実写だと普通に見えちゃうはずのものが、アニメだと妙な凄みを持つことが多々あるんです」と語る。「実写だとほぼ無理なんですけど、顔のアップをあまり使わないで済んだっていうのは意外でしたね。アニメ、とくにロトスコープっていうのは、人の全身が写っているサイズで動いてるときに一番存在感を発揮する気がしていて。その時の凄みっていうのは、なかなか実写だと出ないんです。同じサイズで人が動いててもあんまり印象に残らなかったり、なかなか間が持たなかったりするので、どうしてもアップに逃げたりしがちなんですけど。たぶんこれと同じことを実写でやったら、ややアート色の強い映画みたいな、観客が入っていけない作品に見えると思うんですよね。ところが、アニメだとそう見えなくて、全然普通に見える。そんな風に、ダイナミズム感が違うんです」。そして『花とアリス』の世界において、なによりもその魅力的なキャラクターである荒井花=“花”演じる鈴木杏と、有栖川徹子=“アリス”演じる蒼井優は本作においても出演。花とアリスとの再会は11年ぶりとなるが、岩井監督は自然と作品の世界に入っていったようだ。「蒼井優と鈴木杏に会って、久しぶりと言いつつも、不思議と前の撮影がこないだあったような感覚になるんですよね。『花とアリス』の撮影の仕上げの時期と感覚が直結してくるというか…。『花とアリス』は、映画の中で出てくるバレー教室でリハーサルをやるところからはじめたんですけど、そんな日を思い出したりしました」。そして、『花とアリス』の世界のもうひとつの大きな魅力は、美しい映像を彩るピアノとストリングスを基調とした瑞々しい音楽だ。『花とアリス』の代表的なシーンとも言える、オーディションでアリスがバレエを披露する場面の楽曲など、美しい旋律が全編で展開されるサウンドトラックは、岩井俊二自身が制作している。本作では、岩井監督自身が参加する音楽ユニット「ヘクとパスカル」が監督と同じく音楽担当としてクレジットされ、前作との制作過程の違いについて伺うと、音楽家としての顔も持つ岩井監督の妥協なきこだわりが明かされた。「前回はオールコンピュータで、ひとりでパソコンに向かい合いながらずっと音楽制作をやっていたんです。打ち込みでどこまでやれるかっていう、音を聞いてデジタルだって思われないところまでどうやってもっていくのかということに、ただひとりひたすらこだわっていました。繰り返し繰り返しエンニオ・モリコーネのサントラを一日中聞き込んで、それに近いバイオリン音源を数か月かけて探したんですけど、ほとんど駄目でしたね。その中でかろうじて使えるのが出てきたんですけど、それはもう感動でしたけどね。今回はそのスコアをベースに、『ヘクとパスカル』の桑原さんにアレンジをお願いしました。桑原さんはプロとして活動をしているので、アレンジしたらスタジオに入って演奏して終わり。基本的にはピアノは桑原さんが弾いて、弦とかは他のミュージシャンに頼んで演奏してもらいました」。『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』をはじめ、完成された世界観と語られるストーリーの力が強く印象を残す岩井作品の中では、自然なタッチが特徴の『花とアリス』は、他の作品とは少し趣が異なるように思える。岩井監督が明かしたように、自然発生的なエピソードの数々が描かれ、自然体の岩井俊二が堪能できる本作を、自身は“エッセーのようだ”と語っている。「『花とアリス』はあの仕上がりになりつつも、なんだか食い足りなくて、エピソードゼロとして続編を考えて書いたのが今回の作品ですね。そういう意味ではゆるく長い付き合いだったと思います。考えてみると、自分の日常的な人生観とか、そういうのが意外と出やすかったというか、ちょっとエッセーに近い作品だったと思うんですよね。主人公があるできごとに出会いながら、ストーリーを解決して終わるっていうのがスタンダードとしてあると思うんですけど、ほっとけばどこまでも行ってしまうような話って、意外にありそうで少なくて、今回が初めてだった気がしますね」。最後に、今後のアニメ制作への意欲について尋ねると、少し意外にも思えるアイデアを語ってくれた。「予定はまだありませんけど、またやりたい気持ちはありますね。やっている間中おもしろかったですね。だいぶ作り方がわかったので次はもうちょっと安定的に作れたらなあと思います(笑)。ロトスコープは実は時代劇に向いてるなって思ってるんです。3D CGでも着物の表現って難しいと思うんですよね。そのときに、ロトスコープならほぼ正確に表現できるんで、時代劇はあってるんだよなっていう。ぼくがいきなり時代劇やるのって違和感あると思いますが」。インタビューの中で何より印象的だったのは、さまざまなジャンルを越境する才人としての岩井俊二の姿ではなく、実直に、ひとつひとつの創作を妥協なく繰り返してきた時間の積み重ねが、岩井俊二という存在を確かに形作っているということだった。自身を“不器用”だと語る監督の、表現を探求するものとしての真摯な姿勢、さらには、作家性の高い作品を数多く残しながらも、常に表現としてのバランスへの目配りを忘れない姿から、等身大でありながら自身の才能を発揮している岩井俊二という存在を少し垣間見ることができたように思う。アニメという新たな表現に向かいながらも、自分自身であることを貫き続ける岩井俊二。新作も控えているとのことで、これからもどんな映画を見せてくれるのか、大いに期待したい。(text:cinemacafe.net)■関連作品:花とアリス殺人事件 2015年2月20日より全国にて公開(C) 花とアリス殺人事件製作委員会
2015年08月11日岩井俊二監督が手がけた長編アニメーション『花とアリス殺人事件』のブルーレイ&DVD化を記念して、8日に池袋の新文芸坐でオールナイトイベントが開催され、上映前に岩井監督と新海誠監督がトークショーを行った。その他の写真鈴木杏&蒼井優主演の『花とアリス』(2004年)の前日譚となる本作は、後に親友になるふたりの出逢いと、友情を深めていく様がミステリータッチで描かれる。岩井監督がアニメを手がけると知って「すごくびっくりした」という新海監督は「初めてフッテージを観た時にアニメーションではなかなかやらないスローモーションが入っていて、もっとびっくりしました(笑)。アニメーションでスローモーションは、成立しにくいんですよね。その絵だけ観て、これはどうなんだろうかと想像が渦巻いてしまって。実際、完成した作品を観た時は、衝撃を受けて、素晴しくて、心配した自分を恥じましたね(笑)」と作品を絶賛。さらに「今回は、広角寄りの画が多いですよね。僕は実写の岩井監督の映画を観て、望遠で描く人物がとても美しいと思って、その望遠の使い方を参考に、岩井監督のDVD作品を再生しながら絵コンテを書いたこともあります(笑)。でも今回は、望遠がほとんどなくて、なぜ望遠を使わなかったのでしょうか?」と質問を投げかけると岩井監督は「実写の場合は引きすぎると感情移入しにくいけれど、アニメーションだと、それくらいで気持ちが入ってくるような気がする。それ以上寄ると生々しい気がして、自分にとってのアニメーションとして気持ちいいところを見つけた感じです」と説明した。最後に岩井監督は「実写のほうが、いろいろあきらめちゃう、と思いました。『秒速5センチメートル』(2007年)で人工衛星が打ち上がるシーンがありますが、実写では難しい。だから無理だなって引き下がって考えることがあるんですけど、アニメーションだと、もっとやっていいみたいなことが次々に起こって、そこが面白いなって気がするんです。いまは実写を撮っていますが、次は、ああしたい、こうしたいみたいなことは、ありますね」といい、『花とアリス』と続けて観ることで「見事なまでに物語がつながっていることがよくわかると思います。まるで突然実写になるような感覚にもなると思います」と集まった観客に語りかけた。『花とアリス殺人事件』8月12日(水)ブルーレイ&DVDリリース※レンタル同時リリースDVD(2枚組):4700円+税ブルーレイ(2枚組):5800円+税販売元・発売元:ポニーキャニオン(C)「花とアリス殺人事件」製作委員会
2015年08月11日長編アニメ『花とアリス殺人事件』のブルーレイ&DVD記念トークイベントが8月8日(土)、東京・池袋の新文芸坐で行われ、メガホンをとった岩井俊二監督と、岩井監督を敬愛する新海誠監督(『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』)が対談した。2004年に公開された実写映画『花とアリス』の前日譚を長編アニメーション化。石ノ森学園中学校へ転校してきた中学3年生の有栖川徹子(通称:アリス)が、花屋敷と呼ばれる隣家に暮らす不登校のクラスメイト・荒井花(通称:ハナ)とともに、1年前に起こった「ユダが、4人のユダに殺された」奇妙な事件の真相を追う。実写映画に引き続き、蒼井優がアリスを、鈴木杏がハナを演じ、大きな話題を集めた。本作が初の長編アニメ制作だった岩井監督は、「実写にはない苦労が多く、試行錯誤の連続だった。最後の2週間は誰も寝られないし」とふり返り、「納期を目前にひどい高熱を出してしまって。絶望的でした(笑)」と完成までの苦闘を告白。これには新海監督も「作品を見て、軽やかで自由に作っている印象を受けていた。現場は大変だったんですね」と知られざる舞台裏に驚きの表情だった。その新海監督は「カメラアングルや望遠の使い方など、過去の岩井さんの作品を参考にしていた」と言い、憧れの存在を前に恐縮した様子。それだけに、岩井監督が「またいつか、アニメを作ってみたい」と意欲を見せると、「楽しみです!」と期待を寄せていた。『花とアリス殺人事件』ブルーレイ&DVDは8月12日(水)発売。(text:cinemacafe.net)■関連作品:花とアリス殺人事件 2015年2月20日より全国にて公開(C) 花とアリス殺人事件製作委員会
2015年08月09日岩井俊二監督の初のアニメーション映画となる『花とアリス殺人事件』が、世界最大のアニメーション映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門へ選出されたことがこのほど明らかになった。いまでも多くのファンに愛され続けている、岩井監督が2004年に原作・脚本・監督を務め、女優の蒼井優と鈴木杏を主演に迎えた映画『花とアリス』。この前日譚となる二人の出逢いのエピソードを、岩井監督自らが完全オリジナルストーリー&長編アニメーション作品として完成させたのが『花とアリス殺人事件』である。今回『花とアリス殺人事件』が選ばれたのは、世界最大のアニメーション映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門。今年は95か国より2,605作品の応募があった本映画祭にて、グランプリにあたるクリスタル賞のノミネート作品の一本とし選出された。過去に同映画祭の長編コンペティション部門では、1993年に宮崎駿監督の『紅の豚』、1995年に高畑勲監督『平成狸合戦ぽんぽこ』がグランプリを受賞しており、細田守監督の『時をかける少女』(2007年受賞)や原恵一監督の『カラフル』(2011年受賞)が特別賞を受賞している。アヌシー国際アニメーション映画祭は6月15日(現地時間)から20日まで開催され、岩井監督の現地入りも決定している。日本アニメ映画史における名作の数々に、岩井監督の初アニメーション映画が受賞作として名を連ねることになるのか、大いに期待がかかる。(text:cinemacafe.net)■関連作品:花とアリス殺人事件 2015年2月20日より全国にて公開(C) 花とアリス殺人事件製作委員会
2015年04月29日岩井俊二監督の最新作『花とアリス殺人事件』が公開されるのを前に2月18日(水)、「岩井俊二映画祭」が開催。ファン投票で岩井監督作の中から選ばれた『リリイ・シュシュのすべて』が上映され、監督と俳優の郭智博によるトークイベントが開催された。2004年に公開され、いまなお多くの支持を集める実写映画『花とアリス』。今回製作されたアニメーション映画『花とアリス殺人事件』はその前日譚で、花とアリスの2人の中学時代の出会いが描かれる。郭さんは実写版『花とアリス』で花(鈴木杏)とアリス(蒼井優)が憧れる宮本先輩を演じており、今回のアニメでは学校教師役で声優にも挑戦。また『リリイ・シュシュのすべて』で映画デビューを果たすなど岩井監督との繋がりが非常に深い俳優のひとりだ。郭さんは『リリイ・シュシュのすべて』について、「初めてだったので、思い出深いです。同年代がたくさん出ていて、楽しくて勉強にもなったし、お互いに刺激し合ってやってた」とふり返る。凄惨なイジメの描写などが公開時には論議を呼んだが、岩井監督は「公開直後に怒りやお叱りのメールが相次ぎました。『なんて映画を作ったんだ!』『こんなの作るべきではない』という声が多かった」と明かす。当時、もちろん岩井監督はイジメについてリサーチを行なっており「映画で再現できないほど深刻で過激なものも多かった。僕としてはもっとディープなものから緩和して作った作品。絵空事ではなく、そういう世界にいる子どもに寄り添う映画があってもいいと思い、納得してやってました」と気概を口にする。郭さんは『リリイ・シュシュのすべて』に続き、『花とアリス』で岩井作品に参加することになったが「杏ちゃんと優ちゃんに日々、イジられてました(笑)」と撮影をふり返る。岩井監督はその様子を「遠くから気の毒だなと思って見てました(笑)。10代の子たちのイジリは猫が猫じゃらしで遊んでいるようで、本人たちは楽しんでいるんだけど…」と懐かしそうに語った。この日はTwitterに寄せられたファンからの質問に2人が答えたが、複数の質問が寄せられたというのが『花とアリス』の結末――花とアリスに好意を寄せられた宮本先輩の“選択”について。これについて郭さんは「撮影当時、僕も疑問に思って監督に聞いたら『男ってそういう時、あるじゃん』と言われた(笑)」と明かす。岩井監督はそもそも「疑問に思ったこともなかった」とのことで、観客、郭さんが抱いた疑問に「そう考えるものなの?実体験をふり返ってヒヤッとした…」と語っていた。『花とアリス殺人事件』公開も近づいてきたが、岩井監督はまず『リリイ・シュシュのすべて』について「重たい内容ですが、どこかでこんな状況でも強く生きている若い子を描きたくて作った気がしてて、それはストレートに『花とアリス』に繋がってます。同じ世界に生きている頑張っている子たちを描いてます。(今回の)アニメもその同じ一直線上にあるので、そんなことを頭に置いて見ていただけたら」と呼びかけた。『花とアリス殺人事件』は2月20日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:花とアリス殺人事件 2015年2月20日より全国にて公開(C) 花とアリス殺人事件製作委員会
2015年02月19日岩井俊二監督によるアニメーション映画『花とアリス殺人事件』の完成披露試写会が2月12日(木)に開催され、岩井監督に声優を務めた蒼井優、鈴木杏が揃って舞台挨拶に登壇した。2004年に蒼井さんと鈴木さんの主演で実写映画として製作され、いまなお多くのファンに愛されている『花とアリス』。本作は主人公の高校生の花とアリスの中学時代の出会いを描いている。2人のほかにも相田翔子、平泉成、キムラ緑子、木村多江らが実写版の役のまま声優に参加しているほか、勝地涼、黒木華らも出演している。岩井監督は実写版の公開後、早い段階で本作の本を既に執筆していたが、そこからアニメ化の実現、完成までここまで長い時間を費やすことになり、完成披露を迎え「感無量です」と言葉を絞り出す。特に11年前の実写版でカメラマンを務め、2004年に亡くなった篠田昇氏の存在に言及。「本ができた朝、電話で亡くなったという連絡が来て、お葬式で2人はわんわん泣いてて、書き上げた本を一緒に棺に入れてもらいました。それから『作らねば』という思いはあったけど怠けていたとこもあり(苦笑)。どうやってアニメを作ったらいいのか?とジブリの鈴木(敏夫)プロデューサーに話を伺ってレクチャーを受けたりもした」と完成に至るまでの軌跡をふり返る。蒼井さんは「11年ほど前にやった役をこうしてできるのは幸せ」と微笑み、鈴木さんも「3人でこうして並んでいるのが嬉しいと同時に不思議。夢を見ているようです」と喜びを口にする。11年前の実写版『花とアリス』は2人の知名度を一気に飛躍させることになったいわゆる“出世作”といえる作品。2人にとってはどのような意味を持っているのか?蒼井さんは「当時、鈴木杏は既に有名でしたが、私はそこまでもなくて、この作品をきっかけに知っていただいた方もたくさんいます。街を歩いてて指を指されることがなかった時期で、いま思うと青春の最後の1ページだったんだなと思います。こういう形でもう一度青春を味わわせてくれた岩井さんに感謝してます」と語る。鈴木さんは「岩井さんの作品が好きで憧れの現場で、緊張や気負いもあったけど、優ちゃんや篠田さんがそばにいて、安心できる現場でした。特別な出会いがあり、あそこから出発していまも続いていることがたくさんあります。まだ『花とアリス』が好きと言ってくれる方もいて、自分が思っている以上に大きな作品なんだと思います。また花とアリスに再会できて、3人でこうして並べて、頑張って毎日生きてきてよかったです!」と思いを口にした。当時、2人は現役高校生で、蒼井さんが2年先輩だが同じ高校に通っていた。「撮影中、杏が昼休みに私の教室に来て『優ちゃ~ん!昼ごはん食べよう』って(笑)。その後、撮影があるから2人で早退して、電車に乗って現場に行ってました」と当時の鈴木さんの口調のモノマネまで入れて懐かしそうに述懐する。鈴木さんは「最初はビックリしました。これまで会ったことのないタイプの人で、あらゆるものをメッタ撃ちにして道を開いてた。人生に新しい風を吹かせてくれた」と蒼井さんの存在の大きさを語った。改めて本作が完成し、2人とも中学生の花とアリスの姿が「まぶしかった!」と口を揃える。蒼井さんが「この時期の女子は無敵だなと思った」といえば、杏さんも「バカと思いながらまぶしくて…」と嬉しそうにうなずく。蒼井さんは改めて、篠田さんに見てほしかったと残念そうに語りつつ「空の上から見てると思う。見終わった後のみなさんの笑顔が届けばと思います」と語った。岩井監督は「11年前の撮影中の2人の、カメラが回ってないところでの姿も頭にこびりついてて、(本作に)投影されているのを感じました」としみじみと感慨を口にした。『花とアリス殺人事件』は2月20日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:花とアリス殺人事件 2015年2月20日より全国にて公開(C) 花とアリス殺人事件製作委員会
2015年02月12日2月20日公開の映画『花とアリス殺人事件』の女子高生限定最速試写会が10日、東京・新宿バルト9で行われ、岩井俊二監督、女優の桜井美南が出席した。本作は、2003年にキットカット日本発売30周年に作られた岩井俊二監督のweb限定ショートフィルム『花とアリス』、2004年公開の長編映画『花とアリス』に続く長編アニメーション映画。岩井監督にとっては初めての長編アニメーション映画で、『花とアリス』の前日譚となる2人のエピソードを描く。物語の主人公と同じ女子高生を招いて行われた試写会前の舞台あいさつに、岩井監督と"キットカット受験生応援キャラクター"を務める現役女子高生で女優の桜井美南が登壇。初めてのアニメーション映画に岩井監督は「大変ではありましたけど、やっていて楽しかったです。お話をいただいたのが一昨年の9月。あれから粛々とここまでやり続けて完成しました」と安堵した表情を見せ、「僕も中学、高校の頃に映画館まで足を運んだ映画は忘れがたい映画になっています。いつか大人になって振り返ってもらった時に、思い出してもらえる映画になっていればと思います」とアピールした。そんな岩井監督の作品を見たという桜井は「実写版とは違った殺人事件ということですごく面白かったです。花とアリスの仲睦まじい様子も変わってなくて、共感する部分がありました。それに監督は女子高生の気持ちがすごく分かっていると思いました。どうしてですか?」と尋ねると、岩井監督は「こういう歳の娘ってこういうことするな~と、あっちこっちで見てるんですかね(笑)」と照れ笑いを浮かべていた。桜井は岩井監督が脚本とプロデュースを手掛けた昨年放送のドラマ『なぞの転校生』(テレビ東京系)で女優デビュー。岩井監督は「何とも可哀想な役でしたよ。恋をしても相手が人間じゃなかったりと、その思いをどこにぶつければいいのかというやるせない役でしたが、イメージ以上に演じてもらってすごく良かったです」と絶賛。岩井監督に褒められた桜井は笑顔を浮かべながら「うれしいです! 三角関係っていうシチュエーションだったので、感情の変化が難しかったんですが、とても楽しかったです」と当時を振り返っていた。映画『花とアリス殺人事件』は、2月20日より全国公開。
2015年02月11日岩井俊二監督が初めて手がける長編アニメーション映画『花とアリス殺人事件』の公開を記念して、“岩井俊二映画祭”が新宿バルト9で開催されることが決定した。上映作品は過去作10本の中から一般投票によって決定し、上位2作品と『花とアリス』の計3作品が上映される。その他の画像『花とアリス殺人事件』は、岩井監督が花(鈴木杏)とアリス(蒼井優)の日常、友情、そして恋に揺れる姿を瑞々しく描いた『花とアリス』の前日譚を描く長編アニメーション。“岩井俊二映画祭”では、『undo』『Love Letter』『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』『FRIED DRAGON FISH』『PiCNiC』『スワロウテイル』『四月物語』『リリイ・シュシュのすべて』『市川崑物語』『ヴァンパイア〈2011年〉』の中から投票によって人気の多かった上位2作品と、『花とアリス』を上映するほか、ゲストによるトークイベントも行われる。投票期間は、ドリパスにて1月25日(日)24時まで受付中。投票結果は1月27日(火)18時に同サイトにて発表される。『花とアリス殺人事件』2月20日(金) 新宿バルト9ほか全国ロードショー岩井俊二映画祭『花とアリス』の他、投票上位2作品を2月から順次上映
2015年01月20日岩井俊二監督が自身の作品をベースに、その前日譚となるストーリーを描き、長編アニメーション作品に初挑戦した『花とアリス殺人事件』。10年前の実写作品と同じく蒼井優と鈴木杏を、ヒロインふたりの声優に迎え、ファンの期待を高める本作から最新ポスタービジュアルが到着した。2004年の公開から10年を迎えるいまでも、多くのファンに愛され続けている『花とアリス』。公開当時には日常、友情、そして恋に揺れるふたりの少女の青春を描いだストーリーとして一世を風靡した。その前日譚となる本作『花とアリス殺人事件』は先日予告編が公開。ヒロインの鈴木さんと蒼井さんを始め、相田翔子、平泉成、キムラ緑子、木村多江ら、前作で彼女たちを取り巻く役柄を演じた面々が“同じ役”で声優として登場し、新たに勝地涼、黒木華、鈴木蘭々らも参加するという豪華キャスティングにより注目が集まっている。本日解禁となったポスター・ビジュアルでの背景は、花(鈴木杏)とアリス(蒼井優)が通う中学校。周囲の制服とは異なるブレザーに身を包み、凛とした姿で立つ転校生・アリス。その背後にいる花は、ひきこもり中のため私服姿ながら、どこか物言いたげな視線でこちらを見つめている。いまにも「君、名前は?」という彼女の声が聞こえてきそうだ。史上最強の引きこもりと史上最強の転校生はいかにして出逢い、心を通わせるようになったのか。そしてふたりが出逢ったときに起きた、世界で一番小さな殺人事件とは…。岩井監督の描く美しい映像世界と、実力派俳優たちの声の演技を楽しみにしていて。『花とアリス殺人事件』は2月20日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年01月16日