8月9日から11日かけ、NHKが「受信料と公共放送についてご理解いただくために」という番組を放送し、解説員が放送法第64条を読み上げるなどして、徴収制度の正当性を主張しました。これは昨今NHKの受信料徴収制度について不満が高まっていることが浮き彫りになったためで、解説員は「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と規定されていることをしきりに強調し、支払いに応じるよう求めました。 契約義務は謳われているが…NHKが受信料支払いの根拠とする放送法64条ですが、「契約をしなければならない」とされていますが、「お金を払わなくてはいけない」とは書かれていません。したがって一部には、「契約ならどんなものでもいいのではないか」「見たときだけ払うという契約でも問題ないのではないか」という声があります。さらに極論になると、「視聴して一万円貰い受けるのも契約」とする人もいるとか。放送法64条に定められた「契約」の解釈について、銀座さいとう法律事務所の齋藤健博弁護士に質問してみました。 弁護士の見解は?齋藤弁護士:「放送法64条は、公共放送を維持するため、特定の施設をもって放送による利益を享受することができる場合、受信環境が整っていていつでも放送を見ることができる一事をもってその放送を視聴していることが前提になっているように思われます。これに関しては、賛否両論ありえるところですし、実際に放送を享受しないながらも対価を支払っている方も見受けられるのは事実ですし、拒絶が横行していることも事実でしょう。契約の大原則は、申し込みの意思表示と承諾の意思表示が外形上合致していることが要求されます。このように考えていきますと、放送法64条は、放送設備そのものの設置をもって、申し込みをした、承諾をしたことをいわば擬制したような形に至ります。この状態は、極めて例外的なものといわざるをえません。そうすると、合憲性を維持するには、支える実質的な理由が必要でしょう。これには疑義が生じて当然と思われます。「見なければ払わなくていい」とは、これに疑問がある人がみなさん考えることでしょう。実際には、視聴しているかどうかを検証する手段がないものでしょうから、これにどう向き合っていくかは、個人的には、疑わしいものと考えることは不自然ではないようにも考えられると思います」 転換点に来ている?インターネットやCS有料放送の普及で、「テレビを設置しただけで支払対象」と定められた放送法は時代遅れとなっていると言わざるを得ません。また、NHK職員の高額な給与体系についても不満の声があります。現代に合わせた法律に変えていく必要があるのではないでしょうか。 *取材協力弁護士: 銀座さいとう法律事務所齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)見解が分かれる放送法64条の「契約」規定…弁護士はどう見る?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。見解が分かれる放送法64条の「契約」規定…弁護士はどう見る?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2019年09月18日“リアル廃墟”お化け屋敷「たろうちゃんのわすれものファイナル-死条河原町-」が、2019年7月20日(土)から8月31日(土)まで、京都・四条河原町で開催される。本当の廃墟を舞台にしたお化け屋敷「たろうちゃんのわすれもの」「たろうちゃんのわすれもの」シリーズは、廃校となってしまった小学校など、本物の廃墟を舞台にしたお化け屋敷。シリーズ最新作にして最後の企画となる「たろうちゃんのわすれものファイナル-死条河原町-」では、取り壊しが決定しているこの地下廃墟が舞台に。シリーズ史上最長、最後の恐怖体験過去開催時には、あまりの恐怖に途中リタイアが続出したという「たろうちゃんのわすれもの」。シリーズ史上最長となるという今回は、参加者が一丸となって楽しむミッション参加型。参加者はミッションをこなしながら次々に襲いかかる恐怖を乗り越え、ゴールを目指す。多くの人をお化け屋敷ファンをうならせた「たろうちゃんのわすれもの」シリーズも、今回の開催がラスト。本当の廃墟だからこそ感じられる出来るリアルな恐怖、この機会に体験してみてはいかがだろう。ストーリー「ねぇ知ってる?四条河原町にさ、廃墟になった地下室があって、その近くで人が消えるって話」「都市伝説?」「しかもさ、なぜか捜索願が一つもでないの。いなくなった途端、行方不明者の記憶をなくすからなんだって。——あ、そうだ、確かこの辺りなんだけど……」京都に、ある噂が広がっていた。「夏になると、人が消える」ある場所に廃屋の地下室があり、その付近で行方不明者が続出しているようだった。楽しそうに噂話をする二人の女子高生の前で、髪の長い女性が何かを探していた。「たろうちゃん……たろうちゃん……」二人は足を止め、何かを探す髪の長い女性に話しかけた。「何かお探しですか?」「あぁ、ご親切にありがとうございます。実は、私の息子が……。小学生の男の子です。たろうと言う名前で……そう、たろ……あれ?なんでしたっけ。すみません、なんでもないです」髪の長い女性はそう言うと、何もなかったかのように去っていった。「今の……」「だよね」「……」「記憶をなくす……ってやつじゃない?」「だよね」二人が顔を見合わせていると、生暖かな風が頬にあたり、重い鉄扉が冷たい金属音をあげながら閉まった。「……」扉の向こうから微かに物音が聞こえるー二人は誘い込まれるようにその鉄扉に向かって行った。京都四条河原町に、誰にも知られずに存在する、廃屋の地下室。あなたはこの地下室に潜り、たろうちゃんを救い出すことはできるのか?開催概要「たろうちゃんのわすれものファイナル-死条河原町-」開催期間:2019年7月20日(土)〜8月31日(土)時間:15:00〜21:00場所:京都市中京区新京極通四条上ル中之町583-2入場料:・大人(中学生以上) 1,000円/小人(小学生) 800円・当日ファストパス付入場券(大人) 1,500円・当日ファストパス付入場券(小人) 1,300円アクセス:・京都市営地下鉄「京都市役所前駅」より徒歩10分・京都市営地下鉄「四条駅」より徒歩12分・阪急電鉄「河原町駅」より徒歩3分・京阪電鉄「祗園四条駅」より徒歩5分・市バス、京阪バス「四条河原町」より徒歩3分・<お車の場合>鴨東駐車場より徒歩5分※ファストパスとは待ち時間を短縮できるチケット。※小学生未満は無料。※未就学児童は保護者同伴必須。※妊娠中、心臓病、発作性持病のある場合等、入場に制限ある場合あり。
2019年07月14日京都駅の「マールブランシュカフェ」が、店名・内装を変更し「マールブランシュ八条口店」としてリニューアルオープン。2019年8月1日(木)より営業を開始する。“お菓子の市”をコンセプトにリニューアルした店内では、お濃茶ラングドシャ「茶の菓」をはじめとする焼き菓子や「モンブラン」などの生ケーキといったスイーツを販売。また、「がま口ポーチ」や「トートバッグ」といった八条口店限定のオリジナルグッズも新登場する。併設するカフェカウンターでは、店舗限定メニュー「モンブランミルフィユ」「お濃茶ナイトロブリュー」を提供。ゲストの目の前でメニューを仕上げる、ライブ感溢れるオープンキッチンの様子も併せて楽しめる。「モンブランミルフィユ」は、店内で焼き上げるパイとこだわりのモンブランクリームを3層にレイヤード。キャラメリゼして薄く焼き上げたパリっと香ばしいパイと、ラム酒香るモンブランクリーム、ミルクアイスのハーモニーを堪能できる。また、「お濃茶ナイトロブリュー」は、香り引き立つたっぷりのお濃茶と、窒素ガスを注入することによって生まれるとろりとしたクリーミーな泡が特長。生ビールのように専用サーバーから注ぐ新感覚の抹茶ドリンクを是非味わってみて。【詳細】マールブランシュ八条口店オープン日:2019年8月1日(木)営業時間:9:00~21:00(カフェL.O.20:30)住所:京都府京都市下京区東塩小路釜殿町31-1 京都駅近鉄名店街 みやこみち内定休日:無し(施設に準ずる)<メニュー例>モンブランミルフィユ 1,296円、お濃茶ナイトロブリュー 864円※価格はすべて税込み。
2019年07月14日「デビューする前から、このタイトルと、9章からなる長編という構想はありました」今年、芥川賞を受賞した上田岳弘さんの注目の最新作、『キュー』。ニムロッド、塔、飛行機、“私の恋人”など過去作にも出てきたモチーフが盛り込まれた集大成的な長編だが、逆に言えば、本作に向かって過去の作品を執筆してきたともいえそうだ。遠い未来でCold Sleepから目覚めた人間。突然拉致された、現代の心療内科医の青年。軍人だった祖父、前世では広島の原爆で死んだという女性、世界で秘密裏に敵対する2つの勢力、謎めいたAll Thingという物体――バラバラなモチーフが少しずつ繋がる展開がなんともスリリング。「今回はこれだけの長さの小説ですから、イメージを膨らますために、詩や戯曲を思いのままに書いてみたんですね。そこから合致するものを小説にはめこんでいきました。今回、前段階として書いてみた戯曲は、All Thingというすべてを叶える板を守る軍勢と攻める軍勢が戦うという、SFでシェイクスピアをやったような内容でした」未来を幻視する本作は、All Thingをめぐる物語ともいえる。「人類の行き着く先を象徴するそれが、タイムスリップして現代にあるという設定です。未来を現代に輸入して今の問題点や将来の危険性を知らしめるという、SF小説によくみられる効能をやってみたかった」世界文学的SFの中に、原爆、天皇制、憲法9条が登場、戦時の軍事思想家・石原莞爾にも言及される。「日本の特殊性というものは書いておきたかった。そのほうが万国に通用するとも思いました。石原莞爾は、彼の『世界最終戦論』を読んだことがあって。僕は戦後の日本って何かをオブラートに包んでいる印象があるんです。こんな小さな国が世界を敵に戦争をやったなんて、腑に落ちない。でも、アフリカで生まれた人類が大陸の端と端に行き着き、太平洋を挟んで睨み合うことになるという彼の論は、100%正しいと思わないにしても、こんな見方があるのかと衝撃でした。彼の見方で世界を逆照射してみようと思いました」人類の進歩の中で避けて通れない事象として言及される〈パーミッションポイント〉も鮮烈。それは「言語の発生」に始まり、やがて「寿命の廃止」「性別の廃止」へと続き…。「発生系から廃止系へと向かいますよね。平等がいい、長生きがいいといった今の倫理観が拡張するとどこに行き着いてしまうのか。そうした不安も表現したかったことです」進歩は決して幸福と同義ではない。「技術が進むほどに、倫理的に判断できない事柄が増えていると感じています。それらに関する巨大な疑問を作品化したといえますね」では、未来の人造人間に与えられた唯一の感情を寂しさにしたのは?「10代の頃、引力って寂しさだなと、ポエムっぽく考えことがあって(笑)。あらゆる物質がバラバラだったら何も起こらない。人間も寂しいから活動し、誰かを求める。それは物理学的に言えば引力だな、と。そんな幼い頃の考えをひきずっています」うえだ・たかひろ作家。1979年、兵庫県生まれ。2013年「太陽」で新潮新人賞を受賞してデビュー。’15年「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞、’19年「ニムロッド」で第160回芥川賞受賞。『キュー』突然拉致された平凡な医師が知る、軍人であった祖父の秘密、この世界の裏側の戦い、そして人類の未来とは?壮大な景色が広がる超大作。新潮社2300円※『anan』2019年6月5日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年05月31日令和へと持ち越された、眞子さまと小室圭さんのご結婚延期問題。憲法学者で『憲法と天皇制』(岩波書店)などの著作がある横田耕一・九州大学名誉教授が語る、この問題についての見解とは?■根本的に、皇族に人権を認めるかについては議論がありますが、私は認めるという立場です。よって皇族女子の結婚は自由でいいと考えます。結婚は、あくまでもご本人たちの自由意思によります。お相手の小室圭さんについて色々言われているからといって、お二人の結婚に何らかの制約をすることは憲法違反となるのです。現在の皇室典範では、皇族男子は皇室会議を経て結婚となります。しかし、皇族女子の場合は皇室会議の必要もありません。象徴天皇制において「象徴」とされるのはあくまで天皇だけで、皇族はそれに含まないというのが私の考えです。眞子さまの結婚に関しても、皇族という概念を持ち出す必要はなく、あくまで個人のこととして扱われると思います。昨年11月の会見で秋篠宮殿下が《多くの人に納得してもらい喜んでもらう状況》を求められましたが、法律上の問題でいえば“国民の理解”も必要ありません。ただ、内親王である眞子さまの結婚に際しては、元皇族の品位を保つという名目で1億円以上の一時金が支払われることになっています。眞子さまが国民の感情を考えて一時金を放棄するという選択肢もありますが、それもあくまでご本人の意思に委ねられるものです。皇室が今後直面する問題として、皇族の減少が心配されています。近い将来、女性宮家や女性天皇についても検討されるはずです。もし女性宮家や女性・女系天皇が認められることになると、そのお相手を自由に決めてもいいのか議論になるでしょう。そうなれば、皇族女子の結婚においても皇室会議を経ることを必要とするよう、皇室典範が改正される可能性はあります。
2019年05月03日「みなさん日本国憲法ってちゃんと読んだことあります?私もいつ読んだのかなんて全く覚えていませんでした(笑)」快活に語るのは、女優の渡辺美佐子(86)。最新作映画『誰がために憲法はある』(4月27日よりポレポレ東中野ほか順次ロードショー)で彼女が挑んだ役は、なんと日本国憲法。渡辺が演じる“憲法くん”は、ピン芸人・松元ヒロ(66)が十八番とする憲法を擬人化した一人語りだが、戦争を経験した俳優に語ってほしいという、井上淳一監督の熱望で渡辺に託された。「台本を読んだら、すごくわかりやすくて。憲法というと私たちが守らなければいけないものという感覚があったんですけど、それ以上に国が暴走しないようしっかり歯止めをかけるものなんだなと、あらためて知りました」セリフを覚えるのは大変だったが、心に響く言葉があったという。「『私(憲法くん)はこの70年間、戦争という名の下で1人も殺していません。1人も殺されていません。それを私は誇りに思っています』と。そこは語ってみたいなと思いました」“憲法くん”は12分の短編だが、本作は渡辺が戦争を経験した女優たちと34年間続けてきた、原爆朗読劇の閉幕を追ったドキュメンタリーとの二部構成になっている。「私のなかでは全然別のお話だったので、最初はすごく違和感がありました。でも、考えてみればどちらも『あんな戦争は嫌。とにかくこの平和を守りたい』という目的は同じなんですよね」映画の公開は、平成から令和へと新しい元号に変わる時期だ。「『令』は万葉集ではいい意味だそうですが、『命令』とか『令状』とかあまりいいイメージではないですね。『和』から思い浮かぶのは『昭和』で、私にとって『昭和』は戦争のイメージがものすごく強くて。だからこそ、私たちの活動が終わっても、映画として何年先でもみていただけるのはありがたいですね」これまでの活動に一区切りをつけた渡辺さんに今後の目標を聞くと。「私これまでに、井上ひさしさんの一人芝居『化粧』を28年演って、原爆朗読劇を34年演ったんですよ。またそんなに長く演ったらどうなります(笑)。ただ、私にできそうでなんかおもしろそうと思ったらやらせてもらいます。これから新潟で最後の瞽女(盲目の三味線弾き)の映画を撮るので、今は瞽女の唄を懸命に覚えているところです」演じることへの飽くなき情熱は、今も沸々とたぎっている。
2019年04月29日日々、大学で教壇に立ちながら、憲法の研究をしている木村草太さん。時間の際限なく研究業務に携わる一方、私生活では一男一女の父として、保育園の送り迎えから、炊事、洗濯など、できるかぎりの家事・育児を担当する。自分の好きなペースで研究に没頭できていた頃と比べると、かなり生活スタイルが変わったのではないかと思うのだが、木村さん自身は「仕事に関しては、子どもが生まれる前とさほど意識は変わらないですね」とあっさり。むしろ変わったのは「妻との関係ではないかなと思います」。奥様もフルタイムで仕事をしている共働き家庭。もちろん夫婦ともに、仕事と家事・育児をバランスよく両立させるのが理想なのだが……。子どもに対する心配の度合いはお父さんはお母さんにかなわない「我が家も、最初からうまくいっていたということはないですよね。まぁ、基本的に夫婦で分担をすると、たいていの場合、男に有利な分担になるので。奥さんがキレて、夫が反省をして……という形で調整がおこなわれていくのが一般的ではないでしょうか」今でこそ、積極的に家事・育児に関わっている木村さんだが、新米パパの頃はほとんど何もできず、奥様に離婚を切り出されるなど、夫婦の危機もあったという。「家事・育児の分担もそうですけど、精神面のほうが大きかったんでしょうね。子どもへの配慮とか、心配っていうのは、夫が妻の水準に追いつくのはなかなか難しい。たとえば、子どもが40度の熱を出したときに『この子、もしかしたら重病で、このまま死んでしまうんじゃないか』って心配する割合は、お父さんより、お母さんのほうが大きい。この間もね、下の男の子が『足が痛くて歩けない』って言い出したことがあって。ちょっとふざけた感じの口調で言うので、私は冗談だと思っていたら、妻は『筋肉の病気かもしれない、という可能性は疑わないの?』と。病気以外にも、世の中には心配なことがたくさんありますよね。たとえば、壁紙の化学物質が子どもにどう影響するか、みたいなことを、実際にお父さんがどれくらい悩んでいるか。平均的に、お母さんとお父さんとでは、子どもに対する心配の度合いがずいぶん違うと思いますね」この話、共感するママは多いのではないだろうか。こちらが子どものことを本気で心配しているのに、夫はどうも軽く考えているように見える。そんなことが何度も続くと、夫は子どもへの愛情が薄い人間なのでは?という怒りに似た思いがフツフツとわいてくる。「私も妻に『あなたはなんで心配じゃないの?』と言われるたびに『そうか……』と、毎回反省する。もう日々反省することばかりです。男女でここまで感覚に差がある理由は、やっぱりおおまかな傾向として、女の人より男の人のほうが勝手だからだと思います。ですから、妻に文句を言われて反論するなんて、考えられないですね」家庭においては妻がボスで夫が部下そのくらいのほうがいいと思う常に子どもに対して心労の絶えないお母さん。しかし、お父さんはその心労を100%理解することはなかなかできない。であるならば、せめて単純な家事・育児は全面的に自分が担当したい、というのが木村さんの考えだ。「お父さんが全力を尽くして、ようやくお母さんとトントン……までいかないくらいだと思います(笑)。もちろん父子家庭で、ひとりでお子さんを育てている立派なお父さんもいらっしゃいますから、あくまで一般的な傾向としてですけど」一方、食料品や日用品の買い出しや、子どもの習い事についてなど「高度な政治的判断が必要になる知的な家事・育児」は奥様が担当している。「だって、たとえば、子どもの通うスイミング・スクールをどこにするかを、お父さんが勝手に決めてきたら、お母さん、怒るでしょ(笑)。子どもが生まれて、成長していくと、そういう高度な政治的判断が必要になる物事って、すごく増えるんですよ」妻が政治的判断を下し、そのもとで夫が単純労働をする。人によっては、お母さんがお父さんの上司的存在に見えるかもしれないけれど……。「いや、そっちのほうが正しいというか。そっちのほうがいいと思います(笑)。で、それじゃあ、我が家はずっと今はいいバランスが取れているかといえば、そんなことはないです。子どもも家庭も変化していくものなので、不断の見直しが必要だと思います」子育ての心労は時間では計れない新しい“単位”を考えてみよう現代社会では、男性も女性も同じように仕事をするし、結婚して子どもが生まれれば、夫も妻も同じように家事・育児をするのが当たり前。私たちの親世代とは隔世の感がある。にもかかわらず、妻が「自分のほうが大変」だと感じてしまいがちな理由が、木村さんのお話を聞いているうちに、何となく分かってきたような気がする。「やはり夫と妻の意識の違いなんですよね。家事・育児をやっている時間だけで見ると、夫婦対等っていうお宅は、けっこうあるかもしれない。でも、やっていることの質が全然違うんだと思います。男の人って、一般的な傾向としてルーチンワークが得意なので。何も考えずに洗い物をする、みたいなことは、物理的な量と拘束時間で計算すると、けっこう多いと思うんですけど、洗い物をする1時間よりも、子どもの習い事の教室を決める1時間のほうが疲れるはずなんです。学校での子どもの悩み事を聴く1時間というのも、すごく神経を使う1時間なので、ただ送り迎えをするだけの1時間とは全然違う」だから、時間とか量ではない「子育ての “単位” をちゃんと考えればいいんです」と、木村さんは提案する。程度を示す尺度が難しい事象に “単位” をつけてイラストで解説する『新しい単位』という人気のサブカル本に触発され、木村さんは先日、長女の通う小学校で、とある企画をおこなった。「娘の小学校では、保護者が読み聞かせに行く時間があるんです。その時間を使って、私は “クラスのみんなで単位について考えよう” という企画をやりまして。まず “あちゃ~” の単位を計ったんですよ。失敗しちゃった~っていうときの(笑)。具体的には、うどんを食べていたら、汁が飛んで、着ていた白いシャツにシミができたときの “あちゃ~” っていう気持ちを表す基本単位が1udon。だとすると、遠足の日を間違えて、やる気満々の格好で学校に来たら、ふつうの日だったときの “あちゃ~” は30udonだ、とか(笑)。同じように、子育てに関しても、時間とか量の単位はあるけど、子育てで心が疲れる単位というのはないので、“子育ての心労の単位” を考える。たとえば、学校から帰ってきた子どもの身体にアザを発見したときの心の痛み方が1azaだとすると、洗い物なんて何の心配もないでしょう?(笑)食器洗いを1時間やるのと、子どものアザについて1時間考えるのとでは、全然違いますよね。子育ての分担は、単純にやることリストで考えるのではなくて、心理的な負担を踏まえて計算しないとフェアにならないんです」後編へつづくPROFILE木村草太 Sota Kimura1980年、神奈川県生まれ。2003年、東京大学法学部卒業、同年、同大学大学院法学政治学研究科助手に就任。現在、首都大学東京法学部教授。専門は憲法学。首都大学東京の法科大学院での講義をまとめた『憲法の急所――権利論を組み立てる』(羽鳥書店)は「東大生協で最も売れている本」と話題を集めた。立憲主義を重視する立場から、各種メディアで積極的に発言を続ける。著書に『自衛隊と憲法――これからの改憲論議のために』(晶文社)、『子どもの人権をまもるために』(晶文社)、『AI時代の憲法論人工知能に人権はあるか』(毎日新聞出版)など。Photo:Shin HamadaText:Keiko IshizukaConposition:Shiho Kodama
2019年03月25日今月の人。Illustration:Hidemi Ito憲法学者木村草太さん1980年神奈川県生まれ。2003年、東京大学法学部卒業、同年、同大学大学院法学政治学研究科助手に就任。現在、首都大学東京法学部教授。専門は憲法学。首都大学東京の法科大学院での講義をまとめた『憲法の急所――権利論を組み立てる』(羽鳥書店)は「東大生協で最も売れている本」と話題を集めた。立憲主義を重視する立場から、各種メディアで積極的に発言を続ける。著書に『自衛隊と憲法―これからの改憲論議のために』(晶文社)、『子どもの人権をまもるために』(晶文社)、『AI時代の憲法論人工知能に人権はあるか』(毎日新聞出版)など。子どもを決してなめない、という作者の姿勢がうれしかった色彩豊かなファンタジーの世界『クレヨン王国の十二か月』作:福永令三絵:三木由記子¥650/講談社大みそかの夜、ユカが目を覚ますと、12本のクレヨンたちが会議を開いていました。クレヨン王国の王様が「王妃の悪いくせがなおるまでは帰らない」と言って、ゆくえをくらましてしまったのです。おどろいた王妃はユカと一緒に、王様を探す不思議な旅に出かけます――。続編が47冊を超えるベストセラー人気シリーズの第1作。1997〜99年にはシリーズのうち数作を原作として『夢のクレヨン王国』のタイトルでテレビアニメ版も放送された。「子どもの頃に好きだった、講談社青い鳥文庫から出ている『クレヨン王国』シリーズ。今は娘も読んでいます。このシリーズの特徴は、作者が子どもをなめていないというところですね。ワクワクするファンタジーでありながら、意外と凄惨な場面もけっこう出てきますから。でもそれは、読んだ子どもたちはちゃんと理解してくれるはずだ、と作者が信じて書いているということ。自分が子どもの頃に読んでいて、嬉しかった記憶がありますね」おもしろいシリーズを見つけたら1巻から順にどんどん読んでいくお母様が図書館司書だったということもあり、「字を覚えたての幼い頃から、近所の図書館に通っては、気になる本を片っぱしから読んでいった」と振り返る憲法学者の木村草太さん。そんな木村さんに似たのか、現在小学5年生の娘さんも “本の虫” で、絵本は早々に卒業し、保育園に入るころにはすでに児童書を夢中になって読んでいたという。この本はまだこの年齢の子どもには難しいのでは……などと大人はつい考えてしまいがちだが、木村さんは「子どもをなめないということが大事だと思います」と話す。それを子どもの頃に実感させてくれた本が『クレヨン王国』シリーズだった。作者は1956年に文藝春秋のオール新人杯(現 讀物新人賞)を受賞し、成人向け小説の作家として活躍していた福永令三さん。児童文学である本シリーズも上質なエンターテインメント性に満ちている。Illustration:Kashiwai「心に残る印象的な場面がたくさんあります。たとえば、『クレヨン王国月のたまごPART4』で登場人物のカメレオン総理が暗殺されそうになるエピソード。総理が乗るヘリコプターに爆弾を仕掛けられて、パラシュートで脱出するんですけど、そのとき、総理が操縦士に『君のパラシュートと交換しよう』と言って交換するんですよ。で、その後、操縦士のパラシュートが開かないという……。すごい描写だなと思いました。子どもにしてみたら、ギョッとしますよね。でも、確かに暗殺者なら、そこまでやるなと思って。これが政治的暗殺なんだと。その場面を読んだとき、作者が読者である子どもたちのことを信頼してくれていると感じました」アラン・リーの美しい挿画が物語の情景を浮かび上がらせる外国作品で、木村さんが小学生のときに熱中して読んでいた本といえば、J.R.R.トールキンの壮大なファンタジー『指輪物語』。映画化された『ロード・オブ・ザ・リング』3部作も大ヒットし、刊行から60年以上経った今なお、世界中で愛されている名作だ。「『指輪物語』は、いろいろなバージョンの本が出ていますが、全3巻のカラー版は表紙装画だけでなく、中にもアラン・リーさんの挿画がたくさん入っているんです。このアランさんの絵が本当にすばらしい。以前、ニューヨークに旅行したときに、バーンズ・アンド・ノーブルという書店で、箱入りのカラー版を見つけて、衝動的に大人買いしてしまいました(笑)。この絵だけでも、子どもに見せたいと思うくらい気に入りましたね。実は映画化されると聞いたときは、アランさんが描いた世界がどこまで実写化できるのかなぁと、大変懐疑的だったんですよ。でも、監督はアランさんを映画のコンセプト・アート・デザイナーとして招請しましたよね。映画を観たら、挿画のイメージどおりだったので驚きました」スリリングなストーリー、描写の細密さなど、多くの魅力がある『指輪物語』の中でも、特に木村さんが惹かれるのは “多様性” というテーマ。「人間はデコボコである、ということですね。『指輪物語』は登場人物全員が何かしらの欠点を持っていて、さまざまな種族、キャラクターたちが、それぞれの欠点と長所を生かして協力していくという姿が描かれている。そこが大変すばらしいなと思って読んでいます。なので、この解釈が正しいかどうかは微妙なんですが……私自身はこの本を通して、人間には欠点があっても、長所がしっかりしていればいいんだ、というふうに理解しました。大人になっても繰り返し読んでいて、そのたびに、常にそこに戻ってくる感じがします」この本を読みたい!と子どもが思うタイミングが訪れるのを待つことわが子を本好きにしたい、と思っている親は多いだろう。そのために、読み聞かせをたくさんしたり、子どもの視線に入るように本棚に絵本をたくさん揃えてみたり……。しかし、それでも子どもがなかなか本に興味を示さなかった場合は、どうすればよいのだろうか?「本が好きになるかどうかというのは、本人の資質だと思いますよ。好きになる本も子どもによって違いますし、たとえ名著でも合わないものは合わないし。娘は小さい頃から、時間があれば本ばかり読んでいて、母親に『もうやめなさい』って叱られるくらいの本好きですが、現在、年長の下の息子は、去年くらいまでは本に全然興味を示さなかったんです。本人が読みたがらなかったから、絵本の読み聞かせも娘に比べると少なかったですね。でも、そんな息子も、ひらがなが読めるようになったとたんに本をたくさん読むようになりました。今は絵本というより、『小さなおばけ』シリーズなどの児童書をよく読んでいます。『読みたくない』という子に無理やり読ませようとしても、本は読めないと思うんですよね。本は降ってくるものなので。なんかこう無性に『今日はたこ焼きが食べたいなぁ』みたいな気分と一緒なんです(笑)。子ども本人が『この本を読みたい』って思う、ベストなタイミングが来るはず。で、親はそれを待つということが大事だと思います」しいて言えば、親ができるのは “そのタイミング” が来たときを見逃さず、その瞬間、即、子どもが本にアクセスできるように準備しておくこと。「地元のどこに大きな図書館があるのかを確認して、本を読みたくなったときに、ここに来れば本を探せるということを伝えておく。そして、子どもが『これを読みたい!』と言ったときに連れて行ってあげる。あとは、子どもがたまたま読んでおもしろかった本がシリーズものだったら、お父さん、お母さんが調べて、1作目から揃えてあげるとか。シリーズものは、子どもが芋づる式にどんどん本を読むきっかけになりますよ。うちの息子のように、これまで読んでいなくても、急に本好きになることはよくあるので。あとはもう本当に、親がその子を信じるしかない、と思いますね」【 木村草太さん、これもオススメ 】魅力的なキャラクターが活躍する大人気ロングセラー・シリーズ『スパゲッティがたべたいようアッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけシリーズ1』絵作:角野栄子絵:佐々木洋子¥900/ポプラ社アッチはレストランの屋根裏に住んでいる小さなおばけの男の子。“レストランヒバリ” のコックさんを務める食いしんぼうの彼は、ちょっと変わっているけれど、とびきりおいしい料理を作って、お客さんに提供しています。2018年に国際アンデルセン賞・作家賞を受賞した角野栄子さんのライフワークとして、毎年新刊が発表される『アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけ』シリーズ。今年は40周年記念の各種イベントも予定されている。Illustration:Kashiwai「下の息子がすごく好きなシリーズです。1作目からダーッと読んでいって、今出ている本はぜんぶ読み終わっています。『おばけのソッチラーメンをどうぞ』や『おばけのアッチのゲームのえほん』も印象に残っていますね。シリーズを通して主人公のアッチがいつも一生懸命なところがいいんでしょうね。角野栄子さんらしい自由な発想で、ストーリーの展開が読めないのも魅力。あと、アッチはおばけですから、“いもむしグラタン” とか、名前だけ聞くと、それどうなんだろう!?って思うようなユニークなメニューがたくさん出てくるのもおもしろいですね(笑)」フィクション世界がリアルになる『指輪物語』ファンのための地図『指輪物語 フロドの旅――「旅の仲間」のたどった道』著:バーバラ・ストレイチー訳:伊藤盡¥1800/評論社『指輪物語』著:J.R.R.トールキン訳:瀬田貞二/田中明子装画&挿画:アラン・リーカラー版全3巻各¥7800/評論社(『指輪物語』は他に、A5新装版 全7巻 各¥2200、 文庫版 全10巻 1~9巻各¥700、10巻¥900があります)『指輪物語』に登場する9人の旅の仲間がたどった道筋を、詳細な地図で再現した副読本。熱烈な『指輪物語』のファンだったバーバラ・ストレイチーが、作者トールキンの手になる地図とは別に、より詳しい地図作りに挑戦した。地図には、フロドたちが敵から身を隠した場所、食事をした場所、野宿をした場所にいたるまでを記載。日本語版では巻末に地図索引があるほか、訳者によって、旅の行程についても日を追って詳しく解説されている。「私はフィクションの世界の地図がすごく好きで、小説に地図がついていると、それだけで嬉しくなっちゃうところがあります(笑)。『指輪物語』は本編にも地図がたくさん載っているのですが、この本の地図は登場人物たちがどう歩いて行ったのかが明確に分かるほど、きちんと描かれているんですね。彼らがどこに、どうやって行って、そこで何が起きたかを、さらに具体的に想像することができる。物語の世界が非常に生き生きとするんです」Illustration:Hidemi Ito/KashiwaiText:Keiko IshizukaConposition:Shiho Kodama
2019年03月11日アートフェア「artKYOTO 2020」が、2020年12月4日(金)から6日(日)まで、京都・元離宮二条城および京都国立博物館にて開催される。「artKYOTO」とは古美術から現代美術までの幅広いアート作品を展示する「artKYOTO」は、世界遺産の元離宮二条城と歴史的建造物・京都国立博物館 明治古都館が舞台。2020年度のメイン会場となる、近代洋風建築の重要文化財・京都国立博物館 明治古都館は、 明治30年5月に開館した京都国立博物館のシンボル的存在の煉瓦造りの建物。 通常非公開の歴史的建造物を活かした空間に作品が出品、それらを購入できる特別な場となる。東京と京都を中心とした21のギャラリーから厳選アートが集結歴史深い建築物内には、京都の6軒を含む全21の出展ギャラリーから厳選されたアート作品が集結。2019年は、平安時代の仏像から、江⼾時代の蒔絵・浮世絵、ピカソやゴッホなど近代の巨匠、新進気鋭の国内外の現代美術家の作品など、バラエティに富んだラインナップを展開したが、2020年はそれとは一味違ったプレゼンテーションを予定。どのようなアート作品と出会えるのか期待して待ちたい。美術史体験ツアーもまた、二条城および京都国立博物館の2会場では、“狩野派”をテーマに美術史の変遷を体験するプログラム「美術史体験ツアー」を実施。“二条城篇”では日本を代表する絵師集団“狩野派”の狩野探幽が現代に蘇るという設定のもと、二条城の二の丸御殿の襖絵、壁画、装飾品を音声ガイドで案内。“京都国立博物館篇”では、“狩野派”の流れを汲む美術作品を紹介していく。【詳細】artKYOTO 2020開催期間:2020年12月4日(金)~12月6日(日)会場:元離宮二条城(二の丸御殿台所、御清所、東南隅櫓)住所:京都府京都市中京区二条通堀川西入二条城町541出展者:21軒チケット料金:一般 前売り券 5,000円(税込)※チケットは枚数限定。事前予約制。※別途、各会場への入場料が必要となる場合あり。<開催スケジュール>・美術市(アートフェア)会場:京都国立博物館 明治古都館時間:12月4日(金)・5日(土) 12:00~18:00(最終入場)、12月6日(日) 11:00~15:00(最終入場)・美術史体験ツアー会場:二条城 展示収蔵館&二の丸御殿、京都国立博物館 明治古都館時間:二条城 8:45~16:00(最終入場)、京都国立博物館は美術市開催時間と同じ<参加ギャラリー>梅軒画廊(京都)、ユミコチバアソシエイツ(東京)、Galleria COL(大阪)、宝満堂(東京)、imura art gallery(京都)、井上オリエンタルアート(東京)、タカ・イシイギャラリー(東京)、KOSAKU KANECHIKA(東京)、小林画廊(東京)、GALLERY KOGURE(東京)、MAHO KUBOTA GALLERY(東京)、ART OFFICE OZASA(京都)、サテライツ・アート・ラボ(東京)、思文閣(京都/東京/福岡)、秋華洞(東京)、現代美術 艸居(京都)、gallery UG(東京)、たけだ美術(東京)、GALLERY TARGET(東京)、YOD Editions(大阪)、夢工房(京都/香港)
2019年02月10日「すべて国民のために、一致協力して新しい国を造ろう」石破茂元幹事長(61)に国会議員票で圧倒的な差をつけ総裁選(9月20日投開票)を制し、そう語った安倍晋三首相(63)。東京五輪、高齢者問題、そして憲法改正……任期を満了する’21年9月までの3年間で、安倍首相が抱える問題は山積みと言っていいのだが、投開票後の会見では、「すべて解決します」と言わんばかりの自信に満ちた笑みを、報道陣に向けた。今回本誌は専門家に、3年間の安倍政権で何が起こるかを聞いた――。【政局】参院選後に「改憲案」を変更、ポスト安倍は河野太郎 vs.小泉進次郎!安倍首相が、公約に掲げているひとつに「憲法改正、(9条への)自衛隊の明記」がある。総裁選の出馬表明から、“自民党としての憲法改正案を次の国会で提出できるよう、とりまとめを加速すべきだ”と明言していた。秋の臨時国会で、憲法9条に自衛隊を明記する改正案をさっそく発議する可能性はあるだろうか。「それはないと思います。早くて来年の通常国会。ただ、5月に新天皇の即位もありますから、そのような時期に、国を二分するような憲法改正を発議するとは思えません。おそらく、改正案の発議に向けて本格的に動きだすのは、それ以降になるでしょう」そう語るのは、政治ジャーナリスト・柿崎明二さん。柿崎さんの予想では、’19年の秋~冬に国会で発議、’20年の春までに国民投票。もしくは、東京五輪後の’20年秋ごろに発議し、’21年の早い時期に国民投票という流れが考えられるという。「最大の関門は国民投票です。これは過去に前例がない。もし国会で強引に改正を採決するようなことがあれば、国民投票で『NO』とひっくり返る可能性もある。そうなれば安倍首相は逆に“護憲の首相”として後世に名が残ることになる。本人としては不本意でしょうから、世論の動向をこれまで以上に注視するでしょう」(柿崎さん・以下同)来年7月の参議院議員選挙の結果は、憲法改正に大きな影響を与える。すでに自民党は議席を減らし、野党が議席を増やすともいわれている。「衆・参の与野党でねじれ現象が起きるほどの“惨敗”とはならないでしょう。ただし、現在与党が衆参両院ともに確保している国会で憲法改正の発議に必要な改憲勢力(議員定数の3分の2)を、参院で失う可能性はあります」自民党と連立を組む公明党は、そもそも憲法9条の改正案には慎重な立場だ。どうしても憲法改正をしたい安倍首相は“奥の手”を出すかもしれないという。「参院選の結果、世論の動向によっては、安倍首相は“9条の改正案を盛り込まない”という選択肢を取ることもありえます。大地震などの緊急時に国会議員の任期を延長する“緊急事態条項”の創設など、9条以外の論点で憲法改正の空気が世論の中で広がることがあれば、安倍首相は次期総理大臣にバトンタッチするかもしれません」ではその場合、“ポスト安倍”は誰になるのだろうか。「禅譲するなら河野太郎氏。対抗馬としては、これまでも発言や動向に国民の注目が集まった小泉進次郎氏が挙げられるでしょう。もし不祥事やスキャンダルなどで、安倍首相が辞めるようなことがあれば、ひょっとすると自民党内で石破茂氏を“再び”担ぐ動きが出るかもしれませんね」“悲願”達成のためであれば、安倍首相が任期満了をよしとしない可能性は十分考えられる。
2018年09月27日男も年齢を重ねてくると、女性に対して求めるのが“可愛さ”だけではなくなります。“教養”というものに比重を置くようになる。そういった女性のほうが、将来のことも考えやすいですからね。ということで、“教養のある女子からのLINE”というテーマで男性たちに話を聞いてみました!文・塚田牧夫天気の話から入る「以前、高学歴飲み会みたいなものを開いたんです。どんな女性が来るのか……と期待していたんけど、案外普通なんですよね。でも、なかにひとりだけ、変わった子がいた。飲み会とかに縁がなさそうなおとなしい感じで、お酒も飲めない子でした。話をしているうちに少しずつ打ち解けてきて、LINEを交換して、後日やり取りするようになったんです。その子から来るLINEが、いつも天気の話から始まるんです。“昨夜から降り続いた雨も明け方にはやみ……”みたいな。落語で言うところの、“枕”みたいなものです。しかも、律儀に毎日送ってきてくれるんです。そういうのを自然にやっているのが、次第にいいなと思うようになりましたね」イッペイ(仮名)/29歳現代社会に憤りを感じている「出勤時、電車のなかで同じ会社の後輩を見かけたんです。するとその子が新聞を読んでるんです。一般紙ですよ。若い女性にはかなり珍しい光景。それからたまに見かけるようになり、声を掛けたんです。そこから徐々に親しくなって、LINEもするようになったんですね。その子、会社では物静かで、仕事をテキパキとこなすタイプなんです。ただ、LINEではまったく違う。“憲法9条の改正につきまして私は……”と、現代社会への不満を訴えてくるんです。胸に秘めたるものがすごく熱いんです。ほかにも税金や年金の問題などにも言及。鋭い切り口で訴えかけてきます。僕はテレビニュースぐらいしか見ないし、政治なんかにはまったく疎いので、尊敬しています」リュウスケ(仮名)/30歳改行して1マス空ける「飲み会で知り合った子なんですが、LINEを交換しようとしたら、使い方が分からないって言うんです。なんでもガラケーからスマホに変えたばっかりで、LINEにも慣れていないとのこと。なので使い方を教えてあげて、LINEでやり取りするようになったんですね。その子から送られてくるのが、すごく丁寧な文章なんです。まず、改行したあとは1マス空けて、手紙でも書いているかのよう。もちろん、絵文字なんかは一切使われていません。しかも一文が長いんですが、しっかりと句読点が打ってあってとても読みやすい。声に出して読みたくなります。知的な感じがして、すごく好感が持てます」ケンタ(仮名)/30歳“男が惚れる教養のある女子からのLINE”をご紹介しました。教養があるというのは、恋愛において非常に有利です。実際はあまりなかったとしても、あるように感じさせるというのは、駆け引きのひとつかもしません。(C) JKstock / Shutterstock(C) Dean Drobot / Shutterstock(C) Mooshny / Shutterstock
2018年07月02日飲み方はあなたのお好みで。しっぽり飲みから宴会まで対応札幌市にある「かけはし 北二条店」。全70席の店内は、掘りごたつや個室など大人数にも対応しており、忘年会や新年会、歓送迎会など各種宴会も可能です。カウンター席は、仕事終わりの一杯をしっぽり楽しめます。さまざまな飲み方に対応してくれるのも魅力のひとつです。和テイストの落ち着いた空間で、地元北海道の旬の食材と種類豊富なお酒が堪能できます。お酒の肴にも! 素材本来の良さを堪能できる炙りメニュー炙りメニューでおすすめなのは、「道産本干しシシャモ」。卓上七輪を使って、自分の席で好みの加減に炙って味わえます。日本酒はもちろん地酒や本格焼酎など、お酒の肴にぴったりのメニューです。七輪で炙りながら、お酒と一緒に会話にも花が咲きます。素材本来の良さを感じながら、お酒と一緒に味わってほしい逸品です。一度は味わってほしい逸品! 酒蔵自慢の「美酒鍋」もうひとつのおすすめメニューは、「美酒鍋」。たっぷり入った野菜と日本酒をメインに作る鍋料理は逸品。もともとは、酒蔵のまかないだったものをオリジナルのメニューにアレンジしています。コース料理の中にあり、年中注文できます。シンプルな味付けでたっぷりの野菜を食べられるので、女性にもおすすめのメニューです。旨みたっぷり! 味はさっぱり! 知床斜里産「匠の豚」「かけはし 北二条店」では毎月、匠の豚 サチク麦王(知床斜里産)を使用した料理が用意されています。旨みをしっかりと感じながら、あっさりとした味が自慢です。脂もさっぱりしており、安心安全な食材が使われています。見た目も色鮮やかな仕上がりで、素材本来の味が堪能できると好評です。素材本来の味を堪能しながら、お酒も一緒に楽しめます。生産者とお客様のかけはしに! 素材を活かす料理が自慢「かけはし 北二条店」は、生産者やお客さんとの繋がりを大切にし、「人と人のかけはしになる」をコンセプトにしたお店です。地元北海道の豊富な海山の幸と種類豊富なお酒が、思う存分堪能できます。素材本来の味を活かした調理法で作る料理は、お酒の肴にもおすすめしたいメニューばかりです。自慢の料理とお酒をぜひ堪能してみてください。札幌市営地下鉄南北線のさっぽろ駅/大通駅から徒歩5分の場所にあります。素材本来の味を充分に堪能できる「かけはし 北二条店」を、友人や職場の宴会などに利用してみてはいかがでしょうか。スポット情報スポット名:かけはし 北二条店住所:北海道札幌市中央区北2条西2 マルホビル B1F電話番号:011-222-9984
2018年06月06日日本有数の金属加工の町「燕三条」にある山谷産業が企画販売するアウトドア・ブランド「TSBBQ(ティーエスビービーキュー)」が、商品化第2弾となる「カフェアイテム」を12月1日(金)に発売します。遊び心を感じるデザイン性と高い金属加工技術スタイリッシュなバーベキュースタイルを提案するアウトドア・ブランド「TSBBQ」の第2弾では、「ドリッパースタンド」、「ホーローマグ」、「ホットサンドメーカー」の3商品が登場。屋外はもちろん自宅でも日常的に雰囲気を楽しめる「アウトドア的カフェ時間」がコンセプトです。これらカフェアイテムの製造に携わったのは同じく「燕三条」のメーカーたち。「ドリッパースタンド」をマサコー山口木工が、「ホーローマグ」を高桑金属が、「ホットサンドメーカー」を杉山金属が担当しています。テントペグをドリッパースタンドの脚に採用するなど、遊び心を感じるデザイン性と高い金属加工技術に裏打ちされた機能性が備わっています。アウトドアが好きな人もそうでない人も、新しいカフェスタイルを暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。「TSBBQ」第2弾商品概要ホットサンドメーカー/3,000円(税別)ホーローマグ/2,500円(税別)ドリッパースタンド・スタンドウッドパーツ/2,000円(税別)・エリッゼステーク18cm4本セット(ペグ)/1,200円〜1,600円(税別)※ドリッパーは別売TSBBQ WEB
2017年11月28日アジアンな空気感が漂う、現地屋台の風情東京・北区十条にある「どんちゃんハウス A1肉骨茶(エーワン バクテー)」は、マレーシア料理「肉骨茶(バクテー)」の専門店です。日本のものとは違ったアジアテイストのちょうちんが並び、どことなく異国情緒が香る外観が目印。木目を基調とした店内のテーブル席にはスチール製の銀のイスが並び、現地の食堂を彷彿とさせます。中国・福建省からの移民が生んだマレーシア名物こちらのお店は、2014年に肉骨茶の専門店としてオープンしました。マレーシア料理の「肉骨茶」は、豚のあばら肉の煮込みを、漢方薬剤としても使用されるスパイスと中国醤油を使って煮込んだものです。元々は出稼ぎに来ていた福建省出身の中国人が、食肉の解体で廃棄された骨を使って作った料理。にんにくと漢方で煮たスープをご飯にかけて食べたのがはじまりと言われています。薬膳料理としてデトックス効果も期待され、エスニック好きの方を筆頭に人気となっています。うまみたっぷりのホロホロ肉がたまらない「バクテー」店名にもなっているメインメニューの「バクテー」は、スパイスをたっぷりと使った漢方スープでじっくり煮込まれています。箸で簡単にほぐれるホロホロのやわらかいお肉はうまみがギュッと中に閉じ込められており、噛むほどに深い味わいが広がります。そのまま食べた後は専用のソースにつけて食べ、最後はご飯と一緒に雑炊のようにして食べるのがおすすめです。コラーゲンたっぷり! 「豚珍味バクテー」「豚珍味バクテー」は、豚足や「ミミガー」の名で知られる豚の耳など、珍味とされる部位を使用したバクテーです。コラーゲンたっぷりのお肉は、プルプルの食感がたまりません。たっぷりスパイスが入ったスープとの相性も抜群! 薬膳のデトックス効果とコラーゲンのアンチエイジング効果の両方が期待できる、女性におすすめのメニューです。絶品「バクテー」はこだわりの厳選素材からつくられる素材にもこだわっている「どんちゃんハウス A1 肉骨茶」。使用している18種類のスパイスはマレーシアにある大手スパイスメーカーから取り寄せており、豚肉は「麦富士」と呼ばれるカナダ産高級豚肉のスペアリブを使用しています。「バクテー」を日本で味わうことができるお店は、そう多くはありません。このお店は、その中でも厳選された素材を使って、ていねいに作り上げられた肉骨茶が食べられる本格派の専門店です。「どんちゃんハウス A1 肉骨茶」は、JR埼京線「十条駅」を下車。北口を出て右に進み、徒歩1分ほどのアーケード内にあります。本格的なマレーシア料理の「バクテー」をぜひご賞味ください!スポット情報スポット名:どんちゃんハウス A1 肉骨茶住所:東京都北区十条2-30-9電話番号:03-6325-7789
2017年11月21日日本の将来を左右する、重要な争点が目白押しだった今回の総選挙。与党の勝利でその公約が進められたら、私たちの暮らしはいったいどうなるのか、識者に聞いた。 「改憲については、憲法9条ばかりがクローズアップされていますが、いちばん怖いのは、自民党が公約に記していた“緊急事態対応(条項)”です。たとえば、安倍首相が『いまは北朝鮮有事だ』と言って緊急事態宣言を発令すれば、憲法にいくら崇高な理念が謳われていても、すべて吹っ飛ばされてしまいます」 そう警鐘を鳴らすのは、「明日の自由を守る若手弁護士の会」の武井由起子さんだ。自民党の改憲草案には、「外部からの武力攻撃や、内乱、あるいは東日本大震災のような大規模な自然災害が起こったときなどに、内閣総理大臣が、閣議にかけて“緊急事態の宣言”を発することができる」と記されている。 「実は、ドイツの民主的なワイマール憲法下でナチスの独裁を生んだのも、“緊急事態条項”が原因でした。緊急事態条項が発令されると、三権分立がなし崩しになり、“立法・行政・司法”のすべての決定権を内閣が掌握します」(武井さん) 自民党は、「“緊急事態条項”はほかの国にもある」と主張しているが、諸外国と比べて、日本の縛りはユルユルだ。 「たしかにフランスの憲法にも“緊急事態条項”はありますが、フランスは大統領制なので、大統領が発議しても、議会の長である首相がノーと言えば通りません。日本は発議するのも、決定する議会の長も首相なので、安倍さんが暴走しても誰も止められない。それに、フランスは、発議を12日以上延長するには、議会の承認を得なければなりませんが、日本は100日たつまで必要がありません」(武井さん) 来年行われる見通しの改憲発議。国会での議論を注視する必要がある。 ■幼児教育無償化で保育園のブラック化が 少子化対策として教育無償化を公約に掲げて、衆議院解散総選挙に踏み切った安倍首相。自民党は公約で「3〜5歳までのすべての子どもたちの幼稚園・保育園の費用無償化」「0〜2歳児についても、所得の低い世帯に対して無償化する」と掲げている。だが、その効果について疑問視する声がある。 「乳幼児の教育費はすでに、生活保護世帯に対しては無償化されており、それ以外でも、所得に応じて負担が軽減されるようになっています。公約で掲げている“低所得者”というのが、具体的に年収がどれくらいの世帯なのか、はっきりしていません」 そう語るのは、保育研究所所長の村山祐一さん。 「待機児童がいちばん多いのが、安倍首相が無償化すると言っている0〜2歳児。しかし無償化だけでは待機児童の解消にはつながりません。安心して子どもを預けるには、保育の質を保つことも必要。そのために保育士の待遇改善も必要ですが、財源は確保されていません。保育士の給与が上がらないので、保育士になる人が減っています。人材を確保しないまま無償化したら、保育士に負担がかかりすぎて、保育園での子どもの事故が増えかねません」(村上さん) 少子化対策のためには、より幅の広い対策が必要になりそうだ。
2017年10月26日「物質的には豊かではないけれど、かつての日本には家族みんなでちゃぶ台を囲んで、暮れにはご近所と餅つきをしたり、にぎやかで活気のある暮らしがあったんです」 そう語るのは、小泉和子さん(83)。小泉さんは、東京都大田区南久が原にある「昭和のくらし博物館」の館長である。「昭和のくらし博物館」は、’51年(昭和26年)に建てられた木造住宅(登録文化財)。家具調度も家族が暮らした昭和という時代そのままに保存、四季折々の庶民の生活ぶりが公開されている。そして、もともとは小泉さんが17歳から25歳まで過ごした実家なのだ。 「昭和30年代から40年代というのが、江戸時代以降の日本の歴史のなかで、もっとも幸福な時代だったと思います。平和になり、理想に向かって進もうとした輝かしいころ」(小泉さん・以下同) 小泉さんは庶民の家具の歴史を研究する「生活史研究所」の所長でもある。83歳の現在も旺盛な執筆活動のほか、講演会やイベント、学会などで全国各地を飛び回る日々だ。 小泉さんは、’33年(昭和8年)11月19日に生まれ、現在の東京都文京区小石川で4人姉妹の長女として育った。 「東京っ子の父は、東京市役所(現・東京都庁)勤務の建築技師でした。病弱で、学究肌の芸術好き。一方の母は神奈川の農家の出で、丈夫で温かくて、近所の子どもからも慕われる専業主婦。そんな母のおかげで、うちは貧乏でも明るい家庭でしたね」 太平洋戦争前の小石川は、緑豊かなハイカラな街だった。精肉店の店先には、当時としては珍しいウインナがぶら下がっていたり。 「ピノキオの鼻みたいで、私はずっと木でできていると思っていました(笑)」 笑い声のあふれる穏やかな暮らしは、しかし、戦争によって奪われていく。小学校5年の小泉さんは、宮城県や神奈川県の山間部へと集団疎開を余儀なくされ、小石川の家は行政による強制疎開で撤去。 「横浜の母の伯母を頼って引っ越しました。しかもトラックなんて使えないので大八車に家財道具を積んで、東京から横浜までの距離を母と祖母が押していったんです」 そして、’45年(昭和20年)5月29日の横浜大空襲。 「両親は町内の蔵を守る役目があって、私が7歳と4歳の妹を連れて逃げました。機銃掃射や焼夷弾で一面の火の海。下の妹が『火がついた、熱い!』って泣くんですね。体に火はついてなくても、それほど空気も熱かったんです」 家は焼失。家族はなんとか無事だったが、いまあらためて小泉さんは「戦争には絶対に反対です」と声を大にする。 「私は忘れません。食べるものがどこにもなくて、大人も子どもも栄養失調で、電車を待っている駅のホームで全員がしゃがみ込んでいた光景を。揚げ句の果ては、塩までなくなりましたから」 ’45年(昭和20年)夏、11歳で小泉さんは終戦を迎えた。東京は焦土と化し、戦後2年目まで、一家は横浜の農村地帯の牛小屋を改築した家で生活。続いて東京・羽田近くの工場を改造した家に転居。そして戦後6年目の’51年(昭和26年)春、ようやく落ちついた先が、現在「昭和のくらし博物館」になっている大田区の木造家屋だ。 やがて’54年(昭和29年)4月、20歳の小泉さんは女子美術大学の洋画科に入学。学費を作るために2年間働いてからの進学だったが、努力だけではプロの画家になれないと断念。卒業直後に、「家具の設計事務所を始めるので、手伝ってくれませんか」と声がかかる。 「家具に興味がありましたからお受けして、昭和33年、25歳のときに、経営者である男性と結婚しました」 だが、結婚生活は10年間で終わりを告げる。いま、離婚の経緯を語ることはないが、その間に小泉さんはライフワークを見つけた。家具の歴史研究である。離婚後は、東京大学工学部建築学科の研究生になり、’71年(昭和46年)には、生活史研究所を設立。’90年(平成2年)から約10年間は、文化庁の文化財保護審議会の専門委員をつとめ、建物を国宝や重要文化財に指定する審議に参加した。ここで、小泉さんは素朴な疑問を持った。なぜ文化財に指定されるのは、城や大名屋敷など立派な建物ばかりなのだろう、と。 「私は、『もっと庶民の暮らしがわかる住宅も残しておくべき』と主張しました。家具などもまるごと残しておくことが大事だと思ったんですね。でも、受け入れられなかった」 じゃあ「自分でやろう」と決意するところが小泉さんならではだ。念頭には、大田区の実家のことがあった。小泉家は、長女の小泉さんが結婚を機に家を出たあと、三女も嫁いだ。四女は小泉さん宅に同居するようになり、実家には両親と次女が長らく生活。’82年(昭和57年)に父が81歳で亡くなり、その後、寝たきりになった母を小泉さん宅に引き取った。次女が一人で住んでいたのだが、’94年(平成6年)、彼女は事故で急死してしまう。家族6人の暮らしていた家は、時の流れのなか、家財道具を残して無人になったのである。 「もちろん、家は処分するという選択肢もありました。でも、当時でさえ昭和20年代に建った家はほとんど残っていませんでした。戦争が相次いだ昭和という時代、いちばん最初に犠牲になったのが庶民の暮らしです。そこを生き残った家を家財ごと残しておくことで、のちの世代が、昭和という時代を学ぶ場になると思ったんです」’99年(平成11年)3月、小泉さんの個人運営による「昭和のくらし博物館」がオープン。金・土・日・祝日の開館ながら、いまや年間入場者数は約5,000人を数える――。 子どもいない小泉さんには、若い世代に受け継いでいってもらいたいことが多々あるという。そのひとつが、戦時中の記憶だ。毎年8月は、「小泉家に残る戦争」展を開催。チラシの言葉を引用してみよう。 〈きな臭い法律が次々と一方的に制定され、憲法9条はいよいよ危なくなってきました。(中略)日本が“戦争できる国”へと変えられてしまう前に、私たちにできることがあるはずです〉 館内まるごとを使って戦時中の暮らしを再現。例年、灯火管制の部屋では、「こんな暗い中で爆音を聞いていたのは、さぞ不安だったろう」との感想が聞かれるという。小泉さんは、語気を強める。 「繰り返してはいけないんです。とくにいまの戦争は、軍需産業のための戦争です。そして誰も責任を取らない。東日本大震災で起きた原発事故でも、結局、誰も責任を取っていません。経済優先でひずみが生まれている現在、昭和30年代の暮らしは、この先の日本の在り方のヒントになると思うんです。いまこそ、あの戦争をどう生き抜いてきたかを、見つめ直す必要があると思えてならないんですね」
2017年07月16日在任期間中に何が何でも!ーーという安倍総理の鼻息が聞こえてきそうな憲法改正議論。とくにそのターゲットとなっているのが“9条”だが、何がそんなに問題なのか。きちんと理解しておこう! 《「自衛隊が違憲かもしれない」などの議論が生まれる余地をなくすべきである……「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」という考え方、これは、国民的な議論に値する……2020年を、新しい憲法が施行される年にしたいーー》 今年の憲法記念日、安倍晋三首相は、憲法改正を求める集会にビデオメッセージで登場し、このように発言した。大阪国際大学准教授で、フェイスブック上のグループ・全日本おばちゃん党代表代行の谷口真由美さんは、この首相の発言が、過去の言動に「大きく矛盾する」として、次のように指摘する。 「記憶に新しい’14年の安保国会で、安倍首相は『集団的自衛権による武力行使は合憲』と主張して法案を成立させました。その彼の論旨は『自衛隊は合憲』という解釈に基づいているのですから、いまさら『自衛隊を合憲にしたいから、9条を改正して自衛隊を明記する』という理屈は通らないし、そもそも’14年に国民に嘘をついていたことにもなる」 そしてその「矛盾」に首相本人も気づいているからこそ、自民党改憲案では手を加えている「現行9条1、2項」について、「残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」という策を披露したのではないかと谷口さんは推測する。 「自民党改憲案は9条2項に『自衛権』を明記したり、『国防軍』という語句を登場させたりと、現行9条の『戦争の放棄』という“誓い”に対してやりたい放題。さすがに国民も受け入れないだろうと考えた結果、『1、2項は変えない』というアイデアを考えついたのではないでしょうか」 しかしこの「安倍9条改憲案」に自民党内部から異議を唱えたのが、現在の同党憲法改正推進本部顧問で、自民党改憲案の起草委員だった石破茂衆議院議員。安倍首相の「1、2項の据え置き」に対し《党のいままでの議論の積み重ねになかった考え方だ》と批判したのだ。 その石破氏に対し、安倍首相は自衛隊の「災害援助」の任務に関しての国民の信頼が「9割を超えて」いるという理屈を持ち出し、「軍隊か否か」の議論をうやむやにしているようにもみえる。 谷口さんは、その「大災害などのときに命がけで頑張っている自衛隊の存在が、明記されないなんてかわいそう」というロジックにだまされてはいけないと強い口調で言う。 「これは感情論でしかないし、それが国家観につながるのは非常に怖いこと。そもそも、政府が都合のいい“解釈”を重ねてきたから『かわいそう』なのが自衛隊なのです。論旨のすり替えに惑わされてはいけません。『かわいそう』で改憲してしまったら、この先の未来の子たちこそが『かわいそう』になる。それを人ごとではないと気づかなきゃ!」
2017年06月16日在任期間中に何が何でも!ーーという安倍総理の鼻息が聞こえてきそうな憲法改正議論。とくにそのターゲットとなっているのが“9条”だが、何がそんなに問題なのか。きちんと理解しておこう! 「自民党が掲げている『日本国憲法改正草案』は野党だった’12年に“ヒマで、勢いでつくっちゃった”くらいのものだと思っていたのです。ただ、『憲法改正したい』と表明している首相が総裁を務める党の、現在唯一の『改憲案』ですので、内容は把握・吟味しておくべきですね」 こう話すのは、大阪国際大学准教授で、フェイスブック上のグループ・全日本おばちゃん党代表代行の谷口真由美さん。最新刊にピーコさん、佐高信さんとの共著『お笑い自民党改憲案』(金曜日刊)がある。あきれながらも、警戒心を持って谷口さんが解説してくれたのは、その改憲草案9条だ。 「現行憲法と比べてみてください。まず章のタイトルで、いちばん根幹となる『誓い』が削除されて言い換えられているんです……」 言われてみて、ビックリ!現行憲法の9条は「第2章戦争の放棄」として始まるのだが、改憲案ではそれがなんと削除され、「安全保障(平和主義)」と上書きされているのだ!そしてまず、1項では−−。 「現行憲法では『武力の行使は……永久にこれを放棄する』と誓っているはずなのに、これが『……用いない』に換えられている。『使わないけれど、放棄はしないよ』という意思でしょうね。そして2項で現行憲法が『……戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない』と重ねて誓っているものが、改憲案では全面的に書き換えられ『前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない』としている。これまで条文を変えずに“解釈”で『合憲』としてきた自衛隊や自衛権を、明文化しようとしているわけです」 さらに驚愕なのが、改憲案で新設されている9条の2。「国防軍」という言葉が突如として登場している! 「『自衛隊』を明記するどころか、『国防軍を保持する』と、かなり飛躍しています。続く5項で『国防軍に審判所を置く』とあるのは、いわゆる『軍事裁判所』の性質を持つものでしょう。いまの自衛隊にはそれがなく、国際法上は『軍隊』とみなされないことから、明記したいのでしょうね」 そして谷口さんが、「私たち国民に直接関わってくる」と警鐘を鳴らすのが、次の「9条の3」の記述。 「ここには『国は主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない』とあります。まず『領土、領海』や『資源』とは、尖閣諸島や天然ガスなどを意識しているのかと思います。そしてそれを『国民と協力して……確保しなければならない』というのが、彼らが言いたいことでしょう。これは『徴兵制』を彷彿とさせる性質のものです……」 谷口さんが眉間にしわを寄せながら続ける。 「解釈改憲などで『もはや有名無実化しているじゃないか』と言われたりもしますが、私は“9条があること”=“仮面夫婦のような状態”と考えています。ここでいう仮面夫婦は、『法律婚』という契約に意味があると考えて、それをなんとか維持している状態。それと似たようなもので、9条にもいろいろあるけれど、なんとか変えずに続けていることが、『恒久の平和』を維持することに、つながっているともいえませんか」 秘密保護法、集団的自衛権、共謀罪……日本が「軍隊を持つ国家」になるために、いまは周りを着々と固められてきている状態か……。 「そんな権力の暴走時代にはもう、いまの『憲法』しか、歯止めにならへんのです」
2017年06月16日在任期間中に何が何でも!ーーという安倍総理の鼻息が聞こえてきそうな憲法改正議論。とくにそのターゲットとなっているのが“9条”だが、何がそんなに問題なのか。きちんと理解しておこう! 「現行の日本国憲法は、世界で類を見ない“平和憲法”といわれています。とくに第9条で書かれているのは『戦争を永久に放棄する』『戦争する権利も認めない』という誓い。これは『日本国民は、恒久の平和を念願し……』という前文と直結する、最も重要で、有名な条文のひとつであるといえるのです」 こう話すのは、大阪国際大学准教授で、フェイスブック上のグループ・全日本おばちゃん党代表代行の谷口真由美さん。最新刊にピーコさん、佐高信さんとの共著『お笑い自民党改憲案』(金曜日刊)がある谷口さんに、9条に書かれている内容を詳しく説明してもらった。 「9条は、全11章103条ある日本国憲法のなかの第2章『戦争の放棄』の最初の条文で、『1項』と『2項』に分かれています。1項は、わかりやすくいうと、次のようになります。『私たち国民は、国や政府が権限をふりかざして戦争を始めたり、武力を使うことを、永久に棄てました』。つづいて2項は、『戦争放棄という目的を達するために、軍隊や戦力は持ちません。国が戦争する権利も認めません』となります」 そしてこの9条のポイントを、次のように説く。 「ここで大事なのは、『永久に放棄する』のみならず『軍隊や戦力を持たない』『国が戦争する権利も認めない』と誓ったこと。この部分こそが、世界で類を見ない“平和憲法”といわれるゆえんなのです」 今年5月3日で「施行70年」を迎えた日本国憲法。「その条文を熟読するのと同じくらい重要なのは、『どうやってできたのか』を知ることです」と谷口さん。 「第二次世界大戦で日本の敗戦が濃厚だった’45年7月、連合国から日本の降伏条件を示す『ポツダム宣言』が発表されました。それは『天皇制の廃止』に加え、『民主主義や基本的人権の尊重』『平和的政府の樹立』=『軍隊の解散』を要求する内容でした。日本政府はこれをすぐに受け入れず、広島、長崎に原爆が投下されたのです。そして、昭和天皇に近い中枢部が宣言の受け入れを決定し、8月15日に『敗戦』となりました」 天皇制を残し、国民が主権者となる日本国憲法は、GHQに『機会を与えてもらった』ものなのだとつづける。 「『軍隊の解散』を要求されたポツダム宣言から、日本の“現代”は始まったのです。そして成立した『国民主権』『基本的人権の尊重』『平和主義』という三大原理が書かれた日本国憲法は、現代の一部の政治家や思想家たちが主張するような『押しつけられた』ものでは決してありません。子どもや孫を兵隊に取られ、戦後『自分たちは政府に情報をコントロールされ、だまされていた』と気づいた国民が『軍隊はイヤだ』と願い、『こんな人たちに支配されるのはイヤだ』と判断した結果にほかならないと、私は思います。それは国民の『祈り』に近いもの。70年もの間、1文字も憲法が変わっていないのは、条文の理想を変えたくない、守っていきたいという人が多いからではないでしょうか」
2017年06月16日在任期間中に何が何でも!ーーという安倍総理の鼻息が聞こえてきそうな憲法改正議論。とくにそのターゲットとなっているのが“9条”だが、何がそんなに問題なのか。きちんと理解しておこう! 「国民の“祈り”と“願い”により、一度も変わっていない日本国憲法ですが、とくに議論が別れるのが、9条の解釈について。そのときどきの政府によって、何度も“解釈”を変えられてきたという歴史があるのです」 こう話すのは、大阪国際大学准教授で、フェイスブック上のグループ・全日本おばちゃん党代表代行の谷口真由美さん。最新刊にピーコさん、佐高信さんとの共著『お笑い自民党改憲案』(金曜日刊)がある谷口さんに、憲法学の観点から9条を読み解いてもらった。 「9条は1項は『武力の行使は……永久にこれを放棄する』というものですが、その『……』部分に入っている『国際紛争を解決する手段としては』という一節を巡って、2つの学説があります。1つは『自衛のための戦争は放棄していない』と捉える『限定放棄説』。もう1つが『いかなる戦争も放棄する』と捉える『全面放棄説』です」 しかし、2項の内容を吟味すれば、憲法学者のあいだでは、「おおむねひとつの解釈にまとめられる」という。 「2項では、『……戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない』の前提に『前項の目的を達成するため』とされていますので、『全面的な戦力不保持』を定めたものだという解釈が妥当です。それにより『自衛のための戦争』を『不可能』としている。さらに別の解釈もありますが、議論を重ねたうえで、憲法学者の多くが、『自衛隊は違憲である』という考えです」 では、9条の条文にある「武力行使」「戦力」についての政府による解釈は、どのように変わってきたのだろう? ’50年、警察予備隊の発足において、「政府解釈」で最初に変更になったという。 「このとき吉田茂首相は『武力によらざる自衛権は持つ』と発言し、『軍隊以外の形での国家の自衛権』の存在が共有されることになりました。その後、警察予備隊が保安隊となり軍隊の要素を備え始めると、吉田内閣は’52年、『憲法で禁じられた戦力とは、近代戦争遂行能力だ』という解釈を持ち出した。『近代戦に至らないものは戦力ではない』という方便に聞こえます。『近代戦かどうか』の区別なんか、どこにあるっちゅうねん!」 これが「無理のある解釈の始まり」だと谷口さんは話す。そして’54年に自衛隊設置。 「自衛隊法では『わが国を防衛するため、必要な武力を行使することができる』と定めています。これが『個別的自衛権』の考え方ですが、憲法では『自衛権を放棄』していると、当初、政府も解釈していたはず。そこで、鳩山一郎内閣が『日本に対して武力攻撃された場合、国土を防衛する手段として武力を行使することは、憲法に違反しない』という趣旨の統一見解を発表し『国家には固有の自衛権がある』という前提から、『戦力』に至らない『必要最小限の自衛力』は持てると導きだしている。憲法を変えずに『自衛隊は合憲』と解釈したのです」 さらに’57年、岸信介首相は国会で「自衛のための核兵器の保有は合憲」という趣旨の発言をしている。この一連の「憲法を変えずに軍備化、武力行使可能」という政府解釈は、最近になってもまかり通っている。 「’14年に安倍晋三首相が従来の政府解釈を変更し、『集団的自衛権による武力行使も現行憲法下で可能』として、安保法案を可決させ、『解釈改憲』といわれましたよね」 政治家たちの“解釈”の歴史から見えるものについて、谷口さんが嘆きの表情で言う。 「岸信介は安倍首相の、吉田茂は麻生太郎副首相のおじいちゃん。つまり、現政権のツートップの先祖が解釈で自衛隊を『合憲』としてきて、いま、孫たちがとうとう『憲法改正を』と言いだしている。手を替え品を替え、亡霊のように名前も看板も変えて、憲法を変えようとしている“権力者たち”。ほんまにしつこいなあって思います」
2017年06月16日〜憲法記念日に想うこと〜今日は憲法記念日です。日本はこれまで一貫して戦争放棄を謳い平和を保ってきましたが、戦後71年を迎える今、政治家達は再び戦争をする国にしようとしています。戦争をしたらどんな恐ろしい事になるかは、小さい子どもでも知っています。それなのに、安倍内閣は憲法九条を拡大解釈し、集団的自衛権を行使。皆さんは、映画やドラマで、第二次世界大戦がどのようなものだったのか見たことがおありでしょう。想像してご覧なさい。昨日まで聞いていた楽しい音楽は聞けなくなり、昨日まで着ていたおしゃれな洋服は着られなくなり、昨日まで食べていたご馳走が食べられなくなり、昨日まで一緒に食卓を囲んでいた家族が、兵隊として戦地へ行って殺され死んでしまうのです。昨日まで許され、認められていた価値観が、すべて禁じられてしまうのです。私は、多くの人間達の悲劇を見てきましたし、むごたらしく理不尽で悲惨なことばかりでした。「狂人に凶器と権力を持たせる」それが、戦争なのです。何度でも言いますが、あの同じ悲劇を二度と起こしてはならないのです。ゴールデンウィークで楽しく羽を伸ばしている方も多いと思いますが、その今の平和とは何か、じっくり考えてみると有難みがつくづくとおわかりになりますよ。
2017年05月03日俳優・山崎賢人主演で実写化される映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017年8月4日公開)に登場する空条承太郎のビジュアルが1日、公開された。同作は荒木飛呂彦原作、1987年に連載を開始した人気コミックで、現在はPart8(第8部)を集英社「ウルトラジャンプ」(集英社)で展開している。今回実写化されるのはPart4(第4部)「ダイヤモンドは砕けない」で、山崎演じる主人公・東方仗助が杜王町に潜むスタンド使いと戦いを繰り広げる。伊勢谷友介が演じる空条承太郎は、ジョースター家の血を引く人間で、山崎が演じる仗助よりも年上だが血縁上は甥にあたる。今回実写化されるPart4の前のシリーズにあたるPart3(第3部)「スターダストクルセイダース」では主人公として活躍していた重要な役どころで、仗助を導いていく。原作のファンだという伊勢谷は「空条承太郎には、中学のころから恐ろしいほど憧れていた」という。「承太郎と伊勢谷友介は全く別人格なのでそのギャップを埋めるのが難しかった」と苦労を明かしながらも、「三池監督のアイディアが随所に溢れてくる撮影は凄く刺激的で、楽しませて頂いた」と語った。スペイン・シッチェスでの撮影、および日本での撮影も終了し、現在編集に入っているという同作。伊勢谷は「スペインでは日本では味わえない爽やかな気分で撮影が出来た」と振り返り、上下真っ白で決めた衣装も「この街の中であるからこそ、ジョジョの衣装が馴染み、違和感がないと思うので期待している」と自信を見せた。同作にはほか、神木隆之介(広瀬康一役)、小松菜奈(山岸由花子役)、岡田将生(虹村形兆役)、真剣佑(虹村億泰役)、山田孝之(片桐安十郎役)、國村隼(東方良平役)、観月ありさ(東方朋子役)の出演が決定している。(C)2017 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
2017年03月01日京都 元離宮二条城にて、世界の名車が集う展示会「競演 世界遺産と華麗なる名車たち (ARTISTIC CARS AT THE WORLD HERITAGE)」を開催。期間は、2016年10月28日(金)から12月11日(日)まで。本イベントでは、1970年代から2000年代までの世界中の名車が集結する。フェラーリや、ランボルギーニなど、格式高く今もなお愛され続ける車ばかりだ。展示会場は、元離宮二条城の中でも通常非公開の「二の丸御殿中庭」「台所前庭」「台所」。400年以上歴史を持ち、普段は誰も入ることができないその荘厳な雰囲気の空間にヴィンテージカーが並ぶという不思議な体験を提供する。さらに、12月3日(土)から6日(火)までの3日間はメインイベント「コンコルソ・デレガンツァ京都 2016」を開催。愛好家なら一度は目にしておきたい特に価値の高い名車、ヴィンテージカーがこの期間限定で展示される。さらに、6日には、城内を名車たちがパレードした後、美しさの頂点を競い合うコンクールも行われる。【詳細】競演 世界遺産と華麗なる名車たち (ARTISTIC CARS AT THE WORLD HERITAGE)期間:2016年10月28日(金)〜12月11日(日)時間:9:00〜17:00 (二条城の最終入城は16:00、会場の最終入場は16:30)場所:元離宮二条城 二の丸御殿中庭、台所前庭、台所住所:京都市中京区二条通堀川西入二条城町 541入場料:一般 600円 / 中学生・高校 350円 / 小学生 200円 / 小学生未満 無料※別途、二条城入城料が必要 (12月6日を除く)※12月3日(土)~6日(火)は特別展示・特別イベント実施のため、入場料が異なる。一般:1,200円 中学生・高校生:700円 小学生:400円 小学生未満:無料(6日分のみ後日発表)◼︎コンコルソ・デレガンツァ京都 2016期間:2016 年12月3日(土) 〜5日(月)※12月6日(火)は特別イベントを実施、開催時間は後日発表時間:9:00〜17:00会場:元離宮二条城 二の丸御殿中庭、台所前庭、台所※12月6日(火)は特別イベントを実施、場所は後日発表料金:特別入場料を設定、後日発表
2016年11月03日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する、雑誌『anan』で連載中の「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「憲法改正」についてです。***5月3日は憲法記念日。今、戦後70年続いた日本国憲法が変わるかもしれない、大きな転機が訪れています。自民党は結成当初から、「自分たちの手で憲法を作る」というのを理念に掲げてきました。憲法改正は安倍総理のおじいさん、故・岸信介元総理の悲願でもありました。安倍さんがことさら積極的になっているのも、今がチャンスという部分もあるんです。まず、株価を上げたり、失業率を低下させたりと、安倍政権は、一定の成果を上げてきたと自負しています。来年には消費税増税という問題が控えていますし、’18年には安倍さんの自民党総裁任期が切れます。また、夏の参議院選挙に向けて野党4党が協力し合って与党と闘おうとしていますが、実は改憲問題については4党の意見が一致していません。憲法改正を争点に掲げることで野党間がバラバラになる可能性もあるんです。改憲といっても、誰がどのように変えるかが問題ですよね。自民党のHPには、改憲草案がアップされていますから、ぜひチェックしてみてください。安倍総理が強く必要性を主張しているのが、緊急事態の条項を加えること。災害やテロに対処するため、非常時に議会を延長したり凍結させる権限を総理大臣が持つというものです。これは、総理に大きな権限を集中させることになりますから、使い方を間違えると大変なことになりかねませんね。また、改憲には衆・参両院それぞれ3分の2の賛成と国民投票による承認が必要ですが、これを3分の2から過半数に引き下げる改憲案を打ち出しています。与党の議員数が多ければ、過半数はすぐに集まります。単なる手続きの変更と簡単に考えてはいけません。国民投票では、ポスターやCM制作に制限がありません。ですから、お金を多く費やす人の意見が強く打ち出される可能性があります。そんな中で私たちは冷静に判断できるのか?改憲問題は有権者の肩に大きくかかっています。現憲法に問題があるのかどうか。自民党の改憲草案をどう思うか。一人一人が考えて選挙で示すことです。憲法は国家を縛る大切なもの。「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないためにも、考えることが重要ですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年5月4日-11日合併号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年05月09日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「憲法」です。***11月3日の文化の日は、70年前に日本国憲法が公布された日です。ところでみなさんは「憲法」と「法律」の違いはわかりますか?「憲法」とは国家をしばるもの、国民をしばるものが「法律」です。「国民の人権を尊重すること」「誰もが等しく教育を受けられる権利を与えること」など、国家権力が国民に対して何をするべきかを定めたものが憲法。一方、窃盗を禁じたり(刑法)、遺産の分配を決めたり(民法)など、国民が守らなければいけないルールが法律です。憲法は国家をしばるものですから、強大な力を持っています。憲法を変えるというのは大変なこと。改変の手続きは国によりますが、日本の場合、衆議院、参議院の3分の2以上による可決と、国民投票で過半数の賛成がないと、改憲できません。日本は制定以来一度も憲法を変えていません。たとえばドイツでは59回改憲が行われました。EUに参加したり、東西ドイツが統一したりと国に大きな変化があったので、対応する必要があった。時代に合わせてその都度改正をしてきましたが、骨格は変わっていません。自由民主党は結党以来60年間、改憲を訴えてきました。来年の参議院選挙の後には憲法改正にとりかかると安倍総理は公言しています。いま、戦争の放棄をうたう憲法9条の改憲問題に注目が集まっていますが、僕は12条も要注意だと思っています。12条には、国民の自由と権利が侵されないように国民は「不断の努力」をしなければならず、濫用してはいけないこと。また、「公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」と書かれています。「公共の福祉」とは、Aさんの自由をBさんも保障する義務がある。公の利益のために個人が犠牲になるのではなく、国民が互いに目を光らせて、個々の自由や権利が奪われないようにしましょうという意味です。自民党の改正案にこの言葉はなく、「公益及び公の秩序に反してはならない」となっています。主体が国になりますから、意味は大きく変わりますね。憲法は私たちにとってとても重要。次の参議院選は、今後の憲法を左右しますから、じっくり考えて投票しましょう。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年11月11日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年11月04日11月29日にH&Mの日本最大級・最多フロアとなる「H&M KYOTO」がオープン。住所は京都市中京区河原町通四条上る二丁目下大阪町354。生命力と日本の象徴として「松」をイメージしたデザインをショッピングバッグやノベルティに投影するほか、世界遺産の元離宮二条城にてH&Mの巨大ショッピングバッグの設置企画も実施。このショッピングバッグのデザインは、日本のアートデザイナー川上俊(SHUN KAWAKAMI)がH&M KYOTO のために書き下ろしたもの。このデザインは、ショッパーのほか、オープニング特典のクラッチバックに。先着1,000名に「H&M KYOTOオリジナル クラッチバック」をプレゼントする。また、京都限定ホリデイコレクションとして、トレンドのブラックやレッドのドレスを販売する。「H&M KYOTO」は京都初出店となる1号店。 阪急京都線の河原町駅からほど近い京都一のファッション激戦区「四条河原町エリア」に位置し、売場面積は日本最大級となる約3,400平方メートル、国内最多の7フロアを誇る大型店舗だ。このように地域性とコラボレーションするという取り組みは、ヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン社として、これまでにない試みとなっており、京都のならではの“和テイスト”を盛り込むことで観光客を取り込む狙いもあるようだ。
2014年11月14日京都大学iPS細胞研究所(CiRA)は、iPS細胞の初期化の過程として、ヒトの体細胞は、中胚葉や内胚葉の細胞のもととなる「原条」と呼ばれる構造の細胞に似た状態を経て初期化されることを明らかにしたと発表した。成果は、CiRAの高橋和利講師、同・山中伸弥教授、スタンフォード大学の田邊剛士研究員(元CiRA)らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、日本時間4月24日付けで英オンライン科学誌「Nature Communications」に掲載された。ほ乳類の発生過程で現れる溝の様な構造。マウスの場合、発生開始から6~7日目に見られ、この部分で細胞の形態が変化し、中胚葉や内胚葉の細胞のもとになる。山中因子ともいわれる、初期化因子因子「OSKM」こと「OCT3/4」、「SOX2」、「KLF4」、「c-MYC」を含む転写因子を発現させると、分化した体細胞が多能性を獲得するが、その効率は決して高くない。この効率の悪さの要因として、OSKMの添加に加えて、「初期化の障壁を取り除く」あるいは「未だに知られていない2次的なイベントが必要である」と考えられてきた。それらを明らかにすることで初期化効率の改善が期待されるわけだが、集団の中で大部分を占める初期化されそこなった細胞が各種解析結果において大きなノイズとなり、初期化の分子機構を研究する上で障壁となっていた。そのため、iPS細胞へと初期化される過程にある細胞の中で起きているイベントを捕まえることはとても難しいのが現状だったのである。昨年、高橋講師らは細胞表面の抗原(タンパク質)である「TRA-1-60」を指標に初期化途中の細胞を集めるという手法を開発。ヒトの細胞の内、OSKM誘導によって生じたTRA-1-60陽性細胞がiPS細胞へと初期化される途中段階の細胞であることを示すことに成功した。また、TRA-1-60陽性細胞の動態解析から、初期化の開始段階ではなく、その後の成熟過程がボトルネックとなって初期化の効率を決めていることも明らかにしている。しかし、実は初期化途中の細胞の特徴についてはまだほとんどわかっていないという。そこで今回の研究では、真正なiPS細胞の候補である途中段階の細胞としてTRA-1-60陽性細胞を集め、遺伝子発現についての解析を実施したのである。「ヒト線維芽細胞(HDF)」にOSKMを作用させてからさまざまな日数において、iPS細胞へと初期化される途中の段階であるTRA-1-60陽性の細胞(d3~d49)が回収され、それらの遺伝子発現が調べられた。比較として、もとのHDF細胞に加え、初期化が終わったiPS細胞(iPSC)やES細胞(ESC)、さらにiPS/ES細胞から少し分化させた細胞の「内胚葉(EN)」、「中胚葉(ME)」、「神経外胚葉(NE)」、「原条様中内胚葉(PSMN)」についての解析が行われた。すると、初期化途中の段階の細胞、特に20~49日目の細胞はPSMNにとても似ていることが明らかになった。また、初期化の途中にあるTRA-1-60陽性細胞ではPSMNに特徴的なマーカー遺伝子の「BRACHYURY(T)」、「MIXL1」、「CER1」、「LHX1」、「EOMES」などが一過的に活性化していることが確認されたとする。一方でほかの系統の細胞に特徴的なマーカー遺伝子は一時的に活性化することはなかったという。これらの結果から、TRA-1-60陽性細胞が初期化の後半でPSMNと似た遺伝子発現をしていることがわかったというわけだ(画像)。以上の結果から、iPS細胞へと初期化される際には、原条の様な状態を経ていると考えられるという。逆に原条の状態を誘導すると、初期化の効率が高くなることが予想されるとする。そこで原条に関連する転写因子をいくつかOSKMと同時に誘導したところ、FOXH1を利用した場合にできるiPS細胞のコロニー数が飛躍的に増加することが確認された。また、FOXH1の機能を「RNA干渉法」により抑制すると、iPS細胞のコロニー数も対応して減少。これらの結果からFOXH1が初期化を促進することがわかったのである。今回の成果により、TRA-1-60を目印として初期化の途中にある細胞を捕まえる戦略により、初期化途中の細胞がPSMNと似た状態を経ることが明らかにされた。このPSMNに似た状態が次第に変化して、iPS細胞へとさらに初期化されるというわけだ。初期化過程の研究を進めることで、iPS細胞のより強固な樹立を可能にすることができると考えられるとしている。
2014年04月25日プロの料理レシピサイト「E・レシピ」がご紹介する『今日の献立』は、旬の食材を使ったバランスのよい献立メニュー。今夜の夕食にオススメの献立を毎日ご紹介!今日の献立は「サバと九条ネギのみそ煮」を含めた全4品。定番のサバのミソ煮。九条ネギと一緒に煮込んでおいしさUP! 柑橘汁を効かせたもみ漬けはさわやかな味が広がります。 サバと九条ネギのみそ煮 しっかりとしたみそ味でご飯がすすみます! 大根とニンジンのもみ漬け 柑橘汁がほんのり効いたさわやかなもみ漬けです。 ひらひらレンコンのきんぴら 味付けしっかりのきんぴら。レンコンの食感も楽しめます! シイタケ・シメジのかき玉汁 キノコの旨みとふんわり卵の相性バッチリ! お好みのキノコを加えてもGOOD! ⇒今日の献立一覧はこちら
2013年11月13日