こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。報道各社によると、法務省は成人の年齢を現在の20歳から18歳に引き下げる 民法改定案を国会に提出する方針を決めたようです。改定案が成立すれば早ければ2021年の4月から18歳の子が民法上の成人となりますので、筆者の下の息子はまさにわずか18歳で大人扱いされる第一期生ということになります。『子育てが終わらない 「30歳成人」時代の家族論』などの著書がある精神科医の斎藤環先生は、『20代のほとんどが親がかりの生活を送っている中で、経済的に自立し、行動に責任を負える18歳がどれほどいるでしょうか』と、法務省法制審議会の民法成年年齢部会でも成人年齢の引き下げに反対。わが国の現状を考えると、若者を成人として大人扱いすることができるのは『25歳(以上)というのがギリギリ』と言い、精神神経科の医師として政府の方針に異を唱えました。この問題、成人前の子どもをもつ親として、わたしたちも一緒に考えてみる価値があるのではないでしょうか。●当事者である18歳・19歳の人たちは成人年齢18歳への引き下げに反対している斎藤先生は成人年齢の引き下げに反対する理由として、2016年1月に受けた朝日新聞のインタビューの中で、『人が大人として成熟する節目は、実質的には就労と結婚、子どもを持つことだと思う』と述べました。そのうえで、『18歳、19歳の若者の側から「成人年齢を引き下げてほしい」という声を聞いたことなど一度もない』と指摘しています。この斎藤先生の指摘には統計的な根拠もあり、2016年5月に実施された読売新聞の調査によると、成人年齢18歳への引き下げについて「賛成」の18歳~19歳はわずか35%。これに対して「反対」が64%でした。当事者である18歳・19歳の人たちは概ね引き下げに反対 しているわけです。斎藤先生が引き下げに反対する第一の理由はこれです。●富裕層の子と特殊な職業の人を除けば20代前半までに経済的に自立できる人は少ない“大人としての権利を与えるから納税の義務をはじめとする国民の義務全般を負ってくれ”というのであれば、若者が(ブラック企業でない企業に)就職して、最低限の文化的生活を送ることのできる社会環境が整っていることが前提になるのだろうと思います。しかし実際には、20代の前半ごろまでに経済的に自立できる若者がどれくらいいるでしょうか。プロスポーツの一流選手や売れっ子のタレント・芸能人、親の資産に依って生きることができる富裕層の子ども。そんな人たちくらいしか思い浮かびません。以前であれば、高校卒業後に堅い会社に就職して2年が経った20歳のときにはある程度自立できていたとも言えるでしょうが、それはせいぜい昭和40年代前半まで。今は昔の話です。18歳や19歳では「自立」というにはほど遠い生活状況しか手に入らないというのが現実であるにもかかわらず、自分の意思で契約をしていいですよという“大人としての権利”を与える代わりに、“大人としての義務 ”を早くから負うという負担が増える。これには、『大人としての負担や義務を今よりも増やそうという大人側の意識が働いている』と斎藤先生は指摘します。だからこそ成人年齢の安易な引き下げには賛成できないというのが、斎藤医師が“18歳成人”に反対する第二の理由です。●「欧米では18歳成人が常識」は無意味。若者対策が遅れている日本では単なる自立強要さらに斎藤医師が指摘するのは、「欧米では18歳成人が常識」という法務省側の論拠についてです。この説明に対して斎藤先生は、『日本はOECD加盟国の中で唯一、青少年を担当する専門の省庁が存在しません。育った家庭の経済力などの関係できちんとした教育を受けることができなかった若者たちをサポートする体制や、段階的に自立を促す器がまったく用意されていない』と指摘します。たしかにそう言われてみると、そんなに収入の高い仕事でなくても、働くことの喜びと自分の手で収入を得ることの喜びを若者たちに手に入れてもらうための取り組みを今よりもっと真剣にやってもらうことの方が、成人年齢引き下げの議論などよりも先だろうと、筆者も13歳の子どもの親として、2歳の孫の祖父として思います。これが第三の反対理由です。●精神科医療の臨床現場ではわが子を無条件で愛せない親が増加。早く放り出すのは危険第四の反対理由。これこそが斎藤環さんが精神神経科の医師としてもっとも問題視している点かと思いますが、それは“子どもの虐待件数がどんどん増加している傾向 ”です。朝日新聞のインタビューで斎藤先生は次のように述べています。**********『児童虐待防止法の施行で実態が透明化されたこともあり、児童相談所での相談件数は施行前の5倍以上です。親子だからといって無条件に子どもを可愛がるわけではないという現実が身もふたもなく露呈しています。団塊世代の親は、まだ無条件にわが子を可愛がる傾向がありました。しかし臨床の現場では、親がひどい目にあうくらいなら子どもは捨ててもいいくらいの認識が一般化してきている印象です』(2016年1月19日付『朝日新聞』より)**********言われてみると、街なかで自分の子どもに対してあまりにもひどいんじゃないかと思えるような暴言・暴力をふるっている親は、昔よりずっと増えているような印象を受けます。行政はサポートしてくれない、親は子どもを無条件で愛してくれない、このような傾向の中で国が納税者を増やしたいがゆえに今よりも早い段階から子どもを法的に大人扱いするのは逆効果ではないかと筆者も思います。優先されるべきは“成人年齢の引き下げ”ではなく、“成人への移行期における就労サポート ”のシステムでしょう。●結論として、現代のわが国では何歳で成人がリーズナブルなのか?それでは、今のわが国では本当のところ何歳で成人とするのが「社会的・精神的な自立」という意味においてリーズナブルなのでしょうか。キャリアカウンセラーの小島貴子さんとの共著である『子育てが終わらない 「30歳成人」時代の家族論』の中で斎藤環先生は、次のように端的に結論づけています。**********『27歳が社会的自立の節目である。順調に就労が進んだ場合に何とか自立の見込みがつく時期が、今のわが国では27歳という年齢である』**********----------いかがでしょうか。もちろん、成人年齢を18歳に引き下げようとしている国には国の事情があるのでしょうし、今の国会の党派別議席構成をみれば、18歳成人法案は現在13歳の子どもたちから現実のものとなるでしょう。それはそれとして、子どもをもつママやパパとしては、斎藤医師のように「行政がやろうとしていることが子どもたちにとって本当にいいことなのか」と自分の頭で考える姿勢だけは常に持っていなければいけないと思います。筆者はどちらかというと、「今のままでいいのではないか」という意見ですが、みなさんも一度「わが子が“未成年”を卒業するのは何歳がベストか 」を考えてみるのはどうでしょう。国の方針と同じように、「18歳成人がいい」とおっしゃるかたはそう多くはないような気が、筆者はしているのですが。【参考文献】・『子育てが終わらない 「30歳成人」時代の家族論』斎藤環、小島貴子・共著●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年11月29日斎藤工と板谷由夏が出演するWOWOWの映画紹介番組「WOWOW映画工房」が開催中の東京国際映画祭にて開催され、3本の日本未公開映画が上映されると共に斎藤さん、板谷さんが熱いトークを展開!2人がダース・ベイダーの似顔絵を描くというコーナーでは思わぬ惨事が…。「WOWOW 映画工房×ジャパンプレミア feat.スター・ウォーズ in東京国際映画祭」と銘打って行われたこちらの企画。『スター・ウォーズ』に関する映画1本と、日本未公開の作品2本が“ジャパンプレミア”として日本の観客の前で初めて上映されたが、オールナイトに3本上映という強行スケジュールにもかかわらず多くの人々が劇場に足を運んだ。『スター・ウォーズ』に関わる作品として上映されたのは、ダース・ベイダーの“中の人”を演じてきたデヴィッド・プラウズに焦点を当てたドキュメンタリー映画『I AM YOUR FATHER』。斎藤さんはこの映画を観て、プラウズの存在について「日本人にとっても他人事じゃない!戦隊ものやライダーの“ショッカー”の中の人の存在とダブる!『スター・ウォーズ』がここまでヒットしたがゆえに、あることに巻き込まれていくのが描かれている。映画の裏側をここまで見せていいの?という作品」と熱く語り、板谷さんも「赤裸々に話してて、“中の人”は全身全霊でお芝居しているんだけど、だけれども…という作品」とうなずく。ここで、『スター・ウォーズ』も観たことがなくダース・ベイダーも知らないという観客のために、斎藤さんと板谷さんが30秒で似顔絵に挑戦!板谷さんは「子どもたちが『スター・ウォーズ』マニア。ライトセーバーが無駄に8本も家にある」と語り自信をのぞかせていたが、出来上がったのは何とも微妙なダース・ベイダー…。斎藤さんや司会の映画評論家の中井圭から「こういうおばあちゃん、巣鴨にいる」「むしろタイムボカンシリーズ?」などという声が上がり、斎藤さんは「表現者として信じられない」と厳しい評価!その斎藤さんの絵も、板谷さんよりもさらに「?」な出来栄えで「東大寺の門にいそう」などという声が上がり、人気俳優2人の絵心の悲惨さがあらわになった。ちなみに、その後、別の上映作で英国の疑似ドキュメンタリー『スティーヴとロブのグルメトリップ』に出演するスティーヴ・クーガンとロブ・ブライドンの似顔絵を描くという、汚名返上のチャンスが与えられたが、ここでできた絵はなぜか先ほどのベイダー卿と瓜二つという始末で会場は爆笑…いや失笑に包まれた。ちなみに、『I AM YOUR FATHER』『スティーヴとロブのグルメトリップ』に加え、もう1本上映されたの映画はペネロペ・クルスが主演・製作を務めた意欲作『あなたのママになるために』。乳がんの告知を受けた母親を主人公にした作品だが板谷さんは同世代の女優、そして母として強く感じるものがあったよう。斎藤さんも「普段、『泣けます』とか『号泣必至』と観る前に謳うのは良くないと思うんですが、これは嗚咽でした」と語り、劇中のペネロペのヌードについても「内側からの熱意をぶつけるってこういうこと。本質的な意味で“体当たり”とはこういうことだと震えました」と絶賛した。同時に、これほどの作品が日本で劇場公開されないという映画界の現状についても憂いていた。観客から寄せられた質問に答えるコーナーでは、「家で映画を観るときのお伴」というお題に、斎藤さんは「最近、1日仕事して家に帰ると脚がパンパンで…。脚に効くむくみを取るマッサージャーをします」と語り、板谷さんから「OLか!」と突っ込まれていた。(text:cinemacafe.net)
2016年10月29日お笑いコンビ・トレンディエンジェルの斎藤司が、24日に放送されたフジテレビ系バラエティ番組『SMAP×SMAP』(毎週月曜21:00~21:54)で、アイドルグループ・Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔との意外な交友関係を明かした。今回、「ビストロSMAP」に"2016年にブレイクした芸人"としてトレンディエンジェル、横澤夏子らが出演した。自身についてのクイズを出す企画では、斎藤は「今年一番うれしかったこと」をお題にし、正解として「藤ヶ谷君とショッピングをした」と告白。意外な交友関係に驚きの声が上がり、中居正広も「すごいね」と驚くと、斎藤は「仲良くしてもらってて」と話した。きっかけは、中居がMCを務める『中居正広のミになる図書館』(テレビ朝日系)での共演だそうで、斎藤は「僕が楽屋にいたら藤ヶ谷君が来て『写真撮ってください』って。『マジっすか』って言って、そのまま連絡先を交換して、そうしたら藤ヶ谷君の方からフランクに誘ってもらって、ちょこちょこ飲むようになった」と説明した。また、稲垣吾郎が「何て呼び合ってるんですか?」と聞くと、斎藤は「俺は"たいちゃん"。あっちは"ツカサ"って」と返答。中居が「仲良くしてあげてください。いいやつですから」と言うと、斎藤は「本当にめっちゃうれしかったです」と返していた。
2016年10月25日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。独自の若者論・現代日本文化論で注目を集める精神科医の斎藤環さんは、その著書『承認をめぐる病』で、“今のわが国の若者たちは衣食住に象徴されるような物や食などへの基本的な欲求よりも、 「他者から認められたい 」との思いで生きている”という主旨の指摘をし、話題を呼んでいます。「コミュ力」にしても「スクールカースト」にしても「KY」にしても、若者の価値観が“認められること”にあまりにも偏ってしまっているがために生まれた言葉であるとし、こういった斎藤先生の見方については精神医学に携わる多くの医師たちが「的を射たもの」と評価しています。「町の精神科医」を自認する都内在住のT先生(50代女性/都内メンタルクリニック院長)もその一人ですが、T先生はさらに『若者の承認欲求が強すぎる傾向は格差社会の副産物だ』と言い、この傾向の悪い面と良い面の両方について自説を展開してくださいました。今の若者の“認められたい志向”はどうして格差社会の副産物といえるのか。一緒に考えてみましょう。●生まれ育った家の経済力で地位が買える時代に一発逆転で上位の層に行くには「コミュ力」斎藤環さんは著書の中で、近年、若者の誰もが他者からの承認を強く願い、承認されているかどうかの評価基準がコミュニケーション能力である こと、著書で使われている言葉で言うなら、「場の空気を読む能力」や「笑いを取る能力」などがその象徴であることを指摘しています。そしてその能力は必ずしも自分の主張を論理的に表現し、相手を説得する能力のような知的で質の高いものではなく、単にその人の“キャラ”づけにとどまる程度のものであると述べています。ただ、若者がこうなったのは若者だけのせいでしょうか。筆者はそうは思いません。なぜなら、わたしたち大人の方こそ、若い人たちに「コミュ力」の高さばかりを過剰に求めているところがあるからです。いい例が、就活です。企業が就活学生を採用する際の判断基準として一番に重視する項目は、専門性の高い理工科系の学生を別にすれば、ここ数年ずっと「コミュニケーション能力」です。しかも、ほとんどの普通の子はバイトに明け暮れなければ大学に通えないような時代に、先祖代々多額の資産を持っているような経済的に恵まれた家に育った子だけはその親の財力で学力・運動能力・芸術的な能力といったいわゆる“実力”を磨くことが難なくできてしまう。一般的な庶民の子たちは増々もって「コミュ力」を磨き“マシな部類の正社員サラリーマン”になるしかない。中学・高校の思春期の学校生活においては、コミュ力を磨いてスクールカーストの上位に行くしかない。筆者のこのような見方は少々乱暴だろうかと思いきや、都内でメンタルクリニックを開院するT先生がお墨付きをくださいました。●近年の若者の承認欲求の強さは格差社会の副産物であるT先生に、近年の若者の承認欲求の強さは格差社会の副産物であるといえる理由について話を伺いました。『斎藤環先生は著書の中で、若者に特有な「自分が何者であるか」という“実存の不安”を解消してくれたものは1970年代までは思想や宗教だった。その後は若者をアイデンティティ・クライシスから救うツールは心理学に取って代わり、今はそれが「その人のキャラ付けに基づいたコミュ力によって評価される承認の度合い」であるという主旨の指摘をされています。その分析は実に鋭いものですが、斎藤先生の場合はややもするとそういった“強すぎる承認欲求”“コミュ力偏重主義”の悪い面にスポットを当てすぎの面もあると思います。今のわが国では、富裕層の家に生まれさえすれば、その子どもは大抵のものを手にすることができます。運動能力も外国語を話す力も医学部に合格する学力も楽器を演奏する能力もコンピュータのプログラミングをする能力も、お金に糸目をつけずに習わせてさえもらえるなら誰だって身につきますし、それによって収入の高い職業に就くことも容易になります。一方、一般的な庶民の子どもたちはというと、そのような“お金が要る特技や能力”はなかなか身につきません。では、庶民の子がちょっと上に行くにはどうしたらいいか。コミュ力で“いい会社”に就職するか、笑いを取る力で“お笑い芸人”から“タレント”や“文化人”を目指すか 。そういった方法が近道と言えるでしょう。つまり、近年の若者の承認欲求の強さは格差社会の副産物だと言うことができるのです』いかがでしょうか。日ごろから中高生や大学生の心の相談に応じている町の精神科医は、若い人たちの承認欲求の強さやコミュ力志向の“良い面”にもしっかりと向き合っているように思えます。●寡黙でもしっかりと認められる人たちがいるおしまいに。筆者には世間から「社会起業家」と呼ばれているような若い知人が何人かいます。女性も男性もいますが、その人たちに共通していることは、「育った環境はどちらかというと逆境だった」という点です。そして彼らは自分の体験に基づいた願いから、子どもたちの未来が親の経済力によって制約されることのないようにと無料の学習塾や無料の食堂を運営し、しっかりと地域社会から「承認」されています。普段の彼らは“キャラ”とは縁遠い“地味”な人たちで、おもしろいことを言って笑いを取ることもありません。むしろ“寡黙”な印象を受ける人が多いのですが、ひとたび自分たちがやろうとし、やっている活動を理解してもらい協力を得たいというときには、並々ならぬ情熱と「承認欲求」をもって語りかけて来るのです。そういうときの彼らのコミュニケーション能力はとても高い。若い人たちの承認欲求が強いことは、悪いことばかりではないと筆者は思います。というよりも承認欲求の強さは昔から、機会になかなか恵まれない若い人たちの原動力 になってきたのではないでしょうか。斎藤先生が著書で指摘するような『キャラの相互確認に終始する毛づくろい的コミュニケーション』としてだけでなく、機会に恵まれなかった若者が現状を打破するための質の高いコミュニケーション能力 につながるものでさえあれば、“承認をめぐる病”には良い面もあるのではないかと筆者は思うのですが、みなさんはどうお考えになるでしょうか。【参考文献】・『承認をめぐる病』斎藤環・著●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年10月18日佐藤勝利(Sexy Zone)と橋本環奈のW主演で、人気小説を実写化する映画『ハルチカ』のティザービジュアルと特報映像が解禁された。本作は、高校で再会した幼なじみのふたりが、吹奏楽部に入り音楽を通して成長していく姿を描く青春映画で、特報映像には佐藤と橋本が猛練習して撮影に挑んだホルンとフルートの演奏シーンも登場する。その他の画像佐藤と橋本が演じるのは、ちょっぴり頼りないが気の優しいハルタと、真っ直ぐで負けん気の強いチカ。入学式で運命的な再会を果たしたふたりは、吹奏楽部に入りコンクール出場という目標に向かって、ひたむきに突き進んで行く。映画は、初野晴の小説『ハルチカ』シリーズをベースにしたオリジナルストーリーになっており、脚本と監督を務める市井昌秀は「原作がもつ数ある魅力的な要素から、“心に痛みを持つ人たちがそれぞれの居場所を取り戻す”という要素に焦点を当てることで登場人物を丁寧に描き、吹奏楽のもつ意味を重ねながら、オリジナルストーリーとして生まれ変わらせました。もう一つの『ハルチカ』が一人でも多くの皆様の心に届くことを切に願っております」と語る。原作者の初野は「高校生を題材にした小説を書くとき、ノスタルジーと成長以外の何があるのかを意識して書きます。それを踏まえたうえで、市井監督との初顔合わせのとき、『ハルタとチカと草壁先生が出ていれば何をやってもいいです。その代わり原作者と原作のファンに映画の尺に合った完全新作を見せてください』とお願いしました」と明かし、このほど、顧問の草壁を小出恵介が演じることが明らかになった。ティザービジュアルには、「恋じゃない。けど…友達より、トクベツ」というキャッチコピーがあり、公式サイトで公開された特報映像では、ふたりがさまざまな経験の中で飛躍し、ときに挫折を味わう中で、自分の中に芽生えた“恋より前の、まっすぐな想い”に気づいていく様が映し出されている。初野は「劇場版では原作になかったチカの挫折とリカバーが描かれます。そのリカバーに映画ならではの面白さが詰まっています。監督の作家性が色濃く出ているシーンも多々あり、スクリーンに登場する高校生たちは地面から数ミリ浮遊して生きていました。完全新作のハルチカ、ご期待ください」と太鼓判を押している。『ハルチカ』2017年3月4日(土)全国ロードショー
2016年09月28日"天使すぎるアイドル"で女優の橋本環奈(17)が、スマートフォン向けRPG『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』の新CMで、"ホイミン"を演じていることが18日、明らかになった。CMは18日から全国放送される。「りゅうおうとホイミン」と題した今回のCMは、前・後編構成。シリーズ4度目の出演となる俳優・北大路欣也が魔物の頂点に君臨する"りゅうおう"を演じ、前編では胸に手を当ててきたホイミンの一言にたじろぎ、後編では並んで歩きながらホイミンの夢に耳を傾ける。癒やしのホイミンと迫力のりゅうおう。初共演の2人が、印象的な会話劇を繰り広げる。撮影を終え、「ホイミンについては、どんなキャラクターかわからなかったのですが、撮影を終えて私もホイミが使えるまでになりました(笑)」と語る橋本。CM撮影の合間にはスタッフからドラクエの話を熱心に聞き、グラフィック撮影では最強の回復呪文である"ベホマズン"や敵を混乱させる"メダパニダンス"などドラクエにちなんだポージングを披露した。「今日『ホイミ』を覚えたので、明日からみんなにホイミをかけ、周りの疲れたスタッフを回復させようと思います」「仕事柄私は移動時間が長い時もあるので、『ルーラ』を使って一瞬にして移動できるといいな」とすっかりドラクエの世界にハマった様子。スタッフから「疲れているサラリーマンの方々に」と癒やしコメントを求められると、「いつもお疲れ様です。いつもがんばっている姿を私は見てますよ!それでは頑張っている皆さんに…ベホマズン!」と呪文を唱えた。(C)2014-2016 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.Developed by Cygames, Inc.
2016年08月18日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。今、メンタルヘルスの世界で『レジリエンス 』という概念が注目されています。日本語に訳すと「精神的回復力」という言葉になりますが、もう少し具体的に言えば「逆境を乗り越えて適応する力 」のことです。要するに、“レジリエンス因子”を十分に持っている人はその働きによって、精神的に落ち込むような事態に直面しても重篤なうつ状態などに陥ることが少なく、なおかつ身体面での健康も損なう確率が低い、という仮説の中核をなす概念のことです。精神科医の斎藤環さんは2016年5月発売の著書『人間にとって健康とは何か』の中で、『大衆から人気を博し支持を得る人物は多少なりとも“悪”の要素をはらんでいる必要がある が、その理由は彼らが持つレジリエンスの高さと健康さに所以する』といった趣旨の論説を全編にわたって展開されています。職場や家庭でさまざまなストレスにさらされることによって、“うつ状態”に陥ってしまうことが多い私たち現代人。レジリエンスを高めることでうつ状態は改善するのかということについて、考えてみたいと思います。●“レジリエンス因子”にはどのようなものがあるか都内でメンタルクリニックを開業する精神科医のT氏によると、レジリエンス(逆境を乗り越えて適応する力)の因子には、次のようなものがあると言います。(1)コルチゾールやセロトニンなどの生理学的なファクター(2)自尊感情(特に、多くの苦難を経験したのに自尊心が強い者はレジリエンスが高い)(3)肯定的な未来志向(4)自分を支持してくれる人がそばにいてくれること(5)ユーモアのセンス(6)好奇心が強く、新しいもの好きであること(7)楽観主義(8)鈍感力(9)変わらない愛着や愛情を注ぐ対象があること(郷土、パートナー、子どもなど)●レジリエンスを高めることでうつ状態は改善するが、レジリエンスを意識的に高めるには専門医の指導を受ける方が望ましいこのT医師によれば、「レジリエンスを高めることでうつ状態は改善するか」といった類いの問いは、『論じる必要もないほど自明なこと』だといいます。ただT医師は、「それではレジリエンスは自分で意識して高めることができるのか」という問いには、『レジリエンスが高い人の多くは育った環境などの自分では選択することのできない要素によってレジリエンスが鍛えられてきたため、既に大人になってしまったレジリエンス低めの人が努力でレジリエンスを高めるためには精神神経科の医師による専門的な指導 を受ける方が望ましい』とおっしゃっていました。●“悪(ワル)”ばかりが高いレジリエンスを持っているというのもちょっと……こうして斎藤環先生の著書やT医師のお話から考えてくると、“悪(ワル)”ばかりが高いレジリエンスを持っているというのもちょっと、どうしたものか……という思いになってしまいます。たしかに、親が何度も家業をつぶしその夜逃げに付き合ってきたような子や、勉強もスポーツも芸術も得意ではないため徒党を組んで“ヤンキー”をしていた少年少女たちが、下手なインテリなどよりたくましく地域社会でネットワークを作り、人によっては地域の活動を通して地方議員や場合によっては国政に進出するほどの出世を果たすといった例は多く、いくらでも実例を挙げることができます。もちろん、そういった人たちが“悪”だというのではなく、ワル的な強さを持っている という意味においてです。T医師が挙げたようなレジリエンス因子を、ごく普通の庶民の一人ひとりが今より少しでも高めることができれば、長引くうつ状態に悩む人はきっと減少することでしょう。そのためにはT医師が言うように「専門医の指導を受ける」か、あるいはまた「時が流れ環境が変わっても自分を支持してくれる愛すべき対象をもつ」ことが有効なのではないかと筆者は考えるのですが、いかがでしょうか。【参考文献】・『人間にとって健康とは何か』斎藤環・著●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年08月16日モデルの藤田ニコルと、お笑いコンビ・トレンディエンジェルの斎藤司が、17日に放送されるフジテレビ系バラエティ番組『モシモノふたり~タレントが"おためし同居生活"してみました~』(毎週水曜22:00~22:54)で、1泊2日の一つ屋根の下の生活を送る。同番組は、未婚の芸能人男女1組が"おためし同居生活"をして、テレビでは見せない素の人間性を観察するもので、今回は18歳の藤田と、37歳の斎藤が登場。斎藤はいきなり「一緒に住むって言うのは運命かもしれないね」とジャブをかまし、藤田は「やめてください」と笑って、打ち解けたムードで同居生活が始まる。斎藤に生い立ちを聞かれた藤田は、ニュージーランドで生まれ、3歳の時に両親が離婚し、母親と日本に来て母親は再婚するが、再婚相手の浮気で再び離婚しており、「お母さんがバツ2」とあっさり回答。そんな中、藤田は小学6年生からモデルの仕事をしているため、学校を休みがちで、親友と呼べるのは2人だけだということまで明かす。また、14人の女性と交際経験を持つという斎藤は、2人のデートで、多くの女性を魅了してきたモテテクニックを次々に披露。まずは、藤田に一輪の白いバラを渡し、「白いバラには、純粋、純潔、深い尊敬という花言葉があって、しかも一本の場合はあなただけにって言う意味だから」と伝えると、藤田は「やるね。うまいね。キュンとしちゃった。さすが大人!」と絶賛する。ほかにも斎藤は、同居生活をへて書いた長文の手紙を渡すというサプライズも見せ、藤田は「あんなに人にしてもらったことないから、斎藤さんで良かったな」と大喜び。当初、恋愛対象は26歳までと言っていたが、斎藤さんも「全然いける!」と発言する。
2016年08月10日お笑いコンビ・トレンディエンジェルの斎藤司(37)が、4日深夜に放送された日本テレビ系バラエティ番組『内村てらす』(毎週木曜25:29~25:59)で、渡辺直美(28)への憧れを語った。トレンディエンジェルの『M-1グランプリ2015』優勝後の変化の話になり、斎藤は「本当にM-1がでかい」とコメント。「最近CMとかすごい出させてもらって、われながら想像以上の活躍。こんなにお仕事もらえるんだって」と自分でも驚いているという。歴代のM-1チャンピオンはもともと力があるがあるけれども、自身については「僕って力あんまりないよな」と自信がなかったという斎藤。「そこで、直美になりたいって。後輩なんですけど、直美にすごい憧れているんです」と渡辺への憧れを明かした。そして、「直美ってもちろんおもしろいんですけど、ガッツリお笑い芸人っていう感じじゃない側面を持っている」とし、「インスタが人気あったり…」と分析。「だから俺もインスタ始めたり。着実に今、直美の道を歩いている」と語った。
2016年08月05日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。“イジる”と“イジメる”は違うのか?といった趣旨の議論が、中学生・高校生や彼らが通う学校の関係者の間でしばしばわき起こるようです。結論から言うと、やられている本人が「嫌だ」と感じているのであれば全て“イジメ”ということになるわけですが、驚いたことに「イジるのは“愛情表現”でイジられた子は自分の存在感を認識できるのだ」などとおっしゃる方が学校関係者の中にも居たりするようです。●中学時代に親愛の情の表現のつもりでイジっていた友は大学時代に自分から去って行った筆者には一人、忘れることができない少年時代の友人がいます。S君という中学校入学以来の友人で、中学校の3年間と高校の3年間、ずっと近くにいて部活動なども一緒にやった文字通りの“親友”です。おとなしい性格だったS君に対して筆者はあたかも漫才コンビのボケと突っ込みが如く、時にキツめのノリで接したり話したりすることがありました。もちろん周囲の雰囲気を和ませようと思ってやったことがほとんどではありますし、筆者にイジられているときのS君は仲間意識を感じているように見えて、変な話とても楽しそうにも見えたものでした 。でも本当はそうではなかったのです。めでたく同じ大学の学生になったS君はある日、「きみとは決別することにした。もう会うこともないだろうと思う」と言い残して去って行ったのです。●“イジり”はある意味で最悪の“イジメ”。イジられてツラさを感じたらまず相談を筆者にイジられていたときのS君は、いつもツラかったのです。そんなことに気づかなかった少年時代の自分は何と愚かだったのでしょう。実はS君はその後(お互いに28歳になっていた年に)筆者の結婚式にお祝いに駆けつけて来てくれ、筆者は随分と救われました。友だちをけっしてイジってはいけないという当たり前のことを学ぶまでこんなに時間がかかってしまった自分は本当に愚か者だったのです。精神科医の斎藤環さんは以前ご自身のSNSのページの中で、『若い世代はお笑い芸人が同業の芸人をイジる様子を“コミュ力”のロールモデルのように考えているフシがあるが、これはとんでもないこと。イジりはイジメるとイコール で、お笑い芸人発の間違ったコミュ力の最悪の副産物だ』という趣旨のことを述べられています。そう。“イジり”は明らかな“イジメ”に見えないからこそ、イジられている本人はなかなか誰かに相談することもできないため、ツラいのです。筆者は働くようになった後でイジられる立場に立たされてみて初めてそのツラさ・嫌さを自分の肌で知ったのでした。イジられることは耐えられないほどツラいこと です。だから、イジられてツラを感じたら先ず信頼のおける人や機関に相談してください。●これだけある! 今すぐに無料で相談できる窓口8つ“イジる”という行為は、何のことはない凶悪なイジメ行為の第一歩です。お子さんが「イジられている」と感じた段階で本人からでもパパやママからでも無料で相談できる信頼のおける窓口をご紹介させていただきますので、お役立ていただけたら幸いです。【24時間いじめ相談ダイヤル(全国統一ダイヤル)】・電話番号:0120-0-78310(なやみ言おう)※24時間対応【東京都いじめ相談ホットライン】・電話番号:0120-53-8288※24時間対応【東京都教育相談センター】・電話番号:03-3360-8008※平日9時~21時、土日祝9時~17時(閉庁日・年末年始除く)【子供の権利擁護専門相談事業】・電話番号:0120-874-374(はなしてみなよ)※平日9時~21時、土日祝9時~17時(年末年始除く)【東京都立小児総合医療センターこころの電話相談室】・電話番号:042-312-8119※月~木の9時半~11時半、13時~16時半(祝日・年末年始除く)【東京都立多摩総合精神保健福祉センター(こころの電話相談)】・電話番号:042-371-5560※平日9時~17時(土日祝・年末年始を除く)※多摩地区全域が対象【都立中部総合精神保健福祉センター】電話番号:03-3302-7711※平日9時~17時(土日祝・年末年始を除く)※港・新宿・品川・目黒・大田・世田谷・渋谷・中野・杉並・練馬区が対象【東京都立精神保健福祉センター】・電話番号:03-3834-4102※平日9時~17時(土日祝・年末年始を除く)※千代田・中央・文京・台東・墨田・江東・豊島・北・荒川・板橋・足立・葛飾・江戸川の各区と島しょ地域【参考リンク】・「24時間(じかん)子供(こども)SOSダイヤル」について | 文部科学省()●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年08月02日俳優の斎藤工と女優の剛力彩芽が7月31日、東京・大井競馬場で行われた「東京シティ競馬 トゥインクルレース30周年記念イベント」に出席した。1986年7月31日に開幕し、今年で30年目という節目の年を迎えた東京シティ競馬のトゥインクルレース。その記念イベントにイメージキャラクターの斎藤工と剛力彩芽がラブラブな2人乗り乗馬で登場し、観客の前でトークショーや観客とともにシャンパングラスで祝杯を上げた。斎藤と2人で馬車に乗って登場した剛力は「2人で馬車を乗るのは初めてだったので最初はドキドキしましたが、皆さんの前に登場できてうれしかったです」と笑顔。一方の斎藤は、報道陣から剛力と密着して乗馬していたことに触れられると「あそこは隙間があると基本的に危ないんですよ!」と釈明し、「ああいう感じでスタジオや現場に入って行きたいですね」と話して笑いを誘った。30周年を迎えた東京シティ競馬のトゥインクルレースについて剛力は「イメージキャラクターをやらせてもらう前は正直女性のイメージがなかったんですけど、イベントなどで競馬場に来ると観客の方が熱狂して気持ちが一つになるんだと改めて思いました。一回ぐらいは(プライベートで)友だちと見に行きたいですね」と好印象の様子。その剛力は現在テレビ朝日系で放送中のドラマ『グ・ラ・メ!~総理の料理番~』に出演中だが、斎藤が「今総理大臣の料理番のドラマにハマっていますよ」と宣伝に一役買う場面もあり、それに絡めて剛力は「皆さんに美味しいご飯を食べていただきながら大切な仲間と一緒に盛り上がっていただければうれしいですね」とアピールしていた。
2016年08月01日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。あるアンケート調査によると、わが国では約3割の人が「身近に引きこもりがいる」と答えています。また、1970年代から始まったと考えられている引きこもりは、今やその数が50万人から100万人(ないしそれ以上)に及んでいるとされ、その8割が男性であると言われています。引きこもり治療の専門家で『社会的ひきこもり―終わらない思春期』の著者でもある精神科医の斎藤環さんは、引きこもり治療においてもっとも成果を上げている方法は『ひきこもる人たちの緩い共同体を作ること』だと言います。なぜそれが成果を上げるのか。その理由は「ひきこもり状態の若者同士でも出会い、理解し合い、親密になるというプロセスを経験することによって“欲望”を持ちやすくなるから」という主旨の説明をされています。●男性は自分の主体を立てないと欲望を持てない斎藤環先生はその著書やマスコミから受けるインタビューの中で、『男性はまず自分の主体を立てないと欲望を抱けない』と述べています。どういうことかと言いますと、男性の場合は「自分は男で、こういう社会的地位がある」といったように主体がハッキリしているほど欲望が持ちやすい 。明確なイデオロギーを持っている政治家が欲望でギラギラしているさまを見ればよく分かりますよね。これに対して引きこもっている男性は「以前ちょっと働いたこともあるけど非正規雇用で社会的地位はゼロ。自分にとっても自分の価値はゼロ。自分の欲望が分からないので社会に参加する意欲も起こってこない」という悪循環に陥っていると、斎藤先生は指摘しています。一方で女性の場合は主体を立てなくても欲望を持てると斎藤医師は言います。男性と比べて社会的地位にこだわらなくてもいいため、・「ただ孤独でいたくないから女子会でおしゃべりして楽しければいい」・「正社員で就職できなければ結婚して夫や子どもとの家族の絆を大事にしながら過ごせればいい」といったような、シンプルな欲望を持てる傾向があります 。だから女性は「ひきこもる必要がない」というのが斎藤先生の分析です。●コンビニやゲームセンターにいる男子たちは仲間と繫がることで生きる欲望を維持している引きこもり治療の分野で実績が豊富な千葉県船橋市の『あしたの風クリニック』(旧『佐々木病院』)のホームページによれば、**********『ひきこもりとは思春期・青年期に起きる問題で、6か月以上自宅にひきこもって社会参加をしない状態が続き、ほかの精神症状がその第一の原因とは考えにくいもの』**********とのことで、対人恐怖、脅迫症状、家庭内暴力、不眠、抑うつ気分、摂食障害、心気症状などの多彩な症状が随伴するといいます。斎藤環先生によれば、『まったく治療的な援助なしで自然に立ち直った事例は皆無に近い 』とのことで、その意味では“うつよりも深刻な精神神経科分野の問題”と言うことができるのかもしれません。筆者の妻の親族にも10代後半からずっと引きこもりで今はもう50代に突入した男性がいます。彼は引きこもる中で高齢の親を介護・支援するという“使命”と出会うことによって、定職に就かない人生ではあったけれど、純然たる引きこもりとは言い切れない社会参加の機会を得たと言えます。これなどは、「息子を何とか引きこもり状態から脱出させたい」と願ってきた両親が年老いて行くなかで今度は自分が両親の力になりたいという彼なりの“欲望”が具現化した、“例外的な引きこもりの治癒例” だったのでしょうか。そうかと思うと、コンビニやゲームセンターでたむろしている男子たちは“仲間と繫がっている”という楽しさで生きる欲望を維持している。斎藤先生流に言うなら、「生産性や創造性は極めて乏しいけれど、みんなとLINEでつながったり、たまって話しているときだけは自分らしさの手ごたえを感じることができる」というわけです。●引きこもりから脱出する唯一のカギは“欲望”。男子は何でもいいから欲望を持って!その“たむろ男子”たちにしても、ひとたび仲間の外に出ると自分が何者だか分からなくなり、主体が立てられないので欲望を持てなくなる。斎藤環先生は、『かっこ悪くてもなんでもいいからとにかく欲望を持ってくれ!』と言います。そうでないと人が人の形を保てなくなると。このように考えてくると、筆者自身も男性に生まれて56年という時間を引きこもることなく何とか生きてこれたのは、10代の半ば頃に芽生えた“異性からよく思われたい” という欲望があったせいではないかと思います。欲望はある面で創意工夫を生み、努力を生みます。妻の親族の男性にしても、引きこもりの男性には異性のパートナーが得られないという大きな問題があり、そこがまた引きこもりの人の葛藤を長引かせる原因にもなっています。“ひきこもる人たちの緩い共同体を作る”ことが引きこもり治療の最も有効な方法であるという事実は、引きこもりの人たちに異性との関係が生まれる機会や恋愛経験の機会を提供することが引きこもり治療の一方法だということでもあります。ただ同時に、引きこもりの人たちに持ってもらいたい欲望は恋愛に関する欲望だけではなく、興味の持てること何でもいいのだろうとも思うのです。前述の『あしたの風クリニック』では引きこもりの若者同士が出会い、理解し合い、親密になるきっかけを提供するために“ひきこもりデイケア”の活動を続けています。その活動の本当の目的は、デイケア後に彼ら同士が食事をしたり飲み会をやったりしたい“欲望”を抱くところにあるといいます。そしてその段階までもってこれれば、引きこもり治療はかなりの程度まで功を奏したと言うことができるのではないでしょうか。【参考文献】・『社会的ひきこもり―終わらない思春期』斎藤環・著【参考リンク】・ひきこもりの治療 | あしたの風クリニック()●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年07月05日斎藤工が6月23日(木)、開催中の「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2016」にて「ショートフィルムの可能性 by 斎藤工」と銘打って行われた舞台挨拶に主演短編映画でザ・ブルーハーツをモチーフにした作品を携え出席。劇場公開の実現を熱烈に訴えた。俳優としての活動のみならず、熱烈な映画ファンとして知られ、自身もショートフィルムの監督をした経験もある斎藤さん。以前から同映画祭に深く関わってきたが、この日は自身が参加した3本の短編映画が上映された。お笑いコンビ「ニッチェ」(江上敬子&近藤くみこ)らと共に作り上げたアニメ『スーパーベジタブルブギ』では、スーパーマーケットを舞台に野菜や魚が繰り広げるシュールなやり取りが描かれており、斎藤さんはサツマイモ、サバなど計4役の声を担当。セリフのほとんどが斎藤さんお得意の(?)卑猥な下ネタということもあり、会場はたびたび笑いの渦に包まれる。一方、河瀬直美監督による5分の作品『RESPECT』は目が見えない男性、耳が聞こえない女性、話すことができない男性を通じて静かに理解と協調に何が必要かを描き出す。そして、井口監督による『ラブレター』は「ザ・ブルーハーツ」による同名曲をモチーフにしており、斎藤さん演じる脚本家と要潤演じるその友人が突然、学生時代にタイムスリップ!事故で亡くなるはずの想いを寄せる女生徒を救うために奮闘するのだが…。同作は、もともと「ブルーハーツ」のデビュー30周年を記念して制作された6本の短編からなるオムニバス映画『ブルーハーツが聴こえる』の1編で、他5本には新井浩文、尾野真千子、永瀬正敏、水原希子らも参加しているが、この豪華キャストにもかかわらず、劇場公開はされぬまま2年近くが過ぎている。斎藤さんは、会場の映画祭関係者、報道陣、そして観客に公開を熱く訴え、通常では観客には許可されない写真撮影も、作品のためにOKし、SNSなどでの拡散をお願いした。井口監督は、映画少年だった自分自身をタイムスリップする主人公に反映させたと明かし「工さんに託しました!」と語る。山本舞香が演じるヒロインを主人公が8ミリビデオに収めるシーンがあるが、監督はそのカットで、実際に斎藤さんにカメラを預け、そこで撮られた映像を実際に映画でも使用していることを明かす。「工さんは“作る人”の心を持ってる。それがわからない役者では成立しない」と語り、監督の想いを受けた斎藤さんも「責務を感じました」とふり返った。山本さんはこの2年の間で『暗殺教室』やJRスキーのCMに出演するなど若い世代を中心に大ブレイクを果たしており、斎藤さんはその点も踏まえて「何とか公開を…!」と呼びかけ「作品が出来上がっても、みなさんに届けなければ映画じゃない」と何度も繰り返した。青春の輝き満載の同作とは打って変わって『スーパーベジタブルブギ』では、声だけの出演ながらゲスなセリフを連発し存在感を見せている斎藤さん。特に、スーパーマーケットのフランスパンとフランクフルトの情事(!)のシーンでは、ミラクルひかると共に“フランスっぽさ”を出すためにフランスにまつわるセリフをいい声でぼそぼそと語るが「5つくらいしか語彙がなかった(苦笑)」ため、途中で「凱旋門」「モンサンミッシェル」など情事と全く関係ない言葉も散見…。未成年の女性の観客からの同シーンについての質問に「僕はいつも、ああいう感じです!」と堂々と語り、本作について「自由度は高かったけど、アート性はゼロ…というかマイナスに振り切ってる。ふざけ過ぎです」と自虐気味に語っていた。またショートフィルムに関して「スマホを持ってる人はみんなディレクター!主婦が映画を撮っちゃいけないというルールはない!」と誰もが“撮れる”時代であると強調!情報量という点からも「ショートフィルムは時代にフィットしたエンタメだと思います」と語っていた。(text:cinemacafe.net)
2016年06月24日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。みなさんは『海底の君へ』というドラマをご覧になったでしょうか。NHK総合テレビで2016年2月20日に放送され、好評のため同年5月8日にNHK・Eテレで再放送された単発ドラマです。29歳になった現在でも、中学時代に受けた犯罪的ないじめの後遺症に苦しむ青年・前原茂雄の姿を藤原竜也さんが好演している、とても考えさせられる物語でした。物語では、いじめ被害から15年の時が流れても引きこもりが続き、定職に就くこともできない茂雄が、弟がひどいいじめにあっている23歳の女性・手塚真帆(成海璃子)と出会うことによって立ち直りの兆しを見せます。しかし、真帆の弟で14歳の瞬(市瀬悠也)の自殺未遂をきっかけに、「いじめる者たちを自分もろともこの手で葬り去らなければならない」と考えるようになり、手製の爆弾を体じゅうに装着して15年ぶりに中学校の同窓会会場へ向かうという、衝撃的な内容となっています。●渦中にいた期間が過ぎてもその後何年にもわたってその人の人生を奪う“いじめ”『海底の君へ』の物語では、茂雄の異変に気づいた真帆が同窓会の会場に駆けつけ、間一髪のところで最悪の事態は回避されますが、茂雄は爆破未遂・殺人未遂の罪で5年間服役することになります。出所後、茂雄が塀の外で待っていた真帆に「生きなきゃね」と言って手を携えて歩き出したときにはすでに34歳になっていました。前原茂雄というこの物語の主人公は、中学時代に受けた残虐ないじめが原因で、20年という年月を奪われた わけです。そして、いじめ被害者がその後の人生において、いじめを受けなかった人に比べてあまりに理不尽なリスクを背負うことになってしまうという『いじめ後遺症 』の問題は、実は最近の精神医学の分野ではエビデンス(根拠)が確立された大問題になりつつあります。今回はそれをテーマに、筆者の旧知の精神科医の話なども参考にしながら筆を進めて参りたいと思います。●『いじめ後遺症』には信頼のおけるエビデンスがある『ヤンキー化する日本』の著書で知られ、『海底の君へ』の医事監修も担当された精神科医の斎藤環さんによると、少年期にいじめ被害を経験した人が、その後長きにわたって社会的・経済的・精神的・身体的にリスクを抱えることになってしまうという『いじめ後遺症』は、滝沢龍という日本の精神科医が筆頭著者となっている2014年の『American Journal of Psychiatry』掲載の研究論文で、精神医学的なエビデンスを確立したとされています。滝沢龍博士が中心となり、バーバラ・モーガン博士らとともに英国キングスカレッジで推し進めた『要因対照研究(コホート研究)』を見てみましょう。イギリスで7歳から11歳までのあいだにいじめ被害を経験した7,771名に対して追跡調査を行ったところ、いじめ被害を受けなかった群に比べて、『うつ病』になるリスクが1.95倍、不安障害を発症するリスクが1.65倍、自殺傾向については2.21倍という由々しき結果に。いじめは、社交関係の欠如や経済的困難・健康面での問題など、いじめ被害を受けた後40年を経た50歳時点での生活満足度・生活水準の低さに関連している ことが判明したとされています。●何十年にもわたって人の人生を奪ういじめ加害者を処罰(処分)する必要はないのか滝沢博士らのコホート研究でそのエビデンスが確立したといえる『いじめ後遺症』。しかし、いじめやハラスメントからの後遺症を残さずに、“いじめを受けてしまった人たち”に人として当たり前の日常を取り戻してもらい、いじめられた後の数十年間が“失われた数十年”“海底の数十年”にならないようにするためには、“いじめ加害者”に対する処罰(処分)というものについてもっと厳罰化を検討する必要はないのでしょうか。『個人的にはいじめ加害者に対する処罰は厳格になされるべきかとは思います。が、その前に、いじめ加害者が自分の犯した罪の重さを自覚し謝罪する ことの方が優先されるべきです。加害者が「本当に申し訳なかった」と心から思い被害者に謝罪することがなければ、どのような罰を与えたところで意味がありません。加害者が罪を自覚し謝罪して、その気持ちを具体的に表現する手段として罪を受け入れる。そういった過程があって初めて被害者は納得することができるのです』(50代男性/都内メンタルクリニック院長・精神科医師)『海底の君へ』で中学時代に茂雄をいじめつづけた加害者たちの中でも主犯格だった立花は、その後若き気鋭の弁護士となって、何の罰も受けずにぬくぬくと生きています。集団で茂雄を海底へ放り投げ、ミミズを食べさせ、カバンやノートをビリビリに引き裂き、体じゅうに油性ペンで「死ね」「クズ」と書く。そんな犯罪を実行しているというのに、立花たちのそういった行為を告発する勇気を持ったクラスメイトさえ、茂雄の周囲にはいなかったのです。そのような環境では、それこそ茂雄の親などが直接行動に出るか茂雄を休学させたり転校させたりしてやらない限り、どうにもならなかったでしょう。筆者の旧友の精神科医も示唆しているように、まともな感性を持っている周囲の人間がいじめ加害者たちにおのれの犯罪行為を自覚させてやらないことには、罰だけを与えたところで何も解決しないというのが本当のところなのではないでしょうか。念のために、筆者の知人の弁護士に確認をとったところ、学校内で児童・生徒に対していじめ行為を行った場合には、たとえ11歳・12歳であっても少年院への送致がなされる可能性があるとのことです。また、重大事案であれば14歳で逮捕される場合も十分あり得る とのことでした。「軽いノリで友だちをイジメることくらい、逮捕までされるようなことではないだろう」といったいじめ加害者たちの頭の根底にある意識を、学校教育の現場などを通して変えていかなければ、茂雄のように『いじめ後遺症』で何十年という歳月を海底で過ごすことになってしまう理不尽は、後を絶たないのかもしれません。【参考文献】・『Adult Health Outcomes of Childhood Bullying Victimization: Evidence From a Five-Decade Longitudinal British Birth Cohort”(AJP,2014) written by Ryu Takizawa,M.D.,Ph.D. ,Barbara Maughan,Ph.D. & Louise Arseneault,Ph.D.』●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年06月21日福山雅治主演映画『SCOOP!』に、斎藤工が出演することが6月18日(土)、福山さんがパーソナリティを務めるTOKYO FM「福山雅治 福のラジオ」内で発表された。原田眞人監督・脚本作品『盗写1/250秒』(1985)を原作映画とし芸能スキャンダルから社会事件まで様々なネタを追いかける写真週刊誌カメラマンと記者の物語を描く本作。かつて、数々の伝説的スクープをモノにしてきたものの、現在は芸能スキャンダル専門の中年パパラッチとなり自堕落な日々を過ごす凄腕カメラマン・都城を福山さん、写真週刊誌「SCOOP!」に配属されたばかりの新人記者・行川を二階堂ふみが演じ、ひょんなことからコンビを組んだ2人が日本中が注目する大事件に巻き込まれていく物語。監督は『モテキ』『バクマン。』などで知られる大根仁。ほかキャストにはすでに吉田羊、滝藤賢一、リリー・フランキーらが発表されていた。6月18日(土)の「福山雅治 福のラジオ」では、出演映画『高台家の人々』のプロモーションとして斎藤さんがゲストに登場。番組終盤で福山さんから『SCOOP!』での出演が発表され、試写で観たばかりの本作の感想を話さずにいられない斎藤さんを、思わず福山さんが止める一幕も。斎藤さんが演じるのは、都城がスクープを狙う超大物ターゲットで将来の総理大臣候補と噂される若手代議士・小田部。SPたちに守られている小田部をどのようにして“スクープ”するのか…?『SCOOP!』は10月1日(土)全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月18日『中二病』という言葉があります。今や世間に広く普及している言葉ですが、実はお笑いタレントでラジオパーソナリティの伊集院光さんが1999年にラジオの番組内で初めて提唱した概念です。わが国の中学2年生(14歳)頃の主に男子に見られる特徴的な傾向であり、思春期特有の背伸びした言動や自己愛に満ちた“全能感”といったものが強く現れている様子のことをややシニカルに捉えた言葉です。治療を必要とするような精神神経科分野の疾患とは本来は無関係な概念ですが、青年期の精神病理学を専門とする精神科医の中にはこの言葉が持つ一定の医学的根拠を認め、一般読者向けのカウンセリング書などでこの言葉を使用するケースも珍しくありません。精神科医の斎藤環さんもその一人で、斎藤先生はこの中二病を、『女性への恋愛感情によって自然に治癒して行くもの』だという、独自の分析を展開されています。●中二病の主症状は「洋楽を聴き始める」「サラリーマンにだけはなりたくない」この中二病の主症状として、よく指摘されるものとしては次のようなものがあります。(1)洋楽を聴き始める(2)「サラリーマンにだけはなりたくない」と言う(3)売れたバンドのことを「ストリートミュージシャンだったころから知っている」と言う(4)「大人は汚い」と思う(5)母親に対して「それは個人情報だから言えない」と激昂する(6)美味しいとも思えないコーヒーを飲み始める(7)自分なら、本気でやれば何でもできると思っているざっとこのようなところですが、こうして見てみるとやはり“治療が必要な病気”というふうには思えませんよね。この年頃の男の子ならこんなものだろう、といった感じかなと思います。ただ、こういった傾向があまりにも強く現れすぎて社会生活を営むうえでの障害となってしまうほどだと、親としてはちょっと心配かもしれません。●宮沢賢治の物語や宮崎駿監督のアニメ作品にも“中二病的生命観”が見てとれるこのような特徴を持つ“中二病”ですが、冒頭にご紹介した精神科医の斎藤環先生は、「天才的な詩人で童話作家であった宮沢賢治や、現代長編アニメーション映画の巨匠・宮崎駿監督も中二病である」という趣旨のことを述べていらっしゃいます。どういうことかと言いますと、宮沢賢治がしばしば言葉にした「あらゆる生き物の本当の幸福」のような表現や、宮崎駿監督が機能美を追求するあまりに戦闘機の設計にのめり込んで行く男性エンジニアの姿にどうしようもなく惹かれるさまなどが、中二病にある“万人にとっての絶対的な真理” のようにある意味他者を排除するような危険な精神的傾向と共通点がある、ということなのです。実際に宮沢賢治はその書簡の中で「自分のそういった“絶対的真理”は存在するみたいな思考は、ある意味中学生が考えるようなものだ」という趣旨のことを書いているほどで、斎藤環先生は『賢治は自分が中二病であることを自覚していた』と分析しています。ただ斎藤先生は、このような“中二病的世界観”に潜んでいる危険性についてもさまざまな機会に述べていらっしゃいますので、次の章ではその点について少し触れておきましょう。●“唯一絶対の真理”という発想は生命論的ファシズムと親和性があり、危険性を孕む「自分は万能であり、この世には“絶対的な真理”というものが存在する」。中二病のこのような世界観はある面で生命論的なファシズムと親和性があるため危険性がある、と斎藤環先生は言います。中二病の男の子は、他人の忠言などには一切耳を貸しません。ただ自分の美意識があるのみで、自分の美意識は絶対です。これは、政治思想史でいうところの『ファシズム』 と呼ばれるような独裁的で排他的な思考様式・政治手法の根底をなすものであると、斎藤先生は精神科の医師として指摘します。このような幼稚でひとりよがりな性格は、アニメーション映画やポピュラー音楽、童話作品といった枠の中に収まっている限りにおいてはまだいいのですが、それが政治家のような権力を持った大人に発症した場合にはタチが悪い ため、治療方法だけは見つけておいたほうがいい、というのが斎藤環先生の考え方で、筆者もそのご意見には全くもって同感する次第であります。●中二病の男性は“女性との恋愛”を経験することによって自然と治癒するそこで斎藤環先生が言う“治療法”なのですが、先生によれば『男子の中二病は女性に恋愛感情を持ち、女性との恋愛を経験することで自然と治癒するケースがほとんど なので、特殊な症例を除けばそんなに心配することはない』というのが(意外と楽観的なのですが)結論のようです。その例として、斎藤先生は2013年公開の宮崎駿監督による長編アニメーション映画『風立ちぬ』の話をしています。すなわち、自分が設計している飛行機が戦闘機であることさえ忘れてその機能美の追求に没頭する堀越二郎は、宮崎駿監督自身で中二の男子そのもののような自己愛を飛行機にダブらせているわけですが、その宮崎監督でさえ、戦闘機よりも里見菜穂子という二郎の恋人で後に妻となって早逝する女性の方をより美しく描きました。女性への恋愛感情、女性への愛情がファシズムを去勢するのだという現実を、宮崎駿監督は分かっていて描いたのだと、斎藤環先生は分析しているのです。【参考文献】・『ヤンキー化する日本』斎藤環・著●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年06月07日6月4日公開の映画『高台家の人々』のレセプションパーティーイベントが10日、東京・六本木ヒルズで行われ、主演の綾瀬はるかをはじめ、斎藤工、水原希子、間宮祥太朗、シャーロット・ケイト・フォックス、大野拓朗、塚地武雅、大地真央、市村正親が出席した。『ごくせん』や『デカワンコ』など次々とヒット作を世に送り出している人気漫画家、森本梢子の同名漫画を『謎解きはディナーのあとで』(2013年)の土方政人監督が実写映画化した本作。口下手で不器用な妄想好きなヒロインの木絵(綾瀬はるか)と人の心が読めるイケメンエリート・高台光正(斎藤工)の恋を描いた新感覚ラブコメディーだ。この日は本作のタイトルでもある名家「高台家の人々」が主催するレセプションパーティーと称して、キャスト陣がドレスアップして登場。主演の綾瀬は「愛が溢れる可愛い作品になったと思いますので、みなさん楽しみにしていて下さい」とアピールし、演じた木絵について「本当に心の中を見てもチャーミングで心が澄んだピュアな方。演じていてとても気持ちよかったです」と満足げ。その木絵は妄想大好きな女の子だが、「光正さんと駆け落ちするという妄想が一番好きです。(時代設定が)大正時代なんですけど、『何とかでがんす』というのが好きですね」と振り返った。また、綾瀬は妄想について「ひとりでマンションに住んでいるんですけど、マンションで柴犬を飼うとどうなるかという妄想をしています。廊下がフローリングなので、滑っちゃうかな? とか(笑)。犬が欲しいんですけど、面倒を見られないので飼えないんです。だから、飼ったら……という妄想をしますね」とコメント。一方の斎藤は「僕はすぐ人を全裸に妄想するので、(会場にいた)全員全裸です」と爆弾発言。また、タイトルにちなみ、「自身の家族は?」という質問に綾瀬が「至って普通ですよ。平々凡々。犬と猫が一匹ずついて、最近姪っ子が生まれました。そんな感じで暮らしています」と普通の家庭を強調し、斎藤は「全裸を妄想するのは親の遺伝子からきていると思います。斎藤家は基本半裸。しかも下だけ半裸なんです。あえて下だけでシュールな絵面が永遠と続くんですよ。副題は『解放』かな。18禁でR指定がつきますよ。今度15分の短編を作ります!」と下ネタ全開だったで綾瀬ら共演陣を驚かせていた。映画『高台家の人々』は、6月4日より全国公開。
2016年05月10日刺激的な表紙が特徴的なanan。数えきれないほどたくさんの男たちを追いかけてきたananが、今回スペシャルインタビューをおこなったのは斎藤工さんです。これまでの撮影について語っていただきました。***――2月の「エロティックでいこう!!」特集ではありがとうございました。反響はいかがでしたか。斎藤:周りの反響は大きかったですね。写真のテーマが“ホテルで密会”だったのもあって、知り合いの何人かは本気で勘違いをして、「あの写真、本当なの?」と聞かれたこともありましたし(笑)。――それは、編集部的には狙い通りのリアクションです(笑)。ところで、はじめてananの表紙を飾ったときのことは覚えていますか?2012年の「男のホンネ」特集で、セクシーな裸体を披露していただいたのですが…。斎藤:覚えています。撮影前夜に、城田優くんと上戸彩さんと韓国料理を食べに行っていたんです。その席で、優が以前ananで同じような企画の撮影をしていたので話を聞いたら、「工くん、パフェ食べてる場合じゃないよ」って。「俺はちゃんと撮影前にトレーナーをつけてパンプアップした」って言うんです。とりあえずパフェ食べるのをやめて先に帰って、地道に筋トレしました。――斎藤さんには毎回、何かとハードルの高い企画をお願いしている気がします。斎藤:僕も誌面に参加する限りは、何か特別なものを持ちこめるようにしたいと常日頃から思っています。それが結果的に世間の方や、監督やプロデューサーに認知されるきっかけになることも多くて。――そうなんですか?斎藤:ドラマ『昼顔』の出演が決まったとき、監督の西谷さんが資料として僕が過去に出演したananを一式持ってきてくださったんです。誌面の中の自分を一つの基準に、北野裕一郎という役のイメージを徐々に作り上げていく作業が印象的でした。――そして作品での斎藤さんのイメージをananが受け取って、また新しい企画が生まれたり。斎藤:流れが出来あがっている感じはありますね。だから、僕としてはただならぬ関係性だと勝手に思っています。どんなとんでもない企画でも(笑)、女性が「いま見たい」と思う好奇心に乗っかってこれからも参加していけたら嬉しいですね。◇さいとう・たくみ俳優。1981年8月22日生まれ。A型。直木賞作家・小池真理子氏の半自叙伝的小説を映画化した『無伴奏』が公開中。人気漫画を実写化した映画『高台家の人々』と『団地』は共に6月4日に公開を控えている。◇ジャケット¥40,000(RIVORA/STUDIO FABWORK TEL03・6438・9575)Tシャツ¥12,500(Bernabeu/STUDIO FABWORK)◇一糸まとわぬ姿で挑んだ、女性モデルとの濃厚な絡みが話題に。「見た目があまり変わらない。むしろ、この頃のほうが大人に見える」と斎藤さんはいたって冷静。No.1833(2012年11月28日号)◇AKB48小嶋陽菜さんとの“スクープ”で話題独占!「事前に打ち合わせをするでもなく、まるでドキュメンタリーを撮っているような気分でした」と斎藤さん。あまりにもリアルな写真に騙される人続出!?No.1990(2016年2月10日号)※『anan』2016年4月20日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・井元文子(クリエイティブ・ギルド)ヘア&メイク・KAZUOMI(メーキャップルーム)文・瀬尾麻美
2016年04月16日いま飛躍している女優のひとり、広瀬アリスと、数々の作品に出演するイケメン俳優・斎藤工が共演する『サムシング ブルー』が、7月2日(土)より公開されることが決定した。希美(広瀬アリス)は、母親がいつも散髪してくれるので、いつも眼鏡に髪型はおかっぱ。女子高生になった希美は、母親に美容院を勧められる。初めて母親以外に髪を切られることに不安だったが、彼女を見違えるように綺麗にしてくれた美容師の慎一(斎藤工)に一目惚れ。彼女の彼への想いは日に日に強くなっていくが、ある日、慎一に婚約者がいる事を知ることになる…。原作は、日本最大級の小説投稿サイト「E★エブリスタ」の投稿イベントから選出された電子小説。広瀬さん扮する内気で不器用な女の子が、斎藤さん演じる美容師に片想いする初恋を描いたラブストーリー。監督・脚本には、<a href="">『予告犯』</a><a href="">『海難1890』</a>などに出演し、俳優として活躍する中、「花より男子」シリーズで脚本を務めるなど多方面で活躍する宅間孝行が務め、「片想い」の淡く切ない物語を見事に表現している。今回主演を務める広瀬さんは「純粋な女子高生がまっすぐ恋愛している姿を見てキュンキュンしてほしい」とメッセージを寄せ、また斎藤さんは「本当に特殊な撮影でした。宅間孝行監督の映像的な魔法にかけられた我々出演者はままにその刹那な魔法に心地良く浸っていました」と撮影をふり返っている。なお「E★エブリスタ」では、これまでにも伊藤沙莉と中川大志が共演する映画『MY NICKNAME is BUTATCHI』や、清水富美加と千葉雄大が共演する『あさはんのゆげ』などの原作も掲載されており、本作の原作も「E★エブリスタ」上にて読むことができる。『サムシング ブルー』は7月2日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年04月11日女子高生を中心に大ブームの“斎藤さんゲーム”。某携帯会社のCMでご存じの方も多いはず。その“斎藤さん”とは、トレンディエンジェルの斎藤司さん。いま最も熱い彼に、相方のたかしさんについて聞きました。やはり、“薄毛”で意気投合したのでしょうか?***斎藤:それが違うんです。僕は正直、誰と組んでも売れると思っていたんで、相方は誰でもよかったんです。当時、たかしと仲が良くて、ふたりでよく遊んでたんで、その流れでです。まあ、たかし、ラッキーでしたよね。――ベストな相方だと思います。斎藤:でもじつは、本当に運を持ってるのはあいつの方。基本的に、たかしってポンコツなんです。僕も僕で、負けじとポンコツな部分があるんですけれど、収録で、あいつのポンコツな部分が奇跡的にハマりだすことがあって、僕がそれに助けられることもあったり。それに、その場の瞬発力で勝負している僕とは違って、意外に笑いを方程式で考えられる人なんで、そこの部分の信頼もありますし。賞レースでも、僕はうまくいかないとイラついたりするんですが、たかしは全然気にせずニコニコしていて、おかげですぐに切り替えて次に臨めましたから。――確かに、ここぞという場面では意外と斎藤さんの方が緊張してますよね。たかしさんのあの動じない無邪気さはすごいです。斎藤:そうなんです。ゆとり教育が生んだモンスターと言われていますから。ここフザケちゃダメってところではフザケたり。そういう意味でも怪童です。年齢的には僕が上なんで、時どきキツいダメ出しをすることもあるんですが、一切気にしないですしね。それに、たかしとは面白いと思うものが一緒なんです。意地悪な視点が似ているんで、ふたりでいると悪口ばっかりしゃべってますけど(笑)。――女性の話をすることは?斎藤:僕は彼女事情も話しますが、たかしは一切話さない。あと、お風呂に行っても絶対に局部を見せないんですよね。けっして見たいわけじゃないんですけど、隠してる感じがなんか腹立つというか。普段は動じないくせに、なぜそこだけ気にしてるんだ、と。でもまあ心の奥で尊敬はしていますけどね。――ちなみに斎藤さん、恋人の存在を公表されていますよね。斎藤:それはねぇ…正直、ミスです。イベントに取材に来られる記者の方って、ほんと興味なさそうな表情をしているんです。そういう顔を見ると、つい喜ばせたくなっちゃって、盛り上がりそうな話題を提供しちゃうんです。彼女の話もそれでうっかりしゃべってしまって。芸能人との恋に憧れてたんですけれど、自らそのチャンスをふいにしてしまいました(笑)。◇今年、トレンディエンジェル初となる単独ライブ全国ツアーが開催。「TRENDY ANGELWORLD TOUR“JAPeeeeeN!!”」と銘打たれたツアーは、4/29の福岡を皮切りに、岡山、仙台、名古屋、静岡、札幌、東京、大阪の全国8か所。詳細はブログにて。また不定期に、新宿ルミネ、よしもと幕張イオンモール劇場などのライブにも出演中。◇さいとう・つかさ1979年2月15日生まれ、神奈川県出身。'05年にNSCで同期だったたかしとコンビを結成。ボケ担当。'13年にオンバト+第3代チャンピオン、'14年にTHEMANZAIで準優勝、昨年のM‐1グランプリで優勝。ソロで歌マネ番組などにも多数出演し注目を集める。※『anan』2016年4月6日号より。写真・内田紘倫インタビュー、文・望月リサ
2016年03月30日こんにちは、ママライターのみいゆです。新学期の季節になると増えてくる子どもの不校。最近は子どもだけではなく、20代や30代の大学生や社会人も出社拒否が増えているようです。これが長引けばやがては“ひきこもり”になってしまうこともしばしば。ひきこもりは長引けば長引くほど、復帰が困難になってしまいます。今回はひきこもってしまった、主に子どもに対して周りがどのように接してあげればよいのかをご紹介します。●ひきこもりは外出しない人のことではありません“ひきこもり”とは原則的に“6か月以上にわたって社会と関わりがないこと” を指します。家に閉じこもりっきりでゲームや好きなことばかりしているというイメージがありますが、実際は外出をしていても、他者と関わりを持たなければひきこもりの状態と言えるようです。特に多い世代は、思春期である中学生、特に入学してからの環境の変化から不登校になるケースもあります。●不登校やひきこもりの子どもにやってほしいこと3つ●(1)本人に元気になってもらうことを考える精神科医の斎藤環先生は『世界一やさしい精神科医の本』の中で、**********不登校の子に対して僕らはなにを考えるだろうか。とりあえず「なんとか早く再登校させたい」って考えるよね?でも僕に言わせると、それがもう間違いだ。むしろ再登校のこととかは、いったんわきに置いとかなくちゃいけない**********とおっしゃっています。本人は学校のことで悩み苦しんで不登校になったのに、その元凶 である学校へ行かせるためだけを親が考えていたら、子どもは誰も信じられなくなってしまいますよね。●(2)いろんなやり方でかまってあげる斎藤先生いわく、『子どもは大人から見放されることが一番恐ろしいと思っている』とのこと。子どもがどんなに言葉で拒否しても、常に話しかけたり買い物に誘ったりといろんな手でかまってあげることで子どもは元気を取り戻していきます。逆にほっとかれてしまうと、もう自分は必要ない人間だとかどうにでもなれと気持ちが後ろ向きになってしまい、ひきこもりが長期化 してしまう恐れがあります。●(3)学校は必ず休ませてあげる誰にでも嫌なことがあったり、つらいことがあると学校や職場に行きたくないと思いますよね。ひきこもる子どもも、はじめはそういうきっかけがあります。たまたまそれが長引いてしまったのです。それを責めることをせずにしばらく休ませて、ストレスの元 となっている学校のことを考えさせない時間が必要です。もちろん、その間も放っておくのではなく、常にかまってあげながらがベストです。しっかり休養できれば子どもは進んで再び登校することも少なくないようです。●人とつながることがひきこもり脱出の要ひきこもりを長期化させないためには、人とのつながりが一番の薬 です。誰しもが常に人と関わりながら生きています。つらいことも楽しいことも、他人がいるからこそその感情が芽生えます。自分にとって一緒にいて居心地のいい人であれば家族でもいいでしょう。もっといえば友達や好きな人との関わりがあれば、自分に自信を持つことができますから、外の世界に出ていけるきっかけにもなりえます。「うちの子ががこのままではひきこもりになっちゃう。早く何とかしないと!」と考えずに、不登校もひきこもりも悪いことではないこと。ちょっと充電期間が必要な時期なんだと割り切って、結果的にどんな道を選択しても人とのつながりを持ち続けられるように応援してあげたいですね。【参考文献】・『世界一やさしい精神科の本』斎藤環/山登敬之・著●ライター/みいゆ(ママライター)
2016年03月13日成海璃子、池松壮亮、斎藤工を迎え直木賞受賞作家・小池真理子の半自叙伝的同名小説を映画化する『無伴奏』。この度、本作の予告編が公開され、斎藤さんの恋人役を演じた「non-no」モデル・遠藤新菜が体当たりで濡れ場のシーンに挑んでいることが分かった。1969年。日本中で学生たちが学生運動を起こす混沌とした時代に仙台の高校に通う多感な女子高校生の響子(成海璃子)。同級生のレイコやジュリーとともに、時代に流されて制服廃止闘争委員会を結成し、学園紛争を行っていた。そんな響子が気がかりな両親は仕事の都合で東京に引っ越すが、仙台の進学校に通う響子は、仙台の叔母のもとで過ごすことになる。レイコに連れられ、初めてクラシック音楽の流れる喫茶店「無伴奏」へ足を運ぶ響子。そこで偶然にも渉(池松壮亮)、祐之介(斎藤工)、エマ(遠藤新菜)と出会う。この喫茶店では、好きな音楽をリクエストできるのか、バッヘルベルのカノンをリクエストする渉。響子は、席が隣り合わせになったそんな渉に興味を抱く。ある日、大学での集会で怪我をして自分の甘さを痛感し、学生運動から離れた響子は、逃げ込んだ「無伴奏」で、渉たちと再会する。響子は、渉に逢うたびに強く惹かれていった。時に嫉妬や不安に駆られ、それでも熱い想いを渉に傾けていく。だが、いつしか見えない糸が絡み始め、どうすることもできない衝撃に包まれていく…。北欧最大の映画祭「ヨーテボリ国際映画祭」に出品され、世界からも注目を集めている本作。『三月のライオン』『ストロベリーショートケイクス』の矢崎仁司監督が恋愛小説の大家にして直木賞受賞作家・小池真理子が過ごした多感な時代を記した小説「無伴奏」を完全映画化した。キャストには、成海さん、池松さん、斎藤さんとドラマや映画で活躍する若手俳優陣をはじめ遠藤さん、松本若菜、酒井波湖、仁村紗和、斉藤とも子、藤田朋子、光石研が出演する。今回公開されたのは、女子高生から大人へと成長する女の性を繊細かつ体当たりの演技で表現する成海さんの姿が印象的な予告編。さらにこの映像で目を惹くのは斎藤さん演じる祐之介の恋人・エマ役を務めた遠藤さん。遠藤さんが演じるエマは、成海さん、池松さん、斎藤さんの三人に影響を及ぼす、キーパーソンとなる。エマを熱演した遠藤さんは「エマは、憎めない大胆さがあり、私自身、『エマってすごいな』って思った部分もありました。私がキャスティングされたのだから、グラマラスなセクシーさを求められているのではなく、響子と違い、セックスが身近にある、エマの等身大の描写を求められているのだと思いました」とコメント。本作で初脱ぎとなった遠藤さんだったが、斎藤さんとの共演に安心して挑めたそうで「私が脱いでいて工さんがくっついている濡れ場のシーンでカットがかかったときも、衣装さんとかが毛布を持って来てくださるまでずっとそのままで待っていくださいました。カットがかかってパッて離してくださってもいいけれど、その方が私がトップが見えたままで待つから恥ずかしいとわかって、ずーっとぎゅっとしたまま『もうちょっともうちょっと』『毛布持ってきて』って言って毛布をかけてから離れてくれる。そういう配慮がさすがだなって思いました。祐之介役が工さんで本当に良かったって純粋に思います」と語っている。本作の演技が高く評価されており、インタビューのオファーが多数舞い込んでいるという遠藤さんだが、共演した斎藤さんは彼女の“体当たり”の演技について真摯なコメントを残した。「新菜さんが“体当たり”と言われているのは彼女の覚悟や心、内面的なものであるべきです。矢崎監督に負けじと私は近い距離でその迷いの無い強い覚悟を感じていたからです。作品や監督の目的を身を持って体現するのが我々役者の責務ですがやはり男女の違いはあります。当人にとってではなく周りの受け止め方が違います。日本人特有の”脱ぐ脱がない”の幼稚な基準では無く、矢崎監督が映し出した彼女のエマの美しさ、新菜さんの心を多くの方に感じて欲しいと祐之介として強く思います」。また今回の予告編では特報で解禁となった注目の5人組女性ロックバンド「Drop’s」による主題歌「どこかへ」に加え、バロック喫茶「無伴奏」で池松さん演じる渉がリクエストする「パッヘルベルのカノン」も使用している。1970年前後の仙台を舞台に、多感な恋に揺れ動く男女の姿をこちらから覗いてみて。『無伴奏』は3月26日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月04日『M-1グランプリ2015』王者、トレンディエンジェルの斎藤司(36)とたかし(29)が27日、都内で行われたジョニー・デップ主演『ブラック・スキャンダル』(1月30日公開)の公開直前「史上最"光"の薄毛イベント」に登壇。お得意のハゲネタで会場を爆笑させた。ジョニー・デップが薄毛具合まで再現し、実在の凶悪なマフィアを演じていることから企画された同イベント。薄毛を生かしたハゲネタで人気のトレンディエンジェルが、ジョニー・デップの役をイメージしたサングラス姿で登場し、客席にも薄毛の男性が集まった。ひと足早く鑑賞した本作について、斎藤は「タイトルと薄毛の人が主人公というので、ズラを暴く映画だと思っていた。最後は"肌色スキャンダル"っていう状態になるのかと」と笑いを誘い、たかしは「ノンフィクションというのが一番の衝撃でした」と語った。そして、映画に合わせて作った薄毛コントを披露。FBIは斎藤的には「フサフサ、ボーボー、育毛剤」、銃に撃たれれば「パラパラ」と髪が抜ける…ハゲネタ連発で会場から爆笑が沸き起こり、2人も「ウソみたいに笑ってくれる」と喜んだ。また、本作のジョニー・デップについて「かっこいい」「きっちりオールバックもありだなと。取り入れてみようかな」と絶賛。斎藤は、ジョニー・デップにささげるハゲをテーマにした替え歌も披露し、最後まで笑いが止まらない爆笑イベントとなった。トークの途中に突然、斎藤がたかしの手をつないで笑いを誘う場面も。斎藤は「不安になっちゃって…。このまま手をつないでいかせてください」と言って、しばらく手をつないで話していた。(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., CCP BLACK MASS FILM HOLDINGS, LLC, RATPAC ENTERTAINMENT, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2016年01月27日お笑いコンビ・トレンディエンジェルの斎藤司(36)が27日、都内で行われたジョニー・デップ主演『ブラック・スキャンダル』(1月30日公開)の公開直前「史上最"光"の薄毛イベント」に出席し、月収事情を明かした。ジョニー・デップが薄毛具合まで再現し、アメリカ犯罪史上最大のスキャンダルを巻き起こした実在のマフィアを演じていることから実現した同イベント。『M-1グランプリ2015』王者で、薄毛を生かしたハゲネタで人気のトレンディエンジェルが、芸能界の薄毛代表として参加した。客席には我こそは薄毛だという男性が集まり、斎藤は「ハゲばっかだな」と思わず発言。「お兄さん、トレンディだね」「斎藤さんだぞ!」のおなじみのセリフや、映画をイメージして作ったスペシャルネタで爆笑を誘った。また、ブレイク後の月収を聞かれると、斎藤は「1ミリオン(100万円)初めていただいた」と告白。最近買った一番高い買い物は「ダープラ(プラダ)のブラックのリュック」と答え、「デージュー(20万円)」と業界用語で語った。さらに、たかしに「ダープラだけじゃない」と言われると、「もう1個リュック買ったんです。トンヴィー(ヴィトン)の。サーティースリー(33万円)」と続けた。(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., CCP BLACK MASS FILM HOLDINGS, LLC, RATPAC ENTERTAINMENT, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2016年01月27日斎藤工と板谷由夏が10月23日(金)、第28回東京国際映画祭が開催中のTOHOシネマズ六本木ヒルズで、WOWOWの映画情報番組「斎藤工×板谷由夏 映画工房」放送200回を記念したトークイベントを行った。この日はトークイベントに加えて、番組でこれまで紹介してきたおよそ500本の映画から、斎藤さんが選んだニコラス・ウィンディング・レフン監督の『ドライヴ』、板谷さんが選んだジョン・カサヴェテス監督作『こわれゆく女』、そして、視聴者投票により選出された感動作『チョコレートドーナツ』の3本をオールナイト上映された。斎藤さんは『ドライヴ』に主演したライアン・ゴズリングを「女性のハートをつかんだ二枚目スターが、新たな表情を見せている」と絶賛。現在、同じ34歳で「僕なんて年収は2億分の一くらい。彼に比べたら、タクミの色気なんて安いもの。100均で売っている」と自虐的なコメントも飛び出した。また、飛び入り参加した『チョコレートドーナツ』のトラヴィス・ファイン監督が、来年夏にも東京・中野を舞台にした新作を撮影すると聞くと、斎藤さんは「スケジュール、空けておきます。現場の手伝いでも何でもします」と猛アピール。ファイン監督も「OK!」と前向きな姿勢を見せた。現在、中野でロケハンを行っているそうで、「もうすぐ脚本ができあがる頃。祖母、母、8歳の娘という三世代のアメリカ人親子が日本に引越し、人生が変わる物語です。その3人以外は、キャストもスタッフもほとんどが日本人になる予定」(ファイン監督)と説明していた。トークイベントの模様は、11月6日(金)に『ドライヴ』『こわれゆく女』『チョコレートドーナツ』と併せてWOWOWシネマで放送される。(text:cinemacafe.net)
2015年10月24日10月1日、新国立劇場の2015/16シーズンがワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」全4部作の序夜『ラインの黄金』で開幕した。指揮は日本屈指のワーグナー指揮者である芸術監督の飯守泰次郎。演出家ゲッツ・フリードリヒ(1930~2000)が晩年に制作したプロダクションだ。【チケット情報はこちら】開幕前からの話題のひとつが、世界的なヘルデン(英雄)テノールのステファン・グールドが初役のローゲを歌うこと。軽い声のテノールが歌うことの多い役だが、過去にはヴィントガッセンやイェルザレムといった名ヘルデンテノールたちも歌っている。グールドの表現豊かな二枚目の歌で聴くと、狡猾な策略家のローゲが急に頼もしい智将に見えてくるから不思議。第3~4場の、ヴォータン役のユッカ・ラジライネン、アルベリヒ役のトーマス・ガゼリとの3人による長い丁々発止は迫力満点。指折りのワーグナー歌手たちが、ハイグレードな声の芝居を聴かせてくれた。グールドは今後、ジークムント役、ジークフリート役と併せて今回の「指環」シリーズすべてに出演する。さて、フリードリヒの「指環」というと、「トンネル・リング」で知られるベルリン・ドイツ・オペラの舞台を思い起こすベテラン・ファンも多いだろう。フリードリヒの代名詞とも言える名プロダクションだが、今回の演出は1996から1999年にフィンランド国立歌劇場で制作された舞台。ラインの流れを示す青いネオン管に始まり、まばゆく光る指環、ラストで燦然と輝くヴァルハル城まで、「光」が主役の演出だ。際立っていたのが第3場。それまでのシンプルなセットが一転、舞台がせり上がって忽然と現れる地底界ニーベルハイムが、なんだかすごいことに。林立する「DANGER」の電飾。アルベリヒが隠れ頭巾を被ると、身体がすっと透明になっていくイリュージョン! あくまでも安っぽい陳腐な大蛇や蛙も(間違いなくわざと)登場して客席の笑いを誘った。もちろんこの演出に、もっと象徴的な意味を探り当てることもできそうだけれど、まず難しい理屈抜きで楽しめるのは幸せだ。これから3年かけて繰り広げられる長大なドラマ。きっちり見届けるために、ともかくこの《ラインの黄金》を観ないことには話が始まらない。なお、開幕に先立ち、《ヴァルキューレ》と《ジークフリート》の上演予定が発表された。前者は2016年10月、後者は2017年6月。各6公演ずつが予定されている。新国立劇場オペラ『ラインの黄金』は10月17日(土)まで東京・新国立劇場オペラパレスで上演中。チケットは発売中。取材・文:宮本明
2015年10月02日アートの力で心を癒す“ホスピタルアート”にフォーカスしたセミナーが、10月8日、21日、11月5日の3回に渡って、東京・六本木のイマコンセプトストア(IMA CONCEPT STORE)にて開催。第3回には、写真家の若木信吾も登場する。昨今の医療現場で広まりつつある、アートの力で心を癒す“ホスピタルアート”。“アートフォトは人の心を鎮めるか”をテーマとした同イベントでは、アートフォトの新たな可能性に迫るため、専門家を招いたトークセッションを行っていく。第1回の「アート鑑賞が心に効く3つの理由」では、『エグゼクティブは美術館に通う』の著者でもある聖徳大学児童学部長の奥村高明と、日本精神科看護協会会長の末安民生が、写真を見ることで生じる心への影響についてトークを展開。第2回の「アートは心を開く~医療現場の実践から」では、これまで実際にアートフォトを病院に展示してきた医師の杉山武毅と、アートを活用して医療現場に癒しの空間をつくりあげる森口ゆたかが、“アート・イン・ホスピタル”のリアルな実例について語られる。そして、第3回の「アートのある生活が心を豊かにする」では、『The New York Times Magazine』、『SWITCH』などの雑誌や広告、音楽媒体などで活動を行う写真家の若木信吾が登場。精神科医の斎藤環とともに、“暮らしの中にアートフォトを飾り、観る”ことの価値や可能性についてのトークを繰り広げて行く。なお、定員は各回80名で、申込期日は各回当日まで。(※満席の場合は申込不可となる場合も有り)【イベント情報】第1回「アート鑑賞が心に効く3つの理由」第2回「アートは心を開く~医療現場の実践から」第3回「アートのある生活が心を豊かにする」会場:IMA CONCEPT STORE住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3階会期:第1回 10月8日、第2回 10月21日、第3回 11月5日時間:19:00~20:30料金:一般 税込3,000円、『IMA』定期購読会員 税込2,400円
2015年09月28日映画好きの俳優・斎藤工と板谷由夏、映画解説者の中井圭が映画の魅力を語り尽くす映画情報番組「斎藤工×板谷由夏 映画工房」。現在WOWOWにて放送されている本作だが、この度、10月22日(木)より開催される第28回東京国際映画祭で本作の放送200回記念イベントを開催することが明らかになった。東京国際映画祭開催期間中に行われる本イベントでは、、番組でこれまで紹介してきたおよそ500本の映画の中から、「斎藤工の1本」「板谷由夏の1本」、視聴者投票により選出された「あなたの1本」を上映する。斎藤さんの1本にはライアン・ゴズリングと鬼才ニコラス・ウィンディング・レフン監督がタッグを組んだ『ドライヴ』。板谷さんの1本は第47回アカデミー賞にノミネートされたジョン・カサヴェテス監督作『こわれゆく女』。あなたの1本には、公開当時、ミニシアター界の“台風の目”といわれ多くの人を魅了した感動作『チョコレートドーナツ』。そして窪塚洋介主演の『UGLY』を手掛けた柿本ケンサク監督を迎え、斎藤さん、板谷さんが製作総指揮を務めたショートムービー『ALL FOR CINEMA』を特別上映。本作には、主演で『GONIN サーガ』で大人の色気を振りまく安藤政信、ヒロイン役で『共喰い』の木下美咲が出演する。また本作の上映前には、斎藤さん、板谷さん、中井氏が登壇してトークショーも開催される。トークショーの模様は「WOWOWぷらすと」で会場から生配信するほか、11月6日(金)には上映作品と併せてWOWOWシネマで放送されるとのこと。「映画工房200回記念 みんなで選ぶこの1本 オールナイト上映会 in 東京国際映画祭」は、10月23日(金)21時よりTOHO シネマズ六本木ヒルズ・スクリーン2にてにて開演。第28回東京国際映画祭は10月22日(木)~10月31日(土)にて開催。(text:cinemacafe.net)
2015年09月07日俳優の斎藤工が17日、東京・新宿ピカデリーで行われた映画「リアル鬼ごっこ」の舞台あいさつに登壇した。舞台あいさつ前には自身が劇場ロビーに立ち、観客に直接、チケットのもぎりを行った斎藤は、舞台あいさつで「私はもぎりという天職を見つけたので、職業の変更を考えております。もぎり兼俳優の斎藤工です」とあいさつして会場を沸かせ、「(チケットの)素材が紙なので、お客さまの皮膚の状態にそって剥がしやすい、剥がしにくいというものがあって、僕と似て手の湿度が高めの方のチケットは円滑に剥がせましたね」と上機嫌な様子で感想を語った。さらに、「何人の方に『時給は出るんですか』って言われたんですけど、研修期間だから出ないんだと自分に言い聞かせています」とお茶目な一面を覗かせ、映画館で働くのが夢だったという斎藤は、もぎりの作業が気に入ったようで「元々工場で働いていて、1日中同じ作業をしていたんですが、坦々とした作業が非常に合うなと確信いたしました」と笑顔を見せた。同作は、山田悠介による同名小説を、園子温監督がオリジナル脚本で映画化したもので、全国の女子高生が正体不明の何者かに追われるホラーサスペンスムービー。斎藤はシークレットキャストとして、物語の重要な鍵を握る高校生と老爺の1人2役を演じている。上映前の舞台挨拶だったため多くは語れない中、同作の出演依頼が来たときの感想を聞かれた斎藤は「女性しか住んでいない世界を園さんが撮ると伺っていて、その中でオファーをいただいたので、自分の性別を確認しましたね。でも台本を読んでなるほどと思いました」と振り返り、特殊メイクをした感想については「目と鼻の穴と口以外の皮膚を変わって素材で覆っているので、食事が大変でした。(特殊メイクの)溝に米粒などの小さな食材が入り込んでしまうので、つま楊枝で掻き出したりしましたね」と苦労を明かした。また、トリプルヒロインであるトリンドル玲奈、篠田麻里子、真野恵里菜と共演した斎藤は、「園子温の作品に出演することは、日本の多くの俳優が覚悟を決めて、何かをさらけ出すという意識で参加しないと太刀打ちできない。彼女たちのそんな覚悟が肥大しているときにご一緒できたので、ゾッとしましたね」と3人の印象を語り、「私も含めてですが、今後5年10年したときに、このタイミングで園さんと出会い、作品を作ったことは大きくプラスの経験になっているんじゃないかと思いました」としみじみと語った。映画「リアル鬼ごっこ」は全国にて公開中。
2015年07月18日俳優の斎藤工が忍者アクション『虎影』で主演を務め、持ち前の身体能力を活かした華麗なアクションに挑んだ。メガホンをとるのは、世界的に注目を浴び、実写版『進撃の巨人』で特殊造型プロデューサーも務める“異才”西村喜廣監督。昨年放送されたドラマをきっかけに、俳優としてブレイク中の斎藤にとっては、「オファーを断る理由がない。世間のイメージに反した僕の“本質”を見出してくれる」と全幅の信頼を寄せる存在だ。その他の画像数年前から親交があり、西村監督が手がけたゾンビアクション『ヘルドライバー』に武装警察の隊員役で出演したこともある。そんな両者の再タッグが実現した『虎影』は、斎藤演じる元最強の忍者・虎影が、愛する家族を人質にされ、やむなく命がけの財宝争奪戦に身を投じるというエンターテインメント作。「西村監督が持ち前の好奇心とクリエイティビティを駆使して忍者アクションを作る。それだけで、一映画ファンとしてワクワクする」(斎藤)。斎藤は華麗なアクションに加えて、“父親”として家族を守ろうとする姿を真摯に、ときにコミカルに演じており「虎影の実直さは、滑稽に見えるかもしれない。でも、どこか土の匂いがする男で、西村監督も僕のなかにある“土っぽさ”を捉えてくれた」と役柄に親近感を抱いている。さらに作品に対しても、「自分にとって『虎影』は名刺代わりであり、主演兼“宣伝マン”として、ずっと付き合い続けたいです」と熱き思いと強い覚悟を示した。もちろん、西村監督への信頼はさらに深まった。「今の映画業界から見れば、ジャンルムービー扱いされがちな作風ですが、根底には『誰もが楽しめる娯楽を目指す』という思いがあるし、家族の絆がテーマになっている。西村さんの作品や世界観は、例えば、アレハンドロ・ホドロフスキー監督がそうであるように、100年後でも残るもの。将来、ボックスセットが発売されたり、アートとして世界的な評価を獲得したりするのではないしょうか」(斎藤)。『虎影』6月20日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開取材・文・写真:内田 涼
2015年06月18日