宮沢りえが第27回東京国際映画祭において『紙の月』での演技で「最優秀女優賞」を受賞。本作は「観客賞」にも輝いた。なお最高賞「東京グランプリ」は米仏合作の『神様なんてくそくらえ』が獲得。こちらも「監督賞」との2冠となった。宮沢さんは艶やかな着物姿で来場。すでに『紙の月』が映画祭に訪れた観客の投票による「観客賞」を受賞したことは授賞式前に発表されていたが、「女優賞」と併せて堂々の2冠獲得となった。審査員の韓国人監督イ・ジェハンは宮沢さんの受賞を「満場一致の決定」と説明。「意味深さと奥深さ、繊細さと脆さを表現し、目で全てを語り、真の自由を求めていた。そして何より、美しい」と称賛を送った。宮沢さんは、信じられないといった表情。なかなか言葉が出てこないようで「なんか震えています…」と苦笑い。「おみくじで大吉を当てて『やったー!』と思う気持ちの中で、『自分を引き締めなくては』と思う気持ちと似ています」と心境を語った。久々の映画主演となったが「7年ぶりということで、不安や緊張もありましたが、吉田大八監督の粘り強く厳しい、でも愛がたくさんこもった演出で、手ごわい役を乗り越えることが出来ました。もし(トロフィーが)半分に出来るなら半分は『最優秀演出賞』で監督にあげたい」と感謝の思いを口にし、席に戻ると吉田監督とガッチリと抱き合った。吉田監督は「観客賞」受賞に「映画を観た後で、コンペの素晴らしい作品の中でこの映画を『好き』と仰って下さった方が一番多いという重みを感じてます。これからの励みにしていきたい」と喜びを語った。「最優秀男優賞」はポーランド映画『マイティ・エンジェル』でアルコール依存症の主人公を熱演したロベルト・ヴィエンツキェヴィチが受賞。本人不在のため、監督が代わりにトロフィーを受け取った。そして、ジョシュア&ベニー・サフディの兄弟監督による作品で、ヘロイン中毒の若者たちを生々しく描いた『神様なんてくそくらえ』が最高賞の「東京グランプリ」と「監督賞」をW受賞。ジョシュアは「2つも受賞して本当に嬉しいです。この映画祭のコンペティションに入選したと聞いたとき『これ以上のことはない』と思いつつ、“極端”を描いたこの作品が日本の方に受け入れてもらえうるのでは?と感じもしました。東京に感謝したいと思います」と挨拶。ベニーは「いろんな犠牲を払いながら作り上げた作品だったけど、思いを込めて作り上げました」と感慨深げに語る。主演のアリエル・ホームズは「何て言っていいか…ありがとうございます」、共演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズは「Thank you very very very very very very much!」と短い言葉に感激と喜びの思いをうかがわせた。この他、日本映画を対象にした日本スプラッシュ部門では安藤サクラ、新井浩文が出演する『百円の恋』が「作品賞」を受賞。同部門の「スペシャル・メンション(特別賞)」には沖田修一監督が無名の俳優ばかりを起用して作り上げた『滝を見に行く』が受賞した。<第27回東京国際映画祭/受賞結果一覧>■東京グランプリ:『神様なんてくそくらえ』■最優秀監督賞:ジョシュア・サフディ&ベニー・サフディ(『神様なんてくそくらえ』)■最優秀女優賞:宮沢りえ(紙の月』)■最優秀男優賞:ロベルト・ヴィエンツキェヴィチ(『マイティ・エンジェル』)■最優秀芸術貢献賞:『草原の実験』■WOWOW賞:『草原の実験』■アジアの未来 作品賞:『ゼロ地帯の子どもたち』■国際交流基金 特別賞:『遺されたフィルム』■日本映画スプラッシュ 作品賞:『百円の恋』■日本映画スプラッシュ スペシャル・メンション:『滝を見に行く』■SAMURAI賞:北野武/ティム・バートン■観客賞:『紙の月』(text:cinemacafe.net)
2014年10月31日安藤サクラ×新井浩文共演の『百円の恋』が10月25日(土)、開催中の第27回東京国際映画祭にて上映され、安藤さんと新井さん、武正晴監督、脚本の足立紳が上映後のQ&Aに来場した。山口県の周南映画祭に創設された第一回「松田優作賞」グランプリを獲得した脚本を安藤さんと新井さんを迎えて映画化。自堕落な生活を送っていたが妹とのケンカをきっかけに家を出て働き始めたヒロインの一子は、中年ボクサーとの出会いからジムに入門し、サンドバッグを叩くようになるが…。安藤さんは700を超える応募の中からオーディションで一子役を勝ちとったが「戦いたいと思ったから」と本作への出演を熱望した理由を語る。一方の新井さんは「素敵な脚本と、安藤サクラが主演と聞いたから。個人的にいま、日本映画の女優でNo.1だと思っている」と語り、会場は拍手に包まれた。一子は自堕落な女性からボクサーへの変貌を遂げていくが、安藤さんはそれに合わせて体格を大きく変えた。最初に一度太って、その後、体重を落としていったが「金がある映画なら、痩せるための期間があるけど、そんなのなかったから(笑)、撮影が始まって10日くらいで絞りました。自分でも信じられないです。人の体ってすごいです」とふり返る。新井さんもボクサー役ということで同様に減量が課せられたが「うちの場合、(太ったり痩せたりの)変化はなかったので、ただボクサーに見せるというだけ。3か月前から筋トレと食事制限をしました」と明かす。最後の数日は、本物の試合前のボクサーと同様に“水抜き”も行なったそうで「つらかったです。もうやりたくないですね」と苦笑交じりに苦労をのぞかせた。一子がボクシングとの出会いで大きく生き方を変えることになるが、安藤さんは「この作品が私にとってはそういう出来事、出会いであったなと感じています」と本作の経験の大きさ、強い思いを口にする。「仕事がなくて『自分たちで仕事を作るしかない』とシナリオを作り始めた」という武監督と足立さんにとっても本作はもちろん、特別な作品。4年前に書き上げるも、映画化になかなか漕ぎ着けられない中で、映画化を実現するための助けになればとの思いで「松田優作賞」に募集したとのこと。この日は安藤さんらと一緒に作品を鑑賞したが、安藤さんは「私は(一子が)自分なので、笑っちゃうんですが、両隣のおっさんは泣いてました(笑)」と暴露し、会場は笑いに包まれた。第27回東京国際映画祭は10月31日(金)まで開催。『百円の恋』は12月20日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月26日「近くて遠い、先生に恋をした――」。史上最強のツンデレ教師と超クールな天才女子高生の誰にも言えない“秘密の恋”を描いた、伝説の大ヒット少女コミック『近キョリ恋愛』を実写映画化。その胸キュンシーンの数々に女性ファンを中心に話題を集めている。主人公・櫻井ハルカを演じるのは、圧倒的な美しさを誇るイケメン俳優・山下智久さん。今や恋愛映画に欠かせない“壁ドン”を始め、“お姫様抱っこ”や“頭ポンポン”など、女子のハートを鷲掴みにするシーンが満載ということで、原作ファンはもちろん、鑑賞者は全員胸キュン必須!度々登場するキラーワードにも倒れぬよう、是非とも注目してご覧いただきたい映画に仕上がっている。今作でヒロイン・枢木ゆに(小松菜奈)の親友・名波菊子役を演じた山本美月さんは、「とてもコミカルで面白い原作。映画では、また一味違った魅力を楽しんでいただけると思います」と作品の見どころを。また話題沸騰中、山下さんの激しいイケメンっぷりについては、自身も思わず「完成した映画を観て、キュンとしてしまいました」と話す。「中でも一番ドキドキしたのは、教卓でのキスシーンですかね。衝撃過ぎて、目を逸らしてしまいそうになりました。『もっとちゃんと見たいけど、恥ずかしくて見られない~』っていう葛藤が(笑)。でも、あのキャラクターはファンタジーだからこそ憧れる対象かなって思いますね。リアルな世界には、なかなかいないじゃないですか。その点で、キラキラしたオーラの山下さんにしかできない役だなぁ…と。本当にステキでした」。英語と恋だけが苦手。感情を表に出すことができないヒロイン・ゆにと比べ、恋に友情に…とにかく気持ちに素直に生きるナミ。「今回は、高校生の中でも特にハイテンションという役どころだったので、そこを丁寧に演じれるよう心がけました。常にハッピーオーラ全開な子なので、『こんなに頑張ってたら疲れないかな?』と思ったりもしましたけど(笑)。親友・ゆにと正反対な性格なので、表情をコロコロ変化させるように意識しましたね」と振り返り、リハーサルの期間を使って、小松さんと心のキョリをぐぐっと縮めたエピソードを披露してくれた。「学校帰りにゆにとドーナツ屋さんに寄るシーンがあるんですけど、その日に(ナミの彼氏)咲役の佐野和真くんが初めて撮影に入る日だったんです。そこで、その時現場で流行っていたUNOに菜奈ちゃんと2人、どっちが和真くんを誘いに行くかですごく盛り上がって(笑)。結局、菜奈ちゃんが誘ってくれたんですけど、それ以降、最終的には山下さんとかスタッフさん・キャストさん皆でUNOをするっていう、とても楽しい時間を過ごさせてもらいました」現場の和気藹々とした雰囲気が伝わってくるエピソードだ。さらに、今回の映画には全部で4タイプの男性が登場!カッコイイけど毒舌なハルカ。やんちゃで元気いっぱいの咲。元ヤンキーだけど実は優しい的場(小瀧望)。常に優しく温かく見守る数馬(新井浩文)。山本さんにズバリ、好みの男性のタイプについて伺ってみると…。「彼氏役の咲くんは、高校生の時に付き合うなら楽しそうなタイプですよね。でも、結婚は違うのかなぁ(笑)。好みのタイプで言えば、的場くんがいいかなって思いますね。もちろん山下さん演じるハルカはカッコイイけど…私は的場くんの夢に向かって一直線で、きっと浮気はしないだろうなってところがとっても魅力的だと思います。一見コワイっていう役どころだけど、優しいっていうギャップも素敵ですね。」と、率直な意見を聞かせてくれた山本さん。「この映画は、恋愛としてもちろん、大事な人と観ていただけたら愛がさらに深まる作品になっていると思います。主人公の恋愛だけでなく、友情や夢を追っている姿など、色んな意味でキュンキュンしていただけたら嬉しいです」と、最後に彼女らしい真っ直ぐな視点でアピール。二次元の王子様がそのまま飛び出してきたような憧れの映画『近キョリ恋愛』。女子会の会話ネタとしては欠かせない要素が存分に詰まった一作を是非。『近キョリ恋愛』は全国にて公開中。(text:Yuki Watanabe)■関連作品:近キョリ恋愛 2014年10月11日より全国にて公開(C) 「近キョリ恋愛」製作委員会(c)みきもと凜/講談社
2014年10月21日瑛太と松田龍平が主演する映画『まほろ駅前狂騒曲』が18日(土)より公開されるのを記念して、日本映画専門チャンネルで放映されている特別番組『メイキング・オブ・『まほろ駅前狂騒曲』~俳優 新井浩文×監督 大森立嗣が熱く語る~』の冒頭5分が公開された。特別映像本作は、累計120万部を突破した三浦しをんの小説『まほろ駅前』シリーズが原作。架空都市・まほろで“多田便利軒”を営む便利屋の多田(瑛太)と行天(松田)がやっかいな依頼に悪戦苦闘する姿を描く人間ドラマ。劇場版第1作目を手がけた大森立嗣が監督を務め、高良健吾、真木よう子、永瀬正敏らが出演する。このたび公開された特別映像では、ドラマ『まほろ駅前番外地』(第5話)に北村役でゲスト出演し、本作では、岡山組若頭飯島幸三役で出演している新井と、大森監督が映画の舞台裏などディープな『まほろ』トークを繰り広げている。新井は、大森監督の長編デビュー作『ゲルマニウムの夜』で映画初主演を飾り、瑛太と松田とは『青い春』での共演をきっかけに交友を深めている。本映像では、「(瑛太と松田龍平が主演を務めている作品に)ちょい役で出るのはすごく嫌だった」と赤裸々な心境を明かす一方で、大森監督のあるひと言が自身の映画人生を支えていると語っている。日本映画専門チャンネルでは、『まほろ駅前狂騒曲』の公開を記念して、『まほろ駅前多田便利軒』『まほろ駅前番外地』をはじめ、『ディア・ドクター』『御法度』など、瑛太と松田の出演作全9作を放映。また、公開初日の18日(土)は、夜8時から翌日・夜11時30分まで全9作(『まほろ駅前多田便利軒』『まほろ駅前番外地』『恋の門』『サマータイムマシン・ブルース『ナイン・ソウルズ』『アヒルと鴨のコインロッカー』『青い春』『ディア・ドクター』『御法度』)を一挙放映する。“メイキング・オブ・『まほろ駅前狂騒曲』~俳優 新井浩文×監督 大森立嗣が熱く語る~”日本映画専門チャンネルにて10月、11月放送『まほろ駅前狂騒曲』10月18日(土)新宿ピカデリー他全国ロードショー
2014年10月10日みきもと凜の人気マンガを、山下智久主演で実写化する“ツンデレ”ラブストーリー『近キョリ恋愛』の公開を記念して、キャストと監督による舞台あいさつが、10月11日(土)と12日(日)にお台場シネマメディアージュほか全6館で開催される。『近キョリ恋愛』その他の画像本作は、教師と生徒の秘密の恋を描くラブストーリー。山下が史上最強に男前で、ツンデレの英語教師・櫻井ハルカを、『渇き。』の小松菜奈が、超クールな天才女子高生・枢木ゆにを演じるほか、小瀧望、山本美月、水川あさみ、新井浩文らが出演する。監督は『君に届け』の熊澤尚人。舞台あいさつは、公開初日の10月11日(土)にお台場シネマメディアージュ、MOVIXさいたま、新宿バルト9で、翌12日(日)に、MOVIX亀有、TOHOシネマズ川崎、京成ローザで行われる。舞台あいさつには山下、小松、小瀧らが登壇する。チケットは、プレリザーブ(先行抽選)が4日(土)より受付が始まり、一般発売は、8日(水)午前10時より開始される。『近キョリ恋愛』舞台挨拶10月11日(土)■会場:お台場シネマメディアージュ8:40の回上映後/12:00の回上映前登壇者(予定):山下智久、小松菜奈、小瀧望、山本美月、熊澤尚人監督■会場:MOVIXさいたま13:10の回上映後/16:30の回上映前■会場:新宿バルト916:30の回上映後/19:40の回上映前登壇者(予定):山下智久、小松菜奈、小瀧望10月12日(日)■会場:MOVIX亀有8:50の回上映後/12:00の回上映前■会場:TOHOシネマズ川崎12:30の回上映後/15:40の回上映前■会場:京成ローザ16:10の回上映後/19:20の回上映前登壇者(予定):山下智久、小松菜奈、小瀧望料金:2000円(税込)※お台場シネマメディアージュのみスーパープレミアシート3200円(1名分。2枚一組での販売)、プレミアシート2400円ありプレリザーブ:10月4日(土)11:00AM~7日(火)11:00AMまでチケット発売:10月8日(水)10:00AMより※チケットの販売は、お一人様2枚まで
2014年10月03日累計120万部突破のシリーズ最新作を、瑛太&松田龍平のタッグで贈る珠玉のエンタテインメント映画『まほろ駅前狂騒曲』。このほど、初映像となる特報と第一弾ポスターが公開された。何かと柄の悪い街・まほろ市で便利屋を営む多田啓介(瑛太)の元へ、中学の同級生・行天春彦(松田龍平)が居候するようになってから3年目。ペンキ塗りから買い物代行、遺品整理にボディガードまで曲者たちの厄介な依頼にいつも巻き込まれる多田便利軒の2人に新たな依頼が…。公開された特報映像は、これまでの『まほろ』シリーズのイメージを打ち破るハリウッド超大作のようなイントロから一変、後半は“まほろ”らしい賑やかな作りとなっており、瑛太さんと松田さんによる脱力系のコンビネーションが垣間見える。さらに第一弾ポスターは、東京郊外の便利屋とはとても思えない、迷彩服の2人が立っている。「俺たちただの便利屋ですから!」というアンバランスなキャッチコピーを掲げ、何やらただならぬ雰囲気だ。直木賞を受賞した三浦しをんのベストセラー小説を『さよなら渓谷』の大森立嗣監督が手がける本作には主演の瑛太さんと松田さん、そして先日発表された永瀬正敏に加え、若き裏番長・星に『横道世之介』の高良健吾、多田の恋のお相手に『そして父になる』で賞レースを総なめにした真木よう子、行天の元妻に本上まなみが登板。また前作からのレギュラーメンバーである麿赤兒、松尾スズキ、大森南朋、岸部一徳ほか、『青い春』で瑛太さん&松田さんと共演し朋友でもある新井浩文、原作ではお馴染みだが映像には初めて登場する曽根田に劇団民藝のベテラン・奈良岡朋子、行天の娘・はるにはWOWOW連続ドラマ「かなたの子」の岩崎未来が抜擢され、新旧ともに充実の顔ぶれとなった。『まほろ駅前狂騒曲』は10月18日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年04月24日映画『愛の渦』の“女子会トーク”と銘打って、女性キャストの門脇麦、中村映里子、赤澤ムック、そして「女子をこじらせて」の著者として知られる雨宮まみによるトークイベントが3月11日(火)にヒューマントラストシネマ渋谷にて行われた。あるマンションに集った複数の男女による乱交パーティの模様を描いた作品で、着衣時間が映画の中でわずか“18分”ということも話題に。「見たいけれど女性一人では恥ずかしい」という声に応える形で同劇場では一部上映スケジュールを「女性限定回」として上映している。劇場内全員女性という異様な空気に、登壇陣は驚いたよう。雨宮さんは本作を「『(500日のサマー)」をハプニングバーでやったらこんな感じ」と独特の表現で描写。「似てるところがあると思います。自分と違う世界にいながら、共通点があるところから惹かれていくところとか。でも、男(池松壮亮)が始め女性(門脇さん)を見下しているところがあるのに、だんだん惚れた感じになっていくところはイラッとする(笑)」と毒のこもった感想で笑いを誘う。さらに、話題は徐々に過激な方向へ。男性キャストのひとり、新井浩文は前ばり(※セックスシーンの際に性器を隠すために使うもの)を貼らずに撮影に挑んだことを明かしているが、これについて相手役を務めた中村さんは「してなかったです」と証言。「新井さんは『ウチはしないよ。でも相手の女優さんがしてと言うなら貼る』と言ってたんです。でも『いやだ』って言えなくて…。ホントならしてほしかったけど」と苦笑交じりに明かしていた。門脇さんは撮影時に新井さんたちとは隣りのベッドだったそうで、“愛の渦カット”と呼ばれる全員が一斉に性行為におよんでいる姿を映したカットでは「私のベッドから(新井さんが)見えてて、『見えてるな…』と思いながら、喘いでました」と述懐。赤澤さんはそれを聞いて「私は駒木根(隆介)さんの肉の壁で見えなかった!」と語り、最前列に陣取る報道陣を見やり「マスコミの人がいなかったら『新井さん、どうだった?』とか聞くのに…」と残念そうに語り、会場は再び笑いに包まれた。また、セックスシーンについて門脇さんは「私は『性欲の強い女子大生』という役だったので、喘ぎ声がポイントだった」とふり返る。「リハーサルで監督に『違うな…』と言われ続けたのが12月で、お正月はずっと喘ぎ声のことを考えてました(苦笑)。家で、家族が寝静まってから練習したり、ひとりでカラオケボックスに行ったりしました」と喘ぎ声にまつわる苦労を明かしてくれた。中村さんは男性陣2人に責められるというシーンもあるが、赤澤さんから「どうでした?」と聞かれて「恥ずかしかったです。『私、何やってるんだろう?』と思ったり…」と照れくさそうに語ったが、「でも現場は楽しかったし、みんな一生懸命に楽しんでいたので、私の中にあるものを取っ払わなきゃ、と思いとことん思い切りやりました!」と力強く語った。3人はいずれも映画でのヌードシーンはこれが初挑戦となったが、女性客で埋まった客席からはその女優魂に温かい拍手が送られた。『愛の渦』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:愛の渦 2014年3月1日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014映画「愛の渦」製作委員会
2014年03月12日映画『愛と渦』の女子限定上映トークショーが11日、都内で行なわれ、キャストの門脇麦、中村映里子、赤澤ムックとゲストの雨宮まみが出席した。性欲に振り回される人間たちを描いた同作は、第50回岸田國士戯曲賞を受賞した三浦大輔の舞台劇を映画化した作品。都会の一室で営まれる乱交パーティーに、性欲を満たしたいだけの男女が集まる。しかし、愛のないセックスにも感情が生まれ、それぞれの思惑が渦巻いていく――というストーリーで、映画は全国順次公開中(R-18指定)。本編123分のうち、着衣時間は18分半という過激な内容に、主演の門脇は「よく分からないまま、よく分からずやってました」と振り返り、監督も務めた三浦の演出について「優しかったけど、日に日に弱っていきました。ご飯も食べないでお風呂も入ってなかったみたいで」と感想を。門脇は、主演の池松壮亮とラブシーンに挑戦しており、「1番性欲が強い役で喘ぎ声がポイントなんですが、リハーサルで三浦さんに違うって言われて。カラオケボックスで練習しました」と苦労を語った。一方、「喜怒哀楽を激しくやれて、すごく楽しかった」という中村は、「みんなが一生懸命やってたので、恥ずかしいという気持ちを取っ払って思いっ切りやりました」とにっこり。続けて、相手役の新井浩文が前貼りなしで撮影に臨んだことを明かし、「嫌だって言えなかったけど、本当は貼って欲しかった」と吐露すると、門脇も「ずっと見えてた」と苦笑い。また、同作がそろって"初脱ぎ"となった女優陣だが、裸を見せるにあたって準備したことを聞かれた赤澤は、「乳首がピンク色だったら面白いかなぁと思って、ヨーグルトパックをやってみたけど無理だった」と観客の笑いを誘っていた。
2014年03月12日乱交パーティでの一晩を描く『愛の渦』(三浦大輔監督)に主演する門脇麦が3月1日(土)、東京・テアトル新宿で行われた本作の初日舞台挨拶に登壇し、「三浦監督にお会いした瞬間から、“愛の渦”は始まっていた。私にとっては大きな存在であり続ける」と語った。本作で“誰よりも性欲の強い女子大生”という難役に挑み、大胆な濡れ場に臨んだ門脇さんだが、「台本を読んだときは『脱ぐぞ!』って気合いが入るというより、三浦さんってどんな人なのかなと興味が沸き、直感的に一緒にお仕事してみたいと思った」とコメント。撮影に入ると、「監督が必死に戦っている姿を見ると、現場も『一緒に頑張ろう』と一丸になれた」とふり返っていた。第50回岸田國士戯曲賞受賞の「ポツドール」代表作を三浦氏自身が脚本を書き下ろし、監督を務めて映画化。フリーター、女子大生、サラリーマン、OL、保育士らごく普通の人々がマンションの一室に集まり、夜な夜な繰り広げる乱交パーティに明け暮れる姿を通し、性欲やそれに振り回される人間の切なさ、滑稽さをあぶり出す。舞台挨拶には門脇さんと三浦監督に加えて、池松壮亮、新井浩文、中村映里子、三津谷葉子、駒木根隆介、赤澤ムック、柄本時生、信江勇が勢ぞろい。池松さんは「ぜひ笑って帰ってください」と客席にアピール。この日は立ち見も出る盛況ぶりで、新井さんは「座っている男性も“立ち見”になるかも」と大人なジョークで、場内を温めた。三浦監督は「この作品はエロでもグロでもありません!みなさんの中にある“スケベ心”を直球勝負で描いたエンターテインメントです」と自信たっぷり。初日に駆けつけた女性客に「ためらい、勇気が必要だったはず」と感謝を伝え、「もしこの映画がブームになってくれたら、面白いなあ」と期待を寄せていた。『愛の渦』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:愛の渦 2014年3月1日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014映画「愛の渦」製作委員会
2014年03月02日乱交パーティでの一晩という過激な設定ながら、池松壮亮×門脇麦というフレッシュな主演コンビや新井浩文、滝藤賢一ら人気個性派俳優たちが織りなす、日本映画史上もっとも“ハダカ”なドラマに、公開前から圧倒的な関心を集めている『愛の渦』。シネマカフェでも、一部劇場で“上映自粛”となった予告編ロングバージョンの再生回数は28万回に迫るほどアクセスが殺到中だ。いよいよ3月1日(土)より劇場公開となる本作だが、配給元や宣伝会社、オフィシャルSNSには「劇場が男性ばかりだったらどうしよう…」「ひとりでは観に行きにくい」「女性だけで気兼ねなく観たい」「友達を誘いづらい」という問い合わせやコメントが相次いだことから、急遽、通常興行としては異例の女性限定の上映回が設けられることになった。人気劇作家・三浦大輔が、自身の主宰する演劇ユニット「ポツドール」による「岸田國士戯曲賞」受賞の舞台を自ら映画化。午前0時~5時まで、都会のマンションの一室で営まれる乱交パーティで、欲望とともに、文字どおりむき出しになっていく人間の本質を、切なくもおかしく描き出していく。いち早くマスコミ試写を鑑賞した女性記者からは「笑えて切ない、良い映画だった」「女性も絶対楽しめる」という感想が多数上がっており、観終わった後はロビーでワイワイ盛り上がっている姿も見られたという本作。さらに、SNSなどでの熱い要望を受ける形で、ヒューマントラストシネマ渋谷では、拡大公開となる3月8日(土)から毎週(日)(月)(火)の上映回が女性限定に。また、チネチッタ川崎では初週3月1日(土)・2(日)の2日間のみ、各回10席限定でレディースシートを設置する。いずれも、劇場としては初の試みとなる。丸裸で繰り広げられるのはそれぞれのセックスだけでなく、人間関係の最も基本的なやりとり。女性ひとりでも、女性同士で観ても、誰かと語り合いたくなる要素が満載なのだ。『愛の渦』は3月1日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:愛の渦 2014年3月1日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014映画「愛の渦」製作委員会
2014年02月28日乱交パーティでの一晩という過激な設定、“着衣時間”が本編中18分半…日本映画史上もっとも“ハダカ”なドラマが展開することで話題を呼んでいる映画『愛の渦』。そんな本作の魅力を語り尽くそうと、2月22日(土)、新宿ロフトプラスワンにて三浦大輔監督、を始め、ゲストとして「モテキ」などで知られる漫画家・久保ミツロウがトークライブを行った。男性:2万円、女性:1,000円、カップル:5,000円。午前0時~5時まで、都会の一室で営まれる乱交パーティ。フリーター、サラリーマン、OL、保育士など、普通の日常生活を送る6人の男女があられもない姿で秘密の宴を繰り広げる様を描く。ただセックスだけを目的に集まった男女の“むき出し”の欲望を描き出す本作。満席となったこの日の会場は、イベント前から独特の熱気に包まれたが、そのトークの軸となるのは「『愛の渦』でどうしたら女子に劇場に来てもらえるか」について。<以下、トークイベント@新宿ロフトプラスワンの模様>MC:早速ですが、映画をご覧になっていかがでしたか?久保さん:看板に偽りなし(笑)。劇中でみんなヤッてますよ!でも、女性がひとりで劇場に行こうもんならこの女エロいこと考えてるんだろうな、なんて思われちゃうかもと二の足を踏んでる方がいるかも知れませんが、終わるまで出られない劇場で観た方が断然良いと思いますよ。疑似体験しているようなジェットコースター感も味わえますし。でも間違っても“真実の愛がここにある”とかいう宣伝の打ち出し方はナシですよ(笑)。MC:スポーツ紙で宣伝されるようなものを見て来る男性は、黙っていてもスケベ心で来ると思うので良いと思うんです。でも、仰る通り女性は1人とかだと来づらいところあると思いますよね。三浦監督:下世話っぽく取り上げられて、お客さんに来ていただくのももちろんアリだと思うんです。でも、みんなのハダカを見ていてもエロいってことだけでは無く、性欲の中の人間の関係性を描いているんですよね。MC:「ポツドール」(三浦監督・主宰の劇団)の演劇もそういうところありますよね。チラシを持った男の人たちが、「これ凄いらしいよ」って下世話な興味を抱いて足を運んでそこで打ちのめされるみたいな(笑)。久保さん:結末をしゃべるっていうわけじゃないけど、ネタバレって分かっていても面白いものこそエンタメだと思うんですよ。『愛の渦』も凄いエンタメ作品だから、女性が来ても大丈夫よって言いたいんだけど、それだけよりも“池松君のケツが拝める”って言った方が良のかも(笑)。MC:登場人物は個性的なキャラクターが多いですが、実際に取材したりしてそれが生かされてるんですか?三浦監督:集っている人に特殊な性癖があるとか、変態チックではない普通の人たちなんです。取材で現場に行ったときも常識的な人でむしろ紳士みたいでしたよ。実際はカップリングでいざこざとか殺伐とした感じはあんまりなくて、すんなりいったりとか譲り合いの精神あったり(笑)。久保さん:そうそう、乱交とイメージするような「ヒャッハー!」ていうようなテンションの人たちじゃないですよね。乱交紳士(笑)。「シャルウィダンス」みたいな感じですね。駒木根さん演じる童貞のピュアすぎる目とか、赤澤セリ(現:赤澤ムック)さん演じる常連の客とか、「あ~いるいる、こういう人」って思いますよね。MC:この劇中で童貞が一番成長しますからね。童貞の成長物語としても楽しめます。久保さんはどのキャラクターが嫌だとか、誰の目線でご覧になったとかはありますか?久保さん:この中に入ったとして思うのは、滝藤(賢一)さん演じるサラリーマンは嫌ですね!誰もそんなことに興味は無いのに、なんか自己紹介から始めちゃうみたいな。滝藤さん、これ「半沢直樹」前ですよね。あのだらしない感じの肉体は、役作りでやってらっしゃいますよね?三浦監督:実際もあんな感じだったりするんですよね、始まるまではみんなでテレビを見ていて常連さんと店員だけがしゃべっているとか。おっさんの一言でことが始まるとか。滝藤さんには、中年サラリーマンのだらしない感じを出してほしいとは伝えていたので、役作りであえてあの体型にしてくれたんだと思います。MC:新井浩文さんのキャラクターも際立っていましたよね。田舎の冠婚葬祭に行くといるおっちゃんみたいな(笑)。でも男だったらあの場では新井さんのようなキャラになりたい人は多いんじゃないですかね。久保さん:あと、店員の窪塚洋介さんが凄い良かったです。「池袋ウエストゲートパーク」の頃から、ファンでチェックしているんですけど。それ以来のバツグンのハマり役だといます。飛んでる人は違いますよね!役者のみなさんそれぞれすごく良いですよ。MC:演劇と映画で演出はやはり違うものですか?演劇の時はかなり追い込んで役作りをさせるというようなことを聞いておりますが。三浦監督:演劇のときはしつこいというか、細かいというか(笑)。でも映画としては監督2作目ですし、役者のみなさん素晴らしかったので、あまり指導というようなものは無かったですね。門脇(麦)さんは表情そのもので現場での緊張感が伝わってくるので、顔を撮っていれば、いい画が撮れると思ったし、実際撮れていると思います。久保さん:そうですよね。服を着ていないくて動物性がむき出しになると思いきや社会性がそこから逃れられない。そんなおかしみが感じられるし、日本人的奥ゆかしさが垣間見れますよね。良いキャッチコピーを思いつきました!「アメリカよ、これが日本の乱交だ!」。宣伝の方、これを使っていただけないでしょうか(笑)?一同:よろしくお願いします。『愛の渦』は3月1日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:愛の渦 2014年3月1日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014映画「愛の渦」製作委員会
2014年02月24日日本を代表する歌姫・JUJU。その楽曲の中でも随一の人気を誇る「この夜を止めてよ」から、約3年ぶりとなる“悲恋のバラード”となる新曲「Distance」のミュージックビデオ(以下:MV)がこのほど完成した。今回のMVは、映画『東京タワー』『大停電の夜に』、TVドラマ「遺恨有り」「神様のボート」などヒット作をを手がけてきた源孝志を監督に迎え、木村多江と新井浩文が、惹かれ合うのに離れなければならない…禁断の恋に落ちる男女を演じており、まるで映画のような映像に仕上がっている。「終りにしたほうがいいって、頭でわかっても、心が言うことをきかなくて」…。ファン待望のJUJUの新曲「Distance」は、男女の別れの苦しみ・切なさを描いた、 “悲恋のバラード”。「女たちは、本能的に恋の怖さを知っているからこそ潮時を見誤らない。男と女の関係は、絶えず流動的に変化を続ける化学実験のようなものだとわかっている」と源監督が話すように、“終り”の苦悩に打ちひしがれる女性の儚い想いが、JUJUの切ない歌声と重なる。JUJUの新曲「Distance」は9月18日(水)リリース。「Distance」MVショートVer.は、「JUJU Official YouTube Channel」にて公開中。(上原礼子(cinema名義))
2013年09月11日前作を超える大ヒットを飛ばした北野武監督作『アウトレイジ ビヨンド』のDVD&ブルーレイが4月12日(金)に発売されるのを記念して、メイキング映像の冒頭5分が公開された。ナレーションを務めたのは、本作に出演するも、ひと言も喋らない殺し屋を演じた高橋克典が務めている。メイキング映像の一部本作は、血で血を洗うヤクザ社会の抗争を描いた前作より更なるスケールと豪華キャストで、男たちの壮絶な生き様を描いたバイオレンス・エンターテイメント。このたび公開されたメイキング映像は、本編ではひと言も喋らず、淡々と人を殺していく“無言のヒットマン城”を演じた高橋克典がナビゲーターとなって、製作の裏側を紹介していくもの。カメラは2012年4月に神戸から始まった撮影の様子や、現場で北野監督が出演者に指示を出す姿などを捉えており、“全員悪人”としてキャスティングされた三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、桐谷健太、新井浩文、塩見三省、中尾彬らの姿も確認できる。メイキング映像は初回限定生産のスペシャルエディション版にだけ収録され、ほかにキャストインタビュー、ベネチア国際映画祭リポート、イベント&舞台あいさつなどの模様が2時間を越える特典映像として収められる予定。『アウトレイジ ビヨンド』ブルーレイ&DVD4月12日(金)発売発売・販売:バンダイビジュアル
2013年03月14日公開中の堺雅人、山田孝之共演の映画『その夜の侍』。本作を鑑賞した俳優の向井理や女優の松雪泰子をはじめ、各界の著名人、ライターから絶賛のコメントが届いている。その他の写真本作は、劇団「THE SHAMPOO HAT」を率いる赤堀雅秋氏が、自ら作・演出・主演を務めた同名舞台を改稿し、監督を務めた作品。ひき逃げ事件で妻を失った思い出から抜け出せず、犯人への復讐を計画することで自分を保っている主人公・健一(堺)と、ひき逃げ犯の木島(山田)、そして彼らを取り巻く周囲の人々が抱える孤独や葛藤を描いた人間ドラマ。試写会では鑑賞後、「すぐに言葉にできない」との声が多く、堺、山田の魂のぶつかり合う演技や、新井浩文、綾野剛、田口トモロヲ、谷村美月、安藤サクラなど脇をかためるキャストに、「とにかく凄かった」と感想が寄せられているようだ。本作は復讐劇という導入から、人との繋がりを問いかけ人間の本質に迫った人間ドラマであるが、松雪は、「観客の想像力も自ずとひろがっていく作品。登場人物達が哀しく、無様であり、滑稽で愛おしく人間的」と語っており、向井も、「荒んでいく人間たちとその様相を淡々と、そしてリアルに切り取っていく。かなり挑戦的な作品に衝撃を受けました」と絶賛している。また、「匂い立つ、汗まみれの人間讃歌!」(演出家・長塚圭史)や、「作家、赤堀雅秋氏の作品には必ずといっていいくらい、ニオイが立ち込める」(女優・鈴木砂羽)と、スクリーンから放たれる独特の“匂い”についてのコメントも。そのほか各界著名人、ライターから寄せられたコメントや、一般試写での感想も本作の公式サイトにて紹介されている。本作は、モントリオール映画祭やロンドン映画祭に出品した際、その演出力が高く評価されただけあり、海外でも日本でも絶賛の声が多く上がっているようだ。『その夜の侍』公開中
2012年11月20日堺雅人と山田孝之の初共演が実現した『その夜の侍』が17日、全国で封切られ、堺、山田をはじめ、新井浩文、綾野剛、谷村美月、メガホンを執った赤堀雅秋監督が東京・有楽町スバル座で初日舞台あいさつを行った。堺が演じる中年男が、山田扮するひき逃げ犯に復しゅうするヘビーな内容で「撮影が大変で覚えていない」(堺)、「そうですね」(山田)と撮影の過酷さを垣間見せていた。その他の写真劇団「THE SHAMPOO HAT」全作品の作・演出・出演を担当する赤堀監督が、上演作を自ら映画化。愛する妻をひき逃げ事件で奪われた工場経営者・中村(堺)が、復讐を果たそうと出所したひき逃げ犯・木島(山田)を追い詰める姿を通して、現代人が抱える孤独と狂気を描く。国内での公開を前に、第36回モントリオール映画祭、第56回ロンドン映画祭に出品された。堺は以前から「THE SHAMPOO HAT」のファンだといい、「私自身は15年ほど前、劇団に所属していたが、劇団員としての夢はついえた人間。この物語がフィルムに焼き付けられたことで夢が実現し、本当に誇らしい気持ち」と感無量の面持ち。すべてを失い、復讐に燃えるという役柄に「終始トランス状態というか、コントロールできないくらい、かき回された。試写で見ても自分がよくわからない顔をしている」と振り返った。かたや山田も「いろんなところで爆発が起こり、刺激を受ける作品。感情がガタガタにされた」とアピール。「食べるのが怖い地獄鍋のような作品。皆さんにおすそ分けするのは胸が痛みます」(綾野)、「こういう映画が好きという人が増えたら嬉しい」(谷村)と共演陣も本作が放つパワーに圧倒されていた。本作が監督デビュー作となった赤堀監督は、新人監督に与えられる「新藤兼人賞」の金賞を受賞したばかりで「このタイミングで出来過ぎですね。もらえるものはもらいますが、すいませんという気持ちも」と恐縮しきり。なお同賞銀賞は『ヘルタースケルター』の蜷川実花監督が受賞。新井と綾野は『その夜の侍』と『ヘルタースケルター』に出演しており、「両方の作品に参加しているうちらの方がよっぽどすごい」(新井)と自画自賛していた。『その夜の侍』公開中
2012年11月19日映画『その夜の侍』が11月17日(土)に公開を迎え、堺雅人、山田孝之、新井浩文、綾野剛、谷村美月、赤堀雅秋監督が都内劇場で舞台挨拶を行なった。赤堀監督が主催する「THE SHAMPOO HAT」が上演した芝居を監督自ら映画化した本作。妻をひき逃げで殺されて以来、犯人への復讐だけを胸に生きてきた男と刑務所から出所後も反省することなく生きる犯人、そして彼らに翻弄される周囲の人々の姿を描き出す。堺さんは「個人的なことですが」と前置きし、「僕は15年ほど前に劇団をやっていて、残念ながら劇団員としての僕の夢はダメだったんですが、下北沢の小さな劇場で始まったこの作品がこうしてみなさんに見ていただけるようになり、15年前の夢が叶ったような誇らしい気持ちです」と感慨深げに語った。山田さんは暴力的で残虐な木島を演じたが、劇中とは打って変わって「どうも山田です!」と軽い口調で挨拶。「木島よりはまともで普通です。安心してください」と笑いを誘っていた。決して明るく楽しい物語ではないだけに、綾野さんは「地獄鍋のようなこの作品をおすそ分けをすると思うと胸が痛みます」と複雑そうな表情。谷村さんは「こういう映画が好きという人が増えたら嬉しいです」と笑顔で送り出した。赤堀監督にとっては本作が監督デビュー作だが、新人監督に与えられる「新藤兼人賞」の金賞受賞が発表されたばかり。なぜか「すいません」を連発しつつ、赤堀監督は「出来過ぎです。スタッフやキャストのみなさんのおかげです」と頭を下げた。ちなみに同賞の銀賞は蜷川実花監督の『ヘルタースケルター』が受賞しており、新井さんは「その両方に出ているウチと綾野剛くんの方がよっぽどすごいと思います(笑)」と語り喝采を浴びていた。堺さんと山田さんは意外にも本作が初共演だが、印象について聞かれた堺さんは「撮影が大変で覚えていない」と苦笑い。山田さんも「そうです」とうなづき、撮影の過酷さを伺わせた。綾野さんは「孝之に顔をはたかれるシーンがありますが、あそこで僕は一瞬、本当に落ちてます」と告白。新井さんは、堺さんと山田さんを中心とした豪雨の中での渾身のクライマックスシーンの撮影翌日のファミレスでのシーンが最終日だったそうだが「スタッフもみんな気力ゼロでした。最後はひどい現場でしたね」と暴露し客席は笑いに包まれた。『その夜の侍』は全国にて公開中。■関連作品:その夜の侍 2012年11月17日より全国にて公開© 2012「その夜の侍」製作委員会
2012年11月18日17日公開の堺雅人主演映画『その夜の侍』の完成披露試写会が7日にユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、堺、山田孝之、新井浩文、綾野剛、谷村美月、田口トモロヲ、赤堀雅秋監督が舞台あいさつに登壇した。その他の写真本作は、劇団“THE SHAMPOO HAT”を率いる赤堀氏が、自ら作・演出と主演を務めた同名舞台を改稿し、監督を務めた作品。ひき逃げ事件で妻を失った思い出から抜け出せず、犯人への復讐を計画することで自分を保っている主人公・健一(堺)と、ひき逃げ犯の木島(山田)、そして彼らを取り巻く周囲の人々が抱える孤独や葛藤を描いた人間ドラマ。堺は本作について、「とても生々しくグロテスクで汚いんだけど、観終わったあとに美しく、崇高なものを観た不思議な気持ちになる」と話し、「大事な人を亡くした主人公が弔いへ向けて一歩踏み出す話ですが、僕自身も3.11の震災後に抱いていた、弔いたいけどどうしたらいいのか分からない心情が主人公と重なり、この役をやりたいと思いました」と語った。堺と山田は初共演となったが、堺は、「3年分くらいガッツリ共演したので、しばらくは顔も見たくない(笑)」と山田へ本音をぽろり。山田も、「僕も撮影が終わってから、CMで堺さんを見ると『うぇー』ってなりましたね」と反撃した。さらに、「堺さんとの共演シーンを楽しみにしていたが、撮影が始まるとつらい・寒い・帰りたいで最悪でした」と吐露し、本人たちにとってはそれほど濃密で重厚な撮影だったようだ。また、「非常に緊張してます」と、冒頭からハンカチで何度も汗を拭う姿が見られた綾野があいさつ後に中座する場面も。数分後舞台へ戻り、「貧血でした」と苦笑しつつも、「決して面白い作品ではないですし、かつ分かりやすい感動があるわけでもない。でも人間の愚かな姿が実直に出ていて、すごい作品が出来たのではないかと思う」と自信を見せた。続けて堺も、「おすすめしにくい映画だけど、僕は大好きです。願わくば、みなさんの心に突き刺さる作品でありますようにと祈るばかりです」と本作をアピールした。『その夜の侍』11月17日(土)より全国ロードショー取材・文・写真:滝島千尋
2012年11月08日赤堀雅秋が自ら書き下ろした戯曲を映画化した初監督作『その夜の侍』の完成披露試写会が11月7日(水)、東京・ユナイテッドシネマ豊洲で開催された。赤堀監督、主演を務める堺雅人を始め、山田孝之、新井浩文、田口トモロヲ、綾野剛、谷村美月が舞台挨拶を行った。最愛の妻の命を奪った犯人に復讐を果たすため、狂気と日常の狭間を漂いながら生きる男の姿を描いた本作。堺さんと山田さんは本作でファン待望の初共演が実現したが、「向こう3年くらい、顔は合わせたくない。それほど濃密な関係が築けました」(堺さん)、「堺さんがあまりに怖くて、しばらくTVに堺さんが出てくると…」(山田さん)と単なる共演を超えた、特殊な“絆”で結ばれている様子。堺さんは「言葉にしづらいけど、大好きな作品。ご覧になるみなさんの人生に深く深く突き刺さることを祈ります」と真摯にアピールしていた。小さな鉄工所を営む中村健一(堺さん)は、5年前にひき逃げ事件で妻・久子を亡くして以来、虚無感に囚われた生活を送っていた。一方、ひき逃げ犯・木島(山田さん)は刑期を終えて出所するが、しばらくすると“何か”をカウントダウンする匿名の脅迫状が届く。そして久子の命日の夜、遂に2人は対峙することに…。新井さんにとっては、本作がなんと今年10本目(!)となる出演作で「10本中ベスト3に入る自信作です。でも、うちが面白いと思う映画は一般受けしないから…、『これ、つまんねえかな』くらいの気持ちで観てください」と少々自虐的なPR。綾野さんは挨拶冒頭から「緊張で汗が止まりません…」と言葉を振り絞ると、その後舞台挨拶を中座。「すみません、貧血でした」と報告し、舞台挨拶に復帰するひと幕もあったが「決して面白くない映画で、分かりやすい感動もありませんが、愚かで実直な人間の姿を描いた作品に参加できて良かった」と誇らしげな表情だった。『その夜の侍』は11月17日(土)より全国にて公開。■関連作品:その夜の侍 2012年11月17日より全国にて公開© 2012「その夜の侍」製作委員会
2012年11月07日公開中の北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』が大ヒットを記録している。監督のキャリアで初の興行ランキング首位スタートを飾った本作はどのようにして生まれたのだろうか? 北野監督が作品についてじっくりと語った特別動画がこのほど公開された。北野武監督インタビュー動画本作は、血と暴力の世界に生きる男たちの生き様と抗争を描いたエンターテインメント作『アウトレイジ』の続編にして新たな物語。前作で死んだはずの大友(ビートたけし)が東西組織の勢力争いに巻き込まれ、さらにそこへ警察が介入。登場人物全員が“悪人”の抗争劇を描き出す。インタビュー動画では、本作を「あまり続編だと思っていない」という北野監督が最新作でどのように前作『アウトレイジ』の登場人物を動かし、前作にないテイストをドラマを描こうとしたのかが、監督の口から語られる。また、『…ビヨンド』から出演した西田敏行、塩見三省、桐谷健太、新井浩文らのエピソードも披露されている。ちなみに本作は、公開2週目も動員好調で先週末の動員ランキングでは3位を記録。平日の動員も好調で、レディースデイには女性客が多く劇場に足を運んでいるという。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年10月16日新井浩文の初の単独主演作となる『赤い季節』が10月13日(土)に封切られ、新井さんを始め、村上淳、新居延遼明、風吹ジュンのキャスト陣に加え、能野哲彦監督が東京・渋谷の劇場で行われた舞台挨拶に登壇した。「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」、「ROSSO」でフロントマンとして活躍し、現在は「The Birthday」を率いるチバユウスケのソロ・プロジェクト「SNAKE ON THE BEACH」の楽曲にインスパイアされ生み出された本作。バイク店で働きながらも、殺し屋としての裏の顔を持つ男・健の葛藤や焦燥、裏稼業から足を洗おうともがきながら刑事だった父の死にまつわる真相に迫っていく姿を描く。初の単独主演作となったが、気負った様子もなく「実は裏で、監督が『観た女性の方が、抱かれたくなるような新井にしたい!』と言っていたので、今日観た方は抱かれればいいんじゃないでしょうか(笑)。うちは元々、男性ファンが多いので…」と冗談交じりに挨拶し笑顔を見せた。さらに撮影で苦労した点を問われると、「2週間で撮影をしたので、精神的には問題なかったですが、体力的に眠たいということがあり、一度バイクシーンは本当に事故が起きそうだから止めてもらったことはあります」と、飄々とした語り口で作品同様にハードな撮影だったことを明かした。これまで音楽業界で活躍していた能野さんは、本作が初監督。村上さんは映画業界への進出は全く予期していなかったと言い、「監督のことは“能やん”と呼ぶくらい長い付き合いなので、まさか映画を作るとは思っていませんでした。ぜひ映画を楽しんで下さい!」と監督&新井さんの初陣を後押しした。その言葉を受け、能野監督は「もうすぐ50になるこの年で、“新人”と呼ばれるのは気恥ずかしい」とすっかり照れ笑いを浮かべていた。さらにこの日、本作の音楽を務め、さらに出演まで果たしている「SNAKE ON THE BEACH」のチバユウスケからスペシャルメッセージが贈られた。「映画『赤い季節』、とうとう公開ですね。おめでとうございます。観に来たみなさんもぜひ楽しんで下さい。音楽もハマッていると思うので、そこもよろしく。とにかく楽しんで」と公開初日を祝った。『赤い季節』はヒューマントラストシネマほか全国にて公開中。■関連作品:赤い季節 2012月10月13日よりヒューマントラストシネマほか全国にて公開© 2012「赤い季節」製作委員会
2012年10月14日殺し屋を辞めたい男が刑事だった父の“遺志”を継ぐため、真相を知る旅に出るハードボイルドな青春映画『赤い季節』。13日(土)より公開される本作に主演した新井浩文が、音楽と映画の融合を目指した能野哲彦監督との仕事を回想するとともに、俳優デビュー10周年を経た現在の心境を明かした。その他の画像殺し屋という裏の顔もあるバイク屋の青年・健(新井)が、10年前に殉職した刑事の父が“やり残したこと”の真相を知るため、自分を殺しに来た少年・剛とともに旅へ。この健が、無骨で直球。新井のイメージと重なるクールな魅力が光る男だ。「基本的には能野監督が思うカッコよさを追求しただけです。最初は歌詞のようなセリフが多かったので正直、戸惑いましたけど(笑)」と役柄を回想。もともと本作はチバユウスケのソロプロジェクトSNAKE ON THE BEACHの楽曲にインスパイアされて生まれ、初監督の能野もミッシェル・ガン・エレファントを育てた音楽畑のプロだ。音楽と映像の融合を目指した実験作でもある。また、新井にとって本作は、『松ヶ根乱射事件』(2007)以来の単独主演作。その上今年は公開作が10本を数え、「たまたま重なっただけ」と謙遜するも、今や日本映画の顔だ。昨年には俳優デビュー10周年を迎え、初期と比べて意識に変化もあるに違いない。「さほど変わっていないと思いますけどね」と言いながらも、「どこかで進歩したくないって思う」と正直な胸の内も明かす。「ヘンに演技が上手くなりたくないというか……。やればやるほど上手くなるのは当然で、『青い春』(2002)の頃と比べれば、『赤い季節』の方が絶対に上手い。それは分かっているけれど、失うモノがあるっていうことも分かっていて」と想いは複雑なようだ。「難しいですね(笑)。もともと、一見すると素人っぽく映ることをテーマにしているので、健という人がいれば彼がそのままスクリーンに映ればいいと思っていますけど」と理想を語る新井だが、それが10年経っても失われなかった自負でもあるという。「本当はセリフを噛んだりすることが大好きなんです(笑)。それが自然で人間っぽく見える。その意味での意識は失くしていないから、『赤い季節』でもヘンに変わってはいないと自分では思っています」。取材・文・撮影:鴇田 崇衣装協力(アダム・キメル/問い合わせ エドストローム オフィス03-6416-3606)『赤い季節』10月13日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国ロードショー
2012年10月12日「ウチがデビューした当時、上の人たちからは散々『誰が生き残るかな?』なんて言われていました(笑)」。新井浩文は少し懐かしそうに10年あまり前の二十歳を少し過ぎた頃をふり返る。ほかの誰ももちえない独特の存在感を武器に、そして確固たる自信を胸に秘め「10年間、やりたいことだけをやり続けてきた」。今年だけで10本もの出演作品が公開されるという点を見ても、彼が日本映画界に欠かせない存在となったことは明らかだ。単独主演作となる『赤い季節』の公開が迫っている。本作で見せたこれまでにない姿から自身の中で感じる変化、役者という仕事への思いまで旬の男がじっくりと本音を語ってくれた。「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」、「ROSSO」でフロントマンとして活躍し、現在は「The Birthday」を率いるチバユウスケのソロ・プロジェクト「SNAKE ON THE BEACH」の楽曲にインスパイアされる形で生まれた本作。バイク屋で働きながらも殺し屋としての裏の顔を持つ男・健の葛藤や焦燥、刑事だった父の死にまつわる真相を巡る戦いを描く。企画の段階から主演には新井さんの名が挙がり、新井さんもオファーと同時に出演を即決し、初めて長編映画のメガホンを握る熊野哲彦監督の手で脚本が作り上げられていった。「最初に準備稿をいただいたんですが、その時点であまりにもクサいセリフ、逆に言うと人間臭さのないセリフが多かったので、そこは監督に『直してください』とお願いしました。でも能野さんにもかなりのこだわりがあって(笑)、『このセリフは言ってほしいんだよ』って(笑)。『分かりました。言いますけど少し言葉を崩してください』、『いや、ここは一字も曲げない』って攻防はありました(笑)」。劇中、新井さん演じる主人公が名乗る際に「高倉健の健だよ」と言うシーンがあるが、監督が目指したのはまさにかつての高倉健主演の任侠映画の現代版。実際に監督からは参考資料として高倉さんの主演映画数本が渡されたという。そしてもう1点、監督が新井さんに言い続けたのは「とにかく新井浩文をかっこよく撮りたい」ということだった。「ウチはこれまで映画をやって来て、自分をカッコよく見せることなんて微塵も考えたことがありませんでした。そんなのはどうでもいいと思っていたから。でも今回は監督が考えるカッコよさに近づけるために(銃を)構えたり、ポーズを決めたりしました。まあ、それがカッコいいかどうかは観たお客さんに判断してもらえればと思います」。本作のようなアウトローの役や不良にチンピラ、主人公に立ちはだかる“悪役”といった印象が強いが、一方で『ヘルタースケルター』のオカマのヘアメイク役など全くタイプの異なる役でも存在感を発揮しており、俳優としての振り幅は決して小さくない。「最初の『青い春』で不良をやって、世間や制作者側から見てそういう役柄に関しては安全パイだと思われているんでしょうね。でもウチはデビューした頃から、正直、自分には振り幅や(作品選びの)引きというものがあると信じていたし、いまでもどんな役だってやれる自信はありますよ」。一方で中心にあるのは「役柄よりも作品」という思い。理想とするのは「全人類にウケける映画」と断言する。「自分の中で『こういう役をやりたい』というのもないし、自分の振り幅を広げるために…という思いもないです。大事なのは作品として面白いかどうか。面白ければ、真面目な役だろうが殺し屋だろうが何でもやりますよ。面白い作品ができて、多くのお客さんが観てくれて、賞をもらえて……。“全人類に”っていうのが理想だけど、理想を目指さないならこの仕事は終わりだと思うから」。インタビュー冒頭の自らの“世代”にまつわる思い出話は、スクリーンデビューから10年という歳月をふり返る中で出てきたもの。感慨を込めて述懐しつつ「でも、いまだに『オレが一番だ!』って思っている奴らばかりだと思う。現にウチもそう思ってますしね」と続けるその口調には気負いもてらいもなく、目の奥には鋭い光が宿っている。一方で10年の月日が彼らの世代を“若手”から“中堅”へと押し上げようとしているのも事実。かつての自分と同じ年頃の若い俳優たちの台頭をどのように見つめているのだろうか?「楽しいですし、同じ世代の連中を見るのとはまた違いますね。例えば、いま『永遠の0(ゼロ)』で染谷(将太)くんと一緒なんですが、やっぱりみんなが素晴らしいと言うだけあってすごいです。あの世代ではアタマひとつ飛びぬけている。一緒にいて刺激をもらっています。若いコたちを見ながら、自分たちが言われたのと同じように『誰が生き残るかな?』なんて考えたりしています(笑)。もちろん若い奴らには絶対に負けたくないし、上の世代にも負けたくない。要は誰にも負けたくないんです(笑)」。ちなみにこのインタビューが行なわれたのは、現在放送中のドラマで是枝裕和監督の演出による「ゴーイング マイ ホーム」(フジテレビ)の撮影が始まる頃のこと。演技について話を聞く中で、新井さんは「ウチが常に大切にしているのは、自分がセリフとして何を言うかじゃなくて、まず相手の言葉を聞いてそれに反応するということ。実際の会話というのは相手が何を言うか分からない状態で展開するものだから」と語ったが、それはまさにこれまでの作品で是枝監督が作り上げてきた世界観に通じる。2人の出会いがいったいどのようなシーンを生み出すことになるのか?楽しみは尽きない。「是枝さんは『本番』って言わずに撮り始めるのが好きだという話も聞いています。楽しみですね」。自信と矜持を胸に、負けず嫌いな男は休みなく走り続ける。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:永遠の0(ゼロ) 2013年、公開予定© 2013「永遠の0」製作委員会ヘルタースケルター 2012年7月14日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 映画『ヘルタースケルター』製作委員会赤い季節 2012月10月13日よりヒューマントラストシネマほか全国にて公開© 2012「赤い季節」製作委員会
2012年10月11日今年で34回目を迎える映画祭「PFFぴあフィルムフェスティバル」が、18日から28日まで東京国立近代美術館フィルムセンターで開催。そのメインプログラムにあたり、世界最大級の自主映画コンペティションである「PFFアワード2012」の表彰式が28日に行われ、最終審査員を務めた高橋伴明監督、行定勲監督、写真家の川内倫子氏、俳優の新井浩文、映画プロデューサーの川村元気氏が各賞を発表した。その他の情報グランプリに輝いたのは、鶴岡慧子監督の『くじらのまち』。仲良し高校生男女3人組のすれ違う心の揺れを瑞々しく描いた青春群像劇の本作は、グランプリに加えてジェムストーン賞(日活賞)も受賞し見事2冠を達成した。鶴岡監督は「まるで不意打ちのような感じ。本当に光栄ですし、仲間と一緒に(壇上に)立つことができて胸がいっぱいです。ここにいるみんなの後押しがなければ、映画は完成しなかった」と受賞の喜びをかみしめた。最終審査員を代表し、グランプリを発表した新井は「自分にとって、自主映画かどうかはどうでもよくて、とにかく作品として面白いかどうかで判断させてもらった。まあ、どの作品も鼻で笑っちゃう部分があったが、『くじらのまち』はそれが一番少なかった」と辛口な総評で、参加者にエールをおくった。本年度は522作品のエントリーから、16作品を選出し、グランプリをはじめ各賞を競い合った。受賞結果は以下の通り(年齢はすべて撮影当時)。最終審査員の選ぶ3賞5作品およびPFFパートナーズの選ぶ3賞受賞者は、第24回PFFスカラシップへの挑戦権が得られる。グランプリを受賞した『くじらのまち』は第25回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門にて招待上映される予定になっている。【最終審査員が選ぶ3賞】●グランプリ『くじらのまち』 鶴岡慧子監督/23歳/長野県出身●準グランプリ『魅力の人間』 二ノ宮隆太郎監督/25歳/神奈川県出身●審査員特別賞『あん、あん、あん』 イノウエ カナ監督/22歳/京都府出身『故郷の詩』 嶺豪一監督/22歳/熊本県出身『stayチューン』 伊藤智之監督/26歳/千葉県出身【PFFパートナーズが選ぶ3賞】●エンタテインメント賞(ホリプロ賞)『かしこい狗は、吠えずに笑う』 渡部亮平監督/24歳/愛媛県出身●ジェムストーン賞(日活賞)『くじらのまち』 鶴岡慧子監督/23歳/長野県出身●映画ファン賞(ぴあ映画生活賞)『かしこい狗は、吠えずに笑う』 渡部亮平監督/24歳/愛媛県出身【特別設置】●日本映画ペンクラブ賞『Please Please Me』 青石太郎監督/22歳/東京都出身取材・文・写真:内田 涼
2012年09月28日劇団「THE SHAMPOO HAT」を率いる赤堀雅秋監督自らが作・演出・主演を務めた同名戯曲を改稿して映画化した『その夜の侍』。映画の公開を記念し、「第四回下北沢映画祭」の開催中、22日にトークショーが行われ、赤堀監督と映画『モテキ』の大根仁監督、本作に出演する新井浩文が登壇した。その他の写真本作は、五年前のひき逃げ事件で死んだ妻・久子(坂井真紀)への思い出から抜け出せず、犯人への復讐を計画することで自分を保っている主人公・健一(堺雅人)と、ひき逃げ犯人の木島(山田孝之)、彼らを取り巻く周囲の人々が抱える孤独や葛藤を描いた人間ドラマ。赤堀監督と大根監督の出会いは、深夜ドラマシリーズ『演技者。』内で赤堀監督の原作戯曲『アメリカ』を大根監督が演出したことがきっかけだったという。赤堀監督にとって大根監督は“一番意見を聞くのが怖い人”というイメージだったそうだが、どうにか合格点をもらったようで、トークショーでは安堵の表情を見せていた。一方、大根監督は、「初監督だから失礼になるけれども、観たときに老練な感じと言うか…赤堀君は演劇と言う場で積んできたものがでかい。技術的なものとか、スタッフワークというのは知らずに入ったかもしれないけど、赤堀君がもともと演劇の場で培ってきた脚本力とか演出力とかに、スタッフや役者が引っ張られてよい作品になっているなあと。異業種監督の作品には全く見えない。むしろ出来過ぎと言う感じがしました」と絶賛。さらに、近年のメジャー作品とマイナー作品の興行収入や動員の格差問題について絡めて、「ものすごくお客さまが入っている作品と、良質な作品なのに全く入らないというのがある。その中間をいき、この現状を打破できるよい邦画として、ちゃんとヒットする作品になってほしい」とエールをおくっていた。また、『モテキ』にも出演し、本作では健一の妻の兄役を務める新井は、「監督のやりきった感じが伝わってきて、参加できてよかったと思った。自分自身でも手ごたえを感じた」と感無量の様子。赤堀監督も、「自分で言うのもなんなんですけど…凄く武骨でエネルギッシュで、とてもおもしろい、よい映画だなと、客観視して思える作品になっているので、ぜひ観てください!」と、本作をPRしていた。『その夜の侍』11月17日(土)より全国ロードショー
2012年09月25日堺雅人と山田孝之をキャストに迎え、自ら書き下ろした戯曲を映画化した赤堀雅秋の初監督作『その夜の侍』。こちらの公開に先駆けて、出演者の新井浩文、「劇団THESHAMPOOHAT」主宰者でもある赤堀監督、親交の深い『モテキ』の大根仁監督が9月22日(土)、東京・下北沢で開催中の「第4回下北沢映画祭」の一環でトークショーを行い、会場を爆笑の渦に巻き込んだ。小さな鉄工所を営む中村健一は、5年前にひき逃げ事件で妻・久子を亡くして以来、虚無感に囚われた生活を送っていた。一方、ひき逃げ犯・木島は刑期を終えて出所。しばらくすると木島の元に、“何か”をカウントダウンする匿名の脅迫状が届くようになる。送り主は中村に違いないと周りの者はそれを止めさせようとするが、久子の命日の夜、遂に2人は対峙することに…。トークショーが始まり、早々に新井さんが「だいたいうちは初号観るまで満足がないんですけど、クランクアップの日、ふと見たら煙草を吸いながら、ひとりで監督が泣いてたんですよ」と撮影秘話を暴露。赤堀監督は「泣いてない!絶対泣いてないよ!!」と大絶叫。それに対して新井は「目を真っ赤にしてうるうるしてた(笑)」とやり取りを続け、会場を笑わせながらも「監督のやりきった感じが伝わってきて、参加できて良かったと思った。自分自身でも手ごたえを感じた」と作品に対する充実感を口にした。赤堀監督と大根監督の出会いは、フジテレビ系の深夜ドラマシリーズ「演技者。」。同ドラマ内で、赤堀監督の原作戯曲「アメリカ」を大根監督が監督を手がけたことがきっかけだったそう。赤堀監督にとって大根監督は「一番意見を聞くのが怖い人」とのことだったが、「どうにか合格点をもらった」と安堵の表情。しかし、大根監督は近年のメジャー作品とマイナー作品との興行収入や動員の格差などについて触れ、「邦画は大作と秀作が両極すぎて…。ものすごくお客様が入っている作品と、良質な作品なのに全く入らないというのがあり、その中間をいき、この現状を打破できる良い邦画として、ちゃんとヒットする作品になってほしい」とこれからも応援していくことを堂々宣言。さらに、「初監督だから失礼になるけれども、観たときに老練な感じと言うか…赤堀くんは演劇と言う場で積んできたものがデカい。異業種監督の作品には全く見えない。むしろでき過ぎと言う感じがしました」と太鼓判を押していた。最後には「四の五の言わずに劇場に来てください!お願いします!」(新井さん)、「自分で言うのもなんなんですけど…凄く武骨でエネルギッシュで、とてもおもしろい、良い映画だなと、客観視して思える作品になっているので、ぜひ観てください!」(赤堀監督)とそれぞれに作品をアピールし、会場を包む大きな拍手と共にトークショーは締めくくられた。『その夜の侍』は11月17日(土)より全国にて公開。特集「シネカフェくんのふらっと映画祭」■関連作品:その夜の侍 2012年11月17日より全国にて公開© 2012「その夜の侍」製作委員会
2012年09月25日北野武監督の最新作にして、初の続編映画となった『アウトレイジ ビヨンド』のジャパンプレミアが9月18日(火)、都内で開催された。監督・脚本・編集を手がけ、“ビートたけし”名義で主演も果たした北野監督を始め、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁という“豪華かつ極悪”なキャスト陣が勢ぞろいし、本編上映を前に駆けつけたファンをその悪人オーラで圧倒していた。関東最大の暴力団組織“山王会”の抗争を描いた前作から5年。熾烈な下克上に決着がついたが、今度はヤクザ壊滅を図る警察が動き始める。利用されたのは、前作で獄中死したはずの大友(たけしさん)。ついに関東勢VS関西勢(花菱会)の巨大な抗争が再び動き始める。第69回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、惜しくも賞は逃したものの現地では「北野監督の最高傑作」との賞賛を浴びた今秋話題のバイオレンス大作だ。北野監督もヴェネチア入りし、現地での熱気に触れ「新しい時代のバイオレンス映画になった」と胸を張る。ズラリ勢ぞろいしたキャスト陣に目をやり「ここにいる全員が主役をできる役者さん。ギャラは相当かかりまして、うちの事務所としても大変。たくさんの人に観てもらえれば、赤字も解消できる」と笑いを交えながら、作品に対し絶対的な自信を示していた。総勢12人が居並ぶ中、やはり北野監督と西田さんの2ショットは迫力満点。西田さんにとっては、今回が“北野組”初参戦で「どうも“ハマちゃん”です」と挨拶も上機嫌。「念願だった北野監督の作品に出演できて、本当に嬉しい。楽しく面白い現場でした」とふり返り、「それに大声で怒鳴っているとスッキリしますね。おかげで血圧が正常に戻りました」と思わぬ“効用”も明かし、笑いを誘っていた。もちろん前作からの“生き残り組”も健在で「頂点を極めた男の末路を見届けてください」(三浦さん)、「今回、若頭に出世しましたが、どうやらその器じゃなかったようで、ひどめ目に遭いました…」(加瀬さん)と何やら怪しい雲行き。本作は『アウトレイジ』シリーズの完結編でもあるだけに、スクリーンに散る悪人たちの運命は、見逃し厳禁と言えるだろう。『アウトレイジ ビヨンド』は10月6日(土)より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
2012年09月18日北野武監督の最新作『アウトレイジ ビヨンド』のジャパンプレミアが18日に都内で開催され、北野監督をはじめ、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁という豪華“悪人”キャスト陣が一堂に会した。北野監督は「みなさん主役級だから、ギャラが相当かかりました。うち(事務所)としても大変」と愚痴をこぼしながらも、高倉健の『任侠』シリーズや深作欣二監督の『仁義なき戦い』など過去の名作群を引き合いに「新しい時代のバイオレンス映画になった」と自信満々でアピールした。その他の写真ヤクザ社会の壮絶なる下克上劇を描き大ヒットした2010年の『アウトレイジ』の続編がついに日本のファンにお披露目された。獄中死したはずの大友(たけし)が警察の思惑によって釈放され、関東VS関西の両巨頭がぶつかり合う抗争に身を投じる姿が、前作をビヨンド(超越)する極限のバイオレンスで描かれる。北野監督にとっては、16作目にして初の続編映画で、第69回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品された。惜しくも賞は逃したが「向こうではやたらウケましたね。(現地にある自身の)ファンクラブの会員とも酒を飲みながら『最高傑作』と評価してもらった。まあ、酒をおごったのはオレだけど(笑)」。コワモテ俳優がズラリ勢ぞろいする中、異彩を放つ西田は「念願だった北野監督の作品に出演できて本当に嬉しい。大声でどなってスッキリしましたし、おかげで血圧も正常に戻った」とユーモアを交え、本作への出演に喜びを表した。一方、前作からの“生き残り組”にも、今回はさらなる波乱が待ち構えており「頂点に上り詰めた男の末路をぜひ見てください」(三浦)、「出世して若頭になったんですが、どうもその器じゃなかったようで、ひどい目に遭いました」(加瀬)とファンの期待をあおっていた。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年09月18日お笑いコンビ“チュートリアル”の徳井義実が8日、東京・新宿バルト9で行われた主演作『莫逆家族 バクギャクファミーリア』の初日舞台あいさつを共演する林遣都、玉山鉄二、中村達也、新井浩文、村上淳、ちすん、メガホンをとる熊切和嘉監督とともに行った。同日は一昨年のクランクインから数えて596日目にあたり、「ちょうどゴクロー(御苦労)さんということで(笑)」とジョーク交じりにあいさつ。役作りのため、過酷な肉体改造を行ったが「今は見る影もないですね。胸の筋肉も今はおっぱいになってしまって」と笑いを誘っていた。その他の写真「週刊ヤングマガジン」で連載され、累計400万部を突破した田中宏氏の人気ヤンキー漫画を、『海炭市叙景』の鬼才・熊切監督が実写映画化。元暴走族のリーダー・火野鉄(徳井)が、かつて“家族”同然に育った不良仲間の娘の暴行事件を機に、平穏な日々を捨て、再び暴力にまみれた抗争に身を投じる。“本業”とは正反対のハードな役柄に、徳井は「普段の仕事と違いすぎますからね。下手したら(劇中)一回も笑顔ないんちゃうかな。ギャップには苦労しました」と告白。それでも熊切監督は「大変だったと思うが、一生懸命に臨んでくれた。必死の表情をぜひ観ていただければ」とシリアスな演技に挑んだ徳井に太鼓判を押した。徳井演じる鉄の息子を演じた林は「撮影当時、ちょうど20歳になりたてで、悩める時期だった。そんなときに出会えた、心に残る作品」。玉山にとっては、撮影中に原作の大ファンだった友人を亡くすという悲しい出来事もあり「現場とお見舞いを行ったり来たり。いつも『大好きな原作だから、精いっぱい頑張ってくれ』と励まされた」と言葉を振り絞った。中村はかつて殺人を犯した元暴走族総長を演じ「自分で言うのもなんですが、ハマり役だと思います」と不敵な笑み。徳井は「中村さんの目が怖いでしょ…。どこに地雷があるか分からないし、逆に本番中が一番安心でした(笑)。実際はすごく優しい方なんです」と振り返っていた。『莫逆家族 バクギャクファミーリア』公開中
2012年09月10日お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実の初主演映画『莫逆家族 バクギャクファミーリア』が9月8日(土)に公開を迎え、徳井さんを始め林遣都、玉山鉄二、中村達也、新井浩文、ちすん、村上淳、熊切和嘉監督が都内劇場で舞台挨拶を行なった。田中宏による人気漫画を映画化した本作。かつて関東一の暴走族のアタマとして一世を風靡した鉄(徳井さん)を始め、元不良たちの“その後”を描き出す。髪を金髪に染めて、加圧トレーニングで肉体改造を行ない本作に臨んだ徳井さん。苦労を尋ねられると「撮影の期間中は大変でしたけど、それ以外はヘラヘラしてましたからね。ネェちゃんと遊んだりしてましたし(笑)」と昨日、一部で報じられた“江の島デート”の話題に自ら触れるなど巧みな話術でトークをリードする。映画にちなんで「守りたいものは?」と尋ねられると、「やっぱり(相方の)福田…。彼は昨年、体壊して入院してから一向に体重が戻らずガリガリです。福田だけは守りたい!」と宣言し客席の喝采を浴びていた。同じ質問に玉山さんは「ちょうど子供が生まれて1か月で、昨日は抱っこヒモを巻いて一か月検診に一緒に行ってきました。頬づえをついて寝てるので顔が曲がらないか心配で…。いまの僕の生活の中心です」と目じりを下げて堂々のパパっぷりを見せつけていた。一方で作品については、撮影と同時期に原作のファンでもあったという友人を亡くしたことを告白。「18歳で上京した頃、よく彼の部屋で原作を読んでました。現場と病棟を行ったり来たりする日々で『精一杯頑張ってくれ』と励ましてくれた。初号で完成した作品を観たときは特別な思いがあった」と感慨深げに語った。林さんは映画では一緒のシーンがなかった新井さんや中村さんらと、先日の完成披露の日に食事に行ったそう。「次の日が結構早くて、荒井さんは先に帰られたんですが、中村さんと監督はバーでグデングデンになって踊ってて、僕は時間を気にしてました。普段の中村さんはメチャクチャ優しいです」とニッコリ。個性派の先輩たちに囲まれ嬉しそうだった。中村さんは自身の役柄について「ハマり役だったと思います」と気に入っている様子。新井さんは「いまの日本映画、何が当たるか分からないで作っていますが、その中でこの作品には自信を持ってます」と頷く。紅一点のちすんさんは「居心地の悪さを感じています」と言いつつも、「数少ない女性キャストとして参加できたことを嬉しく思っています」と誇らしげに微笑んだ。このキャスト陣をまとめた熊切監督は「なかなかの大変な現場でしたが、これだけのキャストが必死になって撮りました。その表情を楽しんでください」と呼びかけた。マスコミ向けの写真撮影の時間には集まった記者から徳井さんに「江の島デートは楽しかったですか?」と質問が飛んだが、これになぜか玉山さんが「楽しかったです!」と答え劇場は笑いに包まれた。「チューとかリアルにしたんですか?」と“チュートリアル”と掛けた質問に徳井さんは「上手いですね、80点!」と返すなど巧みにかわしていたが、「ゴールインは?」という問いには「ただの友達なんでありません」と否定。次々と飛んでくる質問に「結構、しゃべりますね…」と苦笑いを浮かべていた。『莫逆家族バクギャクファミーリア』は全国にて公開中。■関連作品:莫逆家族バクギャクファミーリア 2012年9月8日より全国にて公開© 2011「莫逆家族」製作委員会
2012年09月09日北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』が、現地時間3日に行なわれた第69回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で上映され、来場した北野監督へ、観客が総立ちで拍手喝采した。その他の写真会見で北野監督は「日本のヤクザとの違いは看板がかけられているかどうかで、イタリアも日本もほとんど同じだと思う。警察とヤクザの関係は世界共通ではないか」と切り出し、「暴力描写を褒めてくれるマニアックな人々がいるのはうれしいことだけれども、今回の映画はエンターテインメントだと割りきって自分なりのエンターテインメント性を追求した」とコメント。さらに「『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』」に関しては、自分が撮りたい映画というよりも、観客のことを考えて作った。けれども、お客さんの入らない映画を作る準備もしているよ」と話し、笑いを誘った。また記者から「震災で1年撮影が延期されましたが…」と質問されると、北野監督は「震災で確かに映画の撮影は1年のびた。震災後の1年間は、自分は怒りを感じている部分があった。世の中、絆、愛、支えとか、表面的なものばっかりでイライラした。こういうときこそヤクザ映画を撮ってやろうとやる気が起きた」と語った。同映画祭において、1997年に『HANA-BI』で最高賞の金獅子賞を、2003年に『座頭市』で監督賞にあたる銀獅子賞を受賞している北野監督とあって、レッドカーペットではあちらこちらで「TAKESHI!」と声があがり、北野監督は笑顔でサインや撮影に応えた。『アウトレイジ ビヨンド』は、前作『アウトレイジ』から5年後を舞台に、暴力団組織の抗争に警察が介入し巻き起こる死闘を描いた、究極のバイオレンス・エンターテインメント。ビートたけし、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、小日向文世に加え、本作には西田敏行、塩見三省、高橋克典のほか、桐谷健太、新井浩文ら豪華キャストが集結する。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年09月04日