文/mihokoSNSの累計フォロワー数が60万人を超える(2020年12月時点)ギャグ&コメディ漫画『耐え子の日常』と、花王の入浴剤『バブforSKIN』がコラボレーション。そのアニメと漫画が、2020年12月9日(水)に公開されました。『耐え子の日常』は、謙虚で内気な主人公・辛抱耐え子が、数々の不条理なシチュエーションをひたすら耐えぬく日常を描いた漫画です。2015年にTwitterで漫画の連載を開始するとたちまち話題になり、現在ではテレビアニメも放送されるなど、人気を集めています。今回のコラボアニメと漫画も、『耐え子の日常』らしいユーモアたっぷりな仕上がりになっています。ぜひ“あるある”と思い浮かべながら見てみてください。アニメでは友人の“独特なお風呂の入り方”に耐える!アニメのタイトルは『入り方が独特』です。耐え子と友人のさとみちゃんが一緒にお風呂に入る内容で、耐え子がいつも通り複数のネタを軽快なテンポで歌いあげていきます。さらに、『バブforSKIN』の特徴についても「とろみのある乳白のお湯に」「たっぷり溶け込む炭酸力」としっかり紹介!さとみちゃんの独特なお風呂の入り方とその言動に耐え続ける耐え子の姿に、くすっと笑えるアニメとなっています。漫画では思わぬ回答に耐える…?『バブ』の公式Twitterで公開されたコラボ漫画第一弾のタイトルは『疲れ』。『バブforSKIN』を入れたお風呂に浸かるさとみちゃんに、耐え子が「疲れは取れた?」と感想を聞くと思わぬ回答が……という意外な展開です。アニメと同じく、『耐え子の日常』らしいオチがつく面白い展開で、ギャク漫画としても楽しめます。第二弾以降も順次、『バブ』の公式Twitterで公開予定なのでぜひチェックしてみてください。疲労回復が期待できる『バブforSKIN』と、面白くも和むコラボアニメと漫画で、疲れた身体や心をリフレッシュしませんか?【参考】「耐え子の日常」が花王「バブforSKIN」とコラボ!コラボアニメ及び漫画が公開! - PR TIMES株式会社ディー・エル・イー
2020年12月17日今、インスタで話題の「社会人カップル恋愛漫画」を知っていますか?その中でもとくに注目を浴びている「なあさん&はるくんカップル」。明るい性格のなあさんと6歳年上のおだやかなはるくんの「ほのぼの社会人カップル恋愛漫画」です。2人の何気ない日常を可愛らしいタッチのイラストでなあさん(@na_san.03)がインスタグラムで公開しています。それでは、2人のほのぼのとした甘い日常を少し覗いてみましょう。冬、それはスーツを拝める季節……どうしてもネクタイを結んであげたい!彼氏のネクタイを結ぶ、それは女の憧れ……♡ この投稿をInstagramで見る なあ(@na_san.03)がシェアした投稿はるくんのネクタイを結ぶために必死に練習をするなあさん。彼氏のネクタイを結ぶのは全女子の憧れではないでしょうか?なあさんのことを褒めるはるくんの姿も微笑ましいですね。もっと2人の日常を覗きたい!今回は「社会人カップルの日常〜ネクタイの結び方編〜」をご紹介いたしました。2人の日常を見ていると何だか幸せな気分になりますね……!!もっとたくさん2人の日常を覗きたい!と言う方はぜひ、なあさんのアカウント(@na_san.03)を見てみてくださいね。今後も、なあさん&はるくんカップルのほのぼのとした日常恋愛漫画を紹介していきますので、どうぞお楽しみに!(恋愛jp編集部)(イラスト/na_san.03)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。
2020年12月01日ウーマンエキサイトのみなさまこんにちは。ぐっちぃです。結婚して10年以上も経つと、わたしたち夫婦もそこそこ落ち着いてきたのですが、たまにポロっと声が漏れてしまうことはあります。その中でも「あー言ってしまった~」って反省した話をひとつ、ご紹介しますね。それは数年前、夫が健康診断に引っかかってしまったときのこと。健康診断…心配ですよね。夫ももう少しで40代半ばになるので、何かひとつやふたつ体に不調があってもおかしくない年齢。なので、初めて再検査の通知を受けたときは「とうとう来たか」と思いました。と、同時に「もしも、万が一」があった場合のことも、脳内でパパーっと考え始めるんですね。それで思わず「家のローンがなくなるー」と口から出てしまい…後から反省しました。■その後の夫の変化 結局、再検査は大丈夫だったんですが、夫が検査前より体を気遣うようになりました。つい「夫の体の心配」より、「万が一のこと」を先に口走ってしまったわたし。結果的に、夫が健康を意識するようになったので(もしかしたら検査のときに医者に言われた可能性も)よかったの…かな…?(汗)
2020年08月31日Webで発表していた作品を大幅に加筆修正、描き下ろしも加えて刊行された、和山やまさんの漫画『夢中さ、きみに。』。作品への思いを聞きました。一風変わった高校生たちが織りなす可笑しみのある日常がクセになる。新人離れした画力と、文学性さえ感じるストーリーのオリジナリティで読者を魅了。和山やまさんの『夢中さ、きみに。』は、8つの読み切りとあとがきからなる。前半の4話は林、後半の4話は二階堂明という男子高校生を軸に話が進む。「林の場合、『何を考えているかわからない奴』を描こうと思ったように記憶しています。腹の底が見えないキャラクターは、現実にいると気になって魅力的に見えるものです。二階堂も同じですね。自分が考えたキャラといえども他人ですから、知らない面もたくさんあります。程よい距離感を保ちつつ、『こういう一面もあるのか』と発見しながら描いていきました」物語はあまり大きく動かず、登場人物たちの思いだけがぐるぐるする。「キャラクターやストーリーが頭の中である程度まとまったら、ネームに移る前に『人物の会話』のみを一字一句狂いなく書いていくんですね。口数は多いか少ないか、露骨に言うタイプか婉曲に言うタイプかなど、言い草や口癖で人間が見えると思うので、話し言葉は慎重に考えます」絵のタッチには独特のムードが漂う。「(ホラーマンガ家の)伊藤潤二を感じる」と言われることもある。「学生時代、新人賞に応募したときの講評でも指摘されました。伊藤潤二先生の絵の魅力は何といっても、人物の横顔の美しさだと思っていて、影響は受けていると思います」描かれている人物の表情や教室風景などはシリアスで、ときに不穏な雰囲気さえあるのに、林が絵のキャンバスを干しいも作りの道具にしていたり、上のカットのように、目つきやバックの色だけで二階堂が別人のように見えたりと、突如現れるコメディ演出が、名状しがたい面白さを醸し出す。「ギャグはいちばん自信がない部分で、感覚で描いているとしか言えないんですが、自分の性格上、テンション高めにギャグを放つことにはたとえマンガであっても気恥ずかしさを感じます。しかしギャグは描きたい…。葛藤は常にあるんです。なので、その狭間をさらにうまくモノにできたらいいなと思っています」和山やま『夢中さ、きみに。』Webで発表していた作品を大幅に加筆修正、描き下ろしも加えて刊行。標題は、和山さんが好きなバンド「チューリップ」の楽曲がヒントに。KADOKAWA700円。©和山やま/KADOKAWAわやま・やま沖縄県出身。本書で商業デビュー。現在も同人誌即売会などで精力的に作品を発表。古谷実、伊藤潤二、釋英勝、御茶漬海苔らを敬愛。※『anan』2019年10月23日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)池田エライザさんのヘルシービューティのヒミツ
2019年10月21日ミドラ(MIDDLA)の2019年春夏コレクションが、2018年10月17日(水)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。“忘れな草”がシンボル今シーズンのテーマは「STILL IN BLOOM」。小さく可憐な「忘れな草」の花をコレクションのシンボルとし、非日常的なドレススタイルと日常的なストリートスタイル、2部構成のショーを展開した。ピュアな非日常のドレスサックスソロ、そしてカルテットのクラシック演奏で幕を開けたショー。まず登場したのは、真っ白なドレスに身を包んだモデルたちだ。細やかな花々の装飾が身頃を埋め、ギャザーやフリル、プリーツを重ねたドレスは歩を進める度にゆるやかに揺れ動く。透明感のあるチュールや、光沢のあるサテン生地などが、ピュアで幻想的なムードを演出する。ドレスは白の他、シックなブラックやネイビー、ブルーも登場。いずれも上品さや純粋さを思わせる仕上がりとなっており、ほのかに“忘れな草”の香りも漂わせている。ギャザーを寄せ、幾重にも生地を重ねたマーメイドドレスは、ブルーのグラデーションを描き、清く華やかな存在感を見せる。デイリーウェアに潜むロックカルテットの演奏が終わると、暗転とともに始まったのはエッジの効いたロックの生演奏。非日常から切り替わり、日常的な世界観が繰り広げられた。デザイナー・安藤大春は、シーズンテーマを決める際に尾崎豊の楽曲「Forget-me-not」や、ニルヴァーナの「In Bloom」からインスパイアされたという。マニッシュ&アクティブなエッセンスロックが象徴するように、後半はナイトカモに小さな花をあしらったプリントテキスタイルや、マニッシュなセットアップなど、フェミニンな表現と、無骨な要素やアクティブさをミックスしたピースが散見された。例えば、エレガントなロングワンピースの足元にリーボック(Reebok)のスニーカーをセレクトしたり、トレンチコートドレスのベルトをリボンカットしたり。ワークジャケット風のカーキのショートジャケットには、ペプラムをあしらうことで柔らかさと活発な印象を両立させた。空気を含むようなゆったりとしたフォルム服の造形は、ギャザーやフリル、分量感のあるパターンメイキングによる、ゆったりとしたシルエットが目立った。斜めに大胆な切り替えを配したスカートや、透け感のある生地で仕立てたプリーツの巻きスカート、生地をたっぷりととったワイドパンツなど、空気を含むようなフォルムが、穏やかな空気感を放っていた。
2018年10月20日今回のテーマは、タイトルであるgegeの通り、故水木しげるさんへの追悼を込めたオマージュです。タイトルの「gege」は鳥取の方言でもある「下下」、そして水木しげるさんの幼少期のあだ名の「ゲゲ」でもあります。昨年の暮れ、水木しげるさんがお亡くなりになられました。言わずもがな、陰の存在だった妖怪たちを一躍日常のファンタジーに昇華させた方です。なぜ鳥取という環境からあのネガティブな世界を描く漫画家、水木しげるという作家が生まれたのか?その疑問に少しでも自分なりに答えを見つけれるようなリサーチをしよう。そういう思いでコレクション制作をスタートさせました。水木さんの故郷である弓ケ浜半島の先端、境港を調べて行くと、妖怪の空気感がありません。もともと中国山脈から流れる日野川から流れてくる砂が溜まって出来た砂州なので、妖怪の住み着きそうな森や山が無いのです。不思議に思っていると、水木さんの実家が日本海の海沿いにあり、いつも対岸沿いの島根半島をみて、妖怪が住む世界に心躍らせられていたとの事を伺い、納得しました。隣の県は神様がやってくる島根県、"神様の国"といわれる地域であり、出雲に神在月には全国の神様がやってくる場所です。神様がいそうな場所ですから、妖怪も沢山いたのでしょう。生前、水木さんはあるインタビューで、鳥取に妖怪の気配があったのではなく、隣の県、島根からいつも気配を感じていたとおっしゃっていました。それを伺い、鳥取じゃ無いんかいw!(しばしば妖怪の県といわれつつも)と突っ込みをいれたくなりました。しかしながら、大胆な仮説ですが、何も無いからこそ、イマジネーションが沸いたのでは?と。それは鳥取のもう一人の巨匠、写真家、植田正治にも通じる非日常的な世界観なのではと思いました。日常と非日常の様々な生き物が混ざり合った、自分のルーツでもある世界。まだまだ僕が描く世界は小さいですが、これからも様々な価値観が混ざり合ったより大きな世界を描けるようになりたいです。それでは、ほんとうの妖怪になられた水木しげるさん、この世界の多くの事を学ばさせて頂きました。本当にありがとうございました。
2016年04月14日今回のテーマは、「兼業漫画家からの、漫画家志望者へのアドバイス」である。前のコラムにも書いたが、私は同業者とあまり関わりたくないと思っている。現時点で売れている作家なら当然ねたむし、出会った時はそうでもなかった作家がその後売れたら、「あの時利き腕を折っておけばこんなことには」と一生後悔するからだ。まだ会ったこともない作家のサクセス情報なら一日下痢嘔吐に苦しむ程度で済むので、あえて面識を作る必要はないと考えるのは当然だろう。だが、それ以上に関わりたくないのは漫画家志望の人間(以下、漫画家志望者とする)だ。○カレー沢氏が漫画家志望と断固として交流しない理由漫画家志望者に会うと、おそらく私のアドバイスなど1ミリも欲しいと思っていないだろうに、「どうやったら漫画家になれますか」などと社交辞令的に聞いてくるのだ。こちらも、相手がまだ漫画家になっていないことに油断して、「漫画家になるのは大変だよー。まあなってからの方が大変なんだけどね(笑)」と、ついついアドバイス風の苦労自慢をしてしまったりする。しかし、そう答えた相手がその後漫画家になって、デビュー作から大ヒットを飛ばしでもしたら、「あの時、今すぐ投稿作を燃やして公務員を目指せとアドバイスしておけば…」などと、一生後悔するはめになるのだ。漫画の世界のみならず、先輩風を吹かした相手がやすやすと自分を越えるというのはきついことなのである。私がどれだけ忙しくてもアシスタントを雇わないのも、アシスタントというのは漫画家志望者が多いため、自分のところへ手伝いに来た人間が、その後成功したら嫌だからである。もしそうなったら、「あの時、私の部屋から一生出さなければ良かった」と後悔しなければならない。よって、どうしてもアシスタントを使わなければいけなくなった場合は、漁師とか、漫画とは全然関係ない分野の人間を連れてこようと思う。もちろん、作画能力などなくていい。背景に極太サインペンでサバの絵とかを好きに描いてくれれば、それで構わない。そのぐらい漫画家志望とは関わりたくない。砂漠で遭難している時、向かいから漫画家志望者と、エナメルのホットパンツにサスペンダーのオッサンがやってきたとしたら、迷わずオッサンに助けを求める。漫画家志望に関わると、その後「あの時砂漠で死んでいれば良かった」と思うような目に遭うからだ。○兼業漫画家が絞り出した志望者へのアドバイスしかし、今回は先月行ったお題募集キャンペーン経由で、「兼業漫画家から、漫画家志望へのアドバイス」というテーマが来てしまった。だが、どうせアドバイスを求めるなら、「兼業」漫画家より「専業」漫画家に聞いたほうが良くないだろうか。社会人としての心構えを聞きたいなら、バイトをふたつかけもちしているフリーターより正社員に聞いた方が良いのと同じだ。それに、アドバイスというのは基本的に成功者に聞くものではないだろうか。明らかに成功していない人間に「成功の秘訣は?」と聞いても、答えの代わりにパンチが返ってくるだけだろう。確かに、成功するために失敗談を聞くことも大切だ。しかし、それは「なんで失敗したかわかっている奴」に聞かなければ意味がない。私など、「失敗した」ことはわかっているが、「何で失敗したか」についてはいまだにわかっていないので、どうしたらいいかもわからないままなのである。仮に家が全焼してしまったとして、その原因は「自分が室内でたき火をしたこと」ではなく、「消防車が来るのが遅かったから」だと思っている奴は、また家を全焼させるに決まっているのである。もしかして、「自分も兼業漫画家になりたい」という人へのアドバイスが欲しいという話なのかもしれないが、だとしたら最初から志が低すぎやしないかと思う。もうその時点でサクセスの臭いがしない。とはいえ、漫画家として成功したいなら保険は捨てて漫画に専念しろと言うのも無責任である。「バンジージャンプをするのにヒモをつけるなんて、ただの甘え」と言っているようなものだ。それで激突死しても、飛んだ人間が自分の手でヒモを外したのなら、誰も責任をとりはしない。サクセスにはハングリー精神が必要とは言うが、電気、水を止められ、しょうゆをかけたティッシュを噛んでいる状態で人を楽しませる漫画が描けるかというと、おそらく描けないと思う。だから私は、漫画家を目指すなら、「漫画がダメでもなんとかなる保険を持つこと」、もしくは「石油王になってから漫画家を目指すこと」を推奨している。こうアドバイスした相手が本当に石油王になった上に漫画家になって成功したら、「いっそあの時息の根を止めておけば良かった」と思うだろう。だが、そういう人は私が何も言わなくても、石油王兼漫画家になるものである。ここまで色々と(主に漫画家志望者と関わり合いになりたくないという意志について)語ってきたが、実際に漫画家や仕事関係者が集う場にいくことはほぼない。というか、意図的に避けている。そのため、漫画家志望者に遭うことはほぼないのだが、もしどうしても漫画家志望者に何か言わなければいけなくなったら、「君は漫画家になれる、そして売れる」と言おうと思う。こう言っておけば、本当に売れたら「予想通り」と己を納得させることができるし、漫画家になることができなかったり、なったけど売れなかったりしたら、単純に「やったー!」と喜ぶことが可能となるからだ。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)、Web連載漫画「ヤリへん」(2015年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。連載作品「やわらかい。課長起田総司」単行本は1~2巻まで発売中。10月15日にエッセイ「負ける技術」文庫版を発売した。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は11月3日(火)昼掲載予定です。
2015年10月27日今回のテーマは「親、兄弟、友人などが、兼業漫画家である自分をどう思っているか」についてだ。○漫画は妄想を加工した産物商業漫画と言うのは、「大勢の人に読まれてなんぼ」の世界だ。しかし商業作品と言えど漫画というのは元は個人の妄想であり、それを人様にも楽しんでもらえるように加工して、世に出しているにすぎない。そのため、人に見せる用だとしても、自分の妄想を近しい人に見せるというのは恥ずかしいもので、久しぶりに会った人などに「漫画いつも読んでるよ」などと言われたら、「今すぐやめろ」と言いたくなるのである。そもそも、私は自分から自分の漫画について話すことがほぼない。恥ずかしいから、というのもあるが、「明るい話題がゼロ」だからというのが最も大きい。私とて、漫画が上手くいっていれば、調子にのって今後の構想とかをベラベラ喋るだろうが、漫画家になってからこの方、調子に乗れる状況が一度もなかったし、年々それは悪化している。なので、周囲もそれを察して、私の漫画の話はしなくなった。すでに私が漫画家であることは話題ではなく地雷となっている。そうは言っても、友人知人ぐらいまでなら、私が漫画家をやっていることに関して、いい意味で面白がってくれていると思う。しかし、家族、特に自分の子どもが漫画家をやっている(もしくは漫画家を目指している)と言う状況は、親としては面白がってばかりはいられないと言うか、はっきり言って「笑えない」ものだったと思う。○カレー沢氏の進路選択6歳児が「将来は公務員になる」と言ったら、夢がないと親は心配するかもしれないが、実際は進路を決める段階になっても「漫画家になる」と言っているやつの方が、もっと悩みの種なのである。事実、95%が大学に行く高校に進学しておきながら、3者面談で「漫画家になるから、漫画専門学校に行く」と言い張る私は、親にとって相当の頭痛物件だったと思うし、私も当時のことを思いだすと、ロキソニンを箱食いしたくなる。その後も、若かりし頃の私は「漫画専門学校は諦めるが、大学進学はしたくない(受験勉強したくなかった)」とごね続けた上、「じゃあ、漫画家じゃなくてデザイナーになるわ」と親を煙に巻いて、グラフィックデザイン専門学校に進学することになった。このように、「漫画専門学校は反対されたので、とりあえずデザイン系学校に入った」という経歴を持つ人間は結構いるのだ。「漫画にくらべればデザイン業の方が安定している気がする」という錯覚を親に覚えさせ進学を許可させるという手管なので、親御さんは注意してほしい。そして、まんまと美術系の専門学校に行ったは良いが、初回コラムに描いた通り、在学中は1本も漫画を描かなかった。卒業後は印刷会社に就職するも、勉強したデザインを生かすどころか、総務課に8カ月在籍しただけで退職。その後5年、全くデザインにも漫画にも関係ない仕事に就いたり辞めたり、クビになったり、派遣切りに遭ったりしていた。その間、一度も「お前、グラフィックデザインはどうしたの?」と言わなかった親を、私はマジでリスペクトしている。○親から見た兼業漫画家・カレー沢薫の印象は?その後、間口ガバガバの漫画賞に応募したことを機に漫画家となった私だが、親は、娘が漫画を描いていることを応援してくれてはいる。だが、私のことは兼業漫画家というより、兼業会社員と思っている。もし私が「会社を辞めて、漫画1本にする」と言いだしたら、それは親にとってみれば「本業を辞めてアルバイトで食っていく」と言われたようなものであり、おそらく止められるであろう。漫画家などのいわゆる人気商売は、一見華やかそうに見える。私も、友人にそういう職業の人間がいるとしたら、面白がるし応援もするだろう。しかし、親にとってみれば子供がそういう職業を目指すのは止めたいし、なってからも心配の種と思われているケースが多いと思う。しかし、時勢の変化とともに「漫画家を目指す子供と親」情勢は変わってきているようで、今では漫画家を目指す子供を止めず、漫画学校へ通うことも許し、卒業後も就職を促すことなく、デビューまで面倒を見てくれる親が増えてきているという。あまりに世の中が不安定なので、「どうせ安定した職がないなら、夢を追った方がいい」と考えている親が増えてきているのかもしれない。反対されるよりはバックアップしてくれる方が良いには決まっているが、経験上、漫画というのは、いくら時間と描ける環境がそろっていても、描かない奴は描かない。そのため、気づけば子供が「自称漫画家志望」という、幾重にもわからない職業についている場合があるので注意が必要である。先ほど、親からは漫画について応援されていると書いたが、実をいうと、両親は私がもう漫画の仕事をしていないと思っている。現在、親が把握していた漫画の連載は全て終わっており、新しく始まったものに関しては一切言っていないので、親は私の連載はもう一本もないと思っているのだ。ある日、母に「もう漫画の仕事は全部ないの?」と聞かれたので、私はちょっと考えてから、元気に「うん」と言った。母はそれに対し「さみしいけど、まあ、よくもった方かもね」と言った。親の期待に応えるのも確かに親孝行だが、それが無理なら「早めに諦めさせる」というのも立派な親孝行だと私は思っている。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は7月21日(火)昼掲載予定です。
2015年07月14日今回のテーマは「漫画を描くために行った練習、勉強したこと」についてである。漫画家というのは絵が描けるのが大前提であるが、全員がすごくうまいというわけでもない。もちろんうまい人の方が多いと思うが、「ヘタウマ」という作風でヒットを出している作家も少なくはない。私の漫画を読んだことがある人ならご存じの通り、当方の作風は、ヘタウマからウマを引いたものである。しかし5年の作家生活を経て、私の絵も「常軌を逸したヘタ」から「普通のヘタ」へとランクアップし、余計に売れなくなった。デビューの際、私は最初の担当編集者から「絵はうまくならなくていい」と言われ、1~2年はそのアドバイスを忠実に守ってきたのだが、今思えばそのアドバイスを守り続けた方が良かったのかもしれない。しかし、個人的にはやはり漫画家たるもの、絵がうまいに越したことはない、と思う。○絵の練習にありがちな"オウンゴール"を避けるために絵をうまくするにはどうしたらいいか、と絵が描ける人に尋ねると、大抵の人が「とにかく描くこと」と答えるだろう。しかし、私も約5年間、ほぼ365日休まず絵を描いてきた。それにしては上達がなさすぎるが、ここでただ単に才能がない、と断じてはいけない(私の心が折れる)。肝心なのは「向上心を持って正しい絵をとにかく描くこと」であり、自分の描きたい絵だけを自分の手癖のままに描き続けても、サッカーのルールを一切覚えず必殺シュートの練習だけするようなもので、試合に出てもオウンゴールを連発するだけである。よって、まず正しい漫画の描き方の教本通りに描いてみる必要がある。そういった本を買うと「ダイエット本を買っただけで痩せた気になるデブ根性」が発動するという人は、ネットで絵の描き方を調べれば、そういったページがたくさん見つかるだろう。また、技術うんぬんはしゃらくさい、とにかく描きたいという人は、うまい人の絵を模写してもいいし、トレースするだけでもやり続ければ、おのずと手が覚えていく。私は以上のことを一切やらずに、今現在の「印象に残らないヘタ」という作風を完成させたので、そのポジションを目指す人は参考にしてほしい。特に、練習として模写やトレースをしたことはほぼないと言って良い。○絵を描くことの「喜び」は人それぞれ「絵や漫画を描くのが好き」と言っても、「絵を描く作業自体が好き」「満足する絵が描けたときの達成感が好き」など、どこに楽しみを見いだしているかは人それぞれだ、そして、その中には「絵を人に見せて褒められるのが好き」という人も含まれている。そこで「絵を褒めてもらいたい」→「上達するために努力する」という方向に行く人はうまくなる。しかしその過程をすっ飛ばして、「とにかく絵を褒められたい」という人はうまくならない。私は典型的な後者のタイプでああるそういうタイプの人間は、模写やトレースはしない。そうやってうまく描けても自分の絵として公開できず、人から褒めてもらえないからだ。時々、模写やトレースで描いた物を自分の絵として公開してしまう過激派もいるが、見つかれば叩かれるし、商業作家がやったら命取りになる。よって、自己流の絵で褒められようとするものの、練習をコツコツやらないから大して上達せず、当然ながら褒められることはないのである。「努力せずに結果だけ得ようとしてもダメ」という当たり前のことを、5年もかけて証明できたことだけが不幸中の幸いだ。他山の石としてほしい。○カレー沢作品に突如"美少女"が登場、読者の反応は?しかし、私にも全く向上心がないというわけではない、このままじゃダメだと思う時もある、もちろん自然にそう思うわけではなく、アンケートや単行本の売り上げが具体的にダメな時になって初めて考えるのだ。だが、「とにかく結果だけ得ようとする派」の私は、どれだけピンチに陥っても、今さらスケッチブックで絵の練習など始めない。ならばどうするかというと、原稿上で試行錯誤を始めてしまうのである。前話と明らかにキャラの造形が変わっていたり、ひどい時はコマ単位で顔が変わっていたりすると言う手探り状態を、そのまま雑誌に載せてしまうのである。数年前、連載作品の調子が芳しくなく、担当から「このままでは打ち切り」と言われたことがあった。それまで「うまくならなくていい」を実践していた自分も、やはり絵はうまいに越したことはないのではないかと思い直し、次の原稿では極力うまく描こうとした。まだそれだけなら良かったのかもしれないが、「カワイイ女の子が登場したら人気が出るのでは」という安易すぎる発想から、ヒロインの顔を別人のように変えて登場させたのである。その結果、評価は散々だった。平素、良くも悪くも話題にのぼらない自分の漫画が某大型掲示板でたたかれたほどである。そもそも、突然うまい絵やカワイイ女の子が描けるわけがなく、それまで応援してくれていた読者にまで「元に戻してくれ」と言われるありさまであった。私のみならず、突然作風が変わる漫画があったら、それは不人気によるテコ入れか、作家が突然このままじゃダメだと思い、見切り発車したかのどちらかである。既存ファンからしたら「余計なことを」と思うかもしれないが、こうした試行錯誤は作家が一応持っている向上心の表れであり、作品をよりよくしようという気持ちから生じているのである。ただ、焦って前に進もうとして、ギアがバックになっているのに気付かずアクセルを踏んでしまっただけなのだ。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年04月28日今回は漫画家と編集者の関係についてである。漫画家と編集者と言えば、喧々諤々の打ち合わせを経て共に作品を作り上げているというイメージもあるかもしれないが、私と編集者のやりとりはあっさりとしている場合が多い。ネーム(ネタ)を編集に見せる→OKが出る(修正が入る場合もある)→完成原稿をチェックしてもらう→OKが出る(修正が入る場合もある)→データを渡す、これで終了である。月刊連載の場合、月2、3回のメールのやり取りで終わってしまうことも珍しくない。連載当初は「ここはこうしたら良いのではないか」など修正を入れてきた編集も、3回目あたりになると「こいつは何言っても無駄だ」と思うのか、何も言わなくなる。私の担当は全員諦めが早いのか、私が諦めさせるのが早いのかわからないが、とにかくあまり修正が入らないのだ。描く側としては楽なのだが、あまりに何も言われないと本当にこれでいいのかと不安になるものである。○編集者から修正が来た場合のワークフローでは逆に修正が来た時はどうするかというと、まずひとりで怒る。尋常じゃなく怒る。この話の面白さがわからないコイツが悪いとマジ切れである。冷静に考えて、自分が描いた漫画を読むのは、全員が読者と言う他人である。ならば他人の意見は聞くべきなのであるが、修正が来た瞬間はそうは思えないものだ。そこで一旦、部屋の物を全部破壊するなどのクールダウンをしてから、再度修正案を読み、そう言われればそうだ、と思えば直すし、どうしてもそうは思えない場合は、編集を説得して初案を通す。それでも向こうが折れない場合は再度部屋の物を木っ端みじんにしてから修正をする。納得のいかない修正をする時がないとは言わないが、ネタがスベッた時に編集のせいにできるという利点もあるので、やはり編集の意見はある程度聞くべきなのである。○インターネット時代が可視化した"骨肉の争い"それにしても昔に比べ、漫画家、編集者という存在がずいぶん可視化されてきたと思う。今ではホームページ、ブログ、SNSなどを一切やっていない作家の方が珍しいと思うし、編集者がTwitterなどで作品の宣伝を行うことも少なくない。作家と編集は宣伝ができて、読者も作家と直接交流できたり、製作の裏側を知ることができたりと、おおむねWin-Winの関係であるが、何せ魑魅魍魎が跋扈するネット上のことなので、作家の不用意な発言が炎上したり、編集があまりにも前に出過ぎて叩かれるなどの弊害もなくはない。また、作家と編集のマジ喧嘩が始まり、それが読者に丸見えという事態も起こりうる。作品の美しさに魅かれて作家のTwitterアカウントをフォローしたのに、いきなり骨肉の争いを見せられるということもままあるのである。この場合、ケンカと言っても大体作家が一方的に編集への不満をぶちまけている場合がほとんどである。もちろん、編集が常に一方的に悪いというわけではない。編集をぶん殴りたいという作家の数だけ、あるいはそれ以上、漫画家を土に埋めたいと思っている編集がいるはずである。ただ、作家は個人であるが、編集は企業の一員なので、作家の言う事に編集が個人として反論することはできないのだろう。では編集は一方的に言われて不利だ、立場が弱いと思われるかもしれないが、ネットで内情を暴露してダメージを受けるのは作家の方である。暴露することでその出版社との仕事が切れる危険はもちろん、「何かあったらネットで言っちゃう作家」というイメージがつけば他の出版社からも敬遠されるであろう。それは暴露する作家も重々承知のはずだ。よほど後先考えない性格でない限り、いきなり不特定多数に向けて内情をぶちまけたりはしないはずである(漫画家になる時点で先を考えないタイプとも言えるが)。それでもなぜ言ってしまうかと言うと、もう「怒っているから」としか言いようがなく、ハナから得しようなどとは思っていない。むしろ、怒りと作家生命を天秤にかけて「終わっていい」と判断できるほどの、混じりっ気なし、100%純国産、「私が怒りました」と顔写真つきのシールを貼って良いほどの「怒り」がそこにあるのだろう。○作品の成否が関係を決める?こう書くと、漫画家は年中編集に対して怒り続けているように思えるかもしれないが、おそらく大半の作家と編集が良好、もしくは、仲良くもないがもめもしないというドライな関係だと思う。ちなみに個人的な意見だが、やはり作品自体が上手く行っていれば、作家と編集の関係はおおむね良好なのではないかと思う。作品の調子が悪ければ、編集は何とかしようとあれこれ助言をするだろうが、作家はそれに焦ったり反感を覚えたりするものだ。逆に作品が絶好調であれば、「先生、今週も最高です」と打ち合わせもそこそこに夜の街に繰り出し、ふたりで仲良く女体盛りをつついたりできるはずである。そんなことはない、売れたら売れたでもっともめる、と言われるかもしれないが、何せ売れたことがないのでわからない。どうせもめるなら売れてもめたいところである。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年04月07日はじめまして、漫画家のカレー沢薫と申す者です。と名乗った所で誰も知らないので、あらためて自己紹介させてもらう。漫画家兼会社員生活6年目、「売れたら会社を辞める」が目標だったが、最近では「会社を辞めなくて本当に良かった」が口癖の、まあ木っ端作家である。そんな華やかじゃない方の漫画家の生活を華のない文章でつづるのが当コラムだ。○漫画家をめざしたきっかけ絵を描くことは幼少のころから好きだったが、小学二年生の時に読んださくらももこ氏の代表作「ちびまるこちゃん」の単行本に収録された「作者が漫画家になるまでのエッセイ漫画」を読んで、初めて漫画家という職業を意識し、目指すようになったと思う。その後一貫して「漫画家になりたい」と言い続けてきたが、恐ろしいことにそれから約20年間、私は1回も漫画を最後まで書き上げたことがなかった。漫画家になりたい、と言いながら、キャラクターの設定だけ凝りに凝った漫画の冒頭2ページだけを描いたり、末期になると自分の作品は一切書かず、ひたすら既存のアニメやゲームのキャラクターのキメ顔ばかり書いていた、親に高い金を出させ、美術系専門学校に通わせてもらったにも関わらずである。ボンクラすぎる、と思われたかもしれないが、こういう「漫画を描かない漫画家志望」というふざけた奴らは結構多いのである。ただこういうボンクラどもを一概に責めてはいけない。何故なら漫画を描くと言うのは超面倒くさい行為なのだ。「描き上げる」というだけでも多大な才能がいる、ボンクラに出来るわけがない、むしろ出来る方がおかしいと言ってもいい。しかしこの超面倒くさかった「漫画を描く」という作業も、パソコンツールの発展によりだいぶ緩和されてきた。正直私はパソコン以外で漫画を描いたことがない。もしいまだに漫画がつけペンにインクでしか描けない代物だったら、私は100%漫画家になれていないし、なった所で、原稿は3歳児100人に囲まれて描いたのかと思われるほどさんさんたる物になっていたであろう。私が現在使っているマンガ製作ソフトは「ComicStudioEX 4.0」。ペンタブはワコムの「Cintiq 12WX」を使用している。パソコンは多くのクリエイターがMacを使う中不動のWindowsで、机が狭すぎるためノートパソコンである。こういったソフトのおかげで、黒く塗りつぶす「ベタ塗り」「トーン貼り」などがワンクリックで可能になった。今でこそ当たり前のことであるが、昔は手でイチイチ黒く塗っていたし、トーンはカッターで切ったり貼ったりしていたのだ。この時点でボンクラどもは原稿を投げ出して、アニメキャラクターの模写を始めるところである。○漫画家デビューは規格外の"フォトショ原稿"こうしたツールのおかげで、描かない漫画家志望だった私は初めて投稿作を描き上げることができた、と言いたい所だが、全くそんなことはなかった。応募した漫画賞が「なんでもあり」をうたっており、完成原稿でなくてもOK、漫画原作でも小説でもOK、もちろん何を使ってどんな規格で描いてあってもOKという、間口ガバガバだったのである。今までの漫画投稿と言えばB4サイズにA4の枠を取り、断ち切りサイズは云々、黒インク使用、ボールペン薄墨不可…等々、それだけでバカ野郎の頭を破裂させるに十分なものだったため、正直冒頭2ページどころか枠線さえ満足に描いたことがなかった。しかし、このなんでもありの漫画賞を見た私(当時26歳無職)は、本当に何でもいいんだろうと思い、ブログに載せていた未完の漫画(B4とか一切無視でPhotoshopを使って描かれたもの)をプリントアウトしそのまま投稿したのである。その4カ月後、その原稿がデビュー作として誌面に載り3年の連載となった。こう書くとサクセスストーリー自慢のようだが、その漫画自体は特にサクセスしてないので許してもらいたい。(今後もサクセスの予定はない)このように、漫画家になる術というのは昔より大幅に広がっているのだ、昔であれば限られた雑誌のページを奪いあう形であったが、今ではWebという無限の容量があるし、何で描かれていても問題なく、逆に趣味でWebに発表していたものが出版社の目に止まり書籍化というケースも珍しくない。さらに何が売れてもおかしくない時代なので、たまたまインフルエンザとノロウイルスに同時に罹っていた編集者が、私のような者を「ワンチャンあるかも」と勢いでデビューさせてしまうこともままあるのだ。また前述の通り、漫画を描くソフトの発展も目覚ましいため、近い将来全く絵の描けない人間でも、ツールを駆使すれば漫画家として活躍できる時代がくるかもしれない。と言いたいが、私の漫画を見てもらえればわかるように、最新のツールを使っても、いまだに使い手の技術によるところが大きいのである。漫画制作ツールの開発者の方はもっと頑張ってほしい、私は限界だ。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年03月03日ありえないけどロマンチック!頭では「ありえない」と理解していても、非日常的な展開についワクワクしてしまうのが漫画のおもしろいところ。少女漫画に登場する夢のような美青年とヒロインの偶然的な出会いに胸をときめかせたことのある人は少なくないのでは?そこで今回は女性384名に「ありえんだろうと思う漫画の出会いの展開」を聞いてみました。>>男性編も見るQ.ありえんだろうと思う漫画の出会いの展開は?(複数回答)1位遅刻しそうになりパンをくわえてダッシュしたら曲がり角で美少女と激突52.9%2位空から美少女が降ってくる43.2%3位図書館で同じ本をとろうとして手が触れて「あっ」32.8%4位不良や酔っぱらいにからまれているところ助けてもらう21.6%5位意中の相手とぶつかり倒れ、相手の胸をむぎゅっとしてしまう17.4%■遅刻しそうになりパンをくわえてダッシュしたら美少女と激突なんてありえない!・「だいたいパンをくわえて走らないし、ぶつかった人と仲良くなることもまずない」(29歳/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)・「自分の場合、遅刻しそうになるような状況が想定できないです」(41歳/学校・教育関連/技術職)・「昔から定番の表現だけど、実際にやっている人を見たことは一度もない」(29歳/金属・鉄鋼・化学/秘書・アシスタント職)・「しかも男と女が入れ替わっちゃう、とか(笑)」(31歳/学校・教育関連/その他)・「歯磨きしないで授業受ける気だなんて信じられない」(28歳/その他/秘書・アシスタント職)■空から美少女が降ってくるなんてありえない!・「ロマンチックすぎます」(39歳/小売店/営業職)・「事件の匂いしかしない」(21歳/ホテル・旅行・アミューズメント/秘書・アシスタント職)・「実際に空から降ってきたら、怖いし受け止められないと思う」(36歳/主婦/その他)・「ラピュタは大好きですが……」(30歳/医療・福祉/秘書・アシスタント職)■図書館で同じ本をとろうとして手が触れるなんてありえない!・「触れる前に気配で気付くと思う」(30歳/商社・卸/事務系専門職)・「よそ見でもしてない限り、実際にはなかなかないと思うので」(28歳/金属・鉄鋼・化学/技術職)・「そもそも図書館はあまり利用しない」(25歳/小売店/販売職・サービス系)■不良や酔っぱらいにからまれているところ助けるなんてありえない!・「自分が大事だから、まず誰も助けてなんてくれない」(36歳/金融・証券/営業職)・「普段、不良や酔っぱらいにからまれることがないから」(24歳/学校・教育関連/事務系専門職)・「格闘・戦闘ものの漫画にありがち」(26歳/学校・教育関連/事務系専門職)■意中の相手とぶつかって倒れ胸をむぎゅっなんてありえない!・「偶然ぶつかって、偶然倒れて……と、偶然が重なりすぎ」(29歳/ソフトウェア/秘書・アシスタント職)・「下手したらセクハラで嫌われそう」(25歳/生保・損保/秘書・アシスタント職)■番外編:こんな出会いの展開はありえない!・たまたま出会ったすてきな人が実は同じ学校の先輩OR友達の兄弟や姉妹など:「近場ですてきな人を見かけたことがない!!ましてや後で違う形で会うことになんかなるわけがない」(31歳/学校・教育関連/販売職・サービス系)・タイプの異性が偶然にも近所に引っ越してくる:「隣にはおじさんが住んでいるという現実があるから」(28歳/学校・教育関連/販売職・サービス系)・電車で隣に立つOR座って目があって会話が始まる:「実際に話しかけられたらかなり警戒します」(31歳/アパレル・繊維/クリエイティブ職)総評1位になったのは、男性編と同じく「遅刻しそうになりパンをくわえてダッシュしたら曲がり角で美少女と激突」。その理由として多かったのは、やはり「そもそもパンをくわえて走らない」でした。男性読者と違うのは「遅刻自体考えられない」や「歯磨きしないなんてありえない」というコメントがあったところ。確かに、パンをくわえながらダッシュして間に合ったとして、歯磨きはどうするんでしょうか。2位になった「空から美少女が降ってくる」は、「日常ではありえない」というコメントがほとんどでした。『天空の城ラピュタ』のワンシーンを連想した人も多かったようです。なかには「人間は空から降ってこないものだが、美少女とはやはり空から降ってくるもの」というコメントも。現実の世界では美少女自体が非日常的な存在なので、ファンタジックなシーンには確かに似合いますよね。3位の「図書館で同じ本をとろうとして手が触れて『あっ』となる」については、「ありそうだけれど、普通は触れる前に気づく」というコメントが多数ありました。また「ピュア感がいい」という声も。ありそうでない微妙なシチュエーションというところが、漫画のお約束シーンして定着している理由と言えそうです。思った以上に多くの票を集めたのが4位の「不良や酔っぱらいにからまれているところ助けてもらう」でした。読者からは「自分が大事で助けてくれる人はいない」というコメントも。ちょっと寂しいですね。そして5位には「意中の相手とぶつかり倒れ、相手の胸をむぎゅっとしてしまう」がランクイン。ほかにも「タイプの異性が偶然にも近所に引っ越してくる」や「たまたま出会ったすてきな人が実は最近近所に引っ越してきた人、または転校生だった」などに票が集まりました。読者からは「実際隣にいるのはおじさん」や「近場にすてきな人なんていない」というコメントが多く、現実はなかなか漫画みたいにはいかないようです。(文・山口優)調査時期:2012年3月16日~3月27日調査対象:マイナビ ニュース会員調査数:女性384名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【ランキング女性編】あこがれる!!ジブリ映画の男子ランキング【ランキング女性編】少年マンガの定番だけど、実際に起こったら困ること【恋のアミューズメント】デートに使えるスポットをご紹介完全版(画像などあり)を見る
2012年04月22日漫画やアニメは、自分でも言いたくなるような名言の宝庫。同じ漫画やアニメが好きな者同士で名ゼリフを言い合うと、「おっ、お前分かってるジャン♪」とお互いにいい気分になれるもの。いざ、日常生活で使ってみるにはちょっとキザで恥ずかしいものも多いですが、ここぞという場面で使えば、退屈な毎日に彩りが加わるかもしれません。そこで、今すぐ使える名言と、そのオススメの使い道をご紹介!あの名言の意外な使い方が分かる……かも!?調査期間:2010/8/3~2010/8/10アンケート対象:COBS ONLINE会員有効回答数 532件(ウェブログイン式)■仕事でくじけそうなときに……ほかを引き離して圧倒的な支持をえたセリフが、青春バスケ漫画『SLAM DUNK』でのあの有名なひとこと。【あきらめたらそこで試合終了だよ】(漫画『SLAM DUNK』・井上雄彦・集英社)『SLAM DUNK』を読んだことがある方ならば、安西先生がメガネをクイッとあげながらこのセリフを言うシーンが頭に焼き付いているのではないでしょうか。日常生活での用途としては、下記があげられていました。・「クレーム対応でへこんでいる同僚を見たとき」(男性/28歳)・「仕事の納期が迫ってるときに、自分を奮い立たせます」(男性/29歳)また、自分を激励するセリフとして、こちらも人気です。【逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ】(アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』)・「困難にくじけそうになったとき」(女性/22歳)・「やりたくないことをしなければならないときに」(男性/25歳)『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公・碇シンジが目の前に立ちはだかる困難にぶつかったときに言うセリフです。日常生活では、エヴァンゲリオンのパイロットにならなければならないほどの困難に見舞われることはそうそうないかと思いますが、苦しいときに「逃げちゃダメだ……」とブツブツつぶやけば、少しだけやる気が出るかもしれません。■甘酸っぱぁ~い♪二人の世界に浸れるかも?恋愛中にどうしても気恥ずかしくなること、ありますよね。好きな人に告白できない、素直に気持ちを伝えられない、ついクールぶってしまう……等々。そんなとき、アニメや漫画の名言を借りて、冗談っぽく伝えてみるのも一つの手かもしれません。【上杉達也は、浅倉南を愛しています。世界中の誰よりも】(漫画『タッチ』・あだち充・小学館)【そんでね、私の幸せには あんたが絶対必要なの】(漫画『こどものおもちゃ』・小花美穂・集英社)これらの甘々でストレートなセリフは、「好きな人に告白するときに使いたい。でも実際はこんな強気では言えませんが……」(女性/30歳)という意見がありました。『タッチ』のセリフを、上杉達也と浅倉南の部分を自分と相手の名前に置き換えて……照れ屋の私は、言う側にはとてもなれなさそうです。ああっ逆にこんなこと一度でいいから言われてみたいわ!一方、『こどものおもちゃ』は、90年代後半の『りぼん』(集英社)でおなじみの作品。最終回で、主人公の紗南ちゃんが羽山くんに前記のセリフを言い、羽山くんがたまらなくなって照れる、このシーンにキュンときた女性は多いはず。はぁ、なんだかストレートな愛情表現にキュンとしつつも、書いていて体がほてってきてしまいました。こんなセリフは言えるわけない?そうですよね。それでは、もう少し冗談度をあげて、こちらはいかがでしょうか。【ポニョ、そうすけ、好き!】(アニメ『崖の上のポニョ』)魚の子・ポニョが人間の男の子・宗介に力一杯愛情を伝えるときのセリフです。「名前の部分を自分たちにあてはめて言う。素直に言えないときに冗談っぽく伝える!」(女性/23歳)というように、ポニョの無邪気さにあやかって、かわいらしく好意を伝えれば、照れや恥ずかしさもふっとぶ……かも?ただし、これらはどれも、言われる側も愛情表現に慣れていなければ戸惑ってしまうセリフ。もし、誰かにこんなことを言われてあまりにも気恥ずかしくなってしまったら、「こういうとき、どういう顔をすればいいか分からないの」と『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイの有名なセリフを借りてはいかがでしょうか?「笑えばいいと思うよ」というお決まりの返答がくれば、二人の距離はぐっと縮まることでしょう。そして、告白の前段階の、恋の駆け引きにおける鉄板セリフといえばこれ。【わざとだよ?】(漫画『NANA』・矢沢あい・集英社)『NANA』で、小悪魔・川村幸子が、主人公・小松奈々の彼氏を奪ったときの名ゼリフ。「このアマ!」と怒りを覚えつつも、そのしたたかさに拍手を送りたくなった女性読者は多いのではないでしょうか。用途としては、「異性とふざけ合って話をしているときに使う」(女性/27歳)という声がありました。付き合うか付き合わないか、の激しい駆け引き期間に、しれっと使いたいところです。私は残念ながら、このセリフを効果的に使えそうな、ビミョーな関係の異性も特に思い当たりません。「わざとだよ?」が似合う女への道のりは険しそうです。やれやれ。(朝井麻由美+プレスラボ)【関連リンク】【コラム】漫画『ONEPIECE』大好きっ子が紹介する作品内の珠玉の名言集!【コラム】「天才は1%のひらめきと99%の努力」は大うそ!?名言の誤解【コラム】あの水野晴郎先生の映画解説の名言・迷言100連発!
2010年09月28日