2010年の初演より再演を重ね、今回で7度目の上演となる『朗読劇 私の頭の中の消しゴム』。キャストは男女ふたりのみで、交互に日記を読むかたちで物語が進むだけに、恋する者の心情がストレートに伝わると評判だ。毎回複数のキャストによる日替わり上演も見どころだが、今回は歌手活動を続ける一方、役者としても着実に地歩を築きつつある加藤和樹と安倍なつみのコンビが実現。どちらも以前本作に出演しているとあって、相手役が変わっての新しい表情に期待が高まる。『朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter』チケット情報加藤が演じる“浩介”は、人生に諦めを抱きながら工事現場で働く青年。そんなある日、安倍が扮する“薫”と工事を通して出会う。裕福な家に育ち、華やかなアパレル会社に勤める薫を冷ややかに見ていた浩介だったが、生来の明るさと仕事に真面目に取り組む薫に次第に惹かれてゆく。互いの誤解を乗り越え、ようやく結ばれたふたり。だが幸せな日々を送っていた薫を病が襲う。医師から告げられた病名は「若年性アルツハイマー病」。その時、浩介がとった行動とは…。再びの出演が決まって、「大好きな作品なので、また出演できると聞いて素直に嬉しかったですね」というのは加藤だ。安倍も「初めての朗読劇出演がこの作品ですし、色んな意味ですごく思い出深い作品なので嬉しいです」と興奮気味。というのも、前回の出演時には「自分で想像した以上に感情を抑えられず泣いてしまって。あれは自分でもびっくりしました」(加藤)、「実は本番をよく覚えてないんです。とにかく終演後は毎回フラフラになって…。役の余韻がしばらく残ったほど」(安倍)と、“朗読劇”の枠を越えた体験をしたようなのだ。そのことを安倍は、「役の感情が自分の中にグッと入ってきて…薫なんだけど、でも自分でもあるような、不思議な気持ちになることがたくさんありました」と語った。病気である自分が受け入れられずパニックになる薫、そんな薫に激しく動揺する浩介。ふたりがどこにでもいる普通の人間だからこそ、その様子は見る者の胸を打つ。さらに演者や組み合わせが替われば、浩介と薫の人物像も変わってくるのが日替わり公演の醍醐味だ。浩介を「不器用だけど男気のある男性」(加藤)、薫を「強くて弱くて真っ直ぐで…愛に生きた人」(安倍)と表現するふたりだが、再演に向けては、揃って「特に考えてないんですよ。舞台に立った時の感情がどうなるかが大事だと思うので」(加藤)、「感じたまま演じるのみです」(安倍)と本作ならではの意気込みを口にした。最後にこの作品の魅力について尋ねると、「色んな愛を感じ、考えるきっかけとなる舞台だと思います」と安倍。加藤も「忘れちゃいけない大事なことが詰まった作品」とうなずきつつ、「だからこそ、ぜひ大切な方と見に来てください」と締めくくってくれた。『朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter』は4月28日(火)から5月6日(火・祝)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。加藤&安倍ペアは4月29日(水・祝)・5月1日(金)に出演。取材・文佐藤さくら
2015年04月27日2010年の初演より、その衝撃的な内容とピュアなラブストーリーで人気を呼び、これまで6度の再演を繰り返している『朗読劇 私の頭の中の消しゴム』。毎回複数のキャストによる日替わり上演も見どころで、7度目の再演となる今回も各ジャンルから多彩な顔ぶれが揃った。中でも高垣彩陽は、昨年6月に続いて2度目の出演。人気声優としてだけでなく、ガールズグループ「スフィア」やソロでの歌手活動でも多くのファンを魅了している高垣。近年は女優活動でも着実に成果を示している彼女に、話を聞いた。『朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter』チケット情報建築現場で働く浩介は、人生に疲れた日々を過ごしていた。そんなある日、仕事を通してアパレル会社に勤める薫と出会う。最初は"苦労知らずのお嬢様"と薫を見ていた浩介だったが、毎日のやりとりを経て、生来の明るさと素直さをもつ薫に惹かれてゆく。行き違いも乗り越え、ようやく結ばれた2人ふたり。だが幸せに包まれた生活に、少しずつ影がしのび寄る。薫に告げられた病名は「若年性アルツハイマー病」。浩介のことを想うがゆえに離れようとする薫だったが…。「昨年の本番は2回だけだったんですが、それから今まで、日常生活でも(自分の演じた)薫や浩介のことをよく思い出すんです」と高垣は言う。「それは出演するより前に、いち観客としてこの舞台を観た時から始まっているんですけど…。“あのシーンはこういう意味だったのかな”とか、"ああいうセリフがあったなぁ"とか、1回観ただけで心の中に深く刻み込まれていたんです。だから演じる側になって、再び出演が決まったとき、舞台上でしか得られない"薫の幸せ"をもう一度味わえるんだ!というのがまず嬉しかったです」と、本作への並々ならぬ想いを語る。続けて「物語は浩介と薫の日記形式で進んでいくのですが、日記って誰にも見せないものだから、その時々のリアルな気持ちがそのままあふれ出ているでしょう。それが観客としても演者としても深く共感できる理由なのでは」と、朗読劇ならではの魅力も話してくれた。小柄でキュートな容姿と確かな実力とを兼ね備える声優として活躍中の高垣だが、実は高校生の頃からミュージカルファン。少しずつ女優活動も増えており、昨年は堤幸彦監督が演出した舞台でベテラン俳優たちにも負けない存在感を示した。「今、もっともっと舞台に立ちたいという気持ちが強くなっていて。それはアニメ『ガンダム Gのレコンギスタ』に出演した時、富野由悠季監督とお話しする中で改めて感じたことなんです。生身でやるお芝居が声優の演技に役立ったりと、私にとって声優と女優のお仕事は、互いに影響し合っているもの。今後も、両方の世界での活動を続けていきたいです」『朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter』は4月28日(火)から5月6日(火・祝)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。高垣は5月3日(日)夜・4日(月・祝)夜公演に大貫勇輔とともに出演。取材・文佐藤さくら
2015年04月17日舞台『幸せは蒼穹の果てに』が4月9日(木)・10日(金)東京・草月ホールで上演される。同作はシャーロット・ブロンテの名作『ジェイン・エア』を題材にした朗読劇。ピアニスト国府弘子の演奏する「音楽」にのせて、AKB48メンバー石田晴香、元宝塚トップスター水夏希、声優の國府田マリ子がリレー形式でジェインの生涯を辿る。公演を目前に控えて、キャストの4人からメッセージが寄せられた。朗読劇『幸せは蒼穹の果てに』チケット情報■国府弘子(ピアノ・作曲)子供の頃に読んだ「ジェイン・エア」と、こんな贅沢な形で再会できることになりました。この古くて新しい物語は、子供の頃に出会った時には少々難しかった記憶がありますが、今読み直すととても新鮮、そして共感いっぱいです。そして、この主人公ジェインの意思と決意に満ちた「ウーマンズ・ライフ」を彩るのがわたくし自身のピアノそして作曲作品である、というのも本当に光栄。3人の魅力的な読み手のかたたちとのコラボレーション、今から本当に楽しみにしております。どうぞご期待ください。■石田晴香(第一章朗読)私はジェイン・エアの少女時代を担当させて頂くということで、物語の最初を担うということにとても緊張しています。ジェインにとっては辛いことや悲しいシーンも多いパートなのですが、その中でも強くて凛々しいジェインを表現出来たらいいなと思います。共演のお三方が本当に素晴らしく豪華で恐縮してるのですが、素敵な国府弘子さんのピアノと、國府田さん水さんの朗読が合わさったらとっても感動的だと思うので、楽しみにしています。私はとにかく足を引っ張らないように全力で頑張ります!■水夏希(第二章朗読)本格的なthe朗読。イスに座って小説を読み聞かせるような流れの中にある数少ないセリフ。最小限の情報の中で、おそらく一番心に揺さぶりをかけてくるであろうピアノの生演奏。19世紀のイギリスのお城のような屋敷の中でのジェインの心境の変化を何処まで表現できるだろうか。また私の人生における新たな挑戦です。■國府田マリ子(第三章朗読)私はいつもアニメーションに声を入れたり、ナレーションをさせていただいたり、ラジオでリスナーみんなと一緒に日々の暮らしを慈しみ、そして歌を歌うことを生業としています。この度、ジャンルの違うアーティストたちが集まりひとりの女性の生き様を表現する。しかも音楽朗読劇という新しいジャンル。関わる全ての演者、演出の田尾下哲さん、そしてスタッフの方たちが新しい表現のステージへ夢と可能性を信じてお届けします。来てくださった方々ご自身がジェインとなり、いつもとは違う新しい楽しみ方を体験して下さい。
2015年04月03日12月22日(月)から28日(日)まで東京・CBGKシブゲキ!!で上演されるリーディングドラマ『Re:(アールイー)』。開幕に先がけて、出演する原田泰造、小池栄子がコメントを寄せた。【チケット情報はこちら】同作はTVドラマ『斉藤さん』シリーズなどの脚本も担当し、豊かな会話劇でヒット作品を手掛ける劇作家・演出家の土田英生が書き下ろす朗読劇。10年にわたる男女ふたりの愛をメールのやりとりで綴っていくストーリー。ふたりのコメントは以下。■原田泰造朗読劇に出演するのは初めてなのですが、決まったときからずっと「27日、どうしよう…」と(笑)。緊張しちゃいますね。自分が緊張して舞台に立っている様子も、きっとやってる最中も緊張してるって思うんだろうな、というのも想像がつくんだけど、またそれが楽しみですね。今回、リハーサルは1回だけ、最初と最後の部分を合わせたのですが、早く全部をやってみたいと思いました。楽しみです、すごく。栄ちゃんは付き合いも長いですからね、まじめだし、役柄にぴったりだと思いました。以前この作品に出演をしたことのあるチュートリアルの徳井君に「今回僕もやるんだけど」って話をしたら、「大丈夫ですよ、お客さんが空気を作ってくれるから」と言われました。いい話ですよね、台本を最初に読んだ時に、感動して泣いてしまいました。ちゃんと『Re:(アール・イー)』の物語世界が、伝えられたらいいなと、そのプレッシャーを感じています。■小池栄子この戯曲を初めて読んだ時は、素直なふたりの感情のぶつかり合いに心洗われる感じがして気持ちよかったし、メールのやりとりで、こんな風に会うところまで辿り着くという事が、自分には経験がないので面白いと思いました。実際にリハーサルをやってみて、きっと本番でお客様が劇場に入ったら、全然違う空気になるんだろうなと思いました。”今メールを書いている”という感じで読むのであれば、事前にはあまり読み込まない方が良いのかなとも思いますし….緊張しますね(笑)。過去に、別の男女の朗読劇をやらせて頂いた時に、舞台上の二人で創っているだけではなく、お客様にすごく押し上げて頂いたところがあったので、今回も、ちゃんとお客様の空気を感じ取って、流れが創れたらと思います。それは当日じゃないと分からない、一番の楽しみです。泰造さんは凄く信頼してます。いつかお芝居をしっかりやりたいと思っていた先輩なので今回こういった形でご一緒できて、ただただ嬉しいなと。私は泰造さんの声が好きですし、優しい方だから役柄の誠実なイメージに合うな、と思って読んでいました。朗読ですし、目を瞑って聞いていても伝わるよう、色々な事を想像して見てもらえたらいいなと思います。長さも1時間半なので、物語性がちゃんと感じられるように、飽きずに見て頂けるよう頑張ります。同作はふたりのほかにも、田中直樹・三倉茉奈、石井一孝・朝海ひかるペアが日替わりで出演。チケットは発売中。
2014年12月19日銀河劇場が企画したニュージェネレーションシリーズ第一弾、次世代クリエイター×若手舞台俳優による朗読劇。1週目の『春のめざめ』が好評のうちに幕を閉じ、2週目の『僕とあいつの関ヶ原』の稽古が佳境に入った。そこには、朗読劇の可能性が渦巻いていた。朗読劇『僕とあいつの関ヶ原』チケット情報吉田恵里香の自身の小説に基づいたオリジナル脚本を、劇団「柿喰う客」の中屋敷法仁が演出。若き世代ふたりの手による『僕とあいつの関ヶ原』は、ストーリーも斬新だ。テーマは、エンターテインメント作品に取り上げられることが少なかった関ヶ原の戦い。合戦そのものよりもそこに至るまでの心理劇のほうが実は面白いと、脚本には、武将たちのあまりにも人間くさすぎる姿が暴き出されている。稽古で繰り広げられていたのも、まさしくその感情のせめぎ合いだった。中屋敷の演出でいちばんにこだわっているように見えたのは、人物の関係性である。台詞のどの部分で立つか、座るか、舞台上をどう移動するか、細やかに指示を出していく。すると、誰が優位に立ち、誰が追い詰められているのかが一目瞭然となる。たとえば、そこには登場していない人物であっても、ひとりすっくと椅子の上に立ち上がることで、周囲を圧倒する人間であるということがはっきりとわかるのだ。それはまた、出番のあるなしにかかわらず全員が舞台に上がっている朗読劇だからこそできることでもある。ナレーターと会話する場面も即興で加えられた。普通の芝居ではできないことに果敢に挑み、楽しさが膨らんでいく。関ヶ原は、いわば、徳川家康と石田三成との戦いだ。その敵対するふたりを、三上真史がひとりで演じるのもユニークだ。中屋敷は、家康なのか三成なのかわからなくなる瞬間を、あえて作ろうとしている。染音という女性と島左近を演じる武田航平、井伊直政と大谷吉継を演じる玉城裕規、小早川秀秋と福島正則を演じる宮下雄也もしかり。敵味方の攻防がさらに面白くなる仕組みだ。そして、家康の四男・松平忠吉を演じる木戸邑弥が、戦いの要となっていく。俳優たちが使う舞台セットは3脚の長椅子だけだ。周囲には無造作に積まれた椅子がある。合戦の陣地を表すかのようなそれは、よく見ると、『春のめざめ』で舞台に並べられていた椅子たちだった。俳優も、木戸と武田は『春のめざめ』に続いての出演。シリーズとしてのつながりを感じさせる工夫もなされている。公演は12月14日(日)・15日(月)、東京・天王洲 銀河劇場にて。取材・文:大内弓子
2014年12月10日ビジュアルと音楽、キャストが動いて魅せるスタイルが人気の朗読劇「本格文學朗読劇極上文學第7弾『走れメロス』」が12月3日より東京・草月ホールで開幕した。同作はメロス役に、最近初脚本・演出の舞台を成功させた大河元気と、様々な作品に出演し、若手俳優の中でも頭角を現している宮崎秋人のふたりが日替わりで出演。ふたりは劇中かなりの時間走り続け、極上文學シリーズ史上一番熱い作品である同作の主役を熱演。宮崎はメロス役を演じることについて「普段走りながら本を読むことはないですが(笑)、頑張ります!」とコメント。また、劇中において紅一点であるメロスの妹役は、佐藤永典、椎名鯛造、西村ミツアキの3人の男性がトリプルキャストで出演。3人は男性であるが可憐な女性を演じ、存在感を残している。加えて同作は読み師の演技に合わせ、ジャズピアニストが生演奏を披露するなどの演出で、物語をドラマチックに表現している。「本格文學朗読劇極上文學第7弾『走れメロス』」は12月7日(日)まで東京・草月ホール、12月27日(土) ・ 28日(日)に大阪・大阪ビジネスパーク円形ホールで上演。チケットは発売中。
2014年12月05日銀河劇場ニュージェネレーションシリーズの第1弾として、次世代クリエイター×若手舞台俳優による朗読劇が、2週に渡って上演される。1週目に選ばれたのは『春のめざめ』。試行錯誤の熱気あふれる稽古場に入った。朗読劇『春のめざめ』チケット情報フランク・ヴェデキント作『春のめざめ』は、100年前にドイツで生まれた戯曲。思春期の少年少女たちの性のめざめと、それを抑圧する大人たちと、だからこそ起こってしまう悲劇とを描いている。若い俳優たちが生かせるものをとこの作品を選んだ演出の高橋正徳(文学座)は、しかし、その戯曲のリライトを鐘下辰男に依頼。現代の日本にも通じる普遍的な本質を抽出した上演台本が仕上がった。稽古場ではその台本を手に、さらに物語を生きたものにする工夫がなされている。たとえば、舞台美術。舞台には椅子だけが置かれる予定だが、席が決まっているわけではない。9名のキャストに椅子の数はその倍以上の20脚。出演シーンが終われば周囲に並べられた椅子に引っ込む。それもどこに座ってもいい。台詞を読むときでさえ、その位置は不確定で、「明日にはまた変わるかもしれないけど」と、高橋もゆるやかに演出していく。朗読劇と言えば動かずに台本を読んでいるイメージがあるが、想像以上に大らかで躍動的だ。台本も、ただ読むのではない。相手に向かって語ることもあれば、客席に向かうこともある。相葉裕樹が演じるメルヒオールに、中島歩が演じるモーリッツが自身の性のめざめを告白するやりとりも、そのメリハリをつけることで俄然面白くなった。互いを見ていた視線が客席に向くことで、メルヒオールがモーリッツを未知の世界へ引きずり込もうとする緊迫感もより高まっていく。「言葉を語るということにこだわりながら、何か朗読劇と芝居の真ん中を見つけていきたい」と高橋も語る。印象的だったのは殴り合うシーン。実際に相手を殴ることなく、足を踏み鳴らし、睨むことで、それを想像させる。「言葉の熱量だけでなく、身体の熱量でも、そのシーンを動かしていきたい」と高橋が言うように、俳優たちはさまざまなアイデアを繰り出して、想像力広がる空間を作り出していくことになる。また、ト書きを含め、ひとりで何役もの台詞を読み、少年少女を演じた俳優が大人も演じる。真面目に一生懸命読む場面もあれば、遊びを取り入れるシーンもある。この朗読劇の自由さこそが、多感な思春期を描くこの作品の豊かさにつながっていくのである。公演は12月6日(土)・7日(日)に東京・天王洲 銀河劇場にて。
2014年12月01日天王洲銀河劇場は12月、〈ニュージェネレーションシリーズ〉と銘打ち、次世代クリエイターと若手舞台俳優との顔合わせによる朗読劇2作を上演する。12月6日(土)・7日(日)は120余年前の衝撃的な発表から今なお青春群像劇の名作として知られる『春のめざめ』(フランク・ヴェデキント作)、同月14日(日)、15日(月)はアニメ『TIGER & BUNNY』の脚本も手がけた脚本家による“バディ系歴史ノベル”『僕とあいつの関ヶ原』(吉田恵里香作)。そのうち『春のめざめ』に出演する相葉裕樹と木戸邑弥、栗原類、演出担当の高橋正徳(文学座)に、話を聞いた。『春のめざめ』チケット情報19世紀末のドイツ。ギムナジウムに通うメルヒオールは成績優秀だが、保守的で抑圧的な学校生活に息苦しさを感じ、親友のモーリッツやヘンスフェン、エルンストらと女の子の話に興じる毎日。幼なじみのヴェントラとその友達の女生徒たちも男子の話題に花を咲かせているが、実はそれぞれにある孤独を抱えていた。そんなある日、偶然森で出会ったメルヒオールとヴェントラは一線を越えてしまう。一方で劣等生のモーリッツは勉強や女性との悩みに疲弊し、ついに…。ストレートプレイはもちろんミュージカル版でも知られる本作だが、今回は朗読劇。「相葉さんがメルヒオールを演じるなどメインの配役はありますが、すべての役とト書き、動物の鳴き声など効果音もキャスト全員で演じてもらう予定」と、高橋が意外な構想を口にした。朗読劇とは、衣装や大道具という舞台を構成する要素を最小限に押さえた演劇。逆にいえば演じ手が瞬時に他の役どころに変わることも可能で、その分観客の想像力に委ねられる“余白”が大きくなる。話を聞いていた相葉は「それって、役者の力量が問われるということでもありますよね」と表情を引き締めた。上演台本は、高橋いわく「文体に硬さと強さをもつ」劇作家の鐘下辰男に依頼。より現代語に即した訳になっているとあって、キャスト陣からも「100年以上前の作品なのに、台本を読んでいると登場人物一人ひとりに共感できるポイントが見つかるのが不思議です」(木戸)、「僕も学校生活に違和感があって、重要でない話に適当に合わせるのが苦手だったことを思い出しました」(栗原)と好評の様子だ。相葉も「苦しいくらいの自我と性の目覚めは誰にでもある感覚だと思う。メルヒオールのまっすぐに行動する部分は僕自身にはないので、うらやましくもあります」と率直な感想を教えてくれた。「稽古を通して、若い彼らの“俳優としての欲望”をあばきたい」と言う高橋。朗読劇と侮ってはいられない。今作では3人の見たことのない表情に出会えそうだ。12月6日(土)・7日(日)に東京・天王洲 銀河劇場にて。3回すべての公演を観劇すると、好きなキャストの「扮装写真ポスター」をプレゼントする3回コンプリートキャンペーンや、12月7日(日)13時の回のチケットを購入すると好きなキャストの稽古場写真を1枚プレゼントし、更にキャストとの2ショットチェキ撮影が抽選で30名様にあたる春のめざめ123キャンペーンも実施中。取材・文佐藤さくら
2014年11月28日毎回豪華共演で話題を集めるリーディングドラマ『Re:』の「Session 5」の上演が決定した。5度目となる今回は、ココリコの田中直樹と三倉茉奈、ネプチューンの原田泰造と小池栄子、人気ミュージカル俳優の石井一孝と元宝塚雪組トップスター朝海ひかるの3組が日替わりで出演。ネプチューン原田は朗読劇初挑戦となる。舞台をはじめTVドラマ『斉藤さん』シリーズなどの脚本も担当し、豊かな会話劇でヒット作品を手掛ける劇作家・演出家の土田英生が書き下ろす朗読劇で、10年にわたる男女ふたりの愛をメールのやりとりで綴っていく。ある日届いた間違いメールから始まったふたりの関係。ある時は行き違い、ある時は惹かれ合い、ある時はいたわり合い……。長きにわたるふたりの関係、その心の機微を時にポップに、時に切なく描いていく。公演は12月22日(月)から東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!にて。チケットの一般発売は11月22日(土)を予定。■リーディングドラマ『Re:』12月22日(月)15時/19時田中直樹(ココリコ)×三倉茉奈12月27日(土)14時/18時原田泰造×小池栄子12月28日(日)14時/18時石井一孝×朝海ひかる
2014年10月07日作・演出の藤原文翁が2009年にスタートさせた、新感覚・音楽朗読劇「SOUND THEATRE」。その新作『eclipse』に、声優の寿美菜子と豊崎愛生が初参加する。そこで藤原含めた3人に、本作への思いを訊いた。SOUND THEATRE 『eclipse』チケット情報「SOUND THEATRE」が“新感覚”と称されるのはなぜか。すると藤沢は、ふたつの理由を挙げる。「まず僕たちは“音楽”をすごく大事にしています。これほど完全にストーリーと演出と音楽が融合している朗読劇は、ほかにはなかなかない。またSOUND THEATREでは、“聴く”とか“観る”ではなく、“体感”という表現を使っています。そしてお客さんそれぞれに、自分だけの舞台を持って帰って欲しい。その人たちだけの宝物をつくる、そんな余地のある舞台をつくりたいと思っているんです」。また藤沢が「世界トップクラスの文化であり、そのスキルを最大限に生かしたい」と語るのが、声優の存在。寿と豊崎は声優界の中でも特に人気の高いふたりだが、今回任されたのはWキャスト。その点について寿は、「逆に相手が愛生ちゃんで安心しました」とひと言。豊崎も「やっぱり一番好きで、魅力的だと思っているのは、自分がやらせていただくキャラクター。それを他でもない美菜ちゃんと共有出来るのは、とても楽しみです」と続ける。本作では、歌舞伎『蘆屋道満大内鑑』と能『殺生石』をベースに、安倍清明と“鬼”について描かれる。その中で寿と豊崎が演じるのは、藤沢によるオリジナルキャラクター・朱華(はねず)。すでに台本を読んだというふたりだが、あまり内容については話し合っていないらしい。というのも、「あまり先入観を持って、共通したキャラクター像をつくり出さない方がいいんじゃないかなと思って」とは豊崎。寿も「たぶん読み方次第、受け取り方次第で、何通りもの朱華がいるはず。だからそこまでの過程は知らずに、むしろ出来上がったものをお互いに観たいなと思います」と明かす。Wキャストというのは、藤沢にとっても新しい試み。「きっと性質の違うふたりがWキャストをやることで、他の方々の芝居も変わっていくと思うんです」と期待感を表すと、「共演者の皆さんとかけ合う中で、自分の答えも見つかると思います」と寿。その一方豊崎は、「私は匂いとか色、思い出とかから役を引っ張るタイプかな」と、寿とは違う、感覚派な一面を見せる。まったく異なるふたりが演じる、ふたつのキャラクター。劇場でその違いを見比べる、いや感じ比べてみてはいかがだろうか。公演は9月23日(火・祝)から29日(月)まで東京・シアタークリエにて。チケット発売中。取材・文:野上瑠美子
2014年09月22日俳優の佐藤隆太が、3月8日放送のWOWOWドラマ『人質の朗読会』に主演することが19日、明らかになった。原作は『博士の愛した数式』『妊娠カレンダー』などのヒット作を持つ作家・小川洋子の同名小説。2年前、南米で発生したテロ事件に巻き込まれた日本人の人質たちの生前の声を収めたテープをめぐり、ラジオ局の報道記者・中原(佐藤)が事件で母を亡くした女性・ひとみ(波瑠)の依頼を受け、人質たちの生きていた"証"であるテープの公開に向けて尽力するというストーリー。「これは、物語を語る人とそれに耳を傾ける人たちのドラマです。ひとつの物語を読み終えたときに心に沁みこませるかのように、そしてしっかりと受け止めるように、小川洋子さんが原作で書いた言葉を、できるだけそのまま映像にしたい。それは監督や脚本家をはじめ、映像化にかかわった全員に共通する思いでした。ぜひ、ご期待ください」と、主演の佐藤は本作への意気込みを。また、原作の小川も「ありふれた人生にも必ず、かけがえのない物語が結晶のようにひそんでいる。ドラマの登場人物たちの声を耳にした人は誰も、自分の胸に隠された結晶を、そっとすくい上げたくなるに違いない」との言葉を送っている。出演はほかに大谷直子、長谷川朝晴、原日出子、阿南健治、三浦貴大、鷲尾真知子、西田尚美、徳永えり、レオ・K、左時枝、佐々木すみ江ら。脚本は杉原憲明、監督は谷口正晃。ドラマWスペシャル『人質の朗読会』は3月8日(20:00~)にWOWOWプライムで放送。
2014年01月20日イヌとネコ、そして彼らと関わる人間たちの物語を綴る朗読劇『しっぽのなかまたち』。昨年12月の全労済ホール/スペースゼロ、今年5月の恵比寿・エコー劇場での好評を受けての第3弾が、11月19日に東京・天王洲銀河劇場で開幕した。上演はオムニバス形式で、今回は第1回から続く『小雪と小春と小太郎と』に新作3本を加えた4部構成。男性6人・女性2人のキャストは日替わりで、しかも公演日によっては違う役を演じることもある。舞台上には、パステルカラーで彩られたたくさんの円柱。BGMや効果音を担当するギタリストの森大造に続いて、大きな台本を手にしたキャストたちが登場。円柱に腰掛け、ときには大きく舞台上を動きながら朗読するスタイルを取る。1本目の『八月の冒険』は、母(山内鈴蘭)と暮らす耳に障害がある少年(神永圭祐)と、老いた聴導犬(荒木宏文)、新しく飼われた犬(東山光明)が繰り広げる一夜の出来事が軸になる。犬役の荒木・東山は人間役と同じような普段着だが、手にする台本カバーの色や毛並みで、どんな犬かを表現している。観客にだけは〝しっぽのなかまたち〟の思いが分かるという趣向が、観る者の想像力に訴える朗読劇によく合っている。しんみりするシーンでは、早くも会場のあちこちからすすり泣きが聞こえていた。続いて、観客同様なぜか犬や猫の気持ちが分かる獣医(加藤和樹)の苦悩を描く『シラトリ動物病院へようこそ』、落ちこぼれ学生犬(石田晴香、鎌苅健太、東山、平牧仁)が、老犬(加藤)からドラマ『ごくせん』や『3年B組金八先生』ばりの熱血指導を受ける『犬の卒業』。コミカルな中に、シリアスなテーマが織り込まれている。ここまでの3作には観客との交流コーナーがあり、キャストが客席に降りてきたり、観客をステージに上げてクイズを行ったりと賑やかだ。最後の『小雪と~』は、ペットOKの住まいを必死に探す飼い主(神永)と、それを気遣う猫2匹の思いを丁寧にたどる。シンプルな設定だからこそ、心に滲みるストーリーだ。猫役は石田・鎌苅で、ヤンキー犬をノリノリで演じた『犬の卒業』から一転、それぞれのキャラクターをじっくりと表現していたのが印象に残った。初日のキャストはいずれも役とハマッていたが、役替わりによってストーリーがどう変化するのかも非常に興味深い。公演は12月1日(日)まで。会場販売のリピーターチケットでは、ペットの写真提示による割引を実施中。取材・文:山上裕子
2013年11月21日だんだん寒くなってくると、温かいものが食べたくなりますよね。冬に登場するメニューはいろいろありますが、心も体も温まるようなスープは嬉しくなる一皿。スープと言えば、女優の小雪さんがスープにまつわる不思議な物語を朗読しているムービーがWEBで公開中なのを知っていますか?その名は、 「小雪 堪能小説」 。異常とも思えるほど丁寧にスープをつくる女性の物語が書かれた小説「堪能小説」を、小雪さんが昼下がりのリビングで、心を込めて、ときにやさしく、ときに強く朗読しているムービーです。プライベート空間での自然な小雪さんの表情を大切にしたというだけあって、まるで自分のリビングでゆったりとリラックスしているかのような小雪さんを見ることができます。衣装も、小雪さんが自宅で着ているような雰囲気のものを選んだのだとか。ドラマなどで見る表情とは別の小雪さんを見ることができそうです。また、小雪さんがくつろいでいるリビングは、スタジオ内にゼロから作り上げたものだそう。映像ではあまり映りませんが、窓の外で風に揺れる木々も実際に植え込むなど、こだわりの世界観を撮影現場全体で創り上げているだけに、素敵な空間の雰囲気が映像を通して伝わってくるかのようです。そんな上質な空間で、小雪さんが朗読する「堪能小説」。文章はエンタテイメント性があり、とってもユニーク。その物語をどこまでも忠実に演技した映像も見応えたっぷり。それらのユーモラスさと、小雪さんが登場する上質な雰囲気とのギャップもぜひ味わって。やさしく真面目な印象のある小雪さんが、謎に満ちた文章を丁寧に心を込めて読んだ撮影時には、小雪さんの美しい声の力に感動しつつも、こみ上げる笑いを堪えるのに必死なスタッフもちらほらいたとか。確かにそれもうなづけるような、落ち着いた美しさと可笑しさが漂った映像の仕上がりです。「小雪 堪能小説」というエンターテインメント性溢れる企画を、クールビューティで知られる小雪さんが軽やかに取り組むことで、小雪さんのチャーミングな一面が感じられる貴重な映像となったのかも。そんな「小雪 堪能小説」のムービーは、 こちら から見ることができます。ムービーの中の物語に登場する、異常とも思えるほど丁寧なスープのつくり方や、それを味わう女性の表情を見れば、思わずスープが飲みたくなるかも。小説を読み終わった小雪さんも、温かい美味しいスープを飲み終わったかのような、満足げな表情を浮かべています。美味しいスープには人の心を幸せにする力があるのかもしれませんね。ムービーを見てスープを飲みたくなったら、迷わず「小雪 堪能小説」に出てくるスープの作り方を参考にして。きっとこれまで以上に美味しいスープが飲めるはず。これを読んで、スープを美味しく飲めるようになるムービーって? と気になった人は、 こちら を見てみて。ひと目見れば、納得できるはず。・小雪 堪能小説 公式サイト
2013年10月23日東京・シアタークリエで、“新感覚・音楽朗読劇”と銘打った舞台『CROSS ROAD ~悪魔のヴァイオリニスト ニコロ・パガニーニ~』が上演される。キャストの紫吹淳、林原めぐみ、山寺宏一に稽古場で話を訊いた。藤沢文翁が作・演出を務める“新感覚~”シリーズは、これまでに『HYPNAGOGIA』(2009、2011年)、『Mermaid Blood』(2012年)が上演されている。そのすべてに出演してきた山寺いわく、「朗読劇ですが、音楽との関連性がすごく強い、総合的なエンタテインメントです。声優の大ベテランの方たちが、“すごい!”“こんなに面白い朗読劇は観たことない!”と感想を言ってくださるから、うれしいですよね」。一方、『Mermaid~』を客席から観たという紫吹は、「空間が飛び抜けておしゃれというか、他にはないほどゴージャスな朗読劇だと感じました」とその印象を話す。今回、土屋雄作率いるCasanova Stringsの生演奏に乗せて描かれるのは、19世紀のイタリアを舞台にしたあるヴァイオリニストの物語だ。「いただいた台本をパラパラとめくっているうちに、あまりの面白さで一気に読み終えてしまいました。それぐらい人を惹きつける力のある作品です」と紫吹は言う。主人公ニコロ・パガニーニは、悪魔から音楽の才能を授けられるが、その代償は決して安くはなかった。100万曲目を演奏した時に、自らの命を引き渡さなければならない。名声が高まるほど死に近づく、という皮肉な運命が彼を悩ませる。紫吹が「今年最後の男役」としてパガニーニを演じ、山寺は執事アルマンドなど6役、林原はロマの女性ミーシャなど3役を演じ分ける。出演者は座ったたま動かず、セリフだけですべてを表現していく。「アニメに声をあてる作業に近いかもしれない」というのは林原だ。「まず脳の中に登場人物のビジュアルを作って、それに声をあてていく感覚なんです」。自らを「基本、人前に出ないのが楽しいタイプ」と称する林原を舞台で観られるのは希少な機会だが、本シリーズへの参加は、2011年の『HYPNAGOGIA』に続いて2回目となる。「普段スタジオでしている作業をステージ上でやるというつもりで臨みました。生の演奏やSEが入ってくることで、脈打つというか、舞台は生き物だなあということを肌で実感しましたね」。「普通の朗読劇だと思って見逃すと、損をしますよ!」と山寺が念を押す。3人の豊かな声と弦楽器の深い音色が響き合うコラボレーション。それは観客に聴く快楽をもたらすに違いない。『CROSS ROAD ~悪魔のヴァイオリニスト ニコロ・パガニーニ~』は、シアタークリエにて9月22日(土・祝)・23日(日)に上演。
2012年09月10日TOEIC(R)プログラムを実施・運営するIIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)は、効率的な多読学習とリーディング能力向上を助ける「Lexile(R)(レクサイル)リーディングガイド」の登録者数が、昨年10月26日の提供開始から約7カ月で1万人を突破したと発表した。同サービスは、テストの申し込みや学習サポートが受けられる無料会員サイトTOEIC SQUAREの会員だけが利用できる、提供無料サービスのひとつ。TOEICテストのリーディングスコアおよび受験日などの情報を入力すれば、英語のリーディング能力アップに最適なオンライン記事や書籍を紹介してくれるので、効率的な多読学習とリーディング能力向上に役立てることができる。同社によれば、リーディング能力の向上には、難しすぎず、易しすぎない素材から、興味関心に合ったものを読むことが効率的と言われているとのこと。日々のリーディングを重ねることで、さまざまな語彙(ごい)や表現、構文に生きた形で触れることができるため、英語力の向上にもつながるという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月30日日本のドラマ『Pure Soul』のリメイクで大ヒットを放った韓国映画『私の頭の中の消しゴム』。『朗読劇私の頭の中の消しゴム』は、この究極のラブストーリーを日替わりの豪華出演陣が生声で表現し、好評を博している舞台だ。今回4回目となるこの公演に、昨年上演の『3rd letter』から続けて出演する福山潤に話を訊いた。『朗読劇頭の中の消しゴム 4th letter』チケット情報ふだん声優という仕事に携わっている福山にとって、昨年の出演は念願のものだったという。「自分がいつもいるフィールドとは別の場所から声をかけていただいたことが、本当に嬉しかったです。『読む』ということに対してはもちろん、プロフェッショナルであるという意識はあります。ただ、ひとつの空間の中で、生で2時間ひとつの作品を伝える、成功も失敗もすべて1回限りでその場のお客様と共有する、というのはアフレコとはまったく違う。自分でも『ここまで気持ちが盛り上がるものなのか』とか新しい発見が多くて、本当に大きな経験になりました」。その思いが忘れられず、この1年は「いつか次に声がかかった時のために」と自分を磨く日々だったのだとか。「また呼んでいただけるとは思っていませんでしたが、『一応、念のために公演時期のスケジュール空けといて』とマネージャーに伝えてはいました(笑)。昨年の公演の経験はせっかく自分のなかに植えられた種だから、ちょっとずつ技術に磨きをかけて『今ならこうできる』というイメージだけは頭の中に走らせていたんです」。今回の相手役は、市川由衣。経験者としてリードしていく立場になるのかと思いきや、意外な言葉が返ってきた。「経験者だからこそ、これまでの知識や感覚が邪魔になることもあると思う。一旦気持ちをまっさらにして、市川さんと雰囲気をつくっていくことができれば」。1年を経て、今回はまた新たな福山の顔を見ることができそうだ。「時を経て同じ作品に挑むのは僕にとっても新鮮。声優という職業は、見た目にも年齢にも左右されないで役をやることが多いんです。30代の僕が10代も老人も演じる。でも、この朗読劇では自分の素の年齢に近い役を、ビジュアル面も担当してやらせてもらえる。だからこそ見た目や声など、言葉以外の説得力をいかに観客に与えられるかが難しいところだし、面白いところです。このなかなかない経験をめいっぱい楽しんで、1年前から年を重ねた分の変化を出せたらと思います」。公演は5月2日(水)から7日(月)まで東京・天王洲銀河劇場にて上演。チケットは発売中。なお福山は、5月5日(土)13時と6日(日)18時の回に出演する。取材・文:釣木文恵
2012年04月11日公演を重ねるたびにその魅力的な組み合わせが話題を呼んできた『朗読劇 私の頭の中の消しゴム』。もともと日本のドラマ『Pure Soul』として生まれ、韓国映画としてリメイクされて大ヒットした『私の頭の中の消しゴム』。朗読劇となって早くも4回目を迎える。今回もバラエティに富んだ出演者が揃うなか、ミュージシャンとしてだけでなく最近は舞台での活躍も目覚ましい米倉利紀に話を訊いた。「朗読劇私の頭の中の消しゴム4thletter」 チケット情報ミュージカルからふたり芝居まで様々な舞台を経験している米倉だが、朗読劇は初挑戦。「お話をいただいてまず冗談交じりに訊いたのは『朗読劇ということは、セリフを覚えなくてもいいんですね?』ってこと(笑)。ありがたいことにここ数年立て続けに舞台に出演させていただいていますが、朗読劇は一度も観たこともなかったんです。それでも『米倉さんの声と存在がほしい』と最高の褒め言葉をいただいたので、その期待に応えられるよう、この声と身体だけを持って稽古場に行こうと思っています」。記憶をなくしてゆく妻と、それを支える夫。舞台上のふたりは、永久不滅の愛を交わしていかなければならない。「役者としての軌跡はまだまだだですが、20年間歌い手としてメロディに心ある言葉をのせてきたという自負はあります。たとえば昨日の『愛してる』と今日の『愛してる』は全く違う、それぐらい気持ちと声って直結したものだと思ってるんです。たった2回の本番ですが、2回とも全く違うものを表現できればいいなと思っています。ぜひ両日観てほしいですね(笑)」。これまで回を重ねてきたシリーズに出演するというプレッシャーはあるが、過去の作品はあえて観ないようにしているのだとか。「誰かの真似になってしまっては意味がないので、映画も、これまでの公演もひとまずは自分の公演が終わってからのお楽しみにとってあります。まっさらな自分のままで、奇をてらわずに自然に演じられれば」。舞台を経験したことで、米倉は自身の音楽活動にも影響があったのだという。「歌詞、台詞、言葉、同じ言葉でもいろんな表現方法があるという事を改めて心が自覚したのは大きな収穫です。音楽はすべて自分でプロデュースしていますが、舞台では演出家の方に自分を料理される楽しさを実感しています。今回も演出の岡本貴也さんと、相手役の馬渕英俚可さんにいろんな形で助けていただきながら、ミュージシャンである僕にしかできない役を作り上げていきたいと思います」。公演は5月2日(水)から7日(月)まで東京・天王洲銀河劇場にて上演。チケットは発売中。なお米倉は、5月2日(水)12時半と3日(木)13時の回に出演する。取材・文:釣木文恵
2012年03月28日未曾有の大震災から1年。現在も続く復興状況の中、“鎮魂と復興協力への新たな思い”を舞台から届ける朗読プロジェクト、朗読『宮沢賢治が伝えること』が発表された。『銀河鉄道の夜』や『風の又三郎』で知られる、詩人で童話作家の宮沢賢治の言葉を、朗読劇として上演する。プロジェクトに賛同したのは総勢38名の“舞台人”。舞台で活躍している俳優、演出家、劇作家らが1公演に3名ずつ、ステージごとに様々な組み合わせで出演する。出演者は蒼井優、麻実れい、伊藤蘭、内山理名、大竹しのぶ、貫地谷しほり、木村佳乃、黒木メイサ、小池栄子、小泉今日子、小林聡美、白石加代子、鈴木杏、鈴木京香、戸田恵子、広末涼子、宮沢りえ、本谷有希子、井上芳雄、浦井健治、江口洋介、風間杜夫、篠井英介、笑福亭鶴瓶、鈴木浩介、高橋克実、段田安則、堤真一、中川晃教、長塚圭史、野村萬斎、平幹二朗、星野源、松尾スズキ、松坂桃李、三谷幸喜、八嶋智人、山本耕史(男女別・50音順)。演出は栗山民也が務める。日本の演劇界を代表する錚々たるメンバーが顔を揃え、宮沢賢治の言葉の力をエネルギーに、舞台から被災地へ思いを届ける。公演は東京・世田谷パブリックシアターにて5月9日(水)から6月3日(日)まで開催。チケットは4月7日(土)より一般発売開始。キャストの組み合わせ・出演日詳細は、シス・カンパニーのホームページ(で追って発表される。なお、公演の収益の一部を東日本の被災地へ義援金として寄付する。
2012年03月13日ジョージ・クルーニーやブラッド・ピットら、豪華キャストを集めて1日限りの上演を行った朗読劇「8」が200万ドル以上の収益を「American Foundation for Equal Rights」に寄付した。3日、ロサンゼルスのウィルシャー・エベル・シアターで上演された「8」は、『ミルク』、『J・エドガー』のダスティン・ランス・ブラック作の戯曲で、カリフォルニア州の同性婚を禁止する「提案8号(Proposition8)」を題材にしたもの。同性愛者、異性愛者に平等の権利を求める主旨に賛同したマーティン・シーンやケヴィン・ベーコン、TVシリーズ「glee/グリー」のクリス・コルファーらも出演した。公演はインターネットでも中継され、20万以上ものアクセスがあったという。ジョージ・クルーニーは出演を決めた理由について「歴史の正しい側に立つことは大切だ。20年後には、なぜ僕が立ち上がったかなんて誰も疑問に思わないようになっていてほしい。いまに、どうしてこんなことが問題になったのかと人々が思う日が来るだろう」と「The Hollywood Reporter」誌に語った。(text:Yuki Tominaga)■関連作品:ファミリー・ツリー 2012年5月18日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2011 Twentieth Century Foxスーパー・チューズデー~正義を売った日~ 2012年3月31日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2011 Ides Film Holdings, LLC glee/グリー踊る♪合唱部!? [海外TVドラマ]© 2009-2010 Twentieth Century Fox Film Corporation.All Rights Reserved.■関連記事:【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~クラシック編~【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~セクシー編~スーツ男子1位は藤木直人!向井理、G・クルーニーら色気と知性を備えた俳優たちも【アカデミー賞】脚色賞に『ファミリー・ツリー』、脚本賞はウディ・アレン監督へG・クルーニーは悪ふざけの天才?色男2人のオフショット写真を独占入手!
2012年03月06日ケヴィン・ベーコンと人気TVシリーズ「glee/グリー」のクリス・コルファーが、ロサンゼルスで1回限定公演の朗読劇でジョージ・クルーニーと共演することが決まった。ケヴィンたちが新しくキャストに加わった朗読劇「8」は、『ミルク』でアカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞し、『J・エドガー』も手がけたダスティン・ランス・ブラックが手がけており、カリフォルニア州の同性婚を禁止する「提案8号(Proposition8)」を題材にしている。同州では2008年6月に同性婚が許可されたが、同年11月の住民投票により同性婚を禁じる州憲法改正が可決、同性婚支持者から違憲だと提訴された。サンフランシスコ連邦高裁は今月7日にカリフォルニア州の同性婚禁止は合衆国憲法に違反するとの判決を下している。物語は2010年6月の最終弁論を基にしていて、ジョージ・クルーニーとマーティン・シーンは原告側弁護士を演じ、ケヴィン・ベーコンは提案8号支持側の弁護士、クリス・コルファーは両親から矯正セラピーを強要された経験を証言する青年を演じる。また、「glee/グリー」のマシュー・モリソンとTVシリーズ「ホワイトカラー“知的”犯罪ファイル」のマシュー・ボマーは原告の同性カップルを演じ、判事役で『おとなのけんか』のジョン・C・ライリーの出演も決定。公演は3月3日(現地時間)にロサンゼルスのウィルシャー・エベル・シアターで行われる。『スタンド・バイ・ミー』のロブ・ライナー監督が演出を務め、その収益は全米国民に対する平等権を求める基金「American Foundation for Equal Rights」に寄付される。(text:Yuki Tominaga)© Abaca USA/AFLO■関連作品:おとなのけんか 2012年2月18日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開ホワイトカラー“知的”犯罪ファイル [海外TVドラマ]© 2011 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.J・エドガー 2012年1月28日より全国にて公開© 2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.glee/グリー踊る♪合唱部!? [海外TVドラマ]© 2009-2010 Twentieth Century Fox Film Corporation.All Rights Reserved.■関連記事:ナオミ・ワッツがダイアナ元英国王太子妃の伝記映画に主演C・イーストウッド、スーパーボウル中継で放映の出演CMにオバマ支援の意図はなし8割が「いままでのレオと違う!」『J・エドガー』試写会アンケート発表!レオ様、チャリティ・オークションにプレミア&パーティに同席できる権利を出品レオ×イーストウッド×ナオミ・ワッツが激論!『J・エドガー』超レア座談会<後編>
2012年02月16日野外の特設ステージにて繰り広げられる大沢たかおの朗読劇、一期一会。斬新でありながら日本の伝統美の香りを強く醸し出す刺激に満ちた舞台が、今年も幕を開けようとしている。昨年の『義経』に続く第2弾として大沢が選んだ演目は、シェイクスピア悲劇の名作『マクベス』だ。チケット情報稽古場では音楽を担当する吉田兄弟を始め、新・純邦楽ユニットWASABI、津軽三味線集団 疾風の面々が揃って、中央に立つ大沢に意識を集中させていた。大沢はシーンを細かく区切って進めながら、ところどころで音楽の雰囲気や緩急、踊り手の女性たちの動きなどに明解な指示を与えていく。時に笑いを誘ってなごやかに確認を終えると、瞬時にシーンに入り込み、語り手、マクベス、マクベス夫人…と多役を情熱的に演じ分ける。圧巻の切り替えの早さ、集中力。あえて演出のクレジットは出さないが、これはまさしく大沢たかお構成・演出の舞台なのだと再認識させられた。「“演出”なんて書かれたらこっぱずかしくて(笑)。基本的には朗読劇ですが、ただ本を読むだけではつまらない。どうしたらお客さんに楽しんでもらえるか。この朗読劇は僕にとって楽しめる時間なんです」。稽古の後、大沢はこの舞台がいかに自分にとって心躍る挑戦であるかを涼やかに語ってくれた。『マクベス』の選択理由は「起伏に富んだストーリーが描きやすいかな、と」。「ここに出てくるマクベスの出世欲をあおる魔女たちの囁きは、自分自身の心を投影した言葉だと思うんですよね。自ら蒔いた種によって歯車が狂って転落していく。人間誰にでも起こりうる展開が面白い」。胸に迫る津軽三味線の響き、絵画館前や大阪城といった歴史を抱える場所、衣裳においても、シェイクスピア作品をもり立てるテーマは“和”を強く感じさせるが……。「和というかアナログですね。可能な限り生の楽器の音色を聴いてもらい、僕も自分のできる限りのことをする。そしてお客さんの想像力を借りなければ成立しません。たまたまその日、その会場で出会った人たちとの間で奇跡が起きました、といった感じかな」。それこそが一期一会。「思いっきりやって自分の本業に戻っていきたい」という言葉からも、この舞台に立つのは単に俳優・大沢たかおではないようだ。では一体、何者?「遊び人、です(笑)。夏の終わりを風情のある場所で、皆さん一緒に遊びませんか?とね」。彼の遊び心に身を委ね、二度と巻き戻せない一期一会の時をとくと味わいたい。東京公演は8月26日(金)、27日(土)、明治神宮外苑・聖徳記念絵画館前特設ステージにて、大坂公演は9月3日(土)、4日(日)、大阪城西の丸庭園内特設会場にて上演。チケットは現在発売中。取材・文上野紀子
2011年08月24日去る6月11日(土)、ユニークなイベントに行ってきました。それは、第一回「キタコレ世音堂(ぜのんどう)」という朗読ライブ。単なる朗読劇なら、珍しくありませんが、3人の俳優たちによって朗読される物語は、3人の小説家たちがそれぞれ創作した短編作品で、その元になっているのが3枚のお題写真。つまり、別々の人間が“(自宅から1分以内の場所にある)新しい世界”というテーマに沿って撮影した3枚の写真すべてをインスピレーション源として、3人の小説家がそれぞれ自分なりに物語を創作していくのです。小説家に課せられたルールは3つ。1)お題写真3枚すべてを使って、物語を創作すること。2)文量は4,000字(原稿用紙10枚)以内のこと。3)最後の一行を、タイトルにすること。お題を与えられてから、小説家に与えられたのは3週間という短い時間。ほとんど“大喜利”状態です。このアイディアの源について、主宰者で作家の柴崎竜人さん(左下写真)はこう話しています。「落語の世界には、“三題噺”という催しがあります。寄席に集まった客のなかから3人を選び、それぞれにお題を出させ、その3つのお題をすべて使って即興落語を創作するイベントです。これを小説でもやってみたいと何年も前から思っていました。写真をお題にするというのは伝わりやすいし、同じお題を使うことで、作家の個性が出るのではないかと思ったんです」。確かに、3枚の写真から発想された3つの物語は、展開も、主人公たちも実に様々。同じ種(写真)から、全く違う花(物語)が咲くという有機性も素敵でした。写真を撮影したのは、「GyaO!」の取締役社長・川邊健太郎氏、タイの国民的作家でデザイナーのプラープダー・ユン氏、プロの専業主婦・保科和賀子さん。作家は、柴崎氏に加え、脚本家で作家の狗飼恭子さん、作家で女優の藤谷文子さん。それぞれの作品を読んだ俳優陣は、篠原ともえさん(柴崎作品)、宮本一粋さん(狗飼作品)、木下ほうかさん(藤谷作品)。俳優たちは作家たち自身が選んだそうで、狗飼さんによると「全員が、それぞれの第一希望だったんですよ」。聞いている者としては、目の前で、声によって立体的に浮き上がっていく文学を前に、こんな人が朗読したらどうだろう、この物語を男性が(もしくは女性が)朗読したらどんなだろうと、様々な可能性を考えずにはいられず、とても心躍るものでした。イベントで披露されたものは、よくある“綿密に練られた末に生まれたもの”の対極にある、“素敵な思いつきの結晶”であり、とても新鮮。目の前で展開する世界には、クリエイティブな世界にしばしば起こる素晴らしい偶然性のようなものがひしめいていました。写真を撮影した人物のひとり、川邊健太郎さんはライブ会場を訪れていて、終了後、「制約をつけて申し訳ない気持ちです。もう使わなくて結構ですという感じでした」とコメント。でも、イベントの第二部として、トークショーのために登場した3人の作家の満足気な表情を見ていて、彼らがその制約をとても楽しんでいるように感じました。制約があるからこそ生まれる、いままでにはなかった自由な発想を。以前、ある人気作詞家に話を伺ったことがありましたが、「制約があると、燃えますね。制限の中で、どれだけ自分らしさを出せるかが面白いし、挑戦しがいがある」と話してくれました。クリエイティブな才能とは、好き勝手に創造できるだけではなく、制限の中ですら、世界を無限に広げていけるチカラのことを言うのでしょう。そんなことも、実感できた一夜でした。この素敵な公演の収益は、「心のとしょかんプロジェクト」に全額寄付されるとか。3月11日以降、様々なチャリティイベントが開催されていますが、このイベントの目指すものをご紹介するために、最後に柴崎氏の言葉を引用しておきます。「なんでもかんでも311を引き合いに出して悲嘆に暮れるのはそろそろいいんじゃないか。と僕も思うけれど、もはや僕たちはあの日以前の世界に戻ることはできないし、いま日本に生きている人々の意識は、あの3月11日14時46分に、ひとつ残らず紐付けされてしまっている。世界は変わってしまった。それも決定的に。もはやシーベルトやらベクレルやらという単位を知らなかった頃の自分には戻れない。でも、僕らは結局こうして生きているわけだし、残る数十年を落ち込んだまま過ごせるほど、お人好しじゃないはずです。未来はテレビのなかの悲観論者やデマゴーグたちだけのものではありません。僕らだって未来を想像したいと思う。できれば楽しいことや、色っぽいことで満ちているような。その力が、あるいは新しい社会を作る創造力になるかもしれません。『あのコの隣に座りたい!』。そんな超個人的な想像だって、誰かを救う原動力になりえるはずです。この『キタコレ世音堂』は以前、作家仲間のあいだで試したことのある遊びでした。同じ写真を使っているのに、できあがってくる物語はまったく別。SF、ラブストーリー、サスペンス。その違いが面白かった。それは『同じ景色を見ているのに、受けとる美しさは人それぞれ』という世界の成り立ちそのものを、追体験しているような感覚でした。初回のキタコレ世音堂には、この遊びを面白いと感じ、共有してくれる友人たちに協力していただいています。いま僕らの目の前に広がっている景色は同じ。でも未来は好きなように想像できる。このイベントに触れた方々にとって、希望ある新しい世界を想像できるきっかけになれば幸いです」。第一回「キタコレ世音堂」の公演の模様は、7月には、Ustreamで放送予定。詳しくは、世音堂サイトへ。(text:June Makiguchi)「世音堂」公式サイト「心のとしょかんプロジェクト」公式サイト
2011年06月22日8月21日(土)公開の映画『NECK ネック』に出演している栗山千明の朗読によって6月に4週にわたってラジオドラマとしてTOKYO FM「RADIO DRAGON」でオンエアされた、作家・舞城王太郎(映画原案)の書き下ろし短編小説「NECK a story」が未公開の新エピソードとあわせて公式サイトで配信されることが決まった。映画はお化けを作り出す研究を進める大学院生・杉奈と、彼女の実験に巻き込まれた彼女に恋する後輩、人気作家、その担当編集者らの恐怖体験を描いた“胸キュンホラー”。舞城王太郎が原案を担当しており、同じモチーフによる別の物語が舞台としてすでに上演されているほか、異なる複数の物語の文庫化、劇中の人気作家・越前魔太郎の名義による小説の雑誌への掲載など、様々なメディア展開が行われる。今回、配信が決まったラジオドラマは、映画同様“ネック”すなわち“首”をモチーフに舞城さんが書き下ろした短編小説を、自身、舞城さんの大ファンという栗山さんが朗読する形でラジオドラマとして放送されたもので、6月の放送時は第1話から4話がオンエアされ、今回、新たに未公開の第5話を加えて配信される。ちなみに、こちらの短編小説は、先日より「NECK」というタイトルで講談社より刊行された文庫の中に「NECK a story」の名で所収されている。ラジオドラマは7月29日(木)より公式サイト上で配信開始。映画『NECK ネック』は8月21日(土)よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開。映画『NECK ネック』公式サイト■関連作品:NECKネック 2010年8月21日よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010『NECK』製作委員会■関連記事:お化けが生まれる仕組みを科学する?『NECK』特別映像が到着相武紗季、溝端淳平らがネック・マシーン除幕式でくいだおれ太郎と対面!舞城王太郎が『NECK』Twitter上で新小説の連載をスタート!小松彩夏5年間の“初恋”は「気持ちを確かめ合っただけ」ドキドキを体験!『NECKネック』カップル限定試写会に45組90名様ご招待
2010年07月29日