GACKTが主演の源義経と原案を務め、少女漫画界のヒットメーカーであるCLAMPが原作を描く舞台『MOON SAGA ~義経秘伝~』。2012年7月から東名阪・福岡の4都市で上演される本作の製作発表が、12月5日、都内で行われた。会場にはGACKTのほか、舞台のオリジナルキャラクターに扮する早乙女太一、巴御前役の大和悠河、演出の河原雅彦が登壇した。脚本は鈴木哲也が務める。“MOON SAGA”とは、GACKTが自身のソロライブで約10年間、また2003年の映画『MOON CHILD』でも表現してきた一連の物語。彼にとって“月”とは人間の存在意義を意味し、何もかも照らし出す“太陽”と違い、他者に対してほんの少し前を照らし、また人の背中を後ろから押してあげるような見守る存在を指すのだという。その“MOON SAGA”の物語のソースである源義経を舞台版時代劇ファンタジーへと昇華させ、今後は漫画、アニメなどメディアミックスの展開も予定。また日本に留まらず、台湾、中国、ヨーロッパ、アメリカと海外進出も視野に入れている。GACKTは義経や舞台について「多くの義経像が存在する中で共通しているのは、非常に仲間に恵まれていたこと、身内の愛を渇望しながらも身内に裏切られたこと。そして最後は哀しい結末を迎えること。これは起伏の激しい彼の人生のひとつのファクターなのではないか。また、彼と相まみえる仲間にも濃いキャラクターが多い。義経の魅力とともに、一緒に時代を駆け抜けた仲間たちにも魅力があることを舞台で感じてもらえたら」とコメント。また、殺陣については「殺陣は登場人物の感情表現の大きなところ。激しい立ち回りでも優雅で切なく哀しい。人を斬ることの苦しさが観ている方に伝えられたら」と独特の考えを語った。それを受けて、早乙女は「殺陣はこれまで感情表現としてやることはほとんどなく、剣舞として綺麗に見せていた。最近ではそれを崩そうとしていたので、この作品を通して新しい何かを見つけられたら」と期待を込める。また大和は「宝塚の男役時代に培ったものがこの作品で使えるんだなと思うと嬉しくなる。私も立ち回りは(GACKT同様)素敵なお芝居だと思う。全身全霊をかけて挑んでいきたい」と抱負を語った。東京公演は2012年7月15日(日)から29日(日)まで赤坂ACTシアターにて上演。その後、愛知・御園座、福岡・福岡市民会館、大阪・梅田芸術劇場と各地を回る。チケットは2012年3月1日(木)より一般発売。
2011年12月06日SAKEROCKの星野源が、長塚圭史脚本の舞台『テキサス-TEXAS』に主演することが決定した。この作品は、2001年に河原雅彦率いるHIGHLEG JESUSの俳優陣が総出演し、“HIGHLEG without JESUS/長塚JESUS”と銘打ち上演された舞台。今回、約11年ぶりに新しくプロデュース公演としてよみがえる。また、初演時は長塚が演出を務めたが、今回は河原が演出を担当する。物語は、東京からはるか遠く離れたとある田舎町を舞台に展開。6年ぶりに故郷へ帰ってきた遠藤マサル(星野源)。だが、家にいるはずの姉の姿が見当たらず、隣の部屋から出てきたのはマサルの同級生と見知らぬ女だった。見知らぬ女は、自分をマサルの姉だと言い張り、次々と現れる知人・友人も知らない顔だった。実は、村では整形が流行していたのだ。そんなおかしな状況の中、マサルは町伝統の闘鶏で勝って町の男になろうとするが、知らない間に「どちらかが死ぬまで闘う」というルールに変わっていた。マサルが周囲に集まるひと癖もふた癖もある人々と関わっていく中、すでに狂い始めていた静かな田舎町が、大きな音を立てて崩れていく……。公演は東京が3月中旬よりPARCO劇場にて、大阪が4月中旬よりシアター・ドラマシティにて上演。出演は星野のほか、木南晴夏、野波麻帆、岡田義徳らが挑む。チケットは1月下旬より一般発売する。
2011年11月17日ベストセラー作家・伊坂幸太郎のデビュー作を舞台化した『オーデュボンの祈り』が、9月30日(金)に東京・世田谷パブリックシアターにて幕を開ける。キャストとして名を連ねるのは、主人公の伊藤を演じる吉沢悠など個性派12人。初日前日の29日(木)には公開舞台稽古が行われ、演出のラサール石井と全キャストが囲み取材に応じた。『オーデュボンの祈り』チケット情報コンビニ強盗を起こした伊藤は、いつの間にか見知らぬ島に連れられて来ていた。その“荻島”は仙台沖に浮かぶ離島で、150年という長きに渡り、外界との交流を絶ってきたらしい。それだけに島で暮らすのは不可思議な人々ばかり。しかも外界にはない、独自のルールが存在している。そんな中、島の住人・日比野(河原雅彦)の案内で、かかしの優午(筒井道隆)のもとへとやって来た伊藤。人間の言葉を話し、未来が予知できるという優午であったが、その後、何者かによって殺されてしまう。ファンタジー的な世界観の中に、ミステリー要素を取り入れた本作。現実と非現実をさまよっているかのような“荻島”は、もともと、活字だからこそ表現できた場所に違いない。だがシンプルでありながら想像力をかき立てる舞台装置。キーワードの鳥を効果的に表現した背景幕の映像。ブレヒト幕(=左右に動く幕)を使った素早い舞台転換。それら演劇ならではの手法が化学反応を起こし、荻島という魅惑の地を、見事舞台上に現出させている。それはもちろん、演劇を知り尽くした演出家だからこその成せる業。一番の見どころとしてラサールは、「この難物な伊坂ワールドを、どれだけ僕たちが演劇化しているか」と語っていることからも、その力の入れようをうかがうことができる。そして荻島をより魅力的に彩っているのが、キャストたち。その役柄同様、まったくと言っていいほど個性の異なる面々だが、それらが組み合わさったときに奏でられるメロディの心地よさに、正直驚かされた。またそれぞれが、個々としての存在感も十分に発揮。自らの存在意義と真っすぐに向き合った伊藤役の吉沢。かかしに優しさと哀しさの感情を吹き込んだ筒井。ひょうひょうとした中に悲哀をにじませた日比野役の河原。ほかにも石井正則、小林隆、陰山泰など、実力派たちがしっかりと脇を固めている。やがて、荻島に足りなかったピースがはまり、“大切なもの”が島を満たしていく。だが物語はそれで終わりではない。ラサールはこう語る。「伊坂さんの作品には、どこか読者に対して放りっ放しのようなところがある。だからそこはお客さま自身にお考えいただきたいですね」と。観客それぞれに芽生えた感情のピースをもって、真のラストを迎える『オーデュボンの祈り』。その画はさまざまなれど、爽やかな風が吹いていることは間違いないだろう。石井光三オフィスプロデュース『オーデュボンの祈り』は、9月30日(金) から10月12日(水)まで東京・世田谷パブリックシアターで上演。その後、札幌、大阪、仙台の各都市をまわる。チケット発売中。取材・文:野上瑠美子
2011年09月30日伊坂幸太郎のデビュー作を舞台化した「オーデュボンの祈り」の公開稽古が9月29日(木)、東京・三軒茶屋の世田谷パブリックシアターで行われ、主演の吉沢悠を始め、筒井道隆、河原雅彦、石井正則、小林隆、武藤晃子、小泉深雪、寺地美穂、町田マリー、春海四方、玉木玲央、陰山泰のキャスト総勢12名と演出を務めるラサール石井が出席した。コンビニ強盗を起こした男性、反対のことしか喋らない元画家、殺人を許された男、地面の音を聞く男、人語を話し未来を語る案山子らの物語が少しずつ交錯。150年前より外界との交流を絶ち、鎖国状態にある島でそれぞれの運命が動き出す。明日からいよいよ東京公演の開幕となるが、「だいぶバタバタしています」とラサールさんは苦笑い。「ついこないだまで感触は豆腐を握っているようだったんですが、いまはこねたソバ、明日には野球の軟球くらいになっていると思います」と手応えを明かす。吉沢さんは「ラサールさんのビジョンがあり、みなさんの意見も取り入れつつ作り上げていってます」と現場の様子を明かした。ほぼ出ずっぱりで、セリフの量も膨大ということだが「原作を読んだ方も『どうやって舞台に?』と期待されていると思いますが、演劇的な表現を楽しんでほしい」と自信をのぞかせた。キャストの意見を取り入れつつということで、現場での変更もかなり多いようで筒井さんは「楽しんでやってます。結構、変更が多いのでそれに対応しきれず…(苦笑)。何とかご要望にそえられるようにしたいです」と意気込みを語った。東京、北海道、大阪に続き、伊坂さんの故郷であり、物語の舞台からもほど近い仙台での公演も行われる。キャストなどの概要が決定した後に、現地の受け入れの意向も確認した上で「『行きたいね』、『行こう』ということになった」(ラサールさん)という。改めてラサールさんは「ことさらに(震災を)意識する必要はないですが、とはいえ、観る側もやる側も意識せずにはいられないと思います」と語り、作品で掲げられる“future(未来)”という言葉に触れ「未来に向かって祈る、希望を持つということを伝えられたら」と思いを明かした。「オーデュボンの祈り」東京公演は9月30日(金)から10月12日(水)まで世田谷パブリックシアターにて。北海道公演は札幌市教育文化会館にて10月19日(水)、大阪公演はサンケイホールブリーゼにて10月22日(土)、23日(日)、宮城公演は10月25日(火)、電力ホールにて開催。
2011年09月29日覆面作家として活躍する舞城王太郎の原案を映画化した『NECK ネック』の“ファーストプロット”、つまり最初に書き上げられた物語を映像化した特別映像の一部が到着した。本作はネック…すなわち“首”をモチーフに舞城さんが舞台、映画のために書き上げた物語で、舞台版は河原雅彦演出、溝端淳平主演ですでに上演され、好評を博した。舞台版とは異なる物語となっている映画版では、舞台版と同じく溝端さんが出演するほか、相武紗季、平岡祐太、栗山千明らがキャストに名を連ね、「お化けの製造」の研究にまつわる“胸キュンホラー”が展開する。今回到着した映像は、舞城さんが書き上げたファーストプロットを基に、2008年に撮影されたテスト映像を、舞城さんの責任の下で編集したもの。首から下を地面に埋められた男たちが登場し、映画とは全く違ったやや暗めのテイストによる映像が映し出される。映像ファイルは全部で18本あり、ここで紹介しているのは最初の3本。3本のファイルはそれぞれ「NECK_IS」、「NECK_SB」、「NECK_BN」という名前がついているが、残りの15本にも全て名前が付けられており、この18本の名前がアナグラムになっていて、並べ替えると作品に関わるある言葉が完成するという。こちらの全ての映像は公式サイトで公開されるほか、8月10日(火)よりYouTubeでも公開される。果たしてこの暗号にはどんな言葉が隠されているのか?そしてこの謎の映像の意味は?劇場公開を前にますます謎が広がる『NECK ネック』。映画の公開は8月21日(土)よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:NECKネック 2010年8月21日よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010『NECK』製作委員会■関連記事:栗山千明が朗読した『NECK』ラジオドラマが未公開エピソードを加えて配信決定!お化けが生まれる仕組みを科学する?『NECK』特別映像が到着相武紗季、溝端淳平らがネック・マシーン除幕式でくいだおれ太郎と対面!舞城王太郎が『NECK』Twitter上で新小説の連載をスタート!小松彩夏5年間の“初恋”は「気持ちを確かめ合っただけ」
2010年08月09日覆面作家・舞城王太郎が原案を手がけた映画『NECKネック』が8月に公開されるが、これに先駆けて本日7月16日(金)より本作の公式Twitter上で、舞城さんが新たな小説「NECK the seventh」の連載を開始することが分かった。映画『NECKネック』は独自の研究でお化けを作り出そうとする女の子・杉奈と彼女に恋する大学生の首藤友和、杉奈の幼なじみで人気小説家の越前魔太郎と彼の担当の美人編集者・赤坂英子の4人の恐怖体験を描いた“胸キュンホラー”。映画と同じ溝端淳平を主演に配し、すでに舞台作品(演出・河原雅彦)が上演されているが、舞城さん曰く「同一のモチーフによる別のストーリーの作品」になっているという。また、本作に関しては、ほかにも様々なメディア展開が発表されており、映画、舞台とはまた異なる物語を収めた文庫小説が講談社文庫より発売されるほか、劇中の越前魔太郎名義による作品が文芸雑誌「メフィスト」に掲載されることなどが決まっている。さらに今回、ついに日本人ユーザーが1,000万人を突破したTwitter上でしか読めないという異色の新連載が決定!Twitter上ということで、当然のことながら1度のつぶやきは140字以内となるが、こうした条件にもかかわらず舞城さんは執筆を快諾したという。気になる物語は探偵もの!探偵・台無策太郎(だいぶさくたろう)が、録音技師の殺人事件の捜査で犯人と思しき男を追い詰めるのだが、そこには更なる深い闇が…!7月16日(金)から8月15日(日)までの連載で1日に4回更新される予定だという。これまで、様々な形で文学界をにぎわせてきた“異端児”の新たな挑戦に映画と併せて期待が集まる。『NECKネック』は8月21日(土)よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開。「NECK the seventh」著者:舞城王太郎連載予定期間:7月16日(金)〜8月15日(日)※1日4回(12:00/15:00/18:00/21:00)更新を行う予定アドレス:※『NECKネック』公式Twilog()にてつぶやきをブログ形式で保存■関連作品:NECKネック 2010年8月21日よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010『NECK』製作委員会■関連記事:小松彩夏5年間の“初恋”は「気持ちを確かめ合っただけ」ドキドキを体験!『NECKネック』カップル限定試写会に45組90名様ご招待ドキドキ満載“胸キュンホラー”『NECK』携帯クリーナーを10名様プレゼント溝端淳平首だけの演技にトラウマ?「テンション下がる…」覆面作家・舞城王太郎が出版界をジャック!数種類の「NECK」の物語を楽しめる
2010年07月16日覆面作家・舞城王太郎の原案を舞台化、映画化した『NECKネック』。舞台版は今年2月に東京の青山円形劇場で上演され、連日多くの観客が詰めかけたが、こちらの作品の2週間限定での映画館のスクリーンでの上映が新宿バルト9で始まった。初日となった6月26日(土)、舞台版、映画版ともに出演している溝端淳平、舞台版の演出の河原雅彦による舞台挨拶が行われた。8月21日(土)公開の映画版では、“NECKマシーン”と呼ばれる装置を使ってお化けを作り出そうとする大学院生と、その研究に付き合わされることになった周囲の人々が巻き起こす騒動が描かれるが、舞台版でも同じモチーフで異なる物語が展開する。上映後に登場した溝端さんが、客席に向けて「怖かったですか?」と問いかけると「怖かったー!」との声が。これに満足そうにうなづき「でも笑える面白い部分もあったでしょ?楽しんでもらえたなら嬉しいです」と笑顔を見せた。溝端さんにとっては今回が舞台初挑戦となったが「首だけを出して、体はずっと埋まっていたのが大変でした。動きのある演技ができないし、アドリブを入れられたりすると分からなくなってしまうので、一言一言のセリフを間違えないようにしましたね。大変でしたけど勉強になりましたし、楽しかったです」と充実した表情。溝端さんについて尋ねられた河原さんも「素晴らしかったに決まってるじゃないですか!(共演の)市川しんぺーが、野球の素振りをする場面があるんですが、しんぺーさんに素振りを熱血指導したのが溝端くんです。あと、のどが強いよね。長い公演で、しかも主演で喋りっぱなしなので心配していたんですが、もったもんねぇ。若さかね」としみじみ語ると会場からは笑いがわき起こった。のどに関しては溝端さん曰く「途中で1回調子が下がったんですが、盛り返しました」とのことだが、河原さんが「朝、溝端くんが楽屋入りすると、僕が溝端くんののどに薬をスプレーしてたんですが、それを嫌がる顔が…可愛かった」と語ると再び会場は笑いに包まれた。8月に公開の映画についてコメントを求められると、溝端さんは「舞台版の方が舞城先生の世界観がより出ていると思うのですが、映画はもっとポップで、遊園地のお化け屋敷に入ったような感じで怖さが後を引かないんです。しかも笑えて楽しめるので珍しいと思います」と舞台とは違った魅力を明かしてくれたが、“NECKマシーン”に入るのはもうこりごりのようで「映画の完成披露でNECKマシーンに入ったのですが、すごく…テンションが下がりました」と本音を漏らした。最後に行われた写真撮影では、場内が突如、暗転し、映画版のキャラクター“ゆかりちゃん”が花束を持って登場!2人と共に写真に収まった。舞台版「NECKネック」上映は新宿バルト9にて7月9日(金)まで、大阪・梅田ブルク7にて7月17日(土)より7月30日(金)まで公開。映画『NECKネック』は8月21日(土)よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:NECKネック 2010年8月21日よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010『NECK』製作委員会■関連記事:覆面作家・舞城王太郎が出版界をジャック!数種類の「NECK」の物語を楽しめる溝端淳平相武紗季に胸キュン「男らしくてかっこいい!」相武紗季×溝端淳平『NECK』主題歌に今年注目の新人MAGIC PARTY“好青年”返上?溝端淳平が携帯ドラマで初の不良役に挑戦ヒロインは蓮佛美沙子相武紗季の背後に忍び寄る不審な女性…『NECK』大パニックのクランクアップ!
2010年06月28日独特の文体、ストーリー展開で読者の熱狂的な支持を集めるとともに、文壇で物議を醸し続ける作家・舞城王太郎の原案による映画『NECK ネック』。この公開を記念して「講談社・夏の舞城王太郎まつり」が開催されることが決まった。舞城王太郎は1973年生まれ、福井出身といった断片的な情報以外は謎に包まれた覆面作家。2001年に「煙か土か食い物」でメフィスト賞を受賞しデビューを果たし、「阿修羅ガール」で2003年に三島由紀夫賞受賞。その実力が高く評価される一方で、若者言葉を発展させたような独特の口語体の多用などが“舞城否定派”を生むことに――。2度にわたって芥川賞の候補に名を連ねたが、中には作品を全く評価しない選考委員もおり、最も文壇を悩ませる作家の一人である。『NECK ネック』は、そんな舞城さんの原案を映画化した作品で「映像化不可能」と言われてきた舞城作品にとって初の映画となる。また、舞台版がこの2月に、映画と同じく溝端淳平をキャストに迎え、河原雅彦の演出で上演された。今回、開催が決まった「講談社・夏の舞城王太郎まつり」では、舞城王太郎が夏の出版界をジャック!まず、7月6日(火)に講談社の100周年を記念して、講談社ノベルスより書き下ろしで「獣の樹」を刊行。その後、7月15日(木)には講談社文庫より「NECK ネック」が発売されるのだが、これは舞台、映画の単なるノベライズにあらず!映像化を前提に書いた“首”にまつわる物語…“オリジナルバーション(こちらを2月に舞台化)”に加え、映画に向けて書き下ろした“セカンドバージョン”、さらに最終的に映画の原案となった“サードバージョン”に、今回の文庫化にあたり、映像とは全く切り離して書き下ろされた「a story」という異なる4つの首の物語が収録されているのだ。舞城さん自身による渾身の絵コンテ(写真)も掲載されている。そして、7月中に文芸誌「群像」に短編作品を掲載し、8月15日(日)には「IN☆POCKET」に先述の文庫版とはさらに異なる「小説NECK」を掲載する予定。さらに、文芸雑誌「メフィスト」には映画の中に登場する作家・越前魔太郎名義の作品が掲載される。これは、実は複数の豪華執筆陣によるシリーズ作品となっており、9月にはいよいよ舞城さん自身が“越前魔太郎”として執筆することになるという。舞城さん自身も驚愕しているというこの大量刊行。映画も楽しみだが、この夏、小説で舞城ワールドにどっぷり浸かり、それぞれの作品を比べてみるのもいいかも。© 舞城王太郎『NECK ネック』は8月21日(土)よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:NECKネック 2010年8月21日よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010『NECK』製作委員会■関連記事:溝端淳平相武紗季に胸キュン「男らしくてかっこいい!」相武紗季×溝端淳平『NECK』主題歌に今年注目の新人MAGIC PARTY“好青年”返上?溝端淳平が携帯ドラマで初の不良役に挑戦ヒロインは蓮佛美沙子相武紗季の背後に忍び寄る不審な女性…『NECK』大パニックのクランクアップ!舞城王太郎「NECK」映画&舞台化で相武紗季、溝端淳平、栗山千明、平岡祐太ら出演
2010年05月29日独特の文体とストーリー展開で、多くの読者の支持を受けると同時に、文壇を悩ませる作家・舞城王太郎の書き下ろしの原案を相武紗季、溝端淳平、栗山千明、平岡祐太というフレッシュなキャスト陣を迎えて映画化した『NECK』が来年の夏に公開されることが発表された。「煙か土か食い物」で2001年にメフィスト賞を、「阿修羅ガール」にて第16回三島由紀夫賞を受賞、「好き好き大好き超愛してる。」は芥川賞の候補に挙がるなど、華々しい経歴を持つ一方で、その特異な文体と構成が、一方で称賛を、一方では酷評をといった具合に賛否を呼ぶ舞城王太郎。覆面作家として活躍する彼が、このたび「同一モチーフの全く別のストーリー」(本人談)という2本の新作を書き上げた。それは「NECK」という題名で一つは舞台化、もう一つは映画化されることになった。独自の研究でお化けを作り出そうとするちょっと変わった女の子・杉奈と彼女に恋する大学の同級生・首藤友和、杉奈の幼なじみの人気作家・越前魔太郎、魔太郎の担当の美人編集者の4人を中心とした“恐怖”の物語が展開される。映画版で主人公の杉奈を演じるのは相武紗季。友和に溝端淳平が扮する。この2人は、前クールで好評を博した月9ドラマ「ブザービート」でも共演しており、再共演に注目が集まる。また作家の魔太郎には平岡祐太、担当美人編集者に栗山千明とこちらも昨今、映画にCMに引っ張りだこの2人とあって、公開前から期待が高まる。ちなみに、溝端さんは映画版のみならず、河原雅彦の演出による舞台版にも出演。こちらでは酒井という役名で映画と同じく中心の4人のうちの1人を演じるということで、舞台では板尾創路らと共演することになるという。今回の製作発表に際し、相武さん、溝端さんのコメントも到着。相武さんによると「(杉奈は)見た感じも白衣を着てたり、髪型もちょっとイメージチェンジを図ってます」とのこと。また、初めてのホラー映画挑戦に関しても「(ホラーの中にも)恋の“胸キュン”があったり、ただ怖いだけではない、色々な要素がある作品」と語っている。溝端さんは、自身が演じる首藤を「マイペースな杉奈に恋をして、振り回されまくる子犬のような青年」と称し、作品についても「観た人が爽快さを感じたり、笑ったりしながら、ブルッと震えてしまうような作品になる、誰も観たことがない“胸キュンホラー”」と期待を語る。監督は「永遠の仔」、「天国への階段」、「ランチの女王」、「不機嫌なジーン」などの人気ドラマの演出を手掛けてきた白川士(たけし)。本作で初めて長編映画のメガホンを握る。これまで「映像化不可能」、「映像に不向き」といった声を浴びてきた“異端児”舞城王太郎作品だが、舞台でそしてスクリーンでどのような形で表現されるのか?『NECK』は先日より撮影が始まり、11月末にクランクアップし、来年のゴールデンウィークの完成を目指している。公開は来夏、シネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて。舞台版「NECK」は青山円形劇場(東京・青山)にて2月12日(金)より公演開始。2010年は舞城王太郎「NECK」旋風が到来する?■関連作品:NECK 2010年夏、シネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開
2009年11月13日