開催中の第68回カンヌ映画祭“ある視点”部門で黒沢清監督の新作『岸辺の旅』が公式上映され、夫婦役を演じた深津絵里と浅野忠信、そして黒沢監督がレッドカーペットと舞台あいさつに登壇した。その他の写真『岸辺の旅』公式上映は現地時間5月17日の夜に行われ、3人がレッドカーペッドに登場すると、観客や各国から集まった多くの記者から「クロサワ!フカツ!アサノ!」のコールが巻き起こった。上映終了後には5分以上にわたるスタンディングオベーションがおくられ、さらに、感激した観客が会場の外でも彼らに熱い拍手をおくった。深津は「初めてのカンヌ国際映画祭でのレッドカーペッドは、とても緊張しました。公式上映後には、たくさんの方にとてもあたたかい拍手を頂き、撮影中も夢の中のようでしたが、まさに今日も夢の続きにいるかのような気持ちになりました。作品に描かれている愛が、じわじわとしみこんでいるような、あたたかい拍手でした」と話した。浅野は「黒沢監督作品では、俳優としての転機にもなった『アカルイミライ』以来のカンヌでしたが、多くの方々にあたたかく迎えて頂き、映画で描かれたひとつのすばらしい愛のかたちが伝わったかと思いました」とコメント。黒沢監督は、「なにより嬉しかったのは、公式上映後のスタンデイング・オベーションの後に、会場の外でも多くの方が残って頂いていて、たくさんの拍手で迎えられたことです」と話し、「あたたかい拍手で、本当に感激しました。深津さん、浅野さんが出演して下さることが決まってから、この映画は大丈夫だと思っていましたが、こうして一緒にカンヌに来られて嬉しいです」と語った。黒沢監督は『トウキョウソナタ』で第61回カンヌ映画祭“ある視点”部門の審査員賞を受賞しており、本作にも大きな注目が寄せられている。また、ヨーロッパでは、フランスの配給会社Version Original(バージョンオリジナル)により、今秋、国内で100~150館規模での公開が予定されている。『岸辺の旅』10月1日(木)テアトル新宿ほか公開
2015年05月20日俳優の高良健吾と女優の尾野真千子が主演する、呉美保監督作『きみはいい子』(6月27日公開)が、6月19日から26日まで開催される第37回モスクワ国際映画祭のコンペティション部門に、日本映画では唯一出品されることが19日、わかった。同映画祭は、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンと並ぶ世界四大映画祭の1つとして知られ、ロシアのモスクワで開かれている。近年では、2013年に『さよなら渓谷』(大森立嗣監督)が審査員特別賞を、そして昨年は『私の男』(熊切和嘉監督)が金賞、最優秀男優賞を浅野忠信が受賞。呉監督は、前作『そこのみにて光輝く』でのモントリオール世界映画祭最優秀監督賞に続いての国際映画祭での受賞となるか、注目が集まる。呉監督は今回の選出を受け、「日本の、どこにでもある町の、どこにでもいる人を描きながら、この映画はもしかしたら、世界のどこかのだれかにも通じるのではと、その『だれか』にこそ見てもらえたらと、こっそり思っていました」と明かす。そして、「日本での公開直前に、モスクワでのコンペ上映だなんて、ワクワクさせてもらえることに心から感謝です」とコメントを寄せた。本作は、第28回坪田譲治文学賞、2013年本屋大賞4位に輝いた同名小説(著:中脇初枝)が原作。子供にまつわる現代の問題をはらみながらも人が人を愛することについて描き、高良は問題に真っ向から立ち向かえない新米教師、尾野は自身も同様の経験をしているにもかかわらず子どもに手をあげてしまう母親を演じる。(C)2015「きみはいい子」製作委員会
2015年05月19日6月19日~26日に開催される第37回モスクワ国際映画祭のコンペティション部門に、『そこのみにて輝く』の呉美保監督最新作『きみはいい子』が、日本で唯一の出品作品に選出されたことが、このほど明らかとなった。まじめだが優柔不断で、問題に真っ正面から向き合えず肝心なところで一歩を踏み出すことができない新米の小学校教師・岡野(高良健吾)。近所のママ友たちとの表面的な付き合いの陰で自分の娘に手をあげ、自身も親に暴力を振るわれていた過去をもつ雅美(尾野真千子)。他人と会話をかわすのは、登下校の途中で挨拶をしてくれる名前も知らない小学生のみ、最近感じはじめた認知症の兆しにおびえる独居老人・あきこ(喜多道枝)。とあるひとつの街に暮らし、さまざまな局面で交差しながら生きているおとなと子どもたち。悩みや問題を抱えて生きる彼らが、人と人とのつながりに光を見いだし、小さな一歩を踏み出す姿を、真摯にそして丁寧に映し出す再生と希望の物語。綾野剛を主演に迎えた『そこのみにて光輝く』で、モントリオール世界映画祭最優秀監督賞を始めキネマ旬報ベストテン監督賞など昨年度の日本映画賞を総なめにした呉美保監督が、第28回坪田譲治文学賞、2013年本屋大賞第4位に輝いた中脇初枝の名著を映画化する『きみはいい子』。マスコミ試写会では「号泣しました」「今年のナンバーワン!」「家族をつくりたくなりました」などといったと感動と称賛の声が沸き、詩人の谷川俊太郎やジャーナリストの増田ユリヤといった各界著名人からも絶賛の声が上がるなど、大きな注目を集めている。モスクワ国際映画祭では、近年日本からの出品作品として2013年に『さよなら渓谷』(大森立嗣監督)が審査員特別賞、昨年は『私の男』(熊切和嘉監督)が金賞、最優秀男優賞(浅野忠信)を受賞している。今回の出品決定にあてて、呉監督は「日本の、どこにでもある町の、どこにでもいる人を描きながら、この映画はもしかしたら、世界のどこかのだれかにも通じるのではと、その“だれ”かにこそ見てもらえたらと、こっそり思っていました。モスクワ映画祭コンペティション部門への出品が決まったとお聞きし、そんなわたしの願いが早くも通じたようで、とってもうれしいです。日本での公開直前に、モスクワでのコンペ上映だなんて、ワクワクさせてもらえることに心から感謝です」とコメントしている。ディスコミュニケーションが叫ばれる現代社会における子どもとおとなの問題を描きながらも、「ひとがひとを愛するということ」を真摯に、丁寧に紡ぎあげた本作。今回の出品で、呉美保監督にとっては前作『そこのみにて光輝く』に続く国際映画祭での受賞となるか、大きな期待がかかる。『きみはいい子』は、6月27日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:きみはいい子 2015年6月27日より、テアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2015「きみはいい子」製作委員会
2015年05月19日黒沢清監督の『岸辺の旅』が5月17日夜(現地時間)、第68回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で公式上映され、主演の深津絵里、浅野忠信、黒沢清監督が登場した。映画は、失踪した夫を待つ妻のもとへ、3年ぶりに夫が帰ってくる。しかし、夫は「俺、死んだよ」と言い、妻と最後に旅をしたいと持ちかける…というストーリー。上映後には5分以上に渡るスタンディング・オベーションを受け、深津さんたちも感無量の面持ちだった。深夜に行われた上映後の取材では、「撮影中も夢の中のようでしたが、まさに今日も夢の続きの中にいるかのような気持ちになりました。あたたかい拍手でした」(深津さん)、「あんなにたくさん拍手をいただけて嬉しかったです。監督が描いた、愛のかたちが伝わったと思います」(浅野さん)、「上映会場の外でも話しかけられ、あの拍手は本物だと思いました」(黒沢監督)と感激を語った。フランスでは人気の高い黒沢清作品だが、カンヌでの公式上映は意外にも同部門で審査員賞を受賞した『トウキョウソナタ』以来、7年ぶり。7年前に上映時には、黒沢監督夫人が日本で入院中ということで、愛妻家で知られる監督は一晩のみで滞在を切り上げるという慌ただしさだった。今回はお元気になられた夫人も同伴。配偶者との関係を深く掘り下げていることについて聞くと、「自分のことを話すのは恥ずかしいですが、やはりどんな作品にも僕自身が出ているんだと思います」と照れ笑いを浮かべていた。「ある視点」部門はコンペティション部門に対し、若手のフランス国内配給を支援することを目的に設立された部門だったが、年々、大物が参加するようになり、今年はコンペの常連がずらり。アピチャッポン・ウィーラーセタクンや河瀬直美なパルムドールやグランプリ受賞者もある視点部門にまわっており、まるでもう一つのコンペといった様相を呈している。「ある視点」部門の受賞結果は23日(現地時間)に発表される。(text:Ayako Ishizu)
2015年05月19日現在開催中の第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式招待された映画『岸辺の旅』。本作でメガホンを握る 黒沢清監督、W主演で夫婦役を演じる深津絵里&浅野忠信がレッドカーペットと舞台挨拶に登場した。2010年に発表された湯本香樹実の同名小説を、世界的名匠である黒沢清監督が映画化したもの。本作は、“死んだ夫との旅”を描く内容。3年前に失踪した夫の突然の帰還と「俺は死んだよ」という言葉。夫が過ごした最期の時間をめぐる、言えなかった「さようなら」を伝えるための夫婦ふたりの旅が始まる。日本映画界を代表する2人が初めて夫婦を演じる“究極のラブストーリー”だ。背中が大きく開いた美しいブラックドレスに身を包んだ深津さんと長身を生かしたスマートなタキシードに丸坊主姿の浅野さんがレッドカーペットに登場すると、観客から大きな声援と共に、世界各国から集まった100台以上のカメラのフラッシュが一斉にたかれ、TVクルーたちからは「クロサワ!フカツ!アサノ!」のコールが巻き起こった。公式上映終了後、場内では5分以上にもわたりスタンディングオベーションが沸き起こり、会場外でも感激した観客が3人を待ちうけさらに5分以上のスタンディングオベーションが続いたそう。初めてのカンヌ入りを果たした深津さんにとっても、感無量の体験となったようだ。(text:cinemacafe.net)
2015年05月18日女優の深津絵里と俳優の浅野忠信が18日(現地時間17日)、フランス・カンヌで開催されている第68回カンヌ国際映画祭に出席し、「ある視点」部門に正式招待されている黒沢清監督作品『岸辺の旅』(10月1日公開)の舞台あいさつを行った。背中が大きく開いたブラックドレスに身を包んだ深津と、タキシード姿の浅野がレッドカーペットに登場すると、世界中から集まった観客たちから大喝采が巻き起こった。さらに、100台以上のカメラのフラッシュが一斉にたかれ、世界中のTVクルーからは「クロサワ! フカツ! アサノ!」の熱烈なコールが上げられた。公式上映が終わると、場内では5分以上にわたるスタンディングオベーションが。加えて、会場外でも5分以上の熱いスタンディングオベーションが続けられ、3人もその反響の大きさに感無量の表情を見せた。今回が初のカンヌ入りとなった深津は、「初めてのカンヌ国際映画祭でのレッドカーペットは、とても緊張しました」と感想を語り、「公式上映後には、たくさんの方にとてもあたたかい拍手を頂き、撮影中も夢の中のようでしたが、まさに今日も夢の続きにいるかのような気持ちになりました。作品に描かれている愛が、じわじわとしみこんでいるような、あたたかい拍手でした」とコメントを寄せた。黒沢監督作品では、『アカルイミライ』(2003年)以来のカンヌとなった浅野は、「多くの方々にあたたかく迎えていただき、映画で描かれた、1つのすばらしい愛のかたちが伝わったかと思いました」と感慨深げ。上映後のスタンディングオベーションには、「あんなに多くの拍手をいただき、たくさんの拍手に祝福していただけて、すごくうれしかったです」と、喜びを語った。『トウキョウソナタ』(2008年)では、第61回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」で審査員賞を受けた黒沢監督。ヨーロッパでも絶大な人気を誇る黒沢作品だけに、「なによりうれしかったのは、公式上映後のスタンディングオベーションの後に、会場の外でも多くの方が残っていただいていて、たくさんの拍手で迎えられたことです」と、その好反響ぶりを振り返った。本作の原作は、作家・湯本香樹実の同名小説で、3年間失踪していた夫・優介(浅野)が妻・瑞希(深津)を連れて、失踪中に世話になった人々を訪ねて行く物語。瑞希はその旅で、それまで知らなかった優介の姿を知ることになる。優介はなぜ突然帰ってきたのか、そして優介が伝えたかったこととは。黒沢監督が"究極の夫婦愛"を描く。(C)Kazuko Wakayama(C)2015「岸辺の旅」製作委員会/ COMME DES CINEMAS
2015年05月18日女優の深津絵里と俳優の浅野忠信がW主演を務める黒沢清監督映画『岸辺の旅』(10月1日公開)の追加キャストが、このほど発表された。発表されたのは、女優の蒼井優、俳優の柄本明、小松政夫ら実力派3名。蒼井は連続ドラマW『贖罪』で黒沢監督とタッグを組んでいるが、映画出演は初めて。浅野演じる、優介の過去の秘密を知り、瑞希(深津)と対峙していくことになる松崎朋子を演じている。柄本は、『ドッペルゲンガー』(2003年)以来、実に12年ぶりの黒沢組出演、小松は黒沢監督の作品への参加は、これが初めてとなる。原作は作家・湯本香樹実の同名小説で、3年間失踪していた夫・優介が妻・瑞希を連れて、失踪中に世話になった人々を訪ねて行く物語。瑞希はその旅で、それまで知らなかった優介の姿を知ることになる。優介はなぜ突然帰ってきたのか、そして優介が伝えたかったこととは。黒沢監督が"究極の夫婦愛"を描く。さらに、本作が13日より行われる第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門へ正式招待されたことも決定。主演の深津は「黒沢監督の世界観と、キャスト、スタッフみんなのエネルギーが海を渡る…。なんてすてきなことなのでしょう。本当にうれしいです」と喜びを語った。一方の浅野も「スタッフの皆さんとキャストの方々、黒沢監督、そして深津さんと共に過ごした夢のような時間がフランスの方たちにも届いた喜びを実感しています」とコメントを寄せた。(C)2015「岸辺の旅」製作委員会/ COMME DES CINEMAS
2015年05月11日5月13日(現地時間)より開催される第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式招待されている、深津絵里&浅野忠信W主演、名匠・黒沢清監督による『岸辺の旅』。このほど、本作の初日が10月1日(木)の映画の日に決定。さらに小松政夫、蒼井優、柄本明といった豪華キャストの参加が明らかとなった。夫の優介(浅野忠信)が失踪してから3年。妻の瑞希(深津絵里)は喪失感を経て、ようやくピアノを教える仕事を再開し、日々を暮らしていた。そんなある日、突然、夫が帰ってくる。瑞希に「俺、死んだよ」と告げる優介。そして「一緒に来ないか、きれいな場所があるんだ」という夫に誘われるまま、瑞希は夫婦2人で旅に出ることに。それは、夫が3年間でお世話になった人々を訪ねていく旅だった。1つめの町では新聞配達を生業とする孤独な初老の男性を、2つめの町では小さな食堂を営む夫婦を、3つめの町では山奥の農園で暮らす家族を訪ねる2人。旅を続けるうちに、瑞希はそれまで知らなかった優介の姿も知ることになる――。夫との失われた時を巡るように過ごした妻が、言えなかった「さようなら」を伝えるための旅路で気づく深い愛。本作は、そんな愛する人との永遠の別れを描く究極のラブストーリー。湯本香樹実が手がけた同名小説を、国内外に多くのファンを持つ黒沢監督が映画化した。夫婦の旅の中で登場する新聞配達員の島影には、黒沢作品に初出演となる小松政夫。優介の過去の秘密を知り、瑞希と対峙していくことになる松崎朋子に、連続ドラマW「贖罪」で黒沢監督とタッグを組んだ蒼井優。「贖罪」は再編集され、ヴェネチアやトロントといった映画祭などで上映されたものの、蒼井さんの出演は“映画”としては初めて。また、優介を先生と慕う農家を営む星谷には、柄本明。2003年の『ドッペルゲンガー』以来、実に12年ぶりの黒沢組への参加となる。3人ともに「黒沢監督の作品に出演することができて嬉しい」とその喜びを語っており、『悪人』で第34回モントリオール世界映画祭「最優秀女優賞」を受賞した深津さんと、『私の男』で第36回モスクワ国際映画祭「最優秀男優賞」を受賞した浅野さんとの共演も大きな見どころとなっている。なお、本作は、フランス国内でも100~150館規模での公開を今秋に予定しているという。『岸辺の旅』は10月1日(木)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月11日連休を利用して見るべき美術展・展覧会をご紹介。まずおすすめしたいのは、六本木の森美術館のリニューアル・オープンを記念して開催されている「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」。これは、パリのポンピドゥー・センター分館「ポンピドゥー・センター・メス」が「エルメス財団」とコラボレーションして昨年開催されたものが、日本展として巡回しているものだ。侘び茶の精神を示す長次郎の黒樂茶碗をはじめ、出品作品約130点の内、30から40%が日本だけの限定作品として組み直され、シンプルな形態の美に再度着目した見応えのある展覧会となっている。グッチ(GUCCI)新宿店では、映像や音楽、写真、パフォーマンス作品などを発表し、「VOGUE JAPAN ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013」を受賞したことでも知られる現代美術家のスプツニ子!と共に、「Tranceflora - エイミの光るシルク」展を開催中。そんなスプツニ子!は、花や昆虫をモチーフにしたグッチの不朽のアイコン「フローラ」に着目し、「バラの香りのするシルク」を生物研と共同構想。また、約3,000個の光る遺伝子組換え繭で空間をデザインし、シューズデザイナーの串野真也が手掛けた「エイミの光るドレス」なども展示されている。ショッピングの合間に楽しむなら、表参道ヒルズの多目的ホール「スペース オー」では、荒木経惟の写真展「男 ーアラーキーの裸ノ顔ー」はいかが。これは、月刊文芸誌『ダ・ヴィンチ』の創刊20周年企画の一環として行われたもの。巻頭連載企画「アラーキーの裸ノ顔」に掲載された作品の中から、浅野忠信、堺雅人、三宅一生、松田龍平らが被写体となった全207点にも及ぶ男達の顔とじっくり向き合うことができる。その他、西麻布のインスタイル・フォトグラフィー・センターで開催中の、世界的に著名なロンドン出身の写真家テリー・オニールの写真展「テリー・オニール:華麗なる50年の奇跡」も併せてチェックしておきたい。1960年代、音楽や映画、ファッション界の新しいアイコンを見つけては写真を撮り、激動する60年代をフィルムに収め続けてきた、テリー・オニール。本展では、彼の約50年に渡る長いキャリアの中から、ブリジット・バルドー、オードリー・ヘップバーン、ザ・ビートルズ、デビッド・ボウイら著名人の貴重な写真約30点が展示される。最後に、京都に足をのばす際に訪れて欲しいのは、京都では史上最大規模となる国際的な現代アート展覧会「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015」。これは、世界の一線級で活躍する36組38名の作家による作品が市内で一斉に展示されるもの。メイン会場となる京都市美術館では、ニューヨークを拠点に彫刻やドローイングなどを作品の変化を通じて制作過程も含めて発表しているブラント・ジュンソーの作品など、総勢31組の作品を展示。また、もう一つの主会場となる京都府京都文化博物館の他、京都芸術センター、大垣書店烏丸三条店など8つの会場が舞台となる。同時に開催されているのが今回が3回目の開催となる「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。今回は京都の町屋や歴史的建築物など15ヶ所の会場で計9カ国14組の作家が参加。中でもグッチのサポートで日本初の作品展が実現したヨシダキミコ(会場:花洛庵野口家住宅)や誉田屋源兵衛 黒蔵で開催されているフランスの写真家マルク リブーの「Alaska presented byシャネル・ネクサス・ホール)」ほかにも無名舎、有斐斎 弘道館など普段公開されていない会場での展示は要チェック。今年のゴールデンウィークは、忙しい日常から抜け出し、芸術に触れ心を潤してみてはいかがだろう。<この記事で紹介した展覧会一覧>■「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー53階■「Tranceflora - エイミの光るシルク」展会場:グッチ新宿 3階住所:東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル■「男 ーアラーキーの裸ノ顔ー」会場:スペース オー住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10表参道ヒルズ地下3階■テリー・オニール : 華麗なる50年の軌跡会場:インスタイル・フォトグラフィー・センター住所:東京都港区西麻布5-2-9 インスタイル南麻布ビルディングB1F■「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015」会場:京都市美術館、京都府京都文化博物館、京都芸術センター、堀川団地(上長者町棟)、鴨川デルタ(出町柳)、河原町塩小路周辺、大垣書店烏丸三条店■「KYOTO GRAPHIE 京都国際写真祭」会場:虎屋京都ギャラリー、コム デ ギャルソン京都店、誉田屋源兵衛 黒蔵、堀川御池ギャラリー、嶋臺ギャラリー、両足院建仁寺、京都市役所前広場、有斐斎 弘道館、他
2015年05月03日故・井上ひさしの遺志を継ぎ、山田監督が脚本を執筆、二宮和也と吉永小百合が親子役で初共演を果たす山田洋次監督最新作『母と暮せば』。このほど、本作の追加キャストに、加藤健一、浅野忠信が決定した。1948年8月9日。長崎で助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二がひょっこり現れる。「母さんは諦めが悪いからなかなか出てこられなかったんだよ」。その日から、浩二は時々伸子の前に現れるようになる。二人はたくさんの話をするが、一番の関心は浩二の恋人・町子のことだった。「いつかあの子の幸せも考えなきゃね」。そんなふたりの時間は、奇妙だったけれど、楽しかった。その幸せは永遠に続くようにみえた―。山田監督83作品目にして初のやさしく泣けるファンタジー映画である『母と暮らせば』。作家・井上ひさしが、広島を舞台に描いた『父と暮せば』と対になる作品を、長崎を舞台につくりたいと願っていたことを知った山田監督が、終戦70年となる今年、その井上さんの想いに捧げ映画化に臨む。既に発表されているキャストには、母・伸子役に吉永小百合、息子の浩二役に二宮和也、浩二の恋人・町子役に黒木華といった豪華なラインナップ。そして今回解禁となった追加キャスト発表では、一人で暮らす伸子(吉永)を心配し何かと世話を焼く“上海のおじさん”役に、舞台を中心に活躍し日本演劇界を代表する俳優である加藤健一、そして、黒木華演じる町子に心惹かれていく青年・黒田役に、現在公開中『寄生獣完結編』にも出演の浅野忠信が務めることがわかった。浅野忠信は、山田組には吉永小百合主演の『母べえ』以来の8年ぶりの出演となる。二宮和也との共演は初となり、二人がスクリーンでどんな掛け合いをしてくれるのかに期待がかかる。『母と暮せば』は2015年12月12日より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月29日「最近ね、ミギーは実際にあの現場にいたんじゃないかという気がしてるんです(笑)」――。『寄生獣 完結編』の編集およびCG部分の製作作業が進む2月下旬、まさにCGによって、撮影現場には実在しなかったミギーを作る立場にある山崎貴監督はそうつぶやいた。「彫刻家が『木の中に埋まっているものを彫り出しているだけ』と言うのと同じで、現場では目に見えなかっただけで、そこに確実にいたミギーをいま、彫り起こす作業をしてるだけなんじゃないかって。出来上がったばかりのCGなのに、ミギーが動いてるのを見るとなぜか懐かしいんですよ。『久しぶり!』という気がする(笑)。そこで撮影の頃に気持ちが飛ぶんです。そんな経験は初めてですね」。現場で、右手に寄生している“目に見えない”ミギーを操っていた染谷将太も、山崎監督のその言葉を何の違和感もなく受け止める。『ALWAYS 三丁目の夕日’64』、『永遠の0』、さらに『寄生獣』の主題歌を手掛けてもいる「BUMP OF CHICKEN」の楽曲を元にしたショートフィルムに続き、これが4度目のタッグであり、強い信頼関係で結ばれた2人は、言葉に出さずとも、同じミギーを共有し、ここまで共に戦ってきたのだ。昨年末に公開された前編『寄生獣』に続く『寄生獣 完結編』がまもなく公開。日本映画史上に残るこの壮大なプロジェクトの中心を担った“主犯”2人に話を聞いた。原作は岩明均の人気漫画。ある日突然、人間に寄生し操り、人間をエサとする寄生生物“パラサイト”が襲来する。高校生の新一も寄生されかかり、脳は守ったものの右手を乗っ取られ、このパラサイト“ミギー”と奇妙な共存をすることになる…。『完結編』では新一を含め、人間側とパラサイトの最終決戦が描かれる。撮影は前後編で分けることなく、5か月にわたって一気に行われており「前後編の2本という意識ではなく4時間の大作を撮っているという意識だった」(染谷さん)というが、前編と比べ、この『完結編』で特に目を見張るのは新一の変化。これまで“巻き込まれた”形で、やや受動的に次々と襲い来る事態に向き合っていた新一が、自らの意思でパラサイトとの戦いに赴くことになる。これはミギーに右手を寄生されたことだけでなく、前編で母親を殺された怒りと哀しみが大きな原因と言えるが、染谷さんは演じる上での新一の変化をこう説明する。「自分が見えなくなっていくというのが強くありますね。感情が先走りして、新一はパラサイトに操られているわけではないのに、激しい感情に操られてしまう。ただ、そこで里美(※新一の幼なじみ/橋本愛)という、一番近くにいてくれた存在、その大きな“愛”に気づかされて、揺れ動くんです。前編である意味で一度は安定した感情が、この『完結編』で再びワーッと走り出して不安定になっていくというのは演じる上でも意識した点――いや、意識せずとも、自然とそうなった部分であり、それを大切に演じました」。コミックでも名場面となっている、市長にまで登りつめパラサイトをネットワーク化した広川(北村一輝)の演説、市庁舎での人間VSパラサイトの戦い、人間の子供を出産し母親となったパラサイト・田宮良子(深津絵里)の決断など「映画の作り方として正解かどうかはともかく、『完結編』はクライマックス集と言っても過言ではない」(山崎監督)という言葉通り、見応えのあるシーンが続く。中でも圧巻はやはり、新一と最強のパラサイト・後藤(浅野忠信)の最終決戦!燃えさかるごみ処理場で2人が対峙する姿は『ターミネーター2』の溶鉱炉でのクライマックスシーンのようでもあり、こどもの頃にハリウッド大作をワクワクしながら見ていたような気持ちを思い起こさせる。改めて、本作がハリウッド映画に負けない“質感”をもって製作されたことに気づかされるが、山崎監督の意図は?「ハリウッドだと最後の決戦場ってすごい舞台が用意されるじゃないですか。でも日本映画だと、どうしても廃工場あたりに落ち着いちゃう(苦笑)。スケールもそうですが、やはり物語としても、巨大な、人間が産み出した最悪のものとして、ごみ、廃棄物の焼却場を地獄めぐりの旅の終着駅として選びました。地獄を見せたかったんです。それは本当にある世界だけど、見方によって地獄絵図に見える。『ターミネーター2』の溶鉱炉のイメージというのはよく言われるんですが、個人的なイメージとしては『ブレードランナー』のオープニングで実際に採用されなかった、レプリカント(※人造人間、アンドロイド)を処理場で係の人間が無感情に燃やしているというシーンがあって、それをやってみたかったんです。その意味では、自分が見て育ったハリウッド映画のニュアンスを出せているのかなと思います」。こうした熱い言葉からもうかがえるが、原作の映画化権がハリウッドにある頃から、自分の手でいつか映像化することを夢見ていたという山崎監督だけあって、本作について「ある意味で、やりたい放題(笑)。邦画でどこまでできるかという表現の限界に挑んだし、やや趣味に走りましたね(笑)」とも。一方で前編で観客動員数150万人突破するなど、きっちりとエンターテイメントとして仕上げる手腕はさすがである。エンターテイメントと深遠なテーマの“せめぎ合い”こそ山崎作品の真骨頂とも言えるが、本作に関して描きたかったテーマは?「人間は業を背負いながら生きていく――それでも『生きる』という選択をするということでしょうか。人間の存在自体、地球にとってはそんなに良いものとは言えないという考え方もあります。だけど、それでも人間は生きていくし、新一も決断をする。業を背負いつつ、生きていくのが人間だという感覚は大事にしたかったです」。染谷さんも、これまでの山崎作品との違いを現場でも感じていたという。「まず題材的にもいままでの山崎さんの作品からは見たこともないものだったので、自分の芝居の質感も、それこそ1ミリ、2ミリ単位で微調整し、話し合っていくような感覚でした。それは初めての経験であり、楽しかったですね。あと、現場ではいままで以上に擬音での指示が多かったです(笑)。『永遠の0』の時も擬音は多かったけど、まだ飛行機のコクピットのセットがあったんですよ。今回は何もないグリーンバックの中で『ドーン!』とか『ガーッ!!』って擬音だけが響きわたるという(笑)」。先日の完成披露試写会の場で、共演者の新井浩文が染谷さんを「死んだ魚の目」という言葉で表現し、染谷さん自身も「ずっと言われ続けてきた」と平然と受け止め、笑いを誘っていた。強烈な言葉でありつつも、独特の存在感、他の誰にもない強烈な印象を抱かせる染谷さんを言い表した言葉で、言い得て妙でもある…。これが4度目のタッグであり、人間とパラサイトの間に位置する新一役に、染谷さんを望んだ山崎監督から見て、その魅力はどんなところにあるのだろうか?「染谷は微調整可能なものすごく細かいダイヤルを振られているお芝居のテクスチャを持っていると思います。特に発声。(他の人間が)普通に発声しても、お客さんは自分のことのように感じず、『お芝居だな』と受け止める。でも染谷の声の出し方はちょっとだけ鼻声になったり、わずかなニュアンスを含ませることで、お芝居がドキュメンタリーになる瞬間があるんです。今回のような物語は、地に足をつけないと、何でもアリになって、単なる空想上の生き物が戦っている映画になっちゃう。どこかで人間の暮らしと繋がっていないといけないんだけど、その時に染谷が持っているニュアンスはすごく生きるんです。一見、荒唐無稽なものが出てきても、現実と地続きだと信じさせる“魔法”を持ってますね。それがテクニックなのか?持って生まれた天性のものなのかは分かんないんですが…」。その言葉に染谷さんは「企業秘密です」といたずらっぽく笑いつつ、言葉を続ける。「サウンドは確かに大切にしてます。声や音楽を含めて、“音”から得られる感情は本当に大きいなと思います。前編で母親に寄生したパラサイトと戦うシーンが電車の高架下の河川敷で、音がすごくて(セリフは)全てアフレコという前提での撮影だったんです。実際に撮影中も電車が何本も行き交って、自分で言っているセリフが聴こえなかったんですが、そうするとセリフが出てこなくなっちゃったんです。自分の声も含めて、音の大切さに気付かされました」。戦いに加えて、大きな見どころとして推したいのが新一と里美のラブシーン!単に2人の恋の行方は…?というだけでなく、染谷さんの先の発言の通り、里美はパラサイトの存在に引っ張られていく新一を人間の側に繋ぎとめる大切な存在となっている。「かわいらしく、生々しいラブシーンでもあり、僕自身もすごく好き」(山崎監督)、「激しいアクションエンターテイメントであると同時に、壮大なラブストーリーでもある」(染谷さん)という言葉を決して裏切らないのでこちらも期待してほしい。昨今、日本映画界は漫画原作の作品が増え、安易な作品づくりに目の肥えた映画ファン、そして原作のファンから批判が高まっていることは事実。だが、この『寄生獣』は、このクオリティで原作を映画化するならそんな批判の声は少なくなるのでは?と思わせてくれる作品に仕上がっている。「いま」だから、「映画」だからこその凄まじさを体感してほしい。【染谷将太】ヘアメイク:AMANOスタイリスト:清水奈緒美(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会寄生獣完結編 2015年4月25日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「寄生獣」製作委員会
2015年04月24日5月13日~5月24日(現地時間)に行われる第68回カンヌ国際映画祭ある視点部門に、このほど、黒沢清監督最新作『岸辺の旅』の正式招待が決定した。今回正式招待が決定した『岸辺の旅』は、2010年に発表された湯本香樹実の同名小説を、世界的名匠である黒沢清監督が映画化したもの。黒沢監督は、2008年『トウキョウソナタ』で第61回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」審査員賞を受賞して以来の受賞が期待される。主演は、数々の映画賞を受賞した『悪人』で、第34回モントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞した深津絵里と、映画『マイティ・ソー』でハリウッド映画デビューを果たし、『私の男』で第36回モスクワ国際映画祭最優秀男優賞を受賞した浅野忠信の二人。尚、黒澤監督と浅野忠信は『アカルイミライ』以来12年ぶりのタッグとなる。本作は、“死んだ夫との旅”を描く内容。3年前に失踪した夫の突然の帰還と「俺は死んだよ」という言葉。夫が過ごした最期の時間をめぐる、言えなかった「さようなら」を伝えるための夫婦ふたりの旅が始まる。日本映画界を代表する2人が初めて夫婦を演じる“究極のラブストーリー”だ。また本作は、今秋フランス国内で100~150館規模での公開を予定しており、カンヌ国際映画祭での反響にも大きな関心が寄せられている。『岸辺の旅』は、2015年秋よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月16日染谷将太、阿部サダヲ、深津絵里、橋本愛、浅野忠信ら豪華キャストを迎え、“日本マンガ史上最高傑作”といわれた人気マンガを実写映画化した『寄生獣』二部作。『完結編』が4月25日(土)に公開となるが、このほど『完結編』の公開前日・24日(金)に、前作『寄生獣』が「金曜ロードSHOW!特別版」としてTV初放送することが決定した。累計1,500万部を超える岩明均の大ヒットコミックを、2部作で実写映画化した本シリーズ。前編『寄生獣』では、人間に寄生し、捕食する謎の生物“パラサイト”に襲撃されながら危うく脳の乗っ取りを免れた高校生の新一(染谷将太)が、右腕に寄生したパラサイトのミギー(阿部サダヲ)と共に、地球への侵略を企むパラサイトたちと戦いを繰り広げていく…。今回、TV放送が決定した『寄生獣』は、昨年11月に公開され、国内映画ランキング初登場第1位を獲得。観客動員150万人を突破する大ヒットを記録。監督・VFXを手がけたのは、第38回日本アカデミー賞8部門で「最優秀賞」を受賞した『永遠の0』、そして“ドラ泣き”と呼ばれ日本中を涙で包んだ『STAND BY ME ドラえもん』の山崎貴だ。24日(金)の放送は「金曜ロードSHOW!特別版」と名打たれているが、山崎監督自らがTV版として、再構築した特別版。世界最速で『完結編』の映像もお披露目されるという。多くのアーティストや映像作家に影響を与えたと言われる原作の完全実写化ーーまずは前編『寄生獣』からその世界観を覗いてみて。「寄生獣 金曜ロードSHOW!特別版」は4月24日(金)21時~日本テレビ系にて放送。※放送日時は予定のため予告なく変更する場合あり。『寄生獣 完結編』は4月25日(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会寄生獣完結編 2015年4月25日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「寄生獣」製作委員会
2015年03月31日染谷将太を主演に、“日本マンガ史上最高傑作”といわれた人気マンガを実写映画化し、4月に『完結編』が公開となる『寄生獣』二部作。このほど『寄生獣』が、4月23日(現地時間)よりイタリアで開催されるウディネ・ファーイースト映画祭「コンペティション部門」で上映されることが決定した。累計1,200万部を超える岩明均の大ヒットコミックを、2部作で実写映画化した本作。人間に寄生し、捕食する謎の生物“パラサイト”に襲撃されたものの、危うく脳の乗っ取りを免れた高校生の新一(染谷将太)が、右腕に寄生したパラサイトのミギー(阿部サダヲ)と共に、地球への侵略を企むパラサイトたちと戦いを繰り広げていく…。染谷さん、阿部さんを始め、深津絵里、橋本愛、浅野忠信ら日本映画界を代表する豪華俳優が競演する本作。今回、『寄生獣』の出品が決定したウディネ・ファーイースト映画祭は、イタリア北部の都市・ウディネで開催される映画祭で、東アジアの作品をヨーロッパに紹介することを旨とし、大作からミニシアター系の作品まで幅広いジャンルの良作を選出。今年度は10の国と地域から56作品が上映される予定となっている。本作でメガホンを握った山崎貴監督は、過去に『ALWAYS 三丁目の夕日』(’06)、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(’08)、『永遠の0』(’14)に続いて4度目の選出。特に、昨年は『永遠の0』が観客賞の最高位「ゴールデン・マルベリー賞」を受賞している縁深い映画祭でもある。同映画祭の最高責任者サブリナ・バラチェッティ氏は、今回の出品について「『寄生獣』は、現代社会のウイルスへの恐怖感を反映しながらも、ブラックコメディと終末的なサイエンスフィクションのちょうど中間という難しいツボを押さえています。おかしくも恐ろしい、現代の空気を驚くほど捉えた作品です」とコメントを寄せている。同映画祭で同じ監督の作品が2年連続で観客賞の最高位を受賞した例はなく、もしも本作が受賞すると映画祭史上初の快挙となる。『寄生獣 完結編』は4月25日(水)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会
2015年03月17日生田斗真が『脳男』の瀧本智行監督と再びタッグを組み、伊坂幸太郎の“最強小説”とされるベストセラーの映画化に挑む『グラスホッパー』。浅野忠信、山田涼介(Hey! Say! JUMP)といった豪華キャストが出演することでも注目を集める本作の公開日が、11月7日(水)に決定。併せて“超ティザー版”ビジュアルが解禁された。渋谷スクランブル交差点――。ハロウィンの夜、仮装した若者たちや通行人をも巻き込んだ凄惨な事故が発生する。教師の鈴木(生田斗真)は、この事故で愛する恋人・百合子を失った。その事故が意図的に仕組まれたものだと知った鈴木は、彼女の復讐のため裏社会の組織に潜入。だが、自らも闇の組織に命を狙われることに…。原作は、120万部を超えるベストセラーとなった伊坂幸太郎の同名小説。生田さん演じる主人公・鈴木に相対するキャラクターとして、人の意識を暗黒に導く力を宿す「自殺専門」の殺し屋・鯨(浅野忠信)や、鯨を追う驚異的な身体能力を持った殺し屋・蝉(山田涼介)が明らかにされており、抜群の演技力を誇る俳優同士のかつてないコラボレーションが実現する。また、監督を務めるのは、生田さんと『脳男』に続くタッグとなり、骨太な演出に定評のある瀧本智行。脚本は『あなたへ』で日本アカデミー賞「優秀脚本賞」を受賞した青島武と、スタッフも盤石の体制となっている。今回解禁となったビジュアルは、物語の発端となる事件が起きた渋谷スクランブル交差点をバックにしたもの。だが、交差点を真上から捉えたふだん見慣れないアングルは、まるで全く知らない場所であるかのようにも見える。「この街は、人を凶暴にする」という意味深なコピーも気になるところだ。ある事件をきっかけに、心に闇を抱えた3人の男が交錯する様を描く、極上のサスペンスストーリー。数々の小説が映像化された伊坂作品の中でも、最高傑作となりそうな予感の本作に、これからも注目していて。『グラスホッパー』は11月7日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月06日伊坂幸太郎のベストセラー小説を生田斗真主演で映画化する『グラスホッパー』の公開日が11月7日(土)に決定し、ポスター画像が公開になった。本作は、渋谷スクランブル交差点で起きたある事件を機に、心に闇を抱えた3人の男が交錯していく様を描くサスペンスだ。生田が演じるのは、ハロウィンの夜に渋谷スクランブル交差点で起こった凄惨な事故で恋人を亡くし、復讐のため裏組織に潜入する元教師・鈴木。浅野忠信が人の意識を導く力を宿す自殺専門の殺し屋・鯨役を、山田涼介(Hey! Say! JUMP)が驚異的な身体能力を持つ殺し屋・蝉役を演じ、『脳男』で生田とタッグを組んだ瀧本智行が監督を務める。伊坂幸太郎の小説は『アヒルと鴨のコインロッカー』や『ゴールデンスランバー』『重力ピエロ』など映画化される作品が多いが、本作の原作も120万部を突破したベストセラーだけに、公開に向けて映画にも注目が集まりそうだ。『グラスホッパー』11月7日(土) 全国ロードショー
2015年03月06日ロックバンド・BUMP OF CHICKENが、染谷将太主演の映画『寄生獣 完結編』(4月25日公開)の主題歌を担当することが、このほど明らかになった。同グループは、前作『寄生獣』(2014年)でも主題歌を務めている。彼らの2年7カ月ぶりとなるニューシングルのタイトルは「Hello,workl! / コロニー」(4月22日発売)。同グループは、昨年3月にリリースした7thアルバム『RAY』が3作連続となるオリコンアルバムチャート初登場1位を獲得。さらにバンド史上初となる東京ドーム公演を含む、13都市20公演で25万人を動員した全国ツアー「WILLPOLIS 2014」を成功させ勢いにのる。このニューシングルを皮切りに、2015年の新たな展開に注目が集まっている。また、「コロニー」と両A面をなすもう一方の楽曲「Hello,world!」は、アニメ作品『血界戦線』(MBSほか 4月放送開始)のオープニングテーマに決定。両面で2つのビッグタイアップとなっている。CDジャケットは、両タイアップと連動した世界観を表現して制作が予定されているという。『寄生獣 完結編』は、1990年より『月刊アフタヌーン』(講談社刊)で連載され、単行本が累計1,200万部を突破して世界中に熱狂的なファンを持つ岩明均の同名漫画が原作。『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『永遠の0』などを手掛けた山崎貴監督がメガホンをとって制作された。右手に寄生生物ミギーを宿す高校生・泉新一(染谷将太)は、要注意人物として人間からもパラサイトからもマークされていた。ますます激化する闘いの中で、人間との共存を模索するパラサイト田宮良子(深津絵里)は、新一とミギーの関係に可能性を見いだしたが、肝心の新一は母親を殺されたことで寄生生物への憎悪を募らせていた。そんな彼らの前に、最強パラサイト・後藤(浅野忠信)が現れる。
2015年03月04日染谷将太を主演に、“日本マンガ史上最高傑作”といわれた人気マンガを実写映画化した『寄生獣』二部作。『完結編』が4月に公開となるが、このほど本作の予告編が解禁!さらに、前編となる『寄生獣』のBlu-ray&DVDが、4月29日(水)に緊急発売されることが決定した。キャストは、主演の染谷将太をはじめ、深津絵里、阿部サダヲ、橋本愛、浅野忠信ら、日本映画界を代表する豪華実力派俳優の競演が集結し、監督・VFXは、第38回日本アカデミー賞11部門で「優秀賞」を受賞した『永遠の0』などで知られる山崎貴が務めている。昨年11月末に公開された前編『寄生獣』は、国内映画ランキング初登場第1位を獲得。これまでに観客動員153万人、興行収入19.7億円(※2月8日時点)を記録した。今回お披露目となったのは、バレンタインデーの2月14日(土)より全国の劇場で上映中の『完結編』の予告編映像。本作では、人類はついに寄生生物(パラサイト)との闘いを決意。SAT(特殊急襲部隊)による寄生生物殲滅作戦が開始される。その一方、前作ではヴェールに包まれていた、“パラサイトネットワーク”の幹部たちが動き出す。ずば抜けた知能でパラサイトを統率し母性にも目覚め始めた田宮(深津絵里)、市長となり表舞台に進出する広川(北村一輝)、そして最強の戦闘能力を誇る後藤(浅野忠信)。特に、戦闘モードとなった“最強のパラサイト”後藤のバトルシーンは必見だ。さらに、寄生生物の核心に迫るジャーナリスト・倉森(大森南朋)、暴走気味の異様なパラサイト・三木(ピエール瀧)、特殊能力を持つ殺人鬼・浦上(新井浩文)ら、本作から登場するキャラクターも気になるところ。また、本作の公開に併せて緊急発売となった『寄生獣』Blu-ray&DVDの豪華版には、過酷な撮影現場を追ったメイキング映像や、昨年、クロージング作品として上映された東京国際映画祭での密着映像、スピンオフショートムービー『ミギーの世界を教えて』が収録されるとのことだ。『寄生獣 完結編』は4月25日(水)より全国東宝系にて公開。『寄生獣』Blu-ray&DVDは4月29日(水)より発売。※レンタルも同日スタート(text:cinemacafe.net)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会
2015年02月16日昨年11月に公開され、大ヒットを記録した染谷将太主演の映画『寄生獣』のブルーレイとDVDが4月29日(水)に発売されることが決定。シリーズの最終作『寄生獣完結編』の予告編が明日から全国の劇場で上映開始されることもあわせて発表になった。その他の写真本作は、岩明均の人気コミックを『ALWAYS三丁目の夕日』シリーズの山崎貴監督が2部作で実写化するエンターテインメント作品。人間に寄生して脳を乗っ取り、他の人間を捕食する寄生生物=パラサイトが出現した世界を舞台に、高校生・泉新一(染谷)と、彼の脳を奪うことに失敗し、右手に寄生したパラサイト“ミギー”(阿部サダヲ)との奇妙な友情と戦いが描かれる。ブルーレイとDVDはそれぞれ豪華版と通常版が発売され、豪華版にはメイキング映像やスピンオフショートムービー『ミギーの世界を教えて』など特典映像が多数収録される。明日から全国の映画館で上映される『…完結編』の予告編には、寄生生物(パラサイト)と戦うために立ち上がった人間たちの姿や、母性にめざめた田宮(深津絵里)や圧倒的な戦闘能力を誇る後藤(浅野忠信)らパラサイトネットワークの幹部たちが登場。主人公・新一とミギーが壮絶な運命に立ち向かうことを予感させる場面や、大森南朋、ピエール瀧、新井浩文ら『…完結編』から出演する新キャストも登場する。『寄生獣』ブルーレイ&DVD 4月29日(水)発売発売元:講談社/バップ販売元:東宝『寄生獣完結編』4月25日(土)全国東宝系にてロードショー
2015年02月13日浅野忠信と岡田准一(V6)が“ゴールデンコンビ”としてCMキャラクターを務めるサッポロの新ジャンル「麦とホップ The gold」の新CM発表会が1月29日(木)に都内で開催された。この1年、2人でゴールデンコンビとしてCMに出演してきたが、その間「麦とホップ The gold」は好調な売り上げを見せ、2014年2月の発売以来、1,155万ケースを売り上げた。今回の新CMではこのゴールデンコンビが続投。2人が軽快なステップを踏みながら揃ってパーティ会場に入場するさまがセリフなしで描かれる。浅野さんは「また岡田くんとゴールデンコンビを組めるというのが嬉しかった。テンション高く頑張りました。ステップは不器用だから大変でしたが…(苦笑)」と述懐。CMの見どころについては「岡田くんが最後に飲んで『あぁっ!』と言うところは輝いてます(笑)」と語った。岡田さんは「コクがダダ漏れの浅野さんを目指してこの1年、コクを出せるように頑張りたいです」とニッコリ。CM中のステップシーンについて「オンエアでは1秒もないけど、回数を重ねました。浅野さんの呼吸を感じられて嬉しかったです」と笑顔でふり返った。1,155万ケースという途方もない数をこの1年で売り上げたことについて、浅野さんは「数字は苦手なんですがすごいというのは分かります。このCMに出て良かったです」と語り、岡田さんは「数字で表れると嬉しいですね。少しでも力になれたと仰っていただけるならよかったと心から思います」と喜びを口にする。また、あるアンケートでは消費者の70%以上が、同商品について「コクがある」と感想を漏らしており、さらに約90%「おいしい」と回答している。浅野さんは「すごいですね。コクがあるのは僕らも感じていることで、言い続けてきたけど、飲んだ人が感じて宣伝してくれるってすごいこと。本当においしいですからね。周りにも『おいしい』と言われます」と嬉しそう。岡田さんは「消費者のコメントというのは的を射ていて深いので、良さが伝わっているなら嬉しい。普通においしいですからね。現場に差し入れしてスタッフさんにも喜んでもらってます」と明かした。最後に岡田さんは「仕事終わりにグイッと飲んで『プハァー!』って言っていただくのが一番おいしい。声を出してほしいです」とアピール。さらに「今年は『ゆっくりと味わって生きる』ということをテーマにしてます。みなさんにもコクをじっくりと味わっていただき、ゴールドに日本中が輝いてほしい」と呼びかけた。「麦とホップ The gold」新CMは2月2日(月)よりオンエア。(text:cinemacafe.net)
2015年01月29日エマ・ストーンとアンドリュー・ガーフィールドが今夏ローマで挙式を計画しているようだ。エマとアンドリューは『アメイジング・スパイダーマン』での共演をきっかけに2011年から交際が始まった。人気も実力もトップクラスの若いスター・カップルにはめずらしく、破局説もほとんど出たことのない2人は昨年5月に婚約のうわさも流れた。イギリスの「OK」誌上では関係者が、アンドリューは市役所での人前結婚式で十分と考えているが、エマはもう少しドラマティックで記憶に残るウエディングを望んでいると話している。エマはすでにドレスについてもアイディアを温めていて、そのドレスを着て、家族や友人たち25人を招いて挙式したいと考えているそうだ。2月22日(現地時間)発表になる第87回アカデミー賞で助演女優賞にノミネートされているエマ。アンドリューはリーアム・ニーソン、浅野忠信らと共演するマーティン・スコセッシ監督の『Silence』(原題)の撮影が控えている。今年も多忙な2人だが、その合間を縫ってのゴールインが実現するかもしれない。(text:Yuki Tominaga)
2015年01月19日「微妙なラインを狙う」。それは山崎貴監督が自身の映画作りのスタンスについて染谷将太に語った言葉だという。「誰もが楽しめる映画にしなくちゃいけないけど、その中にちゃんと『含ませたい』――」。染谷さんは山崎監督の発言の真意をこう説明する。エンターテイメント性とテーマ性のせめぎ合いの先に生まれる感動。それが『永遠の0』『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズなどを単なる興行的な大ヒットで終わらせない、心に残る作品にしてきた山崎監督の映画作りの極意と言えそうだ。もちろん監督が狙う“微妙なライン”がリアリティや感動を持ちうるかは、俳優陣の演技に依るところが大きい。映画『寄生獣』において、主演という立場でその重責を担ったのが染谷将太。そして、彼が演じた物語の中で移ろい、徐々に変化していく主人公の輪郭を浮き彫りにする“リトマス試験紙”とも言える立場のヒロインを演じたのが橋本愛だ。原作は「伝説的」という枕詞が決して大げさではない岩明均の人気漫画。長く映画化の権利がハリウッドのスタジオに保持されていたこと、そして、それが実現に至らなかったことからも原作の魅力、そして映像化の難しさがうかがえる。突然、社会に入り込んできた、人間の脳に寄生し人間を食料にして生きる謎の生物たち。新一は間一髪、脳を奪われるのを回避するが右手に寄生されてしまう。“ミギー”を自称するこの奇妙な“侵略者”と共存しつつ、社会に潜む寄生生物たちと戦うことに…。連載が開始されたのは染谷さん、橋本さんが生まれる以前のこと。当然、2人とも連載当時の“熱”など知る由もないのだが、今回のオファーを受けて原作を読んで、文字通り、世代を超えて愛される理由を実感したようだ。染谷さんは言う。「人が食べられてしまうという作品は、ゾンビものなども含めたくさんありますけど、面白いと思ったのは根源にしっかりしたテーマが根付いているところと、ごく日常のレベルで誰しもが経験するような人間の関係性の中に寄生生物(パラサイト)が混ざり込んでいるという部分。首から上だけが寄生されていて、一見、普通の人間のようで、人が人を食べているように見えるというのも、ビジュアルとテーマが合っていて、よくできているなと思いました」。予告編映像でも、原作の冒頭と同様に「人間の数が半分になったら、燃やされる森の数も半分で済むのだろうか?」「人間の数が100分の1になったら、垂れ流される毒も100分の1になるのだろうか?」という独白が挿入されるが、橋本さんは、矛盾や愚かさを抱えて生きる人類の側面を描いている部分に言及する。「人間が愚かだという部分、そして、それを許容した人間賛歌として描いている二面性があって、こうしたテーマを、壮大なエンターテイメントの中に落とし込んでいて、すごいことを言ってるなと思いました」。それは、映画の中にもしっかりと刻み込まれている。橋本さんは、5割ほどCGが入った状態のラッシュ映像を目にしたときの衝撃を口にする。「まだ未完成の状態だったんですが、こっちはどうしても新一くんの心情に寄りながら観ているので、パラサイトの側を“悪者”と感じるんですが、随所でパラサイトの行動や言葉で自分が揺らいでいき『そうかもしれない…』と思わされて、同じところに留まり続けることが出来なかったんです」。右手に寄生する“ミギー”との共存、すなわち人間とパラサイトが混じり合った状態で生きる中で、肉体だけでなく精神的にも変化していく新一。人間臭さを見せたかと思えば、観る者がゾッとするような言動を見せることも。染谷さんは「その部分は全体を通じても重要で繊細なところだった」と述懐する。「自分の中で軸として大事にしていたのは“怒り”と“哀しみ”。この2つの感情からの衝動で生まれる行動が多かったので、これはしっかりと持ち続けようと。逆に変化していく部分は、シーンごとにどの程度のさじ加減で見せるのか?狂気のようなものを出すならどれくらい出すのか?やり過ぎれば主人公の新一が魅力的ではなくなるので、慎重に話し合いながら探り探り作り上げていきました」。一方、橋本さんが演じた里美は新一の幼なじみであり、新一の変化に最も敏感に反応する人間のひとり。新一とのシーンが中心となったが、どのような点に意識して里美を演じたのか?「この映画の中で、平穏なシーンは冒頭の2シーンくらいしかなくて、後はどんどん、おかしくなっていくんです(笑)。だから、そこで2人の平穏な日常と関係性を分かりやすく伝えることを意識しました。里美は終始、人間としての愛情、人間特有の感情を持ち続けている人物で、監督はそこをすごく大切にしてくださり『そこは生々しくきちんと見せたい』と言ってくださったので、その言葉に付いていこうと思いました。難しくて行き詰っても、監督があきらめずに求め続けてくださいました」。そして、なんと言っても本作の大きなカギを握るのは、豪華キャスト陣が演じるパラサイトの存在と新一と彼らの対峙。今回の前編だけでも、深津絵里、東出昌大、池内万作らがパラサイトとして登場し、さらに後編でも浅野忠信ら錚々たる顔ぶれが待ち構えている。2人が撮影時、もしくは完成した作品を観て、最も恐怖を覚えたパラサイトは誰?そんな問いに染谷さんは頭を悩ませつつ、深津さん演じる田宮良子を挙げた。「今回一番、深く関わったのが田宮だったんですが、パラサイトだから表情がないんですが、なんて言うか…怖いんですよね(苦笑)。パラサイトの中にもパラサイトなりの感情がうごめいていて、それを深津さんは完璧に作り上げてそこに立っていて、表情が変わらないのに腹の内が何となく見えてくるようで…。ただ、深津さんだけでなく、それぞれ個性があって違うんですよ。あんなに優しいお母さんだった余(貴美子)さんが、同じ人が演じていると思えないくらい怖くなったり、東出くんのパラサイトも気持ち悪いし(笑)!僕は一人ずつと対峙しバトルする役だったので、飽きなかったですね。“今日のパラサイト”という感じで、みなさん魅力的でした(笑)」。そして、橋本さんからはこの問いの答えの中で、奇しくも冒頭に山崎監督の言葉として染谷さんが語ってくれた“微妙なライン”という言葉を思わせる単語が口をついた。「完成した映画を観て、一番ゾッとしたのが北村(一輝/広川=パラサイトのネットワークの首謀者で、市長選に出馬する)さんが演説をしているシーン。壇上のカットをひと目見ただけでヤバい!って思いました。まさに“曖昧なライン”が見えてくるようで、感動すら覚えました」。キャスト陣とスタッフが原作から受け継ぎ、果敢に挑戦し作り上げた“微妙で曖昧な”ライン――。現代の観客がどのように受け止めるのかが楽しみだ。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会
2014年12月03日『仁義なき戦い』シリーズ、『トラック野郎』シリーズ、『まむしの兄弟』シリーズなどを代表作に持つ菅原文太が、11月28日(金)午前3時に、転移性肝がんによる肝不全のため亡くなっていたことが発表された。先日、名優・高倉健がこの世を去り悲しみに暮れるなか続く訃報。菅原さんは、劇団四季に1期生として入団し、その後モデルをしながら俳優を目指すことを決意。数々の任侠映画に出演するほか、『千と千尋の神隠し』で釜爺の声優を務めたりと老若男女に慕われる存在となったが、2012年に俳優界から引退を発表。それ以降も菅原さんは、声優、ラジオパーソナリティを務めたり、妻・菅原文子さんの勧めから農業を始めるなど様々な分野で精力的に活躍してきた。すでに11月30日(日)、福岡にて家族葬が執り行われたという。喪主を務めた妻の文子さんは、下記のようにコメントを寄せている。「7年前に膀胱がんを発症して以来、以前の人生とは違う学びの時間を持ち『朝に道を聞かば、夕に死すとも可なり』の心境で日々を過ごしてきたと察しております。『落花は枝に還らず』と申しますが、小さな種を蒔いて去りました。一つは、先進諸国に比べて格段に生産量の少ない無農薬有機農業を広めること。もう一粒の種は、日本が再び戦争をしないという願いが立ち枯れ、荒野に戻ってしまわないよう、共に声を上げることでした。すでに祖霊の一人となった今も、生者とともにあって、これらを願い続けているだろうと思います。恩義ある方々に、何の別れも告げずに旅立ちましたことを、ここにお詫び申し上げます」。また、女優・吉永小百合は「本格的な共演は『映画女優』だけでしたが、密度の濃い日々でした。市川崑監督のもと、溝口監督と田中絹代さんに扮しての芝居でしたが、緊張感の中で胸が躍りました。近年の社会的な御発言も、私の心に強く響いております。御冥福をお祈り申し上げます」とコメント寄せた。さらに俳優陣からもSNSにて追悼するコメントを残している。<俳優・浅野忠信>撮影で一緒に過ごした時間がとても楽しかったですありがとうございました。心からご冥福をお祈りします。<俳優・池松壮介>ありがとうございました。<俳優・八嶋智人>菅原文太さんまで…。合掌。ご冥福をお祈りいたします――。(text:cinemacafe.net)
2014年12月01日「月刊アフタヌーン」(講談社)にて連載、“日本マンガ史上最高傑作”といわれ、世界中に熱狂的なファンを持つ大人気コミックを最旬俳優・染谷将太を主演に迎えて贈る『寄生獣』が11月29日(土)より公開となる。それに先駆けて日本テレビでは、11月27日(木)に映画『寄生獣』本編を冒頭から一部放送することが決定した。人間の脳を乗っ取り、人間を捕食する“パラサイト”が飛来したことをきっかけに巻き起こる壮絶な物語。原作では、パラサイトは徐々に人間社会で脅威的な存在となり、やがてパラサイトと人間との争いが始まる。そんな中、右腕だけパラサイトのミギーに寄生された、主人公・新一が種の存続をかけて奮闘する姿を描く。監督・VFXには、2013年公開実写映画No.1ヒット作『永遠の0』『STAND BY MEドラえもん』など、大ヒット作を手がけるいま最も注目の監督・山崎貴。本作には、主演の染谷さんを始め、深津絵里、阿部サダヲ、橋本愛、東出昌大、浅野忠信ら、日本映画界を代表する豪華実力派俳優陣が集結している。今回、「映画を、いち早く多くの人に観せたい」と考えた映画製作サイドは、日本テレビで公開直前スペシャルとして、11月24日(月)から4夜連続で「カウントダウン寄生獣」(毎晩24時54分~)を放送している。その最終日となる11月27日(木)に放送枠を35分枠に拡大し、映画『寄生獣』の冒頭から10分以上放送するというのだ。これを聞いた山崎監督は、「え、マジですか?ほんとにそんなにやっちゃうんですか?そりゃまあ、気持ちも分からなく無いですけど、もったいないなぁ。偉い人たちがそう決めたのならしょうがないですね。大盤振る舞いです」とコメント。さらに「できればカップルで見てくれるといいなぁ」と語る山崎監督は、「そんで女子が『きゃーっ』ってなって、男子そこで『俺がついてるから大丈夫だ』ですよ。『でも、これ超面白くね?』ですよ。そんで翌日は映画デートですよ」と“妄想”が広がり…「あるいは付き合う前の微妙な時期のカップル未満の2人、これまたLINEかなんかで連絡ですよ。『今日寄生獣の冒頭結構テレビでやるらしいよ』『えーみるみる』『これマジ怖いんですけど』『でも超面白そうじゃね?』『えーでもこわくて一人じゃ観れない』『じゃ、なんなら一緒に行く?』ですよ。段々ばからしくなってきました(笑)楽しんでください」と男女で見ることをおすすめした。『寄生獣』は11月29日(土)より全国東宝系にて公開。『寄生獣 完結編』は2015年4月25日(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:寄生獣 2014年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 映画「寄生獣」製作委員会
2014年11月25日2014年11月10日(月)に悪性リンパ腫のため、83歳でこの世を去った日本演劇界の至宝・高倉健。すでに吉永小百合を始め、浅野忠信や広末涼子など共演した経験を持つ俳優陣たちから、突然の死を悼む多くの声が届いているが、このほど11月19日(水)放送の「徹子の部屋」にて、通常の内容を変更し「追悼・高倉 健(たかくら けん)さん」と題した追悼番組が放送されることが明らかとなった。昭和40年代に任侠映画で人気を集め、『幸福の黄色いハンカチ』『鉄道員』、そして遺作となった『あなたへ』まで多くの映画作品に出演し、多くの人の心をその名演技で魅了してきた高倉さん。主にスクリーンで活躍していた高倉さんはトーク番組への出演は珍しかったが、「徹子の部屋」には1980年と1988年の過去2回出演。朴訥な人柄と、誠実に自身を語る温かな人間味が感じられる珠玉の映像とともに、高倉さんを偲ぶ内容となっているよう。また、本来放送予定であった「嵐」の相葉雅紀がゲストの回に関しては、振り返り放送日などはまだ未発表となっている。高倉さんの飾らない素顔を偲ぶ「徹子の部屋」は11月19日(水)12時~放送予定。(text:cinemacafe.net)
2014年11月18日『幸福の黄色いハンカチ』『鉄道員(ぽっぽや)』など日本が誇る名優・高倉健(享年83)が11月10日(月)、亡くなっていたことが明らかになり、吉永小百合、大竹しのぶ、広末涼子らこれまで共演した女優たちから追悼コメントが発表された。1956年に銀幕デビューを果たし、『網走番外地』『日本侠客伝』を始め邦画史上に残るヒット作に出演してきた高倉さん。CMで話題となった「自分、不器用ですから」という台詞で寡黙なイメージがあるが、多くの俳優陣から「健さん」という愛称で親しまれていた。遺作となったのは、高倉さんにとって6年ぶりの主演映画『あなたへ』だった。1980年に『動乱』で共演した吉永さんは、「お知らせに信じられない思いでおります。1986年に中国への旅を御一緒して以来、一度もお目に掛かっていませんでした。映画の世界に生きることの素晴らしさを教えていただいた方です。本当にありがとうございました。感謝の思いでいっぱいです」。また、『鉄道員』で共演した大竹さんは「『鉄道員』での、たった一度だけの共演でしたが、十本も二十本も映画を撮ったような、豊かで素晴らしいことを沢山教えて頂きました。映画人「高倉健」の魅力は、そのまま、人間『高倉健さん』の魅力です。美しく、気高く、そして何よりも優しい健さんを一生忘れません。神様みたいな人が、本当の神様になってしまったようです。淋しいです」。同作で共演した広末さんは「今もまだ信じられません。ただただ、悲しくて、淋しいです。健さんに撮影現場で聞かせてもらった音楽、入れてもらった珈琲、かけていただい優しい言葉たち、背筋の伸びた大きな体で、力強く抱きしめてもらった思い出…全て全部、忘れません」。さらにSNSでも各著名人がコメントを残している。<俳優・浅野忠信>高倉健さんのご冥福をお祈りします本当に悲しいですありがとうございました。<俳優・糸井重里>「気仙沼ニッティング」の、第一号のセーターを予約してくれて買ってくださったのが高倉健さんでした。あの時、ほんとうに勇気になりました。合掌。<俳優・八嶋智人>京都の東映太秦撮影所に初めて行った時、高倉健という楽屋を見付け、十数分その前で立ち尽くしていた。いらっしゃらないのに。高倉健という字面にはそういう力があります。これからそんな人は現れるんだろうか。大きな喪失感。凄いなぁ。合掌。すでに葬儀は、親族のみの密葬で行われているとのこと。ご冥福をお祈りいたします――。(text:cinemacafe.net)
2014年11月18日青月社はこのほど、大竹敏之著『コンクリート魂 浅野祥雲大全』を発行した。○東海地方の秋のレジャーガイドとしても同書には、現在までに判明しているコンクリート人形師・浅野祥雲氏(1891~1978)の全作品758体がオールカラーで収録されている。浅野氏の作品はサブカル層からカルト的人気を得ており、「"デカい"(2m以上)、"カラフル"(ペンキ彩色)、"たくさん"(スペクタクル・ジオラマ)、"ダイナミック"(表現性・ディテール)なこと」が特徴だという。著者の大竹敏之氏は"日本唯一の浅野祥雲研究家"で、同書は大竹氏の20年以上にわたる研究成果の集大成と言える一冊になっているという。浅野氏の"三大聖地"のガイドや未紹介の作品の紹介、写真家の都築響一氏と大竹氏の対談も収録している。なお、ほぼ全点が屋外にある公開施設のため、東海地方の秋のレジャーガイドとしても活用できるとのこと。価格は2,000円(税別)。
2014年11月14日渡辺謙、浅野忠信、二階堂ふみ、三浦春馬、前田敦子、加瀬亮と日本からも豪華俳優陣が多数参加している、現在開催中のアジア最大の映画祭、第19回釜山国際映画祭。一方、いま日本でも、『マルティニークからの祈り』『監視者たち』『テロ、ライブ』『悪魔は誰だ』など、サスペンス&スリルたっぷりの話題作が相次いで公開されており、それぞれ好評を博している。そして奇しくも、“北”側のスパイが韓国に潜入するという、同じテーマを扱った2作、韓国の鬼才キム・ギドクが製作総指揮・脚本・編集を務めた『レッド・ファミリー』(公開中)と、アジア全域で注目を集める若手俳優キム・スヒョンが映画初主演する『シークレット・ミッション』(10月11日より)が連続公開となる。いずれも、かつて一世を風靡した『シュリ』、男気溢れるアクション満載の『ベルリンファイル』『義兄弟SECRET REUNION』などとはひと味異なり、コミカルな前半部からは想像もつかないほどの展開がクライマックスに待ち受けており、早くも多くの映画ファンたちをうならせている。まずは、韓国の鬼才キム・ギドクが脚本を執筆、自ら見いだした新星のイ・ジョンヒョンに監督を託した『レッド・ファミリー』。昨年の東京国際映画祭を席巻し、見事「観客賞」を受賞した。美しい妻、誠実な夫、優しい祖父、かわいい娘の、誰もがうらやむ一家。実は彼らは、妻役を班長に祖国のための非情な任務を日々遂行する“北”のスパイチーム!何も知らないケンカばかりのお隣家族は、この“理想的”な家族に憧れ、何かと交流を迫ってくる。一方のスパイチームもまた、それぞれが思ったことを勝手気ままに口にし、言い争いの絶えないお隣家族が気になり、憧れすら抱くように。ある日、2つの家族で食卓を囲んでいるうちに、南北両国についての論議がついアツく盛り上がり…。キム・ギドクの南北統一への思いが随所にあふれた本作は、お隣家族のベタなケンカや厳しすぎる班長の言動が笑いを誘うのだが、クライマックスには一転、感情が大きく揺り動かされる、ある“出来事”が待っている。そこに至るまでの見せ方やドラマ性の高さは、キム・ギドクにその才能を買われたイ・ジョンヒョン監督ならでは。ハンカチ必須で、このあまりにも対照的な2つの“家族”を見比べてみてほしい。また、「太陽を抱く月」「星から来たあなた」など大ヒットドラマに出演し、韓国のみならず、中国、日本などでも高い人気を誇るキム・スヒョンが、“北”のエリートスパイを演じる『シークレット・ミッション』も、前半と後半では、まるで別の映画のようにガラリと印象が変わる。監督のチャン・チョルスは、キム・ギドクの元で助監督を務めていた、本作が長編2作目となる新鋭だ。本作でキム・スヒョンが演じるのは、幼いころから特殊訓練を受けてきた最精鋭の“北”のエリートスパイ、リュファン。彼は韓国の田舎町で、毎日、緑のジャージ姿で過ごす町内一のバカ男・ドングとして潜入中の身だ。彼は2年もの間、徹底的な観察と緻密な計算の上にドングになりきり、雑貨店で居候をしながら、作戦実行命令が下されるその時を待っていた。そんなある日、ロックミュージシャン風の同志・ヘラン(パク・ギウン)、さらに普通の高校生に扮した同志・ヘジン(イ・ヒョヌ)が、同じ町に派遣されてくる。南での暮らしについて、彼らに指導していくドングことリュファン。だが、彼らがすっかり町になじんだころ、ようやくある作戦実行の命が下る。しかし、その命令とは3人が望んでいたものとは程遠い、非情かつ残酷なものだった。リュファンは緑ジャージを脱ぎ捨て、エリートスパイらしい姿に立ち戻ると、ある目的のために“北”の組織に抗う道を選択する…。前半の振り切れた“おバカ”演技とは打って変わって、後半、細マッチョな肉体を駆使し、小気味よいアクションで魅せてくれるキム・スヒョン。その変貌ぶりには萌えずにいられないが、見事に想像を裏切る展開には絶句。それまでの布石が盛りだくさん過ぎるゆえに、涙が止まらなくなる。ちなみに、この2本のほかに、“脱北”した元特殊部隊のエリート工作員を『トガニ幼き瞳の告発』、ドラマ「コーヒープリンス1号店」のコン・ユが演じる『サスペクト哀しい容疑者』も現在公開中だ。妻子を失った元スパイが国家的陰謀に巻き込まれてもなお、復讐を遂げようとする姿を、優男のイメージが強かったコン・ユが哀愁たっぷりに熱演。壮絶なアクションも見せている。時を同じくして、映画で楽しめる“北”のスパイもの。その予測不能なストーリーに秘められた“哀しい”運命に、想いを馳せてみては?(text:cinemacafe.net)■関連作品:レッド・ファミリー 2014年10月4日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開(C) 2013 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.シークレット・ミッション 2014年10月11日よりシネマート新宿ほか全国にて公開(C) 2013 michigan venture capital and mcmc ALL RIGHTS RESERVED.
2014年10月10日10月23日~31日に開催される第27回東京国際映画祭のラインナップ発表会が30日、都内で行われ、コンペティション部門をはじめとする各部門のラインナップが発表された。また、フェスティバル・ミューズに決定した女優の中谷美紀、コンペティション部門日本代表作品『紙の月』の吉田大八監督も登壇した。はじめに、ディレクター・ジェネラルの椎名保氏が「今年は、日頃映画にあまり関心のない方も楽しそうだなと思ってもらえるようなイベントを組むことになりました。一般の方にも楽しんでいただいて、映画祭の認知が高まれば、いい作品が集まって、さらに知名度が上がるのではないかと。このように認知度、知名度を意識しながら運営したい」とあいさつ。続けて、時代を切り開く革新的な映画を世界へ発信し続けてきた映画人の功績を称える"SAMURAI(サムライ)"賞を新設し、初となる今年は「北野武監督とティム・バートン監督」の2人に贈ることを発表した。また、今年の東京国際映画祭の顔として、主要イベントなどで盛り上げるフェスティバル・ミューズが、中谷美紀に決定したことも発表した。その後、中谷本人が登場。「人生において、苦しい時もいつも映画が私を救ってくれたように思います。お忙しい方々の日常を少しでも彩るような、何か大変なことからエスケープできたり、夢を抱いたり、豊かにするようなツールであってほしいと願っています」と映画の持つ力を語り、「映画を愛する者として、日本、東京を愛する者として、何か貢献できればと思っております」と意気込みを伝えた。コンペティション部門では、国際審査員長に、大ヒット公開中の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督が決定。そして、日本代表作品『紙の月』をはじめ、セドリック・ジメネス監督の『マルセイユ・コネクション』、浅野忠信主演『壊れた心』など全15作品が発表された。『紙の月』の吉田大八監督も駆けつけ、「勝負事は嫌いじゃないので、自分ごととして映画を楽しめそうでワクワクしています」と心境を語った。コンペティション部門 全15作品『1001グラム』(監督:ベント・ハーメル)ノルウェー=ドイツ=フランス『来るべき日々』(監督:ロマン・グーピル)[フランス]『マルセイユ・コネクション』(監督:セドリック・ジメネス)[フランス=ベルギー]『神様なんかくそくらえ』(監督:ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ)[アメリカ=フランス]『アイス・フォレスト』(監督:クラウディオ・ノーチェ)[イタリア]『メルボルン』(監督:ニマ・ジャウィディ)[イラン]『ザ・レッスン/授業の代償』(監督:クリスティナ・グロゼヴァ、ペタン・ヴァルチャノフ)[ブルガリア=ギリシャ]『マイティ・エンジェル』(監督:ヴァイテク・スマルゾフスキ)[ポーランド]『ロス・ホンゴス』(監督:オスカル・ルイス・ナビア)[コロンビア=フランス=ドイツ=アルゼンチン]『ナバット』(監督:エルチン・ムサオグル)[アゼルバイジャン]『紙の月』(監督:吉田大八)[日本]『破裂するドリアンの河の記憶』(監督:エドモンド・ヨウ)[マレーシア]『遥かなる家』(監督:リー・ルイジン)[中国]『壊れた心』(監督:ケヴィン・デ・ラ・クルス)[フィリピン=ドイツ]『草原の実験』(監督:アレクサンドル・コット)[ロシア]
2014年09月30日モンキー・パンチ原作の人気作品『ルパン三世』がついに実写映画化された。国民的アニメ作品として根強いファンを多く持つ本作だけに、否が応にも期待が高まるところ。メガホンを取ったのは『あずみ』『ゴジラFINAL WARS』を手掛けた北村龍平。ハリウッドでも活躍する監督だけに、画面はとにかくド派手。ロケは海を超えタイでも行われ、カーチェイスや大爆発などアクションムービーに期待する要素がこれでもかと詰め込まれている。おなじみのメロディーが流れないのは残念ではあるが、布袋寅泰によるエッジィなテーマが要所要所で流れ、気分を盛り上げてくれる。ディテールにもこだわりが見られ、パーティーシーンでのルパンやガンプレイで裾を翻す次元の衣裳は、出演者の希望もあり「ディオール オム(Dior Homme)」が協力。今回のお宝「クリムゾン・ハート・オブ・クレオパトラ」もジュエラー「桑山」に製作を依頼。入念な時代考証にのっとり、ラピスラズリやトルコ石を用いた古代エジプト風ネックレスが完成した。実製作した場合は小売り価格5,000万円近くになるという。その他、ルパンの愛車・黄色い「フィアット」や拳銃「ワルサーP38」など、おなじみのアイテムが登場する。人気キャラクターだけに、配役が発表された際には賛否両論の嵐が巻き起こった。キャスト陣には並々ならぬ重圧が掛かっていただろうが、ルパン三世役の小栗旬はアニメ版さながらの軽妙洒脱なセリフ回しと鮮やかなアクションを披露。8kgの減量により実現したスリムな体型にも注目だ。黒木メイサは、アニメというよりは原作準拠のハードボイルドで憂いを含んだ峰不二子のイメージ。もちろん入浴シーンやレザースーツなどセクシーな姿はたっぷり拝めるのでご安心を。次元大介役の玉山鉄二、石川五右衛門役の綾野剛、銭型警部役の浅野忠信も好演。アジアンスターも含め、美男美女が華やかなアクションを見せてくれる“眼福”な作品であった。想定していたより年齢層が若め、かつ旧来のイメージと多少ギャップがあるキャスティングではあったが、鑑賞後にはこれも“アリ”という気分に。アニメ版の声優が2011年に一新されたこともあり『ルパン三世』はイメージを刷新、新たな局面を迎えつつあるのかもしれない。そして、飛行機のシーンには意外な人物がカメオ出演するのでお見逃しなく。8月30日よりTOHOシネマズ日劇他全国東宝系で公開。
2014年08月20日