今週末、9月8日、9日に楽しめるニューなトピックスをまとめてチェック!ギャラリー ミュベールで開催の二人のアーティストによる展示、“デニム”をキーワードにしたイベント「デニムアクトナイト」第2弾が開催、ピカソの版画作品を集めた展覧会etc...今週末のお出かけ情報をピックアップしてお届け!今週末開催されるイベント◆デニムとカルチャーを楽しむ「デニムアクトナイト」第2弾開催! クードスなど気鋭デザイナーとデニムブランドがコラボ(9/9)◆片岡メリヤスの人形劇にブラスバンドがコラボ! 神戸で「メリヤス管打団 !!」が開催(9/8)生活に豊かな時間を取り入れる◆無印良品 有楽町にて茶の新しい嗜み方を提案するイベントを開催、丸若裕俊によるワークショップやトークも(〜10/7)◆イデーより、陶芸家・竹村良訓と料理家・冷水希三子がつくる“四季”がテーマの器の第1弾となる秋冬の器が登場(〜9/24)陶芸家の竹村良訓と料理家の冷水希三子による器「4 Seasons dish」の第1弾「Autumn-Winter」が登場 / 写真:江原隆司巨匠から現代アーティストまでさまざまな作品に触れる◆ピカソの版画作品が並ぶ展覧会が「えき」KYOTOで開催! 影響を受けた巨匠たちの作品と合わせて約100点を展示(〜10/8)パブロ・ピカソ《槍》1959年 リノカット / ©2018-Succession Pablo Picasso-BCF(JAPAN) ©Bibliothèque nationale de France◆ミナ ペルホネンとのコラボアイテムも登場! 作家の石牟礼道子と染織家の志村ふくみが創作した新作能の世界に触れるイベント(〜9/11)「沖宮」記念の額装(各3万2,400円)◆ミュベールの秋冬コレクションをテーマにキム・ソンヘ × 空間デザイナーの外山翔が二人展を開催(9/8〜30)
2018年09月07日「フランス国立図書館版画コレクション ピカソ」展が、京都・新潟・山梨で開催される。20世紀最大の芸術家として知られるパブロ・ピカソ。絵画、彫刻、陶芸など様々なジャンルで功績を残した彼は、美術史上まれにみる多作家としても知られており、91年の長い生涯において版画だけでも2,000点以上を制作している。本展では、ピカソが見つめた西洋美術の伝統に着目し、彼の全時代を網羅したフランス国立図書館の珠玉の版画コレクションより厳選した89点を展示する。“ピカソの版画史”を辿る89点10代の頃から最晩年の1972年まで、およそ70年以上の全生涯にわたって作品を制作し続けたピカソ。その彼の作品のうち、本展では版画から油彩画まで彼の創作を多角的に紹介していく。なかでも、目を向けるのは彼が積極的に取り組んだとされる“主題”。恋多きピカソが描いたモデルたちと、彼が愛しモチーフとした動物を描いた作品の数々を展示するほか、ギリシャ・ローマ神話を着想とした「バッカス祭」「牧神」、さらに彼が長年追いかけた主題でもあり、故郷スペインの闘牛への情熱を込めた作品「ミノタウロスの物語」も展開する。“いい芸術家は模倣する”ピカソが賛辞する過去の巨匠たちのとともに展示彼が残した言葉の中に「いい芸術家は模倣する、偉大な芸術家は盗む」というものがある。自由自在に画風を変えて、革新的な美術表現をみせてきたピカソも時に、過去の巨匠たちの傑作から構図やモチーフを模倣し、自らの作品へと転用していたという。そこで、本展ではゴヤやレンブラントといった17世紀から19世紀にかけての過去の巨匠たちの作品も同時に展示し、版画や作品のカラー参考図版のパネル、セクションごとに設置された充実の作品解説パネルとともに、ひとつの作品に対してピカソが行った実験的な構図を考察。ピカソの挑戦の軌跡を垣間見ることができる。【詳細】「フランス国立図書館版画コレクション ピカソ」展■京都会場会期:2018年9月7日(金)~10月8日(月・祝) 会期中無休開館時間:10:00~20:00(入館締切:閉館30分前)※但し、百貨店の営業時間に準じ、変更になる場合あり。会場:美術館「えき」KYOTO住所:京都府京都市下京区 烏丸通塩小路下ル東塩小路町入館料(税込):一般 1,000円(800円)、高・大学生 800円(600円)、小・中学生 600円(400円)※( )内は前売および「障害者手帳」を提示者と同伴1名の料金。前売販売期間:2018年7月5日(木)~9月6日(木)※購入は美術館「えき」KYOTOチケット窓口(休館日を除く)、チケットぴあ(Pコード769-016)、ローソンチケット(Lコード53844)、など。■新潟会場会期:2018年11月3日(土)~12月16日(日)休館日:月曜日時間:9:30~18:00(観覧券の販売は17:30まで)会場:新潟市美術館企画展示室住所:新潟市中央区西大畑町5191-9観覧料:一般 1,000(800)円、大学生・高校生 800(600)円、中学生以下無料※()内は前売・団体(20名以上)、リピーター割引料金。※前売は一般のみ。※前売券の販売は11月2日(金)まで。セブン-イレブン(セブンチケット)にて取り扱いあり。■山梨会場会期:2019年1月12日(土)〜2月11日(月・祝)会場:南アルプス市立美術館住所:山梨県南アルプス市小笠原376
2018年08月31日ジェイアール京都伊勢丹7階にある美術館「えき」KYOTOでは、「フランス国立図書館版画コレクション ピカソ 版画をめぐる冒険」を9月7日から10月8日まで開催する。パブロ・ピカソ《草上の昼食(マネによる)》1962年 リノカット ©2018-Succession Pablo Picasso-BCF(JAPAN) ©Bibliothèque nationale de France20世紀最大の巨匠パブロ・ピカソは、その並はずれた創造力で膨大な数の作品を制作した。時代によって自由自在に変化していく表現は、ピカソ芸術の魅力の一つに挙げられる。彼は版画制作においても豊かな才能を発揮し、70年以上に及ぶ創作活動において、2,000点近くの版画作品を制作。銅版画、リトグラフ、リノリウム、木版画など技法や素材も多岐にわたる。パブロ・ピカソ《槍》1959年 リノカット©2018-Succession Pablo Picasso-BCF(JAPAN) ©Bibliothèque nationale de France同展では、フランス国立図書館(Bibliothèque nationale de France, BnF)所蔵のコレクションから、ピカソの様々な版画作品に光をあて、彼が影響を受けた巨匠たちの作品を合わせた約100点を展示。第1章では、肖像画や静物画、神話などの様々なモチーフを扱った作品を紹介する。また第2章ではピカソだけでなく、ピカソ以前に活躍した巨匠たちの作品も展示。レンブラントやゴヤ、プッサン、マネなどを始めとする先人たちの作品から、ピカソがどのような影響を受けたか、表現の違いを比較しながら楽しめる。9月7日には、11時と14時から、「版画家としてのピカソ―巨匠たちとの対話」と題したギャラリートークも開催。同展の監修を務める村上哲が、マイクを使用し、会場内を移動しながら解説を行う。事前申込みは不要、入館券があれば無料で参加できる。版画作品を通して、ピカソの挑戦心あふれる独創的な表現の世界を堪能してみては。【展覧会情報】フランス国立図書館版画コレクション ピカソ 版画をめぐる冒険会期:9月7日~10月8日会場:ジェイアール京都伊勢丹7階隣接 美術館「えき」KYOTO住所:京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町時間:10:00~20:00(入館は閉館30分前まで)料金:一般1,000円(800円) 高・大学生800円(600円) 小・中学生600円(400円)※( )内は前売及び障がい者手帳を提示の本人と同伴者1名の料金会期中無休
2018年08月08日“光の画家”と称されるターナー(美術館にて写真撮影の許可をいただきました) イギリスを代表する風景画の巨匠、ジョゼフ・ウィリアム・ターナー(1775~1851年)。ロンドンの下町であるコヴェント・ガーデンの理髪店に生まれた彼は幼い頃から絵を愛し、14歳でロイヤルアカデミー付属学校に入学。20代で画家としての地位を確立しました。穏やかな田園風景、荒れる海や険しい山岳など、そこで描く自然の様々な表情を優れた技法で表現した風景画は、今尚人々の心を捉えて離しません。独特の光や空気に包まれたターナーの画風は、フランスの印象派をはじめ、後世の芸術家に影響を与えました。本展覧会では、ターナーによる、油彩、水彩、版画約120点を英国各地と日本国内の美術館から集め、出展作品の多くが日本初公開となる大変貴重な機会です。 風景画から旅行を追体験 左)東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館内展示室作品(美術館にて写真撮影の許可をいただきました)右)筆者がオルセー美術館で撮影したセザンヌによるサント・ヴィクトワール山を描いた作品 本展覧会では、「地誌的風景画」「海景‐海洋国家に生きて」「イタリア‐古代への憧れ」「山岳‐あらたな景観美をさがして」のターナーの風景画に見いだすことのできる主要テーマに分けて紹介されています。当時、貴族の修学旅行ともいえるグランド・ツアーが流行り、国外への旅行者が増えたことが大きく関係しているといわれています。毎年、ターナーはイギリス国内はもとより、フランス、イタリア、スイス、ドイツなど、ヨーロッパ各地にも足を運び、膨大な風景をスケッチしました。ターナーが手掛ける絵画作品は、その土地の様子を精巧に描くことで、現代でいうところの『地球の歩き方』のような、旅行のガイドブック的役割を担っていました。是非、会場内を歩みながらヨーロッパ各国を旅する気分を味わってみてください。写真(右)は近代絵画の父と称されるセザンヌが、モチーフとしてよく描いてたサント・ヴィクトワール山。ターナーとの山の表現を見比べてみると表現の違いが明確で面白いですね!ビジネスマンの視点《風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様》 1802年展示油彩・カンヴァス91.5×122cm サウサンプトン・シティ・アート・ギャラリーOn loan from Southampton City Art Gallery ©Bridgeman Images / DNPartcom 海が持つパワーを表現しようと果敢に挑戦した《風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様》は、ターナーが晩年に買い戻そうとして叶わなかったというエピソードもある名作。荒れ狂う波に流されまいと帆を高く掲げる船や抗おうとする漁師たちの姿だけでなく、優れた技量によって自然の多様性さ、美しさ、ドラマを伝えています。日本と同じ島国であるイギリスでは、海景画は主要な芸術のジャンルだったそう。ターナーが生きた時代は、ナポレオンが率いるフランス軍の脅威にさらされていたため、イギリス国民全体が海に対する関心を共有していました。自然に対する理解と趣味が変化するなかで、より広範囲にわたる流行を認識して、ターナーは作品制作していたのだそう。そういった背景を読み取っていくと彼はビジネスマンの視点を持ち合わせていたことが分かります。作品の美しさだけに触れるのもアートの楽しみ方の一つですが、そういった発見から歴史や着眼点も学べると、もっとアートの楽しみ方が広がっていきますね! 是非、会場に足を運んでみてください。 【情報】 「ターナー風景の詩(うた)」展 会期:2018年4月24日(火)〜7月1日(日)会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館住所:東京都新宿区西新宿1-26-1損保ジャパン日本興亜本社ビル42階休館:月曜日(ただし4月30日は開館、翌5月1日も開館)時間:午前10:00〜18:00※5月9日(水)、16日(水)、6月26日(火)〜30日(土)は19:00まで※入館は閉館の30分前まで観覧料:一 般 1,300円 大・高校生:900円 65歳以上:1,100円 中学生以下:無料
2018年05月13日乃木坂の書店兼ギャラリー・ブックスアンドモダン(Books and Modern)では、11月17日から12月10日まで小井田由貴の作品展「Traveling Basket」を開催する。小井田由貴は雑誌や広告を中心に活動する版画家。1997年より活動を開始し、2001年に個展「build up」(gallery ROCKET)、「アルヴァ・アアルト -- 椅子の世界」(イルムス池袋)の開催以来、定期的に北欧の文化やデザイン、インテリアをイメージさせる個展を開催している。2015年には「ロシアの夢、夢のロシア ─ She’s going to dreamland, Russia」を本展と同じブックスアンドモダンにて開催した。また、雑誌掲載や広告起用の他に企業とのコラボレーションも多く、イルムス(ILLUMS)では常時、北欧をテーマにした版画を多数販売し、オリジナル商品も手掛けている。本展は「カゴ(籠、Basket)」をモチーフに、彼女が世界各地のカゴに注目して制作した版画を展示。「カゴの風合いは、旅の香り」をテーマに、世界各地のそこに住む人の手と知恵で、そこにある材料、植物で編み出されるさまざまなカゴ、カゴの編み目に宿るさまざまな暮らしの香りや、これまで出掛けた国やまだ見ぬ街の香りを描いた。会期中の11月17日、18日、25日と12月2日、9日は作家在廊。【展覧会情報】小井田由貴 作品展 「Traveling Basket」会期:11月17日~12月10日会場:ブックスアンドモダン(Books and Modern)住所:東京都港区赤坂9-5-26 パレ乃木坂201時間:12:00~19:00定休日:毎週日曜日、月曜日(最終日の12月10日は開廊)
2017年11月09日19世紀末のパリを彩った作品の数々を一挙公開2017年10月18日から2018年1月8日まで三菱一号館美術館で開催されているのが「パリグラフィック ロートレックとアートになった版画・ポスター展」です。19世紀末のパリ、これまで情報伝達の手段だった版画は、多くのアーティストの手によって芸術の域にまで高められました。今回は三菱一号美術館とファン・ゴッホ美術館の所有する貴重なコレクションのうち、版画、リトグラフ、ポスターなど、約140点を楽しむことが出来ます。パリの街中や劇場内を彩っていたポスターや版画を見て、当時の空気感を感じてみましょう。この展示会が開催されている三菱一号館美術館は、千代田区丸の内にあります。JR東京駅の丸の内南口から徒歩5分です。東京メトロ千代田線「二重橋前」駅(1番出口)からは徒歩3分と、アクセスも良好。展示をもっと楽しめる「トークフリーデー」三菱一号館美術館ではこの展示会の会期中、これまで休館日だった月曜日を活用して、声の大きさを気にせずに展示を楽しめる「トークフリーデー」を実施します。このような展示会は静かにじっくり作品をと向き合って楽しむのが醍醐味ではありますが、そのために小さい子供を連れていけなかったり、一緒に行った人と作品について語りたくても、遠慮してしまうこともしばしば。この「トークフリーデー」は、10月30日(月)、11月27日(月)、12月25日(月)の3日間で、時間は10:00~18:00(入館は17:30まで)となっております。女性だけのお得なチケットプランまた、原則として開館時間は18:00までですが、祝日を除く金曜日、第2水曜日、会期最終週の平日は21:00まで開館していますので、仕事終わりでも楽しむことが出来ますね。当日券の一般料金が1700円のところ「アフター5女子割」として第2水曜日の17:00以降は、女性は1,000円で入場できるのも見逃せないポイント。その他、前売り券に関する情報は、公式サイトをご確認ください。お土産選びもじっくりと会場ではオリジナルグッズも多数販売されています。特にほぼ原寸大のトート&ポーチは抜群の存在感。気になるアイテムがあれは、実際に手にとってみてくださいね。来年まで都内で楽しむことが出来る展示会は、芸術の秋を楽しみたい方にオススメ。何度も足を運んで、新しい発見をしましょう。イベント情報イベント名:パリグラフィック ロートレックとアートになった版画・ポスター展催行期間:2017年10月08日 〜 2018年01月08日
2017年11月07日19世紀末のパリで、トゥルーズ=ロートレックやボナール、ヴュイヤールなどの芸術家たちが次々に生み出していったグラフィック・アート作品を、版画やリトグラフ・ポスターを中心に、全173点を一挙に展示する「パリ・グラフィックロートレックとアートになった版画・ポスター展」が10/18(水)より三菱一号館美術館で開幕した。【チケット情報はこちら】ベル・エポックと呼ばれる時代、それまで情報伝達手段でしかなかった版画は前衛芸術家たちによって新たな芸術表現として花開き、それを収集する愛好家までが登場するようになる。そして、街中や芸術劇場のポスター、本の挿絵として人々の暮らしに浸透していき、「グラフィック・アート」は時代を映す最先端のメディアとなった。今回は、三菱一号館美術館、及びアムステルダム、ファン・ゴッホ美術館の貴重なコレクションから選りすぐられた、これらの貴重な作品群を一挙に観賞できる機会となる。同展覧会の音声ガイドを務める、元宝塚歌劇団・雪組トップスターの女優・水夏希に話を聞いた。「音声ガイドでは、普段見慣れていたロートレックのポスターが実はこんな背景で描かれたということや、描かれた人と人の関係などを詳しく説明しています。見たことのあるポスターの、その時代の空気や生活感、人間関係などが立体的に説明されているので、私も録音しながらとても楽しかったです。色々な芸術やエンターテインメントが築かれていった時代なので、ひとつひとつのエピソードに時代が彩り豊かに盛り上がっていった様子を感じられると思います。」水自身、音声ガイドのナビゲイター経験は初めてだという。「ナビゲーターを務めることになって、とても嬉しかったんです。でも、直接皆さんの耳元で話しをするわけなので、さすがに緊張しました。私、早口なので早くなりすぎないように(笑)このガイドを聞いているあなただけに直接説明します…という気持ちを心がけたつもりです。案内の内容も、途中でセリフ調になったり、当時のロートレックの言葉がちょっと入っていたりで面白いんですよ。コレクターの独白というスペシャルトラックもありますので、これは男声で話しています(笑)。」展示には作品だけでなく、当時のコレクター達に焦点を当てたコーナーも。様々な角度から、19世紀末のパリをうかがい知ることができる。本展覧会は2018年1月8日(月祝)まで。
2017年10月25日爽やかな秋風は芸術の香りも街に運んできました。駅の壁は展覧会を知らせるポスターだらけ。あちこちの美術館やギャラリーでは魅力的な展覧会が開催されています。何を観ようか目移りしている方へ、ちょっと面白い展覧会「第61回CWAJ現代版画展」をご紹介します。■意外と知らない版画の世界版画というと、浮世絵がまっさきに頭に浮かぶかもしれません。あれは板目木版。基本的な技法は、小学生の頃、図工の時間に彫刻刀でベニヤ板を削って作った、あれと同じです。木の板に彫って作る木版は、版画の数ある技法のひとつにすぎません。ひと口に版画と言ってもその制作方法は想像以上に複雑です。たとえば、下絵を描刻する版の素材もさまざま。*これは木版画(woodcut)*これも木版画(woodblock)*これは銅版画(etching)*これも銅版画(etching & acuatint)*これはペーパーブロック(paperblock)厚紙など紙の版を使用しています。*これはリノカット(linocut)板にリノリウムという樹脂板を使用。版画は版面下に限定番号が書かれているものがほとんどです。たとえば、上の作品の場合、左端の1/ 40の表記は、同じ版で40枚の作品が制作されていて、うち1番最初に刷られたのがこの作品ということ。コレクターのなかには、1枚目に刷った版画作品だけを集めるというマニアもいるくらいです。この数字、今後注目してみると面白いかも。*これはコラグラフ(collagraph)さまざまな素材の平版に、各種素材を貼りつけたり、下地剤を塗ったりして凸凹を作って刷ります。フランス語の「コラージュ」に由来。こんなふうに板の種類だけでもいろいろ。そこに、彫りの技法や彩色、紙質、刷り方の特徴が複雑に組み合わさるのですから、版画はとてつもなく繊細で、可能性に満ちたアートなのです。あれ、話が本題からそれてしまった……。■CWAJ版画展のお話CWAJ現代版画展とは、ボランティア団体「CWAJ(College Women Association in Japan)」が開催する版画展で、今年で第61回目を迎えました。第1回は戦後まもなくの1956年ですから、この版画展の歴史はとてつもなく長いのです。会場に展示される版画は、ほぼすべて、異なる版画家の手で制作されています。篠田桃紅、横尾忠則、野老朝雄といった日本を代表する著名作家から、公募で選ばれた新進気鋭の作家まで、日本の版画界を牽引する200名近い版画家たちの多種多彩な作品が、代官山ヒルサイドフォーラムに勢揃い。会期中、入場は無料で、しかも、すべての版画が購入可能というのは嬉しいところ。技法に注目するのもよし。テーマを探すのもよし。色彩で選ぶのもよし。限定番号に着目するのも面白い。自分の部屋に飾るならどれがいいかなあ、なんて考えながら観てまわるのも楽しそうです。この版画展の運営はすべてボランティアの手で行われ、版画の純益はCWAJの教育、奨学プロジェクトや福島支援プロジェクトの資金に充てられるとか。素敵な取り組みです。気に入った作品を自分のものにできて、それが支援につながるなんて、ちょっと良い気分!開催は10月25日〜29日まで。芸術の秋、おしゃれな街、代官山に足を延ばし、部屋に飾るとっておきの版画を探しに出かけてみてはいかがでしょうか?ちなみに、これは我が家のとっておきの1点。リトグラフ(lithograph)という技法が使われています。「リト」はギリシャ語で「石」の意味。かつては石灰石の版を使っていたからその名がついたとか。う~ん、版画ってやっぱり奥が深い……※記事中の画像はすべてCWAJの許可を取ってお借りしています。
2017年10月18日テーマ展「ダリの挿絵版画」〜絵を読む、物語を見る。が福島県諸橋近代美術館にて2017年9月11日(月)から11月30日(木)まで開催される。今回の展示は、名作文学の世界をサルバトール・ダリが表現した挿絵コレクションを紹介するものだ。シュルレアリスムを代表する芸術家であり、昨年に開催された「ダリ展」でも人気を博したダリの新たの一面を発見できそうなイベントだ。ダンテの叙事詩”神曲”、ミゲル・デ・セルバンテの”ドン・キホーテ”、ビゼーのオペラ”カルメン”など、文芸史における金字塔と言える作品群をダリがどのように解釈したのかを垣間見ることが出来る。‘‘ドン・キホーテ”の挿絵は、ダリの特徴的な表現技法「銃弾主義」が端的に表れた作品と言える。火縄銃に装填されたインクの弾丸を石板の上で炸裂させるという衝撃的な描画方法は、風車を巨人と勘違いし向かっていくマッドなドン・キホーテを表現するのにぴったりだったかもしれない。地獄、煉獄、天国といった世界を描いたダンテの”神曲”。ダリ以前にもボッティチェリやミケランジェロ、ロダンといった名だたる芸術家によって表現されてきた当作品ではあるが、ダリが描いた挿絵は他の芸術家の作品と比べ、地獄をいかに描写するかの点で決定的に異なっているといえる。「ダンテの地獄は地中海の太陽と蜜とで明るく輝きわたっている」とダリ本人が記しているように、挿絵にみられる地獄の世界は、それまで描かれたどの芸術家による作品よりも明るく描かれている。また、本展と同時に「コレクション展 シュルレアリスムとダリ」も開催。さらに9月17日(日)には、「ダリの国!情熱のスペインパーティー」を諸橋近代美術館内で開催。当日は美術館展示鑑賞も無料となり、設置されるブースイベントの参加も無料となる。祭りの目玉となるのは、1,000食分無料提供されるスペインの郷土料理パエリア。バレンシアのパエリアコンクール国際部門6度の優勝を果たした、埼玉の人気店「すぺいん亭」が登場し、大鍋で作ったカラフルなパエリアが来場者で振る舞われる。また、女性パフォーマーp0p0によるダリ・バルーンアートや、スペイン産ワインやチュッパチャプスなど食にまつわる景品が当たる抽選会も行われる。【詳細】■テーマ展「ダリの挿絵版画」〜絵を読む、物語を見る。開催期間:2017年9月11日(月)~11月30日(木)開館時間:9:30~17:30※入館は閉館30分前まで。11月は17:00閉館。会場:諸橋近代美術館住所:福島県耶麻郡北塩原村桧原剣ケ峯1093‐23観覧料:一般 950円、高校・大学生500円、中学生以下無料※20名以上の団体50円引き※教育施設対象の観覧料免除制度あり(事前申込必須)■「ダリの国!情熱のスペインパーティー」実施日時:9月17日(日)・パエリア1,000食無料提供時間:10:30、11:20、12:10、13:00※引換券は9:30~配布(1,000食分配布終了まで)・この日だけ美術館展示鑑賞無料時間:9:30~17:30(最終入場は17:00)
2017年08月03日「パリ♡グラフィックーロートレックとアートになった版画・ポスター展」が、2017年10月18日(水)から2018年1月8日(月・祝)まで東京・三菱一号館美術館にて開催される。19世紀末のパリ、生活と芸術の間にあった「グラフィック・アート」かつて版画は複製や情報伝達のための手段でしかなかった。しかし、19世紀末のパリ、芸術家・トゥールーズ=ロートレックや世紀末の前衛芸術家たちの存在により版画は絵画と同じ芸術の域まで高められ、それらを収集する愛好家も現れた。また、ポスター文化も大衆文化とともに発展。版画、ポスターなどの美術がともにパリの人々の暮らしに浸透し始めた、そんな時代だった。人々の生活に溢れる芸術「グラフィック・アート」は、当時の芸術家たちにとって実験的な精神が発揮された場所であり、時代を映すメディアであっただろう。本展では、19世紀末のパリにおける版画の多様な広がりを検証。三菱一号館美術館、アムステルダム、ファン・ゴッホ美術館の貴重な版画コレクションから、リトグラフ・ポスター、油彩・挿絵本など約140点を展示する。ロートレックの功績トゥールーズ=ロートレックは、《ムーラン・ルージュのイギリス人》など歓楽街や娼館、パリに生きる人々の姿を鋭い観察眼で描き出した19世紀末フランスを代表する画家。ポスターや版画制作において卓越したデッサン、鮮やかな色彩、斬新な構図に挑戦し後世のグラフィック・アートに大きな影響を与えている。三菱一号館美術館ではロートレックのグラフィック・コレクションを250点以上所蔵。本展ではその中から市場には出なかった試し刷りなど、彼の制作過程をみることができる貴重な作品を展示する。芸術家たちが夢中になったリトグラフ18世紀の終わりに開発されたリトグラフは、水と油の反発する性質を利用して刷る版画技法。自由に描写ができるこの技法に、ロートレックをはじめ印象派やナビ派など多くの画家たちは魅了され、美しい作品をたくさん生み出している。コレクターズアイテムとなった版画版画が大衆化する一方、版画の芸術としての価値を高めようとする動きもあった。作家たちが版や刷りの実験的な表現を開拓する一方で、意欲的な画商は版画を絵画と異なる独自の価値があるとし、版画集の刊行を手がけていた。結果として、前衛アーティストの作品を収集するコレクターのために豪華版の版画集や一点ものの作品が発売された。一方でその動きはどんどん広がり、街に貼られていた劇場のポスターさえもコレクターズアイテムに変貌し、人々のコレクション熱は加速していった。本展ではロートレックの他にも斬新なデザイン性のある画家、フェリックス・ヴァロットンや、文学とイメージを融合した詩画集を生んだピエール・ボナールなど様々な作家の作品を紹介。収集家たちが集めた高品質の作品と、パリの街角で輝いていたポスターやパンフレット、2つの方向から楽しめる本展、是非足を運んでみてはいかがだろうか。詳細パリ♡グラフィックーロートレックとアートになった版画・ポスター展会期:2017年10月18日(水)〜2018年1月8日(月・祝)会場:三菱一号館美術館住所:東京都千代田区丸の内2-6-2開館時間:10:00〜18:00(祝日を除く金曜、11月8日、12月13日、1月4日、1月5日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで。休館日:月曜休館(ただし、1月8日は開館)、2017年12月29日〜2018年1月1日入館料:当日券 一般 1,700円、高校生・大学生 1,000円、小・中学生 500円前売り券 一般 1,500円 ※大学生以下、ペアは前売り券の設定なし。※ペア券はチケットぴあでのみ販売。前売り券販売場所:ローソンチケット、チケットぴあ、セブンチケット、イープラス、ちけっとぽーと関東支店三菱一号館美術館チケット購入サイトWEBKET、三菱一号館美術館内Store1894問い合わせ先TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年06月15日神奈川県・箱根にある岡田美術館にて、2016年12月23日(金・祝)から2017年4月2日(日)まで、特別展「美術館で巡る 東海道五十三次の旅 ―広重の版画を中心に―」が開催されます。収蔵する「東海道五十三次」の全55図が初公開されるとあって、アートファン、浮世絵ファンは必見の展覧会です。東海道最大の難所として知られた箱根に位置する岡田美術館で、「東海道五十三次」と名所の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。収蔵全55図を初展示!「美術館で巡る 東海道五十三次の旅」特別展「美術館で巡る 東海道五十三次の旅 ―広重の版画を中心に―」では、風景版画の傑作として名高い歌川広重の「東海道五十三次」(保永堂版)全55図を一挙展示。さらに、各宿場に関連する絵画や工芸作品が併せて展示されます。館内を巡りながら、かつての東海道五十三次の旅を満喫できる内容となっています。特別展の見どころをご紹介!●歌川広重「東海道五十三次」(保永堂版)を一挙公開今回の展示の目玉は、初公開となる「東海道五十三次」(保永堂版)です。歌川広重(1797~1858)によって手掛けられた浮世絵版画で、53の宿場に日本橋(江戸)と三条大橋(京都)を加えた 55図から構成されています。天保4年から 5 年(1833~34)にかけて出版されたと考えられており、東海道を旅する人々や、その美しい風景を生き生きと表した傑作です。日本橋から三条大橋までの全てが揃って展示される貴重な機会なので、見逃せません。●保永堂版「東海道五十三次」とは?江戸時代、浮世絵は「版元(はんもと)」が企画立てをし、出版することが主流でした。版元とは絵師、摺師、彫師へ仕事を依頼し、全体を統括する、いわゆる、プロデューサーのような役割です。広重は生涯に20種を超える東海道シリーズを制作しました。中でも、この保永堂(竹内孫八)が中心となって出版した「東海道五十三次」は、情趣に富んだ風景描写や、親しみあふれる人物表現などに優れ、高い評価を得ています。この爆発的な成功がきっかけで、広重は人気浮世絵師の仲間入りを果たしたことから、保永堂版は風景画家・広重の出世作として重要な位置を占めています。●箱根の岡田美術館で、地域の歴史に思いを馳せよう今回の展示では、箱根および近隣の小田原にゆかりのある作品も集合。この地域が歴史的にどのように評価され、表現されてきたかを辿ります。箱根に位置する岡田美術館ならではの企画となっています。●東海道に関連する作品を同時展示!美術館で旅気分を楽しめるまた、東海道の各宿場にちなんだ作品も併せて展示します。出版された当時から旅のガイドブックであったと同時に、手軽に旅気分を味わえる道具でもあった「東海道五十三次」。会場を巡り、作品を眺め、時空を超えた旅に出発しましょう。常設展示や新春特別展示にも注目!岡田美術館では、特別展示のほかに、常設展示も併せて鑑賞できるのが魅力です。中国・韓国の陶磁器や青銅器、日本の土偶や埴輪などの考古遺品、日本の陶磁器、絵画や漆芸、仏教美術など、常時約450点の美術品が並び、古代から現代までの日本・東洋の多彩な美の世界を堪能できます。また、新春特別展示として、横山大観「霊峰一文字」の 1年半ぶりの特別公開が決定。長さ約 9m にも及ぶ横山大観の富士の名画で、新年のおめでたい気分が盛り上がること間違いありません。併設の足湯カフェでほっこり岡田美術館併設の足湯カフェに、2016年12月23日(金・祝)~2017年4月2日(日)の間、手ぶらで気軽に足湯を楽しめる朝だけのお得なセットが登場します。このセットは、「美術館見学をする時間はないけれど、足湯だけでも浸かってみたい」というニーズに応えたもの。料金は、足湯入湯料(500 円税込)にタオルとコーヒーがついて、1,000円(税込)です。風神・雷神の大壁画「風・刻(とき)」を鑑賞しながら、足湯で癒されてみてはいかが。なお、美術館に入館した方は、入湯料無料で足湯を利用できます。東海道五十三次の旅を楽しんだ後には、ぜひ立ち寄ってみてください。イベント詳細名称:美術館で巡る 東海道五十三次の旅 ― 広重の版画を中心に ―会場:岡田美術館住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷 493-1会期:2016年12月23日(金・祝)~2017年4月2日(日)開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)休館日:2016年12月31日(土)、2017年1月1日(日)入館料:一般・大学生 2,800円、小中高生 1,800円公式サイト:足湯カフェ詳細開催期間:2016年12月23日(金・祝)~2017年4月2日(日)対象時間:9:00~11:00※上記以外の時間であれば、同セットは通常価格(1,200 円税込)にて利用できます。内容:足湯入湯料、タオル、コーヒー※ご希望の方にはブランケット無料貸し出し価格 1,000 円税込(通常 1,200 円税込)※美術館に入館した方は入湯料無料で足湯を利用できます。画像提供:岡田美術館※画像・写真の無断転載を禁じます。
2016年11月09日「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」が国立西洋美術館で2016年7月9日(土)から2016年9月19日(月・祝)まで開催される。イスラエル・ファン・メッケネムは、15世紀後半から16世紀初頭にライン川下流域の町で活動したドイツの銅版画家だ。当時人気のショーンガウアーやデューラーら他の作家の作品をコピーする一方、新しい試みもいち早く取り入れた。彼の作品の多くはキリスト教を主題とし、人々の生活における信仰の重要性をしのばせているのが特徴だ。また、男女の駆け引きや人間と動物の逆転した力関係などをユーモアと風刺を込めて描いている。本展では、版画や絵画、工芸品など約100点を展示。聖俗がまじりあう中世からルネサンスへの移行期にドイツで活動したメッケネムの版画制作をたどる。さらに、初期銅版画の発展と受容や工芸との関わり、コピーとオリジナルの問題、そして作品に映された当時の社会の様相などにも目を向ける。【開催概要】聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画期間:2016年7月9日(土)〜2016年9月19日(月・祝)場所:国立西洋美術館住所:東京都台東区上野公園7-7時間:9:30〜17:30 (毎週金曜日 9:30〜20:00)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日、7月19日(火)※ただし、7月18日、8月15日、9月19日は開館観覧料:当日 一般1,000円、大学生750円、高校生500円団体 一般800円、大学生600円、高校生300円※団体料金は20名以上。※中学生以下は無料。※心身に障害のある人および付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳を提示)【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL:03-5777-8600
2016年04月08日イデーは、版画家・黒木周氏、画家・TAGAMI 田上允克氏、陶芸家・Guido de Zan氏といった表現手法の異なる作家3名による展示会を開催する。会期は3月4日~4月27日(作家により異なる) 。会場は東京都・自由が丘の「イデーショップ自由が丘店」。営業時間は11:00~21:00(日曜・祝日は20:00まで)。観覧無料。同展は、同社が注目する版画家、画家、陶芸家といった表現手法の異なるアーティスト3名による作品展を、東京都・自由が丘にある「イデーショップ自由が丘店」3階アートギャラリーと1階イデークラフトのスペースにて開催するもの。3月4日~3月30日、同店3階アートギャラリーにおいて開催されるのは、宮崎県都城市を拠点に、ファブリックを貼った板を使った版画・クロスグラフという独自の技法で作品を制作する版画家、黒木周氏の作品展『IDEE Life in Art Shu Kuroki Exhibition 黒木周「カタチ」展』。黒木氏は1965年、宮崎県都城市生まれ。多摩美術大学絵画科卒業。2002年からは都城市にアトリエを構え、個展を中心に作品発表を続ける。同じく3月4日~3月30日、同店1階にて開催されるのは、独特な技法と表現で作品をつくり出す、イタリアの陶芸家、Guido de Zan(グイド・デ・ザン)氏の作品展『IDEE CRAFTS グイド・デ・ザン「描画の世界」展』。Guido de Zan氏は1947年イタリア・ミラノ生まれ。トレント大学で心理学の学位を取得したのち、1978年にミラノ・サンロレンツォ教会近くの工房にて作品を作り続けている。一方、4月1日~4月27日の期間、3階アートギャラリーで開催されるのは、1日平均3~7点の作品を描き続けているという画家、TAGAMI 田上允克(たがみまさかつ)氏の作品展『IDEE Life in Art TAGAMI タガミ』。TAGAMI氏は1944年、山口県生まれ。大学で哲学を学んだ後、29歳で上京し、偶然入ったアトリエで絵を描くことの楽しさに取り憑かれて以来、 40年以上「時間が足りない」と休む事なく作品を描き続けている。
2016年03月04日トーホーは、版画家・君島龍輝氏の個展「版画家・君島龍輝 ~BANGAの世界展~」を開催する。会期は1月15日~2月13日(日曜・月曜・祝日は休廊)、開館時間は11:00~19:00。会場は東京都・浅草橋のGallery t。入場無料。同展では、版画家・君島龍輝氏によるBANGA(下絵を描かずに版木を彫る技法)の作品が展示される。会場では、同氏がその技法により龍や鳳凰で宇宙を表現した、畳242枚分(400平方メートル)もの巨大な木版画作品「COSMO-242」の中心となる太陽と主要部分が公開されるほか、BANGAの小作品が展示されるという。ちなみに「COSMO-242」は、世界最大&世界最長の木版画としてそれぞれギネス世界記録に認定されているとのことだ。また、イベント初日の1月15日 18:00~20:00には、オープニングレセプションが開催される。レセプションへの参加は予約不要。入場無料。このほか、1月15日(11:00~18:00)と16日(11:00~13:00、15:00~18:00)には、オリジナル版画実演販売が行われる。作品はA5サイズ。制作費は54,000円(版木制作、版画額装)。制作時間30分。さらに、1月16日(13:00~15:00)には、 BANGA塾《体験教室》が開催される。受講料は1万800円(彫刻刀や筆などの道具レンタル代、和紙や絵具などの材料代、額装代が含まれる)。定員8名。版画実演販売やBANGA塾についての問い合わせは、Webサイト内に記載のあるメールアドレスに、タイトルを「版画実演販売」または「BANGA塾」とし、名前(ふりがな)、連絡先を明記してメールを送信する。なお、君島龍輝氏は1956年、那須温泉湯本生まれ。広島市在住。1983年にギタリストから版画家に転向、個展開始。1992年、ジャズミュージシャン(リチャード・デイビスなど)のコンサートポスターを多数手がける。1994~1998年、NYのギャラリーで個展を開催するために訪米。2012年、畳サイズ180枚の巨大木版画「奇跡の時空」の彫りが完成す。2013 年「巨大木版画」世界最大&最長に挑戦、制作開始。2014年、畳サイズ242枚の超巨大木版画「COSMO-242」完成。世界最大の木版画400㎡・世界最長の木版画220mギネス世界記録認定、2冠達成。2015年3月4日、ギネス世界記録共同通信発信。同年7月イタリアピストイア聖堂 個展。
2016年01月05日東京・丸の内の東京ステーションギャラリーは、3人の版画家による、日本の版画史に足跡を残した雑誌の紹介を中心とした展覧会「『月映(つくはえ)』田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎」を開催している。会期は11月3日まで(月曜休館、ただし11月2日は開館)。開館時間は10:00~18:00(金曜は20:00まで)。入館料は一般900円、高校・大学生700円、中学生以下無料。同展は、公刊「月映」(洛陽堂)の紹介に中心をおきながら、創刊者である田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎ら3人の画家の出会い、公刊「月映」の準備期間に制作した限定の私家版「月映」、田中恭吉の死後発刊された萩原朔太郎の初めての詩集「月に吠える」(田中恭吉ペン画11点と恩地の木版画3点を収録)に関連する作品や資料など、約300点を展示するもの。1914年に生まれた作品集「月映」は、20代前半の美術学生、田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎らによる木版画や詩をまとめた雑誌で、田中恭吉の死を迎えた頃に1年ほどで終刊となったものの、日本の版画史に足跡を残した。当時の画家たちにとって、木版画による表現手段は主流ではなかったが、3人はそれを跳ね返すように、自画・自刻・機械刷りによる木版詩画集づくりに熱中したという。田中恭吉は結核を患い、命を削りながら、内面の葛藤を表出するような物悲しい木版画と詩を生み出し、藤森静雄は木版画の特徴を生かした内省的な作品を残し、そして、恩地孝四郎は「月映」創刊号の編集を一人でこなし、また、日本で最初期の抽象表現に到達した。○■田中恭吉(たなかきょうきち)1892年に和歌山県和歌山市に生まれる。1910年、白馬会原町洋画研究所に入所し、1911年に東京美術学校予備科日本画科志望に入学。萩原朔太郎の詩集の装幀を頼まれるが、結核のため衰弱、1915年に郷里で亡くなる。遺作が恩地の手により萩原の詩集「月に吠える」に用いられた。○■藤森静雄(ふじもりしずお)1891年に福岡県久留米市に生まれる。1910年、白馬会原町洋画研究所に入り、1911年に東京美術学校予備科西洋画科志望に入学、1916年に東京美術学校を卒業。帰郷し中学校の教師となるが、再び上京し、日本創作版画協会や日本版画協会の創立に参加、春陽会にも出品した。1943年没。○■恩地孝四郎(おんちこうしろう)1891年に東京に生まれる。1910年、東京美術学校予備科西洋画科志望に入学、1911年、予備科彫刻科塑造部志望に入学。1918年に日本創作版画協会の、1931年には日本版画協会の創立に尽力。のち国画会会員となる。創作版画の推進者として活躍し、装幀や油彩画も手がけた。1955年没。
2015年10月20日東京都・渋谷のBunkamura Box Galleryは、人生という旅の中で心に浮かんでくる情景を、抽象の木版画に刻んできた版画家の展覧会「爲金義勝新作版画展 2015」を開催する。会期は11月10日~11月18日。開館時間は10:00~19:30(11月18日は17:00まで)。入場無料。同展は、約30年間、形のない感情や人生において大切なものに向き合い、それを金箔や鮮やかな色彩を使った明快なカタチにして独自の存在感のある作風を作り上げてきた、爲金義勝の新作版画を中心に旧作も展示販売するもの。爲金氏の版画作品にみられる独特のマチエールは、木版画とコラグラフを掛け合わせることで完成されている。コラグラフとは、版に色々な素材を貼りつける事で木版画自体に物質的な立体感を出したり、様々なテクスチャーを画面に載せることで、そのイメージの奥行を表現する事が出来る技法で、伝統的な木版画特有の静謐感とコラグラフによるモダンな素材感とを掛け合わせた抽象的な作品となっている。また、爲金氏は、自身の創作活動に対し「希望や未来は目に見えません。光にも風にも愛にも音楽にも形がありません。人を元気づけ、生きていく勇気を与えるそれらのものに、形を与えるのが私の仕事です」と語っている。なお、爲金義勝(ためかね よしかつ)は1959年兵庫県西宮市生まれ。関西学院大学商学部卒業。創形美術学校研究科版画課程修了。在学中、堀井英男に師事した。1991年から1994年までパリに滞在し、2003年より1年間、文化庁在外研修員として、 アメリカ・ペンシルヴェニア大学美術学部大学院にて研修。 国内外の数々の個展・展覧会に作品を出品し、現在、日本版画協会会員、日本美術家連盟会員となっている。
2015年10月09日東京都・原宿の太田記念美術館は、浮世絵版画における彫りや摺りのワザに注目した「錦絵誕生250年記念 線と色の超絶技巧」を開催する。会期は前期が8月1日~8月30日、後期が9月4日~9月27日(月曜・9月24日休館、ただし9月21日は開館)。開館時間は10:30~17:30。入館料は一般700円、大高生500円、中学生以下無料。同展は、錦絵誕生250年を記念し、北斎や広重など絵師たちの名前ばかりが注目を集める浮世絵版画において、彫りや摺りの超絶技巧にスポットをあてるもの。展示作品は前期・後期で入れ替えられ、小泉巳之吉や横川竹二郎など、浮世絵版画にサインを残すほどの実力があった名工たちも併せて紹介されるということだ。浮世絵が世界で人気を集めた理由の一つに、この錦絵という技術の素晴らしさがあるという。錦絵は、絵師の描いた線を残し、その外側を彫っていくのだが、高度な「彫り」の技術によりわずか1cm四方のスペースにも関わらず密集した細かい線が作り出されている。また、華やかな画面は、「摺り」のワザにより生み出される鮮やかな色や淡いグラデーションを駆使して作り上げられている。ポスト印象派の画家・ゴッホは、その錦絵特有のまばゆい色彩に日本の光を感じ、憧れたということだ。また、学芸員が同展の見どころを解説するスライドトークが開催される。開催日時は8月8日、8月14日、8月19日、9月5日、9月11日、9月15日、各日14:00~(40分程度)。参加無料だが、同展への入場券が必要となる。
2015年07月31日版画家でカメラマンのマーク・ジョンセン(Mark Johnsen)の美術展「U.S. ルート 395」が、6月27日から8月23日までTHE NORTH FACE STANDARD二子玉川3階のギャラリースペースで開催される。カリフォルニア・サンフランシスコ在住のマーク・ジョンセンは、“アメリカ西部の最後の開拓地を記録に残したい”という熱い想いから創作活動を行うアーティスト。山や海、石や流木などを織り交ぜ、雄大でありながらも身近に存在している自然をモチーフにした作品を多く創り出している。「U.S. ルート 395」は、江戸の浮世絵師であった歌川広重の「東海道五十三次」から直接影響を受けて製作した版画作品シリーズで、イースタン・シェラネバダ山脈に沿ってカリフォルニアからカナダまで続くルート上のいくつかの場所で描かれたもの。マーク・ジョンセンにとってこのルートは、キャンピングやフィッシング、地質資料の収集などをして過ごし、後に自然界の魅力を描きたいという強い願いを気づかせるきっかけとなる場所だった。輝く塩水池や広大な砂漠、終わりのない花崗岩の繋がりなど、このハイウェイにおける地形の多様性は壮大かつ雄大な作品に表れている。また、期間中はオリジナルグラフィックTシャツを販売。その他、6月28日には本人によるアートワークショップも実施される。さらに、同エキシビジョン開催の前々日である6月26日の夜には、ドリンクと軽食を楽しみながらマーク・ジョンセンの話が楽しめるレセプションも開催される予定だ。【イベント情報】「U.S. ルート 395」会場:THE NORTH FACE STANDARD二子玉川3階のギャラリースペース住所:東京都世田谷区玉川1-17-9会期:6月27日~8月23日時間:10:00~20:00
2015年06月24日版画工房エディション・ワークスが展示会「Prints & Originals」を、2月13日から25日にかけて代官山のギャラリースピークフォー(GALLERY SPEAK FOR)にて開催する。エディション・ワークスは、アーティストからの依頼を受けて、銅版画、木版画、リトグラフ、シルクスクリーン、デジタルプリントなどを制作する版画工房。これまでに、村上隆や彫刻家の若林奮、船越桂をはじめとした数々のアーティストの活動を支えてきた。そんなエディション・ワークスにとって2度目の開催となる展示会では、過去に工房で制作してきたアーティスト達の版画作品をオリジナルと並べて展示。表現方法の違いが生み出す版画の魅力にフォーカスした。更に、アクリル画、水彩画、写真、立体作品などに加え、各作家に関連するオリジナル商品や雑貨類などの展示や販売も行う予定だ。なお、2月14日の15時からはエディション・ワークス代表の加山智章と、イラストレーターでアートディレクターの安齋肇によるギャラリートークも行われる。【イベント情報】エディション・ワークスPrints & Originals会場:ギャラリースピークフォー住所:東京都渋谷区猿楽町28-2SPEAKFOR2階会期:2月13日から25日まで時間:11:00から19:00まで(最終日のみ18:00まで)休館日:木曜日
2015年02月05日代官山 蔦屋書店にてドイツの出版社「Lubok Verlag (ルボーク フェアラーグ)」発行の版画作品集のフェアが開催される。期間は10月15日から11月15日まで。ベルリン、ロンドン、バーゼル、ニューヨークなど世界各地のアートブックフェアやブックショップで 注目を集めるルボーク社。同フェアでは、日本ではほとんど流通のなかったルボーク社発行の版画作品集を展示、販売。定期刊行物「ルボークシリーズ」全タイトルをはじめ、黒1色の「ヘルガの家(House Helga)」(カトリーナ・イメクス作)、大人も子供も笑顔にする色とりどりの絵本「『はい』『いいえ』、はっきりなさい!(Sag einfach Ja oder Nein !)」(カッチャ・シュヴァレンベルグ作)などが揃う。1冊1冊丁寧につくられた作品集は、リノカットと言われる版画の技法で刷られたビジュアルのみの構成。制作者のトーマス・ジーモンがプレジデント・シンドラー・レタープレスというレトロで貴重な印刷機を使ってプリントする。大胆なビジュアルやインクの密度と透明感、オイルが染み込んだ紙の香りと手触りといった版画の作品集の魅力を全身で感じることができるフェアとなっている。
2014年10月09日10月15日から21日にかけて、伊勢丹新宿店本館5階アートギャラリーにて、版画家・坪内好子による「―夢の時間旅行―坪内好子 新作銅版画とガラス絵の世界」が開催される。手作業での金箔貼り、手彩色によって、一作一作見事に異なる風合いを持つ坪内の作品は、観賞者の心を異世界へといざなってくれる不思議な魅力を持つ。同時に、今回のタイトルにも反映されている通り、“時を超える旅”を想起させるモチーフがさまざまに描かれている点も興味深い。蒸気機関車や気球、帆船が描かれた世界を彩る金箔は、年月を経て徐々に剥がれるにつれてさらに深みを増し、時間旅行というものの味わいの深さを体現し続けるのだろう。また、「夢の時間旅行」という言葉は、「幸福の国への旅」という裏テーマも孕んでいるのか、大きな気球にさりげなく引っ掛かっている鍵など、幸せを手にするためのキーアイテムが描かれている作品が満載。一点一点細部までじっくりと観察することで、作家の意図を汲み取る楽しみも味わえそうだ。美大卒業後、スロバキア共和国に渡って数年間版画の勉強をした坪内だからこそ描ける、エキゾチックなアイテムの数々に心を鷲掴みにされること必至。展示作品数は、新作約10点を含む40点程度。「VENTO BOM, AGUA NA VELA V(日本語訳:良い風が吹いてきた、船出の時だ!)」(45×60センチ/20万5,000円)、「Eppure Si muove III(日本語訳:それでも地球は回っている)」(60×45センチ/20万5,000円)、「とろうるの森」(34×45センチ/17万円)などの大型作品から、「時間旅行-Le Chateau-」(21×15センチ/7万7,760円)など、一人暮らしの部屋のインテリアにもってこいなサイズのものまでそろう。また、メインの展示となる「時間旅行シリーズ」以外に、ウォーターガラスに描かれたガラス絵作品も併せて展示される。会場では、制作に使用するプレートやニードルも観ることができるため、銅版画制作についての知識を深めたい人にもぜひ足を運んでみてほしい。10月18日には、作家本人によるギャラリートークも開催。当日都合がつかないという人は、期間中は作家常駐のため、作品についての質問をぶつけてみるのもいいかもしれない。
2014年10月03日『叫び』で知られるエドヴァルド・ムンクの連作版画を題材にしたオペラ『アルフォとオメガ』が、5月20日(日)に日本初演される。オペラ『アルファとオメガ』日本初演の公演情報オペラ『アルフォとオメガ』は、イスラエルを代表するピアニスト・作曲家・指揮者のギル・ショハットの作。テルアビブの美術館で見たムンクの同名の連作版画に深いインスピレーションを受け、詩人のドリ・マナーとともに3年の月日をかけ、ヘブライ語のリブレットでオペラ化。2001年にイスラエル・オペラで世界初演、各方面からセンセーショナルな賞賛が寄せられた。今回の日本初演はコンサート形式で、タクトをふるうのは、作曲者ギル・ショハットとも旧知の仲で、世界初演の合唱指揮も担当したダン・エッティンガー。「(ギル・ショハットは)ムンクの同名の連作版画と、そこに書かれた旧約聖書の神話「アダムとイヴ」に基づいた挿話にインスピレーションを受け、この作品を書きました。ここには3つの異なった分野──音楽、ムンクの視覚芸術、そして ヘブライ語の詩で書かれた美しいリブレットという言語芸術──からのインスピレーションが結晶しています。これぞまさにトライアングル・オブ・アート(芸術の三角形)といってもよいでしょう」と本作の魅力を語っている。歌手陣には、世界初演で主役オメガを務めたメラヴ・バルネア(ソプラノ)ほか、イスラエルの歌手たちも参加。本作を知り尽くしたエッティンガーの指揮、彼と2010年よりタッグを組む東京フィルの演奏で、世界初演時のセンセーションの再現に期待が高まる。オペラ『アルファとオメガ』日本初演(コンサートスタイル・オペラ)は、5月20日(日)にオーチャードホール、23日(水)にサントリーホールで開催。チケットは発売中。■東京フィルハーモニー交響楽団ショハット:歌劇『アルファとオメガ』日本初演[コンサートスタイル・オペラ]5月20日(日) 15:00開演オーチャードホール5月23日(水) 19:00開演サントリーホール指揮:ダン・エッティンガーアルファ(テノール):ヨタム・コーエンオメガ(ソプラノ):メラヴ・バルネア蛇(メゾ・ソプラノ):エドナ・プロフニック虎(バリトン):青山貴ロバ(テノール):児玉和弘豚(バリトン):原田圭熊(バス):畠山茂ハイエナ(バリトン):大久保光哉合唱:新国立劇場合唱団
2012年05月16日