■前回のあらすじ保健師さんの話を聞いて気持ちが楽になり、周りに弱音を吐けるようになったり自分の趣味も楽しめるようになってきました。■大きかった不安は小さくなっていった息子の発達年齢は少し遅れてはいたものの、療育に通えるようになって周りに同じ悩みを抱える人がいたり、サポートしてくれる人がいることが、とても心強かったです。■不安はゼロにはならないけど、私はもう大丈夫周りと比べたり、成長がゆっくりなことに落ち込んだり…焦っていた自分にたくさん後悔もしているけれど、今私が笑っていられるのは周りの人たちのおかげです。あの時の私は周りの芝生がそれはそれは青く見えて嫉妬して、そんな自分が嫌いで、でもどうしようもなくて、自分と同じ悩みを持つ仲間が欲しかった。共感してもらいたかったし、共感したかった…。私だけじゃないんだ、と思ったら、もう少し頑張ってみようかなと思えました。誰かがこの漫画を見ることで、同じように、私だけじゃないんだ、と思ってもらえたら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。※発育に関しての見解は筆者個人の体験によるものです。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年10月03日育児中、赤ちゃんと2人でいるのに孤独を感じるなどママの孤独からママが疲弊しきってしまうと産後うつにつながってしまう可能性があります。そして、この産後うつは決してママだけの問題ではありません。パパもママと同じく3人に1人の割合で産後うつにかかってしまっているという現実があるのです。ママとパパの産後うつを回避するためにはどうすればいいのでしょうか。 産後うつとは?産後うつの主な兆候としてはうつの症状と非常に似通っており、気分が落ち込んだり、以前は楽しんでいたものが楽しめなくなったり、イライラしやすくなるということが起こります。赤ちゃんをかわいいと感じない、良いママではないと自分自身を責めるということもよく見られる症状です。 これらが進むと、自分自身だけでなく赤ちゃんを傷つけたり、自殺について思考を巡らせ、最悪の場合、ママが死を選んでしまう場合もあります。赤ちゃんが生まれて1~3週間後に症状が現れるのが一般的と言われていますが、育児を何カ月かした後に発症する場合もあります。 産後うつの原因は決して、ママの頑張りが不足していたりするからではありません。産後はホルモンバランスの急激な変化により精神の安定を崩しやすい状態であり、産後うつの症状が出やすい状況であるため決して自分のせいではないということ、だれでもなりうる特別なことではないという意識を持つことが大切です。 一方、パパの産後うつは、仕事が忙しい中、ママから育児や家事をもっと手伝ってほしいと言われ、自分ではやっているつもりでもなかなかうまくいかないことから発症してしまうと考えられています。 産後うつの要因とは? 産後うつの大きな要因として考えられることの一つに“孤独”があります。1人でつらい状況を抱え込んでしまい、だれにも相談できない状況がうつを引き起こしてしまうのです。 この孤独感を和らげることを、最も身近にいてできる人は、ママにとってはパパであり、パパにとってはママです。けれど、実際は忙しくて話し合う時間がなかったり、話し合える距離感をお互いにうまく取ることができず、結果、お互いに孤独を感じてしまうということが起きてしまいます。 お互いの“孤独感”を醸成しないためにしておきたいこと そもそも、産後うつは男女の思考の違いから起こってしまう部分が多々あります。そのため、まずはママとパパがお互いの思考について知っておくことが回避の一つのきっかけになり得ます。 ママが産後うつにならないためにパパが知っておいたほうがいいこと3・ママの言う「ゆっくり」について知る育児中のママには、おそらくパパが想像している以上に次から次へと課題が襲いかかってきています。食事の支度をしている横で赤ちゃんが泣き出した、洗濯物を片付けている横でおやつのお皿を子どもがひっくり返した……。 ママがパパに「ゆっくりしたい」と漏らすのは、決しておしゃれをしてお出かけをしたいということではありません。ただカップに入れたコーヒーを温かいうちに飲みたい、トイレにゆっくり入りたい、そこからなんです。 ・ママの脳内もいつでも大変食事の準備をしながら子どもの世話をしているだけではありません。脳内は次の仕事について考えを巡らせています。これをやったらミルクの準備をしなければ、ミルクの準備をしたらお風呂を沸かさなきゃ……。頭の中も爆発しそうなくらい忙しいのです。 ・パパに話を聞いてほしい一日中、体も頭もフル稼働しているママにとって、実は唯一の息抜きがパパだったりします。「大人と会話をできる」というこの普通のことが、ママにとっては非常にレアな時間なのです。しかし、多くの場合、仕事で疲れて帰ってきた男性は、面倒くさそうに聞いたり、スマホを見ながら聞いているのか聞いていないのかわからない状態。あげくの果てには「だからなんなの?」「○○したらいいんじゃない?」と一方的に会話を途切らせてしまうこともあります。 唯一の一日の息抜きのはずが、ママの心をポキっと折ってしまうことになることが多いのです。 パパが産後うつにならないためにママが知っておいたほうがいいこと3・パパが認められたいのはママ人間はだれしも承認欲求があります。人に認めてもらえることで自信がつき、さまざまなことに挑戦ができます。パパは仕事で評価を受けていますが、実は、パパが一番評価を受けたい人はママであることが多いのです。仕事で評価を受けても、それをママが喜んでくれなければ、パパの中での評価は半減、いやそれ以上減ってしまうでしょう。 育児や家事もそうです。パパがやってくれたことを褒めたら、パパのやる気は倍増するに違いありません。 ・仕事の頑張りを認めてもらいたいパパには「ママと子どもを養っている」という自負があります。それゆえ、家で子どもの世話をしているママよりも、少なくとも同じ、またはそれ以上は自分は大変であり、感謝されて当然だと思っているパパがほとんどでしょう。ママは、パパへの感謝の気持ちをぜひ頻繁に表わしてみてください。 ・リストがあっても行間が読めない例えば、「赤ちゃんを沐浴させてほしい」とパパに頼んだところ、沐浴はさせてくれたものの、使ってほしくないタオルを使われた、使ったタオルをそのまま放り出してある、なんてことはどこの家庭でもあることです。 ママにとっての沐浴は、赤ちゃんの洋服を脱がせることから、赤ちゃんに着替えを着せて寒くない状況にするまでの一連の流れを指しますが、パパにとっては沐浴させることだけが「沐浴」であることが多くあります。育児と家事に疲れきったママは、そこで大きなため息をついて、パパの不足していることについて文句を言ったり、ぼそっと嫌味を言ったりすることに……。 疲れ切ったママにはその気はなくても、パパはそれでどんどん萎縮してしまい、うつになってしまう状況に追い込まれてしまうのです。 ママも大変。パパも大変。お互いに大変であることを認め合って、お互いに孤独を感じないよう、接してみてください。それがお互いの産後うつを回避する一歩となるはずです。 著者:ライター メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2020年10月01日子育てを日々頑張っているママ、でもふと「ママをやめたい」と思ったことのあるママは多いと思います。そんなママに向けて、知っておいてほしいことをお伝えします。 産後の状況を大きく左右する“ママの孤独”「ママをやめたい」と思う背景で、重要なポイントの一つとなってくるのが“ママの孤独”だと思います。ママの孤独を周囲にわかってもらえるか、ママが孤独を感じないように生活できるか、これができるかできないかで、ママの気持ちがだいぶ変わってくることが多いでしょう。 孤独を感じていないということは、世間とつながっていると感じられていることであり、さらに世間とつながっていると感じられているということは、ママがつらいときに助けをお願いできる環境にいるとも言えるからです。 しかし、多くのママが孤独を感じているにもかかわらず、妊婦にとってもパパにとっても、“孤独”については想定外のことであることが多く、自分が孤独であると自己認知するまでにも時間がかかり、自己認知したときにはママが疲弊しきっていることがほとんどです。そして疲弊が続くと産後うつという状態につながります。 では、ママはなぜ孤独を感じてしまうのでしょうか。またなぜ、孤独についての自己認知が遅れてしまうのでしょうか。 ママが孤独を感じるワケ 生まれたばかりの愛しい赤ちゃんと一緒にいられる時間はとても尊い時間です。それゆえ、多くの妊婦、仕事で頑張っているパパからすれば、とても幸せな時間に思えるでしょう。しかし、子どもは決してかわいいだけの存在ではありません。次から次へと待ったなしの要望やいたずらをしかけてくる、ママにとってはママのことを全く理解してくれない1人の人間です。 子どもは子どもらしく振る舞っているだけなので、ママは子どもを責められません。むしろ、子どもを責めてしまえば、子どもを責めた自分をさらに責めることになるママが多いでしょう。そして、自分の頑張りを傍らで見て認めてくれる人がだれもいないことに、ふとママは気づくのです。 ママたちからの「夫は世間とつながっている」「1人じゃないから孤独じゃないわけではない」という声は、まさにママの孤独についてよく表しています。世間にもまれて働くことは、もちろんとても大変です。しかし、他人から仕事を評価されたり感謝されたりすることで、自分の存在意義を感じることができるのです。 一方、ママはどうでしょうか。だれからも評価もされず、感謝もされず、それどころかパパから「家にいて子どもと一緒にのんきに暮らせていいよな」なんて思われ、大変さを認めてもらえない。これは多くの家庭で起こっていることです。 今まさに孤独を感じているママがいるのであれば、それは、だれからも認められていないと感じているからではないでしょうか。 “孤独である”と感じている自分の認知が遅れてしまうワケ “認めてもらいたい“。これをもし大人が言っているのを聞いたら、なんて幼稚なことを言っているのだろうと思う人は多いのではないでしょうか。そして、そんな子どもみたいな、新人みたいなことを親になってしまった自分が思うなんてみっともない、そんなふうに潜在的に思っているママは多いものです。ママは得てしてみんな頑張り屋ですから。 そして、それが自分の孤独への認知を遅らせてしまう原因の一つなのです。でも、ちょっと待ってください。子どもを産んだばかりのママはいつだって新人です。それがたとえ二人目だったとしても、二人の子どもを持ったママとしては新人です。 例えば、20代から勤めた会社を30代で辞めて、新しいキャリアを積むために新しい仕事に就いたとします。そうするとその人は立派な新人です。新しい仕事を覚えたかどうか? そのやり方はあっているかどうか? 会社では年齢に関係なく、新しい人が着任したら教えてくれるし評価もしてくれることがほとんどです。年齢も今までの経験も全く関係ありません。 しかしママは初めてのことなのに、当たり前のことをやっていると思われ、そして自分もそう思ってしまいがち。ママの仕事は正解がないことも認めてもらいづらい一つの要因です。初めての仕事で孤軍奮闘しているのにだれからも感謝されない、いたわってもらえないのです。 子どもを産む前であれば、友達と会って愚痴も言えました。けれど、小さい子どもを連れて外に出るのも一苦労です。いざ外に出ても子どもと一緒だとゆっくり話もできません。ママの孤独感を増幅させるのに十分な環境があるのです。 ママに知っておいてほしいことママが孤独を感じてしまう必然的な状況が産後にはあることを知っておいてください。そしてもし孤独を感じてしまったら、まずは自分のことを認めてあげることから始めましょう。認めるのが難しれば、少なくとも責めるのはやめること。「ママをやめてもいいですか!?」と思ったっていいんです。それくらい頑張っている自分を褒めてあげてください。 ママは孤独を感じやすい状況にあります。そのことをママもパパも知っておくだけでも、孤独を感じることが減ると思います。そして、「ママをやめたい」と思ってもそんな自分を責めないでください。ママはいつも十分に頑張っているので上手に息抜きしながら、赤ちゃんと笑顔で過ごせるといいですね。 著者:ライター メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2020年09月30日先日、厚生労働省より「2019年人口動態統計(確定数)の概況」が公表されました。少子化に歯止めがかからず、2019年は「86万ショック」とも呼ぶべき状況であるとされています。その一方で、周産期死亡率、新生児死亡率、乳児死亡率、妊産婦死亡率などは低水準を推移し世界トップクラスとなっていますが、新たな問題も浮かび上がってきています。 妊産婦のメンタルヘルスが問題視されてきている2016年の日本産婦人科学会で、2005年~2014年の10年間に東京23区で63人の妊産婦さんが自殺によって亡くなっているという調査結果が報告されました。 うち40人が「産後1年未満」の方で、その6割の方がうつ病や統合失調症などを患い、病院に通っていたことがあり、そしてその半数の方が「産後うつ」だったとのことです。産後、自殺で亡くなった方の数は、産後の出血が原因で亡くなった方の約2倍です。 産後うつとは?産褥期に発症する精神障害を「産褥精神障害」あるいは「産褥精神病」と呼びます。産後うつ病は、産褥精神障害の大半を占める病気で、早ければ産後2週~4週間ごろに発症すると言われています。 産後3~10日のママが発症する「マタニティブルーズ」は産褥期の生理的な現象で、症状は産後2週間ほどで自然に治まると言われていますが、マタニティ・ブルーズが悪化し、産後うつ病に移行するケースも少なくありません。 産後うつ病のリスク因子として、・過去にうつ病を含む精神障害の病歴がある(非妊娠中・妊娠中)・妊娠や出産、育児に関する不安、ストレス、肉体的疲労・シングルマザー、10代のママ・妊娠37週未満の早産・多胎・赤ちゃんに深刻な疾患などがある・夫や周囲の協力が少ない・家族の病気や死別、お金の問題など・社会的サポートが乏しいなどが挙げられます。 日本産婦人科学会によると、産後ママの5~10%が産後うつ病になるとされています。また、米疾病予防管理センターによると、9人に1人のママが産後うつ病に陥ると報告されています。いずれにしても、産後うつ病は決して珍しい病気ではないのです。 産後うつ病の代表的な症状は、・いつもより涙もろくなった。少しのことで涙が出る・パパや周囲の人に対して、腹が立つことが多い・孤独な気持ちになることが多い・赤ちゃんを傷つけないか不安に思う・自分は“良い母親ではない”と感じてしまうなどがあります。自分に当てはまる点がないかチェックしてみましょう。 産後うつを予防するには? もし、産後うつになってしまったら?深刻な抑うつ状態に陥らないために、次のような予防対策が重要だと言われています。 ・早期の段階で対策に取り組むうつ病の予防には早期対策が重要だといわれています。妊娠中に気になる症状や、育児に関する不安があるママは、早めに医師に相談しましょう。また、家族や近隣の人、専門家など、育児をサポートしてくれる人を見つけておきましょう。 ・産後ママは睡眠確保と休息を最優先にお産による体力の消耗や育児疲れなど、ママの肉体的疲労が産後うつ病につながるケースもあります。家事・育児を頑張りすぎず、体と心を休めることを最優先にしましょう。 ・夫婦でよく話し合いを育児はママとパパ、両方にとって大きな仕事です。日頃から育児の不安など、自分の考えを相手に伝えることが大切です。育児中はパートナーへの不満がつきものですが、日頃から小出しで伝え合い、不満を溜め込まないようにしましょう。 いろいろな社会資源を活用しよう!産後のママを支援するために、現在さまざまな活動がおこなわれています。 ◆産後ケアセンター産後、ママと赤ちゃんが一緒に過ごすことができる宿泊型のケア施設です。24時間、助産師がママと赤ちゃんをサポートします。パパの宿泊も可能な施設もあり、費用もさまざまです。※ベビーカレンダー産後ケア検索 ◆産後ヘルパー研修を受けた子育て経験のある方が赤ちゃんが生まれたお家の家事や育児などのお手伝いをしてくれます。民間の産後ヘルパーや地域によっては自治体で派遣してくれるところも。料金は民間のほうが費用が高いようです。 ◆産後ドゥーラドゥーラとは「女性を助ける、経験豊富な女性」のこと。赤ちゃんが生まれたお家の家事や育児のお手伝いだけでなく、ママの相談相手にもなってくれます。妊娠中からの活用もできるようです。 また、産後うつ病が疑われる場合、速やかな対処が必要です。出産した産婦人科や、出産前に通院していた精神科など病院を受診しましょう。必要と判断された場合は質問票を用いた検査がおこなわれます。産婦人科での診断が難しい場合は、精神科医を紹介されることもあります。 症状が深刻な場合は、抗うつ薬を用いた薬物療法や、入院治療が施される場合もあります。特に入院治療は、育児のストレスから切り離され、緊張を和らげるきっかけとして、有効とされています。 本当につらくなったら30分やり過ごして!2020年は新型コロナウイルスの影響により、生活が大きく変化しました。8月の全国の自殺者が去年の同じ時期より大幅に増えたことがわかっています。国は新型コロナウイルスの感染拡大の影響がないか、分析を進める方針とのこと。 自殺衝動(抑えられない自殺への衝動)のピークは5~10分ですが、誰かと30分ほど話していると、落ち着いた状態になると言われています。ですから、本当に死にたいと思ったときは30分だけやりすごしましょう。 厚生労働省では、電話やSNSによる相談窓口を紹介しています。 電話■こころの健康相談統一ダイヤル電話をかけた所在地の都道府県・政令指定都市が実施している「こころの健康電話相談」等の公的な相談機関に接続します。0570-064-556※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。 ■よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)ガイダンスで専門的な対応も選べます(外国語含む)。0120-279-338つなぐささえる(フリーダイヤル・無料)岩手県・宮城県・福島県から0120-279-226つなぐつつむ(フリーダイヤル・無料) ■いのちの電話(一般社団法人 日本いのちの電話連盟)0570-783-556(ナビダイヤル)○午前10時から午後10時まで※IP電話(アプリケーション間の無料通話を除く)からは03-6634-2556(通話料有料)0120-783-556(フリーダイヤル・無料)○毎日16時から21時まで○毎月10日は、午前8時から翌日午前8時まで※IP電話(アプリケーション間の無料通話を除く)からは03-6634-7830(通話料有料) SNS■「生きづらびっと」LINEの友だち追加ID検索@yorisoi-chat(生きづらびっと)月曜日・火曜日・木曜日・金曜日・日曜日 17時から22時30分(22時まで受付)水曜日 11時から16時30分(16時まで受付) ■「10代20代の女の子専用LINE」LINEの友だち追加毎週 月曜日・水曜日・木曜日・金曜日・土曜日第1部 14時から18時(17時30分まで受付)/第2部 18時30分から22時30分(22時まで受付) ※厚生労働省相談先一覧 新型コロナウイルスの影響によりこれまでとは違った生活を強いられ、気軽に外出したり人と会ったりできない状況が続いています。なかなかストレスや不安が解消できない……という方も多いかと思います。「自分は大丈夫」と思っている方でも、何かのきっかけで産後うつになる可能性もあります。小さな悩みごとでもひとりで抱え込まないことが大切です。こんな状況だからこそ、ひとりで頑張らず、誰かの助けを借りながら日々過ごしていきましょう。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年09月29日今まで生理痛をほとんど経験したことがなかった私が、出産後動けなくなるほどの痛みを感じ、悩まされるようになりました。そして、あまりの痛みに心配になり、医師に相談することに……。そのときに言われたことやどういった痛みなのかをお伝えしたいと思います。 産後初めての生理出産後に産婦人科で受けた説明では、産後の生理はだいたい半年〜1年後に来る人が多いというものでした。「母乳をあげていると生理が再開するのが遅い場合が多い」という話も聞いていたので、完全母乳で育てている私は生理とはしばらくさよならなんだと思っていました。しかし、私の生理が再開したのはなんと産後1カ月……! 1カ月健診の際、悪露なのか生理なのか医師に聞いてみると、しっかり生理だと言われてしまいました……。 これが生理痛…!?私は出産前まで生理痛で苦しんだことはあまりなく、ネットで「産後は生理痛が軽くなった!」といったような記事をたくさん読んでいたので「もともと軽いしもっとラクちんになっちゃうのかぁ!」と楽観的に考えていました。実際に産後初めてきた生理では、これといった生理痛は感じなかったです。 しかし、その翌月にきた生理から様子が一変! まず、生理が来る前から頭痛や腹痛に悩まされ、生理中は一歩動くのもおっくうになるほどのだるさと腹痛が……。 初めて感じた生理痛でしたが、その痛みは陣痛の初期の痛みにとても似ていて、これから毎月この痛みを感じると思うと気持ちもブルーになりました。 たまたま感じたわけではなかった…産後2回目の生理でほぼ初めての生理痛を経験し、気持ちもかなり下がっていましたが、「産後すぐだったし、今回がたまたま重かっただけだよね」と、生理が終わってから考えるようになりました。 しかし、次の月に来た生理も「あと3日以内には生理が来る……」とわかるほどの腹痛が襲って来たのです。次の生理も、その次の生理も、症状に軽重はあれど耐え難いほどの生理痛を感じました。生理痛がつらすぎて、家事が手に負えないこともあったので、出産した産婦人科で診てもらうことに。すると、「産前と産後で体はまったく別のものになったと考えなさい。軽くなる人もいるってことは、その逆もあるってことだよ」と言われてしまいました。 診察の結果、病気ではないとわかりましたが、産前とは体質が変わったのだと医師に言われ、そりゃそうだよなぁ……と、自分の考えの甘さに気がつきました。 産前飲んでいた薬が飲めない…!私は子どもに母乳を与えていたので、今まで使っていた生理痛や頭痛の薬が飲めなくなってしまいました。授乳中でも使える薬もありますが、私には合わずあまり効かないので「もう気休めでもいいからちょっとはラクになってほしい!」というときしか使いません。ですが、薬も飲まずに耐えることはなかなか厳しいので、おなかを温めたり、いつもより睡眠を多くしたりなるべく体を休めるようにしています。 今まで生理痛を全然感じなかったので、こんなにもつらいことだとは知りませんでした。出産による体質の変化はさまざまなことに悩まされますが、生理もそのうちの1つだということを身をもって痛感しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 先輩ママの体験談、いかがでしたか?「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 監修/助産師REIKO著者:橋本 楓0歳女児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年09月29日2020年9月27日に亡くなった、俳優の竹内結子さん。詳しい原因は明かされておらず、警視庁は自ら命を絶ったとして調べています。竹内さんには、同年1月に男児を出産していました。そのため、一部では「産後うつだったのではないか」「育児ノイローゼか」などといった憶測が上がっていたようです。高橋真麻、「憶測での報道には注意が必要」と訴え同月28日に放送された、情報番組『バイキングMORE』(フジテレビ系)に出演した、タレントの高橋真麻さんはそのような憶測には注意が必要だと呼びかけました。竹内さんがご家族のことを本当に愛していたことはウソじゃないし、だから今残されたご家族は本当に自分を責めてほしくないんですね。あと、番組によっては一部産後うつだったんじゃないかという、いい方をされるんですけれども、もしそうじゃないのに、そんな報道して、いま9か月のお子さんが、今後ね…。産後うつがこういうものですよっていうのをテレビでやるのはいいんですけれども、今回の竹内さんと関係性のあるっていう風に考えちゃうと、その今9か月のお子さんが将来、物心ついた時に自分のせいで母親が死んだんじゃないかって自分を責めてしまいそうで。だから報道の仕方っていうのには注意していきたいなとは思います。バイキングMORE ーより引用高橋さん自身も、同年5月に第1子を出産したばかり。それだけに、竹内さんの9か月になるお子さんの将来が心配だったのでしょう。高橋さんのコメントには、多くの共感の声が寄せられていました。・まさにその通り。家族は自分を責めないでほしいです。・ハッとした。証拠もないのに決めつけてはいけないね。・本人にしか分からない悩みもあるだろうし、周りが憶測だけで話をするのはおかしい。警視庁によると、自ら命を絶った人は同年8月で1800人を超えています。この数字は、前年2019年よりも多い数字です。新型コロナウイルス感染症の影響で外出などがしづらい状況が続くと、直接会うことができず、悩みを抱えている人の違和感に気付きにくくなってしまうでしょう。悩みなどの相談を電話で受け付けているところもあります。『いのちの電話相談』や『こころの健康相談』などに連絡し、自分だけで抱え込まないようにしてくださいね。[文・構成/grape編集部]
2020年09月29日■前回のあらすじ育児の相談を誰にもできず不安に押しつぶされそうになり、幸せそうな人を見るたびに羨ましく妬ましく思ってしまう日々が続きました。■保健師さんの訪問保健師さん自身が過去に産後うつになってしまったという話を聞いて辛いのは自分だけじゃなかったんだ…と、気持ちがスッと楽になりました。■少しずつ気持ちに余裕が出てきた!趣味も楽しめるように少しずつ弱音を吐けるようになったり、母乳育児のプレッシャーから解放されてやっと少し肩の力が抜けました。人と話して笑ったり、趣味の時間を持てたことで少しずつ不安も解消されていきました。次回に続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年09月26日■前回のあらすじ息子の発育について悩み、普通であって欲しいと願うこと自体、自分が無責任な親なのではないかと自己嫌悪に陥ります。■消えてしまいたい…不安に押しつぶされそうになる「普通の母親」になれていないことが恥ずかしい…育児の不安、弱音を吐ける人も周りにいないので不安に押しつぶされそうになりました。■追い打ちをかけて悲しい出来事が…かわいそうと言われてしまうと、ますます自分がダメな母親なんだと思い辛くなりました。■幸せそうな人を見るたびに羨ましかった…幸せな毎日を送っている人たちを見て、羨ましくもあり妬ましくもあり複雑な気持ちになりました。本当は不安でいっぱいなのに幸せアピールしてしまったり、自己嫌悪は止まりません…次回に続きます。※発育に関しての見解は筆者個人の体験によるものです。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年09月25日「現在のコロナ禍にあっては、とくに介護うつ発症のリスクが高いといえるでしょう。ただでさえ弱っている高齢の家族に万が一のことがあってはいけないと、外出や友人との食事を控えたりしているうちに、家に閉じこもって介護に向き合う時間が増え、逃げ場がなくなる。こうした傾向は、うつ病の発症につながります」そう話すのは、高齢者の訪問診療に取り組む、つばさクリニック院長の鈴木智広先生だ。介護うつとは、介護や看病からくる精神的な負担から発症するうつ病のこと。介護者の過半数が精神的負担を感じているのが現状だ。高齢化社会といわれて久しい日本において発症する患者はあとを立たず、介護、看病疲れが原因の自殺者は、今や年間200人以上にのぼっている。「症状としては通常のうつ病と同じで、無気力になり、今まで楽しかったことが楽しいと感じられない、自責の念が強くなるなどの傾向が目立ちます。また、よく眠れなくなったり、食欲が落ちたりするケースも。原因は、介護によるストレスです。介護によって仕事を辞めたり、趣味の時間を減らしたりと生活を変えざるをえない方が多いかと思いますが、これは大きなストレスになりえます。また、つきっきりの介護で24時間気が抜けないような緊張状態も大きな負担になりますし、介護に関わる経済的な負担が原因で、気持ちが不安定になることもあるでしょう」しかし、こうした過酷な状況であっても、介護うつを発症しない人がいるのも事実だ。そこにはどんな差があるのだろうか。「生真面目で責任感が強く、すべてを一人で抱え込もうとする人は、追い詰められやすく、介護うつになりやすいといえます。いわゆる“ワンオペ介護”をしている人は、要注意です」介護うつになりやすい人の特徴をチェックリストにまとめたので、自分が該当するかどうか、確認してみて。【介護うつ危険度チェックリスト】□ 生真面目□ 融通が利かない□ 責任感が強い□ 完璧主義□ 趣味がない□ 自分でなんでも決めたい□ 近親者にうつ病になった人がいるとくに、これまでどおりに仕事を続けながら、介護を両立させようと奮闘している人は、一度その生活を見直したほうがいいだろう。「育児・介護休業法」では、介護休暇や介護休業が定められているので、職場に相談のうえ、必要に応じて取得することも検討したい。「責任感が強い人ほど、誰かに相談したり、負担を軽くすることを“甘え”と捉えてしまうかもしれませんが、それは違います。介護保険制度を利用し、訪問介護やショートステイなどの介護サービスを積極的に使って、負担を減らしていきましょう。要介護度が高い高齢者の場合、通院に付き添うだけでも一仕事。それを当たり前と考えずに、訪問診療に切り替える選択も視野に入れてみてください」「女性自身」2020年9月22日 掲載
2020年09月20日身の回りのことは、全部自分で決めたい。そういえば、趣味が少ないほうかも……。思い当たるフシがある人は要注意!介護によるストレスで、「介護うつ」になってしまうかも。回避のポイントは“頼る”ことだーー。「現在のコロナ禍にあっては、とくに介護うつ発症のリスクが高いといえるでしょう。ただでさえ弱っている高齢の家族に万が一のことがあってはいけないと、外出や友人との食事を控えたりしているうちに、家に閉じこもって介護に向き合う時間が増え、逃げ場がなくなる。こうした傾向は、うつ病の発症につながります」そう話すのは、高齢者の訪問診療に取り組む、つばさクリニック院長の鈴木智広先生だ。介護うつとは、介護や看病からくる精神的な負担から発症するうつ病のこと。介護者の過半数が精神的負担を感じているのが現状だ。高齢化社会といわれて久しい日本において発症する患者はあとを立たず、介護、看病疲れが原因の自殺者は、今や年間200人以上にのぼっている。「症状としては通常のうつ病と同じで、無気力になり、今まで楽しかったことが楽しいと感じられない、自責の念が強くなるなどの傾向が目立ちます。また、よく眠れなくなったり、食欲が落ちたりするケースも。原因は、介護によるストレスです。介護によって仕事を辞めたり、趣味の時間を減らしたりと生活を変えざるをえない方が多いかと思いますが、これは大きなストレスになりえます。また、つきっきりの介護で24時間気が抜けないような緊張状態も大きな負担になりますし、介護に関わる経済的な負担が原因で、気持ちが不安定になることもあるでしょう」しかし、こうした過酷な状況であっても、介護うつを発症しない人がいるのも事実だ。そこにはどんな差があるのだろうか。「生真面目で責任感が強く、すべてを一人で抱え込もうとする人は、追い詰められやすく、介護うつになりやすいといえます。いわゆる“ワンオペ介護”をしている人は、要注意です」’17年に発表された厚生労働省の調査によると、夫婦のみの世帯では、配偶者の要介護度が重症化しても、施設への入所を検討していない割合が高いとの結果が出ている。つまり、妻、もしくは夫ひとりで介護を背負い込んでいる家庭が多いということだ。住み慣れた自宅で夫婦で過ごしたいという思いのいっぽうで、介護する側にかかる負担が大きくなりすぎると、その生活自体が破綻してしまう危険もある。「介護者が疲労から介護うつになり倒れてしまったら、介護をする人がいなくなってしまいます。本末転倒の結果を招かないためには、なにより介護する人自身の健康が重要です。適切な介護サービスを利用して負担を軽くするのもそのためだと考えれば、“甘え”とはならないことがわかるはず」介護うつになりやすい人の特徴をチェックリストにまとめたので、自分が該当するかどうか、確認してみて。【介護うつ危険度チェックリスト】□ 生真面目□ 融通が利かない□ 責任感が強い□ 完璧主義□ 趣味がない□ 自分でなんでも決めたい□ 近親者にうつ病になった人がいる「介護うつにならないためには、誰かに相談すること。相談相手として、いちばん身近なのが高齢者福祉のスペシャリストであるケアマネジャーです。要介護認定を受けると、介護サービス利用のサポートをしてくれますが、実務的なことだけでなく、介護にあたって不安に感じていることを包み隠さず相談してみましょう。訪問診療をしていると、ケアマネジャーから『介護しているご家族が、かなり疲弊されています』と連絡があり、施設への入所やショートステイを案内するケースがあります。自身では判断ができなくても、身近で見ているケアマネジャーが気づいてサポートしてくれるのはよくあること。ふだんから、なんでも相談できる関係を築いておくことが大事です」介護の負担が減ればそのぶん自分のために使える時間が増え、気持ちを休めたり、趣味に時間を費やしたりして、ストレスの解消ができる。それが結果として、介護うつ発症の回避につながるのだ。「介護をひとりで抱え込んでいる方は、まず市区町村の役所の介護担当部署に相談することからスタートを。また、地域の医療や福祉などを支援する『地域包括支援センター』では、介護認定を受けていなくても相談ができます」介護を受ける家族のためにも、助けを求める勇気を持とう。「女性自身」2020年9月22日 掲載
2020年09月20日■前回のあらすじ息子の発育状態が気になり検索しては落ち込む負のループ。夫や発達支援センターに相談するも解決に至らず、自分でできることを探すことにしました。※過激な描写が含まれます。苦手な方は閲覧をお控えください。■私は「普通のお母さん」にもなれない…?息子に何があろうとも育てていく覚悟はあるはずなのに、不安な気持ちが止まらない…息子が「普通の子」であって欲しいと願ってしまうのは、親として最低なのでは…私は「普通のお母さん」にすらなれていない…そう感じました。※筆者が当時の体験を元に表現しています。■自己嫌悪に陥り、自分を傷つけてしまう今まで自分が否定してきた無責任な親と自分は同じだ…、そう感じて自傷行為にまで及んでしまいました…。次回に続きます。※発育に関しての見解は筆者個人の体験によるものです。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年09月19日■前回のあらすじ完母にこだわるあまり口にするものに恐怖を感じたり、息子が生きているか毎晩不安になったり…、気の休まらない日々が続くのでした…■産後の方が不安が大きい! そしてまた新たな不安が…月齢に応じて出来ることが、少しでも出来ていないととにかく不安。生後2ヶ月ですでに発達障害を疑ってしまい、ますます眠れなくなりました…。■息子の発育のことを、夫に相談してみたら…気になって仕方なく気付けばつい検索している自分に嫌気がさします…。毎日不安な気持ちを否定せずに聞いてくれる夫の優しさに救われましたが夫と話せない時間は相変わらず不安な気持ちのままでした…。私に今できることは…何かできることはないかと、発達支援センターにメールを送ってみましたがやはりこの月齢では療育を受けることができず…。しかし丁寧で親切な対応に少し安堵し、自分なりに家でできることを探してみました。次回に続きます。※発育に関しての見解は筆者個人の体験によるものです。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年09月18日9月16日、Twitterにこんなツイートが投稿された。《もし奥様が「産後うつ」を言い訳にして家事や育児を怠ったら怒鳴りつけて躾けましょう。私は産後3ヶ月で衆議院議員選挙を全力で駆け抜けました。「産後うつ」は「甘え」です》これは、希望の党から17年10月の衆院選に出馬した橋本琴絵氏によるものだ。「産後うつは甘え」だとする彼女は続けて《「産後うつ」なる病気は地球上に存在しません。誰かが勝手にあると思い込んでいるだけ》《これからなる世界は、甘ったれた精神ではならんのです》といい、さらにこうつづっている。《「産後うつ」などと甘えたこといっているから男女平等は実現せず、性差別が横行することにまだ気付けないのでしょうか》橋本氏のツイートの影響で、Twitterでは「産後うつ」がトレンド入りを果たした。しかし彼女の考えに、こんな指摘が相次いでいる。《お産や体調は100人いれば100通りあるかと思います 自分の経験を基準に人を責め立てるのはとても適切ではないかと思います》《産後に大事にされることこそ、女性が尊重されている世の中と思います》《産後うつは決して「甘え」なんかではない》厚生労働省は、16年までの2年間で産後1年以内に自殺した妊産婦は全国で少なくとも102人いたと発表している。その多くは「産後うつ」のようにメンタルヘルスの悪化によって、自ら命を落とすケースだという。「日本の著名人では釈由美子さん(42)が産後うつを経験しています。釈さんは16年6月に第1子を出産しましたが、次第に育児への責任感で涙が止まらないように。睡眠時間や食欲が次第に減退していったと明かしています。また元日本テレビアナウンサーの山本真純さんは出産から2ヵ月で様子が変わり、『自信がない』と漏らすように。そして産後うつと医師から診断され、10年に34歳という若さで命を絶ったことが報じられました」(全国紙記者)アメリカでは産婦のうち9人に1人が産後うつを発症していると推測されており、女優のドリュー・バリモア(45)を筆頭に著名人たちもその苦しみを公表。同国では19年に産後うつのための薬「Zulresso」が世界で初めて販売されることになり、話題を呼んだ。「世界的に活躍するイギリス出身の歌手・アデル(32)も『産後うつだった』とインタビューで語っています。またカナダでは地域の看護師がお産を終えたママの家を訪問し、メンタルヘルスを定期的にチェックしてくれる州もあるそうです。ドイツでも『ヘバメ』と呼ばれる産後のケアをする助産師が同じ役割を果たしており、かかる費用は保険でカバーされるといいます。彼女たちに悩みを口にすることで、ママたちの気持ちはラクになるそうです」(前出・全国紙記者)国内外問わず産後うつに苦しむ女性はおり、なかには命を落とすママも。それでも“産後うつは甘え”といえるのだろうか。
2020年09月18日■前回のあらすじ完母で育てていきたい一心からほぼ一日中授乳に費やし、食事にも気を遣い疲弊してしまった私を見て、夫が出張前にたくさんのスープを作り置きしてくれました。■完母を諦めることも、食事の手を抜くことも出来ない自分自分が口にしたもののせいで息子に何かあったら…そう思うだけで恐怖心が襲ってきました。完母にこだわる私は、とにかく頑張らなければと、自分に言い聞かせていました。■気が休まることがない日々…※電子音については筆者が当時インターネットで見た情報です。医学的な根拠が確認できている訳ではありません。息子が生きているか、毎晩不安でぐっすり眠れることはありませんでした。ネットの情報に惑わされ、とても静かな部屋の中で息子と二人で過ごしていました。次回に続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年09月12日■前回のあらすじついに義父母との同居生活が終わり、一時的に開放感でいっぱいになったものの、あまりの静けさに少し寂しくなるのでした。■相変わらず心配な母乳不足…なかなか増えない体重に、焦りは募る一方…。母乳育児を頑張りたい一心で、ほぼ一日中授乳に時間をかけていました。■食事に気を遣う私のために…夫の優しさに感謝!良質な母乳を作るために食事にも気を遣わなければならない…私を気遣ってたくさんスープを作り置きしてくれた夫には本当に感動しました!次回に続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年09月11日■前回のあらすじ義父への嫌悪感が高まっていたころ、義父の一言でついに怒鳴ってしまい…■やってしまった…なんて失礼なことを言ってしまったんだと猛省し、気まずさでいっぱいでしたが何事もなかったように接してくれた義父母の優しさには本当に感謝しかありませんでした。■義父母が帰宅、ついに自由に! しかし…誰にも気を遣わず自由に行動できる開放感でいっぱいになると嬉しくなりましたが、賑やかだった同居生活が終わり、その静けさに寂しくもなりました…。次回に続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 義父母がシンドイんです! この連載の全話を見る >>
2020年09月05日■前回のあらすじ配慮のない義父の行動を注意し、かばってくれる義母と夫。義両親に気を遣わずにはいられませんが、しっかりフォローしてくれる夫の優しさに救われました。■義父に対して嫌悪感…、この感情はガルガル期のせい?義父は冗談で言っただけのつもりかもしれませんが、義父に対する嫌悪感は増すばかりでした…。■ついに義父に反論してしまう育児の心配事を理解・共感してくれる義母に対し、大したことないと笑い飛ばす義父。つい勢い余って怒鳴って反論してしまいました…。次回に続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 義父母がシンドイんです! この連載の全話を見る >>
2020年09月04日■前回のあらすじ家事をすべてやってくれる優しい義母。とても有り難かったのですが、義父の配慮のない行動が次々と気になってしまいます。■義父に本音が言えないかばってくれた義母と夫。しかし義父には本音が言えず…。素直に義母と夫の意見を聞き入れてくれたら…と心底思いました。■気遣ってくれる理解のある夫気を遣わなくて良いよ、と言われてもやはりそれは難しい…。しかし理解のある夫の言葉に少し救われました。次回に続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 義父母がシンドイんです! この連載の全話を見る >>
2020年08月29日■前回のあらすじ赤ちゃんの体重は増えず黄疸も良くならないまま退院。不安な気持ちを抱えたまま、義両親と1ヶ月間の同居生活がスタートしました。■何もしない義父にモヤモヤしてしまうご飯の用意から片付けまで、とても良くしてくれる義母。しかし少々気遣いに欠ける義父の言動に少しずつモヤモヤし始めてしまいます…。■義父の配慮のない行動が気になって仕方ない悪気があるわけではないとわかっていても気になってしまう義父の行動。授乳のため、ただでさえ睡眠時間が短くなっているのに…。次回に続きます。8月29日公開予定! 【同じテーマの連載はこちら】 義父母がシンドイんです! この連載の全話を見る >>
2020年08月28日■前回のあらすじ母乳が出ないことで赤ちゃんの体重が増えず、さらには黄疸になってしまいました。自分を「母親失格」と責め続け、涙が止まりませんでした…。■不安な気持ちのまま迎えた退院の日結局退院日まで母乳はほとんど出ないまま。黄疸も良くならないし、お世話の仕方も不安が残る…。夫は新しい家族を迎えて家に帰ることをとても喜んでいましたが、私はただただ不安でした。■義両親との同居生活がスタート実は出産前にこんな話があり…、手伝ってくれるのは嬉しいのですが、気が休まらなそう…。不安を抱えながら、産後1ヶ月間義両親と同居することになりました。退院当日…義母はとても親切に気遣ってくれましたが、義父に「出産は病気じゃない」と言われ、少しモヤっとしてしまいました…。次回に続きます。8月28日公開予定! 【同じテーマの連載はこちら】 義父母がシンドイんです! この連載の全話を見る >>
2020年08月23日■前回のあらすじお見舞いに来てくれた夫。差し入れやマッサージに癒され、ようやく我が子と3人の時間を楽しめました。その後、義父母もお見舞いに来てくれましたが、産後の不安定さからか2~3時間でしんどくなってしまいました。■赤ちゃんが黄疸になってしまった黄疸が見られる赤ちゃんは多い、重度でなければ心配ない、と書いてあっても、体重が増えないことも重なり責任を感じずにはいられませんでした…。■授乳を頑張るも、体重が増えない…母乳の出を良くするために出来る限りのことを頑張りましたが、結局赤ちゃんの体重は増えませんでした…。■母親失格…母乳が出ない自分を責めてしまう母乳が出ないことで自分を責め続け、涙が止まりませんでした…。義父母の孫に会いたい想いも受け止めきれず、自分が情けなくなりました。次回に続きます。8月23日公開予定! 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年08月22日■前回のあらすじついに我が子の誕生! 感動で胸がいっぱいになり涙が止まらなくなる…そんな想像をしていたのに…。現実は痛みと疲れでそれどころではありませんでした。■母子同室スタート!しかし新たな不安が…おむつ交換、抱っこ、授乳…とにかく全てが初めてのことで、合っているのかも分からず、不安な気持ちになりました。■母乳が少ない!授乳の不安…母乳量が十分ではなく、ミルクをあげたくなりましたが、授乳をしないと母乳が出なくなってしまうことを知りました。助産師さんのアドバイスやマッサージが有り難かったです。■赤ちゃんの体重が減ってしまった…母乳が足りていないの?周りのお母さんたちはみんな母乳がたくさん出ているのに、自分だけ母乳が少ない…赤ちゃんはちゃんと育っているのか…そんな不安に次々と襲われました。次回に続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年08月14日産後の女性に大人気・今村匡子院長の「産後ケア」7月21日、出産後に自宅で簡単にできる「産後ケア」により、産後太りを解消しようという新刊『産後リセット体操で妊娠前よりきれいにやせる!』が発売された。著者は産後の女性に大人気となっているあさひ整骨院日本橋浜町院院長の今村匡子氏で、表紙も著者親子。A5判ソフトカバーで80ページ、価格は1430円(税込)であり、出版社は青春出版社である。育児の合間にできる「産後リセット体操」鍼灸師で柔道整復師の今村匡子氏の元を訪れる人のほとんどは30代、40代の女性で、「産後ケア」を目的としている。「産後ケア」は2児の母である今村氏が自身の体験を元に始めたもので、妊娠、出産により変化した体型を元に戻すためのケアである。その効果が口コミで広がり、ひと月のべ500人が来院するほどの大人気。しかし、スタッフとベッド数の都合で新規は12人しか受け入れられず、より多くの人に、産後太り解消の手助けができないかという思いで、この新刊は執筆された。産後に体型を戻そうと思えば、筋トレやジョギングなどの苦しいトレーニングを思い浮かべるが、新刊では育児の合間でも1日数分でできるメソッドを掲載。肩と腰の二大関節の稼働域を改善することで、筋力アップ、消費カロリーアップ。自宅でできるため、新型コロナの感染防止の観点からもおすすめである。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※産後リセット体操で妊娠前よりきれいにやせる! - 青春出版社
2020年07月28日「子どもはかわいいし、きちんと育てたいと思っている。でも…」家の中でずっと子どもと相対していると、逃げ場がなくなって心が折れてしまいそうになる親は少なくありません。育児ノイローゼ、産後うつなどにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?小児科医で2人のお子さんのお母さんでもある森戸やすみ先生は、そういった子育ての不安やイライラ、焦り、迷いを抱えるお母さん・お父さんに向けて、SNSやさまざまな医療メディア、そして著書 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 (内外出版社)などで子育てが楽になるヒントやアドバイスを発信してきました。そんな森戸先生に、お母さん・お父さんが日頃感じている子育ての悩みやつらさはどうして起こるのか、それを軽減するにはどうしたらいいかなどお話をうかがいました。●森戸やすみ(もりと・やすみ)先生小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、2020年6月1日、東京都台東区に『どうかん山こどもクリニック』を開業。『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』(内外出版社)など著書多数。二児の母。Twitter: @jasminjoy Facebook: ■自分の子育てを自分で責める、あなたの中の「インナー姑」――子育ての悩みにはいろいろありますが、お母さん自身が自分を責めてしまっている、先回りして自分を制してストレスがたまっているケースはないでしょうか。森戸やすみ先生(以下、森戸先生):そうですね。私はそれをインナー姑と呼んでいます。現実に姑から注意されたわけでもないのに、自分の子育てを責める自分がいるんですよね。例えば、お母さんは出産後に美容室へ行くのも申し訳ない、誰に子どもを頼もうかと悩むでしょう。でも、想像してみて欲しいのが、夫も同じ理由で悩むでしょうか? 「子どもが生まれたばかりなのに申し訳ない」と思いながら理容室へ行くでしょうか?お母さんは育児に一生懸命で責任を感じているから、自分ばっかり背負ってしまうところがあります。でも、子どもの親はお母さんだけではありません。1人ですべてを背負いこむことはないのです。――そうですよね。どうしてお母さんの中にはインナー姑が存在してしまうのでしょうか?森戸先生:「子どもの頃から子育てはお母さんがするもの」と刷り込まれているため、そういった社会的イメージにとらわれてしまうのかもしれません。この前、取材で会った方の『子どもができたら以前のように夫にいろいろやってあげられないのが申し訳ない』の言葉に私、ポカンとしちゃって(笑)。家族が1人増えたんだから、今まで通りにはいきません。親になるのはお母さんだけではなくお父さんもなんですから、夫にも自分のことは自分でしてもらうのは当然で、今までのように受け身で待つのはおかしいですよね。――先生のおっしゃる「社会的イメージ」というのは、小さい時から蓄積されてきた良妻賢母のイメージだと思います。それはお父さんとお母さん両方が持っていると思いますが、どうやって切り替えていけばいいのでしょうか。森戸先生:女性は、将来こういう風に子育てをしたい、こういう家庭にしたいと具体的に考えている方が多いように感じますが、男性でそこまで考えている方は少ない印象です。そのため、お父さんは子育てをしながら自分の育児観をつくっていくのでしょうが、その過程で前の世代の刷り込みが出てきてしまうのでしょう。私の場合、小児科医として時短で働いていましたが、夫の衣類をクリーニングに出そうとしたとき、『これって私がしなければいけないこと?』とふと気づいた瞬間がありました。私は子どものために時短勤務をしているわけで、夫のためではない。どうして私だけが仕事をセーブしなければいけないの? これはおかしいと気づいたのです。――でも、お母さんは気づいてもお父さんのほとんどは「それはおかしい」とは気づいてくれませんよね(笑)。森戸先生:それは、誰からも言われないからでしょう。ずっと妻が不機嫌で口をきいてくれないのはどうしてだろう? とは感じることはあっても、それがワンオペ育児で疲れているから、不満があるからとは想像できないのです。だから、『家族が1人増えたのだから物理的に私1人でこなすのは無理です』と伝えた方がいいです。そういう夫へのアドバイスや指導を子どもが生まれる前にできるといいのですが、医療機関にそのインセンティブ(意欲を引き出すための外部からの働きがけ)は残念ながらありません。医療行為ではないから診療報酬につながらないため、ほとんどの両親学級や父親学級でそういった指導は行われていませんね。――「まだ大丈夫」と無理をして体調を崩してしまうお母さんもいますよね。そうなる前に、自分で限界ラインが判断できるポイントはありますか?森戸先生:例えば、食べられない・眠れない場合はかなりつらいい状態だと思います。でも、妻がそんな状態になっていたら、夫に先に気づいてほしいですね。夫がそれに気づかないのは、コミュニケーション不足。育児に大変そうな妻に『大丈夫?』の一言も声もかけられないのだとしたら、それは家族とは言えませんよね。■仕事で子どもに「ちょっと待って」と言う罪悪感――今回のコロナ禍で、保育園から「なるべく登園させないようにご協力ください」と要請されたという話も聞きました。森戸先生:そう言われてしまうと、真面目な保護者ほど『先生たちが大変だから行かせないようにしよう』と頑張ってしまいますよね。そういったときのためにも、預け先の選択肢はなるべく多く持っておくといいです。『預けようと思えばいつでも預けられるけど、まだ大丈夫だからうちで見る』という状態で子どもを見るのと、『私しか子どもを見る人がいないから見るしかないんだ』というのとでは心の余裕が大きく違いますから。――家で子どもを見ながらテレワークをしていたお母さんは「仕事だからちょっと待ってて」と子どもに言わなければいけなかった状況も多かったと思います。そうやってプライベートと仕事が混同する生活は、子どもに負担をかけることになるのでしょうか?森戸先生:それは、『ちょっと待ってて』と言う理由が仕事だから、お母さんが罪悪感を持ってしまっているだけではないでしょうか。どんな場合でも、緊急度の高い順からお母さんは対応せざるを得ないので、それは仕事に限りませんよね。例えば、下の子のお世話をする場合でも上の子に『ちょっと待ってて』と言っていると思います。上の子がいろいろお母さんに話しかけていても、下の子がお椀をひっくり返した、うんちがおむつからはみ出したなどの一大事だったら『ちょっと待ってて』と、そちらにかかりきりになりますよね。それは仕方のないことで、仕事だから特別子どもが傷つくということはないと思います。――確かにそうですよね。それでも罪悪感を持ってしまうお母さんは、自分の気持ちをどうコントロールしていけばいいでしょうか。森戸先生:先ほども言いましたが、『夫も同じように罪悪感を持つだろうか? どうして私はそう感じるんだろう?』と冷静に想像して、子どもや子育てに対して距離を置いてみて欲しいのです。テレワーク中の夫は、ウェブ会議だからと子どもを部屋から締め出しても、おそらく罪悪感は抱かないと思うのです。男性はそれができるのに、どうして私は罪悪感を抱えるのだろうと客観的にとらえるとイライラしなくなるのではないでしょうか。生きていくためにはお母さんも仕事をしなければいけないし、子どもにも協力してもらわなければ共倒れになってしまいます。子どもと仕事、どちらも大切で責任感を持っているからこそ罪悪感が生まれるのであって、一時的にどちらかを優先してしまうことは仕方のないことです。子どもが理解できる年齢かにもよりますが、お母さんもお父さんと同じくらい一生懸命仕事をしていること、だから協力して欲しいことを子どもに伝えるのはいいですね。子どもに説明することで、お母さんが自分で自分を納得させるという効果も期待できます。――コロナ禍のテレワークで、子育てをお母さん1人ですることがどれほど大変か理解できたというお父さんの声も耳にします。お父さんは次にどういった行動に移ればいいと思いますか?森戸先生:今回のことをきっかけに、また保育園が預かってくれなくなった場合はどうするか、もし親のどちらかが病気をしたらどうするか、もし勤務先が倒産したらどうするかなど、もしものときへの備えについてこの機会に話し合ってはいかがでしょうか。■「夜が来るのが怖い…」寝かし方が間違っていたかも!?――なかなか子どもが寝てくれない、夜泣きがひどいなどで「夜が来るのが怖い」というお母さんが多いようです。森戸先生:アジア全域では、子どもに添い寝して家族みんなで寝るのが一般的ですね。日本もしかりで、赤ちゃんが寝るまで親は寝かしつけをし、夜泣きをしたら抱っこしてあやすなどをお母さんはしているでしょう。しかし、寝つくまでに何時間もかかる、夜泣きで度々起きなければいけないなどで、お母さんの多くは「夜が怖い」と感じてしまいます。そういった生活が続き寝不足になるお母さんが陥りやすいのが「産後うつ」や「育児ノイローゼ」です。実は、このお母さんの行動こそが赤ちゃんが寝つきにくく、夜も頻繁に起きる原因ではないかといわれています。子どもとしたら、起きている限りお母さんはずっとそばにいてくれるし、泣けばずっと相手をしてくれるわけですから。なかなか寝なくなるのは当然かもしれません。日本流の寝かしつけや夜泣き対応をしていると、子どもは1人で寝る学習がなかなかできないわけです。――夜泣きについて、先生は著書で「消去法」を推奨されていますね。森戸先生:消去法というのは、欧米で取り入れられている子どもの睡眠方法。生まれて数日したら親子は別々の部屋で夜を過ごし、子どもは1人で寝る練習をするというものです。この消去法では、赤ちゃんが泣いてもなるべく手を出さないようにして様子を見ることが大事。まるっきり一人にする必要はなく、赤ちゃんの様子を観察しつつ、なるべく抱っこしないようにします。そうすることで、一人では眠れない、泣いたらママが来てくれるといった入眠の誤学習を防ぐ方法です。眠りのトレーニングを生まれてすぐすることで、こうやって眠ればいいんだと子どもは生後3〜4カ月までには習得するようです。――泣いても相手をしてあげないと、愛情を感じずサイレント・ベビー(無表情で言葉も遅い赤ちゃん)になってしまうのではないかと心配するお母さんもいるようです。森戸先生:このサイレント・ベビー説は日本で長年信じられてきた育児神話の一つですが、医学的根拠が大変薄いのです。一小児科医が提唱した考えなので科学的根拠もありませんし、その説が正しいとしたら、消去法を取り入れている欧米の子どもはみんなサイレント・ベビーになってしまいます(笑)。赤ちゃんが夜、長時間ぐっすり寝られるように、海外には、夜用の腹持ちのいいミルクもありますよ。日本では、母親が子どものために尽くすことが美徳のようにいわれますが、お母さんも人間なので睡眠はとても大事です。生活リズムを子どもに合わせていたら寝られないし働けないというのなら、そこは大人に合わせてもらうのでいいと思います。子どもの安全を確認しつつ、一人で寝かせてもいいのではないかと考えます。例えば、夜8時に寝かしつけを始めたけれど、結局10時まで寝ないというお母さんが相談に来られるんですけど、その2時間があったらお母さんはいろいろなことができますよね。夜8時に寝かせようと頑張る母親と絶対に寝ないと頑張る子どもの戦いが毎日(笑)。それなら、9時半に寝かしつけるようにしてもいいと思うのです。育児が思い通りにならないと、イライラしてキーっとお母さんもなってしまいますよね。それでは、お母さんも子どももお互いがつらくなってしまいます。それより、多少理想とは違う子育てになっても、お母さんと子どもの両方が楽でうれしい方を選んでいいと思います。例えば『完璧なおやつを手作りしたいからキッチンへ来ないで』と子どもを追い出すよりも、2人でスナック菓子でも食べていた方がお母さんも子どもも幸せではないでしょうか。インナー姑に従って自己満足のためにやる育児ではなく、子どもと親の両方が笑顔で過ごせる方法は? という観点で優先順位を考えた方がいいですね。■「叱った後はやさしく抱きしめる」は本当に正しいの?――子どもへのしつけですが、よく育児書に「子どもを叱った後はやさしく抱きしめてあげましょう」と書いてありますが、その通りなのでしょうか? それは、DV夫が暴力・暴言の後に「ごめんね」と妻にやさしくなるのと一緒ではないかとモヤモヤするお母さんもいるようです。森戸先生:そうですね、叱られてすぐに抱きしめられたら、子どもは混乱しそうですよね。さっきまで叱っていたお母さんが急に抱っこするので「どうして?」と子どもは思います。それに、最終的にやさしく抱っこされるのなら、子どもは何をしたら叱られるかという基準がわからなくなるかもしれません。それに、大きな声やきつい言葉で叱るなどはエスカレートしやすいですし、人前で恥をかかせる行為にもなるので、子どもには逆効果となります。好ましくない言動をしたらお母さんがかまってくれると子どもが誤解しないように、叱るのではなく目を合わせない、話しかけても答えないなど、「無視」が効果的だといわれています。また、タイムアウト法といって、子どもを別部屋に連れていくなど1人にして考える時間を与えるというのも保育園などで取り入れられています。ただし、ほかの人や物、自分自身にも害が及ぶような危険な言動を子どもがした場合には、直ちに止める必要があります。――叱らず相手にしないのが効果的とのことですが、おでかけ先で子どもが泣いたり暴れたりしたとき、親が叱らないと「何だあの親は」と周囲は思いますよね。森戸先生:日本では、周囲へのパフォーマンスとして親の強く怒ってる姿を見せなければいけないというのがあるかもしれませんね。周囲に迷惑をかけるようなら、乳幼児の場合は外に出る、あやすなどの対応をし、言い聞かせることができる年齢の子なら、繰り返し穏やかな声で「静かにしなさい」と短くわかりやすく指令を伝えるブロークンレコードという手法をおすすめします。ただし、周囲へのパフォーマンスとして大声で強く叱ったりする必要はありません。でも、そういった子連れに対して文句を言う人たちは、手を貸してくれるわけではないですし、何か起こったときに責任を取ってくれるわけでもありません。だから、お母さんはあまり気にしなくていいと思います。実は、そういった文句だけの人は少数派だと思います。多くの人が『子どもが泣いてお母さん大変そうだな』『元気な子どもでかわいいな』って思ってる人の方が多いけれど、『うるさいな』というマイノリティーの言葉の方が目立つだけではないでしょうか。だから、そういうお母さんに対する周りの圧力みたいなものは気にしなくていいと思います。――家ではいろいろできそうですが、外では見逃してしまいそうです。森戸先生:それをしてしまうと、子どもは『外なら泣いたり暴れたりしても大丈夫』と覚えてしまうので、お母さんは外でも一貫性を示す必要があるでしょう。場所がどこであっても『やってはいけないことはやってはいけません。お母さんはもう知りません』という態度を示せるといいですね。なかなか難しいとは思いますが…。■イヤイヤ期の子育てがつらい、限界だというお母さんへ――2、3歳のイヤイヤ期の子を持つお母さんで、子育てが楽しく思えない、子どもをかわいく思えないというのは少なくありません。でも、そう感じてしまう自分をまた責めるという悪循環が生まれています。森戸先生:そう思うのは当然ではないでしょうか。例えば、自分もお父さんやお母さんから、いつも100%好かれていたと思いますか? 逆に、自分も親のことはすごく大好きだけど、すごく嫌いなときもありますよね。親から怒られたことがない、親が嫌で家出したいと思ったことがない人の方が少ないのではないでしょうか。子どもだから、家族だから100%好きでなければいけないことはありません。好きだけど嫌いという感情があるのは自然だと思います。――確かにそうですね。でも、頭では納得していてもイヤイヤ期の子どもにはイライラしてしまいます。それをやり過ごすコツや、自分をコントロールする方法はありますか?森戸先生:子どもに尽くそうと思わないこと。人間ですから睡眠も必要ですし、1日に1つは子どものこと以外の楽しみがあるといいですね。イヤイヤ期の子どもは暴言もはきますし、たたいてくることもあるでしょう。親であってもムカッとするのは当然です。そういった楽しみがなければ子育ては続きません。――ときにはお母さんが感情的になってしまうこともあると思います。森戸先生:いつも冷静に大きな声を出さずに子どもを育てるのは無理な話です。それでお母さんが罪悪感を持つことはありません。叱っても子どもに悪いことをやめさせる効果はないかもしれませんが、思わず大きな声が出てしまうのは仕方のないことです。うちもイヤイヤ期は大変でしたけど、当時はタイムアウト法など知りませんでした。でも、子どもが好ましくない行動をしたら無視する、応じられないものには毅然とした態度で受け入れないなど、今から考えるとタイムアウト法に近いことをやっていました。――そうなんですね。先生が子育てで一番悩まれていたのはどんなことでしたか?森戸先生:私は当直があったので『お泊まりで仕事行かないで』と娘が泣くんですよ。うちで子どもが泣いてるのに、病気の子を診なければいけない自分にすごく罪悪感を持っていました。でも、病院には私をすごく必要としてくれる子がいるのに、行ってあげられないというのも嫌だったんです。ですから、2人目が生まれた時には育休を長めにとったり、時短勤務に切り替えたりと働き方を考えました。――ということは、お子さんは0歳から預けられていたんですか?森戸先生:母に預かってもらうこともあったし、職場の保育室へ連れて行ったり、認可保育園に空きがでたら保育園へ。第一子のときは『預けて働くなんてごめんなさい』と思っていましたが、保育園の方が常に複数の先生がいらっしゃるし、相手は子育ての専門家。かわいそうなことは何にもなく、誤解だと気づきました。知らなかったからそんな不安があったんですね。3歳まではお母さん1人で子育てした方がいいといういわゆる『3歳児神話』は厚生労働省によってすでに否定されています(厚生労働省 『厚生白書(平成10年版)』 )。母親だけが育児をするものではないし、むしろ弊害があるケースがあるとはっきり提言を出しているのです。人は社会の中で生きていくのですから、小さい頃から社会に触れるのは大事だと思いますし、むしろ良い面の方がたくさんあると思います。今は、仕事を持つお母さんの方が専業主婦の倍以上いるのですから(厚生労働省 『厚生白書(平成30年版)』 )、子どもを保育園などに預けることは普通のことですよね。■自分の中の「インナー姑」を追い出すには?――自分の中の「インナー姑」を追い出すにはどうしたらいいと思いますか?森戸先生:日本の絶対は、世界の絶対ではないことに気づくことですね。外国人のお母さんに『赤ちゃんは毎日お風呂に入れてますよね?』と聞いたら『いいえ』と言われたことがありました。へその緒が取れるまでお風呂に入れてはいけないという国もあれば、北欧など寒い国では体を冷やさないように毎日お風呂には入れないそうです。子どもは毎日お風呂に入れるものと私にも先入観がありましたが、首も座らない赤ちゃんをベビーバスへ毎日入れるのは大変ですよね。目的は清潔を保つことだから、拭くだけの日があってもいいわけです。『これが絶対』と思わず、いろいろな価値観を知ると、日本古来の『インナー姑』はいなくなるのではないでしょうか。そういった意味でTwitterなどのSNSを利用したり、ネットを活用して情報を収集するのは良いと思います。例えば、母乳をよく出すと言われる食材は国によってバラバラで、決まった食材はないのです。日本ではごはんを食べるように言われますが、じゃがいもとかかぼちゃは食べるけどごはんは食べない国もあります。離乳食も、ヨーロッパはみんなじゃがいもですが、東南アジアはタロイモ、日本はおかゆ。それぞれでいいのだと気づきます。SNSやネットには嘘か本当かわからない情報も氾濫していますが、真偽が怪しいと感じたものは、コメントで質問したりするといいと思います。それで返事がない、リプライがもらえないようなら、そのまま信じずに保留で。そして、同じような意見を持っている人がほかにもいないかリサーチして、総合的に信用できるかできないかを自分で判断するようにしたらいいでしょう。「小児科医はもちろん、産科の先生や看護師、保育園や幼稚園、学校の先生など、子どもに直接関わる仕事をしている人でも、未だに医学的・科学的に根拠のない『育児神話』を唱える人が後を絶ちません。そういったママを追い詰める日本特有の『育児はこうであるべき』が早くなくなればいいと考えています」と森戸先生。その歯に衣着せぬ「子どもを100%好きでいなくてもいいのよ」「お母さんだけが育児を背負いこむことはありません」「できないことは仕方がないから無理しないで」という言葉の数々に救われたお母さんも多いでしょう。森戸先生の著書のタイトルの通り、「子育てはだいたいで大丈夫」。子どもとお母さん、そしてお父さんみんなが幸せなことが、その家族の育児の形なのではないでしょうか。■参考書籍 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 内外出版社/森戸やすみ著/1540円(税込)朝日新聞の医療サイト『アピタル』の連載「小児科医ママの大丈夫!子育て」をまとめ、大幅に加筆したた1冊。<参考サイト>厚生労働省: 「厚生白書(平成10年版)」 厚生労働省: 「厚生白書(平成30年版)」
2020年07月20日ベビーカレンダー編集部がおすすめの「妊娠・出産・育児マンガ」をご紹介♪ Instagramでフォロワー6千人を超える「HYPかなこ」さん。出産レポに続いて、産後レポ 入院編 をお届けします! ウ〇コネタ注意です!赤黒い袋状のものから、しばらく出血してた気がします。産褥パッドについたのは、悪露だけじゃなかったです(笑)。 会陰を縫合した時のネタ描いたように、こうじ氏に状態を見てもらったのですが(ホント良くない嫁だと思います)。「うわっ、いぼっていうか袋状になってる……これは手で押しても戻らないわ」と言われました。だらしない感じで垂れさがっていたようです(笑)。 産後1カ月の診察のときも、まだ痔は治っていなかったのですが「産後のものは手術までいくことは少ないんですがね……便をやわらかくして様子を見るのがいいと思います」と先生から言われました。その通りで、産後2カ月には無事引っ込んでくれました。産後は会陰の傷と合わせて、痔もかなりつらかったです……! HYPかなこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ この投稿をInstagramで見る HYPかなこさん(@hyp_kanako)がシェアした投稿 - 2019年10月月7日午前8時44分PDT 著者:イラストレーター HYPかなこ2018.5生まれのチビコーと夫のこうじ氏、セキセイインコのうなぎの3人+1羽の家族です。WEB制作(私は画像と写真担当)などを夫婦でしてます。婦人科通いの干物→婚活→結婚→不妊治療→ギリギリ35歳で出産→2人目不妊治療中なコミュ障新米母です。
2020年07月13日妻の産後、夫婦仲が悪化する現象を意味する言葉『産後クライシス』。言葉自体が生まれたのは2010年代初期と最近ですが、これまでに多くの夫婦がこの産後クライシスを経験してきたといわれています。ことり(@mamakyoja)さん夫婦もまた、この産後クライシスを経験していました。これは、産後に夫婦仲が急速に悪くなっていく過程と、産後クライシスを乗り越えた妻の『誓い』を描いた体験記。妻であることりさんが描く『夫を傷つけた後、私が誓ったこと』をご紹介します。心身ともに限界を迎えていた当時のことりさん。ある日の晩のこと、夫に不満をぶつけたことりさんは、ついに『いってはいけない言葉』を口にしてしまったのです…。夫「こんなこといわせんなよ…」産後クライシス⚡夫を傷つけた後、私が誓ったこと (1/4) pic.twitter.com/iw8pHvx25X — ことり (@mamakyoja) July 1, 2020 育児に追われる日々の中で、次第にことりさんは「仕方がないからここにいる」と自分自身にいい聞かせることで、心を守るようになっていました。もしもあの時、そうでもして自分を慰めていなければ、ことりさんの心はもっと早くに壊れていたかもしれません。しかし、誰かをいいわけの理由にしていたことで、大切なものが見えなくなっていたのも事実。産後クライシスを経て、「相手に伝わるまで、何度でも話をしよう」と心に誓った、ことりさんだったのでした。【ネットの声】・すごく共感します…。まるで自分のことのようでした。・当時のことりさんを、あそこまで追い詰めた社会の構造にも問題があると思います。・胸をえぐられる作品でした。似た経験があります。本当に、自分が愚か者であると痛感しています。この作品に出会えて身の引き締まる思いです。伝える前に「察してほしい」というのは、きっと誰もが抱く思い。しかし、相手は自分とは違う人間です。察することが得意な人もいれば苦手な人もいます。産後クライシスを乗り越える夫婦の絆を育むためには、どんなささいな気持ちでも相手に伝え合える関係性が大切なのだと思わされます。[文・構成/grape編集部]
2020年07月02日■前回のあらすじ産後に訪れる多幸感や母性、かと思いきや、とてつもない不安が大波となって押し寄せ…。産後はいろんな感情が大渋滞を起こしていました。黄疸って新生児にはよくあることらしくて、そんなに泣くほどのことじゃないんだと思います。ただ精神がボロボロだったんだと思います。もし赤ちゃんに黄疸がでたって言われても、元気出してほしくて漫画に記しておきました。今は息子はすっごい色白です。男子だしそのうち日焼けするでしょうけど(笑)私の出産記はこれにて終わりなんですが…、どうしても記しておきたいことを次回描きます。ってかこっからが本題かもしれません(笑)次回に続きます。7/1(水)14時公開予定!\人気作家の動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年06月30日私の場合、出産から2カ月後に夫から誘われました。夫の気持ちもわかりましたが、「できればしたくない」という気持ちが私の本音。産後の夜の営みを嫌だと感じた理由や夫と話し合ったときのことなど、当時の私の体験をお話しします。 夜の営みの再開は産後1カ月ごろから産後1カ月健診で子宮の戻り具合や会陰切開の傷の様子、悪露の状態をチェックしてもらいました。特に異常は見つからず「性生活を再開しても大丈夫」とのこと。ただ、正直「夜の営みなんてできない」と思いました。 しばらく夫から誘われないことを願いながら過ごしていましたが、産後2カ月ごろにとうとうその日はやってきました。 したくない理由妊娠中は夜の営みを控えていたこともあり、夫の気持ちもわかります。だからこそ断ることができませんでした。しかし、会陰切開をした傷が気になって仕方がありません。気分は乗らず、痛みや違和感ばかりでした。 さらに赤ちゃんがいる身でと思うと、なぜか罪悪感さえ感じてしまいました。夫に申し訳ないけれど、「今は夜の営みをしたくない」というのが正直な気持ちだったのです。 夫に正直な気持ちを伝えてみた体の面は問題なくても、お互いの気持ちが一致しないと再開は難しいと感じました。 「しばらく夜の営みを控えたい……」。私は夫に今の正直な気持ちを伝えることにしました。男性には想像しにくいことかもしれない。だから話し合わないとと思ったのです。幸いなことに、夫は私の気持ちを受け止めてくれました。 体のことや自分の気持ちを夫に伝えてよかったと思っています。夫婦関係を見つめ直す良いきっかけにもなりました。 監修/助産師REIKO著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。
2020年06月28日引っ越しや転勤など、この春から新しい環境で生活を始めた人もいるのではないでしょうか。私も5年前の今頃(第1子の娘が生後6か月頃)、夫の転勤で大阪に行くことになりました。知り合いがゼロの中での初めての子育てで、私は追い詰められました。そんな私を救ってくれたのは、同じ年ごろの子どもを育てるママ達のSNSでした。産後の私の状況大阪には旅行で行ったことがある程度。結婚するまでずっと実家暮らしだった私にとって、知らない土地で暮らすことは初めての経験でした。そして、一緒にいるのは小さな赤ちゃん。初めての育児でとにかく不安で仕方がありませんでした。夫は「娘と話せばいいじゃん」と言うけれど唯一の話し相手となるはずの夫は仕事が忙しく、平日はほぼ毎日、日付が変わる頃に帰宅。休日も仕事をすることが多く、家にいる時間もなし。当然会話もほとんどできません。仕事で忙しい夫に頼ったり、グチを言うことも申し訳ないという気持ちになり、ひたすらガマンをしていました。でも、一度だけ夫に「話ができないのがつらい」と言ったことがあります。そのとき夫は、「〇〇(娘の名前)がいるじゃん!」とサラリ。まだ、「あー、うー」と喃語しかしゃべることができない娘とのやりとりは、会話にはならず、解決になりません。そのとき、夫は私が大変な心境になっているとは、まったく気づいていなかったのだろうと思います。追い込まれていく精神状態気がつけばほとんど人と会話することのない毎日を過ごし、赤ちゃんの世話が中心で、自分の時間がまったくないことが日常になっていきました。心が弱っていたせいでしょうか、東京と大阪のイントネーションの違い、習慣や文化の違いなど、一つひとつが重く感じます。些細なことが気になり、何もかもが不便で、生活しづらく感じる日々。私は何でここにいるんだろう?毎日洗濯を干すためベランダに出て下をのぞいて、「ここから飛び降りたらラクになるかな?」などと考えては、それを打ち消すような毎日でした。とにかく早く東京に帰りたい…そればかりを考えていました。わが子の成長をSNSにアップすることにつらい気持ちを抱えながらの子育てでしたが、ふとしたことがきっかけで気持ちに変化が生まれました。ある日、当時流行し始めたインスタグラムをのぞいてみると、そこにはたくさんのママが載せたわが子のかわいい写真がアップされていたのです。とてもキラキラしていて、心がワクワクしてくるのを感じました。私は、「なんて楽しそう!やってみたい!」と思い立ち、成長記録としてインスタグラムとブログを始めることにしたのです。同じ境遇のママ達との繋がりが生まれた!インタグラムやブログの世界には、自分と同じ月齢の子どもを育てるママ達がたくさんいました。自分が発信したことに反応してもらえたり、いいねで共感できたり、わからないことを教えてもらえたり。自分の存在を認められた気がして、自信に繋がり、視野がぐんと広がったのです。寂しさがすっかり消えるわけではなかったのですが、毎日涙を流してはクヨクヨ悩んでいた日々と比べると、気持ちが晴れわたり、吹っ切れたような感覚。同じような環境にいて、同じ悩みも持つ人とやりとりをしていると、心がふっと軽くなる気がしました。しばらくSNS上でやりとりするうちに、同じような月齢のママや転勤ママと繋がりができはじめました。会える距離に住んでいるママ達もいて、次第に会って話してみたいという気持ちに。そこで、私から声をかけて、子連れで集まることに。実際に会って話してみると、とても楽しくて、改めて外出すること、人と会って話すことがストレス発散になることを感じました。今思えば、自分から声をかけるなんて、人見知りの私にはあり得ない奇跡的な行動なのですが、このときから、子育てを前向きに楽しめるようなった気がします。これを機に子連れ外出が大好きになりました。そして、ほぼ毎日、娘との1日の出来事をSNSにまとめることが日課になりました。今がつらいなら、繋がりを見つけて吐き出すことも大事!私が孤独を感じ、どうしようもない状況だったのは引っ越ししてから3か月ほど。今、ひとりぼっちの子育てをつらいと感じている人、新しい土地で子育てに不安を抱えている人、それを吐き出すことが大事です。私のように、身近に同じ環境の人や話せる相手がいない場合は、SNSも大きな繋がりとなり、支えとなります。SNSなんて…と思わず、のぞいて、思いを書いてみると、自分が考えていた以上に世界が広がるかもしれません。最終的に転勤期間を終えたとき、東京に戻れるうれしさはありましたが、2年間過ごした大阪を離れる淋しさがとても大きくなっていました。あんなに早く帰りたいと思っていたのに…(笑)。このときの出来事によって、人と繋がることの大切さ、SNSの強みを実感することができ、今ではとてもありがたい経験をしたなと思えるようになりました。<文・写真:ライターRie>
2020年05月30日感染症により、休園・休校の長期化、不要不急な外出の自粛要請で、子育て中のママやパパの負担やストレスは一層倍増しているでしょう。ちょっと気晴らしにお散歩やおでかけも難しい今、家の中でずっと子どもと相対していると、逃げ場がなくなって心が折れてしまいそうになることも。「子どもはかわいいし、きちんと育てたいと思っている。でも…」と悩む親は少なくありません。育児ノイローゼ、産後うつなどにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?子育ての不安やイライラ、焦り、迷いを抱えるママやパパに向けて、内外出版社から新刊 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 が発売されました。著者は、小児科医で二人のママでもある、森戸やすみ先生。育児に悩むママやパパへ向けたこの本では、これまで信じられてきた育児神話の“本当のところ”や、とくにママがつらく感じる原因、自分らしくラクになれる子育てのヒントなどが、小児科医の視点でわかりやすく解説されています。●森戸やすみ(もりと・やすみ)先生小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、2020年6月1日、東京都台東区に『どうかん山こどもクリニック』を開業予定。『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』(内外出版社)など著書多数。二子の母。Twitter: @jasminjoy Facebook: ■育児のトラブル・悩みはすべてママのせい?たとえば、おでかけ先や公共の乗り物の中で、子どもがなかなか泣きやまない。わが子がほかの子とうまく遊べなくて、つい手が出てしまう。せっかく離乳食を作っても、あまり食べてくれない。子育てではよくあることですが、そういう時になぜか決まって言われるのが「それって、愛情不足じゃない?」「もっと子どもには手をかけてあげないと」といった言葉です。とくに、子どもを保育園や学童に預けながら働いているママの多くは、家族だけではなくママ友や会社の同僚、よく知らない人にまで、同じようなことを言われた経験があるのではないでしょうか。実際、著者の森戸先生も、テーマパークで遊び疲れた娘さんが帰りの電車でグズったとき、たまたま乗り合わせた高齢のご婦人から「お母さん、もっと抱きしめてあげて」と諭された経験があるそうです。娘さんがグズったのは、森戸先生が抱きしめなかったからではなく、遊び疲れたからなのに。「それは本当に“親の愛情不足”が原因でしょうか?」と森戸先生は問いかけています。育児で何か問題や困ったことが起こったとき、人はどうしてなのかと原因を求めたくなるもの。しかし、子どもはそれぞれ個性がありますから、どの子にも当てはまる育児の定石はなく、大人の理屈では理解できないことも多いでしょう。一方、愛情というのも数値で測れるものではなく、親がどれほど子どもを愛しているかは目で確かめることはできません。そこで、「理解できない子どもの行動は、誰にも確かめられない親の愛情量に責任転嫁されているのではないか?」と、森戸先生は読み解きます。たしかに、親の愛情不足が原因としてしまえば、言った本人は間違いだと反論される心配もなく、自分に責任がないことも遠回しに主張できます。親に責任を押し付けることで、理屈の通らないことが解決できたと自己満足もできるわけです。しかし、子どもが泣いたりわめいたりすることと、親の愛情不足との因果関係は誰にもわかりません。子どもの数だけ個性もそれぞれで、グズってしまう原因もそれぞれ。それを、手っ取り早く原因を見つけたい大人が、こじつけているだけなのです。ところが、「小児科医をはじめ子どもに関わる専門家の中にも愛情の多寡(たか)の話をする人がいるのですから残念なことです」と森戸先生。たしかに、筆者もわが子を預けていた保育園の先生から同じようなことを言われたことがあったことを思い出しました。こういった周囲の「なんでもかんでも親の愛情不足が原因」というプレッシャーから、育児で何か困ったとき、「ほかの親ほど自分は愛情をかけてあげられていないのではないか」「もっと私がちゃんと子どもを見ていれば」と、無意識のうちに自分を責めてしまう方は少なくないでしょう。でも、それは周りからの勝手な押し付けであって、“親の愛情不足”と決めつけることは害でしかないと森戸先生は一刀両断。この言葉に、悪い夢からスッキリ目覚めたような清々しささえ感じます。■育児神話「根拠のないもの、気をつけたいもの」「子どもの問題は親の愛情不足が原因」と同じように、根拠なく信じられ続けている“育児神話”はたくさんあります。本書で紹介されているだけでも、以下のものが挙げられます。●3歳児神話「3歳までは家で母親の手で育てることが子どもの精神的な発育に一番良い」というイギリスの精神医学者ジョン・ボウルビィによる戦争孤児を対象とした調査報告(1951年)が元となっている考え●スマホ育児批判かつてはテレビやビデオ、パソコン、今はスマホといったメディアを使って子守りをしたり、親自身が夢中になることで、親子関係や子どもの心身の発育が阻害されるという日本小児科医会の提言(『スマホに子守りをさせないで!』(※1)●子どもの夜ふかし子どもは夜9時までに寝ないと、成長ホルモンが分泌されないために発達が遅れ、しかもキレやすくなるというもの●母乳信仰ミルク(粉・液体)よりも母乳の方が優れていて、どんな状況においても絶対に母乳のみで育てる方が赤ちゃんのためには良いという考え●離乳食を遅らせてアレルギー予防離乳食の開始を遅らせ、なるべく母乳だけで長く育てた方が、食物アレルギーの発症を予防できるというものいずれも、日本で一般的に信仰されている“育児神話”です。おそらく多くのママやパパが、これらのほとんど、もしくは全部を正しいと信じ、厳守しながら育児をしているのではないでしょうか。しかし、森戸先生はこれらに「すべてが根拠のあることなのでしょうか?」と疑問を投げかけています。たとえば、「3歳児神話」。精神医学者ジョン・ボウルビィが提唱していたのは、「子どもが育つ過程で、信頼できる大人との愛着関係を築くことが大事だ」ということ。それが、なぜか日本では「3歳まで母親の手によって育てられることが大事だ」にすり替わって信じられてきました。この3歳児神話はすでに国内外では否定されている考え方で、1998年の「厚生白書(平成10年版)」(※2)では「少なくとも合理的な根拠は認められない」とされ、さらに「母親と子どもの過度の密着はむしろ弊害を生んでいる、との指摘も強い」とされています。しかし、いまだにこの古い神話を信じている年配者は多く、「こんなに小さいのに保育園に行かせるなんて」「3歳までは家でお母さんが見た方がいい」といったことを言い、ママは根拠のない罪悪感を背負わされながら働くという事態がいまだに起こっているのです。それは、ほかの育児神話にも当てはまることだと本書は伝えています。たとえば、今のママはスマホから育児情報を得る機会が多く、小児科の予約をスマホでしたりお薬手帳のアプリを使ったりもします。スマホを使っているからといって育児をおろそかにしているわけではないし、息抜きにゲームをしたとしても一日中ではないのだから何も悪くないということ。子どもの夜ふかしがよくないのはたしかだけれど、その理由の一つとされてきた「成長ホルモンは夜10時〜翌2時に分泌される」というのは、今では間違いだとわかっていること。夜9時に寝るべき、早く寝ないとキレやすくなるという説に根拠はないということ。同様に、どんな状況でも母乳育児がいい、離乳食を遅らせたらアレルギーを予防できるという説も、間違っていることがいまでは明らかになっています。むしろ、離乳食に関しては、開始を遅らせることでかえってアレルギーのリスクが高くなることがわかっています。しかし、前述の「“親の愛情不足”ですべて片付ける問題」と同じように、小児科医や産婦人科医、看護師、保健師、保育園や幼稚園の先生といった普段から子どもと接している方でも、いまだにこれらの育児神話を唱える人は少なくありません。そういった専門家でさえ信じているのですから、夫や両親、兄弟、ママ友、会社の同僚が不用意に育児神話を持ち出してくるのも納得です。では、そんな古くさい育児神話とママはどう立ち向かえば良いのでしょうか?■今だから夫婦・家族と子育てについて考えようママが育児に不安を感じたり悩んだりするきっかけの一つに、ほかの人からの言葉かけがあります。たとえば「母乳なんでしょ?」「2人目は?」「こんな小さいのに連れ歩いて」「保育園に通わせるなんてかわいそう」など、挙げていけばきりがありません。子どもを生んでまず最初にびっくりするのは、こういった「余計なお世話」とも取れる不用意な言葉をかけてくる人が本当に多いことです。家族や友人ならまだしも、通りすがりの知らない年配者からも「今日は良いお天気ね」のノリで「私たちの頃はね…」と育児アドバイスが始まったりします。また、そういった言葉はほとんどの場合、お父さんではなくお母さんにだけ向けられるのも不思議です。それは、暗に「子育てのメインは当然、母親」という育児神話の押し付けが見え隠れしているようです。このようなママを悩ませる言葉や態度は、元をただせば前述した根拠のない育児神話がベースになっていることが多い印象です。森戸先生は、「そういった言葉はスルーしていい」と本書の「祖父母世代と親世代のギャップの埋め方とは」の章で解説しています。スルーしていい理由として、次の2つが挙げられています。 祖父母世代が育児をしていた頃の常識が、いまでは非常識となっていることが多い 育児はとてもナイーブで個人的な体験のため、各家庭で事情が違う大抵の場合、言葉をかけた側の問題ですが、相手が義両親や実両親の場合は、育児を手伝ってもらったり一生お付き合いを続けていく関係だからこそ、ことを荒立てられずにイライラ・モヤモヤしながら多くのお母さん、お父さんは我慢しているでしょう。そういった相手の言葉は聞き流す、適度に反論して距離をとるなどして、それでも改善が見られないなら、「育児で大変な時に、無理して会わなくてもいい」と森戸先生はバッサリ。育児の協力者は何も家族でなければいけないことはなく、幼稚園や保育園、保育ママ、ファミリーサポートなどの行政サービスを活用するなどで頼れる先をいくつも持っていた方が、子育てのストレスは軽減されることに気づかせてくれます。そういったことを夫婦で話すことも大切だと本書では伝えています。「育児は母親のもの」といった育児神話によって、これまでずっと子育てにおいて部外者扱い、戦力外通告をされてきたパパ。でも、いまはもうそんな考え方は古く、夫婦2人で子育てに関わっていく時代。パパも育児の当事者であり、同じ視点から、同じゴールに向かってどう子どもと関わっていくかを夫婦で話し合うことが、育児をもっとラクで楽しいものにしていくのでしょう。そのためにも「父親も育児参加できるよう排除しないで後押しを」と社会全体の意識改革も必要だと訴えています。■子育てでつらい、不安になったときは「子どもはかわいいし、初めてのことばかりで大変だけど、育児も毎日発見の連続で楽しい。でも、なぜかイライラ・モヤモヤしてしまうのはどうして…」そんな風にママやパパが悩み、「自分がおかしいと感じているのに『それは、おかしい!』と声を上げられない周囲からの育児プレッシャーが原因」と本書で読み解いてくれた森戸先生。そのほか、子どもの発達に関する疑問やお悩み、子育てメディアとの付き合い方、小児医療の正しい知識などを、小児科医として、また2人のお子さんのママとしての視点から、わかりやすく解説しています。読後は、心の中のモヤモヤがすっきりと晴れわたり、「子育てはだいたいで大丈夫よね!」と育児にたずさわるすべての人に安心と勇気を与えてくれる一冊となっています。■参考書籍 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 (内外出版社 森戸やすみ著 1540円(税込))朝日新聞の医療サイト『アピタル』の連載「小児科医ママの大丈夫!子育て」をまとめ、大幅に加筆したた1冊。●森戸やすみ先生1971年東京生まれ、埼玉育ち。1996年私立大学医学部を卒業し、医師国家試験に合格。専門的な学術書と手に取りやすい気軽な本の中間に位置するようなものを作りたいと考えている。<参考サイト>※1 公益社団法人 日本小児科医会: 日本小児科医会の提言(『スマホに子守りをさせないで!』) ※2 厚生労働省: 「厚生白書(平成10年版)」
2020年05月17日