日本ではあまり行われませんが、生後3ヵ月までぐらいの赤ちゃんを腹ばいにしてあげるとその後の発育が早まるということで、欧米などでは積極的に取り入れられています。腹ばいにするとなぜ発育にいいのか、見てみましょう。腹ばいにすることで赤ちゃんの首や背中が鍛えられる生後1ヵ月目に入るぐらいになった頃、赤ちゃんを腹ばいに寝かせると、わずかな間ですが頭を上に持ち上げるようになります。この時期になると生まれた直後よりも首や背中に筋肉がついてくるため、こうした動作をします。欧米では赤ちゃんを腹ばいで寝かせる習慣があるのは、こうした筋肉の力を訓練してあげることで首がすわるのを早くすることができるからです。また、背中の筋肉がつくことによって、赤ちゃんがよく呼吸できるようになってきますので、この時期の成長に重要となる酸素が脳に行き渡りやすくなります。あおむけでずっと寝ていた赤ちゃんは背中の筋肉の発達が遅くなりやすい傾向にあるので、意識的に腹ばいにさせてあげることが大切と言えるでしょう。赤ちゃんを腹ばいにさせる方法では、具体的にどんなふうに赤ちゃんに腹ばいの訓練をさせればよいのでしょう。まずは、赤ちゃんを寝かせている布団の上に座布団をしき、その上に赤ちゃんの胸やお腹がのるようにして赤ちゃんを腹ばいにします。このような体勢になると、赤ちゃんは顔が胸などよりも下の位置に来ることから、数秒間程度かもしれませんが、手やひじを使って上体を支え、首を持ち上げようとします。このとき、赤ちゃんの背中を上から下にさするようにしてやると、その部分を意識して力を込めやすくなりますので、赤ちゃんは首を持ち上げやすくなります。しかし、この時期の赤ちゃんはまだずっと首を上げていることはできず、数秒たつとまた首を布団に落としてしまうでしょう。そうなったら再び背中をゆっくりとさすってあげると、赤ちゃんは刺激に反応して首を再び上げようとします。腹ばい訓練を行う頻度1日に1回か2回、こういった筋肉の訓練をしてあげていると、最初は30度程度しか持ち上げられなかったところが2ヵ月ぐらいで45度ぐらいまで上がるようになり、3ヵ月目ぐらいには垂直に近い高さまで上げられるように、4ヵ月目ぐらいにはこうした体勢を30秒ほど維持できるようにもなってきます。首だけでなく、手の使い方も変わってきます。最初はひじを使って体を持ち上げていたものが、3ヵ月目ぐらいには両腕をしっかり伸ばして手首で体を支えることができるようになってくるのです。こうした訓練を行っていると4ヵ月目ぐらいで、赤ちゃんをあおむけの状態から抱き起こすときに、首がついてくるようになるのがわかるでしょう。< 後編 に続く>(子育ての達人)
2016年01月21日国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は10月16日、低酸素ストレスにさらされたラット胎児の発育不良を人工赤血球で予防することに成功したと発表した。同研究はNCNP精神保健研究所知的障害研究部の太田英伸 室長、神経研究所疾病第二部の李コウ 研究員、奈良県立医科大学の酒井宏水 教授、東北大学、早稲田大学、崇城大学、理化学研究所によるもので、10月16日に英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。同研究では、妊娠高血圧症候群で低酸素ストレスが加わる胎児への治療法を開発した。妊娠高血圧症候群は約5%の妊婦に発症し、重症例では母体死亡、胎児・新生児死亡を引き起こす。特に、高齢出産が進む日本では増加傾向にある。これまで同症候群の原因物質として胎盤由来の可溶型VEGF受容体-1(sFlt-1)などが発見されており、これらの物質が胎盤血管を狭小化し血行不全を引き起こすため、胎盤の血液循環が妨げられ母子間のガス交換、栄養物質の運搬、老廃物の代謝が低下し、胎児が低酸素状態・子宮内発育不全になることがわかっている。そこで同研究グループは、狭小化した胎盤血管を通過できる小粒径(250nm)でかつ高い酸素運搬機能をもつ人工赤血球を用いて、母体胎盤および胎児の低酸素状態を改善。その結果、妊娠高血圧症候群の原因物質である母体血中のsFlt-1が低下し、胎児発育も促されることを確認した。また、低酸素ストレスが与えた胎児の脳へのダメージも人工赤血球の投与で抑えられることがわかった。今後、人工赤血球をベースとした新しいタイプの輸液を作製することで、妊娠高血圧症候群の治療法として帝王切開や早産など妊娠の終了だけでなく、その症状を軽減させる輸液療法も選択肢の1つとなる可能性が期待される。
2015年10月16日ムーンスターは8月より順次、子どもの足の健全な発育をサポートする4大機能搭載のベビーブーツ2型を、全国の靴専門店、量販店にて発売する。○4大機能搭載で、子どもの足の健全な発育をサポート両商品は、赤ちゃんの足にあわせたつくりで歩きやすいベビーブーツ。かかとをしっかりとサポートする「カウンターボックス」、靴底が正しく曲がる「フレックスジョイント」、つま先にゆとりがある「ゆびがのびのび」、インソールを取り外して洗濯ができる「洗えて清潔」の、4大機能を搭載している。子どもの足は踵の骨ができ上がっておらず、非常に小さいため、踵が小さく扇を広げたような形をしている。また、筋肉や靭帯も発育途上のため、足のアーチ(土踏まず)も完成していない。4大機能は、そんな子どもの足の成長と健康をサポートするための機能となっているという。"しっかりサポートするシックなフレンチテイスト"の「CR B69」は、大きく開いて足入れしやすく、甲バンドで足首を固定することで脱げにくい作りとした。すり足で歩く赤ちゃんがつまづきにくいよう少しつま先を上げ、かかとのカウンターボックス構造で不安定な足元をしっかり支える。シンプルなフレンチテイストでどんなコーディネートにも合わせやすいデザインとなっている。価格は4,644円(税込)。「CR B70」は、"ほっこり北欧ナチュラル"がテーマ。側面が面ファスナーで大きく開いて履かせやすく、しっかりとめることでフィットさせることができる。トナカイの角をイメージしたトグルとふわふわなファーでさらにかわいさをプラス。滑りにくく屈曲性のあるソール設計で、まだ不安定な赤ちゃんの歩きをサポートする。価格は3,564円(税込)。
2015年08月10日生まれたばかりの赤ちゃんを抱えたママは、不安でいっぱいです。それが初めての子なら、なおのこと。さまざまな発育過程の平均値や発達の目安をわが子のそれと比べ、一喜一憂してしまいます。そんな不安いっぱいのママたちにぜひ知ってほしい、赤ちゃんの頭囲に関する研究結果がアメリカで今週発表され、注目を集めています。医療ネタを扱うアメリカの情報サイト『Medicalpress.com』を参考に、赤ちゃんの頭囲を測ることの意義と弊害について考えてみましょう。■頭囲は赤ちゃんの健康指標の“常識”赤ちゃんの成長の指標として世界中で広く活用されている頭囲は、左右の眉の直線上から後頭部の出っ張った部分までをメジャーでくるっと一回りさせて測ります。頭の中に水分が溜まる水頭症や栄養失調、学習障害など、心身のさまざまな健康リスクの早期発見に役立つ、とされています。赤ちゃんの定期的な健康診断で身長、体重とともに必ず測定され、ママたちにとってはおなじみの項目ですよね。母子手帳には頭囲の発育曲線のグラフも印刷されており、ほとんどのママは頭囲測定に特に疑問を感じていないのではないでしょうか。ところが、ブリストル大学とグラスゴー大学で1万人の赤ちゃんを対象に行われた追跡調査の結果、世界のそんな常識を覆す主張がなされました。赤ちゃんの頭囲が正常の範囲を超えたケースのほとんどは測り違いなどの人的ミスのせいで、発育異常や病気を発見する“ふるい分け検査”としての意味はほとんどない、というのです。■赤ちゃんの頭囲と異常は関係ない!今回行われた調査は、90年代に生まれた1万人の赤ちゃんの0歳時の頭囲と病気に関するデータ、7歳時のIQデータ、11歳時の学業成績を調査した非常に大規模なもの。専門の医師・調査員チームによって、神経系の発達、学習障害、言語障害、自閉症、てんかん、ADHDなどさまざまなリスクとの関連が徹底的に調べられました。そして調査の結果、頭囲が通常の範囲以上に小さかった子どもたちの85%はその後何の問題もなく成長したことが判明。さらに、発達過程に問題が見つかった子どものうち、93%は0歳時の頭囲サイズが正常だったのです。計測ミスの可能性を考慮に入れると、頭囲と健康リスクの間に有意な関係があるとは言えなくなります。中でも水頭症は、頭囲が重要な指標とされていますが、水頭症が1万人に6例程度であるのに対し、1歳までに頭囲が正常の範囲よりも大きくなる赤ちゃんは7人中1人の割合で存在するのです。調査を行ったグラスゴー大学のシャーロット・ライト博士は「頭囲を正確に測ることは難しい」と指摘しています。0歳の赤ちゃんはまだ言葉が理解できず、じっとしていません。ママやパパ以外の人(医師や看護師)が体に触ろうとすれば火が付いたように泣き出し、全力で抵抗します。そんな状態で丸い頭の周囲をメジャーで測るのですから、計測ミスが多いことはたしかに想像できますね。■赤ちゃんの成長を見守ることが大事それでは、健診で赤ちゃんの頭囲を測り、指標にすることの弊害とは何でしょう?前述のライト博士は「頭囲を健康リスクの指標にすることは、両親の不必要な不安をかき立てます。ほかの指標で赤ちゃんの発達や頭の成長に心配が見つかった時にのみ、頭囲データが使われるべきです」と主張しています。調査データの例を借りれば、実際に水頭症と診断される赤ちゃんは1万人に6人なのにも関わらず、7人に1人の赤ちゃんが「水頭症の恐れあり」と医師に告げられ、MRIなどの検査を受けることになるのです。これは医療費増加の一因にもなりますし、何よりも、初めての子育てに不安いっぱいの新米ママに要らぬショックを与えてしまいます。また、ライト博士は「計測ミスの可能性もある頭囲測定でいたずらに不安がるのではなく、たとえば家庭を訪問する巡回保健士やかかりつけ医との関係を緊密にして、その他の成長指標を手掛かりに子どもの成長を見守るべきです」ともコメント。赤ちゃんの発達を見守るさまざまな指標が存在しますが、それらを鵜呑みにするのではなく、わが子のようすとの兼ね合いで冷静な判断を下していくことが、ママたちに求められています。(文/よりみちこ)【参考】※Small changes to a child’s head size should not concern parents-Medicalpress.com
2015年05月24日