篠田麻里子はAKB48を「家」と表現した。「落ち着くし、楽でいられる場所なんです」。ファンの投票の結果次第でチーム内での自分の立場が容赦なく上下するシステムに恋愛御法度のルールなど、いわば現代の日本の教育システムとは180度様相を異にする戦いの場を生き抜く少女たち。“1.5期生”としてこのAKB48に加入した彼女は、AKB48としての活動に加えモデル、さらに最近ではドラマや映画にも立て続けに出演するなど女優としての活躍も目立つ。先日公開されたAKB48初のドキュメンタリー劇場公開作品『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued』でも、仕事への思いやAKB48での自らの役割についてクールに、しかし強い想いのこもった言葉を発している彼女。映画の副題には「10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」とある。篠田さん自身は自らの歩む道をどのように見据えているのだろうか――?最年長だからこそみんなをサポートしたい映画の中でカメラが捉えているのは、昨年1年間にわたる彼女たちの活動の全て。昨年の彼女たちの活躍ぶりは周知のとおりだが、篠田さんにとっては2010年はどのような1年だったのだろう?「いままで生きてきた中で、一番早く過ぎた1年でしたね、自分たちでも訳が分からないくらいいろんな仕事があって…。1日はすごく長いのに、昨日何があったかを忘れてしまうくらい1日が濃くて、普通では経験できないことばかりでした。個人的に、いままであまり一生懸命やったことってなかった気がするんですが(笑)、去年は本当にずっと一生懸命で…だから早く過ぎたのかな?TVやドラマ、映画の撮影もあって新しいことに挑戦できましたね。挑戦というのを自分なりに目標にしていたので、それは達成できたかな、と思います」。メディアで彼女たちを見ない日はないというほどの大ブレイク。ジェットコースターという言葉がぴったりのめまぐるしい日々を送る彼女たちだが、その喧噪の渦の中にいるのはどのようなものなのだろう?「取材でも以前はみなさん『AKB48という存在は知ってるけど何をしてるの?』という疑問から入られることが多かったんです。そういうことひとつ取っても、知名度がどんどん上がっていくのは感じましたね。逆に何気ないひとつの発言がものすごい反響を呼んでニュースになってたりということもあって…(苦笑)。自分でもどうしていいのかよく分からない部分もありましたね」。「あまり自分を見せるのは好きじゃない」と苦笑する篠田さん。映画の中ではそんな彼女に密着したパートも!だが印象的だったのは、彼女が自分のこと以上に周囲のメンバーの魅力を生き生きと語る姿。「周りのことばっかりに目が行っちゃうんですよ…」と照れくさそうに笑うが、彼女の人間性がうかがえる。チームの中での自身の立ち位置に関してはこう語る。「知らない間に最年長になってて…(笑)。だから自覚がなくて、年上とかリーダーといった部分に責任が持てないんですよ。いまさら仕切るわけにもいかないしなぁ…って(苦笑)。だからというわけじゃないけど、(高橋)みなみや(大島)優子、秋元(才加)がみんなをまとめるのをサポートできたら、と。上に立つ彼女たちだって悩むこともあるだろうし、そういうときに一緒に考えたり、少し長い人生経験はあるので(笑)、私なりの視点で話がしてあげられたらいいなって」。だが、チーム、仲間である一方で周囲はライバルでもある。特殊で、そしてある意味で残酷なAKB48というシステムの中で、10代、20代前半の若さで彼女たちは自分という存在や投票の結果に向き合わなくてはならない。篠田さんは総選挙で、2年連続で3位にランクイン。「3位っていいポジションだな、と思ってます(笑)」と少しおどけた口調で語る。「正直、私の中で1位を取りたいって気持ちはあまりなくて、かといって前回よりも下がってたらへこんでたでしょうね(笑)。特に今回はメディアの注目が前回と全く違っていたし、ちょうど私の中でAKB48の中での在り方を考えていた時期でもあったんです。中間発表ではもっと下だったのに、なかなか自分の名前が呼ばれなくて、そんな中で友(板野友美)が4位って発表されたので、「じゃあ私が3位かも」と思って、その時点で勝手に大泣きしてしまって…あたかも自分が3位決定したかのように(笑)」。そんな言葉から、我々の想像を絶する彼女たちの孤独な戦いがほんの少し垣間見える。「基本的に仕事でもプライベートでも“素”」そんな“戦場”に身を置くからこそ、プライベートでは「AKB48の篠田麻里子」ではない全く違った素顔を持っているのでは?と思いきや、彼女の口からは意外な答えが…。「基本的に仕事でもプライベートでも“素”です。素の自分がどんな人間かというと…見た目は大人で中身は子供(笑)。考えることも食べるものも子供なのに、言うことは意外に大人…かな(笑)?」素でいられるということが逆にすごいことだが…。「逆に、作れる自分がいないんです。演技で自分じゃない“役”を演じることはできても、自分を演じることはできない。最初にAKB48に入ったとき、“アイドル=ブリッ子”というイメージがあって、でも自分にはそういうキャラはできないし、無理して作ってもボロが出ちゃう。それは周りのメンバーもそうで、結構、素が多いんですよ(笑)。それがアイドルらしくなくて、AKB48という新しいジャンルの魅力かな、とも思います」。だからこそ、彼女はAKB48を“家”と言えるのだろう。では最後に副題の「10年後」について尋ねる…その前に10年前について!10年前といえば彼女は中学生である。「10年前…。部活やってましたね。テニスやってたのでウィンブルドンに出たいとか思ってました。芸能界に入りたいというのはなくて、TVもほとんど見てなかったのでTVの向こう側の世界に興味が持てなかったです」。そんな彼女がいま、こうして歌手、モデル、女優として活躍することになるとは――。改めて10年という月日の大きさが感じられる。では無理を承知で篠田さんが描く10年後の自分は?「さすがに10年後は予想つかないけど、これまで1年後、2年後にこうしていたいという希望は叶ってきているんですよ。言えば叶うじゃないけど、口に出すからこそできることもある。だから昔から、どんどん言っていこうって決めてて、その結果としていまがあるのかな、と思ってます。10年後…モデルとしても女優としても自分を表現できる存在になれたらいいですね。演技はまだまだ分からないことが多いけど、いままで生きてきた自分の中から自分ではないものを作るというのはすごく面白い。役を通じて自分じゃない自分がいて、そんな私を楽しんでくれる周りもいて…その世界が楽しいです」。まずは彼女たちの“いま”に目を凝らしてほしい。(photo:Shinya Namiki)■関連作品:DOCUMENTARY of AKB48 to be continued10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう? 2011年1月22日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開© 「DOCUMENTARY of AKB48」製作委員会■関連記事:AKB48「Beginner」で初のミリオン達成!秋元康作詞曲としては16年半ぶり快挙AKB48高橋みなみ初ドキュメンタリー映画初日に感極まって涙!AKB48映画の主題歌は発売未定、映画館でだけ聴ける新曲「少女たちよ」!AKBの素顔をいち早くキャッチ!アメーバピグで「AKB48」映画を先行配信大島が卒業についても言及?「AKB48」映画で前田、板野ら15人の本音に迫る
2011年02月08日AKB48の篠田麻里子が『犬とあなたの物語いぬのえいが』で映画初出演を果たすことが明らかになった。2005年に公開されてヒットを記録した『いぬのえいが』の続編で、オムニバス形式で犬と人が織りなす5つのエピソードが展開する。ドラマなどでの演技経験はあるものの、意外にも映画初出演となる篠田さん。「愛犬家をたずねて」というエピソードにキャスターの小倉智昭や生瀬勝久、堀内敬子らと共に出演し、“愛犬家”の須藤さんの役を演じている。自身も犬を飼っている篠田さんは、撮影現場に愛犬のパチャ(トイプードル)とムッシュ(マルチーズ)を帯同。暑いさなかの撮影となったが愛犬も見守る中、“共演者”のミニチュア・シュザウザーのビリーくんとも息の合った演技を見せていた。篠田さんは映画初出演について「お話を聞いたとき『とても楽しそうな映画だな、やらせていただきたいな』と思い、出演させていただきました。映画出演は全くの初めてだったので、最初はとても緊張していましたが、可愛いワンちゃんがいっぱいいて、とっても楽しい現場で、リラックスして楽しく演技することができました。私が演じた『愛犬家をたずねて』というエピソードの“須藤さん”は、愛犬家というより超の付く“犬”親バカで、クスリと笑えるシーンが盛りだくさんになっていると思います。みなさんに劇場でご覧いただくのがドキドキ、緊張もありつつ、何よりとっても楽しみです」と語ってくれた。物語は、TV番組「愛犬家をたずねて」にゲストとして須藤さんが出演することになる、というもので劇中、篠田さんはコメディエンヌとしての才能をいかんなく発揮しているとか。果たしてどのような仕上がりになっているのか?なお、「愛犬家をたずねて」以外のエピソードでは、大森南朋、松嶋菜々子、内野聖陽、北乃きいらが出演することが発表されている。『犬とあなたの物語いぬのえいが』は2011年1月22日(土)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。■関連作品:犬とあなたの物語 いぬのえいが 2011年1月22日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開■関連記事:犬好き感涙必至!『いぬのえいが』続編で大森南朋&松嶋菜々子が夫婦に
2010年11月16日Gカップアイドル、谷澤恵里香が2月20日(土)、東京・シネマート新宿で映画『きょーれつ!もーれつ!! 古代少女ドグちゃんまつり!スペシャル・ムービー・エディション』の初日舞台挨拶を行い、劇中のミニスカセーラー服姿とキメ台詞「ドキドキウェ〜ブ」で男性ファン約350人を悩殺した。昨年10月にMBSほか地方ローカル局で放送された深夜ドラマの劇場版で、現代に甦った妖怪を退治するために1万年の時を超えてやってきた土偶少女ドグちゃんの活躍を描く、特撮ラブコメディ。奇抜なアイディアの発案について井口昇監督は「昔から土偶が好き。キモカワイイと思っていて、ある日、トイレで土偶が女の子だったら可愛いな〜って思いついたんです」と嬉しそうに説明したが、“キモカワイイ”と言われ「えーん」と悲しげな声を上げた谷澤さんに気づき「あ、墓穴掘っちゃった」と汗。さらにドグちゃんの相棒、土偶のドキゴローの声を務めた声優、朴ろ美からは「私はそのまんま土偶の役なんですけど…」と問い詰められ「谷澤さんを土に埋めたりして監督こそキモカワイイと思いました。完全なる小学生です」と評されていた。谷澤さんは「まさか裏でキモカワイイと言われていたなんて」と傷つきつつも「撮影は楽しかった。ドグちゃんが地面から登場するシーンは本物の土で撮ったんです」と過酷な(?)撮影話を披露。すかさず井口監督は「そうそう、谷澤さんを生き埋めにしたんです」と恍惚の表情で付け足し。会場の笑いを誘った。締めに、井口監督のアイディアで、谷澤が劇中のキメ台詞「ドキドキウェ〜ブ」を叫び、両手からパワーを発するようなポーズ。熱狂的な声援に谷澤は「バンクーバー五輪をいまやっていますが、私にとってはこの作品が一番の金メダルです」と満面の笑顔を見せていた。『きょーれつ!もーれつ!! 古代少女ドグちゃんまつり!スペシャル・ムービー・エディション』はシネマート新宿にて2週間限定で公開中。※朴ろ美の「ろ」は王へんに路(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:きょーれつ!もーれつ!! 古代少女ドグちゃんまつり!スペシャル・ムービー・エディション 2010年2月20日より新宿シネマートにて2週間限定公開
2010年02月21日