「終身保険」について知りたいことや今話題の「終身保険」についての記事をチェック! (9/25)
登山や旅行に出かけるとき“もしも”のケガには備えたい。でも、毎年の保険料は抑えたいから、年間契約の保険には入りたくない……。 最近、このようなニーズに応え、1日単位で加入できる「オンデマンド(需要に応じた)保険」が相次いで発売されている。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんはこう説明する。 「一般的な損害保険は1年間に4,000~5,000円の保険料がかかりますが、オンデマンド保険は、1日300~500円程度ですむので、場合によってはかなりおトク。種類も豊富で、スポーツや日帰り旅行に対する備えだけでなく、コンサートのチケット代を補償してくれる保険まで登場しました」 電話やインターネット経由で契約できるなど、手続きもかんたん。ただ、おトクに使いたいなら注意も必要だ。 「すでに加入している医療保険やクレジットカードの付帯保険のサービスと、補償の内容がかぶる場合もあります。すでに入っている保険でカバーされない分を、オンデマンド保険で補うのが賢い使い方です」(風呂内さん・以下同) では、オンデマンド保険をおトクに使えるのはどんなシーンなのか、風呂内さんに解説してもらった。 【山登りやスポーツをするとき】 登山は、たとえ低山でも大きなケガにつながりやすい。そんなときに便利なのが「1日レジャー保険」。テニスやサッカーなど激しいスポーツでのケガなども補償される。 「補償の内容は、ケガをしたときの手術代や入院・通院費用が中心です。しかし、医療保険ではカバーされない救援者費用が出るのが大きい。高額になりがちな遭難時の捜索費用、さらに親族が現地に向かう費用や、他人にケガを負わせたときの賠償責任が手厚いのがポイントです」 1泊以上の場合は、アウトドア総合ブランド「モンベル」の会員が加入できる「モンベル野あそび保険」がおススメ。保険料はわずか250円からで、山登りが趣味の人はこちらがおトクだ。 また、ゴルフに特化した「ゴルフ保険」は、付き合いでたまにプレーする人にはおトク感がある。レアケースながら自分が「ホールインワン」などを達成したとき、自ら周囲の人に記念品などを振る舞う習慣があるが、その費用も保険で補える。ただし、ゴルフが趣味で毎週行くような人は、3,000円から入れる年間契約の「ゴルフ保険」のほうがおトクだ。
2018年04月04日「4月から各生保会社が、生命保険料を改訂します。一般的に、死亡したら保険金が支払われる死亡保険の掛金が若干安くなり、医療保険や就業不能保険など、生きているうちに給付される保険は、若干値上がりする傾向にあります」 こう話すのは、ファイナンシャルプランナーの加藤梨里さん。保険料は、標準生命表という国の統計データを基に算出されている。11年ぶりに改訂された同統計で、長生きの人が増えたために、死亡率が下がったことが理由だ。加藤さん、そして生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんが、4月に変わる医療・保険費のルールについて解説してくれた。 「“長生きリスク”による料金改正となりました。医療保険に関しては、1%弱の値上がりが多いようです。値上げの対象となる人は、4月以降に新たに加入する人です。しかし、すでに保険に加入している人でも、更新型の場合は更新時に新料金が適用される場合が多いので、確認が必要。保険の見直しの機会にもしたいところです」(加藤さん) 国民健康保険料の上限額引き上げも予定されている。 「これまで国保の年間保険料は上限額73万円でしたが、77万円までに引き上げられるというもの。ただし、対象は年収約1,000万円以上の人たちで、国保加入者の2%弱です」(加藤さん) むしろ医療費や介護費のほうが、家計に影響を与えそう。 「4月に診療報酬の改定があります。かかりつけ医としての基準を満たした診療所などで初診料が800円値上げされます。医療費3割負担の人は240円、1割負担の人は80円の値上げとなります」(加藤さん) 在宅医療の往診費用も値上げされる予定だ。24時間態勢であることなどの条件を満たした医療機関が、診療費を加算できるようになる。 「月に約2,000〜4,000円の値上げ。その1〜3割が患者の負担となります」(加藤さん) 1カ月に上限額を超えた医療費の自己負担分が返金される、高額療養費制度も、70歳以上の人を対象に8月に変更される。 「年収約156万〜370万円の一般家庭では、これまでは1カ月の外来費用がどれだけかかっても、1人あたりの支払い上限額は1万4,000円まででしたが、これが1万8,000円に引き上げられます。また、年収約370万円以上の家庭は、1カ月に支払う外来・入院費等の総医療費の上限額約8万円が、収入によって段階的に引き上げられ、最大で約25万円以上になります」(加藤さん) 40歳以上が支払う介護保険料も、4月から負担増だ。たとえば65歳以上(第1号被保険者)の場合。 「新宿区の場合、これまで月5,900円だった介護保険料が6,200円、札幌市は月5,177円が5,773円、大阪市にいたっては、6,758円が7,927円と、1,000円以上の値上がりです」(柏木さん) 介護サービスの自己負担額の割合も、8月に変更される。 「年収が約340万円以上の世帯は、これまで自己負担額2割で利用できた介護サービスが3割負担に引き上げられます」(加藤さん)
2018年03月26日「最近はうつ病などで、やむなく休業する人も増加中です。そんな背景もあり、“働けない”リスクに備える『所得補償保険(就業不能保険ともいう)』が注目されています。所得補償保険とは、入院や自宅療法などで働けないとき、加入時に設定した保険金が毎月支払われるというものです」 こう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。病気やケガなどで働けず収入が減っても、生活費や住宅ローン、子どもの教育費などは必要だ。ところが、これらの備えとなる保険商品は、これまで手薄だった。 また、以前より入院できる期間が短くなり、外来で治療を受けながら自宅療法する人が増えている。しかし自宅療法では、「医療保険」からの保険金給付はほとんど望めない。そのため、2年ほど前から、保険各社が所得補償保険を相次ぎ発売している。 ライフネット生命の就業不能保険「働く人への保険2」を例に、どんな保険かを荻原さんが解説してくれた。 「Aさん(40歳・男性)は、所得補償保険を検討しています。年収が約480万円。月収に換算すると約40万円なので、『保険金が毎月30万円あると安心だ』と思っていました。しかし、所得補償保険の保険金額には、月収の60%程度という上限があります。Aさんの場合、最大24万円ですが、5万円単位でしか設定できないため、20万円でした」(荻原さん・以下同) 保険期間は、定年退職する60歳までを選択した。 「Aさんが実際に働けなくなったとき、病気などの発症から一定期間は免責期間のため、保険金は受け取れません。免責期間を長くすると、保険料は安く抑えられます。Aさんは60日の免責期間を選んだため、月々の保険料は5,716円でした」 このように、加入時の年齢や保険金額、免責期間などによって、保険料は変わる。 「保険会社によって規定がさまざまで複雑ですが、総じて言えるのは“働けない”認定が厳しいこと。自宅で内職のような軽作業ができると『働けるから、保険金は打ち切り』となるものもあります」 保険の商品数や種類が増え、注目度が上がると不安があおられる。保険での備えは必要なのだろうか。そこで、荻原さんが公的支援や保険の上手な活用法を教えてくれた。 【1】まずは公的支援を確認 「会社員の場合、病気などで休業しても、『傷病手当金』が給料の約3分の2、最長1年半、支給されます。その後もまだ重篤な場合は、障害年金を申請できます。障害年金はがんや精神疾患なども、支給対象に含まれます。ただし、自営業など国民健康保険の方は、傷病手当金がありません。貯蓄や保険など、独自の対策が必要です」 【2】加入済みの保険内容を確認 「自分の保険の特約などを、きちんと覚えていない方が多いです。再度確認しましょう。たとえば病気になった際、医療保険から多額の一時金が出るなら、それで生活を支えることもできるでしょう」 【3】支払い要件を確認する 「所得補償保険では、精神疾患を保険対象外とするものが多いです。働けないと認定される基準も千差万別。いろいろ比較してください」 【4】ほかの選択肢を探す 「働けないリスクへの備えは、保険だけではありません。たとえば、自営業者の方なら『小規模企業共済』に加入し、自分の退職金を積み立てて準備することもできます。病気などで廃業したら、その退職金を受け取って、生活費に充てる方法もあります」
2017年11月03日「最近、大手保険会社がターゲットにしていないようなニッチな分野で、『こんな保険が欲しい』という需要に応えた『少額短期保険』と呼ばれる保険が増えてきました。たとえば、ジャパン少額短期保険の『痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士費用保険』は、痴漢の被害を受けた際、あるいは、加害者だと疑われた際に、無料で弁護士に電話相談ができます。月々の保険料は590円で、事件直後の電話相談、交通費などの接見費用を含め、事件発生から48時間以内にかかった弁護士費用は、全額保険で補償してくれます」 こう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。今年3月以降、痴漢を疑われた男性が線路に降りて逃走する事件が相次ぎ、その後、『痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士費用保険』には、申し込みが殺到したという。 「また、アイアル少額短期保険がSOMPOホールディングスと共同で開発した『明日へのちから』は、介護度改善を目指すための保険です。対象は、介護認定を受けた要支援1〜要介護5までの方。1年間の保険期間中に、介護度が改善されると、祝い金が受け取れます。年間保険料が5,000円なら祝い金は2万5,000円と、どのプランでも、保険料の5倍の祝い金が用意されています。祝い金獲得が、リハビリに励む動機づけになればいいですね。今は、SOMPOホールディングスグループの介護施設利用者しか加入できませんが、今後はほかの介護施設利用者にも広げていくようです」(荻原さん・以下同) 注目が集まっている『少額短期保険』。その理由を荻原さんが解説してくれた。 「少額短期保険は、見込める収益が少ないため、大手の保険会社による開発がなかなか進みません。そこに活躍のチャンスを見いだしたのが、『少額短期保険会社』です。少額短期保険会社は、’06年に施行された『改正保険業法』によって誕生しました。扱えるのは、保険金額1000万円以下、保険期間も最長で2年で、掛け捨て保険のみです。実は、法改正以前は、無認可で保険商品を扱う悪質な業者もありました。そこで、資本金が10億円以上必要な一般の保険会社とは別に、資本金は1,000万円以上の少額短期保険会社の基準を設け、登録制にして、悪質業者の一掃を図ったのです」 法改正から10年以上たって、悪質な業者は減り、今年3月末の少額短期保険の契約件数は、前年より50万件増えて687万件に。保険料収入も89億円増えて815億円と、順調に推移している(日本少額短期保険協会調べ)。 そんな、契約件数を順調に伸ばしている少額短期保険だが、注意点が1つあると荻原さんは言う。 「少額短期保険には魅力的な商品もありますが、注意点が1つ。一般の保険とは違って、『保険契約者保護制度』の対象外なのです。万が一、保険会社が破たんすると、十分な補償が受けられないケースもあります。注意してください。なお、保険商品が増えてくると、玉石混交になりがちです。きちんと調べたうえで選ぶようにしましょう」
2017年09月29日夏休み、海外旅行に出かける人も多いのでは。渡航にあたり、いろいろ心配ごとはあるけれど、やはり安心なのは海外旅行保険に加入しておくこと。近年では無保険では入国できない国があることもあり、外務省でも渡航の際には海外旅行保険に加入しておくことを推奨しています。でも、保険商品はいっぱいあるし、クレジットカードにも付帯保険があったような…?子連れで海外旅行に出かける際、どんな保険に加入すればいいのか、損害保険ジャパン日本興亜株式会社(損保ジャパン日本興亜)のリテール商品業務部特命課長の釣島英之さんにアドバイスしてもらいました。損保ジャパン日本興亜の3人にお話を聞きました。左から江戸川支社長の森健一さん、リテール商品業務部特命課長の釣島英之さん、主任の横田美樹さん子どもが現地で入院…実際にあった請求例万が一のために加入しておくのが保険。旅先での安全を守るのはもちろん自分たち自身ですが、事故や病気といった可能性は必ずつきまとうもの。そうした際に心強いのが海外旅行保険です。火災保険や自動車保険と同じで、いわゆる掛け捨て。しかも補償期間が旅行中だけと短いため、ついうっかり忘れてしまったり、必要性を感じない人もいるかもしれません。が、損保ジャパン日本興亜で過去に扱った補償案件では、ぎょっとするような金額に達するものもあったそう。事例その1(ハワイ)◆子どもがマイコプラズマ肺炎にかかり1カ月ほど現地で入院。治療費用6000万円と医療搬送費用500万円の費用が発生→保険金支払額1000万円(補償額1000万円の契約であったため、残りの費用は自己負担)事例その2(フランス)◆ホテルでバスタブにお湯をはっていたところ、うっかり水をあふれさせてしまい階下の部屋が水浸しに。多額の賠償金を求められた→保険金支払額1243万円事例その3(イタリア)◆知人宅に家族で訪問した際に子どもが誤って洗濯機を誤作動させてしまい、木造家屋の壁面、床面及びラグ、絵画、エアコン等が水浸しに。その家屋修理費用、動産損害、修理中の宿泊費用などを賠償金で対応(イタリア)→保険金支払額270万円医療費や諸経費の立て替えはかなりの額に釣島さんによると、子連れ旅行での事案では行き先にかかわらず、急な発熱による医療費の請求がもっとも多く、旅の疲れや環境が変わったことによるストレスも原因のひとつではないか、とのこと。疲れによる免疫力低下から、感染症が悪化した場合には死亡例もあるとのことで、旅先で体調を崩したらすみやかに医療機関にかかったほうがよさそうです。もちろん、海外では日本の健康保険等は通用しませんから、その場では医療費の実費がかかります。アジアでも先端医療を用いればかなりの額になりますし、欧米では救急車すら有料である地域もあるので、それを支払うとなると驚くほどの金額になることも。現地で英語のカルテを書いてもらい、日本に戻ってからそれを日本語に翻訳して健康保険等でカバーされる部分の医療費を請求することが可能ですが、日本で認可されている医療行為のみに適用になるため、全額が返金されるとは限りません。大きな医療機関ならば英語のカルテを作ってもらうことも容易ですが、小さな診療所では対応不可であったり、そもそも英語が通じないといったこともあります。保険加入の際の重要なチェックポイントとは?英語に限らず、現地の言葉に精通していても、医療水準そのものが心配であるケースもあり、その場合、医師を派遣し、日本の病院へ移送したりすることもあり得ます。このときにかかる費用を「救援者費用」といい、これも保険でカバーされるもの。ただ、損保ジャパン日本興亜の保険の場合はまず日本語の通じるオペレーターに電話相談し、その際に症状に応じてベストな病院を紹介してもらえるという利点があります。近くにそうした病院がなければ契約している医師を派遣するのも、別の病院に移送するのもオペレーターさん任せでOK。医療ヘリなどを利用する場合、500万円から1000万円がかかることも珍しくありませんが、これも「救援者費用」に含まれているので、安心です。保険に加入する場合、死亡時や携行品損害の補償額をチェックしがちですが、この「治療・救援者費用」がとても重要なチェックポイントですので、補償額などをよく確認しておきましょう。ペナン島にある、日本語の通訳がいる病院。保険に加入している場合、オペレーターがこうした病院を教えてくれる。提携病院では料金をその場で支払う必要がない「キャッシュレスサービス」も適用カード付帯保険の落とし穴?しっかり見直してクレジットカードを持っている場合、海外旅行保険がついていることがあります。でもこれ、よく規約を読んでみると「渡航費用のすべて(または一部)をカードで支払った場合」「○○円までの補償額は免責」といった条件がついているのが一般的。たとえば携行品損害の場合、「10万円までは免責」だったら、5万円で購入したデジカメを紛失してもそれは免責、つまり補償されないことになります。そして渡航費用をカードで支払っていなかった場合はまったく保険が適用されないこともあるので、今一度、渡航前に持っているカードの付帯保険について条件を読み直してみましょう。カード会社によって、また、一般カード、ゴールドカードといったステイタスによっても補償額やカバー範囲が異なります。ちなみに、クレジットカードの付帯保険でカバーされない部分だけを補うかたちで保険に加入するオプション型保険もあります。こうしたオプション型保険の大きな利点は通訳を派遣したり現地からオペレーターに相談できるといったサービスがついていること。カードの付帯保険で十分かどうか、そうしたサービス面も含めて吟味しましょう。お家に帰るまでが旅行です!保険は家を出る前に保険の重要性はわかっているけれど、渡航前のバタバタで加入するのを忘れてしまった。そんな場合でも、国際空港には保険の窓口やマシンが設置されていることが多いので安心です。日本に住んでいる人の場合、日本から出てしまったら保険に加入することはできません。必ず渡航前に手配する必要がありますが、“旅行期間”とは旅に出るために自宅を出た瞬間から始まるので、たとえば空港に向かう車が事故を起こした場合にもこの海外旅行保険が適用されます。こうした国内での“万が一”にも対応しているのは心強いこと。保険は事前手配することをおすすめします。空港で直前に保険に加入する場合、パッケージ商品のチョイスしかないので、「治療・救援費用」の部分を強化したい、といった希望がある場合は特に事前手配が必要です。損保ジャパン日本興亜ではインターネットで申し込める海外旅行保険「新・海外旅行保険【off!(オフ)】」もあり、保険の窓口まで出向かなくても加入ができます。保険証書もプリントアウトすることができますし、現地で困ったときの連絡先や対応方法などが記された小冊子も郵送してもらえますので、インターネット経由で加入する場合も時間的余裕をもつのがいいでしょう。万が一、どうしても加入が直前になってしまったとしても、この小冊子は空港の保険マシンにも置いてありますから、加入した保険会社の冊子を手元に備えておきたいものです。海外旅行保険のパンフレットと保険の手引きの小冊子。窓口でもマシンでもインターネットでも、保険を事前手配することが重要自宅や親せきの家などに必ず控えをおくこと最後に、釣島さんから一言。「保険に加入したら、必ず自宅や親せきなどの家に控えをおいておいてください」とのこと。あまり考えたくないことですが、事故に巻き込まれ一家全員が意識不明などの状態に陥った際、日本にいる親せきなどがさまざまな手配をすることになりますが、保険に加入していることを知っていればその保険会社に連絡し、煩雑な手配を代行してもらうことができるからです。控えがなかったばかりに、補償金を得られないというケースも起こりえますので、忘れないようにしましょう。旅の安全を確保するのは自分たちの責任ですが、安心は保険である程度カバーすることが可能です。保険に加入して、楽しい旅を!保険証書の実物。証書は一緒に旅行に持っていき、真ん中の「ご自宅控え」は必ず親せきや友人、知人など信頼できる人に送っておくなど、保険に加入していることがわかるようにしておくこと(※個人情報部分を加工してあります)<文・写真:フリーランス記者岩佐 史絵>
2017年08月10日「8月から、収入に応じて介護保険料の負担が変わる『総報酬割』制度が始まります。この制度が’20年度に全面導入されると、40歳から60歳では、公務員が加入する共済組合の保険料負担は、一人あたり平均1,972円増加し、7,097円に。大企業社員などが加入する健保組合は平均727円増加し、5,852円。中小企業などの協会けんぽは減額に。平均241円減って4,043円になります」 そう語るのは生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん。’20年度の全面導入に向け、この8月から、大手企業の会社員は一人あたり月額平均200円以上の負担増になる見通しだ。 「それだけではありません。この8月から、高額療養費制度も変更されます。患者が支払う医療費には、負担が重くなりすぎないように限度額があります。外来の場合、年収が156万円〜約370万円の70歳以上の人の限度額は1万2,000円でした。しかし、8月からは1万4,000円に引き上げられてしまいます。年収が370万円以上あるなら、4万4,400円から5万7,600円に限度額が引き上げに。医療費がかさんでいる人には、金銭的にも精神的にも負担になりそうです」(柏木さん) 社会保険料の値上げが進む理由について、ファイナンシャルプランナーの加藤梨里さんはこう話す。 「’00年4月に始まった介護保険制度ですが、想定より早く高齢化が進み、後期高齢者が爆発的に増えました。医療が発達して寿命が延びた半面、認知症患者などにより、介護が必要な人も増加。脳以外は元気という方も多いので、介護の長期化も深刻です。これらが原因となり、医療と介護の財政が圧迫されています」(加藤さん・以下同) さらに今年9月には、厚生年金の保険料率も引き上げに!月収30万円の場合、月354円支払い額が増える計算だ。 「年金制度は、’04年の改正で段階的に引き上げていましたが、’17年以降は水準を固定することが決まっていました。国民年金保険料は、今年4月に引き上げられた1万6,490円を最後に、賃金の変動に合わせて来年は逆に“引き下げ”の予定なのですが……」 少子高齢化で財源は厳しく、「保険料負担を増やす」か「受取額を下げる」しか道はない。改正時では、’18年以降は受取額を下げるのみ、ということになっていた。だが、国民年金保険料は、今後も値上がりする可能性があるという。 「昨年末、次世代育成支援のため、20歳以上60歳未満の学生や自営業者、フリーターなど国民年金に加入している人の保険料を、産前産後の期間中は免除とする改正が成立しました。その分の財源を、保険料の値上げでまかなう予定なんです。実施された場合、まず’19年4月から月100円程度上乗せされることになります」 児童手当をより手厚くし、保育や幼児教育を無償にする「こども保険」の創設も検討されている。必要な財源を、年金などの社会保険料に上乗せすることでまかなうプランが進行中だ。 「国民年金保険料を月160円程度、厚生年金保険料を月0.1%ほど引き上げれば、これまでの児童手当の額に5,000円プラスできるようです。さらに値上げ幅を増やして、児童手当を月2万5,000円に引き上げる案もあり、その場合は最終的に国民年金保険料が月830円程度、厚生年金保険料が月0.5%まで引き上げられる試算になっています」 年金の受取額自体も、今年は0.1%減らされている。 「来年4月からは、労働力人口と物価、賃金に応じた年金受取額の調整が厳しくなり、受取額の抑制がさらに厳しくなる可能性が高いです」
2017年07月27日「小泉新次郎氏を中心とする自民党の若手政策集団が、先月『こども保険』の創設を提言しました。提言によると、こども保険は公的保険で、介護保険と似ています。介護保険は、介護にかかる費用を介護保険料とし、健康保険に上乗せして徴収して、集めた資金で介護サービスの利用料を補助しています。こども保険も同様に、社会保険に上乗せして保険料を徴収し、集めた資金を就学前の子どもがいる家庭に支給するようです」 こう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。与党若手グループ提言の「こども保険」は、社会保険料を0.1%上乗せして、就学前の子ども1人当たり月5,000円を支給するという構想だ。荻原さんは、そんな「こども保険」に疑問を呈する。 「根本には『社会全体で子どもを育てる』という考え方があるようですが、それ自体に異論はありません。しかし、『社会全体で』というなら国民全員が負担する税金でまかなうのが本筋でしょう。増税は世論の反発が大きいので、社会保険なら実現しやすいと考えたのではと、うがった見方をしてしまいます。なにより、必要な資金を国民から徴収しようと考える前に、国は天下り問題をはじめとするムダを排除するなど、やるべきことがあるはずです。安易に“取りやすいところから取る”政策は言語道断です」 そうでなくても、子育てには莫大なお金がかかり、特に女性は働くことも制限されがちだ。場当たり的な対策では未来は開けないと荻原さんは言う。 「『自分の人生を犠牲にしてまで、子育てはしたくない』と考える若い世代も現れており、私たちは説得するすべがありません。国の教育費負担は、OECD加盟国の中で最下位レベルが続いています。政府には『国立大学を無償化する』くらいの大ナタを振るっていただきたい。待機児童問題にも、抜本的な改革が必要です」
2017年04月17日発生した地震によって、建物や家財が何らかの損害を受けたときに補償してくれる地震保険。地震保険では地震以外に、津波や噴火によって発生した損害も対象となります。また、自然災害によって火災が発生した際にも、火災保険ではなく地震保険がその被害を補償します。日本に住んでいるならば、ぜひとも加入しておきたい保険の1つと言えるでしょう。ところで、そんな地震保険の査定方法をご存じでしょうか?今回は地震保険の査定方法などをご紹介します。■補償の対象となる家財は?家財とはいわゆる「家具」のことであり、テレビやソファ、冷蔵庫、電子レンジなどが当てはまります。また、机や本棚、衣類、仏壇、骨董品なども家財に含まれます。地震保険では、これら家財に関して補償対象と補償対象外の2つに分けられています。基本的には家にある家具のほとんどが補償対象ですが、自動車や300,000円を超える家財は補償対象外です。自動車については、自家用・社用問わず補償してもらえません。300,000円を超える家財としては宝石や骨董品、美術品、有価証券などが挙げられます。また、店舗や事務所にある家財も地震保険の補償対象外です。例えば店舗の商品や製品、設備などに関しては地震保険が適用されません。これらの補償対象の基準は、保険会社の規定ではなく「国の規定」により定められています。【家財査定による分類】地震保険の家財査定は以下の5つのジャンルに分けられています。・食器陶器類・電気器具類・家具類・その他身の回り品・衣類寝具類そして上記それぞれを細分化して、さらに項目ごとに分けられています。電気器具類であれば以下の項目が挙げられます。・テレビ・パソコン・冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機・エアコン・掃除機・ステレオなど上記のように項目ごとに分けて、「いくつ損害が生じているか?」といった加算方式で数えます。加算方式に関しては、後述で詳しくご紹介していきましょう。家財では購入金額や購入時期ではなく、「家財が何種類壊れてしまったのか?」という部分が重要になってくるので覚えておきましょう。■地震保険の仕組みを把握しよう!保険金に関する基礎知識地震保険では、一定の基準に達した場合にのみ保険金が支払われます。2016年12月までは、一定の基準が以下の3区分に分けられていました。・全損・半損・一部損しかし、2017年1月に制度が改定されたことによって、上記の3区分が以下のように変更されています。・全損・大半損・小半損・一部損【保険金支払いの目安】それでは上記の区分のいずれかに認定された場合、保険金は実際にいくら支払われるのでしょうか?・全損地震保険の保険金額×100%(限度額は時価額の100%)・大半損地震保険の保険金額×60%(限度額は時価額の60%)・小半損地震保険の保険金額×30%(限度額は時価額の30%)・一部損地震保険の保険金額×5%(限度額は時価額の5%)上記の時価額については、以下の式によって算出することができます。■時価額=(家財の再購入に必要な金額)-(経過年数などにより劣化した家財の価値)【家財の4区分認定】どのような家財であっても、被害を受ければ上記の区分に認定されるわけではありません。認定されるには、以下のように損害額と時価額の比率が重要なポイントになります。・全損…損害額が家財全体(保険の対象に含まれるもの)の時価額の80%を超えた場合・大半損…損害額が家財全体(保険の対象に含まれるもの)の時価額の60%~80%未満になった場合・小半損…損害額が家財全体(保険の対象に含まれるもの)の時価額の30%~60%未満になった場合・一部損…損害額が家財全体(保険の対象に含まれるもの)の時価額の10%~30%未満になった場合つまり、地震保険では損害額が家財全体の時価額の10%を超えない限りは、補償の対象外になってしまいます。このようなケースでは、仮に地震保険に加入していても保険金が支払われないため注意してください。【保険金が支払われないケース】上記の区分に該当しても、保険金が支払われないケースもあるので要注意です。地震などの災害が発生した翌日から11日が経過している場合は、その後に損害を受けても補償の対象には含まれません。つまり、災害発生から10日以内が補償の対象です。例えば、1月1日に地震が発生したと仮定します。この場合は翌日の1月2日から数えて10日後が1月11日となりますが、それまでは損害補償の期間です。1月12日以降に家財が壊れても、地震保険の損害対象外となってしまいます。また、紛失や盗難によって生じた損害の場合でも、保険金が支払われません。緊急事態であっても、このようにきちんと保険金支払いの条件が定められています。泣き寝入りしないように十分気を付けてください。【保険金が削減されるケース】地震の規模によっては、保険金が全て支払われない場合もあるため覚えておきましょう。2016年9月時点では、損害保険会社全社で算出された1回の地震等による保険金総額が「11,300,000,000,000円」を超えた場合、保険会社は保険金を削減できることが定められています。また、頻繁に起こった地震による損害に関しては、72時間以内の地震をまとめて「1回」と数えられます。複数回の地震による影響で家財が損傷しても、72時間以内ならば1回とカウントしてチェックされるのが地震保険です。■建物の査定ポイントを把握しておこう!地震保険の加入対象は居住用の建物です。したがって建築物にも保険は適用されますが、家財とは査定方法が異なるので注意が必要です。査定の上限については建物が50,000,000円、家財が10,000,000円となります。【建物の査定方法】柱や外壁、屋根、基礎など、主要構造部の損害が「各主要構造部においてどれくらいの割合で損害を受けたのか?」がチェックされます。以下では、一戸建ての建物を例に挙げて見ていきましょう。例えば「地震により外壁に亀裂が入った」と仮定します。このとき、「外壁全体と比較して、亀裂の大きさはどの程度なのか?」を確認するのが建物の査定方法です。損害が主要構造部の3%以上に及ぶと一部損と判断されます。【建物の4区分認定】家財の場合と同様に、地震保険では建物に関しても以下の4区分に分けられています。■全損1.主要構造部の損害額が、建物の時価額の50%を超えた場合2.延床面積の70%以上の床が、災害によって流失や焼失してしまった場合■大半損1.主要構造部の損害額が、建物の時価額の40%~50%未満になった場合2.延床面積の50%~70%未満の床が、災害によって流失や焼失してしまった場合■小半損1.主要構造部の損害額が、建物の時価額の20%~40%未満になった場合2.延床面積の20%~50%未満の床が、災害によって流失や焼失してしまった場合■一部損1.主要構造部の損害額が、建物の時価額の3%~20%未満になった場合2.地盤面より45cmを超える浸水が発生し、建物に損害を受けたとき3.床上浸水によって建物に損害を受けたとき【建物査定の注意点】門や塀、給排水設備など、主要構造部に該当しない部分だけが損害を受けても、残念ながら補償されません。地震保険の補償対象となるのは、建物を支える主要構造部です。主要構造部に問題がなければ、それ以外の構造部が損害を受けても保険が適用されないため注意してください。【家財の査定方法】では、次からは査定の際に行われる「加算方式」について以下で詳しく見ていきましょう。例えば「地震によりテレビ1台、パソコン1台が壊れてしまった」と仮定します。電気器具類には以下の項目がありました。・テレビ・パソコン・冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機・エアコン・掃除機・ステレオなどこれらの項目のうち、何か1つでも使用不能になっていれば損害割合を2.5%と計算します。今回のケースではテレビ1台とパソコン1台が壊れてしまったため、「2.5%×2=5.0%」が損害割合です。次に、テレビとパソコン以外にも「お皿が2枚割れてしまった」「食器戸棚1つが壊れてしまった」と仮定します。電気器具類は損害割合を1つ2.5%で計算していましたが、食器陶器類なら1つ1.0%、家具類なら1つ4.0%で計算します。お皿は食器陶器類のため「1.0%×2=2.0%」食器戸棚は家具類のため「4.0%×1=4.0%」と計算できます。以上より、上記の例の損害割合は「5.0%+2.0%+4.0%=11.0%」となります。損害割合の合計が10%以上30%未満であれば、「一部損」として地震保険金額の5%が適用されます。今回のケースでは11.0%のため、一部損として認定されるはずです。【家財査定の注意点】家財の査定はその場で行われます。説明や保険金の支払い額に問題がなければ、必要書類に署名して地震保険金支払いの手続きへと移ります。損害認定については、鑑定人によって基準が変わることもあるでしょう。大したことのない被害であっても、鑑定人によっては一部損の認定基準を満たす可能性があります。そのため地震保険に加入している方は、とりあえず家財査定を申請してみることが望ましいでしょう。また、損害状況を撮影しておくことも大切です。家財では紛失や盗難の補償が適用されません。保険金の請求にも役立つため、映像としてしっかり残しておきましょう。■マンションの地震保険での査定基準・査定方法は?マンションは一戸建てとは異なり、同じ建物内に複数の居住者がいます。では、マンションはどのような方法で査定されるのでしょうか?まずは、マンションの「専有部分」と「共用部分」について理解を深めましょう。【専有部分】専有部分とはいわゆる居住空間のことです。厳密に言えば、コンクリート表面から部屋側の空間を指します。【共用部分】共用部分は専有部分以外の場所であり、エントランスやエレベーター、屋上などが該当します。ベランダやバルコニー、窓、サッシ、玄関ドアも共用部分です。マンションの地震保険が適用されるのは専有部分であり、査定箇所が限定されるため注意しましょう。【一戸建てと異なる査定ポイント】共用部分の損害に関しては、原則話し合いが求められます。また、注意しなければいけないのが「共用部分の損害区分が決まると、専有部分も同じ損害区分になる」という点です。マンションの地震保険ではマンション全体の損害状況、すなわち「共用部分の損害の程度」によって判定されます。もし建物の自分の専有部分が「大半損認定」であったとしても、共用部分が小半損の認定をされた場合、専有部分も「小半損」と判断されてしまいます。一戸建てと大きく異なる特徴なので気を付けてください。【マンションの保険適用部分】マンション居住者が各自で保険契約をするのは、「建物の専有部分」と「家財」です。共用部分に関しては、マンションの管理者が火災保険に加入しているケースが一般的です。地震保険に加入しているかどうかは、各自で確認しなければなりません。各自で保険契約をしており、建物の専有部分と家財に保険金が発生した場合は、契約者本人が保険金を受け取ります。共用部分で発生した保険金に関しては、マンション管理者を通じて居住者に分配されます。専有部分と共用部分で契約者が異なるため、きちんと覚えておきましょう。【マンションの査定方法】建物の査定方法は一戸建ての場合と同様です。主要構造部ではない門や塀、ガラスだけの破損などは補償対象外です。家財の査定方法も、一戸建てと同様に計算します。建物のほうは共用部分の査定結果に左右されますが、家財ならば損害区分の変更も少ないでしょう。【マンション内での取り決め】マンションの保険金は、1棟単位で分けられます。割り振られた保険金に関して単純に戸数で割るのか、面積などによる持分で分けるのか、きちんと決めておきたいところです。マンション内での取り決めがなければトラブルに発展してしまいます。【すぐに支払い手続きをしない】地震保険では一部損の基準に満たなければ、被害があっても保険金が発生しません。マンションでは特に専有部分と共用部分の問題があるため、鑑定結果によって大きく左右されます。鑑定結果に関してはその日のうちに判明します。よく説明を聞いて、納得がいかなければ再鑑定を依頼しましょう。すぐにその場で支払い手続きをすると、「実は損をしていた…」なんてこともあり得ます。泣き寝入りしないように十分注意してください。■まとめ一戸建てとマンションでは、地震保険の査定方法が若干異なります。地震により被害を受けた後に、まずは映像に残しておいたほうが良いでしょう。また2017年から、地震保険料が支払われる区分が細かくなりました。大した被害ではなくても、申請すれば建物や家財を補償してもらえるかもしれません。鑑定結果に納得できなければ再鑑定も依頼できるため、時間をかけて見てもらいましょう。
2017年04月13日「来春『標準生命表』が改定されて、影響を受けるのは、“掛け捨て”の死亡保険の保険料。これは安くなります」 こう語るのは、ファイナンシャルプランナーで「家計の見直し相談センター」代表の藤川太さん。標準生命表とは、性別、年齢別の平均寿命(死亡率)などをまとめたもの。生保各社が加盟している公益社団法人「日本アクチュアリー会」が、保険料の算出基準となる標準生命表を来春、11年ぶりに改定する見通しだ。改定の理由は“ご長寿化”。長生きする人が増えれば、そのぶん保険会社が支払う死亡保険金の負担も減り、保険料の値下げが可能になる。 「前回(’07年)の改定で、下げ幅は生保会社によって違いましたが、8~16%ぐらい掛け捨ての死亡保険の保険料が下がりました」(藤川さん) 掛け捨てではない「終身保険」の保険料についても藤川さんが解説する。 「終身保険は来春も若干値上がりする可能性がありますね。実際、今年の4月2日から、終身の保険料は大幅に上がりました。日本生命は、20%以上の値上げを公表しています。ただこの値上げに関しては、標準生命表の改定よりも、予定利率の変動が大きく影響しています」(藤川さん) 私たちが毎月支払っている保険料の一部は、保険会社が株式や不動産などに投資して運用している。その運用で見込める利回りを表す予定利率が低ければ、保険会社の運用利益は減っていくので、保険料は高くなる。 現在はマイナス金利政策によって長期金利の低下が進んでいる。国債の利回りも大幅に下がり、4月から標準利率は1%から0.25%に引き下げられたことで、予定利率が低くなった。今月から終身保険などの保険料が値上がったのは、これが原因だ。 そして来春、標準生命表が改定されれば、長寿化によって増える医療保障などの保険金の負担を、保険会社は保険料に反映するかもしれない。つまり、今年だけでなく、来春にも終身の保険料が“再値上げ”する可能性があるのだ。 今回、大手生保5社(日本生命、アフラック、かんぽ生命、第一生命、明治安田生命)に、「標準生命表改定に合わせて、来春にも保険料を改定する予定はあるか」と質問したところ、各社「未定です」という回答だった。とは言うものの、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは、値上げに備えて「これから定期保険に入るなら、保険料が下がるまで待ったほうがいい」と語る。 「貯蓄性のある商品や、長生きしていくうえでのリスクをカバーできる終身医療保険も値上がりするでしょうから、今後は終身より定期保険に見直したほうがいい。定期保険は値下がりすると思います。保険会社も損をしたくないので、まさにいま掛け捨ての商品を勧めてくるかもしれませんが、焦りは禁物。『もうちょっと待てば安くなる』と自分に待ったをかけてあげて」(柏木さん) 生涯保障の終身保険は、一昔前までは魅力的な商品だった。マイナス金利やご長寿化の影響で、保険の常識は変わってきているという。 「値上がり、値下がりする商品をしっかりと見極めて、新しい視点で保険を見直すことが必要です」(柏木さん) 入ったらもう安心、というわけではなくなってきた保険。「見直しありき」で考えるべきなのかも。
2017年04月07日火災保険と言えば、火災や台風、水漏れ、雷など様々な被害に遭った時に補償される安心できる保険です。現代では多くの方が火災保険に加入していますが、この火災保険に年末調整の控除は適用されるのでしょうか?火災保険に加入している方、これから加入する予定のある方は、家計にも関わってくるのでぜひ知っておきたいポイントです。そこで今回は、火災保険と控除の関係についてご紹介していきます。■火災保険は保険料控除の対象になる?中には、「そもそも保険料控除が何なのか分からない…」と疑問に感じている方もいることでしょう。生命保険や損害保険に加入しており、保険料に関する一定の条件を満たした場合に税金の一部が控除される制度のことです。この保険料控除が適用されると、所得税と住民税の一部が軽減されます。2006年の12月31日までは、火災保険料も「損害保険料控除」の適用範囲内とされていました。しかし、この損害保険料控除は2007年1月1日の税制改正により、年末調整の控除の対象外となっています。つまり、2017年現在では火災保険料は控除の対象ではありません。火災保険と似た商品に「火災共済」と呼ばれるものがありますが、こちらも控除の対象外となっているので注意しておきましょう。■地震保険料は控除の対象建物や家財を守る保険は火災保険だけではありません。代表的な保険としては地震保険が挙げられますが、こちらの地震保険は2017年3月現在でも控除の対象に含まれています。では、地震保険料の控除について以下でもう少し詳しく見ていきましょう。【地震保険料の控除はどんな制度?】地震保険料の控除は、各家庭で地震災害に備えてもらうことを目的として2007年1月1日に新設されました。こちらの制度では地震保険料を支払っている場合に、その保険料の一定額が所得から差し引かれます。つまり、この制度により地震保険加入者の所得額が減るので、その分税金が安くなるのです。この控除制度は1年間に支払った地震保険料が対象となり、具体的には1月1日~12月31日に支払った保険料に応じて、所得から差し引かれる金額が変わってきます。2011年に東日本大震災、2016年に熊本地震が発生したことで今後ますます地震保険加入者が増加すると予測されていますが、この地震保険料の控除を利用する場合には注意するべきポイントがいくつかあります。以下では、地震保険に加入している場合に押さえておきたい控除のポイントをご紹介していきましょう。【ポイント1】最大控除額をチェック地震保険料の控除が適用されると所得税と住民税が安くなりますが、所得税と住民税で最大控除額は以下のように変わってきます。■所得税…支払った保険料の全額控除が可能であり、最大控除額は50,000円■住民税…支払った保険料の2分の1が控除され、最大控除額は25,000円※いずれも2017年3月現在控除額の計算に関しては、後述でさらに詳しくご紹介しましょう。【ポイント2】申請に必要なものをチェック地震保険料の控除を受けるには「控除証明書」が必要です。この書類は保険会社から郵送されるものであり、毎年9月~11月頃になるとハガキで送られてくるので、内容を確認してきちんと保管しておきましょう。なお、地震保険の契約が1年未満の場合は、保険証券と一緒に郵送されるケースが一般的です。年末調整時に控除を申請する場合は、この控除証明書の原本を提出します。年末調整時に証明書が見つからない場合は、すぐに保険会社に問い合わせましょう。再発行は基本的に無料ですが、郵送までに時間を要する可能性もあるので早めに問い合わせることが大切です。保険会社によっては、ホームページ上で再発行を受けることも可能です。【ポイント3】地震保険は単独では加入できない2011年に東日本大震災、2016年に熊本地震が発生したことで、これから地震保険への加入を検討する方もいることでしょう。ただし、一般的な地震保険は火災保険とセットで契約する必要があるので、地震保険は単独で加入することはできません。ここで注意しておきたいのが、控除の対象になる保険料です。2017年現在では火災保険料の控除を受けられないため、「地震保険も控除を受けられないのでは?」と勘違いしてしまう方も中には見られます。前述の通り地震保険料は控除の対象に含まれるので、加入している方はきちんと控除を申請するようにしましょう。なお火災保険は住居単位で加入するため、地震保険料の控除では契約者本人だけではなく、「配偶者や生計を共にする親族」も申請できます。■火災保険料や長期損害保険料でも控除を受けられる?長期保険契約の経過措置とは?前述では税制の改正以降、火災保険料は控除の適用範囲外になったとご紹介しました。しかし、実は火災保険や長期損害保険料でも控除が適用される例外が存在します。火災保険の損害保険料控除は2007年から適用されなくなりましたが、2016年12月31日までに加入した保険については、条件を満たすことで控除を受けられる可能性があります。このように、法律の改正により生じる損害を極力減らす対応のことを「経過措置」と言います。では、具体的にどのような条件を満たしていれば、火災保険料や長期損害保険料における控除を受けられるのでしょうか?以下で詳しく見ていきましょう。【条件その1】長期保険契約に該当する契約長期保険特約とは保険期間が10年以上のものを指します。つまり、2006年12月31日以前に契約した保険のうち、2017年1月1日以降も継続して加入している保険については控除が適用される可能性があります。ただし、契約を2006年12月31日までに行っていても、保険期間の始まりが2007年1月1日以降のものは控除の対象外となるので注意しましょう。【条件その2】満期返戻金が発生する契約満期返戻金が支払われる契約であることも、控除を受ける条件のひとつです。満期返戻金とは、保険料の全額を支払って満期を迎えた際に、契約者が保険会社から受け取れるお金のことを指します。【条件その3】保険料変更に関する内容変更をしていないこと火災保険や長期損害保険の中には加入後であっても、支払う保険料などを変更できる商品が存在しています。これは加入者にとってメリットと言えますが、2007年1月1日以降に内容変更で保険料を変更していると、控除の対象に含まれないので注意が必要です。上記3つの条件に該当するのは、「満期返戻金のある積立タイプ」の損害保険です。満期返戻金のある積み立てタイプとは、設定した時期(満期)までに毎月保険料を支払い、途中で解約した時や満期の時にお金が戻ってくる保険のことを指します。一方、満期返戻金がない代わりに月々の保険料が安く抑えられている「掛け捨てタイプ」の保険は、2006年以前に加入していても控除の対象には含まれません。また、上記でご紹介した経過措置の対象となる保険は、「火災保険」と「長期損害保険」です。たとえ移行期間であっても、自動車保険や財形貯蓄の損害保険などは経過措置の対象外です。ちなみに事業用資産の火災保険に関しては、損害保険料の控除がなくても「事業所得」、もしくは「不動産所得の経費」として計上できます。■地震保険料控除における控除額それでは、地震保険料の控除が適用されると、実際に税金はどれぐらい安くなるのでしょうか?所得税と住民税に分けて、所得税が10%の方の具体的な控除額を以下で見ていきましょう。【所得税】地震保険料控除の適用限度額(年間)■50,000円までは保険料の全額■50,000円超は一律50,000円【住民税】地震保険料控除の適用限度額(年間)■50,000円までは保険料の2分の1■50,000円超は一律25,000円【ケースその1】最大控除額所得税率が10%の方は、最大で以下の金額が控除されます。所得税…50,000円×10%=5,000円住民税…25,000円×10%=2,500円合計額…5,000円+2,500円=最大で7,500円【ケースその2】地震保険料を年間20,000円支払った方所得税では保険料の全額にあたる20,000円、住民税では保険料の2分の1にあたる10,000円が控除の対象となります。したがって、このケースでは以下の金額が控除されます。所得税…20,000円×10%=2,000円住民税…10,000円×10%=1,000円合計額…2,000円+1,000円=3,000円【ケースその3】12月頃に地震保険に加入した方地震保険料の控除では、1月1日から12月31日までに支払った保険料がその年の対象となります。そのため、地震保険に加入した時期が年末に近い場合は、保険料控除が翌年以降になる可能性があります。11月まで別の地震保険に加入しており、12月から新しい保険に変更した方も翌年以降に控除される可能性があるので、12月頃に地震保険に加入した方は保険料の支払い時期を調べるなどして、年末調整ができるのかについて事前に確認しておきましょう。■長期損害保険料における控除額次に、長期損害保険料の控除額について見ていきましょう。同じく所得税が10%のケースを例に挙げますが、地震保険料控除よりも少し計算が細かくなります。【所得税】長期損害保険料控除の適用限度額(年間)■10,000円までは保険料の全額■10,000円超~20,000円までは保険料の2分の1+5,000円■20,000円超は一律15,000円【住民税】長期損害保険料控除の適用限度額(年間)■5,000円までは保険料の全額控除■5,000円超~15,000円までは保険料の2分の1+2,500円■15,000円超は一律10,000円【ケースその1】最大控除額長期損害保険料控除では、所得税は最大15,000円、住民税は最大10,000円が控除されます。したがって、長期損害保険料の最大控除額は以下となります。所得税…15,000円×10%=1,500円住民税…10,000円×10%=1,000円合計額…1,500円+1,000円=2,500円【ケースその2】長期損害保険料を年間10,000円支払った方所得税では「保険料の2分の1+5,000円」にあたる10,000円、住民税では「保険料の2分の1+2,500円」にあたる7,500円が控除の対象となります。したがって、このケースでは以下の金額が控除されます。所得税…10,000円×10%=1,000円住民税…7,500円×10%=750円合計額…1,000円+750円=1,750円なお、地震保険料と長期損害保険料の両方を支払っている場合は、上記の方法で計算した各金額の合計が控除額となります。ただし、その場合でも所得税では50,000円、住民税では25,000円が適用限度額となるので注意が必要です。例えば、以下のようなケースに該当する場合であっても、適用限度額を超えることはありません。地震保険料における適用限度額…所得税が50,000円、住民税が25,000円長期損害保険料における適用限度額…所得税が15,000円、住民税が10,000円実際の適用限度額…所得税が50,000円、住民税が25,000円また、保険料を月払いではなく一括払いにした場合は、支払った金額のうち「1年間分に該当する保険料」がその年の控除対象になります。例えば3年分の保険料をまとめて支払うケースでは、支払った保険料を3で割った金額がその年の控除対象になるので覚えておきましょう。■まとめ2017年3月現在では、火災保険は年末調整の控除対象外となっています。しかし、火災保険の契約の際に「地震保険」にも加入した方であれば、地震保険料のほうで控除が適用されます。また、2007年より前から火災保険に継続加入している方も、条件によっては控除を受けることが可能です。火災保険だけでは節税できませんが、調べてみたら意外と控除対象になっているかもしれません。損害保険に加入した日付を確認して、可能であれば年末調整で控除を申請しましょう。
2017年04月04日自動車保険の乗り換えどきは、今加入している保険を高いと感じたとき。しかし、いざ乗り換えようと思うと気になってくるのは、いま加入している自動車保険の解約です。実は保険が満期を迎える前に乗り換えると、思いがけないところで損をすることがあります。そこで今回は、自動車保険を満期前に解約する際の注意点と、ベストな乗り換えタイミングについて解説していきましょう。自動車保険を途中解約すると返戻金はある?任意加入の自動車保険は、1年間まとめて前払いする契約で加入している人が多いのではないでしょうか?加入から1年経っていない満期の前に保険を解約すると、一般的な保険ではお金が返ってきます。これは加入していない保険期間の前払い分が返金されるものであり、「返戻金」と呼ばれています。新しい保険に加入するときの元手にもなるため、保険乗り換えのタイミングでお金を受け取れるのは嬉しいところです。しかし、払戻金は「月割り計算」にはなりません。例えば、年間100,000円の自動車保険に加入した6ヶ月後、満期まであと半分のところで保険を解約する場合は、月割りで半分の50,000円が戻ってくるはずです。しかし、実際に払い戻しされる金額は30,000円程度になるでしょう。これには、自動車保険の中途解約にかかるペナルティ「短期率」が関係しています。短期率とは短期率とは、全ての自動車保険で適用される中途解約に対する返戻金の計算方法です。満期前の解約の際、保険会社は前払いされた金額から短期率をかけた分を取り、残りを保険加入者に払い戻します。短期率は加入期間に合わせて、階段式にパーセンテージが上がります。掛け率は保険会社によって変わりますが、全ての保険会社で共通するのは「早く解約したほうがより損をする仕組み」になっていることです。加入7日後の解約の場合、短期率は10~15%であることが多くなっています。6ヶ月後の解約の場合は、70%程度。11ヶ月後には90~95%になります。例えば、年間100,000円(1日あたり保険料274円)の保険に加入すると、返戻金は以下のようになります。・加入の7日後(短期率15%)に解約する場合…返戻金85,000円、保険会社への支払い金額15,000円、1日あたり保険料2143円・加入から6ヶ月(短期率70%)で解約する場合…返戻金30,000円、保険会社への支払い金額70,000、1日あたり保険料383円・加入から11ヶ月(短期率95%)で解約する場合…返戻金5,000円、保険会社への支払い金額95,000円、1日あたり保険料285円携帯電話の2年縛り契約を解約するときなどに請求される「違約金」とはお金の流れが異なるため、負担している実感がわきにくいのですが、「予想より返ってくる額が小さい」ということは「予想外の出費」を意味するでしょう。自動車保険の中途解約には、金銭的なペナルティがあると考えることが大切です。さて、ここで短期率だけを見ると「満期が近づけばいつ解約しても構わない」ような気がしてきませんか?しかし、「ほとんど満期」のタイミングでの中途解約には、短期率以外のデメリットが見られます。自動車保険を途中解約するデメリット返戻金の短期率以外にも、自動車保険の満期前解約にはデメリットがあります。以下で詳しく見ていきましょう。【その1】新保険に加入できない可能性もある具体的な例としては、現在の契約中に等級ダウンとなる事故を起こしていた場合です。特に直近で事故を2回以上起こした人や、3等級以下の「割増等級」になっている人の場合、保険会社から引き受けを断られる可能性があります。割高でも現在の保険契約を継続し、無事故での満期更新を何年か繰り返して、等級が6以上まで戻ってからの乗り換えを検討しましょう。【その2】保証内容の変更に注意過去に入っていたお得な特約が、現在の保険で販売されていない場合があります。過去の契約を継続している期間中は特約も適用されていますが、保険の乗り換えによって新しく契約するときに、廃止された特約をつけることはできません。具体的な例をあげると、事故を起こしても等級が下がらないようにする「等級プロテクト特約」や、同居する子どもに合わせて運転者全員の年齢制限を引き下げなくても済むようにする「子供特約」などです。これらはかつて人気の高い特約でしたが、保険会社にとって収益性が悪いため、現在では販売が終了している可能性があります。【その3】等級アップが遅れる自動車保険料の負担額に大きく関わるのが「等級」です。保険の契約期間中、無事故で満期を迎えると次回の更新で等級が上がり、等級に応じた保険料の割引を受けることができるようになります。特に保険に入りたてで等級が低い人は、一刻もはやく等級を上げて割引を受けたいところでしょう。自動車保険の等級は、保険加入のタイミングからカウントが始まり、満期をもって反映されます。つまり、自動車保険を満期前に解約すると、等級のカウントがリセットされてしまうのです。等級が上がって保険料の割引を受けられるのは、新しく加入した保険が満期となる一年後になるでしょう。では、割引を受けられない期間の保険料を出費として具体的に計算すると、差額はどの程度になるでしょうか?等級割引はすべての保険会社で共通して、以下のように設定されています。・6等級…19%・7等級…30%・8等級…40%・9等級…43%たとえば6等級で100,000円の保険に加入する場合、6等級と7等級の差は11%、つまり11,000円です。保険の満期前乗り換えによって等級のカウントがリセットされると、この割引が受けられなくなります。等級は満期のたびに1つずつしか上がらないため、翌年以降も影響は続き、4年単位で見ると24,000円ほどの差が出ます。さらに、万が一事故を起こしてしまったときの、等級ダウンによる保険料値上がりの影響も大きくなるでしょう。「速やかに保険を乗り換えたい、ただし等級アップも急ぎたい!」という場合は、乗り換え先の保険に「保険期間通算特則」という特約があるかを確認しましょう。この特約をつければ、等級のカウント期間を通算できます。乗り換え前の保険が満期になるタイミングに合わせて新保険を短期契約することで、乗り換え先での等級アップを最速化できます。自動車保険を中途更改したときの扱いは?等級の引き継ぎはどうなる?自動車保険を満期前に中途更改した場合、それまでの等級は引き継がれます。ただし、解約前の等級によって、引き継がれる期間や条件が異なります。以下で詳しく見ていきましょう。【ケース1】等級が6以上の場合6等級以上の「割引等級」の場合は前契約を解約した後、7日間に限って等級の引き継ぎができます。8日目以降の新規加入は基本的に「6等級」にリセットされてしまいます。無事故無違反の状態で長期間自動車を運転し、最高の20等級で割引を受けていた人でも、特別な手続きをせずに無保険状態が7日間を過ぎると、次の契約からは6等級になってしまいます。それでは、20等級から6等級にリセットされた場合、割引率の違いによる保険料の差はどの程度になるでしょうか?6等級の割引率は19%、20等級の割引率は63%です。100,000円の保険に加入する場合、6等級の場合の支払い金額は81,000円、20等級の場合は37,000円です。その差額は44,000円であり、実に2倍以上の差になります。また、等級は1年に1つしか上がりません。6等級から20等級に戻るためには、最短でも14年間は無事故で更新を続ける必要があります。その間の出費をずっと20等級で割引を受け続けた場合と比較すると、トータルの差額は246,000円にもなります。日頃から生活の中でクルマを使っている人は、無保険期間を作らないためと等級引き継ぎを確実に行うため、現在の保険の解約日と新しい保険の契約日を必ず揃えましょう。【ケース2】等級が5以下の場合5等級以下の場合、解約後7日を過ぎても6等級へのリセットはされません。保険解約後13ヶ月間は履歴が残り、他社の保険に乗り換えるときも引き継がれます。14ヶ月目以降には悪い等級の履歴が消えるため、6等級に戻って新規で保険に加入することができるようになります。悪い等級を引き継ぎたくない場合は、13ヶ月間車に乗らないことを検討してみましょう。【ケース3】7等級以上の特別な処置「中断」7等級以上のドライバーで「海外への長期赴任」や「車を手放す」といった事情のある方に向けて、保険会社は「中断証明書」を発行しています。中断証明書とは、名前の通り「保険の一時中断」を証明する書類です。中断証明書は保険を解約する時点で、保険をかけていた車が「車検が切れている」「すでに売却済み」などの理由から乗れない状態になっていることを条件に、保険解約から13ヶ月以内の申し込みによって発行されます。中断証明書の有効期限は10年間です。発行から10年以内に車を買い替えれば、中断されていた等級からの保険加入が可能になります。自動車保険を満期前に解約してメリットがあるケース以上から、自動車保険の解約はよほどのことがない限り、満期で契約更新をするタイミングに合わせたほうが良いことが分かります。しかし、上記のペナルティを受けたとしても、中途更改によってメリットが生じる場合もあります。では、どのようなメリットが生じるのか詳しく見ていきましょう。【その1】見積の結果、とても大きな差が出た返戻金の短期率や等級アップの遅れによる損を考えても、トータルの出費が抑えられるのであれば、それは乗り換えても全く問題のない「お得な保険」です。目安としては、概算見積で現在の保険料から15%以上の値下がりがある場合は、満期前の乗り換え検討をしても良いでしょう。6等級(19%割引)で中途更改した際、等級アップが遅れて20等級(63%割引)になるまでに支払うおおよその差額は、年額保険料のおよそ45%となります。返戻金の短期率にもよりますが、乗り換え後の保険料が15%以上安くなれば、その契約を3~4年程度継続することで中途更改のコストをペイできる計算になります。なお、満期前に乗り換えることで、保険契約やその後の対応に差が出ることはありません。「高いけれど、お世話になってきた保険会社に申し訳ない…」といった人情は、この際忘れてしまいましょう。【その2】車を買い替えた車の買い替えで新車を購入した場合、保険乗り換えのメリットが増します。新車は大切に乗る人が多いことから事故率が低く、保険の使用率も抑えられています。新車ドライバーは保険会社にとって優良な顧客ということになり、保険会社によっては「新車割引」がつきます。新車割引は「購入後25ヶ月以内の保険契約」を対象にしているので、車の購入と同時に保険契約をすれば、最長で3年間の新車割引を受けることができます。細かい内容は保険会社によって異なりますが、5~10%程度お得になります。車の乗り換えに合わせて、保険の乗り換えを検討してみても良いでしょう。【その3】等級が高い、満期が近い現在の等級がすでに充分高く、等級アップを焦らなくても良い場合は、保険乗り換えのハードルが下がります。目安としておすすめしたいのは、11等級(47%割引)以上です。11等級(47%割引)から19等級(55%割引)までは、割引率の伸びは1%ずつになります。100,000円の保険に加入したとすると、11等級から19等級まででお得になるのは「年間1,000円」ずつ。11等級で保険を乗り換え、20等級(63%割引)まで無事故で等級が上がったときの差額は16,000円です。これは10年間かけて等級が上がったトータルの差額なので、実際に負担を意識することはほとんどないはずです。また、等級の高い人は前払いしている保険の金額も低いため、短期率の影響を受けにくいようにできています。例として、18等級(54%割引)の人が100,000円の保険に入り、6ヶ月(短期率70%)で解約したときのケースを計算すると、以下のようになります。・支払い金額…46,000円(100,000円の54%引き)・返戻金…13,800円(短期率70%)・短期率による出費…9,200円(6ヶ月分の実質保険料-返戻金)・等級アップ遅延による割引額の差…10,000円(2年間トータル)・合計の負担額…19,200円この程度の差額であれば、乗り換え先の保険料によっては充分に元が取れてしまうのではないでしょうか?まとめ以上、満期前に自動車保険会社を乗り換える際のデメリットと注意点について解説しました。テレビCMやネットの一括見積などで様々な自動車保険を目にしますが、目先のお得感につられて予想外の損をしてしまわないように気をつけるようにしましょう。
2017年03月27日「『少額短期保険』は文字どおり保障額が少額で、保険期間が短期の保険です」 そう話すのは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん。保険の定番といえば医療保険や死亡保障。柏木さんがいう「少額短期保険」はあまり聞き慣れない保険だが、非常にピンポイントでユニークなものがそろっているという。 「コンサートチケットを購入しても、当日、急用やインフルエンザなどでいけなくなってしまった場合にチケット代を保障してくれるというユニークな商品が多くあります」(柏木さん) 海外旅行の際、旅行先で雨が降った時間によって、旅行代金を返還してくれる商品。登山やキャンプの際、救助が必要になった場合にその費用をカバーしてくれる保険、痴漢のえん罪に遭遇したときに無料で電話相談を受けられ、弁護士費用をカバーしてくれる保険など、多種多様。 「死亡保障に特化した商品もあります。死亡時に300万円が受け取れる少額短期保険は、1年更新で30歳男性で年間わずか9,120円ほど。“子どもの教育費がかかる3年間だけ入る”という方法も。生涯をかけて1,000万円、2,000万円の保障を組み込む通常の定期付終身保険などよりも、手軽といえます」(柏木さん) 通常、死亡保障のついた生命保険は69歳で加入できなくなるというが……。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんは次のように語る。 「少額短期保険は70代でも加入できるものも。月額保険料数千円で、死亡時に100万円が支払われるので、自分の葬儀代として加入する人もいるようです」 このように少額短期保険は手軽で安く、使い勝手がよいのが特徴だ。保険は、これからも保障の幅がどんどん広がっていきそう。
2017年03月22日最近、テレビCMなどで「実費型医療保険」という言葉を耳にする機会が増えた。実費型医療保険は「実際にかかった医療費」を保障する保険。保険料は安く、合理的に見えるが、本当に安心でお得な商品なのだろうか? そこで、実費型医療保険のメリットとデメリットについて、代表的な実費型医療保険であるソニー損保の「Zippi(ジッピ)」を例に、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた。 【1】入院治療費の3割を保障 「受け取る保険金は、入院治療費の3割負担分です。通院治療費は対象に含まれません。保険金は、医療費の領収書にある『診療報酬点数』を基に計算されます。自己負担の上限額を超えると払い戻しなどが受けられる『高額療養費制度』を利用した方も、70歳以上で自己負担が2割や1割の方も、保険金は3割相当額で変わりません。ただし、保険金には、1カ月に20万円まで支給などの上限があります」 【2】保障対象は公的健康保険の範囲 「差額ベッド代や、先進医療などの保険外診療は対象外です。別途オプションに加入すると、保障対象が広がります」 【3】5年定期保険 「保険料は従来型より比較的安めに設定されています。ただ5年定期ですから、更新のたびに保険料は上がります。たとえば20歳女性の保険料月額は975円ですが、50歳になると2,052円に、60歳では3,305円、65歳では4,871円と、中年以降は急激に値上がりします」 実費型医療保険は、損害保険会社が提供している。なので、火災保険や自動車保険で被害額に応じた保険金が支払われるのと同様に、“実際にかかった医療費”が保障される。いっぽう、入院日額を設定する従来型は、生命保険会社が提供している。医療費を含めた生活全般を支えることが目的だ。 「両者を比較すると、損害保険会社は保障を限定する分、保険料は安く抑えられます。ある意味、合理的な考え方だといえるでしょう。とはいえ、先述のように中年以降は保険料負担が重くなりがちです。医療保険は月々の保険料だけに注目せず、解約までに払う保険料総額を、電卓をたたいて計算することも大切です」
2017年03月20日住宅ローンの借入を検討している人であれば、「団信」あるいは「団体信用生命保険」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。団信とはどのような生命保険なのでしょうか。またどのようなことに注意すればいいのでしょうか。今回は住宅ローンと深いかかわりのある団信について解説します。■団体信用生命保険とは?団体信用生命保険、通称「団信」は、住宅ローンの返済中に、ローンの契約者が死亡したり高度障害になったりした場合に、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を支払う制度です。民間金融機関の多くは、団信の加入を住宅ローン借入の条件としています。団信の加入が住宅ローン借入の条件である場合は、保険料は金利に含まれることが一般的です。保険料として、0.3%程度金利が上乗せされます。掛け金が安く、また年齢によって保険料が変わらない点が特徴です。ただし、別途保険料を支払う必要のある金融機関もあるため、よく確認しましょう。たとえばフラット35の場合は、住宅ローンの返済額とは別に保険料を年に一度支払います。保険料はローン残高によって決まり、10,000,000円あたり年間36,000円の割合で計算される仕組みです。したがって、繰り上げ返済をして元金が減れば、団信の保険料も下がります。さらに早期にローンを完済した場合には、支払い済み保険料のうちで未経過の保障月数があれば、払い戻しがある点も特徴です。なお団信の保険料は保険金の受取人が金融機関であるため、生命保険料控除の対象にはなりません。年末調整や確定申告の際には申告できませんので注意しましょう。【団信に加入できる条件】団信に加入できるための条件には、「満15歳以上満70歳未満であること」および「生命保険会社の加入承諾があること」が挙げられます。「生命保険会社の加入承諾」は、契約者の健康状態が良好であるかによって可否が決まります。病気をしていて通院、投薬をしている場合は団信に加入できないことがあります。たとえば高血圧症やがん、糖尿病といった生活習慣病にかかっていると団信に加入できない可能性が濃厚です。またうつ病といった精神疾患についても、通院中・投薬中の場合は団信加入の支障になります。【ワイド団信】もし健康上の理由から通常の団信に加入できない場合には、引受基準が緩和された「ワイド団信」に申し込んでみるのも手です。金利が0.2~0.3%程度高くなりますが、加入できる場合があります。ワイド団信の告知項目は通常の団信とほぼ同じです。「3か月以内に医師の診察を受けていないか」、「3年以内に2週間以上の治療をしていないか」、「障害はないか」といったことを問われます。「一般の団信に比べてこの程度入りやすい」というはっきりとした基準はありませんが、引受範囲が広いため通りやすいという認識を持っていてよいでしょう。ワイド団信は、年齢制限が50歳までと狭まっている点が特徴です。条件が合えば活用してみるとよいでしょう。【団信と連帯債務者の関係】夫婦共働き世帯や親子で住宅ローンを借りる際は、ローン契約の仕方と団信の入り方に注意が必要です。夫と妻、または親と子がそれぞれ住宅ローンを借り、それぞれが団信に加入した場合は、たとえば夫に万が一のことがあった場合、夫の分のローンは団信で完済されますが、妻の分のローンは残ってしまいます。親子の場合も同様です。夫または妻がローンを借り、もう片方が連帯債務者となって、主債務者のみ団信に加入している場合は、主債務者に万が一のことがあった場合は、住宅ローンは団信で完済されますが、連帯債務者に万が一のことがあっても住宅ローンはそのまま残ります。親子の場合も同様のことがいえます。以上2つのケースでは、収入合算などをして多めのローンを組んでいる場合、片方の収入がなくなるとローンの返済が苦しくなったり、生活が圧迫されたりする可能性があります。共働き世帯でローンを組む際のリスクとして認識しておきましょう。夫婦共働き世帯でローンを組み、団信に加入する場合のリスクについては、フラット35を借入れ、機構団信の「デュエット(夫婦連生団信)」に加入することで対処可能です。この場合だと、主債務者・連帯債務者のいずれかに万が一のことがあった際には、不動産の持分や返済額にかかわらず、住宅ローンがすべて相殺されます。ただし、保険料は単独加入の約1.56倍になる点は留意しておきましょう。以上2つのケースでは、収入合算などをして多めのローンを組んでいる場合、片方の収入がなくなるとローンの返済が苦しくなったり、生活が圧迫されたりする可能性があります。共働き世帯でローンを組む際のリスクとして認識しておきましょう。【他の生命保険との兼ね合い】すでに他の生命保険に加入している場合は、そのなかに住宅資金の保障額が含まれているかどうかをチェックしましょう。もし含まれている場合は保障が重複していることになります。住宅ローンの借入を機に、生命保険の見直しも行っておいてください。■就業不能状態になった場合はどうする?団信で気をつけるポイント冒頭で述べたとおり、住宅ローンの契約者が死亡したり高度障害状態になったりした場合は、団信が支払われてローンは完済になります。ただしその他の理由で長期間働けない状態になった場合には、団信は支払われません。就業不能状態にあっても住宅ローンを返済し続けなければならない点に注意が必要です。以下で、就業不能状態になった場合の住宅ローン対策についてご紹介しましょう。【疾病特約付きの団信】最近では、通常の団信の保障に加え、特定の疾病に対する特約付きの団信も多く出ています。たとえば、三大疾病保障は「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」になった場合、住宅ローンの残高を団信が支払ってくれるものです。ほかにも七大疾病特約や11大疾病特約といったものがあります。保険金の支払いについてはいくつかのパターンがあります。ひとつは、指定の病気になったらすぐに保険金が支払われ、住宅ローンが完済されるものです。一方、一定期間は毎月のローン返済額分だけ保険金が支払われ、その状態が続いたらローン残高が清算されるものもあります。なお一般の生命保険とは違い、あくまでローン残高を支払ってもらえる制度ですから、入院や手術の際に保険金は出ません。一般の生命保険・医療保険における補償内容との違いをはっきりさせておきましょう。【傷病手当金】協会けんぽや共済組合の加入者であれば、病気やケガで仕事を4日以上休んでいる場合に、傷病手当金を受け取れます。生活費を工面しつつローンを返済するのに役立つでしょう。傷病手当金の受取額は、以下のように計算します。1日当たりの金額=(支給開始日の以前12か月間の各標準報酬月額を平均した額)÷30日×3分の2なおひとつの病気やケガについての傷病手当金支給期間は、支給を開始した日から最長1年6か月間です。やや期間が短い点には注意しておくべきでしょう。【債務返済支援保険】債務返済支援保険とは、病気やケガのため長期間就業不能状態になった場合、住宅ローンの契約者を被保険者として、一定期間、契約で定められた金額を補償する制度です。保険契約者は銀行などの金融機関、被保険者は住宅ローンの契約者であり、団体契約であることから、保険料が割安になっています。なお、「就業不能状態」とは入院の場合だけでなく、医師の指示による自宅療養の場合も指します。債務返済支援保険は、一般的に保険の対象外となる免責期間が30日程度設定されています。したがって保険金が支払われるのは、就業不能状態になってから30日を過ぎたあとです。支払われる保険金の額は、契約時に被保険者が設定し、それによって月々の保険料も変わってきます。なお団信の疾病特約とは違い、保険金はローンの返済以外の生活費などにあてても問題ありません。債務返済支援保険は住宅ローン加入時だけでなく、返済の途中でも加入が可能です。健康であることが必須ですが、家計が落ち着いてから加入を検討してもよいでしょう。【就業不能保険】一般の保険会社が展開している就業不能保険も、傷病による就業困難状態に備える対策として有効です。就業不能保険における就業不能状態については、入院または自宅療養している期間の指定などが保険会社によって異なります。よくチェックしてから加入するようにしましょう。就業不能保険の特徴は、最長支払期間が65歳までとなっていることが一般的です。最長支払期間が2年程度の所得補償保険よりも支払期間が大幅に長い点がポイントだといえるでしょう。就業不能保険では、60日程度の支払対象外期間ののち、保険金の支払いが開始されます。保険金の額は契約時に設定しましょう。返済額が増えた場合にも備えて保険金を設定しておくのがおすすめです。■住宅ローンを団信なしで借りる方法はある?健康状態などが理由で、団信に加入できないこともあるかと思います。その場合にも住宅ローンは借りられるのでしょうか。以下で、団信なしで住宅ローンを借りる方法とその注意点をご紹介します。【フラット35など】一部の民間金融機関とフラット35では、団信への加入が任意となっています。つまり加入が必須条件ではないということです。フラット35には、団信加入が不要であるほかにも、借入者の勤続年数などが問われなかったり、年収が低めでも借りやすかったりするという特徴があります。また借入に際して保証人および保証料は必要ありません。ただし、一般的な住宅ローンよりも担保評価が厳しくなっています。建物の土台・基礎の安全性や住宅の耐久性といった、住宅金融支援機構の技術基準をクリアしなければなりません。フラット35を借入れることを検討する場合は、購入を予定している物件が技術基準を満たすかどうか、不動産業者や施工業者に確認しておきましょう。なおフラット35の技術基準に加え、耐震性や省エネルギー性などにすぐれた住宅を購入する場合には、「フラット35S」が利用できます。一定期間フラット35の金利を引き下げられるため、基準をクリアできそうな場合は活用してみるとよいでしょう。【団信に加入しない場合の注意点】団信に加入しない場合は、万が一のことがあっても、住宅ローンは相殺されない点には注意しておきましょう。ローン契約者が死亡または高度障害になった場合にも、住宅ローン遺族が返済し続けなければなりません。団信に加入しない場合に、万が一に備えるための対策としては、まず加入済みの生命保険が十分あるかを確認することが必要です。万が一のことがあった場合も、生命保険の保険金で住宅ローンを返済できるでしょう。団信なしで住宅ローンを借りる場合は、どれだけの保険があるかを確認してから申し込むようにしてください。また返済にあてられる貯蓄をしておく必要もあるでしょう。さらに世帯で収入を増やせるよう考えておくことも必要です。このような対策に加え、誰が責任を持って返済の継続を行うのかといったこともはっきりさせておくべきでしょう。■まとめ今回は、住宅ローンを借入する際に加入が条件となっていることの多い団体信用生命保険(団信)について解説しました。いかがでしたか。団信は加入できないこともありますし、また加入してもすべてをカバーしてくれるわけではありません。今回ご紹介した内容を参考に、団信にきちんと入れるかどうか、団信がカバーしてくれない部分にどう備えるか、また団信には入れなかった場合はどうするかといったことを考えて、住宅ローンの借入に臨んでください。
2017年03月16日住宅購入後にかかる費用は、おもに税金、保険、修繕費の3つに分かれます。税金は、固定資産税と都市計画税の納付が毎年1回必要です。保険は火災保険と地震保険について、それぞれ保険料がかかります。補償内容を吟味して保険商品を選びましょう。修繕費は5年~10年に1度、塗装やシロアリ防除などの対策が必要です。すべてを合算すると、30年間で13,000,000円程度維持費がかかる計算になります。積み立てを行うなどして意識的に資金繰りをしましょう。■住宅にかかる税金住宅購入後にかかる税金には、固定資産税と都市計画税があります。毎年市町村に納める必要のある税金です。【固定資産税】固定資産税は以下の計算式で算出します。税額=固定資産税評価額をもとにした課税標準×1.4%(標準税率)なお税率は1.4%を標準としていますが、市町村が独自に定める場合があるため、地域によって異なることに留意しておきましょう。固定資産税評価額とは、固定資産税の税額を決めるための基準のことです。市町村が3年に1回更新します。土地の固定資産評価額は一般的に、地価公示価格(国が定める土地の価格)の70%が目安です。建物の一般的な固定資産評価額は、新築時の価格から経過年数分を引いた額になります。ただし「住宅用地」、つまり住宅に使われている土地については課税標準が減額されます。住宅用地は家屋の床面積だけでなく、庭などの面積も含まれる点がポイントです。住宅用地と認められる限度は、家屋における床面積の10倍までの面積であることには注意しましょう。住宅用地に適用される課税標準は以下の通りです。■小規模宅地(住宅1戸当たり200平方メートルまで):課税標準の6分の1■一般住宅用地(住宅1戸当たり200平方メートル超で床面積の10倍まで):課税標準の3分の1なお3年に一度の評価で固定資産評価額が大きく変わったとしても、「固定資産税が大幅に増えてしまった」ということがないよう、負担調整の措置が取られています。また負担調整は、地域によって課税標準の差が開くのを防ぐことも目的です。負担調整は、「(前年度課税標準)÷(新年度評価額に住宅用地における課税標準減額の特例を適用した金額)」の計算式で算出する「負担水準」を基準として行われます。負担水準が100%以上の場合、つまり新しい評価額によって算出された金額が前年度の課税標準額より低かった場合は、課税標準は新年度固定資産評価額に住宅用地における課税標準減額の特例を適用した額となります。一方負担水準が100%未満の場合、つまり前年度課税標準額より新しい評価額によって算出された金額のほうが高かった場合は、以下の計算式で課税標準額を定めます。■小規模宅地の場合:課税標準額=前年度の課税標準額+(新年度固定資産評価額÷6×5%)■一般住宅用地の場合:課税標準額=前年度の課税標準額+(新年度固定資産評価額÷3×5%)ただし、上記の計算式によって出された課税標準が、住宅用地特例によって減額される課税標準の100%を超える場合は100%相当額、20%を下回る場合は20%相当額が課税標準額になります。さらに新築家屋については、固定資産税が3年分(認定長期優良住宅の場合は5年分)減額されます。要件は、床面積が50平方メートル以上、280平方メートル以下であることです。減額される税額は、120平方メートルまでの居住部分に相当する固定資産税額の2分の1です。【都市計画税】都市計画税は以下の計算式で算出されます。税額=固定資産税評価額をもとにした課税標準×0.3%なお税率は0.3%を上限に市町村が定めるため、地域によって異なります。住宅用地の都市計画税にかかる課税標準については、固定資産税の場合と同様に減額されます。適用される課税標準は以下の通りです。■小規模宅地(住宅1戸当たり200平方メートルまで):課税標準の3分の1■一般住宅用地(住宅1戸当たり200平方メートル超で床面積の10倍まで):課税標準の3分の2また土地の負担調整についても、固定資産税の場合と同様に行われます。計算の際には留意しておくとよいでしょう。■住宅にかかる保険住宅購入後にかかるおもな保険には、火災保険と地震保険があります。【火災保険】ローンを組んだ場合は、多くの金融機関で加入が義務化されている保険です。火災保険が補償する事故には、火災だけでなく、落雷や風災、水害、水漏れ、盗難などがあります。保険によって補償する事故が異なるため、注意して見てみましょう。なお地震やそれに伴う津波による損壊などについては、火災保険では補償されません。火災保険の対象は、家屋などの「建物」と、建物のなかにある家具などの「動産」です。住宅そのものが損壊した場合だけでなく、家具や家電、什器などが壊れた場合も対象となる点は覚えておきましょう。保険料は、「建物の評価」「建物の構造区分と所在地」「補償内容」の3つの要素で決まります。建物の評価は、新築の場合は新築価額で行われます。また中古の場合は、新築時の新築価額をもとにした評価方法と、基準の1平方メートル単価にのべ床面積をかけて算出する評価方法で評価されます。建物の構造区分については、おもに鉄筋か木造かで判断されます。燃えにくい鉄筋のほうが保険料が安く、燃えやすい木造のほうが保険料が高いというのが基本です。地域については、火災の発生状況や被害状況を鑑み、都道府県によって異なる保険料が設定されています。たとえば住宅の密集している地域は延焼のリスクが高いとして保険料が上がる傾向にあります。とはいえ、都市部はすべて保険料が高いかというとそうではありません。都市部は消防署の数が多く、火災への対応力が高い点については評価されるためです。このように火災保険料の地域差について一概に法則性を示すのは困難ですが、仕組みについては以上のようなものであると理解しておきましょう。補償内容については上記の通りです。どのような事故まで補償するかによって保険料が変わります。唯一保険料を調整できる部分といえますので、予算や補償してほしい内容を吟味して選択するようにしましょう。【地震保険】地震保険は、「地震保険に関する法律」に基づき、保険金における支払責任の一部を政府が再保険として引き受けている保険です。地震保険は単独では契約できず、火災保険とセットで契約することになります。火災保険とは違い、ローンを組んだ場合も加入は任意であることが一般的です。地震保険が補償する事故には、地震や噴火、津波などによって発生した火災、損壊、埋没、流失があります。この部分は通常の火災保険では補償されないため、補償を希望する場合は地震保険への加入が必要です。地震保険の対象は、居住用の建物と、その建物に収容されている家財です。火災保険と同様、家具や家電なども補償されることを覚えておくとよいでしょう。対象となる建物または家財が、全損、大半損、小半損、または一部損となったときに、それぞれの状況に応じた保険金が支払われます。保険料の額は、所在地と建物の構造によって決まります。建物の構造の区別については、火災保険の場合と同様、おもに木造か鉄筋かによって判断されます。なお地震保険料は、以下の4つの割引制度が適用されます。お住まいの住宅が適用されるか確認しておきましょう。■建築年割引対象の建物が昭和56年6月1日以降に新築された建物である場合、10%割引されます。■耐震等級割引一定の耐震等級を満たしている場合、10~50%割引されます。■免震建築物割引対象の建物が「免震建築物」である場合、50%割引されます。■耐震診断割引建築基準法における耐震基準を満たす場合、10%割引されます。■住宅にかかる修繕費住宅の修繕では、おもに以下のものが必要です。【外壁塗装】見栄えをよくするためだけでなく、耐久性や防水性を高めるために行う必要があります。塗装をしないと外壁が劣化し、雨漏りなどの原因になります。また塗料によっては、断熱効果や遮熱効果のあるものもあるため、省エネのためにもよいでしょう。7~10年に1回が目安で、1回1,000,000円程度かかります。【屋根塗装】外見がよくなるだけでなく、防錆性、抗菌性が高まるなどのメリットがあります。外壁の場合と同様、塗装をせずに放っておくと雨漏りなどの原因になるため注意が必要です。スレート葺の場合、15~20年に1回が目安で、1回500,000円程度かかります。【軒先、軒裏塗装】軒天塗装と呼ぶこともあります。外壁塗装のオプションとなっていることが一般的です。風雨にさらされやすく劣化しやすい部分であるため注意しましょう。15~20年に1回が目安で、1回300,000円程度かかります。【樋、床下メンテナンス】カビや害虫、湿気によって劣化している部分を修繕し、家の耐久性を高めます。特にキッチンや風呂場、トイレの下は湿気がこもりやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。15~20年に1回が目安で、1回300,000円程度かかります。【シロアリ防除】シロアリの被害を受けてしまうと、住宅が劣化してしまいます。それを防ぐため、土壌や木部を薬剤処理し、シロアリの除去や予防をすることが必要です。5年に1回が目安で、1回200,000円程度かかります。【クロス張替】煙草のヤニによる汚れやペットのひっかき傷、日焼けによる劣化などを修繕します。壁だけでなく、天井も張り替えることが一般的です。7~10年に1回が目安で、1回200,000円程度かかります。【サッシまわりコーキング】コーキングとは、気密性や防水性のために、壁などの隙間を目地材でふさぐことを指し、「シーリング」と呼ばれることもあります。サッシまわりのコーキングが劣化すると、雨が降った際に水が入ってくるなどしてしまうため、適度なタイミングでの修繕が不可欠です。7~10年に1回が目安で、1回300,000円程度かかります。■住宅の維持費はどのくらい?30年間でかかる費用を試算以下で、住宅を維持するために30年間でかかる費用を試算してみましょう。【税金】固定資産税、都市計画税を合わせて、年間100,000円~150,000円が目安です。30年間で3,000,000円~4,500,000円かかる計算になります。【保険】火災保険料、地震保険料あわせて、年間10,000~20,000円程度が目安です。30年間で300,000円~600,000円程度かかる計算になります。【修繕費】■外壁塗装1回1,000,000円を30年間で3回行うと考えると、3,000,000円かかる計算になります。■屋根塗装1回500,000円を30年間で2回行うと考えた場合、1,000,000円の計算です。■軒先、軒裏塗装1回300,000円を30年間で2回行うと計算すると600,000円になります。■樋、床下メンテナンス1回300,000円を30年間で2回行うと考えると、600,000円の計算です。■シロアリ防除1回200,000円を30年間で6回行うと考えた場合、1,200,000円の計算になります。■クロス張替1回200,000円を30年間で3回行うと考えると、600,000円の計算です。■サッシまわりコーキング1回300,000円を30年間に3回行うと考えると、900,000円の計算になります。以上を合計すると、修繕費だけで、30年間で7,900,000円程度かかる計算です。【税金、保険、修繕費の合計と資金繰りのアドバイス】税金、保険、修繕費を合計すると、30年間で12,000,000円~13,000,000円かかる計算になります。年額にすると単純計算で370,000円~430,000円程度です。税金は毎年1回必ず支払うものであることを考え、毎年その分を確保しておくようにしましょう。毎月積み立てておくと安心です。保険については、月払いや年払い、一括払いなど支払方法を選べることが一般的です。家計状況にあわせて支払方法を工夫するとよいでしょう。また地震保険は所得控除制度が適用されます。所得税が最高50,000円、住民税が最高25,000円を総所得金額から控除できるため、年末調整や確定申告の際には忘れずに申請しましょう。修繕費についても急な出費に備えるため、毎月10,000~20,000円程度積み立てておくことをおすすめします。また緊急性のない修繕の場合は、ボーナスのタイミングを有効に使って行うとよいでしょう。■まとめ今回は、住宅を購入したあとにかかる維持費について詳しく解説しました。いかがでしたか?税金、保険、修繕費と、マイホームを持つには意外とお金がかかることがわかりますよね。住宅を購入する際には、今回ご紹介した内容を参考に入念に資金計画を立て、しっかりと維持費にも備えましょう。
2017年03月01日こんにちは、金融コンシェルジュの齋藤惠です。皆さんは万が一の病気やけがに備えて、どんなタイプの保険に入っているでしょうか?現在加入中の保険の見直しは定期的に行っていますか?ライフスタイルが変化すれば必要な保険も変わってきますし、 保険商品も日々進化しています。今回ご紹介する“ミニ保険”についても、そのニーズにはまる人がきっといるはずですよ!●ミニ保険とは?正式には『少額短期保険』 といいます。保険金額が少額で、保険期間が1年以内となっているのが特徴です。具体的には、・死亡保険……300万円以下・医療保険……80万円以下・損害保険……1,000万円以下などという上限付きの保障内容になっています。普通の保険会社ではなく、主にミニ保険専門の事業者が取り扱っている ため、一般的にはあまり知られていないかもしれません。しかしその種類は極めて多様で、たとえば・ペットの医療費や葬儀費用・家財や店舗の賠償責任・盗難・家賃、リフォーム費用・旅行、チケットのキャンセル料など、病気やけが以外についても保障してくれる保険商品があり、あらゆるリスクに備えることができます。●ミニ保険のメリットは?まずは先ほども触れた、種類の多さと手広さがミニ保険のメリットのひとつです。普通の保険会社では取り扱っていないような商品がたくさんそろっています。他にも、保険金額が少額なので保険料が安いことも魅力 です。ミニ保険の中には生命保険や医療保険、介護保険などもありますので、「病気やけがの保障は最低限でいいから保険料をできるだけ抑えたい」という人にはぴったりです。また、一般的な保険では加入条件が合わなかった人も、ミニ保険であれば加入できる ということがあります。過去に病気や入院手術をした人、持病のある人、さらには障害を持っている人、妊娠中の人なども入れる商品があります。今まで大手の保険会社に入れる商品がなかったという人は、ぜひ一度ミニ保険の事業者へ相談してみることをおすすめします。----------いかがでしたか?現在加入中の保険の掛け金が高い、または入れる保険が見つからないという人は、今回覚えたミニ保険(少額短期保険)を検討してみてください。ただし、ミニ保険にも、・事業者が破綻したときの保護制度がない(普通の保険は一定範囲内で保護される)・所得税にかかる保険控除の対象外であるなどの注意すべき点がありますので、加入を検討する際は事業者の経済状況や所得控除とのバランスも考えて選んでくださいね。それでも、ミニ保険は異業種(大手ショッピングモール、ネットサイトなど)からの参入も増えて年々活気づいている保険分野 です。2016年以降、ますますその存在感と必要性が高まっていくことが予想されるので、今後も引き続きチェックしてください!【参考リンク】・一般社団法人 日本少額短期保険協会()●ライター/齋藤惠(金融コンシェルジュ)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2016年10月17日はじめに平成26年7月、損害保険料率算出機構が算出する「参考純率」が改定されました。(参考純率についてはコラム「 火災保険の値上げ 」をご参照ください。)改定概要は、以下の2点です。(1)住宅総合保険(火災保険)の参考純率を平均で3.5%(※)引き上げる。(2)火災保険の参考純率の適用は保険期間が10年までの契約とする。※この値は、現存するすべての契約の改定率を平均した値です。したがって、契約条件(保険金額や建物の構造など)によって改定率(引上率・引下率)は異なります。この改定に伴い、平成27年10月以降、各損害保険会社が販売する火災保険も見直しが行われました。以下、長期火災保険の見直しの内容についてみていきます。長期契約の保険期間は最長10年に短縮平成27年9月末日まで、住宅総合保険(火災保険)などの、保険期間は最長36年でしたので、ほとんどの住宅ローンの完済期間まで1回の保険契約で済ませることができました。今回、損害保険料率算出機構の行った改定により、平成27年10月以降の住宅総合保険(火災保険)などの長期契約は最長10年までの保険期間となりました。住宅ローンの返済期間によっては、ローンの返済期間中に当初加入した火災保険が満期となり、契約の継続(更新)や新しい保険に加入するなどの見直しを行う必要があります。改定の背景損害保険料率算出機構は、火災保険の参考純率の適用を保険期間10年までと改定した背景の一つとして、「地球温暖化により自然災害の将来予測に不確実な要素が増している」との、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)による研究成果を挙げています。つまり、今後発生する災害の規模や頻度の予測がしづらく、予測期間が長くなるほど、災害の規模や頻度のブレ幅が大きくなるため、10年を超える契約(保険期間)では、リスク評価が難しくなったということです。また近年、台風や台風以外の風災、雹(ひょう)災、雪災などの自然災害による支払保険金の増加や、建物の老朽化による水濡れ事故の増加による支払保険金の増加も、今回の改定の背景として挙げられています。長期契約のメリット長期契約のメリットは、保険料を一括して支払うことによって1年ごとに更新するより割り引きになる点です。割引率は一般的に、長期係数を使って算出されます。保険料は、長期係数を保険期間1年の保険料に乗じたものになります。仮に1年の保険料が1万円、保険期間5年の長期係数が4.50であるとすると、保険料は1万円×4.50=4万5,000円となります(保険期間5年の保険料を一括して支払う場合)。また、長期契約をすることにより、その保険期間内に参考純率の引き上げがあった場合でも、保険料が上がることはないというメリットもあります。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年10月07日質問:現在独身ですが、医療保険は必要ですか?また、医療保険に限らず、今から加入しておいたほうが良い保険はありますか?独身の方でも医療保険は必要です。どのような保険に加入するかを決めるときは、ライフステージごとの優先順位を明確にしましょう。「医療保険」を優先的に検討しましょう「医療保険」の目的は、ご本人が病気やケガで治療を受けたときに備えることです。厚生労働省の「平成26年(2014)患者調査」によると、全国の約132万人の入院患者のうち、年代別にみてみると、20代の方が約2.6万人、30代の方が約4.8万人、40代の方が約6.9万人、50代の方が約10.5万人、60代の方が約21.9万人となっています。このように、いつ、病気やケガになるかわかりません。そのため、入院リスクの高まる高齢期はもちろん、ライフステージ全体を通じて「医療保険」は優先順位が高いといえます。また、がんに関しても、「国民の2人に1人が「がん」になり、3人に1人が「がん」で亡くなっている(※)」といわれていますので、年齢に関係なくなるべく早いうちに「がん保険」を検討することもおすすめします。※出典:厚生労働省ホームページ「がん検診」より抜粋自分にあった「医療保険」を選択しましょう医療保険に関しては、近年さまざまな商品が登場していますが、基本となる保障は、ほぼ共通しているといえるでしょう。最低でも下記のような「基本となる保障」は備えとしてお持ちになることをおすすめします。■疾病、災害入院給付金病気やケガで治療を目的とした入院をしたときに支給される給付金です。プランによって対象となる日数、日額は変動します。■手術給付金約款所定の手術を受けたときに支給される給付金です。最近は日帰り手術(外来手術)も対象になる場合があります。■先進医療給付金厚生労働省が定めた「先進医療」の治療を受けたときに支給される給付金です。主契約の保障としてセットされている場合と、特約で付加できる場合があります。付加するかどうかは任意ですが、「基本保障」としてパンフレットに記載されていることがあります。そして、これらの「基本となる保障」にオプションである「特約」を追加することで、自分にあった「医療保険」を選択することができます。代表的な「特約」として下記のようなものが挙げられます。■女性特定疾病特約約款所定の「女性特定疾病」が原因で、治療のための入院をした場合に支給される給付金です。基本的な保障の「疾病入院給付金」とは別に支払われます。保険会社によって、対象となる「女性特定疾病」の範囲が異なることがありますので、注意が必要です。■がん診断給付金初めて「悪性新生物」や「上皮内新生物」と診断確定された場合に支給される給付金です。再発の場合も対象とする場合や所定の治療を受療しないといけない場合など、保険会社によって支給基準はさまざまです。他にも、がんの給付金の種類は増えてきていますし、さらに手厚い保障を希望する場合には、医療保険とは別にがん保険を検討することをおすすめします。■三大疾病特約「三大疾病(悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中)」と診断された場合の「診断給付金」や、入院した場合に支給される「入院給付金」や「入院一時金」などがあります。他にも、「五大疾病(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、高血圧性疾患、糖尿病)」や、さらに「肝疾患」「腎疾患」を加えた「七大疾病」を対象とした商品もあります。独身者なら死亡保障は不要?答えはNO!です一方で、生命保険のもうひとつの柱ともいえる「死亡保険」の最大の目的は、「遺族保障」ではないでしょうか。ご本人が万一死亡された場合、残されたご家族が生活に困らないように、ライフステージに応じた保障の選択が必要です。独身者の場合、扶養家族がいなければ、こうした遺族保障は優先順位を低くみるのが一般的です。しかし、死亡保険の加入目的には「遺族保障」以外にも「葬儀代の準備」や「貯蓄性」も考えられます。葬儀代に関しては性別・年齢に関係なく、誰しもが一生涯に一度は必要になります。終身保険なら、万一のことがあった場合、それが何歳の時点でも必ず死亡保険金を残すことができ、少しでも若い方が安価な保険料となりますので、ご検討されてはいかがでしょうか。老後に向けた備えも早めにスタートすれば負担感は軽減されます独身で扶養家族がいない方でも、あえて1,000万円などの高額の死亡保険に加入される方もおられます。万一の場合の保障を持ちながら、同時に死亡保険を途中で解約することで受け取れる解約返戻金を貯蓄代わりに活用するケースです。こうしたケースでは、解約のタイミングによっては支払保険料総額よりも解約返戻金が少なくなることがあるため、使うタイミングを考慮しながら、支払期間の設定やプランを検討することが必要になります。また、「個人年金保険」のように、老後の生活資金の備えに特化したプランを利用する場合も、年齢が若いほど1カ月あたりの保険料を低く抑えることができますので、負担感なく備えることができます。このように基本的な保障を独身の間に備えておき、結婚などで家族構成が変化した際に、不足分の保障を追加することを検討するのが良いでしょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年09月29日質問:学資保険の申込時に、医師の診査や健康状態の申告は必要ですか?プランによって異なりますが、一般的に健康状態の申告が必要です。なぜ、健康状態の申告が必要なのか学資保険には「保険料の払込免除特則」や被保険者であるお子さま向けの「医療保障特約」が用意されています。これらの保障には、多くの生命保険のプラン同様、健康状態が良好でないと加入できません。そのため、加入時にはそれぞれの保障の対象となる方の健康状態について、申告することが必要になります。誰の健康状態を申告するのか■保険料の払込免除特則を付加する場合は「契約者」の健康状態の申告が必要です。学資保険の多くのプランには、保険料の払込免除特則が付加されています。保険料の払込免除特則とは、契約者の方が保険期間中に「死亡または所定の高度障害状態」に該当した場合、その後の保険料の支払いが免除された上、予定通りの「祝い金」「満期金」が受け取れる特則です。そのため、学資保険に加入する際には、契約者となる方の健康状態について申告する必要があります。健康状態が良好でない場合には、学資保険への加入ができない場合もありますが、保険料の払込免除特則を付加しない場合には、健康状態を申告する必要はありませんので、加入できることがあります。ただし、保険会社によっては、保険料の払込免除制度を取り外せない場合がありますので、あらかじめ確認しておくことが必要です。■お子さまの医療保障特約を付加する場合は、お子さまの健康状態の申告が必要です。学資保険にお子さまの医療保障特約を付加する場合には、お子さま自身の健康状態を申告する必要があります。保険料払込免除特則の場合と同様に、お子さまの健康状態が良好でない場合には、医療保障特約を付加することができないことがあります。健康状態の申告方法申告方法には「告知書扱い」と「診査医扱い」があります。■告知書扱いの場合学資保険のパンフレットに載っているようなモデルプランの場合は、「告知書」の質問表に契約者自身が記入する告知書扱いとなります。この場合は、告知書という健康状態に関する質問表に記入するだけでよく、保険会社の指定する医師の診査を受ける必要はありません。ただし、申告した健康状態によっては、後日「健康診断結果表」の提出や、医師の診査を受けるよう指示される場合もあります。<告知書の主な質問事項>職業、生年月日最近3カ月以内の受診歴過去5年以内の治療歴過去2年以内の健康診断の結果※保険会社により、内容が異なることがあります。■診査医扱いの場合学資保険でも、一定額以上のプランへの加入を希望する場合には、保険会社指定の医師の診査を受けなければならない場合があります。診査を受ける場合には、診査報状(「告知書」にあたる書類)と本人確認のできる顔写真付きの公的証明書類(運転免許証など)を保険会社指定の病院・診療所に持参します。診査を受けるための費用負担はありません。<主な診査内容>告知書扱い時の「主な質問事項」以外に、次の項目が追加になります。当日の身長、体重、血圧尿検査医師による問診※保険会社により、内容が異なることがあります。なお、保険会社やプランによっては、健康診断結果表を提出することで医師の診査を受けなくてもよい場合がありますが、基準は保険会社によってさまざまですので、該当の保険会社に事前に確認するようにしてください。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年09月23日質問:どの学資保険でも、契約者が死亡・高度障害状態などになった場合、その後の保険料は支払わなくてもよいのでしょうか?ご検討中の学資保険で、主契約の保障内容に保険料の払込免除があるプランや、「保険料払込免除」の特則・特約が付加されているプランであれば、ご契約者が死亡または高度障害状態になった場合、その後の保険料が免除されます。ただし、ご加入時に告知されるご契約者の健康状態によっては、ご希望の学資保険に加入できない場合や、保険料払込免除の特則・特約を付加できない場合がありますので、ご加入前に保険会社に確認されることをおすすめします。以下では、学資保険の「保険料払込免除」についてご説明します。保険料が免除されるケース保険会社によって内容は異なりますが、以下のような場合に、保険料の払い込みが免除されます。ご契約者が保険料払込期間中に死亡されたときご契約者が、責任開始日以後の疾病・傷害を直接の原因として、保険会社所定の高度障害状態になられたときご契約者が、責任開始日以後に発生した不慮の事故を直接の原因として、事故から180日以内に保険会社所定の身体障害状態になられたとき学資保険で保険料の「一時払い」や「全期前納」が可能な保険会社がありますが、「一時払い」の場合は、払込免除特約は適用されません。しかし、「全期前納」の場合は未経過分保険料として返還されます。保険料払込免除特則・特約を付加する際の注意点保険料払込免除の特則や特約の付加を選択できるプランへ加入される場合は、以下の点に注意が必要です。保険料払込免除特則・特約を付加すると保険料がアップする場合がある。保険料払込免除特則・特約を付加した場合、ご契約者の変更ができなくなる場合がある。保険料の払込免除となった場合、契約内容の変更ができなくなる場合がある。保険料払込免除特則・特約のみの解約はできない場合がある。上記は保険会社によって異なりますので、保険料払込免除特則・特約の付加を検討される場合は、保険会社へご確認ください。ご希望の学資保険に加入できない場合や、保険料払込免除の特則・特約が付加できない場合加入時のご契約者の健康状態などによって、ご希望の学資保険に加入できない場合や、保険料払込免除の特則や特約が付加できない場合があります。ただし、保険会社によって健康状態の告知事項が違っていたり、保険料払込免除の特則・特約なしのプランを選択できたりする場合がありますので、複数の保険会社の商品を取り扱っている総合代理店で相談されることをおすすめします。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年09月23日アイペット損害保険の広報担当 涌井沙織さん(左)と福岡泉希さん(右)もし愛犬や愛猫が病気になったらどうしよう。ペットには公的な健康保険の制度がなく、動物病院で診察、治療を受けるとちょっとした検査でも数千円~数万円かかってしまうことも……いま注目されているのが診療費の一部を補償してくれる「ペット保険」。「いま加入いただけるかたが急増しているんです」そう語ったのは、アイペット損害保険の広報、涌井沙織さんと福岡泉希さん。ペット保険について詳しくお話しを伺いました。社員が持つペット、動物への想い涌井さんがアイペット損害保険に入社するきっかけは、学生時代から一緒だった“先輩”のヨークシャーテリアを病気で亡くした経験だったそうです。アイペット損害保険の広報担当 涌井沙織さん「人生の半分を共に過ごした愛犬が重い病気にかかり手術を受けたんです。治療費は高額でしたが、惜しくはありませんでした。その甲斐なく、亡くなってしまいましたができる限りのことができたと思い、前向きな気持ちでまた新しい家族を迎える気持ちになれたんです」(涌井さん)涌井さんは新しい家族、ヨークシャーテリアと暮らしているそうですが、もしあのとき治療をしなかったら「もう2度と一緒に暮らしたくないと考えていたかもしれない」と続けました。高額な治療費のために十分な治療を受けさせられなかった……後悔が残って、大切な家族と過ごした時間が辛い思い出になってしまうのはとても悲しいですよね。一方で、昔から動物のお世話をすることが好きだったという福岡さんは、フランス留学中に人とペットの対等な関係を見て、ペット保険に興味をもったそうです。アイペット損害保険の広報担当 福岡泉希さん「ヨーロッパでは、ペットはパートナーという考えかたが一般的なんです。ペット保険発祥の地といわれているイギリスでは45%のワンちゃんネコちゃんが保険に加入しています。日本はその点、まだまだ遅れています。ペットとの幸せな時間を長く過ごすためにも、費用面での不安を軽減し、治療に専念できるペット保険をもっと日本に浸透させていきたいです」(福岡さん)アイペット損害保険には、涌井さんと福岡さんのようにペットや動物に特別な気持ちを持ったかたが多く、仕事を自分のことのように考えているそうです。そんな社員のために、2016年7月から「忌引き休暇」をペットにも適用したほか、1年に2日間ペットと過ごすための「ペット休暇」を新たに採用。会社、社員一人ひとりがペットに特別な愛情を持ち、ペット、飼い主さんにとって優しいサービスを考えているそうです。「ハートのペット保険」は、飼い主の気持ちに寄り添うサービス2016年5月に創立12周年を迎えたアイペット損害保険。ペット保険業界では第2位のシェアを誇っています。提供するサービスは、キャッチフレーズの『ハートのペット保険』の文字通り、飼い主さんとペット両方に“優しさ”を感じさせるものでした。「通院から入院、手術まで幅広くカバーするペット保険『うちの子』プラン、手術費用に特化したペット保険『うちの子ライト』プランの2種類を用意しています。『うちの子』はお客さまのニーズに応じて50%か70%のどちらかを選べます。『うちの子ライト』は猫なら月々780円から、犬なら月々990円(※1)からに設定しています」(福岡さん)「うちの子」プランでは、加入者にペットの写真が入ったカード型の保険証を配布しているそうです。アイペット対応動物病院(※2)の窓口で、保険証を提示するとその場でお客さま負担分(保険で保障される金額を除いた額)のみのお支払い(窓口精算)となり、保険金請求の手間がかかりません。現在は約3,800の動物病院と提携しているそうです。加入者から「近所の病院にも対応してほしい」というリクエストがあれば、できる限り社員が病院に訪問して交渉。アイペットに対応していない病院の場合は、一旦動物病院へ診療費を全額お支払いしたあと、保険金請求をする必要があるそうです。ペットの顔写真入りが好評の保険証「お金はもちろん手間など保険金請求の負担を軽減するため、提携いただける病院さんは今後も増やしていきます。お客様の声から生まれた『うちの子ライト』は、高額になりがちな手術費用の負担に対する不安を軽減したいと考えて作りました。手術費用の補償に特化しているため、保険料は「うちの子」よりも抑えておりますが、いざというときに備えられるんです」(福岡さん)加入の敷居を低く、より多くの人が使いやすいサービスへアイペット損害保険では、新規で加入できるペットの年齢は12歳11ヶ月まで(終身継続可能)。種別や種類にもよりますが、一般的にペットは7歳から「高齢」とされ、病気や怪我が増えてきます。しかし、敢えて12歳11ヶ月まで加入できるのも理由があります。「本当に必要なときに加入できないペット、お客様を減らしたいと考えました。もちろん年齢が若くて元気なほど月々の保険料は低くなりますが、保険が必要になる可能性が高い高齢のペットでも“加入できる”ようにすることが大事だと考えました」(福岡さん)保険は困ったときにあると便利なものですが、そもそも「困った」にならないような気持ちを作りたいと考えたそうです。つまり、保険に入る安心感でペットと思いっきり生活を楽しんで欲しい。これは人も同じですよね。「病気になるかも……」とビクビクしながら生活するのではなく、「病気になっても安心」と思いっきり生活する。そういう生活をしていると不思議と病気にならないものです。だから、ペットショップを始めとした代理店と提携して「病気になる前」に保険の存在を知ってもらい、一緒の生活を思いっきり楽しんでもらいたいという“想い”を込めたそうです。病気になっても大丈夫、という安心感を与えてくれる「お守り」のような存在アイペット保険に加入しているペットの年齢は約半数が2歳以下となっています。ペットが若くて元気なうちから将来に備えている飼い主さんが意外と多いことがわかります。【ペットの傷病ランキング】出典:「ワンちゃんやネコちゃんの0~1歳は人間の0~18歳に相当すると言われています(諸説あり)。この期間、ペットは急激に成長するので、骨格や体調が不安定で怪我や病気にかかりやすいんです。また7歳以上の高齢になると、老化にともなう臓器の病気が増えます。犬種や猫種によってもかかりすい病気があり、例えば小型犬の場合は関節が外れたり骨が折れたりといった傷病が多くなります」(福岡さん)アイペット損害保険では契約件数25万件のうち、一年間の保険金請求件数が47万件。1契約者あたり約2回は保険請求をしている計算になります。アイペット契約者へのアンケートでも、約9割が1年に1度は動物病院を利用しています。幼い時期に多い「異物誤飲」で8万円近くかかったという例も! 決して安くはないですよね。・ペットの病気ケーススタディ 「保険料は年齢で決まっていきます。もちろん、前年の請求回数で割増になるということもありません。もし、前年に一度も保険金のお支払いがなかった場合は、翌年度の保険料が5%割引になります。アイペット損害保険は、ペットと安心して一緒に暮らし、いざというときにも助けになってくれるお守りのようなイメージを持って欲しいと考えています。」(涌井さん)ライター所感:ペットは体調が悪くても自分ではどうすることもできませんよね。タンス貯金をしている飼い主さんもいると思いますが、大きな病気になったとき、全然足りないかもしれません……ペット保険に入っておけば、いざというときにより余裕を持って大切な家族の命を守ってあげられるかもしれません。そして、涌井さんのように大事な家族にできる限りのことをしてあげられるかもしれません。ペット保険、ワンちゃんネコちゃんとの幸せな暮らしのために一度検討してみるのはいかがでしょうか?アイペット損害保険 ※1 犬種や年齢によって保険料が変わります※2 アイペット対応動物病院検索 ライター:柏木 真由子
2016年09月15日質問:もうすぐ子どもが産まれるので、学資保険への加入を考えています。学資保険に加入できるのは、子どもが何歳から何歳までですか?保険会社にもよりますが、出生前から最長15歳まで加入できるものがあります。学資保険は、「祝い金、満期金を受け取るタイミング」=「進学のタイミング」ですから、「残り期間が短い」=「お子さまの年齢が高い」と、積立と保険料運用の期間が短くなり、貯蓄メリットが低くなるため、加入時のお子さまの年齢にも制限があります。では、学資保険に入るタイミングはいつがいいのでしょうか。学資保険の仕組み学資保険は、「祝い金や満期金の目標額を、何年かけて積み立てるか」がポイントです。18歳満期の場合、0歳から18歳までの18年間かけて積み立てるより、小学校1年生の7歳から18歳までの11年間で積み立てるほうが、1カ月あたりの保険料は高くなります。保険会社もお支払いいただいた保険料を11年間だけ運用するより、18年間かけて運用した方が、より高い返戻率を確保しやすくなります。また、お子さまの成長とともに、ご契約者であるご両親の年齢もアップすることで、保険料は高くなり、支払った保険料総額に対する受取額の返戻率が下がることになります。「出生前加入特則」とは?まずは出生前での加入について考えてみたいと思います。すべての保険会社ではありませんが、出生前に加入できる「出生前加入特則」がある学資保険があります。多くの場合、出産予定日の140日前から加入することができます。万一、死産や流産となった場合は、契約は「無効」となり、支払い済みの保険料は全額返金されます。出産前加入の特徴学資保険を検討中のお客さまとの相談時に、「学資保険への加入は、子どもが生まれて落ち着いてからにしようかな……」というお声をよく耳にしますが、出産時の里帰りや、出産後の育児にとられる時間を考えると、出産後は落ち着いてご夫婦で話し合う時間がなかなかとりにくいものです。そのため、出産前こそ、ご夫婦でゆっくり相談できる「落ち着いた時期」ともいえます。この時期にじっくりご夫婦でお子さまの将来を考え、加入の手続きをされた方が、出産後に慌てて加入するという状況を防げるのではないでしょうか。しかし、出生前加入をされた場合、加入後にプランの見直しが必要になる場合があります。例えば、出産後、それまでお仕事をされていた奥さまが何らかの事情で働けなくなり、収入が減少したような場合、家計の負担とならない保険料のプランへ見直しが必要になる場合もあります。出産後加入の特徴次は出産後に加入する場合を考えてみましょう。お子さまの進学については、実際に誕生されてから検討される方も多いかと思います。早めに一般的なプランで学資保険をスタートすることもできますが、私立学校への進学を検討される場合、標準プランより大きな受取額のプランへの加入が必要になる場合もあります。出産後であれば、そうした事情も考慮して検討することができます。また、出産後のご家庭の収入、支出の状況に応じたプランの検討ができます。例えば、産休後、すぐに職場復帰する予定だったが、何らかの事情で職場復帰が難しい場合もあり得ます。お子さまが誕生された後であれば、ご家庭の経済状況の変化を踏まえながらプランの検討ができます。しかし、出産後加入の場合、タイミングによっては、ご契約者やお子さまの健康上の問題で、希望通りのプランに加入できない場合があります。多くの場合、学資保険に加入しようとしたときに、ご契約者の方の健康状態を申告することになります。その際、健康状態によっては、希望通りのプランに加入できないことがあります。また、お子さまの年齢が上がるほどプランの選択肢は少なくなり、一般的には、返戻率も下がるため、貯蓄効果が低くなります。前述したように、学資保険の返戻率は、保険会社が保険料を預かる期間(運用期間)が長いほど、返戻率が高くなる仕組みになっています。よって、各保険会社とも被保険者となるお子さまの加入可能年齢に制限を設けています。早い場合では5歳までや、小学校入学前の7歳までとしている商品が多くあります。小学校入学後に加入できる学資保険は少なく、0歳で加入した場合と比較し、返戻率も低くなります。妊娠がわかったら、できるだけ早く学資保険の検討を始めましょう。以上のように、学資保険への加入タイミングを遅らすことにメリットは多くありません。可能であれば、妊娠中に検討をスタートさせ、他の生命保険の見直しとともに、全般的な保障の検討を行ってみてください。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年09月15日質問:学資保険の返戻率とは何ですか?また、学資保険の契約内容によって返戻率は変わりますか?学資保険の返戻率とは、支払保険料総額に対して、受け取れる保険金(祝い金や満期保険金)総額の割合のことです。学資保険に限らず、貯蓄型の保険を検討する場合、多くの方が返戻率を一つの指標にされています。この返戻率は、保険料の支払期間や支払方法、「祝い金」や「満期保険金」の受取時期によっても変動しますので、パンフレットに記載されているモデルプランの返戻率だけでなく、希望条件にもとづいて作成された「保険設計書」で確認するようにしましょう。返戻率とは返戻率を算出すると、受け取れる予定の祝い金や満期保険金などの総額が、保険会社に支払った保険料に対して、どれくらいの割合で増える(または減る)のかを知ることができます。返戻率は以下の計算式で求めることができます。返戻率(%)=(祝い金+満期保険金)÷(支払保険料総額)×100この返戻率が高いほど、貯蓄性が高いといえます。契約内容によって変動する返戻率返戻率は学資保険の契約内容によって変動します。■「返戻率<100%」の場合いわゆる「元本割れ」という状態です。学資保険で「効率よくお金を貯める」ことを目的にされている場合は不向きなプランといえます。このタイプの学資保険は、祝い金や満期保険金などの貯蓄にあたる部分以外に、保障がセットされているのです。保障の代表的なものとしては、以下のようなものがあります。お子さまの医療保障:お子さまが入院や手術をした際に給付金が受け取れる。育英年金:契約者(保護者)が死亡または所定の高度障害の状態になった際に、祝い金や満期保険金以外に所定の「年金」が受け取れる。いずれも、お子さまをとりまくリスクに対応するものですので、学資保険で一元管理できる良さはあるでしょう。しかし、契約者の方がほかにも死亡保険に加入していたり、お子さまの入院時の備えが別にある場合には、保障が重複することになります。学資保険に保障機能があると、貯蓄性を損ないますので、総合的な判断が必要になります。■保障内容以外にも返戻率が変動する要素があります。<契約者の性別>多くの学資保険では、「保険料払込免除特則」が付加されています。これは、契約者が死亡または所定の高度障害状態になった場合に、それ以降の保険料の支払いが免除になった上、予定通りの祝い金や満期保険金が受け取れる特則です。死亡・高度障害状態に該当する確率は、性別や年齢によって変わりますので、契約者の性別・年齢により保険料が変動します。一般的には、同じ年齢の男女の場合、契約者が女性の場合の方が保険料は低く設定されています。返戻率は、支払保険料総額に対する祝い金・満期保険金総額の割合ですので、支払保険料総額が少なくなれば、返戻率はアップします。ただし、女性の方が保険料が低く設定されているからといって、父親が家計を支えている家庭なのに、母親を契約者にすると、父親に万一のことがあった場合、保険料払込免除が受けられず、保険料の支払いに困る事態になります。学資保険の加入を検討する際は、返戻率だけでなく、総合的に判断するようにしてください。<保険料の支払方法>学資保険のパンフレットなどで紹介されている保険料のほとんどが「月払い」での保険料ですが、「年払い」などの選択肢もあります。例えば年払いとは、保険料を毎月支払うのではなく、1年に1回まとめて支払う方法です。一般的に、年払保険料の方が月払いの12カ月分よりも低く設定されています。1年間では差はわずかでも、保険期間中の総額で比較すると差が大きくなり、先に述べたように、支払保険料総額が変わると返戻率も変わってきますので、月払いと年払いそれぞれの返戻率の試算を比較しておくことをおすすめします。また、「まとめて支払う」方法として、ほかに「一時払い」や「全期前納払い」などがあります。支払方法は、保険会社によって受付条件が異なります。詳細は保険会社や保険代理店にあらかじめご確認ください。<保険料の支払期間>学資保険のモデルプランの多くは、被保険者であるお子さまが高校3年生まで(17歳払済または18歳払済)保険料を支払う設定になっています。保険会社によっては、このモデルプラン以外にも、保険料の支払期間が選べる場合があります。その目的として、教育費の支出が増える高校生までに保険料の支払いを済ませてしまう。兄弟との年齢差を考え、教育費の増加する時期までに保険料の支払いを済ませてしまう。一般的に、支払保険料総額は、支払期間が短いほど少なくなるため、返戻率のアップが期待できる。などが挙げられます。保険会社によって支払期間の設定はさまざまですが、短いところで「5年間」、ほかには「10歳まで」「15歳まで」などの選択ができる場合があります。1回あたりの保険料は、高校3年生まで支払うタイプよりもアップしますが、一般的に支払保険料総額は支払期間が短いほど少なくなりますので、その分返戻率もアップします(注1)。ほかに、手持ち資金にゆとりがある場合は、保険会社によっては、一時払いや全期前納払いで保険料を契約時に全額納めてしまうプランもあります(注2)。ただし、いずれの支払期間を選択しても、祝い金や満期金の受け取りタイミングが早まるわけではありませんのでご注意ください。(注1)加入時のお子さまの年齢によって、支払期間の選択に制限がある場合がありますので、詳細は保険会社や保険代理店にご確認ください。(注2)一時払いについては、保険料払込免除特則が適用されない場合がありますので注意が必要です(全期前納払いの場合は同特則は適用されます)。返戻率だけにとらわれすぎないように。必要な時に必要なお金が使えることが大切です。返戻率の仕組みは、先に述べたように、支払保険料の総額に対する祝い金・満期保険金の総額の割合ですので、支払保険料の総額を少なくできれば、返戻率はアップします。返戻率は高いに越したことはありませんが、注意も必要です。お子さまの成長に伴い、予定外の急な出費が発生することは少なくありません。また、お子さまの進路選択によっては、中学や高校の間にまとまった資金が必要になる場合もあります。学資保険の加入に際しては、返戻率だけでプランを選ばずに、余裕をもった支払方法を踏まえた検討をするようにしましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年09月15日質問:過去に病歴があっても、医療保険に入れますか?ご安心ください。高齢化社会を反映し、既往症がある方だけでなく、治療中の方でも加入しやすい保険が増えています。みなさんがよく目にされるのは、「誰でも月々○○円でOK」などのコマーシャルでしょうか。また、ネットに掲載されている情報も豊富になり、ご相談者の方から「私は既往症があるので、加入条件の緩やかな『引受基準緩和型』じゃないとだめだと思います」と、申し出てこられるケースも増えました。注意ポイントその1「うまい話には裏がある」じゃないですが……コマーシャルでよく目にする「誰でも保険料が一律」という保険は、以下の2つのタイプに分かれます。保険料は年齢、性別にかかわらず一律だが、給付対象となるのは「傷害(ケガ)での入院や手術のみ」という、「傷害保険」のケース。「病気」「ケガ」でも給付対象となる「医療保険」だが、加入時の保険料は一律でも、年齢・性別によって受け取れる給付金額が異なるケース。「入れてラッキー」「安くて良かった」といっても、いざという時に思っていた給付金が受け取れなければ意味がありません。加入前に、給付条件をよく確認するようにしてください。注意ポイントその2本当に引受基準緩和型しか入れないの!?既往症がある場合や治療中の場合、本当に保険料が一般的に高くなる『引受基準緩和型医療保険』にしか入れないのでしょうか。病歴の種類や治療内容にもよりますが、完治している場合はもちろん治療中でも、一般的な医療保険に加入できる場合があります。完治してから5年以上経過している場合告知義務は、申込日(告知日)からさかのぼって5年以内の治療歴が対象です。最後の治療(経過をみる検査を含む)から5年以上経過していれば、申告は不要です(一部のプランは、5年以上経過していても申告対象になる場合がありますのでご注意ください)。5年以内に治療歴があっても、保険会社が定めた、保険に加入できる範囲内の治療内容に該当する場合治療内容の詳細を申告する必要はありますが、「特別条件」付(「部位不担保」や「割増保険料」など)で受け付けてくれる場合があります。この場合のメリットは、引受基準緩和型より一般的に保険料が安くなることで、デメリットは、「部位不担保」の適用期間は、一部の給付金が受け取れない場合があることです。※部位不担保…主に医療保険に適用される条件で、契約日から一定期間または保険期間の全てにわたって、身体の特定部位などを保障の対象外(不担保)とすることを条件に契約する方法。最初から「引受基準緩和型」を検討するのではなく、必ず保険会社や保険代理店に相談してみましょう。注意ポイントその3あえて引受基準緩和型の選択肢も!「引受基準緩和型医療保険」のわかりやすいメリットは、一般的な医療保険より緩やかな健康告知で加入できることです。また、保障開始後の1年間は給付金が半額になるというのも特徴ですが、これはデメリットと受けとられがちです。しかし、実は、この1年以内の保障はメリットでもあります。なぜなら、一般的な医療保険の「部位不担保」などが適用された場合、因果関係のあるものは不担保期間中の給付金はゼロですが、引受基準緩和型医療保険の場合は、半額になるとはいえ、既往症と因果関係の強いものでも給付対象になりえるからです。ご自身にとって、どの選択肢がベストなのか、十分に比較しながら検討されることをおすすめします。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年09月09日質問:「医療保険」と「がん保険」は保障内容が似ていますが、違いは何ですか?両方必要ですか?「医療保険」と「がん保険」の両方に加入することをおすすめします。この二つの保険の違いは以下の通りです。「医療保険」と「がん保険」の違い「医療保険」は、病気やケガで治療のための入院や手術をしたときに、給付金を受け取ることができる保険です。がんで入院や手術の治療を受けた場合、医療保険の給付金支払いの対象になりますので、「がん」への備えとしても有効です。しかし、医療保険は、入院日数に応じた給付金支払いが基本になるため、入院日数が短期化傾向にある現状では、受け取れる給付金総額が、がん治療に十分な金額になるとは限りません。一方、「がん保険」は、対象となる疾病が「がん」に特化されているのが特徴です。例えば、100万円単位の給付金が受け取れる保障が用意されている場合がありますが、がん以外の病気やケガについては保障されません。がんで治療を受けた場合、「医療保険」でも「がん保険」でも給付金を受け取ることができますが、それぞれに特徴がありますので、双方を補い合うように備えることが理想だといえます。がんの治療を受けた場合の比較■医療保険がんの種類:「悪性新生物」「上皮内新生物」ともに給付金支払いの対象となる。入院、手術:治療を目的にしたものであれば給付金支払いの対象となる。通院:「通院の保障」が含まれていれば給付金支払いの対象となる。ただし、治療が目的である入院前後または退院後の通院に対し、給付金が支払われる(プランにより日数制限あり)。がんと診断された場合:一般的に診断確定だけでは支払い対象となる給付金はなし。■がん保険がんの種類:保障内容により、「悪性新生物」のみ給付金支払いの対象になる場合や、「上皮内新生物」も給付金支払いの対象になる場合がある。入院、手術:治療を目的にしたものであれば給付金支払いの対象となる。入院給付金は支払日数無制限の設定が多い。通院:「通院の保障」が含まれていれば給付金支払いの対象となる。ただし、治療が目的の通院でなければ保障の対象にならない。保障内容により支払日数の制限や、所定の治療に制限される場合がある。がんと診断された場合:多くの場合「診断給付金」が給付される。「医療保険」も「がん保険」も、特約を付加することで通院保障やがんと診断された場合の保障を補うことができる商品がありますので、よく確認するようにしましょう。では、がんに備えるために、あえて優先順位をつけるとすればどうでしょう。保険の目的のひとつは、経済的リスクに備えることです。がんになった場合、一般的な病気やケガに比べて、経済的負担が大きくなる可能性が高くなります。そのため、入退院を繰り返したり、治療が長期に渡ったり、負担する医療費が高額になったりする可能性の高い「がん」に特化した「がん保険」こそ、万一のときの備えとして優先すべきではないでしょうか。長期に渡る治療 ~「がん治療」は入院だけではない~以前の「がん」治療といえば、長い間入院生活を余儀なくされるイメージが強いのではないでしょうか。しかし厚生労働省「平成26年(2014)患者調査」によると、現在がんでの1回あたりの平均入院日数は、19日程度と短くなっています。では、なぜ、がんは「治療が長引く」といわれるのでしょうか。その答えは、「入院・手術」以外のがん治療にあります。がんと診断されてから、病状確認のための検査や、患部への手術が行われる時期があります。その後、再発防止のため、抗がん剤などを利用した化学療法や放射線治療などが実施される期間があります。この期間の治療は、6カ月ほど継続することが一般的で、入院を伴わない通院治療が増えています。他にも、がんそのものへの治療後に、日常生活の質の向上のためリハビリに取り組む期間があります。これらの期間の合計が「がんの治療期間」であり、それぞれに医療費負担が発生することを想定する必要があります。健康保険適用外の治療の可能性がんにかかわる治療の特徴のもうひとつが、健康保険などが適用されない費用が発生する可能性があることです。がんの治療では、健康保険適用の治療で効果が薄い場合、健康保険の適用されない治療を選択するケースもありえます。代表例として、「先進医療(※)」の「重粒子線治療」は、自己負担額が300万円程度になるケースがあります。また、先進医療以外にも健康保険適用外の治療が存在するため、健康保険適用外の治療を選択せざるを得ない可能性が、医療費の自己負担額が高額になりやすい一因といえます。また、がんは治癒後も再発していないかを確認するための検査や診察を受診しなければならず、多くの場合、経過観察として定期的な検査を受診することになります。(※)「先進医療」とは、厚生労働大臣が認める医療技術で、医療技術ごとに適応症(対象となる疾患・症状等)および実施する医療機関が限定されています。また、厚生労働大臣が認める医療技術・適応症・実施する医療機関は随時見直されます。最近では、医療保険に「がん特約」をつけることができるタイプも増えてきていますので、「医療保険」と「がん保険」のどちらも加入するのか、現在加入中の保険全体を見直すのか、複数の保険会社の商品を取り扱っている総合代理店で相談してみることをおすすめします。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年09月09日日本には、国民全員が加入している公的医療保険があります。これにより、病気やケガの際の治療費は、1割~3割の負担で受けることができます。さらに、子育て世代には、自治体による医療費助成制度があり、ある一定の年齢まで子どもの医療費負担は、無料~数百円(※)となる場合がほとんどです。このような公的医療保険や自治体の助成があるため、医療費負担が家計に占める割合は多くないといえます。それでは、民間の医療保険は果たして必要なのでしょうか。※市町村により金額および、医療費助成を受けられる要件が異なります。公的医療保険の保障範囲まずは、公的医療保険の保障範囲についてみてみましょう。病気やケガの際に病院へ支払う医療費負担は、年齢により負担割合が異なります。上記負担には1カ月間で上限が定められており、上限を超えた分の医療費は、高額療養費制度により還付される仕組みとなっています。公的医療保険でカバーできない医療費公的医療保険には高額療養費制度があり、医療費を全てカバーできるように思えますが、医療費には、公的医療保険ではカバーできないものもあります。それは、「保険がきかない医療費」や「自己負担が必要な入院費等」です。■保険がきかない医療費「先進医療」といわれている保険対象外の治療方法を選択した際の医療費は、全額自己負担になります。■自己負担が必要な入院費等個室や少人数の部屋に対して、上乗せして支払う費用を「差額ベッド代」といいます。この上乗せ費用は、全額自己負担となります。また、入院時に病院から出る食事の費用は、1日あたり千円強程度ですが、この食事代も全額自己負担となります。その他、病院から借りた入院用の被服費なども自己負担となります。医療費以外にかかる費用病気やケガの際にかかる費用には、病院へ支払う医療費以外にもあります。病院までの交通費や、子どもが小さい場合に子どもの世話を頼む際の費用なども、医療費以外に必要となる費用です。そして、治療に伴う費用として、がん治療の副作用に対応するかつらや、乳がん治療後に行う乳房再建など、療養時にかかる医療費以外の費用もあります。また、病気やケガにより収入が途絶えることも想定できます。このような、公的医療保険でカバーしきれない部分を補うのが、医療保険です。個々のライフスタイルやリスク、考え方等により、医療保険だけでなく、がん保険、就業不能保険等も選択肢に入れ、病気やケガをした際の不安を補えるよう、適切な保険を選択されることをおすすめします。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年08月30日はじめに火災保険では、建物と家財を分けて契約しますので、保険の対象を、「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財」の大きく3つに分けることができます。建物のみの契約の場合、家財の損害は補償されませんので、持ち家の場合は、建物と家財の両方の保険を契約することになります。賃貸住宅の場合、建物の補償については賃貸人(家主)が契約しますので、賃借人(入居者)は家財のみの保険を契約することになります。以下、主に持ち家の場合の火災保険の選び方についてみていきます。STEP 1建物の構造級別持ち家、賃貸ともに、建物の構造により火災の危険度が異なるため保険料が変わります。住宅専用の建物は、M構造(マンション構造)、T構造(耐火構造)、H構造(その他の構造)の3つの構造級別に分類されます。構造級別と保険料の関係は以下の表のようになります。自宅の保険料を知るために、最初に建物の構造級別を調べておきましょう。STEP 2補償の範囲を決める火災保険の多くは、ベースとなる補償部分と任意に選択できる補償部分に分かれています。どんな補償がベースとなる補償部分に含まれるかは保険会社によって異なりますが、「火災」「落雷」「破裂・爆発」に対する補償はベースとなる部分に含まれることが多く、「風災」「雹(ひょう)災」「雪災」「漏水等による水濡れ」「自動車の飛込み等による飛来・落下・衝突」「騒じょう等による暴行・破壊」「盗難事故」に対する補償もベースとなる部分に含めている保険会社があります。また、「水災」は、マンション等共同住宅向けプランには、ベースの補償ではなく任意に選択するプランになっていることがあり、「不測かつ突発的な事故による破損・汚損等」に対する補償は、任意に選択できる補償としている保険会社があります。このほか、「失火見舞費用特約(自宅の火災等によって近隣の建物等に損害が発生したために支出した見舞金等の費用が補償される特約)」や、「個人賠償責任特約(偶然な事故により他人にケガを負わせたり、他人の物を壊したりした場合の法律上の損害賠償費用を補償する特約)」などの特約を用意している保険会社もあります。補償範囲を拡げれば、その分保険料が高くなります。保険の対象となる建物の立地(高台か低地か、山や川に近いかなど)や、居住環境(住居がマンションの高層階にある等)によって、任意に選択できる補償をプラスするかどうかを検討しましょう。また、契約の際、損害額に対する自己負担額の設定ができます。自己負担額を高めに設定すると、保険料を安く抑えることができます。STEP 3建物の保険金額および家財の補償金額建物の保険金額の設定方法には、再調達価額(新しく建て直す時の価額)を基準にする方法と、時価額(再調達価額から経年劣化分を差し引いた価額)を基準にする方法の2つがあります。大半の火災保険では、再調達価額をベースに保険料を算出しています。家財の補償金額は、各保険会社で世帯主の年齢と家族構成による補償金額の目安をパンフレット等に提示しています。それを参考に補償金額を検討しましょう。STEP 4保険期間を決める火災保険の保険期間は1年ごとの契約のほか、保険会社によっては最長10年の契約ができます。長期契約の場合は、割引率が設定されていますので、1年ごとの契約に比べ割安になります。近年の台風やゲリラ豪雨、大雪等の災害リスクにより、保険料は上昇傾向にあります。長期契約は、今後の保険料の上昇にも備えられることが期待できます。STEP 5地震等に備える火災保険では、「地震・噴火またはこれらによる津波による損害」は、補償の対象外になります。ただし、地震火災費用保険金が支払われる場合があります。これらの損害に備えるには、別途、地震保険への加入が必要になります。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年07月07日働く主婦の皆さん、「扶養の範囲」が変わるのを知っていますか? パートが社会保険に入る条件 の続きです。平成28年(2016年)10月から、パートが社会保険に入らなければならない条件が引き下げられる。社会保険料は大きな金額なので、パートなのに社会保険料を支払うとなると、一定の年収までは「社会保険料を支払わなくてよいラインギリギリ」よりも手取りが減ってしまう。引き続き、社会保険労務士の守屋三枝先生にお話を伺った。■パートなのに社会保険に入ったら損!? 平成28年(2016年)10月にパートが社会保険に入るラインが引き下げられた後、「では、引き下げられた条件でパートが社会保険に入った場合、いくら稼げば採算がとれるのだろう?」といった議論が巷ではすでに始まっている。結論から言うと、収支の黒字ラインは世帯ごとに違う。目安としては、「年収106万円に引き下げらえた後、収支が黒字になるラインは、125万円~130万円あたり(※1)でも、ここは本当にギリギリのラインで、年収200万円くらいになってやっと社会保険を支払ってでも、その分働いた方が良いといいう気持ちになると言われています」(守屋先生)これは、あくまで目安。この数字は、一番のボリュームゾーンである「夫の年収が500万円」の場合をもとに、妻の社会保険料を適宜設定して試算した数字にすぎない。一般論の数字なのに、この数字を、あたかも絶対に破れない「ガラスの天井」のように捉えるのは、もったいないと私は思う。(※1)夫の年収が500万円で妻が協会けんぽに入った場合で試算 ■目安は、「自分の社会保険料分をクリア」夫の年収が500万円の場合は、妻がパートで社会保険に加入しても黒字になるラインは125万円~130万円。では、「我が家の場合」を考えるにはどうしたら良いのだろうか?その目安として提案したいのが、夫の年収に関わらず、「可能な範囲で勤務時間を調整したとき、自分の社会保険料分を支払っても(クリアしても)、以前の収入と変わらない額を保てるかどうか」という考え方だ。具体的な例として、年収が106万円の場合で考えてみよう。 第1回目 で紹介したとおり、年収106万円の場合、社会保険料の月額は13,460円になる。時給1,000円で、自分の社会保険料分である月額13,460円をクリアする(=社会保険料分を差し引いても、それまでの収入を保つ)ためには、今までより14時間多く働く必要がある。今まで毎日4時間だったところを毎日5時間働けば、1ヶ月で合計22時間となり、社会保険料はクリアできて、世帯の収支は黒字となるママでもある主婦にとって、「働く時間を1日4時間から5時間に伸ばす」というのは現実的ではないのかも。けれども、自分で限界を決めてしまわず、「社会保険に入った先」つまりは、「ガラスの天井の先」を具体的にイメージしてみても損はないと思う。実際に社会保険に入れば、お給料明細を見て、具体的に自分の社会保険料が計算できる。社会保険料=厚生年金保険料+健康保険料+雇用保険料 ■「パート仕事」は、2極化していくどうして、パートが社会保険に入ることを具体的に想像してみたほうがよいかというと、「長い目で見ると、おそらくパート仕事(女性の働き方)は、2極化していくと思われる」(守屋先生)から。守屋先生は、パート仕事が将来こんなふうに分かれていくのでは? と予想している。1.企業は、社会保険料を負担したくないので、「扶養の範囲」で働いて欲しい。2.企業は、有能な働き手の数は限られているので、有能な人は囲い込みたい 前者の層が請け負う仕事は、できるだけコストを抑えたいから賃金は安くなる。後者の層が請け負う仕事は、人を囲い込みたいので、必然的に賃金は高くなる。今までは何となく一括りになっていたパートだが、これから先、2極化していく可能性があるのだ。そんな未来図を前に、ママたちは、どんなことを考えておけばよいのだろうか? 御自身も3世代同居の専業主婦から社会保険労務士になった守屋先生 は、こんなふうにアドバイスをしてくれた。「ひと口に“働く主婦”といっても、置かれている状況はさまざまだと思います。 “扶養の範囲”というガラスの天井で限界を決めてしまわず、自分に許される最大の公約数の働き方を探してみては? 子育ては、いずれ終わります。その時に自分を支えてくれる“夢中になれる何か”は、仕事をする中で見つかるかもしれませんよ」次回は、「ここが知りたい! 扶養の範囲Q&A集」です。
2016年06月28日はじめに火災保険は、火災やガス爆発などの破裂・爆発以外に、自然災害による損害にも備えることができます。火災保険で損害を補償される自然災害は、「落雷」、「風災・雹(ひょう)災・雪災」、「水災」などです。なお、「地震・噴火またはこれらによる津波」による損害は、火災保険の補償の対象から外れます。これらによる損害に備えるには、別途「地震保険」への加入が必要になります。以下、建物と家財の両方を補償対象とした火災保険のケースで、それぞれの自然災害に対する補償プランの内容についてみていきます。なお、補償プランのなかには、火災保険の商品によっては特約として別途加入する必要があるものがあります。落雷による損害雷が落ちて屋根に穴があいた場合や、落雷によりパソコンやテレビなどの家電商品が壊れた場合、その損害に対して損害保険金が支払われます。風災・雹(ひょう)災・雪災による損害風災とは、台風・旋風・竜巻・暴風などをいい、洪水や高潮などは除かれています。台風や竜巻などによる強風により、家の屋根瓦が飛んだり、風で飛んできたものにより窓ガラスが割れたり、壁に穴があいたりした場合や、台風などにより窓が割れ、雨が吹き込んで室内の家具に損害が生じた場合に損害保険金が支払われます。雹(ひょう)災は、雹(ひょう)により窓ガラスが割れたり、ベランダの床に穴があいたりした場合、損害保険金が支払われます。また、窓ガラスの割れた部分からの吹き込みによって、室内の家具に損害が生じた場合にも損害保険金が支払われます。雪災は、豪雪による雪の重みや雪の落下などによる事故や、雪崩により建物が倒壊した場合の損害などに対して損害保険金が支払われます。ただし、融雪水による水漏れや凍結、融雪洪水、除雪作業による事故は、補償の対象外になります。水災による損害風災のところで補償の対象外になっていた洪水、高潮などは、水災を補償対象とするプランでは補償されます。洪水、高潮、土砂崩れなどにより家が流された場合や、洪水、高潮などが原因の床上浸水などにより、建物や家財に損害が発生した場合に損害保険金が支払われます。※火災保険における床上浸水の定義は、畳敷きや板張りなど居住の用に供する部分の床を超える浸水であり、土間やたたきなどは除かれています。まとめ以上、火災保険で備えることができる自然災害への補償プランについてみてきました。損害保険会社の多くは、火災、落雷、風災・雹(ひょう)災・雪災による損害の補償を基本とし、水災や盗難などをオプションとしたプランの火災保険を提供しています。近年、異常気象によるゲリラ豪雨や豪雪などによる自然災害の増加から、保険会社の支払う損害保険金が増え、それにより火災保険の保険料も上昇傾向にあります。住んでいる地域(高台・低地)や建物(戸建・マンション)による自然災害リスクを考えた補償を選択し、保険料を抑える工夫が必要です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年05月27日質問:海外旅行中、戦争・内乱・テロに巻き込まれた場合、海外旅行保険では、保険金の支払対象になりますか?戦争や内乱等の事変では、保険金の支払対象になりません。海外旅行保険において、戦争や内乱に巻き込まれた場合、保険金の支払い対象となりません。なお、テロの場合、保険金の支払対象となる商品が増えていますので、保険会社にご確認ください。
2016年05月26日