「美術展」について知りたいことや今話題の「美術展」についての記事をチェック! (11/12)
東海汽船は、東京都大島町で8月29日~9月13日にかけて開催される「アートアイランズTOKYO 現代美術展」に合わせ、出展作家が乗り込みレクチャーを行う「ツアーバス」を運行する。参加費はおとな1万1,100円、小学生6,000円。このツアーは、「アートアイランズTOKYO 現代美術展」におけるアート鑑賞のほか、会場へ向かう途中、大島特産の椿油を搾るための「椿の実拾い体験」もコースに組み込まれたもの。料金には東京~伊豆大島往復ジェット船船賃、島内バス代、昼食弁当代、保険料が含まれる。会期中2日間限定の催行で、現在募集しているのは9月13日に実施されるもの(既に8月30日のツアーは満席)。東京都・竹芝を8時頃出発し、10:00頃伊豆大島着。貸し切りバスでアート展会場や椿の実拾いの会場を回り、15:30に同島を出発。17:30頃に竹芝へ戻る予定となっている。なお、申し込みは東海汽船のWebページ、あるいは電話より行える。
2015年08月27日東京・六本木の国立新美術館にて9月2日から14日まで、「第100回記念 二科展」が開催される。1914年、文部省美術展の洋画部に対して新進作家たちが“第二科”の新設を働きかけたが実現できなかったことから、有志が日本洋画の革新をめざして集結して始められた「二科展」。“流派にとらわれず、新しい価値を尊重し、創造者の制作上の自由を擁護する”を信条とし、洋画界の黎明期に多くの著名な芸術家を輩出してきた。これまでの参加者は、安井會太郎、熊谷守一、東郷青児、岸田劉生、梅原龍三郎、小出樽重、中川一政、林武、佐伯祐三、宮本三郎、岡田謙三、藤田嗣治、岡本太郎など。海外からもジェレニェフスキー、マチス、ドラン、ピカソ、デュフィ、ブラック、モネ、ボナール、ブールデル、ゴヤ、ルオー、ロダン、モディリアーニなど、数多くの著名作家の作品が出品された。「第100回記念 二科展」では、同展に多大なる功績を遺した洋画家、彫刻家たちの作品を特別展示。歴代理事長の作品や、デザイン部と写真部の会員による同展に向けた作品も展開される。また、国立新美術館2階にある休憩室A、B、C、Dでは、絵画、彫刻、デザイン、写真の4部の会員有志によるコラボ展を実施。メインテーマは“あそび”、サブテーマは“ネコ100態”と設定され、様々な“ネコ”作品が展示される他、講演会やギャラリートーク、ミニコンサートなども予定している。また、二科の100年の歴史を一覧出来る「伝説の洋画家たち 二科100年展」が現在、東京都美術館で開催中。9月12日から11月1日まで大阪市立美術館、11月7日から12月27日まで福岡・石橋美術館でも行われる予定だ。【イベント情報】「第100回記念 二科展」会場:国立新美術館住所:東京都港区六本木7-22-2会期:9月2日~14日時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)※金曜日は20:00まで入場は19:30まで、最終日は14:00までで入場は13:00まで休館日:9月8日料金:一般1,000円、高大学生800円、中学生以下無料
2015年08月24日東京都・小平市の武蔵野美術大学 美術館・図書館は、演出家や作家の舞台美術を手がける同大学空間演出デザイン学科教授・堀尾幸男の仕事を紹介する「堀尾幸男『対(ツイ)』」を開催する。会期は10月13日~11月7日(日曜・祝日休館、ただし10月25日・11月3日は特別開館)。開館時間は10:00~18:00(土曜・特別開館日は17:00閉館)。入場無料。同展は、野田秀樹、三谷幸喜、いのうえひでのり、中島みゆきなどの、演出家や作家の舞台美術を手がける堀尾氏の仕事を、模型やスケッチ、図面などの舞台美術資料で紹介するもの。500公演を超える舞台美術のなかから厳選した、詳細な舞台模型や構想時に描かれたスケッチや図面などから、堀尾氏の舞台美術が立ち現れる過程、発想の瞬間に注目する展示となっている。また、展示空間は堀尾氏自身が会場デザインを手がけており、舞台空間さながらの会場で、堀尾氏の手がける舞台美術を体感することができるということだ。そのほか、別会場の美術館ホールでは、舞台公演の記録映像が特別に上映される。公演のなかで舞台美術がどのように存在し、機能しているかを観ることができるということだ。なお、堀尾氏は1946年広島県に生まれ、1965年に武蔵野美術大学 造形学部産業デザイン学科芸能デザイン専攻に入学。在学中に旧西ドイツのベルリン芸術大学に留学し、ヴィリー・シュミット教授の下で多様な空間造形を学びながら、自身の表現のかたちを探求した。卒業後は映画の特撮美術の仕事を経て、舞台美術家の金森馨氏に師事。1975年にはホリオ工房を設立し、81年のオペラ「ルチア」の美術を担当以後、現代劇、ミュージカル、オペラ、歌舞伎、落語など500公演を超える舞台美術を手がけており、朝日舞台芸術賞、読売演劇大賞最優秀スタッフ賞ほか多くの評価を得ている。また、吉祥女子中学・高等学校、武蔵野美術大学、東京藝術大学では非常勤講師として教鞭をとり、2010年からは武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科教授に着任している。また、関連イベントとして、会期中に堀尾氏とスペシャルゲストが出演するイベントが予定されている。日時などの詳細は、決まり次第同館ウェブサイトにて告知されるということだ。
2015年08月19日東京都・阿佐ヶ谷のTAV GALLERYでは、20名の現代美術家が"幽霊画"に挑むグループ展「現在幽霊画展」を開催している。会期は2015年8月23日まで。入場は無料。本展は、「幽霊画」という日本美術史における伝統的モチーフを、20名の現代美術家たちがそれぞれの解釈によって表現するグループ展。2014年にインターネット上で開催された「幽霊画展2014」の流れを汲んで開催される展示会で、絵画はもちろん、映像、写真、染色、彫刻、フィギュア、イラスト、パフォーマンスなど、さまざまな形式の作品が展示される。出展作家は、精神疾患を抱える現役芸大生による展覧会「メンヘラ展」の主催者・あおいうに氏、炎上アート集団・じゃぽにかの主要メンバーとしても活躍する杉田陽平氏、インターネットから生まれた芸術集団・カオス*ラウンジの創設者である藤城嘘氏など現在のアートシーンを象徴する気鋭の若手作家から、「幽霊画展2014」にて大賞を受賞した内田すずめ氏、子どもをモチーフとして現代社会が抱える問題を表現する下田ひかり氏、鉄彫刻作品を数多く手がける藤井健仁氏といった実力派作家など、主催者の美術作家・笹山直規氏のキュレーションによって選出された20名となっている。なお、笹山氏は本展のコンセプトについて、「古来より自然の中にある『気配』を敏感に感じ取ってきた日本人の美意識に注目したい。(中略) 本展は『妖怪・幽霊画』といった日本美術の歴史と、アーティスト達の『現在』が重なった新しい表現を追求してみたい」と語っている。詳細はTAV GALLERY公式サイトにて。
2015年08月17日パルはこのほど、「美しいアート(背景美術)の世界。」をパル秋田ビル2Fの特設会場「Gallery HARAJYUKU」(東京都渋谷区)にて開始した。同社は、8月30日まで渋谷ヒカリエ9Fで開催中の「細田守監督作品『バケモノの子』展」に協賛している。今回行われる「美しいアート(背景美術)の世界。」は、同展との連動企画として開催。期間中、細田守監督作品の背景美術をオリジナル含め約30点展示するという。また、会場内の対象店舗で5,000円(税込)以上の買い物をすると、同監督の最新映画作品『バケモノの子』とパルグループがコラボしたスペシャルノベルティ(非売品)がもらえる。対象店舗は、Ciaopanic原宿店、Kastane原宿店、mystic原宿店、who’s who Chico原宿店。ノベルティはなくなり次第終了となる。なお、同展の開催日時は8月30日までの11時~20時で、入場は無料。
2015年08月06日パルは31日より、細田守監督作品の背景美術を特集する特別展示「美しいアート(背景美術)の世界。」を開催している。会期は8月30日まで。開場時間は11:00~20:00。会場は東京都・原宿の「Gallery HARAJYUKU」(パル秋田ビル2F 特設会場)。入場無料。同展は、東京都・渋谷ヒカリエで開催中の「細田守監督作品『バケモノの子』展」の連動企画として行われるもの。細田守監督作品の背景美術について、オリジナルを含む約30点を展示する。また、期間中は会場内の店舗(Ciaopanic 原宿店/Kastane 原宿店/mystic 原宿店/who’s who Chico 原宿店)にて一定金額以上購入すると、細田守監督の最新作『バケモノの子』と同社グループがコラボレーションしたノベルティ(非売品)がプレゼントされる。なお、ノベルティはなくなり次第終了となるということだ。
2015年07月31日東京都・小平市の武蔵野美術大学美術館は、同大学教授・小野皓一の作家活動の軌跡と同大学での教育・研究成果を展覧する「小野皓一展武蔵野美術大学教授退任記念」を開催する。会期は9月1日~9月26日(日曜・祝日休館、ただし9月21日は特別開館)。開館時間は10:00~18:00(土曜・特別開館日は17:00閉館)。入場無料。同展は、小野氏の在独時から近年の作品まで約60点を一堂に集め、美術作品における物質性を一貫して追求してきた作家活動の軌跡と、同学での教育・研究の成果を展覧するもの。小野氏は、1970年本学油絵学科を卒業後まもなく渡独、国立ベルリン美術大学を修了後ベルリンを中心に制作を続け、2009年に同大学教授に着任し、2017年3月をもって退任する。小野氏は、今日の「絵画」が成立する要因と意味について研究を深め、物質が美術作品となることの境界を明らかにしようと試みてきており、この試みは、小野氏の代表的シリーズ《Writing Over Squares on Canvas》、《Destroying Squares on Canvas》などのシリーズとして発表され、現在までもその探求は続けられているということだ。なお、同展では、小野氏の代表的シリーズ《Writing Over Squares on Canvas》、《Destroying Squares on Canvas》、《Plate Tectonics》の中から、ベルリンで制作された70年代の作品から近年の作品までを揃え、その軌跡を通覧することができる。また、《Destroying Squares on Canvases》シリーズのうち、80年代から90年代にかけて制作された5色の大型作品、Earth・Water・Fire・Wind・Emptinessの全作が揃う、初めての機会となるということだ。また、関連イベントとして、和田浩一(宮城県美術館学芸部長)・小野皓一(武蔵野美術大学 通信教育課程教授)による対談が開催される。開催日時は9月3日16:30~18:00。入場無料。
2015年07月06日東京都・清澄白河の東京都現代美術館は、戦後美術の歴史や、作品の素材・表現に着目した展覧会「MOTコレクション 戦後美術クローズアップ」を開催する。会期は7月18日~10月12日(月曜休館、ただし7月20日・9月21日・10月12日は開館、7月21日・9月24日休館)。開館時間は10:00~18:00(7~9月の金曜日は21:00まで)。観覧料は一般500円、大学・専門学校生400円、高校生・65歳以上250円、中学生以下無料(企画展のチケットがある場合は別途観覧料は不要)。同展は、戦後70年の節目にあたる年度の「MOTコレクション」として、戦後美術の歴史や、作品の素材・表現に着目した展示を1階と3階、ふたつのフロアに分けて行うもの。1階では、戦後美術の流れを軸にした通史的な展示が行われる。おおよそ制作年代順に展示される作品からは、当時の社会状況を読み取ることができる構成となっている。また、3階では、古くから制作の素材である木と石、その現代の表現に焦点を当て、作品が開示する多彩な世界観を5つの部屋で探る。とくに、天井高のある3階では、小さな作品から大きな作品までが様々に組み合わさって展示される予定となっており、それぞれの作品のもつスケール感を楽しむことができる。なかでも、全長20mにおよぶ遠藤利克の「泉」は、14年ぶりの公開ということだ。なお、関連企画として、担当学芸員によるツアー「もっと!MOTコレクション」が開催される。開催日時は8月29日、9月26日の15:30より1時間程度。そのほか、会期中にトーク等のイベントを予定されている。詳しくは美術館ホームページにて。
2015年06月17日島根県立美術館は7月6日まで、企画展「招き猫亭コレクション 猫まみれ」を開催している。○"アートになった猫たち"が勢揃い同展では、猫を愛する美術コレクター「招き猫亭」のコレクションを展示。スタンラン、ビアズリーら西洋の画家たちが描いた猫、歌川国芳ら浮世絵の中の猫、明治~昭和を生きた版画家・高橋弘明の猫、竹久夢二、レオナール・フジタ(藤田嗣治)ら近現代美術の巨匠たちが描いた猫など、多彩な猫作品約330点が披露される。5月30日、6月7日、14日の14時からは、担当学芸員による作品解説のギャラリートークが行われる。6月13日の14時からは美術館ロビーにて「能の手法で語る 吾輩は猫である」を開催。出演は、下掛宝生流ワキ方・安田 登氏、能楽森田流笛方・槻宅 聡氏。6月28日の14時からは美術館講義室にて、同館主任学芸員の大森拓土氏による美術講座「江戸の猫アート」を行う。会場は、同館1階の企画展示室。開館時間:10時から日没後30分までで、展示室への入場は日没時刻まで。休館日は火曜日となる。観覧料(税込)は、企画・コレクション展をセットにした一般が1,150円。企画展のみは1,000円。なお、手持ちの「猫の写真」(プリント、デジタルデータも可)を受付で提示すると、4名までの観覧料が割引される。企画・コレクション展をセットにした一般が1,020円。企画展のみは900円となる。
2015年05月28日横浜美術館は、中国を代表する現代美術家・蔡國強(ツァイ・グオチャン/さい こっきょう)による個展「蔡國強展:帰去来(ききょらい)」を開催する。会期は2015年7月11日~10月18日。入場料(当日)は、一般1,500円、大学・高校生900円、中学生600円、小学生以下無料。「蔡國強展:帰去来」は、中国を代表する現代美術家・蔡國強による作品を集めた、国内では7年ぶりとなる大規模な個展。日本でも約9年にわたって創作活動を行っていた蔡は、その滞在中に火薬の爆発による絵画を発展させたといい、2008年に開催された北京オリンピックでは、開会式・閉会式の視覚特効芸術監督として花火を担当し、一躍注目を集めた。今では、世界の名だたる美術館での個展はもちろん、万里の長城やセーヌ川での大規模なプロジェクトや、ヴェネチア・ビエンナーレの国際金獅子賞受賞など、世界を代表するアーティストとして認められているが、本展タイトルには、そんな自身がアーティストとして自由な創作を開始した"日本という原点に戻る"という意味が込められているとのこと。本展では、近年の代表作「壁撞き(かべつき)」が登場。99匹の狼の群れをなして壁に挑む姿が話題となった全長40メートルにおよぶ大型作品で、日本では初公開となる。また、240枚の白い磁気パネルに四季の草花や生き物を描いた「春夏秋冬」のほか、横浜美術大学との恊働で制作されるテラコッタによるインスタレーション、横浜の歴史をふまえて作られたという大規模な火薬ドローイング、さらにその制作過程を記録したドキュメンタリー映像なども公開されるという。なお、7月11日には、蔡國強本人が登壇し、自身について語るアーティストトークも実施される。参加は無料だが、事前の申込が必要となる(定員240名を超える場合は抽選)。また同日には、親子を対象としたワークショップ「昼間の花火を描こう」も開催予定。このほか、詳細および申し込みは「蔡國強展:帰去来」特設サイトまで。
2015年05月25日月刊誌『美術手帖』で知られる美術出版社は、2015年3月に民事再生法の適用を申請していたが、このたび同社の事業再建に協力するスポンサーとして、カルチュア・エンタテインメントを選んだと発表した。美術出版社は3月11日の民事再生手続開始直後から、事業再建を目指してスポンサーの選定を進めていた。今回、多数の候補者の中から選ばれたというカルチュア・エンタテインメントは、TSUTAYA、蔦屋書店、およびTポイントプログラムを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブのグループ会社で、映像、音楽、出版などの企画・制作を行っている。同社はアート系書籍や雑誌を含む幅広い出版物を取り扱うほか、近年では美術関連事業にも注力するなど、美術出版社との親和性が極めて高いことから、スポンサーに選ばれたという。両社は監督委員の同意を得て、すでに基本合意書を締結したとのこと。美術出版社は今後、スポンサーであるカルチュア・エンタテインメントのもとで事業の再建を目指し、全社一丸となって事業の再生に取り組んでいくという。
2015年05月20日『美術手帖』によるアートニュースサイト「ビテチョー(bitecho)」が、5月15日にオープンした。同サイトでは、これまで『美術手帖』で取り上げてきたコンテンポラリーアートを始めとして、アート、デザイン、写真、建築、イラスト、工芸、雑貨、音楽、旅、映画などの幅広い分野で、『美術手帖』編集部のネットワークを活かしたアートの裏話を始め、季節モノや時事に合わせた特集記事などをアップ。さらに、展覧会の開催情報やアート界での最新の出来事なども掲載していく予定だという。読み物記事としては、「ミラノサローネで有田焼!? これからのARITAを世界に発信」や「危機をいかに乗りこえるか? 狩野派絵師たちに学ぶ3つの処世術」、「日本最高峰のパフォーマーが揃うバーレスク&ピンナップの祭典!」など、『美術手帖』ならではの切り口のものが並んでいる。なお、同サイトで掲載される記事は、SNSでもチェックすることが可能。Twitterでは最新の記事を随時紹介。Facebookでは読者に人気の記事をピックアップして展開していく。また、Instagramでは、編集部が取材で訪れた展覧会の写真などを配信。ハッシュタグ「#bitecho」を用いることで、作品や展覧会の写真をシェアすることも出来る。
2015年05月18日2015年3月に民事再生法の適用を受けていた、現代美術の雑誌「美術手帖」を発刊する美術出版社は15日、 新たなアートニュースサイト「bitecho(ビテチョー)」を公開した。「bitecho」は、"創造力を社会に生かす"というコンセプトのアートニュースサイト。これまで「美術手帖」で取り上げてきたコンテンポラリー・アートに留まらず、デザイン、 建築、 ライフスタイル、イラスト、工芸、雑貨、音楽、旅、映画など、カルチャー全般の情報を幅広く発信していくという。また、同サイトでは季節や時事に即した特集記事や、「美術手帖」編集部のネットワークを活かしたアートの裏話などを配信予定。それ以外に、 記事配信以外のプロジェクトも進行中とのこと。最新情報は、同サイトのFacebookやtwitterで発信し、Instagramにて編集部が取材で訪れた展覧会の写真などの配信を行う。なお、同社は民事再生法による再建を目指しており、適用後も「美術手帖」(2015年4月号、5月号)は発行されている。
2015年05月15日GUCCI(グッチ)は、ニューヨーク・ボストン在住の現代美術家・スプツニ子!(SPUTNIKO!)氏による「Tranceflora - エイミの光るシルク」展を開催している。会期は5月17日まで(会期中無休)。開場時間は11:00~20:00。会場は東京都・新宿のグッチ新宿3階イベントスペース。入場無料。同展では、数々の映像、音楽、写真、パフォーマンス作品を発表してきた現代美術家・スプツニ子!氏と農業生物資源研究所(生物研)がコラボして立ち上げたプロジェクト「Tranceflora(トランスフローラ)」で共同開発構想中の「バラの香りのするシルク」と「恋に落ちる(かもしれない)シルク」や、「光るシルク」を扱ったファッション、ショートフィルム、写真のインスタレーションを展示する。会場全体はブラックライトで演出され、視覚、聴覚、嗅覚を通じて、未来の"フローラ"(グッチの伝統的な花々のモチーフ)の可能性を描き出しているということだ。また、テクニカルアドバイザーとして農業生物資源研究所 遺伝子組換えカイコ研究開発ユニット長の瀬筒秀樹氏が担当しているほか、キャラクターファッション&シューズ デザインをデザイナーの串野真也氏、メインビジュアル・ショートフィルム・ロゴデザインをアートディレクターの泉谷和範氏(SIGNO)、写真と映像の撮影をフォトグラファー亀井隆司氏、西陣織を細尾真孝氏、空間デザインを長谷川喜美氏が手がけている。なお、スプツニ子!は、1985年東京生まれ、ニューヨーク・ボストン在住の現代アーティスト。主な展覧会に「東京アートミーティング うさぎスマッシュ展 世界に触れる方法(デザイン)」(東京都現代美術館、2013)、「Talk to Me」(ニューヨーク近代美術館(MoMA)、2011)などがある。2013年よりマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教に就任し、Design Fiction Groupをスタート。「VOGUE JAPAN ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013」を受賞したほか、2014年 Forbes JAPAN「未来を創る日本の女性10人」や2011年 伊Rolling Stone誌「今後10年に最も影響を与えるデザイナー20人」に選出されている。
2015年05月07日連休を利用して見るべき美術展・展覧会をご紹介。まずおすすめしたいのは、六本木の森美術館のリニューアル・オープンを記念して開催されている「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」。これは、パリのポンピドゥー・センター分館「ポンピドゥー・センター・メス」が「エルメス財団」とコラボレーションして昨年開催されたものが、日本展として巡回しているものだ。侘び茶の精神を示す長次郎の黒樂茶碗をはじめ、出品作品約130点の内、30から40%が日本だけの限定作品として組み直され、シンプルな形態の美に再度着目した見応えのある展覧会となっている。グッチ(GUCCI)新宿店では、映像や音楽、写真、パフォーマンス作品などを発表し、「VOGUE JAPAN ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013」を受賞したことでも知られる現代美術家のスプツニ子!と共に、「Tranceflora - エイミの光るシルク」展を開催中。そんなスプツニ子!は、花や昆虫をモチーフにしたグッチの不朽のアイコン「フローラ」に着目し、「バラの香りのするシルク」を生物研と共同構想。また、約3,000個の光る遺伝子組換え繭で空間をデザインし、シューズデザイナーの串野真也が手掛けた「エイミの光るドレス」なども展示されている。ショッピングの合間に楽しむなら、表参道ヒルズの多目的ホール「スペース オー」では、荒木経惟の写真展「男 ーアラーキーの裸ノ顔ー」はいかが。これは、月刊文芸誌『ダ・ヴィンチ』の創刊20周年企画の一環として行われたもの。巻頭連載企画「アラーキーの裸ノ顔」に掲載された作品の中から、浅野忠信、堺雅人、三宅一生、松田龍平らが被写体となった全207点にも及ぶ男達の顔とじっくり向き合うことができる。その他、西麻布のインスタイル・フォトグラフィー・センターで開催中の、世界的に著名なロンドン出身の写真家テリー・オニールの写真展「テリー・オニール:華麗なる50年の奇跡」も併せてチェックしておきたい。1960年代、音楽や映画、ファッション界の新しいアイコンを見つけては写真を撮り、激動する60年代をフィルムに収め続けてきた、テリー・オニール。本展では、彼の約50年に渡る長いキャリアの中から、ブリジット・バルドー、オードリー・ヘップバーン、ザ・ビートルズ、デビッド・ボウイら著名人の貴重な写真約30点が展示される。最後に、京都に足をのばす際に訪れて欲しいのは、京都では史上最大規模となる国際的な現代アート展覧会「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015」。これは、世界の一線級で活躍する36組38名の作家による作品が市内で一斉に展示されるもの。メイン会場となる京都市美術館では、ニューヨークを拠点に彫刻やドローイングなどを作品の変化を通じて制作過程も含めて発表しているブラント・ジュンソーの作品など、総勢31組の作品を展示。また、もう一つの主会場となる京都府京都文化博物館の他、京都芸術センター、大垣書店烏丸三条店など8つの会場が舞台となる。同時に開催されているのが今回が3回目の開催となる「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。今回は京都の町屋や歴史的建築物など15ヶ所の会場で計9カ国14組の作家が参加。中でもグッチのサポートで日本初の作品展が実現したヨシダキミコ(会場:花洛庵野口家住宅)や誉田屋源兵衛 黒蔵で開催されているフランスの写真家マルク リブーの「Alaska presented byシャネル・ネクサス・ホール)」ほかにも無名舎、有斐斎 弘道館など普段公開されていない会場での展示は要チェック。今年のゴールデンウィークは、忙しい日常から抜け出し、芸術に触れ心を潤してみてはいかがだろう。<この記事で紹介した展覧会一覧>■「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー53階■「Tranceflora - エイミの光るシルク」展会場:グッチ新宿 3階住所:東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル■「男 ーアラーキーの裸ノ顔ー」会場:スペース オー住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10表参道ヒルズ地下3階■テリー・オニール : 華麗なる50年の軌跡会場:インスタイル・フォトグラフィー・センター住所:東京都港区西麻布5-2-9 インスタイル南麻布ビルディングB1F■「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015」会場:京都市美術館、京都府京都文化博物館、京都芸術センター、堀川団地(上長者町棟)、鴨川デルタ(出町柳)、河原町塩小路周辺、大垣書店烏丸三条店■「KYOTO GRAPHIE 京都国際写真祭」会場:虎屋京都ギャラリー、コム デ ギャルソン京都店、誉田屋源兵衛 黒蔵、堀川御池ギャラリー、嶋臺ギャラリー、両足院建仁寺、京都市役所前広場、有斐斎 弘道館、他
2015年05月03日グッチ(GUCCI)が4月23日から5月17日まで、現代美術家のスプツニ子!による「Tranceflora - エイミの光るシルク」展をグッチ新宿3階のイベントスペースで開催する。スプツニ子!は映像や音楽、写真、パフォーマンス作品などを発表する現代美術家であり、マサチューセッツ工科(MIT)メディアラボ助教でもある。これまでに、「VOGUE JAPAN ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013」を受賞した他、雑誌『FORBES JAPAN』による「未来を創る日本の女性10人」にも選出されている。主な作品は男性が生理を疑似体験出来るマシーン、カラスと交信するロボット、ハイヒール付き月面ローバーなど。そこにはテクノロジーにより変化していく、人間や社会のあり方が反映されている。そんなスプツニ子!が新たなテーマとして着目したのが、花や昆虫をモチーフにしたグッチの不朽のアイコン「フローラ」。同展では農業生物資源研究所(生物研)とコラボレーションし、未来の「フローラ」の在り方を考える「トランスフローラ(Tranceflora)」プロジェクトを立ち上げた。2008年に生物研が開発した「光るシルク」や、スプツニ子!と生物研が共同構想中の「バラの香りのするシルク」や「恋に落ちる(かもしれない)シルク」を扱ったインスタレーションや写真が展示される。約3,000個の光る遺伝子組み換え繭で空間をデザインし、シューズデザイナーの串野真也が手掛けた「エイミの光るドレス」も展示される予定だ。また、ショートフィルムも会場で公開。映像の中では、とある男性に恋した主人公“エイミ”が、彼を自分の虜にできる究極のドレスを創るために、遺伝子組み換えで「恋のシルク」を創り出そうと夢想する姿が描かれた。会場はブラックライトで演出され、未来の「フローラ」の可能性を描き出している。【イベント情報】Tranceflora - エイミの光るシルク会場:グッチ新宿 3階住所:東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル会期:4月23日から5月17日まで時間:11:00から20:00まで料金:無料Photo by Takashi Kamei
2015年04月15日伊勢丹新宿店本館5階アートギャラリーで、4月8日から14日(最終日18時終了)まで、アーティスト・佐藤翠の作品を展示販売する美術展「佐藤翠 Spring Closets」が開催される。佐藤の作品は、“対象をそのままに細かく描く”のではなく、“対象がもつ魅力、場所の空気感、香り”までもが描き込まれるのが特徴。同氏自身が好むものを題材にされ、キャンバスの中では抽象的な色の帯が絡まり合う中、具体的な対象が描かれ、絵画の平面上には立体性が表現される。佐藤は、新作を発表するにあたり、「その空間全てが特別な場所、私のイマジネーションのクローゼットみたいなもの。美しいものを目にしたときの印象、その場の空気に包まれる体感、上質な素材から得られる感触、そして色や装飾を抽象的に落とし込んだ」と語っている。同店担当バイヤーは、「装飾的でありながらも開かれた空間を持つ佐藤さんの作品は、絵画の歴史上においてアカデミックな実験としても、新たな展開に挑んでいる」と評価する。今回、会場で販売される作品は、「Raspberry closet」(65万円/194cm×162.4cm、アクリル、油彩、綿布、2014年)、「Rose pink closet」(65万円/162.2cm×194cm、アクリル、油彩、綿布、2014年)、「Shoes shelf 4(ローマ字の4)」(25万円/100cm×80.3cm、アクリル、油彩、綿布、2014年)など、春のファッションをテーマとした作品がそろう。会期中の4月12日には同ギャラリーにおいて、「小山登美夫ギャラリー」の代表を務める小山登美夫と佐藤翠によるギャラリートークショー(14時から/予約不要・無料)が開催される。佐藤翠は1984年生まれ。2010年、東京造形大学大学院造形学部で修士課程を修了。13年には、上野の森美術館で開催された「VOCA展 2013現代美術の展望-新しい平面の作家たち」で大原美術館賞を受賞し、同作品は大原美術館にコレクションされた。また、2015年8月には銀座の資生堂ギャラリーで開催される3人展に参加するほか、6月6日公開の映画『トイレのピエタ』(監督・脚本:松永大司、原案:手塚治虫)の展覧会シーンでは自らの作品を提供している。
2015年03月30日クラシエフーズは、現代美術家・村上隆とコラボレーションした「FRISK Neo」の新フレーバー「FRISK Neo フライトニングミント」「FRISK Neo ブルーミングチェリー」を、3月16日より数量限定で発売開始する。価格は369円(税抜)。同商品は、ルイ・ヴィトン、ファレル・ウィリアムス、カニエ・ウェストやゆず、六本木ヒルズ、シュウ ウエムラ等とのコラボレーションで知られる村上隆がパッケージデザインを担当した限定品。「FRISK Neo フライトニングミント」は唐辛子成分が入った新しい刺激のフレーバー、「FRISK Neo ブルーミングチェリー」はチェリー風味のライトなフレーバーとなっているという。また、パッケージのほかにも、タブレットの形状が「ドクロ」(フライトニングミント)、「お花」(ブルーミングチェリー)と凝ったつくりになっている。
2015年03月13日帝国データバンクは5日、月刊誌「美術手帖」などを出版していた美術関係専門の老舗出版社「美術出版社」および同社のグループ会社「美術出版ネットワークス」の2社が、東京地方裁判所に4日づけで民事再生法の適用を申請していたことを報じた。負債総額は24億4,300万円。美術出版社は、月刊誌「美術手帖」をはじめ、「美学」のほか、書籍「カラー版西洋美術史」、「カラー版日本美術史」など、1905年(明治38年)の創業以来、百年以上にわたって美術やデザイン、建築物など芸術分野に関する雑誌・書籍の出版を手がけていた老舗出版社。年間30~40点の新刊を発刊し、2014年3月期には年売上高約12億800万円を計上していたが、従前からの多額の負債や出版事業の売り上げの落ち込みにより苦しい資金繰りが続いていたことから、過大な債務負担を圧縮するべく、民事再生法による再建を目指すとしている。一方の美術出版ネットワークスは、美術出版社のグループ会社として、アプリやWebサイトの受託開発を主体に、スマートフォンや携帯電話向けコンテンツの開発・配信を手がけていた。2014年9月期には年収入高約2億4200万円を計上していたが、美術出版社に連鎖する形で今回の措置となったということだ。
2015年03月06日ベルギーの国民的画家で、20世紀美術を代表する芸術家 ルネ・マグリットの画業を振り返る大回顧展『マグリット展』が3月25日(水)から東京・国立新美術館で開催。本展の音声ガイドナビゲーターに俳優の石丸幹二が決定した。石丸はがマグリット作品に数多く登場する「謎の山高帽の男」になりきって、来場者を不思議なマグリット・ワールドへと誘う。「マグリット展」開催情報石丸は「マグリットの魅力はなんといっても、摩訶不思議な世界観。中でも好きな作品は『ゴルコンダ』。遠くから眺めると、空に浮かぶ無数のドットと思いきや、近づいて見ると、浮かんでいるのはなんと山高帽の紳士たち。マグリットの自画像とも言われる紳士たちを見ていると、どういうわけか痛快な気分になる。展覧会で本物に出会えるのが待ち遠しいが、それとは別に、来場者の皆さんがどういう思いを抱きながらご覧になっているか、横から心を覗き込むのも個人的には楽しみ!(笑)」とコメントしている。「マグリット展」は3月25日(水)から6月29日(月)まで開催。チケット発売中。
2015年03月03日東京都・上野の上野の森美術館にて、平面分野の現代アートで、国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的とした「VOCA展2015 現代美術の展望 -新しい平面の作家たち」が開催される。開催期間は3月14日~3月30日。開館時間は10:00~18:00。入場料は一般・大学生が500円、高校生以下は無料。同展は、現代アートにおける平面の領域で、国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に1994年より毎年開催している美術展。全国の美術館学芸員、研究者、ジャーナリストなどから推薦委員を選出し、それぞれ40歳以下の若い作家1名を推薦し、推薦された作家全員に展覧会への出品を依頼している。こうしたシステムのため、東京のみならず全国で活躍する作家たちにスポットがあたることが同美術展の特徴のひとつという。過去には福田美蘭(1994年VOCA賞)、やなぎみわ(1999年VOCA賞)、蜷川実花(2006年大原美術館賞)、清川あさみ(2010年佳作賞)など多方面で活躍している作家たちが出品している。同展では、作家34名による出品作の中から、グランプリとなるVOCA賞に、シルクスクリーンで数十から100回ほどインクを重ねるという独自のスタイルで作品を制作する小野耕石さん(美術家・版画家/岡山 県出身、埼玉県在住)の「Hundred Layers of Colors」が決定したほか、VOCA奨励賞には岸幸太さん、水野里奈さん、佳作賞には松岡学さん、松平莉奈さんが選出された。また、大原美術館賞には川久保ジョイさんが同美術館独自の選考を経て選出された。選出に際して、受賞作家によるアーティスト・トークとして3月14日15:00~16:00には小野耕石さん・水野里奈さん・松平莉奈さんが、3月21日(土)15:00~16:00には岸幸太さん、松岡学さん、川久保ジョイさんが自作について語る。また、上野の森美術館学芸員が出品作品を紹介するトークが開催される。開催日時は3月15日、22日の15:00~16:00。また、シンポジウム「VOCA展とは?」が開催される。開催日時は3月13日15:00~17:00。参加の際は、FAXまたはeメールによる申し込みが必要となる。定員は150名。そのほか、会場では同展にゆかりのある作家として、「VOCA展’97」でVOCA賞を受賞した小池隆英さんの個展も同時開催されているということだ。いずれも催しも参加費は無料だが、同展の入場券が必要となる。
2015年02月25日東京藝術大学大学美術館、及び名古屋ボストン美術館は展覧会「ボストン美術館×東京藝術大学 ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」を開催する。期間は東京展が4月4日から5月17日まで、名古屋展が6月6日から8月30日まで。この展覧会は19世紀の開国にともなう、日本と西洋のアートにおける影響を再確認しようというもの。ボストン美術館と東京芸術大学のコレクションから、当時の絵画や工芸、写真など約150点が出展される。会場は「不思議の國JAPAN」など全6章から構成され、それぞれのテーマに合わせた作品が展示される。そのプロローグとなる「黒船が来た!」では、開港間もない横浜の外国人居留地を描いた浮世絵など、激動の時代とそこに過ごす人々を描いた作品を紹介。他にも、生麦事件の現場写真など、外国人の視点から見た日本を追体験出来るような作品も集められた。その他、「文明、開化せよ」では錦絵に描かれた洋装、蒸気機関車、鉄橋など、西洋と東洋の光景が入り混じった日本の姿にフォーカス。「西洋美術の手習いたち」では西洋画の技法を取り入れた絵師達の、「日本美術の創造」ではそれに反発して伝統美術を見直そうとした作品が展示される。その一つ、橋本雅邦による「雪景色山水図」は、伝統的な山水画に西洋画の表現を取り入れたもので、今回が初めての公開となった。そして、こうした時代のうねりは日本を帝国主義へと歩ませ、最終章「近代國家として」へと続いていく。この時代には、ナショナリズムの台頭を表すような、日本神話や戦争を主題とした歴史画や彫刻が数多く登場しており、一方で画壇では伝統回帰と西洋志向が対立。その中にも、互いの影響を感じさせる作品が数多く出展されている。【イベント情報】ボストン美術館×東京藝術大学 ダブル・インパクト 明治ニッポンの美東京展会場:東京藝術大学大学美術館住所:東京都台東区上野公園12-8会期:4月4日から5月17日時間:10:00から17:00(入館は閉館の30分前まで)料金:一般1,500円高・大学生1,000円休館日:月曜日(4月6日と5月4日は開館)名古屋展会場:名古屋ボストン美術館住所:愛知県名古屋市中区金山町1-1-1 金山南ビル会期:6月6日から8月30日時間:10:00から19:00(土・日・祝・休日は17:00まで、入館は閉館の30分前まで)料金:一般1,300円高・大学生900円休館日:月曜日(祝・休日の場合は翌日)
2014年12月25日水戸芸術館の現代美術ギャラリーで「山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ」が開催される。期間は2月21日から5月17日まで。山口晃とは馬を模るバイクに武士を乗せるなど、個性的な芸術観で注目を集める画家。13年には「ヘンな日本美術史」で小林秀雄賞を受賞するなど、キャンバスには美術や歴史に対する批判精神が描き込まれ、そのタッチは大和絵や浮世絵を思わせる。細部を緻密に書き込む作風も有名で、『Tokio山水』シリーズといった都市の鳥瞰図、合戦図などを数多く手掛けてきた。今回の展覧会では大作『続・無残ノ介』が50m規模の大展示室に飾られる他、代表作『忘れじの電柱』が発表時とは別の形で展示される。その他、小道のような通路につながる各部屋には、それぞれに異なる山口の作品世界が広がり、その先には新作のインスタレーションが待ち受けるという構成だ。3月21日と4月19日には山口によるトークイベントが開催される予定。また、5月2日には「お絵描き道場」として、会場を訪れた人から提案されたお題を元に、山口がその場で絵を描き上げる。その他、3月7日から5月17日までは週末に、市民ボランティアによるギャラリートークも催される。【イベント情報】山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8会期:2月21日から5月17日時間:9:30から18:00(入館は閉館の30分前まで)休館日:月曜日(5月4日は開館)入場料:一般800円(中学生以下、65歳以上は無料)
2014年12月23日東京都・六本木の国立新美術館で、若手作家の登竜門「シェル美術賞2014」の受賞・入賞作品を展示する「シェル美術賞展2014」が開催される。開催日時は12月10日~12月23日(12月16日休館)。開場時間は10:00~18:00(入館は17:30まで)、12月12日・19日は10:00~20:00(入館は19:30まで)、12月23日は10:00~16:00(入館は15:30まで)。入場料は一般400円、大学生200円。同展は、国内の現代美術の発展に寄与する事を目的に昭和シェル石油が1956年に創設、今回で43回目の開催となる"若手作家の登竜門"シェル美術賞の受賞・入賞作品を展示する展覧会だ。今年度は、815点の作品の中から選ばれた計52点の作品、および審査員・昭和シェル石油推薦の作家4名の近作・新作を展示する「シェル美術賞アーティストセレクション」が展示される。また、受賞作家7名と審査員によるトークショーが展覧会場内で実施される。開催日時は12月13日14:00~15:00。会場では同時に、各受賞・入選者の過去作品が参照できる「ポートフォリオファイル」の閲覧スペースも設置。さらに、展覧会来場者による投票により受賞・入選作品の中から「オーディエンス賞」が選出される。選出作品はWebサイトにて展覧会終了後に発表予定とのことだ。なお、同展の入場料に関して、シェル美術賞公式Webサイトより、100円の割引券をダウンロードできるとのこと。
2014年12月08日東京・初台のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]は11月22日より、展覧会「大友良英音楽と美術のあいだ」を開始した。音楽と美術の領域を越境するアーティスト・大友良英による大型インスタレーション作品と、本展のための最新作を展示する。2008年制作の「quartets」は、音響と映像の大型インスタレーション作品。大きな展示室を丸ごと使ったこの作品では、8名の演奏家による即興演奏を事前に記録し、それらをコンピュータ・プログラムによって四つのカルテットに再編成した演奏音が流れる。中央に設置した白いキューブの各側面には、各演奏家達のシルエットが投影され、キューブの側面ごとに正対する展示室の壁面スクリーンには、木、鉄、液体などで作られたオブジェのディテールが映し出される。これらの映像は、演奏音に合わせて振動し変化していく。本展のために制作された「guitar solos 1」は、館内の階段を利用したサウンドインスタレーション。8対のスピーカーが階段の段上に設置され、それぞれのスピーカーから、事前に録音されたギターの音がランダムに再生される。スピーカーの前を通過したり、立ち止まったりしながら、複雑に変化していく演奏音を楽しむ。異なる芸術表現である「音楽」と「美術」は、お互いにそれぞれの歴史を持ち、各々独自の発展を遂げてきた。近年、両者の領域を横断する多様な表現が生み出されてきているが、それらは従来の芸術ジャンルの外枠を大きく拡げた一方、各分野の間にあった境界線は曖昧なものとなった。大友は「(音響作品である)『quartets』は時間を掛けてゆっくりと“観”ほしい作品」と語る。本展は美術館における音響インスタレーション作品の存在意義を、鑑賞者に再び問うものである。大友の作品は、固定化した聴覚音源とも、一過性のライブ体験とも異なる、「展示による上演」という新しいシステムを鑑賞者に観せてくれる。今一度「音楽」と「美術」それぞれに目を向けながら、それらの「あいだ」にあるもの、それらの「あいだ」を繋ぐものとはなにかを考えさせる展覧会だ。【イベント情報】「大友良英音楽と美術のあいだ」会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]ギャラリーA住所:東京都新宿区西新宿3-20-2東京オペラシティタワー4階会期:11月22日から2015年2月22日時間:11:00から18:00休館日:月曜日(祝日の場合翌日)、12月29日から1月5日、2月8日入場料:一般・大学生500円、高校生以下無料
2014年11月23日東京国立近代美術館は、現代美術家・高松次郎の回顧展「高松次郎ミステリーズ」を開催する。期間は12月2日から3月1日まで。高松の作品は時期によって素材や表現方法が大きく変わり、彼の作風や意図をわかりにくいものとしていた。そこで、今回は3人のキュレーターが初期、中期、後期の作品をそれぞれ担当。美術誌などに残された言葉を引用しながら、高松という人物像とその作品をわかりやすく紐解いている。会場ではオブジェや彫刻、絵画など、約50点に及ぶ作品を展示。その他、約150点のドローイングが公開される。その中には、高松を代表する「影」シリーズの他、木や鉄を用いた立体シリーズ「単体」「複合体」なども収録。絵画へと傾倒していた晩年に発表された「異食材」シリーズも一挙公開される。会場構成はトラフ建築設計事務所が担当。「影」シリーズの仕組みを体験できる「影ラボ」や、高松の脳内世界を一望にできる「ステージ」など、様々な仕掛けを用意した。グラフィックデザイナーの菊地敦己が担当した、オリジナルタイトルロゴにも注目したい。開催期間中には12月7日を皮切りに、各キュレーターによるリレートークが全3回にわたって開催される。また、6日には、ゲストに美術評論家の高島直之などを招いての講演会「高松次郎を知る人々」を開催。12月20日にはトラフ建築設計事務所の鈴野浩一などによる座談会「展覧会をつくる」も催される。2月20日には高松の誕生日を記念したミステリーイベントも開催予定だ。【イベント情報】高松次郎ミステリーズ会場:東京国立近代美術館1階企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園3-1会期:12月2日から3月1日時間:10:00から17:00(金曜日は20:00まで)休館日:月曜日(1月12日は開館)、12月28日から1月1日、1月13日入場料:一般900円大学生500円
2014年11月16日韓国を代表する現代美術作家、ヂョン・ヨンドゥの大規模個展「地上の道のように」が、茨城・水戸芸術館現代美術ギャラリーにて11月8日より開催される。初期作品から最新作まで、ヂョンの作品を一挙公開。各国からの移民が地域ごとに暮らす街の特性を活かして制作された映像作品『Six Points』、見慣れた街の風景を映像トリックで異世界に変化させる『日常の楽園』、鑑賞者が映画の登場人物になった気分を味わえる体験型映像インスタレーション作品『ドライブ・イン・シアター』に加え、ヂョンが水戸で出会った盲目のマッサージ師・白鳥建二が撮影した写真をもとにした映像作品や、3D映像によるバーチャルリアリティ体験ができるヘッドセットモニター・オキュラスリフトを用いた新作、水戸を舞台にイリュージョンアーティストのイ・ウンギョルやジャズピアニストの小曽根真が出演する映像作品などを展示する。なお、展覧会名は魯迅の短編小説『故郷』の一説からの引用で、新たな視覚体験やウィットに富んだ映像作品を通して記憶と忘却、希望の意味を問い掛ける。ヂョンは1969年韓国・晋州生まれ、ソウル在住のアーティスト。2007年に最年少で韓国のアーティスト・オブ・ザ・イヤー賞を受賞し、市井の人々の夢や思い出を題材とする作品をヴェニスや上海のビエンナーレ、ニューヨーク近代美術館、東京の国立新美術館等で発表している。【イベント情報】ヂョン・ヨンドゥ展「地上の道のように」会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8会期:2014年11月8日から15年2月1日時間:9:30から18 :00(入場は17 :30 まで)休館日:月曜日(ただし祝日は開館し翌火曜閉館)、年末年始(14年12月27日から15 年1月3日)入場:800 円
2014年10月09日東京都・表参道のスパイラルガーデンでは、小林賢太郎が舞台のために自ら制作した作品を紹介する「小林賢太郎がコントや演劇のためにつくった美術 展」を開催する。開催期間は9月19日~10月5日、開場時間は11:00~20:00。入場無料。同展は、劇作家、パフォーミングアーティストの活動を精力的に行い、またコントグループ「ラーメンズ」としての活動でも知られる小林賢太郎のステージを構成する作品の数々を展示。これまで舞台や画面上でしか見ることのできなかった、舞台や映像作品のために描いた絵、セットのデザイン、たくさんの小道具など、自らの手で製作してきたイメージを見ることができる。さらに会場には、小林がデザインし、実際に使用された舞台衣装などを展示する「楽屋」が出現。作品(=舞台)が生み出される過程を工場見学をするように楽しむことができる。なお、小林が創り出す「舞台」は、機智に富み巧妙に紡がれた言葉と動き、そして、ミニマルなつくりの舞台上を緻密な仕掛けによって最大限に演出する舞台美術で観客を魅了してきた。
2014年09月04日豊かな木立ちと緑に囲まれ、恵まれた立地に佇む世田谷美術館。現在は「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展―印象派を魅了した日本の美」が開催中です。この世田谷美術館へはいつも、田園都市線用賀駅から美術館へと続くプロムナードと砧公園を通って10数分、散歩しながら向かうのが楽しみなのですが、会期中は用賀駅と美術館を往復する直行バスが出ていると知り、乗ってみたらすぐ着いてしまってびっくり。これは便利です。(休館日は除く)ジャポニスムとは、19世紀半ばの開国以来、日本の文物が浮世絵をはじめ、陶磁器、絹織物、扇子、団扇など、美術品から日用品に至るまで欧米に伝わり大流行しましたが、こうした日本美術や品々が西洋の文化芸術に与えた影響全体を現在はそう呼んでいます。その最たる作品たちに迫ります。世界初公開! モネの傑作《ラ・ジャポネーズ》の修復後世界屈指の印象派と日本美術のコレクションを所蔵するボストン美術館が、1年余という渾身の修復プロジェクトを経て、まず最初にお目見えさせたのが今展の日本です。クロード・モネが最初の妻カミーユを描いた、その名も《ラ・ジャポネーズ》。壁に散る団扇(うちわ)、手に持った扇子、謡曲「紅葉狩」の一場面が描かれているという赤綸子(あかりんず)と思われるゴージャスな打掛、床には絨毯でなくゴザ? と、たちまち細部に目を奪われてしまいます。クロード・モネ 《ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)》 1876年1951 Purchase Fund 56.147この打掛を目の当たりにしたモネに、チャレンジ魂をムラムラとさせたであろう気概が伝わる作品。最新技術の粋を駆使した修復により、1876年完成当時のカンヴァスが蘇ったと思うとドキドキしますね。修復って、別に大したことないんでしょ?と思ったら大間違い。ミケランジェロが描くシスティーナ礼拝堂の天井画は、洗浄によって明るくなったあまり、天動説と地動説の違いほどの衝撃を与えたし、近年、洗浄が完了したダ・ヴィンチの「最後の晩餐」も、皿の中身が確認され、当時の風俗や文化研究に影響を及ぼしています。西洋人には斬新だった「浮世絵」のシンプルな構図と背景当時、日本で流行していた美人画に描かれるのは、美しくあることがプロフェッショナルの花魁(おいらん)、芸者たち。それが、西洋人を魅了し、日本といえば“フジヤマ、ゲイシャ”モードが長く続いているのはご存じの通り。浮世絵では、着物や装身具、仕草などは細部まで繊細に描き込まれていますが、顔は全部、線だけで表された誰もが同じツリ目の顔立ち。これが子供の頃は不思議でした。日本人の美意識は個々の顔より細部に宿るのですね。とはいえ、西洋人もさすがに日本人の顔は取り入れていません。でも、構図や背景には多大な影響を受けました。アメリカで生まれパリで活躍したメアリー・カサットは、熱烈な浮世絵ファン。1803年に描かれた喜多川歌麿の《母子図 たらい遊》を、1891年《湯浴み》(ゆあみ)という作品に反映させています。線が活かされたシンプルな構図、すっきりしたテクスチャーは、一見西洋画には見えず、とてもおもしろいです。(左)喜多川歌麿 《(母子図 たらい遊)》 江戸時代 享和3年(1803)頃 William Sturgis Bigelow Collection 11.22154(右)メアリー・スティーヴンソン・カサット 《湯浴み》 1891年頃 Gift of William Emerson and The Hayden Collection-Charles Henry Hayden Fund 41.806ゴッホと浮世絵の共通点「装飾性の強い背景」日本美術に表現された、女性たちの親密な生活空間、つまりインテリアや子どもへの優しいまなざしは、西洋の芸術家たちの心をワシづかみしたみたいです。カサットの《湯浴み》もそうですが、ゴッホの《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》の背景の壁紙が、歌川国貞(三代豊国)と歌川広重による《当盛十花撰 夏菊》に描かれた、花火のように華やかに背景を彩る大輪の菊から影響を受けていたとは、今まで知りませんでした。しばし絵の前に佇んで、ゴッホの胸中に思いを馳せました。(左)フィンセント・ファン・ゴッホ 《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》 1889年Bequest of John T. Spaulding 48.548(右)歌川国貞[三代豊国]・歌川広重《当盛十花撰 夏 菊 二代目沢村訥升、初代沢村由次郎 》安政5年(1858)William Sturgis Bigelow Collection 11.42317この展覧会は、世田谷美術館では2014年9月15日まで。その後、京都市美術館で2014年9月30日~11月30日、名古屋ボストン美術館に2015年1月2日~5月10日、巡回します。傑作揃いをこの機会にぜひ! ・「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展―印象派を魅了した日本の美」 ・ モネ《ラ・ジャポネーズ》の修復プロジェクト最新情報 <料金>・東京展(世田谷美術館) 一般:¥1,500/ 65歳以上:¥1,200 大高生:¥900 / 中小生:¥500・京都展(京都市美術館) 一般:¥1,500/ 大高生:¥1,000 / 中小生:¥500・名古屋店(名古屋ボストン美術館) 一般:¥1,300/ 大高生:¥900※前売/団体料金は異なります。詳しくは展示会公式サイトをご確認ください。All photographs(c)2014 Museum of Fine Arts, Boston.
2014年08月15日東洋と西洋の近現代美術コレクションを持つ世界トップクラスの台湾コレクター「ヤゲオ財団」。その全面的な協力を得て、ユーモアとチャレンジに満ちた展覧会「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」が、東京国立近代美術館で6月20日よりスタートした。展覧会には珍しく、一見多弁に見えるタイトル。しかし、ここに記された「世界の宝」という言葉には二つの意味が込められている。一つは、展示作品の市場価格・保険評価額からしてまぎれもなく「世界の宝」であるということ。一体、どれほど「宝」なのか。一例を挙げるなら、パリで活躍した北京生まれのザオ・ウーキーの作品が、2013年12月1日に行われたサザビーズのオークション(北京)で8,968万元(約15.3億円)、また、フランシス・ベーコンにおいては、2011年2月10日に行われた同オークション(ロンドン)で2,300万1,250ポンド(30億822万円)という莫大な金額でそれぞれ落札されている。もう一つは、美術史的に見ても「世界の宝」であること。今回、展示される作品を生み出したアーティスト達はアートの長い歴史を踏まえつつ、「今」にフォーカスし、「今」表現すべきことを表現し、同時に移ろうことのないメッセージを未来に向けて伝えようとしてきた。本展では、マン・レイ、アンディ・ウォーホル、ゲルハルト・リヒターといった西洋の現代美術の大御所並びに、サンユウ(常玉)やツァイ・グオチャン(蔡國強)、リウ・ウェイなど、中国近現代美術を代表する面々、東西混合計40人のアーティストによる74点の作品が「ミューズ」「崇高」「記憶」「新しい美」といったキーワードを元に、10章に分けられて展示されている。この展覧会のポスターにも使われているマーク・クインの「ミニチュアのヴィーナス」やアンドレアス・グルスキーによる「メーデー(May Day)」、今回、唯一の日本人アーティストである杉本博司の「最後の晩餐」や「ティレニア海、コンカ」などを始め、多種多様な見応えある作品群が並ぶ。開幕にあたって、来日したヤゲオ財団代表のピエール・チェン氏はこう語る。「優れた作品とは、倉庫の中に大事にとって眠らせておくものではないのです。アートはもっと身近なもの。生活の中に溶け込ませて、共に生きてこそ、意味がある」かつて苦学生だったというチェン氏。大学の学費をアルバイトで稼ぎながら、1年半掛けて貯金した1万5,000元(約5万1,000円)で初めてアート作品を購入した。「台湾にあるチェン氏のご自宅にお邪魔したのですが、バスルームにマン・レイがあったり、リビングにウォーホルがあったり。アートと共に生活する。これをまさに地で行くライフスタイルに仰天しました」と同美術館主任研究員の保坂健二朗氏。作品の展示と共に、ヤゲオ財団のコンセプトである“living with art”“art is accessible”を表現すべく、チェン氏の自宅やゲストハウス、オフィスなどに飾られたアート写真も見所の一つだ。また、同美術館館長の加茂川幸夫氏は「若い人達にもぜひ親しんでいただきたい」と語り、来場者には作品を楽しみつつ、アートコレクターの感覚を追体験できる「ゲーム」も用意した。東京国立近代美術館での開催後は、9月6日から名古屋市美術館、12月20日から広島市現代美術館、2015年3月31日からは京都国立近代美術館と3都市を巡回する。【イベント情報】現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展会場:東京国立近代美術館住所:東京都千代田区北の丸公園3-1会期:6月20日から8月24日時間:10:00から17:00(金曜日は20:00まで)料金:一般1,200円、大学生500円、高校生以下無料休館日:月曜日124
2014年06月20日