「50代は老後資金の貯めどきですが、実は、罠にはまりやすい“カモ期”でもあります」そう話すのはファイナンシャルプランナーで『50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話』(東洋経済新報社)の著者、山中伸枝さんだ。山中さんによると、50代以降は退職金を手にするなど、老後資金の形成に重要な時期。その一方、過ごし方を間違えると“老後破綻”が一気に近づくという。「『退職金でお金持ちになれるかも』『定年後、逃げ切れるかも』などと気持ちが“カモ化”しやすくなるのも問題です。気が大きくなって判断を誤り、よかれと思って始めたことから老後破綻に一直線という方もたくさんいます」(山中さん・以下同)実際、自己破産する人の4人に1人は60歳以上というデータもある(’21年・日本弁護士連合会)。だが「老後2千万円不足問題」が騒がれ、老後資金の大切さは身に染みている人が多いのでは?「だからこそ、もっとお金が必要と焦り、投資の超初心者が専門家の言いなりになってハイリスク商品に手を出して大損するのです」さらに、定年が近づくと、資格を取って独立開業や、自宅カフェを開くなど夢をかなえる人も多い。「それ、本当に大丈夫ですか?士業の事務所や自宅カフェを開いただけではお客さまは来ません。自分で宣伝して顧客をつかむ覚悟と、設立にかかる費用を回収するための事業計画がないと、夢を追いかけて老後破綻、という無残な結果に陥りかねません」足りない生活費を開業してなんとかする、などは問題外だ。■年金の繰り上げ受給は老後破綻へまっしぐら老後の収入といえば“年金”だが、ここにも落とし穴が存在する。よくみられるのは「早死にしたら損」と年金の受給開始を繰り上げ、60歳から受け取る人。65歳より早くもらい始める分、毎月の受給額が減額されるが、その年金だけで生活費をまかなえない場合、生きている限り、貯金を延々と取り崩すことに。貯金が尽きた先には、老後破綻が待ち受けている。「私は働けるうちは働いて、受給時期を65歳より遅らせる“繰り下げ受給”をして、できるだけ受給額を増やすことをおすすめしています。年金の受給開始を1カ月遅らせるごとに受給額は0.7%増。10年繰り下げれば1・84倍に。75歳以降、増えた受給額を死ぬまでもらい続けられるのが年金のメリットです。まずはねんきん定期便などで年金額を確認し、老後の収入がいくらになるのか確認を。老後に必要な資金はそれぞれ違いますが、毎月の収支が黒字なら老後破綻にはなりません」75歳以降の生活費は60歳時点より少なく済む。そう考えると、繰り下げ受給で増えた年金で75歳以降の生活費をまかなえれば、それ以降は安泰だ。その場合75歳までは年金に頼らず、働きながら暮らしたい。「ただし年金は、それぞれお得なもらい方が違います。ぜひ50代のうちに、お近くの年金事務所に相談してください」黒字化には支出を減らすことも不可欠。定年後を見越して、せっせと節約に励む人もいるが……。「風呂の残り湯を使うなどの細かい節約では、家計のダウンサイジングはできません。マイカーや保険などもっと大きな出費や、毎月かかってくるような固定費に注目して削減していきましょう」大切な孫のためなら、と支出を惜しまない人もいるが、それも“赤字にならない範囲”で行おう。わかったつもりで、せっかちに判断するのがもっとも危険だ。法律や制度をきちんと理解しないと、行きつく先は老後破綻かも。次ページからの図鑑では、老後破綻しやすい人の“生態”を紹介する。ドキッとした人は要注意。いまのうちに軌道修正して、お金に困らない老後を手に入れよう。■老後破綻招く“退職金で物件を購入し大家になる”選択肢【1】資産運用は専門家に任せる<生態>資産運用はしたいが、知識はないのでとりあえず金融機関に相談。商品の内容がわからなくても専門家のおすすめならOKと退職金を投入。大損する商品に手を出す危険性大<老後破綻の回避法>一度冷静になり、そのおすすめが誰の利益になるのか考えて。たとえ専門家の意見でも、自分の希望どおりの資産運用か判断するのは自分。知識をつけよう【2】老後は大家になる予定<生態>座右の銘は、不労所得で悠々自適ライフ。あこがれは、投資用マンションでもうける大家さん。退職金は、物件購入に全額投入。老後の生活費はもちろん家賃収入でまかなう予定<老後破綻の回避法>大家には、物件の管理や入居者のケアなど雑務が多い。また入居者がなければ収入はないが、物件の老朽化は日々進む。必ず稼げる確証はないと心得て【3】住宅ローンを完済する<生態>コツコツ返済より、退職金をつぎ込んで一気にどーんとローン完済を選ぶ一発逆転タイプ。一時的に爽快感を味わうが、長い老後はずっと懐ろが寒いという新たな難問を抱えてしまう<老後破綻の回避法>老後資金を確保するため、退職金は手をつけないのが◎。60代の働けるうちは働いて返済を。契約者が他界したら団体信用生命保険で住宅ローンは完済となる【4】資格取得に向けて猛勉強中<生態>第二の人生は“先生”になって独立開業。資格のための勉強は惜しまないが、頭を下げるのは大の苦手で、営業力は赤ちゃんレベル。開業したものの、無収入どころか借金まみれに!<老後破綻の回避法>独立開業は、事務所の備品調達もクライアント探しもすべて一からで出費も多い。資格取得はスタートラインに立っただけ。現実はそう甘くない【5】夫婦で自宅カフェを開業予定<生態>夢だった自宅カフェをオープンした店主の常とう句は「こんなに素敵なカフェなのに、どうして客が来ないのだろう」。がらんとした店内に、お金の不安だけが満ちていく<老後破綻の回避法>素敵なカフェを開いても、それだけで客が来る保証はない。開業するのにもお金がかかるが「生活費を稼ぐため」という理由で老後資金を使うのは絶対NG【6】孫を待ち望んでいる<生態>全財産をあげても惜しくない孫びいき派閥。洋服やゲームを買い与え、習い事の月謝なんて朝飯前。老後資金を削っても「個室が欲しい」孫のためなら住宅購入支援も喜んで!<老後破綻の回避法>孫のためとはいえ、働いている子ども世帯への援助は不要。きょうだいがいれば“争族”の火種になりかねない。子どもや孫のためにも老後資金の確保が最優先■「損は嫌い」な人がハマりやすい落とし穴【7】節税上手<生態>懸命に働く大海を知らず、節税できる年収103万円の井の中がサイコー!と疑わない。年齢を重ね状況が変わっても「節税第一」を貫くがんこさから、収入が増えず資金難に……<老後破綻の回避法>年収103万円と年収240万円を比べると、所得税や社会保険料を払っても100万円近く収入が増える。節税には限度があるので、収入を増やすことも大事【8】損は徹底的に避ける<生態>「うちは早死に家系」「年金制度は破綻する」と信じ、年金は60歳から繰り上げ受給。75歳を過ぎたころ、年金額と少なくなった貯金を見て、長生きにおびえる日々が始まる<老後破綻の回避法>年金は死ぬまでもらえる終身保険。受給総額の多寡より、75歳以降安心できる年金額を考えて。受給額を減らす繰り上げ受給より、増やす繰り下げがおすすめ【9】夫に保険をかけている<生態>「夫が先に逝ったら、保険金がっぽり」と笑い、「遺族年金で私の老後は安泰」と豪語する“夫死に待ち族”。ただ根拠とする皮算用に自信が持てず、不安を隠すための高笑いかも<老後破綻の回避法>死亡保障3000万円の保険が、定期保険特約2500万円+終身保険500万円としたら、定期期間満了後の死亡保障は500万円に。甘い見立ては禁物【10】こまめに節約する<生態>「節約第一」が合言葉。風呂の残り湯で洗濯、日用品は底値買いなど節約ルールには絶対服従!半面、高額の保険に加入したり、通信費には月数万円もかかっている<老後破綻の回避法>家計のダウンサイジングは小さな節約では間に合わない。ライフステージに応じた保険の見直しや格安スマホの検討など、固定費からテコ入れを
2022年11月22日「老後の生活を支える『年金』に関する手続きを怠ってしまったがためにライフプランが狂ってしまった、という人が続出しています」そう話すのは、ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の井戸美枝さんだ。大切な老後資金に異変が起きている背景には、“働き方の多様化”があるという。「新卒で入社した会社で定年を迎えるのではなく、転職を繰り返す人や、定年を待たずに退職してフリーランスになる人も増えてきました。会社を辞めた後、忙しさにかまけて年金の手続きを後回しにしてしまい、ほったらかしにした結果、60歳になって受け取れるはずの年金がもらえなくなってしまった、という事態が起きているのです」(井戸さん・以下同)日本の年金制度は1階部分を「国民年金」、2階を「厚生年金」、3階を「私的年金」とする“3階建て”で構成されている。このうち3階部分の私的年金には、国民年金基金、厚生年金基金、確定給付企業年金(DB)、確定拠出年金(DC)があり、加入者自身が資産を運用する確定拠出年金には、企業型と、最近注目の個人型(iDeCo)がある。なかでも注意が必要なのが、「企業型の確定拠出年金」だ。「給与明細を詳しく見たことがない、毎月の給料から何が天引きされているか知らない、という人が意外と多いのです。退職した後には厚生年金から国民年金に切り替えるために年金事務所で手続きをしますが、それで手続きが完了したと勘違いしている人もいます。しかし、企業型の確定拠出年金に加入していた人は、退職してから6カ月以内に、それまで積み立てたお金をiDeCoもしくは転職先の確定拠出年金などに移す必要があります。iDeCoの手続きは自分で行わなければなりません。手続きをせず6カ月が経過すると、その資産は自動的に『国民年金基金連合会』が現金で預かることになります。これを『自動移換』といい、100万人以上の人が該当する深刻な問題になっています」■該当する人は111万人、総額2千600億円にも…国民年金基金連合会によると、この「自動移換」に該当する人は今年7月末で約111万人。同会が現金で預かっている、いわば“置き去り年金”の総額は今年3月末で2千587億5千200万円。200万円を超える資産が自動移換された人は2万3千200人もいる。いったん自動移換されると、現金の状態で国民年金基金連合会に置き去りにされた状態になるので、運用はいっさいできなくなる。しかも自動移換の際に4千348円の手数料が引かれて、それ以降も毎月52円の手数料が発生する。年間で624円と少額だが、長期間運用しないで手数料が引かれるとなると、資産は目減りする一方だ。「最大の問題は、確定拠出年金の場合、原則として加入期間が10年以上ないと、60歳から受け取ることができない点です。10年を満たしていれば60歳から受け取れますが、この間手数料が引かれるため、当初受け取れるはずだった年金よりも総額は少なくなります。また、加入期間が10年未満の人は、自動移換されている間は加入期間とはみなされません。たとえば入社してから7年勤めている間、企業型の確定拠出年金に加入した人が会社を辞めてそのまま年金資産を放置してしまうと、60歳から受け取ることはできなくなります」実質“喪失”となってしまうことにもなりかねないというのだ。「資産が少額などの条件を満たしていれば、脱退一時金として受け取ることができます。ただし、受け取るためにはiDeCoに加入して、加入期間を10年にするしか方法はありません。そうなると年金をもらい始めることができる時期が先延ばしされてしまいます」年金資産が自動移換になると国民年金基金連合会から「確定拠出年金に関する重要なお知らせ(自動移換通知)」という書類が送られてくる。それでも手続きをしなければ、年に一度お知らせが来るので、きちんと確認しよう。また、自分の年金記録は企業年金連合会のホームページで、年金手帳に記載されている基礎年金番号を入力すれば確認が可能だ。安心した老後を過ごすためにも、受け取れる年金をもらいそびれることのないよう気をつけたい。
2022年10月11日【速報】2021年の47都道府県別の自己破産件数まとめ2021年日本の自己破産件数等の推移WEBサイトの制作を行う株式会社cielo azul(本社:福岡市中央区渡辺通5−14−12南天神ビル3F、代表取締役:大泉 聡)は、運営メディア「債務整理相談ナビ」にて2021年の自己破産件数の都道府県別件数を速報しました。2022年8月発表の令和3年司法統計年報によると、2021年の日本の破産件数は73,457件で、前年の78,104件から4,647件減少(6%減)しました。また、2021年の個人再生件数は11,249件で、前年の12,841件から1,592件減少しました。どちらも2019年をピークに件数は減少傾向となっています。自己破産件数が2021年に増加した都道府県は?自己破産件数が2021年に増加した都道府県2021年の自己破産件数が2020年に比べて増加した都道府県は4県のみ。以下で増加率が高い順に順位を付けました。全体的に2021年は2020年より自己破産件数が減少していることがよくわかります。1位:群馬県 6.8%2位:沖縄県 4.4%3位:千葉県 3.5%4位:神奈川県 1.2%自己破産件数が2021年に減少した都道府県は?自己破産件数が2021年に減少した都道府県2021年の自己破産件数が2020年に比べて減少した都道府県は43県。ほとんどの都道府県で自己破産件数が減少しています。以下で減少率が高い順に順位を付けました。1位:山梨県 21.0%2位:大分県 17.8%3位:富山県 17.4%4位:青森県 14.7%5位:高知県 14.05%6位:新潟県 14.01%詳しくは、こちらの記事で。↓2021年自己破産件数は?債務整理は何人する?都道府県別推移 : instagram投稿 : 債務整理相談ナビ概要債務整理相談ナビ「債務整理相談ナビ」では、債務整理の解決実績が豊富で、料金体系も極力安い、相談料無料の事務所のみをおすすめして紹介しています。メディア内では、事務所ごとのインタビュー記事や動画、1分自己紹介音声等を取り入れて相談者の専門家選びの一助となるように心がけております。また、「債務整理相談ナビ」は、日本トレンドリサーチ(運営会社:株式会社NEXER)がおこなった2021年12月から2022年1月における調査において、「債務整理相談比較サイト 総合満足度」「債務整理相談比較サイト 情報掲載充実度」「安心・信頼できる 債務整理相談比較サイト」の3項目で第1位を獲得しまております。債務整理でおすすめの弁護士・司法書士事務所ランキング19選!費用比較 : 債務整理相談ナビ運営会社:株式会社cielo azul概要会社名:株式会社cielo azul所在地:〒810-0004 福岡市中央区渡辺通5丁目14番12号 南天神ビル3F代表取締役:大泉 聡設立日: 2014年2月事業内容:WEBサイト制作/運営サポートWEB・SEOコンサルティングWEBの広告代理アフィリエイト/アフィリエイト支援青空ブランド:3つのwebメディア(債務整理相談ナビ・派遣会社登録ナビ・興信所探偵ナビ)を運営。青空のように人々の不安を解消し、生きがいを守ることに貢献できるメディアを目指す。債務整理でおすすめの弁護士・司法書士事務所ランキング19選!費用比較 : 【2022年最新号】派遣会社おすすめ徹底比較24選 : 浮気調査で探偵のおすすめは?探偵事務所比較ランキング : 株式会社cielo azulのビジョン人々の生きがいを守り、応援する力を高める!Twitter投稿 : <お問い合わせはこちら>運営会社:株式会社cielo azul 株式会社cielo azul公式twitter 株式会社cielo azul公式facebook 株式会社cielo azul公式インスタグラム 派遣会社登録ナビ公式インスタグラム 派遣会社登録ナビ公式twitter 債務整理相談ナビ公式インスタグラム 債務整理相談ナビ公式twitter 興信所探偵ナビ公式インスタグラム 興信所探偵ナビ公式twitter 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年08月22日止まらない物価の上昇。さらに老後の頼みの綱である年金は6月の支給分から減額になった。このことによって、すでに年金をもらっている人も、これからもらう人も大きく老後資金が“減った”のだーー。「6月支給分から、年金が前年より0.4%減となりました。夫が一般的な収入のサラリーマンとして40年働き、妻が専業主婦という“モデル世帯”が受給する年金は、月額22万496円から219593円へと、903円も引き下がりました。年間では10836円ものマイナスです。しかも、急激な物価上昇により、年金は額面以上に“減っている”状態です」こう語るのは、年金博士こと、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。そもそも、物価が高騰するなか、なぜ年金が減額されたのだろうか。「少子高齢化で現役世代の人口は減っているのに、寿命が延びたことで年金受給者は増えていきます。現役世代の負担を軽減するため、2016年の年金改定で、現役世代の賃金が下がれば、その分、年金受給額も下げるというルールになったのです」コロナ禍による景気の落ち込みなどで、過去3年の賃金変動率などが0.4%減ってしまったことで、年金額も同じように減額されてしまったのだ。■1万品目超の値上げ…政府の対策は期待できず年金減額だけではなく、急激な物価の上昇も家計に大きな影響を与えている。生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは言う。「2019年10月に消費税の増税、2020年の新型コロナによる景気の低迷で、企業の業績が悪化しました。一時期、コロナ禍で世界的に物流が滞りましたが、2021年に入り欧米諸国で輸出入が急激に再開されたことで、原油の需要と供給のバランスが崩れるなどして原油価格が高騰。大豆や小麦などの穀物の価格にも反映されました。昨年末からは、ロシアとウクライナの緊張が高まり、原油と小麦価格がさらに値上がっています。そして、この数カ月の急激な円安も家計に影響を与えています。麺類やパンなどの小麦粉商品をはじめ、輸入される牛肉や魚介類、さらにスーパーの総菜、ペットボトル飲料、お菓子など、1万品目以上が値上がりするのです」6月24日に発表された最新の「消費者物価指数(全国2022年5月分)」によると、総合的な物価は昨年と比べて2.5%上昇している。生魚や生野菜などの生鮮食品は12.3%、水道光熱費に至ってはなんと14.4%もの上昇だった。これを昨年5月の「家計調査」にあてはめてみると、この1年で月の支出額は214961円から220335円と、5374円も増えたことになる。年間だと64488円の上昇だ。「年金も減額されているので、年金世帯がこれまでと同じ生活をするだけで、年間75324円も負担が増えることになります。平均寿命の延びも加味し、老後を30年として計算したら2,259,720円の負担増になります。老後の計画が狂ってしまう人も多いはずです」(柏木さん)つまり、現在の状況は本来使えるはずだった老後資金が226万円も減ったのに等しい。政府はこの物価上昇をある程度容認すると、柏木さんはみている。「政府や日銀は長く続くデフレを脱却することを目標にしてきました。日本銀行のが『国民が値上げを受け入れている』と口走ったのも、そんな本音の表れでしょう。そもそも企業が、値上げした商品の価格を再び下げるとは、考えにくい。ウクライナ情勢も長引けば、さらなる値上げもありえます」岸田政権下で急激に目減りしていく老後資金。政治がそれに歯止めをかけない以上、生活を貧しくしていくしかないのかも……。【図解】昨年と今年の月の消費支出比較と物価上昇率
2022年06月30日「破産しました」6月5日、YouTubeチャンネルでこう切り出したのは、お笑いトリオ「インスタントジョンソン」のじゃい(50)。昨秋、競馬で6,400万円を当てたが、税務署職員が自宅にやってきて「マンションを買えるくらいの請求」されたと打ち明けた。じゃいはその経緯について、次のように語った。「僕は税金もちゃんと納めてるし、競馬で勝ったお金も申告しているのでやましいところは全くない。何なら給付金の類も全くもらっていない状態です。一応、調べさせてほしいということで、通帳なり過去の資料なりを全部持っていきました」その結果、冒頭のように「マンションを買えるくらいの請求」をされたというのだ。さらに請求された理由について、こう説明している。「はずれ馬券が経費にならないということになりまして。わかりやすく言うと、例えば1億円使って1億5,000万円勝ったとすると、その1億5,000万円に対して税金がかかるので、5,000万円しか勝っていないのに丸々持っていかれてしまうというような状態です」ある競馬誌ライターは、言う。「’17年の最高裁判決で、はずれ馬券が経費として認められた事例もありました。ですがこれは原告が6年間にわたってかなりの頻度で継続的に競馬を行っていたことから、“営利を目的とする継続的行為から生じた所得”とみなされたためです。原則として趣味の競馬で得た収入は一時所得とみなされ、はずれ馬券は経費と認められません」■「この法律をぜひ変えてほしい」現行の法律では、経費扱いとなってしまうはずれ馬券。じゃいは法律で定められているため支払う意思はあったが、「さすがにおかしい」と感じ裁判を起こそうと考えたという。しかし裁判は最低でも6年かかるといい、弁護士や税理士費用を考えると高額になるため断念したと告白。一方で税務署職員の言動にも疑問を感じる点があったといい、じゃいはこう続けた。「去年の年末ぐらいに結果が出るという風に言われたんですが、担当の税務署の人が親が危篤になったというので、『ちょっと待ってほしい』と言われまして。(中略)結果的に去年の年末に出るはずだったのが、今年の3月に結論が出まして、請求額がきたんですが『年末から3月までの利息分も払え』ということになったんですが。ちょっと待ってくださいよ、と。正直それはそちらの都合であって、(中略)その3カ月分の利息を払うのはおかしくないですか?と言ったんですが、『そういう決まりなんで』ということで、結局、全て支払いました」そんななか、「そもそも競馬の税金というものがなぜあるのか、はずれ馬券がなぜ経費にならないのか?」と疑問を呈したじゃい。彼が聞いた話として、「暴力団対策だったらしいです。要は暴力団が隠し持っていた資金とかを『これどうしたんだ?』という時に、『競馬で当たった』という言い訳が通用しないように、かけごとにも税金がかかる」と語った。はずれ馬券についても、「競馬場にはずれ馬券が死ぬほど落ちているので、それをかき集めれば問題解決する。ただ、今はもうネットで買う人もほとんどですし。僕自身、何のごまかしもしてないし、全てネットの状態も通帳も公開しましたので、基本的にこの法律自体が時代錯誤なんですね」と持論を述べた。さらには驚くべきことに、税務署職員もこの法律に疑問を抱いていたというのだ。じゃいは、税務署職員とのやり取りをこう明かしている。「担当の税務署の方が、『僕も理不尽だと思います』という風に仰っていました。そして税務署の上の方とも最終的にお話をしたんですが、『個々に思うことはあります。ただ、組織の決定なので。この話はYouTubeでしないでください』と言われました」自らの体験から、競馬や競輪などの公営競技について「無税にした方が良い」と主張したじゃい。これまでローンを組んだり借金をしたりしたことはなく、今回の競馬の件で初めて借金をしてしまったという。その上で、「二度と僕のような存在を出さないために、政治家の方なり誰かなりに、この法律をぜひ変えてほしいなという思いはあります」と呼びかけた。そんな彼の真摯な訴えに、賛同する声が上がっている。《時代に合ってない理不尽な法律を受け入れるのではなくおかしい法律は変えなければならないと思います》《元税務職員として本当に悲しい出来事だと感じました。担当者の私用で3か月間納税を止めたのにも関わらず、延滞税が増してるというのであれば、署内引継ぎがしっかりとなされていないありえない状態ですよね。怒りを通り越して呆れます。税制の見直しが非常に必要だと考えさせられる案件です》《国税局と言う名の暴挙・・・納得いきません。じゃいさん頑張れ!!》
2022年06月06日【最新情報】2021年の日本の自己破産件数は73,457件!2021年日本の自己破産件数等の推移WEBサイトの制作を行う株式会社cielo azul(本社:福岡市中央区渡辺通5−14−12南天神ビル3F、代表取締役:大泉 聡)は、運営メディア「債務整理相談ナビ」にて2021年の自己破産件数及び個人再生件数を速報しました。2022年4月18日発表の司法統計速報版によると、2021年の日本の破産件数は73,457件で、前年の78,104件から4,647件減少(6%減)しました。また、2021年の個人再生件数は11,249件で、前年の12,841件から1,592件減少しました。どちらも2019年をピークに件数は減少傾向となっています。<債務整理相談ナビ 2021年最新の自己破産・個人再生件数を速報>最新版2021年自己破産件数と47都道府県別自己破産の推移 : 012568.pdf : 債務整理相談ナビ概要債務整理相談ナビ「債務整理相談ナビ」では、債務整理の解決実績が豊富で、料金体系も極力安い、相談料無料の事務所のみをおすすめして紹介しています。メディア内では、事務所ごとのインタビュー記事や動画、1分自己紹介音声等を取り入れて相談者の専門家選びの一助となるように心がけております。また、「債務整理相談ナビ」は、日本トレンドリサーチ(運営会社:株式会社NEXER)がおこなった2021年12月から2022年1月における調査において、「債務整理相談比較サイト 総合満足度」「債務整理相談比較サイト 情報掲載充実度」「安心・信頼できる 債務整理相談比較サイト」の3項目で第1位を獲得しまております。債務整理相談ナビ 借金返済でおすすめ紹介 : 運営会社:株式会社cielo azul所在地:〒810-0004 福岡市中央区渡辺通5丁目14番12号 南天神ビル3F代表取締役:大泉 聡設立日: 2014年2月事業内容:WEBサイト制作/運営サポートWEB・SEOコンサルティングWEBの広告代理アフィリエイト/アフィリエイト支援URL: <お問い合わせはこちら>運営会社:株式会社cielo azul 公式twitter 公式facebook 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年04月25日何かと話題に上ることが多い年金や、何歳まで働くのかという問題など、高齢者にとって気になるテーマに関係する諸制度が、徐々に変わっていく。老後資金を守るため、今から知っておくべきことを経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。■参院選後は厳しい施策が続く新型コロナの感染拡大は少し落ち着いたものの、ロシアの軍事侵攻や宮城・福島の地震など憂慮すべきニュースが続き、気がつけばもう4月。’22年4月は高齢者に関わる制度改正が相次ぎます。どんなものか見ていきましょう。【在職老齢年金・停止基準額の引き上げ】在職老齢年金とは、厚生年金に加入して働きながら老齢厚生年金も受給する方が、毎月の給与と年金の合計が基準額を超えた場合、年金が減額される制度です。基準額は65歳未満が28万円で、65歳以上が47万円でした。たとえば63歳で毎月の給料が26万円、年金が10万円の場合、(合計36万円―基準額28万円)÷2=4万円の年金が減額されます。「年金を減らされたくない」と労働時間を減らす方もいました。ですが4月以降、この基準額が65歳未満も47万円に上がります。先の例の合計36万円は基準額47万円を超えないため、年金は減額されません。年金の減額を心配せず、働ける人が増えるでしょう。【厚生年金の在職定時改定制度】65歳以上でも厚生年金に加入して働き続けると、保険料を納めますから、厚生年金の受給額は増えていくはずです。年金を受給しながら厚生年金に加入して働く方も同様です。しかしこれまでは、65歳以上で働きながら年金を受給する方の年金額は、65歳時点で計算された額のまま。つまり、本来納めた保険料に応じて受給額は増えるはずが、厚生年金をやめるか70歳になるまで変わらない制度でした。4月以降は毎年、加入期間に応じて年金額を再計算し、年金額が改定されることになりました。長く働けば、在職中から毎年年金額がアップするので、生活費がうるおううえ、働くモチベーションも上がるでしょう。【年金の繰り下げ75歳まで可能に。繰り上げの減額率が0.4%に】年金は65歳からの受給が基本ですが、希望すれば60~70歳まで受給開始時期を選べます。ただし65歳より早く受け取る繰り上げは受給額がひと月ごとに0.5%減り、65歳より遅く受け取る繰り下げはひと月ごとに0.7%増えます。4月以降は年金の繰り下げが75歳まで選べるようになります。受給額がひと月ごとに0.7%増えるのは変わりませんから、75歳まで繰り下げた場合、0.7%×10年×12カ月=84%もアップします。ただ繰下げ期間は年金がありませんから、年金以外の収入や資産などで暮らさないといけません。また、繰り上げの減額率が0.5%から0.4%に緩和されます。早くもらい始める方には朗報でしょう。3つの制度改正は高齢者にプラスのものばかり。さらに先日、年金受給者に5,000円の臨時給付が、与党から提案されました。実現するかは不透明ですが……。こうした高齢者に手厚い対策がなぜいま集中するかというと、7月に参議院選挙が予定されているからです。選挙後には一転、厳しい施策が待ち受けています。そちらも要注意ですので、財布のひもは固く、ニュースには注目するようにしていきましょう。【PROFILE】荻原博子身近な視点からお金について解説してくれる経済ジャーナリスト。著書に『「コツコツ投資」が貯金を食いつぶす』(大和書房)、『50代で決める!最強の「お金」戦略』(NHK出版)などがある
2022年04月01日~【高齢期のお金を考える会】メンバーによるリレーコラム~SBIいきいき少額短期保険株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:新村 光由、以下「当社」)は、老後や年金での暮らしを“いきいき”と豊かに、楽しく過ごしていくための様々な生活の知恵に関するコラム「いきいき生活の知恵」を当社ウェブサイトにて発信しています。本日、新コラムを公開しました。ぜひご覧ください。2022年2月1日公開!◆お役立ち情報『いきいき生活の知恵』第12回【高齢期のお金を考える会】ピンチになる前に!安心して老後を迎えるために押さえておきたい事例別ポイントファイナンシャル・プランナー(FP) 畠中雅子さんによる老後や年金生活に備えるアドバイスをご紹介している「いきいき生活の知恵」コラム。関心の高い高齢期のお金の使い方や考え方について、畠中FPが主宰する「高齢期のお金を考える会」メンバー5名のFPによるリレーコラムの第4回をお届けします。今回は、記事執筆や家計相談のほか、シニアや生活困窮者のライフプランにも力を入れて活動をされている小沢美奈子さんに「老後を迎えるために押さえておきたい事例別ポイント」について教えていただきました。コラム全編はこちら▶ : ※コラム内の記事、写真等の転載はご遠慮ください。ファイナンシャル・プランナー、マネーライター 小沢 美奈子氏【コラム執筆者】ファイナンシャル・プランナー、マネーライター 小沢 美奈子さん「高齢期のお金を考える会」メンバー。ウェブや雑誌などでのマネー記事執筆、セミナー講師、家計相談のほか、写真撮影も行う。シニアや生活困窮者のライフプランにも力を入れる。著著に『本物の節約 残念な節約』(河出書房新社)。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年02月01日老後の暮らしを支えてくれるものといえば「年金」だが、その年金の仕組みが’22年春から大きく変わる。少しでも多くもらい、取りこぼしを極力なくすためにも、今からキッチリ予習しておこうーー!’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正で得するための条件として、井戸さんが教えてくれたのが次の3つ。【1】受給開始年齢を遅らせる受給開始を遅らせると最大84%もお得。【2】なるべく長く働き続ける健康なうちはリタイアなんかしない!【3】できるだけ収入を増やす納付金額が増えれば受給額もアップ。「誰でもできるのは『年金の繰り下げ』ですが、その前に必ず、夫婦で年金収入がいくらになるのかを調べておきたいですね。『まだ先のことだからいいや』といって放置している人も多いようですが、遅くとも50代のうちに、年金収入だけで生活が成り立つのか、家計の見直しをしておきましょう。老後のお金がどれくらい足りなくなるのかがわかれば、いつまで働けばいいのか、いつまで年金受給を繰り下げればいいのか、といった方向性も見えてきます」(井戸さん・以下同)「ねんきん定期便」は毎年、誕生日の月に届くが、夫と妻それぞれに届くので夫婦合わせていくらもらえるのか計算しよう。また、その際に覚えておきたいのが、加入実績に応じた年間額(年額)から、社会保険料、所得税、住民税などを支払わなくてはならないということ。実際には1割ぐらい差し引いた金額が手取りの額になるという。そこから、生活費を差し引いてみると、年金の範囲内で生活が成り立つかどうか判断できる。退職金や貯蓄を取り崩す生活を続けると、あっという間に資金が底をつく恐れがあるので、介護や医療費など“もしもの時”にも備えておきたい。「たとえば、夫の退職金が少なかった、住宅ローンの支払いが退職間際までかかってしまった、などの理由により、老後の貯蓄ができなかったという話もよく聞きます。老後の終身の収入は公的年金だけで、それだけでは生活費が足りない場合は『元気なうちはなるべく外に出て働く』という選択が現実的。その間、年金を繰り下げて受給額を増やすこともできます」年金の繰り下げは、今回の大改正で受給開始年齢が70歳から75歳まで広がる。受給額は最大で84%アップし、たとえば65歳で年間約78万円もらえる人は、70歳まで繰り下げると約110万円に増やすことができる。さらに75歳まで繰り下げれば約143万円にも!ただし、むやみに繰り下げると、受給額が目減りするケースもあるので注意しよう。■厚生年金に加入し、長く働けばメリットは大短時間のパートやアルバイトでも、厚生年金加入のチャンスが生まれたのも特筆すべき点だという。社会保険の加入要件のハードルが下がり、週20時間、月8.8万円の収入の人でも加入対象になったのだ。また、65歳以降も厚生年金に加入して働くと、毎年年金額が増える仕組みなのでやりがいもアップ。「改正前は、65歳以上で老齢厚生年金をもらいながら働いていた人の年金受給額は、退職してからか、70歳を迎えるまでは再計算されませんでした。それが、毎年再計算されることになり、厚生年金の保険料を納めた分、すぐに翌年から受給額がアップしていきますので、働く意欲につながるでしょう」いずれにしても「働き続ける」ことが大切なのだ。さらに、個人が任意加入する私的年金を使って年金を増やす、という方法にも変化がある。個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)は、これまで加入できる年齢が60歳未満だったのが、65歳未満に引き上げられるのだ。「老後資金が足りない」という人は、仕事を続けながら、厚生年金に加入して、かつiDeCoにも加入すれば、もらえる年金の倍増も夢ではない。
2022年01月19日「老後2,000万円不足問題」「長生きリスク」など、老後資金への不安が一向に解消しない。50代は“老後資金の貯めどき”といわれるが、それどころではない日常に追われ、さらに不安が募る。「晩婚化の影響で結婚・出産が30代だと、住宅購入は40代になるでしょう。50代は役職定年などで収入が減るのに、子どもは大学生で住宅ローンはまだ半分。そんな状態で、老後資金まで手が回らない人が増えています」そう話すのはファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんだ。60歳の人に今の貯蓄額を聞くと、3人に1人が300万円未満というデータも(PGF生命「2021年の還暦人に関する調査」)。「貯蓄ゼロというのも珍しい話ではありません。でも『もう手遅れだ』と悲観しなくても大丈夫。老後資金づくりは60歳からでも間に合います」(長尾さん・以下同)心強い言葉だが、もしや運用を勧めるのでは?「初心者が運用に手を出し、大切な老後資金を減らしては元も子もありません。運用はいっさいせずに、老後資金を増やしましょう」どんな方法だろう。「実はとてもシンプルで、〈1〉長く働く、〈2〉公的年金の活用、〈3〉節約の3つを組み合わせるものです。『なんだ、年金か』と思うかもしれませんが、年金制度は複雑でうまく使いこなせない人が大半です。公的年金制度をフル活用して、年金額を最大化させましょう」年金額が多少増えても、老後の厳しさに変わりないのでは?「たとえば夫婦2人分の公的年金が月20万円で、2人の生活費が月25万円なら、毎月赤字で貯蓄を食いつぶすことになります」年金生活が65〜95歳の30年間続くとすると、月5万円の赤字×12カ月×30年分=1,800万円が老後資金として必要になる。「ですが、公的年金を月25万円に増やせれば生活費月25万円とトントン。貯蓄ゼロでも生活できます。また、生活費を1万円節約できれば、貯金もできますよ」公的年金の受給は65歳からが原則だが、今は60〜70歳までもらい始める時期を選べる。ただ、65歳より早くもらい始める「繰上げ」は受給額が減らされるが、遅くする「繰下げ」を選べば受給額が最大42%増えるのだ。「公的年金の受給は一生涯です。しかも使っても使ってもまた振り込まれる“減らない財布”です。これを生活費がまかなえるくらい大きくできれば、お金の心配がないバラ色の老後になりますよ」■長く働く、年金の繰下げ、節約で90歳で貯蓄1,000万円会社員のAさん(60)を例に年金の活用法を見ていこう。Aさんは同い年夫婦で、退職金で住宅ローンを完済し、貯蓄はゼロ。「貯蓄ゼロだと日々の生活に困りますから、まず働きましょう。また60歳以降も厚生年金に加入すれば、退職後の年金も増やせます」Aさんが70歳まで働く場合の貯蓄額の推移が、グラフ1(画像参照)だ。Aさんは年収360万円、妻は年収180万円で働き、支出が年400万円だと140万円の黒字だから、貯蓄が増えていく。65歳でAさんの勤務日が減り妻は退職するが、年金受給が始まり、さらに貯蓄は増える。だが、70歳でAさんが退職すると赤字生活に陥り、83歳で貯蓄が尽きてしまう。「長く働くだけでは無理があるので、年金を繰り下げましょう」年金の繰下げは先述のとおり年金受給を65歳より遅らせること。1カ月遅らせるごとに受給額が0.7%アップするので、最長70歳までの5年間で0.7%×12カ月×5年間=42%増額になる。「ただAさん夫婦は70歳まで繰り下げると貯蓄が底をつくので、夫婦とも69歳までにしました」こうした見直しで、貯蓄推移はグラフ2(画像参照)のように変わる。「年金は4年間の繰り下げで33.6%アップ。Aさんの年金は216万円→287万円に、妻は85万円→114万円に増えました。あわせて節約にも取り組みました。Aさんが70歳で退職したら、生活費を1割カット。年間支出を400万円→360万円にします」65〜69歳は収入も減り年金もないため赤字で貯蓄を減らすが、年金受給が始まる69歳以降は黒字が続く。70歳でAさんが退職しても、節約効果もあって年41万円の貯蓄ができるのだ。「この生活を続けると90歳で貯蓄が1,000万円を超えます。介護などがあっても心配ないでしょう」70歳以降も夫婦2人で月30万円なら、それほど厳しくないだろう。「少しずつでも貯蓄が増えていく暮らしは、とても安心ですよ」
2022年01月11日「老後をどうしたいのか方向性を決めていくと、蓄えておくべきお金がわかってきます」そう話すのは、『こんな時代でもラクラク貯金ができる!○×でわかるお金の正解』(KADOKAWA)の著者で、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。人生100年時代、想像以上に長い老後が待っている。その長い老後を乗り切るには、まずは年金生活に入った後、年金収入だけで生活が成り立つのかをシミュレーションしてみよう。受け取れる年金の額は「ねんきん定期便」で確認できる。住宅ローンを払い終わっていれば住居費はなくなり、現役時代と違い毎日通勤しなくてもいいのであれば、夫のスーツ代やワイシャツのクリーニング代などは少なく見積もれるだろう。ただし、月々の生活費に不足分が出るようであれば、「不足分は仕事を続けて収入を得る」という選択肢を視野に入れなくてはならない。「仕事を続けて収入を得るということは、年金や貯蓄を使い尽くさないという生活防衛策でもあり、健康をキープすることにもつながります。とりわけ夫にいつまで働いてもらうのかは、老後資金をいくら貯めるかを考えるうえでも大切なポイントになってきます」(横山さん・以下同)いずれにせよ退職金は病気や介護が必要になったときのために備えておくのがベター。そのほかにどれだけのお金が必要となるのかの「ライフプランニング(人生設計)」を立てておくことが必要だという。年金生活に入ってからの「ライフイベント」には具体的にどんなものが想定されるのだろう。たとえば、子どもたちがすでに独立していれば、教育費などの大きな支出はなくなるが、まだまだ動けるうちは新車の購入費や、旅行、親が健在なら帰省などの費用も見積もっておく必要がある。それらはすべて貯蓄でまかなわなくてはならない費用だ。具体的なライフイベントには表れてこないが、病気になったり介護が必要になったときのお金も想定しておきたい。「若くて健康なうちは気付かないのですが、老後生活の最大のリスクは病気です。『高額療養費制度』を使えば医療費はかなり抑えられますし、介護にかかる費用も、一定金額を超えた場合には『高額介護サービス費』を利用することで、払い戻しを受けられます。ですが、医療や介護でお金が戻ってくるこうした制度については、誰も教えてくれませんので、知らないと損をしてしまいます。お住まいの自治体に問い合わせるなどして確認しておきましょう」さらに、医療保険と介護保険のサービス両方を利用している世帯であれば、1年間(8月から翌年の7月まで)の負担額が一定額を超えた場合に、申請すると超過分が戻ってくる「高額医療合算介護サービス費」も受けられる。また、女性の場合、気をつけたいのは、夫に先立たれた後の生活のこと。たとえば、夫と妻の分を合わせて毎月約23万円の年金を受け取っていたとしたら、夫の死後、妻がそのままの金額を受け取れるわけではなく、約14万円(妻の老齢基礎年金6万5,000円+遺族厚生年金7万5,000円)までダウンしてしまう。夫の死後、受け取れる年金額は把握しておこう。【想定しておきたい老後のライフイベント例】〈60歳・夫の定年退職〉定期的な収入が大きく減ってしまうポイント。これを機に身の丈に合った支出に見直そう。〈65歳・夫が脳卒中〉日本人の死因の約52%を占める三大成人病。リハビリが必要になることも想定しておこう。〈75歳・夫と死別〉葬儀にかかる費用以外に、今後もらえる遺族年金の額も把握しておく必要がある。〈85歳・要介護状態で施設に〉終(つい)のすみかを確保するにもやっぱりお金が必要。入居する施設は元気なうちに探しておきたい。 男性よりも平均寿命が長い女性にとって、「長生きリスク」への備えは、より切実なのだ。
2021年12月24日老後資金問題に、まさに青天のへきれきともいえたコロナ禍。いつの間にやら家計は火の車!そんな状況の人でも、焦って投資や保険に手を出すのは悪手かも。甘い言葉につられないよう、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれました――。■金利3%以上ならインチキを疑う目を持つ’19年に「老後2,000万円不足問題」が注目されました。これは総務省の家計調査(’17年)から、高齢世帯の平均収入と平均支出を抜き出し、その差額、月約5万5,000円×12カ月×30年を単純に計算し、「公的年金だけでは2,000万円不足する」と指摘するものでした。これらはあくまでも平均値で、しかも高齢になるほど支出が減ることなども考慮されていない、ひとつの目安にすぎません。当てはまらない方も多いのですが、数字だけが独り歩きし、投資の必要性をアピールするために利用されてきました。いまも「投資は必須」と語る専門家もいますが、だれがコロナショックを予測できたでしょう。それほど現代は、先行き不透明で予測不可能です。そんななか、リスクのある投資で虎の子の老後資金を失わないように『「コツコツ投資」が貯金を食いつぶす』(大和書房)を書きましたが、本誌では、特にだまされやすいセールストークの裏側を考えていきましょう。【分散投資で、リスクは回避できます】分散投資はよく卵にたとえられます。「ひとつのカゴに入れておくと落ちたら全部割れてしまうが、いくつかに分けておけば落ちるカゴも残るカゴもある」から安心だというのです。しかし、リーマンショック級のリスクが来たら、分けたカゴすべてが落ちてしまうことも。卵を守りたければ、落ちても割れないゆで卵にしておくことです。つまり、現金化して貯金すること。キャッシュがいちばん強いのです。【特別な高金利商品です】いまの時代、高金利には注意が必要です。1%以上の金利がつく商品には“カラクリ”があり、3%以上なら“インチキ”だと疑う目を持ちましょう。たとえば「定期預金金利が1%」という商品はほとんど、同時に投資信託を契約することが条件。つまり、投資信託と定期預金のセット商品です。しかも、1%の定期預金金利は1カ月だけということも。100万円預けて利率1%なら利息は1万円ですが、それは1年ものの場合。1カ月ものなら利息はわずか800円余りで、2カ月目からは通常の金利に戻る、これがカラクリです。■保険の契約にも罠が。堅実な貯金が安心【保険のご相談は無料です】ショッピングモールなどにある保険ショップは「相談無料」がウリですが、その実態は“相談”ではなく“セールス”です。そう考えると、無料は当然でしょう。保険ショップはボランティアではありません。無料相談の人件費や保険ショップの店舗費用、相談に行けばもらえるノベルティグッズなど、多くのコストを無料相談でまかなえるはずがありません。それらは保険ショップの売り上げ、つまり、契約した方の保険料から捻出されているのです。“無料”につられると、本当に必要な保険料にそうしたコストが上乗せされた“高い買い物”をさせられるかもしれませんよ。【貯金するより賢いですよ】大手銀行の普通預金は0.001%の超低金利。それに対して、貯蓄性保険なら運用利回りは0.3%。300倍ですから「お金を増やしたいなら、銀行預金より貯蓄性保険のほうが賢い選択」というのです。しかし保険の場合、契約者が支払う保険料から事務手数料など保険会社の経費を差し引いた残金が運用に回ります。保険料を資産づくりの元金と考えると、手数料が引かれたマイナスからのスタートになりますが“賢い”でしょうか。表面的な言葉だけで信用すると、痛い目にあうかもしれません。セールストークの裏側にあるカラクリを見逃さないでください。
2021年11月26日天海祐希主演のコメディ映画『老後の資金がありません!』より、豪華キャストが演じる曲者ぞろいのキャラターたちが大集合した特別映像がいち早くシネマカフェに到着した。映像では、公開記念ナビとして、個性豊かなキャラクターたちを紹介しながら、キャストたちのインタビューも映し出されている。本作の主人公を演じるのは、これまで刑事や医者、弁護士、一級建築士など様々なキャラクターに扮してきた天海さん。今作では、普通の主婦・篤子を親近感たっぷりに演じている。子育ての責任から開放され、夫婦で気ままな老後生活を楽しもうとしていた矢先、次々とお金の問題が襲いかかるという、どこにでもある家庭の切実な課題に頭を抱える役どころ。そんな篤子の周囲には、個性派キャラクターたちばかりが揃う。まず映像では、松重豊演じる夫・章が、会社の倒産を伝えながらも、アイスを頬張り、当たりくじに満面の笑みをみせるオトボケっぷりを披露。撮影をふり返り、天海さんは「一見、篤子さんが家の主導権を握っている。でも、中の部分ではすごく章さんを頼りにしているんだ、というのを忘れないように、自分の一番中心に置いて演じていました」と明かす様子も。また娘・まゆみ(新川優愛)も、真面目な優等生タイプでありながら、ド派手な一発をかます隠れ個性派キャラクター。ヘビメタバンドマン・琢磨(加藤諒)を自宅に招待し、結婚を電撃発表して篤子たちの度肝を抜く。さらに、姑の問題を騒ぎ立て、厳しい家計に頭を抱える篤子に、義理の妹・志津子(若村麻由美)が追い打ちをかける。映像ラストに登場するのは、草笛光子演じる浪費家な姑・芳乃。「天真爛漫にやらせていただいて…男までやらされました」と語るように、かつて見たことのない華麗な変身っぷりを見ることができる。そんな家族たちのほかにも、柴田理恵、石井正則、友近、クリス松村、高橋メアリージュン、佐々木健介、北斗晶、荻原博子(経済ジャーナリスト)、竜雷太、藤田弓子、哀川翔、毒蝮三太夫、三谷幸喜などバラエティに富んだキャストたちが集結している。『老後の資金がありません!』特別映像『老後の資金がありません!』は10月30日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:老後の資金がありません! 2021年10月30日より全国にて公開©2020映画『老後の資金がありません!』製作委員会
2021年10月21日「老後資金は2,000万円必要」との趣旨の報告書が金融庁から提出されるなど、お金の不安が増すばかりの人生100年時代。楽しい老後を過ごすために必要なお金はいくらなのか。そこで、プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが提案するのが自分の老後のお金回りを知るための4つのステップだ。【ステップ1】「老後に受け取れるお金」を計算する「老後の収入の柱は公的年金です。まずは自分たち夫婦が65歳以降、どれくらいの年金を受け取れるかを把握しましょう」(三原さん・以下同)これに退職金や個人年金保険などの私的年金を加えた金額が、老後を支える収入になる。【ステップ2】「老後の生活費」を見積もる「老後のお金の“入り”がわかったら、つぎは“出”のほうです。これは大きく、毎月の生活費とそれ以外に分けられます」老後の生活費の目安は現在、毎月どのくらいの出費をしているかを計算して判断する。「家族構成、マイホームの有無、子どもへの教育費のかけ方などによって生活費のかかり方はさまざまですが、老後は子どもの独立などから、現役世代のいまの生活費の7〜8割が目安になります」【ステップ3】「老後の特別費」を見積もる「老後、必要になるお金は生活費だけではありません。忘れてはならないのが、医療費や介護費用。また家の修繕費など、思いがけない出費を合計すると、数百万円単位のお金が必要。その予想額も見積もってみてください」【ステップ4】「あなたの老後資金」を計算する「最後に【ステップ1】の金額から【ステップ2】【ステップ3】のお金を引いてみると、あなたの老後資金の過不足金額がわかります」■あなたがすべき“老後資金対策”、教えます「正直なところ、多くの人が90歳になったときの老後資金の金額は残念ながらマイナスになったと思います。でも心配することはありません。どのくらい足りないかがわかれば、あとは対策を立てて、お金の“入り”を増やしたり“出”を減らしていけばいいんです」三原さんが老後資金の過不足金額に合わせ、あなたがすべき“老後資金対策”を教えてくれた。【ケース1】老後資金が「プラス」になった場合「すでに老後資金を十分に用意。素晴らしいです。この調子でさらにプラス額を増やしていきましょう。資産運用をする場合、必要以上のリスクをとってまで増やさなくてもOK。当面使う予定がなくて、絶対に減らしたくないお金は「個人向け国債 変動10年」で安全に運用しましょう。またリスクのある運用に回して増やしたいときは、毎月減っても大丈夫な額に平均余命年数を月数に直した数を掛けた金額までを運用に回すことをおすすめします」【ケース2】「0〜マイナス100万円」の場合「家計の見直しに取り組み、収支のプラスを大きくするように改善していきましょう。具体的には、生活費の中で毎月あるいは毎年決まって出ていくお金(固定費)の見直し。継続して支出を減らせるので効率的で、精神的にも楽です。まずは通信費。夫婦で毎月1万5,000円ほどのスマホ代を月5,000円に減額できれば、年間12万円、10年で120万円の削減に。また、つみたてNISAを活用し、いまある資産を長持ちさせる運用の検討もしてみてください」【ケース3】「マイナス100万〜1,000万円」の場合「家計、とくに固定費の見直しに取り組み、収支のプラスを大きくするように改善していくことが必要。生命保険は、子どもの独立後に大きな死亡保障は必要ありません。更新型の生命保険で毎月4万円以上の保険料を払っている人は10年間で500万円程度削減することも可能。固定費の削減だけで足りないときは、特別費の内容を削減することや、夫のリタイア年齢を延ばしたり、妻のパート収入を増やしてカバーしていくことを考えましょう」【ケース4】「マイナス1,000万〜2,000万円」の場合「家計の見直しにプラスして勤労収入を得ることを考えましょう。夫が会社員であれば、継続雇用の65歳まで勤め上げ、それ以降も働き方のペースを落としながらなるべく長く働いて収入を得ましょう。夫だけでなく妻もパート収入を得て協力態勢で臨めば1,000万円以上の不足額も埋められます。なお戸建てに住んでいる人は家の修繕費が100万円単位でかかることもあるので、現在の家が終のすみかになりえるかを含めての検討が必要です」【ケース5】「マイナス2,000万円以上」の場合「夫婦でなるべく長く働いて勤労収入を得るのがいちばんの得策です。また働いて収入を得ている間は公的年金を受け取らずに繰り下げしましょう。たとえば70歳まで5年間繰り下げをすると65歳時の受給額の1.42倍に増額。国民年金の満額受給が約78万円ですから約110万円に増えます。90歳まで生きれば総受給額は約265万円多くなります。夫婦の年金を繰り下げ、70歳まで働くことで2,000万円以上のマイナスをプラスにすることも可能に」老後資金の過不足金額に合わせた“老後資金対策”を参考に、豊かな老後のための万全の準備をしておこう!
2021年10月01日「いまから2年前“老後資金には2,000万円の貯蓄が必要”と金融庁が出した数字がメディアで大きく報じられました。それをきっかけに、自分の老後資金は本当はいくら必要なのかと、不安を抱いた人が多いのではないでしょうか」そう話すのは、プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さん。「もともと金融庁が出した『老後資金が2,000万円不足する』という試算のモデルは、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)が、毎月の赤字額平均約5万5,000円で30年生きた場合の赤字総額。参考にはなりますが、果たして、自分に当てはまるかは別問題です」では、実際、自分の場合の老後のお金回りはどうなっているのか?そのガイドブックとして、三原さんが著したのが『書けば貯まる!今から始める自分にピッタリな老後のお金の作り方』(翔泳社刊)だ。「私のところに相談にくる方も、いちばん肝心な自分たち夫婦が将来もらう年金額や夫の退職金の額を知らないケースも。まず自分たち夫婦の家計の一生の出入りを計算して、対処法を考えることが大切だと思います」そこで、三原さんが提案するのが自分の老後のお金回りを知るための4つのステップだ。【ステップ1】「老後に受け取れるお金」を計算する「老後の収入の柱は公的年金です。まずは自分たち夫婦が65歳以降、どれくらいの年金を受け取れるかを把握しましょう」これに退職金や個人年金保険などの私的年金を加えた金額が、老後を支える収入になる。「毎年、誕生月前後に郵送されるねんきん定期便のハガキを見れば、将来受け取る年金額の見通しを知ることができます。ただしハガキの内容は、今年50歳以上になる人と50歳未満の人で異なります」まず50歳未満の人の場合は少し面倒。ハガキには、加入実績に応じた現時点の金額が記されている(1)。65歳での受取額は、現在から退職までの見込み受取額を自分で計算して、これに足す必要がある。一般企業の会社員の場合、「老齢基礎年金」(個人事業主はこちらのみ)と「老齢厚生年金」の両方が受け取れるので、まず老齢基礎年金については、今から60歳までの年数×2万円として計算(2)。老齢厚生年金については、今後の平均年収を想定し、その金額×0.55%×現在から退職までの年数が今後の見込み受取額になる(3)。この(1)と(2)と(3)を合わせた(A)が65歳以降に受け取れる年間見込み年金額だ。50歳以上の人は、ねんきん定期便の年間見込額の右下に記されている金額がそのまま65歳以降で受け取れる年間見込み額(B)になる。【ステップ2】「老後の生活費」を見積もる「老後のお金の“入り”がわかったら、つぎは“出”のほうです。これは大きく、毎月の生活費とそれ以外に分けられます」老後の生活費の目安は現在、毎月どのくらいの出費をしているかを計算して判断する。「老後の生活費といっても、なかなかイメージしづらいでしょう。そこで、ひとつの目安として示したのが、『高齢者無職世帯の平均生活費』です(総務省家計調査年報の’19年家計の概要をもとに三原さんが作成)」■高齢者無職世帯の平均生活費〈夫婦〉夫65歳以上、妻60歳以上食費:6万6,000円住居費:1万4,000円光熱・水道費:2万円家具・家事用品:1万円被服・履き物:6,000円保険医療費:1万6,000円交通・通信費:2万8,000円教養娯楽費:2万5,000円交際費:2万6,000円その他支出:2万9,000円合計(月額):24万円合計(年額):288万円〈単身〉60歳以上食費:3万6,000円住居費:1万3,000円光熱・水道費:1万3,000円家具・家事用品:6,000円被服・履き物:4,000円保険医療費:8,000円交通・通信費:1万3,000円教養娯楽費:1万7,000円交際費:1万5,000円その他支出:1万5,000円合計(月額):14万円合計(年額):168万円夫婦の場合、総額月24万円程度の支出となっている。「ただこれはあくまで総務省の統計の平均値。たとえば住居費が夫婦で1万4,000円となっていますが、賃貸に住んでいる人はまったく足りません」では自分にとって老後の生活費にはいくら必要なのか?高齢者無職世帯の平均生活費の項目を参考に、「あなたの『老後の生活費』の見積もり」で知ろう。「まず、おおまかでかまいませんから、現在使っている月の生活費を項目別に表に書き込んでください」老後の生活費は現役世代のおおよそ7〜8割と言われているので、「食費は7割でやれそう」「交際費は8割くらいかかりそう」など、自分で判断し、現在の生活費にそれぞれ0.7〜0.8を掛けて算出。「家族構成、マイホームの有無、子どもへの教育費のかけ方などによって生活費のかかり方はさまざまですが、老後は子どもの独立などから、現役世代のいまの生活費の7〜8割が目安になります」項目の数字をすべて足して月額を出したら、それに12をかけて年額を算出したものが、老後の生活費の年額(C)になる。【ステップ3】「老後の特別費」を見積もる「老後、必要になるお金は生活費だけではありません。忘れてはならないのが、医療費や介護費用。また家の修繕費など、思いがけない出費を合計すると、数百万円単位のお金が必要。その予想額(D)も見積もってみてください」【ステップ4】「あなたの老後資金」を計算する「最後になりましたが、老後の収入として、退職金の金額も確認しましょう。これは勤務先の人事・総務部など担当部署や労働組合に問い合わせたり、就業規則や福利厚生制度の冊子などで調べることができると思います」退職金の金額(E)、また生命保険の個人年金保険や終身保険の受取金の金額も確認し、「iDeCo」などの積立金も合わせる(F)。これで、あなたの老後のお金の出入りの見積もりは完了。あとは、次の「あなたの老後に必要な金額は?」の計算式に、これまで算出した(A)〜(F)までの数字を書き入れ、計算するだけだ。〈「あなたの老後に必要な金額は?」の計算式 〉公的年金の受け取り見込み額(A)もしくは(B)−老後の年間想定生活費(C)×65歳以降、何年生きるかの想定年数=老後期間の生活費過不足額老後期間の生活費過不足額−特別費合計(D)+退職金(E)、私的年金など(F)の合計額=90歳になったときの老後資金4つのステップを参考に、老後に入ってくるお金と出ていくお金の目安を書き出し、自分の老後資金の現実を把握しよう。
2021年10月01日「老後資金は2,000万円必要」との趣旨の報告書が金融庁から提出されるなど、お金の不安が増すばかりの人生100年時代。楽しい老後を過ごすために必要なお金はいくらなのかーー。「老後に必要なお金は生活費だけではありません。毎月の生活費以外に、数年ごとや不定期に出ていくお金があります。これを老後の特別費と、私は呼んでいます」そう話すのは、プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さん。三原さんが特別費としてあげるのは次の9項目だ。ひとつずつ、くわしく解説してもらおう。【1】医療費「厚労省が公表している年齢別の国民一人当たりの医療費をもとに試算すると、70歳以上が窓口で支払う金額の合計は概算で140万〜400万円になります。おおよそ夫婦で500万円程度と見積もってはいかがでしょうか」(三原さん・以下同)【2】介護費「生命保険文化センターの調査によると、介護を受ける期間は平均約4年7カ月。介護費の合計は494万円。介護代は夫婦で1,000万円用意したいところです」【3】居住費「老後30年以上暮らすことを考えると、戸建て、マンションいずれもリフォームの必要が出てきます。その平均額は戸建てで約620万円、マンションで約540万円と試算されます」【4】車買い換え費「車の買い換えも大きな出費になる可能性があります。中古車を選択したり、軽自動車にしたりすることなども考え、その費用を書いてみてください」【5】家電買い換え費「エアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビなど、5万円を超える家電の買い換えは特別費。買い換えの目安はエアコン13.6年、冷蔵庫12.2年、洗濯機10.8年、テレビ9.5年とされます」【6】趣味費「趣味は内容によって費用もさまざまですが、趣味仲間との食事や旅行なども含め、これくらいに抑えるという上限額を決め、それを書き出しましょう」【7】ペット費「いまやペットも大切な家族の一員ですが、ペットにかける年間の支出は、犬で約34万円、猫で約16万円(アニコム損保調査)。とくにペットが高齢になると医療費も多くなることを念頭に算出してください」【8】終活費「これは葬儀やお墓のお金です。葬儀代の全国平均金額は経産省の調べでは’20年度は約117万円。お墓については、継承するお墓の有無などを含め、いまから費用を確認しておきましょう」【9】子ども援助費「親や祖父母などの親族の約8割が子どもの結婚費用を援助。その金額は平均200万円(ゼクシィ首都圏調査)。ほかにも孫の教育費の援助など、想定される出費の合計を算出しましょう」“老後資金対策”を考える際には、見落としがちな特別費を忘れずに。
2021年10月01日天海祐希主演の痛快&最高のお金のコメディ・エンターテインメント映画『老後の資金がありません!』より、ユーモアがたっぷり詰まった予告映像が公開された。本作は、34万部突破のベストセラー小説「老後の資金がありません」が原作。天海さんがどこにでもいる普通の主婦を演じ、現代日本が抱えるお金の問題に立ち向かっていくストーリー。到着した映像では、貯金ほぼナシ、パート先をリストラになり収入0円、夫の失業で収入0円、娘の結婚資金でー300万円、親の葬式でー330万円…と、次々お金の問題が出現。さらに、浪費家の姑が追い打ちをかけ、絶体絶命の大ピンチ!またラストには、天海さん演じる篤子と草笛光子演じる姑・芳乃の2人によるまさかのジョークも飛び出す。そんな天海さんの明るくコミカルな演技も相まって、現代日本が抱える問題を吹き飛ばすかのような仕上がりとなっている。『老後の資金がありません!』は10月30日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:老後の資金がありません! 2021年10月30日より全国にて公開©2020映画『老後の資金がありません!』製作委員会
2021年08月30日老後は悠々自適のはずが、人生の最後にこんな大誤算が待っているなんて!そんなふうに嘆かないで済むように、老後破綻の落とし穴を知っておこうーー。「老後資金『2,000万円足りない』問題が金融庁の報告書で指摘されたのが2年前(’19年6月)のこと。多くの人が不安に陥れられましたが、やりくり上手の人のなかには『どうにかなりそう』と安心していた人もいるのでは?しかし、油断をすると、瞬く間に貯蓄は底をつくんです」こう警告するのは、マネー管理術に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。老後には“落とし穴”がたくさん。実例を見ていくとともに、専門家に対処法を聞いていこう。【落とし穴1・がん治療】薬にお金を費やしたが「3年前に夫の悪性リンパ腫が発覚しました。標準治療である抗がん剤治療と放射線治療を行いましたが、なかなか効果は見えず……。いくつかの病院をまわったところ、ある医師に日本では承認されていない新薬をすすめられました」(60代主婦)夫は70代前半で、夫婦には十分な貯金はあった。保険適用外の治療はすべてが実費となる。「夫に治ってほしい一心で、すぐに標準治療から切り替えて、新薬を試すことに。出費は1,500万円近くにのぼりました。しかし、特に効果がなく、すぐ亡くなってしまって……。財産も半減してしまいました」夫を思う妻の気持ちを考えると、一概に無駄と切り捨てられないこの出費。病気とお金の関係をどう考えるべきだろうか。「貯蓄がある人のなかには『お金をかければいい医療を受けられる』と信じている人が多い印象があります。でも、日本は国民皆保険制度が整備された国。効果のある医療はかなりの確率で保険適用になっているんです」(加谷さん)この場合、医師の提案に飛びつかず、標準治療を続けるのもひとつの選択肢だった。〈対処法〉高額医療=いい医療ではないことを肝に銘じよう。【落とし穴2・相続】家もらえず老後設計が狂う「私は同居する父の介護を10年近く続けてきました。施設への送迎から食事の世話。働いている時間以外は、父に尽くしました」そう語るのは60代独身女性。父も娘の献身ぶりに感謝。唯一といっていい父の財産は一緒に住んでいた実家だったが、生前から「自分が亡くなったあとはお前が住み続けなさい」と言ってくれた。そんななか、父は風邪をこじらせ肺炎となり、急死してしまう。それまで元気だったことから、遺言書は作成していなかった。「疎遠になっている弟と妹がいるんですが、2人は財産を3等分にすることを要求してきました。遺言書もなく、私は『寄与分』を主張したのですが、ほとんど認められず。財産を分割するために家は売却することに。持ち家があれば、少ない年金でもやっていけると思っていたんですが……」この女性は年金生活に入った今も仕事を続けている。「故人への貢献度に応じて相続分を増やすことができる制度である『寄与分』は証明が難しいんです。介護にかかった時間を時給換算し、施設や移動にかけた費用などとともに記録しておくべきでしょう。そして、やはり遺言書に勝るものはありません」(加谷さん)〈対処法〉口約束はNG!遺言書の作成を。【落とし穴3・住宅】“終の棲家”と思ったのに「自宅を売って、温泉付き大浴場や24時間のコンシェルジュなどがついた『シニア向け分譲マンション』を3,000万円で購入。夫婦で引っ越しました。しかし夫に認知症の症状が出始め、さらに転倒して体が不自由に。マンションには介護サービスはついていなかったので、マンションを売って、介護付き有料老人ホームに引っ越すことにしました」(70代主婦)問題はここから。入居条件が60歳以上となっている同マンション。なかなか買い手がつかない。「息子夫婦に住んでもらおうにも、年齢制限があって住めません。新しく引っ越した老人ホームの月20万円の費用に加え、いまもマンションの管理費月9万円を払い続けています」資産家のこの夫婦も、このままの支出ではいずれ破綻するという。介護・医療ジャーナリストの長岡美代さんはこう指摘する。「富裕層に人気のシニア向け分譲マンションですが、重度の介護が必要になった場合には、自宅と同じで、住み続けられないこともあります。管理費は通常のマンションより高めの設定で、修繕積立金と合わせて月10万円くらいかかる例も少なくありません。さらに、一般マンションと比べて販売・流通ルートが確立しておらず、なかなか売れないという問題も起きているようです」重度の介護が必要になると住めなくなる事例は「サービス付き高齢者向け住宅」でもあるという。「入居を検討する際には、5年後、10年後に自分がどうなっているのか、そのとき、対応してくれるのかを、あらかじめ確認してからにしましょう」(長岡さん)〈対処法〉そこが「終の棲家にはなるか」、考えてみよう。
2021年08月20日「老後資金2,000万円問題」のニュースを涼しい顔で見ていたあなた。落とし穴にハマれば、一気に困窮することも。危険がわかれば、回避法も見えてくるーー。「老後資金『2,000万円足りない』問題が金融庁の報告書で指摘されたのが2年前(’19年6月)のこと。多くの人が不安に陥れられましたが、やりくり上手の人のなかには『どうにかなりそう』と安心していた人もいるのでは?しかし、油断をすると、瞬く間に貯蓄は底をつくんです」こう警告するのは、マネー管理術に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。老後には“落とし穴”がたくさん。実例を見ていくとともに、専門家に対処法を聞いていこう。【落とし穴1・投資詐欺】“高額配当”に騙されて「『500万円で健康器具を買って、レンタルに出すと年6%の利益が出る。いざとなれば器具を売ればいいからリスクもない』。そんな甘言につられて老後資金を投入。でも、実際は、器具は存在しておらず、数回のレンタル料が払われたあと、その会社は潰れてしまった。これは実際にあった例です」そう解説するのは全国紙記者。’17年12月に倒産したジャパンライフ。被害総額はおよそ2,000億円、被害者の多くは高齢者だったという。’20年9月、同社の元会長らは詐欺容疑で逮捕、起訴された。「同様の事件は多いんです。ケフィア事業振興会という会社が、年利10%超の高額な配当をうたって、食品事業などの“オーナー”を募集。結局、’18年に1,300億円超の負債を抱えて倒産してしまいました」(前出・新聞記者)自分は甘い話に引っかからないと思っている人も、退職金が入った後には、「気持ちが大きくなる傾向がある」と加谷さん。「投資の初心者であればあるほど、退職金で得たお金を『すべて資産運用に回そう』と考えてしまう。知識がないから、騙されるんです」〈対処法〉甘い話には裏がある。特に退職直後には注意。【落とし穴2・投資で失敗】銀行を信じたばかりに時に、銀行に“騙される”ことも。「夫が定年退職した2年前、2,000万円の退職金が出ました。すると銀行員から『金利7%の高利回りの新興国債券』をすすめられ、飛びついてしまって……。しかし、債券は急落。1,000万円投資して、200万円の損失に」(50代主婦)“銀行がすすめるものだから”と安心してしまう人も多いという。「銀行に言われるままに買ったことがいちばんの失敗です。顧客が損をしても売れば手数料が銀行に入る。すすめてくる商品のなかにはリスキーなものも。外貨建てというのは難易度が高く、プロでも尻込みするものなんです」(加谷さん)一方、「投資ばかりが運用ではない」と説くのは、ファイナンシャルプランナーの中村薫さんだ。「私は、貯蓄に回すことをおすすめします。家族や夫婦の今後を考えれば、退職金は堅実に預金しておくべき。減ったり、騙されませんし、『預金も立派な運用』です」〈対処法〉銀行の言いなりにならない。理解できないものに手を出さない。
2021年08月20日「老後資金『2,000万円足りない』問題が金融庁の報告書で指摘されたのが2年前(’19年6月)のこと。多くの人が不安に陥れられましたが、やりくり上手の人のなかには『どうにかなりそう』と安心していた人もいるのでは?しかし、油断をすると、瞬く間に貯蓄は底をつくんです」こう警告するのは、マネー管理術に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。老後には“落とし穴”がたくさん。実例を見ていくとともに、専門家に対処法を聞いていこう。【落とし穴1・田舎移住】夢の代償は1,000万円「夫婦とも都会育ちで、第二の人生は『田舎で暮らそう』と決めていました。夫の退職を機に、住んでいた都内の家を売って、中部地方に畑付きの中古の一軒家を1,000万円で購入。400万円かけてリフォームしました。理想の田舎暮らしが始まると思ったんですが……」そう嘆くのは60代主婦。リタイア後の田舎暮らしにあこがれる人は多い。だが、これも“落とし穴”。「どこに行くにも車が必要でガソリン代がかかります。100円ショップなどもないので、必需品は定価で購入。コンビニもないので、夜は買い物ができません。都内より月5万円ほど生活費が増えました。さらに、地域のつながりも強く、村八分とかではないですが、やはりどこまでもよそ者扱いで……」ストレスに、いずれ車が運転できなくなるという不安も手伝って、3年で家を売却、都内にUターンした。物件も半値ほどでしか売却できず、都内の新しい家の敷金礼金もかかった。気づけば引っ越し前よりも1,000万円も貯蓄が減っていたという。田舎暮らしこそ“高コスト”と話すのは加谷さん。「車なしでは移動できず、ディスカウントショップもありません。都会では電話一本ですぐ来てくれる水道工事も、『町内の水道屋さんに頼んで明日来る』では、不便です。そのような“ストレスフリー”のぶんも含むと考えれば、都会のほうが安上がりだといえます」この夫婦の失敗は、よく検討せずに引っ越したこと。最初は賃貸などで田舎の生活を体験してから、決めるべきだったと言う。〈対処法〉実際に引っ越しをする前に、“田舎体験”を。【落とし穴2・介護】高額交通費で貯蓄減「2年前、九州の実家で独り暮らしをしていた母が骨折して、急に要介護状態に。私たち夫婦が住んでいる東京に呼び寄せようとも思ったのですが、自宅は狭いので受け入れられず、いい施設も見つかりませんでした。とりあえず、独り暮らしを続けてもらいながら、受入れ態勢を整えることに」(60代主婦)介護保険を使えば原則1割の自己負担で介護サービスを受けられるが、細かい日々の雑用や役所の手続きまではやってくれない。「月に2回ほど、実家に帰って面倒を見ないといけなくて……。飛行機に介護割引があるんですが、それでも1往復で2万〜3万円ほどかかります。すぐに東京で受入れ態勢を作るつもりでしたが、コロナ禍などもあって延び延びになって。結局、この2年で貯蓄を150万円以上取り崩しました」加谷さんは「親の介護はいつか来る問題とわかっていても、準備していない人は多い」と指摘する。「この事例のように、けがから急に要介護になる例は多い。親との相談は、すぐにでもやっておいたほうがいい優先課題です」〈対処法〉親が元気なうちに相談を。人生の最後にこんな大誤算が待っているなんて!そんなふうに嘆かないで済むように、落とし穴を知っておこう。
2021年08月20日新橋演舞場、大阪松竹座にて上演される、『喜劇 老後の資金がありません』。垣谷美雨の小説を原作に、平凡な主婦に襲い掛かる仕送り、年金、葬式資金と、誰にも覚えがある「老後の資金」問題を、脚色・演出にマギー、主演に渡辺えり、高畑淳子を迎え、喜劇として描き出す。渡辺が演じるのは主婦の後藤篤子。夫は家計に無頓着、姑へは仕送りがあり、さらに長女の派手婚と、様々な問題が降りかかる自身の役について、普通の人などいないとしながらも「地味な、目立たない、普通の人になりますね」と話す。「派遣の契約社員として働く中で、娘が派手婚を決めて、急に出ていくお金が増え、自分を犠牲にして夫や娘のために尽くしてしまう。家計をやっていくというのは難しいんだな、というのを再認識させられる」と、自身の役を現代社会が抱える延長にいる人物と捉えたコメント。高畑演じるのは、夫と小さなベーカリーを営む神田サツキ。「基本たくましそうな人に見えるけど、そういう自分になりたかったというセリフがあって」と高畑が語る通り、年金を当てにしていたが姑が認知症になり……とサツキもまた問題を抱える役だ。お互いの色々な作品を観ていたというが、意外にも二人は舞台初共演。しかし、老後資金問題について「話題になった当時、周りの演劇人で2000万の貯蓄がある人なんていなかった」と渡辺が話せば、「貯金額を言わなきゃいけないみたい……」と高畑が返し、二人で笑う姿は息ぴったり。劇団3〇〇の女優と仲が良く、渡辺について「天才だ」と長らく聞いていたという高畑は「やっぱり話がすごく面白くって」と渡辺について語る。「私は稽古自体をやるというよりも、余計なことを考えたり喋ったりすることで作品の根っこが深くなると思うタイプ。こういう考え方もあるんだとか、そういう時間がふんだんに持てることが楽しみですよね(高畑)」と話すと、渡辺も「いろんな話をしながらやっていけるだろうということは、楽しみでしょうがないです」と初共演に期待を寄せた。「老後の資金がないことを、暗く演じても仕方がないので、明るくやりたい。こんな時代だからこそ、楽しいお芝居を、力をあわせてがんばって行きたいと思います」と意気込んだ渡辺。誰にも降りかかる問題を解く本作、喜劇だからこそのパワーをぜひ劇場で感じてほしい。公演は8月13日(金)8月26日(木)まで東京・新橋演舞場、 9月1日(水)~ 9月15日(水)まで大阪・大阪松竹座にて。チケットは発売中。
2021年08月18日渡辺えり、高畑淳子のダブル主演の「喜劇 老後の資金がありません」が8月13日、東京・新橋演舞場にて開幕した。本作は、垣谷美雨による大ベストセラー小説「老後の資金がありません」をマギーの脚色・演出で、初の舞台化となる。初日前会見では渡辺、高畑が登壇。渡辺は「コロナ禍で色々大変な世の中ですが、歌って陽気にがんばっておりますので、ご声援の程どうぞよろしくお願いいたします」と挨拶。続く高畑も「できる限りの力を出して努めさせていただきたいと思います。その力が不安定な状態ではございますが(笑)」と話し、笑いを誘った。今回は「喜劇」だが、劇中に歌やダンスのシーンが盛りこまれ、物語が進んでいく。歌、ダンスについて「えりさん、とても歌が上手いですよ。『天使にラブ・ソングを…』という感じです(高畑)」「ダンスは複雑な振り付けがあるのですが、66歳で私たちよくやっていますよ!(渡辺)」と話すが、さらに高畑にはラップという大きな見どころが。ラップについて、本当に毎晩夢に見る、という高畑に、渡辺は「お上手ですよ。私が感動したのは『もう一回お願いします!』と必ず率先して稽古をするんですよ、18歳の新人みたいに」と話す。高畑は「お客様はお金を払っていらしてくださるわけですから。でもラップは難しい、10回に1回くらい間違えるんですよ、本当に頑張らないと」と意気込んだ。「老後の資金」をテーマに、誰にでも訪れる介護、葬式、子どもの結婚、雇用、年金と、様々な問題に普通の主婦が四苦八苦する姿を描く本作。ゲネプロでは一幕が披露された。結婚が決まった娘の派手婚にかかる費用を計算し、夫・章(羽場裕一)のいう通り援助していったら老後の資金がなくなることに篤子(渡辺えり)が叫ぶと、「老後の資金がありません」と歌い上げる歌唱シーンに突入。篤子の息子・勇人役・原嘉孝、篤子とサツキ(高畑淳子)が火曜生花教室の先生 城ケ崎役・松本幸大もジャニーズならではの華やかなダンスで場を盛り上げ、様々なシーンで活躍。またベーカリーを営むサツキの夫でパン職人の克也役・宇梶剛士のダンスにも注目だ。誰にでも起こりえる問題だからこそ、立ち向かっていく篤子、サツキの姿に勇気をもらえる本作。笑って泣ける喜劇は、ぜひ劇場で。公演は8月26日(木)まで東京・新橋演舞場にて、また9月1日(水)~9月15日(水)まで大阪・大阪松竹座にて上演。チケットは発売中。
2021年08月18日2011年に刊行され34万部を突破した垣谷美雨の同名ベストセラー小説を天海祐希主演で映画化した『老後の資金がありません!』より、本ポスターとコメントが到着した。日本最強のコメディエンヌであり、バリバリの仕事人間を演じることの多かった天海さんが本作で演じるのは、身近な主婦。子育ても落ち着き老後は安泰のはずが、親の葬式、子どもの派手婚、夫の失職、セレブ姑との同居と、あらゆるお金の災難に立て続けに襲われてしまう。監督は『こんな夜更けにバナナかよ愛しき実話』で、ユーモアを交えた秀逸な演出で観客を魅了した前田哲。映画主題歌は、アーティストとして音楽ジャンルを超えて進化し続ける氷川きよしが担当している。今回解禁された本ポスターでは、いつもクールでかっこいい姿が記憶に残る天海さんには珍しい困り果てた表情を披露。天海さんの顔の周りには彼女を困らせるバラエティ豊かな面々が大集結しており、いまにも彼女の心の叫びが聞こえてきそうなインパクトのあるビジュアルに仕上がっている。また今回のビジュアルについて天海さんは「10月30日公開の映画『老後の資金がありません』の新ビジュアルが出来ました!私、頭に乗られ、髪やほっぺたを、引っ張られてますね(笑)そして!ご出演の皆様の、なんと魅力的な事か!一悶着では済まされそうもないでしょ?この作品、どなたにも起こり得る、数々の出来事に立ち向かい、それぞれの生き方を見つける、ハートウォーミングな映画です。1年の公開延期をし、お待たせしましたが、やっと皆様にお届けできます。ぜひご一緒に、笑い、泣き、怒り、そして良かったなぁと楽しんで頂けたら嬉しいです」とコメントを寄せている。『老後の資金がありません!』は10月30日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:老後の資金がありません! 2021年10月30日より全国にて公開©2020映画『老後の資金がありません!』製作委員会
2021年08月04日私たちを悩ませる、老後資金問題。貯めよう、貯めようと思ってもいつの間にか60歳に……。2,000万円なんてとても無理!と悩んでいるそこのあなたへ、専門家から現実的で確実な起死回生のご提案ですーー。「今年4月、PGF生命が現在60歳の2,000人にアンケートを取ったところ、貯金が100万円以下が25%、つまりほぼゼロという人が4人に1人という衝撃の数字が出ました。昨年の同調査では20%で、ここ1年で5%も増えたことになります」こう話すのは“年金のプロ”として老後資金の問題にくわしいファイナンシャルプランナーの長尾義弘さん。2年前、金融庁の市場ワーキング・グループが「老後資金は2,000万円が必要」と報告して話題になったが、2,000万円どころか、60歳世帯の4分の1が老後資金をほとんど用意できていないのが現実なのだ。この老後貧乏に私たちはもう絶望するしかないのだろうか?「いいえ、決して楽ではないですが、明るい老後を迎える起死回生の手段は残っています」と、長尾さん。いったいどんな方法か。長尾さんが教える老後貧乏脱出法は次のとおりだ。【1】70歳まで働くと決める「人生百年時代というように、いまの60歳は元気ですし、65歳以上で働いている人も現実に非常に増えています」(長尾さん・以下同)たしかに内閣府の『高齢社会白書(令和2年版)』をみると、65歳以上が占める労働力の割合は、年々増えており、全体の13.2%になっている。「企業の再雇用制度も減収を伴うとはいえ、着実に実施されていますし、全体的な人生のタイムスケジュールが後ろに大きくずれ始めているといってもいいでしょう。ですから、老後資金を60歳までにどうしても貯める必要がなくなってきている。70歳まで働いて、それ以後はなんとか年金で暮らせるようにすると考える時代がきていると思います」【2】年金受給を70歳からにする<夫婦共働きの世帯>夫・厚生年金=16万4,770円、妻・厚生年金=10万3,159円。合計26万7,929円。《年金開始年齢:年金額》65歳:26万7,929円66歳:29万0,435円67歳:31万2,941円68歳:33万5,447円69歳:35万7,953円70歳:38万0,459円<会社員+専業主婦の世帯>夫・厚生年金=16万4,770円、妻・基礎年金=5万3,699円。合計21万8,469円。《年金開始年齢:年金額》65歳:21万8,469円66歳:23万6,820円67歳:25万5,172円68歳:25万5,172円69歳:27万3,523円70歳:31万0,226円「前述の年金額を見てください。65歳から年金だけで暮らそうとすると、夫が会社員で妻が専業主婦の場合、平均で月22万円程度しか受給できず、月々の生活費が3万円以上赤字になると試算されます。これが『老後資金2,000万円問題』と言われる背景にあるのですが、頑張って、70歳まで働き、その間は、年金を受け取らない繰下げ受給制度を活用すれば、70歳から月31万円が受け取れます。これなら年金だけで、基礎的な家計はどうにかやりくりできる金額。【1】と合わせて実行すれば、70歳からは余裕の老後が待っています」【3】妻も夫が70歳になるまで厚生年金加入ができるパートで働く「現在、パートを含む社員500人以上の企業ではパート社員も厚生年金に加入できます。こうした企業を選べば、夫婦で受け取れる年金額が少しでも多くなり、70代以降の生活が楽になります」【4】がん保険以外は解約するここからは、長尾さんによる、60歳までの現役生活中の無駄やぜいたくの見直しだ。最初に長尾さんが指摘するのは保険の解約。「がんは年齢とともにリスクが高まる病気ですから、がん保険はそのまま。それ以外の保険は子どもが成人したら、不要と考え、思い切って全部解約しましょう。これだけで年間10万円以上の節約になるはずです」【5】孫への支出を見直す「孫への年間支出は平均13万円という調査もあります。お年玉ぐらいはあげてもいいと思いますが、毎回食事をおごったり、お小遣いをあげたりしているだけで、じつは大きな支出になっています。お小遣いは盆と正月と決めるなど、孫への支出のルールを決めることが大切になってきます」このほかに、スマホを3大キャリアから格安スマホに替える。クレジットカードも有料のゴールドカードから一般カードに替えるなどの節約を長尾さんはすすめる。「70歳から月30万円で暮らすとしたら、いましているプチぜいたくを切り詰めなくてはいけません。生活水準を下げることはたいへん難しいですが、老後破綻をしないための絶対条件と思ってがんばってください」60歳貯金ゼロでも老後貧乏にならないための鉄則5。ぜひ参考にしてほしい。
2021年07月26日「皆さんが考えている以上に、老後生活は長いのです。’25年に65歳を迎える女性の64%、’35年に65歳を迎える女性の67%が、90歳まで生存すると予想されています。100歳まで生存する割合も、それぞれ17%、19%です。老後資金はそれまで持ちますか?」このような長生きリスクに警鐘を鳴らすのは、『人生にお金はいくら必要か』(東洋経済新報社)などの共著があるファイナンシャルプランナーの岩城みずほさんだ。「“老後2,000万円問題”が話題となりましたが、ご家族ごとの収入・生活レベルはそれぞれなので、一概にはいえません。かといって専門家などにライフプランの作成を依頼すると、手間も費用もかかる。しかも、せっかく作ったプランも、夫の給料の減少や子の就職の失敗などによって、変化がつきものなのです」そこで岩城さんが経済評論家の山崎元さんと共同作成したのが、状況の変化に合わせていつでも自分で計算できる、老後資金にまつわる穴埋め式計算法だ。「資産額や、今後の予想手取り年収などから、安心な老後を迎えるには、65歳までに年収の何%を貯めればいいか導き出す計算式です」岩城さん運営のホームページ「オフィスベネフィット」にて、6つの数字を入力すれば、自動的に「必要貯蓄率」を計算してくれる。それでは、空欄に入れるべき数字の解説をしてもらおう。■老後生活費率現役時代の生活費に対する、老後の生活費の割合。「一般的に老後生活に入ると、食費や交際費なども減り、生活費が安くなります。家計調査などでは、生活費は現役時代から3割減。具体的にイメージがつかない人は0.7と書き込みましょう」■平均手取り年収ポイントは“これまで”ではなく“これから”の平均手取り年収。「手取り額は健康保険料や所得税、住民税などがあるため、額面の75%ほどです。55歳から役員定年で2割減、60歳からの再雇用でさらに3割減ほどになることも考えて計算します。妻が正社員などで、今後も安定的に働く場合は、夫婦で合算した額を書き込みます。フリーランスやパートの方の収入は、不安定な要素もあるので、現在の年収よりも1〜2割少なく見積もっておくといいです」■年金額終身でもらえる年金の額。「50歳以上の人は『ねんきん定期便』の数字を参照。また50歳未満でも『ねんきんネット』に登録すれば、年金予想額がわかります。公的年金以外にも、終身で受け取れる企業年金、民間の終身年金などもあれば、合算してください」■資産額おもに現在の預貯金、株、債権、投資信託(時価)などの合算。「iDeCoや個人年金保険など有期で受け取れる年金もこちらに計上。たとえば“年間120万円を10年間受け取れる”保険商品の場合は、1,200万円を加算。退職一時金や、売却予定の不動産の評価額、親の遺産も計上します」反対に、将来予想される大きな支出はマイナスにする。「住宅ローンの残債を退職金で一括返済する場合や、家のリフォーム費、車の買い換えの費用などです」■老後年数いまの時代は95歳まで生きることを前提にするべき。「65歳でリタイアすれば、老後年数は30年。年の差夫婦で妻が若い場合は、老後年数を35年と少し増やしてみましょう」■残りの現役年数リタイアするまでの年数。「50歳の人の場合、会社員なら65歳までが一般的なので15年、自営業で70歳までは現役を続けられそうなら20年と記入します」現在の家計状況と、現実的な未来を見据え、老後設計をしよう。「女性自身」2021年6月1日号 掲載
2021年05月21日「皆さんが考えている以上に、老後生活は長いのです。’25年に65歳を迎える女性の64%、’35年に65歳を迎える女性の67%が、90歳まで生存すると予想されています。100歳まで生存する割合も、それぞれ17%、19%です。老後資金はそれまで持ちますか?」このような長生きリスクに警鐘を鳴らすのは、『人生にお金はいくら必要か』(東洋経済新報社)などの共著があるファイナンシャルプランナーの岩城みずほさんだ。「“老後2,000万円問題”が話題となりましたが、ご家族ごとの収入・生活レベルはそれぞれなので、一概にはいえません。かといって専門家などにライフプランの作成を依頼すると、手間も費用もかかる。しかも、せっかく作ったプランも、夫の給料の減少や子の就職の失敗などによって、変化がつきものなのです」そこで岩城さんが経済評論家の山崎元さんと共同作成したのが、資産額や年金額などから、老後に月いくらまで使えるか導き出せる穴埋め式計算法だ。「これから老後を迎える人は導き出された金額で生活ができそうか考えてみてください。すでに老後を迎えた方は、いまの自分の生活費が適切かどうかの判断基準にできるはずです」計算式は、岩城さん運営のホームページ「オフィスベネフィット」で見ることができる。それでは、空欄に入れるべき数字の解説をしてもらおう。■年金額終身でもらえる年金の額。「50歳以上の人は『ねんきん定期便』の数字を参照。また50歳未満でも『ねんきんネット』に登録すれば、年金予想額がわかります。公的年金以外にも、終身で受け取れる企業年金、民間の終身年金などもあれば、合算してください」■資産額おもに現在の預貯金、株、債権、投資信託(時価)などの合算。「iDeCoや個人年金保険など有期で受け取れる年金もこちらに計上。たとえば“年間120万円を10年間受け取れる”保険商品の場合は、1,200万円を加算。退職一時金や、売却予定の不動産の評価額、親の遺産も計上します」反対に、将来予想される大きな支出はマイナスにする。「住宅ローンの残債を退職金で一括返済する場合や、家のリフォーム費、車の買い換えの費用などです」■未年金年数正社員などが退職してから、年金をもらうまでの期間。「65歳で退職後も、継続雇用などで働いて、年金を繰り下げれば、未年金期間は延びますが、受給できる年金の額は増えます」■未年金期間の年収「未年金期間中に、働いて得る年収。再雇用で働いたり、パートで得る収入などです」■未年金期間に働く年数「多くの人は『未年金年数』と等しくなるかと思います」■残したい金額「葬式代に200万円、子どもへの遺産など、自分が死んだとき、使い切らずに残しておきたいお金です」厳しい数字が出た場合は働く期間を延長して貯蓄を増やしたり、生活を見直して老後生活費率を下げる努力を。そして、定期的に再計算してみよう。「女性自身」2021年6月1日号 掲載
2021年05月21日韓国エンタメをより深く知るためには欠かせない、1997年の通貨危機を赤裸々に描いた衝撃の社会派映画『国家が破産する日』が、5月1日(土)より「Hulu」にて独占配信されることが決定した。主演のキム・ヘスはもちろん、ユ・アイン、ホ・ジュノなど実力派が集結。さらに、フランスの国民的俳優ヴァンサン・カッセルが共演したことでも大きな話題となった本作が、定額制動画配信サービスとしては独占配信。本作は、国家破綻までの残り1週間、危機を防ごうとする人と危機に賭ける人、そして会社と家族を守ろうとする人まで、1997年の通貨危機の中で互いに異なる選択をした人々のストーリーを、史実を基に描いたフィクション。1987年の民主化と共に急速な経済成長を遂げた韓国。しかし、90年代に入り韓宝鉄鋼や起亜自動車などの大企業が不渡りを出し続けたことによってウォンが急下落、国家破産まであと7日という未曾有の状況に陥ることに。この非常事態にいち早く気づいた、韓国銀行の通貨政策チーム長ハン・シヒョンをキム・ヘス、IMF(国際通貨基金)の介入を推し進める財政局次官のパク・デヨンをチョ・ウジン。もう1人、この事態を察していた金融コンサルタントのユン・ジョンハクをユ・アイン、紙切れ同然の不渡り手形に呆然となる町工場の経営者ガプスをホ・ジュノが演じる。韓国では、公開から7日連続で観客動員数1位に輝き、累計300万人を超える大ヒットを記録。日本でも「危機感あふれる素晴らしい作品だった」「学生ながらにすごく勉強になった」「当時のことを知ることができて興味深い」「コロナ禍の不況をどう乗り切るか考えさせられた。絶対に観るべき作品!」といった声が多く、SNSで話題を集めている。なお、Huluでは本作キャストのキム・ヘス、ユ・アインらが出演した話題作も配信中となっている。『国家が破産する日』は5月1日(土)よりHuluにて独占配信。(text:cinemacafe.net)■関連作品:国家が破産する日 2019年11月8日シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開ⓒ 2018 ZIP CINEMA, CJ ENM CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED
2021年04月27日「老後資金をどう作ろうか」とお悩みの人も多いだろう。会社員なら、公的年金と退職金が老後資金の中心になるだろう。そんな退職金は、会社を辞めるとドンと手に入る。人は大金を持つと、気が大きくなって使いたくなるものだが、定年後の人生はおおよそ30年。もらってすぐ派手に使うのはNGだ。「ムダ遣いしないように、小分けして支給して」と考え、年金型での受取りを選ぶ人もいるかもしれない。「退職金の受け取り方は、よく考えて!」と、税理士の板倉京さんは助言する。「退職金には『退職所得控除』という大きな非課税枠がありますから、これを最大限活用するのがお勧めです」退職所得控除は、勤続年数で決まる。勤続20年以下の方の退職所得控除は40万円×勤続年数。勤続20年超なら、40万円×20年+70万円×(勤続年数-20年)。「退職所得国所を最大限活用するなら、退職金は、年金型より一時金で受け取るほうがよいでしょう。そのほうがお得になる方が多いと思います」たとえば22歳で入社、38年勤めあげ、60歳で退職するAさんを例に考えよう。「Aさんは勤続38年ですから、退職所得控除として2,060万円もの非課税枠があります。これを活用するのです」非課税枠が2,060万円ということは、そもそも退職金が2,060万円以下なら、税金は不要だ。たとえ2,060万円を超えていても、退職金から非課税枠である2,060万円を差し引いた額の2分の1に税率をかけて納税額を算出するので、税額はかなり抑えられる。「逆に、年金型で受け取った場合は、退職所得控除は使えません。1年間の退職金の受取額と公的年金を合わせた額から『公的年金等控除』を差し引き、税額を計算することになります。公的年金等控除は、退職所得控除と比べると額が少なめなので、納税額が多くなってしまう傾向があるのです。さらに、年金型で受け取る退職金は、公的年金と合わせて『収入』とみなされ、この収入を元に、社会保険料が計算されます。退職金が上積みされている分、収入が増え、社会保険料も高くなりがち。さらに、収入が高いと、高齢の低所得世帯への優遇措置などを受けられないこともあります」会社に預けておくと、比較的高利回りで運用してくれるという好条件があっても、退職所得控除を最大限活用できる一時金で受け取ったほうが、メリットが大きいのだ。板倉さんは「知らないと大損する!定年前後のお金の正解――会社も役所も教えてくれない手取りを増やす45のコツ」(ダイヤモンド社刊)を上梓。お得ワザを知って、老後資金をがっちり貯めよう。
2020年12月24日「コロナ禍以降、経済の先行きが不透明になり、会社員でも雇用や収入に不安を抱く方が増えています。こうした状況では老後の資金確保にも焦りを感じやすいものですが、目先の利益に飛びつくと失敗を招いてしまいます」こう話すのは、お金にまつわるセミナー開催やコンサルティングを請け負う「ぜにわらい協会」会長の吹田朝子さん。吹田さん自身も、これまで3,300件以上の相談を受け、さまざまな家庭のお金の使い道を設計してきた。「お金に振り回されやすい人は、老後のお金でも失敗しがち。一度ご自身のお金にまつわる考え方をチェックしてみましょう」老後資金にまつわる代表的な不安といえばまっさきに浮かぶのが「老後2,000万円問題」。’19年、金融庁が公表した報告書の中で、夫65歳、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯で、今後20〜30年生きるとした場合、年金を受給しても約1,300万〜2,000万円が不足すると報告され、議論を呼んだ。吹田さんは、こう指摘する。「誤解されている方が多いのですが、この数字はあくまで統計上の平均値であって、必ずしもすべての家庭に当てはまるわけではありません。家族構成や家庭の事情によって、必要な老後資金は変わってきます」特にリタイア後の生活資金は家庭によって大きな差が出る。都市部か地方なのか、旅行などのレジャーに積極的に出かけたいのか、家庭菜園を楽しみながら自宅中心の生活を送りたいのか、それだけでも違うのは明らかだ。「ですから、2,000万円と聞いて慌てて貯金に走る前に、老後にどんな生活を送りたいのか、そのためには毎月どれくらい生活費が必要なのかをあらかじめ夫婦で話し合い、具体的にイメージしておくことが大切です。金額だけを目標にしてしまうと、途中で挫折したり、節約のストレスから浪費がふくらみがち。『こんな生活を送りたい』という目的をはっきりさせましょう」必要な金額がイメージできれば、根拠のない不安から焦ることも少なくなる。老後資金についても、家計と同様に見える化して考えよう。特に資金を「守りのお金=年金・保険」と「攻めのお金=投資・運用」の2つに分けると、具体的に何をすべきか見えてくる。その結果、不安が減り、失敗が少なくなるのだ。「50歳以上なら、毎年誕生月に送られてくる『ねんきん定期便』で、将来受け取る年金の見込額を確認できます。その金額さえわかれば、夫婦でイメージしている老後の暮らしを送る場合、毎月の不足分がいくらになるのか、おおよそ予測できるでしょう。不足額がわかれば、投資計画が立てやすくなります。不足分を補うには、どんな金融商品が適しているか、毎月いくらを何年間ほど積み立てればいいのかといったことも見えてくるはずです。そうすれば、焦ってリスクの高い金融商品に投資したり、あやしい投資話に引っかかったりする可能性はぐっと低くなります」(吹田さん)投資と聞くと「難しそう」「損をするんじゃないか」と苦手意識を抱く人も多いが、失敗する理由がわかれば、怖がる必要はない。投資・運用のアナリスト、石川紀子さんと、多くの顧客の資産形成に携わる丸山哲也さんの2人が“攻めのお金” の攻略法を伝授。「投資の失敗でありがちなのは、資金が貯まってから一気に始めようというケース。実践経験がゼロの状態で大金をつぎ込むことになるので、大失敗につながります。投資を始める際は、目安として生活費の半年分程度の貯金があれば大丈夫。まずは少額の投資から始めて、少しずつ勉強していきましょう。毎日、株価をチェックするだけでも、どんなときに値動きがあるのか、徐々にわかるようになってきます」(石川さん)さらに丸山さんは、最初は少額でも長く続けることの重要性を力説する。「投資には、複利効果があります。たとえば投資信託で一定額を積み立てていくと、収益が発生します。この収益を元本に組み込み、同じことを繰り返していくと、その額は雪だるま式に大きくなっていく。これが複利効果です。最初は小さくても、長く続けるほど大きくなるので、早めに始めたほうが大きな成果が出やすいのです」老後資金対策として、初心者にも始めやすい投資の代表が「つみたてNISA」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」だ。つみたてNISAは、年間40万円の積立額を上限として、最長で20年間、得られた利益が非課税となる。そのメリットを最大限生かすため、20年間、換金しないことを前提に運用しよう。「商品は、信託報酬が低めのインデックスファンドがおすすめ。過去3年以上の運用実績があり、100億円以上の資産残高があるものを選びたいですね。信託報酬とは、管理・運用のために証券会社に継続して支払う手数料のこと。信託報酬が2%前後と高報酬の商品は、利益が出ても相殺され、元金が増えないケースもあるので注意して」(石川さん)iDeCoの場合は運用の利益が非課税になるだけでなく、掛け金の全額が所得控除の対象となり、所得税と住民税が軽減される。ただし60歳まで引き出せないので、無理のない金額で投資しよう。商品は、日本株、世界株、世界債券、REIT、ゴールドなど4〜8種類に分散させて。「積み立ては自動的に行われますが、定期的に途中経過をチェックするようにしましょう。一時的な増減で一喜一憂せず、なぜ上がったのか、下がったのかを運用報告書やネットの情報を調べるなどチェックして。将来性に疑問を感じたなら、ほかの商品への乗り換えも検討すべきです」(丸山さん)いざ老後生活に突入すれば、準備してきた資金を引き出すときがやってくる。間違っても、運用中の口座を一気に解約しないように気をつけたい。「所得控除が受けられるなど、税制上のメリットのある口座から解約を。投資の利益が元金に対して50%以上出ているときは、全体の3分の1程度の金額を取り崩し、その後も運用を続けましょう。たとえば、100万円を元金として50万円の利益が出ている場合は、利益分の50万円だけ取り崩します。利益がそこまで出ていない場合は、そのまま運用を続けたいので、銀行の預貯金口座から引き出していきます」(石川さん)複数の銀行口座、証券口座を持っている場合は、万が一のときに整理しやすいよう、使い勝手のいい口座5つ程度を目安に、徐々に絞っていこう。数字を見える化して分析できれば、投資・運用だって怖くない!「女性自身」2020年11月10日号 掲載
2020年11月19日年を取ってくると“いまさら人に聞けない”話が増えてくるものですが、ことお金にまつわる話題は特にそうなりがち。でも、老後のお金の話こそ“知ったかぶり”は厳禁ですーー!「コロナ禍以降、経済の先行きが不透明になり、会社員でも雇用や収入に不安を抱く方が増えています。こうした状況では老後の資金確保にも焦りを感じやすいものですが、目先の利益に飛びつくと失敗を招いてしまいます」こう話すのは、お金にまつわるセミナー開催やコンサルティングを請け負う「ぜにわらい協会」会長の吹田朝子さん。吹田さん自身も、これまで3,300件以上の相談を受け、さまざまな家庭のお金の使い道を設計してきた。「お金に振り回されやすい人は、老後のお金でも失敗しがち。一度ご自身のお金にまつわる考え方をチェックしてみましょう」次のチェックリストで、該当する項目が5個以上ある人は、「老後資金」を間違える可能性大!□ 安物買いを後悔することが多い□ 元が取れないと悔しく感じる□ あのとき、投資をしていれば……とよく思う□ 結婚相手に望むのは高年収と安定□ 家を買うならマンションより一軒家□ 他人の貯蓄額が気になる□ 子どもは私立に行ったら、その分一生懸命に勉強してほしい□ 週3日で月収20万円ならけっこういいと思う□ 働くなら福利厚生を重視する□ 老後は年金だけでは不安だ老後資金については、家計と同様に見える化して考えよう。特に資金を「守りのお金=年金・保険」と「攻めのお金=投資・運用」の2つに分けると、具体的に何をすべきか見えてくる。その結果、不安が減り、失敗が少なくなるのだ。「50歳以上なら、毎年誕生月に送られてくる『ねんきん定期便』で、将来受け取る年金の見込額を確認できます。その金額さえわかれば、夫婦でイメージしている老後の暮らしを送る場合、毎月の不足分がいくらになるのか、おおよそ予測できるでしょう。不足額がわかれば、投資計画が立てやすくなります。不足分を補うには、どんな金融商品が適しているか、毎月いくらを何年間ほど積み立てればいいのかといったことも見えてくるはずです。そうすれば、焦ってリスクの高い金融商品に投資したり、あやしい投資話に引っかかったりする可能性はぐっと低くなります」(吹田さん)吹田さんは、“攻めのお金”のオプションとして、“ライフワーク副業”を提案する。「ライフワーク副業とは、ご自身の趣味や得意分野を生かして、老後もライフワークとして続けられるような副業のこと。たとえば、長年ペットを飼育してきた方ならペットシッター、話を聞くのが得意な方ならカウンセラーなど。無理のない範囲で長く続けることが大事です。80歳程度まで、夫婦で月3万円でも稼げれば、老後の資金計画はかなり改善します」老後も年金に加えて月3万円の副業収入がある場合と、年金しか収入がない場合では、どの程度、収支に差が出るのか。吹田さんが次の条件で試算した。■65歳時の貯蓄額が1,800万円(住宅ローンなどはゼロ)■年金収入が夫婦で月額20万円(年間240万円)■年間生活費が65〜69歳まで300万円、70歳以降270万円(食費や医療費・健康管理費は年1%程度の上昇を見込む)「年金だけで生活する場合、100歳になる前に貯蓄残高が赤字に。病気や事故など不測の出費があれば、もっと早く貯金が尽きてしまいます。いっぽう、月3万円の副収入がある場合、80歳までは貯蓄残高をほぼ取り崩さずに生活でき、100歳まで生きたとしても約400万円貯蓄が残せる計算です」投資でお金を増やしつつ、早いうちに副業を始めて慣れていけば、メインの収入が年金に変わっても、大きく生活を変えずに100年人生を送れる。大病をすると大きな出費となるので、健康に気を使って生活していきたい。「これからの時代は常識が変わる可能性もあり、先入観にとらわれない柔軟な考え方が重要になります」「女性自身」2020年11月10日号 掲載
2020年11月18日