「腰痛のほとんどは、骨や筋肉、関節の不調からくるものです。ところが、確率は1割ほどと少ないものの、なかには内臓疾患が原因で痛みが現れるケースがある。自覚症状が出にくい“沈黙の臓器”とは異なり、腰は“きちんとものを言う器官”なので、その声に耳を傾けることが大切です」そう語るのは、総合内科の専門医である池谷敏郎先生。著書『腰痛難民』でもその必要性を訴えているが、担当した患者のなかにも“病気の最初のサインが腰痛だった”ケースは多々あるという。実際、どのような症例があるのだろうか。「痛み止めを飲んでも腰と背中の痛みが引かない、と悩んでいた患者さんは、膵臓がんでした。また、なんとなく腰が痛いと感じていた人が、慢性腎盂炎であったり、乳がんの骨転移だったこともあります。さらには、ぎっくり腰だと思ったら大動脈瘤破裂だった、というケースも。ちなみに、大動脈瘤の患者さんの9割に、腰痛があるといわれています。腰が痛いことと内臓の病気が結びつかず、こちらからうかがわない限り、内科で腰痛を訴える人が少ないのが現状です。そのため適切な治療を受けられず、いつまでも治らないまま“腰痛難民”になってしまうのです」(池谷先生・以下同)原因をみつけるためには、受け身の受診ではなく、積極的に状況を伝えることが大切だ。項目を次にまとめたので、チェックしておこう。【受診の際に伝えるべきこと】・痛む場所、程度・いつから痛むのか、きっかけはあるか・痛みを強く感じる、または楽になるときがあるか・痛みはずっと続いているか、一過性か・腰痛以外の症状(体重の減少、微熱、食欲がないなど、関係ないと思うものもすべて)・病歴・受診の目的(どの病気を心配しているかなど)ところで、コロナ禍で腰痛を訴える人が増えるなか、内臓疾患に由来するケースも増えているのだろうか。「ステイホームで座っている時間が長いと、血流が滞り、筋力が低下して代謝も滞り、太りやすい傾向にありますよね。これらはすべて内臓疾患の要因になりますし、さらにいうと、メタボリックシンドロームや生活習慣病の危険性をも含んでいますとはいえ、ほとんどの腰痛は、骨や筋肉、関節からくるもの。「その大きな要因は、やはり運動不足ですから、軽い散歩でもいいので、日ごろから体を動かすことを心がけてください。また、腰痛の予防には座り方もポイントです。腰に負担がかからない、正しい姿勢を意識するようにしましょう」そこで、池谷先生がおすすめの“エアボートこぎ”を紹介。【エアボートこぎ】“腰痛難民”にならないために!正しい座り方を心がけようビルの5階くらいを見上げるイメージで上を向き、目線の先に腕を伸ばす。視線はそのまま、腰が反らないようおなかに力を入れ、肩甲骨を寄せながら両腕を後ろに引く。腕は下ろして太ももに置き、おなかに力を入れたまま、頭の位置は変えないように正面を向く。これが正しい座り方。「丸まった背中が伸び、正しい座り方に移行しやすく、軽い運動にもなります。コロナ禍で多いストレスの解消にもなるので、まずは毎日の習慣にしてみてください」「女性自身」2021年3月23日・30日合併号 掲載
2021年03月24日年齢を問わず、日本人の1/4が悩んでいる腰痛。このコロナ禍でさらなる増加傾向にあるのは事実だが、なかには内臓疾患に由来する痛みもあり、放置すれば命にかかわることも。その危険を見逃さないための対処法を覚えておこうーー。「腰痛のほとんどは、骨や筋肉、関節の不調からくるものです。ところが、確率は1割ほどと少ないものの、なかには内臓疾患が原因で痛みが現れるケースがある。自覚症状が出にくい“沈黙の臓器”とは異なり、腰は“きちんとものを言う器官”なので、その声に耳を傾けることが大切です」そう語るのは、総合内科の専門医である池谷敏郎先生。著書『腰痛難民』でもその必要性を訴えているが、担当した患者のなかにも“病気の最初のサインが腰痛だった”ケースは多々あるという。実際、どのような症例があるのだろうか。「痛み止めを飲んでも腰と背中の痛みが引かない、と悩んでいた患者さんは、膵臓がんでした。また、なんとなく腰が痛いと感じていた人が、慢性腎盂炎であったり、乳がんの骨転移だったこともあります。さらには、ぎっくり腰だと思ったら大動脈瘤破裂だった、というケースも。ちなみに、大動脈瘤の患者さんの9割に、腰痛があるといわれています。腰が痛いことと内臓の病気が結びつかず、こちらからうかがわない限り、内科で腰痛を訴える人が少ないのが現状です。そのため適切な治療を受けられず、いつまでも治らないまま“腰痛難民”になってしまうのです」腰痛はおもにどんな内臓疾患と関係があり、また、その見分け方はあるのだろうか。「腰痛と関係しやすいのは、腰の裏に位置する“後腹膜”の中にある臓器の疾患です」内臓疾患など病気に起因する腰痛には次のものがある。■後腹膜にあるおもな臓器(器官)【十二指腸】胃もたれ、胸やけがある。ストレスが多い人は注意。【膵臓】症状はないことが多い。糖尿病の人は注意【腎臓】排尿に違和感がある。倦怠感を伴うことが多い。【尿管】排尿に違和感がある。【子宮】不正出血、月経痛、月経不順がある。【腹部大動脈】体勢を変えても痛みが変わらない。高血圧の人は特に注意。■その他【がんの骨移転】がんの罹患経験がある。特に肺がん、乳がん、前立腺がん、多発性骨髄腫など。【心因性】大きなストレスや不安を感じているとき。「ただし、痛みの感じ方は人によって違うので、この場所のこの痛みならこの内臓の疾患、と特定するのはとても難しい。くれぐれも、自己判断は禁物です。少なくとも、腰に悪いことをした覚えがまったくないのに急に痛みが出たとき、整形外科を受診して1カ月ほど様子をみても改善しない場合は、内臓の疾患を疑い、医師に相談するべきです。もちろん、整形外科でもさまざまな可能性を考えますが、内科の専門医でない以上、見逃すこともありえます。原因が見つかるまで、消化器内科(膵臓、十二指腸など)、泌尿器科(腎臓、尿管など)、循環器科(腹部大動脈)、女性の場合は婦人科(子宮)を受診しましょう。それでも原因がわからない場合は、心因性という可能性も」受診する際は、大学病院や総合病院でなくても、診療所やクリニックで対応可能。また、かかりつけ医がある場合には、そちらから専門医の外来を紹介してもらうのが理想的だ。「ただし、急に現れた腰痛で、次の6つの症状がひとつでもあるときは、ためらわずに救急車を呼んでください。(1)どんな姿勢をとっても痛みが和らがない。(2)痛みがどんどん強くなる。(3)強く痛む場所が移動する。(4)血圧が下がってきた。(5)血尿が出た、または排尿時に激しい痛みがある。(6)便や尿がもれる。腹部大動脈瘤破裂、大動脈解離、馬尾症候群、尿路結石など、緊急性の高い病気の可能性があります」「女性自身」2021年3月23日・30日合併号 掲載
2021年03月24日2人目を出産してすぐ、悩まされたのが腰の痛みでした。おさまるどころが日数が経つほど痛みが増してしまい困っていたのですが、寝るときの姿勢を変えることで悩みが解消されたエピソードをお伝えします。 日数が経過するほど強くなった産後の腰痛2人目を出産したあと、私は腰の痛みに悩まされました。上の子を産んだときは産後の腰痛はあまり感じなかったのですが、出産直後よりも1日、2日と日が経つにつれ腰の痛みはおさまるどころか増すばかりだったのです。 赤ちゃんのお世話をしつつ、できる限り横になって体を休めようとしていたのですが、腰痛は軽快する気配がありません。産後4日目くらいには、出産直後よりも明らかに歩くのがつらく、トイレに向かうのがおっくうなくらいでした。 うつぶせ寝を試してみたら解決のヒントになったのは、入院中のベッドサイドに置かれていた産褥体操についてのパンフレットでした。腰が痛すぎて体操なんてできないと思っていたのですが、ふと興味が湧いて眺めているとうつぶせの姿勢が目に入りました。「そうか、妊娠中じゃないのだから、うつぶせで寝てもいいんだ」と、目からウロコでした。 試してみたところ、これが私にはぴったり! 妊娠中に横向きで寝る姿勢がすっかり習慣になり、さらに赤ちゃんが寝ている小さいベッド(コット)のほうばかり向いていたせいで、骨盤の一部に体重がかかりすぎていたようです。 体重の均等分散がカギ助産師さんにさっそく寝る姿勢について質問してみると、横向きではなく体重が均等に分散される体勢が良いそう。産後から数日経つと胸が張ってきてうつぶせ寝が難しくなるかもしれないので、そうなったらあお向けが一番とのことでした。 また、私の場合うつぶせ寝で腰はラクになったものの、今度は膝に体重がかかってしまったようで、起き抜けに痛みが。柔らかいクッションを膝に当てて眠るようにすると、快適に眠り、目覚めることができました。うつぶせで寝るようになってからおよそ1週間で、腰痛はほとんど感じなくなりました。 妊娠中と産後はまったく違うなと改めて感じた出来事でした。また、助産師さんに腰が痛いと相談すると、骨盤の周囲にサラシを巻く方法などを教えていただきました。その後、就寝時の姿勢に話題を絞って尋ねたことでさらにいろいろ教えてもらえたので、質問方法の重要性も再認識した気がします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/マメ美監修/助産師REIKO著者:柴崎諒子2016年2月長女、2019年2月次女を出産。元雑誌編集部勤務で、企画・編集・営業・ライターを経験。現在は仕事をセーブしつつ子育て優先。妊娠・出産・子育てに関する記事を中心に執筆している。
2021年03月14日なぜ「腹筋エクササイズ」をすると腰が痛くなるのか?まずは「腹筋エクササイズをすると腰が痛くなってしまう理由」について触れておきましょう。その理由として、骨盤が強く前傾して腰の反りも強くなっていることが考えられます。その状態で腹筋エクササイズを行うと、腹筋ではなく「腸腰筋」という股関節前面にある筋肉が使われてしまうことになります。なぜなら骨盤が強く前傾していると、腸腰筋が優位に働いてしまうからです。腸腰筋には「股関節を曲げる」という働きの他、「骨盤を前傾させる」というそれもあるのです。そのため益々骨盤の前傾と腰の反りを強めてしまうことになり、それが「腰の痛み」となって現れるのです。また、骨盤の前傾が強いと、引き起こされるのは腰の痛みだけではありません!腹筋への効果もダウンしてしまうことにもなります。なぜなら腹筋に効かせるには、骨盤を後傾させる必要があるからです。まさに「百害あって一利なし」の状態です。すぐに対処しておきましょう!出典:byBirth腹筋エクササイズの効果を高める「2つのステップ」それでは「腹筋エクササイズをすると腰が痛くなってしまう」という問題を解決に導く方法についてお伝えしていきましょう。この方法は2つのステップから成ります。先ほどお伝えした通り、腹筋エクササイズをすると腰が痛くなってしまうのは「骨盤の強い前傾」が原因と言えます。骨盤の前傾を強めている背景として、腸腰筋の過度な緊張が挙げられるので、まず腸腰筋の過度な緊張を静的ストレッチで緩める必要があります。これが1つめのステップです。しかしそれだけではまだ腹筋が十分には使えない状態と言えます。腹筋を使うには、骨盤を後傾方向に動かす必要があるからです。そのため、もう一つのステップとして「骨盤後傾方向への動きを高める動的ストレッチ」を行っていきます。ステップ1:腸腰筋への静的ストレッチ出典:byBirth上の写真のように、両脚を前後に開き、前脚は膝を立てて後ろ脚は膝が股関節よりも後ろになるように股関節を伸ばします。両手は立てた前脚の膝の上に添えて、上体の真下に重心を落とし、骨盤を後傾させることで後ろ脚の腸腰筋がストレッチされます。反動や弾みをつけずに、太もも付け根前面部分が心地よく伸ばされていることが感じられる強度で、30秒間伸ばし続けるようにします。ポイント骨盤を後傾させるコツは、目線をお腹に向けるようにすることです。注意すべき点骨盤がストレッチしている腸腰筋の方向へ向いてしまうと、腸腰筋へのストレッチ効果がダウンしてしまいます。そのため、骨盤を正面に向けるようにしましょう。ステップ2:骨盤後傾方向への動きを高める動的ストレッチ出典:byBirth四つん這いの体勢を作り、軽く腰を反らせた体勢(写真上)から腰を丸める動作(写真下)を10回繰り返します。ポイントゆっくりした動きで、腰を丸めていく動きを少しずつ大きくしていくようにすることが動きを高めるポイントです。注意すべき点動きを高める目的で行うストレッチは、必ず高めたい動きで終わるようにします。この場合は「腰を丸める動き」で終わるようにしましょう。腹筋エクササイズで「確実に腹筋に効かせる」ためのポイント2つのステップから成る解決方法を実践したら、改めて腹筋エクササイズを行ってみましょう。すると骨盤後傾方向への動きができているので、腰を気にすることなく腹筋に効かせることができるはずです!これだけでも十分エクササイズ効果がアップするのですが、更に腹筋エクササイズで確実に腹筋に効かせるためのポイントをここでお伝えしておきましょう。アブドミナルクランチ出典:byBirthアブドミナルクランチは腹直筋上部へのエクササイズで、ミゾオチを支点に上体を起こす動作を繰り返します。このエクササイズは腰を床に押し付けながら、その反作用で上体を起こすようにしてみましょう(写真赤矢印参照)。すると確実に腹直筋上部に効かせることができます。「それでも腹筋への効き感よりも腰の痛みが強い…」という場合、足をイスなどに乗せるなどして、膝と股関節を90度に曲げた状態で行ってみましょう。リバースクランチ出典:byBirth上半身(上体)を起こすアブドミナルクランチに対し、リバースクランチは下半身(骨盤)を起こす動作を繰り返していきます。下腹部を支点に骨盤を起こす動作を繰り返すことで、腹直筋下部に効かせることができます。「骨盤を起こそう!」という意識が強すぎると、却って腹直筋下部には効かなくなってしまいます。そのためリバースクランチは、下腹部を支点に「仙骨」というお尻の上の骨が床から離れるところまで骨盤を起こすようにします(写真赤矢印参照)。慣れるまで両手を使って骨盤を起こす動作を補助するというのも方法の一つです。エクササイズを効果のあるものにするには…出典:byBirth今回は「腹筋エクササイズをすると腰が痛くなってしまう」という問題を解決に導く方法についてお伝えしてきました。ご紹介した解決方法を実践することで、腰を痛めることなく確実に腹筋に効かせることができるようになります!ターゲットとなる筋肉にしっかり効いているかどうか、関節への違和感がないかどうかを確かめながらエクササイズを行うことが、エクササイズを効果のあるものにする上で必要です。早速実践してみてくださいね!
2021年03月12日厚生労働省研究班の調査によると、現在の腰痛の推計患者数は2,800万人。いまやれっきとした日本の国民病だ。「寒くなると、腰痛を訴える患者さんが増えます。さらに新型コロナウイルスの感染拡大によって、その数が増加しているのです」そう語るのは、鍼灸師の内田輝和さん。一般の患者はもとよりオリンピック選手やプロスポーツ選手などアスリートの体も見てきた内田さんによれば、未曽有のコロナ禍で過ごしたこの冬は、これまでになく腰痛を引き起こしやすいシーズンだったという。「そのカギは“お尻の筋肉”にあります。腰痛は、脊柱起立筋という長い筋肉が冷えたり衰えたりすると、起こりやすくなります。脊柱起立筋とは、頭蓋骨から骨盤まで背骨に沿って長くついている筋肉ですが、そのうちの、腰回りの筋肉の部分を左右から支えているのがお尻の筋肉です。土台が弱くなると家が傾くのと同じで、お尻の筋肉が衰えると腰の筋肉を支えることができず、バランスを崩してしまいます。これが腰痛を引き起こすのです」(内田さん・以下同)同時にお尻の筋肉は、座骨神経を包みこんでもいる。「座骨神経は、“座骨”という、ちょうど椅子に座ったときに座面にあたる骨から、お尻の深い場所にある梨状筋を通って、足に向かっている末梢神経のことです。お尻の左右の筋肉が鍛えられていないと空気の抜けた自転車のタイヤのようにガタガタして、その衝撃が座骨神経から腰に伝わることで、これも腰痛の原因に。つまりお尻の筋肉は、脊柱起立筋と座骨神経の両方をサポートする、腰痛予防の要と言えるのです」そんなお尻の筋肉を劣化させる原因が「冷えと運動不足にある」と内田先生は話す。「お尻が冷えると筋肉の中の血液の流れ(筋血流)が悪くなり、もともと筋肉が弱い人はダメージを受けやすくなります。さらに、お尻の筋血流が悪化すると神経が傷つきやすくなるため、座骨神経も傷つきやすくなるのです」2つめの「運動不足」は、積極的な運動に限らず、片寄った姿勢などでお尻の筋肉が左右均等に使えていない状態が慢性化していることも指す。「たとえば同じ側の足だけ組んで座ってしまう癖がある人は、組んでいるほうのお尻や足の筋肉が衰えている可能性があります。そのため疲れやすく、また組んでしまう、という悪循環の繰り返しになっているのです」運動不足や片寄った姿勢は、筋肉を衰えさせるだけでなく、筋血流の悪化も招くので注意が必要だ。「女性自身」2021年3月9日号 掲載
2021年02月25日国民のじつに8割が一生のうちに一度は経験するともいわれる腰痛。寒さを感じる時季、悪化させないためには特に注意が必要ですーー。厚生労働省研究班の調査によると、現在の腰痛の推計患者数は2,800万人。いまやれっきとした日本の国民病だ。「寒くなると、腰痛を訴える患者さんが増えます。さらに新型コロナウイルスの感染拡大によって、その数が増加しているのです」そう語るのは、鍼灸師の内田輝和さん。一般の患者はもとよりオリンピック選手やプロスポーツ選手などアスリートの体も見てきた内田さんによれば、未曽有のコロナ禍で過ごしたこの冬は、これまでになく腰痛を引き起こしやすいシーズンだったという。「そのカギは“お尻の筋肉”にあります。腰痛は、脊柱起立筋という長い筋肉が冷えたり衰えたりすると、起こりやすくなります。脊柱起立筋とは、頭蓋骨から骨盤まで背骨に沿って長くついている筋肉ですが、そのうちの、腰回りの筋肉の部分を左右から支えているのがお尻の筋肉です。土台が弱くなると家が傾くのと同じで、お尻の筋肉が衰えると腰の筋肉を支えることができず、バランスを崩してしまいます。これが腰痛を引き起こすのです」(内田さん・以下同)そんなお尻の筋肉を劣化させる原因が「冷えと運動不足にある」と内田先生は話す。「新型コロナウイルスの流行によって腰痛患者さんが増えたのは、まさに運動不足と片寄った姿勢でいることが増えたためだと私は考えます。巣ごもりの生活の中で筋力が低下して腰痛になったというパターンです。もう1つは、在宅勤務による姿勢の悪化。台所に無理やりパソコンを持ち込んだり、ソファに座って仕事をすることで座り方も悪くなり、そこから腰痛になった方も少なくないでしょう」そこに冷えが加われば、さらにお尻の筋肉は弱くなり、腰痛を起こしやすくなるという悪循環に。次のチェックリストで当てはまる項目がある人は要注意!お尻の筋肉の衰えが懸念される。【お尻の衰えリスクチェックリスト】どれか1つでも当てはまったら要注意!□ 掃除などで前かがみの姿勢になることが多い□ デスクワークをしている□ ソファに体を預けるようにして座ることが多い□ トイレに行く頻度がほかの人より多い□ 階段の上りがつらい□ 車中心の生活をしている(運転する時間が長い)□ 歩くとすぐに足が痛くなる□ お尻にいつも、だるさや重さを感じている運動不足や姿勢に気をつけるのと同時に、お尻の筋肉を取り戻すために効果的なのが、次の「うつぶせ足上げ」だ。【うつぶせ足上げ】1回1分(1)うつぶせになって、足を伸ばす。両手を軽く重ねて、あごを乗せる。(2)つま先とひざをまっすぐに伸ばしたまま、片方の足をできる範囲で上げ、その状態を10秒間キープ。お尻と太ももの境目の筋肉に力が入っていることを意識する。(3)10秒経過したら足をゆっくり下ろし、反対側の足も同様に上げ、10秒間キープ。(4)10秒経過したら足をゆっくり下ろし、両足をくっつけた状態でお尻に力を入れて10秒間キープ。(1)〜(4)を2回繰り返して1セット。※痛みなどがある場合は無理をしないようにしましょう。「この体操のいいところは、お尻の筋肉だけでなく、脊柱起立筋も同時に鍛えられるところ。また、人によってお尻の筋肉には左右差がありますので、いざやってみると、上がりやすい足とそうでない足があるはずです。繰り返していくことで、両足を同じ高さまで上げられるようになるでしょう」1回1分でできて、効果も実感しやすいので、スキマ時間に実践してみよう。コロナ禍と寒さが拍車をかけた腰の悩み。うつぶせ足上げで改善に努めよう!「女性自身」2021年3月9日号 掲載
2021年02月25日40歳を超えてから頭痛・肩凝り・腰痛に悩まされています。最近は猫背気味で、パソコン作業をすると30分で痛みが発生。毎回痛くて集中できないので作業を中断しなければならず、困り果てていました。数年前、整形外科に通院していた際に相談し、頸椎や腰椎のレントゲンやCTを撮りましたが特に問題なく、医師からは年齢と運動不足が原因でしょうと言われました。そのため、マッサージに月2回通い、お風呂上がりには毎日柔軟体操をおこなうといった対策をしてみたけれど、若いころのように簡単には体がラクになりません。「年のせいか……」と諦め始めたときに、知り合いの理学療法士さんからあるストレッチの方法を教わりました。アクティブストレッチとの出合い理学療法士さんが教えてくれたのは、「アクティブ(動的)ストレッチ」。すなわち、体を動かしながらおこなうストレッチでした。時間をかけて筋肉を伸ばすスタティック(静的)ストレッチとは異なり、腕や脚などの関節をリズミカルに曲げたり伸ばしたりして、筋肉を温めながら緩め、柔軟性を向上させる方法なのだとか。イメージとしては、ゆっくりしたラジオ体操というところでしょうか。アクティブストレッチはけがの予防として準備運動にも使われており、有名なところでは、野球の前田健太投手がおこなう前傾姿勢で両腕をグルグル回すマエケン体操や、サッカー選手がウォーミングアップとして体をリズミカルに動かす体操として知られているブラジル体操があるそうです。面倒くさがりでもOKなアクティブストレッチその理学療法士さんは、私が面倒くさがりで三日坊主ということをご存じなので、アクティブストレッチのなかでも1分程度で簡単にできる以下の3つを教えてくれました。1)肘を曲げて指先で肩を触りつつ、大きく円を描くように肘を動かす。2)椅子に座った状態で、骨盤を前後左右に揺らす。左右に振り向くように体をひねる。3)足を肩幅に広げて、テーブルに手を突いて、軽くスクワットをする。回数はそれぞれ5回ずつを目安とし、1日1セットできたらOKとのことでしたが、 あまり無理をせず気持ち良いと感じる程度におこなえば良いと言われました。そこで、私は上記3つのうちのどれか1つをトイレに行ったときやパソコン作業を始める前におこなうことにしました。1つの運動が約1分で終わるので、面倒くさがりで忘れっぽい私でも続けられることができています。1カ月実行した結果は…?アクティブストレッチを1カ月半おこなったところ、効果はてきめんでした。例えば、・開始後2、3日で、肩凝りがなくなりました。・開始後1週間で頭痛・腰痛がなくなり、パソコン作業を1時間以上集中してできるようになりました。・姿勢が良くなりました。試しに運動を4日ほどさぼったら、痛みが戻ってきましたが、再開したら痛みは消えました。アクティブストレッチを継続している間は、痛みがぶり返すことなく生活することができています。正直言って、7年にわたる悩みがこんなに簡単に、しかもお金をかけずに解決できるとはとても驚きです!! 「理学療法士さん、教えてくれて本当にありがとう!」という気分です。まとめアクティブストレッチを開始して1カ月半がたちますが、痛みは出ずに過ごせています。私は整形外科ではひと通り診てもらった上で、腰痛の原因は年齢と運動不足と診断されていたので、安心してこのストレッチに取り組むことができました。無理のない範囲での取り組みでしたが、見事、腰痛、肩凝り、頭痛を解消することができて本当によかったです。今後、また年を取れば腰痛がぶり返すこともあるかもしれませんが、様子を見ながらアクティブストレッチを続けていきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2021年02月16日「腰痛」が起こるメカニズムまずは腰痛がどのようにして起こるのか、そのメカニズムについてお伝えしておきましょう。人間の背骨は本来、横から見ると緩やかなS字状の弯曲を描いています。緩やかなS字状の弯曲を描くことで、背骨にかかる荷重や衝撃を分散させることが可能となるのです。しかし、背中を丸めた悪い姿勢をとり続けたり、ヒールの高い靴を履き続けたり、いつも同じ方の肩にバッグをかけていたりなどが原因で、この緩やかなS字状の弯曲に歪みが生じてしまいます。特に腰の部分は重い上半身を支えることになるので、大きな負担がかかってしまいます。その負担が蓄積した結果、腰痛が生じると言われています。出典:byBirth「腰への負担が強くなった状態」とは…「腰に負担がかかった状態」について、具体的にお伝えしていきましょう。先程、「人間の背骨は本来、横から見ると緩やかなS字状の弯曲を描いている」とお伝えしました。具体的には、頚椎が前弯して胸椎が後弯、そして腰椎が前弯した状態です。このS字状の弯曲が崩れてしまうと、腰椎の前弯が過剰になるか弱くなった状態になります。腰椎の前弯が過剰になると、それに伴い骨盤の前傾も強くなります。いわゆる「反り腰」と言われる状態になります。すると、腰椎後部にストレスが加わりやすくなります。逆に腰椎の前弯が弱くなると、骨盤は後傾した状態になります。そうすると腰椎の前方部への負担が増してしまいます。背骨の緩やかなS字状の弯曲を保つには、それを支える筋肉を強化することが必要となります。出典:byBirth「クランチ」や「バックエクステンション」などが腰痛予防エクササイズに適さない理由それでは「背骨を支える筋肉」とは、どの筋肉のことを言うのでしょうか。結論から言うと、「体幹の筋肉」になります。体幹の筋肉には、表層部にあるアウターマッスルと、深層部にあるインナーマッスルの2つのグループに分けられます。「腹直筋」や「外腹斜筋」、「脊柱起立筋」などは前者にあたり、体幹及び骨盤の動きに関与します。一方、後者には「腹横筋」、「内腹斜筋」、そして「多裂筋」といった筋肉が存在し、体幹及び骨盤の安定性に関与します。「腰痛予防」という状況で求められるのは、体幹の安定性です。したがって体幹の安定性を高めるために、腹横筋や内腹斜筋、多裂筋といった筋肉を強化するエクササイズを行っていきます。このようなことから、「クランチ」や「シットアップ」、「バックエクステンション」などといったエクササイズは、体幹及び骨盤の動きに関与するアウターマッスルを強化するエクササイズとなるため、腰痛予防には適さないと言えるのです。出典:byBirth体幹の安定性を高め、腰痛予防に有効なエクササイズお待たせしました!体幹の安定性を高めることができる、腰痛予防に有効なエクササイズを2つご紹介しましょう。いずれもトレーニングツール不要なので、いつでもどこでもできます!強いて言うならば、床の上で行うのでヨガマットか大きめのバスタオルを用意するぐらいです。では、準備はよろしいでしょうか?(1)プランク出典:byBirth両肘を床に付いた「腕立て」の体勢を作ります。そこから頭から足を結ぶライン(写真赤矢印参照)をまっすぐにした状態を、30~60秒間キープします。30~60秒間を1分程度の休憩を挟みながら、3セット行います。注意すべき点腰が落ちてしまったり、逆に腰を持ち上げ過ぎてしまったりしないようにしましょう。「プランク」に慣れてきたら…出典:byBirthエクササイズに慣れてきたら、上の写真のように、プランクの体勢から片脚を上げる動作を加えた「プランク&ヒップエクステンション」を行ってみましょう。頭から股関節までをまっすぐにキープしたまま、片脚を上げる動作を左右それぞれ10~15回繰り返します。左右それぞれ行ったら、1分程度の休憩を入れて3セット行ってみましょう。股関節の動きを加えることで、体幹部の安定性がより求められるエクササイズです。(2)サイドブリッジ出典:byBirth片肘を床に付いて横向きの体勢となります。このとき、肩の真下に肘が位置するようにします。両膝を直角に曲げて、上から見て、膝と股関節、そして肩を結ぶラインがまっすぐになるようにします。もう一方の手は骨盤横に添えて、床側の膝から肩を結ぶラインが一直線(写真赤矢印参照)となるまで骨盤を持ち上げ、その体勢を30~60秒間キープ。反対側も同じように行います。左右それぞれ30~60秒間を3セット行います。注意すべき点骨盤が床方向に落ちてしまったり、逆に持ち上げ過ぎないようにしましょう。エクササイズ中は、上体を正面に向けるようにしましょう。また、呼吸が止まらないように注意しましょう。「サイドブリッジ」に慣れてきたら…出典:byBirthサイドブリッジに慣れてきたら、この体勢に股関節を外に開く動作を加えた「サイドブリッジ&ヒップアブダクション」というエクササイズにチャレンジしてみましょう。床側の肩から膝を結ぶラインが一直線となった体勢をキープしたまま、股関節を開く動作を左右それぞれ10~15回繰り返します。左右それぞれ10~15回を3セット行いましょう。こちらもやはり、股関節の動きを加えることにより、体幹部の安定性が更に要求されるようになります!エクササイズ効果が感じられない原因出典:byBirth今回は腰痛予防に有効なエクササイズを2つご紹介しました。これらのエクササイズは、最低でも週3回は行うようにしましょう。そうすることで体幹の安定性を高めることができ、腰痛予防につなげることができます!エクササイズを行っても効果が感じられない原因の一つとして、行っているエクササイズが目的に合っていないことが考えられます。どのエクササイズを行うべきかわからない場合や、自分が行っているエクササイズが目的に合ったものなのか確かめたい場合は、トレーナーなど専門家に相談してみるのも手です。目的に合ったエクササイズを選んで行うようにしてくださいね!
2021年02月04日「腰の張り」と「股関節の筋肉」の関係冒頭で「腰の張りのほとんどが股関節の筋肉の緊張に原因があると言える」とお伝えしましたが、なぜ股関節の筋肉の緊張が腰の張りをもたらすと言えるのでしょうか。「股関節」というのは、大腿骨と骨盤の寛骨臼から成る関節のことです。簡単に言えば「股関節」とは、太もも付け根部分の関節のことを言います。股関節の筋肉には「大殿筋」、「腸腰筋」、「股関節内転筋群」、「中殿筋」、そして「大腿筋膜張筋」などといったものがありますが、これらのほとんどが骨盤から始まり、大腿骨に停止している筋肉です。そのため、筋肉の緊張が強くなると骨盤を大腿骨方向へと引っ張るかたちとなるため「歪み」が生じることになります。例えば大殿筋の緊張が強くなると、骨盤が後傾して腰が丸まりやすくなるため、腰椎前方部分にストレスがかかりやすくなります。また、中殿筋や大腿筋膜張筋といった股関節外転筋の緊張が強くなると、骨盤が側方に傾くことになってしまいます。このように股関節の筋肉の緊張が強くなると骨盤に歪みが生じ、その結果腰の張りや痛みへとつながると言えるのです。出典:byBirth腰の張りをもたらす「骨盤の歪み」をリセットする「股関節ストレッチ」5選それでは腰の張りを緩めることができる股関節ストレッチを5つご紹介していきます。全ておうちの中で、しかも畳一畳分のスペースさえあれば手軽にできるものです!フローリングの床の上で行う場合は、ヨガマットもしくは大きめのバスタオルを敷いてその上で行うようにしましょう。ストレッチはそれぞれ、心地よい伸び感が得られるところまで伸ばし、20~30秒間伸ばし続けるようにします。そうすることで腱に存在する「腱紡錘」が優位に働くようになり、筋肉の緊張を緩めることができるからです。(1)大殿筋への静的ストレッチ出典:byBirth仰向けになって脚で「4の字」を作り、下になっている脚の膝を立てます。下になっている脚の膝裏に両手をまわして、脚を胸に引き付けるようにすることで、お尻の筋肉である大殿筋がストレッチされます。足首をわきの下に入れるイメージでストレッチすることで、大殿筋へのストレッチ感がアップします。余裕があれば、膝裏にまわしている両手を膝下にまわしてストレッチをしてみましょう。(2)腸腰筋への静的ストレッチ出典:byBirth脚を前後に開き、前脚の膝を立てて、後ろ脚は膝が股関節よりも後ろになるように後方へ伸ばします。立てた前脚の膝の上に両手を乗せて重心を真下に下ろし、骨盤を後傾させることで後ろ脚の太もも付け根前面にある腸腰筋がストレッチされます。骨盤を後傾させるコツは、目線をお腹に向けることです。ストレッチ中は、骨盤を正面に向けるようにしましょう。(3)股関節内転筋群への静的ストレッチ出典:byBirth両脚を無理のない範囲で開き、骨盤を立てるように起こして背中をまっすぐに伸ばします。背中をまっすぐに伸ばしたまま、上体を前に倒すことで、内ももの筋肉である股関節内転筋群がストレッチされます。つま先は天井に向けるようにします。(4)中殿筋への静的ストレッチ出典:byBirth座位の体勢で片脚の膝を立て、反対側の脚とクロスします。立てた膝を両腕で抱えるように胸に引き付けることで、お尻の外側の筋肉である中殿筋がストレッチされます。背中をまっすぐにすることが、ストレッチ効果を高めるポイントです。余裕があれば、上の写真のように前に伸ばしていた脚を折り畳むように曲げてストレッチを行ってみましょう。(5)大腿筋膜張筋への静的ストレッチ出典:byBirth立位の体勢でストレッチをする方の脚を後ろに引き、反対側の脚とクロスさせます。ストレッチをする側と反対側の手で骨盤を横に押し出すようにする(写真赤矢印参照)ことで、骨盤から大腿部外側を走行している大腿筋膜張筋がストレッチされます。ここでもストレッチ中は、骨盤を正面に向けるようにしましょう。ストレッチ効果を高める2つのポイント筋肉の緊張を緩めて骨盤の歪みをリセットさせるためには、2つのポイントを押さえた上でストレッチを行うとよいでしょう。1.カラダを温めてからストレッチを行うことストレッチはカラダを温めてから行った方が筋肉を伸ばしやすくなるので、より効果が期待できます。そのため運動でカラダを動かした後や、入浴後に行うとよいでしょう。入浴は熱めのお湯ではカラダを温めることができないので、38~40℃程度のお湯に10分以上浸かるようにします。2.左右差がないかどうか確かめながら行うことここでご紹介しているストレッチは、股関節内転筋群へのストレッチ以外は左右それぞれ行うものです。その際、左右差がないかどうかを確かめながら行うようにしましょう。左右差があるということは、骨盤に歪みが生じている証拠でもあるからです。硬いと感じる方があれば、もう一回ストレッチを行うようにします。「セルフメンテナンス」のススメ出典:byBirth今回は腰の張りを緩めるストレッチをご紹介しました。この5つのストレッチを行うだけでも、骨盤の歪みをリセットさせることができ、効果を感じることができます!腰や肩などが痛くなってから対処するのではなく、日頃からストレッチでセルフメンテナンスを行うことをお勧めします。ストレッチを通じて、日頃感じない筋肉の張りなどに気付くことができるからです。早速実践してみてください!
2021年01月17日「新型コロナウイルスの感染拡大による在宅時間の増加に伴い、スマホやパソコンを使用する機会も増えた結果、首、肩こり、腰痛を訴える人が増えました。こうした人たちに共通しているのは“腕が短くなっている”ことなのです」アスリートゴリラ鍼灸接骨院の院長・高林孝光さんはこう話す。スマホやパソコンの画面を見ているとき、私たちはどうしても前かがみで上半身の動きはほぼ固まったままの体勢になりがちだ。「長時間同じ姿勢でいると、そのぶん筋肉を酷使し続けることになり、筋肉は緊張し、縮こまってしまいます。そうすると猫背になりますし、血流も滞るため、痛みやコリのほか、冷え、肌荒れ、うつ傾向などさまざまな症状を招くことになります」(高林さん・以下同)さらに、冬場は寒さも影響して筋肉がこわばりやすい。体が凝り固まると、痛みなどのほかに集中力が持続しづらくなったり、怒りっぽくなったりすることもあるという。そうした症状を訴える患者の治療にあたると、前述の“腕の短さ”が確認できることが多いと高林さんは話す。こうした現代人の“クセ”を解消し、痛みやコリを改善するため、テニス選手の動作をヒントに高林さんが考案したエクササイズが次の「7秒腕回し」だ。腕を前に7回、後ろに7回回すだけ。これを左右行って1セット。■7秒腕回し【1】肩幅でまっすぐバンザイ(1)鏡の前で両足を腰幅に開いてまっすぐ立つ。(2)バンザイをするように両腕をまっすぐ上げる。(3)背すじを伸ばし、手のひらを正面に向け指先を伸ばす。【2】反対側の手で脇の下を押さえる(1)片方の腕をまっすぐ上げ、手のひらを内側へ向ける。(2)反対側の手で脇の下を押さえる。(3)指先は伸ばす。【3】1秒に1回のペースで前回しを7回(1)手のひらを内側へ向けたまま、1秒に1回のペースで前回しに腕を7回回す。【4】後ろ回しを7回(1)後ろ回しに腕を7回回す。【5】腕が伸びたのを実感(1)【1】と同じように両腕を上に伸ばし、左右の手の長さを確認する。■腕を上げづらい人はこちらでもOK【1】小さい「前へならえ」をする(1)両足を肩幅に開き、背すじを伸ばして立つ。(2)小さい「前へならえ」をして、前腕を床と並行に伸ばす。(3)手のひらは内側に向け、脇を締め、ひじは体につける。【2】肩甲骨を開いてさらに伸ばす(1)指先を前へ伸ばすように。(2)両肩の肩甲骨を開くイメージで手をさらに伸ばす。(3)呼吸をしながら7秒キープ。これを3セット行う。記者が「7秒腕回し」を実践してみたところ、鏡で見て明らかにわかるほど、回したほうの腕が長くなっているのを確認できた。そして肩のこわばりも改善した印象を受けた。なぜ、腕を回すだけで肩こりが改善するのだろうか。「腕を回すときに最も使う筋肉は表層筋(アウターマッスル)である広背筋や僧帽筋です。僧帽筋は首から肩にかけて、広背筋は腰から肩にかけて、共に広範囲に付いている筋肉。一般的にマッサージや整体で押したりもんだりするのがこの表層筋です。いっぽう、表層筋のさらに下にある深層筋(インナーマッスル)には直接触れることができません。しかし、腰痛には腸腰筋や腹横筋など、首や肩のコリには肩甲挙筋、肩甲下筋などのインナーマッスルが関係しています。インナーマッスルをほぐすには、表層筋である広背筋や僧帽筋を動かします。それによってインナーマッスルに刺激を伝えることができるのです」これを、7秒腕回しによって効率よく行うことができる。そうすると筋肉が緩み、自然と猫背が改善され、腕が長くなる。肩回りの可動域も広がり、肺にたくさん空気が入るようになって、自律神経も整い、眼精疲労も和らぐ。四十肩・五十肩などで腕を回すのが困難な人は、両腕を「前へならえ」の形にして7秒伸ばすだけでも効果が得られるそうだ。「腕を前方へ伸ばすと、肩甲下筋という肩甲骨の奥にあるインナーマッスルが刺激され、肩回りの筋肉を緩めることができます。腕回しは、無理のない範囲で毎日続けることがなにより大切です。1日1セットでも十分です」「女性自身」2021年1月19日・26日合併号 掲載
2021年01月12日「一度ギックリ腰になると、癖になって何度も繰り返すようになってしまう」とは聞いていましたが、私の場合もまさにその言葉どおりでした。出産後に抱っこや授乳の疲労などでギックリ腰になって以来、何度も繰り返すようになってしまったのです。突然のギクッという痛みから始まるギックリ腰。これになってしまったときは、痛いし動けないしで本当につらいです。そんなギックリ腰の症状を軽くしてくれたのが、セルフ灸です。今回はこのセルフ灸についてご紹介したいと思います。毎冬ギックリ腰に。通院も大変…高校生のとき、部活で腰を強く打ったのをきっかけに、長い間、腰痛とともに人生を過ごしてきました。当時お世話になっていた整形外科の医師からは「腰痛は完治することがなく、一生のお付き合いになりますよ」と言われたため、若かった私はとてもショックを受けました。その後もその医師の言葉どおり、常に腰痛に悩まされていましたが、出産してからは特に悩みが深刻に。育児の疲労などさまざまな原因が重なり、毎冬ギックリ腰を繰り返すようになってしまったのです。何かの拍子にギクッという衝撃が走ったあとは、おばあさんのように腰が曲がった状態から姿勢を変えることが難しくなってしまい、激痛で病院に行くこともままなりません。しかも1回の通院で良くなるわけでもなく、何度も通うことになります。育児中の私には、それがとても大変でつらいのでした。鍼とお灸の効果で翌日には動ける体に!ギックリ腰だと、たとえなんとか病院に行けたとしても、長い待ち時間に椅子に座っていることがつらい……。だから、ギックリ腰の治療は予約可能で待たなくて済む鍼灸師さんにお願いすることにしました。実は鍼灸師さんに診てもらうのはそれが初めてではなく、もともと不妊治療のときから毎月お世話になっていたので、ギックリ腰の治療も安心して委ねることができました。鍼灸師さんは、まず脈を測って体の状態を把握し、冷え切った体をお灸でしっかり温めて、鍼で痛みを緩和してくれました。おかげで大抵の場合は、翌日には動ける体になっていました。鍼灸の効果は個人差があるとは思いますが、私の場合、定期的に鍼灸で体のメンテナンスをおこなっていたので改善が早かったのかもしれません。セルフ灸でギックリ腰の予防と応急処置毎月のように鍼灸に行っていたのにギックリ腰を繰り返してしまう理由は、おそらく私の怠慢にありました。鍼灸師さんには「月1回の施術のほかにセルフ灸で体を温めてね」と言われていたのですが、面倒でしていなかったのです。しかし今後、加齢によって体力や筋肉量が下がってくると、より頻繁にギックリ腰に悩まされるかもしれない……。おっくうではありましたが、対策を強化しなくてはと一念発起し、体の冷えや背中・腰の張りを感じたら、簡単なセルフ灸をおこなうようにしました。例えば、体に冷えを感じたときは、特に冷える足先に、台座灸(厚紙の台座の上にもぐさが乗っているもの)を片足につき4、5個ずつ。指の付け根やかかとのふっくらした部分に貼ってお線香で火を付けました。5分ほどで温かくなくなったら終わりです。お灸のあとで足先を触ると温かさを感じてうれしい気持ちになりました。また、腰に痛みや張りを感じたときは、ヨモギから作られたお灸専用のもぐさを小指の先ほどのピラミッド型にして、つらい部分に据えました。これは知熱灸(ちねつきゅう)というもので、お世話になっている鍼灸師さんが説明しているYouTubeを参考にして、家族にも協力してもらって施しました。セルフ灸で冷えやギックリ腰が改善傾向に!セルフ灸を始めてから4年ほどがたちました。特に定期的におこなっているわけではなく、体の冷えや背中・腰の張りを感じたときにおこなうので、頻度にすると月に5回程度かもしれません。それでも、少しずつ体の冷えも改善されてきて、ギックリ腰の症状も軽く済むようになってきたように思います。そして、鍼灸師さんの予約が取りづらいときも、セルフ灸をすることでギックリ腰の応急処置を自分でできるようになったのも、セルフ灸を始めてよかったと思うポイントでした。まとめギックリ腰になってしまう前にセルフ灸で体をメンテナンスすることが、私にはとても合っていました。お灸は熱いのかな?など、最初は不安ありました。しかし、体の状態によって受ける感覚は異なりますが、お灸はほんのり温かくてとても気持ちが良いです。10分くらいで終わるので、意外と手軽です。今では、お世話になっている鍼灸師さんがYouTubeで紹介されているセルフ灸なども交えて、自分でアレンジして施術できるようになりました。ギックリ腰にはもうなりたくありません! 寒い毎日が続くようになってきましたので、引き続きセルフ灸で対策を続けたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年12月22日シャム猫のあずきさんと暮らす、のべ子(@yamanobejin)さん。ある日、腰痛を患っているのべ子さんは、腰の負担を軽減させるクッションを購入したといいます。さっそく使ってみると…。人生ってうまくいかないね #シャム猫あずきさんは世界の中心 pic.twitter.com/W75APIoPgl — のべ子シャム猫あずきさん2巻でた (@yamanobejin) December 16, 2020 あずきさんが鎮座!気持ちよさそうに新しいクッションでくつろぐあずきさんに、のべ子さんが邪魔をすることはできません。仕方なく、クッションはあずきさんに譲り、のべ子さんは空気椅子のように座面の端で我慢するのでした…。投稿には、共感の声が寄せられています。・筋トレかな?うちも同じ状態です。・よく分かります!でも、無理しないでください。・同じものを2個買うしかないですね!やはり自分を犠牲にしてまでも大切なペットには甘やかしてしまうのは、どの飼い主も同じようですね![文・構成/grape編集部]
2020年12月17日なぜ「腹筋エクササイズ」をしてもお腹痩せ効果が現れない上、腰が痛くなるのか?お腹を引き締めようと、「クランチ」や「シットアップ」といった腹筋エクササイズを行っていませんか?このような上体起こし系の腹筋エクササイズは、ズバリお腹痩せ効果は期待できません!お腹周りで気になるのは、下っ腹ですよね。しかしクランチでターゲットとなるのは腹直筋の上部となるので、下っ腹引き締め効果は期待できないと言えるからです。出典:byBirthまた、シットアップでは腹直筋全体がターゲットとなりますが、難易度が高く、腹直筋ではなく股関節を曲げる動作や腕の力を使って起こしてしまいがちです。そのため、お腹引き締めには至らず、むしろ股関節を曲げる際に、主働筋となる腸腰筋に効いてしまうため、腰の反りが強くなり腰の痛みを引き起こしてしまうのです。出典:byBirthお腹痩せと腰痛予防には「腹直筋」よりも「腹横筋」の強化が効果的!ここで「腹筋」について触れておきましょう。腹筋は、「腹直筋」「外腹斜筋」「内腹斜筋」そして「腹横筋」の4つの筋肉で構成されています。腹直筋は表層部にあり、腹部を縦断している筋肉です。腹直筋には「脊柱(背骨)を曲げる」という働きがあり、先程もお伝えしたクランチやシットアップなどで強化できます。外腹斜筋と内腹斜筋はわき腹にタスキ状に存在し、「脊柱を側屈(横に倒す)させたり、回旋させたりする」という働きがあります。腹横筋は腹筋群の中でも最も深層部に存在し、その名の通り腹部を横断している筋肉です。この筋肉には「腹腔内圧を高める」という働きがあります。「腹腔内圧を高める」というのは、ベルトを締めるようなイメージです。そのためお腹痩せ効果はもちろんのこと、腰椎の安定性を高めることができます。したがってお腹痩せと腰痛予防には、腹横筋の強化が有効と言えます。着替え不要!手軽にできる「腹横筋エクササイズ」それでは腹横筋を強化し、お腹痩せと腰痛予防に有効なエクササイズをご紹介していきましょう。今回ご紹介するエクササイズは、「スタンディング・ドローイン」と呼ばれるものです。「ドローイン(draw in)」とは「引き込む」という意味で、ここでの場合は「お腹を引き込む」ということになります。それを立位で行うことから、「スタンディング・ドローイン」と呼んでいます。今回も特別に用意するものはありません!しかも、スペースをとらずにできるので、やる気さえあればおウチでもオフィスでもどこでもできます!更に、激しく動くものでもないので、スポーツウエアに着替える必要もなく、その場ですぐにできます!腹横筋を強化しお腹痩せと腰痛予防に効果的な「スタンディング・ドローイン」出典:byBirth左右のかかとを合わせてつま先を外側に開き、内ももをしっかり閉じるようにします。片方の手でおへそを覆うようにします。肩甲骨を内側に寄せてしっかりと胸を張り、おへそを覆った手から遠ざけていくようにお腹を凹ませていきます。お腹を凹ませた状態を20~30秒間キープします。1分間の休憩を入れながら、2~3セット行いましょう。ポイント腹横筋に効かせてお腹痩せと腰痛予防効果につなげるポイントが3つあります。1つは、「おへそを引っ込ませる」というイメージで行うことです。そうすることで、腹横筋に効かせることができるようになります。2つめは、内ももをしっかり閉じることです。そうすることで股関節内転筋群にも効かせることができ、「ポッコリお腹」の原因でもある骨盤の開きの改善にもつながるので、お腹痩せ効果を高めることができます。背中が丸くなっているとおへそを引っ込ませることが困難になり、腹横筋に効かせることが難しくなります。そのため肩甲骨を内側に引き寄せ、胸をしっかり張るようにします。これが3つめのポイントです。注意すべき点エクササイズ中は、呼吸が止まらないように注意しましょう。「スタンディング・ドローイン」で得られる、もう一つの“嬉しい効果”エクササイズは毎日行ってみましょう。毎日続けることで、お腹痩せと腰痛予防効果が実感できるようになります!スタンディング・ドローインを行うことで、もう一つ嬉しい効果があります。それは、姿勢を良くすることができるというものです。このエクササイズを行うことで、腹横筋や股関節内転筋群の他、脊柱起立筋、肩甲骨内転筋群などといった、良い姿勢を得るために必要な筋肉を強化することができるからです。そのため、「姿勢を良くしたい!」と思っている方にもお勧めなエクササイズと言えます!出典:byBirth1つであらゆる筋肉を強化することができる「腹筋エクササイズ」!今回はお腹痩せと腰痛予防に効果的なエクササイズとして、「スタンディング・ドローイン」をご紹介しました。腹横筋に効かせるには、肩甲骨を内側に引き寄せて胸をしっかり張ることが重要で、お腹痩せ効果を高めるには、股関節内転筋群を動員させるために内ももをしっかり閉じることも必要となります。単なる腹筋エクササイズとは異なり、1つであらゆる筋肉を強化することができるエクササイズと言えます。スタンディング・ドローインでお腹をスッキリ引き締めて、腰痛知らずのカラダを作り上げてくださいね!
2020年11月16日ネットの情報や先輩ママから、妊娠中は腰が痛くなると聞いていたため、「双子ならなおさら仕方のないこと」と腰痛が悪化しても妊婦健診で先生に相談することなく耐え続けていました。しかしあまりの激痛に耐えきれなくなり、出産予定日を目前に控えた日の真夜中、病院へ。そこでわかった腰痛の原因を紹介します。 妊娠3カ月には目立つおなか双子を妊娠して妊娠3カ月ごろにはおなかが大きくなり、妊娠前にはいていたズボンのチャックが閉まらなくなりました。それからはどんどんおなかが大きくなり、腰痛と付き合う日々。 仕事をしていても、運転をしていても、常に腰が気になります。妊婦健診の際に腰が痛いことを先生に伝えてみましたが、「もともとひとり用のおなかに2人入っているのだから、腰への負担も仕方のないこと。できるだけ寝転がって過ごしなさい」とのことでした。 腰痛で眠れない日々妊娠5カ月に仕事を退職し、妊娠7カ月ごろからは必要最低限の行動以外は自宅のベッドにいる日々を過ごしました。それでも腰痛はひどくなる一方です。寝る向きを変えてみたり、腰をさすってみたり、押してみたり……。 少しでもラクになる体勢を探しながらゴロゴロ。夜中も痛みで起きてしまうため、ゆっくり眠ることもできない毎日。ただ、“腰痛は仕方のないこと”という認識から、妊婦健診でも先生に腰痛がひどくなっていることを相談しませんでした。 腰痛の原因が判明出産予定日を1週間後に控えたある日、とうとう腰痛が限界にきました。どうやっても治まらない激痛に涙がこぼれ、真夜中に通っていた産婦人科へ行くことに。そこで腰にエコーを当ててもらい、腎臓に水が溜まっていることが判明! 双子の成長により尿の通り道が圧迫され、水腎症になっていました。水腎症を発症していては個人病院の産婦人科では産むことはできないということで、そのまま市民病院へ転院し、緊急入院。2日後に、もともと予定していた帝王切開で出産しました。 出産したことで、尿の通り道への圧迫がなくなり、水腎症は回復しました。腰痛は赤ちゃんの重みが原因だと思い込み、先生に相談しなかった結果が緊急入院です。不安や心配事があれば思い込みで過ごすのではなく、なんでも先生に相談しておけばよかったと、今回の体験から学びました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO作画/うちここ著者:桜田はな双子男児と女児1人の母。子育てやサブスク関係のライターとして活動中。
2020年11月16日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「腰痛」です。人類の二足歩行が始まったときから運命づけられていたとさえいわれる腰痛。とくにデスクワークが多い人には、肩こりに次いで多い悩みですね。腰痛にはさまざまな原因がありますが、多いのが、生命力を司る「腎(じん)」が弱っている状態。腎は「腰の器」といわれるほど腰と密接に関係していて、歩くことで刺激を受けて活性化するところ。長い間座ったままでいるとエネルギーが蓄えられず、その不調が痛みとなって表れます。こうした、エネルギーや栄養が足りずに起きる痛みを、中医学では「不栄則痛(ふえいそくつう)」といいます。鈍痛が慢性的に続くのが特徴で、マッサージをしても良くならないことが多い。高齢者に多いのはこのタイプです。一方で時々強く痛む場合は、「不通則痛」であると捉えます。「通(つう)」は血の流れを意味し、血流の滞りで生じる痛みをこう表現します。マッサージによって多少改善することもありますが、滞りを解決しない限り繰り返す場合がほとんど。女性は男性に比べて「血(けつ)」に関するトラブルが多く、腰痛も血流障害による不通則痛型が多いようです。温かな血を巡らせて、腰を冷やさないことが大事。血流が悪くなる原因はいろいろですが、まず挙げられるのが血自体の少なさです。ちょろちょろとしか流れなければ、当然滞りが生まれますね。また、血が汚れて粘り気があることも、詰まりの原因になります。さらに大事なのが、温度。漢方では血には油のような特性があるとし、温めるとよく流れ、冷やすと固まって循環が悪くなると考えます。先ほど腎の機能低下も腰痛の一因とお伝えしましたが、腎には体を温めるストーブのような役割もあり、同じく冷えに弱い場所。ぎっくり腰のように急性のトラブルを除き、冷やすことは腰には大敵です。以上のことから、腰痛の養生としてまず心がけたいのは保温と補血です。とりわけ下半身を冷やさない心がけを。腰まわりを温かくして、デスクワーク中も時々歩き回るようにして血を巡らせることは、腎を元気に保つのにも有効です。その上で、血を補う食べ物を日々の食卓に。レバーやにんじんのほか、今ならほうれん草もおすすめです。血液をどろどろにする、脂っこいものや甘いものは控えましょう。もう11月。とくに冬に痛むという方は、どうぞ早めの養生を。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年11月4日号より。イラスト・momokoharada文・新田草子(by anan編集部)
2020年10月28日なぜ「スクワット」をすると腰が痛くなるのか?そもそもなぜスクワットをすると腰が痛くなるのでしょうか?その主な理由として、骨盤が後傾して腰が丸まっていることが考えられます。普段、座っている機会が多いと、どうしても背中を丸めてしまいがちになり、骨盤も後傾した状態になりやすくなると言えます。骨盤が後傾したままで上体を下に下ろしていくと、下の写真のように骨盤はますます後ろに傾いていき、腰部も丸まった状態になってしまいます。出典:byBirthすると腰椎前方部分への負担が大きくなってしまい、腰痛を引き起こしやすくなります。腰椎前方部分には椎間板が存在するので、腰椎前方部分に慢性的にストレスが加わり続けてしまうと「腰椎椎間板ヘルニア」を起こす可能性も十分考えられます。辛い腰の痛みに苦しむ前に、今すぐ対処しておきましょう!出典:byBirth後傾した骨盤を改善する「3つのセルフコンディショニング法」スクワットをすると腰が痛くなるのは、後傾した骨盤が原因として考えられます。そのためスクワットで腰が痛くならないようにするには、後傾した骨盤をニュートラルな状態に改善させておく必要があります。それでは、「後傾した骨盤」を改善するにはどうしたらよいのでしょうか。背骨に沿って走行している背筋である「脊柱起立筋」の筋力が低下すると、脊柱(背骨)を真っ直ぐに保てなくなるだけでなく、骨盤もニュートラルな状態を保てなくなってしまいます。また、お尻の筋肉である「大殿筋」の緊張も強くなります。その結果、骨盤が後傾した状態になります。そのため、後傾した骨盤を改善するセルフコンディショニング法として、脊柱起立筋の筋力強化と、大殿筋の過度な緊張を静的ストレッチで緩めていくことが必要となります。しかし、これだけではまだ不十分と言えます。脊柱起立筋を強化するには、骨盤を前傾方向へ動かす必要があります。そこで大殿筋への静的ストレッチで骨盤前傾制限を解除した後、骨盤前傾方向への動きを高める動的ストレッチも行うようにします。また、スクワットは、骨盤を軽く前傾させた状態のまま股関節を曲げる動作を繰り返すエクササイズです。そのため骨盤を前傾させたままで、股関節屈曲動作を繰り返す動的ストレッチも行っていきます。(1)大殿筋への静的ストレッチ出典:byBirth仰向けの体勢から脚で「4の字」を作り、下になっている脚の膝を立てます。上の写真のように、立てた膝の裏側に両手を回し、脚を胸に向かって引き付けることで、お尻の筋肉がストレッチされます。左右それぞれ、お尻の筋肉が心地よく伸ばされていることが感じられる強度で、20~30秒間伸ばし続けるようにしましょう。もし余裕があれば、膝裏に回していた両手を、膝下に回してみましょう。ポイント膝頭に乗せた足首をやや外側(わきの下の方向)にスライドさせた上で、胸に向かって引き付けるようにすると、よりしっかりと大殿筋をストレッチさせることができます。注意すべき点ストレッチ中は、呼吸が止まらないように注意しましょう。反動や弾みをつけず、心地よい伸び感があるところで静止するようにします。(2)骨盤前傾方向への動きを高める動的ストレッチ出典:byBirth四つん這いの体勢になり、腰を丸めたところ(写真上)から腰を反らす動作(写真下)を10回繰り返していきます。動作はゆっくりと、丁寧に行うようにしましょう。腰を反らす動作を少しずつ大きくしていくことで、無理なく可動域を広げることができます。ストレッチ中、頭は動かさないようにしましょう。目線は床に向けたままで行うようにします。(3)骨盤を前傾させたままで股関節屈曲動作を高める動的ストレッチ出典:byBirth四つん這いで腰を反らせた体勢を作り(写真上)、腰を反らせたままお尻をかかとの上まで移動させる(写真下)ことで股関節を曲げる動作を10回繰り返します。やはり動作はゆっくりと、丁寧に行うようにします。動作中、腰が丸くならないように注意しましょう。「お尻をかかとの上まで移動させると、どうしても腰が丸くなってしまう…」という場合は、腰が丸くならない程度のところまでお尻を移動させるようにしてみましょう。骨盤を前傾させたまま股関節を曲げる動作を繰り返すので、このストレッチを行うことで股関節屈曲動作を高めると同時に、脊柱起立筋を強化することもできると言えます。背中をまっすぐにしたままスクワットを行うコツ出典:byBirth3つのセルフコンディショニング法を終えたら、改めてスクワットを行ってみましょう。すると骨盤前傾位をキープさせたままスクワット動作を行うことができるようになるので、腰への負担を少なくすることができるようになるハズです!もう一つ、背中をまっすぐにした状態でスクワットを行うコツがあります。それは胸を張ることです。肩甲骨を内側に引き寄せて、胸を前に突き出すようにします。たったこれだけで背中をまっすぐにすることができ、腰への負担を軽減させることができます。是非お試しください!
2020年10月14日まずは「背中の左右差」をチェック!エクササイズをご紹介する前に、まずはご自身の背中の左右差をチェックしてみましょう!出典:byBirth足幅を肩幅程度に広げて立ち、両腕は体の横に下ろします(写真右)。骨盤から下は動かさないようにして、上体を真横に倒していきます(写真左)。動きが制限されるところまで、ゆっくり倒していきましょう。左右それぞれチェックを行います。出典:byBirth上体を倒す際、上の写真のように捻れが生じないように注意しましょう。動作中は、胸を正面に向けたままにします。また、足が床から離れないようにしましょう。左右それぞれチェックを行ってみて、どちらかが「倒しにくい」と感じる場合、骨盤と背骨に歪みが生じていることが考えられます。例えば、右に倒しにくい場合、骨盤が右に傾いていて背骨は「逆Cの字」を描いている可能性があります。背中の筋肉に左右差が生じていると、骨盤や頭が常に傾いた状態になってしまっているので、腰痛や肩こりを起こしやすくなります。エクササイズ効果を高めるために行っておきたい「2つのストレッチ」それではエクササイズを…と言いたいところですが、左右差のあるままエクササイズを行ってしまうと、筋力が強い箇所は益々強くなり弱い箇所は刺激がうまく伝わらないので、左右差を益々大きくしてしまうことになります。そのため、エクササイズを行うにあたり、まず緊張の強い筋肉を静的ストレッチで緩めておきます。また、一方の筋肉の緊張が強いと、その反対方向への動きが制限されてしまい、もう一方の筋肉が十分に収縮できなくなってしまいます。そのため、もう一方の筋肉が十分に収縮できるように、動的ストレッチで動きを高めておきます。例えば先程のチェックで「左に倒しにくい」と感じた場合、右の体側部の筋肉である体幹側筋群への静的ストレッチを行い、次いで左方向への側屈動作を高める動的ストレッチを行っていきます。(1)体幹側筋群への静的ストレッチ出典:byBirth右脚を一歩後ろに引いて、反対側の脚とクロスします。左手は骨盤に添えて、右腕は上に上げます。左手で骨盤を右方向に軽く押し出しつつ、上体を左側に倒すことでストレッチされます(写真赤矢印参照)。体側部が心地よく伸ばされていることが感じられる強度で、20~30秒間ストレッチを行います。ストレッチ中は自然な呼吸を心がけ、呼吸を止めないようにしましょう。ストレッチは、反動や弾みをつけず、心地よく伸ばされた状態で静止するようにしましょう。(2)側屈動作を高める動的ストレッチ出典:byBirthイスに腰掛けて、両手を後頭部に添えます。骨盤を動かないように固定させたまま、上の写真のように上体を右に倒してから左に倒していく動作を10回繰り返します。動作は、必ず動きを高めたい方向で終わるようにしましょう。この場合では、右方向に倒してから左方向へ倒すようにします。動きはゆっくりと、丁寧に行うようにします。少しずつ左に倒していく動きを大きくしていくことが、可動域を広げるコツです。2つのストレッチを行ったら、もう一度先程行ったチェックを行ってみましょう。左右差がなくなっていることが確認できたら、エクササイズを行いましょう!背中の左右差を整えるエクササイズお待たせしました!それでは筋力を高めて左右差を整えるエクササイズをご紹介しましょう!今回ご紹介するエクササイズは、「サイドブリッジ・アブダクション」というものです。フローリングの床の上で行う場合は、ヨガマットもしくは大きめのバスタオルを敷いた上でエクササイズを行いましょう。出典:byBirth床に肘をついた体勢で横向きになります。肩の真下に肘が位置するようにします。両膝は90度に曲げて、膝、股関節、肩を結ぶラインが一直線になるようにします。そこから骨盤を上に引き上げて、上になっている股関節を外に開いた体勢を20秒間キープします。反対側も同様に行います。左右それぞれ20~30秒を3セット行いましょう。骨盤を引き上げることで下になっている体幹側筋群が、上になっている股関節を開くことで「中殿筋」という骨盤外側にある筋肉に効かせることができます。ポイント中殿筋に効かせるには、膝の位置がポイントになります。エクササイズ中は、膝が股関節よりも後ろに位置し、股関節よりも上の高さにキープすることで、中殿筋に効かせることができます。注意すべき点エクササイズ中は、上体は正面に向けるようにしましょう。また、呼吸が止まらないように注意しましょう。右(左)の体幹側筋群の筋力が弱いと、骨盤が右(左)に傾くので、左(右)の中殿筋が弱くなる傾向にあると言えます。そこでこのエクササイズを行うことで、背中の左右差をもたらしている筋肉を強化することができます。日頃から「左右差」も意識するようにしましょう!出典:byBirth今回は背中の左右差を整えるエクササイズをご紹介しました。普段、あまり気づきにくい左右差の問題ですが、これを見逃したままエクササイズを行うと、筋肉のつき方もアンバランスなものとなってしまいます。例えば、背中の左右差があるまま「スクワット」を行ってしまうと、お尻と太ももの筋肉のつき方も左右で違ったものとなってしまい、腰や膝などへの負担を大きくしてしまう原因となります。エクササイズを効果的に行うためにも、日頃から左右差を意識し、それを整えることも必要と言えます。
2020年10月12日「慢性的な腰痛の多くは、脳で痛みを感じていることが原因です!」そう話すのは、医学博士で痛み専門医の河合隆志先生。河合先生は、自身も大学生のころからつらい肩こりに悩んできた経験を持つ。整形外科、鍼灸、カイロプラクティックとあらゆる治療法を試し、ついには自身が痛みを治療する専門医になった。そんな河合先生がたどり着いた痛みの原因が「脳の酸素不足」だ。でも、どうして?「痛みを訴えて当院に治療に来られる患者さんのなかでも、腰痛は特に多い悩みです。しかし、レントゲンやMRIなどで調べても、腰そのものには異常がない方が現実にいる。その理由をたどったときに、脳が痛みを感じていることに気がついたのです」言うまでもなく、私たち人間の体を支配している脳。「動き」をコントロールするだけではなく、たとえばクリーミーなデザートを食べたときに、なめらかな舌触りを感じるのも、すべて「脳」の働きによるものだ。「腰痛に関していえば、腰を強く打って痛みを感じても、腰そのものが『痛い!』と感じるわけではありませんよね。腰に受けたダメージは神経を通って、脳に信号として届けられることで、私たちは初めて腰の痛みを感じるのです。つまり、痛みを感じるのは腰ではなく、脳。事故や病気で手足を失ってしまった方が、存在しないはずの手足に痛みを感じる症状を『幻肢痛』といいますが、これはまさに脳の仕業です。そして、そうした思い込みが生まれる原因は、脳の暴走にあるといわれています」痛みの信号は最終的に脳の「扁桃体」という部位に到着するため、この「扁桃体」の暴走が、幻の痛みの原因になるという。「ではなぜこの扁桃体が暴走するのかというと、その大きな理由はストレスです。扁桃体は『感情』もつかさどっており、不安や恐怖、苦しい、悲しいといった感情が強いと興奮してしまい、痛みに対しても敏感になるのです。そして、脳は精神的・肉体的ストレスを感じると、そのストレスを体に逃がそうとします。その代表的なものが胃潰瘍や過敏性腸症候群なのですが、じつはこのストレスは首や腰といった背骨沿いにも出やすいことが知られており、腰痛はとくに多いのです。肉体的にも精神的にもストレスがたまりやすい、40〜50代の働き盛りの方に多いという点も特徴ですね」その治療法の第一歩として河合先生が提唱するのが、「酸素たっぷり呼吸法」だ。「アメリカのノースウェスタン大学の研究で、慢性腰痛の人は脳の血流が全体にわたって少なくなっていることがわかっています。これは血流が不足すれば、当然、血液によって運ばれる酸素の供給量も減っている、ということ。脳は全身の酸素供給量の20%を必要としていますので、脳は血流不足、すなわち酸素不足の影響を受けやすいと言えるでしょう。この酸素不足を解決するためにぴったりなのが、私がおすすめする呼吸法なのです」■脳の誤作動を防ぐ「酸素たっぷり呼吸法」【1】基本の姿勢背筋を軽く伸ばしてイスに座る(背もたれがある場合は寄りかからない)。親指を腰側にして両手で左右の腰を軽くつかみ、目を閉じる。【2】鼻から8秒吐く目を閉じたまま鼻からゆっくりと息を吐きだす。体を少しだけ反らしながら、マッサージをするように親指に力を入れる。【3】鼻から4秒吸う目を閉じたまま鼻からゆっくり息を吸い込む。体を元に戻しながら、おなかと腰が膨らむイメージで親指の力を緩める。※【2】【3】を5分間繰り返す。この呼吸法ではあえて腰をつかんで反らせているが、これも脳の思い込みを修正するため。「腰そのものには異常がないのに、痛みがある人は、怖がって腰を動かせずにいます。ですから意識的に腰を動かし『ほら、大丈夫!』と脳を再教育しましょう」さらに深い呼吸は、扁桃体の興奮を和らげ腰痛のもとであるストレスも軽減してくれる。息を大きく吸い込んだら、腰痛の原因となる「思い込み」といっしょに吐き出そう!「女性自身」2020年10月13日号 掲載
2020年10月07日いくら一生懸命に努力してみても、その努力の“方向性”が間違っていればいっこうに報われないもの。じつは腰痛だってそうなんです。“思い込み”による見当違いの治療法はもう卒業ーー!「慢性的な腰痛の多くは、脳で痛みを感じていることが原因です!」そう教えてくれたのは、医学博士で痛み専門医の河合隆志先生。河合先生は、自身も大学生のころからつらい肩こりに悩んできた経験を持つ。整形外科、鍼灸、カイロプラクティックとあらゆる治療法を試し、ついには自身が痛みを治療する専門医になった。そんな河合先生がたどり着いた痛みの原因が「脳の酸素不足」だ。でも、どうして?「痛みを訴えて当院に治療に来られる患者さんのなかでも、腰痛は特に多い悩みです。しかし、レントゲンやMRIなどで調べても、腰そのものには異常がない方が現実にいる。その理由をたどったときに、脳が痛みを感じていることに気がついたのです」言うまでもなく、私たち人間の体を支配している脳。「動き」をコントロールするだけではなく、たとえばクリーミーなデザートを食べたときに、なめらかな舌触りを感じるのも、すべて「脳」の働きによるものだ。「腰痛に関していえば、腰を強く打って痛みを感じても、腰そのものが『痛い!』と感じるわけではありませんよね。腰に受けたダメージは神経を通って、脳に信号として届けられることで、私たちは初めて腰の痛みを感じるのです。つまり、痛みを感じるのは腰ではなく、脳。事故や病気で手足を失ってしまった方が、存在しないはずの手足に痛みを感じる症状を『幻肢痛』といいますが、これはまさに脳の仕業です。そして、そうした思い込みが生まれる原因は、脳の暴走にあるといわれています」痛みの信号は最終的に脳の「扁桃体」という部位に到着するため、この「扁桃体」の暴走が、幻の痛みの原因になるという。「ではなぜこの扁桃体が暴走するのかというと、その大きな理由はストレスです。扁桃体は『感情』もつかさどっており、不安や恐怖、苦しい、悲しいといった感情が強いと興奮してしまい、痛みに対しても敏感になるのです。そして、脳は精神的・肉体的ストレスを感じると、そのストレスを体に逃がそうとします。その代表的なものが胃潰瘍や過敏性腸症候群なのですが、じつはこのストレスは首や腰といった背骨沿いにも出やすいことが知られており、腰痛はとくに多いのです。肉体的にも精神的にもストレスがたまりやすい、40〜50代の働き盛りの方に多いという点も特徴ですね」【こんな人は「幻の腰痛」の可能性あり!】□ ねこ背気味である□ 大きな声を出しづらい□ 不安になりやすい□ 夜、ぐっすり眠れない□ すぐに疲れてしまう□ 冷え症だ□ 便秘になりやすい□ 口呼吸をしていることが多い□ 過去のことを気にしやすい背骨沿いにストレス性の痛みが生じやすい原因については現在まだ研究段階だが、「一説によると、原始時代から何か危機があると人間はパッと体を起こして戦いや逃走に備えなければいけませんでした。そのときに背骨を使うので、ストレスに敏感なのでは、と考えられています」と河合先生。「もちろん、すべての腰痛が脳の暴走によるもの、というわけではありません。痛みがひどかったり、脚に強いしびれがあったりする場合は、まずは整形外科を受診してみてください。そのほか、悪性腫瘍や腹部大動脈瘤が原因で発生する腰痛もあります。しかし、体に故障がない慢性腰痛は脳の不調を疑ってみる必要があります。慢性腰痛とは3カ月以上痛みが続いている腰痛のこと。これは私の体感ですが、クリニックにいらっしゃる患者さんのなかで、ぎっくり腰や骨折などのけがが原因といった『急性腰痛』の方を除くと、残りの『慢性腰痛』の方の9割が、この脳の暴走の影響を受けていると考えられます。病院で治療を受けたり、手術までしたのに腰痛が治らない方は『痛いのは気のせいだと言われた……』と気落ちしてしまうこともありますが、それは気のせいではなく、脳の暴走のせいなのです。痛みは確かに存在するので、しっかり治していきましょう!」「女性自身」2020年10月13日号 掲載
2020年10月07日腰に痛みや違和感があると、ついつい腰そのものをギュッと押したくなるのは、「腰痛あるある」の1つ。しかし、腰痛のときに押すべき場所は腰にあらず!「攻めるべきは腰とは別の場所にあるんです。それが『トリガーポイント』です」そう語るのは、YouTubeチャンネルの登録者数38万人超えの、カリスマ整体師・迫田和也さん。「トリガー」とは「引き金」のことだが、迫田さんが提唱する腰痛のトリガーポイントは、「大臀筋」「大腿筋膜張筋」「外側広筋」「腹斜筋」「広背筋」と、腰とは異なる場所ばかり!しかし、腰がつらいとき、押せば「いた気持ちいい」と感じるのもまた事実。腰痛をケアしようとしたときも、腰そのものをマッサージされたり、湿布を貼られることがほとんどだ。ただし、迫田さんによればそれは対症療法にすぎないという。独自のメソッドにたどり着いた経緯とは?「整体師になって15年以上たちますが、やっぱり最初は、腰が痛いのなら腰に湿布を当てたり、電気を流したりするのだと教わったものです。でも実際に施術を繰り返しているうちに、患者さんはその場ではラクになっても、すぐに痛みが戻ったり、ひどいときは痛みが増してしまうケースが多いことに気がついたんです。そこでさまざまな整体師の先生の勉強会にも行きましたが、テクニックはわかっても、理論立てて説明してくれるところはありませんでした。ならば自分で理論立てて考えようと思い、基本に立ち返って運動学や解剖学を学び直しました」そこで迫田さんが改めて着目したのが、「運動連鎖」だ。「当たり前のことではありますが、人の体は連動しています。たとえば腰も、かがんだり後ろに反ったときに動くのは腰だけではありません。股関節が動き、ひざの関節も伸縮し、前屈のときには脚も内側にねじっています。こうしたさまざまな部位の動きが1+1+1+1……と加算されていくことで、人は体を動かせているのです。これが運動連鎖です。でも、たとえば股関節が硬くなったら、それをカバーするために腰の動きは2や3に増加します。すると腰の筋肉が必要以上に伸ばされたり、神経が引っ張られたり、関節に負荷がかかってしまいます。その結果として腰痛が起こることがわかったのです」そこで迫田さんが導いた答えが、この「運動連鎖」の再教育。「要は正しく体を動かせるようになりましょう、ということです。体が正しく動かなくなっている原因は関節が硬くなっているから。そして、関節は筋肉でつながっているので、この筋肉を動かせるようになればいいのです」その方法として巷間あふれているのが体操やストレッチだが、より効果的な治療法として迫田さんがたどり着いた結論が「押す」ことだった。「もちろん体操やストレッチにも効果はありますが、これらはある部位を全体的に伸ばす行為です。いっぽうわれわれは、患者さんに『押す』という刺激を加えることで、硬くなっている関節付近の筋肉をピンポイントで伸ばしているのです。そして、筋肉にも硬くなりやすい部分となりにくい部分があり、このいちばん硬い部分こそが『トリガーポイント』なのです」「女性自身」2020年10月13日号 掲載
2020年10月07日腰に痛みや違和感があると、ついつい腰そのものをギュッと押したくなるのは、「腰痛あるある」の1つ。しかし、腰痛のときに押すべき場所は腰にあらず!「攻めるべきは腰とは別の場所にあるんです。それが『トリガーポイント』です」そう語るのは、YouTubeチャンネルの登録者数38万人超えの、カリスマ整体師・迫田和也さん。「トリガー」とは「引き金」のことだが、迫田さんが提唱する腰痛のトリガーポイントは、腰とは異なる場所ばかり!迫田さんが着目したのは、「運動連鎖」だ。「当たり前のことではありますが、人の体は連動しています。たとえば腰も、かがんだり後ろに反ったときに動くのは腰だけではありません。股関節が動き、ひざの関節も伸縮し、前屈のときには脚も内側にねじっています。こうしたさまざまな部位の動きが1+1+1+1……と加算されていくことで、人は体を動かせているのです。これが運動連鎖です。でも、たとえば股関節が硬くなったら、それをカバーするために腰の動きは2や3に増加します。すると腰の筋肉が必要以上に伸ばされたり、神経が引っ張られたり、関節に負荷がかかってしまいます。その結果として腰痛が起こることがわかったのです」そこで迫田さんが導いた答えが、この「運動連鎖」の再教育。「要は正しく体を動かせるようになりましょう、ということです。体が正しく動かなくなっている原因は関節が硬くなっているから。そして、関節は筋肉でつながっているので、この筋肉を動かせるようになればいいのです」その方法として巷間あふれているのが体操やストレッチだが、より効果的な治療法として迫田さんがたどり着いた結論が「押す」ことだった。腰痛の主なトリガーポイントは、次の「大臀筋」「大腿筋膜張筋」「外側広筋」「腹斜筋」「広背筋」の5カ所。番号順に高い効果があるという。【1】「大臀筋」はこう押す!床に横になり大殿筋にテニスボールを当てた状態から、両ひざをボールの側に倒して体重をかける。【2】「大腿筋膜張筋」はこう押す!床に横になり大腿筋膜張筋にテニスボールを当てた状態から、上側にある手のひらを上に向け、上体をひねりながらおへそを前に出す。【3】「外側広筋」はこう押す!ひざを90度に曲げて床に座り、外側広筋にテニスボールを当てた状態から、上体を外側にひねりながら前に倒して体重をかける。【4】「腹斜筋」はこう押す!背中を丸めて、指3本で腹斜筋を押した状態から、上体をひねりながら少し前に倒す。【5】「広背筋」はこう押す!腕を内側にひねり、広背筋を親指と人さし指でつかむように押した状態から、ひじを軽く曲げて、手をさらに内側にひねる。「なぜ大臀筋が一番なのかというと、腰痛の方のほとんどは、重心が骨盤より後ろに下がり、頭が前に出ているためです。股関節も曲がって、『反り腰』になることで腰痛を引き起こしています。正しい姿勢は両足の親指に体重がかけられている状態。でも、腰痛の方は股関節が固まってしまい、それができないのです」そこで、間違った姿勢によって筋肥大を起こした腿の外側の緊張を緩めることが大切になってくるが、そのためにより効果的なのが、先にお尻の筋肉=大臀筋を緩めることなのだという。「大臀筋はとても大きな筋肉のため、まずはここの『トリガーポイント』を押してこりをほぐすことで最大限の効果が見込めます。その次に、お尻と腿の間にある太腿筋膜張筋のトリガーポイントを緩め、その次に外腿の筋肉である外側広筋と、順を追って刺激していきます」さらに、股関節のトリガーポイントでもある腹斜筋、腰とつながる大きな筋肉である広背筋をそれぞれ緩めることで、腰痛のより根本的な改善まで見込めるという。「トリガーポイントを順番に押していくこの方法の特徴は、即効性があるだけでなく、腰のストレッチができないような重症例の方にも対処できるところです」腰痛で刺激すべきは腰にあらずーー。さあ、お尻の大きな筋肉から順繰りにギュギュッと押して、腰痛の根本的な原因を根こそぎ取り除こう!「女性自身」2020年10月13日号 掲載
2020年10月07日「腰痛の原因は1つではありません。前傾姿勢や、反り腰などで力学的に痛みが生じることもあれば、ストレスなどの心理的・社会的な要因によって、痛みが引き起こされるケースもあります。ですが、なかには“腰そのもの”ではなく“ねこ背”に起因していることもあります。その場合は、腰痛を解消するためには、まずはねこ背を治す必要があるのです」こう話すのは、ねこ背を治すTwitter動画が、2日で40万を超える「いいね」を獲得するなど、絶大な人気のスポーツトレーナー・鈴木孝佳さん。背中を丸めるだけで、腰痛や肩こりといった体の不調が劇的に改善するメソッドが話題となっている。「それまで腰痛の原因を探ってもなかなか判明しなかった人が、『ねこ背』を治したことで改善するケースを見てきました」鈴木さんは、現代人のライフスタイルは、ねこ背につながる危険性が高いと指摘する。「人間の脳には、自分の体の状態を正しく把握する『ボディスキーマ(脳の中の身体地図)』と呼ばれる機能が備わっています。わかりやすくいうと自分の体に対する無意識のイメージのようなもので、体の各部から送られてくる情報をもとに、四六時中アップデートされています。座りすぎや運動不足に陥りがちな現代人は、脳にじゅうぶんな情報が送られず、このボディスキーマの精度が落ちてしまうのです」そこで今回、鈴木さんから「ボディスキーマ」を正しく作動させるための生活習慣と、簡単なエクササイズを教えてもらった。ねこ背は自覚していない人も多いそうなので、まずはセルフチェックを。腕を胸の前にまっすぐ伸ばしたまま、お尻を完全に下までおろせない場合は、ねこ背の可能性を疑おう。【1】座るときは坐骨を立てる「世界的に見ても日本人は“座りすぎ”といわれていますが、人によっては1日の大半を座って過ごすこともありますから、座り方は立ち方以上に気をつけなければなりません」イスなどに座るときは、両手でお尻の肉を持ち上げるようにして座ること。指先に触れる坐骨を、イスなどの座面に立てた状態で座るのがポイント。「坐骨の角度をきちんと意識して“お尻で座る”ようにしてください。ねこ背の人は“腰で座ってしまう”ことが多いので注意が必要です。できれば25分に1回は立ち上がって3〜5分動くのが理想です」(鈴木さん・以下同)【2】電車で片足立ちを「運動の時間が確保できない人は、日常の動作にエクササイズを取り入れるのも手です」電車などでの移動はなるべく座らずに。バランスを取りながら、左右の足を交互に20秒程度浮かせて片足立ちを。「また、つり革などにすぐにつかまれるようにしたうえで、目をつぶって立つのもいいでしょう。ぐらつくようならボディスキーマが弱っているかもしれません」【3】お昼のコーヒーはNG「食生活もねこ背と密接に関わっていますが、気をつけたいのがコーヒー。コルチゾールというホルモンの分泌が増える12〜13時の間にコーヒーを飲むと副腎にストレスがかかり、正しい姿勢を保つのに悪影響が出てしまいます。コーヒーを飲みたいなら、コルチゾールの分泌がピーク前の朝の9時半〜12時前くらいまでにしましょう」【4】スマホは顔の高さまで上げて「うつむき加減でのスマホの操作はねこ背に拍車をかける習慣そのもの。ひじを90度に曲げてスマホを持ち、そのひじを反対の手で支えるようにしましょう。口呼吸の予防にもつながりますよ」生活習慣の改善ポイントに続き、最後は鈴木さんおすすめの丸まりエクササイズ。【丸まりエクササイズ】(1)正座の姿勢から上半身を倒す。このとき肩幅と同じ幅で腕を置く。手は開いて小指側の側面を床にピタッとつける。(2)背中を丸めながら呼吸。肋骨をみぞおちにしまうイメージで、息を吐き切ったら、背中の膨らみを感じながら吸う(4回繰り返す)。「腰が反っているとどうしても呼吸が浅く、速くなり、ねこ背の原因になってしまいます。ですから、背中を丸めることによって、深い呼吸を取り戻すことが大事になってきます。丸まりエクササイズは、運動不足や腰痛の人でも簡単にできますが、肝心なのは正しい呼吸を心がけること。口から細く長く吐き切り、息を止めたら、次は鼻からゆっくり吸うようにしてみてください」「女性自身」2020年10月13日号 掲載
2020年10月07日「それまで腰痛の原因を探ってもなかなか判明しなかった人が、『ねこ背』を治したことで改善するケースを見てきました」こう話すのは、ねこ背を治すTwitter動画が、2日で40万を超える「いいね」を獲得するなど、絶大な人気のスポーツトレーナー・鈴木孝佳さん。背中を丸めるだけで、腰痛や肩こりといった体の不調が劇的に改善するメソッドが話題となっている。「腰痛の原因は1つではありません。前傾姿勢や、反り腰などで力学的に痛みが生じることもあれば、ストレスなどの心理的・社会的な要因によって、痛みが引き起こされるケースもあります。ですが、なかには“腰そのもの”ではなく“ねこ背”に起因していることもあります。その場合は、腰痛を解消するためには、まずはねこ背を治す必要があるのです」腰の痛みなのだから、原因は腰にあると思い込んでいたが、鈴木さんによればさにあらず!では、腰痛の原因であるねこ背とは、そもそもどんな状態を指すのだろうーー。「ねこ背を明確に定義することは解剖学的には難しいのですが、多くは骨盤が前に傾き、上半身は後ろに反り、頭は前のほうに突き出してしまっている状態だと考えてください。こうした姿勢は体への負担が大きく、放っておくと腰痛だけでなく、肩こりや頭痛など、さまざまな不調につながってしまうのです」さらに鈴木さんは、現代人のライフスタイルは、ねこ背につながる危険性が高いと指摘する。「人間の脳には、自分の体の状態を正しく把握する『ボディスキーマ(脳の中の身体地図)』と呼ばれる機能が備わっています。わかりやすくいうと自分の体に対する無意識のイメージのようなもので、体の各部から送られてくる情報をもとに、四六時中アップデートされています。座りすぎや運動不足に陥りがちな現代人は、脳にじゅうぶんな情報が送られず、このボディスキーマの精度が落ちてしまうのです」ちなみに、この幅の道は通れるか、この高さは跨げるかなどを瞬時に判断できるのは、ボディスキーマが正しく機能しているから。逆に、タンスの角に小指をぶつけてしまうような人は、ボディスキーマの精度が低い可能性があるという。「さらに、ねこ背の姿勢が続くと、脳はその状態を“正しい”状態だと誤認して、ボディスキーマを上書きしてしまいますので、日ごろから正しい姿勢を保つための生活習慣が大切になってきます」腕を胸の前にまっすぐ伸ばしたまま、お尻を完全に下までおろせない場合は、ねこ背の可能性を疑おう。「女性自身」2020年10月13日号 掲載
2020年10月07日「肩が上がらない、手先がしびれる、腰が痛い……。一見、“老化のせい”とも思えるようなこれらの症状は、“噛み合わせのずれ”が原因になっているかもしれません。『年を取ってきたからしかたない』とあきらめていた人も、噛み合わせを正すことで不調が改善されるケースは多くあるのです」そう話すのは、桜通り歯科クリニック・院長の松浦敦さん。クリニックの壁には、阪神タイガースの藤浪晋太郎投手をはじめ、トップアスリートのサインがズラリと並ぶ。同クリニックでは、一般的な歯科診療のみならず、噛み合わせと体のつながりを重視した治療を行っているという。そもそも、なぜ噛み合わせのずれがおこるのだろうか。松浦さんが続ける。「原因のひとつは、歯の経年劣化です。長年の生活により歯が削れることで噛み合わせがずれだし、あごや頭蓋骨の位置がゆがんできます。この“ゆがみ”によって、体のバランスが崩れ、さまざまな不調が起こるのです。噛み合わせを改善し、体のバランスを正常化すれば、体の可動域も広がり血流もよくなる。歯とは関係なさそうな不調も改善されるのです」さっそく、自分の噛み合わせがずれていないか、次のセルフチェック法を実践してチェックしてみよう。【「噛み合わせのずれ」セルフチェック法】□ 舌をべーっと出したとき、舌が左右どちらかに曲がっている□ 口を大きく開けたときに、口蓋垂(のどちんこ)が左右どちらかに引っ張られている□ 顔の前に指1本立てて、それを見つめながら顔だけ左右に向けたとき、向きづらい方向がある「当てはまる人は、噛み合わせのずれによってあごの位置がずれたり、頸椎がねじれたりしていることが考えられます」松浦さんは、噛み合わせのずれが起きるもうひとつの原因についてこう続ける。「それは、スマホやパソコンなどの長時間利用です。じつは、“目の使い方”と噛み合わせのずれには大きな関係があります」スマホを使っているときは首が前傾しやすく、視線が画面だけに固定される。すると首の後ろの筋肉が緊張し、奥歯に圧力がかかるのだという。「奥歯だけに圧力がかかると、噛み合わせはずれていきます。最近では、スマホを見ながら一人で食事をするという人も増えてきていますから、噛み合わせの異常は高齢者だけの問題だけではないのです」腰痛をはじめ、さまざまな不調の一因となっている噛み合わせのずれを改善するためには、何をしたらよいのだろうか。松浦さんが自分でできるセルフケア法について教えてくれた。【1】パソコンのモニターは『少し高い位置』に「パソコンのモニターが視線より低いと、首が前傾になり、噛み合わせのずれを招きやすい。モニターを台の上に置くなどして、視線が下がらないようにしましょう。視線を意識的に上へ向けると、横隔膜が緩み鼻呼吸もしやすくなります。鼻呼吸をすることで、毛細血管を広げる『一酸化窒素』が体内に発生するので、血流改善の効果も期待できますよ」【2】机の左側に写真を置いて眺める「まっすぐ前を向いたときに左右の視野の広さを比較すると、右目の視野のほうが広いというデータがあります。そのため、パソコンやスマホを集中して見ているときは、無意識に右目で集中して見ている人が多い。結果的に、体の右側に緊張が続き、噛み合わせにもずれが生じやすくなるのです。これを軽減するには、デスクの左側に写真などを置いて眺める時間を作ること。また、左手で突起のあるボールやおはじきなどを握って、体の左側に刺激を与えるのもよいでしょう」【3】景色を楽しみながら歩く癖をつける「体の緊張をほぐし、噛み合わせのずれを防ぐには、足裏の重心運動=歩くことも必要です。なるべく一点だけを見つめることなく、景色を見ながら歩きましょう。ここでも、右利きの人は左側の景色をより長い時間眺めるようにすると、噛み合わせのずれ防止になります」【1】〜【3】を実践しながら、松浦さんがおすすめする次のストレッチを行うと、より噛み合わせのずれを軽減することができる。毎日の生活に取り入れてみよう。【噛み合わせのずれで起こる体の異常を治す「胸郭・横隔膜のストレッチ」】【1】膝を閉じて座る【2】骨盤を動かさないように、体幹を左に向かって回す。息苦しくなるところまで回したらストップ。【3】そこからさらに最も息苦しい位置まで体を丸める。姿勢をキープし、鼻呼吸でゆっくりと腹式呼吸を5回行う。“自分の不調は、噛み合わせのずれからきているかも”と感じたら、医師にはどのように相談したらよいのだろうか。「じつのところ、歯科医は噛み合わせと体のバランスとの関係性については多くを学んでいません。噛み合わせが体に与える影響を考慮し、トータルケアを行う歯科医は少ないのです。不調について相談したとき、『噛み合わせとは関係ありません』と頭から否定せず、しっかり話を聞いてくれる歯科医を選んでください。説明に納得がいかなければ、治療を受けずにクリニックを変えてみることをオススメします」最近は、噛み合わせやゆがみの調整を謳う歯科医も少しずつだが増えている。自分でできるケアをしっかり行いながら、噛み合わせのずれが引き起こす不調を改善していこう。「女性自身」2020年9月29日・10月6日合併号 掲載
2020年09月24日私は1人目の妊娠時から腰痛に悩まされ、子育ての合間を縫って週1回整体に通っていました。2人目出産後、ベッドのマットレスが古くなっていたので、これを機に少し良いものをと探していたときに出合ったのがテンピュールのマットレスです。約2年半悩んできた腰痛が改善され、子どもの寝つきにも良い影響があったのでご紹介します。 使用して1週間で体の変化を実感公式サイトによると、テンピュールのマットレスの最大の特徴は優れた低反発素材。一般的な低反発のマットレスと違い、体圧分散型で、体へ負担をかけずに寝返りの回数を減らすことがポイントだそうです。また、テンピュールのマットレスは寝る人の体型や体温に反応して柔らかく体にフィットしてくれます。私は毎朝起きたときに腰の重さを感じてなかなか起き上がれなかったのですが、1週間で悩みは改善されて快適に起きることができ、寝返りの回数も激減しました。 子どもの寝つきが良くなった!3歳近くになった長男は夜の寝つきが良くなかったのですが、もともと使用していたベビー布団からテンピュールのマットレスへ寝るようになると、すぐ寝つくようになりました。そういえば、店頭のスタッフの方が「お子様ウケもいいので満足してもらえると思いますよ」と話していたなあと思い返しました。小さい子どもながらにマットレスの違いを感じ取っているのか、子どもの寝つきが良くなった分、私の睡眠時間も確保されて助かっています。 テンピュールの枕も寝心地抜群◎ テンピュールの枕はバリエーションが豊富で、形や硬さもさまざまです。私は子育てで肩こりもひどくなっていたため、首にフィットしてくれる枕をマットレスとセットで購入しました。使用してみると、首や肩の不快感がなくなり、体が軽くすっきりとした感覚。夫も仕事で疲れが溜まっているときは、枕を貸してほしいとお願いしてきます。私は日々の生活のなかで体の痛みに悩むことがなくなり、ストレスが激減したことで以前より家族に笑顔を向けられるようになりました。 結果的に週に1回通っていた整体には、今はまったく通っていません。私が購入したマットレスは166,817円(税込み)、枕は16,200円(税込み)とやや高額な買い物ではありました。それでもずっと悩んできた腰痛が嘘のように改善され、さらに子どもの寝つきまで良くなったので、一石二鳥! 私の生活に欠かせない魔法のマットレスとなっています。 ※窒息の危険を避けるため、低反発マットレスには1歳未満の乳児を寝かせないようにしましょう。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。また、本記事の内容は公開時に確認した情報のため、商品によっては変更となっている場合があります。※本記事の内容は公開時に確認した情報のため、商品によっては変更となっている場合があります。 先輩ママの体験談、いかがでしたか?「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 監修/助産師REIKO著者:櫻井せりか1歳と0歳、2男の母。長男の育休中に第二子妊娠、育休を延長し事務職を休業中。現在は子育てをしながらライターとして活動している。
2020年09月22日新型コロナや猛暑を避けるため「巣ごもり生活」が長引くなか、腰痛や膝の痛み、肩こり(肩の痛み)に悩む人が増えている。「マッサージなどを受けても、すぐに痛みがぶり返すという声をよく聞きます。そもそも痛みやこりはマッサージやストレッチでは治りません。痛みやこりは関節の“ひっかかり”から生じます。それを治すと症状が改善しますよ」そうアドバイスするのは、「痛みの9割がたちまち消える10秒関節リセット」(SBクリエイティブ)の著者で、フィジカルプロ治療院の羽原和則院長。数多くのアスリートの治療を手がけている羽原院長が注目しているのは「腰仙関節」のひっかかり。腰仙関節とは、骨盤を構成する骨のひとつで、「第5腰椎」と「仙骨」の間にある関節で、小さいけれども動きが大きく、仙骨のいちばん上にあるため負荷がかかりやすいという。「姿勢の悪さや生活習慣などが原因で関節がズレます。数ミリひっかかるだけで、骨膜を通って痛みが遠くに運ばれるため、体のあちこちに痛みが生じるのです。関節のなかのズレ、“ひっかかり”を治して関節が正しく動かせるようになりますと、痛みが和らいできます」(羽原院長・以下同)そこで、羽原院長が考案したのが“10秒関節リセット”だ。ポイントは痛みを感じるほどやらないこと。初めに、基本の腰仙関節を整える腰の状態をチェックしてから、「腰の痛み」を和らげるためのエクササイズを3回行う。再びチェックすると、関節の可動域が広がっているなどの変化が感じられ、ズレが解消されていくのがわかるという。■腰の痛みのエクササイズ骨盤は上半身の重みを受ける場所。骨盤の関節、その中でも腰仙関節は、姿勢や生活習慣によってかなり負荷がかかっている。左右に動かして、ニュートラルな状態に戻そう。【1】あおむけに寝て両膝をそろえて立てる。【2】そろえた両膝をゆっくりと右側に30度傾ける。胸のあたりで両腕をクロスさせたほうがやりやすい。【3】左膝も同様に傾ける。【4】【2】〜【3】を3回繰り返す。これで10秒。■膝の痛みのエクササイズ膝は腰と並んで痛みやすいところ。痛みのない範囲で、曲げたり伸ばしたりを繰り返すことで、ズレた関節の通り道を元に戻していこう。【1】あおむけに寝る。【2】右の足首の近くを両手で抱え込み、膝のほうに寄せて膝を曲げていく。【3】ゆっくりと元の状態に戻し、左足も同様に行う。ゆっくりと元の状態に戻す。【4】【2】〜【3】を3回繰り返す。これで10秒。「『腰の痛み』のチェックのひとつは、前屈をして手の指先が床にどれだけ近づけられるか。体を後ろに反らしたときに、どこで痛みが出るのか確認します。次にエクササイズで関節を左右回転させながらひっかかりを解消していきます。『膝の痛み』も同様に、椅子に座った状態で片方の足首近くを持ち、膝を抱え込むようにして、どこまで曲げられるのかチェックしてからエクササイズをします」しつこい関節の痛みとはオサラバしよう!「女性自身」2020年9月22日 掲載
2020年09月19日「腹筋エクササイズ」をすると腰が痛くなる理由まずは腹筋エクササイズをするとなぜ腰が痛くなるのか、その理由についてお伝えしていきましょう。その理由は、腹筋ではなく股関節の筋肉を使ってしまっているからです。本来なら腹筋を使って腰椎を曲げていくべきところを、股関節の筋肉を使って股関節を曲げることで、エクササイズ動作を行ってしまっているのです。股関節を曲げる際に機能する主な筋肉は「腸腰筋」という筋肉です。腸腰筋が優位に働くようになると、腰椎が前方に引っ張られるため腰の反りが強くなってしまいます。すると腹筋に効きにくくなるばかりか、腰が痛くなってしまうと考えられます。例えば腹筋エクササイズを代表するエクササイズとして、「シットアップ」というものがあります。これは「上体起こし」とも言われ、下の写真のように上体を起こす動作を繰り返すことで、腹直筋と腹斜筋群に効かせることができます。出典:byBirthしかし、腹筋力が弱いと腹筋を使って上体を起こすことができないため、股関節の筋肉を使って股関節を曲げることで上体を起こそうとします。するとお腹ではなく太ももの付け根部分に効いてしまいます。その結果、腸腰筋の働きが優位になり、腰への負担が大きくなってしまうと考えられるのです。腹筋に確実に効く!腰が痛くならない「2つの腹筋エクササイズ」お待たせしました!それでは腹筋にしっかり効かせることができて、なおかつ腰が痛くならない腹筋エクササイズを、2つご紹介していきましょう!(1)上体を起こさない腹筋エクササイズ1つは「上体を起こさない腹筋エクササイズ」です。上体を起こさない腹筋と言われると、ピンと来ない方が多いと思いますが、上体を起こさないで行う腹筋エクササイズです!これは仰向けになって、骨盤後傾動作を繰り返すエクササイズです。出典:byBirth両膝を立てて仰向けになります。すると腰と床の間に隙間ができますので、その隙間に両手を入れます(写真上)。息を吐きながらお腹の力を使って両手を押し潰すようにすると、その反作用で尾骨、仙骨という順に床から離れていき骨盤が後傾していきます(写真下)。骨盤を後傾させたら、息を吸いながら力を抜いていきます。骨盤後傾動作を繰り返しますので、腹直筋下部を主に効かせることができ、下腹痩せにも有効と言えます。慣れてきてお腹の力を使って腰を床に押し付けるという感覚が分かってきたら、腰と床の隙間に入れていた両手を抜いてエクササイズを行ってみましょう。15~20回を、1分程度の休憩を入れながら3セット行うとよいでしょう。ポイント仙骨が床から離れるところまでお腹に力を入れるようにしましょう。そうすることで腹筋に効かせることができます。注意すべき点お腹の力を使って両手を押し潰す際、息が止まらないようにしましょう。(2)あぐらクランチもう一つは「あぐらクランチ」と呼ばれるものです。これはその名の通り、あぐらをかいたような体勢でクランチ動作を繰り返すエクササイズです。出典:byBirth両膝を立てて仰向けになり、立てた両膝を外側に倒していき、膝を開いた状態を作ります。足の裏は合わせておきましょう。両手は耳の後ろに添えて、両肘を開くようにします(写真上)。息を吐きながら、みぞおちを支点に上体を起こしていきます(写真下)。肩甲骨上部が床から離れるところまで起こしたら、息を吸いながら上体を下ろしていきます。両膝を開くことで上体を起こす際に股関節が使えなくなり、腸腰筋が動作に関与しなくなるため、腰への負担を少なくすることができます。こちらも15~20回を、1分程度の休憩を入れながら3セット行ってみましょう。ポイント必ずみぞおちから上体を起こすようにします。そうすることで腹直筋上部に効かせることができます。注意すべき点動作中はアゴを引かないようにします。アゴを引いてしまうと、腹筋ではなく首の筋肉を使って起こすことになるからです。また肘を閉じてしまうと、腹筋ではなく腕の力を使って起こすことになってしまいます。そのため、両肘は開いたままエクササイズを行うようにしましょう。腰に痛みを感じたら、エクササイズはすぐに中止しましょう出典:byBirth今回は腹筋エクササイズをすると腰が痛くなる理由と、腹筋に確実に効いて腰が痛くならない腹筋エクササイズを2つご紹介しました。腹筋エクササイズをしていて腰が痛くなる理由は、股関節の筋肉である腸腰筋を使ってエクササイズを行っているためで、腸腰筋の働きが強くなると腰の反りが強くなってしまうのです。いくらダイエットやお腹痩せ、下半身痩せなどに有効なエクササイズであっても、それを行うと腰や肩、膝などが痛くなったり違和感があったりする場合、そのままエクササイズを続けていると腰などを痛めてしまう可能性があります。そのため、関節に違和感があったら、エクササイズはすぐに中止するようにしましょう。その場合は一度、パーソナルトレーナーや専門家にフォームをチェックしてもらい、問題点がどこにあるのかを指摘してもらったり、関節への負担が少ないエクササイズを提案してもらったりすることをお勧めします。「エクササイズは安全かつ効果を感じられるものであってはじめて有意義なものとなる」ということを頭に入れておきましょう。
2020年09月02日「毎日、両耳に輪ゴムを1分巻くだけで、肩こり、腰痛、高血圧、疲労感などの慢性的な不調が改善していきます。近視や飛蚊症にも効果があり、輪ゴムを耳に巻いた直後に視力を測ったところ、0.2アップした人もいるほどです」こう話すのは、アジアン・ハンドセラピー協会理事で鍼灸師の松岡佳余子さんだ。松岡さんが考案した「耳輪ゴム」を実践した人からは「長年の肩こりが軽くなり頭痛が消えた」「仕事で痛めた背中と腰がいつの間にか楽になっていた」などの声が相次いでいる。なぜ耳に輪ゴムを巻くだけで、さまざまな不調が改善するのだろうか。「耳には全身のツボが密集しており、輪ゴムを巻くことでツボが刺激され、対応する体の部位の不調が改善するのです。また、血流やリンパの流れがよくなることもポイント。とくに耳の近くには頭部につながる太い血管が流れており、輪ゴムを巻くと刺激を受け、頭部の血行が良くなります。その中には目の周囲の血管も含まれます。近視や飛蚊症など目に関する不調にすぐ効果が出るのは、そのためです」さらに、耳の周囲には頭、あご、首、肩を動かす筋肉が集まっている。耳が受けた刺激は筋肉にも伝わり、首や肩などのこり改善につながる。「耳は、もともと血流が悪い場所。熱いものに触れたとき耳たぶをつまむ習慣がありますが、これは血流の悪さからほかの場所と比べて体温が低いためです。耳輪ゴムは、いったん耳の毛細血管の流れをせき止めてから解放することで、滞っていた流れをよくし、体全体の血流をアップさせる効果があります。実践すると、耳周辺から体がポカポカ温まってくるのを感じるはず。夏場の冷房による冷えにも効果があります」耳輪ゴムの基本の巻き方は、市販の輪ゴム2〜3本を両耳の根元に引っかけるだけ。「ある程度の刺激が必要なので、輪ゴムが大きい場合は、二重にして巻きつけましょう。基本の巻き方は、自分の体でもっとも弱いと感じている部分に効果が表れます。耳周りのリンパ液の流れがよくなるので、小顔やリフトアップ効果も。1日1分を目安に、毎日続けてみてください。ただ、強い刺激を与えるため、長時間巻くと耳が赤くなってきます。長くても5分程度に抑えることを忘れずに。また、耳に傷がある人やゴムアレルギーがある人は控えてください」基本の巻き方以外にも、腰痛、高血圧、視力アップと飛蚊症に特化した巻き方も紹介。各症状に対応したツボを刺激するものだ。【腰痛】2本の輪ゴムを二重にして、耳の先を縛る。【高血圧】2本の輪ゴムを二重にして、耳全体を縛る。【視力アップ・飛蚊症】耳の付け根に輪ゴムをかけ、伸ばして8の字にひねり、ひねった先で耳たぶを縛る。「耳の形によっては、輪ゴムが外れやすいと感じるかもしれません。その場合、100円ショップで手に入るカラー輪ゴムがおすすめ。一般の輪ゴムより表面に粘りがあるので、外れにくいんです」初めて耳輪ゴムを実践するときには、事前に首や肩を回したり、前屈したりして、体の動きをチェック。輪ゴムを巻いた状態でもう一度同じ動きを行うと、可動域が広くなったのを感じるはず。実際に、慢性的な肩こりで悩む記者が行ったところ、ガチガチに固まり前後左右に動かしづらかった首が、スムーズに回るように!「耳に輪ゴムを巻いて、首と肩周辺の血流がアップしたためです。毎日続ければ、肩こり自体が改善していきますよ」今回は特別に松岡先生が、輪ゴムの代わりに、マスクを利用した基本の巻き方を本誌に伝授。マスク着用が日常になっている今こそ、試してみよう。■初紹介!基本の巻き方・マスクバージョン【1】耳の手前でマスクのひもをクロスさせて耳にかける。【2】耳の後ろでもう一度ひもをクロスさせる。【3】後ろから耳にかける。「マスクのゴムは一般の輪ゴムよりゆるいので、1分以上巻き続けても大丈夫です。ただ、一度行うとゴムが伸びてしまうので、帰宅してマスクを外す前などに行うといいでしょう」手間もかからず体力いらずの耳輪ゴムで、不調に別れを告げよう。「女性自身」2020年8月18日・25日合併号 掲載
2020年08月19日腰がガチガチに固まってしまうのは「座り方」が原因!?そもそもなぜ座りっぱなしでいると、腰がガチガチに固まってしまうのでしょうか。これは「座る」という行為よりも、「座り方」が大きく影響しているものと思われます。パソコンを前に座って作業をしているとき、ほとんどの人が下の写真のように、背中を丸めて座っているのではないでしょうか。出典:byBirth背中を丸めた姿勢を取り続けると、腰椎は重心線から遠ざかるため、腰椎の前弯が減少してしまいます。すると腰椎前方部分への負担が大きくなってしまいます。また、背中を丸めていると腰部の筋肉は重力に対して、伸ばされながら収縮し続けることになります。その結果、腰の筋肉の緊張が強くなり、ガチガチに固まると考えられます。腰を揉んでも問題は解決できない!その理由は…腰が固まると、つい腰を揉むことを考えてしまいますが、腰を揉んでも問題は解決しません!腰の張りをもたらしていると考えられるのは「悪い姿勢」です。その問題が解消されないと、同じことを繰り返すことになってしまうからです。背中を丸めた悪い姿勢をもたらす原因の一つとして、「後傾した骨盤」が考えられます。そのため、腰の張りを解消させるには、後傾した骨盤をリセットさせておく必要があります。出典:byBirth骨盤は本来、前傾しています。そうすることで脊柱(背骨)は緩やかなS字状の弯曲を描くことができ、脊柱にかかる荷重を分散させることができるのです。しかし、何らかの原因で骨盤が過度に前傾したり後傾したりすると、脊柱の緩やかなS字状の弯曲が崩れてしまい、脊柱にかかる荷重を分散させることができなくなってしまうのです。特に重い頭を支える頚椎や上半身を支える腰椎は、大きな負担を受けやすくなってしまうため、肩こりや腰痛が起こると考えられるのです。骨盤の後傾は、背骨に沿って走行している筋肉である脊柱起立筋(背筋)の筋力が低下し、お尻の筋肉である大殿筋の緊張が強くなることで引き起こされます。そのため緩めるべき筋肉は、腰ではなくお尻の筋肉と言えるのです。腰の張りを緩める「お尻の筋肉へのストレッチ」それではお尻の筋肉である大殿筋へのストレッチをご紹介していきましょう。(1)仰向けで行う「大殿筋へのストレッチ」出典:byBirth仰向けの状態から脚で「4の字」を作り、下になっている脚の膝を立てます。その膝裏に両手を回し、脚を胸に向かって引きつけることで大殿筋がストレッチされます(写真上)。もし余裕があれば、膝裏に回している両手を膝下に回してストレッチしてみましょう(写真下)。(2)座って行う「大殿筋へのストレッチ」仰向け以外にも、座って行うパターンもご紹介しておきましょう。出典:byBirth上の写真のように、ストレッチする方の足首をもう一方の脚の膝の上に乗せ、足首と膝のラインが一直線になるようにします。背すじを真っ直ぐにしたまま上体を前に倒していくことで、大殿筋がストレッチされます。いずれも左右それぞれ20~30秒間、お尻の筋肉が心地よく伸ばされているところで伸ばし続けることにより、筋肉の緊張を緩めることができます。ストレッチ中はゆったりとした自然な呼吸を心がけるようにしましょう。「大殿筋へのストレッチ」と合わせて行いたい「骨盤前傾方向への動きを高めるストレッチ」後傾した骨盤をリセットさせるには、大殿筋へのストレッチともう一つ行っておきたいストレッチがあります。それが「骨盤前傾方向への動きを高めるストレッチ」です。このストレッチを行うことで、骨盤前傾方向への動きを高めることができ、脊柱と骨盤を支える脊柱起立筋が機能しやすくなります。出典:byBirth四つん這いになり、背中を丸めて骨盤を後傾させた体勢をとります(写真上)。そこから背中を軽く反らして、骨盤を前傾させる動作(写真下)を10回繰り返します。動作はゆっくりと、骨盤を前傾させる動きを少しずつ大きくしていくようにしましょう。必ず背中を軽く反らした、骨盤を前傾させる動きで終わるようにします。柔軟性を高めるために重要な「ストレッチを行うタイミング」ストレッチは行うタイミングも重要で、効果を大きく左右すると言っても過言ではありません。ストレッチは、なるべく筋温が上昇したタイミングで行うのが望ましいと言えます。そうすることで筋肉を伸ばしやすくなるため、より効果が得られやすいと考えられるからです。そのため筋肉の緊張緩和や柔軟性アップを目的とした場合は、運動後や入浴後といった体が温まっているタイミングでストレッチを行うようにしましょう。「後傾した骨盤」がもたらす問題は「腰の張り」だけじゃない!今回はデスクワークでガチガチに固まった腰をリセットする、お尻の筋肉へのストレッチをご紹介しました。座り仕事による腰の張りは背中を丸めた悪い姿勢が原因で、その姿勢の悪さは後傾した骨盤によるものと考えられます。後傾した骨盤をリセットさせる一つの方法が、お尻の筋肉へのストレッチで、それにより腰の張りを緩和させることができると思われます。後傾した骨盤がもたらす問題は腰の張りだけではありません。ボディラインにも悪影響をもたらすものと考えられます。詳しくは【「姿勢」と「ボディライン」の乱れを引き起こす後傾した骨盤をリセット!プロがお勧めするストレッチとエクササイズ】でお伝えしておりますので、こちらも是非ご参照ください!
2020年08月13日「腰痛の8割以上は、“心配いらない腰痛”です。内科的な病気や神経痛が原因ではない場合、自分で治すことも可能なのです」そう語るのは、腰痛予防の第一人者である松平浩先生。ただし「転倒や尻もちをついたあとに腰が痛みだした」「痛みやしびれがお尻からひざまで広がる」「じっと寝ていてもうずく」などのケースは、骨折や椎間板ヘルニア、内臓の病気などが原因になっていることもある。腰痛がある場合は一度、病院で検査をして、“心配いらない腰痛”かどうか確認しておくことが重要だ。「心配のいらない、つまり、明らかな病気や骨折のない腰痛は“腰痛貯金”の蓄積によって起こります。前かがみや猫背の姿勢を長く続けていると、背骨にはさまれた椎間板の中央にあるゼリー状の髄核がうしろに移動することがあります。これが“腰痛借金のある状態”で、借金が積み重なると、慢性的な痛みが出るだけでなく、ぎっくり腰や椎間板ヘルニアなどになる可能性が高くなるのです」さらに今、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、腰痛借金がかさみやすい状況になっている。「フロアに座布団を敷いて長時間作業していると、てきめんに腰痛を起こすように、机や椅子などの環境が整っていない在宅ワークでは、腰に負担がかかることも。また、外出を控えることによる運動不足、さらに、感染不安などの心的ストレスも、腰痛を悪化させる可能性があるのです」腰痛借金を返済し、痛みを解消するために大事なことは、「動いて治す」こと。「腰痛を経験すると、痛みの恐怖や不安から、日常生活でも無意識に腰をかばうようになります。私たちの研究では、安静にしすぎることで、腰痛が再発、慢性化しやすくなることが判明しています。体操やストレッチの目的は、家事やデスクワークで悪くなった腰の状態をリセットすること。腰を動かしても平気だという経験は、痛みに過敏になっている脳をリセットする効果もあるんですよ」腰痛は休んで治すーーそんな古い考えは捨て、さっそく動かそう。「女性自身」2020年7月28日・8月4日合併号 掲載
2020年07月29日