言葉がとてもゆっくりな娘。3歳5ヶ月で療育へ娘は2歳3ヶ月ごろにようやく単語が出始め、2語文を話し始めたのは3歳2ヶ月。とは言っても2語文は稀にしか話さず言えない単語もまだたくさんありました。例えば飴は「め」、おせんべいは「ベー」など。この時期幼稚園のプレに通っていたのですが娘の様子を先生からはこう言われました。Upload By とまぱんそんな娘を連れて発達支援センターへ相談しに行ったのは2歳10ヶ月のとき。発達検査をした上、やっと3歳5ヶ月で療育に通うことができました。療育初日は突然知らないところに連れて行かれ娘がパニックを起こしたらどうしようと不安でしたが、すんなりと教室に入り無事に終わったようでした。スタッフに「男の子たちがとまちゃんを気にしてソワソワしてましたよ!とまちゃんアイドル的存在になりそうです」なんて言ってくれました。ちなみに通っていた療育は子どもよりも先生の数が多いところでした。大人が大好きな娘にとってはあまり抵抗がなかったのかもしれません。療育が始まって1ヶ月。娘の様子は?療育が始まってから1ヶ月後、言葉は何となく増えたように感じました。でも癇癪はまだまだ健在。近所のお友達と遊んでも終始癇癪で近所の子と遊ぶのを暫くやめていました。そんな現状だったので療育終わりにスタッフに伺ってみました。Upload By とまぱん癇癪がなかったのは意外でしたがお昼の件については、想像ができるーと思いました。家でも一口食べては出歩き、一口食べては出歩き....といった感じでした。4歳の今は座って食べれるようになったのですが、このときはどんなに言っても聞かなかったので注意することも諦めていました(外食のときは注意していましたが)。完璧な躾を目指していたら3日でダウンしそうなので私の躾はゆるゆるだったと思います。時間と共に成長が解決してくれることを期待して…。療育先でも癇癪が始まり…。この先ひらがなの取得につまずくかもと言われ。療育に通って2ヶ月。スタッフの人から「うまくいかないときは時折パニックを起こしてしまいます」と伝えられました。お友達と遊んだりしてる中で自分の思い通りにいかないときなど癇癪を起こしてしまうみたいです。娘も場所に慣れて素が出てきたのでしょう。幼児だとこういうことはよくあることですが、娘はほかの子と比べても我慢や気持ちの切り替えがとても苦手なように感じていました。また、続いてこう話されました。「言葉は増えたもののやっぱり表に出る言葉はゆっくりです。もしかすると年中年長さんになったときひらがなの取得につまずくかもしれません」こう言われたことをきっかけに少しずつひらがなに触れさせてみることにしました。とはいっても年中年長さんあたりからそれぞれ家庭でひらがなを覚えさせることもあるかもしれませんが、本格的にひらがなを習うのは恐らく小学校入ってから。焦る必要はないのかもしれませんが元々発達ゆっくりな娘なのでゆるーくひらがなを見せてみることにしました。問題集を手作り。私なりのお家療育をはじめてみるひらがなが書いてあるカードを使ってこれは「ありのあ」、これは「いぬのい」だよ、と目に触れさせてみました。意外に興味津々の娘。そんなことを暫く続け…。次はカードを2枚並べて私が言ったひらがなを取ってもらうようにしました。慣れると3枚、4枚とカードの選択肢を増やしてみました。Upload By とまぱん娘は最初ひらがなを読むのを嫌ったので、カードを選んでもらうという方法をとりました。読むことに抵抗がなくなったころ徐々にひらがなを読んでもらったり。かなり自己流ですがこのように遊び感覚で少しずつひらがなを覚えていきました。ちなみに娘は筆圧がとても弱く書く意欲が全くなかったので、ひらがなを書く練習はこの時期全くさせませんでした。ひらがな以外に数字にも触れさせてみました。書店で売ってる問題集は気まぐれでやらないことが多いので娘の好きなキャラクターを描いて問題集を手作りしました。Upload By とまぱんこんな感じでキャラクターが言ってる数字の数だけ娘にシールを貼ってもらいました。自分の好きなキャラクターに娘はニコニコ。その上娘はシールが大好きなので進んでやってくれました。私は子どものころの夢が学校の先生だったのですが子どものときよく問題集を自分で作り、妹を生徒役にして解かせていました(笑)それを思い出し私自身も楽しくやっていましたが、娘がハマりすぎて私が疲れてしまい…。以前、療育の先生からは「とまさんの集中力は年相応以上です」と言われたことがありました。娘は何かに集中してるとどんなに話しかけても反応しないし、こういう学習もハマったら永遠とやるところがあります。言葉はゆっくりで癇癪も激しい娘ですが集中力の高さはこれから娘の長所になればいいなと思いました。紙芝居で入園式をシミレーション冒頭でもお話ししたようにプレの先生から「とまちゃんは目的がはっきりしない時間は待つのが苦手」と言われていました。まさに入園式も目的がはっきりしない時間。娘はずっと席に座ってられるのだろうか…と入園式が近づくにつれて憂鬱になってきました。そのため入園式とはこういうものというのを予め知ってもらうため、入園式の様子を描いた紙芝居を作りました。1週間前から毎日読み聞かせ、娘は「これとまちゃん?もう一回読んで!」と嬉しそうにしていました。Upload By とまぱん入園式当日。初めは状況に困惑し、椅子を叩いてしまうこともありましたが、紙芝居効果なのか落ち着いて席から離れず無事に終わりました。娘はほかの子よりも工夫が必要だったり苦労することも多いですが、この4年間違いなく成長はしました。幼稚園に通っている今は先生やお友達の影響でありがたいことに勝手に成長している部分はありますが、これからも何か手助けが必要であれば一緒に考えて私なりに向き合っていけたらと思います。執筆/とまぱん(監修:藤井先生より)お子さんの負担にならないように、お子さんの反応を見ながら、遊び感覚で取り組まれたのはとても良いと思います。同年齢のお子さんと比べ焦ることもあるかもしれませんが、お子さんのペース、好みに合わせて、スモールステップで過ごした時間は、お子さんにとっても、とまぱんさんにとっても、充実した時間になったと思います。新しい場面での見通しがないと不安になるお子さんへ、今回のような紙芝居や、写真などの目に見える形を用いて伝えておくことは、不安軽減に効果的です。
2022年07月14日療育って何?みんなどんな療育をしてきたの?療育とは障害のある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助する取り組みです。療育という言葉はもともと、東京大学名誉教授の高木憲次氏(1888-1963)が提唱した概念です。肢体不自由児の社会的な自立を目標に、医療と教育を並行してすすめることを指しました。療育という言葉や概念は時代の変遷とともに意味合いを変えており、現在定まった明確な定義は示されていません。また必ずしも医療行為を含むものではない場合もあります。定義や実践内容の移り変わりはあるものの、概ねの理解としては、療育とは障害のある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助する取り組みを指すと考えると分かりやすいでしょう。1歳半健診や3歳児健診で、また周りの子どもたちと比べて…わが子の発達の遅れに気づいて専門機関に相談し言われた「療育を受けてみませんか?」の言葉。でも実際に療育ってどんなことをやるの?そんな療育についてのエピソードを発達ナビ連載ライターさんたちに描いていただきました!療育の種類や療育先選び、早期療育問題や家庭内でできることなど…気になるコラムはぜひリンクをクリックして読んでみてください。「療育に通って」と言われてから9年。当時の私が感じたことや、知らず知らずに行っていたこととは。丸山さとこさんが、療育を初めて知ったのは3歳児健診のときでした。本を読み療育園に通うことで療育について少しずつ知っていったさとこさんは『あれ?ごく当たり前のことが書いてあるな…?』と首をかしげてしまいます。2歳で始めた療育、全力拒否!「療育に来る意味あるのかな…」と疑問が出てきて…3歳ごろに自閉スペクトラム症の診断が出たまるさんの息子・リュウくん。療育には2歳9ヶ月のときに通いだしましたが、教室から出たい、座っていられない、早くお弁当を食べたいで泣いたり逃げたり…一筋縄ではいかなくて…。理科と社会のプリントをやりたがらない息子のやる気を引き出したアイデアとは?ADHDとLDのあるかなしろにゃんこ。さんの息子リュウ太くん。”気がのらないことは意地でもやりたくない”というところがあり、小3になると「理科」「社会」の教科には興味ナシ!そんなリュウ太くんにかなしろさんが作ったあるものとは…?「療育」とは?3タイプの発達支援施設があるの?1歳半健診で指摘を受けて、長男けんとくん発達の遅れを知ったゆきみさん。市の親子教室で初めて聞いた「療育」という言葉に「これだ!」と衝撃を受け…。タイプ別発達支援施設の紹介も!「子どものため」だけでは続かない?「療育を受けさせたい」と考えている親御さんに伝えたいこと。知的障害を伴う自閉スペクトラム症があるべっこうあめアマミさんの長男くんは、2歳から療育に通いはじめました。引越しなどもあり、息子と3つの地域で6ヶ所の児童発達支援(療育)に通ってきたべっこうあめアマミさんの感じた療育先選びのポイントとは?療育は一筋の希望?ダウン症の「早期療育問題」って?ダウン症のある小学1年生のきいちゃんを育てている星きのこさん。出産後すぐにダウン症の告知と同時に医師から言われた「子どもに療育をしてください」のアドバイス。その言葉を聞いた星さんは…。次男のふーくん、初めての発達検査!ASDの特性がある長男ミミくん。次男のふーくんは定型発達だと思っていたけれど、通っている保育園からの勧めもあって、発達検査を受けることにしました。発達検査の結果を聞いてtaekoさんの感じたこととは。そのほか人気コラムはこちらから!
2022年07月11日「療育って何?」からスタートした9年前Upload By 丸山さとこ今思えば、息子コウの発達の凸凹は2歳ごろから現れていたのだろうと思います。たまに「あれ?」とひっかかることもありました。ですが、「男の子は言葉が遅いから大丈夫」「気にしすぎないで。お母さんはおおらかでないと!」などと人から言われていたこともあり、「ちょっと変わった子だな」程度に思って過ごしていました。そんな私が療育というものを知ったのは、3歳児健診で療育園をすすめられたときでした。本を読み療育園に通うことで療育について少しずつ知っていった私は、『あれ?ごく当たり前のことが書いてあるな…?』と首をかしげました。家庭内で意識せずに行われていた『療育的な関わり』のこと当時読んだ本が「これから発達障害や療育について知っていきたい親」のための入門書だったのもあるかもしれませんが、「子どもの反応を見る → 予測を立てて関わる → 子どもの反応をフィードバックする」という関わり方は、私にとって拍子抜けするほど普通のことに思えました。Upload By 丸山さとここれは、私自身にASDとADHDがあり普段の生活の中である程度工夫をしていため、療育の入門本に書いてあった関わり方を感覚的に理解しやすかったのもあるかもしれません。また、それに加えて『産まれたばかりの乳児の世話を手探りで行った経験』も関係あったのではないかと思います。まだ首も座らないフニャフニャのコウを世話しながら、泣く・寝ない・上手く飲めない・何をしたいのか何を考えているのか全く分からない乳児という存在を前におののいた覚えがあります。Upload By 丸山さとこ「赤ちゃん(コウ)自身も何をしたら自分が快適になるのか、まだ分からないんだろうな」と考え、「一緒に頑張ろうな~」と声をかけながら関わっていきました。そうするにつれて、コウが『今どんな感じか・何を要求しているか・何に興味を持っているか』が少しずつ分かるようになってきました。そのような観察や試行錯誤の繰り返しが、結果的に”療育的な関わり”となっていたかもしれません。今振り返ると、コウとの付き合いが始まった乳幼児期に「意識的に行った療育的な関わり」として一番にあげられるものは、ハイタッチだったのではないかと思います。乳幼児のころから目線が合いにくいコウでしたが、彼の視線に割り込むと(多分、邪魔だという理由で)機嫌が悪くなり怒っているような様子になるので、彼が見ているものの近くや後ろでさりげなく存在をアピールしたり、ハイタッチして目線を合わせたりしました。Upload By 丸山さとこ手を挙げることやハイタッチはコミュニケーションにも有効でした。子どもの絵本や手遊びには手をあげるポーズが多く、コウが「手を挙げる」行動を模倣するようになったことで、それらの遊びが行いやすくなりました。たまたまバンザイしたときに手のひらへのタッチをすることで「親の手の動きに反応して手のひらにタッチする」を覚えてハイタッチができるようになったコウは、「タッチする度に位置が変わる手のひらにタッチする」という単純な手遊びも喜んで行うようになりました。Upload By 丸山さとこ最初は「動く手のひら」を目で追うのが難しかったり、手のひらの向きが変わると混乱したり、タッチすることばかりに夢中になりよろけそうになったりしていました。そのときどきのコウに合わせて難易度を調節することで、楽しく遊びながら、『今日の調子はちょっと不安定だな』『こんなこともできるようになったんだな』『判断が早くなったな』『難しいことを面白がるようになったな』などとコウのコンディションや変化を感じることができました。コウだけでなく私自身も遊びを通して気持ちの切り替えができ、親子ともども楽しめる良い遊びになりました。また、当時のコウは物への興味が強くあまり人間には興味を示していませんでしたが、ハイタッチは「手のひらという遊び道具」を通して少しずつ「手のひらの持ち主」にも目を向けるきっかけになったのではないかな?と感じます。今でも続く「療育的な関わり」の、変わることと変わらないことその後も、「いくつ?」と聞かれたら「3歳」と答えるような、質問に対して答えるというやりとりを『セリフを言う人の肩に触れる』ことで教えたり、遊具で遊ぶ練習など、いろいろ療育的な関わりをしていきましたが、そんなコウももう中学生。これからは直接サポートすることは段々と減っていくだろう…と思っていました。そんな矢先、先日行われたスクールカウンセリングにて「コウ君のようなお子さんは、中学生や高校生になってからもほかの多くのお子さんよりサポートは必要であり続けることが多く、今のところコウ君もそうである可能性は高いです」とハッキリ告げられ、心の中で泡を吹きました。とはいえ、次第に「療育的な関わり」というよりも、成人の神経発達症(発達障害)がある人に対するような配慮をしていく形になっていくのかなと思っています。Upload By 丸山さとこコウに対する療育的な関わりが当たり前のこととなった今振り返ると、具体的な手法やノウハウや例など、書籍やWebから得られる情報は10年前より各段に増えたなと感じます。それらの情報を取り入れて何とか回している日々の中、「今日はもう何をやってもダメだ…!」となることもあります。そんなとき、生まれたての赤ちゃんだったコウに振り回されたあの疲労困憊の日々を思い出すと、少しだけ初心に戻れそうな気がするこのごろです。コウが中学生になったことで、乳幼児期が遠い思い出になったのかもしれません。執筆/丸山さとこ(監修:井上先生より)丸山さんもおっしゃっているように小さいころの支援と思春期になった今必要とされる支援とは質的にもかなり違ってきていると思います。本人なりに考えて行っていることに対して、すぐに否定しないでいったん受け入れてから一緒に考えていくことなど、本人が自分で問題解決し自立していくのに必要なステップが親御さんとの関わりの中に含まれていると思います。苦手なことに出合ったときにこうやればうまくいくというような方法や環境を、一緒に探していくことで、「困ったときは人に聞いてみてもいいかな」という援助希求や「まあなんとかなるさ」という自信につながっていくとよいですね。
2022年06月30日2歳9ヶ月で通い始めた療育Upload By まる3歳ごろに自閉スペクトラム症の診断が出た息子リュウ。2歳9ヶ月のときに療育に通い出した。そこは集団療育、親子通園(年齢や日数に応じて)を行っている施設で、先生の人数も多くいろいろと相談しやすそうな雰囲気があり通うことに決めた。昨年度は週に2回通っていたが、現在息子は4歳になり保育園もあるので週に1回通うことにしている。療育に通い出したころは教室から出たい、座っていられない、早くお弁当を食べたいで泣いたり逃げたり…。リトミックや親子体操などをやるのだが息子は一切参加しない状態で、「療育に来る意味あるのかな…」と疑問が出てくるほどだった。親子体操とリトミックUpload By まる療育に通い出してもうすぐ1年半になる。療育に行くのが楽しいようで「今日はバスに乗って療育に行くよ」と声かけをすると「バスーバスー」と嬉しそうに自らリュックを背負ってバス停まで向かう。教室に到着するとわが物顔でおもちゃを取り出しのびのびと遊んでいるが、いまだに親子体操は逃げるしリトミックは参加したがらない。しかし変化はある。以前は泣いて嫌がることも多かった親子体操だったが、今は笑いながら逃げ回っている。先生いわく「どんなことをするのか分かっていてやりたくない」のではないかな、とのこと。先生もそんな息子を無理に参加させようとすることはなく、「いいよ~じゃあそこで見ててね!」などの声かけをしてくれたりと、息子の気持ちを優先してくれている。たまに様子を見て誘ってくれたり、息子の手を取って私の代わりに参加させてくれたりしてくれる。捕まえて参加させると楽しそうにニコニコはしているので嫌ではなさそうだがすぐにまた逃げてしまう。リトミックはというと、音楽が流れ出すと耳を塞ぐようになってしまった。耳を塞いでママの足の間にうずくまったり、別の部屋に逃げたりするのだ。ただこれも嫌な表情はせずにニコニコしている。まだ言葉で伝えることができない息子なのでこれの真意はまだ分からないが、無理に参加させることはせずに見守っている。椅子に座ることも長時間はできないが、興味のある絵本の読み聞かせなどにはきちんと座って聴くことができるようになった。家ではというとUpload By まる家に帰ってから療育でのことを生かして何かに取り組んだりなどは特にしていない。たまに気が向いたときにだけ療育でやっていた親子体操をやってみたりするが、息子は興味なくやめてほしそうなそぶりを見せる。療育に通い出したころは、親子体操やリトミックは大体同じ内容を繰り返すから家でもやると早く慣れていいかも!と思ったのだが、家でも嫌がって逃げたので諦めたのだ。1番嬉しい成長Upload By まる1番私が嬉しかったのはお返事ができるようになったことだ。療育で椅子に座った際に名前を呼ばれてお返事をするのだが、通い出したころは「この子はこの先、椅子に座って返事ができるようになるのかな…」と不安になるほどだった。座らせてもすぐに立ち歩き静止すると泣いて怒ったり、呼びかけに対して無反応だったり、目線が別の方に向いていたりなどとにかく反応が返ってこなかった。先生は反応がなくても毎回呼びかけてくれ、たまにハイタッチのみでの返事ができるようになっていった。今は機嫌が良ければ「ここに座って」の指示がきちんと伝わり椅子に座り、名前を呼ばれると手を挙げながら「はーい」とお返事してくれる。これは、療育のほかにも保育園でも毎日の習慣として実践してくれていたからだろうと思う。このように少しずつだけど確実にできることが増えているし、親子登園を通してそれらの成長を確認することができる。実際に息子の成長を見て、こんなことができるようになったんだ!と育てていくことのモチベーションにも繋がっている。執筆/まる(監修:鈴木先生より)やらなくても無理やりやらせず、まず参加できるようにすることが大事です。返事ができるなど何か一つ成果があれば参加したメリットがあったと考えましょう。コミュニケーションの基本は挨拶です。返事ができるようになったら、次は視線は合わなくても相手の方を向いて「こんにちは」「おはようございます」などが言えればいいですね。私のクリニックでやっている音楽療法でも、無理やり参加させず、お子さんがやりたくなったら参加してもらっています。さらに始まりと終わりの挨拶を毎回ルーティーンでやるので、いつの間にか家でも習慣になっているようです。
2022年06月29日息子2歳、初めて足を踏み入れた療育の世界私の息子には、知的障害を伴う自閉スペクトラム症があります。息子に障害の診断がついたのは4歳のときでしたが、1歳半で発達の遅れに気づいたことをきっかけに、2歳から療育に通いはじめました。息子が最初に通った療育は、地域の児童発達支援センターに月に1回程度の頻度で通う、親子通園の集団療育でした。Upload By べっこうあめアマミ児童発達支援センターは、発達に不安がある子どもと家族のための総合的な支援をしている、地域の中核的な発達支援施設です。そこで受ける初めての療育は、親子ともに学びが多い内容でした。療育では、大きな遊具で身体をいっぱい動かしたり、名前呼びをしたり、手遊びや体操をしたり、紙芝居をしたりと、遊びながら発達を促していきました。息子はあまり活動に興味を示さなかったり、身体を動かすのを嫌がったりもしましたが、そういったときの先生からの声掛けの仕方なども、参考になりました。Upload By べっこうあめアマミただ、親子通園なので、私は療育の時間中ずっと息子にぴったりくっついていなければなりません。息子のあとを追い、怒ったらなだめ、精神的にも体力的にもすごく疲れました。そして、児童発達支援センターが家から非常に遠かったことも大変でした。息子を連れて15分歩いて駅まで行き、電車に乗り、電車を乗り換えて、センターの最寄駅からまた15分くらい歩くという道のり……。バスで行くこともできましたが、時間がかかり、通うだけでへとへとでした。きょうだいがいると療育に通えない⁈まさかのルールに愕然Upload By べっこうあめアマミ息子が3歳のとき、週3日で通える高頻度で時間も長い療育のクラスに、次年度からの空きが出たという連絡をもらいました。しかし、そのクラスに通うためにはいくつかの条件があることを知らされたのです。・幼稚園と並行して通うことはできない・ひき続き親子通園・子どもの給食はあるが、親は療育中は飲食できない・きょうだいを連れてきてはいけない当時、私は2人目の妊娠が分かったばかりでした。そのため、週3日の頻度で親子通園ということも大変でしたが、幼稚園に通えないということや、きょうだいを連れてきてはいけないという条件に愕然としました。交渉したところ、抱っこは不可だけれどおんぶなら許可すると言われましたが、両実家ともに県外だった私にとっては、それも難しい条件でした。まだ首が座らない赤ちゃんをどこかに預けて息子と療育に通い、おんぶができる月齢になったら赤ちゃんをおんぶしながら長い道のりを通って3人で一緒に療育を受ける…。息子の発達のために頑張ろうと思いましたが、自信がありませんでした。そして、そのことを夫に相談すると、こんな答えが返ってきました。Upload By べっこうあめアマミ私は、2人目が生まれてから通うことはかなり不安でした。でも妊娠中はギリギリまで通おうと思っていたのです。しかし…Upload By べっこうあめアマミUpload By べっこうあめアマミいつも温厚な夫から諭されて、私は改めて、妊娠中の自分の身体についてすごく甘い認識でいたことに気がつきました。そして、「息子の発達の遅れへの心配で頭がいっぱいで、お腹の子や自分の体調、家族の生活についてまるで考えていなかった」ということを反省しました。こうして、空きは出たとはいえ、あまりに家族にかかる負担が大きかったことから、この療育は辞めることになったのです。代わりに、息子は親子分離で通える別の療育に、週5日で通うことになりました。子どもの療育先を選ぶとき、無視できない「大切なこと」とは療育は確かに、子どものために行うことです。ですが、1人で通園できない子どもの場合、親の負担から目を背けることはできません。子どもを思うからこそ、多少無理をしてでも頑張って療育に通わせたいというのが親心。特に、未就学や未就園の小さいお子さんの親御さんほど、「子どものためにできる限りのことを」という思いから無理してしまいがちな気がします。ですが、療育の内容だけでなく、ぜひ次のような条件にも目を向けてみてください。Upload By べっこうあめアマミこれらの条件は、通う前は「なんとかなる」と思っても、実際に通ってみると予想以上の負担だった、ということにもなりかねません。見過ごされてしまいがちだけど、実は無視できない、非常に重要なポイントだと感じています。親子で無理なく療育に通い続けるために親も人間です。親にとっての負担があまりに大きいと、せっかく療育で良いことを教わっても、それを実践する体力が残っていない、という状況に陥ってしまうかもしれません。ストレスからイライラが募り、子どもに笑顔を向けられなくなってしまうかもしれません。最悪の場合、親が体調を崩して療育どころではなくなってしまうかもしれません。そうなってしまったら、せっかく良いと思って選んだ療育に、通い続けられなくなってしまいます。療育の結果は劇的に現れるとは限りませんし、継続して通うことで、少しずつ積み上げていくものだと思います。だからこそ、親子で無理なく続けていけるように、療育の内容だけでなく、「通わせやすさ」にも目を向けて選んでいくことをおすすめします。「子どものため」に自分や他の家族の生活全てを犠牲にする必要はないと思います。あなたはすでに、十分頑張っています。自分の都合を理由にすることに罪悪感を感じず、無理せず歩んでいきましょう。執筆/べっこうあめアマミ(監修:井上先生より)地域によって 、主に公的な機関によって療育がなされているところと、多くの民間の事業所が療育を提供しているところなどかなりの違いがあると思います。特に公的な機関の場合、制約が多いところがまだあるようですね。地元の情報を探し、民間も含めて親に負担のない通いやすいところ、お子さんに合った療育施設を探すのが良いと思います。情報源としては発達障害者支援センターなど以外に、地域の親の会などに聞いてみると親視点からのいろいろな情報を得ることができると思います。
2022年06月23日株式会社ダイナブライト(本社:東京都港区、代表取締役:廣瀬 豪輝)は認知症アドバイザー協会(JNDA)を2022年5月からリニューアルスタートしました。代表取締役:廣瀬 豪輝●認知症アドバイザーとは認知症アドバイザーは認知症及び認知症予防の正しい知識を普及し、認知症の発症を抑制、また進行を遅らせることを目的にアドバイスを行う方のための資格です。認知症アドバイザーは医療や介護に携わる人はもちろんのこと、日頃から人にアドバイスをすることが多い保険担当者や士業、トレーナーが資格取得をすることで、包括的に将来の認知症不安を払拭できると考えております。認知症アドバイザー協会HP ●開発及びリニューアルの背景認知症アドバイザーは日本の生理学者で医学博士、京都大学名誉教授の久保田 競氏により監修され誕生しました。日本における脳科学の第一人者であり瑞宝中綬章を受章した久保田教授の協力のもと誕生しました大変権威のある資格になります。2015年に誕生後、2021年に株式会社ダイナブライトが事業譲渡により取得し、全面リニューアルしました。学習テキストを改訂、またDVDの動画学習教材もオンライン化しストリーミングでいつでもどこでも学習できるよう利便性を向上させました。京都大学名誉教授:久保田 競氏●認知症社会の到来日本は現在、高齢化社会に突入し65歳以上人口は3,619万人となり総人口に占める割合は28.8%になりました。公的介護保険制度の要支援要介護の認定者はこの10年で175万人増加し、介護が必要になった主な原因の第一位が認知症です。現在、認知症患者は約602万人、すなわち65歳以上の6人に1人が認知症を発症しており、2025年には約700万人となり5人に1人になると見込まれています。なにも対策せず認知症になるとご本人の銀行預金をはじめ資産が凍結されます。その資産の合計は2030年には200兆円を超えると推計されています。国内総生産(GDP)の4割に相当する金融資産が凍結状態になれば、日本経済の重荷になると指摘されています。認知症アドバイザー協会はこの社会問題を解決する一助になることを目的としております。認知症の予防を推進することで、ご本人やご家族を経済的にも精神的にも手助けをするアドバイザーを養成していきます。テキスト(抜粋)【会社概要】会社名 : 株式会社ダイナブライト代表取締役 : 廣瀬 豪輝資本金 : 600万円所在地 : 東京都港区浜松町2-2-15 浜松町ダイヤビル2Fメールアドレス: info@jndad.jp 株式会社ダイナブライトHP 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月22日療育支援、就労支援事業を行う株式会社サカセル(所在地:福岡県福岡市早良区、代表:古賀 美和)は、すでに福岡市内に療育支援、就労支援合わせて4事業所構えておりますが、2022年5月より福岡市城南区別府に新しく別府事業所「ペンタス」を立ち上げました事をお知らせします。ペンタス 外観◆サカセル ペンタスの特色◆(1) 療育+食育をコンセプトにした教室食育分野では、街づくり協会のコーディネーター様にご指導いただきながら食物を栽培し、食物が成長していく過程を子どもたちにみてもらいます。育てた食物を収穫したり、調理したりすることで食物が育つプロセスを知り、食物を身近に感じることで、食物に対する苦手意識を減らしていけるように支援します。(2) SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)を中心とした独自カリキュラムを作成カリキュラムだけでなく、ロールプレイング・演劇の要素を取り入れたSSTなどを仲間と共に取り組むことで考える機会を設け、楽しく、社会性を学んでいきます。これらの活動を通し、学校生活等の日常生活での困りごとや悩みごとに対して少しずつ学習して成功体験を積み重ね、自尊感情を高めます。(3) 土、日曜日は調理活動や野外活動を実施集団活動を行うことでルールや行動について考え、その中で地域の方との交流を定期的に行い、様々な知識・経験に触れ、視野を広げられるように支援します。また、地域の方だけでなく保護者様もご一緒に参加できるような活動も検討しております。食育教室の様子プランター栽培▼放課後等デイサービス施設概要▼施設名 : ペンタス所在地 : 福岡県福岡市城南区別府2丁目4-16TEL : 092-834-5420営業時間: 10:00~19:00 月曜日~金曜日URL : ■会社概要商号 : 株式会社サカセル代表者 : 代表取締役 古賀 美和所在地 : 〒814-0001 福岡県福岡市早良区百道浜1-3-70ザ・レジデンシャルスイート福岡3301設立 : 2013年3月事業内容: 放課後等デイサービス・就労継続支援A型資本金 : 300万円URL : 【お問い合わせ先】株式会社サカセルTEL : 092-833-8445お問い合せフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月22日仕事も家事も子育てもラクになる 暮らしやすさのつくりかた整理収納アドバイザーとして活躍するサチさんの仕事も家事も子育てもラクになる、暮らしやすさのつくりかたをご紹介。効率的で真似がしやすい収納や空間作りのアイデアは必見です。今回は「ちょうどいいエコバッグ」をご紹介します。ちょうどいいお気に入りのエコバッグ【bon moment】マチの大きなエコバッグMinstagram(@iebiyori)我が家のエコバッグ事情をお届けします。月一のまとめ買いには小さいけど、週一の買い出しにちょうどいいサイズ感がお気に入り。マチが広いから牛乳も倒して入れられます。どれぐらい入る?instagram(@iebiyori)中に詰めていたものを出してみました。これだけ入ります。畳んだ状態のサイズ感instagram(@iebiyori)エコバッグなのでもちろんコンパクトに畳めます。スマホよりひとまわり小さいぐらいのサイズ感です。【bon moment】保冷エコバッグinstagram(@iebiyori)すでにヘビーユーズ中のエコバッグ。新タイプは持ち手が長いバージョンで、肩から掛けられます。使いやすさもお気に入りinstagram(@iebiyori)持ちやすいです。【bon moment】マチの大きなエコバッグLinstagram(@iebiyori)我が家のエコバッグは、気がつけば全部bonmomentのもの!自然と集まったお気に入り。お気に入りのテイストを知る機会にもなりました♪
2022年06月15日ダウン症と療育は切っても切れない関係なぜダウン症のある子どもが療育と切っても切れない関係なのかというと、それはダウン症という障害が「生まれてすぐに」分かる障害だからです。ダウン症のある子どものママパパさんは、子どもがダウン症という障害があるというのを告知されるのとほぼ同時期に、「子どもに療育をして下さい」と医師からアドバイスをされることが多いと思います。「療育をすれば子どもの成長や発達を伸ばすことができる」と…。私の場合は遺伝子検査をし、はっきりと「ダウン症」という障害があるとわかったとき、医師から告知されるとともに、「療育をして下さい」と言われました。Upload By 星きのこ療育は一筋の希望?恥ずかしながら私、この「療育」という言葉をそのとき初めて知りました。療育とは何かというと、心身に障害のある子どもに対して社会的に自立した生活を送れるように行う治療・教育のことです。公的や民間の療育施設で専門の先生に指導を受けたり、家庭で親が子におこなったりします。「子どもに障害がある」と告知を受けた親御さんの多くは突然の告知に戸惑うと思います。(もちろん私もその一人でした。)でも、そこに「療育をすることで子どもの成長や発達を促すことができる」と医師から聞いたら…多くの親は、必死に子どもに療育を受けさせようと思うはずです。療育をすることで子どもが少しでも良くなるなら…と、親にとっての一筋の希望にもなるからです。Upload By 星きのこ医師から「療育をしてください」と言われ…一般的にダウン症のある子どもの成長は、定型発達の子どもの約2倍の時間がかかると言われています。定型発達の子どもは約1歳前後で歩けるようになりますが、ダウン症のある子どもはその2倍、約2歳前後で歩けるようになると言われています。(あくまでもそれは平均値で、きいちゃんは2歳3ヶ月で歩けるようになりましたが、ダウン症があっても1才で歩けるようになる子どももいれば、もっと時間のかかる子どももいます。その子その子でそれぞれです。)医師から「療育をして下さい」と聞いた私は…少しでも早くきいちゃんに療育をしてあげなければと焦りました。でも、地域の療育施設はいっぱいで、入れるのは半年後…焦りは募ります。療育に行けない間、きいちゃんの発達が遅れてしまうんじゃないかと思ったからです。せめて家で療育をしなければ!と思い、療育関係の本をたくさん買い漁って実践したり、民間療法のマッサージに行ったり、とにかく「少しでもダウン症のある子どもにいい」ということを聞けば、少々遠くても飛んでいったりしていました。慣れない子育てで大変だったにも関わらず、そんな中でも少しでも時間ができると「きいちゃんへの療育」に全て費やしていました。ダウン症のある赤ちゃんの成長|NIPT JapanUpload By 星きのこ今ではなんであのとき、あんなに必死だったのか、そんなに自分自身がへとへとになるまで頑張る必要もなかったんじゃないかとも思いますが、あのときほどきいちゃんのことを思い、行動していた日はなかったなあと懐かしくも思います。(目頭が熱く…(笑))これが私ときいちゃんの「療育」との出合いでした。そしてここから長~い療育の日々が始まったのでした…。Upload By 星きのこ執筆/星きのこ(監修:鈴木先生より)療育とは、「科学&こころ」です。最新の知識をもって子にも親にも優しく接していくことが療育だと常々思っています。心の「heart」の中に 「art」 があり、「hear」もあります。音楽や美術などの「芸術」に触れながら子どもの話を「聞いて」あげることも重要なのです。いろいろな療育をはしごしている親御さんを見かけますが、決して「療育ママ」になりすぎることなくお子さんといろいろなところへ行き、みんなと楽しい思い出を作ってあげてください。きょうだいがいる家庭ではほかのきょうだいが親御さんに甘えられなくて心身症として受診されるケースも見受けられます。これは神経発達症に限らず血液や心臓など、病気のある子どものいるご家庭にすべて言えることです。ダウン症にはさまざまな合併症があります。療育に加えて小児科や整形外科など病院通いも多いと思います。つまり、親御さんが自由な時間をとることが難しいと言うことです。そういう親御さんの強い味方として専門の看護師が預かってくれる訪問看護という手法も最近は増えてきました。自分の時間ができるだけでなく、ほかのきょうだいとも触れ合う時間が作れますので、是非使ってもらいたいサービスです。
2022年06月15日30分に及ぶ発達検査、果たしてふーは乗り越えられるでしょうか?Upload By taekoわが家の長男ミミは、ASDの特性があります。次男のふーは定型発達だと思っていたけれど、通っている保育園からの勧めもあって、発達検査を受けることにしました。福祉保健センターへ電話で療育を受けたいと伝え、2ヶ月後に発達検査の予約ができました。ふーにとって初めて行く場所でしたが、すんなり行くことができて、ひとまずほっとひと安心。面接では、初めて会う専門員の先生から、発達の検査を受けていきます。上手くコミュニケーションできるでしょうか…?Upload By taeko発達検査では、先生からの質問に答えたり、道具を操作したりしながら、回答するものがありました。初めての空間で初めての先生との検査だったのでどうなることやらと不安でしたが、30分以上の間ふーはとっても頑張っていました!発達検査の結果を聞きながら思いました、「あれ、どこかで聞いたことあるような…」検査のあとは、専門員さんと私の面談の時間がありました。その間、ふーは好きなおもちゃを選んで遊んで待っていてもらいます。先生から発達検査のメモ用紙を受け取り、口頭で伝えてくれる検査結果を、私が一つずつ記入していきます。その結果は、総合的に平均の範囲内ではありますが、ふーは月齢と比較して8ヶ月ほど遅れているそうでした。検査を通して、道具の操作や言葉での応答などに、苦手さがあることがわかりました。検査の結果からのアドバイスとして、人に求められていることよりも、自分の興味が優先されて指示されたことが頭に入りにくく、また見えない部分を推測することが苦手なため、周囲の人たちが個別の声がけや見本を見せることが必要だということでした。そんな話を聞きながら私の中に浮かび上がってきたものは、不安などのネガティブなものが少しも無かったと言ったら嘘になってしまいますが、それよりも「ふーも私も一緒なんだ!」という共感の気持ちでした。Upload By taeko先生から告げられる傾向の一つひとつが、「これ、私のことだ!」と思えてしかたなかったんです。本筋とは別のことばかりが気になって頭に入ってこなかったり、デジタル社会の情報の洪水の中で「結局なにもわからない…」という状況になってしまったり。私もそんなことが日常茶飯事なんです。あぁ、やっぱり、親子なんだなと感じました。でも、こんな私でもなんとかなっているんだから、ふーもきっと大丈夫!とポジティブに思うようにすることにしたんです。全ての結果を聞き終わり、先生からあらためて療育を受けるかどうかの意思確認をされました。そして、次男の療育を受けることを希望しました。Upload By taekoそして始まった、次男ふーの療育最後は必要書類に記入し、翌日区役所へ郵送。その後は、3月末ごろに通所する施設から連絡が来て、4月から月に1回・通所できることになりました。兄のミミが現在通っている民間の放課後等デイサービスの未就学児(個別クラス)も、自治体の療育とは別の日に、4月から週1回通うことが決まりました。自治体の療育はミミの療育で2年半通った懐かしい場所ですが、ふーが実際に通うのはさらに1駅離れた場所になるようでした。少し大変だな…と思いつつも、ふーは電車が好きだから通うことが楽しくなるかも、とプラスになることを考えるようにしました。療育にはどうしても不安はつきものですが、その中でもいつでもポジティブな要素を見つけて、前向きにがんばっていこう!それが、私たち親子の療育の形です。執筆/taekoUpload By taeko(監修:井上先生より)療育開始前に発達検査や知能検査などのアセスメントを受けることがあります。これは、本人の学習に関しての強みや弱みを把握し、適切な対処方法や学習の仕方を見つけるのに役立ちます。初めての場所で初めての支援者と発達検査を行うことは、お子さんもお母さんもとても不安だったと思います。子どもの検査の解説を聞きながら、ご自分のことにも当てはめて考えた、という方は意外に多いようです。taekoさんがされてきた工夫とかコツがあれば、お子さんに伝えてあげられると良いですね。
2022年06月02日毎日を気持ちよく過ごすための暮らしのヒント整理収納アドバイザーminaさんによる毎日を気持ちよく過ごすための暮らしのヒントをご紹介。真似しやすい片付けの方法やおすすめの収納グッズは必見です!今回は「生活に取り入れて良かったグッズ3選」をご紹介します。生活が快適に♪取り入れて良かったグッズ3選毎日使うからこそ「便利」を実感instagram(@m____mina.room)子供達の新生活の準備とともに、少しずつお家の中も快適な暮らしを求めて見直しをしていました。今回は、生活の快適度がUPした、取り入れて良かったグッズ3選をお届けします。毎日使うからこそ、その便利さを実感したグッズですので、ぜひチェックしてみてくださいね。① マグネット式スマートフォンスタンド:¥858(税込)instagram(@m____mina.room)マグネットでしっかり固定するので、冷蔵庫横でレシピを見たり、浴室でも活躍!横にも縦にも置けて、そのまま充電も可能です◎今までスマホをキッチンで使う時に定位置がなく不便さを感じていたので、このスタンドのおかげてすごく快適になりました♪充電しながらも楽々!instagram(@m____mina.room)充電しながら置けるのも嬉しいポイントです。安定感もあるので安心◎instagram(@m____mina.room)縦置きも安定して置けますよ♪②デスクマット:¥858(税込)instagram(@m____mina.room)昨年買い替えた次男のデスクにようやくデスクマットを敷きました。まだまだ中学、高校と長く使ってほしいデスクなので、傷や汚れ防止に最初から敷いておけば良かったと反省。こちらは好きなサイズにカットもできるので、今後娘のデスクを買った時は最初からこのデスクマットを敷こうと思います。③カット出来るまな板シート:¥528(税込)instagram(@m____mina.room)魚や肉を切った後にまな板を洗うのが面倒に感じていたので、一度使うと手放せない存在に!スライダー付きでカットしやすいのも魅力的です♪便利グッズで生活の快適度をUP!instagram(@m____mina.room)ちょっとした変化ですが、どれもこれも暮らしがぐーんと快適になったおすすめの便利グッズばかりです。プチプラなのも取り入れやすい理由で、他にも気になる便利グッズがたくさん♪今回ご紹介した商品は、すべて靴の通販で有名な【ヒラキ】のもの。主婦の味方になるグッズがたくさんありますので、ぜひ通販サイトでチェックしてみてくださいね!
2022年05月16日仕事も家事も子育てもラクになる暮らしやすさのつくりかた整理収納アドバイザーとして活躍するサチさんの仕事も家事も子育てもラクになる、暮らしやすさのつくりかたをご紹介。効率的で真似がしやすい収納や空間作りのアイデアは必見です。今回は「コンロ周りの浮かせる収納」をご紹介します。収納アドバイザーが実践するコンロ周り整理のコツコンロ周りは浮かせて整えるinstagram(@iebiyori)コンロ周りに色々置くと便利ですが、油でベタベタになるのは避けたいところ。そこで、浮かせて空間を整理してみました。100均アイテムでは支えきれず…instagram(@iebiyori)100円ショップのフックを使って、スプレーボトルを引っ掛け収納していました。ですが、3ヶ月であえなく落下…。行き場を失っていました。「壁付けふきん掛け(マグネット)」instagram(@iebiyori)どうしてもスプレーボトルを浮かせたい。そんな気持ちで、今回はマグネットアイテムを設置してみました。片手でサッ!取り出しも簡単instagram(@iebiyori)置き場がなかったスプレーボトルの居場所ができました◎片手でひょいと戻せます。キッチンペーパー干しも◎instagram(@iebiyori)洗って使えるキッチンペーパーの干場もできました。ここならリビングからも見えないので一石二鳥!脱・生活感へ♪instagram(@iebiyori)以前は電子レンジの取っ手に掛けていて、リビングから丸見えだったので解決できて嬉しいです◎布巾干しもまとめて整理instagram(@iebiyori)ついでに布巾干し場も引っ越ししました。これでリビングから見える生活感のあるものを、しっかり隠せます!拭き掃除を快適にして清潔をキープinstagram(@iebiyori)全て浮いているので、コンロ周りの掃除が楽チン♪障害物がないと、片付け後に拭く余裕ができますね。ちょっとぐらいの見逃しはOKinstagram(@iebiyori)コンロ周りにものは置きたくないのですが、油の出し入れは面倒なので、これだけは見逃します。快適なコンロ周りでストレスフリーに◎instagram(@iebiyori)浮かせる収納でコンロ周りをぜひ快適にしてくださいね!
2022年05月11日こんにちは!整理収納アドバイザーの佐々木奈美です。暮らしの中は取捨選択の連続。必要だからって次から次へ買うばかりだと、モノはどんどん増えていってしまい、暮らしづらくなってしまいます。おうちの中も体と一緒で、“入れたら出す”。循環が大切なのです。今回は、おうちの中であれこれと増えがちな文房具の数を見直してみましょう。本当にお気に入りの文房具を厳選すると、暮らしやすくなるお話です。何を残して、何を取り除く?まず、リビングにある文房具を集めます。リビングテーブルやキッチンカウンター、家具の上、ダイニングテーブルの上、電話の近く…。おうちの中にはたくさんの文房具が潜んでいまよね。それって本当に全部必要なものでしょうか?リビングには1つずつあれば十分なのでは?リビングに置く文房具は、家族みんなで共有できる使いやすいものだけを1軍として厳選。文房具はたくさんあれば便利なものに感じやすいですが、1つずつに絞り込んで使う方が、迷いがなく暮らしやすかったりします。お部屋がごちゃついているのは、意外とこの文房具などの細々したものが集まってしまった〝集合体″のせいだったりするのです。どんなものが引き算できるか実践してみましょう。インク切れのもの・キャップなしのものたくさん持ちすぎて、インク切れのものがいつの間にか紛れていませんか?裏紙などでチェックして、使えないものは今日で「さよなら」しましょう。中身のインクを詰め替えられるものに変えると、持ちすぎ防止にも◎小さくなって誰も使わなくなった消しゴムも、立派に任務を終えたものです。キャラクター文房具捨てづらいのが、お土産でいただいたものや、旅先で購入した、キャラクターものの文房具。中にはマスコットがぶら下がっているものもありますよね。これらはかさばりやすく、思いのほか場所を大きく取ったり、他のものと絡まったりしがち。リビングに置く文房具は、家族で使いやすいシンプルなものを選ぶようにし、キャラクターものはプライベート空間に置くようにしましょう。使いづらいオマケ文房具子供の雑誌や何かのオマケでついてくる文房具。もらったからといって取って置いても、いざ使ってみるとすごく使いづらかったりしませんか?鉛筆はやたら書き心地が硬いし、消しゴムはうまく消せない…(笑)そういう機能に優れないものは、集中しづらい。自分できちんと選んで買ったものを使うようにしています。1本に対する「片付ける責任」を大切にする。リビングで家族みんなが使いやすい文房具に厳選できたら、次はカテゴリー分けをします。文房具にはいろんな種類がありますよね。リビングに2つ以上あれば便利なものもあれば、1つ持っていれば十分なものも。<2つ以上あってもいいもの>・ボールペン(用途に合わせて場所ごとに収納)・カラーペン・クリップ・マスキングテープ<1つで十分なもの>・油性ペン・鉛筆またはシャープペン・色鉛筆・消しゴム・はさみ・ホッチキス・セロテープ・穴あけパンチこれは生活スタイルによってそれぞれ違いますが、家族が使う頻度を見ながら、1つでいいものは1つに絞っていきます。特にはさみなどの文房具は、「複数人で使えるように…」といくつも置いていると、〝片づける責任″が放棄されていまいがち。そうしてあちこちにはさみが散乱して、また探す時間を取られてしまうくらいなら、1本のはさみに対し〝きちんと片付ける責任″が芽生える方が、みんなで暮らしやすいと思うのです。一番切れ味のいいはさみを厳選して、あとはストックに。また、部屋ごとや人ごとに持つという方法も。家族みんなに“片付ける場所”を伝えて、1本お試し実験をしてみるのはいかがでしょう?実は無くても暮らしに困らなかった。そんな発見もまたおもしろいですよ。暮らしのミニマム化、ぜひ挑戦してみてください。 nami sasaki整理収納アドバイザー。夫と三兄弟と5人暮らし。毎日の暮らしを楽しむ工夫探しが好き。収納で暮らしを心地よく。
2022年05月09日知的障害・自閉症スペクトラムで療育園に通う、5歳のえぬくんと、えぬくんママの日常を紹介するYouTube「えぬくんちゃんねる」をご存知でしょうか。 知的障害・自閉症スペクトラムのえぬくん(5歳)は、ママとパパと3人暮らし。強いこだわり・かんしゃくはあまり無く、おしゃべりは喃語(なんご)が多く踏切の音の「カンカンカン」や「やったー」など、数語話すこともあります。愛嬌があって、人と関わることが大好きです。 「障害はあるけれど、こんなに可愛くておもしろいえぬをみんなに見てもらいたい。困りごとや悩みを共有できるきっかけになれば」とYouTubeを始めた、えぬくんママ。 今回は、1番大変な時間と言っても過言ではない、帰宅〜お風呂に入る前までのワンオペ・ナイトルーティンを紹介します。 15:00療育園にお迎え自転車で療育園にお迎えに行き、帰るところから動画はスタート。えぬくんは、1歳10カ月から療育園に通っています。3歳までは週5日で通っていましたが、現在は週4で療育園、週1で作業療法に通っています。 ※療育園とは:障害を持つ子どもの発達を支援する施設※作業療法とは:運動や遊びを通して発達を支援する療育のこと 自宅ですが、マンションのエントランスで必ずピンポンを押したいえぬくん。自宅ドア前のピンポンも押して、ドアが開くと靴のまま自宅へ突入! ママさんが追いかけます。 ゆる〜くトイトレを実践中という、えぬくん。 療育園ではパンツですが、まだまだ成功しないので家ではおむつに履き替えます。療育園からは、毎日お漏らししたパンツとズボンを大量に持ち帰ります。 16:00えぬくん大好きなお米を催促 えぬくんは白いご飯が大好き! 療育園で、お昼ごはんもおやつも食べているえぬくんですが、大好きなお米が炊き上がるのを待ちきれず、茶碗を持って「お米をください」アピールしています。 ママが夕食を作っている間、えぬくんはお気に入りの毛布を持ってYouTube鑑賞。大好きな電車や自分のYouTubeを観ていることが多いそうです。 16:30早めの夕食 えぬくんが待ちきれず、16時半ごろに早めの夕食スタート。おかわり地獄が始まります(笑)。茶碗2つをママに向けて、「ご飯を入れて!」とアピールをするえぬくん。多いときは3個の茶碗を出すそう(気分によって、食べてくれない日もあるそうです)。 白米の上の部分だけを食べては、何度もおかわりのポーズ(ママに向けて茶碗を差し出します)。おかずのソースを何度も「かけて!」とアピール。何度も席を立たないといけないので、ゆっくり食べることもできず、ママもイライラMAX! おかわりでは大きな声を出したり、机を叩いたりする様子は見られませんが、何度もご飯とソースを要求されるのでついにママが拒否! すると、床に寝転んで抗議します。機嫌が悪くなって対応がさらに大変になってしまうので、つい要求をきいてしまうそう。 おかわり地獄の食事タイムが終わったら、ママはお風呂のお湯をためている間に食器洗い。パパは仕事で帰宅時間が遅いので、一緒に夜ごはんを食べられるのは週1回くらいです。 18:00お風呂えぬくんは、お風呂が好きなので嫌がらずに入ってくれることが多いそうです。 18:30 お着替えまだ、自分でお着替えはできないので、ママに着替えさせてもらいます。 19:00 寝る準備が完了動画はここで終了。少し遊んで20:30頃には寝室へ移動しますが、寝室に行くとハイテンションになるえぬくん。ママさんは隣で寝たふりをして寝かしつけますが、寝たと思ってもベッドを出るときに何度も気づかれてしまい、結局寝るのは23時ごろ。もっと遅くなるときもあるそうです。えぬくんに終始やさしく微笑み、正面から向き合って接しているえぬくんママさん。特性のあるお子さんの子育ては大変だと思うのですが、えぬくんと笑顔で楽しく過ごしている日常を見ていると、ほっこりやさしい気持ちになります。 この動画には「怒らず、できる限り要求に応えてあげてるママさん本当にすごい」「優しくていつも笑顔で明るくて、尊敬しかない」など、ママたちから多くの賞賛コメントが多数寄せられていました。えぬくんママさんのやさしい子育ての様子に、励まされるママも多いようです。著者:ライター 廣瀬尚子二児の母。女性誌の編集を経て、フリーランスに。広告やアパレルブランドの撮影、雑誌やWEBマガジンの執筆などを手がける。
2022年04月28日「世界自閉症啓発デー」とはUpload By 発達ナビニュース2007年の国連総会において、毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」とすることが定められました。それぞれの加盟国が、自閉症(自閉スペクトラム症)についての理解が進むように意識啓発の取り組みを行うことなどが求められています。また、日本では、4月2日から4月8日は発達障害啓発週間となっています。自閉症(自閉スペクトラム症)について十数年前に比べ日本での認知度は高まったものの、今もなお偏ったイメージやあいまいな情報も存在しています。自閉症(自閉スペクトラム症)に関しての研究は世界で現在も続いており、はっきりとした原因はいまだ特定されていません。しかし、何らかの生まれつきの脳機能障害であると考えられており、しつけや愛情不足など育て方が直接の原因ではないことが分かっています。自閉症(自閉スペクトラム症)のある子どもはこだわりが強かったり、感覚過敏や感覚鈍麻などの特性があります。そのため、育てにくさを感じたり、適切な接し方が難しいと感じる場合があります。しかし周囲の自閉症(自閉スペクトラム症)についての理解や支援が十分であれば、自閉症(自閉スペクトラム症)があっても住みやすい環境で、その人らしく充実した生活をすることができます。「世界自閉症啓発デー」は、自閉症(自閉スペクトラム症)に関する理解を深めることで、自閉症(自閉スペクトラム症)のある人を含めたすべての人が過ごしやすい世界を実現していくための日なのです。「Warm Blueキャンペーン」に参加しよう!Upload By 発達ナビニュース「癒やし」や「希望」などを表すブルーを、自閉症(自閉スペクトラム症)のシンボルカラーとしています。毎年4月2日はナイアガラの滝やピラミッドなど世界中のさまざまなランドマークが青に染められ、また青い服を身に着けるなどの青をテーマにした啓発イベントが各国で行われます。4月2日に向け青いものを身に着けたり、ブルーにデコレーションした施設などの写真をSNSに投稿してみませんか?以下のハッシュタグをつけてぜひ投稿してください!#自閉症啓発デー #WB_2022 #2022TT #LIUB発達ナビ連載陣にも「青」をテーマにイラストを描きおろしてもらい、SNSで発信中です。ぜひチェックしてくださいね。東京都自閉症協会、Get in touchを中心としたTT2022実行委員会主催のオンラインイベントが予定されています。発達障害当事者のふわふわおさん、ミス日本グランプリの河野瑞夏さんが司会。ゲストとして自閉スペクトラム症のある方々、Get in touch代表で俳優の東ちづるさんが登場し、さまざまなブルーアクションを紹介します。日時:2022年4月2日16:40配信スタート予定※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトからYouTubeに遷移しますUpload By 発達ナビニュース4月2日に向け日本でもさまざまな取り組みが行われます。東京都で行われる取り組みの一部をご紹介します。■東京都都庁、東京ゲートブリッジがブルーにライトアップされます。■渋谷区4月8日まで渋谷区役所本庁舎、渋谷区子育てネウボラ、中央図書館がブルーでデコレーションされます。また自閉スペクトラム症や発達障害について、理解を深めてもらうための啓発パネル展示や関連書籍の展示を行うほか、区内障害者施設で制作したオブジェの展示やシブヤフォントを使ったオリジナルの啓発ステッカーも配布しています。■丸井グループ商業施設運営を行う丸井グループでは、各店舗にて、Blueの装飾やBlue商品コーナーの展開を行い、スタッフもBlueのアイテムやバッジを着用して、お客さまへ自閉症啓発デーの周知を行います。■SHIPSセレクトショップのSHIPSでは、各お店のウインドーをブルーで色どり、スタッフもブルーのコーディネートに。また、異彩を、放て。をミッションに掲げる福祉実験ユニット「ヘラルボニー」とのコラボ商品の販売がされます。■日本障がい者サッカー連盟武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)で東京のJクラブや障害者チームと一緒にまぜこぜウォーキングフットボールが開催されます。■アクサ生命ブルーのリストバンドと啓発ステッカーの制作、配布を行います。ほかさまざまな企業や自治体など100を超える団体がこのキャンペーンに参加しています。自閉症(自閉スペクトラム症)がある人だけでなく、どんな人もさまざまな個性をもっています。誰もが自分らしく日々を過ごせるように「世界自閉症啓発デー」を通して一人ひとりにできることを考えてみませんか。
2022年04月01日こんにちは。整理収納アドバイザーの佐々木奈美です。3月は子供たちが学校から思い出をたくさん持って帰る時期ですね。進級前の春休みは、子供たちが次の1年に向けての準備期間となる時期です。作品や学校用品で家の中が散らかってしまう時期でもあるのですが、思い出が詰まったモノというのはなかなか片付けづらいもの。特に卒園・卒業されたお子様は、思い出を振り返る大切な時期ですね。「捨てたくない!」という気持ちが大きい今は、モノの置き場に困っていらっしゃるのではないでしょうか。今月の引き算レッスンは、思い出品の引き算ついてお話しさせていただきます。新しい1年に向けて出発する一歩が、軽やかになりますように。大切なのは、気持ちの整理と手放すタイミング。思い出の詰まった作品や学校用品。それには今まで当たり前に生活していたこと、楽しかったことが詰まっていて、すぐに捨てるというのは感情を切り離す作業となり、難しく感じるもの。すぐに整理できないものは、時間が経って整理できる時がくるまで、一時的に保管しておく場所をつくるといいですね。(まだ捨てないで!と言われた幼稚園での学用品をここに。)とは言え、新しい生活を営むためには、新しい生活のための環境をつくらなければいけません。活動しやすいようスペースを確保し、活躍しやすく軽やかになっておく必要があるのです。“捨てる”という冷たいイメージではなく、前向きなイメージで正しく向き合えば、きっと気持ちの良い1年のスタートに必要な力となってくれるはず。新しい生活に向き合うために、気持ちを整理してけじめをつけるという意味でも、この時期のお片付けは大切なもの。今の時期にお片付けをしっかりすることで、新しい生活に向き合うことができるはず。ぜひ進級を迎える前の3月に、お子様と一緒にお片付けに向き合ってみてください。思い出品を整理する時のコツ作品、お手紙、写真、ランドセル、学校用品…。新しい生活に向けて、早速整理してみましょう。<形を変えて保管する。>形が大きくかさばるモノは、収納スペースを圧迫するので、保管しやすいサイズに変えます。例えば、立体的な作品は写真に撮って平面型にする。大きな作品は一部だけを切り取って、コラージュしてアルバムに貼る…など。大きな状態を手放し、小さな姿に変えて保管する工夫を。写真と一緒にアルバム台紙に貼れば、お手紙や作品も一緒に眺めることができます。<たくさんあるモノは1つに絞る。>写真など枚数がたくさんあって困るものは、見比べて本当に残しておきたい枚数に絞ります。似たものは1つに。2つあることよりも、1つの大切な存在になった方が、より思い出深く感じられるものもあります。<形で残すのではなく、経験を財産とする。>例えば、教科書やノート、プリントは、前1学年分だけ保管して後は処分します。それまでのものは自分の成長に変換して考えます。形として捉われるのではなく、自分の一部として身に付いたもの=「自信」として変換するのです。「自信」がないものは取って置きたいし、「自信」があるものは手放しても能力として自分に備わっている。そう思うと、荷物少なく、軽やかに前に進める気がしませんか。モノに付いた「情」と自分の「感情」を見極める。モノを捨てるというのは、そのモノに踏ん切りをつけることにも繋がります。思い出が詰まったモノを見るとどうしても情が湧いて、「あの時○○だったな…」「やっぱり取って置こうかな…」などとモノに付いた感情に引っ張られることもしばしば。(例えばこれは、子供たちが赤ちゃんの頃聞いていたCD。今はもうCDは使わないというのが現状…)私はそんな時は、「もうこれがなくてもやっていける。これからは離れて成長する時。」と感情を前向きに変換するように心掛けています。そうすると、これまでの私には必要だったものも、「たくさん助けてもらったから大丈夫!」「これからの私には他に必要なモノがあり、そのための余白を保っておきたい。」と思えるのです。これは子供の絵本や教材おもちゃなどの育児グッズにも当てはまるように思います。成長はみんなに来るもの。新しい成長の1年を控えたこの時期だからこそ、思い出品のお片付けに取り組んでみてくださいね。 nami sasaki整理収納アドバイザー。夫と三兄弟と5人暮らし。毎日の暮らしを楽しむ工夫探しが好き。収納で暮らしを心地よく。
2022年03月28日21歳になった息子の様子現在、自閉症(自閉スペクトラム症)のある息子は21歳になりました。以前は多かった腕を噛むなどの自傷や、パソコンのマウスを思い切り叩きつけるなど物に当たり散らすこともたまにありますが、そうしたことは減ってきました。Upload By 立石美津子自分自身を傷つけるという行為は、形を変えながらも今も続いているのではないかと感じています。幼児、小学生のころの自傷身体への自傷が最も激しかったのは幼児期です。息子は6歳になるまで言葉が出なかったので、思い通りにならないとき自分の身体を傷つけるしか、方法を知らなかったのではないかと思います。Upload By 立石美津子例えば・自分の頭を叩く・腕を思い切り噛む・(普段は適切な量を口に入れることができるのにもかかわらず)入りきらない量の食べ物を口に押し込む・壁に頭を打ちつける・顔を叩くただ、「これ以上やると痛いぞ」のギリギリのところまでのラインでやっているように見えました。ですから、大けがをするようなことはありませんでした。言葉で自分を傷つけている?言葉がでるようになってからは、自分の身体を傷つけるだけでなく、言葉によって自分を傷つけるようになってきました。例えば、気持ちと反対のことを叫び、そして癇癪をおこすのです。「もう、帰る!」と家に居ながら叫ぶ。(←どこに帰る?)「入院する」(←入院したくない)「注射する」(←注射したくない)「家出してやる」(←家出したくない)「死んでやる」(←死にたくない)「9時58分に寝る!」(←毎日必ず10時に寝るこだわりがあるのに、僅かに時間をずらして叫ぶ)心にもない言葉を言うときの対応法これらの言葉は、実は息子の心にもないこと、望んでいないことだろうとわかるので、息子の言った言葉をオウム返ししながら、共感の形をとるようにしています。息子「もう、帰る!」と家に居ながら叫ぶ。私「もう、帰りたくなっちゃたんだね」息子「入院する」私「入院したくなっちゃったんだね」息子「注射する」私「注射したくなっちゃったんだね」息子「家出してやる」私「家出したくなっちゃったんだね」息子「死んでやる」私「死にたい気持ちになっちゃったんだね」息子「9時58分に寝る!」私「9時58分に寝たくなったんだね」火に油を注がないようにもし、「家出する!」と言ったとき、「気をつけていってらっしゃい」と家出を推奨するような言葉をかけたとしたら、特性のある息子は字面通り受け止めて、出て行ってしまうかもしれません。ですので、そのような言い方はしないようにしています。Upload By 立石美津子また、以前、次のように言ったことがあるのですが…「なんでそんなこと言うの!」「いい加減にしなさい!」これらは、火に油を注ぐ結果になってしまい、息子は激しい癇癪を起こしてしまいました。切り替えの手段を探す私は、身体への自傷も言葉での自傷も、自分の混乱した心の安定を図るためにやっているような気がしています。そんなとき親が止めようとすればするほど、混乱して自傷が続くことがあります。先に述べたように、癇癪をおこし自傷までするときは、共感する言葉をかけるのも一つの方法ではありますが、状況によっては、その言葉がけ自体が刺激になることもあるかもしれません。そんなときは時間経過によりクールダウンするのを待つしか方法がありません。わが家は共感の言葉でも息子が落ち着かないときは、黙って見守りながら、ぬるめの湯加減のお風呂を用意し、入浴を促します。息子の場合は、風呂につかり気分が変わると、気持ちの切り替えがしやすくなるようです。お子さんによって、切り替えられるきっかけはそれぞれだと思います。それを一緒に探してあげるのも大切なことだと感じています。執筆:立石美津子(監修者・鈴木先生より)思い通りにならないときの癇癪は自閉スペクトラム症の易刺激性からきていると考えられます。マンションの壁を蹴って穴をあけたり、ドアを壊したりするケースも多いです。自傷や他傷は抗精神病薬で調整することも可能です。爪をかむお子さんには、「爪はばい菌がたくさんついていてきたないよ」と説明したりしますが、それでも難しい場合は、逆に透明なマニュキアを塗ってきれいにして「噛まないでおきたい」と思わせるようにしてみるのも一つの手です。いい景色を見て散歩したり、何か運動したり、音楽を聴いたりするのもいいですね。また、リズムが乱れると癇癪をおこしやすくなるので、サーカディアンリズム(睡眠覚醒リズム)を規則的にすることも重要です。
2022年03月01日今までの健診では「問題なし」Upload By taekoミミの弟、ふーは4歳。1歳半健診のときは、発達に関してなど特に何も言われませんでした。しかし兄のミミにASDがあるので、ふーも同じ可能性があるかも知れないと思い私は保健所の方に「少しでも息子に気になる所があったら教えて欲しい」と伝えました。すると半年後にフォロー健診をしてもらえることに。そのフォロー健診でも特に問題はない、とのことでした。ふーは保育園では帽子をかぶることを嫌がったり、冬の散歩時に上着を嫌がるというところがありましたが、ひとまず安心しました。ほかのふーの様子というと……、コロナ禍では3歳以上はマスクの着用を求められることが多いですが、頑なに嫌がるところがあります。電車内ではしぶしぶつけるけど、マスクから鼻が出ています。4歳になった今もオムツ。指しゃぶりとタオルは乳児のときから手離せません。でも、小学生になるまでには落ち着けばいいかなと思い、私自身はそれほど深刻に考えてはいませんでした。ある日、保育園の先生にUpload By taekoそんなある日、保育園の先生から療育をすすめられました。ふーの発達に関して、あまり悩んだり困ったりはしていなかったので、療育をすすめられたときは正直ショックでした。この子のどこが気になるの?? 兄のミミが保育園のころと比べたら、ふーは神さまにしか見えないほどに手のかからない子! お迎えに行くと笑顔で駆け寄って来てくれる!! ミミはお迎えに行っても帰るまでに30分かかることがしょっちゅうだったから、すぐ保育園から帰れるふーのことが信じられない! こんな仏さまのような子! いつも笑ってミミと遊び、ミミもふーの反応がうれしくて喜ぶ、とても良いきょうだい関係!こんなに手のかからないおだやかな子どもがいるのかと、私は毎日感動しているほどです。それなのにどこが気になるの? ほかの子どもはもっともっと育てやすいの?!(でも……、ふーはミミと比べて大人しくおだやかだけど、本人は帽子やマスク、上着と戦っているのかも…)と、私自身を落ち着かせ、善は急げと、1ヶ月半後に療育の面談を予約しました。面談の結果、療育が必要になったら仕事を休む口実ができたと喜ぼうと思っています。Upload By taeko私は子どものことについては、わが子の二人のことしかよく知りません。保育園の先生は何年もたくさんの子どもを見ているから、先生の指摘は適切なのだと思います。ふーに何が必要なのか、できるだけ早く見つけてあげたいと思っています。Upload By taeko執筆/taeko(監修:鈴木先生より)私の外来に初診する患者さんには二通りのケースあります。自分自身や保護者が困っていて受診するケース、もう一方は自分自身や保護者は困っていないが園や担任など周りが困っていて受診をすすめられ受診するケースです。前者は、お子さんや保護者の困難を改善・対処したいという意思があるので通院を継続し治療にも同意されるケースが多いのですが、後者の場合は神経発達症(発達障害)がある可能性を否定されたいという思いで受診する保護者もおり、診断をしたあと、通院が途切れてしまうというケースもあります。今回、taekoさんが保育園の先生からの指摘を受け入れ、早期療育につながったというのはとてもよかったと思います。1歳半児健診や3歳児健診で異常がないからと言っても神経発達症(発達障害)の可能性がないとは言い切れません。また、母子手帳の「子育てに困っていますか?」という質問項目で「いいえ」以外に〇をつけても適切にフォローされているケースはまだまだ少ないという現状があります。担当の医師や保健師が少しでも保護者の話に耳を傾けてくれれば、早期介入が可能となるケースも後を絶ちません。今回は保育園の先生の知識と経験により早期に指摘されたことで療育につながったラッキーなケースだと思います。今の日本の健診システムにおいて、診察では主に身体における発達を診ることが多く、心における発達まで診られることが少ない現状なのです。保育園の先生もtaekoさんに言うまでは、言っていいのかどうか悩んでいたのではないかと思います。しかし、今回お子さんの発達に関する現状を適切に伝えられたという背景には、園長先生の理解や園の環境のよさもあるのではないかと思いました。
2022年02月12日こんにちは。整理収納アドバイザーの佐々木奈美です。この度、連載を新しいタイトルでスタートする運びとなりました。暮らしの中は取捨選択の連続。家事をしている最中にも、お買い物から帰ってきてからも、暮らしの節々には“捨てる”と“残す”の選択を迫られるシーンがたくさんありますよね。この取捨選択が滞ると、暮らしはモノで溢れ、シンプルライフから遠ざかってしまいます。お片付けをする時も、引き算から始まります。モノを減らした方が、選択肢が減り、確実に家事の負担を減らすことができるからです。この連載は、そんな暮らしに必要な引き算の力を鍛えていける場なるよう綴っていきたいと思っております。たくさんの方にご活用いただければうれしいです。パッケージを脱ぎ捨てる。お買い物をしてモノを家に持ち帰った時が、引き算スキルを磨くチャンス。お店に陳列された商品は、ほとんどの商品が丁寧にパッケージに包まれた状態ですよね。パッケージを纏ったモノは、家に持ち入るとなんだかよそよそしい気がしませんか?だから、そのパッケージを家に持ち入ったタイミングですぐに剥がします。そうすると、わが家の仲間になったような気持ちになり、そのモノのおうち(=収納場所)を与えてあげたくなります。同じカテゴリーの収納場所に仲間入りさせてあげたくなったり、ポンとその辺に適当に放置するのではなく、きちんと片付けてあげたくなったりするのです。パッケージを剥がすことが、わが家に迎える儀式のようなイメージ。この家と外との線引きが、むやみにモノを買わないことにも繋がってきます。それに、このご時世、たくさんの人の手に触れたものをそのまま収めるより、パッケージを脱がせて収めた方が衛生的ですよね。パッケージを脱がせたモノは、かさばらないので、収納や管理がしやすいというメリットもあります。だから、すぐに使わないものでも、パッケージを脱ぎ捨てる。この習慣を身に付けていくと、「いつまでも使わずに取って置く」ということが減り、モノがモノとして働き始める良い循環も生まれますよ。モノを箱入り娘にしないこと。きちんとした箱に収められて売られているモノもありますよね。例えば、子供のおもちゃや、ホットサンドメーカーなどのかわいいキッチン用品も、かわいい箱に詰められていて、なんとなく捨てづらいもの。でもその箱に詰めたまま収めてしまうと、せっかく買ったモノを活躍しづらい状態にさせてしまっています。モノはいつでも使いたい時に手に取れるようにして置けば、活躍の場が広がります。かわいいからと言って、箱に詰めたままにしておくと、輝く場を失ってしまうのは勿体ないと思いませんか?商品に貼られたシールはデザインのノイズ。商品を買って使おうとした時に、必ず取り除いて使ってほしいのが、商品の説明書きシール。大切な情報で必要な人もいるかもしれないけど、私にとっては必要のないもの。生活家電などに貼ってある警告シールなども、一度読めば頭の中にインプットされる情報なので、自己責任で使う時にシールをきれいに剥がします。(※家族のために必要な情報だと思うものは、剥がしません。)シールを剥がすと表面がフラットになり、凹凸部分の汚れの付着も防げますし、拭き掃除もラクチン。シールを剥がすとデザインがこんなにスッキリ見違えます。せっかくスタイリッシュなデザインの商品を選んで家に招いているのに、商品説明のシールがたくさん貼られたままでは、せっかくのデザインの価値を落としてしまい、もったいないと思うのです。商品シールは、デザインされたものに後付けされたもの。使う人が安全に使えるようにと貼られた心遣いのシールなので、お心遣いをそっと受け止め、使う人が剥がすのです。家にモノを迎えたら、まず引き算。すると自然にモノが家にスッとなじんでいきますよ。 nami sasaki整理収納アドバイザー。夫と三兄弟と5人暮らし。毎日の暮らしを楽しむ工夫探しが好き。収納で暮らしを心地よく。
2022年01月24日おうちで手軽にできる方法が、療育あそびを気長に続けられるコツこんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回のコラムは、おうちでできる親子あそび・療育あそびのうち、特に、指先などの感覚を育てるのに役立つ、寒い冬にオススメの手軽で楽しい手探りあそびをご紹介しますね。うちの子たちが幼かったころは、身近に頻繁に通いやすい療育施設などがなかったこともあり、私は独学で「感覚統合」に関する書籍等を参考に(※)、子どもの興味・関心や、親の都合やライフスタイル、住宅事情などに合わせて、家庭でできる療育あそびを無理なくできる範囲で取り組みやすいようにアレンジし、手軽に楽しみながらできる工夫を試行錯誤して気長に続けてきました。おかげで、「発達障害」の診断のある子もない子も、いつの間にかできることが増えたり、落ち着きやすくなったり、学校で得意分野での実力が発揮しやすくなったりして、総合的な適応力が次第に高まっていったように思います。ただし、うちの経験上、「療育」というのは、そんなにすぐに結果がでるようなものではないように思います。そして、親のほうも毎日慌ただしい中で、まとまった時間を療育のために確保するのは負担やプレッシャーに感じてしまうこともあるでしょう。ですから、療育は日常生活の延長線上に、自然な形で「あそび」として組み込んでしまうのが、親子で負担なく、長期間根気よく、楽しみながら続けられるコツだと思っています。ちなみに、うちの「療育あそび」の実践モットーは、「さり気なく」「ついでに」「いつの間にか」なので、3人の子どもたちは「療育されている」ということに、全く気づいていませんでした。……とはいえ、実は「療育」は、そんなに特別なことではありません。私自身は、「世の中の大半のあそびは、何かしらの療育になっている」と考えているほどですが、家庭で実践する際の2大ポイントは、・興味の幅の狭い子に「楽しみながらいろんな動きを継続的に経験させていくこと」・子どもがあそびに興味を持ったら「できるだけ気長につき合って(または見守って)あげること」でした。(※参考書籍:『感覚統合をいかし適応力を育てよう1.発達障害の子の感覚遊び・運動遊び』監修・木村順/講談社、『発達障害のある子どもの運動と感覚遊びを根気よくサポートする!』監修・木村順/日東書院、ほか多数)触覚過敏のある子や不器用な子には、手探りあそびがオススメ!では、うちで実際にやってきたたくさんの療育あそびのアイデアのうち、今回は「手探りあそび」をピックアップ。手探りあそびは、どんな子にとっても楽しいあそびだと思いますが、特に、肌が敏感で触るのが苦手な素材がある子や、手先が不器用でおはしやコンパスがうまく使えない子などにオススメです。うちの次男も、小さなころは、本当は工作が大好きなのにのりや絵の具が触れませんでしたが、(このあそびだけで全てが緩和・改善したわけではないものの)いつの間にか、触れても大丈夫になったものが増えたように思います。では、毎日の日常生活の延長線上で手軽にできる、寒い冬にオススメな楽しい手探りあそびを紹介します。Upload By 楽々かあさんおやつタイムを「お菓子くじ」形式にするだけで、毎日楽しく手探りあそびができます。もし、おうちにケーキやお歳暮の空き箱などがあれば、簡易的な「くじ引きBOX」にリメイクするのはどうでしょう。【作り方】箱の上面を丸くくり抜いて、不透明クリアファイルなどを三角形に切って、裏側から両面テープで貼り付けるそして、個包装のアメやクッキー、おせんべいなどの小さなお菓子などを沢山入れて、「1人3個まで、取っていいよ」などとすると、自分の好きなお菓子をなんとか探り当てようと、真剣に指先の感覚を研ぎ澄ませて手探りしてくれます(欲しいものを間違って取ると泣いちゃう場合は、あとからきょうだいや親のお菓子とトレードOKにすると、ついでに交渉力もUPするのでGood!)。この「お菓子くじ」は、うちにあそびに来た子どものお友達にも大人気で、みんなで盛り上がっていました。ほかにも、ガチャガチャで集めたモンスターのミニフィギュアなど、その子が大好きなものを入れて、どのキャラクターか手探り当てっこゲームをしたり、スーパーボールなどを詰めて、その中から小さな人形をレスキューごっこしたりと、「くじ引きBOX」を1回作っておくと、子ども自身のアイデアで勝手にいろんなあそびに発展していくことも。また、「工作は苦手」「作るのが面倒」という方は、巾着袋やナップザックなどでも同様のことができます。それから、たとえば荷物で両手がふさがっているときなどに、「ママのポケットから、カギを取ってくれない?」など、日常生活の中で、ちょっとした手探りを促す声かけを意識してみるだけでも、いつかはチリも積もれば山となるかもしれません。小さなお子さんとのお風呂タイムも、不透明の入浴剤などを入れるだけで、手探りあそびがついでにできてしまいます。ただし、感覚が敏感な場合には、ニオイや色、素材などに抵抗感がないものを選んでいただければと思います。水の中が見えないとお子さんが不安になる場合は、最初は半透明の入浴剤から始めて、ゆっくり慣らしていくといいでしょう。そして例えば、うちでは……・お風呂の中に沈んでいったおもちゃや石鹸などを、手探りでつかまえる・指などを動かして、水中かくれんぼ(ときどき、水面からチラッと見せると盛り上がるかも)……などを、親・きょうだい同士でときどきやっていました。最近は、いろんな種類のバスボム・バスボールも市販されていて、中に小さなおもちゃやマスコットの入ったものや、カラフルなもの、泡がいっぱいでるものなどもありますし、簡単にできる手作りキットなどもあるので、お風呂があんまり好きじゃないお子さんも、あそんでいるうちに、ゆっくり湯船で体の芯まで温まることができるかもしれませんね。また、お風呂ついでにできる、「なーんて書いた?」と、背中に文字を書いて当てるクイズや、いろんな素材で身体を洗ってみることなども、触覚の過敏さを緩和し、ボディイメージを育ててくれるようです。ただし、もし、お子さんが、こういった触れ合いあそびに抵抗感があったり、刺激が強過ぎてしまう場合には、無理のないところからで構いません。最初は「パパの背中に落書きしていいよ」などと、お子さんのほうから自分のタイミングで触ってもらい、あそび自体に慣れてから、目で確認できる手のひらなど、大丈夫な場所からゆっくり始めたり、服を着ているときにちょっとだけトライしてみるのもテだと思います。日本の冬といえば、コタツとお茶とみかん、ですよね。コタツの中は、闇鍋のようなブラックボックスの空間となっているので、ぬくぬくタイムのついでのついでに、指先だけでなく、全身でちょっとした感覚あそびをするのにうってつけではないでしょうか。例えば、うちでは……・足の指先で、子どもにちょんと触れて「だれの足かな〜?」「これは、〇〇ちゃんのどこだろね?」と当てっこ・「はい、みかん、受け取って」などと、コタツの下をくぐらせて、手探りでものを渡す・足の裏などをこちょこちょする、くすぐり遊び(刺激を強く感じる場合は、くつ下をはいてる時から慣らすとGood!)……などと、ちょっとしたあそびのヒントやきっかけを与えると、今度は子どものほうから、いろんな方法でタッチングクイズのアイデアを次々と考えてくれました。とはいえ、昨今コタツのないご家庭も多いでしょうし、見えないことへの不安感が強いお子さんなどは「コタツに入るのが怖い」という場合もあるでしょう。そんなときは、使い慣れた毛布やひざ掛けなどを使っても同様のことができるので、無理のない範囲で、ちょっとしたスキマ時間に「ついでに」「楽しく」、タッチングクイズのチャンスを見つけていくといいと思います。現在は、子ども達もすっかり大きくなって、家族みんなでコタツに入ると足を伸ばすスキマもなくなってしまいましたが、今でも毎年コタツを出すと「ワクワク感」があるようなので、小さなころの楽しいコタツあそびの思い出が記憶に根づいているのかもしれません。おうちでの療育あそびは、子どもが笑えばOK!感覚過敏の中でも、特に触覚過敏の問題は、親子の愛着関係や周りへの興味などの発達にも影響があるようなので、私はうちの子たちの発達面の課題の中でも優先順位を高くして、家庭でできるときにできる範囲で、手軽な感覚あそびを続けてきました。また、療育あそび以外にも、日頃から日常生活の中で、自然な流れでちょっとしたタッチやスキンシップをキモチ多めに取るようにも意識してきました。触覚の過敏さが少しでも緩和されると、子どもが落ち着きやすくなり、お世話もラクになるので、子育ての上でもメリットが多かったように思います。ただし、療育はなかなか結果が出ないと不安や焦りが強くなりますし、子どももプレッシャーを感じ取ってしまうと、どんなに良い方法でも、主体的に気長に続けられなくなってしまうかもしれません。ですから、親のほうも「トレーニングしなくては!」「改善しなくては!」などと気負わずに、家庭での療育は、あそびの延長として、「子どもが笑ったら効果あり!」くらいの気持ちでいると、たとえお子さんが期待通りに取り組めなかった場合でも、気長に続けられるのではないでしょうか。そして、温かいイメージと一緒に刻んだ、毎日の生活の中での親子のちょっとしたふれあいの思い出は、子どもが成長して少々取り扱いが難しい時期になってからも、その子の心や親子関係の根っこを支えてくれるのだと、私は最近よく実感するようになりました。たとえスグに結果がでなくても、あれこれと親がやってみたことは、ちゃんとお子さんの成長の栄養になっていますからね。文:大場美鈴(楽々かあさん)(監修・井上先生より)大場さんの書いておられるように、触覚あそびの中でのアタッチメントは親子の関係性を深めるのに有効なやり方だと思います。 療育やトレーニングは、自然なあそびのなかに入れ込んで行えることもたくさんあります。ソーシャルスキルトレーニングなどで行うロールプレイなども、日常生活の中で自然な形で機会をつくることができます。日常生活の中での機会設定は、般化しやすいというメリットもあります。わが家では、子どもが小さいころは「宝探しゲーム」をよく行っていました。絵や文章を手掛かりにおもちゃを探すゲームです。ヒントの出し方によっては概念理解も進む(例えば、「れいぞうこの下」という空間概念など)あそびです。子どももわくわくしながら一緒にあそんでいましたよ。(新型コロナ等の影響で)家から出られないときの遊びとしてもお勧めです。大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2022年01月24日集団生活で自分のペースを保つことが難しいPは…Upload By みん自閉スペクトラム症のあるPが療育園に入園したのは、年少のときです。療育園に入園してからは、毎日長時間クラスの集団の中で過ごすことになりました。クラスが騒がしかったとき、お友だちとおもちゃの貸し借りが上手くいかなかったとき、自分のペースを保てなかったときなどに、癇癪とパニックを起こすようになってしまったP。長時間泣き喚き、自傷や他害の様子も見られるようになってしまいました。私は先生からその話を聞き、母子通園が終わって園で離れて過ごすPに対して、どのように対応してあげたら良いのかと悩んでいました。集団の中で過ごすことがパニックにつながっているのは分かっていましたが、療育園自体は毎日行きしぶりもなく、楽しく通っていたので園を休んでしまうのは根本的な解決策にはならないと思っていました。その後、私はクラスでのPの様子が心配で療育園へ見学に行きました。すると教室の隅に子ども1人が座って入れるくらいのサイズの段ボール箱がちょこんと置かれていました。数日前に先生から「P君がクールダウンできるように、P君専用の箱を作って置かせてもらっています」と電話で聞いていたので、私はそれがPのための箱だと一目で分かりました。安全地帯を作ってもらい、どのような場面でどのように活用していたのか?そして自由遊びの時間、クラス全体が笑い声や泣き声で騒がしくなり、自分のペースを保つことが難しそうだったPは、何かに怒った様子で突然走り出してしまいました。「あぁ…こんな風に気持ちが乱れて不安定になってしまうのか」と思って見ていると、Pの走った先にはあの段ボール箱がありました。Pはその箱の中に一直線。すっぽり入って、自分の服をかみながら落ち着こうとしている様子でした。先生が用意してくれた段ボール箱の中は、Pが好きな色で塗ってあり、好きなキャラクターの絵やシールなども四方に貼られていました。そしておもちゃやぬいぐるみなどもたくさん入っていました。そのような空間で1人で過ごしていたPは、徐々に落ち着き始め、自分だけの力でクールダウンすることができていました。箱の外側にはPのマークも貼ってあったので、「Pの箱」であることをクラスのお友達も理解してくれているようでした。Upload By みん一時的に避難することで、自分でクールダウンができるようになってからは…教室に置かれた一時的な避難場所となる段ボール。ここに入ることで、クラスのみんなと過ごす空間を完全に別にすることなく、同じ空間にいながらも自分のペースを保ち、安心することができていたようです。そんなPでしたが、少しずつクラスの雰囲気にも慣れ、段ボールに入る回数も減って集団で過ごせるようになり、段ボールは徐々に必要なくなりました。そして新年度、新しいクラスになったときには慣れるまでの間段ボールを教室に置いてくれたりもしましたが、何回か箱の中に入ったくらいでした。そのうちほかのお友達と一緒に箱に入って遊ぶようになり、いつの間にかそれは「みんなのスペース」となっていき、P専用の避難所としての箱はもう必要なくなっていました。このような一時避難所的な安全地帯がなぜPに必要で有効だったのか?を私なりに考えてみました。音や視覚の刺激が強い自閉スペクトラム症のPは、集団生活に慣れるまでに時間がかかります。予測できないお友達の声や行動に想像以上にストレスを感じてしまうので、そのような刺激を少しでも遮断し、自分の安心できる場所を確保することで、不安や混乱を減らし、少しずつクラスの雰囲気にも慣れることができたのかな?と思いました。ですが、いつでも避難できるようにするのではなく、先生たちはみんなで一緒に決まった活動をするときや給食のときなどは教室に箱を置きませんでした。クラスで活動するときはちゃんと活動させ、箱に入れるのはあくまでも自由遊びの時間限定というルールでメリハリをつけて使うようにしてくれていました。Upload By みん自閉スペクトラム症のある子にとっての環境配慮の大切さを実感もしそれらの知識のない人が、1人で箱に入っているPを見たら、「閉じ込められてる」「特別扱い」 などと誤解されてしまう場合もあるかもしれません。でも決して誰かに無理やり入らされているわけではなく、本人が必要だと思ったときに自分の意思で入っていました。個々の性格や特性にもよるとは思いますが、自閉スペクトラム症のある子にとって「クールダウンできる環境」をつくってあげるのは、とても大切な配慮であることを理解してもらえたら嬉しいなと思います。執筆/みん(監修:三木先生より)クールダウンできる場所や方法があると思えるだけで、その場にいる安心感がかなり違ってきますよね。箱の準備も素敵ですが、運用にメリハリをつけてくれたのは先生の素晴らしい工夫ですね。
2021年12月06日株式会社AP Signatureは、20歳の自閉症アーティストGAKUがクラウドファンディングで実施したプロジェクトを見事成立させ、自身初となる画集「byGAKU-20(Twenty)」を、2021年12月3日に発売することをお知らせします。過去3年間で描き上げた600点もの作品の中から、人気の作品を厳選した、SDGsアートの最前線で活躍する20歳になったGAKUの記念画集です。自閉症であるGAKUが成し遂げたことは、障害の有無に関わらず、「すべての人の可能性」に新たな光を与えてくれたと思います。【URL】GAKUの近況報告はこちらをご覧ください。「byGAKU」 記念画集プロジェクトのクラウドファンディング クラファン■プロジェクト概要「byGAKU-20」自閉症アーティストの記念画集プロジェクト実施期間:2021年7月1日~8月30日支援者 :220人支援総額:11,940,000円(目標金額:2,500,000円)■いま、画集を出した想い自閉症アーティストとしてSDGsアートの最前線で活躍するGAKU。重度の自閉症・知的障害を持ち、言語能力は幼児程度です。そんなGAKUが16歳の時に奇跡の扉を自ら開きます。遠足の時に岡本太郎の絵に出会った翌日から突然絵を描きはじめ、今では年間200以上の作品を生み出すまでになりました。そこで、これまで彼を支え応援してくださった皆さんへの感謝の気持ちを込めて、20歳の節目にこれまでのGAKUの歩んできた形跡を、一冊の本にまとめたいと思いました。同時に、この画集は将来の創作活動へ向けたGAKU自身の「宣言」となります。■商品情報定価 :15,000円(税込)発売日 :2021年12月3日(金)入手方法:「byGAKU」 より購入可能。画集1画集2■参考情報:画集「byGAKU-20(Twenty)」の概要過去3年間に生み出してきた600点以上の作品の中から、人気の作品を厳選した、SDGsアートの最前線で活躍する20歳になったGAKUの記念画集です。多くのアーティストやクリエーターが絶賛する抽象画シリーズを含め、皆さんから要望の高かった動物シリーズも充実しています。さらに今回の画集本には、最前線で活躍しているフォトグラファー6名に撮影をお願いし、GAKUが初めてモデルとなって撮っていただいた写真を掲載。彼自身の作品とモデルGAKUのコラボによる楽しい写真にご期待ください。●飯田かずな Iida Kazunaベストセラーとなった『ブスの瞳に恋してる』本のカバーで有名なフォトグラファー。思わず笑顔が溢れるポップでキュートなGAKUをお届けします。 GAKU(撮影:飯田かずな Iida Kazuna)●猪原悠 Inohara Yu3年前からGAKUのポートレートをお願いしているファッションフォトグラファー。繊細な雰囲気が魅力的です。 GAKU(撮影:猪原悠 Inohara Yu)●遠藤アスミ Endo Asumi撮影現場ではK-Popから飛び出してきたようなGAKUがいました。20歳のピュアな姿から少し背伸びをしたGAKUまで。 GAKU(撮影:遠藤アスミ Endo Asumi)●田口まき Taguchi Maki少女マンガの一コマのようなメルヘンチックなGAKU。淡い色彩の優しいタッチでの表現は見ているだけで心が和みます。 GAKU(撮影:田口まき Taguchi Maki)●宮川舞子 Miyagawa Maiko様々な演劇や舞台の撮影をしているフォトグラファー。ポップでちょっとパンクなGAKUにチャレンジ。 GAKU(撮影:宮川舞子 Miyagawa Maiko)●宮原夢画 Miyahara Muga数多くの有名な広告を手掛けているフォトグラファー。大人の品格をも感じさせるクールでスタイリッシなGAKUを見事に表現。 GAKU(撮影:宮原夢画 Miyahara Muga) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月22日学習障害(LD)/ 限局性学習障害・限局性学習症(SLD(Specific Learning Disorders))の治療法・療育法Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン学習障害って治療できるの?治療と聞くと薬物治療を思い浮かべる方もいますが、今のところ手術や薬物などで医学的な方法による根本的な治療法はありません。学習障害における治療とは子どもの将来を広げるための手助けのようなものです。学習障害のある人は多くの場合、教育面・生活面での環境調整や療育といった支援で困難さが軽減されます。学習障害のある人は脳機能の偏りのため特有の見え方・感じ方をしており、生活上や学習上、努力だけで乗り越えづらい困難があります。そのため日々過ごしていく上で、周りからのサポートが必要になってきます。まずは学校や地域の専門機関などの力を借りて専門家チームの検査・評価のもと、子どもの特性を理解しましょう。※現在は「限局性学習症」という診断名となっていますが、一般的には最新版DSM-5以前の診断名である「学習障害」と呼ばれることが多くあるため、ここでは学習障害と表記します。学習障害なのではと感じたらどこへ相談すればいい?専門機関とは子どもの場合、発達障害者支援センター、児童発達支援センター、児童発達支援事業所などを指します。大人の場合は発達障害者支援センター、障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所へ行ってみましょう。まずは身近な相談できる専門機関に行ってみて、障害の疑いがある場合には専門医を紹介してもらうこともできます。また、家庭での対応も重要となります。子どもへの接し方は、子どものやる気や達成感を養い、うつ病や引きこもりなどのいわゆる二次障害を防ぐ上で大切な役割を担います。学習障害の発見が遅くなったり、誤った障害の理解により「自分は何をやってもできない」と子どもが思い込んでしまうことが原因となり、勉強意欲の低下、不登校などの二次障害と総称される症状や状態を引き起こしてしまう可能性も少なくありません。やる気、達成感を育てることは学習障害の子どもにとって最良の対応法といえるでしょう。学習障害の治療の判断基準は?いつから始めるべきなの?学習障害は知的発達に遅れがみられないことから、発見が難しくなります。そのため、実際に読み書きや算数などの学習が開始される小学校入学後に気づくケースが多くなっています。また英語だけに現れる学習障害の場合もあり、中学進学後に分かることもあります。このように特性のタイプや障害の程度によって症状に気づく時期が異なります。どのような症状があれば治療を行うべきなの?文部科学省の定義によると、学習障害(LD)とは、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうちいずれかまたは複数のものの習得・使用に著しい困難を示す発達障害のことです。医学的な診断基準とされるDSMでは「学習障害(LD)」とされていましたが、最新版のDSM-5では、診断名が変更され、現在は「限局性学習障害/限局性学習症(SLD)」になっています。限局性学習障害の定義では障害内容は「読み」「書き」「計算」の3つに限定されます。このように読みに困難さがある人もいれば、読むことはできても、書くことに困難さがある人もいます。「学習障害」の状態や特性の現れ方は人によって異なります。子ども本人が学習に困難を感じていたり、同年齢の子どもと比べて著しく習得に遅れが見られるなど、子どもの様子から学習障害があるかもしれないと感じた場合は、まず学校や発達障害者支援センター、児童発達支援センター、児童発達支援事業所などで相談してみましょう。その後、専門家の検査により学習障害と判断されてから治療を行うのが一般的ではありますが、医師による診断がつかなかった場合や検査を受ける前であっても、その子に合った環境を整え、学習方法を見つけてあげることが大切です。治療を始める年齢は何歳?治療を終える判断基準は?学習障害があることに気づいたら、すぐにその子にあったサポートを進めることが望ましいです。学習障害にはいくつかタイプがあり、さらに一人ひとり、学習に得意不得意の偏りがあります。また、その人の現在の年齢によっても学ぶ内容は変わってきます。そのため、一人ひとりに適している治療や支援方法は異なると考えることができます。同様に、治療を終える判断もそれぞれです。通常学級で勉強をしながら、理解できなかった部分だけ通級指導教室で個別に指導を受ける方法もあります。学習障害の治療法・療育法早期発見・早期療育が望ましいとされる学習障害ですが、一体どのような治療法、療育法があるのでしょうか。今回はその方法についてご紹介していきます。◆学習障害の療育方法療育とは、社会的な自立をめざしてスキルを習得したり、環境を整えるアプローチのことです。このような療育は、発達障害を専門とする病院や公立・民間の児童発達支援事業所などで行われています。学習障害はその子の認知特性や苦手な部分によって、それぞれ直面する困難や課題が変わってきます。そのため、その子の特性に合わせた学習方法を獲得することが目的となります。療育法にはさまざまなものがありますが、学習障害の療育で最も大切なのは、その人に合った学び方や環境をつくることで、その人が困難を感じている分野に対する苦手意識を解消することです。苦手意識を持ってしまうと、その分野の学習に対して取り組む意欲がなくなり、困難は改善されないまま育ってしまいます。そのため、一人ひとりの子どもの成長速度や学び方に合わせて、できるだけ成功体験を増やしてあげることが大切です。つまり、子ども自身が「これなら学びやすい・学ぶことができる」という方法を探すということです。学校や療育施設などと連携し、学習方法を変えたり、環境を整えたりといった工夫を組み合わせ、さまざまな方法を試しながら、その子に合った学習方法を探していきます。・その子にあった覚え方や学び方を工夫する…クイズにして覚える、漢字のパーツを分けてパズルを作るなど・環境的な配慮をする…プリントはゴシック文字を使う、文字の色を変えるなど・代替手段を使用する…タブレットの音声読み上げ機能を使う、計算機を使うなど言葉や社会性など、それぞれの能力を習得する時期に近い段階で早期に療育を開始することで、障害による困難さが軽減されやすくなると考えられています。一般的に年齢が低い段階で、その子にあった療育を始めると、その後の社会適応力も高くなるといわれています。イラスト/かなしろにゃんこ。
2021年11月06日福祉施設にて療育施設の相談Upload By まる保育園の先生から発達が気になると聞いてから、保健師さんと面談し、福祉センターでの面談をすすめられた。このとき、息子は2歳5ヶ月。療育に通わせるぞ!と気合いは人一倍あるものの、私はまったくの素人。そもそも療育てどんなところなの?どこにあるの?この地域に何ヶ所くらいあるの?何をするの?時間帯は?などあげだしたらキリがない。何から何まで分からない状態だった。福祉センターで担当になってくれた心理士の先生との面談で息子の動きや反応を見てもらい、家から通えそうな範囲でおすすめの療育施設を4ヶ所ほど教えてもらった。施設によって運営時間、設備、内容がさまざま。どこに通っても同じなんだろうと思っていた私には衝撃だった。各療育には「福祉センターからの紹介で~」と自分で見学予約を取る。本当は短い期間で一気に見学予約をとりたかったが、療育先の都合と自身の仕事もあるため週に1ヶ所ずつ、1ヶ月かけて吟味することにした。見学に行ったところで実際通わないと分からないし…と保育園は1ヶ所も見学しなかったくせに、今回は気合いが違う。これからの息子の未来を託す重要な選択だと大いに意気込んでいた。早く通わせたいけど、息子にも自分にも納得できるところに通いたいからしっかりと見学はしよう、焦る気持ちを抑えつつ予定を組んだ。1つ目の療育施設Upload By まる1つ目の療育施設は家から電車で数駅先、駅から少し遠い場所にあり駐車場はない。親子通園で、1回1時間の個人授業だった。施設長と息子を含め面談。息子の普段の様子や気になることを話す面談の途中途中で動き回る息子の相手をしてくれたり、息子がした行動に対してどのように対応するのがいいかなどじっくり話してくれた。面談のみで実際の授業の様子などは見ることはなく、場所の通いづらさもあり保留にした。2つ目の療育施設Upload By まる2つ目の療育施設は、運動に力を入れていると説明を受けていた。いつも車通勤しているパート先に近く距離的にもいい。なんといっても送迎バスがついていることがいい。親子通園で集団での授業、時間も午前中みっちりでお昼ご飯を食べて帰る。見学の日は授業を体験させてもらい、とてもイメージが掴みやすかった。玩具で自由に遊んだり先生と遊んだりの自由時間のあと、親も含めたリトミックや体操をする。隣の人と手を叩いて~みんなで円になって座って隣の人の背中をゴシゴシ~など「触れ合い」が多いイメージ。超絶人見知りな私は少し戸惑った。親だから頑張れたが、親じゃなかったら頑張れなかったかもしれない。園で過ごす時間が長い点が良かったのだが、利用者が多くそのときは水曜日のみしか空いておらず、ちょうど仕事が休みづらい曜日だったため保留。3つ目の療育施設Upload By まる3つ目の療育施設は、親子分離型だった。利用時間は1時間、登園したら親は別室で子どもの授業風景をモニター越しに見る。家から1番近い場所にあったのでとても気になっていた。見学時に授業体験をさせてもらった。その日は利用者が少なく、息子のほかに1人だけだった(たまたまその日が少なかっただけかも)。体験なので、親子一緒の教室で子どもの隣で授業を見学させてもらった。机に向かっての作業が多いイメージ(ぽっとん落としや絵合わせなど)だったが、先生の誘導が上手くとても印象は良かった。平均台などの体を動かす場面も多少あった。こちらは年齢で曜日を分けているらしく、息子は水、金曜日のみ利用可能とのことだった。通える曜日の選択肢が少ないことと、まだ息子が幼いため親子分離は早いかなと保留。4つ目の施設Upload By まる4つ目の療育施設が現在通っているところ。相談していた福祉センターでもおすすめされていた。歴史もありそうで、親子登園で集団での授業。1番遠い施設だったのだが送迎バスがある。午前中みっちり利用でき、4ヶ所見学に行った中で1番広く利用者も先生も人数が多い。年齢や障害の状況によって教室が5つに分かれていた。見学の日は授業体験はなく別室で面談と施設の案内、各教室へ周り授業の風景を見せてもらった。新しくはないが、施設が広いため職員数も多い。お祭りなどのイベントがあること(現在はコロナ禍で中止)、たまに来るSTやOTの先生に相談できる機会や進路相談会などがあること、利用したい曜日が選べることが分かった。後日すぐにこちらを利用したいことを連絡した。施設見学を終えて…Upload By まる私は影響を受けやすい、何も分かっていないからなおさらだった。どこの施設もいいところがあり、各施設に見学に行く度に「ここいいなぁ!ここにしようかな!」と毎回本気で考えていた。どこの施設にも共通していたのは「利用は午前中の時間帯」ということ。私はあわよくば夕方に療育を設定して、それまでは保育園に預けて働こうとしていたのだ。発達障害のある子を育てる、療育に通うということはそんなに甘くないんだなぁとこのときに初めて実感したかもしれない。最後の所に決めた理由は、「ここが1番いろいろな繋がりがもてそうな気がする」と思ったから。先生が多く、発達に関する知識や進路に関する情報などを得やすそうだし、滞在時間が長いので相談する時間をもらいやすい気がした。また、利用者が1番多く、いろいろなタイプの子どもを日々見ている点にも惹かれた。あとは親の勘。結果、とてもいい先生やお友達に出会い、毎回楽しく通うことができている。執筆/まる(監修:初川先生より)療育機関を決めるまでの臨場感あふれるプロセスを共有いただき、ありがとうございます。一口に療育といっても、狙いやアプローチ、そして理想としていることと実際のありようがさまざまですね。「ここ!」とピンと来て決められたのは、理屈より先に決断できるほど良さを感じ取られたということかもしれませんね。療育時間が午前中であることについて言えば、低年齢の子どもにとって午前中のコンディションの良さはなかなかです。学び・活動に適したコンディションで療育に取り組めるには良い時間帯ではあると思います(とはいえ、お仕事との兼ね合いは難しくなってしまうのですが…)。良いコンディションのときに、よき介入によって、褒められ認められ、達成感・楽しいという良い循環が回っていることと思います。
2021年10月29日1歳から親子通園の集団療育園へUpload By koto(コトコト子)最初に入ったのは、親子通園の集団療育園でした。当時まだ1歳に満たなかった娘は診断前で、周りに娘と同じような特性のある子もいなかったため情報も少なく、自分でネットで検索して唯一通えそうだと分かった園でした。直接園に電話をして見学に行き、手続きについても自治体に問い合わせして、自分で動きました。その園は、当時定員が一杯で少し待つことになりましたが、結果的に私たち親子に合っていると思えたので、空き待ちをしてでも行ってよかったです。親子通園で感じたメリットは、親も一緒に通うことで子どもの安心感につながること。集団の中での子どもの様子がよく分かること。保護者も、同じような気持ちで通っている人たちと繋がりができるため、心強く感じられたこと。そして、先生たちの子どもへの関わり方を毎回目にすることで、さまざまな特性を持っている子への対応の仕方を学べるため、家でも応用できるようになることです。園での活動中に先生に相談ができ、情報交換の場にもなるので、右も左も分からなかった当時の私にとっては一つ目の園が親子通園の集団療育園でよかったと思います。3歳から単独通園の集団療育園へUpload By koto(コトコト子)2年後に、違う集団療育に入りました。今度は、親子通園ではなく、娘一人で通う単独通園のところにしました。園選びについては、まず、曜日・時間、場所、送迎の有無など希望する条件でいくつかに絞りました。その中で見学に行ったときの園の雰囲気や、在園児たちの様子で決めました。このころには娘は3歳になっていたので、かなり選択肢が広がり、複数の園の中から選ぶことができました。在園児たちの様子を見ることは、個人的にとても大事にしました。ポイントは、娘は同年代の子どもにも興味を示すようになっていたため、その集団に入っても楽しめそうかどうか。そして、療育園ならではの自由な雰囲気も重要視しました。療育園といっても本当にさまざまなので、幼稚園や保育園を選ぶように、慎重に選ぶ必要があると思います。幸い、私が住んでいる自治体には、複数の集団療育園があったので恵まれていたと思いますが、それでも空きがなくなるところもあるので、早めに動くことが大事です。実際に娘が通った二つの集団療育園は、どちらも空き待ちをしたので、動くのが遅れると希望の園に入れる可能性がとても低くなってしまうのではないかと思います。集団療育園に通わせて感じたメリットUpload By koto(コトコト子)単独通園の集団療育園でも、さまざまなメリットを感じています。まず親子通園と違って親子で離れる時間ができるため、親は気力体力を蓄えたり、多動や長時間に及ぶ癇癪、睡眠障害などがある子どもと一緒にいるときにはできないさまざまなことをする時間がつくれます。また、子どもだけで遊ぶ時間は、コミュニケーションの取り方や困りごとが起きたときの対処法を、子ども自身が身につけて行く練習にもなります。特性のある子たちと過ごすことで、娘もさまざまなタイプの子と触れ合うことができて、刺激にもなったと思います。そして、何かできないことや不得意なことがあっても、そういった課題を少しでも改善するように先生たちが取り組んでくださるので、幼稚園や保育園では受けられない発達支援を受けることができます。集団療育園は、子どもの特性に合わせて無理なく集団生活を送れる場所。特性のある子たちへの対応を学ばれている先生たちと過ごすことで、子どもたちは安心して集団でのルールや過ごし方を学ぶ機会を持つことができます。振り返ってみると親子通園・単独通園ともに、親子で自分たちに合った園を選ぶことを大切にして、早いうちから通わせることができてよかったと思っています。執筆/koto(監修:井上先生より)子どもさんの発達が気になったときに、療育に通うかどうか、通うとしたらどんな所がよいかは、親としてとても悩ましいことだと思います。診断がない状態で集団療育に通える地域とそうではない地域があったり、待ちがある・ない地域があったりします。自治体によって条件はさまざまです。kotoさんが書いておられるように、親子通園型の集団療育の良いところは、ほかのお子さんの様子やほかのお子さんとの関わりの様子を親御さんが見られることです。しかし、親御さんが時間的に難しい場合などは、単独通園を選択される方も多いです。子どもさんだけでなく、親御さんにとっても通わせやすいところを見学に行くなどして、情報や口コミだけでなく実際に目で見て選ぶことが大切ですね。
2021年10月19日自閉症の子どもへの接し方のポイントは?Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン自閉症の子どもと接するときの9つのポイントを解説自閉スペクトラム症(自閉症)のある子どもとは、どのように接するといいのでしょうか。強いこだわりやコミュニケーションが苦手など、特性によるさまざまな困りごとも接し方で大きく変わります。自閉スペクトラム症のある子どもに接するときには、以下の9つのポイントに気をつけましょう。1.言葉は短く具体的に伝える長く説明されたり一度にたくさん指示されたりすると自閉スペクトラム症のある子どもは混乱してしまうことがあります。「おやつよ。座って食べてね」のように一文にいくつもの指示があると分からないこともあります。まず「座ってね」と一つ伝え、できてから「おやつを食べてね」と次の行動を伝えましょう。「うろうろしないで椅子に座って食べてね」というような言い方だと、言葉の中に『おやつを食べる』という目的が抜け落ちていたり、『うろうろ』という「座る」以外の余計な言葉が入っていることにより分かりづらくなってしまいます。指示は短く簡潔に、理解しやすい言葉で伝えましょう。2.視覚的な手段を使って説明する自閉スペクトラム症のある子どもは、耳で伝えられる情報は理解することが苦手な場合が多く、絵や写真といった視覚的な情報は理解しやすい場合が多いようです。これからする予定について、知らせるときに短く分かりやすい言葉と同時に絵や写真を提示することで、コミュニケーションが苦手な自閉スペクトラム症の子どもにとって理解しやすい環境になり、何をして欲しいのか明確に分かるようになります。予定や約束ごとなども、絵にして知らせると、理解しやすく安心できます。3.のぞましい行動をほめる自閉スペクトラム症のある子どもは相手の言葉の意図をくみ取ることが難しい場合があります。そのため「してはダメ」なことを注意するよりも、「してほしい」ことをしたときにストレートな表現でほめるほうが効果的です。うまくいったことや頑張ったことがあれば、どんな小さなことでも思い切りほめます。同じことでも何度もほめることで「よい行動」が印象づけられ、具体的に分かります。4.叱るだけでなく、して欲しいことを具体的に伝える接するときに気をつけたいのが、何かを説明するときに怒らないということです。保護者や支援者が感情的になると、伝えたい意図が伝わらなくなってしまいます。何かを伝えたいときは、『〇〇しない』という禁止だけでなく、どうして欲しいのかを具体的に短い言葉で簡潔に伝えることを心がけてください。否定的な言葉ではなく、「○○してほしい」「○○しましょう」と言い換えるようにしましょう。自閉スペクトラム症のある子どもは接し方を工夫すると、パニックを起こすことも少なくなり、本人も家族も生活を共にするのがとても楽になります。生活のパターンを掴むまでは時間がかかりますし、大変なこともいろいろあると思いますが、少しずつ問題は解決していきます。諦めずに医師に相談しアドバイスをもらいながら対処していきましょう。5.スケジュールが変わるときは事前に説明する自閉スペクトラム症の特性として、突然の変化が苦手ということがあります。いつもと違うことやスケジュールの変更は自閉スペクトラム症のある子どもにとってとても不安なことです。変更を伝えるときには、事前に絵に書いて見せるなどして説明しましょう。本人が理解でき、見通しが持てることでパニックを緩和したり減らすことができます。6.指示のタイミングを考える自閉スペクトラム症のある子どもが何か行動を始めたときに、その行動を途中でやめるように指示すると、パニックになってしまうことがあります。パニックになると落ち着くまでに時間がかかりますので、本人も周りの大人も体力を消耗してしまいます。次の行動にスムーズに移れるためには、指示のタイミングとして行動を始める前が重要です。子どもが好きな活動に取り掛かる前に、終わる時間をタイマーで示したり、終わったあとの次の行動をあらかじめ写真カードなどで知らせておくなどの工夫が考えられます。活動をする前の指示がうまくいかなかった場合には、子どもの様子を見て一通り区切りが良いところを見て指示するようにしましょう。活動をうまく切り替えることができた場合には、ほめることが大切です。7.感覚過敏に配慮する自閉スペクトラム症のある子どもは感覚過敏がある場合も多いです。特定の音や、活動、場所を嫌がったりすることもあると思います。これは単純な好き嫌いやわがままではないことがあります。感覚過敏が背景にある場合は叱ったり無理強いしても解決しません。音に敏感な場合はイヤーマフなどを使用するなど、まずは環境調整から考えていきましょう。成長するにしたがって、場面に応じてコントロールできたり 理由が分かることで、我慢できることも広がってくることも多いです。8.興味・関心のあることで不安を解消し、得意なことを増やす自閉スペクトラム症のある子どもは、何もすることがないと時間を持て余して不安定になる傾向があります。病院の待合室や電車の中などで手持無沙汰を解消できるよう、絵の描けるホワイトボードやパズルなど、好きな遊びを準備しておくと落ち着いて過ごせるかもしれません。本人に合った習いごとに取り組むなど、余暇の過ごし方を教えることも重要です。興味・関心のあるものを増やしていくことで、本人の得意なことも増やすことができます。9.困ったことがあれば子ども自身がヘルプ要請を出せるようにする自閉スペクトラム症のある子どもは自分ではうまくできず、困る場面があります。しかしコミュニケーションをとるのが苦手なことも多くあります。そこで、困ったことや、できないことがあったときに、自分でサインを出して助けを求められるようにすることがとても大切です。そもそも自閉スペクトラム症のある子どもは自分が「困っている状況」だということを本人が理解できず、パニックになったり固まってしまう場合もあります。まずは子どもに「イライラする」「どうしたらいいのかわからない」「涙が出る」など、自分の感覚や感情がどんなときに「困っている状況」なのかを教えます。そして困った状況になったら誰に助けを求めればいいかを教えます。「どうしたらいいのですか?」「分からないので教えてください」など、なんと言うかもできるだけ具体的に説明するとよいでしょう。
2021年10月18日パートナーの療育への理解Upload By taekoミミがまだ小さかったころ。好きなことには何時間も集中しているミミの姿に「こんなものかな~」と思っていた私たち親でしたが、 3歳のころ保育園から「療育」をすすめられました。初めて聞いた「療育」という言葉に戸惑う私と、「個性だから心配ない」と言うパパ。それでも、保育園の先生の言葉が気になった私は、自分なりに本やネットで調べ、ひとまず先生を信じて「療育」に通うことにしました。はじめはミミに療育は必要ないと思っていたパパでしたが、どうしても私が連れて行けないときは、頼めば連れて行ってくれました。パパは言葉にはしないけれど、私がミミのために一生懸命なのを感じてくれていたんだと思います。療育のことを知っていくと、褒めることの大切さ、「ダメ」と叱らないほうがいいことが分かってきました。例えば「コップで水を飲めたね」というような普段からミミが当たり前にできているでも、褒めることで「私はあなたを見ているよ」ということが伝わるのだと思っています。褒めること、「ダメ」と叱らないことに関して、考え方が私とは違うパパ。褒めることについて、「褒めすぎていざ社会に出たら 叱られて、つらい思いをするかもしれない」と、パパなりの考えがあるようです。ミミがやってほしくないことをする度に「ダメダメ」と叱るパパに「『こうしたら良い』と『どうしたら良い』のか例を言ったら?」と提案をしてみるけど、それもスルーされてしまいます。私は「ダメ」には隠れた言葉があり、フォローの大切さがあると感じています。パパがミミに「ダメ」というとき、パパもミミに大事なことを伝えたいと思っているのが分かります。だからパパの言葉だけだとミミに気持ちが伝わらないのではないかと感じるときは、私がミミに声を掛けてフォローするようにしています。Upload By taekoある日、おばあちゃんからカブトムシとクワガタムシをもらいました。ミミが 虫を触ってしばらく遊んでいると「それくらいにしておけ」とパパ。それでも遊んでいると語気を強めてもう一度言いました。ミミは「分かったよ」と少し悲しげ。私はミミに「パパは生き物を大事にして欲しいんだよ」と伝えました。昆虫は繊細な生き物なので、パパの考えも分かります。でも私はたくさん昆虫と遊んで、クワガタムシに指を挟まれて痛い経験をすることも大事だと思っているので、「パパには内緒だよ」と言って思う存分ミミに遊ばせました。これは私とミミだけの秘密です。怒ると子どもみたいに怒鳴ったり、黙ったりしてしまう こともあるパパだけど、ジャンケンで遊んでくれたり、お風呂に一緒に入ってその日の出来事を話したり、パパがつくったチャーハンは美味しいからミミの大好物!怒鳴ってしまうパパを私がフォローすることが多いけど、私が怒って爆発してしまったときはパパがミミに寄り添ってくれて、ミミの気持ちを代弁してくれたこともありました。パパはミミの特性を個性と捉えて、そのままのミミで受け止めてくれているんだと思います。本音を言えば、パパには普段からもっとミミの特性に合った接し方をして欲しいなという思いがありますが、ブレない意志をもつパパも「療育」についても最初のころと比べてほんの少し理解してくれているように思います。ミミとふーを育てるパートナーとしてこれからもお互いを補い合いながら子育てしていきたいと思います。Upload By taeko執筆/taeko(監修:初川先生より)お子さんの特性に合わせて、そして療育で学んだ知識を活かしながら対応に工夫されていらっしゃるのですね。お母さんにはお母さんの思いがあり、お父さんにはお父さんの思いがある。どちらもミミくんが健やかに育ってほしいと願うからこそのものです。特性に合った手立ては確かに有効ですが、それをお父さんにもやってもらうよう要請すると、お母さんからするととても労力がかかってしまいます。現在taekoさんが工夫されているように、お父さんの本意をミミくんにフォローすることで持続可能な手立て、持続可能な夫婦のパートナーシップが築けているのだと思います。知識から入るよりも、実践から入る方が得意な人もいます。お父さんがミミくんに伝わりやすい言い方を体得するうちに今後関わりがどんな風に変化するのか(しないのか)もほんのり注目してみるのもいいかもしれませんね。
2021年10月13日自閉症って医学的な治療はできるの?現在、自閉スペクトラム症(自閉症)を根本的に治す薬や手術などの医学的な治療法は開発されていないため、自閉スペクトラム症を完全に治療することはできません。しかし、療育や環境調整を通して接し方や伝え方を工夫することで、発達の促進や、日常生活における本人の困りごとを解消することができます。自閉スペクトラム症のある子がのびのびと暮らしていくためにUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン自閉スペクトラム症のある子がのびのび生活するためには、周囲の理解と協力が必要です。保護者はまず本人の性格や特性をよく理解し、過ごしやすい環境を整えましょう。周囲の人によく伝えることも大切です。幼稚園や保育園、小学校に通うようになると、コミュニケーションの困難から、自分の思いをうまく伝えられなかったり、周りから孤立してしまったりすることも考えられます。上手にコミュニケーションをはかるためにも、日頃から自分の思いをどう伝えたらよいかを個々の子どもの発達に合わせて教えていきましょう。また、こだわりとの付き合い方やパニックになったらどうしたら良いかなど、落ち着いて生活する方法を一緒に考えましょう。興味や関心の高い分野を伸ばすなど、特性や強みを生かして本人の自己肯定感を高めることも重要です。自閉スペクトラム症の治療の判断基準は?いつから始めるのがいいの?■どのような症状があれば治療を行うべきなの?自閉スペクトラム症の症状は大きくわけて二つの症状があります。一つは『社会性と対人関係・コミュニケーションの困難』、もう一つは『行動や興味の偏り』です。それぞれの症状が発達期に現れると定義されています。自閉スペクトラム症の子どもは早ければ1歳ごろから症状が出始めます。お子さんによっては3歳ごろになると「周りの子ども達と比べると話すのが遅い」「目を合わさない」などの症状が、より目立ってきます。乳幼児健診などのときに気づかれることもありますが、見過ごされてしまうこともあります。子どもの発達で気がかりなことがあれば、家庭で判断するのではなく、まず身近な相談できる専門機関や、かかりつけの医師に相談してみましょう。専門の医療機関を紹介してくれるかもしれません。できるだけ早期に症状に気づくことで支援につながり、適切な対応をすることで子どもの状態が大きく変わることがわかってきています。■療育を始める年齢は?いつまで続けるのがいいの?療育などの専門機関に通い始めるのは早いほうがよいと言われています。本人や家族がなんらかの困りごとに直面している場合、相談機関や医療機関の相談を経てできるだけ早いうちからその子に合った療育や環境調整を行うことが望ましいでしょう。自閉スペクトラム症の人は、自分が好きなことに集中することが得意な人が多くいます。子どもでも大人顔負けの知識を持っている子もいますし、大人になってから仕事などで専門性を発揮する方もいます。その子に合った環境設定を行い、早期からの支援を受けることは、得意分野を伸ばし、特性を活かす力を育むことに繋がります。上述の通り、自閉スペクトラム症そのものを根本的に治療することは困難ですので、「こうなれば療育や支援は終わり」という明確な線引はありません。しかし、年齢があがるにつれ、環境調整、その子の特性や発達段階に合わせた支援によって、サポートの内容や頻度を減らしても安定した生活を送れるようになる人もいます。自閉スペクトラム症の療育法自閉スペクトラム症の症状は、個人の性格や特性によって少しずつ違います。そのため療育では、個々に合った対応法を組み合わせた支援プログラムを受けていきます。自閉スペクトラム症の療育法にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、一般的な療育法・投薬を紹介したいと思います。自閉スペクトラム症の療育を行うときの原則療育とは医療、訓練、教育、福社などの現代の科学を総動員して障害を克服し、その児童が持つ発達能力をできるだけ有効に育て上げ、自立に向かって育成することである。自閉スペクトラム症の特性に合わせてトレーニングをしたり、環境調整をすることで、困りごとを改善したり、得意なことを伸ばしたりできるのが療育です。小さいうちから療育に通うことで、精神的・身体的機能に対してある程度の効果が表れることが多くあります。自閉スペクトラム症の療育方法にはいろいろありますが、どの療育方法に限らず大切な点は以下のとおりです。①Structure(構造化): 自閉症の人たちに周囲の環境の意味をわかりやすく整理し伝える。時間や空間、意図の視覚化をする②Positive(肯定): 子どもを肯定しほめる(自己肯定感を高める)③Empathy(共感): 自閉症の特性を深く理解し、共感する④Low arousal(低刺激): おだやかな刺激や環境にする(過激な刺激や興奮を避ける)⑤Links(連携): 地域と連携し協力するそれぞれの頭文字をとってこの原則を「SPELL」と言います。(参照:SPELL(英国自閉症協会))自閉スペクトラム症の症状への投薬治療その子に合わせた環境調整、療育をして、それでも難しい場合には投薬治療を併用することも考えられます。現時点では根本治療のための薬は開発されていませんが、自閉スペクトラム症そのものを治すための薬ではなく、衝動性・不安障害を抑える薬や、パニックを抑える薬など、自閉スペクトラム症の特性から起きる生活上の困難を緩和するために薬が処方されることがあります。そのほかにも医師によって個人に合った薬を処方されますので、信頼できる医師に困っている症状を相談し、まずは環境をうまく調整しながら、療育を行い、それだけでは改善が難しい場合服薬を併用するのが理想的と言われています。薬の服用により特性が緩和されているときには、療育や教育の効果も出やすくなるとも言われています。薬物療法は医師の指示のもと用法や用量を守って服用していかなくてはいけません。薬に頼り切って多用するのは避けましょう。その子に合った環境を設定し、療育を行うことで、困りごとの改善や得意なことを伸ばし、特性を活かすことにつながっていくでしょう。
2021年10月10日まだ低年齢だけど療育手帳は取得できるの?したほうが良いの?と悩んだ時期療育手帳は、児童相談所又は知的障害者更生相談所において、知的障害があると判定された方に交付される障害者手帳です。私は療育手帳の存在を知ってはいましたが、まずその手帳は本当にわが子にとって必要なものなのか?持つことで何のメリットとデメリットがあるのか?をPが2歳のころはまだよく分かっていませんでした。それに一度療育手帳を取得してしまうとこの先、公私ともにPを『障害がある子』として育てていくことになるんだと思っていました。自閉症があることをを確信したばかりで、医療機関でまだ診断もされていなかったころには、その勇気も覚悟もなく、知的障害の有無もよく分かっていなかったので、取得するかどうかをずっと悩んでいました。参考:障害者手帳について | 厚生労働省Upload By みんそんな時期に保健センターの心理相談員さんに療育手帳のことを相談すると、心理相談員さんは少し言葉を選びながらこのように説明してくれました。「受給者証があれば療育は受けられますし、療育手帳は必ず取得しないといけないというものでもありません。取得したとしても、周囲に取得していることを言う必要はありませんし、使う必要がなければ使わなくても良いです。それに必要がなくなれば返すことだってできます。手帳を取得するかどうかは現時点での親御さんのお考え次第だと思います。」次に私は主治医にも相談をしてみました。すると「2歳の時点ではまだ正確な判定は出ないかもしれません。3歳になるのを待ってみてからでも遅くはないと思います」と言われました。こうして私はPが3歳になるまでの間に療育手帳のことをいろいろと調べました。等級があること、さまざまな支援を受けやすくなること、それらは自治体にもよることなど…調べて考えた結果、メリットはたくさんあるけど明確なデメリットはほとんどないと思ったので、安心して申請をすることに決めました。そのあと、Pが3歳になってすぐに、市役所の障害福祉課へ行き療育手帳を申請しました。手続き自体は本人の写真を貼り必要事項を記入した書類を提出するだけでしたが、後日審査に必要な発達検査をする為に児童相談所へ行くのですが、その待ち時間に4ヶ月ほどかかりました。(※自治体によって手続き方法や待ち時間などは違います。)そして検査当日、本人を連れて児童相談所で発達検査を行ったあとに、親への聞き取りなども合わせて出た判定は「軽度」という結果になりました。私自身、Pの発達段階を客観的に見て中度と判定されても不思議ではないと思っていたのですが、限りなく中度に近い軽度に判定されていたことを思うと、主治医が「幼いうちは正確な判定が難しいかもしれない」と言っていたのはこういうことだったのかもしれないと思いました。Upload By みん申請はそれぞれの納得できるタイミングで何事も早めのほうが良いと思って療育手帳を申請したけれど、その判定結果は一生同じというわけではなく、あくまでも「現時点」での判定であるということ、年齢が上がり子どもの発達のペースによっては、更新する度に程度は変化する場合もあるんだなと思いました。実際、2年後更新したときの判定では中度(B1)に変わり、それも限りなく重度に近い中度と言われたので、もし療育手帳を取るタイミングが半年〜1年遅れていたら、もう少し違った判定に変わっていたのかもしれないなと思いました。療育手帳を取るタイミングは、親の考えや子どもの発達の状況にもよると思います。ですが、人によっては早めに手帳を取って公的にも障害があることを認めてもらい、子どもの為に手帳を活用したり手帳があることで安心できたりする場合だってあると思うし、たとえ悩んで取得が遅れたとしても、本当に必要だと思えて納得するタイミングで、正確な判定ができるようになるまで待つことも良い場合だってあると思います。中には療育手帳を取得することに抵抗を感じる人もいるかもしれません。私も最初から全く抵抗がなかったわけではありません。でも私の場合は、Pが療育手帳を取得したことで、それまで大変で避けてしまいがちだったお出かけへも挑戦して行ってみようかな?と思えるようになり、外へ気持ちが向き世界が広がってきたように思います。障害のある子どもを連れてのお出かけは気力体力ともにとてもパワーが必要です。でも療育手帳があることでそんな私たちをサポートしてもらえるような機会や場所がたくさんあることを知りました。そして療育手帳があるほうが周囲にPのことを説明しやすく、正しい理解にもつながるような気がしています。このように、療育手帳にはたくさんのメリットとありがたみを感じているので、取得するか悩んでいた時期もありましたが、今は取得して良かったと思っています。Upload By みん執筆/みん(監修:井上先生より)療育手帳は、知的障害のある人に対して自治体から交付されるものです。知的障害がない発達障害に関しては、療育手帳ではなく一般的に精神障害者保健福祉手帳がその対象になります。みんさんが書いておられるようにこれらの手帳は、どの年齢からでも申請することができますので、それぞれメリットやデメリットを考えながら判断するのがよいでしょう。自治体によって手帳の取得基準や、受けられるサービスが異なりますので、自治体のホームページなどで確認し、窓口で相談されることをおすすめします。
2021年10月08日オーストラリアのビクトリア州で暮らすデイブ・ギャンブルさんは、息子のティムくんと一緒にスーパーマーケット『コールズ』に買い物に行きました。親子がお菓子売り場を通りかかると、ちょうど店員の男性がビスケットを陳列していたといいます。ビスケットが大好物のティムくんは、その店員さんに近付いて、仕事の様子を興味しんしんで見物。すると、そんなティムくんの視線に気付いた店員のシェーンさんは手を止めて、商品をティムくんに見せながら、「陳列をやってみたいかい?」と聞きました。ティムくんは自閉症をもっていて、言葉でのコミュニケーションがうまくできません。しかし、シェーンさんは彼が手伝いたがっているのが分かったのでしょう。こうして2人は5分ほど、一緒にビスケットを棚に並べました。ティムくんはとても楽しそうだったといいます。さらにその10分後、デイブさんとティムくんが別の売り場にいたところ、シェーンさんがやってきました。そしてティムくんに「さっきは手伝ってくれてありがとう。素晴らしい助っ人だったよ」といい、ご褒美にチョコレートを渡したのです。Hey Coles! Shout out to this amazing team member from this morning at your Cardinia Lakes store! When my non verbal,...Posted by Dave Gamble on Thursday, September 9, 2021Hey Coles! Shout out to this amazing team member from this morning at your Cardinia Lakes store! When my non verbal,...Posted by Dave Gamble on Thursday, September 9, 2021写真のティムくんの笑顔を見れば、彼がどんなに嬉しかったかは一目りょう然ですね。シェーンさんの優しさに感激したデイブさんは、「あなたのお店の素晴らしいスタッフに感謝を伝えたい!」とこの出来事を『コールズ』のFacebookに投稿。コメント欄には「ハートが温かくなった」「なんて思いやりのある店員さんだ」など、シェーンさんへの称賛の声が上がっています。デイブさんたちが来店した日は、ビクトリア州は新型コロナウイルス対策のロックダウン中で、ティムくんも外に出て人と接する機会が少なかったのだそう。そんな時だからこそ、シェーンさんとの触れ合いによってティムくんはとても幸せな気持ちになれたようです。シェーンさんにとってはほんの5分ほどのやりとりでも、ティムくんはきっとこの日のことをずっと忘れないでしょうね。[文・構成/grape編集部]
2021年09月27日