すみだ北斎美術館では2022年3月15日(火)から5月22日(日)まで「北斎花らんまん」展を開催いたします。企画展「北斎花らんまん」花は古くから人々に愛され、絵画の主題としても数多く取り上げられてきました。本展では、北斎やその門人たちの作品から、桜をはじめとした様々な花の作品約100点を展観します。花見の対象とされる花、物語に登場する花、意匠として着物や道具に施される花等、生活のあらゆる場面で愛でられてきた花に関する作品をご紹介します。描かれた花々を通じて、花を愛でる文化に親しみを感じていただけましたら幸いです。■展示構成1章 春の到来 早春の花々/2章 桜 春爛漫/3章 色とりどりの四季の花/4章 暮らしを彩る花の意匠■本展の見どころ◎描かれた花のユートピア現実では一度に楽しむことが難しい四季の花々。本展では北斎や門人の筆により、桜をはじめ、梅、朝顔、桔梗、椿など前期・後期あわせて約35種の描かれた花を紹介。展示室に花のユートピアが広がります。◎北斎や弟子の観察眼北斎や門人の作品では、花弁や葉の質感の表現や、花脈や葉脈までも緻密に描き込まれています。ディテールの描写や、一瞬を捉える観察眼にご注目ください。●1章 春の到来 早春の花々厳しい冬が過ぎ、植物が芽吹く頃に咲き出す花々は、おめでたいものの象徴として喜ばれました。1章では、辛夷(こぶし)や梅、木蓮など、春の訪れを告げ、人々に喜びをもたらす早春の花々が描かれた作品をご紹介します。<梅 開花時期:1月~3月>存斎光一「花咲か爺さん」すみだ北斎美術館蔵(前期)灰を撒く花咲か爺さんの姿が描かれた作品です。花咲か爺さんといえば桜を想像しますが、本図は梅の花が描かれ、灰を撒かれた下側の枝から徐々に開花しています。画面左上には、梅の香りや春の訪れへの期待が詠まれた狂歌が添えられています。●2章 桜 春爛漫古くから人気があった桜は、数ある花の中でもとりわけ多く、絵の題材になっています。江戸時代には、様々な花見の名所が新たに作られ、北斎の作品にも桜を楽しむ人々の様子が多く描かれています。2章では、浮世絵版画や肉筆画から、花見の名所や物語を紹介いたします。<桜 開花時期:3月~5月>葛飾北斎「冨嶽三十六景 東海道品川御殿山ノ不二」すみだ北斎美術館蔵(前期)現在の品川区北品川に位置した御殿山は、享保年間(1716~36)以降、江戸屈指の花見の名所でした。北斎の代表作「冨嶽三十六景」にも、花見シーズンの御殿山が描かれています。枝いっぱいに咲く桜は、薄い紅をぼかして摺った後に、凸凹をつけることのみで表す空摺(からずり)という技法で沢山の丸い点が施されています。蹄斎北馬「朝妻舟」すみだ北斎美術館蔵(前期)本図は浮世絵の中でも版画と異なり、絵師が絵筆で直接紙や絹に描いた肉筆画(にくひつが)です。北斎の弟子の一人・蹄斎北馬(ていさいほくば)によって描かれました。「朝妻舟」と名のつく作品に決まって描かれる柳や白拍子姿の遊女のほかに、満開の山桜が描かれています。花弁が舞い落ちる中、水面に映る遊女の顔は、目のまわりに化粧をしているようです。山桜は日本では古くから自生し、開花とともに葉をつけることで知られ、絵画にも描かれてきました。本図は花弁や葉の一枚一枚、蕾が繊細に描写されています。●3章 色とりどりの四季の花3章では、現代の四季感に基づき、春(3月~5月)、夏(6月~8月)、秋(9月~11月)、冬(12月~2月)に区分し、季節の花々が描かれた作品をご紹介いたします。<牡丹 開花時期:4月~6月>葛飾北斎「牡丹に胡蝶」すみだ北斎美術館蔵(前期)「冨嶽三十六景」や「諸国瀧廻り」と同じ版元である西村屋与八から出版された、北斎の大判花鳥画シリーズの一図です。強い風に揺られる牡丹と蝶の一瞬が見事に描写されています。ピンク色の牡丹は、花弁の付け根から網目状に広がる花脈が精緻に描き込まれています。<桔梗 開花時期:6月~10月>葛飾北斎「桔梗にとんぼ」すみだ北斎美術館蔵(後期)こちらも北斎の大判花鳥画シリーズの一図です。赤みがかった色の一重の桔梗、多重咲きの桔梗、青い斑入りの桔梗の3種類が描かれてます。咲いている花のほか、まだ固く閉じている蕾、ほころぶ蕾も描かれています。桔梗の上を飛ぶトンボは、翅の脈や翅の先の黒い模様の縁紋まで細やかに描写されています。●4章 暮らしを彩る花の意匠古くから花は意匠化され、着物や道具など、生活の中の身近なものの柄や装飾にもよく見られます。4章では、北斎と弟子が様々な花を意匠化して描いた作品をご紹介します。<意匠化された花>葛飾北斎『新形小紋帳』すみだ北斎美術館蔵(通期)『新形小紋帳』は、北斎がデザインした小紋染の模様を収めた図案集です。このページでは、花が鶴の形にデザインされおり、それぞれ名前や説明が記されています。右上から藤の舞鶴、花橘の舞鶴(右中)、舞鶴の桜(右下)、舞鶴菊の折枝(左上)、舞鶴牡丹の折枝(左中)、水仙の舞鶴(左下)です。■開催概要展覧会名 : 北斎花らんまん会期 : 2022年3月15日(火)~5月22日(日)※前後期で一部展示替えを予定前期 : 3月15日(火)~4月17日(日)後期 : 4月19日(火)~5月22日(日)休館日 : 毎週月曜日 ※開館:3月21日(月・祝)、休館:3月22日(火)開館時間 : 9:30~17:30(入館は17:00まで)主催 : 墨田区・すみだ北斎美術館お問い合わせ: 03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)公式サイト : 観覧料 : 一般 1,000円高校生・大学生 700円65歳以上 700円中学生 300円障がい者 300円小学生以下 無料・本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)、常設展プラスもご覧になれます。・団体でのご来館は、当面の間、受付を行いません。・新型コロナウイルス感染予防・拡大防止のため、会期・開館時間・観覧料・イベント・講演会の開催など変更、中止の可能性がございます。・最新の状況は、すみだ北斎美術館公式ホームページにて最新情報をご確認ください。■すみだ北斎美術館 概要開館時間 : 9:30~17:30(入館は17:00まで)休館日 : 毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始(12月29日~1月1日)所在地 : 〒130-0014 東京都墨田区亀沢2-7-2お問い合わせ: 03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)公式サイト : Twitter : Facebook : YouTube : アクセス : 都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩5分JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分JR総武線「錦糸町駅」北口より墨田区内循環バスで5分 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年02月16日「ほぼ日手帳」から、2022年度版の新作「ほぼ日手帳2022 spring[4月はじまり版]」が登場。2022年2月1日(火)より、東京&京都のTOBICHIや全国のロフトなどで発売される。「ほぼ日手帳」とは?「ほぼ日刊イトイ新聞」のオリジナルグッズとして誕生して以来、スケジュール帳の定番として多くの人々に愛用されている「ほぼ日手帳」。1日1ページの「オリジナル」にA5サイズの「カズン」、週間手帳「weeks」、月間カレンダーと方眼ノートが組み合わさった「day-free」など、豊富なバリエーションを展開。スケジュール帳としてはもちろん、日記やノート、スケッチブック、スクラップ帳と、多彩な用途で活躍してくれるアイテムだ。東京・上野の「東京国立博物館」とコラボレーションその新作となる「ほぼ日手帳2022 spring[4月はじまり版]」でも、シリーズの恒例となっている多彩なコラボレーションは健在。中でも特に注目したいのは、東京・上野にある「東京国立博物館」とのコラボレーションだ。浮世絵師・葛飾北斎の名画をモチーフにした「冨嶽三十六景」江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の名画をモチーフにしたオリジナル&カズンサイズの「冨嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」では、激しく岩にぶつかる波や、突き出た岩の上で網を引く漁師親子の営み、そして霧の向こうに霞む富士山を、藍の濃淡で巧みに表現。内側のポケット右側には、雲を突き抜ける富士山と稲妻を描いた「冨嶽三十六景 山下白雨」をシルバーでプリントするなど、細部に至るまで北斎の魅力が詰まった一冊となっている。博物館の人気者“土偶と埴輪”を総柄でまた、博物館の人気者である土偶と埴輪を散りばめた「土偶?埴輪?」が週間タイプの「weeks」で登場。鮮やかな黄色のネクタイ生地に、さまざまなカタチの土偶と埴輪が総柄でデザインされている。主役となってどこか誇らしげにもみえる土偶と埴輪は、国宝「埴輪 挂甲武人(けいこうぶじん)」や、重要文化財の「みみずく土偶」など、東京国立博物館の収蔵品がモチーフだ。これらを一度イラストに起こしてから、ベージュや茶色、オレンジ色の糸を使って丁寧に織り込むことで、細部までしっかりと表現している。ミナ ペルホネンのパッチワークシリーズ「piece,」の新作も毎シーズン大きな人気を博しているミナ ペルホネンとのコラボレーションからは、服を仕立てる際に残る布のかけら(=piece)を手作業でパッチワークして縫い合わせたシリーズ「piece,」の新作が登場。オリジナルで8種類、カズンで10種類、weeksカバーで9種類の、素材や製法の異なる生地を使用。オリジナルサイズとカズンサイズには、小さな刺繍の玉をビーズ状に連ねた、2本の可愛らしいしおりもついている。商品情報「ほぼ日手帳2022 spring[4月はじまり版]」発売日:2022年2月1日(火)販売店舗:ほぼ日のお店(TOBICHI 東京/京都)、ほぼ日手帳公式ウェブショップ「ほぼ日ストア」、全国のロフトなど
2022年01月31日東武百貨店 池袋本店のバレンタインイベント「ショコラマルシェ」が、2022年1月29日(土)から2月15日(火)まで8階の催事場にて開催される。約80店舗の国内外ブランドが集結する「ショコラマルシェ」東武百貨店のバレンタインイベント「ショコラマルシェ」には、国内外の約80ブランドが参加。『あなたの"推し"がきっと見つかる。』をテーマに、自分のご褒美にぴったりのショコラや、大切な人や友達に贈りたい見た目のかわいらしいチョコレートなどが展開される。国内外のショコラティエによる"ご褒美ショコラ"「ショコラマルシェ」の注目は、デプラ ポール ショコラティエの可愛らしいハート型チョコレート。上質なチョコレートに異なるフレーバーを合わせた4種を、東武限定のアソートメントで販売する。頑張っている自分へのご褒美チョコとしてもおすすめだ。ショコラマルシェ初出店となるヴェストリからは、スプーンですくって食べるユニークなチョコレート"アンティーカ・ジャンドゥイア"が登場。イタリア産のヘーゼルナッツをたっぷり使用した濃厚な味わいのチョコレートは、そのまま食べても、パンに塗っても、温めてディップとしても楽しむことができる。ショコラティエ パレ ド オールから販売される、いちごやピスタチオを合わせたチョコレートは、甘酸っぱい苺と濃厚なピスタチオのハーモニーを感じることができる一品だ。友達や大切な人へ贈りたいショコラ「ショコラティエ川路」は、葛飾北斎の絵画から着想を得たチョコレートを東武限定で販売する。プレゼントにも喜ばれそうな、"日本の魅力"が伝わる和風チョコレートになっている。また、ラムネ菓子に上質なチョコレートをコーティングしたリリオンテの"ショコネ"や、クランベリーやアーモンドなどの6種のフレーバーのブラウニーを詰め合わせたファットウィッチベーカリーの"バレンタイン限定箱"は、パッケージが可愛らしく友チョコにもぴったり。さらに、バレンタインムードを盛り上げる華やかなチョコレートスイーツもラインナップする。花束をモチーフにした100エーカーの森の"ブーケ・パウンド(Bouquet・Pound)"は、ビターチョコレートでコーティングした濃厚チョコパウンドケーキに、花びらやナッツをあしらった。日ごろの感謝を伝えるバレンタインギフトとして贈ってみてはいかがだろうか。会場で楽しめるイートインも会場でしか味わえない限定スイーツも見逃せない。アールグレイ専門店の「アンドアールグレイ」からは、"ショコラ"のソフトクリームが登場。濃厚なチョコレートのソフトクリームに、ベルガモットの香りを加えたバレンタイン限定商品だ。同時に、濃厚な紅茶の風味が魅力の"アールグレイリッチミルク"も販売する。【詳細】「ショコラマルシェ」開催期間:2022年1月29日(土)~2月15日(火)会場:東武百貨店 池袋本店 8階催事場住所:東京都豊島区西池袋1-1-25取り扱いブランド:約80<アイテム例>デプラ ポール ショコラティエ「ハーティー リミテ」(4個入) 1,601円ヴェストリ「選べる!アンティーカ・ジャンドゥイア 1」各1,944円 ※オリジナルスプーン付きショコラティエ パレ ド オール「いちご&ピスターシュ」(4個入) 1,998円ショコラティエ川路「和ショコラ」(9個入) 3,500円リリオンテ「ショコネ」各648円ファットウィッチベーカリー「 バレンタイン限定箱」(6個入) 2,376円100エーカーの森「ブーケ・パウンド/エール・パウンド」(径約12cm) 各2,700円アンドアールグレイ 「アールグレイリッチミルク、ショコラ」各510円【問い合わせ】東武百貨店 池袋本店 代表TEL:0570-086-102(ナビダイヤル)
2022年01月01日葛飾北斎やその弟子などが描いた日本の歴史上の人物や事件を展観する『北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―』展が、12月21日(火)よりすみだ北斎美術館にて開催される。『富嶽百景』の最初のページに描かれた神・コノハナノサクヤビメ、上杉謙信と武田信玄による戦国大名の一騎打ちを描いた『画本武蔵鐙』下、二代葛飾北斎が徳川家康を描いた≪徳川家康束帯座像≫など、当時の歴史観に基づき、神話の時代から安土・桃山時代、そして北斎の生きた江戸時代の歴史的事象を描いた作品、弟子の描いた明治時代の錦絵までを展示。主に高校の日本史の授業で習う人物や事件が描かれた作品を紹介する。また、日本史で習う歴史用語や、北斎や弟子の作品に描かれているポイントを解説。いままでイメージしていた人物像と比べながら、歴史小説や物語などでも有名な歴史的場面を楽しむことができる。葛飾北斎≪浮絵一ノ谷合戦坂落之図≫すみだ北斎美術館蔵(作品を替えて通期で展示)葛飾北斎『画本武蔵鐙』下上杉輝虎入道兼信 武田晴信入道信玄すみだ北斎美術館蔵(通期)葛飾北斎≪畠山重忠≫すみだ北斎美術館蔵(後期)二代葛飾北斎≪徳川家康束帯座像≫すみだ北斎美術館蔵(前期)【開催概要】企画展『北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―』会期:2021年12月21日(火)~2022年2月27日(日)※前後期で一部展示替えあり(前期は1月23日まで、後期は1月25日から)休館日:月曜(1月3日、10日は開館)、12月29日(水)~1月1日(土)、 1月4日(火)、1月11日(火)時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)料金:一般1,000円、大高・65歳以上700円 、中学生300円●公式サイト:
2021年12月06日企画展「北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―」が、東京のすみだ北斎美術館にて2021年12月21日(火)から2022年2月27日(日)まで開催される。葛飾北斎や弟子たちが描く“日本の歴史”「北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―」展は、“日本の歴史”に着目し、葛飾北斎やその弟子が歴史上の人物・事件の様子を描いた作品を集めて展示する展覧会。高校日本史の授業で登場する人物や事件を主軸に、神話の時代から安土・桃山時代、そして北斎の生きた江戸時代に至るまでの歴史的事象を描いた北斎の作品や、弟子が手がけた明治時代の錦絵を紹介する。北斎やその弟子たちの視点を通して見た歴史的な場面を一挙に楽しめる展覧会だ。神話時代の神や“川中島の戦い”例えば、北斎の代表作の1つである版本『富嶽百景』最初のページに描かれた「コノハナノサクヤビメ」は、『日本書紀』や『古事記』に記された神話に登場する神。チリチリとした線で表現された衣服など、北斎の描く美人画の特徴が見てとれる。また、仏教伝来の場面を描いた『三国伝来記』をはじめとする、古墳・飛鳥時代に関する人物や出来事を描いた作品や、平家物語にも登場する「一の谷の戦い」を題材にした「浮絵一ノ谷合戦坂落之図」、川中島の戦いの名場面として伝わる上杉謙信と武田信玄の一騎打ちを描いた『画本武蔵鐙』など、象徴的な日本史のシーンを捉えた作品が揃う。本能寺の変&徳川家康を描く作品もさらに、北斎の弟子たちによる作品も目を引くラインナップ。織田信長が明智光秀に討ち入りされた「本能寺の変」をはじめ、様々な逸話を描いた二代柳川重信の『日本百将伝一夕話』や、同じく北斎の弟子であった二代葛飾北斎が徳川家康を描いた肉筆画「徳川家康束帯座像」も登場。尚、「徳川家康束帯座像」のように浮世絵師が江戸幕府の将軍を描いた作品は珍しい。作品を通して、同時代の幕府に対する人々の見方を窺い知ることができる。【詳細】北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―会期:2021年12月21日(火)~2022年2月27日(日) ※前後期で一部展示替えを予定前期 12月21日(火)~1月23日(日)/後期 1月25日(火)~2月27日(日)会場:すみだ北斎美術館住所:東京都墨田区亀沢2-7-2休館日:毎週月曜日、年末年始(12月29日~1月1日)※開館:1月3日(月)、1月10日(月・祝)/休館:1月4日(火)、1月11日(火)開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)観覧料:一般 1,000円、高校生・大学生 700円、65歳以上 700円、中学生 300円、障がい者 300円、小学生以下無料※当面の間、団体受付不可。※中学生・高校生・大学生(高専、専門学校、専修学校生含む)は生徒手帳または学生証を提示。※65歳以上は年齢を証明できるものを提示。※身体障がい者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳、被爆者健康手帳など持参者および、その付添1名まで障がい者料金で観覧可能。入館の際は、身体障がい者手帳などの提示が必要。※観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)をはじめ全ての展示を観覧可能。※会期・開館時間・観覧料・イベント・講演会の開催などは変更、中止の可能性あり。【問い合わせ先】TEL:03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)
2021年12月03日すみだ北斎美術館では2021年12月21日(火)から2022年2月27日(日)まで「北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―」展を開催いたします。北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―本展では日本の歴史に焦点をあて、葛飾北斎やその弟子などが歴史上の人物や事件を描いた作品を集めます。主に高等学校の日本史の授業で取り上げられる人物や事件を軸とし、当時の歴史観に基づき神話の時代から安土・桃山時代、そして北斎の生きた江戸時代の歴史的事象が描かれた作品、弟子の描いた明治時代の錦絵までを展示いたします。■本展の見どころ見どころ(1)北斎や弟子が描いた作品とともに、歴史小説や物語等でも有名な歴史的場面を楽しめます。見どころ(2)北斎や弟子が描いたイメージから、作品が描かれた江戸時代当時の歴史の見方をうかがい知ることができます。見どころ(3)高校日本史で習う歴史用語の解説や、北斎や弟子の作品に描かれているポイントも一部解説しています。■展覧会構成<神話の時代>、<古墳・飛鳥時代>、<奈良時代>、<平安時代>、<鎌倉時代>、<室町時代>、<安土・桃山時代>、<江戸時代>、<明治時代>■本展のハイライト【コノハナノサクヤビメ】『富嶽百景』の最初のページに描かれた神葛飾北斎『富嶽百景』初編 木花開耶姫命 すみだ北斎美術館『富嶽百景』は北斎の富士図を約100図収載した版本で、本図はその最初のページに描かれたコノハナノサクヤビメです。衣服をチリチリとした線で表現するなど、北斎の描く美人画の特徴がみられます。コノハナノサクヤビメは『日本書紀』や『古事記』に登場する神で、富士山麓にある浅間神社の御神体としてまつられています。『古事記』や『日本書紀』などに記される神話は、江戸時代には日本の歴史の起源として考えられていました。<神話の時代>では、アマテラス、スサノオノミコトなど、神話に登場する神々などを紹介します。【仏教伝来】北斎が描いた仏教伝来の歴史的場面葛飾北斎『三国伝来記』第一図 すみだ北斎美術館『三国伝来記』は善光寺(長野県)本尊の由来記の挿絵を北斎が描いたものです。本尊は百済(くだら)の聖明王(せいめいおう)から伝えられた仏像としています。本図は御簾の奥の欽明(きんめい)天皇へ、二人の百済の僧が鳳輦(ほうれん)を捧げている場面です。本尊の仏像は描かれていませんが、鳳輦の中にあると考えられます。日本史の教科書で習う「仏教伝来」は、公式には百済の聖明王が欽明天皇に仏像や経典を伝えたといわれていることから、本図はまさに日本に仏教が伝わった歴史的場面といえます。<古墳・飛鳥時代>仏教伝来や、聖徳太子、大化の改新など、古墳・飛鳥時代(3世紀中頃~645年頃)に関する人物や出来事が描かれた作品を展示します。【畠山重忠】一の谷の戦いで、馬を担いで断崖を降りたと伝わる大力・剛勇の鎌倉武士葛飾北斎「畠山重忠」すみだ北斎美術館本図は軍記物語『源平盛衰記』に記された話に基づいて描かれたものと考えられます。畠山重忠(1164~1205)は、平安・鎌倉時代初期の武士です。当初平氏軍でしたが、後に源頼朝に従い、源義仲追討などで活躍しました。北条義時と畠山重忠が登場する版本『星月夜顕晦録』も通期で展示します。<鎌倉時代>では、源平の合戦も含め、執権となる北条氏などの人物、武家の争いによる社会不安の中で生まれた鎌倉仏教の開祖など、鎌倉幕府の時代(12世紀末~1333年)を描いた作品を紹介します。【上杉謙信と武田信玄】北斎が描いた戦国大名の一騎打ち葛飾北斎『画本武蔵鐙』下 上杉輝虎入道兼信 武田晴信入道信玄 すみだ北斎美術館本図には、川中島の戦いの名場面として伝わる、上杉謙信と武田信玄の一騎打ちが描かれています。軍学書『甲陽軍鑑』には、“混戦のなか、白手ぬぐいで頭を包んだ武者が馬に乗って刀を抜き、突進して切りつけてきたので、信玄は立って軍配で受けた”と記されています。本図も、騎乗で切りつける上杉謙信と、刀を軍配で受ける構図など、この記述に近い描き方がされています。<安土・桃山時代>では、戦国大名を描いた作品を中心に集めて紹介します。【徳川家康】浮世絵師が江戸幕府将軍を描いた珍しい作品二代葛飾北斎「徳川家康束帯座像」すみだ北斎美術館北斎の弟子・二代葛飾北斎が徳川家康を描いた肉筆画です。浮世絵師が江戸幕府の将軍を描いた作品は珍しく、「恐惶頓首百拝 北斎拝写」の落款からは、敬意をもって描いたことがわかり、当時の人々の幕府への見方を示しています。<江戸時代>では、現在からみると歴史的事象である朝鮮通信使など、北斎が実際に見たと思われる事柄も登場します。担当学芸員のコメント:「このほか、紫式部や源頼朝、楠木正成など、どこかで名前を聞いたことがある、“あの人”も作品に登場します。今までイメージしていた人物像と比べて、北斎を身近に感じていただけると幸いです。」■開催概要・展覧会名 : 北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―・会期 : 2021年12月21日(火)~2022年2月27日(日)※前後期で一部展示替えあり前期 : 2021年12月21日(火)~2022年1月23日(日)後期 : 2022年1月25日(火)~2月27日(日)・休館日 : 毎週月曜日、年末年始(12月29日~1月1日)※開館:1月2日(日)、1月3日(月)、1月10日(月・祝)、休館:1月4日(火)、1月11日(火)・開館時間 : 9:30~17:30(入館は17:00まで)・主催 : 墨田区・すみだ北斎美術館・お問い合わせ: 03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)・公式サイト : ・観覧料 : 一般 1,000円高校生・大学生 700円65歳以上 700円中学生 300円障がい者 300円小学生以下 無料●AURORA(常設展示室)、常設展プラス観覧料含む●団体でのご来館は、当面の間、受付を行いません 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月26日すみだ北斎美術館は、2021年11月22日に開館5周年を迎えます。2016年11月22日に開館したすみだ北斎美術館(墨田区亀沢)は、浮世絵師・葛飾北斎(1760~1849)が生まれ、生涯のほとんどを過ごしたゆかりの地に位置しています。開館以来、展覧会事業や教育普及事業を通して北斎の生涯や作品を発信してきました。北斎の生涯と代表作を常設の展示において紹介するとともに、北斎及び門人の作品を中心に、その魅力を深掘りするテーマや、現代アーティストと北斎作品のコラボレーションをテーマにした展覧会を開催しました。総入館者数は10月31日時点で850,305人、85万人に到達しました。これからも美術館の活動を通して、すみだと北斎作品の魅力を多角的に発信していきます。開館記念展「北斎の帰還」展(2016年)、「THE北斎」展(2021年)■開館5周年を記念した企画を実施します。【開館5周年記念イベント情報】※詳細は開館5周年記念特設サイトにてお知らせします。<墨田区民感謝デー> 11月21日(日)11月21日(日)を開館5周年を記念した墨田区民感謝デーとし、墨田区在住、在勤、在学の方の観覧料を無料といたします。新型コロナウイルス感染予防・拡大防止のため、混雑の際は入館制限を行います。無料となる企画展:「学者の愛したコレクション ―ピーター・モースと楢崎宗重―」 ※AURORA(常設展示室)含む※免許証、保険証、学生証、社員証、身体障がい者手帳などのご提示をお願いいたします。※一般の方は通常どおりご入館いただけます。<開館5周年記念期間> 11月21日(日)から11月28日(日)まで ※11月22日(月)は休館・「チラシで振り返る すみだ北斎美術館の企画展2016-2021」これまでの企画展を、各展覧会のメインビジュアルで振り返る動画を作りました。オンラインでご覧いただけるほか、館内でも上映します。・すみだ北斎美術館の「冨嶽三十六景」解説動画を館内上映当館所蔵「冨嶽三十六景」について、高精細カメラによる約5分の映像とともに学芸員が解説。オンラインでも公開します。(4K対応、制作:NHKエンタープライズ)・すみだ北斎美術館1/100スケール立体模型が登場建築家・妹島和世氏の設計による、すみだ北斎美術館全景の1/100スケール模型を展示します。・ご来館の方へ、「冨嶽三十六景」のリーフレットを数量限定プレゼント対象:当日観覧券をご購入の方。年間パスポートまたは招待券をお持ちの方。1名につき1冊プレゼントいたします。(配布数に限りがあります。)※11/21の墨田区民感謝デーで無料でご観覧の方も対象すみだ北斎美術館開館5周年特設サイトすみだ北斎美術館 開館5周年記念特設サイト 新型コロナウイルス感染予防・拡大防止のため、会期・開館時間・観覧料・イベント・講演会の開催など変更、中止の可能性がございます。最新の状況は、すみだ北斎美術館公式ホームページにて最新情報をご確認ください。【「開館5周年記念 オリジナル手ぬぐい」を発売】当館所蔵の『北斎漫画』三編より雀踊りと、北斎がデザインした小紋を集めた『新形小紋帳』の、2種類のデザインで制作しています。1階ミュージアムショップにて11月21日(日)発売予定。※画像はイメージです。発売時には色味や絵柄が変更になる場合があります。開館5周年記念 オリジナル手ぬぐい■すみだ北斎美術館について【コレクション】すみだ北斎美術館は、ピーター・モースコレクション、楢崎宗重コレクション、墨田区が収集したコレクションの3つのコレクションを有し、北斎や門人の作品を中心に、約1900点(2021年4月時点)の作品を所蔵しています。【美術館建築】美術館の建物は、建築家・妹島和世氏により「街に開き、地域住民の方々に親しまれる美術館」をコンセプトに設計されました。空模様や周辺の風景が淡く映り込む外壁は、鏡面アルミパネルを使用しており、街に溶け込んでいます。また、どこからでもアクセスできる構造が人々に開かれた美術館を表現しており、隣接する公園と一体となったデザインです。すみだ北斎美術館 施設写真(建築)【AURORA(常設展示室)】AURORA(常設展示室)は、すみだと北斎のつながりにはじまり、北斎の画業を、代表作の実物大高精細レプリカやタッチパネルを活用した展示で紹介しています。常設の展示は、一部の展示を除き写真撮影が可能です。多言語(英語、繁体中国語、簡体中国語、韓国語、日本語)の解説に対応しているタッチパネルのほか、コマ送りの『北斎漫画』や一筆書きに挑戦できるゲーム、「北斎アトリエ」再現模型などがあり、楽しみながら北斎について知ることができます。<AURORA(常設展示室)「1章 すみだと北斎」より「須佐之男命厄神退治之図」(推定復元図)>かつて牛嶋神社(墨田区向島)に奉納され、関東大震災で焼失した北斎肉筆画の大絵馬「須佐之男命厄神退治之図」の推定復元図は、すみだと北斎のかかわりを表わす重要な展示です。すみだ北斎美術館 施設写真 AURORA(常設展示室)【企画展】コレクションは、3階、4階の企画展示室で開催する企画展にて、テーマに合わせて展示しています。これまでにすみだ北斎美術館の代表作品を特集したテーマのほか、「北斎の橋 すみだの橋」、「北斎師弟対決!」など北斎研究に特化した学芸員による、北斎や門人の魅力を深掘りするテーマの企画展も行いました。【次回の企画展】北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―会期2021年12月21日(火)~2022年2月27日(日) 本展では日本の歴史に焦点をあて、葛飾北斎やその弟子などが歴史上の人物や事件を描いた作品を集めます。紫式部や武田信玄など、どこかで名前をきいたことがある、あの人も登場しますので、今までイメージしていた人物像と比べながら、北斎を身近に感じていただけると幸いです。企画展「北斎で日本史」【2022年度企画展予定】「北斎花らんまん」 2022年3月15日~5月22日予定「鬼 北斎その表現に迫る(仮)」 2022年6月21日~8月28日予定「江戸の本に親しむ(仮)」 2022年9月21日~11月27日予定「百人一首の世界(仮)」 2022年12月13日~令和5年2月26日予定新型コロナウイルス感染予防・拡大防止のため、会期・開館時間・観覧料・イベント・講演会の開催など変更、中止の可能性がございます。最新の状況は、すみだ北斎美術館公式ホームページにて最新情報をご確認ください。※「楢崎宗重」の名前について、機種依存文字に該当するため通常の「崎」で代用しておりますが、「立崎」が正式です。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月04日7月21日から9月17日までの55日間、東京ミッドタウン・ホールで開催された生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」が、特設バーチャル会場にて期間限定・無料公開される。「北斎づくし」は全期間が緊急事態宣言下という異例な状況だったが臨時休館をすることなく、無事会期を終了した。今回のバーチャル会場の公開は会場に来れなかった人や、もう1度楽しみたいという国内外の声に応え、展示を最先端の3Dカメラで空間を記録したもの。展示された作品を鑑賞することができるとともに、北斎の作品で埋め尽くされた空間を追体験することが可能だ。コンセプトにも携わった日本美術を主な領域とするライター・エディターの橋本麻里による、ユーモアあふれるキャプションも。これによって作品の鑑賞ポイントをしっかり押さえながらも日英2カ国語対応で楽しむことができる。また好評を博した体感型映像作品「DIGITAL HOKUSAI」にも注目。壁3面に映し出された映像と高さ2メートルの和紙スクリーンに投影した映像を組合せて、『北斎漫画』や「冨嶽三十六景」をはじめとする展示作品をふんだんに活用したこの作品も、特設バーチャル会場内では映像として鑑賞できる。そして特設バーチャル会場では会期中に好評だった展覧会公式アンバサダーの俳優・町田啓太がナビゲーターを担当する音声ガイド(監修:橋本麻里)が販売される。世界⼀の『北斎漫画』コレクター・浦上満、会場デザイン担当の建築家・田根剛、アートディレクター・祖父江慎による豪華クリエイター陣のボーナストラックも収録されるという。さらに特設バーチャル会場の公開期間に合わせ、展覧会公式オンラインショップの開設期間も延長。引き続き、本展オリジナルグッズを購入することもできる。■展示情報特別展「北斎づくし」特設バーチャル会場9月23日(木・祝)0:00〜 10月10日(日)23:59会場URL: 料金:無料音声ガイド:600円(税込)公式サイト:
2021年09月22日展覧会「学者の愛したコレクション ―ピーター・モースと楢﨑宗重―」が、すみだ北斎美術館にて2021年10月12日(火)から12月5日(日)まで開催される。北斎の研究者ピーター・モースと浮世絵研究者の楢﨑宗重「学者の愛したコレクション ―ピーター・モースと楢﨑宗重―」では、北斎の研究者であり、世界有数の北斎作品コレクターでもあったピーター・モースと、葛飾派作品をはじめ貴重で多種多様な資料を収集した浮世絵研究の第一人者・楢﨑宗重、それぞれのコレクションから、珠玉の名品約140点を紹介。希少な北斎作品や、高名な絵師・画家たちの作品を通して、ピーター・モースと楢﨑宗重、各々の作品に対するこだわりや、研究業績を辿っていく。北斎の技巧が感じられる浮絵や空摺の作品ピーター・モースは、北斎の「諸国瀧廻り」シリーズに関する論文の執筆や、単著『Hokusai: One Hundred Poets』の刊行、また、北斎の全作品目録を試みるなど、北斎の研究者・そして収集家として総数約600点にも及ぶコレクションを収集。希少価値の高い作品も多く、欧米における個人収集としては最高・最大の内容といわれているピーター・モースコレクションから、95点が会場に展示される。保存状態が極めて良いことからピーター・モースが最も大切にしたとみられる北斎の「新板浮絵」シリーズより、参詣に向かう人々の賑わいを細かな風俗描写とともに描いた「新板浮絵三囲牛御前両社之図」を展示。遠近法によって奥行きを強調した、浮絵ならではの立体感のある描写が特徴だ。加えて、空摺(からずり)による凹凸をつけることで表現された川面の波紋がくっきりと確認できる「冨嶽三十六景 武州玉川」など、北斎や摺り師の技巧までも感じられる作品の数々を目にすることができる。北斎の画法を継承した“葛飾派”作品や新版画も昭和から平成にかけて活動した美術史家・楢﨑宗重のコレクションからは、北斎の画法を継承しつつ独自の画風を確立した葛飾派の絵師、蹄斎北馬(ていさいほくば)の「夕立図」が登場。大きな画面に、夕立に見舞われる峠の茶屋の様子を細かく描き込んだ肉筆画で、風俗描写に秀でた北馬の画風を象徴する作品の1つだ。また、顔料を厚く塗るなど、西洋の油彩画を強く意識して描かれた長沢蘆雪の作品「洋風母子犬図」や、版画家・川瀬巴水が叙情的に風景を表現した新版画「雪の寺」なども展示。一部展示作品は、楢﨑宗重の著した作品解説とともに紹介する。【詳細】学者の愛したコレクション ―ピーター・モースと楢﨑宗重―会期:2021年10月12日(火)~12月5日(日) ※前後期で一部展示替えあり前期 10月12日(火)~11月7日(日)/後期 11月9日(火)~12月5日(日)会場:すみだ北斎美術館住所:東京都墨田区亀沢2-7-2休館日:毎週月曜日開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)料金:一般 1,000円、高校生・大学生 700円、65歳以上 700円、中学生 300円、障がい者 300円、小学生以下無料※本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)も観覧可能。※団体での来館は、当面の間、受付不可。【問い合わせ先】TEL:03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)
2021年09月19日すみだ北斎美術館では2021年10月12日(火)から12月5日(日)まで「学者の愛したコレクション ―ピーター・モースと楢崎宗重―」展を開催いたします。※「楢崎宗重」の名前について、機種依存文字に該当するため通常の「崎」で代用しておりますが、「立崎」が正式です。「学者の愛したコレクション ―ピーター・モースと楢崎宗重―」当館では、北斎の研究者であり、世界有数の北斎作品コレクターであったピーター・モース氏と、葛飾派作品以外にも貴重で多種多様な資料を収集した浮世絵研究の第一人者・楢崎宗重氏の二大コレクションを有しています。本展ではピーター・モースコレクションより江戸時代の風俗・流行が窺える作品、楢崎宗重コレクションより江戸から昭和期にかけて特に人気や評価が高かったとされる絵師・画家の作品を厳選し、約140点を展観します。希少な北斎作品や、高名な絵師・画家たちによる貴重な作品の数々を展示し、両氏が生涯をかけて収集、研究した珠玉の名品に対するこだわりと研究業績を紹介します。第1章 ピーター・モースコレクションピーター・モース(1935-93)氏は、北斎の「諸国瀧廻り」シリーズに関する論文を執筆、「百人一首乳母かゑとき」(ひゃくにんいっしゅうばがえとき)シリーズに関する単著『Hokusai:One Hundred Poets』を刊行し、また、北斎のカタログレゾネ(全作品目録)の作成を試みるなど、北斎の研究者であり、北斎作品の収集家でした。北斎作品や研究資料など総数約600点に及ぶピーター・モースコレクションは、欧米における北斎の個人収集としては最高・最大の内容といわれており、研究者の眼で収集された希少価値の高い作品が多く含まれていることが特徴です。本章ではピーター・モースコレクションから95点の作品を展示します。◆ピーター・モース氏が最も愛したシリーズ作品から「新板浮絵三囲牛御前両社之図(しんぱんうきえみめぐりうしごぜりょうしゃのず)」葛飾北斎「新板浮絵三囲牛御前両社之図」すみだ北斎美術館蔵(後期)江戸の名所が描かれた本浮世絵版画シリーズは、赤いすやり霞が印象的な作品で、現在13図が確認されています。ピーター・モースコレクションでは12図が収集され、保存状態が極めて良く、ピーター・モース氏が最も大切にした作品群と伝わります。「新板浮絵三囲牛御前両社之図」は、画面の左側に牛御前(現:牛嶋神社・墨田区向島)、右側に三囲稲荷(現:三囲神社・同)が配され、それぞれ参詣に向かう人々の賑わいが細かな風俗描写とともに表されています。◆鮮明な空摺(からずり)が白眉 ピーター・モースコレクションの「冨嶽三十六景 武州玉川」葛飾北斎「冨嶽三十六景 武州玉川」すみだ北斎美術館蔵(前期)「冨嶽三十六景 武州玉川」は、川面の波に凹凸だけで表す空摺(からずり)が使われた作品です。空摺は後摺(あとずり)では省略されることの多い手の混んだ技法です。現存する同じ構図の作品は、版木の摩耗により空摺がはっきりとしないものや、波形を藍色の線で摺った後摺が多いことから、空摺が鮮明に見える本図は、初摺か初摺に極めて近い稀少性の高い逸品といえます。◆ピーター・モース氏が単著にまとめたシリーズ作品「百人一首乳母かゑとき」より「猿丸太夫」葛飾北斎「百人一首乳母かゑとき 猿丸太夫」すみだ北斎美術館蔵(前期)「百人一首乳母かゑとき」は、北斎の大判錦絵(*1)のシリーズの中で最後に制作されたものにあたり、現在27図が確認されています。それまでの北斎の大判錦絵シリーズと比較すると、色数が多いことや細部にわたって凝らされた表現が特徴です。本図は百人一首のうち猿丸太夫(さるまるだゆう)の「奥山に紅葉ふみわけ啼(な)く鹿の 声きく時ぞ秋はかなしき」の絵解きとして描かれています。画面全体では秋の夕暮れの風景が描かれ、手前を横切る女性が指さす先(左上の丘の上)に、鹿がシルエットで表現されています。ピーター・モース氏はこうした構図の工夫などから、著書『Hokusai:One Hundred Poets』で「この作品は多くの点から見てまったく完璧な絵である。」と評しています。(*1) 大判錦絵約39cm×26~27cmの錦絵(浮世絵の多色刷り木版画)のこと。大判は天明年間(1781-89)以降に標準サイズになった判型で、北斎の錦絵では「冨嶽三十六景」、「諸国瀧廻り」、「諸国名橋奇覧」や「百人一首乳母かゑとき」が大判錦絵で制作されました。第2章 楢崎宗重コレクション楢崎宗重(1904-2001)氏は、昭和から平成にかけて活動した美術史家です。戦前より浮世絵雑誌の発行に携わり、国際浮世絵学会の前身である日本浮世絵協会(第二次・第三次)を設立し、会長などをつとめました。また、戦後間もない時期に『北斎論』を刊行し北斎研究の分野でも活躍し続け、浮世絵を美術史の中で学問的に位置づけることに尽力しました。これらの研究活動の中で収集された楢崎コレクションは、美術史研究上、貴重な美術資料・歴史資料を含んでおり、すみだ北斎美術館では約480点を所蔵しています。本章では、楢崎コレクション作品の中から北斎をはじめ様々な絵師、時代、形態のものを、一部楢崎氏が著した作品解説とともに紹介します。◆北斎の画法を受け継いだ葛飾派の絵師の作品 蹄斎北馬「夕立図」蹄斎北馬「夕立図」すみだ北斎美術館蔵(前期)蹄斎北馬(ていさいほくば)は、北斎の門人の中でも優れた浮世絵師として知られ、北斎の画法を継承しながら独自の画風を確立、文政年間(1818-30)からは肉筆画に注力し、美人画を多くのこした浮世絵師です。楢崎宗重コレクションの本作は、縦54.3cm、横86.0cmの大きな画面に、夕立に見舞われる峠の茶屋の様子が描かれた肉筆画です。茶屋でくつろぐ人や、商いをする人々、雨宿りする人など様々な人物の様子が詳細に描き込まれており、風俗描写に秀でた北馬の特徴をよく表す作品です。◆蘆雪がこだわった犬の毛の質感 長沢蘆雪「洋風母子犬図」長沢蘆雪「洋風母子犬図」すみだ北斎美術館蔵(後期)長沢蘆雪(ながさわろせつ)は、円山応挙に学んだ江戸時代中期の画家です。母犬と乳を飲む子犬が描かれた本作は、毛並みの1本1本がわかるほど描きこまれていることから、熱心な写生や質感の追及がうかがえます。胡粉をはじめ日本の伝統的な画材が使われていますが、顔料を厚く塗るなど西洋の油彩画を強く意識して描かれた作品です。◆楢崎氏と直接交流があった版画家・川瀬巴水の作品川瀬巴水「雪の寺」すみだ北斎美術館蔵(前期)川瀬巴水(かわせはすい)は、大正から昭和時代に活動した版画家です。巴水の生前から交流があった楢崎氏は、巴水に取材を重ねて論考を発表するなど、早くから巴水の版画芸術の評価を試みました。楢崎コレクションの「雪の寺」は、小品(17.8cm×12.9cm)ながらも、「旅情詩人」とも称される巴水の作風をよく表しています。◆開催概要展覧会名 : 学者の愛したコレクション ―ピーター・モースと楢崎宗重―会期 : 2021年10月12日(火)~12月5日(日)※前後期で一部展示替えあり前期|2021年10月12日(火)~11月7日(日)後期|2021年11月9日(火)~12月5日(日)休館日 : 毎週月曜日開館時間 : 9:30~17:30(入館は17:00まで)主催 : 墨田区・すみだ北斎美術館お問い合わせ: 03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)公式サイト : ●新型コロナウイルス感染予防・拡大防止のため、会期・開館時間・観覧料・イベント・講演会の開催など変更、中止の可能性がございます。●最新の状況は、すみだ北斎美術館公式ホームページにて最新情報をご確認ください。◆企画展観覧料 ※AURORA(常設展示室)観覧料含む<個人>一般 :1,000円高校生、大学生:700円65歳以上 :700円中学生 :300円障がい者 :300円小学生以下 :無料●本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)をはじめ全ての展示をご覧になれます。●団体でのご来館は、当面の間、受付を行いません。◆すみだ北斎美術館 美術館概要美術館名 : すみだ北斎美術館(英|The Sumida Hokusai Museum)開館時間 : 9:30~17:30(入館は17:00まで)休館日 : 毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始(12月29日~1月1日)所在地 : 〒130-0014 東京都墨田区亀沢2-7-2お問い合わせ: 03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)公式サイト : Twitter : Facebook : YouTube : アクセス : 都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩5分JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分JR総武線「錦糸町駅」北口より墨田区内循環バスで5分 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月16日江戸時代より世界にその名を轟かせ、現在も人気の高い絵師・葛飾北斎。彼の生誕260年を記念し、東京ミッドタウン・ホールにて特別展『北斎づくし』が9月17日(金)まで開催されている。代表作である《北斎漫画》や《冨嶽三十六景》、《富嶽百景》は全ページ、全点、全図展示されるという画期的な展覧会だ。江戸後期に活躍した絵師、葛飾北斎(1760〜1849)。平均寿命約40歳の江戸時代で90歳まで生き、名前を約30回変え、約90回以上引っ越したという、すべてが過剰な人生を送ったことでも知られている。本展はそんな北斎の代表作である《北斎漫画》、《冨嶽三十六景》、『富嶽百景』を全ページ、全点、通期で展示するという、画期的なものだ。展示風景より。《北斎漫画》のすべてのページを読むことができる。最初の空間で展示されるのは《北斎漫画》。入って驚くのは、空間の広さと開放感、そしておびただしい展示の量。約500冊をならべ《北斎漫画》初編~15編、全883頁をひとつの空間にまとめて展示しているのだ。通常の展覧会で《北斎漫画》を展示する場合、1冊の《北斎漫画》を見開きで2ページ展示するのが基本なので、ここまで大量の展示は非常にまれなこと。この展示が実現したのは、1500冊以上の《北斎漫画》を所有する浦上蒼穹堂代表・浦上満の全面協力によるもの。また、濃密な北斎の世界に耽溺できるよう設計された、世界的に活躍する建築家・田根剛による斬新な展示空間も見どころのひとつだ。《北斎漫画》に描かれたユーモラスなふりつけ「踊独稽古」《北斎漫画》北斎による風神雷神《北斎漫画》北斎が描く可憐な植物ユーモラスな人物描写から、迫力ある神々、繊細な植物など《北斎漫画》にはありとあらゆるものが描かれ、日本はもちろん世界でも大人気となっていたのだ。濃密な《北斎漫画》の展示室を抜けると、《冨嶽三十六景》の全46点を一気に展示。《冨嶽三十六景》はその名の通り当初は三十六点のシリーズものだった。しかし、当時から非常に人気が高く、追加で10点が追加され46点となっている。明るい《北斎漫画》の世界から、色調、空間ともに落ち着いており空間のメリハリも興味深い。葛飾北斎《冨嶽三十六景》シリーズがずらり展示風景より《冨嶽三十六景》展示風景より《冨嶽三十六景》北斎は浮世絵だけでなく、江戸時代の市民たちに流行したエンターテイメント小説「読本」の挿絵も手掛けていた。読本のセクションでは曲亭馬琴とタッグを組んだ『椿説弓張月』や『新編水滸画伝』を展示。北斎の力強く躍動的な表現は、現代の漫画にも通じるものを感じさせる。展示風景より。読本のセクション《椿説弓張月》より突然の爆発シーン《新編水滸画伝》より水軍頭領の張順の活躍シーン《富嶽百景》は《冨嶽三十六景》の制作直後より刊行された、富士を主題とした版本。こちらも全ページを公開している。《富嶽百景》より《富嶽百景》より奥付奥付の名は「画狂老人卍」。頻繁に名前を変えていた北斎の画号の一つ。本展は全ページを公開しているため、巻末の奥付なども鑑賞することができる。頻繁に変わる北斎の画号や、版元の名前、版元のあった江戸の住所なども読み込むと、よりいっそう楽しめるはずだ。「超没入シアター」そして、北斎作品の高精細アーカイブデータをあますことなく活用した「超没入シアター」では、北斎の世界から飛び出してきた登場人物たちがダイナミックに、ときにはコミカルに動き回る。圧倒的な量で鑑賞者の心を掴む、その名に違わず「北斎づくし」の展覧会。北斎の描き込みをしっかりと見て行くと、あっという間に数時間経ってしまうので、時間に余裕をもって鑑賞しよう。この夏、忘れられない展覧会になるはずだ。取材・文:浦島茂世【開催概要】『生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」』7月22日(木・祝)~9月17日(金)、東京ミッドタウン・ホールにて開催
2021年08月12日劇団EXILEの町田啓太が21日、東京ミッドタウン・ホールにて行われた生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」(7月22日〜9月17日)アンバサダー取材会に登場した。同展は葛飾北斎の生誕260年を記念して開催されるもので、北斎の代表作である『北斎漫画』、「冨嶽三十六景」『富嶽百景』の全ページ・全点・全図が一同に会する。町田はアンバサダーを務め、音声ガイドにも登場した。"北斎ブルー"のスーツで表れた町田は「着飾ってきました」と照れた様子。北斎については「富士山と波だったり、北斎ブルーのイメージがあったんですけど、展示を見ると、そこに一緒に描かれている人物達が魅力的。絵の中では富士山を見ている人々だったりが描かれているんですけど、同じような気持ちになりながら見れる美術展だなと思いながら見させていただきました」と感想を述べた。音声ガイドには初挑戦となったが、自身も美術展などで聞くことは「けっこう好き」と明かし、「いつか挑戦させてもらいたいなと思っていたら、こんな素敵な北斎展で初挑戦。お話聞いたときに心躍って、『ぜひやらせてください』と言いました」と快諾したという。「通常だと感情を入れたりはないんじゃないかなと思うんですけど、要所要所に少しだけ、北斎さんの絵にある遊び心と同じような感覚で、セリフ調のところもある」とポイントを説明した。好きな展示について聞かれると「『富嶽百景』だったかな、波が鳥に変わってる作品があるんです」と紹介したが、実は町田の背後にあったのが、まさにその絵。町田は「これ、狙ってなかったです、本当に!」と驚き、「ぱっと見全くわからなかったんですけど、すごいなあと思って。よく見たら『え、鳥!?』しかも本当に一羽一羽表情がある」と絶賛。北斎について「ずっと向上心を持ってやられていた。僕も生涯できるかと考えると、やりたいけどできるか……!? と考えてしまう。だからこそ多くの人の心に残る作品ばかりなんだなと思いました」と感心していた。
2021年07月21日デジタルアート展「巨大映像で迫る五大絵師 −北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界−」が、東京の大手町三井ホールにて2021年7月16日(金)から9月9日(木)まで開催される。浮世絵や金屏風などをデジタル化、巨大映像に「巨大映像で迫る五大絵師 −北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界−」は、浮世絵・金屏風・金襖絵といった日本美術の傑作を巨大映像で楽しめる新感覚のデジタルアート展。本物の作品を見るのとはまた異なる感覚で、美術鑑賞を楽しめる。和紙の繊維や金箔まで緻密に再現浮世絵を3Dデータとして組み上げ、20億画素で超高精細にデジタルリマスター化することで、葛飾北斎や歌川広重といった絵師たちが表現した微細な凹凸などの技巧はもちろん、和紙の0.05mm程度の繊維の質感までも立体的に復元している。金屏風や金襖絵の金箔、切箔、金砂子、金泥といった素材や表現の緻密な違いも、最新デジタル撮影技術と多分割データ画像処理技術によって再現。圧巻のスケールを誇る3面ワイド45mスクリーンと音楽の演出によって、作品のダイナミックな魅力と繊細なディテールの両方を一度に楽しめる。葛飾北斎、歌川広重、俵屋宗達、尾形光琳、伊藤若冲の作品が登場巨大映像となって登場するのは、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」や歌川広重の「東海道五拾三次」をはじめ、俵屋宗達と尾形光琳が描いた2つの「風神雷神図屏風」、伊藤若冲の代表作「仙人掌群鶏図」、俵屋宗達の国宝「源氏物語関屋澪標図屏風」など全42作品。上映作品が日ごとに入れ替わる、ダブルプログラムで上映される。さらに、超高精細デジタル画像によるDigital北斎×広重コーナーでは、「冨嶽三十六景」と「東海道五拾三次」からベストセレクションの58作品を12台の大型モニターで紹介する。【詳細】巨大映像で迫る五大絵師 −北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界−会期:2021年7月16日(金)~9月9日(木)開館時間:10:30~19:30 ※入館は閉館の60分前まで会場:大手町三井ホール住所:東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi One 3F観覧料:一般 2,000円 / 大学生・専門学生 1,500円 / 中学生・高校生 当日1,000円※満70歳以上、小学生以下、障がい者の方(添付者原則1名まで)は入場無料※学生は学生証または生徒手帳、70歳以上及び小学生以下は年齢証明ができるもの、障がい者の方は障がい者手帳を来場時に提示。■チケット〈前売チケット〉・「期間中有効平日フリー入場券」有効期間:2021年7月19日(月)~9月8日(水)の平日・「土日祝及び開幕日(7/16)/最終日(9/9)日付指定券」有効期間:2021年7月17日(土)~9月5日(日)の土曜・日曜・祝日、および7月16日(金)・ 9月9日(木)※会期前・会期中に限らず、各日付は完売次第、販売終了※本展はダブルプログラムのため、購入の際は公式ウェブサイトにて希望日の上映作品の確認を推奨。前売チケット販売場所:ローソンチケット(Lコード:30303、ローソン店頭/ミニストップ店頭の店内Loppi)、チケットぴあ(Pコード:[期間内有効] 993−198、[日付指定券] 646−456、セブン-イレブン店頭、ファミリーマート ※ファミリーマートは店頭支払・引取のみ可能)、イープラス(ファミリーマート店内Famiポートでも直接購入可能)〈当日チケット購入〉当日チケット販売時間:10:30~18:15 ※定員枚数に達した段階で販売終了販売場所:会場窓口※定員に空きがある場合のみ、当日チケットを販売。当日の空き状況は公式サイトにて確認。【問い合わせ先】『巨大映像で迫る五大絵師』事務局TEL:03-5520-1914(平日10:00~17:00)
2021年07月17日機能性と遊び心あふれるデザインを兼ね備えた猫グッズを展開している『フェリシモ猫部』から、葛飾北斎の名画をモチーフにした新グッズが登場しました!新たに発売されたのは、葛飾北斎『富嶽三十六景』の『神奈川沖浪裏』をモチーフにした、猫用つめとぎ。その名も『名画をたしなむ猫のつめとぎ〈葛飾北斎 神奈川沖浪裏〉』は、ダイナミックに描かれた波の絶妙なカーブ部分が、猫のつめとぎになっています!また、波の盛り上がった部分は、猫のあごにフィットするサイズで、つめとぎだけでなく、くつろぎベッドにも使える設計。愛猫がつめとぎにのれば、アーティスティックな写真が撮れること間違いなしです!サイズは、縦約403、横約593。つめとぎ台の部分は、猫がゆったり寝転べる幅をもたせ、背景部分も積層ダンボール製で、しっかり厚みと硬さがあるため、スリスリと体をこすりつけるのにも最適です。和風な猫はもちろん、いろいろな毛色の猫にマッチする『名画をたしなむ猫のつめとぎ〈葛飾北斎 神奈川沖浪裏〉』は、1セット9千円(税別)。フェリシモ猫部のオンラインショップで発売中で、販売価格の一部は飼い主のいない動物の保護と里親探し活動、野良猫の過剰繁殖防止活動、災害時の動物保護活動などに活用されます。愛猫をのせて、あなただけのアートな1枚を撮影してみてはいかがですか。[文・構成/grape編集部]
2021年06月30日グラニフ(graniph)から、葛飾北斎・すみだ北斎美術館とコラボレーションしたTシャツが登場。2021年6月25日(金)より、グラニフ一部国内店舗などで販売される。「冨嶽三十六景」「諸国瀧廻り」を配したコラボTシャツ葛飾北斎は、江戸時代後期に活躍した日本を代表する浮世絵師。浮世絵に風景画のジャンルを確立させたほか、読本挿絵の芸術性を高めるなど、いくつもの功績を残した。グラニフとのコラボレーションTシャツには、すみだ北斎美術館に所蔵されている作品「冨嶽三十六景」と「諸国瀧廻り」シリーズから3作品のグラフィックを採用。「冨嶽三十六景神奈川沖浪裏」は、巨大な浪が水飛沫をあげながら力強く立ち上がる様子を描いた作品。大自然の猛威に翻弄される人間と、超然とたたずむ富士山を、対照的に表現している。世界的にも「Great Wave」の名で親しまれている、葛飾北斎を象徴する浮世絵だ。「冨嶽三十六景凱風快晴」は、「赤富士」と呼ばれる現象を描いたもの。夏から秋にかけての早朝、富士山が朝日を浴びて山肌を赤く染めるわずかな瞬間を巧みに表現している。「諸国瀧廻り」シリーズの中でも珍しい表現手法を取り入れている作品が、「諸国瀧廻り木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」。上部の丸く描かれた滝口は真上から捉え、滝の流れは正面から捉えたとされている。二か所の描き方の違いに着目して、鑑賞を楽しみたい。なお、上記3作品は、7月20日(火)から開催されるすみだ北斎美術館の展覧会「THE北斎 ―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」で展示される。【詳細】グラニフ 葛飾北斎(すみだ北斎美術館)コラボレーションTシャツ発売日:2021年6月25日(金)販売店舗:グラニフ一部国内店舗、グラニフ公式オンラインストア価格:Tシャツ 全3種類 2,750円サイズ:SS/S/M/Lアイテム:・冨嶽三十六景神奈川沖浪裏・冨嶽三十六景凱風快晴・諸国瀧廻り木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧※販売店舗により入荷状況・販売開始時間が異なる。※グラニフ国内店舗では、一度の会計でTシャツを2点以上の購入、またはTシャツと1,078円のアイテムとの買い合せでお得になるセットプライスサービスを実施。(一部商品対象外)※グラニフ公式オンラインストアではセットプライスサービス適用後の価格。
2021年06月28日展覧会「THE 北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」が、すみだ北斎美術館にて2021年7月20日(火)から9月26日(日)まで開催される。「冨嶽三十六景」など人気の北斎作品約100点「THE 北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」は、葛飾北斎の圧倒的な筆力と発想力を堪能できる展覧会。すみだ北斎美術館が所蔵する二大名品「冨嶽三十六景」シリーズと、すみだ北斎美術館開館記念展で“約100年ぶりの再発見”として話題となった絵巻「隅田川両岸景色図巻」を中心に、人気の高い北斎作品約100点を一挙に紹介する。三大錦絵を網羅、「冨嶽三十六景」バージョン違いの比較展示など会場には、葛飾北斎を代表する三大錦絵シリーズ「冨嶽三十六景」全46図、「諸国瀧廻り」全8図、「諸国名橋奇覧」全11図を前期・後期にわけて全て展示する。各シリーズの全貌を楽しめるとともに、1つの主題を多様に描き分けた葛飾北斎の表現力の幅広さを目の当たりにできる。各地から見える富士山の風景を描く「冨嶽三十六景」は、最高傑作としても名高い作品。中でも人気の高い図柄は、摺りの状態が異なるものや変わり図も制作されている。今回は、初めて「冨嶽三十六景 山下白雨」のバージョン違いを並べて展示。初摺に近い作品や、山裾に松林が加えられた変わり図などを比較しながら鑑賞することができる。加えて、日本各地の滝を描いた「諸国瀧廻り」や「諸国名橋奇覧」も登場。「諸国名橋奇覧」では、場所もわからない橋や北斎がいた当時には失われていた橋なども含まれており、想像上の吊り橋を、人物が絶妙なバランスで通行する様子などが描かれている。浮世絵版画の版木を使った火鉢を初公開また、錦絵「桜に鷹」をはじめとする浮世絵版画の版木4種を使用した火鉢を初公開。版画の輪郭線を彫った版木は材質が良く、絵柄の美しいデザイン性から火鉢に再利用されたと考えられている。北斎の一枚摺りの錦絵の版木自体が珍しく、貴重な資料を間近に見られるチャンスとなっている。全長7メートルの肉筆絵巻さらに、“幻の絵巻”として話題を呼んだ、全長約7メートルに及ぶ北斎肉筆の巻物「隅田川両岸景色図巻」も5年ぶりに展示。両国橋付近から新吉原へ向かう隅田川両岸の風景と、新吉原における遊興の様子を描いた北斎の肉筆画に、画中の名所を読み込んだ注文主・烏亭焉馬による横幅76.1cmの狂文があしらわれている。「隅田川両岸景色図巻」は前期・後期で巻替えを行い、通期で展示。江戸時代から観光スポットとして知られる隅田川周辺の景色を、現在の風景と比べながら鑑賞するのも楽しそうだ。グラニフ コラボTシャツも尚、すみだ北斎美術館とグラニフ(graniph)のコラボレーションTシャツが2021年6月25日(金)より全国グラニフ店舗にて発売。展覧会にも登場する「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」「冨嶽三十六景 凱風快晴」「諸国瀧廻り 木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」といった作品をモチーフにしたTシャツが揃う。すみだ北斎美術館では販売されないものの、近隣のグラニフ店舗では発売されるので合わせてチェックしてみて。【詳細】THE 北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―会期:2021年7月20日(火)~9月26日(日) ※前後期で一部展示替えあり・前期 7月20日(火)~8月22日(日)・後期 8月24日(火)~9月26日(日)場所:すみだ北斎美術館住所:東京都墨田区亀沢2-7-2問い合わせ先TEL:03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)休館日:毎週月曜日※8月9日(月・振替休日)、9月20日(月・祝)は開館。※8月10日(火)、9月21日(火)は休館。開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)観覧料:一般 1,200円、高校生・大学生 900円、65歳以上 900円、中学生 400円、障がい者 400円、小学生以下 無料※団体での来館は、当面の間、受付なし。※本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)も観覧可能。※会期・開館時間・観覧料・イベント・講演会の開催など変更、中止の可能性あり。最新情報は、美術館公式ホームページにて確認。■グラニフ コラボレーションTシャツ発売日:2021年6月25日(金)展開店舗:全国グラニフ店舗、オンラインストア※すみだ北斎美術館ミュージアムショップでは取扱なし。※美術館近隣に位置する3店舗(グラニフ アトレ秋葉原、アトレ上野、アルカキット錦糸町)では、発売から約2か月間、レジにて購入した人に「THE 北斎」展のチラシと同展割引券を配付。店舗準備数がなくなり次第終了。※他割引との併用不可。
2021年06月27日生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」が7月22日(木・祝)より、東京ミッドタウン・ホール(六本木)にて開催される。このアンバサダーに俳優・町田啓太が就任した。20歳で浮世絵師としてデビューしてから九十歳で没するまでの70年間、常に挑戦を続けて森羅万象を描き抜こうとした画狂の絵師・葛飾北斎。その生誕260年を記念し、本展において代表作である『北斎漫画』や『冨嶽三十六景』、『富嶽百景』の全頁・全点・全図が一堂に会する。町田は今回、音声ガイド・ナビゲーターに初挑戦。一部コンテンツで彼の解説とともに、展示空間を巡ることが可能だ。音声ガイドを監修したのは日本美術を主な領域とするライター・エディターの橋本麻里。さらに豪華クリエイター陣によるスペシャルトラックを収録予定だ。北斎の魅力を五感で感じる本展を、耳からも楽しんでほしい。また本展は7月16日(金)から9月17日(金)まで東京ミッドタウンで開催される「MIDTOWN ART PALETTE」とコラボレーション企画を行う。東京ミッドタウン館内で 5,000 円(税込)以上の買い物をすると、各日先着100名に出展作品や東京ミッドタウンのアート作品が絵柄になったトランプをプレゼント予定だ。さらに本展とのスペシャルコラボメニューとして、北斎の世界からインスピレーションを受けた限定メニューが登場。期間中に本展の半券チケットを東京ミッドタウン内対象ショップへ提示するとお得なサービスが受けられる。詳細は後日、東京ミッドタウンホームページや館内で配布されるパンフレットを確認してほしい。町田啓太・コメントこの度、初めて音声ガイドを務めさせて頂きます。特別展「北斎づくし」を実際に目の当たりにしたとき、そこにどんな世界が広がっているのか楽しみでなりません。今まで偉大すぎて知った気でいた葛飾北斎作品への先入観から解放される森羅万象の驚きを皆様と共に体験できるようにしたいと思います。一緒に北斎ワールドに没入しましょう!■展示情報生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」7月22日(木・祝)~9月17日(金)東京ミッドタウン・ホール(六本木)<チケット情報>混雑緩和のため、事前予約制(日時指定券)を導入。※チケットの販売に関する最新情報は展覧会公式サイトへ。<観覧料>大人:1,800円 / 大学生・専門学校生:1,200円 / 高校生・小中学生:900円<スーパー早割チケット:1,200円>8月9日(月)まで使用できるお得な早割チケットも販売。期間:6月1日(火)~7月7日(水)(予定)連携企画「『富士山づくし』の写真展」7月21日(水)~8月19日(木)会期中無休10:00~19:00会場:FUJIFILM SQUARE内、富士フイルムフォトサロン東京入館料:無料※詳細はフジフイルム スクエア「富士山づくし」の公式サイトへ。
2021年06月25日すみだ北斎美術館(東京・墨田区)では2021年7月20日(火)〜9月26日(日)まで、特別展「THE北斎 ー冨嶽三十六景と幻の絵巻ー」を開催する・すみだ北斎美術館が所蔵する二大名品「冨嶽三十六景」シリーズと、当館開館記念展で約100年ぶりの再発見として話題となった幻の絵巻「隅田川両岸景色図巻」を中心に、人気の高い北斎作品約100点を一堂に展観。今回はじめて「冨嶽三十六景山下白雨」のバージョン違いを並べて展示、また北斎の錦絵「桜に鷹」等の版木を使用した火鉢を初公開するなど、見どころの多い展覧会となっている。北斎の名作の数々を通して、日本の四季の美しさ、江戸時代より観光スポットとして知られる隅田川周辺の名所を紹介しながら、北斎のたぐい稀な筆力と発想力を堪能してほしい。【開催概要】「THE北斎 ー冨嶽三十六景と幻の絵巻ー」会期:2021年7月20日(火)~9月26日(日)・前期:2021年7月20日(火)~8月22日(日)・後期:2021年8月24日(火)~9月26日(日)※前後期で一部展示替えあり休館日:毎週月曜日※開館:8月9日(月・振替休日)、9月20日(月・祝)、休館:8月10日(火)、9月21日(火)開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)主催:墨田区・すみだ北斎美術館お問い合わせ:03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)公式サイト:
2021年06月23日世界的な画家、葛飾北斎(1760~1849)と人気漫画家のしりあがり寿さんがコラボした展覧会『しりあがりサン北斎サン -クスッと笑えるSHOW TIME!-』がすみだ北斎美術館で開かれています。コロナ禍でちょっとトゲトゲした心をもみほぐしてくれる、脱力系アート満載の展覧会をご紹介!遊び心がいっぱい!【女子的アートナビ】vol. 208本展では、人気漫画家でアーティストのしりあがり寿さんと葛飾北斎が時代をこえてコラボ。しりあがりさんは、2018年に北斎の「冨嶽三十六景」のパロディ作品「ちょっと可笑しなほぼ三十六景」をすみだ北斎美術館の展覧会で発表。今回はそれらの作品に新作も加え、約160点が紹介されています。北斎の浮世絵をしりあがりさんが楽しく解釈したパロディ作品は、どれも思わずニヤリとしてしまうものばかり。遊び心がいっぱいで、コロナ禍でトゲトゲしくなりがちな気分をもみほぐしてくれます。ちょっと笑える…それでは、展示作品からいくつかピックアップしてご紹介。まずは、北斎のもっとも有名な作品、《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》をご覧ください。うねる大波のなかに小舟が浮き、その奥に富士山が見えます。いっぽう、しりあがりさんのパロディ作品《ちょっと可笑しなほぼ三十六景太陽から見た富士山》では、北斎作品の「大波と富士山」を「太陽フレアと地球」に変換。太陽のフレア越しにある地球をよく見ると、日本列島のなかにちゃんと富士山も描かれています。しりあがりさんの新作、《ポテトチップス六景揚げたて》も要チェック。これはポテトチップスの作り方を浮世絵風に描く特別シリーズで、北斎の「大波」が「揚げ油」に変換され、そのなかに薄切りのポテトが浮かんでいます。ちょっと笑える、ゆるい感じが楽しいです。ちなみに、北斎生誕260年を記念して、2020年には期間限定で「すみだ北斎美術館監修 ポテトチップス うすしお味」がカルビーから発売され、しりあがりさんのパロディ作品もパッケージに採用されました。その全4パッケージも展示されています。絶叫マシーンも登場!?もうひとつ、楽しい作品をご紹介。まず、写真右側にある北斎の錦絵《諸国瀧廻り美濃ノ国養老の滝》(パネル)をご覧ください。岐阜県養老郡養老町にある有名な滝を描いたもので、垂直に流れ落ちる滝や水しぶきなど、さまざまな水の表情が表現されている名作です。しりあがりさんのパロディ作品《諸国瀧廻りアトラクション》では、滝が絶叫マシーンのアトラクションに変換されています。マシーンに乗って楽しそうに手をあげているのは、和服を着た江戸の人たち。見ているだけでほのぼのします。3階ホワイエでは、しりあがりさんのセンスで北斎作品をアレンジしたアパレルコレクションを展示。北斎の「諸国瀧廻り」シリーズをもとに作られた「瀧廻りポンチョ」や「飛沫どころか瀧マスク」など、今の時代や世相をクスッと笑い飛ばせるようなゆる~い作品が並んでいます。コロナ疲れをちょっと癒してくれる展覧会は7月10日まで。Information会期:~7月10日(土)会場: すみだ北斎美術館開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)休館日: 月曜日観覧料: 一般¥1,000、高校・大学生¥700、65歳以上¥700、中学生¥300、小学生以下無料
2021年06月09日日本が世界に誇る芸術、浮世絵。数多い絵師のなかでも国内外を問わず、高い支持と評価を得続ける葛飾北斎の、謎多き生涯を見つめた映画『HOKUSAI』が5月28日から公開になった。柳楽優弥とともに、2人ひと役で北斎に扮した田中泯を直撃した。世界的なダンサー、舞踊家であり、『たそがれ清兵衛』(02年)以降は、唯一無二の空気を放つ俳優としても活躍し、本編でまさに“画狂人”と呼ばれる北斎を体現している田中。北斎は、90歳まで生き、死ぬ間際に「あと5年あったら、本物の絵描きになれたのに」と言ったとされるが、現在76歳の田中も、まだまだ表現の道を模索、邁進している。そんな田中が、「芸術家とか表現者は、『私の』踊りなどと言うが、そんなこと言えるはずがない」と持論を語り、2024年から「ブレイクダンス」がオリンピック正式種目となることにも吠えた。○■死ぬ瞬間まで、もっと生きたいと思い続ける人生を送りたい――もともと北斎がお好きだと聞きました。昔、マッチ箱に「冨嶽三十六景」が刷られたことがあって、夢中で集めました。水にちょっと漬けて、パカっと剥がれた絵を台紙に貼って集めてましたね。それにしても北斎は、本当に人間が好きなんだと感じます。あんなに克明に人の体の瞬間を描き続けた人なんて、ほかにいないでしょう。だいたい絵描きといえば、描く対象をじっとさせるわけです。それで絵描きのテンポで描いていく。北斎は逆です。ちょっとした瞬間を逃さず切り取る。もう愛としか言いようがない。好奇心と、愛の力。あんな情熱のある瞬間を生きられるだろうかと思いますよ。――田中さんはずっと踊られてきましたが、北斎と同様、人や自然を見続けてきましたか。もちろん。師匠から教わりました。他者に対して好奇心を持たない人間に、だれが興味を持つんだと。――北斎は90歳まで生きて、死の間際に「あと5年あったら、本物の絵描きになれたのに」と言ったとされています。その思いに共感できますか?うん、できる。どうせ死ぬならそういう風に死にたいですね。死ぬ瞬間までもっと生きたいと思い続けるような人生を送りたい。――常に走り続けたい?別に歩くでもいいんですよ。1日1日、あるいは1年1年でも。とにかく人が語る人生観には乗りたくない。みな自分にとっての新しい瞬間が常にやってくるわけでしょ。それに自分はどうやって付き合っていくか、それだけです。生きるなんて言ってみれば方便です。偶然がもたらしてくれたたくさんのものとともに、自分は一瞬一瞬を過ごすことになる。ほとんど偶然ですよね。自分が決めたものではないものばかりのなかで、生きているわけです。でも少なくとも、自分の1歩、1日、一瞬というのは、自分から始めることができるはずだというのは思います。○■「私の」踊りなんて、そんなこと言えるはずがない――田中さんが映像面で活躍されるようになったのは57歳以降ですが、これまでの表現の仕方とは全く違いますね。映像の世界といってもピンからキリまであるだろうし、これも偶然に近いのかもしれない。そこに集まってきた人たちでチームができる。このチームの形というのは、ひとつとして同じものがないわけです。それが場を作り、瞬間を作り、それが結像したものとして残る。それをさらに編集して宣伝をして人々のところに届く。スリル満点ですよね。一体だれがどうやってコントロールしてものにしているのか。ひょっとしたら偶然のほうが強いかもしれない。――ライブでおひとりで踊っているときより、さらに統制が効かないと思いますが、スリル満点だと。面白いですか?面白いですよ。僕が踊っている踊りは映像にはなりませんと若いときからずっと言い続けてきました。踊りのライブには繰り返して再生していく能力というのは一切ない。そこが映像とは決定的に違うところです。芸術家とか表現者は、「私の」と言いますよね。「私の踊り」とかね。でもそれは僕には本当にバカバカしい。そんなこと言えるはずがない。私のやっている動きなんて、同じことをやっている、やってきた人はごまんといるわけです。でもその時間と、見てくれる人と、場所とさまざまな偶然が形成しているなかで、たまたま私が踊って、無名ではない、みんな名前のある人たち、ひとりひとりが見ていて、そこで成立する。それは二度と起きない。――北斎は絵を究極的に求め続けますが、「自分であること」へのこだわりもある気がします。よくわからないな。――田中さんは踊りは「自分の」踊りではないと。全然自分でなくてかまいません。――北斎は自分であることも求めているような気がするのですが。そうかな。あなた知ってるの? 北斎の頭のなかにあることの何万分の1も僕らは知らないですよ。でも図々しくも映画にしてるわけ。この映画も、これが北斎だという決定版じゃ絶対にありえない。永久に無理です。でもだからこそラッキーにも北斎の作品をこうして映画で観られるのはすごいこと。北斎の頭のなかに浮かんでいたものが何なのか、想像もできないけれど、少なくともこうして残した絵を見ることはできる。こんなちっちゃな人でもひとりひとりの体をきっちり描いて。こんな作家はいませんよ。○■ダンスがオリンピックの競技に? いい加減にしろよ――北斎は大病したあとも描き続けますが、やはり絵が好きだからでしょうか。好きだからかなんて尋ねますけど、私たちには想像がつきませんよ。どのくらいのことなのか、どういうことなのか。そっちを考えたほうがいいんじゃないですかね。分かりようがないのだから。すごいとしか言いようがない。続けたことだって彼の中では取るに足らないことかもしれないし。でも今の世の中は、一生懸命言葉にして均そうとしてしまう。分かるわけないのに。――確かにそうですね。田中さん自身のこれから先の野望はありますか?野望は好きです。野が好きなので。日本語は本当にすごいなとますます思うようになりましたが、「野」を「望む」と書く。踊りというのは、個人を有名にさせる道具じゃない。今ほど技術を追い求めて、技術が成就すれば踊りになると思っている時代はありません。それはひっくり返したいと思います。それだとスポーツとどこが違うんだと。昔の人は、あの人には踊りの心がある、絵心があると言ってましたが、つまり心があれば踊れるということです。動くだけじゃ半分なんです。同じことをやっていても、「あの子はいいな」と思うことができるでしょう? パリのオリンピック(2024年)からブレイクダンスが競技として加わります。ストリートダンスというのは抵抗の踊りだったはずなんだけど、それがオリンピックの競技になると。いい加減にしろよ、です。田中泯1945年生まれ、東京都出身。74年に勝つ小津を開始し、78年には海外デビューを果たす。スクリーンデビューは02年の『たそがれ清兵衛』。同作で日本アカデミー賞新人俳優賞、最優秀助演男優賞を受賞した。近年ではダンサーとしての活動のみならず、役者としてさまざまな作品で存在感を見せている。主な映画出演作に『隠し剣 鬼の爪』『八日目の蝉』『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』『アルキメデスの大戦』。公開待機作に『峠 最後のサムライ』がある。
2021年06月02日現在公開中の映画『HOKUSAI』より、田中泯が演じた老年期の葛飾北斎が、当時の海外アーティストたちを驚愕させた北斎ブルー「ベロ藍」を生みだしたシーン映像が公開された。代表作『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』が新千円札のデザインやパスポートに採用されるなど、今なお愛され続ける世界的アーティスト・葛飾北斎。ゴッホ、モネなど名だたる印象派アーティストたちに大きな影響を与え、米LIFE誌“この1000年で偉大な功績を残した100人”に選ばれた唯一の日本人である北斎の知られざる生涯を初めて描いた映画『HOKUSAI』が公開されている。本作が描くのは、流行り病や権力者による表現への弾圧など、決して自由とは言えない制約された状況でも、何ものにも屈せず“自分らしさ”を貫き通した葛飾北斎の生き様。コロナ禍の緊急事態宣言下で休館している劇場もある現在において、葛飾北斎やともに生きた人物たちの姿は、先の見えない今を生き抜く秘訣を伝えてくれるはずだ。5月28日に公開を迎え、SNS上では田中泯演じる北斎に「全てが葛飾北斎!」や「田中泯さんのダンスの様な美しい演技の表現には見惚れました」、「北斎が宿ったかのような魂で演じていた」といった、絶賛の声が。年老いてもなお自分らしさを追求し、新しい手法を追いかけ、絵を描くことに心酔していた北斎はベロ藍の美しい色合いを見つけ、青い絵の具を手に取り、雨中で歓喜に舞い始める。実は当初の脚本には舞を踊るという演出はなかったそうで、田中のアドリブであったと監督が明かしている。突然雨の中に飛び出したその様子に現場スタッフも驚嘆し、カットがかかると思わず現場は拍手に包まれたという。世界でもダンサーとして活躍する田中泯だからこそ実現できた奇跡の1シーンだ。あるシーンの撮影では「俺の中の北斎が逃げていってしまう!」という声が田中から漏れる一幕もあったそうで、まぎれもなく本作の中で、たしかに彼が北斎として生きた時間が存在していたといえるのではないだろうか。また本作『HOKUSAI』とともに現在公開中の『いのちの停車場』(東映)では、吉永小百合演じる主人公の医師の父親役という重要な役どころで田中泯は出演を果たしており、現在週末の興行収入ランキングに入る2作品にて名を連ねる。そんな彼の俳優デビューは57歳。現在76歳にして俳優として大ブレイクを果たしているのは、まるで70歳を超えて世界的に注目されることとなった代表作「冨嶽嶽三十六景」を生み出した、葛飾北斎そのものと言えよう。『HOKUSAI』公開中
2021年06月01日テンデンス(Tendence)から、新作腕時計「ジャパンアイコン(JAPAN ICON)」コレクションが登場。2021年5月28日(金)よりテンデンス直営店および一部販売店他にて先行販売された後、6月18日(金)より一般販売される。テンデンス"日本文化と日本の四季"デザインの新作腕時計3種デザイン性の高い腕時計を展開するスイスのウォッチブランド・テンデンスから、"日本文化と日本の四季"をモチーフにした「ジャパンアイコン」コレクションが登場。葛飾北斎の浮世絵や国花である"サクラ"など、海外でも人気の高い日本のアイコンを、繊細なデザインの中に落とし込んだ。「HOKUSAI」大波の奥に見える青々とした富士山が美しい、葛飾北斎の浮世絵『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』を描いた腕時計「HOKUSAI」。ダイナミックな波を表現するために、ダイヤルをレイヤー構造にして立体感を加えた。また、時計の裏蓋にも波をイメージした刻印が施されている。「SHARAKU」「SHARAKU」は、侍、歌舞伎、舞子など、海外から見た日本の華やかな伝統的要素を腕時計にしようと、「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」をモチーフにデザインされた。歌舞伎役者を描いた東洲斎写楽の絵は、見覚えのある人も多いのでは。ゴールドとブラックを基調としており、中心に立体的に配された役者絵がより印象的になっている。ストラップや裏蓋、スリーブには、日本の伝統的な波模様としてお馴染みの"青海波"が用いられている。「SAKURA」儚いものの象徴である"サクラ"。「SAKURA」は、その一瞬の美しさがを表現すべく、表面のピンクのグラデーションにはマザーオブパールを使用し上品さを演出した。2層になった桜のデザインは桜並木の奥行を感じさせ、ストラップには散っていく花びらがデザインされている。春の"サクラ"を堪能できる繊細な仕上がりだ。【詳細】テンデンス新作腕時計「ジャパンアイコン」一般発売日:2021年6月18日(金)先行発売日:2021年5月28日(金)先行取り扱い店舗:テンデンス直営店および一部販売店、公式オンラインストア■商品「HOKUSAI」ケース径:50mmケース素材:ナイロン/ステンレススチールガラス:ミネラルガラス防水:10気圧防水ストラップ素材:シリコン「SHARAKU」ケース径:50mmケース素材:ナイロン/ステンレススチールガラス:ミネラルガラス防水:10気圧防水ストラップ素材:シリコン「SAKURA」ケース径:41mmケース素材:ナイロン/ステンレススチールガラス:ミネラルガラス防水:10気圧防水ストラップ素材:シリコン文字盤:マザーオブパール
2021年05月31日映画『HOKUSAI』(5月28日公開)の公開直前ヒット祈願報告会トークイベントが26日に都内で行われ、柳楽優弥、田中泯、永山瑛太、玉木宏、瀧本美織、橋本一監督が登場した。同作は世界的アーティスト・葛飾北斎の知られざる生涯を描くオリジナル作。その才能は認められながらも、売れない絵師として葛藤の中で筆をとり続けた青年期の北斎を柳楽が、芸術家としての情熱を失うことなく孤独に自らの画才を磨き続けた老年期の北斎を田中がそれぞれ演じる。「人間・北斎」と、彼が描いた「三つの波の秘密」が生まれるに至った物語を描く。晩年の北斎が通ったと言われ、86歳の時に大絵馬に描いた晩年期最大級の肉筆画「須佐之男命厄神退治之図」を奉納したことでも知られる、墨田区にある牛嶋神社に一同揃って大ヒット祈願。関東大震災で現物は焼けてしまったが、神社には今も復元された絵が飾られており、その絵には様々な病気や凶事を起こす厄神たち十五体が須佐之男命にひざまずき、今後悪さをしないよう証文に手形を押されている様子が収められている。柳楽は「今日お伺いした牛嶋神社や先日訪れた小布施のお寺などで北斎の作品を見させて頂いたのですが、北斎の絵には悪いものを跳ね返して断ち切る力が本当にあると思います。大変な時期ですが、この映画の持つ力が悪いものを跳ね返してくれたらいいなと思います」、田中は「86歳の時に描いたと聞いてびっくりしています。凄まじいパワーを感じました」と、北斎の絵に圧倒されていたようだ。現在、一部エリアでは緊急事態宣言下で劇場休業している状況での公開となるが「こんな日だからこそやり遂げたいこと」について問われると、日本映画が大好きと語る柳楽は「映画館で映画を観たい」と願いを口にする。田中は「いつもと変わらずに1日をしっかりと生きることが大切」と語り、永山は「誠心誠意の演技をして日本の人を元気にしたい」、瀧本は「前向きな気持ちを発信し続けていきたい」、先日祖父が100歳を迎えたという玉木は「こんな時だから地方への行き来はできないですが、子どもも生まれたので祖父に会いに行きたい」、監督は「劇場に行きましょう、映画を観ましょう!」とそれぞれ、先の見えない時代だからこそのやり遂げたいことを挙げた。最後に本作を楽しみにしている人々に向けて作品を代表して柳楽が「こういう時期にもかかわらず、公開することができたことをありがたく思います。人はトンネルに入ったら出口を探すと思うんですが、芸術や映画はトンネルでのライトになりうる力があると思います。一日でも早くコロナが収束して皆さんの笑顔が戻ることを思って頑張っています」と真摯なメッセージ。田中も「北斎こそが人々を愛し、人々の体を描写した最初で最後の人だと思っています。ぜひ、北斎に愛されに、映画を見て欲しいです」と作品をアピールした。
2021年05月26日葛飾北斎の知られざる生涯を描く映画『HOKUSAI』の公開直前ヒット祈願イベントが5月26日、都内で行われ、北斎の青年期、老年期をそれぞれ演じた柳楽優弥と田中泯、共演する永山瑛太(柳亭種彦役)、玉木宏(喜多川歌麿役)、瀧本美織(コト役)、橋本一監督が出席した。代表作「冨嶽三十六景神奈川沖浪裏」をはじめ、生涯を通じ、約3万点の作品を残したとされ、19世紀には欧州でジャポニズムブームを巻き起こした江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎の知られざる生きざまを映画化。当初は2020年5月29日に公開予定だった本作が、1年の延期を経て5月28日から全国公開される。柳楽は「それもこの映画の運命だと思う」と1年越しの封切りにしみじみ。「僕自身、映画をはじめ、いろいろなアートを通して、勇気をもらってきたし、北斎も時代を超えて、僕たちに刺激を与えてくれる」と語り、「北斎の絵のように、この映画にも(悪い状況を)跳ね返す力があるはず。芸術や表現が、長いトンネルにライトをつけ、出口に誘導する力があると信じて頑張っていきたい」と決意を新たにした。緊急事態宣言の影響で、一部地域の映画館が休業を強いられる状況だが「映画が大好きですし、映画がもつパワーに憧れもしている。どんな状況であっても、映画館で映画を見たい」と力強く訴えた。同席した橋本監督は「個人の考え」とした上で、「基準も理屈もなく、一方的に映画館が開けられないのは、言語道断」と憤りを示し、「映画に触れられない人がたくさんいるのは、間違っているとしか思えない。開けたほうが世のためだと思う」と思いを打ち明けていた。「公開が近づき、かなり緊張しています。きっと届くものはあるはず」と語る田中は、「(芸術が)世界を変えられるかわからないが、それはどう受け止められるか次第」とも話し、「北斎という人は、その時代その時代で、常識と真っ向から対峙した。こんなときだからこそ、まともに常識と向き合うこと。僕らは常識に従順に生き過ぎている」と北斎からの“学び”を熱弁していた。同日、柳楽は晩年の北斎が通ったと言われ、86歳の時に大絵馬に描いた晩年期最大級の肉筆画「須佐之男命厄神退治之図」を奉納したことでも知られる牛嶋神社(東京都墨田区)にて大ヒット祈願を行った。取材・文・写真=内田涼映画『HOKUSAI』5月28日(金)より公開
2021年05月26日世界で一番有名な日本人アーティスト、葛飾北斎の生涯を映画化した『HOKUSAI』。青年期を柳楽優弥が、老年期を田中泯が担当し、W主演を果たした本作では、北斎がその才能を開花させるまでのもがきと、人気絵師になってからがダイナミックに、肉厚に描かれている。北斎について、青年期についての資料はほぼ残されておらず、柳楽さんが演じる時代は、史実と照らし合わせながらも、オリジナル色の強い脚本に仕上がった。ゆえに、映画を観て「えっ」、「へ~」と多少の驚きと新鮮さを持って楽しめる。柳楽さんが演じたならではのスパイスも、たぶんに効いているのだが。「演じるにあたっては、監督と話し合って僕たちの北斎像を作り上げていきました。北斎は世界中にファンがいる日本を代表するアーティストなので、正直怖いという気持ちもありました(苦笑)。これまで過去に作らた葛飾北斎に関する映像作品を観た印象では、北斎は割と骨太で無骨な印象だったり、ワイルドなイメージが強かったんです。今回、演じさせていただくことが決まって、役柄を通して調べていくと、実は、知的で、情熱的な一面もあった人だったのではないかと思いました。“彼を突き動かしたその原動力は何なんだろう、すさまじいパワーを持つ人だな”と感じていました」。パワフルさは、柳楽さんが憑依したとも言いたくなる、北斎が一心不乱に筆を取る姿に現れている。実のところ、北斎は、当時人気を誇っていた歌麿(玉木宏)や写楽(浦上晟周)に追いつけず、嫉妬と自信喪失でさまよい、たどり着いた海で自らの才能と五感を呼び覚ましたのだ。柳楽さんの演技と北斎のアイデンティティが合体するような、強いインパクトを残す海のシーンは、必見だ。演じた海での出来事を、柳楽さんは北斎目線でやさしく言葉にした。「北斎は“今、すごくいい絵が描けるぞ” というモチベーションで、海に向かったわけではないのか、と僕は思ったんです。納得いかないとか、悔しいとか、ある意味、絶望的だったと思いますし、そこには、アーティストならではの感情がありそうな気がしたんです。監督と僕たちとで、“これだ”という気持ちを持って撮影しました」。「オリジナリティを大切にする」ことへの思い、と葛藤北斎を演じ切り、完成作を観て、ふと感じたこともあったと柳楽さんは話した。「以前、番組でアメリカの『アクターズ・スタジオ』に行かせていただいたのですが、演じる上で、自分自身が経験した哀しかったことや、少しネガティブな感情を引き起こして表現するという、メソッドアクティング(演技法)を勉強したことがあったんです。映画は、哀しい、淋しいという感情が共有されて、少しホッとする様なところがあって、それが良さでもあるのだと思うんです。アーティストや表現者たちは、一見ネガティブとも思える感情から、美しいものを生み出すことができるエネルギーを持っているんだなと、感じたんです」。そして、青年期の北斎は、「ただ描きてぇと思ったもんを、好きに描いただけだ」と言い、美人画が全盛の時代に、波と富士を主題にした「江島春望」で勝負に出て、結果、江戸を席巻していく。今の時代に望まれる、オリジナリティを大切にする、自分らしく、というワードとも通じている印象を受ける。「ニュースなどで“自分らしく生きるとは何か”という問いかけを見て、僕自身は、“自分らしく生きられている方なのかな…?”と思えることもありますが、俳優をやっていると、台本があって、セリフを読んで、そのキャラクターについて考えていく作業なので…日々、葛藤しています(笑)」。監督の望みに寄り添いながら、自分のオリジナリティを出すような演技も披露していく。一朝一夕にはいかない、高度な技術の話だ。「言われたことに応えるのは大事なことだと思っているので、僕は、 “演出されたい”と思うんです。その大切さを理解しながらも“AIのようにはなりたくない”と思うところもあって。2020年を機に、僕個人としての考え方をより明確にさせて、普段のインプットを充実させたいなと考えるようになりました」。そんな柳楽さんが今インプット、というよりも、気分転換にしていることといえば「ピアノ」だと即答した。「今月(※取材日、2021年4月)から始めたばかり。ピアノ教室に通っているんです。先生から“ここはもっと繊細に弾きなさい”と、指導していただいていますね(笑)」と、照れくさそうに微笑んだ。しかし、役者としての感覚を忘れないのも柳楽さんの特色。「俳優でよかったなと思うのは、(役として)いろいろ習う機会があることです。自分がどうステップアップしていくのかが、何となくわかるというか。“あ、できない…”という感じになると、“はいはい、きたきた、コレね!”と実感する瞬間があるんです!」、課題を課題とも思わず楽しそうに超えていく柳楽さんの話を聞くと、どことなく天才肌の北斎に通ずるところがあるような気がしてしまう。「褒められたらうれしい!」けど…引き締める気持ち、柳楽優弥の本音誰もが知る、実力派俳優と世間にも認識されている柳楽さんだが、20代の頃には、「どんな役であってもいただいた役を一生懸命やりきることで認められて、主演を勝ち取っていきたい。主演として呼ばれるようになりたい」という、強い意志も秘めていた。30代に入った今、有言実行を体現している。「10代のときは、ある程度の経験値と、想像力の引き出しを増やすことが必要だと思っていたので、“脇役をやりたい”と思う時期もありました」。「けど」と、柳楽さんは紡ぐ。「いざ、こうしてまた主演をやらせていただくようになってからも、怖いと思うことはあるので、あまり変わらないのだと思います」。演じるということに対して貪欲で、役や作品に対しての理解を突き詰めている、慣れないことへのプライドを持っていると、柳楽さんの言葉を聞いているとわかる。「もちろん、褒められたらうれしいです(笑)。でも、褒められて“ああよかった”と満足してしまうと、人って、怠けてしまうものじゃないですか?例えば、柔術の世界で帯の色が上がったとしても、改めて気を引き締めていきたいというか。自分の経験から常に気を引き締めないとていけないなと思っています」。(text:赤山恭子/photo:Jumpei Yamada)■関連作品:HOKUSAI 2021年5月28日より全国にて公開©2020 HOKUSAI MOVIE
2021年05月24日日本が世界に誇る伝説の絵師・葛飾北斎の半生を描いた映画『HOKUSAI』が5月28日(金)から公開になる。葛飾北斎は日本のみならず世界にも熱狂的なファンの多い19世紀の絵師で、代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が2024年度から発行される新紙幣の千円札にも採用されるなど“現代を生き続ける画家”でもある。なぜ、北斎はいまも多くの人に愛されるのだろうか? 日本美術史を研究し、信州小布施にある北斎館の館長も務める安村敏信氏に話を聞いた。葛飾北斎は幼い頃から絵の道に進み、その後に版画や浮世絵の世界に進出。その生涯を通じて一職人として絵筆を動かし続け、平均寿命が40歳と言われた江戸時代後期にあって、90歳まで生き、3万点を超える作品を残した。北斎の作品は19世紀のものだが、先に紹介した新紙幣やパスポートなどにも使用され、その技法や特徴はジャンルを超えて現代の文化に多大な影響を与えている。「北斎は色々な表現をしているので、影響を受けた方々も、北斎に刺激を受けた新しい表現を続けている」と安村氏は説明する。「例を言えば、『鬼滅の刃』に登場する“水の呼吸”の流流舞いというのは、まさに北斎の上町祭屋台天井絵「怒濤図」の「男浪」からイメージされていますよね。"水の呼吸”のほかにも、龍や色々なものが、北斎が滝沢馬琴の作品の中で描いた読本挿絵などの中の図像から刺激を受けていたと、作者の方が仰っていました。一般の人は知らず知らずに北斎の影響を受けながら楽しんでいるので、北斎の絵を実際に見たときに『どこかで見たことあるかな?何か知っているぞ』という感じになるのではないでしょうか。僕も『鬼滅の刃』を観たときに“流流舞い”などいくつかは『あっ、これ北斎だ!』と気づいて、後から作者の方が、北斎と月岡芳年を勉強したと言っていたことを知りました」年齢を重ねるごとにスタイルを変え、描く対象を変え、技法や手法を研究し続けた北斎。映画『HOKUSAI』では、最新の研究成果を基に北斎の半生と彼の情熱が描かれるが、ひと足早く鑑賞した人の多くが「すごく前向きな気持ちになった。北斎の生涯を観るとポジティブな気持ちになる」と語っているという。「それは当然だと思います。北斎は90年間も生きたのに、死ぬ間際にもっと生きたいと言った人です。何故ここまで生に執着したかというと、もっと生きて、次々と表現を変えていきたかったんです。どんなときでも挫折というのをあまり感じない人で、自分で自分を否定する。自分で作り上げた様式を自分で否定して、次の段階へ変化していく。まさに前へ前へ進むバイタリティがありますよね。北斎は進化を続けていくため、画風が変わるたびに雅号(名前)もいっぱい変えました。北斎は90年の生涯で93度の引越しをしたと言われていて、その理由は不明ですが、自分の雅号を変えたと同じように、新しいものを次々と求めていく上で、一ヶ所に留まれなかったのかもしれないですね」何が起こっても立ち止まらずに前に進み続ける、年齢を重ねても“その年齢にしか見えないもの、描けないものがある”と信じて絵筆を止めなかった北斎が残した作品は膨大。現在も新たな作品が発見されているという。「北斎は肉筆で肖像画を描いていましたが、今のところ2、3点しか残っていません。だいたい北斎が50代の頃に描いたものですが、去年に40代に描いた肖像画が1点初めて見つかり話題になったんです。持ち主の方はあまりにもボロボロだったので、捨てようとしていたらしいですが、北斎館に持ってこられて、本物だし、ビックリしましたよ。そんな肖像画なんて出てくると思わなかったですし、見たことのない北斎の新しい絵が見つかる可能性がまだまだありますね」これだけ世界に影響を与え、いまもなお影響を与え続ける北斎にはいまだに“知られていない作品”があるのだ。映画『HOKUSAI』で描かれるエピソードの中には、製作陣が研究を基に創造した部分もあるが、本作の解釈が北斎の作品たちに新たな光をあてることになるかもしれない。「やっぱり一番面白かったのはラストシーン」と語る安村氏。映画公開前のため、どんな結末が描かれるか明かせないが、安村氏曰く映画のラストは「感動的で、未来に繋がるようなシーン」になっているという。『HOKUSAI』5月28日(金)公開
2021年05月17日フジフイルム スクエア 企画写真展 織作峰子写真展「ハクグラフィーオマージュトゥホクサイ(HAKU graphy Hommage to Hokusai)~悠久の時を旅して~」が、東京・六本木のフジフイルム スクエア内 富士フイルムフォトサロン 東京にて2021年7月21日(水)から8月19日(木)まで開催される。日本の伝統工芸“箔”と写真の融合を試みてきた織作峰子の写真展織作峰子は、2017年に純金やプラチナ、銀、アルミ箔などを用いた写真作品「HAKU graphy」を発表して以来、日本の伝統工芸である箔と写真の融合を試みてきた写真家。世界各国の美しい風景や人物の瞬間を撮り続けている。葛飾北斎の「冨嶽三十六景」と同位置で富士山を撮影そんな織作峰子の写真展「ハクグラフィーオマージュトゥホクサイ~悠久の時を旅して~」では、浮世絵師・葛飾北斎のオマージュとして、「冨嶽三十六景」の作品が描かれたポイントで撮影した富士山の写真を展示。いずれも、デリケートな箔に富士フイルムのラージフォーマットデジタルカメラGFXで撮影した写真をプリントした綺羅びやかな作品だ。なお、同期間中は富士フイルムフォトサロン 東京スペース1、2で、フジフイルム スクエア 企画写真展「日本人の魂・冨嶽今昔(こんじゃく)三十六景」~北斎と4人の巨匠たち~も開催されるので、岡田紅陽、白簱史朗、竹内敏信、大山行男が撮影した富士山の写真と併せて楽しむことができる。詳細フジフイルム スクエア 企画写真展 織作峰子写真展「ハクグラフィーオマージュトゥホクサイ~悠久の時を旅して~」開催期間:2021年7月21日(水)~8月19日(木)時間:10:00~19:00(最終日は16:00まで、入館は終了10分前まで)※会期中無休※ 写真展・イベントはやむを得ず中止・変更する場合がある。事前確認を推奨。開催場所:フジフイルム スクエア内 富士フイルムフォトサロン 東京 スペース3住所:東京都港区赤坂9丁目7番3号(東京ミッドタウン・ウエスト)TEL:03-6271-3350入場料:無料作品点数:約20点(予定)
2021年05月13日浮世絵師・葛飾北斎の人生を描く映画『HOKUSAI』の公開を控え5月13日、北斎の生誕の地でもある東京・墨田区にある江戸東京博物館にてトークイベントが開催され、劇中で青年期、老年期の北斎をそれぞれ演じた柳楽優弥と田中泯が登壇。さらに書家の紫舟もゲストで登場し、本作をテーマにしたライブパフォーマンスを披露した。柳楽は北斎について「90歳まで生きて、絵を描くことに人生を集中して、満足しないで絵と向き合い続けた、その姿がかっこいい」と語る。さらに柳楽は舞踊家として76歳のいまも踊り続ける田中に対しても「泯さんは、10代の頃からずっと踊り続けていて、そうやってひとつのことに向き合い続けている大先輩の姿に勇気をもらっています」と尊敬の眼差しを向ける。そんな柳楽の言葉に田中は「(北斎とは)比較にならないんですが…(苦笑)」と照れつつ、北斎の晩年までの創作意欲について「驚異的ですね。あと5年あったら、もっといい絵が描ける――きっと95歳になっても同じことを言ってたんじゃないでしょうか? 果てしないものに立ち向かっていて、想像を絶します」と感嘆する。書家の紫舟は、本作を見てすぐに創作意欲がわき上がってきたそうで「一気に70枚くらいの書を書き上げました。生きる力をたくさんもらえた映画でした」と語る。特に柳楽、田中がそれぞれ体現した北斎を絶賛! 青年期の“柳楽北斎”については「最も難しい筆の所作が美しい! プロになると呼吸と筆が合ってくるんですが、柳楽さんの筆は呼吸をしているようで、美しい所作に見とれてしまいました」と絵師としての姿にお墨付きを与える。一方、晩年の“田中北斎”については「映画の中で、北斎が目に見えないもの――風を捉える瞬間があるんですが、狂気に満ちた笑顔で、さすが熟練された表情でした。北斎の中で表現したいもの、目に見えないものがしっかりとつながって、あの狂気の笑顔になったんじゃないかと思います」とこちらも絶賛していた。この日、紫舟は黒、赤、青、黄、緑のインクを使って、北斎の“大波”をイメージした絵をライブパフォーマンスで完成させた。「生き抜け」と力強く書かれたこの絵について、紫舟は「私たちはいま、困難な中にいますが、この映画を見て生きる力――『もう1回立ち上がってみよう、踏ん張ってみよう』という思いを感じました。大きなうねりや波、太陽の赤や降り注ぐ光の黄色を使い、多くの人に届くように『生き抜け』というメッセージを書きました」と説明。柳楽は「圧倒されました。『生き抜け』という言葉も時代に響くと思います。北斎を通じて、生命力を感じています」と興奮した表情を見せ「改めて、『生きる』ということを考えさせられるこういう状況でも、強く生きていきたいと思います」と自らを奮い立たせるように語っていた。取材・文・写真=黒豆直樹『HOKUSAI』5月28日(金)公開
2021年05月13日特別展「北斎づくし」が7月22日(木)より、東京ミッドタウン・ホール(六本木)にて開幕する。この度、本展のメインビジュアルが公開となった。20歳で浮世絵師としてデビューしてから九十歳で没するまでの70年間、常に挑戦を続けて森羅万象を描き抜こうとした画狂の絵師・葛飾北斎。その生誕260年を記念し、本展において代表作である『北斎漫画』、『冨嶽三十六景』、『富嶽百景』の全頁・全点・全図が一堂に会する。発表されたビジュアルは、アートディレクター / ブックデザイナーの祖父江慎が担当。展覧会のコンセプトである「尽くし」をテーマにデザインされた。使用されているのは、現象を描くことに秀でていた北斎の想像力に着目し、本展の中心となる『北斎漫画』の中から、卓越した風の表現が描かれた『風のいたずら』(十二編)の一図。この図からも感じられる、ずば抜けた想像力やその表現力は、出展作品である『冨嶽三十六景 駿州江尻』でも存分に発揮されている。一方、背景には北斎のまた別側面として、ユーモア全開の『踊独稽古』「悪玉おどり」を使用。まるでアニメーションのように描かれた振付と、リズミカルなセリフが思わず笑いを誘う。なお、本展に協賛している富士フイルム株式会社との連携企画として「『富士山づくし』の写真展」も、東京ミッドタウン1階・FUJIFILM SQUARE内、富士フイルムフォトサロン東京にて開催される。こちらにも注目だ。■展示情報生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」7月22日(木・祝)~9月17日(金)東京ミッドタウン・ホール(六本木)<チケット情報>混雑緩和のため、事前予約制(日時指定券)を導入。※チケットの販売に関する最新情報は展覧会公式サイトへ。<観覧料>大人:1,800 円 / 大学生・専門学校生:1,200 円 / 高校生・小中学生:900 円<スーパー早割チケット:1,200 円>8月9日(月)まで使用できるお得な早割チケットも販売。期間:6月1日(火)~7月7日(水)(予定)連携企画「『富士山づくし』の写真展」7月21日(水)~8月19日(木)会期中無休10:00~19:00会場:FUJIFILM SQUARE内、富士フイルムフォトサロン東京入館料:無料※詳細はフジフイルム スクエア「富士山づくし」の公式サイトへ。※写真展・イベントはやむを得ず中止・変更の場合あり
2021年05月12日柳楽優弥が青年期、田中泯が老年期の葛飾北斎を演じる『HOKUSAI』。この度、北斎が若き天才絵師、東洲斎写楽に追い越され、悔しさを滲ませる本編映像が解禁となった。今回解禁されたのは、絵の本質を掴めず才能がくすぶっている葛飾北斎(柳楽さん)と、彗星の如く現れた天才絵師・東洲斎写楽(浦上晟周)が火花を散らす緊迫のシーンを切り取ったもの。希代の版元、蔦屋重三郎(阿部寛)が目をつけた無名の写楽が、舞台役者の「大首絵」で一躍有名になり、闇雲に絵を描き続けるも未だ蔦屋に認められない北斎もその名を聞きつける。「どんなやつか会ってみたくねえか?」と蔦屋に誘われ宴に向かうも、大ヒット作を生み出した写楽が自分よりも年下の少年だったという事実と、周囲から才能をもてはやされていることを目の当たりにし、嫉妬や悔しさで打ちひしがれる北斎。写楽は「ただ道楽で描いたまでです。いつの間にか筆を持ち、興じているうちに描くようになりました。私はただ、心の赴くままに描くだけです。何かお気に障りましたか?」と、見下すようなひと言に思わずイライラ。憤りを隠せない北斎と、そんな北斎を哀れむかのような天才・写楽は険悪なムードに包まれるが、この「絵に関しては誰にも負けたくない」という気持ちこそが、北斎の成長の源になっていく。写楽との屈辱的な対立シーンを演じて「歌麿は先輩で写楽は後輩。その写楽がみんなから称賛されているのを見て、悔しさを感じ、その勢いで写楽に対してキツく当たったら、さらに大きなしっぺ返しをくらってしまうんです(笑)」と柳楽さん。「写楽から言われたことに対して、北斎自身も合ってるかもしれないと、悟ってしまったんだと思います。台本には言い合いの後に『座る』と書いてありましたが、そういう状況の中で座ってしまったら、気持ちが落ち着いてしまうんじゃないかとおもったんです。あのシーンは、言ってみれば喧嘩です。実際に現場に入ってみると、立った勢いで去っていくくらいの気持ちになりました」と明かす。才能が開花し、誰もが認める”葛飾北斎”になるまでがむしゃらにもがき続けた北斎を自身に投影し、感情の赴くままに演じ切った柳楽さんによる青年期の北斎は必見となっている。『HOKUSAI』は5月28日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:HOKUSAI 2021年5月28日より全国にて公開©2020 HOKUSAI MOVIE
2021年05月11日