起業願望があってもベストなタイミングはいつだろうかと悩み、なかなか踏ん切りが付かない人は少なくないだろう。一方で、そもそも時期を遅らせる意味がないという理由で、決断してすばやく事業を興した起業家もいる。「30代か40代か……いずれは起業するものと思っていました。とはいえ、起業後に失敗が待っているかもしれない。もし失敗するなら、20代のできるだけ早いうちにしておきたかった」こう語るのは、企業がコミュニティに対して、直接サンプリングやモニタリング、販促などができるマッチングサービス「ナヲナス」を8月にリリースした京橋ファクトリー 代表取締役社長の八木太亮氏だ。ベンチャー創業者の中で、八木氏の経歴は一風変わっている。新卒でリコージャパンに入社し、法人営業の経験を3年半積んだのちに独立。「定年まで営業の仕事だけをすると考えたとき、物足りなさに似た気持ちを感じた」と八木氏は振り返る。○自分にしか作れないものを残したい八木氏 : 昔から、ものづくりや価値づくりに興味がありました。特に「価値を生みだすこと」を意識したのは中学時代にさかのぼります。実は僕、中二病だったんです(笑)。自分はどうして生きているのか、人や社会の役に立つにはどうすれば良いのか、みたいなことを真剣に考え続けていて。大人になってもそれを引きずっています。自分でなければ生み出せないものを世に残したいですし、それが人のため社会のためになれば、まわりまわって自分が生まれた意味があるかな、と思うんです。昔から抱いているこの気持ちは、起業を後押ししたひとつの要素でしょうね。また、2010年から約2年、ちょうど社会起業ムーブメントが起きた時期に、一般社団法人シブカサ(※1)の運営に携わった経験も、起業のきっかけになりました。動けば動くほど世の中に影響力を与えるものを生み出せるという実感が持てて、自分一人の動きがどんな形で社会の役に立てるかを考えるようになりました。そのときに営業ではなく、自分でゼロから何かを作る仕事をしたい、と思ったんです。退職から半年後の2012年6月に、1社目となるcaravina(カラヴィナ)を立ち上げました。※1 廃棄されたビニール傘の無料シェアリング事業を渋谷で行う一般社団法人。2007年に任意団体として設立された。何を事業としてやっていくか決めないまま起業したので、空白の半年間は、情報収集をしたり人と会ったりしていました。1カ月間、アメリカにも行きましたね。海外でも通用する事業をやりたいと考えるようになり、海外に住む人の生活を知るため東海岸と西海岸を巡ったんです。半月ほどニューヨークにいて、カウチサーフィン経由で見つけたホスト宅やゲストハウスに泊まって、現地の人のような暮らしをしていました。そのときに芽生えたのは普遍的なものを作りたい、という意識でした。○ニッチすぎるサービスで経験した "失敗"――― 帰国後、caravinaを起業したんですね。どんなサービスを作ったんですか?最初に作ったのは、左利き専用ギターを販売するECサイトです。左利きの人は10人に1人の割合でいるんですよ。僕が昔バンド活動をしていたとき、左利きのメンバーが「左利き専用ベースが手に入らない」という理由で、仕方なく右利きのベースを使っていたこともありました。大きな元手は不要で、かつ場所に囚われませんし、左利き専用ギターは非常にニッチなので、流通を補完するサービスであれば回していけるのでは、と期待しました。SEOの知識もサイト制作経験もない中、なんとかサイトを作ったところ、意外と売れたんです。半年ほど運営を続けましたが、結果として成功はしませんでした。単価は1本あたり約20万円と高いものの、ニッチすぎる商品なので、売れる本数が少ない。また、ギターは消費財ではないため、1本買うと次に買う機会はもうないかもしれないんですよね。ただし、狭い分野に特化することでニーズに応えられることや、ものが売れる感覚値などは、この事業を通じて得ることができました。失敗した経験と言えば、もう1つあります。ECサイトをたたんでから、クラウドファウンディングサービス「Kickstarter」に挑戦したんです。ものづくりをしたいと思い、アメリカでウケることを狙った「忍者PCバッグ」を作りました。なんとか目標金額の1万ドルを集めたまでは良かったんですが、量産体制や販売網を作れず、失敗に終わりました。PCバッグもギターと同じく、短期間にリピートされる消費財ではないですし、あらゆるリソースのないことが敗因でした。この後に2社目となる、京橋ファクトリーを設立しました。○「コミュニティマーケティング」を普及させたい――― 京橋ファクトリーとcaravinaの違いは、どのようなところでしょうか?caravinaは自分が好きなことを自分視点でやっていた会社です。でも、自分がただ楽しくて作るものって、エゴでしかないんじゃないかと、ふと思う瞬間があって。対して、京橋ファクトリーはチーム全員で大きな価値を作り、人や社会を幸せにすることを目指している会社です。目的や位置づけが全然違うんですよね。8月より提供を開始したサービス「ナヲナス」の構想は、2014年9月頃からありました。当時から、コミュニティを支援するサービスの市場規模は相当大きいぞ、とは思っていて。ちなみに最近きちんと算出したものだと、企業がイベントにかける販促費は約1兆2000億円だとか。ゲームやアニメの市場とほぼ同等です。2013年に京橋ファクトリーを創業後、大小問わず事業案を複数考えてリサーチしながら、コンパクトなサイトを作って仮説検証を繰り返していました。いくら良い企画案が生まれても、それをそのままスタートしてしまうと、机上の空論で終わってしまう可能性があります。過去2度の失敗でわかっていたことなので、本格始動する前に時間をかけました。――― その後、ナヲナスの開発は順調に進みましたか?いえ、けっこう紆余曲折がありました。最初はコミュニティと企業のタイアップという形ではなく、企業にイベント協賛してもらう形で実験していましたね。イベント協賛を何度か行った結果、イベントの上位概念である"集団"に価値があるのでは、という考えにシフトしたんです。今年の3~4月頃のことです。弊社が運営するメディア「ビール女子」事業で得た気づきも、ナヲナス開発に活かせたと思います。企業から広告やタイアップの発注をいただく中で、読者を集めたイベントや座談会の開催を期待されることが頻繁にありました。企業はビール女子に対し、メディア要素だけではなく、コミュニティ要素も期待していたんですね。確かに、ビール好きな女性が集まれば、商品のサンプリングやニーズ調査をすることもできるわけですから。また、企業と話をすると「マス広告よりもリアルなコミュニケーションに力を入れたい」といった声を多く聞くようになりました。情報過多の時代で、消費者はどんどん賢くなっています。ですから、一方通行の情報だと、商品の訴求ポイントがなかなか伝わらない。複数の小さなコミュニティに対して、商品をアプローチしていこうという流れがきているように感じます。この取り組みを僕たちは「コミュニティマーケティング」と名づけ、普及させていこうとしています。コミュニティを使ったマーケティングを実践し、大規模に成功できているところは目立っていないので、新しい文化として確立させていきたい。規模が大きくなっていったら、ナヲナスを「日本最大のコミュニティマーケティングサイト」と標榜したいですね(笑)。――― 最後に、年内に仕掛ける新サービスがあれば、教えてください有料老人ホームの紹介を高齢者向けにわかりやすく提供するサービスを9月中に公開予定です。生活をきちんと伝えている「ひつじ不動産」や「北欧、暮らしの道具店」などのサービスがイメージに近いかもしれません。高齢者事業の市場規模の大きさは、頭では理解していましたが、決して自分事にできていませんでした。でも、高齢者の方に話を聞いていると、皆さんの"暮らし"に課題があると気づいたんです。奥さまに先立たれてから一人暮らしとなり、栄養価の高い食生活ができなくなって、食が細ってしまった男性がいました。後に男性は施設に入ったんですが、バランスのとれた食生活に戻り、入居2カ月で体調が良くなったそうです。さらに、アクティビティやイベントで他の入居者と交流するようになり、人付き合いを楽しむようになったと聞きました。京橋ファクトリーの根底にある願いは「社会の課題を解決すること」ですから、お話をじっくり伺っていると、ハラオチ感があったんですよね。有料老人ホームは、高齢者のシェアハウスみたいなものだと思うんです。そこでの生活を丁寧に伝えられる、価値あるサービスサイトを目指していきます。
2015年09月24日世の中ちょっとした起業ブームだ。書店に行くと起業を勧める書籍がコーナーになって多数置かれている。だが、それほど多くの人が実際に起業をしているとは思えない。「いつかは」って夢を持っている人は多いかもしれないが、いざ本気でトライしようと思えばハードルは高いし、本当に取り組む人は多くないはずだ。企業に入社した時には誰しも少なからず何か「この会社に入ったら○な仕事をしてみたい」という思いを持っているものだ。けれど実際にはその通りのミッションにつけないことの方が多いのが現実だ。そうすると「他の会社に行けばできるんじゃないか」と考えて転職を検討することになる。そんな、なかなか自分の思いを実現できていない企業人に向けて、筆者は独立起業や転職を考える前に「自分が今勤めている会社の中で起業にトライしてみれば?」と勧めている。それが「社内起業」だ。ただ、「起業」というと新会社を設立するなど大袈裟なものに映るが、ここで対象にしているのは「新たな販路を開拓する」とか「異なる顧客層に広げる」とか「新たな製品ラインナップを増やす」といった言わば企業活動として日常的に繰り返されていることも対象にしている。「それがその会社にとって新たな取組みなのであれば、それも小さな起業の一つだ」と。そう考えると、企業人にとっても「起業」はもう少し身近なものに感じられる。しかし、やはり組織の中で何か新しい取組みを始めようというには、規模の大小はあるにしても、なんらかの準備は必要だ。自分の考えを何かにまとめ、社内で起案し、承認を取りながら進めなければいけない。しかし、意外とこういうHowToが書かれた本と言うのは少ない。とかく経営学の本というのは、「なるほど」と思うことはあっても、なかなか実践で活かせる場面がないというのは、多くの読者が経験してきていることだろう。大学の研究者にはイノベーションの理論を解説することは出来ても、企業の中で働いたことがない人にその組織の中での立ち居振る舞いを助言することは出来ない。プロジェクトに第三者として携わるいわゆる戦略系コンサルタントにしても同様だ。やはり、当事者として企業の中で経験を積んできた人だけが持つHowToが知りたくなる。独立起業しようという人向けには多数のHowTo本が出ている。会社設立の手続きから、資金調達、人材採用、製品・サービスの設計、販路開拓……、起業するためにしなければいけないことは沢山ある。起業家はこれらのことを一つ一つ学びながら実行していくことになる。しかしこれは社内起業においても同じことだ。何か新しい取組みを始めようとすれば社内で予算を確保しなければいけないし、上司や人事部とかけあって人の配属をお願いしなければいけない。製造部署や営業部署に協力を求めることも必要だろう。実は、こういう社内での動き方が一番大事だったりする。もちろんそんな「社内政治」だけで案は通せない。ちゃんとロジカルに企画案を検討し書面にまとめて起案しなければいけない。自分に経営学やマーケティングの専門知識がないことを不安を感じる人は多い。著者は、リクルート社の新規事業開発室のマネージャとして長く勤務してきた経験から編み出した「国語・算数・理科・社会」という思考フレームを紹介している。・事業は「算数」から考え始めてはいけない・まず大事なのは「国語」。人の気持ちを慮る・人が抱えている「不」を解消することこそが事業の本質・「不」が発生している理由を考える(理科)・「不」が解消されていない背景を洞察する(社会)で、骨太の魅力的な事業コンセプトを考えていくのだという。これまで3,000人の事業企画書を見てきた経験から、多くの企画は「国語」の掘り下げが甘く、「理科」の分析が弱いことが多いと言うのもわかる気がする。新規事業の検討でよく使われる「アンゾフの成長マトリックス」という思考フレームに筆者オリジナルの「5W2H思考」を組み合わせて発想の幅を広げるという手法も面白い。「誰に×何を」「どこで×どうやって」「いつ×いくらで」と軸の組み合わせを変えながら9種のマトリックスを使って発想を広げていく。これはかなり実践的でイメージが湧く。新規事業の担当者は、とかく企業の中で「金食い虫」と厳しい目で見られたり「遊んでるんじゃないか」と揶揄されたり、組織の中で孤軍奮闘になることが多い。実際、なかなか成果を出すことができず苦労している人も多い。けれど、入社間もない若いうちは「決められたことをちゃんとやる」だけで評価されても、年次を重ねていけばそれだけでは評価されなくなってくるし、役職者ともなれば今までと同じことをやっているだけでは更なる昇進は期待できなくなっている。そんな時代だ。企業に変革が求められているとと同じように、企業人にも働き方、仕事に取り組む姿勢を変えていくことが求められているのも自然な流れだ。そんな企業人にぜひお薦めしたい1冊だ。著者紹介リクルート社の新規事業開発室で長くマネージャを勤めた後、「社内起業」でオールアバウト社を創業(2005年JADAQ上場)。事業責任者等を務めた後、2010年に独立。社内起業の支援に特化し活動。早稲田大学ビジネススクール研究センター特別研究員。SBI大学院大学客員教授。著書に「はじめての社内起業」(ユーキャン刊価格:1,600円+税)がある。
2015年09月10日何気ない瞬間にちょっとした不都合を感じて、「こんなサービスがあれば良いのに!」と思う人は少なくないだろう。だが、それを形にする情熱を持った人は、どれくらいいるだろうか。さらに、それをユーザーから求められるサービスへと成長させられる人は、ごくわずかだ。電子機器(新品・中古品)の買取価格を比較し、希望に合った買取条件で開発業者を探せるサービス「ヒカカク!」を運営するジラフの代表取締役 麻生輝明氏はそんな人物の一人である。某VCからの内定を辞退し、現在は一橋大学商学部を休学しながらサービス開発・改善に勤しむ。起業のきっかけは、内定が出たのち時間に余裕が生まれ、ふとサービス開発を思い立ったことに遡る。ものづくりに夢中になる中で、麻生氏が思い出したのは2006年前後のネットバブル期だった。「当時、僕は中学生で、コミュニティサイトを運営していたんです。最初はHTMLがわからなくてもサイトを作れるツールを使っていましたが、独学で勉強して自分で一から作れるようにもなりました。自作サイトが成長していくタイミングでネットバブルが起こり、IT企業が続々と上場するニュースを目にして、起業やサービス開発に強い興味を持ったんです」(麻生氏)その頃の思いが蘇り、2014年10月にヒカカク!をローンチ。今や買取商品数は7万点を超え、サイトに書かれた口コミ件数は5,000点を超える。さらに2015年7月には、全国1,000店舗のiPhone修理業者から、画面割れ修理やバッテリー交換、水没修理などのメニューごとに費用比較を行えるサービス「最安修理ドットコム」もリリースし、好評を博している。「ヒカカク!も最安修理ドットコムも、商品を買うときではなく、使っているときに起こる課題を見据えている点に特徴があります。購入時は収益を上げるポイントになるので、展開されるサービスもありますが、それ以外の瞬間は見過ごされがちです。そこをサービス化することが求められていると思います」と語る麻生氏に、ヒカカク!開発の経緯や起業への思いを聞いた。○買取業者探しにかけるコストを下げたかった麻生氏 : ヒカカク!の起源は、2つの出来事にあります。1つは、大学3年の頃の体験で、使わず持て余していたタブレットを売りたいなと思ったんです。そこでまずオークションサイトを覗いてみたところ、面倒くさそうだと感じて断念しました(笑)。次に、買取業者に売ろうと思いましたが、安く買い叩かれるイメージがあって嫌だなと……。できるだけ手間をかけたくないし、高く買い取られたいとぼんやりしていたら、気づいたときには1年以上経っていたんですよね。不要なものがあっても、処理するアクションが面倒で放置しがちになりませんか。2つ目は、大学4年の頃のエピソードで、僕の友人に古着店や楽器店などで、よく不要品を売る人がいたんです。彼から「毎回何店舗かお店を回って、査定額を比較した上でなるべく高く売っている」と聞きました。でも、よく考えると1店舗ずつ回るのは大変ですよね。地方だとなおさら時間的コストがかかるでしょう。この2つのエピソードがきっかけとなって、買取価格の比較から買取までWeb上で完結すれば、かなりの効率化を図れることに気づき、ヒカカク!というサービスを想起しました。価格を知るという意味では、クルマのような高額商品を売る際に一括査定するサービスは昔からありました。でも、ああいったサービスは、査定申し込み後、結果が通知されるのを待たないと、いくらで売れるかわからないんですよね。あらかじめ買取価格が比較できるサービスがあれば良いのにと思いましたが、日本にはなかった。だから僕たちは、Webサイト上で買取価格を公開し、ユーザーが自らの意思で売り先を積極的に選べるサービスを作ることにしたんです。(2015年8月)現在は電子機器を中心に取り扱っていますが、実は当初、電子機器と楽器を取り扱うつもりでした。でも、楽器店に話をしにいくと、あまり良い反応を得られなかったんです。楽器業界は大手やチェーン店が大半で、トップ企業を取り込まない限り難しいなと。一方で、電子機器は小規模な買取業者が多く、楽器よりも事業として進めやすかったので、動き始めてから約2週間で、電子機器1本に絞ろうと決めました。○今すぐの課金やマネタイズは、考えていない――― ちなみに、サービスサイトを見ていると、高額な買取額が目立つのはなぜでしょうか?小規模な買取業者を中心に掲載しているからです。そもそも買取業者によって買取価格が違うのは、コスト構造が異なるから。多くの大手買取業者は駅前の一等地に店舗を構え、多大な広告費を投下しているぶん、買取価格を下げないと採算がとれなくなります。一方、広告費にあまりお金をかけていないため、大手と比べて買取価格を高く設定できるのが、小規模な買取業者の特徴です。ヒカカク!のようなプラットフォームビジネスの成否は、どれだけ多くのプレイヤーを集められるかにかかっていると思っています。短期的な利益を上げようとしても意味はありません。そのため、僕たちは(2015年8月)現在の状況を将来への投資として捉え、買取業者の掲載を基本的に無料としています(有料プランもある)。ユーザーの声に応えられるサイトを作るために、買取業者の掲載を無料にし、高額買取を行う小規模な買取業者をたくさん集めているんです。時期は未定ですが、いずれは買取業者に課金するビジネスモデルを想定しています。ヒカカク!に出稿してもらえば、自社サイトを一生懸命作って集客する必要がなくなり、ヒカカク!内で買取業務を完結できる ―― そんな状態を目指しています。――― ローンチから今に至るまで、サービスの認知拡大のためにどのような取り組みを行ってきたのでしょうか。主にSEO施策とコンテンツの拡充です。SEO施策については、キュレーションメディア「MERY」のSEO担当の方からいただいたアドバイスを地道に実践してきました。サイト構造をテコ入れし、Googleから高い評価を得られやすくしたんです。コンテンツの拡充については、サイト内に買取をテーマにしたコラムを月10~15本制作し、現在200本以上(2015年8月26日時点)掲載しています。査定額を上げる方法や売るときの注意点など実践的な内容が多いです。初期の頃は僕たちが書くこともありましたが、今は外部のライターさんにお願いし、編集・掲載は社内でやっています。検索でヒットしたコラムから本体サイトへの流入も多いですね。メディアECなんて言葉もありますが、ヒカカク!でもその仕組みを取り入れています。コラム本数が増えて4カ月くらい経ったあたりから、SEO施策が効いてきたと感じています。まとめると、ユーザーにとって使いやすいサイト構造を追求し、ユーザーにとって有意義なコンテンツを作り続けるといった、あたりまえですが正しいことをやり続けることが大事だと思いますね。○「サービス立ち上げ時から仲間探しをすべきだった」という後悔――― ここからは起業にまつわるお話も伺います。起業前後を振り返ってみて、「やり直したい」と思うことはありますか?創業当初にもっとたくさんの人に会って、一緒にやっていくメンバーを早く見つければ良かった、と思っています。手伝ってくれる学生はいましたが、彼らは4月から就職し、事業の根幹に長期的に関わる人間は僕一人という状態が3~4カ月続きました。要は、自分が内定を辞退して起業しようと覚悟を決めた一番苦しい時期に、事業を運営していく体制が築けていなかったんですよね。そのため素早く事業を進めることができなかった。心が折れそうになったこともありましたよ(笑)。今は3月末頃から最近にかけて採用した、僕を含めて5人のメンバーで動いていますが、人を集めるのに相当苦労しました。僕はサービスができてからで良いやと採用を先送りしていましたが、それは間違いでした。現状として、外部資本を投下しながら、ヒカカク!というサービスの可能性を検証する時期に入っていると考えています。この状況で、成長・拡大中のサービスを一緒にやろうと誘うよりも、立ち上げから一緒にやってもらえないかと誘うほうが、人材を採用しやすかったなと。やはりゼロからプロダクトを作り出すのとそうでないのとでは、入ってくる人のマインドも全然違うと思うので。――― 最後に、起業して約1年経ちますが、創業期を経て感じたことを教えていただけますか?起業に興味を持つ人は多いですが、最初の一歩を踏み出せるかどうかで、大きな差が出てくると思います。一歩踏み出したら、話がどんどん大きくなっていくので、嫌でも進まざるを得ない状況になります。初めて挑戦することですから、怖いと感じる気持ちはわかります。最初は何をすれば良いかもわかりませんし。それでも、やらないといけない理由や使命のようなものがあるなら、チャレンジしないのはもったいないです。とくに、昔から作りたいサービスがあって、長期間考え続けてきたのであれば、挑戦すべきだと思います。十分に考え尽くしたものを形にすると、その過程で必ず得るものがあります。それに、実際にやってみないとわからないこと、見えてこないことはたくさんありますから。やってみて学ぶことに価値があるのではないか、と今は純粋に感じています。
2015年08月28日米Dellは6月30日、女性起業家に関するレポート「Global Women Entrepreneur Leaders Scorecard」を発表した。日本を含む31カ国における女性起業家の現状を分析・評価したレポートで、日本は100点満点中49点の10位となった(スペイン、ジャマイカと同順位)。10/31という数字は決して悪くなさそうに見えるが、その一方でスコアリングが満点の半分にも至らない事実もある。日本の課題は何か、Dell出資のもと、同レポートを作成したジョージ・メイソン大学で博士号を持ち、ACG創業者兼CEOのRuta Aidis氏に話を聞いた。○女性起業家のタイプは3つこのレポートはDellが3年前からAidis博士とともに年に一度作成しているレポート。女性起業家の現状をデータにより示すことで、各国の政府などの当局や産業界による課題の認知を促すことを目的とする。31カ国で世界の女性人口の70%をカバー、これらの国のGDP総額は世界のGDPの76%を占める。レポートは、毎年Dellが主催する女性起業家イベント「Dell Women’s Entrepreneur Network Summit 2015」で発表された。今年のイベント開催地となったドイツ・ベルリンの会場で、Aidis博士は3回目となるレポートのポイントを説明した。これまでは数値やスコアの提供にとどまってきたが、今回の特徴は「単なるアウェアネス(意識)の喚起から一歩踏み込み、この現状からどのようなアクションをとれるのかのアクションステップの提案も行なった」とAidis氏。女性起業家はヘルスケアのTheranosを立ち上げたElizabeth Holmes氏などの成功例が出てきているが、まだまだ課題は多い。例えば、Jessica Alba氏が立ち上げたベビー用品のECサイトThe Honest Companyなどもあるが、「セレブなのでリソースにアクセスできるものの、他の一般の女性にはこのようなメリットはない」(Aidis氏)。このような特権階級にある起業家(グループ1)のほかには、成長の可能性を追求し潜在性のある起業家(グループ2)が成長国で生まれつつある。そして最も多いのが、途上国で見られる女性起業家で、生活のために起業し、成長を考えず、そのノウハウを持たない消極的なビジネスオーナー(グループ3)の3種類に大別できるという。これらの問題をすぐに解決できる「万能薬」は存在しない。全体的なアプローチが必要とはAidis氏の弁。そこで、ビジネス環境リソースへのアクセス女性のリーダーシップと権利起業家パイプライン潜在的な起業家リーダーの5つのカテゴリから31カ国を評価した。その結果、総合トップは米国、次いでカナダとオーストラリアが2位となり、4位スウェーデン、5位イギリスとなった。日本は北アジアではトップの10位だが、課題が多い。○日本の問題点は?女性CEOの比率をみると、米国ではS&P500インデックスの企業で4.6%を女性が占めており、上級管理職は21%、取締役会の肩書きを持つ女性は19.2%となっている。また、総合15位の中国でもCEO比率は5.6%となっている(McKinsey データより)。翻って日本を見ると、日経225インデックス企業における女性CEOはゼロ。上級管理職についても日本は8%と他国(ロシアの40%、ポーランドの37%、ジャマイカの35%など)に比べると格段と少なく、取締役会も3.1%と韓国の1%の次に低い。日本がそれでも10位にランクインした理由は、1つ目に挙がった「ビジネス環境」で高い評価を受けているためだ。ビジネス環境は、研究開発への投資、イノベーションエコシステム、資本、競争を重視する市場などから割り出すものだが、日本はこのビジネス環境、高い教育レベルなど素地はそれなりに整っている。「ビジネスの成長が簡単で、新規事業参入障壁も低い。大学と企業の連携もあり、インターネットや教育へのアクセスが整っており、雇用均等法もある」とAidis氏は日本の状況を評価する。一方で、起業家創出につながる「起業のためのパイプライン」は、31位の最下位に。日本では女性の75%が就労しているが、上記のようにリーダー的立場にある女性となると少ない。また、起業マインドの低さも指摘されている。なお、これは女性だけの課題ではなく、「男性も起業するというマインドが少なく、ビジネスをスタートするチャンスをあまり見出していない」とレポートは日本を評価している。総合的に、「ビジネス環境は強いが、女性にスキルがないこととビジネス創出の機会を感じていないことが課題」とAidis氏は分析する。安倍政権になり女性の就労支援に関連したイニシアティブが取られつつあるが、女性が働く意識を損なわせるといわれる"税制の改革"も必要だとレポートでは指摘している。○日本のビジネス環境の改善に必要な要素とは?日本へのアクションステップとしてAidis氏が提案するのが、公共調達で女性がトップを務める企業の比率を設けることだ。「公共調達はGDPの10~15%を占める重要な市場だ。米国では女性企業の比率を設けており、これが企業の成長を支援している。政府が女性を支援しているというメッセージをもっと明確にすべきだろう」(Aidis氏)女性リーダーを増やすという点でも、英国ではじまった「30%Club(取締役会における女性の比率を30%にする)」など自発的な動きがあると紹介した。なお、Aidis氏がDWENの前である5月に来日した際、女性経営者のための一般社団法人エメラルド倶楽部代表理事の菅原智美氏ら4人の女性起業家や経営者が募ってラウンドテーブルが開催された。その際、集まった4人の中からは、「日本の女性は受け身」「学校教育にビジネススキルの獲得が含まれていない」「昇進すると叩かれる」「働いている女性が退社すると周囲が文句をいう。このようなコメントを聞くと未婚の女性は働くか家庭かしか選択するしかないと思うのでは」「転職をもっと簡単にすべきだ」といった課題が提起されたとしていた。
2015年07月09日モテる男子の本音って、気になりますよね。世の中にはいろんなイケメンがいますが、若手起業家はどんな恋愛観を持っているのでしょうか。大学生のインターン支援としてウェブ教育を手がける会社を経営する白澤 慶幸さんと、電子書籍の出版支援を行う会社を経営する梅田 憲嗣さんにお話を聞いてみました。■1.理想は里田まいさん!キャリアウーマンより家庭的な女性がいい若手起業家として賢明に仕事に取り組むふたりにとって、率先して家事をしてくれたり、忙しさを理解してくれる女性はありがたいようです。「バリバリのキャリアウーマンより、仕事はそこそこでも家庭的な人がいいですね。里田まいさんとか理想的。アスリートの夫を支えるために海外についてって専門の資格を取ったりして。それでいてちゃんと自分の人生を楽しんでる」(白澤さん)「たしかに。縁の下の力持ちでいてくれると嬉しいですね。うまくできなくても、理解しようとがんばってくれるだけで嬉しい」(梅田さん)■2.彼女のファッションやデート場所は、こだわる会社の顔である経営者。自分が社長だからこそ、彼女にも気をつけてほしいのが、人からの見られ方だと言います。「経営者として、いつ誰に見られても恥ずかしくないことって大事だと思う。だから彼女の服装も気になりますね。好きな服を着てほしい気持ちもあるけど、個性的すぎたり派手なのは困ります。カジュアルでも大人っぽいZARAとか、いいなと思う」(白澤さん)「服装以外にも、デートの場所もお互い気を使える人がいいですね。ファミレスデートとかはちょっとできないかな。きちんと経営者として恥ずかしくないカフェやレストランに行きます」(梅田さん)■3.ガールズトークは女の子だけのときにしてほしいふたりのような起業家に会ったとき、女の子が気をつけた方がいい言動についても聞いてみました。「女の子側が2人以上になったときって、女の子同士で盛り上がりますよね。プライベートでも仕事でも、女性ってガールズトークに走りがちだなって思う」(白澤さん)「ありますね。女の子だけで盛り上がられると印象が悪いです。男は2人以上になっても、女性がその場にいたらわからない話はあまりしないと思うんですよ。相手に楽しんでほしいと思うし、気を使います」(梅田さん)「たとえば人見知りで話しづらいんだとしても、せめてこっちが話を引き出そうとしてるのを察して、ちゃんと答えてほしいですね」(白澤さん)起業家やモテる男子といるときに限らず、ガールズトークは、女子だけの場にとどめておいた方がよさそうです。■4.大きなわがままも叶えてあげたいおどろいたことに、ふたりは女の子のわがままを積極的に聞きたいタイプだそうです。ちょっとムリなわがままも、がんばって稼ぐためのモチベーションになるんだとか。「僕は、わがままな子が好きですね。行きたいところや食べたいものはどんどん言ってほしい。自分1人だと仕事を優先しちゃうんで、提案してもらえると世界が広がるから嬉しいです」(梅田さん)「僕もわがまま聞きますね。喜んでほしいのと、ケンカになったら面倒くさいって気持ちがあって。プラダが欲しいとか、タワーマンションに住みたいっていう大きなわがままも、なるべく叶えてきました。それが仕事へのモチベーションにもなりますから」(白澤さん)「関係が深まる前でも、ガマンせずにわがままを言ってみるといいと思う。そのとき面倒くさがる男なのか、興味持ってくれる男なのか、早いうちに知れた方がいいじゃないですか」(梅田さん)気になる男性に気を使ってしまう女性は多いもの。でも、早くわがままを言ってみることで、付き合うべき男性を見極めるくらいでいいのかもしれませんね。■おわりに支えてくれる女性を好んだり、人からの見られ方を意識したり・・・若手起業家ならではの恋愛観が垣間見えましたね。起業家男子と恋愛したい女性は、参考にしてみてください。(かみむらゆい/ライター)
2015年07月09日日本や欧米を含む世界31カ国において、男女格差が女性起業家の経済力を制限しているという。デルがドイツ・ベルリンで開催した国際年次イベント「デル女性起業家ネットワークサミット」において6月30日(ベルリン時間)に発表した「グローバル女性起業家リーダーズスコアカード」の結果による。同スコアカードは同社がスポンサーとなっており、女性経営者の起業・事業拡大・雇用創出・業界構造の変革に関する課題と機会に焦点を当てた、同社によると初めての世界的な分析だという。リーダー・政策立案者・立法者に向けて、各国の状況の改善方法を提言すると共に、女性が設立した企業の成長を可能にするための診断ツールの提供を目的にしているとのこと。2015年の結果は、世界中の女性起業家の状況について包括的な見解を示し、ベスト・プラクティスを明示しているとしている。なお、調査対象となった31カ国は以下の通り(50音順)。インド、ウガンダ、英国、エジプト、オーストラリア、ガーナ、カナダ、韓国、ジャマイカ、スウェーデン、スペイン、タイ、中国、チュニジア、チリ、ドイツ、トルコ、ナイジェリア、日本、パキスタン、パナマ、バングラデシュ、ブラジル、フランス、米国、ペルー、ポーランド、マレーシア、南アフリカ、メキシコ、ロシア。これら31カ国で、世界GDPの76%を含むとしている。調査対象31カ国のうち7割以上でスコアが50%を下回り、女性が経営するビジネスと男性が経営するビジネスの成長の差が世界的に大きいことを示しているとのこと。同スコアカードでは、ビジネス環境が全体的に良好であることと民間部門における女性の人材の流動性が起因して米国が1位であるものの、その総合スコアは71%にとどまっている。米国で女性が男性と同じ割合で成長志向のビジネスを開始すると仮定した場合、2年間で1,500万人の雇用が創出されると同社は予測する。なお、日本は全体の10位ながら、スコアは49%だった。同スコアカードに関して同社は、公平なリソースの利用、成長資金およびイノベーション・エコシステムの利用、国により異なる具体的な長所と短所、リーダーの役割は依然として男性優位、重要な役割を担っているのは政府、起業家を阻む男女格差の各点を課題として挙げる。教育やインターネット、銀行口座、中小企業研修プログラムなど基本的なリソースの利用では、依然として国によって大きな差があるという。英国では複数のカテゴリーにおいて男女格差がほとんど無い半面、このカテゴリーの最低スコアだったパキスタンでは女性のインターネット利用・銀行口座の所持率とも低い値だった。ランキング上位の国はいずれもおおむね、安定したビジネス環境を提供しており、事業規制や汚職、市場独占が比較的少なく、研究開発投資、イノベーション・エコシステム、資本の利用可能性の各レベルにおいて高いスコアを取得しているという。ビジネスを始めるスキルがありビジネスチャンスを見いだしている女性の割合では、ナイジェリアが最も高かったとのこと。しかし、同国のビジネス環境が整っていないことが成長の妨げになっているとしている。半面、日本は安定したビジネス環境が整っているが、ビジネスチャンスを見いだしている、またはそのスキルがあると感じている女性はごくわずかだと指摘する。大手上場企業のCEOにおける女性の比率を見ると、中国、ブラジル、マレーシア、ナイジェリアの4カ国では5%にとどまり、6カ国では0%という結果だったという。女性が上級経営者の35%以上を占めているのは、ポーランド、ジャマイカ、ロシアの3カ国のみであり、またフランスは女性が取締役の30%を占める唯一の国だったという。公共調達は発展途上国のGDPにおいて30~40%以上、先進国のGDPでは10~15%を占めているが、世界的に見ると、女性が経営するビジネスに与えられている公共調達契約は、推定で1%とのこと。今回の調査対象である31カ国のうち、性別および公共調達に関する方針によって成長志向の女性起業家を積極的に支援しているのは、米国と南アフリカの2カ国のみだった。調査対象の全31カ国において、起業家の知人を持つ女性はほとんどいないという。これは、起業家の模範となる人物が周囲におらず、また起業家のコミュニティとのつながりが無いことを示しているとのこと。これは女性がビジネスを始める傾向に影響を及ぼしており、全31カ国の68%で女性は男性に比べて起業する機会が圧倒的に少ないと感じているが、それらの国のほぼすべてで、男女それぞれの起業能力は同等と考えているという。
2015年07月02日仕事と育児をどう両立させるか――これは、仕事を持つママにとって永遠の命題ともいえる課題です。妊娠~出産を経ると、女性はいやおうなしにライフスタイルが変わるわけですから、働き方もそれに合わせて変化させる必要が出てきます。多くの人が時短勤務という方法を取る中、フリーランスになる人や、いっそのこと起業してしまおうと考える人もいるでしょう。しかし、起業となると、特にお金の面でのハードルやリスクが高いように感じられ、二の足を踏む人も多いのでは。今回はそんな、女性の起業にまつわるお金の問題について、ママ起業家たちのリアルな数字を紹介します。人気のママ起業家たちが実際に起業した時、自己資金はいくら用意していたのでしょうか? 2015年5月23日~24日に開催された、働く女性がもっと活躍できる環境づくりを応援するイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2015」の中のトークセッション「働きかたNext Presents 女性の起業Q&A~7人の女性起業家がお答えします!~」でのトークの内容をまとめました。起業時の自己資金、もっとも多かったのは500万円、もっとも少なかったのは10万円トークセッションに登壇したのは、以下の7人のママ起業家たち。● Studio-navel (スタジオネーブル)代表 高田 奈付子さん ● Solace代官山 代表取締役/加圧インストラクター 山崎 麻央さん● 株式会社タイドハーツ 代表取締役/「 Glolea! 」編集部編集長 内海 裕子さん ● 株式会社ポーラスタァ 代表取締役社長/ママのための情報サイト「 Ca-sun 」編集長 高沖 清乃さん● 株式会社エグゼクティブコンシェルジュ 代表取締役 野原 千春さん ● SugarBaby 代表取締役/バイヤー 吉田 悠里さん● 株式会社ai 代表取締役 /「 東京こども★レストラン 」編集長 今西 敦子さん前列左から、高沖さん、野原さん、今西さん、山崎さん。後列左から、吉田さん、高田さん、内海さん。皆さん、ママ起業家としてさまざまなメディアに引っ張りだこな人たちばかり。なかでも今西さんは、Woman.excite ママで、 子連れで行けるレストラン や エステサロン の紹介記事も書いてくれています。そんな皆さんが、起業のきっかけや準備、家庭と仕事の両立、起業に対する家族の理解について、赤裸々に語ってくれていました。特に興味深かったのは、起業時に用意した自己資金の話。今は資本金1円から会社を起こすことができますが、そうは言っても、物事を始めるには何かと元手が必要になります。ママ起業家たちは、開業時、自己資金をいくら用意していたのでしょう。7人のママ起業家たちのうち、起業時の自己資金がもっとも多かったのは、加圧トレーニングのスタジオの代表で、みずからもインストラクターとして活躍中の山崎 麻央さん。スタジオを借りたり、マシンを用意したり、もろもろで500万円ほどかかったそうです。逆にもっとも自己資金が少なかったのは、個人向けの金融相談サービス会社の代表である、野原 千春さん。自己資金らしいものは、ファイナンシャルプランナー(FP)として独立するために、3ヵ月間FP養成の専門クラスに通ったお金、約10万円だけだったそうです。そのほか、マタニティヌード撮影の先駆け的フォトスタジオ「Studio-navel」の代表、高田さんと、オシャレな輸入ベビー服のネットショップ「SugarBaby」の代表兼バイヤーの吉田さんの、起業時の自己資金は30万円ほど。グローバル志向なママ&キッズのための情報サイト「Glolea!」編集長の内海さんと、「ニンプス」や「Ca-sun」といったママ向け情報サイトを運営している高沖さんは、起業時に用意した資金は約100万円だったと話していました。今ではしっかりと経営しているママ起業家たちも、起業当時はいろいろあったようで、PCが1台しか買えず、もう1人のスタッフと時間を区切って使ったり、旦那さんに反対されたり、さまざまな苦労があったことをうかがい知ることができました。会場ではたくさんの女性たちが、ママ起業家たちの話に聞き入っていました。1日のうち、仕事に費やす時間は平均9時間そんな起業家のママたちは、一体1日何時間くらい仕事をしているのでしょう? 気になるその話題にも、トークセッションでは触れられていました。仕事の時間が長めだったのは、山崎さん、野原さん、今西さん、高沖さんの4名。今西さん、高沖さんはそれぞれ、山梨と東京、長野と東京でデュアルライフを送っているため、「東京にいる時はずっと仕事をしているけれど、地元に帰るとほとんどしない」スタイルではありますが、大体1日12時間ほどお仕事。野原さんと山崎さんは約10時間とのことでした。一方、1日の仕事時間が比較的短かったのは、吉田さん、内海さん、高田さん。吉田さんは5時間ほど、内海さんと高田さんは大体7時間とのことで、7人の時間を平均すると、ママ起業家たちが仕事に費やす時間は、1日あたり9時間ということに。単純に時間だけを見ると長く感じられるかもしれませんが、自分で起業している分、調整はしやすいので、毎日仕事ばかりしているわけではないということは、皆さん口を揃えておっしゃっていました(もちろん、その逆の場合もあるわけですが)。トークセッションのなかではほかに、「起業することで、個人の時とは違う、規模感のある仕事をできるようになった」という、今西さんのコメントが印象に残りました。たしかに、フリーランスの場合は受注仕事がメインになってしまいますが、法人になると、受注だけではない取り組みも増えますよね。「起業」を働き方の1つとして選べるようになったいま、自分に本当にあった働き方は一体何なのか、あらためて考えてみてはいかがでしょう。
2015年06月25日コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)は6月15日、世界を変える革新的なソフトウェアを生み出し、シリコンバレーのような、起業家が起業家を育てる好循環を日本に創り出すことを目的に、「CSAJスタートアップ支援事業」を開始すると発表した。これにともない、支援先である「スタートアップ企業」ならびにファンドへの「一般投資家」を募集する。今回の募集では、CSAJがソフトウェアを中核とした技術系スタートアップを公募・選定し、出資を行う。あわせて、起業経験を持つ現役経営者による経営指導、メンタリング、教育・訓練などの支援体制で、革新的なソフトウェアを生み出すスタートアップ企業をバックアップする。また、同事業の運営開始に伴い、出資面で支援する「CSAJスタートアップファンド投資事業有限責任組合(CSAJファンド)」を新たに設置。「CSAJスタートアップ支援事業」で発掘・育成された起業家には、「CSAJファンド」から、シード期の少額出資と成長の期待できる企業への多額出資の2段階での投資を予定している。支援対象は、ソフトウェアを中核とした技術系スタートアップ企業またはチームとし、募集期間を2015年6月15日~7月31日(一次募集)、2015年9月1日~11月30日(二次募集)としている。一般投資家の募集期間は2015年6月10日~9月30日、出資規模の目標は10億円。投資企業の組成は豆蔵ホールディングス、フォーラムエイト、サイボウズ、コーエーテクモキャピタル、さくらインターネット、フリービットインベンスメント、キャピタル・パートナーズ証券、コンピュータソフトウェア協会(無限責任組合員)などとなっている。
2015年06月17日ブルックリン・ブルワリー創業者スティーブ・ヒンディ著『クラフトビール革命 地域を変えたアメリカの小さな地ビール起業』が、DU BOOKSより7月3日に刊行される。近年、”クラフトビール”と”ニューヨーク・ブルックリン界隈”が大きな注目を集めているが、本書では、全米で最も成功したと称されるブルックリン発のクラフトビールメーカー「ブルックリン・ブルワリー」の創業者スティーブ・ヒンディが、アメリカの地ビール醸造家らへ自ら取材を行い、それを基にクラフトビールの歴史を綴っている。少数派の地ビールメーカーらが有名ブランドに挑んでいく起業ものノンフィクションとしても、また食を通じた町おこしの実践例を示したビジネス書としても読みたい1冊だ。ヒンディはAP通信の元ジャーナリストで、記者時代にビール醸造に目覚めて同社を退社。1986年に設立した「ブルックリン・ブルワリー」がアメリカのクラフトビール市場で10位内に入る人気ブルワリーに成長し、現在ではニューヨーク・ブルックリンの観光名所ともなっている。【書籍情報】『クラフトビール革命 地域を変えたアメリカの小さな地ビール起業』著者:スティーブ・ヒンディ(ブルックリン・ブルワリー創業者)、訳/和田侑子出版社:DU BOOKS言語:日本語ソフトカバー/480ペー ジ/127×188mm発行:2015年7月3日価格:2,200円
2015年06月09日ドリコムとリブセンスは1月8日、共同で学生起業家向けビジネスディスカッション「STARTUP 50 for Students」を開始した。このプログラムは、2013年12月にリブセンスとクックパッドが共同で発足した起業家応援プログラム「STARTUP 50」の学生版。共に学生起業社長であるリブセンスの村上社長とドリコムの内藤社長が、自らの実体験をもとに起業中もしくは起業準備中の現役学生と直接ディスカッションすることで、事業の実現や成長を応援する。対象者は「起業中もしくは起業準備中の学生、国籍・年齢・性別・学歴等不問」としており、事業領域や規模などに制限はない。応募は専用サイトより2月1日までエントリーを受け付ける。両社は、「STARTUP 50 for Students」による学生起業サポートを通じ、これからの日本経済成長や新しい社会創りに貢献していくとしている。
2015年01月09日阪急電鉄は、大阪・梅田を舞台とした新産業創造・地域活力向上を目指し、起業家たちの新しいビジネスの立ち上げを支援する取り組みを開始する。○24時間利用可能なオフィス同社では、"オフィス提供""コミュニティ形成促進""ビジネスサポート""情報発信"といった4種の「スタートアップ支援メニュー」を展開する。その取り組みの第一歩として、起業を目指す人々が集い、新しいビジネスモデルの創造を実現させていくための拠点として、会員制オフィス「GVH #5」(ジー・ブイ・エイチ・ファイブ)を、11月下旬に開設する。同施設は、阪急梅田駅から徒歩約2分の「阪急ファイブアネックスビル」の11階および5階にオープン。11階は、共同オフィススペースおよび情報発信のためのイベントスペースとして使用するフロア、5階は個室ブース型のオフィススペースを設けたフロアとなる。24時間利用可能で、会議室、セミナールーム等の共用設備も整備する。オフィス空間の提供だけではなく、施設を拠点とした新たなビジネスパートナーとの出会いの場など、さまざまな支援サービスの提供を行う。今後、大学、企業、専門家、投資家、起業支援機関等とのコラボレーションを促進し、スタートアップ活動を支援するためにソフト・ハード両面でのビジネス環境整備に取り組む。
2014年10月28日不満買取センターは不満を新商品開発や業務改善や活用するためのヒントとして、経営者や開発担当者・起業家などを対象に「不満解決道場」を公開した。同社は登録会員から日常のあらゆる不満を買い取り、それらの不満を商品やサービスの開発、改善のヒントとして活用できる仕組みを同社サイトで提供している。「不満解決道場」は、経営者や開発担当者などから「不満活用の重要性は分かるが、具体的にどうしたらいいかヒントが欲しい」という要望が多く寄せられていることから、それに答える形で企画、公開したビジネスマン向けの啓蒙コンテンツとなっている。同コンテンツではまず、不満買取センターに寄せられた不満に対して、編集部員が知財開発の専門家の指導を元に「解決のヒント」を作成。さまざまな切り口で不満活用のヒントを提供している。また、柔軟な発想を促すために断定的な表現をできるだけ使わず、ユニークな視点を取り入れるように配慮。例えば「駅からだいぶ離れたところに住んでいるが、駅までのバスが一時間に一本しかない」という不満に対しては、「バスの本数を増やす」という直接的な解決方法以外に、「自習室やクイックマッサージ店を開きバス待ち割引を実施する」など、不満をビジネスチャンスとして活用するアイデアも提案しているという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月24日