女性と違って「座標原点」をつくりたがるのが男性。帰る場所があることで、安心して仕事もできるし、日々を過ごすことができる。そして、その原点に自分がなってしまえば、右に出るものはいないほど相手にとって大事な存在になると、脳科学者の黒川伊保子さんが教えてくれました。空間認識でものを見ている男性にとって、その始点である座標原点はとても大事です。たとえばその原点が苦労した思い出だったら、たまにその時の記憶に戻り、「あそこから自分はここまできたな~」と今を確認したり、それが妻だったら、毎日帰ってきて「ああ、家に帰ったな」と安心したりする。お祭りが楽しみな人だったら、「お祭りまであと何カ月」と数えることで、それまでの距離感を測っているのです。男性って、美容院とか行きつけの居酒屋とか、1度決めたらよほどのことがないかぎり変えないですよね。それは、その場所を定点にしているから。思念空間に原点といくつかの定点を置いて、それらを使って距離感を探りながら世界を広げていくのが男性脳なのです。私の舅は「お昼は蕎麦」と決めているのですが、そこを原点にして一日の距離感を測っています。また、入院していても女房がいない寂しさで、ムリを言って帰って来てしまう人もいます。普段は無口でそっけない夫でも、妻がいるところにどこからでも戻ってきたがるのは、そこが定点だから。座標原点になってしまったら、勝ったも同然です。それには、わざわざ居心地のいい女性になる必要もありません。むしろ、ガミガミ言っても大丈夫。終始うるさく当たっていたとしても、8割くらいは脳がフィルターとしてとりこぼしていくので自然体でOKなのですよ(微笑)。■彼の定番になるための秘訣とは?結婚していて働いている女性や、同棲している女性へのアドバイスは、必ず週に1度は家にいて夕飯をつくる日を決めること。必ずいると決めた曜日にご飯が作れなかったら、きちんと謝ってください。定番になることで一番ダメなのが、定点がブレること。つまり、この日はいるものだということをお互いに忘れないようにすることが重要です。付き合っている男女の場合も一緒で、どんなことでもいいから定番をつくりましょう。得意料理でもいいし、会ってから30分は決してネガティブな話題をしないという習慣でもいい。女子は会った瞬間に、「ねえあのときのことだけど、なんであんなこと言ったわけ?」とつっかかることが多いのですが、あるときは機嫌がよくて、あるときは機嫌が悪いなど、常に変化しているのは最悪です。だから、20年たっても「お帰りなさい」と、どんなときも笑顔で迎えてくれる小料理屋のおかみやクラブのママが定番になるのです。結婚していなくても、仕事や出張から彼が返ってきたら「お帰りなさい」と言うのもいいですね。「君の“お帰り”が聞きたいから一緒に暮らそう」なんて展開になるかも…!。ひとつ、注意したいのはグチを言わないこと。女性のグチは男性の免疫力も落とすし、熟年の夫婦で「腰が痛い」と奥さんが言い続けているとだんなさんがうつ病になるというデータもあります。もしグチを言いたいなら、友達に電話して聞いてもらいましょうね。ちなみに、排卵日になるとホルモンの影響でイライラすることがあると思います。女性ホルモンのエストロゲンの分泌が高まっているこの時期は、とくに自分が発情している相手には絡まずにはいられなくなるのです。ただ、このときは、どうぞ思いっきり絡んでください。男性脳は、定番に安心しながら、ギャップで発情するという癖がありますから。いつも安定した情緒の彼女が、たま~にキレるのもいい刺激。なので、自然体で大丈夫です。素敵な愛情ライフを手にしてくださいね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月11日恋も仕事も人間関係も、20代の頃は目の前の出来事に悩んできて、30代に入ればラクになるかと思えば、また別の方向から悩むようになる。しかし、辛いのも「今だけ」と脳科学者の黒川伊保子さん。人はその年代によって、脳の役割があり、それを乗り越えると将来がグンと楽になるとか。私たちの脳神経回路は天文学的な数の回路がありますが、常に活性化していると、「物」の判断ができないしくみになっています。たとえば、目の前を猫が横切ったとしたら、それを「猫」を認知する回路だけが立ち上がらないといけません。同時に、象と豚の回路も立ち上がると、それが何か分からなくなってしまいますよね。ヒトは、脳神経細胞数が人生最多の状態で生まれてきます。ありとあらゆることを感知できるので、逆に、目の前の者が何かをとっさに判断することができません。日々の暮らしを重ねることで、生まれてきた環境に不必要な細胞を捨て、残された細胞の関係性を作ることで、家族を認知したり、言葉を認知したりできるようになるのです。こうして、脳は、経験によって知識を増やしながら、一方では、経験によって回路に優先順位をつけて絞り込むことで、とっさの判断を間違わない、より洗練された状態を手にしていきます。その観点で人生を見ると、28歳までは、知識を増やす入力系に偏っています。経験によって、さまざまな知識や方法論を手にするときなのです。脳は、いわば「がむしゃらな入力装置」。恋をしても勉強しても、遊びにもがむしゃらになれ、そこから、大事な「生きる知恵の基礎」(どうすればモテるのか、どうすれば儲かるのかetc.)を手に入れていきます。だから、28歳までは、がむしゃらに生きてくださいね。好奇心を感じたこと、あるいは先輩に「こうしなさい」と言われたことに、「自分に合っているのかしら、何になるのかしら」なんて四の五の言わずに、飛び込んでください。そして、誰もが28歳を超えると、がむしゃらさを失っていきます。脳が単純記憶力のピークを過ぎ、次の段階へ入ったから。30歳のお誕生日頃には、ここまでの「入力」のおかげで、その人が生きる環境においての世の中のしくみ、裏も表も、上も下も右も左もわかるようになっています。そんなわけで、世の中を見切ったような気分になるのが、30歳前後の脳の特徴。人生で最も傲慢なときかもしれません。でも、その傲慢さも、次の「人生の冒険」へ飛び込んでいく大事な起爆剤。どうぞ、思う存分、傲慢になってくださいね。30代の10年間、脳は、人生で最も苦しい時期を迎えます。世の中のすべてを見通せる脳になったのに、回路の優先順位がしっかりついていないので、迷うからです。30代の脳は、「誰になんと言われようとそれしかない、ずんと腹に落ちる、自分だけの選択」というのがまだしにくいのです。当然、評判や偏差値など、他人の評価を気にします。そのため、いくつもの選択肢が浮かび、選ぶのに迷うし、選んだ後もまだ惑う。人に何か言われる度に、気分も乱高下します。しかも、脳は、失敗事例を早めに経験して、失敗に使われた回路を整理してしまいたいので、苦しんだあげくの選択が間違っている可能性も高いのです。なんて苦しい脳かしら。はるか昔に越えてきた道だけど、私は30代に常に深い同情があります。でもね、30代の脳の使命は、苦しい選択をして失敗し、脳の「失敗回路」を早く消すこと。なので、思う存分、痛い思いをして泣いてください。けれど、それは、脳の豊かな感性のための大事なエクササイズ。痛い思いをする度に、脳はエクセレントになっていきます。絶対です。その際に、ぜひ気をつけてほしいことがあります。痛い思いをしたとき、それを他人のせいにしたら、せっかくの失敗回路消去がうまくいきません。それじゃ、何のために泣いたのか、意味がない。なので、辛い思いをしたときは、必ず自分の責任にしましょう。たとえ、誰かに裏切られても、「ひどい」と恨まずに「裏切らせたことが悲しい」と思うくらいの覚悟で。その苦しみも、40歳になる頃には楽になります。失敗回路に信号が行きにくくなるからです。無駄な信号も起こりにくくなるので、物忘れが始まります。頭に浮かんだ女優さんの名前が出てこないのは、そんなこと思い出せなくても生きていけるから。物忘れは、老化ではなく進化なのです。恐れないで大丈夫。■50代の自分をイメージして30代の混迷、40代の物忘れを抜け、50代半ばに脳は完成します。失敗回路に信号が行きにくくなり、「自分だけの深い確信」で生きられるようになります。このため、ちゃんと自分の傷を自分でなめてきて来た人は、人生の達人として、あらゆる場所で見解を求められ、話を聞いてもらいたい人に囲まれます。成功した多くの人が、「自分が最も大切にされたと感じたのは50代」と言います。逆にいえば、ちやほやされてしまって、傷ついたら人のせいにしてテキトーに生きてきた人には、老いの寂しさだけがやってきます。だって、20代や30代と同じ口を利く50代なんて、うざいだけでしょう? しかも「でも、だって、どうせ、だめ」の達人にでもなっちゃった日には…。50代、エレガントでキュートなマダムになって、若い人に知恵をあげる自分を想像してみて。そのための今日の苦しみ。そう思えば、涙も宝物。どうか、人生の波に乗ってくださいね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月04日トップ経営者や有名人などの成功者は、運がいい人が多いと言われています。私たちの周りにも、「買う予定だった服がちょうどセールになっていた」、「会いたいと思った人に、偶然駅で会った」、「オフの日が彼の休みと重なった」etc、いつも何かと運がいい人っていますよね。その人たちといると、ポジティブになるし、私たちも元気をもらえる気がしませんか? その秘密は、脳の中に隠されていると脳科学者の黒川伊保子さん。まず、運のいい人たちについて説明します。私たちの脳の回路は、3%が顕在意識のため、残りの97%は潜在意識のために使っているといわれています。潜在域の中でゲットして、顕在域でジャッジしていることが、本人は気付かないだけでたくさんあるのです。たとえば家族を守る女たちは、知らないうちに朝家を出る家族の変化を体臭、見た目などから感知。無意識に夫の顔色を判断し、ストックが切れていた風邪薬をなんとなくその日購入して、体調を整えるための夕飯のメニューを作っています。このように、潜在域で感じたことを、顕在域に要領よく伝えられる脳=運がいいことになり、家族がいつの間にか病気知らずで健康という結果になる。他にも、様々な出来事に対して事前に手を打っておけるので、人間関係や会社のトラブルも未然に防ぐことができます。さらに、スピリチュアルのように自然現象まで察知して動けるくらいの力があるのです。この力は、分かりやすく言えば直感がいいということ。直感が良く働くということは、感性の領域である小脳と右脳がきちんと使えて、左脳にその信号を伝える脳梁という場所が活性化していることが条件です。脳梁を効率良く動かすためには、運動をしたり身体を動かして小脳を鍛えるほか、気持ちを言葉にするというクセをつけることが大切。それも、「美味しい」や「嬉しい」、「あの映画は良かった」など、出来るだけポジティブな言葉を遣いましょう。運動し、感動を言葉に現したら、早寝早起きも鉄則。つまり、規則正しい生活が直感を磨き、運を良くすると言っても過言ではありません。■笑顔でいることが、運の良さも引き寄せる私は企業コンサルタントをしているので、仕事柄、多くの事業家に会います。その中で、成功している組織リーダーたちに共通して言えるのが、周囲を笑顔にする力があるということ。これは、運がいいと言われる人たちに必ず備わった力なのです。人には「ミラーニューロン」という脳神経細胞の働きで、相手の表情を自らの脳裏に写し取ってしまう能力があります。新生児の共鳴動作というのがあり、なんと生まれて3時間の赤ちゃんでも、目の前の人間の口腔周辺の筋肉の動きをまねる能力があるのです。これは、脳が反射的に表情を写し取れるからできること。それは、大人になっても残っていて、目の前の人間が満面の笑みになれば、つられて笑顔になってしまうでしょう? 実は、脳はもっと微細に、相手の表情を無意識のうちに感じ取っているのです。そして、大事なことは、感情は表情を作るけれど、表情もまた感情をフィードバックしてしまうということ。つまり、嬉しくなくても、嬉しい表情筋を作れば、気持ちがなんとなく華やいでくるものなのです。ということは、嬉しい表情をしている人は、その表情筋を周囲に写し取らせ、嬉しい気分を起こしやすくしているということ。嬉しい表情の人の周りでは、人々が前向きになるので、ことがうまく運びやすい。結果、運がいい人、と言われることになるわけですね。逆にいえば、口角の下がった沈んだ表情の人は、周囲の人々のやる気をそいで、ことがうまく行きにくくなることに。人相学は、案外、脳科学で説明できるのかもしれません。あらゆることに好奇心を持ち、そこにいることを楽しむこと。そして、どんなときでも嬉しい気持ちで人にあうこと。それは、言葉や態度よりも多大なる力を秘めていて、奇跡を起こします。その習慣をつけることで、人生勝ち組に入ったも同然なのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年06月27日女子にとって、結婚相手との出会いはまさに「運命」。この人と会うために現世に生まれてきた、とまで思うほど確信に満ちているけれど、男子はその確信がほとんどないまま結婚を決めているのだとか! その理由について、脳科学者の黒川伊保子さんが説明してくれました。哺乳類のメスである女子は、自ら身ごもって命がけで出産し、授乳しなければ「一生殖」が終わりません。約2~3年の時間を割くことになり、命を脅かす確率も高い。一方、男性脳は数分で「一生殖」が終わり、ほとんどの場合は命に別条はありません。このように生殖リスクの高い女子は、相手をつぶさに観察して今まで出会ったすべての異性と比べ、最高の免疫セットを見つけ出し発情。それは、1万人の中のひとりを見つけ出しているんだから、恋をしたときの確信は深い。ひとりの男に照準を合わせた瞬間に、どんなイケメンが来てもどうでもよくなっちゃうよね。結婚式でも、花嫁は「こんなにいい男もらっちゃってゴメンネ」と内心は優越感に浸っているのですが、他の女子にとってはその新郎は生殖相性がいいわけではないので、なんとも思わない。ところが、男子はそこそこの免疫セットでも十分なため、100人のそれなりにカワイイ女子が迫ってくれたら、80人くらいは「アリ」なので、脳の確信がそれほど深くないのです。「え~っ! そんな~(涙)」と思うかもしれませんが、大丈夫。最初は確信がなくても、最後に勝つのだから。男子はずっと一緒にいて責務を果たし続けてきた相手に愛着が湧くようにできているのです。相手がしわくちゃになろうと、毒づく妻であろうとそれは変わらない。だから、奥さんが先に亡くなったりすると、寂しくて早死にしちゃったりするのです(高年齢夫婦の場合、妻の死後3年以内に亡くなるケースが多いと言われています)。■責務を与えると一生大切にされる愛を確信した女子は、理由もなく尽くしてあげることができるけれど、男子にはぼんやり「やさしくしてね」「ずっと好きでいてね」はムダ。身辺を定点で固め、遠くの目標を見定め到達することが快感な男性脳には、分かりやすい責務とゴールをあげて、それを遂行させることが重要です。たとえば、責務を果たし、「給料」「ボーナス」「昇進」がゴールの会社をおじさんたちは愛し続けますよね。ペットボトルを開けてもらったり電球を替えてもらったり、たとえば「私、週末はいつも寂しくなるから、土曜の夜は必ず電話してね」とかでもいいかもしれません。ポイントは、定番の責務で頼ること。そして、ゴール確認としてお礼を言ってあげることも忘れずに。洗い物をしてくれたら、「あなたが洗ってくれると汚れの落ちが違う」や、お風呂を洗ってくれたら「男の人じゃないとカビは無理ね」みたいに。それは手伝いをしてもらうだけの成果ではなく、それが生きがいになるし、外で素敵な若い女性と恋をしたとしても「オレがいなかったら、あいつはカビだらけの風呂で暮らすんだろうな」と、可哀想になって帰ってきたりするので一石三鳥なのです。もうひとつ大事なのが、一度決めた責務は、もし自分ができたとしても永遠にそれをやり続けてもらうこと。私の息子は私が米袋を持てないと思っていて、いつも代わりに運んでくれています。隣で、もっと重いビール瓶ケースを持っているのに(微笑)。ペットボトルの蓋は空けられないと言って、ジャムの瓶は平気で開けていても気づかないほど、責務が信号のように入っている男性脳はそれに対して迷いがないのです。そして、責務を果たしてきた相手に対して、結婚の後半には男性脳の確信のほうが深くなるのです。そんな妻という存在に、ぽっと出の愛人が勝てるわけがありませんから! 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年06月20日大好きな彼と久々のデート。なのに、何を言っても上の空だったり、こっちはニコニコしているのにぼーっとしてる…、なんていうことがありませんか。その原因は、脳の構造の違いにあると脳科学者の黒川伊保子さんは言います。 男児を育てているととくに実感しますが、子供の頃から男子はぼーっとしていることが多いです。8歳を過ぎるとこの時間も短くなってくるけれど、大人になってもパジャマを着たまま新聞を開いているけれど読んでいない、テレビをつけたまま見ていないから消すと怒る、というのは日常茶飯事。女子から見たらイライラするかもしれないけれど、これは1秒たりとも無駄なことではなく、男性脳にとってはメンテナンスのためには必要な時間。ぼーっとしたまま空間認知の領域で情報の距離関係を見直したり、物事の構造を確かめたりしているのです。だから、一週間に一回、土曜の午前中くらいはぼーっとさせてあげましょう。これは男子だけでなく、デザインとか理系の領域で活躍する女子も、空間認知の領域を成熟させるためにぼーっとすることが多いはず。私も35歳のとき、小学校の同級生に再会して「あなた頭がハッキリしたわね、毎日毎日ぼーっとしてたじゃない」と言われました。聞くと、週に3日は学校が終わったことに気づかずぽかんと座っていて、学校が終わったことを知らせると、ランドセルを背負うのも忘れてぼーっと帰宅しようとしたとか…。さて、男子と同じく理系女子は空間の領域を日々使って物事を考えているので、人間関係も「あの人は親切にしてくれるから」という文脈の関係ではなくて、なんとなく意識の波動の近さみたいな間隔で脳の中のマップに置いたりしています。こういうタイプは文脈でものを考える文系タイプの人から見ると、失礼なときがあるのも事実。メールもまめに返さないし、連絡もあまりしない。でも、空間認識の領域ではちゃんと近くにプロットしてあって、10年に1度しか会わなくても大切に想っているのです。■男子に「まくしたて」は禁物!どんなに大事な話し合いでも、たとえ別れ話に発展しそうなケンカでも、黙ったままだったり何を考えているのか分からないときってありますよね。冗談みたいだけど、気づいたら寝ていたってことも…。女子にとったら信じられないし、「ちゃんと聞いてるの?」ってなりますよね。でも、それは聞いていないのではなくて、聞いているけど文脈の長い旅についていけなくて気が遠くなっているだけ。男性脳にとっては、女子がまくしたてている文脈はあまりにも膨大すぎて理解不可能なのです。もし言いたいことがあるのなら、「私はこういうふうに言われるのがイヤ」、「こうされるのがイヤ」、「これだけはやめて」と、要求だけを言うようにしましょう。決してしてはいけないのは、話し合いに持ち込むこと。夫婦円満のコツは、話し合ってものを決めないことだとも言われているくらいです。「どうして、ちゃんと言ってくれないの? そもそも、あなたは、あのときだって…」なんていう“長い旅”には出ないでね。もし、どうしても伝えたいことがあるなら「さみしかった」とか「かなしかった」とか、「してくれたらうれしい」とか甘える形で言うのが上級者なのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年06月13日大好きな人と付き合って、女子は幸せバラ色一色。1秒でも長く一緒に居たくて、友達とのも先約も何かしら理由をつけてキャンセルしちゃったりするし、夜のデートのために通常の3倍の速さで仕事もこなす。それなのに、男子はせっかくの休日でも友達との約束を入れちゃうし、デートもすっぽかして仕事を優先。でも、意外や意外。それって男性脳からしたら大事にされている証拠なのだと脳科学者の黒川伊保子さん。近くにあるものほど目に入らないのが男子です。たとえば、女子は彼や女友達の髪型が変わったらすぐに気づきますよね。でも、男子は彼女が髪色を変えても前髪を切ったとしても気づかなかったりする。その理由はふたつあります。ひとつは、男子は目の前ではなくて遠くにあるものを把握して、近づいてくる敵に瞬時に照準が合うようになっているから。ふたつめは、生殖の戦略。オスは子孫繁栄のための「ばら撒く」性。一生のうちに出産回数が限られているメスと比べ、生殖行為に対してリスクが低いので、異性を厳しく取捨選択しないように脳は仕掛けられているのです。目の前の女子が発情すればつられて発情するくらいの鷹揚さがあり、「このコ、ウエスト何センチだからだめだな」なんて理由でイヤになったりはしません。だから、目の前にいる女子ほど見えないのです。近くにいるから、髪型変えても不満な顔をしても気づかない。同時に、近ければ近いほど気持ちも手薄になるので、「デートよりも友達との飲み会を優先してはじめて本当の彼女になった」と理解するくらいでちょうどいい。「釣った魚に餌はやらない」のではなく、「釣った魚は見えない」が正解なのです。たとえば、とても気を遣われながら優しくされている愛人がいたとしますよね。でも、そんな愛人は奥さんが別れる気がなければ、妻の座は射とめれられません。逆に、奥さんに優しくしていて、愛人には気を遣わずに大きい態度をとっているくらいなら逆転する可能性あり。男子にないがしろにされて、はじめて近くにいるということになるので、男女は勲章の形が違うのだと理解してください。■親しい相手だからこそ、気を遣わない付き合う前や付き合った当初はマメに連絡をくれたし、いつも優しく笑いかけてくれたのに、いつの間にか態度がぞんざいになった…というのもあなたに飽きたわけではないので安心してね。男子にとって笑いかけるというのは気を遣っているということ。基本、男子は守る性ではなく戦う性なので、始終ニコニコしていません。女子は生活を楽しむ性だから、おひとりさまでも色んなことを嬉しく感じながら日々を過ごすことができるけど、男子は一人で韓流ドラマみて幸せになったり、パンケーキを焼いてウキウキしたりしませんよね。女子のひとり暮らしは、お気にりの紅茶を入れ、ハーブを育てて、テレビに話しかけ、笑って…というのが日常だけど、戦う性の男子のひとり暮らしは、それはシリアスに暮らしています。そうすると、一緒に暮らしたときのベースもそれだと思ったほうがいい。ブスーッとしていてボーっとしていて、トラブルが起こったときだけ行動を起こすというのが男子です。男友達や仕事を優先するのは「オレの女」になった証拠なんですよ(微笑)。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年06月06日付き合っている間、女子なら誰もが経験するのが彼に対する「なんで分かってくれないの?」という気持ち。こんなに悲しいのに、こんなに辛いのに、こんなに想っているのに。いくら説明しても、理解してくれなくて、また同じことの繰り返し…。 そんなイライラがふたりの関係にとっても良くないのは分かっているけれど、抑えられないこの感情。実は、男女の脳の違いを理解すれば、「イラッ」が防げると、脳科学者の黒川伊保子さん。今回、そのメカニズムを伝授してくれました。 女性脳は、右脳(感じる領域)と左脳(ことばの領域)の脳神経細胞をつなぐ神経線維の束(脳梁)が太いのが特徴。右脳と左脳を上手に連携させて、目の前にある大切なものの変化をわずかでも見逃さず、その思いを察して臨機応変に動くことができます。しかし、男性脳は女性脳に比べて脳梁が細く連携が悪いので、目の前のことに頓着せず、高い空間認識力で遠くのものを見ながら仕事をこなしていきます。つまり、男性脳は「目の前のこと(彼女や家族)」だけのためになんかできていないのです。さらに、感性の領域も全く違う装置なので、女子が「なんで~してくれないの?」と言っても、その「なんで」の意味が本当に分からない。たとえば、スワヒリ語をしゃべっている人に日本語でまくしたて、「なんで日本語を分かってくれないの?」とイライラしているのと一緒。女子も「なんで体重教えてくれないの?」「なんですっぴんを見せてくれないの?」と言われたらびっくりしますよね。同じことです。「なんで時間を守ってくれないの?」という質問に対して、男子はズバリ「忙しいから」の一言で返したとします。でも、女子は忙しいからで納得しない。「忙しいなら連絡してよ」「忙しいなら最初から来れる時間に約束してよ」と食い下がっていくから、ケンカになるのです。でも、男子はわざと遅くなったのではなくて、その時間に行けると思って計画したのに間に合わなかっただけ。結局、女子が欲しい答えは「君に心細い思いをさせてごめんね」という一言なんですよね。「なんで」に対して答えてくれたとしても、女子が納得できる答えはほぼ返ってこないでしょう。一緒に住んでいる男子に「なんで靴下を脱ぎぱなしにしているわけ?」と言うと、「脱いだら気持ち良くてすぐに脱ぎっぱなしにしたくなるんだよ」と答えるとします。でも、女子はその答えに納得して「そうだよね、気持ちいいよね♪」とは言わない。「気持ち悪いよね、君に嫌な思いをさせちゃってごめんね」と謝ってほしいのです。■「トイレに行く暇があったらメールして」もNG!?彼がなかなかメールの返事をくれなくて、「なんでトイレに行く時間があるのに返事をくれないの?」と悩む女子も多いかと思います。その理由もはっきりしていますが、男子はトイレ行く暇に恋人を思い出すような脳には出来ていないのです。女子は3分に1回は大切な人のことを思い出します。歩いているとき、電車に乗っているとき、ご飯を食べているとき、仕事をしているとき、映画を見ているとき。だから、トイレに行く時間があったらすぐに恋人を思い出してメールできる。男子は切り替えにだいたい20分はかかるので、トイレに行く暇に恋人にメールする発想はできません。辿ればその昔、狩りをして暮らしていたころ、洞窟を出たときの妻の顔がよみがえって「そういえば今朝、女房の顔が暗かったけど、あいつ大丈夫かな?」なんて気にしていたら、谷に落ちちゃうかもしれないし、マンモスに踏み潰されちゃうかもしれないですよね。オスという生き物は、思念空間の中に置くものの量を小さくして危険察知をしたり、遠くを見たり、あるいは遠くに行って帰ってくるための様々な情報を手に入れたりしています。哺乳類のメスは子供を育てるために目の前の大切なものの変化を針の先も見逃さないように生きているのです。女子は、思考のテーブルに仕事も恋人も家族もすべてが乗っかっているけれど、男子はひとつづつ乗せないといけない。ただ、それだけのこと。だから、「なんで」に対する答えがつねにすれ違うのです。もし、ガマンできずに「なんで~」と聞いてしまったら、それに答えてくれたことに感謝しましょう。どんな答えでも、それは男性脳にとって精一杯の答え。「そりゃ、仕事が忙しかったから」と言われたら、「忙しかったのね。お疲れさま」で終わりにして。この答えに食らいつくから、男性脳もイライラして二人の関係がギクシャクしてしまうのですよ。あとは、「何で分かってくれないの? と言ったら、嫌な思いをさせてごめんねと言ってね」と事前に彼を教育しておくこともいいかもしれませんね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年05月30日彼氏に対して、どうしてこんなに私の気持ちをわかってくれないのだろう? と思ったことがある人は多いはず。そのために、彼の愛情を疑ってしまい、ケンカに発展してしまったなんて失敗の経験はありませんか。それは愛情の有無の問題ではなく、男女の脳の違いが原因だったと言われたら、驚くかもしれません。けれども、脳科学者で、人工知能エンジニアとして脳を研究してきた黒川伊保子先生によれば、男女の脳は回路のかたちと信号特性が違う、異なる装置だとのこと。つまり、違う装置なのだから使用法も違うということ。男性脳には男性脳の、女性脳には女性脳の使い方があるのに、異性の脳を、自分の脳と同じように扱おうとするからストレスを感じるのだそう。では、男性脳と女性脳はどう違うのでしょう。たとえば、男女の脳では感度が違うといいます。例えば、色の見え方、音の聞こえ方、嗅覚、味覚、皮膚の触感などが違うそう。そして感度が違うということは、気持ちいいことの範囲が違うということにもなってきます。例えば、30代の男性デザイナーが最高に美しいと思って作った商品を、50代女性がピンとこないと思うことは当然ありえるということ。それは趣味の差ではなく、男女の脳の感度の違いによるものだったのですね。このように、男女間の脳には入力だけでも大きな違いがあり、つまりは内部機能が違い、当然出力も違ってくるそう。実際に男女の脳を調べてみると、脳の中央にある右脳と左脳を連携させる脳梁という器官をつなぐ神経繊維の束が、女性のほうが男性より約20%太いのだとか。つまり、女性脳は右脳と左脳の連携がいい脳、男性脳はそれほどでもない脳ということになり、それが彼氏とのすれ違いを生んでいたのかもしれません。女性脳は、目の前をつぶさに観察して、わずかな変化も見逃さない、高い「察し」の能力によって、赤ちゃんを無事に育てることができるといいます。また、「感じたことが、即ことばになる」ため、今日の出来事や今の気持ちなどを、目的もなく垂れ流し合う癖があり、こうして得た「とりとめのない情報」を何十年経っても瞬時に引き出す能力があるのも、女性脳だからこそだとか。そう言われてみれば、思い当たる節はありませんか。彼氏が浮気をしてちょっといつもと違う様子を見せればすぐに私は気づくのに、彼氏は私が髪型をガラッと変えても気づいてもくれなかったり。そんな場面に出くわしたときに、いちいちイライラして彼に文句を言って、二人の関係を悪化させるのはもったいないことですよね。だって、それは脳の違いのせいであって、彼氏のせいではないのですから。まずは、男女の脳が違う装置である、と心得ること。違う装置なのだから、同じ出力は期待できないとわかれば、男子のなにげない言動に傷つくこともなくなります。傷つかないことは、コミュニケーション達人への第一歩。卑屈にならずにすめば、いろんなことが好転するそう。黒川先生の 『キレる女 懲りない男ー男と女の脳科学』 を読めば、男女の脳の違いがよくわかるので、彼氏の態度をどう受け止めればいいかも見えてくるはず。この本では、男性脳と女性脳の取扱説明書(トリセツ)が書かれているので、すぐに役立つときがきそうです。彼氏とのケンカが絶えない、彼の態度にイライラしてばかり、彼がこんなことを言ったりしたりするのは私が好きじゃないから? など、彼氏との関係で気になることがある人は、男女の脳の違いという点から二人の関係を改めて考えてみては?意外なところにヒントがみつかって、スムーズにステキな関係が築けるかも。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年05月23日一生懸命頑張っているつもりなのに、なぜか上手くいかなかったり、ほかの人と同じようにしたつもりなのに、なぜかタイミングが悪かったり、自分は運がよくないと思っている人はいませんか?一方、何をやってもすいすい上手くいったり、ちょうどいいタイミングをつかんだりする、運のいい友達もいたりしますよね。自分と彼女、何が違うのでしょう。その秘密を、脳科学者の黒川伊保子先生は、脳科学の観点から明らかにしています。それによると、脳がいい人は運がいいとのことなのです。運というのは偶然に左右されたり、神頼み的なものやおまじないなどで招き寄せたりする、得体のしれないものと思っていた人には驚きですよね。運がいいと言われる人たちは、脳の神経回路が健全に機能しているから、世の中をしっかりと感知し、自分の脳に必要なものだけを雑音なく見極められると言います。普段意識的に使っている脳細胞は意外に少なく、実際には、人は多くの潜在意識の脳細胞に守られたり、導かれたりして生きているのだとか。だから、潜在意識の脳細胞が活性化して、顕在意識に伝えやすい人は直感がするどく、つかみがいい脳であり、その究極が「運がいいと言われる人の脳」なのだそう。では、どうすればそんな脳になれるのでしょう? そのためには、脳の潜在意識で起こることについて知り、潜在意識と顕在意識の連携をよくすることが大切。そこで、脳の潜在意識で起こることを、黒川先生は、 『運がいいと言われる人の脳科学』 の中で紹介しています。例えば、ヒトの脳は、寝ている間に進化するそう。眠っている間に、起きている間の出来事から知恵やセンスを抽出し、脳神経回路に定着させるから。それは、意識を鎮静化させ、脳をいわば知識工場に変えてくれるメラトニンというホルモンのおかげ。このおかげで、相性のいい男子を見出すコツや、相手の心をつかむちょっとしたコツを、知らず知らずのうちに習得してもいるのだとか。当然、学業や仕事の成績にも関与します。睡眠中は、成長ホルモン(新陳代謝のためのホルモン)も出やすくなるので、皮膚や筋肉や骨も新しくなる時間。眠りの質は、人生の質と言っても良さそうですね。メラトニンは、夜の10時から2時の間に分泌力最盛時間を迎えるので、せめて0時には寝る習慣《シンデレラ睡眠》を。ときには、恋力アップ週間として、毎日10時に寝る週を作ってみてください。日中、情緒が安定していて、小さな「いいこと」が起こりはじめるのが実感できるはず。また、早起きをして朝日を目撃することで、セロトニンという脳内神経伝達物質が分泌されると、好奇心と意欲にあふれ、幸福感に下支えされた日中を過ごせるのだという。こんな脳を持っていれば、きっと運もよくなるはず。ほかにも、「流れ」をつかむことや「今」を生きることなど、日常生活の中で具体的にできることによって、脳をよくし、運のいい人いなれることを、脳科学の理論でもって具体的に紹介されているので、思わず納得して実行に移したくなりそう。新年度を迎えたけれども、変わり映えのない毎日に飽きているのなら、積極的に運がいい人を目指してみてはいかが? そのために 『運がいいと言われる人の脳科学』 を役立ててみて。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年05月16日ファッションやメイクなど、おしゃれには流行を意識することが欠かせませんよね。いつの間にかいろいろな流行がやってきてはすたれていきますが、なぜなのか気になったことはありませんか。そのヒントがあるのは、ヒトの脳。実は、ヒトの脳には、「一定の刺激に対し、7年で飽きる」という生理的な癖があるそう。「飽きる」という行為は、人の脳の才能のひとつなのだとか。だから、どんなに情熱的でラブラブだった男女も、飽きるように仕組まれているという残念な事実があるよう。そうすることで、互いに飽きた男女はそれぞれ別の異性と生殖行為にいたって、その結果、数多くの遺伝子の組み合わせを残し、子孫の生存可能性を上げることができるし、山里に住んでいた若者がある日、冒険の旅に出たいと思った結果、その土地にのちに災害がおきても、生き残る遺伝子があるというわけ。このように、「飽きる」からこそ、人は生き方のバリエーションを増やし、生きる場所を拡げ、生存可能性を上げてきたのだそう。人の脳というのは、すばらしく上手くできているのですね。このように個々の脳に「飽きる」周期がある一方、「同時期に、同じような事象を見聞きし、味わい、触れる集団」である「大衆」と呼ばれる単位があり、「大衆」全体では個体の脳に生理的に定められた周期が自然と揃ってしまうそう。そのような人類の脳内周期の大衆運動(ブレイン・サイクル)が、社会現象を作り出し、ファッションのトレンドを生み、自動車や都市のデザインを変えるというから、何とも不思議な話です。けれども実際に、自動車のデザイントレンドを見ていくと、丸いグラマラスラインと四角いシェイプラインの流行は、28年かけて変化し、対極へ向かっていくそう。この28年をさらに詳しく見ると、7年ごとのブロックによって構成され、自動車の各部位が7年ごとの変化ブロックを4回重ねて、まったくの対極へ向かうとか。この7年という変化ブロックは、脳科学上、とても妥当な単位。認知科学では、7はマジカルナンバーと呼ばれ、脳内で何かが7回カウントされる「一順した」感を醸し出し、「7日」は太陽暦の一週間の単位であるうえ、人のからだの免疫システムが変化するのは「7年」だそう。そこで、7年おきに脳の気分が変わる=「飽きる」ということが考えられるようになったとか。この脳の生理的な癖が脳内周期の大衆運動(ブレイン・サイクル)を生み出し、ひいてはさまざまな流行を作り出すと思うと、とっても不思議な感じがしますね。このような流行のメカニズムを解き明かしたのが、脳科学者の黒川伊保子さん。黒川さんによれば、人々の脳は7年で気分を変え、それを8回繰り返すと元の感性に戻るのだとか。つまり56年前と、よく似た社会現象が起こることに。56年前、1958年前後。若き三輪明宏が巻き起こしたおねえブームが去って、スカッとした男の時代に。石原裕次郎がデビューし、長嶋茂雄が巨人軍に入団しました。ファッション界では、ハイヒール型の帽子や、大きなロブスターや肉感的な唇のアップリケのついたドレスなど、まるで今のレディガガのようなアバンギャルドな洋服を流行らせたスキャパレリ夫人の時代が終わり、シャネルが復活。あのすっきりとしたコンセプトの、伝説のシャネルスーツを発表しました。ちょうどその頃、東京タワーが完成。東京オリンピックへの準備が始まり、1958年は岩戸景気と呼ばれた好景気の年に。2014年も、あんなにTVを席巻したおねえたちが鳴りを潜め、男らしさの時代に。NHK朝の連続ドラマ「ごちそうさん」で一気に人気を博した東出昌大を見ていると、なんだか石原裕次郎を彷彿とさせませんか?レディガガの奇抜ファッションのニュースが鳴りを潜めた今日この頃。昨年にはスカイツリーが完成。時を同じくして、東京オリンピックへの準備が始まりました。今年は、消費税アップに負けず、好景気の年になることが予想されます。56年前から、今を学び、近未来を予測する。そんなふうに世の中を見つめてみれば、これまで見えなかったものが見えてきそうですね。ちなみに、ここからは、飾りを捨てる、「らしさ」の時代だそうです。盛りすぎる「つけま」化粧も、劇的に若作りをする「美魔女」も、整形美女ももうカッコ悪い。レディガガがステージでかつらを脱ぎ捨て、キャロライン・ケネディ大使の深い皺の笑顔がかっこよく見えたころから、つけまつげの売り上げが落ちたのだとか。年齢相応の、すっきりした大人の女性を目指すときかもしれません。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年05月09日私たちが普段、何気なく使っている言葉。あいさつや謝り方など、発音の語感によって相手の感情は大きく左右されています。人を心地よくさせるのも、イラつかせるのも言葉の使い方次第ということ。そこで、仕事をする上で上手な語感の使い方を、脳機能論を用いた語感分析法の第一人者の黒田伊保子先生に伺いました。日本語において語感を使う場合、まずは音読み、訓読みのふたつに分けます。母音がしっかりと使われる大和言葉由来の訓読みを発する時、情の回路が刺激され、息を擦る子音を多く使う漢語由来の音読みは、理系回路に刺激されます。たとえば、仕事を終えて一緒になった人にお別れの挨拶をする場合、「今日はご一緒できて嬉しかった」という大和言葉を使うと優しいイメージがするけれど、「感謝しています。失礼します」と言うと、敬意は表するけれど、すごく距離ができる感じがします。大和言葉はとても柔らかく優しいイメージを与えるのですが、見た目も声も優しい女性が多く使いすぎるとベタベタな印象になるので注意も必要。男性中心のプロジェクトを率いる女性上司なら、「がんばろうね」より「期待してるよ」と言った方が、断然凛々しくてカッコいい。激励するときや甘えてほしくない時は漢語で、ねぎらうときは大和言葉という使い分けがベストです。ちなみに、「おつかれさま」「おはよう」などの挨拶は、基本的に大和言葉です。■「失礼しました」は失礼にあたるそれから、仕事場で謝る場合、「失礼しました」は使わないほうがいい(社長室に入るときの「失礼します」は大丈夫)。謝るときの「失礼」というのは、相手との距離を一気につける言葉で、とても失礼。上あごをこするときに空冷気のような冷たさのある「し」、上あごを息がかなりの流量で流れる「つ」、発音するときに舌の裏を冷たくする「れ」、と、冷たい子音が続いているのです。謝り言葉でいうと「すみません」か「申し訳有りません」を使いましょう。ただし、スピードが必要なときに「申し訳ございません」だと、もたもたしてる感じでイライラさせます。会議で、「資料の部数が足りない、すぐにコピーしてきて」と言われたら、「すみません」と走り出してください。人にイライラされる人は、もたつく言葉で謝ったり、しっかり謝った方がいいときに軽い言葉を使ったりと、そこがズレていることが多いでのです。日本語はいろんな音韻が用意されているので、それを間違うと周りと温度差が出てきます。■「母になる」ことが、成功への第一歩といっても、とっさの会話で、いちいち語感を意識してしゃべるのは無理ですよね。そこで、「口から出ることばを、自然に上質なオトナの女のそれに変えてしまう」コツをお教えしましょう。それは、「32歳を過ぎたら、すべての男の母になれ」ということ。男は「娘」と「母」に弱いのです。32歳までは、上司にも娘のような口を利いてもいいし、それが功を奏することもある。しかし、32歳を過ぎたら、一気に母の口を利く方が圧倒的に勝ちに行けます。たとえば部長が何か理不尽なことを言ってきたときに、「ひどい! なんでひどい事言うんですか?」と答えるのは娘役だけ。このときに、部長の母になったつもりで「どうしたんですか? 何があったんですか? 部長」と言ってください。実際、エグゼクティブになっている女性は一様にみなさん「母」になっています。「おっかさん」と言われるような人こそ、女性でトップに上り詰めているのです。トラブルが起きたときに、自分の息子が起こしたトラブルだと思えば、なじったり、せめたり、被害者になる暇がない。たとえ被害者が自分だとしても、加害者の母親の気持ちにならないといけません(戦略としてでも)。「部長がそんなこと言うなんて、よっぽど何かあったんでしょうか」という気持ちでいてあげる。潔く母になる。これがいちばん強いのです。「この人は自分が産んだ可愛い人だ」と思うと、市役所の戸籍係のおじさんがもたついていてもイラつきませんよ(微笑)。つまり、この言葉を言いなさいではなく、そういう気持ちで出てくる言葉がベストなのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年05月02日大企業の経営者をはじめ、著名人や芸術家、一流と呼ばれる人には、じつは無邪気な人が多いということをご存じですか? その秘密は、「他人思い」の思考をもっているから。話術や戦略以前に、それは成功に繋がる道であると人工知能(AI)研究の第一人者である黒川伊保子さんは言います。■「他人思い」は人を惹き付けるパワーに「この人に幸せになってもらいたい」「この人を知りたい」と他人のことを無邪気に思っているとき、右脳と左脳の連携が良い状態に。すると、まなざしが深くなり、「この人にまた会いたい」「この人の商品を買いたい」と相手に思わせる磁力になります。悲しいことに、野心があって勉強を重ねた人ほど、数字や損得勘定を司る左脳に加重がかかり、自分のことしか考えられなくなる傾向があります。すると、世の中が思い通りに行きにくくなるのです。イギリスのオーディション番組で、素人だったスーザン・ボイルが最後の勝負に臨んだときのことです。インタビュアーに「これに勝ったらあなたはプロの歌手としてデビューできます。緊張していますか?」と聞かれたとき、彼女は「何で緊張するの? みんな私の友達じゃない」と会場に腕を拡げてそう答えました。すると、会場は割れんばかりの拍手喝采に。これこそが、無邪気さなのです。つまり、ここにいる人たちをみんな味方だと信じきれること。その無邪気な信頼が、本当に会場を味方に付けてしまいました。たとえ、わずかに敵が混じっていても気にすることはありません。要は、自分が最大限の力が発揮できることに意味があるのだから。スーザン・ボイルは、最終バトルには負けたけれど、世界中が知る歌姫になりました。私も2,000人の講演でも全く緊張しません。それは、わざわざ時間とお金を使って来てくれる人を「みんな味方」だと思う感覚があるから。私の話を聞いてつまらないと思われても全くひるみません。それは、私の失敗ではなく、自分に合わない人の講演に来たその人の失敗だから。相手に悪意を持ったり、あとから「ああ言われる、こう言われる」と思わないことが、無邪気な脳にとってすごく重要なのです。子育てをしているとき、こんなことがありました。息子が朝、お腹が痛くて遅刻したとき、これから登校するとちょうど調理実習の時間。「今から行ったら試食だけで心苦しいから行かない」と言うのに対して「あなたの分の食材も用意されていているんだから行きなさい。それで、美味しく食べて、後片付けを人の二倍やること」と言いました。それで人にとやかく言われてもいい、言いたい人には言わせてあげる。そのうち息子は、「そっか、失敗をしたときは相手のリスクを最小限にして、とやかく言いたい気持ちを吐き出させてあげればいいんだね」と理解するようになりました。悪口を言われたらどうしよう、ではなく、「色々言って向こうはスッキリするんだからいいじゃない」、と無邪気に考えていくべきなのです。とやかく言われるのが嫌で、なんとかいい子をし続けているとストレスになるし、人が無邪気に失敗するとめちゃくちゃ腹が立ってしまいます。人は、「失敗してごめんなさい」と言って、とやかく言われるくらいのほうが結局愛されるんだから気にしないことです。相手に悪意があっても信じきったほうが勝ちですから。そのうち相手も裏切れなくなってくるし、周りに味方しかいなくなる。人を信じられるから、結果「他人思い」になれるのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年04月18日仕事でも友人関係でも、日常生活を送っているだけでイヤなことってたくさんありますよね。でも、そこでどんどんネガティブに考え、悪口を言うのは待って。ネガティブな行為によって結局自分の足を引っ張られてしまう、と脳科学者の黒川伊保子さんは言います。■ネガティブが損な理由とは?なぜ、人の悪口やマイナスなことを言ってはいけないのでしょうか。それは、人間の脳というのは自分の言動を忘れないから。人の発した言葉は大脳に来ますが、自分が発した言葉は小脳に響き、記憶に長く居座ります。「あの人、あんなこと言ってる。嫌よね」「あの人、いつもああなのよね」など、噂話をしていると、自分もいつか同じように言われると思うから、無邪気になれないのです。「いつか私も笑われる」「陰口を叩かれるかも」と、長く疑心暗鬼の種につながり、前に出られなくなってしまうのです。とくに、育児中や将来子供を産むつもりの女性は、自分の子供に人の悪口を言わないでほしいです。近所のおばさんや先生の悪口を母親がしょっちゅう言っていると、人を信じられない大人になってしまいます。昔、息子が先生に乱暴なことを言われたときに、私は「それは先生があなたに男として期待しているのね」と言いました。それは先生のためではなく、子供が将来社会に出たときに人を信じられるように言ったことなんです。信じたあげく痛い思いをしてもいいのです。「信じる」という無邪気さのほうが無敵だから。とはいえ、嫌なことだってありますよね。そうしたら、「嫌だな」は一回だけ言ってもいい。「かもしれない」とか「こう思っているに違いない」などの推測はだめ。そして、一緒に噂話に興じるのではなく、「あなた、他は潔いのにその件だけはだめよね、しっかりしなさいよ」と鼻で笑ってくれるクールビューティーな女友達に吐き出すのが理想です。悪口を増幅、ネガティブな想像の増幅をする女友達と仲良くするのは避けましょう。それから、言葉はもちろんですが、ネガティブな考えもやめましょう。同じ思考をするとその回路に電気信号が流れやすくなり、ネガティブのクセがつきます。そうすると、人のマイナス点ばかり目につくし、つい入ったお店がネガティブなお店だったりしてしまいます。「いい男がいない」といつも思っていたら、本当にいい男は周りに来ません。また、仕事のシーンやゴルフなどでミスをしたら、ずっとそのことばかり考えているのはダメ。それを思い出した瞬間に、失敗した回路に電気信号が上書きされ、流せば流すほどそこの回路が太くなり、そのミスにとらわれてしまいます。失敗したことの分析は一回だけにして、あとは成功イメージだけを思うのがポイントです。最初は、ポジティブに考えることが難しいかもしれないけれど、これもエクササイズ。嘘でもいいからそういう思考にすると、心にクセがつくから大丈夫。脳が悪い記憶を消すまで要する時間は49日。1週間でも効果を感じられますが、最低でも49日は試してみてください。すると、気持ちがピュアになるだけでなく、いい出会いやいいことが起こるようになるはずです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年04月11日様々なアイディアを生み出し、商品の売上にも直結する女性の「直感力」。企業の発展に欠かせない女性ならではの才能だけれど、伝え方によっては男性上司や取引先には理解されにくく、意見を聞き入れてもらえないことも。そこで、脳科学者の黒川伊保子さんが、そんな直感力を活かして、上手に伝えるテクニックを伝授してくれました。「直感力」とは、潜在意識の領域で感じた事を顕在意識で伝えてくる力。女性は右脳と左脳の連携力が強く、直感力に優れています。反対に、男性はその連携力が弱いため、空間認識力を使って物事の形を見抜く「直観力」は働きますが、直感力は弱い。女性の場合、会議室で商品開発をするときに、商品の将来の想定ユーザーの生活の様々なシーンを自分のカラダで起こったように想像できます。たとえば、シャンプーを商品棚でみたとき、濃いピンクが目に飛び込んで来たときのトキメキ、手に取ったときの丸み、匂い、無くなって買いに行くときにそのネーミングを脳で振り返った時にどんな感じか…、それを自分の身に起こったように思いつくのです。「このコンセプトはこれしかないよね」、というのが必ず降りてくる。ひとりの女性が心の底から強く思ったことに、ふたりの女性が「あるある、わかる」と同意したら、それは普遍の真理に近い。私は男性の最終決定権を持つ人には、「3人の女性が魂で感じたことは、300万人の女性に聞いても同じこと。女性プランナー3人が口を揃えて主張したらGOを出せ」と言っています。ところが男性は責務のもとに動いているときに、直感力の要である脳の横の電気信号がほとんど働かない。理論は理論だけで、体感したこと、触ったときの感じをありありと想像することが会議室ではムリなのです。彼らは複数の方向性の違う提案をもらって、それに対する位置関係で見てしかジャッジできない。そんな男性たちに意見を通したいなら、直感力だけでものを言わないことが大事です。A案ひとつだけだと、思いこみが激しいと思われるだけ。これしかないイチオシがあっても、バカみたいと思っても、見せ提案を3個以上つけるのがコツ。さらに、相対数値をつけて表にしたり、グラフにしたりすると、男性は安心して聞き入れてくれます。■男性へのお願いは、理詰めが効く!家庭で夫に家事を手伝ってもらうときも同じ。漠然と「私も働いてるんだから、半分やってよ」と言っても、そもそも「何が半分か」もわからない男性脳には愚痴にしか聞こえません。家事をリストにして、分担チェックを入れて渡すと、何をやってもらいたいか、それが全体のどこに位置するのかわかって、男性脳の使命感を喚起できます。例えば、ゴミ捨てひとつとっても、(1)ゴミ袋を切らさないようにキープする、(2)分別ごみ種類別に捨て場所を決めてそれぞれの容器を用意し、それを清潔に保つ、(3)ゴミ出しの日を把握し、ゴミだしのアクションを起こす、(4 )ゴミを集める、(5)ゴミ袋を閉じ、手持ちの場所を拭く、(6)ごみを捨てる、という6工程は最低あるわけです。それを見せて「あなたはこの最終工程をお願いね」とチェックを入れると、ゴミ出しの大変さ、自分のタスクの位置づけがわかり、「せめてこれだけはしっかりやってあげよう」と思ってくれたりします。また、直感力の強い女性が気をつけたいのが「イヤ」だと思ったことを顔に出さないこと。例えば、金曜日になって、男性上司に、土日の出勤を余儀なくされるような作業を依頼されたとします。「月曜日の10時までに、この報告書をまとめておいて」(今、金曜の5時だよぉ、少なくとも4時間はかかるのに)というようなケースですね。そんなとき、「なかなか会えないカレと、久々のデートなのに」「子供の運動会なのにひどい」、という気持ちが顔に出るのが、女性の弱点。でも、仕事のシーンでそれを出したら負け!顔色を変えずに、この仕事に土日に出る価値がどのくらいあるか、というのを、「これがどれだけ重要か教えていただけますか?」と説明してもらいます。その上で、「月曜日、早出をして正午までに仕上げます」と被害者顔せずさらりと伝えましょう。要は「伝え方」。男性脳を理解し、ちょっとしたテクニックを覚えておくだけで、心地よく仕事をすることができますよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年04月04日20代後半から30代。仕事も軌道に乗ってきて、ある程度自信もある。その分、責任が重くのしかかったり、イヤな上司にイライラし、要領のいい同僚に嫉妬もしたりして…、ストレスも半端なく溜まっている。そんな働く女性たちに対して、脳科学者の黒川伊保子先生が提案するのが「無邪気な脳」のススメ。「無邪気というのは、好奇心と素直さ。損得勘定なしに、他人の気持ちを自分の気持ちのように思えることです。それができると、右脳と左脳の連携が良くなり、まなざしが深くなる。すなわち相手にもそれが伝わり、会う人会う人を夢中にさせ、話術や戦略よりも強い力を持ちます。ただし、今の40代以下の女性は「本当の無邪気さ」を押し殺して生きている女性が多いのです。現代のように女性活躍が期待されている社会では、ことさら「女性ならでは」の発想や振る舞いを喜ばれる傾向にあります。別に自分が好きでもないのに「ふわふわピンク」を使わざるを得なくなったり、「女性に優しいサービス」を提案しなければならなかったりする。たとえば、車に化粧直しミラーなんかつけちゃったりすると、男性たちは「やっぱり女性目線じゃないと」と感心したりして、「女性活用」の初期モデルができあがってしまったからです。そのため、男性たちが期待する「女性ならでは」に応えざるを得ない立場に追い詰められている若い女性たちを、私は何百人も見てきました。彼女たちは、けっして幸せそうには見えません。でも、よかれと思って、好意で期待していることなので、男性側には罪の意識はいっさいありません。女性の側が、バカバカしい「女性ならでは」を脱ぎ捨てなければならないのに、若い女性には、その気づきもない。それはね、母親の期待に答えようとするクセがついているから。大人になっても、社会の期待通り「いい子ちゃん」になろうとしすぎていて、それが無邪気さの邪魔をしているのです。そして、自分の本当の気持ちさえも分からなくなり、それが、ストレスとして蓄積されている。危険なのは、ストレスが溜まると脳の使い慣れている回路だけを漫然と使うようになるので、思い込みが激しくなったり、過去の呪縛にとらわれやすくなること。すると、自分が知っている以前起きた事象でしか物事を判断することができないので、新しい視野で考えが浮かばなくなります。頭が良くて美人や、器用な人ほど抜け出せないのですが、まずは自分の中にある不快、嫌という違和感を自覚しましょう。「それ、違うと思います」とハッキリ言えることが無邪気さなのです。それから自尊心を立てるのも大切なこと。自尊心というのは、周りにどう言われようと、どう思われようと自分の信念を守ることです。世界中でミニスカートがブームになり始めたころ、ココ・シャネルは頑と「大人の女性は膝を見せないのがエレガント」と、膝下丈のスカートを提唱してきました。1959年、テレビのインタビューで彼女はこう答えています。「膝? あんなものを見せるなんて、気がしれない。大人の膝は汚いわ。誰もが19歳でいられるわけじゃない。けれど、本当のエレガンスは40過ぎてからわかるもの。私は、本当のエレガンスがわかる大人の女性のために闘い、守るの」と。時代遅れと言われようと、シャネルは生涯膝下丈を守り抜き、ノーカラージャケット&ひざ下丈タイトスカートのシャネルスーツは、その後世界中でブームになりました。1963年、ダラスのあの事件のとき、ケネディ大統領夫人ジャクリーヌさんが着ていたのも膝丈のシャネルスーツでした。シャネルにはゆるがぬ自尊心があったのですが、その自尊心は「これは不快、許せない」という明確なセンスがあったからこそ生まれました。自尊心を立てるには、自分が不快に思う事がきちんと見えていなければなりません。いい子ちゃん症候群を抜け出し、自分にしか出来ない仕事を確立するには、まずは「これは不快」を自覚すること。そこから始めてみてください。最後に、「相手が自分の言う事を聞いてくれない」という多くの女性が感じるストレスについてアドバイスを。あるセミナーで、上司との関係に悩む女性がいました。「私は経理部に書類を持って行く担当なのですが、17日に提出しなければいけない書類を、部長は19日にしか持ってこない。私のことを軽んじています。こんな会社、辞めたいんです」それは、部長が経理部のデッドポイントが23日だと知っているからかもしれません。だから、遅く提出するのかもしれないけれど、彼女の事前のアラームについて彼はありがたがっているはずなのです。自分がないがしろにされていると思い込むのは女性の悪いクセ。本当は部長から「いつも事前に知らせてくれてありがとう」と言うべきですが、忙しい上司に感謝の言葉や言い訳を期待してもムダ。彼女は彼女の役割をきちんと果たしているのだから、それでいいんです。余計なストレスを貯めないためには、人に言うことを聞かせようとしたり、自分も人の思い通りに動くことをやめることなのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年03月28日仕事をする上で人とのコミュニケーションはとっても大切。でも、全く悪意はないのになぜか相手の機嫌を損ねたり、うまく自分の気持ちが伝わらなかったりすることはありませんか。それは、使った言葉の「語感」に秘密があるのかもしれません。人工知能(AI)の開発にたずさわり、脳機能論を用いた語感分析法の第一人者の黒田伊保子先生によると、ことばには、意味を超えて、ヒトの意識をある方向に導く力があるそうです。その正体は、発音体感。発音時の口腔周辺の運動によって感じる発音体感は、生まれて初めてことばを口にした瞬間から、常にことばと共にあるもの。そして、他者の声を聴いても文字を目で読んでも、発音したときと同じ体感を想起するので、この効果は生まれるとか。実際にどんな風な効果が生まれ、どう活用するのがいいか、黒川先生の著書 『人は語感でいい・悪いを決める』 から、具体的な例を見てみましょう。■「いつも」を使うと親密度がアップするビジネスでよく使う「お世話になっております」という言葉。これに「いつも」を付けて、「いつもお世話になっております」とするだけで、親密感がます感じがしませんか。「イツモ」の語感は、まず先頭の「イ」がひとつの方向にいち早くわき目もふらずに突き進む印象をつくり、「ツ」が強い意志で内面にためてきた何かを連想させ、「モ」は中身が密でたっぷりした様子や、多すぎな感じ、いっぱいな感じを表しています。これらを合わせると「いつも」はずっと溜めこんだものが一直線にその人に向かってついでてしまったような語感になるのです。相手に対してずっと見ていた、気にかけていたという印象が伝わるので、親密度がまして感じられるのです。■「申し訳ありません」「すみません」「ごめんなさい」は語感で使い分けるビジネスシーンでは「申し訳ありません」と謝るのが一般的ですよね。けれども、例えばすぐに何か対応しなければならないようなときは、「申し訳ありません」と謝ると、行動が遅いように感じられてマイナスな印象を与えてしまいます。一方、「すみません」であれば、速さを感じさせられるのでOK。このように同じ謝罪でも、ことばの選び方次第で(その語感のために)、上司をさらに不機嫌にさせるようなことが防げるかもしれません。ちなみに、「ごめんなさい」はプライベート感を彷彿させてしまうので、クライアントや目上のヒトには使わないのがよさそうです。言葉を発するときに「語感」を意識して選ぶことはあまりないかもしれません。けれども、言葉に込められた「語感」が持つパワーに、気づかないところで影響を受け、影響を与えている可能性は高そうです。もっと詳しく知りたい方は、 『人は語感でいい・悪いを決める』 を読んでみては? ビジネスシーンではもちろん、プライベートでも役に立つ具体的な例がたくさん載っています。名前の「語感」についても詳しく紹介されているので、自分の名前や彼氏など身近な人の名前がどんな印象を与えているか知ってみるのもおもしろそうです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年03月21日仕事を一生懸命がんばっているつもりなのに、なぜかうまくいかない、そう思っている人はいませんか。せっかくがんばっているのに、とても残念ですよね。でも、そこには、「脳」の問題が関係しているのかもしれません。どういうことなのでしょう?人工知能(AI)の開発にたずさわり、脳機能論を用いた語感分析法の第一人者の黒田伊保子先生いわく、本当の勝ち組に入るには「無邪気な脳」が必要だそう。「無邪気な脳」とは、純粋な好奇心にあふれ、萎えない意欲を持ち、穏やかな達成感を感じやすい脳の状態のこと。また、脳が無邪気である以上、身体性も兼ね備えているはずなのだとか。では、どうすればそのような「無邪気な脳」になれるのでしょうか。黒川先生は著書 『「無邪気な脳」で仕事をする』 の中で、その方法も紹介しています。■「無邪気な脳」になるためにやりたいこと早寝早起き朝ご飯の習慣をつけましょう。これは、”脳力”をあげる生活習慣です。この生活習慣を続けると、メラトニンとセロトニンというふたつの脳内ホルモンの分泌がよくなり、「無邪気な脳」に育ちます。また、他人をどう幸せにするかを徹底的に考えましょう。自分の顧客を幸せにすることを考えれば、結果として自分も成功します。なぜなら、自分の成功を考えるだけでは、左脳の論理空間が立ち上がり、計算高くなるけれども、顧客の幸せを考えれば右脳と左脳が連携します。そうして脳の概念空間が広がると、発想力も広がり、世の中を大きく捉えるとともに、代替案がいくらでも出てくるようになるのです。■「無邪気な脳」になるためにしてはいけないことネガティブなことを口にするのはやめましょう。人間の脳は自分の言ったことややったことを忘れません。誰かが何かに挑戦するのを見て、「あの子、いつもああよね、うまくできやしないくせに」みたいな噂話をしたりすると、いざ自分が何かに挑戦しようとしたときに、自分が言ったことを思い出してできなくなってしまうのです。だから、ネガティブなことを言うと、いつか自分の行動を制限することになるのです。無邪気でいられることがどれだけ大切かわかりますね。また、物事をありのまま見ることが大切です。けれども、神経系のストレスがたまってくると使い慣れている回路だけを漫然と使うようになり、思い込みが激しくなったり、過去の呪縛にとらわれやすくなったりします。そういうときは脳をデトックスしましょう。このように、自分の言動は意識していなくても、「脳」の影響を受けているのです。当然、自分の言動の結果である仕事の成果も、「脳」の影響を受けているということになります。「無邪気な脳」になって、楽しく仕事ができ、そして成功を手にしたいと思う人は、 『「無邪気な脳」で仕事をする』 を読んでみては?「無邪気な脳」になるための方法がわかり、イキイキと仕事に取り組めるようになれば、もっと楽しい毎日が過ごせるようになるかも。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年03月14日大切な恋人の浮気に悩まされている人は多いかもしれません。どうして彼は浮気をするの? もしかすると私が悪いの? そんなことを考えてしまうこともありますね。でも、男女の脳の違いに詳しい脳科学者の黒川伊保子先生は、浮気というものに対する考え方そのものを変えたほうがいいと言います。どうすればいいのでしょうか? 男性と女性では、浮気という概念が違うから、浮気という言葉の使い方が違うんですね。いちいち細かいことを浮気と呼ばないほうがいいかもしれません。そもそも男性は、ひとりの女性に絞るようには脳ができていないんです。だから、ひとりに絞るためには、よほど付き合っているという強い意識か、結婚しているというぐらいの制約が必要です。食事をしたり、趣味が一緒で何度か会うくらいは、浮気と呼ばないほうが精神衛生上いいのかもしれないですね。もちろん、親しい女性なんて一人いれば十分という男性もたくさんいます。その場合、「面倒くさい」が一番多い理由(苦笑)。つまり、浮気されたくなかったら、面倒くさがりで、出会いの少ない理系男子を狙ったりするのが早いのかもしれません。さて、とはいえ、こまめで優しく出会いの機会の多い男子に惚れちゃうこともあるでしょう。その場合は、「基本、人の心なんて縛れない」ことを肝に銘じてください。おっとりと「戻りたくなる女」でい続けるしかありません。イソップ寓話の「北風と太陽」を思い出してください。上着を脱がせるためには、力で引きはがすより、温かくして不必要にしてしまえばいい。口うるさい北風になるよりは、太陽になっちゃう方が、結局はてっとり早いんです。つまり、彼にとって、「浮気相手が不要」と思わせるくらいの、「戻りたい女」になればいい。浮気してもしなくても、常に彼にとって必要な女性になっておけばいいのです。そのためには、「この人としか交わせない言葉がある」「この人にしかわかってもらえないことがある」ということを作っておくことです。例えば、自分にしかない世界観があるということ。この件については彼女に聞いたら、一番深い答えが返ってくると彼が思う得意分野を持っておくということは強いですね。いわゆる知識体系じゃなくていい、彼女なら必ずユーモアで返してくれる、彼女なら黙って傍にいてくれるという普遍性を持つのも手。あるいは、彼が持っている世界観に対して、深い理解があるというのも素敵です。付け焼刃じゃなく、時間をかけて理解を深めてください。他にも、彼の努力をずっと知っているだとか、今は成功しているけど、叩き上げのときからずっと見ていて、自分の人生を知っていてくれるというのもいいですね。この人としか話ができない、ということはいくつも作れます。彼氏が思い入れが深いものに対して一緒に思い入れが深いというのもそう。別に崇高なことじゃなくていいのです。でもそれはね、作ってもダメなのです。野球に興味ないけど、彼がタイガースファンだから頑張って私もファンになる、というのは頑張りきれない。その場合は、彼が草野球とかやるなら、アスリートのためのランチを任せてとか、そんな風にサポートすることもできるかもしれませんね。そういうことだったら、何かできるのでは? この人としか話せないことがあれば、必要とされる女性になれます。男性は、美人だから恋に落ちても、美人だからという理由で離れられないわけじゃない。恋をゲットしたら、次にするのは、エステよりも言葉のオシャレなのです。それから、面倒臭い女になってはいけません。男の人は、恋人にまだ情はあっても、面倒臭くなって捨てることがけっこうあります。例えば、説明できないことをいつまでも追求されるとか、女性が我を張るとか。男女では脳が違うのですから、こっちが正しいと思っていることと、相手が正しいと思っていることと、折り合いがつかないことが98パーセントなんです。女の人は自分が正しいと思い込んでいるから、相手の男性が嘘をついているとか、わけがわかんないふりをしているとか思うでしょう? でも、脳が違うんです。どっちも自分が正しいと思って言ってるわけですよね。折り合う場所や納得がいく場所がないのに、折り合いつけなきゃ先に進めないと執着する女性がいるでしょう? あれは結局、最後捨てられます。男性脳は、男女関係の面倒くさいことには耐えられないのです。生殖リスクが低い哺乳類のオスは、ばらまく性ですから、面倒くさい異性に関わっている時間がもったいないと思うように脳が作られているのです。さっさと次の異性に行った方が遺伝子が残せますからね。 それから、携帯のメールからわかるような細かいことは知らないことにしましょう。彼のFacebookも見ないほうがいいです、本当は。「あなたは、あの日あのとき何をしていたの?」「連絡しなかったじゃない」とか、とやかく追求すると、もし女性と食事にでも行っていたのだったら、言いづらいことを言わなきゃいけなくなるじゃない。言いづらいことを言いたくないがために、別れる男性だってすごく数が多いんです。生殖リスクが高い女性は、遺伝子を厳選して一人の男性に惚れるのですもの、そんなことで捨てられてしまったら、もったいないですよね。だったら、黙っておけばいい。そうすれば、別れなくてすむのですから。浮気に目くじらを立ててしまいがちですが、黙って帰って来るのを待つぐらいの度量が必要なのかもしれないですね。彼のことが好きなら、大切なのは彼と別れないことのはず。彼との大切な関係を守るためにどうすべきか、考えて行動したいものですね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年03月07日前編 では、彼に優しくさせる作戦を実行しているうちに、彼がドンドン本当に優しくなるコツをお伝えしました。知らずにしているうちに、脳は入力と出力を勘違いしてしまうというのが、脳科学者の黒川伊保子先生のお話でしたね。後編では、いつの間にか彼が優しくしたくなるような、そんな女性になる方法を教えてもらいましょう。男性の脳は、視覚認識が強くはたらくので、美しい空間バランスを見せられると、その世界にぐっと惹きつけられます。それは例えば、フランス料理や懐石料理のように器に美しく盛られた料理のようなもの。それらは、器に対する料理の「空間占有率が低い」のです。このような料理には「魅せられて」向き合うことになります。女性も同じ。女性とふたりでバーで飲んでいるとき、男性脳は「バーという箱に収まった彼女」を確認します。これは、男性という生き物が三次元点型認識をしながら空間全体をサーチし、安全確認をする無意識の癖があるからで、砂漠やジャングルでも生き残るための大事な能力。空間の中の女性としてみられているということは、「空間占有率の低さ」を意識しなければいけないということなのです。そうしないと、「魅せられて」大切に向き合ってもらうことができなくなってしまいます。ですから、空間占有率を下げるしゃべり方が必要。男性とふたりのときに、ガハハと大きな声をあげて笑ったり、大声でしゃべるのはやめましょう。空間占有率が上がってしまいます。空間占有率が小さいというのは、愛おしいということでもあるから、男性とふたりのときには、しゃべりすぎないで、空間占有率を下げることが大切です。また、空間占有率は時系列においても考えられるものなので、考えている以上に、沈黙の時間を長くするように心がけるのもポイント。沈黙の時間があると、手持ちぶさただわと言う女性もいるようですが、本当は、1時間のうち20分はふたりとも黙っていたほうが男女の関係になりやすいんですよ。その20分の間は、お店を眺めたり、ウェイターさんの仕事をする手元をじっと見てたり、花に気がついたりしていればいいんです。「あの瓶は何の瓶かな?」とぽつりと言ってみたり。彼に向き合いすぎないのがポイントですね。「休みの日は何をしてるの?」「何が好き?」「血液型は?」って、彼に対して質問するのではなく、質問の的を彼からはずしてみましょう。「ソチ五輪見てた?」とか。お店のあれこれを見て「あのグラスきれい」といったような会話が本当は重要なんです。自分のことをしゃべり続けるというのが、一番空間占有率が高いんですね。次に、相手について質問すること。自分についてえんえん語ること。それと恩着せがましいセリフ…「あなたのために、こうもした、ああもした」という話。女性は、プロセスを語りたい癖があるので、恩を着せるつもりがなくても、つい言っちゃうことも。気を付けてね。だから、沈黙の時間を持つことと、自分やあなたといった当事者ではなく、そこから的をはずしたところで会話をして、さらに言葉数もできれば少なくテンションをおさえた会話をするといいですね。さらに、声のトーンもそんなに高くなく、メゾソプラノからアルトぐらい、男性が邪魔に感じないということが感性上はとても大切です。■男性脳に響くポイントを味方につけましょう女性はついついアピールしがちですが、男性脳が自然と好む印象を演出することが大切なんですね。普段あまり意識することがない、空間占有率を味方につけて、彼にとびきり優しくしてもらいましょう。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年02月28日彼氏やちょっと気になる男性に優しくされたら嬉しいですよね。でも、なぜかいつも雑に扱われて、全然優しくなんてされたことがない、そんな人はいませんか。男女の脳の違いに詳しい、脳科学者の黒川伊保子先生に、男性に優しくされる女性になるコツを教えてもらいました。■脳の勘違いを逆手にとる?! 優しくされるのなんて、簡単です。優しくしてね、と素直に言えばいい。男性は、女性に優しくしたい生き物なんですもの。ただし、「優しくしてくれて当たり前」という態度には、カチンときます。「カノジョなんだから、メールくらいくれてもいいでしょ」じゃなく、「今落ち込んでるから、励ましの一言、欲しいよ」と伝えればいい。優しくしてくれたら、うんと喜んで。レディファーストのカップルが羨ましかったら、「扉が重くて開かな~い」と甘えてみては? 「いつも楽々開けてるじゃん」と言われても、「あなたと一緒だと、力が抜けてなぜか開かない」と言い返しましょう。私はかつて、男友達と食事をしたとき、彼がなんだか尖っていたので、ウェイターさんに「紫キャベツか紫レタスが入った料理はない?」って言ったことがあります。でも、それは単なる口実。彼に「どうして紫なの?」と言わせたかっただけなんです。まさにそう返してくれたので、すかさず「今日は紫のものをあなたに食べさせると、私に優しくしてくれるって占いに出てたから」って言ってみました。すると彼は、「紫ならナスの方が自然だろうに」と笑って、「紫色のものを食べなくても優しくしてあげるよ」って。男の人って、女性に優しくて、本当にシンプル。怖がらないで、甘えてみて。何でもかわいく伝える方法はあるから、優しくしてもらうゲームだと思っていろいろ作戦を考えましょう。 優しくしているうちに、脳は勘違いするんです。知らずに優しくさせられている彼は、そのうちにあなたのことを大事な人だと思うようになります。脳は、入力と出力を勘違いするから(!)嬉しいから笑うでしょう。でも、嬉しくなくても笑顔の筋肉を使うと、嬉しいホルモンが出ちゃうものなのです。なので、作戦でも何でもいいから、彼に優しくさせるようにして、脳に入力と出力を勘違いさせればいいんです。気がついたら、あれもこれもしてくれるようになって、彼女は手がかかるんだって思うようになります。手がかかるというのは愛しいということですからね。エンジンをかけるだけでも大変なイタリアの古いバイクとか、いったん手に入れたら男性は本当に大切にしますよね。「あいつさ、俺がいないと階段の上から靴は落とすわ、駅はわからないわ、雑居ビルのトイレ行ったら迷っちゃうわ」って言いながら、愛しくなるんです。どれが上手くいくかわからなかったら、いろいろやってみたらいいんです。ただし、仕事ができない、部屋が片付けられない、料理のセンスが悪いと思われるのはNG。人として女性として基本はしっかりしているのに、ちょっとした隙がある、かわいく抜けている。そう見えるのがコツです。たまさか失敗しても、恐れないで。もし今の恋で上手くいかなくても、スキルは残ります。今の恋が終わったら、それは模擬試験だったと思えばいいですよね。大切なことは、自を分大切にさせるための作戦。そうやって大切にさせているうちに、大切に思ってもらえるようになるのです。■愛されたい女子は、直ちに作戦を実行すべき! 何でもかわいく伝える方法、即効性がありそうですね。ただ漠然と「優しくしてほしい」と思っているだけではダメだったんですね。彼に優しくさせるように行動すれば、それが彼の気持ちまでも変えるなんて不思議ですね。でも、だからこそ試してみる価値は多いにありそうですね。「優しくしてもらう作戦」ぜひ実行してみては? 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年02月21日ステキな恋もしたいけど、仕事だってとても大切! やっぱり職場でも、きちんと認められたいものですよね。そのために大切なポイントを、エンジニアとしてバリバリ働いていた経験もお持ちの脳科学者、黒川伊保子先生に尋ねてみました。まず姿勢! 背中が丸い日本女性はとても多いので、背筋をきちんと伸ばしただけで、この国では目立てます。空間認識に長けている男性脳は、姿勢を意外に見ています。偉い人の目に入りますよ。とても大切なことだから必ず覚えておきましょう。それから、論理的に話すということが大切。女性が、男性から論理的と見えるように話すには、「まず結論から言う」「ポイントは最初に数で言う」「一押し提案はせずに複数提案をする」この3つが大切です。この3つは男性脳から見て、頭がよく見えるというポイントなんです。活躍している女性が職場で使っているのは男性脳なので、相手が女性であってもバリバリ働く人と話すときは心がけるといいですね。優秀な女性脳は直感力が働くので、「これしかない一押し提案」が正しくしっかり降りてきます。このため、どうでもいい見せ提案をつけなくちゃならない「フェアな複数提案」はきっと虚しい気がするはず。けれど、会社にいる間の男性脳は直感力は働きにくく、方向性の違う複数提案を吟味することによって正しい選択をしたと思いたいのです。したがって、脳裏には「一押し」が浮かんでも、複数提案にして男性を安心させた後で、「ちなみに、私がぴんときた一押しはこれです」とクールにアシストするのです。センスのあるプロフェッショナルに見られます。職場で絶対に言ってはいけない言葉があります。それは、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」のD音、4ワード。私はこのD音の言葉は、35歳までは言わないと決めていました。このDの音は停滞の音なので、例えばストレスが上がってきた人に「どうどう」と言ってあげるのはいいんです。「どうしたの?」とか「大丈夫?」なども。けれども、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」のような言葉は、職場で私的な気持ちをしゃべっているように聞こえます。全部自分を守るための言葉だから、客観性がありません。なので、会社や仕事のことより、自分のことを考えて行動しているように見えてしまうんです。私はエンジニアだったのですが、例えば「来週の火曜日までにこのテストを終えてください」と、できないことを言われたとしますよね。うっかりしてると、「ダメです」「できませんよ」「だって」と言ってしまうんですが、それでは完全にプロには見えないですよね。そういうときは、「来週の火曜日でしたら85パーセントまでのテストが可能です。すべて完成するには水曜日までいただきたいと思いますが、火曜日までにどうしてもということであれば当面不必要な15パーセントを選んで残りをやりますが、いかがでしょうか?」という具合に、全部提案に変えて言うんです。無理して引き受けてストレスを溜める人より、きちんと提案できる人の方が出世しやすいのではないでしょうか。Dの言葉は言わないと決める。そうすると前向きな言葉しか言わなくなりますから。そのときに一番大切なのは、あくまでも相手のために考えるという立場を貫くこと。無理をして質が下がれば、仲間やクライアントに迷惑がかかる。無理する自分がかわいそうだから抵抗するのではなく、仲間や顧客を守るために出てきた言葉であることが必要なのです。仕事で認められる女性になるためには、自分のことの前に、組織やクライアントを守りきる気持ちになれることが不可欠だと思います。「叱られて、落ち込む帰り道」なんて一人前の女性にはあり得ません。「仲間やクライアントを守りきれなくて指摘され、明日からどうしたらいいか検討する帰り道」はあっても。頭がいいとか資格をとるとか、英語がしゃべれるとか、そんなところに敬愛が寄せられるわけではないのです。職場では自己愛を捨てて、誰かを守る自尊心の人になりましょう。自己愛型の女性がついつい言ってしまいがちな、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」の4つの言葉。まずは自分の中から消してみてはいかがでしょうか? 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年02月14日しあわせになりたくない、なんて人はいませんよね。でも、どうやったらしあわせになれるか、はっきりわかっている人も少ないのではないでしょうか。毎日が楽しく、ステキな恋をして、肌が美しく輝いていて、アイデアがどんどん生まれ、ちょっとアンラッキーなことがあってもすぐに立ち直れる、そんな「しあわせ脳」になる方法を知りたいと思いませんか? (しあわせ脳については、 前編 を参考に!)脳科学者の黒川伊保先生の 『しあわせ脳練習帖』 を読めば、「しあわせ脳」になる方法が具体的にわかるはずです。どんなことをすればよいのか、ここでも簡単にご紹介したいと思います! ■夜10時には就寝する(せめて、シンデレラタイムを守って)「しあわせ脳」になる一番の基本は、ちゃんと眠ること、それも早寝! 10時にはベッドに入って、10時~深夜2時の4時間はぐっすり眠ることが大切です。この時間帯は、睡眠を誘うメラトニンと呼ばれる脳内ホルモンがもっとも多く分泌されるゴールデンタイムなのです。この時間に眠っていれば、脳は、翌日の直感力をアップすることができるのだとか。と同時に、成長ホルモン(新陳代謝ホルモン)が促進されるので、筋肉や骨がしなやかになって(若々しい姿勢の秘訣)、美肌もゲットできるのです。とはいえ、現代のキャリアウーマンにとっては、10時に寝るなんて至難の技。絶対無理と言う人もいるのは、重々承知の上です。黒川先生に聞いてみると、「女を捨てる気がないのなら、せめて0時には寝て。”シンデレラタイム”と呼んで意識してみて。その場合も、10時以降にパソコンや携帯電話の画面を見ることは、なるべく避けましょう。電子画面の凝視は、その直後の眠りの質を落としてしまいます。愚痴や嫌味などのネガティブな話題も禁止。お風呂に入って筋肉のストレッチをすると、副交感神経が立ち上がり眠りは一層深くなるので、勝負の前には1週間だけでも10時睡眠をやってみて」■朝5時台に起きて朝日を感じる早寝ができたら次は早起き! 朝日を目撃すると、脳の中でセロトニンという脳内物質が分泌されます。セロトニンは「しみじみとした情感」と、それによる満足感を作り出すのに関与しているので、情動が豊かになるのだそうです。黒川先生は、セロトニンを「しあわせホルモン」と呼んでいます。また、昼間の体験のうち、「心が動いた」体験は、寝ている間に知恵やセンスになって脳神経回路に定着されるのだそうです。セロトニンが多く出ている人は情感が豊かなので、心が動きやすく(感激屋さん)、自然に知恵やセンスが豊かになります。結果、人生の成果を生み出し、しあわせになっていくのだそうです。起床の目標は、5時台の後半。冬はまだ暗いですが、脳は一年を通しほぼ同じ時間に起きると、その性能を上げていくので、冬も夏に備えてこの時間に起きるようにするとよいようです。■朝ごはんをきちんと食べる早起きができたら、朝ごはんを食べること! 朝ごはんはしあわせ脳の燃料になります。米やパンといった炭水化物は脳のエネルギー源。ただし、このエネルギー源を確実に燃焼させて、安定して脳に届けるためには、炭水化物の「前」に繊維質のもの(野菜、海草、大豆製品)やタンパク質を食べることが大切になります。そんなに食べる暇がないと言う人は、ゆで卵(卵は完全栄養食)、バナナやりんごなどの低GIの果物、牛乳・ヨーグルトなどの乳製品などをオススメします。甘いものや白い炭水化物(ふわふわの食パンや、もちもちの白米)だけで朝食にしてしまうと、血糖値が一気に上がり、(血糖は脳のエネルギーなので、速攻元気になる)2時間半くらいで失速ということになってしまいます。つまり、朝をジャムトーストなんかにしてしまうと、10時半くらいには何か甘いものをつまみたくて仕方なくなってしまうのです。これは、血糖値が急下降によるもの。朝だけではなく、一日中、「いきなり」甘いものや白い炭水化物を食べないように気をつけましょう。脳に届くエネルギーが乱高下するので、「はしゃいだかと思うと、すぐに落ち込む」「頑張らなければ、頑張れない」脳になってしまいます。早寝・早起き・朝ごはん、これが「しあわせ脳」になるための基本。他にも、「自分のために時間をかけて暮らす」「クラシックの器楽曲を聴く」「メールの深読みをやめる」など、「しあわせ脳」になるための方法はいろいろあります。黒川伊保子先生の 『しあわせ脳練習帖』 を参考に、まずは今夜から早寝をして、あなたも「しあわせ脳」へと一歩近づいてみてはいかがでしょうか? 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年02月07日あなたは今、しあわせ? と聞かれたら、YESかNOかのいずれかにせよ、答えることができますよね。では、「しあわせ脳」の持ち主? と聞かれたらどうでしょう。それって何って気になりませんか。実は、この「しあわせ脳」になることが、本当にしあわせになるために、とっても大切なのだそう。一体「しあわせ脳」ってなんなのでしょう。 まず「しあわせ脳」について知る前に、あなたの「しあわせ脳」度を測るチェックをしてみましょう。次の質問に対し、YESならばチェックして。□1. スイーツが大好き! □2. 会社や学校など自分の周りには、なかなかいい男がいない□3. 電車で移動しているときも、携帯電話(メール)が気になる□4. メイクは女の命、コスメ・グッズに目がない□5. 目標体重まで痩せてスタイルのいい女性になりたいさて、この5つの中にいくつYESがありましたか? 実はこの質問、イベントなどによって生じる「一時的な高揚感」を脳がしあわせとカン違いしたもの! チェックが多ければ多いほど、脳科学的には「ふしあわせ」な状態なのです。もちろん、何かの目標を立てて頑張り、「一時的な高揚感」を味わうのも、脳にとっては大事な刺激。ただし、そればっかりになってしまうと、脳は本来の力を発揮できません。本来、脳には、自らを幸せに導く「無意識の力」があるにもかかわらず…。「しあわせ度」を測るチェックには、先ほど紹介した5個も含め、全部で15個あり、それら全ては、脳科学者の黒川伊保子先生の著書 『しあわせ脳練習帖』 に掲載されているので、気になる方はぜひチェックしてください。この本に「しあわせ脳」になるための方法が細かく説明されていますが、ここでも「しあわせ脳」とは何かを簡単に紹介したいと思います。「しあわせ脳」とは、ホルモンバランスがよく、好奇心があって集中力があり、直感がよく働く脳のこと。知ってますか? 「好奇心」を創り出すホルモン、「集中力」を創り出すホルモン、”出逢い力”を支えるホルモンがあるということを。すべて脳内で分泌される、脳内神経伝達物質と言われるホルモンたちです。みずみずしい感性のある人が、モテないわけがない。けれど、「みずみずしい感性」を作ってくれる「溢れる好奇心」と「しなやかな集中力」は、ホルモンによってもたらされます。さらに、「いい男」をキャッチするのは、主に嗅覚の仕事なのだとか! 体臭に含まれる、フェロモンと呼ばれる匂い物質は、遺伝子の免疫抗体の型の情報にリンクしていて、ヒトは特別な嗅覚細胞を使ってこの情報をキャッチし、「このフェロモンの持ち主」が、つがうのにふさわしいかどうかを瞬時に判断し、恋に落ちるのだそうです。そのフェロモンチェックを自覚できるかどうかは、右脳(感じる領域)と左脳(顕在意識)をつなぐ神経線維の働きのよさにかかっているのです。つまり、直感力で嗅ぎわける、というわけです。なのに、外界からの情報や、他人の価値観などにとらわれ過ぎると、脳は左脳優位になり、右脳と連携してくれず、直感力が働かなくなるため、”出逢い力”が落ちてしまいます。つまり、「こうすればモテる」をなぞらえて頑張り、「こういう男がいい男」なんて情報に惑わされて、目の前の男子をジャッジしていたら、本当の恋には出会えないってことに! しあわせになりたくて、こうすれば周囲の好感度を上げられるだろう、と思って「各論」で頑張っても、ギスギスした自己中心的な女性になってしまって、結局思ったように周囲が大切にしてくれないという不幸のスパイラルが生じるという事態にも。でもこれって、私たちが、うっかりおちいりやすい事態だったりしませんか?要は脳を上手に飼いならすことが大切、と黒川先生。脳のバランスを常にいい状態に保つ=みずみずしい感性を備えた「しあわせ脳」になる、が大切なのです。「しあわせ脳」の持ち主になれば、創意工夫力が増え、いろんなことがうまくいくとか。「しあわせを呼び込む女」になり、毎日が楽しくなり、ステキな恋をして、肌も美しく輝き、アイデアがどんどん生まれる、そんな生活が送れるというのです。本当かしら? と思った人、ぜひ『しあわせ脳練習帖』を読んで、「しあわせ脳」になる練習を始めてみてはいかがでしょうか? 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年01月31日付き合う男は、なぜかいつもダメ男、そういう女性はいませんか? 女にだらしなかったり、借金癖があったり、そんな男性なのに好きになってしまう。そういった女性が幸せになるにはどうしたらいいのか、男女の脳の違いに詳しい脳科学者、黒川伊保子先生に尋ねてみました。ダメ男を好きになる方は、ステキな女性なのよね。誠実で、お金も稼げ、母性があって、情が深い女性がダメ男を好きになる。それは遺伝子のなせる技なんです。自分とは違うタイプを好きになって、より多くの遺伝子のバリエーションを残すことによって、生物は生存する可能性をあげようとしています。偏った遺伝子しか残せなかったら、異常気象があったり、伝染病が流行ったりすると、種が絶えてしまうでしょう? 寒さに強い遺伝子も、暑さに強い遺伝子も子孫に残した方がいい。このため、ヒトは自分とは異なる免疫抗体を作りだす遺伝子を求めるから、感性が真逆の相手の惚れがち。ダメ男ばかり好きになる女性はイイ女で、そういう男性の遺伝子セットに共通している特徴に惹かれている可能性が高いのです。でもね、モノは考えよう。ステキなあなたは、地球上のダメ男を助けるために生まれてきた天使。ある意味、覚悟を決めたほうがいい。本当に惚れた男と結婚したければね。ダメ男の種類ごとに手なづけ方は違います。それぞれにルールを決めて、自分を守ってください。お金にだらしがなければ、「暮らしは私がささえるけど、使い道のわからないお金は絶対に出さない」とか。あるいは月に最低10万円だけは家に入れてねとか。日常守ってほしいルール、絶対に許せない限度を決めて、それを守っている間は何も言わないという風にするとよいでしょう。男性は基本的にルール好きの上に、ダメ男は楽な方へ流れる質の持ち主。してしまったことを「どうして?」と問い詰めても面倒くさがって説明もしてくれないけれど、「こうしてね」は意外に守ります。逆らうより、言いなりになったほうが楽だからです(苦笑)。だからこそ、優しくて、几帳面な女性にとっては一緒にいて楽な一面があるのです。(そこに惚れちゃうんでしょ?)ダメじゃない男に会いたいと願っても、無駄な抵抗かも。遺伝子レベルの反応だから、いくら周りに誠実な男性がいても目に入らないし、アプローチされてもピンとこない。いい男に出逢えないのは、そこにいないからじゃないのです。もちろん、そこそこの友情を感じる男性と、穏やかな暮らしを営むことも結婚のかたちの一つ。齢を重ねてくれば、その選択もありますよ。自分の人生は、自分で作る。ダメ男を好きになってしまう人は、惚れてしまったら覚悟を決めて。そして、自分のことは自分で守るようにしましょう。そのためにも、ちゃんと職業を持ったほうがよいですよね。ステキな女性だからこそ、こういう遺伝子のミックスになるんだと自覚して、自分が悪いとか、相手を変えようとか思わなくていい。ただし、自分を守るルールは賢く決めてね、何度も言うけど。彼のことばや態度が、あなたを卑しめるのであれば、辛くても、その男は捨てなきゃいけない。それでも、どうしてもダメ男以外の男子と結ばれたいと言うのなら、自分がだらしない女になってみては? お金もないのにカードで買い物するとか、友達との約束を破ってみるとか、誰かに仕事を押し付けるとか、ちゃっかり奢らせるとか。でもね、だぶんできないと思う。人は、それぐらい変えられないものなんですよね。つまり、ダメ男も自分も変えられない。だから、自分を変えようとするのも、相手を変えようと思うのもやめて、覚悟を決めるしかないのです。「諦める」というとネガティブなように聞こえるかもしれないけれど、これは「覚悟を決めて、自立して、自分を守りながら、相手を受け入れる」ということで、知的な諦め。ただ、その生き方は、女を艶やかにしますよ。女の人生に、努力のし損というのはないのです。なににせよ、自分で選んで歩き出すこと。幸せになってね! 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年01月24日男性に大切にされる女性ってどんなイメージですか? 美人? 家庭的? 優しい? 女らしい? もしかしたら、ちょっとか弱いほうがいい? ……実は、全部不正解!脳科学者で、男性と女性の脳の違いに詳しい黒川伊保子先生によると、男性が求めるのは、ことばを使わずに「たたずまい」で知性と慈愛を感じさせてくれるなの人だそう。「たたずまい」というと漠然とした表現なうえ、シチュエーションや相手との関係性、はたまた女性の年齢によって、たたずまいの「正解」が違ってくるというから、かなり難しそうです。けれども、ことばよりも空間に感応する男性脳にとって、これは重要なことのよう。それなら、ぜひしっかり知っておきたいものですね。■「呼吸」が大事?! 男性が求める女性に共通する点として、まず「呼吸の穏やかさ」、と黒川先生。ゆったりとした深く静かな呼吸は、安寧な雰囲気を作ります。そんな風にして女性が作る雰囲気や安らぎは、男性たちが求めて止まないものなのだとか。これは、意識してみる価値がありそうです。そして、このように呼吸していれば、自然に美しい姿勢になるという点にも注目です。男性脳は空間認識に長けた脳なので、メイクに力を入れるよりも、美しい姿勢のほうが効果があるのだとか。さらに、呼吸の効果としては、脳細胞に酸素が行き渡り、頭がはっきりし、瞳に力が入り、頬が上気して、うっすら紅を帯びるという効果も。そうすると、生物としての「凛」とした存在感も出てくるそうです。結果、深い安らかな呼吸をしていると、お店でもビジネスシーンでも効果が実感できるというから、試してみない手はないですね。男性脳は「場」に緊張しやすく、女性が想像するよりも公の場にいるときに、実は緊張しているのだとか。そんな男性に大切にされるための鍵は、沈黙と呼吸。男性から大切にされる秘訣は意外にシンプルなのかもしれません。■普段の会話に注目! 30歳を過ぎて、最近モテないと感じる人がいたら、男性をうんざりさせるような迫力のある口調が増えていないか、振り返ってみましょう。男性に対しての会話のコツは、いかに喋るかではなく、いかに黙るかです。一方、女性は気持ちをさらすことを愛の行為としています。そして男性は、そのお喋りに相づちを要求されるのが何よりも億劫なのです。男性と女性、ここまですれ違っているなんて知りませんでした。知らないままでは、男性に大切される女性になるのは難しそう。男性が求める女性像を知るためにも、黒川先生の書籍『 恋愛脳 男心と女心は、なぜこうもすれ違うのか 』は是非オススメです。たとえ愛し合っていても、男と女でどうしてすれ違ってしまうのか、脳の違いという観点からわかりやすく説明してます。まさに、目から鱗です。この一冊で、今までわからなかった男心の謎も解けるかも。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年01月17日最近は、結婚する前に一緒に恋人と暮らし始める人は多いようですね。生活を共にしていけるか試してみたいと思うのかもしれませんが、だらだらと同棲生活が続いて、彼がプロポーズしてくれないと嘆いている女友達はまわりにいませんか? 結婚前に同棲生活を始めるのは注意すべきと、脳科学者で、男性と女性の脳の違いに詳しい黒川伊保子先生は言います。そのアドバイスに耳を傾けてみましょう。一緒に暮らすということでは、経済的にひとつの枠の中で発展を考えること、人生設計をひとつにするということでしょう。だから、一緒に暮らし始めるときから、一緒の貯金口座を作るとか、別々でもそれぞれに二人のための貯金を始めるとかすべきですね。それで、貯金がいくらたまったら結婚しようねと話しておくんです。お金の話が難しかったら、「二年先のアパートの更新のときには、次のステージに上がりましょう。ちゃんと結婚して、もう少ししっかりした部屋に移る。ここは、それまでの繭みたいなものね。それはそれで幸せな場所だけど(微笑)」なんてふうに伝えてみたら? 最初から、自然に結婚の話をすればいいんですよ。暮らし始める前に、あなたと人生設計を一緒にしていこうっていう話をするほうがいい。漠然と一緒に暮らし始めるのは、戦略ミスです。男性はゴールがどこかっていうのを最初に設定するのが大事なのね。だらだらと一緒に暮らすのを目的にアパートを借りて二人で入っちゃうと、一緒に暮らすのがゴールだと思ってしまうから、そこから一歩(=結婚)を踏み出すのは大変なの。人生を共にしようというところまで見込んでいない男とだらだら暮らすなんて、私は信じられないですね。一緒に暮らすときに、あなたの人生に対して私はとことんアシストする宣言をして一緒になるべき。ご飯もちゃんと作って、貯金もちゃんとして、この人がいなかったら進んでいけないっていうぐらい、彼にとって必要なパートナーになればいいんじゃないの? 支配下に置けばいいんですよ。そういう話をしないで、ままごとみたいな同棲をしてたら、そこで終わってしまうんです。それで、彼がプロポーズしてくれないのってだんだん恨みがましい顔になっていっちゃって、喜び上手な新しいガールフレンドでもできたりしたら、彼を取られてしまいますよ。しかも、発情期は同じ相手に対してだいたい3年ぐらいしかないから、それも終わってしまっているんですよね。それでも青春を捧げてきたからこの人をゲットしないとって思ってたら、お互いに燃えカスですよね。もう既にそうなってしまっている人がいたら、今すぐその彼と別れたほうがいいです。そのときは、彼と一緒に暮らしていた部屋は出て、そのとき着ていた服は全部クリーニングに出して。フェロモンはたんぱく質のカプセルに入っているので、洋服についているんですよ。彼のフェロモンがついていると、他の男の人のフェロモンに対する感覚が鈍くなりますからね。そして、次に新しく一緒に暮らす人が現れたら、お互いに将来のことを語り合って、将来のためにという形で同棲を始めないとダメ。結婚というゴールを最初に設定しておくことが男性にとっては大切なんですよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年01月10日気になる男性と知り合いになって、少し親しくなることはできても、そこからさらに続いたり、発展させるとなると、なかなか難しかったりしますよね。いったいどういうことをすればよいのでしょうか。男性からの好感度を上げるためには、「男性に責務を与えて、果たさせることが必要」と、脳科学者で男性と女性の脳の違いに詳しい黒川伊保子先生は言います。なぜ責務なのか、黒川先生に聞いてみましょう。男性脳は、長らく狩りをしてきた性なので、「目標を定めて、その目標をゲットする」という原初的な快楽を脳が求めています。大人になったって、どうでもいい些細なこと(冷静になってみれば好きでもない給食の余った牛乳とか)を真剣にじゃんけんしてゲットしちゃう、カワイイ小学生男子のままなんですよ。だから、大切なのは定番の責務を果たさせること。電球が変えられないとか、ささいな、かわいいことでいいんです。俺がついていないとダメだな、ということを定番で作ることが大事。今日は荷物を持って、明日は掃除をして、じゃダメ。自分にはとうていできないということを、嘘でもいいから作るんです。そもそも「目標を定めて、その目標をゲットする」のが気持ちいい男性脳には、目標が見えないのはツラいのです。女性の話で、何を話したいのかよくわからない、という状態に男性がイラつくのもそのせい。逆に会社で働くことのように、目標が決まっているのはとても気持ちがいいのです。なので、同じこと=「定番の責務」で頼りにしてあげないといけません。例えば、ラーメン好きな男性がいたら、「●●さん、ラーメン詳しいんですよね。今度イチオシのラーメン店に連れてってください」とおねだりしてみて。実際に食べた後、「美味しい! これから、●●さんの推薦ラーメンしか食べないわ」と宣言すれば、彼自身の楽しい責務になるし、こちらも次のおねだりをしやすくなりますよね。その代わり、操は立てます。口先だけはだめ。ひとりでラーメンを食べに行く時も、「今、△△にいてラーメン食べたいんだけど、近くにいい店はありますか?」とお伺いを立てる。彼が知らないと言ったら、ラーメンは我慢する。あるいは、「初めての店でも失敗しない、美味しいお店の見分け方」を聞き、実践してみて、結果も報告する。基本、他の男子とはラーメンを食べに行かない。そんなことをしていたら、「お前、俺がいなかったら、ラーメンも食べられないのか。しょうがないな。行くぞ」と言ってもらえますよ。そうならなかったら、そもそも人間関係を紡ぐ縁にないってことです。彼にしかできない「定番の責務」を決めれば、相手も気にかけてくれるし、こっちも声をかけやすい。なので、継続しやすいんです。恋愛も受験と一緒、継続は力なり、ですよ。だってほら、テーマもなく「暇なら会いましょう」スタイルだと、立ち消えになったりすることも多いでしょ? 女性は、生理周期で気分が盛り上がったり下がったりするので、つい、間が空いてしまうことがある。間が空くと「今さら」となって、恋の卵だったかもしれない出会いが消えてしまいます。そうそう、この際、相手に彼女がいても気にしない。ラーメンを食べているうちに、別れるかもしれませんからね。「責務お願い」型のアプローチには、まずは友情を培うという利点があるので、略奪しなくても、相手の恋の自然消滅を待てるんです。他の女性との友情で壊れる恋なら、壊れてしまった方が未来のためです。定番の責務は、ささいなことでいい、何でもいいんです。コンビニのスイーツを見つけ出す才能のある男子なら、そこを頼ればいい。企画書のタイトルを上手く付ける男子なら、企画書のタイトルをつけるときに、必ず添削をお願いするとかね。相手に定番を作るということは、結局、相手のいいところを見つけるということ。彼の美点をみつけて、そこはあなただけに任せようって言えばいいんです。そうすれば、きっと彼はそれに応えてくれますよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2013年12月27日前編 では年齢と脳の戦略の関係について、黒川先生の理論を聞きました。では、合コンなど普段の出会いで、どうやって運命の人を探せばいいのでしょう? そのコツを聞いてみました。■相手のポイントを見つけよう合コンのときは、「好奇心のツボ」を見つけることですね。それは、相手の「好奇心の先」であり、自分自身が「好奇心を持てること」を見つけ出すこと。たとえば、鉄道の話になって、相手がローカル線の旅が好き、と言ったら、「あなたの一押しローカル線はどこ?」などと「それはなぜ?」と聞いて行けばいい。質問上手は、惚れさせ上手ですよ。趣味が難しければ、仕事の話でもいい。けれど、その場合も、「何やってるんですか」なんてつまらない質問はしないこと。たとえば、銀行員なら、「世界で一番いい銀行って、どこ? プロから見て」みたいな普段聞かれない質問をしてみて。「実は学生時代ラグビーやっていて」と言われたら、「ルールわからないんですよね」って。今度連れて行って、ルールを教えてやるかと思われるぐらいまで、無邪気に一生懸命になれればいいですよね。相手に合わせるのではなくて、自分の興味に従って。自分がその話を続けたければ、それもOKですし、知らなくて教えてもらいたかったら聞けばよいのです。興味がなかったら別のポイントをみつけましょう。正直に自分が興味を持てるところを探すんです。それを小賢しくマニュアルとしてやるのとは全く反対。合コンでは、集まった5人の男性のうち、誰なら自分が楽しめるかを探せばいいんですよ。誰が自分を気に入ってくれるかではありません。ゴルフなのか、ラーメンなのか、鉄道オタクなのか。私の息子だったらバイクかモトクロスのレース、パンクロックかな。その中に自分のきっかけを見つけられるかです。一通り聞いても興味が湧かなかったら、もうふた通り目聞いたらいいでしょう。自分が聞きたいことを引き出します。それを聞くとき、「日曜日何をしてますか」「趣味は何ですか」ではつまらないので、「去年一年で一番感動したことって何ですか」や「最近泣いた?」「笑いが止まらなかったことって何?」などを聞いてみて。「小学校のとき一番好きだった先生の名前を教えて」とか、何でもないことですよ。■自分ならではの考えをぶつけよう男性は異性の射程範囲が広いから、10人の若い女の子がいれば、8人くらいはいい子だなと思っちゃう。だから、「キレイで優しい」なんてことで競っても、特別なひとりにはなれません。「この人としか、話せないことがある」という“心のフック”を感じたら特別な人になれるし、「この人に、もう一度、話を聞いてもらいたい」と思ってメールをしてくれます。でもね、世の中の大半の人がいいと思う話題じゃ、フックにならない。逆に、「世の中の人と違うところ」がフックになるんですよ。たとえば、「私、ディズニーランドが好き」「定番すぎるけど、やっぱ、ミッキーってよくない?」じゃ、「あ、そう」って感じ。けど、「私、ディズニーランドが意外に苦手。イベントって、嫌いかも」「あ~、おれ、それわかる」とか「キャラクターでは、プルートだけが好き。だって、あの子だけかわいそうなんだもん。グーフィーは洋服着てるのに、なぜ、プルートは犬のままなの?」「あ、おれも、それ思った!」みたいなことなら、仲良くなれるでしょう? 自分だけの、小さな心の引っ掛かりは、会話のフックを創り出すいいネタになります。「小さな頃、大人に嘘つくなって言われて、大人は嘘ついてんじゃんって思わなかった? 」というような、そんな話題でもいいでしょう。自分の人生の中で心に引っかかってることを言っていけばいいのでは。惚れあう相手は感性の正反対の相手だけど、こういう些細な着目点が重なることはよくあります。着目点が似ていて、実際の行動は食い違うというのが、感性真逆の相性なんです。そして、それこそが恋の相手。共通の着目点を見つけて、「え、あなたはこうするの。なるほど」と違いを味わいましょう。それこそが、合コンの正しい使い方ですよ。ということは、「楽しいけど共感できずにムカつくことも多い」という人にアンテナを向けてみて。そういう人を見つけるには、まず自分の人生や生活に好奇心を持つことが大事ですね。人の言うことを鵜呑みにしないで、自分の感覚を大事にしておくこと。そうすれば、いつか同じように感じている人と出会えます。そうやって出会った人が運命の人かもしれないですよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2013年12月20日いつか運命の人に出会いたい…けれど周りを見渡しても、そんな人はいなさそう。いったいどこにいるの? せめて運命とまでは言わずとも理想に近い彼氏ができれば…でもそんな人周りにいない、ということも多いかと思います。脳科学者で、男性と女性の脳の違いに詳しい黒川伊保子先生曰く、周囲や合コンなどで出会った男性の「態度」で探ろうとしても意味がないとか。では、どうしたらいいのかしら? その理論を聞いてみましょう。■相手の「態度」で探らない発情する者同士は性格は合わないんですよ。イラッとしたりムカッとする相手にしか発情できないので、そういう人は逆に脈があるということなんです。すべての生物は、自分が持っていない遺伝子の型の持ち主に恋をします。理由は、違う者同士の遺伝子を掛け合わせて、できるだけ強い子孫を作るため。遺伝子の型が違うということは、感性が全く違う相手ということ。つまり、とっさの判断が食い違うので、「なんで、そうなるわけ?」「なぜ、今これを言う?」「って言うか、何考えてるの?」「当然のことが、なぜできない?」みたいな人間相性最悪の相手に惚れることになっているんです。例えば、暑さに強い人と寒さに強い人がつがって遺伝子を残せば、地球が温暖化しようと寒冷化しようと子孫は残る。だから、愛し合う者同士のエアコンの適正温度は一致しないようにできているんです。それなのに、「こんなに寒いのに、気づかってくれないなんて」と思っても意味がない。相手は寒くないんだものね。ですから、あの人と私は合わないとか、あの人は私に優しくないとか、そういうことで探っても意味がないということがわかりますよね。人気の韓流ドラマだってそういう内容のものが多いですよね。最初はムカつき合ってる二人が、「ひどい!」って言いいつつも、いつの間にか発情している。だから、運命の男性を探すコツは、まず探らないということです。キスしてみたい、触ってみたいと思うか、感覚的なものしかありません。■運命の恋ができるのは20代では、どうやって、相手の遺伝子を見分けているかというと、異性の見た目、声、触感(手を握ったら「あり」か「なし」なんて瞬時にわかるという女性も多いですよね)、そして匂い。特に、体臭に含まれるフェロモンと呼ばれる〝匂い物質〟は、潜在意識で嗅ぐ匂いですが、免疫抗体の方の遺伝子を知らせていると言われていて、最も大切な情報源です。生殖リスクがまったく違う哺乳類では、圧倒的にメスのほうがこれらの遺伝子情報感知度が高く、異性の取捨餞別が厳しいと言われています。男性は、10人の美女がかわるがわる抱きしめてくれたら、「どうしても嫌」という女性は一人いるかいないかでしょう。けれど女性は、10人のイケメンが登場したら、「イケメンでも触れるのは不快」という男子が過半数を占めるはず。異性を厳しくより分けるフェロモンセンサーの感度は、25歳女子が最も高いと言われています。おそらく、生殖ホルモンが安定し、細胞の老化がまだ始まっていないこの年齢が、初産に最も適した年齢だからでしょう。好き嫌いの幅は、脳の中で絶対値の幅で揺れるので、25歳のときはすごく好きな人も、すごく嫌いな人もあるということ。25歳の女子なんて、100人男子がいたらたったひとりのすごーく好きと、99人の触わられたら気持ち悪い人で構成されているわけです。それはしょうがないこと。人生最高センサーによって、25歳女子は1万人にひとりとも言うべき遺伝子配合の相手を選び出しているわけですから、20代で恋に落ちると「運命の恋」と感じます。彼のような人は他にはいない、ということを潜在意識で知っているからですね。でも、その感覚は脳の戦略に従って、だんだん緩慢になっていきます。というのも、30歳過ぎても生殖に成功しない場合、同じように厳しく取捨選択していると、この個体が生きる環境において、一生涯、相手が見つからない可能性もあるということだから。そこで、脳は戦略を変えます。「遺伝子相性を多少悪くしても、とにかく子孫を残さなきゃ」というわけで、センサーを徐々に鈍くしていくのです。このため、1万人に1人が、千人に1人になったりするわけですから、当然、「この人しかいない」という確信も薄くなっていきます。つまりね、子どもを産まないまま30代後半に入ってしまうと、20代のような燃えるような「運命の恋」をしたくても、脳がその体制にないってこと。相手がいないんじゃなく、自分の脳が戦略を変えたんです。大人の女なら、そのことはクールに認めたほうがいい。燃えるような恋じゃなくても、「一緒にいて、しみじみすることができる」くらいの好意の相手で手を打たないと、38歳から健康な自然初産の期限にあたる43歳くらいまでは、あっという間に過ぎ去ってしまいます。ただし、43歳以降は、脳は生殖ストレスを離れて、プラトニックラブもできるように。女性は、脳の生殖戦略を知っておくべきです。20代で「運命の恋」と感じる相手に出会ったなら、おそらくそれが、人生最高の恋愛ボルテージ。結婚できる相手なら、細かい条件や、貯金の額なんか気にせずに、結婚してしまった方がいい。30代後半に入ったら、好感を持てる相手なら、友情結婚してみればいい。40代に入って恋力が戻ってきたら、あらためて夫にしみじみ惚れるかも。もしそうじゃなくても、バツイチ子持ちの女性はけっこうモテるから、大丈夫。(微笑) 女は、賢く生きなきゃね。黒川先生の言葉は、時に耳に痛いことも! でも、脳のメカニズムは知って損はしないはず。後半ではさらに実践的な運命の人を見つけるコツを教えてもらいます。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2013年12月13日20代後半から30代、ちょうどウーマンエキサイトの読者世代の悩みで最も多いのが、今後の人生の選択について。仕事も軌道にのってきて、決定権も与えられるように。これから先、もっとがんばれば役職もつくかもしれない。でも、女に生まれたからには子供も欲しい…。とはいえ、仕事をストップしてまた元の職場で同じように働けるのか、それとも夢を諦めなければいけないのか…。そんな、悩める女子たちにむけて、人工知能の研究者として男性社会で働きながら、一児の息子を立派に育て上げた黒川伊保子さんにメッセージをいただきました。女の人生、すべてを手に入れることも可能なのです。以下、母性に溢れ優しく包み込まれるような黒川さんの言葉たちが、心の詰まりをポロッと取りのぞいてくれます。■子供が、新たな人生を切り開いてくれる男性社会の中で働く当時の私にとって、「仕事をしながら、結婚と出産を経験すること」、それは「仕事をしながら、ご飯を食べて寝ること」と同じくらい自然なことでした。惚れた男がいて、別々に帰りたくないから一緒に暮らすようになった。彼と二人で、仕事とスキューバダイビングに夢中な5年間を過ごし、ある日ふと、海風に吹かれながら、ここにちっちゃな仲間がいたら素敵だなと思って、子どもを産む決心をしました。■それは、30歳のとき同期が課長昇進試験の準備に入ったところで、傍から見れば課長昇進と出産との天秤だったわけですが、私にしてみれば、子どもを持つ好奇心に較べたら、課長昇進なんて些細なことでした。そんなの後からだって全然かまわないし、子どもが、もっと別の素晴らしい人生をもたらしてくれるような予感がしていました。その通りでしたよ。子どものことばの発達が、私に研究のインスピレーションをくれて、それを論文に書いたことで、審査委員長だった鶴見俊輔氏の目に留まり、本を出すに至ったのです。子どもを持ち、仕事でも成功されたどの方を見ていても、子どもが新事業を拓くきっかけになったり、出世のきっかけになったりしています。子どもは、きっと、未来をつれてやってくる。あれこれ考えないで、産めばいい。パワースポットに何万回もいったくらいの人生の力をくれます。仕事の昇進を気にして、産むかどうか迷ってる方には、私を信じて産んでみて、と伝えたい。■産む人生、生まない人生、どちらも価値があるさて、子育て礼賛をすると、一方でどうしても伝えたいことがある。人類には、「産まずに成熟していく女性脳」が不可欠なんです。人類の脳は、正確には3種類あります。男性脳と、産んだ女性脳と、産まない女性脳。産んだ女性脳は、ホルモンバランスと位相が変わり、脳は別物になります。端的に言えば、愛する者に対して鋭敏に、そのほかにはかなり鈍感に。直感力や感応力は鋭くなりますが、公平性に欠けます。産まないで成熟していく女性脳の公平な俯瞰力、精緻な判断力と子どもに使わないから、惜しみなく社会に降り注ぐ母性愛。これがないと、多くの組織が動きません。昔から、巫女やシスターなど、どの社会でも産まない女性をキープする仕組みを持っていました。なので、縁がなくて子どもを持てなかったとしても、それもまた「あり」。あなたは社会の大事な宝なのです。運よく子どもを持てた人も、そうでない人も、専業主婦も、働くお母さんも、誰も誰かに引け目を持つことはないのです。脳は、どんな脳であっても、大事な存在として、この世に機能しています「完璧にできないこと」にこそ、脳の個性があり、存在意義があります。女性たちが、互いに敬愛を持って尊重し合い、素直に助け合えればいいな、と心から思います。黒川 伊保子さんプロフィール:(くろかわ いほこ)奈良女子大学理学部物理学科卒業。株式会社「感性リサーチ」代表取締役。人工知能の研究に携わったのち、脳と言葉の研究を始める。語感と人間の意識の関係を発見し、独自のマーケティング論が各企業からの注目を浴びる。ユーモアを織り込んだ的確なコメントや、女性ならではの柔らかな感性、言い回しに雑誌やラジオほか、テレビでも引っ張りだこ。朝日ワイドスクランブル火曜日レギュラーとしても活躍。最新刊、「キレる女 懲りない男-男と女の脳科学」(ちくま書房)も好評。
2013年09月10日