みなさんは『双極性障害』を知っていますか?今回は、MOREDOORの大人気SNSより、オリジナル漫画『波にゆられながら』をご紹介します。本作品は、双極性障害Ⅰ型をテーマに描かれたフィクション漫画です。少しでも多くの方に、双極性障害について考えるキッカケづくりを目指して制作されました。本作品にはうつ症状を描写するシーンがございます。閲覧の際はご注意ください。症状には個人差があります。あくまで一例としてお読み頂けますと幸いです。もし、本編の主人公と同じような症状で少しでも気になる方は、一度医療機関を受診することを推奨します。監修:三崎てるひこ(臨床心理士・公認心理師)漫画のあらすじ幸せの絶頂のはずだったのに……。27歳の夫・双島聡太と26歳の妻・双島祥子。ふたりは大学時代に出会い6年の交際の後に晴れて結婚をすることに。しかしふたりの歯車が少しずつずれ始めてしまいます。これはそんな夫婦のたたかいの物語。慣れない土地に1人で過ごすことが多かった妻は、”双極性障害”と診断されました。夫は責任を感じ、妻を支えると決心します。しかし、妻が大量に買い物をするようになってしまい……。二人の将来の貯金のはずだったのに……祥子が手にとったコップの中身が聡太にかかり……。読者の感想は……『主人公と旦那さんの両方の気持ちを考えると、複雑な思いに感じました。』『こんなに感情的になったりする病気なのかと認識してびっくりしました。本人もつらいけど家族もめちゃくちゃ大変だなと思いました』『これは旦那さんも辛いですね。早くしないと2人の関係も危ういので、早めに病院に相談しに行ってほしいです。』など、さまざまなコメントが寄せられました。その後2人は……聡太は責任を感じつつも、どうすれば良いのかわからずだんだん負担に思うように。その後、聡太は同期から「同じようにパートナーが双極性障害の人」と話す機会を得たり、一緒に病院へ付き添って直接医師からアドバイスをもらうことで、自分だけで抱え込まなくてよいのだと気づきます。そして徐々に妻の症状も緩和していき、「ありのままの妻を受け止める」ことができるようになっていくのでした……。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この漫画はフィクションです。■作画:長月よーこ■脚本/監修:三崎てるひこ(臨床心理士・公認心理師)(MOREDOOR編集部)
2023年11月09日見た目だけではわからない病気もある……。今回は、実体験をもとにしたMOREDOORのオリジナル創作漫画『起立性調節障害って知ってますか?』よりワンシーンをお届けします。※この物語は実話を元にしたフィクションです。あくまで一例として、考えるキッカケになれば幸いです。起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医病気との付き合い方を工夫して……毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。佳純は寝つきが悪く、朝起きれずに遅刻を繰り返します。学校の先生や母は佳純を責めます。しかしその後、病院で検査すると“起立性調節障害”だと判明。異常な眠気は病気のせいだったのです。佳純は周囲の助けを借りつつ、上手く病気と付き合えるようになり……。先生にも褒められ……意外な治療法とは?筋トレも治療に効果的……!佳純と母は、医師から足の筋トレやストレス解消も治療に効果的だと伝えられます。どちらも起立性調節障害と関連しているとは少し意外ですよね。この後佳純は、さらに日常での様々な工夫を凝らしながら起立性調節障害を乗り越えていくのでした。この漫画に読者は『筋トレが起立性調節障害にもいいのは初めて聞きました。筋トレってすごい。』『周囲の理解もあるとやはり治療効果も上がるのかなと思いました。』『筋トレは色々なことにいい、この障害にも効果があるということはびっくりです。医師の提案はすごいですね。』など、さまざまな声が集まりました。向き合い方が素晴らしい……起立性調節障害と診断を受けた佳純と母の、症状に向き合う姿勢は素晴らしいですよね。薬だけではなく、日々の就活習慣改善や、メンタル状態を整えることも治療にとって、とても大切なことなのだそう。みなさんはこの漫画を読んでどのように感じましたか?■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年11月09日みなさんは『双極性障害』を知っていますか?今回は、MOREDOORの大人気SNSより、オリジナル漫画『波にゆられながら』をご紹介します。本作品は、双極性障害Ⅰ型をテーマに描かれたフィクション漫画です。少しでも多くの方に、双極性障害について考えるキッカケづくりを目指して制作されました。本作品にはうつ症状を描写するシーンがございます。閲覧の際はご注意ください。症状には個人差があります。あくまで一例としてお読み頂けますと幸いです。もし、本編の主人公と同じような症状で少しでも気になる方は、一度医療機関を受診することを推奨します。監修:三崎てるひこ(臨床心理士・公認心理師)漫画のあらすじ幸せの絶頂のはずだったのに……。27歳の夫・双島聡太と26歳の妻・双島祥子。ふたりは大学時代に出会い6年の交際の後に晴れて結婚をすることに。しかしふたりの歯車が少しずつずれ始めてしまいます。これはそんな夫婦のたたかいの物語。慣れない土地に1人で過ごすことが多かった妻は、”双極性障害”と診断されました。夫は責任を感じ、妻を支えると決心します。しかし、妻の大量の買い物をきっかけに喧嘩してしまい……。妻の返事がない……読者の感想は……『一人で抱え込まないほうがいいと思います、病院に頼ると気持ちが楽になるかもしれないですね』『本人はもちろんですが、感情の起伏に振り回されてしまう家族も大変だと思いました。』など、さまざまなコメントが寄せられました。その後2人は……聡太は責任を感じつつも、どうすれば良いのかわからず負担に思っているようです。その後、聡太は同期から「同じようにパートナーが双極性障害の人」と話す機会を得たり、一緒に病院へ付き添って直接医師からアドバイスをもらうことに。徐々に妻の症状も緩和していき、「ありのままの妻を受け止める」ことができるようになっていくのでした。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この漫画はフィクションです。■作画:長月よーこ■脚本/監修:三崎てるひこ(臨床心理士・公認心理師)(MOREDOOR編集部)
2023年11月08日病気は、目に見えるものだけではない……。今回は、実話を元にしたMOREDOORのオリジナル創作漫画『起立性調節障害って知ってますか?』よりワンシーンをお届けします。検査後……毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。佳純は寝つきが悪く、朝起きれずに遅刻を繰り返します。学校の先生や母は佳純を責めます。しかしその後、病院で検査すると“起立性調節障害”だと判明。先生や母の理解も得て、佳純は日々の習慣を改め……。先生が声をかけ……佳純の体調が最悪になるタイミングとは?生理中は特に大変……自分の病気に寄り添ってくれる人も多く、次第に症状も改善してきた様子。しかし、生理のときはしっかり体を休めることが大事になってくるようですね。この漫画に読者は『とても読んでいて辛かったです。自分が学生時代にも似たような子がいてたので今思うとそうだったのかなと思いますが当時はどうしてだろうと思っていたので。生理中は貧血も相まってしんどい中よく学校に行っていたなと主人公がまじめさゆえに我慢していたこともあったのではと思いました。』『女性でも、生理のときに体調が悪くなる人とそうでない人がいるし、起立性調節障害という耳慣れない病気の場合は、周囲の理解を得づらく、診断がつくまでは苦労しただろうと思います。このような病気の人もいるということを、もっと多くの人に知ってもらえると良いと思いました。』『お母さんと先生が理解してくれるようになって本当に良かったですね。生理中は、そうですよね。余計にしんどいですね。無理せず休むことも大事です。』など、佳純への暖かい声が多く集まりました。助けは薬になる……佳純は、病気だからと諦めず、周りの助けも借りながら、しっかりと起立性障害の症状と向き合っているよう。やはり様々な病気への理解と助けは、症状の改善にとって大切な要素の一つと言えるのではないでしょうか。みなさんはこの漫画を読んでどのように感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)(イラスト/ミノル)
2023年11月08日皆さんは、「起立性調節障害」という言葉をご存知でしょうか?朝起きれなかったり、倦怠感を感じたりというような症状から”怠けている”と思われてしまうことも多いようです。そこで今回は、MOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画『「起立性調節障害」って知っていますか?』をご紹介します。本作品には起立性調節障害を描写するシーンがございます。閲覧の際はご注意ください。もし、本編の主人公と同じような症状がみられる方は、一度医療機関を受診することを推奨します。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医診断されたのは……毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。夜更かししたいわけでもないのに寝付けないのも朝が異様に辛いのもただの“怠け”ではなくて……。保健の先生に勧められ、病院に行くことになった主人公。母と病院へ行くと、『起立性調節障害』と診断されました。とにかく朝が辛い……読者の感想は……『目に見えないことなので、怠けていると思われてしまうのが難しいですね。もっとたくさんの方に知ってもらえたら良いのにと思います。』『主人公の‟人と同じことが出来ない事への不安な気持ち”が痛いほど分かりました。』『私の友達も、同じ病気で、悩んでいました。起きたいけど、起きれない。でも、それは怠けているだけって思われがちで理解してもらえない。とても、大変で辛いと思います。学生時代も大変ですが、社会人になっても仕事を選ばないときついなと思います。』など、起立性調節障害という病気の理解が、まだまだ広まっていないことが実感できるような声が集まりました。主人公は起きようとしてますが、どうしても朝が辛くて起き上がれないようです。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年11月06日みなさんは『双極性障害』を知っていますか?不安やストレスをため込んでいるうちに、誰もが発症する可能性のある病気です。そこで今回は、MOREDOORのTikTokで600万回再生された、オリジナル漫画『波にゆられながら』をご紹介します。本作品は、双極性障害Ⅰ型をテーマに描かれたフィクション漫画です。少しでも多くの方に、双極性障害に関する知識が深まれば幸いです。本作品には双極性障害を描写するシーンがございます。閲覧の際はご注意ください。もし、本編の主人公と同じような症状がみられる方は、一度医療機関を受診することを推奨します。脚本・監修:三崎てるひこ(臨床心理士・公認心理師)漫画のあらすじ幸せの絶頂のはずだったのに……。27歳の夫・双島聡太と26歳の妻・双島祥子。ふたりは大学時代に出会い6年の交際の後に晴れて結婚をすることに。しかしふたりの歯車が少しずつずれ始めてしまいます。これはそんな夫婦のたたかいの物語。慣れない土地で1人過ごすことが増え、寂しく感じている祥子。ある日、聡太が帰宅すると家が散らかっていて、聡太は祥子に厳しく言ってしまいます……。自分を責めてしまい……読者の感想は……『苦しそうなのが伝わってきました。』『そんな事ないよって言ってあげたくなります。』『気持ちを誰にも打ち明けられず、自己嫌悪に陥っているのが辛く感じました』など、さまざまなコメントが寄せられました。本作では、妻の異変を感じた夫がすぐ病院へ行くよう説得。そして双極性障害Ⅰ型との夫婦の長い戦いが始まります。実家のお母さんの助けを得ながら、徐々に症状が落ち着いていく妻。「今は躁状態?うつ状態?」と疑ってしまう夫でしたが、だんだん「どちらも妻であることに変わりはないんだ」とありのままの妻と向き合えるようになっていくのでした……。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この漫画はフィクションです。■作画:長月よーこ■脚本/監修:三崎てるひこ(臨床心理士・公認心理師)(MOREDOOR編集部)
2023年11月05日医師の診断を受けるため、療育医療センターへUpload By プクティわが家の長男は、4歳の時に発達支援センターで知能検査を受け、精神年齢が約2歳遅れていることが分かりました。その際、IQの数値から「療育手帳」を申請することができると案内してもらいました。療育手帳を持っていると、今後いろいろと話がスムーズに進む場合が多いとのことだったので、さっそく申請することにしました。私たちの住んでいる自治体では、療育手帳の申請には「医師の診断書」の提出が必要でした。息子のことを詳しく診てもらいたかったこともあり、すぐに専門病院である療育医療センターに診察の予約をしました。しかし、発達支援センターや療育施設と同様、療育医療センターもとても混んでいるようで、診察の予約が取れたのは、最短で3ヶ月後だったのでした……。3ヶ月待ちの療育医療センター。いよいよ診察開始Upload By プクティ3ヶ月後、待ちに待った診察の日がやってきました。どのような診察が行われるのかドキドキしながら診察室へ……担当してくださったのは男の先生でした。診察室は特に普通の病院とは変わらず、ただ部屋の隅にちょっとした畳のスペースがありました。先生とのお話中、なかなかじっと座れずだらだらしている息子を見かねて、その畳のスペースでお絵描きさせてもらえることに。おかげで、息子はお絵描きに夢中になり大人しくしてくれていたので、私たちは先生とのお話に集中することができました。Upload By プクティ先生とのお話は、事前に記載しておいてほしいと言われていた息子に関する成長の記録と、知能検査の結果を元に進んでいきました。Upload By プクティ先生は非常に慣れているようで、息子の様子を少し見ただけで即座に判断していてすごく説得力がありました……。私たちが心配していた多動も集中力も心配ないとのことで、「好きなことへのめりこむ集中力があるのだから、集中できないことに関してはまだ楽しさを見いだせていないだけ。なので、周りが興味を持てるようサポートしていくことが必要」というお話でした。医師の診断結果は・・・?Upload By プクティそして診察の結果は、IQの低さや息子の様子から、ASDやADHDの疑いもなく、診断を出すとしたら知的発達症(知的障害)に該当するとのことでした。こうして診断名も分かり、診断書もいただき、無事療育手帳の申請をすることができたのでした。執筆/プクティ(監修:新美先生より)診断名決定と療育手帳取得についてのエピソードを聞かせていただきありがとうございます。療育手帳の取得の手順や基準は、都道府県によって若干異なることがあります。プクティさんの地域では、療育手帳取得のために、療育医療センターでの医師の診断が必須なんですね。プクティさんは、診察の日を「待ちに待った」と書いておられますから、息子さんについて有用なアセスメント、診断名が分かることに期待していたのですね。診断名が分かることで、息子さんについての見通しが持てたり、手帳を取得することで受けられる支援の幅が増えるなどメリットがありますよね。診断が出ること自体を不安に思ったり、手帳の取得を迷ったりする方もおられると思いますので、プクティさんのエピソードも一つの参考にしていただければと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年11月05日※この漫画には性被害の表現がありますのでご注意ください。あなたの望まない、同意のない性的な行為はすべて性暴力です。ご相談は「8891」へご連絡を。もし同性から性犯罪の被害に遭ったらどうしますか?今回は、MOREDOORのオリジナル創作漫画『チャイルドグルーミング』より、ワンシーンをお届けします。優しいけど……両親が離婚し、1人の時間が多くなった主人公のA子。すると、SNSで「C子」という人物と仲良くなります。A子と仲良くしてくれて、優しいC子。しかしその後、C子はA子をホテルに誘います。そしてA子の体を触り……。心配する母……C子から連絡が……C子は……この漫画に読者は『やはりどれほどSNSによる出会いが怖いものか改めて理解しました。同性だからと安心はできないのだと思いました。写真まで撮られていたとは、今後どうなってしまうのか不安になります。』『信頼していた人からの性被害、脅迫して関係を切れないようにするという展開に恐怖を強く感じました。少しの変化に母親が気づいたことで被害に気づけましたが、一人で抱え込んで性被害から抜け出せなくなってしまっていたらと思うと余計に怖くなります。SNSで知らない人と簡単に繋がれるからこそ危険も潜んでいるということを知る必要があり、自分は大丈夫と思わないようにしなければならないと強く思いました。』『同姓でも性被害の可能性があるけど、なかなか気付きにくいし、より難しい問題なんだと思いました。』など、同性の性被害ならではの難しさと危険性を実感する声が多く集まりました。写真をSNSにあげられそうに……たとえ同性であっても、密室に2人きりの状態で体を触られたら、恐怖を感じますよね。ましてや未成年相手に、写真を晒すと脅すなんて、立派な犯罪です……。今回の漫画はSNSで知り合った人が加害者でしたが、こうした「優しい身近な人からの性被害」は決して少なくありません。みなさんはこの漫画を、どう感じましたか?※この物語はフィクションです。※こちらの記事・漫画は男女の分断を助長するという意図はございません。また、性被害・セカンドレイプなどは性別に関係なく起こりうることです。あくまで一例として、それについて考えるきっかけ作りになればと思います。■脚本:simme■作画:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年11月04日発達障害のある次男の中学校生活がいよいよスタート!Upload By スガカズ発達障害(ADHD、LD)のある次男はこの春から中学校の通常学級に通っています。希望していた週一回の特別支援教室(通級指導教室)にも無事に通えることになりました。次男は昔から、環境の変化が苦手です。環境の変化があるときに対人関係のトラブルが起こりやすくなります。小学校に入学してからは大人(今回の場合は学校の先生など)とのトラブルが大半で、小学校低学年の頃はかんしゃく(暴言、物にあたる)や脱走がときどきありました。そのため、「次男の特性をあらかじめ知ってもらっていたほうがトラブルを未然に防げる」と思い、次男の特性などを中学校に事前に共有しています。学校生活スタート。本人の気持ちは……?次男は小6の秋におこなった、特別支援教室(通級指導教室)の体験での自己紹介で「中学校に入ったら怒るのをなおしたい」と言っていたり、入学直前には「中学校に入ったら新しい友達をつくる」「どんな学校なのか楽しみ」と話していました。小学校卒業前から本人の情緒は比較的安定していて、中学校に通ってからも不安定になることはありませんでした。知らない人も多く小学校とは違った環境でしたが、よい緊張感をもって中学校に通い始めました。入学から1ヶ月ほど経つと、クラスにも徐々になじめるようになり、新しい友達も増えました。また、クラス担任は次男との関わり方が上手く、次男自身も担任を好意的に思っているようで、大きなトラブルもなく毎日学校に通うことができています。Upload By スガカズただ、昔から朝は苦手で、緊張感がなくなった現在は、遅刻が目立つようになりましたが……。部活動はソフトテニス部に入部しました。体を動かすことは昔から得意だったので、テニスは未経験でしたが、どんどんできることが増えていきました。週5日の練習や、休日の試合など熱心に活動しています(平日の朝は遅刻が目立ちますが試合の朝は不思議と遅刻しません)。一度だけ、体育の先生と意思の疎通がうまくいかず、泣いて授業を抜け出したことがありましたが、その際には担任が次男に事情を聞き、学校で話し合って解決することができました。授業は前向きに参加しており、小学校の頃と比べると大きな成長を感じています。初めての定期テストと、課題提出7月、次男にとって人生で初めての定期テストがありました。次男は書字障害があり、文字を書くことが困難なため、書字を含めた勉強が苦手です。ただ、小6の頃から毎月療育に通っており、そのお陰で、文字を書く困難さは改善されました。小学校の頃はノートが真っ白だったのですが、中学校では、困難さを抱えつつも努力して書こうとしているようです。次男の中学校は、普段は課題が出ないのですが、定期テストの日に、課題の提出を求められます。小学校に通っていた時は、宿題の内容を担任の先生と話し合って調整してもらっていました。ですが、中学校では課題の範囲が学年で決まっており、次男だけ調整することは難しいということでした。また、この時期の子どもは友達との時間を優先しがちなので、本人が家にいない時間が増えました。そのため、課題に取り組める時間の確保が難しかったです。Upload By スガカズ【1週間の間にこなす課題】・国語漢字20ページ・数学50ページ・英語20ページ全ての問題を解いて丸つけ間違ったところはノートにやり直して提出結局、締め切りが1週間という限られた時間で次男が課題をこなすことはできませんでした。数学、英語はなんとか提出できましたが、国語の課題は手をつけられなかったので、未提出です。また、テストに向けた復習をする時間はまったくありませんでした。そもそも私は「次男は中学校でテストを受けてくれるのだろうか?」といった疑問がありました。中学校のテストは小学校の時よりも長時間の集中力や、見通しが求められます。もともと小学校でのテストが、書字の困難さを含めさまざまな理由から、白紙のままで0点で返ってくることも珍しくなかったのです。そのため、数日間、みんなと同じようにテストを受け続けることは難しいのでは?と、私は思っていました。Upload By スガカズ期末テストは3日間あったのですが、本人は3日間乗り越えることができました。国語は白紙に近い状態でしたが、受けてくれただけで、十分だと思いました。はじめての定期テストを終えて気付いたこと・漢字にルビがふられていた→ルビふりのお願いはしていませんでしたが、学校側で学習障害(LD)の生徒向けの対応をしてくれていました。・テスト時間の延長は個別で対応ができる→後日、テスト結果を持参して療育に相談しに行った際に、テスト時間の延長ができるかもしれないという話になりました。実際に学校に質問したところ、別室に移動して受けることができるということでした。今のところ本人の当日の意向から、延長の対応はしないでテストを受けています。・プリントをホチキス留めしてプリントの順番がバラバラにならないようにする。→国語のプリントが右とじのスクラム製本だった(ホチキス留めされていなかった)。テスト中にプリントを落としてしまい、順番が分からなくなったので、問題の意味が理解できなかったから白紙に近かったのだそう。学校には、ホチキスを持参する旨を共有した。ホチキス留めをしただけで2学期の国語の中間テストは解いた問題の数が増えた。初めての課題提出で気づいたこと・課題の範囲は先に知ることはできないが、どのワークを使うのかは分かったので、得意な教科は、時間がある時に少しずつ進められるとよい→とは言っても次男の特性から、声かけが重要ですが、「先生から言われてないからやらなくてもよい」と自己判断する場面があったので、先生から「中学生は自主的にやらないといけない」と次男に伝えてもらいました。Upload By スガカズ本当によかったと思うことは、「クラス担任との相性がよい」ということです。次男が通うソフトテニス部の顧問をしているので、テスト後の部活に参加する条件が「数学の提出を完了させること」だったそうです。好意をもっている先生に言われてしまったこと、部活に早く参加したい気持ちが、本人を動かしているんだろうと思います。テストの結果にはあまりこだわりませんが、提出できる課題を少しずつ増やせればいいなと思います。執筆/スガカズ(監修:井上先生より)中学生活で初めての定期テスト、親御さんもお子さんもかなり不安だったと思います。スガカズさんも触れておられましたが、書字障害や感覚過敏など医師や専門機関の診断、所見や意見書があれば、話し合いによって解答欄の拡大や別室受検など症状に応じた合理的配慮が可能になる場合があります。また、提出物に関しても手書きではなく、パソコンやタブレット端末の活用で代替するなども考慮されるかもしれません。合理的配慮の際には、実施前に本人が納得すること、実施したあとに本人の意見を取り入れながら改善していくことが大切です。周囲の生徒と異なる支援を受けることが本人の心理的な不安につながる場合もありますので、お子さんの思いを尊重しながら本人のペースで進めていかれるとよいと思います。スガカズさんも書いておられるように教師との信頼関係も何より大切ですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年11月01日みなさんは『双極性障害』を知っていますか?不安やストレスをため込んでいるうちに、発症することもあるようです。そこで今回は、MOREDOORの大人気SNSより、オリジナル漫画『波にゆられながら』をご紹介します。本作品は、双極性障害Ⅰ型をテーマに描かれたフィクション漫画です。少しでも多くの方に、双極性障害に関する知識が深まれば幸いです。本作品には双極性障害を描写するシーンがございます。閲覧の際はご注意ください。もし、本編の主人公と同じような症状がみられる方は、一度医療機関を受診することを推奨します。監修:三崎てるひこ(臨床心理士・公認心理師)漫画のあらすじ幸せの絶頂のはずだったのに……。27歳の夫・双島聡太と26歳の妻・双島祥子。ふたりは大学時代に出会い6年の交際の後に晴れて結婚をすることに。しかしふたりの歯車が少しずつずれ始めてしまいます。これはそんな夫婦のたたかいの物語。慣れない土地に1人で過ごすことが多かった妻は、”双極性障害”と診断されました。夫は責任を感じ、妻を支えると決心しましたが……。大量の買い物「金額はちょっとじゃない、それに今回は俺のアドレスに通知が来たんだ」と声を荒げる夫。妻はなんと家のクレジットカードに手をだしていました。2人の将来のための貯金が浪費され、夫は妻の症状が一歩進んでしまったことを実感するのでした……。読者の感想は……『気持ちがふさぐような症状だけでなく、依存症のような症状もあるのだと驚きました。』『友達にいるので勉強になりました。』『家族からしたら、どうしたらいいか悩みますね。叱って落ち込ませたら大変だからそっとしておく、でも買い物依存で浪費されて困る、こんな状況どうしたらいいのかと悩みますよね。精神疾患の親戚がいるので、その大変さよくわかります。』など実にさまざまな声が寄せられました。”双極性障害”の影響からか、妻の買い物がどんどんエスカレートしているようです。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この漫画はフィクションです。■作画:長月よーこ■脚本/監修:三崎てるひこ(臨床心理士・公認心理師)(MOREDOOR編集部)
2023年11月01日世の中には、まだまだ知らない病気がたくさんある……。今回は、MOREDOORのオリジナル創作漫画『起立性調節障害って知ってますか?』より、ワンシーンをお届けします。本作品には起立性調節障害を描写するシーンがございます。閲覧の際はご注意ください。もし、本編の主人公と同じような症状がみられる方は、一度医療機関を受診することを推奨します。酷い眠気で……毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。佳純は夜更かししたいわけでもないのに寝付けません。朝も異様に起きるのが辛く、遅刻を繰り返します。ある日佳純は、全校集会で倒れてしまいました。保健の先生に相談すると、“起立性調節障害”の可能性があると言われ……。その病名は初耳で……診察を受け……検査結果は……起立性調節障害と診断された佳純は今まで、自分の寝坊癖は‟怠け”だと言われ続けてきました。しかし、自分自身でもその原因ははっきりわかっておらず……。今回検査を通じて、自分の症状が病気によるものだとわかった佳純。このあと佳純は、母とともに症状とうまく付き合いながら生活をしていくことになります。この漫画に読者は『とにかく原因がわかれば、それに向かって解決方法が見つかると思うので良かったと思います。保健の先生に感謝ですね。』『保健の先生のおかげでしんどい理由がわかってよかったです。これから改善されてもっと楽になればいいです。私も中学の時、毎日ふらふらで登校していたのを思い出しました。』『これまでなぜこうなってしまうのかと苦しかった分、診断がついたことで気持ちがラクになったと思います。また、怠けと決めつけずに向き合ってくれた保健室の先生の存在に有難さを感じました。なぜこうなってしまうのかなど、自分の思うようにいかない症状はそのままにせず相談すべきだと改めて感じました。』など、自分や周りの判断だけでなく、専門の医者にかかることの大切さを実感するような声が多く集まりました。自分が知らないだけかも……朝起きれない、眠くなってしまう……などの症状は怠けだと勘違いされやすいものですよね。しかし、中にはそういった症状で苦しみ、辛い思いをしている人も。今回の漫画では、保健室の先生が体調を気にかけてくれたことで、病院を受診するきっかけとなりました。みなさんはこの漫画を読んでどのように感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年10月29日あなたは起立性調節障害について知っていますか?なかには、日常生活に支障をきたす人もいるようで……。そこで今回は、MOREDOORの大人気SNSより、オリジナル漫画「ある日学校へ行けなくなりました」から、話の展開を予想していただくクイズをお届けします!本作品には起立性調節障害を描写するシーンがございます。閲覧の際はご注意ください。もし、本編の主人公と同じような症状がみられる方は、一度医療機関を受診することを推奨します。何か体調がおかしい……?ここでクイズです!母親が部屋を訪れると、具合が悪く、布団に丸まっている主人公。主人公はあることができなくなってしまったようです。果たして、それは一体何でしょう……?主人公が出来なくなった“あること”とは……?正解は『朝起きられず、学校に毎日通えなくなった』朝起きられなくなってしまった主人公。病院で受診した結果、起立性調節障害であることが判明しました。こんな時どうする?起立性調節障害になると、怠けている訳ではないのに、朝起きられなくなってしまうことも。今回の漫画では、主人公が朝起きることができなかったり、学校で倒れてしまう様子が描かれます。そして医師のアドバイスのもと、母親は学校の先生へ配慮してもらうことを相談し、主人公は徐々に学校生活へ溶け込んでいくのでした。もし、周囲の人が起立性調節障害になったら、皆さんはどのように声をかけてあげますか?※実体験を元に漫画化したものです※こちらの記事・漫画はあくまで一例として、それについて考えるきっかけ作りになればと思います。■作画:ちり(MOREDOOR編集部)
2023年10月28日「東大卒はなるべく隠しておきたい」という当事者の言葉『ルポ高学歴発達障害』は、世の中で言われる「高学歴」の発達障害当事者10人のインタビューや、大学教員、精神科医、支援団体への取材を通じて「理解が得られにくい不条理」に迫った1冊です。このコラムでは、著者である姫野桂さんのインタビューをお届けします。Upload By 発達ナビ編集部――姫野さんはご自身の経験も合わせて、発達障害についてさまざまな発信をされてきました。今回、「高学歴発達障害」をテーマに選ばれたのはどのような思いからですか?姫野桂さん(以下、姫野):以前、高学歴なのに発達障害の特性で仕事がうまくいっていない方の記事を読みました。今まで取材してきたなかでも京都大学を卒業している方で、同僚はすぐに覚えられる電話対応などの仕事が覚えられずにうつ病になってしまったとお話ししてくださった方がいました。高学歴というとエリート道を進んでいると思われがちですが、実は悩みも抱えている人が多いことを伝えたくて本にしました。また、私自身は超高学歴ではありませんが、就職活動や会社員時代に苦労したのでそういった苦悩も書きたかったからです。――大人の発達障害当事者の方からは、「ケアレスミスが多い」「マルチタスクが苦手」「職場でのコミュニケーションがうまくいかない」といった声が聞かれますね。姫野さんご自身の苦労とは、どのようなものだったのでしょうか?姫野:就職活動で例を挙げると、当時は自覚がなかったのですが算数障害があり、SPI(適性検査)の数学がまったくできませんでした。大手企業はSPIを導入しているところが多かったため、大手企業は避けるようにして中小企業に絞りました。――そうすると面接に進めるように?姫野:そうですね。ただ、自分をより良く見せることが不得意なこと、本音を話してしまうことなどから、うまくいきませんでした。例えば、「なぜ弊社を選んだのですか?」と聞かれた際に「福利厚生が良かったからです」と答えたり、「何か質問はありませんか?」と聞かれた際に「残業はどのくらいありますか?」といった質問をしたりしていました。――今回、10人の発達障害当事者の方を取材されています。印象的だった言葉を教えてください。姫野:東京大学法学部卒の女性の「東大卒はなるべく隠しておきたい」という言葉です。東大卒ということで期待されるボーダーラインが上がってしまうという点は、理不尽だと思いました。※本書では当事者の方のプライバシー保護のため、氏名や年齢、事実関係などが一部変更されています最後に、石川さんに東大卒であることを“損”に思ったことはあるか聞いてみた。「それはあります。やはりハードルを上げられてしまうので、「東大卒だったら何でもできるだろう」というような感じで“合格ライン”が上がってしまう感じがあるんです。だから、なるべく隠しておくほうが得だなと思います。石川真里さん(東京大学法学部卒業)の言葉――早稲田大卒の男性も同じようなことをお話しされていますね。結果的にその会社は辞めたのですが、そのとき僕を怒鳴っていた上司は学歴コンプレックスがあったんです。「お前は俺が行きたかった大学を卒業しているのになんでそこまで仕事ができないんだ」と言われたことがあって。(中略)必要のない限りは、大学名を口にしなくなりました。三崎達也さん(早稲田大学経済学部卒)の言葉――そして、お二人とも「東大は自分にとても合っている場所だったので、それはすごく良かった」「自分のポジティブな部分を作ってくれたのは早稲田のおかげ」というように、誇りに思われているのも印象的でした。プライドとの折り合い――精神科医の熊代先生とは、高学歴の発達障害者が自身のアイデンティティと向き合っていくことの困難さについてお話しされていますね。ご自身の体験と重なるようなことはありましたか?姫野:私自身、発達障害が分かったのが30歳のときでした。就活を始めた頃、鬱病を疑って心療内科にかかったのですが、発達障害については何も言われず、抑鬱状態という診断を受けました。もっと早く発達障害があると分かっていたら、就職活動の仕方や仕事選びも変わってきていたのではないかと思います。当時はリーマンショックの影響で周りの友人もなかなか内定が出ない人が多かったので、発達障害が原因ではなくリーマンショックのためだと考えていました。それでも、「なぜ人事受けが良いはずの大学なのに受からないんだ」という葛藤がありました。そのあたりのプライドの折り合いをつけられたら良かったなと思います。子どもの頃から学業では優れていても、社会関係の部分ですごく弱みや苦手があるということを踏まえて、天狗にならないようにするというか、学歴を鼻にかけないようにするのが処世のあり方として結構重要になります。そのためには自身の発達適性の早い段階での把握は肝要です。(中略)ただし一方で、「自分には何かできるはず」「秀でたものがあるはず」といったアイデンティティを持つことには可能性もあるんですよね。ここも高学歴発達障害者の方のアイデンティティの形成戦略としてかなり難しいところです。熊代亨さん(精神科医)の言葉「大学が一番楽しかった」という声――筑波大学における学生支援についても取材されていますね。姫野:筑波大学のヒューマンエンパワーメント推進局の取り組みは素晴らしいと感じました。特に発達障害のある高校生へ向けた「大学生1日体験講座」で、10名限定ですが高校生一人ひとりに学生のメンターがつき、中には「障害学生支援技術」などを履修したピア・チューター(有償のボランティア)がいるのはとても魅力的だと思いました。ピア・チューターになるには自由科目の「障害学生支援技術」を履修したうえで、視覚障害、聴覚障害、発達障害といった形でコースに分かれた集中講義を受けてもらいます。佐々木銀河さん(筑波大学ヒューマンエンパワーメント推進局)の言葉ただ、多くの高学歴発達障害者を取材してきて、ほとんどの人が「大学が一番楽しかった」と答えています。社会に出てからどう自分の特性とつき合っていくかが課題だと思っています。――たしかに、「社会に出てから」「就職してから」直面した困難がインタビューからも強く感じられますね。最後に、本書をどのような方に読んでほしいとお考えでしょうか。姫野:高学歴発達障害当事者だけでなく、同僚や家族、友人など身の回りに高学歴発達障害の方がいる方にも読んでいただき、周りの期待やエリートのイメージと実情との乖離、活躍している大学時代の友人との比較、アイデンティティとの折り合い……といった「高学歴であるからこその葛藤」があることを知ってほしいです。そして、「あの人は高学歴だから」という前置きを外して個として見てもらえたらと思いますし、彼らが苦手そうなことにぶち当たって困っていたら「何か手伝おうか?」と声をかけるなど、そっとさりげなくフォローしていただきたいです。――ありがとうございました。姫野 桂さんフリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。著書に『私たちは生きづらさを抱えている発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)『生きづらさにまみれて」(晶文社)電子書籍『ダメ恋やめられる!?発達障害女子の愛と性」(集英社)。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年10月27日話を最後まで聞けずに、すぐに動き出す次女は、話終わるまで手を握るUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイわが家は母である私・ワッシーナを筆頭に、家族のほぼ全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。幼児の頃から動きが大きくて速かった次女リスミーは、小学生になるとますます活発な子どもに育ちました。リスミーは食欲もあり、親族からは「一日中、何かを食べている子だね」と言われていました。よく動くせいか、食べるわりには体が細いです。これは大人になった今も変わりません。リスミーは私が何かを伝えようとしても、話が終わらないうちに動こうとします。私はリスミーの手をしっかり握ってから、話をしていました。ところが今度は、まだ私の話が終わらないうちに、リスミーは自分の話をし始めます。なので、二人同時に話をすることになってしまいます。そうなるとお互いの声が重なって騒音のような感じになるので、私が混乱してしまいます。リスミーには「お話の仕方にはルールがあるのよ」と伝えて、小学生になったばかりの子どもでも分かるように交通ルールの例え話をしました。交通ルールの例え話で説明し、実際に現場も見せるUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ「相手が話し中の時は、こちらは赤信号なの。だから話してはいけない。相手の話が終わったら、こちらが青信号だからお話をしていいのよ」お話だけではなかなか身につかないので、実際に交差点へ行って、信号ルールを確認し、青信号になると一緒に横断歩道を渡りました。それでもまだ幼いリスミーは待ちきれず、私のお話中に割り込んでこようとします。リスミーは大きな動きや大きな声はないものの、とにかく動き始めのタイミングが速いのです。そんな時は「リスミーの話はちゃんと聞くから、もうちょっと待っててね」と安心させてから、話を続けました。リスミーが私の話を最後まで、しっかり聞けた時はなるべくオーバーに褒めてあげました。毎回ではないですが、よくお話を聞けた時は、時々ご褒美もあげたりました。このような工夫を行うようになったのは、リスミーが保育園児の時に、構音障害の診断を受けて、言語聴覚士のトレーニングを受けたことがきっかけでした。診断が出てトレーニングを受ける中で、劇的に成長していったリスミーを見て、私自身が日々のリスミーとの関わり方を工夫すれば、きっと良い変化があると感じていたからです。学校の三者面談でリスミーが授業中に走り回っていることを知らされるUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイリスミーは小学校1年生の時からインターナショナルスクールに通っていました。担任はアメリカ人の先生でした。小学校での三者面談の時のことです。先生から「リスミーさんは算数の授業中に教室を走り回っています。注意しようとしたら、素早く席に着くので、注意することもできません」と言われました。私が「どうして走り回っているの?」と隣にいるリスミーに確認しました。するとリスミーは「自分は答えを書いたから、周りの人に教えて回っている」と言いました。私は先生に「その答えは当たっていましたか?」と尋ねました。すると先生は「間違っていました」と答えました。私がつい笑ってしまうと、先生は「落ち着いて検算をして答えを確かめるといいです。この子は解き方は身につけているので、落ち着いて取り組めば、きっと大丈夫です」と言いました。担任からボール握りの工夫を教わり、学校と家庭で同じ工夫を行い効果がすぐ出たUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイなにか工夫が必要だと分かりましたので、先生に「落ち着くために、何をすればいいですか?」と聞いてみました。先生は「授業中、ボールをニギニギさせながら勉強してみましょう。ご家庭での学習の時もやらせてみてください」と答えました。リスミーはその日から早速、自宅でも学校でも柔らかいボールを握りながら勉強を続けました。すると集中力がついて、成績がグンとアップしました。学校と家庭で同時に同じ工夫を行うと、効果が何倍にもなるという印象を受けた出来事でした。執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(監修:森先生より)「こうしちゃダメ!」「落ち着きなさい!」と言い聞かせるよりも、「こうしようね」と伝えたり、代わりの動作を教えるほうが効果的だと言われています。言い聞かせるときに手を握るのは、安心にもつながりますし、動かないでお話を聞けるのでとても良い方法ですね。ボールをニギニギすることも、決まった動作をすることや、手の感覚を刺激することで、ストレスを感じにくくして落ち着くことができると言われています。お母さんの教え方もとっても良いですし、学校の先生も、リスミーさんのことをよく見てくれていますね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年10月20日皆さんは、「起立性調節障害」という言葉をご存知でしょうか?朝起きれなかったり、倦怠感を感じたりというような症状から”怠けている”と思われてしまうことも多いようです。そこで今回は、MOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画『「起立性調節障害」って知っていますか?』をご紹介します。本作品には起立性調節障害を描写するシーンがございます。閲覧の際はご注意ください。もし、本編の主人公と同じような症状がみられる方は、一度医療機関を受診することを推奨します。診断されたのは……毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。夜更かししたいわけでもないのに寝付けないのも朝が異様に辛いのもただの“怠け”ではなくて……。保健の先生に勧められ、病院に行くことになった主人公。母と病院へ行くと、『起立性調節障害』と診断されました。休むことも必要読者の感想は……『自分の状態を乗り越えようとするのではなく、受け入れていくことが大切だということを改めて感じました。』『なかなか理解を得られなさそうな病気だと感じました。母親や友人が理解をし、フォローやサポートしてくれているのは幸いですね。大変でしょうけど、頑張ってほしいです。』『周囲にサポートしてくれる人がいることはもちろん、自分一人ではないという自覚が安心に繋がるのだと思いました。』『起立性調節障害は、病気の名前や症状に対する認知がまだまだ少なく、病気に気づかずに学校や保護者からの理解が得られず苦しんでいる人も多い気がします。学校でパンフレットを配るなどして、気になる人は保健室の先生に相談をという配慮も必要だと思いました。』など、起立性調節障害の認知度や周りの人々の対応についてさまざまなコメントが寄せられました。起立性調節障害について、どれだけ対策をしても辛いときは、無理せず休むことも必要です。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年10月19日2人兄弟を育てるゆーとぴあさん。2歳児健診で長男は言葉が遅いと発達相談を受け、次男は多動傾向がありました。次男は保育センターの親子教室などに自主的に参加して幼稚園に備え、入園当初こそ不安があったものの、すぐに幼稚園に慣れてひと安心。しかし、次男の担任の先生から発達医療センターに行くように告げられ、長男もほぼ同時期に発達医療をすすめられて困惑します。ママ友から通っている幼稚園の園長は支援級をすぐにすすめることで有名と聞かされたゆーとぴあさん。長男の就学のため小学校の特別支援級を見学し、知能検査を受けた結果、普通級という結果に。支援級の覚悟も持っていたゆーとぴあさんは複雑な感情に。長男の検査が終わったと思ったらすぐに次男の検査のため兄弟で病院の診察をすすめられ、2人を連れて児童発達センターへ向かいました。診察を受けて医師にすぐに兄弟それぞれの性質とその対応方法についての助言をもらい、驚くゆーとぴあさん。発達障害は6割は遺伝だと話し、長男と母親(ゆーとぴあさん)はADHDで薬の服用で楽になるだろうとのこと。次男と父親は多動の可能性があり、多動は一定の年齢を過ぎると収まるので大丈夫と言ってくれました。自分は多動でないことから次男の育て方に行き詰まっていましたが、「多動の子は将来働き者」というこの言葉に力をもらったのでした。 「だから言ったじゃないですか」え、そこって大事? ※adhd→ADHD(一般的には大文字で表記されます) 児童発達センターでの診察が終わるとすぐに実施された幼稚園での面談。長男がADHD、次男が多動性障害と診断を受けたことを報告し、ゆーとぴあさんが多動の子は将来働き者になるとの言葉に救われたことも伝えます。しかし、園長は話を最後まで聞くことなく、やっぱり自分の言った通りだと得意げに担任の先生に話していました。 「だから言ったじゃないですかー」病院からの診断結果を受けて、さも自分の手柄のように話している園長を見て違和感を覚えますが、一方で長男と次男それぞれの担任からの報告、病院や検査報告を急かしてくることにずっと疑問がありました。その急ぐ理由が園長からの指示だったことに合点がいきました。 ある日、幼稚園の図書ルームにてPTAの仕事である本の整理をしていたゆーとぴあさん。これまで見かけたことのない本を見つけます。それは園児向けではなく、保護者が読むための発達障害の本でした。そこへ園長がやってきて、その本を入れたのは自分であることと、本が私物であることを話してきました。 さらに園長は自身が発達障害について勉強していることや、発達障害の子が最近増えていること、研究や考え方も変わっていることを話した上で、ひと言、「ゆーとぴあさんも読んでくださいね」はいと答えましたが、言われなくともずっと前から発達障害の本や情報を探し続けているゆーとぴあさんは、またもモヤモヤを抱えるのでした。 ◇◇◇ 病院の診察報告のための面談に幼稚園へ出向いたゆーとぴあさんでしたが、園長は兄弟の診断結果が自分の見たてと合っていることを手柄のように話すことに違和感を覚えます。幼稚園が早めに気づいて専門機関への受診をするように指導をおこなうことも大事ですが、もっと大事なのは医師の助言に救われたように、ゆーとぴあさんの気持ちに寄り添ってあげることではないでしょうか。ママの不安な気持ちにも耳を傾けてほしかったですよね。次の話ゆーとぴあさんの連載は、以下のサイトからもご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2023年10月18日2人兄弟を育てるゆーとぴあさん。2歳児健診で長男は言葉が遅いと発達相談を受け、次男は多動傾向がありました。次男は保育センターの親子教室などに自主的に参加して幼稚園に備え、入園当初こそ不安があったものの、すぐに幼稚園に慣れてひと安心。しかし、次男の担任の先生から発達医療センターに行くように告げられ、長男もほぼ同時期に発達医療をすすめられて困惑します。ママ友から通っている幼稚園の園長は支援級をすぐにすすめることで有名と聞かされたゆーとぴあさん。長男の就学のため小学校の特別支援級を見学し、ウィスク検査(IQテスト)を受けた結果、普通級という結果に。支援級の覚悟も持っていたゆーとぴあさんは複雑な感情に。長男の検査が終わったと思ったらすぐに次男の検査のため、兄弟で病院の診察予約をすすめられました。兄弟2人を連れて児童発達センターへやってきたゆーとぴあさん。診察室に入ると次男はじっとしてられず自由に動きまわり、長男はルールを守らなくても次男が許されることにイライラしています。それを見ていた医師は、2人の対応について的確な助言をゆーとぴあさんにかけてくれました。また、長男に注意不足の傾向があり自分自身もそうであると伝えると、発達障害は遺伝であることが多いと言い、2人ともADHDの可能性があり薬を飲むことですっきりすると教えてくれます。そしてなんと医師自身もADHDだと明かしてくれました。 まさか夫のことを聞かれるとは思わなかったーー 次に次男の様子を尋ねられたゆーとぴあさん。多動がひどいこと、家にいても出ていってしまうため目が離せないこと、自分が多動でないことから次男の気持ちがわからず、育て方に困っていると暗い表情で答えます。 「旦那さんはどんな感じですか?」夫のことを聞かれたのが予想外だったのか、一瞬間を置いてから口うるさいけれど働き者で家事も手伝ってくれ仕事もテキパキこなし、片づけるのが苦手なゆーとぴあさんは助かっていると答えました。 すると医師はなるほどと相づちを打ち、多分夫は多動で次男は夫に似たのだと言い、多動は一定の年齢を過ぎるとだんだんと収まるので大丈夫と教えてくれました。「多動の人は働き者なんです。だから次男くんも将来働き者になって、お母さんを助けてくれると思いますよ」 その言葉にこれまでの苦悩やつらい思い、そして報われた思いが重なり合って涙があふれます。「多動の子は働き者」この言葉がゆーとぴあさんの心の支えとなったのでした。 ◇◇◇ 同じ兄弟の発達障害でも、長男はゆーとぴあさんの性質を受け継いでいるため、子どもの気持ちにも寄り添いやすい面がありましたが、次男の多動については理解が追いつかないと告げました。その次男は家事や片付けが得意な夫の性質を受け継いでいる可能性があり、多動は一定の年齢を過ぎれば収まってくると言う医師。多動の次男は働き者となって将来お母さんを助けてくれるとの言葉に、他人はもちろん家族にも本音を吐き出せなかったゆーとぴあさんの心のこわばりが少し緩みました。これでまた歩み出せるといいですよね。次の話ゆーとぴあさんの連載は、以下のサイトからもご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2023年10月17日2人兄弟を育てるゆーとぴあさん。2歳児健診で長男は言葉が遅いと発達相談を受けます。次男は言葉の遅さに加えて多動傾向があるものの、健診では問題なしとの診断に納得がいかず、保育センターの親子教室などに自主的に参加して幼稚園に備えました。入園当初こそ不安要素がいっぱいの次男でしたがすぐに幼稚園に慣れ、ひと安心。しかし、担任の先生から問題行動の報告があり、発達医療センターに行くように言われ、長男もほぼ同時期に発達医療をすすめられて、就学のため小学校の特別支援級を見学。次に受けるウィスク検査(IQテスト)でほぼ決まるという長男の就学先は、普通級という結果に。すると園長は不服な様子で次は次男の検査をすすめてきてーー。病院から兄弟2人の診察予約が取れたという連絡が入り、次男の担任の先生に報告すると安心した様子。さらに診察結果はすぐに連絡するように伝えられました。予約も診察結果も頻繁に状況確認をしてくる幼稚園。何をそんなに急いでいるのでしょうか? 医師「僕もADHDなので」ーーえ、そうなんですか? ※adhd→ADHD(一般的には大文字で表記されます)※親がADHDの場合、その子どももADHDである可能性は非ADHDの親の場合と比べると5~10倍高いと言われています。親がADHDの場合、50~80%(平均70%)の確率で遺伝するという研究結果もありますが、ADHDは遺伝要因だけで発症するわけではなく、環境要因も組み合わさるとされています。 病院(児童発達センター)を予約してから半年、診察日に兄弟2人を連れて行ったゆーとぴあさん。1時間以上の待ち時間を経てようやく診察室へ。 じっとすることが苦手な次男はすぐに部屋から出てしまうので、スマホを見せようとすると、弟ばっかりズルいと長男。次男はそういう子だから仕方ないと言い聞かせますが、いつもガマンしている長男は納得いきません。結局、次男はプレイルームで待機。 その様子を見ていた医師が、長男は自分はルールを守るのに弟は許されることに矛盾を感じており、それが長男のかんしゃくの一因になる可能性もあるため、ルールは守ったほうがいいと言われます。 ほんの数分で兄弟の状況を見抜く医師に感動するゆーとぴあさん。他に何か困っていることはないかと聞かれ、忘れ物や落とし物など注意不足の傾向があり、自分自身がそうであるため、長男は遺伝かもしれないと思っていると伝えました。 「長男くんは多分ADHDで、ママもそうなんじゃないかなと思います」発達障害の6割は遺伝だと言われていると伝えられ、なんと医師自身もADHDだと聞きゆーとぴあさんは驚くのでした。 ◇◇◇ 幼稚園のすすめにより児童発達センターの診察を受けにきたゆーとぴあさん。兄弟2人を連れてくるのは大変でしたが、医師による兄弟それぞれの特性を見抜いた適切な言葉に感動します。これまで相談しづらかった悩みについて、この先生ならじっくりと耳を傾けてくれそうなので、いろいろ話せるといいですよね。 小児科専門医の松井先生によると、「多動傾向、注意欠陥等の症状は小児科外来でもよく見かけます。ご両親も似たような性格だと感じたり、ご自身もADHDだとおっしゃる方もいらっしゃいます。医師の中にもADHDの人がいて、そういう人は新しいことに積極的に取り組まれており、それはADHDの良い面でもあります。主人公のお子さんも大変なこともありますが、良い面もあることをみてあげることが大切です。周囲の人が困ってしまったり、本人もつらい思いをするのであれば、服薬するのもひとつの手段。それで楽になれば自己評価も高くなり、周りの方も安心するでしょう」とのこと。薬などの使用も選択肢に入れて、ゆーとぴあさん親子が少しでも楽になるといいですよね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。次の話ゆーとぴあさんの連載は、以下のサイトからもご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2023年10月16日皆さんは、「起立性調節障害」という言葉をご存知でしょうか?朝起きれなかったり、倦怠感を感じたりというような症状から”怠けている”と思われてしまうことも多いようです。そこで今回は、MOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画『「起立性調節障害」って知っていますか?』をご紹介します。本作品には起立性調節障害を描写するシーンがございます。閲覧の際はご注意ください。もし、本編の主人公と同じような症状がみられる方は、一度医療機関を受診することを推奨します。診断されたのは……毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。夜更かししたいわけでもないのに寝付けないのも朝が異様に辛いのもただの“怠け”ではなくて……。保健の先生に勧められ、病院に行くことになった主人公。母と病院へ行くと、『起立性調節障害』と診断されました。対策を考え……読者の感想は……『学校の先生や家族に理解してもらえてよかったですね。みんなのサポートを受けながら、良くなるといいですね。』『自分ではどうにもできない症状だからこそ、協力者の重要性を強く感じました。共に探りながら自分がよい環境を作って行くことでストレスも軽減され、症状の軽減にもつながると感じました。』『家族だけでなく学校でも協力的になってくれることもまた前向きになれる状況だと感じます。』『なかなか理解するのも難しいと思いました。目に見えないから余計に……。本人が一番しんどいと思うので、お母さんが栄養バランスを考えた食事を作ってくれたり、ちょっとした優しさが必要なんだなと思いました。』など、起立性調節障害の理解や周りのサポートについてさまざまなコメントが寄せられました。主人公は、家族の協力を得ながら、栄養や睡眠で対策をしているようです。起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年10月16日現代病としてさまざまな症状を引き起こす心の病気。中でも私が診断された双極性障害は、心の病気の中でも最も治癒率が低いと言われている病気の1つだそうです。どのような症状があるのかについて私の体験を紹介します。双極性障害になった経緯は私は16年間介護の仕事をしてきました。21歳のときに夫の金づかいの荒さをきっかけにうつ病になり、通院していましたが、息子が1歳半のときに離婚。一時的に良くなったものの、再婚後、夫との性格の不一致で離婚し、うつ病を再発。それまで通院していた病院では正式な診断名がついていなかったため、紹介状をもらい、現在の主治医がいる病院へ転院しました。もうそのころには最初の通院から10年以上の時間を費やしていました。新しい主治医から「あなたは月にお金はどのくらい使いますか?」と聞かれ、「あるだけ」と答えると、「あなたは躁うつ病だね」と言われました。双極性障害とは?躁うつ病とは、正式には双極性障害といわれる病気です。いわゆる躁といわれる気持ちが高揚している時間と、うつといわれる気持ちが低下している時間が短期的もしくは長期的に続く病気で、薬を飲んでコントロールしないと難しい病気です。私の場合は躁状態になると気分が高揚し過ぎて、暴力行為を起こして何度か警察の厄介になったこともあり、うつ状態になると仕事に行けなくなったりとずいぶん差がありました。双極性障害と診断されてから薬が変更され、しばらくは2週間に1回通院していました。もともとうつ病だと思っていたので、カウセリングも必要かと思っていました。ですが、躁うつ病にはカウセリングは合わないと主治医から言われため、カウセリングは受けませんでした。躁うつ混合状態で入院することに!あるとき急に怒りっぽくなったり、どうかするとうつ状態でぐったりするようなことが続きました。主治医に相談すると、「ちょっと入院してみようか」という話になり、自分で入院手続きをしました。まだ息子も小学生のころだったので、元夫と実家に入院中の生活計画を作り、そのように動いてもらうようにお願いし、主治医のいる病院へ入院となったのでした。入院中は、4人部屋の大部屋でした。私のように家庭のある入院患者さんはほとんどいない療養病棟でした。入院中はさまざまな検査がおこなわれ、時には脳波検査のように器具を取り付けることで髪の毛がグチャグチャになってしまう検査もありました。その姿を心配してくださった看護助手の方が、入浴日ではないのに「ここで髪の毛を洗いなさいよ」と気をつかってくださるなど、大変快適な生活を送っていました。また、介護職をしている私が入院してきたということで、介護業界に興味を持つ看護師から声をかけられることも多くありました。本来であれば3カ月間の治療が必要と言われていたのですが、毎週日曜日に面会に来ていた元夫から金銭的なこともあり、悪いけど1カ月で退院してほしいと頼まれました。主治医と相談し、結局1カ月で退院することに。その後、自宅療養をすることになりましたが、結局数カ月もしないうちに介護職へ復帰することになりました。薬と主治医とうまく関わることで、症状も安定していき、それまで2週間1回の診察も1カ月に1回になりました。まとめ双極性障害に限らず、心の病気は誰でもかかる可能性があるものだと思います。薬と主治医との信頼関係ができていれば症状が安定し毎日を過ごすことができるので、休むべきときは休み、できるときはやるというふうに自分のペースを守ることが大事だと感じました。私はグレーな状態が嫌だったので3級の精神障害者保健福祉手帳を取りました。手帳を取得して10年ほどになりますが、だいぶラクな毎日を送れるようになり、気持ちもラクになりました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。マンガ/あさり著者/にゃたろう(46歳)3年前に離婚してひとり暮らしをしている。元介護職。更年期にはなっているが精神疾患の症状のほうがひどく、どこからか更年期障害なのかはわからない。
2023年10月12日皆さんは、「起立性調節障害」という言葉をご存知でしょうか?朝起きれなかったり、倦怠感を感じたりというような症状から”病気”と気づかれないことが多いようです。そこで今回は、MOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画『「起立性調節障害」って知っていますか?』をご紹介します。本作品には起立性調節障害を描写するシーンがございます。閲覧の際はご注意ください。もし、本編の主人公と同じような症状がみられる方は、一度医療機関を受診することを推奨します。診断されたのは……毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。夜更かししたいわけでもないのに寝付けないのも朝が異様に辛いのもただの“怠け”ではなくて……。保健の先生に勧められ、病院に行くことになった主人公。母と病院へ行くと、『起立性調節障害』と診断されました。私だけ……?読者の感想は……『自分でもなぜ起きれないのか理由が分からない中で説明できない、理解してもらえないという体験はつらいです。なぜ寝坊したのか、なぜ寝られないのかなどじっくり話し合う時間を持ってほしいと感じました。』『私も中学生の頃に、同じような状態でした。もっとこの病気のことが世間に知られると、同じ悩みを抱える人たちも生きやすい世の中になると考えさせられました。』『起立性調節障害と判る前なんでしょうが、今の段階だと何故なのだろうってなりますね。』など、起立性調節障害と寝坊の差が理解されにくいといったコメントが多く寄せられました。本作では、朝が辛くどうしても起きられない様子が描かれていました。起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。もし主人公と同じような違和感を覚えた場合は、専門家へ相談しましょう。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年10月12日皆さんは、「起立性調節障害」という言葉をご存知でしょうか?朝起きれなかったり、倦怠感を感じたりというような症状から”怠けている”と思われてしまうことも多いようです。そこで今回は、MOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画『「起立性調節障害」って知っていますか?』をご紹介します。漫画のあらすじ毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。夜更かししたいわけでもないのに寝付けないのも朝が異様に辛いのもただの“怠け”ではなくて……。保健の先生に勧められ、病院に行くことになった主人公。母と病院へ行くと、『起立性調節障害』と診断されました。病院へ行くことに……読者の感想は……『怠けているからとか、気持ちの問題などと言われず、先生が気づきちゃんと病院で診断されたのは良かったですね。まわりの理解と、症状が少しでも改善していくことを祈っています。どうか楽しい学校生活を送れますように!』『目に見えない病気というか、理解してもらえなくてしんどいなと思っている人がいたら読んで欲しいなと感じました。』『病院でちゃんと診断してもらって良かった。後はこれを周囲の人たちに理解させていくとこだけど、これが一番難しいよね。』『怠けているわけではないということが診断で分かって本人も安心が大きいと思います。保健室の先生がしっかり初期の対応をしてくださったのが功を成したのだと思います。これで治療や対策を行って過ごしやすくなるといいなと思います。』など、さまざまなコメントが集まりました。保健の先生からの思わぬ言葉に、親子は驚いたようです。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年10月08日皆さんは、「起立性調節障害」という言葉をご存知でしょうか?朝起きれなかったり、倦怠感を感じたりというような症状から”怠けている”と思われてしまうことも多いようです。そこで今回は、MOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画『「起立性調節障害」って知っていますか?』をご紹介します。漫画のあらすじ毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。夜更かししたいわけでもないのに寝付けないのも朝が異様に辛いのもただの“怠け”ではなくて……。保健の先生に勧められ、病院に行くことになった主人公。母と病院へ行くと、『起立性調節障害』と診断されました。初めて聞く言葉読者の感想は……『病名がわかれば、家族や学校など周りの人が対応しやすくなると思うので、彼女にとって一歩前進だったと思います。』『病名がつくと「怠けではなかったんだ」と少し安心しますよね。』『「眠い」って怠けのように思われがちだけど、しっかりとした病気が隠れているとこがあるんですね』『保険の先生の優しく話を聞いてくれる姿勢としっかりと症状の判断をしてくれるところが信頼できる』など、さまざまなコメントが集まりました。起立性調節障害という言葉を初めて聞いた主人公。保健の先生から説明された母も驚いているようです。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年10月05日療育手帳って?発達障害娘は取得できるの?中学1年生の娘は、4歳の時に広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)と診断されました。コミュニケーション能力が低く、情報を聞き取ること、自分の考えを口に出してしゃべることが苦手な特性があります。発達障害の診断を受けている娘ですが、療育手帳は持っていません。というより、取得することができませんでした。※「療育手帳」とは、知的障害がある人に発行される障害者手帳です。自治体によっては「愛の手帳」「緑の手帳」という名前で発行されています。療育手帳を持つことで、療育や支援をはじめとしたさまざまな障害福祉サービスを受けることができます。娘は2歳から療育畑を歩いてきました。Upload By SAKURAしかし、恥ずかしながら私は、療育手帳の存在を、娘が小学生になるまで知りませんでした。放課後等デイサービスに通うために必要な「受給者証」というものが、療育手帳と似たようなものだと勘違いしていたこともあります。Upload By SAKURA小学生になると「療育手帳持ってる?」と聞かれることが増え、「あれ?持っていないとまずいものなのかな?」と思い始めました。Upload By SAKURA療育手帳の取得方法を調べてみると……療育手帳の存在をちゃんと知らなかった私は、「取れるものなら取ろうかな」とその時は軽く思いました。Upload By SAKURAあとから知ったのですが、この療育手帳の取得は、親御さんにとって、「障害を認めたことになるようで、取得を躊躇する」ということがあるようでした。Upload By SAKURA私は、グレーゾーンの時から「早く診断名がついてほしい」と思っていましたし、療育手帳の存在は、診断を受けて3、4年経ってから知りました。躊躇することはまったくなく、前向きな気持ちでした。Upload By SAKURAそれから私は、療育手帳を取るため、取得方法を調べました。しかし、知的障害がない場合、療育手帳は取得はできないということが分かりました。※療育手帳は、各自治体によって療育手帳の取得基準や、受けられるサービスが違います。Upload By SAKURAそれ以降も、療育手帳について聞かれる場面はありましたが、「娘の場合、取れないみたいです」と答えていました。その後、娘が小学6年生の時、中学に向けて発達テストを受けることになり、テスト結果と(特別支援学級の在籍に必要な)診断書をもらうため、発達外来の受診をした時、療育手帳について確認してみると……Upload By SAKURA娘は療育手帳も精神障害者保健福祉手帳も取得はできないと言われました。やっぱり……。事前に調べていたので、確認のため……という感じの質問でしたが、帰宅後、私はふと思いました。障害者手帳が取得できない=困りごとがない訳ではないのに……Upload By SAKURAじゃあ……障害者手帳を取得できない娘は……どの位置にいるのだろうか。昔……まだ娘に診断がついていないグレーゾーンの時、発達障害なのか、そうではないのかという、中途半端な位置がとても嫌でした。その時のことを思い出しました。娘は知的障害がありません。IQも通常範囲内。しかし、しゃべれば、言葉の並びがぐちゃぐちゃだし、出てこない言葉も多い。口頭の指示は、一度では絶対に聞き取ることができないし、言われたことを覚えるのもとても苦手で、すぐに忘れてしまいます。Upload By SAKURA相手の立場になって考えることが苦手で、空気が読めないため、信じられないタイミングで、とても感じが悪いことを言ってしまうこともよくあります。自分の中の感情や、思いついた言葉を頭に留めておくことができないので、叱られているのにニヤニヤしてしまったり、一人でぶつぶつと独り言を続けてしまうこともあります。Upload By SAKURA娘は発達障害ではあるけど、障害者手帳を取得する基準にない……。今まで、手帳を持っていなくて、損したことや、受けたいけど受けられない福祉サービスがあったわけではありません。しかし、娘には、苦手なこと、困りごとが多くあります。それを証明する代わりになるような手帳は、持たせてもらえないのか……と思いました。知的障害がなくても、困っていないわけではありません。どうやってもできないことがあります。娘が大きくなった時、コミュニケーション面でなにか困ったら……。Upload By SAKURAなんてことにならないか……。考えすぎかもしれませんが、言葉で説明できない娘が心配になりました。知的障害がなくても、困ってること、助けて欲しいことはあります。日常生活に支障をきたすほどのパニックがなくても、冷静に対応できるわけではありません。そのことを証明するような……それぞれの特性や、困りごとにそった手帳があるといいのになーと思います。執筆/SAKURA(監修:新美先生より)療育手帳取得にまつわる、いろいろな思いを聞かせてくださりありがとうございます。あまりいいことではないと思いますが、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳の取得基準については、地域による違いがあったりして、なかなかコメントがしにくいところがあります。多くの自治体において、療育手帳は原則として知的障害のある方が対象ですが、地域によっては発達障害がある場合、知的障害の基準が緩和されることもあるようです。知的障害を伴わない発達障害の方の場合、コラム内の漫画にも書いてありましたが、精神障害者保健福祉手帳が取得できる場合があります。これについても地域による基準がまちまちだったり、時代によって変化してきていることもあります。発達障害特性があって、生活面で何らかのサポートが必要な場合、精神障害者保健福祉手帳は取得できる可能性は十分にあります。一般的に、義務教育年代は、障害者手帳がなくても多くの福祉サービスは、コラムにあったように受給者証があれば利用できることが多いので、必要性をそこまで感じないかもしれません。ですが義務教育年代以降、福祉サービスを利用するためには、障害者手帳が必要になる場面が多くなります。こうしたことから義務教育年代を主に担当する支援者が精神障害者保健福祉手帳の取得は重度なケースのみと認識している地域でも、成人期にはもう少し柔軟に取得できる幅が広がるということもあるかもしれません。この先義務教育年代以降、就労などにあたって、精神障害者保健福祉手帳があったほうがいいと考える場合は、改めて地域の相談窓口等に当たってみてもいいかもしれません。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年10月04日「起立性調整障害」を知っていますか?自律神経の働きが悪くなり、起立時に身体や脳への血流が低下し、朝になかなか起きることが出来ない病気です。この障害は病気という自覚も持ちづらく、自他ともに理解されにくいため頭を抱えるかとも多いようで……。そこで今回は、MOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画『「起立性調節障害」って知っていますか?』をご紹介します。本作品には起立性調節障害を描写するシーンがございます。閲覧の際はご注意ください。もし、本編の主人公と同じような症状がみられる方は、一度医療機関を受診することを推奨します。漫画のあらすじ毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。夜更かししたいわけでもないのに寝付けないのも朝が異様に辛いのもただの“怠け”ではなくて……。怒られながら……この漫画に読者からは……『初めて聞きました。学校の先生が教員免許を取得される際に学ぶのを義務化にして、社会全般でもこういった症状があることが知れ渡るといいのに』『私も学生時代本当に朝起きれないタイプ。このような障害があるということを当時は知らず、早めに寝たのに眠すぎるしなんでだろうと思っていましたがなにか原因があったのかなと思えます。無知って怖いです。』『眠くなる=なまけている、という固定観念は自分も含めて多くの人が持ってしまっていると思います。このような病気があることを全然知らなかったので、改めて自分の認識の浅さを自覚することができました。』『起立性調節障害、とてもつらいらしいのでかわいそうです。外から見えない病気は理解されにくいし、辛いのがとてもわかります。』など、起立性調節障害を初めて知ったというコメントが多く寄せられました。理解されにくい……読者の中には、同じような症状があったものの病気の存在を知らず苦労したという方もいました。外からではわかりにくい病気となると理解されにくいもの。社会全体での認知と理解がもっと広がるとよいですね。みなさんはこの漫画、どう感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年10月02日皆さんは、「起立性調節障害」という言葉をご存知でしょうか?朝起きれなかったり、倦怠感を感じたりというような症状から”病気”として知らない人も多いようです。そこで今回は、MOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画『「起立性調節障害」って知っていますか?』をご紹介します。漫画のあらすじ毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。夜更かししたいわけでもないのに寝付けないのも朝が異様に辛いのもただの“怠け”ではなくて……。保健の先生に勧められ、病院に行くことになった主人公。母と病院へ行くと、『起立性調節障害』と診断されました。「起きられない」読者の感想は……『理解されにくい大変な病気だなと感じました』『とても辛い病気だと思いますが適切な治療を受けて前を向いて欲しいです。』『一見誰にでもある疲れや寝不足のようにも思えましたが、こういう症状も一度しっかり検査した方がいいんですね』『きっと主人公自身、どうしてこうなるのかわからないでしょうし、辛いですね。』など、さまざまなコメントが集まりました。主人公は、なかなか起きることができなくなり、中学生になってから体質が変わってしまったようです。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年09月29日皆さんは、「起立性調節障害」という言葉をご存知でしょうか?朝起きれなかったり、倦怠感を感じたりというような症状から”病気”として知らない人も多いようです。そこで今回は、MOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画『「起立性調節障害」って知っていますか?』をご紹介します。本作品には起立性調節障害を描写するシーンがございます。閲覧の際はご注意ください。もし、本編の主人公と同じような症状がみられる方は、一度医療機関を受診することを推奨します。漫画のあらすじ毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。夜更かししたいわけでもないのに寝付けないのも朝が異様に辛いのもただの“怠け”ではなくて……。ある日、佳純は学校の集会で倒れてしまいました。保健の先生からの言葉は……読者の感想は……『こんな経験豊富な保健室の先生に出逢いたかったです』『自分のことなのに、わからない症状、不安になりますよね。保健室の先生が話をしやすい先生で良かったです。』『私はこの病気のことを知りませんでした。本人にとってはとても辛いと思います。』『優しく話を聞いてくれて病気の可能性を指摘してくれる学校保健医が優秀だと感じました。』など、さまざまなコメントが寄せられました。保健の先生が親身に話を聞いてくれ、主人公は思いがけない言葉に驚いたようです。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年09月24日皆さんは、「起立性調節障害」という言葉をご存知でしょうか?朝起きれなかったり、倦怠感を感じたりというような症状から”病気”として知らない人も多いようです。そこで今回は、MOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画『「起立性調節障害」って知っていますか?』をご紹介します。漫画のあらすじ毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。夜更かししたいわけでもないのに寝付けないのも朝が異様に辛いのもただの“怠け”ではなくて……。保健の先生に勧められ、病院に行くことになった主人公。母と病院へ行くと、『起立性調節障害』と診断されました。私だけじゃない読者の感想は……『私が通っていた学校にもこの障害を抱えた生徒が何名かいました。朝礼ではずっと立っていることが難しいので、先生が配慮してその生徒たちを列の1番後ろにしてあげていました。』『周囲から軽く思われてしまいがちだけど、事情があることを理解できれば優しい目でみてあげられるようになる』『理解してくれる人がいて支えてくれる周りがいるのは救いですね』『症状について理解してくれる存在の大きさを強く感じました。この漫画のように手を差し伸べてくれる存在は大きいですね』など実に様々な声が集まりました。家族や学校の先生にも配慮してもらえるようになった主人公。学校集会では、同じように座る子を見てほっとしたようです。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年09月20日学習障害当事者37の工夫を収録ーー『LDの子が見つけたこんな勉強法「学び方」はひとつじゃない!』本書は、学ぶうえで困難さを感じたことのあるLDがある当事者とその家族の協力を得て、学校生活で困った具体的な場面と、その困りごとに対しての工夫をまとめた一冊です。1章では「私たちが勉強するときにしていた工夫」として、37の工夫を紹介。「読み」「書き」「暗記」などの事例と共に、診断名と困ったこと、それぞれの具体的な工夫がイラストも交えて分かりやすくまとめられています。また、工夫に対して、応用のポイントやヒントとなるコメントもついています。2章では、学校生活や合理的配慮について、事例からさらにふみこんだ当事者へのインタビューが掲載されています。社会人となって働いている大人から、現役の学生、保護者、年代もさまざまな当事者の工夫が数多く紹介されています。ほかにも障害者支援に携わる支援者からのメッセージに加えて、編著者の野口晃菜さん、田中裕一さんの対談も収録。子ども自身が困った時に、誰に相談するかをイメージする手助けにもなるでしょう。「授業中に板書が終わらない」「漢字を覚えられない」「勉強がおもしろくない」。 学校生活や授業で、「なんだかしんどい」「どうしたらいいか分からない」と疎外感を感じている子どもや、サポート法が分からず迷っている保護者に寄り添う一冊です。『起立性調節障害お悩み解消BOOK 「朝起きられない」子に親ができること!』起立性調節障害がある子どもは、中学生の10%を占めているといわれ、思春期に発症しやすい身体の病気です。症状は、頭痛・めまい・怠さ・朝の起きにくさなどがあり、症状が強くなると、学校に行きたくても身体が思い通りにならず、遅刻や欠勤を余儀なくされてしまうことも多いといいます。著者の吉田誠司先生は、2014年に起立性調節障害に関する研究で医学博士号を取得し、現在は、大阪医科大学小児科で心身症外来を担当する子どものこころの専門医です。本書は吉田先生がこれまでの診療のなかで得た当事者や保護者の経験がまとめられており、また、それぞれの場面で保護者が抱える悩みや、その悩みに対する対処法なども紹介されています。第1章では、起立性調節障害の仕組みを自立神経機能から解説。第2章は、食事・運動・睡眠など非薬物療法のポイントなど治療について、第3章では子どもが家で1日過ごすときに親子で意識したいこと、第4章では学校との関わり方や、学校選びや受験のポイントまで組み込まれています。起立性調節障害の症状のために学校に通えない、また、やりたいことができずつらくく悲しい思いをしている子どもや保護者もいることでしょう。本書は、起立性調節障害という疾患を知り、症状の改善と、学業や将来のこと、家庭での過ごし方、そして当事者である子どもとの接し方など、保護者が抱えるさまざまな悩みの解消の一助となるのではないでしょうか。『子どもたちはインターネットやゲームの世界で何をしているんだろう?児童精神科医からみた子どもたちの「居場所」』本書は、ゲームやアニメ、マンガの愛好家であり、子どもとゲームやインターネットとの関わりについて各方面での発信にも力を注ぐ児童精神科医の関正樹先生が、子どもたちの「居場所」としてのゲーム・インターネットの世界について、最新鋭の調査データや研究、そして臨床事例を交えて解説した一冊です。本書では、インターネットやゲームの世界に子どもたちが傾倒するには、その子どもたちなりの背景があると記されており、子どもたちがゲームやインターネットに没頭していく過程が丁寧に分析されています。そして、大人がその世界を知るために気をつけておきたいポイントを取り上げると共に、事例などを通じて子どもたちにとっての「居場所」としての意義を提案し検討するという形が取られています。また、本文中には、「ストリートファイター」や「スプラトゥーン」など実際のゲームも事例として登場し、ゲーム愛あふれる関先生ならではの視点も見どころの一つです。ゲームやインターネットの世界について網羅的に記述されている本書では、発達障害・不登校の子どもたちとインターネットやゲームの世界についても取り上げられています。「居場所」を求める子どもたちのなかには、リアルの世界で大きく傷ついたり溺れそうになっている子どももいるのかもしれません。SNSで胸のうちをつぶやかざる得ないときにも、それを責めるのではなく、共感的にその背景に目を向けることの重要性も記されています。本書は、目の前にいる子どもと接していく参考になると共に、子ども・青年たちに関わる支援者や臨床家や教育現場の教師など、「子どもの居場所のあり方」について関心のある多くの方にぜひ手に取ってもらいたい一冊です。子どもも家族も楽しい食事時間を過ごしてほしいーー『ダウン症のある子どもの離乳食から食事へー食べる機能を育てるためにー』ダウン症(21トリソミー)とは700人から1000人に1人の発生頻度と言われる21番染色体が1本多く存在することで起こる疾患です。ダウン症がある子どもは低緊張のため、哺乳力が弱いだけではなく、口唇を閉鎖する力も弱く、舌も突出しやすく、また咀嚼の発達自体もゆっくりで丸呑みしやすいといったことも多い傾向があるため、離乳食や食事の進め方にも注意が必要だとされています。本書は、日本ダウン症療育研究会会長であり大阪医科薬科大学小児科名誉教授の玉井浩先生が監修した、「ダウン症のある子どもの離乳食や食事はどうやって進めていけばよいか?」ダウン症のある子どもの家族の悩みに答える実践的な解説書です。食べさせ方や座り方、食事道具の選び方や使い方をはじめ、家族や保育者からよくある相談や困りごとをまとめた41のQ&Aなどをイラストや写真を交えて分かりやすく解説。さらにQ&Aでは成人になってからの食に関する悩みについても記されています。また、巻末付録には成長曲線(0〜36ヶ月・0〜18歳)も掲載。「子どもも家族も楽しい食事時間を過ごしてほしい」という想いを込めて書かれた本書。ダウン症がある子どもやその家族を支える医師や看護師、栄養士などの医療従事者、保育士をはじめとする保育関係者に、手元においてもらいたい一冊です。『「共感」からはじめる 発達障害のある子どもの支援教室における行動―情緒の問題を解決する6つのステップ』発達障害のある子どもの暴言や暴力、パニック、さらにゲーム依存といった行動上の問題の背景には、障害からくる特性だけではなく、養育環境や対人経験などのさまざまな要因が絡んだ子どもの情緒面の苦しみがあるのではないでしょうか。本書は、小中学校の通常学級や特別支援学級で発達障害のある子どもと関わる教員や支援者が、子どもが起こす行動上の問題の先にあるその背景を理解し、子どもの情緒に共感して適切に関わり、効率的な支援が行えるようになるための6つのステップを解説しています。著者は、宮城教育大学大学院教育学研究科教授の植木田潤先生。本書のなかでは、植木田先生が25年以上にわたり継続してきた教育相談やカウンセリングのなかで培ってきた事例も組み込み、事例理解を通じて「共感からはじめる支援」を体感できる内容となっています。また、障害特性や目に見える行動だけではなく、養育環境や対人経験といった「育ちの軌跡」や、それらによって生じた価値観などにも注目し、子どもだけではなくその家庭との関わり方のポイントや具体的な支援方法についても詳しく解説されています。発達障害がある子どもたちが示す行動上の問題は、実は、子どもたちの発する救済信号かもしれません。本書は、その行動や情緒の問題の背景にある子どもたちの想いや願いを理解し、支援しようと日々奮起している教員や支援者に読んでほしい一冊です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年09月17日2人兄弟を育てるゆーとぴあさん。2歳児健診で長男は言葉が遅いと発達相談を受け、親子教室に通います。次男は言葉の遅さに加えて多動傾向があるにも関わらず、健診で問題なしと言われたことに疑問を抱き、後日保育センターに相談して長男と同じ親子教室に通うことにしました。それでも次男が心配で、同時にほかの施設の教室にも参加させ幼稚園に備えました。入園式は制服を身につけるのを嫌がり、抱っこしていないと走り出してしまう状態で通園に不安を覚えます。予想に反して次男はすぐに幼稚園に慣れたものの、先生から次男の問題行動の報告を受け、発達医療センターへ行くように言われます。さらになんと長男まで発達医療で診てもらうように言われ、就学のため特別支援級の見学に参加するように予定を組まれてボーゼンとするのでした。帰宅して夫に長男について、幼稚園での面談の報告をすると、見学して息子に合っていれば支援級でも構わないのではと冷静な返答。数日後、義理の叔母が家に押しかけ長男が支援級に入ることになったのかとまくし立てます。長男の発達障害は母親のゆーとぴあさんが原因なのではと、不躾で勝手な決めつけでものを言う義理の家族に怒りと悔しさを募らせるのでした。 お父さんってもしかして? ただ質問しただけなのにーー 義理の叔母の言葉が引っかかり、図書館で大人の発達障害について調べるゆーとぴあさん。専門書に発達障害は遺伝するという記述を見つけます。自身が発達障害であるならば、両親のどちらかも発達障害の可能性があるのかもしれません。 それを確かめるべく、母親に聞こうと実家を訪ねて質問します。すると母は、ゆーとぴあさんは少し変わっているので発達障害かもしれないと思っていたと笑って答えますが、加えて遺伝なのかと聞くと途端に険しい表情に。 「亡くなったお父さんって発達障害だったのかな?」「うちのお父さんはそんなんじゃない!」 すぐに発達障害のせいにする最近の人の風潮に怒りをあらわにします。相談のつもりで聞いたのに、逆ギレのような受け答えをされてゆーとぴあさんは呆気に取られるのでした。 ◇◇◇ 息子の未来を考えるために相談したかっただけなのに、「発達障害」に対する世代からくる考え方の違いからか、議論の入り口にも立てない状態でした。ゆーとぴあさんの発達障害の可能性はすぐに受け入れましたが、父の可能性は受けつけず逆ギレした母。もちろん不確定の要素で、責めているわけでもないのに、子どもとしてこの状況はあまりに悲しいですよね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ※ADHDについてADHDの症状は最終的な神経経路で起こるとされ、原因は様々とされています。乳児期の外傷、分娩時の問題、妊娠中の薬物や飲酒、遺伝的な可能性等が記載されていますが、原因がわからないことがほとんどです。ADHD以外に自閉症スペクトラムの症状がある場合は、精神科や小児神経科等で診察を受けてみるのもよいでしょう。 ゆーとぴあさんの連載は、以下のサイトからもご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2023年09月15日