もし、自分の娘が学校に行けなくなったら……?今回は、起立性調節障害という病気で、学校に行きたくても行けない人のお話です。そこで今回は、MOREDOORの大人気SNSより、オリジナル漫画「ある日学校へ行けなくなりました」から、話の展開を予想していただくクイズをお届けします!本作品には起立性調節障害を描写するシーンがございます。閲覧の際はご注意ください。もし、本編の主人公と同じような症状がみられる方は、一度医療機関を受診することを推奨します。事情を説明するも……ここでクイズです!起立性調節障害により、学校に毎日通えない主人公。久しぶりに学校に行き、友人に事情を説明します。すると、友人たちはどんな返答をしたでしょう……?ヒントとして、それは主人公の想像とは違い……。友人たちの返答は……?正解は『怠け』だと言われた病気について説明するも、サボりや怠けだと言われてしまう主人公。ショックを受けた主人公は、学校に行けなくなり……。こんな時どうする?もし、病気で苦しんでいるのに“怠け”だと言われたら、悲しいですよね。今回の主人公は、友人からの理解を得られませんでした。もし、身近な人が同じ病気だったら、あなたならどう対応しますか?※実体験を元に漫画化したものです※こちらの記事・漫画はあくまで一例として、それについて考えるきっかけ作りになればと思います。■作画:ちり(MOREDOOR編集部)
2023年09月15日2人兄弟を育てるゆーとぴあさん。2歳児健診で長男は言葉が遅いと発達相談を受け、親子教室に通います。次男は言葉の遅さ以外に加えて多動傾向にも関わらず、健診では問題なしと言われたことに疑問を抱き、後日保育センターに相談して長男と同じ親子教室に通うことにしました。それでも次男が心配で、同時にほかの施設の教室にも参加させ幼稚園に備えました。入園式は制服を身につけるのを嫌がり、抱っこしていないと走り出してしまう状態で通園に不安を覚えます。予想に反して次男はすぐに幼稚園に慣れたものの、お迎えで毎日のように先生から次男の問題行動の報告を受け、発達医療センターへ行くように言われました。さらになんと長男まで発達医療で診てもらうように言われて驚くのでした。次男と長男、ほぼ同じタイミングで発達医療の受診をすすめられました。長男はかんしゃくを起こしたりやすぐに泣いたりすることはありましたが、これまで幼稚園から何も言われてこなかったのに、2人いっぺんの相談に釈然としません。先生は特別支援級の見学日程が決まっているので、まずは参加と半ば強引に決め、突然のことで気持ちが追いつかないゆーとぴあさんは戸惑いを隠せません。 子どもの問題を一方的に母親のせいにする無礼な叔母 帰宅して、先生からの話を夫に報告すると、まず見学してみて支援級が合っていればそれでもいいのではと冷静に受け止めていました。 しかし数日後、義理の叔母が家に突然やってきて、長男の支援級が確定事項かのように話し、不躾に兄弟の特性に踏み込んできます。それだけでなく、長男の先天性の病気である「仙尾部奇形腫※」は、母親のゆーとぴあさんが変なのではと言うのです。 無礼な言葉にムッとしつつも、軽く受け流そうとするゆーとぴあさんに障害があるからじゃないのかとハッキリ切り込んできました。 その夜、夫にまだ受診前の未確定事項を言わないようにと訴え、心の中では子どもの問題はすべて母親のゆーとぴあさんと決めつける義理の家族に割り切れない怒りと悲しさを覚えるのでした。 ※「仙尾部奇形腫(せんびぶきけいしゅ)」とは、仙骨の尾骨先端にできる奇形腫瘍。新生児でもっとも頻度が高く、約4万出生に1例の割合で発生するといわれている。組織型は基本的に良性で、摘出術により予後は良好であることが多い。 ◇◇◇ 子どもの体の問題をなぜか母親のゆーとぴあさんが原因と決めつけ、土足でものを言う叔母の無礼な言葉は信じられないですね。夫がいても、子育てはゆーとぴあさんだけのほぼワンオペ状態で、子どもについての悩みに一番心を痛めているはずです。まず夫は、細心の注意を払ったうえでわが子のことを親族へどこまで告知するかを考え、ゆーとぴあさんにも相談してほしいですよね。 ゆーとぴあさんの連載は、以下のサイトからもご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2023年09月13日多動傾向の息子、力の加減が分からずお友達トラブル多発小学2年生の息子は診断はありませんが、幼少期から多動傾向が強いと感じています。また、特性なのかは定かではありませんが、基本的に何を持つにも力が入りすぎていて、筆圧も強めです。年少の春、お友達が捕まえたバッタを強く握ってしまい、バッタは動かなくなりました。息子もお友達も悲しい顔をしていました。年少の夏、昆虫に憧れていた息子。「見つけた!」とセミの抜け殻を手にするとそのままグシャっと握って粉々にしてしまいました。「そっとだよ」と伝えても何度も同じことを繰り返してしまい、いくつものセミの抜け殻が潰れてしまいました。息子は、がっかりしながら「家に帰る」と言いました。年中の頃、片づけに熱心だった息子は、本を出しっぱなしにしていたクラスの子に「本をしまってないよ」と教えようと背中をたたいて泣かせてしまい、泣かせてしまったことがショックで息子も泣いてしまうということがありました。お友達には故意にやったことではないと分かってもらえましたが、また強くたたいてしまわないように「友達に気づいてほしいときの力加減」を家で練習しました。Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談筆圧が強くてワークブックはボコボコに……先生に心配されて年長の頃、幼稚園で週に一度文字を書く授業がありました。初めはワークブックにある一直線をなぞる、波線をなぞるというような内容だったのですが、息子は書いた部分に穴が開いてしまうほど強い力で書いていて驚きました。きっとまだ始めたばかりだから力の加減ができないのかなと思っていましたが、新しい文字を習うたびに息子のワークブックは、ボコボコになっていきました。息子はこだわりも強く、お手本をなぞるときに少しでもずれたり、自分の書いた文字がお手本通りでないとひどく嫌がっていました。でも力の加減がうまくいかないので線はズレてしまうことが多く、消しゴムもうまく使えず紙がグシャっとなってしまい、すでにボコボコになっている紙に書く文字は息子の思い描いた形にはならず……。1つのページに同じひらがな1つを8回書くというものだったのですが、息子はいつも30分以上かかっていたようです。小学校入学を翌年に控えていたので、先生方からもとても心配されていました。Upload By ユーザー体験談お茶碗を頻繁にひっくり返してしまい、「行儀が悪い」としかられ……小学生になる前には、生き物や壊れやすいものを強く握ってしまうことはほとんどなくなりました。筆圧は相変わらず強く、消しゴムを使えばプリントやテストが破れてしまうこともありますが、以前よりはいくぶんか良くなりました。今はできることも増えてきた分、食事の時に力加減の難しさが目立ちます。コップに入った飲み物や、スープが入った器など、運ぶときに高確率でこぼします。ご飯が盛られたお茶碗もうまく持てず、かきこむように食べるか、持っている器が手からすべり落ち、ひっくり返ってしまうこともよくあります。去年は息子の茶碗を1年間で5回買い換えました……。夫には「行儀が悪い!」「集中していないからだ」としょっちゅう怒られています。ただ、本人はいつも必死で、ボーッとしているわけでもありません。どうやら「持つ」ということがうまくいっていないようです。Upload By ユーザー体験談もしかして不器用なのかな?腑に落ちた瞬間先日、発達ナビで「不器用が原因でブランコに乗れない」というコラムを読みました。息子は小学2年生ですが、いまだにブランコにうまく乗ることができません。息子自身ブランコに乗れないことで困っていなかったので気にしたことがなかったのですが、今までの困りごとも「不器用」だからなのかなと私の腑に落ちた瞬間でした。食事の時、必死に頑張っていても夫に頻繁にしかられる息子が、かわいそうでしたが「不器用なのかも」と思ったらこれから工夫ができる気がしてきました。ほかにも日常のちょっとした場面で力が強すぎたり、物の持ち方がうまくいかなくて困ることのある息子ですが、少しずつスムーズにできることが増やせていけたらいいなと思います。イラスト/keikoエピソード提供/カワカワ(監修:森先生より)発達障害のある方には、不器用な方、運動が苦手な方も多いと言われています。発達性協調運動障害(発達性協調運動症)といって、一つひとつの身体能力としては問題がなくても、脳が身体の動きをうまくまとめることが難しいと考えられています。そのため、スムーズに運動することができないのです。たとえば足を曲げる、のばすという一つひとつの動作はできても、階段を昇るとかスキップをするときには足がもつれる、といった具合です。発達性協調運動障害はおよそ10人に1人程度の子どもに認められると言われており、発達障害のある子どもには半数近くに認められるとも言われています。本人は真剣なのに、周囲からはふざけていると思われたり、からかわれたりすることもあり、つらい思いをしますよね……。怒られたりしかられたりしても、本人はどうしたらいいかわからなくなってしまいます。一つひとつの動作を自宅で練習してみて、力の入れ方やタイミング、力の強さなどを具体的に教えてあげることは、とっても良い方法ですね。コツをつかめば学校でも上手にできるようになるでしょう。参考:平成24年度厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業) 就学前後の児童における発達障害の有病率とその発達的変化 :地域ベースの横断的および縦断的研究 分担研究報告書 「身体機能障害の観点からの発達小児科学的アプローチ」|厚生労働省(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年09月12日防災について取り組んでいることーーわが家の防災ノウハウUpload By 丸山さとこときおりホームセンターに現れる災害対策コーナーを見る度に「防災かー、見直さないとな~」と思いつつ後回しになってしまうわが家です。けれども、そんなわが家も息子が小さかった頃は今より熱心に災害対策をしていました。現在中学2年生の息子のコウには、感覚過敏による偏食がありました。特に幼児期は偏食傾向が強く、非常事態だからといって普段食べ慣れないものを食べてくれる可能性が低かったからです。日頃のコウの様子を見ていた私は、「普段食べ慣れないもの」が不安なら「食べ慣れたもの」をストックしておけば、非常時でもコウが食べやすいかもしれないと考えました。食料の備蓄方法の一つにローリングストックというものがあります。普段から食材や加工品を少し多めに買っておき、使った分を新しく買い足していくことで食料を家に備蓄しておく方法です。Upload By 丸山さとこ普段から食べているものであれば「以前は食べられたけれど久しぶりに食べてみたらダメだった」というパターンも防げて安心です。お腹に溜まるものとして乾麺やスープパスタを、栄養バランスが取れるものとして乾燥野菜やビタミン入りゼリー飲料などを備蓄しておくことにしました。ゼリー飲料や経口補水液は、発熱した際にも役立ちました。非常時の環境によるストレスを少しでも減らせるようにまた、食料の備蓄以外にも心配なことはいくつかありました。小学生の頃のコウは想定外の事態に対してパニックになりやすかったからです。コウは保育園の頃に「1日1回はシャワーを浴びなければならない」というこだわりが生まれかかったことがありました。そのため、「非常時にはシャワーを毎日浴びられないこともある」という話は、災害のニュースがあるときなど折に触れて話すようにしていました。Upload By 丸山さとこ災害時の入浴について話すときには「被災地は大変だね。早く復旧するといいね」「仮設のお風呂ができてよかったね」と雑談の形をとるようにしていました。不安が大きくならないように、日常の中で自然に伝えることを意識していました。災害などの非常時はシャワーを浴びられないだけでなく、家や避難所が埃っぽかったり、冷暖房が十分でなかったりすることもあります。そのため、わが家はキャンプへ定期的に行くようにしています。キャンプ中は埃っぽく冷暖房が不十分な環境で過ごすことになります。レジャーの中でそのような環境に慣れておくことで、災害時のコウのストレスを少しでも減らせたらいいなと考えました。Upload By 丸山さとこキャンプ場では冷蔵庫も電子レンジもない状態は普通のことです。そのため、1日に必要な食料品の備蓄量を正確に知ることができます。しかも、実際の災害時とは違い管理棟や地域のスーパーなどを頼ることができます。実際にキャンプ場で食事をしてみると、「お湯を注ぐだけの食事は手を洗わなくても衛生的に調理ができて助かるな」とか、「疲れて汗と埃でベタベタのときは食欲が落ちるな。クラッカーなら少しは食べられそう」など分かることがたくさんありました。1日に必要な飲料水の量もキャンプで分かるため、ペットボトルの水をストックしておく際に、ある程度の自信を持って数を決められるようにもなりました。災害に備えて、できることをできる形で私の知人の中には、大きな地震や水害を体験した人が何人かいます。写真を見せてもらったり話を聞いたりする中で、災害そのものはどうにもできなくても備えることはできるのだと感じました。現在のわが家の災害への備えとしては、食料品のローリングストックや非常用トイレセットのほかにキャンプ用品があります。寝具・調理器具・携帯医療キット・ライト・ポリタンク・軍手などがあるため、自宅が倒壊していなければ何とかなりそうです。Upload By 丸山さとこそのような備蓄品は一通り揃っている一方で、非常時持ち出し袋は手薄になっていると思います。現在備えている「一家で1つの防災リュック」から「1人1つの防災リュック」に変更するなどして、今のわが家にあった災害対策へと見直していきたいと思いました。執筆/丸山さとこ(監修:室伏先生)災害への対策について詳しく教えてくださり、ありがとうございます。大変参考になりました。食べ慣れたものを準備しておくことのできるローリングストック、シャワーなどのこだわりへの対応、日常の中での災害に対する意識づくり、災害時に近い環境の体験などなど。コウくんの苦手を熟知している親御さんだからこそ成せる技ですね。それぞれのお子さんの苦手や発達段階に合わせた、防災対策や災害意識づくりができると安心ですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年09月05日みなさんは、「起立性調節障害」をご存知でしょうか?この病気を持つ人は症状から様々な偏見を持たれてしまいます。大正製薬のホームページによると、10~16歳の思春期の子どもに多く、倦怠感や立ちくらみなどの症状が午前中に強く見られますが、午後には軽減するため「怠けている」と周囲から思われてしまうこともあるようです。そこで今回は、MOREDOORの大人気SNSより、オリジナル漫画「ある日、私は学校に行けなくなった。」をご紹介します。朝、起きれなくて……この漫画に読者からは……『私も元起立性調節障害で理解してもらうまでに時間がかかり、とても辛かったです。周囲との関係性や自分がいる環境によって大きく変わるものだなと思いました。』『決して他人事ではない病気だし、周りも理解が必要』『クラスの中でこの子の気持ちに寄り添ってくれる子が一人でもいれば、また違ったんじゃないかと考えてしまいます。最後にお母さんが寄り添ってくれたのが本当に良かったと思いました。』『見た目にはあらわれない病気を患っている人も多いと思うので、もっと周りの理解が深まればいいな』など、病気への理解の必要性についてたくさんの声がよせられました。怠けではない……本作では、「起立性調節障害」を患っている思春期の子の辛さに注目しました。読者の皆様からの感想にもあったように、病気に対して周囲が理解を示すことが大切ですね。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※こちらの記事・漫画はあくまで一例として、それについて考えるきっかけ作りになればと思います。※実体験を元に漫画化したものです■作画:ちり(MOREDOOR編集部)
2023年09月04日太郎の特性は自分のせい?看護師の仕事のほうは育休明けから時短勤務にしていた。1日7時間勤務とは言えど私はヘトヘトだった。私が疲れ果てて家で全力で太郎の相手をできていない事や、一緒に過ごす時間が短い事が、太郎の保育園で多動、緘黙に影響しているのかな、働いている私のせいかな……。自分を責めるような思考にもなった。Upload By まゆん主治医の先生からはそうではないと説明を受けていたし、それだけではないと頭では分かってはいた。それでも、私が太郎と関わる時間を増やすことで太郎が落ち着くなら……。Upload By まゆんそう思い一大決心、さらに勤務時間を短くしパートに切り替えようと考えた。職場の上司からは「もったいない、時短勤務・正社員のままでいいのでは?」とアドバイスがあった。私も、職場の立ち位置が主要メンバーではなくなるという疎外感を多少なり感じるだろうと予想していた。だが、私が仕事をしている事で愛情が足りていないせいで太郎の情緒が不安定になっているという可能性が少しでもあるならば、太郎と関わる時間を増やそう!と決めた。Upload By まゆん私の勤務時間が短くなり、太郎はどうなったかというと……。結論、なにも変わらなかった。むしろ、保育園に早めに迎えに行っても太郎は園庭を駆け回っており「帰りたくない!」と汗を流して言われるほどだった。太郎の言葉で気持ちが楽になった。楽しそうにしている太郎を見ていて気づいたことがあった。私との時間も大事だけど、保育園で過ごす時間も太郎にとって同じくらい大事なものなんだと。Upload By まゆん保育園の先生たちに対して、悪いなという思いは残った(加配が必要と告げられているため)。それでも、太郎の遊び回る姿を見ていて、親子それぞれの時間も大切にしようと思えるようになった。パート期間を終えてパートの期間はおよそ1年間で終わりにした。その後は正社員に戻り夜勤も週に1回入るようになった。特に両立が大変だった時期は、小学校4年生の音楽発表会前。行き渋りもなく普通に登校していた太郎が連日急な嘔吐で呼び出しがあった。たまたま私が日勤だったため、上司に事情を話して太郎を迎えに行くということがあった。夜勤ではなく本当に良かった……。現在の職場でも、面接の際に自閉スペクトラム症のある太郎の特性について話をした。療育センターに通っていることや中学生だけれども社会的な部分は小学生の低学年か年長さんほどということ。情緒面で不安定さが多いことも伝えた。また、私の母がほぼ同居状態ではあるが、太郎の体調不良時はなるべく私が傍にいて様子を見たいため休みをいただくことも伝えた。私の家庭環境や太郎の特性を理解してもらうためには、自ら行動して納得してもらう必要がある。直接的ではないが、こういう執筆活動もその一つだと思っている。あとがき中学生になった今、夜勤業務をセーブしています。社会的な面で、太郎と周りとの成長の差が気になることがあり、学校から帰宅したあとの太郎の様子を見ていたい気持ちがあるからです。学校からの呼び出しは劇的に減ったけれど、「吐きました」「固まりました」「急に泣きだしました」といった情報共有の電話は何回もあります。いまでも働き方は悩むところがあります。ずっとずっと太郎との関わり方については考え続けています。結構しんどいときもありますが、太郎ファーストで進んでいる私です。執筆/まゆん(監修:鈴木先生より)私の外来でも母親への告知のあとに必ず「お母さんの育て方のせいではありませんよ」と優しく伝えます。さらに、「ここのスタッフはみんなお母さんの味方で応援団ですから困ったことがあったら遠慮なくおっしゃってくださいね」とも伝えます。ほとんどの母親がここで涙を流します。今まで一人で抱え込んでいたからです。母子家庭でない場合も父親の関わりが薄く、実家でさえ相談に乗ってくれない事情を抱え、ずっと一人で悩んでいる母親が多く見られます。父親ではなく母親がお子さんと向き合うために仕事をパートへ切り替えているケースも多く見かけます。身近では地域の保健師や園と学校の先生が相談に乗ってくれる場合もありますが、向き合い方は人それぞれです。時には同じ障害があるお子さんの保護者が集まる親の会を紹介して仲間をつくることも提案します。悩みを一人で抱え込まずに地域のみなさんと一緒になって子育てに関わっていくことが大切なのです。
2023年08月30日あなたの身近な人も、見た目だけでは分からない病気を持っているかもしれない……。今回は、実体験をもとにしたMOREDOORのオリジナル創作漫画『起立性調節障害って知ってますか?』より漫画の展開を予想していただくクイズをお届けします。【あらすじ】毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。佳純は寝つきが悪く、朝起きれずに遅刻を繰り返します。学校の先生や母は佳純を責めます。しかしその後、病院で検査すると“起立性調節障害”だと判明。異常な眠気は病気のせいだったのです。佳純は周囲の助けを借りつつ、上手く病気と付き合えるようになり……。先生にも褒められ……ここでクイズです!日常生活の工夫もあり、症状が改善していると診断を受けた佳純。この後、医師から治療に効果的な意外な行動を聞きます。その内容とはいったいどんなものだったでしょうか?ヒントは日常で簡単に取り入れられるものです。意外な治療法とは?正解は「筋トレ」!治療には、足の筋トレやストレス解消も効果的だと伝えられた佳純と母。どちらも起立性調節障害と関連しているとは少し意外ですよね。この後佳純は、さらに日常での様々な工夫を凝らしながら起立性調節障害を乗り越えていくのでした。佳純と母の努力……起立性調節障害だと診断を受けてからの、佳純と母の治療に対する積極的な姿勢は素晴らしいですよね。薬などを飲まなくても、日々の習慣の改善や、周りからの理解、助けがあれば症状は改善される可能性があるということがわかりましたね。みなさんはこの漫画を読んでどのように感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年08月27日あなたの身近な人も、見た目だけでは分からない病気を持っているかもしれない……。今回は、実話を元にしたMOREDOORのオリジナル創作漫画『起立性調節障害って知ってますか?』より話の展開を予想していただくクイズをお届けします。検査後……毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。佳純は寝つきが悪く、朝起きれずに遅刻を繰り返します。学校の先生や母は佳純を責めます。しかしその後、病院で検査すると“起立性調節障害”だと判明。先生や母の理解も得て、佳純は日々の習慣を改め……。先生が声をかけ……ここでクイズです!起立性調節障害と診断を受けた佳純。家や学校でも周囲の協力を得て、以前より心配が少なく過ごせるようになりました。しかし、佳純がどうしても体調が悪く休まざるを得ないタイミングがあるようです。それはいったいどんな時でしょうか?ヒントは、定期的に訪れるものです。佳純の体調が最悪になるタイミングとは?正解は「生理中」!周りの協力を経て、以前よりも症状も改善してきた佳純。しかし、生理中だけはしっかり体を休めないと活動できないそうです。体内の血液の量なども関係しているようですね……。助けは何よりも薬になる周りの助けも借りながら、しっかりと起立性障害の症状と向き合い闘う佳純。その甲斐もあってか、症状はどんどん改善へ向かっているようですね。やはり様々な病気への理解と助けは重要なようです……。みなさんはこの漫画を読んでどのように感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年08月23日手足をバタバターー赤ちゃん時代〜歩き始め39週3400gで生まれた息子。ミルクをよく飲みうんちもご立派、よく寝るタイプではないのに声を出したりモゾモゾしたり、「元気いっぱいだなぁ」と思いました。元気いっぱいな子だとは思っていましたが、生後1ヶ月半でこんなに動くの?というほど手足を激しくバタつかせて遊んでいました。Upload By ネコ山ずりばいで息子の行動範囲が広がってきたのでテレビの周りを柵で囲うと、その柵でつかまり立ちを始めました。そして伝い歩きを始めると、柵に沿ってずっとサイドステップを踏んでいました。大好きな子ども向けの番組がついてるし「落ち着いて止まって見たら?」と声をかけたくなります。1歳ちょうどで歩き始めた息子は「自由に好きなところに行ける!」と気づいたのか、止ることなく目についた興味のあるところに向かって歩いて行きました。しかしのんびり歩いていたのは最初の1週間ぐらい。走れるようになると息子の移動は常に駆け足になりました。まだ歩き始めたばかりで転ぶことが多いので「手を繋いでほしいな」と思っていましたが、手を繋ぐと逆に歩きにくいのかまったく手を繋いでくれません。最も多動な時期ーー1歳半~3歳頃1歳半~3歳が息子が最も多動な時期で、外出時がすごく大変でした。歩行が安定していき、走ると本当に速くなりました。興味を引くものが目に入ると一目散に突進、振り返りもせずに走っていきます。走っていった先では親がいなくても不安にならないのか、私が背後に立ってもしばらく気づきません。そんな多動の息子なので、屋外に出かけたときは事故に遭ったり、変なところに入って行かないように神経をすり減らしていました。公園でさえもいっときも目が離せません。遊んでいても1つの遊びに集中することなく次々と場所を移動するため、私は一緒に行ったママ友と話していても、必ず途中で追いかけることになっていました。ちょっと目を離したら、なぜか魚を手にしていたこともあります(公園内に川や池がないので鳥が落としていったものと思われる)。Upload By ネコ山息子のあまりの多動っぷりや公園から帰るときに起こす癇癪に疲れ切った私は、近所の公園に行きづらくなっていました。バスや電車は大人しくしていられないのが予想されるため怖くて乗れません。チャイルドシートだったら息子を固定できるので、私の息抜きを兼ねてドライブがてら遠めの公園へよく遠征していました。お昼どきや早朝が狙い目で、人が集まらない時間帯に公園を貸し切るのです。「お友達と一緒に遊べたらいいな」と思っていましたが、息子のハチャメチャぶりにどうにも叶いそうもなかったので、このときは人目を気にせず自由に遊ばせることを優先しました。もしかして発達障害?家の中では手に届く範囲のもの全てを触りたがります。「やめてね」「触らないで見ててね」など声掛けしても伝わりません。1日中怒っていたくないので、リビングの出入り口をベビーゲートで完全に封鎖、戸棚などには全てチャイルドロックを設置、ゴミ箱もティッシュも息子が届かないところに移動しました。これでリビングが完全に息子仕様になりました。おしゃれな家にはほど遠く……。小さい子どもがいても素敵な小物や植物が置かれているお宅もあるのに……。きっとそんなお宅の子は「触らないでね」と言えば伝わる子なんだろうな……と羨ましくなったこともあります。公園でも家の中でも、ほかの子と比べて明らかに動き方が激しく制御不能、言葉で注意しても伝わらないため「もしかして発達障害……?」と頭によぎったのがこの頃でした。飛び出し・迷子、あわや交通事故!きょうだいができ大変さ倍増息子が3歳頃、妹である娘はちょうど1歳半でした。娘も活発に動く時期で意思表示も強いタイプなので、公園では2人ともが各々好きなところに行き手に負えませんでした。右目で息子を、左目で娘を見る日々。多動がある子にきょうだいが増えると、さらに大変さが倍増しました。そんなある日事件が……!気晴らしにパン屋さんのパン食べたいなと思っても、息子が売り物のパンを触りまくることが予想されるのでほとんどのパン屋さんは行けません。しかしコンテナ型のパン屋さんを発見。ここなら入店せずに店外からショーケースを見てパンを注文できるので、よく利用していました。外出先では常に息子の手を握ったり体の一部を掴んでいましたが、お会計のときはそうもいきません。苦肉の策で、足で息子の動きをガードしていましたが突破されてしまいました。初めは近くのポストなどをいじっていましたが、急に道路に向かって急発進!道路に飛び出す直前で私が捕まえてことなきを得ました。私が追いつくのがちょっとでも遅かったら……、または息子がもっと足が速かったら……と思うと背筋が凍る思いでした。気晴らしに行ったパン屋さんでも気が抜けず、むしろより疲れてしまったことがありました。その後も同じような状況の場所(例えば電気屋さん)で息子は走りたくなるらしく、事前に注意するようになりましたが……。Upload By ネコ山Upload By ネコ山息子が幼稚園入園前の春、もう完全に手に負えなくなり私も疲れ切っていたのだと思います。とうとう動物園で迷子になりました。小さい子どもがたくさん集まった小動物とのふれあいコーナーで、ついに息子を見失ってしまったのです。幸い5分くらい周囲を探すとトボトボと歩く息子を発見できましたが、たった5分でも息子1人にしてしまい「怖い目に遭わなくて本当によかった」と思いました。そして不謹慎かもしれませんが、息子が私から離れてしまったことにしょんぼりした様子だったので少し安心した気持ちがありました。今まで私がいなくても気にする様子がなかったので……。落ち着きだしたーー4歳~5歳頃3歳までは息子の多動に神経をすり減らしていましたが、4歳を過ぎた頃から急に落ち着いてきて無駄に立ち歩いたりしなくなりました。以前は目についたおもちゃで次々と遊び散らかしていましたが、興味のあるものに集中するようにも。その集中力はなかなかすごいもので、私が声をかけても気づかないほどです。バスや電車でも静かに座れるようになったので、お出かけの幅も広がりました。そしてクラシックのコンサート(未就学児入場可のもの)さえも静かに最後まで座って鑑賞できるように……!Upload By ネコ山一体何があったのでしょうか……以前SNS上で、うちの息子と同じように多動がある子どものママたちから「多動はそのうちおさまるから大丈夫!」と言われていたことは本当だったようです。もっと先だと思っていましたが、その時が来たのかもしれません。「落ち着いているね」と決して言われるような子ではないけど、体の多動がおさまり興味のあることに集中したり、いろんなところに出掛けられるようになり、息子の成長を感じられました。執筆/ネコ山(監修:室伏先生)乳幼児期の息子さんのご様子とそれに対するネコ山さんの工夫や苦労を具体的に共有していただき、ありがとうございました。息子さんの成長、嬉しいですね!とっても大変な時期を過ごされたことと思いますが、ネコ山さんが耐えた日々は、息子さんが好奇心のおもむくままにさまざまな経験を積み、大きく成長することの礎となったのですね。先が見えないので、親御さんは、この状態がいつまで続くのかとご不安になられることが多いかと思うのですが、注意欠陥多動症のお子さんも、多動の症状は幼児期が一番強く、落ち着いてくることが多いように思います。しかし、お子さんによっては衝動性や不注意などが目立ってくることがあります。成長段階によって困りごとも変化していくので、都度対応をしながら見守ってあげることが大切です。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年08月16日「障害」について深く考えたことがなかった私私は身近に障害のある人がいたことがなく、障害者と直接関わった経験もないまま大人になり、母親になりました。世の中にはさまざまな障害のある人がいるけれど、それは自分とは関係のない、どこか遠い世界の話のように思っていたのです。そんな私がまさか障害のある子どもを産み育てることになるなんて、想像もしていませんでした。妊娠すれば障害のある子どもが生まれる可能性を、誰しも一度は考えることがあるとは思いますが、私はそんなときでも「わが子に限って大丈夫だろう」と安易に考えていました。Upload By みん障害があるかもしれないわが子を心から可愛いとは思えない日々でも次男のPを出産後、わが子の成長に違和感を感じはじめ、発達障害の可能性を疑い、その不安がみるみる現実のものとなっていく日々は本当につらく苦しい時期でした。息子に発達障害があるかもしれないと分かった頃は、一体どの程度の障害なのか?どんな風に成長するのか?がまだまだ未知だったので、障害のあるお子さんをもつ人のブログやSNSを読み漁っては、不安に思っていました。見ず知らずの人の子どもとわが子を比べては、感情の浮き沈みが常にありましたし、「障害があってもわが子は可愛い」という障害のあるお子さんを育てている親御さんたちの言葉を耳にしても、私にもそんな風に思える日が来るの?と正直自信がありませんでした。なぜなら、毎日Pと関わることに必死で、初めての育児でもないのにこんなに育てづらいものなのか?と、1歳半を過ぎた頃からは可愛いと思う余裕もなく目まぐるしく日々が過ぎていくだけだったからです。Upload By みん将来を悲観していた私…障害の受容へと繋がったきっかけは?そんな悲観的だった私の心に変化が現れたのは、Pを療育園へ入園させた時期です。それまで、「こんなに大変な子どもはどこにもいない!周りのお母さんたちは育児がラクで羨ましい!」と卑屈になっていた私の気持ちが、入園とともに少しずつ溶けていきました。なぜなら、療育園にはPと同じように困りごとを抱えたお子さんと、私のように育児に悩み、疲れているお母さんたちがたくさんいて、そんな親子を助けてくれる療育の知識や経験をもった先生方がたくさんいたからです。同じ目線で私の話を聞いてもらえ、共感してもらえる療育園の環境はたった1人で戦っているわけじゃないと実感できましたし、何より孤独ではなくなりました。それに療育園では、困りごとを相談すれば関わり方のアドバイスをもらえ、先生たちの知識や経験の多さに救われながら、私自身にも知識や経験が増えていきました。同時に障害のある子どもへの福祉制度のことや、就学、就労についてなども見聞きする機会が増えていきました。Upload By みん「想像できない」ことで不安になるのなら、「知る」ことで少しでも不安を和らげよう!「Pの将来はどうなってしまうんだろう?」と悲観ばかりしていましたが、こんな制度やこんな場所があるんだ!と具体的に想像することができ、現実的に考えられるようになったことが、私にとっては障害の受容へと繋がるきっかけになったと思います。誰だって未来が想像できないと不安だし心配になると思います。私はこれまで障害者と関わりがなかったために、障害者の生活や人生に対する知識が全くなく、メディアなどで見聞きしていたマイナスなイメージばかりを持っていたので、わが子に障害があるとなると、どうしても悲観的になるし、戸惑うのも当たり前だったと思います。Upload By みんでも子どもの未来は障害のある無しに関わらず、親がいくら理想をもっていても、逆に絶望したとしても、結局は子どもと共に過ごす日々の中で一緒につくっていくものなんだと感じました。子どもの成長に対して、親が勝手に過信や期待をしすぎるのも、悲観的になったり諦めたりするのも、どちらも違うと思いますし、子どもの現在を見て今必要なことやできる限りのことをし、精一杯関わっていくことで、Pにとっても私たち家族にとっても、自然とより良い未来へと繋がっていくと信じています。執筆/みん(監修:森先生より)「子どもを可愛いと思えない」というお母さんは、子どもに愛情を持っていないわけではありません。むしろ反対で、子どもへの責任感が強すぎて、その重圧から育児を素直に楽しめなくなっているのです。真面目で思い詰めてしまうタイプに多いでしょう。最愛のわが子に障害があると伝えられたら、受け入れられない気持ちがわいてくるのは当然のことです。受け入れられないことすら受け入れられず、自分を責めるという悪循環に陥ってしまう方が少なくありません。同じ状況にいる人にしか分からない葛藤や悩みがあります。当事者やその家族同士が関わる機会があると、悩んでいるのは自分だけでないことに気がつきます。悩みを安心して話せて、理解し合える人がいると思うだけで、心理的な負担はグッと減ります。また、人は漠然とした未来に対して一番不安を募らせるものです。将来を具体的に想像できるような道筋を見聞きすることで、障害を受け入れて、地に足をつけて準備を進めることができますね。1人で不安を抱えていないで、まずは行政や療育センターに相談してみるといいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年08月14日起立性調節障害を持つ方は、周囲から障がいだと理解してもらえず苦しんでいることをご存知ですか?そのため、親や教師に怠けているとられてしまうことあるようで…。そこで今回は、MOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画「起立性調節障害って知ってますか?」より、漫画の展開を予想していただくクイズをお届けします!漫画のあらすじ毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。夜更かししたいわけでもないのに寝付けないのも朝が異様に辛いのもただの“怠け”ではなくて……。怒られる理由はいつも……小学生の頃は起きれてたのに……ここでクイズです!小学校の頃は、きちんと朝起きれていた佳純。しかしある時期をきっかけに、このような症状に悩まされるように……。その時期とはいつだったでしょうか?ヒントは、心身ともに大きな変化があらわれる時期です。佳澄に変化が訪れた時期とは?正解は「成長期」!中学生になり、背が伸びたり、体型が大人らしく変化した成長期。成長期を通じて、佳澄の睡眠にも変化があったようですね……。このあと、佳澄は学校での居眠りについても先生に指摘され、親にまで連絡がいくことになってしまいます。理解しようとする姿勢が大事起立性調節障害について、知らなかったという方もいるのではないでしょうか。どんなことにも、当事者の背景があります……。頭ごなしに叱るのではなく、その人がどんな事情を抱えているのかを考えてから、行動すべきかもしれませんね。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年08月10日発達障害と知的障害の違い発達障害も知的障害も、社会生活を送る上で生きづらさを伴うことは、大きな共通点です。では、発達障害と知的障害は、何が違うのかと疑問に思う方もいるかもしれません。発達障害というのは、よく「発達凸凹」とも呼ばれます。得意なものと苦手なものの差が大きいイメージです。いろいろな能力の中に、著しく高いものもあれば、低いものもある状態です。一方、知的障害は全体的に発達がゆっくり進んでいると考えてみてください。どこかの能力が低いというのではなく、全体的にゆっくり成長しているのです。例えば、IQ70の10歳児であれば、精神年齢は7歳くらいというイメージです。そう解釈すると、目の前の子どもにとって何が必要かが見えてきます。小学校4年生の中に小学校1年生の子どもが混じっている、だからレベルに合った学習内容の取得が必要だといった具合です。そしてそのゆっくりとした成長が、成人になっても12歳くらいの水準で止まってしまうのが軽度知的障害です。ただし、必ずしもみんなの精神年齢が12歳レベルで止まるかというとそうではなく、生活上の経験値がそれぞれ異なりますので、あくまでも目安です。子どもたちの知的なしんどさもしも発達障害と知的障害の両方がある場合、個人的には、まず知的なしんどさに対応することが先決と考えます。日常生活や社会的な生活を送る上での困りごとは、知的なしんどさから生じる部分が多いからです。発達障害に知的障害も伴う場合は、知能の程度(軽度・中等度・重度)がどうかという点が重要になります。発達障害でもIQが高ければ、今の社会を生き抜いていく方法は少なからずあるでしょう。こだわりが強い自閉スペクトラム症のある人が、興味や専門性が活かされるような技術職や研究職に就いて、高いパフォーマンスを発揮できることも見聞きします。また、大手企業を起業した経営者のなかにも、診断を公表している方がいます。ADHDの特性である行動力やアイデア力が、起業に生きるというのは想像しやすいでしょう。「軽度・中等度・重度」の程度の違い知的機能の水準は一般的にはIQで表され、知的障害の基準のひとつに「IQ70未満」があります。障害は、その程度によって次のように4段階に分けられます(WHOの「ICD-10」より)。IQ50~69(おおよそ9~12歳)……軽度IQ35~49(おおよそ6~9歳)……中等度IQ20~34(おおよそ3~6歳)……重度IQ20未満(おおよそ3歳以下)……最重度※()の年齢は、発達期を過ぎた成人に対する精神年齢です。4段階のそれぞれの特徴は、次の通りです。各段階で、学力の習得が可能な年齢(学年)というのも付記していますが、あくまでも目安となる年齢です。支援次第で、目安の年齢以上に、成長を促せる可能性はあります。・IQ50~69…軽度多くの場合、身のまわりのことは自分でできるようになります。自分で考える力も身につき、小学6年生くらいまでの学力を習得できます。簡単な読み書きや計算ができます。ただし、言葉の発達や抽象的なことの理解に遅れが生じる傾向があります。高度なスキルが必要な場合を除き、仕事に就くこともできるでしょう。一般的に知的障害といっても、本人や周囲の人にも「知的障害」という自覚がなく、支援を得ることなく生活しているケースもあります。そのため、実際の人数よりも認定数が少ないものと考えられます。また統計上は、知的障害者の約85%がこの段階に分類されます。ですので、知的障害といえば、概して「軽度」のことを指すといっても過言ではないでしょう。・IQ35~49…中等度身のまわりのことはだいたい自分でできるようになりますが、一定のサポートは必要なことが多いでしょう。簡単な読み書きや計算が部分的に可能です。乳幼児期に言葉の遅れはありますが、コミュニケーション能力はあります。適切な支援を受ければ、小学2年生くらいまでの学力を習得できます。配慮があれば、単純作業の仕事などに就くこともできるでしょう。・IQ20~34…重度乳幼児期はほとんど会話をしませんが、学童期になると、基本的な生活習慣(会話、食事、排せつなど)を身につけることができます。学力の習得目安は5歳くらいまでで、読み書きや計算は難しいでしょう。簡単なお手伝いやおつかいといった作業は可能です。・IQ20未満…最重度快・不快の表出は可能な場合が多いですが、言葉でのコミュニケーションを身につけることは難しい場合が多いでしょう。適切な支援によって能力の成長は見られますが(3歳程度まで)、身のまわりのことを自分で処理することは難しく、常に周囲からの支援や保護が必要となります。誤解されやすい「障害程度」なお、知的障害の男女比はおよそ1.6:1(軽度)~1.2:1(重度)で、全体での男女比は1.5:1程度とされます。ここまで、知的障害の程度区分の4段階について解説してきましたが、ここで誤解されやすいことがあります。それは、「障害程度が低い」=支援の必要性も低いのか?ということです。確かに身のまわりの世話などが必要な場面は、中等度や重度よりも軽度のほうが減るかもしれませんが、それでも支援をしなくていいわけではありません。むしろ軽度知的障害の場合、定型発達と見分けがつきづらく、支援されない可能性すらあります。そうなると、生きづらさは増していきます。失敗を極度に恐れ、失敗するくらいだったら最初から挑戦しない。そんなプライドの高い子どもがいます。小学校低学年のAくんもそんなひとりです。Aくんは、先生から「この問題、間違ってもいいからやってごらん」と言われても、(少しやってみて)「やっぱり無理」「もうやめた」(考えもせずに)「わかりません!」「できません」などと答えるパターンが多いのです。Aくんは、あきらめるのが早いのです。しかし、これらの言葉はできないことへの防衛でした。知能検査を受けたところ、Aくんには軽度知的障害があることがわかりました。 By 宮口幸治気づかれない「軽度知的障害」軽度知的障害のある子どもは、普通に話したり遊んだりしている分には、定型発達児とほとんど見分けがつきません。また自分が興味のあること・好きなことの記憶力はよかったりします。しかし、言われたことはだいたいできますが、いつもとやり方が違ったり何か問題が発生した際の対処法が分からなかったり、自分で新たな工夫をするのが苦手なことが多いのが特徴です。なお、軽度知的障害がある場合でも、保護者が熱心に教えたり、個別塾に通わせたりすることで、小学生までの勉強にはなんとかついていけることもあります。小学生では成績がそれほど悪くなかったからといって知的障害がないとも限らないのです。もし知的障害が疑われるなら、「まだ小学生だから様子を見ましょう」と経過観察するよりも、少しでも今できることを考えてあげたほうがいいでしょう。例えば、自治体の教育センターや発達に詳しい医療機関を受診し、どこの部分につまずきが見られるのかをしっかりアセスメント(子どもの状態や特性を把握し評価すること)してもらって、具体的にできる今後の対応策を、学校、保護者が一緒に検討することが望ましいと考えます。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2023年08月04日実家に着く前にどっと疲れる車移動。お盆休みに入ると、私の実家に2〜3泊帰省するわが家。実家は大人にとってはそこまで遠くない"車で2〜3時間の距離"ですが、子どもにとっては長く感じるものです。子どもたちが飽きないようにDVDや歌を流したり、家から持参したぬいぐるみやおもちゃで遊んだりしますが…やはり車に小一時間も乗っていると「もう着く??まだー??」と後部座席の子どもたちが騒ぎ出します(私も後部座席に乗れればいいのですが…もともと車酔いがひどく、産後はさらに拍車がかかって今では助手席しか乗れません)。こだわり強めなASDのある息子(5歳)は、トイレとお昼休憩がてらサービスエリアに寄るときも「ここじゃない!(実家と違う)」と降車拒否します。なんとかなだめてお昼ごはんを食べに行っても、今度は車に戻ろうとすると「疲れた。もう車乗らない!」と言い出す息子(まぁ…確かに。つまらんよなぁ…車移動。でも乗らんと永遠に着かへんで…?)。ぐずる息子を遊ぶところのないサービスエリアで10~20分散歩してなだめて、なんとか車に乗り込みます(特に炎天下なお盆休み中はほんとキツい…)。Upload By 海乃けだま過去に子どもがドライブに飽きたときの対策で、何度か遊び場の付属するサービスエリアに行ったことがあるのですが、遊び疲れて帰省途中の車内で爆睡し、実家に着いてから覚醒して夜中まで起きているという"大人が瀕死になる"スケジュールとなってしまったので、あえて遊び場のないところに行くようにしています。私と子どもたち、実家に着いて真っ先にすることは…やっと実家に着いたところで、まずADHDのある娘(4歳)は、ひたすら家の中を走りまわります!!私の両親は孫たちと普段頻繁に会うことがないので、やはり実家には安全対策の甘い箇所がかなりあります。ガラス戸が自由に開閉できたり(息子は扉の開け閉めが大好きです)、仏壇の蝋燭やマッチ、お線香立て(香炉灰)が出しっぱなしだったり、手の届く高さにハサミやペーパーナイフが置いてあったり・・・。特にリビングに入る扉は閉まるときにゆっくりになる構造ではないため、子どもの力でも容易に「バタンッッ」と勢いよく閉まります。今まで幾度となく多動な娘が挟まれそうになったり、蝶番で指を挟みそうになったり…実家に着いてホッとする間もなく、私は実家の安全対策に追われます…。次にASDのある息子は、祖父母への挨拶などスルーして実家にある"あるもの"を真っ先に取りに行きます。"あるもの"…それは、小さな卓上専用ゴミ箱です(ゴミ箱かーい!)。なぜそんなにもそのゴミ箱に魅了されているのか、親の私もさっぱり分からないのですが(笑)毎度必ずそれを取りに行きます。あまりゴミ箱に触ってほしくはないので、一度、母(息子にとっては祖母)に頼んで隠しておいてもらったこともあるのですが、そしたら息子は「ここに置いてあったやつー!ない!!」とすこぶる不機嫌に。今では祖母が折れて、卓上ゴミ箱はゴミを入れずに息子用のおもちゃとして保管されています(笑)。Upload By 海乃けだま…あ、夫ですか?夫は着替えやおもちゃなど、家から持ってきた荷物を家の中に運ぶ作業を1人で任されてます(ごめんね)。ちなみに、私の両親にも、孫たちの診断については話してあるのですが…実母は良くも悪くも干渉しないタイプなので、息子の発達に遅れがあることについて伝えたときも「そう?これくらい心配ないんちゃう?」という感じでした。実際子どもたちに診断が出たことを伝えたときも「今はなんでも診断がついてしまうんやなぁ」と割とアッサリとした反応でした。実父は「そうか」という感じで、よく言えば気にしない、悪くとれば無関心なタイプです(笑)。従姉兄たちとの微笑ましい遊び…と超早朝覚醒。私たちの帰省のときには、私の姉家族と弟家族もタイミングを合わせて帰ってきます。面倒見のいい小4の姪っ子、たくさん遊んでくれる小1の甥っ子、そして娘と同い年の甥っ子…子どもたちだけで仲良く遊んでいる姿は癒されるし、親もひと息つけるし(笑)最高の時間です。「このままこの時間がずっと続けばいいのに…」と思った矢先に兄妹喧嘩は始まりますが、帰省中は夕食の用意を考えなくていいので心はかなり穏やかです(笑)。そして環境が変わっても、疲れていれば割とすぐに寝てくれるわが子たちなので、昼寝さえしなければ実家でも寝かしつけは楽なほうです。しかし問題は朝…眠りの浅い時間帯(5~6時)には必ず息子か娘のどちらかが目を覚まし、そしてその物音と声にもう1人も起きてくると言う協力プレイをしてくれます(白目)。食欲旺盛な娘は「おなかすいたー」と寝起き一番に騒ぎ始めるので、ほかの家族や祖父母を起こさないよう静かにリビングへ行き…実家に帰省しても朝ごはんは用意しなければならない私です(羽を伸ばすとは一体…)。Upload By 海乃けだま姉たちと帰省日を合わせる理由は2つ。それは・・・姉家族や弟家族と帰省日を合わせるのには理由が2つあります。1つ目はせっかくの帰省なので大人数の方が楽しいし、子どもたちも楽しみにしているし私自身も会いたいから。2つ目はASDの息子のためです。社会性の発達もゆっくりな息子ですが、人懐っこい一面もあり、特に面倒見よくたくさん遊んでくれる姉家族の従兄のことが本当に大好きです。息子が2歳くらいのまだ発語がほとんどない時期に、一度姉家族と日にちが合わずにずらして帰省したことがありました。姉家族が私たちより一足早く帰った翌日、何の前触れもなく急に息子が大泣きし出したのです。始めはなぜ泣いているのか訳も分からず、どこか打ったのか、体調が悪いのかなど心配しましたが、どこも変わったところはなく…発語のない息子の泣く理由を片っ端から考えた結果、「姉家族がいないからかもしれない!」という結論になりました(それから何度か私と子どもの3人で帰省したことがあるのですが、姉家族がいないと帰省した翌日には息子がホームシックのような状態となるため、間違いないと思っています)。息子や娘にとって大好きな場所が増えることは親としてもうれしいので、これからも大人数で賑やかな実家帰省を楽しみたいと思っています(じいじ、ばあば、まだまだ長生きしておくれよ!!笑)。Upload By 海乃けだま執筆/海乃けだま(監修:新美先生より)特性のあるお子さんとの帰省について詳しく教えて下さりありがとうございます。自分の実家への帰省でさえも、特性のあるお子さん連れだと、引っ掛かりポイントがいろいろ出てきて気が抜けないですよね。それでも、子どもたちにとっても楽しいことがいっぱいあるから連れていきたい!!対策を立てて念入りに準備していっても突発的な予期せぬ事件も起こる…そんなことの積み重ね自体がよい思い出になるのかもしれません。楽しいことでもテンションが上がりすぎて不具合が起きるとか、これは子どもなら楽しめるだろうと予想していてもハマらないとか、思いもよらないところに地雷とか…そういうのも含めて、帰省を楽しめたらいいなと、けだまさんのエピソードを読んでて感じました。ありがとうございました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年07月30日株式会社ジーンクエスト(本社:東京都港区、代表取締役:岩田 修)はライオン株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役兼社長執行役員:竹森 征之)と共同で、機能性食品の内臓脂肪低減機能と遺伝子多型との関連性について研究し、腸溶性ラクトフェリンの内臓脂肪低減機能に個人差が生じている要因として遺伝子多型が関与していることが示唆され、個々人の体質を理解することで機能性食品をより効果的に活用できる可能性が得られました。腸溶性ラクトフェリンの内臓脂肪低減機能の個人差と遺伝子多型との関連性を調査した研究は本研究が世界で初めてとなります。この成果は専門誌「Journal of Functional Foods」にて2023年7月9日に公開されました。また、2022年10月15日に第10回日本ラクトフェリン学会にて冨田賞を受賞、2022年12月11日に第22回国際栄養学会議にてYoung investigator excellent abstract awardを受賞しております。◆本研究の背景メタボリックシンドロームは、近年罹患者が急増しており、様々な生活習慣病を引き起こすことが知られています。メタボリックシンドロームの予防のためには、食習慣や運動習慣の改善が重要となりますが、抗肥満機能を持つ食品を摂取するという方法も注目を集めています。本研究で注目している腸溶性ラクトフェリン(LF)においては、これまで肥満気味の方の内臓脂肪とBMIの低減を助ける機能が確認されておりましたが、その機能には個人差があることが知られていました。本研究では、腸溶性LFの内臓脂肪やBMI等の低減機能に個人差が生じている一因が遺伝子多型に起因するのかどうかを解明することを目的としました。医薬品の分野では、遺伝子多型が医薬品の効果に影響を及ぼす例が多く知られていますが、腸溶性LFの内臓脂肪低減機能の個人差と遺伝子多型との関連性に関する研究は今までにはありませんでした。◆本研究の結果、および将来の展望本研究では、腸溶性LF摂取群34名と対照食品群36名を対象として、遺伝子解析を行っております。具体的には、試験食品摂取前後での腹部内臓脂肪面積、BMI等の変化とゲノム情報を用いて、ゲノムワイド関連解析(GWAS、注1)を行い、腸溶性LF摂取における内臓脂肪低減機能等と関連する遺伝子多型が存在するかを探索しました。その結果、有意な関連が示唆される(p値<10の-5乗(注2))遺伝子多型を複数個所同定することができました。また関連があると同定された遺伝子多型情報を用いることで、腸溶性LFの機能に対する高精度な予測モデル式(決定係数>0.9)を構築することができました。しかしながら、本研究で同定できた遺伝子多型や構築できた予測モデル式はいずれも、研究業界でコンセンサスの取れている有意水準は満たしていないため、別の検証試験にて再現性を確認する必要があります。本研究によって、腸溶性LFの機能の個人差に遺伝的な要素が関与しており、その機能が遺伝子多型により予測できる可能性が示唆されました。また本研究では、過去に実施した臨床試験の被験者に対して、事後的に唾液を採取して研究を行いました。遺伝子データは基本的に生涯変わらないものであることから、このように事後的な唾液採取のみで簡便に研究を実施することが可能です。今回のような研究を様々な機能性食品で展開することにより、各個人の遺伝子解析結果に基づいた最適な機能性食品、つまりテーラーメード機能性食品を提案することも可能となり、健康寿命の延伸に寄与することが期待されます。本研究結果の概要図■用語解説注1 ゲノムワイド関連解析(GWAS):ヒトゲノム全体の多くの遺伝子多型を決定し、遺伝子多型の頻度と病気や量的形質との関連を統計的に調べる方法です。注2 ここでのp値とは、統計検定により遺伝子多型と腸溶性LF摂取における内臓脂肪低減機能との関連性がないと仮定した場合に偶然同様の関連が起きる確率のことを言います。p値が小さいほど、偶然ではなく真に関連していることを意味しています。一般にはp値<0.05が有意水準と考えられておりますが、GWASにおける解析では、多くの遺伝子多型を扱うため、p値<5×10の-8乗を「有意な関連がある結果」、p値<10の-5乗を「有意な関連が示唆される結果」であると解釈することが一般的とされています。◆研究表題:A study on the association between antiobesity effects of lactoferrin and genetic variationsDOI: 10.1016/j.jff.2023.105664URL: ■企業情報社名 : 株式会社ジーンクエスト所在地 : 東京都港区芝五丁目29番11号 G-BASE田町設立 : 2013年6月20日資本金 : 110,000千円(資本準備金含む)代表者 : 代表取締役 岩田 修事業内容: 個人向け遺伝子解析事業URL : ■ジーンクエストリサーチについて「ジーンクエストリサーチ」は、国内外の企業、研究者等と連携し、主に遺伝子解析キットを通じて蓄積されたゲノムデータを活用し、遺伝子多型と体質、疾患に関する幅広い研究に取り組んでおります。研究活用に関して同意が得られたユーザーのデータを匿名化し、倫理審査委員会により情報の取扱い、提携先における利用目的等の承認を受けた上で、研究活用します。今後も、共同研究パートナー企業、研究者とともに、サービスと研究のシナジーを創出し、新たな価値の創出を目指し実現してまいります。当社では、共同研究の研究者、パートナー企業様を広く募集しております。ジーンクエストリサーチURL: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年07月26日「高温多湿のこの時季、気をつけたいのは『パンケーキ症候群』です。これは、パンケーキなどの粉ものを食べた後に起きる体調不良のこと。ひどい場合は呼吸困難や意識障害が起き、ときには命に関わることもあります。パンケーキ症候群と呼ばれていますが、パンケーキや小麦粉に罪はありません。症状の正体は、パンケーキミックスなど粉類の保存状態が悪く、ダニが繁殖し、それを食べることで引き起こされるアレルギー反応なんです」このような“小麦ダニ”アレルギーに関して解説するのは、医療法人社団五良会 竹内内科小児科医院・院長の五藤良将さんだ。パンケーキミックスだけでなく、お好み焼き粉、たこ焼き粉など、身近な小麦粉製品を中心に注意が必要だという。「ほかにも天ぷら粉、パン粉、ときにはプロテインの粉、調味料の残りなども、保存状態が悪ければダニが入り込んでしまい、袋や容器の中で繁殖する可能性はあります。ダニは湿度60~80%、気温25度以上で繁殖しやすくなるといわれています。この時期、開封した商品の口をしっかり閉めず、常温保存すればリスクが高まります」■防ぐためには正しい保存とアレルギー検査をしかも、ダニの大きさは0.1ミリから0.2ミリ以下程度。「肉眼で確認することは難しいです。そして気づかずに熱を通して調理しても、ダニは死にますが、ダニの死骸にはアレルゲンは残ったままです。つまり、加熱調理してもアレルギーが引き起こされる可能性があるのです」怖いのは、アレルギー体質の人。「気管支喘息やアトピー性皮膚炎、ダニアレルギーがある人は要注意です。大人でも子どもでも、アレルゲンが体内に入ることで、内臓などにアレルギー反応を起こします。多くは食後30分以内に症状が出ます。軽度の症状であれば口の中のかゆみ、鼻水、くしゃみ、下痢、顔面紅潮、じんましんなどです。非常に確率は低いですが、重度となると血圧が下がり意識を失ったり、気管支炎のような喘息症状が出たり、最悪、アナフィラキシーショックを起こします。アナフィラキシー反応の初期症状には不安感やチクチクした感じと、めまいが起こります。重症化に伴い、症状がみるみる悪化して、全身にかゆみやじんましん、腫れが出たり、喘鳴や呼吸困難が起きたり、失神したりします。これらの症状は生命を脅かす状態まで急速に悪化する可能性があります。リスクが高い方には、ショックを防ぐための補助治療注射であるエピペンを常備しておくことも必要」そのため、大事なのは予防だ。舌の下に薬を入れる「舌下免疫療法」を3年ほど続けて、少しずつアレルギー反応を緩和させる方法もあるが、まずやるべきは、ダニを繁殖させないこと。「開封したパンケーキミックスなどは、袋にダニが入り込まないように口にあるチャックをしっかりと閉めて、冷蔵庫に保存しましょう。なるべく短期間で使い切り、長期間開封したままのものは廃棄しましょう」また、ダニアレルギーの有無などを事前に知ることも重要だろう。「アレルギー症状で心配なことがあれば、医療機関で血液検査をすることができます。3割負担で5000円ほどです」粉ものをおいしく食べるため、正しい保存を心がけよう。
2023年07月24日2回目の予防接種、車の中で注射だと気づかれパニックになった障害のある息子3歳で軽度知的障害を伴う自閉スペクトラム症、ADHDの傾向ありと診断を受けた息子が、6歳になったころの出来事です。その日は一日保育のあと、2回目のインフルエンザの予防接種を受けに行く予定でした。ごきげんで保育園から戻った息子。ただ、私には心配なことがありました。息子は、昔あった嫌なことをなかなか忘れないタイプです。注射や鼻の粘膜の検査など痛い思いをした病院は「イヤだ!」と言って、行こうとすると癇癪を起こしてしまいます。ですので、行くことができる病院がどんどん減ってしまい、この年の1回目のインフルエンザの予防接種は、初めて行く病院で受けたくらいでした。そのときは、注射をすることを伏せたまま診察を終え(診察は痛くないので、問題なく受けてくれます)、いざ注射というときは私が息子をしっかり押さえたため無事に接種できました。本人は泣いていましたが…。この日は、やむを得ず1回目を受けた病院へ行くことになっていたので、もしかしたら感づかれるのではないか…、でも、1回しか行ったことがない病院だからさすがに覚えていないのでは…と不安だったのです。機嫌のいい息子を乗せて、行き先は告げずに車を走らせました。すると、心配していたことが現実になってしまいました。一度しか行ったことがない病院なのに、道や場所を覚えていた息子。走らせている方向であのときの病院に行くんだ!と気づいてしまったのです。その後は「注射ヤダ!」の一点張りでした。病院に近づくにつれ、だんだんと大きくなる声。「ヤダヤダヤダ‼」とパニック状態です。私は運転しながら「おりこうさんだよー。注射に行こうねー」となだめていましたが、効果はありませんでした。ようやく病院へ到着した私は、お菓子で切り替えてもらおうと息子を車から降ろしつつお菓子を持たせました。いつも好きなお菓子があれば癇癪状態からも切り替えができていたので、今回もそれでどうにかなるだろうと思ったのです。しかし、息子はお菓子を持たず、私の脇をすり抜け病院の目の前の車道へ向かって全速力で走り出しました。Upload By ユーザー体験談「あぶない‼」一気に血の気が引き、焦って追いかけた私。すると、そのまま勢いよく転んで強い衝撃を感じたかと思うと目の前は真っ暗。私は意識を失ってしまいました…。Upload By ユーザー体験談意識を失った私。目覚めたときは病院で…目を開けると、私は病院のベッドに横になっていました。なぜここにいるんだろう?と思っていると、横から泣き声が。息子がそばで号泣していたのです。意識は戻ったものの頭がぼーっとしてあまり考えられなかったのですが、ともかく息子がそばにいることに私はホッとしました。Upload By ユーザー体験談あとで教えてもらったのですが、病院の駐車場にいた方が、私が転倒したのを目撃し病院へ知らせてくれ、私は看護師さん達に車椅子に乗せられて病院内に運ばれたそうです。このとき息子がどうしていたのか誰も覚えていないようなのですが、気づいたら私のそばにいたのだとか。あまりにも泣いていたので、私が大変なことになってしまったと、とても心配していたんだと思います。私が目を覚ますと息子は安心したのか、徐々に落ち着きを取り戻し、やがていつものように病院内をウロウロしていました(多動性があるので)。そのとき私から連絡を受けた夫が駆けつけてくれました。私は顎を大きく切っていたため、縫合を終えたあと、念のため救急車に乗って大きい病院へ行き一晩過ごすことになりました。息子は夫の車で家に帰ってもらいました。夫から聞いたところによると、息子は帰りの車では落ち着いていたもの、夜ごはんはあまり食べなかったそうです。いつもはたくさん食べるのに…。でも、翌朝保育園へ行くときは、いつもと変わりない様子だったとか。いつも通りに過ごしていた息子が退院した私を見て「おかあさーん!良かった、良かったー!」と大泣き私は翌日午後には帰宅でき、痛みがひどかったためベッドで横になっていました。夕方、保育園から息子が帰ってきました。そして私の姿を見たとたん「おかあさーん!良かった、良かったー!」と大泣きし、そばに駆け寄ってきました。いつもと変わらないように見えてもたくさん不安だったんだな、我慢していたんだなと思い、私も泣きながら「ごめんね、心配したね。大丈夫だよ」と息子の頭をなでました。Upload By ユーザー体験談私はこの件でとても反省しました。場合によってはいつもできていた切り替えもできないこと、子どもの気持ちをもっと考えなければいけないこと…、大事にすべきことを見落としていたと思いました。それからは、お出かけ先で機嫌が悪くなったり癇癪起こしたときの対応策をたくさん準備するようにしました。おもちゃやお菓子もそうですが、6歳も後半となった最近では言葉でも伝わるようになってきたので、「これがいやなら、これはどう?」といった提案のレパートリーをたくさん用意しています。今では外で癇癪を起こしても、私が移動すると息子も泣きながらもついてきたり、癇癪中でも自分で気持ちを切り替えようとしている様子が見られるようになりました。成長したなあと感じています。ただ、定期接種はまだ終わっていません…。なるべく接種期限前に、接種期限が切れたとしても、小学校入学までには必ず受けに行かなければと思っています…。息子は誰かに恐竜や妖怪の名前を教えたり、 好きなおもちゃを見せるのが大好き!これからも、好きなことには猪突猛進し、友達との関わりを大事にする子に成長して欲しいと思っています。これからも大切な息子を見守っていきたいです。イラスト/taekoエピソード提供/さくら(監修:藤井先生より)予防接種や診察や診察に伴う検査を嫌がり、癇癪起こされると、対応をどうしたら困ることがあるかと思います。事前に見通しをもった声かけをすると、頑なに拒否されることもあり、見通しをもたせた声かけのタイミングもお子さんによってさまざまです。声かけしなくても、道順で覚えてパニックになるお子さんもいます。パニックなどが起こりうる可能性を想定し、少しでもそれが軽減できる対応策がないかと、探るのはとても良いですね。成長とともに、少しずつできた経験が積み重なると、パニックも軽減されてくるお子さんもいます。できる対応策がないか、療育の先生、園の先生、かかりつけの先生に相談するのも良いでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年07月20日強迫性障害とは?原因、どんな症状がある?強迫性障害(強迫症)は、強迫観念や強迫行為を何度も繰り返す精神障害です。強迫観念とは、無意味であると自覚しながらも抑えられない思考やイメージのことであり、手を洗う・順番に並べる・何度も確認するといった儀式的な行動(強迫行為)を行うことで強迫観念を打ち消そうとします。強迫性障害の原因は明確ではありませんが、遺伝的要因や脳内の化学物質の異常、環境要因などが関与していると考えられています。ストレスやトラウマも発症の一因とされています。また、強迫性障害は、うつ病を併発することも少なくありません。およそ20~30%の患者がうつ病の症状を抱えていると言われ、より症状が重症化してしまうこともあります。このコラムでは、強迫性障害の原因、症状、治療法等に関するギモンについて、専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【小児科医に聞く】手を洗いすぎる、何度も確認してしまう、被害妄想が激しい…強迫性障害の症状や原因は?医師が回答(質問)高校生の娘は昔から何事も気にしてしまう性格ですが、最近は度を越しているように感じます。強迫性障害かチェックするポイントはありますか?どんな症状があると強迫性障害と診断されますか?(回答)気にすまい、考えまい、行うまいと努力するにも関わらず、そうすることによって、かえって気になり、それに囚われて、そうせざるを得ない状態に陥っていることがあります。例えば、「人が触ったものを汚いと感じるようになって、頻回に手を洗うようになり始めた」、「気にしすぎだと思うが、手洗いをしないと落ち着かず、次第に人が手を洗わないのも気になり、人への手洗いも強要するようになった」というように、ご自身がしたくないと思っていても、それをしないと落ち着かず、生活に支障をきたしている場合には、強迫性障害を疑う必要があります。強迫観念:自分にとって無意味で、不合理であると理解しているが、繰り返し不快な考えが頭を巡ることです。例えば、人が触った物は不潔であるという考えが巡るのは、強迫観念です。強迫行為:強迫観念を抑えるために行われる反復的な行動や儀式です。例えば何度も手を洗うなどです。強迫観念や強迫行為の症状がある場合、強迫性障害の可能性がありますが、診断にはほかの疾患との鑑別も必要になるので、児童精神科、精神科、心療内科などへの相談をおすすめします。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもが強迫性障害かもしれません。潔癖症のようになり手を繰り返し洗うのをやめられない、お風呂でも身体の汚れが気になるようで身体をずっと洗い続けていて、日常生活に影響が出ています。最近は出かけようとしても「汚れるのではないか?」と不安になるようで部屋にこもりがちです。何が原因なのでしょうか?また、治るきっかけなどありますか?やはり病院を受診したほうが良いでしょうか。(回答)原因は解明されていませんが、脳内の神経伝達物質(セロトニン系)の異常が症状と関連していると示唆されています。環境の変化などのストレスで症状が悪化することもあります。お子さん自身やご家族のせいで生じる病気ではありません。子どもの強迫性障害には、チック障害、ADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、うつ病などの併発が多いことが指摘されています。強迫観念があっても、強迫行為の回数を少しずつスモールステップで減らしていき、できたという経験を積むことで、強迫観念が少しずつ和らいでいくことがあります。しかし、親子で取り組むのは難しいこともあるかと思うので、精神科・児童精神科・小児科の医師・心理士や、スクールカウンセラーに相談すると良いでしょう。生活に支障があったり、ほかの人にも手洗いなどを強要したりと巻き込む様子がある場合には、受診されると良いでしょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもが強迫性障害になり、最近は頭痛や動悸も訴えるようになりました。パニック障害になってしまうのではと心配です。(回答)頭痛や動悸などがある場合には、身体症状の原因検索をしつつ、症状を和らげるお薬を使用し、ほかに併存している疾患がないかも診ていきます。身体症状があると日常生活にも支障をきたしますし、専門医療機関を受診することをおすすめします。また、強迫性障害と関連する疾患は、チック障害、ADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、うつ病(気分障害)、不安障害などが挙げられますが、心配な症状が見られる場合には、かかりつけ医や専門医療機関に相談してみましょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもが強迫性障害です。何度も繰り返し「大丈夫?」と確認をしてばかりで行動に移せない、といった様子が見られます。「大丈夫だよ」と声を掛けますが効果がないようで、母である私も疲弊しています。どのような言葉を掛ければいいでしょうか?気にしないようにできる方法や良い接し方はありますか?(回答)なんとかして、安心させたいとお声を掛けているのだと思います。しかし、「大丈夫だよ」と声を掛けても効果がないように感じる場合には、お子さん本人の中では、大丈夫ではない不安があるのかもしれません。「何度も確認したくなるくらい、心配なんだね」と、お子さんの気持ちを否定することなく、一度受け止める表現の声掛けをしてみるのはいかがでしょうか。その上で、「○回確認したらやめよう」と具体的な回数を決めて確認行動を減らす声掛けをし、確認行動が減ったら、ほめることを意識していきましょう。とても忍耐のいることですが、できる限り、同じ対応を続けるようにしてみましょう。Upload By 発達障害のキホン強迫性障害にまつわるコラムまとめ強迫性障害は治療可能であり、認知行動療法や薬物療法などが一般的に用いられます。認知行動療法では、強迫観念や強迫行為に対する認識や対処法を学び、それらを改善することを目指します。薬物療法では、抗うつ薬や抗不安薬が使用されます。強迫性障害は、学業や仕事などの日常生活にも大きな影響を与えることがあり、早期の診断と適切な治療が重要です。専門医の指導のもと、患者本人だけでなく家族も病気や治療について知ることで、適切なサポート方法を身につけ、症状の軽減や社会生活の回復を目指しましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年07月16日起立性調節障害の原因は?よく見られる症状、治療法は?起立性調節障害は、自律神経系の循環調節機能の異常によって引き起こされると言われています。交感神経活動により、血流が脳に十分にいきわたらず、立ちくらみ、朝起き不良、頭痛、動悸、血圧の変動、倦怠感などの症状があります。起立性調節障害の発生頻度は、軽症例も含めると、小学生の約5%、中学生の約10%にものぼり、10~16歳の第2次性徴期、思春期に起こりやすく、ほかに、水分不足、ストレス等も起立性調節障害の要因となります。不登校の子どもの約3~4割が起立性調節障害を併存しているとも言われ、学校生活や社会生活に大きな支障となる場合があるため、起床時の姿勢、筋力維持、十分な水分補給、睡眠リズムの調整などの日常生活における工夫や、薬物療法などの適切な治療で症状を軽減し、家庭や学校において環境調整を行っていくことが重要です。【小児科医に聞く】起きられない、学校に行けない…何科に行く?薬はある?保護者ができることは?起立性調節障害に関するギモンに医師が回答(質問)子どもがめまいや頭痛を訴えて朝起きられず、学校を休みがちです。起立性調節障害か、あるいは何か大きな病気ではないかと心配です。どんな症状が起立性調節障害に当てはまるのか、チェックポイントはありますか?何科を受診すればよいでしょうか?(回答)起立時に脳への血流が低下し、朝起き不良、食欲不振、全身倦怠感、立っていると気分が悪くなる、立ちくらみといった症状が認められます。症状は午前中に強く、午後からは体調が回復するのも特徴です。検査には症状をきたすほかの疾患がないか、例えば鉄欠乏貧血、甲状腺ホルモンの異常などがないか除外します。起立性調節性障害が疑わしい場合、起立負荷試験を行います。臥床安静時と、起立直後、起立継続時の血圧、脈の変化を調べます。起立性調節障害とは限らないので、疑わしい場合にはかかりつけの小児科に相談するのが良いでしょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)中学生の娘が起立性調節障害と診断されましたが、なかなかよくなりません。何とか起きて学校に行けても、だるくて体も思うように動かないようです。勉強の遅れも気になり、本人も焦っています。症状が改善するいい方法や治し方はありますか?また、起立性調節障害に使われる薬にはどんなものがありますか?(回答)薬物療法だけでなく、日常生活で注意すべきポイントがいくつかあります。・起床時にはいきなり立ち上がらずに30秒ほどゆっくり起立する・水分を多めにとる(1日1.5L~2L)・塩分制限はしない(むしろ多めにとるようにする)・早寝早起きなど生活リズムを正しくする(怠くても日中は体を横にはしない)・毎日運動をする(15分程度の散歩から始めると良い)・下肢の加圧ソックスを着用する(血圧低下を予防)薬物療法には、低血圧を予防する薬を使用します。症状によって、薬の内容、飲み方は変わりますので、主治医の先生に相談しながら内服をすすめていきます。効果を感じられるのに1~2週間かかるので、効かないと思ってもすぐにやめないことも大切です。Upload By 発達障害のキホン(質問)高校生の子どもが起立性調節障害になり、学校の授業や部活に出られていません。出席日数の不足や課題が終わらないこともストレスになっているようです。このまま留年してしまうのでは、進学も難しいのではと心配です。いつごろまで症状は続くのでしょうか。大人になると落ち着くのでしょうか。(回答)起立性調節障害は珍しい病気ではありません。小学校の高学年から多くなり、中学校で急増します。女子は男子より2割ほど多いようです。進学の時期とも重なる場合も多く、不安になる親御さんも多くいらっしゃいます。症状の回復はお子さんによってさまざまです。適切な治療が行われた場合には、軽症例では数ヶ月以内に改善します。しかし、翌年に再発する可能性もあります。日常生活に支障がある中等症では、1年後の復学率は約50%、2~3年後は70~80%です。不登校を伴う重症例では、1年後の復学率は30%であり、短期間での復学は困難です。社会復帰に少なくとも2~3年かかると考えたほうが良いでしょう。体力に見合った高校に進学した場合には、第2~3学年になると9割程度が治ると考えられています。お子さんにあった学校を考えるのも大切になります。Upload By 発達障害のキホン(質問)中学生の子どもが起立性調節障害と診断されましたが、朝は立ちくらみや吐き気などを訴えますが、昼ごろには調子が良くなるようです。遊びには行けるのに学校は休むというのは、ただ「学校に行きたくない」という甘えではないのか、このままでは怠け癖がつくのではないか…と思ってしまいます。保護者はどのように接すればいいでしょうか。(回答)起立性調節障害の子どもは、疲れてダラダラしているように見えます。しかし、だらけているわけではなく、自律神経機能が悪いため、起立時に全身・脳への血流が悪くなり、その結果、症状が出てきます。昼ごろには調子が良くなるなら、午後からの登校を試みてください。体力に自信がなければ、保護者がつき添うのも良いでしょう。電車通学の場合には、座席に座れるように、ラッシュアワーを避けるのも良いです。朝起きられないからといって無理やり早く寝かせようとしたり、あるいは朝なんとか起こそうとして怒鳴ったり、怒ったりするのは、親子関係の悪化につながります。大きな声で怒鳴っても、良い結果にはなりません。Upload By 発達障害のキホン起立性調節障害、不登校にまつわるコラムまとめ起立性調節障害は、自律神経系の異常によって起立時に全身や脳への血流がいきわたらず、朝起き不良、食欲不振、全身倦怠感、立っていると気分が悪くなる、立ちくらみといった症状が出てきます。起立性調節障害の発生頻度は決して少なくありませんが、進学の時期と重なる場合も多く、不登校や引きこもりなど、症状が重症化し長引くと、社会生活に大きな支障が出ることもあります。日常生活の中で気をつけられるポイントに留意しつつ、主治医と相談しながら薬物療法や運動療法なども適切に取り入れることが大切です。朝は倦怠感やめまい、頭痛といった症状が強くても、午後には回復することも多く、「疲れてだらけているだけ」と感じられるかもしれませんが、叱責することは良い結果には結びつきません。学校とも連携をして、正しい理解をもって無理なく早期の回復を目指しましょう。
2023年07月15日カリフォルニア くるみ協会は、医学雑誌「ランセット」が発行する『eClinicalMedicine』発表の最新研究結果をお知らせいたします。世界で最も評価が高い医学雑誌の一つ「ランセット」が発行する『eClinicalMedicine』発表の最新研究※1で、定期的なくるみの摂取は、思春期の認知機能の発達と心理的成長にポジティブな影響を及ぼす可能性があることが明らかになりました。1日ひとつかみのくるみ(30g)を含む食生活を送った中高生の、注意欠陥多動性障害(ADHD)を含む注意機能の改善や流動性知能※2関連の機能向上、神経心理学的機能※3の改善が報告されています。くるみはナッツの中で唯一、発育段階における脳の発達に重要な役割を果たし、体内で生成されず食品から摂る必要があるオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸=ALA)を豊富に含んでいます。最低100日間のくるみの継続摂取により、注意機能※6の向上が見られた今回発表された研究は、スペインバルセロナ市内の12の中学と高等学校*に在籍する11~16歳の生徒700人の任意参加者を、対照群と実験群の2つのグループに無作為に分けて実施。実験群は、ひとつかみ相当のくるみ(30g)1パックを6カ月間与えられ、毎日1パック摂取するよう指示されました。その結果、最低100日間のくるみの継続摂取により、注意機能※6の向上が見られ、注意欠陥多動性障害(ADHD)を発症している者については、他動性や不注意が低減するなど、授業中の態度に改善が見られました。*日本では一部、小学校に該当する年齢の参加者を含みます。IISPVのニューロ・エピア研究グループの首席研究員兼コーディネーターのヨルディ・フルベス博士は「思春期は脳の活動、機能的接続性、複雑な動作を行う機能が大きく発達する時期であり、その発達は、正常な発達に必要とされるエネルギーと栄養素を不足なく摂取する食生活など、環境およびライフスタイル要因に少なからぬ影響を受けます。くるみは、エネルギー源であり身体維持および発達に不可欠なオメガ3脂肪酸であるALAをはじめとする栄養豊富な食品です。このため、くるみは思春期の健康の強い味方と言えます。」と述べています。本研究は、ペレ・ビルジリ衛生研究所(IISPV)がバルセロナ世界保健研究所(ISGlobal)とデルマール・ホスピタル医学研究所(IMIM)との共同で行った研究結果であり、思春期におけるくるみの摂取の重要性を示した初めての研究となり、今後の展開が非常に期待されています。さらに、くるみに含まれるような必須栄養素をバランス良く含んだ食生活は、思春期の認知機能や精神の発達に望ましい影響があることが示唆されています。また本研究結果を補足する目的で、妊娠期におけるくるみの摂取の影響と、乳児の認知機能および心理的成熟の焦点にあてた、観察ベースの2回目の臨床試験も予定されています。最終的には、生涯にわたって健康的な食習慣を続けることの重要性を確認することを目指しています。■参考資料※1 Pinar-Marti A, Gignac F, Fernandez-Barres S, Romaguera D, Sala-Vila A, Lazaro I, Ranzani OT, Persavento C, Delgado A, Carol A, Torrent J, Gonzalez J, Roso E, Barrera-Gomez J, Lopez-Vicente M, Boucher O, Nieuwenhuijsen M, Turner MC, Burgaleta M, Canals J, Arija V, Basagana X, Ros E, Salas-Salvado J, Sunyer J, Julvez J. Effect of Walnut Consumption on Neuropsychological Development in Healthy Adolescents: A Multi-school Randomized Controlled Trial. eClinicalMedicine. April 06, 2023. doi: 10.1016/j.eclinm.2023.101954.※2 流動性知能:新しい環境に適応するための能力。本研究では一次精神能力テスト(primary mental abilities;PMA)という評価指標で把握されました。※3神経心理学的機能:注意機能や流動性知能、あるいは作業記憶、実効機能などを含めた、おもに脳の高次機能と呼ばれる機能を指します。※6 注意機能:必要な情報を選び出す能力。本研究では注意ネットワークテスト(attention network test;ANT)という評価指標で把握されました。(画像はプレスリリースより)
2023年07月14日起立性調節障害を持つ方は、周囲から障がいだと理解してもらえず苦しんでいることをご存知ですか?そのため、親や教師に怠けているとられてしまうことあるようで…。そこで今回は、MOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画『「起立性調節障害」って知っていますか?』をご紹介します。漫画のあらすじ毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。夜更かししたいわけでもないのに寝付けないのも朝が異様に辛いのもただの“怠け”ではなくて……。小学生の頃は起きれてたのに……この漫画に読者からは……『起立性調節障害って周りには分からないしんどさがあるから、理解してもらうのが難しい』『私は昔、起立性調節障害だったのですが友達にうまく説明出来なくて、ただのサボりでしょ?と言われるのが本当に嫌でした』『中学生3年の頃妹が起立性になり、高校2年の今でも薬飲んでます。高校受験の年なのにと焦り、妹は結局半年以上学校に行けませんでした。でも、妹の学年に同じ起立性の子が7人もいて、卒業式も朝早くからは出席出来ず、先生達が起立性の子の為に7人だけの卒業式を参加しやすい午後からにしてくれました。体と相談して頑張ってほしいです!』など実に様々な意見や周囲の体験談が集まりました。理解を示すことが大切病状にかかわらず、当事者の背景を理解することは大切です。一度、当事者にお話を伺ってみるのもよいかもしれませんね。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年07月11日カリフォルニア くるみ協会は、医学雑誌「ランセット」が発行する『eClinicalMedicine』発表の最新研究結果をお知らせいたします。世界で最も評価が高い医学雑誌の一つ「ランセット」が発行する『eClinicalMedicine』発表の最新研究※1で、定期的なくるみの摂取は、思春期の認知機能の発達と心理的成長にポジティブな影響を及ぼす可能性があることが明らかになりました。1日ひとつかみのくるみ(30g)を含む食生活を送った中高生の、注意欠陥多動性障害(ADHD)を含む注意機能の改善や流動性知能※2関連の機能向上、神経心理学的機能※3の改善が報告されています。くるみはナッツの中で唯一、発育段階における脳の発達に重要な役割を果たし、体内で生成されず食品から摂る必要があるオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸=ALA)を豊富に含んでいます。くるみイメージ近年、子どもだけではなく大人も診断されることから、認識が広まりつつある注意欠陥多動性障害(ADHD)。日本国内のADHD有病率は、成人対象の調査で1.65%となっており、小児期では男児にやや多い2.5~5.1%※4と報告されています。2022年に発表された「ADHD発生率の推移を調査したコホート研究(2010-2019年度)」では、2019年度のADHDの年間発生率は2010年度と比べ0~6歳の小児で2.7倍。7~19歳では2.5倍となっており、20歳以上の成人では21.1倍と、顕著に増加していることが報告されています※5。このようなADHD有病率増加の背景には、ADHDなどの発達障害に対する認識が向上したことや、診断基準(DSM-5)が定められたことなどの影響も考えられています。思春期の脳は、論理的思考・行動などの認知機能を制御する上で重要な役割を果たしている前頭前野が成熟しておらず、特定の食品や栄養素、生活習慣が敏感に影響を受ける時期です。脳の発達には大量のエネルギーと栄養素を必要とするため、必須栄養素が不足すると、最適な成熟が妨げられる可能性があります。オメガ3系脂肪酸は、脳の発達と機能に重要な栄養素と考えられています。今回発表された研究は、スペインバルセロナ市内の12の中学と高等学校*に在籍する11~16歳の生徒700人の任意参加者を、対照群と実験群の2つのグループに無作為に分けて実施。実験群は、ひとつかみ相当のくるみ(30g)1パックを6カ月間与えられ、毎日1パック摂取するよう指示されました。その結果、最低100日間のくるみの継続摂取により、注意機能※6の向上が見られ、注意欠陥多動性障害(ADHD)を発症している者については、他動性や不注意が低減するなど、授業中の態度に改善が見られました。*日本では一部、小学校に該当する年齢の参加者を含みます。IISPVのニューロ・エピア研究グループの首席研究員兼コーディネーターのヨルディ・フルベス博士は「思春期は脳の活動、機能的接続性、複雑な動作を行う機能が大きく発達する時期であり、その発達は、正常な発達に必要とされるエネルギーと栄養素を不足なく摂取する食生活など、環境およびライフスタイル要因に少なからぬ影響を受けます。くるみは、エネルギー源であり身体維持および発達に不可欠なオメガ3脂肪酸であるALAをはじめとする栄養豊富な食品です。このため、くるみは思春期の健康の強い味方と言えます。」と述べています。本研究は、ペレ・ビルジリ衛生研究所(IISPV)がバルセロナ世界保健研究所(ISGlobal)とデルマール・ホスピタル医学研究所(IMIM)との共同で行った研究結果であり、思春期におけるくるみの摂取の重要性を示した初めての研究となり、今後の展開が非常に期待されています。さらに、くるみに含まれるような必須栄養素をバランス良く含んだ食生活は、思春期の認知機能や精神の発達に望ましい影響があることが示唆されています。また本研究結果を補足する目的で、妊娠期におけるくるみの摂取の影響と、乳児の認知機能および心理的成熟の焦点にあてた、観察ベースの2回目の臨床試験も予定されています。最終的には、生涯にわたって健康的な食習慣を続けることの重要性を確認することを目指しています。今回の最新研究結果について、長年、認知症の研究に携わっている朝田隆先生(メモリークリニックお茶の水院長、筑波大学名誉教授)は、以下のように評価しています。「昔から小学校のクラスに1人か2人はいる落ち着きのない子の多くが、近年、注意欠陥多動性障害(ADHD)だと知られるようになりました。従来は子供の病気で大人になれば半分の人は治るとされていましたが、必ずしもそうでなく、最近では、職場での不適応等により大人になったADHDが注目されています。この研究は、注意欠陥多動性障害(ADHD)者の注意や流動性知能などの認知機能に対してくるみが有効だと報告しています。実は認知機能とくるみを始めとするナッツとの関係は、がんや心臓病と同様に以前から注目され、認知症予防の食事なら地中海食が定番であるとされていました。その特徴の1つが抗酸化作用をもつオメガ3系脂肪酸のくるみを食べることです。ADHDは注意や段取りの司令部である前頭前野の障害とされています。本研究のポイントは発達段階の思春期なら、くるみが脳の障害を改善するとした点です。つまりくるみには成長によるADHDの改善を後押しする力があると考えられます。」朝田 隆先生■朝田 隆先生認知症の早期発見・早期治療に特化した「メモリークリニックお茶の水」理事長・院長。東京医科歯科大学客員教授。筑波大学名誉教授。認知症予防と治療の第一人者。40年にわたり、1万人を超える認知症、および、その予備群である軽度認知障害の治療に従事するとともに、テレビや新聞、雑誌での啓発活動を続けている。著書多数。*カリフォルニア くるみ協会(CWC)は、必要となるくるみを提供することで本研究を支援していますが、研究計画や結果には一切関与していません。■参考資料※1 Pinar-Marti A, Gignac F, Fernandez-Barres S, Romaguera D, Sala-Vila A, Lazaro I, Ranzani OT, Persavento C, Delgado A, Carol A, Torrent J, Gonzalez J, Roso E, Barrera-Gomez J, Lopez-Vicente M, Boucher O, Nieuwenhuijsen M, Turner MC, Burgaleta M, Canals J, Arija V, Basagana X, Ros E, Salas-Salvado J, Sunyer J, Julvez J. Effect of Walnut Consumption on Neuropsychological Development in Healthy Adolescents: A Multi-school Randomized Controlled Trial. eClinicalMedicine. April 06, 2023. doi: 10.1016/j.eclinm.2023.101954. ※2 流動性知能:新しい環境に適応するための能力。本研究では一次精神能力テスト(primary mental abilities;PMA)という評価指標で把握されました。※3神経心理学的機能:注意機能や流動性知能、あるいは作業記憶、実効機能などを含めた、おもに脳の高次機能と呼ばれる機能を指します。※4 Kouichi Yoshimasu: Epidemiology and Pathological Condition of Attention-deficit/hyperactivity Disorder : From Perspective of Relationship Between Genetic and Environmental Factors, Journal of Japan Health Medicine Association, 29(2) : 130-141, 2020※5 Daimei Sasayama, Rie Kuge, Yuki Toibana, Hideo Honda. Trends in Diagnosed Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder Among Children,Adolescents, and Adults in Japan From April 2010 to March 2020, JAMA Netw Open. 2022;5(9):e2234179. doi:10.1001/jamanetworkopen.2022.34179※6 注意機能:必要な情報を選び出す能力。本研究では注意ネットワークテスト(attention network test;ANT)という評価指標で把握されました。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年07月11日「朝起きれないって……。それってただの怠けでしょ?」起立性調節障害の症状は“甘え”でも“怠け”でもありません。しかし症状を理解してもらえず、苦しんでいる方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、MOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画『「起立性調節障害」って知っていますか?』をご紹介します。漫画のあらすじ毎朝起きることがとても辛く寝坊を繰り返してしまう主人公・佳純(かすみ)。夜更かししたいわけでもないのに寝付けないのも朝が異様に辛いのもただの“怠け”ではなくて……。怒られる理由はいつも……この漫画に読者からは……『私は眠い、無理というよりは目眩が酷すぎて動けない感じです。怠けとかずるって思われがちだから一人でも多くの人が分かってくれるといいな。』『理解した周囲の人間はどうすればいいのかな?』『私の友達も多分これだろうなぁ、何か私にできることないかな。』と実に様々な声が集まりました。手を差し伸べたい朝起きることがつらいと感じる主人公は、実は「起立性調節障害」だったという話の一部をご紹介しました。読者からは「周囲の人間はどのように手を差し伸べればいいのか」というコメントが多く見受けられました。一方で障がいを抱える方たちからは「認知してほしい、広まってほしい」という声も。“力になりたい”という気持ちは、障がいを理解していく上での重要な第一歩かもしれません。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?※この物語は実話を元にしたフィクションです。※起立性調節障害は、「怠け」でも「甘え」でもありません。■監修:大和行男(こころと美容のクリニック東京院長)子どものこころ専門医、精神科専門医■イラスト:ミノル■脚本:石川ナオ(MOREDOOR編集部)
2023年07月07日3歳児の発達の目安は?わが子の多動の原因は?ADHDの可能性がある?3歳ごろの子どもは、基本的な運動動作が一通りできるようになり、生活習慣の自立も進みます。ことばによるやり取りもできるようになり、社会性も育ってきて、徐々にお友達と関わりながら遊ぶことも増えてきます。3歳になって、幼稚園に入園するなど初めての集団生活を経験することになり、わが子とほかの子どもの様子を比べて「わが子は多動かもしれない…」「もしかして、ADHDの可能性がある?」と気になる方もいらっしゃるかもしれません。このコラムでは、・3歳児の多動の原因・多動と発達障害の関連性・困ったときの相談先などをご紹介し、多動にまつわる保護者のお悩みや困りごとなど専門家の先生にアドバイスいただきます。【小児科医に聞く】3歳児の「多動」に関する悩みーー落ち着きがない、集団行動が苦手、発達障害との関係は?医師が回答(質問)3歳の子どもがじっとしていられず、外でもすぐ走り出してしまいます。落ち着きがなく、幼稚園に入れるのか不安です。多動は、もう少ししたら落ち着くのでしょうか?(回答)3歳だと、自宅など家族がいる場面では落ち着きがないように見えても、幼稚園や保育園などでは落ち着いて過ごせているお子さんもいます。しかし、家でも外でも落ち着きがない場合には、心配かと思います。多動が落ち着く時期は、お子さんによってもさまざまです。多動の原因は、さまざまな要因が組み合わさっていることがあります。注意欠如・多動症(ADHD)などの脳の発達・機能の異常が関与していることがあります。ADHDに自閉スペクトラム症や知的障害が併存していることによる場合もあります。また、家庭環境の不安定さ、過度のストレスがかかったなどの環境要因が関連することもあります。言葉の遅れがあり、落ち着きがない場合には、言葉の発達に伴って落ち着いてくることもあります。言葉が遅れていないが、落ち着きがない場合には、いろいろな物事に興味が移り変わりやすく、多動が長く続くこともありますが、小学校の中学年以降には多動は落ち着いてくると言われています。幼稚園や保育園での集団生活で、お集まりのときにじっとしていられないなどがある場合には、発達支援センターやかかりつけ医に相談することをおすすめします。Upload By 発達障害のキホン(質問)幼稚園の年少(3歳児)の子どもが、落ち着きがなく、指示も通らず、集団行動ができません。どのくらいの程度の多動の場合、発達障害の可能性が考えられるのでしょうか?医師に診てもらったほうがいいのでしょうか。(回答)まだ3歳ですとADHDなどの発達障害の可能性があるかどうかは、判断がつけられません。じっとしていられない、静かにすべきところで静かにすることができない、気持ちのコントロールがつきにくく癇癪が激しい、物の扱いが乱暴、動きが多く目が離すことができないなどの様子から、ADHDの疑いがあるということで、専門機関に相談されることがあります。入学前でも、家や園でも落ち着きがなく、日常生活や園生活に支障がある場合には、専門機関に相談することをおすすめしています。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもがじっとしていないので、買い物や外食にも行けません。子どもの発達のことを相談できる人もおらず、不安です。(回答)じっとしていないと、買い物も外食にも行きにくいですね。多動が激しい場合、外出先で注意ばかりで疲れてしまうというお声を聞くこともよくあります。外出先でお子さんがじっとして待つのが難しく、負担がかかる場合には、お子さんが園などに行っている時間内に用事を済ませるのも良いでしょう。一緒に行かざるをえない時には、○分買い物をします、など見通しを立ててから出かけ、少しでも待てたら、待てたねと、できていることに注目して声をかけましょう。しかし、まだ3歳ですと、待つのも難しいときも多々あるかと思います。買い物や外食が、親子一緒に必ず行かなければならないものなのか、お子さん・親御さんに負担がかかるものではないかを振り返ってみましょう。声かけなど工夫しても、お子さんが落ち着かず、対応について困る場合には、幼稚園・保育園の先生、保健センター、かかりつけ医、地域の発達支援センターなどに相談すると良いでしょう。Upload By 発達障害のキホン多動にまつわるコラムコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年07月03日わが家の3人の子どもたちをご紹介!Upload By 安田ふくこはじめまして。3人の男子&夫と暮らしてます、安田ふくこです。これまで、ブログやSNSで子どもたちの発達のことや日々の様子を記録していましたが、これから発達ナビでも、過去や現在のことをコラムで書けたらと思っています。まずは、わが家の子どもたちをご紹介します!・長男ハル(高校1年生、ASD・ADHDの診断)・次男ツトム(小学6年生、ADHD・ASDの診断)・三男ケイ(小学3年生、診断なし)長男ハルが診断を受けたのは、小学4年生のときです。赤ちゃんのころは、よく笑って泣いて、とても表情豊かな子どもでした!幼少期はとにかく多動!!私はハルを連れては日用品の買い物もまともにできず、早々に宅配サービスの利用に切り替えました…。言葉は2歳半くらいから発達してきましたが、しゃべる内容が分かりづらく、おっとりマイペースでコチラの話もあまり伝わらない…意思の疎通にとっても苦労した記憶があります。でも、基本は人との争いが非常にニガテな、とても優しい男の子でした。中学時代はバスケ部に所属しました(原則運動部に所属しなければならない中学でした)。でも、その「人と競い合うことがニガテ」なところは変わらず…。たくさんのことに葛藤していましたが、引退まで頑張り抜きました。今でも日課としていた4kmのジョギングや筋トレを、毎日欠かさずやっております。高校1年生の現在は、とにかく自分のルーティンがハッキリしていてそれを崩されるのがイヤみたいです!前述したジョギングや筋トレの時間をはじめ、自分で決めた勉強の時間、通学ルートなど…。環境が変わったり、予定外なことに遭遇したり、変更を要求されるとプチパニックに…(汗)。よく言えば自分が決めたことを貫くってことですが、『ときと場合』や『周囲との折り合い』についても、もうそろそろ考えられるようになると良いなと思います!一方、小学6年生の次男ツトムは、年長さんのころに診断を受けました。小さなころから現在に至るまでとにかく興味のあることが多く、ハマるとそれしか見えなくなる!呼びかけの声もほとんど聞こえなくなってしまいます。小学生になったころからずっと今も、ツトムがハマっているのは自然(虫、植物など)に関することや、宇宙、地理、国名、鉱石、菌など、種類もさまざま!親の私も分からないことだらけで…質問に答えられないこともしばしばです。それから兄ハルを上回るほどに、ゲームも大好きなので、ゲームやりたさに急いで走って帰ってきてコケてしまったり、ゲームの世界が始まれば、周囲の声かけが聞こえなくなったり…。時間を守れずに、パパに叱られることもよくあります。高学年となり、今はずいぶん切り替えられるようにもなってきましたが、どうしても頭の中は好きなことが占めるので、それ以外をするのが苦痛でたまりません。なので『集団行動』が基本の学校という場所で、よくツラくなってるなと思うことが多くありました…。Upload By 安田ふくこ発達障害のある長男と次男。診断名は同じでも、特性の現れ方は全く違っていて・・・長男ハルと次男ツトムは2人とも、「自閉スペクトラム症(ASD)とADHD」と診断名こそ同じですが、母の私からみていても、おもてに現れる特性が大分違います!それについて私自身も、興味を持ってみております。医学的なことは素人なのでよく分からないのですが、母親の私の視点からみていると、長男はどちらかといえば「ASD」、次男は「ADHD」っ気が強いんじゃないかな?と思っています。(以前、子どもたちの主治医に、ASDとADHDの特性の違いについてたずねたことがあるのですが、あまり詳しい説明を聞くことはできず。わが家の子どもたちに見られる特性が、ASDとADHDのどちらに由来するものなのかは、よく分からないままとなっています…。)Upload By 安田ふくこ今後のコラムで、ハルやツトムの幼少期に現れていた発達の特性、私が日々子どもたちに接している中で感じること、また反抗期ならではの困りごとなども書いていけたらと思います。大きくなっても騒がし…いやにぎやかな毎日ですが…みなさんどうぞよろしくお願いいたします!執筆/安田ふくこ(監修:新美先生より)安田さんはじめまして。個性豊かなごきょうだいのご紹介を読ませていただき、これからのコラムが楽しみになりました。息子さんたちは、それぞれに「自閉スペクトラム症とADHD」という同じ2つの診断名がでているけれど、それぞれおもてに出ている特性が異なっているのですね。これはとてもよくあることで、そもそも「自閉スペクトラム症」という1つの同じ診断名でさえ、特性の現れ方はさまざまです。また自閉スペクトラム症とADHDが合併していることも多いのですが、こだわりが強いと言われる自閉スペクトラム症とこだわらない・引きずらないことが1つの特徴でもあるADHDという一見真逆にも思われる特性が1人の中に共存しているのですから、特性の現れ方は人それぞれ多彩です。また年齢によって前面に目立ってくる特性が変化していくこともよくあります。安田さんの今回の記事からは、確かに長男さんの「自分の決めたことを貫く」というのはどちらかというと自閉的、次男さんの「興味が多彩」というところはADHD的に見えるところかもしれません。自閉特性なのかADHD特性なのかということは、考えているとけっこう面白くて話のネタにもなりますが、いろんな要素が影響することで一概には言いにくいところもあり、いずれにしてもご本人を理解する考え方の切り口の一つにしていくとよいかとは思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月26日みなさんは、「起立性調節障害」という言葉を聞いたことはありますか?大正製薬のホームページによると、10~16歳の思春期の子どもに多く、倦怠感や立ちくらみなどの症状が午前中に強く見られますが、午後には軽減するため「怠けている」と周囲から思われてしまうこともあるようです。そこで今回は、累計再生数4,000万回突破したMOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画「ある日、私は学校に行けなくなった。」をご紹介します。※再生回数は2023年6月22日時点の情報です。朝、体が重く感じ……読者の感想『本当に学校に行くのが辛い時は引きずられてでもつれていかされてたな。味方してくれるお母さんは大切にして』『私の友達もそうでした。学校に行きたくても行けなくて、自分を責めちゃってうつ病にもなってました。毎日電話して、友達は泣いてて、私も辛くなって泣いた時もありました。今は学校に行けてます。どうか、理解してくれる人々が増えますように。』当事者や周囲にいた人からの様々な体験談をいただきました。身内から理解を得ることが一番の支えになるかもしれませんね。無理せず……病名が出ていない段階でもからだに不調が出ているのであれば、休むことを優先しましょう。状態だけをみると”怠けている”と捉えてしまうかもしれないですが、本人にしかわからない辛さがることを理解することが大切かもしれませんね。※こちらの記事・漫画はあくまで一例として、それについて考えるきっかけ作りになればと思います。■作画:ちり(MOREDOOR編集部)
2023年06月23日「仕事しないで家にずっといればいい」そう言われても…。親なきあと、私はどうなるの?私は、幼いころから衝動性が強い子どもでした。ですが当時は発達障害についての社会の理解が低かったこと、また両親も私のそんな特性に気づかなかったこともあり、ADHDの診断を受けることはありませんでした。短大を卒業し就職しましたが、仕事自体はできても環境になじめずにすぐに辞めて…を繰り返すようになりました。「なんでうまくいかないんだろう」「私ってダメなのかな」と感じる場面は日に日に増えていき、そんな中私は「こんなにうまくいかないのには、何か理由があるのかもしれない」と感じるようになりました。そんな私に同居している両親は、「仕事なんてしないで家にずっといればいい。体調が悪ければ家で寝ていればいい」と言います。ですが、そんなことを言われても、親がいなくなったら私はどうなるの?という焦り、不安、心配に押しつぶされそうな毎日でした。私は、自立をするためには働かなければならないと決意しました。「病院で診断を受け、精神障害者保健福祉手帳を取得、その後就労移行支援を受けて就業する」という目標を立て、行動を始めたのです。Upload By ユーザー体験談自分の人生を生きたい!でも、手帳取得、就労移行支援に大反対する両親私は精神科を受診し、ついにADHDの診断を受けました。そして、精神障害者保健福祉手帳を申請する段階となったときに、そのことを両親に伝えました。ところが、両親は手帳取得も就労移行支援事業所に通うことにも大反対!しかもADHDの診断も認めない!と言うのです。「おまえは障害者じゃない。精神科に通うのはやめてくれ」「手帳を取るのも自分たちがなくなってからにしてくれ。おまえくらい養うから」その言葉は、到底受け入れられるものではありませんでした。私は仕事をしたい!何より自分の人生を生きたい!人生で初めて、親に対して抵抗をしました。Upload By ユーザー体験談私に障害があると認めたくない両親に、私は手帳を取るために必死にプレゼンをしました。発達障害、特性、生きづらさについて、そしてこれらにどのような支援があるか、資料を広げて詳しく説明をしました。すると、資料を見ていた父が突然、父自身に自閉スペクトラム症の特性があるかもしれないと、つぶやいたのです。そして後日、私の精神科の受診に父も同行することになりました。話を聞いてくれた主治医は、「お父さんには自閉スペクトラム症の特性がありますね」と言いました。昔から父は、ほかの人に何か言われても全く気にしないタイプでした。私は、父にもやっぱり特性があるんだと、改めて感じました。私の手帳取得に反対するのも、この特性がかかわっているのかもしれないとも…。その後、双極性感情障害の診断も受け精神障害者保健福祉手帳を取得した私は、グループホームを検討したいと思うようになりました。そこで、主治医に意見書を書いてもらう機会があったのですが、そこには『父親に自閉スペクトラム症の特性あり。父親による決めつけなどの精神的負荷が大きく、早く別居してグループホームに入居した方がよい』と書かれていました。父はこの意見書を読み、さすがに思うところがあったようで、その後は私の障害ややることについて過度に干渉することはなくなりました。Upload By ユーザー体験談自分の人生を大切にしていきたい。いつかグループホームを検討しています昨年、家のルールについて父と対立し、「出ていけ!」と言われたためウィークリーマンションを借りて一時別居した時期がありました。その生活のなんて快適なこと!ストレスの原因は、過干渉な両親だったんだな…とつくづく感じる結果になりました。その後、高齢の両親が心配になり実家に戻ったのですが、同じ敷地内でも住む建物を別にしたので、両親との距離を取りながらなんとか暮らしています。私は、企業に勤めています。就労移行支援事業所に2年通い、就職することができました。リモートワークができる会社なので、在宅で仕事をしているのですが、その仕事時間中にも両親が私の部屋へ来ることがあり困っていました。「◎◎を買ってきて」など、業務中にできないお願いをしてくるので、やめて欲しいと何回も注意したら、最近ようやく来なくなりました。一度、ウィークリーマンションを借りて別居したことも、よいきっかけになったのかもしれません。今後は両親とよい距離感をたもちつつ、将来はグループホームを検討して、自分の人生を大切にして暮らしていきたいと思っています。Upload By ユーザー体験談イラスト/吉田いらこエピソード参考/はっちゃん(監修:鈴木先生)神経発達症(発達障がい)に対する社会の無理解やSNSによる情報が広まったことで「診断を受けないまま大人になってしまった神経発達症」の方の受診が増えています。障がいを認めたくない親御さんの元で育ったため、まだ診断のついていない方が藁をもつかむ心境で相談に来られています。たとえ母親と受診したとしても、特性の強い父親などは外来へは一緒に来ない場合も多いです。子どもの障がいを認めたくないのと、自分の特性についてとやかく言われたくないからだと思います。お子さんに対する投薬や部活などに関しても反対するケースが多くみられます。精神障害者保健福祉手帳は取得することで、さまざまな補助が得られます。私のクリニックでは、主にマル福(医療福祉費支給制度)(※)が過ぎた18歳以上の方に書いています。診断名はASD+ADHDで書くことが多いです。手帳は「障害」ですが、ご本人には「ASDは特性、ADHDは慢性疾患」だとお伝えしています。(※)茨城県において、小児・妊産婦・ひとり親家庭・重度心身障害者などの医療福祉受給対 象者の方が、医療保険で病院などにかかった場合の一部負担金相当額を公費で助成し、医療費の負担を軽減 する制度コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月22日通常学級入学し1ヶ月で登校渋りが始まった長男長男は、3歳で自閉症、小学校1年生でADHD、LD(学習障害)の診断を受けていますが、おとなしくて、周囲の大人を困らせるような行動もない長男は、小学校入学時は通常学級と判定されました。実は長男は年長になってもひらがなを覚えられず、入学前から療育に相談をしていました。ですが、学習障害があるのかは小学校に入学してからではないと判断できないと言われ、様子見状態だったのです。そして入学後、案の定、ひらがなの読み書きでつまずいてしまいました。授業についていけない長男に、隣の席の女の子が勉強を教えてくれたそうなのですが、長男は女の子の言い方がきついと感じたようで、学校に行くのを嫌がるようになり、入学1ヶ月で登校渋りが始まってしまいました。Upload By ユーザー体験談このままではいけないと、相談支援専門員さんに相談し、学校で放課後等デイの先生も参加したケース会議を開いてもらいました。その場で「長男を通級指導教室(※)に通わせたいです」とお願いしたところ、1年生の夏から週1回、通級指導教室に通えることになりました。ほかにも、クラスでは席替えをして席を前の方にしてもらう、近くの席は穏やかな性格のクラスメイトしてもらうなど配慮してもらいました。さらに、ひらがなについては、当時利用していた療育施設でも見てもらえることになり、この結果、登校への拒否感も軽減されて、毎日教室で過ごせるようになっていきました。しかし、その後も友だちからきつい言い方をされて落ち込んだり、宿題が分からないと怒ってやらなかったりなど、問題がないわけではありませんでした。※通級指導教室とは、小・中学校に通う比較的障害の程度が軽い子どもが、通常の学級に在籍しながらその子ども一人ひとりの障害特性に合った「通級による指導」を受けるための教室です。週に何時間かある通級による指導の時間、通級指導教室に移動して、それぞれの困りごとや課題に合わせた支援・指導を受けます。通級指導教室は拠点校に設置されているため、在籍する学校に設置がない場合は拠点校まで出向く必要があります。東京都など一部の地域では、公立小・中学校の「特別支援教室」で一部の時間、在籍校内の別の教室で指導を受けることができます。通級指導教室と違う部分としては、対象の児童・生徒が在籍する学校に専門の職員が巡回してきますので、特別支援教室では子どもたちが普段通っている学校で自立活動による指導を受けられます。参考:通級による指導の現状|文部科学省参考:小学校における特別支援教室の導入 ガイドライン(改定版)|東京都教育委員会参考:東京都の発達障害教育|東京都教育委員会特別支援学級に入学時から通う次男は順調に成長。長男にも特別支援学級がいい?わが家には、長男とは2学年差で現在小学3年生の次男がいます。次男は5歳で自閉スペクトラム症と診断され、小学校では特別支援学級へ通うことになりました。次男はマイペースなので、もし通常学級に行くことになっていたら、周りの流れについていけずつらい思いをしていたと思うので、この進路が合っていたと思っています。次男は、少人数の環境の中で、少しずつ自分で考えて行動できるようになっていきました。負けるのが嫌で、保育園では運動会も参加できませんでしたが、いつの間にか、勝ち負けのある遊びにも参加できるようになり、成長を感じています。特別支援学級だからこそ、できた成長だと思います。もともと私は、長男も特別支援学級に行ったほうがいいのではないかとずっと思っていました。小学校に入学した次男の様子を見て、その思いは強くなっていきました。そこで、当時3年生だった長男に、特別支援学級に転籍してみてはどうか?と勧めてみました。ですが、「このまま通常学級がいい」とのこと。それならばと本人の希望を優先することにしました。ただ、もう限界なのでは?という出来事が、4年生になって起こりました。Upload By ユーザー体験談授業参観で見た長男の表情。教室にいることが「とてもつらい」ことを理解した母4年生になった長男は、難しくなった算数の学習でつまずきました。さらに追い打ちをかけるように、仲の良かった友だちとトラブルが起こり関係が悪化、これがきっかけで不登校になってしまいました。4年生のクラスは、きっちりした乱れのないようなクラスだったようで、誰かが何かトラブルを起こしたり、統率を乱すような行動をすると目立ってしまいました。そのような環境の中、うまくいかない出来事が続き、長男は「自分はダメなんだ…」という思いを募らせてしまったのかもしれません。最初、長男が「学校に行きたくない」と言ったとき、私は行ってしまえば何とかなると、無理やり連れて行ってしまいました。家では毎日「自分はなにをやってもダメだ」と言う長男。ただ、私も夫も仕事を休み続けるわけにはいかず、自傷行為や刃物持ち出しなどもある長男を一人で留守番させられないと、とにかく一人にさせないための居場所探しに躍起になっていたのもあります。適応指導教室やフリースクールについても調べましたが、結局学校の「相談室」(教室に入ることが難しい子どもがいることができる教室)へ登校して自習したり、通級指導教室に行っては早退して放課後等デイサービスに行くという日が1ヶ月ほど続きました。そして5月になったころ、授業参観がありました。長男はその時間だけ相談室ではなく教室に行くことになったのですが、教室で授業を受ける長男の表情を見て愕然としました。ここにいることがとてもつらいのだと、ようやく理解できました。それくらい絶望感に満ちたひどい表情だったのです。私は何も分かってなかったのだと痛感しました。Upload By ユーザー体験談私は再び長男に特別支援学級を勧めてみました。今までは拒否してきた長男でしたが、次男に学校での様子を聞いて楽しそうと思うこともあったようです。試しに行ってみると自分で考えて、転籍を決めました。長男が自分で考えて、自分の意志で選んだことを嬉しく思いました。さっそく担任の先生に特別支援学級へ行かせたいと伝えたのですが、年度中の移籍はイレギュラーな対応になり、学校側でも通常学級と特別支援学級の連携がうまくいっていないようでなかなか話が進みません。そこで、特別支援学級在籍の次男の担任の先生からアプローチしてもらったり、放課後等デイサービスの先生が間に入ってくれたおかげで、なんとか年度中での移籍への流れができたように思います。長男は夏休み前ごろから特別支援学級で過ごすようになり、最初は早退することもありましたが、だんだんと1日授業を受けられるようになってきました。そして正式に手続きを踏んで、10月から特別支援学級に入級することができました。特別支援学級で登校できるようになり、表情も良くなってきました特別支援学級に入った長男は、最初はこれまでのクラスとの違いに戸惑ったそうです。ですが、失敗したりトラブルがあっても、授業中に静かにできないことがあっても大丈夫なんだ、受け入れてもらえるのだと感じられたことから、少しずつ前向きになっていったように思います。特別支援学級には次男がいたり、放課後等デイサービスで一緒の友だちがいたりと、顔見知りのみんなが温かく迎えてくれたのも良かったと思います。いろいろあった長男、今ももちろんすべてが順調というわけではありませんが、本当にたくさんの方に支えられて、特別支援学級で頑張っています。ずいぶん落ち着いていますが、やはり自己肯定感の低さはあり、心配なところです。これから思春期の難しい時期に入りますが、自分に自信を持てる環境で過ごせるよう、今後の進路を考えていきたいと思っています。次男は、長男がいたからこそ、幼少のころから支援に繋がることができたと思います。このまままっすぐ育ってほしいです。Upload By ユーザー体験談長男のような、大人側があまり困ることがないようなおとなしい子どもは、入学時に通常学級判定になりがちなのではないか、と感じています。ただ、通常学級で一度深く傷ついてしまうと、その後の成長に強く影響を及ぼしてしまのかもしれないと長男の経験を通して感じました。最近は笑顔も増えた長男ですが、最初から特別支援学級に入っていれば良かったのでは…と今も後悔をしてしまうことがあります。イラスト/星河ばよ※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせて頂きます。(監修:初川先生より)長男くんの通常学級での入学、登校渋り、通級指導教室の利用、学年が上がってからの苦戦、そして特別支援学級への移籍という一連の流れのシェアをありがとうございます。入学前の就学相談にて通常学級判定が出た、ということでしょうか。初就学時(小学校入学前)の就学相談では、知的な遅れの度合いの把握や行動観察、保護者からの聞き取りや園の先生からの聞き取りなどをふまえて、総合的に判断をします。基本的には、知的な遅れのあるなしによって、「通常学級または特別支援教室/通級利用」か、「特別支援学級」(いわゆる固定級)かの判断が大きく決まります。遅れのない場合に、その他の課題(行動面や注意集中の持続など)をふまえて、特別支援教室/通級の利用を勧めるかどうかについても判断がなされるイメージです。長男くんに関してはおそらく知的な遅れがなかったことで、通常学級判定になった(そして行動面にも大きな問題がないように判断された)のかなと感じます。このあたりについて、例えば就学相談への補助資料として療育機関や相談機関から情報提供書を出していただいたり、園の先生とも事前によく面談して就学先の希望があれば伝えていただいたりといった工夫はできるかもしれません。また、就学相談の判定結果は強制力のないものですので、それをふまえてどう判断するかは最終的には本人や保護者の意志で決めるものになります。入学してみないと分からないこと(集団の中で学習を積むことがどのくらいできるか、学習そのものでどのくらいのつまずきが見られるか)はたくさんありますし、また、学年が上がるにつれて学習の進度が飛躍的に速くなっていくため、低学年時では大丈夫だったことも中学年高学年となるにつれつらくなることもあります。そういう意味では、例えば“一度通常学級と決めたのだから卒業までずっと!”のように6年間をひとまとめにして考えてしまうとお子さんが苦しくなる場合があります。この長男くんの保護者さんのように、お子さんの様子を見て、都度先生方や関係する方にご相談され、よき環境について考えていくことはお子さんの学習面のみならず、精神面(こちらのエピソードでは自己肯定感について触れられていますが、まさにそうしたことなど)にもとても重要なこととなります。クラスのメンバーや担任の先生の方針などによってもクラスの雰囲気や居心地は変わります。通常学級や特別支援学級というくくりで検討するだけではなく、現在在籍するクラスの中でお子さんがどう過ごしているかをまずご覧になるのも大切なことです(この保護者の方は授業参観でつらそうな姿をご覧になったとのことでしたね)。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月16日5歳発達障害グレーゾーンの息子の特性Upload By ネコ山現在5歳5ヶ月の息子はADHD+ASDの傾向があり、児童精神科医による診断ではグレーゾーンとの結果でした。からだの多動は小さいころと比べてだいぶ落ち着きましたが、5歳の現在は脳内が多動なようで、思いついたり目についたことを片っ端からやりはじめてしまうところがあります。時間感覚がうとく切り替えも苦手なので、周りの大人は「早くしなさい!」「いつまでやってんの!」を、ついつい連呼してしまいます…。Upload By ネコ山私も怒りたくないし、息子もきっと毎日怒られたくはないでしょうから、何かうまい対応策がないものかと日々、模索しています。息子も含めて、発達障害のグレーゾーンと言われる人たちは、「普通」と言われる社会で生きている方も多いと思います。「変わっている」と思われがちな、発達特性のある人たちも生きやすく、多様性を認め合えるような社会になってほしいと、当事者の母として願っています。3歳は多動と癇癪、4歳は聴覚過敏とこだわり…グレーゾーン息子の困りごと3歳ごろまでは多動と癇癪がいちばんの悩みごとでした。すぐにどこかに走って行ってしまうので、事故にならないか常に神経を尖らせながら息子に向き合っていました。また、思い通りにいかないときや思いが伝わらないときに激しい癇癪が起き、私も息子も大泣き…なんてことも。Upload By ネコ山4歳ごろからは聴覚過敏やこだわりがとても激しかったです。特に聴覚過敏には悩みました。息子は幼稚園の園内放送で流れる音楽や大きな声、それに園児が一斉にワー!となる音がつらくて、一時期は通園もできなくなるほどでした。このころ息子は、物事の順序やタイミングなど自分なりのこだわりが強い時期で、先生に注意されることが多かったのだと思います。幼稚園は集団生活なので、注意されたり自分だけのやりたいことができないのは仕方がないことです。息子も自分の気持ちと折り合いをつけて集団生活をやっていかなくてはいけませんが、このころはまだうまくできませんでした。そんなストレスによって聴覚過敏が強く出ていた時期なので、療育に通いはじめ自分の気持ちに折り合いをつけられるようになったり、幼稚園では登園時間を遅くずらすなどの配慮をしてもらいストレスが緩和された今は、音の悩みも少なくなっています。また自分のルールを乱されると大変怒り、幼稚園での友達づき合いも苦労しているようでした。伝えたい思いが言葉に出てこず、手が出ることも…。息子の特技・好きなこと特技はお絵描きです。3歳まではクレヨンを渡しても食べてしまったり、電車ごっこに使ってろくに描画らしいことはしませんでしたが、3歳半から目で見た自分の好きな物や風景を描くようになりました。物の形を正確にとらえる力があるなと感じています。Upload By ネコ山好きなことはブロックと工作です。おもちゃを与えてもすぐにバラバラに分解してしまう(つまり壊す)息子。しっかりとした作りのおもちゃでなければ、息子の手にかかれば3日以内に分解完了です。そんなに分解したいのなら、ブロックを組み立ててあげて渡せば永遠に分解できるし、親的にもダメージがないのでは⁉ということで、3歳過ぎに大きめのブロックをプレゼントしました。どハマりした息子でしたが、そのうち「踏切のバッテンが作れない」と怒りはじめました。大きめのブロックだと大雑把なデザインしか作れないので、もっと本物の踏切に近いものを求めていたようです。完璧主義の片鱗が見えます。ちょっと早いかなと思いつつ、4歳で某有名ブロックをプレゼントしました。その日から大好きなブロックをいじらない日はありません。家族紹介Upload By ネコ山わが家は4人+猫の家族です。妹は3歳で幼稚園の年少さんです。泣き虫で甘えん坊ですが、かなりのしっかり者で気が利く子です。あまりにもしっかりしているので、兄である息子はプライドを傷つけられることもしばしば…。夫は子育てには協力的で子煩悩です。夫も子どものころは息子と似た傾向があったそうで、学生時代は苦労した経験もあるのだとか。キジトラの猫を飼っています。娘のことは大好きですが息子のことは苦手なようです。私ネコ山は忘れ物が多くいつも時間ギリギリ、ゴミの日にゴミ出しできる人を尊敬しています。良いところと特技だけを伸ばして生きてきました!孤独だったグレーゾーン息子の育児。同じ境遇の人に寄り添うコラムを届けたいUpload By ネコ山息子の育児は孤独でした。まわりに「うちもよ~」とか「男の子だからね~」と言われても「なんかそういうレベルと違うんだよな…」とモヤモヤした日々のこと、息子の特性と向き合いつつグレーゾーンだからこそ 迷う支援のあり方など、答えを出したりアドバイスしたりはできませんが、同じ境遇の保護者の方に寄り添うコラムをお届けできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします!執筆/ネコ山(監修:新美先生)ネコ山さん、はじめまして。多動でお絵かきが得意、工作とブロックが好きな息子さん、とっても魅力的ですね。多動=好奇心とエネルギーに満ちているということなので、親としては危なっかしくて目が離せない一方で、想像を超えてくるエピソード満載で毎日飽きないですよね。周りのママ友とはレベルが違って話が合わないけど、息子さんの大変ながら魅力的な日常を誰かと共有したいというネコ山さんのポジティブな思いが伝わってきて、これからの記事がとっても楽しみです。よろしくお願いいたします。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月14日学習障害・限局性学習症(LD・SLD)とは?学習障害・限局性学習症(LD・SLD)は、学習において困難さがみられる発達障害の一つです。学校教育が始まる就学期になって診断されることがほとんどですが、就学前の段階で言語の遅れや数えることの困難、書くことに必要である微細運動の困難などがあることでその兆候に気づかれることもあります。主な特徴・症状として・読むことやその内容を理解することの困難さ(読字障害/ディスレクシア)・書くことの困難さ(書字表出障害/ディスグラフィア)・数の理解や計算をすることの困難さなど(算数障害/ディスカリキュリア)の3つに分けることができます。医学的な診断基準とされるDSMでは「学習障害(LD)」とされていましたが、最新版のDSM-5では、名称が変更され、現在は「限局性学習障害/限局性学習症(SLD(Specific Learning Disorders))」と定義されています。限局性学習障害の症状は医学的には「読み」「書き」「計算」の3つの困難さと定義されていますが、文部科学省では知的発達に遅れがないものの「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力の習得・使用に著しい困難を示す発達障害のことと定義されています。参考:学習障害(限局性学習症)|e-ヘルスネット参考:学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)及び高機能自閉症について|文部科学省学習障害・限局性学習症(LD・SLD)の原因は中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されています。しかし、全般的な知的発達に問題はなく、その他視覚障害、聴覚障害、情緒障害などや環境的な要因が直接的な原因ではありません。保護者の育て方や勉強の教え方などで子どもが学習障害・限局性学習症(LD・SLD)になることなどもありません。読むことやその内容を理解することの困難さ、書くことの困難さ、数の理解や計算をすることの困難さなどの、学習における困難さが、知的障害(知的発達症)によるものでないこと、経済的・環境的な要因によるものでないこと、神経疾患や視覚・聴覚の障害によるものではないこと、学習における面のみでの困難であること、という場合に限り診断されます。現在、学習障害・限局性学習症(LD・SLD)の根本的な治療法はありませんが、環境調整や療育などにより困難さが軽減されることがありますので、一人ひとりの症状や特性に応じた対処法が必要です。また、併存症としてADHD(注意欠如・多動症)や自閉スペクトラム症(ASD)を伴う場合も多く見られます。それらの要因を考慮した学習支援が必要となり、家庭・学校・医療関係者の連携が重要となります。学習障害・限局性学習症(LD・SLD)タイプ別特徴チェックリスト、支援方法、接し方など学習障害・限局性学習症(LD・SLD)は読字障害(ディスレクシア)、書字障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア)の3つに分けられます。それぞれの症状には個人差があります。読字障害(ディスレクシア)とは、文字を「読む」ことに困難がある状態のことを指します。読字障害、識字障害、読み書き障害、難読症などと呼ばれることもあります。文章を正確に読むことが難しい、すらすら読むことが難しい、読むことができても内容を理解することが難しいなどの困難を抱えることがあります。書字障害(ディスグラフィア)とは、文字を「書く」ことに困難がある状態のことを指します。文字をマスや行から大きくはみ出して書いたり、鏡文字になってしまうなどの症状が見られることがあります。算数障害(ディスカリキュリア)とは、算数や数式など「数字に関する能力」に困難がある状態のことを指します。数字や数式の扱いや、考えて答えにたどり着く推論が苦手などの症状が見られることがあります。数字に関する能力にのみ障害がある人が多いため、算数の学習を始めてから発見される場合が多いと言われています。学習障害・限局性学習症(LD・SLD)のある子ども一人ひとりの特性に応じて、UDフォント(Universal Design Font:ユニバーサルデザインフォント )や音声ツールの使用、使いやすい文房具の工夫、ICTの活用など、さまざまな支援方法があります。学習障害・限局性学習症(LD・SLD)のある子どもは知的発達に遅れがないため、自分自身に障害があると認識するのに時間がかかることがあります。また、本人の「できるようになりたいのにできない」という気持ちはとてもデリケートです。何気なくかけた言葉や行動が本人を傷つけてしまう場合もあるので、接し方には注意が必要です。学習障害・限局性学習症(LD・SLD)と併存しやすい症状学習障害・限局性学習症(LD・SLD)に多い併存症としてADHD(注意欠如・多動症)や自閉スペクトラム症(ASD)が挙げられます。ADHD(注意欠如・多動症)は、話を集中して聞けない、作業が不正確、なくしものが多いといった「不注意」、体を絶えず動かす、離席する、おしゃべり、順番を待てないなどの「多動性」「衝動性」の特性があり、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。自閉スペクトラム症(ASD)は、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られ、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。知的障害(知的発達症)を伴うこともあります。学習障害・限局性学習症(LD・SLD)のある子どもとの生活の様子は?特選連載コラム学習障害・限局性学習症のあるお子さんをもつ発達ナビの連載ライターさんのコラムを厳選してご紹介。「あるある」と共感したり、今の悩みを解決するヒントが見つかるかも…?大人の学習障害・限局性学習症(LD・SLD)関連コラム発達障害に関する情報が広く知られるようになったことで、大人になってから学習障害・限局性学習症(LD・SLD)と診断される方も増えてきました。症状には個人差も大きいので、その人の特性に合った仕事を探すことが重要になってきます。そのほかの学習障害・限局性学習症(LD・SLD)関連コラム。マンガで学習障害を解説/ビジョントレーニングとの関係/関わり方ポイントなどコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月31日我が子のおしりに触りたいけど我慢……!子どもが大人になったときのことを考えて、誤った性への理解を持たないように注意してしまうことはありますか?性への理解が少しづつ深まっている昨今では、より気にする方も多いと思います。そこで今回は、累計再生数3,500万回突破したMOREDOORの大人気TikTokより、オリジナル漫画「我が子のお尻は好きだけど……」をご紹介します。※再生回数は2023年5月23日時点の情報です。我が子のおしりに……この漫画に読者からは……『ちっちゃい頃冗談でお母さんに嚙まれたことあったな』『「親は可愛がって私を触ってくれた」って思いながら大人になった時に「この人は私を大切、可愛がってくれてるんだ」と思って断れない人もいるのかな……』『うちはパパとママだけって教えてます!』など、さまざまな意見が!嫌と思った時の断り方の教育今回のように、各家庭の育児はそれぞれ個性があります。育児に正解はありませんが、親の愛がしっかりと伝わっているだけでも子どもは嬉しく感じると思います。みなさんはこの漫画、どう感じましたか?※あくまで1家庭の例になりますので、『こんなご家庭もあるんだ!』という参考程度にお読みくださいませ(MOREDOOR編集部)■作画:ちり
2023年05月23日