ライカカメラジャパンは、モノクロ撮影専用のレンズ交換式カメラ「ライカM モノクローム(Typ246)」と、Mシステム用の交換レンズ「ライカ ズミクロンM f2/35mm ASPH. ブラッククローム」「ライカ ズミルックスM f1.4/50mm ASPH. ブラッククローム」を5月29日に発売する。2015年4月に発表されたライカM モノクローム(Typ246)は、モノクロ撮影専用35mmフルサイズセンサー搭載のレンズ交換式カメラ。発表当初、5月下旬とされていた発売時期がこのたび正式に決定した。ボディのみの価格は税込1,134,000円だ。ライカ ズミクロンM f2/35mm ASPH. ブラッククロームと、ライカ ズミルックスM f1.4/50mm ASPH. ブラッククロームは、各500本限定で販売される、ブラッククローム仕上げの特別限定レンズ。発表当初は4月以降に発売するとされていた。価格はズミクロンM f2/35mm ASPH. ブラッククロームが669,600円、ズミルックスM f1.4/50mm ASPH. ブラッククロームが507,600円(いずれも税込)。
2015年05月22日独ライカカメラは5月22日(現地時間)、Mシステム用の交換レンズとして、大口径広角レンズ「ライカ ズミルックス M f1.4/28mm ASPH.」を発表した。発売は6月で、価格は税込810,000円。ライカ ズミルックス M f1.4/28mm ASPH.は、開放F値がF1.4と明るい焦点距離28mmの広角レンズ。レンズ構成は7群10枚。そのうち、7枚は異常部分分散ガラスを採用しており、色収差の補正を図っている。球面レンズと非球面レンズを採用したことで、本体サイズのコンパクト化も実現した。主な仕様は、焦点距離が28mm、最小絞りがF16。レンズ構成は7群10枚。画角は対角75度、水平65度、垂直46度。撮影距離範囲は0.7m~。最大撮影倍率が1:21.9。本体サイズは最大径が約61mm、長さが67mm(レンズフードなし)、重量は約440g。
2015年05月22日オリンパスは5月21日、「OLYMPUS OM-D E-M1&フォーサーズレンズ プレミアムキャンペーン」を開始した。対象製品を購入のうえ、ユーザー登録をした応募者に、もれなくバッテリーホルダーなどをプレゼントする。期間は8月21日まで。同社のミラーレスカメラ「OM-D」シリーズにおけるフラッグシップ機「OLYMPUS OM-D E-M1」、およびフォーサーズレンズ「ZUIKO DIGITAL LENS」を購入し、ユーザー登録をした後に応募した人が対象。OLYMPUS OM-D E-M1の購入者には専用のパワーバッテリーホルダー「HLD-7」、ZUIKO DIGITAL LENSの購入者にはフォーサーズ規格のレンズ群をマイクロフォーサーズ規格のボディに装着するのに使うマウントアダプター「MMF-3」をプレゼントする。対象製品は以下のとおり。■OLYMPUS OM-D E-M1シルバーボディ BCL-1580セットブラックボディ BCL-1580セットブラックボディ 12-40mmF2.8レンズキットブラックボディ 12-50mm EZレンズキット■ZUIKO DIGITAL LENSZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWDZUIKO DIGITAL ED 35-100mm F2.0ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 MacroZUIKO DIGITAL ED 150mm F2.0
2015年05月21日アルティマは、IoT/M2Mソリューションの実現に向け、「IoT/M2M向けメッシュネットワーク・ソリューション」の提供を開始したと発表した。同ソリューションでは、同社がこれまで技術商社として蓄えてきたノウハウとパートナーリレーションを活用することで、センサ端末からクラウドでの見える化までを一括で提案することを可能とする。具体的には、LAN側の信頼性面で、IEEE802.15.4e準拠の低消費電力2.4GHzメッシュネットワークとして、リニアテクノロジー(ダスト・ネットワークス)の「スマートメッシュ」Mote(子機)モジュールを採用。WAN側には同じくリニア(ダスト)の「スマートメッシュ」Manager(親機)モジュールとSierra Wirelessの3Gモジュール「SL8084T」を搭載したコアとの共同開発品「たんぽぽ ASURA」Dustモデルならびにコンピューテックス製M2M組込みCPU モジュール「CM-DUST」を採用。さらに、インターネットまたは、VPN接続へのモバイルネットワークには、NTTPCコミュニケーションズのMVNO回線を利用し、最終的にクラウドでのモニタリングには各通信機器に対応したプラットフォームを活用できる仕組みとしているという。なおアルティマでは、こうした環境を構築するにあたって、必要なデバイス/システムとともに、各種無線認証サポートをテュフラインランドジャパンと協業して行うほか、技術サポートまで含めたトータルソリューションとして提案していくとしている。
2015年05月19日カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は5月19日、Tカードがチケットになる「Tチケット」が、ホテルオークラ東京が7月23日に開催するイベント「Castel Discotheque」にて導入されることを発表した。「Tチケット」がホテルのイベントにて導入されることは、今回が初の取り組みとなる。「Tチケット」とは、Tカード番号が登録されたYahoo! JAPAN IDで専用サイトにログイン後、希望するイベントなどをオンライン上で予約・決済し、当日は、入場時に提示するTカードが入場チケット・IDとして認証されるサービス。2014年11月17日にリリースされ、東京都・新木場にて開催された「TSUTAYA presents カオスフェス2014 ~Tカードで全員入場だよ~」にて導入された実績をもつ。今回「Tチケット」を導入するイベント「Castel Discotheque」は、ホテルオークラ東京の本館建替え記念事業「This is Okura」300 Days Project イベントの一環として、70年代の伝説のPrivate Discotheque, Castel Tokyoを一夜限りで復活させるというもの。Tカードを保有する人は、5月20日よりパソコンやスマホ、タブレットから「Castel Discotheque」のTチケット購入サイトで前売り券を入手し、購入時に登録したTカードを入場の際に提示すると、そのままチケットとして入場することができる。また、同社は、TSUTAYAでクラブミュージックやジャズなどをレンタル・購入した人を対象に、同イベントの案内を配信するなどTカードユーザーへのプロモーションを実施することで、「Castel Discotheque」への来場促進を図る考えだ。
2015年05月19日NTTデータは5月18日、米DigitalGlobe社の衛星画像を活用した、2m解像度の高精細版3D地図の提供を開始すると発表した。同社はこれまでリモート・センシング技術センター(RESTEC)と2014年2月から、宇宙航空研究開発機構(以下:JAXA)と連携して、JAXAの陸域観測技術衛星「だいち(ALOS:エイロス)」によって撮影された約300万枚の衛星画像を用いた5m解像度の数値標高モデル(DEM)の「全世界デジタル3D地図提供サービス」を、1平方キロメートルあたり300-500円程度で提供してきた。すでに2015年3月末現在で全世界の約6割のエリアへをカバーし、来月には75%まで対応エリアを拡大する。衛星写真を利用した「全世界デジタル3D地図提供サービス」は、従来の航空写真を用いた手法と比べ、1/10のコスト、かつ最短1週間の短納期で精細な3D地図データが入手でき、既存の30m~90m解像度の世界3D地図から大幅に精度が向上したことから、特にアジアやアフリカをはじめとする新興国において、地図整備、防災対策、電力分野の発電計画、資源分野の鉱区探査、衛生分野における疫病の感染拡大の対策など、すでに世界34カ国、18の分野へ利用が広がり、需要が高まっているという。一方、都市部における都市計画や施設管理等の分野においては、これまでの5m解像度以上の高精細な地図データが必要とされることから、今回新たに2m解像度の高精細版の提供を開始することにした。2mの解像度高精細版3D地図は、米DigitalGlobe社の衛星画像を活用したもので、従来の5m解像度では再現が難しかった、「建築物」レベルの細かな起伏を表現することが可能だという。さらに数週間から1カ月前という、直近に撮影された衛星画像から、高精細かつ鮮度の高い3D地図の提供が可能となるため、地形と比べ変化の著しい、都市など特定エリアの都市計画分野や施設管理分野での詳細な3D地図の活用や、大規模災害等で発生した地形変化を反映したかたちでの3D地図データの更新が可能となる。3D地図は任意のエリア(最低25平方キロメートル~)に対し提供を行い、価格は1平方キロメートルあたり、11,000円~。発注から2-3週間で納品可能だという。今回NTTデータは、2m解像度高精細版3D地図提供開始にともない、3D地図製品ブランドとして「AW3D」を立上げ、"さらに使える3D地図"として全世界への提供を進めていくという。また、3D地図データを実際の立体模型として利用したいという、精密造形や各種設計、防災分野等におけるニーズに応えるため、3Dプリンタに利用可能な地図データについても提供を行う。データは3Dプリンタが直接読み込むことが可能なSTL(Standard Triangulated Language)ファイルフォーマットで3D地図データを提供。価格は3D地図の費用に加えて1ファイルあたり、50,000円~。両社では今回の追加サービスによって、世界各国における、さまざま需要に対応していくと同時に、新ブランドを展開していくことで、2015年度中に累計15億円の売り上げを目指す。
2015年05月18日NTTデータとリモート・センシング技術センター(RESTEC)は5月18日、衛星画像を活用した世界最高精度の「全世界デジタル3D地図提供サービス」に、2m解像度高精細版3D地図と3Dプリンタに利用可能な3D地図データ提供サービスを追加すると発表した。また、3D地図製品ブランドとして「AW3D」を立上げることを明かした。「全世界デジタル3D地図提供サービス」は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星「だいち」で撮影した約300万枚の衛星画像を用いた世界最高5m解像度の3D地図として、NTTデータとRESTECが2014年2月に提供を開始したもの。航空写真を用いた従来法に比べ低コスト・短納期で精細な3D地図データが入手でき、アジアやアフリカの新興国で地図整備や防災対策に活用されている。今回、2m解像度の高精細版の提供が開始されたことで、都市計画などの分野での利用も可能となった。また、オプションとして3D地図データを直接3Dプリンタへ読み込むことが可能なSTL形式での提供も開始する。価格は2m解像度高精細版3D地図が1km2あたり1万1000円~で、STL形式での提供は1ファイルあたり5万円~となっている。NTTデータは「今回の追加サービスによって、世界各国における、さまざま需要に対応していくと同時に、新ブランドを展開していくことで、2015年度中に、両社で累計15億円の売り上げを目指していきます」としている。
2015年05月18日インターネットイニシアティブ(IIJ)は5月13日、M2M専用のデータ通信サービス「IIJモバイルM2Mアクセスサービス」のラインアップに、KDDIのau 4G LTEエリアに対応した「タイプK」を追加したと発表した。IIJモバイルM2Mアクセスサービスは、M2M用途に特化したアクセス回線として、M2Mデバイス用のSIMカードを提供するモバイルデータ通信サービス。これまで同サービスでは、NTTドコモのLTE/3Gエリアに対応したアクセス回線として「タイプD」を提供してきたが、このたびラインアップに「タイプK」が加わり、アクセス回線の選択肢が広がることで、エリアや用途に応じて複数キャリアを補完的に利用することが可能となる。また、「タイプD」と「タイプK」のデータ通信量を合算してシェアすることで、回線コストを節約することができる。「タイプK」の通信エリアはau 4G LTE提供エリアで、SIMの種類はマイクロSIM/nanoSIM。SMS機能は標準提供となっており、国際ローミングは不可。連携サービスはIIJモバイル大規模プライベートゲートウェイサービスとIIJモバイルBiz+サービスとなっている。料金プラン(税別)は、通信可能な時間帯は「プランA」が22時~翌日6時まで、「プランB」が24時間、通信制限は「プランA」なし、「プランB」あり(上り下り最大200Kbps)、初期費用はいずれも3万円/契約、登録手数料はいずれも3000円/回線で、月額費用は「プランA」が300円/回線、「プランB」が460円/回線となっている。新たに追加された「インターネット接続オプション」では、インターネットへアクセス可能な共通アカウントを提供し、パブリッククラウド環境への通信を可能とする。本オプションは、「タイプD」、「タイプK」のどちらの回線でも利用可能だ。「インターネット接続オプション」では、インターネット接続時に付与されるアドレスがプライベートIPアドレス(NAT)、オプションの対象は1回線ごとに付与される。最低利用期間は1カ月で、対象プランはプランA(22時~翌日6時まで高速通信が可能)、プランB(24時間、下り最大200kbpsで継続通信が可能)。アカウントは共通アカウントで、国際ローミングは不可能。料金(税別)は、初期費用が0円、月額費用が200円/回線となっている。
2015年05月18日ディーアンドエムホールディングスは5月15日、デノンブランドのHi-Fiコンポーネント「D-M40」シリーズを発表した。CDレシーバー「RCD-M40」とスピーカーシステム「SC-M40」を用意する。発売は6月上旬で、希望小売価格はRCD-M40が42,800円、SC-M40が17,800円(いずれも税別)。○RCD-M40RCD-M40は、W210×D309×H115mmのコンパクトな筐体に、CDプレーヤーと30W×2の高出力アンプ、ワイドFM対応のFM/AMラジオチューナーを組み込んだCDレシーバー。入力端子としてアナログ音声×1、光デジタル音声×2、出力端子としてヘッドホン出力×1、サブウーファープリアウト×1を装備する。フロントパネルにはUSBポートを装備しており、USBメモリー内の音楽ファイルや、iPod / iPhoneのダイレクト再生に対応。対応しているファイル形式はWMA / MP3 / AAC / FLAC / WAV。接続したiPod / iPhoneの充電も行う。アンプの実用最大出力は30W×2(6Ω、1kHz、THD+N 10%)。電源ラインをより太く短くしたことや左右対称のチャンネルレイアウトなどによって、従来モデル「RCD-M39」に比べてノイズレベルを8dB低減。クリアなサウンドを実現している。また、アンプの特性をSC-M40に最適化するためのフィルターも搭載。フィルターはスイッチでオン・オフを切り替えられる。スピーカー出力用とは別に、独立したヘッドホンアンプも搭載。ヘッドホンアンプでは、電圧増幅段にオペアンプ、出力バッファーはディスクリート回路を採用した。幅広いインピーダンスに対応させるために、3段階のゲイン切り替え機能も持つ。サイズはW210×D309×H115mm、重量は4kg。消費電力は70W。○SC-M40SC-M40は、φ2.5cmソフトドームツィーターとφ12cmペーパーコーンウーファーを採用した2Wayバスレフ型のスピーカーシステム。再生周波数帯域は45Hz~40kHzで、インピーダンスは6Ω。出力音圧レベルは83dBで、最大許容入力は60Wだ。サイズはW145×D234×H238mm、質量は3.6kg。
2015年05月15日2015年4月28日に打ち上げられた無人補給船「プラグリェースM-27M」は、ロケットからの分離直後に原因不明の問題に襲われ、制御不能に陥った。プラグリェースM-27Mには国際宇宙ステーションに補給するための物資が搭載されていたが、復旧できずにドッキングを断念、そのまま高度を落とし、5月8日に地球の大気圏に再突入して消滅した。プラグリェースM-27Mは、いったいなぜ制御不能に陥ったのだろうか。この連載の第1回では、事故の簡単な経緯と、今後の影響について紹介した。第2回となる今回は、事故の経緯について、打ち上げ当日の出来事に絞り、もう少し詳しく見ていきたい。○問題発生プラグリェースM-27Mはモスクワ時間2015年4月28日10時9分(日本時間2015年4月28日16時9分、以下同)、サユース2.1aロケットに搭載され、カザフスタン共和国にあるバイカヌール宇宙基地の31/6発射台から離昇した。無事に打ち上げられたかに見えたプラグリェースM-27Mに、何らかの問題が起きたことがわかったのは、打ち上げから約9分後の、ロケットから分離された直後のことだった。プラグリェース補給船はロケットからの分離後、太陽電池パドルと展開式のアンテナを開くことになっており、またその結果は地上へ知らされることになっている。だが、送られてきたデータからは、太陽電池が開いたことは確認できたものの、クールスと呼ばれるシステムで使われる6基のアンテナのうち、2基の展開しか確認できなかった。クールスは国際宇宙ステーション(ISS)に自動で接近し、ドッキングを行うことができるシステムで、接近速度を測ったり、ISSとの相対角度を測ったりするために6基のアンテナを使う。これらのアンテナは打ち上げ時には折り畳まれており、ロケットから分離された後に開くようになっている。また一部のアンテナは、ISSとのドッキング前に収容されることにもなっている。当初プラグリェースM-27Mは、打ち上げから約6時間後にISSに到着する予定だったが、この問題が起きたことで延期され、2日間かかる飛行計画に変更された。実は過去にも、プラグリェース補給船や、またよく似た設計のサユース宇宙船で、アンテナが展開しないという問題が何度か起きていたが、あとになって展開に成功し、問題なくドッキングできたことがあった。また、アンテナのうちいくつかが展開していない状態でもドッキングする術がないわけではなかった。したがって、まだ絶望視するような状況ではないと思われた。NASAやロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)は、この時点ではまだ、問題さえ解決すれば4月30日には到着できるだろうという見通しを述べていた。だが実のところ、このときすでに、モスクワ郊外にあるミッション管制センター、通称ツープ(TsUP)は、より悪い状況に陥っていることを認識していた。プラグリェースM-27Mからのテレメトリー(宇宙機や搭載機器の状態を示す信号)は途切れ途切れにしか届いておらず、またプラグリェースM-27Mに搭載されているコンピューターがクラッシュしていることが確認された。さらに、センサーの数値から、2系統ある推進システムのうち一方の圧力が出ていないことも確認されていた。また、ツープに勤めている人物が後に明かしたところによると、このとき、プラグリェースM-27Mが乗っている軌道を測ったところ、地表から最も遠くなる地点(遠地点)が、計画より約40kmも高いことが判明していたという。事故への対処に当たっていた調査チームはこの時点で、サユース2.1aロケット側の問題を疑ったそうだが、ロケットを製造したRKTsプラグリェース社の職員は「ロケットの飛行は正常であり、測定の方が間違っている」と見解を述べ、その根拠となるデータも提示していたという。だが、プラグリェースM-27Mが軌道を2周した後になって態度を変え、そのデータは実際の測定値ではなく計画値であったことを認め、さらにテレメトリーが不足しており、補給船とロケットの分離すら、直接には確認できていないことも認めたという。11時30分(17時30分)には、軌道上の物体を追跡している米戦略軍(USSTRATCOM)・宇宙統合機能構成部隊(JFCC SPACE)・統合宇宙運用センター(JSpOC)は、プラグリェースM-27Mと、ロケットの第3段と思われる物体の軌道のデータを発表した。その数値は計画値とは大きく異なるものであった。これは観測初期に起こりがちな測定誤差であり、後に訂正されているが、その差に違いはあれど、計画値と異なる軌道に乗っていたことだけは確かだった。○回転していたプラグリェースM-27M打ち上げから約1時間半後の11時44分(17時44分)、プラグリェースM-27Mは地球を一周し、再びロシアの管制センターとの通信が可能な範囲に入った。だが、相変わらずテレメトリーは途切れがちで、地上からの指示も受け付けない状態だった。そのまま軌道2周目は終わり、3周目に入ってもそれは続いた。打ち上げから約6時間半後の14時44分(20時44分)、ロシアの地上局がプラグリェースM-27Mと通信できる4度目の機会が訪れた際、途切れがちのテレメトリーから、プラグリェースM-27Mのコンピューターがエラーを認識しており、また角速度センサーや姿勢制御システムが稼動していないことが確認された。さらに、何らかの理由で、推進剤が大量に減っていることも確認されている。さらに、船の搭載カメラが撮影した映像データを受信することにも成功した。だが、そこには地球と宇宙空間が目まぐるしく交互に映る様子が収められており、プラグリェースM-27Mがおよそ4秒で1回転という速度で回転していることが判明した。もちろん、プラグリェース補給船がこのような回転をすることは、通常ではありえないことだった。ツープはすぐさま、この回転を止めるための指令をプラグリェースM-27Mに送った。だが、その直後に地上と通信できる範囲から飛び去ってしまったため、回転が止まったかどうかがわかるのは、さらに地球をもう1周し、ロシアの地上局との通信ができる範囲に入ってくるのを待つ必要があった。16時17分(22時17分)、5度目となる通信の機会が訪れた。しかし、回転が止まったか否か以前に、プラグリェースM-27Mからの通信自体が途絶えていた。モスクワ時間で4月28日中に通信ができる機会はこれが最後で、次の機会は約11時間後まで待たねばならなかった。(続く)
2015年05月13日オリンパスは5月12日、ミラーレス一眼カメラ「OM-D E-M1」の新ファームウェア ver.3.1の概要を発表した。提供開始は6月の予定で、水中写真や星景写真の撮影に有用な機能を追加する。OM-D E-M1のファームウェア Ver.3.1における新機能は次の通り。水中撮影に特化したピクチャーモード「水中」を追加星景撮影を行いやすくする機能「LVブースト2」を追加新たなピクチャーモード「水中」では、水中でも絞りやシャッタースピードを操作した本格的な撮影を可能とする。また、水中写真向きの鮮やかな色彩とブルーを再現する。「LVブースト2」では、暗視性能を改善し、星空の下でもライブビュー画面で暗い被写体を確認できるようにする。同時に「OM-D E-M5 Mark II」向けにも、ピクチャーモード「水中」を追加した新ファームウェア ver1.2を提供する。OM-D E-M5 Mark IIは「LVブースト2」をすでに搭載済みだ。
2015年05月12日オリンパスは5月12日、マイクロフォーサーズ規格の超広角ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」を発表した。発売は6月下旬の予定で、希望小売価格は税別170,000円。「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」は、35mm判換算で14mm~28mm相当の画角をカバーする超広角ズームレンズ。ズーム全域で絞り開放値F2.8という明るさを持つ。最短撮影距離は20cm(レンズ先端から約7.5cm)で、最大撮影倍率は0.12倍(35mm判換算0.24倍)。高性能レンズシリーズ「M.ZUIKO PRO」に属する製品であり、防塵防滴設計を採用している。「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」の登場により、「M.ZUIKO PRO」レンズシリーズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」と合わせた3本がそろい、35mm判換算で超広角14mmから望遠300mmまでをF2.8通しでカバーするラインナップが整った。「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」のレンズ構成は11群14枚(EDAレンズ2枚、DSAレンズ1枚、非球面レンズ1枚、スーパーEDレンズ3枚、EDレンズ1枚、HRレンズ2枚)。絞り羽根は7枚で円形絞り。サイズはφ78.9x105.8mm、重量は534g。
2015年05月12日オリンパスは5月12日、マイクロフォーサーズ規格に準拠した魚眼レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」を発表した。発売は6月下旬で、希望小売価格は税別135,000円だ。M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROは、対角線画角180°の魚眼レンズとして世界初(オリンパス調べ)となる開放F1.8の明るさを実現したプロ向けレンズ。35mm判換算で16mmの画角に相当する。2015年2月に開発発表されたものが、このたび正式にリリースされた。開放絞り値がF1.8と明るく、手持ちで夜景や星空を撮影できるとしている。開放絞り時でも中心から周辺までシャープな描写を提供し、画面周辺での光量落ちも抑えた。レンズ構成は、非球面レンズ1枚とスーパーEDレンズ3枚、EDレンズ2枚、スーパーHRレンズ1枚、HRレンズ2枚からなる15群17枚。前玉にHRレンズを用いてレンズ径を抑え、大口径レンズながらも最大径φ62mm、315gの軽量コンパクトなボディを実現した。色収差やコマ収差も抑制。星空の星など点を点で写すスポット性能にも優れるとしている。6カ所のシーリングによる防塵防滴性能を持ち、マイナス10℃の耐低温性能も備える。最短撮影距離は12cmで、レンズ先端約2.5cmまで被写体に近づいて撮影可能だ。主な仕様は、焦点距離が8mm(35mm判換算で16mmの画角に相当)、開放絞りがF1.8、最小絞りがF22。絞り羽枚数は7枚(円形絞り)、画角は180°、最短撮影距離は0.12m、最大撮影倍率は0.20倍(35mm判換算で0.40倍)。本体サイズは最大径が62mm、全長が80mm、重量は315g。フロントキャップ「LC-62E」、リアキャップ「LR-2」、レンズケース「LSC-0811」が付属する。また、オリンパスは別売のオプションとして、防水レンズポート「PRO-EP02」、フォーカスギア「PPZR-EP10」、遮光リング「POSR-EP10」、リアキャップ「PRPC-EP02」、フロントカバー「PBC-EP02」も6月下旬に発売する。
2015年05月12日オリンパスは5月12日、「OM-D E-M5 Mark II Limited Edition Kit」を発表した。ミラーレス一眼カメラ「OM-D E-M5 Mark II」にチタニウムのボディカラーを採用した特別モデルだ。6月下旬に7,000セット限定で発売する。価格はオープンで、推定市場価格は税別170,000円前後だ。OM-D E-M5 Mark II Limited Edition Kitは、特別モデルの「OM-D E-M5 Mark II」と交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」、プレミアム本革ストラップ、オーナーズカード、プレミアム本革カードケースがセットになった限定キット。2015年2月の「CP+2015」で参考展示されていたチタンカラーのモデルが実際に発売されることになった形だ。セットのOM-D E-M5 Mark IIには、1994年に発売されたフィルムカメラ「OM-3Ti」をイメージしたチタニウムカラーを施している。付属するオーナーズカードには、限定キットであることを証明する通し番号と、OMシリーズの開発者である米谷美久氏のメッセージを記載。本革ストラップは、チタニウムカラーに合うよう、細やかに色合いを調合したものを採用している。
2015年05月12日富士フイルムは5月11日、ミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T1」と「FUJIFILM X-T1 Graphite Silver Edition」(以下、X-T1)の最新ファームウェアについて告知した。6月下旬から無料で提供開始する。今回発表された新ファームウェアは、X-T1のAF性能を一新する「新AFシステム」の搭載と、操作性の向上がメインとなっている。バージョンは4.00だ。新AFシステムでは、全77点のAFエリアを用いて動いている被写体を捉える「ゾーン」と「ワイド/トラッキング」を新たに搭載。「ゾーン」使用時は、全77点のAFエリアから任意の位置に3×3 / 5×3 / 5×5のゾーンエリアを設定可能だ。コンティニュアスAF(AF-C)と組み合わせることでゾーンエリアの中央で捉えた被写体に追従し続ける。「ワイド/トラッキング」使用時は、カメラが自動で被写体を判別。シングルAF(AF-S)と組み合わせるとAFエリアの中でピントが合ったエリアを表示する「ワイド」撮影、コンティニュアスAF(AF-C)と組み合わせると任意に選択した1点のフォーカスエリアで捉えた被写体を追従し続ける「トラッキング」撮影が可能だ。AF精度が改善されており、より高精度なピント合わせを行える。像面位相差AFの明るさ追従範囲は、従来の2.5EVから0.5EVまで拡大。より暗いシーンやコントラストの低い被写体でも、位相差AFによる高速な合焦が可能だ。人間の瞳を自動検出してピントを合わせる「瞳AF」も追加した。動画撮影時のAFは、アルゴリズムを最適化したことで、より自然でスムーズになった。そのほか、「オートマクロ」を新たに備え、被写体との距離に応じて自動でマクロモードに切り替え可能だ。操作性も向上させ、タイム撮影時にコマンドダイヤルを操作することでシャッタースピード全域(30秒~1/32,000秒)に変更可能になったほか、マニュアル露出かつISO感度オート設定時に露出補正ダイヤルから露出補正を行えるようになった。
2015年05月11日Mウォーク実行委員会は5月24日、「Mウォーク~三浦三崎ウォーキングフェスティバル~」を神奈川県三浦市にて開催する。「Mウォーク」は、ミシュラングリーンガイドで2つ星を獲得した神奈川県三浦市三崎の絶景ポイントを巡るウオーキングイベント。コースは5km・10km・20kmの3コースを設けており、年齢やレベルにあわせてコースを選択できる。5kmコースは犬の参加も可能。同イベントでは、北欧でクロスカントリースキー選手が夏場のトレーニングとして行っているエクササイズ「ノルディックウォーク」も体験できる。2本のポールを使ってランニングやウオーキングを行うノルディックウォークは、筋力アップやシェイプアップ、トレーニングに効果的とのこと。ノルディックポールのレンタルも行う。ノルディックウォークは、初心者でもインストラクターが指導するので安心して取り組める。そのほか、スタンドアップパドルボードの試乗会などのイベントも開催する。開催日時は、5月24日の7:30~16:00。参加費は、事前エントリーが大人1,000円、中学生以下無料。当日エントリーが大人1,500円、中学生以下500円。参加申し込みはウェブサイト「デジエントリー」で行っている。※価格は税込
2015年05月11日最近はバラエティ番組でも大活躍中の西川貴教さん。その西川さんのソロプロジェクトであるT.M.Revolutionの10枚目のオリジナルアルバムがリリースになります。その名も『天(テン)』。4年ぶりとなるアルバムでは、「これでもか!」というくらいのTMR節が炸裂している曲と、「こんな曲もやっちゃうのか!」という意外性のある曲が同居しています。 しかしながら、ヴォーカリストとしてとんでもない技量の持ち主ですから、何を歌わせてもTMR以外の何物でもありません。どんな楽曲も、すべてTMRの世界観に染め抜いています。10枚目のアルバムにして、ここまで挑戦的なアルバムを制作した事実が、西川さんの本業が音楽であるということを、世に再認識させることでしょう。 このアルバムを引っ提げて、全国47県50か所で公演を行うという恐ろしいライブスケジュールも発表になっているT.M.Revolution。本気を出した孤高のヴォーカリストの勢いは、止められそうにありません。 リリース情報: 『天/T.M.Revolution黒木渚』 (2015.5.13発売/¥2963(tax out)/ESCL4414) ※初回限定盤A(¥3704(tax out)/DVD付)、初回限定盤B(¥3704(tax out)/DVD付)も同時発売 ※ツアー情報/T.M.R. LIVE REVOLUTION ‘15 2015年4月4日~2015年9月6日(50公演)
2015年05月10日AMDは5月6日(米国時間)、PC向け新型APU「AMD 7000シリーズ」および新型GPU「AMD Radeon 300シリーズ/M300シリーズ」を発表した。AMD 7000シリーズは「Carrizo-L」と呼ばれる開発コード名で開発されてきたもので、最上位モデル「AMD A8-7410 Quad-Core APU」はAMD Radeon R5 GPUを搭載し、TDPは12~25W、CPUの動作周波数は最大2.5GHzで4コアという構成となっている。一方のAMD Radeon M300シリーズはノートPC向けGPUで、同社のグラフィックス・コア・ネクスト(GCN)アーキテクチャをベースとし、Direct X 12をフルサポートするほか、AMD Enduroテクノロジーによるインテリジェントな電力管理技術も提供するという。また、OEMデスクトップPC向けGPUであるAMD Radeon 300シリーズもGCNアーキテクチャを搭載し、Direct X 12をフルサポートするという。なお、AMD 7000シリーズはすでに中国市場に投入されており、順次そのほかの地域にも展開していく計画であるという。
2015年05月08日ユニットコムは5月7日、最大全長約7mのホース「K051 のびるホース 2.3m」をパソコン工房の通販サイト内雑貨店「Nantena」にて発売した。価格は税込1,079円。K051 のびるホース 2.3mは、水を流したときの水圧によって全長2.3mから6.9mに伸びるホース。噴射はホースヘッドを調整することで、センター、フラット、シャワー、ジェット、ミスト、FULL、コーンの7種類を使い分けられる。ホースヘッドの噴射部分は直径約50mm×長さ75mmで、グリップ部分の長さは約100mm。本体は15mm口径の蛇口に取り付け可能で、本体と蛇口の固定には付属のアタッチメントを使用する。本体の重量は350g。
2015年05月07日●組み込み向けのハイエンドプロセッサ「Cortex-M7」英ARMは、Cortex-A72の詳細情報などと合わせて、組み込み系プロセッサやmbed OSなどについても情報のアップデートを行った。ここでは、それらをいくつかまとめて紹介する。○組み込み向けのハイエンドプロセッサ「Cortex-M7」ARM系のプロセッサは、大きくアプリケーションプロセッサ、組み込み系、リアルタイム系と分かれていて、前回紹介したCortex-A72は、アプリケーションプロセッサの1つ。このクラスは仮想記憶や仮想マシン、情報保護といった機能を備え、高度な機能を持つOSと組み合わせてスマートフォンやタブレットなどに使われる。これに対して組み込み向けはCortex-M系列のプロセッサが対応する。このクラスは仮想記憶などを行うMMU(メモリ管理ユニット)がなく、命令体系もシンプルものになっている(Thumb-2 短縮命令セット)。わずか0.08ミリ角になるCortex-M0から、スーパースケーラー構造で浮動小数点演算も可能なCortex-M7まで5種のプロセッサをそろえる。このうち、Cortex-M7は、組み込み向けの「ハイエンド」プロセッサ。プロセッサのおおまかな構造は(図2)のようになる。PC用などの一般的なプロセッサで見慣れないのが「TCM:Tightly Coupled Memory」だ。これは、プロセッサ外部に置くスタティックメモリ(同期SRAMを最大16メガバイトまでサポート)で、命令コード用(64bit幅)とデータ用(32bit幅×2、アドレスの下位3ビット目で切り替え)がある。組み込み系では、プログラムの格納にフラッシュメモリを使うことが多いが、その読み書きの速度に対して、組み込み系のプロセッサは高速になりつつある。以前は、プログラムはNOR型フラッシュ、データストレージはNAND型といった使い分けもあったが、速度が出ないNAND型のみが大容量化したためにコストが下がったという状況もある。高速なプロセッサであるCortex-M7ともなれば、そのメモリとの速度差はかなり大きくなる。そこで、割り込みなど高速に対応するプログラムや必要なデータなどをTCMに置いておき、必要に応じて利用するわけだ。また、TCMは設定でメモリ空間に割り当てることができるため、見かけ上はプログラムやデータへのアクセスが高速化したようになり、アクセスに専用の命令を使う必要もない。ただし、事前にプログラムやデータをTCMに入れておくという処理は必要となる。また、TCMに使うSRAMが不揮発性の場合、ここから起動する機能もあるようだ。TCMはオプションの機能ではあるが、Cortex-M7を高いクロックで実行させる場合には重要となるだろう。一般に組み込み系では、フラッシュメモリなどに書き込まれた命令やデータをメインメモリに展開して実行する(アプリケーションプロセッサなどはこのようにして高速なメインメモリをアクセスする)ことはあまり行われない。その理由としては、電源オンやリセット後のシステム起動の仕組みが複雑になり時間がかかること、メインメモリ量が増えコストが上がることに加えて、用途によってはノイズによる影響の可能性や、メモリが書き換えられてしまうというセキュリティ的なリスクなども挙げられる。ただし、Cortex-M7はTCMのほか、オプションで命令用やデータ用のキャッシュを装備することも可能だ。キャッシュの場合、初回にメモリからキャッシュに取り込む時間はかかるが、1回キャッシュに入ってしまうと、高速化が期待できる。組み込み系では、あまり大きなプログラムを使うことはないため、使い方に対して適切なキャッシュを装備することで、フラッシュメモリとの速度差の問題はある程度防ぐことができる。また、キャッシュの場合、TCMのように事前にプログラムやデータをロードしておく必要はない。○Cortex-M7のさらなる詳細さて、肝心のCortex-M7のパイプラインだが、(図4)のようになる。フェッチされた命令はInstraction Buffer(写真左端のグレーのボックス)、Instruction Decorder、Intenger Register Fileを経て、9つの実行ポートへと発行される。実行ポートは、2つの32bitロードパイプ2つの整数演算ALUパイプ積和パイプストアパイプブランチ浮動小数点用演算パイプ浮動小数点、乗算、除算、ルートパイプとなっている。2つの32bitロードパイプは、組み合わせて使うことで64bitデータのロードに対応できる。また、2つの整数演算パイプは、それぞれ構造が異なり、シフトと演算が別ステージになっているものと、1ステージ分処理を遅らせてシフトまたは演算のどちらかを行うものになっている。これはロード命令と組み合わされる演算命令の処理を考慮したものだ。メモリからロードされたデータは、レジスタファイルへの書き込みとは別のパスを使って整数演算パイプに渡すことができ、このとき、1ステージずらした演算パイプだと、パイプラインをストールせずに演算に入ることができる。また、浮動小数点命令も開始を1ステージずらしてあり、ロードして演算という命令の組み合わせに対応できる。浮動小数点演算は、加算などの単純演算用と乗算、除算、ルート演算用の2つに分かれており、浮動小数点の積和演算の場合には2つのパイプをつなげて演算を行う。倍精度浮動小数点演算も可能だが、Cortex-M7は、単精度浮動小数点演算に最適化されている。なお、Cortex-M7は、スーパースケーラー構造だが、実行はインオーダーで、特定の条件(整数演算と浮動小数点演算など)でのみ2命令を同時に発行できる。整数演算などは4ステージ、ストアや浮動小数点パイプは5ステージとなっている。Cortex-M7は、組み込み系にしては「リッチ」な内部構造を持つも、回路構成からするとかなり高速で、逆にフラッシュメモリとの速度差が大きく、この点ではTCMなどを使わないと高速化できないことがある。用途としては、ディスプレイを備え、タッチ操作や音声操作などが可能なものや、通信機能を持つもの、多数のモーターなどを同時制御する組み込み機器などが想定されている。家庭内でいえば、高性能な白物家電などが相当する。また、映像関連の組み込み機器(テレビやレコーダー)は、もはやCortex-Aの領域だが、オーディオ機器などのほか、工作機械や自動車の機能モジュール、ドローンといった、ある程度の性能が要求されるが高性能なOSを動かさない組み込み機器もCortex-M7の対象となる。組み込み機器でも年々、プロセッサに求められる性能は上がっており、IoTではさらに多数の組み込み機器が登場することを考えると、高性能なものはM7が使われることになると想定されている。●mbed OSのセキュリティ○mbed OSのセキュリティ続いてはmbed OSのセキュリティについて。ARMは、2014年11月に米国で開催したTechConで、IoTデバイスのための組み込みOSであるmbed OSを発表した。これは現在開発中で、特定開発者向けのプレビューが行われているところだが、2015年11月のTechConのタイミングで、Ver.3.0として正式公開される予定だ。mbed OSはイベント駆動型のOSで、基本はオープンソース(一部、外部ライセンスなどの関係でバイナリ提供のみになる部分を含む)だ。また、IoT向けの通信スタックを持ち、さまざまな物理層の上で複数のIoT向けのプロトコルが利用できる。インターネット接続が可能な機器と通信可能な無線LANといったの汎用的な物理層を持つ機器や、BluetoothなどでスマートフォンやPCを中継に利用できる機器が構築可能だ。こうしたIoT機器の管理用にARMは、mbed Device Serverを用意している。こちらは、Linuxなどの汎用OSの上で動作する。今回のアップデートでは、これらに対して、Linuxなどの上で動作し、mbed OSアプリケーションを実行可能なmbed Clientが加わった。これは、LinuxやリアルタイムOSなどの上でmbedアプリケーションを実行可能なライブラリ、ランタイムのようなもの。これを使うことで、既存のLinuxなどを使った組み込み機器をmbed対応とすることも可能になる。また、mbed Device Serverと接続が可能であり、mbed OS機器と合わせて同じように管理が可能だ。ARMは、IoTの時代では、組み込み系のセキュリティが重要であるとし、mbed OSに組み込まれたセキュリティ機能の説明を行った。簡易なリアルタイムOSなどを使ったこれまでの組み込み系アプリケーションは、通信関連の機能をアプリケーション内に含んでいるため、開発者のノウハウや技量がセキュリティ強度に大きく関係しており、一部の開発者だけが高度なセキュリティを実現できていたという。これに対してmbed OSは、通信部分をOS内に持つだけでなく、暗号化や暗号化通信などの機能を持つ。これにより、アプリケーション側は、セキュリティ関連のコードを開発したり、他社から購入して組み込む必要がなくなったという。mbed OSを使った機器のセキュリティは、 「デバイス」自体のセキュリティ、「通信」のセキュリティ、そして、ファームウェアアップデートなどの「ライフサイクル」のセキュリティに分類できる。「通信」に関するセキュリティは、mbed OSが備える通信機能と、TLS(Transport Layer Security。SSLをベースに定義されたプロトコル)のmbd TLSライブラリによって保たれる。デバイスに関するセキュリティだが、mbed OSでは、「パブリック」部分と、外部からはアクセスできない「プライベート」部分が分離されているため、従来の組み込み系デバイスに比べると攻撃に対する耐性が高い。mbed OSでのセキュリティは、内部にある「μvisor」が制御を行う。ハードウェアには、「特権アクセス制御」(特権を持つコードのみがアクセスできる)、メモリ分割(他のプログラムからアクセスできないメモリ領域を作る。ただし、メモリ保護ユニットはハードウェアオプションであるため、これを持たないプロセッサもある)、暗号化ハードウェア(構成による)などがあり、μvisorがこれを利用してプライベート領域を保護する。μvisorは、割り込みの応答速度などを考慮し、低遅延でシステム負荷が高くならないように作られている。また、mbed OSは、このμvisorを利用して、安全な「鍵」保管領域や暗号化機能、乱数発生などの機能を提供している。これにより、デバイス自体のデッドコピーを防ぎ、サーバーなどから受け取るセキュリティ関連の情報(アクセストークンなど)を保護する。また、通信に利用するTLS関連の機能もμvisorにより保護される。さらに、IoTではソフトウェアの複雑化から、ユーザーによるファームウェアアップデートが不可避だとして、フラッシュメモリのアップデートに対するセキュリティ機能を持つ。これは、mbed Device Serverと組み合わせて行われる「ライフサイクル」のセキュリティだ。mbed OS側には、フラッシュアップデートセキュリティレイヤーがあり、電子署名のあるコードのみを受け付ける。また、こうしたアップデート作業は、mbed device Serverが管理を行う。mbed Device Serverは、デバイス制御のアプリケーションとIoTデバイスの間に入ることで、セキュリティを確保する。mbed Device Serverには、webインターフェース(HTTPSサーバー機能)があり、エンドユーザーアプリ、JavaSDKにより開発されたアプリやユーティリティなどは、ここに接続してmbed Device Server経由でデバイスを管理する。高性能なシステムで実行されるmbed Device Serverであれば、セキュリティの負荷は問題にならない。mbed Device Serverは、mbed OS搭載デバイス(IoTデバイス)とは、データグラムTLS(UDPなどのデータグラム型プロトコル上のTLS)を使うCoAPトランスポート(Constrained Application Protocol:機械同士の通信を想定したHTTPを簡易化したプロトコル)を利用する。mbed OSは、2015年11月に正式出荷予定だが、すでに特定開発者向けのプレビューは開始されている。いまのところ、まだmbed OSを搭載したIoTデバイスは登場していおらず、当初は開発ボードのみだろうが、2016年ぐらいからは、搭載製品が登場するのではないかと考えられる。ただ、mbed OSの対応範囲は多岐にわたるため、必ずしもコンスーマー製品とは限らず、目にする機会も少ないかもしれない。
2015年05月07日2015年4月28日、カザフスタン共和国にあるバイカヌール宇宙基地から、無人補給船「プラグリェースM-27M」を積んだ「サユース2.1a」ロケットが打ち上げられた。プラグリェースM-27Mには国際宇宙ステーション(ISS)に補給するための物資が満載されており、打ち上げから約6時間後にISSにドッキングする計画だった。だが、地球をまわる軌道に到達した直後、プラグリェースM-27Mに何らかの問題が発生し、制御不能に陥った。ISSにドッキングすることは叶わず、このまま軌道を下げ、5月8日前後に地球の大気圏に落ちる予定だ。○プラグリェース「プラグリェース」補給船は、宇宙ステーションに補給物資を輸送するために開発された無人の補給船である。船の基本的な構造は、有人宇宙船「サユース」を基にしているが、人を乗せたり、地球に帰還させたりすることを考えていないため、生命維持システムや、大気圏への再突入に耐える能力などは省略され、その分物資をより多く載せられるようになっている。プラグリェース補給船の1号機は1978年に打ち上げられ、当時ソヴィエト連邦が運用していた「サリュート6」に物資を輸送し、その後も「サリュート7」や「ミール」といったソ連の宇宙ステーションに向けて打ち上げられ、2000年からは「国際宇宙ステーション」(ISS)へも物資を運んでいる。今回のプラグリェースM-27Mは、ISSに向けて打ち上げられたものとしては59機目、1978年の1号機から数えると通産150機目となるプラグリェース補給船であった。また、打ち上げたロケットの側面には、対ドイツ戦勝70周年を記念したロゴも入れられていた。しかし、その記念すべき飛行は、一転して悲劇となった。○ロスト・イン・スペースプラグリェースM-27Mを載せた「サユース2.1a」ロケットは、カザフスタン時間2015年4月28日13時9分(日本時間2015年4月28日16時9分)、カザフスタン共和国にあるバイカヌール宇宙基地の31/6発射台から離昇した。プラグリェースM-27Mには、ISSに補給するための水や食料、日用品、燃料や酸素など、2357kgの物資が搭載されていた。当初、ロケットは順調に飛行し、予定通りの軌道にプラグリェースM-27Mを乗せ、打ち上げは成功したかに思われた。しかしその直後、プラグリェースM-27Mに装備されているいくつかのアンテナが展開しないという問題が報告された。もともとの予定では、プラグリェースM-27Mは打ち上げから約6時間後にISSに到着する予定だったが、この問題により2日後へと延期された。ところが実際は、アンテナの問題がかすんで見えるほど、もっと悪い状況に陥っていた。まず地上とプラグリェースM-27Mとの通信が断片的にしか取れず、船の状態がどうなっているか十分に把握できない状態にあった。やがて、その断片的な情報から、エンジンなどのシステムが壊れていること、そして、通常ではありえない向きと速度で回転をしていることが判明した。回転を止めるべく指令が送られたが反応はなく、その後通信も完全に途絶えた。プラグリェースM-27Mは完全に制御不能の状態に陥り、ISSとのドッキングは断念された。その後も機能回復に向けた努力が続けられているが、補給船は依然として沈黙を続けている。現在プラグリェースM-27Mは、大気との抵抗で徐々に高度を下げており、このままいくと、5月8日前後に地球の大気圏に再突入すると予測されている。○ISSへの衝突や地上への落下の可能性はプラグリェースM-27Mは制御不能の状態にあるとはいっても、暴走しているわけではなく、また軌道の高度が低いこともあって数日で地球の大気圏に落ちるため、ISSや、他の衛星に衝突するといった危険性はない。ただ、大気圏再突入後に、地表に破片が落下する可能性はゼロとはいえない。プラグリェースは有人のサユース宇宙船とは違い、大気圏再突入時の熱で燃え尽きるように造られているが、例えばチタン製のタンクなど、燃えにくい素材の部品が落下する可能性はある。また、通常であれば、ほぼ確実に燃え尽きるような角度で、なおかつ人家のない南太平洋上に落下するように制御して再突入が行われるが、制御不能の状態ではそれができない。地表の約70%が海であることや、陸地の中で人口密集地はまばらであることなどを考えると、破片が燃え残り、なおかつそれが人が住んでいるところに降ってくる可能性は、まずないと言ってよいが、それでも注意するのに越したことはない。衛星がまわる軌道がどのように減衰していくかは、大気の状態や、衛星の姿勢などによって変わってくる。しかし、大気の状態は太陽の活動などの関係しており、時々刻々と変わっているため、いつ、どこで大気圏に再突入するか、正確に予測することは難しい。○ISSの運用への影響はプラグリェースM-27MがISSに物資を送り届けられなくなったことで、最も心配されるのはISSに滞在している宇宙飛行士たちへの影響だろう。ISSは自給自足ができないため、定期的に物資を補給しなければならない。これについて、米国の宇宙開発ニュース・サイトである『Spaceflight now』は、「最低4か月間は正常な運用が可能なだけの量が蓄えてある」と報じている。また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)も「数か月間は通常通り、食べる量を減らしたりなどの制限をすることなく、運用できるだけの量があると聞いている」としており、当面は問題なさそうである。ただ、今後打ち上げられる他の補給船にとっては、失敗が許されないということになる。6月には米スペースX社のドラゴン補給船運用7号機が、8月には日本の「こうのとり」5号機が打ち上げられる予定だが、これらも失敗することがあれば、ISSの運用はいよいよ危うくなる。○今後のサユース宇宙船やプラグリェース補給船の打ち上げへの影響は今回の事故でもうひとつ心配されるのは、今後のサユース宇宙船やプラグリェース補給船の打ち上げへの影響だろう。現時点ではISS内の物資は十分にあるものの、プラグリェース補給船の飛行停止が続くようなら、いずれは不足するものも生じてくるだろうから、一日でも早い飛行再開が望まれる。また5月27日には、JAXA所属の油井亀美也宇宙飛行士ら3人が乗ったサユースTMA-17M宇宙船の打ち上げが予定されている。今のところ打ち上げを延期するという話はないが、今回の事故の原因が判明し、対策が行われるまでは当然打ち上げはできないため、延期される可能性は十分にあるだろう。最初の事故の調査結果は、5月13日以降に発表される予定だが、5月5日現在、事故の原因は、ロケットの第3段にあったという見方が濃厚だ。今回プラグリェースM-27Mを打ち上げたサユース2.1aロケットと、サユースTMA-17Mを打ち上げるサユースFGロケットとは、同じ部分もあれば、異なる部分もある。今回の事故の原因がロケットの側にあったのであれば、それがロケットのどの部分で起きたのかが、延期するか否かを決めるにあたって重要となろう。参考までに、2011年8月24日にプラグリェースM-12Mがロケットの打ち上げ失敗によって墜落した際には、次のプラグリェースM-13Mが打ち上げられるまでに3か月がかかっている。このときの失敗の原因はロケット側の技術的な問題にあった。もし今回も同様にロケットの技術的な問題が原因であれば、打ち上げ再開までには数カ月かかると見てよいだろう。ちなみに5月15日には、今回プラグリェースM-27Mを打ち上げたのと同じ、サユース2.1aロケットが、軍事衛星を載せて打ち上げられる予定となっている。これも延期されるのか、されるとしたらどれぐらいの期間か、といった点も注目される。次回では、事故の経緯をもう少し詳しく紹介すると共に、その原因について推測してみたい。
2015年05月07日Tポイント・ジャパンとスルガ銀行は4月30日、5,304万人(3月末実績)が利用する共通ポイントサービス「Tポイント」と金融サービスを融合させたインターネット専業支店「スルガ銀行Tポイント支店」(以下Tポイント支店)を開設した。「Tポイント支店」では、T会員の人々の金融サービス面での利便性向上を図るとともに、「2つの日本初」を実現するという。○"日本初"その1Visaデビット機能を搭載したTカード「デビットTカードスルガバンク」の発行Visaデビットカードの利便性とTポイントを貯めて使う楽しさ。双方を兼ね備えた日本初のカードとなる○"日本初"その2Visaデビットカードの「即時発行サービス」申込んだカウンターで、即時に発行する。湘南T-SITE内「スルガ銀行d-labo湘南」にて実施○「デビットTカードスルガバンク」(愛称「VisaデビットTカード」)の特長Tポイント支店で取扱う「VisaデビットTカード」は、(1)Visaデビットカード機能、(2)銀行キャッシュカード、(3)自動貸越サービス機能、(4)Tカード、4つの機能が1枚となった邦銀初というカード(発行手数料・年会費無料)。「スルガ銀行Tポイント支店」の取引でTポイントが貯まる(給与振込・定期預金など)世界中で"現金感覚"でショッピングが楽しめる。Tポイントも貯まる。Visa加盟店でのショッピングにVisaデビットTカードで支払うと、支払200円(税込)につきTポイント1ポイントが貯まる世界200か国以上の国と地域のATMで現地通貨が引き出せるその他にも、Tポイントと金融サービスが融合した『Tポイント支店』ならではの、多彩な金融商品・サービスを実現し、提供するとしている。○「「Tポイント支店」オープン記念キャンペーン」を実施「Tポイント支店」オープンを記念して、7月31日(金)まで、「VisaデビットTカード」の申込みと利用で、Tポイント最大1,000ポイントをプレゼントするキャンペーンを実施する
2015年05月07日独ライカカメラは4月30日(現地時間)、モノクロ撮影専用35mmフルサイズセンサー搭載のレンズ交換式カメラ「ライカM モノクローム(Typ246)」を発表した。センサーと画像処理エンジンを刷新。発売は5月下旬を予定している。価格は1,134,000円だ(税込)。ライカM モノクローム(Typ246)では、2012年8月発売の前モデルで採用していた1,800万画素のCCDセンサーから、有効2,400万画素のCMOSセンサーに撮像素子を刷新した。前モデル同様、ローパスフィルターは省略しており、解像感を向上させている。カラーフィルターを搭載していないことによって、色補間処理が必要なく、シャープな描写のモノクロ写真を楽しめる。画像処理エンジンは、最新のライカMシステムのデジタルカメラに搭載されている「LEICA MAESTRO(ライカ・マエストロ)」。さらにバッファメモリの容量を2GBに増加したことで、すばやい画像処理が可能になったとする。マグネシウム合金製のボディは、単一のパーツからなり、高い堅牢性と耐久性を備える。トップカバーとベースプレートには真鍮の削り出しパーツを採用。液晶モニターのカバーガラスは反射防止コーティングを施したサファイアガラスで、傷がつきにくいだけでなく、屋外などでの視認性も向上させた。92万ドットの3型液晶モニターによるライブビュー撮影でのピント合わせをサポートするために、「マニュアルフォーカスアシスト」と「フォーカスピーキング」を搭載。マニュアルフォーカスアシストでは、画面の一部を最大10倍に拡大して細部のピント合わせを厳密に行える。フォーカスキーピングでは、ピントが合っている被写体の輪郭を強調して表示。合焦状態をひと目で確認可能だ。そのほか、新たにフルHD(1080p)でのモノクロ動画撮影機能を追加。JPEG形式ではセピアや寒色、暖色など色調を設定して撮影することもできる。2015年8月以降には、被写体を特殊なグレースケールに変換し、独自の効果や雰囲気をもたらす特殊フィルター3色(イエロー/オレンジ/グリーン)を発売する予定だ。主な仕様は、マウントがライカMマウント、撮像素子が有効2,400万画素・23.9×35.8mmサイズのCMOSセンサー(ローパスフィルター非搭載)で、静止画の記録形式がRAWとJPEG、動画の記録形式がMotion JPEG、対応感度がISO320~ISO25000、シャッタースピードが絞り優先AEモード選択時で60~1/4,000秒、マニュアルモード選択時で8~1/4,000秒となっている。ファインダー倍率は0.68倍、背面のモニターは3型・約92万ドット表示のTFTカラー液晶、利用可能な記録メディアはSD/SDHC/SDXCカード、バッテリーは容量1,800mAhのリチウムイオン充電池を採用。本体サイズは約W138.6×D42×H80mm、バッテリーを含む重量は約680gだ。製品には画像処理ソフト「Adobe Photoshop Lightroom」が付属する(ユーザー登録後にダウンロードして入手)。
2015年04月30日マウスコンピューターは30日、新デザインとなるスティック型PC「m-Stick」のファン付きモデル「MS-PS01F」を発売した。直販サイトでの参考価格は28,000円(送料込み/税込み)。m-Stickシリーズは、スティック型PCの先駆けとも言える製品。初代モデルの登場時は即完売に近く、なかなか購入できない状態が続いてた(現在は解消されている)。ラインナップとしては、ストレージが32GB eMMCの「m-Stick NH1」、64GB eMMCの「m-Stick MS-NH1-64G」、法人専用(特定用途専用)の「MS-NH1-EMBD」がある。今回の「m-Stick MS-PS01F」は2015年4月1日に発表済みで、4月下旬の発売予定となっていたものだが、このたび正式に発売となった。主な仕様は、CPUがIntel Atom Z3735F(1.33GHz)、メモリがDDR3L 2GB、ストレージが32GB eMMC、グラフィックスがIntel HD Graphics(CPU内蔵)、OSがWindows 8.1 with Bing 32bit版。本体にはHDMI出力端子を備え、液晶ディスプレイやテレビのHDMI入力端子に接続し、PCとして利用する。通信機能はIEEE802.11b/g/n対応無線LANとBluetooth 4.0+LE、インタフェースは一般的なUSB 2.0(Type-A)ポートとmicroSD/microSDHC/microSDXCメモリーカードリーダーを搭載する。本体サイズはW125×D37.6×H14mm(端子部は含まず)、重量は約61g。付属品は、USB-ACアダプタ、電源供給用USBケーブル、HDMI延長ケーブルなど。
2015年04月30日ライカカメラジャパンは4月28日、レンジファインダー式デジタルカメラ「ライカM(Typ240)」と、交換レンズ「ライカ エルマリートM f2.8/28mm ASPH.」、アルティザン&アーティストのポーチがセットになった「ライカM エルマリート 28mm セット」を発表した。発売は5月9日で、価格は税込1,080,000円。150セットの限定販売だ。ライカM エルマリート 28mm セットは、ライカMボディに広角レンズ「エルマリートM f2.8/28mm ASPH.」、アルティザン&アーティストのラムスキンレザーケースがセットになった特別モデル。ライカMボディはブラックとシルバーを用意し、計150セット限定で販売する。ライカMは、フルサイズのCMOSセンサーを搭載し、高性能画像処理エンジンやライカMレンズとの組み合わせで高画質撮影を実現するレンズファインダー式のデジタルカメラ。ライブビュー機能やフルHDでの動画撮影機能、ピント合わせをサポートする機能を搭載する。エルマリートM f2.8/28mm ASPH.は、非球面レンズを1枚採用した光学設計の広角レンズ。重量は180gと軽量なのが特徴だ。アルティザン&アーティストのラムスキンレザーケースは、表面にラム革、内側にヤギ革のバックスキンを使用している。ライカMにエルマリートM f2.8/28mm ASPH.を装着した状態で収納可能だ。
2015年04月28日ローランドは、ダンス・ミュージックに特化した同社ブランド「AIRAシリーズ」の新ラインナップとして、モジュラー型シンセサイザー「SYSTEM-1m」とモジュラー型エフェクター「TORCIDO」「BITRAZER」「DEMORA」「SCOOPER」の全5製品を5月より順次発売する。価格はいずれもオープン。今回発売される製品群は、シンセサイザー黎明期にあたる1960~70年代に主流だったモジュラー型シンセのパッチング(音の構成要素を個々のモジュールに分け、それをケーブルでつなぎ合わせて音づくりをする手法)による音づくりの楽しさを気軽に体感できるもの。このパッチングによる音づくりが再び見直されている近年の流れを受け、同社は最新の音声信号処理技術を生かしたシンセサイザー、およびエフェクターを約30年振りに開発したという。「SYSTEM-1m」は、オールインワンタイプのシンセサイザーながら、パッチングの楽しさを気軽に体験できるシンセサイザー。モジュラーシンセの設置フォーマットとして広がっているユーロラックや19インチのラックに対応したほか、机上でも使えるデザインを採用。さらに、パッチング用のコントロール端子にはそれぞれLEDを設け、機能別にLEDの色を変えるなど、エントリーユーザーにもわかりやすいパネルデザインとした。また、ローランド歴代のシンセサイザーをソフトウェアとして本体内にインストールし、パソコンを使わずに演奏することが可能。同製品に内蔵されるシンセサイザーと、インストールしたソフトウェア・シンセサイザーは、瞬時に切り替えて使用することができ、パッチングでその音をコントロールすることもできる。一方、音づくりの幅を広げるモジュラー型エフェクターは、ディストーション「TORCIDO」、クラッシャー「BITRAZER」、ディレイ「DEMORA」、スキャッター「SCOOPER」の計4製品。いずれも「SYSTEM-1m」同様、ユーロラック・スタイルのみならず、机上でも使える汎用的なスタイルを採用した。エディターで調整可能なサブ・モジュールを内部に搭載し、パッチングでCV(Control Voltage)による外部コントロールも可能となっている。なお、同社は現在、70年代に発売されたモジュラーシンセ「SYSTEM-700」「SYSTEM-100m」をベースとしたユーロラック対応の新製品「SYSTEM-500」の開発を進めているとのこと。発売は2015年後半になる見込み。
2015年04月24日既報の通り、マウスコンピューターはWindows 8.1搭載のスティック型PC「m-Stick」の新モデルとして、筐体にファンを設置した「MS-PS01F」を発表した。このところ、大きな盛り上がりを見せるスティック型PCの新モデルだけに、注目度も高い。今回も開発担当者であるマウスコンピューター製品企画部の部長 平井健裕氏に話を伺うことができたので、新モデルの特徴や既存モデルとの違いなどを聞いた。○人気が続く「m-Stick」まずは「m-Stick」について、簡単におさらいしておこう。「m-Stick」はマウスコンピューターが開発・販売するスティック型PC。HDMI端子を備えたテレビやディスプレイに接続することでPCとして利用できる。2014年11月28日にファンレス仕様の「MS-NH1」を発表。それまでのスティック型デバイスはOSにAndroidを採用しているものがほとんどだったが、「m-Stick」はOSにWindows 8.1を搭載し、大きな注目を集めた。2014年12月5日の発売日には、マウスコンピューターの直販サイトでわずか数秒のうちに売り切れとなり、その後も長らく品薄の状態が続いた。「具体的な数はいえないが、"想定を間違えたでしょ"といわれるぐらいに、当初の予想を大きく超えた数をお買い上げいただいている」と平井氏。ただし、「最初に製品を紹介したときに"作りためをして、品薄にならないようにしたい"といっていたが、3月くらいまで品薄の状態が続いてしまい、みなさんにご迷惑をおかけした」という人気モデルならではの悩みもあったようだ。それだけ売れに売れている「m-Stick」だが、購入したユーザーはどのような用途で利用しているのだろうか。平井氏によると「出張や旅行といった外出先で、手持ちのノートPCに何かあった場合のバックアップとして持って行かれる方が思った以上に多い」という。「m-Stick」の小型軽量ボディという特徴に加えて、税込19,800円という手軽さ生かした用途といえる。○64GBモデルは数量限定でまもなく販売終了2015年3月6日には「MS-NH1」のストレージを64GBに強化したモデル「MS-NH1-64G」を発表した。こちらも好調に販売されているのだが「64GBモデルは数量限定で、近いうちに販売を終了する」という。「m-Stick」では、最新のアップデートが適用された状態で、アップデートのスタックをできるだけシュリンクし、容量を稼いだイメージをプリインストールするなど、できる限りストレージを空ける工夫が取られているのだが、それでもストレージはあればあるほどうれしい。64GBモデルの購入を検討しているユーザーは早めにチェックした方がいいだろう。続く2015年3月27日には、グループ会社のユニットコムからもWindows 8.1搭載のスティック型PC「Picoretta」が発売された。この製品の設計・開発もマウスコンピューターが行っている。「Picoretta」は、基板を覆う大きなヒートシンクを採用する。そのため「MS-NH1」よりも一回り程度大きく、重量も約1.5倍となるが、冷却能力は向上する。小型軽量モデルがよければ「MS-NH1」、本体サイズや重量よりも冷却能力が重要なら「Picoretta」と用途に合わせて選択できる。○いよいよファン付きモデルが登場そして2015年4月1日、筐体にファンを搭載した「MS-PS01F」が発表された。「MS-PS01F」では、ファン搭載に向けて筐体を新たに設計した。こちらもファンがある分、筐体のサイズは大きくなるが、ファンの冷却によりパフォーマンス向上が見込まれる。「ファンは最終手段だろうと考えていた」と平井氏。ファンによる効果は想像しやすい。開発でもまずファン付きが検討されたが「何でもファンを付けたらいいというのは、技術的に負けなので、何とか手はないかと考えた」(平井氏)という。ファンレスモデルやヒートシンクモデルが先に発売となったのはそうした背景がある。もちろん、平井氏はファン付きモデルを否定しているわけではない。「スティックPCにさまざまなバリエーションを用意させていただく前提であれば、ファン付きもまた有りだろう」と考えたのだという。「MS-PS01F」に搭載されたファンはSUNON製で、CPUの温度に応じて回転数が可変する。ノイズレベルは1mの距離で25.6dB(A)。当たり前だが無音とはいかない。ただし、平井氏によると音が出ているテレビの裏に取り付けてもほぼ気にならない程度とのことだ。冷却性能は、負荷継続時で「MS-NH1」と比べて10度の温度低下が見られたという。○違いはハードウェアだけではなかった。ファンレスモデル「MS-NH1」、ヒートシンクモデル「Picoretta」、ファン付きモデル「MS-PS01F」がそろったわけだが、この3モデルはハードウェア面だけではなく、それぞれBIOSも異なっている。それをまとめたのが以下の表だ。まず「MS-NH1」には3種類のBIOSがある。最初の「A05」はブースト機能であるIntel Burst Technology(IBT)が無効で、GPUクロックは646MHzに固定されている。続いての「X18T」は2014年末からサポートページを通じて公開されたCPU性能を重視するバージョン。IBTを有効とし、GPUクロックを313MHzに落としている。最後の「A06」はIBTが無効で、GPUクロックは646MHzに固定と「A05」と同じように見えるのだが、平井氏によると「A06」CPUのステート管理を変更し、同社が「T2」と呼ぶCPUステートが加えられたのだという。次のグラフは「ぎりぎりコマ落ちしない程度」のフルHD動画を再生した際の、CPUやGPU、CPU温度の推移を示したものだ。青い線で示されたCPUクロックの動きをみると、「A05」では上限の1.33GHzとアイドル時の500MHzの間で頻繁に線が上下しているが、「A06」ではクロックの上がる頻度が抑えられている。その分発熱しにくく、マージンが確保できる。「A06」は64GBモデルの投入と同時に採用したバージョンだが、検証が済み次第、初期に出荷された32GBモデル向けにも提供を予定する。また、「Picoretta」と「MS-PS01F」はともに「09」というバージョンのBIOSを採用するのだが、ここでも違いがある。「Picoretta」の場合は、IBTが無効でGPUクロックが646MHz固定。一方「MS-PS01F」は、IBTが有効でGPUクロックも313~646MHzの範囲で可変となっている。これらのBIOSについても、現状よりもよい設定が見つかれば「MS-NH1」と同様に新しいバージョンを公開するという。いずれのモデルもCPUにはIntel Atom Z3735Fを搭載するが、BIOSや冷却システムの違いによりパフォーマンスがことなる。マウスコンピューターが参考値として公開した資料によると、やはりファンを搭載する「MS-PS01F」がベンチマークで最も高いスコアとなる傾向があるのだが、「モンスターハンターフロンティア」のベンチマークテストを見ると、「MS-PS01F」が最も低いスコアとなっている。これはGPUクロックが変動するためで、用途によってはクロックを固定した方がパフォーマンスが出やすいことを示している。○用途に合わせて選べる3モデルベンチマークのスコアや冷却システムによって、「MS-PS01F」や「Picoretta」は「MS-NH1」の上位モデルという形に見えてしまう。しかし、「3モデルでどれが上位ということではなく、それぞれが特徴のある設計となっているので、用途に合わせて選んでほしい」と平井氏がいうように、それぞれのモデルで長所と短所がある。例えば「MS-NH1」は、ほかのモデルに比べて冷却という面では弱い部分があるが、最も小型軽量なことに加えて、販売期間が長いため前述のBIOSやドライバの最適化が進んでいる。「Picoretta」は大型のヒートシンクで冷却性能を向上させ、より幅広い環境に適用できるが「MS-NH1」の約1.5倍の重量がある。また、発熱への耐性が上がった一方で、いったん温度が上がり切ってしまうとなかなか下がりにくいという。「MS-PS01F」はファンよる冷却によって、CPUのパフォーマンスをより引き出せるほか、高負荷時でも安定動作が見込める。一方で、ファンのノイズや駆動部分の故障、ほこりへの耐性の弱さといった弱点がある。各モデルの特徴を見極め、自分の用途に合った製品を選ぶのがいいだろう。ちなみに平井氏は「MS-NH1」がオススメで「スティック型PCを試してみたいという場合、まずMS-NH1を選んでもらえれば」という。○競合製品にはサポート力で対応さて、Windows搭載のスティック型PCというと、2014年4月2日にインテルが「Compute Stick」の国内販売を発表。代理店や主要なPCショップで4月30日の発売を予定している。これに対して平井氏は「マウスコンピューターは、すでに4カ月ほど販売実績があり、スティック型PCについてかなりノウハウを蓄積している」とし、サポート面での強みを強調する。「m-Stick」には、ユーザーからのフィードバックも数多く寄せられている。例えば無線LANについてだ。テレビやディスプレイの裏などは、環境にもよるが、無線LANの電波が届きにくい場所が多く、無線LANがつながらないという問い合わせがあったという。これに対して、マウスコンピューターでは「速度は遅めだが無線LANにはつながりやすいもの」や「速度が出やすいもの」など3種類のドライバを用意し、ユーザーに提供している。また、発熱に関しては前述したようにBIOSの見直しに加え、「Picoretta」や「MS-PS01F」といった冷却性能を高めたモデルの投入で対応する。○今後の展開最後に「m-Stick」の今後について聞いた。まずWindows 10については、現行モデルのユーザーに向けて必ず「何らかの形」でアップグレードのパスを用意したいという。さらに次世代の製品として、現状販売されている3モデルと同じレンジで、筐体デザインを変えずに14nm世代のIntel Atomを搭載したモデルを計画するほか、その上位モデルとしてよりハイパフォーマンスなCPUを搭載モデルの投入も予定する。このほか、デザインの大幅な変更はないが、筐体に盗難防止用の対策を施すことも検討しているという。
2015年04月22日M/M(Paris)は1992年に活動をスタートして以来、実にさまざまなブランドとの仕事をしている。アー・ペー・セー(A.P.C.)やルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)、ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)などのファッションブランドをはじめ、マドンナのアルバムジャケットやビョークのミュージックビデオを手がけるなど、ここでは書ききれないほどの幅広い活動を続けている。なぜ彼らはパリを拠点にしているのか。 「パリを拠点しているのは、すごくクリエイティブに向いている場所だからだと思うから。大きすぎないし、小さすぎない。視覚的にもおもしろい街なので、すごくいいインスピレーションをくれる場所なんだ。あとは単純にフランス人だから自分の国の方が落ち着くのかも」と話すマティアスは、元々、生物学を学んでおり、小さい頃からアーティストになろうとは特に思っていなかったという。ただ、絵を描くことは好きだったようで、自分の部屋で小さな展覧会を開き、彼の両親を招待したという微笑ましいエピソードも教えてくれた。その後、「流れに身を任せた(笑)」と名門、パリ国立高等美術学校に入学し、後のビジネスパートナーとなるミカエル・アムザラグと運命の出会いを果たす。そしてマティアスとミカエルはグラフィックスタジオとして「M/M(Paris)」を立ち上げた。アート、ファッション、エンターテイメントと縦横無尽に活動するからこそ、彼らの肩書きをひと言でまとめるのは難しいが、マティアスに今ならどんな肩書きがふさわしいか、尋ねてみた。「いつもぴったりと合う肩書きを見つけるのが難しいかな。特にグラフィックデザイナーとしてやってきているわけでもないし。だから、ユニット名も名前の頭文字をとって『M/M(Paris)』にしている。私たちは、物(作品)を作るのではなく、アイディアをプロデュースしているからね」とマティアス。また、ジャンルの垣根を超えた様々なプロジェクトに対するアプローチ方法も、特に振り分けておらず、同じ姿勢で挑むようにしているという。ヨウジヤマモトやのほか、福島発のアートマガジン『X MAGAZINE』のロゴ、パルコの広告キャンペーンなど、日本に関わる多くの仕事もこれまでに携わってきた2人。約10年前に初めて来日してから何度も日本に訪れているというが、そんな日本からも多くのインスピレーションを毎回得ているという。「日本で好きなものはたくさんあるけど、私たちを初めて日本に招待してくれたアート・ディレクターの浅葉克己さんのことは尊敬しているし、感謝している。彼はバランスのとれた素晴らしい方だと思うよ」。M/M(Paris)がロゴを手がけたという『X MAGAINE』は、福島出身の八木沢俊樹が、東日本大震災に対する文化支援的な意味合いで、2013年に立ち上げたプロジェクト。M/M(Paris)をかねてから敬愛していた八木沢がメールを通じて直接オファーしたことで、コラボレーションすることになったという。「どんな困難な状況であっても生きることに対する信念が感じられるのは、世界中を見ても日本しかないと思う。東日本大震災や原発の問題からも、復興に向けて力を合わせる姿は本当に素晴らしい。だからこそ、福島発のアートマガジン『X MAGAZINE』でロゴを手がけたことは、微力ながら協力できたと思っているよ」。グラフィックデザイン全盛期ともいえる1990年代に、視覚的に理解し合える“タイポグラフィ”を用い、そのミステリアスで暗号性のあるデザインでクリエイティブな表現方法を生み出したM/M(Paris)。そんな彼らがこれまでの20年にどのような道を歩んできたのか?その答えは、展覧会で見つけ出してほしい。【展覧会場法】M/M(PARIS)SUGOROKU DE L’OIE会期:4月20日18:00まで会場:パルコミュージアム住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ・パート1・3FTEL:03-3477-5873--【前編】「過去20年間のポスター作品からゲームのように紐解く、M/M(Paris)の軌跡」を読む。
2015年04月17日フランスを拠点に活動するクリエイティブデュオ、M/M(Paris)のポスター展「M/M(PARIS)SUGOROKU DE L’OIE(エムエムパリス スゴロク ドゥロア)」が4月20日まで、渋谷のパルコミュージアムにて開催中だ。2008年に行われた展覧会「The Theatre Posters」以来となる本展は、日本の“すごろく”に似たフランスの伝統的ボードゲーム「LE JEU DE L’OIE」を題材に、これまでに制作したポスターをマス目に見立てて展示するという、ユニークな内容。会場内はまるで迷路のように入り組んだ回廊で構成されている。どうしてこのようなポスター展を日本で行うことに決めたのか?今回、本展の開催に合わせて来日していたM/M(Paris)のマティアス・オグスティニアックに話を聞いた。2014年秋冬シーズンから、パルコの広告を手がけている「M/M(Paris)」だが、今回パルコで展覧会を行うことにしたのは「他よりもさまざまなトレンドがミックスされている場所なので、展示会のテーマにもふさわしいと思ったから」だそう。「展示会場も螺旋のようなレイアウトにし、ポスターもフランスのボードゲームである『LE JEU DE L’OIE』のマス数である、“63”に合わせてフランスからアーカイブの63枚の厳選されたポスターを運んできた」という言葉通り、まさにマティアスが話す“テリトリーがあってルールがある、ゲームのような感覚の展覧会”が創り上げられていた。ところで、どうしてマティアスは日本の「すごろく」を知っていたのだろうか。「もちろん、リサーチして見つけたんだよ。やったことはないけれど、だいたい、同じようなゲームが各国1つずつ存在するもの。それで『すごろく』が『LE JEU DE L’OIE』と同じような気がしたので、それらの名前を混ぜ合わせた展示会名にしたんだ」。展覧会の構成をゲーム仕立てにした理由について、「ゲームのように駒を進めていくようにするなかで、自分たちが決めたことがどのような運命を歩むことにつながったのか、ということを表現している。20年続けてきたポスター作りのアーカイブを並べることで、それを伝えることにもなる」と話す。つまり、ゲームというものは、サイコロを振ることでさまざまな人生が決まる。次にどんな目が出るか予想できないように、これまでM/M(Paris)が経験した出会いもまた偶然。彼らのクリエイションとゲームとを重ねる展示方法が、彼らの作品特有の神秘性や暗号性を現わしている。まさに「すごろく」のボードを彷彿とさせるレイアウトの展示会場では1996年に芸術センター「Le Theatre de Lorient」とのコラボレーションで制作したポスター作品「Brancusi contre Etats-Unis」から2014年に公開した最新作まで、順を追って展示している。その中には、M/M(Paris)がタッグを組むことが多いフォトグラファー、イネス・ ヴァン・ラムスウィールド&ヴィノード・ マタディンとのコラボレーション作品で、俳優のビル・マーレイをコラージュのように見せた「Opening Parenthese」、カール・ラガーフェルド、ビョークが登場するビジュアルなど、アーティストやクリエイターとの共同作品も展示。彼らのこれまでの“軌跡”とも呼べるマス目に見立てたポスターを、来場者が“コマ”を進むように1枚ずつ観ていく、ユニークな体験ができる会場になっている。--後編はM/M(Paris)と日本との繋がりについて。
2015年04月17日Tマネーは4月16日、インコム・ジャパンのPOSA技術を活用し、「Tマネー」をプレゼントできるPOSA型ギフトカード「Tマネーギフトカード」の提供を開始すると発表した。その第一弾として、同日より全国のTSUTAYA店頭で「マネーギフトカード」を販売する。「Tマネー」は、2014年11月、「Tカードが1枚あれば、Tポイントも貯まって支払いもできる」をコンセプトにTカードに追加されたプリペイド型の電子マネーサービス。特別な手続きは必要なく、Tカードにそのまま現金をチャージすることで利用可能で、チャージしたTマネーは加盟店にて活用することができる。今回新たに提供する「Tマネーギフトカード」は、3000円・5000円・1万円の3種類を用意し、パソコンやスマートフォン、タブレットからTサイトの「Tポイント/Tカード」を通じてチャージ手続きを行うことで、場所と時間を問わず、TカードにTマネーをチャージすることが可能だ。Tマネーでは今後、取り扱い店舗の拡大を図っていくほか、新しいギフトやノベルティとしてさまざまな場所で提供していくという。
2015年04月17日