ビューティ情報『「元気」はもうあきらめた』

「元気」はもうあきらめた

(中略)
例えば、先天性下肢欠損症という生まれつき足のない疾患を例にします。この図式に当てはめると、子どもは一生悪いものとして自分のからだを背負って生きていくことになりますが、そんな認識のなかで生きていくことはかなり辛いものです。人生の価値や意味を外部の人が決めていいのでしょうか。”
――『やさしくなりたい』編:野地洋介 より引用

稲葉さんは、“その子にはその子だけの健康の形がある”と言う。
このインタビューを読んで最初に頭をよぎったのは、10代のときに引きこもりになり、いまでもうつと付き合いながら仕事をしている同世代の友人のことだった。彼女は幸い、相性のいい医師に出会ってカウンセリングや服薬を続けているのだけれど、彼女のお母さんは通院を始める前の子どもの姿を見ているからなのか、“元気だったとき”を治療のゴールに捉えているふしがあるそうだ。

「元気だった10代前半のときなんて自我もなにもなかったんだよ、カウンセリング受けるようになってからが私なんだけどなあ」と友人は言う。その気持ちはとてもよくわかるし、私にとっても、いまだにしこりのある胸や梅雨に元気がなくなる心、その他のいろいろなままならなさを抱えた身体こそが私なのだ、といまは思う。

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