陣痛は痛かったですが、赤ちゃんに会えるうれしさのほうが強く、なんとか耐えられました。しかし出産時に会陰切開となったため、今度は産後の傷跡の痛みが待っていたのです。出産直後だけ痛いと思っていた私は、数週間ほど傷の痛みとたたかうことに……。会陰切開をして傷の痛みとたたかい、その後傷が回復するまでをお伝えします。 出産時、会陰切開が必要に!陣痛が始まって病院に着いたときにはすでに子宮口が7cm開いていたため、慌ただしく出産の準備がおこなわれました。こんなにも一気に子宮口が開くと思っておらず、出産が近づく緊張と激しい痛みに自分を保つのに精一杯で、軽いパニック状態に。あまりの激痛にとにかく早く痛さから開放されたいという気持ちが一番でした。そこで、医師から「赤ちゃんが出やすくするために会陰切開をします」と告げられ……。「出産時に会陰切開をする場合がある」と事前に説明を受けていたので、心の準備はできていました。 会陰切開をし、いざ出産!医師からの「切りますね」の声とともに会陰切開をしました。一瞬チクリとしましたが、陣痛の痛みほうがまさっていて会陰切開の痛みはさほど感じず、医師からも「少し会陰切開をしましたが、裂けてはないので最小限で済みましたよ」とのこと。ひとまず出産を終えてホッとし、喜びに浸っていました。出産後の処置も終わって2~3時間経ったころ、次第におしりに違和感が……。出産時は緊張と興奮で高まっていた気持ちが落ち着き始め、次第に痛みへと変わっていったのです。 退院後も1カ月近く続いた痛み出産後から会陰切開の傷が痛み、ドーナツ型の穴あきクッションに座る毎日でした。入院中、同じ日に出産した人でも会陰切開をしていない人は、普通に椅子に座ったり歩いたりしているのでびっくりしました。あとで経産婦の人に聞いた話では、会陰切開をしたのとしないのとでは出産後の痛みや傷の回復にかかる期間も異なるとのこと。産むまでのことしか考えておらず、出産後にこんなにも会陰切開の傷が痛いとは思いませんでした。それから1カ月近く違和感や痛みが続くことになったのです。 痛みの感じ方や長引き方は人それぞれと頭ではわかっていたつもりでしたが、実際に自分が経験することで、こうも違うのかと痛感しました。第二子のときには少しでも産後の痛みを軽減するために、会陰切開をしないで済むよう、妊娠後期から会陰マッサージしたりしました。その効果あってか、第二子は会陰切開をせずに出産し、第一子のときよりも出産後の痛みはなく、経過も順調で身動きがとりやすかったです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:福山あかね男一女の母。元幼稚園教諭、元保育園勤務。第二子出産を機に退職。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2019年11月17日第4子を出産したときのこと。第3子と年子での出産だったため、お産も早いだろうと思っていました。でも陣痛が強くなったり、弱くなったりで、なかなかお産は進まず……。 陣痛は来ているものの、なかなか強くならない!4人目の陣痛は深夜に始まりました。家で10分間隔になるのを待ち、いざ産院へ向かうと、着いたころには5分間隔に。経産婦だし、お産の進みは早いだろうということで、産院に着いてすぐに分娩台へ上がりました。 5分間隔だった陣痛が徐々に3分間隔になり、いよいよかと思ったら、なぜか3分間隔から5分間隔に逆戻り。陣痛の痛みもまだまだ我慢できる程度。そしてそのまま陣痛の間隔は、5分間隔から10分間隔へと延びていってしまったのです。 思わず自分から「歩きましょうか?」分娩台に上がってから3時間ほど経っても、陣痛は10分間隔~5分間隔をさまよっている状態でした。助産師さんたちも「どうしちゃったのかね」と苦笑い。だんだん申し訳なくなってきて「私、歩きましょうか?」と、自ら申し出てしまいました。 そして朝日が差し込む産院の廊下を、助産師さんと一緒に何往復も……。1時間ほど歩いて、やっと陣痛が3分間隔に。慌てて分娩台に戻り、ついに!? と思いきや、まさかのまた5分間隔、10分間隔と逆戻りをし始めたのでした。 破水したのも忘れて談笑……気づけば、先生方の出勤時間になっていました。先生に内診をしていただき、人工破膜をすることに。「子宮口が8cmまで開いているから、破水したらすぐだよ」と言われたのですが、破水しても陣痛は強くならず……。助産師さんたちとしばらく談笑できるほどでした。 助産師さんの「そういえば破水したんだよね?」という言葉に、「あ、そうだった」と我に返るほど、まったりとした時間を過ごしていました。 陣痛が弱いのに、どうやっていきんだらいいの!?破水から1時間ほど経ったころ、助産師さんが微弱な陣痛の最中に子宮口を確認すると、子宮口は全開の10cmに。「もういきんでもいいよ!」と、助産師さんからGOサインが出たのですが、何しろいきみたい感じがないので、どうやっていきんだらいいのか「?」でした。 とりあえず弱い陣痛に合わせて、下腹部に力を入れてみることに……。何度かやっているうちに、徐々に陣痛が強まり、痛みはそのまま頂点に! そしてやっと第4子が誕生したのでした。今回は第1子のときの分娩所要時間を大幅に超え、6時間36分という過去最長記録を更新しました。 弱くなったり強くなったりを繰り返し、何とも不思議な陣痛でした。陣痛中は「マイペースな子だなぁ」と思うことで、自然とリラックスでき、落ち着いていられました。その点を踏まえると、4人の子どものなかで一番長いお産でしたが、一番いいお産でもありました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター 木村なち三児の母。現在4人目を妊娠中。パニック障害を抱えながらの妊娠・出産・育児の経験に基づき、体験談を中心に執筆している。
2019年10月30日女性ならではの病気として子宮筋腫があります。子宮筋腫は特に30~40代の女性に多いのが特徴です。この年代の女性の場合、出産への影響を気にする人もいるでしょう。今回は、子宮筋腫は妊娠にどのような影響があるのか、治療後に妊娠はできるのかについてご紹介します。 子宮筋腫とは? 予防できるの?子宮筋腫とは、子宮に筋腫と呼ばれる「できもの」ができる病気です。筋腫とは筋肉(平滑筋)に似た細胞がこぶのように増殖したものです。子宮筋腫のほとんどは良性で、悪性になるようなケースはまれです。30~40代に多いのが特徴で、小さいものも含めれば30歳以上の女性の20~30%が筋腫を持っています。症状がなければ、小さい子宮筋腫は治療の必要がありません。 子宮筋腫ができる原因ははっきりとは解明されていないため、有効な予防方法はわかっていないのが現状です。しかし、卵巣から分泌される女性ホルモンの影響で筋腫は発育すると考えられています。そのため、女性ホルモンの分泌が少なくなる閉経後には、ほとんどの筋腫は小さくなっていきます。 子宮筋腫は子宮のどこの部位にできるかによって3つに分類され、それぞれにより症状の出かたが異なります。 子宮の壁から子宮内部に向かってできる筋腫を「粘膜下筋腫」と呼びます。月経時に出血量が多くなったり月経日数が長くなったりするケースがあり、強い貧血が起こりやすくなります。粘膜下筋腫とは反対に、子宮の壁から子宮の外側に向かってできる筋腫を「漿膜下(しょうまくか)筋腫」と呼びます。大きくなると他の臓器を圧迫するため頻尿や便秘などといった症状が出るケースもあるのが特徴です。子宮筋腫のうち最も患者数が多いのは、子宮の壁の中にある平滑筋という筋肉の壁の中にできる「筋層内筋腫」です。小さいうちはほとんど症状は出ませんが、大きくなるにつれて経血が増えます。 また、筋腫は通常子宮の上部(体部)にできることが多いのですが、腟に近い下の部分にできる場合があり、こうした筋腫は「頸部(けいぶ)筋腫」と呼びます。 子宮筋腫があると妊娠しづらいって本当?子宮筋腫による症状の出かたは、できている場所や大きさにより影響を受けますが、妊娠しづらくなるかどうかについては一概にはいえません。しかし、大きな子宮筋腫や粘膜下筋腫の場合、不妊や流産の原因となることはあります。特に筋腫の大きさが10cm以上になると子宮内の形状に異常が起こり、着床障害が発生しやすくなります。 一般的に月経量が増えてきたようなときは、まず子宮筋腫の可能性を考えないといけませんが、子宮筋腫は小さいうちは自覚症状がないものが多く、婦人科健診によって見つかるケースが多いのです。ですから、結婚や妊娠を考える前から健診を受けておくことが大切で、筋腫が見つかった場合はその数や場所、大きくなるスピードなどを定期的にチェックしてもらうことです。 小さい筋腫の場合は、妊娠や出産に問題ないことが多いのですが、明らかに不妊の原因になっていると思われる場合や、妊娠しても流産・早産の原因となりそうな場合は、先に筋腫の治療をすることも選択肢となります。 有効な治療方法は? 妊娠を希望している場合はどうするの?子宮筋腫の主な治療方法は、薬を使った治療と手術の2つです。 子宮筋腫が発生する明確なメカニズムは解明されていませんが、女性ホルモンによる影響が大きいと考えられています。また、閉経後の女性では筋腫が小さくなりやすいというのも特徴です。そのため、基本的に無月経状態にして女性ホルモンの分泌を止めることで治療します。女性ホルモンの分泌を止めることで、筋腫の大きさを小さくするのです。さらに、薬を使った治療は「逃げ込み投与」と「術前投与」に分かれます。前者は閉経に近い年齢の人が閉経までの時間稼ぎをするためにおこなう方法です。それに対して、後者は手術療法をおこなうための下準備として、筋腫のサイズを小さくすることを目的としておこないます。 手術での治療は「筋腫核出手術」と「子宮全摘出手術」「子宮鏡下手術」の3つです。筋腫核出手術は、対象となる筋腫のみを摘出することを目的としているのに対して、子宮全摘出手術は子宮そのものを摘出してしまいます。子宮鏡下手術は、子宮の内側にできた粘膜下筋腫の場合に、腟から子宮内に手術器具を入れて、内視鏡的に筋腫を摘出する手術のことです。 当然のことながら、子宮全摘出手術をおこなってしまうと妊娠は望めなくなってしまいますので、子どもが欲しいという人は基本的に筋腫核出手術または子宮鏡下手術で対応します。筋腫核出手術には、おなかを切っておこなう開腹手術と、腹腔鏡という機械を使った手術の2通りの方法があり、個人の状況に合わせて手術法が選択されます。腹腔鏡手術のほうがおなかの傷が小さく、また術後の回復が早く、腹腔内の癒着が起こりにくいというメリットはありますが、腹腔鏡手術を受けるためには筋腫の大きさがおよそ10cm以内という制限があるのが一般的です。 いずれの方法で手術しても、筋腫の場所や大きさによっては、その後妊娠したときにその部分が薄くなり、分娩の方法は帝王切開が選択される可能性が高くなります。 まとめ子宮筋腫は30代以上の女性の20~30%がもっている、ありふれたものです。できている場所や大きさによって、月経量が増えたりするなどの症状が出る場合もありますが、症状のない人もたくさんいます。妊娠したいと思うときに筋腫が大きくなっていたりすると、妊娠しにくい原因となったり、また妊娠しても流産・早産の原因となることがあります。 したがって、普段から婦人科健診を受けておくことが大事で、筋腫が見つかった場合には定期的な健診が必要です。場合によっては、妊娠するより前にあらかじめ筋腫を取る手術を受けることが選択肢となる可能性があります。 ■参考・株式会社メディックメディア『病気がみえる Vol.9 婦人科・乳腺外科 第3版』p.132-141・日本婦人科腫瘍学会子宮筋腫 監修者:医師 産科婦人科福岡医院院長 福岡 正恒 先生京都大学医学部卒。同大学院修了後、京都大学助手、講師を経て、平成11年より産科婦人科福岡医院院長。京都大学在職中は、婦人科病棟や産科病棟などを担当。またこの間、英国エジンバラ大学・生殖生物学研究所に留学。日本産科婦人科学会・産婦人科専門医,京都大学医学博士
2019年10月28日下半身がしっかりしていることが、昔からコンプレックスだった私。親戚からはよく「安産型だね」と言われていました。下半身がしっかりしているなどの見た目で言われる「安産型」は、果たして本当なの……?「安産型」と言われた私が妊娠し、出産するまでの体験談をご紹介します。 嫌だった「安産型だね」という言葉骨盤が大きくてしっかりしている体型は「安産型」とよく聞きますよね。下半身がしっかりしている私は、親戚などから「安産型だね」「安産型でよかったね」と、昔からよく言われていました。 そんなふうに言われることが、私自身としては非常に嫌でした。まだ妊娠や出産を経験したことがなかったころの私は、無事に赤ちゃんを産むことへの不安や重要性を意識したことがなかったからかもしれません。 「安産型」は本当に安産になる?妊娠してから「安産型」というものには明確な定義がないことを知りました。骨盤が大きく張っていて、歪んでいないことが安産につながることがあるともいわれていますが、産道の広さや子宮口の開きも安産の重要なポイントになるのだそうです。 実際の出産は、妊娠39週に陣痛がきてそのまま入院。分娩時間は13時間かかり、出血も多量でした。初産ということもあり、子宮口の開きが遅く、2~3cmから先にすすむまでに時間がかかりました。 想像よりも出産に苦戦周りから「安産型」だと言われた私も、子宮口の開きが遅く、想像よりも出産に苦戦しました。無事に生まれてきてくれただけで十分ですが、周りから言われていた「安産」とは少し違ったかもしれません。 実際に妊娠・出産を経験してみて思うことは、「安産型」だと言われたことに気を抜かずに、もっと主体的になって妊婦生活を過ごせばよかったということです。安産のために、塩分量などの食事調整や体重管理など、出産に向けての時間の使い方や準備も大切だと感じました。 私と同じように、「安産型だね」と言われることを気にしている方もいるかと思います。赤ちゃんや自分にあまり負担のかからない出産となるように、できる限りのことをしていきたいですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:手塚みく三兄弟の母。義父母と同居し、異母兄弟の母として毎日奮闘中。妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆をおこなう。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー
2019年10月25日初めての出産は、わからないことだらけ。初産のとき、私もわからないことが多く、不安になることがありました。共に陣痛に耐えていた妊婦さんたちが、次々と分娩室へ……。「私が分娩台に上がるのはいつ!?」と、焦ってしまった出産体験談をお送りします。 分娩室になかなか入れなくて焦る気持ち初めての出産のとき、病院に到着してから分娩室に入るまでの間は、分娩室の横の部屋で陣痛に耐えていました。その病院では、子宮口が十分に開いてから分娩室に移動するとのことでした。 つらい陣痛に耐えていると、私よりあとから病院に到着した妊婦さんが私を追い越して分娩室に入っていくことに気付いたのです。「私が先に病院に来ていたのにどうして先に!?」と不安になるなか、しばらくすると赤ちゃんの産声が聞こえてきました。 初産婦と経産婦の違いを知らなかった!なかなか分娩室に案内されず、時間がかかっていることに問題はないのかと、ナースコールを押して何度聞いたかわかりません。「問題ないですよ」と言われても、周りの妊婦さんとの違いに不安が募りました。陣痛に耐えている間は、時間の感覚がいつもよりも遅く感じたため、余計に心配でした。 そんなとき、助産師さんから「初産と2人目を産むのとでは、出産までの時間のかかり方が違うんですよ」と聞き、ようやく納得しました。私はそのことを知らず、勝手に周りの様子を伺って焦っていたのでした。 初産は時間がかかる!陣痛が始まってから子宮口が開くまでの時間は個人差がありますが、一般的に2人目・3人目(経産婦)の出産は、初産婦より早くなるのだそうです。その後、さらにもう1人の妊婦さんが先に分娩室に入っていき、そしてまた、分娩室から元気のいい産声が聞こえてきました。 私は陣痛が遠のいてしまっていたので、そのまま何時間も分娩室には入れませんでした。そして、ようやく子宮口が十分に開き、分娩室へ移動することができたのです。 2人目を産んだのは別の病院でした。今度は初産の方の陣痛中に私が分娩室へ。あとから来た経産婦さんが、先に分娩室に入ることはよくあることだと知っておくと焦らずに済みますね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:斉藤あや大人しく内気な娘と楽天的で活発な息子、男女二児の母。ママ・パパに役立つ情報をお届けすべく、これまでの育児経験を生かして、育児の工夫やお役立ちグッズなどの情報を発信中。
2019年10月23日私は初めての出産をドイツで経験しました。しかも妊娠32週の健診で切迫早産気味と言われ、出産予定日よりも早く生まれるかもしれないとのこと。しかし待てど暮らせどその気配はなく、しっかり出産予定日に生まれてきてくれました。ただ、息子が生まれる3時間前まで、私は陣痛がよくわからなかったのです。そんな私の陣痛&出産体験をお伝えします。 お? もしやこれが陣痛か?出産予定日前日の午前5時30分、パッと目が覚めると「おお? これが陣痛かもしれない?」と全然自信はありませんでしたが、なんとなく違和感を覚えたのです。ですが、出産予定日の2週間くらい前から「来た! これが陣痛だ!」とドキドキしていると、1時間後にはその感覚がなくなるという「生まれる生まれる詐欺」を繰り返していたので、その日も「やっぱり違うかも」と思っていました。 病院に行くと陣痛の波が消えてしまった出産予定日前日だったので、一応病院に行ってみようと思って午前10時30分に病院に向かい、陣痛かどうか助産師さんにチェックしてもらいました。「いい感じで来ているわね」と言われたのですが、思っていたような痛みではなかったので実感がありませんでした。その時点で子宮口は3cm。しかし13時、16時、19時とチェックすればするほど陣痛の波は消えていき、「あぁ、やっぱりこれも前駆陣痛だったのだな」とがっかり……。 陣痛の痛みがだんだん強くなり…19時のチェックのときに浣腸をしてもらい、陣痛に効くといわれるオイルをおなかに塗ってもらいました。それから陣痛を促すハーブティーを飲んで、22時のチェックに行くと、先ほどよりも少し陣痛の波が強くなっているではないですか!しかし、この時点でも痛みは大したことありませんでした。子宮口は7cm開いていましたが、余裕で助産師さんや夫と会話できていました。するとその1時間後、「え?」と思っているうちに、体の中からワナワナとジェットコースターに乗っている感覚になっていったのです。 陣痛促進剤からの会陰切開これが本当の陣痛かと思っていると、子宮口は9cmに。私の場合は痛くて叫ぶこともできず、ひたすら体の中のジェットコースターのような感覚と戦いました。子宮口が全開になると息子の頭はサラッと出て来て、「もっといきんで!」と助産師さんに何度も言われていきみましたが、1回の陣痛が短かったので陣痛促進剤を打ち、会陰切開をすることに。そして無事に息子が誕生したのですが、時間は午前1時をまわっていました。 本当に痛くてたまらなかったのは23時から午前1時までのたった2時間でしたが、なにせ未体験の陣痛。私の場合は痛いというより「怖い」という気持ちのほうが強かったです。でも頑張ったその後には、宇宙一かわいいわが子に出会えました! ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:鈴木陽一児の母。ドイツでの子育てに奮闘しながら、海外での子育て・海外旅行・恋愛・結婚などのジャンルで執筆中。
2019年10月09日第2子では必ず挑戦しようと思っていた夢の無痛分娩。友人たちが第2子で選択し、「夢のような出産」「天国出産」などと言っていたので、私も第2子で挑戦しました。しかし、そこに待っていたのは、楽天家の私もビックリの壮絶お産でした。 無痛分娩で産みたい第1子は吸引分娩だったものの、ごくごく普通に生まれたという印象だった私。しかし、ただ一つ「陣痛の苦しみ」だけは、第2子の臨月が近づくにつれて不安が増していきました。そこで、無痛分娩の講習に参加することにしました。 私の通っていた産院の講習は非常に丁寧で先生も信頼できたため、「無痛分娩にしよう」と決意。 同じ産院で無痛分娩をした友人の「天国だった」「全然ストレスがなかった」とうらやましい体験談を聞き、私の心は固まったのでした。 2度の帰宅……さて、いよいよ無痛分娩の予定日! 元気いっぱいに病院に行くと、早々に雲行きが怪しい……。「まったく子宮口開いていないね、今日は無理じゃないかな」。先生のそのひと言で、その日は泣く泣く帰宅し、日を改めて挑戦することになりました。 そして次のチャンス……今度こそ! と、次は「バルーン」を入れることに。そのとき、先生には何度も「経産婦さんなので、バルーン入れるとすぐお産がすすむことがありますからね」と言われ、もうほぼほぼ「今日が出産日なのかしら」と高揚していました。 ところが…… 赤ちゃんはまったくおりてきません。そして頑固な子宮もバルーンの刺激にもしっかりと口を閉じて、うんともすんとも言いません。そして恐れていた事態。2回目の帰宅……。 経産婦の出産はスムーズなイメージしかなかった私でしたが、無事出産できなかったらどうしようと不安になっていきました。 今度こそ!しかし 、3度目の正直。さらに日を改めて妊娠39週。もうさすがにいけるだろうとの先生の言葉もあり、期待と不安が入り混じって迎えた当日。 バルーン(大)から始まって「きっと陣痛来ますよ」と助産師さんの励まし。しかし、子宮口が4cm開いているというのに、あまり痛みも感じません。いったい私の赤ちゃんどうなってるの、寝てるの? と不安といら立ちが……。 陣痛促進剤も開始したものの、おなかが張ってもすぐにおさまって遠のく。もうだめだ。もういい加減今日産みたい。産ませてくれ! 先生が内診したけれど、子宮口は5cm。そこで先生の決断「人工破膜」。よし。もうこれは強制的に進む! 人工破膜から陣痛が一気に来て子宮口が全開大したのですが、それにもかかわらず赤ちゃんはまったくおりてきませんでした。そして、「赤ちゃんがおりてこないので吸引します」と、第1子で経験した吸引分娩に。吸引を2回。そこでわかったのが、赤ちゃんが回旋異常だったということ。吸引でもおりてこなかったのは、赤ちゃんが逆側に回っていたからだったのです。 緊急帝王切開に!先生の顔が厳しくなって「緊急帝王切開になります」 と言いました。緊急帝王切開に夫が同意し、そこからは早かったです。ふんわり温かい麻酔が入って地獄から天国の夢心地。ドラマでしか見たことない手術室のばたつきを見ながら、さっと持ち上げられた赤ちゃん。「生まれましたよ」。なかなか生まれず、「赤ちゃんは私のこと嫌いなのかな」とまで思ってしまっていましたが、無事に生まれて本当によかったです。 今回の出産で、第2子でも何があるかわからないということを学びました。回旋異常の予防は難しいかもしれませんが、第2子であっても慢心しないで、出産に向けて体重管理やヨガ、呼吸法などをおろそかにせずにやっておけばよかったと思いました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:代々木菜乃子3歳・1歳の2児の母。育児休暇中。エンタメ業界で働くかたわら、記事執筆をおこなう。現在知育を勉強中。
2019年09月30日私は出産を3回経験しています。「そこそこ陣痛も出産も慣れているのでは?」と思われてしまいそうですが、私の場合は陣痛の様子がそれぞれ違っていました。「この痛みは……陣痛だ!」と断言できないと思っています。それは何故か? 実際に体験した陣痛から出産までの話と、そのときの家族の行動などをご紹介します。 トイレだと思っていた痛みが陣痛だった!初めての出産。出産予定日を3日超過しても陣痛が来ず、健診で子宮口に刺激を加えられて帰路に就きました。その夜、夫の夕食を準備している途中で突然用を足したくなり、トイレできばりますが、なぜか出ないのです。トイレへ何往復かしていると夫が帰宅。私の異様な行動に夫が気づき、慌ててタクシーで病院に向かい、分娩室に運ばれました。そのときすでに子宮口がほぼ10cmで、先生のかけ声数回で出産しました。時間にして1時間程度だと思います。トイレと思っていた痛みがまさか陣痛だとは思いませんでした。 いつもと違う胎動を感じてソワソワ…月日は流れ、私は2人目を妊娠。前回と同じ病院で妊婦健診をしていました。初産がスピード出産だったこともあり、「次の出産の際は、上の子も居るので陣痛が来たら即連絡ね!」と注意を受けていました。そのため陣痛? と感じたときは、その都度病院に駆け込みましたが、間違うこと3回……。出産予定日を5日超過して訪れた病院で、休みだった夫に付き添われ陣痛誘発剤を投与しました。徐々に子宮口が開いていきましたが、同時におなかなのかお尻なのかわからない痛みに耐え、約12時間で出産できました。 3回目の妊娠でやっと陣痛の痛みを実感初回、2回目の経験を経て、3回目の妊娠。引っ越しして、総合病院で出産予定でした。陣痛が来た際は入院手続きを済ませ、陣痛室に入室と言われていました。妊娠39週1日の日、家事中におなかの痛みを感じ、午前10時過ぎに念のため病院へ。診察で子宮口は3cmと言われました。しかし、赤ちゃんを包む膜がパンパンで破水すればお産が進むと診断され、病院で経過観察に。「夕方には出産」という先生の予想でしたが、昼前に出産したのでした。 はっきり陣痛だとわかれば、間隔をチェックして病院に向かえます。しかし、私のように出産間近の陣痛もわからない妊婦もいるのです。3回の出産を経て、少しでもおかしいなと感じたときは、自分自身とおなかの子どものためにも病院へ連絡することが大切だと感じました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー 著者:佐藤ひより3児の母。毎日やんちゃな姉妹に振り回されている。時短家事や育児の体験談などを中心に執筆中。
2019年09月14日子宮内膜症は、妊娠と出産ができる年代の女性がかかりやすいといわれている病気の1つです。不妊にもつながる可能性があるとされる病気です。今回は、子宮内膜症とはどのような病気なのか、不妊との関連性や妊娠中に診断された場合の方針、早期発見のポイントについてご紹介していきます。 子宮内膜症とは?子宮内膜症、名前からは何となく子宮の病気のように思えますが、実は子宮に起こる病気ではありません。(子宮筋層内に発生する子宮腺筋症は、広い意味では子宮内膜症の一種ですが)。子宮内膜症とは、子宮内膜様の組織が、卵巣やダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)など、本来子宮内膜が存在しない場所で増殖する病気です。子宮内膜様の組織ですから、月経(生理)時に子宮内膜と同じように壊死を起こし、剥がれることで、病変部位で出血を起こします。本来の子宮内膜は月経の際に経血として排出されますが、子宮内膜症病変では、出口がないために出血はそこに留まり、炎症を起こします。 卵巣に発生した子宮内膜症では、その出血は卵巣の中に溜まり、あたかも、溶けたチョコレートがたまったような風船のような状態となり、チョコレート嚢胞と呼ばれます。ダグラス窩に発生した子宮内膜症では、子宮の裏側で月経時に出血が起こり炎症を誘発し、強い痛み(月経困難症)や子宮-卵巣-卵管-直腸の間で癒着などを起こします。稀ではありますが、大陰唇などに発生し、月経に合わせて同じ場所に皮下出血を起こしたり、膀胱に発生して月経に合わせて血尿が発生したり、肺に発生して月経に合わせて喀血を起こすことなどもあります。基本的には命に関わる病気ではありません。生理痛や腹痛といった痛みが主な症状です。また、直腸への刺激により月経に合わせて下痢傾向になったり、癒着のために性交時痛などが起こることがあります。また、腹腔内の癒着や炎症などにより、不妊症の原因にもなります。近年は、サイズの大きなチョコレート嚢胞、年齢が高くなってからのチョコレート嚢胞では、癌化することがあるとわかってきたので慎重な管理が必要です。子宮内膜症を発症する原因は解明されていません。ただし、月経の回数が多いほど発症する可能性があるといわれる病気です。晩婚化や子どもを持たない夫婦も増えたため、一生のうちに経験する月経の回数も増えています。そのため、徐々に患者が増えているのです。子宮内膜症の症状を悪化させないためには、早期発見が重要になります。主な症状である生理痛ですが、月経のたびに痛みが重くなることが特徴です。最も分かりやすい自覚症状であり、生理痛を和らげる薬を飲んでいても抑えられないほどの痛みを伴う女性もいます。子宮内膜症の診断は、問診(痛みなどの症状と月経との関連性)、超音波断層法(チョコレート嚢胞)、内診(子宮後面の有痛性硬結)によりなされますが、確定診断を得るためには腹腔鏡検査を必要とします。 子宮内膜症と不妊の関連性子宮内膜症は、子宮以外で子宮内膜が増えることにより、臓器と癒着してしまうケースもあります。そのため、子宮、卵巣、卵管、直腸など、妊娠時に健康な状態であるべき臓器同士が癒着する可能性があるのです。癒着すると、卵巣が卵子を出したり卵管へ取り込んだりと、卵子の動きが妨げられるため、不妊につながる場合があります。また、子宮内膜症による骨盤腔内の炎症のために、炎症物質の増加などが起こり、卵胞が育たずに卵子の質が低下したり、卵管の動きが妨げられたりします。卵巣内で発生した子宮内膜症「チョコレート嚢胞」では、卵巣の機能低下を引き起こすこともあります。そのために、子宮内膜症は、絶対的な不妊原因ではありませんが、妊娠成立に不利に働く重要な疾患と言えるでしょう。 子宮内膜症でも妊娠できる! 不妊治療の方法は?子宮内膜症の治療方針は、挙児希望の有無により大きく異なります。ですから、現時点での妊娠を希望しているのか、いないのかをはっきりと担当の医師に伝えることが重要です。子宮内膜症を発症した女性が妊娠できる確率は、子宮内膜の状態や症状の進行状態により異なることから、正確なデータは出ていません。症状の進行状況が軽度なのか、重度なのかに応じて、不妊治療の方法は変わります。症状が軽度の場合、今すぐに妊娠を希望していない場合では、手術ではなく薬剤による治療をおこない、子宮内膜症の症状を抑えることが一般的です。現在はLEP製剤やプロゲスチン製剤を用いることが一般的です。 不妊治療は、個人の状況によって異なりますが、タイミング法から始めます。ただし、子宮内膜症は再発することも多いため、再発により不妊治療を進められない場合には、子宮内膜症病変を手術で除去することになります。症状が重度の場合、子宮内膜症の手術をおこなったあと、体外受精や人工授精といった不妊治療をおこないます。自然妊娠の可能性もあるので、妊娠をすぐに希望していない時期に子宮内膜症の症状をLEP製剤の使用などで進行させないことが重要です。 妊娠中に子宮内膜症が見つかったら?妊娠時の検査で、偶然に子宮内膜症が見つかることもしばしばあります。妊娠中に見つかった場合、手術がおこなわれるケースは稀です。チョコレート嚢胞が見つかった場合、その大きさや癌化の可能性(腫瘍マーカーの値など)に応じて手術をおこなうことがあります。しかし、手術をおこなわずに出産できる可能性が高いため、治療方法については担当医と相談することが大切です。 出産後に月経がくると、子宮内膜症の症状は進行する可能性が高いといえます。そのため、2回目の妊娠を希望するのかなど、先のことも考えなければなりません。まずは、元気な赤ちゃんを産むことを最優先に考え、出産後の治療に関しても話し合いましょう。 まとめ子宮内膜症は、生活習慣の変化、晩婚化に伴う初産年齢の上昇により罹患する方が増えてきています。子宮内膜症は再発しやすいことが特徴であり、症状が進行すると不妊につながる可能性もあります。子宮内膜症の主な症状としては、生理痛が重くなることが挙げられます。また、妊娠時の超音波検査で子宮内膜症(チョコレート嚢胞)が判明するケースも多くあります。そのため、妊娠を希望している方は、心配な症状がある場合、早めに受診して検査を受けましょう。サイズの大きい、または高齢になってからのチョコレート嚢胞は、卵巣がんに移行する頻度も高くなるので、手術を含めて治療方針を担当の先生と相談するのが良いでしょう。 参考:・日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン産科編2017」 監修者:医師 医療法人至誠会 梅田病院院長 北川 博之 先生昭和56年愛媛大学医学部卒業。その後愛媛大学付属病院にて産婦人科講師、助教授として勤務。愛媛県立医療技術大学教授を経て、平成20年より現職の梅田病院に院長として就任。現在も愛媛大学、広島大学などで非常勤講師として教育にも従事。著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2019年09月06日私の1人目の子どもは、出生体重が3,400gと大きめの赤ちゃんでした。そして2人目は、出産3日前の健診で3,300~3,600gぐらいだろうと言われていました。「前回と同じぐらいかな」と思っていたところ、いざ産んでみると……!? 私の驚きの出産体験談をご紹介します。 前回と同じようにスピード出産?1人目の出産は、3時間半というスピード出産でした。2人目の今回も、病院に着いて診察すると子宮口が8cm。すぐに分娩台へ移動しました。30分ほどで子宮口が全開し、「赤ちゃんが出た!?」と思った瞬間、思いもよらぬことが起きたのです。 どうやら赤ちゃんの肩が抜けず、止まってしまったようでした。私は「そんなことある!?」とプチパニックに。さらにその状態で、これまで絶え間なくきていた陣痛の痛みもストップ……。そのとき、先生が動きました。 いざ産んでみたら、4,018gのビッグベビー!「乗るね!」と私にひと言かけ、先生が私のおなかの上に乗りました。私は衝撃を受けましたが、最後の力を振り絞っていきみます。そして、3回ほどいきみを繰り返して、ようやく赤ちゃんが誕生したのでした。 赤ちゃんの出生体重は、なんと4,018g! はじめは分娩室で聞こえてきたその数字が、出生体重だと気付きませんでした。ベテランの助産師さんにも、最近はなかなかいないと感心されてしまったほどです。 ハラハラもしたけど、元気に生まれてくれた!対面したわが子は、新生児らしからぬムチムチボディ。泣き声もとても大きく、元気いっぱいでした。結果的に、自然と会陰が少し切れてしまったり、最後の最後でハラハラしたりもしましたが、3時間もかからなかったこともあり、思い返すと安産だったのではないかと思っています。 やはり、ひと筋縄ではいかないのが出産ですね。2人目の出産ということで初産よりは慣れていたものの、4,000g超えの赤ちゃんを産むのはひと苦労でした。著者:小林夏希4歳と1歳の二児の母。フリーライターとして育児・インテリア・住宅関係の媒体を中心に記事執筆をおこなう。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー
2019年08月23日前置胎盤はハイリスク妊娠のひとつであり、ときには大量の出血によってお母さん、赤ちゃんともに大きなリスクを伴うものです。そこで今回は、前置胎盤の原因や症状、お母さんと赤ちゃんに与える影響のほか、前置胎盤と診断された後の過ごし方と出産方法を詳しく紹介していきます。 前置胎盤とは胎盤とは妊娠後に作られる器官であり、およそ妊娠15週目(妊娠4カ月目)ごろまでには完成します。胎盤はへその緒を介しておなかの赤ちゃんとお母さんをつなぎ、血液や栄養分、酸素をおなかの赤ちゃんに送る重要な役割を担っています。通常は、子宮の天井付近(お母さんの頭側)に作られる胎盤ですが、何らかの理由で子宮の頸部の出入り口(内子宮口)付近に胎盤が作られ、内子宮口を塞いだり、覆ってしまったりすることがあります。この状態を「前置胎盤(ぜんちたいばん)」と呼んでいます。 前置胎盤の原因は?前置胎盤になってしまう原因ははっきりと解明されていませんが、次の3つがリスク要因になると考えられています。1.子宮に何らかの手術歴がある帝王切開術や流産や人工妊娠中絶の手術を以前に受けたことがある場合、子宮内膜にある傷あとが影響して、通常よりも低い位置で受精卵が着床してしまうことが原因と考えられています。このことから、そのほかの子宮の手術や子宮内膜炎症にかかったことがある人もリスクが高いといわれています。2.子宮内膜の変化子宮も年齢を重ねると老化をしていきます。そのため、高齢出産の方は子宮の内膜が萎縮することで正常な着床部位に異変が起きてしまうことがあります。また、タバコを吸う方は子宮に血流障害が生じて、正常な着床を妨げられる場合があります。3.多胎妊娠や子宮の形多胎妊娠(双子以上)の場合は、胎盤の数が多くなるので通常よりも下につくられてしまうことがあります。また、子宮筋腫や子宮の奇形がある場合も胎盤がつくられる位置が制限されてしまうことから、前置胎盤のリスクが高くなっています。 前置胎盤の3つの分類と症状【正常妊娠】胎盤は子宮体部に付着しています。前置胎盤は正常よりも下の方に胎盤が付いており、内子宮口の塞がり度合いによって3つに分類されています。 1.全前置胎盤完全に、内子宮口が胎盤によって塞がれているタイプです。 2.部分前置胎盤内子宮口の一部を胎盤が覆ってしまっているタイプです。 3.辺縁前置胎盤胎盤が内子宮口の縁にわずかにかかっているタイプです。 重症度は、全前置胎盤 > 部分前置胎盤 > 辺縁前置胎盤となっており、原則として帝王切開で出産します。しかし、分娩までの妊娠期間中に大量の出血を起こす可能性もあるため、十分な妊娠管理が必要です。なお、妊娠中に前置胎盤と診断されても、経過とともに胎盤が上に上がり、前置胎盤でなくなるケースもあります。●前置胎盤で見られる症状前置胎盤では自覚症状が少なく、無症状という方も多いです。症状として、腹痛を伴わない出血が起こることがあります。また、内診によって大量の出血を招くことがあるため、診察時の内診は禁忌となっています。これは、子宮の壁と胎盤がおなかの赤ちゃんの重みによってずれ、胎盤から出血を起こしてしまうためです。特におなかの赤ちゃんが大きくなってから症状が出やすい傾向にありますが、そのほかでも大量の出血がある場合は、緊急を要する事態となっているため、すぐに受診しましょう。 前置胎盤がお母さんに与えるリスクとは?前置胎盤における最大のリスクは大量の出血と癒着胎盤です。●前置胎盤と大量の出血前置胎盤の場合は、出血がない場合でも早産になるリスクが非常に高く、妊娠が継続できた場合でも帝王切開での出産となります。出血量が非常に多いため、場合によっては赤ちゃんだけではなくお母さんも危険にさらされてしまうことがあるため、自己血や輸血の確保が必要とされています。●前置胎盤と癒着胎盤通常、胎盤は出産時に赤ちゃんと一緒に体の外に排出されます。しかし、子宮に癒着して剥がれなくなるケースがあり、この状態を癒着胎盤とよんでいます。前置胎盤においては、約5~10%の割合で癒着胎盤を合併するといわれており、さらに大量の出血をする可能性が高くなっています。場合によっては、子宮を全て摘出しなければいけないこともあります。 前置胎盤の管理と出産方法前置胎盤における分娩週数は平均34~35週となっており、可能な限り37週まで待機しますが、少なくともこの時期を目指した妊娠の管理がおこなわれます。●安静にする出血がない状態でも、早産や出血のリスクが高いため、基本的には安静にしておくことが必要です。また、運動や性交渉も控えた方がいいとされています。また、妊娠期間をなるべく長くさせるために、子宮収縮抑制剤の使用などもおこなわれています。●入院管理出血が見られる場合は、基本的に入院して管理することになります。●出産方法・出血がないまたは少量の場合:おなかの赤ちゃんの成長などを考慮し、妊娠37週まで妊娠を継続し、陣痛が来る前に予定帝王切開をおこないます。・出血が多量またはおなかの赤ちゃんの状態が良くないと判断された場合:妊娠週数にかかわらず緊急帝王切開をおこないます。予定帝王切開では、輸血の準備として自己血貯血(※1)やインフォームドコンセント(※2)をおこない、安全に手術をおこなうための準備がなされます。また、通常の帝王切開よりも大きなリスクが伴うため、ICUやNICU、麻酔科などのある大きな病院(大学病院・総合病院)での対応が必要です。基本的には、小さな病院にかかっていても前置胎盤の疑い、または診断が出た後は大きな病院へ紹介されることが多いですが、紹介がない場合は自分から医師に相談したほうが良いでしょう。 ※自己血貯血:前置胎盤では帝王切開がおこなわれますが、出血量は通常の帝王切開に比べて多く、約14%の割合で輸血が必要となっています。そのため、出産に備えて、自分の血液を採取する「自己血貯血」という方法で十分な血液量をストックしておきます。これは、妊娠33~34週ごろにおこなわれています。 ※インフォームドコンセント:患者・家族が病状や治療について十分に理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況や説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、患者・家族、医療職、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなど関係者と互いに情報共有し、皆で合意するプロセス(出典:インフォームドコンセントと倫理 | 日本看護協会 まとめ前置胎盤は、妊娠期~分娩~分娩後まで大きなリスクを伴います。そのためハイリスクな妊娠のひとつとなっており、しっかりとした妊娠の管理が必要です。症状としては、目に見える変化が少なく腹痛などもないですが、出血が起きたときは量が少なくてもすぐに受診することが大切です。大量の出血を起こした場合は、お母さん、おなかの赤ちゃんともにリスクを伴います。運動や性交渉を控え、安静にすることが大切です。そのため、ご家族の方に家事を分担してもらったり、万が一の状況に備えて周囲の人に病院の連絡先を伝えておいたりと、少しでも安心して妊娠を継続できるような環境を整えておくようにしましょう。 監修者:医師 三鷹レディースクリニック院長 天神尚子 先生日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
2019年08月17日陣痛が進むと子宮口が徐々に開いていきますが、妊婦さんにより個人差があり、なかなか開かないことがあります。今回は、子宮口が開かない原因と開かないときの対処法、また妊娠中にやっておきたい対策をお伝えします。 子宮口が開かない原因子宮口がスムーズに開かないと、分娩には至りません。初産婦で30時間以上、経産婦で15時間以上経過しても赤ちゃんが生まれない場合を「遷延分娩(せんえんぶんべん)」と判断され、母児ともに悪影響が及ぶことがあります。そのため遷延分娩と判断された場合、状況によって帝王切開になることもあります。 子宮口がスムーズに開かない要因はさまざまあります。●微弱陣痛●逆子・回旋異常●軟産道強靭など さらにこれらの要因もさまざまあり、複数の要因が関連して生じていることも多くあります。 子宮口がなかなか開かないときの対処法子宮口の開きがスムーズでない場合、その原因に合わせて対処していくことが必要です。状況によって、陣痛促進剤を使用したり、帝王切開になることもあります。ここではママ自身がおこなえる対処法について紹介します。 ●休息と食事長くつらい陣痛に向き合っていると、なかなか休めず食事も摂れないということもあるかもしれません。ですが、疲労やエネルギー不足は微弱陣痛の原因にもなります。陣痛と陣痛の合間に休んだり、食べられるものを食べるなどして陣痛を乗り切りましょう。 ●じっとしているのもNG痛みがあるとあまり動きたくないと思ってしまいませんか? 可能であれば歩いたり、入浴したりすることでお産が進むことがあります。 ●体を温める体を温めることで血行もよくなり、リラックス効果も得られます。入浴、足湯、腰を温めるなど、体を温めるのもおすすめです。 ●リラックスお産するうえで、なかなかうまくできないのがリラックスです。お産が進むにつれ、体に力が入ってしまうかもしれません。ですが、子宮口が全開大するまでは、なるべくリラックスするようにしましょう。楽な姿勢をとったり、呼吸法をおこなったり、好きな音楽を聴いたり、場合によってはアロマを活用しても。陣痛中の過ごし方については、産院によってNGの事柄もありますので、事前に確認しておくと安心ですね。 妊娠中にやっておきたい対策法 ●体重管理妊娠中に体重が増えすぎたり、もともと肥満体型であったりすると、微弱陣痛などのさまざまな合併症を引き起こす危険性があります。妊娠中は脂っこい食べ物などを控える、無理のない範囲で体を動かすと同時に、不足しがちな鉄分やカルシウムを積極的に取り入れましょう。 ●適度な運動で体力アップ!妊娠中に激しい運動は禁物ですが、適度な運動は体力維持やストレス解消にも効果的だといわれています。臨月になったらウォーキングなどの有酸素運動に取り組みましょう。 ●イメージトレーニング特に初産の場合、分娩中に痛みや恐怖から、過緊張に陥ってしまう場合があります。妊娠中に分娩の進み方をよく理解しておき、日ごろからイメージトレーニングをおこないましょう。 また、緊張したときにはゆっくり息を吸って吐く、いわゆる呼吸法の練習もしておくといいでしょう。呼吸法にはさまざまな手法がありますが、陣痛のタイミングに合わせてしっかり息を吐くことを意識しましょう。 ママたちの体験談 予定日より5日遅れの出産でした。陣痛も機械では波が出てるのにまったく痛みを感じず微弱陣痛ってやつでした。妊娠して16キロも太ってしまって、怒られてるくせにろくに運動もせず、なぜか陽気だったのが微弱陣痛の原因だと思っています(笑)。微弱陣痛のデメリットは陣痛が長時間になるのと、子宮口が開くのが遅いということで、わたしも結局、丸一日陣痛に耐えました。後半の陣痛のしんどさのおかげで出産自体は意地でも早く終わらせてやる!!と意気込んで3回のいきみで産みました(笑)。やはり自分のためにも太らないようにするのと、妊婦だからといって大人しく一日過ごさないようにすることを学びました(笑)。(ほのかりんママ さん) 初産ということもあり、陣痛とともになかなか進まないのが子宮口の開きでした。朝の健診のときも2~3cmと言われていて入院したときにもまだ3cm、徐々に痛みの間隔が狭まって内診にいっても5cm程度、分娩台にあがるときも6cmと、なかなか子宮口が開いてくれませんでした。陣痛と闘いながらの、病室と内診室の往復がつらかったのを覚えています。なかなか進まない陣痛にしびれを切らしたのは夫で、お産を進める働きがある足首の三陰交というツボを押してくれてました。ツボを押されると陣痛は強まっていくような感覚がありました!(中略)それからはしばらくすると子宮口は全開に。ハサミを入れて破水をし、30分ほどで長女が誕生しました。出産からからまもなく6年が経ちますが、突然の入院となかなか進まない陣痛、分娩間際の気の抜けちゃうようなエピソードはまだまだ鮮明な記憶です。(あきひめいちごさん) 出産予定の2週間前、定期健診での診察後、「じゃあ、また来週来てね」とお医者様に言われました。この時点では、まだ産まれそうにないのかなと思いながら病院を出ました。程よく疲労し、帰宅すると、妊娠中の寝不足も相まってそのまま昼寝。次に目覚めたのは夏だというのにとっぷり日も暮れた時間でした。そして、おなかに波のある痛み?!主人が帰宅するころには10分間隔になり、産院に電話しました。初産だったため、「ゆっくりでいいですよ」と電話越しの助産師さん。しかし、陣痛は順調に短くなり、すぐに10分以内に。ここでようやく車で片道20分の産院へ向かったのでした。病院に着くと、すぐに陣痛室で内診。「今3cm、これはお産に進みます。平均で15時間くらいですね」と助産師さん。そのとき、おなかの中で「パァンッ!」とはじける感触。破水です。ここから急にお産が進み、耐えられない痛みに。「これが10時間以上?」と絶望ともいえる感情を抱いた瞬間「はい、足開いて!はい、いきんで!」「え?え?え?」……結果、3時間程度のスピード出産でした。出産には糖分と体力が必要。何気なく食べたパフェに直前の昼寝は必然だったのかな、と自分に感心したできごとでした。(半田あきらさん) 子宮口がなかなか開かないと焦ったり不安になったりしてしまうかもしれません。できるだけ落ち着いてリラックスして臨めるよう、妊娠中に出産の流れをイメージトレーニングしておくといいですね。また、妊娠中に適度な運動を取り入れて体力をつけておくことも大切です。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩) 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2019年08月16日出産は人生の一大事。長くつらい陣痛を乗り越えてやっとの思いで出会えるわが子……のはずでしたが、1人目から約3時間半で出産した私は、とにかくハラハラ! 痛みに耐える時間が短いと言えども、本人はもちろん、周囲もバタバタだったスピード出産エピソードをお伝えします。 予兆? 予定日2週間前で子宮口が3cm初めての出産。緊張したまま臨月に入り、健診も1週間おきになりました。予定日のちょうど2週間前、健診では子宮口が3cm開いており、医師からは「もういつ生まれてもいいね」と言われました。助産師さんからも「2人目じゃないよね?」と言われましたが、当の本人は何の変化も感じていませんでした。 初産婦はとりあえず1時間は家で待機!そして出産予定日の翌日に陣痛開始! 私の場合、便意と同じ感覚だったことと、初めてでよくわからず、時間の計測が遅れたようにも思います。また、初産婦は家で1時間は様子を見るようにも言われていたので、約1時間半後、陣痛間隔が10分を切ったところでやっと病院に連絡して出発しました。 5分間隔の陣痛に耐えながら20分かけて車で病院に到着しました。しかし、もう少し早く連絡しておけば、車移動があれほどつらくはなかっただろうと後悔しています。 病院到着! 先生「あと30分くらい」内診すると子宮口は8cm! まったく気付いていなかったのですが、破水もしていて、すぐに分娩台へ。到着したのは23時半でしたが、先生は「日付が変わる前に生まれそうだなあ」とひと言。「あと30分で!?」と、痛みから解放されると思うとうれしい気持ちに。 しかし、急展開過ぎて完全に思考はストップ! 助産師さんたちがバタバタ準備しているのだけはわかりました。分娩台に移動後は、結局1時間ほどかかりましたが、無事に出産することができました。 余談ですが、2人目は2時間を切る、さらなるスピード出産でした。うらやましがられることも多いエピソードですが、生まれる間際の車移動もなかなかつらかったのよ……と、いつも思っているのはココだけの話です。著者:小林夏希4歳と1歳の二児の母。フリーライターとして育児・インテリア・住宅関係の媒体を中心に記事執筆をおこなう。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年08月04日妊娠期間は何事もなく過ごし、いよいよ出産!でも、なかなか生まれてこなくて……私が体験した出産までのエピソードをお話しします。 楽しかった妊婦期間妊娠期間はつわりもなく、体調不良もなく、すこぶる健康妊婦でした。妊娠期間はのんびり過ごすことができ、夫と2人きりの最後の旅行にも行き、楽しんで生活していました。このまま、何事もなく出産して、子育てしていくんだろうな〜と当然のように思っていました。 おなかの張りは陣痛だった出産予定日が近づいてきたある日、今日はやけにおなかが張るなぁと感じました。そのまま夜になり、夕食を食べ終えたころから、おなかの張りが収まらなくなり、これは何か変だぞ? と思い、病院に電話。状況を説明しても陣痛ではないようでしたが、少し心配だったので、夜間に病院へ。 診てもらうと、なんと子宮口が5cm開いていると言われ、驚き! 感じていたおなかの張りは、どうやら陣痛だったようです。 深夜からは痛みを感じるようになり、このままだと早ければ朝方に生まれそうと言われ、痛みを感じながらもいよいよ赤ちゃんに会えるのが楽しみでした。 緊急帝王切開、そして無事出産!陣痛の痛みがだんだん強くなっていく一方、朝になっても子宮口が5cmのまま開かず、帝王切開を提案されました。当然、普通分娩できると思っていた私は大ショック。普通分娩で産んであげられないことへの申し訳なさから、涙が……。なかなか決断ができず、陣痛が始まってから12時間後、このままでは赤ちゃんも苦しいよという助産師さんの言葉に背中を押され、緊急帝王切開をすることにしました。 手術中、麻酔で動けませんでしたが、赤ちゃんの産声を聞くことができ、思わず感動して、涙が溢れました。 今はどんな形であれ、赤ちゃんが健康で無事に生まれてきてくれたことに感謝しています。著者:塩澤 萌華初めての子育てに奮闘中の30代ママ。子どもの昼寝中におやつを食べるのが至福の時間。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩)
2019年07月29日2人目を妊娠し、妊娠39週のとき「経産婦だからもういつ生まれてもおかしくない」と言われていました。しかし自宅から実家が徒歩5分と近所だったので、安心しきっていたのです⋯⋯。 実家まで徒歩5分私の実家は自宅から徒歩5分で行くことができる距離でした。自宅から実家までの距離がとても近かったので、2人目を妊娠しているときも長女と歩いてよく実家に行っていたのですが、当時2才だった長女はまだまだ甘えたい盛り。途中で歩かなくなり、私に「抱っこして!」と言うことも多く、臨月でも抱っこをしてあげながら実家に行っていました。 破水した日も実家へ…そんなある日、私は夫と喧嘩をして自宅にいたくないと思い、長女と実家に行ってテレビを見ていました。その日は妊婦健診の日で、お医者様に「もうだいぶ下に降りてきてるし、いつ生まれてもおかしくない。妊娠39週目なので、今日生まれてもおかしくないね」と言われていたのですが、まだ大丈夫だと思っていました。 でも、なんだか違和感がありトイレへ行ったとき、破水していることに気付きました。 すぐに産婦人科に行くことに!血混じりの水のようなものが出てきてさすがに焦ったのですが、陣痛のような痛みはなかったため冷静に夫に電話しました。そうすると、喧嘩をして自宅に残っていた夫も私が破水した話を聞いて焦ってしまい、すぐに駆けつけてくれました。 そして、夫と2人で状況を産婦人科に説明したところ、すぐに来てほしいと言われ夜8時半に産婦人科で見てもらうことになりました。 すでに子宮口7cm!産婦人科に着いてすぐ分娩台に来てくださいと言われ、見てもらったところ、「すでに子宮口が7cm開いている」と言われました。しかし、まだ陣痛らしい痛みもなく、夫と「今日生まれるのかな?」と分娩台で話しながら過ごしていました。産婦人科に着いて約1時間後少しずつ痛み出し、「あ、これだ」と陣痛に気付きました。 病院到着2時間後には痛みが少しずつ強くなっていき、「そろそろかな」とお医者様に言われたときに強い痛みが来て、2回ほどいきんだらスルッと赤ちゃんが生まれました。 破水をしたとき、子宮口が7cm開いていると告げられたときも、まったく痛みはありませんでした。距離が近いとはいえ、もし実家ではなく別のお出かけ先だったらもっと大変なことになっていたと思います。臨月のときはもっと注意しなくてはいけないなと感じました。著者:永田真結4歳の長女、2歳の長男、0歳の次女を持つ母。自身の妊娠、出産、育児に関する体験談を中心に記事を執筆している。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年07月24日1人目の出産のときは陣痛開始から4時間で生まれたため、医師から「2人目はもっと早く生まれるだろうから、陣痛が始まったらすぐに病院に来てください」と言われていました。そして、妊娠37週の妊婦健診に行くと子宮口がすでに開いており、陣痛の前触れもないまま即入院に! そんな慌ただしい入院~出産までのお話をご紹介します。 妊娠37週の妊婦健診で⋯妊娠37週0日に妊婦健診を受けました。お産の気配がするような自覚症状はなく、腹部エコーで赤ちゃんを見てもらうと「元気で特に問題ない」とのことでした。 「1人目の出産時、陣痛を感じて病院に着いたときにはすでに子宮口が7cm開いていたので、今回も子宮口が一気に開かないか気になっています」と医師に伝えました。すると、「自覚症状が特にないなら大丈夫だとは思うけれど、内診してみましょう」ということに。 子宮口が4cm開いていた!内診で子宮口の開きを見てもらうと、医師の表情が一転! 「子宮口がすでに4cm開いている。このまま陣痛が来れば一気にお産が進んで生まれるかもしれない。家から病院まで遠いし、病院外で生まれてしまうと大変です。このままの状態で家に帰すことはできません。今から入院して様子をみましょう」と言われました。 出産準備はしていたものの、予定日まであと3週間あったので、当然何も持って来ていませんでした。まさかの手ぶらのまま即入院になってしまったのです。 一時退院…しかし自宅には帰れず健診後そのまま病室に案内され、陣痛を待つことに。急な展開で一気に出産の現実味が湧き、期待と不安を抱きながら病室で過ごしました。しばらくしておなかが張ってきましたが、間隔がばらばらでそのまま遠のいてしまい……。 入院している必要がなくなったものの、自宅は遠くて混雑時は1時間かかるということもあり、結局自宅への許可はおりませんでした。陣痛時にすぐ病院に来られる範囲で待機しておくように言われ、病院から5分のところに住む妹の家で、次の健診までの1週間を過ごすことになったのでした。 妊娠38週妊婦健診後、再入院~出産退院後は正期産の時期に入っていたため特に安静指示はなく、通常の生活を送っていいとのことでした。妹の家では、いつ陣痛が来るか怖くて最低限の身の回りのことだけをしていました。しかし一向に陣痛が来る気配がないので、3日目からは1時間程度歩いたり、家事洗濯をしたりと、普通の生活を過ごしていました。 そして陣痛が来ないまま妊娠38週の健診になり、子宮口の開きは変わらず4cm。しかし、このとき1週間離れて暮らしていたため長女の精神面が不安定になってしまっていたのです。これ以上は離れて過ごせないため、内診で陣痛を促すことに。内診を受けた後30分ほどで一気に陣痛が来て、1時間半で無事出産しました。 まさか妊娠37週で自宅に帰れなくなるとは思ってもいませんでした。改めて、出産はいつ、何が起こるかわからないなと感じました。2人目の出産時は長女のこともありますし、何を優先すべきか判断がとても難しかったです。想定外のことが多々あった出産でしたが、無事に生まれてきてくれてやっと安心することができました。 著者:福山あかね一男一女の母。元幼稚園教諭、元保育園勤務。第二子出産を機に退職。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年07月24日初めての出産よりも2人目の出産はスムーズで、予定日より早く生まれたり、お産の時間が短いと聞いたことがあり、2人目の出産はすぐに終わるだろうと甘くみていました。ところが、1人目の出産も2人目の出産も、私にとっては壮絶な体験でした。何回経験しても、出産というものは大変なものです。 「2人目の出産はスムーズ」って本当?2人目を妊娠中に、2人目は出産がスムーズ、予定日より早く生まれる! など、産婦人科で一緒になったママさんやママ友に聞いたことがあり、実際に産婦人科の先生からも、前回の出産から2年以内のほうがよりスムーズに出産できる傾向があると聞きました。 私の場合、年子の出産だったため、2人目はラクだろうという感覚になってしまい、完全に安心しきっていました。ところが、実際の出産はとても大変なものでした。 陣痛は来ているのに子宮口が開かない!陣痛が来たのは夜の9時ごろ。まだ我慢できる痛さだったので、ごはんを食べてお風呂に入り、横になりました。前駆陣痛だと思ったのですが、痛みは治まらず、間隔もどんどん短くなり、病院に行くと子宮口は4cm開いていました。 ところが、陣痛の間隔は1分間隔になっているのに、子宮口は4cmのまま。長い陣痛に体力を奪われ、意識を保つので精一杯でした。これ以上は母子ともに危険ということで、人工破膜の処置をしてもらいました。 何回経験しても出産は大変破膜してもらったものの、回旋異常で赤ちゃんがまったく降りてきませんでした。陣痛は7時間以上も続き、やっと分娩の体勢に入りましたが、すでに体力はなく、意識も遠のいていく私。酸素マスクをつけてもらい、わが子のために必死で力を振り絞って出産しました。 長男のときは不安もありましたが、スムーズな出産でした。ですが、次男は大変な出産だった記憶しかありません。私の場合、2人目の出産のほうがラクなんてことは決してありませんでした。何回経験しても、出産は大変なものだということを実感しました。 イラスト:sawawa著者:木村えま二児の母。年子育児に奮闘するかたわら、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩)
2019年07月15日妊娠中のママたちが気になるのは、分娩方法。最近は日本でも、「無痛分娩」がメジャーになりつつあります。今回は、私の「無痛分娩」経験談についてお話しようと思います!私が納得して「無痛分娩」を選んだ理由妊娠が進むにつれ、正直に言うとお産の痛みに怖気づいていた私。「無痛分娩」に対しての興味はあったものの、周囲に無痛分娩で産んだ知り合いもおらず、「私も絶対に無痛分娩で産もう!」と決めていたわけではありませんでした。出産をする病院を選んだ時に、私が最も重視したのは「車で30分以内」の「大きな病院」であること。その中でも評判が良く、小児医療に特化した病院を見つけ、そこなら安心して出産ができそうだと思ったし、たまたま無痛分娩もやっているとのこと。分娩予約をしてから、希望の分娩方法をすぐに決めず決定するまでに数ヶ月の時間があったので、その間「無痛分娩」についてじっくり考え、自分なりに調べたり説明会などを聞いたりして前向きに検討しました。いろいろ調べていくうちにわかったのは、一番のメリットは「痛みがほぼなく産めること=落ち着いたお産ができる」ということ。また、お産で体力消費をしない分、産後の体調面の回復が早い傾向があったりと、里帰りなしのワンオペ育児が決定していた私にとってとても魅力的な内容もありました。説明会や担当医、看護師さんにたくさん質問をして、リスクがほぼない(それを言ったら普通分娩にもリスクはあるよね程度)ことや、その病院での無痛分娩での事故が一例もなかったことなどに納得がいったので、出産の3〜4ヶ月前に無痛分娩での出産を決意しました。いざ出産! 前駆陣痛は、普通に痛い…私の病院では24時間いつ駆け込んでも無痛分娩で対応してくれるというので、計画的な出産はせず、じっくりとその日を待つことに。予定日を8日を過ぎたところに前駆陣痛があったものの、一度家に帰され、9日過ぎたところでやっと入院できました。私の選んだ病院では、無痛分娩を選択すると必ずLDRシステムを選択させられるので、陣痛~お産後の処置まで全て同じ部屋で過ごすことに。しかし、病院についてもすぐに麻酔を入れてくれるわけではなかったので、前駆陣痛や本陣痛も途中までは普通分娩の人と同じように痛かった〜!いざ無痛の麻酔を入れるのはだいたい子宮口5センチになってからと聞いていたのですが、実際にベッドで苦しんでいると看護師さんに「どうしても痛いというのであれば子宮口3センチくらいでもいいですよ」と言われ、耐えられなくなってきた時に再度声を掛けると、子宮口が3.5センチになっていたので麻酔をお願いしました。すると軽い生理痛くらいにまで痛みが治まり、すっごく楽に!痛くなってきたら麻酔を追加するスイッチを押せばいいし、眠ったり家族と話したりリラックスして子宮口が開いていくのを待ちました。まさかの出産時に麻酔が効かない事態!しかしなかなか子宮口が開かないため、陣痛促進剤を使うことに。順調に無痛分娩は進んでいたはずだったのですが、しばらくすると物凄く下腹部が痛い…。その都度麻酔を追加していたのですが、全然効かない…。「無痛分娩でも、出産時は多少痛みがあることもある」と聞いていたので「こんなに!?こんなもの!?」と思いつつも頑張って耐えました。痛い、でも、もうここまで来たら仕方ない!すぐに気持ちを切り替えて「子どもが頑張ってるから早く出してあげよう!」と気合いを込めることに!実はこの痛み、後から聞いた話だと、汗で背中に刺していた注射針がゆるんでしまい、麻酔がきちんと届いていなかったのだそう。産後「痛かったです」という話をしたら、その場にいた看護師さんから「痛がり方が異常だったから、気になっていた…」と話してくれました。しかし、いきみ方も上手いと褒めてもらえたので、結果良かったなと思います。図らずも出産の痛みを体験してしまいましたが、それが普通分娩でのマックスの痛みなのか、多少無痛分娩での効果があったものなのか…正直いまでもわからず。しかし、生まれた瞬間は今まで感じたことのない感動を味わえたし、どんな出産方法であれ、元気に生まれてきてくれて何よりでした。病院の麻酔量などの方針にもよりますが、そんなに痛くなることはなく「するんっ」と産めることもあるそう。無痛分娩成功した友人ママは、全く痛くなくて、産む時も「あ、なんか出てくる感覚あるなぁ〜」くらいだったのだそう。どのくらいの痛みがあるのかは病院の方針や個人差によるので、よく納得した上で、無痛分娩を受けるか決めてみてくださいね。無痛分娩に強い産婦人科も、自分に合った分娩方法を私は、もともと無痛分娩に興味があり、たまたま条件の合う病院が無痛分娩を行っていたので決意しましたが、「絶対に無痛や和痛で産みたい!」と思っているママもいるはず。理想の分娩方法とそれを実現できる産婦人科探しは、妊娠中のママにとって最も大事なイベント。しかし、実際に出産は何が起こるかわからない、未知のもの。どんな分娩を選択しても、お産は素晴らしいことには変わりありません。パパや家族とも話しあったりしながら、無理なく自分に合った分娩方法を選んで、より良い思い出を作ってくださいね。
2019年07月10日陣痛や出産に対して “痛くて怖い” というイメージがある人もいるのではないでしょうか。筆者も初めての出産予定日が近くにつれてドキドキしたのを覚えています。今回は、私の初めての陣痛体験を紹介します。 生まれる気配がない……「初産は出産予定日を過ぎることが多い」と周りから言われていましたが、筆者の初産も同様でした。予定日になっても子宮口が硬く、1cmほどしか開いておらず……。 ウォーキングをしたりスクワットをしたりしても子宮口は柔らかくならず、診察の際に先生にグリグリされても一向に開く気配がありません。このままでは正期産の時期を過ぎてしまうかもしれないということで、妊娠40週5日に入院し、陣痛促進剤を使って出産することになりました。 出産予定日4日後に訪れた定期的な痛みそして出産予定日から3日後、ようやくおなかが張る回数も頻繁になりましたが、間隔が開くこともありました。そして出産予定日を4日過ぎた日の朝。何となくおなかが張る間隔が定期的になり始めました。 その痛みが陣痛なのかどうかよくわからなかったのですが、まずは病院に電話をしました。助産師さんと話をしたところ、まだすぐに出産にはならないだろうとのことでしたが、もともと翌日に入院予定だったこと、また夜は夫が仕事で不在になることからそのまま入院することになりました。 1日かけてゆっくり開いた子宮口入院してからお産が進むように階段を上り下りしたせいか、夕方の診察時には子宮口が3cmくらいまで開いていました。このまま順調に開けば陣痛促進剤を使わずに出産できるかもしれないということで、出産に備えて夕食をしっかり食べて就寝することに。 夜間も痛みの波を感じつつ朝を迎えてトイレに行くと、今まで感じたことのない激しい痛みと衝撃をおなかに感じ、しばらく動けなくなったのです。その後の診察で子宮口が8cmまで開いていたため、陣痛促進剤を使うことなく約3時間後に出産となりました。 もう少し陣痛から出産までがスムーズにいくと思っていましたが、子宮口が開くまでに時間がかかり、想像していたよりも長い陣痛となりました。それでも元気に赤ちゃんが生まれてきてくれてよかったです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター 吉川麻和一児の母。娘の出産を機に仕事を退職し、現在は子どもの成長に合わせた働き方を模索中。不妊治療の経験や子育て経験に基づき執筆中。
2019年07月02日こんにちは! 助産師のREIKOです。30~40歳代の女性に一番多くみられる婦人科の病気って何かご存知ですか? それは「子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)」です。一度は聞いたことのある病名かもしれません。そこで今回は、子宮筋腫がある場合、妊娠、出産、産後はどうなるのか、私が働いていた病院を例にお話ししたいと思います。 子宮筋腫とは?子宮筋腫の主な症状は、生理のときの出血が多くなる「過多月経」、生理の直前・開始とともに下腹痛や腰痛、おなかの張り感などが生じる「月経困難症」、そして「不妊」です。 治療は、症状や子宮筋腫の大きさや数、子宮筋腫がある場所、妊娠を希望しているかどうかなどを考慮しておこなわれます。 子宮筋腫がある中での妊娠経過は?子宮筋腫は、エストロゲンの影響を受けるといわれています。エストロゲンは妊娠に欠かすことのできないホルモンの1つです。そのため、妊娠により子宮筋腫の大きさが変化する場合があります。また、子宮筋腫があることで、流・早産のリスクや赤ちゃんの成長を妨げてしまうこともあります。 切迫早産の症状が見られる場合、赤ちゃんの成長が芳しくない場合、ときどきある子宮筋腫が炎症を起こした場合などは、入院が必要になるケースも。基本は安静がメインですが、それぞれの症状に対する治療がおこなわれていました。 入院中は、ドプラーという機器を使っておなかの中の赤ちゃんの心音を確認するのですが、子宮筋腫が邪魔をして、なかなか心拍が見つけられなかったりすることも。そんなときは、ママに赤ちゃんが動いているか確認しつつ、「今日はどこにいるかなー」なんて言いながら探していましたよ。どうしてもわからない場合は、医師に超音波で確認してもらうこともありました。 子宮筋腫があるなかでのお産は?子宮筋腫がある場合のお産は、赤ちゃんの成長具合だけでなく、子宮筋腫の大きさに変化がないかなど、注意深く経過をみて出産方法を検討していきます。 経腟分娩(赤ちゃんがママの産道を通って生まれてくるお産)では、陣痛が来る前に破水してしまったり、陣痛が弱くなったり、赤ちゃんがうまく降りてこられなかったりすることもあるので、ここでも注意が必要になります。帝王切開の場合は、子宮筋腫があることで通常メスを入れる部分に胎盤がかかっているケースもあるので、事前に超音波で確認をしていました。おなかを開いているので、子宮筋腫の手術も一緒にできないの? と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら術後のリスクも考慮すると、答えは「No」です。 お産直後の出血は要注意!子宮筋腫がある場合、妊娠・出産時、十分な経過観察が必要ですが、それ以上に注意が必要になるのはお産直後です。 お産後、子宮は元の大きさに戻ろうと収縮します。そのときに子宮の壁の血管が圧迫され、出血が抑えられます。しかし、子宮筋腫があると子宮の収縮が妨げられ、出血が続いてしまいます。これは、経腟分娩でも帝王切開でも同じです。 そのため、子宮収縮剤を多く使用したり、場合によっては、お産後に輸血が必要になるケースも。妊娠中、輸血が必要になるかもしれないケースは、あらかじめ自分の血液を保存しておいて、それを輸血する「自己血輸血」をすることもあります。 お産直後の出血をクリアしたあとは?お産直後の出血をクリアしても、その後、子宮筋腫が炎症を起こしてしまうことも。そのため、お産後は子宮収縮と出血量、貧血や感染の兆候がないかなど、経過観察が必要になります。 子宮筋腫があるなかでの妊娠・出産は、さまざまなリスクがあります。そのため、次の子を希望しているケースでは、状況と時期を見て、子宮筋腫の手術をすすめていました。このような場合の手術は、子宮筋腫だけを取る「子宮筋腫核出術」がおこなわれます。施設によっては、開腹手術だけでなく、腹腔鏡下での手術も可能です。そして、子宮筋腫の手術後のお産は、基本的に帝王切開が選択されます。 子宮筋腫は、妊娠・出産が可能な時期にある女性に多くみられます。これから妊娠を考えている方、子宮筋腫があるけれど、現在妊娠中の方がいらっしゃると思います。いずれにせよ、ご自身の子宮筋腫の状態を見ながら、かかりつけ医に相談し、説明をよく聞いて対応していくことが一番安心だと思います。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩) 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2019年06月28日出産予定日2日前に高位破水しましたが、少量だったため自己判断で尿漏れだと思って病院に行かなかった私。高位破水していたことに気が付かないまま、翌日の母との電話でようやく気付き……。その後、出産までの体験をお伝えします。 朝起きたらいつもと様子が違った出産予定日2日前の朝、起きてトイレに行くと、尿漏れのような感覚がありました。臨月から尿漏れに悩んでいたので寝ている間にしてしまったと大ショック……。ただの尿漏れだから問題ないだろうと病院に連絡することもなく、その後1日を普段通りに過ごしていました。 そして翌日、実母との電話で「起きたら尿漏れしていた」と伝えると、すぐに病院に連絡するように言われたのです。そのとき初めて、もしかしたら破水かもしれないということに気が付きました。 病院での診察で高位破水だと分かった病院に電話すると、入院の準備品を持って病院に来るように言われました。そして診察で高位破水と診断され、即入院に。破水すると羊水が多く出ると思い込んでいたので、いつのまにか破水していたことに驚きました。実母との電話がなければ高位破水に気が付かずに過ごすところでした。 そして、破水から24時間以内に陣痛が始まらなかったら陣痛促進剤で誘発することになりました。自然に陣痛が来ることを願っていましたがなかなか始まらず、陣痛促進剤を使うことに……。 子宮口が全開大になって急激に進んだお産陣痛促進剤を使い始めて1時間後に再度破水し、陣痛が始まりました。しかし5時間経っても子宮口は4cmしか開かず、終わりの見えない陣痛に難産を覚悟した私。5時間たったところで赤ちゃんの心拍が一時的に低下することがあり、一時は緊急帝王切開も考えられました。 しかし、診察すると4cmだった子宮口が一気に全開大に。先生たちも大慌てで、陣痛開始から6時間後にいきみ始めて3回のいきみで元気に生まれてきてくれました。赤ちゃんの産声を聞いたときには安心して涙がこぼれ、とてもうれしかったです。 妊娠中に何か変化があった場合は自己判断せず、病院を頼ることが大切だと改めて思いました。臨月になったら特に体の変化には敏感になったほうがいいと実感しました。突然の高位破水の経験も、今では良い経験だったと思っています。著者:中道麻智子一児の母。管理栄養士として給食を作っている。管理栄養士の知識を生かした記事や、初めての妊娠・出産・育児で学んだことを中心に記事を執筆している。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩)
2019年06月04日こんにちは! 助産師のREIKOです。出産予定日は、あくまでも予定だとはいうけれど、やはり出産予定日を1日、2日、3日……と過ぎていくと、少し心配になってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか? そこで今回は、出産予定日を過ぎてからのことについて、私の働いていた病院を例に、シリーズでお話ししたいと思います。 出産予定日を過ぎたらおなかの中の赤ちゃんはどうなる?出産予定日というのは、妊娠40週0日。妊娠10カ月というイメージが強いですが、実は妊娠11カ月に入っているんですよ。 妊娠37週0日から妊娠41週6日までの出産は、「正期産(せいきさん)」といい、妊娠42週を過ぎても、お産にならない場合を、「過期妊娠(かきにんしん)」といいます。 過期妊娠は、おなかの中で赤ちゃんが大きくなりすぎて、巨大児になってしまったり、胎盤の機能が衰えてきてしまい、おなかの中の赤ちゃんに悪影響を及ぼす恐れがあるので、注意が必要になってきます。 妊婦健診はどうなる?妊娠36週を過ぎると、妊婦健診は1週間に1回の頻度になります。内診で、子宮口の開き具合などを診ていくようにもなります。そして、妊娠40週を過ぎると、これに胎児心拍モニタリングが加わります。 胎児心拍モニタリングは、ママのおなかに、おなかの張りをみる器械とおなかの中の赤ちゃんの心拍数をみる器械を取り付けて、おなかの中の赤ちゃんが元気かどうか、みていきます。 私が働いていた病院では、妊娠40週を過ぎ、お産の兆候があまりみられないケースでは、「分娩誘発」も考慮しつつ、経過を見ていました。 うわさの「子宮口(内診)ぐりぐり」って?そろそろお産になりそうな妊婦さんにおこなわれることがある、「子宮口(内診)ぐりぐり」といわれているものをご存知ですか?この「子宮口(内診)ぐりぐり」、正しくは「卵膜剥離(らんまくはくり)」という処置です。 赤ちゃんを包んでいる膜を卵膜といいますが、お産になる前はこの膜は子宮の壁にくっついている状態です。お産に向けての準備が進んでいくと、子宮口は徐々にやわらかくなって、開いてきます。そうすると子宮の壁にくっついていた膜がはがれて出血します。これがおしるしです。 このような準備ができないとお産にはならないので、内診のときに、子宮の壁から赤ちゃんを包んでいる膜をペリペリ~ってはがすんです。この「子宮口(内診)ぐりぐり」は、子宮の壁から膜をはがすので、痛みも伴うことも。また、ぐりぐりの効果が全員に現れるともいえません。何回かおこなう方もいらっしゃいます。 ママはどう過ごせばいい?早く赤ちゃんが生まれてきてほしいと思うママは、お散歩やスクワットなど、体を動かしてみるのもいいと思います。おなかの中の赤ちゃんに話しかけるのも効果的という話もありますよね。そのほかにも、真偽のほどは別として、さまざまなジンクスもあるようです。 出産予定日が過ぎると、ママだけでなく、周りの人たちもまだかまだかと落ち着かなくなります。そんな周りの雰囲気をストレスと感じてしまう場合もあるかと思います。出産予定日は、あくまでも予定ですから、その日が来るのを準備万端で待っていてくださいね。 今回は、出産予定日を過ぎてしまった場合の基本的なお話をさせていただきました。次回は、「分娩誘発」について、お話ししたいと思います。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩) 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2019年06月02日生後間もない赤ちゃんの頭にこぶのようなものができることがあり、不安になるママも多いのではないでしょうか? その症状は産瘤(さんりゅう)・頭血腫(ずけっしゅ)・帽状腱膜下血腫(ぼうじょうけんまくかけっしゅ)と、大きく3つに分けられます。今回は、頭血腫について解説します。 頭血腫とは?経腟分娩の場合、赤ちゃんは陣痛(子宮が収縮する力)に押し出されるように、頭で産道や子宮口を押し広げながら生まれてきます。このとき、赤ちゃんは頭を一時的に変形させることで、スムーズに産道を通ることができるようになっています。とはいえ、狭い道を通って出てくるので、産道や子宮口での圧迫によって体液の流れが滞り、むくみやコブができたり、出血したりすることがあります。 生まれてきたばかりの赤ちゃんのコブには種類があります。その1つである頭血腫は、産道を通るときに頭が圧迫されたり、吸引分娩や鉗子分娩など強い圧力が一時的に加わったりした際に、頭の骨と頭の骨を覆っている骨膜が剥がれて出血し、骨膜の下に血液が溜まった状態のことをいいます。帝王切開や逆子での出産でも発生することもあります。 頭血腫の特徴頭血腫は、手で触るとプヨプヨした柔らかさを感じるコブのようなものです。産瘤とは違って、触った後の跡形は残りません。頭の骨と骨膜の間で、ある程度出血した後に、自然と出血は止まり、血液が溜まります。 赤ちゃんの頭蓋骨は数枚の骨がパズルのように組み合わさって作られているため、頭血腫は一カ所だけでなく、別々の骨の上に同時に発生することもあります。ただし、骨の継ぎ目を超えてコブができることはありません。 頭血腫は生後1~2日目から目立ち始め、生後数週間経つとコブの周辺部から硬くなり、触るとピンポン玉のようにペコペコ凹むようになって、やがて吸収されて消えます。小さいものでは生後1~2カ月で自然と消えますが、大きいものでは1歳ごろまで硬いコブのように触れることもあります。 赤ちゃんの頭蓋骨は、脳の成長に合わせて自然と少しずつ丸い形になっていきます。頭血腫のない赤ちゃんと頭の形を見比べてしまうこともあるかもしれませんが、焦らず見守りましょう。 頭血腫による赤ちゃんへの影響頭血腫は頭の骨の外側での出血なので、脳への影響はありません。自然に吸収されるため、基本的に治療の必要はなく数カ月かけて目立たなくなり、ほとんどの場合、その後の頭の形には影響しません。 気を付けなければならないのが黄疸です。黄疸とは、ビリルビンと言う物質が皮膚や白目の部分に溜まり、全身が黄色っぽくみえることをいいます。 頭血腫がある赤ちゃんは、頭の骨と骨膜との間で出血を伴った状態であるため、出血した際に壊された赤血球がビリルビンという黄色い色素を作ります。ビリルビンは肝臓で処理されて、便と共に排泄されます。おなかの中にいたときは、赤ちゃんのビリルビンはお母さんの肝臓で処理をしていましたが、生まれてからは自分の小さく未熟な肝臓で処理するため、処理が間に合わず黄疸が強く出る傾向にあるのです。 生後1週間は、外見でわかる黄疸が起きることは生理的な黄疸なので問題はありません。入院中は生理的な黄疸の程度を毎日診察していますので、治療が必要となれば医師から説明があります。基本的に黄疸の程度が強くなるピークは過ぎたころに退院となります。出産した施設を退院した後に、赤ちゃんの見た目が黄色くなったような気がする、おっぱいやミルクをなかなか飲まないなど赤ちゃんに気になる様子があれば、出産した施設へ連絡して相談しましょう。 頭血腫のある赤ちゃんのお世話について頭血腫の部分を強く圧迫することだけは避けましょう。頭血腫を触ると痛みを感じるのでやさしく触れるようにしましょう。授乳や沐浴(入浴)など、赤ちゃんの日常生活については通常通りで大丈夫です。生後間もない時期に頭血腫の皮膚表面が傷ついていたり、赤くなっていたりする場合のケアについては、医師や助産師から教えてもらいましょう。 まとめ生後間もない赤ちゃんの頭にコブのように頭血腫ができると、とても心配になると思います。入院中は医師や助産師に観察してもらいながら過ごすことができますが、不安であれば説明を聞いて、安心できることが重要です。頭血腫は時間の経過と共に、自然と消えてなくなります。赤ちゃんの発育にも影響しませんので、心配しすぎず育児を楽しみましょう。 【参考文献】『新生児学入門』(医学書院) 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2019年05月31日よく耳にする「初産は出産予定日よりも遅れる」という話。私は自分もそうなると思っていました。 ところが、妊娠38週のときに入院することになり、大慌て! こんなことなら早めに準備しておけばよかった……と後悔しました。これから出産を控えている方は、「こんな出産もあるんだ」と参考にしていただければと思います。 想像よりも早く入院することに!その日は妊娠38週の妊婦健診でした。内診で「子宮口が4~5cm開いているね。入院しましょうか」と、想像していたよりも早く医師から入院の指示が! 入院のためにまとめていた入院バッグは、産院から車で30分ほど離れた実家にありました。私と付き添いの実母はプチパニック! 私はそのまま入院の説明で病室に案内され、実母は荷物をとりに大急ぎで実家へ戻っていきました。 翌日、陣痛促進剤が投与されて出産へ産院でひと晩を過ごしたものの、大した痛みもやってこなかったので「なぁんだ、これは帰宅コースかな~」と呑気にかまえていました。 ところが、翌朝の内診で子宮口がなんと6cm以上も開いていることが判明。院長先生の「陣痛促進剤を投与して今日中に産んじゃおうか」のひと声で、数分後には分娩室へ向かっていました。いざ出産! というときに私自身はまったく実感がなく、本当に赤ちゃんは生まれるんだろうか……と半信半疑でした。 2時間半のスピード出産!結局、陣痛促進剤の投与からわずか2時間半ほどで、ぽーんと生まれたわが子。出産予定日より1週間ほど早く生まれたわが子は、直前の健診で小さめだと聞いていて心配していましたが、出てきてみれば3,000g超えのしっかりとした赤ちゃんでした。 振り返れば予想外の展開ばかりで、本やインターネットで知っていた出産のイメージとはまったく違う出産となりました。始まり方は人それぞれ。事前準備は本当に大事だ!と終わってから痛感しました。 これから出産を控えている方は、入院準備は早めに済ませて、入院バッグは健診のたびに移動の車の中に積んでおくか、すぐ持ち出せる場所にスタンバイしておくといいかもしれません。余談ですが、出産までの時間があまりに早くて、出産には結局だれも立ち会えませんでした。著者:しまのさくら一女の母で夫と3人暮らし。出産を機に勤めていた会社を退職。現在は育児のかたわら、データ入力の仕事や妊娠・出産・育児に関する記事を執筆している。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩)
2019年05月25日子宮体がんは婦人科のがんの中では最も多いといわれる子宮がんのひとつで、国立がん研究センターによると、年間およそ13,000を超える人が子宮体がんにかかり、子宮体がんによる年間の死亡者数は2016年で約2,300人となっています。近年、日本でも子宮体がんにかかる人の数は上昇していますが、子宮がんは早期発見によりその生存率は高くなるともいわれています。では、子宮体がんとはどのようながんなのでしょうか。詳しくお話ししていきます。 子宮体がんとは子宮がんはできる場所により、子宮体がんと子宮頸がんに分けられます。子宮は風船のような形をしていて、腟から続く子宮頸部と呼ばれる細い管のような部分の奥に子宮体部は位置しています。 子宮体がんとは、その内部にある子宮内膜からがんが発生するため、子宮内膜がんとも呼ばれています。子宮頸がんの多くはヒトパピローマウイルスと呼ばれるウイルスの感染が影響しているのに対して、子宮体がんは女性ホルモンの影響を大きく受けるといわれています。 子宮体がんの原因子宮体がんの原因としては、女性ホルモンのひとつである卵胞ホルモン(エストロゲン)が大きく関わっているといわれています。このホルモンには子宮内膜の発育を促す作用がありますが、卵胞ホルモンの値が高いと子宮内膜増殖症になりやすくなります。そして、子宮内膜増殖症が子宮体がんの発生につながるといわれています。特に、出産未経験者、肥満、月経不順、ホルモン療法を受けている方は子宮体がんのリスクが高くなるといわれています。しかし、なかには卵胞ホルモンの影響によるものではなく、がん関連遺伝子の異常によって起こる子宮体がんもあります。この場合は比較的高齢者に多く見られます。子宮頸がんの場合にはヒトパピローマウイルスの接触感染がきっかけになりますが、子宮体がんに関しては卵胞ホルモンが大きく関わっていることからもわかるように、他人からうつることで発生するがんではないとされています。 子宮体がんの症状子宮体がんの症状は何といっても不正出血です。不生出血は患者さんの約90%にみられ、比較的初期から症状が現れるといわれています。比較的高齢の方に多いため、閉経後の出血がある場合には特に注意が必要です。ときにはおりものに茶褐色の古い血液が混じっている場合もあります。 月経周期以外の出血や月経が長く続く、性交渉時の痛み、排尿痛や排尿困難、下腹部の痛みなどがある場合には産婦人科で相談されることをお勧めします。 子宮体がんの進行具合を表すステージ子宮体がんは進行のスピードが比較的遅く、初期の段階で発見されることが多い傾向があります。 がんが見つかったときの進行具合や患者さんの既往歴などにもよりますが、初期の発見であれば生存率も約90%と比較的良好です。がんの進行度合いは、がんの大きさだけでなく、どのぐらいの深さまで到達しているか、リンパ節もしくはほかの臓器への転移があるかどうかによって判断します。そして、その病期をステージとして表すことで区分します。病期は、手術でがんの状態を直接確認することで手術前の予測と異なる結果になることもあります。そのため、現在は2012年の子宮体がん取扱い規約で、すべて子宮体がんの手術進行期分類(日本産婦人科学会2011年.FIGO2008年)を用いています。子宮体がんの病期は、Ⅰ期・ⅠA期・ⅠB期、Ⅱ期、Ⅲ期・ⅢA期・ⅢB期・ⅢC期・ⅢC1期・ⅢC2期、ⅣA期・ⅣB期に分類されます。 Ⅰ期:がんが子宮体部に限局するものⅠA期:がんが子宮筋層1/2未満のものⅠB期:がんが子宮筋層1/2以上のもの Ⅱ期:子宮頸部間質(上皮の下)湿潤のあるもの Ⅲ期:がんが子宮外へ広がるが、小骨盤腔を越えないもの、あるいは所属リンパ節転移のあるものⅢA期:子宮漿膜(しょうまく)ならびに(または)付属器を侵すものⅢB期:腟ならびに(あるいは)子宮傍組織へ広がるものⅢC期:骨盤リンパ節転移ならびに(あるいは)傍大動脈リンパ節への転移があるものⅢC1期:骨盤リンパ節転移のあるものⅢC2期:傍大動脈リンパ節転移のあるもの ⅣA期:膀胱ならびに(あるいは)腸粘膜に浸潤のあるものⅣB期:遠隔転移のあるもの 子宮体がんの治療方法子宮がんの治療方法は主に手術です。進行している場合には化学療法や放射線療法などを組み合わせておこないます。初期の子宮体がんであり、患者さんがのちに妊娠を希望する場合には、ホルモン療法を選択できる場合もあります。子宮体がんの手術療法は、がんの病期によって摘出範囲が決定されます。通常、ステージⅠAまでの早期の子宮体がんに対しては、卵管と卵巣を含めた「単純子宮全摘出術」がおこなわれます。ステージⅠ~Ⅲの場合には病期や患者さんの状態によって手術の方法が異なり、子宮、卵管、卵巣だけではなく周囲の組織や腟の一部も摘出する「準広汎子宮全摘出術」や「広汎子宮全摘出術」がおこなわれます。この際、骨盤内や腹部大動脈周囲のリンパ節郭清もおこなわれるのが一般的です。ステージⅢで手術ができない場合や、ステージⅣの場合には、摘出手術をするのではなく、放射線療法や化学療法のみがおこなわれます。 まとめ子宮体がんは近年増加している病気のひとつです。婦人科での検診も大切ですし、先にお話しした不正出血など、いつもと違う気になる症状が見られたら、婦人科の受診をおすすめします。患者さんの既往歴や年齢などの背景にもよりますが、子宮体がん自体は早期に発見すれば5年生存率が比較的良好ながんであるといわれています。ですから、やはり早期発見が最も大切な要素といえるでしょう。検診や日々の健康チェックを怠らないようにしたいものです。 監修者:医師 三鷹レディースクリニック院長 天神尚子 先生日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
2019年05月13日妊娠8カ月ごろから「子宮頚管が短いので安静に」と言われていた第三子妊娠時。「早く生まれるかな」と思いきや、妊娠39週まで陣痛は来ず、上の子たちを保育園に送り届けてそのまま健診へ向かっていました。いつもと同じ日常だと思っていましたが、予想もしていなかった事態になったのです……。 妊娠39週の妊婦健診へ「早く生まれるかな?」と思っていた第三子が、意外にも妊娠39週まで陣痛は起きず、その日も普通に上の子たちを保育園に送り届けました。その足で産院に向かい、妊婦健診を受けました。 そして、先生の内診。すると「えっ……! ちょっと、もう8cm開いてるよ。これでは家に帰せない、 痛くなかったの!?」と先生から驚きの言葉が。何の自覚もなかったわたしはさらに驚き、そのまま車椅子で運ばれ、入院するよう言われてしまいました。 昼食を食べていたら、おや? 陣痛かも入院用ベッドに案内され、「入院することになっちゃった~」と夫や両親に電話をしたところで、やっと現実を理解し始めました。その後、入院用グッズを届けに夫が駆けつけてくれたのですが、ちょうどお昼だったので私は病院から出される昼食を食べ、夫はすぐ仕事に戻ることに。 ひとりで病院の昼食を食べていると、おや? なんだか肛門あたりが定期的にうずくなあ、これって陣痛に似ているよなあ……と考えていました。そしてトイレに行くと、出血もしていたのです。昼食はしっかり完食し、助産師さんに「陣痛っぽいですし、出血もしています」と伝え、間隔を測ってもらったところ、やはり陣痛が来ていたのです。 陣痛時間2時間半で出産!陣痛室で内診してもらうと、「うんうん、もう全開だね~。あとは痛みがついてくれば生まれちゃうね」と言われ、すぐに分娩台に移動しました。しかし、痛みは強くはなっているものの、まだ助産師さんとしゃべるくらいの余裕があったため、産む実感がわかず、いきむことに怖さを感じていました。 その後しばらく陣痛に合わせていきむものの、やはり痛みが弱いせいかうまく赤ちゃんが下りず、「赤ちゃんの心拍が弱まってきているので吸引します」と吸引分娩に。吸引を2~3回繰り返し、なんとか生まれたわが子は、3,800g!! 「大きかったね~、これは簡単には生まれないわ」と一同びっくり。抱いたわが子は、確かにか弱い新生児という感じではなく、すでに貫禄さえありました。とはいえ生まれるまでにかかった時間は2時間半。夫も病院を後にしてから近くで昼食を摂っていたようで、すぐに戻り立ち合うことができました。 分娩所要時間を話すとみんなに「早いね」「うらやましい」と言われますが、ラクなお産なんてありません。陣痛が弱いことで逆に恐怖感が増し、しかもそのあと産むときに急激な痛みに襲われたので、いいことばかりじゃないのだと感じました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩) 著者:ライター 岩崎未来三児(女・女・男)の母。出版社・編集プロダクションの勤務を経たのち、第一子出産を機にフリーランスに。現在は会社役員という肩書きを持ちながらも、ライター・編集者としても活動中。
2019年05月03日ベビーカレンダーが実施したアンケート調査で、出産経験者の16%、約6人に1人が無痛(和痛)分娩をおこなっているということがわかりました。近年では一般的な分娩方法の1つとして広く受け入れられ始め、実は「やってみたい」と思っているママさんも多いのではないでしょうか。 今回は「やってみたいけど怖い」「実際にはどんな感じなの?」といった不安や疑問にお答えすべく、無痛分娩を体験した“約6人に1人”が語る詳細な出産エピソードを紹介します。 ※以下「無痛(和痛)分娩」は「無痛分娩」と表記を統一しています 無痛分娩を実際におこなった人の状況は?今、日本では無痛分娩を実施できる施設を増やしていく取り組みがされていますが、今はまだ数が少ない状況です。そのなかで、みなさんがどこで無痛分娩をおこなったのか、まずは調べてみました。 個人病院・クリニックを選んだ人が圧倒的な数を占めていることがわかります。ただ、個人病院・クリニックの場合は専門の麻酔科医が常駐していない、受け入れられる人数に限りがあるなどの規模的な理由で「やりたかったけどできなかった」という人もいるようです。ちなみに“その他”の内訳は、「国立病院で」「海外で」など。※“その他” 内訳は自由記述の回答から抜粋 ちなみに、第1子のときに無痛分娩を選択される方が多いようです。最初を無痛分娩で乗り越えて、2人目、3人目では自然分娩に挑戦するパターンですね。 陣痛〜出産まで! 無痛分娩体験エピソード続いて「無痛分娩に興味はあるけど、なんだか怖くて勇気が出ない……」というアナタのために! 経験者のママさんたちが、陣痛〜出産まで、どのタイミングで麻酔を打って、どのくらいの痛みで、産後はどうだったかという詳細な体験談を提供してくれました! これをじっくり読めば、無痛分娩に対する不安や疑問を少し解消できるかもしれません。 「朝6時・7時・8時に陣痛促進の経口薬を摂取。9時から麻酔処置。分娩中はほぼ痛みがなく、痛みを感じたら麻酔を追加してもらえた。出産の瞬間は赤ちゃんが出てくるのがはっきりわかった。出産後1時間ぐらいして麻酔は切れたように思う」 「前日入院してバルーンをいれる処置をする。一晩かけて子宮口を5cmに開く。翌日の朝は浣腸をし、麻酔テープを背中に貼り、感覚がなくなったところで麻酔のチューブを背中に入れる。麻酔を約30分ごとに少しずつ注入。麻酔の先生が頻繁に様子を見に来てくれる。私は陣痛を感じないが、おなかにかすかに腹圧を感じるので感じた瞬間に助産師さんの指示のもといきんで出産。会陰切開も縫合も麻酔が効いているので痛みは感じず。麻酔が切れても痛み止めを飲んでいたのでいつ麻酔が切れたのかもわからない状態だった」 「計画出産のクリニックのため前日入院、その日の夕方に麻酔ルート確保、夕飯。翌早朝から促進剤の予定だったが、夕飯後に自然陣痛が始まり、夜中に1人で陣痛に耐える。我慢できなくなったら麻酔を開始してもらえると言われたが、どの程度我慢していいのか、夜中だと麻酔は誰がやるのかなど気になって、子宮口8cmまで我慢してしまった。かなり痛くなって、何のための無痛分娩かと思い始め、麻酔開始。痛みから解放され、家族も到着し、談笑しながら待つ。子宮口が全開、分娩室に移動して、いきむ。まったく痛みはなく、いきみ逃しの間は音楽だけが流れる静かな空間だった。産み出す感覚はしっかりあり、疲れもない。麻酔が切れる前に痛み止めを処方され、1週間飲み続ける。産後の3時間ほどたったところで院長チェックがあり、OKが出たところで点滴ルートを取り外し、シャワーも可能となった」 「破水後、1時間位で陣痛が始まり子宮口5cm開くまでは陣痛に耐えなくてはなりませんでした。いざ、麻酔の処置をおこなってもらうときに陣痛を耐えながら膝を抱える姿勢にならなくてはいけないのが一番つらかったです。20分位で麻酔が効き、そこからまったく痛みはなし。ただし、肛門が押される感覚はあるので陣痛が来るタイミングは解りました。が、どういきめば良いのか解らなかったけど感覚はないがなんとか力を入れてみました。赤ちゃんが最後はまった感覚はしっかり残っています。そこから助産師さんが赤ちゃんは自分で出てきますよ……と言われて分娩台に上ってからほんの数回いきんだだけで産まれました。赤ちゃんが出てきた感覚は残っています。産後は胎盤を出してもらい、処置を終えた赤ちゃんと一緒に1時間位は分娩台で過ごしました。出産が21時過ぎだったので部屋に戻って寝てしまい、次の日起きたら麻酔は切れていた感じでした」 「陣痛が来て病院に着いたときはすでに子宮口が開いていたため、そのまま分娩室へいきました。分娩室に着いたら陣痛が更に来ていきんでしまいましたが、麻酔科の先生がすぐに麻酔を打ってくださったので、麻酔のありがたさが身にしみました。麻酔を打った後は自分の痛みと相談しながら自分で麻酔を入れるスタイルだったので変なストレスを感じることなく出産できました。産後は確か半日くらいで切れて来たため痛かったですが、ロキソニンを処方されているので大きな痛みではなく快適に過ごせました」 「土曜日の午前2時半くらいから陣痛が始まり、日曜日の午前7時半ごろ病院へ行った。陣痛感覚が10分になったり1時間あいたりだったので前駆陣痛だと思っていた。病院へ着いてすぐに助産師さんから、子宮口が6cm開いているとのことだった。入院した病院では、初産婦の場合、子宮口が5cm開いたら麻酔してくれるとのことで、私はすぐに麻酔処置をしてもらった。背中をまるめて麻酔の管を入れるのに恐らく40分程度かかったと思う。細いからわかりづらい、ちゃんと入ったかな? という麻酔の先生の声がずっとしていた。管を2回くらい刺していたが、陣痛の痛みでそんなに気にならなかった。管から麻酔を入れてもらい、陣痛の痛みがひいてくるのがわかった。足の感覚は少ししびれる程度で、自分で動かせる。逆にしびれすぎてはだめ、とのことだった。子宮口が全開になり、お尻のほうに陣痛と同じくらいの痛みが襲ってきたので麻酔を少し追加してもらった。麻酔が効き過ぎるといきめなくなる、とのことだった。おなかが張る感覚はわかるので、それに合わせていきんだ。産み出した感覚は大きな大便を出した感じ……。産後の処置は胎盤がすぐに出て、その後会陰を縫合してもらう。麻酔の追加なしで縫合してもらってもそこまで痛くなかったので、麻酔がちゃんと効いていたんだなぁ、と思った。ただ縫合中から会陰あたりがずきずき痛くなり、縫合完了後3時間休憩したあと歩いて部屋に戻るのだが、会陰がかなりずきずきした。ドーナツクッション必須。麻酔はその時点でほとんど切れており、自分の足でふらつくことなく歩けた。母には産んで3時間後に自分の足で歩いていることにびっくりされた」 「陣痛が始まって大体、子宮口が5cmくらい開いたら麻酔を入れました。5cmくらいだとまだ、我慢できる程度の陣痛でしたが、麻酔の効きが悪いと結構痛い思いをします。麻酔を入れるときは背中から入れましたが全然痛くありません。そのうち麻酔が効いてくると痛みはないがおなかが張る感じになります。赤ちゃんが下に降りてきて子宮口全開になると、麻酔を入れているのに、おしりの辺りが少し痛くなりました。いきむタイミングも張りが来るのでわかります。産むときは出した感覚もあります。麻酔が効いていて会陰切開も縫うのもまったく痛くありません。下半身に感覚がないのでしばらく動けませんでした」 「計画出産のみ対応で、陣痛が先にきた場合には自然分娩をするという産院でした。①前日の15時入院②子宮口の開き具合を見て、バルーン挿入③バルーンが抜けて、夜中にも診察④当日9時に診察、開き具合で促進剤⑤10時に麻酔開始 分娩中の痛みは、ある程度残して出産を早めるというのがその産院の方針で、痛みが0ではなかったです。(第1子の産院は痛み0)いきむこともできて、下に降りてきている感覚や産み出す瞬間の感覚はあります。産後はその場で2時間ほど待機、その間に麻酔を抜きました。部屋に行くときはまだ麻酔が効いているので、車椅子です。麻酔がいつ切れたのかわかりませんが、夜には猛烈な後陣痛が……」 「陣痛が始まり、子宮口が半分以上開いてから麻酔を背中に打ちました。また、陣痛のタイミングでいきむので、痛みをまったく感じないレベルまでは痛みをカットしません。産み出した瞬間はずるりと体の中から大きなものが抜けていく感覚です。産後の処置は産後1日は麻酔を入れる際に入れた管はそのままで、産後2日目に管を抜きます。麻酔が切れるのは、だいたい麻酔を打った後、半日ほど過ぎてからでした」 「私の場合は陣痛は前の夜10時ごろから始まり、おしるしもありました。間隔は15分前後でばらつきもあり、まだ痛みも我慢できる範囲だったので、朝まで待ってから病院に連絡しました。病院で子宮口は2cmで、モニターをつけた結果そのまま入院することになりました。浣腸をして排便をしてから、お部屋にうつり、スクワットなどしているうちに、だんだん間隔が5分になり、痛みも強くなってきました。もう一度内診をして、4cmになっていたので、無痛分娩のための前準備として管を背中に入れる処置と人工破水の処置をしました。それから分娩室で痛みがどんどん強くなり、6〜7cmになり麻酔を入れてもらい、促進剤も入れてもらいました。それから暫くは陣痛のたびの痛み変わりませんでしたが、だんだん麻酔が効いて痛みが弱まってきました。先生がまた内診すると、もう全開で髪の毛が見えているとのことで、急いで出産の準備をして、いきみに入りました。いきみたい感覚もなく、おなかの張りに合わせてと言われても、麻酔が効いているせいかわからなくなってしまい、戸惑いました。でも言われるままいきんで、うまくできませんでしたが何度か目に赤ちゃんが出てきてくれて、おなかからいなくなったのはわかりました。そのときはまったく痛みはありませんでした。そのままおなかを押さえて胎盤を出したり、会陰切開したところの縫合をしたりしましたが、麻酔がまだ効いていて痛みは殆ど感じませんでした。私はいきみがうまくなかったため、赤ちゃんの心拍数が落ちたり持ち直したりして、最後は吸引してもらって、そのときに会陰切開もしたそうです。2時間はそのまま分娩室で過ごし、血圧や熱などを30分おきぐらいに計測してもらい、問題なかったのでお部屋に戻りました。麻酔はいつごろ切れたのかわかりませんが、特別酷い痛みも感じませんでした」 「出産日前日から入院し、その日は背中に麻酔用のカテーテルと、子宮内にメトロを入れて終了。翌朝の食事後から陣痛誘発剤を開始。(計画分娩ですが、誘発剤を入れてからの陣痛の進み方には個人差があるので、ここからは生まれるのが当日になるか翌日になるかはわからなかったです)。誘発剤を入れてから1時間後に陣痛を感じ始めました。自分の希望するタイミングで麻酔を開始してもらうので、陣痛開始から90分後くらいに痛みに我慢できなくなってきたため麻酔を入れてもらい、30分程で効き始め、そこからはまったく痛みがありませんでした。陣痛開始から8時間経っても子宮口が4cmしか開いていなかったので、出産は翌日になるかと思われました。しかしその1時間後には9cmになっており、破水もしたのですぐ分娩室に運ばれました。(痛みは感じませんが、陣痛自体はおなかの張りで自分でわかります)。分娩台に上がってから、助産師さんにいきみ方を教わり、陣痛に合わせていきんで20分後に出産。2回くらいいきんだところで会陰切開をされましたが、その痛みもまったくありませんでした。赤ちゃんが下りてきているときは、股の間に何かが挟まっているような感覚でした。産み出す瞬間は、ドゥルンッ! と出てくる感じがわかりました。産後はすぐ胎盤も出て来て、その後会陰を縫ってもらい、産後50分くらいで病室に戻りました。会陰切開の傷の痛み止めを飲んでいたので、麻酔がどのくらいで切れたかはわかりませんが、先生は大体1時間したら切れてくると言っていました。麻酔科医の先生は、麻酔開始から分娩室に入るまでは1時間おき、分娩室に入ってから産後まではずっとついていてくださいました」 「陣痛がマックスになってから麻酔を入れました。麻酔が効くまでに陣痛の大きな波は5,6回あったと思います。麻酔が効いた後は本当に痛みがなくなり、最後赤ちゃんが出てくるときに痛みを感じた程度です。麻酔がいつ切れたのかわからないほど体への負担はなく、数時間後に吐き気があったくらいです。とても楽でした」 「計画分娩だったので、前日にバルーンを6時間ほど入れて子宮口を開きやすくした。当日は朝から促進剤を入れ、生理痛ほどの痛みがきたところでカテーテルを入れる処置。麻酔導入。まったくの無痛でそれから子宮口が開くのを夫と話しながら待つ。携帯も普通に触れる。先生が破水させてくれて一気に進んで子宮口全開。助産師さんの合図でいきむ。先生がおなかに手を置き、ここを押し返すように! と言われてうまくいきめた。3回ほどで出てきた。へその緒が繋がっているまま赤ちゃんをゆっくり見られて感動。それから産後の処置。痛くないし感動で先生とお産について語りながら縫われる(笑)みんな無痛にしたらいいのにと思う(笑)そのまま3時間ほど休んだ」 「麻酔を待っていたら、破水して陣痛が来てしまいました。その後苦しんでいるところに麻酔の先生が来てしばらくして麻酔が効いてきました。それからしばらくはお昼を食べたりリラックスして過ごせました。分娩は時間がかかるかと思われたけれど、前もっていきむイメージトレーニングのおかげか、夕方には頭が見えてきました。痛みは感じないが股に何か詰まってる感覚が気持ち悪く早く出したかったです。その後は頑張っていきんでいたら思ったよりも早く出てきました。分娩が終わり、しばらくしてお昼に食べたものを全部吐きました。夜10時を回るころには麻酔も切れてきて痛みが出てきましたが、朝までは自分で残りの麻酔を打ちました。空腹で眠れませんでした。食べ物があれば食べられる状況でした。後陣痛はしばらく痛いし、無痛でも十分感じる痛みもたくさんありました」 基本的な流れは同じですが、各クリニック・病院の方針や設備によって少しずつ状況が違っているのが興味深いですね。麻酔を使ったとしても、やはり出産が大仕事なのは変わらない、命をかけて産み出しているのはどのような出産方法であっても同じなのだと改めて感じるエピソードばかりでした。 <調査概要>調査方法:ユーザーアンケート調査対象:全国の産院・クリニック出産経験者調査期間:2018年2月20日〜2月23日有効回答数:1,254 ◆関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩)
2019年05月03日私は第1子を無痛分娩で出産しました。計画通りほぼ無痛で大満足のお産だったので、第2子も同様に計画無痛分娩を予定していました。出産前日に入院するまでは順調だったのですが、まさか……。私の第2子出産時の体験談をご紹介します。 前日に入院して子宮口を広げる処置をする妊娠38週の妊婦健診で子宮口がだいぶや軟らかくなっていることがわかり、4日後に出産することが決定。前日の夕方に入院し、翌日から硬膜外麻酔と陣痛促進剤を使用して出産するという計画ででした。 前日に入院して内診したところ、子宮口の開きは4日前と変わらず1.5cm。そこでダイラパンというスティック状の器具を使い、さらに子宮口を広げる処置をしました。 処置が終わり、助産師さんから「明日に備えて今夜はゆっくり休んでね」と言われ、病室に戻りました。 前駆陣痛? と様子をみていたら突然破水!部屋に戻ってしばらくすると、不規則な軽いおなかの痛みが始まりました。経産婦とはいえ、第1子のときは陣痛もほとんど経験することなく出産しています。この痛みが陣痛なのか前駆陣痛なのか、ダイラパンを挿入した影響なのか、自分ではまったくわかりませんでした。 間隔を測ってもバラバラなので、とりあえず寝ようとベッドに入ったところ、突然はっきりとわかるくらいの破水が! ナースコールで連絡し、すぐに分娩室へ移動することになりました。 破水から1時間のスピード出産!破水して一気におなかの痛みが強くなりました。この産院は、夜間に麻酔の処置ができないことは事前に聞いていましたが、「前回通り、きっと無痛で産めるだろう」と、私はこの段階でもまだ楽観的に考えていました。 でも、心構えができていないうちに激痛が絶え間なくやってきます。呼吸法もちゃんと把握しておらず、とにかくいきまないよう気を付けながら陣痛に耐えました。 しばらく耐えましたが、あまりに痛いので助産師さんを呼んだところ、あっという間に子宮口全開! 数回いきんで無事、元気な女の子が生まれました。 あまりのスピードに私も家族もびっくり。予定していた無痛分娩ができなかったうえに付き添いなしの出産になってしまいましたが、振り返ると安産で、とても恵まれていたと思います。無痛分娩でも普通分娩でも、わが子の愛おしさは変わりません。元気に生まれてきてくれたことに感謝し、たくさんの愛情を注いであげようと思います。著者:貫井ゆか一男一女の母。妊娠・出産・育児に関する記事の執筆を中心にライターとして活動中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月02日出産の際の、入院の目安のひとつに「破水」があります。とはいえ、実際に体験しないとどのようなものなのか、わかりにくいですよね。今回は、破水とは何か、破水の分類、破水の症状や見分け方、破水時の対処方法などについてご紹介します。 破水とは?どのように起こる?おなかの中の赤ちゃんは卵膜という袋の中に羊水と一緒に存在します。子宮口が開いてくると卵膜と子宮の壁にズレが生じ、卵膜がはがれていきます。すると、羊水が下に流れ込んで卵膜が膨らみ、「胎胞」を作り出します。 そして陣痛によって子宮内圧が高くなると、赤ちゃんの頭も下がっていき、胎胞にも圧力がかかっていきます。この圧力に耐えられなくなることで胎胞が破れ、羊水が流れ出ることを「破水」といいます。 これは、「低位破水」「完全破水」といわれますが、別の場所の卵膜が破れた場合を「高位破水」といいます。 破水の分類について破水はどの時期に起こるかによって以下のように分類されています。 前期破水(PROM)「前期破水」とは、陣痛が来る前に破水した状態をいいます。前期破水の原因には、絨毛膜羊膜炎などの子宮内感染や羊水過多などによる子宮壁の過伸展、頸管無力症などがあげられます。 前期破水は、妊娠37週以降に発症する前期破水と妊娠37週未満に発症する前期破水とに分けられ、特に妊娠34週以前の前期破水では赤ちゃんに合併症が起こりやすくなります。 妊娠37週以前に起こる前期破水では以下のような合併症がみられるため、注意が必要です。・絨毛膜羊膜炎などの子宮内感染の恐れがある・臍帯脱出(臍帯が子宮口から出てきてしまう状態)や臍帯圧迫により、おなかの中の赤ちゃんに苦しいサインが出てきてしまう・破水によって子宮内の羊水量がへり、おなかの中の赤ちゃんが圧迫されてしまい、肺の成長が妨げられたり、手足が変形したり、関節がかたくなってしまう・子宮内の羊水量が減り子宮内圧が低下することで、常位胎盤早期剥離を発症する恐れがある 早期破水「早期破水」とは、陣痛が来てから子宮口が全開大(10cm)になるまでの間に破水したものをいいます。 適時破水「適時破水」は、子宮口全開大の頃に破水したものをいいます。 破水かどうかの見分け方は?臭い、色、量について破水の状況は人それぞれで、破水した瞬間にわかることもありますし、尿漏れと区別がつかない場合もあります。ここでは、破水かどうか判断するときの方法を解説しますが、自分で判断できない場合は、産院に連絡して指示を仰ぎましょう。 破水した場合、安静にしていても羊水が流れ出てきます。尿の場合はお腹に力を入れると止めることができます。羊水の臭いは全く臭いがしないか生臭い場合があります。色は透明もしくは淡黄色ですが、出血して血液の色が混ざっている場合もあります。量も状況によりさまざまで、下着がびっしょり濡れて羊水が流れ出てくる場合もあったり、ごく少量の場合もあります。 破水したときの対処方法破水と思ったら、安静にしてかかりつけの産院に連絡し、指示を仰ぎましょう。その際には、自分の名前、診察券番号、出産予定日、現在の状態、妊婦健診で医師から説明があった内容、産院への到着予定時刻などを伝えます。 症状などを伝えると、対処方法を教えてもらえます。体を動かすと羊水がさらに流れ出る恐れがありますので、清潔な大きめのナプキンをつけ、腰にバスタオルを巻くなどしておきましょう。破水後は、子宮内感染のおそれが高まりますので、入浴やシャワーはNGです。 産院からの指示があった場合は別ですが、産院へは家族が運転する自家用車やタクシーなどでの移動しましょう。最近では、「陣痛タクシー」の利用を呼び掛けているタクシー会社も多くあるようですので、事前に登録しておくと安心です。移動の際は、腰を高くした姿勢で横になりましょう。 まとめ産院に到着したら破水かどうかの診察・検査をおこないます。破水と診断された場合、妊娠週数やママやおなかの中の赤ちゃんの状態によって方針が決まります。破水はいつ起きるかわかりにくく、自分では破水かどうかの判断も難しい場合もあるので、気になる症状がある場合は、産院に相談し指示を仰ぐようにしましょう。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2019年05月01日出産時に浣腸はするの? うんちが出ちゃうって本当? など、いざお産を迎える妊婦さんにとって、気になることの1つに「うんち事情」があると思います。今日は人にはちょっと聞きにくい、そんなおシモの体験談をお伝えします! 初めての陣痛は便意と同じ感覚!?1人目の出産時のこと。私が感じた“陣痛”は、完全に“便意”そのものでした。便秘だったこともあって、陣痛の波が来るたびに何度もトイレへ行きました。 「あれ、これって本当に便意?」と思ったときには1時間ほど経過していたと思います。そのことに気付かないほど、感覚が便意と酷似していたのです。そして、トイレに行くたびに少量ずつではありますがうんちもちゃんと出ていたので、なおさら気付きにくかったように思います。 お産の1時間前までトイレにこもる病院に到着したとき、すでに子宮口は8cmまで開いていましたが、「うんちが出る!」という気持ちで、ここでもトイレに行っていました。今思えば、完全にいきみたかっただけだと思いますが、初めての出産なので気付くことができません。しまいには、助産師さんからトイレから出てくるよう軽く怒られる始末です。 そして、そのまま分娩台へ。助産師さんに声をかけられる直前まで、少量ずつトイレでうんちが出ていたからか、出産時にはうんちが出ることなく出産しました。 吹っ切れた? 2人目のときは流れのままに!2人目の出産時は、「この便意がお産の始まりだ!」と知っていたので、冷静に対応できました。病院到着後、子宮口がほぼ全開だったため、そのまま分娩台へ。このとき、便意は感じていなかったにもかかわらず、何度かいきむうちにちょっと出てしまいました。出てしまったうんちは、助産師さんがしっかり回収してくれていましたよ。 また余談ですが、私はうんちだけでなく尿も細いチューブで出してもらいました。個人的には、うんちよりも尿のほうが恥ずかしかったことを覚えています。 出産時の「うんち事情」。意外となるようになります。よくあることだそうなので、出てしまっても気にしなくて大丈夫! どうしても気になるときは、事前に助産師さんなどに確認しておくと気が楽になりますね。 ◆関連動画 出産ドキュメンタリー(通常分娩)著者:小林夏希4歳と1歳の二児の母。フリーライターとして育児・インテリア・住宅関係の媒体を中心に記事執筆をおこなう。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年04月24日ヲタママだっていーじゃない!
ムスメちゃんとオコメちゃん
猫の手貸して~育児絵日記~