子育て情報『凍結した「わが子」を産みたい…親族は猛反対。母親の決断は? #3』

2021年5月31日 16:00

凍結した「わが子」を産みたい…親族は猛反対。母親の決断は? #3

そして昨年、ついに凍結保存の更新をしないと決めた。クリニックへ書類を出す必要はなく、更新料を振り込まないことが意思表示になる。曖昧なさよならが、また切なかった。

「今でもあの子も産んであげたかった、という思いは正直あります。『不妊治療じゃなければこんな思いはしなかったのに』と悔しく思うこともありましたが、かわいいわが子を授かることができたのも不妊治療のおかげ。今は感謝しかないです」とあゆみさんは明かす。

「今ここにいる2人のかわいい大切な子どもたちへ、その子の分も愛情たっぷりに育てようって気持ちを切り替えて、やっと吹っ切ることができました」

子どもを望んでから8年「不妊治療は早めに進めて」と伝えたい

感動の出産から5度目の初夏、4歳の誕生日を迎えた息子を手作りのケーキと大好物のオムライスで祝った。

凍結した「わが子」を産みたい…親族は猛反対。母親の決断は? #3


画像提供:松本あゆみさん(仮)

「子どもが欲しい」と願ってから母になるまで8年。
思い悩んだ日々は吹き飛び、今は2人のお母さんとして奮闘する。父になる前まで子どもが苦手だった夫は今、わが子にメロメロの様子。

「夫が一番変わったかもしれません。『食べちゃいたいくらいかわいいな〜』って子どもを抱きしめるんです。2人の子どもたちに恵まれて、本当に本当に幸せです。でも夫婦ともに若くないのが現実。同居する両親からも、『もっと若かったらもっと元気に孫たちの面倒を見られたのに』と言われます。不妊治療を早くに始めていれば……と常々思うんです」とあゆみさんは振り返る。


「不妊治療はとても勇気がいること。経済的にも体力的にも、精神的にもつらいです。でもその分、報われたときの喜びは言葉では言い表せません。不妊治療を迷っていたり、少しでも不妊の心配がある方がいたとしたら、早めに前へ進んでって伝えたいです」

監修者:医師 杉山産婦人科 理事長 杉山 力一先生 著者:ライター 大楽眞衣子
社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーランスに。専業主婦歴7年、PTA経験豊富。子育てや食育、女性の生き方に関する記事を雑誌やWEBで執筆中。大学で児童学を学ぶ。
静岡県在住、昆虫好き、3兄弟の母。

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