第2回 “子どもの虐待に対して、わたしたちでもできることって?”
仕事柄もあるのかもしれない。朝の5時まで仕事していましたっていう人も職種によってはいますよね。でも面倒を見る大人が誰かいる必要はあります。
犬山:夫や祖父母とか、誰かがいるんだったら、いいけれども。夜、子どものそばに大人が誰もいないっていうのはダメですよね。
山脇:それに付随して、子どもひとりでコンビニに行く、みたいなことも出てくるので。
コンビニでは、おなかが空いて万引きする子もいれば、親に万引きさせられる子もいますし。コンビニにそういう子が来たら、通報するという運動をやっている地域もあります。
そういう運動も広がっていくといいですよね。
犬山:すばらしい!コンビニで何かできないかな?っていう話、ちょうど先日していたんです。もう何かやるとしたら、民間なのかなって。街中にたくさんあるところ、コンビニとか、歯医者とか……。
山脇:歯医者にはガイドラインがありますね。
犬山:やっぱり虫歯だらけとか?
山脇:虫歯が多いのは、虐待のサインですからね。過去の経験では、5歳と6歳の男の子の兄弟で、虫歯がひどくて離乳食しか食べられないというケースがあり、その日のうちに保護しました。あと、朝ごはんを食べてこないとか、やせすぎているとか。
小学生だったら、給食をあまりにもガツガツ食べているとかね。「大食いの子なんです」って言われちゃうかもしれないけど。
犬山:給食ドカ食いとセットで、不潔だとか……。
山脇:保育園に通っている子で、いつもすごく不潔で、持ってくるタオルも汚くて、みんなと一緒にプールに入れられないというケースもありました。
犬山:自分の家の前でポツンと立っているみたいな子は?
山脇:家からの閉め出しは、もう絶対に110番。ためらわず。ベランダに出すのも、基本は110番だと私は思っています。やっぱり亡くなってしまう子がいるので。
いきなり児童相談所に連絡する前に
できることはたくさんある
犬山:気になる子がいた場合、ハードル低めのできることって、何がありますか?
山脇:ひとつは保育園や幼稚園、学校の先生とか、その子に関わる人に話をしてみるっていうことですね。先生は園や学校でしか子どもの姿を見ていないので。放課後はこんな様子なんですよね、っていう情報が入ると「放っておくわけにはいかないな」となる。そこから、先生たちが子ども家庭支援センターや児童相談所に連絡しようか、っていう流れができると思います。