第2回 “子どもの虐待に対して、わたしたちでもできることって?”
自分の子どもに「気になる子」のことを
聞いてみる――というのも、ひとつの方法
山脇:そのほかに、自分の子どもに「気になる子はいないか」を聞いてみてもいいかなと思っていて。
犬山:あ、いいですね。例えば虐待のニュースがあったときに、子どもに「友達でしんどそうな子がいたりする?」って。それ、すぐできることだ。
山脇:で、気になったら、お母さん同士で情報共有してみる。ただ、お母さんたちも忙しいですけどね。
犬山:でも、虐待のニュースがあって、何かしたいけど、何もできない。そんなとき「じゃあ、一回ちょっと集まってみましょうか?」って、ママ会をやるだけでも、ひとつのアクションになるかもしれない。
何もなかったら、お茶するだけでもいいし。
山脇:そうそう。ただの雑談になってもOKなんですよ。雑談は平和の象徴なので。
犬山:自分がPTA役員になったら、それを提案してみるとか。
山脇:うん、PTA活動が活発な学校っていうのは、とにかく平和ですよ。子どもが明るい。友達のお父さんが会長をやっていたり、お父さんたちが学校の花壇の手入れをしていたり。
それだけ大人の目があることになるので。
犬山:PTAって、働く親からすると、うわ、めんどくさい!って思っちゃうイメージなんですけど。子どもを守るっていう気持ちだったら、私もがんばれそうな気がする(笑)。
山脇:気になる子が、自分の子どもの同級生とか知っている子だったら、チャンスがあったときに、その子から直接話を聞くっていうのもいいと思う。例えば、いつも季節に合わない服を着ているとしても、それは本人のこだわりなのか、親がこれを着ろと言っているのか、服がないのか、理由はいろいろですよね。子どもって、わりと無防備に話してくれるので。そこから何か大きなことが出てきちゃったら、そこで学校の先生に言えばいいし。
通報までしなくても
地域の力で救われる子も必ずいる
山脇:気になる子どもの“お母さん”に声をかけてみることもできますよね。
犬山:その声のかけ方も、先生にぜひ教えていただきたくて。「あなた、虐待してるでしょ?」っていうのは絶対にダメじゃないですか。いい声のかけ方って、ありますか?
山脇:まぁ、前提として、そのお母さんが話をしたがる人かどうか、っていう見極めが必要だけれど。「いやいや、放っておいてください」みたいな感じになっちゃう人だったら、やっぱり調査の段階から専門家が入らなきゃいけない。